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カルナバル提案(A班)
大泉カルナバル提案書 明治大学商学部藤井ゼミ A 班 河原、林田、山田 内容 1 提案のコンセプト.....................................................................................................2 2 提案の概要............................................................................................................... 2 2―1 初めに........................................................................................................... 2 2-2 非日常と癒し.................................................................................................3 2-3 初参加の人、リピーターの人........................................................................ 3 2-4 なぜサンバカルナバルと温泉を組み合わせるのか?.....................................4 2-5 なぜ一泊二日なのか?...................................................................................4 2-6 ツアーにすることによるメリット................................................................. 5 2-7 ワンストップ窓口とは?............................................................................... 6 2-8 ツアーのスケジュール概要............................................................................7 2-9 サンバカルナバル自体の課題点.................................................................... 9 3 提案によって恩恵を受ける人々............................................................................. 10 3―1 「温泉」により恩恵を受ける人々............................................................... 11 3-2 「一泊二日」により恩恵を受ける人々........................................................11 3-3 「ツアー」によって恩恵を受ける人々........................................................11 3-4 ワンストップ窓口によって恩恵を受ける人々............................................. 11 4 提案の内容に基づく2013年度の収益計算........................................................ 12 4―1 基本設定...................................................................................................... 12 4―2 試算............................................................................................................. 12 5.2014 年度に期待される経済・社会的・文化的効果............................................... 