Comments
Description
Transcript
アジアモンスーン地域における人工・自然改変に伴う水資源
アジアモンスーン地域における人工・自然改変に伴う水資源変化予測モデルの開発 研究代表者:山梨大学大学院医学工学総合研究部教授 竹内邦良 1. 研究計画の目的 アジアモンスーン地域は、特有の気象、地質構造の上に特徴的な水文、地形、植生、土壌条件を形成 し、人間の生存もその自然条件に適合した様式で維持されている。すなわち、洪水、渇水、火山活動、 多量の土砂生産など、厳しい自然条件に適合した、水田耕作、氾濫原居住を主体とする人間活動が営ま れ、これに伴う水利用、防災、都市立地などのあらゆる面で、独特の自然共生型社会を形成している。 したがって、著しい人口増、熱帯林の伐採による土地の乱開発、気候変動などに伴う流域水資源の変化 も、地域特有の自然的、社会的現象であり、その影響予測には欧米の水文・水資源モデルの移入では不 十分な場合が多く指摘されている。 本研究は、アジアモンスーン地域に特有な水文循環過程をモデル化することによって、自然・人工改 変に伴う当地域特有の水資源変化を予測し、その対応策の具備すべき条件を検討するものである。なお、 対象流域はアジアモンスーン地域での湿潤帯、半乾燥帯の代表であり、また大きな水資源問題に直面す るメコン流域、黄河領域とする。 2. 研究計画の概要 アジアモンスーン域における代表的湿潤帯と乾燥帯の流域として、メコン川、黄河領域をフィールドに、 地域特有の水利用、開発行為、気候変動等に伴う水循環変動を評価できるモデル開発を行い、過去の洪 水や渇水、地下水位低下等流況の変動実態と都市化、森林伐採、農業活動等の原因との関係を科学的に 評価する。このために必要なデータを、既存資料の収集・精査、モデルを用いた復元、地域に特有な現 象の現地実験などを通して収集し、過去 20 年の 0.1 度メッシュのデータセットを完成させるとともに、 各種シナリオの下に、20 年後の予測を行う。本研究開発には、山梨大学のほか、土木研究所、農業工学 研究所、森林総合研究所、産業技術総合研究所、総合地球環境学研究所、東京大学大学院、京都大学、 国立環境研究所、長岡技術科学大学等が参加する。 3. 年次計画 本研究は、3 班(メコングループ、黄河グループ地下水班、黄河グループ地表水班)に分かれて個別研究 に取り組むと同時に、全体目標に向けて共同研究を行う。なお、全体計画の中で各個別研究間の整合が 取れるよう収集したデータ、研究成果を 0.1 度メッシュ GIS 上に整備する。研究期間(5 年間)の共通目標 は以下の通りである。 (1) 流域水循環、水資源システムをシミュレーションできるモデルの開発 ・素過程として降雨の発生、蒸発散、浸透、地表水、地下水、取水、水利用、還元、揚水などのモジュ ールを完成させる。このため森林生態、水田等農地潅漑、洪水氾濫、地下水涵養、揚水などの実態解明 を行う。(平成 14~16 年度の目標) ・素過程モデルを総合した水文、水資源一貫シミュレーションモデルを構築する。 (2)これを用いて、過去 20 年間のシミュレーションを行い、水収支が整合することを確認する。すなわ ち、降水発生、水文循環、水利用が互いに整合すること、また「過去の変動現象を復元シミュレーショ ン出来る」ことを、モデルの検証、予測可能性の証明とする。 (3)モデルを用いて将来 20 年後の水資源予測を行う。このための水需要予測は社会経済的発展、制度的 選択等に関するシナリオ解析を用いる。地球温暖化シナリオもこの一部である。 (4)以上のモデル開発、検証、予測を、0.1 度メッシュでの GIS 上で行う。 ・0.1 度メッシュ、20 年間の GIS データを整備する。すなわち、両流域の水文、水資源にかかわる既存 データの精査、モデル解析により、0.1 度メッシュ内の水収支をシミュレーションするために必要な、気 象、地形、地質、水文、植生、土地利用、水利用データ等を整備する。なお個別研究では、より解像度 の高いデータの整備に努める。 ・気象、水文、水資源一貫シミュレーションモデルを、この 0.1 度メッシュ GIS 上で実行できるように する。すなわち、0.1 度メッシュの擬河道網上で、地表水、地下水、水利用すべてのシミュレーションを 行い、評価が行えるようにする。 4. 平成 16 年度の研究計画 サブテーマ(1) 過去の流域水循環関連情報の復元に関する研究 ① ダウンスケーリングにより流域降雨再現手法の開発 メコン川流域における降雨量分布再現精度を高めるために大気気象モデルに加えて利用可能な地上降 雨データを加えてその再現精度を向上させる改良を行うとともに、広域・長期計算に対応するための 並列計算手法の導入を実施する。 ② キャリブレーションを必要としない水文モデル開発 メコン流域における過去 20 年間の蒸発散量の推定を行い、これを流出解析の入力情報として用いる。 これにより、過去 20 年間の流出シミュレーションの精度を向上させる。昨年度に引き続き、流出モデ ルによる過去 20 年の流出シミュレーションを行い、河川流量の推定精度向上に取り組む。具体的には、 蒸発散量の時空間分布推定とその流出解析への適用、水利用実態やダム貯水池・巨大湖沼の影響を考 慮した流出解析法に関する検討などを行う。 ③ 微地形情報を利用した歴史的洪水データ復元法の開発 メコン川下流域を対象地域として設定し、地形、表層地質、土地利用変化、利水、水文気象等の資料 ならびに地形図、空中写真、人工衛星画像等のデータをもとに、微地形分布と洪水氾濫との関係、洪 水規模と洪水氾濫域の関係、洪水氾濫と利水・排水システムとの関係などを明らかにする。解析対象 地区を設定し、現地調査を行うとともに、地形、洪水氾濫、水文・気象、土地利用、水利用等のデー タ・資料の調査研究を行う。また、地形図や衛星データの収集と土地利用図の作成、灌漑形態からみ た水田分類の手法の検討、氾濫湛水と灌漑形態の調査研究を行う。 ④ 農地を中心とする土地利用変化推定モデルの開発 解析対象地区を設定し,既存の地図や調査データ等の土地利用や潅漑施設の情報を収集する。また, 衛星データを収集し,土地利用状況を把握するための調査研究を行う。15 年度に研究開発した農地を 中心とする土地利用変化推定モデルの細部検証を,現地調査も含めて実施する。 ⑤ 流域レベルの農業取水可能量推定モデルの開発 水田を主体とする試験流域を設定し、水利用量などの収集を行う。また、水文水利特性から水田を分 類する手法の調査研究を行う。 ⑥ 流域の開発レベルが農地氾濫と灌漑に及ぼす影響評価モデルの開発 氾濫湛水と灌漑形態の実態調査を行うとともに、各種データの収集と調査研究を行う。15 年度に研究 開発した影響評価モデルの細部検証を実施する。レーダ画像データの解析と現地照合調査を行う。 ⑦ リモートセンシングによる葉面水分量および土壌水分推定手法の確立 時系列モデル処理でノイズ等を除去したノア衛星データ(分解能 8km、1981 年~2001 年)を利用して、 森林地帯における水分環境の年内変動を数量化し、データセットを作成する。また、その検証を他の高 分解能データや気象データで行う。 ⑧ 大湖沼の洪水調節機能評価手法の確立 衛星リモートセンシングデータ等を活用することにより、過去20年にわたってトンレサップ湖が果 たしてきたメコン河洪水の調節機能の時系列変化とその変動要因を明らかにする。 サブテーマ(2) 試験流域の設置・モニタリング ・国内3試験地ではカンボジアへの手法適用を目指した測器整備を行い、観測態勢を完了させる。 ・カンボジアにおいてはこれまでに設定した数箇所の試験地における長期観測データの取得を目指して 必要な機器・設備の整備を行う。 ・水田を主体とする試験流域をトンレサップ湖周辺および氾濫域に設定し、水利用量、蒸発散量などの 収集・調査研究を行う。 ・トンレサップ湖~トンレサップ川流域における現地での水文観測を継続し、トンレサップ湖周辺域に おける洪水氾濫の実態を明らかにするためのデータベースの構築を進める。 サブテーマ(3) 水循環変動の素過程の解明とモデル化に関する研究 ① 積雪・融雪モデルの開発 これまでに開発した衛星観測情報を用いた積雪域抽出法の有効性を確認する。また、算定されたメコ ン上流部における積雪推量、融雪推量と水文・水資源モデルとの結合を図る。 ② 森林域における雨水捕捉・林地水供給モデルの開発 前年度予備調査したメコン東岸域の落葉林地帯に固定し検知を設定し,西岸域の常緑林地帯との土壌分 布様式や異種土壌の分布規定要因の違いを比較する。西岸域の固定し検知も継続して 調査を行い,モ ンスーン季節変動との土壌・植生への影響を明らかにする。カンボジア国内のメコン川流域の常緑樹林 地帯に設定した常緑林、落葉林、常緑落葉の混交林の固定試験地で、樹冠の閉鎖度合いの定期的測定、 土壌水分状態、地下水位の観測を行うとともに、土壌調査で採取した土壌試料の分析を行う。 ③ 森林土壌の保水容量に基づく水資源貯留変動予測モデルの開発 カンボジア国内のメコン川西岸流域の常緑樹林地帯に設定した試験地、及び新たに落葉樹林帯に設定す る試験地において、貫入試験による土層厚の測定、土壌分布調査、土壌孔隙組成の測定を行う。 ④ 森林管理が水蒸気輸送過程に及ぼす影響の解明 温帯から暖温帯の国内試験流域(筑波森林水文試験地、トヨタフォレスタヒルズ、鹿北流域試験地)に おける蒸発散観測を継続する。同様にカンボジアの試験流域における降雨・流出・遮断・蒸発散に関す る観測を推進する。以上の結果を統合して各気候・植生などに対応した水収支特性の解析を進める。落 葉広葉樹二次林において放射環境、蒸発散量および樹冠遮断量の季節変化を測定し、放射収支と水収支 の実態と特性を評価するとともに、樹冠遮断モデルの改良を行う。 ⑤ 森林流域における水循環変動予測モデルの開発 流量データの時系列解析を継続するとともに森林流域の流出特性を予測するモデルの開発を行う。また、 カンボジアにおける雨水・河川水等の水素・酸素の安定同位体比を測定し、滞留時間を検討する。メコ ン河流域の流出量の時系列の定常性・異常性・決定性を調べることによって,メコン河流域の流出量の 時系列の多次元のモデルを導き出し、それに基づいてメコン河流域の水循環変動の将来予測を行う。 ⑥ 治水地形分類図の作成 過去 2 カ年間の作業で、すでに、ベトナム領内のメコンデルタの一部地域においては水害地形分類図を 作成している。これに引継ぎ、今年度は、洪水氾濫域が広域に広がり、逆流するために、順流時と異な る洪水環境を作り出している、カンボジア領内メコンデルタの水害地形分類図を作成する。この地域は 湖沼面積が雨季に拡大することで、湖岸平野、湖岸低地、湿地林が湛水するが、洪水確率によって湛水 地域には変化が見られる。そこで、既往最大洪水時での洪水被害の聞き込み調査を行い、デルタ微地形、 ことに逆デルタ地域での洪水との対応関係に着目しながら取りまとめることにしたい。さらに、メコン 中流地域に位置しているコーラート高原の沖積平野にまで調査地域を拡大し、下流地域へのインパクト を評価したい。中流地域での氾濫原解析の基礎とするために、メコン本川および支流のナム川、チー川 の氾濫原の水害地形分類図作成も行う。 ⑦ 人工構造物の氾濫への影響評価 これまでに収集した情報(タイ・ラオス・カンボジア・ベトナムにおける標高や人工構造物データ等) を整理し、2次元不定流モデルを用いて氾濫解析を行う。また、その結果をメコン河流域における実水 文データと照査することによって、モデルの精度を検証し、氾濫特性を分析する。メコン河下流域の洪 水氾濫に対するベトナムおよびカンボジアの人工構造物の影響の解析モデリング手法を検討し、プロト タイプの構築・検証を行う。 ⑧ 降雨イベント中および直後の短期間での水量・水質変動が森林生態系、地下水涵養に及ぼす影響の解明 降雨時の観測に基づき、降雨時の雨水・土壌水の主移動経路、水・栄養塩の森林から地下水への流出量 と降雨特性・流域特性との関係の解析により、短期間での水量・水質変動がメコン流域の森林生態系・ 地下水涵養に及ぼす影響を検討する。 サブテーマ(4) メコン川流域水文・水資源変動シミュレーションモデルの構築と変動シナリオに関する研究 ① 水資源変動予測のための流域変化シナリオ作成 メコン河及び黄河領域における 20 年後の将来を想定した水資源変動予測のために感度分析の対象とすべき 流域内の様々な影響因子のリストアップを行うとともに、それらの将来変化シナリオを作成する。 ② メコン河流域総合水循環モデルの構築と感度分析 サブテーマ(1)~(3)の成果を統合し、メコン河流域総合水循環モデルを構築するとともに、気候変化や流域条 件変化のシナリオに対する影響分析を実施することが可能な感度・性能を有していることを示す。 ③ 治水・土砂動態に関連した便益・リスクの抽出と対策検討条件の整理 メコン河流域は,その規模と流域国の関係から,長期にわたる河道特性の変遷過程や人工構造物等による洪 水氾濫特性の変動を定量的に考慮した上で水災害対策,水利用の方向を樹立すべきである。ここでは、②で 得られる将来 20 年にわたる水資源変動予測シナリオのうち、治水・土砂動態面でのリスクを抽出し、それらのリ スクを軽減するための対策を検討する要件を整理する。 ④ 水利用に関連した便益・リスクの抽出と対策検討条件の整理 ②で得られる将来 20 年にわたる水資源変動予測シナリオのうち、低水管理・水利用面での便益・リス クを抽出し、それらの便益を増進しリスクを軽減するための対策を検討する要件を整理する。 サブテーマ(5) 黄河領域地下水循環モデルの構築と地下水資源の将来予測 課題 1 地下水の収支・循環機構解明のためのモニタリングと地下水循環モデルの構築 ① 凍土の凍結・融解に関する実データの取得 H16 年度は 8 月の現地調査時に凍土観測拠点を設け、活動層厚や地下水位の調査を行い、また、ボー リング孔に各種センサーを埋設し、気温・積雪量・地温・土壌水分・地下水位の通年連続観測を開始す る。弾性波探査の実施地点も増やす。さらに、H15 年度に設置したロガーのデータを回収し、データ を解析する。黄河源流域では近年、一部で湖沼が著しく縮小しており、16 年度までに得られた地温・ ボーリング・気象データ等から、湖沼縮小の要因(永久凍土融解の寄与)について考察する。 ② 地下水の収支・流動に関するモニタリングおよび水質・同位体分析 H16 年度は 4 月、5 月、10 月などの各月を出張予定として、これまで十分な調査データが得られていな い河北、山西、陝西、内蒙古の各省・自治区を対象に、引き続き「マルチトレーサー手法」の適用をめ ざした現地調査を実施する。本項目では、現場における水質分析、温度測定、水試料採取のほか、実験 室での一般水質分析、酸素・水素同位体比分析を行うこととする。 ③ 帯水層区分および地質構造の解析 昨年度、予察的な解析として、地下水流動シミュレーションの基礎資料とするために、東アジア地質図 を参照して、いくつかの構造ブロックの分類を試みたが、黄河流域の帯水層の基盤深度を設定する必要 があるので、H16 年度には中華人民共和国水文地質図集や東アジア地質図を参照して、華北平原では第 四系基底を、その他の地域では第三系基底を水文基盤として設定することを検討する。ついで、各地層・ 岩体の透水性の評価を行い、平面図のみならず代表的な断面線に沿う鉛直方向の透水性評価断面図(深 度分布図)を作成する。 ④ 地下水循環モデルの構築とシミュレーション 昨年度の検討により、黄河全領域の地形・地質、降雨、蒸発散、土地利用・植生等の地域性を反映させ た水循環シミュレーションを行うための準備が整った。H16 年度は、各サブテーマから得られる最新の 知見や観測データを集約し、黄河全域及び2つのケーススタディ都市モデルに関する再現性の検証と地 下水流動メカニズムの解明を進める。 ⑤ データベースの整備 本研究を通じて得られる分析結果など各種のコンテンツをデータベース化して整備し、様々な利用に対 応できるようにする。また、データベース内のデータには関係者がアクセスできるネット環境をどのよ うに整えるか検討する。 課題 2 地下水利用の現状把握と将来予測手法 ① 地下水利用の現状把握と将来予測手法の開発 済南市における高解像度浅層・深層地下水揚水量分布現状マップ整備及び黄河全流域各種社会経済統計 データ(地下水資源需要関連)の収集。 サブテーマ(6) 黄河領域における土地水管理・水資源モデルの開発と水資源の将来予測 課題 1 水利用の実態解明と土地・水管理モデルの開発 ① 農業・灌漑システム・取水排水に関する収集資料のデータベ-ス化 黄河領域における農業・灌漑システム・取水排水に関する収集資料とデータベ-ス化を継続して、数値 地図や水系図、衛星画像等と対応の改良を図る。 ② 作物別用水量,圃場水収支,送配水効率のパタン化 既存調査や中国側資料の収集を継続し、作物別用水量や圃場水収支、送配水効率のパタン化を図る。 ③ 農地・灌漑システムの GIS 表現の拡充 中国側資料から事例地区で構築した農地・灌漑システムの GIS 表現を改良し,対象地域を拡大させる。 ④ 灌漑システムモデルの改良と適用拡大 前年度までに基本条件を整理してプロトタイプを作成した灌漑システムモデルを,黄河領域の典型的な 灌漑地区(源流部の張掖地区、中流部の青銅峡灌区・河套灌区、下流部の位山灌区など)に適用を試み、 水収支を 0.1 度グリッドで整理する方法を整備する。 課題 2 黄河領域スケールにおける水資源モデルの開発 ① 黄河源流域の水循環と大規模ダム操作のモデルパラメータ化 黄河の源流域であるチベット高原から蘭州までの黄河河川水の形成及び流下過程を寒冷シベリア・レナ 河で開発した馬・福嶌モデルを適用してその挙動を解析する。同時に源流部に設けられた貯水池による 河川水調節効果を検出する。 ② 黄河中流域における水利用実態を表現する水文・水資源モデル開発 黄河中流域、蘭州から花園口区間について灌漑農地の水利用を反映させた水文・水資源モデルの最適パ ラメータを探索する。 ③ 華北平原の黄河影響圏における水利用実態を反映させた地表水・地下水相互作用のモデル化とそのパラ メータ検出 華北平原における黄河影響圏内の地表水と地下水の水利用実態を反映させた水文・水資源モデル開発と そのパラメータ検出をおこなう。 課題 3 黄河領域における雲、降水と放射収支のデータ解析 ① 黄河領域の降水データセットの構築及び検証 黄河領域(北緯 32-43 度、東経 95-123 度)の 1981-2000 年、0.1 度グリッド解像度、日単位の降水量 のデータセットを、地上観測データに基づいて構築する。 ② 黄河領域の放射収支データセットの構築及び検証 本年度は、衛星データに基づいた Langley 法による地表面短波放射フラックスを日射計データセットと 比較した後、1983.7~2000.12 の期間についてデータセット作成を行う。また、地表面長波放射フラッ クスについて地上データ(日照データ、雲量データ)から見積もられた値と衛星データからの結果を比 較・検討する。 ③ 黄河領域土地利用と土地利用変化データセットの構築 黄河領域における現況の土地利用データセットと、その 1980 年以降の約 10 年間隔での土地利用変化デ ータセットを NOAA/AVHRR, MODIS, Landsat 衛星を用いて構築する。 5. 