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Untitled - 北関東ハートフォーラム
第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題1 座長:北関東循環器病院 心臓血管外科 部長 中島 邦喜 先生 ① 先天性冠動脈狭窄に対して自己肺動脈パッチによる 冠動脈形成術を行った一例 1.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科 2.群馬県立小児医療センター 循環器内科 有馬 大輔 1)宮本 池田 健太郎 2)内藤 隆司 1)笹原 祐次 1)小林 聡豊 1)本川 真美加 1) 富男 2) 虚血性心疾患の術式として冠動脈バイパス術が主流だが、冠動脈パッチ形成術も良好な 長期成績が報告されている。先天性冠動脈狭窄に対して冠動脈形成術を行い、中期的フォ ローで良好な冠動脈開存を得ている症例を経験した。症例は 12 歳、男児。失神で救急病院 に搬送後、左冠動脈主幹部狭窄、僧帽弁逆流の診断となった。手術は人工心肺下に、自己 肺動脈パッチによる冠動脈形成術、僧帽弁形成術を施行した。術後 3 年が経過するが、冠 動脈の開存は良好に得られている。 ② 腹部大動脈瘤術後の二次性大動脈腸管瘻に対して 頻回の加療を要した一例 伊勢崎市民病院 心臓血管外科 大木 聡、安原清光、平井英子、羽鳥恭平、三木隆生、大林民幸 症例は 70 歳、男性。2009 年 12 月に腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行。2013 年 9 月より貧血の進行、吐血が見られ、2014 年 6 月に当院に紹介。入院中に吐血、ショッ クとなり、二次性大動脈腸管瘻の診断で交通孔閉鎖、十二指腸切除術、大網充填術施行し た。しかし同年 10 月に貧血が見られ、大動脈腸管瘻再発が疑われ、12 月にステントグラフ ト内挿術を施行した。貧血の進行は見られなくなったが、2015 年 7 月に微熱と腹痛が出現、 人工血管感染が疑われた。9 月に胸腹部大動脈(腹部 4 分枝再建)人工血管置換術と瘻孔空 腸部分切除、大網充填術を施行した。考察を加え、発表する。 ―1― 第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題1 座長:北関東循環器病院 心臓血管外科 部長 中島 邦喜 先生 ③ たこつぼ型心筋症に続発した心室中隔芽孔の一例 富士重工業健康保険組合 太田記念病院 1) 山崎 信太郎 1)、加藤 全功 1)、杉村 幸春 1) 症例は76歳男性。主訴は呼吸苦。腸閉塞を契機とするたこつぼ型心筋症に対する保存 的加療中に突然の呼吸苦を発症し、心尖部に新規の心雑音を認め、心エコーで心室中隔穿 孔と診断された。IABP 導入し、手術方針となった。 左室心尖部よりアプローチし、心尖部中隔に穿孔部位を確認した。周囲の健常心筋に右 室側と左室側から2重にパッチ縫着し穿孔部を閉鎖、左室自由壁はフェルトで補強して閉 鎖した。術後経過は問題なく外科転科となった。 たこつぼ型心筋症に続発した心室中隔穿孔を経験し、手術加療で良好な結果を得たため 報告する。 ④ ASD術後右房内血栓の一例 前橋赤十字病院 心臓血管外科 林 弘樹、石川和徳、森 秀暁 症例は 61 歳女性。ASD(Ⅱ)の診断で patch closure を行った。術後より、ワーファリン による抗凝固を行い、軽快退院後も抗凝固を継続していた。退院約 2 か月後の心エコー検 査にて右房内に可動性の血栓を認めたため、入院により抗凝固を強化した。現在は手術も 視野に入れながら厳重な経過観察中で、血栓はやや縮小傾向にある。 ―2― 第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題1 座長:北関東循環器病院 心臓血管外科 部長 中島 邦喜 先生 ⑤ 冠動脈瘤破裂の一例 群馬県立心臓血管センター 心臓血管外科 桐谷 ゆり子、金子 達夫、江連 雅彦、長谷川 岡田 修一、小此木 修一、小前 兵衛 豊、 症例は 76 歳女性。胸痛を主訴に近医受診。血圧低下し、心臓超音波検査にて心嚢液貯留 があり、CT 検査で肺動脈左側、心外膜上に 40 mm 大の腫瘤が認められた。冠動脈瘤破裂 が疑われ、当院搬送。冠動脈造影にて左右冠動脈から流入血管が確認後、流入血管を閉鎖 し瘤を切除縫縮した。術後経過は良好。文献的考察を含め報告する。 ―3― 第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題2 座長:群馬県立小児医療センター 手術室看護師長 武井 貴代美 先生 ① デブリーフィングを導入した ECMO 装着シミュレーションの効果 ~A 病院の PICU スタッフを対象にして~ 群馬県立小児医療センター PICU 近藤 龍平 A 病院 PICU は 8 床で 4 人夜勤体制であり、夜間 ECMO 装着となると手術室看護師はオ ンコール体制のため、4 人夜勤の中で迅速に対処しなければならない。そのため、スキルア ップと共通認識獲得が必要であると考えた。 