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5章 微分方程式

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5章 微分方程式
第 5章
微 分方程 式
この章 では,微 分方程式 とは何 か ?に つ いて述 べ る。微分方程 式 につい ての 多 くの 図書
の形式 は とらず ,こ こで は 「微分方程式 は どの よ うに して得 られ るのか 」 を 自然界 の現象
に重点 をお き解説す る.こ のた め,文 章に よる説 明 が長 くな るが ,こ の よ うにす ることに
よ り,よ り多 くの学生 が ,微 分方程 式 の重要性 を認識 できる もの と考 える。
1
微分方程 式 に つ いて
例 1。 1(人 日問題 ):私 達 は よ く,日 本 の 人 口の増 加 率 は年 1.4%だ とか い う.こ れ は ,あ
る時′
点で の 人 口が 1億 人 だ と した ら,1年 後 には 1× (1+0・ 014)=1億 140万 人 にな る と
い うこ とだ .世 界規模 での人 口 (増 加 )問 題 は ,現 在 もつ とも緊急 な課題 の一つ だ が ,そ れ は
何年 後 には世 界 の 人 口が これ だ けにな る"と い う予 測 の上 に立 ってい る.ど の よ うに した
“
ら,そ の よ うな予想 が立 て られ る のだ ろ うか。
,
適 当に時 間 を設 定 して ,時 刻 tの とき の 人 口を ν(t)と す る と,時 間 が △tだ け経過 した と
き の 人 口の 増加 率 は ,次 の 式 で 表 せ る
.
△ν
ν(t+△ t)丁 ν(t)
△t
△t
人 口は減少す るか も しれ な いが ,そ の場合 は負 の数 になって い る
上の増加 率 を一 人 あた りに直す と
.
,
α(t)=
ν(t+△ t)一 ν(t)
ν(t)△ t
になる。話を簡単にするために,ど の時点でも,そ れか ら △t経 過す る間の増加率が一定 の
値 αだ とす る.そ うすると,△ ιだけ経過 した後 の人 口は
ν(t+△ t)=ν (t)+oν (t)△ t=(1+α △t)ν (t)
119
120 第 5章 。微分方程式
とい うことになる.そ こで,t=0の ときの人 口を ■ とすると,△ ιだけ時間が経過するご
との 人 口は
ν(△ t)=
(1+α △t)ス
ν(2△ t)=(1+α △t)ν (t+△ t)=(1+α △t)2五
ν(3△ t)= (1+α △t)ν (t+2△ t)=(1+α △t)3ス
この よ うに,時 刻 η△tで は
ν(2△ ι
)=(1+α △t)π ス
にな る.こ こで log(1+α △t)=bと す る と,1+α △t=cbだ か ら
,
ν(2△ t)=cbπ■
である
ところで ,人 口や バ クテ リア の個体数 な どは,あ る区切 られた時 間間隔で変化す るとい う
よ りも,刻 一刻変化 してい くと考 える方が 自然 である.そ こで ,前 に与 えた △t内 での平均
の増加率 α(t)の 代わ りに,△ t→ 0と した極 限 ,瞬 間 の変化率 を考 えてみ る.そ れ を たと書
くと
.
た
ν(t+△ t)一 ν(t)
= lim
△t→ 0
ν(t)△ t
=お 農
‰ +△
ν(ι
t)一 ν(ι )
△t
l αν
ν(t)α t・
つま り
αν
=ん ν
洗
とい う式 が 現れ る.逆 に ,こ の 式 を満 た す tの 関数 と して ,時 刻 tに お け る人 口が 定 ま る と
考 え られ る
.
例 1の ような方程式は 微分方程式 とよばれる.未 知の関数 ∫(")を 見つけるための方
程式で,そ の未知関数の導関数 ∫′
方程式のことを,微 分方程式という (三 階導
(■ )が 現れる
〃
関数 ∫(π )や ,も つと階数の高い導関数がでてくる場合もある).
1。
さ
:gt2+υ ,t+ν
た
満
で
π
π
α
ノ
g
ま
ノ
g
ν=一
π
`娑
ν
.
〓
式
程
方
分
微
ゴ
れ
て
れ
れる
ら
え
ヽ
与
が
π
g
.
る
鵜
れ
た
=一 gは ,落 ¬Fす る物 体 の式
(2)微 分方程 式
Oで 満 た さ
2.微 分方程 式 g子 =κ y 121
Newtonが 微積 分 を発 見 して 以来 ,人 類 は ,微 分 方程 式 を作 つて ,そ れ を解 く こ とに よ り
,
さま ざまな現象 を説 明 した り,未 来 を予測 して 来 た .応 用面 で微 分 方程 式 が なぜ 基本 的 か と
い う と,関 数 ν(t)を 直接 知 る こ とが で きな い 場 合 が 多 い か らだ .物 理 や 経 済 の 基本 法則 を
数 学 的 に 書 き直 して ,ν (t)の 変化 率 に 関す る情報 を得 て ,そ れ を使 つて ν(t)を 見 つ けな け
れ ばな ら い .上 の 例 の微 分方程 式
年
1碧
生む "と い うこ とで あ る
=― gは 単 に ,“ 地表近 くの 重 力 は 一 定 の加 速 度 を
.
