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少年院法及び少年鑑別所法の施行に伴う警察における対応

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少年院法及び少年鑑別所法の施行に伴う警察における対応
原議保存期間
有 効 期 間
各 都 道 府
(参考送付先)
庁
内
各
各
附
属
各
地
方
県 警 察 の 長
局
機
機
部
関
関
課
の
の
長
長
長
殿
5年(平成33年3月31日まで)
第一種(平成33年3月31日まで)
警 察 庁 丙 少 発 第 2 4 号
平 成 2 7 年 5 月 2 7 日
警 察 庁 生 活 安 全 局 長
少年院法及び少年鑑別所法の施行に伴う警察における対応について(通達)
平成26年6月11日、旧来の少年院法(昭和23年法律第169号)が全面改正され、「少年
院法(平成26年法律第58号)」(「院法」という。以下同じ。)及び「少年鑑別所法(平
成26年法律第59号)」(「鑑法」という。以下同じ。)が公布された。これらの法は、平
成27年6月1日から施行されることとされているところ、法の改正趣旨、目的、改正の要
点及び留意事項は下記のとおりであるので、対応に遺漏のないようにされたい。
また、今般の改正に伴い、少年院における矯正教育課程について、別添1のとおり法務
大臣訓令が定められ、これにつき別添2及び別添3のとおり法務省矯正局長から矯正管区
長等に対し通達が発出されているので参考とされたい。
本件については、法務省矯正局、同省刑事局及び最高裁判所事務総局家庭局と協議済み
である。
なお、「少年院の運営に関する法務省通達について(平成3年7月3日警察庁丙少発第1
6号)」は、廃止する。
記
1 改正の趣旨及び目的
少年院及び少年鑑別所(「少年施設」という。以下同じ。)の適正な管理運営を図る
とともに、少年施設に収容される在院者又は在所者の人権を尊重しつつ、その特性や状
況に応じた適切な矯正教育又は観護処遇等を行うため、少年施設の管理運営に関する事
項を定めるとともに、少年院における矯正教育の基本となる事項、少年鑑別所における
鑑別の実施方法、在院者又は在所者の権利義務の範囲、その生活及び行動を制限する場
合の要件及び手続等を定めるほか、在院者又は在所者による不服申立ての制度を整備す
るものである。
2 改正の要点及び留意事項
(1) 少年院の種類の見直し(院法第4条関係)
少年院に収容される在院者の特性に応じた適切な矯正教育を実現するため、現行の
少年院の種類が第1種から第4種までの4種類に見直されるとともに、処遇について
も、教育内容に着目した矯正教育課程(別添1法務省訓令「矯正教育課程に関する訓
令」別表1)へと見直しがなされた。
少年審判規則第8条第3項に定める司法警察員又は警察官が少年事件を家庭裁判所
に送致する際に添付する処遇に関する意見(「処遇意見」という。以下同じ。)につ
いては、これまで送致する少年院の種類(初等少年院、中等少年院、特別少年院又は
医療少年院)及び処遇課程(長期処遇、一般短期処遇又は特修短期処遇)について記
載していたところであるが、新たな制度における処遇意見では、送致する少年院の種
類(第1種、第2種又は第3種。第4種は除く。)について記載すること。
また、検察官に少年事件を送致する際の送致書に付す情状等に関する意見について
も、これに準じた取扱いとされたい。
表
少年院の種類と収容者の類型
少年院の種類
収容者の類型
第1種
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がな
いおおむね12歳以上23歳未満のもの(第2種に該当する者を除
く。)
第2種
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がな
い犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満のもの
第3種
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があ
るおおむね12歳以上26歳未満のもの
(2) 関係機関等への協力の求め(院法第18条,鑑法第14条関係)
少年施設の長が、在院者又は在所者の適切な処遇等のために必要がある場合に、警
察を含む関係機関等に協力を求めることができることが規定された。
本規定は改正前の少年院法第13条第2項及び第17条第2項にも同様の規定が置かれ
ていたものであるが、警察に対し少年施設の長からの協力の求めに応じる義務を課す
ものではないことに留意すること。
(3) 公務所等への照会(院法第19条,鑑法第15条関係)
少年施設の長が、在院者又は在所者の適切な処遇等のために必要がある場合に、警
察を含む公務所等に必要な事項の報告を求めることができる規定が新設された。
(4) 収容のための連戻し(院法第89条及び第90条,鑑法第78条及び第79条関係)
少年施設から在院者又は在所者が逃走した場合に、少年施設の長が警察官に連戻し
の援助を求めることができる従来の規定に加え、少年施設の長が災害時に少年施設か
ら少年を解放できることとし、その後避難を必要とする状況がなくなった後に少年が
出頭しなかった場合に、少年施設の長が警察官に連戻しの援助を求めることができる
規定が新設された。これらの規定に係る運用については、別途通知する。
(別添1)矯正教育課程に関する訓令(平成27年5月14日法務省矯少訓第2号)
(別添2)矯正教育課程に関する訓令の運用について(依命通達)(平成27年5月14日法
務省矯少第92号)
(別添3)保護処分在院者の個人別矯正教育計画の策定等について(通達)(平成27年5
月14日法務省矯少第93号)
法務省矯少訓第2号
矯正管区長
少 年 院 長
矯正教育課程に関する訓令を次のように定める。
平成27年5月14日
法務大臣
上
(公
川
印
陽
省
子
略)
矯正教育課程に関する訓令
