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表紙 - Morningstar

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表紙 - Morningstar
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】
有価証券報告書
【根拠条文】
金融商品取引法第24条1項
【提出先】
関東財務局長
【提出日】
平成23年6月24日
【事業年度】
2010年度
(自 平成22年1月1日 至 平成22年12月31日)
【会社名】
モトローラ・ソリューションズ・インク
(Motorola Solutions, Inc.)
【代表者の役職氏名】
グローバル報奨担当副社長
マイケル・J・トーマス
(Michael J. Thomas, Vice President, Global Rewards)
【本店の所在の場所】
アメリカ合衆国イリノイ州60196シャンバーグ、
イースト・アルゴンクイン・ロード1303
(1303 East Algonquin Road, Schaumburg, Illinois
60196, U.S.A.)
【代理人の氏名又は名称】
弁護士 森下 国彦
【代理人の住所又は所在地】
東京都港区六本木一丁目6番1号泉ガーデンタワー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】
東京03(6888)1000
【事務連絡者氏名】
弁護士 楽 楽
弁護士 鈴木 杏里
【連絡場所】
東京都港区六本木一丁目6番1号泉ガーデンタワー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】
東京03(6888)1000
【縦覧に供する場所】
該当なし
(注) 1 本書において「当社」、「会社」または「モトローラ・ソリューションズ」という用語は、文脈上の解釈の必要に従
い、モトローラ・ソリューションズ・インク、またはモトローラ・ソリューションズ・インクおよびその連結子会社
を指す。
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2 別段の記載がある場合を除き、本書中の記載は2010年12月31日現在のものである。
3 本書に記載の「ドル」または「$」という用語は、別段の注釈がある場合を除き、アメリカ合衆国ドルを指す。日本に
おける読者の便宜を図るため、ドル建の金額は1ドル=80.91円の為替レート(平成23年5月16日の株式会社三菱東
京UFJ銀行による対顧客電信売買相場の仲値)で日本円に換算されている。
4 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
5 モトローラ・ソリューションズ・インクの事業年度は各年の12月31日に終了する。
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第一部 【企業情報】
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
モトローラ・ソリューションズ・インク(以下「当社」または「モトローラ・ソリューションズ」とい
う。)は、アメリカ合衆国デラウェア州法に基づき設立された。アメリカ合衆国の事業法人は、民間企業の設立を
対象とする連邦法が銀行等の特殊な例外を除き存在しないため、いずれかの州またはコロンビア特別区の法に
準拠して設立されている。
デラウェア州法に基づく会社は、会社の株式の所有者である株主とは別個の独立の法人格を有する。デラウェ
ア州法に基づく会社は、その定款の規定するところに従い、1種もしくは数種の株式を発行することができ、か
かる株式は、1種または数種の普通株式または優先株式によって構成される。また、株式の一部または全部につ
いて額面株式または無額面株式とすることができ、一部または全部について議決権株式または無議決権株式と
することもできる。そして、優先株式は、一定率による配当および清算の分配において普通株式に優先するもの
とすることができる。通常、適切な資本構成を有するデラウェア州法に基づく会社においては、株主は、会社の負
債について何らの個人的責任も負担しない。ただし、株主は、自らの行為に基づいて責任を負担することがあり
うる。
デラウェア州法に基づく会社は、通常、年次株主総会において株主により選任された取締役会により運営され
る。一般的に、会社の事業その他の事項は、取締役会が広範な権限と裁量のもとに管理している。
株主の権限は、通常次の事項を含む。
a) 取締役の選任
b) 定款の変更
c) 合併、統合、解散、整理または資産の全部もしくは実質的に全部の譲渡等、会社の事業に関する重大な変更
の承認
取締役会は、会社の日常業務を遂行する主要な役員を選任する。取締役会は、会社の附属定款の定める時期に、
その定める手続に従って定期的に開催される。
主要な役員の責務は、一般的に附属定款に規定されており、附属定款は、株主総会によって、または定款の規定
に従い、取締役会によって改正される。
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(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
モトローラ・ソリューションズの会社制度は、デラウェア州法によって定められるところに加えて、当社の定
款および附属定款にも示されており、一定の事項について現在は以下のとおりである。
(a) 株式
当社の授権発行株式数を、その種類、額面・無額面の別、額面価額および同一種類におけるシリーズに関し
て分類すると、以下のとおりとなる。
種類
シリーズ
(もしあれば)
優先株式
シリーズで発行
普通株式
なし
株式数
額面価額または
無額面である旨
500,000
$100
600,000,000
$.01
優先株式および普通株式に関する権能、優先権および権利、ならびにその制限、限界または制約は次のとお
りである。
(優先株式)
1) 優先株式は、取締役会が採択する各シリーズの発行について定める決議において、当該各シリーズにつき
決定および表明された指定により、1ないし複数のシリーズを随時発行することができる。取締役会は、
各シリーズにつき、その決議において以下の事項を決定および表明する権限を明示的に与えられている。
(ⅰ)かかるシリーズの株式保有者の議決権
(ⅱ)かかるシリーズの株式保有者が受領する権利を有する配当の年率、時期および条件、ならびにかかる配
当の累積・非累積の別、また累積的である場合にはかかる配当が累積となる条件
(ⅲ)かかるシリーズの株式の償還価格、償還時期および償還方法
(ⅳ)かかるシリーズの株式保有者が、当社の任意的もしくは非任意的な清算解散または整理に関して有す
る権利
(ⅴ)かかるシリーズの株式が他の種類の株式、または同種もしくは異なる種類の他のシリーズの株式に転
換または交換される条件(転換または交換の価格または比率および調整条件を含む。)
(ⅵ)現在の(改正された)基本定款の規定と合致する範囲内において、また、現在または将来においてデラ
ウェア州法が許容する範囲内において、上記以外の指定、優先権、および関連的、参加的、選択的または
その他の特別の権利、ならびにその制限、限界または制約
2) いずれかの1シリーズに属するすべての優先株式は、異なる時期に発行されたかかる株式について累積的
配当における累積の開始日が異なることを除き、すべての点において相互に同等である。
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(普通株式)
1) 普通株式は、株主の行為によることなしに、取締役会によって随時決定され、かつ法律によって許容される
対価および条件において、当社がこれを発行することができる。
2) 普通株式の保有者は、取締役会が宣言した場合にのみ、かつ法律により許容される範囲内で、配当を受ける
権利を有する。
3) 各普通株式の保有者は、当社の一切の株主総会において、かかる総会に提出されるすべての議案及び当社
の取締役のすべての選任に関して、本人自らまたは代理人によって1議決権を行使する権利を有する。
(b) 株主総会
(株主総会の開催場所)
取締役会または取締役会会長は、いかなる場所をも、取締役会が招集する年次株主総会または臨時株主総会
の開催場所として指定することができる。開催場所の指定がなされない場合、開催場所はイリノイ州に所在す
る当社の主たる事務所とする。
(年次株主総会)
年次株主総会は、毎年5月の第1月曜日の午後5時、または取締役会によりその権限において設定する日時
に、取締役の選任および株主総会に提出されるその他の議事の審議を目的として開催される。年次株主総会の
開催日として設定された日がその開催場所の州の法定休日である場合には、かかる株主総会は、翌営業日に開
催される。取締役の選任が年次株主総会開催日として附属定款の中で指定された日またはその延会期日に行
われなかった場合には、取締役会は、その後出来るだけ早い都合の良いときに臨時株主総会を開催し、取締役
を選任させる。
(臨時株主総会)
臨時株主総会は、法令によって別段の定めがない限り、取締役会会長または取締役会があらゆる目的でこれ
を招集することができる。
臨時株主総会は、招集を求められている臨時株主総会にて提案される予定の議事に対する議決権の合計数
の20パーセント以上を合計で表章する株式を保有する1名または複数の当社株主により、当社秘書役に対し
て書面による要請(以下「要請書」という。)が行われたことを受けて、取締役会が招集する。臨時株主総会
の要請書が有効とみなされるためには、要請書は、(a)書面により秘書役に宛てたもので、当該臨時株主総会を
要請する各株主による、または当該株主の適式に授権された代理人による署名が付され、そして(b)臨時株主
総会の具体的な目的および附属定款にて要求されている情報(提案される予定の指名および当該臨時株主総
会にて審議される予定のその他の議事ならびにかかる臨時株主総会開催を要請する株主に関する情報を含
む。)を記載した書面を添付しなければならない。
株主により要請された臨時株主総会は、取締役会または取締役会会長が指定する日時および場所にて開催
される。ただし、当該臨時株主総会の日は、秘書役が附属定款の要件を満たした要請書を受領してから90日以
内でなくてはならない。前述にかかわらず、株主が要請した臨時株主総会は、以下の場合には開催されない。
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(a)附属定款に定める方法および様式に従った有効な要請書が交付されなかった場合。
(b)臨時株主総会に提議される旨が記載された議事が、適用法に基づく株主の行為として適切でない議事
である場合。
(c)取締役会会長または取締役会が、秘書役が要請書を受領してから90日以内に開催される年次株主総会
または臨時株主総会を招集したか、する場合で、取締役会が当該年次株主総会または臨時株主総会の議事が、
(同年次株主総会または臨時株主総会に適式に提案されたその他の議事に)株主の要請書に記載された議事
も含むと誠実に判断した場合。
(d)臨時株主総会の要請書の120日前までに開催された株主総会にて、同一または実質的に同様の議事が提
起された場合。
(e)附属定款にて要求されている基準日現在の当該株式の株主名簿上の記録および実質的所有権について
文書により証明されていない場合。
株主は、書面による撤回を秘書役に交付することにより、臨時株主総会の要請書をいつでも撤回することが
できる。また、かかる撤回の後、臨時株主総会を招集するために必要な合計株式数に満たない株式を保有する
株主による撤回されていない要請書がある場合、取締役会会長または取締役は、その裁量により、臨時株主総
会を中止することができる。要請書を提出した株主のいずれもが出席しなかった場合、または提案されている
指名を行うためもしくは臨時株主総会で審議されるべきその他の議案を提案するための資格ある代表者を出
席させなかった場合、当社は当該総会にて、当該指名または議事を決議に付す必要がない。
株主が要請した臨時株主総会にて審議される議事は、当社による当該総会の招集通知に記載の事項に限定
され、当社による当該総会の招集通知に記載の通り、当該議事のみが審議される。ただし、本項は、株主が要請
した臨時株主総会において(株主による要請書に記載のものに加えて)取締役会が株主に議事を提案するこ
とを妨げない。取締役会は、当社の招集通知および議決権代理行使にかかる参考書類の配布方法について、電
子的にまたは認められるその他の方法により行うか選択することができる。
(決議および定足数)
すべての発行済株式は、種類を問わず、株主総会において決議に付される各事項について1議決権を与えら
れる。ただし、基本定款によって、またはそれが定める方法によって、いずれかの種類の株式の議決権が拡張、
制限または否定された場合はこの限りではない。株主総会においては、議決権ある株式の過半数を占める株主
または代理人による出席が株主総会の定足数を構成する。デラウェア州法、基本定款または附属定款によって
別途定められている場合を除き、定足数が満たされた場合、株主総会に出席しかつその議題について議決権を
与えられている株式の過半数の賛成投票が株主の意思を構成するものとする。ただし、取締役は、株主総会に
出席しかつ取締役の選任について議決権を与えられている株式の得票の相対多数によって選任されるものと
する。株主総会に出席している株主または代理人の数が発行済株式の過半数に満たない場合は、株主または代
理人が出席している株式の過半数により、さらに通知を行うことなく、随時総会を延期することができる。株
主または代理人の出席により定足数が満たされたかかる延会においては、当初の総会で審議する予定であっ
たあらゆる議事について審議することができる。
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(株主総会の延会)
株主総会に出席している株主または代理人の数が発行済株式の過半数に満たない場合は、株主または代理
人が出席している株式の過半数により、さらに通知を行うことなく、随時総会を延期することができる。株主
総会議長(当社附属定款に記載されているとおり。)は、定足数が満たされたか否かにかかわらず、さらに通知
を行うことなく、随時株主総会を延期することができる。法令によって要求されている場合を除き、延会の開
催日時および場所を通知する必要はない。いかなる場合においても、株主総会の延期に関する公告は、株主に
よる指名および他の議事提案に関する事前通知の期間を新たに開始させないものとする。株主または代理人
の出席により定足数が満たされたかかる延会においては、延期前の総会で審議する予定であったあらゆる議
事について審議することができる。
(代理委任状)
全ての株主総会において、株主は、株主または適法に権限を与えられたその代理人によって書面により作成
されたまたは電子的な通信手段により提出された代理委任状により議決権を行使することができる。委任状
は、その作成日より3年を過ぎた場合は無効となる。ただし、委任状に別段の定めのある場合はこの限りでな
い。
(総会の通知)
株主総会の開催場所および日時、ならびに臨時株主総会の場合はその招集の目的を記載した書面による通
知は、株主総会の開催日の60日前から10日(株主が合併もしくは連結または当社の資産の全部もしくは実質的
に全部の売却、賃貸もしくは交換を承認する場合には20日)前までに、取締役会、取締役会会長、秘書役または
会議を招集している役員その他の者により、またはこれらの者の指示により、かかる株主総会において議決権
を行使する権利を有する名義登録されている各株主に対し交付されるものとする。附属定款の通知に関する
規定は、附属定款に基づいてなされる通知に適用される。
(株主総会の延期)
事前に予定されていた株主総会は、取締役会の決議によって、(1)かかる総会の開催予定日時よりも前に公
表することによって、または(2)延期される予定の総会における発表により延期することができる。いかなる
場合においても、事前に予定されていた株主総会の延期に関する公告は、株主による指名および他の議事提案
に関する事前通知の期間を新たに開始させないものとする。
(株主総会の中止)
臨時株主総会は、取締役会の決議によって、(1)かかる総会の開催予定日時よりも前に公表することによっ
て、または(2)延期される予定の総会における発表により中止することができる。株主が要請した臨時株主総
会は、附属定款の定めに従い中止することができる。
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(株主による指名および他の議事提案に関する事前通知)
株主による取締役の選任のための指名および審議事項の提案は、年次、または当該事項が当社による当該総
会の招集通知に含まれている場合およびその範囲でのみ、臨時株主総会において、(a)かかる株主総会に関す
る当社の招集通知に従い、(b)取締役会の指示によりもしくはこれに基づき、または(c)かかる株主総会(附属
定款に規定されている。)に関して設定された基準日に名義登録されており、株主総会において議決権を行使
する権利を有し、かつ附属定款に定められている通知手続に従った当社の株主が、これを行うことができる。
指名または他の議事の提案が年次または臨時株主総会において上記第(c)号に従った株主により適正に提起
されるためには、株主は、それに関する時宜にかなった通知を書面により当社の秘書役に対して行わなければ
ならず、またかかる議事は、デラウェア州一般会社法に基づき株主が決議する事項として適正であり、かつ基
本定款および附属定款に基づきかかる株主総会において検討される事項として適切でなければならない。本
項に基づく通知が時宜にかなったといえるためには、当社の主たる事業所の秘書役に対してかかる株主総会
の開催日より120日前から、また、(A)年次株主総会の場合、当社が前回の年次株主総会について確定的な議決
権行使関係書類(その後修正されたり補足されたりしたか否かを問わない。)を証券取引委員会に提出した
応当日より少なくとも45日前、ただし、年次株主総会の開催日が前年度の年次株主総会の応当日から30日超前
倒しか30日超遅延された場合(延会による場合を除く。)、株主による通知が時宜にかなうためには、(ⅰ)か
かる年次総会の60日前、または、(ⅱ)かかる総会の開催日が最初に公告された日の10日後のいずれか遅い方の
日の営業終了時までの間に、交付されなければならない。そして、(B)特別総会の場合、かかる株主総会の開催
日の60日前、または、かかる総会の開催日が最初に公表された日の10日後のいずれか遅い方の日の営業終了時
までの間に、交付されなければならない。
(指名)
附属定款第13項に基づく株主の通知が、取締役の選任または再任のため1名または複数の者を指名するこ
とを当該株主が提案することに関するものである場合、かかる通知には、指名された各者に関して、取締役の
選任のための代理委任状の勧誘の中で開示することが要求される、またはその他の必要なすべての情報(いず
れの場合も現行の1934年証券取引所法(改正を含む)(以下「取引所法」という。)の下の規則14Aに従う。)(議
決権代理行使にかかる参考書類に被指名者として記載されること、および選出されたときには取締役として
勤務することについてのかかる者の書面による同意を含む。)を記載するものとする。
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(その他の議事)
附属定款第13項に基づく株主の通知が、株主が株主総会に提起することを提案しているその他の議事に関
する場合には、かかる通知には、かかる議事の簡単な説明、株主総会においてかかる議事について審議する理
由、ならびにかかる株主およびその提案が代理してなされた場合その実質的所有者のかかる議事についての
個人的またはその他の直接もしくは間接的な重大な利害を記載するものとする。
附属定款第13項に基づく各通知には、そのほかに、通知を行う株主および提案または指名が代理してなされ
た場合のその実質的所有者に関して、(i)当社の台帳に記載されているかかる株主およびかかる実質的所有者
の氏名および住所、(ⅱ)かかる各株主およびかかる各実質的所有者が実質的にかつ記録上保有している当社
の株式の種類および数についての書面による証拠、(ⅲ)株主および実質的所有者による、かかる総会の基準日
から5営業日以内に、かかる総会の基準日付の所有に関する情報を提供する旨の表明、(ⅳ)下記に記載する附
属定款第13項に基づく通知のときにおけるかかる株主または実質的所有者とその他の者の間の合意、取決も
しくは同意(書面によるものか否かを問わない。)の詳細ならびにかかる総会の基準日から5営業日以内に、
株主が当該詳細について当社に通知する旨の表明、(A)指名またはその他の議事については、スケジュール13D
第6項に基づき記載または報告が要求されている合意を含むが、これらに限定されない。また、スケジュール
13Dを提出する要件が株主または実質的所有者に適用されるか否かを問わない、(B)デリバティブもしくは
ショート・ポジション、プロフィット・インタレスト、オプション、ヘッジ取引および借株もしくは貸株(株
式または現金どちらによる決裁かを問わない。)または当社のいずれかの種類の株式の株価の変動による損
失を軽減し、リスクもしくは利益を管理するか、または当社の株式に関する株主もしくは実質的所有者の議決
権を増大させたり減少させたりする効果を有するその他の締結済の類似の取決、ならびに(C)当社の株式を取
得、保有し、議決権を行使しまたは処分することに関するもので、かかる合意、取決または同意の対象となる株
式数を記載したもの。(ⅴ)株主または実質的所有者が当該指名または提案の勧誘に関与するか否か、またその
場合、当該勧誘の各参加者(取引法スケジュール14A第4項に定義のとおり)の氏名およびその者または集団
が議決権代理行使にかかる参考書類・委任状用紙を株主に交付する意図があるか否かの表明、ならびに(ⅵ)
指名または提案がそれらを代理して行われる場合の通知を行う株主および実質的所有者に関しては(もしい
れば)、本項に基づく情報の公開に関する当該株主および実質的所有者の書面による同意。
附属定款第13項の要件は、株主が取引法ルール14a-8に従い、かつ同ルールに準拠して年次株主総会または
臨時株主総会にて株主提案を行う意図を当社に対して通知し、当該提案を当社の議決権代理行使にかかる参
考書類に記載して欲しい旨を示した場合には適用されない。ルール14a-8に従い、かつ同ルールに準拠して提
議することを提案されている議案については、(ⅰ)ルール14a-8に規定の期間中に交付された場合、附属定款
第13項に基づき要求されている通知が時宜を得たものとみなされ、そして(ⅱ)当該議事を総会において審議
するよう提案している者が、附属定款第13項(c)および(d)に規定されている情報を提供しなければならない。
ただし、附属定款第13項(d)(i)および(ii)に基づき要求される情報は、ルール14a-8(b)に基づき要求される情
報を提供することにより充足される場合がある。
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附属定款に従って総会に提出された議事のみが、年次または臨時株主総会において審議されるものとする。
ただし、前文の定めは、取締役会が株主が要請した臨時株主総会にて株主に対して議事を提議することを妨げ
ない。株主総会議長(附属定款において定義されるとおり。)は、株主による指名または提案された審議事項が
総会に適正に提起されたか否かを決定するものとし(株主が臨時株主総会を要請した場合、株主が附属定款
の規定を満たしているか否かを含むが、これに限定されない。)、提案された指名または議事が適正に総会に
提起されていない場合には、株主総会議長は(当該議案に関する委任状を受領しているかにかかわらず)か
かる議案または指名が株主総会において株主の決議に付されない旨を宣言するものとする。「公表」とは、プ
レスリリースまたは一般に対して情報を広く配信するよう合理的に指定されたその他の手段、あるいは証取
法第13条、第14条または第15(d)条に基づき当社が証券取引委員会に公式に提出した文書における開示を意味
するものとする。附属定款におけるいかなる反対の規定にもかかわらず、取引所法のルール14a−8に従い行
われた、当社の議決権代理行使にかかる参考書類に提案を含める旨の要求は、かかるルールに従って通知され
た場合には、時宜にかなって到達したものとみなされる。附属定款の要求に則っている場合であっても、いず
れの株主総会を統括している株主総会議長も、その完全な裁量により、証券取引委員会によって制定されたい
かなる規則によっても議決権代理行使にかかる参考書類中に含めることを当社が要求されない一切の提案を
株主または株主の代理人が提示することに対し承諾することを拒絶することができる。本項のいかなる記載
事項も、基本定款において規定されているとおり取締役会の決議により設定される、優先株式のいずれかのシ
リーズの保有者(もしいれば)の取締役を選任する権利に影響を及ぼすとはみなされないものとする。
(手続)
取締役会会長、または附属定款もしくは取締役会が定めるその他の議長(以下「株主総会議長」という。)
は、株主総会の開会を宣言するものとする。そして、秘書役、または秘書役が欠席し、もしくは職務遂行不能で
ある場合には秘書役補佐(もしいれば)、あるいは秘書役補佐が不在の場合は株主総会議長の被指名人は、総会
の書記を務めるものとする。すべての株主総会における議題の順序およびその他手続に関するあらゆる事項
は、かかる株主総会議長がこれを決定することができる。適用法、附属定款または取締役会が採択する一切の
規則および規定に抵触する場合を除き、いずれかの株主総会における株主総会議長は、(当該株主総会議長が
判断する)あらゆる適切な規則、規定および手続を定め、その判断におけるあらゆる適切な行為(総会の延会設
定を含む。)を行う権利・権限を有するものとする。当該規則、規定または手続には、取締役会により採択され
たか、当該総会の株主総会議長により定められたかを問わず、以下の事項、すなわち、 (a)総会の議題または議
事の順序の設定、(b)総会の秩序の維持および総会出席者の安全確保のための規則および手続、(c)当社の名簿
に記載された株主、その適式に授権・任命された代理人または株主総会議長が許可するその他の人物に対す
る総会への出席または参加の制限、(d)総会の開催指定時刻後の総会への参加の規制、(e)参加者の質問または
意見表明のために割り当てられる時間の制限、ならびに(f)票決の対象となる各議事項目に対する票決の開始
・終了時刻の設定、が含まれる(ただしこれらに限らない)。取締役会または当該総会の株主総会議長の定めが
ある場合を除き、株主総会は、議会運営手続き上の規則に従い開催される必要はないものとする。
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(c) 取締役会
(一般的権能)
当社の事業および業務は、取締役会により、またはその指示に基づき運営される。
(定員、任期および資格)
2006年2月23日開催の取締役会で採択された決議に従い、2006年2月23日付で年次株主総会の後に効力を
発する附属定款の下では、当社の取締役の定員は16名、または取締役会が随時定めるその他の人数とされてい
る。2011年5月3日現在の人数は8名に定められている。各取締役は、その後任者が選任されかつその資格を
認められるか、または本人が死亡もしくは辞任する(時期のいずれか早い方)までその任務を継続する。当社の
取締役会は、多数決方式の基準を採用する内容の、当社の附属定款の第2条第2項および第3条第4項の改正
を承認した。この新しい多数決基準は、競争選挙ではない選挙で選任されるには、取締役候補は、かかる取締役
候補の選任に「賛成」の票数が、同選任に「反対」の票数を上回る過半数の投票を得なければならないと定
めている。最多得票基準は、今後、競争選挙の場合にのみ、取締役会の選任に適用される。さらに、現職の取締役
候補が競争選挙ではない選挙において選任されなかった場合、かかる取締役は、株主投票の認証の後、速やか
に取締役会に対して同人の辞任を申出、取締役会の検討に付さなければならない。優先株式のあらゆるクラス
またはシリーズの所有者の議決権(もしあれば)を条件として、当社の取締役会の定員は16名とし、または取
締役会が随時定めるその他の員数とする。ただし、取締役会の員数は、いかなる時においても3名を下回って
はならない。
当社附属定款第2条第3項に別段の定めがある場合を除き、各取締役は、定足数を満たしている株主総会に
て、かかる取締役に対して過半数の賛成票が投じられたことにより選任される。ただし、第3条第13項の通知
期間が終了した時点で、株主総会議長(第3条第14項に記載の通り)が、適式に当社の取締役候補に指名され
た者の人数が、選任されるべき取締役の人数を上回ると判断した場合(以下「競争選挙」という。)、取締役
の選任は、株主総会に株主または代理人が出席しかつ取締役の選任について議決権を与えられている株式の
賛成多数によって決議されるものとする。同項において、過半数の賛成票とは、ある取締役の選任に「賛成」
の票の数が、かかる取締役の選任に「反対」の票の数を上回ることをいう。取締役が、競争選挙でない選挙に
おいて選任されなかった場合、かかる取締役は、取締役会に対して同人の辞任を申出なければならない。取締
役会の統治・指名委員会または同第2条第5項に従い取締役候補者を取締役会に推薦するために取締役会に
より指定されたその他の委員会は、かかる辞任の申出を容認するか拒否するか、あるいはその他の措置が必要
か否かについて取締役会に対して提言を行う。取締役会は、委員会の提言に基づき行為し、選挙結果の認証の
日の後90日以内に、その決定およびかかる決定の根拠を、公表しなければならない。辞任を申出た取締役は、か
かる辞任についての取締役会の決定には関与しない。各取締役は、その後任者が選任されかつその資格を認め
られるか、または本人が死亡もしくは辞任する(時期の早い方)までその任務を継続するものとする。いずれの
取締役も、秘書役に対して同人の書面による辞表を提出することにより、いつでも辞任することができる。か
かる辞表には、秘書役による受領の時点なのか、または取締役会の決定によるのか、辞任がいつ付となるかを
特定しなければならない。
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(欠員)
優先株式のいずれかのクラスまたはシリーズの保有者(もしいれば)の特定の状況において追加取締役を選
任する権利に服することを条件として、取締役の定員の増加による場合を含め取締役会において生じた欠員
は、残存する任期について、その後任者が選任されかつその資格を認められるか、任期終了前の本人の死亡、あ
るいは理由の有無を問わない辞任または解任の時点まで、定足数を欠くものであったとしても、その時点での
在任取締役の過半数による賛成により、これを補充することができる。ただし、欠員補充に代えて、取締役会
は、附属定款に基づき取締役の定員を減らすことができる。
(報酬)
当社の従業員で取締役を務める者は、取締役会の一員として提供する職務については追加的な報酬を受け
ない。非従業員の取締役は、取締役会の決議に基づき、固定報酬またはその他取締役としての職務に対する報
酬(委員会手数料を含む。)を受領する権利を有するものとする。さらに、すべての取締役は、各定時もしくは臨
時取締役会、もしくは取締役会の委員会に出席するため、または当社に対するその他の役務の提供に関して負
担した、旅費その他の費用の支給を受けることができる。附属定款におけるいかなる規定も、取締役がその他
の資格において当社に役務を提供し、それに対する報酬を受けることを防げるものとして解釈されない。
(取締役会の委員会)
取締役会は、全取締役の過半数の賛成決議により、1ないし複数の委員会を指定することができる。各委員
会は、取締役会により選任された当社の1名ないし複数の取締役によって構成され、また取締役会は各委員会
の議長を指名する。各委員会の構成員は、委員会の書記を指名して、かかる委員会のすべての会議についての
議事録の作成・保管およびその招集通知の送達、ならびに委員会が指示するその他の職務を遂行させる。かか
る書記は、委員会の構成員がこれを務めることができるが、要求されるものではない。取締役会は、当社の1名
ないし複数の取締役を、当該委員会の代替構成員に指名することができる。かかる代替構成員は、当該委員会
の会合において構成員が欠席または不適格となった場合に、これと置き換えることができる。当該委員会は、
取締役会が随時これを廃止または再指定することができる。当該委員会の各構成員(および各代替構成員)は
(取締役会の年次会合において指名されたか、欠員補充のために指名されたか、その他であるかを問わない。)、
同人の後任が指名されるか、または同人が取締役ではなくなるまで、あるいはその理由の有無を問わず、同人
が当該委員会から辞任しまたは解任されるまで、当該委員会の構成員を務めるものとする。各委員会は、附属
定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定める取締役会の権能を有し、かつ行使すること
ができる。ただし、いずれの委員会も、(1)承認を受けるために株主総会に提出することが一般会社法により明
示的に要求されている行為または事項を承認、採択、もしくは株主に対して提案する権限、あるいは(2)当社の
附属定款を採択、修正、もしくは廃止する権限を有しない。取締役会はいずれの委員会に対しても、当社の社印
を必要なすべての文書に押捺することを許可する権限を与えることができる。各取締役会の委員会は、独自の
手続規定を制定することができる。委員会を指定する決議において特に定められた場合を除き、議事の審議の
ための委員会の定足数はかかる委員会の委員の3分の1とし、定足数が満たされた会議に出席した委員の過
半数による決議が委員会の決議となる。
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(d) 取締役会の会議
(年次取締役会)
役員の選任のため、および取締役会に提出されるその他の議事の審議のために開催される年次取締役会は、
年次株主総会終了後直ちに、年次株主総会が開催された場所において、附属定款に定めた場合を除いては何ら
の通知なくして開催される。
(臨時取締役会)
臨時取締役会は、取締役会会長もしくは取締役2名により、またはその要求に従い、これを招集することが
できる。臨時取締役会を招集する権限を有する者は、デラウェア州内外のいかなる場所をも臨時取締役会の開
催場所として定めることができる。
(秘密会議)
年次取締役会または臨時取締役会において、取締役会は、非従業員取締役のみ、または現在する社外取締役
のみと、当該会議に参加する取締役が決定するその他の招待者とで、秘密会議を開くことができる。秘密会議
のための個別の通知は必要ないものとする。取締役会により制定された手続に従い決定された議長となる取
締役は、当該秘密会議に出席する取締役がその他の取締役を議長に選任しない限り、当該秘密会議において議
長を務めるものとする。
(招集通知)
年次取締役会の招集通知は、これを行う必要はない。次の文に規定される場合を除き、臨時取締役会は、(i)
各取締役に対して直接または電話(音声メッセージ・システムを含む。)もしくはその他メッセージを記録お
よび通信するためのシステム・技術、電報、ファクシミリ、電子メールその他の電子的手段で通知が行われる
場合には24時間前までの通知により、あるいは(ii)翌日配達のクーリエで通知が行われる場合には2日前ま
での通知により、あるいは(iii)各取締役に対し、その通常の勤務地または住所への同人宛ての郵便で通知が
行われる場合には5日前までの通知により、これを招集することができる。すなわち、会議が取締役会会長に
よりもしくはその請求により招集された場合、および取締役会会長が特別かつ緊急の議事を会議において決
議することを決定した場合(かかる決定は、当該取締役会会長が会議の前24時間以内に当該会議の招集通知を
発することによって確定的に公表されるものとする。)には、少なくとも2時間前に招集通知がなされるもの
とする。取締役は、取締役会の招集通知の放棄に同意することができる。取締役が取締役会に出席した場合に
は、かかる取締役会の招集通知の放棄に同意したものと看做される。ただし、取締役が取締役会に出席し、当該
取締役会が適法に招集されまたは開催されていないことを理由として取締役会の議事の審議に異議を述べた
場合はこの限りではない。臨時取締役会において審議される議事またはその目的のいずれも、かかる取締役会
の招集通知または招集通知の放棄同意書において特定される必要はない。
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(定足数)
附属定款によって定められた(上記1(2)(c)の「定員、任期および資格」と題された項に記載)取締役の定
員の3分の1が、取締役会における議事の審議の定足数を構成するものとする。ただし、かかる3分の1以上
の取締役が取締役会に出席しない場合には、出席取締役の過半数による決議によって、さらに通知することな
しに、随時会議を延期することができる。
(決議方法)
法律、当社基本定款または当社附属定款に別段の定めがある場合を除き、定足数が満たされた取締役会にお
ける出席取締役の過半数による決議が、取締役会の意思を構成する。
(同意の推定)
会社に関する事項についての決議がなされた取締役会に出席した当社の取締役は、当該取締役の異議がそ
の取締役会の議事録に記録され、またはその取締役会の終了までにその書記に対しかかる決議に対する異議
を書面によって提出し、もしくはその会議の終了直後にかかる異議を当社の秘書役に対し書留郵便によって
郵送しない限り、取締役会によってなされた決議に同意したと推定されるものとする。かかる異議を表明する
権利は、かかる決議に賛成した取締役に対しては認められない。
(会議によらない取締役会の決議)
取締役会もしくはその委員会の会議における決議が要求される事項、またはこれらの会議において決議を
行うことができるその他の事項については、当該議題に関して議決権を有する取締役全員、または委員会の構
成員全員が、その決議について記載された同意書または電子的な通信の形式による同意書に署名し、かつかか
る同意書が取締役会または委員会の議事録ファイルに綴じ込まれた場合には、会議を開催しなくとも決議す
ることができ、かかる同意書は、満場一致による決議と同一の効力および拘束力を有する。
(電話による会議への参加)
取締役会またはその委員会の構成員は、かかる取締役会または委員会の会議に、会議電話により、またはか
かる会議の全参加者が相互の発言を聴取できるその他の類似の通信機器により参加することができ、本項に
従って会議へ参加した者は、本人が当該会議へ参加したものとみなされる。
(規制、行為方法)
適用法、当社基本定款および本附属定款に抵触しない限りにおいて、取締役会は、取締役会が適切であると
みなす、取締役会の会議の実施および当社の財産、業務、事業の管理に係る規則・規制を採択することができ
る。
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(e) 役員および取締役会会長
(選任役員)
当社の選任役員は、当社の最高経営責任者および秘書役、ならびに取締役会により直接選任され、または取
締役会が定めるその他の方法により、取締役会が決議により指名するその他の役員を含むものとする。当社の
選任役員は、本附属定款に従って、それぞれの役職に一般的に付随する権限を有し、職務を行うものとする。同
一人による複数の役職の兼任は認められる。選任された各役員は、その後任者が適法に選任されるか、本人が
死亡するかまたは本人が辞任するかもしくは解任されるまでその職務を継続する。選任役員は、取締役会の意
向に従って職務を遂行するものとし、取締役会が、いかなる理由によってもこれらを何時でも解任することが
できる。取締役会が別段の決定をした場合を除き、最高経営責任者、社長(もしいれば)、最高財務責任者、秘
書役または会計監理役を除く当社の選任役員は、最高経営責任者が、いかなる理由によっても、これを何時で
も解任することができる。但し、最高経営責任者が取締役会の一員であることを条件とする。
(取締役会会長)
取締役会は、その中から取締役会会長となるべき1名(以下「取締役会会長」という。)を年次で選任するも
のとする。取締役会会長(当社の最高経営責任者との兼任も可能。)は、当社の選任取締役を務めることもで
きる。取締役会会長は、本附属定款において別段の定めがある場合を除き、すべての取締役会および株主総会
において議長となり、随時取締役会を招集することができる。取締役会は、いかなる理由によっても、取締役会
会長を何時でも解任し、または会長と置き換えることができる。
(取締役会副会長)
取締役会副会長(もしいれば)は、その役職に伴うすべての職務および取締役会または取締役会会長がその
時々において委任または指定するその他の職務を遂行するものとする。取締役会副会長が2名以上在職する
場合、取締役会または取締役会会長がその時々において定めるところに従い、会合において議長を務めるもの
とする。
(最高経営責任者)
取締役会は、当社の1名または2名以上の役員を最高経営責任者に任命することができる。最高経営責任者
は当社の上席執行役員が務めるものとし、当社の全ての事業および事項を全般的に監督し管理するものとす
る。当該最高経営責任者は、当社の方針を指揮するものとし、その役職に伴うその他のすべての職務または取
締役会が決議によりその時々において委任または指定する職務を執行するものとする。当該最高経営責任者
は当社のその他の役員に権限を委任することもできる。
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(社長)
社長(最高業務執行責任者との兼任も可能。)は、その役職に伴う職務および取締役会が決議により随時委
任または指定する職務を遂行するものとする。取締役会が何らかの行為を行うに先立ち、社長は、最高経営責
任者の不在または職務遂行不能に際して、最高経営責任者の職務を行い、最高経営責任者の権限を有するもの
とする。社長を置く必要はない。
(副社長)
副社長は、執行副社長、上席副社長、本社副社長または取締役会が定めるその他の役職として指名を受ける
ことができる。副社長は、その役職に伴う職務または取締役会が決議により随時委任または指定する職務を行
うものとする。
(秘書役)
秘書役は、すべての取締役会および株主総会の通知を行い、それらの議事録を作成・保管するものとする。
秘書役は、当社の秘書役の職責に付随する職務を全般にわたり、常に取締役会の指示および統括のもとに遂行
するものとし、取締役会が決議により随時決定するその他の職務を行うものとする。
秘書役は、1名ないし複数の秘書役補佐を任命することができ、各秘書役補佐は、当社の社印を押印し、認証
し、当社を代表して文書の作成を認証する権限を有するものとし、秘書役の与える職務を遂行する。
(最高財務責任者)
最高財務責任者は、当社の上級財務責任者とし、その役職に伴う職務、または最高経営責任者もしくは取締
役会がその時々において委任または指定するその他の職務を行うものとする。
(財務役)
財務役は、当社のすべての資金および株式を管理するものとし、その役職に伴う職務、または最高経営責任
者もしくは取締役会がその時々において委任または指定するその他の職務を行うものとする。財務役は、指定
された職務を遂行するため、1名ないし複数の財務役補佐を任命することができる。
(会計監理役)
会計監理役は、当社の最高会計責任者とし、その役職に伴う職務、または最高経営責任者もしくは取締役会
がその時々において委任または指定するその他の職務を行うものとする。
2 【外国為替管理制度】
アメリカ合衆国においては、合衆国非居住者による国内会社の株式の取得、当該非居住者への配当および売却代
金の送金および会社清算に際しての資産の分配に対し、いかなる外国為替管理上の制限も存在しない。
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3 【課税上の取扱い】
(1) 日米租税条約
所得に対する租税に関する二重課税の回避および脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約
(以下「2004年条約」という。)は、日本の居住者に対して支払われる当社の株式の配当金から源泉徴収する租税
に関して効力を有し、かつ、日本の居住者による当該株式の売却により実現した売却益に関しても効力を有す
る。2004年条約は、源泉徴収される租税に関しては、2004年7月1日以後、支払われた配当に適用され、源泉徴収
されない所得に対する租税に関しては、2005年1月1日以後に開始する各課税年度の所得について適用される。
(2) 合衆国の課税上の取扱い
(a) 当社株式に対する配当についての所得税の源泉徴収(後述注参照)
2004年条約および合衆国の連邦税法によれば、日本の居住者であって合衆国の市民もしくは居住者でない
者、または日本法人を実質株主とする当社の株式に対して実際にまたは推定に基づき支払われる配当は、一般
にその配当金の総額に対し10%の税率で源泉徴収がなされることにより、合衆国の連邦所得税が課せられる。
日本の居住者の年金基金に対して配当が支払われた場合、源泉徴収はなされない。これは、かかる配当が、当該
年金基金が直接または間接的に事業を行った結果得られたものではないことを条件とする。ただし、かかる日
本の実質的株主が合衆国において恒久的施設を有しており、かつ、(配当が支払われる)当該日本の実質株主が
保有する当社の株式が当該恒久的施設と実質的に関連を有している場合には、当該日本の実質株主は、通常の
所得税率による合衆国の連邦課税に服する。
(b) 当社株式の売却に関する所得税(後述注参照)
2004年条約および合衆国の連邦税法によれば、当社の株式を保有する日本の実質株主は、一般に、当該株式
の売却により実現した売却益については、当該株式が合衆国における日本の実質株主の恒久的施設と実質的
に関連を有せず、または、当該売却益が合衆国における当該株主による営業もしくは事業の遂行と実質的に関
連を有していない場合には、また、個人の場合にあっては、合衆国の所得税は課せられない。
(c) 当社株式についての配当および売却益に対する州および地方の所得税
上記(a)および(b)記載の連邦税に加えて、当社の株式を保有する日本の実質株主が合衆国において恒久的
施設または居所を維持している場合においては、場合により、配当および売却益に対して、当該恒久的施設の
所在地または居所地を管轄する当局により地方所得税を課せられることがある。
(d) 相続税
現行法によれば、2010年から2012年までを除き、当社の株式の実質株主たる日本の個人が死亡したときは、
当該株式は、米国内に所在する財産とみなされ、合衆国の連邦相続税が課せられる。死亡した株主が死亡時点
で日本国の居住者であって合衆国の市民または居住者でないときは、合衆国に所在する当該死亡者の財産の
価額(法律上認められた控除をした後の価額)に対して18パーセントから55パーセントまでの累進税率によ
り、米国内に所在する財産に課税されることになる。一般に、米国内に所在する財産の価額が60,000ドルを超
えない限り連邦相続税は課せられない。
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2001年経済成長および税控除調整法により2010年について相続税が廃止された。2002年からは、2007年から
2009年にかけて最高税率が45%になるように、最高税率および控除許容額が徐々に減額されている。2010年に
ついては、同税の「1年間の廃止」により、一時的に1年間のみ0%の暫定税率となった。但し、完全な廃止は
2010年のみ有効であった。
2010年末、2010年税金救済措置法が可決され、これにより2010年から2012年までの相続税に重大な変更がな
された。相続税は2010年から2012年までの間、35%に引き下げられ、2010年には申請により、相続税の免除を受
け、資産についてはキャリーオーバー方式によることを選択することができた。
(e) 移転税
現行法上、合衆国では移転税は支払われない。
(3) 日本国の課税上の取扱い
所得税法、法人税法、相続税法その他日本の現行関連法令に従い、日本国の個人または日本国の法人は、何らか
の適用ある租税条約に基づいて日本における納付すべき租税から上記(2)「合衆国の課税上の取扱い」の(a)な
いし(d)の項に述べたところにより当該個人または法人の所得(および個人に関しては、相続財産)に対して課せ
られた合衆国の租税につき、税額控除を受けることができる。
(注) 2004年条約および相続税に関する関係条約に基づく合衆国の軽減課税の適用を受けられるか否かは、その特典を受ける
ための所定の手続きに従っているかどうかにより、またさらに、事情によっては、当社の株式に投資した日本の投資家が
合衆国の国内税法および当該関連条約のもとで日本の実質株主として適格であることを合衆国の租税当局に対して十
分に証明することができるかどうかによる。
4 【法律意見】
モトローラ・ソリューションズの秘書役補佐であるクリスティン・L・クルスカ氏より、次の趣旨の法律意見書
が提出されている。
(イ)当社は、アメリカ合衆国デラウェア州法に準拠して適法に設立され、事業を遂行し、資産を保有、管理する権
限を有する会社として有効に存続している。
(ロ)その知り、かつ信ずる限りにおいて、別段の制限がある場合を除き、本有価証券報告書に含まれるデラウェ
ア州法に関する事項の記載はすべての重要な点において真実かつ正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
以下の表は、2006年、2007年、2008年、2009年および2010年の12月31日に終了した事業年度に関する当社とその連
結子会社の主要な経営指標の推移を示している。
(単位:百万ドル。ただし、特に記載する場合を除く。)
2010
経営成績
純売上高
$ 19,282
売上原価
12,384
売上総利益
6,898
販売費および一般管理費
3,367
研究開発費
2,530
その他費用(収益)
212
営業利益(損失)
789
営業外収益(費用):
受取(支払)利息(純額)
(131)
投資および事業売却益(純額)
48
その他
(29)
営業外収益(費用)合計
(112)
継続事業より生じた税引前利益(損失)
677
法人税等(便益)
406
継続事業より生じた利益(損失)
271
廃止事業より生じた利益、税引後
379
当期純利益(損失)
650
17
差引:非支配持分に帰属する利益
モトローラ・ソリューションズ・インクに帰属 $
633
する当期純利益
(損失)
モトローラ・ソリューションズ・インクの普通
株主に帰属する金額
継続事業より生じた利益(損失)、税引後
$
254
379
廃止事業より生じた利益、税引後
当期純利益(損失)
$
633
1株当たりデータ(単位:ドル)
継続事業より生じた
希薄化後普通株式1株当たり利益(損失)
$
0.75
希薄化後普通株式1株当たり利益(損失)
1.87
希薄化後普通株式の加重平均発行済株式数
(単位:百万株)
338.1
1株当たり配当支払額
$
0
貸借対照表
資産の部合計
$ 25,577
長期借入債務
2,194
借入債務合計
2,799
資本の部合計
10,987
その他のデータ
設備投資
$
335
対売上高比率
1.7%
研究開発費
$
2,530
対売上高比率
13.1%
期末従業員数(単位:千人)
51
12月31日を以て終了した事業年度
2009
2008
2007
$ 18,147
12,406
5,741
3,058
2,598
577
(492)
$
$
$
$
$
(132)
74
47
(11)
(503)
(159)
(344)
316
(28)
23
(51)
$
38
76
(425)
(311)
(2,853)
1,584
(4,437)
197
(4,240)
4
(4,244)
$
(367)
316
(51)
$
(1.12)
(0.16)
$
327.9
0.35
25,109
18,171
6,938
3,912
3,399
2,169
(2,542)
$
(4,441)
197
(4,244)
(13.72)
(13.11)
323.6
1.40
$
$ 25,603
3,365
3,901
9,883
$
204
1.1%
$ 2,598
14.3%
53
$
31,369
22,938
8,431
4,482
3,566
861
(478)
71
16
35
122
(356)
(316)
(40)
5
(35)
14
(49)
$
$
$
$
$ 27,869
4,092
4,184
9,595
$
$
408
1.6%
3,399
13.5%
64
$
38,034
27,100
10,934
3,922
3,138
(68)
3,942
$
323
25
146
494
4,436
1,336
3,100
570
3,670
9
3,661
(54)
5
(49)
$
(0.16)
(0.15)
$
330.4
1.40
$
2006
$
3,091
570
3,661
8.64
10.23
357.7
1.26
$
$ 34,812
3,991
4,323
15,525
$
$
413
1.3%
3,566
11.4%
66
$ 38,593
2,704
4,397
17,186
$
$
520
1.4%
3,138
8.3%
66
(1) 2011年1月31日現在のモトローラ・ソリューションズの普通株式の、2011年1月4日付の1対7の株式併合を反映させて
調整後の登録保有者数は、61,603人であった。
(2) 上記の財務情報は、(ⅰ)2011年1月4日に発生した本件株式併合が実行されたものと仮定し、また(ⅱ)2010年7月19
日に当社により発表された当社のネットワークス事業の一部の資産および負債をノキア・シーメンス・ネットワークス
B.V.に売却する契約に関連して(当該売却は2011年4月29日に完了)、2010年第3四半期より、当社のネットワークス事
業を廃止事業に再分類したことを反映したものである。
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2 【沿革】
当社は、1928年、ポール・V・ガルヴィンにより「ガルヴィン・マニュファクチュアリング・コーポレーショ
ン」としてイリノイ州シカゴに設立された。その最初の製品は、「バッテリー・エリミネータ」で、初期のラジオ
には必需品であったバッテリーの代わりに、直接家庭の電源によってラジオを操作することを可能にするもので
あった。1930年代には、カーラジオを、動きのある音を想像させる新しい言葉「モトローラ」というブランド名に
おいて、商品化することに成功した。同年代に当社はまた、家庭用ラジオ事業部および警察無線通信機事業部を設
立した。
®
1940年代には、最初の「HANDIE-TALKIE」 携帯用双方向無線を製作した。1947年、当社の社名は、「モトローラ
・インク」と変更された。1940年代に、当社は、アリゾナ州フェニックスに研究所を新設し、ソリッド・ステート・
エレクトロニクスの開発を始め、またさらには、その株式が初めてニューヨーク証券取引所において1株8.50ドル
で上場された。
1950年代、当社は家庭用ラジオとテレビの分野において新境地を開拓し続けた。1例をあげれば、テレビの真空
管の数を41本から19本まで減らすことを可能にした。また、半導体開発グループは、3アンペアのパワー・トラン
ジスタの開発に成功し、その後間もなく半導体製造工場がフェニックスに新設された。
1960年代に当社は、最初の国外工場をメキシコシティに開設した。この10年間に当社は海外市場を拡大し、その
焦点を民生用電子機器から他へ移し始めた。イギリス、日本、カナダ、フランス、スイス、香港、韓国、イスラエルの各
国で活動を開始した。イリノイ州シャンバーグの本社、アリゾナ州メーサの工場もこの時期に完成された。また、政
府用電子機器の工場もアリゾナ州スコッツデールに建設された。
1970年代中頃、カラーテレビ事業を売却し、商業用、産業用、政府用の各分野におけるハイテクノロジー部門に力
を集中させることが可能となった。当社のMC68000型16ビットマイクロプロセッサーはこのなかで開発された。さ
らにはデータ通信分野における世界的リーダーであったコーデックス・コーポレーションを買収した。通信機器
および半導体製造工場がマレーシアに建設されたのもこの時期である。
1980年の初めには、当社の通信機器部門と半導体部門がそれぞれ当社の総収入の約3分の1を占め、部品および
機器製品の両分野のエレクトロニクス技術における基本的強さを示した。当社はその業務を世界中に拡大し始め
た。今日当社は、アメリカ大陸、アジア・太平洋ならびにヨーロッパ、中東およびアフリカにおいて主要な施設を有
し、世界中で業務を行っている。
さらに近年発展した、会社が主として利益を獲得しおよび活動を行っている追加的な分野では、ヨーロッパおよ
びアジアにおいて継続的な成長および投資がなされているが、特に日本に焦点をおき、当社は、100%出資のマーケ
ティングおよび製造子会社である日本モトローラ株式会社および半導体製品製造のための株式会社東芝との合弁
会社を設立した。日本国仙台市における東北セミコンダクタ株式会社(モトローラ/東芝合弁会社)の工場は、
1988年5月23日に開業した。1990年に、主要な半導体製造工場が香港に新設された。また、1988年11月には、モト
ローラの普通株式が東京証券取引所に上場された。
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2004年4月中、当社はその半導体事業を分離し、当社の子会社であるフリースケール・セミコンダクタ・インク
(以下「フリースケール・セミコンダクタ」という。)とした。2004年7月中、フリースケール・セミコンダクタ
の少数株主持分約32.5%についての新規公募が完了した。2004年12月2日、当社はフリースケール・セミコンダク
タに有する残りの持分67.5%を当社株主に対して分配し、フリースケール・セミコンダクタの当社からの分離独
立を完了した。同日付けで、フリースケール・セミコンダクタは完全な独立会社となった。
2005年6月17日、当社は東京証券取引所におけるその普通株式の上場廃止申請を東京証券取引所に対して行っ
た。
2010年7月31日、当社はモバイルデバイスおよびホーム事業を、別の子会社であるモトローラ・モビリティ・イ
ンクに分社化した。2011年1月4日、当社は、モトローラ・モビリティ・インクの唯一の株主であるモトローラ・
モビリティ・ホールディングス・インク(以下「モトローラ・モビリティ」という。)の全普通株式を配当とし
て当社の株主に交付した(以下「本件配当」という。)。2010年12月21日の営業終了時の当社登録株主は、当該時
点での当社の普通株式8株につきモトローラ・モビリティの普通株式1株を取得した。本件配当の直後、当社は社
名をモトローラ・ソリューションズ・インクに変更した。
2010年12月31日までの期間、モトローラ・ソリューションズのポートフォリオには、携帯電話機、ワイヤレス・
アクセサリ、デジタル・エンターテイメント機器、ワイヤレス・アクセス・システム、音声・データ通信製品およ
びエンタープライズ・モビリティ製品を含む、広範囲にわたる技術、ソリューションならびにサービスが含まれて
いた。
2011年4月29日、当社は、そのネットワークス事業のノキア・シーメンス・ネットワークスB.V.(以下「NSN」
という。)への売却を完了した。
モトローラ・ソリューションズ・インクの主要な事業内容については、本「第2 企業の概況 3 事業の内容」
に記載する。
日本における活動
1962年11月、モトローラ・サービス株式会社を東京に設立し、民生機器事業部のために日本からの部品調達を
開始した。
1968年、100%出資によりモトローラ・セミコンダクターズ・ジャパン株式会社を設立し、東京において半導
体の販売活動を開始した。1973年、同社は、アルプス・モトローラ・セミコンダクターズ・ジャパン株式会社と
して、アルプス電気株式会社との合弁会社となった。この合弁会社は順調に活動を続けたが、1975年双方の目的
が異なるという点で合意に達し、円満な形で、当社がアルプス電気の持分を取得し、社名も、モトローラ・セミコ
ンダクターズ・ジャパン株式会社に戻された。
1975年、当社は、無線通信機器の販売および製造を目的としてモトローラ・コミュニケーションズ・ジャパン
株式会社を設立した。同社は、1982年、社名を日本モトローラ株式会社(以下「日本モトローラ」という。)と変
更し、また、同年、モトローラ・サービス株式会社およびモトローラ・セミコンダクターズ・ジャパン株式会社
を吸収合併した。1998年11月、日本モトローラはモトローラ株式会社に社名を変更した。
1979年、当社は日本電信電話株式会社(以下「NTT」という。)のポケットベル型無線ページャーを設計する
機会を得た。1991年3月には100万台目のページャーがNTTに納入され、これまでに数字表示型ページャー、カー
ド式数字表示型ページャーおよびカード式かな表示型ページャーを提供してきた。
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1980年、当社は、東光株式会社と共に合弁会社を設立し、会津若松市でMOS集積回路の製造を始めた。この合弁
会社は成功をおさめ、1982年当社が全株式を取得するに至った。同社は、最終的には、1984年、日本モトローラに
吸収合併された。1999年8月に半導体製品セグメントのSemiconductor Components Groupのビジネスを移管し
たことに伴い、会津工場もSCGジャパン株式会社に譲渡された。
1987年には、当社の対日本戦略の重要項目である株式会社東芝との提携合意が成立した。この包括的合意に
は、仙台に合弁の製造工場を建設し、メモリおよびマイクロプロセッサーのウェーハーを製造するという合意も
含まれていた。1988年半ばに生産が開始された。さらに、1991年7月には半導体組立て・検査工場が仙台市に完
成した。日本モトローラの従業員の増加、および世界各地の当社施設における交換トレーニングプログラムの強
化が日本での事業拡大を支えている。2001年1月に東芝は、モトローラ・インクにこの合弁会社の持株を全て譲
渡し、当社は全株式を所有することになった。
半導体の研究開発施設が1995年5月に仙台工場近くに設立された。
2004年12月、当社の半導体部門はフリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社として独立した。
当社はまた、組合方式で、日本初のJSMR(自営アナログ無線通信)システムを開始した。当社は更に統合デジ
タル移動体通信技術に基づいたデジタル無線システムに間接的に出資しており、このシステムは現在東名阪地
域でサービスを提供している。
当社は、1989年にアナログ式小型携帯電話「Micro TAC」の市場導入を果し、第二電電株式会社、ツーカーおよ
び株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモにアナログおよびデジタル電話を供給した。
2004年4月には、NTTドコモ向け3Gグローバルローミング端末「A835」を供給、そして同年12月にはVodafone
向けに第3世代携帯電話「Vodafone702MO / 702sMO」を供給、日本の携帯電話市場への取組みを強化した。
®
2005年7月、当社は日本のNTTドコモと共同開発した「FOMA M1000」の発売を開始した。この電話機種は、ド
コモ社にとって初のブランド提携であり、また、3G、WLAN、ビジネス・アプリケーションおよび国際ローミングを
統合しており、当社のシームレスモビリティのビジョンも具現化している。
®
2006年12月、当社は、NTTドコモを通じて、「FOMA M702iS」(MOTORAZR)および「FOMA
投入した。これらは、ドコモ社とのブランド提携電話製品である。
®
M702iG」を日本に
1992年、当社はツーカー・グループのために東京および東海地区で1.5ギガヘルツの、また第二電電株株式会
社が運営する携帯電話会社のために800メガヘルツのPDC(パーソナル・デジタル・セルラー)システムの展開
を開始した。当社は、1996年末に国内全域のPDCの構築を完了した。
1999年4月に、第二電電株式会社および日本移動通信株式会社が運営する純モトローラ製の国内全域の符号
分割多元接続(以下「CDMA」という。)ネットワークが完成した。CDMAネットワークは「cdmaOne」として知ら
れている。当社のCDMAネットワークのための高速無線インターネット接続は、2000年1月に商業化された。
(注)
KDDI株式会社
は、当社から全ての供給を受けた無線接続ネットワークにおける符号分割多元接続
(CDMA)2000 1Xの音声およびデータサービスを2002年4月1日に開始した。CDMA2000 1X技術は、ネットワーク
上の音声容量を約2倍にし、1秒間に最大153キロバイトまでのデータを伝達することが可能である。また、2004
年10月には、日本初の2GHz帯のCDMA2000 1X ネットワーク向けソリューションをKDDIに提供した。
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2005年3月、当社はKDDIから、CDMA2000 1Xにおける無線アクセス・ネットワーク(RAN)に関する150百万ド
ル相当の拡張システムを受注し、また、同年第2四半期にCDMA2000 1X用ソフトスイッチを受注し、同ソフトス
イッチは、KDDIのCDMA2000 1Xネットワークのコアスイッチとして使用される予定である。
2005年1月、当社は組込みコンピューティング・システムの供給者であるフォース・コンピュータを買収し
た。2007年、エンベデッド・コミュニケーションズ・コンピューティング事業はエマソンに買収された。
2002年11月には、当社は日本市場に参入してから40周年を迎えた。
2007年10月、モトローラ株式会社は、本社を大崎のシンクパークタワーに移転した。
2007年2月、当社のVIPセットトップが、株式会社USENにより、日本において人気の同社のインターネット・コ
ンテント・サービスを拡大するため、採用された。
2008年1月、日本シンボルテクノロジーは、モトローラ株式会社の事業部門として統合された。これにより、当
社のシームレス・モビリティ・ポートフォリオが強化された。
2008年3月、当社の最初のメッシュ・ワイヤレス・ブロードバンド・ソリューションが、コンテナ・ヤード・
オペレーションのため岡山県水島港に配置され、これに続き、大阪では2009年7月に史上最大のメッシュの配置
(150ノード)が行われた。現在、東京港、横浜港を含む11の主要な港が、当社のメッシュ・ソリューションが配
置されている。
2008年4月、当社のチャンネル・ボンディング技術が、日本で最大の複合的システム・オペレータである
J:COM(株式会社ジュピターテレコム)により、同社の個人および法人の顧客に対する最大160Mbpsのサービス
提供のために採用された。かかるサービスは、当社のDOCSIS 3.0準拠BSR 64000 CMTS/エッジルータおよび
SURFboard® SB6120ケーブルモデルを採用しており、一方で、現行の事業および以前から利用されていたDOCSIS
モデムに対するサポートは継続される。
2008年11月、当社の新しいマルチメディア・プラットフォームの最初の導入が、日本の主要な携帯電話会社で
あるKDDIによる、「au BOX」と称される新しいサービスの開始に関する発表により紹介された。au BOXサービス
は、携帯電話顧客がコンテンツを彼らの家庭のエンターテイメント・システムと携帯電話機の間で転送するこ
とを可能とする。
2009年7月、当社はKDDIにより、同社の次の3.9G LTEネットワークの供給者として採用された。それに基づく
配置は2011年に開始し、サービスは2012年に開始する予定である。
2010年の第4四半期、当社の最初のTETRAシステムにおける260MHz防災ラジオ・システム(災害対策ラジオ・
システム)が、2つの自治体により受注された。
2010年8月、モトローラ・モビリティ・ジャパンとして知られる新しい事業体が設立され、当社のモバイルデ
バイスおよびホーム事業は、モトローラ・ジャパンから独立して存在するモトローラ・モビリティ・インクの
当該子会社に譲渡された。
(注)
第二電電株式会社、KDD株式会社および日本移動通信株式会社は2000年10月1日付で合併した。KDDI株式会社は
合併後の社名である。
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3 【事業の内容】
会社の目的
当社が推進する事業の性格と目的は、デラウェア州会社法に基づき設立された会社がなし得るあらゆる合法
的行為または活動に従事することである。
事業の内容
モトローラ・モビリティの分社化
2010年7月1日、当社の2つの独立した公開会社への分社化に関連するForm 10による新規登録届出書が米
国証券取引委員会(以下「SEC」という。)に提出された。新規登録届出書の変更届出が、2010年8月31日、
2010年10月8日、2010年11月12日、2010年11月30日に提出された。2010年12月1日、SECはForm 10の有効性を認
めた。
2011年1月4日(以下「配当日」という。)、モトローラ・モビリティ・ホールディングス・インク(以下
「モトローラ・モビリティ」という。)のモトローラ・ソリューションズからの分社化(以下「本件分社
化」という。)が完了した。現在、モトローラ・モビリティは独立の公開会社であり、ニューヨーク証券取引所
にて「MMI」の名称で取引されている。2011年1月4日に、2010年12月21日(以下「基準日」という。)の営業
終了時刻時点での登録株主は、基準日時点でのモトローラ・インクの普通株式8株につきモトローラ・モビ
リティの株式1株を取得した(以下「本件配当」という。)。本件分社化は、モトローラ・インク、モトローラ
・モビリティおよびモトローラ・モビリティ・インクとの間で締結し、2010年7月31日に効力を生じた、改訂
分社化に関する基本契約書に従い、完了した。一切の連結1株当たりの情報は本件配当に影響を与えないもの
とする。
配当日以降、当社はモトローラ・モビリティの普通株式について一切の受益的所有を有さず、またモトロー
ラ・モビリティの財務成績を当社の財務報告の目的で連結しないものとする。本書に記載の財務情報には、モ
トローラ・モビリティの財務成績を含む、2010年12月31日時点での当社の連結状況が含まれる。2011年の第1
四半期より、モトローラ・モビリティの過去の財務成績は、廃止事業として当社の連結財務諸表に反映され
る。
株式併合および社名変更
2010年11月30日、モトローラ・ソリューションズは本件分社化の日時および詳細ならびに1対7の株式併
合の承認についての発表を行った。モトローラ・モビリティの普通株式の本件配当の直後、当社は1対7の株
式併合を完了し(以下「本件株式併合」という。)、社名をモトローラ・ソリューションズ・インクに変更し
た。すべての連結1株当たりの情報は、本件株式併合に影響を与えるものである。
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ネットワーク取引
2010年7月19日、当社はネットワークス事業の一部の資産と負債をNSNに12億ドルの現金で売却する合意を
発表した(以下「本件取引」という。)。本件取引は、規制機関の承認の受領を含む、クロージング条件の充足
を条件として、2011年第1四半期に終了することが予測される。売買契約の条件に基づき、150百万ドルの売掛
金勘定を含む一部の資産、当社のiDenインフラ事業、および当社のネットワークス事業に関連する事実上すべ
ての特許は、本件取引から除外される。
2010年第3四半期より、本件取引に含まれるネットワークス事業の一部の営業成績が廃止事業として報告
される。これまでネットワークス事業に割り当てられていた一定の企業コストおよび一般費用は、ネットワー
クス事業の売却後も当社に残留する。
当社のiDenインフラ事業およびネットワークス事業に一般的に関連する一定のライセンス事業の営業成績
もまた、エンタープライズ・モビリティ・ソリューションズ部門の一部として報告されている。これまでネッ
トワークス事業に割り当てられていた企業コストおよび一般費用は、エンタープライズ・モビリティ・ソ
リューションズ部門に割り当てられる。さらに、処分当時には重要でないものとみなしていた以前に処分され
た事業の営業成績も、エンタープライズ・モビリティ・ソリューションズ部門から廃止事業へと再分類され
た。これらの事業には以下のものが含まれる。(ⅰ)イスラエルに拠点を置くワイヤレス・ネットワーク・オ
ペレーター、(ⅱ)バイオメトリックス事業、および(ⅲ)グッド・テクノロジー(Good Technology)。NSN
に売却されるネットワークス事業の資産および負債、ならびに基本取引の終了以前に当社により記録された
以前に処分された事業の資産および負債は、売却目的資産および負債として報告されている。すでに報告され
た財務情報はすべて、本発表と適合するよう修正された。
事業の概要
当社は、広範なモバイル体験を可能にする技術、製品、システムおよびサービスを提供している。当社のポー
トフォリオには、携帯電話機、ワイヤレス・アクセサリ、デジタル・エンターテイメント機器、セットトップ・
ボックスおよび映像配信システム、アナログ・デジタル双方向無線、ワイヤレスおよびワイヤライン・ブロー
ドバンド・ネットワーク製品、ならびにエンドツーエンド・エンタープライズ・モビリティ製品が含まれて
いた。
2010年12月31日まで、当社は2つの主要な事業単位から構成される3つの営業事業部門の財務成績につい
ての報告を行った。2011年1月4日のモトローラ・モビリティの本件分社化後、当社の一部として残るのはエ
ンタープライズ・モビリティ・ソリューションズのみである。
モトローラ・ソリューションズ
・エンタープライズ・モビリティ・ソリューション事業は、アナログ・デジタル双方向無線、無線LANおよ
びセキュリティ製品、音声・データ通信製品、ならびに主としてプライベート・ネットワーク向けシステ
ム、ワイヤレス・ブロードバンド・システムおよびエンドツーエンド・エンタープライズ・モビリティ
・ソリューションの設計、製造、販売、設置およびサービス提供を行っている。
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モトローラ・モビリティ
・モバイルデバイス事業は、統合ソフトウェアおよび付属製品を搭載した携帯電話端末(スマートフォン
を含む。)の設計、製造、販売およびサービス提供、ならびに知的財産のライセンス供与を行っている。
・ホーム事業は、ケーブルテレビ(以下「TV」という。)および通信サービス事業者に対し、デジタルビデ
オ、インターネット・プロトコル(以下「IP」という。)ビデオ、衛星・地上放送ネットワーク用のセッ
トトップ・ボックス、エンドツーエンドのデジタルビデオおよびインターネット・プロトコル・テレビ
(以下「IPTV」という。)配信システム、ブロードバンド接続用のネットワーク インフラストラクチャ
プラットフォーム、ならびに関連データ・音声の顧客宅内製品および関連するソフトウェアソリュー
ションの設計、製造、販売、設置およびサービス提供を行っている。
モトローラ・ソリューションズは、1928年にイリノイ州で設立された法人を承継してデラウェア州法に基
づき設立された。当社の本店は、イリノイ州 60196 シャンバーグ イースト・アルゴンクイン・ロード 1303
にある。
モトローラ・ソリューションズ
(エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門)
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門(以下「エンタープライズ・モビリティ・ソリュー
ション」または「当部門」という。)は、官公庁およびパブリックセーフティ機関(双方向通信製品の販売業
者に対する全ての販売と併せて、以下「官公庁・パブリックセーフティ市場」と総称する。)、ならびにリ
テールやエネルギーおよび公益事業、輸送、製造、医療ならびにその他の商業顧客(以下これらを「法人市
場」と総称する。)を含む様々な顧客に対し、アナログ・デジタル双方向無線、ワイヤレスLANおよびセキュリ
ティ製品、音声・データ通信製品、ならびに主としてプライベート・ネットワーク向けシステム、ワイヤレス
・ブロードバンド・システムおよびエンドツーエンドの法人向けモビリティ・ソリューションの設計、製造、
販売、設置およびサービス提供を行っている。2010年において、当部門の純売上高は、当社の連結純売上高の
41%を占めていたが、これはモトローラ・モビリティの本件分社化後の当会社の連結純売上高の100%を占め
るものである。
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主要な製品およびサービス
当部門は、法人・官公庁の顧客に対するビジネスおよびミッションクリティカルな通信製品およびサービ
スにおいて、主要提供業者である。当部門は、顧客に対してリアルタイムの情報や直感的でかつ丈夫な携帯端
末を提供することにより、顧客をシームレスな通信ネットワーク、アプリケーションおよびサービスに接続
し、顧客が重要な局面において最善を尽くせるようサポートしている。当部門は、TETRA(地上基盤無線)、
APCO 25(米国公安向けデジタル業務用無線)およびDMR(デジタル・モバイル・ラジオ)の規格、ならびに
統合デジタル拡張ネットワーク(以下「iDen」という。)技術に基づく製品を含む、発展し続けるパブリック
セーフティ市場、セキュリティ市場および専門的な商業市場に対するニーズを満たす広範な先進的なネット
ワーク、サービス、アプリケーションならびにデバイスのポートフォリオを提供している。当部門は、事業活動
時における高度な情報交換用製品およびシステムも提供している。当部門の製品には、双方向無線システムお
よび機器、モバイル・コンピューティング製品、先進的データ収集製品(バーコード・スキャナおよび撮像装
置を含む。)、無線ICタグ(以下「RFID」という。)インフラストラクチャ、ソフトウェア管理、セキュリティ
・ツール、およびワイヤレス・インフラストラクチャが含まれる。
当部門の製品およびサービスは、当社の直接販売員、ならびにパートナーエンパワー、当部門の独立した公
認販売会社、ディーラーおよび付加価値再販業者、独立系ソフトウェア・ベンダー、相手先商標製品の製造会
社、ならびにサービス・オペレーターを通じて、単独販売または統合ソリューションとして販売されている。
販売会社および付加価値再販業者は、当部門の製品をエンドユーザーに対して再販するために、サービスの提
供や部品の追加を行うことができる。当部門は、システム・エンジニアリング、設置、ならびにその他の技術お
よびシステム管理サービスを、その顧客の特定ニーズを満たすために提供している。顧客は、自己の従業員に
より機器を設置・維持するか、または当部門の公認サービス・センターのネットワークもしくはその他の当
社以外のサービス・センターから設置、サービスおよび部品を取得することを選ぶことができる。
当部門の業界
当部門は、通信産業のモバイル分野で競争しており、官公庁、パブリックセーフティおよび企業顧客向けに
ワイヤレス製品およびサービスを提供している。
当部門の官公庁・パブリックセーフティ市場における顧客にとって、相互運用性および天災への備えは、引
き続き世界中で一番重要な問題となっている。当部門の広範な製品ポートフォリオには、統合サービス、主要
な規格に準拠したプライベート・ネットワーク技術(APCO 25、TETRAおよびDMR)のための機器およびサポー
トパッケージ、ならびにブロードバンド技術(ロング・ターム・エボリューション(以下「LTE」という。)、
WiMaxおよびWiFi)が含まれる。これらの顧客にとって、ミッション・クリティカル・コミュニケーションお
よび国土安全保障は、引き続き最優先課題である。当部門は、官公庁およびパブリックセーフティ市場におけ
る顧客支出が2011年の売上増大を促進すると予測している。
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2010年中には、主として小売客によって牽引された当部門の法人市場における顧客支出の大幅な増加が見
られた。当部門は、当部門の法人市場において、世界中の労働力が引き続きモバイル化し、また当部門の製品を
購入している業界および市場が引き続き拡大しているため、長期的な成長の機会が存在していると考えてい
る。法人市場における当部門の製品およびサービス・ポートフォリオには、モバイル・コンピューティング製
品、エンタープライズ・ワイヤレス・インフラストラクチャ、バーコード・スキャニング、RFID製品、ならびに
モバイル・ネットワーク管理プラットフォームが含まれている。生産性を増加させ、またアプリケーションお
よび労働力のモバイル化から利益を生み出すことを目指している組織は、これらの市場における導入を促進
している。当部門は、法人市場における顧客支出が2011年の売上増大を促進すると予測している。
当部門の戦略
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の戦略は、あらゆる場所においてリアルタイムな情
報を求める顧客の需要に応えるモバイル製品、サービスおよびシステムの継続的な提供を通じて、当部門が参
入している市場における、市場のリーダー的地位を維持することである。
当部門の官公庁・パブリックセーフティ市場における戦略は、顧客の焦点を技術ではなく、それらの目的に
当てることを可能とすることである。これは、顧客にとっての価値あるパートナーとなり、ミッション・クリ
ティカルなシステム、高度な信頼性を有する音声およびデータ・ネットワークによるシームレスな接続性な
らびにエンドユーザーに対してリアルタイムの情報を提供する一連の先進的アプリケーションを含む、彼ら
が重要な局面において最善を尽くせるようサポートする革新的なソリューションを提供することにより達成
される。当部門の主導的な地位を維持する主要な目的には以下が含まれる。(ⅰ)パブリックセーフティのた
めのラジオ、ビデオの監視およびLTEを含む、次世代のパブリックセーフティ製品を開発すること、(ⅱ)デジ
タル製品への継続的移行を主導する一方で、アナログ無線ポートフォリオへの投資を継続すること、(ⅲ)当
部門のワイヤレス・ブロードバンド・ポートフォリオを利用して、成長を促進させ、新たな市場に参入するこ
と、(ⅳ)米国における700MHz公安システムおよびデジタル割当てによる世界中の周波数帯の潜在的な公共
・民間用収束を管理すること、ならびに(ⅴ)世界中のAPCO 25およびTETRAの規格に基づく音声およびデー
タ・ネットワーキング・システムの市場リーダーであり続けること。当部門は、引き続き当部門のポートフォ
リオを積極的に運用し、魅力的かつ補完的な市場に投資し、そして非戦略的な事業を売却していく。
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当部門の法人市場における顧客向けの戦略は、モバイル・ワーカーに力を与え、リアルタイムの資産可視性
を可能にし、賢く洗練された顧客を引き付けることを可能にする次世代エンタープライズ・モビリティを提
供することである。当部門は、先進デバイス、情報入手の強化、適応ネットワーキング、統合通信、先進アプリ
ケーション・サービス、顧客、セキュリティおよび経営間の結合を含む、いくつかの革新すべき主要な分野を
定めた。より多くのモバイル・ワーカーが彼らの任務に適切なデバイスに接続することができ、生産性を向上
させることができるよう、デバイスの範囲を拡大する予定である。単なる商品に留まらない、リアルタイムの
資産可視性を提供することにより、企業はさらに資産や活動を監視し、効率を向上させ、売上の増加へとつな
がるような意思決定が可能になる。より賢明な顧客と関わり、つながりを有するため、次世代エンタープライ
ズ・モビリティは、顧客との関係を向上させ、顧客満足体験を深める製品、システムおよびサービスを提供し
続ける必要がある。
顧客
当部門の販売モデルは、当部門の社内販売員による直接販売と、パートナーエンパワー、当部門の独立系販
売会社および公認販売会社、ディーラーおよび付加価値再販業者、独立系ソフトウェア・ベンダー、相手先商
標製品の製造会社、ならびにサービス・オペレーターを通じた販売の双方に力を入れている。当部門は、この
二重販売法により、顧客のニーズを効率的に満たし、力強く長期的な関係を構築し、かつ多様な市場において
当部門の市場浸透を拡大することが可能になると考えている。再販業者および販売会社はそれぞれ、当部門の
販売組織を補完・拡大する独自の販売組織を有している。特定の顧客の事業運営に関する深い専門知識によ
り、再販業者は、非常に効果的に当社製品の販売促進を行っている。当部門の独立系ソフトウェア・ベンダー
および付加価値再販業者の販売経路は、当部門が活動する各市場における特定のニーズを満たす特注アプリ
ケーションを提供している。
当部門の最大顧客は、米国政府(軍部を含む様々な部門および機関を通じて)であり、2010年における当部
門の純売上高の約8%を占めている。当部門がこの顧客を失った場合、米国政府との契約の一部が長期契約で
あるため、当社の数四半期にわたる収益および利益に、重大な悪影響が及ぶ可能性がある。全ての米国政府と
の契約は、政府の都合により取り消されることがある。2010年中、北米における顧客に対する純売上高は、当部
門の純売上高の約58%を占めていた。
当社を含め、政府事業の受託業者は、日常的に様々な監査および調査を受けなければならず、それらの監査
および調査は民事または刑事の性質を有するものである。これらの監査および調査の結果には、受託業者との
事業上の取引の停止、および新規の事業の受注からの排除という行政処分が含まれる可能性がある。さらに、
当社は他の受託業者と同様に、政府と契約している事業の状況を内部で検討し、適切な場合には是正措置およ
び米国政府に対する自発的な情報開示を行っている。これらの監査および調査は、当社が米国政府から新規事
業を獲得する能力に不利な影響を与える可能性がある。
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当社は、融合されたワイヤレス通信、モビリティおよびインターネットの便益をまだ体験したことのない企
業および官公庁の顧客が、引き続き世界中で数多く存在していると考えている。世界経済、金融市場および景
気が改善するにつれ、当社は、当部門のブランドを拡大し、当部門の製品およびサービスを販売し、収益性の高
い成長を追求する新たな機会を手に入れると予測している。
競争
当部門が事業を運営している市場は、競争が激しいものである。当部門の業界における継続的な発展および
技術移行により、市場が開放され、競争が激化している。主要な競争要因には、提供する技術、価格、ベンダー・
ファイナンシングの利用可能性、製品およびシステムの性能、製品の機能、品質、有用性および保証、サービス
の質および有用性、企業評価、重要な顧客との関係、ならびに製品化までの期間が含まれる。当部門は、顧客と
の強固な関係、技術的リーダーシップおよび技術力、ならびに一連の広範な提供製品により、業界において固
有な地位を有していると考えている。
当部門は、大規模なシステムインテグレーター、モバイル・コンピューティング・デバイスの製造会社、
バーコードリーダー機器およびワイヤレス・ネットワークの製造者を含む、より多くの既存および新規競争
相手との広範囲にわたる競争を経験している。当部門は、APCO25、TETRAおよびDMRの業界デジタル標準規格に
準拠した通信および情報システムを提供している。主たる競争相手には、シスコ(Cisco)、EADS、E.F.ジョン
ソン(E.F.Johnson)、ハリス(Harris)、ハネウェル(Honeywell)、インターメック(Intermec)およびケ
ンウッド(Kenwood)が含まれる。
大規模なシステムインテグレーターは、政府市場への更なる進出を図っている。当部門における当社および
競争相手は、大規模なシステムインテグレーターの下請業者である場合もあり、また多数の競争要因および顧
客の要求に基づき選ばれている。当社にとって有利となる場合、当部門は大規模なシステムインテグレーター
とパートナーを組む場合があり、その目的は、先進的でミッションクリティカルなサービス、アプリケーショ
ンおよびデバイスのポートフォリオを提供可能とするためである。
その他のいくつかの競争要因は、当部門に対して影響を及ぼす可能性がある。かかる影響には、通信機器提
供業者の統合、700MHz周波数帯の発展、ブロードバンドおよびIPソリューション提供業者による侵害の増加、
ならびに新規の低価格参入業者が含まれる。現在のスキャナー、レーザー、光学機器、マイクロプロセッサー、
ワイヤレス・ネットワーク、ノートパソコン、携帯端末、ならびに電話およびその他の通信機器の製造業者を
含む多くの企業が、当部門の事業と競合する技術的可能性を有している。完全に統合された音声、データおよ
びブロードバンド・システムに対する需要が継続しているため、当部門は、公共通信事業者との更なる競争に
直面する可能性がある。
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支払期間
支払期間は、その取り決めによって世界各地で異なっている。通常、北米では契約上の支払期間は請求書の
日付より30日から45日にわたり、北米以外の地域においては概して90日に制限されている。当部門の官公庁・
パブリックセーフティの顧客における契約の一部には、納品、据付およびシステムの受入といった実行におけ
る重要な節目に関する規定が含まれており、通常、これらの重要な節目は、終了に30日から180日を要する可能
性がある。顧客に対する請求は、これらの重要な節目の終了に応じて行われる。
当部門は、通常、支払期間の延長を認めていない。競争上の理由により要求された場合、当部門は、機器の購
入に関する長期ファイナンスを提供することがある。ファイナンスは、購入価格の全額または一部を補填する
場合がある。
規制問題
ワイヤレス音声、データおよび映像通信システムの使用は、無線周波数帯を要するものであり、これは世界
中で様々な政府機関により規制されている。米国では、連邦通信委員会(以下「FCC」という。)および電気通
信情報局(以下「NTIA」という。)が連邦以外の団体および連邦内の団体のそれぞれによる周波数帯の利用
を規制している。同様に、世界各国が1つ以上の規制機関を有しており、かかる機関がそれぞれの国の法律お
よびITUの国際調整に基づき無線周波数帯の利用に関する規則を定義・実施している。したがって、当部門の
業績は、FCC、NTIAまたはその他の国の規制当局により随時採用されるかかる規則および規制によってプラス
またはマイナスの影響を受ける可能性がある。追加無線周波数帯の利用可能性は、新たな事業機会を提供する
可能性があり、利用可能な無線周波数の喪失は、ビジネスチャンスを失う結果を招く恐れがある。現在の周波
数帯における規制上の変更も、機会を提供するか、または引き続き製造・販売することが可能となるよう当部
門の製品の一部を改良することを求める可能性がある。
当部門は、規制機関により既に提供されている周波数帯を利用する製品を製造・販売している。これには、
音声およびデータ・インフラストラクチャー、移動無線、および携帯用装置が含まれる。当部門の製品は、ライ
センスを取得した周波数帯とライセンスを取得していない周波数帯の双方で運営を行っている。さらに、新た
な周波数帯および修正された規制は、新規事業の可能性を提供している。
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テレビ放送および受信技術は、アナログからより効率的なデジタル・モデルへと移行している。世界中の
様々な国が、テレビ用周波数帯の一部の再開発を検討しており、いくつかの国では既にこれを実施している。
米国では、連邦法に基づき、アナログテレビ局は、2009年6月12日にテレビ放送周波数帯における営業を停止
した。この移行の結果、現在700MHz周波数帯として知られる、従来テレビ放送用に使用されていた108MHz周波
数帯は、ブロードバンドおよびナローバンドのワイヤレス通信を含む新たな利用(いわゆる「デジタル割当
て」周波数帯)に供するために再開発および配備されている。この周波数帯は、当社および当部門の競争相手
に対して新たな機会を提供することができる。FCCが採択した規則に基づき、FCCによりすでに割当てられた
700MHz周波数帯の24MHz周波数帯は、新たな公安用ナローバンドおよびブロードバンドの通信システムをサ
ポートする見込みである。2009年6月12日のアナログからデジタルテレビへの移行終了に先立って、40超の公
安顧客が、既存のテレビの放送利用が問題となっていない地域において既にナローバンドの700MHz周波数帯
システムを実施していた。現在、当該周波数帯は全国的に利用可能になり、その他の機関はナローバンド・シ
ステムを配備し、まだ配備していない他の機関もその配備の計画をしている。
FCCも、今後10年から15年間で構築される予定の、700MHz周波数帯の全国的公安用ブロードバンド・ネット
ワークに関する規定を制定している。2010年5月、FCCは、700MHzのブロードバンド・システムを展開するた
め、全米のパブリックセーフティ機関に21の条件付の規制除外の付与を発表した。2010年12月時点で、25件以
上の除外申請につきFCC決定が未決である。除外を受けたブロードバンド事業者の中には、2010年度にNTIAに
よって発表された連邦ブロードバンド・テクノロジー・オポチュニティー・ポリシー(以下「BTOP」とい
う。)助成ファンドから助成金を受けているものもある。2010年中、当部門は、サンフランシスコ・ベイエリア
広域圏にブロードバンド・システムを配備するために、50.6百万ドルのBTOP助成金を受けた。また、当部門は、
700Mhzブロードバンド周波数帯を使用するFCCの条件付規制除外を受けた他のエリアの多数の顧客とも協力
をしている。公安組織およびFCCは、このブロードバンド・ネットワークについて、当社が投資を行っているロ
ング・ターム・エボリューション(LTE)技術の使用を承認している。また2010年中には、700Mhz周波数帯に
パブリックセーフティのために追加のブロードバンド周波数帯を割当てる法案が提出された。かかる法案は、
2011年の新議会にて提出されるはずである。仮にかかる法案が通った場合、かかる法案はブリックセーフティ
に割当てられたブロードバンドMHz周波数帯を倍増させるものとなる。
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公安システムに関する2010年度のかかる具体的な行動に加えて、FCCは2010年3月に総合的な全国ブロード
バンド計画を公表した。この計画の重点は、教育機関、医療機関、エネルギー部門、消費者およびその他の分野
を含む、いくつかの主要な分野に利益をもたらすために高速ブロードバンド・インフラの増築および利用を
促進し、可能にすることに置かれている。エネルギー省も、スマートグリッド・コミュニケーションの必要条
件に関する情報を要請し、来年にはスマート・グリッドに関する追加の行動が予測される。2010年4月、カナ
ダ政府は700MHzナローバンド周波数帯のパブリックセーフティ使用についての規則を公開した。また、カナダ
政府は2010年11月に、700MHz帯における、ブロードバンド周波数帯のパブリックセーフティ使用を可能にする
よう求める協議要請書を公表した。カナダでのブロードバンドの使用に関する決議は、2011年中に発表される
予定である。カナダ政府は、2011年8月31日を、テレビ事業が700MHz周波数帯から撤退する日として定め、これ
もまたモバイル・システムを当該周波数帯で展開するための機会を広げるものになると予想される。国際的
には、2007年11月にジュネーブで開催されたITUの世界無線会議(World Radio Conference)において、世界
中でテレビ放送がアナログからデジタル技術へと移行していることに伴う「デジタル割当て」の一環とし
て、提供可能な周波数帯が特定された。世界中の様々な国が、この提供される可能性がある周波数帯の潜在的
規模、時期および利用法を検討している。
当部門の事業運営の一部は、環境および労働者の健康・安全性について適用される様々な連邦、州、地方お
よび国際法(地面、空気および水への汚染物質の排出、危険物質および廃棄物の管理および処分、ならびに汚
染場所の浄化について適用されるものを含む。)において規制されている物質を使用している。当部門の製品
の一部は、電気製品に含まれる化学物質について適用される様々な連邦、州、地方および国際法に服している。
受注残高
直近の2事業年度終了時の当部門の受注残高の状況は、おおよそ次の通りである。
2010年12月31日現在……………………………………………………26億ドル
2009年12月31日現在……………………………………………………26億ドル
2010年の注文の受注残高は微増し、一般に確定したものと考えられる。受注残高のおよそ77%が2011年度中
に収益として認識される予定である。かかる注文が確定的であるとの将来の予測は、当該認識額を変化させる
ような将来の事象により、影響を受ける可能性がある。
知的財産問題
当部門の事業にとって、特許の保護は非常に重要である。当部門は、その製品、システム、技術および製造工
程に関連する特許について広範囲の米国内および国際的ポートフォリオを有している。これには、スキャニン
グ、情報収集、ミッションクリティカルな双方向無線通信、ネットワーク通信およびネットワーク管理におけ
る最近の研究開発が含まれる。当部門は、米国特許商標局ならびに外国の特許局に対して追加の特許申請も
行った。
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当部門は、一部の特許について第三者にライセンスを与えているが、これらのライセンスからの収益はわず
かである。当部門はまた、他の者が所有する一定の特許を使用するライセンスを与えられている。ロイヤリ
ティおよびライセンス料は、年度ごとによって異なり、契約条件とライセンスの対象となる製品の販売台数に
より左右される。
当部門は、共同利用可能でミッションクリティカルなデジタル双方向無線システムのオープン・スタン
ダードの開発に積極的に関与している。当部門は、電気通信産業協会(以下「TIA」という。)のProject 25、
ヨーロッパ電気通信規格研究所(以下「ETSI」という。)およびTETRAに定義される当業界における主要な2
件の覚書の加盟者に対して当部門の技術およびライセンスを受けた特許を公表している。
本件分社化以前に当部門が有していた特許ポートフォリオの大部分は、モトローラ・モビリティに割当て
られた。各事業体は引き続き、各自の事業の製品においてかかるすべてのポートフォリオを使用することが認
められているが、当部門は第三者に対し、モトローラ・モビリティが有する特許を実施させる権利は有さず、
モトローラ・モビリティも当部門が有する特許を他社に実施させる権利を有しない。特許がモトローラ・モ
ビリティに譲渡され、一部の特許の期限が満了し、その結果将来において当部門の製品の一部につき競争が激
化する可能性が生じたとしても、当部門は、残された特許ポートフォリオが、引き続き当部門の主力製品分野
において競争上の優位性を提供すると考えている。さらに、当部門は、当部門が単一の特許または数件の特許
に依存していないものと考えている。当部門の成功は、それよりも、当部門の独自のノウハウ、革新的スキル、
技術的能力およびマーケティング能力にかかっている。さらに、技術の変化により、当部門は現在のところ、
マーケットポジションを保護または確立する上で、主として特許またはその他の知的財産権に依拠しないつ
もりである。しかしながら、当部門は、一定の技術において自らの知的財産権を行使するために、競争相手に対
して引き続き訴訟を起こしており、2010年中には当該訴訟の一件において有利な和解をした。当部門の特許、
商標および研究開発活動に関する詳細については、後述の「その他の情報」の項を参照のこと。
在庫、原材料、返却権および季節性
当部門は慣行として、業界基準に一致する方法で顧客の納入要求に合わせるために、適度な在庫を抱えてい
る。当部門は、納入および保証要件を満たすために、在庫ならびに多種多様の個別の部品および交換部品を必
要とするカスタム製品を提供している。供給業者の製品供給期間が当部門のそれを下回る限りにおいて、在庫
は、長期保証および契約上の要件を満たすことが要求される。さらに、交換部品は顧客の要求により短期間で
納入できるように備えられている。2010年度末において、当部門は、当社が世界的な供給不足および主要な部
品のリードタイムの増加に対処するために在庫を増加させため、2009年度末よりも在庫残高が増加した。
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当部門が必要とする原材料および構成部品の入手可能性は比較的信頼できるものであるが、市場における
需要と供給の変動は、選択的な不足を引き起こし、業績に影響を与えることがある。当部門は現在、単独ベン
ダーから一定の原料および構成部品を入手している。かかる単独ベンダーからの供給が著しく途絶えた場合、
当部門の業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。特定の単独供給業者が能力を制限されるか、支払不能に
陥った場合、供給の減少または中断が生ずるか、供給品が値上がりし、当部門の財務成績に悪影響が及ぶ可能
性がある。
天然ガス、電力および(それよりも少ない程度ではあるが)石油は、当部門の製造業務に必要な、主要エネ
ルギー源である。これらの各エネルギーは現在、当部門の事業運営に対して十分に供給されている。さらに、当
部門の設備運営費および運送費は、世界の石油価格に依拠している。世界の石油価格は、2010年度中に上昇し、
当社の製造および輸送費に影響を及ぼした。労働力は、当部門の製造設備の合理的近接地域において概ね入手
可能である。しかしながら、かかる可能性は低いものの、上記の資源のいずれかが入手困難となった場合、また
はコストが大幅に増加した場合には、当部門の業績に影響を与えることがある。
一般的に、当部門の契約は標準の保証条項以外の返却権を含まない。ただし、法人市場内の特定の提携卸業
者は、限定的な在庫回転権(stock rotation rights)を保持している。新製品の導入については、当部門は、
主要管理点を設定した契約を締結している。当該契約においては、当部門がかかる管理点を達成しなかった場
合に製品を返品することができる。当部門が参入している市場の購買動向により、売上は、第4四半期中に若
干上昇する。
当部門の設備・製造
当部門の本部は、イリノイ州シャンバーグおよびニューヨーク州ホルツビルに置かれている。当部門のその
他の主要施設は、マレーシアのペナン、メキシコのレイノサ、ポーランドのクラクフおよびドイツのベルリン
にある。当部門の製造の一部は、その多くは米国外にある、少数の非関連電子機器製造供給業者ならびに配送
および物流サービス供給業者により行われている。当部門は、費用を削減し、かつ顧客の需要を満たす製品を
提供する能力を強化するために、これらの第三者業者に依拠している。
モトローラ・モビリティ
(モバイルデバイス部門)
2011年1月4日にモトローラ・モビリティから分割されたモバイルデバイス部門は、音声、メッセージン
グ、プッシュツートークおよび画像等のモバイル・コミュニケーションを提供し、マルチメディア、ソーシャ
ルネットワーキング、ナビゲーションおよびその他のモバイル・アプリケーションを含む、モバイル・イン
ターネットアクセスおよびコンテンツを提供するために設計されたモバイル機器、関連製品およびサービス
の提供を行っている。2010年において、当部門の純売上高は、当社の連結純売上高の40%を占めていた。
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製品
当部門は、複数のネットワーク技術、フォームファクター(機器の外観および機械的機能をいう)、性能、統一
小売価格および地理にわたる、広範囲のモバイル機器の設計・製造および販売を行っている。当部門のモバイ
ル機器の製品ポートフォリオには、エンドユーザーに改良されたマルチメディアおよび機能性を提供するス
マートフォン(先進的なインターネットブラウジングおよびアプリケーションの使用が可能な携帯電話)、
フィーチャーフォン(限定的なインターネットブラウジングおよびアプリケーションの使用が可能な携帯電
話)、音声中心の電話(主に電話およびテキスト・メッセージに使用される)、ならびにメディアタブレット
機器(別名スレートと呼ばれる)(以下「メディアタブレット」という。)が含まれる。当部門はまた、補助
的モバイル・ソフトウェア、サービスおよび付属品も提供しており、知的財産権のポートフォリオのライセン
ス供与を行っている。当部門は、直接販売、小売店および卸業者を通じて当部門の製品をモバイル・ネット
ワーク・オペレーターおよび通信事業者(これらを「ワイヤレス通信業者」と総称する。)ならびに消費者
に対して世界中で販売している。
産業
2010年において、携帯電話機産業における総出荷量は、景気が悪化した2009年と比較して増加し、スマート
フォン部門は2009年から2010年にかけて、ユニット・ベースで60%以上増加した。モバイル機器製造会社は、
急速に発展している市場で競合しており、成功を収めるためには製造会社が常に革新を行い、差別化された製
品ポートフォリオを提供しなければならない。このためには、広範囲な知的財産ならびにハードウェア、ソフ
トウェア、および次第にサービスについても一体化することにおける専門知識が要求される。また、製造会社
にはワイヤレス通信業者との強固な関係、世界的な販売を展開する能力、強いブランドおよび成長を続けるア
プリケーションのエコシステムにおいて効果的に構築しまたは取り組む能力が必要である。
競争
競合会社には、伝統的モバイル機器製造会社とともに、ここ数年内に当市場に新規参入した競合会社が含ま
れる。市場の需要がスマートフォンおよびメディアタブレットに移行し続けるのに伴い、モバイル機器市場に
さらに競合会社が参入する可能性がある。
当部門は、ノキア、サムスン、LG、ソニー・エリクソン、アップル、RIMおよびHTC等、多数の世界的な競争相手
との厳しい競争を経験している。2010年中、これら7社の製造会社の合計マーケットシェアは、モバイル機器
市場全体の約80%を占めていた。スマートフォンの製造会社は、スマートフォンの需要拡大の恩恵を受けてき
た。伝統的コンピュータ市場から新規参入する競合会社もある。さらに、準大手ベンダーがアジアでの存在感
を増すとともに、その他の地域にも拡大し、いっそうの競争をもたらしている。
2010年中、当部門の全体マーケットシェアは減少したものの、スマートフォンでのシェアは2009年と比較し
て拡大した。
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当部門の製品の市場における一般的な競争要因には、ユーザー体験の全体的な質、デザイン、製品化までの
期間、ブランド認知、提供される技術、価格、製品の革新、特性、性能および品質、納品および保証、サービスの質
および有用性ならびに重要な顧客との関係が含まれる。
(ホーム部門)
2011年1月4日にモトローラ・モビリティから分割されたホーム部門は、消費者への画像・音声および
データサービスを可能にするケーブル・オペレーターや有線テレコミュニケーション(以下「テルコ」とい
う。)サービス・プロバイダー(これらを「ネットワーク・オペレーター」と総称する。)に、製品および
サービスを提供している。当部門の製品ポートフォリオには主に、インタラクティブ・セットトップ・ボック
ス、エンドツーエンド・デジタル・ビデオおよびインターネット・プロトコル・テレビジョン(以下
「IPTV」という。)配信システム、ブロードバンド・アクセス・インフラストラクチャ・プラットフォーム、
ならびに関連するデータ・音声加入者宅内機器(以下「CPE」という。)が含まれる。2010年中、当部門の純売
上高は、当社の連結純売上高の19%を占めていた。
製品
当部門の製品およびサービスは、デリバリー・ネットワーク中のコンテンツ・プロバイダーおよびネット
ワーク・オペレーターならびに宅内消費者により、使用されている。
・当部門はネットワーク・オペレーターに対し、統合デジタル・ビデオ・レコーダー(以下「DVR」とい
う。)のセットトップ・ボックスを含む、標準画質テレビ(以下「SDTV」という。)や高精細度テレビ
(以下「HDTV」という。)をサポートする、広範囲にわたるセットトップ・ボックスを提供している。当
部門のセットトップ・ボックスは、従来型ケーブルテレビ、IPTVおよびハイブリッドIP/従来型環境を含
む多様な配信アーキテクチャをサポートしている。また、当部門はデータ・オーバー・ケーブル・サービ
ス・インターフェース・スペシフィケーションズ(以下「DOCSIS」という。)3.0向けモデムやゲート
ウェイ、デジタル加入者回線(以下「DSL」という。)ネットワークおよびパッシブ光ネットワーク(以
下「PON」という。)向け光学端末ノード(以下「OTN」という。)を供給している。
・当部門のDOCSIS 3.0ネットワーク向けケーブルモデム端末システム(以下「CMTS」という。)ならびに
その光学ヘッドエンドおよびネットワーク機器は、ネットワーク・オペレーターによる画像、データおよ
び音声サービスの提供を可能にしている。
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・当部門は、統合受信デコーダー(以下「IRD」という。)、マルチプレクサーおよび再配布のためにオペ
レーターのネットワーク上でコンテンツ・プロバイダーよりコンテンツを受けるトランスコーダーを提
供している。また、当部門は広告ストリームの設置のため、ローカル・プログラミング、ビデオ・オン・デ
マンド(以下「VOD」という。)サーバーおよびマルチプレクサーも提供している。当部門のポートフォ
リオには、幅広いケーブル、テルコ、およびワイヤレス・プラットフォームを通じたマルチ・スクリーン
体験の提供および管理を可能にするソフトウェアが含まれる。当部門の製品には、ヘッドエンドおよび自
宅間で使用されるセキュリティ・ソリューション、ならびにセットトップ・ボックスやモデムのための
デバイス管理技術が含まれる。
・当部門のモバイルピクチャ専門家グループ(以下「MPEG」という。)が対応するSDTVおよびHDTVのビデ
オ符号化ならびに処理・多重化装置は、ネットワーク・オペレーターのヘッドエンドおよび本社にプロ
グラミングを提供するために、主要なコンテンツ・プロバイダーにより使用されている。当部門の限定受
信技術は、送信中の画像コンテンツを保護するものである。
産業
過去15年にわたり、画像配信はアナログからデジタルへと転換し、これにより消費者のプログラムの選択肢
が増え、HDTV、VODおよび双方向サービスのような新機能が可能となった。この期間中、伝統的ケーブル・オペ
レーターとテルコの両方がサービス提供を拡大し、画像、音声およびデータサービス(以下「トリプル・プレ
イ」という。)の配信を提供するようになった。
消費者に画像、音声およびデータサービスを提供する事業は非常に競争の激しいものであり、当部門の消費
者は、モバイル音声およびデータサービスを含む、個別のサービス、トリプル・プレイ・パッケージ、そしてク
ワッド・プレイ・パッケージまでをも提供するために激しく競争している。かかる競争の激しい環境は、オペ
レーターによる、より高精細度(以下「HD」という。)のチャンネルや三次元テレビ(以下「3Dテレビ」とい
う。)の追加、データスピードやモバイル・データサービスの向上、従来型テレビとインターネット・サービ
スとの橋渡しをする新しい体験の提供によるサービス提供の強化および拡大を促進している。
2010年中、2009年のマクロ経済的悪条件からの景気回復はいくらか見られたものの、需要は2009年以前の基
準には未だ戻っていない。
競争
当部門のセットトップ・ボックスならびにケーブルおよび有線インフラストラクチャ機器製品は、非常に
競争の激しい世界市場で競争している。当部門には、多数の製品カテゴリーにおいて競合する会社や、当部門
のポートフォリオの一部の製品に重点を置く会社を含む、多岐にわたる競争会社が存在する。当部門が競争に
参加している市場に起きている急速な技術の変化は、新しい競争業者の参入をもたらす可能性がある。市場に
おける当部門の製品およびシステムの一般的な競争の要素には、技術、製品およびシステムの性能、価格、製品
化までの期間、製品の特性、品質、納品および有用性が含まれる。現在、当部門の主要な競争会社には、シスコ、
ペースおよびアリスが含まれる。
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長年、ケーブル産業はセットトップ・ボックスに統合された限定受信方式を使用することにより、ネット
ワークを通じて送信される画像コンテンツを保護してきた。FCCは、セットトップからセキュリティ機能を分
離することを要求する規則を成立させ、当該規則は2007年に施行された。かかる規則は、競合会社がケーブル
・オペレーターにセットトップ・ボックスを販売し、ケーブル・オペレーターから供給されるセキュリティ
・モジュールの使用による暗号化されたケーブル・プログラミングへのアクセスが可能なテレビや他のデバ
イスを小売で流通させることを可能にする。数社の大手ケーブル事業者が、オペレーターにより提供される
セットトップ・ボックスを使わずに、オペレーターのネットワーク上で利用可能なすべてのプログラミング
へ、かかる小売デバイスを所有する消費者がアクセスすることを可能とする完全な双方向性セキュリティ・
インターフェースをサポートしている。その結果、当部門は、オペレーターにセットトップ・ボックスを供給
することのできる数社の新しい製造会社、および、それよりは厳しくないものの、小売を通じて直接販売を行
う消費者用電子機器製造会社との競争に直面している。
その他の情報
部門についての財務情報
部門についての財務情報は、後記「第6 経理の状況 1 財務書類」の連結財務諸表注記12「事業部門別お
よび地域別情報」を参照のこと。
顧客
当社は数社の大規模な顧客を有しており、かかる顧客のうち1社またはそれ以上を失うことは、当社に重大
な悪影響を与える可能性がある。2010年において、当社の最大顧客5社に対する純売上高総額は、当社の売上
高の約32%を占めていた。2010年および2009年中、純売上高のそれぞれ約18%および約10%が、モトローラ・
モビリティの顧客であったベライゾン・コミュニケーションズ・インク(ベライゾン・ワイヤレスを含
む。)1社のみに対するものであった。
当社の2010年度の純売上高総額の約3%は、軍事サービスを含む米国政府の様々な部門および政府機関に
対するものであった。2010年中の米国政府に対する純売上高は、モトローラ・モビリティの本件分社化後、唯
一残留する部門であるエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の2010年中の純売上高の約8%
を占めていた。
研究開発
当社の事業部門は、技術が絶えず変化する非常に競争の激しい産業に参加している。当社は、設立以来一貫
して、主に新製品の開発のための研究開発プログラム、および既存の製品の改良のための生産技術能力に依存
しており、また引き続きこれらに依存していく。経営陣は、将来を見据えて、当社の研究開発プログラムへの取
り組みが、当社の継続するエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門が競争力を維持することに
資すると考えている。
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新製品開発または製品改良に関する研究開発費は、2010年には25億ドル、2009年には26億ドル、2008年には
34億ドルであった。研究開発費は、2009年に2008年と比べて24%減少した後、2010年は2009年に比べて3%減
少した。当社は、研究開発に対する強い取り組みが長期的な成長をもたらすために必要であることを引き続き
確信している。2010年12月31日の時点で、約21,000名の専門職の従業員が当社のこうした研究開発活動に従事
し、約8,000人の専門職の従業員が継続するエンタープライズ・モビリティ・ソリューションの研究開発活動
に従事していた。
特許および商標
当社は、当社の優越的な地位を保守するために、特許および商標を、可能かつ現実的な場合には常に獲得す
るように努めている。2010年12月31日現在、当社およびモトローラ・モビリティを含むその完全所有子会社は
米国において約10,117件の特許を、また外国においては13,732件の特許を有していた。2010年12月31日現在、
当社およびその完全所有子会社は米国において約3,746件の特許出願が、また外国においては7,048件の特許
出願が係属中であった。これらの外国の特許および特許出願は、ほとんどが当社の米国における特許に対応す
るものであるが、いくつかは米国外で行われた研究によるもので、かつその国で初めに申請される特許であ
る。2010年中に、当社およびその完全所有子会社は米国において721件の特許を取得した。2011年1月4日のモ
トローラ・モビリティの本件分社化後、当社およびその完全所有子会社は米国において約3,572件の特許を、
また外国においては3,113件の特許を有し、米国において約1,342件の特許出願が、また外国においては1,957
件の特許出願が係属中であった。当社が有する特許の多くは、その事業において利用されるか、または他の者
が利用するためにライセンス供与されており、また、当社も他の者が有する一定の特許を利用するためにライ
センスを与えられている。ロイヤリティおよびライセンス料は、年度ごとに異なり、契約条件とライセンスの
対象となる製品の販売台数により左右される。
環境対策
2010年中、物質の環境への排出を規制する、またはその他環境保護に関連する連邦、州および地方の法律を
遵守することによる、当社の設備投資、収益または競争上の地位に重大な影響はなかった。
従業員
当社およびその子会社が雇用する従業員の数は、2010年12月31日の時点で約51,000名、2009年12月31日の時
点で約53,000名であった。2011年1月4日の本件分社化の一環として、約19,000人の従業員がモトローラ・モ
ビリティに移った。
地理的地域についての財務情報
本項目に対応する部分については、後記「第6 経理の状況 1 財務書類」の連結財務諸表注記11「契約債
務および偶発債務」および注記12「事業部門別および地域別情報」ならびに「第3 事業の状況 7 財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「2009年と比較した2010年の営業成績」および
「2008年と比較した2009年の営業成績」ならびに「第3 事業の状況 4 事業等のリスク」を参照のこと。
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4 【関係会社の状況】
親会社
当社は親会社を有しない。
特定子会社およびその他の子会社
当社は6社の特定子会社を有している。
2010年中における、ゼネラル・インスツルメント・コーポレーション、モトローラ・チャイナ・エレクトロニ
クス・リミテッドおよびモトローラ・モビリティ・インクの売上高は、当社の売上高の10%を超えていた。モト
ローラ・クレジット・コーポレーション、シンボル・テクノロジーズ・インク、ゼネラル・インスツルメント・
コーポレーションおよびモトローラ・モビリティ・インクの株式は、当社の株式の10%を超えていた。さらに、
ゼネラル・インスツルメント・コーポレーション、モトローラG.m.b.h.およびモトローラ・モビリティ・イン
クの会社間の購買額は、当社の資本の10%を超えていた。最後に、ゼネラル・インスツルメント・コーポレー
ション、モトローラ・モビリティ・インクおよびシンボル・テクノロジーズ・インクの資本は、当社の資本の
10%を超えていた。以下の表は、2010年12月31日現在のゼネラル・インスツルメント・コーポレーション、モト
ローラ・チャイナ・エレクトロニクス・リミテッド、モトローラ・クレジット・コーポレーション、モトローラ
G.m.b.h.、モトローラ・モビリティ・インクおよびシンボル・テクノロジーズ・インクの売上高、利益および資
産を要約したものである。
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企業名
ゼネラル
・インスツルメント
・コーポレーション※
企業名
モトローラ・チャイナ
・エレクトロニクス
・リミテッド
企業名
モトローラ
・クレジット
・コーポレーション
企業名
モトローラG.m.b.h.
企業名
モトローラ
・モビリティ
・インク※
企業名
シンボル
・テクノロジーズ
・インク
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社と
の関係内容
米国
ペンシルバニア州
ホーシャム
普通株式
1,000株
当社と同じ
当社の完全子会社
通信機器の製造
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
3,227,000,000ドル
(5,000,000)ドル
(29,000,000)ドル
1,862,000,000ドル
2,581,000,000ドル
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社と
の関係内容
中国
天津
659,800,000ドル
当社と同じ
当社の完全子会社
通信機器の製造
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
1,935,000,000ドル
(82,000,000)ドル
(158,000,000)ドル
12,000,000ドル
881,000,000ドル
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社
との関係内容
米国
イリノイ州
シャンバーグ
普通株式
1,700株
当社と同じ
当社の完全子会社
金融
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
0ドル
0ドル
11,000,000ドル
1,663,000,000ドル
369,000,000ドル
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社と
の関係内容
ドイツ
タウヌスシュタイン−
ノイホフ
102,800,000
ドイツマルク
当社と同じ
当社の完全子会社
当社の製品の販売
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
681,000,000ドル
22,000,000ドル
26,000,000ドル
160,000,000ドル
252,000,000ドル
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社と
の関係内容
米国
イリノイ州
リバティービル
普通株式
1.002株
当社と同じ
当社の完全子会社
通信機器の製造
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
3,169,000,000ドル
(93,000,000)ドル
(50,000,000)ドル
3,463,000,000ドル
5,096,000,000ドル
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
事業の内容および
当社と
の関係内容
米国
ニューヨーク州
ホルツビル
普通株式
1,000株
当社と同じ
当社の完全子会社
通信機器の製造
売上高
経常利益(損失)
(特別項目を除く)
純利益(損失)
純資産
総資産
1,496,000,000ドル
168,000,000ドル
108,000,000ドル
2,578,000,000ドル
5,096,000,000ドル
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当社は以下に挙げる他に約228社の子会社を有する。以下の表は当社の主要なその他の子会社を示している。
企業名
住所
資本または出資
エア・ディフェンス
米国
ニューヨーク州
普通株式
ベイジン・ヒューマニン
・スマートカード・システムズ
・マニュファクチャリング・・
コー・リミテッド
中国 北京
25,000,000中国元
ブロードバス
・テクノロジーズ・インク※
米国
マサチューセッツ
州
ボックスボロ
ダンスク・ベラズスカブス
コミュニカションA/S
デンマーク
ゼネラル・インスツルメント・
オーソリゼーション
・サービシズ・インク※
米国
1,000株
普通株式
1,000株
1,492,145
デンマーククローネ
普通株式
1,000株
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
スマートカードの
製造
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
99%
ネットワーク
・システムの運営
(1)
(2)
当社の事業を行う
当社との関係内容
ゼネラル・インスツルメント
台湾 台北
・オブ・タイワン・リミテッド※
普通株式
234,095,937株
(1)
(2)
通信機器の製造
ハンチョウ・モトローラ
・セルラー・エクイップメント
・カンパニー・リミテッド
中国 杭州
登録資本金
24,480,000ドル
(1)
51%
製造、研究および
販売
イリジウム
・セントラル・アメリカ・アン
ド・メキシコ・インク※
米国
イリノイ州
シャインバーグ
普通株式
1,000株
(1)
(2)
当社の事業を行う
クレアテル
・コミュニケーションズA.B.※
スウェーデン
(1)
(2)
当社の事業を行う
リープストーン
・システムズ・インク※
米国
ニュージャージー
州
サマセット
(1)
(2)
当社の事業を行う
メッシュネットワークス
・インク
米国
フロリダ州
メートランド
ブロードバンド無線
および位置標定技術
(2)
当社の事業を行う
モジュラス
・ビデオ・インク※
米国
カリフォルニア州
サニーベール
(1)
(2)
当社の事業を行う
モンテリア
・ホールディングスB.V.
オランダ
200.00ユーロ
(1)
(2)
オランダを拠点とす
る持株会社
モトローラ(北京)
・モビリティ
・テクノロジーズ
・コー・リミテッド※
中国 北京
登録資本金
5,100,000ドル
(1)
(2)
研究および開発
モトローラ(チャイナ)
・インベストメント
・リミテッド
中国 北京
登録資本金
100,000,000ドル
投資会社
(2)
電気通信、半導体
および電子技術への
投資
モトローラ・
・エアーコミュニケーション
・リミテッド
香港 九龍
(1)
(2)
当社の事業を行う
モトローラ・アラビア・インク
サウジアラビア
リアド
(1)
(2)
当社の事業を行う
モトローラ・アジア
・リミテッド
香港
(1)
(2)
当社の事業を行う
モトローラ・アジア
・パシフィック
リミテッド
シンガポール
シンガポール
(1)
(2)
当社の事業を行う
普通株式
398,122株
普通株式
1,000株
普通株式
1,000株
普通株式
1,000株
普通株式
100,000株
普通株式
1,000株
普通株式
100,000株
普通株式
20,000株
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企業名
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の所有割合
普通株式
63,566,667株
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
当社製品の販売
当社との関係内容
モトローラ
・オーストラリア
・プロプライエタリー
・リミテッド
オーストラリア
メルボルン
モトローラ・カナダ
・リミテッド
カナダ
オンタリオ州
マーカム
モトローラ
・コメルシアル
S.A. デ C.V.※
メキシコ
固定資本シリーズA&B
50,000株
(1)
(2)
当社の事業を行う
モトローラ・デ
・メキシコS.A.
メキシコ
89,363株
(1)
(2)
当社の事業を行う
モトローラ・デ
・レイノサ S. デ
R.L. デ C.V.
メキシコ
167,565,150株
(1)
(2)
製造
モトローラ
・エレクトロニックスPte
・リミテッド
シンガポール
(1)
(2)
設計および製造
モトローラ
・エレクトロニックス, Sdn
Bhd.
マレーシア
セランゴール
普通株式
(1)
(2)
製造、研究および販売
モトローラ
・ファイナンス・EMEA
・リミテッド
イギリス
ベージングストーク
普通株式
(1)
(2)
財務管理
モトローラ・インディア
・プライベート
・リミテッド
インド
ハリヤナ
普通株式
212,817,360株
(1)
(2)
当社製品の販売
モトローラ
・インダストリアルLtda.※
ブラジル
サンパウロ
833,127,570口
(1)
99.9%
製造および販売
モトローラ・イスラエル
・リミテッド
イスラエル
テルアビブ
普通株式
113,393,681,160株
(1)
(2)
通信機器の製造
および販売
モトローラ株式会社
日本 東京
普通株式
14,070,200株
(1)
(2)
通信機器の製造
および販売
モトローラ・コリア
・インク※
韓国 ソウル
(1)
(2)
通信機器の製造
および販売
モトローラ・リミテッド
イングランド
ハンプシャー
普通株式
376,550,000株
(1)
(2)
製造および販売
モトローラLMR
ホールディング株式会社
日本 東京
1株
(1)
(2)
企業投資
モトローラ
・モビリティ
・カナダ・リミテッド※
カナダ
オンタリオ州
普通株式
(1)
(2)
当社製品の販売
モトローラ
・モビリティ・チェンナイ
・プライベート・リミテッ
ド※
インド
ハリヤナ
普通株式
(1)
(2)
電子機器の
開発および製造
モトローラ
・モビリティ・ジャーマニー
・GmbH※
ドイツ
イトシュタイン
登録資本金
1,000,000ユーロ
(1)
(2)
電気製品、電子製品、
電気部品および電子
部品の製造、設計およ
び販売
モトローラ
・モビリティ・インディア
・プライベート・リミテッ
ド※
インド
ハリヤナ
普通株式
(1)
(2)
電子機器の
開発、製造
および販売
モトローラ
・モビリティ
・サウス・アフリカ
(プロプライエタリー)
・リミテッド※
南アフリカ
ヨハネスブルグ
普通株式
(1)
(2)
当社の事業を行う
普通株式
1,461,647株
普通株式
124,750,000
1,512,000株
1株
普通株式
17,600株
100株
50,000株
50,000株
1,000株
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企業名
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
普通株式
100,000株
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
当社の事業を行う
売掛金の購入
および売却
(2)
売掛金の購入および売
却
(1)
(2)
当社の事業を行う
16,500口
(1)
(2)
製造および販売
当社との
関係内容
モトローラ
・モビリティ
・テクノロジーズ
・(チャイナ)
・コー・リミテッド※
中国 天津
モトローラ
・モビリティ UK
・リミテッド※
イギリス
ハンプシャー
ベージングストーク
モトローラ
・レシーバブルズ・コープ
米国
イリノイ州
モトローラ
・ソリューションズ
・CZ・s.r.o
チェコ
モトローラ
・ソリューションズ
・インドゥストリア・デ
・プロドゥットス・デ
・バンダ・ラルガ
・モヴェルLtda
ブラジル
サンパウロ
モトローラS.A.S.
フランス
パリ
普通株式
1,392,360株
(1)
(2)
販売およびサービス提
供
モトローラ・サウス
・イスラエル・リミテッド
イスラエル
テルアビブ
普通株式
32,297,640株
(1)
(2)
当社の製品の販売
モトローラ
・テクノロジーSdn. Bhd.
マレーシア
ペナン
普通株式
4,668,002株
(1)
(2)
部品の調達
モトローラ
・ワイヤーライン
・ネットワークス・イン
ク※
米国
ペンシルベニア州
普通株式
(1)
(2)
当社の事業を行う
ミュージック
・チョイス※
米国
ペンシルベニア州
ホーシャム
クラスA議決権
ユニット
579.1
(1)
24%
音楽プログラミング
サービス
MV I LLC.
米国
デラウェア州
10ドル
(1)
(2)
当社の事業を行う
ネトピア・インク※
米国
カリフォルニア州
エモリービル
(1)
(2)
当社の事業を行う
ネットワーク
・ベンチャーズ Ⅰ・インク
米国
イリノイ州
シャインバーグ
(1)
(2)
投資
クアンタム・ブリッジ
・コミュニケーションズ
・インク※
米国
マサチューセッツ州
アンドバー
光アクセス
・ネットワーキング機器
(2)
通信機器の製造
および販売
シンボル
・テクノロジーズC.V.
オランダ
ロッテルダム
100米ドル
(1)
(2)
オランダを拠点とする
事業提携および
持株会社
シンボル
・テクノロジーズ
・ド・ブラジル S.A.
