Comments
Description
Transcript
平成28年上半期における入管法違反事件について
平成28年上半期における入管法違反事件について 1 入管法違反事件 (1)概況〔別表1〕 平成28年上半期中に,全国の地方入国管理官署が出入国管理及び難民認定法(以 下「入管法」という。)違反により退去強制手続(出国命令手続を含む。以下同じ。) を執った外国人は,6,924人で,前年同時期と比較して1,161人の増加とな った。 違反事由別 入管法違反事件の推移 年 違反事由 平成26年 上 半 期 平成27年 上 半 期 平成28年 上 半 期 10,676 5,330 12,272 5,763 6,924 844 429 752 400 350 249 102 268 108 146 422 164 399 159 282 8,274 4,193 9,982 4,650 5,671 (うち出国命令) (2,587) (1,301) (3,571) (1,760) (2,240) 刑罰法令違反 392 198 397 199 254 そ の 他 495 244 474 247 221 総 不 不 資 不 法 入 法 上 格外活 法 残 数 国 陸 動 留 (2)摘発箇所 全国の地方入国管理官署が実施した摘発の箇所数は,1,223か所で,前年同時 期と比較して46か所の増加であった。 摘発箇所数の推移 年 摘発先別 総 稼 居 働 数 先 宅 その他(路上等) 平成26年 2,478 731 1,081 666 上 半 期 1,441 438 645 358 平成27年 2,291 424 1,214 653 上 半 期 平成28年 上 半 期 1,177 250 577 350 1,223 183 657 383 (3)入管法違反者の特徴〔別表1,2〕 ア 不法入国者 不法入国者は350人で,前年同時期と比較して50人の減少となった。そのう ち,航空機を利用した不法入国者は278人で,平成27年と比較して34人の減 少,船舶を利用した不法入国者は72人で,平成27年と比較して16人の減少と なった。 不法入国事件の推移 年 利用交通手段 総 数 航空機利用 船 舶 利 用 平成26年 844 640 204 上 半 期 429 320 109 平成27年 752 594 158 上 半 期 平成28年 上 半 期 400 312 88 350 278 72 イ 不法残留者 不法残留者は5,671人と前年を1,021人上回り,入管法違反者全体に占 める割合は,81.9パーセントであり,依然として高い割合を占めている。 このうち,2,240人は出国命令制度の対象となり,不法残留者全体の39. 5パーセントであった。 (注)出国命令制度とは,入管法違反者のうち,一定の要件を満たす不法残留者について,身柄を収容しない まま簡易な手続により出国させる制度である。 ウ 国籍・地域別 退去強制手続を執った外国人の国籍・地域は87か国・地域となり,国籍・地域 別では,中国(香港・その他を除く。以下同じ。)が2,220人と最も多く,入 管法違反者全体の32.1パーセントを占めた。 国籍・地域別では,中国に次いでベトナム,タイ,フィリピン,インドネシアの 順となっており,これら5か国で全体の78.7パーセントを占めている。 国籍・地域別 入管法違反事件の推移 年 国籍・地域別 総 数 中 中 国 国 香港・その他 ベ ト ナ ム タ イ フ ィ リ ピ ン インドネシア 韓 国 ブ ラ ジ ル ネ パ ー ル ス リ ラ ン カ モ ン ゴ ル そ (注1) (注2) の 他 平成26年 上 半 期 平成27年 上 半 期 平成28年 上 半 期 10,676 5,330 12,272 5,763 6,924 (6,306) (3,175) (7,700) (3,547) (4,510) 3,975 2,015 4,311 2,193 2,220 (2,448) (1,226) (2,734) (1,367) (1,490) 14 6 9 5 11 (7) (3) (6) (3) (8) 953 423 1,643 609 1,063 (621) (272) (1,223) (446) (768) 899 455 1,475 687 867 (454) (250) (798) (363) (471) 1,414 692 1,467 729 790 (519) (256) (576) (292) (343) 268 148 507 170 512 (214) (116) (422) (142) (424) 921 484 704 359 315 (370) (184) (277) (139) (152) 316 170 296 156 156 (234) (127) (224) (123) (113) 113 35 146 58 101 (74) (26) (122) (45) (79) 222 116 182 55 87 (204) (102) (171) (43) (81) 117 59 109 42 82 (79) (40) (68) (27) (49) 1,464 727 1,423 700 720 (1,082) (573) (1,079) (557) (532) ( )内は,男性で内数である。 