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パラグアイ共和国
( Republic of Paraguay)
通信
Ⅰ
監督機関等
国 家 電 気 通 信 委 員 会 ( Comisión Nacional de Telecomunicaciones: CONATEL)
Tel.: + 595 21 448 2000
URL: http://www.conatel.gov.py/
所 在 地 : Presidente Franco N 780 Ayolas, Asuncion, Central
PARAGUAY
幹 部 : Mirian Teresita Palacios Ferreira( 総 裁 / President)
所掌事務
1995 年 に 創 設 さ れ た 独 立 規 制 機 関 で あ り 、免 許 料 及 び 電 波 利 用 料 に よ り 運 営 さ
れ る 。「 法 律 第 642 号 16 条 」 に よ り 、 以 下 を 含 む 26 事 項 を 所 掌 し て い る 。

電気通信に関する規則の公布及び技術基準の承認

事業権、免許、許可の付与条件の規制、管理及び監査

法令、関連契約書、事業権、免許、許可等に定められた制裁の実施

電気通信サービス料金、価格及び税金等に関する事項

相互接続に関する調整、紛争仲裁

ユニバーサル・サービス基金の管理・分配
Ⅱ
法令
1995 年 電 気 通 信 法 ( 法 律 第 642 号 )
市場原理の導入による電気通信事業の近代化促進と、サービス品質の向上を目
的 と し て い る 。同 法 の 第 16~ 18 条 に 基 づ い て 、規 制 監 督 機 関 CONATEL が 創 設
さ れ た 。ま た 、電 気 通 信 事 業 を 基 本 サ ー ビ ス( 同 法 第 21~ 26 条 、市 内・長 距 離 ・
国 際 電 話 )、放 送 サ ー ビ ス( 第 27~ 45 条 )、そ の 他 の サ ー ビ ス( 第 46~ 61 条 、付
加価値サービス等)に分類し、それぞれに規制のあり方を定めた上で、各サービ
ス 分 野 へ の 事 業 認 可 ・ 免 許 付 与 制 度 に つ い て 、 第 62~ 73 条 で 定 め て い る 。
な お 、 CONATEL は 電 気 通 信 市 場 の 自 由 化 に 向 け て ITU の 協 力 の 下 、 2005 年
ごろから電気通信法の改正に着手しているが、進展はスローペースである。政府
は 電 気 通 信 市 場 の 全 面 的 自 由 化 の 代 わ り に 、2009 年 3 月 に 卸 売 イ ン タ ー ネ ッ ト 接
続サービス市場を自由化するなど、個別市場の自由化に方針を転換している。
2014 年 7 月 、 CONATEL は 電 気 通 信 法 改 正 を 推 進 す る た め パ ラ グ ア イ の 大 手
1
法 律 事 務 所 Peroni Sosa Tellechea Burt & Narvaja( PSTBN)と 委 託 契 約 を 締 結
した。
Ⅲ
政策動向
1
免許制度
(1)免許制度の概要
「 1995 年 電 気 通 信 法 」の 第 62~ 73 条 で 電 気 通 信 サ ー ビ ス の 免 許 に 関 す る 規 定
が 定 め ら れ て お り 、 第 65 条 で CONATEL に 免 許 を 付 与 す る 権 限 が 与 え ら れ て い
る。基本サービス(市内・長距離・国際電話)は、政府と事業者間での営業権譲
渡 契 約 と な り 、契 約 内 容 は 国 会 の 承 認 を 要 す る 。な お 、そ の 他 の サ ー ビ ス の 免 許 ・
許 可 は CONATEL が 独 自 に 行 え る 。 免 許 期 間 は 、 基 本 サ ー ビ ス の 場 合 25 年 ( 契
約 で 個 別 に 規 定 す る こ と が 可 能 )、 そ の 他 の サ ー ビ ス が 5 年 と さ れ て い る が 、 い
ずれも更新が可能である。
(2)外資規制
「 投 資 法( 1992 年 法 令 第 117/91)」で は 、外 国 資 本 の 出 資 比 率 に 関 す る 規 制 は
な い 。 同 国 に お い て 会 社 設 立 は 容 易 で 、 外 国 資 本 100% の 企 業 で も 可 能 で あ る 。
2
競争促進政策
(1)民営化
政 府 は 1996 年 、 1998 年 、 2000 年 、 2002 年 に 旧 電 気 通 信 公 社 Antelco( 2001