平成 16 年度の研究成果 サブテーマ(1) 過去の流域水循環関連情報の復元に関する研究 ① ダウンスケーリングによる流域降雨再現手法の開発 昨年度に開発を行った NECP/NCAR の再解析 データを入力とする非静力学モデルは、特に 平地部で雨量値を低く算出する傾向があっ た。そこで、非静力学モデルを定常問題に変 換して各格子における計算値が安定するま で繰り返し計算を行った結果を初期条件と する再初期化手法を用いることで、初期条件 の精度を改善する手法を試行した。その結果、 過度な地形性降雨を抑制するとともに、平野 図①-1:土木研究所非静力学モデルにおいて、再初期化を行わない 場合(左側)と行った場合(右側)の降雨量分布再現結果の違い 部の降雨をある程度再現したが、定量的再現 性には大きな課題が残った。このため、国内外で幅広い実績を有する MM5 非静力学モデルを基盤として、 米国カリフォルニア大学デービス校と土木研究所との共同研究で別途開発を実施している地域水文気 象モデル(RegHCM)を本研究に適用を試みる準備を開始している。 山梨大学では、地上観測雨量を用いずに,河川流域 スケールの過去の地上降水量分布を再現する手法と して,非静力モデルを用い,気象庁の解析データを 初期値とする方法で 0.1°メッシュの降雨分布再現 として 2001 年 7 月の1ヶ月間の 5km メッシュの降 雨分布を再現した. (図①-2) 従来は単 CPU で行 っていた計算を,長時間積分のために地球シミュレ ータで実行することを目指して,並列化計算を実行 図①-2:再現された降雨時の積雲の3次元鳥瞰図 できるようにした.現状ではベクトル化率が十分では ないために地球シミュレータと同じメーカーの並列計 算機 SX-6 の 8CPU を用いた計算にとどまっているが, 地球シミュレータでの実行について目処が立ってきた. 一方,計算結果を TRMM の PR データ(2A25)にて検 証すると,グリッド対グリッドの降雨情報としては, まだまだ非静力モデルでも十分な精度を有していると は言い難い。 (図①-3) しかし,本来降雨量は流域ス ケールで検証されるべきであるためグリッド対グリッ ドの値で異なっていることを強調しすぎることは研究 進捗にとって有益ではない.一方で降雨量を流出モデ ルに入れた結果で評価しても,考察すべき変動要因を 増やすことになってしまう.そこで,流域に注目し擬 図①-3:TRMM(緑)と再現された降雨(赤)の分布 河道網を用いた降雨の評価方法を考案中であり,年度 末には1ヶ月間のデータを使って上記評価方法を用いた降雨分布再現結果を提示することができる予 定である。 ② キャリブレーションを必要としない水文モデルの開発 分布型水文モデルによる河川流出量推定 の精度向上を目的とし、可能蒸発散量の算 定精度の向上、積雪・融雪過程の導入、 Muskingum-Cunge 計算法の精度の向上を行 った。可能蒸発散量推定には、裸地の混在 した植生被覆における可能蒸発散量の推 定に適した、Shuttleworth-Wallace モデル を利用し、そのために必要なパラメータセ ットを、文献値の収集整理により 整備し た。この方法により、遮断蒸発、蒸発散が 別々に算定可能になった。積雪・融雪モデ ルは、限られた水文気象観測データからの 積雪・融雪量の推定量の推定が可能な、気 温による降雨・降雪判別法と、degree-day 法を使用した。Muskingum-Cunge 法の安定 図①-4:メコン川におけるおける河川流量のシミュレーション 条件を、基礎方程式の連続条件確保に立ち返って求め、河道追跡の不安定問題を解決した。これにより、 凍結地帯、乾燥地帯を除く、湿潤温暖域なメコン流域の主要部分に関し、当水文モデルの流出量推定精 度は、ほぼ十分な段階に達した。図①-4 はメコン中上流域各地点での流出量の推定結果である。 Yasothon での計算値と観測地が大幅な違いを見せており、厳しい乾燥期を含む流域からの流出である ことに加え、水利用が大きな地域であることの影響が出ているものと考えられる。さらに、すべての地 点のすべての時刻での流出量計算が出来るよう、また、キャリブレーションを必要としないパラメータ の推定方法につき、検討を続けている。 ③ 微地形情報を利用した歴史的洪水データ復元法の開発 氾濫原地域の微地形分布図作成は、今年度は、トンレサッ プ川沿いにコンポンチュナンまたはトンレサップ湖まで、 下流側はベトナム国境付近まで拡大して完成している(図 ①-5)。過去 20 年間の氾濫域推定は、JERS-1(1992, 1995, 1997, 1998 年雨季)、LANDSAT-7(1999, 2000, 2001 雨 季)の衛星画像を入手している。農業活動・水利システム 図①-5 の調査については、バサック川沿いの「コルマタージュ」 氾濫域の微地形分布図 以外にも、微地形や浸水条件の差により「タムニュップ」 (皿状 凹地の一辺または多辺を堤防で閉め切り貯水する) 、小規模ため 池(古代遺跡の周辺に集中)、ポルポト水路(微地形に配慮して 施工されたように見える、あるいはそのような部分のみ現存) などの水利システムが認められる。これらの地域の土地利用・ 水利用の実態調査を行った。今後は微地形分布図とそのデジタ ル化を集中的に進める。 雨季中心型 雨季乾季混在型 乾季中心型 多期作型 裸地,森林 水域 ④ 農地を中心とする土地利用変化推定モデルの開発 図①-6 農業形態別分布図 +27℃ 季節の異なる MODIS データ(8 日間合成画像)から植生被覆 密度図の作成、森林域・水域・農地等の分類、4 時期の植生被 覆密度の変化から農地と裸地の類型化を行った(図①-6)。同 時に、現地調査や多時期の Landsat/ETM+データより「教師 なし」分類を行った上で(カンボディアと東北タイは完成) 、広 域の農業形態別分布図との整合性を比較検討した。地帯別情報 -3℃ 2000年12月~2月合成昼夜温度差画像 (森林域除去) からの分類と水稲の作付け状況を明らかにした。さらに、水田 の持つ昼夜間の温度差情報を利用して、農地の季節別利水状 図①-7 MODIS データを用いた解析対象農地 態・営農状況を推定する試みを行った(図①-7) 。 ⑤ 流域レベルの農業取水可能量推定モデルの開発 これまでカンボジアにおいて進めてきた、米生産量データから水田 への補給水量を推定するモデルをメコン川下流域(東北タイ、ラオ ス、カンボジア)に拡張した。対象地域においては乾期作の割合が 低いため、今回は雨期作を中心に検討した。モデルの同定期間は 1991 年から 1992 年の 2 年間、検証期間は 1993 年から 1995 年の 3 年間と設定した。その結果、推定米生産量と実米生産量との誤差が 補給水量 (m3/km2) 158399 841 すべて 18%以下となり、おおむね良い結果といえる。加えて米生産 (例: 1995年の分布図) 図①-8 モデルによる補給水量の推定 量の分布が把握された。次に、雨期における水田への補給水量を推定した。この図から水田への補給水 量は、タイが最も多く、ラオスが最も少ないと把握された。加えて補給水量の分布が視覚的に把握され (図①-8)、特にタイの補給水量の色が他国に 700 比べて濃いことが分かる。また、メコン流域で ぞれについて貯水池運用モデルを作成した。貯 水池から水を導入している灌漑受益の面積は、 500 計算 400 実測 300 200 乾期始めの貯水量に応じて水田灌漑面積、畑地 100 灌漑面積が変動するとした。推定された補給水 0 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 おいて貯水量 100 万 m3 以上の 229 貯水池それ 有効貯水量(million cubic m) 利用されている貯水池の多くが存在するタイに 600 量等によりこれらの貯水池運用モデルを使って 1 旬単位で 1981 年から 2000 年の 20 年間につい 図①-9 推定貯水量(LamTakhong 貯水池) て貯水量や放流量を推定した。有効貯水量推定値の一例を実測値と比較して図①-9 に示す。 ⑥ 流域の開発レベルが農地氾濫と灌漑に及ぼす影響評価モデルの開発 メコン河流域内の農業水利用の分類を行い、それを非灌漑(天水、雨水貯留、洪水)、灌漑(河川[重力]、 ポンプ、貯水池、コルマタージュ、塩水遡上管理)に分類した。特 に、灌漑施設数により算定された 灌漑水利用の分類結果は図①- 10 のようなメッシュ分類図で示 せる。その中の洪水を用いた農業 水利用については、FEM による 氾濫湛水と灌漑形態のモデル化 (プノンペン市北部氾濫貯水域、 貯水池灌漑 トンレサップ湖および周辺域全 重力灌漑 域、周辺灌漑域)を行った。氾濫 塩水遡上管理 域ならびに周辺地区の DEM の 作成、トンレサップ湖周辺の農地 ポンプ灌漑 コルマタージュ 図①-10 図①-11 FEMモデルによる氾濫再現結果 (2000 年 9 月 28 日時点氾濫域) 灌漑農地の水利用分類(0.1 度メッシュ) を中心とした湛水域の移動境界条件の設定、湛水域ならびにメッシュ分割(氾濫部:2,500~5,000m、 河道部:200~450m)、13 本の支川流入量の境界流入量処理を行い、2000 年と 2003 年の再現を行 った(図①-11)。湛水域分布については、RADARSAT/SAR の広域モード画像を用いて、現況湛水 域分布の抽出を行っている。この際に、トンレサップ湖西側周辺は、水草等の後方散乱成分による雑音 で、従来研究では湛水面の把握が困難であった。洪水対応時期の MODIS 衛星データを併用して、昼 夜の温度分布特性を解析し、湖面および湛水面の温度分布特性との類似性を評価して、雑音部分を低減 させて真の湛水域を推定する手法を開発した。 ⑦ リモートセンシングによる葉画水分量および土壌水分推定手法の確立 Landsat TM データにおける水分含有指数(LWCI)と NDVI および表層温度データ(LST)の関係を新た に分析し、LWCI を NDVI と LST で推定する回帰式のロバスト性を明らかにしている。これらの関係を LMF -KF 処理によって雲などの大気成分による影響を除去した NOAA 衛星データに適用することで水分関連 情報を得られることが概ね確認されている。具体的な物理量(水分量)との対応を明らかにするために、 地上データとの比較を行った。過去 20 年間分の森林被覆状況の再現について、今年度はルールベース の分類法の適用性を検討した。使用したデータは、NOAA NDVI データ、GTOPO30 の標高データ、そして 参照用の土地被覆データである Global Land Cover 2000 のデータを用いた。NDVI データは LMF-KF が 適用された 2000 年 4 月 1 日~2002 年 3 月 31 日の中の 2001 年分である。この NDVI データから NDVI の 年平均値と植生期間の長さ(NDVI が 0.4 を超える期間)をパラメータとして取り出した。さらに解析 対象が広域にわたることを考慮し、緯度値ラスターをパラメータに加えた。これらのデータに統計確率 モデルを適用することによって分類ルールの作成を試みた。 NDVI and Surface Temperature for 20 years (Chiang Rai 100°/20°) NOAAツリー分類法 1 40 0.9 35 0.8 結果 30 0.7 0.6 25 0.5 20 0.4 15 0.3 10 0.2 5 0.1 0 0 1 37 73 109 145 181 217 253 289 325 361 397 433 469 505 541 577 613 649 685 721 NDVI Temperature 1=常緑林、3=落葉林、meanは年平均NDVI、demは標高、latは緯度を示す 図①-12:20 年間分の森林被覆状況の再現 図①-13 NOAA ツリー分類法 ⑧ 巨大湖沼の洪水調節機能評価手法の確立 昨年度までに作成したトンレサップ湖に関する水収支モデルの改善を行った。トンレサップ湖水収支モデルは、 トンレサップ湖上流域からの流出、氾濫域からの流入およびトンレサップ川の流出入量の3項から構成されてお り、今年度はそのうちのひとつであるトンレサップ川の流出入量の精度を高めることで水収支モデルの精度改 善を行った。トンレサップ川流出入量の精度改善は Prek Kdam 水位流量観測所に近接して設置した Prek Taten 観測所における補助水位観測値を活用することで行った。 また昨年度までに評価したトンレサップ湖の水位貯水量(H-V)関係を既知とし、氾濫域からの流入量およ びトンレサップ川の流出入量を用いることで、トンレサップ湖上流域からトンレサップ湖への流入量を推定し、既 往のトンレサップ湖への流入量推定値との比較を行った。この手法と衛星データ等を用いたトンレサップ湖水 位推定値を組み合わせることで、年度末までに過去10年以上に及ぶトンレサップ湖周辺域の水収支評価を行 う予定である。 サブテーマ(2) 試験流域の設置・モニタリング 今年度は森林流域に関する既存データの検証の継続ならびに森林タイプと土壌保水能および蒸発散等森 林水文に関する高精度データの取得を本邦及びカンボジアの試験地において実行している。これにより、 温帯・暖温帯・熱帯の各気候帯の植生に対応した試験地データが取得されている。特にカンボジアでは 全ての試験流域において降水量、流出量の観測が開始され、飽和帯・不飽和帯の土壌水分観測体制も整 ってきた。対象 4 流域の水位―流量曲線の作成も進み、さらに雨季・乾季のデータを追加して精度良い流 量データの整備、同時に土壌水分測定及び浅層地下水観測も進めてきた。また、今年度から本格的に観 測を開始した常緑広葉樹林流域の森林気象タワーでは、電源の供給システム改善のためにソーラーパネ ルを設置し、バッテリーシステムとの相互補完により、観測の安定化を図った。隣接する樹冠遮断プロ ットでは、詳細な林分調査を行い、植生分布とともに林分構造の解析を行った。また、衛星による季節 変化把握の精度確認のために導入したGPSカメラのデ-タとの連携を目指してこれまでに設定した数 箇所の試験地における長期観測データの取得のために必要な機器・設備の整備を行った。農業工学研究 所が行っている農地水利用に関する現地観測では、観測を継続し、水田水収支測定対象地区における水 利用(取水量、消費量等)の推定を行った。トンレサップ湖畔総合観測では、近傍標高からの測量を実 施し(2004 年 5 月)、量水標 0 点標高を決定した。また、2003 年 6 月~2004 年 2 月までの観測値の分析 を行った。また,観測値の一部は,FEM による氾濫モデルの検証に利用している。研究推進上の問題点で ある湖畔タワーでは表面温湿度計の漂流,低部水温計(2 個)ならびに温湿度計(1 個)の盗難等に関し ては,平成 16 年度 5 月に復旧を行った。同年 11 月には、水田水収支測定地点に熱流板(2 点)を設置 するとともに、Siem Reap 総合観測タワーの風速計、水温計の交換を行った。 (1)トンレサップ湖畔総合観測タワー (Siem Reap 湖面地点(図②-1参照) :カンボディア水資源気象省水文河川部との共同)水位(0~10m 変動),総合気象(長短放射収支,風速 2 高度,温湿度 2 高度,雨量,気圧,湖温度(非接触表面,2 深 度)) (2)水田水収支測定装置(図②-2,図②-3) (200ha 調査:プレクトノット川沿い灌漑地区:水資源気象省灌漑局 TSC センターとの共同) 水田流入,水田流出量,簡易蒸発散量,減水深,水田湛水位 水田総合気象(長短放射収支,風速 2 高度,温湿度 2 高度,雨量,気圧)) 図②-2 水田水収支観測装置 図②-1 湖畔 Siem Reap 総合観測 タワー 図②-3 水田総合気象観測 観測所における各種データは平成 15 年 6 月から得られており、これらの水文気象象データを用いてトン レサップ湖およびその周辺氾濫域からの蒸発散量を求めることを試みた。蒸発散量を求めるにあたって は、1)日本(温暖湿潤気候)とカンボジア(熱帯モンスーン気候)との違い、2) 土地利用(市街地内、水田地 帯、湖面上)による違い、3)トンレサップ湖の消長特性(湖水面積、水深の季節変化)に伴う変化の 3 点に 特に着目した。 さらに、土木研究所では、平成 15 年度末にトンレサップ湖東岸(下流端付近)にある Chhnok Tru 地点に水位・微 気象観測所およびトンレサップ川沿いの Prek Taten 地点において補助水位観測所を設置した。平成 16 年度は その両地点における観測を開始し継続するとともに、トンレサップ川の流出入量を把握するために Prek Kdam 水 位流量観測所における ADCP を活用した流量観測、ならびに、Prek Taten 地点における補助水位観測を行った。 微気象観測項目は、気圧、温湿度 2 高度、正味放射収支、短波放射量、水温、風向、風速、降雨量である。平成 16 年 3 月より各種データが得られている。また、16 年度末までに、トンレサップ湖上流域における水循環を解明し、 将来予測を行うための基礎データとするため、Pursat 川流域を試験流域として設定し、雨量観測所(6 カ所)と水 位流量観測所(1 カ所)の追加設置を行う予定である。 サブテーマ(3) 水循環変動の素過程の解明とモデル化 ① 雪モデルの開発 分布型積雪・融雪モデルの入力となる気象データ、地理情報及び衛星積雪情報を整備した。また、この データをもとに過去約 20 年間を対象としたモデル計算を行い、メコン上流域の総積雪水量及び融雪量 の季節・年々変動を抽出した。さらに、衛星観測値(AMSR-E SWE,SSM/I 積雪深)や他のモデル(NWS Snow17 など)と本モデル推定値との相互比較によるモデル推定値の検証を行った結果、概ね妥当な推定結果で あることが確認された(図③-1)。 400 40 swe SSM/I 35 30 1997/11/1 1996/11/1 1995/11/1 1994/11/1 1993/11/1 1992/11/1 1991/11/1 1990/11/1 1989/11/1 0 1988/11/1 5 0 1987/11/1 10 50 1986/11/1 15 100 1985/11/1 20 150 1984/11/1 25 200 1983/11/1 250 1982/11/1 SWE(mm) 300 Snow Depth (cm) 350 図③-1 流域積雪水量(SWE)推定結果(1982-1998 年) SWE:本モデル推定値(mm), SSM/I:衛星観測積雪深(cm) ② 森林域における雨水捕捉・林地水供給モデルの開発 固定試験地における季節ごとの土層厚、貫入抵抗値の変化及び土壌透水性の変化を把握した。測定およ び原位置透水試験では、雨季における気象観 測タワー試験地付近の土層厚・貫入抵抗値・ 土壌透水性とメコン東岸地域の堆積岩地域・ 玄武岩地域における土層厚・貫入抵抗値・土 壌透水性を明らかにした。又カンボジア東部 の玄武岩台地において、季節ごとの土層厚、 貫入抵抗値および土壌透水性の変化を把握し た。土壌の保水容量は、実測含水率で補正し た保水容量と、孔隙解析から得られる保水容 量の比から、保水容量係数を算出した。 ③ 森林土壌の保水容量に基づく水資源貯留変動 予測モデルの開発 図③-2 季節ごとの見かけ上の土層厚・貫入抵抗値の変化 固定試験地(落葉、混交、択伐、常緑林)に設置した土壌水分測定装置により、2 回の雨季を含む、約1 年半に亘る土壌水分の季節変動を把握した。気 象観測タワー試験地の土壌水分の経時測定を 開始した。固定試験地(トランセクトライン・ Research Site プロット)に沿った地下水位の観測を継続的に SF 進め、一年間の季節変動を把握した。土壌試料 MF DEF の物理性・化学性の分析は、完了した。常緑林 DDF と落葉林に設定した固定試験地において、LAI DEF log を毎月測定した。2003 年の雨季初めに開始し て以来、2 回の雨季を含む、約1年半に亘る変 0 1 化を把握した(図③-3)。また植生調査結果から、 林分構造、種組成を明らかにした。又カンボジ アにおいてメコン川東岸域として、Kracheh 州 図③-3 SF(湿地林) の各調査区 と Mondolkiri 州において植生調査・土壌調査を行った。 ④ 森林管理が水蒸気輸送過程に及ぼす影響の解明 今年度は、カンボジア国の熱帯モンスーン地域森林流域に 設置された森林気象観測塔を使用して常緑広葉樹林地帯 の蒸発散量の季節変化を観測し、その要因解析、総量推定 などを検討している。また、この観測と同時にポロメータ を使用して常緑広葉樹林及び落葉広葉樹林を対象に蒸散 図③-4 量測定・解析を進めている。さらに、観測塔に隣接する林 蒸発散の日変化(乾季) 分で、降雨遮断特性の観測を実行し、地面蒸発の測定と合わせ て森林からの蒸発・蒸散に関わるすべての要素の観測・解析を行 っている。また、国内では温帯から暖温帯の試験流域(筑波森 林水文試験地、トヨタフォレスタヒルズ、鹿北流域試験地)に おける蒸発散観測を継続し、地域特性を検討した(図③-4)。 ⑤ 森林流域における水循環変動予測モデルの開発 前年度に引き続き、メコン河流量時系列データに対する定常解 図③-4 析・異常解析を進めている。過去の解析とあわせて、対象観測 図③ 蒸発散の日変化(乾季) 流域における18O の変化 地域の流量データ特性をまとめる予定である。また、カンボ ジア森林流域での雨水、河川水、井戸水の安定同位体比を使 用した変動特性・滞留時間の解析を実行しており、特に 8 月 には集中観測データを取得することできた。また、カンボジ ア森林流域のモデル計算のために地形インデックスの計算を 進め、サブ流域のモデル計算を行った。また、パラメータ設 定や流出計算チェックのために、降水量・流量データのデジタ ル化を進めた(図③-5)。 ⑥ 治水地形分類図の作成 今年度はメコンデルタの中でもベトナム領内南部地域のメコ ン川東岸地域に着目して、衛星画像から水害地形分析を行っ た。メコン流域の 0.1 度メッシュへの変換可能な図化にむけ、 図③-6 メコンデルタの治水地形分類図 2 3 4k m ベトナム領内の自然堤防地帯、タイ湾岸にむかう潮汐低地を中心にすえながら、メコンデルタ下流部の 水地形分類図を作成している。解析基礎データには多時期の JERS-1 SAR 画像のモザイク図を作成し、 洪水地形の画像解析を行っている。基礎資料に5万分の1縮尺の地形図、一部、ベトナムで側での 1 万分の1縮尺の DEM、完新世の地質ボーリングデータを用いている。現地調査では、昨年度に続いて 簡易ボーリング調査、微地形調査、グランドトルースを行い、2000 年洪水を中心にしながら近年の洪 水と微地形との対応関係の聞き込みを行った。さらに、トンレサップ湖岸南部地域の平野の現地調査、 洪水状況の聞き取り調査、完新世の環境変化と地形面の変換を基礎におきながら、湖岸の湖岸段丘、湖 岸平野、これに続き、高位自然堤防・高位後背湿地、低位自然堤防・低位後背湿地、旧河道などの洪水 に対応する地形ユニットの分類を行っている(図③-6)。 ⑦ 人工構造物の氾濫への影響評価 2000 年 7 月 1 日~2000 年 10 月 31 日(2000 年の大洪水)のプノンペン近辺を対象とした領域氾濫解 析を実施した。観測値との河川水位比較、および衛星画像との洪水氾濫域の広がり比較を行った。その 結果、河川水位比較では概ね良い一致傾向を見せたが、洪水氾濫域の広がりでは解析値の方が実際の衛 星画像よりも範囲が小さくなった。解析結果における洪水氾濫域の広がりの過小傾向の改善には、DEM データの精度向上およびメコン河上流端以外からの地表流入の考慮が必要と考えられ、未だ入手および 確認できていないデータ(道路盛土等の敷高、水収支データ等だが存在の有無も確認されていない)によ る改善が見込まれる。今後、精度向上のためのデータ収集、解析範囲の拡大を実施し、道路盛土等の人 工構造物による氾濫域の変化について検討する予定である。 Comparison of Water Level at Choroi Changvar Comparison of Water Level at Neak Loung 11.5 8.5 11 8 W ater Level (m) Water Level (m) 10.5 10 9.5 9 8.5 7.5 7 6.5 6 8 5.5 7.5 7 1-Jul 31-Jul 30-Aug Observed 29-Sep 5 1-Jul-00 29-Oct 8 10.5 10 Water Level (m) Water Level (m) 11 7.5 7 6.5 6 5.5 30-Aug-00 Observed 29-Sep-00 Simulated 29-Sep-00 29-Oct-00 Simulated Comparison of Water Level at Phnom Penh Port Comparison of Water Level at Koh Khel 31-Jul-00 30-Aug-00 Observed 8.5 5 1-Jul-00 31-Jul-00 Simulated 29-Oct-00 9.5 9 8.5 8 7.5 7 6.5 6 1-Jul-00 21-Jul-00 10-Aug-00 30-Aug-00 Observed 19-Sep-00 9-Oct-00 29-Oct-00 Simulated 図③-7 改良した二次元不定流モデルによる予備的に氾濫解析 ⑧ 降雨イベント中および直後の短期間での水量・水質変動が森林生態系、地下水涵養に及ぼす影響の解明 降雨イベント毎に高頻度で樹冠通過雨・樹幹流を採水し,水量・水質を測定した.その結果を用いて, 回帰分析による年間 DOC フラックスの算出を試みた。その結果,平均 DOC 濃度ではアカマツはコナラの 1.9 倍程度であること,気象条件では全天日射量,無降雨時間,気温が DOC 濃度と関係づけられること、 林内雨と樹幹流による年間 DOC フラックスでは、前者は後者に対しアカマツでは 20 倍、コナラでは 26 倍に達することなどを示した。浸透の空間分布の解析では、樹幹を中心とした 4m 四方の範囲に 24 個の TDR 水分計を配し、降雨継続期間中及びその直後で蒸発散の影響の少ない期間に対し表層土壌層の水分 量空間分布を観測し、あわせて水分量の時間変化率から浸透量を算出した。その結果、0.80 ㎥の降水に 対しこの範囲では 0.31 ㎥が降雨中に浸透し、その後含水率が安定するまでに 0.43 ㎥ 浸透し 0.06 ㎥ は 表層土壌中に残ること、水分量の分布については根が多そうな場所で浸透による水分量の変化が少ない ことなどの知見が得られた。 サブテーマ(4) メコン川流域水文・水資源変動シミュレーションモデルの構築と変動シナリオに関する研究 ① 水資源変動予測のための流域変化シナリオ作成 水循環変動を予測するために必要となる検討項目としては、自然的水循環過程と人工的水循環過程に便宜上 分けて考えることができる。前者としては、気温・雨を規定する気候変動が最も重要であり、森林や農地・都市域 等における植生をはじめとする土地被覆等の物理条件が変化することで、降雨損失(樹幹遮断・蒸発散)や地表 における透水・保水機能等が変化するなどの知見における変化も含まれる。一方、人工的水循環過程について は、水資源の需給関係の将来動向の把握と不可分である。供給の面からは、水資源を直接開発・制御するダム・ 堰等の施設整備や河川改修のみならず、農地や都市域等における水管理施設(農地灌漑・水路や上水道・下水 道等)の整備等が影響因子としてあげられる。一方、需要の面からは、農業用水や都市用水のみならず、メコン 河における水産資源・多様な生態系の確保等の観点から必要となる環境用水等の将来動向を含めて予測するこ とが必要である。 さらに、これらの水循環に直接影響を与える因子を変化させる重要な背景要因は、流域における人間の社会・経 済活動の変化である。例えば、人口増加や経済発展が産業構造や政策の量的・質的変化をもたらし、水需要を 直接変化させるとともに、土地利用の変化等、流域の自然的水循環過程の変化にも結び付く。 年度末までに、サブテーマ1~3の成果を統合して構成されるべきメコン河流域総合水循環モデルが実施すべき 感度分析の対象項目について、上に述べてきたようなメコン河流域における水資源予測に関連する既往の研究 成果の分析・整理結果をもとにリストアップを行うとともに、将来 20 年の予測シナリオについてさらに研究を要する 影響因子や背景因子についても整理を行う予定である。 ② メコン河流域の総合水循環モデルの構築と感度分析 降雨量の増減・季節変動、積雪域の減少、森林被服率の減少、貯水池建設、農業潅漑取水増等に関する、シ ナリオ分析を想定して、それに耐える水循環モデルの構築を目指している。主として蒸発散モデルの改善により、 精度は大きく向上しているが、流域すべての点で同じ精度を得る段階には達していない。特に水利用の盛んなタ イ東北部サバナ地帯(乾季半乾燥帯となる)の流出では、地表面過程の導入が必要であり、まだ貯水池・利水シ ステムとの接続には至っていない。下図は NOAA-AVHRR データを用いて、流域積雪面積率が 5%以上となる地 域の分布を最小、最大、平年で示したものであるが、いずれも上流部の限られた地域であり、積雪水量は中国流 域部の平均降水量 800mm 弱の5%以下であり、気候変動により降雪が減少したとしても流出への影響は少ない。 ENSO との関係については最小年の1988/89は La Nina の年であり、最大年の1982/83 は El Nino の年であっ た。 図④-1 11-3 月期の積雪域分布図(1981-2000) ③ メコン河における土砂動態に関連した基本水理特性に関する解析 土砂動態の把握・検討するために,流域水系全体にわたる大規模・長期河床変動予測を進める一方,メ コン河本川中下流部河道の基本的特性について, “セグメント区分”の概念を用いてわが国の河川の特性 と比較した.主要水文・水理量は,平均年最大流量,河床材料の代表粒径,河床勾配である.図④-2 に河 口から Kratie の平均河床高の縦断変化を示す.同図から, メコン河は Tan Chau の下流 (河口から 222km 地点)でセグメント3とセグメント 2-2 に区分されることがわかる.河口から Tan Chau 下流までのセ グメント3では,河床はほぼ水平であり,Tan Chau から Kratie までのセグメント 2-2 では,河床勾配 は 1/25700 である.セグメント3での平均低水路幅は 1,239m,セグメント 2-2 での平均低水路幅は 1,645m であり,代表粒径は Kompong Cham から Tan Chau へ減少する.図④-3 に無次元掃流力と河床 材料の代表粒径の関係を示す.代表粒径が 0.02cm~0.08cm の範囲において,無次元掃流力は粒径によ らずほぼ一定値(平均で*R=0.87)であることがわかる.メコン河の無次元掃流力は日本の沖積地河川の ものよりも小さい傾向を示す。 10 40 M ekong River River in Japan (material a) River in Japan (meterial b) Segment 2-2 Ib =1/25700 Delta 20 10 Segment 3 Horizontal 1 L=222km *R Average bed elevation (m) 30 0 0.1 -10 -20 Kam pong Cham Neak Luong My Thuan My Tho Kratie Tan ChauChroy Chang Var -30 0 100 200 300 400 500 600 700 0.01 0.01 0.1 図④-2 平均河床高の縦断変化 サブテーマ(5) 1 10 100 d R (cm) Distance from the river mouth (km) 図④-3 無次元掃流力と河床材料の代表粒径の関係 黄河領域地下水水循環モデルの構築と地下水資源の将来予測 課題 1 地下水の収支・循環機構解明のためのモニタリングと地下水循環モデルの構築 ① 凍土の凍結・融解に関する実データの取得 8 月中旬に、黄河源流の青海省瑪多県を中心とする高原地域で現地調査を実施した。瑪多気象観測所(標 高 4273 m)構内には凍土観測拠点を設けた。また、国道 214 号線沿いの標高・地盤条件の異なる 8 地 点において、温度ロガーのデータ回収(図⑤-1)と地震探査法による永久凍土の有無・活動層厚の調査 を行ったところ、永久凍土は 4300 m 以上に広く存在するが、活動層厚は 2.4~8.0 m と厚いことがわ かった。源流域の大半を占める 4000-4500 m の準平原では、季節凍土層(約 3 m)と永久凍土層の間 に不凍土層が存在する場所が多く、永久凍土の最上部が最近消滅過程にある。それに伴う地下水位の低 下と地下水系の変化が現在急速に進行中であると考えられる。 図⑤-1 標高別の地表面温度の年変化(2003 年夏-2004 年夏) ② 地下水の収支・流動に関するモニタリングおよび水質・同位体分析 山東、山西、陝西、寧夏回族、内蒙古の各省・自治区において、引き続き「マルチトレーサー手法」の 適用をめざした現地水文調査を実施した。調査を通じて計 71 地点の井戸、湧水および河川水の水試料 を採取し、水質分析を行った。水質分析項目は、主要溶存成分の一般水質と酸素・水素安定同位体比で ある。これまでに 71 試料のうち 25 試料の分析が終了した。青海省の試料は、標高 2500m から 4800m で採水されたものであるが、ほとんどの試料が他の地域よりも重い同位体比を示していた。黄河領域の 地下水の安定同位体比は、高度効果よりも地域的な降水の影響を強く受けているようである。 ③ 帯水層区分および地質構造の解析 黄河中流域のオルドス高原の周辺地域に相当する西安、銀川、臨河、包頭、呼和浩特の各都市を訪れて、 帯水層区分に関するデータ収集と情報収集を行った。本地域ではオルドス高原を取り囲むように地溝帯 が発達していて、帯水層となり得る第四系・第三系が 2〜3km から 6〜7km の厚さで堆積している。 これらの地域では、数 m〜数 100m の深さから農業用、工業用に大量の地下水を汲み上げているほか、 西安、銀川、呼和浩特では 2-3km の大深度から温泉水が揚水されている。温泉井の多くは急激な水位 低下を起こし、場所によっては揚水不能となった所が ある。西安市内南部では地下水位の低下によって地盤 沈下が生じ、歴史的遺産である大雁塔がやや傾くとい う問題が生じているようである。また、河套平野では、 今年から農業灌漑用に大量の地下水が汲み上げられ始 めたが、今後の地下水位の低下が懸念される。 一方、黄河領域について水の浸透率区分に対応させた 地質区分を設けて地質図ならびに 8 個の地質断面図を 作成した。また、地下水流動の支配的因子となる第四 系と第三系をアイソパック(等層厚線)図で表す作業 を行った。なお、アイソパック(等層厚線)図は、細 かなブロックに対応させるため、精度の高い地図上で 作成する必要がある。 ④ 地下水循環モデルの構築とシミュレーション 図⑤-2 黄河地下水循環モデルとデータセット 新たに入手した SRTM 地形標高データ、主要な河道網、降水観測データを組み込んだ黄河全領域モデ ルのバージョンアップを行い、解析を実施した。この際、平面の格子を一部変更(更新)したほか、深 度方向の格子分割では地質構造区分の反映を試みた。また、呼和浩特および済南の二つのケーススタデ ィ都市について部分流域モデル解析を行った。 黄河全領域モデルの平面格子システムは、黄河本流に加え、主要な支流形状および地下水位、水温など の地上観測点の配置を勘案したものとなっている。地質構造については、新たに第四系堆積層群と第三 系基盤岩類の地層境界をモデルに組み込み、さらに、主要な断層破砕帯についても、入手した文献情報 に基づき概略で取り込んである。三次元モデルの深度方向の格子形状は、これらの地質構造を表現でき るよう再構築されている。最新の黄河全領域モデルと地下水循環シミュレーションに組み込んだ新たな データセットのスケッチを図⑤-2 に示す。 ⑤ データベースの整備 データベースコンテンツの整理を行い、これまでに収集・分析したデータのほとんどをデジタル化した。 現在、作業用にグループメンバーが閲覧できるように、パスワード等で管理されたサーバーへ移植する 作業を継続している。 課題 2 地下水利用の現状把握と将来予測手法の開発 黄河下流の済南市における水資源需要マップの描画作業(解像度 250m)を行った。2004 年 2 月現在、地 下水保護を目的として、済南市における地下水利用は厳しく制限されており、現在では黄河の河川水を 主たる水源としている。本研究では、再び黄河の断流が生じた際の地下水資源需要マップを描くことに なる。 この高精度のマッピングにあたっては、用水量の原単位作成のため、居住者や事業者への広範なヒアリ ング、アンケートを実施している。その結果、5つの調査対象地域(区)で土地利用や用水量の原単位 に顕著なばらつきが見られた。 まず、幾何補正後の航空写真をベースにして土地利用分類を行っている。区分は類似の用水特性を示す と考えられるカテゴリーをまとめ、居住用地、工業用地、商業娯楽宿泊用地、機関用地、緑地、医療衛 生用地、教育用地、その他用地の8区分としている。航空写真の判読に当たっては、地物の色、形状、 陰影、配列などを手がかりに、目視を主体として膨大なデータの判別を行っている。また、多数の地点 において現場での目視による確認 を行っている。 GIS での作業に当たっては5つの 区のそれぞれで、その他用地を除 く7種類の土地利用種毎の用水量 シェイプファイルを作成している。 済南市の城区で最も用水量に占め る割合の大きい用途類型は工業用 水である。特に重工業やビール工 場、発電所などの寄与が大きいも のと思われる。用水量が比較的多 いのは建成区の北部、西部及び東 部である。 今回の積算では全市で 3.09×108m 図⑤-3 済南市の建成区における用水量分布(250m グリッド) 3 /年の用水量となったが、政府の公式統計では 3.50×108m3/年(済南市自来水公司)である(図⑤-3)。 サブテーマ(6) 黄河流域における土地管理・水資源モデルの開発と水資源の将来予測 課題 1 水利用の実体解明と土地・水管理モデルの開発 ① 農業・灌漑システム・取水排水に関する収集資料のデータベ-ス化 主要な大型灌漑区を中心に、黄河領域の灌漑 地域の土地利用(作付け体系)及び取水量の 実積資料の収集を試みている。