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弘前市地域公共交通網形成計画

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弘前市地域公共交通網形成計画
弘前市地域公共交通網形成計画
弘
前
市
平 成 28 年 5 月
目
1
2
3
次
はじめに ............................................................................................................. 1
1.1
計画策定の背景と目的 ................................................................................................................. 1
1.2
地域公共交通網の定義 ................................................................................................................. 2
1.3
地域公共交通網の構成要素 ......................................................................................................... 2
1.4
計画の区域 ................................................................................................................................... 3
1.5
計画の期間 ................................................................................................................................... 3
関連計画の整理 ..................................................................................................... 4
2.1
計画の位置付け ............................................................................................................................ 4
2.2
上位計画および既存計画における地域公共交通網の位置付け ................................................... 5
地域公共交通の現状および課題 ................................................................................ 13
3.1
地域概況と人口分布 .................................................................................................................. 13
3.2
地域公共交通の状況 .................................................................................................................. 25
3.3
弘前市の都市構造と地域公共交通............................................................................................. 42
3.4
都市や地域の現状から整理される公共交通に関する課題 ........................................................ 47
4
地域公共交通網形成の基本理念と基本方針 .................................................................. 50
5
地域公共交通網形成計画の目標 ................................................................................ 52
6
5.1
目標設定の考え方 ...................................................................................................................... 52
5.2
目標と評価指標 .......................................................................................................................... 53
地域公共交通網形成に必要な事業 ............................................................................. 61
6.1
地域公共交通網再編および関連施策展開の方針 ....................................................................... 61
6.2
網形成計画における取り組み事業............................................................................................. 63
7
目標達成のための事業スケジュール .......................................................................... 82
8
計画達成状況の評価と検証の方法 ............................................................................. 86
8.1
地域公共交通網形成のマネジメント ......................................................................................... 86
8.2
評価と検証の具体的な方法、実施サイクル .............................................................................. 87
8.3
評価と検証に必要なデータなどの収集方法 .............................................................................. 88
1
はじめに
1.1 計画策定の背景と目的
国全体では、公共交通については、
「まちづくりと一体となった公共交通網の維持・発展を通じ
た地域の活性化」等を意識した「交通政策基本法」が平成 25 年に施行されたことを受け、
「地域公
共交通の活性化及び再生に関する法律」を平成 26 年に改正、鉄道や路線バス等を一体的に捉え、
持続可能な地域公共交通網の再構築を図ることを強く明確に打ち出しています。一方、まちづくり
については、人口減少による集落や市街地の低密度化等が、都市経営コストの増加、高齢者や子育
て世代の生活環境の悪化等に繋がることから、まとまりのある市街地等を維持、形成するため、都
市再生特別措置法等を改正し、市町村が住宅や商業施設等に関する「立地適正化計画」を作成でき
ることになり、この立地適正化計画では、生活サービス機能の計画的配置を図るエリア、まとまっ
た居住の推進を図るエリアと公共交通との一体的な位置付けが求められています。
このような中、弘前市では、人口減少、超高齢社会の到来など、社会環境の変化に対応し地域が
生き残るため、「弘前市経営計画」を策定し、行政だけでなく市民、民間事業者等も含めた地域全
体を一つの経営体として捉えた地域づくりを行っているところです。まちづくりについては、基本
計画である「弘前市都市計画マスタープラン」を平成 26 年度に策定し、
「弘前市立地適正化計画」
の策定に着手しています。市民生活を支える公共交通については、モータリゼーションの進展等に
より厳しさを増すなか、弘前市地域公共交通会議による「弘前市地域公共交通計画」等に基づき、
安全性、利便性、快適性の向上と運行の効率化を図り、持続可能な公共交通網を構築、維持してい
く取り組みを進めてきました。
コンパクトにまとまった市街地の中で公共交通を有効に活用して、過度に自動車に頼ることなく
健康的で環境にもやさしい、また財政的にも負担の少ない都市経営を行うことが多くの地方都市の
目標である今、弘前市は、市街化を進める区域と人口が集中している区域がほぼ等しく、様々な都
市機能が一定程度以上に集積しているうえ、鉄道(JR、弘南鉄道)と路線バス網を備えており、他
の地方都市からすれば、目標とする都市像のような恵まれた条件を備えていると言えます。
これらの背景を踏まえたうえで、弘前市の魅力と価値を高め、市民が質の高い充実した生活をお
くれるよう、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律(平成 26 年法律
第 41 号)に基づき、
「弘前市にとって望ましい公共交通網の姿」を明らかにするマスタープランと
して、鉄道や路線バス、乗合タクシー等が一層一体的かつ持続的に機能する公共交通網を形成する
ため、まちづくりとの連携、市民や交通事業者等との連携による「弘前市地域公共交通網形成計画」
を策定します。
1
1.2 地域公共交通網の定義
地域公共交通網を形成するとは、鉄道やバスなどの公共交通機関の個別の存在、ある拠点間が連
絡された状態から、公共交通機関相互が連続して機能し、弘前市(地域)が面的に、かつ機能的・
効率的に結ばれたネットワークを、整備しその状態を維持していくこととします。
1.3 地域公共交通網の構成要素
地域公共交通網を構成する交通機関(手段)は以下のとおりとします。
① 鉄道(JR 奥羽本線・JR 五能線)
JR 奥羽本線、JR 五能線は、市内の移動のみならず他都市との広域移動を担う公共交通機
関であり、大量の移動需要にも対応できるものです。公共交通網の中では、基幹的な役割を
果たします。
② 鉄道(弘南鉄道大鰐線・弘南鉄道弘南線)
弘南鉄道大鰐線は、弘前市内を中心に大鰐町とも連絡し、弘南線は、黒石市、平川市、田
舎館村と連絡し、弘前都市圏内の移動を安定的に支える公共交通機関です。公共交通網の中
では、JR 線に準じて基幹的な役割を果たします。
③ バス
バスは、弘前市内および周辺市町村との間の移動、各地域・地区内の移動を幅広く担うも
ので、公共交通網においては、市内および地域間の幹線としての役割から、各地域・地区に
おける支線としての役割を果たします。
民間交通事業者(現在は弘南バス株式会社)が運行する路線バスのほか、相馬地区で運行
される予約型乗合タクシーも含みます。
④ タクシー
タクシーは、鉄道やバスでは対応することが難しい、少量で多様な移動の需要に対し、よ
りきめ細かいサービスを提供する公共交通機関です。公共交通網全体の需要やニーズの隙間
を補完する役割を果たします。
⑤ その他
民間交通事業者(バス事業者やタクシー事業者)が担うことが難しい、特定の地域や住民
による少量の区域内や施設間の移動需要に対し、地域住民組織や非営利活動法人等が運営主
体となって、公共交通の一部を補完的に担う交通が想定されます。
2
1.4 計画の区域
計画区域は、弘前市全域とします。ただし、弘前都市圏の中心市の役割を果たす必要があること
から、周辺市町村との交流連携を図る事業も必要に応じて実施します。
鶴田町 至 五所川原
至
青森
鯵ヶ沢町
板柳町
藤崎町
黒石市
田舎館村
弘南鉄道
弘南線
平川市
西目屋村
弘南鉄道
大鰐線
弘前市
大鰐町
路線バス
図 1-1
計画の区域
1.5 計画の期間
本計画の期間は、平成 28 年度から平成 37 年度までの 10 年間とします。
計画は中間段階で目標の達成状況などをモニタリングしながら適切に改訂していきます。
3
至
秋田
2
関連計画の整理
2.1 計画の位置付け
本計画は、弘前市経営計画に即してつくられた、まちづくりのマスタープランである「弘前市都
市計画マスタープラン」の分野別計画のひとつとして、都市計画分野で土地利用と都市機能の配置
やまとまりに関する方針を定める立地適正化計画と一体的に策定・展開する、公共交通に関するマ
スタープランとして位置付けるものです。
なお、本計画は、弘前市地域公共交通計画(平成 23 年度策定)、弘前圏域地域公共交通計画(平
成 24 年度策定)
、弘前市地域公共交通総合連携計画(平成 25 年度策定)による基本方針や事業を
基本的に継承しつつ、見直しを行なうものです。
弘前市経営計画
即する
弘前広域都市計画区域
マスタープラン(青森県)
弘前市都市計画マスタープラン
即する
連携し整合性を確保
【分野別計画】
弘前市歴史的風致維持向上計画
弘前市景観計画
弘前型スマートシティ構想
個別具体の運用
弘前市地域防災計画
公共交通計画(地域公共交通網形成計画)
即する
即する
一体的に策定・展開
【弘前市の都市計画】
【青森県の都市計画】
地域地区
都市施設
立地適正化計画
市街地開発事業
地区計画等
その他都市計画
区域区分
など
図 2-1
など
計画の位置付け
4
2.2 上位計画および既存計画における地域公共交通網の位置付け
(1) 弘前市都市計画マスタープラン
平成 27 年 3 月策定の「弘前市都市計画マスタープラン」では、今後の人口減少・超高齢社会の
なかで持続可能な都市づくりを進めるにあたっては、都市としての魅力を向上させる必要があると
の考えから、弘前らしさを生かし、それらをさらに伸ばしていく都市づくりを目指しています。そ
の中で、まちづくりと公共交通の連動を明確に位置付けています。
弘前市の目指す都市の姿
弘前駅を中心に、市役所や図書館などの公共施設、大学を始めとした学校、病院などが集中し、
公共交通や自転車、徒歩で十分生活できる既にコンパクトな街並みが形成され、超少子高齢社会
に対応可能な都市・地域規模と考えられる弘前市においては、生活に必要な機能や街の豊かさ・
魅力を維持し、歴史・文化的資源、りんごを中心とした良好な農地、岩木山に代表される豊かな
自然などの弘前らしさを伸ばし、市民が地域特性に応じて弘前ならではの多様な暮らしを楽しめ
るまちを目指します。
集落拠点と市街地が公
共交通で連動したまち
都市機能が集積した
コンパクトなまち
<弘前市の目指す都市の姿>
暮らしを楽しめるまち
自然と共に生き、安心
で快適な生活を送るこ
とができるまち
歴史・文化、個性が
光るまち
出典:弘前市都市計画マスタープラン
弘前市の目指す将来の都市構造の考え方
コンパクトな市街地・集落地を維持し、各地域の拠点に機能を集約する移動しやすい都市構造
1) 市域をエリア特性の異なる「まちなか」、
「郊外」
、「田園」に区分します。
2) 「まちなか」は本市全体の「拠点」とし、
「まちなか」に集中する都市機能が周辺に拡散すること
を防ぎます。
3) 「郊外」と「田園」の各地域に「拠点」を位置づけ、必要な生活サービス・交流機能を誘導、コ
ンパクトに集約します。
4) 「まちなか」では弘前駅周辺と土手町を核としてこれらをつなぎ、まちなか居住を誘導するなど、
まちづくりを面的に展開します。
5) 「まちなか」と「郊外」からなる市街地の規模は現状から拡大せず、自転車でも移動が可能なコ
ンパクトな市街地の良さを維持します。
6) 「田園」の自然環境を保全し、各地域(集落)から「まちなか」への公共交通のアクセスを確保
します。
7) 「まちなか」と周辺都市を結ぶ公共交通も強化し、周辺都市の人たちがさらに弘前を利用しやす
くなるようにします。
8) 「まちなか」、「郊外」の歴史資源、観光資源、高次都市機能を連携する道路交通ネットワークを
再編します。
出典:弘前市都市計画マスタープラン
5
出典:弘前市都市計画マスタープラン
図 2-2
将来都市構造のイメージ図
(2) 弘前市立地適正化計画
平成 27 年度に策定中の「弘前市立地適正化計画」では、弘前市がスマートシティの構築に向け
たさまざまなプロジェクトに取り組み、かつ日本の地方都市としては比較的コンパクトなまちを形
成している状況を踏まえつつ、人口減少や高齢化が進んだ20年後を見据え、対応できるよう、公
共交通の利用と徒歩であらゆる生活サービスを受けられ、市民が元気で快適に生活できる、雪国な
らではのスマートで公共交通ネットワークと連携したコンパクトなまちに発展させていく『発展型
コンパクトシティひろさき』を目指しています。
公共交通は、都市機能や拠点間の連動・連携に重要な役割を期待されると共に、公共交通に歩い
てアクセスできる範囲に都市機能や居住を誘導する機能も担うものとされています。
弘前市の目指すまちの骨格(市街地の都市構造)
 既往の都市機能が立地するJR弘前駅から弘前公園に至る中心地区と、その周辺に生活を支え
る都市機能が備わる複数の生活拠点を有する都市構造を形成。
 中心地区は、公共交通の利便性が特に高いエリアとし、この中心地区と地域拠点を利便性の高
い公共交通でつなぐ。
 アクセス性の高い中心地区及び地域拠点の周辺に居住を誘導し、コンパクトなまちづくりを推
進。
6
図 2-3
まちの骨格(市街地の都市構造)のイメージ図
7
居住誘導区域の設定が考えられる区域
 人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスや
コミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域。
 都市機能や居住が集積している都市の中心拠点及び生活拠点並びにその周辺区域
 都市の中心拠点及び生活拠点に公共交通により比較的容易にアクセスすることができ、都
市の中心拠点及び生活拠点に立地する都市機能の利用圏として一体的である区域
 合併前の旧町村の中心部等、都市機能や居住が一定程度集積している区域
出典:改正都市再生特別措置法等について(国土交通省都市局都市計画課)
都市機能誘導区域の設定が考えられる区域
 医療・福祉・商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、こ
れらの各種サービスの効率的な提供を図る区域。
 鉄道駅に近い業務、商業などが集積する地域等、都市機能が一定程度充実している区域
 周辺からの公共交通によるアクセスの利便性が高い区域等
 都市の拠点となるべき区域
出典:改正都市再生特別措置法等について(国土交通省都市局都市計画課)
8
(3) 弘前圏域地域公共交通計画
平成 25 年 3 月策定の「弘前圏地域公共交通計画」では、地域間をつなぐ路線バスの維持・改善
に関する考え方、路線再編の方針を明らかにしています。
弘前圏域の路線バス再編の考え方

