...

掲載見本 - 情報機構

by user

on
Category: Documents
25

views

Report

Comments

Transcript

掲載見本 - 情報機構
表 1 機能別保証項目と規格化
機能
保証項目
説 明
規格化等
・人体に害を及ぼす虞のある金属片やガラス片などの
異物がないこと
・不衛生で微生物汚染の虞があり、また不快感を与え
る虫、毛髪などがないこと
不良項目
・決められた処方で均一かつ変質なく調剤されている
こと
・異種原料や変質原料が混入していないこと
評価項目
標準見本
・決められた処方で均一かつ変質なく調剤されている
こと
・異種原料や変質原料が混入していないこと
評価項目
標準見本
保存検体
・保管∼流通∼日用での環境下で気密性などが保たれ
ること、汚破損がないこと
不良項目
発生率
・保管∼流通∼日用での環境下でバルクの変質がない
こと
評価項目
ランク付け
使用性 ・塗布感や芳香、発色状態、洗浄性などが標準品と一
致していること
・ 容 器 の 開 閉 や 触 感 に 違 和 感( き つ い 、 ゆ る い 、 引 っ 掛
か り な ど )が な い こ と
・ 小 道 具 類( 筆 な ど )が 使 え る こ と
評価項目
不良分類
ランク(欠点階級)分け
表示
・薬事法に基づく責任表示の記載事項に誤りがないこと
・異種混入がないこと
標準見本
見栄え
・色、形などが要求デザイン通りであること
・キズや汚れがないこと
不良項目
限度見本
AQ L
出来栄え
・ 組 み 付 け( 成 型 )が 仕 様 通 り に し っ か り し て い る こ と
・パーツなどの欠損がないこと
・異臭などないこと
不良項目 / ランク分け
限度見本
AQ L
安全性
美容性
英知機能
安定性
感性機能
2.2 適切な工程での監視
「 図 2 製 造 工 程 と 外 観 検 査 」に 示 す よ う に 、 化 粧 品 製 造 工 程 に お い て は 、
「原材料受入検査」
「製造バルク・充填仕掛品の工程内検査」
「 完 成 品 の( 最 終 )検 査 」が あ り ま す 。 検 査 方 法 と し
て理化学試験、微生物試験などとともに、原料の色匂い、外装類のキズ汚れ、表示、デザイ
ン の 色 味 、 ク リ ー ム の 乳 化 状 態 、 口 紅 表 面 の 艶 等 々 全 て の 検 査 に お い て 必 ず「 外 観 検 査 」
「官
能( 使 用 )試 験 」に よ り 2 . 1 で 述 べ た 規 格 に 沿 っ て 監 視 し ま す 。 し た が っ て 、 工 程 毎 、 部 材 毎 、
製 品 毎 に「 検 査 規 格 書 」
「 見 本 類 」を 用 意 し ま す 。
03
完成品検査
成
型
バルク検査
バルク製造
原料検査
仕上梱包
填
仕掛品検査
充
材料検査
購 買
・外観検査
・表示事項
・機能検査
・異種混入 ・匂い検査
・外観色検査
・物理化学試験
・外観検査
・機能検査
・匂い外観色
・異種混入
・匂い検査
・使用性試験
・外観色検査
・異物検査
・物理化学試験
・外観検査
・機能検査
・匂い外観色
・異種混入
使用性、機能、デザイン
図 2 製造工程と外観検査
2.3 人による正確な判定
化 粧 品 に 限 ら ず「 人 」に よ る 検 査 は 、 機 械 よ り も 変 化 に 柔 軟 に 対 応 で き る 点 は 長 所 で す が 、
短 所 と し て は「 再 現 性 の 低 さ 」
「 個 人 間 、 個 人 内 の バ ラ ツ キ 管 理 の 難 し さ 」な ど が 挙 げ ら れ ま
す 。 し か し 、 そ う い っ た「 測 定 誤 差 」の 精 度 向 上 は 機 械 に よ る 場 合 と 何 ら 変 わ る こ と は あ り ま
せん。設定された規格をどのくらいの精度で測定するか決め、相応しい測定機=検査員を選
定し、誤差影響の少ない検査室環境下で、決めた項目とサイクルで点検校正していきます。
化粧品であるだけに、
