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商学部長 - 中央学院大学
From 商学部長 L i f e i s a j o u r n ey. Message from DEAN 近 ― 商学部長 佐藤 英明 年、アニメやマンガなどの舞台とされた場所を訪れること が「聖地巡礼」と呼ばれています。アニメ「らき☆すた」に 描かれた鷲宮神社 (埼玉県久喜市)の参拝客が大幅に増加 した例などが有名ですが、 「聖地巡礼」がもたらす経済効果は、いまや 100億円規模ともいわれます。そのため「聖地巡礼」は多くの場合、歓 迎される傾向にあります。しかし、アニメ「銀の匙 Silver Spoon」の エンディングでは、モデルとなった場所が牧場だったため、疫病に対 する懸念から訪問を控えるような注意喚起がなされました。 本来、聖地巡礼とは、聖地を巡る旅によって信仰を深める宗教的行 為のことをいいます。アニメの舞台訪問を「聖地巡礼」と呼ぶのは、わ たしたちが両者を類似したものと考えているからです。このような言 葉の使い方は、 「メタファー (隠喩)」と呼ばれます。タイトルに掲げた 「人 生は旅である (Life is a journey.)」は、代表的なメタファーの一つで す。松尾芭蕉や三木清などの有名な言葉がありますが、そんな言葉を 知らなくても、わたしたちは、人生を旅と重ね、道を歩んでいくイメー ジとして捉えています。本来「進路」とは、進んでいく道のことであり、 「岐路」とは、分かれ道のことですが、 「卒業後の進路」 「人生の岐路」 といった表現はメタファーであることを意識されることなく、ふつうに 使われています。 「人生の目的」を問われると答えに窮しますが、 「旅の目的」なら、そ れなりに答えられます。観光、帰省、温泉、出張など、旅にはさまざま な目的がありますが、巡礼もその一つです。巡礼では、 聖地で礼拝することだけでなく、聖地にたどり着くまで の過程で信仰を深めていく精神的側面も重視されます。 旅と同様に、人生の目的も一つだけではないはずです。 親しい人と楽しく過ごすことも、新たな出会いを求めるこ とも、学ぶことも、働くことも、リラックスすることも、静か に思索することも人生の目的の一つではないでしょうか。 人生という旅の終点は、誰にとっても死です。もちろん、どんなふ うにしてそこにたどり着くのか、そのときどんな風景が見えるのかは、 行ってみなければ分かりません。しかし、旅をするとき最後に到着す る場所はつねに意識しなければなりません。入学や卒業は、人生の岐 路の一つです。終点を意識しながら、次の目的地はどこなのか、どう いう経路でそこに行くのかしっかり考えてみましょう。大学の教職員 を、ぜひそのためのツアーコンダクターとして利用してみてください。 もちろん旅は予定通り計画通りにはいかないものです。そこが楽しい ところでもあるわけですが。 Report AIB (Academy of International Business) 2013 Annual Meetingの参加報告 商 学 部 教 授 崔 在濬 アジアの最も西にあり、世界唯一の二大陸にまたがる大都市で る。本拠地アメリカでは健康志向の高まりと同時に「脱炭酸飲料、 あるイスタンブール! ボスポラス海峡を挟んで東のアジア側と 脱カロリー」の動きが進んでいるが、その一方で新興国市場開拓 西のヨーロッパ側に分かれている。東ローマ帝国 (330〜395年) などを積極的に推進し、全社のパフォーマンスを上げ不動の地位 やオスマン帝国 (1453〜1922年)など4つの帝国の首都であった を確立している。 イスタンブール! 1600年以上の歴史をもって栄え続けた古都 一 方、カリフ ォ ルニア 大 学 バ ー クレ ー 校(University of である。2020年夏季オリンピックが東京に決まる前に招致活動 California-Berkeley)ハース・ビジネススクール(Haas School of を行っていたものの、毎日のようにタクスィム・ゲズィ公園の撤去 Business)の③デビッド・ティース教授は200本以上の論文を発表 反対とショッピングモール建設に反対する群衆と観光客でごった し、その多くはビジネス研究領域で数多く引用されている。特に がえしていた町である。 