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施設園芸等における省エネルギー対策(PDF:216KB)

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施設園芸等における省エネルギー対策(PDF:216KB)
施設園芸等における省エネルギー対策について
Ⅰ
暖房機器の点検整備の徹底
1
暖房機のバーナノズルの燃焼カス(スス)等による汚れは、燃料と空気
の正常な混合を阻害し、完全燃焼を妨げますので、適切な清掃を実施しま
しょう。
2 暖房機器の燃焼室内に燃料カスが付着すると、効率的な熱交換が妨げら
ます。その結果、燃焼効率の低下を招くこととなるので、加温が必要とな
る時期を十分に勘案しつつ、事前に燃焼室内の清掃に努めてください。
Ⅱ
1
温室内の環境の改善
温室内の保温対策を実施することは、加温用燃料の節減を図る上で最も
効果的な対策の一つです。
①気密性の向上
温室内の気密性を向上させるために、ハウス周壁部や谷部など被覆
の隙間(つなぎ目等)の点検・補修を行いましょう(図1 )。
図1 風速の増加に伴う還流熱量と隙間換気
伝熱量の変化(相対値)(岡田,1987)
②保温性の向上
保温性の高い内張資材の使用や多重被覆を用いると、夜間の放熱を
抑え、省エネルギーの効果が高まります(表2、3 )。
保温方法
一重被覆
二重被覆
表2 各被覆法別の夜間放熱係数(hhn)の値(暫定値)
hhn
保 温 被 覆 資 材
(kcal/㎡/h/℃)
ガラス室 ビニールハウス
ガラス、塩化ビニルフィルム
ポリエチレンフィルム
一層カーテン ポリエチレンフィルム
塩化ビニルフィルム
不織布
アルミ粉末混入フィルム
アルミ蒸着フィルム
アルミ箔ポリエチレンラミネートフィルム
二層カーテン ポリエチレンフィルム二層
ポリエチレンフィルム+アルミ蒸着
ポリエチレンフィルム+アルミ箔ポリ
注)夜間放熱係数が小さいほど保温効果が高い。
(新訂 施設園芸ハンドブック)
4.9
2.8
3.0
3.2
3.0
3.5
2.8
2.3
2.3
2.5
1.7
1.7
5.2
2.8
3.1
3.3
3.1
3.6
2.8
2.3
2.3
2.8
1.8
1.8
③多段式サーモ装置等の設置
表3 被覆の違いによる重油消費量(リットル/ガラスハウス300㎡)の相違 設定温度14℃
11月
12月
1月
2月
3月 計
燃料費
カーテンなし
138
1003
1563
1337
693
4733
\402,284
1層カーテン
20
605
971
828
380
2804
\238,361
2層カーテン
0
442
728
619
251
2039
\173,322
条件:京都市内のガラスハウス(間口9.8m×奥行き30m×棟高3.9m、294㎡、ポリカーテン)
重油単価は85円/㍑とする。
夜間の変温管理ができる多段式サーモ装置等を導入し、効率的な暖房
に努めましょう。
※1台 5~6万円程度
2
温室内の温度ムラは、局所的な低温部の温度確保のため余分な燃料を消
費することとなるので、以下の事項に注意してください。
①温室ダクトの配置やダクト吹き出し口の風量調整等の適正化
ダクトの直径は、温風暖房機の風量をもとに適正に選定しましょう 。
ダクトの配置時に温度ムラが生じないよう、暖房時にハウス内数箇所
の温度を測定し、温度が均一になっているか確認しましょう。
②循環扇の活用による温度の均一化
循環扇を用いて、温室内の空気を攪拌し、温度の均一化を図ること
が、省エネルギーに有効です(表4)。
表4
半促成栽培施設内の送風装置設置の有無による微気象及び灯油消費量
項目
風速
草冠上部平均気温
草冠下部平均気温
上下層冠温度格差
灯油消費量
送風装置設置
0.89±0.07m/sec
16.3℃
15.5℃
0.8℃
16.7L/day
無処理
0m/sec
17.3℃
14.5℃
2.8℃
19.0L/day
(広島農技センター
2002)
③温度センサーの適切な位置への設置
温度センサーは、生長点付近、トンネル内加温した場合はトンネル
内に設置するなど、適切な位置に設置します。
Ⅲ
適切な温度管理の実施
作物別及び品種別の温度特性を踏まえた上で、生育ステージに合わせた極
め細やかな最適暖房温度の設定等の温度管理に努めましょう(表5)。
表5
品
作物別生育適温と夜間最適暖房温度(℃)
目
生 育 適 温
夜間最適
昼 温 夜 温
暖房温度
トマト
23~25 8~ 10
8~10
トウガラシ
18~23 16~18 16~18
バラ
25~27 15~18 15~17
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