弘前圏域を広域的に捉えたうえで、弘前圏域の公共交通ネットワークにおいては、圏域のネ
ットワーク化・連携による持続可能なモビリティの確保が目標であるとし、
「地域間幹線[弘
前中心型]」
、
「地域間幹線[市町村連絡型]」
、「地域内フィーダー」の 3 つに分類し、各再編
の方針を以下のように考えます。
【方針 1】弘前市中心部と周辺市町村を結ぶ交通は地域間幹線[弘前中心型]としてバスと鉄道に
よる弘前中心部を繋ぐ地域間幹線の確保

各地域から弘前市中心部を放射状に結び、弘前圏域のネットワーク化の主体となる路
線であり、利用ニーズが高い路線については主要幹線路線として高サービス水準で運
行し、その他については準幹線路線として、利用実態に合った持続可能な路線としま
す。バス路線に加え鉄道路線も地域間幹線を担い連携します。
【方針 2】周辺市町村間を結ぶ交通は地域間幹線[市町村連絡型]として実態・ニーズに合わせた
市町村間幹線路線の確保

弘前圏域の弘前中心部以外の市町村間を繋ぐ路線であり、弘前中心部を介さず地域間
を結びます。ニーズや移動実態にあわせて近隣市町を結ぶことで、圏域の一体的な交
通体系が強化されます。弘前中心部には方針 1 の地域間幹線とのネットワークにより
繋がります。
【方針 3】各市町村の拠点から市町村内(郊外部等)への交通は地域内フィーダーとして幹線と一
体的に機能する地域内交通の連携

方針1、2で設定する幹線に繋がる地域内の交通として運行する路線であり、地域内
の移動を確保するとともに、幹線に繋がり広域な移動の端末として機能する路線とし
ます。幹線、支線が相互に補完し合って、サービス維持や利用促進効果を狙います。
9
(4) 弘前市地域公共交通計画・公共交通総合連携計画
平成 24 年 3 月策定の「弘前市地域公共交通計画」
、これを踏まえた平成 26 年 3 月策定の「弘前
市地域公共交通総合連携計画」では、路線バスと鉄道(弘南鉄道大鰐線)の課題を確認し、計画の
目的である「持続可能な公共交通体系の戦略的な構築」及び「公共交通サービスの向上・改善」に
向け、各路線の維持・改善に関する考え方、路線再編および活用の方針を明らかにしています。
路線バスの維持・改善に関する考え方と路線再編および活用の方針
①弘前市の都市拠点(中心部)の交通体系の確立

弘前駅周辺の拠点エリアを都市の核(=交通の核)として路線設定を行ないます。

中心部における循環バス等、中心部の回遊性向上のための路線形態を構築します。
②弘前市の地域性を踏まえたネットワークの確立

移動発生、交通流動に沿った路線設定:都市の核を中心として、各方面の人口・施設・就
業者集積エリア(都市の核から相馬庁舎、岩木庁舎前、板柳駅、堂ヶ沢北口、藤崎船場角、
黒石駅、大鰐駅、小栗山、桜ヶ丘までの人口集積が高いエリア)に沿った形で、メインと
なるバス交通体系を構築します(市街化区域の人口分布、施設分布への対応)。上記以外
の路線については、ニーズが少ないため、サブ的な路線としてメイン路線を補完する形で
のバス交通体系を構築します。

路線の役割分担の設定:メインとなる路線を幹線、サブとなる路線を支線と位置づけ、幹
線・支線が繋がりながらネットワークを形成する公共交通体系とします。支線は、バス交
通以外の交通システムを適用することも想定します。鉄道は公共交通の幹線として位置付
けます。

鉄道とバスの連携:鉄道とバス路線のダイヤ接続等、補完し合える公共交通体系を構築し
ます。

交通結節点の設定:都市の核およびバス路線相互の結節箇所において、市内バス路線が繋
がる結節点を設定することで、バス路線のネットワーク化を図ります。
③住民に提供する交通サービス水準・維持水準の設定

幹線・支線は需要発生の可能性より、運行時の収支状況に違いがでるため、需要や収支に
見合った路線やサービス水準の設定を行ないます。
④弘前市の地域性を踏まえた運行形態の工夫

積雪期・非積雪期の季節性に配慮した運行設定:需要の増加に伴う運行本数の対応として、
冬季ダイヤの充実等を検討します。

高校直通便等利用実態に合わせた運行方法の検討:高校通学利用等の一定の固定需要路線
については直通路線の維持等を検討します。
10
弘南鉄道大鰐線の維持・改善に関する考え方と路線再編および活用の方針
①弘前市中心部における他モードとの接続の確保

弘前市中心部を路線の起点としている利点を活かし、中央弘前駅において路線バス等他の
交通モードとの接続を確保します。これにより、弘前駅前等の商業施設や弘前市役所、弘
前公園、医療施設へのアクセスの向上を図ります。
②大鰐線の魅力の向上

大鰐線の持つ鉄道路線としての資源や観光施設等を最大限活用し、大鰐線の活用を前提と
した観光施策の展開や、情報発信を行っていくことにより、大鰐線の魅力の向上を図りま
す。
③移動ニーズ(通勤・通学、通院、買い物、観光等)への対応

大鰐線沿線の教育施設への通学、弘前市中心部や大鰐町中心部への通勤・通学、買い物、
通院、観光等の移動ニーズへの対応を図ることが必要であり、他モードとの接続・魅力向
上の実現にあたっては移動ニーズへの対応を念頭に取組んでいきます。
④大鰐線の存続に向けた気運の向上

大鰐線の存続に向け、地域住民自ら大鰐線が必要と認識し、地域での取組み等を行うこと
が必要となることから、住民が自主的に行う大鰐線活性化のための活動の支援等を通じ
て、大鰐線の存続に向けた気運を高めます。
11
天長園
凡例
路線再編の検討対象
鉄道路線(幹線)
バス路線(幹線)
ザビック浪岡
バス路線(準幹線)
準幹線路線
バス路線(支線)
板柳案内所
堂ヶ沢北口
フィーダー化検討路線
路線再編の検討対象
幹線路線
幹線路線
路線再編の検討対象
フィーダー化検討エリア
黒石駅前
結節点
(例)岩木庁舎前
準幹線路線
いわき荘前
路線再編の検討対象
幹線路線
結節点
(例)五所局前
西目屋村役場前
桜ヶ丘案内所
・大鰐線の活性化
・鉄道とバスの補完による交通体系の整備
弘前営業所
フィーダー化検討エリア
図 2-4
路線再編の検討対象
公共交通再構築の方面別方針
12
3
地域公共交通の現状および課題
3.1 地域概況と人口分布
(1) 弘前市の都市計画区域と市街化区域

弘前市の市域面積(52,412ha)のうち、都市計画区域は 17,897ha(約 34%)
、市街化区域
は 2,830ha(約 5.4%)、市街化調整区域は 15,067ha(約 28.7%)です。

計画的な市街地整備に取り組んできたため、市街地が無秩序に拡大することなく、コンパ
クトな市街地を形成しています。
市街化区域
2,830ha(約 5.4%)
弘前市行政区域
52,412ha
市街化調整区域
15,067ha(約 28.7%)
都市計画区域外
34,515ha(約 66.9%)
都市計画区域
17,897ha(約 34.1%)
中心部はおおむね半
径 2.5km の範囲に
収まっています。
図 3-1
弘前市の都市計画区域と市街化区域
13
(2) 弘前市の市街化区域と DID 地区

弘前市の市街化区域(2,830ha)のほとんど約 89.4%、2,530ha が DID 地区です。

DID 地区には市域人口の約 66.0%にあたる 121,109 人が居住し、その人口密度は 47.9 人
/ha となっています。
市街化区域面積:2,830ha
DID地区面積:2,530ha(約 89.4%)
図 3-2
弘前市市街化区域と DID 地区
DID 地区(人口集中地区)とは、国勢調査基本単位区及び基本単位区内に複数の調査区がある場合
は調査区(以下「基本単位区等」という。
)を基礎単位として、1)原則として人口密度が 1 平方キ
ロメートル当たり 4,000 人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、2)それらの
隣接した地域の人口が国勢調査時に 5,000 人以上を有する地域。
表 3-1
弘前市の都市経過化区域別の面積および人口・人口密度
面積
(ha)
人口
(%)
(人)
人口密度
(%)
(人/ha)
市街化区域
2,830
5.4%
127,420
69.4%
45.0
(DID地区)
2,530
4.8%
121,109
66.0%
47.9
市街化調整区域
15,067
28.7%
37,130
20.2%
2.5
都市計画区域外
34,515
65.9%
18,923
10.3%
0.5
52,412
100.0%
183,473
100.0%
3.5
計
出典:平成 22 年国勢調査
14
(3) 弘前市の将来人口の見通し

弘前市の平成 47 年将来人口は、平成 22 年に比較して約 23%減少して 140,482 人に、高
齢化率は平成 22 年の 25.6%から 11.4 ポイント上昇し 37.0%になると予測されています。

市街化区域と市街化区域外の人口構成比は、平成 47 年には市街化区域内が 71.9%、市街
化区域外が 28.1%になることが見込まれています。
表 3-2
人口・年齢階層別構成比の推移(予測)
人口推計
H22
総計
人
口
H27
183,473
年
0~14歳
齢
15~64歳
H32
H37
H42
H47
176,104
167,913
158,695
149,788
140,482
21,894
19,139
16,803
14,795
13,120
11,941
114,545
105,087
97,150
90,190
83,237
76,563
65歳~
47,034
51,878
53,960
53,980
53,431
51,978
別
うち、75歳~
24,169
26,454
27,905
31,088
32,196
31,889
年
0~14歳
11.9%
10.9%
10.0%
9.3%
8.8%
8.5%
15~64歳
62.4%
59.7%
57.9%
56.7%
55.6%
54.5%
65歳~
25.6%
29.5%
32.1%
34.0%
35.7%
37.0%
うち、75歳~
13.2%
15.0%
16.6%
19.6%
21.5%
22.7%
階
層
構 齢
成 階
比 層
別
出典:平成 22 年は国勢調査、平成 27 年~平成 42 年は国立社会保障・人口問題研究所平成 25 年 3 月推計、平成
47 年は弘前市人口ビジョン(平成 27 年 9 月)
200,000
183,473
176,104
180,000
160,000
167,913
42,991 人減少
158,695
149,788
25.6%
140,482
140,000
120,000
37.0%
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H22
H27
0~14歳
H32
15~64歳
H37
65~74歳
H42
H47
75歳~
出典:平成 22 年は国勢調査、平成 27 年~平成 42 年は国立社会保障・人口問題研究所平成 25 年 3 月推計、平成
47 年は弘前市人口ビジョン(平成 27 年 9 月)
図 3-3
人口・年齢階層別構成比の推移(予測)
100%
90%
80%
31.9%
61,629 人
31.2%
59,071 人
30.6%
56,053 人
28.1%
39,475 人
70%
60%
50%
40%
30%
20%
68.1%
68.8%
69.4%
131,588 人 129,972 人 127,420 人
71.9%
101,007 人
10%
0%
平成12年
平成17年
平成22年
193,217 人 189,043 人 183,473 人
市街化区域の人口
・・・
市街化区域外の人口
平成47年
140,482 人
出典:平成 12 年~平成 22 年は国勢調査、平成 47 年は弘前市人口ビジョン(平成 27 年 9 月)
図 3-4
市街化区域と市街化区域外の人口構成比
15
(4) 弘前市市街化区域の将来人口分布の見通し

弘前市の平成 47 年の市街化区域の人口密度は、全体で 35.7 人/ha まで減少する見通しで
すが、岩木地区を除いた場合にはおおむね 40 人/ha 程度と見込まれます。
現況:平成 22(2010)年
将来:平成 47(2035)年
人口集積が継続する地区
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書に人口集積が継続する地区を加筆
図 3-5
弘前市メッシュ人口密度分布
16
(5) 弘前市市街化区域内に集中して立地する生活サービス機能