(趣旨)
第1条 この訓令は,少年院法(平成26年法律第58号。以下「法」という。
)第30条に規定する矯正教育課程に関し,必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令において使用する用語は,法において使用する用語の例による。
(矯正教育課程)
第3条 矯正教育課程は少年院の種類ごとに別表1のとおりとし,各少年院にお
いて実施する矯正教育課程は別表2のとおりとする。
(在院者の矯正教育課程の指定等)
第4条 少年院の長は,在院者が履修すべき矯正教育課程を指定するに当たって
は,あらかじめ処遇審査会(少年院の処遇審査会に関する訓令(平成27年法
務省矯少訓第3号大臣訓令)第3条第1項の処遇審査会をいう。)の意見を聴
くものとする。これを変更しようとする場合も,同様とする。
2 少年院の長は,前項後段の場合には,矯正局長が別に定める場合を除き,あ
らかじめ,その者に法第36条第1項の規定による鑑別を受けさせなければな
らない。ただし,少年鑑別所法(平成26年法律第59号)第18条に規定す
る鑑別の結果に,あらかじめ当該変更に係る意見が盛り込まれている場合は,
この限りでない。
3 少年院の長は,法第33条第2項の規定により在院者に指定した矯正教育課
程を変更したときは,その旨をその少年院の所在地を管轄する矯正管区の長に
報告するものとする。
(告知等)
第5条 少年院の長は,法第33条第1項又は第2項の規定により在院者が履修
すべき矯正教育課程を指定し,又はこれを変更したときは,その在院者に対し,
その旨を告知するものとする。
附 則
この訓令は,法の施行の日(平成27年6月1日)から施行する。
別表1
少年院
の種類
矯正教育課程
符号
在院者の類型
矯正教育の重点的な内容
原則として14歳以上で義務教育を終了しない 中学校の学習指導要領に準
短期義務教育課程 SE 者のうち,その者の持つ問題性が単純又は比 拠した,短期間の集中した教
較的軽く,早期改善の可能性が大きいもの
科指導
義務教育を終了しない者のうち,12歳に達す
小学校の学習指導要領に準
義務教育課程Ⅰ E1 る日以後の最初の3月31日までの間にあるも
拠した教科指導
の
義務教育課程Ⅱ E2
標準的
な期間
6月以内
の期間
2年以内
の期間
義務教育を終了しない者のうち,12歳に達す 中学校の学習指導要領に準
る日以後の最初の3月31日が終了したもの 拠した教科指導
義務教育を終了した者のうち,その者の持つ
出院後の生活設計を明確化
短期社会適応課程 SA 問題性が単純又は比較的軽く,早期改善の可 するための,短期間の集中し
能性が大きいもの
義務教育を終了した者のうち,就労上,修学
上,生活環境の調整上等,社会適応上の問題
社会適応課程Ⅰ A1
がある者であって,他の課程の類型には該当
しないもの
第1種
義務教育を終了した者のうち,反社会的な価
値観・行動傾向,自己統制力の低さ,認知の
社会適応課程Ⅱ A2
偏り等,資質上特に問題となる事情を改善す
る必要があるもの
た各種の指導
6月以内
の期間
社会適応を円滑に進めるため
の各種の指導
自己統制力を高め,健全な価
値観を養い,堅実に生活する
習慣を身に付けるための各種
の指導
日本の文化,生活習慣等の理
外国人等で,日本人と異なる処遇上の配慮を 解を深めるとともに,健全な社
社会適応課程Ⅲ A3
要する者
会人として必要な意識,態度
を養うための各種の指導
支援教育課程Ⅰ N1
社会生活に必要となる基本的
知的障害又はその疑いのある者及びこれに準
な生活習慣・生活技術を身に
じた者で処遇上の配慮を要するもの
付けるための各種の指導
障害等その特性に応じた,社
情緒障害若しくは発達障害又はこれらの疑い
会生活に適応する生活態度・
支援教育課程Ⅱ N2 のある者及びこれに準じた者で処遇上の配慮
対人関係を身に付けるための
を要するもの
各種の指導
義務教育を終了した者のうち,知的能力の制 対人関係技能を養い,適応的
2年以内
支援教育課程Ⅲ N3 約,対人関係の持ち方の稚拙さ,非社会的行 に生活する習慣を身に付ける
の期間
動傾向等に応じた配慮を要するもの
ための各種の指導
社会適応課程Ⅳ A4
第2種
特に再非行防止に焦点を当てた指導及び心
身の訓練を必要とする者
健全な価値観を養い,堅実に
生活する習慣を身に付けるた
めの各種の指導
日本の文化,生活習慣等の理
外国人等で,日本人と異なる処遇上の配慮を 解を深めるとともに,健全な社
社会適応課程Ⅴ A5
要する者
会人として必要な意識,態度
を養うための各種の指導
支援教育課程Ⅳ N4
社会生活に必要となる基本的
知的障害又はその疑いのある者及びこれに準
な生活習慣・生活技術を身に
じた者で処遇上の配慮を要するもの
付けるための各種の指導
障害等その特性に応じた,社
情緒障害若しくは発達障害又はこれらの疑い
会生活に適応する生活態度・
支援教育課程Ⅴ N5 のある者及びこれに準じた者で処遇上の配慮
対人関係を身に付けるための
を要するもの
各種の指導
第3種
医療措置課程
第4種 受刑在院者課程
D
身体疾患,身体障害,精神疾患又は精神障害 心身の疾患,障害の状況に応
を有する者
じた各種の指導
J
受刑在院者
個別的事情を特に考慮した各
種の指導
―
別表2
施設名
実施すべき矯正教育課程
A2 A3 N1 N2 N3 A4
○
○ ○
○
○
○
○ ○ ○ ○
SE E1 E2 SA A1
A5
1 帯広少年院
2 北海少年院
○
○
3 紫明女子学院
○
○ ○ ○
4 月形学園
○
○
5 盛岡少年院
○
○ ○
○
6 東北少年院
○
7 青葉女子学園
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
8 置賜学院
○
○
9 茨城農芸学院
○
○
10 水府学院
○
11 喜連川少年院
○
12 赤城少年院
○ ○
○
○
13 榛名女子学園
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
