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学校教育論 (`08)= (R)
事務局 開講 記載欄 年度 科目名(メディア) 平成20年度 = 科目 区分 共通科目 (人文系) 科目 コード 1110608 学校教育論 履修 制限 (’08)= 無 単位 数 2 (R) 〔主任講師(現職名): 田中 統治 (筑波大学大学院教授) 〕 〔主任講師(現職名): 庄司 一子 (筑波大学大学院教授) 〕 〔主任講師(現職名): 浜田 博文 (筑波大学大学院教授) 〕 講義概要 わが国ではこれまでになかったほど学校教育に注目が集まっている。特に、これまで看過されてきた学校内部の問題、たとえ ば、カリキュラム(学習内容)、学校・学級での生活や人間関係、そして学校改革の可能性などへの関心は高い。この科目では、 学校社会学、学校心理学、及び学校経営学を専門とする立場から、学校教育をその基礎から理解し、現下の問題の本質と背 景、発生のメカニズムを把握した上で、今後を実践的に展望する。 授業の目標 この授業では、学校教育の「在り方」を論ずるのでなく、その「在り様」をできるだけ客観的に深く理解することを目指す。このた め、学校教育の抱える問題点を切り口としながらも、それが社会現象として、他の組織・集団・関係においても共通して現れる問 題であることに注目し、その原因に迫れるように工夫した。受講者がテキストを端緒として、関連する参考文献を読み進めて、学 校教育に関してより深い理解に達することを目標とする。 回 テ ー マ 内 容 執 筆 担 当放 送 担 当 講 師 名講 師 名 (所属・職名) (所属・職名) 学校教育は誰もが経験しているために、その経験を相対化 田中 統治 統治 して考えることが難しい。そこで、学校を研究対象とする学 田中 して考えることが難しい。そこで、学校を研究対象とする学 (筑波大学大 学校教育を考える視 校社会学の立場を例に取り上げながら学校教育を考えるた 学院人間総 1 点 めの視点を示し、講義の概要に触れる。 合科学研究 科・教授) 【キーワード】 田中 田中 統治 統治 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 学校教育学、学校社会学、学校経験、社会化 2 学校の社会的機能 学校教育が全体社会にとって果たしている役割について、 社会的機能の観点から解説し、この機能が過去どのように 変化してきたかを跡付け、現代の学校教育が直面している 同 課題をマクロ(巨視的)な視点から考える。 同 【キーワード】 社会的機能、国民教育、人材の選抜・配分、逆機能 3 学校教育の過程 学校教育をその入力ー出力系で考えてきた機能主義に代 わって登場した、ミクロ(微視的)な研究の立場を解説し、「教 育過程」(教師-教育内容ー生徒の三者による相互作用) 同 の視点が注目する問題を検討する。 同 【キーワード】 教育課程と相互作用、生活世界 学校文化(学校に特有の生活・行動様式)の視点から、それ が生徒や教師に及ぼす人間形成(社会化)作用とその実態 学校文化とカリキュラ を考える。そして、生徒にとってカリキュラムが学校文化を学 同 4 習する経験であることを明らかにする。 ム 【キーワード】 学校文化、カリキュラム、教師文化、生徒文化 同 回 テ ー マ 5 隠れたカリキュラム 内 容 執 筆 担 当放 送 担 当 講 師 名講 師 名 (所属・職名) (所属・職名) 公式のカリキュラム(教育課程)に対して、学習者が結果的 に学んでいる内容(隠れたカリキュラム)に注目し、その特徴 田中 統治 を解説する。文化伝達の機関である学校が学習者のアイデ (筑波大学大 ンティティまで規定するメカニズムに迫る。 学院人間総 合科学研究 【キーワード】 科・教授) 隠れたカリキュラム、公式のカリキュラム、学習経験、アイデ ンティティ 子どもにとって学校は居場所としての機能を果たすが、現 代は特にこれが学校に通う上で重要な意味をもつ。では、 居場所とは何か?子どもにとって学校は居場所になってい 6 居場所としての学校 るのか、またどのように居場所になりうるのか、その環境づく りについて考察する。 