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平成 23年日本大学医学会 秋季学術大会

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平成 23年日本大学医学会 秋季学術大会
平成
23年 日本 大 学 医学 会
秋季学術大会
主
催
日 本 大 学 医 学 会
共
催
日本 大 学 医 学 部 同 窓 会
共
催
日 本 大 学 医 師 会
日 △〓 当
時 :平 成 23年 10月 29日 (土 )12時 50分 ∼
場 :日 本大学医学部臨床
番 :皮 膚科学系
2番 講堂
15:32∼ 15:53
座
長
藤
井
雅
志
「羊膜 上 皮 由来幹細胞 の可能性」
三
15:55∼ 16:00
木
生
敏
(南 カ リフ ォル ニ ア大学准教授)
(65回 生
)
同窓会学術奨励賞授与式
シ ンポ ジ ウム
テーマ 「アレルギーの基礎と臨床一最近の進歩」
16:00∼ 18:00
座
長
照
井
正 (皮 膚科学系皮膚科学分野)
1.マ ス ト細胞 とア レルギ ー
岡
山
道
吉
(先 端 医学 系分子細胞免疫 ・ ア レルギー学分野 )
2.気 管支喘息 の病態 と治療
服
部
知
洋
(内 科 系呼 吸器 内科学分野)
央
朗
(小 児科学系小児科学分野)
3.食 物 ア レルギ ー
石
川
4.ア レルギ ー性結膜疾患 のバ イオ マニ カー と涙液検査
庄
司
純
(視 覚科学系眼科学分野 )
5: 鼻 ア レルギー の治療
平
井
良
治 (耳 鼻咽喉 。頭頸部外科学系耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
)
6.慢 性蒙麻疹 の病態 と治療
葉
山
惟
18:00∼ 18: 15
討
18:15∼ 18:20
閉 会
正
(皮 膚科学系皮膚科学分野)
論
の 辞
日本大学医学部同窓会 冨J会 長 (学 術担当)落
合 豊 子
食物アレルギー
日本大学医学部付属練馬光が丘病院
小児総合診療科
石川央朗、橋本光司
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
食物アレルギー対策の変遷
社会的対応
ガイドライン
1996年 ・厚生省食物アレルギー対策委員会
2000年 ・日小ア学会食物アレルギー委員会
2002年 ・アレルギー表示の義務化(食品衛生法)
2003年 ・エピペン0.3mgの蜂アレルギーへの適応
・エピペン(0.3mg、0.15mg)の食物アレルギーへの適
・食物アレルギーによるアナフィラキシー 学校対応
2005年
応
・食育基本法の制定
マニュアル
・食物アレルギーの診療の手引き2005
・食物アレルギー診療ガイドライン
2006年 ・栄養教諭制度の施行
・食物アレルギーハンドブック
・小児負荷試験料(入院)の診療報酬化
・外来・入院栄養食事指導料の診療報酬化
2007年 ・文部科学省のアレルギー疾患に関する報告書
2008年 ・小児負荷試験料(外来)の診療報酬化
・アレルギー表示の追加(食品衛生法)
・学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン
・食物アレルギーの診療の手引き2008
・食物アレルギーの栄養指導の手引き
2009年 ・エピペンの救命救急士の使用解禁
・食物経口負荷試験ガイドライン2009
2011年 ・エピペンの保険適応による薬価収載
・保育園でのアレルギー対応ガイドライン
・食物アレルギー診療ガイドライン2012
食物アレルギーガイドライン
2005年11月
2008年12月改訂
2008年12月公開
下記のホームページからダウンロード可能
日本アレルギー協会
http://www.vkn.co.jp/jaf
リウマチ・アレルギー情報センター
http://www.allergy.go.jp/
食物アレルギー(food allergy)とは
• 原因となる食物を摂取することによ
り免疫学的機序を介して生体にとり
不利益な症状が惹起される現象と
定義される
食物アレルギーの有病率
保育所(園)におけるアレルギー疾患対応についての調査票・集計結果
(平成22年 厚生労働省調査)
総所(園)数 892 園
対象園児数 101,322 名
公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校におけるアレルギー
