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(11)【公開番号】特開
(19)【発行国】日本国特許庁(JP) (12)【公報種別】公開特許公報(A) (11)【公開番号】特開2000−357996(P2000−357996A) (43)【公開日】平成12年12月26日(2000.12.26) (54)【発明の名称】車両用光送信装置 (51)【国際特許分類第7版】 H04B 10/105 10/10 10/22 B60R 16/02 665 H04B 10/00 H04Q 9/00 301 311 331 【FI】 H04B 9/00 R B60R 16/02 665 Z H04Q 301 B 9/00 311 U 331 B H04B 9/00 P 【審査請求】未請求 【請求項の数】2 【出願形態】OL 【全頁数】5 (21)【出願番号】特願平11−167770 (22)【出願日】平成11年6月15日(1999.6.15) (71)【出願人】 【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社 【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2丁目9番13号 (72)【発明者】 【氏名】大江 壮一郎 【住所又は居所】神奈川県中郡二宮町緑が丘3―3―16 【テーマコード(参考)】 5K002 5K048 (57)【要約】 【課題】車両から情報を外部に光で送信する場合に、従 【Fターム(参考)】 来の光送信装置では受信装置が設置されている場所が異 5K002 AA01 FA03 GA03 なる場合に、複数の送信装置を用意する必要があった。 5K048 AA03 AA04 AA13 BA42 DA02 DB02 DC01 EA01 HA05 このために搭載するスペースが大きくなり、制御が複雑 になり、保守工数が多くなり、コストアップになってい た。 【解決手段】情報伝達媒体に光を使い、その光に情報を のせ、その光は車両の灯具から送信されるようにした車 両用光送信装置で、前後左右に設置された複数の灯具か ら、同じ情報を同時に送信することで受信装置がどの方 向に設けられていても信号を伝達することができる。 特開2000-357996 (2) 【特許請求の範囲】 ガレージ周辺に設置された光受信装置に光信号を送信 【請求項1】情報伝達媒体に光を使い、その光に情報を し、光受信装置はその信号を受けて、正しい信号である のせ、その光は車両の灯具から送信されるようにした車 かどうか判断して、OKであればモーターを駆動して、 両用光送信装置であって、前後左右に設置された複数の シャッターを開けている。 灯具から、同じ情報を同時に送信するようにしたことを 【0008】 特徴とする車両用光送信装置 【発明が解決しようとする課題】これらの従来例では情 【請求項2】灯具と該灯具駆動部との間に設けた信号切 報を前の車両に送信する場合は前照灯を使い、後方及び 替部と信号発生部及び灯具駆動部を含む信号送信部を設 側方に対して送信する場合は方向指示灯を使い、また後 け、該信号送信部出力を信号切替部を経由して直接灯具 続車両に対して送信する場合は制動灯を使っている。そ を駆動するようにした1項記載の車両用光送信装置 して、リモコンによるガレージ開閉制御ではリモコンを 【発明の詳細な説明】 光受信装置の方向に向けている。このように、車両から 【0001】 ある情報を外部に送信する場合に、従来の送信装置はど 【発明の属する技術分野】本発明は車両から車両の外部 のような情報をどこに伝えるかにより、光信号送出用灯 に光により、情報を送信するようにした送信装置に関す 具及びその駆動回路からなる送信装置が別々に必要であ るもので、例えばガレージのシャツターを開閉制御する った。 装置、高速道路や駐車場での料金徴収装置、限られた建 【0009】このことは送信装置側から見ると、受信装 物、地域への出入りを管理する出入管理装置等に関する 置がどの方向にあるかにより、方向指示灯から光を送信 ものである。 するか、前照灯から光を送信するか、制動灯から光を送 【0002】 信するか、あるいはリモコンから光を送信するかが決め 【従来技術】従来車両の灯具を使って、情報を伝達する られていた。 