1990年代後半以降、企業の持続的な競争優位の源泉たるものと 2013年7月3日(水)から四日間、そのイスタンブールで 開か して「ダイナミック・ケイパビリティ(Dynamic Capability)」の概 れたAIB (Academy of International Business)学 会に参加 念を展開している。これは急変する企業環境に対応するため、企業 してきた。共 通 論 題 は「Bridging the Divide: Linking IB to が内外部の競争力を結合・構築・再構築する能力のことである。 Complementary Disciplines and Practice」であり、国際ビ 一般的にビジネス研究は①実務、②教育、③理論の領域で、そ ジネスを理論と実務に結合することであった。1,200人以上が参 れぞれの分野ごとに議論されがちである。しかしながら、ビジネ 加し、12分野で1,425の研究が連日報告された。 スを取り巻く環境の不透明性が高まる最近では各ディビジョンを AIBフェローによる「今 年の経営 者、教 育 者、研究者」に、① 如何にブリッジングするかが問われる。理論なき実践は無謀であ ムー ター・ケント(Muhtar Kent)氏、② バ ー ナ ード・ラマナン り、実践なき理論は空虚とも言われるこの時代、①実務と③理論 ツァ(Bernard Ramanantsoa)教授、そして③デビッド・ティー を結合するケイパビリティが最も重要であろう。その点を指摘し ス(David Teece)教 授が選ばれた。各分野で大 活躍している たことから、アッシュ・ウ・セ(HEC-Paris)で教鞭を執っている② 著名人であり、大会の基調講演に招かれた三人について簡単に バーナード・ラマナンツァ教授が受賞したのではなかろうか。 紹介する。①ムーター・ケント氏はトルコ系アメリカ人でコカ・コー 以上をもって報告に代えさせて頂く。筆者にとっては初めて訪 ラ(Coca-Cola Company)の 最 高 経 営 責 任 者(CEO; Chief れたイスラムの都市であったが、ムスリムについてあまりにも無 Executive Officer)である。 「2020年までに事業規模を2倍にす 知であることが分かった。このたび、このような機会を与えて頂 る」という大胆な目標を掲げたバイタリティーあふれる経営者であ いた諸関係者に深く感謝申し上げたい。 退任のご挨拶 お疲れさまでした ~3名の教授が退任されます~ 本年3月末をもって3名の専任の先生が定年退職されます。退任されるにあたり、 中央学院大学での教員生活を振り返られての挨拶の言葉や想い出深い写真等を各先生方よりいただきました。 29年間の感謝と想い出とともに 商学部教授 加藤 良子 6 この29年間とともに、私自身も成長することができました。定年にあたり、感謝の気持ちでいっぱいです。 回想アルバム ─ 教職課程等の想い出─ 1 2 3 4 5 1 2 ■教職課程にて。 卒業生で小学校の専任教師として教えている平田先生が教育実習事前指導で講演をしてくださいました ■いくら授業評価で指摘されても板書の文字は美しくなりませんでした 3 4 5 6 ■23年前の卒業式で学生たちと…まだ益田 (旧姓) だったかも ■あびこ祭に教職課程でクジラ料理のお店を出したことも ■懐かしい教職課程の先生方。 藤田晃之先生と加藤 ■久保純子先生と加藤 中央学院 大学での40年 商学部教授 鈴木 正昭 私は昭和49(1974)年に商学部のフランス語担当の非常 からも続きます。ただ厳しい思いをしているのは自分だけではな 勤講師に採用され、それ以来今 年の3月まで40年間にわたり い、ということは忘れないでいてほしい、と思います。自らの長 本学での授業を担当しました。フランス語のほかにはプロゼミと 所を伸ばし、友人と健康を大切にして生きていってください。 演習も担当しました。平成元年に専任教員になりました。学生の 私にとっては時に苦しいこともありましたが、大体において楽 皆さんのこれまでの人生の2倍もの期間です。ずいぶん長かった しく過ごすことのできた40年でした。大学、同僚の先生方や職 ようですが、過ぎてみれば案外短かったなという印象です。 員の皆さん、そして授業に出てくれた学生の皆さんに感謝いたし 勤め始めたころ私の担当科目は選択必修でしたので、1クラス ます。 50名前後の学生がいて、語学の授業としてはやや多いかなと感 じていました。ところが第2外国語が選択科目になると、最初は ある程度の履修者がいても、途中でどんどん少なくなっていき、 最後にはわずか数名という年もありさびしい思いをしました。 