弘前駅、中央弘前駅を中心とした市街化区域の中心地区をはじめとし、市街化区域内に多
くの生活サービス機能・施設が集中して立地しています。

これらの施設のほとんどは鉄道が利用しやすい範囲※1、バスが利用しやすい範囲※2 の中
にあって、公共交通を使ってアクセスできる環境にあります。

様々な生活サービス機能・施設が集中して立地しているので、市街化区域内の公共交通の利
便性を高めることで、これらの施設へのアクセス性も向上すると考えられます。
※1:鉄道が利用しやすい範囲:JR 駅を中心とした半径 1km の範囲、弘南鉄道駅を中心とした半径 500m の範囲
※2:バスが利用しやすい範囲:バス停を中心とした半径 300m の範囲と予約乗合タクシーが運行する相馬地区
図 3-6
市内の主要な生活サービス機能・施設と公共交通が利用しやすい範囲の位置図
17
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「国土数値情報 医療機関(平成 22 年度)/国土交通省」ほかによる施設、病院は 20 床以上の病床を有するもの、診療所は病床
を有さないもの又は 19 床以下の病床を有するもの
図 3-7
病院・診療所の立地状況と徒歩圏域
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※高齢者介護保健福祉ガイドブック 2015(事業所等一覧)(平成 28 年2月作成、弘前市)の通所介護(介護予防通所介護)、通所リ
ハビリテーション(介護予防通所リハビリテーション)、認知症対応型通所介護(介護予防認知症対応型通所介護)
図 3-8
高齢者福祉施設(通所施設)の立地状況と徒歩圏域
18
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※高齢者介護保健福祉ガイドブック 2015(事業所等一覧)(平成 28 年2月作成、弘前市)の短期入所生活介護(介護予防短期入所
生活介護)、短期入所療養介護(介護予防短期入所療養介護)、特定施設入居者生活介護(介護予防特定施設入居者生活介
護)、認知症対応型共同生活介護(介護予防認知症対応型共同生活介護)〔グループホーム〕、介護老人福祉施設〔特別養護老人ホ
ーム〕、介護老人保健施設、介護療養型医療施設〔療養病床〕、有料老人ホーム
図 3-9
高齢者福祉施設(入居施設)の立地状況と徒歩圏域
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※高齢者介護保健福祉ガイドブック 2015(事業所等一覧)(平成 28 年2月作成、弘前市)の訪問介護(介護予防訪問介護)、訪問
入浴介護(介護予防訪問入浴介護)、訪問看護(介護予防訪問看護)
図 3-10
高齢者福祉施設(訪問介護事業所)の立地状況と徒歩圏域
19
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「国土数値情報 福祉施設(平成 23 年度)、学校(平成 25 年度)/国土交通省」他による施設、子育て支援施設は認定こども園、
幼稚園、保育所(園)、認可外保育施設、児童館・児童センター、なかよし会活動施設
図 3-11
子育て支援施設の立地状況と徒歩圏域
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「国土数値情報 学校(平成 25 年度)/国土交通省」他による施設
図 3-12
高等教育機関の立地状況
20
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「弘前市HP、i タウンページ < レジャー・スポーツ/フィットネス >(平成 28 年 3 月時点)にある市の運動施設、民間のフィットネス
施設等
図 3-13
運動施設・フィットネス施設の立地状況と徒歩圏域
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「平成 26 年市勢要覧 <商業>」、「i タウンページ < ショッピング/コンビニ・スーパー・デパート >(平成 27 年 3 月時点)にある食
料品の取り扱いのある施設
図 3-14
商業施設(食料品取り扱い)の立地状況と徒歩圏域
21
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「i タウンページ < 金融・郵貯・貸金 >(平成 27 年 7 月時点)、「日本全国銀行・ATMマップ(平成 27 年 7 月時点)」、「各金融機
関HP(平成 27 年 7 月時点)」による施設
図 3-15
金融機関の立地状況と徒歩圏域
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「i タウンページ < ショッピング/コンビニ・スーパー・デパート >(平成 27 年 7 月時点)による施設
図 3-16
コンビニエンスストアの立地状況と徒歩圏域
22
出典:平成 27 年度弘前市立地適正化計画策定業務報告書
※「国土数値情報 市町村役場及び公的集会施設(平成 22 年度)、文化施設(平成 25 年度)/国土交通省」他による施設
図 3-17
行政施設・文化施設の立地状況と徒歩圏域
23
(6) 弘前市を訪れる観光客

弘前市を訪れる観光客数は、東日本大震災の影響があった平成 23 年以降順調に回復し、
平成 26 年には年間約 470 万人となっています。

弘前市を訪れる外国人観光客(宿泊した外国人)数は平成 27 年には 9,035 人となり、平
成 22 年に比較して 2.5 倍にも増加しています。特に東アジア(台湾、韓国、中国、香港)
からの来訪が増加しています。

国内からの観光客が市内で利用する移動手段では、自家用車・レンタカーが最も多くなっ
ていますが、路線バスの利用が 25.7%もあり、タクシーの利用とあわせると、公共交通も
利用されています。
4,800,000
年間入込観光客数(人)
4,600,000
4,676,051
4,676,051 人
増加傾向
4,700,000
4,569,897
4,550,636
4,508,592
4,500,000
4,400,000
4,300,000
4,200,000
4,138,282
4,100,000
4,000,000
3,900,000
3,800,000
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
出典:平成 26 年度青森県入込観光客統計
図 3-18
弘前市の年間入込観光客数の推移
9,035
人
9,035
10,000
外国人宿泊者数(人)
9,000
566
8,000
増加傾向
7,000
5,324
6,000
400
5,000
4,000
3,620
3,000
1,128
2,000
964
55
1,473
1,000
6,208
1,904
168
629
1,070
0
平成22年
37
平成23年
東アジア
3,278
1,502
235
1,148
187
525
633
2,361
その他
7.5%
2.2%
徒歩
1,003
1,809
23.0%
路線バス
702
5,105
2,897
タクシー
3.7%
25.7%
オートバイ
3,064
自家用車
1,708
0.2%
31.6%
平成24年
他アジア
欧米
平成25年
その他
平成26年
平成27年
合計
レンタカー
6.1%
出典:弘前市
図 3-19
自転車
弘前市の年間外国人宿泊者数推移
24
出典:平成 25 年度弘前市観光客動向調査
※対象は国内からの旅行客のみ
図 3-20
観光客の弘前市内の移動手段
3.2 地域公共交通の状況
(1) 鉄道の状況
1) JR(奥羽本線)の路線と鉄道駅

弘前市内の JR 路線では、在来線が 1 路線(奥羽本線)あり、弘前駅・石川駅・撫牛子(な
いじょうし)駅の 3 駅があります。

弘前駅以北の駅における上り方向(弘前駅方向)
、弘前駅における下り方向(新青森方向)
に便が多く 1 日に約 30 便が平均約 30 分間隔で運行しています。
弘前市役所
図 3-21
弘前市内の JR 線と鉄道駅
2) JR(奥羽本線)弘前駅の 1 日平均乗車人数

弘前駅の一日の平均乗車人数は平成 21 年以降増加傾向にあり、平成 26 年では約 4,600 人
となっています。
出典:JR 東日本 HP
図 3-22 JR 弘前駅の 1 日平均乗車人数の推移
25
3) 弘南鉄道の路線と鉄道駅

弘前市内には、弘南鉄道が運行する大鰐線と弘南線の 2 路線があります。大鰐線には市内
に 11 駅、弘南線には市内に 4 駅があります。

弘南鉄道大鰐線と弘南線は、平日・休日ともに同じダイヤで運行しており、大鰐線は 1 日
に上下各 20 便、平均 46 分間隔で運行しています。弘南線は 1 日に上下各 29 便、平均 32
分間隔で運行しています。

大鰐線では、平成 18 年に快速廃止や減便を行ないましたが、平成 21 年には夕方に 1 往復
を増便しました。
弘南線
弘前市役所
大鰐線
図 3-23
弘前市内の弘南鉄道大鰐線・弘南線と鉄道駅
26
4) 弘南鉄道の年間利用者数

大鰐線の平成 26 年度の利用者数は 478 千人で、平成 20 年の 753 千人から、275 千人減少
(減少率は 63%)しています。

大鰐線も弘南線も通学定期券での利用が多くなっていますが、大鰐線では平成 20 年から
平成 26 年にかけて通学定期券利用者が 54%にまで減少しています。

弘南線の平成 26 年度の利用者数は 1325 千人で、平成 20 年の 1378 千人からほぼ横ばい
の状態が続いています。
(千人)
753
800
275 千人減少 減少率:63%
700
600
379
478
500
332
400
334
302
289
243
85
300
64
54
49
52
56
58
237
237
236
234
227
215
H21
H22
H23
H24
H25
H26
200
289
100
205
0
H20
定期外
通勤定期
通学定期
出典:弘南鉄道株式会社
図 3-24
弘南鉄道大鰐線の利用券種別年間利用者数の推移
(千人)
1,600
1,400
1378
1325
1,200
1,000
813
791
824
823
831
848
809
130
122
102
108
103
112
112
435
410
408
418
416
425
404
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
800
600
400
200
0
定期外
通勤定期
通学定期
出典:弘南鉄道株式会社
図 3-25
弘南鉄道弘南線の利用券種別年間利用者数の推移
27
5) 弘南鉄道の経営状況

弘南鉄道株式会社全体の経常損益は平成 23 年度以降マイナスが続いていて、平成 26 年度
は 9,201 千円の赤字経営となっています。

平成 26 年度経常損益の路線別内訳は、弘南線が 4,927 千円の黒字、大鰐線が 21,128 千円
の赤字、売店収益が 7,000 千円の黒字となっています。

なお、全線で平成 20 年に運賃を一律 30 円値上げ、平成 26 年に消費税率引き上げによる
運賃改定(初乗り 10 円アップ)を行なっています。
50,000
38,620
40,000
29,238
30,000
20,000
14,456
10,000
0
-10,860
-8,320 -8,310
-4,835 -9,201
-10,000
-20,000
-30,000
-26,719
-40,000
-40,772
-50,000
出典:弘南鉄道株式会社
図 3-26
弘南鉄道の年度別収益の推移(単位:千円)
6) 弘南鉄道弘南線の利用者特性

弘南線の 1 日の平均利用者数(平成 21 年度調査時)は、平日 3,475 人に比べ、休日は約
1/2 の 1,539 人です。

路線の中では弘前駅の乗降者数が最も多く、平日で約 13,500 人が乗降しています。区間
では弘前駅~平賀駅までの区間の利用が多くなっています。

なお、非積雪期と積雪期の利用を比べると、積雪期の方が 1 割程度多くなっています。
表 3-3
弘南線と大鰐線の運輸指標
項目
弘南線
大鰐線
大鰐線÷弘南線
利用人数(年間値・推計)
輸送人キロ(年間値・推計)
平均乗車密度(年間平均)
平均乗車距離(年間平均)
列車キロ(1日値)
運行本数(1日値・上下計)
営業キロ(全線)
弘前市内路線延長
1,099,713 人/年
12,173,613.7 人キロ/年
34.23 人キロ/列車キロ
11.07 ㎞/人
974.4 列車キロ/日
58 本/日
16.8 ㎞
4.3 ㎞
508,638 人/年
3,588,478.3 人キロ/年
17.68 人キロ/列車キロ
7.06 ㎞/人
556.0 列車キロ/日
40 本/日
13.9 ㎞
11.6 ㎞
0.46
0.29
0.52
0.64
0.57
0.69
0.83
2.70
1.09
1:0.65:0.44
曜日変動(平日;土曜:日曜) (3475:2257:1539)
1.40
1:0.53:0.27
(1553:823:414)
季節変動(積雪期÷非積雪期)
出典:弘南鉄道株式会社、過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
28
(人/週)
20,000
15,000
10,040
9,853
10,000
5,000
439
0
⑫黒石
非積雪期
⑪境松
15,083
6,295
456 944 1,564 3,034
1,498 5,782
817 1,311 2,530
1,164
⑩田舎館
⑨尾上
高校前
積雪期
⑧津軽尾上
⑦柏農
高校前
⑥平賀
13,478
1,489
1,210
⑤館田
712
572
④新里
1,274
1,019
③運動
公園前
3,921
4,169
②弘前
東高前
①弘前
出典:過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
図 3-27
弘南線の駅別乗降車数
(人/週)
20,000
15,000
10,000
5,000
0
17,957 18,652 18,626
10,040 10,238 10,938 12,060 14,246 14,71617,072 17,540
17,444
9,853 10,124 10,809 11,878 13,768 14,270
15,083
13,478
⑪~⑫ ⑩~⑪
⑨~⑩
非積雪期
18,726
17,451
⑧~⑨
⑦~⑧
積雪期
⑥~⑦
⑥平賀駅
⑤~⑥
④~⑤
③~④
②~③
①~②
①弘前駅
出典:過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
図 3-28
弘南線の区間別通過人数
7) 弘南鉄道大鰐線の利用者特性

大鰐線の 1 日の平均利用者数(平成 21 年度調査時)は、平日 1,413 人に比べ、休日は約
1/3 の 414 人です。

市内の乗降者が多い駅は中央弘前駅、義塾高校前駅、聖愛中高前駅、弘前学院大前駅とな
っていて、利用区間では、中央弘前~義塾高校前の利用が多くなっています。

通学利用が多い路線ですが、沿線の高校在籍生徒数の減少(市内高校在籍生徒数の減少分
の 9 割は大鰐線沿線の生徒数が減少)が多く、利用者の減少要因のひとつと考えられます。