ブラジル
サンパウロ
バルエリ
496
ブラジルレアル
(1)
(2)
販売
シンボル
・テクノロジーズ
・ファイナンス・インク
アメリカ
ニューヨーク州
普通株式
(1)
(2)
財務活動
シンボル
・テクノロジーズSLU
スペイン
マドリッド
普通株式
(1)
(2)
当社の事業を行う
シンボル
・テクノロジーズUK
・リミテッド
イギリス
ハンプシャー
ベージングストーク
(1)
(2)
持株会社
テルクソン
・コーポレーション
米国
ニューヨーク州
ホルツビル
(1)
(2)
バーコード・データ
収集機器の
プロバイダー
普通株式
100株
普通株式
1,000株
登録資本
200,000
1,000株
普通株式
1,000株
普通株式
1,000株
普通株式
1,000株
1,000株
36,500株
普通株式
100株
普通株式
1,000株
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
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企業名
住所
テルクソン
・リミテッド
イギリス
バークシャー
テラヨン
・コミュニケーションズ
・システムズ・インク※
米国
カリフォルニア州
サンタクララ
テトロン
・ズイヒャーハイツネッツ
・アインリヒトゥングス
−ウント・ベトリーブス
gmbH
オーストリア
タット
・システムズ・インク※
米国
オレゴン州
ビーバートン
UIQ テクノロジーAB※
スウェーデン
ロンネビュー
株式会社バーテックス
スタンダード
日本
バーテックス
・スタンダードUSA
・インク
米国
カリフォルニア州
サイプレス
八重洲無線株式会社
日本 福島県
資本または出資
2,625,000
英国ポンド
普通株式
1,000株
普通株式
35,000株
普通株式
1,000株
普通株式
1,000株
普通株式
800株
普通株式
3,334株
普通株式
2,780株
(1) 当社と同じ
(2) 当社の完全子会社
※ 2011年1月4日、モトローラ・モビリティの一部として分社化された子会社を示す。
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主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
(2)
当社の事業を行う
(1)
50%
当社の事業を行う
(1)
80%
通信機器の製造および
販売
(1)
80%
当社の事業を行う
(1)
80%
当社の事業を行う
当社との
関係内容
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関連会社
当社は以下に挙げる他に約19社の関連会社を有する。以下の表は主な関連会社を示している。
企業名
住所
資本または出資
主要な
事業内容
議決権に対する
当社の
所有割合
当社との関係内容
テレコミュニケー
ションズ
・オペレーター
49%
企業投資
45.17%
投資
49%
投資
44.1%
投資
アドバンスド・インターナショナル
・エレクトロニック
・エクイップメント・カンパニー
クエート
サファット
バー・モト・コミュニケーション
・リミテッド
イスラエル
バートヤム
コンディショナル・アクセス
・ライセンシングLLC
米国
ペンシルベニア州
フィラデルフィア
デジタルADCOインク
米国ニューヨーク
州
ニューヨーク
クワンチョウ・ジンペン・モバイル
・コミュニケーションズ
・システムズ・リミテッド
中国 広州
12,000,000ドル
セルラー
・オペレーター
25%
投資
ハンチョウ・イーストコム
・セルラー・フォン
中国 杭州
22,000,000ドル
セルラー製品製造
49%
供給
シャンハイ・ニューマージン・
ベンチャー・キャピタル
・エンタープライズ
中国 上海
7,000,000米ドル
投資会社
20%
企業投資
テトラ・システム・ポルスカS.A.
ポーランド
ワルシャワ
セルラー
・オペレーター
35%
企業投資
普通株式
100株
普通株式
5,000,000株
議決権付株式
3,650,000株
1,500,000ドル
クラスA普通株式
111,111株
クラスB普通株式
1,000,000株
普通株式
1,000,000株
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機器製造
ライセンス供与
ブロードバンド
・コミュニケー
ションズ
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その他の関係会社
当社はその他の関係会社を有しない。
5 【従業員の状況】
2010年12月31日現在、当社は49,822名を雇用していた。当社はその従業員との関係は良好であると考える。
2010年12月31日現在、当社が雇用するこれらの従業員のうち、47,185名は以下のとおり当社の各部門が雇用して
いた。すなわち、モバイルデバイスが雇用する13,836名、ホームが雇用する5,312名、エンタープライズ・モビリ
ティ・ソリューションが雇用する28,037名である。49,822名の従業員のうち残りの2,637名は当社がその会社管理
において雇用していた。2011年1月4日の本件分社化の一環として、モバイルデバイスおよびホーム部門から成る
モトローラ・モビリティと共に約1,900名の従業員が譲渡された。
当社の従業員の性別の内訳は、15,355名が女性であり、34,467名が男性である。2010年12月31日現在、当社の従業
員の平均年齢は39歳であり、従業員の平均勤続年数は10.07年、また平均年間給与は約63,810米ドルである。
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第3 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
下記「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
下記「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載は、2010年12月31日までの
3年間各年の当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況についての検討と分析である。本項の記載
は、当社連結財務諸表と連結財務諸表注記と併せて読まれたい。なお、当社は、後記「第6 経理の状況 3 その他 (1)決算日後の状況」に記載のとおり、2011年5月12日付で様式8-Kによる臨時報告書を提出し、当社の2010年
度様式10-Kによる年次報告書において当初報告された連結財務諸表と財務状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析(「市場リスクに関する数量的・定性的な情報開示」の項目以降の部分を除く。)を更新した。本
項の記載は、後記「第6 経理の状況 3 その他 (1)決算日後の状況」の記載と併せて読まれたい。
2 【生産、受注及び販売の状況】
下記「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
3 【対処すべき課題】
下記「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のあるものを除き、当社は、その事
業または運営において解決すべき問題の存在を認識していない。
4 【事業等のリスク】
事業リスク要因
読者におかれては、以下に掲げる重要なリスク要因や、本報告書の別の箇所または米国証券取引委員会への当社
の他の提出書類などに記載されているリスク要因によって、実際の結果が、本報告書やその他の文書における将来
に関する記述と大幅に異なったものになる可能性がある点にご留意いただきたい。これらは、リスク発生の重要性
または可能性の高い順に列挙されているわけではない。なお、本項の記載は、別段の記載がない限り、2010年12月31
日時点における当社のリスク要因を示す。本項の記載は、後記「第6 経理の状況 3 その他 (1)決算日後の状
況」の記載と併せて読まれたい。
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当社は、ネットワーク・インフラストラクチャ資産の大部分の売却がさらに遅延するリスク、または売却が終了
しないリスクにさらされている。
当社は、ネットワーク・インフラストラクチャ資産の大部分のNSNへの売却に関連し、リスクや不確実性にさら
されている。そうしたリスクと不確実性には次のものが含まれる。(ⅰ)(a)中国独占禁止法上の承認の受領、
(b)売却を妨げる判決、令状もしくは命令、または売却の完結を不可能または違法なものにする訴訟手続きが存
在しないこと、および(c)当社により売却される資産への重大な悪影響がないことを含む、契約締結条件を充足
する能力、(ⅱ)取引を完結させる各会社の能力、(ⅲ)本取引の利益が当社の業績および財務成績にもたらす影
響、ならびに(ⅳ)取引完了に向けて想定されるスケジュール。かかる契約の締結完了は、中国独占禁止法上の承
認の受領遅延により、当初の予想より遅延している。さらに、当社は現在、当社のネットワークス事業における中国
の競合会社であるファーウェイ(Huawei)と訴訟を行っている。ファーウェイは、当社のネットワークス事業の売
却に関連して、一定の製品ライン、従業員および機密情報のNSNへの譲渡を禁止することを目的とした暫定的差止
命令(preliminary injunction)を求める訴えを起こした。現在、当社は、NSNへのファーウェイの機密情報の譲渡
を禁止する一方的緊急差止命令(temporary restraining order)を受けており、暫定的差止命令の申立てについ
ての裁判所の判断を待っているところである。かかる売却が完了する保証はない。現在の予定どおりに売却が完了
しない場合、当社の戦略的長期計画を実行する能力に影響を及ぼす可能性がある。
この売却計画には、当社の事業運営、経営成績または資産に悪影響を及ぼすおそれのある、または一部について
は実際に悪影響を及ぼしているその他様々な不確実性およびリスクが存在している。かかる不確実性およびリス
クには、(ⅰ)経営の妨げおよび事業運営の混乱、(ⅱ)ネットワークス事業における、従業員を採用・維持する上で
の困難、(ⅲ)当社と顧客、供給業者、ベンダーおよびパートナーとの関係に悪影響を及ぼし、その結果として事業機
会の損失を招き得る当社の将来の方向性について認識される不確実性、(ⅳ)特定の競合会社による特定の顧客へ
の干渉、ならびに(ⅴ)売却完了のプロセスが、時間と費用のかかるものであったことが含まれる。
当社の財務成績は、当社のネットワーク・インフラストラクチャ資産の大部分の売却の合意を受けて悪影響を
受けており、今後もかかる合意によりネットワーク・インフラストラクチャ機器の売上が減り続けた場合、さらに
悪影響を受ける可能性がある。
当社は、ネットワーク・インフラストラクチャ資産の大部分をNSNに売却することについての合意を発表した結
果、一定のネットワーク・インフラストラクチャ機器について売上の減少を経験した。売却が進行していることに
より、当社のネットワーク・インフラストラクチャ機器の売上が減少し続けた場合、当社の将来の財務成績にさら
なる悪影響が及ぶ可能性がある。当社は、NSNへの売却が終了するまでネットワークス事業を運営することを予定
しており、進行中の売却によって認識される不安定性が原因で売上が予想水準に達しない場合、当社の財務成績は
さらに悪影響を受ける可能性がある。
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現在の政治経済情勢の不安定性により、予算編成や予測がとても困難になり、当社の製品需要は減少する可能性
がある。
現在の国内外の経済情勢は、引き続き不安定である。これは、とりわけ米国公的機関の顧客の予算状態に関して
当てはまる。世界的経済情勢の結果、米国における失業率ならびに今も続いている中東およびその他の地域におけ
る政治紛争は、多くの経済不安および政治不安を生み出し、世界の市場に影響を及ぼした。その結果、当社が参加し
ている市場も含めて、米国および世界の経済の様々な部分の変化を見積もることが困難になった。当社の予算編成
や予測を構成する要素はすべて、当社製品の需要の予測に左右される。それ故、広がりつつある経済不安は、将来の
収支の見積もりに困難をもたらす。
当社は、イスラエルに工業技術資源を有しているが、この地域における武力衝突の結果、これらに混乱が生じる
おそれがある。当社は、また、中東全域にわたって製品およびサービスを販売しているが、当社の製品およびサービ
スへの需要に対して、当地域での政治紛争および武力衝突により悪影響が及ぶ恐れがある。将来の混乱、テロ攻撃、
国際紛争の増大および現在発生している紛争の激化の可能性は、世界的に先行きの不透明感を生み出しており、当
社製品に対する需要にも悪影響を与えている。このような当社製品の需要に対する悪影響は今後も続く可能性が
ある。
当社は、厳しい信用状況、低経済成長率、国家債務不履行のリスク、および高い失業率を含む現在の世界的経済情
勢に関連した、多くのリスクに引き続き直面している。
厳しい信用状況、低経済成長率、国家債務不履行のリスク、とりわけヨーロッパの特定の国々における高い失業
率の持続、企業による設備投資の減少およびその他の要因を含む多数の要因によって、多くの経済や金融市場が引
き続き不況に陥っており、世界的経済情勢および金融市場は依然として、政府およびエンタープライズ・コミュニ
ケーションズ市場にとって困難なものである。米国およびその他多数の国における経済成長率は引き続き非常に
低く、かかる厳しい経済情勢がどれくらいの期間続くかは不透明である。かかる世界的な経済情勢は、多くの点で
当社の事業に影響を及ぼしており、今後も及ぼし続ける可能性がある。具体的な影響として、以下が挙げられる。
・ 顧客による購買および注文の延期またはキャンセルの可能性:現在および将来における世界経済情勢不安に
より、企業および政府は購買を延期またはキャンセルする可能性があり、これまでにもいくつか事例があっ
た。それは、クレジットの更なる収縮、現金利用可能性の減少、および消費者信頼感の低下に対応した結果であ
る。将来において、世界的経済情勢により当社製品に対する需要が低下した場合、当社の財務成績に悪影響が
及ぶであろう。
・ 顧客がモトローラ・ソリューションズ製品の購買、および/またはそれら顧客の経営維持のための資金調達が
できない可能性:当社の顧客の一部は、彼らの事業資金を調達し、当社製品を購買するために、公的融資また
は政府助成金を含む多額の資金調達が必要である。モトローラ製品の購買資金を調達するため、および/また
は当社への支払義務を果たすために、これらの顧客が信用供与またはその他の資金を十分に獲得できない場
合、当社の財務成績に悪影響を及ぼす可能性があり、実際にこれまでに及ぼした事例がある。さらに、世界的経
済情勢の結果当社の顧客が支払不能に陥った場合、当社の財務成績に悪影響が及ぶであろう。
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・ モトローラ・ソリューションズのベンダー・ファイナンシングに対する顧客の要求:当社の特定の顧客、特に
大きなインフラストラクチャ・システムを購入する顧客(彼らに限定されない)は、供給業者に対して機器
購入に関する融資を要求する。銀行およびその他の金融業者からの資金調達の利用が限定されていることに
対応するため、この種の要求は、範囲および件数の双方において増大している。モトローラ・ソリューション
ズは、とりわけネットワークス事業において、これらの要求に配慮して、融資を提供し続けてきた。クレジット
市場での混乱の継続により、当社は、当社のベンダー・ファイナンシングの水準を更に増大させるか、または
上記の顧客に対する売上げを失う可能性を選ぶかのどちらかの選択を迫られる可能性がある。
・ 第三者のディーラー、販売者、および小売業者に対する、増大する金融逼迫による悪影響: 当社は、第三者の
ディーラー、販売者および小売業者を介して一部の地域における売上げを得ている。これらの第三者は、多く
が大規模な事業を展開し、利用可能なクレジットを維持している一方、他の業者は、より規模が小さい上、金融
危機により起こり、現在も続く、利用可能なクレジットの大幅な減少の影響を受けやすくなっている。クレ
ジット問題または他の財政難によって、重要な第三者が支払不能に陥り、エンドカスタマーが他の第三者から
の製品購入、または当社からの直接的購入を行うように当社がうまく切り替えることが不可能な場合、当社の
財務成績に悪影響が及ぶ可能性があり、また一部では実際に悪影響が及んでいる。
・ 主要供給業者に対する増大する金融逼迫による悪影響:顧客の需要を満たす当社の能力は、一つには、供給業
者による時宜を得た適切な高品質の材料、部品および構成部品の提供に依存している。当社の特定の構成部品
は、単一または限られた供給源からのみ入手可能である。単一または限られた供給業者が、生産能力の制約を
迫られるか、または支払不能に陥った場合、供給の中断もしくは削減または供給品の値上がりを招き、当社の
財務成績が悪影響を受ける可能性がある。さらに、単一の供給業者に対する借入制約は、当社による支払債務
の支払の前倒しを招き、当社のキャッシュ・フローに影響を及ぼした。この傾向が続いた場合、当社のキャッ
シュ・フローに悪影響を及ぼすであろう。
・ 金融取引の相手方が不履行となるリスクの増大は、当社の財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある:当社は、
通貨変動の影響がキャッシュ・フローに与える全般的なエクスポージャーを軽減するため、デリバティブ金
融商品を用いている。当社は、これらのデリバティブ金融商品の相手方による不履行があった場合、信用損失
にさらされる。契約書は複数の大手金融機関に分散されており、いずれの機関も投資適格の格付けを有してい
るものの、1つまたは複数の契約相手による債務不履行は、当社の財務表に深刻な悪影響を与える可能性があ
る。
・ 年金・退職金制度資産の収益水準および金利の変動が、将来にわたり当社の利益およびキャッシュ・フローに
影響を及ぼす可能性がある:当社の年金制度の拠出状況は、金融市場、特に株式市場の状況および利率(拠出
および費用計上を目的とした年金債務を計算するために用いられる)に影響される。
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年間年金拠出金は、政府の規制に基づいて算出され、当社の年金積立の状況、利率およびその他の要因に基づ
き算出されている。金融市場が低迷した場合、当社の拠出をさらに増大する必要が生じる可能性がある。株式
市場は非常に変動が激しいため、将来の拠出必要額に関する当社の見積は、比較的短期間のうちに大幅に変
化する可能性がある。同様に、金利の変化も当社の拠出必要額に影響を与えかねない。低金利環境において
は、将来、さらなる拠出が必要になる可能性も高くなる。
当社のネットワーク・インフラストラクチャ資産の売却後、当社はベンダー・ファイナンシングに関連する一
定の約束手形やその他の債務については引き続き保有するが、融資先との顧客/ベンダーの関係を持たなくなる。
これにより、当社は債務不履行に関してより高いリスクにさらされる可能性がある。
大規模なインフラストラクチャ・システムを購入する、当社のネットワークス事業の一定の顧客は、その供給業
者に対し、機器の購入に関連する融資を求めている。当社は、ネットワークス事業の売却が完了するまでに行われ
たベンダー・ファイナンシングに関連するすべての約束手形またはその他の債務を引き続き保有する。2010年12
月31日時点で、債務残高は約235百万ドルであった。売却後、当社は融資先と顧客/ベンダーの関係を持たなくな
り、かかる顧客は、当社への支払いに先立ってその現在のベンダーへの支払いを選択する可能性があるため、かか
る顧客の債務不履行に関し、当社はより高いリスクにさらされる可能性がある。さらに、これらの顧客の大部分は
中東で業務を行っており、かかる地域の政治的不安により悪影響を受ける恐れがある。
当社の信用格付が、当社の資本市場へのアクセス能力に影響を及ぼす可能性がある。
当社は、米国の信用格付機関の3つのうち2つの機関によりミドル・トリプルBと格付されており、残りの1つ
の信用格付機関にはロー・トリプルB(格上げの検討中)と格付されている。格付機関によって当社の信用格付が
格下げされた場合、当社の負債証券および持分証券いずれの価値および流動性にも悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の信用格付が格下げされるか、またはその他のマイナスの行為が行われた場合、リボルビング信用枠に基づく
当社の支払金利が引き上げられる可能性がある。さらに、当社の信用格付の格下げは、当社の、債券市場へのアクセ
ス、履行保証、入札保証、スタンドバイ信用状および保証書の提供、外国為替リスクのヘッジ取引、海外の関係会社
への資金提供、ならびに売掛金売却の能力を制限する可能性がある。また、当社の信用格付の格下げは、供給業者と
の取引条件を不利なものにする可能性もある。さらに、信用格付の格下げが、当社の将来の追加融資を得る能力に
影響を及ぼし、かかる融資の条件にも影響を及ぼす可能性がある。資本市場における将来の混乱や不確実性もしく
はボラティリティは、当社の資金コストの上昇を招き、資金およびその他の信用関連商品へのアクセス能力に影響
を及ぼす可能性がある。
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当社の成功は、一つには、新製品や新技術の時宜を得た発売および導入にかかっており、また、当社の業績は、新
製品や新技術への大規模な投資の影響を受ける可能性がある。
当社製品の市場は、変化の激しい技術および絶えず進化する業界基準を特徴とする。当社は、これらの市場にお
いて厳しい競争に直面しており、新製品を開発し市場投入する費用は高額にのぼる。当社の成功は主に、新たに登
場した業界基準を満たすため、また競合企業の技術や製品開発に対抗するために、新製品や現製品の改良品を、タ
イミング良く市場に投入することができるかどうかにかかっている。先進技術を取り入れた新製品の研究開発は、
高度な技術革新および投資水準とともに技術および市場動向に関する正確な理解を要する複雑で不確実なプロセ
スである。当社の製品およびシステムの多くは複雑であるため、将来、新製品または新技術の開発を完了し売り出
す際に遅延が発生する可能性がある。当社では、まだ一般に広く受け入れられていない、または商業的に実現可能
となっていない技術に経営資源を注ぐこともある。さらに、当社の製品には市場展開してから初めて発見される欠
陥や異常が潜んでいることがある。当社の製品の競争力が不足している場合あるいは適切に機能しない場合、当社
の事業が損害を受ける。
当社の業績は、統合デジタル無線通信、公安関連の統合システムなどの新製品の開発と市場投入に対する当社の
多額の投資に関わるリスクに左右される。こういったリスクには、(ⅰ)製品の開発、製造、試験および販売における
困難や遅れ、(ⅱ)顧客の製品受容度、(ⅲ)業界基準の進歩、承認および遵守、(ⅳ)新技術の開発に当社が多額の資源
を充てる必要があること、ならびに(ⅴ)同一市場で他社に対して製品を差別化し、競争を行っていく当社の能力な
どがある。
当社は、当社の事業にマイナスの影響を及ぼす可能性のある大規模な複数年システム契約に基づくリスクにさ
らされている。
当社は、市、州および全国的な政府という大口顧客との間で、複数年にわたる大規模なシステム契約を締結して
いる。かかる契約により、当社は、 (ⅰ)特に、新技術をめぐって契約が締結される場合の、当該契約における技術上
のリスク、および(ⅱ)大規模契約に関連する費用や営業成績に与える影響の予測に伴う見積もりなど、当該契約に
基づく財務上のリスクを含むリスクにさらされている。当社はまた、システム契約が大規模化かつ複雑化するにつ
れ、従来のシステムインテグレーターや防衛産業界との競争激化に直面している。政治状況の展開も、こうした大
規模システム契約の性質やタイミングに影響を及ぼす場合もある。さらに、官公庁の顧客からの複数年契約ではし
ばしば、初めのうちは一部の資金しか受けられないことがある。政府計画への補助金の終了は、かかる計画による
予想された将来収益の損失を招き、当社の収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。
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加えて、官公庁の顧客は、公安システムの設計、構築、管理および運営につき、当社と他のシステム・プロバイ
ダーとの提携(多くの場合は複数年にわたる合弁事業の設立による提携)を必要とするマネージド・サービスを
提供することを求めるようになってきている。このような官民のパートナーシップにより、当社はネットワークの
利用可能性、信頼性、メンテナンスおよびサポートにおけるリスクを負い、またこれらにおける顧客の要求を満た
す特定の基準に合意しなければならない可能性がある。かかる基準が満たされない場合、当社は支払いを受けられ
ない恐れがある。BOO(build-own-operate)、または場合によってBOOM(build-own-operate-maintain)もしくは
BOOT(build-own-operate-transfer)と呼ばれる、かかるプロジェクトの方式によっては、機器の売却による収益
を一定期間にわたり認識できない可能性があり、当該期間は数年にわたる可能性もある。かかるBOO、BOOMおよび
BOOTの取り決めは、当社にリスクを移転するものであり、当社がかかる契約の条件を満たすことができない場合、
当社の収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の一部の事業は、高度に規制され、米国政府代表者による監査審査の対象であり、取り消される可能性のあ
る、米国政府の契約および補助金に依存している。かかる監査により好ましくない調査結果が出て、当社の事業に
マイナスの影響を与える可能性がある。
当社の政府事業は、多くのコンプライアンス要件を含む特定の調達規則の適用を受ける。これらの要件は米国政
府の契約における慣例ではあるが、当社の業務コストおよびコンプライアンスコストを増大させるものである。か
かるコストは将来的に増大する可能性があり、それにより当社のマージンを減少させ、当社の財務状況に悪影響を
及ぼす可能性がある。かかる要件に従わなかった場合、米国政府から契約または下請け契約の一定期間にわたる停
止または締出しを招く可能性や、将来的に補助金を受けることができなくなる可能性がある。締出しの根拠として
は、調達における廉潔、輸出管理、米国政府保安規則、雇用慣行、環境保護、記録の正確性、費用の正確な記録、および
国外での腐敗に関連する法律を含む、さまざまな法律の違反が含まれる。
一般に米国政府の契約および補助金は、米国政府代表者による監査審査の対象である。かかる監査により、当社
の契約や補助金は調整される可能性がある。特定の契約または補助金に不適切に割り当てられたと判断された費
用は許可されないことがあり、かかる費用がすでに払われている場合、返済しなければならない可能性がある。将
来の監査および調整(要求された場合)は、監査の完了および最終交渉後、当社の収益または利益を著しく縮小さ
せる可能性がある。マイナスの監査結果は、調査、契約もしくは補助金の終了、利益もしくは支給金の没収、支払の
停止、罰金、および米国政府との事業の停止もしくは禁止を招く可能性がある。全ての米国政府との契約は、米国政
府の都合により取り消されることがある。
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当社の利益の一部は、多額の前払い費用およびリスクを伴う競争入札により事業を与える政府顧客から得てい
る。かかる努力にかかわらず事業の獲得ができない、あるいは当社が獲得した契約の履行にかかる費用を正確に予
測することができない可能性があり、当社の将来の収益性に好ましくない結果をもたらす可能性がある。
一部の政府顧客は、競争入札という過程を通じて事業を与えるが、これは競争を促進し、価格圧力を増大させる
ものである。競争入札の過程には、当社に与えられない可能性もある契約への入札の準備のための多大なコストお
よび管理時間を伴う。当社が契約を獲得した場合も、契約の履行に必要な資源および費用を正確に予想できない場
合があり、このことが当社に与えられた契約の収益性にマイナスの影響を与える可能性がある。さらに、契約の獲
得後、顧客による遅延、競合会社の抗議または競争入札により獲得した困難な契約により、多額の費用もしくは著
しい遅れ、契約変更または契約解除を招く可能性がある。
政府によるラジオ周波数の規制は、パブリックセーフティ・ブロードバンド・システムの成長を制限し、あるい
は新規参入者の障壁を削減する可能性がある。
ワイヤレス・サービスを提供するためにはラジオ周波数が必要である。米国やその他の国では、周波数の割当て
が規制されており、ワイヤレス・サービス、とりわけパブリックセーフティ利用者へのワイヤレス・サービスに割
り当てられる周波数幅は限定されている。(ⅰ)パブリックセーフティ利用者に割り当てられた周波数へのアクセ
スに関連する規制により、(ⅱ)十分な周波数が割り当てられない場合、あるいは(ⅲ)現在、かかる用途に対して割
り当てられている周波数をより良く利用するための新技術が開発できない場合、パブリックセーフティ・ブロー
ドバンド通信システムの成長が影響を受ける可能性がある。また、産業の成長は、周波数の使用にかかる新規のラ
イセンス料にも影響されることがある。
米国は、世界に先駆けて周波数の自由化を行っており、新たなワイヤレス通信技術の開発と発売を可能にしてい
る。その例として、WiFiなどのワイヤレス・ローカルエリア・ネットワークシステム、メッシュ技術、およびWiMAX
やLTEなどの広域ネットワークシステムが挙げられる。その他各国においても、上記やその他の技術の展開を可能
にするため、周波数の一部を自由化した。それにより、こうした技術を提供できるようになった。自由化は、当社に
新たな競争とチャンスをもたらす可能性がある。
米国は現在、いわゆるDブロック周波数と呼ばれる700MHz周波数ブロックの10MHzを、パブリックセーフティに割
り当てることを検討している。あるいは、連邦通信委員会(以下「FCC」という。)が提唱しているように、Dブロッ
ク周波数を民間のキャリアの競売にかける可能性もある。Dブロック周波数がパブリックセーフティに割り当てら
れなかった場合、当社の次世代のパブリックセーフティ通信システムを提供する能力にマイナスの影響を与え、そ
の結果、当社の事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
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当社は、世界中に顧客および供給業者を有しているため、グローバルな事業展開をしていない他の企業が直面す
ることのないようなリスクにも対応しなければならない。
当社の顧客および供給業者は広く世界中にわたっており、収益の40%超を米国外の顧客に対する売上が占めて
いる。また、当社は米国外の国々に多くの製造・研究開発・管理・販売施設を有しており、当社従業員の50%超が
米国外で雇用されている。当社供給業者の事業の大部分は、米国外の企業であり、また当社製品の大部分が米国外
で製造されている。
米国外で大規模な販売・営業活動を展開するすべての企業と同様に、当社も、売上高や収益性に悪影響を及ぼし
かねないリスクにさらされている。具体的には、次のようなリスクがあるが、これらに限定されるものではない。
(ⅰ)輸入/輸出規制、関税、貿易の障壁、貿易摩擦、関税分類および証明(分類の変更または当該分類や証明に関す
る誤りもしくは省略を含むが、これらに限定されない。)、(ⅱ)貿易、環境、健康・安全、技術規格および消費者保護
に関する米国内外の規則の変更、(ⅲ)支払サイクルの長期化、(ⅳ)税法の変更、各国の税法の違いや米国との相違、
税制優遇措置契約に基づく義務、海外で得たあるいは保有する現金を税効率の良い方法で本国に送金する際の困
難、および現金送金に対する現地国の承認を得ることの困難などを含む、税金問題、(ⅴ)為替変動、特に、中国人民
元、ユーロ、マレーシア・リンギットおよび英国ポンドにおける変動、(ⅵ)外国通貨を交換または本国に送金する
当社の能力を制限する可能性のある外国為替規制、(ⅶ)売掛金の回収困難、(ⅷ)文化や言語の違い、(ⅸ)雇用に関
する規制および現地の労働条件、(ⅹ)外国における知的財産保護の難しさ、(xi)インフレーション、景気後退およ
び実際のあるいは予想される軍事紛争または政治紛争など、不安定な経済・政治状況、(xii)自然災害、(xiii)公衆
衛生問題や流行病の発生、(xiv)当社が受領する利益に悪影響を及ぼす法令の変更、(xv)上記の各要因が当社の外
注や調達の取り決めに及ぼす影響、ならびに(xvi)外国の裁判所システム上の訴訟および行政手続。
米国外で製造される当社製品の多くがアジア(主としてマレーシア)およびラテンアメリカ(主としてメキシ
コ)で製造されている。これら地域での製造活動に支障が生じた場合、当社の全般的な生産能力は大幅な減産を余
儀なくされ、売上高または収益性に悪影響が及ぶだろう。さらに、中国の法制度は依然として整備途上にあり、この
ような中国の法制度および世界中におけるその他の法制度は変更される可能性がある。したがって、中国における
当社の事業と製品に対する発注は、中国の法律の変更やその解釈により悪影響を受けるおそれがある。
当社はまた、インド等の新興市場において、当社の存在感を示している。当社は、新興市場において、当社製品に
対する需要の創出、これらの国における法律または法律の解釈の変更によるマイナス影響を含むさらなる課題に
直面している。
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当社はさらに、当社の米国外における事業運営が、当社の従業員、請負業者、代表者または代理人により、海外腐
敗行為防止法またはその他の同様の贈賄防止法に違反する形で行われるおそれがあるというリスクにもさらされ
ている。当社はこれらの法律を遵守するための方針および手続きを有しているものの、当社の従業員、請負業者、代
表者および代理人が、当社の方針に反する行動をとる可能性がある。このような違反は、当社の事業に対して悪影
響を及ぼすおそれがある。さらに、当社は、当社の贈賄防止方針および手続が、当社製品の販売またはその他のサー
ビスの提供を支援している第三者販売代理店またはその他の代理人により、これらの代理店または代理人が当社
の従業員ではなく、その行為を監督することがより一層難しいために、違反される可能性があるというさらなるリ
スクに直面している。
米国外市場における当社の事業運営または販売に変更があった場合、当該地域における利益を喪失し、事業運営
コストが増加するおそれがある。
当社は、米国外の政府、機関または類似の組織との間で、当社がその事業運営および/または当該地域における
販売に関連して一定の利益を受領することを定めた様々な契約を締結している。当社の状況が変わり、事業運営ま
たは売上が当初期待されていた水準に到達しなかった場合(履行不可能な、モトローラ・モビリティ分社化前の
債務によるものを含む)、当社は、すでに支払われた利益を払い戻さなければならないリスク、およびこれらの利
益の一部または全てを失い、かつ事業運営コストが増加するリスクにさらされる可能性がある。
当社の実効税率に変更があった場合、収益に悪影響を与えるおそれがある。
当社は、米国における所得税納税義務のほか、多くの外国課税管轄に服している。当社の実効税率は、法定税率の
異なる管轄での課税所得の組み合わせの変更、課税所得税法および会計原則の改正、繰延税金資産および負債の査
定の変更、優遇税制に関する合意上の義務の不遵守、納税申告の準備の過程での新情報の開示、控除不可能な費用
の増加、または海外で保有する現金の節税効果のある方法による送金の困難により、マイナスの影響を受ける可能
性がある。
また、税務監査も当社の実効税率にマイナスの影響を与える可能性がある。当社の所得税申告は、継続的な調査
を受けており、税務当局は当社の税務に対する姿勢に反対し、追加課税を課す可能性がある。当社では、こうした調
査が当社に不利な結果をもたらす可能性について定期的に評価し、当社の所得税の引当金の妥当性について判断
している。これらの税務当局による継続的な調査の結果が将来の営業成績に不利な影響を及ぼさないという保証
はない。
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当社製品の品質が顧客の期待に添っていない場合、当社の売上高と営業利益、最終的には当社の評判にも悪影響
が及ぶおそれがある。
当社が販売する一部の製品には、設計や製造、あるいは製品に使われるソフトウェアが原因となって、品質上の
問題が生じることがある。これらの問題は、時として、当社が他の製造業者または供給業者から購入している部品
によって引き起こされる可能性がある。こういった問題はしばしば、製品出荷前に判明し、顧客への製品出荷に遅
れをきたしたり、顧客による注文のキャンセルにつながったりしている。また、製品が顧客に出荷された後になっ
て、品質問題を発見することもあり、顧客に及ぼす支障ができるだけ少ない時宜を得た方法で、かかる問題を解決
する必要に迫られることもある。このような出荷前・出荷後の品質問題は、収益の認識の遅れや、収益または将来
の受注の落ち込み、契約上の要件を守れなかったことにより顧客が当社に課す違約金、製品の修理・交換に関連す
る費用の増大、ならびに営業上の信用やブランド名の評判への悪影響など、法的・財務的な問題につながる可能性
がある。
さらに、品質問題が製品の安全性や法規制の遵守に影響を及ぼす場合は、そのような「欠陥」製品をリコールす
る必要が生ずる可能性がある。欠陥の性質や対象となる製品数次第では、かかるリコールにより、将来の受注高の
落ち込みや当社のれん/ブランドの評判への損害に関連する費用に加えて、莫大なリコール費用を当社が負担し
なければならないおそれがある。また、顧客との契約によっては、不履行が発生した場合に、当該契約から当社が得
る収益を上回る賠償金を支払う必要が生じるかもしれない。法域によっては、政府との契約における賠償責任の制
限が法的に認められない場合がある。規制当局が関わるリコールについては、罰金や追加費用を伴う可能性もあ
る。最後に、リコールは、その製品の使用によって生じた被害を訴える人々による第三者訴訟につながる可能性が
ある。
当社の部品や製品の多くは、第三者への委託により設計・製造されており、そのような第三者が十分な品質管理
を行わなかった場合や、当該第三者の財務または経営状態に大きな変化があった場合、当社の事業に悪影響を及ぼ
す可能性がある。
当社は、その多くの構成部品や完成品の設計・製造に関して、第三者に依存している。(ⅰ)当社の事業に必要
な能力・生産量を有する当該第三者製造者を当社が確保できない場合、(ⅱ)当該第三者が十分な品質管理を行
わず、良質な構成部品や製品を期限どおりかつ妥当な価格で提供できない場合、または(ⅲ)それら第三者の財務
または経営状態に大きな変化があった場合、当社は注文の処理が難しくなり、売上高や利益の減少を招くおそれが
ある。
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当社は、多くの契約に基づく履行において、下請業者のサービスを利用しており、当社の下請業者がサービスを
提供できない場合、当社の製品またはサービスをタイムリーに、満足のいく方法で製造・提供できなくなる可能性
がある。
当社は多くの契約について、下請業者に委託している。当社は、下請業者の提供するサービスの品質および適時
性に関してなど、下請業者と紛争になる可能性がある。当社の下請業者は、供給する原材料、部品、サブシステムお
よびサービスの品質を確保または維持できない可能性があり、これにより、商品の返品の増大、サービスにおける
問題、および保証請求を引き起こす可能性があり、当社の事業、財務状況および営業成績が悪影響を受ける可能性
がある。
当社の供給業者が、容認可能な事業倫理慣行を実施しないことにより、当社事業に悪影響が及ぶおそれがある。
当社は、当社の供給業者に対し、労働条件、雇用慣行、環境コンプライアンスならびに商標および著作権ライセン
スに関する適用法、適用規則および適用規制に従い事業運営を行うよう要求することを方針としている。ただし、
当社は、供給業者の労働およびその他の事業慣行を統制しているわけではない。当社の供給業者のいずれかが、労
働法もしくはその他の法を犯した場合、または非倫理的とみなされる労働もしくはその他の事業慣行を実施した
場合、完成品の当社への出荷の阻害、注文のキャンセル、関係の断絶および当社の評判への悪影響を招くおそれが
ある。当社の供給業者のいずれかが、商標、著作権および特許について必要なライセンス権を獲得しなかった場合、
当社に対して法的措置がとられるおそれがある。その結果、当社の商品在庫の市場性へ悪影響が及び、第三業者に
対して金融債務を背負う可能性が生まれる。上記に挙げた出来事は、いずれも、当社の売上および営業成績に悪影
響を及ぼすおそれがある。
当社の成功は、一つには、効果的な戦略的提携を形成できるか否かにかかっている。こういった提携の取り決め
が期待どおりに進まない場合、当社の事業は悪影響を被るおそれがある。
当社は現在、製品やサービスに対する顧客の要求を満たすとともに、設計・技術分野において革新的な進展を遂
げるために、業界のリーダー企業およびその他の大規模な組織と提携している。一部の提携により、自社の生産能
力を補うとともに、次世代技術の開発費用を分担することが可能となっている。その他の提携は、当社が顧客によ
り多くのサービスおよび機能を提供することを可能としている。しかしながら、多くの場合、当社は、提携関係を持
つ会社とある事業分野においては競争しつつ、同時に当該会社と他の事業分野では協力しなければならないため、
このような取り決めにはいくらかのリスクが伴う。このような取り決めが予想したとおりに展開しなかった場合、
当社の事業に悪影響が及ぶ可能性がある。
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当社は、一部の当社製品の販売については、委託販売業者、販売代理人および小売業者に依存している。
当社では、自社の販売チームだけではなく、様々な委託販売業者、販売代理人および小売業者を通じて製品を提
供している。当社の販売業者または販売代理人もまた、当社製品と競合するその他の製品を販売する可能性があ
る。委託販売業者または販売代理人による当社製品の販売促進が中止・解約されたり、効果的に販売促進が行われ
ない場合や、こういった販売業者や販売代理人または小売業者の財務・事業状況の変化も、製品を市場に送り出す
当社の能力に影響を与えることになる。
当社の将来の営業成績は、当社の顧客の需要を満たすための十分な量の材料や部品、構成部品を調達する能力に
左右され、供給量の減少や供給中断が発生したり、供給品の価格が大きく上昇したりすると、当社の事業に悪影響
を及ぼす可能性がある。
顧客の需要を満たす当社の能力は、一つには、供給業者による時宜を得た適切な高品質の材料、部品および構成
部品の納入に依存している。当社の製品に対する需要が現在の予想を上回る場合、供給不足が発生する可能性があ
る。これまでにも供給不足が発生し、そのために当社の営業に悪影響を生じたことがある。供給不足を起こさない
よう当社は供給業者と密接に協力しているが、将来供給不足が発生せず、そのような不足が当社の業務にマイナス
の影響を与えないという保証はない。
さらに、当社の部品の一部は、単一の供給源あるいは限られた少数の供給源からしか入手することができない。
当社がタイミング良く供給源を分散化できるとは限らない。供給品の減少や供給中断が発生したり、供給品の価格
が大きく上昇したりすれば、当社の事業に悪影響が生じるおそれがある。さらに、現在ある当社と特定の供給業者
との間の契約の約定がかかる供給業者により取り消されたり、更新されなかったりする場合があり、そのため、供
給の減少や中断に対する十分な保護がなされない可能性がある。加えて、これらの単一の供給源あるいは限られた
少数の供給源である会社が当社との契約に違反した場合、当該違反に対する法的救済は、当社が課される損害賠償
を填補するのに十分でない可能性がある。
当社は、知的財産権に関する多くのリスクに直面している。
(ⅰ)当社、当社の顧客および/または当社の供給業者が第三者の知的財産権を侵害していることが判明した場
合、(ⅱ)当社の供給契約における知的財産補償が、供給製品による第三者知的財産権の侵害による損害および損失
を補填するのに不十分である場合、(ⅲ)当社が顧客に対して広範な知的財産補償を提供することを要求された場
合、(ⅳ)当社の知的財産権の保護手段が当社の財産権を守る上で不十分であった場合、あるいは(ⅴ)当社の競合企
業がライセンスを受けた知的財産につき極めて有利な条件での取引を交渉してきた場合、当社事業に損害が生じ
ることになるだろう。また、該当するオープンソースライセンスに基づき、当社がオープンソースのソフトウェア
・コードまたはオープンソースのコードを含む第三者によるソフトウェアのいずれかを利用した結果、当社が内
部開発した特定のソフトウェア関連の知的財産を公表せざるを得ない場合、当社は損害を被る可能性がある。
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当社の製品(その大半を、部品購入またはソフトウェアのライセンス供与を通じて供給業者より取得してい
る。)は、複雑な技術で構成されているため、当社はしばしば特許その他の知的所有権をめぐる、ライセンスの請求
および訴訟の双方を含む主張の当事者となり、またはかかる請求および訴訟の影響を受けている。現在までにも当
社によって、また当社の顧客および供給業者によって知的財産権を侵害されたという申立てを第三者から受けた
ことがあり、今後もそのような申立てを受けるかもしれない。これらの当社ならびにその顧客および供給業者に対
する主張は、当社の製品の多様性が増すにつれ増加している。かかる主張の多くは従前の当社モバイルデバイスお
よびホーム事業に向けられたものであったものの、当社は依然として、モトローラ・モビリティに関する本件配当
以前に当社に対して起こされた、当社の複数の事業にわたる訴訟を含む、かかる申立てのリスクを負っている。こ
れらの主張の多くは、製品を製造する企業から特許ライセンスに基づく収益を確保することを主たるビジネスモ
デルとしている非事業会社によって申し立てられている。特許権所有者は、ライセンス料として売上の一定割合の
支払いを求め、または当社によるライセンス取得に圧力をかけるための差止命令を求め、あるいはその両方を求
め、しばしばその特許の当社製品への適用性について幅広く全面的な申立を行っている。こういった申立てに対す
る弁護は、費用が多額になり、当社の経営陣やその他の従業員の時間や労力が本業から奪われることとなる可能性
がある。広範囲な差止命令による救済に訴える第三者がますます増え、当社は、当該請求の対象となっている知的
財産を伴う製品を米国内またはその他の地域において販売する能力を制約されるおそれがある。このような訴訟
が当社に有利に運ばない場合、賠償金を支払うために巨額の資金の支出を要求され、または第三者の知的財産権を
侵害しないような知的財産の開発や、かかる訴訟の対象となっている知的財産のライセンスの獲得が必要となる
おそれがある。そして、このような場合においては、当社の財務成績に悪影響が及ぶおそれがある。しかしながら、
そのようなライセンスがそもそも利用可能であるか、そしてそうであるとしても商業的に妥当な条件で当社に提
供されるか否かについては不明である。時として、当社または当社の顧客もしくは供給業者が最終差止命令を受け
た場合、当社は一定の製品の納入を中止させられる可能性がある。
当社は、当社の供給業者との間で、第三者知的財産権の侵害に関する有利な知的財産補償について交渉しようと
試みている。しかしながら、当社が交渉を成功させるという保証、または供給業者の補償が侵害製品により当社お
よびその顧客が被ったすべての損害および損失を補填するという保証、または供給業者がライセンスを受け入れ
ることを選ぶか、もしくは当該損害および損失を軽減するようにその製品を修正し、もしくは非侵害製品と交換す
るという保証はない。さらに、当社は、供給業者が関与している知的財産訴訟に参加することができない可能性が
あり、また裁判所が供給業者の製品につき禁止命令を出す処分を下すか、または国際貿易委員会が米国への当社製
品の輸入を阻害する排他的命令を下した場合に当社の売上に悪影響を及ぼす可能性がある最終決議もしくは結果
に影響を与えることができない可能性がある。供給業者が関与する知的財産紛争の結果生じる、当社の国際貿易委
員会の手続きへの関与の頻度は増加している。かかる手続きは費用がかかり、当社が供給業者の部品を使用したこ
とにより、米国への当社製品の輸入が禁止されるリスクを伴うものである。
さらに、当社に対し、顧客に対する知的財産訴訟の結果として生じたすべての損害および損失を幅広く補償する
ことを要求する顧客が増えてきている。
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当社の特許その他の知的財産権は重要な競争手段であり、ライセンス契約に基づき収益を生み出す可能性があ
る。当社では、我々の知的財産を専有のものとみなしており、特許や著作権、商標、営業秘密法、秘密保持契約その他
の手段により知的財産権の保護を図っている。また、当社の専有情報の入手・利用やそれらの配布を原則として禁
止している。こういった対策にもかかわらず、第三者が当社の専有情報を入手・利用したり、同様の技術を独自に
開発したりする可能性は否めない。さらに、一部の外国では、有効な特許や著作権、商標権、営業秘密の保護が利用
できなかったり、制限されているところもある。第三者による当社の知的財産権の不正使用や、当社の知的財産権
を執行するために必要な訴訟の費用は、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社が事業を拡大し(買収を通じての場合を含む。)、また新規市場において新規競争相手と競争するにつれ、
これらの新たな分野における当社の知的財産権ポートフォリオの幅および強さは、当社の長年にわたる事業にお
けるものほど発達しない可能性がある。これにより、当社は、これらの新規市場における競争相手からの訴訟およ
びその他の問題が増大するというリスクにさらされる可能性がある。さらに、競争相手が当社よりもはるかに有利
な条件で知的財産のライセンスを得るべく交渉を行うことができる可能性があり、その場合、競争相手が競争上の
優位性を得ることとなる。
モトローラ・ソリューションズを構成する事業が有する知的財産関連のリスクはこれまで、モトローラ・モビ
リティとともに譲渡されたその他の事業が有するものと比較して低かった。しかし、モトローラ・ソリューション
ズの製品が、業界基準の技術の採用等により、その他の事業のものと似てきたため、モトローラ・ソリューション
ズの知的財産関連リスクは上昇する可能性がある。
当社は、今後も、他企業・事業の戦略的買収を続けていく可能性があるが、こうした買収により、買収先事業の統
合や買収による利益実現に関するリスクをはじめとする重大なリスクと不確実性がもたらされる可能性がある。
成長の機会を最大限に利用するために、当社は、大きなリスクと不確実性を伴う戦略的買収を行ってきたが、今
後もこの方針を踏襲することが考えられる。そうしたリスクと不確実性には次のものが含まれる。(ⅰ)新たに取得
した事業や業務活動を効率良く効果的に統合する際の様々な困難、(ⅱ)戦略的目標、コスト節減、および買収から
期待されるその他の利益を実現する際の様々な課題、(ⅲ)当社が参入する市場が予想した展開を見せず、取得した
技術が当該市場での成功に必要なものではないことが判明するリスク、(ⅳ)買収先企業の幹部従業員の流出可能
性、(ⅴ)経営幹部の注意を当社の事業活動以外のものに向ける際のリスク、(ⅵ)当社による経験が浅い新市場への
参入の際のリスク、(ⅶ)財務報告および内部統制を統合することに関連したリスク、(ⅷ)買収先の事業に対応する
ために、当社の情報技術システムやその他の事業プロセスを拡張する際の困難、ならびに(ⅸ)買収先事業ののれん
の将来の減損。
当社が参入している業界の買収先候補の相対的評価(売上に基づくもの)は、当社よりも高い場合がある。この
ことは、特にソフトウェアとサービス事業において顕著である。モトローラ・ソリューションズよりも評価額の高
い事業の買収は、特に、買収事業の収益が少ない、あるいはゼロだった場合に当社の1株当たり利益の希薄化につ
ながる可能性がある。さらに、当社は、短期的な利益の大幅な希薄化につながるような買収案件を実行しない可能
性があり、実際に過去においてそのような買収の一部を見送ったこともある。
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買収先企業の幹部従業員は、支配権の変更合意、ストック・オプション行使権の期限繰り上げおよびその他の株
式ベースでの報酬を受ける権利に対する制限の撤廃という形での取引に関連して、多額の支払いを受ける場合が
ある。当社は、こうした人材を引き止め、買収事業を統合するために、雇用上のインセンティブを追加的に提供する
可能性もあるが、それでもこうした人材を引き止めることが難しい可能性がある。
当社は、のれんまたはその他の長期性資産減損費用の計上を求められることがあり、その結果、当社の収益に大
きな追加損失が発生するおそれがある。
一般会計原則に基づき、一定の事由または環境変化によって、帳簿価格の回収不可能性が示された場合、当社は、
長期性資産について減損テストを行っている。のれんの減損テストは、最低、年に1回は実施される。のれんまたは
無形資産の回収可能性を査定する上で考慮される要因には、当社の株価または時価総額の下落、将来のキャッシュ
・フローに対する見積りの減少、および当社が参入している業界の成長率低下が含まれている。2010年度または
2009年度中、のれんまたは長期性資産に関する減損費用は計上されなかった。2008年度、当社は、のれんに関して16
億ドルの減損費用を計上した。のれんの減損費用は、市場全体における資産価値の低下および当社の短期予測にお
けるマクロ環境の影響により発生した。当社の株価の下落または当社の将来的なキャッシュ・フロー見積りおよ
び将来の営業成績の低下により、当社は、将来において、のれんまたはその他の長期性資産の減損費用を大幅に追
加計上することが要求される可能性があり、これが当社の財務成績に悪影響を及ぼすおそれがある。
当社が競争力を保つために必要なエンジニアやその他の高度な技術を備えた従業員の採用・確保が困難になる
おそれがある。
ハイテク業界では、中核を担う技術要員の獲得をめぐって熾烈な競争が繰り広げられている。当社では、将来の
成功が、効果的な新製品を開発するために必要とされる、有能なエンジニアほか高度な技術を持つ従業員を当社が
引き続き採用し、会社に同化させ、確保し続け、そしてその能力を活用することができるか否かに大きく左右され
ると考えている。こういった有能な人材の採用、同化、確保および活用において、当社は競合他社に後れを取るかも
しれない。
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当社の成功は、一部には、当社が経営幹部および幹部従業員を引きつけ、確保し、さらに承継制度を用意する能力
に依拠している。
当社の最高経営責任者、経営幹部およびその他の幹部従業員の業績は、当社の成功にとって極めて重要なもので
ある。当社が優れた大変有能な経営幹部およびその他の幹部従業員を確保すること、または必要となったときに彼
らを惹きつけることができない場合、当社に悪影響が及ぶおそれがある。当社は、当社および当社の業界に固有の
知識を有している交代し難い当社の経営幹部の経験に依拠しているが、通信業界において経験を有する経営陣を
めぐる競争は激化している。最高経営責任者、経営幹部のメンバー、または幹部従業員を特に競争相手に引き抜か
れた場合も、当社は競争上の不利益を被るおそれがある。さらに、当社が当社の最高経営責任者、経営幹部およびそ
の他の幹部従業員の承継を十分に計画できなかった場合、当社は悪影響を受けるおそれがある。
係属中もしくは将来の訴訟、または行政措置で当社に不利な結果が出た場合、当社に悪影響が及ぶおそれがあ
る。
当社の財務成績は、海外腐敗行為防止法またはその他の贈賄防止法に関するものを含む係属中もしくは今後の
訴訟、または行政措置で不利な結果が出た場合、悪影響を受ける可能性がある。本報告書第一部第6、3(2)「訴
訟等」の項を参照のこと。いずれの訴訟についても、その結果が当社に有利なものになるか否かについては何らの
保証もない。さらに、訴訟の弁護はとても費用がかかる可能性があり、これらのコストは、当社の財務成績にマイナ
スの影響を及ぼすおそれがある。
各種の保険に入ることができるかどうかは当社にとって重要なことであり、入れない場合はリスクを自社で抱
え込まざるを得なくなる。
当社は、各種の保険に加入しており、一部のリスクおよび責任についての自家保険もかけている。大部分の保険
の費用および利用可能性は安定しているが、未だに取得が困難な種類や水準の保険もある。自然災害ならびに有価
証券に関する請求や企業責任により生じる一定のリスクは、当社の財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある潜在
的な自家保険に係る事項である。さらに、当社は一定のリスクに対する保険に入っているものの、当社の保険金の
金額は、すべての請求や債務を十分にまかなうことができない可能性があり、その場合、当社が事故、事件または請
求から生じる大きなコストを負担することを強いられる可能性がある。
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当社は、様々な製品規制および安全性、消費者、労働者の安全や環境に関する法律の適用下にある。
当社の事業そして当社が製造・販売を行う製品は、様々な世界規模の法律の適用を受けている。既存あるいは将
来の法律を遵守することで、当社が将来的に費用や負債を背負ったり、当社の生産能力に影響が及んだり、当社が
施設を売却・拡張・取得する能力に制約が加えられたり、また、全般的に当社の財務成績に影響が及ぶ可能性があ
る。これらの法律の一部は、一定の物質の使用や処理、浄化のほか、それによる汚染に関連したものである。米国で
は、法律により多くの場合、過失の有無を問わず、また、しばしば、発生した当時には合法であった行動や不作為に
対して、是正措置や研究のための資金を拠出することを当事者に義務付けている。当社は、引き続き処理費用を負
担しており、また継続して是正の義務を負っている。米国の環境法の変更や、当社がこれらの法律に基づく更なる
義務を負うとされた場合、当社の財務実績に悪影響が及ぶ可能性がある。
電気製品および付属品のエネルギー効率、電気製品およびパッケージ双方のリサイクル、電気製品に含まれる一
定の有害物質の削減もしくは排除、ならびに電池の輸送に重点を置く法律が、大幅に拡大し続けている。電子製品
のユーザー補助機能、コネクターおよび電源装置の標準化、リチウムイオン電池の輸送、およびその他の特徴に関
する法律も、広まっている。
これらの法律は、当社の製品に影響を及ぼし、当社が製品を製造および販売する上での競争力に悪影響を及ぼす
ものである。当社は、これらの傾向が継続するものと予測している。さらに、当社は、製品から一定の成分を削減ま
たは排除することに関する任意の基準を満たすこと、エネルギー効率を高めること、およびさらなるユーザー補助
を提供することに対する顧客の需要が増加するものと見込んでいる。
当社は、コンゴ民主共和国およびその隣接諸国で採掘された鉱物を含まない構成部品や部品の十分な供給量を
確保することができない可能性があり、当社の製品がかかる鉱物を含まないことを証明できない場合、かかる構成
部品や部品の供給不足が生じたり、当社の評判に傷がついたりする可能性がある。
ドッド=フランク金融制度改革・消費者保護法(The Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer
Protection Act)には、コンゴ民主共和国およびその隣接諸国(以下「DRC」という。)で採掘された「紛争」鉱
物の利用に関する開示要求、およびかかる「紛争」鉱物の調達を防ぐための製造会社の取り組みに関する手続き
が含まれる。米国証券取引委員会はかかる要求を実施する最終規則を2011年4月まで施行しないと予想されるが、
かかる要求の実施は、当社にDRCコンフリクト・フリーの構成部品や部品を提供できる供給業者を限定する可能性
があり、当社は、当該要求が提示するDRCコンフリクト・フリー指定を満たす製品を当社が十分な数量確保するこ
とができると断言することはできない。また、当社のサプライチェーンは複雑であるため、当社製品に使用される
「紛争」金属と定義されたものの原産を十分に証明することができない場合、当社は顧客、他の株主および活動家
グループとの、当社の評判に関わる問題に直面する可能性がある。
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政府政策や法律の変更、資金拠出あるいは経済状況の変化が、当社の財務成績に悪影響を及ぼすおそれがある。
当社の業績は米国および米国外の政府、官公庁ならびに同種の組織の貿易、金融および財政政策、法令規則、その
他の行為の変更によって影響を受ける可能性がある。とりわけ、当社の政府事業の財務成績は、助成金の利用可能
性を含むパブリックセーフティ・プロジェクトへの政府拠出の水準が低下することにより、悪影響を受ける可能
性がある。また、アジア、インド、ラテンアメリカおよび東欧の新興市場や、中東など政治的対立や戦争が継続して
いる市場をはじめとして、当社の事業活動に影響を与える社会的および経済的状況も、当社の業績に悪影響を及ぼ
しかねない。
当社の事業運営は、複雑なIT(情報技術)システムやネットワークに依存している。システムやネットワークに
重大な障害が発生した場合、当社の事業や売上高、営業成績に悪影響が及ぶおそれがある。
当社の事業は、複雑なITシステムやネットワークが効率的に、断絶なく稼働することで成り立っている。これら
のシステムやネットワークは、一部は当社内にあり、またその他は外部から調達している。しかし、どのITシステム
も、コンピューター・ウイルスやセキュリティ侵害、停電、自然災害、テロ、戦争、通信障害など様々な原因で発生す
る障害や中断に対して脆弱性を有している可能性がある。また、新規導入やアップグレードした事業管理システム
に欠陥があったり、適切にインストールされていなかった場合にも、システムやネットワークが中断することがあ
る。当社では、システムやネットワークの中断に関連するリスクを管理するために様々な対策を実施しているが、
システム障害やセキュリティ侵害は当社の営業成績や財務成績に悪影響を及ぼしかねない。その上、こういった中
断やセキュリティ侵害による損害を修復するために、さらなる費用を負担する可能性もある。
当社の株価は変動を続けているが、今後もこの傾向が続く可能性がある。
当社の株価は、一般的に変動の激しい証券市場、特に通信・技術系企業の証券市場の不安定さ、およびモトロー
ラ・モビリティにかかる本件配当を反映して、変動しやすくなっている。財務成績以外に、当社株価に影響を与え
る要因としては、当社業績に対する市場予測、当社顧客の支出計画、および当社が参入する業界の成長見込みなど
があげられるが、これらに限定されない。
当社は、モトローラ・モビリティの分社化により生じた大きな過剰コストを抱えており、新たなコスト削減措置
を実施しなければならない。当社がこれらの措置を完了できるかどうか、またこうした措置がすでに実施された措
置以上に事業に及ぼす影響は、様々な要因に制約される。また、コスト削減措置によって今度は、当社が新たな生産
上のリスクにさらされたり、当社の売上高、収益性および従業員を引き付け、確保する能力に悪影響が出たりする
可能性もある。
モトローラ・モビリティに関する本件配当の結果、これまでモトローラ・モビリティに計上されていた費用が、
モトローラ・ソリューションズによって負担されることになった。過剰費用の大部分はコスト削減の取組みによ
り、モトローラ・ソリューションズから除去されたか、今後除去される予定である。
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こういったコスト削減措置が当社の売上高と収益性に及ぼす効果は、多くの要因に影響されるが、具体的には以
下が含まれるが、これに限定されない。すなわち、(ⅰ)継続しているコスト削減の取り組みを成功させ、完遂する能
力、(ⅱ)競争力をつけるために必要な、または当社が期待するコスト削減水準を達成する能力、(ⅲ)米国以外の規
制の厳しい地域、特にヨーロッパとアジアにおける、予定されている人員削減の実施の遅れ、(ⅳ)従業員の士気の
低下、および従業員の退職により営業成績が達成できない可能性、ならびに(ⅴ)幹部従業員を定着させ、または採
用する能力など。
モトローラ・モビリティにかかる本件配当の一環として、当社は、施設の統廃合を行っており、当社の製品は、以
前より少ない施設において設計・製造されている。当社は、施設の生産能力が著しく減少したり失われたりした場
合に備えて、しかるべき事業継続計画とリスク管理計画を用意しているが、代替となる施設数を減らしたことによ
り、生産が中断した場合の中断期間が長くなる可能性がある。そのため、発注を処理するのが難しくなり、売上高や
利益の減少を招くおそれがある。
モトローラ・モビリティに関する本件配当後、当社はより小規模かつ焦点を絞った会社となったため、市場変
動、その他の有害事象、価格の上昇およびあまり有利でない購入条件に影響を受けやすくなった可能性がある。
当社は規模の大きい会社であったため、その多様な経営および強固な購買力から一定の恩恵を享受することが
できた。モトローラ・モビリティに関する本件配当後、当社はより小規模な会社となり、より焦点を絞った産業で
経営している。その結果、より大規模で、多様な経営をする会社の一部である場合と比較して、市場変動やその他の
有害事象に影響を受けやすくなった恐れがある。とりわけ、当社は政府および法人の顧客に重点を置いているた
め、政府支出および企業支出の削減による影響を受けやすくなっている。また、従前のモバイルデバイス事業およ
びホーム事業の購買力を利用し続けることができないため、コストが上昇し、また不利な条件となる可能性があ
る。モトローラ・モビリティに関する本件配当以前、当社は多くの供給業者との間で有利な価格設定条件を交渉し
ており、その一部は売買量の大きさに基づく価格設定となっていた。将来において、当社が新たな価格設定条件を
設定する際、当社の売買需要の減少により、供給業者による将来における価格設定に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。これらの結果は全て、当社製品の製造コストを高め、競争力を低下させる可能性がある。このような価格の上昇
がどの程度のものであるかを予測することはできないものの、かかる費用は当社の事業および営業成績に悪影響
を及ぼす可能性がある。
モトローラ・モビリティは、現存の公開市場での負債、米国の年金債務、米国外の年金制度の大部分または一定
の企業訴訟に関連する債務を承継しなかったため、モトローラ・モビリティの本件分社化後も、かかる債務の一切
のリスクを引き続き負担する。
当社は、本件分社化に伴うモトローラ・モビリティへの出資として、32億ドルの現金および現金同等物を提供し
ており、さらに、将来、海外の子会社の減資の結果として分配金を受領次第、さらに3億ドルの資金を供給する義務
を有する。当社は引き続き、一切の現存の公開市場での負債、米国の年金債務、外国の年金債務の大部分および一定
の企業訴訟に対する責任を有し、モトローラ・モビリティは当社にこれらに関する補償を一切提供しなかった。か
かる債務の規模を完全に予測することはできないものの、これらの債務の規模が大きく、当社の事業および営業成
績に悪影響を及ぼすものである可能性はある。
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モトローラ・モビリティに関する本件配当に伴い、当社が米国外で保有する現金および現金同等物の割合が上
昇したため、本国への送金の遅延およびコストにより、当社の財務的弾力性が低下する可能性がある。
当社がモトローラ・モビリティに提供した現金および現金同等物のかなりの割合は米国で支払われたため、当
社の米国における現金および現金同等物は減少し、その結果、本件分社化前の水準と比較して、当社またはその子
会社が海外で保有する現金および現金同等物の割合が上昇した。当社は財務的悪影響を最小限に抑えて資金を定
期的に本国に送金しているが、一部の資金送金は現地国での承認が遅れており、また今後も遅れる可能性があり、
また税金面で損失が生じる可能性がある。モトローラ・モビリティへの資金提供後、当社が米国に保有する現金お
よび現金同等物の金額が減少した結果、当社の財務的弾力性は低下した。
モトローラ・モビリティに関する本件配当に関連して、モトローラ・モビリティは一定の債務について当社に
補償し、当社も一定の債務についてモトローラ・モビリティに対し補償を行った。当該補償は、モトローラ・モビ
リティが負っていた債務の全額から当社を保護するには十分でない可能性があり、また、将来において、モトロー
ラ・モビリティは当社に対する補償義務を果たすことができない可能性がある。
モトローラ・モビリティとの分社化に関する基本契約書および一定のその他の合意に従い、モトローラ・モビ
リティは、一定の債務について当社に無制限で補償することに合意し、当社も一定の債務についてモトローラ・モ
ビリティに無制限で補償することに合意した。モトローラ・モビリティからの補償がかかる債務の全額から当社
を完全に保護するものであるか、また、モトローラ・モビリティがその補償義務を完全に果たすことができるかに
ついて、保証することはできない。また、モトローラ・モビリティが引き継ぐことを合意した債務について、第三者
が、当社に責任を負わせようとする可能性もある。当社が負担する金額を最終的にモトローラ・モビリティから回
収することができた場合も、当社自身が一時的にかかる損害を負担する必要が生じる可能性がある。加えて、当社
がモトローラ・モビリティに提供する必要が生じる可能性のある補償には上限が設けられていないため、金額が
高額となり、当社の事業に悪影響を及ぼす恐れがある。上記リスクは当社の事業、営業成績および財務状況に悪影
響を及ぼす可能性がある。詳細については、当社の2010年度第3四半期の10-Q様式による四半期報告書別紙として
提出された改訂分社化に関する基本契約書を参照のこと。
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当社は、MOTOROLA、MOTO、MOTOROLA SOLUTIONSならびに図案化されたMのロゴおよびその派生物や造形の一切を含
む、一定のロゴやその他の商標、商号およびサービスマーク(以下「モトローラ商標」という。)の所有権を放棄
し、モトローラ・モビリティよりモトローラ商標のライセンス供与を受ける。モトローラ商標の共同使用は、製品
や市場の混乱を引き起こす可能性があり、当社がモトローラ・ブランドの下で事業を拡大させる能力にマイナス
の影響を与える可能性がある。さらに、当社がライセンス契約の条件に従わない場合、当社はモトローラ商標に関
する権利を失う可能性がある。
当社は、当社の社名の一部として、ならびに当社の現在の製品およびサービスの製造・販売・マーケティングに
関連するモトローラ商標の使用について、モトローラ・モビリティより世界規模の、永久かつ無償のライセンス供
与を受けている。当社の製品およびサービスにおけるモトローラ・ブランドの評判の影響は大きいため、モトロー
ラ商標のライセンスは当社にとって重要なものである。当社は一定の分野において、引き続きモトローラ商標を使
用することができるが、モトローラ・モビリティの本件分社化後、当社はモトローラ商標の所有権を失った。モト
ローラ商標を使用するモトローラ・モビリティおよび当社の双方、ならびにかかる所有権の損失には危険が伴う。
モトローラ・モビリティと当社の双方がモトローラ商標を使用することになるため、両社により提供される製品
および両社の行動に関する顧客や投資家の混乱など、市場での混乱が生じる可能性がある。かかるリスクは、モト
ローラ・モビリティと当社の双方の製品が収斂し続けるにつれて、増大する可能性がある。また、いずれかの会社
に関連する否定的な評判により、他方の会社の対外的な評判に悪影響が及ぶ可能性がある。加えて、当社のモト
ローラ商標におけるライセンスは特定の使用分野の製品およびサービスに限定されるため、モトローラ・モビリ
ティの承諾がない場合は、その他の使用分野でモトローラ商標を使用することができない。当社がその他の使用分
野に事業を拡大することを望む場合、モトローラ以外のブランドによりこれを行う必要がある可能性がある。モト
ローラほど名が通り、同程度のブランド・エクイティを持つブランドを開発するためには、多大な時間と費用を要
する可能性がある。モトローラ・モビリティおよび当社の製品が収斂するにつれ、また、当社の事業が他の使用分
野へと拡大するにつれ、第二のブランドを開発することが必要となるリスクが高まる。加えて、当社がライセンス
契約の条件に従わない場合、当社はモトローラ商標を使用する権利を失う可能性がある。かかる損失は当社の事
業、営業成績、および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、モトローラ・モビリティは、第三者にブラ
ンドのライセンス供与を行う権利を有し、モトローラ・モビリティまたはライセンス供与を受けた第三者が、モト
ローラ・ソリューションズの顧客にとってモトローラ・ブランドの魅力を損なうような方法で当該ブランドを使
用する可能性がある。これにより、モトローラ・ソリューションズが代替のまたは追加のブランドを開発すること
が必要になるリスクが高まる場合がある。
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モトローラ・モビリティの支配権の変更が発生したり、モトローラ・モビリティが倒産したりする場合、利害が
対立する第三者によるモトローラ商標の所有、またはライセンスを含む一定の権利の喪失を招く可能性がある。
モトローラ・モビリティはモトローラ商標を所有するため、モトローラ・モビリティが買収された場合、買収会
社がモトローラ商標の支配権を得ることになる。同様に、モトローラ・モビリティが解散した場合、破産裁判所が
モトローラ商標を第三者に譲渡することを許可する可能性がある。かかる場合、当社は引き続き当社の特定の分野
でモトローラ商標を使用する権利を有するが、当社が、異なる利害を持つ第三者とのライセンス契約の当事者とな
る可能性があり、それにより、ライセンス契約は履行が困難なものになり、モトローラ商標を共同使用することに
関連するコストやリスクを増大させる可能性がある。加えて、モトローラ・モビリティが破産した場合、モトロー
ラ・モビリティまたはその破産管財人がライセンスを拒否したり、または破産裁判所がライセンスやその一定の
条件の維持を拒否したりするリスクがある。かかる損失は当社の事業、営業成績および財務状況に悪影響を及ぼす
可能性がある。
当社は、特許を含む知的財産権の重大なポートフォリオをモトローラ・モビリティに提供したため、モトローラ
・モビリティにかかる本件配当前と同じような知的財産権の活用をすることはできない。
本件配当に関連して、当社は世界中の約17,200件の取得済特許および約8,000件の係属中の特許出願をモトロー
ラ・モビリティに提供した。当社はこれらの特許およびその他の知的財産権について、永久かつ無償のライセンス
を持つことになるが、当社はこれらの特許権の所有者ではなくなった。その結果、ライセンス収入を得たり、第三者
との有利なライセンス契約を締結したりする目的でこれらの知的財産権を活用することはできなくなり、当社が
負担するライセンス料または紛争費用は上昇する可能性がある。かかる不測の費用がどの程度のものであるか予
測することはできないものの、かかる費用は当社の財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。当社がネットワーク
ス事業の売却を完了することができない場合、これらのリスクは増大する。
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本件分社化に関連して、当社または当社の関連会社からモトローラ・モビリティまたはその関連会社に譲渡さ
れた契約には、その譲渡について相手方の承認や関与を必要とするものがあるが、その承認や関与の多くはまだ得
られていない。当社の大口顧客もしくは供給業者からの承認が得られなかったり、契約が終了となったりした場
合、またはかかる顧客や供給業者によって譲渡が妨げられた場合、当社の財務状況および将来的な営業成績に悪影
響を及ぼす可能性がある。
分社化に関する基本契約書および複数の地域ごとの譲渡契約は、モトローラ・モビリティの当社からの本件分
社化に関連し、顧客、供給業者、土地所有者およびその他の第三者との複数の契約が、当社または当社の関連会社か
ら、モトローラ・モビリティまたはモトローラ・モビリティの関連会社へと譲渡される旨規定している。しかし、
かかる契約の一部は、当該譲渡について契約相手方の承認を必要とする。同様に、従前のモバイルデバイス事業お
よび/またはホーム事業、ならびに当社の他の事業単位が契約について共同で利益を得ていた場合、モトローラ・
モビリティまたは当社が同様の契約を第三者と新しく締結するか、当社の各事業に関連する契約の一部を譲渡す
る必要がある。譲渡、第三者との再締結または交換について承認を必要とする契約は多いため、かかるプロセスの
完了にはある程度の時間がかかると見込まれる。承認が必要であることを利用して、当社とのより有利な契約条件
や契約の解約を求める当事者もある可能性がある。当社が時宜に即して譲渡を完了させることができない場合、モ
トローラ・モビリティへ譲渡されたはずの契約について当社が第一義的責任を負い続け、著しく不利な条件での
契約の締結が必要となり、または契約を解約することとなる可能性がある。既存の契約の譲渡、当社の大口顧客ま
たは主要な供給業者(単一もしくは限られた少数の供給源のものを含む。)との新規の契約の交渉、または上記承
認手続き等が完了できない場合、当社の財務状況および将来の営業成績にマイナスの影響を与える可能性がある。
モトローラ・モビリティに関する本件配当が完了しても、長期的な株主価値は向上しない可能性がある。
当社は、2011年1月4日にモトローラ・モビリティの本件配当を完了した。本件配当時、当社の取締役会および
経営陣は、独立した財務および法律顧問と協議した上で、計画されたモトローラ・モビリティの本件配当は、長期
的な株主価値を向上させると考えていた。しかし、当社の普通株式およびモトローラ・モビリティの普通株式を合
わせた長期的な価値が、本件配当を行わなかった場合の当社の普通株式と同等またはこれを超えるものと断言す
ることはできない。本件配当後の二社の普通株式の合計価値は、モトローラ・モビリティの独立企業としての効果
的な競争力の欠如、本件配当後の当社およびモトローラ・モビリティ双方の株主人口の再編成、本件配当を受けて
の当社およびモトローラ・モビリティの見通しに対する市場認識の変化等の理由を含むさまざまな理由により、
予想を下回る可能性がある。
5 【経営上の重要な契約等】
本報告書において特に記載するものを除き、該当なし。
6 【研究開発活動】
下記「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下は、モトローラ・モビリティの分社化前の、2010年12月31日までの3年間の各年の当社の財政状況と業績につ
いての検討と分析である。当社は、2011年1月4日に行われたモトローラ・モビリティの分社化等に関連して、後記
「第6 経理の状況 3 その他 (1)決算日後の状況」に記載のとおり、2011年5月12日付で様式8-Kによる臨時
報告書を提出し、当社の2010年度様式10-Kによる年次報告書において当初報告された連結財務諸表と財務状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(「市場リスクに関する数量的・定性的な情報開示」の項目以降の部分
を除く。)を更新した。本項の記載は、当社連結財務諸表と連結財務諸表注記のほか、後記「第6 経理の状況 3 その
他 (1)決算日後の状況」の記載と併せて読まれたい。
経営陣による概説
当社事業について
当社は2010年12月31日まで、2つの主要な事業単位で構成される3つの事業部門の営業成績を報告した。2011年1
月4日のモトローラ・モビリティの分社化後、当社にはエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門のみ
が残っている。
モトローラ・ソリューションズ
• エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門は、官公庁・パブリックセーフティー部門(双方
向通信製品の販売業者向けのあらゆる販売と併せて、以下「官公庁・パブリックセーフティー市場」と
総称する。)、ならびに小売、エネルギーおよび公益事業、輸送、製造、医療およびその他の法人顧客(以
下これらを「法人市場」と総称する。)をはじめとする幅広い顧客向けにアナログ/デジタル双方向無
線機、ワイヤレスLANおよびセキュリティ製品、主としてプライベート・ネットワーク用の音声/データ
通信製品・システム、ワイヤレス・ブロードバンド・システム、およびエンドツーエンドの法人向けモ
ビリティ・ソリューションの設計、製造、販売、設置およびサービスを行っている。同部門の2010年の純
売上高は79億ドルで、当社連結純売上高の41%を占めた。
モトローラ・モビリティ
• モバイルデバイス部門は、スマートフォンなど、統合ソフトウェアおよび付属製品を搭載したワイヤレス
・モバイル機器の設計、製造、販売およびサービスを行うとともに、知的財産をライセンス供与してい
る。同部門の2010年の純売上高は78億ドルで、当社連結純売上高の40%を占めた。
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• ホーム部門は、ケーブルTVおよび通信サービス事業者向けのデジタルビデオ、IPビデオ、衛星・地上放送
ネットワーク用のセットトップボックス、エンドツーエンドのデジタルビデオおよびIPTV配信システ
ム、ブロードバンド接続用のネットワークインフラストラクチャプラットフォーム、ならびに関連する
データ・音声の顧客宅内機器および関連するソフトウェアソリューションの設計、製造、販売、設置およ
びサービスを行っている。同部門の2010年の純売上高は36億ドルで、当社連結純売上高の19%を占めた。
2010年の主要財務成績
• 2010年の純売上高は193億ドルとなり、前年の181億ドルから6%増加した。
• 前年は492百万ドルの営業損失が発生したのに対し、2010年は789百万ドルの営業利益を計上した。2010年
の対純売上高営業利益率は、前年の(2.7)%に対し、4.1%となった。
• 前年は継続事業による損失が344百万ドル(希薄化後普通株式1株当たり1.12ドル)発生したのに対し、
2010年は継続事業による利益が271百万ドル(希薄化後普通株式1株当たり0.75ドル)となった。
• 前年は、営業活動に使用した現金が95百万ドルであったのに対し、2010年は、営業活動により創出された
現金が15億ドルとなった。
• 2010年12月31日現在の当社の(ⅰ)現金および現金等価物残高、(ⅱ)シグマファンドおよび短期投資
資産、ならびに(ⅲ)長期シグマファンドの合計額は、2009年12月31日現在の80億ドルから904百万ドル
増加して89億ドルとなった。反対に、2010年12月31日現在の(ⅰ)支払手形および1年以内返済予定の
長期債務、ならびに(ⅱ)長期債務の合計額は、2009年12月31日現在の39億ドルからおよそ11億ドル減
少して28億ドルとなった。
2010年における当社の3事業部門の財務成績
• エンタープライズ・モビリティ・ソリューション事業:2010年の純売上高は、前年の72億ドルから10%
増加して79億ドルとなった。地域別に見ると、純売上高は、あらゆる地域で増加した。
2010年の営業利益は、前年の736百万ドルに対し、949百万ドルとなった。営業利益の増加は主に、有利
な製品構成による売上総利益の増加および売上総利益率の上昇によるものだった。これに加えて、同部
門の支出は、コスト削減活動、特に研究開発により減少した。
• モバイルデバイス事業:2010年の純売上高は、前年の71億ドルから9%増加して78億ドルとなった。地域
別に見ると、純売上高は、北アメリカ、アジアおよびヨーロッパ・中東・アフリカ地域(以下「EMEA」と
いう。)で増加したが、ラテンアメリカでの純売上高の減少により一部相殺された。同部門では2010年、
前年の営業損失12億ドルに対し、76百万ドルの営業損失が発生した。
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• ホーム事業:2010年の純売上高は、前年の39億ドルから7%減少して36億ドルとなった。地域別に見る
と、純売上高は、北アメリカ、アジアとEMEAで減少したが、ラテンアメリカでは増加した。同部門の営業利
益は、前年の16百万ドルに対し、2010年は152百万ドルとなった。
2010年の主な課題と成果
• エンタープライズ・モビリティ・ソリューション事業:エンタープライズ・モビリティ・ソリューショ
ン事業の2010年の売上高は、前年を上回った。これは主に、当社が事業を行う小売市場において、景気改
善により需要が増大したことによるものである。エンタープライズ・モビリティ・ソリューションで
は、営業利益率が上昇し、営業キャッシュ・フローも増大した。さらに、エンタープライズ・モビリティ
・ソリューション事業はかねてより、利益率の低い非中核事業を廃止することにより、そのポートフォ
リオの再構成に取り組んできた。2010年、同部門は、イスラエルに拠点を置くワイヤレス・ネットワーク
運営事業を売却した。
同年中、同部門は、当社製品に対する需要に対応するため、世界的な供給不足および長時間化したリー
ドタイムを克服することに成功した。米国の官公庁系の顧客の多くは予算上の問題を抱えていたもの
の、官公庁・パブリックセーフティー市場における顧客の当社製品およびソリューションに対する需要
は、2009年に比べて増大した。2010年中、同部門のたゆまぬクオリティの追求、当社の総合的なポート
フォリオの強化、そして強固な顧客基盤が米国の官公庁系の顧客への売上高増加に寄与した。
研究開発に引き続き熱心に取り組んだ結果、当社の製品ポートフォリオを強化する新たな製品がこの
1年に数多く生まれた。当社はAPX™製品シリーズの拡大を図り、極限状況やシングルバンドユーザーに
対応するように設計された無線機のほか、APX携帯型無線と組み合わせることで安全なコミュニケー
ションを可能にする、暗号化されたミッションクリティカルなイヤピースとしては初となるブルー
トゥースなどの移動・携帯型の無線機をシリーズに加えた。また、業界初となるTETRA広帯域データ対応
の携帯型無線機および世界最小のシングルユニットデータ対応ベースステーションを発表し、受信可能
範囲サービスエリアを拡大する費用対効果の高いソリューションを提供している。モバイルコンピュー
ティングに関しては、GPSとデータ収集を統合したコンパクトで堅牢な法人向けモバイルコンピュータ
「MC65」により、製品ポートフォリオを拡大した。同部門は、当社のモバイルコンピューティングのプ
ラットフォームを採用した最小・最軽量の法人向けモバイルコンピューティング機器「ES400」を発表
した。ES400は、カスタマイズ可能なユーザーインターフェース、統合された音声・データ機能のほか、モ
バイルコンピューティングとスキャン機能を特徴としている。当社は、サンフランシスコ・ベイエリア
の複数の郡にわたるパブリックセーフティー用の700MHz LTEネットワークの第1フェーズを受注した。
この契約は、統合された最先端技術によるミッションクリティカルな民間向けブロードバンドマルチメ
ディアネットワークの導入における第1ステップとなる。
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• モバイルデバイス事業:2010年の携帯電話市場は成長を遂げ、依然として厳しい競争に直面した。市場の
成長を牽引したのは主に、スマートフォンに対する需要の増大であった。携帯電話市場のこの分野に対
応するために、同部門は、スマートフォンポートフォリオの強化に注力した。2010年中、同部門は世界各
国で23種類のスマートフォンを発表し、出荷台数は前年の2百万台に対し13.7百万台となった。それに
加えて、iDEN方式の製品をはじめ数多くのフィーチャーフォンを発売し、新興市場を中心に、特定の要求
に応える数種の音声中心機器を発表した。しかし、製品ポートフォリオの移行を進める中で同部門は引
き続き課題に直面した。財務的に見ると、モバイルデバイス部門の2010年の売上高は、前年より伸び、
2006年以来初めて年間売上高が成長した1年となった。同部門はまた、利益率の低いフィーチャーフォ
ンから利益率の高いスマートフォンへの全体的な製品構成の転換、サプライチェーンの効率性向上、営
業経費の削減によって営業損失を前年より大幅に減らした。
• ホーム事業:マクロ経済の情勢の悪化は、業界にいくつかの課題をもたらした。セットトップボックスに
対する需要は、2010年上半期に前年比で減少した後、下半期は緩やかな成長に転じた。製品ポートフォリ
オを強化するため、同部門は、3Dテレビの視聴を可能にするセットトップボックスなどの高機能セット
トップボックス、事業者がマルチスクリーン環境でコンテンツを管理できるようにするソフトウェアソ
リューション、消費者によるコントロールを強化しコンテンツへのアクセスを高めるマルチメディアIP
ハブをはじめとするさまざまな強化を行った。インフラ分野では、事業者が処理能力を拡大して先進
サービス用の機能を提供するためにネットワークをアップグレードしたことを背景に、2010年の売上高
が伸びた。財務的に見ると、ホーム部門の2010年の売上高は前年に比べ減少したが、将来の成長機会に投
資する一方で、重点市場への注力を継続し、革新的な新製品を発表するとともに、営業経費を削減するこ
とによって営業利益率を改善した。しかし、主に住宅市場に起因する米国の経済情勢によって引き続き
影響を受けた。
今後の展望
2011年1月4日、当社は、モバイルデバイス部門とホーム部門で構成されていたモトローラ・モビリティの分社化
を完了した。これによりエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門のみで構成されることとなったモト
ローラ・ソリューションズは、世界各地の官公庁系顧客および法人顧客向けのミッションクリティカルかつビジネ
スに不可欠なコミュニケーションソリューションの提供において主導的地位を保っている。
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官公庁・パブリックセーフティー市場における2010年の売上高は、あらゆる地域で伸びて5%増加し、当社製品に
対する需要の回復力を証明した。官公庁系の顧客を取り巻く経済環境は厳しいものとなるかもしれないが、当社は、
これらの顧客が引き続き業務の効率性と効果性を補完するミッションクリティカルなコミュニケーションと技術に
高い優先度を置くものと考えており、北アメリカはもとより国際的な官公庁向け事業の成長を期待している。当社
は、TETRA、APCO 25およびDRMなどの無線製品・ソリューションを絶えず革新しており、顧客と協力してパブリック
セーフティー向けの無線、ビデオ監視、LTEなど次世代のパブリックセーフティー機器の開発と導入に取り組んでい
る。
当社の法人市場の市況は前年から大幅に改善し、2010年の売上高は前年より19%増加した。小売支出の改善の結
果、当社顧客の多くがサプライチェーン効率の改善や関連会社の生産性向上、エンドカスタマーの購買経験の向上の
ために技術投資を再開したのに伴い、需要が増大した。当社は、モバイルワーカーの増加傾向とリアルタイム情報に
対する需要が次世代の法人向けモバイルコンピューティングと高度なデータ収集ソリューションを促進すると考え
ている。次世代製品への優先的な投資、総合ソリューションのポートフォリオ、市場でのリーダーシップを武器に、当
社は法人向け市場において利益性の高い成長を実現する有利な立場にある。
NSNへの当社ネットワークス事業の売却に関しては、規制当局からの承認などのクロージング条件の履行次第では
あるものの、2011年第1四半期中のクロージングを目指している。ネットワークス事業については、廃止事業のセク
ションで報告している。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門において保有し報告するiDENインフ
ラ事業については、2013年までのiDENサポートに関し、当社の主要顧客2社と供給契約の交渉を行った。
製品需要の増大により、多くの電子機器メーカーでは一部の部品が不足している。当社は引き続き、十分な供給を
確保するために供給業者と緊密に連携している。当社製品に対する需要が現在の予想を上回った場合、断続的な供給
不足に見舞われる可能性がある。
当社は、規律ある財務方針の採用、財務計画の達成、資本構成の最適化に尽力している。財務体質のさらなる強化に
努める中で、今後も株主に資本を還元する機会を検討していく。
当社は、新旧両方のライバル会社を相手にした競争の厳しい市場で事業を展開している。当社製品の多くが関わる
市場は、変化の激しい技術や業界標準の進化といった特徴を持つ。とりわけ、新技術の登場による市場の混乱、新たな
ライバル会社の市場参入、顧客やライバル会社の統合、規制要件の変更は、当社事業に不安定要素をもたらす可能性
がある。こうした課題全てに対応するには、着実に業務計画を立案実行し、技術に投資することによって、世界中の当
社顧客のニーズに応える革新的な製品を生み出さなければならない。これらの目標に応えるべく遂行する中で、当社
では引き続き、官公庁・法人向け市場のニーズに応える差別化された革新的製品・サービスを設計し、提供するため
に必要な取り組みに注力していく所存である。
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有価証券報告書
営業成績
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル。
対売上高
比率
対売上高
2009年
比率
対売上高
但し、1株当たりの金額を除く。)
2010年
純売上高
$19,282
売上原価
12,384
64.2%
12,406
68.4%
18,171
72.4%
売上総利益
6,898
35.8%
5,741
31.6%
6,938
27.6%
販売費および一般管理費
3,367
17.5%
3,058
16.8%
3,912
15.6%
研究開発費
2,530
13.1%
2,598
14.3%
3,399
13.5%
その他費用
212
1.1%
577
3.2%
2,169
8.6%
営業利益(損失)
789
4.1%
(492)
(2.7)%
(0.7)%
(132)
(0.7)%
38
0.1%
76
0.3%
$18,147
2008年
比率
$25,109
(2,542)
(10.1)%
営業外収益(費用):
受取(支払)利息、純額
投資および事業売却益(純額)
その他
営業外収益(費用)合計:
継続事業からの利益(損失)、税引前
法人税等(便益)
(131)
48
0.3%
74
0.4%
(29)
(0.2)%
47
0.2%
(425)
(1.7)%
(112)
(0.6)%
(11)
(0.1)%
(311)
(1.3)%
3.5%
(503)
(2.8)%
(2,853)
(11.4)%
677
2.1%
406
271
差引:非支配持分に帰属する利益
(159)
1.4%
(344)
17
(0.9)%
(1.9)%
23
0.1%
(4,437)
254
1.3%
(367)
廃止事業からの利益、税引後
379
2.0%
316
1.7%
$633
3.3%
$(51)
(0.3)%
$0.75
廃止事業
1.12
$(1.12)
0.96
$1.87
$(0.16)
* モトローラ・ソリューションズ・インク普通株主に帰属する金額。
表示は2011年1月4日に行われた株式併合を反映している。
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(17.7)%
(2.0)%
0.0%
(4,441)
197
$(4,244)
希薄化後普通株式1株当たり利益(損失):
継続事業
6.3%
4
0.1%
継続事業からの利益(損失)*
当期純利益(損失)*
1,584
$(13.72)
0.61
$(13.11)
(17.7)%
0.8%
(16.9)%
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最終顧客の所在地ごとに見た地域別市場の売上高を総純売上高に占める比率で表すと、2008年、2009年および2010
年は次表のようになる。
最終顧客の所在地ごとの地域別市場シェア
2010年
2009年
2008年
米国
58%
58%
55%
ラテンアメリカ
12%
13%
17%
アジア
12%
12%
12%
ヨーロッパ
10%
9%
11%
8%
8%
5%
100%
100%
100%
その他の市場
2010年と比較した2009年の営業成績
純売上高
2010年の純売上高は193億ドルとなり、前年の181億ドルから6%増加した。純売上高の増加は、(ⅰ)エンタープ
ライズ・モビリティ・ソリューション部門において純売上高が688百万ドル、すなわち10%増加したこと、および
(ⅱ)モバイルデバイス部門において純売上高が673百万ドル、すなわち9%増加したことによるものだが、ホーム
部門において純売上高が263百万ドル、すなわち7%減少したことにより一部相殺された。エンタープライズ・モビ
リティ・ソリューション部門の純売上高が10%増加したのは、法人市場への純売上高が19%増加し、官公庁・パブ
リックセーフティー市場への純売上高が5%増加したことを反映している。モバイルデバイス部門の純収益が9%
増加したのは主に、平均販売価格(以下「ASP」という。)が61%上昇したことによるものだが、出荷台数が32%減少
したことにより一部相殺された。ホーム部門の純収益が7%減少したのは、セットトップボックスの純収益が12%減
少したことを反映しているが、映像・アクセスインフラ機器の純収益が増加したことにより一部相殺された。
売上総利益
売上総利益は、2009年の57億ドル(対純売上高比率31.6%)に対し、2010年は69億ドル(対純売上高比率35.8%)
であった。売上総利益の増加は、(ⅰ)モバイルデバイス部門における売上総利益の著しい増加、および(ⅱ)エン
タープライズ・モビリティ・ソリューション部門とホーム部門における売上総利益の増加によるものであった。モ
バイルデバイス部門における売上総利益の増加は主に、(ⅰ)有利な製品構成、特にスマートフォン機器の販売数の
増加、(ⅱ)2010年の過剰在庫およびその他の関連費用が前年を下回ったこと、ならびに(ⅲ)純売上高が9%増加
したことによるものであった。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の売上総利益が増加したのは
主に、純売上高の10%の増加と有利な製品構成によるものであった。ホーム部門における売上総利益の増加は主に、
全ての製品ラインにわたる有利な製品利益率の構成によるものであった。
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2010年の売上総利益の対純売上高比率が前年より上昇したのは、全ての部門において売上総利益率が上昇したこ
とを反映している。当社全体の売上総利益の対純売上高比率は、様々な当社事業によって生み出される純売上高全体
の比率に影響されている。
販売費および一般管理費
販売費および一般管理費は、2009年の31億ドル(対純売上高比率16.8%)に対して、2010年は10%増加して34億ド
ル(対純売上高比率17.5%)となった。販売費および一般管理費が増加したのは、当社全体のインセンティブ、年金
およびその他の給付手当費用の増加、ならびに以下の部門固有の要因を反映して、全ての部門で販売費および一般管
理費が増加したことを反映している。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門における増加は主に、純
売上高の増加に関連して販売・マーケティング費が増加したことによるものであった。モバイルデバイス部門にお
ける増加は主に、マーケティング費の増加によるものであった。ホーム部門における若干の増加は主に、法的問題を
解決するための経常外費用によるものであった。販売費および一般管理費の対純売上高比率は、全ての部門において
上昇した。
研究開発費
研究開発費は、2009年の26億ドル(対純売上高比率14.3%)に対して、2010年は3%減少して25億ドル(対純売上
高比率13.1%)となった。研究開発費の減少は、モバイルデバイス部門とホーム部門における研究開発費の減少を反
映しているが、エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門における研究開発費の増加によって一部相殺
された。モバイルデバイス部門とホーム部門における研究開発費の減少は主に、コスト削減の取り組みによる節減に
よるものである。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門における研究開発費の増加は主に、新製品開
発の開発エンジニアリング費用と次世代技術への投資によるものであった。
研究開発費の対純売上高比率は、全ての部門において低下した。当社は、技術が絶えず移り変わる競争の厳しい業
界に参入しており、したがって、長期的成長を推進するためには研究開発への強い注力が必要であると考えている。
その他費用
当社は2010年、「その他費用」に212百万ドルの純費用を計上した。これに対し、2009年は577百万ドルの純費用を
計上した。2010年の費用の内訳は、(ⅰ)無形資産の償却に関連する費用258百万ドル、(ⅱ)分社化関連の取引コス
ト242百万ドル、および(ⅲ)「その他費用」に計上された事業再構築の純費用100百万ドルであるが、訴訟の和解お
よび知的財産引当金調整に関連する388百万ドルの利得によって一部相殺された。2009年の費用の内訳は、(ⅰ)無
形資産の償却に関連する費用277百万ドル、(ⅱ)「その他費用」に計上された事業再構築の純費用235百万ドル、
(ⅲ)環境引当金に関連する費用23百万ドル、および(ⅳ)分社化関連の取引コスト42百万ドルであった。
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純支払利息
2010年の純支払利息は、2009年の純支払利息132百万ドルに対して、131百万ドルとなった。2010年の純支払利息は、
支払利息220百万ドルを受取利息89百万ドルで一部相殺したものであった。2009年の純支払利息は、支払利息211百万
ドルを受取利息79百万ドルで一部相殺したものであった。2010年の支払利息が前年より増加したのは主に、2009年中
の一部の税務監査の解決の結果不要となった支払利息引当金の戻し入れがなかったことによるものだが、長期債権
からの受取利息の増加により一部相殺された。
投資および事業売却益
投資および事業売却益は、2009年の74百万ドルに対し、2010年は48百万ドルとなった。2010年の純益の主な内訳は、
投資資産1件の売却益31百万ドルであった。2009年の純益は主に、当社の株式投資の一部の売却に関連しており、売
却益のうち32百万ドルは、1件の投資によるものであった。
その他
2009年は「その他」に47百万ドルの純収益が計上されたのに対し、2010年は29百万ドルの純費用が計上された。
2010年の「その他」の純費用の主な内訳は、(ⅰ)投資減損費用28百万ドル、(ⅱ)為替差損17百万ドル、および
(ⅲ)当社の未払長期債務の一部の消滅による損失12百万ドルであったが、シグマファンド投資益11百万ドルによ
り一部相殺された。2009年の純収益の主な内訳は、(ⅰ)シグマファンド投資益80百万ドル、および(ⅱ)当社の未
払長期債務の一部の消滅に関連する利益67百万ドルであったが、(ⅰ)一時的でない投資減損費用77百万ドル、およ
び(ⅱ)為替差損30百万ドルにより、一部相殺された。
実効法人税率
当社は2010年、406百万ドルの純税金費用を計上し、その結果、継続事業に対する実効法人税率は60%となった。こ
れに対し、2009年は、159百万ドルの純便益を計上した結果、実効法人税率は32%となった。当社の2010年の実効税率
が米国法定税率35%を上回ったのは主に、(ⅰ)モトローラ・モビリティの分社化の準備における当社の投資構成
の再編成に関連して未配分外国利益の本国送金に対する米連邦法人所得税引当金が増大したこと、(ⅱ)メディケ
ア・パートD補助金に関する税法の改正に関連する非現金税金費用、および(ⅲ)当社が税務上の利益を計上しな
かった特定の分社化関連の取引コストによるものだが、特定の税務上のポジションが認められる可能性がどの程度
「50%超の可能性(more-likely-than-not)」であるかを示唆する事実に応じた未認識の税務上の利益の減少によ
り一部相殺された。
当社の実効税率は、税務監査の解決、評価引当金の変動および重要な異常項目もしくは特別損益項目の税務上の影
響などの非経常的な事象、ならびに、利益の地理的構成の変化および様々な世界的な法人税戦略の影響などの経常的
要素に基づき、期間ごとに変化する。
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継続事業による利益(損失)
当社は2010年、継続事業による税引前純利益677百万ドルを計上した。これに対し、2009年は継続事業による税引前
純損失503百万ドルを計上した。税引後および非支配持分に帰属する利益(損失)控除後で見ると、2010年は、継続事
業による純利益254百万ドル(希薄化後1株当たり0.75ドル)を計上した。これに対し、2009年は継続事業による純損
失367百万ドル(希薄化後1株当たり1.12ドル)を計上した。
2010年の継続事業による税引前利益(損失)が前年より改善したのは主に、(ⅰ)売上総利益が12億ドル増加し
たこと、(ⅱ)「その他費用」が365百万ドル減少したこと、および(ⅲ)研究開発費が68百万ドル減少したことに
よるものであった。これらの改善は、(ⅰ)販売費および一般管理費が309百万ドル増加したこと、(ⅱ)「営業外収
益(費用)」に区分表記された「その他」の純収益が76百万ドル減少したこと、ならびに(ⅲ)投資および事業の
売却益が26百万ドル減少したことにより、一部相殺された。
廃止事業からの利益
2010年第3四半期中、当社は、規制当局からの承認などのクロージング条件が満たされ次第、NSNが当社のネット
ワークス事業のインフラ資産の大半を取得することを発表した。2010年第2四半期中、当社は、イスラエルに拠点を
置くワイヤレス・ネットワーク運営事業の売却を完了した。2009年第1四半期中、当社は、(ⅰ)グッド・テクノロ
ジー(Good Technology)、および(ⅱ)プリントラック(Printrak)商標を含む当社の旧バイオメトリクス事業部
門の売却を完了した。
税引後で見ると、2010年の廃止事業からの利益は、前年の316百万ドル(希薄化後1株当たり0.96ドル)に対し、
379百万ドル(希薄化後1株当たり1.12ドル)を計上した。
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2008年と比較した2009年の営業成績
純売上高
2009年の純売上高は181億ドルとなり、前年の251億ドルから28%減少した。純売上高の減少は、(ⅰ)モバイルデ
バイス部門の純売上高が50億ドル、すなわち41%減少したこと、(ⅱ)ホーム部門の純売上高が10億ドル、すなわち
21%減少したこと、および(ⅲ)エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高が11億ドル、すな
わち13%減少したことを反映している。モバイルデバイス部門の純売上高が41%減少したのは主に、出荷台数の45%
の減少によるものであったが、ASPが8%上昇したことにより一部相殺された。ホーム部門の純売上高が21%減少し
たのは主に、(ⅰ)セットトップボックスの出荷台数が18%減少したこと、および(ⅱ)製品構成の不利な変動によ
るASPの下落を反映して、セットトップボックスの純収益が24%減少したことによるものであった。エンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高が13%減少したのは、法人市場への純売上高が21%減少し、官公庁
・パブリックセーフティー市場への純売上高が10%減少したことを反映している。
売上総利益
売上総利益は、2008年の69億ドル(対純売上高比率27.6%)に対し、2009年は57億ドル(対純売上高比率31.6%)
であった。売上総利益は、全ての部門で減少した。モバイルデバイス部門における売上総利益の減少は主に、純売上高
が41%減少したことによるものだが、(ⅰ)主として2009年の過剰在庫費用がソフトウェア・プラットフォームと
シリコン・プラットフォームの統合の決定により370百万ドルの費用が計上された2008年を下回ったことをはじめ
とする、サプライチェーン効率、および(ⅱ)購入契約の清算に関連する2008年の費用150百万ドルに相当する費用
が2009年には発生しなかったことにより、一部相殺された。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の
売上総利益が減少したのは主に、純売上高の13%の減少と不利な製品構成によるものであった。ホーム部門の売上総
利益が減少したのは主に、純売上高の21%の減少によるものだが、有利な製品構成により一部相殺された。
2009年の売上総利益の対純売上高比率が前年より上昇したのは、モバイルデバイス部門における売上総利益比率
の上昇によるものだったが、エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門とホーム部門における売上総利
益比率の低下によって一部相殺された。当社全体の売上総利益の対純売上高比率は、様々な当社事業によって生み出
される純売上高全体の比率に影響されうる。2009年、売上高全体に占めるモバイルデバイス事業の比率は過去数年を
下回った。モバイルデバイス部門の売上総利益比率は、当社事業の中で最も低いことから、これが2009年の全体的な
売上総利益比率にプラスの影響を与えた。
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販売費および一般管理費
販売費および一般管理費は、2008年の39億ドル(対純売上高比率15.6%)に対して、2009年は22%減少して31億ド
ル(対純売上高比率16.8%)となった。販売費および一般管理費は、モバイルデバイス部門およびエンタープライズ
・モビリティ・ソリューション部門において減少し、ホーム部門において若干増加した。モバイルデバイス部門にお
ける販売費および一般管理費の減少は主に、マーケティング費の減少とコスト削減の取り組みによる節減によるも
のであった。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門における販売費および一般管理費の減少は主に、
コスト削減の取り組みによる節減によるものであった。ホーム部門における販売費および一般管理費の若干の増加
は主に、管理費の増加によるものであったが、コスト削減の取り組みによる節減により一部相殺された。販売費およ
び一般管理費の対純売上高比率は、全ての部門において上昇した。
研究開発費
研究開発費は、2008年の34億ドル(対純売上高比率13.5%)に対して、2009年は24%減少して26億ドル(対純売上
高比率14.3%)となった。研究開発費は、主にコスト削減の取り組みによる節減により、全ての部門において減少し
た。研究開発費の対純売上高比率は、全ての部門において上昇した。当社は、技術が絶えず移り変わる競争の厳しい業
界に参入しており、したがって、長期的成長を推進するためには研究開発への強い注力が必要であると考えている。
その他費用
当社は2009年、「その他費用」に577百万ドルの純費用を計上した。これに対し、2008年は22億ドルの純費用を計上
した。2009年の費用の内訳は、(ⅰ)無形資産の償却に関連する費用277百万ドル、(ⅱ)「その他費用」に計上され
た事業再構築の純費用235百万ドル、(ⅲ)環境引当金に関連する費用23百万ドル、および(ⅳ)分社化関連の取引
コスト42百万ドルであった。2008年の純費用の内訳は、(ⅰ)資産の減損費用16億ドル、(ⅱ)無形資産の償却に関
連する費用294百万ドル、(ⅲ)「その他費用」に計上された事業再構築の純費用216百万ドル、および(ⅳ)分社化
関連の取引コスト59百万ドルであったが、有形固定資産の売却益48百万ドルによって一部相殺された。事業再構築の
純費用については、下記の「事業の再構築」の項に詳しい考察が記載されている。資産の減損費用については、下記
の「のれんおよび長期資産の評価と回収可能性」の項に詳しい考察が記載されている。
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純受取(支払)利息
2008年の純受取利息38百万ドルに対して、2009年は132百万ドルの純支払利息を計上した。2009年の純支払利息は、
支払利息211百万ドルを受取利息79百万ドルで一部相殺したものであった。2008年の純受取利息は、受取利息261百万
ドルを支払利息223百万ドルで一部相殺したものであった。受取利息の大幅な減少は、(ⅰ)2009年中、平均短期金利
が前年より大幅に低下したこと、(ⅱ)シグマファンドの投資構成が変化し、満期までの期間が短く金利の低い流動
性の高い有価証券が増えたこと、(ⅲ)2009年中、現金、現金等価物およびシグマファンド残高の平均額が前年より
減少したことを反映している。この受取利息の減少は、主に2009年中に当社の未払負債水準が低下したことによる支
払利息の減少によって若干、相殺された。
投資および事業売却益
投資および事業売却益は、2008年の76百万ドルに対し、2009年は74百万ドルとなった。2009年の純益は主に、当社の
一部の株式投資の売却に関連しており、売却益のうち32百万ドルは、1件の投資によるものであった。これらの利益
は、特定の事業の純売却損により一部相殺された。2008年の純益は主に、当社のいくつかの株式投資の売却に関連し
ており、売却益のうち29百万ドルは、1件の投資によるものであった。
その他
「営業外収益(費用)」の中に区分表記された「その他」には、2008年は425百万ドルの純費用が計上されたのに
対して、2009年は47百万ドルの純収益が計上された。2009年の純収益の主な内訳は、(ⅰ)シグマファンド投資益80
百万ドル、および(ⅱ)当社の未払長期債務の一部の消滅に関連する利益67百万ドルであったが、(ⅰ)投資減損費
用77百万ドル、および(ⅱ)為替差損30百万ドルにより、一部相殺された。2008年の純費用の主な内訳は、(ⅰ)投資
の減損費用365百万ドル(うち138百万ドルは、1件の戦略的投資に関連したもの)、(ⅱ)シグマファンド投資の減
損費用186百万ドル、(ⅲ)為替差損136百万ドル、および(ⅳ)シグマファンド投資の損失101百万ドルであったが、
(ⅰ)米国年金制度の給付引当金を凍結するという決定に関連した、縮小による利得237百万ドル、(ⅱ)負債の消
滅に関連する利益56百万ドル、(ⅲ)ヘッジとして指定されなかった数件の金利スワップに関連する利益24百万ド
ル、および(ⅳ)当社の未払長期債務の一部の消滅に関連する利益14百万ドルによって一部相殺された。
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実効法人税率
当社は2009年、159百万ドルの純便益を計上し、その結果、実効法人税率は32%となった。これに対し、2008年は、16
億ドルの純税金費用を計上した結果、実効法人税率は(56)%とマイナスの税率となった。当社の2009年の実効税率が
米国法定税率35%を下回ったのは主に、還付可能な一般事業税額控除に関連する評価引当金の減少および特定の税
務上のポジションが認められる可能性がどの程度「50%超の可能性」であるかを示唆する事実に応じた未認識の税
務上の利益の減少によるものであった。当社の2008年の実効法人税率が米国法定税率35%を下回ったのは主に、当社
の米国繰延税金資産の一部に対する繰延税金評価引当金を設定するための非現金税金費用21億ドルの計上および損
金不算入ののれんの減損費用の計上によるものであった。
当社の実効税率は、税務監査の解決、評価引当金の変動および重要な異常項目または特別損益項目の税務上の影響
などの非経常的な事象、ならびに、税引前利益の地理的構成の変化および様々な世界的な法人税戦略の影響などの経
常的要素に基づき、期間ごとに変化する。
継続事業による損失
当社は2009年、継続事業による税引前純損失503百万ドルを計上した。これに対し、2008年に計上した継続事業によ
る税引前純損失は29億ドルであった。税引後で見ると、非支配持分に帰属する利益を除外した継続事業による純損失
は、2008年の44億ドル(希薄化後1株当たり1.96ドル)に対し、2009年は367百万ドル(希薄化後1株当たり0.16ド
ル)となった。
2009年の継続事業による税引前損失が前年より改善したのは主に、(ⅰ)「その他費用」が16億ドル減少したこ
と、(ⅱ)販売費および一般管理費が854百万ドル減少したこと、(ⅲ)研究開発費が801百万ドル減少したこと、
(ⅳ)「営業外収益(費用)」に区分表記された「その他」に分類される収益が472百万ドル増加したことによる
ものであった。これらの要素は、(ⅰ)売上総利益が12億ドル減少したこと、および(ⅱ)純支払利息が170百万ドル
増加したことによって、一部相殺された。
廃止事業からの利益
2010年第3四半期中、当社は、規制当局からの承認のなどのクロージング条件が満たされ次第、NSNが当社のネット
ワークス事業のインフラ資産の大半を取得することを発表した。2010年第2四半期中、当社は、イスラエルに拠点を
置くワイヤレス・ネットワーク運営事業の売却を完了した。2009年第1四半期中、当社は、(ⅰ)グッド・テクノロ
ジーおよび(ⅱ)プリントラック(Printrak)商標を含む当社の旧バイオメトリクス事業部門の売却を完了した。
税引後で見ると、2009年の廃止事業からの利益は、前年の197百万ドル(希薄化後1株当たり0.61ドル)に対し、316
百万ドル(希薄化後1株当たり0.96ドル)を計上した。
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事業の再構築
2010年中、当社は、効率性を高め、営業経費を削減することによって、長期的かつ持続可能な収益性を達成すること
を目的とした様々な生産性向上計画を実施した。2010年中、当社は、従業員2,200人の退職(うち900人が直接雇用従
業員(direct employees)、1,300人が間接雇用従業員(indirect employees))に関連する事業再構築の純費用
138百万ドルを計上した。これらの費用の内訳は、当社の連結損益計算書において「売上原価」に計上された38百万
ドルの費用と「その他費用」に計上された100百万ドルの費用であった。総額138百万ドルの内訳は、従業員退職費用
150百万ドル、事業撤退費用21百万ドル、および固定資産減損費用6百万ドルであるが、不要となった引当金の戻し入
れ39百万ドルによって一部相殺された。
当社は、2010年中に開始した計画により、2010年に約73百万ドルのコスト削減効果を実現した。その内訳は、(ⅰ)
研究開発費34百万ドルの節減、(ⅱ)販売費および一般管理費23百万ドルの節減、ならびに(ⅲ)売上原価16百万ド
ルの節減である。2010年以降では、2010年中に開始した再構築計画により、年間約250百万ドルのコスト削減がもたら
されると予想している。
2009年中、当社は事業再構築の純費用298百万ドルを計上した。その内訳は、従業員退職費用320百万ドル、事業撤退
費用36百万ドル、および固定資産減損費用18百万ドルであるが、不要となった引当金の戻し入れ76百万ドルによって
一部相殺された。2008年中、当社は事業再構築の純費用300百万ドルを計上した。その内訳は、従業員退職費用283百万
ドル、事業撤退費用66百万ドルであるが、不要となった引当金の戻し入れ49百万ドルによって一部相殺された。
次表は、事業部門別の純費用を示したものである。
2010年
2009年
2008年
$68
$66
$21
モバイルデバイス
34
184
25
ホーム
29
18
216
131
268
262
7
30
38
$138
$298
$300
事業年度末(12月31日)
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション
会社一般
これらの再構築計画に関連した事業撤退費用および従業員退職費用の現金支払額は、2009年の393百万ドルに対し
て、2010年は153百万ドルであった。2010年12月31日時点の事業再構築引当金100百万ドルの内訳は、(ⅰ)2011年に
支払われる見込みの従業員退職費用に関連する65百万ドル、および(ⅱ)数年にわたり支払われる見込みの未払
リース解約料に関連する35百万ドルである。
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流動性および資金源泉
当社の2010年12月31日現在の(ⅰ)現金および現金等価物残高、(ⅱ)シグマファンドおよび短期投資資産、なら
びに(ⅲ)長期シグマファンドの合計額は、2009年末の80億ドルから904百万ドル増加して89億ドルとなった。反対
に、2010年12月31日現在の(ⅰ)支払手形および1年以内返済予定の長期債務、ならびに(ⅱ)長期債務の合計額
は、2009年末の39億ドルからおよそ11億ドル減少して28億ドルとなった。
連結キャッシュ・フロー計算書に記載されているように、当社の流動性および利用可能な資金源泉は、(ⅰ)現金お
よび現金等価物、(ⅱ)営業活動、(ⅲ)投資活動、ならびに(ⅳ)財務活動の4つの主要要素によって左右されて
いる。
現金および現金等価物
当社の現金および現金等価物(本来の満期が3ヶ月以下の流動性の高い投資であるもの)は、2010年12月31日現
在、前年末の29億ドルから13億ドル増加して42億ドルとなった。2010年12月31日現在、このうち12億ドルは米国内で
保有し、30億ドルは当社または当社子会社が国外で保有していた。制限条項付預金は、2010年12月31日現在、前年末の
206百万ドル(米国外に保有していた143百万ドルを含む。)に対して、226百万ドル(米国外に保有していた166百万
ドルを含む。)であった。
当社は引き続き、資金を効率的に本国送金し続けるために、様々な本国送金戦略を分析し、見直している。当社は
2010年中、現金による税金コストを最小限に抑えつつ約11億ドルを米国に本国送金した。当社は、外国子会社におけ
る約33億ドルの利益を有している。この利益は、永続的に再投資されるものではなく、未分配収益および利用可能な
外国税額控除の利用に対して米国の連邦法人税等額が生じると仮定しても、当社の連結損益計算書に追加的な米連
邦所得税費用を生じさせることなく本国送金される可能性がある。現金ベースでは、当社の米国外子会社からの本国
送金は、追加的な外国税額の支払を必要とすることがある。こうした資金の一部の本国送金は、現地の国からの承認
を受けるために遅延することもあり、税務上、悪影響をもたらす可能性がある。
2010年1月4日、モトローラ・ソリューションズからのモトローラ・モビリティの分社化が完了した。分社化の一
環として、当社は、モトローラ・モビリティに現金および現金等価物32億ドルを拠出しており、海外子会社の将来の
減資の結果として分配金を受領次第、さらに300百万ドルを資金提供する義務を負っている。
営業活動
2010年においては、継続事業による営業活動から得られた現金が15億ドルとなった。これに対し、2008年は継続事
業による営業活動に325百万ドルの現金が使用され、2009年は95百万ドルが使用された。2010年に得られた現金に寄
与した主な要因は、(ⅰ)継続事業による利益(非現金項目調整後)13億ドル、および(ⅱ)買掛金および未払債務
の920百万ドルの増加であったが、(ⅰ)売掛金の311百万ドルの増加、および(ⅱ)棚卸資産の267百万ドルの増加
により、一部相殺された。
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売掛金:当社の純売掛金は2010年12月31日現在、2009年末の28億ドルに対して、33億ドルとなった。当社の純売掛
金の増加は、全ての部門において純売掛金が増加したことによるものであった。当社の事業部門は、世界中の様々な
市場で製品を販売しており、支払条件は、市場のタイプや地理的な場所によって変わる可能性がある。したがって、当
社の純売掛金の水準は、様々な事業部門による販売の時期・水準と、地理的な販売地点に左右されることがある。
下記の「売掛金の売却」において詳しく説明するように、当社の純売掛金の水準は、第三者への売掛金の売却時期
およびその金額に左右されることがある。かかる時期および金額は、期間によって変動する可能性があり、数多くの
要因に影響される可能性がある。
棚卸資産:当社の純棚卸資産は2010年12月31日現在、2009年末の11億ドルに対して、14億ドルとなった。当社の純
棚卸資産の増加は、全ての部門において純棚卸資産が増加したことによるものであった。当社は、顧客への競争力の
ある納入能力を確保するために戦略的在庫水準を維持する必要性と、急激に変化する技術および顧客の利用要求次
第で棚卸資産が過剰となり陳腐化するというリスクとのバランスをとっており、そのため在庫管理は依然として経
営の重点課題となっている。
買掛金:当社の買掛金は2010年12月31日現在、2009年末の20億ドルに対して、25億ドルとなった。当社の買掛金の
増加は、全ての部門において買掛金が増加したことによるものであった。当社は、世界中の様々な市場で製品を購入
しており、支払条件は、市場のタイプや地理的な場所によって変わる可能性がある。したがって、当社の買掛金の水準
は、様々な事業による購買の時期および水準と、地理的な購買地点に左右されることがある。
給付制度への拠出額:当社の米国年金基金への拠出額は2010年、前年の90百万ドルに対して、157百万ドルとなっ
た。当社の米国外の年金基金への拠出額は2010年、前年の39百万ドルに対して、47百万ドルとなった。2011年1月、年
金給付保証公社(以下「PBGC」という。)は、当社が今後5年間にわたり米国の非拠出型年金制度(以下「米国一般
従業員対象年金制度」という。)に対し、法定要件を100百万ドル上回る拠出を行うというモトローラ・ソリュー
ションズとの合意を発表した。当社とPBGCは、当社がモトローラ・モビリティを分社化し、ネットワークス事業の一
部の資産の売却を進める中でこの合意を締結した。同じく2011年1月に、当社は年金拠出金軽減措置を選択し、これ
により2011年の米国一般従業員対象年金制度への必要拠出額はおよそ265百万ドルからおよそ235百万ドルに減額さ
れた。当社は、2011年中、米国の年金基金に約240百万ドル、米国外の年金基金に約40百万ドルの現金拠出を行う予定
である。2011年1月4日に行われたモトローラ・モビリティの分社化後も、当社は米国年金債務を全額維持し、米国
外年金債務についてもその大部分を維持した。
当社は、米国一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびモトローラ補完的年金制度を改定し、その結果、(ⅰ)
2009年3月1日以降、どの加入者についても給付金または追加的な給付金は発生せず、かつ、(ⅱ)2009年3月1日
以降に加入者が稼得した報酬の増額分は、発生給付金の計算に使用されないこととなった。
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当社は、2009年および2010年ともに退職後医療給付制度への拠出を行っておらず、2011年もこの制度への拠出を行
わない予定である。2011年1月4月に行われたモトローラ・モビリティの分社化後も、当社が退職後医療給付制度債
務を全額維持した。退職給付については、後記の「重要な会計方針:退職給付」の項で詳述する。
投資活動
2010年においては、投資活動から得られた現金(純額)が246百万ドルとなった。これに対し、2009年は597百万ド
ルの現金(純額)が投資活動に使用され、2008年は921百万ドルの現金(純額)が得られた。2010年の投資活動から
得られた現金(純額)が前年より843百万ドル増加したのは主に、シグマファンド投資の売却高(純額)からの受取
現金が14億ドル増加したことによるものだが、(ⅰ)短期投資の売却益が207百万ドル減少したこと、(ⅱ)買収お
よび投資が132百万ドル増加したこと、ならびに(ⅲ)設備投資が131百万ドル増加したことにより、一部相殺され
た。
シグマファンド:当社とその完全子会社は、米ドル建て現金の大半を、世界各地における保有現金の効率的管理を
可能にするファンド(以下「シグマファンド」という。)に投資している。当社は2010年、シグマファンド投資の売
却による正味手取額453百万ドルを計上した。これに対し、2009年はシグマファンド投資の正味購入額922百万ドル、
2008年はシグマファンド投資の売却による正味手取額853百万ドルを計上した。2010年12月31日現在のシグマファン
ド投資の公正価値総額は、2009年末の52億ドル(当社またはその子会社が米国外に保有していた23億ドルを含む。)
に対して、47億ドル(当社またはその子会社が米国外に保有していた19億ドルを含む。)となった。
シグマファンドのポートフォリオは、独立した投資顧問会社4社によって運用されている。シグマファンドの投資
ガイドラインは、購入する投資について、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、国債、社債、資産担保証券および不動
産担保証券など、高格付けの投資適格(格付けがスタンダード・アンド・プアーズのA/A-1以上またはムーディーズ
・インベスターズ・サービスのA2/P-1以上)の米ドル建て債務証券でなければならないと定めている。シグマファ
ンドの投資方針に基づき、米国政府、政府機関および政府支援機関(government-sponsored enterprises)の債務証
券を除いて、1つの発行体の債務証券がシグマファンドのポートフォリオ全体に占める比率は5%以下でなければ
ならない。シグマファンドの投資方針はさらに、変動金利投資商品の場合、金利が少なくとも年1回再設定される条
件で、購入日から36ヶ月以内に満期を迎える商品でなければならないと定めている。ファンドが保有する投資商品の
金利再設定までの平均期間は120日以下と定められており、実際のポートフォリオ(現金および債務不履行証券を除
く。)の金利再設定までの平均期間は2009年12月31日現在で15日、2010年12月31日現在で18日であった。
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シグマファンドへの投資は、公正価値で計上されている。当社は、シグマファンドへの投資の公正価値を決定する
ために、主に評価・プライシングモデルおよびブローカー相場に依拠している。評価モデルは、第三者プライシング
サービス機関によって開発・整備されており、ベンチマーク利回り、報告された取引、相手方に取引する用意と能力
がある場合はブローカー/ディーラー相場、発行体スプレッド、ベンチマーク証券、買い呼値、売り呼値およびその他
の参照データを含め、数多くの標準インプットを用いる。アセットクラスごとに、標準インプットに加えて、認識した
市場の動きおよび業界ニュースに関連する数値化可能なインプットが考慮に入れられることもある。
シグマファンド投資のうち当社連結貸借対照表において「流動」に分類されたのは、2009年12月31日現在の51億
ドルに対し、2010年12月31日現在は47億ドルとなった。「流動」に分類されたシグマファンド投資の加重平均満期
は、2009年末の1ヶ月(現金202百万ドルおよび債務不履行証券を除く。)に対して、2010年12月31日現在は1ヶ月
(現金24億ドルおよび債務不履行証券を除く。)であった。2010年12月31日時点のシグマファンドの現金残高の大半
は、モトローラ・モビリティの分社化のために留保されていた。2010年12月31日時点で、シグマファンド投資のおよ
そ99%は、現金ならびに米国政府、政府機関および政府支援機関の債務証券に投資されていた。このことは、投資収益
よりも資本の保全を優先するという当社の戦略的決定を反映している。
2010年中、当社は、シグマファンド投資による利得11百万ドルを連結損益計算書の「営業外収益(費用)」に計上
した。これに対し、2009年はシグマファンド投資による利得80百万ドルを計上した。
2008年第4四半期中、当社は、シグマファンド投資の公正価値の変動に関する会計処理を変更した。2008年第4四
半期より前の期間においては、一時的とみなす公正価値の下落と一時的でないとみなす下落を区別していた。ある証
券に対して契約条件に従って支払われるべき全額が回収されない可能性が高くなった場合、当社は、その証券を減損
しているとみなし、一時的でない公正価値の下落を損益計上していた。2008年中、当社は、連結損益計算書においてシ
グマファンド投資の一時的でない減損186百万ドルを計上した。
2008年第4四半期より、当社は、シグマファンド投資の公正価値の変動をすべて連結損益計算書に計上している。
その結果、2008年第4四半期中、シグマファンド投資による累積的損失101百万ドルを連結損益計算書に計上した。当
社は、2008年第4四半期より前の期間に生じた金額は、それらの期間に係る連結営業成績にとって重要ではないと判
断した。
2008年中、シグマファンドの減損費用は186百万ドルであった。減損費用は主に、リーマン・ブラザーズ・ホール
ディングス・インク(Lehman Brothers Holdings, Inc.)、ワシントン・ミューチュアル・インク(Washington
Mutual, Inc.)、ならびにゴーディアン・ノット・リミテッド(Gordian Knot, Limited)(本社:英国)によって
運営されていた当社とは関連のない特別投資会社、シグマ・ファイナンス・コーポレーション(Sigma Finance
Corporation)への投資の債務不履行に関連していた。
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満期が12ヶ月超の証券および債務不履行証券は、当社の連結貸借対照表において「非流動」に分類されている。
2010年12月31日現在、シグマファンド投資のうち70百万ドルが「非流動」に分類されており、「非流動」に分類され
たシグマファンド投資(債務不履行証券を除く。)の加重平均満期は、164ヶ月であった。2009年12月31日現在、「非
流動」に分類されたシグマファンド投資は66百万ドルであった。
当社は継続的に現金需要の評価を行っており、現金および現金等価物、短期投資、ならびに「流動」に分類される
シグマファンドへの投資の残高が今後12ヶ月にわたる当期の営業上の必要額を満たすのに十分以上であると考えて
いる。
戦略的買収および投資:当社が買収および新規投資活動に使用した現金(純額)は、2008年の282百万ドルおよび
2009年の38百万ドルに対して、2010年は170百万ドルとなった。2009年および2010年中に使用した現金は、当社全体で
の小規模な戦略的投資のためのものであった。
設備投資:設備投資額は、2008年の408百万ドルおよび2009年の204百万ドルに対して、2010年は335百万ドルと
なった。設備投資に関する決定における当社の重点は、顧客需要と新たな設計能力を決定要因とする戦略的投資に注
力することにある。
投資資産および事業の売却:投資資産および事業の純売却益は、2008年の120百万ドルおよび2009年の343百万ド
ルに対して、2010年は276百万ドルを計上した。2010年の売却益276百万ドルの主な内訳は、イスラエルに拠点を置く
当社のワイヤレス・ネットワーク運営事業および1件の投資資産の売却であった。2009年の売却益343百万ドルの主
な内訳は、(ⅰ)グッド・テクノロジー、および(ⅱ)バイオメトリクス事業の売却、ならびに当社の株式投資の一
部の売却に関連して受け取った正味手取金であった。
財務活動
2010年においては、財務活動に使用した現金(純額)は、468百万ドルであった。これに対し、2009年は財務活動か
ら493百万ドルが得られ、2008年は150百万ドルを使用した。2010年中に財務活動に使用した現金の主な内訳は、長期
債務の返済のためのおよそ10億ドルであったが、(ⅰ)廃止事業からの分配金383百万ドル、ならびに(ⅱ)当社の
従業員ストック・オプション制度および従業員株式購入制度に関連する普通株式発行により受領した現金(純額)
179百万ドルにより、一部相殺された。
2009年中に財務活動から得られた現金は主に、(ⅰ)廃止事業からの分配金703百万ドル、ならびに(ⅱ)当社の
従業員ストック・オプション制度および従業員株式購入制度に関連する普通株式発行により受領した現金116百万
ドルであったが、(ⅰ)長期債務の返済に使用した現金132百万ドル、(ⅱ)配当金支払に使用した現金114百万ド
ル、および(ⅲ)短期借入金の返済に使用した現金86百万ドルにより、一部相殺された。
短期債務:当社の支払手形残高および1年以内返済予定の長期債務は2010年12月31日現在、2009年末の536百万ド
ルに対して、605百万ドルとなった。
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当社は2010年11月に、2010年11月15日満期7.625%ノートの残存元本総額527百万ドル全額を、満期日に償還した。
長期債務:当社の長期債務残高は2010年12月31日現在、前年末の34億ドルに対し、22億ドルとなった。
2010年第2四半期中、当社は、未払長期債務およそ500百万ドルを購入価格477百万ドル(経過利息およそ5百万ド
ルを除く。)で買い戻した。買い戻された長期債務500百万ドルの内訳は、(ⅰ)2025年満期6.50%ディベンチャー
(以下「2025年ディベンチャー」という。)の当該時点での発行残高379百万ドルのうち65百万ドル、(ⅱ)2028年
満期6.50%ディベンチャー(以下「2028年ディベンチャー」という。)の当該時点での発行残高286百万ドルのうち
75百万ドル、(ⅲ)2037年満期6.625%シニアノート(以下「2037年シニアノート」という。)の当該時点での発行
残高446百万ドルのうち222百万ドル、および(ⅳ)2097年満期5.22%ディベンチャーの当該時点での発行残高252百
万ドルのうち138百万ドルの各元本であった。社債発行費用および発行差金の繰上償却後、当社は、この社債の買戻し
に関連しておよそ12百万ドルの損失を連結損益計算書の「営業外収益(費用)」の中の「その他」に計上した。
2009年第1四半期中、当社は、未払長期債務199百万ドルを総購入価格133百万ドル(経過利息4百万ドルを含
む。)で買い戻した。買い戻された長期債務199百万ドルの内訳は、(ⅰ)2025年満期7.50%ディベンチャーの当該時
点での発行残高358百万ドルのうち11百万ドル、(ⅱ)2025年ディベンチャーの当該時点での発行残高399百万ドル