年 に Copaco に 社 名 変 更 ) の 民 営 化 を 計 画 し た が 、 労 働 組 合 の 反 対 に よ り い ず れ
も と ん 挫 し た 。そ こ で 政 府 は Copaco の 公 社 形 態 を 維 持 し た ま ま 、2003 年 か ら 市
内・長距離電話市場を自由化すると発表したが、再び労働組合の猛反対に遭い、
計 画 は 現 在 も 中 断 さ れ た ま ま で あ る 。2005 年 に も Copaco の 売 却 を 含 ん だ 法 案 が
却 下 さ れ 、 2006 年 に は 公 営 企 業 の 民 営 化 を 促 す 国 際 通 貨 基 金 ( International
Monetary Fund: IMF)に よ る 監 査 ・ 勧 告 も 発 表 さ れ た が 、2015 年 10 月 現 在 も
公 共 事 業 通 信 省 が 同 社 株 式 の 100% を 保 有 し て お り 、 固 定 通 信 市 場 は Copaco の
独 占 状 態 に あ る 。た だ し 、イ ン タ ー ネ ッ ト 市 場 に つ い て は 、2009 年 3 月 、CONATEL
は こ れ ま で Copaco の 独 占 状 態 に あ っ た イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 サ ー ビ ス 及 び デ ー タ
通 信 サ ー ビ ス ( VoIP を 除 く ) の 開 放 を 決 定 し た 。
(2)番号ポータビリティ
2011 年 1 月 に 移 動 体 通 信 の 番 号 ポ ー タ ビ リ テ ィ( Mobile Number Portability:
MNP) が CONATEL の 理 事 会 で 承 認 さ れ た 。2012 年 6 月 に は MNP の デ ー タ ベ
ー ス 管 理 事 業 を ス ペ イ ン の El Corte Ingles 社 が 落 札 し 、 2012 年 11 月 か ら MNP
の 運 用 が 開 始 さ れ た 。MNP の 運 用 開 始 後 の 3 年 間 で 、約 35 万 人 が MNP 制 度 を
利 用 し た 。同 期 間 に MNP の 恩 恵 を 最 も 受 け た の は ク ラ ロ( Claro)で 、反 対 に 転
出 超 過 と な っ た の は オ ラ ( Hola) で あ っ た 。
2
3
情報通信基盤整備政策
(1)ユニバーサル・サービス
「 1995 年 電 気 通 信 法 」第 97 条 で ユ ニ バ ー サ ル ・ サ ー ビ ス 基 金 の 設 置 が 規 定 さ
れ て お り 、 電 気 通 信 事 業 者 に は 営 業 収 益 の 1% を 同 基 金 に 拠 出 す る こ と が 義 務 付
け ら れ て い る 。1999 年 の 設 立 以 来 、同 基 金 は 公 衆 電 話 の 設 置 並 び に 、公 共 安 全 通
信システムの構築、教育機関へのインターネット接続サービス提供などに活用さ
れ て い る 。最 近 で は デ ジ タ ル・デ ィ バ イ ド 解 消 に 向 け た プ ロ ジ ェ ク ト と し て 、
「パ
ラ グ ア イ 2013 コ ネ ク テ ッ ド 」
( 実 施 期 間:2009 年 3 月 ~ 2013 年 8 月 、予 算 約 300
万 USD) が 実 施 さ れ た 。 こ の ほ か に 2012 年 と 2013 年 に 全 国 の 210 の 地 方 自 治
体 を 結 ぶ 光 フ ァ イ バ 基 幹 回 線 整 備 プ ロ ジ ェ ク ト の 入 札 が 実 施 さ れ 、テ ィ ゴ( Tigo)
とオラが落札した。
( 2 ) 国 家 電 気 通 信 計 画 2011~ 2015 年
2011 年 11 月 、 CONATEL は 「 国 家 電 気 通 信 計 画 ( Plan Nacional de
Telecomunicaciones Paraguay 2011-2015)」を 発 表 し た 。電 気 通 信 サ ー ビ ス や 基
盤の発展に向けて、官民パートナーシップを通じ、全国及びあらゆる社会的水準
での情報技術へのアクセスと利用の促進を目指している。
同 計 画 で は 2015 年 ま で の 具 体 的 な 数 値 目 標 が 掲 げ ら れ た 。 主 な 数 値 目 標 は 以
下のとおりである。