なお、非積雪期に比較して積雪期には約 1.4 倍の利用者数になっています。
表 3-4
弘南線と大鰐線の運輸指標(再掲)
項目
弘南線
大鰐線
大鰐線÷弘南線
利用人数(年間値・推計)
輸送人キロ(年間値・推計)
平均乗車密度(年間平均)
平均乗車距離(年間平均)
列車キロ(1日値)
運行本数(1日値・上下計)
営業キロ(全線)
弘前市内路線延長
1,099,713 人/年
12,173,613.7 人キロ/年
34.23 人キロ/列車キロ
11.07 ㎞/人
974.4 列車キロ/日
58 本/日
16.8 ㎞
4.3 ㎞
508,638 人/年
3,588,478.3 人キロ/年
17.68 人キロ/列車キロ
7.06 ㎞/人
556.0 列車キロ/日
40 本/日
13.9 ㎞
11.6 ㎞
0.46
0.29
0.52
0.64
0.57
0.69
0.83
2.70
1.09
1:0.65:0.44
曜日変動(平日;土曜:日曜) (3475:2257:1539)
1.40
1:0.53:0.27
(1553:823:414)
季節変動(積雪期÷非積雪期)
出典:弘南鉄道株式会社、過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
29
(人/週)
10,000
6,920
8,000
4,967
6,000
2,4952,861
1,713
4,000
2,903
9421,7661,820 1,694
2,000
3,146
1,158 120 364 7631,894 1,093
0
50 226 597
2,763
222
511
357
918
133 461 307
非積雪期
積雪期
出典:過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
図 3-29
大鰐線の駅別乗降車数
(人/週)
10,000
8,145 8,074
8,013 7,547
6,920
7,571 7,4057,176
8,000
5,773
6,187 5,861
6,000 4,9675,615
5,873 5,777
5,642 4,653
4,000
3,7163,512
4,022
3,483
2,000
3,2323,107 3,064 3,146
2,763
0
①中央弘前
①~② ②~③
③~④ ④~⑤
⑤~⑥
⑥~⑦
⑦~⑧
⑧~⑨
駅
非積雪期
⑨~⑩
⑩~⑪
⑨義塾高校前
積雪期
⑪~⑫
⑫~⑬
⑬~⑭
駅
出典:過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
図 3-30
【非積雪期】
平日(N= 979)
休日(N= 381)
通勤
25.2
買い物・通院 その他 無回答
通学
34.1
20.2
大鰐線の区間別通過人数
39.0
13.3
14.7
37.3
【積雪期】
6.9 6.6 (%) 平日(N=1637)
2.6
通勤
通学
27.5
48.9
22.2
休日(N= 672)
34.8
買い物・通院 その他 無回答
11.3
13.1
7.9
29.2
(%)
4.4
0.7
出典:過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
図 3-31
大鰐線の利用目的
7,542
8,000
6,555
7,000
6,000
5,000
5,877
4,987
4,000
3,000
2,000
890人減少
平成17年の85%
987人減少
平成17年の87%
大鰐線沿線
弘前市内
弘前市内の減少数の
約 9 割が大鰐線沿線
1,000
0
平成17年
平成26年
出典:青森県教育委員会
図 3-32
高校の在籍生徒数の変化(平成 17 年から平成 26 年)
30
表 3-5
降車駅
乗車駅
中央弘前
中
央
弘
前
弘
高
下
***
弘
前
学
院
大
前
22
聖
愛
中
高
前
千
年
義
塾
高
校
前
石
川
石
川
プ
ー
ル
前
鯖
石
38
10
16
90
25
2
11
7
2
3
16
12
1
1
9
2
3
11
6
3
1
2
10
2
***
67
2
聖愛中高前
49
6
3
千年
28
4
8
***
1
津
軽
大
沢
43
弘前学院大前
***
***
小栗山
2
松木平
5
1
1
10
2
1
122
11
8
14
19
2
9
1
石川
松
木
平
1
14
義塾高校前
小
栗
山
利用者が 30 人以上
53
弘高下
津軽大沢
大鰐線の利用 OD(平日)
宿
川
原
2
58
368
18
73
14
9
4
35
83
69
1
1
25
42
58
7
24
40
4
2
17
***
3
1
***
1
1
4
2
***
21
9
2
***
1
28
1
1
2
2
2
9
2
宿川原
10
2
3
8
1
大鰐
89
42
34
45
10
1
4
4
10
2
1
25
22
54
55
54
1
15
25
147
55
7
14
74
78
71
36
4
7
32
14
2
1
25
2
1
4
8
8
1
4
14
17
1
11
13
178
1
1
61
1
1
11
14
14
18
***
鯖石
424
2
***
1
下
り
乗
車
計
2
7
下り降車計
上
り
乗
車
計
8
石川プール前
上り降車計
大
鰐
***
1
***
25
***
18
267
178
645
768
出典)過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
表 3-6
降車駅
乗車駅
中央弘前
弘高下
中
央
弘
前
弘
高
下
***
弘
前
学
院
大
前
10
6
聖
愛
中
高
前
38
大鰐線の利用 OD(休日)
千
年
19
***
小
栗
山
松
木
平
10
1
弘前学院大前
32
***
聖愛中高前
21
1
千年
12
1
2
2
津
軽
大
沢
義
塾
高
校
前
2
5
1
1
1
利用者が 30 人以上
石
川
石
川
プ
ー
ル
前
9
6
1
***
2
2
2
2
宿
川
原
大
鰐
上
り
乗
車
計
1
津軽大沢
5
5
40
149
1
2
5
13
6
7
15
32
10
15
24
12
13
13
1
1
2
2
1
1
1
1
義塾高校前
6
石川
6
***
1
1
3
5
3
1
1
***
1
下
り
乗
車
計
4
***
松木平
***
1
7
15
1
***
12
石川プール前
***
鯖石
2
1
宿川原
3
1
1
1
49
3
5
11
7
10
38
22
10
8
14
20
8
上り降車計
下り降車計
1
2
***
小栗山
大鰐
鯖
石
143
1
***
2
2
4
***
1
2
1
2
1
3
7
14
12
3
2
2
1
6
2
1
6
2
***
7
80
83
211
203
出典)過年度資料(H21 地方鉄道活用検討調査業務報告書)
31
(2) バスの状況
1) バス路線網

弘前市内では、弘南バス株式会社が路線バスを運行しており、弘前駅および弘前バスター
ミナルを中心に放射状に各郊外方面へ向かう路線や市街地部を循環する路線があります。
また、相馬地区では路線バスに接続する予約型乗合タクシーがフィーダー交通として運行
しています。

大半の路線の起終点が弘前駅前や弘前バスターミナルとなっています。地域間を移動する
ためには、一度ほぼ必ず弘前駅前や弘前バスターミナルへ向かう必要があり、拠点同士の
連絡性が弱い状況にあります。

また、土手町や弘前公園は中心地区であるものの、経由しない路線も多く、中心部と地域
拠点との連絡性が弱いことも特性としてあげられます。
相馬地区予約型乗合タクシー
図 3-33
弘前市のバス路線網
32
図 3-34
弘前市のバス路線網(市街地部)
33
弘前駅・弘前バスターミナルから郊外に向かう場合
土手町通り
一方通行
弘前バスターミナル
弘前駅
郊外から弘前駅・弘前バスターミナルに向かう場合
土手町通り
一方通行
弘前バスターミナル
弘前駅
図 3-35
弘前市のバス路線網(市街地中心部)
34
2) バス路線の運行頻度

運行が最も多い小栗山線は 1 日に 50 往復(100 本)程度の運行がありますが、全路線の
約 8 割は 1 日に 6 往復(12 本)以下となっています。
(1 日の運行時間を 12 時間とすると、
1 日に 6 往復(12 本)の運行とは、2 時間に 1 本の運行になります。
)
表 3-7
路線
駒越線(城西大橋経由)
駒越線(賀田経由)
バス路線別の運行頻度(その1)
運行本数(非積雪)
平日
運行本数(積雪)
休日
6
平日
2
始発・終着バス停
休日
6
始発
終着
6 バスターミナル
藤代車庫
津軽中学校通り
1
1
1
1 バスターミナル
南城西線
47
40
47
44 バスターミナル
藤代車庫
浜の町線
29
22
29
26 バスターミナル
藤代車庫
浜の町線(市役所経由)
2
0
2
0 弘前駅前
藤代車庫
茂森線
1
1
1
1 茂森新町
弘前駅前
91
74
104
89 弘前駅前
弘前営業所
駒越~小栗山線
5
2
5
2 藤代車庫
弘前営業所
藤代~浜の町~安原線
7
3
7
5 藤代車庫
マックスバリュ安原店
弘前駅前~安原線
2
1
2
2 弘前駅前
マックスバリュ安原店
16
12
10
6 バスターミナル
ザビック浪岡
弘前~五所川原線
6
6
6
6 バスターミナル
五所川原駅前
弘前~五所川原線(イオン藤崎店経由)
6
6
6
6 バスターミナル
五所川原駅前
17
19
17
18 バスターミナル
大川原線
6
6
6
6 バスターミナル
大川原温泉
板留~南高校線
1
0
1
0 南高校
板留
弘前(高田)黒石線
5
6
5
6 バスターミナル
黒石駅前
黒石~聖愛高校線
1
0
1
0 聖愛高校前
黒石駅前
14
13
14
13 バスターミナル
百沢スキー場線
9
7
5
2 バスターミナル
いわき荘前
百沢スキー場線(スキー場発着)
0
0
4
4 バスターミナル
百沢スキー場
三本柳~東奥義塾高校線
1
0
1
1 東奥義塾高校前
三本柳
大秋線
8
7
8
7 バスターミナル
上大秋
14
14
14
14 バスターミナル
居森平
居森平線(西目屋村役場前発着)
7
3
7
3 バスターミナル
西目屋村役場前
居森平~聖愛高校線
1
0
1
0 聖愛高校前
居森平
弘前~鰺ヶ沢線
5
5
5
6 バスターミナル
鰺ヶ沢本町
弘前~鰺ヶ沢線(天長園発着)
5
3
5
3 バスターミナル
天長園前
弘前~鯵ヶ沢線(天長園発糖坪経由)
1
0
1
0 弘前駅前
天長園前
鰺ヶ沢~聖愛高校線
1
1
1
0 聖愛高校前
鰺ヶ沢本町
25
22
25
22 バスターミナル
弘前~大鰐・碇ヶ関線(大鰐南団地行)
2
1
2
1 バスターミナル
大鰐南団地前
弘前~大鰐・碇ヶ関線(上堀越発)
2
1
2
1 弘前駅前
上堀越
20
15
24
相馬~聖愛高校線
1
0
1
0 聖愛高校前
相馬庁舎
弘前~賀田線(真土経由)
3
3
3
3 バスターミナル
津軽中学校通り
弘前~賀田線(駒越平田発)
1
1
1
1 駒越平田
津軽中学校通り
新岡線
11
9
11
9 バスターミナル
葛原
弥生線
9
10
10
12 バスターミナル
弥生北口
弥生線(いこいの広場経由)
0
2
0
0 バスターミナル
弥生北口
弥生線(養護学校経由)
2
0
3
0 バスターミナル
弥生北口
13
13
13
13 バスターミナル
船沢~聖愛高校線
0
0
1
0 向野
聖愛高校前
三ツ森線
1
1
1
1 弘前駅前
三ツ森
三ツ森~藤代線
2
1
2
1 バスターミナル
藤代車庫
楢の木・糖坪・堂ヶ沢線
8
8
8
8 バスターミナル
堂ヶ沢北口
楢の木・糖坪・堂ヶ沢線(下高杉経由)
6
4
6
4 バスターミナル
堂ヶ沢北口
楢の木・糖坪・堂ヶ沢線(市立病院前経由)
1
1
1
1 弘前駅前
堂ヶ沢北口
堂ヶ沢~楢の木・糖坪~小栗山線
1
1
0
0 弘前営業所
堂ヶ沢北口
11
7
11
7 バスターミナル
笹館
小栗山線
弘前~浪岡線
弘前~黒石線
枯木平線
居森平線
弘前~大鰐・碇ヶ関線
相馬線
船沢線
笹館線
20 バスターミナル
黒石駅前
枯木平
岩渕公園前
相馬庁舎
向野
出典:非積雪期の運行本数は弘南バス株式会社(平成 27 年 10 月現在)
積雪期の運行本数は過年度調査(H21 路線バス等利用実態調査業務)
※表中水色の着色は 1 日の運行本数が 12 本以下の路線 全 91 路線中 74 路線(81%)
35
表 3-8
路線
笹館線(板柳発着)
バス路線別の運行頻度(その2)
運行本数(非積雪)
平日
運行本数(積雪)
休日
平日
始発・終着バス停
休日
始発
終着
10
7
10
7 バスターミナル
板柳案内所
笹館線(三世寺温泉行)
1
0
0
0 バスターミナル
三世寺温泉前
十腰内線
4
4
4
4 バスターミナル
天長園
小友~聖愛高校線
1
0
1
0 聖愛高校前
小友
座頭石線
11
10
11
10 弘前駅前
座頭石
狼森線
12
10
11
10 弘前駅前
狼森
狼森~南高校線
1
0
1
0 南高校
狼森
自衛隊線(富田大通り経由)
6
3
2
1 弘前駅前
自衛隊
自衛隊線(門外・松森町経由)
2
2
6
4 弘前駅前
自衛隊
学園町線
33
20
33
22 弘前駅前
学園町
久渡寺線
17
12
14
12 バスターミナル
久渡寺
金属団地・桜ヶ丘線
61
46
61
56 バスターミナル
桜ヶ丘案内所
南高校・桜ヶ丘線
6
1
6
2 バスターミナル
桜ヶ丘案内所
桜ヶ丘~東奥義塾高校線
1
1
1
0 東奥義塾高校前
桜ヶ丘案内所
10
8
10
8 バスターミナル
尾上駅前
5
1
5
5 弘前駅前
弘前駅城東口
10
5
10
9 バスターミナル
岩賀
岩賀線(市立病院前経由)
1
1
1
1 弘前駅前
岩賀
川先線(下土手町経由)
8
4
8
8 弘前駅前
さくら野弘前店
小比内線(下土手町経由)
6
4
6
6 弘前駅前
さくら野弘前店
駅城東口環状線100円バス
2
2
2
2 弘前駅城東口
弘前駅城東口
城東環状100円バス(大町回り)
17
17
17
17 バスターミナル
バスターミナル
城東環状100円バス(和徳回り)
16
16
16
16 バスターミナル
バスターミナル
8
8
0
49
49
43
石渡線
1
0
1
0 弘前駅前
石渡
石渡線(市役所経由)
1
0
1
0 弘前駅前
石渡
田茂木線
1
0
1
0 弘前駅前
藤代車庫
清原・安原~小栗山線
9
8
9
9 小栗山
バスターミナル
神田線(福祉センター経由)
5
0
5
5 バスターミナル
神田
清原・福祉センター・宮園(往路)
1
0
1
0 小栗山
神田
土堂・浜の町・栄町団地線
10
10
10
10 バスターミナル
土堂神社前
ミニバス緑ヶ丘線
11
7
11
11 バスターミナル
桜ヶ丘案内所
ミニバスさくら団地線
7
4
7
7 バスターミナル
さくら団地
城南線
3
3
3
3 さくら野弘前店
桜ヶ丘案内所
城南線(バスターミナル発)
7
5
7
7 バスターミナル
桜ヶ丘案内所
城南線(希望ヶ丘経由)
2
2
2
2 バスターミナル
桜ヶ丘案内所
27
22
27
24 バスターミナル
宮園~南高校線
1
0
1
0 宮園県営住宅前
南高校
鰺ヶ沢(小夜)天長園線
1
0
1
0 天長園前
鰺ヶ沢本町
弘前~平賀線(大坊経由)
6
5
6
5 バスターミナル
薬師堂北口
弘前~尾上線
福田線(下土手町経由)
岩賀線
りんご公園線(ためのぶ)
土手町循環100円バス
宮園団地線
0 弘前駅前
43 バスターミナル
りんご公園
バスターミナル
宮園五丁目県営住宅前
出典:非積雪期の運行本数は弘南バス株式会社(平成 27 年 10 月現在)
積雪期の運行本数は過年度調査(H21 路線バス等利用実態調査業務)
※表中水色の着色は 1 日の運行本数が 12 本以下の路線 全 91 路線中 74 路線(81%)
36
3) バスの年間利用状況

