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2013東京平和映画祭講演資料

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2013東京平和映画祭講演資料
10周年記念 東京平和映画祭
どう生きる?新しい汚染の時代を
企業優先の規制緩和による食品汚染
(遺伝子組み換えや添加物など)
安田節子(食政策センター・ビジョン21)
2013-9-22
1)グローバリズムによる食の危機
 戦後の自由貿易協定と規制緩和
GATT(貿易と関税に関する一般協定)
↓
WTO(世界貿易機関)
↓
二国間自由貿易協定(FTA/EPA)
↓
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)
検疫の緩和や安全基準の国際基準または輸
出国基準の受け入れ
↓
食べ物の質の低下
国際基準=FAO/WHOコーデックス委員会
自由貿易優先の基準
米国からの規制撤廃要求
1985年アクションプログラム
↓
日米構造協議
↓
1994年~『年次改革要望書』
↓
2011年3月~『日米経済調和対話』
↓
2013年7月 TPP協議参加と日米並行協議開始
↓
日米構造協議の総仕上げ
米国の規制改革要求がTPPや日米
並行協議で強制される
「日米経済調和対話」の要求
(食関連)
・牛肉規制の撤廃
・食品添加物の指定増大
・PH農薬使用を認めよ
・食品添加物
46種類の添加物の認可促進要求
米国指定添加物3000種
↓ ↑
日本約830種
質 の 低 下
・輸入食品の不安
毒餃子事件 アフラトキシン
違法農薬汚染米事件等
・国内業者 国際競争と利益至上主義
↓
食品偽装の横行
安さは輸入の原料頼み
生産から消費までの距離の長さ
消費者の加工食品依存
国際規格の食品安全基準の決め方
① 貿易自由化を阻害しないための論理
例:ポストハーベスト(収穫後農薬散布)容認
② 発がん物質は禁止せず 100万人に1人
の発ガンリスクは 無視しうるとする基準
③ 一日許容摂取量は 体重50kgの健康な
大人を基準 子どもの基準が必要
食品添加物の場合
① 単品での安全性審査
相加毒性、複合毒性、相乗毒性は
調べられていない
・英国における食品添加物の複合毒性
実験で(保存料と合成着色料)多動症
を発症
・ハム・ソーセージなどの発色剤(亜硝酸塩)+
肉、魚に含まれるアミン
↓
胃内において発がん物質ニトロソアミンが
合成される
② アレルギー性添加物の容認
合成着色料(黄色4号など)北欧で禁止の
もの使用
③ 魚に着色料 抗生物質もOK
食品添加物指定品目数の推移
食品表示の偽装は防げるか?
・良心的公益通報者の保護
・官民癒着を断つ公正な監視制度
・天下り禁止
などによって防ぐことができる
遺伝子組み換えとは
種の壁をこえて異なる生物の遺伝子を
導入し遺伝的に改造する方法
自然界にないものを食卓や生態系に
持ち込むことへの懸念
日本で認可・流通が認められた
遺伝子組み換え作物
大豆、とうもろこし、なたね、ワタ、じゃがいも、
テンサイ、アルファルファ、パパイア
8作物(189品種)(2012年7月現在)
どんな性質を持たせたか
除草剤耐性
殺虫毒素生成品種
近年は両方の性質を持たせた品種
殺虫毒素生成トウモロコシ
トウモロコシそのものが農薬登録(米国)
遺伝子組み換え食品添加物の認可が
表示なしで増え続けている
アミラーゼ
リパーゼ
キモシン
リボフラビン
プルラナーゼ
グルコアミラーゼ
Lグルタミン酸など
↑
トリプトファン事件の教訓は?
最大の輸入国日本
遺伝子組み換え作物は 主に食用油や
家畜飼料の原料として輸入されている
例えば マヨネーズ マーガリン 醤油
コンスターチ・・・
大豆、コーンは米国から
ナタネはカナダから
綿実はオーストラリアから
生産に占めるGM種の割合
米国のトウモロコシの88%(2011年)
大豆の94%(同)
カナダのナタネの98%
オーストラリアの綿実の90%
増え続ける食用油、畜産物の消費のために輸入
遺伝子組み換え食品表示
表示対象食品でも 全原材料のうち
重量の割合が上から3番目まで 原
材料中に占める重量が5%以上のも
のに限定して表示される
遺伝子組み換え作物を原料に使用し
ても
表示されない食品が多数
しょう油・大豆油・コーンフレーク・水飴・異性化液
糖・デキストリン・コーン油・菜種油・綿実油・砂糖
(テンサイを主な原材料とするもの)
加工食品から遺伝子組み換え作物を
間接的に摂取
菓子や清涼飲料水に含まれる異性化糖(トウモロ
コシを糖化してできた安価な糖分)
コーンスターチ 大豆レシチンなど
★TPPでGM表示の撤廃が
懸念されている
GM表示がなくなれば
米国からGM米 GM小麦
GMサーモンが輸出される?
食卓を席巻するGM
日本人の健康は?
成長促進遺伝子が組み込まれたサケ(上)
普通のサケの2倍の速さで育つ
人体にはどんな影響がある?