本年度は主要 な大型灌漑区のひとつである内モンゴルの 河套灌区の取水量・排水量・降雨量・蒸発量 について、1995 年から 2001 年までの資料整 理を行った。結果は図⑥-1に示される。1985 年以降、河套灌区では概ね 50-60 億 m3 の年取 水量、40-50 億 m3 の年蒸発量、灌区の末端にあ 3 る烏梁素海への年排水量、約 5 億 m で推移して 図⑥-1 河套灌区における 1995 年から 2001 年までの取水量・排 水量・降雨量・上発散量の変化 いるが、2000、2001 年では年取水量自体が 50 億 m3 以下に減少していることになる。 ② 作物別用水量,圃場水収支,送配水効率のパタン化 黄河領域における主要な灌漑区及び各省・自治区・県の、灌漑施設計画並びに水利用計画における計画 諸元値の収集を進めている。まだ、大型灌漑区の土地利用や取水実積に関する資料の収集が十分進んで いないため、圃場水収支と送配水効率のパタン化は簡単には進まない状況であるが、これまでに収集し た例からは、各地域での作物別の 1 回灌水量と灌水回数に大きな差はなく、圃場レベルの用水量につい ては、主要なパタンの整理ができる見込みである。 ③ 農地・灌漑システムの GIS 表現の拡充 基礎資料の収集が十分進んでいないが、より良い資料やデータベースが入手できた場合を想定しつつ、 GIS の基本フレームの改良を進めている。地形情報、気象・水文情報、土地利用情報(農地分布) 、農業 情報(生産量など)、主要灌漑区情報(位置、水路系統など)等の基礎情報を基にして、現有資料による 最も確からしい農地・灌漑デ-タベ-ス(0.1 度グリッド)を作成できる見通しである。これは、農地面 積、灌漑面積、主要水源、排水先、用水量(期別)などを含み、GIS 上で表現できるものとしている。 ④ 灌漑システムモデルの改良と適用拡大 昨年度にプロトタイプを開発した灌漑地区水収支モデルの改良を進めた。とくに、乾燥地の灌漑地区に 見られる灌漑農地の離散的な分布(灌漑地区内に非農地・非作付け地が点在すること)の水収支への影 響を表現・評価できるようになった。この改良モデル(IMPAM モデル:Irrigation Management Performance Assessment Model)を、河套灌区の永済灌区に適用して、モデルの有用性を確認した。図⑥-2と図⑥-3 にモデル概要とその河套灌区への適用例を示す。 図⑥-2 灌漑管理モデル・水収支評価モデル(IMPAM) 、Irrigation Management Performance Assessment Model 図⑥-3 灌漑管理モデル・水収支評価モデル(IMPAM)、 計算例(河套灌区、永済灌区) 課題 2 黄河領域スケールにおける水資源モデルの開発 ① 黄河源流域の水循環と大規模ダム操作のモデルパラメータ化 貯水ダムの影響の及んでいない黄河源流部の唐乃亥流量観測点の 1980 年から 1997 年までの月流量は 馬・福嶌によって開発されている既存の水文モデルを湿潤地域パラメータを用いて良好に再現できるこ とを確認した(図⑥-4)。つぎに蘭州流量観測点における上記と同期間の流量は、流域内の灌漑農地へ の給水・蒸発を考慮した上で、主流路にある大規模貯水池、竜羊峡ダムと劉家峡ダムによる総合的な調 節パタンを抽出した。特に上流側の大規模ダムである竜羊峡ダムの操作が開始された 1987 年以降のダム 調節機構をパラメータ化したところ、(1)非常に良好な月流量変動を再現できること、(2)年水収支自体 の精度も高くなることが判明した(図⑥-5) 。 図⑥-4 既存水文モデルによる黄河源流域(唐乃亥地点)の 観測流量の再現結果 ② 図⑥-5 蘭州観測点における観測流量の再現結果 黄河源流域の水循環と大規模ダム操作のモデルパラメータ化 蘭州から下流には青銅峡灌区と河套灌区という大規模灌漑農地が存在し、その取水と蒸発損失を経た黄 河流量は内モンゴルの省都フフホト近くの頭道拐流量観測点の月流量で検証可能である。2003 年、2004 年に青銅峡灌区と河套灌区の巡検を済ませていて水利用の実態は理解できており、現在、課題①の成果 を取り込んでモデル開発を行っている。 ③ 華北平原の黄河影響圏における水利用実態を反映させた地表水・地下水相互作用のモデル化とそのパ ラメータ検出 花園口と利津両流量観測地の間には開封市 下流に位山灌区や他の小規模灌区、天津や青 島等への都市域へ給水が実施されていて、水 利用の実態は複雑である。しかし、本区間の 黄河本流には信頼できる流量観測地が他に 4地点ほど存在する。それらを駆使して、自 然条件のみの「集水域」ではなく、域外への 人為的な配水による「影響圏」を考慮した解 析を実施している。図⑥-6は、まず地下水 位変化から区分する影響圏で、黄河に近い観 測地点では 1997 年の断流で大きく地下水位 が低下したものの、翌年には速やかに回復する影響圏であり、 図⑥-6 黄河下流における地下水位から見 える黄河影響圏 図の上方にある石家庄市近くのラン城(LuanCheng) では、影響圏外で、最近でも地下水位低下が継続してい ることが判る。 課題 3 黄河領域における雲、降水と放射収支のデータ解析 ① 黄河領域の降水データセットの構築及び検証 黄河領域で計測された約 1,000 点あまりの地上観測降 水量を取り込んで作成された、1978-1997 年の 20 年間、 黄河領域 0.1 度グリッド日単位降水データセットは 2004 年 12 月にテストプロダクトとしての試作を終え、 現在様々な検証を行っている。 本データセットは高密度に設 置されている地上雨量観測網 図⑥-7 地上観測データによって構築された黄河領域日単位・1978-2001 年の 0.5 度 Base Product データセットと Test Product(GTS によるデータセット)、Prec(NOAA による別途デ ータセット)との比較 データに基づいていて、更に国際基準になりつつある地形効果を考慮している点で、従来のグローバル に配布されるデータよりも高品質であるはずである。図⑥-7は 0.1 度グリッドデータセットの基礎とな る 0.5 度グリッド、1978-2001 年までの Base Product データセットを中国気象局で国際配信されている GTS データと米国 NOAA で別途作成されている Prec データセットについて、黄河全域、チベット高原、黄 土高原、黄河下流で比較したものである。今回作成されたデータセットの特徴は、チベット高原での降 水量が他に比べて多めになっていることが判る。 ② 黄河領域の放射収支データセットの構築及び検証 衛星観測データから推定される日射量 は日射計データに比べて、大都市域で 20~30W/m2 程度過大評価、また中国西 部の乾燥地域でやはり 20~30W/m2 程度 過小評価となることが判明した。これ は、衛星観測データから日射量を推定 する際に仮定しているエアロゾルが適 図⑥-8 日射計(SPYR)と衛星観測推定値(SSAT)、パラメタリゼーションに よる推定値(SXU)との比較 当でないことによると思われる。すなわち、大都市域では雲底下の大気下層に光吸収の強いエアロゾル があると、衛星で観測される雲の特性には影響しないが地表面日射量には大きく影響する。簡単な計算 を行なったところ、データの比較から示されたバイアスは定量的に説明できることがわかった。ついで、 日射計データの質が良いと判断された 65 地点について、衛星観測データから推定される日射量は 1971 年から 2000 年までの 30 年間の長期変動を調べた(図⑥-8)。その結果、ほぼ中国全域で日射量は減 少傾向にあり、黄河領域でも減少傾向にあることが示された。このことは、中国全域で雲量が減少傾向 にあるという他の研究成果と矛盾するが、その原因については検討中である。また、1991 年から 2000 年の 10 年間について見ると、中国南東部では増加に転じているところもある。 ③ 黄河領域土地利用と土地利用変化データセットの構築 土地被覆変化を抽出する手法として、衛星から得られる植生指数 NDVI の年間最大値を比較することが 最も基本的な手法であると考え、Pathfinder の Daily Data Set を用いて 1981 年から 2001 年の 20 年 分の NDVI の年間最大値データを作成した。青銅峡灌区及び河套灌区では 20 年間を通じて植生指数が上 昇し、灌漑区全体において植生量の増加が認められる。これにより年間最大 NDVI を用いた手法の有効 性が示された。しかし、空間解像度が 8km と粗いため、両灌漑区の変化が、作付け面積、作付け密度、 作物種といった要因の何に起因しているかは、このデータからは不明である。今後は空間解像度の高い データを用いて解析を行う予定である。また、年間最大 NDVI データには現れない土地被覆の変化を抽 出するため、NDVI や反射率の月間値を用いた手法についても検討を行う予定である。 図⑥-9 年間最大 NDVI(1999)(上図) 、年間最大の NDVI ヒストグラム(下 左図) (横軸:NDVI、縦軸:頻度) 、黄河領域の NDVI 頻度点の時系列(下右 図)(横軸:年、縦軸:NDVI) 図⑥-10 2つの大型灌区における NDVI 頻度点の時系列 ((A:青銅峡灌区、B:河套灌区) 5.研究発表 サブテーマ(1) ① S.Oishi, K.Sunada, N.MIyazawa, K.Takeuchi and T.Kato : Reproduction of the rainfall distribution in the mekong river basin by using MRI/NPD NHM and TRMM, Advances in Intergrated Mekong River Management, pp.47-52, 2004 Hiroshi Okumura, Kazuhiko Fukami:Reconstruction of histrical rainfall over the Mekong River Basins using the non-hydrostatic model, Advances in International Mekong River Management, pp.81-84,2004 奥村弘、深見和彦: 非静力学モデルによるメコン川流域における過去降雨復元シミュレーション, 計算工学講 演会論文集, pp.501-502, 2004 サブテーマ(1) ② K.N.Dulal:Uncertainty analysis in hydrological modl,Japan PUB symposium, Kuyshu,pp.-,2004.11 M.C.Zhou:Estimating potential evapotranspiration over Mekong River basin by considering land cover characteristics.,Lao PDR, Vientiane, International Conference on “ Advances in Integrated Mekong River Management”, 2004.10 M.C.Zhou: 黄 河 に お け る 蒸 発 散 分 布 の 推 定 ,8th Conference on Yellow River Research, Tokyo University , 2004.1 P.Hapuarachchi:Application of the BTOPMC model in the Asian Monsoon Region,University of Yamanashi Center of Excellence (COE) Meeting, University of Yamanashi, Kofu, Yamanashi, Japan , 2004.8 石川雄一,竹内邦良,石平博:メコン河流域における植生量の長期変化傾向とその地域性について,水文・水資 源学会 2004 年度研究発表会要旨集 ,pp.234-235,2004.8 北原健司,菅原琢磨,岸本和也,竹内邦良,石平博:GIS 解析による行政データを用いた全国の汚濁負荷量推 定,土木学会平成 16 年度全国大会 第 59 回年次学術講演会講演概要集(CD-ROM) ,pp.2-245-,2004.9 五味伸二,小林健太郎,竹内邦良,石平博:メコン河上流域における積雪量の長期変化に関する検討,水文・水 資源学会 2004 年度研究発表会要旨集 ,pp.214-215,2004.8 馬籠 純,平野 順子, 吉雄 忠敬,竹内邦良,石平博:衛星画像及び衛星高度計を用いたアフリカ大陸のダム 貯 水 量 推 定 , 土 木 学 会 平 成 16 年 度 全 国 大 会 第 59 回 年 次 学 術 講 演 会 講 演 概 要 集 (CD-ROM) ,pp.2-078-,2004.9 張新華,竹内邦良,石平博:黄河下流域における土砂を含む氾濫流による氾濫原地形の変化に関するシミュレ ーション,第 6 回 水科学・水工学に関する国際会議 , 2004.6 K.Takeuchi,H.Ishidaira,T.Ao,M.C.Zhou,J.Magome,P.Hapuarachchi,A.Kiem:Application of distributed hydrological model YHyM to the Yellow River basin (English, Chinese and Japanese).,Core Research for Evolution Science and Technology (CREST) program of Japan Science and Technology Agency (JST). , 2004 竹 内 邦 良 , 石 平 博 , 敖 天 其 , 周 買 春 ほ か :The Application of Distributed Hydrological Model System--YHyM over Yellow River Basin, Chapter 7 in Water Cycle, Water Quality and Water Use in Yellow River Basin.,中国水利水電出版社,北京 , 2004 A.Kiem,Franks, S.W.:Multi-decadal variability of drought risk - Eastern Australia.,Hydrological Processes,18,11,pp.2039-2050,2004 D.C.Verdon,A.M.Wyatt,A.Kiem,S.W.Franks:Multi-decadal variability of rainfall and streamflow Eastern Australia.,Water Resources Research ,pp.W10201-doi:10. 29/2004WR003234.,2004 K.Takeuchi: Hydrology as a policy-relevant science,Hydrologicalprocesses,18,16, pp.2967-2976,2004.11 M.C.Zhou,H.Ishidaira,P.Hapuarachchi,K.Takeuchi: Estimating potential evapotranspiration using Shuttleworth-Wallace model and NOAA-AVHRR NDVI data to feed hydrological modeling over Mekong River Basin.,Journal of Hydrology for review and possible publication(Submitted) , 2004.11 T.Ao,H.Ishidaira,K.Takeuchi,A.Kiem,J.Yoshitar,K.Fukami,J.Magome: Relating BTOPMC model parameters to physical features of MOPEX basins.,Journal of Hydrology (ACCEPTED September 2004) , 2004 T.Ao,K.Takeuchi,H.Ishidaira,J.Yoshitani,K.Fukami:Development and application of a new algorithm for automated pit removal for grid DEMs,Hydrological Sciences Journal,47 pp.985-998,2004 T.Ao,K.Takeuchi,H.Ishidaira,J.Yoshitari,K.Fukami,A.Kiem: On the reduction of catchment subdivision uncertainty in distributed hydrological modelling.,Hydrological Processes(SUBMITTED) , 2004.6 Verdon,D.C.,A.Kiem,S.W.Franks:Multi-decadal variability of forest fire risk - Eastern Australia.,International Journal of Wildland Fire,13,2,pp.165-171,2004 風間聡,竹内邦良:シリーズ「メコン河流域特集」メコン河流域への洪水モデルの適用,水文・水資源学会 誌,17,5,pp.565-571,2004.9 P.Hapuarachchi,A.Kiem,K.Takeuchi,T.Ao,J.Magome,M.Zhou:Applicability of the BTOPMC model for predictions in ungauged basins,Sustainable Water Resources Management in Changing Environment of the Monsoon Region, Colombo, Sri Lanka , 2004.11 A.Kiem,P.Hapuarachchi,H.Ishidaira,J.Magome,K.Takeuchi: Uncertainty in hydrological predictions due to inadequate representation of climate variability impacts.,Proceedings-AOGS 1st Annual Meeting & APHW 2nd Conference, Singapore ,pp.583-591,2004.7 A.Kiem,P.Hapuarachchi, K.Takeuchi: Impacts of climate variability on streamflow in the Mekong River: an interesting challenge for hydrological modelling.,Proceedings-7th International River