平成 26 年度の弘南バス路線全体の年間利用者数は、2,797,712 人(1 日平均 7,665 人)で、
平成 21 年度(年間 3,506,041 人、1 日平均 9,606 人)から約 2 割減少しています。

利用者数が多い小栗山線や土手町循環 100 円バスでは利用者数はほぼ横ばいですが、五所
川原や大鰐・碇ケ関などの広域地域間路線では減少率が大きくなっています。
表 3-9
路線名
駒越線
弘南バス路線の路線別・路線全体利用者数の推移
年間輸送人員(人)
H21
H22
H23
H24
H25
H26
149,040
121,039
115,144
112,276
132,979
138,024
77,153
55,047
52,328
52,730
59,857
61,398
8,509
7,258
8,248
5,404
4,716
3,991
小栗山・狼森線
395,720
321,571
356,260
378,082
430,145
349,046
駒越~小栗山線
11,823
10,137
9,029
10,320
11,720
9,350
浜の町~安原団地線
19,951
16,948
18,807
17,143
14,908
13,338
弘前~浪岡線
93,113
83,123
71,128
69,116
60,753
64,148
弘前~五所川原線
37,263
35,863
30,281
26,652
16,635
13,056
弘前~黒石~大川原線
92,774
98,017
97,233
89,116
78,655
71,802
弘前~豊蒔・高田~黒石線
15,298
47,700
12,970
10,857
5,698
8,689
弘前~枯木平線
80,114
90,636
80,313
72,010
62,902
58,732
浜の町・笹館・石渡線
茂森線
弘前~大秋・居森平線
78,173
76,401
65,551
57,507
52,377
52,298
弘前~大秋・川原平線
164,057
117,052
110,657
104,149
86,916
77,249
弘前~鰺ヶ沢線
34,352
34,903
32,435
29,503
23,574
25,026
鰺ヶ沢~弘前線
4,751
3,550
4,138
4,313
3,664
3,446
37,872
42,533
44,367
39,685
29,704
30,666
374,428
186,994
163,263
157,589
138,221
135,706
42,910
33,068
35,927
33,153
26,973
38,552
0
37,966
31,828
24,405
13,715
5,767
弘前~水木在家線
11,940
7,484
10,368
7,445
9,168
2,438
弘前~賀田線
11,117
11,097
7,198
8,529
6,675
7,275
2,093
894
550
644
583
443
90,709
85,956
83,539
76,701
64,652
72,504
弘前~糖坪・楢の木・堂ヶ沢線
弘前~大鰐・碇ヶ関線
弘前~相馬線
弘前~相馬・藍内線
兼平~聖愛高校線
弘前~弥生・新岡・葛原線
弘前~船沢・三ツ森線
37,963
35,235
32,563
33,196
27,923
24,896
121,949
107,783
96,384
100,729
93,699
92,317
座頭石線
45,586
41,497
44,300
46,466
43,447
39,776
自衛隊線
33,534
27,666
27,880
24,178
26,422
28,818
学園町線
58,273
54,511
46,329
55,640
66,265
94,151
久渡寺線
91,761
71,637
78,029
67,156
53,655
43,901
205,846
177,100
141,526
137,181
138,649
169,839
南高校・桜ヶ丘線
21,801
18,544
14,756
12,511
11,701
21,307
弘前~尾上線
21,202
19,717
24,844
22,925
22,654
21,159
福田線
9,045
7,066
7,339
5,501
5,499
4,450
岩賀線
23,471
15,431
18,240
18,798
18,739
18,381
川先線
弘前~十腰内・板柳・笹館線
金属団地・桜ヶ丘線
13,093
12,242
12,276
11,053
11,001
11,297
小比内線
9,654
11,097
10,974
8,437
6,306
9,174
弘前駅城東口環状100円バス
6,150
5,920
4,459
5,204
5,597
5,304
城東環状100円バス(大町回り)
164,695
178,500
188,260
190,227
194,153
185,295
城東環状100円バス(和徳回り)
170,695
178,390
181,618
182,918
186,206
176,240
766
2,317
1,645
749
3,140
851
神田線
13,216
12,302
9,226
10,088
7,883
7,669
清原・安原~小栗山線
16,882
12,208
13,590
16,277
14,750
18,205
土堂・浜の町・栄町団地線
14,845
16,934
16,945
13,430
12,406
16,312
ミニバスさくら団地線
12,589
8,978
8,904
8,301
7,500
7,335
ミニバス緑ヶ丘線
21,724
21,197
16,854
20,331
19,149
20,013
城南線
31,088
28,299
31,665
25,331
27,242
26,559
宮園団地線
67,794
62,695
50,600
65,500
63,580
81,091
3,888
5,280
4,917
5,031
5,735
6,262
弘前~平賀線
15,291
10,628
9,643
6,329
6,628
6,723
ためのぶ号
14,744
11,970
10,976
11,144
10,598
11,420
城東~藤代線
2,095
1,170
1,748
821
721
782
城東~聖愛高校線
2,386
1,354
1,899
1,444
1,392
1,102
田茂木線
宮園~南高校線
浜の町~南高校線
土手町循環100円バス
計
2,567
1,750
1,547
1,435
1,180
1,460
418,288
396,309
394,283
394,538
388,184
402,679
3,506,041
3,080,964
2,945,781
2,890,198
2,817,194
2,797,712
出典:弘南バス株式会社
37
4) バス停別の利用状況

弘前バスターミナル、弘前駅のバス停では 1 日に 2,000~3,000 人程度の利用があり、積
雪期の利用が多くなっています。

乗降者が多いバス停は土手町周辺の中心地区に集中していますが、弘前駅東側のさくら野
弘前店、南高校前や実業高校前などの教育施設へアクセスするバス停の利用も多くなって
います。