毎 年 1 億 5,000 万 USD を 投 資

年 1,000km 単 位 で 光 フ ァ イ バ 網 を 拡 張

移 動 電 話 の 普 及 率 100% を 達 成

移 動 電 話 の サ ー ビ ス 提 供 エ リ ア を 95% に 拡 大

固 定 電 話 の 普 及 率 10% を 達 成

固 定 及 び モ バ イ ル ・ ブ ロ ー ド バ ン ド 普 及 率 を そ れ ぞ れ 10% と 50% に 拡 大

デ ジ タ ル テ レ ビ の 普 及 率 を 50% に 拡 大
Ⅳ
関連技術の動向
基準認証
CONATEL は 、「 1995 年 電 気 通 信 法 」に 基 づ き 、電 気 通 信 網 の 整 合 及 び 無 線 周
波数の安全な利用のため、電気通信機器・無線通信機器の基準認証を所掌してい
る。
Ⅴ
事業の現状
1
固定電話
固 定 電 話 は 、国 営 通 信 公 社 の Copaco が 独 占 提 供 し て い る 。Copaco の 独 占 状 態
が続いていることや、同社の資金不足からルーラル地域での通信基盤整備が進展
3
しなかったこと等が影響し、固定電話の普及率は中南米諸国の中でも低いレベル
に位置する。
こ の た め Copaco は 、 ル ー ラ ル 地 域 向 け に 低 コ ス ト で 通 信 基 盤 を 構 築 で き る 固
定 無 線 ア ク セ ス( FWA)を 利 用 し た 音 声 電 話 サ ー ビ ス に 投 資 先 を シ フ ト し て お り 、
パ ラ グ ア イ 政 府 も Copaco の 通 信 基 盤 拡 充 計 画 を 支 援 し て い る 。 2014 年 末 現 在 、
FWA サ ー ビ ス 加 入 者 は 約 4 万 3,000 人 い る 。な お 、2009 年 7 月 に Copaco は VoIP
サ ー ビ ス を 政 府 の 承 認 の も と で 独 占 的 に 展 開 し て お り 、 約 1,600 人 の 加 入 者 を 得
ている。
2
移動体通信
1 社が独占する固定電話市場と違い、移動体通信市場は大手 4 社がシェア争い
を行っている状況だが、上位 2 社のシェアが極めて大きい。
移動体通信市場には、ルクセンブルクのミリコム・インターナショナル・セル
ラ ー( Millicom International Cellular:MIC)傘 下 の テ ィ ゴ( 旧 テ レ セ ル:Telecel)、
ア ル ゼ ン チ ン の テ レ コ ム・パ ー ソ ナ ル( Telecom Personal)が 67.5% 出 資 す る ヌ
ク レ オ( Nucleo:ブ ラ ン ド 名 パ ー ソ ナ ル )、メ キ シ コ の ア メ リ カ・モ ビ ル( America
Movil) 傘 下 の ク ラ ロ 、 国 営 の Copaco が 所 有 す る オ ラ ( ブ ラ ン ド 名 Vox 及 び
Copacel、 数 年 前 ま で は KDDI が 出 資 し て い た ) の 4 社 が 参 入 し て い る 。
2014 年 末 現 在 、 首 位 の テ ィ ゴ は 51.7% 、 2 位 の ヌ ク レ オ は 33% の 加 入 者 シ ェ
ア を 占 め て い る 。一 方 、ク ラ ロ と オ ラ の シ ェ ア は そ れ ぞ れ 8.2% と 7.2% に 低 迷 し
ている。
3G サ ー ビ ス 加 入 者 数 は 約 71 万 で 、 移 動 体 通 信 加 入 者 全 体 の 約 9.5% を 占 め て
い る 。 4G サ ー ビ ス は 、 オ ラ と ヌ ク レ オ 、 テ ィ ゴ が ア ス ン シ オ ン 首 都 圏 で 提 供 し
ており、約 4 万強の加入者を得ている。
テ ィ ゴ の モ バ イ ル 決 済 サ ー ビ ス 「 Giros Tigo」 は 、 金 融 機 関 に 口 座 を 持 た な い
「 unbanked people」 の 解 消 に 貢 献 し て い る 。
3
インターネット
パラグアイは中南米諸国の中でもインターネットの普及が最も遅れている国の
一 つ に 挙 げ ら れ る 。 そ の 理 由 の 一 つ に 、 国 営 の Copaco が 固 定 通 信 の 各 種 サ ー ビ
ス に お い て 強 い 支 配 力 を 有 し て お り 、競 争 が 促 進 さ れ て い な い 状 況 が 挙 げ ら れ る 。
こ れ を 是 正 す る た め CONATEL は 、 2009 年 3 月 に Copaco に よ る イ ン タ ー ネ ッ