人 口が連 続的 に たの割合 で増加す る場合 の基本法則 は,“ どんな時で も人 口は ,時 間 に対
して ,そ の時点の人 口に た をか けた ものに等 しい割合で変化す る"と い うこ とである.例
えば,た =4%=0。 04で ,あ る国 の人 口が 1億 人だ とした ら,最 初 は年 に 400万 人 の割合 で
増 えて い く;け れ ども,少 しして人 口が 1億 100万 人 にな った ときには ,年 に 404万 人 の割
合 で増加 して い ることにな る。これ は,銀 行 に預 金 した り,ロ ー ン を組 んだ りす る と,利 息
が利息 を生む の と似 て い る.太 字 の部分 の法則 は次 の よ うに数式 で表す こ とがで きる
:
の肩
=た り
,
つ ま り,t年 目の人 口を表す 関数 ν(t)は ,こ の 関数 の現在 の値 に たをかけた ものに等 しい
割合 で増加す る
.
2 '微 分方程 式
=た ν
この微 分方程 式 を解 い て ,ν を tで 表 した式 を求 め る.こ れ だ けで な く,他 に も多 くの 方
程 式 に使 える便 利 な方法 で ,“ 変数分離 "と い うものが あ る.こ れ は ,ν を含 んだ もの はす べ
て方程 式 の一 方 の 辺 に集 め ,Jを 含 む も の は全部他 の辺 に集 めて しま うこ とを意 味す る.こ
の ときに ,αν と αtは 代数 的 な量 で あ る よ うに扱 われ る
.
=た ν O解 法 ).
器
l st step:方 程 式 の 両辺 に 洸 をか け ,両 辺 を ν で 割 る
例
2。
1(微 分方程 式
1
一ν
αν E=た αt
になる
2 nd step:両 辺に積分記号 ∫をつける
.
:
た
ノ
〓
洗
ノ
ノ
一ν
ν
α
√
.
ー
になる
:
122 第 5章 .微 分方程 式
3 rd step:両 辺 の不定積分を計算す る
:
左辺 =log lν
右辺
l+Q,
=た t+Q.
=Q― Qと す る
積分定数 の α を右辺に移項 して の か らひいて,σ
10g lν
:
l=た t+θ
となる
最 終 step: νについて解 くために,両 辺 の指数 巾を考 える
.
c10g lν
l=cた t+σ
cbg回 =lν lだ か ら,ν に つ い て の 式 が 得 られ る
ν(t)=土 cた
t+σ
:
.
:
=圭 cσ cた
t.
tの 前
方程式 は これで解 けた が ,人 口問題 を考 えれ ば ,全 部 がす んだわけではない.ま だ ,cた
の定数 cCを 決 めなけれ ばな らない.こ れ には,最 初 の時点 の情報 を使 うことがで きる.こ
の 問題 では,最 初 の 時点 の情報 は t=0の とき ν(0)=ス だ つた・ 等式 ν(t)=土 cCcた tに
t=0を 代入 して
:
五 =ν (0)=CCCO=Cσ・
だか ら,次 の よ うに ν を決 定す る こ とがで きた
:
ν(t)=ACた
問
次 の微 分方程 式 を ,例 卜2.1の 手順 に した が つ て 解 け 。
2。 1。
(1)#=ν (t=0の
3
t・
と
き =1),(2)#=3ν
,ν
(t〒
0の
と
き =-2).
,ν
指数 関数 的成長 と減少
ν=Acた
てい る
tの 形 を した 関数 は 指数関数的成長 とよばれ る.そ の グラフは下 の よ うな形 を し
.
(4>0,力 >o)
3.指 数 関数的成長 と減少 123
tだ とす る:人 口が 2倍 にな
例 3。 ■ (2倍 になるのにかか る時間).時 刻 tで の人 口は スcた
るのには,ど れだ け時間 がかか るだろ うか
.
2倍 になるのにかか る時間 を Tと す ると
:
Иtcた (t+T)=2И [cん t
tで 割 り 数 を とる と
とい う等 式が成 り立 つ .両 辺 を ■cん
,対
:
た71=log 2,
となるので
7・ =二
)10g2.
注意 。 2倍 に な る の にか か る時 間 Tは ,ど の 時 点 か ら測 るか には よ らな い し,最 初 の 人 口
ス に も無 関係 な こ とに注 目 しよ う.Tは 増 加 率 た だ けに よ って 決 ま る.た とえば ,増 加 率
4%で は ,2倍 にな るの にかか る時 間 は
・
件
需 =Ⅳ 3盤 解…
)。
問 3.1。 3倍 になるのにかかる時間や ,一 般 に η倍 になるのにかかる時間について考 えて
みよ
.
間 3.2。 最近 の世界人 口は,38年 で 2倍 になるス ピー ドで増加 している.年 間の増加率 (た
の値)を 計算せ よ
.
これ まで の こ とか ら,増 加 率 がそ の 時点 の値 に比例 す る場合 (つ ま りαν/洗 =た νの場 合 )
には ,指 数 関数 ν(t)=蜘 Cた tが 得 られ ,た は 現在 の値 に対す る増加 率 の比 例 定数 で ,ν 。は 関
数 の 初期値 で あ る こ とがわ か っ た
.
例 3.2。 あ る国 の 人 口が 30年 間 で 2倍 にな る とす る .増 加 率 が住 民 の 数 に比例す る と仮 定
した 場合 ,人 口が 3倍 にな るには何年 かか るか
.