14 市原学園
○
15 八街少年院
○
16 多摩少年院
○
17 関東医療少年院
18 愛光女子学園
○
○ ○ ○
○
19 久里浜少年院
○ ○
○ ○
20 小田原少年院
○
○
21 神奈川医療少年院
○ ○
22 新潟少年学院
○
23 有明高原寮
○
○
24 駿府学園
○
○
25 湖南学院
○
26 瀬戸少年院
○
○
○
27 愛知少年院
○
○
28 豊ケ岡学園
○
○
29 宮川医療少年院
○ ○
30 京都医療少年院
31 浪速少年院
○
32 交野女子学院
○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
33 和泉学園
○ ○
○
○
34 泉南学寮
○
○
35 加古川学園
○
○
36 播磨学園
○
37 奈良少年院
○
○
38 美保学園
○
○
39 岡山少年院
○
○
40 広島少年院
○
○
○
41 貴船原少女苑
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
42 丸亀少女の家
○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
43 四国少年院
○
○
○
44 松山学園
○
○
45 筑紫少女苑
○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
46 福岡少年院
○
○
47 佐世保学園
○
○
48 人吉農芸学院
○
○
49 中津少年学院
○ ○
50 大分少年院
○
○
51 沖縄少年院
○
○ ○ ○ ○
○
52 沖縄女子学園
○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
(注) 「実施すべき矯正教育課程」欄の○は,当該矯正教育課程を実施すべきことを示す。
なお,符号は別表1の符号による。
N4
○
N5
○
○
○
○
○
○
○
D
J
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
法務省矯少第92号
平成27年5月14日
矯正管区長
少 年 院 長
刑事施設の長
少年鑑別所長
矯正研修所長
殿
殿
殿(鹿児島,沖縄)(参考送付)
殿(参考送付)
殿(参考送付)
法務省矯正局長 小 川
(公 印
新 二
省 略)
矯正教育課程に関する訓令の運用について(依命通達)
標記について,下記のとおり定め,矯正教育課程に関する訓令(平成27年
法務省矯少訓第2号大臣訓令。以下「訓令」という。)の施行の日(平成27
年6月1日)から実施することとしたので,遺漏のないよう配意願います。
記
1 矯正教育の重点的な内容等について(訓令第3条及び別表1関係)
矯正教育課程ごとの矯正教育の目標,当該目標を達成するために重点的に
実施すべき指導内容の細目及びそれらの指導を実施する上で基準となる期間
については,別表のとおりとすること。
2 第1種少年院における在院者の矯正教育課程の指定
⑴ 短期義務教育課程又は短期社会適応課程
ア 一般的な取扱い
家庭裁判所において,送致すべき少年院として第1種が指定され,か
つ,短期義務教育課程又は短期社会適応課程を履修させるべき特性を考
慮して,これらの矯正教育課程の標準的な期間(6月以内)を矯正教育
の期間として設定することが適当であるとする旨の勧告が付された場合
は,短期義務教育課程又は短期社会適応課程を指定すること。
なお,少年院送致の保護処分歴がある場合には,短期義務教育課程又
は短期社会適応課程の在院者の類型である「その者の持つ問題性が単純
又は比較的軽く,早期改善の可能性が大きいもの」には該当しないこと。
イ 14歳未満の在院者について
14歳未満の在院者については,義務教育を終了しない者ではあるも
のの,原則として短期義務教育課程は指定しないが,次のいずれにも該
当する場合において,相当と認めるときは,同課程を指定することがで
きること。
(ア) 中学校2年生に該当する年齢であること。
(イ) 心身の発達の程度を考慮して14歳以上の在院者との同一の集団で
の矯正教育の実施に著しい支障が認められないこと。
⑵ 短期義務教育課程又は短期社会適応課程以外の矯正教育課程
ア 優先的に指定すべき矯正教育課程について
社会適応課程Ⅲ,支援教育課程Ⅰ又は支援教育課程Ⅱの在院者の類型
に該当する者については,他の矯正教育課程に優先して,これらの矯正
教育課程を指定すること。
なお,これらの矯正教育課程のうち複数の類型に該当する在院者につ
いては,社会適応課程Ⅲを優先的に指定することとし,同課程を指定し
なかった者については,医師による診断の結果等を踏まえつつ,支援教
育課程Ⅰ又は支援教育課程Ⅱのそれぞれの矯正教育の目標及び重点的に
実施すべき指導内容の妥当性,必要性等を総合的に考慮して,いずれか
を指定すること。
イ 矯正教育課程の指定に当たり留意すべき事項について
(ア) 社会適応課程Ⅱ
社会適応課程Ⅱの在院者の類型中,「反社会的な価値観・行動傾向
」については,反社会的集団への所属のみをもって判断しないこと。
社会適応課程Ⅱの指定に当たっては,生活態度,価値観等の偏り,
自己統制力の低さ,認知の偏り等の資質上の問題により,在院者一般
と比較して,攻撃的,反抗的な行動傾向が顕著に認められる者につい
て,これら資質上特に問題となる事情を改善する必要があるか否かを
総合的に考慮すること。
なお,知的障害,情緒障害若しくは発達障害又はこれらの疑いがあ
る旨の診断を受けている者であっても,支援教育課程Ⅰ又は支援教育
課程Ⅱにおける処遇上の配慮の必要性が相対的に低く,攻撃的,反抗
的な行動傾向が顕著に認められるなど,集団への適応に特段の支障を
生じるおそれがある者は,社会適応課程Ⅱを指定することができるこ
と。
(イ) 社会適応課程Ⅲ
社会適応課程Ⅲの指定に当たっては,外国籍であるか否かにかかわ
らず,次のいずれかに該当し,日本人と異なる処遇を必要とし,かつ