私が本学に就職したころ、世の中は現在よりはるかに景気が よく、卒業生は比較的簡単に就職できました。 「就活」とか「エン トリーシート」などという言葉のないのんびりした時代でした。 バブル の崩 壊 以 降 状 況はどんどん悪くなりました。 「 リーマン ショック」の影響もあり、最近は一人で何十社も受けている学生 も少なからずいて、大変だな、と気の毒に思います。 グローバル化はこれからも進みますから、厳しい時代はこれ CGU教員生活 楽しい&ほろ苦い 商学部教授 八木 孝彦 中央学院大学へ赴任して19年、この3月でリタイヤメントを 田氏と出張でご一緒しました。何かの折に同氏は、 「授業が変わ むかえました。若い人と一緒に食事をしたり、盃をかたむけるの れば大学が変わります」とポツリ。この言葉は胸を打ちました。 が好きだったこともあり、その方面のヒヤリ・ハットは多いのです。 しかしこの二つのエピソードのわりには、現実は想うように進 しかしいまだ時効とはいえないので、このところ胸中繰り返され 展してくれません。少しずつ前進してきたと自負するのですが、 る楽しい思い出とほろ苦い思い出です。 まだまだですか? 学生さんには力が及ばず不味い講義で申し 楽しいビッグな思い出の一つは、香港ゼミ旅行です。12名の 訳なかったというほろ苦い思い出です。最後になりましたが、支 ゼミ生のうち、6名が大陸からの留学生。仲良く和気あいあい えてくださった全てのCGU教職員の皆様に感謝感謝です。 の学年でした。或る時、ゼミ旅行したいと声があがり、香港に決 定。知り合いの先生を介して香港大学の准教授を紹介してもら い、研修内容(現代中国大学生の職業意識)もしっかりプログラ ム。現地での研修は、講師が中国語で講義し、私たちの留学生 が翻訳して進みました。質疑応答もきちんとあり、引率者として ホット一安心。終わるとリーズナブルな香港料理と100万ドル の夜景を堪能しました。全員が節度と良識に富んだよき大学生 でした。楽しかったです。 あまり楽しいとはいえない思い出もあります。 筆者の大学時代の恩師のお一人は、毎年講義ノートを書き換 えると豪語。手書きで、一言一句、一回90分の24〜5回分、大 学ノートに筆記するとのことでした。私たち学生は必死でノート をとりました。講述される文言すべて書き取るのです。この授業 は大学授業のあり方の一つとして私の記憶に残りました。そして 中央学院に赴任して、2〜3年の時、現在の法人事務局長の岡 2013 年度 授業評価アンケート集計結果 (全体) 受講者数 別区分 設問文 全体 平均 1.授業内容について 強く そう思う 5 (1)授業の内容に興味がもてた。 授業の内容は (2) 体系的でよくまとまっていた。 授業の内容は勉強の意欲を (3) かきたてるものが多くあった。 (4)授業の内容は量的に適切であった。 授業の内容は (5) シラバスに沿ったものであった。 (7)担当教員の熱意が感じられた。 まったくそう 思わない 有効 回答数 無効 回答数 2 1 45.2% 38.4% 12.2% 2.8% 1.4% 100 名以上 4.16 42.5% 37.2% 15.8% 2.8% 1.6% 562 2 100 名未満 4.24 45.4% 38.5% 12.0% 2.8% 1.4% 6,728 24 全体 4.28 47.9% 36.2% 12.6% 2.3% 1.0% 7,287 29 100 名以上 4.14 41.4% 37.3% 16.2% 4.3% 0.9% 563 1 100 名未満 4.29 48.5% 36.1% 12.3% 2.1% 1.0% 6,724 28 全体 4.11 41.3% 34.9% 18.3% 3.9% 1.6% 7,286 30 100 名以上 3.99 35.5% 37.5% 19.6% 5.2% 2.1% 560 4 100 名未満 4.12 41.8% 34.7% 18.2% 3.8% 1.5% 6,726 26 全体 4.24 47.8% 34.1% 13.7% 3.2% 1.2% 7,286 30 100 名以上 4.09 40.6% 35.8% 16.9% 6.0% 0.7% 562 2 100 名未満 4.25 48.4% 34.0% 13.4% 2.9% 1.3% 6,724 28 全体 4.34 51.3% 32.9% 14.5% 0.8% 0.5% 7,267 49 100 名以上 4.18 