解 ν(t)=ス Cん
tと お けて
,30年 間 で
2倍 に な る こ とか ら
,
c30ん :==2.
これ よ り
た=島 log 2.
T年 後 に 3倍 にな る とす る と
,
cた
したがって
,
T=1log3=
約 48年 で
T==3。
3倍 にな る
.
キ 47.55。
124
第 5章 。 微分 方程式
間 3。 3。 ウイ ス キーや ビール の原料 とな るモル トの増加 率 は,そ の 時点で の存在 量 に比例す
る.最 初 2グ ラムだ ったのが ,2日 後 には 3グ ラム に増 カロした .10日 後 には何 グラム にな
るか
.
今度 は,現 在 の値 に比例 して減少す る関数
ν(t)を 考 えてみ る.比 例定数 を 一た とすれ ば
.数 学
に
は
わり
は
なく
的
変
=一 た
,何 も
ν
器
ただ たが 一たになつただけで,t=0の とき
,
,
,
tが 得 られ る
ν=ν 。とすれ ば関数 ν=ν oc た
けれ ども,蜘 c た tの グラフは 蜘cた tの グラフ と
は非常に違 って見 える.そ れは,tが 増加 して
い くときに,急 速に減少 して 0に 近付 いてい
くか らである
.
.
間 3。 4.次 の微分方程式 を解け。
(1)害 =―
き =100),(2)害 =-2ν
ν(t=0の と
,ν
(t=0の
と
き =10)
,ν
tに は
例 3。 3(半 減期 ).指 数 関数 的 に減少す る関数 ν(t)=蜘 C ん
,半 減期 とい うものが あ
の
の
の
.半
が
にかか
る時間である
は
に減少す
る
る.こ れ 現在 値 半分 値
減期 Tを 求 めてみ よ
.
2倍 にな る時間 を求 めた とき と同 じよ うに,次 の等式 が成 り立つ
蜘
両辺 を νOc
た
tで 割 つて
眸』
=:節
「
とる
と
を
数
,対
:
竺
「
1
一2
〓
g
O
―たT=
-
Log2
となるので
T=log2 ・
た
指数 関数 的 に増 大す る 関数 が
2倍 にな るの にか か る時 間 と,ま つ た く同 じで あ る
.
例 3.4(放 射 性 崩壊 ).未 来 の あ る 日,地 球 を訪 れ た 宇 宙人 が 目に した の は ,は るか前 に起
きた カ タ ス トロ フ に よ り生物 が 住 め な くな っ た 惑 星 の 姿 で あ っ た .優 れ た 科 学力 で ,彼 ら
はそ の ときに放 出 され た 放 射 性 プル トニ ウム 239の 量 を決 定 した .ま た ,残 存 してい るプ
ルトニウム 239の 量は,そ の 1/500で あることもわかつた.プ ル トニウム239の 半減期は
24400年 と して ,地 球壊 滅 は何 年 前 の こ とだ つ た か を決 定 せ よ
.
3.指 数関数的成長 と減少 125
この 問題 で は ,最 初 に た を決 定 す る
:
kT
を用 い て
-
log2
,
た=
次に
ν
O=ν
log 2
24400
oC 燒
μ
鵠
0
.
から
=ま
,
0
一0
5
〓
一
C
を得 る.こ の対数 を とれ ば
,
―たt=log而
=-1° g500.
ゆえに
t=
キ 218800.
例 3。 4は SFの 世界 だが ,あ なたは “
発掘 され た ミイ ラは何 千年 前 の ものだ "と い うニ ュー
ス を聞 い た こ とが あ るに ちが い な い .今 まで 学 んだ こ とか ら,ど う してそん な こ とがわか る
のか ,想 像 がつ くので はな い か
.
次 の 例 の 測 定法 を開発 した
5(年 代 測 定 )・
We Libbyは 1960年 に ノー ベ ル 化 学 賞 を受 けた
.
30(dpm)で あ る.ツ
タ ンカ ー メ ン王 の 墓 の椅 子 の 足 に含 まれ る放射性 炭 素 の 崩壊 速 度 を測 つ た ら,10。 14(dpm)
例
3。
生 きて い る木 の 中 の 放射性 炭 素 の 崩壊速 度 は
15。
だ つ た .半 減期 を 5,600年 とす る と,ツ タ ンカー メ ン は どの く らい 前 に生 きて い た か
.
注。dpmと は,1分 間 に放射性物質 が出 している放射線 の数 である
.
解 生物 が死 ぬ と,空 気 中 の 炭 素 を取 り込 ま な くな る の で ,生 物 の 体 内 に あ つ た 放 射性 炭 素
は ,方 程 式
αν
:一 た
ν
αι
に した が つて 減 少 す る.ツ タ ンカー メ ンの 時代 が
T年 前 だ とす る と,放 射性 炭 素 の崩壊 す
る割合は,存 在す る量 に比例す るので
,
14
ν(T)
15.30
ν(0)
10。
五c た
したがって
―たT=10g(H).
I「
==c
たT
126
第 5章
.
微分方程 式
一 方 ,半 減期 が 5600年 だか ら
5600=l堅 ヱ
.