「 色 」と「 匂 い 」を 重 要 点 検 項 目 に し て い ま す 。
3.外観検査の進め方と実施手順例
新 製 品 の 発 売( 生 産 )が 確 定 す る と 、 技 術 検 討 、 設 計 開 発 が ス タ ー ト し 、 原 材 料 や 商 品 毎
に「 試 作 」が 行 わ れ ま す 。 試 作 品 を 基 に「 仕 様 書 」お よ び「 検 査 見 本 」が 確 定 し ま す 。 検 査 部
門 で は 試 作 品 や 検 査 見 本 を 評 価 し、
「 規 格 設 定 基 準 書 」に も と づ い て「 原 料 」
「材 料」
「バ ル ク」
「 完 成 品 」ご と に「 個 別 検 査 規 格 」を 制 定 し ま す 。
「 検 査 実 施 」に お い て は 、 あ ら か じ め 制 定 さ
れ て い る「 共 通 検 査 規 格 」に よ り
キ ズ の 大 き さ・ 数
や
汚れの種類
などの判定基準お
よ び 、 前 述 の「 個 別 検 査 規 格 」と 併 用 し 検 査 を 実 施 し ま す 。 新 製 品 の 場 合 、 原 材 料 ∼ バ ル ク
04
材料検査規格書
主管部署
1 適用範囲
材料符号
品責者
担当
共通規格 Ⅰ
化粧品
価格*** 円
*.* g
*ランク
ABCD -材料
製品名 *********
2 検査規格
分類
検査項目
A-1 生地色調
A-2 キズ/汚れ/生地ゴミ/変形
A-3 破損(カケ/ワレなど)
A-4 組立不良
A-5 成形不良
A-6 印刷不良
C-1 異種混入
C-2 資材欠如
D-1 繰り出し調子
E-1 個装落下強度 ※1
試責者
規格
標準見本に準じる
合格判定基準内
合格判定基準内
合格判定基準内
合格判定基準内
合格判定基準内
合格判定基準内
合格判定基準内
スムーズであること
高さ**cmで破壊のないこと
検査方法
目視検査
目視検査
目視検査
目視検査
目視検査
目視検査
目視検査
目視検査
官能検査
個装落下試験
サンプリング
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
抜取表1
n=*
※ 分類の内容:A=外観 B=衛生 C=その他 D=機能 E=チェック
初動トルク
キャップ嵌合強度
作動トルク
中皿嵌合強度 ※3 オーバーラントルク(上下)
* ~ *Ncm
** ~ **Ncm
* Ncm 以上
** ~ **Ncm
* N 以下
( x,R,Max,Min ) ( x,R,Max,Min ) ( x,R,Max,Min ) ( x,R,Max,Min ) ( x,R,Max,Min )
トルクメーター
トルクメーター
プッシュプルゲージ
トルクメーター
プッシュプルゲージ
n = 5
n = 5
n = 5
n = 5
n = 5
※1 検査ポイント注意点
※2 判定基準と注意点
※3 設定範囲と注意点
3 その他
4 嵌合組合せ
材料業者
**** -S
見本置場
**** -K
**** -Q
制
定
・
改
廃
2006/*/**
改
廃
の
要
点
新規作成
図 4 個 別 検 査 規 格 の 代 表 例( 材 料 検 査 規 格 )
図3
個別検査規格の代表例(材料検査規格)
個 別 の 商 品 の キ ャ ッ プ や 容 器 、 箱 な ど の 部 材 毎 に「 適 用 範 囲 」お よ び「 検 査 規 格 」で 構 成 さ
れ、
「 適 用 範 囲 」は 対 象 と な る 材 料 ・ 価 格 な ど の 商 品 情 報 を 記 載 し 、 次 に「 検 査 規 格 」は 検 査 項
目 の 分 類( A は 外 観 、 B は 衛 生 面 、 C は そ の 他 な ど )、 各 検 査 項 目 、 そ れ ら の 判 定 基 準 、 欠 点
階級、サンプリング基準を指定しています。たとえば、ABCD という名の材料検査を実施す
るときにこの検査規格書を準備し、その内容にしたがって順次進めていきます。
尚、規格書中の分類は項目別に分けてありますが、
