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フランクフルト市の移民統合政策

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フランクフルト市の移民統合政策
投稿論文
フランクフルト市の移民統合政策
自治体
多様性構想 策定
挑戦:多文化局
創設
統合・
岡本奈穗子 日本大学
:
,自治体,移民統合政策
,連邦政府 長 「移民国
自治体
取 組
統合政策
自治体
除 ,
」
行
進
。
,統合 成否
移民集住都市
・
,1998年 政権交代 機 連邦
影響 及
・
市 ,市住民 38.3% 「移民 指標」 有 (2009
知
外国人代表者会議(1991年設置)
。
。
構想 特徴 ,①「多文化」 超
柱 ,多文化局(1989年創設)
加 ,2010年 統合・多様性構想 策定
,住民 「多様性」 認識
,②
,③市 統合政策 自己課題化
,市 教育・就学状況,就労状況 統計
。今後 課題
,教育 就労
合,様々
対
,近年,
。
先駆的 取 組
市政 適用
,移民 統合政策 一部
地域活性化
統合政策 重要性 高
年),統合政策
前提
,
。
・
。
人 外国人 間
格差 生
社会的不平等 解消,社会的・経済的・政治的統
承認 尊重 促 政策 求
。
1
(以下,1990年 統一前 西
」
前提
指 ) ,第二次世界大戦後,半世紀近 「移民国
,1998年 政権交代 機 政策転換
rigkeitsrecht)改正(2000年施行)
制定(2005年施行)
,移民国
,国籍法(Staatsangehö-
条件付出生地主義 導入 移住法(Zuwanderungsgesetz)
移行
進
。連邦統計局 2005年 初 「移民 背
「移民」) 抽出国勢調査 行 ,
景 持 者(Bevölkerung mit Migrationshintergrund)」*1(以下,
「移民」 認知・定義
年
抽出国勢統計
670万人) 達
変化
「統合
,
「移民国
,
移民
変容 示 象徴的事柄 一
言
約1,570万人(全人口 19.2%,
。2009
外国人
約
(SBA,2010:32)。
,近年
,永続的・合法的
」
」
移民 統合政策 重要性 高
暮
全
人々 社会 編入
,
「国 統合政策 目的 ,移住者 経済的・社会的分野 関与
。連邦政府
目的
長期的
機会 ,
社
移民政策研究 第4号
97
会 人々 同様 可能
」 説明
。
,
「移住者 ,
,憲法 法 熟知 ,尊重 ,従 責務 負 。
分野
同権的
可能
一般的 移民 受 入
国単位
分析 中心 行
,彼
補
。
,
現状
本稿
観察・考察
重
日本
,
・
統合政策 不備
。
方 考
状況 ,国
上
,統合政策
得 。
自治体
」) 事例
知
考
,
国
。以下,自治体
現状 統合政策
併用
統合政策
,国際金融都市
先駆的 取 組
統合政策 位置
政治学的 政策・言説分析
,地
統合政策 欠 日本
参考
第5 都市
内随一 移民集住都市
,地域社会
移民 統合 実情 知
市(Frankfurt am Main)
(以下,
「
擁
研究 多
地方分権 発達
取 上
・
*2。人口約65万人
察
,連邦
,
統合政策
)。
場合,移民 生活全般 係 事柄
対応 課
必要
,日本
,
(連邦内務省 HP
連邦制政治体制
。従
,
可能 限 社会的
故,移民政策 統合政策 関
,
基礎自治体
自主性・独自性 特徴
域 実情 併
,
。
居住
経緯
同時 ,移住者
」 明記
国 権限事項
語 習得
,社会学的 統計分析
特徴,問題点,今後 課題
考察
。
2 自治体
統合政策
連邦
転換後
移民政策 不備 自治体
自治体
⑴ 連邦・州
統合政策 促
統合政策 重要性 高
,連邦政府 政策
。
統合政策 不備 自治体 統合政策
,外国人労働者
「移民国
」
家族
定住 伴 各種問題
基本原則 下,彼
存在
。
域 実情 応
問題解決 取 組
地 様相 異
,
社会統合 関
既 1960年代
明確 枠組
自治体 自由裁量 余地
。
故,今日
不均一性 特徴
生
連邦
選出
重要 要因 考
自治体
機関
移民 統合政策 各
能力 範囲内 ,住民 必要 経済的,社会的,
政的負担 軽減
,
法制定
。
政策 模索
連邦
(Deutscher Städtetag)
98
Migration Policy Review 2012 Vol.4
的,文化的 公共設備 供給
,住民
,他方
移民 連邦政府
(Bommes,2007:106-107)。
包括的統合政策 規定
通
,
「自治体 ,市民
」
(第1条),
「自治体 ,
,自治体 移民 統合 取 組
移民 規制 連邦政府 求
,州 自治
,自治体
州自治体条例
自由自治 下 ,住民 福祉 促進
」
(第19条) 定
地
(Bommes,2007:108-109)。
。例
,移民 統合 必要性
州
,各自治体
体条例(Gemeindeordnung) ,地方自治 適用対象 「住民」 規定
統合政策 促
,
続 ,
間,自治体
責務 負
自
財
間 板挟
状況 移住
都市会議
負担 連邦政府・州政府
訴 続
*3。 ⑵ 自治体
2005年
統合政策 重要性増大 背景
移住法施行
自治体 役割
連邦
終
言
統合政策
。
。
背景
4
,自治体
要因
考
行
,
統合政策 重要性 以前
増大
(Gesemann und Roth,2009:11-13,
21-22)。
第1 ,連邦
政治的・法的枠組
格上
挙
連邦
統合政策
統合政策 格上
位置
政策 対
。
重要課題
住民 理解 得易
。第3 ,統合 成否
要因 考
持 潜在能力 活用
拡大
係
*4,
。移民
人口維持,人材確保,彼
,開放性 寛容性,文化的多様性 含 魅力的 投資環境 経済的
回避
役割 果
,統合政策
。逆 統合 失敗 ,社会給付 増大,
「平行社会
重要 鍵
,自治体 生 残 戦略 一
働
内務省
自治体
。
言