12 5-1 経済効果...................................................................................................... 13 5-2 社会的・文化的効果.................................................................................... 13 ≪参考文献≫................................................................................................................. 14 1 1 提案のコンセプト 「バスで行ける?ブラジル小旅行!!~心ゆくまでブラジル文化を体験しよう~」 2 提案の概要 2―1 初めに 私たちが今回の報告書で提案するのは、サンバカルナバルの集客率の上昇を目指して、5 0~70代のお客さんに対して、サンバカルナバル(非日常)と温泉(癒し)といった価値 を、一泊二日の温泉付きツアーとして提供するというものである。このツアー計画に当たり、 「ワンストップ窓口」とサンバカルナバル2012により得られた反省点を踏まえての改善 案の提案を行う。 ツアーのターゲットとする年齢を50-70代のお客さんに絞ったのは、サンバカルナバ ル2012において以下のアンケート結果が得られたためである。 ※50―70代という客層を選んだ理由は以下のとおりである u 30―50代の幼い子供がいる可能性の高い年齢の客層は、夏休み中に旅行や、レジャ 2 ー施設へ行くといった消費行動を行なっていると考えられ、夏休み明けすぐに行われる サンバカルナバルに日帰りで来場することはあっても、一泊二日の旅行をすることは期 待できないため。 u 50―70代の客層はこの年齢層の中にはそもそも日常生活において、時間に縛られな い退職した年齢層という一泊二日というツアープランに適切な人々がいること。加えて、 温泉の需要が高い年齢層であるため。 2-2 非日常と癒し 謳い文句としている非日常と、癒しとは具体的にどういったことなのかを以下に示す。 非日常:日本にいながらにしてブラジルに旅行にいった感覚になれるサンバカルナバルと 大泉町の、 「ブラジル色」の魅力のこと。 癒し:暑い中、満足な観光を行ったあとで、一日の疲れを癒すことのできる温泉のこと。 また、2-3で述べるストレスを「癒す」ことができるツアープラン全体のこと。 2-3 初参加の人、リピーターの人 サンバカルナバルに初参加の人と、リピーターの人とでは、サンバカルナバルや、大泉を 訪れる際のインセンティブが異なる。 初参加の人:普段はなかなか接することのないブラジル文化がこの客層にとってのインセ ンティブである。この人たちは口コミや雑誌などのメディア媒体から情報を 取得し、サンバカルナバルや大泉町に魅力を感じる人たち。 リピーターの人:大泉町の雰囲気や人がこの客層にとってのインセンティブである。この 人たちは、サンバカルナバルや大泉町を一度以上訪れたことがあり、自 身の体験から再訪する人たち。 初参加の人とリピーターの人とでは町を訪れる際の判断基準が異なることを踏まえた上の 観光事業を展開することが集客率の上昇につながる。 今回の提案において「初参加の人、リピーターの人」のインセンティブを考慮した点は自 ら得た情報をもとにサンバカルナバルや大泉町に興味を持った人々(初参加の人)が「町に 行くにはどうしたらいいのか」 、 「大泉町やサンバカルナバルをどういった形で楽しむことが できるのかわからない」といった、観光するにあたって感じる煩わしさをツアーという形態 を取ることで払拭することと、そして再訪したいと考える人たち(リピーターの人)が、今 3 まで大泉町やサンバカルナバルに抱いていた魅力にプラスαの要素である、温泉という付加 価値をつけること、そしてサンバカルナバル自体の改善をおこなうこと、である。 2-4 なぜサンバカルナバルと温泉を組み合わせるのか? サンバカルナバルは、夏の最も暑いといってもいい時期に行われるイベントであるためか、 「暑さ」が集客率を増やすにあたってもネックとなっており、またリピーター率がいまいち 上がらない要因ではないかと私たちは考えた。実際に、サンバカルナバル2012において 行ったアンケートにおいても「暑いから疲れてしまう」といった意見が多かった。そこで、 暑さの解消には至らないが、逆にその暑さを利用しようと私たちは考えた結果、温泉をツア ーの一環とする計画に至った。 