Comments
Description
Transcript
東京消防庁予防部説明資料(PDF:1819KB)
Ⅱ 東京消防庁 - 15 - 保育所の防火防災対策 東京消防庁予防部防火管理課 東京消防庁管内の火災状況 (平成27年中) • 火災件数 4433件(372) • 焼損床面積 20750㎡( 2728) • 火災による死者 95名(1) • 火災による負傷者 827名(37) ※( )内は平成26年との比較 - 16 - 東京消防庁管内の出火原因別火災件数 (平成27年中)※火災原因上位10位の構成比 火遊び 3% コード 2% コンセント 2% 差し込みプラグ 2% 屋内線 2% 電気ストーブ 3% 大型ガスこ んろ5% 放火(疑いを含む) 39% ガステーブル等 17% たばこ 25% 社会福祉施設等の火災状況 (平成16年~平成27年 60 50 40 30 20 10 0 - 17 - 過去10年間) 今日の演題 Ⅰ 災害事例 Ⅲ 地震について 1 不適切な事例 2 推奨事例 1 家具類の転倒落下 移動防止 2 帰宅困難者対策 Ⅱ 火災について 1 2 3 4 5 6 フラッシュオーバー スプリンクラー 電気、ガス設備機器火災 避難訓練 消火器の使い方 通報の必要性 Ⅰ-1 不適切な事例 トラッキングにより出火した事例 用途等 (16)項イ(複合用途) 耐火造 54/6 出火場所 6階 ベビーホテル 焼損程度 ぼや(内壁若干1、壁付きコンセント1、 テーブルタップ1等) 出火原因 壁付きコンセントに差し込まれたテーブルタップのプラグが差し 込み部分で緩み、プラグ部分で接触部過熱が発生し、出火した もの 防火管理者 飲食店から出火した火災 選任済 消防計画 届出済 - 18 - 出火時間帯 条例防災センター 朝 有 自衛消防活動の状況と問題点 自衛消防活動状況 発見 初期消火 従業員が発見し、コンセントからプラグを抜いた。 通報 従業員から防災センターへ連絡し、防災センター勤務員及 びビル管理会社社員が現場を確認後、従業員が119番通 報を実施した。 避難誘導 なし(すぐに火が消し止められたため) 【問題点】 1 テーブルタップのプラグが経年劣化で 差し込み口で緩んでいたにも関わらず、 継続使用していた。 2 電気配線の自主検査不足 壁付きコンセントとプラグが焼損した状況 (イメージ) - 19 - 自主検査の必要性 消防計画に定められた自主検査チェック表を 用いてチェックし、出火防止に努める。 自主検査チェック表(例) Ⅰ-2 推奨事例 資材置場の廃材等が焼損し、近隣保育園の自 衛消防隊が活動した火災 用途等 廃材置場 屋外 出火場所 焼損程度 廃材1 出火時間帯 出火原因 たばこの吸い殻が廃材に着火し、出火したもの 昼 応援事業所(近隣保育園)の状況 防火管理者 選任済 消防計画 届出済 - 20 - 条例防災センター 非該当 自衛消防活動の状況と推奨点 自衛消防活動状況 発見 資材置場に隣接する園舎にいた保育士Aが白煙を発見し、園 長Bに報告した。 園長Bは保育士3名と共に消火器を持って現場に向かった。 通報 園長Bは消火器による消火が困難と判断し、同行した保育士C に園舎に戻って119番通報するよう指示した。 保育士Cは園舎の電話から119番通報を実施した。 初期消火 園長Bと保育士3名は消火器1本で初期消火したが、効果がな かったため、向かいの事業所から水道ホースを延ばし、消火する とともに、応援に来た保育士8名とバケツリレー(バケツ10個使 用)により消火した。 避難誘導 園舎に残った保育士が園児の安全を確認し、いつでも避難でき る態勢で待機した。 【推奨点】 1 園長の指示に基づき、通報、初期消火を迅速に実施したことで、被害の拡大を 阻止した。 2 保育園では定期的に自衛消防訓練を実施しており、その訓練が活かされた活 動だった。 Ⅱー1-① フラッシュオーバーの発生 → 火 通災 報発 生 約10分 自衛消防活動 記号 活消 動 防 開 始隊 フラッシュオーバー 爆発的燃焼 火災発生から概ね 5~15分 F.O.前に食い止める =被害の最小化 ⇒初期対応(自衛消 防)の重要性! ! - 21 - Ⅱー1ー② ビールケース1個でも 実験→煙の発生状況に注目! Ⅱー2-① スプリンクラー スプリンクラーが作動するには… 過信はモラル ハザードにつ ながる。 - 22 - Ⅱー2-② スプリンクラー奏功率 SP奏功率(H16~H25の10年間) 作動した 奏功件数 火災件数 163 146 不作動件数36を含めると… 奏功率 89.6% 73.4% 不奏功事由 不作動事由 散水障害 ポンプの故障 ダクト内出火 ヘッド緩和箇所からの出火 止水弁の閉鎖 Ⅱー3-① 原因の4割は電気火災 社会福祉施設等の火災状況(平成16年~平成27年) 主な出火原因別の発生状況 その他 13% ガス設備機器 18% 火遊び 2% ライター 4% 合計 ご 218件 放火 20% - 23 - 電気設備機器 㻠㻟㻑 電気設備機器 が4割 Ⅱー3-② 電気火災事例 短絡(ショート) 平成27年 (220件) Ⅱー3-③ 電気火災事例 トラッキング 平成27年 88件→ 日に1回 - 24 - 週に回 Ⅱー3-④ ガス設備機器火災事例 社会福祉施設等の火災状況(平成16年~平成27年) 主な出火原因別の発生状況 火遊び 2% ライター 4% その他 13% ガス設備機器 18% 合計 㻞㻝㻤件 電気設備機器 㻠㻟㻑 放火 20% Ⅱー3-⑤ ガス設備機器火災事例 油かすの堆積状況 - 25 - Ⅱー4-① 事前の備え(消防計画) 防火管理者 ↓作成 消防計画 ↓ 実行! 東京消防庁で提供 している消防計画 の作成例は、各事 業所の実態に合わ せて作り直してくだ さい。 結果の検証・改善 Ⅱー4-② シミュレーション例 ①消火 ②通報 ③避難 扉閉鎖。 →煙を防ぐ 同時並行! 危険ゾーン 火事だー! D E 火事だー! 事務室 消火実施 Bさん、119番 してください! A Aさんは消火にあ たってください! C B 残りの人は子供たちの 避難誘導にあたってくだ さい。 厨房 避難は、A階段とB階段 を使用してください! 避難ルートの選定 119実施 - 26 - Ⅱー4-③ シミュレーション例 ①事前に作戦を立てられる。 →本番で体が動くようになる。 ※イメージトレーニング→訓練で実践 基 炎と反対方向の出口から避難 本 直接屋外への避難ができない 戦 場合は、室内で一番安全と思わ 略 れる所へ一時避難→屋外へ Ⅱー4-④ シミュレーション例 ②課題が見えてくる。 →本番で起こるであろう問題を事前 に解消しておける。 たとえば・・・ ◆搬送方法はどうすれば・・・ ◆お昼寝の時間ならどうすれば・・・ ◆子供の行動を制御するには・・・ ◆避難後の人員整理はどうすれば・・・ - 27 - Ⅱー4ー⑤ 保育所での実験 階段の降下速度 2階建て(単独) ビルの8階に入居 年齢 平均速度(m/秒) 3歳児 0.32 4歳児 0.58 5歳児 0.67 年齢 平均速度(m/秒) 3歳児 0.15 4歳児 0.42 5歳児 0.5 1/2~2/3に速度が落ちる Ⅱー4-⑥ 保育所での実験 ◆階段の降下速度の違い 日常使用の有無による慣れの違い ◆年長層から避難した方がスムーズ 例:5歳→4歳→3歳 →歩行速度が違うため ◆近隣応援者の対応を事前に立てる 応援者の不慣れ、子供の人見知り等 →かえって時間がかかる場合がある。 - 28 - Ⅱー4-⑦ 避難時の留意事項 お 押さない 避難の呼びかけは 肯定形で! か 駆けない し しゃべらない も 戻らない ○「落ち着いて!」 ×「慌てないで!」 Ⅱー5 消火器の使い方 消火器搬送→“消火” 1:安全栓を抜く 2:ノズルを向ける 3:レバーを握る 4:掃くように放射 2 1 3 消火器の初期消火の限界:火が天井に達するまで - 29 - Ⅱー6-① 通報の文例 以下のような文例を、電話の近くに 貼っておく。 119番通報要領(火災版) 「火事です。 ○○区○○町1丁目1番1号 ○○ビル1階の○○(事業所名) で○○が燃えています」 Ⅱー6-② 通報訓練の例 内線電話で模擬通報訓練 通 報 者 役 【通報要領】 通報者役 消防役 ①119番をかける ②「消防庁。火事ですか? 救急ですか?」 ③「火事です」 ④「そこは、何区何町何丁 目何番ですか?」 ⑤「○○区○町○丁目○番 ⑥「何が燃えています ○号○○ビル○階の か?」 ○○保育園です」 ⑦「厨房の○○が燃えて います」 ⑧「わかりました。消防車 が向かいます。 - 30 - 消 防 役 Ⅲー1-① 家具類の転倒落下移動防止 チェックリスト は次頁に Ⅲー1-② 家具類の転倒落下移動防止 項 目 項 目 1 背の高い家具を単独で置かない 避難路に物を置かない 2 避難路に倒れやすいものを置かない 3 壁面収納は壁・床に固定 避難出口は見えやすく 4 非常用進入口に障害物を置かない 家具類の天板上に物を置かない 安定の悪い家具は背合わせに連結 二段重ね家具は上下連結 5 ローパーテーション は「 コ の 字 型」「H型」に配置 6 OA機器に落下防止対策 7 引出し、扉に開き防止対策 8 時計、額縁、掲示板等は固定 9 ガラスに飛散防止フィルム 床に つまずき防止対策 (障 害 物 等) 収納物のはみ出し、重心が高くなる 収納方法はNG 危険物品(薬品、可燃物等)を収納 しない デスクの下に物を置かない 引出し、扉は必ず閉める ガラス窓の前に倒れやすいものを置 かない - 31 - Ⅲー2 帰宅困難者対策 東京都帰宅困難者対策条例 施行:平成25年4月1日 一斉帰宅の抑制 連絡手段の例 子供の引き取りま ◆メール ◆災害用伝言ダイヤル で時間がかかる ◆SNS 等 保護者との連絡 ◆複数の手段を確保 手段の確保を ◆訓練の実施 最後に 繰り返し継続する ことが、力となり ます! - 32 -