財団 共同 実施
。
第4 ,国際機関,EU,国 機関・
自治体統合政策
支援,住宅供給,就労・職業教育支援,保健管理,異文化交流
統合政策 可動性 示唆 ,地域
2007年
策定
統合計画
107
中
,
「地域
統合促進装置(Integrationsmaschinen)
統合
統合 偶然
様々 分野 統合政策 優劣
,自治体
支援
。
(Integration vor Ort
(PIB,2007:109-124),自治体
役割
,連邦
自治体 参加 ,言語
,統合政策 評価
取 上
,自治体
。例
統合政策推進 促 啓発的役割 果
unterstützen)」 一
2009:12)。
挙
「成功
統合政策 戦略」
(2004∼2005年)
(BS und BMI,2005:9)。
。恩恵 享
意味 統合政策 ,現実的・合理
,自治体 活動範囲 拡大
―自治体
競
,積極的統合
自治体 未来 ,移民
(Parallelgesellschaft)」 形成,犯罪 暴力行為 発生
外部
自治
人材獲得競争 激化 少子高
格差
立地 整備 ,地域 発展 大
組織
,
認識
。
活用
的観点 立
認識
自治体 財政的負担 軽減 ,
齢化 伴 人口変動 中 自治体
受
統合政策 位置
。第2 ,統合政策 連邦・州・市町村 共通課題
指摘
大
,政策分野
。統合講座(Integrationskurs) 創設 統合計画(Der Nationale
Integrationsplan) 策定
体
変化
期待
今後
(Gesemann und Roth,
統合政策 ,国際法,EU 法,連邦法,州法 制約 受 ,例
,労働市場・社会保障政策,滞在・国籍法(二重国籍),地方参政権,庇護申請者・滞在黙認者
(Geduldete)*5・非合法的滞在者
3
対応
関与
(MSF,2011:16-17)。
統合政策――多文化局 外国人代表者会議
,交通 要所,商業 中心地
代以降,連邦
限界
政策
多
人々 交流拠点
外国人労働者,庇護申請者,
,1960年
系移住者(Aussiedler,
移民政策研究 第4号
99
Spätaussiedler) 定住 ,社会 多文化化 進行
7.4%
対
本章
,
。1980年 時点 ,
既 21.4% 達
,
統合政策 柱
国内 外国人比率
(Halisch,2008b:9)。
多文化局(Amt für Multikulturelle
Angelegenheiten) 外 国 人 代 表 者 会 議(Die Kommunale Ausländer- und Ausländerinnenvertretung Frankfurt am Main: KAV)
,
取 組
成果,課題 検討
。
⑴ 多文化局
多文化局 ,1989年 市議選 社会民主党(SPD) 緑 党 連立
緑 党 現実派 *6 属
参事
=
「外国人政策」 転換 訴 ,創設
合
園
,分裂
必要
,
=
,衝突
,
「多文化共生 多文化
続 社会
統合
基
「移民国
」,
「
,多文化局 ,
対
組織的・社会的差別 戒 ,同時 移民住民 対
,
住民 対
人 価値観 尊重
15)。両者 視野 入
表
」 述 ,多文化局 開設
(Cohn-Bendit und Schmid,
「理想」 説 続
。
連邦政府
挑戦状
,移民 経済的・文化的貢献 説
,
学
受 取
上 ,彼
制度 法体系 適応
呼
統合 促
調和
故 現実的 拘束力
可能
強調
」
機 ,当時市
(Daniel Cohn-Bendit) ,
民主的
現実主義的 考
1992:10-13)。
。
誕生
(AMKA,1993:
手法
統合政策 方向性
。
当時,連邦
他 自治体
*7,多文化局
独自 財政
独自 活動 行 権利,移住・統合
独自 広報事業部,様々 職業分野
有 ,
「
・
外国人担当官(Ausländerbeauftragte) 一般的
高度 専門資格 持
独自
,一人
場
採用
(Das Frankfurter Modell)」 国内外 大
1993:20-21)。多文化局 特徴 ,①出身国
「住民 多様性」 踏
公
注目 集
中
働
人事権
(AMKA,
人種,宗教,言語,世代,社会的地位等
必要 住民
提供
実務的対応,②市内 全
住民 視野 入 ,差別解消 統合 促 啓発活動,③「外国人・移民」,
「統合」,
「反差別」
切 口
教育,住宅,福祉,就労
入・確立
各分野 担当部局 連携・協力
(岡本,2002:128-129)。
,多文化局創成期
行政内部 ,
「多文化」 批判的 一部住民 中
,多文化局 存在認知 得
必
行政内 横断機能 導
,縦割 的
一般的
好意的 受 入
時間 努力 要
訳
(AMKA,1993:25-26)。
今日,多文化局 活動分野 ,高齢者 移住,差別対策,職業資格 職業,対話
,健康,統合政策,紛争仲裁 予防,協同活動(欧州・連邦
動,多文化案内(各種団体,施設,支援組織,相談所 関
亘 ,
分野 各種
多言語教育 促進
学
・
進行
参加)
,文化活
情報提供)
,広報,学校 教育
。
中
(mitSprache) 子
語講座(Mama lernt Deutsch - Papa auch)*9
,学校 子
母語維持 *8
同 学校 保育施設 保護者
,多文化局 州学校局(Staatliches
Schulamt) 市学校局(Stadtschulamt)
,学校,保育施設,市民大学(Volkshochschule)
外 組織 連携
100
取 組
Migration Policy Review 2012 Vol.4
少
多岐
(AMKA,2009:44,50)
。
市内
,多文化局 市行政 一部局
府 政策的不備
,
活動
限界
制度的「連邦限界(Bundesgrenzen)」 壁
連邦・州
数多 指摘
行政職員
外国人 雇用許可
。
提案 多
今日
実現
集・蓄積
,今後 課題
挙
*12。
政策 考案・提案・実施
,統合政策不毛
,今日 統合政策 至 道筋 切 拓
,数多
情報
出生地主
迅速化,差別禁止法 *10 制定,警官