特別の配慮を要するか否かを,総合的に考慮すること。
a 日本語の理解力又は表現力が特に劣る者(片言の日本語による意
思表示にも支障がある者,平易な日本語による指導の理解にも困難
を来す者等)
b 日本人と著しく風俗習慣を異にする者
c 大使館又は領事館等関係機関との緊密な連絡調整を必要とする者
(ウ) 支援教育課程Ⅰ
支援教育課程Ⅰの指定に当たっては,知的障害又はその疑いがある
旨の診断を受けている者及びその診断がない場合であっても,知的機
能の発揮に支障があり(IQおおむね69以下),行動,情緒及び社
会的な困難が知的障害がある者と同程度に認められる者について,処
遇上の配慮(集団への適応を含む。)を要するか否かを総合的に考慮
すること。
(エ) 支援教育課程Ⅱ
支援教育課程Ⅱの指定に当たっては,情緒障害若しくは発達障害又
はこれらの疑いがある旨の診断を受けている者及びこれらの診断がな
い場合であっても,その障害や対人スキルの未熟さ等により,行動,
情緒及び社会的な困難が顕著に認められる者について,処遇上の配慮
(集団への適応を含む。)を要するか否かを総合的に考慮すること。
(オ) 支援教育課程Ⅲ
支援教育課程Ⅲの指定に当たっては,知的能力に制約のある者(境
界知能(IQおおむね70台)である者を含む。)及び情緒的未成熟
等による非社会的な行動傾向の問題等がある者(以下「知的能力に制
約のある者等」という。)について,支援教育課程Ⅰ又は支援教育課
程Ⅱにおける処遇上の配慮の必要性が相対的に低く,集団への適応に
特段の支障が認められないものであることなどを総合的に考慮するこ
と。
なお,知的能力に制約のある者等についても,社会適応課程Ⅰにお
ける職業能力開発指導又は高等学校教育指導の必要性が相対的に高い
など特別の事情が認められる場合には,同課程を指定することができ
ること。
3 第2種少年院における在院者の矯正教育課程の指定
⑴ 優先的に指定すべき矯正教育課程について
社会適応課程Ⅴ,支援教育課程Ⅳ又は支援教育課程Ⅴの在院者の類型に
該当する者については,社会適応課程Ⅳに優先して,これらの矯正教育課
程を指定すること。
なお,これらの矯正教育課程のうち複数の類型に該当する者については,
社会適応課程Ⅴを優先的に指定することとし,同課程を指定しなかった者
については,医師による診断の結果等を踏まえつつ,支援教育課程Ⅳ又は
支援教育課程Ⅴのそれぞれの矯正教育の目標及び重点的に実施すべき指導
内容の妥当性,必要性等を総合的に考慮して,いずれかを指定すること。
⑵ 矯正教育課程の指定に当たり留意すべき事項について
ア 社会適応課程Ⅴ
上記2の(2)のイの(イ)の社会適応課程Ⅲに同じ。
イ 支援教育課程Ⅳ
上記2の(2)のイの(ウ)の支援教育課程Ⅰに同じ。
ウ 支援教育課程Ⅴ
上記2の(2)のイの(エ)の支援教育課程Ⅱに同じ。
4 在院者に指定した矯正教育課程の変更について(訓令第4条関係)
⑴ 訓令第4条第1項後段の場合において,次のアに該当するときは,別紙
様式1の書面により,イ及びウに該当するときは,別紙様式2の書面によ
り,あらかじめ,在院者を送致した家庭裁判所の意見を聴くものとするこ
と。
ア 短期義務教育課程又は短期社会適応課程を指定した在院者について,
これら以外の矯正教育課程に変更しようとするとき
イ 第1種少年院の矯正教育課程を指定した在院者について,第2種少年
院の矯正教育課程に変更しようとするとき
ウ 第2種少年院の矯正教育課程を指定した在院者について,第1種少年
院の矯正教育課程に変更しようとするとき
⑵ 訓令第4条第2項に規定する矯正局長が定める場合は,次に掲げる場合
とすること。
ア 義務教育課程Ⅰを指定した在院者について,小学校卒業後における義
務教育課程Ⅱへの変更
イ 義務教育課程Ⅱを指定した在院者について,中学校卒業後における社
会適応課程Ⅰへの変更
ウ 短期義務教育課程を指定した在院者について,中学校卒業後における
短期社会適応課程への変更
エ 社会適応課程Ⅰ以外の第1種少年院の矯正教育課程を指定した在院者
について,土木・建築科(建設機械運転訓練コース)又は重点指導施設
における特定生活指導の受講を目的とした社会適応課程Ⅰへの変更
⑶
上記(2)に掲げる場合において,法第33条第2項の規定による少
年鑑別所の長からの意見聴取は,別紙様式3により行うこと。
別表
重点的に実施すべき指導内容の細目
生活指導
少年院
の種類
矯正教育課程
矯正教育の目標
符号
訓基 導問
練本 題
的 行
生 動
活 指
治
療
的
指
導
職業指導
理被 整保
解害 指護
指者 導関
導心 係
情 調
教科指導
進 計職 職自 発職 導義 導補 育高
路 指業 業立 指業 務 習 指等
指 導生 指援 導能 教 教 導学
活 導助 力 育 育 校
導
設 的 開 指 指 教
短期義務教育課程 SE 中学校の教育課程の履修により,学力の向上を図る。
○
義務教育課程Ⅰ
E1 小学校の教育課程の履修により,学力の向上を図る。
○
○
○
義務教育課程Ⅱ
E2 中学校の教育課程の履修により,学力の向上を図る。
○
○
○
特別活動指導
自
主
的
活
動
情
操
的
活
動
20週
○
短期社会適応課程 SA 社会生活に適応するための能力の向上を図る。
○
○
社会適応課程Ⅰ
A1 社会生活に適応するための能力の向上を図る。
○
○
社会適応課程Ⅱ
A2 る。
社会適応課程Ⅲ
A3 健全な社会人として必要な意識,態度を養う。
○
支援教育課程Ⅰ
N1 社会生活に必要となる基本的な生活習慣・生活技術を身に付ける。
○
○
支援教育課程Ⅱ
N2 を身に付ける。
○
○
支援教育課程Ⅲ
N3 対人関係技能を養い,適応的に生活する習慣を身に付ける。
○
社会適応課程Ⅳ
A4 付ける。
社会適応課程Ⅴ
A5 犯罪的傾向の改善を図り,健全な社会人として必要な意識,態度を養う。
支援教育課程Ⅳ
N4 術を身に付ける。
支援教育課程Ⅴ
N5 生活態度・対人関係を築く力を身に付ける。
基
準
期
間
○
11月
11月
20週