方法はいろいろあった。例えば、方向指示灯においては 【0010】近年情報化社会の到来で、高速道路や駐車 車両が右折する場合に右側の方向指示灯を点滅させて、 場での料金徴収システム、あるいは限られた建物、地域 右側周囲の関係者に知らせている。同様に左折する場合 への出入りを管理する出入管理システム等において、車 には左側の方向指示灯を点滅させて、左側周囲の関係者 両がゲートを通過する際にクレジットカードの情報を読 に知らせている。 み取り、その情報をもとに決済が行われている。この場 【0003】また、高速道路の追い越し車線を走行して 合もゲートから読み取れる方向にカードがなければなら いて、前の車両が通常の速度より、速度を落として走行 ない。即ち指向性が考慮されなければならない。 している場合、走行の邪魔になると考えた後続車が前照 【0011】このため、車両にこれらの送信装置を用意 灯をパッシングして、即ち光軸を変えて、走行車線に戻 する場合に、搭載するスペースが大きくなり、コストア るよう伝えることは日常行われている。 ップになり、さらに制御部が複雑になるので、保守工数 【0004】この場合も前照灯という灯具から出る光を が多くかかるという問題点があった。 使って、前の車両に光を送信する。前の車両は光を受け 【0012】本発明は受信装置がどの方向に設置してい て、後続車両からの情報を認識する。このように、前照 ても、送信装置を別々に設ける必要がなく、同一の送信 灯の灯具から出る光を電気的に点滅するなどして情報を 装置で対応でき、搭載するスペースが少なく、ローコス 伝えることは容易に考えられることである。 トで、さらに制御部が簡単になるので、保守工数が少な 【0005】また くて済む送信装置を提供することを目的としている。 車両を停車させる場合、ブレーキを 踏んで制動灯を点灯させることにより、後続車両に停車 【0013】 を伝えている。後続車両は前の車両の制動灯が点灯した 【課題を解決するための手段】本発明に係わる車両用光 ことを認識して、ブレーキを踏んで車間距離を確保す 送信装置は、次のように構成したものである。 る。この場合、運転する人が光を認識するまでの時間が 【0014】(1)情報伝達媒体に光を使い、その光に なんらかの要因により遅れることがあり、その結果制動 情報をのせ、その光は車両の灯具から送信されるように 距離が長くなり、高速走行では危険である。 した車両用光送信装置であって、前後左右に設置された 【0006】このため、前の車両がブレーキを踏んだ場 複数の灯具から、同じ情報を同時に送信することで受信 合に、その車両の制動灯の光を人が認識して対応したの 装置がどの方向に設けられていても信号を伝達できるよ では遅れる場合があるので、前車両の制動灯の光を後続 うにした 車両に設置した光センサーで感知して、ブザーを鳴動さ 【0015】(2)灯具と該灯具駆動部との間に設けた せ、安全を確保する内容が実願昭63―20682に述 信号切替部と信号発生部及び灯具駆動部を含む信号送信 べられている。 部を設け、該信号送信部出力を信号切替部を経由して直 【0007】また、車両をガレージに入れる場合に光リ 接灯具を駆動するようにした。 モコン装置を使って、例えば赤外光を使って、車両から 【0016】 特開2000-357996 (3) 【発明の実施形態】図1は本発明の実施例を示すブロッ の入力端子1Y、2Y、3Y、4Yは全て信号送信部5 ク図である。1a∼1dは灯具を点灯させるためのスイ 側の出力端子5aに接続される。そのため、光信号を送 ッチ、2c、2dは灯具駆動部、3は信号切替部で、こ 信する場合には4a、4b、4c、4dのすべての灯具 の内部には4組の切替回路が内蔵されており、その切替 が同時に点灯され、外部に光信号を送信する。 回路は各々二つの入力があり、そのどちらかの入力に切 【0025】この場合、各灯具に流れる電流が異なるの り替えて出力するように動作する。 で、図示していないが、各灯具に直列に抵抗を挿入する 【0017】4a、4b、4c、4dは車両に搭載され などして、各ランプに適した電流が流れるように調整さ ている灯具、5は信号送信部で5a端子からは灯具駆動 れる。 電圧が出力される。この駆動電圧には情報が含まれてお 【0026】図2は灯具駆動電圧に対する光出力の関係 り、灯具から出射される光にも情報が含まれている。