Symposium, Brisbane, Australia(in press) , 2004.9 A.Kiem,P.Hapuarachchi,K.Takeuchi: Impacts of multi-temporal climate variability in Sri Lanka.,Proceedings-International Conference on Sustainable Water Resources Management in Changing Environment of the Monsoon Region, Colombo, Sri Lanka ,pp.43-54,2004.11 A.Kiem,P.Hapuarachchi,K.Takeuchi: Relationship between the El Ni?o/Southern Oscillation, drought and flooding in the Mekong River basin.,Proceedings-Advances in Integrated Mekong River Management - RR2002 ,pp.115-119,2004.10 J.Magome,H.Ishidaira,K.Takeuchi: Satellite monitoring of water storage variation for water resources management in ungauged basins,Proceedings-2nd APHW Conference ,pp.610-616,2004.7 K.Takeuchi:Importance of Sediment Research in Gloval Water System Science,Proceedings of the Ninth International Symposium on River Sedimentation, Yichang, China ,pp.10-18,2004.10 K.Takeuchi:A role of distributed hydrological models in the Mekong River Basin management.,Proceedings-the International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, Vientiane, Lao PDR ,pp.21-25,2004.10 K.Takeuchi:Dujangyan and Shingenteh: lessons from the world’ s longest living flood control works,IAHS Publ.,286 pp.195-200,2004.7 K.Takeuchi,H.Ishidaira,T.Ao,M.C.Zhou,J.Magome,P.Hapuarachchi,A.Kiem: A distributed hydrological model YHyM to simulate large continental basins.,Proceedings-Physical Models of River Basin Runoff and Their Application to Ungauged Basins, Moscow, Russia ,pp.-,2004.9 M.C.Zhou,H.Ishidaira,K.Takeuchi:Estimating potential evapotranspiration over Mekong River basin by considering land cover characteristics.,Proceedings-the International Conference on “ Advances in Integrated Mekong River Management” pp.95-102,2004.10 M.V.Georgievsky:Estimation of degree-day indices in the Yellow River basin using satellite images.,Proceedings-VIth All Russian Hydrological Congress, St.-Petersburg, Russia , 2004.10 P.Hapuarachchi,A.Kiem,H.Ishidaira,J.Magome,K.Takeuchi:Eliminating uncertainty associated with classifying soil types in distributed hydrologic modelling.,Proceedings-AOGS 1st Annual Meeting & APHW 2nd Conference, Singapore ,pp.592-600,2004.7 P.Hapuarachchi,A.Kiem,K.Takeuchi,H.Ishidaira,J.Magome: Hydrological modelling and flood simulation of the Fuji river basin in Japan.,Proceedings-7th International River Symposium, Brisbane, Australia(in press) , 2004.9 P.Hapuarachchi,A.Kiem,K.Takeuchi,H.Ishidaira,J.Magome,I.Struthers,M.Zhou,T.Ao:Application of a distributed hydrological model YHyM to the Mekong River Basin.,Proceedings-the International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, Vientiane, Lao PDR ,pp.74-80,2004.10 P.Hapuarachchi,A.Kiem,K.Takeuchi,T.Ao,J.Magome,M.C.Zhou:Applicability of the BTOPMC model for predictions in ungauged basins.,Proceedings-International Conference on Sustainable Water Resources Management in Changing Environment of the Monsoon Region, Colombo, Sri Lanka ,pp.378-388,2004.11 サブテーマ(1) ③ 久保純子 2004:メコン川下流(カンボジア)の地形と洪水災害に関する研究、平成 13~15 年度科学研究費補 助金(基盤研究(B)(2))研究成果報告書、83p. SHIMODA, I. and KUBO, S., 2004:Research and use of existing data on Sambor Prei Kuk Monument, Cambodia. 日本地形学連合春季大会、東京 KUBO, S.,: Geomorphological features, flood characters, land-use and water-use in the lower Mekong Plain in Cambodia. Proc. of the International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, Vientiane, Laos, pp. 201-205, 2004 KUBO, S., 2004: Geomorphological features, flood characters and water-use in the lower Mekong Plain, Cambodia. Abstracts of the International Conference on Environmental Hazards and Geomorphology in Monsoon Asia: Progress in Process Study and GIS Mapping, Hat Yai, Thailand, p. 53 サブテーマ(1) ④ 小川茂男・力丸 厚: RS によるメコン河流域の土地被覆情報の把握(1)MODIS による土地被覆解析事例、日 本地形学連合 2004 春季大会シンポジウム(早稲田大), 2004 力丸 厚::RS によるメコン河流域の土地被覆情報の把握(2)RADARSAT 等による湛水域把握事例、日本地形 学連合 2004 春季大会シンポジウム(早稲田大), 2004 中西芳彦・力丸 厚・高橋一義・向井幸男:メコン河下流域における雨季・乾季を考慮した現況農地分類と湛水 分布の把握、写真測量学会平成 16 年度年次学術講演会、pp.263-264, 2004 OGAWA, Shigeo, Atsushi RIKIMARU, Takao MASUMOTO, Hajime TANJI, and Manithaphone Maharaxay: Land use and water management of agriculture in Mekong River basin,International Symposium on Food Production and Environmental Conservation in the Face of Global Environmental Deterioration, SP-3, 2004 RIKIMARU, Atsushi, Shigeo OGAWA, and Takao MASUMOTO: Development of Annual Inundation and Cropping Pattern Mapping using Time Series MODIS and RADARSAT Images in Mekong River Basin, International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, pp.53-58, 2004 小川茂男・吉迫 宏・島 武男・力丸 厚:メコン川下流域における水田作付状況の把握、システム農学会秋季大 会、pp.35-36, 2004 牧雅康・丹治 肇・小川茂男: 衛星データを用いたトンレサップ湖およびメコンデルタ地帯の乾期における水田 抽出、システム農学会秋季大会、pp.37-38, 2004 西絋史・力丸厚・向井幸男・高橋一義: MODIS データを用いたメコン河流域における農地の昼夜温度差解析、 土木学会関東支部新潟会研究調査発表会、pp.305-306, 2004 長澤剛太・力丸厚・向井幸男・高橋一義: 気象衛星データを利用した土地被覆別の昼夜温度差解析、土木学 会関東支部新潟会研究調査発表会、pp.303-304, 2004 西絋史・力丸厚・高橋一義・向井幸男: MODIS データの昼夜温度差解析を用いたインドシナ半島における農 地の利水状況推定、日本リモートセンシング学会、第 37 回学術講演会、pp.5-6, 2004 長澤剛太・力丸厚・向井幸男・高橋一義: NOAA/AVHRR データを利用した農地の温度勾配解析、日本リモー トセンシング学会、第 37 回学術講演会、pp.35-36, 2004 サブテーマ(1) ⑤ 宗村広昭・吉田貢士・樋口克宏・戸田修・丹治肇:メコン川下流域における水田への雨期補給水量推定モデル の構築、水工学論文集、pp.49 、(accepted), 2005 Somura, H., Tanji, H., Yoshida, K., Toda, O. and Masumoto, T : Estimation of Irrigated Water to Paddy Fields under Conditions of Poor Data Availability, Cambodia, 水文・水資源学会誌、pp.18 (1)、(印刷中),2005 丹 治 肇 ・ 多 田 稔 ・ 宗 村 広昭 ・ 吉 田 貢 士 : 東 南 ア ジ ア の 米 の 将 来需 要 予 測 、農 業 土 木 学 会 誌 、 72 (9)、 pp.795-797 丹治肇・吉田貢士・蘭嘉宣・宗村広昭:洪水リスクにおける脆弱性評価の検討、農業土木学会誌、72 (5)、 pp.381-384.2004 Somura, H., Tanji, H., Yoshida, K., Higuchi, K. and Toda, O. : Irrigated water estimation model to paddy fields using pump sets in Cambodia, Title of Environmental Hydraulics and Sustainable Water Management (Proc. of the 4th International Symposium on Environmental Hydraulics and the 14th Congress of Asia and Pacific Division, International Association of Hydraulic Engineering and Research), J. H. W. Lee and K. M. Lam (Eds.), A. A. Balkema Publishers, Vol. 2, 1981-1987. (ISBN 04-1536-546-5), 2004 Somura, H., Yoshida, K., Higuchi, K., Toda, O. and Tanji, H. : Development of Supplementary Water Estimation Model for Paddy Fields in the Lower Mekong Basin, Proc. of International Conference on "Advances in Integrated Mekong River Management" (Lao PDR), pp.220-227, 2004 Tanji, H., Yoshida, K., Higuchi, K., Toda, O. and Somura, H. : Estimation of Fish Catch of Cambodia in Relation to Population and Flooding Area, Proc. of International Conference on "Advances in Integrated Mekong River Management" (Lao PDR), pp.169-176, 2004 Somura, H., Tanji, H., Yoshida, K. and Toda, O.: Estimation of Irrigated Water to Paddy Fields during Dry Season in Each Province, LAOS, Proc. of 2nd APHW Conference (Singapore), Vol. 1, 553-561, 2004 Somura, H., Tanji, H., Yoshida, K. and Toda, O : Model Development for Estimating Irrigated Water in Kandal Province, Cambodia, Proc. of ICID 2nd Asian Regional Conference (Australia), Session 4, Stream 1, 1-10 (CD),2004 Tanji, H., Somura, H. and Yoshida, K.: Evaluation of Fishery effects on Water Resources of the Mekong River Basin in the View of Virtual Water, Proc. of 2nd APHW Conference (Singapore), 2004 宗村広昭・丹治肇・吉田貢士・戸田修・増本隆夫:カンボジア西部における水田灌漑水量推定モデルの構築、 農業土木学会大会、2004 年 9 月、pp.176-177, 2004 宗村広昭・丹治肇・吉田貢士・樋口克宏・戸田修:東北タイにおける県別乾期水利用可能量の推定に関する考 察、水文・水資源学会 2004 年研究発表会要旨集、2004 年 8 月、pp.40-41,2004 サブテーマ(1) ⑥ Masumoto, Takao, Katsuyuki Shimizu, and Pham Thanh Hai : Roles of Floods for Agricultural Production in and around Tonle Sap Lake and its Vicinities, “ Water in Agriculture”ACIAR Proceedings,No.116,pp.136-146, 2004 Masumoto T, Pham TH and Shimizu K: Impact of paddy irrigation levels on floods and water use in the Mekong River Basin, International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, pp.158-165, 2004 Shimizu K. and Masumoto T.: Categorization and mapping of water use for rain-fed and irrigated agriculture in the Mekong River Basin, International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, pp.206-212, 2004 Pham TH, Masumoto T. and Shimizu K : Development of a 2D-FEM Simulation Model for Flood Flows in Tonle Sap Lake and its Environs, International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, pp.339-346, 2004 Rikimaru, Atsushi, Ogawa A. and Masumoto T.: Development of Annual Inundation and Cropping Pattern Mapping Using Time Series MODIS and RADASAT Images in Mekong River Basin, International Conference on Advances in Integrated Mekong River Management, pp.53-58, 2004 Masumoto T.: Constraints on Food Production and Perspective for Solution: Water Resources, Proceedings of the 10th Japan International Research Center for Agricultural Science International Symposium on Prospects for Food Security and Agricultural Sustainability in Developing Regions, pp.63-72, 2004 増本隆夫:メコン河における水循環変動研究が目指すもの,第 25 回国際問題シンポジウム「水田農業を巡るア ジアのパートナーシップ-国際コメ年に農業土木は何が出来るか-」,農業土木学会,pp.39-49, 2004 増本隆夫・清水克之・Pham Thanh Hai・久保田富次郎:トンレサップ湖周辺の水田が持つ洪水貯留と灌漑の 役割、水文水資源学会講演要旨集、 pp. 50-51, 2004 Pham Thanh Hai, Takao Masumoto, Katsuyuki Shimizu “ Development of a FEM Model for Floods in and around Tonle Sap Lake and its Vicinities” . 