夜勤帯を想定したリーダー1 人・受け持ち 1 人・外回り 2 人を 4 グループ作り、シミュレ ーションを各グループ 3 回ずつ実施。その様子を撮影し、デブリーフィングの有用性を考 察した結果を報告する。 ② 大動脈バルーンパンピング挿入患者の時間経過に伴う 腰痛の出現と変化についての調査 伊勢崎市民病院 集中治療室 斉藤 美和、高橋 大介、浅野 順、本多 柴草仁志 茂木由里 石山真寿子 歩美、 大動脈内バルーンパンピング(以下 IABP)挿入患者は合併症のリスクが高く、厳密に活 動が制限される。その為、腰痛を訴えた時に体位変換や薬剤にて苦痛の緩和を図ってきた。 先行研究では、大腿動脈からの経皮的冠動脈インターベーションにおいて臥床安静を開 始後2時間より腰痛の訴えが出現するという報告がある。IABP 挿入患者も、同様に腰痛を 訴える可能性があるのではないかと考え、臥床安静後の時間経過に伴う腰痛の出現と変化 について調査した為、報告する。 ―4― 第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題2 座長:群馬県立小児医療センター 手術室看護師長 武井 貴代美 先生 ③ 経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)中に発生した合併症に対する看護師の取り込み ~複数の合併症に対応するために~ 群馬県立心臓血管センター 手術室 波多野 剛 A 病院は 2014 年 11 月より TAVI 認定施設となり、現在 29 症例を実施した。TAVI 実施中 の合併症は、重篤となる事が多いため死に直結する可能性がある。そのため、合併症を発 生した際に迅速な対応が必要となる。今回、初めて合併症を発生した症例を経験したが、 使用目的ごとに物品が整理されていない事や、物品の配置や動線が悪く対応が遅れる事が あった。そこで、実際の経験を生かし、改善策を検討した。その結果、その後の合併症を 発生した症例では迅速な対応を行う事ができた。 ④ 心臓血管外科術後の反復唾液テスト・改訂水飲みテストの 有用性の検討 富士重工業健康保険組合 太田記念病院 大塚 山崎 康之、村田 美佐子、甲 小百里、山ノ内 信太郎、杉村 幸春、加藤 全功 裕紀美、 当院では 2013 年 8 月より、心臓血管外科術後患者の抜管後に、反復唾液テスト・改定水 飲みテストを導入した。 今回、心臓血管外科手術の中でも、より侵襲の大きい低体温循環停止で行った大血管手 術症例で、かつ手術から1週間以内に抜管できた症例に限定して導入前後を比較した。 導入前後で、誤嚥性肺炎を含む呼吸器合併症の発生はなかった。また、導入前と比べて 導入後では飲水開始時間が短縮できた結果を得たため報告する。 ―5― 第 17 回 北関東ハートフォーラム一般演題 一般演題2 座長:群馬県立小児医療センター 手術室看護師長 武井 貴代美 先生 ⑤ 体外式補助人工心臓(AB5000)使用経験と臨床工学技士の役割 獨協医科大学病院 臨床工学部 1) 心臓・血管外科 2) 松下博之1)橋本貴礼1)飯島裕樹1)川田貴生1)麻生真市 1) 堀井敬1)野澤佑介1) 長谷川耕美1)山口剛史1)荒井洋次郎1)柴崎郁子 2)福田宏嗣 2) 体外式補助人工心臓である ABIOMED 社 AB5000 が H25 年 8 月に保険償還され、当院でも 3 例経験している。AB5000 は専用の AB5000TM コンソールを用いて内臓コンプレッサーによ る陽圧・陰圧の空気駆動式にて稼働し、特徴として1台で右心・左心・両心補助が可能で 抗血栓性に優れ、Beat rate は AB5000 血液ポンプが拡張・収縮した回数によって決定するな どの特徴を有する。今回、この AB5000 使用経験と臨床工学技士の役割について報告する。 ⑥ 腕頭動脈狭窄を伴った左鎖骨下動脈閉塞の一例 北関東循環器病院 内藤 第三診療支援部 検査科 博之、小池未奈、根本綾、高田裕之 北関東循環器病院 心臓血管外科 中島 邦喜、依田 真隆南 和友 症例は 79 歳男性。2 年前よりめまい、ふらつきを認め、左上肢血圧低下にて紹介受診と なった。ABI 検査時の上肢血圧は左で優位に低下し、脈波波形の立ち上がり時間延長を認 めた。頸部血管エコー検査では左椎骨動脈の血流が逆行する鎖骨下動脈盗血現象を認めた ため、左鎖骨下動脈近位部を検索したところ閉塞していた。この際、左椎骨動脈の血流波 形から推測する左鎖骨下動脈病変の重症度が実際の重症度と乖離していたため、対側を検 索したところ腕頭動脈にも狭窄病変を認めた。CT・カテーテル検査でも同様の所見が得ら れ、冠動脈左前下行枝にも狭窄病変を認めたことから、後日、腕頭動脈、左鎖骨下動脈の 血行再建と合わせて冠動脈バイパス術が同時施行された。今回、頸部血管エコー検査にて 腕頭動脈狭窄を伴った左鎖骨下動脈閉塞を detect し、外科的治療し得た一例を経験したの で報告する。また、冠動脈バイパス術における内胸動脈グラフト使用の可否を考える観点 からも頸部血管エコー検査は有用である。 ―6― 第 17 回 MEMO 北関東ハートフォーラム一般演題 第 17 回 MEMO 北関東ハートフォーラム一般演題 第 17 回 MEMO 北関東ハートフォーラム一般演題 第 17 回 MEMO 北関東ハートフォーラム一般演題