のうち20百万ドル、(ⅲ)2028年ディベンチャーの当該時点での発行残高299百万ドルのうち14百万ドル、および
(ⅳ)2037年シニアノートの当該時点での発行残高600百万ドルのうち154百万ドルの各元本であった。当社は、これ
らの公開市場での買入れに関連しておよそ67百万ドルの利得を、連結損益計算書の「営業外収益(費用)」の中の
「その他」に計上した。
2011年1月現在、米国の大手格付機関3社が当社の優先無担保長期社債を投資適格に格付けした。当社は、現在の
格付で資本市場への十分なアクセスを維持できるものと考えている。資本市場における将来の混乱、不確実性または
不安定性は、当社の資金調達コストを増大させ、資金にアクセスする当社の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社では、随時、公開市場での現金購入や非公開交渉による取引等により、一部の既発債の償還を図ることがある。
実際の買戻しは(もしあれば)、一般的な市況、当社の流動性要件、契約上の制限、およびその他の要因に左右される
だろう。
配当金の支払:2010年中、当社は、普通株式の株主に対する配当を実施しなかった。2009年中、当社は、普通株式の
株主に対して、2008年11月に宣言された配当金支払に関連して114百万ドルの配当金を支払った。その全額が2009年
第1四半期に支払われた。2009年2月、当社は、取締役会が当社の普通株式について四半期配当の宣言を延期したと
発表した。
2010年12月31日に終了した事業年度において、当社は、子会社の普通株式に関連して少数株主に配当金23百万ドル
を支払った。
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信用供与枠
2010年12月31日現在、当社は、2011年12月に満期が到来する国内シンジケート・リボルビング信用供与枠(その後
の改定を含み、以下「信用供与枠」という。)を有していた。信用供与枠の規模は、(ⅰ)15億ドル、または(ⅱ)適
格国内売掛金および棚卸資産に基づき決定された金額のいずれか低い金額であった。当社が信用供与枠に基づき借
入を実施することを決定した場合、その時点で初めて、国内売掛金、および当社の裁量により国内棚卸資産を担保に
差し入れることが要求される。信用供与枠に基づき、当社は、信用供与枠に基づく残りの利用可能枠が225百万ドルを
下回らない限り、財務制限条項の遵守を要求されない。当社は、この信用供与枠またはその前身の国内シンジケート
・リボルビング信用供与契約に基づき借入を実施したことはなかった。
2011年1月4日、当社は信用供与枠を解除し、2014年6月30日に満期が到来する新たな15億ドルの無担保シンジ
ケート・リボルビング信用供与枠(以下「2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約」という。)を締結した。
2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約には、当社が貸付人を追加することによって、または既存の貸付人に
コミットメント額を増額させることによって信用供与枠の規模を最大総額20億ドルまで増額することを可能にする
条項が含まれている。当社は、2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約に定義されている最大レバレッジおよ
び最低インタレスト・カバレッジ・レシオの維持をはじめとする一定の一般的な誓約事項を遵守しなければならな
い。
契約債務およびその他購入契約
次表は、2010年12月31日現在の長期借入債務(保有者が可能な限り早期にプット・オプションの権利を行使する
と想定)、リース債務、購入債務、納税債務およびその他の債務に基づき、将来返済すべき当社の債務および義務をま
とめたものである。
年度ごとの必要返済額
(単位:百万ドル)
合計
長期債務
$2,660
$605
$405
$5
$4
$4
$̶
$1,637
購入債務
586
482
67
36
1
̶
̶
̶
リース債務
555
205
146
78
54
31
̶
41 納税債務
234
100
̶
̶
̶
̶
134
̶
その他の債務
100
̶
̶
̶
̶
100
̶
̶
$4,135 $1,392
$618
$119
$59
$135
$134
$1,678
契約債務合計
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 未確定期間 それ以降
計上される金額は、確定契約による解約不可の義務を表す。
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次表は、モトローラ・モビリティの分社化後の2011年1月4日現在の将来返済すべき当社の債務および義務をま
とめたものである。
年度ごとの必要返済額
(単位:百万ドル)
合計
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 未確定期間 それ以降
長期債務
$2,660
$605
$405
$5
$4
$4
$̶
$1,637
リース債務
343
124
86
52
37
21
̶
23
納税債務
209
100
̶
̶
̶
̶
109
̶
購入債務
106
63
26
17
̶
̶
̶
̶
その他の債務
100
̶
̶
̶
̶
100
̶
̶
契約債務合計
$3,418
$892
$517
$74
$41
$125
$109
$1,660
計上される金額は、確定契約による解約不可の義務を表す。
長期債務:1年以内返済予定の長期債務を含む公的(publicly-held)長期社債は、モトローラ・モビリティの分
社化後、すべてモトローラ・ソリューションズに残存し、総額27億ドルにのぼった。
リース債務:当社は、その主要施設のほとんどを所有しているが、一部の事務所、工場・倉庫スペース、土地、およ
び情報技術用その他の機器は、主に解約不能なオペレーティング・リースに基づいて賃借している。モトローラ・モ
ビリティの分社化後、モトローラ・ソリューションズの最低転貸料を控除した将来の最低限のリース債務は総額343
百万ドルにのぼった。転貸料収入控除後の賃借料は、2008年が171百万ドル、2009年が146百万ドル、2010年が131百万
ドルであった。
納税債務:モトローラ・モビリティの分社化後、モトローラ・ソリューションズは複数の税管轄地および税年度
に関しておよそ209百万ドルの未認識の税務上の利益を有している。当社の全世界における税務調査の予想される結
果、特定の税管轄地の時効成立、または税制上の優遇措置を受けるための義務を果たす継続的能力に基づき、未認識
の税務上の利益が今後12ヶ月以内に変動する合理的な可能性がある。評価引当金の変動を除外した実効税率への税
務上の正味影響額は、50百万ドルの税金費用から75百万ドルの便益の範囲内になると推定されており、現金支払額は
100百万ドルを超えないものと予想される。
購入債務:当社は、在庫の買取、ソフトウェア・ライセンス、販売促進活動および研究開発に関する契約を締結し
ており、これらの契約は、確定契約であって解約不能となっている。モトローラ・モビリティの分社化後、上記の契約
に関連するモトローラ・ソリューションズの債務は2013年まで継続しており、これらの契約に基づく当社の予想支
払額は総額106百万ドルにのぼった。
当社は、資材および原料の調達のために、テイク・オア・ペイ義務を伴う数々の協定を締結している。モトローラ
・モビリティの分社化後、かかる供給業者に対するモトローラ・ソリューションズの債務は2013年まで継続してお
り、最低購入義務は総額83百万ドルとなっている。当社では、将来においてこれらの契約のいずれかが解約されると
は予想しておらず、これらの供給会社からの購入が契約期間中の最低購入義務を超えるものと推定している。
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その他の債務:2011年1月、PBGCは、当社が今後5年間にわたり米国一般従業員対象年金制度に対し、法定要件を
100百万ドル上回る拠出を行うというモトローラ・ソリューションズとの合意を発表した。当社とPBGCは、当社がモ
トローラ・モビリティを分社化し、ネットワークス事業の一部の資産の売却を進める中でこの合意を締結した。
その他の長期契約に基づく義務:当社は、供給業者からソフトウェア、部品、資材、および原料を購入する長期契約
を締結している。大部分は期間1∼3年の契約(ソフトウェアに関しては期間3∼5年の契約)である。一般にこれ
らの契約は当社に何らかの購入を義務付けるものではなく、その多くは、事前通知(通常、60日前∼180日前)によっ
て当社が契約を解除することを認めている。当社がこれらの契約を解除する場合、一般には所定の解約料を支払う義
務を負う。解約料は通常、実施された作業と、取り消された注文に起因する供給業者の手持ちの在庫および原材料に
基づいて算出される。当社の責任は、「正当事由」以外の理由で契約を解除した場合に限り生じる。
当社では、給付金管理や情報技術関連サービス等、一部の企業機能をアウトソーシングしている。これらの契約は、
2013年に満了する見込みである。モトローラ・モビリティの分社化後、これらの契約に基づくモトローラ・ソリュー
ションズの支払残額の総額は、契約の残存期間にわたりおよそ517百万ドルとなっているが、契約は解除することも
可能である。解除には違約金が伴うが、違約金の金額は年間契約料の残額よりかなり低くなっている。また、解除した
場合は、アウトソーシングしたサービスについて、社内での処理の可能性を含め、別のサービス供給元を探す必要が
生じるだろう。
特定のプロジェクトの入札や完了に際しては慣例となっていることであるが、当社が長年従ってきた慣行に従っ
て、当社では、廃止事業に関連するプロジェクトを含め、主にエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門
およびホーム部門のプロジェクトに関連して、多数の履行/入札保証、未使用のスタンドバイ信用状および保証証券
(以下これらを「履行保証等」と総称する。)を有している。これらの履行保証等は通常、数年で満期が到来し、業界
では、請負業者が契約に基づく要件を満たさない場合に解決を図るための便利な手段を発注顧客に供与する方法と
して、標準的に使われている。一般的には、顧客が履行保証等を実行できるのは、当社がプロジェクト契約の全ての条
件を履行しなかった場合に限られる。そのような事態が発生した場合、当社は履行保証等を発行した機関に対し、支
払金額について補償責任を負うことになる。当社の長い歴史において、履行保証等が当社に対して実際に使用された
ことはほとんどない。2010年12月31日現在、未使用の履行保証等の残高は、前年末の19億ドルに対して、総額およそ17
億ドルとなった。モトローラ・モビリティの分社化後、モトローラ・ソリューションズの未使用の履行保証等の残高
は、総額およそ16億ドルとなった。銀行市場、保険市場または資本市場における将来の混乱、不確実性または不安定
性、あるいは当社の信用格付けの変動は、履行保証等を入手する当社の能力に悪影響を及ぼし、資金調達コストを増
大させる可能性がある。
簿外契約:当社は、レギュレーションS-Kの項目303(a)(4)(ⅱ)に定義されるところの、いかなる簿外契約も有し
ていない。
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長期顧客向け融資約定
融資契約残高:当社が提供するインフラストラクチャ設備の一部の購入者は、設備販売に関連して、当社に対し、
長期融資(期間が1年を超える融資と定義される。)を求めることがある。かかる融資要請には、設備の購入価格の
全部または一部が含まれる場合がある。当社の長期融資義務は、優良銀行が当社を受益者として信用状を発行するこ
とで購入者の信用力を裏付けるか、優良銀行が当社からの長期債権の購入を事前に確約することを条件とすること
がある。第三者への長期融資契約残高は2010年12月31日現在、2009年末の総額406百万ドルに対して、総額356百万ド
ルであった。これらの金額のうち、信用状または銀行による長期債権の購入確約による裏付けがあったのは2010年12
月31日現在、2009年末の13百万ドルに対して、27百万ドルであった。2010年12月31日現在の融資契約残高の大半は、中
東地域における少数のネットワーク事業者に対するものである。当社は、NSNへのネットワーク部門の売却後、同部門
に関連する融資契約のうち融資実行された部分を留保することになっており、2010年12月31日現在のその総額はお
よそ235百万ドルにのぼった。
第三者債務の保証:一部の設備を購入した顧客への直接融資に加え、当社は、顧客が設備の購入に充てるために、
銀行およびその他の資金源から直接融資を受けることを支援している。顧客融資に関連して当社が供与を約束した
信用保証額は2010年12月31日現在、2009年末の31百万ドル(短期売掛債権の売却に関連する27百万ドルを含む。)に
対し、13百万ドル(同9百万ドルを含む。)であった。顧客融資保証残高は2010年および2009年12月31日現在、いずれ
も4百万ドル(2010年および2009年12月31日現在ともに、短期売掛債権の売却に関連する2百万ドルを含む。)で
あった。
長期債権残高:当社の長期債権残高(純額)は2010年12月31日現在、2009年末の145百万ドル(9百万ドルの損失
引当金の控除後)に対し、283百万ドル(3百万ドルの損失引当金の控除後)であった。これらの長期債権は概ね、金
利2%から12%の有利子債権である。
債権の売却
当社は随時、売掛金および長期債権を1回限りの取り決めにおいてノンリコースの条件で第三者に売却している
が、一方で、約定枠に基づいて第三者に売却されているものもある。かかる約定枠は、条件を満たす債権を一定の未決
済金額の枠内で買い取るという第三者の契約上の約定により設定される。約定枠は、事実上、リボルビングになるこ
とがあり、一般に、年1度更新しなければならない。当社は、売却された売掛金および長期債権に対するサービシング
義務を留保することも、しないこともある。
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2010年12月31日現在、当社は、売掛金の売却のために、2011年6月に満期を迎える200百万ドルのリボルビング売掛
金売却枠を有しており、その全額が使用可能であった。これらの売掛金の売却により当社が受領する当初現金手取金
は、200百万ドル、あるいは引当金控除後の適格売掛金のいずれか少ない方を上限としている。2009年12月31日現在、
当社は、売掛金の売却のために200百万ドルのリボルビング約定信用供与枠を有しており、うち140百万ドルが使用可
能であった。2009年および2010年12月31日現在、長期債権の売却のための重要な約定枠はなかった。2008年12月31日
現在、当社は、売掛金の売却のために532百万ドルのリボルビング約定枠を有しており、うち35百万ドルが使用可能で
あった。これに加えて、当社は2008年12月31日現在、主に単一の顧客に関する長期債権の売却に関連して435百万ドル
の約定枠を有しており、うち173百万ドルが使用可能であった。
以下の表は、2008年、2009年および2010年12月31日を以て終了した事業年度の売掛金および長期債権のノンリコー
ス売却による手取金をまとめたものである。
2010年
事業年度末(12月31日)
2009年
2008年
1回限りの売却による累積年間手取金
売掛金の売却による手取金
長期債権の売却による手取金
1回限りの売却による手取金合計
約定枠に基づく売却による累積年間手取金
売掛金の売却による手取金合計
$716
$1,000
$2,124
69
72
281
785
1,072
2,405
70
233
1,281
$855
$1,305
$3,686
2010年12月31日現在、当社は、売却した売掛金のうち440百万ドル、長期債権のうち277百万ドルに対してサービシ
ング義務を留保していた。これに対して、2009年12月31日現在は、売却した売掛金のうち195百万ドル、長期債権のう
ち297百万ドルに対してサービシング義務を留保していた。
特定の取決めでは、売却された売掛金の価値は、第三者である保険会社から購入した信用保険によって、保険契約
に基づく免責金額または自家保険の要求額を差し引いて裏付けられている。これらの取決めに基づき、売却された売
掛金残高に対する当社の信用リスクの総額(保険金控除後)は2010年および2009年12月31日現在、それぞれ9百万
ドルおよび27百万ドルであった。
社内の十分な資金源
米国内の現金、現金等価物、短期投資、およびシグマファンド残高の水準、ならびに外国の法域から資金を本国に送
金する能力に基づき、当社は、今後12ヶ月間に予想される運転資金および設備投資の必要額を供給できる十分な財源
を社内に有していると考えている。
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その他の偶発債務
本来の契約価値を超える契約関連賠償請求について:一定の状況下では、不履行に関して他方当事者が請求し得
る賠償額が、当該契約から当社が得る収益を上回ることとなるような契約を顧客と締結することがある。この種の上
限のない賠償規定を備えた契約は、きわめて稀であるが、それぞれの契約はやはり相当のリスクとなる。このような
契約のうちのひとつに関して相手方当事者が賠償請求を行った場合、当該契約に関して当社が相手方当事者より受
け取る収益をはるかに上回る費用を当社が負担する可能性がある。
補償引当金:さらに、当社は、特定の商業契約、知的財産契約および部門売却契約に含まれる一般保証の違反に起
因する損失について補償を提供することがある。過去において、当社は、かかる契約に基づいて重要な支払を行った
ことも、重要な請求を受けたこともない。しかし、現在の法的環境を考えると、知的財産補償に関連するリスクは高
まっている。補償が関わるケースにおいて、当社による支払は、他方当事者が特定の契約において明記されている手
続に従って賠償請求を行うことを条件としており、かかる手続は通常、当社が他方当事者の請求に異議を唱えること
を認めている。さらに、表明および保証の違反に基づく補償について部門売却契約に基づき当社が負う義務は一般
に、期間の点では通常、24ヶ月以下、金額の点では契約価値を超えない金額に制限されており、かつ、場合によっては
当社が、当社による特定の支払について第三者への遡求権を有することもある。
知的財産に関する問題:2010年中、当社はある他社との和解およびライセンスに関する契約を締結した。これによ
り、懸案となっていた両社間の訴訟はすべて解決されている。この契約には、相手方会社から当社への175百万ドルの
前払金、特定の知的財産のライセンスに関して相手方会社から当社に支払われる将来のロイヤリティ、および両社間
の特定の特許の移転に関する規定が含まれていた。この契約および交換された特許権の評価を受けて、当社は、2010
年12月31日を以て終了した事業年度において、懸案となっていた両当事者間の訴訟の和解に関連して228百万ドルの
税引前利得を計上した。これらの将来のロイヤリティに対する権利は、2011年1月4日に実施された分社化の一環と
してモトローラ・モビリティに移転された。
2010年中、当社は、別の会社と当社との間の知的財産紛争を解決するために、当該会社と和解契約を締結した。この
和解契約を受けて、当社は、現金65百万ドルを受領し、特定の特許財産の譲渡を受けた。この契約の結果、当社は、2010
年12月31日を以て終了した事業年度において、懸案となっていた両当事者間の訴訟の和解に関連して94百万ドルの
税引前利得を計上した。
法的問題:当社は、通常の事業活動で発生する様々な訴訟、請求および措置において被告の立場に置かれている。
当社の経営陣は、こうした案件の最終的な帰結が当社の連結上の財政状態、流動性および営業成績に重大な悪影響を
及ぼすことはないと考えている。しかし、当社に不利な結果となった場合、当該問題が最終的に解決された期間にお
ける当社の連結上の財政状態、流動性または営業成績に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
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部門別情報
以下の記載は、当社連結財務諸表の注記12「事業部門別および地域別情報」で詳述される各事業部門の財務成績
と併せてお読みいただきたい。2008年、2009年および2010年における当社の3事業部門の純売上高および営業成績は
以下の通りである。
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高が当社連結純売上高に占める比率は、2008年の
33%、2009年の40%に対して、2010年は41%となった。
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル)
部門純売上高
営業利益(損失)
2010年
2009年
$7,857
$7,169
949
736
増減率
2008年
$8,228
(343)
2010̶2009年
2009̶2008年
10%
(13)%
29%
***
***増減率は該当なし。
2009年と比較した2010年の部門別業績
2010年のエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高は79億ドルとなり、2009年の72億ドル
から10%増加した。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高が10%増加したのは、法人市場
への純売上高が19%増加し、官公庁・パブリックセーフティー市場への純売上高が5%増加したことを反映してい
る。同部門の純売上高の増加は、あらゆる地域における純売上高の増加を反映している。
同部門の営業利益は、前年の736百万ドルに対し、2010年は949百万ドルとなった。営業利益の増加は主に、純売上高
の10%の増加と有利な製品構成による売上総利益の増加によるものであったが、(ⅰ)主に純売上高の増加に関連
する販売・マーケティング費の増加による販売費および一般管理費の増加、(ⅱ)主に次世代技術への投資に起因
する研究開発費の増加により、一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2010年の売上総利益ならびに販売費およ
び一般管理費は前年より若干増加し、研究開発費は前年より減少した。
北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部門の事業の大部分を構成しており、同部門の純売上高に占める割合
は、2009年は約59%、2010年は約58%であった。同部門の受注残高は、2009年12月31日および2010年12月31日現在とも
に、26億ドルであった。
2008年と比較した2009年の部門別業績
2009年のエンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門の純売上高は72億ドルとなり、2008年の純売上高
82億ドルから13%減少した。純売上高が13%減少したのは、法人市場への純売上高が21%減少したことと、官公庁・
パブリックセーフティー市場への純売上高が10%減少したことを反映している。同部門の純売上高は、北アメリカ、
EMEAおよびラテンアメリカで減少し、アジアで増加した。
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同部門の2009年の営業利益は、736百万ドルとなり、営業損失343百万ドルを計上した前年より増加した。営業利益
の増加は主に、資産の減損に関連する2008年の費用16億ドルに相当する費用が2009年に発生しなかったことなどに
より「その他費用」が15億ドル減少したことによるものだが、主に従業員退職費用の増大に関連して事業再構築の
費用が増加したことにより、一部相殺された。営業利益の増加には、主にコスト削減の取り組みによる節減に関連す
る販売費および一般管理費ならびに研究開発費の減少も寄与した。これらの要因は、純売上高の13%の減少と不利な
製品構成による売上総利益の減少によって一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2009年の売上総利益は前年よ
り減少し、研究開発費ならびに販売費および一般管理費は前年より増加した。
北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部門の事業の大部分を構成しており、同部門の純売上高に占める割合
は2008年の約58%に対し、2009年は約59%であった。2009年12月31日現在の同部門の受注残高は、前年末の25億ドル
に対して、26億ドルであった。
モバイルデバイス部門
モバイルデバイス部門の純売上高が当社連結純売上高に占める比率は、2008年の48%、2009年の39%に対して、
2010年は40%となった。
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル)
部門純売上高
営業利益(損失)
2010年
$7,819
(76)
2009年
$7,146
(1,215)
2008年
増減率
2010̶2009年
2009̶2008年
9%
(41)%
(94)%
(50)%
$12,099
(2,432)
2009年と比較した2010年の部門別業績
2010年のモバイルデバイス部門の純売上高は78億ドルとなり、2009年の71億ドルから9%増加した。純売上高が
9%増加したのは主に、ASPが61%上昇したことによるものだが、出荷台数が32%減少したことにより一部相殺され
た。同部門の出荷台数は、市場におけるフィーチャーフォン分野と音声中心機器分野の比重の低下を反映している
が、スマートフォンの出荷台数の伸びにより一部相殺された。地域別に見ると、純売上高は、北アメリカ、アジアと
EMEAで増加したが、ラテンアメリカでの純売上高の減少により一部相殺された。
同部門では2010年、前年の営業損失12億ドルに対し、76百万ドルの営業損失が発生した。営業損失の減少は主に、
(ⅰ)特にスマートフォン機器の販売数の増加による有利な製品構成、(ⅱ)2010年の過剰在庫およびその他の関
連費用が前年を下回ったこと、ならびに(ⅲ)純売上高が9%増加したことにより売上総利益が伸びたことによる
ものだった。営業損失の減少には、(ⅰ)訴訟の和解に関連する283百万ドルの利得、(ⅱ)事業再構築の費用の減
少、および(ⅲ)コスト削減の取り組みによる節減を反映した研究開発費の減少も寄与したが、販売費および一般管
理費の増加により一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2010年の売上総利益は前年より増加し、販売費および
一般管理費は前年より若干減少し、研究開発費は前年より減少した。
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2010年の出荷台数は、2009年の55.1百万台から32%減少し、37.3百万台となった。2010年のスマートフォンの出荷
台数は、13.7百万台となった。2010年通年では、出荷台数は、北アメリカ、ラテンアメリカおよびアジアで大幅に減少
し、EMEAでは前年に比べ横ばい状態であった。
2010年のASPは、スマートフォンの比重を高めた有利な製品構成により、前年に比べ約61%上昇した。ASPは、製品構
成、市況、競争力のある製品の発売などの様々な要因に影響されており、ASPの推移は時間とともに変化することが多
い。
2008年と比較した2009年の部門別業績
2009年のモバイルデバイス部門の純売上高は71億ドルとなり、2008年の純売上高121億ドルから41%減少した。同
部門の純売上高は、スマートフォンをはじめ、特に3G製品などの大規模な市場セグメントにおける同部門の品揃えの
縮小、および下位クラスの製品の品揃えの薄さに悪影響を受けた。純売上高が41%減少したのは主に、出荷台数が
45%減少したことによるものであったが、ASPが8%上昇したことにより一部相殺された。地域別に見ると、純売上高
は、ラテンアメリカ、EMEAとアジアで大幅に減少し、それより程度は少ないが、北アメリカでも減少した。
同部門では2009年、12億ドルの営業損失が発生したが、前年の営業損失24億ドルと比べて50%の改善となった。営
業損失の減少は主に、(ⅰ)主としてマーケティング費の減少およびコスト削減の取り組みによる節減に起因する
販売費および一般管理費の減少、(ⅱ)コスト削減の取り組みによる節減を反映した研究開発費の減少、(ⅲ)主と
して2009年の過剰在庫費用が、ソフトウェア・プラットフォームとシリコン・プラットフォームの統合の決定によ
り370百万ドルの費用が計上された2008年を下回ったことをはじめとする、サプライチェーン効率、ならびに(ⅳ)
購入契約の清算に関連する2008年の費用150百万ドルに相当する費用が2009年には発生しなかったことによるもの
だが、純売上高の41%の減少による売上総利益の減少によって一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2009年の
売上総利益および研究開発費は前年より増大し、販売費および一般管理費は前年より減少した。
2009年の出荷台数は、2008年の100.1百万台から45%減少し、55.1百万台となった。2009年通年では、出荷台数は、ラ
テンアメリカ、EMEAおよびアジアで大幅に減少し、それより程度は少ないが、北アメリカでも減少した。世界の携帯端
末市場における2009年の総出荷台数は、前年比約6%減となったが、同部門の出荷台数は、市場全体の減少率よりも
はるかに高い比率で減少した。
2009年のASPは、前年に比べ約8%上昇した。ASPの全体的な上昇は主として、特にアンドロイド搭載のスマート
フォン約2百万台を出荷した2009年第4四半期において、製品クラスと地理的な売上高構成が変化したことによる
ものであった。対照的に、2008年のASPは前年に比べ横ばい状態であった。ASPは、製品構成、地理的構成、市況、競争力
のある製品の発売などの様々な要因に影響されており、ASPの推移は時間とともに変化することが多い。
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ホーム部門
ホーム部門の純売上高が当社連結純売上高に占める比率は、2008年の19%、2009年の21%に対して、2010年は19%
となった。
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル)
部門純売上高
営業利益(損失)
2010年
2009年
増減率
2008年
2010̶2009年
2009̶2008年
$3,641
$3,904
$4,912
(7)%
21%
152
16
340
***
95%
***増減率は該当なし。
2009年と比較した2010年の部門別業績
2010年のホーム部門の純売上高は36億ドルとなり、2009年の純売上高39億ドルから7%減少した。ホーム部門の純
売上高が7%減少したのは主に、(ⅰ)セットトップボックスの出荷台数が5%減少したこと、および(ⅱ)ASPの
下落を反映して、セットトップボックスの純売上高が12%減少したことによるものであった。セットトップボックス
の純売上高の減少は、映像・アクセスインフラ機器の純売上高が増加したことにより一部相殺された。
標準画質(以下、「SD」という。)セットトップ機器の出荷台数は、主に需要の減少を受けて北アメリカの大手通
信・ケーブル事業者への出荷台数が減少したことにより、大幅に減少した。SDセットトップの出荷台数の減少は、HD
およびHD/デジタルビデオレコーダー(以下これらを「HD/DVR」と総称する。)セットトップ機器の出荷台数が、HD
およびDVR機能に対する需要増大を受けて増加したことにより、一部相殺された。
地域別に見ると、純売上高は、北アメリカ、アジアとEMEAで減少したが、ラテンアメリカでは増加した。北アメリカ
における純売上高は、引き続き同部門の事業の大部分を構成しており、同部門の純売上高に占める割合は2009年の約
78%に対し、2010年は約75%であった。
同部門の営業利益は、前年の16百万ドルに対し、2010年は152百万ドルとなった。営業利益の増加は主に、(ⅰ)コ
スト削減の取り組みによる節減を反映した研究開発費の減少、(ⅱ)製品ライン全体にわたる有利な製品構成によ
る売上総利益の増加、および(ⅲ)2009年中の法的問題を解決するための経常外費用75百万ドルによるものであっ
た。対純売上高比率で見ると、2010年の売上総利益ならびに販売費および一般管理費は前年より増加した一方、研究
開発費は前年より減少した。
2008年と比較した2009年の部門別業績
2009年のホーム部門の純売上高は39億ドルとなり、2008年の純売上高49億ドルから21%減少した。ホーム事業にお
ける純売上高の21%の減少は主に、(ⅰ)マクロ経済の状況を受けて北アメリカの大手ケーブル・通信事業者への
出荷が減少したことが主な原因となり、セットトップボックスの出荷が18%減少したこと、および(ⅱ)製品構成の
不利な変動によるASPの下落によるものであった。
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SDセットトップボックスおよびHDセットトップボックスの純売上高は、主に需要の減少を受けて北アメリカの大
手通信・ケーブル事業者への出荷台数が減少したことにより、大幅に減少した。SDおよびHDセットトップボックスの
出荷台数の減少は、(ⅰ)DVR機能に対する需要の増大によるHD/DVR機器の出荷台数の増加、および(ⅱ)IP方式の
セットトップボックスの増加により、一部相殺された。
地域別に見ると、純売上高の21%の減少は主に、北アメリカとラテンアメリカにおける純売上高の減少によるもの
だが、EMEAとアジアにおける純売上高の増加により一部相殺された。北アメリカにおける純売上高が同部門の純売上
高総額に占める割合は、2008年の約81%に対し、2009年は約78%となった。
同部門の2009年の営業利益は、前年の340百万ドルから95%減少して16百万ドルとなった。営業利益の減少は主に、
(ⅰ)純売上高が21%減少したことによる売上総利益の減少、および(ⅱ)訴訟の和解に関連する費用75百万ドル
によるものであった。これらの要因は、コスト削減の取り組みによる節減を反映した研究開発費の減少により一部相
殺された。対純売上高比率で見ると、2009年の売上総利益は前年より若干減少し、販売費および一般管理費ならびに
研究開発費は前年より増加した。
重要な会計方針
「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においては、米国で一般に公正妥当と認められた企
業会計原則に従って作成された当社の連結財務諸表について検討している。この連結財務諸表の作成に際して、当社
の経営陣は、資産および負債の報告額、財務諸表の作成日における偶発資産および負債の開示、ならびに報告期間中
の損益の報告額に影響を及ぼす見積もりおよび仮定を行うことを求められる。
経営陣は、その見積もりおよび判断の基礎を過去の経験、現在の経済および産業状況、ならびにその状況下におい
て妥当と考えられる他の様々な要因に置いている。これは、資産および負債の帳簿価格について判断する基礎となる
ものであり、他の方法では容易には明らかになりにくいものである。実際の業績は、その他の様々な仮定や状況にお
いては予想と異なることがある。当社の経営陣は、以下の重要な会計方針について重要な判断および予想が要求され
ると考えている。
‒ 収益認識
‒ 棚卸資産評価
‒ 法人所得税
‒ シグマファンドおよび投資ポートフォリオの評価
‒ 再構築活動
‒ 退職関連給付
‒ のれんおよび長期資産の評価と回収可能性
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収益認識
2009年10月、財務会計基準審議会(以下「FASB」という。)は、複数の提供物を伴う収益契約に関する会計基準を
改定する新たな指針を公表した。この新たな指針は、提供物が一括契約において販売される場合にそれらの提供物を
独立した会計単位に分離するために要求される基準を変更するとともに、売手が販売価格に関する売手特有の客観
的証拠(以下「VSOE」という。)も販売価格の第三者証拠(以下「TPE」という。)も有していない場合、提供物の見
積販売価格(以下「ESP」という。)を用いて契約対価を配分することを要求している。また、契約対価を配分するた
めの残価法の使用も廃止している。
2009年10月、FASBは、相互に機能して有形製品にとって必要不可欠な機能を提供するソフトウェア要素と非ソフト
ウェア要素を含む有形製品を、ソフトウェアの収益認識指針の適用範囲から除外する新たな指針も公表した。
新たな会計指針は、2010年6月15日以降に締結された、または重要な点で変更された収益契約に適用される。同指
針は、将来に向かっての適用または遡及的適用のほか、早期適用も認めている。当社は、同指針を2010年度の第1四半
期の期首から、2010年1月1日以降に締結された、または重要な点において変更された契約について、将来に向かって
早期適用することを選択した。
当社の重要な収益源は、独立型機器の提供から、長期にわたる注文設計および設置、そして装置、機器、ソフトウェ
アおよびサービスの一括販売にいたるまで広範な活動の結果によるものである。当社が締結する収益契約は、顧客の
ニーズにより、当社製品やサービス提供という複数の提供物で構成されることがある。加えて、当社製品の多くは、相
互に機能して製品にとって必要不可欠の機能を提供するソフトウェア要素と非ソフトウェア要素の両方を有してい
る。当社は、契約の説得力ある証拠が存在し、引渡しが行われ、販売価格が固定または決定可能であり、かつ販売価格
の回収可能性が合理的に保証される場合に収益を認識している。これらの一般的な収益認識基準に加え、当社は、以
下の特定の収益認識指針に従っている。
製品および機器−製品および機器の販売に関して、収益認識は一般に、製品または機器が出荷され、損失の危険負
担が顧客に移転されており、顧客の検収条件が満たされたという客観的証拠が存在し、重要な義務が残存しておら
ず、かつ、割引、価格保護、返品および顧客へのインセンティブに対する引当金を信頼できる方法で見積もることがで
きる場合に行われる。計上された収益は、上記引当金によって減額される。当社は、販売製品の種類、顧客の種類およ
び各契約における特定の種類の取引を考慮に入れて、過去の実績に基づき上記引当金を見積もっている。顧客へのイ
ンセンティブを信頼できる方法で見積ることができない場合、当社は、製品が販売チャンネルを通じてエンドカスタ
マーに販売された時点で収益を認識する。
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長期契約−当社の機器またはソフトウェアのカスタマイズを伴う長期契約について、当社は一般に、契約を完了す
るための見積費用総額に占める既発生費用の比率に基づく工事進行基準を用いて収益を認識している。長期契約に
関連する収益または費用を信頼できる方法で見積もることができない場合や契約にその他固有の不確実性が含まれ
ている場合など特定の場合においては、収益および費用は、プロジェクトが完了し顧客の検収が完了するまで繰り延
べられる。契約収益および契約コスト総額の最新の見積もりが契約による損失を示唆している場合、当該損失は、そ
れが明らかになった期間に認識される。
サービス―サービスによる収益は一般に、サービスが履行される契約期間にわたり比例的に認識される。
ソフトウェアおよびライセンス―前払いの永久ライセンスによる収益は、その他の関連する収益認識基準が全て
満たされている場合、契約の開始時に認識される。非永久ライセンスまたは期限付きライセンスによる収益は、ライ
センシーがライセンスを使用する期間にわたり比例的に認識される。ソフトウェアのメンテナンス、テクニカルサ
ポートおよび不特定のアップグレードによる収益は一般に、これらのサービスの提供期間にわたり認識される。
複合契約―顧客との契約には、製品、機器、サービスまたはソフトウェアの組み合わせなどの、複数の提供物が含ま
れていることがある。これらの複合契約には、その他の製品、機器、サービスまたはソフトウェアと一体化した長期契
約として会計処理されている要素も含まれる可能性がある。当社の複合契約において提供物の少なくとも一つが既
存のソフトウェアの収益認識指針の適用対象とならない場合、提供物は、(ⅰ)引き渡された構成要素が単独で顧客
にとって価値をなす時点、(ⅱ)未引渡しの構成要素の引渡しがほぼ確実となり、実質的に当社が支配しうるように
なった時点で、複数の個別の会計単位へと分離される。2010年1月1日に採用された新たな会計指針に基づき、分離
後、VSOEが存在するならば第一にVSOEに基づいて、VSOEが存在しないならば第二にTPEに基づいて、そしてVSOEとTPE
のいずれも存在しない場合は最後にESPに基づいて決定された各会計単位の相対的販売価格に基づき、収益が各会計
単位に配分される。
•VSOE―多くの場合、製品は、顧客が自ら製品をサポートしたりタイム・アンド・マテリアル方式でサポートを
購入したりするため、単独の契約に基づき個別に販売されている。それに加えて、総合コンサルティング、ネッ
トワーク管理またはアドバイザリープロジェクトなどの高度サービスも、単独の業務契約で販売されること
が多い。テクニカルサポートサービスも、年間契約の更新を通じて個別に販売されることが多い。当社は、特定
の製品またはサービスについて、個別に販売される場合の通常の価格設定および割引慣行に基づきVSOEを決
定している。VSOEの決定において、当社は、ある製品またはサービスの販売価格の実質的過半数が合理的に狭
い価格範囲内に収まることを要求しており、当該価格範囲は一般に、そのような過去の単独取引のおよそ80%
の設定料金が中央値のプラスマイナス15%の範囲に含まれることによって裏付けられるものとなる。これに
加えて、当社はVSOEの決定において、製品またはサービスの販売地域、主要な製品・サービスグループ、顧客区
分、およびその他の環境面またはマーケティング上の変動要因を考慮に入れている。
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•TPE―VSOEは通常、当社が提供物を個別に販売する場合にのみ存在する。VSOEが存在しない場合、当社は、類似
の提供物が個別に販売される場合の競合他社の価格に基づきTPEを決定するよう努める。一般に、当社製品の
多くの上市戦略は同業他社のそれとは異なっており、また、当社商品は高度にカスタマイズされ差別化されて
いることから、他社が販売する類似の機能を有する製品の価格設定を比較対象とすることはできない。さら
に、当社は、類似の競合他社製品のどの販売価格が、単独で販売される場合の価格なのかを信頼できる方法で
決定することができない。したがって当社は通常、TPEを決定することができない。
•ESP―ESPの目的は、製品やサービスが単独で販売される場合に当社が取引に用いるであろう販売価格を決定
することにある。VSOEもTPEも存在しない場合、当社は、以下の方法により契約要素のESPを決定する。すなわち
まず、製品の売上高、原価および利幅に関する分析を含むあらゆる合理的に入手可能な分析用データ、ならび
に当社の通常の価格設定慣行に基づくその他のインプットを収集する。次に、市場および当社固有の要因に基
づき、合理的に必要とされる調整をデータに加える。最後に、顧客、取引の規模および販売数量に基づき分析用
データを適宜階層化する。
契約の構成要素を複数の会計単位に分離した後、上記のように収益の性質に基づき独立した会計単位ごとに収益
が認識される。
複数の提供物を伴う当社の契約には、既存のソフトウェアの収益認識指針の適用対象となる独立型のソフトウェ
ア提供物も含まれていることがある。これらの複合契約の収益は、新たな収益に関する会計処理指針における階層を
用いて契約におけるあらゆる提供物の相対的販売価格に基づきソフトウェア提供物と非ソフトウェア提供物に配分
される。ソフトウェア提供物を含む、契約に含まれるあらゆる提供物の販売価格のVSOEまたはTPEを当社が決定でき
ない状況では、契約対価の配分上、ESPが用いられる。
複数の提供物を伴う当社の契約は、引き続き既存のソフトウェア収益認識指針が適用される提供物のみで構成さ
れていることがある。これらの契約については、収益はVSOEに基づき提供物に配分される。未引渡しのソフトウェア
要素についてVSOEが存在しない場合、収益は未引渡しの要素が引き渡される時点、または当該要素についてVSOEが確
定される時点のいずれか早い時点まで繰り延べられる。引渡し済みの要素の公正価値が確定されていないが、未引渡
しの要素について公正価値が存在している場合、当社は、未引渡しの要素全ての公正価値が決定可能であるならば残
価法を用いて収益を認識している。残価法に基づき、未引渡しの要素の公正価値は繰り延べられ、契約対価の残りの
部分は、引渡済みの要素に配分され、収益認識される。
以下の表は、純売上高の報告額と、2010年1月1日以降に締結されたか、または重要な点において変更された取引
に従前の会計指針が引き続き適用されていたならば2010年12月31日を以て終了した年度中に報告されたであろうプ
ロフォーマ数値(仮定に基づく見積額)を示している(単位:百万)。
報告額
2010年12月31日を以て終了した年度
純売上高
$19,282
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プロフォーマ数値
$15,953
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2010年12月31日を以て終了した年度について、新たな収益認識に関する会計指針に基づき計上された収益額と従
前の会計指針に基づき計上されたであろうプロフォーマの額との差異は主に、当社のモバイルデバイス部門による
スマートフォンの売上高に関連している。プロフォーマベースの収益は、サービス要素と不特定のソフトウェア・
アップグレード権を含むスマートフォンに関連する、サブスクリプションベースのモデルに基づく収益認識を反映
している。当社は取引における未引渡しの要素についてVSOEを決定することができなかったため、当該モデルに基づ
き、収益はスマートフォンの推定耐用年数にわたり比例的に認識される。収益の報告額は、2010年12月31日を以て終
了した年度中に締結された契約に基づき出荷されたスマートフォンに関連する収益を、当該機器、サービスおよび不
特定のソフトウェア・アップグレード権のESPを用いて配分した金額を反映しており、結果として、従前の会計指針
に基づいた場合よりも収益の繰延額が減少している。収益の報告額とプロフォーマ数値のいずれも、2009年12月31日
を以て終了した年度中に契約された契約に基づき出荷されたサービス要素と不特定のソフトウェアを含むスマート
フォンに関連してサブスクリプションベースの収益認識モデルに基づき認識された収益を含んでいる。
これに加えて、収益のプロフォーマ数値は、複数要素からなる取引であって、未引渡しの特定のソフトウェア製品
を含んでいるものや当社がVSOEを有していないものによる純売上高の減額を反映している。というのも、その特定の
ソフトウェア製品が引き渡されるまで、または当社が未引渡しの特定のソフトウェアのVSOEを確定するまで、全ての
関連する収益が繰り延べられるからである。収益の報告額は、相対的販売価格法を用いた複数の要素への収益の配分
を反映しており、ESPに基づき未引渡し要素に収益が配分されている。同時に、収益のプロフォーマ数値は、当社が複
合契約において提供を受けている契約後のカスタマーサポートについてVSOEを有していない契約による純売上高の
減額を反映している。これらの状況においては、純売上高は契約後のカスタマーサポート期間にわたり比例的に認識
されている。収益の報告額は、相対的販売価格法を用いた複数の要素への収益の配分を反映しており、ESPに基づき契
約後のカスタマーサポートに収益が配分される。
最後に、未引渡しの要素についてはVSOEが存在するが、引渡済みの要素についてはVSOEが存在しない場合には、複
合契約における引渡済みの製品に収益を配分するにあたり残価法の適用を廃止したことから、収益の報告額とプロ
フォーマ数値との間に差異が存在している。この状況は、契約会計の適用範囲に含まれない追加的な提供物とともに
販売されたネットワーク/システムソリューションに関して最もよく見られる。従前の収益認識に関する会計指針
に従った場合、未引渡しのサービスまたは契約における他の製品についてVSOEが決定できる場合に限り、残価は契約
会計の対象となる提供物に配分されるであろう。
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当社の現行の販売戦略に基づき、新たに採用した収益認識に関する会計指針は、スマートフォンの収益認識への継
続的な影響を除き、複合契約への初度適用後の期間における販売に関する収益認識の時期およびパターンに重要な
影響を及ぼすことはないと予想される。一方、当社では、この新たな会計指針により、契約の経済的要素とそれに関連
する会計上の処理との整合性が高まることから当社製品およびサービス提供の最適化のための活動が促進されるも
のと期待している。これをきっかけに、将来、新たな販売慣行を実施することも考えられる。これらの上市戦略が発展
するにつれ、将来、価格設定慣行を変更することも考えられ、その結果としてVSOEとESPの両方を含む販売価格の変更
につながる可能性もある。その結果、複合契約に関する当社の将来の収益認識は、当期に報告した結果と重要な点に
おいて異なるものとなる可能性がある。現時点では、新たに採用した収益認識に関する会計指針が、これらの上市戦
略が発展するに伴い報告された収益に及ぼす影響を判断することはできない。
コストの見積もりおよび特定の提供物の公正価値の変更は当社の営業成績にマイナスの影響を与えるおそれがあ
る。このほか、営業成績に大きな影響を与えるかもしれない不測の状況が、契約期間において発生する可能性もある。
棚卸資産評価
当社は、棚卸資産について、予想される過剰または陳腐化に対する評価引当金を計上している。引当金の金額は、棚
卸資産の原価と、将来の需要および市場環境に関する仮定に基づく市場価値見積額との差額に相当している。各部門
の経営陣は、四半期ごとに、棚卸資産の過剰と陳腐化に対して必要な引当金を確認するため基礎となる棚卸資産の分
析を行っている。経営陣はこの分析に基づき、最善の判断を用いて、適切な引当金を見積もっている。これに加えて、
当社では、棚卸資産の現行市場価値がその原価を下回っている場合、棚卸資産の帳簿価額を修正している。
2009年および2010年12月31日現在の棚卸資産の内訳は次のとおりである。
12月31日現在
2010年
完成品
仕掛品および原材料
差引:棚卸資産引当金
2009年
$1,016
$883
893
887
1,909
1,770
(545)
$1,364
(673)
$1,097
当社は、顧客への競争力のある納入能力を確保するために戦略的棚卸資産水準を維持する必要性と、急激に変化す
る技術や顧客の要求次第で棚卸資産が老朽化するというリスクとの間のバランスをとるよう心がけている。上記の
ように、当社の棚卸資産引当金は2010年12月31日現在、棚卸資産残高総額の29%となった。これに対し、2009年12月31
日現在は、棚卸資産残高総額の38%であった。当社は、過剰在庫、技術変化による製品ラインの中止の可能性、長期耐
用製品、供給者の生産中止に伴う最終購入、事業撤退および生産のアウトソーシング移行に備えて、棚卸資産引当金
を積んでいる。
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将来の需要または市場環境が経営陣が予測した以上に不利なものとなれば、追加の棚卸資産評価減が必要となる
可能性がある。
法人所得税
当社の実効法人税率は、税引前所得と、当該所得に対し、当社が事業を営む様々な税管轄地において適用される税
率に基づいて決まる。当社の四半期の営業成績には、通年の実効法人税率の推定値が適用されている。四半期営業成
績において認識されているか、認識されると見込まれる重大な異常項目または個別項目が存在する場合、当該項目に
起因する租税は、かかる異常項目または個別項目と同時に、別途計算され計上される。当社では、前年度の税務問題の
解決もそのような項目にあたるとみなしている。実効法人税率の決定と税務上のポジションの評価においては、相当
の判断を要する。当社は、そのポジションの税務上の利益を全面的には実現できない可能性が「50%超の可能性」と
なる場合、引当金を積んでいる。当社では、これらの引当金を、事実と状況の変化に照らして調整している。
税法上、損益項目を計上するにあたり、連結財務諸表に反映されている期間とは異なる期間において所得申告に含
めるよう要求されることがある。その結果、連結財務諸表に反映される実効法人税率は、所得申告において報告され
る税率と異なる場合がある。こうした差異には、所得申告で控除できない非控除費用のように恒久的なものもあれ
ば、減価償却費のように一時的なものもある。一時的差異は、繰延税金資産・負債をもたらす。繰延税金資産は一般
に、当社がすでに連結財務諸表において税務上の利益を計上した将来の年度の所得申告で所得控除または税額控除
として利用できる項目に相当する。繰延税金負債は一般に、連結財務諸表上で認識された税務費用で支払が繰り延べ
られているもの、あるいは当社がすでに所得申告で控除を取ったものの連結財務諸表上ではまだ認識されていない
ものを表す。
当社は、計上された資産および負債の帳簿価額と税務基準額の間の一時的差異の影響について、制定税率を使って
繰延税金資産および負債を認識することにより、法人所得税を会計処理している。当社は、特定の税金資産および負
債の計算に関して見積もりと判断を行っている。繰延税金資産は、あらゆる利用可能な証拠の検討に基づき、繰延税
金資産の一部が実現しない可能性が「50%超の可能性」である場合、評価引当金によって減額される。特に重視され
るのは、客観的に立証可能な証拠である。
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当社は、四半期ごとに繰延税金の評価を行い、課税所得の実績額および予測額、ならびに慎重かつ実行可能な税務
戦略を含め、あらゆる利用可能な証拠を考慮に入れることによって、評価引当金が必要かどうかを判断している。
2010年12月31日現在、当社の米国事業は、直近の3事業年度にわたる累積税引前損失を計上した。この税引前損失は、
モバイルデバイス部門の財務業績に起因するものである。モバイルデバイスで損失を計上したことにより、当社で
は、過去の否定的証拠の重要性に照らして、繰延税金資産の回収可能性に関する分析にモバイルデバイス事業からの
予測利益を考慮に入れることはできないと考えている。しかし、他の事業では持続的に利益を上げていることに基づ
くと、過去の肯定的証拠の重要性に照らして、繰延税金資産の回収可能性に関する分析に他の事業からの予測利益を
含めることは可能であると考えている。当社はまた、その分析において慎重かつ合理的に実施可能な税務戦略を考慮
に入れた。2008年中、当社は、米国の繰越欠損金に対して部分的に評価引当金21億ドルを計上した。2009年中、当社は、
米国の評価引当金を90百万ドル増額した。これは主に、非継続事業の一部として会計処理されている子会社の整理に
より実現した資本損失に関係しているが、還付可能な一般事業税額控除に対する評価引当金の減額によって相殺さ
れた。2010年中、米国の評価引当金は、主に当社が使用を予想している州税の繰越欠損金の一部などに関連して39百
万ドル減額された。
2010年12月31日現在、繰延税金資産評価引当金の総額は、約57億ドルの純繰延税金資産に対し約28億ドルとなっ
た。 これに対し、2009年12月31日現在、繰延税金資産評価引当金の総額は、約62億ドルの純繰延税金資産に対し29億
ドルであった。
当社の経営陣は、ホーム事業およびエンタープライズ・モビリティ・ソリューション事業の将来の業績に関する
経営陣の仮定、ならびに残りの繰延税金資産を実現するために十分な将来の課税所得を生み出す当社の能力に関す
る経営陣の仮定は現時点においては合理的であると考えている。しかし、2011年第1四半期におけるモトローラ・ソ
リューションズからのモトローラ・モビリティ・ホールディングス(モバイルデバイス事業とホーム事業で構成さ
れる。)の分社化は、当社の繰延税金資産に関する事実および状況、ならびに評価引当金の必要額の評価に重要な影
響を及ぼすと思われる。モトローラ・モビリティは、解消期間が不定の特定の繰延税金負債を除外した純繰延税金資
産の全額に対して評価引当金を要求すると予想される。モトローラ・モビリティの純繰延税金資産に対する評価性
引当金の必要額を検討した後、モトローラ・ソリューションズが近い将来、残りの評価引当金の相当部分を減額する
合理的な可能性がある。
シグマファンドおよび投資ポートフォリオの評価
シグマファンドへの投資は、公正価値で計上されている。シグマファンドで保有していない投資は概ね、持分証券
および負債証券で構成されており、それらの証券は、売却可能有価証券に分類され、公正価値で計上されている。公正
価値は、公正価値による測定および開示に関する権威ある指針に従って決定されている。
公開されている普通株式およびその同等物への投資については、活発な市場における市場価格が利用可能であり、
よって、これらの投資は、レベル1に分類される。
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レベル2に分類される証券は主に、シグマファンドの中で専門的に運用されている証券である。評価モデルは、第
三者プライシングサービス機関によって開発・整備されており、ベンチマーク利回り、報告された取引、相手方に取
引する用意と能力がある場合はブローカー/ディーラー相場、発行体スプレッド、ベンチマーク証券、買い呼値、売り
呼値およびその他の参照データを含め、評価モデルへの数多くの標準インプットを用いる。評価モデルでは、ある証
券に関して、各貸借対照表日付において上記インプットに、市況に応じてそれぞれ異なる優先順位を付けることがあ
る。上に列挙した標準インプットの全てが評価モデルにおいて毎回使われるわけではない。アセットクラスごとに、
標準インプットに加えて、認識した市場の動きおよび業界ニュースに関連する数値化可能なインプットが考慮に入
れられることもある。
レベル3の確定利付証券は、当社がその連結貸借対照表を表示した日付では活発に取引されている相場がない負
債証券であり、これらの証券の価値を評価するために、ディーラーから提示される非公式な相場や投資アドバイザー
からの定性的なインプットなどの観察不能なインプットの利用が必要となる。
当社では、公正価値で計上されているシグマファンドへの投資またはその他の投資の公正価値に影響を与える可
能性のある将来の事象の発生を予測することはできない。
再構築活動
当社は、正式な「非自発的退職制度」(以下「退職制度」という。)を備えている。その制度に基づき、人員削減ま
たは事業再構築の結果、非自発的に雇用が終了する場合、対象となる適格従業員に勤続年数および職階に応じた退職
手当を提供できることになっている。当社は、事業再構築計画が経営陣により承認された時点で作成される見積もり
を基に、将来の整理の可能性が確からしく、かつ、合理的な見積もりが可能となった時点で、退職制度の算定式に基づ
き退職手当を認識している。事業撤退費用は、明け渡された設備およびその他の契約上の解除に関する将来の最低
リース支払額からなる。各報告日において、当社は従業員退職費用および事業撤退費用の引当金が引き続き適切であ
るかを判断するために、引当金の評価を行っている。状況によっては、計画実行上の効率面から、あるいはそれまで雇
用契約終了の対象となっていた従業員が自己都合退職して退職金を受け取らなかったり、当初計画が開始した時点
では予想されていなかった状況の変化に伴い配置転換の対象になったりしたために、引当金の計上が不要となるこ
とがある。このような場合、当社では、引当金が不要になったと判断された時点で、当初の費用が計上された連結損益
計算書を通じて引当金を戻し入れている。
退職給付
当社の非拠出型年金制度(以下「一般従業員対象年金制度」という。)は、米国の従業員を対象としており、加入
資格は勤続1年で与えられていた。給付金算定式は、従業員の所得と勤続年数によって決まる。2005年1月1日付で、
新規雇用の従業員については、一般従業員対象年金制度への加入資格がなくなった。当社はまた、英国、ドイツ、日本
および韓国を中心とする特定の管轄地における米国外の従業員を対象とする確定給付型年金も提供している(以下
「米国外年金」という。)。その他の年金制度は、個別にも集計しても、当社にとって重要ではない。
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当社は、選任役員を対象とする非拠出型の追加的な退職給付制度(以下「役員対象制度」という。)も設けてい
る。役員対象制度には、加入者が最低限必要な年齢と勤続年数に関する条件を満たしたときに、加入者の予定退職手
当の付与を確定し資金を拠出する旨の規定がある。1999年12月31日現在で役員対象制度の権利が未確定であった選
任役員は、役員対象制度にとどまるか、制限付株式による給付金の買い上げを選ぶか、いずれかを選択できた。1999年
12月31日付で、新規の選任役員については、役員対象制度への加入資格がなくなっている。2005年6月30日付で、この
制度に関して給与額が凍結された。
当社ではさらに、追加的な非拠出型の退職給付制度「モトローラ補完的年金制度」(以下「MSPP」という。)を設
けている。 この制度は、対象者に対し、内国歳入法が課す制限の適用により算定方式の下ではかかる対象者が受給で
きない一般従業員対象年金制度の給付金に代替することによって追加給付金を提供する。しかし、役員対象制度の対
象となっている選出役員や、制限付株式での買い上げを選択した選出役員は、MSPPに加入できない。2007年1月1日
付で、対象となる給与額には、IRSの上限額に17万5000ドルを加えた上限(以下「上限額」という。)が設けられた。
あるいは、2007年1月1日時点でこの上限を超過している者については、当該従業員の全ての将来年度に係るMSPP給
付額を算出するために使われる対象となる給与額は、(ⅰ)当該従業員の2007年1月1日時点の対象となる給与額
(その金額で凍結)、または(ⅱ)当該年の上限額のいずれか多い方となる。さらに、2009年1月1日から、過去の契
約による権利による加入を除き、MSPPは新規加入者を受け付けていない。
2007年2月、当社は、一般従業員対象年金制度およびMSPPを改定し、「平均所得」の定義を変更した。2007年12月31
日より前に終了した年度については、給付金は過去10暦年のうち任意の5年間において最も高かった年間所得の移
動平均を用いて計算された。2008年1月より、給付金の算出は、2007年12月31日より前の過去10暦年のうち所得が最
も高かった5年間分に、2007年より後の各年の所得を平均したものを基準として行われた。また、2008年1月より、当
社は、一般従業員対象年金制度を改定し、権利確定までの期間を5年から3年に変更した。
2008年12月、当社は、一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびMSPPを改定し(以下これらを「2008年改定対
象年金制度」と総称する。)、その結果、2009年3月1日より、(ⅰ)2009年3月1日以降、どの加入者についても給
付金または追加的な給付金は発生せず、(ⅱ)2009年3月1日以降に加入者が稼得した報酬の増額分は、発生給付金
の計算に用いられない。2008年、当社は、この制度改定に関連して縮小による利得237百万ドルを認識した。
退職時に所定の年齢および勤続年数の条件を満たしている米国内の従業員には、一定の医療給付(以下「退職後
医療給付制度」という。)が提供されている。2002年1月1日より前に雇用された給付資格のある従業員について、
当社は退職加入者への退職後医療費の一部を補う。2005年1月1日現在、退職後医療給付制度は新たな加入者を受け
付けていない。
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会計処理手法においては、個別事象を基金における従業員の勤務期間全体に分散するアトリビューションモデル
を使用している。「事象」の例には、制度の変更をはじめ、割引率、制度資産運用益の期待長期収益率および報酬額の
上昇率など、年金数理上の仮定の変更がある。アトリビューションモデルの基本原則は、従業員が勤務期間にわたり
比較的一定して労務を提供しており、このため、損益計算書上では、年金給付または退職後医療給付の影響が同じパ
ターンで収益計上され、また同じパターンを費用計上されるべきだとするものである。
期間給付費用純額や関連の給付債務の計算には様々な仮定が用いられる。そうした仮定の一つが、制度資産運用益
の期待長期収益率である。制度資産運用益の期待長期収益率を使用する必要があるために、一定の年においては、当
該制度資産の実際の収益を上回る、または下回る年金収入が認識される可能性もある。しかしながら、長い目でみれ
ば、期待長期収益は、実際の長期収益に近づくように設計されており、そのため、従業員が提供する労務のパターンに
より近い収入・費用パターンが認識される。実際収益と期待収益との差額は、5年にわたる期間純年金計算において
認識している。
当社は、制度資産について予想される投資構成を考慮したこれまでの長期収益実績と、長期投資収益に対する将来
の見積額とを用いて、毎期の純年金費用と純退職後医療費の計算に用いる期待収益率の仮定を行っている。当社の一
般従業員対象年金制度および退職後医療給付制度の投資収益率の仮定は、2009年および2010年ともに8.25%であっ
た。また、当社の役員対象制度の投資収益率の仮定は、2009年、2010年ともに6%であった。2010年12月31日現在、一般
従業員対象年金制度および退職後医療給付制度の投資ポートフォリオの内容は主に株式投資であり、役員対象制度
の投資ポートフォリオの内容は主に確定利付証券であった。
第2の重要な仮定が割引率である。年金給付および退職後医療給付の会計処理に使用する割引率の仮定は、毎年12
月31日現在の高格付固定利付債券の市場実勢金利を反映している。これは、年金給付債務が測定日に決済された場合
に、支払期日に給付債務を支払うために必要な将来キャッシュ・フローを提供するであろう債券である。当社の米国
内年金債務の測定に利用した割引率は、2009年12月時点で6%、2010年12月時点で5.75%であった。当社の退職後医
療給付制度の債務の測定に利用した割引率は、2009年12月31日時点で5.75%、2010年12月31日時点で5.25%であっ
た。
最後の一連の仮定には、基礎給付のコスト決定要因が密接に関係している。報酬額の上昇率は、年金会計の数理モ
デルで使用される重要な仮定の一つであり、当社は、報酬額上昇の長期計画に基づいてこれを決定している。一般従
業員対象年金制度および役員対象制度に関する将来報酬額の2009年および2010年の上昇率は、これらの制度に基づ
く給付額の算定の基準となる給与額が凍結されたため、0%であった。退職後医療給付制度については、当社は医療
費に関する外部データおよび自社のこれまでの費用動向を審査して、医療費給付の趨勢比率を算定している。この審
査に基づくと、2010年12月31日時点の累積退職後給付債務額の決定に用いられた医療費給付の趨勢比率は、2011年に
ついては7.25%となっている。この比率は、2013年まで横ばいとなり、2014年および2015年に下降して2016年までに
5%に下がると予想される。2016年以降は5%の横ばいとなると予想される。2009年12月31日時点の累積退職後給付
債務額の決定に用いられた医療費給付の趨勢比率は8.5%であった。
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2010年12月31日を以て終了する年度について、当社は、米国の年金制度に関して119百万ドルの期間純年金費用を
認識した。2009年12月31日を以て終了する年度について、当社は、米国の年金制度に関して72百万ドルの期間純年金
費用を認識した。米国の年金制度に対しては、2010年中、157百万ドルの現金が拠出された。2011年1月、PBGCは、当社
が今後5年間にわたり一般従業員対象年金制度に対し、法定要件を100百万ドル上回る拠出を行うというモトローラ
・ソリューションズとの合意を発表した。当社とPBGCは、当社がモトローラ・モビリティを分社化し、ネットワーク
ス事業の一部の資産の売却を進める中でこの合意を締結した。同じく2011年1月に、当社は年金拠出金軽減措置を選
択し、これにより2011年の一般従業員対象年金制度への必要拠出額はおよそ265百万ドルからおよそ235百万ドルに
減額された。当社は、2011年中、米国の年金制度に約240百万ドル、米国外の年金制度に約40百万ドルの現金拠出を行
う予定である。2011年1月4日に行われたモトローラ・モビリティの分社化後も、当社は米国年金債務の全額を維持
し、米国外年金債務についてもその大部分を維持した。
当社は、2009年12月31日および2010年12月31日を以て終了した年度について、それぞれ20百万ドルおよび18百万ド
ルの退職後医療給付費用(純額)を認識した。この制度に対しては、2010年中、現金拠出は行われなかった。2011年
も、退職後医療給付制度に対して現金拠出を行わない予定である。2011年1月4日に行われたモトローラ・モビリ
ティの分社化後も、当社は退職後医療給付制度債務を全額維持した。
当社は、2004年12月31日より前に凍結された制度に基づき、現在は退職している役員を対象として、従業員に一部
分裏書きされた分割福利厚生保険(endorsement split-dollar life insurance arrangements)を多数維持してい
る。当社は、従業員を被保険者とした生命保険契約を購入した後、その保険の給付金を当社と従業員の間で分割する
別個の契約を従業員と締結した。保険契約を所有するのはモトローラ・ソリューションズであり、あらゆる所有権を
管理するとともに、保険契約を解約することができる。分割福利厚生保険を有効にするために、モトローラ・ソ
リューションズは、従業員に対する死亡給付金の一部を裏書きした。従業員の死亡時に、従業員の保険金受取人が通
常、死亡給付金のうちの指定金額を保険会社から直接受け取り、残りの死亡給付金を当社が受け取る。当社は2008年
1月1日付で、従業員に一部分裏書された分割福利厚生保険の繰延給与および退職後給付としての側面に関する会
計処理についての新たな会計指針を適用した。この指針は、退職後給付の約束は、分割福利厚生保険の購入を通じて
清算されたわけではないため、給付債務に対する負債を計上しなければならないと定めている。この新たな指針の適
用の結果、当社は、従業員の予想退職日現在の将来死亡給付金の保険数理上の現在価値を表す負債45百万ドルを計上
し、その相殺分が、連結株主持分計算書における2008年1月1日現在の「利益剰余金」および「その他の包括利益
(損失)累積額」に対するそれぞれ4百万ドルおよび41百万ドルの累積的影響調整額として計上された。現時点で
は、これらの保険契約を賄うために必要となるこれ以上の現金支払は、些少となると見込まれている。
これらの分割福利厚生保険契約の期間純年金費用は、2009年12月31日および2010年12月31日を以て終了した年度
について、それぞれ6百万ドルおよび5百万ドルであった。当社は、従業員の予想退職日現在の将来死亡給付金の保
険数理上の現在価値を表す負債として、2009年12月31日および2010年12月31日現在、それぞれ48百万ドルおよび51百
万ドルを計上した。
当社の制度資産・債務の測定日は12月31日である。
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のれんおよび長期資産の評価と回収可能性
当社は、各事業年度の第4四半期に年間ベースでのれんの計上額の回収可能性を検証している。減損の兆候が存在
する場合は、より頻繁にのれんの減損テストが実施される。当社では継続的に、減損の兆候が存在しないかどうか検
討しており、かかる検討は、相当の判断を要する。かかる兆候には、特に、当社の株価および時価総額の大幅な低下の
持続、予想将来キャッシュ・フローの減少、法的要因もしくは事業環境の著しく不利な変動、予期せぬ競争、報告単位
内部の重要な資産グループの回収可能性の検証、または成長率の低下などがある。こうした要素に不利な変動があれ
ば、資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす恐れがあり、当社の結合(combined)財務諸表に重大な影響を及ぼす可
能性がある。
のれんの減損テストは、報告単位レベルで行われる。報告単位とは、営業セグメントまたは営業セグメントの1つ
下のレベル(「構成要素」と呼ばれる。)をいう。営業セグメントの構成要素は、その構成要素が個別の財務情報が
利用可能な事業を構成しており、かつセグメントの責任者が当該構成要素の経営成績を定期的にレビューしている
場合、報告単位になる。1つの営業セグメントの複数の構成要素が類似する経済的特徴を有している場合、それらの
構成要素は一体化されて単一の報告単位とみなされる。営業セグメントは、その全ての構成要素が類似している場
合、その構成要素のいずれも報告単位ではない場合、またはセグメントの構成要素が1つしかない場合、報告単位とみ
なされる。よって、当社は、モバイルデバイス部門が報告単位の要件を満たしていると判断している。エンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション部門については、官公庁・パブリックセーフティー報告単位とエンタープライズ
・モビリティ報告単位という2つの報告単位を識別している。ホーム部門については、ブロードバンド・ホーム・ソ
リューションズ報告単位とアクセス・ネットワーク報告単位という2つの報告単位を識別している。
のれんの減損テストは、2つのステップからなる分析である。ステップ1では、各報告単位の公正価値をその簿価
と比較する。経営者はこれらの報告単位の見積公正価値を決定するにあたり、判断を働かせなければならない。公正
価値は、現在価値法と同等企業の市場価格を組み合わせて決定される。報告単位の公正価値がその帳簿価額を上回っ
ている場合、当該報告単位についてのれんは減損していないとみなされ、それ以上のテストは必要ではない。報告単
位の公正価値がその帳簿価額を下回っている場合、ステップ2が実施される。ステップ2では、仮定上、購入価格を報
告単位の資産および負債の公正価値に配分するために、報告単位の算出された公正価値を用いる。ステップ1で計算
された報告単位の公正価値と、報告単位の基礎となる資産および負債の公正価値の差異が、報告単位ののれんの推定
公正価値である。報告単位ののれんの帳簿価額がその推定公正価値を上回る場合、財務諸表において費用が計上され
る。
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報告単位の公正価値を導き出すために用いられる評価手法を以下に説明する。
• インカムアプローチ:公正価値を決定するために、当社は、報告単位の予想将来キャッシュ・フローを割
り引いている。使われた割引率は推定加重平均資本コストを表しており、当社事業に伴う固有リスクの
全体的水準および市場参加者が得ると予想する収益率を反映している。当社モデルの最終年度以降の
キャッシュ・フローを見積もるために用いているのは、最終価値アプローチである。このアプローチで
は、当社モデルの最終年度における金利、税金および償却費を控除する前の見積営業利益を使用し、正規
化したキャッシュ・フローを見積もるために調整を加え、永続的成長の仮定を適用した上で、永続的割
引要因によって割り引いて、最終価値を決定する。結果として得られた最終価値の現在価値は、公正価値
の見積もりに組み込まれている。
• マーケットアプローチ:上述したインカムアプローチの結果を裏付けるために、当社では、前述したモト
ローラ・ソリューションズの連結株価に基づいて導き出される価値を含め、複数のマーケットアプロー
チを使って当社報告単位の公正価値の見積もりを行った。また、当社のリスク特性と成長見通しの比較
に焦点を当てて、合理的に類似する/指針となる株式公開会社を選択する類似企業法(guideline
company method)も用いている。
報告単位および報告単位内の資産および負債の公正価値を決定するには、重要な見積もりおよび仮定を行う必要
がある。これらの見積もりおよび仮定は主に、割引率、永久成長率、償却前利益、および設備投資予測などであるが、こ
れらに限定されない。見積もりの実施に伴う固有の不確実性により、実際の結果は、これらの見積もりとは異なる可
能性がある。
当社は、報告単位の公正価値、ならびに報告単位内における該当資産および負債の公正価値を決定するために用い
られた重要な仮定それぞれのメリットを、個別にかつ集計して評価し、それらが合理的であると結論付けた。当社は、
過年度と同様、インカムアプローチ75%、マーケットアプローチ25%という比率で報告単位の評価を加重している。
当社の報告単位に類似する他の適切な企業を見つけることは困難な場合が多く、かつ、当社の見解では、将来の割引
キャッシュ・フローの方が報告単位の価値をより適切に反映していることから、モトローラ・モビリティでは、この
加重は適切であると考えている。
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2010年第4四半期に実施された年次ののれんの減損テストにおいて、官公庁・パブリックセーフティー、エンター
プライズ・モビリティ、モバイルデバイスおよびブロードバンド・ホームの各報告単位の公正価値は、その帳簿価額
をはるかに上回っていた。アクセス・ネットワーク報告単位については、割引率14%、期間成長率3%を適用すると、
公正価値が帳簿価額から11%以内になると計算した。当社は、業界の市場データに照らしてこれらの仮定が同報告単
位のリスク特性および長期成長の見通しに基づき妥当であると考えている。アクセス・ネットワーク報告単位の算
出された公正価値の妥当性を評価するにあたり、当社は、公正価値を決定するために用いられた割引率を2%以上引
き上げなければ、アクセス・ネットワーク報告単位の算出された公正価値が帳簿価額を下回ることはないと判断し
た。当社は、そのように引き上げた割引率は、同事業の将来キャッシュ・フローに関連するリスクに比して妥当では
ないと考えている。また、公正価値を決定するために用いられた期間成長率が3%から1%未満に低下しない限り、
その算出された公正価値が帳簿価額を下回ることはないと判断した。かかる成長率は、アクセス・ネットワーク報告
単位の事業の成長予測を考えても、また、同報告単位の市場に関する業界の成長予測を考えても、妥当ではない。最後
に、マーケットアプローチに大きな加重を与えるほど、報告単位の公正価値がより高く算定されるであろう。した
がって、当社は、アクセス・ネットワーク報告単位の公正価値の決定にあたり用いられたインプットと仮定が妥当で
あると判断している。
のれんの回収可能性に関する2009年および2010年の年次評価の結果に基づくと、全ての報告単位の公正価値は、そ
の帳簿価額を上回っており、のれんの減損がなかったことを示唆していた。
各報告単位の公正価値を計算する目的で用いられた見積もりと比較した当社の実際の将来キャッシュ・フロー、
営業成績、成長率、設備投資、資本コストおよび割引率の差異、ならびに当社の株価および関連する株式時価総額の低
下は、当社ののれんの年次評価の結果に影響を与える可能性があり、結果的に将来、のれんの減損費用の発生につな
がる可能性がある。
以下は、2008年12月31日を以て終了した年度に計上されたのれんの減損費用に関する説明である。
2008年第4四半期中、当社の株価は、大幅な持続的低下に見舞われ、その結果、時価総額は当社の簿価を下回った。
時価総額の低下は、モバイルデバイス報告単位の業績に対する市場の見方と相まったマクロ経済の悪化を反映して
いた。当社は減損評価において、この株価の低下を考慮に入れた。
のれんの回収可能性に関する2008年の評価のステップ1に基づくと、ホーム、ネットワーク、および官公庁・パブ
リックセーフティーの各報告単位の公正価値は、その帳簿価額を上回っており、これらの報告単位ではのれんの減損
がなかったことを示唆していた。
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しかし、エンタープライズ・モビリティ報告単位およびモバイルデバイス報告単位の公正価値は、その各々の簿価
を下回っており、のれんの減損の可能性を示唆するとともに、これらの報告単位について分析のステップ2を実施す
る必要性を示唆していた。当社は、エンタープライズ・モビリティ報告単位の中心的な構成要素を2007年に買収した
が、買収当時の同報告単位の簿価と公正価値は同一であった。この事実に基づくと、エンタープライズ・モビリティ
報告単位においては、市場全体の価値の低下ならびにマクロ経済環境の悪化とそれによる同報告単位への短期的な
影響に関する市場の見方を受けて、公正価値が簿価を下回った可能性が高い。2008年第4四半期に測定された同報告
単位の公正価値の低下は、2008年第4四半期における同報告単位の予想将来キャッシュ・フローが前年同期より減
少し、同四半期に適用された割引率が前年同期より約1%上昇したことによるものであった。2008年12月31日時点で
予測されたキャッシュ・フローの減少は、2009年中の同報告部門の顧客による設備投資が減少するとの予測に加え
て、将来期間における収益基盤の縮小から推定される成長率がさらなる足かせとなり、将来期間の収益および営業利
益率が低下したことに起因していた。2008年第4四半期中に適用された割引率は、市場において観察されたリスクプ
レミアムの上昇の結果、前年同期に適用された割引率より上昇した。モバイルデバイス報告単位の公正価値が簿価を
下回ったのは、マクロ経済環境の悪化、2008年第4四半期に発表したプラットフォーム統合の決定の結果として売上
高およびキャッシュ・フローが予想を下回ったこと、ならびに同報告単位の将来キャッシュ・フローをめぐる不確
実性によるものである。
報告単位内の個々の資産および負債への報告単位の公正価値の割り当ても、重要な見積もりおよび仮定を必要と
する。配分には、耐用年数が確定された無形資産、前払資産、繰延税金、および特定の有形固定資産の再調達原価をは
じめとする資産および負債の公正価値を決定するためのいくつかの分析が必要となる。
2008年のエンタープライズ・モビリティ報告単位およびモバイルデバイス報告単位に関するステップ2での仮定
上の買収価格の配分の結果に基づき、のれんの推定公正価値は、モバイルデバイスについては0ドル、エンタープラ
イズ・モビリティについては10億ドルとなった。結果として、当社は、2008年12月31日を以て終了した3ヶ月間に、の
れんの計上額をモバイルデバイス報告単位で55百万ドル(そののれん全部に相当する。)、エンタープライズ・モビ
リティ報告単位で16億ドル減額した。
のれんに関する会計原則は、企業の株式の個々の取引に関する観察された市場価格(ひいては、その算定された時
価総額)は、企業全体の公正価値を表していない場合があることを認めている。別の企業に対する支配に由来する相
乗効果やその他の便益を利用する能力から、追加的な価値が生じる場合もある。したがって、被支配企業において共
に機能している資産および負債の集合体の公正価値の測定は、企業の個々の普通株式の公正価値の測定とは異なる。
当社の業界を含めほとんどの業界では、取得企業は概して、支配持分を与える持分証券に対し、投資家が支配持分未
満に相当する持分証券に支払うであろう金額よりも高い金額を支払うのをいとわないものである。
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全体的なのれん分析における予想支配プレミアムを算定するために、当社は、全社資産の公正価値を決定するため
の仮定を用いた。全社資産は主に、現金および現金等価物、シグマファンド残高、短期投資、投資、繰延税金資産ならび
に本社設備から構成されている。全社資産の公正価値に関する判断には、繰延税金資産の経済的寿命を反映させるた
めに繰延税金資産を割り引かなければならないという仮定、全社資産の相当の部分は、負債の返済、当社の退職年金
債務への資金供給、モバイルデバイス報告単位の当面の現金需要を満たすために必要であるという仮定、ならびに当
社の戦略が成功しなかった場合に生じる可能性のある退職費用および事業撤退費用を含め、発生する可能性のある
再構築費用についての市場参加者の認識などがある。当社の減損分析の結果から、当社の業界において観察された過
去の取引に相応する予想支配プレミアムが算出される。
業績予想に関する注意事項
過去の事実に関する記載を除き、本報告書で検討する事項は、リスクと不確実性を伴う、将来予測に関する記述と
なっている。将来予測に関する記述には、以下の見出しによる記述が含まれるが、これらに限定されるものではない。
(1)「エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門」−(a)業界の成長から生じる機会を含む業界の
成長および需要、(b)顧客支出、(c)同部門の戦略の影響、(d)主要顧客の喪失による影響、(e)競争上の地
位、(f)競争の激化、(g)規制問題の影響、(h)周波数の割り当てと規制の影響、(i)原材料・部品、エネル
ギー供給および労働力の入手可能性、(j)事業の季節性、(k)同部門の受注残高の確実性、ならびに(l)特許
ポートフォリオの競争力について、(2)「その他の情報」−(a)主要顧客の喪失による影響、および(b)研究
開発の影響について、(3)「設備の状況」−製造の中断による影響について、(4)「訴訟等」−係争中の法的問
題の最終的解決と時期について、(5)「経営陣による検討および分析」−(a)市場の成長または収縮、需要、支
出およびその結果として生じる機会、(b)当社のネットワークス事業の売却、(c)株主への資本の返還、(d)
当社の事業戦略およびポートフォリオの成功、(e)事業再構築プログラムおよび従業員退職費用に関連する、将来
の支払、費用、引当金の利用ならびに予想されるコスト削減効果および利益率にもたらされるメリット、(f)資金
を本国に送金する当社の能力および費用、(g)販売時期・水準および地理的な販売地点の影響、(h)在庫の維持
による影響、(i)年金制度または退職後医療給付制度への将来の現金拠出、(j)シグマファンドおよびその他へ
の投資を回収する当社の能力、(k)資本市場にアクセスする当社の能力およびコスト、(l)当社の信用供与枠に
基づく借入能力および使用可能な金額、(m)未払負債を返済する当社の能力、(n)履行関連保証を得る当社の能
力および費用、(o)運転資金および設備投資の予想測定額を賄う財源が十分であること、(p)長期契約に基づく
取引約定に従った支払見込み、(q)最低購入義務を履行する能力、(r)売掛金を売却する当社の能力、ならびに
かかる売却の条件および金額、(s)係属中および将来の訴訟の結果および影響、(t)最近公表された会計基準が
当社に与える影響、(u)主要顧客の喪失による影響、ならびに(v)予想される実効法人税率および一部項目の税
務上の損金算入可能性について、ならびに(6)「市場リスクに関する数量的・定性的な情報開示」−(a)外貨
為替リスクの影響、(b)当社の将来のヘッジ活動と見込み、および(c)金融商品の相手方が義務を履行する能力
について。
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当社の事業成績および財務成績に影響を与えるリスク要因の一部については、本報告書第一部第3の4「事業等
のリスク」で考察している。読者におかれては、「事業等のリスク」で論じているリスク要因および本報告書の別の
箇所または米国証券取引委員会への当社の他の提出書類などに記載されているリスク要因によって、実際の結果が、
将来予測に関する記述と大幅に異なったものになる可能性にご留意いただきたい。
市場リスクに関する数量的・定性的な情報開示
金利リスク
2010年12月31日現在、当社は28億ドルの長期債務(1年以内返済予定の長期債務を含む。)を有しており、これら
は主として長期固定金利で値付けされている。この長期債務総額のうち、48百万ドル相当のユーロ建て変動金利借入
金については、利払いの種類を変動金利から固定金利に切り替えるヘッジが設けられている。仮定上、金利が10%不
利に変動しても、ヘッジの公正価値にもたらされる影響は些少なものとなるであろう。
外国為替リスク
当社では、為替変動がキャッシュ・フローに与える影響への全体的なエクスポージャーを軽減するために金融商
品を利用している。当社の方針は、為替差益を得るために金融商品に投機的投資を行うことや、投資対象となる保有
高のない通貨で為替取引を行うこと、あるいは投資対象となる保有高を故意に増大させるために為替取引を締結す
ることを禁じている。ヘッジ関係の一部に指定される金融商品は、ヘッジ対象となるエクスポージャーに関連するリ
スクの軽減という点で有効でなければならず、契約開始時にヘッジ関係を構成する要素として指定される。したがっ
て、ヘッジ商品の市場価値の変動は、ヘッジ契約の締結時とその期間中いずれにおいても、ヘッジ対象の市場価値の
変動との間で高い関連性を有するものでなければならない。
外国為替リスク管理に関する当社の戦略は、各部門のリスク評価に基づいて、金融商品取引に関する損益と対象と
なる営業活動のキャッシュ・フローまたは投資に関する損益とを相殺することである。当社では、当社の外貨建て
(機能通貨以外)の債権および債務で、主として市場で取引可能な主要通貨建てのものの一部について、デリバティ
ブ契約を結んでいる。当社は通常、これらの為替変動リスクをヘッジするために為替予約やオプションを利用してい
る。さらに当社は、一部の予定取引で、デリバティブ商品およびヘッジ活動に関する権威ある指針の規定に基づいて
取引がヘッジ会計の適格要件を満たしていると判断される場合にヘッジ関係の一部に指定されるものについて、デ
リバティブ契約を結んでいる。当社には、市場性のない通貨に対するリスクも一部あり、当該リスクについては、純資
産ポジションの管理、製品価格の設定、部品調達先の選定などの方法によって、合理的に可能な範囲内で対応してい
る。
当社が保有する為替契約の残高は2010年12月31日現在、2009年末の17億ドルに対して、総額15億ドルとなった。経
営陣はこれらの契約に係る損益とヘッジ対象である資産、負債および取引による損益とが概ね相殺されるため、当社
の連結損益計算書において「営業外収益(費用)」の「その他」に計上される金融商品の非有効部分を除き、これ
ら金融商品により当社が為替変動による過度のリスクにさらされることはないと考えている。
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以下の表は、2010年12月31日現在の想定元本純額上位5位の外国為替売買ポジション、およびそれに対応する2009
年12月31日現在のポジションを示している。
想定元本
2010年12月31日 2009年12月31日
通貨別の純買(売)
現在
ブラジルレアル
現在
$(429)
$(342)
中国元
(409)
(297)
ユーロ
(249)
(377)
64
16
185
143
マレーシアリンギット
英国ポンド
報告利益に影響を与える可能性がある通貨変動の影響を受ける外国為替金融商品としては、デリバティブ金融商
品と、金融商品を保有する法人の機能通貨以外の通貨建てとなっているその他の金融資産および負債が挙げられる。
デリバティブ金融商品は、先物契約と通貨オプションが主体となっている。法人の機能通貨以外の通貨建てとなって
いるその他の金融資産および負債は主に、現金、現金等価物、シグマファンド投資および短期投資、ならびに買掛金お
よび売掛金で構成される。買掛金と売掛金は、財務諸表では公正価値で計上されている。為替契約残高が金融資産お
よび負債に関連する当社の潜在的外国為替リスクを表していると仮定した場合、外国為替レートが現行の水準より
仮定上10%不利に変動すると、それらの金融資産および負債の価値はおよそ140百万ドル減少することになる。当社
の市場リスクの計算は、将来の為替市場における価格が仮定上10%変動した場合に認識されるであろう、合理的に起
こりうる純損失の見積もりを表すものであり、発生するかどうか分からない実際の結果を必ずしも示すものではな
い。また、起こりうる最大損失額を表すわけでも、生じる可能性のある予想損失を表すわけでもない。というのも、実
際の将来の損益は、市場レートの実際の変動、オペレーティング・エクスポージャーおよびその時期などに基づき、
見積もりとは異なるものとなるからである。しかし当社では、そのような発生損失はいずれも、市場レートの変動が
基礎となるデリバティブ金融商品取引それぞれにもたらす影響によって相殺されると考えている。外国為替金融商
品は、金融取引以外の目的で保有されている。2010年12月31日現在、将来取引をヘッジするデリバティブ商品の最長
期間は12ヶ月であった。当社の将来取引をヘッジするデリバティブ契約の加重平均期間は6ヶ月であった。
®が付された商標は、米国特許商標庁で登録された商標である。
「MOTOROLA MOTO」、「MOTOROLA SOLUTIONS」および図案化されたMのロゴのほか、「iDEN」は、モトローラ・ト
レードマーク・ホールディングス・エルエルシーの商標または登録商標で、ライセンスに基づき使用されている。そ
の他の全ての製品名またはサービス名は、各所有者の財産である。
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第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
前記「第3 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載されるものを除
き、当社は、最近事業年度において、設備、無形固定資産、長期前払費用または繰延資産に重要な投資を行っておら
ず、またかかる期間内にいかなる重要な設備の処分または売却も行っていない。
2010年中の部門別の設備に対する投資は以下のとおりである。かかる投資は、機器の更新、能力の拡大および新
製品への調整のためになされた。
モバイルデバイス部門
125百万ドル
ホーム部門
18百万ドル
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門
182百万ドル
その他(会社全般)
10百万ドル
2 【主要な設備の状況】
当社
モトローラ・ソリューションズの本社は米国イリノイ州 60196 シャンバーグ イースト・アルゴンクイン・
ロード 1303に所在する。モトローラ・ソリューションズはまた、その他の米国内の場所その他多くの国で製造
設備および販売事務所を運営している(各事業部門の主要な製造設備の所在に関する情報は、「第2 企業の概
況 3 事業の内容」を参照のこと。)。
2010年12月31日現在、当社は22の設備(製造、販売、サービスおよび事務所)を所有しており、そのうち12は南
北アメリカ地域(米国、カナダ、メキシコおよび中央・南アメリカ)に所在し、10はその他の国々に所在してい
た。2010年12月31日現在、当社は290の設備をリースしており、そのうち132は南北アメリカ地域に所在し、158は
その他の国々に所在していた。2010年12月31日現在、当社は、その製品の製造および流通のために主として9の
主要な設備を利用しており、これらの設備は、中国の杭州および天津、台湾の台北、インドのチェンナイ、マレー
シアのペナン、イリノイ州のシャンバーグ、ブラジルのジャグアリウナ、メキシコのレイノサならびにドイツの
ベルリンに所在していた。
モトローラ・モビリティの分社化後、2011年1月4日現在、当社は14の当社所有の設備(製造、販売、サービス
および事務所)を利用しており、そのうち7は南北アメリカ地域(米国、カナダ、メキシコおよび中央・南アメ
リカ)に所在し、7はその他の国々に所在している。当社は237の設備をリースしており、そのうち107は南北ア
メリカ地域に所在し、130はその他の国々に所在する。当社は製品の製造および流通のために主に3の主要な設
備を利用しており、これらの設備は、マレーシアのペナン、メキシコのレイノサおよびテキサス州に所在してい
る。
モトローラ・ソリューションズは一般的に、その各事業部門が運営する工場の生産能力は、各事業グループの
所要量に対して適切かつ十分であると考えている。かかる製造設備の利用程度は、工場毎および年間の時期に
よって異なる。
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2010年中、当社の製品の大部分はアジア(主に中国)において、当社所有の設備または当社のために製造およ
び製品の組み立てを行う他社の設備のどちらかで製造されていた。モトローラ・モビリティの分社化後の2011
年1月4日現在、当社は大部分の製品をメキシコおよびマレーシアの当社の設備ならびに当社のために製造お
よび製品の組み立てを行う他社の設備で製造している。仮に、いずれかの地域における製造が混乱した場合に
は、当社の全体の生産能力は著しく減少する可能性がある。
(主要な設備)
事業名
モトローラ・ソリューションズ・イ
ンク
設備または
事業の代表
事務所の場所
イリノイ州
シャンバーグ
設備の種類
工場/事務所
国内子会社
全ての国内子会社の設備は、上記「当社」に記載されている。
在外子会社
全ての在外子会社の設備は、上記「当社」に記載されている。
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従業員数
4,500
事業の種類
当社と同じ
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3 【設備の新設、除却等の計画】
営業費用を削減し、当社の財務実績を改善するための当社の全般的な戦略の一環として、多くの事業および設備
が売却されたかまたは現在売却中である。当社は、これらの施設は主要設備または重要設備ではないと考える。
以下は、2010年中に売却されたか、モトローラ・モビリティ事業の分割およびネットワークス事業のNSNへの売
却の一環として現在売却または譲渡することが発表されている、大規模な設備の一覧である。
最近売却された設備または売却が発表された設備
2010年中に売却された設備
場所
シンガポール
シンガポール
行為
売却
内容
売却代金
事務所
所在地
18百万ドル
シンガポール
シンガポール
2011年中に売却された設備
場所
テルアビブ
イスラエル
行為
売却
内容
売却代金
事務所
10百万新シュケル
所在地
テルアビブ
イスラエル
2011年中に売却された設備(モトローラ・モビリティの分割に関わるもの)
場所
行為
内容
売却代金
所在地
サンディエゴ
カリフォルニア州
会社分割
研究開発
なし(分割時に資産を譲渡)
サンディエゴ
カリフォルニア州
リバティービル
イリノイ州
会社分割
事務所
なし(分割時に資産を譲渡)
リバティービル
イリノイ州
ホーシャム
ペンシルベニア州
会社分割
研究開発
なし(分割時に資産を譲渡)
ホーシャム
ペンシルベニア州
ジャグアリウナ
ブラジル
会社分割
製造
なし(分割時に資産を譲渡)
ジャグアリウナ
ブラジル
天津市
中国
会社分割
製造
なし(分割時に資産を譲渡)
天津市
中国
チェンナイ
インド
会社分割
製造
なし(分割時に資産を譲渡)
チェンナイ
インド
モンテレイ
メキシコ
会社分割
事務所
なし(分割時に資産を譲渡)
モンテレイ
メキシコ
新店
台湾
会社分割
製造
なし(分割時に資産を譲渡)
新店
台湾
2011年中に売却された設備(NSNの売却に関わるもの)
場所
行為
内容
売却代金
所在地
アーリントンハイツ
イリノイ州
NSNの売却
事務所
なし(施設レベルへの影響なし)
アーリントンハイツ
イリノイ州
クラクフ
ポーランド
NSNの売却
事務所
なし(施設レベルへの影響なし)
クラクフ
ポーランド
天津市
中国
NSNの売却
流通
なし(施設レベルへの影響なし)
天津市
中国
2010年中には大規模な設備の取得はなかった。
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第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(2010年12月31日現在)
授権株数
普通株式
発行済株式総数
4,200,000,000株(1)
優先株式
未発行株式数
2,360,737,310株(2)
500,000株
0株
1,839,262,690株
500,000株
注(1)当社の普通株式にかかる授権株数は、2011年1月4日、当社基本定款により600,000,000株に変更された。
(2)6,695,037株の自己株式を含む。
② 【発行済株式】
記名・無記名の別及び
額面・無額面の別
種類
記名式額面0.01ドル
普通株式
記名式額面100ドル
優先株式
計
―
(2010年12月31日現在)
上場金融商品取引所名
発行数
内容
又は登録認可金融商品
取引業協会名
ニューヨーク
2,360,737,310株(1)
―
シカゴ
0株
2,360,737,310株(1)
注(1)6,695,037株の自己株式を含む。
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―
―
―
―
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(2) 【発行済株式総数及び資本金の推移】
株数
金額
(千株)
(百万ドル)
払込資本
2004年12月31日現在残高
ワラント・プラン
0
7,344
(594,203百万円)
254
(20,551百万円)
0
LYONS債転換
0
0
0
(1,730)
(5)
((405)百万円)
36
(2,913百万円)
0
5
(405百万円)
116
(9,386百万円)
1
(81百万円)
(749)
((60,602)百万円)
86
(6,958百万円)
ストック・オプション・プラン
制限付株式
従業員ストック・パーチェス・プラン
2,447,760
株式払込剰余金
84,847
11,926
非従業員取締役株式制度
株式買戻プログラムからの株式の消却
20
(41,706)
非適格ストック・オプションの税金調整
2005年12月31日現在残高
0
FAS第123R号株式に基づく報酬費用
0
7,503
(607,068百万円)
179
(14,483百万円)
0
FAS第123R号税務上の超過利益
0
0
制限付株式
(114)
0
従業員ストック・パーチェス・プラン
8,320
25
(2,023百万円)
0
ストック・オプション・プラン
2,501,117
(126)
((10,195)百万円)
0
59,816
非従業員取締役株式制度
株式買戻プログラムからの株式の消却
0
(171,692)
(515)
((41,669)百万円)
0
0
非適格ストック・オプションの税金調整
127/507
3,693
(298,801百万円)
918
(74,275百万円)
0
4,070
(329,304百万円)
577
(46,685百万円)
252
(20,389百万円)
165
(13,350百万円)
48
(3,884百万円)
136
(11,004百万円)
2
(162百万円)
(3,310)
((267,812)百万円)
(23)
((1,861)百万円)
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株数
金額
(千株)
(百万ドル)
払込資本
2006年12月31日現在残高
FAS第123R号株式に基づく報酬費用
0
7,192
(581,905百万円)
79
(6,392百万円)
0
FAS第123R号税務上の超過利益
0
0
422
0
10,178
(514)
((41,588)百万円)
0
ストック・オプション・プラン
制限付株式
従業員ストック・パーチェス・プラン
2,397,447
株式払込剰余金
26,190
非従業員取締役株式制度
株式買戻プログラムからの株式の消却
43
BTTおよび繰延税金
0
30
(2,427百万円)
0
FIN第48号による税金調整
0
0
2,263,057
2007年12月31日現在残高
(171,223)
FAS第123R号株式に基づく報酬費用
0
6,787
(549,136百万円)
6
(485百万円)
0
FAS第123R号税務上の超過利益
0
0
1,648
8
(647百万円)
57
(4,612百万円)
ストック・オプション・プラン
制限付株式
従業員ストック・パーチェス・プラン
1,919
18,858
非従業員取締役株式制度
株式買戻プログラムからの株式の消却
1,917
(155,104百万円)
211
(17,072百万円)
276
(22,331百万円)
50
(4,046百万円)
80
(6,473百万円)
122
(9,871百万円)
2
(162百万円)
(2,521)
((203,974)百万円)
5
(405百万円)
93
(7,525百万円)
235
(19,014百万円)
8
(647百万円)
207
(16,748百万円)
(5)
((405)百万円)
196
(15,858百万円)
74
(5,987百万円)
0
0
(9,020)
2
(162百万円)
(111)
((8,981)百万円)
0
0
BTTおよび繰延税金
0
(27)
((2,185)百万円)
0
FIN第48号による税金調整
0
0
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株数
金額
(千株)
(百万ドル)
払込資本
2008年12月31日現在残高
1,439
6,831
(552,696百万円)
0
非従業員取締役株式制度
0
2
(162百万円)
46
(3,722百万円)
0
株式買戻プログラムからの株式の消却
0
0
606
(49,031百万円)
8
(647百万円)
205
(16,587百万円)
(12)
((971)百万円)
177
(14,321百万円)
60
(4,855百万円)
2
(162百万円)
0
FAS第123R号株式に基づく報酬費用
0
0
FAS第123R号税務上の超過利益
0
0
4,752
BTTおよび繰延税金
0
0
0
FIN第48号による税金調整
0
0
0
額面価格の変動
0
(6,856)
((554,719)百万円)
6,856
(554,719百万円)
2,312,059
10,923
23
(1,861百万円)
0
FAS第123R号株式に基づく報酬費用
0
0
FAS第123R号税務上の超過利益
0
0
制限付株式
12,053
0
従業員ストック・パーチェス・プラン
19,007
0
非従業員取締役株式制度
0
0
株式買戻プログラムからの株式の消却
0
0
7,902
(639,351百万円)
62
(5,016百万円)
155
(12,541百万円)
(57)
((4,612)百万円)
188
(15,211百万円)
112
(9,062百万円)
2
(162百万円)
0
BTTおよび繰延税金
0
0
FIN第48号による税金調整
0
0
額面価格の変動
0
0
22
(1,780百万円)
2,354,042
23
(1,861百万円)
8,381
(678,107百万円)
ストック・オプション・プラン
制限付株式
従業員ストック・パーチェス・プラン
2009年12月31日現在残高
ストック・オプション・プラン
2010年12月31日現在残高
2,276,462
株式払込剰余金
29,406
(5)
((405)百万円)
0
注(1) ストック・オプション税等の項目を含む。
(2) 制限付株式のための資本の減少は、制限付株式ユニットの純失効額を控除したためである。
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(摘要)
2010年12月31日に終了した年度中において、137,301,285個のストック・オプションが発行済であった。以下の
表は、2010年12月31日現在における価格帯別の発行済ストック・オプションおよび行使可能ストック・オプショ
ンの概要である。ストック・オプションの行使により発行する株式の資本組入額は、1株当り0.01ドルである。
発行済オプション
行使価格の加重平均の範囲
行使可能オプション
2010年12月31日現在 契約上の
2010年12月31日現在
行使価格の
の残高
行使可能
行使価格
残存年数の
加重平均
(単位:千)
加重平均
(単位:千)
0.0000ドルから6.9999ドル
63,412
7
6ドル
26,992
6ドル
7.0000ドルから13.9900ドル
47,610
5
9ドル
34,402
9ドル
14.0000ドルから20.9900ドル
10,760
4
17ドル
10,092
16ドル
21.0000ドルから27.9900ドル
1,632
5
21ドル
1,632
21ドル
28.0000ドルから34.9900ドル
0
-
-ドル
-
-ドル
35.0000ドルから41.9900ドル
13,879
4
39ドル
13,879
39ドル
42.0000ドルから48.9900ドル
8
4
45ドル
8
45ドル
49.0000ドルから55.9900ドル
0
-
-ドル
0
-ドル
合計
137,301
87,005
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(3) 【所有者別状況】
所有者別状況
株主総数
に対する
割合(%)(2)
株主数(1)
(2010年12月31日現在)
発行済株式
株式数(1)
総数に対する
割合(%)(2)
男性
22,674
32.48%
6,796,197
0.29%
女性
11,505
16.48%
3,297,069
0.14%
合有
受託者
15,429
22.10%
4,730,662
0.20%
11,837
16.96%
3,866,025
0.16%
7,254
10.39%
7,247,189
0.31%
1
0.00%
2,334,702,382
98.60%
IRA
190
0.27%
84,026
0.00%
会社(営利団体)
920
1.32%
7,133,108
0.30%
69,810
100.00%
2,367,856,658
100.00%
その他
保管機関
合計
注
(1) 株券および配当再投資株式が混合した統計の合計時には、株主数は四捨五入されている。発行済株式数につい
ても、株式は保管株式および個人保有株式の両分類において数えられるため、同様の問題が生じる。
(2) 小数第3位以下四捨五入。
所有数別状況
(2010年12月31日現在)
区分
株主総数
に対する
割合(%)(1)
数
株式数(2)
発行済株式
総数に対する
割合(%)(1)
0.001−50
36,493
52.27%
474,733
0.02%
51−250
19,121
27.39%
2,362,806
0.10%
7,435
10.65%
2,587,105
0.11%
5,812
8.33%
5,726,506
0.24%
2,501−5,000
535
0.77%
1,842,004
0.08%
5,001−25,000
367
0.53%
3,543,041
0.15%
25,001−50,000
26
0.03%
917,062
0.05%
50,001以上
21
0.03%
2,350,403,395
99.26%
69,810
100.00%
251−500
501−2,500
合計
注(1) 小数第3位以下四捨五入。
(2) 小数点以下切捨てのため、合計は計数の総和と一致しない。
131/507
2,367,856,658
100.00%
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(4) 【大株主の状況】
2010年12月31日現在(下に表示する場合を除く。)における上位10名の大株主または発行済株式総数の1%以
上を保有する株主
氏名又は名称
シード・アンド・
カンパニー(1)
計
(2010年12月31日現在)
発行済株式総数
所有株式数
に対する所有
株式数の割合
住所
米国ニューヨーク州10274、
ニューヨーク、ボウリング
・グリーン・ステーション
郵便私書箱第20号
―
2,334,702,382株
98.60%
2,334,702,382株
98.60%
注(1) シード・アンド・カンパニーは、株式決済会社であるデポジタリー・トラスト・カンパニー(以下「DTC」と
いう。)のノミニーである。シード・アンド・カンパニーおよびDTCは議決権を有しておらず、DTCに株式を預
託した実質的所有者は、委任状によってその議決権を行使する。
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主要株主による株式の所有
以下の表は、2010年12月31日現在当社の普通株式の5%超を実質的に所有していたことが認識されていた者
の情報を示している。
氏名および住所
実質的に所有している株式
株式併合により調整され
発行済株式に
数および内容
たモトローラ・ソリュー
占める割合(2)
ションズ・インクの予想
株式数(1)
カール・C・アイカーンおよび
普通株式268,045,683株(4)
38,292,240株(4)
11.35%
普通株式219,623,573株(5)
31,374,796株(5)
9.30%
普通株式153,906,893株(6)
21,986,699株(6)
6.52%
関連事業体
米国ニューヨーク州10153、
ニューヨーク、フィフス
・アベニュー767 47F (3)
ドッチ・アンド・コックス
米国カリフォルニア州94104、
サンフランシスコ、
カリフォルニア・ストリート555
40F
ブラックロック・インク
米国ニューヨーク州10022、
ニューヨーク、
イースト52ndストリート40
(1) モトローラ・ソリューションズの予想株式数は、2010年12月31日時点でモトローラ・インクが保有する株式数を7で割
り、小数点以下を切り捨てて算出されたものであり、切り捨てやその他の要因の結果、モトローラ・ソリューションズの株
式数を正確に反映していない可能性がある。
(2) 上記割合は、さまざまな株主のスケジュール13Dおよび13Gに記載の割合ではなく、本件株式併合実施後の、2011年2月28日
時点における発行済普通株式337,317,122株に基づいて算出された。
(3) カール・C・アイカーンおよび下記の関連事業体(以下「報告者」と総称する。)は、共同で、2008年2月6日に提出され、
2008年3月5日、2008年3月27日、2008年4月7日、2008年5月7日、2010年5月7日、2010年8月4日、および2010年11月3
日に修正された、スケジュール13Dを修正したスケジュール13D/A(以下、修正を含め、「アイカーン・スケジュール13D」
と総称する。)を2010年12月1日付で米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)に提出した。報告者は以下のとおりで
ある:(ⅰ)ハイ・リバー・リミテッド・パートナーシップ、ホッパー・インベストメンツLLC、バーベリー・コーポレー
ション、アイカーン・オフショアLP、アイカーン・パートナーズLP、アイカーン・オンショアLP、アイカーン・キャピタル
LP、IPH GP LLC、アイカーン・エンタープライジズ・ホールディングスL.P.、アイカーン・エンタープライジズG.P.インク
およびベクトン・コーポレーション。各々の住所は米国ニューヨーク州10601 ホワイトプレーンズ、ハミルトン・アベ
ニュー445、スイート1210、ホワイトプレーンズ・プラザである。そして、(ⅱ)アイカーン・パートナーズ・マスター・
ファンドLP、アイカーン・パートナーズ・マスター・ファンドII LPおよびアイカーン・パートナーズ・マスター・ファ
ンドIII LPである。各々の住所は、ケイマン諸島、グランドケイマン、ジョージタウン、マリー・ストリート87、私書箱
908GT、ウォーカーズ・SPV・リミテッド気付である。
(4) アイカーン・スケジュール13Dの日付におけるアイカーン・スケジュール13Dに記載された情報、(ⅰ)アイカーン・キャ
ピタルおよび(ⅱ)カール・アイカーンが2011年2月14日にSECに提出した、2010年12月31日に終了した期間についての
13F-HR様式の情報、および所有者の情報のみに基づく。
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(5) ドッチ・アンド・コックスがSECに提出した2011年2月10日付スケジュール13G/Aの情報のみに基づく。同スケジュール
13G/Aは、2010年12月31日現在でドッチ・アンド・コックスは、219,623,573株について単独の処分権を有する実質的所有
者であり、うち、208,231,186株について単独で議決権を有していたことを報告している。
(6) ブラックロック・インクが、SECに提出した2011年2月7日付スケジュール13G/Aの情報のみに基づいている。同スケ
ジュール13G/Aは、2010年12月31日現在ブラックロック・インクは、153,906,893株について単独の議決権および処分権を
有する実質的所有者であったことを報告している。
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2 【配当政策】
当社取締役会の配当政策は、その時点における当社の業績、財務状態および事業状態全般を斟酌して、各四半期
の配当を考慮するというものである。
当社は配当のための引当金をもたない。配当は配当金支払日に支払われる。
内部留保資金は、当社の将来の業務のために使用される。
2009年2月、当社は、取締役会が当社の普通株式について四半期配当金の宣言を延期したことを発表した。
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3 【株価の推移】
(1) 【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
普通株式
(ニューヨーク証券取引所)
最近5年間の
事業年度別
最高・最低
株価(1)
2010事業年度
中最近6箇月
間の月別
最高・最低
株価(1)
年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
決算年月
2010年12月末
2009年12月末
2008年12月末
2007年12月末
2006年12月末
最高
9.09ドル
(735.47円)
9.31ドル
(753.27円)
15.62ドル
(1,263.81円)
20.91ドル
(1,691.83円)
26.30ドル
(2,127.93円)
最低
6.15ドル
(497.60円)
3.10ドル
(250.82円)
3.11ドル
(251.63円)
14.87ドル
(1,203.13円)
18.66ドル
(1,509.78円)
月別
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
最高
9.09ドル
(735.47円)
8.21ドル
(664.27円)
8.64ドル
(699.06円)
8.68ドル
(702.30円)
8.06ドル
(652.13円)
8.00ドル
(647.28円)
最低
7.76ドル
(627.86円)
7.66ドル
(619.77円)
7.76ドル
(627.86円)
7.73ドル
(625.43円)
7.44ドル
(601.97円)
6.48ドル
(524.30円)
注(1) 上記の表は、それぞれの期間において取引された普通株式の最高・最低株価を示している。
当社の普通株式は、1988年11月から東京証券取引所に上場されていたが、2005年7月25日をもって上場廃止された。
(2) 【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
上記第5、3(1)を参照のこと。
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4 【役員の状況】
(本書提出日現在。取締役および役員の所有株式数についての情報は、別段の記載がある場合を除き、2011年2月
28日現在。)
(1) 取締役
氏名
グレゴリー・Q
・ブラウン
地位
主たる役職:
モトローラ・
ソリューショ
ンズ・インク
会長兼最高経
営責任者※
2011年2月28日現在
(特に記載がある場合
を除く。)の額面0.01
ドルの当社普通株式
に関する
(a)所有株式数(1)
生年月日
(b)行使可能オプショ
ンによる株式数
(2)
(c)株式ユニット(3)
(d)実質所有株式総数
(4)(5)
1960年
8月14日
(a)
(b)
(c)
(d)
201,648
893,737
41,665
1,769,202(6)
※ 2011年5月3日現在
137/507
履歴
2007年より取締役。ブラウン氏は2003年に
当社に入社し、現在会長兼最高経営責任者
を務めている。2011年1月から2011年5月
まで、同氏はモトローラ・ソリューション
ズ社長兼最高経営責任者を務めていた。
2008年8月から2011年1月まで、モトロー
ラ・インク共同最高経営責任者兼ブロード
バンド・モビリティ・ソリューション部門
最高経営責任者を務めた。2008年1月から
2008年8月まで、モトローラ・インク社長
兼最高経営責任者を務め、2007年3月から
2007年の12月までモトローラ・インク社長
兼最高業務執行責任者を務めた。同氏は、
2003年1月より2007年3月まで、モトロー
ラ・インク執行副社長、およびブロードバ
ンド・モビリティ・ソリューション部門内
において様々な事業担当の最高責任者を務
めた。同氏は、当社に入社する前は、ネット
ワーク管理ソフトウエア会社であるマイク
ロミューズ・インクの、会長兼最高経営責
任者であった。同氏は同職を務める前は、ア
メリテック・カスタム・ビジネス・サービ
シズおよびアメリテック・ニュー・メディ
ア・インクの社長を務めていた。現在、同氏
はビジネス・カウンシル、ビジネスラウン
ドテーブル、ノースウェスタン・メモリア
ル病院の理事、およびテクノロジーCEOカウ
ンセルのメンバーを務めている。また、同氏
は米中ビジネス評議会(USCBC)の執行委
員および米国・ブラジル間CEOフォーラム
委員も務めている。同氏は最近、オバマ大統
領により、大統領経営諮問委員会に選出さ
れた。また、同氏はラトガーズ大学で経済学
の学士号を取得した。
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氏名
ウィリアム・J
・ブラットン
地位
主たる役職:
アルテグリ
ティ・インク
の事業であ
る、
クロール
会長
2011年2月28日現在
(特に記載がある場合
を除く。)の額面0.01
ドルの当社普通株式
に関する
(a)所有株式数(1)
生年月日
(b)行使可能オプショ
ンによる株式数
(2)
(c)株式ユニット(3)
(d)実質所有株式総数
(4)(5)
1947年
10月6日
(a)
(b)
(c)
(d)
0
0
1,006
1,006
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履歴
2011年より取締役。ブラットン氏は、アルテ
グリティによるクロールの買収後の2010年
9月に、世界的なリスク・カンパニーであ
り、アルテグリティ・インクの事業である
クロールの会長に任命された。ブラットン
氏は2009年11月に世界的なセキュリティ・
ソリューションおよび法執行研修に特化し
た会社であるアルテグリティにアルテグリ
ティ・リスク・インターナショナルの会長
として入社し、世界中の刑事司法機関に対
しセキュリティについてのコンサルティン
グを行っていた。同社に入社する前は、2002
年10月から2009年10月まで、ロサンゼルス
市警(以下「LAPD」という。)の警察署長
を務めた。1994年から1996年まで、ブラット
ン氏はニューヨーク市警の本部長であっ
た。同氏は同職に任命される前はボストン
市警察の本部長、ニューヨーク市地下鉄警
察の本部長、マサチューセッツ大都市地域
警察本部長およびマサチューセッツ湾交通
局の警察本部長を含む多くの機関のトップ
を務めていた。1996年から、LAPD警察署長に
任命されるまで、ブラットン氏は民間企業
に勤務しており、2000年に、治安維持、パブ
リック・セーフティおよび法の支配イニシ
アチブについて米国やラテンアメリカの広
範囲で取り組む、ブラットン・グループLLC
を設立した。この期間中、同氏はクロールの
公共サービス・セーフティ・グループおよ
び危機管理コンサルタント・グループのシ
ニア・コンサルタントも務めた。現在ブ
ラットン氏は米国国土安全保障諮問委員会
の副委員長を務めている。ブラットン氏は
ボストン州立大学で理学士号を取得し、FBI
ナショナル・エグゼキュティブ・インス
ティトゥートおよびハーバード大学ジョン
・F・ケネディ行政大学院のシニア・エグ
ゼキュティブ・フェローズ・プログラムを
卒業した。
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デイビッド・W
・ドーマン
主たる役職:
モトローラ・
ソリューショ
ンズ・インク
主席独立取締
役※
1954年
1月14日
(a)
(b)
(c)
(d)
0
0
22,069
22,069
※ 2011年5月3日現在
139/507
2006年より取締役。ドーマン氏は、モトロー
ラ・ソリューションズ・インクの主席独立
取締役を務めている。2008年5月から2011
年5月まで、同氏は、非執行取締役会長を務
めていた。ドーマン氏は、同役職に就く前
は、2006年9月から2008年4月まで、国際的
かつ主導的な未公開株式投資会社である
ウォーバーグ・ピンカスのマネジング・
ディレクター兼上席アドバイザーであっ
た。同氏は、2002年11月から、2005年11月に
AT&TとSBCコミュニケーションズの合併が
完了するまで、インターネットおよびトラ
ンザクション・ベースの音声・データの
サービス・プロバイダーであるAT&Tの会長
兼最高経営責任者であった。同氏は、2000年
12月、AT&Tに同社の社長として入社した。同
氏は、その電機通信分野でのキャリアを
1981年にスプリント・コーポレーションに
入社し、開始した。ドーマン氏は、CVSケア
マーク・コーポレーションおよびYUM!・ブ
ランズ・インクの取締役であり、ジョージ
ア工科大学基金の理事でもある。最近5年
間において、同氏は、サイエンティフィック
・アトランタおよびフォーム・インクの取
締役を務めていた。ドーマン氏はジョージ
ア工科大学より工業経営の分野で上席成績
優秀者として理学士号を得た。
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氏名
マイケル・V
・ヘイデン
地位
主たる役職:
チャートフ・
グループ
社長
2011年2月28日現在
(特に記載がある場合
を除く。)の額面0.01
ドルの当社普通株式
に関する
(a)所有株式数(1)
生年月日
(b)行使可能オプショ
ンによる株式数
(2)
(c)株式ユニット(3)
(d)実質所有株式総数
(4)(5)
1945年
3月17日
(a)
(b)
(c)
(d)
0
0
1,006
1,006
140/507
履歴
2011年より取締役。現在、ヘイデン将官は、
セキュリティ・コンサルタント会社である
チャートフ・グループの社長を務めてい
る。ヘイデン将官の輝かしい経歴には、米国
連邦政府でのいくつかのリーダー的地位が
含まれる。ヘイデン将官は2006年5月から
2009年2月に連邦局を退任するまで、中央
情報局の長官を務めていた。2005年5月か
ら2006年5月まで、ヘイデン将官は国家情
報局の副長官を務めた。同将官はまた、1999
年から2005年まで、国家安全保障局の長官
であった。同将官は、1969年に米国空軍の現
役軍務の一員となり、2008年7月に退役し
た、米国空軍の大将である。同将官はまた、
アリオン・サイエンス・アンド・テクノロ
ジーの取締役を務めており、ジョージ・メ
イソン大学大学院公共政策研究科の著名な
客員教授でもある。同将官はデュケイン大
学で歴史学の学士号と、近代米国史の文学
修士号を取得した。同将官は、空軍ROTCプロ
グラムの卒業生である。
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主たる役職:
アイカーン・
エンタープラ
イジズL.P.の
ジェネラル・
ヴ ィ ン セ ン ト ・ J ・ パートナーで
ある、
イントリエリ
アイカーン・
エンタープラ
イジズG.P.イ
ンク取締役
1956年
8月17日
(a)
(b)
(c)
(d)
0
0
1,006
1,006
141/507
2011年より取締役。イントリエリ氏は、2006
年7月より、投資管理、自動車、金属、不動
産、鉄道およびホーム・ファッションを含
む様々な事業に従事する多角経営の持ち株
会社であるアイカーン・エンタープライズ
・エルピーのジェネラル・パートナーであ
る、アイカーン・エンタープライズ・ジー
ピー・インクの取締役を務めている。同氏
は2004年11月からカール・C・アイカーン
氏が第三者民間投資ファンドを運用するた
めの事業体であるアイカーン・キャピタル
LPの上級マネジング・ディレクターを務め
ている。同氏は、2005年1月より、主として
証券の保有・投資事業に従事する事業体で
あるアイカーン・アソシエーツ・コーポ
レーションおよびハイ・リバー・リミテッ
ド・パートナーシップのシニア・マネージ
ング・ディレクターを務めている。2005年
4月から2008年9月まで、同氏は金属再利
用および産業サービス会社であるフィリッ
プ・サービス・コーポレーションの社長兼
最高経営責任者を務めていた。2007年12月
より、同氏は金属再利用の会社であるPSCメ
タルズ・インクの取締役会会長兼取締役を
務めている。2005年8月より、同氏は、主と
してカバード・ホッパーおよびタンク・
レールカーの製造に従事するアメリカン・
レールカー・インダストリーズ・インク
(以下「ARI」という。)の取締役を務めて
いる。また、同氏は、2005年3月から2005年
12月まで、ARIの上級副社長兼財務部長兼秘
書役を務めていた。同氏はビスカセ・カン
パニーズ・インクの取締役会会長を務めて
おり、また、ウェストポイント・インターナ
ショナル・インク、ナショナル・エナジー
・グループのフェデラルモーグル・コーポ
レーション、およびXOホールディングス・
インクの取締役を務めている。過去5年間、
同氏はXOコミュニケーションズ・インク、
WCIコミュニティーズ・インク 、およびリ
アコーポレーションの取締役を務めた。上
記に記載の会社について、カール・C・アイ
カーンは、直接的または間接的に(ⅰ)か
かる会社の支配権を所有する、または
(ⅱ)証券の所有を通じてかかる会社の持
分を所有している。イントリエリ氏は公認
会計士であり、ペンシルベニア州立大学よ
り優秀な成績で会計学の学士号を取得し
た。
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氏名
ジュディ・C
・ルーウェント
サミュエル・C・
スコットⅢ
地位
主たる役職:
メルク・アン
ド・コー・イ
ンク執行副社
長兼最高財務
責任者
(退職)
主たる役職:
コーン・プロ
ダクツ・イン
ターナショナ
ル会長兼社長
兼最高経営責
任者(退職)
2011年2月28日現在
(特に記載がある場合
を除く。)の額面0.01
ドルの当社普通株式
に関する
(a)所有株式数(1)
生年月日
(b)行使可能オプショ
ンによる株式数
(2)
(c)株式ユニット(3)
(d)実質所有株式総数
(4)(5)
1949年
1月13日
1944年
5月18日
(a)
(b)
(c)
(d)
(a)
(b)
(c)
(d)
履歴
13,137
19,535
1,006
33,678
2011年より取締役。ルーウェント女史は
1980年に、製薬会社であるメルク・アンド
・コーに入社後、1990年から2007年に退任
するまで、最高財務責任者を務めていた。同
氏は、同社において、世界的な財務、経営企
画、特許および戦略的計画の責任を任され
ていた。また、同氏は2003年1月から2005年
7月まで、ヒューマン・ヘルス・アジアの
最高責任者を務めていた。現在、ルーウェン
ト女史はデル・インクおよびサーモフィッ
シャーサイエンティフィック・インクの取
締役を務めている。同氏は、1995年5月から
2010年5月まで、モトローラ・インクの取
締役会の一員であった。同氏はロックフェ
ラー家族信託の理事であり、マサチュー
セッツ工科大学コーポレーションの終身会
員であるとともに、アメリカ芸術科学アカ
デミーのメンバーである。ルーウェント女
史はガウチャー大学で学士号を取得し、MIT
スローンマネジメントスクールで修士号を
取得した。
4,902
19,535
9,807
34,244(7)
1993年より取締役。2001年2月から2009年
5月に退任するまで、スコット氏は穀物精
製事業を行っているコーン・プロダクツ・
インターナショナルの会長兼社長兼最高経
営責任者を務めていた。同氏は同職に就く
前は、1998年1月から2001年2月まで、コー
ン・プロダクツ・インターナショナルの社
長兼最高業務執行責任者を務めていた。ス
コット氏は、バンク・オブ・ニューヨーク
・メロン、アボット・ラボラトリーズ、の取
締役、シカゴ地球問題評議会の評議員およ
びシカゴ・アーバン・リーグの取締役を務
めている。同氏は、ノースウェスタン・メモ
リアル・ヘルスケアの理事およびシカゴ姉
妹都市協会会長も務めている。スコット氏
は、フェアリー・ディッキンソン大学から
工学士号および経営学修士号を取得した。
142/507
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
氏名
ジョン・A
・ホワイト博士
地位
主たる役職:
アーカンソー
大学
生産工学ディ
スティング
イッシュトプ
ロフェッサー
2011年2月28日現在
(特に記載がある場合
を除く。)の額面3ド
ルの当社普通株式に
関する
(a)所有株式数(1)
生年月日
(b)行使可能オプショ
ンによる株式数
(2)
(c)株式ユニット(3)
(d)実質所有株式総数
(4)(5)
1939年
12月5日
(a)
(b)
(c)
(d)
6,324
7,562
15,532
29,418(8)
履歴
1995年より取締役。ホワイト博士は、アーカ
ンソー大学生産工学ディスティングイッ
シュトプロフェッサーである。同職に就く
前は、1997年から2008年6月に退職するま
で、アーカンソー大学の学長であった。1991
年から1997年初めまで、ジョージア工科大
学工学部長を務め、1975年から教授会に参
加している。同氏は、ジェイビー・ハント・
トランスポート・サービシズ・インクの取
締役でもある。最近5年間において、同氏
は、ロジリティー・インクおよびラッセル
・コーポレーションの取締役を務めてい
た。全米技術アカデミーの会員。ホワイト博
士は、アーカンソー大学から理学士号(産
業工学)を、バージニア州立理工科大学か
ら理学修士号(産業工学)を、オハイオ州立
大学から博士号を取得している。
上記の取締役は、それぞれの後任者が選任され適格とされるまで、または、それより早期に死亡した場合もしくは辞任するま
でモトローラ・ソリューションズの取締役を務める。上記のいずれの取締役の間にも、家族関係はない。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(2) 執行役員
氏名
グレゴリー・Q・ブラウン
マイケル・D・アンズ
ミシェル・A・カーリン
生年月日
1960年
8月14日
1963年
9月7日
1961年
8月12日
2011年2月28日現在の
実質所有または行使可
能オプションにより所
有している普通株式、
制限付株式および制限
付株式ユニット(別段
の記載がある場合を除
く。)
1,769,202株(6)
現在の役職および最近5年間の役職
2011年5月3日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インク会長兼最高経営責任者
2011年1月から2011年5月までモトローラ・ソ
リューションズ・インク社長兼最高経営責任者
2008年8月から2011年1月までモトローラ・イン
ク共同最高経営責任者兼ブロードバンド・モビリ
ティ・ソリューション部門最高経営責任者
2008年1月から2008年8月まで社長兼最高経営責
任者
2007年6月より2008年1月まで社長兼最高業務執
行責任者
2006年6月から2007年6月まで執行副社長兼ネッ
トワークス・エンタープライズ部門最高責任者
2005年1月より2006年6月まで執行副社長兼官公
庁・法人モビリティ・ソリューション部門最高責
任者
36,316株
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インク事業開発・ベンチャー担当本社副社長
2009年1月から2011年1月までモトローラ・イン
ク事業開発・ベンチャー担当本社副社長
2005年2月から2009年1月まで法務・統合サプラ
イチェーン担当本社副社長
77,373株
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インク人事担当上級副社長
2009年11月から2011年1月までモトローラ・イン
ク人事担当上級副社長
2008年7月から2009年10月まで人事、グローバル
報奨、人事シェアードサービス担当本社副社長
2006年6月から2008年7月までキャンベル・スー
プ・カンパニーのグローバル報酬・給与・人事テ
クノロジー担当副責任者
2005年6月から2006年5月までTIAA-CREF(全米
教職員年金・保険基金)人事報奨・オペレーショ
ン担当副責任者
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
氏名
エドアルド・F・コンラド
ユージン・A・デラニー
生年月日
1966年
10月4日
1956年
6月10日
2011年2月28日現在の
実質所有または行使可
能オプションにより所
有している普通株式、
制限付株式および制限
付株式ユニット(別段
の記載がある場合を除
く。)
現在の役職および最近5年間の役職
42,123株
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インク上級副社長兼最高マーケティング責任
者
2010年9月から2011年1月までモトローラ・イン
クのモトローラ・ソリューションズ部門上級副責
任者兼最高マーケティング責任者
2009年3月から2010年9月までエンタープライズ
・モビリティ・ソリューションズおよびホーム・
ネットワークス事業上級副責任者兼最高マーケ
ティング責任者
2007年12月から2009年3月までホーム・ネット
ワークス・モビリティ事業マーケティング・コ
ミュニケーション担当本社副社長
2006年1月から2007年12月までネットワークス・
エンタープライズ事業グローバル・マーケティン
グ・コミュニケーション担当副責任者
2005年10月から2006年1月までモトローラ・ネッ
トワークス部門グローバル・マーケティング・広
報・産業アナリスト・リレーションズ担当副責任
者
452,274株(9)
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インクのエンタープライズ・モビリティ・ソ
リューション部門製品・ビジネスオペレーション
担当執行副社長
2010年8月から2011年1月までモトローラ・イン
クのエンタープライズ・モビリティ・ソリュー
ション部門製品・ビジネスオペレーション担当執
行副社長
2009年1月から2010年8月まで執行副社長兼エン
タープライズ・モビリティ・ソリューション部門
最高責任者
2007年5月から2009年1月まで官公庁・パブリッ
クセーフティ部門上級副責任者
2006年5月から2007年5月までネットワークス・
エンタープライズ部門の国際販売部門上級副責任
者
2005年5月より2006年5月まで官公庁・法人モビ