ト接続に使用されるアクセス回線の卸売サービスの独占を廃止している。
こ の ほ か 、 2007 年 に 非 営 利 団 体 Fundación Paraguaya と 米 国 国 際 開 発 庁
( United States Agency for International Development: USAID) の 協 力 の も
と 、 デ ジ タ ル ・ デ ィ バ イ ド 解 消 に 向 け た 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト 「 Oportunet」 が 実 施
さ れ 、全 国 105 か 所 の 公 共 施 設 に イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 環 境 及 び 情 報 リ テ ラ シ ー 教
育 が 提 供 さ れ た 。 2013 年 11 月 に は 、 パ ラ グ ア イ 政 府 と ア ル ゼ ン チ ン 政 府 が 、 パ
4
ラグアイの光ファイバ網拡大、パラグアイ全土への地上デジタル放送の展開等に
関する二国間協定を締結した。
2014 年 末 現 在 、 ブ ロ ー ド バ ン ド 回 線 は 、 ケ ー ブ ル モ デ ム と ADSL が ほ と ん ど
で 、そ れ ぞ れ 59.4% と 35.7% の 加 入 者 シ ェ ア を 得 て い る 。WiMAX サ ー ビ ス も テ
ィ ゴ と ヌ ク レ オ に よ り 提 供 さ れ て い た が 、 加 入 者 の 伸 び 悩 み か ら 2007 年 に 撤 退
を 決 断 し 、 ケ ー ブ ル モ デ ム や モ バ イ ル ( TD-LTE) ブ ロ ー ド バ ン ド へ の 移 行 を 図
っ た 。FTTH サ ー ビ ス は 、Copaco や テ ィ ゴ 、Saturno な ど が 提 供 し て い る が 、高
額な料金がネックとなり、加入者数は伸び悩んでいる。
事 業 者 別 シ ェ ア で は 、テ ィ ゴ と Copaco の 競 争 が 激 化 し て お り 、2015 年 6 月 末
現 在 、そ れ ぞ れ 48.3% と 32.5% の シ ェ ア を 獲 得 し て い る 。テ ィ ゴ は ア ス ン シ オ ン
首 都 圏 を 中 心 に FTTH サ ー ビ ス を 拡 充 し た り 、 2012 年 7 月 に は ケ ー ブ ル テ レ ビ
最 大 手 ケ ー ブ ル ビ ジ ョ ン( Cablevision)を 買 収 し 有 料 放 送 市 場 へ の 事 業 展 開 を 図
るなどしてクアドルプルプレイを強化している。
Ⅵ
運営体
パ ラ グ ア イ 通 信 公 社 ( Copaco)
URL: https://www.copaco.com.py/
幹 部 : Eduardo Neri González Martínez( 総 裁 / President)
概要
政 府 が 株 式 の 100% を 所 有 し て い る 。2001 年 12 月 の 組 織 改 定 時 に Copaco( 旧
Antelco) に 改 称 さ れ 、 99 年 間 の 営 業 権 が 付 与 さ れ た 。 民 営 化 は 、 労 働 組 合 の 反
対により再三延期されている。ルーラル地域向けに固定電話回線の拡充を行って
い る が 、2008 年 か ら は FWA 方 式 に よ る 音 声 通 話 サ ー ビ ス の 導 入 に も 取 り 組 ん で
い る 。 2009 年 に は VoIP サ ー ビ ス を 独 占 的 に 提 供 開 始 。 2010 年 7 月 に は KDDI
からオラの株式及び移動通信網を買収し、移動体通信サービス市場に参入した。
2011 年 6 月 に は 、パ ラ グ ア イ と ボ リ ビ ア 間 を 結 ぶ 光 フ ァ イ バ 網 整 備 で ボ リ ビ ア の
エ ン テ ル ( Entel) と 提 携 し 、 2013 年 よ り 稼 動 を 開 始 し た 。 更 に 光 フ ァ イ バ 網 を
拡 張 す る た め ブ ラ ジ ル の テ レ ブ ラ ス( Telebras)、ア ル ゼ ン チ ン の ARSAT と も 提
携している。
5
放送
Ⅰ
監督機関等
1
国 家 電 気 通 信 委 員 会 ( CONATEL)
(通信/Ⅰの項参照)
2
放 送 委 員 会 ( Consejo de Radiodifusión)
「 1995 年 電 気 通 信 法 」 第 35~ 45 条 に よ り 設 置 さ れ た CONATEL の 諮 問 機 関