休日には、さくら野弘前店、カブセンター前などの商業施設へアクセスするバス停の利用
が多くなっています。
表 3-10
バス停別利用者数(上位)
:非積雪期の平日・休日(平成 21 年度調査)
非積雪期-平日
停留所
弘前バスターミナル
弘前駅前
弘前バスターミナル前
弘前駅城東口
大学病院前
下土手町②
下土手町①
さくら野弘前店
南高校
市役所前
文化センター前
実業高校前
附属小学校
三中校前
中土手町
上松原
松原
弘前大学前
住吉入口
本町B
浜の町二丁目
松原東三丁目弘南
学園町
ホテルニューキャッスル前
富田三丁目
上土手町
藤代車庫
上代官町
中野C
カブセンター前
その他
大字
統計区 発車本数 到着本数 乗車人数 降車人数
駅前三丁目
駅前町
駅前三丁目
表町
本町
土手町
土手町
城東北三丁目
自由ケ丘一丁目
元大工町
元寺町
三岳町
学園町
豊原一丁目
土手町
松原東四丁目
松原東二丁目
富野町
富田一丁目
本町
浜の町東二丁目
松原東三丁目
北園一丁目
上鞘師町
富田三丁目
土手町
藤代三丁目
代官町(南側)
豊原二丁目
高田四丁目
全調査対象路線計
非積雪期-休日
一便当りの
乗車人数
一便当りの
降車人数
停留所
-
7
7
7
7
1
2
2
21
9
1
4
12
12
8
2
12
12
8
6
1
14
12
12
4
6
2
14
3
8
21
-
654
676
225
87
251
142
145
54
68
259
227
139
32
172
287
135
134
152
164
325
112
116
33
279
152
387
91
128
139
33
17,384
652
669
225
87
251
142
145
54
71
259
227
139
32
172
287
135
134
152
164
325
112
116
33
279
152
387
94
128
139
33
17,387
1,662
1,157
290
208
203
174
172
164
139
130
125
119
106
100
91
83
81
80
80
74
73
71
69
67
63
62
54
53
47
46
3,234
1,291
970
249
160
242
24
88
165
119
179
121
155
34
134
51
59
63
107
148
131
98
63
49
137
66
55
6
4
73
58
3,978
2.5
1.7
1.3
2.4
0.8
1.2
1.2
3.0
2.0
0.5
0.6
0.9
3.3
0.6
0.3
0.6
0.6
0.5
0.5
0.2
0.7
0.6
2.1
0.2
0.4
0.2
0.6
0.4
0.3
1.4
0.2
2.0
1.4
1.1
1.8
1.0
0.2
0.6
3.1
1.7
0.7
0.5
1.1
1.1
0.8
0.2
0.4
0.5
0.7
0.9
0.4
0.9
0.5
1.5
0.5
0.4
0.1
0.1
0.0
0.5
1.8
0.2
-
-
23,182
23,182
9,077
9,077
0.4
0.4 全調査対象路線計
統計区 発車本数 到着本数 乗車人数 降車人数
大字
弘前バスターミナル
弘前駅前
さくら野弘前店
弘前駅城東口
弘前バスターミナル前
市役所前
下土手町②
文化センター前
カブセンター前
下土手町①
実業高校前
大学病院前
三中校前
ホテルニューキャッスル前
弘前大学前
城東タウンプラザ前
上松原
松原東三丁目弘南
上土手町
中土手町
松原
中野C
浜の町二丁目
本町B
岩木庁舎前
陸奥新報前
桔梗野
桔梗野十文字
上代官町
城西四丁目
その他
駅前三丁目
駅前町
城東北三丁目
表町
駅前三丁目
元大工町
土手町
元寺町
高田四丁目
土手町
三岳町
本町
豊原一丁目
上鞘師町
富野町
早稲田四丁目
松原東四丁目
松原東三丁目
土手町
土手町
松原東二丁目
豊原二丁目
浜の町東二丁目
本町
賀田
下白銀町
桔梗野一丁目
桔梗野五丁目
代官町(南側)
城西四丁目
一便当りの
乗車人数
一便当りの
降車人数
-
7
7
21
7
7
1
2
4
21
2
12
1
8
4
8
11
12
12
2
2
12
8
14
1
22
4
6
6
3
5
-
594
584
54
87
186
232
123
201
33
133
112
224
134
249
122
35
111
96
340
256
111
112
87
288
43
49
79
79
104
35
15,175
592
580
54
87
186
232
123
201
33
133
112
224
134
249
122
35
111
96
340
256
111
112
87
288
43
49
79
79
104
35
15,181
1,076
742
306
295
183
119
106
105
102
96
83
53
50
49
48
45
42
41
40
40
39
35
31
27
26
25
24
24
24
24
1,548
975
557
266
297
104
243
10
74
84
56
67
92
43
89
69
70
38
53
33
35
40
24
38
68
29
7
23
28
2
1
1,933
1.8
1.3
5.7
3.4
1.0
0.5
0.9
0.5
3.1
0.7
0.7
0.2
0.4
0.2
0.4
1.3
0.4
0.4
0.1
0.2
0.4
0.3
0.4
0.1
0.6
0.5
0.3
0.3
0.2
0.7
0.1
1.6
1.0
4.9
3.4
0.6
1.0
0.1
0.4
2.5
0.4
0.6
0.4
0.3
0.4
0.6
2.0
0.3
0.6
0.1
0.1
0.4
0.2
0.4
0.2
0.7
0.1
0.3
0.4
0.0
0.0
0.1
-
-
20,068
20,068
5,448
5,448
0.3
0.3
出典:過年度調査(H21 路線バス等利用実態調査業務)
表 3-11
バス停別利用者数(上位)
:積雪期の平日・休日(平成 21 年度調査)
積雪期-休日
積雪期-平日
停留所
弘前バスターミナル
弘前駅前
弘前バスターミナル前
弘前駅城東口
実業高校前
さくら野弘前店
下土手町①
南高校
下土手町②
三中校前
市役所前
大学病院前
弘前大学前
松原東三丁目弘南
中土手町
附属小学校
松原
浜の町二丁目
住吉入口
上松原
上土手町
本町B
文化センター前
カブセンター前
城東タウンプラザ前
富田三丁目
弘大農学生命科学
宮園五丁目県営住宅
上代官町
藤代車庫
その他
全調査対象路線計
統計区 発車本数 到着本数 乗車人数 降車人数
大字
駅前三丁目
駅前町
駅前三丁目
表町
三岳町
城東北三丁目
土手町
自由ケ丘一丁目
土手町
豊原一丁目
元大工町
本町
富野町
松原東三丁目
土手町
学園町
松原東二丁目
浜の町東二丁目
富田一丁目
松原東四丁目
土手町
本町
元寺町
高田四丁目
早稲田四丁目
富田三丁目
富野町
宮園四丁目
代官町(南側)
藤代三丁目
一便当りの
乗車人数
一便当りの
降車人数
停留所
弘前バスターミナル
弘前駅前
さくら野弘前店
弘前駅城東口
弘前バスターミナル前
市役所前
実業高校前
文化センター前
カブセンター前
下土手町①
下土手町②
三中校前
大学病院前
弘前大学前
松原東三丁目弘南
上松原
中土手町
住吉入口
浜の町二丁目
松原
ホテルニューキャッスル前
城東タウンプラザ前
上土手町
中野C
桔梗野十文字
桔梗野
本町B
富田三丁目
弘前営業所
上代官町
その他
-
7
7
7
7
12
21
2
9
2
8
1
1
8
12
2
12
12
14
6
12
2
1
4
21
11
6
8
4
3
14
-
636
675
229
87
154
56
133
68
143
187
246
246
165
127
276
32
145
113
177
146
375
321
200
33
35
165
165
34
137
93
17,080
635
670
229
87
154
54
133
72
143
187
246
246
165
127
276
32
145
113
177
146
375
321
200
33
35
165
165
34
137
95
17,082
2,052
1,677
381
370
302
269
235
234
227
225
222
213
140
124
121
118
116
115
114
107
101
98
95
93
91
90
83
75
71
70
4,364
1,434
1,364
361
320
314
344
74
257
36
259
269
300
225
107
55
71
147
146
217
97
64
178
194
131
48
88
85
36
10
48
5,314
3.2
2.5
1.7
4.3
2.0
4.8
1.8
3.4
1.6
1.2
0.9
0.9
0.8
1.0
0.4
3.7
0.8
1.0
0.6
0.7
0.3
0.3
0.5
2.8
2.6
0.5
0.5
2.2
0.5
0.8
0.3
2.3
2.0
1.6
3.7
2.0
6.4
0.6
3.6
0.3
1.4
1.1
1.2
1.4
0.8
0.2
2.2
1.0
1.3
1.2
0.7
0.2
0.6
1.0
4.0
1.4
0.5
0.5
1.1
0.1
0.5
0.3
-
-
22,679
22,679
12,593
12,593
0.6
0.6 全調査対象路線計
統計区 発車本数 到着本数 乗車人数 降車人数
大字
駅前三丁目
駅前町
城東北三丁目
表町
駅前三丁目
元大工町
三岳町
元寺町
高田四丁目
土手町
土手町
豊原一丁目
本町
富野町
松原東三丁目
松原東四丁目
土手町
富田一丁目
浜の町東二丁目
松原東二丁目
上鞘師町
早稲田四丁目
土手町
豊原二丁目
桔梗野五丁目
桔梗野一丁目
本町
富田三丁目
小栗山
代官町(南側)
一便当りの
乗車人数
-
578
583
54
87
188
218
120
172
33
121
122
142
218
130
105
120
243
142
86
120
235
35
326
120
79
79
282
130
98
111
14,423
576
579
54
87
188
218
120
172
33
121
122
142
218
130
105
120
243
142
86
120
235
35
326
120
79
79
282
130
98
111
14,429
1,224
931
385
359
277
149
128
128
110
104
101
100
86
77
75
65
64
58
58
54
51
51
47
45
40
38
37
36
35
35
2,031
1,050
720
359
340
205
281
113
105
103
67
24
89
116
95
67
45
42
85
53
86
101
76
36
46
33
34
75
71
36
14
2,412
2.1
1.6
7.1
4.1
1.5
0.7
1.1
0.7
3.3
0.9
0.8
0.7
0.4
0.6
0.7
0.5
0.3
0.4
0.7
0.5
0.2
1.5
0.1
0.4
0.5
0.5
0.1
0.3
0.4
0.3
0.1
1.8
1.2
6.6
3.9
1.1
1.3
0.9
0.6
3.1
0.6
0.2
0.6
0.5
0.7
0.6
0.4
0.2
0.6
0.6
0.7
0.4
2.2
0.1
0.4
0.4
0.4
0.3
0.5
0.4
0.1
0.2
-
-
19,500
19,500
6,979
6,979
0.4
0.4
出典:過年度調査(H21 路線バス等利用実態調査業務)
38
一便当りの
降車人数
7
7
21
7
7
1
12
4
21
2
2
8
1
8
12
12
2
6
14
12
4
11
2
8
6
6
1
6
13
3
-
枯
木
平
線
・
弘
前
~
大
鰐
碇
ヶ
関
線
笹
館
線
0
0
弘前バスターミナル~
弘前駅前~
大町二丁目~
上土手町~
土手町十文字~
中土手町~
下土手町②~
中央通り二丁目~
ホテルニューキャッス…
青銀前~
本町~
大学病院前~
市役所前~
工業高校前~
駒越~
岩木高校前~
熊島~
熊島西口~
一町田~
賀田東口~
岩木庁舎前~
津軽中学校通り~
五代~
上五代~
馬子橋~
川添~
宮地~
羽黒神社前~
造坂上~
新法師東口~
新法師~
観光りんご園前~
高照神社南口~
百沢東口~
岩木山神社前~
百沢温泉前~
小森山入口~
百沢ゴルフ場前~
岩木山綜合公園前~
清水湖~
草山~
地蔵尊前~
岳農場前~
岳温泉前~
湯段口~
岩木養魚場前~
スカイライン入口~
瑞穂~
0
弘前バスターミナル~
弘前駅前~
中央通り一丁目~
上代官町~
土手町十文字~
上土手町~
中央松森町~
松森町角~
取上~
大清水~
大清水局前~
門外十文字~
門外~
門外東口~
下堀越~
堀越~
上堀越~
下石川~
石川西口~
中央石川~
石川中学校前~
小金崎~
鯖石~
上鯖石~
宿川原~
大鰐北口~
虹の大橋~
大鰐温泉駅前~
大鰐~
大湯前~
大鰐病院前~
大鰐南団地前~
元長峰~
長峰保育所前~
長峰~
九十九森~
唐牛北口~
唐牛~
唐牛支所前~
古懸~
碇ヶ関駅前~
碇ヶ関郵便局前~
碇ヶ関下町~
碇ヶ関~
碇ヶ関上町~
舟岡~

弘前バスターミナル~
弘前駅前~
大町二丁目~
上土手町~
土手町十文字~
中土手町~
下土手町①~
上元寺町~
中央通り二丁目~
ホテルニューキャッス…
文化センター前~
中央高校前~
亀の甲町角~
亀の甲門前~
紺屋町角~
富士見橋前~
浜の町~
浜の町二丁目~
浜の町三丁目~
石渡南口~
石渡~
八代~
町田~
中崎~
三省小学校前~
三世寺~
三世寺温泉前~
上大川~
中大川~
下大川~
上青女子~
上青女子北口~
下青女子神社前~
下青女子~
板柳十文字~
板柳駅通り~
板柳栄町~
板柳案内所~
板柳栄町~
板柳駅通り~
板柳十文字~
下青女子~
新和小学校前~
新和支所前~
種市十文字~
桂橋前~
桂~
上中畑~
5) バス利用区間の特性
弘前中心部から放射状に伸びるバス路線の中には、田園部や隣接市町村を結ぶ路線延長(営
業キロ)の長い路線があります。これらの路線では、中心部に近い区間の利用量が大きな
ウェイトを占めており、田園部等の区間の利用者は少ない状況にあり、利用の少ない区間
と多い区間の差が大きい特性があります。
500
400
利用者の約 7 割
800
利用者の約 7 割
400
利用者の約 7 割
図 3-36
39
平日-往路
平日-復路
休日-往路
300
休日-復路
200
100
1000
平日-往路
平日-復路
休日-往路
600
休日-復路
400
200
500
平日-往路
平日-復路
休日-往路
300
休日-復路
200
100
出典:過年度調査(H21 路線バス等利用実態調査業務)
路線延長(営業キロ)が長い路線の区間別利用者数の例
6) バス利用者の特性
バスの利用者は非積雪期・積雪期、また平日・休日ともに女性の比率が約 7 割となってい

ます。積雪期には男性の利用比率が増える傾向にあります。
積雪期には中学生・高校生の利用比率が高くなり、65 歳以上の比率が低くなる傾向にあり

ます。
積雪期には通勤および通学目的の利用比率が高くなる傾向にあります。自転車や徒歩から

の転換が考えられます。
積雪期には毎日利用する人の割合が高くなりますが、週に 3~4日以上利用する人の割合

は約 6 割程度で、約 4 割はバス利用頻度が不定期な状況にあります。
男性
女性
無回答
平日(N=6509)
22.1
73.7
4.2
休日(N=3642)
21.7
74.8
3.5
(%)
平日(N=6509)
一般
中学生・高校生
16.2
27.2
68.5
4.4
休日(N=4909)
26.5
70.1
3.4
小学生
無回答
6.0
28.7
(%)
平日(N=9657)
14.1
51.2
5.7
28.1
24.1
通勤
5.1
23.4
4.4
(%)
50.3
通学
28.7
19.5
買い物・通院
17.1
5.6
利用者の年代(積雪期)
36.4
13.0
46.9
通勤
その他 無回答
22.3
4.8 (%)
平日(N=9657)
5.7
休日(N=4909)
週5日以上
19.0
平日(N=6509)
35.9
23.1
23.9
19.2
21.0
18.7
16.8
22.7
9.2
その他 無回答
10.3 4.4 (%)
31.1
45.6
11.2
15.8
週5日以上
5.9 4.4 (%)
平日(N=9657)
4.2
休日(N=4909)
バスの利用頻度(非積雪期)
図 3-37
買い物・通院
21.7
4.5
利用の目的(積雪期)
ほとんど
週1~2日 月1~2日 乗らない 無回答
週3~4日
通学
31.4
利用の目的(非積雪期)
休日(N=3642)
21.5
1.0
利用者の年代(非積雪期)
休日(N=3642)
65歳以上 無回答
48.6
21.0
休日(N=4909)
0.8
平日(N=6509)
一般
中学生・高校生
0.8
2.2
休日(N=3642)
(%)
利用者の性別(積雪期)
65歳以上
46.9
無回答
平日(N=9657)
利用者の性別(非積雪期)
小学生
女性
男性
週3~4日
40.3
24.9
週1~2日
23.7
20.2
22.2
ほとんど
乗らない 無回答
月1~2日
17.6
15.2
9.5
13.8
バスの利用頻度(積雪期)
弘南バス路線利用者の特性(平成 21 年度調査)
40
4.8 4.1 (%)
3.7
7) 弘南バス路線の経営状況

平成 26 年度の弘南バス路線の全体収支は 402,375 千円のマイナスとなっています。

路線網全体の運行経費に 1,052,443 千円を投じていますが、運賃などの収入は 650,068 千
円にとどまっていて、費用に対する収益の割合は 61.8%となっています。平成 26 年度の
年間輸送人員(2,797,712 人)で損益額を割ると、一人あたり 144 円の赤字となっていま
す。

