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2011年 新年 あけましておめでとうございます
平成23年度 1月号 春日野小学校 2011年 新年 あけましておめでとうございます 2012年 新年が始まりました。皆様おそろいで新しい年をお迎えのことと存じ、心より お祝いを申し上げます。旧年中は春日野小学校の教育に温かいご理解とご支援を賜り、ありが とうございました。 『モモ』という物語があります。子どもたちのために書かれた本で、副題は「時間どろぼう とぬすまれた時間を人間に返してくれた女の子のふしぎな物語」とあります。作者はドイツの 作家ミヒャエル=エンデという人です。 この主人公モモという少女は、もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをした不思議な少女です。な にも特別な才能はありませんが、ひたすら人の話を聞くことが得意です。モモに話を聞いても らうと、それだけでみんなは心が安まります。悩んでいたことの答えを自分で見つけることが できます。 そんなモモの住む世界に灰色の男たちがやってきます。彼らは世界のみんなに時間を節約し、 「時間貯蓄銀行」に時間を預けることを勧めます。時間を節約することで、もっと豊かでもっ と無駄のない生活をするように誘います。年老いたお母さんの不自由な生活を助け、介護する 時間を大切にしていた床屋さんは、灰色の男たちの誘いに乗り、その時間を貯蓄することで、 お金はたくさんたまって、豊かで快適な生活ができるようになってきました。しかし、お母さ んとのゆったりした時間が減って、何かに追い立てられるような生活になり、どんどん不機嫌 で、おこりっぽい人生をすごすようになっていきます。 モモはこのような灰色の男たち(時間どろぼう)に奪われた人間にとって大切な時間をとり もどそうと戦いを始めます。とても勝ち目のなさそうな戦いを、モモやその仲間たちはどのよ うにしていくのでしょうか。その冒険は、私たちが豊かな時間を大切にするための教訓に満ち ています。学校の図書館にもあるので、興味をある方はぜひ読んでみてください。 年末やお正月は、ふだんと流れる時間が違います。除夜の鐘を聞いたり、「明けましておめ でとう」とあいさつを交わしたりすることでふだんとちがう時間の流れを感じることもあるで しょう。お年玉や親戚との出会いで、家族とのつながりや自分の生き方などを考えることもあ るかもしれません。人間は新しい年や誕生日、入学や卒業などの節目を意識することで、自分 の生活をリセットし、新しい出発をするのかもしれません。 2012年がどんな年になるのかは、わたしたち自身のくらしぶりにかかっていると思いま す。 春日野小学校の子どもたちを中心に、保護者、教職員、地域の方々が豊かな時間をすごして いけるように今年も共に歩んでいきたいと願っています。 今年もどうぞよろしくお願いします。 校長 藤田昌央