これ よ り
た
=鑑・
ゆ えに
T=_堅
匹旦 1。 g(1曇
=3330。
・
昇》
問 3.5。 例 3.5の 放射性炭素 を用 い て ,次 の実例 の年代 を推 定せ よ。これ らは,1950年 に発
見 され測定 され た もので ある
.
(a)ハ ンム ラ ビ王 の治世 のバ ビロンの家 の梁 :9.52(dpm)
(b)ネ ヴァダの Gypsum洞 窟 内の地下 2mか ら出土 した ,大 ナマ ケモ ノの糞 :4。 17(dpm)
(c)ネ ヴァダ の Leonard Rock Shelterで 見 つ かつた木 の投 げ槍
4
微分方程 式
=た
(ν
:6。
42(dpm)
一 α)
次に,も う少 し複雑な微分方程式を解いてみる.こ れまでは,ノ =土 たνとい う形をしてい
たが,今 度は ノ =土 ん(ν ―α)と い う形の方程式である (aは 定数).や はりこれも,変 数分離
によつて解 くことができる
α
害=た 一
.
(ν
)
ν ” ﹁
闘h
の 両辺 に αιをか け ,ν 一 aで 割 っ た もの を積 分 す る
αν
10g lν
一α
l
lν
一α
l
ν一 α
代
を
〓
ず
Uo-a-(*.t)"o:*.ec
ンフ
t=0の
れ
す
定数 cσ を決 め るた めに ,初 期 条件
入 して
そ
Q る.
一
す
―αl十 Cl
戯
も 競
C&
勤
/∴
10g lν
.
方
式g争 =κ (y_の
微
分
程
4。
127
した が っ て
ν ― α=(ν o― a)Cた
微分芳程式
害
t.
ι
=ん (ν 一a)は ν=(νo― α)Cん +α とい う解 をもつ
.
もちろん,次 の こ とも確 かめ られ る
:
微 分方程 式
害
=一
た(ν 一 α)は ν =(ν o一 α)C た
間 4.■ 。上の手順で,微 分方程式
する
αν
αt
ι
+α
と い う解 を も つ
.
一た(ν ―α)を 解 け,た だ し,t=0の とき ν=ν 。
.
間 4。 2。 次 の微分方程 式 を解 け
(1)害 =3(ν
-1)(t=0の
.
き =0).
と
き =2),(2)害 =-2(ν +1)(t=0あ と
,ν
,ν
例 4。 1(ニ ュー トンの法則 ;物 体 の 冷却 )。 ここにい うニ ュ‐ トンの法則 とは次 の内容であ
る
:
ある環境 に物体が置かれ る と,物 体 の冷 去口
す る割合 は,環 境 と物体 の温度差
に比例す る
.
時刻 tで の物体 の温度 を ν(t),最 初 の温度 (t=0の ときの 温度 )を 助,環 境 の温度 を α
とす る.ニ ュー トンの法則 は,次 の よ うな微分方程 式 に直せ る
.
害=一 た一
(ν
a).
この式で,た は環境 と物体 の性質 によつて決 まって くる正の比例定数 である.た の前 に 一 が
はチラスだか らである。
はマ イナ ス で ,ν (t)<α な らば
器
tで ある ことを
この方程式 の解 は ν(t)=α +(ν o一 α)「 λ
,私 達 はすでに知 って い る。時間
tは
が経過す ると,つ ま り,tが 大 き くな ると,c た
急速 に小 さくな つて い くか ら,ν (t)は αに
近 づ く.こ れ は,“ 物体 の温度 は周囲 の温度 にい くらで も近 くな つてい く"と い う私達 の経
験 に合致す る。(こ こでは,周 囲 の温度 αは,物 体 に よつて温 め られた り冷や された りもせ
ず ,一 定 のま まだ と仮定 して る.エ ア コ ンの効 い た広 い部屋 に,熱 いスープ を置 い た場合 な
必要 な の は,ν (t)>α な らば
害
どが当てはま る。
)
例
は
4.2。 93°
68°
Cの コー ヒー を,室 温が 18° Cに 保 たれた部屋 に置 い た。2分 後 には,コ ー ヒー
Cに まで冷 めた .t分 後 の コー ヒーの温度 を表す式 を求 め よ
.
128
第 5章 .微 分方程式
解 私達にわかつてい るのは νO=93と α=18と い うことだが,た がい くつ かはわかつてい
ない.け れ ども,ν (t)が 次 の形を した式だ とはわか ってい る
:
,
ν(t)=α
+(拗
一 α)C
た
t=18+75c た t.
さ らに ν(2)=68と い う情 報 が 使 え て
68 == 18-+75c 2た
50 = 75c 2ん
log臀
た
= -2た
=
一
:19g;:=二 :10g105=〒
0.203。
これか ら,ν (t)=18+75c 0・ 203tで ぁる
.
この例で得られた式は,ν (t)=18+75(:)'と も書くことができる
.
間 4。 3.鉄 の球 を 110° Cに 熱 して 10° Cの 空気 中 に放置 した。1時 間後 には,球 の温度 は
60° Cに な つた .30° Cに まで 下 が るには ,そ れか らさらに どれ だ け時間 がかか るか
.
間 4。 4。 気温 が 17° Cの ときに,お 湯 が
40分 後 の温度 は何度 か
97°
Cか ら 57° Cま で 10分 間で冷 えるとす る と
,
.