疾患対応についての調査票・集計結果 (平成16年 文部科学省調査)
対象学校総数 36,061校
対象児童生徒数 12,773,554名
(%)
5.1%
2.6%
即時型食物アレルギーの原因食品
野菜類 軟体類
肉類
2% 1%
1%
木の実類
2%
大豆 2%
その他
魚卵 3%
3%
ピーナッツ 3%
魚類
4%
そば
5%
果物類
6%
甲殻類
6% 小麦
8.0%
n=3,882
鶏卵
38%
乳製品
16%
上位3位まで63.7%
上位9位まで89.8%
平成14年度厚生労働省科学研究報告書より
食品衛生法 アレルギー物質を含む食品の表示
規
省
程
令
特定原材料等の名称
理
由
卵、乳、小麦
症例数が多いもの。牛乳及びチーズは、「乳」を原料とす
る食品(乳及び乳製品等)に分類される。
そば、落花生、えび、カニ
症状が重篤であり生命に関わるため、特に留意が必要なも
の。
あわび、いか、いくら、オレンジ、
キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、 症例が少なく、省令で定めるには今後の調査を必要とする
さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、
もの。
もも、やまいも、りんご、バナナ
通
知
ゼラチン
牛肉・豚肉由来であることが多く、これらは特定原材料に
準ずるものであるため、既に牛肉、豚肉としての表示が必
要であるが、パブリックコメントにおいて「ゼラチン」と
しての単独表示を行なうことへの要望が多く、専門家から
の指摘も多いため、独立項目を立てることとする。
「アレルギ−表示に関する食品衛生法施行規則及び乳及び乳製品の成分規格
等に関する省令の一部を改正する省令」(平成13年度厚生労働省令第23号)
平成13年3月15日改正,平成14年4月1日完全施行,平成16年12月24日改正通知、
平成20年6月3日改正通知、平成22年6月4日完全施行
※量り売りされる惣菜やパン、飲食店では表示の義務はない。
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
食物アレルギーの症状
食物によるアナフィラキシーの臨床的重症度
Grade
1
2
皮膚
消化器
限局性掻痒,
口腔内掻痒感,
紅潮,蕁麻疹, 口腔内違和感,
呼吸器
循環器
(−)
(−)
(−)
血管性浮腫
軽度口唇腫脹
全身性掻痒,
上記に加え,
紅潮,蕁麻疹,
悪心,嘔吐
鼻閉,くしゃみ
上記に加え,
鼻汁,明らかな鼻閉,
繰り返す嘔吐
咽頭喉頭の
神経
(−)
活動性変化
血管性浮腫
3
上記症状
上記に加え,
頻脈
不安
掻痒感/絞扼感
4
上記症状
上記に加え,
嗄声,犬吹様咳嗽,
上記に加え,
軽度頭痛,
下痢
嚥下困難,呼吸困難。
不整脈,
死の恐怖感
喘鳴,チアノーゼ
上記に加え,
5
上記症状
腸管機能不全
軽度血圧低下
重度徐脈,
呼吸停止
血圧低下,
意識消失
心拍停止
(Sampson HA,他:Pediatrics,116:1601-8,2003)
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギーの診療の手引き2008
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギーの診療の手引き2008
症例:日令9、新生児
[主
訴]下痢、血便、哺乳力低下
[家族歴]母にアレルギー性鼻炎
[生育歴]母乳主体だが、時に人工乳を加える
[現病歴]入院前日から粘液便出現。その後も下痢が続き、
血便も認めた。また哺乳低下もみられたため来
院した。
[身体所見]顔色不良、四肢末梢冷感、全身状態不良
[検査所見]白血球14,100(好酸球数12.0%)、CRP 2.3mg/ml
総IgE <1U/ml、特異的IgE:牛乳(0)、カゼイン
(0)、アルファラクトアルブミン(0)、ベータラ
クトグロブリン(0)、卵白(0) 、他の抗原陰性。
便中好酸球:陽性
新生児・乳児消化管アレルギー診断治療指針
新生児・乳児アレルギー疾患研究会 2011
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギー診療の手引き 2005より
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係
乳幼児