非 EU 市民 地方参政権付与 外国 職業資格 承認 *11
「開拓者」
,
,多文化局 各種法改正 提案 連邦政府 州政府 行
(AMKA,1993:49-55)。
多文化局 成果 ,多
連邦政
。例
移民・難民・統合政策担当省 設立,移住法 制定,国籍法
義 導入,二重国籍 承認,国籍取得申請 簡易化 手続
国
。特 局設立初期
実地活動
積 重
言
組織 存在
経験,多
言
関係者・団体
,収
(Aybek und Straßburger,2009:362)。創設
年以上 経 ,多文化局
機関
統合政策 中心的役割 果
20
。
⑵ 外国人代表者会議(KAV)
多文化局 行政内 一組織
対
審議機関的 役割 担
,KAV
*13,地方参政権
代
,市政 対
動
市政組織 一部
。KAV
。
選挙権
外国人住民 市政参加 場
。KAV 1991年
住
協議会
,国・地方 問
会(Ausländerbeirat) 設置
体条例 依拠
独立
。
,1990年 連邦憲法裁判所判決
確定
行政
選出
発足 ,現在
,
選挙
国籍者 限
各地 外国人協議
第5期
37人
設置・役割・権限
条例 基
活
州自治
,選挙権 3 月以上市内 居
満18歳以上 外国人住民(二重国籍者不可) ,被選挙権 6 月以上市内 居住
満18歳以上 外国人住民
不可) 付与
国籍 取得
元外国人住民(二重国籍者可,市職員
(G-KAV,2006:13)。外国人住民
点 ,外国人協議会 代表性 有
(Vertretung)」
名称 反映
自
民主的 組織
代表者 選挙
,
KAV 「代表者(団)
。
KAV 役割 ,市内 全外国人住民 利益 代表 ,外国人住民 係
組織 助言
。KAV
市議会 出
,決議権 保留
KAV
。
,
,重要 問題
選挙権 持
意見表明 可能
影響力
政策化
,市政
,KAV
。
市
限界
(G-KAV,2006:
。
市議会 受 入
提案 受 入
言及
,否決
,
KAV
KAV
提案 基
直接的成果 把握
難
「
外国人住民 「市民」*14的役割 与 ,
形成 寄与
提起
提議
,
提案(Anregung) ,必
少
,市
提案権(Vorschlagsrecht) 持 ,必要 場合 市参事会(Magistrat)
質問 提出 ,市参事会
13)。
問題
,市議会総会(Stadtverordnetenversammlung),各種委員
会,地区協議会(Ortsbeirat) 調査審議 参加 ,発言権 有
議会総会 地区協議会
選出
,市議会・行政・住民
。
,KAV
対話 促
市民」
提案・質問・意見表明 ,社会 対
点
有効
。
。
意味
,KAV
問題
存
移民政策研究 第4号
101
在自体 統合政策 手段
過程
,KAV
多
専門性 有
,KAV
通 ,事務
。
仕事
学
。KAV
*16。
挙
設立
約半数 入 替
20年 経
,先述
体制 中 大
,市政
出身国
説得力 欠
考
頃
,
課題 ,市議会・行政
成果 挙
4
言
,市議会
見
見
。他方 KAV 側
最初
関係改善
困難
重要
偏
5
(Enis Gülegen)議長 ,
,選
*18,
「全外国人住民
代表」
,内部 勢力抗争,
「外国人住民 係
審議・提案 *19,欠席 多
特 関係
慣
,市議会・行政 中 十分 存在認知 得
決議権 保留
問題」
*15。今一
語
*17,
膨大 資料 目
,新
」 KAV
理由
投票率 低
送
依存
。
「一連 仕事
選挙
難
。同 名誉職
習得,事務作業 所属政党
独力 ,毎週市議会・行政
効果的 活動 続
総会
一般 住民
,調査審議 参加
年 任期 来
難
。
市議会議員 ,政策構想 各種
対
KAV
言
対応
改善
課題
。
多文化社会 「統合・多様性構想」
多文化局
KAV
設立
約20年 経 ,
。本章
多様性 富 社会
多文化社会 現状 概観 ,2010年 新
「統合・多様性構想(Integrations- und Diversitätskonzept)」 特徴 指摘
変貌 遂
策定
。
⑴ 多文化社会 様相
⒜ 人口
人口 ,1990年
1990年
2000年
2万人以上減少
出生者
約1万人),
増加
人
,少
維持
(表1)。
,2000年以降 新国籍法
人人口
,
外国人
(2000 ∼2009年 累計
新
人
1990年以降,
者(約3.4万人)
人口 主
外国人・移民
。
住民 ,
以前 国籍 見
,
6.2%,
国人 出身国
人 外国人 多様化
(全
。
国籍取得者(2000∼2009年)
国籍取得者数 )21.3%,
4.7%,
0.7% 続
11.5%,
3.5%,
8.2%,
・
(S-BSW,2010a:40)。
Migration Policy Review 2012 Vol.4
7.1%,
3.1%,
9.6%,
(S-BSW,2010a:73)。一方,外
約170 国(2008年) 及 (AMKA,2009:36),国籍別
(外国人人口 )18.4%,
102
約2.5万人増加
計算
国籍取得要件 緩和
。
3.7%,
2009年
5.9%,
(2009年),
5.8%,
2.7% ,EU 市民 35.5% 占
表1 人口動態(1990 ∼2009年)
移民
外国人
人
人
(人口比)
(人口比)
(単位:人)
新国籍法
適用
人出生者
(全
人
出生者数比)
外国
外国人
転入者
外国
外国人
転出者
年
市人口
1990
622,776
467,831
‒
154,945
(24.9%)
716
2,016
(32.4%)
‒
18,162
12,313
1995
631,198
443,141
‒
188,057
(29.8%)
2,570
2,290
(38.5%)
‒
19,196
17,021
2000
624,980
444,645
‒
180,335
(28.9%)
4,812
948
(15.5%)
1,168
(19.1%)
18,547
15,180
2005
630,423
462,277