2004 年、水文水資源学会研究発表会要旨、pp. 212-213. , 2004 清水克之・増本隆夫・Pham Thanh Hai :農業水利用モデルにおける水利用因子の抽出と分類、水文水資源 学会講演要旨集、pp. 48-49, 2004 増本隆夫・丹治肇・小川茂男・友正達美・清水克之:メコン川流域の農業水利用モデルの構築、平成 16 年度農 業土木学会講演要旨集、 pp.144-145, 2004 Pham Thanh Hai, Katsuyuki Shimizu, Takao Masumoto : “ FEM Simulation for Inundation in and around Tonle Sap Lake and its Vicinities” 、平成 16 年農業土木学会講演要旨集、pp 894-895. 清水克之・増本隆夫・Pham Thanh Hai :カンボディアにおける天水田収量と影響要素の関係, 平成 16 年度 農業土木学会講演要旨集、pp. 864-865, 2004 Shimizu K. and Masumoto T. :Categorization and modeling of water use for paddies in the Mekong River Basin, International Workshop on Global-Scale Change in Water Cycles and Food Production, The International Network on Water-Ecosystem in Paddy Fields, Tokyo, 2004 Masumoto T.: Multi-functional roles of paddy irrigation in Monsoon Asia, World Rice Research Conference, p.55, 2004 Shimizu K., Masumoto T. and Pham T.H.: Assessment of agricultural water use factors in water-food models for Monsoon Asia, World Rice Research Conference, p.367, 2004 Tsujimoto K., Mitsuno T. and Masumoto T.: Sensitivity of rice production to rainfall change in Northeast Thailand, World Rice Research Conference, p.375, 2004 清水克之・増本隆夫: GIS を用いたメコン河流域の水利用による農地の分類、日本地形学連合シンポジウム 「海外地形調査における GIS/RS の活用」, 2004 サブテーマ(1) ⑦ Sawada, H., H. Saito, N. Furuya, M. Makara, K. S. Heng and P. Chearly , Historical Mapping of Water Content of Natural Vegetation, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, pp.1-3, 2004 Sawada, H., Y. Sawada, M. Makara, K. S. Heng and P. Chearly, Dataset for seasonal change analysis for the Mekong River Basin, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 4-10, 2004 Sawada, H., Y. Sawada, and M. Makara, NDVI and thermal data to reveal environmental changes in forest area for twenty years in the Mekong River Basin, Proceedings of the International Conference on “Advances in Integrated Mekong River Management”, pp.59-65,2004 Sawada, H. and Y. Sawada, Monitoring Design of Forest Ecosystem using Remote Sensing, Proceedings of International Symposium on The Role of Forests for Coming Generations (FORCOM), 2004 (in printing) 沢田治雄・澤田義人、高頻度観測衛星データによる地表の季節変化モデル生成、森林資源管理と数理モデル 第4回シンポジウム(口頭発表)、2004 沢田治雄、森林モニタリング技術実用化の研究、測量、54(7):pp.10-13、2004 Saito, H., Landscape analysis at national scale using remote sensing data-a case study in Cambodia-, Proceedings of IUFRO International Workshop on Landscape Ecology 2004,pp.5-8, 2004 古家直行、リモートセンシング画像を利用した土地利用・植生被覆図の再現性に関する研究、日本林学会関東 支部論文集、pp.56 古家直行、ラオスにおける土地・森林分配事業のその後、熱帯林業、60,51-58,2004 古家直行、 B. Keomorakot、ラオス北部地域における焼き畑移動耕作の空間分布のその要因、日本林学 会大会、pp.115, 2004 Furuya,N., Socio-economical considerations in promoting forest rehabilitation activities with local people participation, Proceedings of the International workshop on the Landscape Level Rehabilitation of Degraded Tropical Forests, 165-173, 2004 古家直行、高分解能衛星画像で森林をはかる、森林科学、41,pp.60, 2004 古家直行、オブジェクトベース分類手法を用いたカンボジアにおける土地利用図の作成、日本森林学会、 pp.116,2005 サブテーマ(1) ⑧ Kazuhiko Fukami, Hironori Inomata:A water balance model to evaluate the role of the Tonle Sap Lake as a flood retarding lake for Mekong River, Advances in International Mekong River Management, pp.311-315, 2004 Hyosok Chae, Kazuhiko Fukami, Junichi Yoshitani: Assessment of inundation volume of Tonle Sap Lake using spatial information technique, Advances in International Mekong River Management,pp.327-334, 2004 Kazuhiko Fukami, Hironori Inomata:Development of a conceptual distributed-parameter hydrologic model for large basins, Proceedings-International Conference on "Advances in International Mekong River Management", pp.85-88, 2004 蔡孝錫、深見和彦、吉谷純一: 空間情報を利用するメコン川流域の洪水氾濫量評価(韓国語), 大韓土木学 会, pp.284, 2004 サブテーマ(2) サブテーマ(3) ① 五味伸二,小林健太郎,竹内邦良,石平博:メコン河上流域における積雪量の長期変化に関する検討,水文・ 水資源学会 2004 年研究発表会要旨集, 2004 サブテーマ(3) ② Araki, M., E. Ito, S. Ohta, M. Kanzaki, P. Sopheavuth, T. Bora and L. Sopheap, Estimation of Ground Rainfall and Development of soil Water Supply Model, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 11-14, 2004 Kanzaki, M., S. Ohta, T. Kaneko, J. Toriyama, R. Hiramatsu, Y. Okuda, M. Araki, E. Ito, P. Sopheavuth, T. Bora, L.Sopheap, K. Saret, P. Phearak, and D. Saila, Forests and its vegetation in Kompong Thom, Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 15-19, 2004 Ohta, S., J. Toriyama, M. Kanzaki, M. Araki, E. Ito, P. Sopheavuth, T. Bora, L. Sopheap, K. Saret, P. Phearak, and D. Saila, Forest soil and its proterties in Kompong Thom, Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 20-23, 2004 Araki, M., E. Ito, S. Ohta, J. Toriyama, M. Kanzaki, T. Kaneko, P. Sopheavuth, T. Bora, L. Sopheap, K. Sret, P. Phearak, and D. Saila, Forest soil moisture conditions in Kompong Thom, Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 24-27, 2004 Araki, M., E. Ito, S. Ohta, M. Kanzaki, J. Toriyama, T. Kaneko, R. Hiramatsu, Y. Okuda, S. Khorn, P. Ith, S. Lim, S. Pol, S. Det, and B. Tith, Forest vegetation and soil conditions in Kompong Thom, Cambodia, Proceedings of the International Conference on “Advances in Integrated Mekong River Management”, 182-188,2004 荒木誠、神崎護、太田誠一 ほか、カンボジア・コンポントム州の森林と土壌水分状態、日本林学会大会学術講 演集、115,67, 2004 鳥山淳平, 太田誠一, 荒木誠, 神崎護, K. Saret, P. Phearak, L. Sopheap, and P. Sopheavuth, カンボジ ア・コンポントム州の土壌特性と分布-地形・植生との対応-,日本林学会大会学術講演集, 115,65,2004 平松玲子, 神崎護, 金子隆之, 奥田陽一郎, 太田誠一, K. Saret, P. Phearak, L. Sopheap, and P. Sopheavuth, カンボジア・コンポントム州の森林配列パターンと微地形,日本林学会大会学術講演集, 115,469,2004 Ito, E., M. Araki, M. Kanzaki, S. Ohta, T. Kaneko, A. Tani, R. Hiramatsu, J. Toriyama, Y. Okuda, P. Sopheavuth, T. Bora, L. Sopheap, K. Saret, P. Phearak, and D. Saila, Leaf area index in tropical seasonal forests in Kompong Thom, Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 28-32, 2004 伊藤江利子、神崎護 ほか、カンボジア・コンポントム州の森林における LAI の季節変化、日本林学会大会学 術講演集、115、68、2004 伊藤江利子、神崎護 ほか、NOAA データによる熱帯乾燥季節林の落葉フェノロジーの推定、日本生態学会大 会講演要旨集、51、249、2004 サブテーマ(3) ③ 大貫靖浩, 荒木誠, 伊藤江利子, 太田誠一, 神崎護, K. Saret, K. Chansopeheaktra, P. Phearak, and S. Sethik, Distribution of Soil Types, Soil Water Condition and Soil Depth at Forested Areas in Kampong Thom Province, Cambodia, IUFRO Forest Hydrology Workshop, "Forest and Water in Warm Humid Asia", 139-142, 2004 Ohnuki, Y., Y. Shinomiya, K. Chansopheaktra, and S. Sethik, Development of Prediction Models on Variation of Storage of Water Resources, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 33-36, 2004 Ohnuki, Y., Y. Shinomiya, K. Chansopheaktra, and S. Sethik, Distribution of soil depth at forested areas in three provinces in Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 37-42, 2004 Ohnuki, Y., Y. Shinomiya, K. Chansopheaktra, and S. Sethik, Distribution of soil depth and soil water permeability at forested areas in three provinces in Cambodia, Proceedings of the International Conference on “Advances in Integrated Mekong River Management”, 189-194, 2004 大貫靖浩, 篠宮佳樹, Kimhern Chansopeheaktra, and Sor Sethik, カンボジア・コンポントム州の森林にお ける土層厚分布様式,日本林学会大会学術講演集, 115,66,2004 Shinomiya, Y., Y. Ohnuki, K. Chansopheaktra, and S. Sethik, Distribution of soil water permeability at forested areas in three provinces in Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 43-46, 2004 サブテーマ(3) ④ Shimizu, A., T. Nobuhiro, K. Tamai, S. Hattori, and S. Chann, Clarification of Forest Management Influence in Water Transfer Process among Soil-Plant-Atmosphere Continuum, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 47-50, 2004 Sophal C., N. Tith, A. Shimizu, N. Kabeya, T. Nobuhiro, K. Tamai, Y. Tsuboyama, and T. Kubota, Set up of evapotranspiration observation system in an evergreen broad-leaf forest watershed, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 51-54, 2004 Shimizu, A., T. Nobuhiro, N. Kabeya, T. Kubota, K, Tamai, S. Chann, and N. Tith, Meterological factors