アレルギー性 長期摂取の影響は未知である
導入遺伝子産物の影響
抗生物質耐性遺伝子の影響
予想外の植物毒素の可食部での生成
などがあり 栄養価が不足する
【人体への影響】
・GMポテトの動物実験で栄養価の不足・変化
免疫力低下・内臓障害(英国)
・2011年カナダの大学病院の産婦人科の医師たちの発表
30人の妊娠女性と39人のまだ子どもを持っていない女
性の血液から 遺伝子組み換え殺虫毒素が93%の妊娠
女性の血液から検出 80%の女性の臍帯血からも検出
(妊娠していない女性では69%)
遺伝子組み換え作物が作り出す殺虫毒素は腸で破壊さ
れるので無害という説明を否定する
【人体への影響】
・除草剤ラウンドアップ(グリホサート)の危険性
発ガン性の疑い(仏の研究)
・GM大豆生産地
ラウンドアップの被害 アルゼンチンで白血病
皮膚潰瘍 内出血や遺伝障害の多発
住民避難勧告 06年サンタフェ州調査で全国
平均の10倍の肝臓がん 3倍の胃がん 精巣がん
【人体への影響】
・日本 大豆のラウンドアップ残留基準値を
緩和(6ppm→20ppm)
摂取量が急増した
米国では 今年7月 40ppmに緩和した
飼料では100ppmだが
【人体への影響】
・岐阜大医学部 (中里博泰医師)
永久歯が足りない子供の急増 原因は
グリホ サートが有力と発表
グリホサートは残留基準値が緩和され食
卓に登場するGM作物によって摂取量
が急増
国内での散布も
【人体への影響】
東京都神経科学総合研究所の黒田洋一郎は
帝京大学藤井ともこの動物実験を紹介除草剤
バスタ(グルホシネート)を投与されたラットが
噛みつくなど攻撃性を持つことが示され 母親
に投与した子ラットも 尾を傷つけるなど異常
行動を示した
さらに高用量を母親に投与すると通常噛み合
わないメスの子ラットも凶暴になり 噛み合いを
し 殺されるものまで出た
グリホサートもグルホシネートも 類似の構造を
している
【人体への影響】
・米国で殺虫コーン(スターリンク)によるとみられ
る劇症型 アナフラキシーショック
・ロシアのエルマコヴァによるGM大豆の次世代
影響実験で 子ラットの死亡率51.6% (通常の
大豆10%) ラットの内部器官(肝臓、腎臓、睾
丸)に深刻な損傷が見られた。
妊娠する胎児の数 仔ラットの高死亡率 攻撃性
と母性喪失の増加に影響
【人体への影響】】
【人体への影響
Vavilov
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果ノ業
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博学
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実
験者
で
仏 カーン大のセラリーニ教授らの実験
モンサントのGMコーンを一生涯(2年)与えたラットに腫瘍の多発した
メスの早期死亡率70% 雄の早期死亡率50%(2012年)
アグロバイオ企業の種子独占(2009年)
国際種子市場 トップ10が73% トップ3社が55% モ社が市場の4分の1以上を握る
1. モンサント(米国)27%
6. KWS AG (ドイツ)4%
2. デュポン(米国)17%
7. バイエル・クロップ・サイエンス
(ドイツ)3%
3. シンジェンタ (スイス) 9%
4.リマグレイン (フランス)5%
5. ランド・オ・レイクス(米国)4%
(%:シェア)
8.ダウ・アグロサイエンス(米国)
2%
9. サカタのタネ (日本)2%
10. DLF-Trifolium (デンマーク)
1%
生物特許と種子
1980年米国連邦最高裁
チャクラバーティ微生物に特許認める
1998年「UPOV(植物の新品種保護同盟)条約」
1991年改訂が発効
改訂後↓
適用範囲は農作物から全植物へ
種苗の販売だけでなく、収穫物や販売物にまで広げる
農家の自家採種は認めない
植物新品種保護制度と特許制度の二重保護を認める
海外の動静
 英国・スコットランド 学校給食に禁止
 レストランメニューに表示義務化
 欧州連合 食品全て 飼料 添加物 種子に
0.9%以上に表示と追跡可能性
 ドイツ議会 GM作物法案を採択 非GM作物汚
染農民に賠償責任
食品混入は防げない
・未承認トウモロコシBt10の流通 日本で頻繁に検出
・米国 中国ともに開発中の未認可GM米の流出汚
染が 世界規模で拡大
米国産長粒米より 違法な遺伝子組み換えLLRice
601検出
中国で未承認の殺虫性GMイネ Bt63が流通
アレルギーを引き起こす可能性
・米国で未認可gm小麦の自生 輸入各国が小麦
輸入禁止措置
7つの社会的罪
 1.理念なき政治
 2.労働なき富
 3.良心なき快楽
 4.人格なき学識
(ガンジーの碑文から)
 5.道徳なき商業
6.人間性なき科学
7.献身なき信仰
どうしたらいい?
食料・農産物の国際貿易促進は
食の安全と農業を破壊する
有機農業で日本の食文化・農業の建て直しを
健康に良い食べ方が自給を可能にする
米食中心、畜産物と植物油の多食を止める
<肉食は穀物エネルギーの浪費>
国別の年間1人当たり肉類消費量の推移
アメリカ
牛肉1kg得るため飼料穀物11キロ
豚肉1kg7キロの穀物
鶏肉1kg4キロの穀物
日本
- - - - - -
インド
どうしたらいい?
有機農業による自給国家へ
輸入資材によらず地域の物質循環で成り立つ農業
廃棄されてきた「規格外」を利用
作付拡大 米、麦、大豆の生産を増やす
雑穀、野菜の作付も増やす
有機生産者への直接補償
地産地消の促進
フード・マイレージ表示を取り入れる
使用農薬表示制度導入
ブレンド米を禁止する
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