例 4.3(落 下物体 と空気抵抗 ).落 下す る物体 の鉛直方 向の運動 は,重 力 と空気抵抗 の 2つ
か ら影響 を受 ける.地 表近 くでは,重 力 は一 定 の加速度 gを 引き起 こす .空 気抵抗 は,物 体
の空力学的性質 とス ピー ドに左右 され る.一 般的 に,物 体 のス ピー ドが大 きい程空気 の分子
か ら受 ける抵抗 は大 きくな る.こ こでは,空 気抵抗 は物体 の速度 に比例す る と仮定す る.そ
の比例定数 を たとして,物 体 の質量 を m,速 度 を υとす ると,ニ ュー トンの運動法則 の式は
速度 は速 度 の時間微分
次 の よ うにふ る ●口
鶴
つま り
害
1静
で ある ことに注意せ よ).
=衛リ ー たυ
等
多
害=一 鳥 ―
,
(υ
これか ら
)・
争
υ
+(υO一
=写 妥
等
多
)C一
,
t・
ただ し,物 体 の初速度
(t=0の
ときの物体 の速 さ)を υ。として い る
.
間 4.5。 上 の式で ,時 間 tが 大 き くな つてい くと,物 体 の落下速度 υは どんな値 に近 づい て
い くかを考 えよ
.
4。
微 分方程 式
多争
=κ (y-0 129
間 4.6。 質量 π の 物 体 が地 表 か ら上方 に向か って ,初 速度 υ。で投 げ上 げ られ た .こ の 物 体
の受 ける力 は 地球 に よる一 定 の 重 力 と,速 度 に比例 す る空気 抵 抗 lLヒ 例 定数 は た とす る)
だけだ とす る。物 体 の最 高到 達 点 の ,地 表 か らの 高 さは
,
bg← +場
丁
黎
絆
鶏
観
であることを示せ .抵 抗 を
)
0に 近 づ けて い くとき,こ の数字 は ど うなるか調 べ よ
.
例 4。 4(パ ラシ ュー ト降下 ).体 重 と装備 あわせ て 120 kgの パ ラ シュー ト隊員 が偵察機 か
ら降下 して,10秒 後 にパ ラシュー トが 開い たが ,そ れ は着地す る僅 か 2秒 前だ った .そ れ ま
での 自由落下中は,た =24の 空気抵抗 を受 け,パ ラ シュー トが 開 い た後 は た=336だ つた
とす る.12秒 後 に地 面に降 りた とき,彼 は怪我 を しなかったか どうか考 えてみ よ う.偵 察機
か ら降 りる とき,彼 は静 かに ドアか ら踏み 出 した とす る
.
解 最初 の 10,秒 間 ;0≦ t≦ 10:
重力加速度 は g=9.8と して ,鶴 =120,υ O=0,た
れば
=24を 例 4.3で 得 られた式 に代入す
υ
c司
o=49← 一
→・
パ ラシュー トが開いたときの速度は
υ(10)=49(1-c 2)÷
42。
37(m/seC).
その後の速度;10≦ t≦ 12:
υOを 42。 37,tを t-10に 置 き換 えて ,た =336と す る と
υ(t)=3。 5+(38。 87)c 2.8(t-10).
彼 が 着 地 した とき の速 度 は
υ(12)=3.5+38。 87c 5.6幸 3.5+0。 14=3.54(m/seC)・
熟練 した降下隊員 は,掠 り傷ひ とつ負わなかっただ ろ う
.
間 4。 7。 (1)落 下速度 υ(t)の グラフを書いてみよ
(2)パ ラシュー トが開いた高度 ,偵 察機 の飛行高度 を計算せ よ.こ れは,単 なる積分 の復
習である
(3)パ ラシュー トが開いた ときに隊員 が受けるシ ョックを考えてみ よ.こ れは,何 を計算
すればよいのか
.
.
.
間 4。 8。 例 4.1と 例 4。 3の 微分方程 式 は定数 の解 ;ν )=Cを もつ。それぞれ の場合 に cの
値 は何 か.ま た ,こ の特別 な解 は,現 実 には どんな状況 に対応 して い るのか考 えてみ よ。
(ι
130
第 5章 .微 分方程 式
注意 .こ れ まで の 例 で ,話 を単純 にす るた め の 仮 定 を い くつ か して きた 。だ か ら,私 達 が
得 た結果 は ,完 全 に正確 には ,現 実 を表 してはい な い .し か し,こ の よ うな モデル を考 えな
けれ ば ,ど う して 有益 な情報 を得 る こ とがで き るだ ろ うか .人 間 の 直観 が 誤 りや す い の は
物体 の運動 につ い てのガ リ レオ 以前 の 考 えや ,時 間 と空 間 が別 な もの だ とい うアイ ンシュ タ
イ ン以前 の 考 えをみ て もわ か る.人 間 が プ ロ グ ラ ム を書 き ,コ ン ピュー タが高速 処理 をす る
,
こ とで ,さ ま ざまな技術 が 私達 の 生活 を豊 か にす るた めに使 われ てい る.探 査機 を太 陽系外
に送 る こ とまで で き る のだ
.
5
変数分離形微分方程 式
こん どは,も う少 し複雑 だが ,や は り変数 分離 で解 ける方程式 を考 える
.