国籍・地域別順位は,平成28年上半期のものである。 2 不法就労事件 (1)概況 退去強制手続を執った外国人のうち,不法就労事実が認められた者は4,711人 で,入管法違反者全体に占める割合は68.0パーセントと高い割合を占めている。 国籍・地域別 不法就労事件の推移 年 国籍・地域別 総 数 平成26年 上 半 期 平成27年 上 半 期 平成28年 上 半 期 6,702 3,421 7,973 3,750 4,711 (4,160) (2,175) (5,167) (2,387) (3,167) 中 国 2,819 1,487 3,266 1,663 1,702 中 (1,869) (997) (2,166) (1,090) (1,192) 国 香港・その他 - - 2 2 2 (-) (-) (-) (-) (1) ベ ト ナ ム 701 292 1,160 436 815 (454) (186) (873) (323) (590) タ イ 681 341 1,215 561 727 (384) (218) (699) (320) (408) フ ィ リ ピ ン 763 381 756 372 456 (308) (156) (341) (162) (238) インドネシア 231 130 396 138 405 (193) (106) (338) (122) (337) 韓 国 606 321 435 222 190 (237) (119) (167) (82) (88) モ ン ゴ ル 101 54 81 33 63 (72) (39) (51) (22) (41) ネ パ ー ル 75 18 68 31 61 (47) (14) (51) (22) (48) ペ ル ー 59 38 73 31 40 (48) (29) (58) (24) (29) ス リ ラ ン カ 119 80 57 28 34 (112) (76) (54) (26) (33) そ の 他 547 279 464 233 216 (436) (235) (369) (194) (162) (注1) (注2) ( )内は,男性で内数である。 国籍・地域別順位は,平成28年上半期のものである。 (2)不法就労者の特徴 ア 国籍・地域 不法就労者の国籍・地域は,近隣アジア諸国を中心に56か国・地域に上った。 国籍・地域別では,中国が1,702人で全体の36.1パーセントと最も多く, 以下,ベトナム,タイ,フィリピン,インドネシアの順となっており,これら5か 国で全体の87.1パーセントを占めた。 イ 性別〔別表3〕 不法就労者の男女別は,男性が3,167人で不法就労者全体の67.2パー セント,女性が1,544人で同32.8パーセントとなっており,その差は3 4.4ポイントとなっている。 ウ 就労期間〔別表4,5〕 就労期間別で見ると,6月以下の者が1,570人で,不法就労者全体に占める 割合が33.3パーセントと最も多くなっており,就労期間1年以下(6月以下を 含む。)の者は2,556人で,全体の54.3パーセントとなっている。 エ 稼働場所(都道府県)〔別表6〕 稼働場所(都道府県)別では,茨城県の1,037人を最多に,関東地区1都6 県(東京都,茨城県,千葉県,神奈川県,埼玉県,群馬県及び栃木県)で3,56 5人となり,同地区が不法就労者全体の75.7パーセントを占めている。 また,中部地区9県(愛知県,静岡県,岐阜県,長野県,富山県,山梨県,福井 県,新潟県及び石川県)が718人となり,不法就労者全体の15.2パーセント を占めている。 関東地区及び中部地区で不法就労者全体の90.9パーセントを占める一方,全 国42の都道府県で不法就労者の稼働が確認されている。 オ 就労内容〔別表7〕 就労内容別では,男性は「建設作業者」が928人で最も多く,以下,「農業従 事者」701人,「工員」549人の順となっている。女性は「農業従事者」が3 69人で最も多く,以下,「工員」244人,スナック等で働く「ホステス等接客 業」243人の順となっている。 3 被送還者 (1)概況 平成28年上半期中に,全国の地方入国管理官署が退去強制した外国人は,3,4 76人となった。 (2)国籍・地域別 退去強制した外国人の国籍・地域は60か国・地域となり,国籍・地域別では,中 国が最も多く,1,101人で,被送還者全体の31.7パーセントを占めた。 国籍・地域別では,中国に次いでベトナム,タイ,フィリピン,インドネシアの順 となっており,これら5か国で全体の79.1パーセントを占めている。 国籍・地域別 被送還者の推移 年 平成26年 平成27年 国 籍 ・ 地 域 別 年間(※注2) 年間(※注2) 5,542 6,174 総 数 (3,665) (4,260) 2,282 2,296 中 国 (1,559) (1,618) 627 1,064 ベ ト ナ ム (448) (843) 483 707 タ イ (278) (423) 616 593 フ ィ リ ピ ン (275) (271) 平成28年 上 半 期 3,476 (2,496) 1,101 (809) 650 (484) 424 (256) 323 (191) インドネシア 韓 国 ネ パ ー ル ス リ ラ ン カ ペ ル ー モ ン ゴ ル そ (注1) (注2) (注3) の 他 159 (137) 456 (206) 48 (37) 123 (114) 70 (50) 51 (41) 627 (520) 287 (243) 328 (145) 82 (57) 69 (62) 53 (42) 49 (30) 646 (526) ( )内は,男性で内数である。 平成26・27年の半期の数値は,未集計である。 国籍・地域別順位は,平成28年上半期のものである。 251 (209) 150 (85) 54 (45) 46 (42) 38 (30) 38 (28) 401 (317) 別 1 入管法違反事件の推移 2 不法入国者数の推移 3 不法就労者数の推移 4 不法就労者の就労期間別構成 5 不法就労者の就労期間別推移 6 不法就労者の稼働場所別構成 7 不法就労者の就労内容別構成 表 目 次 別表1 入管法違反事件の推移 単位(人) 年 平成26年 平成27年 上半期 違反事由 10,676 844 249 422 8,274 (2,587) 392 総 数 不法入国 不法上陸 資格外活動 不法残留 (うち出国命令) 刑罰法令違反 その他 不法就労者 不法入国 平成28年 上半期 5,330 429 102 164 4,193 (1,301) 198 12,272 752 268 399 9,982 (3,571) 397 上半期 5,763 400 108 159 4,650 (1,760) 199 6,924 350 146 282 5,671 (2,240) 254 495 244 474 247 221 6,702 3,421 7,973 3,750 4,711 不法上陸 資格外活動 不法残留 刑罰法令違反 その他 不法就労者 15,000 12,272 10,676 10,000 7,973 (人) 6,924 6,702 5,330 5,763 4,711 5,000 3,421 3,750 0 平成26年 平成27年 平成26年 上半期 平成27年 上半期 平成28年 上半期 別表2 不法入国者数の推移 航空機利用 900 船舶利用 800 24.2% 700 21.0% 600 500 (人) 400 25.4% 75.8% 22.0% 79.0% 20.6% 300 200 74.6% 78.0% 平成26年 上半期 平成27年 上半期 79.4% 100 0 平成26年 平成27年 平成26年 総 上半期 平成27年 上半期 平成28年 上半期 平成28年 上半期 単位(人) 数 844 429 752 400 350 航空機利用 640 320 594 312 278 船舶利用 204 109 158 88 72 別表3 不法就労者数の推移 9,000 男性 女性 (人) 8,000 7,000 35.2% 6,000 37.9% 5,000 4,000 32.8% 36.3% 3,000 62.1% 36.4% 64.8% 2,000 67.2% 63.6% 63.7% 平成26年 上半期 平成27年 上半期 1,000 0 平成26年 平成27年 平成28年 上半期 単位(人) 平成26年 総数 男性 女性 6,702 4,160 2,542 上半期 3,421 2,175 1,246 平成27年 7,973 5,167 2,806 上半期 3,750 2,387 1,363 平成28年 上半期 4,711 3,167 1,544 別表4 不法就労者の就労期間別構成 単位(人) 6月以下 1年以下 2年以下 3年以下 5年以下 5年超え 総数 男性 女性 1,570 1,022 