69,001
168,146
(10.9%) (26.7%)
2,471
675
(10.0%)
1,180
(17.5%)
15,850
12,409
2009
648,451
485,195
84,648
163,256
(13.1%) (25.2%)
2,867
712
(10.1%)
955
(13.5%)
17,938
12,832
33,942
7,804
10,864
170,191
141,280
2000年
2009年
累積数 出典:S-BSW(2006, 2010a) 基
国籍
取得者
外国人
出生者
(全出生
者数比)
筆者作成。
人口 流動性(Mobilität) 高
港 抱
地理的要因 作用
国 転入・転出
。
数年 傾向
窺
数字
。欧州大陸最大 国際空
,外国人転入者・転出者 概 7割近
規模 2000∼2009年 9年間
,外国
。
特徴 一
外国人転入者 一貫
,
,直接外国
外
約17万人・14万人 上 。
増加 ,常 転入者数 転出者数 上回
常時,住民 新陳代謝
活発 行
。
人口統計
,近年,
,
2005年
人 外国人 二分法 社会 実情 把握
統計 「移民 指標 有
mit Migrationshinweis)」
(以下,
「移民
①国籍選択
人」)
(Optionsmodell)
国籍 有
国籍取得者,③二重国籍者,④1945年以降,
生
系移住者(Halisch,2008a:21-23)
人口 13.1% ,
人住民(Deutsche Einwohner
項目 加
②
外国人人口 25.2% 加
限界 生
。
「移民
人」
者(=新国籍法
,
人出生者),
系移住者出身国(Aussiedlerstaat) 出
該当
者 指 。移民
,
「移民 指標 有
人 市
」住民 割合 38.3%
上 (2009年)。
⒝ 宗教
宗教別人口(2009年)
,
約15.4万人(市人口 23.8%,
約14.0万人(21.5%,約3千人) ,両
約30万人(45.2%)
宗教所属者
録(
18)
教徒 1990年 約42.6万人(68.5%)
(BSW,2001:12;S-BSW,2010a:20)。
,住民登録上 記録
24.9%,
教7.5%,
98)。中
大幅 減少
23.8%) 基
正確 数 把握
推計
,
他 世界宗教2.3%,自由信仰・無所属29.5% 算出
教徒 ,1987年 国勢調査
2006年 推計調査
外国人約4万人),
以外
,2003年 登
12.0%,正教・他
(Asemann,2005:
約3.7万人(Lüken-Klaßen und Pohl,2009:
7.5万人(市人口 約12%)
(Schröpfer,2007:203) 増加
移民政策研究 第4号
103
,存在感 示
。
27.3%,出身国
3.5%,
内訳 ,
人35.4%,外国人64.6% ,
54.0%,
18.2%,
1.7%,以下
等 続
,
生
6.7%,
者
6.6%,
,
,
,
,
(Schröpfer,2007:203-205)。
⒞ 居住分布・隣人関係
市内各地区 住民 移民比率(2005年) ,中央駅周辺地区(Bahnhofsviertel) 65.8% 最高
,隣接
地区(Gutleutviertel)56.7%,市中心地区(Innenstadt)55.9%,
区(Gallus)56.7% 過半数 超
市 中心地
(Dobroschke,2006:79)。
,居住者以外
通勤者,買 物客,観光・
閉鎖的 空間
。市全域
州
都市
非常
低
数値
国籍別集団
,各建物・団地
確認
2002年 12
,分散
移民
隔離
見
」
,居住地域
外国人
」27%(
人62%,外国人57%)
考
「
,多様性指数
,
「 互
」61%(
成立
住宅政策「
,移民 居住地 市 各地域 分散
市世論調査(2010年)
概 共生
,旧
(Lüken-Klaßen,
(Lüken-Klaßen,2007:41)
。
調査(2008年)
人24%,外国人36%),
「普通 近所
多 ,必
減少傾向
進行
市
(Römhild und Vertovec,2009:49)。
人 隣人関係
往来
示 空間的相
外国人 比率 規定
*21 成果 考
協定
(Frankfurter Vertrag)
」
(Diversitätsindex)*22 基
客
(Lüken-Klaßen,2007:24)。同様 ,各
緩和傾向
2007:24-25)。
地区
人 外国人
違指数(Index der Segregation: IS)*20 ,1988年 16
西
,
地
(BSW,2011)。
社会 移民社会
交
結果 ,
,
「平行社会」 形成 明確
(Römhild und Vertovec,2009:45)。
⑵ 統合・多様性構想
2010年9月,
「統合・多様性構想」 可決
化局 個別
通
定 課題
統合政策 行
。今回新
動指針60項目 提示
策定
総合的 指針
3
,
「多様性
「多文化」
特徴
動
傾向 強
(例
域的
点
(Vielfalt bewegt Frankfurt)」 示
。
国籍
人」
。構想 名称 ,統合・
化
),実際
単
言葉 入
替
,同一国籍者 一集団 捉
同一国籍者内
民族,言語,宗教的・地
,世代,移住経験 有無,滞独期間,性別,学歴,職業,所得,社会的地位・
階層
大
法的立場(
104
「
策
。
「多様性」 眼目 置
。従来,
「多文化」性 主
,
,統合政策 基本原則,個別目標55項目,行
第1 特徴 ,住民 「多様性(Vielfalt, Diversität)」 着目
多様性構想 表紙
多文
,市
構想
,
。
差異 存在
。
,移住 経緯(労働,避難,留学,家族結合
,合法・非合法,難民認定 有無
住民
個別 要因
複雑化・多様化
。特
Migration Policy Review 2012 Vol.4
)
様々 違
,複数 要因
。今日,
絡 合 相乗効果
流動性 高 都市
)
一層
,住民 属性 構成
常時変化
。
,