u 温泉にすることによるメリット お客さん側: 疲れても、温泉という癒しの時間を得ることができるため、長時間にわたり サンバカルナバルを楽しむことができる プラン提供側: 上記のようにお客さんがサンバカルナバルに長居するということが見込まれるため、 消費活動を長く行ってもらうことができるため利益が見込める また、人がストレスを癒すために行う行動の一位が入浴、二位が体を動かすことである。 温泉は入浴に当然関係し、サンバカルナバルを楽しむことは、体を動かすことにもつながる と私たちは考えた。 (参考文献[1]p183) 2-5 なぜ一泊二日なのか? サンバカルナバルに参加している人は、多くが遠くから来ている人々であるということが、 サンバカルナバル2012において行ったアンケートの結果よりわかった。そのため日帰り するという条件が付きまとい、長くサンバカルナバルを楽しむことができていないのではな いかと私たちは考えた。そこでこの問題を解決すべく一泊二日のツアープランを提案するに 至ったのである。 u 一泊二日にすることによるメリット お客さん側:帰らないといけないという考えや時間に縛られずに遊ぶことができる。 4 プラン提供側:お客さんが長時間にわたり、サンバカルナバルに滞在することが 見込まれるため、長時間の消費行動が期待でき、利益が見込める。 2-6 ツアーにすることによるメリット 今回のプランをなぜツアーにするのか、という理由は、サンバカルナバルに限らず、ブラ ジルタウンとしての大泉町の魅力も、お客さんに楽しんでもらおうと考えたからである。ま た、ツアーという形でプランを提供するため、サンバカルナバルではなく、 「温泉に行きたい」 と考えるお客さんを取り込むことができ、新たな客層を確保することができるからである。 u ツアーにすることによるメリット お客さん側: サンバカルナバルだけでなく、ブラジルタウン(ゾーン観光地)としての大泉町も堪 能できる。サンバカルナバル2012において得られたアンケート結果によると、埼玉 からのお客さんの数が多い。そこで大泉町に近い温泉をプランの一環として提案するこ とで、草津や伊香保まで遠出することなく気軽に温泉が楽しめる。 プラン提供側: サンバカルナバルだけでなく、ブラジルタウンとしての大泉町をお客さんに見てもら うことで、地産商品をお客さんに売り込むことができる。 5 ※地産商品を売り込むことができるということは、地域と一体となった上で観光事業を展開 していく上でとても大きな意味を持つ。なぜなら、ここで述べているような地域資源を用 したその地域ならではの商品やサービスである着地型旅行商品というものは一人当たり消 費単価が低いものが多いため、それだけでは大きな利益を見込むことができないが、地商 品の売り込みを重点的に行うことで、事業収支を黒字化させることができるからである。 なお、この報告書において扱う地産商品とはブラジル文化を反映した商品である食べ物や、 土産のこととする。 2-7 ワンストップ窓口とは? u ワンストップ窓口とは? 着地型旅行商品の提供者と市場(旅行会社、旅行者)をつなぐワンストップ窓口として の機能を担う事業体であり地域や行政の支援も受けながら、法人格を持って実施できる第 三の組織のこと。 u ワンストップ窓口が果たす機能とは? 大泉町のように地域色を売りとした観光事業を展開するには、地域のイメージと商品・ サービスが影響しあうことによって生まれる相乗効果が大切である。観光事業という、消 費者が本当に満足しているのか商品・サービスの提供者側の人間が確認することが難しい 事業においては安定した収益を得ることが困難である。この安定した収益を観光事業にも たらすものとは、地域と消費者の間に形成される信頼関係である。 商品・サービスの提供者が消費者にもたら価値と消費者が期待する価値とが一致し、か つ、それが継続的に行われることによって地域と消費者の間に一種の信頼関係が形成され、 それが「売り続ける」仕組みのベースとなるのである。 商品・サービスの提供者と消費者との間に形成された信頼関係を、失うことなく継続さ せていくために必要なのは以下の二点である。 ① 継続的なクオリティコントロール ② 市場への継続的な情報提供 町の住人が主体となるワンストップ窓口であれば、これらを行うことができるのである。 消費者と間近に接することで、消費者の満足度をはかりながら、提供している商品・サー ビスのクオリティを管理することができる。