例
5。
■.点 (1,2)を 通 り,次 の微分方程 式 を満 たす 曲線 を求 めよ
:
ノF
〓
力扇
まず ,変 数 を分離す る
:
αν
α
"
2
ν
π4・
両辺 を積分 して ,積 分定数 を右辺 にま とめる
:
一
:=一 :0芸
+θ・
ここで θ を決 めるために,捜 してい る曲線 は点 (1,2)を 通 る とい う “
初期条件 "を 使 う
そ こで
.
;
一
:=― :・
θ =―
最後 に,両 辺 を
-1倍
士
+σ・
:+:=一
:・
して ,逆 数 を とれ ば,曲 線 の式がわか る
ν=嘉
6"3
1
+:=
:
π3+2°
間 5。 1。 点 (1,0)を 通 り,次 の微分方程 式 を満 たす 曲線 を求 めよ
f
む
απ
"
ν
あなたが見 つ けた 曲線 と比 べ て ,方 程式 の 図形的 な意味 を考 えよ
.
δ.モ デ ル の修 正
131
間 5。 2。 次 の微分方程 式 の解 の なかで ,点 (1,1)を 通 る曲線 を求 めよ
.
(1)"3需 =_ν
②α
2,
=-2"ν ′
"
④y2-ノ 需+√ ノ=Q
ν
(3)需 sin(π )="2,
`ν
6
モデルの修正
最初 に考 えた人 口のモ デル は ,1798年 にイ ギ リスのマル サ ス とい う経済学者 が用 い た も
の だ .当 時 の増加 率 は,現 代 よ り格段 に高 く,ア メ リカでは実 に たキ 0。 3と い う統計 が残 つ
て い る.マ ル サ ス は,人 口増加 に比 べ て食糧 生産 の増 加率は低 ぃ ので ,こ の ままででは将来
食糧 不足 で人類 は危 機 に瀕す るだ ろ うと警告 したのである
.
間 6.1。 マル サ スモ デルで計算す る と,2000年 のア メ リカ の人 口は 1800年 の何倍 にな つて
い るか
.
1800年 のアメ リカの人 口は約 530万 人 であつた .40年 足 らずで ,現 在 の世界人 口をオー
ヴァー して しま う.現 実 には,人 口や生 物個体数 な どは無制 限に増 え続 ける ことは な く,あ
るところまで増 えると,必 ず抑制す る要因が働 く.バ クテ リア の よ うなもので も,限 られた
6。
1(人 口の ロ ジステ ィック モ デル ).こ れ は ,増 加 率 が一 定 で は な く
が増 加 して い くにつ れ て ,増 加 率 が減少す るモ デ ル で ある.右 辺 に 1れて
≠ い
例
ヽ叫ノ頭
.
降ψν一
価
M
環境 では栄養や酸素 が不足 して増殖 が ス トップす る.も しそ うでなか った ら,大 変な ことに
な ってい るだ ろ う
人口
を入
:
意 積
を の
日と
人差
のの
限 ロ
大 人
因 グ
要 の
の解
密 の
過 式
ロ程
人 方
う る例 え を
いす 比 考 フ
と味 に を ラ
まず ,変 数 を分離 して積 分す る
:
/
=/た
左 辺 の被積 分 関数 を部分分数 に 分 け る
ν
α
t・
:
l
l
+ν 一
И一ν
ν
ν
υ
)=フ
132
第 5章
.
微分方程式
これか ら
,
10g lyl―
した が って
10g l
也 (出 )=続 +α
,
ν ―ν
=cん
t+σ
これを νについて解 くと
,
ν―ν
=∠ _1=c_た tc σ
ν
ν
ν
ν =1+c― σ た
c― t・
右 の グ ラフは ν
=1,σ =o,た = 1の とき を書 い た も の で あ る
.
間 6.2。 最近 日本人により,マ ダガスカル 島に 日本産 の クワガタが持ち込まれた.ク ウガ タ
の数は ロジステ ィック方程式に従 うと仮定す る.島 に生息できる最大数は 100万 匹で,現 在
は5万 匹が生息している.ち ょうど1年 前には?万 匹であった.時 刻 t(年 )に おけるクワ
ガ タの数 を表 す式 を求 めよ.ま た,95万 匹にな るの には,何 年 かか るか
.
問 6。 3.次 の微分方程式 を解 け
.
(1)害 =ν (1-ν ),
7
(2)(1-ι
2)宰
=ν
.
調和振動
最後 に簡 単な振動 を表す方 程式 につい て述 べ る
.
例 7。 1(ば ねの振動 ).ば ねの先 に質量 η の物体 がついてい る.時 刻 tに お けるばね の伸
び を ν(t)と す る.重 力や摩擦 ,空 気抵抗 な どはす べ て無視 して ,物 体 にはばねの弾性力 しか
働 か な い とす る.次 の基本 的な法則 を使 う
:
ばねの力 は,ば ねの伸 びた長 さに比例す る
.