リティ・ソリューション部門の国際販売部門上級
副責任者
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
氏名
エドワード・J
・フィッツパトリック
ケリー・S・マーク
2011年2月28日現在の
実質所有または行使可
能オプションにより
生年月日 所有している普通株
式、制限付株式および
制限付株式ユニット
(別段の記載がある場
合を除く。)
1966年
8月13日
1971年
11月18日
153,054株(10)
32,951株
現在の役職および最近5年間の役職
2011年5月3日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インク執行副社長兼最高財務責任者
2011年1月から2011年5月までモトローラ・ソ
リューションズ・インク上級副社長兼最高財務責
任者
2009年10月から2011年1月までモトローラ・イン
ク上級副社長兼最高財務責任者
2009年2月から2009年10月まで上級副社長、コー
ポレート・コントローラー兼最高財務責任者代理
2009年1月から2009年2月まで上級副社長兼コー
ポレート・コントローラー
2008年1月から2009年1月まで本社副社長兼ホー
ム・ネットワークス・モビリティ部門財務担当
2007年6月から2008年1月までホーム・ネット
ワークス・モビリティ部門副責任者兼財務担当
2006年4月から2007年6月までネットワークス・
エンタープライズ部門副責任者、財務担当兼会計
監理役
2005年7月から2006年4月まで官公庁・法人モビ
リティ・ソリューション部門副責任者、財務担当
兼会計監理役
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューション
ズ・インクの戦略・スタッフオペレーションズ担
当本社副社長
2010年9月から2011年1月までモトローラ・イン
クのモトローラ・ソリューションズ部門の戦略担
当本社副社長
2008年1月から2010年9月まで副社長兼首席補佐
官
2008年10月から2008年12月までサーベラス・キャ
ピタルのオペレーションズ・コンサルタント
2004年9月から2008年9月まで買収統合担当本部
長
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有価証券報告書
マーク・F・ムーン
1963年
4月5日
132,514株
2011年5月3日よりモトローラ・ソリューショ
ンズ・インクの販売・フィールドオペレーショ
ン担当執行副社長
2011年1月から2011年5月までモトローラ・ソ
リューションズ・インクの販売・フィールドオ
ペレーション担当上級副責任者
2010年8月から2011年1月までモトローラ・イ
ンクのモトローラ・ソリューションズ部門販売
・フィールドオペレーション担当上級副責任者
2009年4月から2010年8月までエンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション事業ワールド
ワイド・フィールドオペレーション担当上級副
責任者
2008年1月から2009年4月までエンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション事業の政府・
商業市場部門南北アメリカASTRO製品管理担当上
級副責任者
2007年7月から2008年1月までエンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション・グループ政
府・パブリックセーフティ事業NA・LACバイオメ
トリックス、ASTRO、PCR製品管理担当上級副責任
者
2006年12月から2007年7月までネットワークス
・エンタープライズ事業北米政府・商業市場担
当上級副責任者
2006年5月から2006年12月までネットワークス
・エンタープライズ事業、北米パブリックセーフ
ティ部門販売・流通担当本社副社長
2005年3月から2006年5月まで官公庁・法人モ
ビリティ・ソリューション部門の州・地方政府
部門販売・流通担当本社副社長
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
氏名
ルイス・A・
スティーバーソン
ジョン・K
・ウォズニアック
生年月日
1963年
10月18日
1971年
7月24日
2011年2月28日現在の
実質所有または行使可
能オプションにより所
有している普通株式、
制限付株式および制限
付株式ユニット(別段
の記載がある場合を除
く。)
現在の役職および最近5年間の役職
46,489株
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューショ
ンズ・インクの上級副社長兼ジェネラル・カウ
ンセル兼取締役会秘書役
2010年8月から2011年1月までモトローラ・イ
ンクのモトローラ・ソリューションズ部門上級
副責任者兼ジェネラル・カウンセル
2010年4月から2010年8月までエンタープライ
ズ・モビリティ・ソリューション事業法務担当
上級責任者
2007年5月から2010年4月までブロードバンド
・モビリティ事業法務担当本社副社長
2006年3月から2007年5月までネットワークス
・エンタープライズ事業法務担当本社副社長
2005年4月から2006年3月まで官公庁・法人モ
ビリティ・ソリューション部門法務担当本社副
社長
38,092株
2011年1月4日よりモトローラ・ソリューショ
ンズ・インク本社副社長兼最高会計責任者
2009年11月から2011年1月までモトローラ・イ
ンク本社副社長兼最高会計責任者
2008年3月から2009年11月まで副社長兼会計監
理役補佐
2007年6月から2008年3月まで専門経理担当上
級本部長兼ホーム・ネットワークス・モビリ
ティ部門インターナショナル・コントローラー
2006年5月から2007年6月までネットワークス
・エンタープライズ部門会計・取引サポート担
当上級本部長
2005年10月から2006年5月まで専門経理・外部
報告担当本部長
上記の執行役員は、それぞれの後任者が選任されるまでモトローラ・ソリューションズの執行役員を務める。上記のいずれ
の執行役員の間にも、家族関係はない。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(1) 所有株式数には、各人が現在議決権および/または処分権を保有または共有している株式が含まれるが、当社の401(k)制度
のモトローラ・ソリューションズ株式ファンドに保有されている株式に対する持分(もしあれば)ならびに「行使可能オ
プションによる株式数」および「株式ユニット」に記載されている株式は含まれていない。
(2) 2011年2月28日現在行使可能なオプションおよびその後60日以内に行使が可能となるオプションに基づく株式が含まれ
る。また、普通株式の市場価格が規定されたレベルに達した場合のみ確定される市場ベースのオプションに基づいた未確定
の株式も含まれる。
(3) 2011年2月28日現在またはその後60日間以内に実質的に所有されていたとみなされる株式ユニットが含まれる。株式ユ
ニットは、それに対する制限が消滅するまでは、実質的に所有されているものとはみなされない。各株式ユニットは、普通株
式1株と経済的に等価であることが意図されている。
(4) 別段の記載のない限り、各人は、記載されている株式について単独で議決権および処分権を有している。
(5) 一定の投資制限の対象となる当社の401(k)制度のモトローラ・ソリューションズ株式ファンドに保有されている株式に対
する持分(もしあれば)、「行使可能オプションによる株式数」に記載されている株式および「株式ユニット」に記載さ
れているユニットを含む。
(6) ブラウン氏の「実質所有株式総数」における保有には、制限付株式ユニット524,322個および2008年1月31日に付与された
107,830個の未確定の市場ベースのオプションも含まれ、かかる市場ベースのオプションは普通株式の市場価格が、規定さ
れたレベルに達した場合(超えた場合)にのみ確定されるものである。詳細は、「2010年年度末現在で、発行済の株式報
奨」の注記を参照のこと。株式ユニットは、2011年2月28日後60日超を経過した後に制限が消滅するため、株式の所有割合
の計算からは除外されている。
(7) スコット氏はこれらの株式中1,739株については処分権を有していない。
(8) ホワイト博士は、これらの株式中4,364株については議決権および処分権を共有しており、これらの株式中77株については、
議決権を共有しており処分権を有していない。
(9) デラニー氏の「実質所有株式総数」における保有には、制限付株式ユニット129,899個が含まれている。前述のユニットは、
2011年2月28日後60日超を経過した後に制限が消滅するため、株式の所有割合の計算からは除外されている。
(10) フィッツパトリック氏の「実質所有株式総数」における保有には、制限付株式ユニット97,383個が含まれている。前述のユ
ニットは、2011年2月28日後60日超を経過した後に制限が消滅するため、株式の所有割合の計算からは除外されている。
1つのグループとしての、2011年3月15日時点におけるすべての取締役、取締役候補者および在任中の執行役員は、これらの
株式中274,625株についての単独の議決権および処分権、これらの株式中4,364株についての共有での議決権および処分権を有
している。「実質所有株式総数」には、制限付株式ユニット1,082,020個が含まれている。各株式ユニットは、普通株式1株と経
済的に等価であることが意図されている。これらのユニットは、2011年2月28日後60日超を経過した後に制限が消滅するため、
株式の所有割合の計算からは除外されている。
いずれの取締役、取締役候補者および在任中の執行役員も、普通株式が担保権の実行またはその他の償還請求権の対象とな
ることにより返済が行われることが期待される、いずれの融資または取り決めに基づいても普通株式を担保に供していない。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(3) 報酬
取締役に対する報酬および関連する取引
取締役に対する報酬
2010年中に各非従業員取締役に対して支払われた年次顧問料は、100,000ドルだった。さらに、(1)監査法務委
員会の委員長は、20,000ドルの追加の年次報酬、(2)報酬・指導者委員会の委員長は15,000ドルの追加の年次報
酬、(3)その他の委員会の非従業員委員長は、それぞれ10,000ドルの追加の年次報酬、(4)監査法務委員会の委員
長を除く委員は、それぞれ5,000ドルの追加の年次報酬を受領した。非従業員取締役会会長は、280,000ドルの追
加の年次報酬を受領する。会社は、取締役会、委員会およびモトローラ・ソリューションズが要求するその他の
会議への出席について、取締役に対して、また特定の状況においては、取締役に同行する配偶者に対して、旅費、
宿泊費および関連費用の払戻しを行う。
取締役は、自らの顧問料およびその他の報酬の一部または全部を繰延株式ユニットの形で受領することがで
きる。
非従業員取締役は、事業年度の第2四半期に120,000ドルの繰延株式ユニットの年次付与を受領する。2010年
5月5日、各非従業員取締役は、本件株式併合のために調整された、普通株式2,495株に当たる繰延株式ユニット
報奨を受領した。与えられた繰延株式ユニットの個数は、120,000ドルを、付与日現在の終値に基づいた普通株式
1株の公正市場価格で割ることにより決定された(小数点以下は四捨五入された。)。繰延株式ユニットは、取
締役会における任務の終了時に、普通株式の形で取締役に支払われる。
繰延株式ユニットの年次付与後に取締役会の一員となった非従業員取締役については、報奨は、勤務月数に基
づき比例按分し(満1ヶ月当たり10,000ドル)、取締役に選任された日の普通株式の終値で除した値で配分さ
れる。2011年1月4日、新任の取締役はそれぞれ40,000ドルと同等の繰延株式ユニット報奨を受領した。
非従業員取締役は、モトローラ・ソリューションズ経営陣報酬繰延制度に参加する資格を有さない。モトロー
ラ・ソリューションズは、非従業員取締役に対する非株式インセンティブ制度や年金制度を有していない。
非従業員取締役は、取締役会もしくはその委員会への出席または取締役会もしくはその委員会を代理して
行った追加の業務について、追加の報酬は一切受けない。2010年中に従業員であったブラウン氏およびジャ博士
は、取締役会またはその委員会に係る業務について、追加の報酬を受けなかった。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
以下の表は、2010年中に非従業員取締役に対して支払われた報酬の概要である。
2010年の取締役報酬
年金価値の
現金で
株式による
支払われたか得
報奨
オプション
変動および
その他の
られた報酬
(ドル)
報奨
非適格繰延
全報酬
氏名
(ドル)(1)
(2)(3)(4)
(ドル)(3)
報酬(ドル)
(ドル)(5)
合計(ドル)
(a)
(b)
(c)
(d)
(f)
(g)
(h)
在任中の取締役
デイビッド・W・ドーマン
0
500,008
0
0
13,500(6)
513,508
ウィリアム・R
0
227,506
0
0
0
227,506
55,000
0
0
0
0
55,000
キース・A・マイスター
105,000
120,005
0
0
10,000(6)
235,005
トーマス・J
105,000
120,005
0
0
0
225,005
115,000
120,005
0
0
0
235,005
100,000
120,005
0
0
0
220,005
68,250
156,756
0
0
0
225,006
110,000
120,005
0
0
10,000(6)
240,005
72,000
168,000
0
296(8)
37,225(6)
277,521
・ハンブレクト
ジュディ・C
・ルーウェント(7)
・メレディス
サミュエル・C
・スコットⅢ
ジェームズ・R
・ステンゲル
アンソニー・J
・ビンチケラ
ダグラス・A
・ワーナーⅢ
ジョン・A・ホワイト
(1) 取締役は、その顧問料およびその他の報酬の一部を繰延株式ユニットの形で受領することを選択することができる。(b)欄
に示された金額は、非従業員取締役が現金で受領することを選択した顧問料およびその他の報酬の一部である。ドーマン
氏、ハンブレクト氏、ビンチケラ氏およびホワイト氏はそれぞれ、顧問料のうち380,000ドル、107,500ドル、36,750ドルおよ
び48,000ドルを繰延べした。繰延べされた金額は、(c)欄に示されている。
(2) 一部取締役は、その顧問料およびその他の報酬の一部を繰延株式ユニットの形で受領する選択をした。また、2010年5月5
日に、すべての非従業員取締役は、繰延株式ユニットの年次付与を受けた。(c)欄に示されたすべての金額は、財務会計基準
審議会会計基準編纂書トピック第718号「報酬−株式報酬」(「ASCトピック第718号」)に従って算出された付与日現在
の繰延株式ユニットの公正価値合計(該当する場合には配当同等物を含む。)と同額である。本件株式併合のために調整
された、受領された繰延株式ユニットの数および各付与日または購入日現在の公正価値は以下のとおりである:
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
5月5日
取締役
デイビッド・W・ドーマン
公正価値
ウィリアム・R
3月31日
繰延株式
6月30日
9月30日
12月31日
繰延株式
ユニットの
繰延株式
繰延株式
繰延株式
ユニット
年次付与
ユニット
ユニット
ユニット
1,933
2,495
2,081
1,591
1,496
95,002
120,005
95,003
94,999
94,999
508
2,495
602
460
433
24,998
120,005
27,501
27,501
27,500
−
2,495
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
・ハンブレクト
公正価値
キース・A・マイスター
公正価値
120,005
トーマス・J・メレディス
−
公正価値
120,005
サミュエル・C・スコットⅢ
−
公正価値
−
公正価値
公正価値
187
2,495
201
153
144
9,189
120,005
9,187
9,187
9,188
−
2,495
−
−
−
公正価値
公正価値
2,495
120,005
ダグラス・A・ワーナーⅢ
ジョン・A・ホワイト
2,495
120,005
ジェームズ・R・ステンゲル
アンソニー・J・ビンチケラ
2,495
120,005
244
2,495
262
201
189
11,997
120,005
11,997
12,002
12,000
元取締役
ジュディ・ルーウェント
−
−
−
152/507
−
−
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(3) 2010年12月31日現在、本件分社化および本件株式併合のために調整された、取締役について未行使の株式およびオプショ
ン報奨の総数は以下のとおりであった。年度末現在、各取締役は、以下に記載の当社の株式を購入するオプションについて
行使可能であった。ただし、メレディス氏は、122,617個の未行使オプションを保有しており、このうち年度末時点で行使可
能なオプションは98,940個であった。年度末時点で行使不能であった当該オプションについては、メレディス氏が当社の
最高財務責任者代理として在任中に付与されたものである。:
繰延株式
取締役
オプション
ユニット
制限付株式/RSU
デイビッド・W・ドーマン
0
22,069
0
ウィリアム・R・ハンブレクト
0
13,038
0
キース・A・マイスター
0
7,113
0
トーマス・J・メレディス(a)
サミュエル・C・スコットⅢ
ジェームズ・R・ステンゲル(a)
122,617
ジョン・A・ホワイト
16,889
19,535
9,807
1,739
3,571
8,830
0
0
9,627
0
15,544
9,684
606
7,562
15,532
77
アンソニー・J・ビンチケラ
ダグラス・A・ワーナーⅢ
7,820
元取締役
ジュディ・C・ルーウェント
19,535
0
0
(a) メレディス氏およびステンゲル氏に付与されたオプション、ならびにメレディス氏に付与された制限付株式ユ
ニット(以下「RSU」という。)は、本件分社化の時点でモトローラ・モビリティのオプションおよびRSUに置き
換えられた。2011年1月4日以降、メレディス氏およびステンゲル氏はいずれもモトローラ・ソリューションズ
のオプションまたはRSUを保有しない。
(4) 一定の僅少な金額(50ドル未満)は、端株に代えて、現金により支払われた。
(5) 当社に対する増分費用総額を基に評価された、各指定取締役に対して提供された臨時手当および個人的給付、有価証券ま
たは財産の総額は、10,000ドル未満であったため、かかる金額は本欄には記載されていない。
(6) 本欄の金額は、2005年のモトローラ・ソリューションズ経営陣報酬繰延制度に基づき、従前に選ばれた27,225ドルの配当、
ならびに米国のすべての従業員および取締役が利用可能な当社のチャリタブル・マッチング・ギフト制度に基づき、取締
役の要請に従い、各取締役の名において、慈善機関に対してモトローラ・ソリューションズ基金が拠出したマッチング・
ギフトを表章する金額から構成されるものである。
(7) ルーウェント女史は2011年1月4日より取締役に復帰したが、2010年の年次株主総会にて再選のための立候補をしなかっ
たため、「元取締役」として扱われている。
(8) 本欄の金額は、モトローラ・ソリューションズ経営陣報酬繰延制度に基づく、市場価格を上回る報酬の基準値を超過する
報酬である、296ドルの報酬により構成されるものである。SECの規則に基づき、2010年については、4.16%を超過するすべ
ての報酬(適用される長期フェデラル金利の120%)は、「市場価格を上回る報酬」とみなされた。2006年1月1日付で、
新規の非従業員取締役は、同プランの参加資格を有していなかった。ホワイト博士のみが同プランに参加している非従業
員取締役である。
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取締役の退職年金制度および保険
1996年に、取締役会は、その退職年金制度を終了し、在任中の非従業員取締役で退職給付金を受ける資格を有
するものはいない。1998年に、唯一の在任中の取締役で、当該制度に関する利害を有していたルーウェント女史、
スコット氏、およびホワイト博士は、退職年金制度中の既発生の給付金を制限付普通株式に転換した。かかる取
締役は(1)再選に立候補しない、もしくは再選されないこと、または(2)高度障害もしくは死亡を理由として取
締役でなくなるまで、これらの株式を売却または譲渡することができず、それまでかかる株式はモトローラ・ソ
リューションズによる買戻しの対象となる。2010年5月にルーウェント女史が取締役を退職するのに伴い、同女
史の普通株式における制限は無効となった。
非従業員取締役に対しては、事故による死亡および重大身体障害について1人当たり500,000ドルを補償する
保険がかけられている。かかる取締役の配偶者も、当社のための出張で取締役に同行するときは同じ保険で補償
される。こうした保険の保険料は当社が支払っている。2010年12月31日に終了した年度中の非従業員取締役およ
びその配偶者全員の保険料は合計2,400ドルであった。
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関係者取引方針および手続
当社は、モトローラ・ソリューションズおよびその子会社(以下「当社」と総称する。)と関係者(下記に定
義する。)を当事者とする120,000ドルを超過する取引(以下「該当取引」という。)を検討する助けとするた
め、書面による方針と手続(以下「関係者取引方針」または「当方針」という。)を制定した。当方針は、「モト
ローラ・ソリューションズ・インク取締役会会員行動原則」および従業員に適用される「モトローラ業務遂行
規約」およびその他の当社の内部手続において定められている、当社のその他の利害相反に関する方針を補完
するものである。関係者取引方針の概要は、下記のとおりである。
関係者取引方針において、関係者とは、当社の前会計年度の当初から在任している当社の取締役、取締役候補
者および業務執行役員、当社のいずれかのクラスの議決権付株式の5%以上を実質的に保有する者(以下
「5%保有者」という。)、ならびに前述の者それぞれの近親者(当方針にて定義されている。)を指す。
当方針では、前会計年度の初めからのあらゆる該当取引は、速やかに当社のジェネラル・カウンセルに報告さ
れなければならない旨定めている。ジェネラル・カウンセルは、該当取引に関する重要な情報を収集することを
補佐し、該当取引を検討する責務を負う取締役会委員会に情報を提出する。該当する取締役会委員会は、該当取
引が関係者取引か否かを判断し、かかる関係者取引を承認、追認または却下する。関係者取引の承認、追認または
却下にあたり、該当する委員会は、重要とみなす場合、かかる情報を検討し、該当取引が当社にとって公正なもの
か否かを決定する。取締役または取締役候補者を当事者とする取引については、統治・指名委員会がすべての決
定を下す。業務執行役員または5%保有者を当事者とする取引については、監査法務委員会がすべての決定を下
す。
当社は、2010年には関係者取引は行っていない。
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株式報酬制度に関する情報
下記の表は、2010年12月31日現在の当社の株式報酬制度に関する情報の概略である。下記の表および注記の株
式数および加重平均行使価格は、2011年1月4日付の当社の本件株式併合を反映するため、調整されたものであ
る。しかし、株式数および加重平均行使価格には、本件分社化を反映するための調整はなされていない。
株式報酬制度に基づき
将来に発行することの
未行使オプションおよび
プランの種類
出来る株式数
権利の行使に際して
未行使オプションおよび
((a)の欄に表示されている
発行される株式数
権利の加重平均行使価格
株式を除く。)
(a)
(b)(1)
(c)
モトローラ・ソリューショ
ンズの株主に
承認された株式報酬制度
26,943,306 (2)(3)(4)
82.60ドル
14,787,904(5)
2,126,571 (7)
69.44ドル
0
29,069,877
81.20ドル
14,787,904
モトローラ・ソリューショ
ンズの株主に
承認されていない
株式報酬制度(6)
合計
(1) 加重平均行使価格は、未行使の制限付株式ユニットまたは繰延株式ユニットを含まない。
(2) この数値には、2006年プランおよび新規付与に際してすでに失効している以前の株式インセンティブ・プランに基づき付
与された未行使オプションの対象となる株式が含まれる。
(3) この数値には、2006年プランおよび新規付与に際してすでに失効している以前のインセンティブ・プランに基づく配当同
等権に従い付与されたか、累積している制限付または繰延べられた株式ユニット合計9,456,165個が含まれる。各制限付ま
たは繰延べられた株式ユニットは、普通株式1株と同等の経済的価値を有することが意図されている。
(4) この数値には、株式評価益権(以下「SAR」という。)103,968個は含まれず、この内80,580個は2006年プランによって付与
され(以下「2006年プランSAR」という。)、23,388個は新規付与に際してすでに失効している以前のインセンティブ・プ
ランに基づき発行済で行使可能である(以下「前SAR」という。)。これらSARの受領者は、付与された各SARにつき、SARを
行使した日の普通株式1株当たりの公正市場価格が、SARが付与された日の普通株式1株当たりの公正市場価格を上回っ
た額に等しい決済金額を受領することができる。前SARのための決済金額は、現金でのみ支払うことが可能である。これら
前SARの行使に際し、有価証券は発行されない。2006年プランSARの決済金額は、普通株式の形で支払うことができる。すべ
ての2006年プランSARの付与価格が、2010年12月31日における普通株式の終値を超えるため、これら2006年プランSARは上
記の表に含まれていない。
(5) これらの株式のうち、(ⅰ)8,168,544株は、当社の従業員株式購入制度である、1999年モトローラ従業員ストック・パー
チェス・プラン(その後の修正を含む。)に基づき将来発行可能なものであり、そして(ⅱ)合計6,619,360株は、2006年
プランに基づき将来発行可能なものである。ストック・オプションに加えて、2006年プランに基づき付与が可能なその他
の株式による手当は、SAR、制限付株式、制限付株式ユニット、繰延株式ユニット、業績株式およびその他の株式に基づく報
奨である。また、報酬・指導者委員会の裁量により、当社の長期インセンティブ・プランに基づく報奨の支払として、2006
年プランに基づき普通株式を発行することができる。
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(6) 当社のプランで株主の承認を得ていないものは、(ⅰ)2000年モトローラ報酬・買収プラン(以下「C/Aプラン」とい
う。)(C/Aプランに基づく付与は今後行われない。)、および(ⅱ)その雇用契約に基づき、ジャ博士に付与された報奨に
係るニューヨーク証券取引所規則に従った例外的勧誘プラン(以下「ジャへの例外的勧誘報酬」という。)である。尚、
ジャへの例外的勧誘報酬に基づき、今後はさらなる報奨をジャ博士に付与することはできない。同プランの制定時より、
C/Aプランの主たる目的は、(ⅰ)当社に新規に雇用された者に対しておよび(ⅱ)事業の買収に関連して、報奨を付与す
ることである。その他の場合は、当社による報奨は通常、株主に承認された当社の報奨プランに基づき付与されている。当
社の取締役や執行役員に対しては、C/Aプランに基づく報奨の付与は行われてはならない。C/Aプランおよびジャへの例外
的勧誘報酬の詳細については、後述を参照のこと。
(7) この数値には、ジャへの例外的勧誘報酬としてジャ博士に付与された103,211個の制限付株式ユニットが含まれる。各制限
付株式ユニットは、当社普通株式1株と経済的に等価であることが意図されている。
2000年モトローラ報酬・買収プラン
2000年モトローラ報酬・買収プラン(以下「C/Aプラン」という。)は、当初2000年11月7日に取締役会によ
り採択された。2006年プランの採択により、C/Aプランに基づく付与は今後行われない。C/Aプランは、当社の採
用、従業員維持活動に関連して、当社とその子会社の従業員で、当社の執行役員または取締役でない者に対して
報奨を与えることができる旨を規定している。その制定時より、C/Aプランの主たる目的は、(ⅰ)当社に新規に
雇用された者に対しておよび(ⅱ)事業の買収に関連して、報奨を付与することであった。C/Aプランに基づき、
ストック・オプション、株式評価益権、制限付株式および制限付株式ユニット、業績株式、業績ユニットならびに
その他の株式による報奨の付与が可能であった。
報奨には、普通株式を取得するオプション、制限付普通株式および制限付株式ユニットが含まれていた。付与
された各オプションの行使価格は、付与日現在の普通株式の市場価格の100%である。通常、C/Aプランに基づく
オプションは、付与日から10年後に失効し、4年間にわたり25%ずつ権利確定し行使可能となる。制限付株式ま
たは制限付株式ユニットによる報奨は、普通株式または普通株式に対する権利から成る。各付与に対する制限は
異なるが、報奨は、従業員が失権の高いリスクに晒されるよう設計されている。
支配権の変更があった場合、かかる支配権の変更が生じた日に発行済であったC/Aプランに基づく各ストック
・オプションは、直ちに全体が行使可能となる。さらに、支配権の変更が生じた日に発行済であった、すべての制
限付株式または制限付株式ユニットの制限は、自動的に終了する。
現在、C/Aプランに基づき発行済である制限付株式または制限付株式ユニットの報奨はない。
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ジャへの例外的勧誘報酬
ジャへの例外的勧誘報酬は、ニューヨーク証券取引所規則に基づく勧誘報酬に係る例外に従って、業務執行役
員の当社への入社を勧誘するため付与された。これらの報酬は、ジャ博士に対し、同氏の雇用契約書に基づき、独
自の能力や経験を持つ役員として、彼を引き付け、留めることを目的として付与された。ジャ博士に多額の
make-whole条項付勧誘株式報奨を付与することを求める観点から、2006年モトローラ・ソリューションズ・オ
ムニバス・インセンティブ・プランの上限が超過された。残額は、ジャへの例外的勧誘報酬に基づき付与され、
以下により構成されていた:(ⅰ)309,631株の普通株式に相当する制限付株式ユニット、および(ⅱ)
1,942,126株の普通株式を購入するためのオプションから構成される。(確定および未確定の)各発行済みス
トック・オプションならびに未確定の制限付株式ユニットは、本件分社化に関連して2011年1月4日にモト
ローラ・モビリティに引き継がれ、ジャ博士はモトローラ・ソリューションズの制限付株式ユニットまたは同
社のいかなるオプションも有しなくなった。上記の株式金額は本件株式併合のみを反映するため、調整されたも
のである。
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株式の所有状況
経営陣および取締役による株式の所有状況
以下の表は、当社の各取締役、取締役候補者、報酬一覧表に記載されている者、ならびにグループとしての当社
のすべての在任中の取締役、取締役候補者および1934年証券取引法(以下「証券取引法」という。)16章の適用
を受ける執行役員による、2011年2月28日現在(他に別段の記載がある場合を除く。)の当社普通株式の実質的
所有権に関連した情報を示している。2011年2月28日現在、各取締役、取締役候補者および指定執行役員が発行
済普通株式337,317,122個について所有している普通株式は、発行済普通株式の1%未満である。グループとし
てのすべての在任中の取締役、取締役候補者および業務執行役員による所有は、発行済普通株式の1%未満であ
る。報告された所有状況は、本件分社化および本件株式併合による2011年1月4日に行われた調整を反映したも
のである。
実質的に所有している株式の
行使可能なオプションの
氏名
所有株式(1)
対象となる株式(2)
株式ユニット(3)
合計(4)(5)
グレゴリー・Q
(6)
・ブラウン
201,648
893,737
41,665
1,769,202
サンジェイ・K・ジャ*
303,730
0
0
303,730
7,290
48,325
0
153,054
20,843
300,728
0
452,274
18,594
0
0
20,017
18,436
322,959
0
343,509
0
0
1,006
1,006
0
0
22,069
22,069
(7)
エドワード・J・
フィッツパトリック
ユージン・A・デラニー
(8)
(9)
ダニエル・M
・マローニー*
(10)
A・ピーター
・ローソン
(11)
ウィリアム・J
ブラットン
デイビッド・W
・ドーマン
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実質的に所有している株式の
行使可能なオプションの
氏名
マイケル・V
所有株式(1)
対象となる株式(2)
株式ユニット(3)
合計(4)(5)
0
0
1,006
1,006
0
0
1,006
1,006
13,137
19,535
1,006
33,678
4,902
19,535
9,807
34,244
3,509
15,544
9,684
28,737
6,324
7,562
15,532
29,418
295,711
1,450,568
102,781
3,047,571
・ヘイデン
ヴィンセント・J
・インティエリ
ジュディ・C
・ルーウェント
サミュエル・C
(12)
・スコット
ダグラス・A
(13)
・ワーナーⅢ
ジョン・A
(14)
・ホワイト
グループとしてのすべて
(15)
の在任中の取締役、取締役
候補者および業務執行役
員(20名)
*ジャ博士およびマローニー氏の「所有株式」は、両氏が業務執行役員を退職した2011年1月3日現在のものである。
(1) 該当者が現在議決権および/または処分権を保有または共有している株式を含むが、当社の401(k)制度のモトローラ・ソ
リューションズ株式ファンドにより所有されている株式、ならびに「行使可能なオプションの対象となる株式」および
「株式ユニット」欄に記載されている株式に対する持分(もしあれば)を除く。
(2) 2011年2月28日現在で行使可能なオプションの対象となる株式および同日より60日以内に行使可能となるオプションを
含む。また、市場ベースのオプションに基づく未確定の株式も含まれ、これは普通株式の市場価格が定義された水準に達し
た場合にのみ確定する。
(3) 2011年2月28日現在実質的に所有されているとみなされる株式ユニットまたは同日より60日以内に実質的に所有されて
いるとみなされる株式ユニットを含む。株式ユニットは、ユニットに対する制限が消滅するまでは、実質的に所有されてい
るとはみなされない。各株式ユニットは、当社普通株式1株と経済的に等価であることが意図されている。
(4) 他に別段の記載がない限り、各人は、報告されている株式について単独の議決権および処分権を有する。
(5) 処分権に対して一定の制限が付されている当社の401(k)制度のモトローラ・ソリューションズ株式ファンドが所有して
いる株式に対する持分、「行使可能なオプションの対象となる株式」および「株式ユニット」欄に記載されている株式
(もしあれば)を含む。
(6) ブラウン氏の、「実質的に所有している株式の合計」欄に記されている所有株式には、制限付の株式ユニット524,322個お
よび2008年1月31日に付与された市場ベースのオプションに基づく未確定のオプション107,830個も含まれ、これは
「2010年年度末現在で、発行済の株式報奨」の注記に記載のとおり、普通株式の市場価格が規定された水準に達した場合
にのみ確定される。かかる株式ユニットは、2011年2月28日から60日超が経過したときに制限が消滅するため、所有株式の
割合の計算からは除外されている。
(7) 従前にジャ博士に付与されたすべてのオプションおよび制限付株式ユニットは、本件分社化の時点で、モトローラ・モビ
リティのオプションおよび制限付株式ユニットに置き換えられた。
(8) フィッツパトリック氏の、「実質的に所有している株式の合計」欄に記されている所有株式には、制限付の株式ユニット
97,383個が含まれている。かかる株式ユニットは、2011年2月28日から60日超が経過したときに制限が消滅するため、所有
株式の割合の計算からは除外されている。
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(9) デラニー氏の、「実質的に所有している株式の合計」欄に記されている所有株式には、制限付の株式ユニット129,899個が
含まれている。かかる株式ユニットは、2011年2月28日から60日超が経過したときに制限が消滅するため、所有株式の割合
の計算からは除外されている。
(10)従前にマローニー氏に付与されていたすべてのオプションおよび制限付株式ユニットは、本件分社化の時点で、モトロー
ラ・モビリティのオプションおよび制限付株式ユニットに置き換えられた。
(11)ローソン氏は、2011年1月7日に当社を退職した。同氏の退職により、確定の制限付株式ユニット4,962個は「所有株式」
に加えられ、未確定の制限付株式ユニット44,726個および未確定のオプション116,215個について権利を失った。
(12)スコット氏は、これらの株式のうち1,739株については、処分権を有していない。
(13)ワーナー氏は、これらの株式のうち606株については、処分権を有していない。
(14)ホワイト博士は、これらの株式のうち、4,364株について議決権および処分権を共有しており、また、77株については、議決
権を共有しており、処分権は有していない。
(15)グループとしてのすべての取締役、取締役候補者および在任中の業務執行役員は、これらの株式のうち、274,625株につい
て、単独で議決権および処分権を有しており、これらの株式のうち、4,364株について、議決権および処分権を共有してい
た。「実質的に所有している株式の合計」欄には、制限付の株式ユニット1,082,020個が含まれている。各株式ユニットは、
当社普通株式1株と経済的に等価であることが意図されている。かかるユニットは、2011年2月28日から60日超が経過し
たときに制限が消滅するため、所有株式の割合の計算からは除外されている。
いずれの取締役、取締役候補者および在任中の執行役員も、普通株式が担保権の実行またはその他の償還請
求権の対象となることにより返済が行われることが期待される、いずれの融資または取り決めに基づいても
普通株式を担保に供していない。
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指定執行役員報酬
2010年度報酬一覧表
非株式インセン 年金価値の変動お
オプション
氏名および主な役職
(a)
年度
ティブ・プラン報 よび非適格繰延報
その他の
給与
賞与
株式報奨
報奨
酬
酬の利益
全報酬
合計
(ドル)(1)
(ドル)
(ドル)(2)
(ドル)(2)
(ドル)(3)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(d)
(h)
(b)
(c)
(e)
(f)
(g)
2010
900,000(4)
0
3,310,653
3,356,730
5,927,500
会長
2009
905,769(4)
0
2,356,136
4,004,000
836,931
0(5) 369,430(6)
8,472,266
兼最高経営責任者
2008
1,200,000
0
8,455,679
14,177,590
0
25,090(5) 505,635(6)
24,363,994
2010
900,000(4)
426,000
2,978,145
7,045,358
1,278,000(4)
0
388,623(7)
13,016,126
グレゴリー・Q
(i)
6,108(5)
237,919(6)
(j)
13,738,910
・ブラウン
サンジェイ・K・ジャ博士
(4)
元共同最高経営責任者
兼モバイルデバイス・
ホーム事業
2009
905,769(4)
1,750(8)
1,344,000(9)
0
1,200,000(10)
0
337,937(7)
3,789,456
2008
484,615
0
33,850,305
69,698,513
2,400,000(4)
0
484,635(7)
106,918,068
(11)
(11)
9,322(12) 509,267(13)
3,180,608
最高経営責任者
エドワード・J
2010
450,000
0
721,350
731,444
759,225
2009
398,647
0
1,358,630
1,545,092
189,357
29,365(12)
156,300
3,677,391
162,500
4,638,000
3,707,840
125,000
52,460(16)
4,900(17)
9,030,354
・フィッツパトリック
上級副社長
兼最高財務責任者
ダニエル・M
2010
339,654(14)
・マローニー
元執行副社長
(15)
2009
600,000
0
1,410,696
2,397,824
285,000
25,283(16)
10,405
4,729,208
2008
600,000
0
1,810,050
2,136,550
228,000
38,840(16)
16,900
4,830,340
2010
575,000
0
1,316,292
1,334,538
1,638,770
473,230(18) 21,260(19)
5,359,090
2009
569,500
0
1,965,274
3,018,368
270,512
764,552(18)
13,800
6,602,006
2010
540,000
0
551,661
559,002
1,628,820
3,533(20) 14,900(21)
3,297,916
2009
540,000
0
824,772
1,401,312
256,500
259,419(20)
12,500
3,294,503
2008
540,000
0
473,500
454,800
205,200
0(20)
16,900
1,690,400
兼モビリティ部門
最高責任者
ユージン・A・デラニー
執行副社長
兼エンタープライズ・
モビリティ・
ソリューションズ
最高責任者
A・ピーター
・ローソン
元執行副社長
兼ジェネラル
・カウンセル
兼秘書役
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(1) 給与には、401(k)プランに基づく減給処理による繰延額が含まれる。
(2) (e)および(f)欄の金額は、ASCトピック第718号に従って算出された各会計年度に付与された株式およびオプション報奨
の、付与日現在における公正価値総額(予測された失権の影響を除く。)を表す。これらの金額の計算のために使用された
仮定については、当社の2010年度の有価証券報告書の連結財務諸表注記8「株式報酬制度およびその他のインセンティブ
制度」に記載されている。
(3) 2010年において、(g)欄の金額は、適格指定執行役員が当該時期のMIPに基づき受領した報奨(ブラウン氏、フィッツパト
リック氏、デラニー氏およびローソン氏についてはLRIPに基づく報奨)で構成されている。業績が基準に満たなかったた
め、LRIPの2008年-2010年基準期間に基づく支払いは行われなかった。しかし、本件分社化により基準期間が中止された
2009年-2011年および2010年-2012年のLRIP基準期間に対する支払いは行われた。当該業績は、2011年1月3日現在の2009
年-2011年LRIPおよび2010年-2012年LRIP基準期間に基づき算出され、比例按分した支払金は、2012年および2013年の各年
に有資各参加者に支払われる。2010年において、ジャ博士およびマローニー氏の(g)欄の金額は、MIPに基づく報奨であり、
その他の指定執行役員に2010年中に行われた支払いは下記のとおりである。
ブラウン氏
フィッツパトリック氏
デラニー氏
ローソン氏
2010年MIP
2,500,000ドル
487,350ドル
628,187ドル
584,820ドル
2009年-2011年
3,150,000ドル
211,875ドル
943,500ドル
999,000ドル
277,500ドル
60,000ドル
67,083ドル
45,000ドル
5,927,500ドル
759,225ドル
1,638,770ドル
1,628,820ドル
比例按分LRIP
2010年-2012年
比例按分LRIP
合計
ローソン氏は、2011年1月7日に当社を退職し、LRIPの条件に基づくLRIPの支払いを受ける資格を有している。2009年およ
び2008年において、(g)欄の金額は、MIPに基づく報奨で構成されている。2009年または2008年において、LRIPに基づく支払
いは行われなかった。
(4) ブラウン氏およびジャ博士の基本給は、減額された2009年の水準に留まった。ブラウン氏およびジャ博士は、2009年の基本
給の25%減を自発的に決定し、また2008年におけるMIPに基づくあらゆる賞与の受領(ジャ博士の雇用契約に従い契約に
より保証されたジャ博士の現金賞与2,400,000ドルを含む。)を差し控えることを決定した。ジャ博士は2008年における契
約により保証された現金賞与額を支払われなかったが、同氏が現金賞与を差し控えると決定した以前に支払われることが
合意された総額を反映するため、同金額は2008年の金額に含めた。2010年中、ジャ博士はモトローラ・モビリティ・ホール
ディングスより付与された426,000ドルの変動賞与に加えて、1,278,000ドルのMIP報奨のうちの278,000ドルを差し控える
ことを選択したため、同氏への純支払いは1,000,000ドルとなった。
(5) 2010年において、この金額はブラウン氏に対するすべての年金制度に基づく給付の、2009年12月31日から2010年12月31日
までの間の現在価値の変動総額である。当該期間中、同氏に対する本年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は、
6,108ドルであり、MSPPに基づく給付の現在価値の変動額は0ドルであった。2009年においては、ブラウン氏のすべての年
金制度に基づく給付の2008年12月31日から2009年12月31日までの間の現在価値の変動総額はマイナスであり、よって0ド
ルと計上されている。当該期間中、同氏の本年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は24,829ドルであり、MSPPに基づ
く給付の現在価値の変動総額はマイナス82,475ドルであった。MSPPに基づく給付の現在価値の低減は、2009年3月1日付
で、当社がSECの規則上の仮定を用いた計算上、MSPPに基づき将来発生するすべての給付金の発生および報酬の増加を凍結
したことによる。2008年においては、ブラウン氏に対する本年金制度に基づく給付の、2007年12月31日から2008年12月31日
までの間の現在価値の変動総額は7,030ドルであり、MSPPに基づく給付の同変動総額は18,060ドルであった。
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(6) この金額は、社有航空機の個人的利用による133,530ドル、自動車および運転手の個人利用による16,748ドル、弁護士費用、
安全確保システム監視サービス、ファイナンシャル・プラニング、当社のイベントへのゲスト出席および401(k)プランの
マッチング拠出に係る42,148ドルを含む、当社に対して生じたブラウン氏のための臨時手当費用237,919ドル、ならびに弁
護士費用に係る26,274ドルおよび当社のイベントへのゲスト出席にかかる575ドルを含む税のグロスアップ費用から成
る。ブラウン氏の社有航空機の個人的利用により当社に対して生じた費用は、ブラウン氏が特定の航空機で移動していた
時間を、各航空機の1時間の運行に係る直接費用で乗ずることにより算出された。直接費用には、燃料、メンテナンス、労働
費用、部品、荷積みおよび駐機費用、ケータリングおよび乗務員費用が含まれている。ブラウン氏の自動車および運転手の
個人利用により当社に対して生じた費用は、給与および手当を含む運転手の費用を比例按分した値を、仕事および会社の
行事のための往復の移動における燃料の費用に加算することにより算出された。以前に報告された2009年および2008年の
金額は、当社が支払った特定の弁護士費用および関連する税のグロスアップを含んでいなかった。これらの金額は、2009年
における弁護士費用5,989ドルおよび税のグロスアップ3,733ドル、ならびに2008年における弁護士費用78,271ドルおよび
税のグロスアップ48,792ドルが計上され、修正された。
(7) この金額は、社有航空機の個人利用による186,189ドル、転勤手当の61,243ドル、自動車および運転手の個人利用のための
50,633ドル、弁護士費用の25,348ドルならびに安全確保システム監視サービス、当社のイベントへのゲスト出席および
401(k)プランのマッチング拠出に係る費用を含む、当社に対して生じたジャ博士のための臨時手当費用388,623ドル、なら
びに転勤手当の38,398ドル、弁護士費用の15,802ドル、および当社のイベントへのゲスト出席に係る959ドルを含む税のグ
ロスアップ費用から成る。ジャ博士の社有航空機ならびに自動車および運転手の個人的利用により当社に対して生じた費
用は、ブラウン氏と同様の方法で算出された。社有航空機の個人利用として計上された金額は、当社およびジャ博士との間
で2009年5月4日付で締結された航空機の時分割利用契約に基づきジャ博士が支払った償還額の控除後の金額である。以
前に報告された2009年および2008年の金額は、当社が支払った特定の弁護士費用および関連する税のグロスアップを含ん
でいなかった。これらの金額は、2009年における弁護士費用2,194ドルおよび税のグロスアップ1,368ドル、ならびに2008年
における弁護士費用44,684ドルおよび税のグロスアップ27,855ドルが計上され、修正された。
(8) この金額は、当社の特許報奨制度に基づく2回の知的財産権報奨から成る。
(9) この金額は、2009年2月11日に、ジャ博士に付与されたRSUの付与日現在における公正価値総額である。2008年12月にジャ
博士が、自発的に、2008年における契約により保証された現金賞与の受領を差し控えることを決断した際、報酬・指導者委
員会は、ブラウン氏もMIPに基づく2008年における賞与の受領を差し控えなかったならば、MIPに基づきブラウン氏に対し
て支払い可能であった金額を2,400,000ドルから差し引いた額に相当するRSUを、ジャ博士に付与することを2009年第1四
半期に決定した。2009年2月11日に、この報奨の全金銭価値は、1,334,000ドルと決定された。
(10)この金額は、ジャ博士の雇用契約に基づきかかる契約により保証された、2009年における同博士の現金賞与を反映したも
のである。
(11)この金額は、ジャ博士の雇用契約に関連して、2008年8月4日に付与された株式報奨の付与日現在における公正価値総額
である。
(12)この金額は、フィッツパトリック氏のすべての年金制度に基づく給付(ゼネラル・インスツルメント年金制度に基づく給
付を含む。)の2009年12月31日から2010年12月31日までの間の現在価値の変動総額である。2010年においては、モトローラ
・ソリューションズ年金制度に基づく同氏の給付の現在価値の変動総額は7,913ドルであり、ゼネラル・インスツルメン
ト年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は1,409ドルであった。MSPPに基づく同氏の給付の現在価値の変動総額は
0ドルであった。2009年においては、フィッツパトリック氏のモトローラ・ソリューションズ年金制度に基づく給付の現
在価値の変動総額は28,808ドルであり、ゼネラル・インスツルメント年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は
2,473ドルであった。MSPPに基づく同氏の給付の現在価値は減少し、マイナス1,916ドルであった。MSPPに基づく現在価値の
減額は、2009年3月1日付で、当社がSECの規則上の仮定を用いた計算上、制度に基づき将来発生するすべての給付金の発
生および報酬の増加を凍結したことによる。
(13)この金額は、転勤費用、当社のイベントへのゲスト出席、401(k)プランのマッチング拠出およびファイナンシャル・プラニ
ングを含むフィッツパトリック氏に対する臨時手当費用391,828ドルならびに転勤費用に係る税のグロスアップの
103,464ドルから成る。
(14)2010年におけるマローニー氏の給与は一年分に満たない。マローニー氏は2010年3月5日に当社を退職し、2010年9月1
日に当社に復帰した。復帰の際の同氏の年間給与は、650,000ドルに定められた。
(15)2010年におけるマローニー氏の賞与は就任賞与である。この金額は、契約により合意された就任賞与の半額である。マロー
ニー氏がモトローラ・モビリティの従業員として残留することを条件に、残りの162,500ドルは、2011年3月にモトローラ
・モビリティにより支払われる。
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(16)2010年において、この金額は、マローニー氏のすべての年金制度に基づく給付(ゼネラル・インスツルメント年金制度お
よびゼネラル・インスツルメントSERP制度(以下「GI SERP」という。)に基づく給付を含む。)の2009年12月31日から
2010年12月31日までの間の現在価値の変動総額である。2010年中において、モトローラ・ソリューションズ年金制度に基
づく同氏の給付の現在価値の変動額は12,940ドルであり、MSPPに基づく現在価値の変動額は0ドルであった。ゼネラル・
インスツルメント年金制度に基づく同氏の給付の現在価値の変動額は19,235ドルであり、GI SERPに基づく現在価値の変
動額は8,594ドルであった。2010年において、マローニー氏はまた、SEC規則に基づき設定された2010年の「市場価格を上回
る報酬」の基準値を超過する非適格繰延報酬11,691ドルを受け取った。2009年において、マローニー氏のモトローラ・ソ
リューションズ年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は46,849ドルであり、MSPPに基づく同氏の給付の現在価値の
変動総額はマイナス142,336ドルであった。マローニー氏のゼネラル・インスツルメント年金制度に基づく給付の現在価
値の変動総額は32,799ドルであり、GI SERP制度に基づく同氏の給付の現在価値の変動総額は14,655ドルであった。MSPPに
基づく現在価値の変動額の減額は、2009年3月1日付で、当社がSECの規則上の仮定を用いた計算上、MSPPに基づき将来発
生するすべての給付金の発生および報酬の増加を凍結したことによる。2008年において、2007年12月31日から2008年12月
31日までの間について、マローニー氏のモトローラ・ソリューションズ年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は
8,763ドル、MSPPに基づく給付の現在価値の変動総額は13,953ドル、ゼネラル・インスツルメント年金制度に基づく給付の
現在価値の変動総額は11,145ドル、およびGISERPに基づく給付の現在価値の変動総額は4,979ドルであった。2000年1月の
当社のゼネラル・インスツルメント・コーポレーションの買収に関連して、マローニー氏のゼネラル・インスツルメント
年金制度およびGISERPに基づく給付金の価値は、2000年12月31日付で凍結された。
(17)この金額は、401(k)プランに基づいて当社により提供された拠出から成る。
(18)デラニー氏のモトローラ・ソリューションズ年金制度に基づく2009年12月31日から2010年12月31日までの間の現在価値
の変動総額は47,044ドルであり、モトローラ選任役員補完的制度に基づく給付の現在価値の変動総額は294,917ドルで
あった。2010年において、デラニー氏はまた、SEC規則に基づき設定された2010年の「市場価格を上回る報酬」の基準値を
超過する非適格繰延報酬131,269ドルを受け取った。2009年において、モトローラ・ソリューションズ年金制度に基づく給
付の現在価値の変動総額は124,268ドル、モトローラ選任役員補完的制度に基づく給付の現在価値の変動総額は471,267ド
ルであった。2009年において、デラニー氏はまた、2009年の「市場価格を上回る報酬」の基準値を超過する非適格繰延報酬
169,017ドルを受け取った。
(19)この金額は、デラニー氏のファイナンシャル・プラニング、当社のイベントへのゲスト出席の帰属収入、および401(k)プラ
ンに基づいての当社により提供された拠出に対して生じた臨時手当費用、ならびに当社のイベントへのゲスト出席に係る
税のグロスアップ1,858ドルから成る。
(20)2010年において、モトローラ・ソリューションズ年金制度に基づくローソン氏の給付の2009年12月31日から2010年12月31
日までの間の現在価値の変動総額は91,036ドルであり、モトローラ選任役員補完的制度に基づく現在価値の変動総額はマ
イナス87,503ドルであった。かかる制度に基づく現在価値の減額は、早期退職控除の減額による相殺の増額に起因するも
のである。2009年において、モトローラ年金制度に基づく給付の現在価値の変動総額は173,854ドルであり、モトローラ選
任役員補完的制度に基づく現在価値の変動総額は85,565ドルであった。2008年において、ローソン氏のすべての年金制度
に基づく給付の現在価値の変動総額はマイナスであり、よって0ドルと計上された。この期間中、モトローラ・ソリュー
ションズ年金制度に基づく同氏の給付の現在価値の変動は減少してマイナス20,250ドルとなり、モトローラ選任役員補完
的制度に基づく現在価値の変動は減少してマイナス61,413ドルとなった。
(21)この金額は、ローソン氏のファイナンシャル・プラニングおよび401(k)プランに基づいて当社により提供された拠出に対
して発生した臨時手当費用から成る。
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下記の表は、2010年のプランに基づいて各NEOに付与されたそれぞれの報奨に関する情報について提示し
たものである。すべての株式ベースの額および行使価格は、本件分社化および本件株式併合に関連する調
整を反映している。
2010年のプランに基づく報奨の付与
非株式インセンティブ・プラン報奨に基づく
将来の支払の見込値
氏名
(a)
グレゴリー
・Q・ブラウン
付与の
種類
MIP
LRIP
株式
サンジェイ
・K・ジャ
MIP
LRIP
株式
エドワード・J
・フィッツパトリック
MIP
LRIP
株式
ダニエル・M
・マローニー
MIP
LRIP
株式
ユージン・A
・デラニー
MIP
LRIP
株式
A・ピーター
・ローソン
MIP
LRIP
株式
付与日
(b)
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日(5)
2010年
5月5日
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日
2010年
5月5日
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日(5)
2010年
5月5日
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日
09/01/2010
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日(5)
2010年
5月5日
2010年
1月1日(4)
2010年
1月1日(5)
2010年
5月5日
オプション
報奨の行使
価格または
基準価格
(1株あたり
のドル)
株式および
オプション報奨
の付与日におけ
る公正価値
基準
目標
最大
その他すべての
株式報奨:株式数
またはユニット数
その他すべて
のオプション
報奨:オプシ
ョンの対象と
なる株式数
ドル
(c)
ドル
(d)
ドル
(e)
(数)(1)
(i)
(数)(2)
(j)
(3)
(k)
ドル
(l)
̶
0
$ 1,980,000
$ 3,346,200
̶
̶
̶
832,500
3,330,000
6,660,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
114,735(6)
264,635(7)
$ 28.86
$ 6,667,383
̶
0
1,800,000
3,042,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
103,211(8)
555,437(9)
28.86
10,023,503
̶
0
427,500
722,475
̶
̶
̶
180,000
720,000
1,440,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
24,999(6)
57,665(7)
28.86
1,452,794
0
212,500
359,125
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
142,853(10)
285,706(11)
32.47
8,345,840
0
546,250
923,162
̶
̶
̶
̶
201,250
805,000
1,610,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
45,617(6)
105,211(7)
28.86
2,650,830
̶
0
513,000
866,970
̶
̶
̶
135,000
540,000
1,080,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
19,118(6)
44,070(7)
28.86
1,110,663
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(1)全体で、本表に記載されているRSUは、2011年1月31日現在の当社の発行済普通株式総数の約0.13%を表章している。2006年
5月1日以降に付与されたRSUは、配当同等権に対する資格を有さない。これらのRSUはそれぞれ、プラン2006に基づき付与
された。すべてのRSUは、その保有者に普通株式を取得する権利を付与し、付与の時点での公正市場価格で評価されている。
2007年3月1日以降に付与されたすべての株式報奨の公正市場価格は、付与日時点での当社の普通株式の終値とされてい
る。
(2)全体として、本表に記載されたオプションは、2011年1月31日現在の発行済普通株式総数の約0.39%について行使可能であ
る。これらの各オプション報奨は、プラン2006に基づき付与された。すべてのオプションは、その保有者に付与日に決定した
行使価格での普通株式を取得する権利を付与する。これらのオプションは、源泉徴収のために行使時に株式を天引きするこ
とおよび/または以前取得した普通株式を交付することを選択する権利を伴うものである。オプションは、家族または家族
が持分を有する一定の団体に譲渡することができる。これらのオプションは、10年後に失効するが、一定の条件の下ではよ
り早く失効または取り消される場合がある。
(3)オプション報奨の行使価額は、付与時点での当社の1株あたりの終値である、付与の時点での当社の普通株式の公正市場価
格に基づいている。
(4)これら2010年の付与は、2010年のMIPに基づいており、現金で支払われる。MIPは、当社の業績と個人の業績を組み合わせた式
に基づく、業績に対して支払が行われるモトローラの年次の賞与制度である。業績の基準水準が達成されなかった場合、か
かる式に従って、報奨が0となることもある。目標は、個人の業績と事業の業績の因数を1.0と仮定している。個人および事
業の業績の因数は、最大で1.3と仮定されている。NEOに対するMIPに基づく報奨は、制度の年次の基本給与を使用して決定さ
れる。
(5)これらの付与は、LRIPに基づき、2010年−2012年の基準期間について行われた。2010年-2012年のLRIP基準期間に基づく報奨
は、ドルの値で決定されるが、報酬・指導者委員会の裁量により、現金または当社普通株式で支払うことが可能である。本表
は、3年の期間の終了時に、期間全体にわたる業績に従い0まで減額される可能性がある2010年の業績を示している。「基
準」に記された値は、報奨を得るために必要であるとされる業績の最低水準が達成されたと仮定したものである。「目標」
の値は、業績の目標水準が達成されると仮定している。「最大」の値は、モトローラの3年間における株主総利回りが同業
他社の中で1位か2位に達するという快挙を成し遂げた場合に支払われる。2010年7月26日、LRIPは、2011年12月31日より
以前に本件分社化が行われた場合、LRIPに基づく各残存業績期間は、すべての参加者について本件分社化を以って終了する
よう改正された。かかる各業績期間に付与された報奨は、本件分社化までの当社の業績に基づいて決定された。加えて、かか
る業績期間における各参加者の報奨は、参加者の配当日までの業績期間内の勤務月数に基づいて比例按分し、36で割って算
出された。また、LRIPの改正により、すべての報奨は現金により支払われるものとなった。
(6)2010年5月5日、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、ブラウン氏に対して114,735個の
RSU、フィッツパリック氏に対して24,999個のRSU、デラニー氏に対して45,617個のRSU、およびローソン氏に対して19,118個
のRSUがそれぞれ付与された。これらのRSUに対する制限は、2011年5月5日から3年間にわたり毎年同数が消滅する。ロー
ソンが当社を退職した2011年1月7日、14,870個のRSUが失効した。
(7)2010年5月5日、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、ブラウン氏に対して264,635のオ
プション、フィッツパトリック氏に対して57,665個のオプション、デラニー氏に対して105,211個のオプションおよびロー
ソン氏に対して44,070個のオプションがそれぞれ付与された。オプションは、2011年5月5日から3年間にわたり毎年同数
が確定し、行使可能となる。オプションは、付与された日から10年後の2020年5月5日に失効する。ローソン氏が当社を退職
した2011年1月7日、34,277個のオプションが失効した。
(8)2010年5月5日、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、ジャ博士に対して103,211個のRSU
が付与された。これらのRSUに対する制限は、2011年5月5日から3年間にわたり毎年同数が消滅する。2011年1月4日、こ
れらのRSUは、本件分社化に関連して、モトローラ・モビリティの株式と同等価値のRSUに置き換えられた。同日、ジャ博士は
当初の報奨と同じ条件および確定日程で、代わりに120,375個のモトローラ・モビリティのRSUを付与された。
(9)2010年5月5日、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、ジャ博士に対して555,437個のオ
プションが付与された。これらのオプションに対する制限は、2011年5月5日から3年間にわたり毎年同数が消滅する。
2011年1月4日、これらのオプションは、本件分社化に関連して、モトローラ・モビリティの株式と同等価値のオプション
に置き換えられた。同日、ジャ博士は24.75ドルの行使価格および当初の報奨と同じ条件および確定日程で、代わりにモト
ローラ・モビリティの株式を購入するための647,804個のオプションを付与された。
(10)2010年9月1日、マローニー氏は同氏の就任時付与と併せて、142,853個のRSUを付与された。これらのRSUに対する制限は、
2011年8月30日から3年間にわたり毎年同数が消滅する。2011年1月4日、これらのRSUは、本件分社化と関連して、モト
ローラ・モビリティの株式と同等価値のRSUに置き換えられた。同日、マローニー氏は当初の報奨と同じ条件および確定日
程で、代わりに166,609個のモトローラ・モビリティのRSUを付与された。
(11)2010年9月1日、マローニー氏は、同氏の就任時付与と併せて、285,706個のオプションを付与された。これらのオプション
に対する制限は、2011年8月30日から3年間にわたり毎年同数で消滅する。これらのオプションは、2011年1月4日、本件分
社化に関連して、モトローラ・モビリティの株式と同等価値のオプションに置き換えられた。同日、マローニー氏は27.84ド
ルの行使価格および当初の報奨と同じ条件および確定日程で、モトローラ・モビリティの株式を購入するための333,218個
の代わりのオプションを付与された。
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2010年年度末現在で発行済の株式報奨
下記の株式ベースの額および行使価格は、本件分社化および本件株式併合を反映するため、調整されたものである。ジャ博士お
よびマローニー氏の金額は、2011年1月4日に、モトローラ・モビリティの報奨に置き換えられた。
オプション報奨
氏名
(a)
グレゴリー・Q・ブラウン
サンジェイ・K・ジャ
エドワード・J
・フィッツパトリック
ダニエル・M・マローニー
ユージン・A・デラニー
A・ピーター・ローソン
株式報奨
株式インセン
ティブ・プラ
ン報奨:
未行使
未行使
行使不能
・未取得
(確定済)の (未確定)の
オプションの オプションの オプションの オプションの
対象となる
対象となる
対象となる
行使価格
株式数(数) 株式数(数)
株式数(数)
(ドル)
(b)
(c)
(d)
(e)
オプションの
満了日
(f)
株式インセン
ティブ・プラン
報奨:
未確定の株式 未確定の株式 未確定・未取得
または
の株式、
または
株式ユニット 株式ユニット ユニットまたは
の数
その他の権利
の市場価格
(数)(1)
(ドル)(1)
(数)
(g)
(h)
(i)
373,104(3) $ 13,816,041
株式インセンティ
ブ・プラン報奨:
未確定・未取得の
株式、ユニット
またはその他の
権利の市場および
支払の価格
(ドル)(1)
(j)
53,217(2)
0
̶
$ 32.51
2013年1月1日
̶
̶
23,282(4)
0
̶
30.56
2013年5月6日
̶
̶
̶
̶
84,815(5)
0
̶
68.48
2014年5月4日
̶
̶
̶
̶
95,235(6)
0
̶
64.98
2015年5月3日
̶
̶
̶
̶
83,331(7)
0
̶
89.26
2016年5月3日
̶
̶
̶
̶
71,426(8)
23,809(8)
̶
73.88
2017年4月5日
̶
̶
̶
̶
̶
̶
161,745(9)
55.91
2018年1月31日
̶
̶
̶
̶
368,347(10)
184,174(10)
̶
40.33
2018年8月27日
̶
̶
̶
̶
89,531(11)
44,766(11)
̶
40.33
2018年8月27日
̶
̶
̶
̶
0
270,826(12)
̶
26.13
2019年5月7日
̶
̶
̶
̶
0
264,635(13)
̶
28.86
2020年5月5日
̶
̶
̶
̶
2,634,035(14) 1,317,023(14)
̶
41.25
2018年8月4日 394,268(15)
14,599,744
̶
̶
0
555,437(13)
̶
28.86
2020年5月5日
̶
̶
̶
̶
5,986(16)
0
̶
170.17
2015年1月12日
66,429(17)
2,459,866
̶
̶
279(18)
0
̶
54.16
2011年3月16日
̶
̶
̶
̶
279(19)
0
̶
54.27
2012年5月7日
̶
̶
̶
̶
565(4)
0
̶
30.56
2013年5月6日
̶
̶
̶
̶
3,193(5)
0
̶
68.48
2014年5月4日
̶
̶
̶
̶
2,618(6)
0
̶
64.98
2015年5月3日
̶
̶
̶
̶
4,761(7)
0
̶
89.26
2016年5月3日
̶
̶
̶
̶
1,115(20)
1,117(20)
̶
43.10
2018年5月6日
̶
̶
̶
̶
4,761(21)
0
̶
18.53
2013年12月17日
̶
̶
̶
̶
7,440
22,321(22)
̶
18.11
2019年1月20日
̶
̶
̶
̶
9,888
19,777(23)
̶
26.13
2019年5月7日
̶
̶
̶
̶
0
47,617(24)
̶
37.18
2019年11月10日
̶
̶
̶
̶
0
57,665(13)
̶
28.86
2020年5月5日
̶
̶
̶
̶
0
285,706(25)
̶
32.47 2020年9月1日
142,853(26)
5,289,847
̶
̶
27,939(27)
0
̶
164.77
2015年1月31日 115,328(28)
4,270,596
̶
̶
13,304(29)
0
̶
58.18
2011年9月20日
̶
̶
̶
̶
39,913(19)
0
̶
54.27
2012年5月7日
̶
̶
̶
̶
79,826(5)
0
̶
68.48
2014年5月4日
̶
̶
̶
̶
23,808(6)
0
̶
64.98
2015年5月3日
̶
̶
̶
̶
11,904(7)
0
̶
89.26
2016年5月3日
̶
̶
̶
̶
8,928(30)
2,976(30)
̶
74.35
2017年5月8日
̶
̶
̶
̶
14,880(20)
14,881(20)
̶
43.10
2018年5月6日
̶
̶
̶
̶
0
47,617(31)
̶
20.71
2019年1月28日
̶
̶
̶
̶
56,418(23)
112,839(23)
̶
26.13
2019年5月7日
̶
̶
̶
̶
0
105,211(13)
̶
28.86
2020年5月5日
̶
̶
̶
̶
59,869(27)
0
̶
164.77
2015年1月31日
49,688(32)
1,839,947
̶
̶
7,699(19)
0
̶
54.27
2012年5月7日
̶
̶
̶
̶
4,899(4)
0
̶
30.56
2013年5月6日
̶
̶
̶
̶
93,130(5)
0
̶
68.48
2014年5月4日
̶
̶
̶
̶
65,474(6)
0
̶
64.98
2015年5月3日
̶
̶
̶
̶
47,617(7)
0
̶
89.26
2016年5月3日
̶
̶
̶
̶
13,392(30)
4,464(30)
̶
74.35
2017年5月8日
̶
̶
̶
̶
14,285(20)
14,285(20)
̶
43.10
2018年5月6日
̶
̶
̶
̶
31,594(23)
63,189(23)
̶
26.13
2019年5月7日
̶
̶
̶
̶
0
44,070(13)
̶
28.86
2020年5月5日
̶
̶
̶
̶
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(1)2006年5月1日より前に付与されたRSUは、配当同等権の権利を有している。2006年5月1日以降に付与されたRSUには、配
当同等権の権利はない。当社は、2009年2月3日付で、当社の普通株式に対する四半期毎の現金配当金の配当宣言を中止し
た。本表においては、2009年12月31日までに累積された配当同等権は、発行済の報奨に含まれている。(h)の欄の市場価格は、
2010年12月31日の当社の普通株式の終値であった9.07ドル(本件分社化および本件株式併合により調整)である1株当た
り37.03ドルに基づいている。
(2)これらのストック・オプションは、2003年1月1日にブラウン氏に付与された。オプションの当初付与分は、10%が2004年
1月1日、20%が2005年1月1日、30%が2006年1月1日、そして40%が2007年1月1日に確定し行使可能となった。
(3)これらのRSUのうち、41,665個が2006年3月6日に付与され、これらに対する制限は、2011年3月6日に消滅する。これらの
RSUのうち、41,665個が2007年4月5日に付与され、これらに対する制限は、2012年4月5日に消滅する。これらのRSUのう
ち、36,230個が2008年1月31日に付与され、2010年7月31日にこれらに対する制限が消滅する。これらのRSUのうち、46,278
個が、2008年8月27日に付与され、これらに対する制限は、2011年の7月31日に消滅する。90,188個のRSUが2009年5月7日
に付与され、その制限は、(1)(a) 独立した株式公開会社2社への会社分割または(b) 当該会社分割を実施しない旨の当社
の発表および(2)2010年、2011年、2012年の5月7日の3回にわたる同数の消滅のうち遅くに到来する方に消滅する。
114,735個のRSUはが、2010年5月5日に付与され、これらに対する制限は、2011年、2012年、2013年の5月5日の3回にわた
り毎年同数で消滅する。残りのRSUのうち、2,343個は、累積した配当同等権を表章している。
(4)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、2003年5月6日
に付与された。オプションは、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2004年5月6日に確定し、最終
の分が2007年5月6日に確定した。
(5)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、2004年5月4日
に付与された。オプションは、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2005年5月4日に確定し、最終
の分が2008年5月4日に確定した。
(6)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、2005年5月3日
に付与された。オプションの当初付与分は、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2006年5月3日
に確定した。
(7)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環として、2006年5月3日
に付与された。オプションの当初付与分は、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2007年5月3日
に確定した。
(8)これらのストック・オプションは、2007年4月5日に、ブラウン氏に付与された。オプションの当初付与分は、4年間にわた
り毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2008年4月5日に確定した。
(9)2008年1月31日にブラウン氏は161,745個の市場ベースのオプションを付与された。これらのオプションのうち、53,915個
は確定条件を満たさなかったため、2011年1月31日失効した。残りのオプションは以下の通りに確定し行使可能となる:
(1)2008年2月1日から2013年1月31日までのいずれかの連続する30日間の取引日のなかで、10取引日について当社の普通
株式1株当たりの終値が84.00ドル以上となった場合、53,915個のオプションが確定する。(2)2008年2月1日から2015年1
月31日までのいずれかの連続する30日間の取引日のなかで、10取引日について当社の普通株式1株当たりの終値が96.60ド
ル以上となった場合、追加で53,915個のオプションが確定する。
(10)これらのストック・オプションは、2008年8月27日にブラウン氏に付与された。オプションの当初付与分は、3年間にわた
り毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2009年7月31日に確定した。
(11)これらの株式評価益権(「SAR」)は、2008年8月27日にブラウン氏に付与された。SARの当初付与分は、3年間にわたり毎
年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2009年7月31日に確定した。
(12)これらのストック・オプションは、2009年5月7日にブラウン氏に付与された。オプションは、(1)(a) 独立した株式公開会
社2社への会社分割または(b) 当該会社分割を実施しない旨の当社の発表および(2)2010年、2011年、2012年の5月7日の
3回にわたる同数の確定のうち遅くに到来する方に確定し行使可能となる。
(13)これらのストック・オプションは、2010年5月5日に、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式の付与の一環とし
て付与された。オプションの当初付与分は、2011年5月5日から3年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となる。本件分
社化以後、ジャ博士に付与された発行済オプションは、合計647,804個のモトローラ・モビリティのオプション報奨に置き
換えられた。ローソン氏が当社を退職した2011年1月7日、34,277個のオプションが失効し、9,793個のオプションが確定し
た。
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(14)これらのストック・オプションは、2008年8月4日にジャ博士の雇用契約に関連して同氏に付与された。オプションの当初
付与分は、3年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初および2回目の分はそれぞれ2009年7月31日および2010
年7月31日に確定した。本件分社化以後、ジャ博士に付与された発行済オプションは、合計4,608,099個のモトローラ・モビ
リティのオプション報奨に置き換えられた。
(15)これらのRSUのうち、291,057個が、2008年8月4日に、ジャ博士の雇用契約に関連して同氏に付与された。これらのRSUの当
初付与分に対する制限は、3年間にわたり毎年同数が消滅し、最初および2回目の分の制限はそれぞれ2009年7月31日およ
び2010年7月31日に消滅した。これらのRSUのうち、103,211個が、2010年5月5日に付与され、これらに対する制限は2011
年、2012年および2013年の5月5日の3年間にわたり毎年同数で消滅する。本件分社化以後、ジャ博士に付与された発行済
RSUは、合計459,834個のモトローラ・モビリティのRSUに置き換えられた。
(16)これらのストック・オプションは、2000年1月12日に付与された。これらのオプションは、4年間にわたり毎年同数が確定
し、最初の分は2001年1月12日に確定し、最終の分は、2004年1月12日に確定した。
(17)これらのRSUのうち、396個が、2007年5月8日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年の5月8日に、消滅する。これ
らのRSUのうち595個が、2007年7月9日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2012年7月9日に消滅する。これらのRSUの
うち、1,116個が、2008年5月6日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年および2012年の5月6日に、毎年同数で消
滅する。これらのRSUのうち、8,928個が、2009年1月20日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年、2012年および2013
年の1月20日に、毎年同数で消滅する。これらのRSUのうち6,587個が、2009年5月7日に付与され、残りのRSUに対する制限
は、2011年および2012年の5月7日に、毎年同数で消滅する。これらのRSUのうち23,808個が、2009年11月10日に付与され、こ
れらに対する制限は、2011年11月10日および2012年11月10日に2年間にわたり毎年同数で消滅する。これらのRSUのうち、
24,999個が、2010年5月5日に付与され、これらに対する制限は2011年、2012年、2013年の5月5日に3年間にわたり毎年同
数で消滅する。
(18)これらのストック・オプションは、2001年3月16日に付与された。これらのオプションは、4年間にわたり毎年同数が確定
し、最初の分は2002年3月16日に確定し、最終の分が2005年3月16日に確定した。
(19)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式付与の一環として、2002年5月7日に
付与された。オプションは、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2003年5月7日に確定し、最終の
分が2006年5月7日に確定した。
(20)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式付与の一環として、2008年5月6日に
付与された。オプションの当初付与分は、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2009年5月6日に
確定した。ローソン氏が当社を退職した2011年1月7日、14,285個のオプションが失効した。
(21)これらのストック・オプションは、2008年12月17日に付与され、2年間にわたり毎年同数が確定した。最初の分が2009年12
月17日に確定し、2回目の分は2010年12月17日に確定した。
(22)これらのストック・オプションは、2009年1月20日に付与され、4年間にわたり毎年同数が確定する。最初の分は2010年1
月20日に確定した。
(23)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式付与の一環として、2009年5月7日に
付与された。オプションは、3年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2010年5月7日に確定する。ロー
ソン氏が当社を退職した2011年1月7日、63,189個のオプションが失効した。
(24)これらのストック・オプションは、2009年11月10日に付与され、2011年および2012年の11月10日に2年間にわたり毎年同数
が確定する。
(25)これらのストック・オプションは、2010年9月1日にマローニー氏に付与され、3年間にわたり毎年同数が確定する。最初
の分は2011年8月30日に確定する。本件分社化に伴い、マローニー氏に付与された発行済オプションは、モトローラ・モビ
リティのオプション合計333,218個に置き換えられた。
(26)これらのRSUは、2010年9月1日に付与され、これらに対する制限は、2011年、2012年、2013年の8月30日に3年にわたり毎年
同数が消滅する。本件分社化に伴い、マローニー氏に付与された発行済RSUは、モトローラ・モビリティのRSU合計166,609個
に置き換えられた。
(27)これらのストック・オプションは、2000年1月31日にローソン氏およびデラニー氏に付与された。オプションは、4年間に
わたり毎年同数が確定する。最初の分が2001年1月31日に確定し、最終の分が2004年1月31日に確定した。
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(28)これらのRSUのうち2,976個が、2007年7月25日にデラニー氏に付与され、残りのRSUに対する制限は、2012年7月25日に消滅
する。これらのRSUのうち5,357個が2008年5月6日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年および2012年の5月6日
に同数が消滅する。これらのRSUのうち23,808個が2009年1月28日に付与され、これらに対する制限は、2011年1月28日およ
び2012年1月28日に同数が消滅する。37,570個のRSUが2009年5月7日に付与され、残りのRSUに対する制限は2011年および
2012年の5月7日に、毎年同数で消滅する。これらのRSUのうち45,617個が2010年5月5日に付与され、2011年、2012年、2013
年の5月5日に3年にわたり毎年同数消滅する。
(29)これらのストック・オプションは、2001年9月20日に付与され、5年間にわたり毎年同数が確定する。最初の分が2002年9
月20日に確定し、最終の分が2006年9月20日に確定した。
(30)これらのストック・オプションは、当社の幅広い層に対する年度毎の従業員への株式付与の一環として、2007年5月8日に
付与された。オプションの当初付与分は、4年間にわたり毎年同数が確定し行使可能となり、最初の分は2008年5月8日に
確定した。ローソン氏が当社を退職した2011年1月7日、4,464個のオプションが失効した。
(31)これらのストック・オプションは、2009年1月28日付与され、2011年1月28日および2012年1月28日に2年間にわたり毎年
同数で確定する。
(32)これらのRSUのうち3,571個が、2007年5月8日にローソン氏に付与され、これらに対する制限は、2012年5月8日に消滅す
る。これらのRSUのうち5,952個が2008年5月6日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年および2012年の5月6日に
毎年同数で消滅する。これらのRSUのうち21,047個が2009年5月7日に付与され、残りのRSUに対する制限は、2011年および
2012年5月7日に消滅する。これらのRSUのうち19,118個が2010年5月5日に付与され、これらに対する制限は、2011年、
2012年、2013年の5月5日に3年間にわたり毎年同数が消滅する。ローソン氏が当社を退職した2011年1月7日、RSU44,726
個が失効し、RSU4,962個が確定した。
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2010年度におけるオプションの行使数および確定した株式数
オプション報奨
株式報奨(1)
確定により
行使による
行使による
取得された
確定による
取得株式数
実現価格
株式数
実現価格
氏 名
(株)
(ドル)
(株)(2)
(ドル)(3)
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
グレゴリー・Q・ブラウン
̶
̶
57,705
3,003,099
サンジェイ・K・ジャ
̶
̶
223,869
11,708,183
エドワード・J・フィッツパトリック
̶
̶
5,472
274,889
ダニエル・M・マローニー
̶
̶
̶
̶
ユージン・A・デラニー
̶
̶
14,664
685,633
A・ピーター・ローソン
̶
̶
8,099
375,213
(1) 本表には、配当同等権に基づき蓄積した制限付株式ユニットが含まれている。
(2) 「確定により取得された株式数」は、本件株式併合を反映するため、調整されたものである。
(3) 「確定による実現価格」は、株式数またはユニット数と確定日における対象となる株式の市場価格を乗じて計算されたも
のである。取引日ではない日に報奨が確定される場合、かかる計算において、直近の市場の終値が使用される。
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2010年度の非適格繰延報酬
モトローラ・ソリューションズ経営陣報酬繰延制度により、指定執行役員を含む経営陣である参加者に対し
て、同人らの年次基本給および年次現金インセンティブ報酬の一部を繰延べる機会が与えられ、よって税金を繰
延べることができる。モトローラ・ソリューションズはこの制度に対して拠出を行っていない。モトローラ・ソ
リューションズ経営陣報酬繰延制度は、本制度により繰り延べられた報酬により、市場価値を上回る支払や、特
権的利益を与えることを意図していない。しかし、下記に記すように、またSECの規則に従い、2010年中で4.9%を
超過していた非適格繰延報酬により得た市場価格を上回る報酬は、下記の通りである。2010年においては、指定
執行役員のなかで、デラニー氏およびマローニー氏のみが、当制度に参加していた。モトローラ・ソリューショ
ンズ繰延報酬制度は、2008年1月1日付で、同制度への参加率が低いため、新規の繰延を終了した。
前会計年度における 前会計年度における 前会計年度における合
前会計年度における
役員の拠出
雇用主の拠出
計獲得金額
引き出し・分配額合
合計残高
氏名
(ドル)
(ドル)
(ドル)(1)
計(ドル)
(ドル)
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
グレゴリー・Q
−
−
̶
−
̶
−
−
̶
−
̶
−
−
̶
−
̶
ダニエル・M・マローニー
−
−
24,388
−
329,604
ユージン・A・デラニー
−
−
191,294
−
1,634,208
A・ピーター・ローソン
−
−
̶
−
̶
・ブラウン
サンジェイ・K・ジャ
エドワード・J
・フィッツパトリック
(1) 参加者が事前に選択していたファンド(下記に記載されている。)の成績に基づき、マローニー氏は24,388ドルの報酬の
うち、11,691ドルが、デラニー氏は191,294ドルの報酬のうち131,269ドルが市場価格を上回る報酬と見なされた。非適格繰
延報酬の「市場価格を上回る報酬」については、「報酬一覧表」の「年金価値の変動および非適格繰延報酬の利益」の項
を参照のこと。
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モトローラ・ソリューションズ経営陣報酬繰延制度は、以下のファンドを、参加者の繰延に対する投資収益を
算出する際に指標として利用している。投資ファンドの選択は、モトローラ・ソリューションズ401(k)プランで
選択可能なファンドと同様である(モトローラ・ソリューションズ株式ファンドを除く。)。ファンドは、変額
ユニバーサル保険を通じてのみ利用可能であり公開の投資信託会社ではない。参加者による本プランへの繰延
は、参加者の選択により、これらのファンドの1つ以上に投資されたものとみなされる。参加者は、同人が選択し
た投資ファンドの持分は実際には一切所有しない。
提供ファンド
投資分類
1年に換算した平均
2010年12月31日付の利益率
短期投資ファンド
マネー・マーケット
0.15%
短期債券ファンド
短期債券
2.65%
長期債券ファンド
長期債券
6.55%
バランスト・ファンドⅠ
モデレート・アロケーション
11.41%
バランスト・ファンドⅡ
モデレート・アロケーション
12.25%
大会社エクイティ・ファンド
大型株混合
15.02%
中規模会社エクイティ・ファンド
中型株混合
26.69%
小規模会社エクイティ・ファンド
小型株混合
27.15%
国際エクイティ・ファンド
外国大型株混合
7.93%
「前会計年度における合計獲得金額」の欄で報告している金額は、2010年に非適格繰延報酬に基づき取得し
たすべての利益を示す。「年金価値の変動および非適格繰延報酬の利益」の「報酬一覧表」の項で「市場価格
を上回る報酬」と報告されている利益は、4.16%(SEC規則に従い、2010年について設定された適用されるフェ
デラル・レートの120%)の基準値を上回った額を示す。
繰延の選択は、各制度の暦年より前の参加可能期間中にのみ変更できる。分配の選択の変更は、少なくとも
12ヵ月前に申請されなければならない。いずれの変更においても、支払開始日が、前回選んだ支払開始日よりも
少なくとも5年経過した後でなければならない。参加者は、同人の退職金の支払の分配に関する選択を、延期す
るか、制度の暦年中に1回変更することができる。経済的困窮に伴う引き出しを行うことは可能だが、その他の
いずれの予定されていない引き出しも行うことができない。退職金の支払は、勤務の終了から6ヵ月を経過する
までより前には行われないが、高度障害を負った場合、死亡した場合、または当社の支配権の変更の可能性があ
る場合は例外となる。
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退職年金制度
「モトローラ年金制度」として以前より知られていたモトローラ・ソリューションズ年金制度(以下「本年
金制度」という。)およびモトローラ・ソリューションズ補完的年金制度(以下「MSPP」という。)は適格従業
員に対して(指定執行役員を含む)、将来、年金を給付することを目的としている。2005年1月1日より前は、当
社またはその一定の子会社に1年間勤務した正規の米国従業員の大部分は、1つ以上の当社の年金制度の加入
資格を有していた。それらの従業員は、雇用期間が5年を経過すると受給権が与えられる。2005年1月1日から、
新規に雇用された従業員は、本年金制度またはMSPPに参加する資格を失った。2008年1月1日から、本年金制度
の受給権が未だ与えられていない従業員は、雇用期間が3年を経過すると受給権が与えられる。通常の定年は65
歳である。2000年1月1日から、役員はモトローラ選任役員補完的退職年金制度に新たに参加する資格を失っ
た。
以前に公表されたとおり、2009年3月1日をもって、2009年2月28日現在で本年金制度に参加していたすべて
の個人に対して将来発生する本年金制度およびMSPPに基づくすべての給付金の蓄積および報酬の増加は、自動
的に終了した。しかし、現在の参加者は、2009年3月1日以降も、既に全額が確定していない限り、本年金制度に
基づく給付金に対する年金受給権を獲得し続ける。
2010年4月1日付で、本年金制度は、2006年の年金保護法(以下「PPA」という。)に従い、一括払いの制限が
義務付けられた。この制限は一般的に、ポータブル年金制度の参加者および以前ゼネラル・インスツルメント・
コーポレーション年金制度に参加していた特定の従業員に適用される。制限期間中、参加者は、法律に従い、給付
金総額の現在価値の50%のみを一括払いで受け取ることができ、残りの給付金は月払いで受け取ることができ
る。参加者はまた、本年金制度に基づき利用可能な年金として給付金を受け取ることを要求することや、かかる
制限が適用されなくなる時点以降まで全給付金の支払い開始を延期することを要求することができる。この制
限は、5,000ドル以下の一括での配当には適用されない。
伝統的制度およびポータブル制度の算定式
本年金制度には、2つの給付に関する算定方式があり、それらは、伝統的制度およびポータブル制度である。
伝統的制度の算定式は、参加者の平均給与および参加者の給付対象勤務を、参加者の65歳の時点における予想
社会保障給付金で相殺した金額を基にした年次年金給付を支給する。伝統的制度の算定式は、2007年12月31日時
点での「最終平均給与」および予想社会保障給付金か、または2009年2月28日時点での「修正平均給与」のう
ち、給付金がより高額となる式により算出される(両「給与」の定義は以下の通りである。)伝統的制度の算定
式は、以下の要素から成る。(1)1978年から1987年までの勤務について、(a)(ⅰ)最終平均給与の最初の
20,000ドルの40%に、(ⅱ)20,000ドルを超えた分の最終平均給与の35%を足したものの合計を、(b)かかる期
間の勤務月数を分子とし、420を分母とした分数で乗じた値に、(2)1987年より後の勤務について、最終平均給
与の75%を、1987年より後の同人の勤務月数を分子とし(420を超えてはならない)、420を分母とした分数で乗
じた値を足し、そこから、(3)65歳の時点、(または参加者のより後の退職年齢での)同人の主な予想社会保険
給付金(退職繰延控除や同様の調整を含む。)の50%を、1977年より後の同人の勤務月数を分子とし(420を超
えてはならない)、420を分母とした分数で乗じた値を差し引いたもの。
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ポータブル制度の算定式では、参加者の平均給与に基づく一括での年金給付ならびに参加者の給付の対象と
なる勤務期間および参加者の受給権が発生する勤続期間により決定される「年金給付率」に基づき決定され
る。ポータブル制度の算定式はまた、2007年12月31日時点での「最終平均給与」または2009年2月28日時点での
「修正平均給与」のうち、給付金がより高額となる式により算出される。ポータブル制度の算定式は、以下から
成る。(1)適用平均給与を参加者の累積的な年金給付率で乗じた数(累積的な年金給付率は、2000年7月1日
以降の給付の対象となる勤務および受給権が発生する勤務に基づいたものとなる。(参加者の年金給付率は、以
下のように決定される:参加者の、受給権発生勤務が5年以下の場合の給付対象勤務1年につき4%に、参加者
の受給権発生勤務が5年超10年以下の場合の給付対象勤務1年につき5%を足し、参加者の受給権発生勤務が
10年超15年以下の場合の給付対象勤務1年につき6%を足し、参加者の受給権発生勤務が15年超の場合の給付
対象勤務1年に7%を足したもの))に、(2)2000年6月30日現在の参加者の伝統的制度に基づく給付金(該
当する場合)を参加者の年齢と、支払が行われる年の金利に基づき一括ベースに返還した金額を足したもの。
参加者の「最終平均給与」は、モトローラでの雇用の直近の10暦年中(当人が一年間完全に勤務しなかった
年も含む。)で最も報酬が高かった5年間の平均をとったものである。参加者の「修正平均給与」は、(1)
(a)2008年1月1日より前の10暦年中で最も報酬が高かった5年間(もしくは、2002年より後に雇用された場
合は、より少ない年数)の平均給与に、(b)本年金制度に参加した2007年より後のすべての年における当人の
給与を足したものの合計を、(2)(a)2008年1月1日より前の本年金制度に基づく参加者の年金給付の対象
となる勤務年数で、最高5年間まで(もしくは、5年未満の場合はより少ない年数)の年数に、(b)2007年より
後のすべての年における参加者の本年金制度への参加年数の合計を足したもの合計で除したものである。適格
給与には、通常の給与、委託料、残業手当、一括での能力給、参加者によるモトローラ401(k)プランに対する拠出
ならびにその他の税引前制度および2000年1月1日から2002年2月3日までの期間にかかるインセンティブ給
付が含まれる。2002年2月3日より後は、インセンティブ給付は適格報酬の定義から除かれた。
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モトローラ・ソリューションズ補完的年金制度
MSPPは、報酬の高い者で、その税制適格である本年金制度の給付が、米国内国歳入局の一定の制限により、また
はモトローラ経営陣報酬繰延制度により削減される者に対して給付を行うものである。米国内国歳入局の年次
給与の制限(法第401条(a)(17))および米国内国歳入局のその他の一定の要件は、一部の高い報酬を得ている
個人の税制適格である本年金制度からの給付を削減する。MSPPは、これらの制限を相殺するよう設計されてい
る。MSPPは、非適格制度であり、そのため給付金はERISAの一定の差別禁止テストおよび報告義務の対象とはなら
ない。しかし、これらの金額は保証されておらず、参加者は、当社の一般債権者の地位にある。
以前に公表されたとおり、2008年12月15日に、取締役会は、MSPPの修正を承認した。同日、本年金制度を凍結す
るという取締役会の決定に応じて、取締役会は、2009年3月1日をもって、2009年2月28日現在でMSPPに参加し
ているすべての個人に対して、MSPPに基づき将来発生するすべての給付の蓄積および報酬の増加を凍結するべ
く、MSPPを修正することを承認した。さらに、MSPPに対し、従前の契約上の権利による参加を除き、2009年1月1
日より後の将来におけるMSPPへの参加のすべてを凍結する修正がなされた。
2007年1月1日より、MSPPは、MSPPの給付金を算出する際に考慮される適格報酬の額に制限を付すこととし
た。従業員がMSPP給付の資格を有するか否かを決定するために、MSPPに基づき給付算出式に使用される適格報酬
の額は、第401条(a)(17)の制限に175,000ドルを加えた額と同額となる(「収入上限」)。従って、収入上限は、
米国内国歳入局が法に基づき第401条(a)(17)の上限を前年に対して増額した場合にのみ、増加する。収入上限に
かかわらず、すでに適格報酬が新しく課せられた収入上限を上回っていた従業員については、特別の移行規則が
設けられた。2007年1月1日の時点で、従業員の適格報酬が2007年1月1日現在で有効な収入上限を上回ってい
た場合、MSPPにおいては、かかる従業員のMSPPに基づく給付は、2007年1月1日から2009年2月28日までの間、適
格報酬を、(1)2007年1月1日に凍結された、従業員の適格報酬額、または(2)該当年の収入上限のいずれか
金額の大きい方と仮定して算出された。さらに2008年1月より、給付金の算定は、本年金制度に基づく給付金を
算定する上で、最終平均給与から修正平均給与への移行に伴う本年金制度の変更により影響を受けた。
少なくとも5年勤続しており、55歳以上で、本年金制度に基づく受給資格を有しており、雇用の終了時点で本
年金制度に基づき追加的な給付を受ける資格を有しており、同人の年金給付金が法の制限により削減された者
は、MSPPに参加する資格があった。参加者の年金給付金およびMSPPに基づく給付金は、併せて同人の退職時の最
終平均収入の70%を上回ってはならない。
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401(k)プラン
以前に公表されたとおり、2008年12月15日に、取締役会は、モトローラ401(k)プランの修正を承認した。同日、
取締役会は、2009年1月1日をもって、401(k)プランに基づいて従業員により提供された拠出に対する当社の
マッチング拠出を、その後、将来における取締役会の議決によって401(k)プランに対する当社の拠出が再開され
るまで、停止することを決定した。2010年1月25日、報酬・指導者委員会は、取締役会に対して、2010暦年におい
て当社の401(k)プランへのマッチング拠出を再開するように勧告し、従業員による税引後の拠出を認めるため
に当該制度を修正することを承認した。2010年4月1日付で、適格報酬を最大20%まで税引後の拠出として拠出
することが認められた。2010年7月1日付で、モトローラは現在従業員に対する当社の401(k)マッチング拠出を
復活させた。かかる算定式により、各給与期間の適格報酬の4%を上限として、従業員拠出と同額
(dollar-for-dollar)のマッチング拠出が行われる。2010年制度の年度における特別規定により、マッチング
拠出は、マッチング拠出が復活した日から2010暦年の残りの月数を考慮して、比例按分される。その結果、2010年
の最高マッチング拠出は年間適格報酬の2%であった。
選任役員補完的退職年金制度
当社は、特定の選任役員向けにモトローラ選任役員補完的退職年金制度(以下「SRP」という。)も有してい
る。2000年1月1日より、いかなる役員に対しても、新たにSRPに参加する資格を与えることはなくなった。デラ
ニー氏およびローソン氏は、SRPに参加している唯一の指定執行役員であり、その他のすべての指定執行役員は、
SRPへの参加資格を有していない。当社のいずれかの年金制度に基づき、参加役員に対して毎年支払われるべき
給付(単生年金を基準に算出され、勤務した年それぞれの最終平均給与の割合に基づく)が、SRPに基づいて算
出された給付よりも少ない場合、当該役員は、退職に際し、補完的給付金を受領する。
2008年12月15日、取締役会は、SRPの修正を承認した。同日、取締役会によるモトローラ年金制度の凍結の決定
に応じ、取締役会は、2009年3月1日をもって、2009年2月28日時点でのすべての参加に対する、これらの制度に
基づき将来発生するすべての給付の蓄積および報酬の増加を凍結する旨のSRP(モトローラ年金制度の退職給
付を埋め合わせるもの。)の修正も承認した。
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一般的に、SRPに参加している役員の年次給付の合計は、当該役員の退職時における給与額(または、2005年6
月30日における基本給か、いずれか早い時点のもの。)に、退職前の直近の8年間における、いずれかの5年間に
おいて2009年3月1日より以前に支払われた、給与における比率において最も高い年次報奨の平均に相当する
額を足したものの割合に、当該役員の退職時における給与額(もしくは2005年6月30日における基本給)を乗
じたものに等しくなる。役員の勤続年数およびその他の要因に応じて、当該割合は40%から45%の間の値をと
る。別の算式に基づき、両制度に基づく当該役員への年次給付の合計は、法第401条(a)(17)における適格退職金
制度に基づく報酬の制限もしくは法第415条における技術上の報奨の制限にかかわらず、当該役員が参加する年
金制度の条件に基づき算定された退職給付の金額に等しくなる。ただし、単生年金に基づき適用される年金制度
およびSRPから指定執行役員に対して支払われる年次年金の総額は、退職前の当該役員の基本給(もしくは、
2005年6月30日における基本給か、いずれか早い時点のもの。)の最大70%までを条件とする。役員が、55歳以降
で60歳より前に受給権を与えられ退職した場合、当社と競合しない契約を締結することを条件として、当該役員
は、60歳に達した時点で減額されない繰延給付を受領するか、または57歳以降に保険数理的に減額された給付を
受領するか、どちらかを選択することができる。役員は、年金払いの代わりに一括払いを選択することができる。
一括払いの金額は、年金供給者による、開始時点での年金の見積価格に基づいている。当社における支配権の変
更(SRPに定義されるとおり)が発生した場合、受給権を有していない各指定役員の補完的給付を受け取る権利
は、当該支配権の変更日に確定し、減額されない給付は、55歳以降に退職した際に開始または与えられる。
ローソン氏には、SRPに基づく受給権が付与された。付与の時点で、当社は、当該制度の信託に出資している。出
資の目的は、当該信託による、退職後の参加者に支払うべきSRPに基づく給付の支払いを可能にすることである。
連邦および州の税法は、参加者に対し、たとえ当該出資もしくは退職制度からの給付金に関連していかなる現金
も受け取っていなかったとしても、出資をした年における所得に出資金額を含めることを要求している。参加者
はいかなる現金も受け取っていないにも関わらず、重大な所得税の負担を被ることから、出資をした結果余分な
税金を支払うことのないよう、当社は参加者に払い戻しをすることが適切であると考えている。ローソン氏に
は、2001年において、当該税金負担のため払い戻しがなされた。当社は、SRPのすべての参加者に対してかかる方
針を採っている。当社は、参加者が退職した場合、参加者にSRPに基づく受給権が付与された当時に、当該信託に
出資された金額を調整するため、SRPの当該信託に追加出資しなければならない可能性がある。当社は、参加者の
SRPに基づく受給権に拠出するため、SRPの信託になされた調整出資により発生した余分な税金に対して、参加者
に払い戻しをする方針を採っている。
デラニー氏には、SRPに基づく受給権が付与されていないため、当社は同氏のための当該制度の信託に未だ出
資していない。
SRPの参加者は、一般的に、5年間勤務した場合は55歳、2年間勤務した場合は60歳、または65歳もしくは障害
者となった時点で(勤務年数に関わらず)、当該制度に基づく受給権を与えられる。
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ゼネラル・インスツルメント・コーポレーション年金制度および補完的上級役員退職制度
当社は、2000年1月にゼネラル・インスツルメント・コーポレーションを買収した。2000年12月31日に凍結
されたゼネラル・インスツルメント・コーポレーション年金制度(以下「GI年金制度」という。)は、参加者の
給付対象勤務、平均月額報奨および月額報酬の超過分に基づく年金給付を規定している。マローニー氏および
フィッツパトリック氏は、GI年金制度に参加していた唯一の指定執行役員である。
2000年12月31日に凍結されたゼネラル・インスツルメント・コーポレーション補完的上級役員退職制度
(以下「GI SERP」という。)は、MSPP(モトローラ補完的年金制度)と同様であり、報酬の高い者で、その税制
適格である本年金制度の給付が、米国内国歳入局の一定の制限により、削減される者に対して給付を行うもので
ある。マローニー氏は、GI SERPに参加していた唯一の指定執行役員である。
2010年の年金給付
本報告書の連結財務諸表注記7「退職給付」に記載の仮定が、下記でも使用されている。同項を参照のこと。
給付対象勤続年数
累積給付の
前会計年度中の
氏名
制度名
(年)(1)
現在価値(ドル)
支払(ドル)
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
グレゴリー・Q・ブラウン
サンジェイ・K・ジャ
エドワード・J・フィッツパトリック
ダニエル・M・マローニー
ユージン・A・デラニー
A・ピーター・ローソン
本年金制度
6年2ヶ月
69,292
0
補完的年金制度
6年2ヶ月
0
0
本年金制度(2)
0
̶
0
補完的年金制度(2)
0
̶
0
本年金制度(3)
11年
100,647
0
補完的年金制度
11年
0
0
本年金制度(3)
25年8ヶ月
327,147
0
補完的年金制度(4)
25年8ヶ月
81,120
0
本年金制度(2)
30年8ヶ月
500,992
0
選任役員補完的退職年金制度(5)
30年8ヶ月
3,157,475
0
本年金制度
28年5ヶ月
845,987
0
選任役員補完的退職年金制度(5)
28年5ヶ月
3,815,663
0
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(1) モトローラ・ソリューションズが会社を買収した際、年金給付の蓄積または拡大のために、勤続年数を年金対象としたり、
年金対象とするよう交渉を行ったりすることはない。一定の状況下においては、従前の勤務が年金対象勤務や、受給権の発
生のための勤務に加算されることがある。
(2) ジャ博士は、2005年1月1日より後に雇用されたため、年金制度またはMSPPへの参加資格を有さない。
(3) 2000年1月の当社のゼネラル・インスツルメント・コーポレーションの買収に関連して、フィッツパトリック氏およびマ
ローニー氏に対するGI年金制度に基づく給付は、2000年12月31日現在で、それぞれ3,404ドルおよび35,413ドルで凍結さ
れ、それは(d)欄の額にも含まれている。
(4) 2000年1月の当社のゼネラル・インスツルメント・コーポレーションの買収に関連して、マローニー氏に対するGI SERP
に基づく給付は、2000年12月31日現在で、15,822ドルで凍結され、それは(d)欄の額にも含まれている。
(5) SRPに基づき蓄積された給付の現在価値の計算は、SRPにおける60歳の減額されない退職年齢(または、60歳を超える場合
は現在の年齢)に基づいている。
2010年度の雇用終了および支配権の変更に関する表
下記の表は、一定の雇用終了事由の発生の際、当社の指定執行役員に対して行われる可能性がある支払の概略
である。本表において、下記に様々な雇用終了の種類についての標準的な定義を示してあるが、正確な定義は契
約書および個人により異なる。
「自発的な終了」とは、役員の主導による終了を意味する。
「正当事由による自発的な終了」とは、支配権の変更に関連したものの場合を除き、正当事由により役員の雇
用が終了することを意味する。
「正当事由」とは、(1)支配権の変更の直前の90日間において、役員の就いている職務が、同人の役職、職務、責
任および地位と著しく矛盾するか、または当人の職務が著しく損なわれている場合、(2)支配権の変更の直前の
90日間において、同人の役職、権限、職務または責任が、実質的に著しく損なわれている場合、(3)同人の年次の基
本給または年次の報酬を受領するための機会全体が著しく減少する場合、(4)当社が、当該役員の現在の勤務地
から半径50マイルを超える場所での通常業務を要求した場合、(5)当社が、該当する制度の引継ぎと実施につい
て、後任者から十分な合意を得ることができなかった場合、そして(6)該当する制度に対するその他の著しい違
反を意味する。ジャ博士の場合、「正当事由」とは、(1)取締役を退任した場合もしくは組織構造に負の変更が
あった場合、(2)2011年6月30日(同日を含む。)までに会社分割事由が発生しない場合もしくは2011年6月30
日までに売却事由が発生した場合、または(3)モバイルデバイス事業の承継人が雇用契約の引受けを拒否した場
合も意味する。ブラウン氏の場合、「正当事由」とは、(1)取締役を退任した場合もしくは組織構造に負の変更が
あった場合、(2)2011年9月1日以降、ブラウン氏が、モトローラ・ソリューションズの唯一の最高経営責任者で
なくなった場合、または(3)ブロードバンド・モビリティ・ソリューション事業の承継人が雇用契約の引受を拒
否した場合をも意味する。
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「定年による自発的な終了」とは、あらゆる年金制度またはMIPとは別に、2006年オムニバス・インセンティ
ブ・プランならびに2006年および2009年長期インセンティブ・プランにおいては、最低で20年間の勤務の後55
歳に到達した後の退職、最低で10年間の勤務の後60歳に到達した後の退職、または65歳に到達した後の退職であ
り、モトローラ・インセンティブ制度において、3年間の勤務の後55歳に到達した後の退職、およびモトローラ
選任役員補完的退職年金制度において、60歳に到達した後の退職(満額支給対象となる早期退職年齢)または
57歳に到達した後の退職(減額支給の適用)を意味する。
「完全および永久的な高度障害による非自発的な終了」とは、モトローラ・ソリューションズ高度障害所得
制度(その後の改正を含む。)およびそのいずれかの承継制度に基づく長期の高度障害給付金の受給資格取得
の後の、または公務労働者労働災害補償法に基づく完全および永久的な高度障害の決定の後の雇用の終了を意
味する。
「正当な理由による非自発的な終了」とは、モトローラ・ソリューションズ業務遂行規約もしくは人事管理
方針またはその他の書面による方針もしくは手続きにおいて終了の根拠と特定されたあらゆる違反行為による
雇用の終了を意味する。それらには、特に不誠実、詐欺もしく信託違反に係るあらゆる犯罪行為による有罪判決、
または当社を著しく傷つける、役員の義務の遂行においての甚だしい違法行為への故意的な関与が含まれる。
「正当な理由によらない非自発的な終了」とは、「正当な理由」以外の理由による雇用の終了であり、下記に
定義される支配権の変更、死亡、退職または上述された完全および永久的な高度障害を意味する。
「支配権の変更による非自発的な終了」は、(1)支配権の変更発生後、株式報奨が後任者によって適切に差し
替えられなかったと仮定し、支配権の変更から2年目の応答日より前に、または(2)支配権の変更より前の12ヶ
月間だが、最終的に支配権の変更に至る交渉もしくは検討の開始後の期間中いつでも、雇用の終了が以下のとお
り生じた場合に生じる。(a)正当な理由、死亡、高度障害、または当社もしくは当社のいずれかの子会社による定
年退職方針によらない非自発的なもの、または(b)正当事由を生じさせる事象が発生した後の、役員によるもの。
本定義において「正当な理由」とは、(1)不誠実、詐欺もしくは信託違反に係るあらゆる犯罪行為による有罪判
決、または(2)当社を著しく傷つける、役員の義務の遂行においての甚だしい違反行為への故意的な関与を示し、
また「高度障害」とは役員が身体的または精神的な高度障害により、いずれかの12ヶ月間中、合計180日超(通
常の一時的な病気による不定期または一時的な休みを除く。)通常義務を行うことが不可能となった状態を意
味する。
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「支配権の変更」(前出の「支配権の変更による非自発的な終了」の定義で使用されているとおり)は、下
記の場合に生じたとみなされる。(1)いずれかの「個人」または「団体」(これらの用語は証券取引法の13章
(d)および14章(d)に使用されているものと同義とする。)が、直接もしくは間接的に、併せて、その時点で発行済
の当社の株式に係る議決権の20%以上を表章する株式の「実質的な所有者」(取引所法の下の規則13d-3に定
義されているとおり。)であるか、そうなった場合(当社および当社のあらゆる従業員給付制度を除く。また、以
下の場合による当社株式の「実質的な所有権」の発生またはその変更の場合は、支配権の変更が生じたことと
はならない。)、(2)(a)当社の合同または合併が開始され、それにより当社が存続または継続企業でなくなるか、
またはそれにより、当社普通株式が現金、有価証券もしくはその他の資産に転換もしくは交換される場合。ただ
し、当社の合併で、その直前の当社普通株式の所有者が、直接または間接的に、合併直後に存続する企業の発行済
の普通株式に対する持分を65%以上所有している場合を除く。(b)当社の財産のすべてまたは実質的にすべての
売買、賃貸、交換または譲渡(1つの取引または関連する一連の取引において)が開始された場合。ただし、当社
普通株式の株主が、直接または間接的に、最低65%の持分を所有している事業体との当該取引を除く。(3)当社の
株主が、当社の清算または解散の計画または提案を承認した場合、あるいは(4)あらゆる現金による株式公開買
付け、公開買い付け、合併もしくはその他の企業合同、資産売却、委任状勧誘もしくは同意勧誘書(取締役会以外
による)、争われた選挙または実質的な滞貨(「支配権の取引」)の結果またはそれらに関連して、かかる支配
権の取引に関する最初の公表の直前の取締役会の構成員が、その後取締役会の過半数を構成しなくなった場合。
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要件に従い、下記の表に含まれる額は、適用ある発動事象が2010年12月31日に生じたと仮定した場合の、理論
上起こりうる支払を反映している。各役員の欄は、2010年12月31日に理論上起こりうる発動事象を反映してい
る。
グレゴリー・Q・ブラウン
会長兼最高経営責任者
雇用の終了における役員給付金
および支払金(1)
自発的な終了
定年
正当事由
非自発的な終了
完全および
永久的な
高度障害
または死亡
正当な理由に
よる
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
長期インセンティブ(4)
・LRIP(3)
・ストック・オプションおよびSAR
(未確定および前倒しされたもの
または受給権が継続されるも
の)(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒しされたもの
または受給権が継続されるも
の)(5)
給付金および臨時手当(6)(9)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税のグロスアップ(8)
合計
サンジェイ・K・ジャ
5,760,000ドル
1,980,000
0ドル
0
0ドル
1,980,000
0ドル
0
5,760,000ドル
1,980,000
8,640,000ドル
1,980,000
0
0
7,410,000
0
4,200,000
10,680,000
4,872,075
0
5,687,175
0
4,872,075
5,687,175
11,287,086
0
14,124,248
0
11,287,086
14,124,248
30,830
0
0
0
0
0
0
0
30,830
0
46,245
8,806,073
23,929,991ドル
0ドル
29,201,423ドル
0ドル
28,129,991ドル
49,963,741ドル
自発的な終了
元共同最高経営責任者
雇用の終了における役員給付金
および支払金(1)
定年
正当事由
非自発的な終了
完全および
永久的な
高度障害
または死亡
正当な理由に
よる
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
5,400,000ドル
0ドル
0ドル
0ドル
5,400,000ドル
8,100,000ドル
1,800,000
0
1,800,000
0
1,800,000
1,800,000
0
0
0
0
0
0
3,421,587
0
5,132,380
0
3,421,587
5,132,380
13,709,123
0
15,019,739
0
13,709,123
15,019,739
38,000,000(12)
0
0
0
30,830
0
0
0
30,830
46,245
0
0
0
0
0
22,546,660
62,361,540ドル
0ドル
21,952,119ドル
0ドル
長期インセンティブ
・LRIP(11)
・ストック・オプション
(未確定および前倒しされたも
の)(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒しされたものま
たは受給権が継続されるもの)(5)
臨時の給付
38,000,000(12) 38,000,000(12)
給付金および臨時手当(6)(9)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税のグロスアップ(8)
合計
184/507
62,361,540ドル 90,645,024ドル
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
エドワード・J・フィッツパトリック
上級副社長兼最高財務責任者
雇用の終了における役員給付金および
支払金(1)
自発的な終了
非自発的な終了
完全および
永久的な
高度障害
または死亡
正当事由
または定年
正当な理由に
よる
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
長期インセンティブ(4)
・LRIP(3)
・ストック・オプション
(未確定および前倒しされたもの)(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒しされたもの) (5)
給付金および臨時手当(6)(9)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税のグロスアップ(8)
合計
ダニエル・M・マローニー*
元執行副社長
ホーム事業最高責任者
雇用の終了における役員給付金および
支払金(1)
0ドル
0
0ドル
427,500
0ドル
0
450,000ドル
427,500
1,918,071ドル
427,500
0
659,558
0
271,975
1,213,350
0
1,259,829
0
119,496
1,259,829
0
2,530,723
0
517,235
2,530,723
0
0
0
0
0
0
12,265
0
36,795
1,707,798
0ドル
4,877,610ドル
0ドル
1,798,471ドル
9,094,066ドル
自発的な終了
非自発的な終了
完全および
永久的な
高度障害
または死亡
正当事由
または定年
正当な理由に
よる
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
長期インセンティブ(4)
・LRIP(3)
・ストック・オプション
(未確定および前倒しされたもの)(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒しされたもの) (5)
給付金および臨時手当(6)(9)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税のグロスアップ(8)
合計
0ドル
0ドル
0ドル
212,500ドル
0ドル
0ドル
975,000ドル
212,500ドル
3,750,000ドル
212,500ドル
0
0
0
0
0
0
1,608,000
0
137,828
1,608,000
0
5,442,000
0
466,452
5,442,000
0
0
0
0
0
0
8,947
0
26,841
0
0ドル
7,262,500ドル
0ドル
1,800,727ドル
11,039,341ドル
185/507
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
ユージン・A・デラニー
エンタープライズ・モビリティ
・ソリューション事業執行副社長
自発的な終了
非自発的な終了
雇用の終了における役員給付金および
支払金(1)
完全および
永久的な
高度障害
正当事由
または定年
正当な理由に
よる
死亡
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
長期インセンティブ(4)
・LRIP(3)
・ストック・オプション
(未確定および前倒しされたもの)
(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒しされたもの) (5)
給付金および臨時手当(6)(9)
選任役員SRP制度(13)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税のグロスアップ(8)
合計
0ドル
0
0ドル
546,250
0ドル
546,250
0ドル
0
575,000ドル
546,250
3,302,811ドル
546,250
0
1,764,333
1,764,333
0
867,000
2,615,500
0
3,150,893
3,150,893
0
189,035
3,150,893
0
4,393,517
4,393,517
0
662,917
4,393,517
0
0
0
5,737,581
0
0
0
0
0
0
0
0
0
13,140
0
5,737,581
39,420
5,152,985
0ドル
15,592,574ドル
9,854,993ドル
0ドル
2,853,342ドル
24,938,957ドル
186/507
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
A・ピーター・ローソン
元執行副社長兼
ジェネラル・カウンセル
兼秘書役
自発的な終了
非自発的な終了
雇用の終了における
役員給付金および支払金(1)
完全および
永久的な
高度障害
定年
正当事由
正当な理由に
よる
死亡
正当な理由に
よらない
支配権の変更
(10)
報酬
退職金(2)
短期インセンティブ(3)
長期インセンティブ(4)
・LRIP(3)
・ストック・オプション
(未確定および前倒し
されたもの)(5)
・制限付株式ユニット
(未確定および前倒し
されたもの)(5)
給付金および臨時手当(6)(9)
選任役員SRP制度(13)
保健福祉給付金の継続(7)
280Gによる税の
グロスアップ(8)
合計
0ドル
0
0ドル
513,000
0ドル
513,000
0ドル
513,000
0ドル
0
540,000ドル
513,000
3,570,000ドル
513,000
0
1,818,000
1,818,000
1,818,000
0
1,818,000
2,511,000
0
0
1,163,613
1,163,613
0
79,180
1,163,613
0
0
1,892,918
1,892,918
0
168,829
1,892,918
4,363,964
0
4,363,964
0
4,363,964
0
2,181,982
0
4,363,964
0
4,363,964
12,895
4,363,964
38,685
0
0
0
0
0
0
0
4,363,964ドル
6,694,964ドル
9,751,495ドル
7,569,513ドル
4,363,964ドル 7,495,868ドル
14,053,180ドル
187/507
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(1) 本分析において、指定執行役員の報酬は下記のとおりと仮定した。ブラウン氏の基本給与は、900,000ドルに相当し、MIPに
基づく短期インセンティブの目標機会は、基本給の220%に相当し、2008年-2010年LRIP基準期間に基づく長期インセン
ティブの目標機会は、基準期間の給与の350%に相当し、2009年-2011年LRIP基準期間に基づくかかる長期インセンティブ
の目標機会は、基準期間の給与の350%に相当する。また、2010年-2012年LRIP基準期間に基づくかかる長期インセンティブ
の目標機会は、基準期間の給与の370%に相当する。ジャ博士の基本給与は、900,000ドルに相当し、MIPに基づく短期インセ
ンティブの目標機会は、基本給与の200%に相当する。同氏の雇用契約により、ジャ博士は、2008年-2010年、2009年-2011年
または2010-2012年のLRIP基準期間への参加資格を有していない。フィッツパトリック氏の基本給与は450,000ドルに相当
し、MIPに基づく短期インセンティブの目標機会は、基本給の95%に相当し、2008年-2010年LRIP基準期間に基づく長期イン
センティブの目標機会は、基準期間の給与の107.5%に相当し、2009年-2011年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブ
の目標機会は、基準期間の給与の87.5%に相当し、2010年-2012年LRIP基準期間に基づくかかる長期インセンティブの目標
機会は、基準期間の給与の160%に相当する。マローニー氏の基本給与は、650,000ドルに相当し、MIPに基づく短期インセン
ティブの目標機会は、基本給の100%に相当する。マローニー氏は、2010年3月5日に当社を退職した後、2010年9月1日に
再雇用されたため、LRIP基準期間への参加資格を有していない。デラニー氏の基本給与は、575,000ドルに相当し、MIPに基
づく短期インセンティブの目標機会は、基本給の95%に相当し、2008年-2010年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブ
の目標機会は、基準期間の給与の170%に相当し、2009年-2011年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブの目標機会は、
基準期間の給与の185%に相当し、2010年-2012年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブの目標機会は、基準期間の給
与の140%に相当する。ローソン氏の基本給与は、540,000ドルに相当し、MIPに基づく短期インセンティブの目標機会は、基
本給の95%に相当し、2008年-2010年のLRIP基準期間に基づく長期インセンティブの目標機会は、基準期間の給与の180%
に相当し、2009年-2011年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブの目標機会は、基準期間の給与の185%に相当し、2010
年-2012年LRIP基準期間に基づく長期インセンティブの目標機会は、基準期間の給与の100%に相当する。
(2)「正当な理由によらない」「非自発的な終了」において退職金は、執行役員退職制度に基づき、通常、基本給の12ヶ月と算
出されている。ブラウン氏とジャ博士に関しては、退職金は基本給の2倍にMIPの報酬目標の2倍の金額を足して算出され
ている。「支配権の変更」による「非自発的な終了」において、退職金は、上級役員の支配権の変更に関する退職金制度に
基づき、基本給の3倍に雇用の終了日より前の5年間で最も高かった賞与の3倍の金額を足して算出されており、またブ
ラウン氏およびジャ博士の各々の雇用契約に基づき、雇用終了年の基本給の3倍に目標賞与の3倍を足して算出されてい
る。実際の退職金の支払額は異なる可能性がある。マローニー氏の雇用が2011年9月1日より前に非自発的に終了した場
合、同氏の退職金は同氏のオファーレターに基づき、基本給の18ヶ月と算出される。
(3) 2010年12月31日を雇用終了の日と仮定し、短期インセンティブ・プランに基づく支払金は、目標報奨の全額に相当すると
仮定し、2008年-2010年LRIP基準期間に基づく比例按分した支払金、2009年-2011年LRIP基準期間に基づく比例按分した支
払金および2010年-2013年LRIP基準期間に基づく比例按分した支払金は、指定執行役員が以下に記載の定年に関する規定
を満たす場合、それぞれ目標報酬の全額、3分の2および3分の1に相当すると仮定し、または該当する場合、離職契約に
別段に記載されている方法による。指定執行役員が、雇用終了日に、2009年モトローラ・インセンティブ・プランの定年に
関する規定(年齢55歳+3年間の勤務)または、長期インセンティブ・プランの同規定(年齢55歳+20年間の勤務、年齢60
歳+10年間の勤務または年齢65歳のいずれか)を満たしていない場合、「自発的な終了」の「定年」にはゼロが記載され
ている。指定執行役員が、該当する定年に関する規定を満たさなかった場合、終了時点でLRIP基準期間が最後の年に該当し
ない限り、当該指定執行役員は、「正当な理由によらない」「非自発的な終了」の際、当社のLRIPによる比例按分した支払
金を自動的に受領する資格を有さない。2008年-2010年LRIP基準期間はその最終年となったため、ブラウン氏、フィッツパ
トリック氏、デラニー氏およびローソン氏に関しては、「正当な理由によらない」「非自発的な終了」の場合には、2008年
-2010年基準期間におけるLRIPの支払金の全額が反映され、2009年-2011年および2010年-2012年基準期間における比例按
分した支払金は反映されない。
(4) 2010年7月26日、報酬・指導者委員会は、予期される本件分社化を反映するため、LRIPの修正を承認した。2009年のLRIPの
修正では、本件分社化が2011年12月31日より以前に発生した場合、2009年LRIPに基づく各残存業績期間は、すべての参加者
について本件分社化を以って終了する。かかる各業績期間に付与された報奨は、2011年1月3日までの当社の業績に基づ
いて決定される。加えて、かかる業績期間における各参加者の報奨は、参加者の本件分社化までの業績期間内の勤務月数に
基づいて比例按分し、36で割って算出された。
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(5) 2010年12月31日を終了日と仮定し、雇用終了日の普通株式の1株当たりの値段は、2010年12月31日の当社の普通株式の終
値である9.07ドルであるとする(本件分社化または本件株式併合による調整はされていない)。指定執行役員が、雇用終