また、消費者のリアルな反応を旅行会社に伝 えることができ、いちはやく消費者に提供する商品・サービスの改良につなげることが可 能となるのである。大泉町で言えば、大泉町のブラジルタウンとしての価値を活かした地 域ブランドをマーケティング活動の中で活用し、それがまた新たな資産を生み出すような 6 サイクルを作り上げることが重要なのである。 ワンストップ窓口の具体的な働きとしては以下のようなものを上げることができる。 ① 旅行会社が商品を造成したいとき、旅行者が行きたい時に、タイムリーに商品が提供で きるように地元のサービスの担い手との調整を行う ② 旅行者からの予約・変更・取り消し及び決済を行う ③ 商品の品質管理や利用者からの苦情処理をおこなう 上記のワンストップ窓口なる組織を設立し、サンバカルナバルを含め、観光事業の展開 を担わせるということを私たちは提案する。ワンストップ窓口を設けることで、ブラジル タウンとしての地域色を売りとする大泉町を、より観光地として魅力的なものにすること ができると考えたためである。 ここで、私たちが大泉町ならではのワンストップ窓口の活用方法について以下に提案する。 大泉町在住のブラジル人にワンストップ窓口の一員となってもらう この提案によるメリット: ・大泉町在住のブラジル人にワンストップ窓口の一員となってもらうことで、今回私たち が提案するツアーのガイドとして、ツアーに胎動してもらうことが可能となる。ブラジ ル人によってガイドされることで、 「非日常」をお客さんに提供することができる。 ・ブラジルタウンとしての観光展開を考えていく上で、町をより「ブラジル化」させるこ とが必要となってくる。そこでブラジルをよく知るブラジル人の意見を取り入れた町づ くりが可能となる。 2-8 ツアーのスケジュール概要 出発 ↓ 大泉町到着 ↓ 大泉町探索 この大泉町探索を行う理由は、先述したとおり、ブラジルタウンとしての大泉町 (ゾーン観光地)の魅力を、お客さんの足で感じてもらうためである。 町自体が観光地であるため、楽しみ方は人それぞれである。だから、あえてここ で自由時間を設けている。 7 また、町の探索を魅力的にするためのプランの提案は以下のとおりである ・探索前に、お腹が満たされない程度のブラジル料理の軽食をみんなでとる。 そこでその料理に関する豆知識をツアーガイドが行う。そして、その食品の レシピを配り、材料をどこのスーパーにいけば買うことができるかを明記す る。そうすることで、お客さんに「自分もこの料理を作ってみたい」と思わ せることができ、先述した地産商品の売上につなげることができる。 ・町の中にスタンプラリーを設置し、一定の進路をツアー提供者側がおこなう ことで歩きやすさを確保する。 (スタンプラリーは、全部埋めたら、サンバカ ルナバルで屋台の商品を買うときに○○%オフにするといった特典を付け る) ↓ 昼食 ↓ サンバカルナバル参加 ↓ 旅館到着 大泉町に近いかつ、値段的にも手ごろな宿泊施設を三つ検討した。項目を値段・ アクセス・温泉(効能や特徴) ・宿泊施設(特徴)に分け、いかに記した。 ・開祖 今井館 値段:一泊、朝・夕食付き15000円~ アクセス:北関東自動車道太田藪塚 IC より約10分 東北自動車道佐野 IC より約45分 温泉:・創業230余年の伝統あるお湯 ・美肌作用 ・お風呂から四季折々の光景が臨める 宿泊施設:江戸時代から続く、丘陵に囲まれた閑静な宿 ・高崎観音温泉 錦山荘 値段:一泊、朝・夕食付き21000円~ アクセス:藤岡インターより国道17号高崎に進み聖橋の信号左折 温泉:・丸木を組んだいで湯風のつくりの風呂 ・展望風呂からの夜景が絶景 宿泊施設:自然あふれる静かな和風の一軒宿。 8 館内から街を見下す眺めも美しい ・貸切露天風呂のある一軒宿 美人の湯 亀沢温泉 値段:一泊、朝・夕食付き 10500円~ アクセス:関越自動車道練馬 IC から車で1時間50分 温泉: 「源泉高崎 美人の湯」として好評の亀沢温泉 宿泊施設:山の中の一軒宿。柔らかな源泉と森の空気で美肌リフレッシュ。 ↓ 日程終了 2-9 サンバカルナバル自体の課題点 ここまで、ツアープランの説明を行ってきたが、あくまでツアープランは、集客率を高め、 サンバカルナバルを活性化させるための一つの要素に過ぎないため、この「サンバカルナバ ルそのものの改良」といったことは非常に重要な課題である。また、このサンバカルナバル 自体を改善することは、今までのサンバカルナバルにプラスαの要素を追加することになる ため、以前に述べた「リピーターの人」の集客率上昇につながる。私たちがサンバカルナバ ル2012で得たアンケート結果を元に作った改善案を二つ以下に示す。 ① 日陰スペースの確保 屋根のついた休憩スペースが無く、不満であるといった意見が多かったことが、サンバ カルナバル2012において得たアンケート結果より分かった。先述したとおり、サンバ カルナバルが行われるのは、最も暑い時期であるため、テントがないということは問題で ある。そこで、屋根付きの休憩スペースに入ることを有料にするのはどうか(有料席に日 陰がないため、有料席のお客さんから無料席のお客さんが無料で日陰スペースを確保する ことに異議が唱えられたため)と私たちは考えた。そうすることで得られるメリットは以 下の通りである。 ◎屋根付きの休憩所への入室を有料制にすることで、有料席のお客さんから出る苦情をな くすことができる(無料じゃないため) ◎テントの設営費を得ることができる しかし、この案を実行するにあたって考慮すべき点が二つ存在する。それを以下に示す 9 ・屋根の設置位置を考慮すること(遠くからサンバパレードが見えなくなるから) ・休憩スペースに入場したお客さんにコップいっぱいの水分を配ること(お金を払って入 ったという行為に一定の満足度を与えるため) ② 入場者数の確保 広告の数が少ないといった意見がサンバカルナバル2012において行ったアンケート 結果より分かった。現在、東武線にも広告を掲示しているということであるが、これをも っと有効に使えないものかと私たちは考えた。スカイツリーの完成によって、より多くの 人々がこれからも東武線を使っていくということが予想されるからである。東武線に設置 している広告量を増やすことで、集客率の増大を図ることが可能である。広告設置量を増 やすことにより得られるメリットは次のとおりである。 ・集客率の増大 ・カルナバル主催側の駐車場確保料金の軽減(※これは、広告に電車を使った来場の方法 を明記することで、可能となる) 10 3 提案によって恩恵を受ける人々 私たちが提案する「温泉付き一泊二日ツアー」によって恩恵を受けるのはどういった人々 であるのかを説明する。 大きなくくりとしてはツアープランの対象となる、50―70代の人々が、恩恵を受ける人々 に当たる。 私たちが提案する内容の価値を分けると「温泉」 、 「一泊二日」 、 「ツアー」となる。これがど ういったインセンティブを求める人々に恩恵をもたらすのか、以下に詳しく述べる。 ※ここでは、プランの提供を2-7で述べたワンストップ窓口が行うことを前提としている。 3―1 「温泉」により恩恵を受ける人々 お客さん側:暑さによる疲労がネックとなり、活動気力の起きない人々 プラン提供側:サンバカルナバルを含め、大泉町でのお客さんの滞在時間が増えるのと同時 に消費活動の時間が増えることで利益を得られる人々 (商店街・ワンストップ窓口の人々) 3-2 「一泊二日」により恩恵を受ける人々 お客さん側:遠方から来る人々(時間に縛られることなく大泉町を堪能できるから) プラン提供側:・オフシーズンとなり客足が減り始めた宿泊施設の人々 ・3-1同様に、時間に縛られることのなくなったお客さんの消費活動の時 間が増えることで恩恵を受ける人々(商店街・ワンストップ窓口の人々) 3-3 「ツアー」によって恩恵を受ける人々 お客さん側:ブラジルの文化を楽しみたい、知りたいと考えている人々 プラン提供側:地産商品の売り上げによって利益を得る人々(商店街・ワンストップ窓口) 次に、一泊二日のツアープランに付随して私たちが提案したワンストップ窓口の設置によ り恩恵を受ける人々についても示す。 3-4 ワンストップ窓口によって恩恵を受ける人々 旅行会社・観光客:地域の人が中心となって活動するワンストップ窓口の存在によって、地 域資源を活用したその地域ならではの商品やサービスを提供・受領する ことが可能となる。 大泉町の人々:ワンストップ窓口は地域の人が主体となり運営されるものであるので、町の 人々は主体的に観光スポットとしての町づくりに参加することができ、街全 11 体としての意見を観光事業に反映させることが容易になる。 4 提案の内容に基づく2013年度の収益計算 4―1 基本設定 4では、今回の旅行でツアーに参加するお客さん一人あたりから得られる収益を計算し以 下に示す。その際に設定する条件は以下の通りである。 ・既存のはとバスが行なっている大泉町への日帰りツアーの金額を宿泊費を除いたツアー料 金とすること(但し、昼食代であるシュラスコの食べ放題料金2000円が含まれている ため、それを除く。昼食をツアー企画者側が決定しないのは2―8で述べた、大泉町のゾ ーン観光地としての魅力を観光客に感じてもらうためである。 