○
○
11月
○
第1種
自己統制力を高め,健全な価値観を養い,堅実に生活する習慣を身に付け
障害等その特性に応じた,社会生活に適応する生活態度・対人関係を築く力
○
犯罪的傾向の改善を図り,健全な価値観を養い,堅実に生活する習慣を身に
○
○
11月
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
11月
○
○
11月
○
○
○
○
11月
○
11月
12月
○
12月
○
第2種
犯罪的傾向の改善を図り,社会生活に必要となる基本的な生活習慣・生活技
犯罪的傾向の改善を図り,障害等その特性に応じた,社会生活に適応する
○
○
○
○
第3種
医療措置課程
D
社会生活に適応するための能力の向上を図る。
○
第4種
受刑在院者課程
J
反社会的行動傾向の改善を図る。
○
○:重点的に実施すべきもの
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
12月
○
○
12月
12月
-
別紙様式1
在院者に指定した矯正教育課程の変更に関する意見について
○○○少年院在院
在院者氏名 ○○○○
生年月日 平成○○年○○月○○日
上記の者は,平成○○年○○月○○日,○○家庭裁判所(○○支部)におい
て,第1種少年院送致の決定を受け,平成○○年○○月○○日に当院に入院し
ましたが,別添の理由により上記在院者の矯正教育課程を変更することを検討
しております。
ついては,当該課程からの変更について意見を伺います。なお,不相当とす
る場合は,なるべく具体的な意見を添えるよう願います。
平成○○年○○月○○日
○○家庭裁判所(○○支部)
裁判官 ○○○○ 殿
○○○少年院長
意見
○○○○
印
相当,不相当と思料します。
不相当の理由は別紙のとおりです。
平成○○年○○月○○日
○○○少年院長
○○○○
殿
○○家庭裁判所(○○支部)
裁判官 ○○○○ 印
(注)家庭裁判所に送付するときは,以下の書類を添付すること。
①成績経過記録表,少年院法第36条第1項の規定による鑑別に係る結果等
関係書類の写し各1部
②少年調査記録
③本求意見書の写し1部
別紙様式2
在院者が送致された少年院の種類の変更に関する意見について
○○○少年院在院
在院者氏名 ○○○○
生年月日 平成○○年○○月○○日
上記の者は,平成○○年○○月○○日,○○家庭裁判所(○○支部)におい
て,
(第1種,第2種)少年院送致の決定を受け,平成○○年○○月○○日に当
院に入院しましたが,別添の理由により上記在院者の少年院の種類を(第1種,
第2種)に変更することを検討しております。
ついては,当該変更について意見を伺います。なお,不相当とする場合は,
なるべく具体的な意見を添えるよう願います。
平成○○年○○月○○日
○○家庭裁判所(○○支部)
裁判官 ○○○○ 殿
○○○少年院長
意見
○○○○
印
相当,不相当と思料します。
不相当の理由は別紙のとおりです。
平成○○年○○月○○日
○○○少年院長
○○○○
殿
○○家庭裁判所(○○支部)
裁判官 ○○○○ 印
(注)家庭裁判所に送付するときは,以下の書類を添付すること。
①成績経過記録表,少年院法第36条第1項の規定による鑑別に係る結果等
関係書類の写し各1部
②少年調査記録
③本求意見書の写し1部
別紙様式3-1
○○○○第○○○○号
平成○○年○月○○日
○○少年鑑別所長
殿
○○少年院長
在院者に指定すべき矯正教育課程に関する意見について
○○○少年院在院
在院者氏名 ○○○○
生年月日 平成○○年○○月○○日
上記在院者は,平成○○年○○月○○日,○○家庭裁判所(○○支部)にお
いて,
(第1種,第2種,第3種)少年院送致の決定を受け,平成○○年○○月
○○日に当院に入院し,○○○○課程を履修していますが,下記の理由により
上記在院者を○○○○課程に変更することが相当となります。
ついては,当該課程への指定変更について意見を伺います。なお,不相当と
する場合は,その理由を回答願います。
記
別紙様式3-2
○○○○第○○○○号
平成○○年○月○○日
○○少年院長
殿
○○少年鑑別所長
在院者に指定すべき矯正教育課程について(回答)
平成○○年○月○○日付け○○○第○○○○号をもって意見を求められた標
記について,下記のとおり回答します。
記
意見
相当,不相当と思料します。
不相当の理由は別紙のとおりです。
法務省矯少第93号
平成27年5月14日
矯正管区長
少 年 院 長
刑事施設の長
少年鑑別所長
矯正研修所長
殿
殿
殿(鹿児島,沖縄)(参考送付)
殿(参考送付)
殿(参考送付)
法務省矯正局長
小 川 新 二
(公印省略)
保護処分在院者の個人別矯正教育計画の策定等について(通達)
保護処分在院者(以下「在院者」という。
)に係る少年院法(平成26年法律
第58号。以下「法」という。)第34条第1項に規定する個人別矯正教育計画
(以下単に「個人別矯正教育計画」という。)の策定等について,下記のとおり
定め,法の施行の日(平成27年6月1日)から実施することとしたので,遺
漏のないよう配意願います。
記
1 個人別矯正教育計画の策定
⑴ 基本的事項
ア 少年院の長は,処遇審査会(少年院の処遇審査会に関する訓令(平成2
7年法務省矯少訓第3号大臣訓令)第3条第1項の処遇審査会をいう。以
下同じ。)の意見を聴き,個人別矯正教育計画を策定する。
イ 矯正教育の目標については,犯罪又は非行と密接に関連する問題性,伸
長すべき長所,教育上の必要性,保護環境上の問題性等を踏まえつつ,最
終的に達成すべき目標(以下「個人別矯正教育目標」という。)と処遇の
段階又は処遇の段階を細分した期間ごとの目標(以下「段階別教育目標」
という。)を定めるものとする。
⑵ 策定の時期
個人別矯正教育計画は,短期義務教育課程又は短期社会適応課程が指定
された在院者については入院後おおむね10日以内,その他の在院者につ
いては入院後おおむね20日以内に策定するものとする。ただし,記の6