「 検 査 方 法 」に 示 す よ う に 、 衛 生 面 や そ
の 他 項 目 の 異 種 混 入 や 資 材 欠 如( 組 み 込 ま れ る べ き 構 成 パ ー ツ 欠 如 )も 目 視 ま た は 触 感 に よ る
検 査 を「 外 観 検 査 」と し て い ま す 。
07
共通規格とは?
どの商品(価格)のキャップ
①外観
キズ 線状 0.4mm×7.0mm
1本以上 軽欠点
②機能
締めトルク
基準値±5Ncm
価格帯によらず規格は共通
商品価格(イメージ) 左から ¥10,000 ¥5,000 ¥3,000 ¥1,000
写真 1 ¥1,000 ~ ¥10,000 の化粧水の容器 / キャップ
写真 1
¥1,000~¥10,000 の化粧水の容器/キャップ
(実際の商品とは関係ありません)
表 5 AQL の設定
(イメージです)
ブランド
A
B
C
D
・・・・・
致命欠点
0.0%
0.0%
0.0%
0.0% ・・・・・
重欠点
0.0%
0.1%
0.5%
1.5% ・・・・・
軽( 総 )欠 点
0.0%
1.0%
1.5%
4.0% ・・・・・
3.2 原料 / バルク系
原 料 / バ ル ク 系 で の 外 観 検 査 項 目 、 不 良 項 目 を「 表 6 原 料 ・ バ ル ク の 外 観 に 関 す る 主 な 評
価 / 不 良 項 目 と チ ェ ッ ク 内 容 」に 示 し ま す 。
表 6 原料・バルクの外観に関する主な評価 / 不良項目とチェック内容
検査項目
評価の例
色
肉 眼 比 色 差 不 良 、 塗 布 色 比 色 差( メ イ キ ャ ッ プ )不 良
匂い
異臭、不快臭、強弱差
外観
色 む ら 、 不 均 一 、 澱( 沈 殿 、 結 晶 )、 分 離 、 ク リ ー ミ ン グ 、 透 明 感 、 濁 度
使 用 感( 触 感 )
取れ、付き、伸び、膜厚
機能
洗浄力不足、撥水性不足
異物
金属片、樹脂片、ガラス片、繊維、紙粉、毛髪、虫、コンタミ原料・バルク
11
げ ま す 。 尚 、既 刊「 外 観 検 査 に お け る 検 査 員 対 応 − 選 定 / 教 育 / 管 理 事 例 と よ く あ る Q & A( 情
報 機 構 )」に「 誤 差 を 排 除 す る 検 査 環 境 作 り 」と し て 詳 細 を 述 べ て い る の で 参 考 に 願 い ま す 。
表 7 化粧品の検査室環境指標
管理項目
管理指標
管理方法 / サイクル
温湿度
温度 22 ∼ 24℃ 湿度 40 ∼ 60%
温湿度記録 / 毎日
照明
1,000 ∼ 1,500Lx
(色比較用蛍光灯)
照度測定 / 年 1 回
騒音
40 ∼ 50db
(図書館レベル)
臭気
無臭
(空気清浄機)
異物混入防止
清掃実施点検 / 毎日
帽子、手袋の着用、入室時の除塵除毛
服装点検 / 毎日
清掃
清掃実施点検 / 毎日
○留意点 6 表示内容は徹底的に確認しましょう
化 粧 品 は 薬 事 法 に よ り「 責 任 表 示 」が 定 め ら れ て お り 、 こ の 表 示 に 瑕 疵 が あ っ た 場 合 は「 不
良 化 粧 品 」と な り ま す 。 化 粧 品 ・ 医 薬 品 の 自 主 回 収 は 、 こ の「 表 示 不 良 」で あ る 場 合 が 多 く 見
受けられます。また、法律や業界規制などにより表示内容の変更も多く、類似材料も多いた
め 、 表 示 の チ ェ ッ ク は 最 も 重 要 な「 外 観 検 査 」と い っ て も 過 言 で は あ り ま せ ん 。
材料受入検査および完成品検査でも、
「 表 示 事 項 連 絡 書( 責 任 表 示 内 容 の 指 示 書 )」を 基 に 版
下 、 工 場 用 見 本 、 検 査 検 体 の 3 点 の「 責 任 表 示 」を 読 ん で 一 字 一 句 確 認 し 、 確 認 し た こ と を 記
録します。材料表示を直接スキャナーでの読み取り、デジタル版下データと照合する装置も
ありますが、現状では人による目読が短時間で正確です。