【キーワード】 居場所づくり、居場所の機能、子どもの成長・発達と居場所 庄司 一子 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 田中 統治 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 庄司 一子 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 学校ストレスの研究から、学校は子どもに様々なストレスを 与える場であることが明らかになっている。子どもにとって学 校はどのようなストレスを感じる場であり、その結果、学校ス トレスが子どもにどのような影響を及ぼすのか、その実態を 同 考える。 【キーワード】 学校ストレッサー、ストレス反応、ストレス症状、ストレスマネ ジメント教育、レジリアンス教育 同 学校教育 場面 教師 徒 多様 関係 も 。 れ 学校教育の場面で教師と生徒は多様な関係をもつ。それ は彼らにどのような影響を及ぼしているのだろうか。ここでは 教師による授業中の「雑談」をとりあげ、その影響を中心に 教師が生徒に与える 考える。さらにこうした人間関係の悩みが教師に及ぼす影 同 8 影響 響についても論じる。 【キーワード】 教師の影響、児童生徒の被影響感、生徒の教師に対する 信頼感 同 7 学校生活とストレス 9 生徒の内面世界 現代の学校は不登校、いじめ、非行、人間関係の問題など に直面している。学校関係者がこれらに対応するとき、生徒 の内面を十分理解して対応することが求められる。では、生 徒はどのような悩みを抱え、援助を求めているのか、ここで 同 はそれを考える。 同 【キーワード】 児童生徒理解、理解の方法、児童生徒の悩み、援助の方 法 10 学校での教育相談 前四回で論じてきた、子どもにとっての学校、学校生活のス トレス、教師と生徒との人間関係、生徒の内面世界に関して 振り返り、これらを理解した上でどのような教育相談が求め られ、配慮すべき点は何かについて解説し、事例をとりあげ 同 て検討する。 同 【キーワード】 教育相談、学校カウンセリング、積極的教育相談、予防教 育 「子どもはみんな学校へ通う」ということは、長い間、当然と 見なされてきた。しかし近年、「不登校」現象など、そこに変 浜田 博文 化の兆しがみられる。ここではまず、現代の学校を成り立た (筑波大学大 学院人間総 11 現代学校の制度原理 せている制度上の基本原理について考える。 合科学研究 科・教授) 【キーワード】 浜田 博文 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 回 テ ー マ 教員職務の特徴と 12 「やりがい」 内 容 執 筆 担 当放 送 担 当 講 師 名講 師 名 (所属・職名) (所属・職名) 教員は、「子どもに教えること」を専門的に担う職業として、 学校制度とともに形成され発展してきた。ここでは、学校教 浜田 博文 育の要とも言える教員職務の特徴を理解するとともに、その (筑波大学大 学院人間総 課題状況と「やりがい」について考えてみたい。 合科学研究 科・教授) 【キーワード】 教員としての優れた専門的力量はどのような要素で構成さ れるのか。その養成教育では、どのような知識内容が習得 されるべきか、そして、そのためにはどんな養成の仕組みが 教員養成の仕組みと 必要か。これまでの教員養成に関する諸論議から、これら 同 13 課題 の点について考える。 浜田 博文 (筑波大学大 学院人間総 合科学研究 科・教授) 同 【キーワード】 現代の学校は、一つの組織としての力をますます必要とし ている。学校を「組織」と見ることの意義は何か、学校という 「組織」としての学校 組織にはどのような「力」があるのか、学校はいったいどのよ 同 14 とその特質 うな組織な か、に 考える。 うな組織なのか、について考える。 同 【キーワード】 「学校の自律性」確立を求める教育改革のもとで、学校のマ ネジメントのあり方がどう捉え直されているかを理解するとと 学校のマネジメントと もに、学校と親・地域との連携のあり方について検討する。 同 15 親、地域との連携 【キーワード】 同