observation in an evergreen broad-leaf forest watershed, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 55-61, 2004 Shimizu, A., T. Nobuhiro, N. Kabeya, K. Tamai, T. Kubota, and Y. Tsuboyama, Some observations on evapotranspiration in an evergreen broad-leaf forest watershed, Cambodia, Proceedings of the International Conference on “Advances in Integrated Mekong River Management”, 130-135, 2004 Nobuhiro, T., A. Shimizu, N. Kabeya, T. Kubota, Y. Tsuboyama, K. Tamai, S. Chann, and N. Tith, Differences in evapotranspiration between late rainy season and middle dry season in an evergreen broad-leaf forest, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 62-67, 2004 延廣竜彦、清水晃、壁谷直記、久保田多余子、坪山良夫、荒木誠 カンボジア常緑広葉樹林における蒸発散の 予備的観測水文・水資源学会 2004 年研究発表会要旨集、 180-181, 2004 延廣竜彦、清水晃、久保田多余子、壁谷直記、阿部俊夫、坪山良夫、宝川森林理水試験地露場における融雪 水量の推定、日本林学会関東支部大会論文集、56 出口愛子、服部重昭、朴 昊澤、落葉広葉樹二次林における蒸発散特性の季節変化、日林学術講、115,780, 2004 サブテーマ(3) ⑤ Shimizu, A., N. Kabeya, T. Kubota, Y. Tsuboyama, and N. Tith, Influence to Spatial and Temporal Variation of Water Flow in Forested Catchments, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 74-77, 2004 Tith, N., S. Chann, A. Shimizu, N. Kabeya, T. Nobuhiro, T. Kubota, Y. Tsuboyama, and K. Tamai, Precipitation and stream flow measurement in Cambodia forested watershed, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 78-82, 2004 Tamai, K., A. Shimizu, T. Nobuhiro, N. Kabeya, S. Chann, and N. Tith, Wind Observations in the evergreen forest in Central Cambodia, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 83-87, 2004 Kabaya, N., T. Kubota, A. Shimizu, T. Nobuhiro, Y. Tsuboyama, S. Chann, and N. Tith, Stable oxygen isotope analysis around the confluence of the Tonle Sap and the Mekong, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 88-93, 2004 Kabeya, N., T. Kubota, A. Shimizu, T. Nobuhiro, Y. Tsuboyama, S. Chann, and N. Tith, Research on stable oxygen isotopic rations of river water around the confluence of Tonle Sap and the Mekong, Proceedings of the International Conference on “ Advances in Integrated Mekong River Management”, 143-149, 2004 壁谷直記、カンボジアにおける森林水文観測(若手のページ第58回)、水文・水資源学会誌、17(4),438,2004 壁谷直記、久保田多余子、清水晃、延廣竜彦、坪山良夫、トンレサップ川-メコン川合流点付近の河川水安定 同位体比に関する研究、水文・水資源学会研究発表会要旨集、14-15, 2004 Kubota, T., and Y. Tsuboyama, The estimation of the topographic index used in topmodel, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 94-95, 2004 Hattori, S., A. Deguchi, and K. Daikoku, Characteristics of transpiration in leaf-scale and forest floor evaporation in dry evergreen and dry deciduous forests in O Thom I watershed, Proceedings of International Workshop of Forest Watershed 2004, 68-73, 2004 サブテーマ(3) ⑥ 春山成子(2004.5)「ベトナムの自然と農業」、古今書院,129p 春山成子(2004.1)メコン文明核心地の遺跡の地形立地、稲作文明のエートスー地球環境史とアジア文明史の 相互関係の解明研究会、国際日本文化研究センター 志田健。春山成子(2004.3)JERS-1SAR データを用いたメコンデルタにおける洪水の影響評価、日本地理学会 発表要旨集.65。78p 春山成子(2004.4)治水地形分類図作成手法の確立―メコンデルタの場合―、RR2002 メコングループ研究報 告会 Shigeko Haruyama(2004.8): Flooding and evaluation of the Mekong river Delta inVietnma,Internaitonal Geographical Congress (Scotoland) 春山成子(2004・7)洪水と戦う米輸出国、全国農業新聞、1P Shigeko Haruyama(2004.10) Flood risk assessment using JERS-1/SAR data in the Mekong River Delta:ヴィエンチャンでのRR2002 サブテーマ(3) ⑦ D.Dutta, M.J.Alam, K.Umeda, M.Hayashi, S.Hironaka: Physical based distributed modeling approach for urban flood simulation in the Lower Mekong Basin, International Conference on "Advances in Integrated Mekong River Management", Vientian, Lao PDR, 2004.10 D.Dutta, M.J.Alam, K.Umeda, M.Hayashi, S.Hironaka: Urban flood modeling in Lower Mekong Basin: a physically based distributed modeling approach, International Conference on "Sustainable Water Resources Management in Changing Environment of the Monsoon Region", Colombo, Sri Lanka, 2004.11 サブテーマ(3) ⑧ Yasushi Sakamoto,Kei Nishida,Masafumi Fujita, and Hirokazu Haga : Effect of rainfaoo on short-term change in water quantity and quality of tree surroundings,Proceedings of the International Conference on “Advances in Integrated Mekong River Management”, pp.136-142, 2004 藤田昌史,芳賀弘和,坂本康,西田継: キノンバイオマーカーを用いた山腹斜面流出解析, 第 17 回水文・水資 源学会研究発表会 ,pp18-19, 2004 藤田昌史,芳賀弘和,坂本康,西田継: 山腹斜面流出過程におけるキノンバイオマーカーの挙動, 第 59 回土 木学会年次学術講演会(2-018 in CD-ROM) ,2004 藤田昌史: 活性汚泥モデルの現状と今後の展望, 東レ地球環境研究所 , 和田真澄,藤田昌史,古米弘明: 外乱応答実験によるリン除去プロセスを追加した ASM3 のキャリブレーション, 第 41 回下水道研究発表会 ,pp.-122, 124, 2004 藤田昌史: エキスパートフリー下廃水処理のためのリアルタイム制御システムの開発, (財)やまなし産業支援機 構ベンチャーマーケット ,2004 芳賀弘和: 森林流域からの有機物の流出 ―落葉と流木を中心に―, 第2回生態圏フィールド科学教育研究セ ミナー 「流域圏における物質循環」 ,2004 藤田昌史: キノンバイオマーカーを用いた山腹斜面水文プロセスの解析, 第 5 回地下環境水文学に関する研究 集会 ,2004 松本嘉孝,西田継,芳賀弘和,坂本康,松谷順: 山地小流域における降雨による流出成分の変化が湧水 DOC 濃度へ与える影響, 第 115 回日本林学会大会 ,2004 奥平研人,松本嘉孝,西田継,松谷順: 山地小流域における窒素化合物の動態解析, 第 115 回日本林学会大 会 ,2004 松谷順,松本嘉孝,芳賀弘和,西田継: 山地小流域における地下水の流動・流出と水温の関係, 第 115 回日本 林学会大会 ,2004 藤田昌史,芳賀弘和,坂本康,西田継,松谷順: 山地小流域の降雨流出過程におけるキノンバイオマーカーの 動態解析-瑞牆山麓地域での研究, 第 115 回日本林学会大会 ,pp.524- 524, 2004 芳賀弘和,飯沼智義,西田継,坂本康,松谷順: 山地渓流における落葉の流出特性-瑞牆山麓地域での研究 -, 第 115 回日本林学会大会 , 2004 西田継: 森林流域研究で開く微生物の窓-事例の紹介, 第 2 回生物地球化学研究会ワークショップ, 2004 和田真澄,藤田昌史,古米弘明: 流入有機物濃度変動実験による ASM3P のキャリブレーション方法の検討, 第 41 回環境工学研究フォーラム講演集 ,pp.101- 103, 2004 M. Fujita, H. Haga, Y. Sakamoto, K. Nishida: Evaluation of hydrological processes in a mountainous small basin using quinone biomarker, 8th International Conference on Diffuse/Nonpoint Pollution ,pp.931-938, 2004 Y. Matsumoto, K. Nishida, H. Haga: The effect of antecedent conditions on relationship between DOC concentration and discharge during flood event in headwater catchment, 8th International Conference on Diffuse/Nonpoint Pollution(4C-Ⅰ-2 in CD-ROM) , 2004 K. Nishida, Y. Matsumoto, Y. Sakamoto: A Basic Study on Size Distribution Analysis of Dissolved Organic Matters and its Implicative Information in Surface Water, 8th International Conference on Diffuse/Nonpoint Pollution , 2004 藤田昌史: ヨーロッパで使用されている下排水シミュレーター「SIMBA」, 用水と廃水 ,pp.43-44, 2004 サブテーマ(4) A.Kiem:ENSO links to flood risk in eastern Australia and the Mekong River basin,Climate Variability and Climate Change Workshop, Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto University, Kyoto, Japan, 2004.10 M.V.Georgievsky,H.Ishidaira,K.Takeuchi: Approach of degree-day indices accounting using satellite images.,Proceedings-NATO Advance Research Workshop ? Physical models of river basin runoff and their application to ungauged basin, Moscow, Russia , 2004.9 稲垣尊士,砂田憲吾:大河川流域における土砂動態シミュレーションに関する検討,土木学会第 59 回年次学術 講演会概要集,pp.179-180,2004. S. Pech, K. Sunada, S. Oishi and N.Miyazawa: Assessment of Population Growth and Potential Conflicts over Water Use in the Mekong River Basin, 水文・水資源学会誌(投稿中) S. Oishi, K. Sunada, N. Miyazawa, K. Takeuchi and T. Kato: Reproduction of the Rainfall Distribution in the Mekong River Basin by Using MRI/NPD NHM and TRMM, Proceeding of International Conference on “ Advances in Integrated Mekong River Management”, pp.47-52, 2004. P. Sokhem, K. Sunada, S. Oishi, N. Miyazawa and Sok Saing Im: Population Growth: Urban Development and Flood Vulnerability in Mekong Floodplain-the Phnom Penh Case, Proceeding of International Conference on “ Advances in Integrated Mekong River Management” , pp.290-297, 2004. N. Miyazawa, K. Sunada and S. Oishi: A numerical study on sediment management in a volcanic basin, Proceeding of 2nd Asia Pacific Association of Hydrology and Water Resources Conference, Vol.1, pp.82-90, 2004. 砂田憲吾:総合的流域管理に関わる課題と挑戦,砂防学会誌,Vol.57, No.4, pp.1-2, 2004 サブテーマ(5) 課題 1 池田 敦・松岡憲知・末吉哲雄:黄河源流域における永久凍土探査(予報).日本雪氷学会誌雪 氷,62(2),235-239 (2004). Matsuoka, N., Ikeda, A., Sueyoshi, T. and Ishii, T.: Permafrost sounding (2003-2004) in the source area of the Yellow River, China. Annual Report of Institute of Geoscience, University of Tsukuba, 30 (2004). 西岡 哲:地理情報と水循環モデル.日本沙漠学会秋季シンポジウム (2004). サブテーマ(5) 課題 2 一ノ瀬俊明・大坪国順・王勤学・張祖陸・衣笠聡史:黄河流域における地下水利用の現状把握と将来予測手法 の開発,環境システム研究論文発表会講演集,32,551-556,2004 サブテーマ(6) 課題 1 [学術論文] 久米崇,長野宇規,渡辺紹裕,三野徹(2004):電磁誘導法による排水不良農地の塩分分布解析。農業土木学 会論文集,vol.233,21-28 (Effect of Leaching Irrigation on Soil Salinity Distribution in Poor Drainage Field) 久米崇,長野宇規,渡辺紹裕,三野徹(2004):排水不良農地における不均一塩分分布の形成要因。農業土木 学会論文集,vol.234, 19-25 (Analysis of Heterogeneous Soil Salinity Distribution in a Poor Drainage Field) [口頭発表] Hoshikawa, K., T.Watanabe (2004): An evaluation model of impact of crop and irrigation management to water balance in irrigated agriculture in arid zones. 