で 、周 波 数 割 当 に 関 す る 助 言 や 、放 送 に 関 す る 規 制 の 改 定 作 業 へ の 参 加 等 を 行 う 。
ラ ジ オ 局( 首 都・地 方 )、テ レ ビ 局 、放 送 労 働 者 及 び ケ ー ブ ル テ レ ビ を 代 表 す る 5
名で構成される。代表の任期は 5 年とされているが、再選が可能である。
3
情 報 通 信 庁 ( Secretaría de Información y Comunicación: SICOM)
URL: http://www.sicom.gov.py/
所 在 地 : Ayolas 451 entre Oliva y Estrella. Edif., Capital, PARAGUAY
幹 部 : Fabrizio Caligaris( 長 官 / Minister)
所掌業務
2008 年 8 月 27 日 の「 大 統 領 令 171 号 」に よ り 設 立 さ れ 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
の民主化、国家の独自性、パラグアイやラテンアメリカの文化の強化、教育の質
の向上、コミュニティ・ベースの団体の強化や市民の参加、国の発展の支援を使
命 に し て い る 。 2010 年 8 月 30 日 の 「 大 統 領 令 4982 号 」 に よ り 、 公 共 テ レ ビ 放
送が設立され、これを管轄するほか、公共ラジオ放送の再編も行っている。
Ⅱ
法令
1995 年 電 気 通 信 法 ( 法 律 第 642 号 )
放送分野における基本法令となっている。ケーブルテレビについては、技術規
定 、番 組 作 成 規 定 等 が「 政 令 9892/95」で 別 途 定 め ら れ て い る 。そ の 他 、1998 年
制 定 の UHF 規 則 、VHF 規 則 を は じ め 五 つ の 放 送 関 連 規 則 が 、基 本 法 令 及 び 政 令
を補完している。
Ⅲ
政策動向
1
免許制度
「 1995 年 電 気 通 信 法 」第 28 条 に よ り 、放 送 と は 、
「 一 方 向 性 、同 時 性 、1 対 多
を 有 す る 通 信 」 と 定 義 さ れ て い る 。 同 法 第 34 条 に お い て 放 送 用 の 周 波 数 割 当 の
基 本 が 規 定 さ れ 、 第 73 条 で 放 送 免 許 は 5 年 間 で 、 更 新 可 と 定 め ら れ て い る 。
2
公共放送のガバナンス
2010 年 8 月 、
「 大 統 領 令 4892 号 」が 発 出 さ れ 、SICOM 管 轄 下 で 同 国 初 と な る
6
公 共 テ レ ビ 放 送 局 TV Pública が 2011 年 5 月 14 日 に 開 局 し た 。 当 初 は 試 験 的 に
チ ャ ン ネ ル 14 で ア ナ ロ グ 放 送 を 、チ ャ ン ネ ル 15 で ISDB-T 方 式 の デ ジ タ ル 放 送
を 1 日 6 時 間 放 映 し た 。都 市 部 の ケ ー ブ ル 事 業 者 を 通 じ た 視 聴 も 可 能 で あ る 。2013
年 8 月、
「 大 統 領 令 137 号 」が 発 出 さ れ 、TV Pública の 名 称 が PARAGUAY TV HD
DIGITAL に 変 更 さ れ た 。
3
地上デジタル放送
地 上 デ ジ タ ル テ レ ビ 放 送 の 規 格 と し て 、 日 本 方 式 の ISDB-T を 採 用 す る こ と が
2010 年 6 月 に 決 定 さ れ た 。 ブ ラ ジ ル の 規 制 監 督 機 関 で あ る 国 家 電 気 通 信 庁
( ANATEL)と 、デ ジ タ ル 放 送 用 周 波 数 再 編 及 び 低 価 格 セ ッ ト ト ッ プ ボ ッ ク ス の
製 造 ・ 開 発 で 協 力 す る こ と に 合 意 し て い る 。 2011 年 8 月 に は 、 TV Pública が 、
地 上 デ ジ タ ル テ レ ビ の 本 放 送 を 開 始 し て お り 、2015 年 ま で に 人 口 の 半 数 を デ ジ タ
ル 放 送 で カ バ ー す る 計 画 で あ る 。 ア ナ ロ グ 放 送 停 波 時 期 は 2023 年 12 月 31 日 を
予定している。
Ⅳ
事業の現状
1
ラジオ
ラ ジ オ 放 送 局 は 、 AM 局 、 FM 局 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ラ ジ オ 局 な ど 多 数 存 在 す る 。