4―2 試算 まず、ツアー参加者が事前に支払う料金(ツアー料金+宿泊費)を仮定する。2―8で提 案した宿泊施設別の宿泊費も含めた個人が支払うツアー全体の料金を以下に示す。 ・開祖 今井館を利用した場合 ツアー料金+宿泊費=6,480+15,000=21,480 円 ・高崎観音温泉 錦山荘を利用した場合 ツアー料金+宿泊費=6,480+21,000=27,480 円 ・貸切露天風呂のある一軒宿 美人の湯 亀沢温泉を利用した場合 ツアー料金+宿泊費=6,480+10,500=16,980 円 次に、このツアーの最少催行人数を 20 人、参加者が大泉町内で飲食やお土産購入などに使 う料金を 1 人当たり 2,000 円と仮定する。 すると、 大泉町にもたらされる収益は 20 人×2,000 円=40,000 円となる。20 人というのは最少人数なので、実際にはこの金額よりも多くの収 益が上がる可能性が高い。 このツアーではカルナバルだけでなく街歩きも兼ねているので、カルナバルに来場する一 般客よりも大泉町でお金を使う機会が多い。そのため、使う金額も高くなると考えられる。 12 5.2014 年度に期待される経済・社会的・文化的効果 5-1 経済効果 私たちの提案を実行し、より多くの観光客を呼び込むことが出来れば、大泉町には大きな 経済効果がもたらされる。 u 所得の増加 u 大泉町の経済発展を促す u 需要が増えるため、大泉町の農水産物などの生産が促される u 所得増加に伴い各家計の消費が増加し、新たな雇用が生まれる u 税収が上がる ・・・など 観光は、運輸業・飲食業・宿泊業・旅行業・娯楽業などのさまざまな産業によって構成さ れており、独立した産業ではない。そのため、観光振興に伴い、それに関わる多くの産業に 利益が波及していくことになる。 国土交通省観光庁のデータによれば、2010 年の国内における旅行消費額は 23.8 兆円で、 生産波及効果は 49.4 兆円であった。それによる雇用効果は 424 万人で、これは国内就業者数 の 6.6%に相当する。 市町村単位の例として、滋賀県彦根市のデータを紹介する。 「彦根市観光に関する経済効果 測定調査報告書」によれば 2010 年の『観光消費 120 億円による経済波及効果総額は 228 億 円と推計される。また、雇用効果は 1,129 人と推計される。これは彦根市の第 3 次産業総生 産 (2,375 億円)の 9.6%、同市第 3 次産業労働力人口 (3.5 万人)の 3.2%に相当する』そう である。 このように観光による経済波及効果は大きいため、大泉町の発展におおいに役立つと言え るだろう。 5-2 社会的・文化的効果 経済的な効果だけでなく以下のような社会的・文化的効果も見込まれる。 <大泉町全体> u 知名度が上がる u 大泉町のイメージがさらに良くなる u メディアで話題になる u 都市への人口流出が抑えられ、労働力が確保できる 13 u 町の商店が賑わい、活気が出る u 外国人でも暮らしやすい町として有名になり、さらに外国人居住者を迎えられる u 子どもが参加すれば、小さい頃からブラジルの文化に触れられるため、将来日本人と ブラジル人の間に隔たりのない町がつくりやすくなる u ブラジルや異文化交流に興味のある人に大泉町のことが伝わり、訪れてくれるきっか けになる ・・・など <住民> u 日本人とブラジル人が同じイベントに参加し、それぞれの文化(日本:温泉、ブラジ ル:サンバや料理)を楽しむことで、お互いへの理解が深まる u 観光イベントに携わることで活動が活発になる u 郷土意識(大泉町への誇り)が向上する u 観光振興に伴って公共設備が整備され、それを日頃使う住民も快適に生活することが できる ・・・など ≪参考文献≫ [1] 石井淳蔵、高橋一夫『観光のビジネスモデル : 利益を生みだす仕組みを考える = Business models of tourism』2011 年 [2] 『経済波及効果 | 統計情報 | 情報・資料 | 観光庁』 http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/kouka.html(2012 年 8 月 31 日) [3] 『彦根市観光に関する経済効果測定調査 報告書 ■平成 22 年 彦根市観光の消費 動向調査結果および観光消費による経済的波及 効果の推計』 http://www.city.hikone.shiga.jp/sangyobu/shoko-sho/pdf/2010keizaikouka.pdf (2011 年 3 月 5 日) 14