の(3)の認可を受けた在院者については,入院後おおむね60日以内に
策定するものとする。
なお,個人別矯正教育計画を策定するまでの間は,その在院者の処遇の
段階に応じた段階別教育目標を暫定的に定めるものとする。
⑶
策定の方法
少年院の長は,以下の資料等を参考としつつ,在院者との面接その他の
適当な方法による調査の結果に基づき,個人別矯正教育計画を策定するも
のとする。
ア 少年調査記録(少年審判規則(昭和23年最高裁判所規則第33号)
第37条の2の規定により,家庭裁判所から送付された書類をいう。以
下同じ。)及び少年簿
イ 家庭裁判所及び少年鑑別所の長の意見
ウ 在院者及びその保護者その他相当と認める者の意向
エ その他関係機関からの情報等
2 個人別矯正教育計画表の作成等
個人別矯正教育計画表の様式は別紙1のとおりとし,別添「個人別矯正教
育計画表等記載要領」により記載する。
3 個人別矯正教育計画の実施
個人別矯正教育計画は,処遇に携わる全ての職員に周知するとともに,在院
者の教育上の必要性に基づき,弾力的に実施するよう留意するものとする。
4 個人別矯正教育計画の内容の変更
⑴ 少年院の長は,矯正教育の実施状況等から,個人別矯正教育計画を変更す
ることが相当と認められる場合には,処遇審査会の意見を聴いた上で,変更
することができる。
⑵ 少年院の長は,個人別矯正教育計画を変更した場合は,別紙1の該当部分
を修正するとともに,別紙2に変更理由等を記載する。
5 個人別矯正教育計画の告知等
⑴ 法第34条第4項(同条第6項により準用する場合を含む。)による個人
別矯正教育計画の内容の告知及び通知は,個人別矯正教育目標及び段階別教
育目標並びに教育内容及び方法について行うものとする。
⑵ 保護者その他相当と認める者に対する通知は,相手方の意向を参酌して,
書面の手交若しくは送付又は口頭のいずれかによるものとする。
6 教育期間の設定等
⑴ 一般的取扱い
矯正教育の期間は,在院者が指定された矯正教育課程に係る平成27年
5月14日付け法務省矯少第92号当職通達「矯正教育課程に関する訓令の
運用について」別表の基準期間の欄に掲げられている期間を踏まえ,個々の
在院者の教育上の必要性に応じて弾力的に設定するものとする。
⑵ 家庭裁判所から勧告を受けた場合の取扱い
ア 少年院の長は,短期義務教育課程又は短期社会適応課程が指定された在
院者(以下「短期在院者」という。)について,家庭裁判所から送付され
た処遇勧告書に,これらの矯正教育課程の標準的な期間(矯正教育課程に
関する訓令(平成27年法務省矯少訓第2号大臣訓令。以下「矯正教育課
程訓令」という。)別表1の標準的な期間の欄に掲げられている期間。以
下「短期間」という。)の範囲内で,特に短い期間(以下「特別短期間」
という。)を矯正教育の期間として設定することを相当とする旨の記載が
ある場合は,4月以内の期間で矯正教育の期間を定めた個人別矯正教育計
画を策定するものとする。
イ 少年院の長は,家庭裁判所から,個々の在院者の処遇に係る特別の希望
意見があり,その旨を記載した処遇勧告書(矯正教育の期間については,
短期間又は特別短期間を矯正教育の期間として設定することが適当であ
るとする旨を記載した処遇勧告書を除く。)が送付された場合は,その勧
告の趣旨を十分尊重するものとする。
⑶ 2年を超える矯正教育の期間を設定する場合の取扱い
少年院の長は,2年を超える矯正教育が必要と認める者が入院した場合は,
別紙3により,その少年院の所在地を管轄する矯正管区の長に申請し,その
認可を得て矯正教育の期間を定める。
⑷ 矯正教育の期間を延長する場合の取扱い
ア 少年院の長は,矯正教育の実施状況を踏まえ,次に掲げる在院者につい
て,それぞれ(ア)又は(イ)に定める期間を超えて矯正教育を行う必要
があると認めるときは,法第36条第1項に規定する鑑別を受けさせた後,
別紙4により当該在院者を送致した家庭裁判所の意見を聴いた上で,別紙
5によりその少年院の所在地を管轄する矯正管区の長に申請し,その認可
を得て,矯正教育の期間を延長するものとする。この場合において,延長
できる期間の上限は,それぞれ(ア)又は(イ)に定める期間とする。
(ア)短期在院者((イ)に該当する者を除く。) 6月
(イ)短期在院者のうち,上記(2)のアの規定により矯正教育の期間を定
めたもの 4月
イ 少年院の長は,矯正教育の実施状況を踏まえ,短期在院者以外の在院
者の矯正教育の期間について,2年(上記(3)により期間を定めた場
合はその期間)を超えて矯正教育を行う必要があると認めるときは,法
第36条第1項に規定する鑑別を受けさせた後,別紙5によりその少年
院の所在地を管轄する矯正管区の長に申請し,その認可を得て,矯正教
育の期間を延長する。矯正教育の期間を再度延長する場合も同様とする。
7 移送の場合の取扱い
在院者を移送した少年院(以下「移送元少年院」という。)の長が策定した
当該在院者に係る個人別矯正教育計画において,2年を超える矯正教育の期
間が設定されている場合には,移送を受けた少年院(以下「移送先少年院」
という。)の長は,移送先少年院の所在地を管轄する矯正管区の長に申請し,
その認可を得て矯正教育の期間を定めた上で個人別矯正教育計画を策定する
ものとする。ただし,特定の職業指導種目を受講させるための移送及び重点
指導施設において特定生活指導を受講させるための移送の場合であって,移
送前に設定されていた処遇の段階別の矯正教育の期間(処遇の段階が細分さ
れているときは,その合計の期間)を変更せず,個人別矯正教育計画を策定
するときは,矯正管区の長の認可を要しない。
なお,保護上の理由による移送の場合は,移送を受けた少年院の長は,個人
別矯正教育計画を策定しないものとする。
8 少年鑑別所への通知
少年院の長は,個人別矯正教育計画を策定した場合は,少年鑑別所法(平
成26年法律第59号)第18条第1項により当該少年院を指定した少年鑑
別所の長に,個人別矯正教育計画表の写しを送付する。
なお,個人別矯正教育計画を変更した場合も同様に取り扱うこととするが,