国 営 放 送 に Radio y Televisión National del Paraguay( RNP) が あ り 、 商 業 放
送 に Radio Encarnacion、 Radio Caritas( 宗 教 放 送 ) 等 が あ る 。
2
テレビ
公 共 放 送 TV Pública が 2011 年 5 月 14 日 に 開 局 し た 。商 業 放 送 で は SNT Cerro
Cora( canal 9)と Telefuturo( canal 4)が よ く 視 聴 さ れ て い る 。そ の 他 に 、Red
Guarani( canal 2)、 Paravision( canal 5)、 La tele( canal 11)、 Teledifusora
Paraguaya( canal 13) が あ る 。 こ れ ら 商 業 放 送 の 番 組 の 多 く は ア ル ゼ ン チ ン 、
コロンビア、メキシコ、ベネズエラ、米国などから輸入されたものである。
3
衛星放送
衛 星 放 送 は 、 通 信 大 手 の ク ラ ロ 、 TuVes、 ヌ ク レ オ 等 が 実 施 し て い る 。 米 国 の
デ ィ レ ク TV( DirecTV)が 衛 星 放 送 免 許 を 取 得 し て い る が 、サ ー ビ ス 開 始 時 期 は
明らかにしていない。同国では、有料放送を無償で視聴可能にする違法チューナ
ー( AZBox な ど )が 多 数 出 回 っ て お り 、有 料 放 送 事 業 者 の 経 営 に 悪 影 響 を 及 ぼ し
ていることから違法チューナーの取締強化が求められている。
4
ケーブルテレビ
CONATEL は 、2014 年 現 在 、有 料 放 送 サ ー ビ ス の 加 入 者 数 が 43 万 6,000 に 達
し た と 発 表 し た 。プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 別 の 加 入 者 数 は 、ケ ー ブ ル テ レ ビ が 27 万 6,000、
衛 星 放 送 が 15 万 7,000、 IPTV が 2,000 で あ っ た 。
ケーブルテレビは首都圏を中心に普及しており、ケーブルテレビ最大手はティ
7
ゴ で あ る 。テ ィ ゴ は 2012 年 8 月 に ア ル ゼ ン チ ン 最 大 の メ デ ィ ア 企 業 Clarin グ ル
ー プ か ら 1 億 5,000 万 USD で ケ ー ブ ル ビ ジ ョ ン を 買 収 し た 。
Ⅴ
運営体
Teledifusora Paraguaya
URL: http://www.rpc.com.py/
幹 部 : Alfredo Chena( 社 長 / Presidente)
概要
1981 年 に 設 立 さ れ た 。López Moreira 家 の 傘 下 に あ っ た が 、2007 年 11 月 に 起
業 家 の Christian Chena 氏 が 株 式 の 80% を 取 得 し た 。残 り の 20% は Jorge López
Moreira 氏 の 手 元 に 残 さ れ て い た が 、 現 在 で は Christian Chena が 100% を 保 有
している。番組構成は、総合番組構成となっている。
電波
Ⅰ
監督機関等
1
監督機関
国 家 電 気 通 信 委 員 会 ( CONATEL)
(通信/Ⅰの項参照)
所掌事務
「 1995 年 電 気 通 信 法 」に 基 づ き 、設 立 さ れ た 独 立 規 制 機 関 で あ り 、電 波 利 用 関
係では、周波数利用計画を策定し、周波数管理を行う。
2
標準化機関
国 家 技 術 標 準 化 機 構 ( Instituto Nacional de Tecnología, Normalizacíon y
Metrología: INTN)
URL: http://www.intn.gov.py/
住 所 : Avda.Gral, Artígas 3973 c/ Gral.Roa, Asunción, PARAGUAY
幹 部 : Ever Romild Cabrera Herebia( 理 事 長 / Director General)
所掌事務
1963 年 に 設 置 が 決 定 さ れ 、 1965 年 に 設 置 さ れ た 標 準 化 機 関 で あ る 。「 政 令
15552/96 号 」に よ り 、商 品 、シ ス テ ム 、サ ー ビ ス を 直 接 的 に 検 査 で き る よ う に な