2004 Western Pacific Geophysics Meeting, Hawaii Convention Center, H31A-05, Honolulu, Hawaii, 16-20 August, 2004 Hoshikawa, K., T.Nagano, S.Donma, T.Watanabe, Y.Fukushima (2004): Application of Irrigation Management Performance Assessment Model (IMPAM) to the Lower Seyhan Irrigation Project, ICCAP-Cappadocia Workshop 2004, Perissia Hotel, Ürgüp, Turkey, 21-23 November 2004 Hoshikawa, K., T.Watanabe, Y.Fukushima (2004): Water Balance Modeling of Large Irrigation Districts in the Yellow River Basin. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 10 Kubota, J., T.Akiyama, Y.Yamazaki, W.Gensu (2004): Impacts of Human Activities on the Hydrological Cycle in the Heihe River Basin, Western China. the 4th International Symposium on the Tibetan Plateau, August 2004 Kume, T., T.Nagano, S.Donma, T.Watanabe (2004): Regional soil salinity assessment using measurement data , archived data and satellite image data, ICCAP-Cappadocia WS 2004 program, Perissia Hotel, Urgup, in Cappadocia, Turkey. 久米崇,長野宇規,渡邉紹裕,三野徹(2004):多点塩分観測による除塩灌漑効果の検証。平成 16 年度農業土 木学会大会講演要旨集,468-469 (An Analysis of Effect of Ponding Irrigation on Desalinization Using Multipoint Measurement Data) 星川圭介,渡辺紹裕(2004):水管理・作付体系に着目した灌漑区水収支モデルの開発。水文・水資源学会 2 004年度総会・研究発表会,室蘭,室蘭工業大学,2004 年 8 月 19-21 日 渡邉紹裕 (2004): 畑地灌漑と地球環境,農業土木学会中央講習会「食の安全と地域の豊かさを求めて」。東 京都 Watanabe, T., K.Hoshikawa (2004): Water Use and Water Balance of Large Irrigation Schemes in the Yellow River Basin. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P6 渡邉紹裕・長野宇規・玉井重信 (2004): 乾燥地の灌漑農業に及ぼす気候変動の影響評価のための水収支モ デルの開発。鳥取大学乾燥地研究センター共同研究発表会,同講演要旨集,pp.48-49,鳥取市 サブテーマ(6) 課題 2 [学術論文] 陳建耀、福嶌義宏、唐常源、谷口真人(2004):黄河下流域で起こっている水環境問題について。水文・水資源 学会誌、17(5)、pp.555-564 [口頭発表] Chen, J., Y.Fukushima, M.Taniguchi (2004): Water Resources Use in the Lower Reach of the Yellow River over the Last 50 Years. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 9 Fukushima, Y. (2004): Current Status of the Yellow River Studies. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P1 Kanae, S., Y.Hirabayashi, D.Yang, Y.Suga, T.Oki (2004): A Continental Scale Hydrological and River Nitrate Transport Simulation for These Decades with Climate Change and Fertilizer Increase, and Its Validation in the Yellow River. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 29 Kimura,F.(2004): Variability of Precipitation in the Yellow-River Basin Estimated by Regional Climate Model. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P2 Liu, C.,X.Jiang (2004): A quantitative study of Water Exchange Period of Mainstream Yellow River Based on Reservoir Operation. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P2 Ma, X., Y.Fukushima, C.Liu, X.Wu, H.Zheng (2004): Development of hydrological model and its application to the Yellow River basin, 2004 Western Pacific Geophysics Meeting, Honolulu, Hawaii, H51A-04 Ma, X., Y.Fukushima, T.Yasunari, M.Matsuoka, K.Hoshikawa, Y.Sato (2004): A Hydrological Model for the Upstream Region of the Yellow River Basin. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 4 Sato, Y., X.Ma, M.Matsuoka, Y.Fukushima(2004): Runoff Formation and Runoff Control System in Source Area of the Yellow River. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 26 Zheng, H., C.Liu(2004): On Evolution Modes of Water Resources in the Yellow River Basin. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 45 サブテーマ(6) 課題 3 [学術論文] Kawamoto, K., T. Hayasaka, T. Nakajima, D. Streets and J. H. Woo (2004): Examining the aerosol indirect effect over China using an SO2 emission inventory. Atmos. Res., 2004, 72, 353-363 Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Low cloud optical properties viewed from satellitesover east Asia. Proc. of 3th International Symposium on Gepphysics (Tanta, Egypt), 113-120. [口頭発表] Hayasaka, T., K. Kawamoto and J. Xu (2004): Seasonal variations of clouds, aerosols and shortwave radiation over China. International Comission on Cloud and Precipitation, July 19-23 2004, Bologna, Italy. Hayasaka, T., K. Kawamoto, J. Xu and G. Shi (2004): Long-term and seasonal variations of shortwave radiation over China. International Radiation Symposium, August 23-27 2004, Busan, Korea. Hayasaka, T., K. Kawamoto, J. Xu and G. Shi (2004): Evaluation of long-term surface shortwave radiation data in China. GEWEX Radiation Panel Meeting, October 18-22 2004, Kyoto, Japan. Hayasaka, T., K.Kawamoto, J.Xu, G.Shi (2004): Evaluation of Long-Term Surface Shortwave Radiation Data in China. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 24 Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Climatology of large-scale cloud characteristics and precipitation amount in the East Asia. American Geophysical Union - Canadian Geophisical Union Joint Assembly, May 17-22 2004, Montral, Canada. Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Relationship between the low-level cloud fields from satellites and precipitation from ground over China. International Comission on Cloud and Precipitation, July 19-23 2004, Bologna, Italy. Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Satellite-derived cloud properties over China. XXth Congress of the International Society of Photometry and Remote Sensing, July 12-23 2004, Istanbul, Turkey. Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Evaluating anthropogenic influences on the cloud and radiation environments. International Radiation Symposium, August 23-27 2004, Busan, Korea. Kawamoto, K. and T. Hayasaka (2004): Satellite observation of cloud properties and the implicatoins in climate issues. Proc. of Asian Conference on Remote Sensing, November 22-26 2004, Chiang Mai, Thailand, pp.528-531. Kawamoto, K., T.Hayasaka, I.Uno (2004): Relationships Between Model-Simulated Aerosol Amount and Satellite-Derived Cloud Properties over China. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 28 Matsuoka, M., T. Hayasaka, Y. Fukushima and Y. Honda (2004): Land Cover Classification over Yellow River Basin using MODIS Data. First International Workshop on Land Cover Study of Mongolia Using Remote Sensing /GIS, June 8-10 2004, Ulanbaatar, Mongolia. Matsuoka, M., T. Hayasaka, Y. Fukushima and Y. Honda (2004): Analysis of the Land Cover and its Change over Yellow River Basin using Satellite Data. XXth Congress of the International Society for Photogrammetry and Remote Sensing, July 12-23 2004, Istanbul, Turkey. Matsuoka, M., T. Hayasaka, Y. Fukushima and Y. Honda (2004): Land Cover Classification Over Yellow River Basin Using Satellite Data. IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium (IGARSS), September 20-24 2004, Fairbanks, USA. Matsuoka, M., T.Hayasaka, F.Fukushima, Y.Honda (2004): Land cover classification over Yellow River basin using MODIS Data for hydrological Modeling, 2004 Western Pacific Geophysics Meeting, Honolulu, H5A-03, August 16-20, Hawaii, Matsuoka, M., T. Hayasaka, Y. Fukushima, Y. Honda and Tikan Oki (2004): Land Cover Analysis on Yellow River Basin using Remote Sensing Data. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, November 8-10 2004, Kyoto, Japan. Xie, P., M.Chen, A.Yatagai, T.Hayaswaka, Y.Fukushima(2004): An analysis of daily precipitation over East Asia, 2004 Western Pacific Geophysics Meeting, Honolulu, Hawaii, H51A-01 Xie, P., A.Yatagai, M.Chen, T.Hayasaka, Y.Fukushima, C.Liu(2004): Daily Precipitation Analysis over East Asia: Algorithm, Validation and Products. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 25 Xie, P., A. Yatagai, M. Chen, T. Hayasaka, Y. Fukushima and C. Liu (2004): An analysis of daily precipitation over East Asia: Current status and future improvements. The 6th International Study Conference on GEWEX in Asia and GAME, December 3 2004, Kyoto, Japan Xu, J.(2004): : Effects of land use changes on water circulation in the Yellow River Domain, Heat and water balance trends in the Yellow River Region, 2004 Western Pacific Geophysics Meeting, Honolulu, Hawaii, H51A-04 Xu, J.(2004): Analyses of the Climatic Wetness Change over China. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Proceedings, P 27 Yatagai, A., A. Sugimoto and M. Nakawo (2004): The isotopic composition of water vapor and the concurrent meteorological conditions around July-1st Glacier in the northeast part of the Tibetan Plateau. The 4th International Symposium on the Tibetan Plateau, August 7 2004. Lhasa, China. Yatagai, A.(2004): Recent Special and Temporal Variations in Atmospheric Branch of the Hydrological Cycle over the Arid/Semi-Arid Regions in East Asia. 2nd International Workshop on Yellow River Studies, Kyoto, Proceedings, P 30