5.不合格判定と処置
検 査 判 定 で 特 に 注 意 す る の は「 規 格 外 」の 判 定 処 置 で す 。 試 験 責 任 者 は 検 査 員 が 評 点 し た 欠
点ランクの適正について、再評価を指示するかまたは試験責任者自身が再評価を行ようにし
ま す 。 ま た 、 外 観 不 良 は 規 格 ・ 基 準 化 が 難 し い 不 良 項 目 も あ る こ と か ら 、 必 要 に 応 じ て「 一
般 パ ネ ル 」に よ る 評 価 で 欠 点 ラ ン ク を 見 極 め ま す 。
そ の 上 で「 規 格 外 」が 確 定 し た 場 合 は 、 責 任 技 術 者 、 品 質 保 証 責 任 者 に 報 告 を 行 い ま す 。 品
質保証責任者は商品情報、過去の経歴や原因調査、クレームや顧客の情報を収集します。以
上 の 手 順 を 踏 ん だ 後 、総 合 的 に 不 合 格 ま た は 特 別 採 用 の 判 定 を 行 い ま す 。結 果 に し た が っ て 、
15
6.2 検査員認定・更新制度
検査員候補者は前述の教育訓練内容を一定期間で実務作業および座学、実習訓練で履修
し 、 一 定 基 準 に 達 し た 者 を「 検 査 員 認 定 」す る 仕 組 み を と っ て い ま す 。 ま た 、 日 常 の 業 務 評 価
と技能試験により、年一回の更新を行っています。
6.3 日常での検査員の水準合わせ
前 述 の 検 査 員 の 認 定・更 新 を 検 査 装 置 の 校 正 と し た な ら ば 、 検 査 員 の 日 々 の ゼ ロ 合 わ せ( 水
準 合 わ せ )も 必 要 で す 。日 常 発 見 さ れ る 不 良 品 を 利 用 し 、何 名 か い る 検 査 員 に 同 じ も の を 別 々
に評価させ、検査リーダーなどの基準検査員との評価のズレを認識してもらい水準ゼロ合わ
せ を 行 い ま す(「 表 9 検 査 員 の 水 準 合 わ せ の 例 」参 照 )。
表 9 検査員の水準合わせの例
スクリーニング(官能評価)実施記録 ( 2008 年度) 報告日;( 2008/**/** )
0-許容 1-軽欠点 2-重欠点 3-致命欠点
<初回評価>
No 日付
1
品目
ロット
11/8 XXラベル
評価内容
Aさん
評価結果
Cさん
Dさん
Bさん
基準(Sさん)
印刷不良
3
○
0
×
3
○
3
○
3
2
XXキャップ
キズ
1
○
1
○
1
○
0
△
1
3
XX容器
組立不良
0
×
2
△
1
○
1
○
1
4
XXコンパクト
異物混入
3
○
3
○
3
○
3
○
3
備考
判定
再教育
規格を参照再教育実施
再教育
規格を参照再教育実施
5
<再評価>
No 日付
品目
ロット
評価内容
評価結果
Aさん
Bさん
Cさん
Dさん
備考
判定
基準(Sさん)
1
11/8 XXラベル
印刷不良
3
○
2
△
3
○
3
○
3
2
XX容器
組立不良
1
○
1
○
1
○
1
○
1
3
4
5
評価基準
○一致している △一致していないが問題なし ×再教育必要 (欠点を見逃している・2段階の間違い)
・( 材料検査 )係
・評価/判定結果に対するアクション
・( 材料検査 )担当
XXラベルおよびXX容器の再評価にて△~○になったので
・( 材料検査 )検査員
特段の教育、調整は行わない
係長
報告
6.4 不良の見逃し、判定ミスへの対応
次工程クレーム、あるいは商品苦情などが明らかに検査員の見逃し、判断ミスによるもの
で あ っ て も「 事 実 を 隠 さ ず 共 有 す る こ と 」
「検査員を責めないこと」
「具体的な再発防止策を取
る こ と 」が 大 切 で す 。
同じミスが起きないように、事実が明確になった時点で速やかに、当該の検査を行った検
査 員 は も ち ろ ん 、 他 の 検 査 員 に も 内 容 を 公 開 し 共 有 し ま す 。 そ の 際 に「 な ぜ 見 逃 し た ? ど
17
Fly UP