った。
8
Ⅱ
電波監理政策の動向
1
電波監理政策の概要
「 政 令 14135/96」 は 、「 1995 年 法 律 第 642 号 」 に 基 づ き 、 詳 細 を 規 定 し て お
り 、 電 波 の 利 用 に つ い て は 同 政 令 付 属 第 103~ 113 条 に 規 定 さ れ て い る 。 こ の 中
で 、 第 106 条 に 電 波 の 利 用 に は CONATEL に よ り 認 可 さ れ た 免 許 が 必 要 で あ る
旨規定されている。また、無線局は他の無線サービスの品質を危うくすることな
く 運 用 す る こ と ( 第 109 条 )、 無 線 局 は 認 可 さ れ た 出 力 電 力 及 び 周 波 数 幅 ( 指 定
さ れ た 帯 域 に お け る ) を 守 る こ と ( 第 111 条 )、 無 線 局 は 他 の 目 的 に は 利 用 で き
な い こ と ( 第 112 条 ) 等 が 規 定 さ れ て い る 。
2
無線局免許制度
電 波 利 用 の た め に は 、CONATEL に 申 請 し 免 許 を 得 る 必 要 が あ る 。免 許 を 譲 渡
す る た め に は 、CONATEL の 事 前 許 可 が 必 要 で あ る 。免 許 を 取 得 す る 場 合 、免 許
料 の 支 払 が 必 要 で あ り 、 商 業 利 用 の 免 許 の 場 合 に は 、 毎 年 、 総 収 入 の 1% の 免 許
料 を 支 払 う 必 要 が あ る 。 免 許 の 有 効 期 間 は 公 衆 電 気 通 信 事 業 の 場 合 は 20 年 、 放
送 事 業 で は 10 年 で あ り 、 そ の ほ か の 場 合 は 、 5 年 で あ る が 、 再 免 許 可 能 で あ る 。
違反した場合、取消しなどの処分を受ける。なお、免許不要制度はないが、無線
LAN に つ い て は 、「 決 定 35/2010」 に 規 定 さ れ て い る 。
CONATEL は 、 2015 年 12 月 に AWS 帯 ( 1.7/2.1GHz) の 周 波 数 オ ー ク シ ョ ン
を 実 施 し た 。4G
( LTE)向 け に 12 ブ ロ ッ ク の 2×5MHz、一 事 業 者 の 上 限 は 30MHz、
最 低 入 札 の 総 額 は 1,500 万 PYG を 想 定 し て い た と こ ろ 、Tigo、Claro の 2 社 が そ
れ ぞ れ 3 ブ ロ ッ ク 、 30MHz を 獲 得 、 落 札 総 額 は 9,000 万 USD と な っ た 。 2016
年 8 月 の サ ー ビ ス 開 始 予 定 で あ る 。 業 界 2 位 の Telecom Personal は オ ー ク シ ョ
ン に 参 加 せ ず 、 既 存 の 3G 用 周 波 数 1.9GHz 帯 を 4G に す る と 発 表 し 、 サ ー ビ ス
開始は 3 月の予定である。
3
電波監視体制
電 波 監 視 に つ い て は 、「 政 令 14135/96」 第 117~ 119 条 に 記 載 さ れ て い る 。 第
117 条 は 、 CONATEL は 電 波 の 利 用 及 び そ の 効 率 的 な 利 用 を 行 う 通 信 サ ー ビ ス の
適 切 な 機 能 を 確 保 し な け れ ば な ら な い と 規 定 し て い る 。第 118 条 で は 、第 117 条
の 条 項 に 準 拠 す る た め 、CONATEL に 、① 電 波 発 信 技 術 を 確 認 す る 、他 シ ス テ ム
及 び サ ー ビ ス へ の 干 渉 の 識 別 並 び に 所 在 位 置 を 確 認 す る 、② CONATEL に よ り 定
められた技術条件と異なる技術条件で通信サービスを提供する者、若しくは免許
なしで通信サービスを提供する者を検知するという役割を定めている。
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電波利用料制度
「 政 令 856/2000」に よ り 電 波 利 用 料 に 関 す る 原 則 が 制 定 さ れ 、無 線 シ ス テ ム ご
とに修正が行われている。
ま た 、 電 波 利 用 料 の 支 払 に つ い て は 、「 政 令 14135/96」 付 属 第 125~ 127 条 に
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規定されている。その概要は以下のとおりである。

