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NTT Comの業務プロセスを担う グループ会社として、NTT Comの 事業
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) 特別企画 ネットシステムズ NTT Com の業務プロセスを担う グループ会社として、NTT Com の 事業支援を中核に、事業に邁進 NTT コミュニケーションズの業務プロセスを担うグループ企業として、親会社の事 業への貢献を第一義に事業に邁進する NTT ファネットシステムズ。Future Advance Network の新生 FANET へと進化した同社の事業戦略について、高瀬哲哉 社長にうかがった。 ―社長に就任され、1 年を経過しましたが、この 1 年を振 −社長に就任され、1 年を経過しましたが、この 1年 NTT ファネット システムズ㈱ 代表取締役社長 高瀬 哲哉氏 り返り、事業の状況等からお聞かせください。 を振り返り、事業の状況等からお聞かせください。 高瀬 この1年間を振り返ると、2009 年度の収益が当 うなことを一番期待されているとお考えですか。 のようなことを一番期待されているとお考えですか。 初の目標をオーバして 240 億円を達成できたこともそう 高瀬 私は、これからの FANET は「Future Advance ですが、一番大きな成果は、NTT ファネットシステム N e t w o r k 」の新生 F A N E T であると思っています。 ズ(以下、FANET)という会社の進むべき方向が明確 FANET 等 NTT Com の業務プロセスを担う分野のグル になったという点です。NTT コミュニケーションズ ープ経営とは、分かりやすくいいますと NTT Com の業 (以下、NTT Com)の適切かつ強力な指導により、こ 務の「内製化」です。つまり、「外注費を NTT Com グ の 1 年で FANET の事業環境は大きく変わりました。 ループ以外に出さないこと」と、「技術/ノウハウを外 FANET 等いくつかのグループ会社は、NTT Com の業 部に出さないこと」であり、NTT Com の業務を下請け 務プロセスを担うことを期待されています。FANET は、 させることに関していえば、100 %グループ会社を活用 NTT 民営化 2 年後の 1987 年に設立され、NTT / NTT する以上に経済的な手法はないといえます。 Com の他オムロン、住友電工、三菱レイヨン、NTT デ として、NTT ComCom の業務プロセスのどの分 ―新生 −新生FANET FANET として、NTT の業務プロセスの ータの資本参加を受け、FA(ファクトリーオートメー 野を担っていくお考えですか。 どの分野を担っていくお考えですか。 ション)分野を中心に事業を遂行してきました。この 高瀬 NTT Com の業務プロセスを担う分野として、主 間、時代の要請に応えて、SE(システムエンジニアリ に4つの分野を考えています。1つ目は、NTT Com が ング)/ SI(システムインテグレーション)やソフト 提供するネットワークサービスのバックヤードを担っ ウェアの開発分野の比重が増してきました。そして、 ていくことです。私自身、民営化以降の 25 年間、NTT 2007 年には NTT Com の 100 %グループ会社となり、 のデータ通信を担い、NTT Com のデータ通信ネットワ NTT Com の業務プロセスを担うこととなりました。 ークサービスの何たるかを熟知しているつもりです。 その経験を活かしていく。2つ目は、LAN / WAN / サーバシステムの設計/構築/保守・運用であり、さ らに3つ目としてその上にのるユーザーの業務ソフト ― −NTT NTTCom Comの業務プロセスを担うという観点で、どのよ の業務プロセスを担うという観点で、ど 50 ウェアの開発においても NTT Com の業務を下請けして ビジネスコミュニケーション 2010 Vol.47 No.9 エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) いきます。すでにお話したように、100 %グループ会社 的に組み込む。このバランスでコストを越えた環境を 化される以前から、これらの分野においても、FANET 得ることにあると思います。