物体 の加速度 は力 に比例す るの で,ν ″ )は ν )に 比例 す ることになる.ば ねが伸 び る と
引き戻 され る方 向にばね の力 が働 き,縮 まるとその逆向きに力が働 く.だ か ら,ν 〃(t)と ν(ι )
の比例定数 は負 の数 なので 一た とす る.そ こで ,物 体 の位置 を表す 関数 ν
の微分方
(ι )は 次
程式 を満 たす ことに なる
(ι
(ι
:
′
′
・
ν =― たν
,
Z調
和振動
133
これ は ,2階 微 分 を含 ん でい る の で ,三 階微 分方程 式 とよばれ る .一 般 的 な扱 い は ,も つ と
進 んだ 勉 強 にな るが ,こ こで は ち ょっ と した工 夫 で 変数 分離形 に 直 して み よ う.こ の 方程 式
は 特別 に簡 単 な形 を してい るか らで あ る.ま ず ,一 たり を左 辺 に移 す
:
a"
ここで ,ν ′をかけて み る と
- 0.
:
2y'a"
した が っ て
+ka
*2kyU':0.
′
勇o2+り っ=写ノ+鷺勢
だか 呪 方程 式 ノ
+句 =田 ま
携 《の
2+り =Qつ
っ
2=c(定 数
′
(ν
)2+ん ν
まり
)。
時刻 t=0で は物 体 はつ りあ い の位 置 にあ り (ν (0)=0),速 度 は υ。だ っ た とす る と,c=υ
:
で ,方 程 式 は 次 の よ うにな る
′
2=υ
(ν )2+ん ν
:.
:
これ か ら,変 数 分離形 の 方程 式 が 得 られ る
αν
αι
変数 を分離 して積分す る
:
_た ν2
:
積分 (微 分 )の 公式 を思 い 出 して
確 かめ よ
.
局 る
結 す
一
列 と
の 一
ズ ρよ 動
は で の 振
達 ン﹂ こ 和
私 い﹂ 調
間 7。 1.ν (t)=讐
Sin(ω ι
)が
このよ うな運動を
″
,微 分方程式 ν =一 たν を満 たす こ とを,実 際 に微分 してみて
134
第 5章 .微 分方程式
間 7。 2.(1)例 7.1で の初期条件 を,時 刻 t=0で υ
O=0だ が,ν (0)=助 ≠ 0と した ら,ど
うなるか
。も 0で ない とした らどうか。
(2)一 般に,ν Oも υ
.
間 7.3.次 の微分方程式を解け
.
(1)ν
′
′
=-2ν ,
ν(0)=5,ν
′
(0)=0, (2)ν
′
′
+4ν
′
ν(0)=7,ν (0)=3.
=0,
速度 に比例す る空気抵 抗 を考 えに い れ る と,落 下す る物体 を考 えた とき の よ うに ,指 数 関
数 的 に減少 す る振 動 にな る こ とが示せ て ,減 衰 振 動 とよばれ る
.
以 上 ,変 数 分離形 の微 分方程 式 で 表 せ る現象 の 例 のい くつ か を調 べ て きた .最 後 に も う一
度 ,ど うや っ て方 程 式 を解 い た らよいの か を復 習す る
.
微 分方程 式 が (必 要 な ら変形 して ),
嘉=ノ
(")g(ν )
とい う形 の とき,変 数分離形 といい ,次 の よ うにすれ ば解 ける
.
νOα
ふα
=∫
"
と,変 数 π,ν をそれぞれ 一 方 の辺 に集 めて積分す る
.
=ル Oα飢
ν
/あ α
あ とは不定 積 分 を計 算す るだ け で あ る 。工 学 に現れ る関数 は ,そ れ ほ ど複雑 で な い ものが 多
い か ら,基 本 的 な積 分 公 式 と,簡 単 な置換積 分 と部 分積 分 が ,き ちん とで き る よ うにな っ て
い れ ば よい
.
第 5章
1.次 の 微 分 方 程 式 を解 け
′ 4=0
(1)"4ν +ν
.
(2)
(4)
(6)
(8)
′
(3)"ν =(1+"2)ttt ν
′
(5)ν +ν tan"=o
(7)(1+π 2)α ν+(1+ν 2)dπ =0
2。
練習問題
- a+ 1
:
Y' 3*2a
(1 - 2n2)a'
-a
y log Adr - rdy naat
0.
次 の方程式 の解 の うちで,指 定 された点を通 る曲線 を求めよ
.
-
3 cos
2r sinsAdy
-
0,
2
π 一・
(0,0)
"2a-3Y,
2 sin 2n cos}ydr
ヽ︱ ′ノ
:
π 一8
A'
/fl\
(1)
(3)
2)d“
=0,(0,0)
(2)c ν dν +(1+π
′
(4)"ν ν =("-1)(ν -1),(1,0).
Z調
和振動
135
あ る鉱 山町の人 口は ,そ れ 自身 に比例 した割合 で増加 す ることが知 られてい る。1999年 には 1997
年 の 2倍 にな り,2000年 には 10,000人 にな った .1997年 の 人 口は何 人だ つたか 。
3。
4.ラ ジウムの 半減期 は 1,600年 であ る.2,400年 後 には最初 の何
には どうか ?
5。
半減期 が 20日 の放射性物 質 が初 めの
6.ウ ラ ン 238が 時刻 tl,t2に それぞれ
%が 残 つてい るか ?8,000年 後
1%に 減 るには何 日以上 かか るか ?