548 986 657 329 総数 784 536 248 348 243 105 247 169 78 不詳 700 491 209 合計 76 49 27 4,711 3,167 1,544 1.6% 14.9% 6月以下 1年以下 33.3% 5.2% 2年以下 3年以下 7.4% 5年以下 5年超え 16.6% 不詳 20.9% 男性 女性 1.7% 1.5% 13.5% 15.5% 32.3% 5.1% 5.3% 35.5% 6.8% 7.7% 16.1% 16.9% 20.7% 21.3% 別表5 不法就労者の就労期間別推移 6月以下 0% 20% 平成26年 上半期 27.7% 平成27年 上半期 29.1% 平成28年 上半期 33.3% 1年以下 2年以下 3年以下 40% 16.9% 60% 12.6% 20.7% 20.9% 5年以下 5年超え 80% 6.2% 8.6% 16.3% 16.6% 不詳 100% 27.4% 6.7% 7.3% 7.4% 5.2% 18.8% 14.9% 0.5% 1.1% 1.6% (注) 各項目における構成比(%)は,表示桁未満を四捨五入しているため,合計が必ずしも100.0%とならない場合があります。 別表6 不法就労者の稼働場所別構成 総 数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 12 14 15 15 15 18 19 20 21 22 23 24 25 26 26 28 29 29 29 32 32 32 32 36 36 36 36 36 36 36 43 43 43 43 43 48 茨城 千葉 東京 愛知 埼玉 神奈川 群馬 栃木 大阪 長野 兵庫 三重 岐阜 静岡 福島 山梨 福岡 新潟 京都 宮城 香川 滋賀 広島 北海道 青森 富山 秋田 沖縄 石川 福井 愛媛 岡山 山口 和歌山 長崎 熊本 山形 岩手 奈良 高知 宮崎 島根 鳥取 徳島 大分 鹿児島 佐賀 不定 合計 4,711 男性 3,167 1,037 764 660 491 413 313 249 129 111 82 55 45 45 36 27 27 27 26 15 14 11 10 9 7 6 5 5 4 3 3 3 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 64 707 513 476 296 289 240 172 68 68 38 37 35 26 17 17 13 16 19 9 12 7 7 5 5 5 1 2 4 1 2 3 1 2 2 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0 0 0 0 47 女性 単位(人) 1,544 330 251 184 195 124 73 77 61 43 44 18 10 19 19 10 14 11 7 6 2 4 3 4 2 1 4 3 0 2 1 0 1 0 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 17 別表7 不法就労者の就労内容別構成 職種 全 体 工員 その他の 労務作業者 ホステス等 接客業 その他の サービス業従事者 793 566 253 237 農業従事者 建設作業者 1,070 934 農業従事者 建設作業者 工員 その他の 労務作業者 ホステス等 接客業 18.2% 全 体 単位(人) その他 総数 858 4,711 その他の サービス業従事者 その他 22.7% 5.0% 5.4% 19.8% 12.0% 16.8% 職種 男 性 工員 549 建設作業者 農業従事者 928 701 建設作業者 農業従事者 その他のサービス 業従事者 432 65 調理人 64 その他のサービス業従事者 その他の 労務作業者 単位(人) その他 総数 428 3,167 調理人 その他 13.5% 2.0% 男 性 工員 その他の 労務作業者 29.3% 2.1% 13.6% 17.3% 22.1% 職種 女 性 農業従事者 369 農業従事者 工員 244 工員 ホステス等 接客業 その他の サービス業従事者 その他の 労務作業者 ウェイトレス・バー テン等 243 172 134 79 ホステス等 接客業 その他の サービス業従事者 その他の 労務作業者 ウェイトレス・バーテン等 その他 23.9% 19.6% 女 性 単位(人) その他 総数 303 1,544 5.1% 8.7% 15.8% 11.1% 15.7% (注) 各項目における構成比(%)は,表示桁未満を四捨五入しているため,合計が必ずしも100.0%とならない場合があります。