免 許 人 の 電 波 利 用 料 ( 年 額 ) は CONATEL が 決 定 す る ( 第 125 条 )。

CONATEL は 、電 波 利 用 料 を 毎 年 1 月 1 日 に 官 報 に 掲 載 す る( 第 126 条 )。

電 波 利 用 料 は 、 毎 年 2 月 に 前 払 す る ( 第 127 条 )。
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電波の安全性に関する基準
「 政 令 10071/2007」 に 人 体 に 対 す る 電 波 保 護 基 準 が 規 定 さ れ て お り 、 国 際 非
電 離 放 射 線 防 護 委 員 会 ( International Commission on Non-Ionizing Radiation
Protection: ICNIRP) の ガ イ ド ラ イ ン を 採 用 し て い る 。
ガ イ ド ラ イ ン の URL:
http://www.conatel.gov.py/index.php?option=com_content&view=category&la
yout=blog&id=41&Itemid=198
Ⅲ
周波数分配状況
CONATEL は 、
「 政 令 14135/96 号 」第 104 条 に よ り 、電 気 通 信 サ ー ビ ス に 対 し
て、周波数を分配する計画を策定すると規定されている。
周波数分配計画表:
http://www.conatel.gov.py/index.php?option=com_content&view=category&id
=23&Itemid=164
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