了日に株式プランに基づく定年の規定(年齢55歳+20年間の勤務、年齢60歳+10年間の勤務、または年齢65歳のいずれか)
を満たしていない場合、「自発的な終了」の「定年」にはゼロが記載されている。「正当な理由によらない」「非自発的
な終了」においては、2006年5月3日から2009年8月1日までに付与された未確定のRSUの受給権は、付与日から終了日ま
でのすべての勤務年数により比例按分して前倒しされる。2009年8月1日以降に付与されたRSUの場合、未確定のRSUの受
給権は、付与日から終了日までのすべての勤務月数により比例按分して前倒しされる。ブラウン氏およびジャ博士につい
ては、「正当な理由による」「自発的な終了」および「正当な理由によらない」「非自発的な終了」の場合、各々の雇用
契約に基づき付与された未確定の株式は、終了後2年間は受給権を獲得し続けるその他のすべての株式とともに直ちに前
倒しされる。無配当となった2009年2月3日までの、2006年5月1日より前に付与された報奨に付されていた配当同等権
株式の価値は含まれていない。
(6) 「給付金および臨時手当」に関連する支払金は表に挙げられた項目に限定される。一般の米国の従業員すべてに対して別
途利用可能ではない、挙げられた終了のシナリオおけるその他の給付および臨時手当の支払いの継続は生じない。
(7) 保険福祉給付金の継続は、執行役員退職制度に基づき、「正当な理由によらない」「非自発的な終了」においては、12ヶ月
と算出されており(ただし、ブラウン氏およびジャ博士については、それぞれの雇用契約に基づき24ヶ月と算出され
る。)、「支配権の変更」による「非自発的な終了」においては36ヶ月として、そして該当する場合は、離職契約に基づき、
離職契約に規定の方法で算出されている。
(8) 「パラシュート支払金」(退職金+前倒しされた株式の価格)が、前の5年間において、様式W-2に記載されている平均報
酬の3倍よりも高額な場合、同期間におけるW-2にて報告された平均の報酬を超えたパラシュート支払額の部分に、「消費
税」が課される。修正・変更されたモトローラ・インク上級役員の支配権の変更の退職金制度に従い(2010年12月31日に
発効)、課せられた消費税の金額に相当する追加の「支払金のグロスアップ」が支払われる。これらの概算は、非競争契約
の対価としてまたは合理的な報酬としての租税回避の支払金を含んでいない。「支払金のグロスアップ」の必要性の可否
および時期の決定、「支払金のグロスアップ」の金額およびかかる決定のために利用される仮定は、当社の独立登録監査
人により決定され、現在はKPMG LLPが行っている。2011年1月25日、当社は2011年上級役員の支配権の変更に関する退職金
制度を採用し、かかる制度の参加資格を有する新たに雇用されまたは昇進した上級役員については2011年2月1日に、現
職の上級役員については2014年2月1日に有効となった。2011年上級役員の支配権の変更に関する退職金制度では、消費
税が適用される場合、参加者はすべての消費税を支払うか、または退職金の給付を消費税が課税されない額に減額するか
のいずれか当該役員にとって税引後ベースでより有益な方法にて支払われるものとする。
(9) 非適格繰延報酬に関しては、「2010年度非適格繰延報酬」の項を参照されたい。雇用の終了または支配権の変更による更
なる増大もしくは前倒しはされない。
(10)当社の上級役員の支配権の変更に関する退職金制度は「二重の発動」を使用している。すなわち、退職金の給付が「発
動」されるためには、(1)支配権の変更が生じなければならず、(2)役員は、「正当な理由」に基づくもの以外による非自発
的な終了の対象となるかまたは「正当事由」により支配権の変更から24ヶ月以内で辞任しなければいけない。
(11)ジャ博士の雇用契約の条件に基づき、同氏は2008年-2010年基準期間、および2009年-2011年基準期間および2010年-2012年
基準期間のLRIPの参加資格を有していない。マローニー氏は2010年3月5日に当社を退職し、2010年9月1日に再雇用さ
れたため、同氏もまたLRIPの参加資格を有していない。
(12)2010年12月31日現在における改正された雇用契約に基づき、ジャ博士は以下の場合のみ、38,000,000ドルを受領する資格
を有していた。(1)2011年6月30日以前にモバイルデバイス事業が分割されなかった場合、(2)当社がモバイルデバイス事
業を売却した結果、モトローラ・ソリューションズの当該事業の保有割合が2011年6月30日以前における当該事業の50%
未満となった場合、(3)当社が、同氏の雇用契約に定義されるとおり、正当な理由によらずジャ博士を解雇した場合、または
(4)ジャ博士が、同氏の雇用契約に定義されるとおり、正当な理由により契約を終了する場合。
(13)この選任役員SRP制度の金額は、2010年12月31日現在の退職給付有資格参加者に対する蓄積された給付の価値を反映して
いる。退職給付有資格参加者が死亡した場合、その残された配偶者は、同有資格参加者の死亡直前の日時点における退職給
付金の半額を、生涯年金として毎月受取る。ローソン氏およびデラニー氏は、選任役員SRP制度に参加している唯一の指定
執行役員であり、このうちローソン氏のみ受給権を有し、退職金に対する受給資格が発生している。支配権の変更があった
場合または障害を負った場合、参加者は、終了時の年齢にかかわらず、退職時または55歳以降に、給付金を満額受領する権
利を有する。
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5 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
① 取締役会および付属委員会
取締役会の企業統治原則
取締役会は、取締役会の継続的な活力およびその職務執行における卓越性を確保するために策定された統治
方針を長い間遵守してきた。取締役会は、経営の監督および当社に対する戦略的指針の提供について責任を
負っている。最近の取締役会への任命でも明らかであるように、取締役会は、当社が事業展開している業界およ
び市場について構成員の理解を確実にするため、取締役会自体を引き続き刷新していかねばならないと確信し
ている。取締役会はまた、取締役会の構成員がモトローラ・ソリューションズの株主の皆様に対する受託者と
しての責任を果たすことができるように、当社ならびに当社の属する業界および市場が直面する肯定的および
否定的な問題点、課題および挑戦についての情報に取締役会が引き続き通じていなければならないと確信して
いる。
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取締役会が近年導入した主要なコーポレート・ガバナンスに関する取組み
取締役会は、当社のコーポレート・ガバナンス慣行を発展させることの重要性を認識しており、当社のコーポ
レート・ガバナンスの特定の要素を定期的に検討し、かつ、当社および株主の最善の利益に資すると取締役会が
判断した際には当該要素を変更するよう努めている。その結果、モトローラ・ソリューションズは、数多くの
コーポレート・ガバナンスの最良慣行を主導的に導入している。モトローラ・ソリューションズは、
「Say-on-Pay」投票を早期に採用し、助言的賛否表示が義務付けられる前より、当社の指定執行役員の過去2年
の報酬について株主による助言的賛否表示を行ってきた。当社は、当社の指定執行役員の報酬について株主より
承認を得るため、現在は義務付けられている助言的賛否表示を再度行う予定である。また、当該議題について、当
社は年に一度の助言的賛否表示を推奨している。当社は、全取締役を毎年選任しており、2006年には取締役の無
競争選挙について多数決の基準を導入した。同年において、当社は、株主ライツ・プラン(一般に「ポイズンピ
ル(毒薬条項)」として知られている。)を廃止した。最近では、当社は、モトローラ・ソリューションズ普通株
式を20%以上保有している株主に対し、臨時株主総会の開催を要求することのできる権利を付与している。当社
はまた、財務書類の修正再表示につながるような不正行為が発生した場合において、一定の役員給与を取り戻す
弁償制度(一般に「クローバック制度」として知られている。)を実施している。さらに、取締役会は2011年1
月に、当社の指定執行役員および当社の上級役員チームの他のメンバーを対象とする新たな支配権の変更に関
するプランを採用した。かかる新しい計画は、通知期間の終了後、現職の上級役員のための支配権の変更に関す
るプランと差し替えられる予定であり、新規の上級役員においては現在すでに有効なものとなっている。かかる
新しい計画には、かかる計画への参加者の制限、消費税のグロスアップ条項の削除、多様な現金退職金の削減お
よびその他の変更が含まれる。より詳しい情報については「報酬の議論および分析」ならびに「管理協定にお
ける変更」を参照されたい。
モトローラ・ソリューションズ取締役会の所属資格
当社の取締役会は、取締役会のガバナンス責任を果たし、かつ、当社に対して効果的に貢献しうるだけの適切
な手腕および経験を有する人物によって取締役会が構成されるべきであると確信している。当社の統治・指名
委員会は、取締役会において選任する取締役を指名する前に、当該取締役が当社のニーズを満たすことを保証す
るため、現在の取締役および新規候補者の手腕および経験を慎重に考慮している。当社の全ての非従業員取締役
が、取締役会の付属委員会に所属しており、当該付属委員会に対してその技量を提供することで取締役会をさら
に支援している。取締役会の指名候補を検討する際は、当該付属委員会のニーズも考慮される。
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現在、取締役会は、各有名企業の現役および元最高経営責任者および最高財務責任者ならびにハイテク分野、
政府、法執行機関、投資銀行業務および学究的分野の経験者から構成されている。したがって、これらの人物は、
一般に財務書類作成、報酬の決定、規制遵守、コーポレート・ガバナンス、広報業務および法的事項に関する経験
を含め、大企業に共通する事項について深い実用的知識を有している。各取締役が同職を務める資格を有する者
であるという結論に至った根拠となった具体的な経験、資格、特性または手腕についての簡単な説明は、以下の
通りである。
・ブラットン氏:米国および海外での法執行における重要な経験ならびに刑事司法制度運用における見識
・ブラウン氏:モトローラ・ソリューションズの最高経営責任者としてのリーダーシップ経験および電気通
信業界における重要かつ国際的な実務経験
・ドーマン氏:未公開株式投資分野における経験および電気通信業界における国際的な株式公開会社の最高
経営責任者としての経験
・ヘイデン将校:米国の諜報部における最高将校としての職業軍人の経験および国家安全保障における経歴
・イントリエリ氏:様々な会社での取締役としての重要な実務経験およびリーダーシップ経験
・ルーウェント女史:医薬品業界における国際的な株式公開会社の最高財務責任者としての経験
・スコット氏:穀物精製業界における国際的な株式公開会社の会長兼最高経営責任者としての経験
・ホワイト博士:大学学長、工科大学学部長および金融関係の教科書の執筆者としての経験
当社の取締役の多くが、1社以上の他の株式公開会社の取締役会にも所属している。当社の取締役会統治ガイ
ドラインでは、当社の取締役会の承認がない場合、当社の取締役が所属することのできる株式公開会社の取締役
会の数を3社以下(当社の取締役会は含まない。)に制限している。当社は、当社の取締役が当該他社の取締役
会に所属していることにより得られる経験および技能により、モトローラ・ソリューションズが恩恵を受けて
いるものと確信している。
取締役会はまた、当社の最高経営者を取締役会に所属させることが、効果的な取締役会のガバナンスおよび協
力にとって重要であるということも確信している。
独立取締役
2011年2月15日、統治・指名委員会の提言およびモトローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイ
ドラインに基づき、元取締役であるハンブレクト氏、マイスター氏、メレディス氏、ステンゲル氏、およびビンチ
ケラ氏、ならびに在任中の取締役であるブラットン氏、ドーマン氏、ヘイデン氏、イントリエリ氏、ルーウェント
女史、スコット氏、ワーナー氏、およびホワイト博士は、2010年および2011年に同氏らが取締役会に属していた
期間それぞれ独立性を有していたとの決議が取締役会でなされた。ブラウン氏およびジャ博士は当社の従業員
であるか、または当社の従業員であったため、独立取締役には該当しない。より詳しい情報は後述を参照された
い。
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独立性の判断基準
モトローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイドラインは、取締役が当社に対して有する関係が
重要なものであるか否かを取締役会が決定するために採択したニューヨーク証券取引所の独立性基準および
分類基準のいずれをも含む。取締役会で採用された分類基準は以下のとおりである。
−当社取締役またはその家族(取締役の配偶者、両親、子供、兄弟姉妹、義父母、子供の配偶者、義兄弟姉妹、お
よび取締役の家に同居する者(家事をするため雇われた者を除く。)を含むと定義する。)がその役員、取
締役、理事、あるいは従業員である慈善団体(基金も含む。)、大学、その他の非営利団体へのモトローラ・
ソリューションズの寄付または支払(商品やサービスの供与も含む。)は、次に該当しない限り取締役の
独立性を損なうものではない。
該当の寄付または支払(モトローラ・ソリューションズまたはモトローラ・ソリューションズ基金の
マッチング・ギフト制度に基づく取締役、もしくは従業員が行った寄付行為に相当する金額の贈与を除
く。)が
(ⅰ)取締役またはその配偶者が現職の役員、取締役または理事のいずれかであり、かつ、かかる者が寄付
当時もその役職にあった団体に対するもの、
(ⅱ)過去3年以内に行われたもの、ならびに
(ⅲ)該当の寄付または支払が行われた会計年度の直前の会計年度の団体の決算期において30万ドルあ
るいは団体の連結総収益(またはこれに相当する指標)の5%のうちどちらか金額が大きい方を
上回る金額のもの。
−取締役またはその家族が取締役、役員、従業員、あるいは10%所有者である(下記に定義する。)銀行また
は類似の金融機関に対するモトローラ・ソリューションズの負債は、以下に該当しない限り取締役の独立
性を損なうものではない。
(ⅰ)取締役もしくはその配偶者がかかる事業体の執行役員であるか、または直接的か間接的にかかる事
業体の10%以上の株式あるいは議決権を所有し(以下「10%所有者」という。)、過去12ヶ月間の
いずれかの期間に同じ地位にあった場合、あるいは
(ⅱ)過去12ヶ月間のモトローラ・ソリューションズの総負債がその事業体の直近の決算期における連
結総資産の5%を超える場合。
−取締役またはその家族がコンサルティング、法務または財務上の顧問サービスなどをモトローラ・ソ
リューションズに対して提供するなどのその他の取引関係は、以下に該当しない限り取締役の独立性を損
なうものではない。
(ⅰ)取締役またはその配偶者が該当のサービスを提供する会社の共同経営者、役員、または10%所有者
であり、過去12ヶ月間のいずれかの期間に同じ地位にあった場合、あるいは
(ⅱ)過去12ヶ月間にモトローラに提供されたサービスの金額がその事業体の直近の決算期において1
百万ドルまたは連結総収益の2%のうちどちらか金額が大きい方を超える場合。
モトローラ・ソリューションズとその独立登録監査人との取引関係に関しては、ニューヨーク証券取引所
の独立性基準が適用されるため、本分類基準には含まれない。
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−取締役またはその家族が取締役、役員、従業員、あるいは10%所有者である会社の議決権付株式をモトロー
ラ・ソリューションズが所有することは、以下に該当しない限り取締役の独立性を損なうものではない。
(ⅰ)取締役またはその配偶者が該当の会社の執行役員である場合、および
(ⅱ)モトローラ・ソリューションズが現在、該当の会社の10%所有者である場合。
取締役またはその家族によるモトローラ・ソリューションズ普通株式の所有は取締役の独立性を損なう実質
的関係とはみなさない。
ニューヨーク証券取引所の独立性基準および上記の分類基準を適用する場面において、「モトローラ・ソ
リューションズ」といった場合には、モトローラ・ソリューションズ・インクとその子会社およびモトローラ
・ソリューションズ基金が含まれる。モトローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイドラインは当
社のウェブサイト(www.MotorolaSolutions.com/investor)にて見ることができる。
社外取締役に関連する事業体とモトローラ・ソリューションズとの関係
従前に開示したように、メレディス氏のモトローラ・インク最高財務責任者代理兼執行副社長としての任期
は2008年3月1日に終了し、また、同氏の雇用条件に基づき、2008年3月31日にメレディス氏の雇用が終了し
た。2008年2月に取締役会は、メレディス氏の雇用終了後、同氏の2007年4月1日から2008年3月31日までの当
社の従業員としての地位が、モトローラ・ソリューションズ・インク独立性ガイドラインおよびニューヨーク
証券取引所の独立性要件に基づく同氏の独立性を損なうものではなかったと判断した。これは同氏が取締役会
の要請により、当社が常任の最高財務責任者を探している間に臨時従業員として勤務していたからである。
マイスター氏、イントリエリ氏およびワーナー氏を除くすべての独立取締役は、NYSEの独立性基準に基づき、
事業体との関係を有していたか、上記の取締役会の分類基準で、慈善団体や、類似の非営利団体に対する寄付や
支払に関連した事業体との関係を有していたため、取締役会により検討された。各事例において、支払や、寄付
は、ニューヨーク証券取引所の独立性基準または分類基準を大幅に下回っており、取締役会により、重要でない
と判断された。ブラットン氏、ヘイデン氏、メレディス氏、ステンゲル氏、ビンチケラ氏およびルーウェント女史
に関する団体との関係性も、「その他の関係性」という分類基準に基づき検討されており、それぞれ取締役会
により重要でないと判断された。
取締役会付属委員会の独立性
取締役会は、監査法務委員会、報酬・指導者委員会および統治・指名委員会の現在の構成員すべてが、モト
ローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイドライン、証券取引委員会の適用可能な規則および
ニューヨーク証券取引所の上場基準が独立性に関して規定する意味において独立性を有していると判断した。
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モトローラ・ソリューションズ企業統治慣行に関する追加情報について
モトローラ・ソリューションズは、当社のウェブサイト(www.MotorolaSolutions.com/investor) において
企業統治に関するページを公開している。同ページには、当社の企業統治慣行に関する情報が記載されており、
以下の資料が現在記載されている。
・モトローラ・ソリューションズ・インク取締役会統治ガイドライン。現行のものは、2011年3月14日に取
締役会で採択されたものである。
・モトローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイドライン。現行のものは、2008年9月11日に取
締役会で採択されたものである。
・モトローラ・ソリューションズ・インク取締役会会員行動原則。現行のものは、2009年11月10日に取締役
会で採択されたものである。
・全従業員に適用されるモトローラ・ソリューションズ・インク業務遂行規約
・監査法務委員会、報酬・指導者委員会および統治・指名委員会の設立綱領(各現行版は、取締役会が2010
年1月26日に採択したものである。)
・モトローラ・ソリューションズ・インクの改定基本定款(2011年1月4日までの改正を含む。)
・2009年11月11日に取締役会が採択したモトローラ・ソリューションズ・インクの現行改正付属定款
当社は上記の資料の改正またはその取締役、最高経営責任者、最高財務責任者またはコーポレート・コント
ローラーに適用される当社の取締役や従業員に関する倫理規定および基準の特定の規定の免除について、当該
改正または免除の日付から4営業日以内にモトローラ・ソリューションズ・ウェブサイトにおいて開示する
予定である。
モトローラ・ソリューションズにおいて発生した最近の重大な出来事
2011年1月4日、モトローラ・モビリティのモトローラ・インクからの分社化が完了した。現在、モトローラ
・モビリティは独立の公開会社であり、ニューヨーク証券取引所にて「MMI」の名称で取引されている。本件分
社化に伴い、2011年1月4日に、2010年12月21日の営業終了時現在の登録株主は、2010年12月21日現在に所有し
ていたモトローラ・インクの普通株式8株につきモトローラ・モビリティの株式1株を取得した。モトローラ
・モビリティの普通株式の配当の直後、モトローラ・インクは7対1の株式併合を完了し(以下「本件株式併
合」という。)、社名をモトローラ・ソリューションズ・インクに変更した。登録株主には、本件分社化および
本件株式併合により生じた株式の端数に代えて、現金が支払われた。
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モトローラ・モビリティの従業員および取締役
モトローラ・モビリティの従業員または取締役となる個人の所有するすべての発行済ストック・オプション
または未確定の制限付株式ユニットは、規定どおり、モトローラ・モビリティのオプションまたは制限付株式ユ
ニットに置き換えられた。モトローラ・モビリティのストック・オプションの代替報酬は以下の方法により算
出された。
・かかる付与された各ストック・オプションに応じた株式数に0.277682(以下「モトローラ・モビリティ調
整係数」という。)を掛け、端数を切り捨てる
・かかる付与された各ストック・オプションの一株当たりの権利行使価格をモトローラ・モビリティ調整係
数で割り、端数を切り上げる
制限付株式ユニットの代替報酬は、かかる各付与に応じた株式数にモトローラ・モビリティ調整係数を掛け、
端数を切り捨てて算出された。
「モトローラ・モビリティ調整係数」である0.277682は、(1)2011年1月3日現在のモトローラ・インクの普
通株式1株当たりの「レギュラーウェー」終値(9.11ドル)を、(2)2011年1月4日現在のブルームバーグによ
り発表された、モトローラ・モビリティ普通株式1株当たりの出来高加重平均価格(32.8072ドル)で割り、算
出された。
モトローラ・ソリューションズの従業員および取締役
モトローラ・ソリューションズの従業員または取締役として残留する個人については、すべての発行済ストッ
ク・オプションおよび未確定の制限付株式ユニットは、本件分社化および本件株式併合を反映するために調整
された。全ての権利確定および権利未確定ストック・オプションの対象となる株式の株式数およびその権利行
使価格は本件分社化ならびに本件株式併合直後のモトローラの株価の変更を反映するために調整された。
・かかる各ストック・オプション付与が適用される株式数に0.238089(以下「モトローラ調整係数」とい
う。)を掛け、端数を切り捨てる
・かかる各ストック・オプション付与の一株当たりの権利行使価格をモトローラ調整係数で割り、端数を切
り上げる
本件分社化および本件株式併合の直後の制限付株式ユニットの数は、かかる各付与に適用される株式数にモト
ローラ調整係数を掛け、端数を切り捨てて算出された。
「モトローラ調整係数」である0.238089は、(1)2011年1月3日現在のモトローラ・インクの普通株式1株当
たりの「レギュラーウェー」終値(9.11ドル)を、(2)2011年1月4日のブルームバーグにて発表された、モト
ローラ・ソリューションズの普通株式1株当たりの出来高加重平均価格(38.2629ドル)で割り、算出された。
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取締役会
繰延株式ユニットを所有していた取締役は配当等価物を受ける権利を有していたため、前述のモトローラ・イ
ンクの普通株式と同じ方法にて処理された。しかし、株式の端数の代わりとしての現金は支払われなかった。そ
の代わり、配当比率(1対8)および株式併合の比率(7対1)が適用され、単元株式数に切り捨てられた。
加えて、各取締役はモトローラ・モビリティの普通株式の配当を受領する代わりに、モトローラ・モビリティ
の繰延株式ユニットの配当を受領した。当社の取締役会の任期の終了後、当社は当社取締役のモトローラ・ソ
リューションズの繰延株式ユニットを清算する責任を負うのと同様にモトローラ・モビリティの繰延株式ユ
ニットを精算する責任を負う。当社はモトローラ・モビリティの普通株式を購入することにより、これを行う予
定である。
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取締役会に関する事項
2010年中に開催された取締役会の会合
取締役会は、2010年中に12回の会合を開催した。取締役会および付属委員会の会合の全体的な出席率は96%だっ
た。現職の各取締役は、2010年中に、取締役会および各自が所属する付属委員会を合わせたすべての会合の85%以
上に出席した。
取締役会を構成する取締役の員数
現在、取締役会の構成員は9名である。年次株主総会の直後は、取締役会の構成員は8名になる。取締役会は当社
の付属定款に基づき、年次株主総会から次の年次株主総会までの間、取締役会を増員または減員する権限および欠
員を補充する権限を有する。
2010年の取締役会の秘密会議の開催回数
当社の独立取締役は、モトローラ・ソリューションズ・インク取締役会統治ガイドラインおよびニューヨーク
証券取引所の上場基準の要求に従って経営陣が出席しない秘密会議を定期的に開催している。通常、秘密会議は取
締役会の定期会合と同時に開催される。2010年中、独立非従業員取締役は秘密会議を7回開催した。
取締役会のリーダーシップ構造とその選択理由、ならびに取締役会会長および議長を務める取締役
2010年中および年次株主総会の期間中、取締役会は、当社の従業員であったことが一度もなく業務執行権を有し
ない独立した会長であるデイビッド・ドーマン氏が、その代表を務めた。ドーマン氏は、2008年5月に当社の初代
非業務執行会長となった。当時、取締役会は、かかる構造が当社を2つの独立した株式公開会社に分社化するとい
う当社の計画を支援すると確信していたため、非業務執行会長を選任することを決定した。会長として、ドーマン
氏は、ジャ博士を当社の共同最高経営責任者およびモバイルデバイス部門の最高責任者として雇用するという重
要な役割を負っていた。
取締役会は、会長および最高経営責任者の役職が分担されるべきか、または同一人物が両方の役職を兼任すべき
かを決定する柔軟性を有している。取締役会は、その時点で当社に適切なリーダーシップを提供するため最良であ
ると確信するところに基づき、かかる決定を下す。本件分社化が完了したため、取締役会は会長および最高経営責
任者の役職を統合し、グレゴリー・Q・ブラウンを最高経営責任者および取締役会の会長の両方に選任し、ドーマ
ン氏を主席独立取締役に選任する意向を示している。ブラウン氏は、モトローラ・ソリューションズ事業、ならび
にかかる事業が直面する問題、好機および課題についての深い知識、ならびにかかる事業の日常業務についての理
解を有しているため、定例取締役会議の議長を務め、取締役会に主要な事業や利害関係者の問題について注意を喚
起するのに適した立場にある。ドーマン氏は主席独立取締役として、非公開の委員会の議長を務め、当社の会長お
よび独立取締役との間の連絡係を務めることが求められる。
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過去には、当社は会長の機能と最高経営責任者のそれを統合していた。取締役会はこれまで一貫して、強力な
コーポレート・ガバナンス、および経営の適切かつ独立した監視を維持することに取り組んでおり、現在もその維
持に取り組んでいる。また、ブラウン氏以外の取締役会のメンバーはそれぞれ独立しているため、当社は取締役会
によって最終的に選出されるリーダーシップ構造は、効果的な独立した取締役会のリーダーシップおよび監視を
提供するものであると確信している。
年次株主総会への取締役の出席
モトローラ・ソリューションズ・インク取締役会統治ガイドラインに規定されているように、取締役は、年次株
主総会に出席するよう求められている。2010年年次株主総会での選任候補者となったすべての当社取締役は、同総
会に出席した。
リスク監視における取締役会の役割
取締役会は、株主の長期的利益にかなうことを保証するために、最高経営責任者および上級管理職の業績ならび
にリスク管理を含む当社の事業を監督している。取締役会の各付属委員会も、当該委員会の担当分野に関する当社
のリスク負担を検討し、かつ、当該リスクについての情報を経営陣に対して提供する責任を負っている。
経営陣および当社の取締役会は、当社が直面している全ての重大なリスクを特定、分析、管理および報告するた
めの確固たる全社的なプロセスを有している。当社の最高経営責任者およびその他の上級管理者は、取締役会に対
し、財務リスク、業務リスクおよび戦略的リスクを含む当社が直面している重大なリスクについて定期的に報告を
行っている。取締役会の各付属委員会は、経営陣と共に、当該委員会の担当分野に関する重大なリスクについて検
討を行い、かかるリスクについて取締役会に報告を行っている。これには、報酬・指導者委員会による全社的な報
酬関連リスクについての検討が含まれる。各委員会は、担当分野に関する重大なリスクについて検討を行う責任を
負っていると同時に、取締役会全体は、委員会による報告を通してかかるリスクについて定期的に報告を受けてい
る。取締役会の付属委員会による特定のリスク監視は、会長(会長および最高経営責任者の役職が統合されている
場合は会長および主席独立取締役)の指導の下で、取締役会全体が当社に直面するリスクをより効率的に監視し、
かかるリスクの影響や規模を考慮に入れて戦略的方向性を策定することを可能にする。独立取締役も、経営陣不参
加の秘密会議において、当社の重大なリスクについて審議している。
当社の監査業務部門は、リスク管理プログラムにおいて極めて重要な役割を有している。同部門の役割は、経営
陣および取締役会の監査法務委員会に対し、当社事業のリスク管理活動についての包括的かつ客観的な検討の結
果を提供することである。同部門の取組みは、財務リスク、業務リスク、戦略的リスクおよびコンプライアンス・リ
スクに及んでおり、この取組みの結果、経営陣が許容リスク水準を維持するのを補佐している。同部門は、全社的リ
スクマネジメントモデルを活用してかかる取組みを行っている。同部門の部長は、監査法務委員会に対して直接報
告を行い、秘密会議を含めて監査法務委員会と定期的に会合を開いている。
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取締役会付属委員会
取締役会は、その義務の遂行を補助するために、一定の権限をいくつかの委員会に委譲している。現在、取締役会
には以下の委員会がある:(1)監査法務委員会、(2)報酬・指導者委員会、(3)統治・指名委員会および(4)経営委員
会。2010年中には、財務委員会も存在した。2010年12月31日現在の委員会の委員および各委員会が2010年中に開催
した会合の数は、以下のとおりである。
報酬・
監査法務
指導者
統治・
委員会
委員会
指名委員会
財務委員会
経営委員会
X
X
X
非従業員取締役
デイビッド・W・ドーマン
ウィリアム・R・ハンブレクト
X
委員長
キース・A・マイスター
X
X
トーマス・J・メレディス
X
X
サミュエル・C・スコットⅢ
委員長
ジェームズ・R・ステンゲル
X
アンソニー・J・ビンチケラ
X
ダグラス・A・ワーナーⅢ
ジョン・A・ホワイト
X
X
委員長
委員長
X
X
従業員取締役
グレゴリー・Q・ブラウン
共同委員長
サンジェイ・K・ジャ
共同委員長
2010年中の会合数
11
13
7
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6
0
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本件分社化後の2011年1月4日現在の委員会構成は、以下のとおりである。
報酬・
監査法務
指導者
統治・
委員会
委員会
指名委員会
経営委員会
デイビッド・W・ドーマン
X
委員長
X
ウィリアム・J・ブラットン
X
非従業員取締役
マイケル・V・ヘイデン
X
ヴィンセント・J・イントリエリ
X
ジュディ・C・ルーウェント
X
X
サミュエル・C・スコット
ダグラス・A・ワーナーⅢ
ジョン・A・ホワイト
委員長
X
X
委員長
X
従業員取締役
グレゴリー・Q・ブラウン
委員長
現行の委員会設立綱領
監査法務委員会の設立綱領、報酬・指導者委員会の設立綱領、統治・指名委員会の設立綱領の現行のものは当
社のホームページ(www.MotorolaSolutions.com/investor)にて入手可能である。
監査法務委員会の機能
・当社の会計方針、内部統制、開示統制および手続、財務報告実務ならびに法令および規則との適合性に関す
る取締役会の監督責任の遂行における取締役会の補助
・独立登録監査人の雇用
・当社の独立登録監査人の資格、独立性、業務遂行および当社社内監査役の業務遂行の監督
・定期会合を通じた、取締役会と当社の財務管理者、社内監査役および独立登録監査人との間の連絡手段の維
持
・事業倫理基準を含む当社の事業遂行方針への適合性の監督
・株主総会に係る議決権行使についての参考書類に含まれる監査法務委員会による報告書の作成
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報酬・指導者委員会の機能
・取締役会が以下を含む当社の人事管理を監督する際の補佐
・報酬および給付プログラム
・最高経営責任者の業績および報酬
・経営者育成・承継および多様性をもたらすための努力
・当社の上級経営陣の評価の監督
・経営陣と共に「報酬に関する検討と分析」を査読、検討し、かかる文書を株主総会に係る議決権行使につい
ての参考書類に含める助言を取締役会に対して行うこと
・株主総会に係る議決権行使についての参考書類に含める報酬・指導者委員会による報告書の作成
統治・指名委員会の機能
・取締役会が承認した基準に合致した、取締役会の構成員となる資格を持つ個人の確認
・欠員を補充するための、取締役候補および個人の推薦
・当社取締役会の統治に関するガイドラインおよび取締役会の行動原則ならびに取締役会が採用したその他
の類似した企業統治に関する文書を当社が解釈する際、取締役会を補佐すること
・取締役会およびその付属委員会の評価の監督
・取締役会による企業統治の全般的な監督
2010年中の財務委員会の機能
・当社の全般的な財務状況、資産活用および資本構成の検討
・株式発行および/または借入による資金調達ならびに特定の外部融資計画の必要性の検討
・組織再編、買収、会社分割、ジョイントベンチャーおよび株式投資等の主要取引の検討・承認
・従業員退職基金および関連基金の実績ならびに投資の監視
・当社の配当金支払計画および配当金支払の実行の検討
2011年中に、上記の財務委員会の機能は、監査法務委員会により引き継がれた
経営委員会の機能
・取締役会が基本的に既に承認した事項に関して、取締役会の会合と会合の間に、取締役会を代理すること
・取締役会が随時付託する特定の事項に関する取締役会の権限の行使
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② 財務報告に対する内部統制
開示統制および手続の評価
当社の最高経営責任者および最高財務責任者を含む上級経営陣の監督および参加の下、当社は、本有価証券
報告書の対象期間の末日現在(以下「評価日」という。)において、1934年証券取引所法(その後の改正を含
み、以下「取引所法」という。)に基づく規則第13a-15(e)および第15d-15(e)に定義する当社の開示統制およ
び手続の設計および運営の有効性について評価を実施した。かかる評価に基づき、当社の最高経営責任者およ
び最高財務責任者は、評価日現在において、当社の開示統制および手続が有効であり、そのため、米国証券取引
委員会(以下「SEC」という。)に対して開示することが要求される、当社の連結子会社を含むモトローラ・ソ
リューションズに関する情報は、(ⅰ)SECの規則および様式に定める期間内に記録、処理、要約および報告され、
(ⅱ)当社の最高経営責任者および最高財務責任者を含むモトローラ・ソリューションズの経営陣に対し、要求
される開示について適時の決定を可能にする上で適切に蓄積および伝達されているという結論に達した。
財務報告に対する内部統制についての経営陣の報告
モトローラ・ソリューションズの経営陣は、財務報告に対する適正な内部統制(取引所法規則第13a-15(f)
に定義されている。)の策定および維持について責任を負う。当社の最高経営責任者および最高財務責任者を
含む上級経営陣の監督および参加の下、当社は、トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)により発表された
内部統制−統合枠組みに定める基準を用いて、2009年12月31日現在における当社の財務報告に対する内部統制
の有効性を査定した。かかる査定に基づき、経営陣は、2010年12月31日現在において当社の財務報告に対する内
部統制は有効であるという結論に達した。当社の独立登録監査人であるKPMG LLCは、当社の財務報告に対する
内部統制についての報告書を発行した。財務報告に対する内部統制の監査についての報告は、本報告書におい
て記載されている。
財務報告に対する内部統制の変更
2010年12月31日に終了した四半期において、当社の財務報告に対する内部統制に、当社の財務報告に対する
内部統制に重大な影響を及ぼす、またはその合理的可能性の高い変更は生じなかった。
本報告書第一部第6「経理の状況 1 財務書類」の独立登録監査人事務所の報告書も参照されたい。
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③ 監査法務委員会に関する事項
監査法務委員会の報告書
委員長のホワイト博士、マイスター氏、メレディス氏およびビンチケラ氏は、皆非従業員取締役であり、2010
年末現在で、監査法務委員会(以下「当委員会」という。)に所属していた。マイスター氏、メレディス氏およ
びビンチケラ氏は、本件分社化が行われた2011年1月4日付で、それぞれ取締役会および当委員会を辞職した。
2011年1月4日に、マイスター氏、メレディス氏およびビンチケラ氏は、モトローラ・モビリティ・ホールディ
ングス・インクの取締役となり、イントリエリ氏、ルーウェント女史(2011年1月4日付でそれぞれ取締役会
により選出)およびワーナー氏は当委員会に任命された。委員会は、2010年1月26日付で取締役会により修正
・変更された設立綱領に基づき運営されている。委員会の現行の設立綱領の写しは、www.MotorolaSolutions.
com/investorで見ることができる。
2011年2月15日に、取締役会は、当委員会の各委員が、関連するニューヨーク証券取引所の上場基準、SEC規則
およびモトローラ・ソリューションズ・インク取締役独立性ガイドラインの意義の範囲内で独立していると
判断した。取締役会は、(1)委員会の各委員が、SEC規則の定義に基づく「監査委員会財務専門家」であり、そ
の専門性が、本報告書第一部第5の4「役員の状況」の役員の履歴の欄に記載されている関連した経験に基づ
き得られたこと、そして(2)委員会の各委員が、「財務事項に通じている」という判断もした。
当委員会の職務は、取締役会の監督責任のうち、当社の会計方針、内部統制、財務報告業務および法令遵守に
関するものについて、取締役会がその職務を果たすことを補佐することを含む。監査法務委員会は、独立登録監
査人の任命および確保も行う。
監査法務委員会は、当社の独立登録監査人、社内監査役および経営陣と定期的に会合を行うことにより、その
職務を果たしている。2010年中、監査法務委員会は11回の会合を開いた。委員会は、その全業務に適切な注意を
注ぐことを確実にするという観点で、その会合の予定を組み立てる。これらの会合の一部において、委員会は、
独立登録監査人、最高財務担当役員、内部監査部長、主席顧問弁護士および随時その他の経営陣と非公開で会談
を行う。公式会合のほかに、委員会の構成員は、重要な事項について議論するため、経営陣および独立登録監査
人と電話会議を行った。監査法務委員会はまた、独立登録監査人から、中間財務諸表を独立登録監査人が検討し
た結果を含む、監査基準書(SAS)第100号に記載される内容に関する報告書を取得する。
年間を通して、当委員会は、当社の独立登録監査人であるKPMG LLP(以下「KPMG」という。)の独立性に関す
る事項を監督する。監査法務委員会は、その監督活動の一環として、当社とかかる独立登録監査人との関係につ
いて検討する。かかる関係を検討し、経営陣と討議を行った後、当委員会は当社とKPMGとの間の全体的な関係、
客観性および独立性について討議した。かかる検討に基づき、当委員会は、同監査役の独立性に関して満足し
た。
KPMGは、また、公開会社会計監督委員会(以下「PCAOB」という。)が要求する独立性に関するKPMGと当委員
会との間の情報伝達に関する該当要件に従い、書面により、その専門家としての判断に基づき、関連するすべて
の職業および規制上の基準に基づき、自身が当社から独立していることを当委員会に対して確認した。
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監査法務委員会はまた、経営陣、社内監査役および独立登録監査人と、当社の内部統制の内容および妥当性、
ならびに内部監査機能の管理、組織、責任、予算および人員の内容および妥当性について議論した。監査法務委
員会は独立登録監査人および社内監査役と、それらの監査計画、監査範囲および監査リスクの確認について検
討した。
監査法務委員会は独立登録監査人と、監査基準書(SAS)第61号「監査委員会との情報伝達」(その後の改
正を含む。)において記載されている内容を含む、PCAOBの基準によって要求されるすべての事項について議論
し、検討した。監査法務委員会は経営陣を同席させて及び経営陣を退席させて、独立登録監査人による連結財務
諸表の監査の結果について議論し、検討した。また、監査法務委員会は社内監査役の監査結果についても議論し
た。
監査法務委員会は、経営陣および独立登録監査人とともに、2010年12月31日現在および2009年12月31日に終
了した年度についての当社の監査済連結財務諸表を検討した。経営陣は当社の連結財務諸表の作成とその完全
性に責任を負っており、独立登録監査人はこれらの財務諸表の監査について責任を負っている。上記の経営陣
および独立登録監査人との検討および議論に基づいて、監査法務委員会は取締役会に対して、当社の監査済連
結財務諸表を、証券取引委員会に提出する2010年12月31日に終了した年度に係る様式10-Kによる年次報告書に
含めるべき旨勧告した。
また、監査法務委員会は2010年12月31日現在の財務報告に関する内部統制の実効性評価に関する経営陣の報
告書および2010年12月31日現在の財務報告に関する内部統制の実効性に関する当社の独立登録監査人の報告
書についても検討を行った。経営陣は、財務報告に関する内部統制を適切に維持する責任を負い、かつ財務報告
に関する内部統制の実効性の評価について責任を負っている。当社の独立登録監査人は、財務報告に関する内
部統制の実効性について監査を行い、その監査に基づく意見を表明する責任を負っている。上記の検討と経営
陣、独立登録監査人との協議に基づき、監査法務委員会は2010年12月31日現在の財務報告に関する内部統制の
実効性評価に関する経営陣の報告書および当社の独立登録監査人の報告書を2010年12月31日に終了した年度
にかかる様式10-Kによる年次報告書に含め、証券取引委員会に提出するよう取締役会に対する提言を行った。
監査法務委員会設立綱領に明記されているように、監査の計画もしくはその実行、または当社の連結財務諸
表が完全かつ正確でありかつアメリカ合衆国において一般に公正妥当と認められた会計原則に従ったもので
あることの決定は監査法務委員会の職務ではない。これらは、経営陣および当社の独立登録監査人の責任であ
る。監査法務委員会は取締役会に対する勧告を行うにあたり、(1)これらの連結財務諸表は完全性および客観性
をもって作成され、アメリカ合衆国において一般に公正妥当と認められた会計原則に適合している旨の経営陣
の表明および(2)これらの連結財務諸表に関する当社の独立登録監査人の報告書に依拠した。
以上謹んで提出する。
ジョン・A・ホワイト(委員長)
ヴィンセント・J・イントリエリ
ジュディ・C・ルーウェント
ダグラス・A・ワーナーⅢ
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(2) 【監査報酬の内容等】
① 【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
(単位:百万ドル)
前連結会計年度
区分
当連結会計年度
監査証明業務に
非監査関連業務
監査証明業務に
非監査関連業務
基づく報酬
に基づく報酬*
基づく報酬
に基づく報酬*
提出会社
18.3
(1,480.65百万円)
連結子会社
計
1.7
(137.55百万円)
14.6
(1,181.29百万円)
0.6
(48.55百万円)
0
0
0
0
18.3
1.7
14.6
0.6
(1,480.65百万円)
(137.55百万円)
(1,181.29百万円)
(48.55百万円)
※ 「監査関連報酬」、「税務報酬」および「その他の報酬」から構成される。
独立登録監査人の報酬
KPMGは、2010年12月31日および2009年12月31日に終了した年度に関する当社の独立登録監査人を務め、本年度
についてもかかる資格で職務を行う。監査法務委員会は、独立登録監査人を任命し、雇用している。監査法務委員
会の決定は、監査担当事務所の資質および監査契約に基づく業務の遂行に基づいている。
KPMGの代表者は本年次株主総会に出席し、同代表者が希望する場合には意見を述べ、株主の適切な質問に答え
る予定である。
KPMGによる請求総額
KPMGにより当社に対する専門的サービスの対価として請求された報酬の総額は、2010年には15.8百万ドルで
あり、2009年には20.0百万ドルであった。
監査報酬
KPMGにより、当社の年次財務諸表の監査、財務報告に対する内部統制の監査、当社の四半期財務諸表の検査、な
らびに法律上および規則上の提出物に関連して通常提供される業務に関する専門的サービスの対価として請求
された報酬の総額は、2010年には14.6百万ドルであり、2009年には18.3百万ドルであった。2010年および2009年
の監査報酬2.3百万ドルおよび6.1百万ドルはそれぞれ、当社の分社化計画に関連して実施された個別の事業監
査に関するものであった。
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監査関連報酬
KPMGにより、当社の財務諸表の監査の遂行に合理的に関連する保証および関連業務の対価として請求された
報酬(ただし、監査報酬に含まれる報酬は含まない。)の総額は、2010年には0.6百万ドルであり、2009年には1.3
百万ドルであった。
税務報酬
KPMGにより、税務業務の対価として請求された報酬の総額は、2010年は0.4百万ドルであり、2009年は0.4百万
ドルであった。2010年の報酬は、主に、州と自治体の租税効率分析、および国際移転価格および税務業務に関連す
るものであった。
その他の報酬
KPMGから提供されたその他の一切のサービスに対する報酬の総額は、2010年は0.2百万ドルであり、2009年は
ゼロであった。2010年の報酬は、主に、経営のためのコスト最適化調査の分析に関連するものであった。
以下の表は、2010年中および2009年中にKPMGが当社に請求した費用をまとめたものである。
(単位:百万ドル)
2010年
監査報酬
2009年
14.6
18.3
0.6
1.3
国外税務サービス
0.1
0.4
米国における税務サービス
0.3
0.0
0.4
0.4
その他の報酬
0.2
0.0
合計
15.8
20.0
監査関連報酬
税務報酬
② 【その他重要な報酬の内容】
(2)①を参照。
③ 【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
(2)①を参照。
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④ 【監査報酬の決定方針】
監査法務委員会の事前承認の方針
2010年の当社の連結財務諸表および財務報告に関する内部統制の監査のためにKPMGを選任することに加え
て、2010年における監査業務および顧問業務の提供を受けるために、KPMGおよびその他の会計事務所と契約が結
ばれた。監査法務委員会は、従来、KPMGを雇用しており、KPMGは売却および買収関連のデュー・ディリジェンスお
よび監査業務、監査に関連した保証業務ならびに一定の税務業務を提供している。さらに監査法務委員会は、
KPMGから提供される業務がその他のサービス提供者から提供される業務と競合する場合のみ、かつ、KPMGの独立
性を侵害しない場合にのみ、当社がKPMGから非監査業務を受けることができる旨決定した。
監法務査委員会の監査報酬方針は、KPMGから当社に提供されるすべての専門的サービスに対して事前承認が
必要な旨定めている。以下は、かかる方針および手続をまとめたものである。
監査法務委員会は年次監査計画および年間監査報酬を事前に承認する。監査法務委員会の方針は、監査関連業
務、税務業務およびその他業務を含むKPMGが提供できる承認された監査外業務の一覧を含む。監査法務委員会
は、年間の監査に関連しない業務および予算を事前に承認する。監査法務委員会は、承認された予算内のあらゆ
る監査および92の監査外業務に対する支払を、当社の最高会計責任者が認めることができることとしている。監
査法務委員会は、また、当社の最高会計責任者に対して、年間予算には計上されていないものの、監査法務委員会
により承認された業務一覧に記載されている100,000ドル未満の報酬について事前承認を与える権限を認めて
いる。かかる権限からは、年次統合監査、財務報告業務に対する内部統制および税務に対する承認は除外される。
監査法務委員会の委員長は、監査法務委員会の会合に先立って、最高会計責任者の許容権限の範囲外の承認され
た業務一覧に記載されている報酬について事前承認を与える権限を有している。最高会計責任者は、次の定期会
合において、承認付与に関する決定を監査法務委員会に報告する責任を負っている。監査法務委員会はその各定
期会合において、最新の監査および非監査業務ならびに報酬を、以前に承認された予算と比較して検討し、また
必要であればそれを承認する。
2010年度において、経営陣は、監査法務委員会により事前承認がなされた業務一覧に記載されていないいかな
る業務についても、これを承認しなかった。
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第6 【経理の状況】
モトローラ・ソリューションズ・インク(以下「会社」という。)は、本国において、1934年証券取引法の規定に
基づき、米国において一般に認められた会計原則およびレギュレーションS-Xに準拠して連結財務諸表および附属明
細表を作成し、年次報告書様式10-Kを米国証券取引委員会(The Securities and Exchange Commission, 以下
「SEC」という。)に提出している。会社は、「財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則」(昭和38年大
蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」という。)第129条第1項の規定に基づき、これらの財務計算に関する書類を
財務書類として提出することを認められている。
上述の財務書類の原文は、ケーピーエムジー・エルエルピー(KPMG LLP)の監査を受けている。金融商品取引法施
行令(昭和40年政令第321号)第35条の規定に基づく「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵
省令第12号)第1条の2の規定により、会社は金融商品取引法第193条の2の規定の適用を受けず、従って日本国の
公認会計士または監査法人による監査証明を受けていない。
この有価証券報告書に記載されている財務書類の原文は、会社が年次報告書様式10-KにてSECに提出したものの写
しであり、「財務書類」の直前に掲げられている監査報告書、附属明細表に対する監査報告書の原文は、この有価証
券報告書に含めるため作成されたものである。また、財務書類並びに監査報告書、附属明細表に対する監査報告書の
邦文は、それぞれの原文を邦文に翻訳したものである。財務書類を邦文に翻訳するにあたっては、その主要な計数に
ついて、2011年5月16日現在の株式会社三菱東京UFJ銀行による対顧客電信売買相場の仲値(1ドル=80.91円)に
よる邦貨への換算額を併記した。なお、換算上億円未満の端数は四捨五入したため、合計は計数の総和とかならずし
も一致しない。
上述の主要な計数の邦貨への換算額の併記は、財務諸表等規則第132条の規定によるものであり、また本項末尾の
「米国と日本国における会計原則および会計慣行の差異」に関する記載は財務諸表等規則第130条および第131条の
規定その他によるものであって、財務書類の原文には含まれておらず、したがって、上述の監査の対象にはなってい
ない。
なお、会社は、本項の3 その他(1)決算日後の状況に記載のとおり、2011年5月12日付で様式8-Kによる臨時報
告書を提出し、2010年度様式10-Kによる年次報告書において当初報告された「財務書類」を更新した。本項の記載
は、後記3 その他(1)決算日後の状況の記載と併せて読まれたい。
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1【財務書類】
(1) 連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2010年
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金
百万ドル
額を除く)
2009年
億円
百万ドル
2008年
億円
百万ドル
億円
純売上高
$19,282
15,601
$18,147
14,683
$25,109
20,316
売上原価
12,384
10,020
12,406
10,038
18,171
14,702
売上総利益
6,898
5,581
5,741
4,645
6,938
5,614
販売費および一般管理費
3,367
2,724
3,058
2,474
3,912
3,165
研究開発費
2,530
2,047
2,598
2,102
3,399
2,750
その他費用
212
172
577
467
2,169
1,755
営業利益(損失)
789
638
(131)
(106)
(132)
(107)
38
31
48
39
74
60
76
61
(344)
(492)
(398)
(2,542)
(2,057)
営業外収益(費用):
受取(支払)利息(純額)
投資および事業売却益(純額)
その他
(29)
(23)
47
38
(425)
営業外収益(費用)合計
(112)
(91)
(11)
(9)
(311)
(252)
継続事業より生じた税引前利益 (損失)
677
548
(503)
(407)
(2,853)
(2,308)
法人税等(便益)
406
328
(159)
(129)
1,584
1,282
継続事業より生じた利益(損失)
271
219
(344)
(278)
(4,437)
(3,590)
廃止事業より生じた利益、税引後
379
316
256
当期純利益(損失)
650
526
(28)
(23)
17
14
23
19
$
633
512
$
(51)
(41)
$ (4,244)
(3,434)
$
254
206
$ (367)
(297)
$ (4,441)
(3,593)
差引:非支配持分に帰属する利益
307
197
(4,240)
159
(3,431)
4
3
モトローラ・ソリューションズ・インク
に帰属する当期純利益(損失)
モトローラ・ソリューションズ・インク
の普通株主に帰属する金額:
継続事業より生じた利益(損失)、税引
後
廃止事業より生じた利益(損失)、税引
379
後
当期純利益(損失)
$
307
633
ドル
512
$
円
316
256
(51)
(41)
ドル
円
197
$ (4,244)
ドル
159
(3,434)
円
基本的普通株式1株当たり利益(損失)
継続事業
$ 0.76
廃止事業
1.14
$ 1.90
61
$
92
154
210/507
$
(1.12)
(91)
0.96
78
(0.16)
(13)
$ (13.72)
0.61
$ (13.11)
(1,110)
49
(1,061)
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(1) 連結損益計算書(続き)
12月31日に終了した事業年度
2010年
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金
額を除く)
ドル
2009年
円
ドル
2008年
円
ドル
円
希薄化後普通株式1株当たり利益(損
失)
継続事業
$ 0.75
61
廃止事業
1.12
91
$ 1.87
151
基本的
333.3
希薄化後
338.1
普通株式の加重平均発行済株式数:
1株当たり支払配当金
$
―
―
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
211/507
$
1.12
91
0.96
78
$ (0.16)
$
(13)
$ (13.72)
0.61
$ (13.11)
327.9
323.6
327.9
323.6
0.35
28
$
1.40
(1,110)
49
(1,061)
113
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(2) 連結貸借対照表
12月31日現在
2010年
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金額を除く)
百万ドル
2009年
億円
百万ドル
億円
資産の部
現金および現金等価物
$ 4,208
3,405
$ 2,869
2,321
シグマ・ファンドおよび短期投資
4,655
3,766
5,094
4,122
売掛金(純額)
3,268
2,644
2,845
2,302
棚卸資産(純額)
1,364
1,104
1,097
888
繰延税金資産
1,338
1,083
1,082
875
その他の流動資産
1,342
1,086
1,389
1,124
979
792
1,656
1,340
17,154
13,879
16,032
12,971
1,729
1,399
1,819
1,472
70
57
66
53
310
251
456
369
繰延税金資産
1,619
1,310
2,283
1,847
のれん
2,825
2,286
2,714
2,196
その他の資産
1,428
売却目的保有流動資産
流動資産合計
有形固定資産(純額)
シグマ・ファンド
投資等
資産の部合計
1,155
1,680
1,359
442
358
553
447
$25,577
20,694
$25,603
20,715
売却目的保有非流動資産
負債および資本の部
短期借入債務および1年以内返済予定の長期借入債務
$
605
490
買掛金
2,462
1,992
未払費用
4,704
939
売却目的保有流動負債
8,710
流動負債合計
$
536
1,998
434
1,617
3,806
4,141
3,350
760
1,586
1,283
7,047
8,261
6,684
2,723
長期借入債務
2,194
1,775
3,365
その他の負債
3,542
2,866
3,987
3,226
売却目的保有非流動負債
144
117
107
87
―
―
―
―
3
2
3
2
株式払込剰余金
8,644
6,994
8,231
6,660
利益剰余金
4,460
3,609
3,827
3,096
資本の部
優先株式:額面100ドル
普通株式:2010年12月31日現在―額面0.01ドル、2009年12月31
日現在―額面0.01ドル
授権株式数 :2010年12月31日現在―600.0百万株、
2009年12月31日現在―600.0百万株
総発行株式数:2010年12月31日現在―337.2百万株、
2009年12月31日現在―330.6百万株
発行済株式数:2010年12月31日現在―336.3百万株、
2009年12月31日現在−330.3百万株
その他包括損失累計額
(2,222)
(1,798)
モトローラ・ソリューションズ・インク株主の資本の部合計
10,885
8,807
212/507
(2,286)
9,775
(1,850)
7,909
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(2) 連結貸借対照表(続き)
12月31日現在
2010年
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金額を除く)
百万ドル
102
非支配持分
資本の部合計
負債および資本の部合計
2009年
億円
百万ドル
83
108
億円
87
10,987
8,890
9,883
7,996
$25,577
20,694
$25,603
20,715
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
213/507
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(3) 連結資本勘定計算書
モトローラ・ソリューションズ・インクの資本
株式数
(単位:百万ドル、ただし、1株当たり
の金額を除く)
期首残高(2008年1月1日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(36百万ドルの
税引後)
為替換算調整勘定の変動(39百万ドル
の税引後)
非支配持分の購入
退職給付調整額の償却(10百万ドルの
税引後)
米国年金制度凍結削減影響(25百万ド
ルの税引後)
期末およびその他の退職給付調整額
(793百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式買い戻しプログラム
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純利益(5百万ドル
の税引後)
配当宣言額(1株当たり1ドル40セン
ト)
期末残高(2008年12月31日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(40百万ドルの
税引後)
為替換算調整勘定の変動(17百万ドル
の税引後)
退職給付調整額の償却(33百万ドルの
税引後)
期末およびその他の退職給付調整額
(22百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(6百万ドル
の税引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
期末残高(2009年12月31日現在)
当期純利益
正味有価証券評価差損(34百万ドルの
税引後)
為替換算調整勘定の変動(46百万ドル
の税引後)
退職給付調整額の償却(57百万ドルの
税引後)
年金制度の改訂(0百万ドルの税引後
後)
退職給付の再測定(13百万ドル税引
後)
期末およびその他の退職給付調整額
(14百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(1百万ドル
の税引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
株式報酬の負債から資本への組替
期末残高(2010年12月31日現在)
323.4
その他包括利益(損失)累計額
売却可能
普通株式
有価証券 為替換算 退職給付
および
利益
包括利益
その他
非支配持分
の公正価値 調整勘定 調整額
株式払込
(損失)
(税引後) 剰余金
への調整 (税引後) (税引後)
剰余金
(税引後)
$ 7,574
$ (59)
$16
$(704)
$ ―
$ 8,575 $78
(4,244)
4 $ (4,240)
61
61
(149)
(149)
6
3.2
134
(1.3)
(138)
(6)
270
19
19
(42)
(42)
(1,340)
(1,340)
(7)
(7)
(453)
325.3
$ 7,834
$ 2
$ (133)
$(2,067)
$ (7)
$ 3,878
(51)
$ 88
23
$(5,698)
$(28)
68
68
70
5.3
70
(65)
(65)
(163)
(163)
111
(12)
301
9
330.6
$ 8,234
$
70
$ (63)
$(2,295)
$ 2
9
$ 3,827
633
(3)
108
17
$
$(109)
$ 650
(58)
(58)
(63)
6.6
(63)
112
112
22
22
(28)
(28)
81
81
144
(63)
308
(2)
(2)
(23)
337.2
24
$ 8,647
$ 12
$
(126) $(2,108)
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
214/507
$
―
$ 4,460
$ 102
$
714
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
モトローラ・ソリューションズ・インクの資本
その他包括利益(損失)累計額
株式数
(単位:億円、ただし、1株当たりの金額
を除く)
期首残高(2008年1月1日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(29億円の税引
後)
為替換算調整勘定の変動(32億円の税
引後)
非支配持分の購入
退職給付調整額の償却(8億円の税引
後)
米国年金制度凍結削減影響(20億円の
税引後)
期末およびその他の退職給付調整額
(642億円の税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式買い戻しプログラム
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(4億円の税
引後)
配当宣言額(1株当たり113円)
期末残高(2008年12月31日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(32億円の税引
後)
為替換算調整勘定の変動(14億円の税
引後)
退職給付調整額の償却(27百万ドルの
税引後)
期末およびその他の退職給付調整額
(18億円の税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純利益(5億円の税
引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
期末残高(2009年12月31日現在)
当期純利益
正味有価証券評価差損(28億円の税引
後)
為替換算調整勘定の変動(37億円の税
引後)
退職給付調整額の償却(46億円の税引
後)
年金制度の改訂(0億円税引後)
退職給付の再測定(11億円税引後)
期末およびその他の退職給付調整額
(11億円の税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(1億円の税
引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
株式報酬の負債から資本への組替
期末残高(2010年12月31日現在)
323.4
売却可能
普通株式
有価証券 為替換算 退職給付
および
その他
の公正価値 調整勘定 調整額
株式払込
(税引後)
への調整 (税引後) (税引後)
剰余金
(税引後)
6,128
(48)
13
(570)
―
利益
剰余金
6,938
(3,434)
非支配持分 包括利益
(損失)
63
3
(3,431)
49
49
(121)
(121)
5
15
3.2
108
(1.3)
(112)
(5)
218
15
(34)
(34)
(1,084)
(1,084)
(6)
(6)
(367)
325.3
6,338
2
(108)
(1,672)
(6)
3,138
(41)
71
19
55
(23)
55
57
5.3
(4,610)
57
(53)
(53)
(132)
(132)
90
(10)
244
7
330.6
6,662
57
(51)
(1,857)
2
7
3,096
512
(2)
87
14
(47)
526
(47)
(51)
6.6
(88)
(51)
91
91
18
(23)
18
(23)
66
66
117
(51)
249
(2)
(2)
(19)
337.2
6,996
10
(102)
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
215/507
(1,706)
―
3,609
83
578
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
2010年
(単位:百万ドル)
百万ドル
2009年
億円
百万ドル
2008年
億円
百万ドル
億円
$ (4,244)
(3,434)
営業活動
モトローラ・ソリューションズ・インク
633
512
(51)
(41)
差引:非支配持分に帰属する利益
17
14
23
19
当期純利益(損失)
650
526
(28)
(23)
廃止事業から生じた利益
379
307
316
256
継続事業から生じた利益(損失)
271
219
(344)
(278)
に帰属する当期純利益(損失)
$
$
4
(4,240)
197
(4,437)
3
(3,431)
159
(3,590)
継続事業から生じた損失から営業活動より
調達した(に使用した)資金への調整:
減価償却費
その他の非現金費用(収益)
株式に基づく報酬費用
投資および事業の売却益(純額)
長期借入債務の償還による損失(利益)
繰延税金
572
463
642
519
(76)
(61)
(12)
(10)
273
221
263
213
(48)
(39)
(74)
12
10
(67)
346
280
50
686
555
2,619
2,119
236
191
(60)
(76)
(61)
(54)
(14)
(11)
1,698
1,374
40
資産および負債の変動
(取得および処分の影響額控除後):
売掛金
(311)
棚卸資産
(267)
(216)
1,266
41
33
510
920
744
(2,412)
(199)
(161)
(8)
その他の流動資産
買掛金および未払費用
その他の資産および負債
(252)
91
74
1,749
1,415
1,024
(129)
(104)
413
506
409
(1,952)
(1,716)
(1,388)
(6)
(1,447)
(1,171)
(325)
(263)
営業活動より調達した(に使用した)
資金
1,534
1,241
(95)
(77)
投資活動
企業買収および投資(純額)
(170)
(138)
(38)
(31)
(282)
(228)
投資および事業の売却収入(純額)
276
223
343
278
120
投資活動からの分配額
―
―
―
―
113
91
(335)
(271)
(204)
(165)
(408)
(330)
28
23
23
19
130
105
453
367
(922)
(746)
853
690
163
395
320
(483)
921
745
設備投資
有形固定資産処分収入
97
シグマ・ファンド投資の売却(取得)
代金(純額)
短期投資の売却(取得)代金(純額)
(6)
(5)
201
投資活動より調達した(に使用した)
資金
246
199
216/507
(597)
EDINET提出書類
モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
12月31日に終了した事業年度
2010年
(単位:百万ドル)
百万ドル
2009年
億円
百万ドル
2008年
億円
百万ドル
億円
財務活動
短期借入金返済額(純額)
(5)
債務返済額
(1,011)
普通株式の発行
179
(4)
(86)
(70)
(50)
(818)
(132)
(107)
(225)
116
94
145
145
普通株式の買戻し
―
―
―
金融商品の決済による調達額
―
―
―
―
支払配当金
―
廃止事業からの分配額
383
その他(純額)
財務活動より調達した(に使用した)資金
廃止事業の営業活動より調達した資金
310
(182)
117
(138)
(112)
―
158
128
(114)
(92)
(453)
(367)
703
569
405
(14)
(11)
6
(468)
(379)
493
433
350
724
―
(40)
5
328
8
399
6
(150)
(121)
586
551
446
廃止事業の投資活動に使用した資金
(58)
(47)
(71)
(57)
(201)
(163)
廃止事業の財務活動に使用した資金
(383)
(310)
(703)
(569)
(405)
(328)
8
6
50
40
55
45
―
―
4
3
廃止事業の現金および現金等価物に対す
る為替変動影響額
廃止事業より調達した(に使用した)資
―
金
―
―
―
(134)
(108)
継続事業の現金および現金等価物に対す
27
22
現金および現金等価物の純増(減)
1,339
1,083
(158)
312
現金および現金等価物(期首残高)
2,869
2,321
3,064
2,479
2,752
2,227
現金および現金等価物(期末残高)
$ 4,208
3,405
$ 2,869
2,321
$ 3,064
2,479
る為替変動影響額
(195)
252
キャッシュ・フローの補足情報
12月31日に終了した事業年度
2010年
百万ドル
2009年
億円
百万ドル
2008年
億円
百万ドル
億円
年度内に支払われた現金の額:
利息(純額)
法人税等(還付相殺後)
$
240
194
259
210
後掲の連結財務諸表注記をご参照ください。
217/507
$
320
259
159
129
$
252
204
407
329 EDINET提出書類
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連結財務諸表注記
(注記がない場合、単位は百万ドル)
1 重要な会計方針
連結:連結財務諸表には、当社および当社が支配している子会社の勘定が含まれている。連結会社間の取引および
債権債務はすべて相殺消去されている。 2010年3月31日および2009年12月31日現在、ならびに2010年12月31日、2009年12月31日及び2008年12月31日に終了
した年度の連結財務諸表には、経営者の意見において、記載されている全ての期間におけるモトローラ・ソリュー
ションズ・インク(以下、「当社」又は「モトローラ・ソリューションズ」という。)の連結財政状態、経営成績
およびキャッシュ・フローを適正に表示するために必要な全ての調整(通常の調整および組替)が含まれてい
る。
U.S. GAAPに準拠して作成される財務諸表について、経営者は、財務諸表作成日現在の資産および負債の表示額、
偶発事象に関わる資産および負債の開示、ならびに報告対象期間の収益及び費用の表示額に影響を与える特定の
見積と仮定を行うことを義務付けられている。実際の結果は、これらの見積と相違する可能性がある。
モトローラ・モビリティの分社化
2010年7月1日、2つの独立公開会社への分社化に関連して、米国証券取引委員会(SEC)へ最初のForm 10の届出
書が提出された。2010年8月31日、2010年10月8日、2010年11月12日および2010年11月30日に最初の届出書の修正
版が提出された。2010年12月1日にSECはForm 10を認可した。
2011年1月4日(「配当日」)、モトローラ・モビリティ・ホールディングス・インク(「モトローラ・モビリ
ティ」) の モトローラ・ソリューションズからの分社化が完了した。モトローラ・モビリティは、現在独立公開
会社としてニューヨーク証券取引所で“MMI”の銘柄で取引されている。2011年1月4日、2010年12月21日(「基
準日」)の取引終了時に株主名簿に記載のある株主は、基準日時点で保有するモトローラ・インク普通株式8株
に対してモトローラ・モビリティ普通株式1株を受け取った(「本件配当」)。分社化は、モトローラ・インク、モ
トローラ・モビリティおよびモトローラ・モビリティー・インク間において2010年7月31日から有効となる修正
された分割に関する基本協定に基づいて完了した。すべての連結1株当たり情報は、本件配当の影響を受けない。
配当日後、当社はモトローラ・モビリティ株式を所有せず、当社の財務報告目的においてモトローラ・モビリ
ティの経営成績は連結されない。当該10-Kで表示されている財務情報は、モトローラ・モビリティを含む2010年12
月31日現在の当社の連結財政状態となっている。2011年第1四半期より、モトローラ・モビリティの過去の経営成
績は、廃止事業として当社の連結財務諸表に反映される。
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表示の変更
株式併合および名称変更
2010年11月30日、モトローラ・ソリューションズは、本件配当に関する時期と詳細および1対7の比率での株式
併合に対する承認を公表した。モトローラ・モビリティ株式の配当直後、当社は1対7の株式併合(「本件株式併
合」)を完了し、モトローラ・ソリューションズ・インクへ社名を変更した。すべての連結1株当たり情報は、本
件株式併合の影響を受ける。
ネットワークスの取引
2010年7月19日、当社は、ネットワークス事業の一部の資産および負債をノキア・シーメンス・ネットワークス
B.V.(「NSN」)へ現金12億ドルで売却する合意に至ったと公表した(「本件取引」)。本件取引は、規制当局の承
認を得ることを含め契約条件を満たすことを条件に、2011年第1四半期にまとまる予定である。売却契約の条件に
おいて、150百万ドルの売掛金、iDENインフラ事業および当社のワイヤレス・ネットワーク・インフラ事業に関連
する実質的すべての特許権を含む一部の資産は、本件取引から除外されている。
2010年第3四半期以降、本件取引に含まれるネットワークス事業の一部の事業活動の成果は、廃止事業として報
告されている。過去にネットワークス事業に割り当てられていた一部の全社および一般管理費用は、ネットワーク
ス事業売却後も当社において発生することになる。
当社のiDENインフラ事業やネットワークス事業一般に関連するライセンシング活動の業績もまた、現在、エン
タープライズ・モビリティ・ソリューションズ事業部門の一部として報告されている。過去にネットワークス事
業に割り当てられていた一部の全社および一般管理費用は、エンタープライズ・モビリティ・ソリューションズ
事業部門に割り当てられている。さらに、以前は重要ではないため廃止事業へ組み替えていなかった廃止事業によ
る業績も、エンタープライズ・モビリティ・ソリューション事業部門から廃止事業へ組み替えている。これらの事
業には、(ⅰ)イスラエルを本拠とするワイヤレス・ネットワーク・オペレーター、(ⅱ)バイオメトリクス事業、
(ⅲ)グッド・テクノロジー、が含まれる。NSNへ売却されるネットワークス事業の資産および負債は、関連する取引
成立前に廃止事業として報告されていた資産および負債と同様に、売却目的保有資産および負債として報告され
ている。以前報告されたすべての財務情報は現在の当社の状況に適合するよう、修正されている。
収益の認識:2009年10月、財務会計基準審議会(以下「FASB」という。)は、複数の製品・サービスが提供され
ている取引の収益の認識に関する基準を改定する新しい基準を公表した。新しい基準は、一体で販売された製品・
サービスを個々の会計単位に分離するための要件を変更し、販売価格についてべンダー特有の客観的証拠( 以
下、「VSOE」という。)または第三者証拠(以下、「TPE」という。)がなければ、製品・サービスの見積販売価格
(以下「ESP」という。)を用いて取引の対価を配分するように求めている。新しい基準は、また、取引の対価を配
分する際に、残余法を用いることを削除している。
また、2009年10月、FASBは、製品の本質的機能を実行するためにソフトウェアとソフトウェア以外の両方の構成
要素が一体として機能する有形の製品をソフトウェア取引に関する収益認識基準の適用範囲から除外するための
新しい基準を発表した。
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この新しい基準は、2010年6月16日以降、契約した取引または契約の重要な変更を行った取引について適用され
る。この基準は早期適用のみならず、将来に向かってまたは遡及適用を認めている。当社は、2010年1月2日以降に
おいて契約した取引、または契約の重要な変更を行った取引について、2010年第1四半期から将来に向かって早期
適用することとした。
当社の主要な収入源は、単独機器の販売、特注品の生産販売、デバイス、機器、ソフトウェアおよびサービスに関
する分割販売から一括販売等の幅広い企業活動の結果から生じる。当社は、顧客のニーズにより、複数の製品およ
びサービス提供からなる契約を締結する場合がある。加えて、当社の多くの製品は、製品の本質的機能を果たすた
めにソフトウェアとソフトウェア以外の両方の構成要素が一体として機能するものである。当社は、契約を裏付け
る説得力のある証拠が存在し、製品の引渡しあるいは役務の提供が行われ、販売価格が確定もしくは確定可能であ
り、その販売価格の回収可能性が合理的に確保された場合、収益を認識する。一般的な収益の認識基準に加え、下記
のような特有の収益認識方針がある。
製品および機器 ― 製品および機器の販売に関しては、製品または機器が出荷され、製品または機器に関わるリ
スクが顧客に移転し、顧客の検収条件を満たしたことを示す客観的な証拠が存在し、残存する重要な債務がなく、
割引、価格保護、返品および顧客に対するインセンティブに備える引当金について信頼をもって見積もることが出
来る場合に、当社は一般的に収益を認識する。収益はこれらの引当金計上相当分を減額して計上される。当社は、こ
れらの引当金について、販売された製品の種類、顧客層、契約ごとに特有の取引の種類を考慮し、過去の実績値に基
づき見積りを行っている。顧客に対するインセンティブが信頼性をもって見積もることが出来ない場合、当社は、
製品が流通経路を通じて最終顧客に販売された時点で、収益を認識する。
長期請負契約 ― 当社の機器またはソフトウェアの特注生産を含む長期請負契約に関しては、当社は通常、契約
完了までに要する原価および当該長期契約の進捗度合を合理的に把握できる場合には進行基準で収益を認識す
る。長期請負契約に関連する収益または費用について信頼性をもって見積ることができない場合、またはその他固
有の不確実性を伴う場合、プロジェクトが完了し、顧客の検収が完了した時点で収益を認識する。契約収益合計お
よび契約費用に対する現在の見積りが契約損失を示した場合、当該損失はそれらが明らかになった時点で認識さ
れる。
役務 ― 役務提供に関わる収益認識は通常、サービスの提供に伴い、契約期間にわたって均等に認識される。
ソフトウェアおよびライセンス ― 前払の永久ライセンスからの収益は、他の関連する収益認識基準がすべて満
たされた場合、契約開始時に認識される。非永久ライセンスまたは期限付ライセンスは、ライセンシーがライセン
スを使用する期間にわたり均等に認識される。ソフトウェア保守、技術サポートおよび不特定のアップグレードか
らの収益は通常、これらのサービスが提供される期間にわたり認識される。
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複数要素を伴う契約 ― 顧客との契約は製品、機器、役務およびソフトウェアの組み合わせを含む複数の引渡し
を含む場合がある。これらの複数要素を伴う契約は、また、他の製品、機器、役務およびソフトウェアと結びつけて
長期請負契約とみなされる要素を含む場合がある。当社の複数要素を伴う契約のうち、少なくとも1つの製品・
サービスが、既存のソフトウェアの収益認識基準に従わないものは、次の要件を満たした場合、製品・サービスは
2つ以上の会計単位に分離される。つまり、(ⅰ)引渡した要素が単独でも顧客に対して価値があり、(ⅱ)引渡
していない要素について引渡しが実行される可能性が高く、実質的に当社が支配している場合である。2010年1月
1日より適用した新しい会計基準により、収益は、まずはVSOEが存在する場合はそれに基づき、次にVSOEが存在し
ない場合にはTPEに基づき、最終的にVSOEおよびTPEが存在しない場合にはESPに基づき、各会計単位の販売価格に
より、各会計単位に配分される。
● VSOE―多くの場合、顧客自身でサポートを行うか、期間や素材によりサポートを購入するため、製品は単独
契約により個別に販売される。加えて、一般的コンサルティング、ネットワーク・マネージメント、アドバイ
ザリー・プロジェクト等の高度のサービスは、たいてい単独契約で販売される。また、技術サポートサービ
スは、しばしば年間契約を更新することで別途販売される。当社は、特定の製品またはサービスが単独で販
売された場合、通常の価格および割引慣習に基づきVSOEを決定している。当社は、VSOEの決定にあたり、
実質的に大部分の製品およびサービスの販売価格が、合理的な限られた価格設定幅に収まることを求めて
いる。具体的には、過去の単独契約のおよそ80%の販売価格の平均プラスマイナス15%以内となるようにし
ている。加えて、当社は、製品・サービスが販売される地域、主要な製品およびサービスグループ、顧客の分
類、その他の環境あるいは市場変数を考慮し、VSOEを決定している。
● TPE―VSOEは、一般的に、当社が製品・サービスを単独で販売する場合にのみ存在する。VSOEが存在しない
場合、当社は、単独で販売される際の競合他社の類似製品・サービスの価格に基づきTPEの決定を試みる。
一般的に、多くの製品についての当社の主力市場戦略は、同業社とは異なり、重要なレベルで特注生産およ
び差別化を行っており、比較可能となる競合他社の類似した機能の製品価格は入手できない。さらに、当社
は、競合他社製品の単独契約での販売価格を、信頼性をもって決定できない。したがって、当社は、通常、TPE
を決定できない。
● ESP―ESPの目的は、仮に当社の製品およびサービスが単独で販売されるとした場合の価格を決定すること
である。VSOEとTPEの両者が存在しない場合、当社は、最初に、製品の売上、原価、利益分析や当社の通常の
価格決定慣習に基づくその他のインプットを含む合理的かつ入手可能なデータの収集を行うことにより取
引要素のESPを決定する。次に、当社は、市場と当社特有の要因に基づくデータに合理的に要求される調整
を行う。最後に、会社は、顧客、取引量および販売量に基づき、適切な場合に、データポイントを階層化する。
いったん契約の要素が1つ以上の会計単位に分離されると、収益は上記に記載した収益の性質に応じ
て、会計単位ごとに認識される。
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当社の複数の製品・サービスが提供されている契約は、既存のソフトウェア収益認識基準の適用を受ける単独
のソフトウェアの引渡しを含む場合がある。それらの複数要素を伴う契約に係る収益は、新しい収益基準のヒエラ
ルキーを用いて、契約に含まれるすべての製品・サービスの販売価格に基づき、ソフトウェアとソフトウェア以外
へ配分される。当社がソフトウェアを含む製品・サービスの全ての販売価格についてVSOEまたはTPEを決定出来な
い状況において、ESPは契約対価の配分のために使用される。
当社の複数の製品・サービスが提供されている契約は、全体として、既存のソフトウェアの認識基準が引き続き
適用される製品・サービスである場合がある。それらの契約については、収益は、VSOEに基づき製品・サービスに
配分される。VSOEが存在しない未提供のソフトウェアの要素については、未提供の要素が提供されるか、VSOEが立
証されるかのいずれかが発生するまで、収益は繰延べられる。提供された要素の公正価値が立証されていないが、
未提供の要素の公正価値が存在する場合、当社は、未提供のすべての要素の公正価値が決定可能な場合に限り、残
余法を用いて収益を認識する。残余法では、未提供の要素の公正価値は繰延べられ、契約対価のうち残る部分につ
いて、提供された要素へ配分され、収益として認識される。
2010年12月31日に終了した事業年度において報告された純売上高および2010年1月2日以降に契約した取引ま
たは契約の重要な変更を行った取引について改正前の会計基準を適用した場合のプロフォーマ純売上高は、下記
の表に示されている。(単位:百万)
2010年12月31日に終了した事業年度
純売上高
報告数値
プロフォーマ
$19,282
$15,953
2010年12月31日に終了した事業年度において、収益認識の新しい会計基準により計上された売上と、改正前の基
準により計上されたであろうプロフォーマ金額の差異は、主に、当社のモバイル・デバイス事業でのスマートフォ
ンの販売によるものである。プロフォーマでは、スマートフォンに関連する収益認識を反映している。そのスマー
トフォンは、サービスの要素と見積耐用年数に比例して収益認識される契約ベースモデルによる不特定のソフト
ウェア更新権を含んでおり、当社は、その未提供の要素についてVSOEを決定出来なかったためである。報告数値の
収益は、2010年12月31日に終了した事業年度に履行された契約に基づくスマートフォンの出荷に関連する収益へ
の配分を反映しており、デバイス、サービス、不特定のソフトウェアの更新権に対し、ESPを用いたものである。その
結果、改正前の基準より収益の繰延額を減少させるものとなった。報告数値とプロフォーマのいずれにおいても、
スマートフォンに関連する契約ベースモデルにより認識された収益を含んでおり、そのスマートフォンには、サー
ビスの要素と2009年12月31日に終了した1年間に履行された契約に基づいて出荷された不特定のソフトウェアが
含まれている。
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さらに、プロフォーマを基礎とした収益は複数要素取引の純売上高の減少を反映している。この純売上高には未
提供の特定のソフトウェア製品が含まれるが、当社はそれら製品についてVSOEを有しないため関連する全ての収
益が、特定のソフトウェア製品が提供される、または未提供の特定のソフトウェア製品のVSOEが立証されるまで繰
り延べられる。報告された収益は、ESPに基づく未提供の要素に配分される収益を用いた相対販売価格方式による
複数要素への収益配分額を反映している。また、プロフォーマを基礎とした収益は、複数要素を伴う契約において
提供されるアフターサポートのためにVSOEが存在しない契約に係る純売上高の減少を反映している。この場合、純
売上高は、アフターサポートの期間にわたり比例して認識されている。報告された収益は、ESPに基づくアフターサ
ポートに配分される収益を用いた相対販売価格方式による複数要素への収益配分額を反映している。
最後に、提供された要素ではなく未提供の要素に対してVSOEが存在する場合、複数要素を伴う契約における提供
された製品への収益を配分するための残余法を当社がもはや使用しないことに基づく報告された収益とプロ
フォーマを基礎とした収益との違いがある。この状況は、契約会計の適用範囲外となる追加的に提供することで販
売されるネットワーク/システム・ソリューションにおいて最も一般的に見られる。従来の収益認識の会計基準で
は、当社は、契約における未提供のサービスまたは他の製品のVSOEが決定される時のみ、残余価格を契約会計の適
用が可能なものとみなしていた。
当社の現在の販売戦略に基づき、新しく適用された収益認識の会計基準は、スマートフォンに係る収益認識への
影響を除いては、複数要素を伴う契約の当初適用以降の期間における売上の収益認識の時期および形態に重要な
影響はないと予想される。しかしながら、当社は、この新しい会計基準が、経済活動や関連する会計処理をより良く
調整するための当社の製品とサービス提供の最適化への取り組みを促進することを期待している。これにより、将
来において当社が新しい販売慣行を取り入れることに至るかもしれない。これらのgo-to-market戦略が発展し、当
社は、将来において価格設定方法を修正するかもしれない。それは、VSOEとESPの両方を含む将来の販売価格の変化
につながる可能性がある。その結果、当社の複数要素を伴う契約に係る将来の収益認識は、当期の報告結果と大き
く異なる可能性がある。当社は、現在のところ、go-to-market戦略が発展するに従って、報告されている収益につい
て、新たに採用した収益認識の会計基準が当社に与える影響を判断することができない。
特定の成果物の費用の見積りや公正価値の変動は、当社の業績に悪影響を与える可能性がある。さらに、契約期
間にわたって、業績に重大な影響を与えるかもしれない不測の事態が発生する可能性がある。
売上税および使用税−当社は、売上税、使用税、付加価値税および物品税など収益生成取引に課せられる税金に
ついて、収益から当該税金を控除した後の税抜基準で計上している。
現金等価物:当社は、契約上の満期が3カ月以内のすべての流動性の高い投資を現金等価物とみなしている。2010
年12月31日および2009年12月31日現在、制限条項付預金はそれぞれ226百万ドルおよび206百万ドルであった。
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シグマ・ファンド:当社および当社の完全子会社は、米ドル建ての現金の大部分を、世界中で資金を効率的に管理
し得るファンド(以下「シグマ・ファンド」という。)に投資している。シグマ・ファンドのポートフォリオは、外
部投資運用会社4社により運営されている。シグマ・ファンドの投資指針は、購入した投資が、譲渡性預金、コマー
シャル・ペーパー、国債、社債ならびに資産担保証券およびモーゲージ担保証券を含む品質の高い、投資適格(ス
タンダード・アンド・プアーズ格付でA/A-1以上、またはムーディーズ・インベスター・サービシズでA2/P-1以
上)の米ドル建て負債証券であることを要求している。シグマ・ファンドの投資方針に従い、国債、公共機関およ
び政府系企業の負債証券を除き、シグマ・ファンドのポートフォリオの5%以上はどの発行体の負債証券も含ま
ない。シグマ・ファンドの投資方針は、変動利付商品の購入時における満期は36ヶ月以内で、少なくとも年次で利
率更改を行うものであることも要求している。シグマ・ファンドが保有する投資の平均更改満期は120日以下でな
ければならない。
シグマ・ファンドに対する投資は公正価値で計上されている。当社は、シグマ・ファンドに対する投資の公正価
値を決定する上で、主に評価価格決定モデルおよびブローカーによる指値に依拠している。これらの評価モデル
は、第三者のプライシング・サービスにより策定および維持されており、基準利回り、公表取引値、関係者がいつで
も取引を行える状態にあるブローカー/ディーラーによる相場価格、発行体のスプレッド、ベンチマークとなる証
券、入札価格、提示価格、その他の参照データを含む数多くの標準的な入力値を評価モデルに用いている。また、各
資産クラスについて、識別された市場動向やセクターのニュースに関連する定量化可能なインプットも、標準的な
インプットに加えて考慮される可能性がある。
投資:売却可能と分類された持分証券および負債証券に対する投資は公正価値で計上される。満期保有と分類さ
れた負債証券は償却原価で計上される。1年以上の売却制限付および未公開の持分有価証券は原価で計上される。
当社が発行体に重要な影響を及ぼす投資については、持分法を用いて会計処理される。
当社は投資の公正価値の下落を評価し、それが一時的か否かを判断している。この分析は一般的な市況の変化、
業界および個別の会社に特有の情報、公正価値が原価を下回っている期間および程度、有価証券を発行している会
社の財政状態および短期の業績見込み、ならびに当社の投資を保有する能力および意思を含む入手可能な情報を
すべて考慮して行われる。投資の一時的でない減損額は、減損が発生した年度に、当社の連結損益計算書の営業外
収益(費用)項目の中のその他に計上される。
棚卸資産:棚卸資産は、平均法による原価(先入先出法に基づく原価とほぼ同額)と時価(正味実現可能価額または
再調達原価)のいずれか低い金額で評価される。
有形固定資産:有形固定資産は取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額で表示されている。減価償却は、資
産の見積耐用年数(建物および建物設備:5−40年、機械・設備:2−10年)に基づき、定額法および定率法により
計上され、使用が可能になった時点より開始される。
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のれんおよび無形資産:のれんは償却されず、毎年減損テストが行われている。のれんの減損テストは、報告単位
レベルで実施され、2段階の分析を経る。最初に、各報告単位の公正価値がその簿価と比較される。各報告単位の公
正価値が簿価を下回っている場合、当社は報告単位の公正価値に基づき想定購入価格の分配を行い、報告単位のの
れんの公正価値を決定する。公正価値は、現在価値法と類似事業の市場価格法とを組み合わせて決定される。
無形資産は、通常、1年から13年の見積耐用年数に基づいて定額法で償却が行われている。当社は、耐用年数が確
定できない無形資産は保持していない。
長期性資産の減損:当社が所有し使用している無形資産を含む長期性資産については、事象または状況の変化か
ら資産の帳簿価額の回収が不可能と思われる場合に、減損についての検討が行われている。当社は、当社が所有し
使用する資産(グループ)の帳簿価額を、将来において当該資産(グループ)から生じる割引前キャッシュ・フ
ロー純額と比較することにより、かかる資産の回収可能性を評価している。かかる資産が減損していると判断され
た場合、認識すべき減損額は、割引キャッシュ・フロー分析または類似企業分析により算出される当該資産の公正
価値を当該資産の帳簿価額が上回る金額と同額となる。また、処分予定の長期性資産は帳簿価額または売却コスト
を差し引いた公正価値のいずれか低い方の金額で計上されている。
法人税:繰延税金資産および繰延税金負債は、財務諸表上の資産および負債の計上額とそれらに対応する税務上
の金額との差異、ならびに税務上の繰越欠損金および繰越税額控除に係る将来の税効果額に基づいて認識される。
繰延税金資産および繰延税金負債は、これらの一時差異の実現または解消が見込まれる年度の課税所得に適用さ
れる税率を用いて測定される。税率変更による繰延税金資産および繰延税金負債に係る影響は、税法または税率の
改正された、もしくは税率の変更が承認される年度に認識される。
繰延税金資産については、すべての入手可能な証拠を考慮し、一部の繰延税金資産が実現されない可能性が高い
場合、評価性引当金により減額される。評価性引当金を計上する際は、客観的に検証可能な証拠を重要視している。
当社は繰延税金を四半期毎に見直し、評価性引当金について入手可能な証拠に基づき、再評価が必要か否かを決定
する。繰延税金資産は、将来の課税所得を十分有することによって実現される。これによりもたらされる税務上の
利得は税金または税務上の債務を減額させることである。繰延税金資産の回収可能性に関しては、既存の将来加算
一時差異の戻入れ、一時差異および繰越欠損金の戻入れを除いた将来の課税所得、繰戻しを行った年度の課税所得
および慎重かつ実行可能な税務計画戦略が考慮される。
当社は法人所得税の不確実性に関する当社の評価について、当該タックス・ポジションが持続できる可能性が
持続できない可能性より高い場合に限り、財務諸表上認識している。認識または測定の変更は、変更の判断を行っ
た年度に反映される。当社は未認識の法人所得税軽減額に関連する利息を、当社の連結損益計算書の利息費用に、
罰金を販売費および一般管理費に計上している。
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長期売掛債権:長期売掛債権は、手形のサイトが1年超の売上債権を含んでいる。長期売掛債権は、元本および利
息を含めて、貸付契約の契約条件に従って全額を回収することがもはや確実でないと経営陣が決定した場合に、減
損しているとみなされる。減損している長期売掛債権は、債権の実効利率で割引かれた将来見積キャッシュ・フ
ローの現在価値、または債権に対して担保が付帯している場合には担保の公正価値を用いて評価される。減損して
いる長期売掛債権に関する受取利息と遅延金は、回収時にのみ認識される。以前に減損を認識した長期売掛債権
は、返済方法の再構築等の処置が講じられた後、4四半期連続して正常に返済された場合には、減損しているとみ
なされず、通常債権として再分類される。
外貨換算:米国外の当社の事業の一部は、各国の現地通貨を機能通貨としている。米ドルを機能通貨としていない
事業の資産および負債は、決算日の為替相場を用いて換算し、収益および費用は、期中平均為替相場に近似する
レートを見積もり換算する。換算の結果生じた調整勘定は、当社の連結貸借対照表のその他包括利益(損失)累計
額に含まれている。米ドルを機能通貨としている事業における現地通貨建取引は、貨幣性資産および負債は取引発
生時の為替レートを用いて、非貨幣性資産は取得日レートを用いて米ドルに換算する。貨幣性資産および負債の為
替換算差損益は、当社の連結損益計算書の営業外収益(費用)に含まれる。
デリバティブ:資産や負債のヘッジにより生じるデリバティブ資産負債は時価評価され、その結果は連結損益計
算書の営業外収益(費用)のその他の項目に計上されている。ヘッジ会計として適格で、将来の確定契約または予
定取引をヘッジするための金融商品に関する損益は、ヘッジ対象の取引が認識されるまで繰り延べられる。また、
ヘッジ対象の取引がもはや発生しないと見込まれる場合は直ちに損益として認識される。ヘッジと認められない
金融商品から生じる損益は、直ちに収益または費用として認識される。
1株当たり当期純利益(損失):当社は、すべての発行済株式の加重平均効果を考慮し、基本的1株当たり当期純
利益(損失)を計算する。基本的1株当たり当期純利益(損失)を計算するにあたり、モトローラ・ソリューショ
ンズ・インクに帰属する当期純利益(損失)は各算定期間の加重平均発行済株式数で除される。希薄化後1株当
たり当期純利益(損失)は、基本的1株当たり当期純利益(損失)の計算に用いられた普通株式の加重平均数と
潜在的希薄化効果を有するすべての証券の行使または転換により発行されうる普通株式の加重平均数の合計(た
だし、逆希薄化効果を有する証券は除く)でモトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する当期純利益(損
失)を除することにより計算される。基本的1株当たり当期純利益(損失)および希薄化後1株当たり当期純利
益(損失)は、表示されたすべての年度において継続事業による利益(損失)およびモトローラ・ソリューショ
ンズ・インク帰属する当期純利益(損失)について計算されている。開示されている全ての1株当たり当期純利
益(損失)は、2011年1月4日に行われた本件株式併合の影響を考慮している。
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株式に基づく報酬費用:当社は、従業員にストック・オプション、株式増価受益権、制限付株式および制限付株式
ユニット、ならびに従業員株式購入制度を報酬として与えるインセンティブ・プランを有している。これらの株式
報酬制度に係る報酬費用金額は、付与日の報酬の公正価値に基づいて算定され、権利確定が見込まれる株式の数を
見積もり調整する。ストック・オプション、株式増価受益権および従業員株式購入制度の公正価値は通常、予想ボ
ラティリティ、無リスク利子率、配当利回りおよび見積有効期間に関する仮定を組み込んだブラック−ショールズ
・オプション評価モデルにより決定される。株式報酬制度に係る報酬費用は権利確定期間にわたり定額法により
認識される。
退職給付:当社は、割引率、年金資産の予想運用収益率、報酬上昇率、回転率および医療費趨勢率等の様々な数理計
算上の仮定を含む計算に基づいて年金給付および退職後制度に関連する年間費用を計上している。当社は数理計
算上の仮定を年間ベースで見直し、運用実績および傾向を基準にして仮定を修正している。年金数理上の純利益、
純損失および過去勤務費用および収益は将来の勤務期間にわたり償却される。各制度の拠出状況または年金資産
控除後の予測給付債務は、12月31日現在を測定日として、当社の連結貸借対照表に反映されている。
広告宣伝費:当社の製品のマーケティングのための外部費用である広告宣伝費は、発生した時点で費用計上され
る。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度の広告宣伝費は、それぞれ502百万
ドル、387百万ドルおよび754百万ドルであった。
見積もりの使用:米国で一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して作成される添付の連結財務諸表につい
て、経営陣は、将来の事象に関して見積もりと仮定を行うことを義務づけられている。これらの見積もりおよび基
礎となる仮定は、計上された資産および負債の金額、偶発資産および偶発債務に関する開示、収益および費用の計
上額に影響を与える。このような見積もりには、売掛金および長期売掛債権の評価、棚卸資産、シグマ・ファンド、
投資、のれん、無形資産およびその他の長期資産、法的偶発事象、保証債務、補償、法人税の計算に用いられた仮定、
退職およびその他の退職後給付、割引に対する引当金、価格保護、商品の返品、顧客に対するインセンティブが含ま
れている。これらの見積もりおよび仮定は経営陣の最善の見積もりおよび判断を基準にしている。経営陣は過去の
実績および、現在の状況下で合理的と考える現在の経済的状況を含むその他の要因を考慮して、継続的に見積もり
および仮定を評価している。当社は事実および状況を考慮して、見積もりおよび仮定を調整している。非流動的な
信用市場、変動性の大きな株式、為替、エネルギー市場および個人消費の落ち込みが相互して当該見積もりおよび
仮定に固有の不確実性を増加させている。将来の事象およびその影響を正確に確定することはできないため、実際
の結果はこうした見積もりと相違する可能性がある。経済的状況が絶えず変動したため生じる見積もりの変更は、
将来の事業年度の財務諸表に反映される。
組替え表示:過年度の財務諸表および関連する注記のうち一部の金額については、2010年度の財務諸表にあわせ
て組替え表示されている。
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2 廃止事業
2010年10月2日に終了した3ヶ月間において、当社はネットワーク事業の一部の資産及び負債をノキア・シー
メンス・ネットワークスB.V.(「NSN」)へ売却する合意に至ったと発表した。当該取引における総資産および総負
債は、変更の可能性があるが、2010年12月31日現在の残高に基づくとそれぞれ14億円および11億円である。当該取
引は、規制当局の承認を得ることを含め契約条件を満たすことを条件に、2011年第1四半期にまとまる予定であ
る。
2010年7月3日に終了した3ヶ月間において、当社は、以前はエンタープライズ・モビリティ・ソリューション
ズ事業部門に含まれていた、イスラエルを本拠とするワイヤレス・ネットワーク・オペレーター事業の売却を完
了した。当社は、170百万ドルの現金を受領し、総額で20百万ドルの税引前事業売却益を計上した。これは当社の連
結損益計算書上、廃止事業より生じた利益、税引後に含まれている。 2009年4月4日に終了した3ヶ月間において、当社は、(ⅰ)グッド・テクノロジーおよび(ⅱ)プリントラッ
ク・トレードマークを含むバイオメトリクス事業の売却を完了した。当社は、合計して163百万ドルの現金を受領
し、175百万ドルの税引前事業売却益を計上した。これは当社の連結損益計算書上、廃止事業より生じた利益、税引
後に含まれている。
2010年第3四半期より、NSNとの取引に含まれている一部のネットワークス事業の経営成績は廃止事業として報
告されている。また、当初、当社の連結財務諸表にとって重要でないため廃止事業として組み替えられていなかっ
た、それ以外の前述した廃止事業の経営成績も廃止事業として報告されている。過去に報告されたすべての財務情
報は、今期の表示に合わせて修正されている。
以下の表は2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度中の当社の連結損益計
算書上の廃止事業に関する活動の概略を示している。
2010年
12月31日に終了した事業年度
純売上高
$ 3,541
2009年
2008年
$ 3,917
$ 5,039
333
151
19
190
6
税引前利益
586
500
法人税等(便益)
207
184
23
廃止事業より生じた利益、税引後
379
316
197
営業利益
562 投資および事業売却利益(純額 )
220
ネットワークス事業の資産および負債も、関連する売却取引成立前に廃止事業として報告されていた資産およ
び負債と同様に、売却目的保有資産および負債として該当する期間において開示されている。
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以下の表は2010年12月31日および2009年12月31日現在の売却目的保有資産および負債の概略を示している。
2010年
2009年
$351
$651
棚卸資産(純額)
197
211
その他の流動資産
431
12月31日
資産
売掛金(純額)
有形固定資産(純額)
794
207
336
投資等
8
3
のれん
108
109
その他の資産
119
105
$1,421
$2,209
$339
$442
未払費用
600
1,144
その他の負債
144
107
$1,083
$1,693
負債
買掛金
3 その他の財務データ
損益計算書情報
その他費用
営業利益(損失)に含まれるその他費用の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
$ 258
$ 277
事業分離関連費用
242
42
59
事業再構築費用
100
235
216
(359)
―
―
(29)
―
14
環境引当金費用
―
23
―
資産の減損費用
―
―
1,634
有形固定資産売却益
―
―
$ 212
$ 577
その他費用(収益):
無形資産減価償却費
IP和解引当金調整額
訴訟の解決および関連する保険費用(純額)
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$
294
(48)
$2,169
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2010年度において、当社はある会社と和解しライセンス契約を締結した。そして、それにより両者間における係
属中の訴訟を全て解決した。当該契約には相手先からモトローラ・ソリューションズへの175百万ドルの前払金、
特定の知的財産権に対する相手先からモトローラ・ソリューションズへの将来のロイヤリティおよび両社間にお
ける特定の特許権の譲渡に関する条項が含まれている。当該契約締結及び譲渡された特許権の評価の結果、2010年
12月31日に終了した事業年度において、当社は両当事者間の係属中の訴訟の和解に関して、228百万ドルの税引前
の利益を計上した。当該将来のロイヤリティを受け取る権利は、2011年1月4日の分社化により、モトローラ・モ
ビリティに移転された。
2010年度において、当社はある会社との特定の知的財産権に関する紛争を解決するために、和解契約を締結し
た。和解契約の結果、当社は65百万ドルを現金で受領し、特定の知的財産権の譲渡を受けた。当該契約の結果、2010
年12月31日に終了した事業年度において、当社は当事者間の係属中の訴訟の解決に関して、94百万ドルの税引前の
利益を計上した。
営業外収益(費用)
営業外収益(費用)に含まれる受取利息(純額)およびその他の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
受取利息(純額):
支払利息
$ (220)
$ (211)
89
受取利息
$ (223)
79
261
$ (131)
$ (132)
$
38
$
$
$ (365)
その他:
投資の減損
(28)
(77)
当社の未払長期借入債務の償却から生じた利益(損失)
(12)
67
為替差損
(17)
(30)
(136)
シグマ・ファンド投資に係る利益(損失)
11
80
(101)
シグマ・ファンド投資に係る減損損失
―
―
(186)
米国年金制度の凍結による削減利益
―
―
237
負債の償却に伴う利益
―
―
56
金利スワップに係る利益
―
―
24
その他
17
7
32
$
230/507
(29)
$
47
14
$ (425)
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1株当たり当期純利益(損失)
継続事業およびモトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する廃止事業を含む当期純利益(損失)からの
基本的および希薄化後1株当たり利益(損失)の計算は以下のとおりである。
モトローラ・ソリューションズ・
インクに帰属する当期純利益(損
失)
継続事業
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
2010年
2009年
2008年
基本的普通株式1株当たり当期純利益(損
失):
利益(損失)
$
$
333.3
普通株式の加重平均発行済株式数
1株当たり金額
254
$
0.76
$
254
(367) $ (4,441)
327.9
$
323.6
633
$
333.3
$ (1.12) $ (13.72)
$
1.90
$
$
633
(51) $ (4,244)
327.9
323.6
$ (0.16) $ (13.11)
希薄化後普通株式1株当たり当期純利益(損
失):
利益(損失)
普通株式の加重平均発行済株式数
希薄化効果のある証券の影響考慮後:
株式報酬およびその他
希薄化後普通株式の加重平均発行済株式数
1株当たり金額
$
(51) $ (4,244)
333.3
327.9
323.6
333.3
327.9
323.6
4.8
―
―
4.8
―
―
327.9
323.6
338.1
$
(367) $ (4,441)
0.75
327.9
323.6
$ (1.12) $ (13.72)
338.1
$
1.87
$ (0.16) $ (13.11)
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
2010年12月31日に終了した事業年度において、権利行使されたと想定されるストック・オプション14.6百万株
および権利確定と想定される0.7百万株の制限付き株式は、これらを含めると逆希薄化となるため、継続事業およ
び当期純利益ベースの希薄化後普通株式1株当たり利益の計算において除外されている。2009年12月31日、2008年
12月31日に終了した事業年度において、当社は当期純損失を計上したことにより、権利行使されたと想定されるス
トック・オプションそれぞれ27.5百万株、33.2百万株は、これらを含めると逆希薄化となるため、希薄化後普通株
式の加重平均発行済株数の計算において除外されている。2009年12月31日、2008年12月31日に終了した事業年度に
おいて、当社は当期純損失を計上したことにより、権利確定されたと想定される制限付き株式/ユニットそれぞれ
8.8百万株、3.7百万株は、これらを含めると逆希薄化となるため、希薄化後普通株式の加重平均発行済株数の計算
において除外されている。
2011年1月4日における分社化の完了により、モトローラ・モビリティの従業員により保有されていたストッ
ク・オプション8.0百万株および権利未確定の制限付き株式/ユニット3.8百万株はキャンセルの対象となった。
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貸借対照表情報
シグマ・ファンド
シグマ・ファンドの内訳は以下のとおりである。
2010年12月31日現在
公正価値
現金
流動
2009年12月31日現在
非流動
流動
$ 2,355
$ ―
2,291
社債
$
非流動
202
$ ―
―
4,408
―
―
58
367
63
資産担保証券
―
1
66
―
モーゲージ担保証券
―
11
49
3
$ 4,646
$ 70
$ 5,092
有価証券:
米国国債および公共機関債
$ 66
2010 年12月31日、2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は連結損益計算書上、営業外収益(費用)にそ
れぞれ11百万ドル、80百万ドルのシグマ・ファンド投資に関連する利益を計上した。2008年12月31日に終了した事
業年度中に、当社は連結損益計算書上に287百万ドルの一時的な未実現損失および減損損失を含むシグマ・ファン
ド投資に関連する費用および損失の合計額を計上した。
2008年第4四半期中に、当社はシグマ・ファンド投資の公正価値の変動の会計処理を変更した。2008年第4四半
期より前は、当社は一時的とみなされる下落および永久的とみなされる下落を区別した。当社は契約条件に従って
負担した有価証券の金額を回収できない可能性がある場合、その有価証券が減損しているとみなし、公正価値の永
久的な下落を損益に計上した。2008年度に、当社は連結損益計算書上にシグマ・ファンド投資の永久的な減損とし
て186百万ドルを計上した。2008年第4四半期から、当社はシグマ・ファンド投資の公正価値の変動はすべて連結
損益計算書上に計上している。シグマ・ファンドは、個別財務諸表において「投資会社」会計実務を用い、潜在的
投資の公正価値の変動は、そのような変動が一時的または永久的とみなされるかに係らずすべて損益に計上され
る。当社は個別財務諸表上のシグマ・ファンドの基礎的な会計実務が当社の連結財務諸表において維持されるべ
きであると決定した。したがって、当社は2008年第4四半期連結損益計算書上のシグマ・ファンド投資に対する投
資損失に101百万ドルの累積損失を計上した。当社は2008年第4四半期より前の期間に発生した金額の影響はそれ
ら過年度の連結損益計算書において重要ではないと判断した。
巨額な一時的な未実現損失および12ヶ月超の満期を有する有価証券ならびに債務不履行となった有価証券は当
社の連結貸借対照表において非流動項目に分類されている。2010年12月31日現在、シグマ・ファンド投資の70百万
ドルは非流動項目に分類され、その加重平均満期(債務不履行となった有価証券を除く)は164ヶ月であった。
2009年12月31日現在、シグマ・ファンド投資の66百万ドルは非流動項目に分類された。
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投資等
投資等の内訳は以下のとおりである。
計上額
2010年12月31日
短期投資
譲渡性預金
$ 7
控除
投資
$
―
未実現
利益
未実現
損失
$
$
―
取得原価
―
$
7
売却可能有価証券:
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
17
―
―
17
2
11
―
―
13
モーゲージ担保証券
―
3
―
―
3
普通株式および同等物
―
34
18
―
16
9
65
18
―
56
その他有価証券、取得原価
―
202
―
―
202
持分法投資
―
43
―
―
43
$ 9
$ 310
社債
$
18
計上額
2009年12月31日
$
―
$
301
控除
短期投資
投資
$
$
未実現
利益
未実現
損失
取得原価
売却可能有価証券:
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
社債
23
$
1
$
―
$
22
2
10
―
―
12
モーゲージ担保証券
―
3
―
―
3
普通株式および同等物
―
147
111
(1)
37
2
183
112
(1)
74
その他有価証券、取得原価
―
220
―
―
220
持分法投資
―
53
―
―
53
2
$ 456
$ 112
$
$
(1)
$ 347
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、当社は投資の減損損失
を、それぞれ28百万ドル、77百万ドルおよび365百万ドル計上している。これらの減損損失は、当社の売却可能投資
ポートフォリオの価値の下落が一時的ではない場合に計上される。投資の減損損失は、当社の連結損益計算書にお
いて営業外収益(費用)の項目のその他に含まれている。
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投資および事業の売却益の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
投資売却益(純額)
$ 48
$ 91
$ 76
事業売却損(純額)
―
$ 48
(17)
―
$ 74
$ 76
2010年12月31日に終了した事業年度中における、48百万ドルの売却益(純額)は、主として当社の株式投資の多
数の売却に関連したものであり、このうち31百万ドルが、単一の投資に関するものである。2009年12月31日に終了
した事業年度中における、74百万ドルの売却益(純額)は、主として当社の特定の株式投資の売却に関連したもの
であり、このうち32百万ドルが、単一の投資に関するものである。これらの利益は特定の事業売却による純損失と
一部相殺されている。2008年12月31日に終了した事業年度中における、76百万ドルの売却益(純額)は、主として
当社の株式投資の多数の売却に関連したものであり、このうち29百万ドルが、単一の投資に関するものであった。
売掛金(純額)
売掛金(純額)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
売掛金
2010年
2009年
$ 3,366
$ 2,920
(98)
控除:貸倒引当金
(75)
$ 3,268
$ 2,845
2010年
2009年
棚卸資産(純額)
棚卸資産(純額)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
仕掛品および原材料
$ 1,016
製品
883
1,909
1,770
$ 1,364
234/507
887
893
(545)
控除:棚卸資産引当金
$
(673)
$ 1,097
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有価証券報告書
その他の流動資産
その他の流動資産の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
契約関連繰延費用
$
323
2009年
$
287
請求額超過費用(収益)
293
258
請負業者債権
271
329
付加価値税還付債権
100
94
その他
355
421
$ 1,342
$ 1,389
2010年
2009年
有形固定資産(純額)
有形固定資産(純額)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
土地
$
116
$
115
建物
1,520
1,479
機械および設備
3,759
3,496
5,395
5,090
(3,666)
(3,271)
控除:減価償却累計額
$ 1,729
$ 1,819
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度における減価償却費は、それぞれ
312百万ドル、367百万ドルおよび392百万ドルである。
その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
無形資産(1,561百万ドルおよび1,312百万ドルの減価償却累計額控除後)
$
$
451
591
長期債権(3百万ドルおよび9百万ドルの引当金控除後)
262
117
ロイヤリティ・ライセンス契約
228
255
契約関連繰延費用
181
286
63
127
243
304
$1,428
$1,680
付加価値税還付債権
その他
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未払費用
未払費用の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
繰延収益
$ 1,071
2009年
$
836
給与等
804
542
顧客契約保証引当金
373
321
未払税金
293
246
製品保証関係債務引当金
249
209
費用(収益)超過請求額
226
253
請負業者債務
194
235
顧客頭金
106
159
1,388
1,340
$ 4,704
$ 4,141
2010年
2009年
$ 2,183
$ 2,450
繰延収益
496
601
退職後医療給付
277
287
76
196
510
453
$ 3,542
$ 3,987
その他
その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
確定給付債務(従業員生命保険契約を含む)
未認識所得税軽減額
その他
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資本勘定計算書情報
株式買い戻しプログラム:2010年12月31日、2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は普通株式を買い戻
さなかった。2008年12月31日に終了した事業年度中に、当社は総費用138百万ドル、1株当たり平均価格107.24ドル
で、普通株式1.3百万株を買い戻し、そのすべての株式が2008年3月29日に終了した3ヶ月間に買い戻された。当該
数値は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
当該普通株式の買い戻しは、一定期間において合計75億ドルまでの発行済普通株式を買い戻す権限として、取締
役会において承認されたプログラムに基づいて実施された。この権限は、2009年6月に失効し更新されなかった。
当社は、2008年第1四半期以来、株式の買い戻しを行っていない。買い戻された株式はすべて消却されている。
配当金支払:当社は、2010年12月31日に終了した事業年度において普通株式保有者に対して現金配当を実施し
なかった。2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は普通株式保有者に現金配当金114百万ドルを支払った。
すべては、2008年11月に宣言された配当金支払に関連するものであり、2009年第1四半期中に支払われた。当社は、
2009年2月、取締役会が当社の普通株式の四半期配当の一時中止を公表した。
2010年12月に終了した事業年度において、当社は少数株主に対して子会社の普通株式に関連した配当金23百万
ドルを支払った。
額面変更:2009年5月4日に、当社の株主は、1株当たり3ドルから0.01ドルへのモトローラ・ソリューション
普通株式の額面金額の変更を承認した。その変更は、当社の株主資本の合計金額に影響を与えなかったが、普通株
式と資本剰余金との間で69億ドルの組み替えが生じた。
モトローラ・モビリティの分社化:2011年1月4日に、モトローラ・ソリューションズからのモトローラ・モ
ビリティの分社化が完了した。2011年1月4日に、基準日である2010年12月21日の営業終了時点に当社の株主名簿
に記載のある株主は、モトローラ・インク株式8株につき、モトローラ・モビリティ株式1株を取得した。当該分
社化は、モトローラ・インク、モトローラ・モビリティ・ホールディングス及びモトローラ・モビリティの間で
2010年7月31日に効力が発生した、修正された分割に関する基本協定に従い、完了した。
株式併合:2010年11月30日に、当社は分社化に関する時期と詳細、および1対7の比率での株式併合に対する承
認を公表した。モトローラ・モビリティ普通株式の本件配当実施直後に、当社は1対7での株式併合を完了した。
表示されている全ての連結1株当たり情報は、本件株式併合の影響を考慮している。
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4 借入債務および信用枠
長期借入債務
12月31日現在
2010年
2010年満期の利率7.625%の債券
$
―
2009年
$
527
2011年満期の利率8.0%の債券
600
600
2012年満期の利率5.375%の優先債券
400
400
2017年満期の利率6.0%の優先債券
399
399
2025年満期の利率6.5%の社債
313
377
2025年満期の利率7.5%の社債
346
346
2028年満期の利率6.5%の社債
209
283
2037年満期の利率6.625%の優先債券
224
444
89
196
149
214
2,729
3,786
70
110
(605)
(531)
2097年満期の利率5.22%の社債
その他の長期借入債務
主に金利スワップの解約に関連した未償却利益の調整
控除:1年以内返済予定のもの
長期借入債務
$ 2,194
$ 3,365
12月31日現在
2010年
2009年
銀行借入
$
その他の短期借入債務
―
$
605
加算:1年以内返済予定の長期借入債務
短期借入債務および1年以内返済予定の長期借入債務
$
年度中の短期借入債務の加重平均金利
605
3.1%
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5
531
$
536
3.1%
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2010年11月、当社は2010年11月15日満期の利率7.625%の債券に関する未払元本総額527百万ドルを満期により
すべて償還した。2010 年12月31日に終了した事業年度において、買付価額総額477百万ドルで、未払利息約5百万
ドルを除く未払長期借入債務約500百万ドルの買い戻しを行った。すべて2010年7月3日に終了した3ヶ月間に発
生した。買付けられた500百万ドルの長期借入債務には、(ⅰ)2025年満期の利率6.50%の社債(以下「2025年社
債」という。)の当時の未払元本379百万ドルのうち65百万ドル、(ⅱ)2028年満期の利率6.50%の社債(以下
「2028年社債」という。)の当時の未払元本286百万ドルのうち75百万ドル、(ⅲ)2037年満期の利率6.625%の優
先債券(以下「2037年優先債券」という。)の当時の未払元本446百万ドルのうち222百万ドル、および(ⅳ)2097
年満期の利率5.22%の当時の社債252百万ドルのうち138百万ドルの元本金額の買い戻しが含まれていた。社債発
行費用および社債発行差金に対し加速償却を行った結果、当社はこれらの債務買い戻しに関連する約12百万ドル
の損失を連結損益計算書上の営業外収益(費用)の項目のその他に認識した。
2009年12月31日に終了した事業年度において、買付価額総額133百万ドルで、未払利息4百万ドルを含む199百万
ドルの未払長期借入債務の買い戻しを行った。すべて2009年4月4日に終了した3ヶ月間に発生した。買付けられ
た199百万ドルの長期借入債務には、(ⅰ)2025年満期の利率7.50%の社債の未払元本358百万ドルのうち11百万
ドル、(ⅱ)2025年社債の未払元本399百万ドルのうち20百万ドル、(ⅲ)2028年社債の未払元本299百万ドルのう
ち14百万ドル、および(ⅳ)2037年優先債券600百万ドルのうち154百万ドルの元本金額の買い戻しが含まれてい
た。当社はこれらの公開市場買付に関連する67百万ドルの利益を連結損益計算書上の営業外収益(費用)の項目
のその他に認識した。
今後5年間の長期借入債務の返済総額は、2011年度が605百万ドル、2012年度が405百万ドル、2013年度が5百万
ドル、2014年度が4百万ドルおよび2015年度が4百万ドルである。
信用供与契約
当社は2011年12月に満期となる予定の国内のシンジケートリボルビング信用供与契約(随時改正された「信用
供与契約」)を保持していた。信用枠は、(1)15億ドル、または(2)適格な国内の売掛金および棚卸資産に基
づいて決定した金額の、いずれか小さいほうであった。当社が信用枠に基づき借入を決めた場合、その時のみ国内
の売掛金および当社の選択に応じて棚卸資産を担保として差し入れることが要求される。信用枠における残りの
利用可能額が225百万ドル以下でない限り、信用供与契約は財務制限条項を満たすことを当社に要求しない。2010
年12月31日現在および2010年12月31日に終了した事業年度において、この信用枠における借入はなかった。
2010年12月31日現在、当信用枠の1日当たりの平均未使用額に対し課されるコミットメント・フィーは75ベー
シスポイントであった。
2011年1月4日において、当社は当該信用供与契約を解約し、新たに2014年6月30日に失効となる予定の15億ド
ルの無担保シンジケートリボルビング信用供与契約(以下、2011モトローラ・ソリューションズ信用契約とい
う。)を締結した。2011 モトローラ・ソリューションズ信用契約は、貸し手を追加することまたは既存の貸し手の
コミットメントを増加させることにより、信用枠総額を最大20億ドルまで増加させることができる条項を含んで
いる。当社は、2011 モトローラ・ソリューションズ信用契約において定義された最大レバレッジ及び最小インタ
レスト・カバレッジ・レシオを維持することを含む、特定の慣習的な契約条項を遵守しなければならない。当社は
この2011モトローラ・ソリューションズ信用契約における借入はない。
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5 リスク管理
金融派生商品(デリバティブ)
外国為替リスク
当社はキャッシュ・フローへの為替変動による影響を軽減するために金融商品を利用している。当社の方針で
は、為替差益のみを追求する投機目的でこうした金融商品を利用することを禁止している。また、ヘッジの対象と
なる取引なしで通貨取引を行うこともない。さらに、対象となるリスク・エクスポージャー額を故意に増加させて
為替取引を行うこともない。ヘッジ関係の一部と指定される金融商品はヘッジの対象となるエクスポージャーに
関連するリスクを軽減させるのに効果的でなければならず、また、当該契約の締結時において、ヘッジ関係の一部
と指定されていなければならない。したがって、ヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジ契約の締結時とその期間
中いずれにおいても、ヘッジ対象の公正価値の変動との間で高い関連性を有するものでなければならない。
外国為替変動リスクの管理に関する当社の戦略は、各事業部門のリスク評価に基づいて、金融商品に関する損益
と対象となる営業活動のキャッシュ・フローまたは投資に関する損益とを相殺することである。当社は、当社の機
能通貨以外の通貨建ての債権および債務のうち、主に市場で取引されている主要通貨建てのものに関してデリバ
ティブ契約を締結している。当社はこれらの為替変動リスクをヘッジするために主として、為替予約やオプション
を利用している。さらに当社は、ヘッジ関係の一部として指定されている予定取引のうち、デリバティブ商品およ
びヘッジ活動に関する会計基準の規定に基づくヘッジ会計の適用が認められると判断されたものに関してデリバ
ティブ契約を締結している。当社には、市場性のない通貨に対するリスクも一部あり、当該リスクについては、純資
産ポジションの管理および製品価格の設定や部品調達先の選定などの方法を通じて、可能な範囲内で対応してい
る。
2010年12月31日現在、当社は為替予約を2009年12月31日現在の17億ドルに対して、合計15億ドル締結している。
経営陣は、一般にこれらの契約に係る損益と対象資産、負債および取引による損益とが相殺されるため、当社の連
結損益計算書上の営業外収益(費用)のその他に計上されている金融商品の非有効部分を除いて、これら金融商品
により当社が為替変動によるリスクにさらされることはないと考えている。
2010年12月31日現在の外国為替売買ポジションの想定元本(純額)の上位5通貨、およびそれに対応する2009
年12月31日現在のポジション(純額)は、以下の表のとおりである。
想定元本
2010年12月31日 2009年12月31日
現在
現在
通貨別買(売)ポジション(純額)
ブラジルレアル
$ (429)
$ (342)
中国元
(409)
(297)
ユーロ
(249)
(377)
64
16
185
143
マレーシアリンギット
英国ポンド
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キャッシュ・フロー・ヘッジポジションに係る公正価値の変動における非有効部分として、2009年12月31日お
よび2008年12月31日に終了した事業年度がそれぞれ僅少な収益および2百万ドルの費用を計上したのに対し、
2010年12月31日に終了した事業年度においては、1百万ドルの収益を計上した。これらの金額は、当社の連結損益
計算書上の営業外収益(費用)のその他に計上されている。上記の金額には、スポット価格と先渡価格間の差額の変
動に関連するデリバティブ契約の公正価値の変動部分が含まれている。これらの金額は、ヘッジの有効性を測定す
る際に除外される。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において中止され
たキャッシュ・フロー・ヘッジに関連する費用(収益)は上記金額に含まれる。
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、税引前金額での収益(費
用)が、それぞれ(6)百万ドル、(18)百万ドルおよび3百万ドルが資本から当社連結損益計算書の損益に組替表示
された。
2010年12月31日現在、予定取引をヘッジするデリバティブ契約の最長期間は12ヵ月である。当社の予定取引を
ヘッジするデリバティブ契約の加重平均期間は6ヶ月である。
金利リスク
2010年12月31日現在、当社は28億ドルの長期借入債務(1年以内返済予定の長期借入債務を含む)を有しており、
これらは主として長期固定金利で値付けされている。
当社は従来、負債管理プログラムの一環として、当社の欧州子会社の1社が、ユーロ建て貸付に関連する金利契
約(以下「金利契約」という。)残高を保有している。ユーロ建貸付の金利は変動金利である。金利契約により、利
払い方法が変動金利支払から最高固定金利支払に切り換えられた。金利契約はヘッジ関係の一部として会計処理
されないため、金利契約の公正価値の変動は当社の連結損益計算書上の営業外収益(費用)に計上される。当該金
利契約における加重平均固定金利の利率は5.18%であった。2010年12月31日および2009年12月31日現在、金利契約
の公正価値は負債ポジションで、それぞれ3百万ドル、4百万ドルであった。
契約相手リスク
金融派生商品の利用は、契約相手による契約不履行の場合に、当社を契約相手信用リスクに晒す。しかしなが