新オフィスへの移転では は多くの経験と実績を擁しています。そして 4 つ目とし FANET 自身の事業効率を向上させることに加え、お客 て、NTT Com のフロント営業活動の支援も実施してい 様へも提案できる「次世代 ICT オフィス」として実現 きます。 しました。 −それは、提案活動を支援されるということですか。 ―それは、提案活動を支援されるということですか。 高瀬 たとえばICカードによる入退出管理、供連れ防止、ロ ユーザー案件の発掘というフェーズから手伝っ ケーションフリーのプリントアウト、ペーパーの削減/ ていきます。特に、プレゼンテーションシステムや大 ペーパーレス化、文書管理の電子化等はもちろん、内線 画面マルチディスプレイシステム、多地点 TV 会議シス 電話はワイヤレスで個人化され、さらにビルの外はもち テムなど各種映像系システムの設計・構築やソフトウ ろん全国どこに移動してもエリアフリーで「内線」のま ェアの設計・製造等、FANET が得意とする分野におい ま利用できるようになっています。また、PCも最低限イ ては NTT Com のフロントと一体になってユーザーへの ンターネット接続環境さえあれば、世界中どこからでも 提案フェーズから汗をかいていきます。 セキュアに(シンクライアント) 、自分の PC を操作でき ますし、PC画面を使ったWeb会議さえもできます。 ― −NTT NTTCom Comの業務プロセスを担うにあたって、何が重要 の業務プロセスを担うにあたって、何が だとお考えですか。 重要だとお考えですか。 −最後に、今後の抱負をお聞かせください。 ―最後に、今後の抱負をお聞かせください。 高瀬 やはり、 「効率性」と「現場力/即戦力/実戦力」 高瀬 が重要と考えています。これを高めるために、まず おり、この分野の育成を強化していく方針です。とこ FANET 内の組織編制を見直して、2010 年5月1日から ろで、FANET は NTT Com 以外の外部からの業務も多 新たな事業部制に移行し、より明確に NTT Com の組織 く実施しており、2009 年度は、収益の 20 %強(50 億円) と二人三脚ができる体制を整えました。また、都内 4 カ を NTT Com 以外のビジネスで得ています。この目的の 所に分散していた各組織を浜松町シーバンスビルに集 一つには、「世間知らずにならないこと/世の中の評価 約し、効率化等を図っています。余談ですが、今回の から外れないため」ということがあげられます。NTT 新オフィスは、NTT Com の汐留ビル同様、ユーザーの Com の業務プロセスを担うためには、前述したように オフィスのモデルになるものと自負しています。 今後は、社員の能力/質の向上が重要と考えて 「効率性」と「現場力/即戦力/実戦力」が重要ですが、 −詳細は後続の頁でご紹介しますが、次世代 ICT オ ―詳細は後続の頁でご紹介しますが、次世代 ICT オフィス それは独りよがりではなく、外からみて意味があるレ のショーケースとなり得る新オフィスの機能の概要をお フィスのショーケースとなり得る新オフィスの機能の ベルである必要があります。これをチェックするため 聞かせください。 概要をお聞かせください。 にも、FANET の得意分野を中心に、ユーザーや外部の 高瀬 「オフィスの理想」を考えると、「いつでも皆が 様々な企業との武者修行の場は継続・維持していきま 顔を合わせて議論し、アイデアを創出していく空間」 す。NTT Com の業務プロセスを担うグループ会社、す だと思います。昨今ではネットワーク化が進み、その なわち NTT Com の体の一部、文字通り一心同体の存在 場に居なければ生産手段が存在しない工場などとは異 として、NTT Com と共にユーザー/市場を見つめて事 なり、事務作業が中心のオフィスでは、在宅でも可能 業に邁進したいと考えています。その決意の表れとし な部分が増えています。それでもお金をかけてオフィ て、会社のロゴも“Shining Arc”に変更しました。 スをかまえる事の意味は、物理的なオフィス空間だけ −本日は有り難うございました。 ―本日は有り難うございました。 ではなく、ICT を駆使した仮想的なオフィス機能を効果 ビジネスコミュニケーション 2010 Vol.47 No.9 (聞き手・構成:編集長 河西義人) 51