その際には,個人別矯正教育計画変更表の写しも添付するものとする。
9 関係機関への通知
⑴ 家庭裁判所への通知
ア 少年院の長は,個人別矯正教育計画を策定した場合は,個人別矯正教育
計画表の写しを2部作成し,保護処分の決定をした家庭裁判所に1部を送
付するとともに,少年調査記録に1部を編てつするものとする。
なお,個人別矯正教育計画を変更した場合も同様に取り扱うこととする
が,その際には,個人別矯正教育計画変更表の写しも添付するものとする。
イ 上記アの送付に当たっては,別紙6を用いるものとする。
⑵ 更生保護官署への通知
ア 少年院の長は,個人別矯正教育計画を策定した場合は,身上調査書(
乙)
(犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関
する事務規程(平成20年法務省保観訓第261号大臣訓令。以下「事
務規程」という。)様式第4号)に個人別矯正教育計画表の写しを添付し
て,その少年院の所在地を管轄する地方更生保護委員会及び在院者の帰
住予定地を管轄する保護観察所の長に送付するものとする。ただし,在
院者に複数の特定生活指導を受講させる必要があり,それらの適切な実
施時期を綿密に検討する必要がある等の理由により個人別矯正教育計画
の策定に時間を要し,身上調査書(乙)とともに個人別矯正教育計画表
を送付することができなかった場合には,同計画の作成後速やかに,身
上変動通知書(乙)
(事務規程様式第8号)に個人別矯正教育計画表の写
しを添付して,送付するものとする。
イ 少年院の長は,個人別矯正教育計画を変更した場合において,仮退院
の審理又は生活環境の調整等の参考に資するため必要があると思料する
ときは,身上変動通知書(乙)に変更後の個人別矯正教育計画表及び個
人別矯正教育計画変更表の写しを添付して,その少年院の所在地を管轄
する地方更生保護委員会及び在院者の帰住予定地を管轄する保護観察所
の長に送付するものとする。
10 個人別矯正教育計画等の管理
⑴
出院した在院者の個人別矯正教育計画表及び個人別矯正教育計画変更表
は当該在院者が出院した少年院において保管し,その写しを少年簿に編てつ
するものとする。
⑵ 在院者を移送する場合は,個人別矯正教育計画表及び個人別矯正教育計画
変更表を移送元少年院において保管し,その写しを少年簿に編てつするもの
とする。
別添
個人別矯正教育計画表等記載要領
別紙1 個人別矯正教育計画表
1 全般
(1)庁名,施設名は省略せずに記載する。
(2)数字は算用数字を使用する。
(3)該当事項がない項目には「なし」と記載する。
2 記載事項
(1)策定年月日
個人別矯正教育計画を策定した日付を記載する。
(2)告知年月日
策定した個人別矯正教育計画の内容を在院者に告知した日付を記載する。
(3)通知年月日
策定した個人別矯正教育計画の内容を保護者その他相当と認める者に通
知した日付(書面の送付の場合は,送付した日付)を記載し,通知の相手
方を括弧書きで(実父),(実母)などと記載する。
(4)氏名
漢字には振り仮名を付ける。
(5)入院事由・決定年月日
ア 戻し収容の場合は,入院事由の後に括弧書きで,
「戻し収容」と記載す
る。
イ 移送の場合は,入院事由の後に括弧書きで,移送の事由を記載する。
(6)処遇勧告等
家庭裁判所の処遇勧告・意見及び少年鑑別所の長の意見を記載する。
(7)本件非行名及び非行の概要
本件非行名及び非行の概要を記載する。
(8)特性等
非行に関連する問題性,性格傾向,伸長すべき長所,家族関係,心身の
状況,学歴・職歴,その他矯正教育の実施上参考となる事項を記載する。
(9)矯正教育実施上の留意点・特定生活指導
ア 本件非行及び在院者の特性,本件非行の被害者に関する事項等を踏ま
え,矯正教育実施上留意すべき事項について記載する。
イ 特定生活指導を受講させる場合,該当する特定生活指導の名称を記載
する。
(10)個人別矯正教育目標
ア 犯罪又は非行と密接に関連する問題性,伸長すべき長所,教育上の必
要性,保護環境上の問題性等を総合的に検討し,在院者に出院までに達
成させる目標を,3項目程度設定する。
イ 在院者の自覚に訴えて改善更生の意欲を喚起し,並びに自主,自律及
び協同の精神を養うことに資するよう(法第15条第1項),「○○を身
に付ける」,「○○ができるようにする」等の能動的な表現とする。
(11)矯正教育の期間
処遇の段階ごとの矯正教育の期間を月又は週単位で記載するとともに,
処遇の段階を細分している場合は,細分された矯正教育の期間についても
同様に記載する。
(例)
処遇の段階
矯正教育の期間
2級
○か月(又は○週)
○期○か月(又は○週 ○期○か月(又は○週
)
)
(12)段階
別教育目標
ア 矯正教育の期間ごとに達成することが必要な目標を,おおむね3項目
ずつ設定する。
なお,処遇の段階を細分している場合は,細分された矯正教育の期間
ごとに設定する。
イ 段階別教育目標を順次達成することにより,最終的に個人別矯正教育
目標を達成することができるように配列する。
ウ 在院者の自覚に訴えて改善更生の意欲を喚起し,並びに自主,自律及
び協同の精神を養うことに資するよう(法第15条第1項),「○○を身
に付ける」,「○○ができるようにする」等の能動的な表現とする。
(13)教育内容及び方法
矯正教育の期間ごとに実施する矯正教育の内容及び方法を記載する。
なお,処遇の段階を細分している場合は,細分された矯正教育の期間ご
とに記載する。
(例)1 生活指導
ア 基本的生活訓練(オリエンテーション,行動訓練)
イ 特定生活指導(薬物非行防止指導)
別紙2 個人別矯正教育計画変更表
1 全般
個人別矯正教育計画を変更した場合は,変更の内容及び理由を記載し,個
人別矯正教育計画表に添付する。
2 記載事項
(1)氏名
在院者の氏名を記載する。
(2)番号
通し番号を記載し,番号ごとに記載事項を区別できるように罫線を引く。
(3)変更箇所
変更した箇所を,「個人別矯正教育目標」,「段階別教育目標(2級○期)