ら、デリバティブが資産ポジションにある場合、当社のリスクは、商品の公正価値に限定される。当社は信用リスク
に対するエクスポージャーを積極的に監視している。現在、すべての契約相手は、投資適格の信用格付けを有して
いる。当社は、単独の契約相手による重要な信用リスクにさらされていない。2010年12月31日現在、当社は、すべて
の契約相手で総額1百万ドルの信用リスクにさらされていた。
以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日現在、売却目的で保有する事業に関連する僅少な残高を含
めて、すべての金融派生商品の公正価値および連結貸借対照表上の区分を要約したものである。
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金融派生商品の公正価値
資産
負債
貸借対照表上
2010年12月31日現在
公正価値
貸借対照表上
公正価値
の区分
の区分
ヘッジ手段として指定された
デリバティブ:
外国為替契約
$ 1
その他の資産
$ ―
その他の負債
4
その他の資産
15
その他の負債
―
その他の資産
3
その他の負債
ヘッジ手段として指定されない
デリバティブ:
外国為替契約
金利契約
ヘッジ手段として指定されない
4
18
$ 5
$ 18
デリバティブ合計
デリバティブ合計
金融派生商品の公正価値
資産
公正価値
負債
貸借対照表上
2009年12月31日現在
公正価値
貸借対照表上
の区分
の区分
ヘッジ手段として指定された
デリバティブ:
外国為替契約
$
5
その他の資産
$
1
その他の負債
外国為替契約
10
その他の資産
16
その他の負債
金利契約
―
その他の資産
4
その他の負債
ヘッジ手段として指定されない
10
20
$ 15
$ 21
ヘッジ手段として指定されない
デリバティブ:
デリバティブ合計
デリバティブ合計
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以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度における、廃止事業に関連する僅少な
残高を含む、連結損益計算書上の金融派生商品の影響を要約したものである。
2010年12月31日
2009年12月31日
現在
現在
金融派生商品に係る利益(損失)
損益計算書上の区分
ヘッジ手段として指定されない
デリバティブ:
金利契約
(16)
(16)
営業外収益(費用)
外国為替契約
(33)
(166)
営業外収益(費用)
ヘッジ手段として指定されない
$(49)
デリバティブ合計
$ (182)
以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度における、廃止事業に関連する僅少な
残高を含む、連結財務諸表上に認識された損益を要約したものである。
外国為替契約
2010年12月31日
2009年12月31日
現在
現在
財務諸表上の区分
キャッシュ・フロー・ヘッジ関係に
あるデリバティブ:
その他包括損失累計額に認識された
$
(9)
$ ―
その他包括損失累計額
(6)
(18)
売上原価/売上高
損失(有効部分)
その他包括損失累計額から当期純利
益(損失)に組み替えられた損失
(有効部分)
デリバティブに係る当期純利益(損
1
―
営業外収益(費用)
失)に認識された利益(損失)(非
有効部分および有効性のテストから
除外された金額)
資本の部
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度における、連結資本勘定計算書のそ
の他包括利益(損失)累計額に含まれているデリバティブ商品の変動(税引後)は以下のとおりである。
2010年
1月1日現在残高
$
2009年
2008年
2
$ (7)
公正価値の増加(減少)
3
21
(9)
損益への組替え、税引後
(5)
(12)
2
12月31日現在残高
$ ―
次へ
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$
2
$ ―
$ (7)
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6 法人税等
継続事業から生じる税引前利益(損失)の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
米国
$ 265
$(859)
412
米国外
合計
2009年
356
$ 677
$(503)
2008年
$(3,743)
890
$(2,853)
法人税等(便益)の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
米国
$
米国外
州法人税(米国)
7
2009年
$(314)
160
105
74
6
2008年
$ (618)
490
(5)
当期税金
241
(203)
米国
286
18
1,751
6
79
27
(127)
(53)
(61)
165
44
米国外
州法人税(米国)
繰延税金費用
法人税等(便益)合計
$ 406
$(159)
(133)
1,717
$1,584
当社の連結貸借対照表に計上されている繰延税金費用のうちその他の包括損失累計額に計上されるものは主と
して、退職給付調整、為替換算調整、デリバティブ商品に係る正味利益(損失)および売却可能有価証券の公正価
値調整により生じたものである。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度にお
ける調整額は、それぞれ41百万ドル、(26)百万ドルおよび(738)百万ドルであった。
当社は、永久的な再投資の主張について各報告期間毎の海外所得に基づいて評価し、海外子会社の資本需要また
は現地国の規制のために永久に再投資する予定である特定の所得を除き、所得に係る米国連邦所得税を計上して
いる。当社が恒久的に再投資を意図していることにより、米国連邦法人税が課されない未分配利益は、2010年12月
31日、2009年12月31日および2008年12月31日にそれぞれ合計で、13億ドル、24億ドルおよび29億ドルであった。この
未分配利益のうち、恒久的に再投資されない部分が仮に分配されたとしても、未分配利益に係る米国連邦法人税に
対する引当金および外国税額控除の使用により、米国における追加納付額は実質的に発生しないと考えている。当
社は、未分配の海外所得に関連して2010年に298百万ドルの繰延税金費用を計上したが、当該費用には、もはや永久
に再投資されると考えられないと結論付けた特定の過年度の海外所得および特定の海外子会社の減資に関する税
金費用が含まれている。当該減資は、海外子会社への投資を再編成する計画の一環として行われたものであり、特
定の政府機関による承認待ちとなっている。
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2010年第1四半期、2010年医療・教育修正法および患者保護・医療費負担適正化法の署名がなされ法が成立さ
れたことにより、2013年開始の課税年度より、メディケア・パートD補助金受領についての優遇措置が廃止される。
この税法改正により、当社は、2012年以降に受領すると現在見積もっているメディケア・パートD補助金に関連す
る繰延税金資産を減額するため、18百万ドルの非現金税金費用を計上している。
米国連邦税の法定税率35%で計算した法人税額(便益)と連結損益計算書に計上した法人税等(便 益)との
差異の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
法定税率に基づく法人税額(便益)
$ 237
米国外所得に対する法人税額
2009年
$ (176)
2008年
$ (1,000)
11
11
144
州法人税額(米国)
(34)
(30)
(43)
評価性引当金
(18)
(28)
のれんの減損
―
―
555
未分配の米国外所得に対する法人税額
298
86
17
その他引当金
(104)
(25)
(422)
研究開発控除
(16)
(16)
(9)
損金に算入されない取引費用
30
13
―
税法改正
18
―
―
5
11
―
(20)
(7)
―
(1)
2
その他損金に算入されない費用
内国歳入法第199条に基づく税控除額
その他
$ 406
$ (159)
2,321
21
$ 1,584
繰延税金資産総額は、2010年12月31日現在および2009年12月31日現在で、それぞれ82億ドルおよび89億ドルで
あった。評価性引当金控除後の繰延税金資産は、2010年12月31日および2009年12月31日で、それぞれ54億ドルおよ
び60億ドルであった。繰延税金負債総額は、2010年12月31日および2009年12月31日現在で、それぞれ25億ドルおよ
び27億ドルであった。
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重要な繰延税金資産(負債)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
棚卸資産
$
$
未払債務および引当金
283
312
380
358
従業員報酬
1,271
1,388
資産化項目
1,563
551
投資に関する税務上の差異
76
90
固定資産の減価償却費に関する税務上の差異
67
29
(499)
(235)
米国外所得の未分配利益
繰越欠損金
2,014
3,240
売却可能有価証券
―
(41)
事業再編成費用
36
53
製品および顧客契約保証引当金
211
210
繰延収益および費用
298
199
評価性引当金
(2,777)
繰延費用
その他
(2,907)
37
51
(83)
35
$2,877
$3,333
当社は、資産および負債の帳簿計上額とそれらに対応する税務上の金額との一時差異の影響を、適用税率を用い
て繰延税金資産および負債に計上することによって法人税等を会計処理している。当社は、特定の繰延税金資産お
よび負債の算出に関して見積りおよび判断を行っている。すべての入手可能な証拠を考慮したうえで繰延税金資
産の一部が実現されない可能性が高い場合、繰延税金資産を評価性引当金分減じる。また、客観的に検証可能な証
拠が重要視される。
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当社は四半期ごとに繰延税金を評価し、過去の課税所得および予測課税所得ならびに慎重かつ実現可能な税務
計画戦略を含む入手可能な証拠を考慮することにより評価性引当金が必要かどうかを判断している。2010年12月
31日現在、当社の米国事業において、モバイル・デバイス部門の業績に起因する税引前損失が3年連続で発生して
いる。当社は、モバイル・デバイス部門における損失から、過去の否定的な証拠の重みにより、繰延税金資産の回収
可能性の分析においてモバイル・デバイス事業から収益を得る見込みを考慮することはできないと考えている。
一方で、その他の事業における利益の持続から、過去の肯定的な証拠の重みにより、その他の事業から見込まれる
収益を繰延税金資産の回収可能性の分析に含めることができると、当社は考える。分析では慎重かつ合理的に実行
可能な税務計画戦略も考慮している。2008年において、当社は、期限切れの可能性の高い米国法人税法上の繰越欠
損金の一部に対して21億ドルの評価性引当金を計上した。2009年において、当社は、米国の評価性引当金を90百万
ドル増加させた。これは、主に廃止事業の一部として会計処理している子会社処分により実現する資本損失の増加
と払い戻し可能な事業税額控除に係る評価性引当金の減少とが相殺された結果である。2010年において、使用が見
込まれる特定の州法人税法上の繰越欠損金に関連して、米国の評価性引当金は39百万ドル減少した。
2010年12月31日および2009年12月31日現在、当社は繰延税金資産に対して、評価性引当金をそれぞれ28億ドルお
よび29億ドル計上しているが、このうち米国外の子会社の繰延税金資産に関連するのは、それぞれ331百万ドルお
よび422百万ドルである。米国外の子会社に関する当社の評価性引当金は、2010年において純額で91百万ドル減少
した。減少は主に、為替レート差異によるものと当期の活動に基づく評価性引当金残高への調整によるものであ
る。米国の評価性引当金は、主に、外国税額控除、事業税額控除、使用時に制限が付される取得事業から引き継いだ
税務上の繰越欠損金、州法人税法上の繰越欠損金、および特定の投資に関する将来資本損失計上額に関連したもの
である。残りの繰延税金資産については、将来の課税所得見積額および税務計画戦略の実行を前提に、実現される
可能性が高いと当社は考えている。
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税務上の繰越欠損金に関する詳細は、下表のとおりである。
2010年12月31日現在
繰越欠損金
総額
税効果
有効期間
米国:
米国税法上の欠損金
$ 774
$
271
2018-2027
外国税額控除
n/a
863
2017-2019
事業税額控除
n/a
326
2017-2030
最低税額控除
n/a
109
無制限
1,733
52
2011-2030
n/a
21
2011-2025
ブラジルの税法上の欠損金
231
78
無制限
中国の税務上の欠損金
208
52
2012-2015
日本の税務上の欠損金
79
32
2015-2017
英国の税法上の欠損金
77
21
無制限
ドイツの税法上の欠損金
252
72
無制限
シンガポールの税法上の欠損金
101
17
無制限
その他子会社の税法上の欠損金
71
16
様々
スペインの税額控除
n/a
29
2018-2022
その他子会社の税額控除
n/a
55
様々
州法人税法上の欠損金
州法人税控除額
米国外の子会社:
$2,014
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2010年12月31日および2009年12月31日において、当社にはそれぞれ234百万ドルおよび466百万ドルの未認識の
税金軽減額があった。このうち、それが実現した場合には、評価性引当金の変動による純額でそれぞれ約20百万ド
ルおよび100百万ドルが、実効税率に影響を及ぼすことになる。
廃止事業帰属分を含む未認識の法人所得税軽減額の推移は、以下の通りである。
2010年
2009年
$466
$914
当期に関連する所得税ポジションに基づく追加
29
29
過年度の所得税ポジションの追加
61
60
過年度の所得税ポジションの控除
(161)
(96)
清算
(156)
(439)
(5)
(2)
1月1日残高
時効による消滅
12月31日残高
$ 234
$466
2010年に、当社は150百万ドルの税金軽減額を計上したが、それは特定の税務ポジションが認められる可能性が
認められない可能性より高い範囲において、未認識の税金軽減額を減少させたことに関連する。加えて、当社は税
務当局との合意により、未認識の税金軽減額を156百万ドル減少させた。このうち、59百万ドルは、現金による税金
の支払いという結果になり、残りは主に繰越欠損金およびその他の繰延税金資産を減少させた。
2010年に、米国内国歳入庁は、シンボル・テクノロジーズ・インクの2004年から2007年1月9日までの買収前の課
税年度およびモトローラ・ソリューションズの2004年から2007年の課税年度の税務調査を終えた。米国内国歳入
庁は、現在当社の2008年および2009年課税年度について税務調査を進行中である。当社では、米国内のいくつかの
州および米国外においてもいくつかの税務調査が進行中である。主要各国における税務調査が実施されていない
課税年度の要約は以下の通りである。
管轄地:
課税年度
米国
2007-2010
ブラジル
2005-2010
中国
2001-2010
フランス
2004-2010
ドイツ
2008-2010
インド
1996-2010
イスラエル
2007-2010
日本
2004-2010
マレーシア
1998-2010
シンガポール
1999-2010
英国
2004-2010
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当社の全世界における税務訴訟の最終決定は未確定であるが、現在の情報に基づき、当社の経営陣は、これらの
案件の最終的な結論が、当社の連結財務諸表における財政状態、流動性もしくは経営成績に重大な悪影響を及ぼす
ことはないと考えている。しかしながら、不利な決定により、この問題が最終的に解決する期間において、当社の連
結財務諸表上の財政状態、流動性もしくは経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の全世界における税務調査の結果、特定の国における時効の成立、または税制上の優遇措置義務を満たす継
続的能力により、今後12ヶ月以内に未認識の税金軽減額が変動するということも合理的にあり得る。当社では、こ
れに関連した実効税率に影響を与える税金純額(評価性引当金の変動は除く)は50百万ドルの税金負担額から75百
万ドルの税金軽減額の間と見積り、現金支払額はゼロから100百万ドルの間と見積っている。
2010年12月31日現在、当社は未認識の所得税軽減額に関して、利息および罰金の未収分をそれぞれ25百万ドルお
よび20百万ドル計上している。2009年12月31日現在では、未認識の所得税軽減額に関する利息および罰金の未収分
は、それぞれ25百万ドルおよび15百万ドルであった。
7 退職給付
年金給付制度
当社の非拠出型年金制度(以下「一般従業員対象年金制度」という。)は、勤続1年以上で受給資格のある米国
従業員を対象としている。年金給付額算定方式は、従業員の所得および勤務年数により決定される。2005年1月1
日以降、新たに雇用された従業員には、一般従業員対象年金制度に加入する権利はない。当社は、米国外の従業員を
対象とした確定給付型の年金制度を有しており、それには主に、英国、ドイツ、日本および韓国が含まれる(以下
「米国外制度」という。)。その他の年金制度は、当社にとって、個別にも総合しても重大ではない。
当社は、1999年12月31日より前に選任された役員を対象として非拠出型の追加的退職給付制度(以下「役員対
象制度」という。)を有している。役員対象制度には、当該制度の加入者が年齢および勤続年数の最低基準を満た
した場合、制度加入者の退職給付見込額を積み立てる旨の規定が盛り込まれている。1999年12月31日時点で、役員
対象制度の受給資格が確定していない役員は、役員対象制度を継続するか、あるいは自身の給付額を制限付株式ユ
ニットに交換するかを選択することができた。1999年12月31日以後、新たに選任された役員に対して、役員対象制
度に加入する権利は与えられていない。2005年6月30日以後、当該制度に関する俸給は凍結された。
当社は、さらに非拠出型の追加退職給付制度であるモトローラ追加年金制度(以下「MSPP」という。)を有して
いる。これは、米国内国歳入庁法において規定された拠出限度額の適用により退職給付算定方式に基づいて個人が
喪失する一般従業員対象年金制度の給付に代わる追加的給付を提供することを定めるものである。ただし、役員対
象制度に加入している役員、または制限付株式ユニットへの交換を選択した役員には、MSPPに加入する権利はな
い。2007年1月1日以後、適格報酬の上限はIRS限度額に175,000ドルを加算した額と定められており(以下
「Cap」という。)、2007年1月1日現在ですでにCapを上回っていたものについては、将来の年度における従業員
のMSPP給付を計算するために使用される適格報酬は、(ⅰ)従業員の2007年1月1日現在の適格報酬金額(同額
で凍結される)、または(ⅱ)当該年度の適切なCapのうちいずれか大きい方となる。また、2009年1月1日付け
で、新規加入者については、その加入が事前に契約で同意された権利によって要求されるものでない限りMSPPが凍
結された。
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2007年2月、当社は一般従業員対象年金制度およびMSPPを改訂し、平均所得の定義を変更した。2007年12月31日
より前に終了した年度に関しては、以前の10年間のうちのいずれか5年間の最も高い年次利益の平均を使用して、
給付が計算された。2008年1月1日からは、給付の計算は2007年12月31日より前の10年間のうち最も高い利益を出
した5年間と2007年より後の各年の利益を平均した組み合わせに基づいて行われている。さらに、2008年1月付け
で、当社は一般従業員対象年金制度を改訂し、受給権確定までの期間を5年から3年に変更した。
2008年12月、当社は一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびMSPPを改訂し、2009年3月1日付けで、(ⅰ)
2009年3月1日以降、いかなる加入者も給付または追加的給付を受領しない、また(ⅱ)2009年3月1日以降に加
入者が得た報酬の増加分を発生給付の計算に使用してはならないこととなった。加えて、2009年3月1日以降に提
供されるいかなるサービスも、MSPPに基づく目的で提供されたサービスとはみなされない。2008年度において、当
社は、本制度改訂に関する縮小利益237百万ドルを認識した。
一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびMSPPならびに米国外制度における純期間年金費用(給付)は以
下のとおりである。
一般従業員対象年金制度
12月31日に終了した事業年度
2010年
勤務費用
$ ―
利息費用
2009年
14
$ 98
341
336
323
(377)
(380)
(391)
148
78
52
未認識過去勤務費用
―
―
(31)
縮小利益
―
―
(232)
$ 112
$ 48
$ (181)
年金資産の期待運用収益
$
2008年
償却額:
未認識純損失
純期間年金費用(給付)
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役員対象制度およびMSPP
12月31日に終了した事業年度
2010年
勤務費用
$ ―
利息費用
2009年
―
$ 3
3
6
7
(1)
(2)
(2)
未認識純損失
3
3
1
未認識過去勤務費用
―
―
(1)
縮小利益
―
―
(5)
清算損失
2
17
5
$ 7
$ 24
$8
2010年
2009年
2008年
勤務費用
$ 24
$ 26
$ 34
利息費用
84
77
87
(81)
(69)
(84)
19
7
1
未認識過去勤務費用
(4)
1
1
清算・縮小利益
(4)
(1)
(7)
年金資産の期待運用収益
$
2008年
償却額:
純期間年金費用
米国外制度
12月31日に終了した事業年度
年金資産の期待運用収益
償却額:
未認識純損失
純期間年金費用
$ 38
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$ 41
$ 32
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当社の年金制度の状況は以下のとおりである。
2010年
一般
従業員
役員および
MSPP
2009年
米国外
一般
従業員
役員および
MSPP
米国外
給付債務の変動:
1月1日現在の給付債務
$5,821
$52
$1,576
$5,110
$116
$1,221
勤務費用
―
―
24
14
―
26
利息費用
341
3
84
336
6
77
年金制度修正
―
―
(115)
―
―
2
清算・縮小
―
―
2
―
―
(7)
年金数理(利益)損失
173
4
54
592
(20)
214
外国為替評価額調整
―
―
(71)
―
―
87
従業員拠出額
―
―
5
―
―
6
税金支払額
―
(3)
―
―
(1)
―
給付支払額
(206)
(12)
(54)
(231)
(49)
(50)
12月31日現在の給付債務
6,129
44
1,505
5,821
52
1,576
1月1日現在の公正価値
3,898
17
1,147
3,295
56
957
年金資産の実際運用収益
466
1
124
754
1
123
当社拠出額
150
7
47
80
10
39
従業員拠出額
―
―
5
―
―
6
外国為替評価額調整
―
―
(43)
―
―
72
年金資産からの税金支払額
―
(1)
―
―
(1)
―
年金資産からの給付支払額
(206)
(12)
(54)
(231)
(49)
(50)
年金資産の変動:
12月31日現在の公正価値
年金の積立状況
未認識純損失
未認識過去勤務費用
前払(未払)年金費用
4,308
12
(1,821)
(32)
2,799
―
$978
1,226
3,898
17
1,147
(279)
(1,923)
(35)
(429)
11
323
2,863
13
342
―
(99)
―
―
6
$(21)
$(55)
$940
$(32)
$(279)
$(22)
$(81)
$(35)
$(429)
前払(未払)年金費用の内訳:
長期給付債務
$(1,821)
$(1,923)
繰延税金
1,033
4
35
1,062
6
24
その他包括利益(損失)累計額
1,766
7
189
1,801
7
324
$(55)
$940
前払(未払)年金費用
$978
$(21)
253/507
$(22)
$(81)
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2011年の期間費用には、一般従業員対象年金制度、役員およびMSPP制度、ならびに米国外制度に係る未認識純損
失および過去勤務費用の償却額が、それぞれ187百万ドル、2百万ドルおよび4百万ドル含まれる予想であるが、こ
れらは現在、その他包括損失累計額に含まれている。
当社は、5年間の市場関連資産価格方式を用いて、資産関連損益の償却を行っている。過去勤務費用は、10年から
12年の期間にわたって償却されている。すべての年金制度に基づく給付額は、予測年金単位クレジット方式に基づ
いて算定されている。
2010年3月に、当社は米国外の制度のうち1つについて縮小利益を認識し、その他の包括損失累計額を22百万ド
ル減少させた。連結損益計算書において、この縮小による利益および損失は認識されていない。
当社の2つの独立公開会社への分社化に従い、2010年8月に当社は特定の地域で別個の米国外制度を作った。新
制度の対象となる従業員に関係する既存の年金資産および給付債務の一部は、新制度に移管された。この移管前に
年金資産および給付債務は再測定され、28百万ドル(13百万ドルの税引後)のその他包括損失累計額の調整と
なった。
当社の2つの独立公開会社への分社化の結果、2010年12月31日で終了する3ヶ月間において、当社は米国外制度
の1つで縮小利益を認識し、連結損益計算書において4百万ドルの利益を認識した。2010年12月に終了した法改正
の結果として、同期間において当社は生活費の増加を見積もるために使用される指標を変更した。結果として、当
社はその他包括損失累計額で55百万ドル(税引後)の利益を計上した。連結損益計算書において、その変更の結果
による利益または損失は認識されていない。
割引率および年金資産の長期運用収益率等の特定の年金数理上の基礎率は、期間費用および給付債務の報告額
に重要な影響を与える。予定割引率は、当該債務が測定日に決済された場合に、期日に給付債務を支払うために必
要な将来キャッシュ・フローを生み出す、現在入手可能で、高品質かつ期日前償還不能な多数の社債の市場実勢相
場を反映している。年金資産の長期運用収益率は、実際の投資に類似する持分証券、固定利付債券、現金およびその
他の投資から構成される投資ポートフォリオの見積長期運用収益を表している。当社は年金資産の長期運用収益
率を決定する際に、年金基金が投資されると見込まれる資産クラス別の長期運用収益率(過去の実績と予測の両
方)を考慮している。
年金制度の費用を算定するために用いられた年金数理上の加重平均基礎率は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
米国
米国外
米国
米国外
割引率
6.00%
5.39%
6.75%
6.23%
期待収益率(一般従業員対象制度)
8.25%
6.86%
8.25%
6.86%
期待収益率(役員対象制度)
6.00%
N/A
6.00%
N/A
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年金制度の給付債務を算定するために用いられた年金数理上の加重平均基礎率は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
米国
米国外
米国
米国外
割引率
5.75%
5.07%
6.00%
5.46%
予想昇給率(一般従業員対象制度)
0.00%
2.61%
0.00%
4.28%
予想昇給率(役員対象制度)
0.00%
N/A
0.00%
N/A
年金制度の累積給付債務は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
累積給付債務
一般
従業員
$6,129
役員および
MSPP
$
44
2009年
米国外
$1,482
一般
従業員
$5,821
役員および
MSPP
$
米国外
52
$1,527
当社は、年金資産に関する基礎率として設定された期待運用収益率またはそれ以上の収益率を達成するように
計画された年金投資方針を採用している。この目標を達成するため、年金制度では投資顧問を活用し、年金資産を
持分証券、固定利付債券および現金に投資し、また一部の制度では、保険契約にも投資している。当社の年金資産お
よび債務の測定日は12月31日である。当社は、これらの資産クラスに対して以下のような目標構成比率を設定して
おり、資産クラスの比率が、合理的なリスク水準を維持して収益目標を達成するために設定された以下の目標構成
比率から逸脱した場合、定期的に調整を行っている。
目標構成比率
資産区分
2010年
2009年
持分証券
63%
63%
固定利付債券
35%
35%
2%
2%
現金およびその他の投資
年金制度における各資産区分への加重平均年金制度資産の配分状況は以下のとおりである。
実績構成比率
12月31日現在
2010年
2000年
持分証券
66%
65%
固定利付債券
32%
32%
2%
3%
現金およびその他の投資
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
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持分証券に関する投資方針は、国内株式および外国株式を含む広範囲の上場持分証券への投資を規定している。
固定利付債券に関する投資方針は、米国財務省証券、社債、モーゲージ担保証券および資産担保証券、ならびに外国
社債等、広範囲の上場債券への投資を規定している。現金または他の投資資産クラスについては、現金、現金等価物
または保険契約へ投資が行われる。
当社は、2011年度に、米国年金制度に対し約240百万ドルの現金拠出を行い、米国外年金制度に対し約40百万ドル
の現金拠出を行う予定である。
給付支払額には、予想将来勤務が必要に応じて反映されており、以下のとおり支払いが予定されている。
年度
一般従業員
役員および
MSPP
米国外
2011年
$ 250
$ 8
$ 52
2012年
261
2
54
2013年
272
5
56
2014年
310
2
58
2015年
319
2
61
1,803
19
341
2016-2020年
退職後医療給付制度
当社は、離職時に年齢および勤務年数の要件を満たした適格国内従業員に対して医療給付を提供している(以
下「退職後医療給付制度」という。)。2002年1月1日以前に雇用された適格従業員に対して、当社は退職後の医
療費の一部を負担している。2005年1月1日現在、退職後医療給付制度への新規加入は受け付けていない。退職後
医療給付制度の給付債務および制度資産は、2010年12月31日現在で測定されている。
退職後医療給付制度に関する基礎率は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
割引率
5.25%
5.75%
期待収益率
8.25%
8.25%
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退職後医療給付費用(純額)は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
勤務費用
$
利息費用
制度資産の期待運用収益
6
2009年
$
6
2008年
$
6
23
27
26
(16)
(18)
(20)
償却額:
未認識純損失
未認識過去勤務費用
退職後医療給付費用(純額)
7
7
5
(2)
(2)
(2)
$ 18
$ 20
$ 15
2010年
2009年
$ 461
$ 429
勤務費用
6
6
利息費用
23
27
医療給付数理(利益)損失
(17)
32
給付支払額
(26)
(33)
12月31日現在の給付債務
447
461
1月1日現在の公正価値
174
168
制度資産の実際運用収益
20
35
当社拠出額
―
―
制度資産による給付支払額
(24)
(29)
12月31日現在の公正価値
170
174
(277)
(287)
204
231
退職後医療給付制度の積立状況は以下のとおりである。
給付債務の変動:
1月1日現在の給付債務
制度資産の変動:
退職後医療給付制度の積立状況
未認識純損失
未認識過去勤務費用
未払退職後医療給付費用
257/507
(1)
(3)
$ (74)
$ (59)
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未払退職後医療給付費用の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
長期債務
$ (277)
$ (287)
メディケア・パートD補助金法改正による税額影響
18
―
繰延税金資産
72
101
113
127
その他包括利益累計額
未払退職後医療給付費用
$
(74)
$
(59)
2010年第1四半期、2010年医療・教育修正法および患者保護・医療費負担適正化法の署名がなされ法が成立され
たことにより、2013年開始の課税年度より、メディケア・パートD補助金受領についての優遇措置が廃止される。こ
の税法改正により、当社は、2012年以降に受領すると現在見積もっているメディケア・パートD補助金に関連する
繰延税金資産を減額するため、18百万ドルの非現金税金費用を計上している。
2011年の退職後医療給付制度に係る純期間費用には、未認識純損失および過去勤務費用の償却額11百万ドルが
含まれる予想であるが、これらは現在、その他包括損失累計額に含まれている。
当社は、制度資産に関する基礎率として設定された期待運用収益率またはそれ以上の収益率を達成するように
計画された投資方針を採用している。この目標を達成するため、退職後医療給付制度では投資顧問を活用し、制度
資産を持分証券、固定利付債券および現金に投資している。当社は、制度資産について予想される投資構成を考慮
した過去の長期収益実績、ならびに長期投資収益に対する将来の見積額を用いて、純期間年金費用および純退職後
医療費用の計算に用いる期待収益率の仮定を行っている。当社は、これらの資産クラスに対して以下のような目標
構成比率を設定しており、資産クラスの比率が、合理的なリスク水準を維持して収益目標を達成するために設定さ
れた目標構成比率から逸脱した場合、定期的には調整される。
目標構成比率
資産区分
2010年
2009年
持分証券
65%
65%
固定利付債券
34%
34%
1%
1%
現金およびその他の投資
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制度資産における各資産区分への加重平均資産の配分状況は以下のとおりである。
実績構成比率
12月31日現在
2010年
2009年
持分証券
65%
67%
固定利付債券
33%
30%
2%
3%
現金およびその他の投資
持分証券に関する投資方針は、国内株式および外国株式を含む広範囲の上場持分証券への投資を規定している。
固定利付債券に関する投資方針は、米国財務省証券、社債、モーゲージ担保証券および資産担保証券、ならびに外国
社債等、広範囲の上場債券への投資を規定している。現金については、現金および現金等価物に投資が行われる。
当社には、2011年度において退職後医療給付制度に対して現金を拠出する予定はない。給付支払額には、予想将
来勤務が必要に応じて反映されており、以下のとおり支払いが予定されている。
年度
2011年
$ 33
2012年
32
2013年
31
2014年
30
2015年
29
2016-2020年
152
2010年12月31日の累積退職後給付債務を決定する際に使用される2011年度の医療趨勢比率は7.25%である。こ
の比率は、2013年までは横ばいであり、2014年および2015年に低下し、2016年には5%になり、それ以降は5%のま
ま推移すると予想されている。2009年12月31日の累積退職後給付債務を決定するために使用された医療趨勢比率
は8.5%であった。
医療趨勢比率が1%ポイント変化すると、累積退職後給付債務額と退職後医療給付費用(純額)は次のように変
化する。
1%ポイント上昇
1%ポイント低下
増加(減少)する対象:
累積退職後給付債務
退職後医療費用(純額)
259/507
$ 14
$ (13)
1
(1)
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当社は退職後医療給付費用に生涯上限を設定しており、これによって給付債務のデュレーションが短縮される。
デュレーションが短縮された場合、債務および関連費用に関連する割引率の仮定の変動に対する感応度が低下す
る。
当社には、米国外に重要な退職後医療給付制度はない。
その他の給付制度
当社は、2004年12月31日前に凍結された制度下で退職した役員に対して取得した多数の裏書タイプの従業員生
命保険契約を有している。当社は、従業員に生命保険をかける契約を保険会社とのあいだで締結し、別途、会社と従
業員の間で保険金を分割するという契約を従業員と締結していた。モトローラ・ソリューションズには保険証券
を所有し、すべての所有権を支配し、かつ、保険契約を解約する権利を有している。従業員生命保険契約を遂行する
ため、モトローラ・ソリューションズは従業員に対する死亡給付金の一部を裏書し、従業員の死亡時には通常、従
業員の保険受取人が死亡給付金の一定部分を保険会社から直接受け取り、当社は死亡給付金の残りの部分を受け
取っている。
当社は、2008年1月1日において、分割福利厚生保険契約に関する会計処理に係る新しいガイダンスを適用し
た。このガイダンスは、裏書タイプの従業員生命保険契約を購入することによる、退職後給付金の支払契約が履行
されていなかったため、給付債務に関する負債を計上することを要求している。この新しいガイダンスを適用した
結果、当社は、従業員の退職予測日における将来の死亡保険金の数理上の現在価値と同額の負債を45百万ドル計上
し、その相殺分は2008年1月1日における利益剰余金に対して4百万ドルならびにその他包括利益(損失)累計
額に対して41百万ドルの累積的影響の調整として当社の連結資本勘定計算書に反映した。現在のところ、これら生
命保険契約に対する追加的な現金拠出は発生しても非常に小さいと予想している。
2010年12月31日および2009年12月31日に終了する事業年度において、従業員生命保険契約の費用は純額で各々
5百万ドルと6百万ドルであった。2010年12月31日および2009年12月31日に終了する事業年度において、当社は、
従業員の退職予測日における将来の死亡保険金の数理上の現在価値と同額の負債を、それぞれ51百万ドルおよび
48百万ドル計上している。
確定拠出制度
当社および一部の子会社には、すべての適格従業員が参加する各種の確定拠出制度がある。米国では、401(k)制
度は確定拠出制度である。当社の拠出額は従業員の拠出額に基づいている。2005年1月1日以降、新たに雇用され
た従業員に対する最大拠出割合(従業員拠出の最初の5%に対し4%)は、2005年1月より前に雇用された従業
員に対する拠出割合(従業員拠出の最初の6%に対し3%)と比較して高くなっている。2009年1月1日付けで、
当社はモトローラ・ソリューションズ401(k)制度に対するすべての拠出を一時的に停止した。2010年7月1日に
従業員拠出の最初の4%に対し4%の割合で当社の拠出を元に戻した。元に戻された後の残りの数カ月を会計処
理するために、2010年の最大拠出割合を比例配分した。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に
終了した事業年度において、すべての確定拠出制度への当社の拠出に係る費用は、それぞれ38百万ドル、8百万ド
ルおよび82百万ドルであった。
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8 株式報酬制度およびその他のインセンティブ制度
表示されている全ての株式および1株当たり情報は、2011年1月4日に行われた本件株式併合の影響を受ける。
当社はまた2011年1月4日にモトローラ・モビリティの本件配当を完了したが、表示されている株式および1株
当たり情報には、モトローラ・モビリティの本件配当は反映されていない。
ストック・オプション、株式増価受益権および従業員持株制度
当社は、一部の従業員および買収に伴うオプション制度の統合にかかる現存オプションの保有者に対して、普
通株式を購入するオプションを付与している。付与されたオプションおよび株式増加受益権の行使価格は、オプ
ション付与日における普通株式の公正市場価格以上となる。オプションの権利行使期間は5年から10年であり、ほ
とんどの場合、2年から4年間にわたり序々に受給権が確定する。現状想定されているストック・オプションおよ
び株式増価受益権や支配権の変更に伴い交換された類似のストック・オプションおよび株式増加受益権は、支配
権の変更から24ヶ月以内に非自発的に(特段の理由なく)解雇された場合あるいは正当な理由により退職した場
合にのみ行使可能となる。
従業員持株制度は、この制度への適格参加者に給与額(税引後)10%分までを給与天引きにて当社の普通株式の
購入を認める制度である。制度参加者は、いかなる暦年においても25,000ドルを上回る株式を購入することはでき
ない。従業員が支払う1株当たり価格は、購入期間における最初の営業日または最後の営業日の取引終了時点にお
ける当社の株式の公正価値のいずれか低い方の85%である。この制度における従業員の権利行使は2回で、1回目
は10月1日から3月31日までの期間、2回目は4月1日から9月30日までの期間である。2010年12月31日、2009年
12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、従業員は、それぞれ41.79ドルから42.00ドル、25.20
ドルから25.76ドル、55.37ドルから42.49ドルの価格帯にて、2.7百万株、4.2百万株および2.7百万株を購入してい
る。
当社は、ブラック−ショールズ・オプション評価モデルを用いて、付与日現在の従業員ストック・オプション公
正価値を算定している。2010年、2009年および2008年に付与された従業員ストック・オプションの加重平均見積公
正価値は、以下の加重平均想定値を用いて算出され、それぞれ21.43ドル、19.43ドルおよび24.30ドルであった。
2010年
2009年
2008年
41.7%
57.1%
56.4%
無リスク利子率
2.1%
1.9%
2.4%
配当利回り
0.0%
0.0%
2.7%
見積有効期間(年数)
6.1
3.9
5.5
予想ボラティリティ
ブラック−ショールズ・オプション評価モデルでは予想ボラティリティの仮定が必要となるため、当社は、当社
の株式について取引されるオプションに対してインプライド・ボラティリティを使用している。インプライド・
ボラティリティを使用するという選択は、当社の株式について活発に取引されるオプションの入手可能性および
インプライド・ボラティリティが過去のボラティリティと比較して将来の株価傾向をより良く表しているという
当社の判断に基づいている。
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無リスク金利の評価は、オプションの見積有効期間とほぼ同じ期間を有する米国財務省証券に関する当期中の
日次平均最終レートに基づいている。配当利回りの評価は、配当支払いに関する当社の将来の見込みに基づいてい
る。従業員ストック・オプションの見積有効期間は、全てのオプションの契約期間と加重平均権利確定期間の平均
を示している。
当社は、ブラック−ショールズ・オプション評価モデルにより計算されたオプションの公正価値に対し、過去の
データに基づき13%から50%の見積失権率を適用している。当該見積失権率は、残存権利確定期間に基づき付与さ
れたものに適用しており、実際の失権数が見積りと異なる場合、この見積失権率はその後の期間において修正する
ことができる。
ストック・オプションの利用状況は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし行使価格および従業員データを除く)
2010年
2009年
加重平均
行使価格
2008年
加重平均
行使価格
加重平均
行使価格
12月31日に終了した事業年度
株式数
期首未行使(1月1日現在)
23,061
$84
32,592
$120
32,036
$131
付与
1,630
50
8,939
45
5,681
58
行使
(1,559)
42
(206)
42
(274)
50
終了、取消または期限切れ
(3,518)
104
(18,264)
128
(4,851)
123
期末未行使(12月31日現在)
19,614
81
23,061
84
32,592
120
期末行使可能オプション(12月31日現在)
12,429
99
11,037
121
21,153
134
オプションを付与された従業員数(概算)
529
株式数
22,095
株式数
3,300
2010年12月31日現在、当社は約2年間の加重平均期間にわたって認識される、ストック・オプション制度およ
び従業員持株制度に関する未認識報酬費用(見積失権数控除後)合計100百万ドルがある。2010年12月31日、2009
年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度に、ストック・オプションの行使および従業員持株制度に
より受領した現金は、それぞれ179百万ドル、116百万ドルおよび145百万ドルであった。2010年、2009年および2008
年12月31日に終了した事業年度中に行使されたストック・オプションの本源的価値の合計は、それぞれ17百万ド
ル、1百万ドルおよび2百万ドルであった。2010年12月31日現在、未行使および行使可能なストック・オプション
の本源的価値の総額は、2010年12月31日現在の1株当たり株価63.49ドルに基づき、それぞれ213百万ドル、111百万
ドルである。2011年1月4日の分社化の完了によって、モトローラ・モビリティの従業員によって所有されていた
約8百万のストック・オプションが取消の対象となった。
2010年12月31日現在および2009年12月31日現在、現在の株式報酬制度(従業員および非従業員取締役に対する
すべての株式報奨を網羅する制度)に基づく将来の株式報酬の付与に対して発行可能な株式数は、それぞれ6.6百
万株および8.6百万株であった。
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2010年12月31日現在の未行使および行使可能オプションの概要は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし行使価格および年数を除く)
未行使オプション
行使価格の範囲
オプション数
$ 49以下
9,059
$ 49 − $ 97
$ 98 − $ 146
加重平均
行使価格
$
行使可能オプション
加重平均行使
可能期間(年数)
オプション数
加重平均
行使価格
43
7
3,856
6,801
65
5
4,914
65
1,537
116
4
1,442
115
$ 147 − $ 195
233
149
5
233
149
$ 196 − $ 244
―
―
―
―
―
$ 245 − $ 293
1,983
275
4
1,983
275
$ 294 − $ 330
1
313
4
1
313
19,614
$
41
12,429
2010年12月31日現在、未行使及び行使可能オプションの加重平均行使可能期間は、それぞれ6年および5年であ
る。
ストック・オプションの交換
2009年5月14日に、当社は、一部の適格従業員(役員および取締役を除く)に対して、一部のアウト・オブ・ザ
・マネー・オプションを行使価格が付与日の当社のストックの公正価値と同じである新しいオプションと交換す
る買付を開始した。交換するためには、オプションが2007年6月1日以前に付与され、2009年12月31日以降に無効
となり、行使価格が84.00ドル以上でなければならない。申込期間は、2009年6月12日に終了した。その日に、84百万
オプションが、買付され、行使価格47.11ドルおよび2年間にわたる比例年次権利確定期間である6百万株の新し
いオプションに交換された。交換プログラムは、新しいオプションの公正価値がおおよそ交換されたオプションの
公正価値になるように考案された。その結果生じた株式報酬費用の増加は、当社の連結財務諸表に重要な影響を与
えなかった。2011年1月4日の分社化の完了によって、約8.0百万のストック・オプションが取消の対象となった。
譲渡制限付株式および譲渡制限付株式ユニット
譲渡制限付株式(以下「RS」という。)および譲渡制限付株式ユニット(以下「RSU」という。)の付与内容
は、従業員および非従業員取締役に付与される当社普通株式持分または株式に対する権利で構成されている。付与
された権利は、権利の喪失のリスクを伴い、従業員による売却制限または譲渡制限を受けるという制限がある。現
状想定されているRSおよびRUSや支配権の変更に伴い交換された類似のRSおよびRUSは、支配権の変更から24ヶ月
以内に非自発的に(特段の理由なく)解雇された場合あるいは正当な理由により退職した場合にのみ譲渡制限が
無効となる。
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譲渡制限付株式および譲渡制限付株式ユニットの概要は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし公正価値および従業員データを除く)
2010年
12月31日に終了した事業年度
RSU
2009年
付与日の
加重平均
公正価値
2008年
付与日の
加重平均
公正価値
RSU
付与日の
加重平均
公正価値
RSおよびRSU
RSおよびRSU期首未行使
(1月1日現在)
8,061
$55
4,604
$76
1,536
$119
付与
4,772
49
5,478
43
3,872
64
(2,407)
58
(988)
80
(330)
121
(867)
56
(1,033)
60
(474)
94
51
8,061
55
受給権確定
終了、取消または期限切れ
RSU期末未行使
(12月31日現在)
RSUを付与された従業員数
(概算)
9,559
29,973
4,604
26,969
76
28,981
2010年12月31日現在、当社は約2年間の加重平均期間にわたって認識される、RSU付与に関する未認識報酬費用
(見積失権数控除後)が合計301百万ドルある。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了し
た事業年度中に受給権が確定したRSおよびRSUの公正価値合計は、それぞれ114百万ドル、44百万ドルおよび19百万
ドルであった。2010年12月31日現在、未行使のRSUの公正価値総額は、607百万ドルである。2011年1月4日の分社化
の完了によって、モトローラ・モビリティの従業員によって所有されていた約3.8百万の未確定の譲渡制限株式ユ
ニットが取消の対象となった。
株式報酬費用合計
当社の従業員ストック・オプション、株式増価受益権、従業員持株制度、譲渡制限付株式および譲渡制限付株式
ユニットの報酬費用は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
以下に含まれる株式報酬費用
売上原価
$
販売費および一般管理費
研究開発費
営業利益(損失)に含まれる株式報酬費用
税金軽減額
31
$
28
$
26
156
155
135
86
80
75
273
263
236
82
82
73
株式報酬費用(税引後)
$
基本的1株当たり利益の減少
$(0.57)
$(0.55)
$(0.50)
希薄化後1株当たり利益の減少
$(0.56)
$(0.55)
$(0.50)
廃止事業の株式報酬費用
$
$
$
264/507
191
35
$
181
33
$
163
44
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
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モトローラ・ソリューションズ奨励金制度
当社の奨励金制度は、指定された事業目標および個人の業績目標が達成できた場合に、対象事業年度の翌年度に
従業員に年額奨励金(当該従業員の対象となる年収額の百分率割合として計算される)を支払うものである。これ
らの奨励金制度に基づく報奨に対する引当金繰入額は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に
終了した事業年度において、それぞれ287百万ドル、153百万ドルおよび137百万ドルである。
長期奨励金制度
長期奨励金制度(以下「LRIP」という。)は、この制度に参加している選任役員に対し、期中の顕著な業績達成
(3年サイクルで2つの業績目標に基づいて評価される)への貢献に報いるためのものである。このLRIPに対し、
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、それぞれ19百万ドル、8百
万ドルおよび(12)百万ドル(以前に認識された引当金の戻入れ控除後)が引き当てられている。
9 公正価値による測定
当社は、特定の固定利付債券、持分証券、およびデリバティブを有しているが、これらは公正価値のヒエラルキー
および関連する評価方法に従って測定されなければならない。当該会計基準は、各測定に用いられるインプットが
観察可能か観察不能かということを基礎とした評価技法のヒエラルキーを明確に定めている。観察可能なイン
プットは独立した情報源から得られる市場データを反映するが、観察不能なインプットは現在の市況に関する当
社の仮定を反映するものである。規定されている公正価値のヒエラルキーおよび関連する評価方法は次のとおり
である。
レベル1―活発な市場における同一資産または負債の相場価格
レベル2―活発な市場における類似資産または負債の相場価格、活発でない市場における同一または類似資産
または負債の相場価格、重要なインプットのすべてが活発な市場において観察可能であるモデル評
価価格
レベル3―観察不能な重要なインプットが1つ以上用いられている評価技法から計算された評価価格
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2010年12月31日時点と2009年12月31日時点の、公正価値で評価した当社の金融資産および負債のレベルは、以下
のとおりであった。
2010年12月31日現在
レベル1
レベル2
レベル3
合計
資産:
シグマ・ファンドが保有する有価証券
米国国債、公共機関債および政府系企業債
$ ―
$ 2,291
$ ―
$ 2,291
社債
―
43
15
58
資産担保証券
―
1
―
1
モーゲージ担保証券
―
11
―
11
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
17
―
17
社債
―
11
―
11
モーケージ担保証券
―
3
―
3
普通株式および同等物
24
10
―
34
外国為替デリバティブ*
―
5
―
5
―
15
―
―
3
―
売却可能有価証券:
負債:
外国為替デリバティブ*
金利契約デリバティブ*
15
3
* 売却目的の事業に関連する重要でない金額を含む
2009年12月31日現在
レベル1
レベル2
レベル3
合計
資産:
シグマ・ファンドが保有する有価証券
米国国債、公共機関債および政府系企業債
$ ―
$ 4,408
$ ―
$ 4,408
社債
―
411
19
430
資産担保証券
―
66
―
66
モーゲージ担保証券
―
52
―
52
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
23
―
23
社債
―
10
―
10
モーゲージ担保証券
―
3
―
3
普通株式および同等物
136
11
―
147
外国為替デリバティブ*
―
15
―
15
―
17
―
17
―
4
売却可能有価証券:
負債:
外国為替デリバティブ*
金利契約デリバティブ*
* 売却目的の事業に関連する重要でない金額を含む
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下記の表は、当社のレベル3資産の公正価値の変動を要約している。
期首残高(1月1日現在)
レベル3への(からの)変更
支払いの受領および有価証券の売却
永久的な減損
営業外収益(費用)に含まれるシグマ・ファンド投資に係る市場価格への
洗替え利益(損失)
期末残高(12月31日現在)
2010年
$ 19
3
(11)
―
4
$ 15
2009年
$ 134
(16)
(78)
(2)
(19)
$ 19
年金給付制度と退職後医療給付制度の資産
2010年12月31日時点の、公正価値で評価された様々な年金給付制度と退職後医療給付制度の資産レベルは、以下
のとおりである。
一般従業員対象年金制度
レベル1 レベル2 レベル3 合計 現金投資
$1,222
―
9
―
―
―
―
―
―
―
―
$ 3
1,597
―
100
5
185
197
40
850
76
16
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
$1,225
1,597
9
100
5
185
197
40
850
76
16
投資証券の合計
$1,231
$―
$4,300
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
優先株
米国国債および公共機関債
その他の国債
社債
モーケージ担保証券
資産担保証券
合同運用公債基金
合同運用型短期投資ファンド
$3,069
8
未収収益
年金資産の公正価値
$4,308
上記の表の中には、証券貸出契約による貸出証券が、普通株式および同等物に92百万ドル、米国国債および公共
機関債に41百万ドル、そして社債に34百万ドル含まれている。貸出証券は、すべて現金で担保されている。
以下の要約表は、レベル3のインプットを使用して測定した一般従業員退職年金制度の公正価値の変動を示し
ている。
期首残高(1月1日現在)
保有資産からの利益
売却
移管(純額)
期末残高(12月31日現在)
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2010年
$ 7
1
(1)
(7)
$―
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役員対象制度
レベル1 $ ―
―
―
―
2010年12月31日現在
米国国債および公共機関債
社債
モーケージ担保証券
合同運用型短期投資ファンド
年金資産の公正価値
レベル3 $ ―
―
―
―
$ ―
レベル2 $ 9
1
1
1
$ 12
レベル1 $ 339
―
―
―
―
―
―
$ 339
レベル2 $ ―
389
98
91
236
1
―
$ 815
レベル3 $ ―
―
―
―
―
―
61
$ 61
$ ―
合計 $ 9
1
1
1
$ 12
米国外制度
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
社債
国債および公共機関債
合同運用公債基金
短期投資ファンド
保険契約
投資証券の合計
現金
未収収益
年金資産の公正価値
合計 $ 339
389
98
91
236
1
61
$1,215
8
3
$1,226
以下の要約表は、レベル3のインプットを使用して測定した米国外制度の公正価値の変動を示している。
期首残高(1月1日現在)
保有資産からの利益
外国為替評価調整
期末残高(12月31日現在)
2010年
$ 65
1
(5)
$ 61
退職後医療給付制度
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
米国国債および公共機関債
社債
モーケージ担保証券
資産担保証券
合同運用公債基金
合同運用型短期投資ファンド
現金投資
年金資産の公正価値
レベル1 $ 48
―
―
―
―
―
―
―
―
$ 48
268/507
レベル2 $ ―
62
4
7
8
2
34
4
1
$122
レベル3 $ ―
―
―
―
―
―
―
―
―
$ ―
合計 $ 48
62
4
7
8
2
34
4
1
$170
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上記の表の中には、貸出契約による貸出証券が、普通株式および同等物に4百万ドル、米国国債および公共機関
債に2百万ドル、そして社債に1百万ドル含まれている。貸出証券は、すべて現金で担保されている。
評価方法
レベル1 − 普通株式、優先株式および普通株式同等物への投資に関しては、活発な市場における相場価格が入
手可能なため、これらへの投資はレベル1として分類される。
レベル2 − レベル2として分類される有価証券は主に、社債、国債、公共機関債、および政府系企業債で構成さ
れている。当社は、これらの証券の公正価値を決定するにあたり、主として価格評価モデル、最近の入札価格及びブ
ローカーによる相場価格に依拠している。レベル2の資産に対する価格評価モデルは第三者のプライシング・
サービスにより開発され、維持されているもので、この評価モデルには、基準利回り、公表取引値、関係者がいつで
も取引を行える状態にあるブローカー/ディーラーによる相場価格、発行体のスプレッド、ベンチマークとなる証
券、入札価格、提示価格、その他の参照データなど多数の標準的なインプットが利用される。評価モデルにおいて
は、どの特定の証券に関しても、市況に応じて、貸借対照表日におけるインプットを異なる優先順位で適用するこ
ともある。必ずしも列記した標準的なインプットのすべてが毎回評価モデルに利用されるわけではない。資産の各
分類に関して、標準的なインプットに加え、識別された市場動向やセクターのニュースに関連する定量化可能なイ
ンプットを考慮することもある。
外貨デリバティブの公正価値を決定するに際して、当社は、通貨のスポット・レート、時間的価値、オプションの
ボラティリティなどの市場で観察可能なインプットを用いる先物契約およびオプション評価モデルを利用してい
る。当社は、デリバティブ資産および負債の評価にあたり、主として観察可能なインプットを用いているため、それ
らはレベル2の資産として分類している。
レベル3 − 固定利付債券は、当社の貸借対照表日において活発に取引されている相場価格を有していない負
債証券である。これらの証券の公正価値の決定は、ディーラーから参考提示された価格、推定されたデータ、企業独
自のモデルや投資アドバイザーから入手する定性的なインプットなどの観察不能なインプットを使用せざるを得
ない。従って、これらの有価証券はレベル3に分類している。
2010年12月31日現在、当社は連結貸借対照表において現金および現金等価物として分類されているマネー・
マーケット投資信託に10.0億ドルの投資をしている。そのマネー・マーケット・ファンドは、通常、額面と同等の
市場価格がある。
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10 顧客向け長期融資および債権の売却
顧客向け長期融資
長期債権は支払条件が12ヶ月以上の売掛債権、長期貸付金、販売タイプのリースにおけるリース債権により構成
される。長期債権の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
長期債権
$ 286
$154
(3)
控除:引当金
控除:1年以内に支払期限が到来する分
非流動長期債権(純額)
(9)
283
145
(21)
(28)
$ 262
$ 117
当社の連結貸借対照表において、長期債権のうち1年以内に支払期限が到来する債権は売掛債権に、1年を越え
て支払期限が到来する債権はその他の資産に含まれている。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31
日に終了した事業年度において認識された長期債権に係る受取利息は、それぞれ14百万ドル、2百万ドルおよび3
百万ドルである。
当社のインフラ機器の特定の顧客は、当社が行う機器の売却に際して、供給業者への長期融資(1年以上の融資
と定義される)の依頼をすることがある。これらの融資には機器購入価格の全額または一部が含まれる。当社によ
る長期融資の提供義務は、当社を受益者とした、顧客の信用を裏付ける信用状が信頼できる銀行により発行される
こと、または信頼できる銀行が当社から当該長期債権を購入するという債権譲渡契約が事前に存在することなど
を条件とする場合がある。2010年12月31日において、当社の第三者に対する長期融資コミットメント額は2009年12
月31日現在の406百万ドルに対して356百万ドルであった。このうち、2010年12月31日現在、信用状または銀行との
長期債権購入契約によって保証された金額は、2009年12月31日現在の13百万ドルに対して27百万ドルであった。
2010年12月31日現在のコミットメント残高の大部分は、少数の中東地域のネットワークオペレータへ係るもので
ある。当社はNSNへの売却後のネットワークス事業に関連する一部の融資契約を留保するが、その合計は2010年12
月31日現在で約235百万ドルである。
特定の機器の顧客に対して直接融資をするほか、当社は顧客が機器購入資金を得るために、銀行やその他の金融
機関から直接融資を受けられるよう支援している。2010年12月31日現在、顧客の資金調達に関連した当社のコミッ
トメント額は合計で、2009年12月31日現在の31百万ドルに対して13百万ドル(短期債権の売却に関連する金額、
2010年12月31日現在および2009年12月31日現在それぞれ9百万ドルおよび27百万ドルを含む)であった。2010年12
月31日現在および2009年12月31日現在の顧客へのコミットメント残高はともに4百万ドル(短期債権の売却に関
連する金額、2010年12月31日現在および2009年12月31日現在ともに2百万ドル)であった。
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債権の売却
当社は随時、売掛債権および長期債権を売却しており、一回限りのノンリコースで第三者に売却されることもあ
るが、約定枠に基づき第三者に売却されることもある。この約定枠は、これらの第三者が条件を満たす債権を限度
枠内で買い取るという契約上の約定により設定される。この約定枠は、事実上、リボルビングとなることがあり、通
常は毎年更新される。当社は、売却された売掛債権および長期債権に対して回収サービス業務を提供する義務を留
保する場合もある。
2010年12月31日現在、当社は、売掛債権の売却用に2011年6月が満期の200百万ドルのリボルビング約定枠を有
しており、全額が未使用であった。当該売掛債権売却による当初入金額は、引当金控除後の適格売掛債権または200
百万ドルのうち、いずれか低い方とされている。2009年12月31日現在、当社は、売掛債権の売却用に200百万ドルの
リボルビング信用約定枠を有しており、このうち140百万円ドルが未使用であった。2010年12月31日現在及び2009
年12月31日現在において、当社は、長期債権の売却について重要な約定枠を有していなかった。2008年12月31日現
在、当社の売掛債権の売却用に532百万ドルのリボルビング約定枠を有しており、このうち35百万ドルが未使用で
あった。さらに、2008年12月31日現在、当社は単一の顧客に対する長期債権の売却に関連して435百万ドルの約定枠
を有しており、このうち173百万ドルが未使用であった。
以下の表は2010年、2009年及び2008年の12月31日現在の、売掛債権と長期債権のノンリコースによる売却収入を
まとめたものである。
12月31日に終了した事
業年度
2010年
2009年
2008年
$716
$1,000
$2,124
1回限りの売却による年
間累計売却収入
売掛債権売却収入
69
72
281
785
1,072
2,405
約定枠に基づく売却に
よる年間累計売却収入
70
233
1,281
債権売却による総収入
$855
$1,305
長期債権売却収入
1回限りの売却による売
却収入合計
$3,686
2010年12月31日現在、当社は、売却した440百万ドルの売掛債権および277百万ドルの長期債権の債権回収サービ
ス業務を留保しており、2009年12月31日現在は、195百万ドルの売掛債権および297百万ドルの長期債権であった。
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特定の契約における売却された売掛債権の価値は、保険契約に基づく免責金額または自己保険要件を除き、第三
者の保険会社から購入した信用保険によってサポートされている。売却された売掛債権に対する当社が負担する
信用リスクの総額(保険金控除後)は、2010年12月31日現在および2009年12月31日現在で、それぞれ9百万ドルお
よび27百万ドルであった。
顧客の金銭債権の格付けと貸倒引当金
2010年12月31日現在及び2009年12月31日現在における、金銭債権の年齢調べ分析は以下の通りである。
2010年12月31日現在
長期債権合計
回収期限到来済
回収期限到来後
90日以内
回収期限到来後
90日超
非課税担保付地方リース
$16
$-
$-
$-
担保付貸付金およびリー
ス
$67
$1
$-
$-
無担保貸付金
$203
$-
長期債権合計
$286
2009年12月31日現在
長期債権合計
$1
回収期限未到来済
$2
$2
$2
$2
回収期限到来後
90日以内
回収期限到来後
90日超
非課税担保付地方リース
$8
$-
$-
$-
担保付貸付金およびリー
ス
$72
$-
$5
$-
無担保貸付金
$74
$-
$-
$2
長期債権合計
$154
$-
$5
$2
当社は顧客の与信限度額を確定させるため、社内で開発した与信能力評価システムを使用している。このシステ
ムは外部の独立した調査機関において利用されているものに整合及び匹敵するものである。
当社の貸倒引当金の設定方針は個別評価による方法を基礎としている。回収期限到来後90日を超える債権につ
いて、すべての顧客に対して回収可能性を検討している。減損の評価は、顧客の将来予想されるキャッシュ・フ
ローの正味現在価値に基づき計算している。2009年12月31日現在における9百万ドルの貸倒引当金と比較して、
2010年12月31日現在は僅少な貸付金とリース債権に対して貸倒引当金を計上し、合計で3百万ドルの貸倒引当金
となっている。
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11 契約債務および偶発債務
訴訟
イリジウム・プログラム:当社は、イリジウム衛星通信事業に関して不適当な表示または省略があったとして提
起された証券法集団訴訟の被告に含まれた。2001年3月15日、コロンビア地区連邦地方裁判所は、これらの証券法
訴訟を1999年4月22日に提起された「フリーランド対イリジウム・ワールド・コミュニケーションズ・インク
他」事件に併合した。2008年4月に両当事者は、裁判所の承認を条件として、モトローラによる20百万ドルの支払
いと引き換えにモトローラに対するすべての請求を和解することで原則的合意に達した。2008年第1四半期にお
いて、当社はこの和解に関連する費用を計上した。2008年10月23日、裁判所はこの和解に最終承認を付与し、申し立
てを確定力のある決定として退けた。
当社は、2001年7月19日に、イリジウム社の公式の無担保債権者委員会により、ニューヨーク州南部地区の破産裁
判所に提訴された。「イリジウム・オペレーティングLLC他対モトローラ」の訴訟において、原告は、契約、保証、受
託者義務の違反ならびに不正な譲渡および優先権を主張し、40億ドルを超える損害賠償を求めていた。2008年5月
20日、破産裁判所は、モトローラがいかなる支払も請求されない、ただし、イリジウム財産に対する管理上の優先権
および無担保債権を放棄し、イリジウム債権者のうち無担保債権者と申立前の担保付きの債権者との間でなされ
た2001年の和解に対する異議を取り下げる、という和解を承認した。この和解および破産裁判所の承認により、モ
トローラの財務リスクは消滅し、当社のイリジウム破産訴訟への関与は終結した。
その他:当社は、通常の事業活動で発生する様々なその他の訴訟、請求や調査の当事者となっている。当社の経営
陣は、こうした案件の最終的な帰結が当社の連結上の財政状態、流動性または経営成績に重大な悪影響を及ぼすこ
とはないと考えている。
その他
リース:当社の大半の主要設備は当社が所有する設備であるが、一部の事務所、工場、倉庫スペース、土地、ITおよ
びその他の機器を、主として解約不能なオペレーティング・リースに基づいて使用している。転リース収入控除後
のリース費用は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度にそれぞれ131百万
ドル、146百万ドルおよび171百万ドルであった。2010年12月31日現在、今後5年間およびそれ以降における最低支
払リース債務は、最低転リース収入控除後で、2011年度が205百万ドル、2012年度が146百万ドル、2013年度が78百万
ドル、2014年が54百万ドル、2015年が31百万ドル、それ以降が41百万ドルである。
補償:当社はまた、特定の事柄に関して他の契約当事者に補償義務を負う様々な契約の当事者である。これらの義
務の一部は、当社の資産または事業を譲渡することにより生じるものであり、和解により他の契約当事者が損害を
被った場合に、当社が賠償することを要求している。これらの規定に基づく補償総額は143百万ドルであり、当社
は、これらの規定に基づく潜在的な請求に対し、2010年12月31日現在10百万ドルを引当計上している。
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また、当社は特定の商業および知的財産権に含まれる一般的な保証の違反による損失に対して補償を提供する
ことがある。これまで当社はこれらの契約に基づく多額の支払いを行ったことはない。しかしながら、現在の法的
環境により特許補償のリスクは増加している。
補償について、当社の履行は他の契約当事者が契約に規定された手順に従った請求をすることを条件としてお
り、そのような手順において、通常当社は当該請求に異議を唱える機会を与えられている。また、表明および保証に
違反があった場合に生じる当社の補償義務は通常、一定の期間や金額(契約金額)の制限があり、賠償を行った場
合でも、当社は賠償額を第三者に求償できる場合がある。
また、モトローラ・モビリティとの分社化および配当に関する基本契約やその他の契約に従い、モトローラ・モ
ビリティは当社に対し特定の負債について補償することを合意し、当社もモトローラ・モビリティに対し特定の
負債について補償することを合意している。なお、いずれも金額に上限は設けていない。
知的財産権に関する事項:2010年度において、当社はある会社と和解しライセンス契約を締結した。そして、そ
れにより両者間における係属中の訴訟を全て解決した。当該契約には相手先から当社への175百万ドルの前払金、
特定の知的財産権に対する相手先から当社への将来のロイヤリティおよび両社間における特定の特許権の譲渡に
関する条項が含まれている。当該契約締結及び譲渡された特許権の評価の結果、2010年12月31日に終了した事業年
度において、当社は両当事者間の係属中の訴訟の和解に関して、228百万ドルの税引前の利益を計上した。当該将来
のロイヤリティを受け取る権利は、2011年1月4日の分社化により、モトローラ・モビリティに移転された。
2010年度において、当社はある会社との特定の知的財産権に関する紛争を解決するために、和解契約を締結し
た。和解契約の結果、当社は65百万ドルを現金で受領し、特定の知的財産権の譲渡を受けた。当該契約の結果、2010
年12月31日に終了した事業年度において、当社は当事者間の係属中の訴訟の解決に関して、94百万ドルの税引前の
利益を計上した。
その他:2008年第3四半期に、当社は購入約定の決済に関連して150百万ドルの費用を計上した。
12 事業部門別および地域別情報
2010年12月期を通じて、当社は以下の2つの主要なビジネスユニットからなる事業部門の業績を報告している。
2011年1月4日のモトローラ・モビリティ分社化後、エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門だけ
が当社の一部として残っている。
モトローラ・ソリューション
・ エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門は、広範囲にわたる顧客に対して、アナログおよびデ
ジタルの2ウェイラジオ、無線LANおよびセキュリティー製品、プライベート・ネットワーク用の音声・デー
タ通信製品およびシステム、ワイヤレス・ブロードバンド・システム、ならびにエンド・ツー・エンドのエ
ンタープライズ・モビリティ・ソリューションの設計、製造、販売、据付およびサービス提供を行っている。
エンタープライズ市場には、官公庁・パブリックセーフティー機関(双方向通信製品の販売店に対するす
べての売上げを含めて「官公庁・パブリックセーフティー市場」という。)ならびに小売り、エネルギーと
公共、運輸、製造、ヘルスケアおよびその他商業顧客(総称して「商業エンタープライズ市場」という。)が
含まれる。
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モトローラ・モビリティ
・ モバイル・デバイス部門は、スマートフォンを含めた統合ソフトウェア付き携帯機器およびア
クセサリーの設計、製造、販売およびサービス提供ならびに知的財産権の使用許諾を行ってい
る。
・ ホーム部門は、ケーブルテレビ(以下「TV」という。)および通信接続サービス・プロバイダーに対して、デ
ジタル・ビデオ向けセット・トップ・ボックス、インターネット・プロトコル(以下「IP」という。)ビデ
オ、衛星放送及び地上波放送向けの放送ネットワーク、エンド・ツー・エンドのデジタル・ビデオ及びイン
ターネット・プロトコル・テレビ(以下「IPTV」という。)、ブロードバンド・アクセス基盤プラット
フォーム並びに関連するデータおよび音声の顧客端末に関連するソフトウェア・ソリューションを提供し
ている。
事業部門の経営成績は、営業利益に必要に応じてセグメント特有の項目および企業内配賦を調整した金額に基
づいて計上されている。事業部門間および地域間の売上は独立企業間価格で会計処理されている。その他および相
殺消去に含まれる事業部門間の売上は、以下のとおりであった。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
$31
$38
$87
17
45
53
$48
$83
$140
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション
モバイル・デバイス
識別可能資産(事業部門間の受取債権は除く)は、各地域において同種の製品や事業ごとに分類された資産で
ある。
2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度において、顧客企業の1社が当社連結純売上高のそ
れぞれ約18%、約10%を占めている。2008年12月31日に終了した事業年度において、1社単独で当社連結純売上高の
10%超を占めた顧客企業はなかった。
事業部門別情報
純売上高
12月31日に終了した事業年度
営業利益(損失)
2010年
2009年
2008年
$ 7,857
$7,169
$8,228
$949
$736
$(343)
モバイル・デバイス
7,819
7,146
12,099
(76)
(1,215)
(2,432)
ホーム
3,641
3,904
4,912
152
19,317
18,219
25,239
1,025
(463)
(2,435)
(236)
(29)
(107)
789
(492)
(2,542)
(112)
(11)
(311)
エンタープライズ・モビリティ・ソリュー
ション
その他・相殺消去
(35)
$19,282
(72)
$18,147
2010年
(130)
その他収益(費用)
$
275/507
16
2008年
340
$25,109
営業利益(損失)
継続事業より生じた税引前利益(損失)
2009年
677
$(503) $ (2,853)
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その他・相殺消去に含まれる営業損失は、以下のとおりであった。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
$ 242
$ 42
$ 59
16
8
43
7
30
38
(29)
(75)
14
環境引当金費用
―
24
―
進行中の研究開発費
―
―
1
有形固定資産売却益
―
―
(48)
$236
$29
$ 107
事業分離関連費用
全社費用
事業再構築費用
訴訟和解(純額)
全社費用は主に全社関連費用、および当社の完全所有金融子会社で構成されている。
資産
12月31日に終了した事業年度
エンタープライズ・モビリティ
・ソリューション
2010年
2009年
設備投資
2008年
減価償却費
2010年 2009年 2008年 2010年 2009年 2008年
$6,297
$5,801
$6,114
$182
$124
$150
$143
$158
$159
モバイル・デバイス
4,179
2,589
3,559
125
35
84
119
131
157
ホーム
3,839
3,441
3,929
18
32
67
54
62
58
14,315
11,831
13,602
325
191
301
316
351
374
9,841
11,563
11,253
10
13
107
(4)
16
18
$24,156
$23,394
$24,855
$335
$204
$408
$312
$367
$392
1,421
2,209
3,014
$25,577
$25,603
$27,869
その他・相殺消去
廃止事業
その他の資産は主に現金および現金等価物、シグマ・ファンド、繰延税金資産、短期投資、有形固定資産、投資および管理本部
資産である。
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地域別情報
純売上高
資産
有形固定資産(純額)
12月31日に終了した
事業年度
2010年
米国
$11,107 $10,513 $13,715 $18,386 $17,327 $16,619
中国
2009年
2008年
2010年
2009年
2008年
2010年
2009年
2008年
$915
$856
$1,002
1,128
905
1,250
2,465
2,295
2,803
212
161
198
ブラジル
913
849
1,550
836
855
993
91
98
108
英国
687
577
909
896
1,143
1,047
30
34
35
イスラエル
270
299
443
1,344
1,324
1,269
40
172
139
シンガポール
108
93
116
218
716
1,862
4
19
32
5,069
4,911
7,126
11
(266)
262
437
479
498
$19,282 $18,147 $25,109 $24,156 $23,394 $24,855
$1,729
$1,819
$2,012
その他の国(相殺消去
控除後)
地域別の純売上は、最終顧客の地域ごとに測定されている。
13 事業の再構築
当社は、人員削減または事業再構築の結果として強制的に雇用が終了された場合に、勤務期間および雇用等級に
基づく退職給付を適格従業員に提供する正式な非自発的退職制度(以下「退職制度」という。)を保有している。
当社は、将来的な決済の可能性が高く、事業再構築計画が経営陣に承認された時点で作成された計画に基づいて合
理的に見積ることが可能である場合に、当該退職制度の計算方式に基づいて退職手当を認識している。撤退費用
は、施設に関連するリース契約を解約する際に生じる将来最低賃料支払額およびその他の契約終了に伴う支払に
より構成される。各報告日において、当社は未払従業員退職費用および未払撤退費用が適切であるかを判断するた
めに評価を行っている。計画通りに実行された場合、従業員が自己都合退職し退職手当を受け取らなかった場合、
または当初の計画が開始された時点で予測できなかった事態の発生により従業員が配置転換された場合など、引
当計上が必要でなくなることもある。そうした場合、当社は必要性がないと判断した時点で、引当金を連結損益計
算書上で当初費用が計上された項目に戻し入れている。
2010年度
2010年度において、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達
成することを目的とした様々な生産性向上計画を引き続き実施した。当社の3つの事業部門全部がこれらの計画
による影響を受けた。影響を受ける従業員は、全地域にわたる。
2010年度において、当社は、138百万ドルの事業再構築費用(純額)を計上した。これらは、当社の連結損益計算
書において、38百万ドルは売上原価に、そして100百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計138百万ドルの
費用の内訳は、従業員退職費用150百万ドル、撤退費用21百万ドルおよび固定資産減損6百万ドルから構成されて
おり、不要となった引当金の戻入39百万ドルによって一部相殺されている。
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以下の表は、事業部門別の事業再構築費用(純額)を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション
$ 68
モバイル・デバイス
34
ホーム
29
131
7
全社
$138
以下の表は、2010年1月1日から2010年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する
事業再構築引当金の推移を示したものである。
2010年1月1日
引当金残高
撤退費用
従業員退職費用
追加繰入額
調整額
取崩額
2010年12月31日
引当金残高
$ 57
$ 21
$ (11)
$ (32)
$ 35
65
150
(29)
(121)
65
$122
$171
$(40)
$(153)
$100
撤退費用
2010年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して57百万ドルの引当金を計上してい
た。2010年度の追加繰入額は21百万ドルである。11百万ドルの調整額は、主に不要となった引当金の戻入12百万ド
ルを反映しており、一部1百万ドルの外貨換算調整額が相殺されている。2010年度の取崩額32百万ドルは、現金支
払額を反映したものである。2010年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている35百万ドルの引
当金残高は、主に未払リースキャンセル料に関する将来の現金支払額を示したものである。
従業員退職費用
2010年1月1日において、当社には(ⅰ)2009年度から支払を受け始めた退職従業員、および(ⅱ)2010年度から支
払を受け始めた約1,200人の従業員の退職手当として65百万ドルの従業員退職費用が引き当てられていた。2010年
度の追加繰入額150百万ドルは、追加の約3,300人の従業員(うち1,800人が直接人員、1,500人が間接人員)に対す
る退職手当を示したものである。
29百万ドルの調整額は、(ⅰ)不要となった引当金の戻し入れ27百万ドル(ⅱ)外貨換算調整額2百万ドルである。
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2010年度において、約2,200人の従業員(うち900人が直接人員、1,300人が間接人員)が、当社より退職した。2010
年度の取崩額121百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。2010年12月31日
現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている65百万ドルの引当金残高は、(ⅰ)既に支払を受け始めた退
職従業員、および(ⅱ)2011年度に退職する約3,800人の従業員に、通常、1年以内に支払われる予定である。
2009年度
2009年度において、売上に悪影響を及ぼすマクロ経済の悪化を鑑みて、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減
することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達成することを目的とした様々な生産性向上計画の実施に取り
組んだ。当社の3つの事業部門全部および全社機能がこれらの計画による影響を受け、その影響の大半はモバイル
・デバイス部門に及ぶ。影響を受ける従業員は、全域にわたる。
2009年度において、当社は、298百万ドルの事業再構築費用純額を計上した。これらは、当社の連結損益計算書に
おいて、63百万ドルは売上原価に、そして235百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計298百万ドルの費用
の内訳は、従業員退職費用320百万ドル、撤退費用36百万ドルおよび固定資産減損18百万ドルから構成されており、
不要となった引当金の戻入76百万ドルによって一部相殺されている。
以下の表は、事業部門別の事業再構築費用純額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2009年
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション
$ 66
モバイル・デバイス
184
18
ホーム
268
30
全社
$298
以下の表は、2009年1月1日から2009年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する
事業再構築引当金の推移を示したものである。
2009年度
撤退費用
従業員退職費用
1月1日
追加繰入額
引当金残高
調整額
取崩額
12月31日
引当金残高
$ 78
$ 36
$ (11)
$ (46)
$ 57
153
320
(61)
(347)
65
$231
$356
$(72)
$(393)
$122
調整額には、外貨換算調整額が含まれる。
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撤退費用
2009年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して78百万ドルの引当金を計上してい
た。2009年度の追加繰入額36百万ドルは、主にリース設備からの撤退、およびリース契約の終了に伴う撤退費用に
関するものである。11百万ドルの調整額は、(ⅰ)不要となった引当金の戻入8百万ドル、および(ⅱ)外貨換算
調整額3百万ドルを反映している。2009年度の取崩額46百万ドルは、現金支払額を反映したものである。2009年12
月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている57百万ドルの引当金残高は、主に未払リースキャンセ
ル料に関する将来の現金支払額を示したものである。
従業員退職費用
2009年1月1日において、当社には約2,000人の従業員の退職手当として153百万ドルの従業員退職費用が引き
当てられていた。2009年度の追加繰入額320百万ドルは、約8,300人の従業員(うち3,100人が直接人員、5,200人が
間接人員)に対する退職手当を示したものである。
61百万ドルの調整額は、外貨換算調整額7百万ドルにより一部相殺されている不要となった引当金の戻入68百
万ドルを反映している。
2009年度において、約9,100人の従業員(うち3,800人が直接人員、5,300人が間接人員)が、当社より退職した。
2009年度の取崩額347百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。65百万ドル
の引当金残高が2009年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている。
2008年度
2008年度において、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達
成することを目的とした様々な生産性向上計画を実施した。当社の3つの事業部門全部および全社機能がこれら
の計画による影響を受け、その影響の大半はモバイル・デバイス部門に及んだ。影響を受ける従業員は、全域にわ
たる。当社は、300百万ドルの事業再構築費用純額を計上した。これらは、当社の連結損益計算書において、84百万ド
ルは売上原価に、そして216百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計300百万ドルの費用の内訳は、従業員
退職費用283百万ドル、撤退費用66百万ドルが、不要となった引当金の戻入49百万ドルによって一部相殺されたも
のである。
以下の表は、事業部門別の事業再構築費用純額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2008年
エンタープライズ・モビリティ・ソリューション
$ 25
モバイル・デバイス
216
21
ホーム
262
38
全社
$300
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以下の表は、2008年1月1日から2008年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する
事業再構築引当金の推移を示したものである。
2008年度
撤退費用
従業員退職費用
1月1日
追加繰入額
引当金残高
調整額
取崩額
12月31日
引当金残高
$ 27
$ 66
$( 1)
$ (14)
$ 78
160
283
(44)
(246)
153
$ 187
$ 349
$(45)
$(260)
$231
調整額には、外貨換算調整額が含まれる。
撤退費用
2008年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して27百万ドルの引当金を計上してい
た。2008年度の追加繰入額66百万ドルは、主に(ⅰ)モバイル・デバイス部門による英国のリース設備の撤去、お
よび(ⅱ)ホーム部門によるメキシコのリース設備の撤去に関するものである。1百万ドルの調整額は、不要と
なった引当金の戻入2百万ドルにより一部相殺された外貨換算調整額3百万ドルを反映している。2008年度の取
崩額14百万ドルは、現金支払額を反映したものである。2008年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含ま
れている78百万ドルの引当金残高は、未払リースキャンセル料に関する将来の現金支払額を示したものである。
従業員退職費用
2008年1月1日において、当社には約2,100人の従業員の退職手当として160百万ドルの従業員退職費用が引き
当てられていた。2008年度の追加繰入額283百万ドルは、約5,100人の従業員(うち2,200人が直接人員、2,900人が
間接人員)に対する退職手当を示したものである。
44百万ドルの調整額は、外貨換算調整額2百万ドルにより一部相殺されている不要となった引当金の戻入46百
万ドルを反映している。引当金の戻入46百万ドルは、600人の従業員に対して計上した前期の未払費用を表してい
る。
2008年度において、約5,200人の従業員(うち2,300人が直接人員、2,900人が間接人員)が、当社より退職した。
2008年度の取崩額246百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。153百万ドル
の引当金残高が、2008年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれていた。
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14 無形資産およびのれん
当社は、事業の買収についてパーチェス法による会計処理を行い、被買収会社の買収日以降の経営成績を当社の
連結財務諸表に組み込んでいる。これらの買収による連結財務諸表への見積影響額は個別にも全体的にも重要な
ものではない。当社は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において重要
な買収を行っていない。
無形資産
償却無形資産の内訳は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
総帳簿価額
2009年
償却額累計
総帳簿価額
償却額累計
無形資産:
完成技術
$1,150
$ 951
$1,133
$
785
特許
384
227
288
166
顧客関連
209
127
209
110
ライセンス技術
130
123
130
122
その他の無形資産
139
133
143
129
$2,012
$1,561
$1,903
$1,312
2010年、2009年および2008年12月31日に終了した事業年度において、連結損益計算書のその他費用に含まれてい
る無形資産の償却額はそれぞれ、258百万ドル、277百万ドルおよび294百万ドルであった。2010年12月31日現在の将
来償却額は、2011年度に241百万ドル、2012年度に80百万ドル、2013年度に45百万ドル、2014年度に24百万ドル、2015
年度に17百万ドルと見積られている。
のれんを除く償却無形資産の事業部門別内訳は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
エンタープライズ・モビリティ・ソリュー
ション
総帳簿価額
2009年
償却額累計
総帳簿価額
償却額累計
$ 1,193
$ 947
$ 1,210
$ 757
モバイル・デバイス
153
53
46
46
ホーム
666
561
647
509
$2,012
$1,561
$1,903
$1,312
当社は、2008年12月31日に終了した事業年度に、主に完成技術およびその他の無形資産に関連するテクノロジー
・プラットフォーム戦略における変更のため、エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門において136
百万ドルの無形資産の減損損失を計上した。
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のれん
以下の表は、2008年1月1日から2010年12月31日までの報告セグメント別のれんの帳簿価額の推移を示したも
のである。
2008年1月1日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2008年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2009年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2010年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
エンタープラズ・
モビリティ・
ソリューション
$ 2,916
―
2,916
60
(1,564)
28
3,004
(1,564)
1,440
―
―
(11)
2,993
(1,564)
1,429
―
―
―
2,993
(1,564)
$ 1,429
モバイル・
デバイス
ホーム
$19
―
19
15
(55)
21
55
(55)
―
―
―
―
55
(55)
―
78
―
―
133
(55)
$78
$
1,528
(73)
1,455
12
―
(179)
1,361
(73)
1,288
―
―
(3)
1,358
(73)
1,285
33
―
―
1,391
(73)
$1,318
合計
$4,463
(73)
4,390
87
(1,619)
(130)
4,420
(1,692)
2,728
―
―
(14)
4,406
(1,692)
2, 714
111
―
―
4,517
(1,692)
$2,825
2008年12月31日に終了した事業年度において、当社は2007年度の買収における、買収前の繰越欠損金に関して、
米国の内国歳入法第382条制限(以下「IRC第382条」という。)に基づき、評価の最終まとめを行った。IRC第382条
の調査の結果、当社は繰延税金資産を追加計上し、それに対応するのれんを減少させた。これらは上表の調整額に
反映されている。
当社は、毎期第4四半期においてのれんの減損の年次評価を行っている。のれんの減損テストは報告単位レベル
で実施される。報告単位は事業部門もしくはそのひとつ下のレベルとなる。当社は、モバイル・デバイス部門はひ
とつの報告単位としての要件を満たすと判断した。エンタープライズ・モビリティ・ソリューション部門につい
ては、当社は官公庁・パブリックセーフティー報告単位とエンタープライズ・モビリティ報告単位の2つの報告
単位を特定している。ホーム部門については、当社はブロードバンド・ホーム・ソリューション報告単位とアクセ
ス・ネットワーク報告単位の2つの報告単位を特定している。当社は、のれんの評価過程においては、インカムア
プローチとマーケットアプローチの双方をもって広範囲にわたる評価分析を行っている。報告単位と報告単位内
のその他資産と負債の公正価値の測定には、重要な見積もりと仮定を行わなければならない。これらの見積もりお
よび仮定には主に、各報告単位特有の割引率、永久成長率、減価償却および償却前利益、資本的支出の予測が含まれ
るが、これらに限定されるものではない。これら見積もりの作成にあたり、固有の不確実性が存在するため、実際の
結果がこうした見積もりと相異する可能性がある。
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報告単位の評価において、当社は過年度と同様、75%をインカムアプローチに、25%をマーケットアプローチと
して配分している。当社の報告単位と類似した適切な市場参加者を見つけることがとても困難であることや将来
割引キャッシュ・フローのほうが報告単位の価値をより反映するという見解から、当社はこの比例配分が適切で
あると考えている。 のれんの回収可能性につき、2009年度および2010年度の年次評価の結果に基づくと、全ての報告単位の公正価値
はそれぞれの簿価を上回っており、これらの報告単位にのれんの減損がないことを示している。 のれんの回収可能性につき、2008年年次評価の第一段階の結果に基づくと、ブロードバンド・ホーム・ソリュー
ションズとアクセスネットワーク報告単位の公正価値はそれぞれの簿価を上回っており、これらの報告単位にの
れんの減損がないことを示している。しかし、エンタープライズ・モビリティおよびモバイル・デバイス報告単位
の公正価値はそれぞれの簿価を下回っており、のれんの減損の潜在的な可能性により、その報告単位を対象とした
第二段階の分析を行う必要が示唆された。当社は2007年にエンタープライズ・モビリティ報告単位の主要構成事
業を買収したが、その時点では報告単位の簿価と公正価値は同一であった。この事実より、エンタープライズ・モ
ビリティ報告単位の公正価値がその簿価を下回ったのは、市場全体の低迷や、マクロ経済環境の悪化によるものと
考えられる。モバイル・デバイス部門の公正価値の簿価を下回る下落は、マクロ経済環境の悪化や2008年第4四半
期に発表されたプラットフォームの統合の決定により、予想収益とキャッシュ・フローが期待を下回ったこと、報
告単位の将来キャッシュ・フローを取り巻く不確実性のためである。2008年12月31日に終了した事業年度につい
て、当社はエンタープライズ・モビリティ・ソリューションおよびモバイル・デバイス報告単位に関連するのれ
んについてそれぞれの報告セグメントにおいて16億ドルおよび55百万ドルの減損を計上した。
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15 引当勘定
以下の表は、2010年、2009年および2008年12月31日に終了した事業年度における引当勘定残高の推移を表してい
る。
1月1日
残高
収益に
対する費用
計上額
$ 122
$ 171
$ (153)
$ (40)
$ 100
75
49
(11)
(15)
98
9
3
(2)
(7)
3
棚卸資産引当金
673
218
(263)
(83)
545
製品保証関係債務引当金
209
372
(301)
(31)
249
顧客契約保証引当金
321
1,131
(919)
(160)
373
$ 231
$ 356
$ (393)
$ (72)
$ 122
114
27
(44)
(22)
75
7
6
―
(4)
9
棚卸資産引当金
622
358
(268)
(39)
673
製品保証関係債務引当金
268
278
(290)
(47)
209
顧客契約保証引当金
496
1,007
(1,021)
(161)
321
$ 187
$ 349
$ (260)
$ (45)
$ 231
貸倒引当金
99
47
(18)
(14)
114
長期債権損失引当金
5
5
―
(3)
7
棚卸資産引当金
254
664
(326)
30
622
製品保証関係債務引当金
383
414
(445)
(84)
268
顧客契約保証引当金
782
1,435
(1,347)
(374)
496
取崩額
調整額
12月31日
残高
2010年
事業再構築費用引当金
貸倒引当金
長期債権損失引当金
2009年
事業再構築費用引当金
貸倒引当金
長期債権損失引当金
2008年
事業再構築費用引当金
調整額には、外貨換算調整額が含まれる。
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*
16 四半期別財務データ(未監査)
2010年
第1
四半期
2009年
第2
四半期
第3
四半期
$4,195 $4,534
$4,890
第4
四半期
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
$5,663
$4,472
$4,553
$4,336
$4,786
経営成績
純売上高
売上原価
2,744
2,900
3,110
3,630
3,269
3,182
2,897
3,058
売上総利益
1,451
1,634
1,780
2,033
1,203
1,371
1,439
1,728
販売費および一般管理費
791
822
810
944
782
750
718
808
研究開発費
618
634
637
641
695
634
621
648
その他費用
75
(41)
108
70
221
61
111
184
(33)
219
225
378
(495)
(74)
(11)
88
(9)
49
7
207
(317)
(11)
(90)
51
69
162
109
293
(231)
26
12
142
$(0.03) $ 0.15
$ 0.02
$ 0.62
$(0.97) $(0.03)
$(0.27)
$0.15
(0.27)
0.15
営業利益(損失)
継続事業により生じた
**
利益(損失)
**
当期純利益(損失)
1株当たり
データ
(単位:ドル)
継続事業:
基本的普通株式1株当
たり利益(損失)
希薄化後普通株式1株
当たり利益(損失)
(0.03)
0.15
0.02
0.61
(0.97) (0.03)
0.21
0.49
0.33
0.87
(0.71)
0.08
0.04
0.43
0.21
0.48
0.32
0.86
(0.71)
0.08
0.04
0.43
当期純利益:
基本的普通株式1株当
たり利益(損失)
希薄化後普通株式1株
当たり利益(損失)
配当宣言額
―
―
―
―
―
―
―
―
配当支払額
―
―
―
―
0.35
―
―
―
高値
57.82
54.25
61.18
64.26
34.65
48.65
66.15
65.52
安値
42.28
43.75
45.43
53.55
20.86
29.75
41.37
53.69
株価
* **
過年度の財務諸表および関連する注記における特定の金額は、2010年の表示に合わせるために組み替えられている。
モトローラ・ソリューションズ・インクの普通株主に帰属する金額である。
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
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2 【主な資産・負債及び収支の内容】
本項に記載すべき事項は、連結財務諸表注記に記載されている。
3 【その他】
(1) 決算日後の状況
2011年1月以降の当社の部門の再編成およびモトローラ・モビリティの分割に関連して、当社は、2011年5月
12日付で様式8-Kによる臨時報告書を提出し、当社の2010年度様式10-Kによる年次報告書において当初報告さ
れた連結財務諸表と財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析を更新した。以下は、かかる様式
8-Kによる当社の臨時報告書からの抜粋の和訳である。
当社は、2010年12月31日に終了した事業年度に関する様式10-Kによる年次報告書(以下「モトローラ2010年
度年次報告書」という。)を改訂して、(ⅰ)当社事業を2部門、すなわち官公庁部門およびエンタープライズ
部門に再編成することによる当社の部門表示の変更、ならびに(ⅱ)2011年1月4日の当社によるモトローラ
・モビリティのすべての普通株式の配当により、モトローラ・モビリティの過去の財務成績が廃止事業として
再分類されたことを反映するためにのみ、本様式8-Kを提出する。2011年4月29日、当社は、ネットワークス事業
の一定の資産および負債のNSNへの売却を完了した。NSNに売却されたネットワークス事業部分の営業成績は、
2010年第3四半期より、廃止事業に再分類された。
様式8-Kによる本臨時報告書の別紙99.1および99.2はそれぞれ、部門表示の変更およびモトローラの過去の
財務成績の廃止事業への再分類を反映するため、モトローラ2010年度年次報告書の「Item 7: Management’s
Discussion and Analysis of Financial Condition and Results of Operations 」および「 Item 8:
Financial Statements and Supplementary Data」(注:本報告書「第3 事業の状況 7 財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フローの状況の分析」のうち「市場リスクに関する数量的・定性的な情報開示」の項目以降
の記載を除いた部分、および「第6 経理の状況 1 財務書類」の各記載に対応する。)を改訂したものである。
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(別紙99.1)
以下は、当社によるモトローラ・モビリティ株式のすべての配当、ならびに当社の公衆通信事業者向けのエン
ドツーエンドの携帯電話ネットワークの設計、開発、製造、購入、販売、統合、設置およびサービス提供事業(以下
「ネットワークス事業」という。)にかかる一定の資産および負債の売却後の、2010年12月31日までの3年間の
各年の当社の財政状況と業績についての検討と分析である。本項の記載は、当社連結財務諸表と連結財務諸表注
記と併せて読まれたい。
経営陣による概説
当社事業について
モトローラ・ソリューションズは、以下の2つの部門における営業成績を報告する。
・ 官公庁部門には、双方向無線機および公安システムの販売が含まれる。官公庁部門に含まれるサービス収
益は主に、公安ネットワーク向け機器の設計、設置、維持および最適化に関連するものである。
・ エンタープライズ部門には、エンタープライズ・モバイルコンピューティング機器、スキャニング機器、
ワイヤレス・ブロードバンド・システム、RFIDデータ収集ソリューションおよびiDENインフラストラク
チャの販売が含まれる。エンタープライズ部門に含まれるサービス収益は主に、上記製品に関連する保
守契約である。
2010年の主要財務成績
・ 2010年の純売上高は79億ドルとなり、前年の72億ドルから10%増加した。
・ 前年は570百万ドルの営業利益を計上したのに対し、2010年は778百万ドルの営業利益を計上した。2010年
の対純売上高営業利益率は、前年の7.9%に対し、9.9%となった。
・ 前年は継続事業による利益を423百万ドル(希薄化後普通株式1株当たり1.28ドル)計上したのに対し、
2010年は継続事業による利益が259百万ドル(希薄化後普通株式1株当たり0.77ドル)となった。
・ 2010年に営業活動により創出された現金は、前年度の628百万ドルに対し、818百万ドルとなった。
・ 2010年12月31日現在の当社の(ⅰ)現金および現金等価物残高、(ⅱ)シグマファンドおよび短期投資
資産、ならびに(ⅲ)長期シグマファンドの合計額は、2009年12月31日現在の80億ドルから904百万ドル
増加して89億ドルとなった。反対に、2010年12月31日現在の(ⅰ)支払手形および1年以内返済予定の
長期債務、ならびに(ⅱ)長期債務の合計額は、2009年12月31日現在の38億ドルからおよそ11億ドル減
少して27億ドルとなった。
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2010年における当社の2部門の財務成績
・ 官公庁部門:2010年の純売上高は、前年の49億ドルから5%増加して51億ドルとなった。地域別に見る
と、純売上高は、あらゆる地域で増加した。2010年の営業利益は、前年の542百万ドルに対し、566百万ドル
となった。
・ エンタープライズ部門:2010年の純売上高は、前年の23億ドルから19%増加して27億ドルとなった。地域
別に見ると、純売上高は、あらゆる地域で増加した。同部門では2010年、前年の営業利益28百万ドルに対
し、212百万ドルの営業利益を計上した。
2010年の主な課題と成果
・ 官公庁部門:官公庁部門の2010年の売上高は、前年を上回った。官公庁部門の営業利益は若干増加した。
さらに、官公庁部門はかねてより、非中核事業および製品ポートフォリオの再構成に取り組んできた。
2010年、同部門は、イスラエルに拠点を置くワイヤレス・ネットワーク運営事業を売却した。
同年中、同部門は、当社製品に対する需要に対応するため、世界的な供給不足および長時間化したリー
ドタイムを克服することに成功した。米国の官公庁系の顧客の多くは予算上の問題を抱えていたもの
の、官公庁・パブリックセーフティー市場における顧客の当社製品およびソリューションに対する需要
は、2009年に比べて増大した。2010年中、同部門のたゆまぬクオリティの追求、当社の総合的なポート
フォリオの強化、そして強固な顧客基盤が米国の官公庁系の顧客への売上高増加に寄与した。
研究開発に引き続き熱心に取り組んだ結果、当社の製品ポートフォリオを強化する新たな製品がこの
1年に数多く生まれた。当社はAPX™製品シリーズの拡大を図り、極限状況やシングルバンドユーザーに
対応するように設計された無線機のほか、APX携帯型無線と組み合わせることで安全なコミュニケー
ションを可能にする、暗号化されたミッションクリティカルなイヤピースとしては初となるブルー
トゥースなどの移動・携帯型の無線機をシリーズに加えた。また、業界初となるTETRA広帯域データ対応
の携帯型無線機および世界最小のシングルユニットデータ対応ベースステーションを発表し、受信可能
範囲サービスエリアを拡大する費用対効果の高いソリューションを提供している。当社は、サンフラン
シスコ・ベイエリアの複数の郡にわたるパブリックセーフティー用の700MHz LTEネットワークの第1
フェーズを受注した。この契約は、統合された最先端技術によるミッションクリティカルな民間向けブ
ロードバンドマルチメディアネットワークの導入における第1ステップとなる。
・ エンタープライズ部門:エンタープライズ部門の2010年の売上高は、前年を上回った。これは主に、当社
が事業を行う小売市場において、景気改善により需要が増大したことによるものである。エンタープラ
イズ部門の営業利益は前年を上回った。
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当社が研究開発投資を行った結果、当社の製品ポートフォリオを強化する新たな製品が数多く生まれ
た。モバイルコンピューティングに関しては、GPSとデータ収集を統合したコンパクトで堅牢な法人向け
モバイルコンピュータ「MC65」により、製品ポートフォリオを拡大した。同部門は、当社のモバイルコン
ピューティングのプラットフォームを採用した最小・最軽量の法人向けモバイルコンピューティング
機器「ES400」を発表した。ES400は、カスタマイズ可能なユーザーインターフェース、統合された音声・
データ機能のほか、モバイルコンピューティングとスキャン機能を特徴としている。
最近の動向
2010年7月19日、当社はネットワークス事業にかかる一定の資産および負債を、NSNに売却するという合意を発表
した(以下「本件取引」という)。2011年4月13日、当社は、当社およびNSNが当該合意を修正し、他の修正に加え、売
却価格の現金部分を12億ドルから975百万ドルに減額したことを発表した。2011年4月29日、当社は修正された本件
取引を完了した。修正された売却の合意の条件に基づき、売掛金150百万ドルを含む一部の資産は本件取引から除外
された。現金収益の大部分は米国にて受領された。当社は、現金収益は、本件取引の完了後に回収する150百万ドルの
売掛金を含めて、約10億ドル(税金、譲渡手数料およびその他の取引に関連する費用を差し引いた正味金額)になる
と予測している。本件取引に含まれるネットワークス事業部分の営業成績は、全期間にわたり、廃止事業として報告
されている。
2011年1月4日、モトローラ・モビリティのすべての普通株式の当社による本件配当が完了した。2010年12月21日
の営業終了時の登録株主は、かかる基準日時点での当社の普通株式8株につきモトローラ・モビリティの普通株式
を1株取得した。本件配当の直後、当社は社名をモトローラ・ソリューションズ・インクに変更した。本件配当は、米
国の税制上、モトローラ・ソリューションズおよびその株主については非課税となるようストラクチャリングされ
ている(株式の端数に代えて支払われた現金に関する場合を除く。)。モトローラ・モビリティの過去の財務成績
は、全期間にわたり、当社の当社連結財務諸表および注記において、廃止事業として反映されている。
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営業成績
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル。
但し、1株当たりの金額を除く。)
製品からの純売上高
サービスからの純売上高
純売上高
対売上高
2010年
比率
対売上高
2009年
比率
対売上高
2008年
$5,870
$5,259
$6,306
2,001
1,921
1,834
7,871
7,180
8,140
比率
製品の売上原価
2,673
45.5%
2,374
45.1%
2,880
45.7%
サービスの売上原価
1,281
64.0%
1,237
64.4%
1,171
63.8%
売上原価
3,954
50.2%
3,611
50.3%
4,051
49.8%
売上総利益
3,917
49.8%
3,569
49.7%
4,089
50.2%
販売費および一般管理費
1,910
24.3%
1,703
23.7%
1,845
22.6%
研究開発費
1,079
13.7%
1,041
14.5%
1,106
13.6%
その他費用
150
1.9%
255
3.6%
1,817
22.3%
営業利益(損失)
778
9.9%
570
7.9%
(679)
(8.3)%
営業外収益(費用):
受取(支払)利息、純額
(129)
投資および事業売却益(純額)
49
その他
営業外収益(費用)合計:
継続事業からの利益(損失)、税引前
法人税等(便益)
(133)
(1.8)%
35
0.4%
64
0.8%
0.6%
108
1.5%
(7)
(0.1)%
92
1.3%
(417)
(5.1)%
(87)
(1.1)%
67
1.0%
(318)
(3.9)%
8.8%
637
8.9%
(997)
(12.2)%
691
415
276
差引:非支配持分に帰属する利益
(1.6)%
5.3%
3.5%
17
191
446
2.7%
6.2%
23
0.2%
2,481
(3,478)
30.5%
(42.7)%
4
0.3%
0.0%
継続事業からの利益(損失)
259
3.3%
423
5.9%
(3,482)
(42.7)%
廃止事業からの利益、税引後
374
4.7%
(474)
(6.6)%
(762)
(9.4)%
$633
8.0%
$(51)
(0.7)%
$(4,244)
(52.1)%
当期純利益(損失)
希薄化後普通株式1株当たり利益(損失):
継続事業
$0.77
$1.28
廃止事業
1.10
(1.43)
(2.35)
$1.87
$(0.15)
$(13.11)
$(10.76)
表示は2011年1月4日に行われた株式併合を反映している。
最終顧客の所在地ごとに見た地域別市場の売上高を総純売上高に占める比率で表すと、2008年、2009年および2010
年は次表のようになる。
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最終顧客の所在地ごとの地域別市場シェア
2010年
2009年
2008年
米国
47%
48%
46%
ヨーロッパ
16%
16%
19%
アジア
12%
12%
10%
9%
8%
8%
16%
16%
17%
100%
100%
100%
ラテンアメリカ
その他の市場
2010年と比較した2009年の営業成績
純売上高
2010年の純売上高は79億ドルとなり、前年の72億ドルから10%増加した。純売上高の増加は、(ⅰ)官公庁部門に
おいて純売上高が259百万ドル、すなわち5%増加したこと、および(ⅱ)エンタープライズ部門において純売上高
が432百万ドル、すなわち19%増加したことによるものである。
売上総利益
売上総利益は、2009年の36億ドル(対純売上高比率49.7%)に対し、2010年は39億ドル(対純売上高比率49.8%)
であった。総売上高はいずれの部門においても増加した。売上総利益の増加は、両部門における売上総利益の増加に
よるものであった。これは主に、純売上高の増加と製品構成によるものであった。2010年の売上総利益の対純売上高
比率が前年より上昇したのは、官公庁部門において売上総利益率が若干上昇したことと、エンタープライズ部門にお
いて売上総利益率が低下したことを反映している。当社全体の売上総利益の対純売上高比率は、様々な当社事業に
よって生み出される純売上高全体の比率に影響されている。
販売費および一般管理費
販売費および一般管理費は、2009年の17億ドル(対純売上高比率23.7%)に対して、2010年は12%増加して19億ド
ル(対純売上高比率24.3%)となった。販売費および一般管理費が増加したのは、両部門において販売費および一般
管理費が増加したことを反映している。これは主に、純売上高の増加に関連して販売・マーケティング費が増加した
こと、および従業員手当関連費用の増大によるものであった。従業員手当関連費用における増加は主に、年金費用の
増加および当社の401(k)マッチング拠出の復活によるものである。販売費および一般管理費の対純売上高比率は、官
公庁部門においては上昇し、エンタープライズ部門においては減少した。
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研究開発費
研究開発費は、2009年の10億ドル(対純売上高比率14.5%)に対して、2010年は4%増加して11億ドル(対純売上
高比率13.7%)となった。研究開発費の増加は、両部門における研究開発費の増加を反映している。これは主に、新製
品開発の開発エンジニアリング費用と次世代技術への投資、ならびに主に現在のインセンティブ制度に基づく報奨
に関連する費用の増大による従業員手当関連費用の増加によるものであった。
研究開発費の対純売上高比率は、両部門において低下した。当社は、技術が絶えず移り変わる競争の厳しい業界に
参入しており、したがって、長期的成長を推進するためには研究開発への強い注力が必要であると考えている。
その他費用
当社は2010年、「その他費用」に150百万ドルの純費用を計上した。これに対し、2009年は255百万ドルの純費用を
計上した。2010年の費用の内訳は、(ⅰ)無形資産の償却に関連する費用203百万ドル、および(ⅱ)「その他費用」
に計上された事業再構築の純費用54百万ドルであるが、(ⅰ)知的財産に関する和解および引当金調整に関連する
78百万ドルの利得、ならびに(ⅱ)訴訟の和解関連の収入29百万ドルによって一部相殺された。2009年の費用の内訳
は、(ⅰ)無形資産の償却に関連する費用218百万ドル、(ⅱ)「その他費用」に計上された事業再構築の純費用88
百万ドル、および(ⅲ)環境引当金に関連する費用24百万ドルであるが、訴訟の和解関連の収入75百万ドルによって
一部相殺された。事業再構築の純費用については、下記の「事業の再構築」の項に詳しい考察が記載されている。
純受取(支払)利息
2010年の純支払利息は、2009年の純支払利息133百万ドルに対して、129百万ドルとなった。2010年の純支払利息は、
支払利息217百万ドルを受取利息88百万ドルで一部相殺したものであった。2009年の純支払利息は、支払利息207百万
ドルを受取利息74百万ドルで一部相殺したものであった。2010年の純支払利息が前年より増加したのは主に、2009年
中の一部の税務監査の解決の結果不要となった支払利息引当金の戻し入れがなかったことによるものだが、長期債
権からの受取利息の増加により一部相殺された。
投資および事業売却益
投資および事業売却益は、2009年の108百万ドルに対し、2010年は49百万ドルとなった。2010年の純益の主な内訳
は、投資資産1件の売却益31百万ドルであった。2009年の純益は主に、当社の一部の株式投資の売却に関連しており、
売却益のうち32百万ドルは、1件の投資によるものであった。
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その他
2009年は「その他」に92百万ドルの純収益が計上されたのに対し、2010年は7百万ドルの純費用が計上された。
2010年の「その他」の純費用の主な内訳は、(ⅰ)投資減損費用21百万ドル、および(ⅱ)当社の未払長期債務の一
部の消滅による損失12百万ドルであったが、(ⅰ)為替差益12百万ドル、および(ⅱ)シグマファンド投資益11百万
ドルにより一部相殺された。2009年の純収益の主な内訳は、(ⅰ)シグマファンド投資益80百万ドル、(ⅱ)当社の
未払長期債務の一部の消滅に関連する利益67百万ドル、および(ⅲ)為替差益14百万ドルであったが、一時的でない
投資減損費用75百万ドルにより、一部相殺された。
実効法人税率
当社は2010年、415百万ドルの純税金費用を計上し、その結果、継続事業に対する実効法人税率は60%となった。こ
れに対し、2009年は、191百万ドルの純便益を計上した結果、実効法人税率は30%となった。当社の2010年の実効税率
が米国法定税率35%を上回ったのは主に、(ⅰ)モトローラ・モビリティに関する本件配当の準備における当社の
投資構成の再編成に関連して未配分外国利益の本国送金に対する米連邦法人所得税引当金が増大したこと、および
(ⅱ)メディケア・パートD補助金に関する税法の改正に関連する非現金税金費用によるものだが、特定の税務上の
ポジションが認められる可能性がどの程度「50%超の可能性(more-likely-than-not)」であるかを示唆する事実
に応じた未認識の税務上の利益の減少により一部相殺された。
当社の実効税率は、税務監査の解決、評価引当金の変動および重要な異常項目もしくは特別損益項目の税務上の影
響などの非経常的な事象、ならびに、利益の地理的構成の変化および様々な世界的な法人税戦略の影響などの経常的
要素に基づき、期間ごとに変化する。
継続事業による利益(損失)
当社は2009年、637百万円の継続事業による税引前純利益を計上したのに対し、2010年は、691百万ドルの継続事業
による税引前純利益を計上した。税引後および非支配持分に帰属する利益控除後で見ると、2009年、継続事業による
純利益423百万ドル(希薄化後1株当たり1.28ドル)を計上したのに対し、2010年は、継続事業による純利益259百万
ドル(希薄化後1株当たり0.77ドル)を計上した。
2010年の継続事業による税引前利益が前年より改善したのは主に、売上総利益が348百万ドル増加したこと、およ
び「その他費用」が105百万ドル減少したことによるものであった。これらの改善は、(ⅰ)販売費および一般管理
費が207百万ドル増加したこと、(ⅱ)「営業外収益(費用)」に区分表記された「その他」の純収益が99百万ドル
減少したこと、ならびに(ⅲ)投資および事業の売却益が59百万ドル減少したことにより、一部相殺された。
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廃止事業からの利益(損失)
税引後で見ると、2010年の廃止事業からの利益は、前年の474百万ドルの損失(希薄化後1株当たり1.43ドル)に
対し、374百万ドルの利益(希薄化後1株当たり1.10ドル)を計上した。かかる廃止事業からの利益における前年度
からの改善は、主にモトローラ・モビリティの事業による損失の大幅な減少およびネットワークス事業からの利益
の増加によるものであった。
2008年と比較した2009年の営業成績
純売上高
2009年の純売上高は72億ドルとなり、前年の81億ドルから12%減少した。純売上高の減少は、(ⅰ)エンタープラ
イズ部門の純売上高が577百万ドル、すなわち20%減少したこと、および(ⅱ)官公庁部門の純売上高が383百万ド
ル、すなわち7%減少したことを反映している。
売上総利益
売上総利益は、2008年の41億ドル(対純売上高比率50.2%)に対し、2009年は36億ドル(対純売上高比率49.7%)
であった。売上総利益は、両部門で減少した。これは主に、純売上高の12%の減少と不利な製品構成によるものであっ
た。2009年の売上総利益の対純売上高比率が前年より減少したのは、官公庁部門における売上総利益比率の低下によ
るものだったが、エンタープライズ部門における売上総利益比率の上昇によって一部相殺された。当社全体の売上総
利益の対純売上高比率は、様々な当社事業によって生み出される純売上高全体の比率に影響されうる。
販売費および一般管理費
販売費および一般管理費は、2008年の18億ドル(対純売上高比率22.6%)に対して、2009年は8%減少して17億ド
ル(対純売上高比率23.7%)となった。販売費および一般管理費は、両部門において減少した。これは主に、(ⅰ)コ
スト削減の取り組みによる節減、および(ⅱ)当社の401(k)マッチング拠出の一時的な停止を反映した従業員手当
関連費用の減少によるものであった。販売費および一般管理費の対純売上高比率は、エンタープライズ部門において
上昇し、官公庁部門において低下した。
研究開発費
研究開発費は、2008年の11億ドル(対純売上高比率13.6%)に対して、2009年は6%減少して10億ドル(対純売上
高比率14.5%)となった。研究開発費は、主にコスト削減の取り組みによる節減および従業員手当関連費用の低下に
より、両部門において減少した。研究開発費の対純売上高比率は、両部門において上昇した。当社は、技術が絶えず移
り変わる競争の厳しい業界に参入しており、したがって、長期的成長を推進するためには研究開発への強い注力が必
要であると考えている。
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その他費用
当社は2009年、「その他費用」に255百万ドルの純費用を計上した。これに対し、2008年は18億ドルの純費用を計上
した。2009年の費用の内訳は、(ⅰ)無形資産の償却に関連する費用218百万ドル、(ⅱ)「その他費用」に計上され
た事業再構築の純費用88百万ドル、および(ⅲ)環境引当金に関連する費用24百万ドルであったが、訴訟の和解関連
の収入75百万ドルによって一部相殺された。2008年の純費用の内訳は、(ⅰ)資産の減損費用16億ドル、(ⅱ)無形
資産の償却に関連する費用227百万ドル、および(ⅲ)「その他費用」に計上された事業再構築の純費用60百万ドル
であったが、有形固定資産の売却益48百万ドルによって一部相殺された。事業再構築の純費用については、下記の
「事業の再構築」の項に詳しい考察が記載されている。
純受取(支払)利息
2008年の純受取利息35百万ドルに対して、2009年は133百万ドルの純支払利息を計上した。2009年の純支払利息は、
支払利息207百万ドルを受取利息74百万ドルで一部相殺したものであった。2008年の純受取利息は、受取利息245百万
ドルを支払利息210百万ドルで一部相殺したものであった。受取利息の大幅な減少は、(ⅰ)2009年中、平均短期金利
が前年より大幅に低下したこと、(ⅱ)シグマファンドの投資構成が変化し、満期までの期間が短く金利の低い流動
性の高い有価証券が増えたこと、(ⅲ)2009年中、現金、現金等価物およびシグマファンド残高の平均額が前年より
減少したことを反映している。この受取利息の減少は、主に2009年中に当社の未払負債水準が低下したことによる支
払利息の減少によって若干、相殺された。
投資および事業売却益
投資および事業売却益は、2008年の64百万ドルに対し、2009年は108百万ドルとなった。2009年の純益は主に、当社
の一部の株式投資の売却に関連しており、売却益のうち32百万ドルは、1件の投資によるものであった。これらの利
益は、特定の事業の純売却損により一部相殺された。2008年の純益は主に、当社のいくつかの株式投資の売却に関連
したものであった。
その他
2008年は「その他」に417百万ドルの純費用が計上されたのに対して、2009年は92百万ドルの純収益が計上され
た。2009年の純収益の主な内訳は、(ⅰ)シグマファンド投資益80百万ドル、(ⅱ)当社の未払長期債務の一部の消
滅に関連する利益67百万ドル、および(ⅲ)為替差益14百万ドルであったが、一時的でない投資減損費用75百万ドル
により、一部相殺された。2008年の純費用の主な内訳は、(ⅰ)投資の減損費用333百万ドル(うち138百万ドルは、1
件の戦略的投資に関連したもの)、(ⅱ)シグマファンド投資の損失の合計額287百万ドル、および(ⅲ)為替差損
69百万ドルであったが、(ⅰ)米国年金制度の給付引当金を凍結するという決定に関連した、縮小による利得237百
万ドル、(ⅱ)ヘッジとして指定されなかった数件の金利スワップに関連する利益24百万ドル、および(ⅲ)当社の
未払長期債務の一部の消滅に関連する利益14百万ドルによって一部相殺された。
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実効法人税率
当社は2009年、191百万ドルの純税金費用を計上し、その結果、実効法人税率は30%となった。これに対し、2008年
は、25億ドルの純税金費用を計上した結果、実効法人税率は249%のマイナスの税率となった。当社の2009年の実効税
率が米国法定税率35%を下回ったのは主に、還付可能な一般事業税額控除に関連する評価引当金の減少および特定
の税務上のポジションが認められる可能性がどの程度「50%超の可能性」であるかを示唆する事実に応じた未認識
の税務上の利益の減少によるものであった。当社の2008年の実効法人税率がマイナスであったのは主に、当社の米国
繰延税金資産の一部に対する繰延税金評価引当金を設定するための非現金税金費用21億ドルの計上および損金不算
入ののれんの減損費用の計上によるものであった。
当社の実効税率は、税務監査の解決、評価引当金の変動および重要な異常項目または特別損益項目の税務上の影響
などの非経常的な事象、ならびに、税引前利益の地理的構成の変化および様々な世界的な法人税戦略の影響などの経
常的要素に基づき、期間ごとに変化する。
継続事業からの利益(損失)
当社は2009年、継続事業による税引前純利益637百万ドルを計上した。これに対し、2008年に計上した継続事業によ
る税引前純損失は997百万ドルであった。税引後で見ると、非支配持分に帰属する利益を除外した継続事業による利
益は、2008年の35億ドル(希薄化後1株当たり10.76ドル)に対し、2009年は423百万ドル(希薄化後1株当たり1.28
ドル)となった。
2009年の継続事業による税引前利益が前年より改善したのは主に、(ⅰ)「その他費用」が16億ドル減少したこ
と、(ⅱ)「営業外収益(費用)」の中に区分表記された「その他」の収益が509百万ドル増加したこと、ならびに
(ⅲ)販売費および一般管理費が142百万ドル減少したことによるものであった。これらの要素は、(ⅰ)売上総利
益が520百万ドル減少したこと、および(ⅱ)純支払利息が168百万ドル増加したことによって、一部相殺された。
廃止事業からの利益(損失)
税引後で見ると、2009年の廃止事業における損失は、前年の762百万ドル(希薄化後1株当たり2.35ドル)に対し、
474百万ドル(希薄化後1株当たり1.43ドル)を計上した。2009年の廃止事業による損失が前年より改善したのは、
主にモトローラ・モビリティの事業による損失の減少によるものであったが、ネットワークス事業からの収益の減
少により一部相殺された。
部門別情報
以下の記載は、当社連結財務諸表の注記12「事業部門別および地域別情報」で詳述される各事業部門の財務成績
と併せてお読みいただきたい。2008年、2009年および2010年における当社の2部門の純売上高および営業成績は以下
の通りである。
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官公庁部門
官公庁部門の純売上高が当社連結純売上高に占める比率は、2008年の65%、2009年の68%に対して、2010年は65%
となった。
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル)
部門純売上高
営業利益
2010年
2009年
増減率
2008年
2010-2009年
2009-2008年
$5,135
$4,876
$5,259
5%
(7)%
566
542
630
4%
(14)%
2009年と比較した2010年の部門別業績
2010年の官公庁部門の純売上高は51億ドルとなり、2009年の49億ドルから5%増加した。官公庁部門の純売上高が