41.5% 37.0% 20.2% 0.9% 0.4% 559 5 100 名未満 4.35 52.1% 32.5% 14.0% 0.8% 0.5% 6,708 44 2 1 全体 4.41 56.7% 30.3% 11.0% 1.4% 0.6% 7,284 32 100 名以上 4.29 48.1% 34.8% 15.3% 1.8% 0.0% 561 3 100 名未満 4.42 57.4% 29.9% 10.7% 1.4% 0.7% 6,723 29 全体 4.38 56.0% 29.5% 11.9% 1.9% 0.8% 7,280 36 100 名以上 4.30 49.9% 33.3% 14.5% 1.8% 0.5% 559 5 100 名未満 4.39 56.5% 29.1% 11.7% 1.9% 0.8% 6,721 31 全体 4 3 あまりそう 思わない 4.23 5 4 どちら でもない 全体 2. 授業方法について (6)授業はよく準備されていた。 やや そう思う 3 7,290 26 4.27 50.1% 32.1% 13.3% 3.3% 1.2% 7,276 40 (8)授業のテンポや進行具合が適切であった。 100 名以上 4.06 40.1% 34.0% 19.1% 5.4% 1.4% 559 5 100 名未満 4.28 50.9% 32.0% 12.8% 3.1% 1.2% 6,717 35 全体 4.30 53.9% 28.6% 12.8% 3.1% 1.6% 7,267 49 100 名以上 4.14 45.9% 30.9% 16.4% 4.9% 2.0% 556 8 100 名未満 4.32 54.6% 28.4% 12.5% 3.0% 1.5% 6,711 41 全体 4.01 40.6% 27.5% 26.3% 3.7% 1.8% 7,260 56 100 名以上 3.77 33.8% 25.7% 28.7% 7.4% 4.5% 557 7 100 名未満 4.03 41.2% 27.7% 26.1% 3.4% 1.6% 6,703 49 全体 3.93 39.6% 19.1% 38.0% 1.6% 1.8% 7,155 161 100 名以上 4.19 48.5% 25.8% 22.7% 1.6% 1.3% 550 14 100 名未満 3.91 38.8% 18.5% 39.3% 1.6% 1.8% 6,605 147 2 1 全体 4.41 56.7% 29.9% 11.4% 1.8% 0.3% 7,250 66 100 名以上 4.39 55.7% 29.8% 12.5% 1.6% 0.4% 553 11 100 名未満 4.41 56.7% 29.9% 11.3% 1.8% 0.3% 6,697 55 全体 4.23 46.9% 33.8% 16.0% 2.6% 0.7% 7,240 76 100 名以上 4.18 44.6% 31.5% 21.3% 1.8% 0.7% 558 6 100 名未満 4.24 47.1% 34.0% 15.5% 2.7% 0.7% 6,682 70 全体 3.54 27.0% 26.0% 29.1% 9.7% 8.2% 7,244 72 100 名以上 3.45 24.8% 24.5% 31.3% 9.4% 10.1% 556 8 100 名未満 3.55 27.2% 26.1% 28.9% 9.7% 8.0% 6,688 64 全体 4.23 46.7% 32.7% 17.6% 2.5% 0.5% 7,204 112 100 名以上 4.20 44.1% 34.0% 19.5% 2.2% 0.2% 553 11 100 名未満 4.23 47.0% 32.6% 17.5% 2.5% 0.5% 6,651 101 担当教員の話し方は (9) 明瞭で聞き取りやすかった。 (10)板書の仕方は適切であった。 (黒板を使用していない場合は 「どちらでもない」を選択する事) (11)映像機器が効果的に使用されていた。 (映像機器を使用していない場合は 「どちらでもない」を選択する事) 3. あなた自身について 5 (12)この授業によく出席した。 (13)この授業には積極的に取り組んだ。 (14)この授業のために予習・復習をした。 (15)受講態度はよかった。 4 3 編 集・発 行 中央学院大学 商学部報編集委員会 〒 270 -1196 千葉県我孫子市久寺家 451 TEL : 04 - 7182 -1441