「多文化」 概念 超
(Römhild und Vertovec,2009:37-38) 直視 ,
現実
「超多様性(Supervielfalt)」
即
統合政策 試
(MSF,2011:14)。
「現実重視」 ,多文化局設立時
,
「多文化」
(Multikulti)
「多様性」
変化 ,
決別 ,
「超多様性」 踏
付
転換 図 狙
,
・
手法 ,従業員 多様性 企業 成果
*24。
差別禁止 概念
市 政策
違
広範 考 方 言
Vielfalt)」
新
経済的・文化的発展
企業戦略
土地柄 考慮
不思議
,
。
「多様性政策(Politik der
創造性 革新力 引 出
資源 見
点 ,
統合政策 ,
国際企業 立地
思 至
,様々 経歴 言語力
)
肯定的 捉 ,積極的 活
。多
利用
人材活用術 一
(開放性,寛容性
。
適用
・
企業
社内環境
,様々 属性
「多文化」
政策 第2 特徴
。
。
*23。
推測
採
(Diversity Management)
試
行動理念
,多様性
,移民 持 様々 違
捉
市
盛 込
(Nagel,2009:120;Römhild und Vertovec,2009:28)。
,高度技能保持者 選別
,住民 選別
連邦
権限
入国管理政策 ,個人重視
自治体 場合,高度技能保持者
包括的・総合的 政策 行 必要
十分 言語表現力 適応能力
点 違
) 判断
課題 一
。
,
(MFS,2011:14)。
,行政・住民・各種団体間 相互 結 付
。様々 背景 持 人々
共有
可能
考
発揮
多様性政策 実行
手段
「
化(Vernetzung)」
問題
一体感 育成 共生 促進
」
(Bade,2007: 22-23)
要求 彼
達成度 測定
。
,移民
,
「移民側 社会適応」
支援
立
」
,
「移民
地域政治
。
,
考 方
語習得
側 努力 必要性 否定
,統合 「彼
,
「受 入
変化
都市 変
,
,即
自覚 明
社会 法・秩序 尊重
,共通語・共通
社会
人口的 大
,移民
。統合・多様性構想
傾
対応
(Nagel,2009:120)。移民 側 変
,
「自治体側 社会適応」 課題
問
言
強調
統合政策 主旨
,
都市 中 ,多様 住民 要求 ,自治体
,移民
,統合政策 基盤
不可欠
(MSF,2011:15,64)。
,1989∼1993年
第一党
奨励
。一般的 ,
「統合政
社会的
連邦内務省 定義
故,移民
適応促進
見
弱点(不
補強 支援 ,強
「平行社会」 形成 回避 ,市
努力 問題」 見
示
,移民 彼
,相互理解 深 ,共通 関心事
。双方向
,本稿冒頭 記
」
共通
全住民 対象 ,
統合政策 自治体側 自己課題 位置
策 一方通行 道
。
点
(MSF,2011:54-55)。
第3 特徴 ,市
向
合
。
・
SPD・緑 党 連立市政以降,
市政運営 担 ,2006年
CDU・緑 党
連立市政
教民主同盟(CDU)
行
。
移民政策研究 第4号
105
点 注目
,
統合政策
方向性 既 一定程度,他党
緑 党
共有
少
影響 及
,
*25。
考
5 今後 課題
多文化局
(Helga Nagel)局長 ,
*26。
評価
移民 子
,今後 行方 影 差 不安要因
低学歴問題
就学状況 見
(31.6%),
,60%以上
(8.3%),
(7.0%),
(5.1%)
外国人生徒 中 ,大学進学
対 ,
人生徒
6割
達
。促進学校(Förderschule)*29就学者 割合
変
9.8% 増加 ,
状況 悪化
傾向 違
。概
同
。
男子
学校(Hauptschule) 就学率 女子
募集国
大
外国人労働者募集国(ehemalige Anwerbestaaten)出身者 占
(Gymnasium)就学者 3割
6.7%
人生徒 外国人生徒 *27 間
,
(Halisch,2008a:86-87;2008b:33)。
況 過去10年間
一
外国人生徒10,752人 *28 出身国 約130 国
(表2)。公立学校 在籍
(2006年) 及 ,
。
。
基礎学校(Grundschule)修了後
格差 存在
移民統合 概 上手 行
背景
詳細 見
方
,
状
外国人生徒
,国籍・性別
女子 方
男子
。
就学
就学率 高 ,逆 基幹
高 。
,EU 市民
人
人
外国人労働者
大
違
生
(Halisch,2008b:34-35,38)。
表2 外国人生徒 学校種別就学状況(1996 ∼2006年)
1996 ∼2006年
変化
基幹学校
外国人
16.9% → 17.5%
32.7% → 30.7%
6.7% → 9.8%
5.4% → 5.5%
61.8% → 60.5%
3.9% → 5.0%
人
2006年
促進学校
状況
国籍
出典:Halisch(2008b) 基
基幹学校
促進学校
男
女
男
女
男
女
26.4%
20.5%
17.9%
26.8%
13.4%
8.8%
23.4%
21.3%
24.5%
28.8%
15.5%
8.6%
34.3%
27.1%
9.2%
11.5%
20.5%
16.0%
13.1%
5.7%
36.8%
56.0%
5.7%
1.8%
13.3%
6.3%
47.5%
54.1%
6.3%
4.1%
筆者作成。
人 外国人 教育格差 ,学校修了資格 取得状況
,学校修了資格 持
106
Migration Policy Review 2012 Vol.4
生徒 外国人
10.9%(
見受
人4.3%) 達
。
注目
(Halisch,2008a:97-98;2008b:40)。
了資格 職業資格
及
必要
人失業者 外国人失業者 大
45%
7.5%
学校修
16.5% 達
,職業教育修了資格 持
,
。
者 割合
。
人・外国人双方
影響
人失業
傾向 特 20
職業教育修了資格 持
者
(Halisch,2008a:136,138-139;2008b:65,74)。
問題
,差別体験 関
調査 ,移民 背景 持
出身,肌 色,宗教
理由 不利益 被