5 を示した図である。(1)は灯具駆動電圧を示してい b端子からは信号切替部3に切替信号が出力される。 て、縦軸が駆動電圧、横軸は時間である。駆動電圧のレ 【0018】さらに詳しく説明すると、1aはタングス ベルに関して、b1レベルはランプが消灯するレベルで テンランプを使用した前照灯を点灯させるスイッチ、1 あり、a1レベルはランプが点灯するレベルである。 bはタングステンランプを使用した尾灯を点灯させるス 【0027】横軸のT1の範囲はスイッチ1a,1b, イッチ、1cはタングステンランプを使用した方向指示 1c,1dがオフ状態で、灯具が消灯している状態を示 灯を点灯させるスイッチ、そして1dはLEDランプを している。そして、t1の時間だけ灯具にパルス波形の 使用した制動灯を点灯させるスイッチである。 駆動電圧を供給している。またT2の範囲はスイッチ1 【0019】2cは方向指示灯を点灯させる駆動部で、 a,1b,1c,1dがオン状態で、灯具が点灯してい この駆動部ではフリッカー点灯のための駆動電圧が出力 る状態を示している。そして、t2の時間だけ灯具にパ される。2dは制動灯を点灯させる駆動部でLEDラン ルス波形の駆動電圧を供給している。このパルス波形に プに対応した駆動電圧が出力される。 ついては図では拡大して書かれているが、このパルス幅 【0020】3は信号切替部で、1X,1Y、1Zの端 は例えば20msecである。実際には制御する対象に 子が一つの切換回路を構成している。同じように、2 より、どの位のパルス幅で、どの位の時間パルスを出力 X,2Y、2Zも一つの切換回路を構成している。以下 するかが決められる。 3X、3Y、3Z及び4X,4Y,4Zについても同じ 【0028】(2)は(1)の駆動電圧がLEDランプ であるので、1X,1Y、1Zからなる第1番目の切替 を使用した灯具に印加された時の光出力を示している。 回路について説明する。 縦軸は光出力であり、b2レベルが消灯時の光出力レベ 【0021】この切替回路は図でリレー接点で示してい ル、a2レベルが点灯時の光出力レベルである。(2) るように、1Zの端子が1X端子に接続されるか、また の光出力波形は(1)の駆動電圧波形と時間軸を一致さ は1Y端子に接続されるかどちらかに接続される。 1 せて書かれている。LEDランプを使用した灯具では図 X端子には1aスイッチからの灯具駆動電圧が入力さ のように光出力は駆動電圧とほぼ同じ波形をしている。 れ、1Y端子には信号送信部からの駆動電圧が入力され このパルス光出力を受信装置で受信する。 る。これら二つの入力電圧のどちらかが、出力端子であ 【0029】(3)は(1)の駆動電圧がタングステン る1Zに出力される。端子1Zには前照灯が接続されて ランプを使った灯具に印加された時の光出力を示してい いる。 る。縦軸は光出力であり、b3レベルが消灯時の光出力 【0022】通常はスイッチ1aからのオン、オフ信号 レベル、a3レベルが点灯時の光出力レベルである。 で前照灯を点灯させるか、消灯させるかしている。そし (3)の光出力波形は(1)の駆動電圧波形と時間軸を て、前照灯から光信号を出力させる場合には信号送信部 一致させて書かれている。 5からの駆動電圧により、前照灯を点滅させる。 【0030】図のように光出力は直流成分に交流成分が 【0023】(2X,2Y、2Z)(3X、3Y、3 重畳された波形になっている。タングステンランプには Z)(4X,4Y,4Z)の各グループ端子に対しても 熱的容量があるために、駆動電圧がオフになっても、タ 同じように動作するので詳細な説明は省略する。尚スイ ングステンランプの熱は急には冷却されないため、光出 ッチ1cからの信号は直接切替回路の入力端子である3 力も同じように急には低下しない。このためにこのよう Xには入らないで、駆動回路2cを経由して入力され な波形をしている。 る。スイッチ1dに対しても同じように駆動回路2dを 【0031】灯具に駆動電圧を印加してどのくらいの時 経由して入力される。 間で光出力が立ち上がるかを示す立上り特性でLEDラ 【0024】ランプを車両用の灯具として使う場合には ンプの方がタングステンランプより格段に立ち上がりが 信号切替部3の入力信号は1X、2X、3X、4X端子 よいために、駆動電圧対光出力の関係でLEDランプの 側に入力され、車両用灯具として点灯する。