"1,“
2だ け存在 した とす る。半減期 は
(t2 tl)10g2
10g("1/″ 2)
であることを示せ。
7.お 茶 を 0° Cに 保たれた冷蔵庫 に入れた。15分 後 のお茶の温度は 30° Cで ,30分 後 には
15°
C
になった。最初 の温度は何度だつたか。最初 に,頭 の 中で考え,次 に微分方程式を使 つて あなたの考
えが正 しいか どうか確かめよ。
パーティーのためにプデ ィングを作 り,午 後 6時 に冷蔵庫 に入れた。冷蔵庫 の温度は 4° Cに 保た
れている。プデ ィングは 7° Cに なると固まる.冷 蔵庫 に入れたとき,プ デ ィングの温度は 69° Cで
あ つた。最初 のお客さんが午後 7時 に来たときには,30° Cに 冷えて いた。デザー トを出せる時刻は
早 くてもいつか。
8。
,
検死官の解剖室はある理 由で 5° Cの 温度に保たれてい る。ある朝早 く,検 死解剖を行 つていた検
死官本人が殺 され,被 害者 の死体 が盗まれた.午 前 10時 に検死官 の助手 が,検 死官 の遺体 を発見 し
たとき,体 温は 23℃ だ った.正 午 には体温は 18.5℃ に下が うた.検 死官 の生存 中の体温 は 37℃
だ つたと仮定 して ,死 亡時刻を割 り出 しなさい。
9。
10。 ランベル トの吸収 の法則 によれば ,半 透明の物質 の薄 い層 に入射 した光が物質に吸収される割
合は,層 の厚 さに比例する。海面 に垂直 に入射 した太陽光が,10mの 深さで入射時の半分の強さに
な った.島 にな るときの深さは何
mか ?ま ず,答 えを考えた後に,微 分方程式を立てて,あ なたの
答えを検討せよ
.
11。
芦 ノ湖 の水面に垂直に入射 したサーチライ トの光 が
mと 60mの
12.例
4。
深 さで は ど うか ?50mで
は ど うな るか ?
15m9深 :さ で
:の
明るさ になった。30
3で 空 気 抵 抗 は速 度 の 2乗 に比 例 す る とす る。t=0の と き υ=0と して ,終 速 度 を計 算
せ よ。
燃料がなくなったとき,ク ルーザーは 60(km/h)の スピー ドで動いていて,マ リーナまでは
5kmあ った。水の抵抗は速度に比例するとし,l km進 んだときのスピー ドは 30(km/h)に 落
13。
2。
ちていたとする。マ リーナにたどりつけるか ?
14.前 間で ,抵 抗 は速度 の 2乗 に比例 す る とす る
.
1。
速度 に比例 す る場合 と比較 して ,ま ず予想 を立て
2.微 分 方程式 を作 つて ,あ なたの予想 を検討せ よ
,
.
︱
ゴ
第 5章
.
微分方程式
れ まで学 習 した微分 方程式 は,い ずれ も変数分離形であつた .と こ
ろが ,微 分方程式 は他 にも幾 つ かのタイプがあ り,そ れ らは上級学年 で学習す る ことになる
ここでは,変 数分離形以外 の タイプ の微分方程 式 を紹介 しよ う。
[そ の他 の微分方程式lこ
.
こ
わ ヵ
ネ〃
す
き
直
゛
ヽ しこ
と
こ
る
あ
離
分
z 数
一
一
変
λ て
ν ”
り っ
よ
﹁
秘
こ
︲
一ν き と
P\ で こ
椰訳
る 鶴
次 虞書
,
辺 瑯典
綱
両
π
,
〓
π
2
と 解
と ν あ ま
>
な は
暢
∫ D
一
一
ノ
ノ +
︶
婦 働
橘
.
法
旧 例。 か る。実際
ミ
で きる
.
′
[… 階線形微分方程式]二 つの関数 P(π ),C(π )を 使 つて ν+P(π )ν
=C(π )と なるタイプの
微分方程式を一階線形微分方程式 とい う
.
例。グ+ν cOS"=COS"Sin"は 一階線形微分方程式になる
解法。一階線形微分方程式は,両 辺に c∫ P。 ル をかけて,部 分積分の公式を適用すれば解 く
.
ことができる
:
[定 数係数高階線形微分方程式lη
個の定数 αl,α 2,° …,α πと関数 の(π )を 使 つて
ν(π )+α lν (π
1)+α
2ν
(π
2)+… .+α
π
ν=C(π )
のタイプの微分方程式を定数係数高階線形微分方程式とい う
例.ν ″+4グ +3ν =sin"は 定数係数三階線形微分方程式になる
.
.
解法。このタイプの微分方程式の解法には,次 の多項式
tn l αltπ
の 因数分解
(と
l l
α2tπ
2_...。 ―
十 απt
部分分数分解 )が 決定的な役割 を果 た してい る
.
他 にも様 々なタイプの微分方程 式が知 られて い る.そ して ,多 くの微分方程 式 は様 々な物理
現象や経済 の動 きな どを説 明す る ことがで きる。しか しなが ら,全 ての 自然現象 が解 明 され
て い ない よ うに,全 ての微分方程 式が解 かれてい るわけではない .そ の 中 には解答 が存在 し
ない よ うな微分方程式 もある.現 代 では解析学 を研究 してい る多 くの数学者 は,微 分方程式
の解 き方 を研究 してい るとも言 えるであろ う.ま た ,最 近では コ ンピュー ター を用 い ること
によつて従来 の手法では解 けなかつた微分 方程式 の解 も近似的 に求 めることができるよ う
にな って きて い る
.
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