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専業主婦から働く女性へ ビジネス成功の鍵は?
2014年10月発行 第9号 専業主婦から働く女性へ ビジネス成功の鍵は? 「主人はあまりよく思っていないようですが、子 どもたちが後押ししてくれるので、こうして今も 働き続けています」 遺跡で有名な観光地ジェラシュの町はずれにあ るジェラシュ難民キャンプ(通称ガザキャンプ) に住む元TEC研修生フィリアル・ガベルさんは3年 前から化粧品や香水販売を行っています。 と、本音を漏らしてくれたのは、ヒッティーン キャンプのTEC(職業訓練・雇用センター)で香水 や洗剤作りなどの起業家研修講師として働いてい るナスリーン・アルジャリースさん。実は彼女、 以前はTECの研修生でした。起業家研修受講後、 キャンプ運営委員会に清掃員として雇用され、清 掃以外にも頼まれる仕事を引き受けているうち に、仕事ぶりを買われて研修講師としてスカウト されたのです。教わる側から教える側へと転身を 遂げたことを家族がどう思っているかを聞いたと ころ返ってきたのが冒頭のコメント。自らの経験 から女性は出産や育児だけでなく、仕事を持って 家計を助けることもとても大切な役割だと実感し ているようです。 普段は大変控えめで寡黙なナスリーンさんが、 研修講師として女性たちの前に立つ姿はとても 堂々として落ち着いていて、目を見張るものがあ ります。女性はチャンスを得られると、実務経験 を経て、こんなにも立派に任務を成し遂げること ができるのです。これからも家族や職場の同僚の 理解と支援を得て、難民女性として同じ立場の女 性たちのために頑張ってくれることでしょう。 起業家研修で実習を担当するナスリーンさん(写真右) 2万4千人が居住するジェラシュキャンプ その成功の秘訣を聞いてみると、アンマンに住 む知り合いの経営する薬局で製品を販売しても らったり、親戚や知人を通じて独自に販路を開拓 するなど難民キャンプの外にネットワークを持つ ことだと教えてくれました。研修受講後にビジネ スを立ち上げて継続できるかどうかは元研修生た ちの積極性に基づく自助努力が必要不可欠。フィ リアルさんの話を聞いてそう感じました。 フィリアルさん宅の居間に設置された商品展示用の棚 2014年10月発行 第9号