/職業教育」
(31.0%) 最 多 挙
住民約1,000人中
経験
答 ,
現場
「学校
(Halisch,2008a:164,208)
。学校 受
「不利益」 具体的 内容 明
教師
,外国人
81%(2005年) 達
歳未満 若年失業者 顕著 見
半数近
人
違
対 ,外国人
約95% 占
職 対応
,学校修了資格 有無 ,将来 職業選択 生活状況
。実際 ,2006年 失業率 ,
者
就職 際,
,
人児童 優先
教育白書 担当者 ,進路選択 際
,外国人児童 基幹学校 推薦
得
*30。
述
子
教育支援 ,市 州
連携 ,就学前教育(Vorlaufkurs)
語&多言語教育,途中入学者
行
場
。
平等
学
,先 就学状況等 見 限 ,
確保
一層深刻化 ,
語集中講座,
,社会的排除
社会不安
,社会 分裂 招 恐
今後 続
効果 十分
。
,家庭
間 明確 関連性 見
語
言 難 。教育
,移民 低学歴・失業・貧困
可能性 否定
。特
語 取 出 授業,
,経済的格差
,差別
偏見 助長
社会的・文化的背景 教育水準
教育格差
連動 防 方策 必要
。
事例
明
言語 習得
,統合政策 参政権
決
,様々
十分
対
値観
。統合政策
,社会的・経済的・政治的統合 加
承認 尊重,即 ,異民族文化 多様性 対
政策 求
成 促 ,学習環境 整備
法的平等 達成 移民 受入国
(Merx,2005)。
点
重要
,移民 子
肯定的認識 価
自己肯定感 育
。
6
連邦
統合政策 「多文化」
関係
(Reiner Klingholz)所長 ,次
勢力 対立
無視
者
。
述
,
一方 ,
。
「統合
移住
,誤
信
理解
。真 統合 ,
」
(BI,2009:4)。同様 指摘 ,
議論
人権侵害
文化的特性 見
,数年前
移民国
重要性 認識
2
事実
,移住者 先住
多文化的寛容性(Multikulti-Toleranz)
側
必要
系女性弁護士 連邦
(Integrationsgipfel,2006年7月開催)
「強制結婚」
人口・開発研究所
。一方 ,統合 必要性 否定 ,
共生 巡
乗 越
,
,促進
第1回統合
(Seyran Ate )
間違
寛容性 ,結果
,
被害者
移民政策研究 第4号
107
我慢 強
者
,故 ,異文化 対
(Multikultis)
,
寛容性 示
人権侵害 放置 平行社会 形成 加担
(Ate ,2008:15,62)。
,連邦
種 「願望」 ,
「多文化 調和
合政策欠如
産物
,限界
移民問題
痛手
,
7)。確
。
秘訣 活
。
大
」
開放性,多様性,寛容性
言
(丸
政策 行
駆者的存在 至
。
移民国
挑戦 多文化・統合構想 実現 向
変化
,
新
行方 注目
※ 本稿 ,日本大学海外派遣研究員
(MSF,2011:
,
一点付 加
,結果
成功 秘訣
」 述
統合・多様性構想 策定
秘訣
,
,連邦
(Petra Roth)市長(CDU) ,
「
,多文化局 創設
現実 即
寛容性
。
「移民問題
観点 ,外界 開
,統
,
,
尾,2007:28)。
間 作
作 =統合政策 進
生
」
「文化的相違
独自 多文化社会形成 試
国際都市
批判
」 指摘 (AMKA,1993:135),現実
人 移民 共生
異
「理想」
対 ,多文化局 設立当初
場合
責任
多文化社会 ,
「移民国
園」
。
人権侵害 憲法 基本権 抵触
向 合
多文化主義
統合政策
,
現実重視 姿勢
革新性
,
政策転換 行
約10年 経過 ,
段階 入
,
。
統合政策 先
。
多文化社会 今後
。
2011年9∼10月
市多文化局 行
調査研究成果 一部
。
*1
連邦統計局
,
「移民 背景 持 者」
外国人,③少
一方 親
者 定義
,①1949年以降今日
移住
者
領土 移住
出生
者,②
外国人
人
出生
出生
(SBA,2010:6)。
統合政策
*2
,
関
主
市
Vertovec,2009
)。
先行研究
,Sarkowicz(1993),Aybek und Straßburger(2009)
委託調査研究報告書
,
「地域
多数公表
(Halisch,2008a;Römhild und
移民統合政策
欧州都市
(Cities for
Local Integration Policies: CLIP)」 加 盟 ,現 在,住 宅 政 策(Lüken-Klaßen,2007),異 文 化 政 策(LükenKlaßen und Pohl,2009)
査報告書
*3
例
報告書 公表
川崎市(1996)
。日本国内
岡本(2002;2004)
,自治体 委託調
。
, Zuwanderungskommission des Bundes ‒ Position der Städte:Beschluss des Präsidiums des
Deutschen Städtetages vom 20.9.2000 , Die Städte fordern:Bund und Länder müssen Kosten der
Ausländerintegration und der sozialen Betreuung voll übernehmen (2001.9.19)
(
Deutscher
Städtetag,http://www.staedtetag.de/index.html) 参照。
*4
統一後 東西間 格差 加
具・手工芸
地域
伝統的製造業
平均所得 増加
地域間格差 生
滞在黙認者 状況
*6
緑 党現実主義(現実派:Realo) ,1980年代以降明確
「原則的観点
(小野,1994)。
Migration Policy Review 2012 Vol.4
主
炭鉱業,鉄鋼・鋼鉄産業,造船業,家
住民 平均所得 伸 悩 ,知識集約型
*5
主義」
108
,2000年以降,旧西独州
旧産業地域
産業 盛
(BI,2011:32-33)。
,久保山(2009) 参照。
改革主義」 提唱 ,SPD
緑 党内主要4勢力 一
連携