学童以上
50〜70%
アトピー性皮膚炎
(有病率10〜15%)
食物アレルギー
(有病率5〜10%)
10%
アトピー性皮膚炎
(有病率10%)
食物アレルギー
(有病率1〜2%)
伊藤浩明:アレルギー 53.24-33,2004
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギー診療の手引き 2005より
年齢別食物アレルギーの原因食品
(新規発症)
0歳
(n=683)
1歳
(n=250)
2,3歳
(n=169)
4~6歳
(n=85)
7~19歳
(n=106)
No.1
鶏卵
(55%)
鶏卵
(41%)
魚卵
(20%)
ソバ
(15%)
果物類
(21%)
No.2
乳製品
(27%)
魚卵
(15%)
鶏卵
(16%)
鶏卵
(14%)
甲殻類
(17.9%)
No.3
小麦
(9%)
乳製品
(9%)
ピーナッツ
(10%)
木の実類
(12%)
小麦
(15%)
No.4
ピーナッツ
(8%)
乳製品
(9%)
果物類・魚類
(10%)
鶏卵
(11%)
No.5
小麦
(5%)
果物類・魚類
(6%)
魚卵・ソバ
(6%)
平成20年度厚生労働省科学研究報告書より
(国立病機構相模原病院海老澤元宏氏より提供)
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギーの診療の手引き2008
症例:14歳 男子
[主 訴]意識障害
[既往歴]エビ、カニのアレルギーあり
[家族歴]兄が気管支喘息で当科通院中
[現病歴]給食でスパゲッティを摂取。その後昼休み
にバスケットボールの練習中に意識消失。このため
中学校から直接救急車で搬送。
[身体所見]来院時、全身じんましん、呼吸困難、血圧低下。
[治 療]直ちに輸液、エピネフリン、ステロイド薬、
抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬の投与。
[検査所見]総IgE 1086 U/ml、特異的IgE:ダニ(4)、小麦(2)、
エビ(5)、カニ(5)、イカ(4)、他は陰性
アレルゲン
食物の摂取
・小麦
・エビ、カニ
など
30~120分後
+
運動
・昼休み中
・体育
・部活
=
アナフィラキシー
食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの頻度
小学生
中学生
高校生
計
総生徒数
130,812
76,247
104,701
311,760
有病生徒数
8
13
9
30
男:女
7:1
11:2
6:3
24:6
頻度( /万)
0.61
1.70
0.86
0.96
横浜市立小学校平成15年度調査、横浜市立中学校平成10年度調査、
神奈川県立高校平成13年度調査 (相原雄幸ら、横浜市大小児科)
食物アレルギーの臨床型分類
食物アレルギーの診療の手引き2008
口腔アレルギー症候群
(OAS:oral allergy syndrome)
◆ある種の食品(果物•野菜•ナッツ類が多い)を摂取後、まも
なく口腔内の症状を中心にアレルギーを起こす。近年小児に
おいても増加している。
◆花粉症と関連するものが多い。一方、経口感作されたもの
やラテックスに接触して経皮感作したラテックスフルーツアレ
ルギー症候群もある。5%弱にアナフィラキシーを起こす。
花粉
シラカバ
スギ
ヨモギ
イネ
ブタクサ
果物、野菜など
リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アー
モンド、マンゴ、キウイ、セロリ、ニンジン、ポテトなど
トマト
セロリ、ニンジン、マンゴ、スパイス
メロン、スイカ、トマト、ポテト、キウイ、オレンジ
メロン、スイカ、キュウリ、バナナ
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
食物アレルギ-診断のアプローチ
(食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎)
食物アレルギーの検査①
血中抗原特異的IgE抗体検査・皮膚テスト
原理
lgE CAP RAST法
など
血中抗原
特異的IgE抗体
ヒスタミン
検査
遊離反応
長所
血液中のlgE抗体 数字化可能
を直接測定
手技容易
好塩基球からの
ヒスタミン遊離を
測定
短所
検査費用高額
検査費用高額
数字化可能
薬剤の影響あり
特異性あり?