そして、灯 方がタングステンランプに比べて駆動電圧に近い波形を 具を光信号発生媒体に使う本発明の場合は信号切替部3 示している。 特開2000-357996 (4) 【0032】受信装置では光信号を受光素子で受けて、 装置に到達するので、その光信号を受光素子で受信し 送信された情報を判断して、対応した制御をする。一般 て、登録されている信号であればシャッターが開くよう にこの光信号は屋外で送信されるために、受信装置に入 に作動する。 力される光信号は、光信号に太陽光が重畳された波形に 【0038】このように本発明では車両がガレージ周辺 なっている。このため直流レベルで入力信号を判定した に近づいて、シャッター開信号を送信すれば、シャッタ のではどうしてもS/N比が悪くなり、光信号を受信で ーを開くことができる。 きない。このために一般には交流信号を受信して、信号 【0039】尚、上の説明では灯具から出射される光信 処理している。 号はパルス波形として説明しているが、灯具から出射さ 【0033】このことから交流信号が大きいLEDラン れる光に信号をのせる方法として、パルス波形以外の他 プの方がタングステンランプより光源としては望まし の方法でもよいことは勿論である。 い。しかし、タングステンランプでも受光素子で受ける 【0040】 交流信号はLEDランプに比べて小さいが、増幅するこ 【発明の効果】以上のように、車両の前後左右の複数の とにより、信号を読み取り判断して、対応した制御をす 灯具から同時に同じ光信号を送信しているので、光を受 ることは十分可能である。光源に用いるランプの違いに ける受信装置がどこに設置されていても、受信装置に光 より、単位時間に送ることができる情報量には制限があ が届き、情報を伝えることができるので、送信装置を別 るとしても、上記の説明から情報を送り、受けることが 々に設ける必要がなく、同一の送信装置で対応でき、搭 十分できる。 載するスペースが少なく、ローコストで、さらに制御部 【0034】図3は住宅のガレージに車両を入れる場合 が簡単になるので、保守工数が少なくてすむという効果 の様子を示した図である。6は住宅の敷地、7は道路、 がある。 8は住宅の塀、9はガレージ、10はガレージのシャッ 【図面の簡単な説明】 ター、11はシャッター開閉装置で受光素子を含んでい 【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック図 る。12は車両、13は前照灯、14は方向指示灯、1 【図2】実施例の駆動電圧対光出力を示す図 5は尾灯、16は制動灯である。 【図3】他の実施例のシャッター開閉制御装置 【0035】車両12が左から進行してきて、ガレージ 【符号の説明】 に入る場合に、従来はA位置で車内から、例えば光リモ 1a∼1d スイッチ コンでシャッター開信号をシャッター開閉装置に向けて 2c、2d 灯具駆動部 送信し、その信号をシャッター開閉装置の受光素子で受 3 信号切替部 けて、シャッターを開ける。本発明ではリモコンは使わ 4a∼4d 車両用灯具 ず、13の前照灯、14の方向指示灯、15の尾灯、1 5 信号送信部 6の制動灯から同時に光信号を送信するようにしてい 6 住宅の敷地 る。 7 道路 【0036】A位置でシャッター開信号を全ての灯具に 8 住宅の塀 対して出力すると、シャッター開閉装置にはその方向に 9 ガレージ 出射されている13の前照灯及び14の方向指示灯から 10 シャッター の光信号が到達する(図では方向指示灯からの光が多 11 受信装置 く、前照灯からの光は少ないが)。その光信号をシャッ 12 車両 ター開閉装置の受光素子で受けて、その信号が登録され 13 前照灯 ている信号であればシャッターを開くように作動する。 14 方向指示灯 【0037】また車両がB位置に進んでいる場合に、シ 15 尾灯 ャッター開信号を全ての灯具に対して出力すると、15 16 制動灯 の尾灯及び16の制動灯からの光信号がシャッター開閉 特開2000-357996 (5) 【図2】 【図1】 【図3】 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. H04Q 7 識別記号 9/00 301 311 331 FI H04B テーマコート゛(参考) 9/00 P