,
「
改革政策 実現
政権 国籍法・外国人法改正,移住法案作成 指揮
改革
勢力
連邦内相(1989年 緑
党
SPD
所属変更)
派 属
外国人担当官 ,連邦
*7
多 ,社会局
優先度 低 課題
支援
。
1978年 設置
,自治体
外国人 受 入
,政党
実施 ,
票
大都市 先進的 自治体以外 置
統合 担当
。
結 付
,統合政策 多
,外国人住民向
教会 福祉団体 委託
。
自治体
相談窓口 開設 各種
状況 1990年代後半
続
(久
保山,2009:262-268)。
公立学校
*8
出身言語(母語)授業(Unterricht in der Herkunftssprache) 州 管轄下
場合,1997年
1∼10年生 必修科目
語,
語,
語,
語,
語,
設置
設置
,現在 任意科目
語,
語,
,
語,
州
。対象言語 ,
語,
・
語,
語 11言語 ,一部 授業 教員調達 含 出身国領事館
。授業 任意科目化
受講者数 減少傾向
,2009/10年度 4,817人
(FM,
2011a,2011b)。
1講座 150授業時間(1授業時間=45分) ,通常,3授業時間 授業 週2回行
*9
。2008年
*10
119講座 開設
1990年,
,1,274人 受講
市参事会 「人種差別主義
反
主義
Erklärung zu Rassismus und Antisemitismus)」 可決
市行政内部
制度的差別 解消
意図 明示
。
語,出身地,信仰,宗教,政治的見解,世界観,障
条例 適用範囲 市行政内部 止
対
行
宣 言(Frankfurter
,
条例
,
,年齢,性的指向
,申 立
聴取 行 ,関係書類 閲覧
仲介 助言
対
。
差別 存在 認 ,
(AMKA,2009:81)。
禁止条例(Antidiskriminierungsrichtlinie) 制定
。
。受講料 1授業時間1
(AMKA,2009:44)。
,2003年
直接・間接的差別禁止 定
場合,多文化局 ,告発
。市行政外部
差別行為
詳細
*11
,年齢,性的
,連邦
国外職業資格 認定 簡素化
審査 受
請求権 与
後,
KAV 議長
*16
同上。
条約
,約350 職業
職業(医師
)
資格 同等
国籍条項 撤廃
(BBF,2011)。
EU市民権 創設 伴 ,EU加盟国国籍者
郡・市町村 選挙
選挙権・
(1992年12月)。
,
「市民(Bürger)
,選挙権 有
住民(Einwohner)」
(第8条) 規定
。
(2011年9月20日)。
,
「KAV
合・多様性構想」
値
*17
,多
旨,基本法 改正
州自治体条例
*15
職業資格認定法
。
(2011年9月9日)。
被選挙権 付与
*14
。一般平等待遇法制定 経緯 内容
職業資格認定法(Anerkennungsgesetz) 2011年11月4日 連邦参議院 可決
多文化局局長
*13
一般
,人種,民族的出身,性
,齋藤(2006) 参照。
(2012年4月1日施行予定)。
*12
差別 禁止
組織・職員
,他 支援・相談機関
(MSF/AMKA,2007)。2006年,EU 平等待遇指令 基
平等待遇法(Allgemeines Gleichbehandlungsgesetz)
(2006年8月14日施行) 制定
別,宗教,世界観,障
全国初 差別
包括的 ,性別,出自,肌 色,言
市参事 行政部局
KAV
」
」
苦情提案
全 触
提案 出
第1回選挙(1991年)
無視
出
,
「KAV 抜
(1996年),後述
「統
統合構想 『統合構想』
(2010年9月7日,K43)
(S-KAV,2010:58-59)。
第5回選挙(2010年)
投票率
,19.6%,7.9%,4.6%,5.7%,7.6%
(S-BSW,2010b:8)。
*18
第5期
国籍 ,選挙 結果,
,
22)。
傾向
,
,
14人,
,
第1期
続
13人,
各1人 ,
148人,
,中国,
,
(S-BSW,2010b:
(ASWE,1991:29;ASWE,1997:14;S-BASW,2001:16;
S-BSW,2005:20)。国籍別当選者数 ,国籍別立候補者数
156人,
2人,
人 比率 他 圧倒
31人,
21人,
比例
,第5期
16人,中国13人,
全立候補者473人中
,
各9人 続
(S-BSW,2010b:23)。
*19
例
,
「夏 地下鉄内 暖房 切
」
(地下鉄 市電 駅 自動販売機
」
(2007年8月21日,K22),
「
類
水 置
我市
砂糖水 飲
提案)
(2008年8月5日,K29)
(S-KAV,2010:30,43-44)。
移民政策研究 第4号
109
*20
IS
,
地域内 特定 集団
)
数値 表
以外 集団 数 比較 ,0(
協定 ,1999年 市 住宅会社
*21
)
100(完全
。
社会扶助受給者 15%,
間 交
,各建物・団地 住民 ,外国人 30%,
系移住者 10% 超
定
(Lüken-Klaßen,2007:
34,41)。
*22
多様性指数 ,市 住民 非移民
(全
住民 1
属
人・移民
)
人・外国人 3
1(全
属
分
分布状況 見
住民 均等 分布
,0
)
数値 表
。
数年
*23
,
「多文化」 失敗
付
。主 文献
多文化社会構築 試
*24
企業
失敗 原因 見
失敗 終
・
vielfalt-als-chance.de/
現市議(全93人)
社会的注目 集 ,
「多文化」
。
,
「多様性憲章(Charta der Vielfalt)」
連邦首相 「
(DW,2010)。
通
市 2007年 署名参加
連邦
。詳細
進
http://www.
参照。
,極右政党 自由投票者党(Freie Wähler)4人,
国家民主党(Nationaldemokratische
Partei Deutschlands: NPD)1人,共和党(Die Republikaner)1人 含
方 支持
,必
全員 多文化局 考
。
*26
多文化局局長