細胞状態の影響あり
検査費用
皮膚の中の
マスト細胞の反応 低価格
高感度
を利用
薬剤の影響あり
暴れる子供には
人手がかかる
検査費用
皮内テスト
皮膚の中の
(食物アレルギーの マスト細胞の反応 低価格
高感度
診断には行わない) を利用
薬剤の影響あり
稀にショックあり
暴れる子供には
人手がかかる
プリックテスト
皮膚テスト
(食物アレルギーの診療の手引き2008より)
食物アレルギーの検査②
食物負荷試験
• 食物負荷試験は、原因抗原診断のためと耐
性獲得の判断のための2通りの目的で行う。
• 負荷試験の種類
食物負荷試験
プロパビリティカーブ
(IgE CAP RAST値と症状誘発の可能性)
Komata:JACI2007
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
食物アレルギーの治療
《 原則 》正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去
・除去の程度は患者ごとの個別対応。
・食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎では食物日誌を活用。
・成長・発達の評価(母子手帳を利用して成長曲線の経過観察)。
薬物療法
・あくまでも補助療法であり、診断が確定し症状が安定したら中止。
・クロモグリク酸ナトリウム (経口インタール®)
保険適応は食物アレルギーの関与するアトピ―性皮膚炎のみ。
・抗ヒスタミン薬(中枢神経への移行の無いものが望ましい
:アレジオン、アレグラ、クラリチン等)
皮疹・瘙痒感のコントロール、誤食時の対応、気管支喘息の発症予防。
乳児期発症食物アレルギーの耐性獲得状況
(%)
100
80
卵白 (n=136)
食
物 60
除
去
率 40
卵黄 (n=149)
牛乳 (n=107)
小麦 (n=36)
20
0
大豆(n=23)
0
0.5
1.0
1.5
2.0
3.0
年齢 (才)
池松かおり他:アレルギー、55: 533-541, 2006
症例:8か月 男児
[主 訴]体重減少
[現病歴]生後から顔面を中心に湿疹がひどく、2か月時から
ステロイド外用薬(Ⅳ群)、5か月時からステロイド外
用薬(Ⅲ群)を使用。改善すると軟膏塗布中止をくり返
していた。同時期からかかりつけ医(小児科・皮膚科)
を変更。厳格な食物除去、ステロイド外用薬をしない療
法に変更した。その後から著しい体重減少を認めたた
め、他院から紹 介を受け入院加療とした。
[検査所見]
WBC 31,700/μl(Eo 21.5%)、Na 117mEq/l、
TP4.7g/dl、Alb2.4g/dl 、IgG 320mg/dl、IgE 36U/ml、
TARC 6,663pg/ml、
特異的IgE:卵黄(5)、卵白(6)、オボムコイド(2)、
ミルク(6)、カゼイン(6)、小麦(4)、大豆(3)、
米(5)、鶏肉(2)、豚肉(2)、まぐろ(2)
入院時
1か月後
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
食物によるアナフィラキシーの臨床的重症度
Grade
1
2
皮膚
消化器
限局性掻痒,
口腔内掻痒感,
紅潮,蕁麻疹, 口腔内違和感,
呼吸器
循環器
(−)
(−)
(−)
血管性浮腫
軽度口唇腫脹
全身性掻痒,
上記に加え,
紅潮,蕁麻疹,
悪心,嘔吐
鼻閉,くしゃみ
上記に加え,
鼻汁,明らかな鼻閉,
繰り返す嘔吐
咽頭喉頭の
神経
(−)
活動性変化
血管性浮腫
3
上記症状
上記に加え,
頻脈
不安
掻痒感/絞扼感
4
上記症状
上記に加え,
嗄声,犬吹様咳嗽,
上記に加え,
軽度頭痛,
下痢
嚥下困難,呼吸困難。
不整脈,
死の恐怖感
喘鳴,チアノーゼ
上記に加え,
5
上記症状
腸管機能不全
軽度血圧低下
重度徐脈,
呼吸停止
血圧低下,
意識消失
心拍停止
(Sampson HA,他:Pediatrics,116:1601-8,2003)
緊急時の対応フローチャート
アレルギー症状発生
症状の確認
皮膚に触れる:水洗いする
眼症状がある:水洗いする
食べる:口から出す、吐かせる
症状に応じた
基本的な処置
皮膚・粘膜症状
呼吸器症状
消化器症状
ショック症状
Grade1
(局所の)赤み・じ
んましん・むくみ
のど、口の中
の違和感
抗ヒスタミン薬内服
保護者に報告
1時間安静
軽い腹痛
Grade2
(全身の)赤み・じ
んましん・むくみ
せき
繰り返す嘔吐
息苦しい
強い腹痛
抗ヒスタミン薬内服
ステロイド薬内服
気管支拡張薬吸入
対応人員の召集
保護者を呼ぶ
Grade3,4
ぐったり、眠気
Grade5
顔面蒼白、血圧
低下、意識低下