5%増加したのは、ラジオおよびシステムの売上高が増加したことを反映している。同部門の純売上高の増加は、あ
らゆる地域における純売上高の増加を反映している。北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部門の事業の大部
分を構成しており、同部門の純売上高に占める割合は、2009年および2010年ともに、約63%であった。同部門の受注残
高は、2009年12月31日および2010年12月31日現在ともに、20億ドルであった。
同部門の営業利益は、前年の542百万ドルに対し、2010年は566百万ドルとなった。営業利益の増加は主に、純売上高
の5%増加と有利な製品構成による売上総利益の増加によるものであったが、(ⅰ)主に純売上高の増加および従
業員手当関連費用の増大に関連する販売・マーケティング費の増加による販売費および一般管理費の増加、ならび
に(ⅱ)主に次世代技術への投資および従業員手当関連費用の増大に起因する研究開発費の増加により、一部相殺
された。対純売上高比率で見ると、2010年の売上総利益は前年より若干増加し、販売費および一般管理費は増加し、研
究開発費は前年より減少した。
2008年と比較した2009年の部門別業績
2009年の官公庁部門の純売上高は49億ドルとなり、2008年の純売上高53億ドルから7%減少した。純売上高が7%
減少したのは、特にアメリカにおける顧客の予算制約に起因する支出の減少を反映している。同部門の純売上高は、
北アメリカ、EMEAおよびラテンアメリカで減少し、アジアで増加した。北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部
門の事業の大部分を構成しており、同部門の純売上高に占める割合は、2008年の61%に対し、2009年は63%であった。
同部門の受注残高は、2008年12月31日および2009年12月31日現在ともに、20億ドルであった。
同部門の営業利益は、前年の630百万ドルに対し、2009年は542百万ドルとなった。営業利益の減少は主に、純売上高
の7%減少と不利な製品構成による売上総利益の減少によるものであったが、主に(ⅰ)コスト削減の取り組みに
よる節減、(ⅱ)当社の401(k)マッチング拠出の一時的な停止を含む従業員手当関連費用の減少に関連する販売費
および一般管理費ならびに研究開発費の減少により、一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2009年の売上総利
益ならびに販売費および一般管理費は前年より減少し、研究開発費は前年より増加した。
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エンタープライズ部門
エンタープライズ部門の純売上高が当社連結純売上高に占める比率は、2008年の35%、2009年の32%に対して、
2010年は35%となった。
事業年度末(12月31日)
(単位:百万ドル)
部門純売上高
営業利益(損失)
2010年
2009年
$2,736
$2,304
212
28
2008年
増減率
2010-2009年
2009-2008年
$2,881
19%
(20)%
(1,309)
657%
***
***増減率は該当なし。
2009年と比較した2010年の部門別業績
2010年のエンタープライズ部門の純売上高は27億ドルとなり、2009年の23億ドルから19%増加した。エンタープラ
イズ部門の純売上高が19%増加したのは、モバイルコンピューティング、スキャニング機器、およびiDEN製品におけ
る売上高が増加したことを反映している。同部門の純売上高の増加は、あらゆる地域における純売上高の増加を反映
している。北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部門の事業の大部分を構成しており、同部門の純売上高に占
める割合は、2009年の51%に対し、2010年は49%であった。2010年12月31日現在の同部門の受注残高は、前年末の576百
万ドルに対して、568百万ドルであった。
同部門の営業利益は、前年の28百万ドルに対し、2010年は212百万ドルとなった。営業利益の増加は主に、純売上高
の19%増加と有利な製品構成による売上総利益の増加によるものであったが、(ⅰ)主に純売上高の増加および従
業員退職費用の増大に関連する販売・マーケティング費の増加による販売費および一般管理費の増加、(ⅱ)主に
次世代技術への投資に起因する研究開発費の増加および従業員退職費用の増大により、一部相殺された。対純売上高
比率で見ると、2010年の売上総利益、販売費および一般管理費ならびに研究開発費はいずれも前年より減少した。
2008年と比較した2009年の部門別業績
2009年のエンタープライズ部門の純売上高は23億ドルとなり、2008年の純売上高28億ドルから20%減少した。純売
上高の20%の減少は、当社が事業を行う商業市場および小売市場における困難な経済状況を反映している。同部門の
純売上高は、あらゆる地域で減少した。北アメリカにおける純売上高は、引き続き同部門の事業の大部分を構成して
おり、同部門の純売上高に占める割合は、2008年の52%に対し、2009年は51%であった。2009年12月31日現在の同部門
の受注残高は、前年末の559百万ドルに対して、576百万ドルであった。
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同部門の営業利益は、前年の営業損失13億ドルに対し、2009年は営業利益28百万ドルを計上した。営業利益の増加
は主に、資産の減損に関連する2008年の費用16億ドルに相当する費用が2009年に発生しなかったことなどにより
「その他費用」が16億ドル減少したことによるものであった。営業利益の増加には、主に(ⅰ)コスト削減の取り組
みによる節減、(ⅱ)当社の401(k)マッチング拠出の一時的な停止を反映した従業員手当関連費用の低下に関連す
る販売費および一般管理費ならびに研究開発費の減少も寄与したが、純売上高の20%の減少と不利な製品構成によ
る売上総利益の減少により、一部相殺された。対純売上高比率で見ると、2009年の売上総利益、販売費および一般管理
費ならびに研究開発費はいずれも前年より増加した。
事業の再構築
2010年中、当社は、効率性を高め、営業経費を削減することによって、長期的かつ持続可能な収益性を達成すること
を目的とした様々な生産性向上計画を実施した。2010年中、当社は、従業員1,600人の退職(うち、800人が直接雇用従
業員(direct employees)、800人が間接雇用従業員(indirect employees))に関連する事業再構築の純費用73百
万ドルを計上した。これらの費用の内訳は、当社の連結損益計算書において「売上原価」に計上された19百万ドルの
費用と「その他費用」に計上された54百万ドルの費用であった。総額73百万ドルの内訳は、従業員退職費用73百万ド
ル、および事業撤退費用16百万ドルであるが、不要となった引当金の戻し入れ16百万ドルによって一部相殺された。
当社は、2010年中に開始した計画により、2010年に約28百万ドルのコスト削減効果を実現した。その内訳は、(ⅰ)
販売費および一般管理費14百万ドルの節減、(ⅱ)売上原価10百万ドルの節減、ならびに(ⅲ)研究開発費4百万ド
ルの節減である。2010年以降では、2010年中に開始した再構築計画により、年間約108百万ドルのコスト削減がもたら
されると予想している。
2009年中、当社は事業再構築の純費用102百万ドルを計上した。その内訳は、従業員退職費用114百万ドルおよび事
業撤退費用6百万ドルであるが、不要となった引当金の戻し入れ18百万ドルによって一部相殺された。2008年中、当
社は事業再構築の純費用65百万ドルを計上した。その内訳は、従業員退職費用80百万ドルであるが、不要となった引
当金の戻し入れ15百万ドルによって一部相殺された。
次表は、事業部門別の純費用を示したものである。
事業年度末(12月31日)
官公庁
エンタープライズ
353/507
2010年
2009年
2008年
$57
$67
$45
16
35
20
$73
$102
$65
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これらの再構築計画に関連した事業撤退費用および従業員退職費用の現金支払額は、2009年の111百万ドルに対し
て、2010年は53百万ドルであった。2010年12月31日時点の事業再構築引当金67百万ドルの内訳は、(ⅰ)2011年に支
払われる見込みの従業員退職費用に関連する50百万ドル、および(ⅱ)数年にわたり支払われる見込みの未払リー
ス解約料に関連する17百万ドルである。
流動性および資金源泉
当社の2010年12月31日現在の(ⅰ)現金および現金等価物残高、(ⅱ)シグマファンドおよび短期投資資産、なら
びに(ⅲ)長期シグマファンドの合計額は、2009年末の80億ドルから904百万ドル増加して89億ドルとなった。反対
に、2010年12月31日現在の(ⅰ)支払手形および1年以内返済予定の長期債務、ならびに(ⅱ)長期債務の合計額
は、2009年末の39億ドルからおよそ11億ドル減少して28億ドルとなった。
連結キャッシュ・フロー計算書に記載されているように、当社の流動性および利用可能な資金源泉は、(ⅰ)現金お
よび現金等価物、(ⅱ)営業活動、(ⅲ)投資活動、ならびに(ⅳ)財務活動の4つの主要要素によって左右されて
いる。
現金および現金等価物
当社の現金および現金等価物(本来の満期が3ヶ月以下の流動性の高い投資であるもの)は、2010年12月31日現
在、前年末の29億ドルから13億ドル増加して42億ドルとなった。2010年12月31日現在、このうち12億ドルは米国内で
保有し、30億ドルは当社または当社子会社が国外で保有していた。制限条項付預金は、2010年12月31日現在、前年末の
206百万ドル(米国外に保有していた143百万ドルを含む。)に対して、226百万ドル(米国外に保有していた166百万
ドルを含む。)であった。
当社は引き続き、資金を効率的に本国送金し続けるために、様々な本国送金戦略を分析し、見直している。当社は
2010年中、現金による税金コストを最小限に抑えつつ約11億ドルを米国に本国送金した。当社は、外国子会社におけ
る約32億ドルの利益を有している。この利益は、永続的に再投資されるものではなく、未分配収益および利用可能な
外国税額控除の利用に対して米国の連邦法人税等額が生じると仮定しても、当社の連結損益計算書に追加的な米連
邦所得税費用を生じさせることなく本国送金される可能性がある。現金ベースでは、当社の米国外子会社からの本国
送金は、追加的な外国税額の支払を必要とすることがある。こうした資金の一部の本国送金は、現地の国からの承認
を受けるために遅延することもあり、税務上、悪影響をもたらす可能性がある。
2010年1月4日、モトローラ・ソリューションズからのモトローラ・モビリティの本件配当が完了した。本件配当
の一環として、当社は、モトローラ・モビリティに現金および現金等価物32億ドルを拠出しており、海外子会社の将
来の減資の結果として分配金を受領次第、さらに300百万ドルを資金提供する義務を負っている。
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営業活動
2010年においては、継続事業による営業活動から得られた現金が818百万ドルとなった。これに対し、2008年および
2009年に継続事業による営業活動から得られた現金は、それぞれ884百万ドル、628百万ドルであった。2010年に得ら
れた現金に寄与した主な要因は、(ⅰ)継続事業による利益(非現金項目調整後)10億ドル、ならびに(ⅱ)買掛金
および未払債務の333百万ドルの増加であったが、(ⅰ)その他の資産および負債の308百万ドルの減少、(ⅱ)棚卸
資産の111百万ドルの増加、ならびに(ⅲ)売掛金の83百万ドルの増加により、一部相殺された。
売掛金:当社の純売掛金は2010年12月31日現在、2009年末の14億ドルに対して、15億ドルとなった。当社の事業部
門は、世界中の様々な市場で製品を販売しており、支払条件は、市場のタイプや地理的な場所によって変わる可能性
がある。したがって、当社の純売掛金の水準は、様々な事業部門による販売の時期・水準と、地理的な販売地点に左右
されることがある。
下記の「売掛金の売却」において詳しく説明するように、当社の純売掛金の水準は、第三者への売掛金の売却時期
およびその金額に左右されることがある。かかる時期および金額は、期間によって変動する可能性があり、数多くの
要因に影響される可能性がある。
棚卸資産:当社の純棚卸資産は2010年12月31日現在、2009年末の409百万ドルに対して、521百万ドルとなった。当
社は、顧客への競争力のある納入能力を確保するために戦略的在庫水準を維持する必要性と、急激に変化する技術お
よび顧客の利用要求次第で棚卸資産が過剰となり陳腐化するというリスクとのバランスをとっており、そのため在
庫管理は依然として経営の重点課題となっている。
買掛金:当社の買掛金は2010年12月31日現在、2009年末の569百万ドルに対して、731百万ドルとなった。当社は、世
界中の様々な市場で製品を購入しており、支払条件は、市場のタイプや地理的な場所によって変わる可能性がある。
したがって、当社の買掛金の水準は、様々な事業による購買の時期および水準と、地理的な購買地点に左右されるこ
とがある。
給付制度への拠出額:当社の米国年金基金への拠出額は2010年、前年の90百万ドルに対して、157百万ドルとなっ
た。当社の米国外の年金基金への拠出額は2010年、前年の39百万ドルに対して、47百万ドルとなった。2011年1月、年
金給付保証公社(以下「PBGC」という。)は、当社が今後5年間にわたり米国の非拠出型年金制度(以下「米国一般
従業員対象年金制度」という。)に対し、法定要件を100百万ドル上回る拠出を行うというモトローラ・ソリュー
ションズとの合意を発表した。当社とPBGCは、当社がモトローラ・モビリティを分社化し、ネットワークス事業の一
部の資産の売却を進める中でこの合意を締結した。同じく2011年1月に、当社は年金拠出金軽減措置を選択し、これ
により2011年の米国一般従業員対象年金制度への必要拠出額はおよそ265百万ドルからおよそ235百万ドルに減額さ
れた。当社は、2011年中、米国の年金基金に約240百万ドル、米国外の年金基金に約40百万ドルの現金拠出を行う予定
である。2011年1月4日に行われたモトローラ・モビリティに関する本件配当後も、当社は米国年金債務を全額維持
し、米国外年金債務についてもその大部分を維持した。
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当社は、米国一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびモトローラ補完的年金制度を改定し、その結果、(ⅰ)
2009年3月1日以降、どの加入者についても給付金または追加的な給付金は発生せず、かつ、(ⅱ)2009年3月1日
以降に加入者が稼得した報酬の増額分は、発生給付金の計算に使用されないこととなった。
当社は、2009年および2010年ともに退職後医療給付制度への拠出を行っておらず、2011年もこの制度への拠出を行
わない予定である。2011年1月4月に行われたモトローラ・モビリティに関する本件配当後も当社が退職後医療給
付制度債務を全額維持した。退職給付については、後記の「重要な会計方針:退職給付」の項で詳述する。
投資活動
2010年においては、投資活動から得られた現金(純額)が523百万ドルとなった。これに対し、2009年は531百万ド
ルの現金(純額)が投資活動に使用され、2008年は10億ドルの現金(純額)が得られた。2010年の投資活動から得ら
れた現金(純額)が前年より11億ドル増加したのは主に、シグマファンド投資の売却高(純額)からの受取現金が
14億ドル増加したことによるものだが、(ⅰ)短期投資の売却益が192百万ドル減少したこと、ならびに(ⅱ)投資
および事業の売却による正味手取額が93百万ドル減少したことにより、一部相殺された。
シグマファンド:当社とその完全子会社は、米ドル建て現金の大半を、世界各地における保有現金の効率的管理を
可能にするファンド(シグマファンド)に投資している。当社は2010年、シグマファンド投資の売却による正味手取
額からの正味キャッシュ・インフロー453百万ドルを計上した。これに対し、2009年はシグマファンド投資の正味購
入額からの正味キャッシュ・アウトフロー922百万ドル、2008年はシグマファンド投資の売却による正味手取額から
の正味キャッシュ・インフロー853百万ドルを計上した。2010年12月31日現在のシグマファンド投資の公正価値総額
は、2009年末の52億ドル(当社またはその子会社が米国外に保有していた23億ドルを含む。)に対して、47億ドル
(当社またはその子会社が米国外に保有していた19億ドルを含む。)となった。
シグマファンドのポートフォリオは、独立した投資顧問会社4社によって運用されている。シグマファンドの投資
ガイドラインは、購入する投資について、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、国債、社債、資産担保証券および不動
産担保証券など、高格付けの投資適格(格付けがスタンダード・アンド・プアーズのA/A-1以上またはムーディーズ
・インベスターズ・サービスのA2/P-1以上)の米ドル建て債務証券でなければならないと定めている。シグマファ
ンドの投資方針に基づき、米国政府、政府機関および政府支援機関の債務証券を除いて、1つの発行体の債務証券が
シグマファンドのポートフォリオ全体に占める比率は5%以下でなければならない。シグマファンドの投資方針は
さらに、変動金利投資商品の場合、金利が少なくとも年1回再設定される条件で、購入日から36ヶ月以内に満期を迎
える商品でなければならないと定めている。ファンドが保有する投資商品の金利再設定までの平均期間は120日以下
と定められており、実際のポートフォリオ(現金および債務不履行証券を除く。)の金利再設定までの平均期間は
2009年12月31日現在で15日、2010年12月31日現在で18日であった。
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シグマファンドへの投資は、公正価値で計上されている。当社は、シグマファンドへの投資の公正価値を決定する
ために、主に評価・プライシングモデルおよびブローカー相場に依拠している。評価モデルは、第三者プライシング
サービス機関によって開発・整備されており、ベンチマーク利回り、報告された取引、相手方に取引する用意と能力
がある場合はブローカー/ディーラー相場、発行体スプレッド、ベンチマーク証券、買い呼値、売り呼値およびその他
の参照データを含め、数多くの標準インプットを用いる。アセットクラスごとに、標準インプットに加えて、認識した
市場の動きおよび業界ニュースに関連する数値化可能なインプットが考慮に入れられることもある。
シグマファンド投資のうち当社連結貸借対照表において「流動」に分類されたのは、2009年12月31日現在の51億
ドルに対し、2010年12月31日現在は47億ドルとなった。「流動」に分類されたシグマファンド投資の加重平均満期
は、2009年末の1ヶ月(現金202百万ドルおよび債務不履行証券を除く。)に対して、2010年12月31日現在は1ヶ月
(現金24億ドルおよび債務不履行証券を除く。)であった。2010年12月31日時点のシグマファンドの現金残高の大半
は、モトローラ・モビリティに関する本件配当のために留保されていた。2010年12月31日時点で、シグマファンド投
資のおよそ99%は、現金ならびに米国政府、政府機関および政府支援機関の債務証券に投資されていた。このことは、
投資収益よりも資本の保全を優先するという当社の戦略的決定を反映している。
2010年中、当社は、シグマファンド投資による利得11百万ドルを連結損益計算書の「営業外収益(費用)」に計上
した。これに対し、2009年はシグマファンド投資による利得80百万ドルを計上した。
2008年第4四半期中、当社は、シグマファンド投資の公正価値の変動に関する会計処理を変更した。2008年第4四
半期より前の期間においては、一時的とみなす公正価値の下落と一時的でないとみなす下落を区別していた。ある証
券に対して契約条件に従って支払われるべき全額が回収されない可能性が高くなった場合、当社は、その証券を減損
しているとみなし、一時的でない公正価値の下落を損益計上していた。2008年中、当社は、連結損益計算書においてシ
グマファンド投資の一時的でない減損186百万ドルを計上した。減損費用は主に、リーマン・ブラザーズ・ホール
ディングス・インク、ワシントン・ミューチュアル・インク、ならびにゴーディアン・ノット・リミテッド(本社:
英国)によって運営されていた当社とは関連のない特別投資会社、シグマ・ファイナンス・コーポレーションへの
投資の債務不履行に関連していた。
2008年第4四半期より、当社は、シグマファンド投資の公正価値の変動をすべて連結損益計算書に計上している。
その結果、2008年第4四半期中、シグマファンド投資による累積的損失101百万ドルを連結損益計算書に計上した。当
社は、2008年第4四半期より前の期間に生じた金額は、それらの期間に係る連結営業成績にとって重要ではないと判
断した。
満期が12ヶ月超の証券および債務不履行証券は、当社の連結貸借対照表において「非流動」に分類されている。
2010年12月31日現在、シグマファンド投資のうち70百万ドルが「非流動」に分類されており、「非流動」に分類され
たシグマファンド投資(債務不履行証券を除く。)の加重平均満期は、164ヶ月であった。2009年12月31日現在、「非
流動」に分類されたシグマファンド投資は66百万ドルであった。
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当社は継続的に現金需要の評価を行っており、現金および現金等価物、短期投資、ならびに「流動」に分類される
シグマファンドへの投資の残高が今後12ヶ月にわたる当期の営業上の必要額を満たすのに十分以上であると考えて
いる。
戦略的買収および投資:当社が買収および新規投資活動に使用した現金(純額)は、2008年の208百万ドルおよび
2009年の17百万ドルに対して、2010年は23百万ドルとなった。2009年および2010年中に使用した現金は、当社全体で
の小規模な戦略的投資のためのものであった。
設備投資:設備投資額は、2008年の257百万ドルおよび2009年の136百万ドルに対して、2010年は192百万ドルと
なった。設備投資に関する決定における当社の重点は、顧客需要と新たな設計能力を決定要因とする戦略的投資に注
力することにある。
投資資産および事業の売却:投資資産および事業の純売却益は、2008年の113百万ドルおよび2009年の357百万ド
ルに対して、2010年は264百万ドルを計上した。2010年の売却益264百万ドルの主な内訳は、イスラエルに拠点を置く
当社のワイヤレス・ネットワーク運営事業および1件の投資資産の売却であった。2009年の売却益357百万ドルの主
な内訳は、(ⅰ)グッド・テクノロジー、(ⅱ)バイオメトリクス事業の売却、および(ⅲ)当社の株式投資の一部
の売却に関連して受け取った正味手取金であった。
財務活動
2010年においては、財務活動に使用した現金(純額)は、55百万ドルであった。これに対し、2009年は278百万ドル
が財務活動に使用され、2008年は14億ドルを使用した。2010年中に財務活動に使用した現金の主な内訳は、長期債務
の返済のためのおよそ10億ドルであったが、(ⅰ)廃止事業からの分配金782百万ドル、ならびに(ⅱ)当社の従業
員ストック・オプション制度および従業員株式購入制度に関連する普通株式発行により受領した現金(純額)179
百万ドルにより、一部相殺された。
2009年中に財務活動に使用された現金は主に、(ⅰ)長期債務の返済に使用した現金132百万ドル、(ⅱ)配当金
支払に使用した現金114百万ドル、(ⅲ)短期借入金の返済に使用した現金86百万ドル、および(ⅳ)廃止事業から
の分配金68百万ドルであったが、当社の従業員ストック・オプション制度および従業員株式購入制度に関連する普
通株式発行により受領した現金116百万ドルにより、一部相殺された。
短期債務:当社の支払手形残高および1年以内返済予定の長期債務は2010年12月31日現在、2009年末の536百万ド
ルに対して、605百万ドルとなった。
当社は2010年11月に、2010年11月15日満期7.625%ノートの残存元本総額527百万ドル全額を、満期日に償還した。
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長期債務:当社の長期債務残高は2010年12月31日現在、前年末の33億ドルに対し、21億ドルとなった。
2010年第2四半期中、当社は、未払長期債務およそ500百万ドルを購入価格477百万ドル(経過利息およそ5百万ド
ルを除く。)で買い戻した。買い戻された長期債務500百万ドルの内訳は、(ⅰ)2025年満期6.50%ディベンチャー
(以下「2025年ディベンチャー」という。)の当該時点での発行残高379百万ドルのうち65百万ドル、(ⅱ)2028年
満期6.50%ディベンチャー(以下「2028年ディベンチャー」という。)の当該時点での発行残高286百万ドルのうち
75百万ドル、(ⅲ)2037年満期6.625%シニアノート(以下「2037年シニアノート」という。)の当該時点での発行
残高446百万ドルのうち222百万ドル、および(ⅳ)2097年満期5.22%ディベンチャーの当該時点での発行残高252百
万ドルのうち138百万ドルの各元本であった。社債発行費用および発行差金の繰上償却後、当社は、この社債の買戻し
に関連しておよそ12百万ドルの損失を連結損益計算書の「営業外収益(費用)」の中の「その他」に計上した。
2009年第1四半期中、当社は、未払長期債務199百万ドルを総購入価格133百万ドル(経過利息4百万ドルを含
む。)で買い戻した。買い戻された長期債務199百万ドルの内訳は、(ⅰ)2025年満期7.50%ディベンチャーの当該時
点での発行残高358百万ドルのうち11百万ドル、(ⅱ)2025年ディベンチャーの当該時点での発行残高399百万ドル
のうち20百万ドル、(ⅲ)2028年ディベンチャーの当該時点での発行残高299百万ドルのうち14百万ドル、および
(ⅳ)2037年シニアノートの当該時点での発行残高600百万ドルのうち154百万ドルの各元本であった。当社は、これ
らの公開市場での買入れに関連しておよそ67百万ドルの利得を、連結損益計算書の「営業外収益(費用)」の中の
「その他」に計上した。
米国の大手格付機関3社は、当社の優先無担保長期社債を投資適格に格付けしている。当社は、現在の格付で資本
市場への十分なアクセスを維持できるものと考えている。資本市場における将来の混乱、不確実性または不安定性
は、当社の資金調達コストを増大させ、資金にアクセスする当社の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社では、随時、公開市場での現金購入や非公開交渉による取引等により、一部の既発債の償還を図ることがある。
実際の買戻しは(もしあれば)、一般的な市況、当社の流動性要件、契約上の制限、およびその他の要因に左右される
だろう。
配当金の支払:2010年中、当社は、普通株式の株主に対する配当を実施しなかった。2009年中、当社は、普通株式の
株主に対して、2008年11月に宣言された配当金支払に関連して114百万ドルの配当金を支払った。その全額が2009年
第1四半期に支払われた。2009年2月、当社は、取締役会が当社の普通株式について四半期配当の宣言を延期したと
発表した。
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信用供与枠
2010年12月31日現在、当社は、2011年12月に満期が到来する国内シンジケート・リボルビング信用供与枠(その後
の改定を含み、以下「信用供与枠」という。)を有していた。信用供与枠の規模は、(ⅰ)15億ドル、または(ⅱ)適
格国内売掛金および棚卸資産に基づき決定された金額のいずれか低い金額であった。当社が信用供与枠に基づき借
入を実施することを決定した場合、その時点で初めて、国内売掛金、および当社の裁量により国内棚卸資産を担保に
差し入れることが要求される。信用供与枠に基づき、当社は、信用供与枠に基づく残りの利用可能枠が225百万ドルを
下回らない限り、財務制限条項の遵守を要求されない。当社は、この信用供与枠またはその前身の国内シンジケート
・リボルビング信用供与契約に基づき借入を実施したことはなかった。
2011年1月4日、当社は信用供与枠を解除し、2014年6月30日に満期が到来する新たな15億ドルの無担保シンジ
ケート・リボルビング信用供与枠(以下「2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約」という。)を締結した。
2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約には、当社が貸付人を追加することによって、または既存の貸付人に
コミットメント額を増額させることによって信用供与枠の規模を最大総額20億ドルまで増額することを可能にする
条項が含まれている。当社は、2011年モトローラ・ソリューションズ信用契約に定義されている最大レバレッジおよ
び最低インタレスト・カバレッジ・レシオの維持をはじめとする一定の一般的な誓約事項を遵守しなければならな
い。
契約債務およびその他購入契約
次表は、モトローラ・モビリティの本件配当後の2011年1月4日現在において、当社が将来返済すべき債務および
義務をまとめたものである。
年度ごとの必要返済額
(単位:百万ドル)
合計
長期債務
$2,660
$605
$405
$5
$4
$4
$-
$1,637
リース債務
343
124
86
52
37
21
-
23
納税債務
198
100
-
-
-
-
98
-
購入債務
106
63
26
17
-
-
-
-
その他債務
400
-
-
-
-
100
300
-
$3,707
$892
$517
$74
$41
$125
$398
$1,660
契約債務合計
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 未確定期間 それ以降
計上される金額は、確定契約による解約不可の義務を表す。
長期債務:1年以内返済予定の長期債務を含む公的長期社債は、モトローラ・モビリティの本件配当後、すべてモ
トローラ・ソリューションズに残存し、総額27億ドルにのぼった。
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リース債務:当社は、その主要施設のほとんどを所有しているが、一部の事務所、工場・倉庫スペース、土地、およ
び情報技術用その他の機器は、主に解約不能なオペレーティング・リースに基づいて賃借している。モトローラ・モ
ビリティの本件配当後、モトローラ・ソリューションズの最低転貸料を控除した将来の最低限のリース債務は総額
343百万ドルにのぼった。転貸料収入控除後の賃借料は、2008年が171百万ドル、2009年が146百万ドル、2010年が131百
万ドルであった。
納税債務:モトローラ・モビリティの本件配当後、モトローラ・ソリューションズは複数の税管轄地および税年
度に関しておよそ198百万ドルの未認識の税務上の利益を有している。当社の全世界における税務調査の予想される
結果、または特定の税管轄地の時効成立に基づき、未認識の税務上の利益が今後12ヶ月以内に変動する合理的な可能
性がある。評価引当金の変動を除外した実効税率への税務上の正味影響額は、50百万ドルの税金費用から75百万ドル
の便益の範囲内になると推定されており、現金支払額は100百万ドルを超えないものと予想される。
購入債務:当社は、在庫の買取、ソフトウェア・ライセンス、販売促進活動および研究開発に関する契約を締結し
ており、これらの契約は、確定契約であって解約不能となっている。モトローラ・モビリティの本件配当後、上記の契
約に関連するモトローラ・ソリューションズの債務は2013年まで継続しており、これらの契約に基づく当社の予想
支払額は総額106百万ドルにのぼった。
当社は、資材および原料の調達のために、テイク・オア・ペイ義務を伴う数々の協定を締結している。モトローラ
・モビリティの本件配当後、かかる供給業者に対するモトローラ・ソリューションズの債務は2013年まで継続して
おり、最低購入義務は総額83百万ドルとなっている。当社では、将来においてこれらの契約のいずれかが解約される
とは予想しておらず、これらの供給会社からの購入が契約期間中の最低購入義務を超えるものと推定している。
その他の債務:2011年1月、PBGCは、当社が今後5年間にわたり米国一般従業員対象年金制度に対し、法定要件を
100百万ドル上回る拠出を行うというモトローラ・ソリューションズとの合意を発表した。当社とPBGCは、当社がモ
トローラ・モビリティを分社化し、ネットワークス事業の一部の資産の売却を進める中でこの合意を締結した。
モトローラ・モビリティに関する本件配当の一環として、当社は、海外子会社の将来の減資の結果として分配金を
受領次第、さらに300百万ドルを資金提供する義務を負っている。
その他の長期契約に基づく義務:当社は、供給業者からソフトウェア、部品、資材、および原料を購入する長期契約
を締結している。大部分は期間1∼3年の契約(ソフトウェアに関しては期間3∼5年の契約)である。一般にこれ
らの契約は当社に何らかの購入を義務付けるものではなく、その多くは、事前通知(通常、60日前∼180日前)によっ
て当社が契約を解除することを認めている。当社がこれらの契約を解除する場合、一般には所定の解約料を支払う義
務を負う。解約料は通常、実施された作業と、取り消された注文に起因する供給業者の手持ちの在庫および原材料に
基づいて算出される。当社の責任は、「正当事由」以外の理由で契約を解除した場合に限り生じる。
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当社では、給付金管理や情報技術関連サービス等、一部の企業機能をアウトソーシングしている。これらの契約は、
2013年に満了する見込みである。モトローラ・モビリティの本件配当後、これらの契約に基づくモトローラ・ソ
リューションズの支払残額の総額は、契約の残存期間にわたりおよそ517百万ドルとなっているが、契約は解除する
ことも可能である。解除には違約金が伴うが、違約金の金額は年間契約料の残額よりかなり低くなっている。また、解
除した場合は、アウトソーシングしたサービスについて、社内での処理の可能性を含め、別のサービス供給元を探す
必要が生じるだろう。
特定のプロジェクトの入札や完了に際しては慣例となっていることであるが、当社が長年従ってきた慣行に従っ
て、当社では、廃止事業に関連するプロジェクトを含め、主に官公庁部門のプロジェクトに関連して、多数の履行保証
等を有している。これらの履行保証等は通常、数年で満期が到来し、業界では、請負業者が契約に基づく要件を満たさ
ない場合に解決を図るための便利な手段を発注顧客に供与する方法として、標準的に使われている。一般的には、顧
客が履行保証等を実行できるのは、当社がプロジェクト契約のすべての条件を履行しなかった場合に限られる。その
ような事態が発生した場合、当社は履行保証等を発行した機関に対し、支払金額について補償責任を負うことにな
る。当社の長い歴史において、履行保証等が当社に対して実際に使用されたことはほとんどない。2010年12月31日現
在、未使用の履行保証等の残高は、前年末の19億ドルに対して、総額およそ17億ドルとなった。モトローラ・モビリ
ティの本件配当およびネットワークス事業の売却完了後、モトローラ・ソリューションズの未使用の履行保証等の
残高は、総額およそ12億ドルとなった。銀行市場、保険市場または資本市場における将来の混乱、不確実性または不安
定性、あるいは当社の信用格付けの変動は、履行保証等を入手する当社の能力に悪影響を及ぼし、資金調達コストを
増大させる可能性がある。
簿外契約:当社は、レギュレーションS-Kの項目303(a)(4)(ⅱ)に定義されるところの、いかなる簿外契約も有し
ていない。
長期顧客向け融資約定
融資契約残高:当社が提供するインフラストラクチャ設備の一部の購入者は、設備販売に関連して、当社に対し、
長期融資(期間が1年を超える融資と定義される。)を求めることがある。かかる融資要請には、設備の購入価格の
全部または一部が含まれる場合がある。当社の長期融資義務は、優良銀行が当社を受益者として信用状を発行するこ
とで購入者の信用力を裏付けるか、優良銀行が当社からの長期債権の購入を事前に確約することを条件とすること
がある。第三者への長期融資契約残高は2010年12月31日現在、2009年末の総額406百万ドルに対して、総額333百万ド
ルであった(廃止事業に関連する2010年12月31日現在の総額168百万ドルおよび2009年12月31日現在の総額321百万
ドルを含む。)。これらの金額のうち、信用状または銀行による長期債権の購入確約による裏付けがあったのは2010
年12月31日現在、2009年末の13百万ドルに対して、27百万ドルであった(ネットワークス事業に関連する2010年12月
31日現在の25百万ドル、2009年12月31日現在の0ドルを含む。)。2010年12月31日現在の融資契約残高の大半は、中東
地域における少数のネットワーク事業者に対するものである。当社は、NSNへのネットワークス事業の売却後、同事業
に関連する融資契約のうち融資実行された部分を留保しており、2010年12月31日現在のその総額はおよそ235百万ド
ルにのぼった。
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第三者債務の保証:一部の設備を購入した顧客への直接融資に加え、当社は、顧客が設備の購入に充てるために、
銀行およびその他の資金源から直接融資を受けることを支援している。顧客融資に関連して当社が供与を約束した
信用保証額は2010年および2009年12月31日現在、いずれも10百万ドル(2010年12月31日現在の短期売掛債権の売却
に関連する6百万ドル、2009年末の同7百万ドルを含む。)であった。顧客融資保証残高は2010年12月31日現在、2009
年末の2百万ドルに対し、1百万ドル(2010年および2009年12月31日現在ともに、短期売掛債権の売却に関連する僅
少な金額を含む。)であった。
長期債権残高:当社の長期債権残高(純額)は2010年12月31日現在、2009年末の130百万ドル(7百万ドルの損失
引当金の控除後)に対し、264百万ドル(1百万ドルの損失引当金の控除後)であった。これらの長期債権は概ね、金
利2%から12%の有利子債権である。
債権の売却
当社は随時、売掛金および長期債権を1回限りの取り決めにおいてノンリコースの条件で第三者に売却している
が、一方で、約定枠に基づいて第三者に売却されているものもある。かかる約定枠は、条件を満たす債権を一定の未決
済金額の枠内で買い取るという第三者の契約上の約定により設定される。約定枠は、事実上、リボルビングになるこ
とがあり、一般に、年1度更新しなければならない。当社は、売却された売掛金および長期債権に対するサービシング
義務を留保することも、しないこともある。
2010年12月31日現在、当社は、売掛金の売却のために、2011年6月に満期を迎える200百万ドルのリボルビング売掛
金売却枠を有しており、その全額が使用可能であった。これらの売掛金の売却により当社が受領する当初現金手取金
は、200百万ドル、あるいは引当金控除後の適格売掛金のいずれか少ない方を上限としている。2009年12月31日現在、
当社は、売掛金の売却のために200百万ドルのリボルビング約定信用供与枠を有しており、うち140百万ドルが使用可
能であった。2009年および2010年12月31日現在、長期債権の売却のための重要な約定枠はなかった。
以下の表は、2008年、2009年および2010年12月31日を以て終了した事業年度の売掛金および長期債権のノンリコー
ス売却による手取金をまとめたものである。
事業年度末(12月31日)
2010年
2009年
2008年
1回限りの売却による累積年間手取金
売掛金の売却による手取金
$30
$46
$53
長期債権の売却による手取金
67
72
113
1回限りの売却による手取金合計
97
118
166
約定枠に基づく売却による累積年間手取金
70
234
563
$167
$352
$729
売掛金の売却による手取金合計
2010年12月31日現在、当社は、売却した売掛金のうち329百万ドル、長期債権のうち277百万ドルに対してサービシ
ング義務を留保していた。これに対して、2009年12月31日現在は、売却した売掛金のうち141百万ドル、長期債権のう
ち297百万ドルに対してサービシング義務を留保していた。
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特定の取決めでは、売却された売掛金の価値は、第三者である保険会社から購入した信用保険によって、保険契約
に基づく免責金額または自家保険の要求額を差し引いて裏付けられている。これらの取決めに基づき、売却された売
掛金残高に対する当社の信用リスクの総額(保険金控除後)は2010年および2009年12月31日現在、いずれも僅少な
金額であった。
社内の十分な資金源
米国内の現金、現金等価物、短期投資、およびシグマファンド残高の水準、ならびに外国の法域から資金を本国に送
金する能力に基づき、当社は、今後12ヶ月間に予想される運転資金および設備投資の必要額を供給できる十分な財源
を社内に有していると考えている。
その他の偶発債務
本来の契約価値を超える契約関連賠償請求について:一定の状況下では、不履行に関して他方当事者が請求し得
る賠償額が、当該契約から当社が得る収益を上回ることとなるような契約を顧客と締結することがある。この種の上
限のない賠償規定を備えた契約は、きわめて稀であるが、それぞれの契約はやはり相当のリスクとなる。このような
契約のうちの一つに関して相手方当事者が賠償請求を行った場合、当該契約に関して当社が相手方当事者より受け
取る収益をはるかに上回る費用を当社が負担する可能性がある。
補償引当金:さらに、当社は、特定の商業契約、知的財産契約および部門売却契約に含まれる一般保証の違反に起
因する損失について補償を提供することがある。過去において、当社は、かかる契約に基づいて重要な支払を行った
ことも、重要な請求を受けたこともない。しかし、現在の法的環境を考えると、知的財産補償に関連するリスクは高
まっている。補償が関わるケースにおいて、当社による支払は、他方当事者が特定の契約において明記されている手
続きに従って賠償請求を行うことを条件としており、かかる手続きは通常、当社が他方当事者の請求に異議を唱える
ことを認めている。さらに、表明および保証の違反に基づく補償について部門売却契約に基づき当社が負う義務は一
般に、期間の点では通常、24ヶ月以下、金額の点では契約価値を超えない金額に制限されており、かつ、場合によって
は当社が、当社による特定の支払について第三者への遡求権を有することもある。
知的財産に関する問題:2010年中、当社は、別の会社と当社との間の知的財産紛争を解決するために、当該会社と
和解契約を締結した。この和解契約を受けて、当社は、現金65百万ドルを受領し、特定の特許財産の譲渡を受けた。こ
の契約の結果、当社は、2010年12月31日を以て終了した事業年度において、懸案となっていた両当事者間の訴訟の和
解に関連して39百万ドルの税引前利得を計上した(また、55百万ドルが廃止事業に割り当てられた。)。
法的問題:当社は、通常の事業活動で発生する様々な訴訟、請求および措置において被告の立場に置かれている。
当社の経営陣は、こうした案件の最終的な帰結が当社の連結上の財政状態、流動性および営業成績に重大な悪影響を
及ぼすことはないと考えている。しかし、当社に不利な結果となった場合、当該問題が最終的に解決された期間にお
ける当社の連結上の財政状態、流動性または営業成績に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
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(別紙99.2)
独立登録監査人の監査報告書
モトローラ・ソリューションズ・インク
取締役会ならびに株主 御中
私どもは、添付のモトローラ・ソリューションズ・インクおよび子会社(以下、会社という。)の、2010年12月31日
現在および2009年12月31日現在の連結貸借対照表、および2010年12月31日を以って終了した3年間における各会計
年度の連結損益計算書、連結資本勘定計算書および連結キャッシュ・フロー計算書について監査を実施した。これら
の連結財務諸表は、会社の経営陣の責任において作成されたものである。私どもの責任は、私どもの監査に基づいて
これらの連結財務諸表について意見を表明することにある。
私どもは、米国公開会社会計監視委員会の基準に準拠して監査を実施した。これらの監査基準は、財務諸表に重要
な虚偽記載がないかについて合理的な保証を得るために、私どもが監査を計画し実施することを要求している。監査
は、財務諸表上の金額および開示の基礎となる証拠の試査による検証を含んでいる。また、監査は、経営陣が採用した
会計原則および経営陣が行った重要な見積りの検討、ならびに財務諸表全体の表示に関する評価も含んでいる。私ど
もは、私どもの監査が私どもの意見表明に対する合理的な基礎を提供しているものと判断している。
私どもの意見では、上記の連結財務諸表は、すべての重要な点において、モトローラ・ソリューションズ社および
子会社の2010年12月31日現在および2009年12月31日現在の財政状態、ならびに2010年12月31日を以って終了した3
年間における各会計年度の経営成績およびキャッシュ・フローを、米国において一般に公正妥当と認められた会計
原則に準拠して適正に表示している。
連結財務諸表注記2に記載されているとおり、会社は、2010年度において、複数の製品・サービスが提供される販売
取引およびソフトウェア販売取引についての収益認識に関する規定を適用した。
私どもはまた、米国公開会社会計監視委員会の基準に準拠して、トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)により公
表された、「内部統制−統合的枠組み」による基準に基づき、2010年12月31日現在のモトローラ・ソリューションズ
・インクの財務報告に係る内部統制についても監査を実施し、2011年2月18日付の私どもの監査報告書において、財
務報告に係る会社の内部統制の有効性について無限定適正意見を表明している。
ケーピーエムジー・エルエルピー
イリノイ州シカゴ市
2011年2月18日、注記1、2に記載されているモトローラ・モビリティ・ホールディングス・インクの廃止事業とし
ての表示およびネットワークス事業の特定の資産および負債の売却、それに関連して注記1に記載されている事業
部門の変更に関しては2011年5月12日
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連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
百万ドル
百万ドル
百万ドル
$5,870
$5,259
$6,306
サービス純売上高
2,001
1,921
1,834
純売上高
7,871
7,180
8,140
製品売上原価
2,673
2,374
2,880
サービス売上原価
1,281
1,237
1,171
売上原価
3,954
3,611
4,051
売上総利益
3,917
3,569
4,089
販売費および一般管理費
1,910
1,703
1,845
研究開発費
1,079
1,041
1,106
その他費用
150
255
1,817
営業利益(損失)
778
570
(679)
(129)
(133)
35
投資および事業売却益(純額)
49
108
64
その他
(7)
92
(417)
(87)
67
(318)
継続事業より生じた税引前利益(損失)
691
637
(997)
法人税等
415
191
2,481
継続事業より生じた利益(損失)
276
446
(3,478)
廃止事業より生じた利益(損失)、税引後
374
(474)
(762)
当期純利益(損失)
650
(28)
(4,240)
差引:非支配持分に帰属する利益
17
23
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金額を除く)
製品純売上高
営業外収益(費用):
受取(支払)利息(純額)
営業外収益(費用)合計
モトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する当期純利益(損失)
4
$
633
$ (51)
$ (4,244)
$
259
$
423
$ (3,482)
374
(474)
(762)
633
$ (51)
$ (4,244)
モトローラ・ソリューションズ・インクの普通株主に帰属する金額:
継続事業より生じた利益(損失)、税引後
廃止事業より生じた利益(損失)、税引後
当期純利益(損失)
$
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有価証券報告書
連結損益計算書(続き)
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
ドル
ドル
ドル
基本的普通株式1株当たり利益(損失)
継続事業
$
0.78
$
1.29
$ (10.76)
1.12
(1.45)
(2.35)
$
1.90
$ (0.16)
$ (13.11)
$
0.77
廃止事業
希薄化後普通株式1株当たり利益(損失)
継続事業
$
1.28
$ (10.76)
1.10
(1.43)
(2.35)
1.87
$ (0.15)
$ (13.11)
基本的
333.3
327.9
323.6
希薄化後
338.1
329.9
323.6
廃止事業
$
普通株式の加重平均発行済株式数:
$
1株当たり支払配当金
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
367/507
―
$
0.35
$
1.40
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連結貸借対照表
12月31日現在
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金額を除く)
2010年
2009年
百万ドル
百万ドル
資産の部
現金および現金等価物
$ 4,208
$ 2,869
シグマ・ファンドおよび短期投資
4,655
5,094
売掛金(純額)
1,547
1,353
棚卸資産(純額)
521
409
繰延税金資産
871
680
その他の流動資産
748
705
4,604
4,922
17,154
16,032
922
1,021
70
66
172
398
繰延税金資産
1,920
2,633
のれん
1,429
1,429
処分目的保有流動資産
流動資産合計
有形固定資産(純額)
シグマ・ファンド
投資等
その他の資産
734
849
3,176
3,184
$25,577
$25,603
$
$
処分目的保有非流動資産
資産の部合計
負債および資本の部
短期借入債務および1年以内返済予定の長期借入債務
買掛金
605
536
731
569
未払費用
2,574
2,269
処分目的保有流動負債
4,800
4,887
8,710
8,261
長期借入債務
2,098
3,258
その他の負債
3,045
3,490
737
711
―
―
3
3
株式払込剰余金
8,644
8,231
利益剰余金
4,460
3,827
その他包括損失累計額
(2,222)
(2,286)
モトローラ・ソリューションズ・インク株主の資本の部合計
10,885
9,775
流動負債合計
処分目的保有非流動負債
資本の部
優先株式:額面100ドル
普通株式:2010年12月31日現在―額面0.01ドル、2009年12月31日現在―額面0.01
ドル
授権株式数 :2010年12月31日現在―600.0百万株、
2009年12月31日現在―600.0百万株
総発行株式数:2010年12月31日現在―337.2百万株、
2009年12月31日現在―330.6百万株
発行済株式数:2010年12月31日現在―336.3百万株、
2009年12月31日現在−330.3百万株
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有価証券報告書
連結貸借対照表(続き)
12月31日現在
(単位:百万ドル、ただし1株当たり金額を除く)
2010年
2009年
百万ドル
百万ドル
102
非支配持分
資本の部合計
負債および資本の部合計
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
369/507
108
10,987
9,883
$ 25,577
$ 25,603
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連結資本勘定計算書
モトローラ・ソリューションズ・インクの資本
株式数
(単位:百万ドル、
ただし、1株当たりの金額を除く)
期首残高(2008年1月1日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(36百万ドルの税
引後)
為替換算調整勘定の変動(39百万ドルの
税引後)
非支配持分の購入
退職給付調整額の償却(10百万ドルの税
引後)
米国年金制度凍結削減影響(25百万ドル
の税引後)
期末およびその他の退職給付調整額(793
百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式買い戻しプログラム
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(5百万ドルの
税引後)
配当宣言額(1株当たり1ドル40セント)
期末残高(2008年12月31日現在)
当期純利益(損失)
正味有価証券評価差益(40百万ドルの税
引後)
為替換算調整勘定の変動(17百万ドルの
税引後)
退職給付調整額の償却(33百万ドルの税
引後)
期末およびその他の退職給付調整額(22
百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純利益(6百万ドルの
税引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
期末残高(2009年12月31日現在)
当期純利益
正味有価証券評価差損(35百万ドルの税
引後)
為替換算調整勘定の変動(46百万ドルの
税引後)
退職給付調整額の償却(57百万ドルの税
引後)
年金制度の改訂(0百万ドルの税引後後)
退職給付の再測定(13百万ドル税引後)
期末およびその他の退職給付調整額(14
百万ドルの税引後)
普通株式の発行およびストック・オプ
ションの行使
株式に基づく報酬による法人税不足額
株式報酬費用
デリバティブによる純損失(1百万ドルの
税引後)
子会社株式の非支配持分に対する配当
株式報酬の負債から資本への組替
期末残高(2010年12月31日現在)
323.4
その他包括利益(損失)累計額
売却可能
普通株式 有価証券
為替換算 退職給付
および の公正価
その他
調整勘定
調整額
株式払込
値
(税引後)
(税引後) (税引後)
剰余金 への調整
(税引後)
$ 7,574
$ (59)
$ 16
$ (704)
$ ―
利益
剰余金
$ 8,575
(4,244)
非支配持 包括利益
分
(損失)
$
78
4 $(4,240)
61
61
(149)
(149)
6
3.2
134
(1.3)
(138)
(6)
270
19
19
(42)
(42)
(1,340)
(1,340)
(7)
325.3
$ 7,834
$ 2
$ (133)
$(2,067)
$ (7)
(7)
(453)
$ 3,878
(51)
$ 88 $(5,698)
23
$(28)
68
68
70
5.3
70
(65)
(65)
(163)
(163)
111
(12)
301
9
330.6
$ 8,234
$
70
$ (63)
$(2,295)
$ 2
9
$ 3,827
633
(3)
$ 108
17
$(109)
$ 650
(58)
(58)
(63)
6.6
(63)
112
112
22
(28)
22
(28)
81
81
144
(63)
308
(2)
(2)
(23)
337.2
24
$ 8,647
$ 12
$ (126)
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
後掲の連結財務諸表注記をご参照下さい。
370/507
$(2,108)
$
―
$ 4,460
$ 102
$
714
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
2008年
百万ドル
百万ドル
百万ドル
営業活動
モトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する当期純利益(損失)
差引:非支配持分に帰属する利益
$
633
$ (51)
$
(4,244)
17
23
4
当期純損失
650
(28)
(4,240)
廃止事業から生じた利益(損失)
374
(474)
(762)
継続事業から生じた損失
276
446
減価償却費
342
388
その他の非現金費用(収益)
(74)
(72)
株式に基づく報酬費用
144
137
131
投資および事業の売却益(純額)
(49)
(108)
(64)
12
(67)
(14)
384
47
2,573
(83)
102
13
(111)
111
(64)
その他の流動資産
(48)
276
(40)
買掛金および未払費用
333
(621)
(222)
その他の資産および負債
(308)
(11)
(633)
営業活動より調達した資金
818
628
884
企業買収および投資(純額)
(23)
(17)
(208)
投資および事業の売却収入
264
357
113
(192)
(136)
(257)
(3,478)
継続事業から生じた損失から営業活動より調達した資金への調整:
長期借入債務の償還による損失(利益)
繰延税金
403
2,279
資産および負債の変動
(取得および処分の影響額控除後):
売掛金
棚卸資産
投資活動
設備投資
有形固定資産処分収入
27
1
119
シグマ・ファンド投資の売却(取得)代金
453
(922)
853
短期投資の売却(取得)代金(純額)
(6)
186
424
投資活動より調達した(に使用した)資金
523
(531)
371/507
1,044
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
12月31日に終了した事業年度
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
2008年
百万ドル
百万ドル
百万ドル
財務活動
短期借入金返済額(純額)
(5)
(86)
(50)
(1,011)
(132)
(225)
179
116
145
普通株式の買戻し
―
―
(138)
金融商品の決済による調達額
―
―
158
債務返済額
普通株式の発行
支払配当金
廃止事業からの(への)分配額
―
(114)
(453)
782
(68)
(838)
―
6
その他(純額)
財務活動に使用した資金
(55)
非継続事業の営業活動より調達した(使用した)資金
8
(278)
1,154
(1,393)
1
(658)
非継続事業の投資活動に使用した資金
(343)
(137)
(324)
非継続事業の財務活動より調達した(使用した)資金
(782)
68
838
非継続事業の現金および現金等価物に対する為替変動影響額
(29)
68
144
現金および現金等価物の純増(減)
―
―
―
継続事業の現金および現金等価物に対する為替変動影響額
53
(14)
(223)
現金および現金等価物の純増(減)
1,339
(195)
312
現金および現金等価物(期首残高)
2,869
3,064
2,752
現金および現金等価物(期末残高)
$ 4,208
$ 2,869
$ 3,064
キャッシュ・フローの補足情報
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
百万ドル
百万ドル
百万ドル
年度内に支払われた現金の額:
$
利息(純額)
240
259
法人税等(還付相殺後)
後掲の連結財務諸表注記をご参照ください。
372/507
$
320
159
$
252
407
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有価証券報告書
連結財務諸表注記
(注記がない場合、単位は百万ドル)
1 重要な会計方針
連結:連結財務諸表には、当社および当社が支配している子会社の勘定が含まれている。連結会社間の取引および
債権債務はすべて相殺消去されている。
2010年3月31日および2009年12月31日現在、ならびに2010年12月31日、2009年12月31日及び2008年12月31日に終了
した年度の連結財務諸表には、経営者の意見において、記載されている全ての期間におけるモトローラ・ソリュー
ションズ・インク(以下、「当社」又は「モトローラ・ソリューションズ」という。)の連結財政状態、経営成績
およびキャッシュ・フローを適正に表示するために必要な全ての調整(通常の調整および組替)が含まれてい
る。
U.S. GAAPに準拠して作成される財務諸表について、経営者は、財務諸表作成日現在の資産および負債の表示額、
偶発事象に関わる資産および負債の開示、ならびに報告対象期間の収益及び費用の表示額に影響を与える特定の
見積と仮定を行うことを義務付けられている。実際の結果は、これらの見積と相違する可能性がある。
表示の変更
モトローラ・モビリティの配当
2011年1月4日、モトローラ・モビリティ・ホールディングス・インク(「モトローラ・モビリティ」)のすべ
ての普通株式の配当が完了した(「本件配当」)。2010年12月21日の取引終了時に株主名簿に記載のある株主は、
基準日時点で保有する当社の普通株式8株に対してモトローラ・モビリティ普通株式1株を受け取った。本件配
当の仕組みは、米国税務上、モトローラ・ソリューションズと株主にとって非課税となるものであった(端株の代
わりに受け取った現金に関してを除く)。モトローラ・モビリティの過去の経営成績は、当社の連結損益計算書お
よび注記上、表示されている全ての期において廃止事業として反映されている。
株式併合および名称変更
2010年11月30日、モトローラ・ソリューションズは、本件配当に関する時期と詳細および1対7の比率での株式
併合に対する承認を公表した。2011年1月4日、モトローラ・モビリティ株式の本件配当直後、当社は1対7の株
式併合(「本件株式併合」)を完了し、モトローラ・ソリューションズ・インクへ社名を変更した。すべての連結
1株当たり情報は、本件株式併合の影響を受ける。
ネットワーク取引
2010年7月19日、当社はネットワーク事業の一部の資産及び負債をノキア・シーメンス・ネットワークスB.V.
(「NSN」)へ売却する合意に至ったと公表した(「本件取引」)。2011年4月13日、当社とNSNはこの合意を改訂
し、特に購入価格の現金支払額を12億ドルから975百万ドルへ修正したと公表した。2011年4月29日、修正通り当社
は本件取引を完了した。修正された売却契約の条件において、150百万ドルの売掛金を含む特定の資産は、その本件
取引より除外された。本件取引に含まれている一部のネットワークス事業の経営成績は、表示されているすべての
期において廃止事業として反映されている。
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過去にネットワークス事業に割り当てられていた一部の全社および一般管理費用は、ネットワークス事業売却
後も当社において発生することになる。さらに、以前は重要ではないため廃止事業へ組み替えていなかった廃止事
業による業績も、継続事業から廃止事業へ組み替えている。これらの事業には、(ⅰ)イスラエルを本拠とするワイ
ヤレス・ネットワーク・オペレーター、(ⅱ)バイオメトリクス事業、(ⅲ)グッド・テクノロジー、が含まれる。NSN
へ売却されるネットワークス事業の資産および負債は、関連する取引成立前に廃止事業として報告されていた資
産および負債と同様に、処分目的保有資産および負債として報告されている。以前報告されたすべての財務情報は
現在の当社の状況に適合するよう、修正されている。
事業部門の変更
本件配当後、モトローラ・ソリューションズは以下の2つのセグメントの業績を報告する。
・ 官公庁事業:我々の官公庁事業部門には2ウェイラジオおよびパブリック・セーフティ・システムからの
売上が含まれている。官公庁向け事業部門に含まれているサービス収入は、主にパブリック・セーフティ・
ネットワークの設計、据付、保守および装置の最適化に関連した収入である。
・ エンタープライズ事業:我々のエンタープライズ事業部門には、法人向けモバイル機器、スキャニング機器、
無線通信システム、RFIDデータ・キャプチャー・ソリューションおよびiDENインフラが含まれている。エン
タープライズ事業部門に含まれているサービス収入は、主に上記製品に関連した保守契約による収入であ
る。
収益の認識
2009年10月、財務会計基準審議会(以下「FASB」という。)は、複数の製品・サービスが提供されている取引の
収益の認識に関する基準を改定する新しい基準を公表した。新しい基準は、一体で販売された製品・サービスを
個々の会計単位に分離するための要件を変更し、販売価格についてべンダー特有の客観的証拠(以下、「VSOE」と
いう。)または第三者証拠(以下、「TPE」という。)がなければ、製品・サービスの見積販売価格(以下「ESP」と
いう。)を用いて取引の対価を配分するように求めている。新しい基準は、また、取引の対価を配分する際に、残余
法を用いることを削除している。
また、2009年10月、FASBは、製品の本質的機能を実行するためにソフトウェアとソフトウェア以外の両方の構成
要素が一体として機能する有形の製品をソフトウェア取引に関する収益認識基準の適用範囲から除外するための
新しい基準を発表した。
この新しい基準は、2010年6月16日以降、契約した取引または契約の重要な変更を行った取引について適用され
る。この基準は早期適用のみならず、将来に向かってまたは遡及適用を認めている。当社は、2010年1月2日以降に
おいて契約した取引、または契約の重要な変更を行った取引について、2010年第1四半期から将来に向かって早期
適用することとした。
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有価証券報告書
当社の主要な収入源は、単独機器の販売、特注品の生産販売、デバイス、機器、ソフトウェアおよびサービスに関
する分割販売から一括販売等の幅広い企業活動の結果から生じる。当社は、顧客のニーズにより、複数の製品およ
びサービス提供からなる契約を締結する場合がある。加えて、当社の多くの製品は、製品の本質的機能を果たすた
めにソフトウェアとソフトウェア以外の両方の構成要素が一体として機能するものである。当社は、契約を裏付け
る説得力のある証拠が存在し、製品の引渡しあるいは役務の提供が行われ、販売価格が確定もしくは確定可能であ
り、その販売価格の回収可能性が合理的に確保された場合、収益を認識する。一般的な収益の認識基準に加え、下記
のような特有の収益認識方針がある。
製品および機器 ― 製品および機器の販売に関しては、製品または機器が出荷され、製品または機器に関わるリ
スクが顧客に移転し、顧客の検収条件を満たしたことを示す客観的な証拠が存在し、残存する重要な債務がなく、
割引、価格保護、返品および顧客に対するインセンティブに備える引当金について信頼をもって見積もることが出
来る場合に、当社は一般的に収益を認識する。収益はこれらの引当金計上相当分を減額して計上される。当社は、こ
れらの引当金について、販売された製品の種類、顧客層、契約ごとに特有の取引の種類を考慮し、過去の実績値に基
づき見積りを行っている。顧客に対するインセンティブが信頼性をもって見積もることが出来ない場合、当社は、
製品が流通経路を通じて最終顧客に販売された時点で、収益を認識する。
長期請負契約 ― 当社の機器またはソフトウェアの特注生産を含む長期請負契約に関しては、当社は通常、契約
完了までに要する原価および当該長期契約の進捗度合を合理的に把握できる場合には進行基準で収益を認識す
る。長期請負契約に関連する収益または費用について信頼性をもって見積ることができない場合、またはその他固
有の不確実性を伴う場合、プロジェクトが完了し、顧客の検収が完了した時点で収益を認識する。契約収益合計お
よび契約費用に対する現在の見積りが契約損失を示した場合、当該損失はそれらが明らかになった時点で認識さ
れる。
役務 ― 役務提供に関わる収益認識は通常、サービスの提供に伴い、契約期間にわたって均等に認識される。
ソフトウェアおよびライセンス ― 前払の永久ライセンスからの収益は、他の関連する収益認識基準がすべて満
たされた場合、契約開始時に認識される。非永久ライセンスまたは期限付ライセンスは、ライセンシーがライセン
スを使用する期間にわたり均等に認識される。ソフトウェア保守、技術サポートおよび不特定のアップグレードか
らの収益は通常、これらのサービスが提供される期間にわたり認識される。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
複数要素を伴う契約 ― 顧客との契約は製品、機器、役務およびソフトウェアの組み合わせを含む複数の引渡し
を含む場合がある。これらの複数要素を伴う契約は、また、他の製品、機器、役務およびソフトウェアと結びつけて
長期請負契約とみなされる要素を含む場合がある。当社の複数要素を伴う契約のうち、少なくとも1つの製品・
サービスが、既存のソフトウェアの収益認識基準に従わないものは、次の要件を満たした場合、製品・サービスは
2つ以上の会計単位に分離される。つまり、(ⅰ)引渡した要素が単独でも顧客に対して価値があり、(ⅱ)引渡
していない要素について引渡しが実行される可能性が高く、実質的に当社が支配している場合である。2010年1月
1日より適用した新しい会計基準により、収益は、まずはVSOEが存在する場合はそれに基づき、次にVSOEが存在し
ない場合にはTPEに基づき、最終的にVSOEおよびTPEが存在しない場合にはESPに基づき、各会計単位の販売価格に
より、各会計単位に配分される。
● VSOE―多くの場合、顧客自身でサポートを行うか、期間や素材によりサポートを購入するため、製品は単独契
約により個別に販売される。加えて、一般的コンサルティング、ネットワーク・マネージメント、アドバイザ
リー・プロジェクト等の高度のサービスは、たいてい単独契約で販売される。また、技術サポートサービス
は、しばしば年間契約を更新することで別途販売される。当社は、特定の製品またはサービスが単独で販売
された場合、通常の価格および割引慣習に基づきVSOEを決定している。当社は、VSOEの決定にあたり、実質的
に大部分の製品およびサービスの販売価格が、合理的な限られた価格設定幅に収まることを求めている。具
体的には、過去の単独契約のおよそ80%の販売価格の平均プラスマイナス15%以内となるようにしている。加
えて、当社は、製品・サービスが販売される地域、主要な製品およびサービスグループ、顧客の分類、その他
の環境あるいは市場変数を考慮し、VSOEを決定している。
● TPE―VSOEは、一般的に、当社が製品・サービスを単独で販売する場合にのみ存在する。VSOEが存在しない場
合、当社は、単独で販売される際の競合他社の類似製品・サービスの価格に基づきTPEの決定を試みる。一般
的に、多くの製品についての当社の主力市場戦略は、同業社とは異なり、重要なレベルで特注生産および差
別化を行っており、比較可能となる競合他社の類似した機能の製品価格は入手できない。さらに、当社は、競
合他社製品の単独契約での販売価格を、信頼性をもって決定できない。したがって、当社は、通常、TPEを決定
できない。
● ESP―ESPの目的は、仮に当社の製品およびサービスが単独で販売されるとした場合の価格を決定することで
ある。VSOEとTPEの両者が存在しない場合、当社は、最初に、製品の売上、原価、利益分析や当社の通常の価格
決定慣習に基づくその他のインプットを含む合理的かつ入手可能なデータの収集を行うことにより取引要
素のESPを決定する。次に、当社は、市場と当社特有の要因に基づくデータに合理的に要求される調整を行
う。最後に、会社は、顧客、取引量および販売量に基づき、適切な場合に、データポイントを階層化する。
いったん契約の要素が1つ以上の会計単位に分離されると、収益は上記に記載した収益の性質に応じ
て、会計単位ごとに認識される。
376/507
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有価証券報告書
当社の複数の製品・サービスが提供されている契約は、既存のソフトウェア収益認識基準の適用を受ける単独
のソフトウェアの引渡しを含む場合がある。それらの複数要素を伴う契約に係る収益は、新しい収益基準のヒエラ
ルキーを用いて、契約に含まれるすべての製品・サービスの販売価格に基づき、ソフトウェアとソフトウェア以外
へ配分される。当社がソフトウェアを含む製品・サービスの全ての販売価格についてVSOEまたはTPEを決定出来な
い状況において、ESPは契約対価の配分のために使用される。
当社の複数の製品・サービスが提供されている契約は、全体として、既存のソフトウェアの認識基準が引き続き
適用される製品・サービスである場合がある。それらの契約については、収益は、VSOEに基づき製品・サービスに
配分される。VSOEが存在しない未提供のソフトウェアの要素については、未提供の要素が提供されるか、VSOEが立
証されるかのいずれかが発生するまで、収益は繰延べられる。提供された要素の公正価値が立証されていないが、
未提供の要素の公正価値が存在する場合、当社は、未提供のすべての要素の公正価値が決定可能な場合に限り、残
余法を用いて収益を認識する。残余法では、未提供の要素の公正価値は繰延べられ、契約対価のうち残る部分につ
いて、提供された要素へ配分され、収益として認識される。
2010年12月31日に終了した事業年度において報告された純売上高および2010年1月2日以降に契約した取引ま
たは契約の重要な変更を行った取引について改正前の会計基準を適用した場合のプロフォーマ純売上高は、下記
の表に示されている。(単位:百万)
2010年12月31日に終了した事業年度
純売上高
報告数値
プロフォーマ
$7,871
$7,832
2010年12月31日に終了した事業年度において、提供された要素ではなく未提供の要素に対してVSOEが存在する
場合、複数要素を伴う契約における提供された製品への収益を配分するための残余法を当社がもはや使用しない
ことに基づく報告された収益とプロフォーマを基礎とした収益との違いがある。この状況は、契約会計の適用範囲
外となる追加的に提供することで販売されるシステム・ソリューションにおいて最も一般的に見られる。従来の
収益認識の会計基準では、当社は、契約における未提供のサービスまたは他の製品のVSOEが決定される時のみ、残
余価格を契約会計の適用が可能なものとみなしていた。
当社の現在の販売戦略に基づき、新しく適用された収益認識の会計基準は、複数要素を伴う契約の当初適用以降
の期間における売上の収益認識の時期および形態に重要な影響はないと予想される。しかしながら、当社は、この
新しい会計基準が、経済活動や関連する会計処理をより良く調整するための当社の製品とサービス提供の最適化
への取り組みを促進することを期待している。これにより、将来において当社が新しい販売慣行を取り入れること
に至るかもしれない。これらのgo-to-market戦略が発展し、当社は、将来において価格設定方法を修正するかもし
れない。それは、VSOEとESPの両方を含む将来の販売価格の変化につながる可能性がある。その結果、当社の複数要
素を伴う契約に係る将来の収益認識は、当期の報告結果と大きく異なる可能性がある。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
特定の成果物の費用の見積りや公正価値の変動は、当社の業績に悪影響を与える可能性がある。さらに、契約期
間にわたって、業績に重大な影響を与えるかもしれない不測の事態が発生する可能性がある。
売上税および使用税−当社は、売上税、使用税、付加価値税および物品税など収益生成取引に課せられる税金に
ついて、収益から当該税金を控除した後の税抜基準で計上している。
現金等価物:当社は、契約上の満期が3カ月以内のすべての流動性の高い投資を現金等価物とみなしている。2010
年12月31日および2009年12月31日現在、制限条項付預金はそれぞれ226百万ドルおよび206百万ドルであった。
シグマ・ファンド:当社および当社の完全子会社は、米ドル建ての現金の大部分を、世界中で資金を効率的に管理
し得るファンド(以下「シグマ・ファンド」という。)に投資している。シグマ・ファンドのポートフォリオは、外
部投資運用会社4社により運営されている。シグマ・ファンドの投資指針は、購入した投資が、譲渡性預金、コマー
シャル・ペーパー、国債、社債ならびに資産担保証券およびモーゲージ担保証券を含む品質の高い、投資適格(ス
タンダード・アンド・プアーズ格付でA/A-1以上、またはムーディーズ・インベスター・サービシズでA2/P-1以
上)の米ドル建て負債証券であることを要求している。シグマ・ファンドの投資方針に従い、国債、公共機関およ
び政府系企業の負債証券を除き、シグマ・ファンドのポートフォリオの5%以上はどの発行体の負債証券も含ま
ない。シグマ・ファンドの投資方針は、変動利付商品の購入時における満期は36ヶ月以内で、少なくとも年次で利
率更改を行うものであることも要求している。シグマ・ファンドが保有する投資の平均更改満期は120日以下でな
ければならない。
シグマ・ファンドに対する投資は公正価値で計上されている。当社は、シグマ・ファンドに対する投資の公正価
値を決定する上で、主に評価価格決定モデルおよびブローカーによる指値に依拠している。これらの評価モデル
は、第三者のプライシング・サービスにより策定および維持されており、基準利回り、公表取引値、関係者がいつで
も取引を行える状態にあるブローカー/ディーラーによる相場価格、発行体のスプレッド、ベンチマークとなる証
券、入札価格、提示価格、その他の参照データを含む数多くの標準的な入力値を評価モデルに用いている。また、各
資産クラスについて、識別された市場動向やセクターのニュースに関連する定量化可能なインプットも、標準的な
インプットに加えて考慮される可能性がある。
投資:売却可能と分類された持分証券および負債証券に対する投資は公正価値で計上される。満期保有と分類さ
れた負債証券は償却原価で計上される。1年以上の売却制限付および未公開の持分有価証券は原価で計上される。
当社が発行体に重要な影響を及ぼす投資については、持分法を用いて会計処理される。
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当社は投資の公正価値の下落を評価し、それが一時的か否かを判断している。この分析は一般的な市況の変化、
業界および個別の会社に特有の情報、公正価値が原価を下回っている期間および程度、有価証券を発行している会
社の財政状態および短期の業績見込み、ならびに当社の投資を保有する能力および意思を含む入手可能な情報を
すべて考慮して行われる。投資の一時的でない減損額は、減損が発生した年度に、当社の連結損益計算書の営業外
収益(費用)項目の中のその他に計上される。
棚卸資産:棚卸資産は、平均法による原価(先入先出法に基づく原価とほぼ同額)と時価(正味実現可能価額または
再調達原価)のいずれか低い金額で評価される。
有形固定資産:有形固定資産は取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額で表示されている。減価償却は、資
産の見積耐用年数(建物および建物設備:5−40年、機械・設備:2−10年)に基づき、定額法および定率法により
計上され、使用が可能になった時点より開始される。
のれんおよび無形資産:のれんは償却されず、毎年減損テストが行われている。のれんの減損テストは、報告単位
レベルで実施され、2段階の分析を経る。最初に、各報告単位の公正価値がその簿価と比較される。各報告単位の公
正価値が簿価を下回っている場合、当社は報告単位の公正価値に基づき想定購入価格の分配を行い、報告単位のの
れんの公正価値を決定する。公正価値は、現在価値法と類似事業の市場価格法とを組み合わせて決定される。
無形資産は、通常、1年から13年の見積耐用年数に基づいて定額法で償却が行われている。当社は、耐用年数が確
定できない無形資産は保持していない。
長期性資産の減損:当社が所有し使用している無形資産を含む長期性資産については、事象または状況の変化か
ら資産の帳簿価額の回収が不可能と思われる場合に、減損についての検討が行われている。当社は、当社が所有し
使用する資産(グループ)の帳簿価額を、将来において当該資産(グループ)から生じる割引前キャッシュ・フ
ロー純額と比較することにより、かかる資産の回収可能性を評価している。かかる資産が減損していると判断され
た場合、認識すべき減損額は、割引キャッシュ・フロー分析または類似企業分析により算出される当該資産の公正
価値を当該資産の帳簿価額が上回る金額と同額となる。また、処分予定の長期性資産は帳簿価額または売却コスト
を差し引いた公正価値のいずれか低い方の金額で計上されている。
法人税:繰延税金資産および繰延税金負債は、財務諸表上の資産および負債の計上額とそれらに対応する税務上
の金額との差異、ならびに税務上の繰越欠損金および繰越税額控除に係る将来の税効果額に基づいて認識される。
繰延税金資産および繰延税金負債は、これらの一時差異の実現または解消が見込まれる年度の課税所得に適用さ
れる税率を用いて測定される。税率変更による繰延税金資産および繰延税金負債に係る影響は、税法または税率の
改正された、もしくは税率の変更が承認される年度に認識される。
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繰延税金資産については、すべての入手可能な証拠を考慮し、一部の繰延税金資産が実現されない可能性が高い
場合、評価性引当金により減額される。評価性引当金を計上する際は、客観的に検証可能な証拠を重要視している。
当社は繰延税金を四半期毎に見直し、評価性引当金について入手可能な証拠に基づき、再評価が必要か否かを決定
する。繰延税金資産は、将来の課税所得を十分有することによって実現される。これによりもたらされる税務上の
利得は税金または税務上の債務を減額させることである。繰延税金資産の回収可能性に関しては、既存の将来加算
一時差異の戻入れ、一時差異および繰越欠損金の戻入れを除いた将来の課税所得、繰戻しを行った年度の課税所得
および慎重かつ実行可能な税務計画戦略が考慮される。
当社は法人所得税の不確実性に関する当社の評価について、当該タックス・ポジションが持続できる可能性が
持続できない可能性より高い場合に限り、財務諸表上認識している。認識または測定の変更は、変更の判断を行っ
た年度に反映される。当社は未認識の法人所得税軽減額に関連する利息を、当社の連結損益計算書の利息費用に、
罰金を販売費および一般管理費に計上している。
長期売掛債権:長期売掛債権は、手形のサイトが1年超の売上債権を含んでいる。長期売掛債権は、元本および利
息を含めて、貸付契約の契約条件に従って全額を回収することがもはや確実でないと経営陣が決定した場合に、減
損しているとみなされる。減損している長期売掛債権は、債権の実効利率で割引かれた将来見積キャッシュ・フ
ローの現在価値、または債権に対して担保が付帯している場合には担保の公正価値を用いて評価される。減損して
いる長期売掛債権に関する受取利息と遅延金は、回収時にのみ認識される。以前に減損を認識した長期売掛債権
は、返済方法の再構築等の処置が講じられた後、4四半期連続して正常に返済された場合には、減損しているとみ
なされず、通常債権として再分類される。
外貨換算:米国外の当社の事業の一部は、各国の現地通貨を機能通貨としている。米ドルを機能通貨としていない
事業の資産および負債は、決算日の為替相場を用いて換算し、収益および費用は、期中平均為替相場に近似する
レートを見積もり換算する。換算の結果生じた調整勘定は、当社の連結貸借対照表のその他包括利益(損失)累計
額に含まれている。米ドルを機能通貨としている事業における現地通貨建取引は、貨幣性資産および負債は取引発
生時の為替レートを用いて、非貨幣性資産は取得日レートを用いて米ドルに換算する。貨幣性資産および負債の為
替換算差損益は、当社の連結損益計算書の営業外収益(費用)に含まれる。
デリバティブ:資産や負債のヘッジにより生じるデリバティブ資産負債は時価評価され、その結果は連結損益計
算書の営業外収益(費用)のその他の項目に計上されている。ヘッジ会計として適格で、将来の確定契約または予
定取引をヘッジするための金融商品に関する損益は、ヘッジ対象の取引が認識されるまで繰り延べられる。また、
ヘッジ対象の取引がもはや発生しないと見込まれる場合は直ちに損益として認識される。ヘッジと認められない
金融商品から生じる損益は、直ちに収益または費用として認識される。
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1株当たり当期純利益(損失):当社は、すべての発行済株式の加重平均効果を考慮し、基本的1株当たり当期純
利益(損失)を計算する。基本的1株当たり当期純利益(損失)を計算するにあたり、モトローラ・ソリューショ
ンズ・インクに帰属する当期純利益(損失)は各算定期間の加重平均発行済株式数で除される。希薄化後1株当
たり当期純利益(損失)は、基本的1株当たり当期純利益(損失)の計算に用いられた普通株式の加重平均数と
潜在的希薄化効果を有するすべての証券の行使または転換により発行されうる普通株式の加重平均数の合計(た
だし、逆希薄化効果を有する証券は除く)でモトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する当期純利益(損
失)を除することにより計算される。基本的1株当たり当期純利益(損失)および希薄化後1株当たり当期純利
益(損失)は、表示されたすべての年度において継続事業による利益(損失)およびモトローラ・ソリューショ
ンズ・インク帰属する当期純利益(損失)について計算されている。開示されている全ての1株当たり当期純利
益(損失)は、2011年1月4日に発生した株式併合の影響を考慮している。
株式に基づく報酬費用:当社は、従業員にストック・オプション、株式増価受益権、制限付株式および制限付株式
ユニット、ならびに従業員株式購入制度を報酬として与えるインセンティブ・プランを有している。これらの株式
報酬制度に係る報酬費用金額は、付与日の報酬の公正価値に基づいて算定され、権利確定が見込まれる株式の数を
見積もり調整する。ストック・オプション、株式増価受益権および従業員株式購入制度の公正価値は通常、予想ボ
ラティリティ、無リスク利子率、配当利回りおよび見積有効期間に関する仮定を組み込んだブラック−ショールズ
・オプション評価モデルにより決定される。株式報酬制度に係る報酬費用は権利確定期間にわたり定額法により
認識される。
退職給付:当社は、割引率、年金資産の予想運用収益率、報酬上昇率、回転率および医療費趨勢率等の様々な数理計
算上の仮定を含む計算に基づいて年金給付および退職後制度に関連する年間費用を計上している。当社は数理計
算上の仮定を年間ベースで見直し、運用実績および傾向を基準にして仮定を修正している。年金数理上の純利益、
純損失および過去勤務費用および収益は将来の勤務期間にわたり償却される。各制度の拠出状況または年金資産
控除後の予測給付債務は、12月31日現在を測定日として、当社の連結貸借対照表に反映されている。
広告宣伝費:当社の製品のマーケティングのための外部費用である広告宣伝費は、発生した時点で費用計上され
る。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度の広告宣伝費は、それぞれ109百万
ドル、123百万ドルおよび184百万ドルであった。
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見積もりの使用:米国で一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して作成される添付の連結財務諸表につい
て、経営陣は、将来の事象に関して見積もりと仮定を行うことを義務づけられている。これらの見積もりおよび基
礎となる仮定は、計上された資産および負債の金額、偶発資産および偶発債務に関する開示、収益および費用の計
上額に影響を与える。このような見積もりには、売掛金および長期売掛債権の評価、棚卸資産、シグマ・ファンド、
投資、のれん、無形資産およびその他の長期資産、法的偶発事象、保証債務、補償、法人税の計算に用いられた仮定、
退職およびその他の退職後給付、割引に対する引当金、価格保護、商品の返品、顧客に対するインセンティブが含ま
れている。これらの見積もりおよび仮定は経営陣の最善の見積もりおよび判断を基準にしている。経営陣は過去の
実績および、現在の状況下で合理的と考える現在の経済的状況を含むその他の要因を考慮して、継続的に見積もり
および仮定を評価している。当社は事実および状況を考慮して、見積もりおよび仮定を調整している。非流動的な
信用市場、変動性の大きな株式、為替、エネルギー市場および個人消費の落ち込みが相互して当該見積もりおよび
仮定に固有の不確実性を増加させている。将来の事象およびその影響を正確に確定することはできないため、実際
の結果はこうした見積もりと相違する可能性がある。経済的状況が絶えず変動したため生じる見積もりの変更は、
将来の事業年度の財務諸表に反映される。
2 廃止事業
2010年7月19日、当社はネットワーク事業の一部の資産及び負債ををノキア・シーメンス・ネットワークスB.
V.(「NSN」)へ売却する合意に至ったと公表した(「本件取引」)。2011年4月13日、当社とNSNはこの合意を改訂
し、特に購入価格の現金支払額を12億ドルから975百万ドルへ修正したと公表した。2011年4月29日、修正通り当社
は本件取引を完了した。修正された売却契約の条件において、150百万ドルの売掛金を含む特定の資産は、その本件
取引より除外された。本件取引に含まれている一部のネットワークス事業の経営成績は、表示されているすべての
期において廃止事業として反映されている。
2011年1月4日、モトローラ・モビリティ・ホールディングス・インク(「モトローラ・モビリティ」)のすべ
ての普通株式の配当が完了した(「本件配当」)。2010年12月21日の取引終了時に株主名簿に記載のある株主は、
基準日時点で保有する当社の普通株式8株に対してモトローラ・モビリティ普通株式1株を受け取った。本件配
当後すぐに、当社は会社名をモトローラ・ソリューションズ・インクに変更した。本件配当の仕組みは、米国税務
上、モトローラ・ソリューションズと株主にとって非課税となるものであった(端株の代わりに受け取った現金
に関してを除く)。モトローラ・モビリティの過去の経営成績は、当社の連結損益計算書および注記上、表示され
ている全ての期において廃止事業として反映されている。
2010年第2四半期において、当社は、以前は官公庁事業部門に含まれていた、イスラエルを本拠とするワイヤレ
ス・ネットワーク・オペレーター事業の売却を完了した。当社は、170百万ドルの現金を受領し、総額で20百万ドル
の税引前事業売却益を計上した。これは当社の連結損益計算書上、廃止事業より生じた利益、税引後に含まれてい
る。
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2009年第1四半期において、当社は、(ⅰ)グッド・テクノロジーおよび(ⅱ)プリントラック・トレードマー
クを含むバイオメトリクス事業の売却を完了した。当社は、合計して163百万ドルの現金を受領し、175百万ドルの
税引前事業売却益を計上した。これは当社の連結損益計算書上、廃止事業より生じた利益、税引後に含まれている。
モトローラ・モビリティとNSNとの取引に含まれている一部のネットワークス事業の経営成績は廃止事業とし
て報告されている。また、当初、当社の連結財務諸表にとって重要でないため廃止事業として組み替えられていな
かった、それ以外の前述した廃止事業の経営成績も廃止事業として報告されている。過去に報告されたすべての財
務情報は、今期の表示に合わせて修正されている。
以下の表は2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度中の当社の連結損益計
算書上の廃止事業に関する活動の概略を示している。
12月31日に終了した事業年度
2010年
純売上高
2009年
2008年
$ 15,002
$ 14,967
$ 22,147
574
(728)
(1,711)
19
156
税引前利益(損失)
572
(640)
(1,636)
法人税等(便益)
198
(166)
(874)
廃止事業より生じた利益(損失)、税引後
374
(474)
(762)
営業利益(損失)
投資および事業売却利益(純額)
17
以下の表は2010年12月31日および2009年12月31日現在の処分目的保有資産および負債の概略を示している。
12月31日
2010年
2009年
資産
$ 2,072
売掛金(純額)
1,040
棚卸資産(純額)
$ 2,142
900
その他の流動資産
1,492
1,880
有形固定資産(純額)
1,013
1,143
145
60
1,504
1,394
投資
のれん
その他資産
514
587
$7,780
$8,106
$2,060
$1,860
2,740
3,027
737
711
$5,537
$5,598
負債
買掛金
未払費用
その他負債
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3 その他の財務データ
損益計算書情報
その他費用
以下の表は、営業利益(損失)に含まれるその他費用(収益)の金額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
$ 203
$ 218
54
88
60
IP和解引当金調整額
(78)
―
―
訴訟の解決および関連する保険費用(純額)
(29)
(75)
14
その他費用(収益):
無形資産減価償却費
事業再構築費用
$
227
環境引当金費用
―
24
―
資産の減損費用
―
―
1,564
有形固定資産売却益
―
―
$ 150
$ 255
(48)
$ 1,817
2010年度において、当社はある会社との特定の知的財産権に関する紛争を解決するために、和解契約を締結し
た。和解契約の結果、当社は65百万ドルを現金で受領し、特定の知的財産権の譲渡を受けた。当該契約の結果、2010
年12月31日に終了した事業年度において、当社は当事者間の訴訟の解決に関して、39百万ドル(および廃止事業に
55百万ドル)の税引前の利益を計上した。
営業外収益(費用)
以下の表は、営業外収益(費用)に含まれる受取利息(純額)およびその他を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
受取利息(純額):
支払利息
$ (217)
$ (207)
88
受取利息
$ (210)
74
245
$ (129)
$ (133)
$
35
$
$
$ (333)
その他:
投資の減損
(21)
当社の未払長期借入債務の償却から生じた利益
(75)
(12)
67
14
為替差益(差損)
12
14
(69)
シグマ・ファンド投資に係る利益(損失)
11
80
(101)
シグマ・ファンド投資に係る減損損失
―
―
(186)
米国年金制度の凍結による削減利益
―
―
237
金利スワップに係る利益
―
―
24
3
6
(3)
92
$ (417)
その他
$
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$
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1株当たり当期純利益(損失)
継続事業およびモトローラ・ソリューションズ・インクに帰属する廃止事業を含む当期純利益(損失)からの
基本的および希薄化後1株当たり利益(損失)の計算は以下のとおりである。
継続事業からの利益(損失)
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
モトローラ・ソリューションズ・
インクに帰属する当期純利益(損
失)
2010年
2009年
2008年
基本的普通株式1株当たり当期純利益(損
失):
利益(損失)
$
259
$ 423
333.3
327.9
$
0.78
$ 1.29
$ (10.76)
$
1.90
$
259
$ 423
$ (3,482)
$
633
333.3
327.9
323.6
333.3
327.9
323.6
4.8
2.0
―
4.8
2.0
―
338.1
329.9
323.6
338.1
329.9
323.6
0.77
$ 1.28
普通株式の加重平均発行済株式数
1株当たり金額
$ (3,482)
$
323.6
633
$
333.3
(51) $ (4,244)
327.9
323.6
$ (0.16) $ (13.11)
希薄化後普通株式1株当たり当期純利益
(損失):
利益(損失)
普通株式の加重平均発行済株式数
希薄化効果のある証券の影響考慮後:
株式報酬およびその他
希薄化後普通株式の加重平均発行済株式数
1株当たり金額
$
$ (10.76)
$
1.87
$
(51) $ (4,244)
$ (0.15) $ (13.11)
表示は2011年1月4日に発生した株式併合の影響を考慮している。
2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度において、権利行使されたと想定されるストック・
オプション、それぞれ14.6百万株、22.7百万株および権利確定と想定される制限付き株式、それぞれ0.7百万株、2.2
百万株は、これらを含めると逆希薄化となるため、継続事業および当期純利益ベースの希薄化後普通株式1株当た
り利益の計算において除外されている。2008年12月31日に終了した事業年度において当期純損失を計上したこと
により、権利行使されたと想定されるストック・オプション33.2百万株および、権利確定されたと想定される制限
付き株式/ユニット3.7百万株は、これらを含めると逆希薄化となるため、希薄化後普通株式の加重平均発行済株数
の計算において除外されている。
2011年1月4日における割当の完了により、モトローラ・モビリティの従業員により保有されていたストック
・オプション8.0百万株、未確定の制限付き株式3.8百万株はキャンセルされた。2011年4月29日で完了したネット
ワークス事業の売却により、ストック・オプション0.2百万株、未確定の制限付き株式/ユニット1.4百万株はキャ
ンセルされた。
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貸借対照表情報
シグマ・ファンド
シグマ・ファンドの内訳は以下のとおりである。
2010年12月31日現在
公正価値
現金
流動
2009年12月31日現在
非流動
流動
$ 2,355
$ ―
2,291
社債
$
非流動
202
$ ―
―
4,408
―
―
58
367
63
資産担保証券
―
1
66
―
モーゲージ担保証券
―
11
49
3
$ 4,646
$ 70
$ 5,092
$ 66
有価証券:
国債および公共機関債
2010年12月31日、2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は連結損益計算書上、営業外収益(費用)にそ
れぞれ11百万ドル、80百万ドルのシグマ・ファンド投資に関連する利益を計上した。2008年12月31日に終了した事
業年度中に、当社は連結損益計算書上に287百万ドルの一時的な未実現損失および減損損失を含むシグマ・ファン
ド投資に関連する費用および損失の合計額を計上した。
2008年第4四半期中に、当社はシグマ・ファンド投資の公正価値の変動の会計処理を変更した。2008年第4四半
期より前は、当社は一時的とみなされる下落および永久的とみなされる下落を区別した。当社は契約条件に従って
負担した有価証券の金額を回収できない可能性がある場合、その有価証券が減損しているとみなし、公正価値の永
久的な下落を損益に計上した。2008年度に、当社は連結損益計算書上にシグマ・ファンド投資の永久的な減損とし
て186百万ドルを計上した。2008年第4四半期から、当社はシグマ・ファンド投資の公正価値の変動はすべて要約
連結損益計算書上に計上している。シグマ・ファンドは、個別財務諸表において「投資会社」会計実務を用い、潜
在的投資の公正価値の変動は、そのような変動が一時的または永久的とみなされるかに係らずすべて損益に計上
される。当社は個別財務諸表上のシグマ・ファンドの基礎的な会計実務が当社の連結財務諸表において維持され
るべきであると決定した。したがって、当社は2008年第4四半期連結損益計算書上のシグマ・ファンド投資に対す
る投資損失に101百万ドルの累積損失を計上した。当社は2008年第4四半期より前の期間に発生した金額の影響は
それら過年度の連結損益計算書において重要ではないと判断した。
巨額な一時的な未実現損失および12ヶ月超の満期を有する有価証券ならびに債務不履行となった有価証券は当
社の連結貸借対照表において非流動項目に分類されている。2010年12月31日現在、シグマ・ファンド投資の70百万
ドルは非流動項目に分類され、その加重平均満期(債務不履行となった有価証券を除く)は164ヶ月であった。
2009年12月31日現在、シグマ・ファンド投資の66百万ドルは非流動項目に分類された。
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投資等
投資等の内訳は以下のとおりである。
計上額
2010年12月31日
短期投資
譲渡性預金
$ 7
控除
投資
$
―
未実現
利益
未実現
損失
$
$
―
取得原価
―
$
7
売却可能有価証券:
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
17
―
―
17
2
11
―
―
13
モーゲージ担保証券
―
3
―
―
3
普通株式および同等物
―
12
4
―
8
9
43
4
―
48
その他有価証券、取得原価
―
113
―
―
113
持分法投資
―
16
―
―
16
$ 9
$ 172
社債
$
4
計上額
2009年12月31日
$
―
$
177
控除
短期投資
投資
$
$
未実現
利益
取得原価
未実現
損失
売却可能有価証券:
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
社債
23
$
1
$
―
22
2
10
―
モーゲージ担保証券
―
3
―
―
3
普通株式および同等物
―
126
97
(1)
30
2
162
98
(1)
67
その他有価証券、取得原価
―
209
―
―
209
持分法投資
―
27
―
―
27
2
$ 398
$ 98
$
―
$
$
(1)
12
$ 303
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、当社は投資の減損損失
を、それぞれ21百万ドル、75百万ドルおよび333百万ドル計上している。これらの減損損失は、当社の売却可能投資
ポートフォリオの価値の下落が一時的ではない場合に計上される。投資の減損損失は、当社の連結損益計算書にお
いて営業外収益(費用)の項目のその他に含まれている。
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投資および事業の売却益の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
投資売却益(純額)
$ 49
$ 91
$ 64
事業売却益(純額)
―
17
―
$ 49
$ 108
$ 64
2010年12月31日に終了した事業年度中における、49百万ドルの売却益(純額)は、主として当社の株式投資の多
数の売却に関連したものであり、このうち31百万ドルが、単一の投資に関するものである。2009年12月31日に終了
した事業年度中における、108百万ドルの売却益(純額)は主に、(ⅰ)当社の特定の株式投資の売却に関連した
ものであり、このうち32百万ドルが単一の投資に関するもの、および(ⅱ)特定の事業の売却による純利益に関連
している。2008年12月31日に終了した事業年度中における、64百万ドルの売却益(純額)は、主として当社の株式
投資の多数の売却に関連したものであり、このうち29百万ドルが、単一の投資に関するものであった。
売掛金(純額)
売掛金(純額)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
売掛金
2010年
2009年
$ 1,596
$ 1,369
(49)
控除:貸倒引当金
(16)
$ 1,547
$ 1,353
2010年
2009年
棚卸資産(純額)
棚卸資産(純額)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
製品
$ 386
仕掛品および原材料
控除:棚卸資産引当金
341
292
208
678
549
(157)
(140)
$ 521
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$
$ 409
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その他の流動資産
その他の流動資産の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
請求額超過費用(収益)
$
291
2009年
$
257
契約関連繰延費用
160
123
還付税債権
116
100
その他
181
225
$ 748
$ 705
12月31日現在
2010年
2009年
土地
$
$
有形固定資産(純額)
有形固定資産(純額)の内訳は以下のとおりである。
建物
71
804
852
2,094
1,881
2,969
2,811
(2,047)
(1,799)
機械および設備
控除:減価償却累計額
78
$
922
$ 1,012
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度における減価償却費は、それぞれ
139百万ドル、170百万ドルおよび176百万ドルである。
その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
長期債権(1百万ドルおよび7百万ドルの引当金控除後)
$
2009年
251
$ 102
無形資産(947百万ドルおよび757百万ドルの減価償却累計額控除後)
246
453
その他
237
294
$ 734
$ 849
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未払費用
未払費用の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
繰延収益
$ 746
2009年
$
556
給与等
558
376
費用(収益)超過請求額
226
253
未払税金
179
192
顧客契約保証引当金
117
97
その他
748
795
$ 2,574
$ 2,269
2010年
2009年
$ 2,113
$ 2,386
退職後医療給付
277
287
繰延収益
272
274
70
170
313
373
$ 3,045
$ 3,490
その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
確定給付債務(従業員生命保険契約を含む)
未認識所得税軽減額
その他
資本勘定計算書情報
株式買い戻しプログラム:2010年12月31日、2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は普通株式を買い戻
さなかった。2008年12月31日に終了した事業年度中に、当社は総費用138百万ドル、1株当たり平均価格107.24ドル
で、普通株式1.3百万株を買い戻し、そのすべての株式が2008年3月29日に終了した3ヶ月間に買い戻された。当該
数値は2011年1月4日に発生した株式併合の影響を考慮している。
当該普通株式の買い戻しは、一定期間において合計75億ドル分の発行済普通株式買い戻す権限として、取締役会
において承認されたプログラムに基づいて実施された。この権限は、2009年6月に失効し更新されなかった。当社
は、2008年第1四半期以来、株式の買い戻しを行っていない。買い戻された株式はすべて消却されている。
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配当金支払:当社は、2010年12月31日に終了した事業年度において普通株式保有者に対して現金配当を実施し
なかった。2009年12月31日に終了した事業年度中に、当社は普通株式保有者に現金配当金114百万ドルを支払った。
すべては、2008年11月に宣言された配当金支払に関連するものであり、2009年第1四半期中に支払われた。当社は、
2009年2月、取締役会が当社の普通株式の四半期配当の一時中止を公表した。
額面変更:2009年5月4日に、当社の株主は、1株当たり3ドルから0.01ドルへのモトローラ・ソリューション
普通株式の額面金額の変更を承認した。その変更は、当社の株主資本の合計金額に影響を与えなかったが、普通株
式と資本剰余金との間で69億ドルの組み替えが生じた。
モトローラ・モビリティの配当:2011年1月4日に、モトローラ・ソリューションズからのモトローラ・モビ
リティの配当が完了した。2011年1月4日に、基準日である2010年12月21日の営業終了時点に当社の株主名簿に記
載のある株主は、モトローラ・インク株式8株につき、モトローラ・モビリティ株式1株を取得した。本件配当は、
モトローラ・インク、モトローラ・モビリティ・ホールディングス及びモトローラ・モビリティの間で2010年7月
31日に効力が発生した、修正された分割に関する基本協定(Amended and Restated Master Separation and
Distribution Agreement)に従い、完了した。
株式併合:2010年11月30日に、当社は本件配当に関する時期と詳細、および1対7の比率での株式併合に対する
承認を公表した。モトローラ・モビリティ普通株式の本件配当直後に、当社は1対7での株式併合を完了した。表
示されている全ての連結1株当たり情報は、本件株式併合の影響を考慮している。
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4 借入債務および信用枠
長期借入債務
12月31日現在
2010年
2010年満期の利率7.625%の債券
$
―
2009年
$
527
2011年満期の利率8.0%の債券
600
600
2012年満期の利率5.375%の優先債券
400
400
2017年満期の利率6.0%の優先債券
399
399
2025年満期の利率6.5%の社債
313
377
2025年満期の利率7.5%の社債
346
346
2028年満期の利率6.5%の社債
209
283
2037年満期の利率6.625%の優先債券
224
444
2097年満期の利率5.22%の社債
89
196
その他の長期借入債務
53
107
2,633
3,679
70
110
(605)
(531)
主に金利スワップの解約に関連した未償却利益の調整
控除:1年以内返済予定のもの
長期借入債務
$ 2,098
$ 3258
12月31日現在
2010年
2009年
銀行借入
$
その他の短期借入債務
―
$
605
加算:1年以内返済予定の長期借入債務
短期借入債務および1年以内返済予定の長期借入債務
$
年度中の短期借入債務の加重平均金利
605
3.1%
392/507
5
531
$
536
3.1%
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2010年11月、当社は2010年11月15日満期の利率7.625%の債券に関する未払元本総額527百万ドルを満期により
すべて償還した。2010年12月31日に終了した事業年度において、買付価額総額477百万ドルで、未払利息約5百万ド
ルを除く未払長期借入債務約500百万ドルの買い戻しを行った。すべて2010年7月3日に終了した3ヶ月間に発生
した。買付けられた500百万ドルの長期借入債務には、(ⅰ)2025年満期の利率6.50%の社債(以下「2025年社
債」という。)の当時の未払元本379百万ドルのうち65百万ドル、(ⅱ)2028年満期の利率6.50%の社債(以下
「2028年社債」という。)の当時の未払元本286百万ドルのうち75百万ドル、(ⅲ)2037年満期の利率6.625%の優
先債券(以下「2037年優先債券」という。)の当時の未払元本446百万ドルのうち222百万ドル、および(ⅳ)2097
年満期の利率5.22%の当時の社債252百万ドルのうち138百万ドルの元本金額の買い戻しが含まれていた。社債発
行費用および社債発行差金に対し加速償却を行った結果、当社はこれらの債務買い戻しに関連する約12百万ドル
の損失を連結損益計算書上の営業外収益(費用)の項目のその他に認識した。
2009年12月31日に終了した事業年度において、買付価額総額133百万ドルで、未払利息4百万ドルを含む199百万
ドルの未払長期借入債務の買い戻しを行った。すべて2009年4月4日に終了した3ヶ月間に発生した。買付けられ
た199百万ドルの長期借入債務には、(ⅰ)2025年満期の利率7.50%の社債の未払元本358百万ドルのうち11百万
ドル、(ⅱ)2025年社債の未払元本399百万ドルのうち20百万ドル、(ⅲ)2028年社債の未払元本299百万ドルのう
ち14百万ドル、および(ⅳ)2037年優先債券600百万ドルのうち154百万ドルの元本金額の買い戻しが含まれてい
た。当社はこれらの公開市場買付に関連する67百万ドルの利益を連結損益計算書上の営業外収益(費用)の項目
のその他に認識した。
今後5年間の長期借入債務の返済総額は、2011年度が605百万ドル、2012年度が405百万ドル、2013年度が5百万
ドル、2014年度が4百万ドルおよび2015年度が4百万ドルである。
信用供与契約
当社は2011年12月に満期となる予定の国内のシンジケートリボルビング信用供与契約(随時改正された「信用
供与契約」)を保持していた。信用枠は、(1)15億ドル、または(2)適格な国内の売掛金および棚卸資産に基
づいて決定した金額の、いずれか小さいほうであった。当社が信用枠に基づき借入を決めた場合、その時のみ国内
の売掛金および当社の選択に応じて棚卸資産を担保として差し入れることが要求される。信用枠における残りの
利用可能額が225百万ドル以下でない限り、信用供与契約は財務制限条項を満たすことを当社に要求しない。2010
年12月31日現在および2010年12月31日に終了した事業年度において、この信用枠における借入はなかった。
2010年12月31日現在、当信用枠の1日当たりの平均未使用額に対し課されるコミットメント・フィーは75ベー
シスポイントであった。
2011年1月4日において、当社は当該信用供与契約を解約し、新たに2014年6月30日に失効となる予定の15億ド
ルの無担保シンジケートリボルビング信用供与契約(以下、2011モトローラ・ソリューションズ信用契約とい
う。)を締結した。2011 モトローラ・ソリューションズ信用契約は、貸し手を追加することまたは既存の貸し手の
コミットメントを増加させることにより、信用枠総額を最大20億ドルまで増加させることができる条項を含んで
いる。当社は、2011 モトローラ・ソリューションズ信用契約において定義された最大レバレッジ及び最小インタ
レスト・カバレッジ・レシオを維持することを含む、特定の慣習的な契約条項を遵守しなければならない。当社は
この2011モトローラ・ソリューションズ信用契約における借入はない。
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5 リスク管理
金融派生商品(デリバティブ)
外国為替リスク
当社はキャッシュ・フローへの為替変動による影響を軽減するために金融商品を利用している。当社の方針で
は、為替差益のみを追求する投機目的でこうした金融商品を利用することを禁止している。また、ヘッジの対象と
なる取引なしで通貨取引を行うこともない。さらに、対象となるリスク・エクスポージャー額を故意に増加させて
為替取引を行うこともない。ヘッジ関係の一部と指定される金融商品はヘッジの対象となるエクスポージャーに
関連するリスクを軽減させるのに効果的でなければならず、また、当該契約の締結時において、ヘッジ関係の一部
と指定されていなければならない。したがって、ヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジ契約の締結時とその期間
中いずれにおいても、ヘッジ対象の公正価値の変動との間で高い関連性を有するものでなければならない。
外国為替変動リスクの管理に関する当社の戦略は、各事業部門のリスク評価に基づいて、金融商品に関する損益
と対象となる営業活動のキャッシュ・フローまたは投資に関する損益とを相殺することである。当社は、当社の機
能通貨以外の通貨建ての債権および債務のうち、主に市場で取引されている主要通貨建てのものに関してデリバ
ティブ契約を締結している。当社はこれらの為替変動リスクをヘッジするために主として、為替予約やオプション
を利用している。さらに当社は、ヘッジ関係の一部として指定されている予定取引のうち、デリバティブ商品およ
びヘッジ活動に関する会計基準の規定に基づくヘッジ会計の適用が認められると判断されたものに関してデリバ
ティブ契約を締結している。当社には、市場性のない通貨に対するリスクも一部あり、当該リスクについては、純資
産ポジションの管理および製品価格の設定や部品調達先の選定などの方法を通じて、可能な範囲内で対応してい
る。
2010年12月31日現在、当社は想定為替予約を2009年12月31日現在の17億ドルに対して、合計15億ドル締結してい
る(そのうち、それぞれ560百万ドル、520百万ドルは廃止事業に関連するものである)。経営陣は、一般にこれらの
契約に係る損益と対象資産、負債および取引による損益とが相殺されるため、当社の連結損益計算書上の営業外収
益(費用)のその他に計上されている金融商品の非有効部分を除いて、これら金融商品により当社が為替変動によ
るリスクにさらされることはないと考えている。
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2010年12月31日現在の外国為替売買ポジションの想定元本(純額)の上位5通貨、およびそれに対応する2009
年12月31日現在のポジション(純額)は、以下の表のとおりである。
想定元本
2010年12月31日 2009年12月31日
現在
現在
通貨別買(売)ポジション(純額)
中国元
$ (423)
$ (297)
ユーロ
(195)
(350)
(43)
(35)
64
16
187
143
ブラジルレアル
マレーシアリンギット
英国ポンド
キャッシュ・フロー・ヘッジポジションに係る公正価値の変動における非有効部分として、2009年12月31日お
よび2008年12月31日に終了した事業年度がそれぞれ僅少な収益および2百万ドルの費用を計上したのに対し、
2010年12月31日に終了した事業年度においては、1百万ドルの収益を計上した。これらの金額は、当社の連結損益
計算書上の営業外収益(費用)のその他に計上されている。上記の金額には、スポット価格と先渡価格間の差額の変
動に関連するデリバティブ契約の公正価値の変動部分が含まれている。これらの金額は、ヘッジの有効性を測定す
る際に除外される。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において中止され
たキャッシュ・フロー・ヘッジに関連する費用(収益)は上記金額に含まれる。
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、税引前金額での収益(費
用)が、それぞれ1百万ドル、(1)百万ドルおよび(2)百万ドルが資本から当社連結損益計算書の損益に組替表
示された。
2010年12月31日現在、予定取引をヘッジするデリバティブ契約の最長期間は12ヵ月である。当社の予定取引を
ヘッジするデリバティブ契約の加重平均期間は6ヶ月である。
金利リスク
2010年12月31日現在、当社は27億ドルの長期借入債務(1年以内返済予定の長期借入債務を含む)を有しており、
これらは主として長期固定金利で値付けされている。
当社は従来、負債管理プログラムの一環として、当社の欧州子会社の1社が、ユーロ建て貸付に関連する金利契
約(以下「金利契約」という。)残高を保有している。ユーロ建貸付の金利は変動金利である。金利契約により、利
払い方法が変動金利支払から最高固定金利支払に切り換えられた。金利契約はヘッジ関係の一部として会計処理
されないため、金利契約の公正価値の変動は当社の連結損益計算書上の営業外収益(費用)に計上される。当該金
利契約における加重平均固定金利の利率は5.18%であった。2010年12月31日および2009年12月31日現在、金利契約
の公正価値は負債ポジションで、それぞれ3百万ドル、4百万ドルであった。
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契約相手リスク
金融派生商品の利用は、契約相手による契約不履行の場合に、当社を契約相手信用リスクに晒す。しかしなが
ら、デリバティブが資産ポジションにある場合、当社のリスクは、商品の公正価値に限定される。当社は信用リスク
に対するエクスポージャーを積極的に監視している。現在、すべての契約相手は、投資適格の信用格付けを有して
いる。当社は、単独の契約相手による重要な信用リスクにさらされていない。2010年12月31日現在、当社は、すべて
の契約相手で総額2百万ドルの信用リスクにさらされていた。
以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日現在、処分目的保有に含まれる残高を含めて、すべての金融
派生商品の公正価値および連結貸借対照表上の区分を要約したものである。
金融派生商品の公正価値
資産
負債
貸借対照表上
公正価値
2010年12月31日現在
貸借対照表上
公正価値
の区分
の区分
ヘッジ手段として指定された
デリバティブ:
外国為替契約
$ 1
その他の資産
$ ―
その他の負債
4
その他の資産
15
その他の負債
ヘッジ手段として指定されない
デリバティブ:
外国為替契約
金利契約
―
その他の資産
3
ヘッジ手段として指定されない
4
18
$ 5
$ 18
デリバティブ合計
デリバティブ合計
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その他の負債
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金融派生商品の公正価値
資産
負債
貸借対照表上
貸借対照表上
公正価値
公正価値
2009年12月31日現在
の区分
の区分
ヘッジ手段として指定されたデリ
バティブ:
外国為替契約
$
5
その他の資産
外国為替契約
10
金利契約
―
$
1
その他の負債
その他の資産
16
その他の負債
その他の資産
4
その他の負債
ヘッジ手段として指定されないデ
リバティブ:
ヘッジ手段として指定されないデ
リバティブ合計
デリバティブ合計
10
20
$ 15
$ 21
以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度における、廃止事業に関連する残高を
含む、連結損益計算書上の金融派生商品の影響を要約したものである。
金融派生商品に係る利益(損
失)
2010年12月31日
2009年12月31日
現在
現在
損益計算書上の区分
ヘッジ手段として指定されな
いデリバティブ:
金利契約
(16)
(16)
営業外収益(費用)
外国為替契約
(33)
(166)
営業外収益(費用)
ヘッジ手段として指定されな
いデリバティブ合計
$(49)
397/507
$ (182)
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以下の表は、2010年12月31日および2009年12月31日に終了した事業年度における、廃止事業に関連する残高を
含む、連結財務諸表上に認識された損益を要約したものである。
外国為替契約
2010年12月31日
2009年12月31日
現在
現在
財務諸表上の区分
キャッシュフロー・ヘッジ関
係にあるデリバティブ:
その他包括損失累計額に認識
$
(9)
$ ―
その他包括損失累計額
(6)
(18)
売上原価/売上高
された利益(損失)(有効部
分)
その他包括損失累計額から
当期純利益(損失)に組み替
えられた損失(有効部分)
デリバティブに係る当期純利
1
―
営業外収益(費用)
益(損失)に認識された利益
(損失)(非有効部分および
有効性のテストから除外され
た金額)
資本の部
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度における、連結資本勘定計算書のそ
の他包括利益(損失)累計額に含まれているデリバティブ商品の変動(税引後)は以下のとおりである。
2010年
1月1日現在残高
$
2009年
2008年
2
$ (7)
公正価値の増加(減少)
3
21
(9)
損益への組替え、税引後
(5)
(12)
2
12月31日現在残高
$ ―
次へ
398/507
$
2
$ ―
$ (7)
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6 法人税等
継続事業から生じる税引前利益(損失)の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
米国
$ 402
$ 377
$(1,440)
289
260
$ 691
$ 637
米国外
合計
443
$(997)
法人税等(便益)の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
米国
$
米国外
(45)
2009年
$
66
2008年
$ (453)
183
78
74
6
(5)
当期税金(便益)
212
150
(110)
米国
385
(38)
米国外
(55)
103
42
(127)
(24)
(10)
繰延税金費用
203
41
2,591
法人税等合計
$ 415
$ 191
$2,481
州法人税(米国)
州法人税(米国)
348
2,559
当社の連結貸借対照表に計上されている繰延税金費用のうちその他の包括利益(損失)累計額に計上されるも
のは主として、退職給付調整、為替換算調整、デリバティブ商品に係る正味利益(損失)および売却可能有価証券
の公正価値調整により生じたものである。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業
年度における調整額は、それぞれ41百万ドル、(26)百万ドルおよび(738)百万ドルであった。
当社は、永久的な再投資の主張について各報告期間毎の海外所得に基づいて評価し、海外子会社の資本需要また
は現地国の規制のために永久に再投資する予定である特定の所得を除き、海外所得に係る米国連邦所得税を計上
している。当社が恒久的に再投資を意図していることにより、米国連邦法人税が課されない海外の未分配利益は、
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日にそれぞれ合計で、13億ドル、24億ドルおよび29億ドルで
あった。この未分配利益のうち、恒久的に再投資されない部分が仮に分配されたとしても、未分配利益に係る米国
連邦法人税に対する引当金および外国税額控除の使用により、米国における追加納付額は実質的に発生しないと
考えている。当社は、未分配の海外所得に関連して2010年に287百万ドルの繰延税金費用を計上したが、当該費用に
は、もはや永久に再投資されると考えられないと結論付けた特定の過年度の海外所得および特定の海外子会社の
減資に関する税金費用が含まれている。当該減資は、海外子会社への投資を再編成する計画の一環として行われた
ものであり、特定の政府機関による承認待ちとなっている。
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2010年第1四半期、2010年医療・教育修正法および患者保護・医療費負担適正化法の署名がなされ法が成立さ
れたことにより、2013年開始の課税年度より、メディケア・パートD補助金受領についての優遇措置が廃止される。
この税法改正により、当社は、2012年以降に受領すると現在見積もっているメディケア・パートD補助金に関連す
る繰延税金資産を減額するため、18百万ドルの非現金税金費用を計上している。
米国連邦税の法定税率35%で計算した法人税額(便益)と連結損益計算書に計上した法人税等(便益)との
差異の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
法定税率に基づく法人税額(便益)
$ 242
2009年
$ 223
2008年
$ (349)
米国外所得に対する法人税額
(11)
(22)
40
州法人税額(米国)
(34)
(11)
(10)
評価性引当金
(18)
(28)
のれんの減損
―
―
555
未分配の米国外所得に対する法人税額
287
45
15
その他引当金
(44)
(6)
(91)
研究開発控除
(6)
(6)
(1)
税法改正
18
―
―
(20)
(7)
―
1
3
1
$ 415
$ 191
$ 2,481
内国歳入法第199条に基づく税控除額
その他
2,321
繰延税金資産総額は、2010年12月31日現在および2009年12月31日現在で、それぞれ57億ドルおよび83億ドルで
あった。評価性引当金控除後の繰延税金資産は、2010年12月31日および2009年12月31日で、それぞれ52億ドルおよ
び64億ドルであった。繰延税金負債総額は、2010年12月31日および2009年12月31日現在で、それぞれ24億ドルおよ
び32億ドルであった。
400/507
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重要な繰延税金資産(負債)の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
棚卸資産
$
$
未払債務および引当金
114
117
231
247
従業員報酬
1,083
1,336
資産化項目
386
426
投資に関する税務上の差異
40
63
固定資産の減価償却費に関する税務上の差異
66
19
(481)
(235)
米国外所得の未分配利益
繰越欠損金
1,617
2,881
事業再編成費用
24
30
製品および顧客契約保証引当金
56
85
242
166
繰延収益および費用
評価性引当金
(508)
繰延費用
その他
(1,893)
37
51
(118)
(12)
$2,789
$3,281
当社は、資産および負債の帳簿計上額とそれらに対応する税務上の金額との一時差異の影響を、適用税率を用い
て繰延税金資産および負債に計上することによって法人税等を会計処理している。当社は、特定の繰延税金資産お
よび負債の算出に関して見積りおよび判断を行っている。すべての入手可能な証拠を考慮したうえで繰延税金資
産の一部が実現されない可能性が高い場合、繰延税金資産を評価性引当金分減じる。また、客観的に検証可能な証
拠が重要視される。
401/507
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当社は四半期ごとに繰延税金を評価し、過去の課税所得および予測課税所得ならびに慎重かつ実現可能な税務
計画戦略を含む入手可能な証拠を考慮することにより評価性引当金が必要かどうかを判断している。2010年12月
31日現在、モトローラ・モビリティの税引前損失の結果として、当社の米国事業では、税引前損失が3年連続で発
生している。当社は、モトローラ・モビリティにおける損失から、過去の否定的な証拠の重みにより、繰延税金資産
の回収可能性の分析においてモトローラ・モビリティから収益を得る見込みを考慮することはできないと考えて
いる。一方で、その他の事業における利益の持続から、過去の肯定的な証拠の重みにより、その他の事業から見込ま
れる収益を繰延税金資産の回収可能性の分析に含めることができると、当社は考える。分析では慎重かつ合理的に
実行可能な税務計画戦略も考慮している。2008年において、当社は、期限切れの可能性の高い米国法人税法上の繰
越欠損金の一部に対して21億ドルの評価性引当金を計上した。2009年において、当社は、米国の評価性引当金を90
百万ドル増加させた。これは、主に廃止事業の一部として会計処理している子会社処分により実現する資本損失の
増加と払い戻し可能な事業税額控除に係る評価性引当金の減少とが相殺された結果である。2010年において、使用
が見込まれる特定の州法人税法上の繰越欠損金に関連して、米国の評価性引当金は39百万ドル減少した。
2010年12月31日および2009年12月31日現在、当社は繰延税金資産に対して、評価性引当金をそれぞれ508百万ド
ルおよび19億ドル計上しているが、このうち米国外の子会社の繰延税金資産に関連するのは、それぞれ187百万ド
ルおよび253百万ドルである。米国外の子会社に関する当社の評価性引当金は、2010年において純額で66百万ドル
減少した。減少は主に、為替レート差異によるものと当期の活動に基づく評価性引当金残高への調整によるもので
ある。米国の評価性引当金は、主に、外国税額控除、事業税額控除、使用時に制限が付される取得事業から引き継い
だ税務上の繰越欠損金、州法人税法上の繰越欠損金、および特定の投資に関する将来資本損失計上額に関連したも
のである。残りの繰延税金資産については、将来の課税所得見積額および税務計画戦略の実行を前提に、実現され
る可能性が高いと当社は考えている。
402/507
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税務上の繰越欠損金に関する詳細は、下表のとおりである。
2010年12月31日現在
繰越欠損金
総額
税効果
有効期間
米国:
米国税法上の欠損金
$ 131
$
46
2018-2027
外国税額控除
n/a
843
2017-2019
事業税額控除
n/a
277
2017-2030
最低税額控除
n/a
109
無制限
1,676
51
2011-2030
n/a
21
2011-2025
中国の税務上の欠損金
208
52
2012-2015
日本の税務上の欠損金
79
32
2015-2017
英国の税法上の欠損金
55
15
無制限
ドイツの税法上の欠損金
252
72
無制限
シンガポールの税法上の欠損金
101
17
無制限
その他子会社の税法上の欠損金
40
10
様々
スペインの税額控除
n/a
29
2018-2022
その他子会社の税額控除
n/a
43
様々
州法人税法上の欠損金
州法人税控除額
米国外の子会社:
$1,617
2010年12月31日および2009年12月31日において、当社にはそれぞれ198百万ドルおよび417百万ドルの未認識の
税金軽減額があった。このうち、それが実現した場合には、評価性引当金の変動による純額でそれぞれ約20百万ド
ルおよび50百万ドルが、実効税率に影響を及ぼすことになる。
未認識の法人所得税軽減額の推移は、以下の通りである。
2010年
2009年
$417
$858
当期に関連する所得税ポジションに基づく追加
25
27
過年度の所得税ポジションの追加
59
53
過年度の所得税ポジションの控除
(157)
(96)
清算
(142)
(423)
(4)
(2)
1月1日残高
時効による消滅
12月31日残高
$ 198
403/507
$417
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2010年に、当社は157百万ドルの税金軽減額を計上したが、それは特定の税務ポジションが認められる可能性が
認められない可能性より高い範囲において、未認識の税金軽減額を減少させたことに関連する。加えて、当社は税
務当局との合意により、未認識の税金軽減額を142百万ドル減少させた。このうち、45百万ドルは、現金による税金
の支払いという結果になり、残りは主に繰越欠損金およびその他の繰延税金資産を減少させた。
2010年に、米国内国歳入庁は、シンボル・テクノロジーズ・インクの2004年から2007年1月9日までの買収前の課
税年度およびモトローラ・ソリューションズの2004年から2007年の課税年度の税務調査を終えた。米国内国歳入
庁は、現在当社の2008年および2009年課税年度について税務調査を進行中である。当社では、米国内のいくつかの
州および米国外においてもいくつかの税務調査が進行中である。主要各国における税務調査が実施されていない
課税年度の要約は以下の通りである。
管轄地:
課税年度
米国
2007-2010
中国
2001-2010
フランス
2004-2010
ドイツ
2008-2010
インド
1996-2010
イスラエル
2007-2010
日本
2004-2010
マレーシア
1998-2010
シンガポール
1999-2010
英国
2004-2010
当社の全世界における税務訴訟の最終決定は未確定であるが、現在の情報に基づき、当社の経営陣は、これらの
案件の最終的な結論が、当社の連結財務諸表における財政状態、流動性もしくは経営成績に重大な悪影響を及ぼす
ことはないと考えている。しかしながら、不利な決定により、この問題が最終的に解決する期間において、当社の連
結財務諸表上の経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の全世界における税務調査または特定の国における時効の成立により、今後12ヶ月以内に未認識の税金軽
減額が変動するということも合理的にあり得る。当社では、これに関連した実効税率に影響を与える税金純額(評
価性引当金の変動は除く)は50百万ドルの税金負担額から75百万ドルの税金軽減額の間と見積り、現金支払額はゼ
ロから100百万ドルの間と見積っている。
2010年12月31日現在、当社は未認識の所得税軽減額に関して、利息および罰金の未収分をそれぞれ25百万ドルお
よび20百万ドル計上している。2009年12月31日現在では、未認識の所得税軽減額に関する利息および罰金の未収分
は、それぞれ25百万ドルおよび15百万ドルであった。
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7 退職給付
年金給付制度
当社の非拠出型年金制度(以下「一般従業員対象年金制度」という。)は、勤続1年以上で受給資格のある米国
従業員を対象としている。年金給付額算定方式は、従業員の所得および勤務年数により決定される。2005年1月1
日以降、新たに雇用された従業員には、一般従業員対象年金制度に加入する権利はない。当社は、米国外の従業員を
対象とした確定給付型の年金制度を有しており、それには主に、英国、ドイツ、日本および韓国が含まれる(以下
「米国外制度」という。)。その他の年金制度は、当社にとって、個別にも総合しても重大ではない。
当社は、1999年12月31日より前に選任された役員を対象として非拠出型の追加的退職給付制度(以下「役員対
象制度」という。)を有している。役員対象制度には、当該制度の加入者が年齢および勤続年数の最低基準を満た