弘前市内の路線の方面別に収支状況を見ると、H 浜の町・船沢・板柳・笹館・鯵ヶ沢・天長園・
堂ヶ沢方面(北西方向)の路線の損益額が-90,224 千円と最も大きくなっています。I 枯木
平・百沢・弥生・葛原・駒越・城西団地・真土方面(西方向)や、O 大鰐・碇ヶ関・清原・安原・大
坊・薬師寺・自衛隊・座頭石方面(南東方向)の赤字額も大きくなっています。

さらに、輸送人員あたりの損益額で見ると、J 川先・小比内方面(城東南方向)の路線、G 五
所川原・浪岡・青森空港方面(北東方向)では一人あたり 500 円を超える赤字額になっていま
す。H 浜の町・船沢・板柳・笹館・鯵ヶ沢・天長園・堂ヶ沢方面(北西方向)の一人あたり赤字額
も 392 円と大きい状況です。
表 3-12
方面
弘南バス路線の方面別経営状況
経常収益(円) 経常費用(円)
損益(円)
収益/費用
輸送人員(人)
輸送1人あたり損益(円)
G
五所川原・浪岡・青森空港
47,822,302
93,841,593 -46,019,291
51.0%
84,539 -544
K
黒石・尾上・大川原
40,473,094
59,512,588 -19,039,494
68.0%
101,650 -187
J
川先・小比内・
4,306,645
19,956,788 -15,650,143
21.6%
35,564,518
47,372,400 -11,807,882
75.1%
366,839 -32
J100 城東環状100円バス
25,703 -609
O
大鰐・碇ヶ関、清原・安原・大坊・薬師寺、自衛隊・座頭石
65,963,817
116,254,785 -50,290,968
56.7%
224,361 -224
T
小栗山・学園町・狼森
91,628,110
99,205,440 -7,577,330
92.4%
472,297 -16
S
桜ヶ丘・金属団地・南高校・九渡寺
73,622,635
108,844,484 -35,221,849
67.6%
289,341 -122
N
相馬・大秋・居森平・田代・茂森
75,903,675
121,630,051 -45,726,376
62.4%
191,715 -239
I
枯木平・百沢・弥生・葛原・駒越・城西団地・真土
84,785,478
157,120,819 -72,335,341
54.0%
301,431 -240
H
浜の町・船沢・板柳・笹館・鯵ヶ沢・天長園・堂ヶ沢
70,624,593
160,848,440 -90,223,847
43.9%
230,016 -392
M
宮園団地・岩賀
21,880,871
32,097,792 -10,216,921
68.2%
107,141 -95
D100 土手町循環100円バス
37,492,627
35,758,209 1,734,418
計
650,068,365
1,052,443,389
104.9%
-402,375,024
61.8%
402,679 4
2,797,712
-144
出典:弘南バス株式会社
41
3.3 弘前市の都市構造と地域公共交通
1) 人口と運行量のバランス

市街化区域と市街化区域外の人口比率は、市街化区域内が 69.4%、市街化区域外が 30.6%
となっています。

公共交通の運行量比率は、市街化区域内が 59.0%、市街化区域外が 41.0%で、人口比率か
ら比較すると、市街化区域内の運行量比率が 10.4 ポイント少なくなっています。
100%
90%
80%
41.0%
30.6%
1,337,878km
56,053 人
70%
60%
50%
1,926,396km
40%
30%
127,420 人
69.4%
59.0%
20%
10%
0%
現況公共交通網走行キロ
平成22年人口
市街化区域
市街化区域以外
※公共交通運行量は、H26.10 の路線バス、弘南鉄道大鰐線、相馬地区予約型乗合タクシーの日走行キロの合計
※人口は国勢調査
図 3-38
市街化区域内と区域外の人口比と公共交通運行量のバランス
2) 公共交通が利用しやすい圏域

鉄道駅またはバス停まで徒歩でアクセスすることが可能な、公共交通が利用しやすい圏域
に居住している人口は 155,149 人で、全人口の 84.6%をカバーしています。
表 3-13
公共交通が利用しやすい圏域に居住している人口
平成22年総人口(183,465人)
圏域内
人口(人)
圏域外
割合
人口(人)
全市合計
割合
人口(人)
割合
バスが利用しやすい圏域
150,171
81.9%
33,294
18.1%
183,465
100.0%
鉄道が利用しやすい圏域
41,887
22.8%
141,578
77.2%
183,465
100.0%
155,149
84.6%
28,316
15.4%
183,465
100.0%
バス+鉄道が利用しやすい圏域
バスが利用しやすい圏域:バス停から半径 300m 以内に含まれるエリア
鉄道が利用しやすい圏域:JR 駅から半径 1km 以内、 or 弘南鉄道駅から半径 500m 以内に含まれるエリア
42
メッシュ人口(人/0.25km2)
0人
1~249 人
250~499 人
500~749 人
750~999 人
1000 人以上
弘前市役所
岩木庁舎
弘前駅
相馬庁舎
中央弘前駅
千年駅
バス:バス停から半径 300m 以内に含まれるエリア
鉄道:JR 駅から半径 1km 以内、 or 弘南鉄道駅から半径 500m 以内に含まれるエリア
図 3-39
公共交通が利用しやすい圏域と人口メッシュ図の重ね合わせ
3) 市街化区域内の公共交通(バス)の利便性が高い圏域

市街化区域内のバス停の運行本数(運行頻度)およびその圏域の居住人口を見ると、約 71%
は 40 分に 1 便程度以上、約 33%は 15 分に 1 便程度以上はバスが来るバス停を利用でき
る圏域に住んでいます。

弘前駅西側の中心部は路線が集中していることもあり、運行本数が多くなっています。市
内の南北方向には比較的多くのバスが運行しており、特に浜の町方面、桜ヶ丘方面、大鰐
線に並行する中野・学園・松原方面はバスを利用しやすい環境にあります。

その一方で、市街化区域内でも約 30%は 1 時間に 1 便以下しかバスが来ないバス停になっ
ています。

宮園・青山、城東、早稲田、安原・泉野、樋の口の各地区は、人口集積が比較的高い地区
ですが、運行頻度が比較的少ないバス停が多くある地区でもあります。
43
表 3-14
バス停の運行便数別の利用圏域内(半径 300m以内)人口
運行時間を12時間とした時の運行便数
人口
頻度
圏域内比率
往復の便数
2時間に1便以下
12便以下
16,565
15.9%
1時間に1便以下
24便以下
13,972
13.4%
40分に1便以下
36便以下
18,128
17.4%
30分に1便以下
48便以下
7,809
7.5%
20分に1便以下
72便以下
13,322
12.8%
15分に1便以下
96便以下
9,354
9.0%
10分に1便以下
144便以下
11,047
10.6%
10分に1便以上
145便以上
14,091
13.5%
104,288
100.0%
29.3%
70.7%
100.0%
1 日(12 時間)の往復の運行便数
往復で 1 日に 12 便(2 時間に 1 便)以下
往復で 1 日に 13~24 便(1 時間に 1 便)
メッシュ人口
往復で 1 日に 25~36 便(40 分に 1 便)
(人/0.25km )
2
0人
1~249 人
250~499 人
500~749 人
750~999 人
1000 人以上
往復で 1 日に 37~48 便(30 分に 1 便)
往復で 1 日に 49~72 便(20 分に 1 便)
往復で 1 日に 73~96 便(15 分に 1 便)
往復で 1 日に 97~144 便(10 分に 1 便)
往復で 1 日に 145 便以上
※人口は平成 22 年国勢調査
※バス運行便数は平成 27 年 10 月 1 日現在
図 3-40
人口メッシュ図とバス停別 1 日運行便数の重ね合わせ図
44
4) 公共交通の利用状況(交通機関分担率)の比較

弘前市における公共交通の利用割合(平成 22 年)は、鉄道が 1.7%、バスが 2.4%、合計
4.1%で、自動車の利用割合が 65.3%となっています。

公共交通の利用割合は、地方中核都市圏(中心都市 40 万人未満)の中心都市の平均値と
比較しても、バスの利用割合が 0.2 ポイント低くなっています。全国の平均値や仙台市、
盛岡市の公共交通利用割合と比較しても弘前市の鉄道やバスの利用割合は低い状況です。

なお、弘前市の 1 世帯当たりの自動車保有台数は 1.78 台で、全国平均値や仙台市、盛岡市、
地方中核都市圏(中心都市 40 万人未満)の中心都市平均値よりも多くなっています。
全国
14.3 2.5
地方中核都市圏 1.72.6
仙台市
盛岡市
48.8
62.3
11.2 6.4
2.6
4.9
50.3
20%
バス
19.5
15.3
22.2
15.8
40%
自動車
15.5
12.6
65.3
0%
18.9
18.0
55.0
1.7
弘前市 2.4
鉄道
15.5
60%
二輪車
80%
14.8
100%
徒歩・その他
※地方中核都市圏:中心都市の人口が 40 万人未満の地方中核都市圏の中心都市で、弘前市、盛
岡市、郡山市、松江市、徳島市、高知市の平均値
出典:平成 22 年全国都市交通特性調査
図 3-41
外出時の利用交通手段
全国
1.51
地方中核都市圏
1.66
仙台市
1.28
盛岡市
1.50
弘前市
1.78
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
※地方中核都市圏:中心都市の人口が 40 万人未満の地方中核都市圏の中心都市で、弘前市、盛
岡市、郡山市、松江市、徳島市、高知市の平均値
出典:平成 22 年国勢調査、運輸局統計資料など
図 3-42 1 世帯当たりの自動車保有台数
45
5) 公共交通のサービスに対する市民の満足度

平成 26 年度に実施された弘前市市民評価アンケートでは、
「通勤・通学・買い物などのた
めの交通手段が整っていることについて」の満足度を尋ねたところ、満足である(4.5%)
とやや満足である(15.4%)の合計は 19.9%で、どちらかといえば不満である(16.4%)
、
不満である(10.9%)の合計 27.3%に比べると、満足だと感じている人の割合は、不満だ
と感じている人の割合より 7.4 ポイント少なくなっています。
満足
不満
19.9%
4.5
27.3%
15.4
0%
44.9
20%
満足
やや満足
16.4
40%
普通
60%
どちらかといえば不満
10.9 5.1 2.7
80%
不満
わからない
100%
無回答
出典:弘前市市民評価アンケート
図 3-43
通勤・通学・買い物などのための交通手段が整っていることに対する満足度
46
3.4 都市や地域の現状から整理される公共交通に関する課題
都市構造や地域の現状、公共交通の現状の整理から抽出される問題点に対し、地域公共交通とし
て認識すべき課題を次のとおり整理します。
47
地域および交通の現状
 市全体が豪雪地帯(旧相馬村等の一部は特別豪雪地帯)
 気温は冷涼で年間平均気温は 10℃。
 年間 600~700cm 前後の積雪。
地勢
弘
前
市
の
現
状
都市構造
地域公共交通の課題
① ② ③ ④ ⑤
 冬期に積雪により移動環境が厳しくなることから、冬期の移動を支援す
る公共交通のサービスレベルの確保が必要。
○ ○ ○
 郊外部から多くの都市機能を有する中心市街地部への流動を支援する
公共交通及び、中心市街地部での周遊を支援する公共交通サービスの確
保が必要。
 コンパクトにまとまった人口分布をしていることから、人口分布に合わ
せた効率的な公共交通サービスを提供し、持続可能な公共交通とする必
要がある。
○ ○ ○
人口分布
 市域面積の約 5%にあたる市街化区域に人口の約7割が居住する、城下町を中心としたコンパクトな市街地を形成。
施設分布
 医療機関や教育機関、大規模商業施設などの主要施設は一部を除きほとんどが中心部に立地。
 また、バスや鉄道等の公共交通の利用しやすいエリアに立地している。
 主要な医療施設、行政サービス施設、文化施設、高校・大学等が集中す
る中心部へのアクセスを支援する公共交通サービスの確保が必要。
○ ○ ○
JR
 JR 奥羽本線が運行。
 弘前駅・石川駅・撫牛子(ないじょうし)駅の 3 駅がある。
 JR(弘前駅)の利用者は近年やや増加傾向であり、H26 年には約 4,600 人/日となっている。
 弘前~青森市方面の通勤等を支援する JR 線の各駅と弘南鉄道や弘南バ
スの連絡が必要。
○ ○
運行状況