*27
教育分野
(2011年9月9日)。
「移民
人」 指標
以外 ,
*28
,
」 発言 ,
「多文化」社会失敗論 印象
。
「多様性憲章」 2006年 発足 ,
*25
著作
,Luft(2007),Ate(2008)
適用
,
「
人」 「外国人」 統計 使用
3,258人 外国人児童・生徒(基礎学校 含 ) 私立学校 通
。
(2008/09年
度)
(S-DBF,2010:75)。
*29
促進学校
,学習補助
学校
,視聴覚・身体障
者
学校
含
,学習補助
促進学校就学者 割合 最 高 。
*30
教育白書作成担当者
(2011年10月25日)。
《参考文献》
・岡本奈穗子,2002「
市
多文化共生
―多文化局 戦略・政策・挑戦」日本
学会『
研究』35号,124∼134頁
・岡本奈穗子,2004「外国人『住民』
例
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Migration Policy Review 2012 Vol.4
S.202-208
Migrant Integration Policy in Frankfurt am
Main
From the Foundation of the Department for Multicultural
Affairs to the Establishment of the Plan for Integration and
Diversity policy
OKAMOTO Naoko
Nihon University
key words: Germany, Municipal Authority, Migrant Integration Policy
Until the change of government in 1998, Germany insisted on the assumption“Germany is
not an immigration country”and the federal government had hardly taken an integration policy
for immigrants. However, with the establishment of the Immigration Law, the importance of the
integration policy has increased in the federation as well as in the municipalities.
Frankfurt am Main is one of the most multicultural cities in Germany. It is famous for
its progressive integration policy. About 38% of the population in Frankfurt has a migration
indication. The main activities of Frankfurt’s integration policy are first the foundation of the
Department for Multicultural Affairs in 1989, as the central office in the municipal authority of
the city to develop focused integration measures, and second the establishment of the Municipal
Foreigners’ Representation in 1991 as a means of political participation by foreigners. In addition,
in 2010 the plan for integration and diversity policy was approved with three features; (i) the
realistic recognition of the diverse residents in Frankfurt, (ii) utilization of diversity management
as integration policy, and (iii) promotion of integration policy under the charge of the municipal
authority. Overall, integration policy in Frankfurt is characterised by realism leading to
innovation.
On the other hand, according to statistics, there is a clear disparity between the educational
and working situations (i.e. unemployment) of German nationals and immigrants respectively.
If such inequalities as these continue, they may result in future social unrest in the city. For the
peace of society, the policies for maintaining the equality and promoting respect for different
cultures will be as necessary in the future as they are today.
移民政策研究 第4号
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