「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギーの基礎知識」より引用一部改変
エピペン注射(内服、
吸入後でも可)
直ちに病院へ
エピペン注射
救急車要請
エピペン注射液は、注射針一体型の注射器に
アドレナリンがあらかじめ充填されたキット製剤
エピペン注射液0.3mg/本、自己注射用
蜂アレルギーまたは食物アレルギーで体重30kg以上の人に適応
体重15kg以上ではエピペン注射液0.15mg/本が承認(保険適応)
学校や保育園では,いつ誰が注射するかという問題がある。
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
学校のアレルギー疾患に対する
取り組みガイドライン
教職員などの学校関係者がアレルギー疾患について
正しい知識をもって児童生徒に対応する
• (1)総論「学校生活管理指導表
•
(アレルギー疾患用)」に基づく取り組み
•
(P24〜P39参照)
• (2)疾患各論(P40〜P99参照)
• ・教職員、保護者、主治医用の「学校生活管理
•
指導表(アレルギー疾患用)活用のしおり」
•
(P11〜P20参照)
• ・参考資料として「アレルギー疾患に関する調査
•
研究」の概略 (P3〜P10参照)。
正しい知識の啓発、正しい対応の実践
2008年3月
(財) 日本学校保健会
http://www.hokenkai.or.jp/
学校におけるアレルギー疾患生活管理指導票
学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインより
学校生活管理指導表を用いた情報の流れ
学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインより
保育所における
アレルギー対応
ガイドライン
下記のHPからダウンロード可能
厚生労働省(平成23年3月17日発表)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf
保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン
1:食物アレルギーについて
2:食物アレルギーの症状と病気について
3:食物アレルギーの診断について
4:食事療法について
5:薬物療法(症状出現時)について
6:保育園・学校生活などにおける注意点
7:トピックス
特異的経口耐性誘導
(specific oral tolerance induction:SOTI)
• 2008年アレルギー学会において発表された、神奈川県
立こども医療センターで行っている急速法(rush SOTI)
<対象>
• 7~12歳 自然寛解の期待が尐なく、アナフィラキシーの
既往のある6例の卵アレルギー患者
<方法>
• 卵白乾燥粉末(1gが生卵白8gに相当)を用いた二重盲検
負荷試験では6例ともプラセボでの反応はなく、平均
22mgの卵白乾燥粉末で症状が誘発された。
• 閾値の10分の1量から開始。
• 1日5回を目標に毎回増量を試みる(約20%)
<結果>
• 平均8.0日(6-10日)で卵白乾燥粉末1gの摂取が可能。
その後は加熱鶏卵に変更し、平均12.8日(9-18日)で中
型鶏卵1個に相当する60g摂取が可能になる。
• rush SOTI終了後は、1週間に2回以上、加熱鶏卵1個以
上を食べる。
二重アレルゲン暴露仮説
(dual-allergen-exposure hypothesis)
Lack G. J Allergy Clin Immunol. 2008;121:1331-1336
加水分解小麦を含有する石鹸による
アレルギーの発症について
ピーナッツは早期から摂取すべきかどうか?
背景:英国、豪州や北米において、ガイドラインで乳児期
のピーナッツ摂取開始時期遅延を推奨しているにも関わら
ず、ピーナッツアレルギーの増加が続いている。
英国
ユダヤ人5,171人
9か月の幼児のうち
10%がピーナツを摂取
小学生PA:1.85%
イスラエル
ユダヤ人5,615人
>
9か月の幼児のうち
69%がピーナツを摂取
小学生PA:0.17%
Du Toit G et al. J Allergy Clin Immunol. 2008;122:984-991
食物アレルギー患者の対応法
食物アレルギー
「やめておきましょう」
「ちょっと
食べてみましょうましょう」
除去
軽症
除去継続
緩徐SOTIc
除去解除
重症
急速SOTI
栗原和幸,アレルギーの臨床31(9),2011
ご静聴ありがとうございました。
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