した場合、制度加入者の退職給付見込額を積み立てる旨の規定が盛り込まれている。1999年12月31日時点で、役員
対象制度の受給資格が確定していない役員は、役員対象制度を継続するか、あるいは自身の給付額を制限付株式ユ
ニットに交換するかを選択することができた。1999年12月31日以後、新たに選任された役員に対して、役員対象制
度に加入する権利は与えられていない。2005年6月30日以後、当該制度に関する俸給は凍結された。
当社は、さらに非拠出型の追加退職給付制度であるモトローラ追加年金制度(以下「MSPP」という。)を有して
いる。これは、米国内国歳入庁法において規定された拠出限度額の適用により退職給付算定方式に基づいて個人が
喪失する一般従業員対象年金制度の給付に代わる追加的給付を提供することを定めるものである。ただし、役員対
象制度に加入している役員、または制限付株式ユニットへの交換を選択した役員には、MSPPに加入する権利はな
い。2007年1月1日以後、適格報酬の上限はIRS限度額に175,000ドルを加算した額と定められており(以下
「Cap」という。)、2007年1月1日現在ですでにCapを上回っていたものについては、将来の年度における従業員
のMSPP給付を計算するために使用される適格報酬は、(ⅰ)従業員の2007年1月1日現在の適格報酬金額(同額
で凍結される)、または(ⅱ)当該年度の適切なCapのうちいずれか大きい方となる。また、2009年1月1日付け
で、新規加入者については、その加入が事前に契約で同意された権利によって要求されるものでない限りMSPPが凍
結された。
2007年2月、当社は一般従業員対象年金制度およびMSPPを改訂し、平均所得の定義を変更した。2007年12月31日よ
り前に終了した年度に関しては、以前の10年間のうちのいずれか5年間の最も高い年次利益の平均を使用して、給
付が計算された。2008年1月1日からは、給付の計算は2007年12月31日より前の10年間のうち最も高い利益を出し
た5年間と2007年より後の各年の利益を平均した組み合わせに基づいて行われている。さらに、2008年1月付けで、
当社は一般従業員対象年金制度を改訂し、受給権確定までの期間を5年から3年に変更した。
2008年12月、当社は一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびMSPPを改訂し、2009年3月1日付けで、(ⅰ)
2009年3月1日以降、いかなる加入者も給付または追加的給付を受領しない、また(ⅱ)2009年3月1日以降に加
入者が得た報酬の増加分を発生給付の計算に使用してはならないこととなった。加えて、2009年3月1日以降に提
供されるいかなるサービスも、MSPPに基づく目的で提供されたサービスとはみなされない。2008年度において、当
社は、本制度改訂に関する縮小利益237百万ドルを認識した。
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一般従業員対象年金制度、役員対象制度およびMSPPならびに米国外制度における純期間年金費用(給付)は以
下のとおりである。
一般従業員対象年金制度
12月31日に終了した事業年度
2010年
勤務費用
$ ―
利息費用
2009年
14
$ 98
341
336
323
(377)
(380)
(391)
148
78
52
未認識過去勤務費用
―
―
(31)
縮小利益
―
―
(232)
$ 112
$ 48
$ (181)
2010年
2009年
年金資産の期待運用収益
$
2008年
償却額:
未認識純損失
純期間年金費用(給付)
役員対象制度およびMSPP
12月31日に終了した事業年度
勤務費用
$ ―
利息費用
―
$ 3
3
6
7
(1)
(2)
(2)
未認識純損失
3
3
1
未認識過去勤務費用
―
―
(1)
縮小利益
―
―
(5)
清算損失
2
17
5
$ 7
$ 24
$8
2010年
2009年
2008年
勤務費用
$ 24
$ 26
$ 34
利息費用
84
77
87
(81)
(69)
(84)
19
7
1
未認識過去勤務費用
(4)
1
1
清算・縮小利益
(4)
(1)
(7)
年金資産の期待運用収益
$
2008年
償却額:
純期間年金費用
米国外制度
12月31日に終了した事業年度
年金資産の期待運用収益
償却額:
未認識純損失
純期間年金費用
$ 38
406/507
$ 41
$ 32
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当社の年金制度の状況は以下のとおりである。
2010年
一般
従業員
役員および
MSPP
2009年
米国外
一般
従業員
役員および
MSPP
米国外
給付債務の変動:
1月1日現在の給付債務
$5,821
$52
$1,576
$5,110
$116
$1,221
勤務費用
―
―
24
14
―
26
利息費用
341
3
84
336
6
77
年金制度修正
―
―
(115)
―
―
2
清算・縮小
―
―
2
―
―
(7)
年金数理(利益)損失
173
4
54
592
(20)
214
外国為替評価額調整
―
―
(71)
―
―
87
従業員拠出額
―
―
5
―
―
6
税金支払額
―
(3)
―
―
(1)
―
給付支払額
(206)
(12)
(54)
(231)
(49)
(50)
12月31日現在の給付債務
6,129
44
1,505
5,821
52
1,576
1月1日現在の公正価値
3,898
17
1,147
3,295
56
957
年金資産の実際運用収益
466
1
124
754
1
123
当社拠出額
150
7
47
80
10
39
従業員拠出額
―
―
5
―
―
6
外国為替評価額調整
―
―
(43)
―
―
72
年金資産からの税金支払額
―
(1)
―
―
(1)
―
年金資産からの給付支払額
(206)
(12)
(54)
(231)
(49)
(50)
年金資産の変動:
12月31日現在の公正価値
年金の積立状況
未認識純損失
未認識過去勤務費用
前払(未払)年金費用
4,308
12
(1,821)
(32)
2,799
―
$978
1,226
3,898
17
1,147
(279)
(1,923)
(35)
(429)
11
323
2,863
13
342
―
(99)
―
―
6
$(21)
$(55)
$940
$(32)
$(279)
$(22)
$(81)
$(35)
$(429)
前払(未払)年金費用の内訳:
長期給付債務
$(1,821)
$(1,923)
繰延税金
1,033
4
35
1,062
6
24
その他包括利益(損失)累計額
1,766
7
189
1,801
7
324
$(55)
$940
前払(未払)年金費用
$978
$(21)
407/507
$(22)
$(81)
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2011年の期間費用には、一般従業員対象年金制度、役員およびMSPP制度、ならびに米国外制度に係る未認識純損
失および過去勤務費用の償却額が、それぞれ187百万ドル、2百万ドルおよび4百万ドル含まれる予想であるが、こ
れらは現在、その他包括損失累計額に含まれている。
当社は、5年間の市場関連資産価格方式を用いて、資産関連損益の償却を行っている。過去勤務費用は、10年から
12年の期間にわたって償却されている。すべての年金制度に基づく給付額は、予測年金単位クレジット方式に基づ
いて算定されている。
2010年3月に、当社は米国外の制度のうち1つについて縮小利益を認識し、その他の包括損失累計額を22百万ド
ル減少させた。連結損益計算書において、この縮小による利益および損失は認識されていない。
当社の2つの独立公開会社への分社化に従い、2010年8月に当社は特定の地域で別個の米国外制度を作った。新
制度の対象となる従業員に関係する既存の年金資産および給付債務の一部は、新制度に移管された。この移管前に
年金資産および給付債務は再測定され、28百万ドル(13百万ドルの税引後)のその他包括損失累計額の調整と
なった。
当社の2つの独立公開会社への分社化の結果、2010年12月31日で終了する3ヶ月間において、当社は米国外制度
の1つで縮小利益を認識し、連結損益計算書において4百万ドルの利益を認識した。2010年12月に終了した法改正
の結果として、同期間において当社は生活費の増加を見積もるために使用される指標を変更した。結果として、当
社はその他包括損失累計額で55百万ドル(税引後)の利益を計上した。連結損益計算書において、その変更の結果
による利益または損失は認識されていない。
割引率および年金資産の長期運用収益率等の特定の年金数理上の基礎率は、期間費用および給付債務の報告額
に重要な影響を与える。予定割引率は、当該債務が測定日に決済された場合に、期日に給付債務を支払うために必
要な将来キャッシュ・フローを生み出す、現在入手可能で、高品質かつ期日前償還不能な多数の社債の市場実勢相
場を反映している。年金資産の長期運用収益率は、実際の投資に類似する持分証券、固定利付債券、現金およびその
他の投資から構成される投資ポートフォリオの見積長期運用収益を表している。当社は年金資産の長期運用収益
率を決定する際に、年金基金が投資されると見込まれる資産クラス別の長期運用収益率(過去の実績と予測の両
方)を考慮している。
年金制度の費用を算定するために用いられた年金数理上の加重平均基礎率は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
米国
米国外
米国
米国外
割引率
6.00%
5.39%
6.75%
6.23%
期待収益率(一般従業員対象制度)
8.25%
6.86%
8.25%
6.86%
期待収益率(役員対象制度)
6.00%
N/A
6.00%
N/A
408/507
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年金制度の給付債務を算定するために用いられた年金数理上の加重平均基礎率は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
米国
米国外
米国
米国外
割引率
5.75%
5.07%
6.00%
5.46%
予想昇給率(一般従業員対象制度)
0.00%
2.61%
0.00%
4.28%
予想昇給率(役員対象制度)
0.00%
N/A
0.00%
N/A
年金制度の累積給付債務は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
累積給付債務
一般
従業員
$6,129
役員および
MSPP
$
44
2009年
米国外
$1,482
一般
従業員
$5,821
役員および
MSPP
$
米国外
52
$1,527
当社は、年金資産に関する基礎率として設定された期待運用収益率またはそれ以上の収益率を達成するように
計画された年金投資方針を採用している。この目標を達成するため、年金制度では投資顧問を活用し、年金資産を
持分証券、固定利付債券および現金に投資し、また一部の制度では、保険契約にも投資している。当社の年金資産お
よび債務の測定日は12月31日である。当社は、これらの資産クラスに対して以下のような目標構成比率を設定して
おり、資産クラスの比率が、合理的なリスク水準を維持して収益目標を達成するために設定された以下の目標構成
比率から逸脱した場合、定期的に調整を行っている。
目標構成比率
資産区分
2010年
2009年
持分証券
63%
63%
固定利付債券
35%
35%
2%
2%
現金およびその他の投資
年金制度における各資産区分への加重平均年金制度資産の配分状況は以下のとおりである。
実績構成比率
12月31日現在
2010年
2000年
持分証券
66%
65%
固定利付債券
32%
32%
2%
3%
現金およびその他の投資
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持分証券に関する投資方針は、国内株式および外国株式を含む広範囲の上場持分証券への投資を規定している。
固定利付債券に関する投資方針は、米国財務省証券、社債、モーゲージ担保証券および資産担保証券、ならびに外国
社債等、広範囲の上場債券への投資を規定している。現金または他の投資資産クラスについては、現金、現金等価物
または保険契約へ投資が行われる。
当社は、2011年度に、米国年金制度に対し約240百万ドルの現金拠出を行い、米国外年金制度に対し約40百万ドル
の現金拠出を行う予定である。
給付支払額には、予想将来勤務が必要に応じて反映されており、以下のとおり支払いが予定されている。
年度
一般従業員
役員および
MSPP
米国外
2011年
$ 250
$ 8
$ 52
2012年
261
2
54
2013年
272
5
56
2014年
310
2
58
2015年
319
2
61
1,803
19
341
2016-2020年
退職後医療給付制度
当社は、離職時に年齢および勤務年数の要件を満たした適格国内従業員に対して医療給付を提供している(以
下「退職後医療給付制度」という。)。2002年1月1日以前に雇用された適格従業員に対して、当社は退職後の医
療費の一部を負担している。2005年1月1日現在、退職後医療給付制度への新規加入は受け付けていない。退職後
医療給付制度の給付債務および制度資産は、2010年12月31日現在で測定されている。
退職後医療給付制度に関する基礎率は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
2009年
割引率
5.25%
5.75%
期待収益率
8.25%
8.25%
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退職後医療給付費用(純額)は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
勤務費用
$
利息費用
制度資産の期待運用収益
6
2009年
$
6
2008年
$
6
23
27
26
(16)
(18)
(20)
償却額:
未認識純損失
未認識過去勤務費用
退職後医療給付費用(純額)
7
7
5
(2)
(2)
(2)
$ 18
$ 20
$ 15
2010年
2009年
$ 461
$ 429
勤務費用
6
6
利息費用
23
27
医療給付数理(利益)損失
(17)
32
給付支払額
(26)
(33)
12月31日現在の給付債務
447
461
1月1日現在の公正価値
174
168
制度資産の実際運用収益
20
当社拠出額
―
―
制度資産による給付支払額
(24)
(29)
12月31日現在の公正価値
170
174
(277)
(287)
204
231
退職後医療給付制度の積立状況は以下のとおりである。
給付債務の変動:
1月1日現在の給付債務
制度資産の変動:
退職後医療給付制度の積立状況
未認識純損失
未認識過去勤務費用
未払退職後医療給付費用
411/507
35
(1)
(3)
$ (74)
$ (59)
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未払退職後医療給付費用の内訳は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
長期債務
$ (277)
$ (287)
メディケア・パートD補助金法改正による税額影響
18
―
繰延税金資産
72
101
113
127
その他包括利益累計額
未払退職後医療給付費用
$
(74)
$
(59)
2010年第1四半期、2010年医療・教育修正法および患者保護・医療費負担適正化法の署名がなされ法が成立され
たことにより、2013年開始の課税年度より、メディケア・パートD補助金受領についての優遇措置が廃止される。こ
の税法改正により、当社は、2012年以降に受領すると現在見積もっているメディケア・パートD補助金に関連する
繰延税金資産を減額するため、18百万ドルの非現金税金費用を計上している。
2011年の退職後医療給付制度に係る純期間費用には、未認識純損失および過去勤務費用の償却額11百万ドルが
含まれる予想であるが、これらは現在、その他包括損失累計額に含まれている。
当社は、制度資産に関する基礎率として設定された期待運用収益率またはそれ以上の収益率を達成するように
計画された投資方針を採用している。この目標を達成するため、退職後医療給付制度では投資顧問を活用し、制度
資産を持分証券、固定利付債券および現金に投資している。当社は、制度資産について予想される投資構成を考慮
した過去の長期収益実績、ならびに長期投資収益に対する将来の見積額を用いて、純期間年金費用および純退職後
医療費用の計算に用いる期待収益率の仮定を行っている。当社は、これらの資産クラスに対して以下のような目標
構成比率を設定しており、資産クラスの比率が、合理的なリスク水準を維持して収益目標を達成するために設定さ
れた目標構成比率から逸脱した場合、定期的には調整される。
目標構成比率
資産区分
2010年
2009年
持分証券
65%
65%
固定利付債券
34%
34%
1%
1%
現金およびその他の投資
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制度資産における各資産区分への加重平均資産の配分状況は以下のとおりである。
実績構成比率
12月31日現在
2010年
2009年
持分証券
65%
67%
固定利付債券
33%
30%
2%
3%
現金およびその他の投資
持分証券に関する投資方針は、国内株式および外国株式を含む広範囲の上場持分証券への投資を規定している。
固定利付債券に関する投資方針は、米国財務省証券、社債、モーゲージ担保証券および資産担保証券、ならびに外国
社債等、広範囲の上場債券への投資を規定している。現金については、現金および現金等価物に投資が行われる。
当社には、2011年度において退職後医療給付制度に対して現金を拠出する予定はない。給付支払額には、予想将
来勤務が必要に応じて反映されており、以下のとおり支払いが予定されている。
年度
2011年
$ 33
2012年
32
2013年
31
2014年
30
2015年
29
2016-2020年
152
2010年12月31日の累積退職後給付債務を決定する際に使用される2011年度の医療趨勢比率は7.25%である。こ
の比率は、2013年までは横ばいであり、2014年および2015年に低下し、2016年には5%になり、それ以降は5%のま
ま推移すると予想されている。2009年12月31日の累積退職後給付債務を決定するために使用された医療趨勢比率
は8.5%であった。
医療趨勢比率が1%ポイント変化すると、累積退職後給付債務額と退職後医療給付費用(純額)は次のように変
化する。
1%ポイント上昇
1%ポイント低下
増加(減少)する対象:
累積退職後給付債務
退職後医療費用(純額)
413/507
$ 14
$ (13)
1
(1)
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当社は退職後医療給付費用に生涯上限を設定しており、これによって給付債務のデュレーションが短縮される。
デュレーションが短縮された場合、債務および関連費用に関連する割引率の仮定の変動に対する感応度が低下す
る。
当社には、米国外に重要な退職後医療給付制度はない。
その他の給付制度
当社は、2004年12月31日前に凍結された制度下で退職した役員に対して取得した多数の裏書タイプの従業員生
命保険契約を有している。当社は、従業員に生命保険をかける契約を保険会社とのあいだで締結し、別途、会社と従
業員の間で保険金を分割するという契約を従業員と締結していた。モトローラ・ソリューションズには保険証券
を所有し、すべての所有権を支配し、かつ、保険契約を解約する権利を有している。従業員生命保険契約を遂行する
ため、モトローラ・ソリューションズは従業員に対する死亡給付金の一部を裏書し、従業員の死亡時には通常、従
業員の保険受取人が死亡給付金の一定部分を保険会社から直接受け取り、当社は死亡給付金の残りの部分を受け
取っている。
当社は、2008年1月1日において、分割福利厚生保険契約に関する会計処理に係る新しいガイダンスを適用した。
このガイダンスは、裏書タイプの従業員生命保険契約を購入することによる、退職後給付金の支払契約が履行され
ていなかったため、給付債務に関する負債を計上することを要求している。この新しいガイダンスを適用した結
果、当社は、従業員の退職予測日における将来の死亡保険金の数理上の現在価値と同額の負債を45百万ドル計上
し、その相殺分は2008年1月1日における利益剰余金に対して4百万ドルならびにその他包括利益(損失)累計
額に対して41百万ドルの累積的影響の調整として当社の連結資本勘定計算書に反映した。現在のところ、これら生
命保険契約に対する追加的な現金拠出は発生しても非常に小さいと予想している。
2010年12月31日および2009年12月31日に終了する事業年度において、従業員生命保険契約の費用は純額で各々5
百万ドルと6百万ドルであった。2010年12月31日および2009年12月31日に終了する事業年度において、当社は、従業
員の退職予測日における将来の死亡保険金の数理上の現在価値と同額の負債を、それぞれ51百万ドルおよび48百
万ドル計上している。
確定拠出制度
当社および一部の子会社には、すべての適格従業員が参加する各種の確定拠出制度がある。米国では、401(k)制
度は確定拠出制度である。当社の拠出額は従業員の拠出額に基づいている。2005年1月1日以降、新たに雇用され
た従業員に対する最大拠出割合(従業員拠出の最初の5%に対し4%)は、2005年1月より前に雇用された従業
員に対する拠出割合(従業員拠出の最初の6%に対し3%)と比較して高くなっている。2009年1月1日付けで、
当社はモトローラ・ソリューションズ401(k)制度に対するすべての拠出を一時的に停止した。2010年7月1日に
従業員拠出の最初の4%に対し4%の割合で当社の拠出を元に戻した。元に戻された後の残りの数カ月を会計処
理するために、2010年の最大拠出割合を比例配分した。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に
終了した事業年度において、すべての確定拠出制度への当社の拠出に係る費用は、それぞれ23百万ドル、8百万ド
ルおよび49百万ドルであった。
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8 株式報酬制度およびその他のインセンティブ制度
表示されている全ての株式および1株当たり情報は、2011年1月4日に行われた本件株式併合の影響を受ける。
当社はまた2011年1月4日にモトローラ・モビリティの本件配当を完了したが、表示されている株式および1株
当たり情報には、モトローラ・モビリティの本件配当は反映されていない。
ストック・オプション、株式増価受益権および従業員持株制度
当社は、一部の従業員および買収に伴うオプション制度の統合にかかる現存オプションの保有者に対して、普
通株式を購入するオプションを付与している。付与されたオプションおよび株式増加受益権の行使価格は、オプ
ション付与日における普通株式の公正市場価格以上となる。オプションの権利行使期間は5年から10年であり、ほ
とんどの場合、2年から4年間にわたり序々に受給権が確定する。現状想定されているストック・オプションおよび
株式増価受益権や支配権の変更に伴い交換された類似のストック・オプションおよび株式増加受益権は、支配権
の変更から24ヶ月以内に非自発的に(特段の理由なく)解雇された場合あるいは正当な理由により退職した場合
にのみ行使可能となる。
従業員持株制度は、この制度への適格参加者に給与額(税引後)10%分までを給与天引きにて当社の普通株式の
購入を認める制度である。制度参加者は、いかなる暦年においても25,000ドルを上回る株式を購入することはでき
ない。従業員が支払う1株当たり価格は、購入期間における最初の営業日または最後の営業日の取引終了時点にお
ける当社の株式の公正価値のいずれか低い方の85%である。この制度における従業員の権利行使は2回で、1回目
は10月1日から3月31日までの期間、2回目は4月1日から9月30日までの期間である。2010年12月31日、2009年
12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、従業員は、それぞれ41.79ドルから42.00ドル、25.20
ドルから25.76ドル、55.37ドルから42.49ドルの価格帯にて、2.7百万株、4.2百万株および2.7百万株を購入してい
る。
当社は、ブラック−ショールズ・オプション評価モデルを用いて、付与日現在の従業員ストック・オプション公
正価値を算定している。2010年、2009年および2008年に付与された従業員ストック・オプションの加重平均見積公
正価値は、以下の加重平均想定値を用いて算出され、それぞれ21.43ドル、19.43ドルおよび24.30ドルであった。
2010年
2009年
2008年
41.7%
57.1%
56.4%
無リスク利子率
2.1%
1.9%
2.4%
配当利回り
0.0%
0.0%
2.7%
見積有効期間(年数)
6.1
3.9
5.5
予想ボラティリティ
ブラック−ショールズ・オプション評価モデルでは予想ボラティリティの仮定が必要となるため、当社は、当社
の株式について取引されるオプションに対してインプライド・ボラティリティを使用している。インプライド・
ボラティリティを使用するという選択は、当社の株式について活発に取引されるオプションの入手可能性および
インプライド・ボラティリティが過去のボラティリティと比較して将来の株価傾向をより良く表しているという
当社の判断に基づいている。
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無リスク金利の評価は、オプションの見積有効期間とほぼ同じ期間を有する米国財務省証券に関する当期中の
日次平均最終レートに基づいている。配当利回りの評価は、配当支払いに関する当社の将来の見込みに基づいてい
る。従業員ストック・オプションの見積有効期間は、全てのオプションの契約期間と加重平均権利確定期間の平均
を示している。
当社は、ブラック−ショールズ・オプション評価モデルにより計算されたオプションの公正価値に対し、過去の
データに基づき13%から50%の見積失権率を適用している。当該見積失権率は、残存権利確定期間に基づき付与さ
れたものに適用しており、実際の失権数が見積りと異なる場合、この見積失権率はその後の期間において修正する
ことができる。
ストック・オプションの利用状況は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし行使価格および従業員データを除く)
2010年
2009年
加重平均
行使価格
2008年
加重平均
行使価格
加重平均
行使価格
12月31日に終了した事業年度
株式数
期首未行使(1月1日現在)
23,061
$84
32,592
$120
32,036
$131
付与
1,630
50
8,939
45
5,681
58
行使
(1,559)
42
(206)
42
(274)
50
終了、取消または期限切れ
(3,518)
104
(18,264)
128
(4,851)
123
期末未行使(12月31日現在)
19,614
81
23,061
84
32,592
120
期末行使可能オプション(12月31日現在)
12,429
99
11,037
121
21,153
134
オプションを付与された従業員数(概算)
529
株式数
22,095
株式数
3,300
2010年12月31日現在、当社は約2年間の加重平均期間にわたって認識される、ストック・オプション制度および
従業員持株制度に関する未認識報酬費用(見積失権数控除後)合計100百万ドルがある。2010年12月31日、2009年
12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度に、ストック・オプションの行使および従業員持株制度によ
り受領した現金は、それぞれ179百万ドル、116百万ドルおよび145百万ドルであった。2010年、2009年および2008年
12月31日に終了した事業年度中に行使されたストック・オプションの本源的価値の合計は、それぞれ17百万ドル、
1百万ドルおよび2百万ドルであった。2010年12月31日現在、未行使および行使可能なストック・オプションの本
源的価値の総額は、2010年12月31日現在の1株当たり株価63.49ドルに基づき、それぞれ213百万ドル、111百万ドル
である。2011年1月4日の本件配当の完了によって、モトローラ・モビリティの従業員によって所有されていた約
8.0百万のストック・オプションが取り消された。2011年4月29日のネットワークス事業の売却完了で、約0.2百万
円のストック・オプションが取り消された。
2010年12月31日現在および2009年12月31日現在、現在の株式報酬制度(従業員および非従業員取締役に対する
すべての株式報奨を網羅する制度)に基づく将来の株式報酬の付与に対して発行可能な株式数は、それぞれ6.6百
万株および8.6百万株であった。
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2010年12月31日現在の未行使および行使可能オプションの概要は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし行使価格および年数を除く)
未行使オプション
行使価格の範囲
オプション数
$ 49以下
9,059
$ 49 − $ 97
$ 98 − $ 146
加重平均
行使価格
$
行使可能オプション
加重平均行使
可能期間(年数)
オプション数
加重平均
行使価格
43
7
3,856
6,801
65
5
4,914
65
1,537
116
4
1,442
115
$ 147 − $ 195
233
149
5
233
149
$ 196 − $ 244
―
―
―
―
―
$ 245 − $ 293
1,983
275
4
1,983
275
$ 294 − $ 330
1
313
4
1
313
19,614
$
41
12,429
2010年12月31日現在、未行使及び行使可能オプションの加重平均行使可能期間は、それぞれ6年および5年であ
る。
ストック・オプションの交換
2009年5月14日に、当社は、一部の適格従業員(役員および取締役を除く)に対して、一部のアウト・オブ・ザ
・マネー・オプションを行使価格が付与日の当社のストックの公正価値と同じである新しいオプションと交換す
る買付を開始した。交換するためには、オプションが2007年6月1日以前に付与され、2009年12月31日以降に無効
となり、行使価格が84.00ドル以上でなければならない。申込期間は、2009年6月12日に終了した。その日に、14百万
オプションが、買付され、行使価格47.11ドルおよび2年間にわたる比例年次権利確定期間である6百万株の新しい
オプションに交換された。交換プログラムは、新しいオプションの公正価値がおおよそ交換されたオプションの公
正価値になるように考案された。その結果生じた株式報酬費用の増加は、当社の連結財務諸表に重要な影響を与え
なかった。
譲渡制限付株式および譲渡制限付株式ユニット
譲渡制限付株式(以下「RS」という。)および譲渡制限付株式ユニット(以下「RSU」という。)の付与内容
は、従業員および非従業員取締役に付与される当社普通株式持分または株式に対する権利で構成されている。付与
された権利は、権利の喪失のリスクを伴い、従業員による売却制限または譲渡制限を受けるという制限がある。現
状想定されているRSおよびRUSや支配権の変更に伴い交換された類似のRSおよびRUSは、支配権の変更から24ヶ月
以内に非自発的に(特段の理由なく)解雇された場合あるいは正当な理由により退職した場合にのみ譲渡制限が
無効となる。
417/507
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譲渡制限付株式および譲渡制限付株式ユニットの概要は以下のとおりである。
(単位:千株、ただし公正価値および従業員データを除く)
2010年
12月31日に終了した事業年度
RSU
2009年
付与日の
加重平均
公正価値
2008年
付与日の
加重平均
公正価値
RSU
付与日の
加重平均
公正価値
RSおよびRSU
RSおよびRSU期首未行使
(1月1日現在)
8,061
$55
4,604
$76
1,536
$119
付与
4,772
49
5,478
43
3,872
64
(2,407)
58
(988)
80
(330)
121
(867)
56
(1,033)
60
(474)
94
51
8,061
55
受給権確定
終了、取消または期限切れ
RSU期末未行使
(12月31日現在)
RSUを付与された従業員数(概
算)
9,559
29,973
4,604
26,969
76
28,981
2010年12月31日現在、当社は約2年間の加重平均期間にわたって認識される、RSU付与に関する未認識報酬費用
(見積失権数控除後)が合計301百万ドルある。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了し
た事業年度中に受給権が確定したRSおよびRSUの公正価値合計は、それぞれ114百万ドル、44百万ドルおよび19百万
ドルであった。2010年12月31日現在、未行使のRSUの公正価値総額は、607百万ドルである。2011年1月4日の本件配
当の完了によって、モトローラ・モビリティの従業員によって所有されていた約3.8百万の未確定の譲渡制限株式
ユニットが取消された。2011年4月29日のネットワーク事業の売却完了で、約1.4百万円の未確定の譲渡制限株式
ユニットが取り消された。
株式報酬費用合計
当社の従業員ストック・オプション、株式増価受益権、従業員持株制度、譲渡制限付株式および譲渡制限付株式
ユニットの報酬費用は以下のとおりである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
2009年
2008年
以下に含まれる株式報酬費用
売上原価
$
19
$
16
$
16
販売費および一般管理費
82
80
73
研究開発費
43
41
42
144
137
131
43
43
41
営業利益(損失)に含まれる株式報酬費用
税金軽減額
株式報酬費用(税引後)
$
基本的1株当たり利益の減少
$(0.30)
$(0.29)
$(0.28)
希薄化後1株当たり利益の減少
$(0.30)
$(0.29)
$(0.28)
廃止事業の株式報酬費用
$
418/507
101
164
$
$
94
159
$
$
90
149
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
モトローラ・ソリューションズ奨励金制度
当社の奨励金制度は、指定された事業目標および個人の業績目標が達成できた場合に、対象事業年度の翌年度に
従業員に年額奨励金(当該従業員の対象となる年収額の百分率割合として計算される)を支払うものである。これ
らの奨励金制度に基づく報奨に対する引当金繰入額は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に
終了した事業年度において、それぞれ201百万ドル、109百万ドルおよび106百万ドルである。
長期奨励金制度
長期奨励金制度(以下「LRIP」という。)は、この制度に参加している選任役員に対し、期中の顕著な業績達成
(3年サイクルで2つの業績目標に基づいて評価される)への貢献に報いるためのものである。このLRIPに対し、
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、それぞれ11百万ドル、5百
万ドルおよび(9)百万ドル(以前に認識された引当金の戻入れ控除後)が引き当てられている。
9 公正価値による測定
当社は、特定の固定利付債券、持分証券、およびデリバティブを有しているが、これらは公正価値のヒエラルキー
および関連する評価方法に従って測定されなければならない。当該会計基準は、各測定に用いられるインプットが
観察可能か観察不能かということを基礎とした評価技法のヒエラルキーを明確に定めている。観察可能なイン
プットは独立した情報源から得られる市場データを反映するが、観察不能なインプットは現在の市況に関する当
社の仮定を反映するものである。規定されている公正価値のヒエラルキーおよび関連する評価方法は次のとおり
である。
レベル1―活発な市場における同一資産または負債の相場価格
レベル2―活発な市場における類似資産または負債の相場価格、活発でない市場における同一または類似資産
または負債の相場価格、重要なインプットのすべてが活発な市場において観察可能であるモデル評
価価格
レベル3―観察不能な重要なインプットが1つ以上用いられている評価技法から計算された評価価格
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
2010年12月31日時点と2009年12月31日時点の、公正価値で評価した当社の金融資産および負債のレベルは、以下
のとおりであった。
2010年12月31日現在
レベル1
レベル2
レベル3
合計
資産:
シグマ・ファンドが保有する有価証券
米国国債、公共機関債および政府系企業債
$ ―
$ 2,291
$ ―
$ 2,291
社債
―
43
15
58
資産担保証券
―
1
―
1
モーゲージ担保証券
―
11
―
11
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
17
―
17
社債
―
11
―
11
モーケージ担保証券
―
3
―
3
普通株式および同等物
2
10
―
12
外国為替デリバティブ*
―
5
―
5
―
15
―
―
3
―
売却可能有価証券:
負債:
外国為替デリバティブ*
金利契約デリバティブ*
15
3
* 処分目的の事業に関連する金額を含む
2009年12月31日現在
レベル1
レベル2
レベル3
合計
資産:
シグマ・ファンドが保有する有価証券
米国国債、公共機関債および政府系企業債
$ ―
$ 4,408
$ ―
$ 4,408
社債
―
411
19
430
資産担保証券
―
66
―
66
モーゲージ担保証券
―
52
―
52
米国国債、公共機関債および政府系企業債
―
23
―
23
社債
―
10
―
10
モーゲージ担保証券
―
3
―
3
普通株式および同等物
115
11
―
126
外国為替デリバティブ*
―
15
―
15
―
17
―
17
―
4
売却可能有価証券:
負債:
外国為替デリバティブ*
金利契約デリバティブ*
* 処分目的の事業に関連する金額を含む
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4
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有価証券報告書
下記の表は、当社のレベル3資産の公正価値の変動を要約している。
期首残高(1月1日現在)
レベル3への(からの)変更
支払いの受領および有価証券の売却
永久的な減損
営業外収益(費用)に含まれるシグマ・ファンド投資に係る市場価格への
洗替え利益(損失)
期末残高(12月31日現在)
2010年
$ 19
3
(11)
―
4
$ 15
2009年
$ 134
(16)
(78)
(2)
(19)
$ 19
年金給付制度と退職後医療給付制度の資産
2010年12月31日時点の、公正価値で評価された様々な年金給付制度と退職後医療給付制度の資産レベルは、以下
のとおりである。
一般従業員対象年金制度
レベル1 レベル2 レベル3 合計 現金投資
$1,222
―
9
―
―
―
―
―
―
―
―
$ 3
1,597
―
100
5
185
197
40
850
76
16
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
$1,225
1,597
9
100
5
185
197
40
850
76
16
投資証券の合計
$1,231
$―
$4,300
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
優先株
米国国債および公共機関債
その他の国債
社債
モーケージ担保証券
資産担保証券
合同運用公債基金
合同運用型短期投資ファンド
$3,069
8
未収収益
年金資産の公正価値
$4,308
上記の表の中には、証券貸出契約による貸出証券が、普通株式および同等物に92百万ドル、米国国債および公共
機関債に41百万ドル、そして社債に34百万ドル含まれている。貸出証券は、すべて現金で担保されている。
以下の要約表は、レベル3のインプットを使用して測定した一般従業員退職年金制度の公正価値の変動を示し
ている。
期首残高(1月1日現在)
保有資産からの利益
売却
移管(純額)
期末残高(12月31日現在)
421/507
2010年
$ 7
1
(1)
(7)
$―
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役員対象制度
レベル1 $ ―
―
―
―
2010年12月31日現在
米国国債および公共機関債
社債
モーケージ担保証券
合同運用型短期投資ファンド
年金資産の公正価値
レベル3 $ ―
―
―
―
$ ―
レベル2 $ 9
1
1
1
$ 12
レベル1 $ 339
―
―
―
―
―
―
$ 339
レベル2 $ ―
389
98
91
236
1
―
$ 815
レベル3 $ ―
―
―
―
―
―
61
$ 61
$ ―
合計 $ 9
1
1
1
$ 12
米国外制度
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
社債
国債および公共機関債
合同運用公債基金
短期投資ファンド
保険契約
投資証券の合計
現金
未収収益
年金資産の公正価値
合計 $ 339
389
98
91
236
1
61
$1,215
8
3
$1,226
以下の要約表は、レベル3のインプットを使用して測定した米国外制度の公正価値の変動を示している。
期首残高(1月1日現在)
保有資産からの利益
外国為替評価調整
期末残高(12月31日現在)
2010年
$ 65
1
(5)
$ 61
退職後医療給付制度
2010年12月31日現在
普通株式および同等物
合同運用株式ファンド
米国国債および公共機関債
社債
モーケージ担保証券
資産担保証券
合同運用公債基金
合同運用型短期投資ファンド
現金投資
年金資産の公正価値
レベル1 $ 48
―
―
―
―
―
―
―
―
$ 48
422/507
レベル2 $ ―
62
4
7
8
2
34
4
1
$122
レベル3 $ ―
―
―
―
―
―
―
―
―
$ ―
合計 $ 48
62
4
7
8
2
34
4
1
$170
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
上記の表の中には、貸出契約による貸出証券が、普通株式および同等物に4百万ドル、米国国債および公共機関
債に2百万ドル、そして社債に1百万ドル含まれている。貸出証券は、すべて現金で担保されている。
評価方法
レベル1 − 普通株式、優先株式および普通株式同等物への投資に関しては、活発な市場における相場価格が入
手可能なため、これらへの投資はレベル1として分類される。
レベル2 − レベル2として分類される有価証券は主に、社債、国債、公共機関債、および政府系企業債で構成さ
れている。 当社は、これらの証券の公正価値を決定するにあたり、主として価格評価モデル、最近の入札価格及び
ブローカーによる相場価格に依拠している。レベル2の資産に対する価格評価モデルは第三者のプライシング・
サービスにより開発され、維持されているもので、この評価モデルには、基準利回り、公表取引値、関係者がいつで
も取引を行える状態にあるブローカー/ディーラーによる相場価格、発行体のスプレッド、ベンチマークとなる証
券、入札価格、提示価格、その他の参照データなど多数の標準的なインプットが利用される。評価モデルにおいて
は、どの特定の証券に関しても、市況に応じて、貸借対照表日におけるインプットを異なる優先順位で適用するこ
ともある。必ずしも列記した標準的なインプットのすべてが毎回評価モデルに利用されるわけではない。資産の各
分類に関して、標準的なインプットに加え、識別された市場動向やセクターのニュースに関連する定量化可能なイ
ンプットを考慮することもある。
外貨デリバティブの公正価値を決定するに際して、当社は、通貨のスポット・レート、時間的価値、オプションの
ボラティリティなどの市場で観察可能なインプットを用いる先物契約およびオプション評価モデルを利用してい
る。当社は、デリバティブ資産および負債の評価にあたり、主として観察可能なインプットを用いているため、それ
らはレベル2の資産として分類している。
レベル3 − 固定利付債券は、当社の貸借対照表日において活発に取引されている相場価格を有していない負
債証券である。これらの証券の公正価値の決定は、ディーラーから参考提示された価格、推定されたデータ、企業独
自のモデルや投資アドバイザーから入手する定性的なインプットなどの観察不能なインプットを使用せざるを得
ない。従って、これらの有価証券はレベル3に分類している。
2010年12月31日現在、当社は連結貸借対照表において現金および現金等価物として分類されているマネー・
マーケット投資信託に10.0億ドルの投資をしている。そのマネー・マーケット・ファンドは、通常、額面と同等の
市場価格がある。
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10 顧客向け長期融資および債権の売却
顧客向け長期融資
長期債権は支払条件が12ヶ月以上の売掛債権、長期貸付金、販売タイプのリースにおけるリース債権により構成
される。長期債権の内訳は以下のとおりである。
12月31日現在
2010年
長期債権
控除:引当金
控除:1年以内に支払期限が到来する分
非流動長期債権(純額)
2009年
$ 265
$137
(1)
(7)
264
130
(13)
(28)
$ 251
$ 102
当社の連結貸借対照表において、長期債権のうち1年以内に支払期限が到来する債権は売掛債権に、1年を越え
て支払期限が到来する債権はその他の資産に含まれている。2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31
日に終了した事業年度において認識された長期債権に係る受取利息は、それぞれ14百万ドル、2百万ドルおよび3
百万ドルである。
当社のインフラ機器の特定の顧客は、当社が行う機器の売却に際して、供給業者への長期融資(1年以上の融資
と定義される)の依頼をすることがある。これらの融資には機器購入価格の全額または一部が含まれる。当社によ
る長期融資の提供義務は、当社を受益者とした、顧客の信用を裏付ける信用状が信頼できる銀行により発行される
こと、または信頼できる銀行が当社から当該長期債権を購入するという債権譲渡契約が事前に存在することなど
を条件とする場合がある。2010年12月31日において、当社の第三者に対する長期融資コミットメント額は2009年12
月31日現在の406百万ドルに対して333百万ドルであった(廃止事業に関連して、2010年12月および2009年12月現
在に、それぞれ168百万ドルと321百万ドルを含む)。このうち、2010年12月31日現在、信用状または銀行との長期債
権購入契約によって保証された金額は、2009年12月31日現在の13百万ドルに対して27百万ドルであった(ネット
ワークス事業に関連して、2010年12月現在25百万ドルを含むが、2009年12月現在は全くない)。2010年12月31日現
在のコミットメント残高の大部分は、少数の中東地域のネットワークオペレータへ係るものである。当社はNSN社
への売却後のネットワークス事業に関連する一部の融資契約を留保するが、その合計は2010年12月31日現在で約
235百万ドルである。
特定の機器の顧客に対して直接融資をするほか、当社は顧客が機器購入資金を得るために、銀行やその他の金融
機関から直接融資を受けられるよう支援している。2010年12月31日現在および2009年12月現在、顧客の資金調達に
関連した当社のコミットメント額はそれぞれ10百万ドルであった(短期債権の売却に関連する金額、2010年12月
現在および2009年12月現在、それぞれ6百万ドル、7百万ドルを含む)。顧客へのコミットメント残高は2009年12
月現在の2百万ドルに対して2010年12月31日現在は1百万ドルであった(短期債権の売却に関連する、2010年12
月31日現在および2009年12月31日現在におけるそれぞれ僅少な金額を含む)。
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債権の売却
当社は随時、売掛債権および長期債権を売却しており、一回限りのノンリコースで第三者に売却されることもあ
るが、約定枠に基づき第三者に売却されることもある。この約定枠は、これらの第三者が条件を満たす債権を限度
枠内で買い取るという契約上の約定により設定される。この約定枠は、事実上、リボルビングとなることがあり、通
常は毎年更新される。当社は、売却された売掛債権および長期債権に対して回収サービス業務を提供する義務を留
保する場合もある。
2010年12月31日現在、当社は、売掛債権の売却用に2011年6月が満期の200百万ドルのリボルビング約定枠を有し
ており、全額が未使用であった。当該売掛債権売却による当初入金額は、引当金控除後の適格売掛債権または200百
万ドルのうち、いずれか低い方とされている。2009年12月31日現在、当社は、売掛債権の売却用に200百万ドルのリ
ボルビング信用約定枠を有しており、このうち140百万円ドルが未使用であった。2010年12月31日現在及び2009年
12月31日現在において、当社は、長期債権の売却について重要な約定枠を有していなかった。
以下の表は2010年、2009年及び2008年の12月31日現在の、売掛債権と長期債権のノンリコースによる売却収入を
まとめたものである。
12月31日に終了した事
業年度
2010年
2009年
2008年
1回限りの売却による年
間累計売却収入
売掛債権売却収入
$30
$46
$53
長期債権売却収入
67
72
113
1回限りの売却による売
却収入合計
97
118
166
約定枠に基づく売却に
よる年間累計売却収入
70
234
563
債権売却による総収入
$167
$352
$729
2010年12月31日現在、当社は、売却した329百万ドルの売掛債権および277百万ドルの長期債権の債権回収サービ
ス業務を留保しており、2009年12月31日現在、141百万ドルの売掛債権および297百万ドルの長期債権であった。
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特定の契約における売却された売掛債権の価値は、保険契約に基づく免責金額または自己保険要件を除き、第三
者の保険会社から購入した信用保険によってサポートされている。売却された売掛債権に対する当社が負担する
信用リスクの総額(保険金控除後)は、2010年12月31日現在および2009年12月31日現在ともに僅少であった。
顧客の金銭債権の格付けと貸倒引当金
2010年12月31日現在及び2009年12月31日現在における、金銭債権の年齢調べの分析は以下の通りである。
2010年12月31日現在
長期債権合計
非課税担保付地方リース
担保付貸付金およびリー
ス
回収期限到来後90
日以内
回収期限到来後、90
日超
$16
$-
$-
$-
67
1
-
-
無担保貸付金
182
長期債権合計
$265
2009年12月31日現在
回収期限到来済
長期債権合計
$1
回収期限到来済
-
-
$-
$-
回収期限到来後
90日以内
回収期限到来後、90
日超
非課税担保付地方リース
$8
$-
$-
$-
担保付貸付金およびリー
ス
72
-
5
-
無担保貸付金
57
-
長期債権合計
$137
$-
$5
2
$2
当社は顧客の与信限度額を確定させるため、社内で開発した与信能力評価システムを使用している。このシステ
ムは外部の独立した調査機関において利用されているものに整合及び匹敵するものである。
当社の貸倒引当金の設定方針は個別評価による方法を基礎としている。回収期限到来後90日を超える債権につ
いて、すべての顧客に対して回収可能性を検討している。減損の評価は、顧客の将来予想されるキャッシュ・フ
ローの正味現在価値に基づき計算している。2009年12月31日現在における7百万ドルの貸倒引当金と比較して、
2010年12月31日現在は僅少な貸付金とリース債権に対して貸倒引当金を計上し、合計で1百万ドルの貸倒引当金
となっている。
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11 契約債務および偶発債務
訴訟
イリジウム・プログラム:当社は、イリジウム衛星通信事業に関して不適当な表示または省略があったとして提
起された証券法集団訴訟の被告に含まれた。2001年3月15日、コロンビア地区連邦地方裁判所は、これらの証券法
訴訟を1999年4月22日に提起された「フリーランド対イリジウム・ワールド・コミュニケーションズ・インク
他」事件に併合した。2008年4月に両当事者は、裁判所の承認を条件として、モトローラによる20百万ドルの支払
いと引き換えにモトローラに対するすべての請求を和解することで原則的合意に達した。2008年第1四半期にお
いて、当社はこの和解に関連する費用を計上した。2008年10月23日、裁判所はこの和解に最終承認を付与し、申し立
てを確定力のある決定として退けた。
当社は、2001年7月19日に、イリジウム社の公式の無担保債権者委員会により、ニューヨーク州南部地区の破産裁
判所に提訴された。「イリジウム・オペレーティングLLC他対モトローラ」の訴訟において、原告は、契約、保証、受
託者義務の違反ならびに不正な譲渡および優先権を主張し、40億ドルを超える損害賠償を求めていた。2008年5月
20日、破産裁判所は、モトローラがいかなる支払も請求されない、ただし、イリジウム財産に対する管理上の優先権
および無担保債権を放棄し、イリジウム債権者のうち無担保債権者と申立前の担保付きの債権者との間でなされ
た2001年の和解に対する異議を取り下げる、という和解を承認した。この和解および破産裁判所の承認により、モ
トローラの財務リスクは消滅し、当社のイリジウム破産訴訟への関与は終結した。
その他:当社は、通常の事業活動で発生する様々なその他の訴訟、請求や調査の当事者となっている。当社の経営
陣は、こうした案件の最終的な帰結が当社の連結上の財政状態、流動性または経営成績に重大な悪影響を及ぼすこ
とはないと考えている。
その他
リース:当社の大半の主要設備は当社が所有する設備であるが、一部の事務所、工場、倉庫スペース、土地、ITおよ
びその他の機器を、主として解約不能なオペレーティング・リースに基づいて使用している。転リース収入控除後
のリース費用は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度にそれぞれ123百万
ドル、140百万ドルおよび151百万ドルであった。2010年12月31日現在、今後5年間およびそれ以降における最低支払
リース債務は、最低転リース収入控除後で、2011年度が124百万ドル、2012年度が86百万ドル、2013年度が52百万ド
ル、2014年が37百万ドル、2015年が21百万ドル、それ以降が23百万ドルである。
補償:当社はまた、特定の事柄に関して他の契約当事者に補償義務を負う様々な契約の当事者である。これらの義
務の一部は、当社の資産または事業を譲渡することにより生じるものであり、和解により他の契約当事者が損害を
被った場合に、当社が賠償することを要求している。これらの規定に基づく補償総額は2010年12月現在、135百万ド
ルである。2010年12月31日以後、ネットワークス事業売却の結果、補償総額は約335百万ドルである。当社は、これら
の規定に基づく潜在的な請求に対し、2010年12月31日現在9百万ドルを引当計上している。
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また、当社は特定の商業および知的財産権に含まれる一般的な保証の違反による損失に対して補償を提供する
ことがある。これまで当社はこれらの契約に基づく多額の支払いを行ったことはない。しかしながら、現在の法的
環境により特許補償のリスクは増加している。
補償について、当社の履行は他の契約当事者が契約に規定された手順に従った請求をすることを条件としてお
り、そのような手順において、通常当社は当該請求に異議を唱える機会を与えられている。また、表明および保証に
違反があった場合に生じる当社の補償義務は通常、一定の期間や金額(契約金額)の制限があり、賠償を行った場
合でも、当社は賠償額を第三者に求償できる場合がある。
また、モトローラ・モビリティ社との分社化および配当に関する基本契約やその他の契約に従い、モトローラ・
モビリティは当社に対し、特定の負債について補償することを合意し、当社もモトローラ・モビリティに対し、特
定の負債について補償することを合意している。なお、いずれも金額に上限は設けていない。
知的財産権に関する事項:2010年度において、当社はある会社との特定の知的財産権に関する紛争を解決するた
めに、和解契約を締結した。和解契約の結果、当社は65百万ドルを現金で受領し、特定の知的財産権の譲渡を受け
た。当該契約の結果、2010年12月31日に終了した事業年度において、当社は当事者間の係属中の訴訟の解決に関し
て39百万ドルの税引前の利益(55百万ドルが廃止事業に配分された)を計上した。
12 事業部門別および地域別情報
本件配当後、モトローラ・ソリューションズは以下の2つのセグメントの業績を報告する。 ・ 官公庁事業:我々の官公庁事業部門には2ウェイラジオおよびパブリック・セーフティ・ネットワークか
らの売上が含まれている。官公庁向け事業部門に含まれているサービス収入は、主にパブリック・セーフ
ティ・ネットワークの設計、据付、保守および装置の最適化に関連した収入である。
・ エンタープライズ事業:我々のエンタープライズ事業部門には、法人向けモバイル機器、スキャニング機器、
無線通信システム、RFIDデータ・キャプチャー・ソリューションおよびiDENインフラが含まれている。エン
タープライズ事業部門に含まれているサービス収入は、主に上記製品に関連した保守契約による収入であ
る。
事業部門の経営成績は、営業利益に必要に応じてセグメント特有の項目および企業内配賦を調整した金額に基
づいて計上されている。識別可能資産(事業部門間の受取債権は除く)は、各地域において同種の製品や事業ごと
に分類された資産である。
2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において、1社単独で当社の連結売
上高の10%超を占めた顧客企業はなかった。
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事業部門別情報
純売上高
12月31日に終了した事業年度
営業利益(損失)
2010年
2009年
2008年
$ 5,135
$4,876
$5,259
$566
$542
2,736
2,304
2,881
212
28
(1,309)
$ 7,871
$ 7,180
$ 8,140
営業利益(損失)
778
570
(679)
その他収益(費用)
(87)
67
(318)
官公庁
エンタープライズ
2010年
継続事業より生じた税引前利益(損失)
2009年
$ 691
2008年
$630
$ 637
$ (997)
資産
12月31日に終了した事業年度
2010年
官公庁
エンタープライズ
その他
廃止事業
2009年
設備投資
2008年
減価償却費
2010年 2009年 2008年 2010年 2009年 2008年
$3,427
$2,884
$3,263
$172
$115
$194
$110
$115
$113
2,721
2,842
2,778
20
21
63
29
55
63
6,148
5,726
6,041
$192
$136
$257
$139
$170
$176
11,649
11,771
11,729
17,797
17,497
17,770
7,780
8,106
10,099
$25,577
$25,603
$27,869
その他の資産は主に現金および現金等価物、シグマ・ファンドおよび短期投資、繰延税金資産、投資および管理本部資産であ
る。
地域別情報
純売上高
12月31日に終了した
事業年度
2010年
2009年
資産
2008年
2010年
米国
$3,679
$3,470
中国
322
257
275
1,823
英国
589
533
752
イスラエル
229
242
日本
112
その他の国(相殺消去
控除後)
2009年
$3,742 $10,501 $10,063
有形固定資産(純額)
2008年
2010年
2009年
2008年
$9,324
$484
$351
$413
1,716
1,899
9
13
16
850
1,084
1,011
23
26
23
318
1,366
1,321
1,264
40
172
139
110
100
724
684
741
61
56
61
2,940
2,568
2,953
2,533
2,629
3,531
305
394
386
$7,871
$7,180
$8,140 $17,797 $17,497 $17,770
$922
$1,012
$1,038
地域別の純売上は、最終顧客の地域ごとに測定されている。
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13 事業の再構築
当社は、人員削減または事業再構築の結果として強制的に雇用が終了された場合に、勤務期間および雇用等級に
基づく退職給付を適格従業員に提供する正式な非自発的退職制度(以下「退職制度」という。)を保有している。
当社は、将来的な決済の可能性が高く、事業再構築計画が経営陣に承認された時点で作成された計画に基づいて合
理的に見積ることが可能である場合に、当該退職制度の計算方式に基づいて退職手当を認識している。撤退費用
は、施設に関連するリース契約を解約する際に生じる将来最低賃料支払額およびその他の契約終了に伴う支払に
より構成される。各報告日において、当社は未払従業員退職費用および未払撤退費用が適切であるかを判断するた
めに評価を行っている。計画通りに実行された場合、従業員が自己都合退職し退職手当を受け取らなかった場合、
または当初の計画が開始された時点で予測できなかった事態の発生により従業員が配置転換された場合など、引
当計上が必要でなくなることもある。そうした場合、当社は必要性がないと判断した時点で、引当金を連結損益計
算書上で当初費用が計上された項目に戻し入れている。
2010年度
2010年度において、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達
成することを目的とした様々な生産性向上計画を引き続き実施した。当社の事業部門はどちらもこれらの計画に
よる影響を受けた。影響を受ける従業員は、全地域にわたる。
2010年度において、当社は、73百万ドルの事業再構築費用(純額)を計上した。これらは、当社の連結損益計算書
において、19百万ドルは売上原価に、そして54百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計73百万ドルの費用
の内訳は、従業員退職費用73百万ドルおよび撤退費用16百万ドルから構成されており、不要となった引当金の戻入
16百万ドルによって一部相殺されている。
以下の表は、事業部門別の事業再構築費用純額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2010年
官公庁
$ 57
16
エンタープライズ
$ 73
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以下の表は、2010年1月1日から2010年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する事
業再構築引当金の推移を示したものである。
2010年1月1日
追加繰入額
引当金残高
撤退費用
従業員退職費用
調整額
取崩額
2010年12月31日
引当金残高
$ 16
$ 16
$ (3)
$ (12)
$ 17
31
73
(13)
(41)
50
$ 47
$ 89
$(16)
$(53)
$ 67
撤退費用
2010年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して16百万ドルの引当金を計上してい
た。2010年度の追加繰入額は16百万ドルである。3百万ドルの調整額は、主に不要となった引当金の戻入3百万ド
ルを反映している。2010年度の取崩額12百万ドルは、現金支払額を反映したものである。2010年12月31日現在の連
結貸借対照表上の未払費用に含まれている17百万ドルの引当金残高は、主に未払リースキャンセル料に関する将
来の現金支払額を示したものである。
従業員退職費用
2010年1月1日において、当社には約1,400人を対象とした31百万ドルの従業員退職費用が引当てられていた。
2010年度の追加繰入額73百万ドルは、追加の約1,600人の従業員(うち800人が直接人員、800人が間接人員)に対す
る退職手当を示したものである。13百万ドルの調整額は、不要となった引当金の戻し入れを反映している。
2010年度において、約1,000人の従業員(うち700人が直接人員、300人が間接人員)が、当社より退職した。2010年
度の取崩額41百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。2010年12月31日現在
の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている50百万ドルの引当金残高は、(ⅰ)既に支払を受け始めた退職従
業員、および(ⅱ)2011年度に退職する約2,000人の従業員に、通常、1年以内に支払われる予定である。
2009年度
2009年度において、売上に悪影響を及ぼすマクロ経済の悪化を鑑みて、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減
することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達成することを目的とした様々な生産性向上計画の実施に取り
組んだ。当社の事業部門はどちらもこれらの計画による影響を受けた。影響を受ける従業員は、全地域にわたる。
2009年度において、当社は、102百万ドルの事業再構築費用純額を計上した。これらは、当社の連結損益計算書に
おいて、14百万ドルは売上原価に、そして88百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計102百万ドルの費用の
内訳は、従業員退職費用114百万ドルおよび撤退費用6百万ドルから構成されており、不要となった引当金の戻入
18百万ドルによって一部相殺されている。
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以下の表は、事業部門別の事業再構築費用純額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2009年
官公庁
$ 67
35
エンタープライズ
$ 102
以下の表は、2009年1月1日から2009年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する事
業再構築引当金の推移を示したものである。
2009年度
撤退費用
従業員退職費用
1月1日
追加繰入額
引当金残高
調整額
取崩額
12月31日
引当金残高
$ 14
$ 6
$ (1)
$ (3)
$ 16
42
114
(17)
(108)
31
$ 56
$ 120
$(18)
$(111)
$ 47
撤退費用
2009年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して14百万ドルの引当金を計上してい
た。2009年度の追加繰入額6百万ドルは、主にリース設備からの撤退、およびリース契約の終了に伴う撤退費用に
関するものである。1百万ドルの調整額は、不要となった引当金の戻入を反映している。2009年度の取崩額3百万
ドルは、現金支払額を反映したものである。2009年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている16
百万ドルの引当金残高は、主に未払リースキャンセル料に関する将来の現金支払額を示したものである。
従業員退職費用
2009年1月1日において、当社には約900人の従業員の退職手当として42百万ドルの従業員退職費用が引き当て
られていた。2009年度の追加繰入額114百万ドルは、約2,000人の従業員(うち500人が直接人員、1,500人が間接人
員)に対する退職手当を示したものである。17百万ドルの調整額は、不要となった引当金の戻入を反映している。
2009年度において、約1,500人の従業員(うち200人が直接人員、1,300人が間接人員)が、当社より退職した。2009
年度の取崩額108百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。31百万ドルの引
当金残高が2009年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれていた。
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2008年度
2008年度において、当社は、効率を向上させ、営業費用を削減することにより、長期的かつ持続可能な収益性を達
成することを目的とした様々な生産性向上計画を実施した。当社の事業部門はどちらもこれらの計画による影響
を受けた。影響を受ける従業員は、全地域にわたる。
当社は、65百万ドルの事業再構築費用純額を計上した。これらは、当社の連結損益計算書において、5百万ドルは
売上原価に、そして60百万ドルは営業外費用に含まれている。この合計65百万ドルの費用の内訳は、従業員退職費
用80百万ドルが、不要となった引当金の戻入15百万ドルによって一部相殺されたものである。
以下の表は、事業部門別の事業再構築費用純額を示したものである。
12月31日に終了した事業年度
2008年
官公庁
$ 45
20
エンタープライズ
$ 65
以下の表は、2008年1月1日から2008年12月31日までの期間における撤退費用および従業員退職費用に対する
事業再構築引当金の推移を示したものである。
2008年度
撤退費用
従業員退職費用
1月1日
追加繰入額
引当金残高
調整額
取崩額
12月31日
引当金残高
$ 24
$ -
$(3)
$ (7)
$ 14
56
80
(12)
(82)
42
$ 80
$ 80
$(15)
$(89)
$ 56
撤退費用
2008年1月1日において、当社は、リースキャンセルに伴う撤退費用に対して24百万ドルの引当金を計上してい
た。3百万ドルの調整額は、不要となった引当金の戻入を反映している。2008年度の取崩額7百万ドルは、現金支払
額を反映したものである。2008年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれている14百万ドルの引当
金残高は、未払リースキャンセル料に関する将来の現金支払額を示したものである。
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従業員退職費用
2008年1月1日において、当社には約1,000人の従業員の退職手当として56百万ドルの従業員退職費用が引き当
てられていた。2008年度の追加繰入額80百万ドルは、約1,500人の従業員(うち200人が直接人員、1,300人が間接人
員)に対する退職手当を示したものである。12百万ドルの調整額は、不要となった引当金の戻入を反映している。
2008年度において、約1,600人の従業員(うち200人が直接人員、1,300人が間接人員)が、当社より退職した。2008
年度の取崩額82百万ドルは、これら退職した従業員に対する現金支払額を反映したものである。42百万ドルの引当
金残高が、2008年12月31日現在の連結貸借対照表上の未払費用に含まれていた。
14 無形資産およびのれん
当社は、事業の買収についてパーチェス法による会計処理を行い、被買収会社の買収日以降の経営成績を当社の
連結財務諸表に組み込んでいる。これらの買収による連結財務諸表への見積影響額は個別にも全体的にも重要な
ものではない。
当社は、2010年12月31日、2009年12月31日および2008年12月31日に終了した事業年度において重要な買収を行っ
ていない。
無形資産
償却無形資産の内訳は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
総帳簿価額
償却額累計
総帳簿価額
償却額累計
$642
$ 532
$645
特許
277
211
277
157
顧客関連
148
90
162
82
25
18
25
16
101
96
101
90
$1,193
$947
$1,210
$757
無形資産:
完成技術
ライセンス技術
その他の無形資産
$
412
2010年、2009年および2008年12月31日に終了した事業年度において、連結損益計算書のその他費用に含まれてい
る無形資産の償却額はそれぞれ、203百万ドル、218百万ドルおよび227百万ドルであった。2010年12月31日現在の将
来償却額は、2011年度に181百万ドル、2012年度に39百万ドル、2013年度に19百万ドル、2014年度に2百万ドル、2015
年度に2百万ドルと見積られている。
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のれんを除く償却無形資産の事業部門別内訳は以下のとおりである。
2010年
12月31日現在
2009年
総帳簿価額
償却額累計
総帳簿価額
償却額累計
官公庁
$ 140
$ 130
$ 156
$ 135
エンタープライズ
1,053
817
1,054
622
$1,193
$947
$1,210
$757
のれん
以下の表は、2008年1月1日から2010年12月31日までの報告セグメント別のれんの帳簿価額の推移を示したも
のである。
官公庁
2008年1月1日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2008年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2009年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
のれん取得額
減損損失
調整額
2010年12月31日現在残高
のれん取得額合計
減損損失累計
のれん(減損損失控除後)
エンタープライズ
$335
―
335
―
―
15
$
350
―
350
―
―
―
350
―
350
―
―
―
350
―
$350
2,581
―
2,581
60
(1,564)
13
2,654
(1,564)
1,090
―
―
(11)
2,643
(1,564)
1,079
―
―
―
2,643
(1,564)
$1,079
合計
$2,916
―
2,916
60
(1,564)
28
3,004
(1,564)
1,440
―
―
(11)
2,993
(1,564)
1,429
―
―
―
2,993
(1,564)
$1,429
2008年12月31日に終了した事業年度において、当社は2007年度の買収における、買収前の繰越欠損金に関して、
米国の内国歳入法第382条制限(以下「IRC第382条」という。)に基づき、評価の最終まとめを行った。IRC第382条
の調査の結果、当社は繰延税金資産を追加計上し、それに対応するのれんを減少させた。これらは上表の調整額に
反映されている。
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当社は、毎期第4四半期においてのれんの減損の年次評価を行っている。のれんの減損テストは報告単位レベル
で実施される。報告単位は事業部門もしくはそのひとつ下のレベルとなる。2010年度、2009年度および2008年度に
おいて、当社の事業部門である、官公庁事業部門とエンタープライズ事業部門はそれぞれの報告単位で減損テスト
を実施した。当社は、のれんの評価過程においては、インカムアプローチとマーケットアプローチの双方をもって
広範囲にわたる評価分析を行っている。報告単位と報告単位内のその他資産と負債の公正価値の測定には、重要な
見積もりと仮定を行わなければならない。これらの見積もりおよび仮定には主に、各報告単位特有の割引率、永久
成長率、減価償却および償却前利益、資本的支出の予測が含まれるが、これらに限定されるものではない。これら見
積もりの作成にあたり、固有の不確実性が存在するため、実際の結果がこうした見積もりと相異する可能性があ
る。
報告単位の評価において、当社は過年度と同様、75%をインカムアプローチに、25%をマーケットアプローチと
して配分している。当社の報告単位と類似した適切な市場参加者を見つけることがとても困難であることや将来
割引キャッシュ・フローのほうが報告単位の価値をより反映するという見解から、当社はこの比例配分が適切で
あると考えている。 のれんの回収可能性につき、2009年度および2010年度の年次評価の結果に基づくと、全ての報告単位の公正価値
はそれぞれの簿価を上回っており、これらの報告単位にのれんの減損がないことを示している。 2008年度において、エンタープライズ報告単位の公正価値は簿価を下回っており、のれんの減損の潜在的な可能
性により、その報告単位を対象とした第二段階の分析を行う必要が示唆された。当社は2007年にエンタープライズ
報告単位の主要構成事業を買収したが、その時点では報告単位の簿価と公正価値は同一であった。この事実より、
エンタープライズ報告単位の公正価値がその簿価を下回ったのは、市場全体の低迷や、マクロ経済環境の悪化によ
るものと考えられる。2008年12月31日に終了した事業年度において、当社はエンタープライズ報告単位に関連する
のれんについて減損していると判断し、当該セグメントにて16億ドルの減損を計上した。
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15 引当勘定
以下の表は、2010年、2009年および2008年12月31日に終了した事業年度における引当勘定残高の推移を表してい
る。
1月1日
残高
収益に
対する費用
計上額
取崩額
12月31日
残高
調整額
2010年
貸倒引当金
$ 16
$ 41
$ (2)
7
―
(6)
―
140
67
(34)
(16)
157
97
427
(374)
(33)
117
$ 17
$ 9
$ (3)
$ (7)
$ 16
3
5
(1)
―
棚卸資産引当金
150
51
(43)
(18)
140
顧客契約保証引当金
119
313
(323)
(12)
97
$ 26
$ 10
$ (12)
$ (7)
$ 17
3
2
(2)
―
3
棚卸資産引当金
131
54
(43)
8
150
顧客契約保証引当金
128
133
(107)
(35)
119
長期債権損失引当金
棚卸資産引当金
顧客契約保証引当金
$ (6)
$ 49
1
2009年
貸倒引当金
長期債権損失引当金
7
2008年
貸倒引当金
長期債権損失引当金
調整額には、外貨換算調整額が含まれる。
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*
16 四半期別財務データ(未監査)
2010年
第1
四半期
2009年
第2
四半期
第3
四半期
$1,740 $1,936
$1,949
第4
四半期
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
$2,246
$1,668
$1,732
$1,797
$1,983
経営成績
純売上高
売上原価
887
971
964
1,132
865
891
890
965
売上総利益
853
965
985
1,114
803
841
907
1,018
販売費および一般管理費
454
471
462
523
432
415
415
441
研究開発費
258
269
270
282
266
256
253
266
その他費用
21
64
34
31
103
12
79
61
営業利益(損失)
120
161
219
278
2
158
160
250
97
3
(8)
166
33
134
65
217
69
162
110
291
(231)
26
12
142
継続事業により生じた
**
利益(損失)
**
当期純利益(損失)
1株当たり
データ
(単位:ドル)
継続事業:
基本的普通株式1株当
たり利益(損失)
希薄化後普通株式1株
当たり利益(損失)
$0.29 $ 0.01 $(0.02)
$ 0.49 $ 0.10
$0.41
$0.20
$0.66
0.41
0.20
0.66
0.29
0.01
(0.02)
0.49
0.10
0.21
0.49
0.33
0.87
(0.71)
0.08
0.04
0.43
0.21
0.48
0.33
0.85
(0.71)
0.08
0.04
0.43
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
0.35
―
―
―
高値
57.82
54.25
61.18
64.26
34.65
48.65
66.15
65.52
安値
42.28
43.75
45.43
53.55
20.86
29.75
41.37
53.69
当期純利益:
基本的普通株式1株当
たり利益(損失)
希薄化後普通株式1株
当たり利益(損失)
配当宣言額
配当支払額
―
株価
* 過年度の財務諸表および関連する注記における特定の金額は、2009年の表示に合わせるために組み替えられている。
** モトローラ・ソリューションズ・インクの普通株主に帰属する金額である。
表示は2011年1月4日に行われた株式併合の影響を考慮している。
上記のほか、本項に記載すべき事項は、本報告書「第6 経理の状況 1 財務書類」の連結財務諸表注記に記
載されている。
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(2) 訴訟等
以下は、2011年2月18日に米国証券取引委員会に提出された様式10-Kによる当社の年次報告書からの抜粋の
和訳を、2011年5月2日に米国証券取引委員会に提出された様式10-Qによる当社の2011年第1四半期報告書の
抜粋の和訳により補完し、修正したものである。
以下の訴訟では、当社の旧社名であるモトローラ・インクが使用されており、訴訟記録においてもモトローラ
・ソリューションズに変更されていない。
ハウエル対モトローラ・インク他訴訟
イリノイ州北部地区連邦地方裁判所(以下「イリノイ州地方裁判所」という。)において、2003年7月21日
に、モトローラとその取締役、役員、従業員を相手取り、善管注意義務および定年退職従業員収入保障法(以下
「ERISA法」という。)違反を主張する集団訴訟「ハウエル対モトローラ・インク他」訴訟が提起された。その
訴状によれば、モトローラの通信機器の販売に関連したTelsim Mobil Telekomunikasyon Hizmetleri A.S.(以
下「テルシム」という。)へのベンダー融資を開示しなかったことにより、モトローラの株価が人為的に吊り上
げられていたことから、被告らがモトローラの401(k)プラン(以下「プラン」という。)の参加者にモトローラ
の普通株式の購入あるいは保有を認めたことは不適切であったとしている。その後、テルシムは、当該ベンダー
融資に係るおよそ20億ドルの支払を履行しなかった。当社は、現在までに当該融資の約半分については回収し
た。原告は、プランの参加者集団を代表し、不特定額の損害賠償の支払いを求めている。2005年9月30日、イリノ
イ州地方裁判所は、2004年10月15日に提出された2回目の修正訴状(以下「ハウエル訴状」という。)を却下し
た。その後、当該訴訟の主導者とされる3名の者が新たに原告として参加し、プラン参加者を代表することを求
めて集団訴訟認定を求める申立てを行った。認定された集団は、一部を除いて、2000年5月16日から2001年5月
14日まで、プランにより個人勘定でモトローラの普通株式を購入または保有していたすべてのプランの参加者
を含む。裁判所は、被告らに集団認定に対する上訴を認め、原告代表ハウエルが個人で行った請求に対する先行
する棄却判決への上訴も認めた。原告および被告は、それぞれ上訴を行った。2009年6月17日に、イリノイ州地方
裁判所は、すべての点において被告全員を支持する略式判決を下した。2009年6月25日に、第7巡回控訴裁判所
(以下「第7巡回区」という。)は、被告らの集団訴訟認定の棄却を求める上訴を訴えの利益がないとして却下
し、ハウエルの上訴を保留した。2009年7月14日に、原告らは略式判決の判断に対して上訴した。2009年8月17日
の第7巡回区の命令により、ハウエル個人の上訴と略式判決に対する原告らの上訴(現在「ハウエル対モト
ローラ・インク他」訴訟および「リンギス他対リック・ドラジル他」訴訟)は、それらの弁論と決定について、
「スパーノ他対ボーイング・カンパニー他」訴訟および「ビーズリー他対インターナショナル・ペーパー・カ
ンパニー」訴訟に併合された。2011年1月21日、第7巡回区はイリノイ州地方裁判所による、モトローラを支持
する略式判決を支持し、すべての点においてハウエル個人の上訴を却下した。2011年4月21日、原告は、「リンギ
ス他対リック・ドラジル他」において、連邦最高裁判所に移送命令の申立てを行い、情報の非公開に関する
ERISA法の受託者の責任基準に関してのみ連邦最高裁判所に再審理を求めた。移送命令の申立ては、リンギスに
おける第7巡回区のその他の判示、または同巡回区の「ハウエル対モトローラ・インク他」の判決に異議を申
し立てるものではない。
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シルバーマン/ウィリアムズ連邦証券訴訟および関連する株主代表訴訟
2007年8月9日、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所において、当社ならびに当社の現在および以前の一部の
役員と取締役を相手取り、2006年7月19日から2007年1月5日までの間のモトローラ証券の購入者のための集
団代表訴訟「シルバーマン対モトローラ・インク他」訴訟が提起された。訴状によれば、当社には、1934年証券
取引所法10(b)項および規則10b-5に対する違反があり、また個々の被告には証券取引所法の支配関係者規定に
対する違反があったとされている。訴状において主に主張されている事実は、被告らが、意図的にモトローラの
2006年第3および第4四半期の収益予測に関する虚偽表示を行ったというものである。訴状は、集団訴訟対象期
間中のモトローラ株価の上昇に関して不特定額の損害賠償およびその他救済を求めている。2007年12月20日に
修正訴状が提出され、モトローラは2008年2月に当該訴状の棄却を申し立てた。2008年9月24日に、連邦地方裁
判所は棄却申立てを一部認め、2名の個人についての10(b)項に関する訴状、および将来予測についての表示に
関する訴状の一部を棄却したが、棄却申立ての一部は拒否された。2009年8月25日に、地方裁判所は原告らの集
団訴訟認定の申立てを認めた。2010年3月10日、地方裁判所は、2回目の修正訴状の提出を求める原告の申立て
を認め、同修正訴状において2006年第3四半期に締結された取引の会計処理および開示に関する主張が追加さ
れた。2011年2月16日、地方裁判所は2人の個々の被告における残りの請求、ならびに第三者についての10(b)項
に関する請求を棄却する略式判決を下し、申立ての一部は棄却された。2011年3月21日、モトローラは、当社およ
びその他の個々の被告に対する残りの請求を棄却する略式判決の申し立てを行った。
さらに、2007年8月24日、イリノイ州クック郡巡回裁判所において、当社ならびに現在および以前の一部の役
員と取締役を相手取り、モトローラを代位する株主代表訴訟として、2件の訴訟「ウィリアムズ対ザンダー他」
訴訟および「シノット対ザンダー他」訴訟が提起された。訴状では、原告はシルバーマンの訴えと同様の事実に
関する主張を行い、善管注意義務違反、支配権の乱用、重大な欠陥経営、企業資産の浪費および不当利得を請求原
因として主張している。訴状は、当社に対して被告らの行為により生じた損失に関連した不特定額の損害賠償を
求めており、モトローラがその内部手続きの多くを変更することを要求している。2007年12月14日に、修正訴状
が提出された。2009年1月27日、モトローラによる修正訴状の棄却申し立ては一部認められ、一部棄却された。
2010年3月29日、イリノイ州北部地区連邦裁判所において、当社ならびに現在および以前の一部の役員と取締
役を相手取り、モトローラを代位する株主代表訴訟として「ゴールドファイン対ブラウン他」訴訟が提起され
た。訴状では、イリノイ州裁判所で現在係属中の株主代表訴訟である「ウィリアムズ対ザンダー他」訴訟および
「シノット対ザンダー他」訴訟とほぼ同様の事実上の主張を行っており、善管注意義務違反、企業資産の浪費お
よび不当利得の請求原因として主張している。訴状は、当社に対して被告らの行為により生じた損失に関連した
不特定額の損害賠償およびその他の救済を求めている。2010年12月10日、地方裁判所は被告の棄却申立てを認
め、訴えを却下した。原告は第7巡回区控訴裁判所へ棄却を上訴した。
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セント・ルーシー郡消防区消防士年金信託基金証券集団訴訟および関連する株主代表訴訟
2010年1月21日に、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所において、当社ならびに当社の現在および以前の一部
の役員と取締役を相手取り、集団訴訟として「セント・ルーシー郡消防区消防士年金信託基金対モトローラ・
インク他」の訴訟が提起された。訴状は2010年6月11日に修正され、その後2010年12月3日に再び修正された。
その集団訴訟の対象者には、2007年10月25日から2008年1月23日の間にモトローラ証券を購入した者も含まれて
いる。訴状によれば、当社には1934年証券取引所法10(b)項および規則10b-5に対する違反があり、個々の被告に
は証券取引所法の支配関係者規定に対する違反があったとされている。当該訴状における主な事実に関する主
張は、集団訴訟対象期間中のモトローラの財務予測とモトローラ製電話の販売需要に関して、被告らが意図的あ
るいは重大な不注意により重大な誤解を招く表示を行ったというものである。訴状は、集団訴訟対象期間中のモ
トローラ株価の意図的な吊り上げに関して不特定額の損害賠償およびその他救済を求めている。2011年2月28
日、地方裁判所は被告の棄却の申立てを認め、2回目の修正訴状の全てを棄却し、当該棄却判決は確定した。原告
は、第7巡回区控訴裁判所に再審の申立てを行った。
また、2010年4月2日に、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所において、当社の現在および以前の一部の役員
と取締役を相手取り、モトローラに代位する株主代表訴訟として「ウェーバー対ドーマン他」訴訟が提起され、
2010年7月28日に修正された。訴状では、「セント・ルーシー郡消防区消防士年金信託基金対モトローラ・イン
ク他」訴訟の訴状と同様の事実上の主張を行い、善管注意義務違反、支配権の乱用、重大な欠陥経営、企業資産の
浪費および不当利得を請求原因として主張している。ウェーバーの訴状では、当社に対して被告らの行為により
生じた損失に関連した不特定額の損害賠償を求めている。2011年2月23日、地方裁判所は被告の棄却の申立てを
認め、修正訴状の全てを棄却し、当該棄却判決は確定した。原告の再審申立て期限は経過した。
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グロウスマン他対モトローラERISA法集団訴訟
2007年7月1日から現在までの間に、その勘定にモトローラ株式への投資を含むモトローラの401(k)プラン
の全加入者・受給者を代表して、2010年2月10日にイリノイ州北部地区連邦地方裁判所に対し、当社ならびに当
社の現在および以前の一部の役員と取締役、従業員、モトローラの401(k)プラン委員会、モトローラの諮問委員
会、そしてその他不特定の被告らを相手取り、集団訴訟として、「ジョー・M・グロウスマン対モトローラ・イン
ク他」訴訟および「アンジェロ・W・オーランド対モトローラ・インク他」訴訟の2件が提起された。2010年5
月20日に裁判所はこれらの訴訟を併合するように命じた。2010年7月16日に、原告らは併合に対応した修正訴状
を提出した。この修正訴状では、現在および以前の従業員、モトローラの報酬・指導委員会ならびにモトローラ
の退職給付委員会が被告として追加され、モトローラの諮問委員会が被告から削除された。この修正訴状は、ま
た、集団訴訟の対象期間を2007年7月1日から2008年12月31日までの間に短縮した。この併合に対応した修正訴
状は、1974年ERISA法404項および405項に対する違反があったと主張している。当該修正訴状の主な主張は、集団
訴訟対象期間中のモトローラの財務予測とモトローラ製電話の販売需要に関する虚偽表示に関連して、被告ら
の多くはプラン投資のオプションとしてモトローラ株式を提供し続けることにより、慎重かつ忠実にプランを
運用すること、モトローラ株式の実績についてプランの加入者や受給者へ完全で正確な情報を提供すること、利
益相反を避けること、そしてプラン受託者を監視することを怠ったとしている。修正訴状は、プランおよび個々
の加入者の勘定に対して生じたとする損失に関して不特定額の損害賠償およびその他の救済を求めている。
2010年9月24日、被告は修正訴状の棄却を申し立てた。2010年10月7日、裁判所はモトローラの退職給付委員会
を被告から削除した。2011年1月18日、裁判所は被告の修正訴状の棄却の申立てを却下した。2011年3月14日、原
告は集団訴訟認定を求める申立てを行い、「2007年7月1日から2008年12月31日までの間、その勘定にモトロー
ラ株式への投資を含むモトローラの401(k)プランの全加入者・受給者であった者(ただし、被告、近親、被告の
役員、取締役またはパートナー、被告が支配的利権を有する事業体ならびに上記の相続人、後継者および譲受人
を除く。)」の集団認定を求めた。
マイクロソフト・コーポレーション社対モトローラ・インク
2010年10月1日、マイクロソフト・コーポレーション(以下「マイクロソフト」という。)は、モトローラ・
インクの製造・販売する製品に特許権侵害があったとして、アメリカ国際貿易委員会(ITC)とワシントン州西
部地区連邦地方裁判所(以下「裁判所」という。)にモトローラを提訴した。ITCでの訴訟は「モバイル・デバ
イスおよび関連ソフトウェアと構成部品に関して(Inv. No. 337-TA-744)」と表題が付された。2010年10月6
日そして同月12日に、マイクロソフトは裁判所とITCへ訴状をそれぞれ修正し、モトローラ・モビリティ・イン
クを被告へ追加した。修正訴状で、モトローラ・インクとモトローラ・モビリティ・インクのアンドロイド搭載
携帯電話の製造、販売および/または輸入に関連して9つの特許権侵害を主張した。ITCでの訴えでは、排除およ
び中止命令を求めている。2010年11月5日にITCは調査を開始した。裁判所での訴え(No. C10-01577)では、不
特定の金銭的損害賠償と差止による救済を求めている。
490/507
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2010年11月9日、マイクロソフトは、モトローラ・インクとモトローラ・モビリティ・インク(以下「モト
ローラ被告」という。)を相手取り、802.11ワイヤレス・ネットワーキング・テクノロジーとH.264ビデオコー
ディング・テクノロジーに関する特定の特許権を合理的かつ非差別的に使用許諾する条項の契約義務に違反し
たとして、ワシントン西部地区連邦地方裁判所に提訴した(No. C10-01823)。その訴えは、不特定の金銭的損害
賠償と差止のほか、モトローラ被告が不当な差別的取扱いでない条項に基づく合理的なロイヤルティ料金でこ
れらの特許ライセンスをマイクロソフトに申し出なかったことを確認することを含んでいる。2011年2月23日、
マイクロソフトは、訴状を修正し、ゼネラル・インストルメント・コーポレーションを被告に追加した。
2010年11月、モトローラ・モビリティ・インクとゼネラル・インストルメント社はマイクロソフトを相手取
りITCおよびフロリダ州南部地区連邦地方裁判所(「モトローラ・モビリティ・インク対マイクロソフト・
コーポレーション」)、ウィスコンシン州西部地区連邦裁判所(「モトローラ・モビリティ・インクおよびゼ
ネラル・インストルメント・コーポレーション対マイクロソフト・コーポレーション」(No. 10-cv-699)、な
らびに「モトローラ・モビリティ・インクおよびゼネラル・インストルメント・コーポレーション対マイクロ
ソフト・コーポレーション」(No. 10-cv-700))においてそれぞれ提訴した。ITCへの訴訟は「ゲーム・エン
ターテインメント機器、関連ソフトウェアおよび構成部品に関して(Inv. No. 337-TA-752)」と表題が付され
た。訴状の中で、モトローラ・モビリティ・インクとゼネラル・インストルメント・コーポレーションは、マイ
クロソフトのPC・サーバーソフトウェア、ウィンドウズモバイル・スマートフォンソフトウェア、およびXbox製
品において、16の特許権侵害を主張している。ITCへの訴訟ではこれらの製品に対する排除および中止命令を求
めている。2010年12月23日、ITCは調査を開始した。裁判所への訴訟では金銭的損害賠償と差止による救済を求め
ている。その後、2010年12月と2011年2月に、モトローラ・モビリティ・インクは、追加で5つの特許権の侵害
を、ウィスコンシン州西部地区連邦地方裁判所へ提訴した(「モトローラ・モビリティ・インク対マイクロソ
フト・コーポレーション」(No. 10-cv-826))。マイクロソフトは、2010年12月23日から2011年1月25日の間、
モトローラ・モビリティ・インクに対して、更に合計14のマイクロソフトの特許権を侵害していると主張する
反訴を提起した。モトローラ・モビリティ・インクおよびゼネラル・インストルメント・コーポレーションに
よりウィスコンシン州西部地区連邦地方裁判所に提起された2つの訴訟は、ワシントン州西部地区連邦地方裁
判所に移された。
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モトローラ・モビリティ・インク対アップル・インク
2010年10月6日、モトローラ・モビリティ・インクは、アップル・インクをITCへ特許権侵害について提訴し
た。当該訴訟は「特定のワイヤレスコミュニケーションデバイス、携帯用音楽およびデータプロセシングデバイ
ス、コンピューターおよび構成部品に関して(Inv. No. 337-TA-745)」と表題が付された。その訴状によれば、
アップル・インクは、モトローラ・モビリティ・インクの許可なしに特定のワイヤレスコミュニケーションデ
バイス、携帯用音楽およびデータプロセシングデバイス、コンピューターおよび構成部品を輸入し、アメリカ国
内で販売することで6つの特許権を直接侵害、侵害幇助または他社による侵害を誘発したとしている。訴状で
は、調査の開始、アメリカの特定製品からの排除命令およびアップル・インクによる特定製品の輸入、販売促進、
販売およびその他関連活動を禁止する停止命令の発行を求めている。2010年11月8日、ITCは調査を開始した。
2010年10月6日、モトローラ・モビリティ・インクは、アップル・インクに対して2つの訴訟、「モトローラ
・モビリティ・インク対アップル・インク」をイリノイ州北部地区連邦地方裁判所へ提起した(以下「イリノ
イ訴訟」という。)。モトローラ・モビリティ・インクはアップル・インクに対して特許権侵害に関するもう1
つの訴訟、「モトローラ・モビリティ・インク対アップル・インク」をフロリダ州南部地区連邦地方裁判所へ
提起した(以下「フロリダ訴訟」という。)。その訴状によれば、アップル・インクはアメリカにおいて特定の
製品・サービスを製造、使用、提供および販売を行うことで、直接的または間接的にモトローラ・モビリティ・
インクの18の特許権を侵害したと主張している。2010年11月9日、モトローラ・モビリティ・インクは自主的に
イリノイ訴訟を取り下げたが、現在、後述のアップル・インクの訴訟に対する反訴として主張されている。2010
年11月18日、アップル・インクは、モトローラ・モビリティ・インクによるモバイル・デバイス、セット・トッ
プ・ボックスとデジタル・ビデオレコーダーの製造および販売が、アップル・インクの6つの特許権を侵害し
ているとしてフロリダ州南地区連邦地方裁判所へ反訴を提起した。
2010年10月8日、モトローラ・モビリティ・インクはアップル・インクとネクスト・ソフトウェア・インク
に対して確認訴訟をデラウエア州地区連邦地方裁判所へ提起した(「モトローラ・モビリティ・インク対アッ
プル・インクおよびネクスト・ソフトウェア・インク」)。その訴状において、モトローラ・モビリティ・イン
クは、アップル・インクとネクスト・ソフトウェア・インクの保有する有効で強制力のある12の特許権を侵害、
侵害誘発、または侵害幇助をしていないことの確認を求めた。2010年12月2日、アップル・インクは、ウィスコン
シン州西部地区連邦地方裁判所において、モトローラ・モビリティ・インクに対してこれらの12の特許権を主
張し、デラウエア州連邦地方裁判所からウィスコンシン州西部地区連邦地方裁判所へ移すことを求めた。
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2010年10月29日、アップル・インクはモトローラ・インクとモトローラ・モビリティ・インクに対して、特許権
侵害に関する2つの訴訟を、ウィスコンシン州西部地区連邦地方裁判所へ提起した(「アップル・インク対モ
トローラ・インクおよびモトローラ・モビリティ・インク」)。その訴状では、モトローラ・インクとモトロー
ラ・モビリティ・インクによる6つの特許権侵害を主張している。その訴状によれば、モトローラ・インクとモ
トローラ・モビリティ・インクは、アメリカにおいて特定のモバイル・デバイスや関連ソフトウェアの製造、使
用、提供および販売を行うことで、特許権を直接侵害、侵害幇助または他社による侵害を誘発したとしている。そ
の訴状では、不特定の金銭的損害賠償と差止による救済を求めている。2010年11月9日、モトローラ・モビリ
ティ・インクは、上記の通り、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所において当初主張していた当社保有の12の特
許権に対する侵害行為であるとして、アップル・インクへの反訴を提起した。
2010年10月29日、アップル・インクはモトローラ・インクとモトローラ・モビリティ・インクに対して、アメリ
カ国際貿易委員会(ITC)において特許権侵害を提訴した。当該訴訟は「特定のモバイル・デバイスおよび関連
ソフトウェアに関して(Inv. No. 337-TA-750)」と表題が付された。その訴状によれば、モトローラ・インク
とモトローラ・モビリティ・インクによる3つの特許権侵害を主張している。その訴状では、モトローラ・イン
クおよびモトローラ・モビリティ・インクが、スマートフォンのようなモバイル・デバイス、オペレーティング
システムやユーザー・インターフェースを含む関連ソフトウェアおよびそのようなデバイスで使用するために
設計・搭載されたその他アプリケーションソフトウェアをアメリカにおいて製造、販売促進および販売を行い、
3つの特許権を直接侵害し、侵害幇助または他社による侵害を誘発したと主張している。また、調査の開始を要
求し、アメリカにおける特定のモバイル・デバイスと関連ソフトウェアからの排除命令ならびにモトローラ・
インク(現在のモトローラ・ソリューションズ・インク)およびモトローラ・モビリティ・インクによる特定
のモバイル・デバイスと関連ソフトウェアの輸入、販売、輸送およびその他の関連活動の停止命令を求めてい
る。2010年11月30日、ITCは調査を開始した。
2011年3月11日、アップル・インクは、モトローラ・モビリティ・インクに対して、ITCの訴訟における反訴を
提起したが、当該反訴はその後、ウィスコンシン州西部地区連邦地方裁判所に移された。当該反訴には、衛平法上
の禁反言、権利放棄、契約の違反、シャーマン反トラスト法第2項の違反、不当競争および契約の妨害が含まれ
る。アップルは、モトローラ・モビリティ・インクの規格にとって不可欠な特許を含むライセンス供与が合理的
かつ非差別的に使用許諾する条項に基づくものでなく、モトローラ・モビリティ・インクが差止による救済を
受ける資格を有さず、モトローラ・モビリティ・インクが特許を濫用したとする宣言的判決を求めている。
当社は、通常の営業過程で生じたその他の様々な訴訟、請求や調査における被告となっている。経営陣の見解
では、当社の係属中の訴訟案件の最終的な帰結が当社の連結上の財政状態、流動性または経営成績に重大な悪影
響を及ぼすことはないと考えている。しかしながら、不利な決定がなされた場合には、これらの事項が最終的に
決定された期間に係る当社の連結上の財政状態、流動性または経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
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4 【米国と日本国における会計原則および会計慣行の差異】
この有価証券報告書に含まれる財務書類は、米国において一般に認められた会計原則(以下、「米国の会計原則」
という)に準拠して作成されている。したがって、当該財務書類の作成にあたり採用された会計処理の原則および手
続並びに表示方法は、日本国において一般に公正妥当と認められた会計原則(以下「日本の会計原則」という)に準
拠して作成される場合とは異なるものがある。その主な差異の要約は、以下のとおりである。
(1) 企業連結およびのれん
米国会計基準では、持分プーリング法を使用することを禁じており、取得法の使用を義務付けている。また、のれん
及び耐用年数が確定できない無形資産については償却しないことを定められ、少なくとも毎決算期ごとに減損テス
トを実施し、必要に応じて減損損失を認識することが求められている。
日本においては、2006年4月1日以降開始する事業年度から「企業結合に係る会計基準」が適用され、支配の獲得
を目的とする企業結合はパーチェス法によって処理される。また、一定の条件を満たす場合のみ、持分プーリング法
によって処理される。取得した無形資産は、耐用年数に応じて償却される。のれんについては、 20年以内の期間で規
則的に償却されるが、必要に応じて減損損失を認識する。ただし、2008年12月26日に、「企業結合に係る会計基準」が
改正され、(基準名も「企業結合に関する会計基準」に改正)、2010年4月1日以降実施される企業結合より持分
プーリング法は廃止されることとなった。
(2) 退職年金
米国会計基準では、確定給付年金制度の積立状況、すなわち退職給付債務と年金資産の公正価値の差額を連結貸借
対照表で全額認識する。積立状況の変動は、その変動が発生した連結会計年度に包括利益(損失)を通じて認識す
る。また、米国会計基準では、2008年12月16日以降に終了する事業年度から測定日は決算日であることが要求される。
日本においても、米国会計基準と同様の会計処理の適用が要求されているが、未認識過去勤務債務および未認識年
金数理上の差異は毎期一定の方法で償却を行い費用として計上する。データ基準日も、一定の条件を満たせば貸借対
照表日の1年前までの一定の日とすることができる。また、予測給付債務(PBO)と年金資産の時価との差額を貸借
対照表に計上することは行われておらず、それらは未認識損益の残高と共に財務諸表への注記として開示される。
(3) 年金以外の退職後給付
米国会計基準では、退職者の医療および生命保険にかかる費用を退職者の予測勤務期間中に費用計上することを
求めている。それに加えて、退職者以外で従来従業員であったか、又は休職中の従業員に対して行う雇用終了後の給
付には、 雇用終了後の給付を引当計上することが要求されている。雇用終了後の給付には、退職給与、労働災害関連
給付、健康保険給付および生命保険等の給付の継続が含まれる。
日本においては、退職者に対する給付は一般的に国の社会保険制度によって賄われており、類似の債務はないため、
明確な基準は定められていない。
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(4) 株式を基礎とした報酬(ストックオプション等)の会計処理
米国会計基準では、ストックオプション及びその他の株式に基づく報酬は、付与日において公正価値で評価されな
ければならず、評価額は損益計算書に計上することが要求されている。また、ストックオプション及びその他の株式
に基づく報酬は、負債あるいは資本に分類され、負債として分類された場合、当該ストックオプション及びその他の
株式に基づく報酬が清算されるまで、各貸借対照表日において公正価値で再測定される。資本に分類されるストック
オプション及びその他の株式に基づく報酬は、付与日の公正価値で測定し、それ以降の再測定は行わない。
日本においても、株式に基づく報酬制度の会計処理について、2005年12月に「ストックオプション等に関する会計
基準」が公表され、2006年5月1日以降に付与されるストックオプションに対して同様の会計処理が求められるこ
ととなった。一方、2006年4月30日より前に付与されたストックオプションは、付与日には費用認識されず、権利行使
時に資本取引として処理される。
(5) 長期性資産の減損または処分の会計
米国会計基準では、使用目的で所有している有形固定資産および識別可能な特定の無形資産について、資産の簿価
が回収できない可能性を示唆する事象または状態の変化が起こったときに、減損の必要性を検討することが要求さ
れている。資産の回収可能性について、会社はその資産を使用および処分によって期待される将来のキャッシュフ
ローによって評価する。期待されるキャッシュフロー(割引による金利控除前)が簿価より低ければ、その資産は減損
したものとされる。会社が使用目的で所有している有形固定資産および識別可能な無形資産の減損は、当該資産の公
正価額に基づいて測定される。また、米国会計基準では、廃止事業を個別に報告することを求めており、売却または放
棄によって処分済みの事業セグメント(component of an entity)から発生した損益、ならびに、販売目的資産へ組
替えられた資産から発生する損益について、廃止事業として、損益計算書上での報告を求めている。
日本においては、長期性資産の減損に関わる会計処理について、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用してお
り、(1) 処分予定の資産を区分していないこと、(2) 減損の測定に公正価額ではなく、回収可能価額(資産の正味売
却価額と将来予想キャッシュフローの現在価値のいずれか高い金額)を使用していること、(3) 廃止事業の開示が
求められていないこと等の差異はあるが、概ね、米国と類似の処理が要求されている。
(6) 変動持分事業体の連結
米国においては、ある会社が、(1) 他社からの追加的財務支援がなければその会社の活動資金を調達できないよう
な不十分な資本しか有していない場合、あるいは、(2) その会社に対する持分投資家が、その会社の事業について重
要な意思決定をすることができないか、予想損失を吸収しない、または予想利益を受け取ることがない場合は、変動
持分事業体と呼ばれる。変動持分事業体は、予想損失または予想残存利益あるいは両方の過半を有する変動持分事業
体に関与する当事者である主たる受益者により連結される。
日本においては、連結の範囲を決定するために、変動持分事業体の概念は使用されておらず、連結範囲は支配力基準
で決定される。
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(7)資産の除却債務
米国会計基準では、長期性資産に関する法的債務は、その債務の発生時点において、公正価値により測定された負債
として認識することを要求している。除却債務と同額の資産が、関連する長期性資産の一部として計上され、その資
産の耐用年数にわたって償却される。
日本においては、2010年4月1日以後開始する事業年度から「資産の除却債務に関する会計基準」が適用される。
(8) デリバティブ及びヘッジの会計処理
米国においては、デリバティブの公正価値の変動額(評価差額)は、当期の損益として認識される。ただし、ヘッジ
会計の所定の要件を満たすものに関しては、ヘッジ関係の性質により、公正価値ヘッジ、キャッシュフローヘッジ、あ
るいは、海外事業への純投資ヘッジに指定される。公正価値ヘッジは、デリバティブの公正価値変動のうち、ヘッジ有
効部分をヘッジ対象の資産・負債または確定契約の公正価値の変動に対して損益計上することにより、ヘッジ手段
とヘッジ対象の損益計上時期を一致させる。キャッシュフローヘッジは、デリバティブの評価差額のうちヘッジ有効
部分をその他の包括利益として計上し、ヘッジ対象が実際に損益に影響を与えた期に、ヘッジ手段のデリバティブも
その他包括利益から損益に振替えることにより、ヘッジ手段とヘッジ対象の損益計上時期を一致させる。海外事業へ
の純投資ヘッジは、ヘッジ手段に係わる損益のうちヘッジ有効部分を為替換算調整勘定として、その他の包括利益に
計上する。
日本においては、デリバティブの公正価値変動額は原則として当期の損益として計上する。ただし、ヘッジ会計の所
定の要件を満たした場合には、デリバティブの評価差額は、原則としてヘッジ対象の資産・負債が損益に認識される
まで純資産の部において繰り延べられる。金利スワップを利用したヘッジ取引には、一定の要件を満たした場合に
は、当該金利スワップは時価評価せず、その金銭の受払の純額等をヘッジ対象資産・負債に係わる利息に加減して処
理することが認められる。また、ヘッジ会計の要件を満たす為替予約等については、当分の間、為替予約等により確定
する決済時における円貨額により外貨建取引及び金銭債権債務等を換算し直物為替相場との差額を期間配分する方
法(「振当処理」)によることができる。
(9) 収益認識
米国においては、以下の4要件が満たされた場合に、収益を認識することができる。
・契約に関する説得力のある証拠が存在する
・引渡しが行われている、または、サービスが提供されている
・価格が決定していること、または、確定可能であること
・回収可能性が合理的に保証されていること
また、複数要素の取引の場合は、要素ごとの区分方法が定められており、区分するための一定条件を満たせば、原則
として公正価値を根拠に要素間の配分を計算する。
日本においては、収益認識基準として、一般的に実現主義が採用されている。複数要素取引の会計処理に関して、明
確な基準は定められていない。
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(10) 法人所得税の不確実性
米国会計基準では、不確実性を伴う税務上のポジションの認識および測定に関して、認識要件および測定のための
属性が規定されている。
日本においては、不確実性を伴う税務上のポジションについて、特定の基準は設けられていない。
(11) 保証提供者の会計
米国会計基準では、特定の保証を発行する際、公正価値で測定し、負債として計上することが要求されている。さら
に、企業の製品保証債務総額に影響を及ぼす変動表を含む、企業が発行した保証に関する開示を義務付けている。
日本においては、特定の状況においては、債務保証及び同様の行為に関する会計処理及び開示は要求されている
が、保証に基づいて引き受けた債務の公正価値に関する負債については、特に規定されていない。
(12) 会計方針の変更および誤謬の訂正
米国会計基準では、会計方針の自主的な変更については、変更による特定の期間への影響額又は累積的影響額のい
ずれかの決定が実務上困難でない限り、過去の期間の財務諸表へ遡及的に適用することが要求されている。
日本においては、会計方針の変更や誤謬の訂正による影響額は、それが生じた期間に反映しなければならないが、
2011年4月1日以降開始する事業年度の期首以降に行われる会計上の変更および過去の誤謬の訂正から、「会計上
の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用され、会計方針の変更や誤謬の訂正による影響額は、原則として遡
及的に反映することとなる。
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第7 【外国為替相場の推移】
過去5事業年度の日本円と米国ドルの交換レートは、日本の日刊新聞2紙以上において記されているため、この
項目の記述は省略する。
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第8 【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1 日本における株式事務等の概要
従前、当社株式は、東京証券取引所(以下「取引所」という。)に上場されており、日本証券決済株式会社(以下
「決済会社」という。)またはそのノミニー名義となっている株券の実質株主のための株式事務および配当金の
支払いは、取引所の定める上場有価証券の発行者の通告等に関する規則に基づき指定された住友信託銀行株式会
社(以下「株式事務取扱機関」という。)がこれを取り扱っていた。
しかし、当社株式は適式な手続きを経て、2005年7月25日をもって取引所の上場を廃止した。これにより、いずれ
も当時取引所に上場されていた株式に関して締結された決済会社および同社が指定した米国での保管人間の保管
契約、決済会社、株式事務取扱機関および当社間の株式事務委託に関する契約、ならびに決済会社、配当金支払業務
取扱機関および当社間の配当金支払事務委託に関する契約等は、終了した。これを受けて、これらの契約に基づき、
日本における実質株主が配当受領権および議決権などの株主としての権利を、決済会社を通じて間接的に行使す
るための日本における株式事務等も変更された。
以下の記載は、上述の上場廃止以降の日本における株式事務等の概要を示したものである。
株式の取得者(以下「実質株主」という。)と、その取得窓口となった証券会社(以下「窓口証券会社」とい
う。)との間に外国証券取引口座約款を締結する必要がある。当該約諾書により実質株主の名で外国証券取引口座
(以下「取引口座」という。)が開設される。売買の執行、売買代金の決済、証券の保管および本株式に係わるその
他の取引に関する事項はすべてこの取引口座により処理される。ただし、機関投資家で窓口証券会社に証券の保管
の委託をしない者は、当該外国証券取引口座約款に代えて外国証券取引約款を窓口証券会社と締結する必要があ
る。この場合、売買の執行、売買代金の決済および外国証券の取引に係わるその他の支払に関する事項はすべて当
該契約の条項に従い処理される。
(1) 株券の保管
本株式は、窓口証券会社を代理する米国における保管機関(以下「現地保管機関」という。)またはその名義
人の名義で当社に登録され、当該株券は現地保管機関に保管される。実質株主には窓口証券会社の預り証が交付
されるが、この預り証は譲渡することができない。
(2) 株式の移転に関する手続
実質株主は窓口証券会社の発行した預り証を提示した上でその持株の保管替えまたは売却注文を行うことが
できる。
実質株主と窓口証券会社との間の決済は円貨による。
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(3) 実質株主に対する諸通知
当社が株主に対して行う通知および通信は株式の登録所持人たる現地保管機関またはその名義人に対してな
される。現地保管機関はこれを窓口証券会社に送付する義務があり、窓口証券会社は実質株主から実費を徴収し
てこれをさらに各実質株主に個別に送付する義務がある。ただし、実質株主がその送付を希望しない場合または
当該通知もしくは通信が性格上重要性の乏しい場合は、個別に送付することなく窓口証券会社の店頭に備え付
け、実質株主の閲覧に供される。
(4) 実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は実質株主が窓口証券会社を通じて行なう指示に基づき、現地保管機関またはその名義人が行
なう。実質株主が特に指示しない場合、現地保管機関またはその名義人は議決権の行使を行わない。
(5) 現金配当の交付手続
配当金は、窓口証券会社が現地保管機関またはその名義人から一括受領し、取引口座を通じて実質株主明細表
(後記第8 2(1)および(2)参照。)に記載された実質株主に交付される。
(6) 株主配当等の交付手続
株主配当により割り当てられる株式は、実質株主が特に要請した場合を除き、米国で売却され、その売却代金
は窓口証券会社が現地保管機関またはその名義人から一括受領し、各取引口座を通じて実質株主に交付される。
無償交付の方法により発行される株式は、窓口証券会社を代理する現地保管機関またはその名義人の名義で一
般に登録され、当該株券は現地保管機関が保管する。その場合、実質株主には窓口証券会社発行の預り証が交付
される。
2 日本における実質株主の権利行使手続等
(1) 名義書換代理人ならびに名義書換取扱場所および実質株主明細表の作成
本邦には当社の名義書換代理人または名義書換取扱場所はない。各窓口証券会社は自社に取引口座を持つ全
実質株主の明細表(以下「実質株主明細表」という。)を作成する。実質株主明細表には各実質株主の氏名およ
び持株数が記載される。
(2) 実質株主明細表の基準日および権利行使
当社の株主総会で議決権を行使し、または当社から配当金を受領する権利を有する株主は、取締役会の定めた
基準日現在の当社の株主名簿に登録されている株主である。
実質株主明細表の作成のための基準日は、通常当社の当該基準日と同一暦日である。
実質的株主の権利の取扱いについては、前記第8 1に記載されている。
(3) その他の事項
(a) 事業年度の終了
12月末日
(b) 公告
日本においては、公告は行わない。
(c) 実質株主に対する株式事務に関する手数料
実質株主は、窓口証券会社に取引口座について、1年間の口座管理料を支払う。この管理料には現地保管機
関の手数料その他の費用を含む。
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(d) 株式の譲渡制限および株主の特権
なし。
(4) 配当等に関する日本における課税上の取扱い
課税上の取扱いは変更される可能性があり、また各実質株主に特有の事情に応じ、実質株主の課税上の取扱い
は、下記に記載された記述と異なる可能性があることに注意すべきである。個別の課税上の取扱いについては各
人の税務顧問に相談すべきである。
(a) 配当
当社から実質株主に対する配当は、日本の税法上、配当所得として取り扱われる。日本の居住者たる個人又は
日本の法人が支払を受ける配当金につき、米国において当該配当の支払の際に徴収された連邦政府、州又はそ
の他地方公共団体の源泉課税があるときは、この額を米国における当該配当の支払額から控除した残額に対し
て、日本の課税上、源泉徴収が行われる。源泉徴収税率は、当該配当を受ける期間に応じ、下表に記載された税率
となる。
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間
日本の法人
日本の居住者たる個人
2009年1月1日∼2013年12月31日
所得税7%
所得税7%、住民税3%
2014年1月1日∼
所得税15%
所得税15%、住民税5%
日本の居住者たる個人は、当社から分配される配当については、源泉徴収がなされた場合には確定申告する
必要はなく、また、配当金額の多寡に関係なく確定申告の対象となる所得金額から除外することができる。
2009年1月1日以降に当社から分配される配当については、日本の居住者たる個人は、申告分離課税を選択
することが可能である。申告分離課税を選択した場合の確定申告の税率は、2009年1月1日から2013年12月31
日までに当社から当該個人株主に支払われる配当については10%(所得税7%、住民税3%)、2014年1月1
日以降に当社から当該個人株主に支払われる配当については20%(所得税15%、住民税5%)であるが、かか
る配当所得の計算においては、2009年分以降における上場株式等の株式売買損を控除することができる。
なお、上記の配当は外国法人からの受取配当であるため、個人株主についての配当控除の適用及び法人株主
についての受取配当の益金不算入の適用はない。
米国において課税された税額は、日本の税法上の規定に従い、外国税額控除の対象となることがある(ただ
し、実質株主が源泉分離課税を選択した場合を除く。)。
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(b) 売買損益
1)当社株式の日本の居住者たる個人保有者の株式売買によって生じた売買損益の日本の税法上の取扱は、
原則として所得税の対象となり、その売買損は、他の株式売買益から控除することができる。また、2009年分
以降における当社株式の売買損については、当社株式及びその他の上場株式等の配当所得の金額(申告分離
課税を選択したものに限る。)から控除することができる。当該譲渡益につき、当該譲渡が行われた期間に応
じ、下表に記載された源泉徴収税率に相当する金額の日本の所得税・住民税が源泉徴収される。
譲渡益課税の源泉徴収税率
譲渡が行われた期間
税率
∼2013年12月31日(注1)
所得税7%、住民税3%
2014年1月1日∼
所得税15%、住民税5%
(注1) 納税者は課税対象年度の株式譲渡益全体(純額)の20%(所得税15%、住民税5%)相当額の納税
を行うことになるが、以下の条件を満たす者の当社株式の譲渡に適用される税率は、2013年12月31
日までの譲渡については10%(所得税7%、住民税3%)となる。
(i) 居住者又は日本国内に恒久的施設を有する非居住者であること。
(ii) 金融商品取引業者や登録金融機関を通した譲渡、金融商品取引業者に対する譲渡等法令に定め
る譲渡であること(相対取引は含まれない。)。
2)当社株式の内国法人株主については、株式の売買損益は、課税所得の計算上益金に算入される。
(c) 相続税
当社株式を相続し又は遺贈を受けた日本の実質株主には、日本の相続税法に基づき相続税が課せられるが、
一定の要件を満たしているときには、外国税額控除が認められる場合がある。
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モトローラ・ソリューションズ・インク(E05782)
有価証券報告書
第9 【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本有価証券報告書の提出日までに次の書類が提出されている。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類
事業年度(2009年度)
自 平成21年1月1日
至 平成21年12月31日
平成22年6月24日関東財務局長に提出
自 平成22年1月1日
至 平成22年7月3日
平成22年9月21日関東財務局長に提出
(2) 半期報告書
当該半期
(3) 臨時報告書
(イ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(本邦における有価証券の募集
又は売出しにつき取締役会の決議等又は株主総会の決議がなされた場合)に基づくもの)を平成22年2月
24日に関東財務局長に提出
(ロ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(提出会社の代表権を有する取締役
の異動)に基づくもの)を平成22年3月15日に関東財務局長に提出
(ハ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成22年4月13日に関東財務局長に提出
(ニ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成22年5月17日に関東財務局長に提出
(ホ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(提出会社の特定子会社の異動)に基
づくもの)を平成22年8月19日に関東財務局長に提出
(ヘ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(提出会社の代表権を有する取締役
の異動)に基づくもの)を平成22年8月19日に関東財務局長に提出
(ト) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(本邦における有価証券の募集
又は売出しにつき取締役会の決議等又は株主総会の決議がなされた場合)に基づくもの)を平成22年9月
6日に関東財務局長に提出
(チ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成22年10月15日に関東財務局長に提出
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有価証券報告書
(リ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号(取締役会による当社の吸収分割の
決定)に基づくもの)を平成22年12月15日に関東財務局長に提出
(ヌ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(提出会社の代表権を有する取締役
の異動)に基づくもの)を平成22年12月15日に関東財務局長に提出
(ル) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号 (提出会社の特定子会社の異動)に
基づくもの)を平成23年1月18日に関東財務局長に提出
(ヲ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(本邦における有価証券の募集
又は売出しにつき取締役会の決議等又は株主総会の決議がなされた場合)に基づくもの)を平成23年3月
8日に関東財務局長に提出
(ワ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成23年3月8日に関東財務局長に提出
(カ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成23年4月18日に関東財務局に提出
(ヨ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号(本邦以外の地域における有価証券
の募集又は売出しの開始)に基づくもの)を平成23年5月18日に関東財務局に提出
(タ) 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第8号(取締役会による当社の事業の譲渡
の決定)に基づくもの)を平成23年5月20日に関東財務局に提出
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有価証券報告書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。
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独立登録監査人の監査報告書
モトローラ・ソリューションズ・インク
取締役会ならびに株主 御中
私どもは、添付のモトローラ・ソリューションズ・インクおよび子会社の、2010年12月31日現在および2009年12月
31日現在の連結貸借対照表、および2010年12月31日を以って終了した3年間における各会計年度の連結損益計算書、
連結資本勘定計算書および連結キャッシュ・フロー計算書について監査を実施した。これらの連結財務諸表は、モト
ローラ・ソリューションズ・インクの経営陣の責任において作成されたものである。私どもの責任は、私どもの監査
に基づいてこれらの連結財務諸表について意見を表明することにある。
私どもは、米国公開会社会計監視委員会の基準に準拠して監査を実施した。これらの監査基準は、財務諸表に重要
な虚偽記載がないかについて合理的な保証を得るために、私どもが監査を計画し実施することを要求している。監査
は、財務諸表上の金額および開示の基礎となる証拠の試査による検証を含んでいる。また、監査は、経営陣が採用した
会計原則および経営陣が行った重要な見積りの検討、ならびに財務諸表全体の表示に関する評価も含んでいる。私ど
もは、私どもの監査が私どもの意見表明に対する合理的な基礎を提供しているものと判断している。
私どもの意見では、上記の連結財務諸表は、すべての重要な点において、モトローラ・ソリューションズ社および
子会社の2010年12月31日現在および2009年12月31日現在の財政状態、ならびに2010年12月31日を以って終了した3
年間における各会計年度の経営成績およびキャッシュ・フローを、米国において一般に公正妥当と認められた会計
原則に準拠して適正に表示している。
連結財務諸表注記2に記載されているとおり、モトローラ・ソリューションズ・インクは、2010年度において、複数
の製品・サービスが提供される販売取引およびソフトウェア販売取引についての収益認識に関する規定を適用し
た。
私どもはまた、米国公開会社会計監視委員会の基準に準拠して、トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)により公
表された、「内部統制- 統合的枠組み」による基準に基づき、2010年12月31日現在のモトローラ・ソリューションズ
・インクの財務報告に係る内部統制についても監査を実施し、2011年2月18日付の私どもの監査報告書において、財
務報告に係るモトローラ・ソリューションズ・インクの内部統制の有効性について無限定適正意見を表明してい
る。
ケーピーエムジー・エルエルピー
イリノイ州シカゴ市
2011年2月18日
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有価証券報告書
Report of Independent Registered Public Accounting Firm
The Board of Directors and Stockholders
Motorola Solutions, Inc:
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Motorola Solutions, Inc. and Subsidiaries as of
December 31, 2010 and 2009, and the related consolidated statements of operations, stockholders’ equity, and cash
flows for each of the years in the three−year period ended December 31, 2010. These consolidated financial
statements are the responsibility of the Company’s management. Our responsibility is to express an opinion on
these consolidated financial statements based on our audits.
We conducted our audits in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board
(United States). Those standards require that we plan and perform the audit to obtain reasonable assurance about
whether the financial statements are free of material misstatement. An audit includes examining, on a test basis,
evidence supporting the amounts and disclosures in the financial statements. An audit also includes assessing the
accounting principles used and significant estimates made by management, as well as evaluating the overall
financial statement presentation. We believe that our audits provide a reasonable basis for our opinion.
In our opinion, the consolidated financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the
financial position of Motorola Solutions, Inc. and Subsidiaries as of December 31, 2010 and 2009, and the results
of their operations and their cash flows for each of the years in the three − year period ended December 31, 2010,
in conformity with U.S. generally accepted accounting principles.
As discussed in Note 2 to the financial statements, in 2010, the Company adopted revenue recognition guidance for
multiple-deliverable revenue arrangements and certain revenue arrangements that include software elements.
We also have audited, in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board
(United States), Motorola Solutions, Inc.’s internal control over financial reporting as of December 31, 2010, based
on criteria established in Internal Control − Integrated Framework issued by the Committee of Sponsoring
Organizations of the Treadway Commission (COSO), and our report dated February 18, 2011 expressed an
unqualified opinion on the effectiveness of the Company’s internal control over financial reporting.
KPMG LLP
Chicago, Illinois
February 18, 2011
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出
会社が別途保管しております。
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