」などと記載する。
(4)変更後
変更した箇所に下線を引く。
(5)告知年月日,通知年月日
変更した個人別矯正教育計画の内容を在院者に告知した年月日及び保護
者その他相当と認める者に通知した年月日をそれぞれ記載する。また,通
知年月日の後に,通知の相手方を括弧書きで(実父),(実母)などと記載
する。
別紙1
個
人 別 矯
正 教 育
計 画 表
○○少年院
策定年月日
年
月
ふりがな
氏
名
日
告知年月日
生年
月日
男・女
入院事由
決定年月日
年
月
年
年
月
月
日
日
通知年月日(相手方)
矯正教
育課程
○○○○課程○
(記号)
年
月
決定裁判所
日(
)
○○○○裁判所○○支部
少年鑑別所
処遇勧 (1)家庭裁判所の処遇勧告・意見
告等
(2)少年鑑別所の長の意見
日
○○○○少年鑑別所
入院年月日
保護処分歴
本件非行名及
び非行の概要
(1)非行に関連する問題性 (2)性格傾向 (3)伸長すべき長所 (4)家族関係 (5)心身の状況 (6)学歴・職歴 (7)その他矯正教育の実施上参考となる事項
特
性 等
矯正教育実施上
の留意点・特定
生活指導
(1)矯正教育実施上の留意点
(2)特定生活指導
個人別矯正教育 1
目標
2
3
処 遇 の 段 階
3級
2級
1級
矯正教育の期間
○か月(又は○週)
○か月(又は○週)
○か月(又は○週)
段階別教育目標
教育内容及び方
法
1
2
3
1
2
3
1
2
3
年
月
日
別紙2
個
人 別 矯
正 教 育
計 画 変
更 表
氏名
番号
変更年月日
変更箇所
変更後
変更前
変更理由
告知年月日
通知年月日
別紙3
発第
年
月
×
号××
日××
矯正管区長 殿
少年院長×××
矯正教育の期間設定認可申請書
1 在院者
(1)氏名
ふ り が な
○○ ○○
(2)生年月日
年
月
日生(
(3)本籍
歳)
(4)審判決定等
ア 決定年月日・裁判所
年
月
日
家庭裁判所○○支部
イ 決定・処遇勧告
第○種少年院送致決定 処遇勧告:
ウ 事件名
(5)入院年月日
年
月
日
2 矯正教育の期間及び設定の具体的な理由
(1)矯正教育の期間
(2)設定の具体的な理由
3 家庭裁判所の意見
4 その他参考事項
別紙4
発第
号××
×××矯正教育の期間に関する意見について
在院者氏名・生年月日
氏名 ○○ ○○
年
月
日生
×上記の者は,
年
月
日
家庭裁判所において(第1種・第2種・
第3種)少年院送致の決定を受け,
年
月
日当院に入院しましたが,下記
の理由により矯正教育の期間を変更することが必要となりましたので,その実施について
意見を伺います。
なお,不相当とする場合は,なるべく具体的な意見を添えるよう願います。
記
1 矯正教育の期間
(1)変更後
(2)変更前
2 変更を必要とする理由
年
×
家庭裁判所
裁判官
月
日
殿
少年院長
印
意見
(相当・不相当)と思料します。
不相当の理由は別紙のとおりです。
年
月
日
○○少年院長 殿
家庭裁判所
裁判官
印
(注)家庭裁判所に送付するときは,以下の書類を添付すること。
①成績経過記録表,少年院法第36条第1項の規定による鑑別に係る結果等関係書類の写し各1
部
②少年調査記録
③本求意見書の写し1部
別紙5
発第
年
月
号
日
矯正管区長 殿
少年院長
矯正教育の期間延長認可申請書
1 在院者
(1)氏名
ふ り が な
○○ ○○
(2)生年月日
年
月
日生(
(3)本籍
歳)
(4)帰住予定地
(5)審判決定等
ア 決定年月日・裁判所
年
月
日
家庭裁判所○○支部
イ 決定・処遇勧告
第○種少年院送致決定 処遇勧告:
ウ 事件名
(6)入院年月日
年
(7)矯正教育課程
月
日
2 矯正教育の期間延長申請の理由等
(1)法律上の収容期間の満了日
年
月
日 (収容継続:無・有(
(2)矯正教育の期間の満了日
年
月
日
年
月
日決定))
別紙5
(3)矯正教育の期間の延長を必要とする具体的理由
ア 矯正教育,社会復帰支援等の状況
イ 心身の状況
ウ 今後の処遇方針等
(4)延長希望期間
○か月(
年
月 日まで)
3 家庭裁判所の意見
4 その他参考事項
(注)
1 本様式の2の(1)「法律上の収容期間の満了日」については,以下のとおり記載すること。
①
収容継続の決定がない場合は,満20歳に達する日(ただし,更生保護法(平成19年法律
第88号)第68条第2項の規定により適用される少年法(昭和23年法律第168号)第2
4条第1項第3号又は第72条の規定により入院した者については,家庭裁判所の定めた収容
期間の満了する日)を記載した上で,収容継続について「無」を○で囲むこと。
②
少年院法第137条第1項ただし書きにより収容継続を決定した場合及び同法第138条
第2項及び第139条第2項による収容継続の決定があった場合は,その期間が満了する日を
記載した上で,収容継続について「有」を○に囲み,括弧内に決定日を記載すること。
2 本様式の2の(2)「矯正教育の期間の満了日」については,以下のいずれかに該当する日を記載
すること。
①
記の6の(3)に基づき矯正教育の期間を定めた場合は,当該矯正教育の期間の満了する日
②
記の6の(2)のアに基づき,4月以内の期間で矯正教育の期間を定めた場合は,4月に達
する日
③
上記ア又はイに該当しない場合は,矯正教育課程に関する訓令(平成27年法務省矯少訓第
2号大臣訓令)に定める矯正教育の標準的な期間の上限に達する日
3 本様式の2の(3),3及び4については,必要に応じて適宜項目を追加し,あるいは別紙を用い
て記載することとして差し支えない。
別紙6
発第
年
×
家庭裁判所
号××
月
日××
支部 御中
少年院×××
×××個人別矯正教育計画表の送付について
下記の在院者の個人別矯正教育計画表を別添のとおり送付します。
記
1 氏名
2 事件番号
3 担当裁判官氏名
4 担当調査官氏名
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