 運行本数の少なさ、乗り継ぎ時間の長さ等を解消し、利便性の向上が必
要。
 大鰐線に関して、弘南バスの競合路線との適切な役割分担等を行い、利
用促進を図る必要がある。
○ ○
利用実態
 弘南線の利用者数は近年横ばいであるが、大鰐線は減少傾向であり(H20 から H26 にかけて約 4 割減少)、特に通学定期での利用
者は 5 割も減少している。
 弘南線に比べ大鰐線は利用者数が約半分と、あまり利用されていない状況である。
 また利用者数の季節変動・曜日変動も大鰐線のほうが大きく、年間を通してばらつきが大きい。
経営状況
 利用者に比例し、大鰐線の旅客収入が年々減少傾向。
弘
南
鉄
道
48
大
鰐
線
公
共
交
通
の
現
状
路
線
バ
ス
 平成 24 年時点で市域の約 34%にあたる約 17,897ha が都市計画区域で、うち市街化区域は 2,830ha(市域の 5.4%)。
 市街化区域は、無秩序な開発が進まないよう都市形成をしてきたことで、当初決定した昭和 46 年時点で 2,087ha であったのに対
し、平成 24 年は 2,830ha となっており、40 年間で約 1.35 倍までしか広がっていない。
 平成 22 年の市域全体に対するDID地区に占める人口割合は 66.0%、面積割合は 4.8%。
 計画的な市街地整備により、良好な住宅市街地が広がってきたことから、この 50 年間(昭和 35 年→平成 22 年)でDID地区は、
人口が 175%伸び、面積が 3.4 倍に拡大。
 H22 年の総人口 183,465 人に対し、H42 の総人口推計値は 144,706 人であり、約 2 割減少する。
 高齢化率も H22 の約 26%に対し、H42 年には約 37%まで上昇見込み。
人口
鉄
道
現状を踏まえ抽出される問題点
弘
南
バ
ス
利用者特性




弘南線と大鰐線が運行。
大鰐線・弘南線はそれぞれ南方向と中心市街地、東方向と中心市街地を結ぶ別々の役割を担う路線。
運行頻度は弘南線 1 本/32 分・大鰐線 1 本/46 分となっており、平日休日ともに同じダイヤとなっている。
人口カバー率※は約 23% (※市総人口に占める鉄道駅から半径 500m 圏内の人口(JR 駅は 1km 圏域))
積雪期には非積雪期の利用者が 4 割増加。
休日は利用者が大幅に減少し、平日の 3 割程度。
中央弘前駅~義塾高校前駅の区間にて利用者が多く、義塾高校前駅以南の区間の約 2 倍である。
7~8 割が通勤・通学目的の利用である。
運行状況
 弘前駅バスターミナルを中心に放射状に各郊外方面へ向かう路線や市街地部の循環バスの路線がある。
 宮園・青山地区の 2 路線(岩賀線・宮園団地線)が平成 25 年に、茂森・桔便野地区や相馬地区の路線が平成 26 年に再編されており、
相馬地区はフィーダー交通となっている。
 人口カバー率※は約 83% (※市総人口に占めるバス停から半径 300m 圏内の人口)
 バス運行本数 36 本以上※の人口カバー率は 35% (※1 日 12 時間運行を想定した場合 30 分に 1 本間隔の運行)
運賃形態
 初乗り 170 円、対距離区間制運賃とし、区間キロ数と賃率から設定されている。
 土手町循環や城東環状路線については一律 100 円に設定されている。
道路環境
 市街地部の土手町通りにおいて一方通行規制。
利用実態
経営状況
利用者特性
乗継ぎ
 主な利用者である通勤・通学を支援するサービスレベルの確保が必要。
 特に冬期に関しては、公共交通への依存度が上昇するため、十分なサー ○ ○ ○
ビスレベルの確保が必要。
 バスサービスレベルが高い一方で、路線数が多く、特に中心市街地部で
は複雑化していることもあり、利用者に分かりやすいサービスの提供が
必要。
 郊外部に向かう路線等について、利用ニーズに対し冗長的になっている
路線について、人口分布・需給バランスを考慮したサービスレベルの設
定が必要。
 循環バスと放射状路線の重複区間について、同様の区間を利用しても
70 円の差が出るなど、公平性に欠け利用者に分かりにくい料金設定に
ついて調整が必要。
 一方通行規制区間周辺ではバスルートが一方通行に従って迂回するな
どサービスレベルの低下を招いているため改善が必要。
 H21 から H26 の 5 年間で全体の利用者が約 2 割減少。
 小栗山線や土手町循環 100 円バスの利用者が多く、H21~H26 の減少率も少ない。
 JR と競合する五所川原・浪岡方面や、大鰐線と競合する大鰐・碇ヶ関方面等の減少率が大きく、H21~H26 で7割程度減少してい
る。
 H26 年の路線バスの赤字額は約 4 億円/年。
 利用者数の多い小栗山線や土手町循環 100 円バスなどの 6 路線のみ黒字となっている。
 乗客 1 人当りの赤字額では弘前~五所川原線が最高で、福田線、弘前~豊蒔・高田~黒石線等が高く、過剰投資となっている可能
性が高い。
 弘前市中心部に向かう放射方向の地域間流動構造となっている。
 隣接ゾーン間の動きが散見されるが、環状方向の流動はほとんど無い。
 平日より休日の流動量は少なく、また積雪時よりも非積雪時のほうが流動量は少ないが、流動の構造については同様の傾向。
 利用者の約半数が通学・通勤目的であり、次いで買い物・通院利用が約 36%と多い。
 休日は買い物・通院の利用が多くなり半数を占める。
 降雪期には通学・通勤利用割合が高まり、それに伴い利用頻度も向上する。
 主な利用目的となっている通勤通学を支援するサービスレベルの確保
が必要。
 特に冬期に関しては、公共交通への依存度が上昇するため、十分なサー
ビスレベルの確保が必要。
 郊外部に向かう路線等について、利用ニーズに対し冗長的になっている
路線について、人口分布・需給バランスを考慮したサービスレベルの設
定が必要。
 バス利用の前後の交通手段の大半は徒歩。
 1~2 割ほどバス・鉄道の乗り継ぎがある。
 乗り継ぎを伴う公共交通利用に対して抵抗がある・浸透していない。
 乗り継ぎを伴う場合は「待ち時間の削減」「十分な情報提供」等の環境
改善が必要。
地域公共交通として認識すべき課題
○
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○
地域公共交通として認識すべき課題
上位・関連計画で指摘されている問題点・課題
49
弘前圏
地域公共
交通計画
 中心部と周辺市町村を結ぶ交通は地域間幹線「弘前中心型」とし
て、バスと鉄道による弘前中心部を繋ぐ地域間幹線を確保。
 周辺市町村間を結ぶ交通は地域間幹線「市町村連絡型」として、
実態・ニーズに合わせた市町村間幹線路線を確保。
 各市町村の拠点から市町村内(郊外部等)への交通は地域内フィ
ーダーとして、幹線と一体的に機能する地域内交通の連携。
路
線
バ
ス
 公共交通の利用率が高い地域において路線バスの維持、向上を図
るとともに、公共交通の利用率が低い地域においては、需要発生
状況や地域特性、運行の持続可能性を踏まえた対応が必要。
 中心部を運行する循環バスと郊外と中心部を結ぶ路線バスとの
連携を図るために、結節点での乗継の確保、情報提供の充実など
が必要。
 積雪期においても路線バスを快適に利用するために、高齢者や交
通弱者への対応として、バス停待合環境の整備やバス車両のバリ
アフリー化などが必要。
大
鰐
線
 路線バスと直接接続しない中央弘前駅から弘前駅などの弘前市
中心部へのアクセス向上が必要。
 通勤・通学や通院、買い物、観光での大鰐線の利用を維持するた
めに、大鰐線に求めるニーズ等を踏まえた改善が必要。
 沿線の観光施設との情報面での連携等により、大鰐線の魅力向上
が必要。
 大鰐線を地域の財産として地域全体で考え、存続に向けた活動等
が必要。
弘前市
都市計画
マスタープラン
 現在のコンパクトな市街地を維持していくことが必要。
 人口減少・超高齢社会に対応した生活サービスの充実や新たなま
ちづくりの展開。
 新たな居住を誘導し、歩いて楽しめる奥行きのある中心市街地を
形成。
 生活不便地域の改善。
 公共交通機関の維持等により、自動車に頼らなくても快適に移動
できる環境を整備。
 中心市街地と周辺の拠点地区との関係を整理しながら、周辺地域
の生活を支える生活拠点を充実。
 小さな拠点づくりや福祉・移動等のサービスの提供。
 多様な観光資源の魅力の維持・向上や交流のための基盤づくり等
により、国際的観光都市としての発展が必要。
弘
前
市
地
域
公
共
交
通
総
合
連
携
計
画
弘前市立地
適正化計画
(素案)
 人口密度を保つため、可住地以外への拡大を抑制し、現在のコン
パクトな市街地維持が必要。
 一定エリアの人口密度を保ち、暮らしを支える都市機能の立地や
地域コミュニティ維持が必要。
 公共交通を維持し、自家用車を利用できない高齢者等でも便利に
暮らせるようにすることが必要。
課題1:人口・都市機能の集積・誘導促進への対応
地域公共交通の課題
①
②
③
○
○
④
⑤
 人口と都市機能を誘導促進しつつ、コンパクトに集積した都市構造を維
持し、その中での暮らしをより快適なものとするため、市街化区域内・
中心部と市街化区域内の地域拠点の連絡に、計画的に高いサービスの路
線バス、鉄道を確保する必要がある。
課題2:田園集落の生活の保持
○
○
○
○
○
○
 市街化区域外の集落での生活が成り立つよう、集落内および集落から近
○
○
○
○
地
域
公
共
交
通
と
し
て
認
識
す
べ
き
課
題
い地域拠点、及び鉄道駅を連絡する公共交通を確保する必要がある。
課題3:弘前圏域の拠点間連携の確保
 周辺市町村とともに形成される弘前圏域の生活や経済活動の維持・活性
化のため、通勤・通学や買い物・通院などに必要な公共交通の確保が必
要である。
課題4:
 より多くの市民や観光客にも路線や経路、運賃や支払方法がわかりやす
く、使いやすいものである必要があり、駅舎、バス停、待合施設、バス
車両のバリアフリー化、風雨や雪などから利用者を守ることが必要であ
る。
課題5:交通事業者、行政、市民の経済的負担の軽減
 路線バスの年間赤字額は約 4 億円で、大鰐線は年間約 2,100 万円の赤字
○
○
である。運行経費の他、施設や車両の整備更新も要するため、公共交通
を維持し続けるために、交通機関の連携や、需要に応じた運行区間の分
割・短縮、頻度の見直しなどによる効率化、市民が公共交通を支えると
いう意識啓発や機運が必要である。
4
地域公共交通網形成の基本理念と基本方針
上位・関連計画における公共交通に対する基本的な考え方と、公共交通に関するこれまでの検討
経緯や取り組みの方向性も勘案して整理した課題を踏まえ、弘前市における地域公共交通網形成の
基本理念と基本方針を以下のように定めます。
弘前市の公共交通の課題
弘前市の将来都市像と公共交通の役割
【弘前市経営計画】20 年後の将来都市像
子どもたちの笑顔 あふれるまち 弘前
課題1:人口・都市機能の集積・誘導促進への対応
【弘前市都市計画マスタープラン】目指す都市の姿
『暮らしを楽しめるまち』
都市構造構築に公共交通が果たす役割
○「まちなか」と「郊外」への居住と都市機
能集積によるコンパクトなまちづくりを維
持・促進
○「まちなか」の弘前駅周辺と土手町の核を
つなぎ、まちなか居住やまちづくりの面的
展開を支援
○「田園」の地域(集落)の生活と存続の確
立、自然環境保全に貢献
○「まちなか」と周辺都市との広域地域間連
携
○市内の歴史資源、観光資源の回遊性の確保
公共交通既存計画の方向性
【地域公共交通総合連携計画】で目指す姿
持続可能な公共交通体系の戦略的な構築
及び公共交通サービスの向上・改善
路線バスの方針
 都市拠点(中心部)を踏まえた交通体系の確立
 地域特性を踏まえたネットワークの確立
 住民に提供する交通サービス水準・維持水準の設
 人口と都市機能を誘導促進しつつ、コンパクトに集
積した都市構造を維持し、その中での暮らしをより
快適なものとするため、市街化区域内・中心部と市
街化区域内の地域拠点の連絡に、計画的に高いサー
ビスの路線バス、鉄道を確保する必要がある。
課題2:田園の集落の生活の保持
 市街化区域外の集落での生活が成り立つよう、集落
内および集落から近い地域拠点、また鉄道駅を連絡
する公共交通を確保する必要がある。
課題3:弘前圏域の拠点間連携の確保
 周辺市町村とともに形成される弘前圏域の生活や
経済活動の維持・活性化のため、通勤・通学や買い
物・通院等に必要な公共交通の確保が必要である。
課題4:市民・観光客にもわかりやすく利用しやすい
サービスの提供
 より多くの市民や観光客にも路線や経路、運賃や支
払方法がわかりやすく、使いやすいものである必要
があり、駅舎、バス停、待合施設、バス車両のバリ
アフリー化、風雨や雪などから利用者を守ることが
必要である。
定
 地域性を踏まえた 運行形態の工夫
弘南鉄道大鰐線の方針
 弘前市中心部における他モードとの接続の確保
 大鰐線の魅力の向上
 移動ニーズ(通勤・通学、通院、買い物、観光等)
対応
 大鰐線の存続に向けた機運の向上
課題5:交通事業者、行政、市民の経済的負担の軽減
 路線バスの年間赤字額は約 4 億円で、大鰐線は年間
約 2,100 万円の赤字である。運行経費の他、施設や
車両の整備更新も要するため、公共交通を維持し続
けるために、交通機関の連携や、需要に応じた運行
区間の分割・短縮、頻度の見直しなどによる効率化、
市民が公共交通を支えるという意識啓発や機運が必
要である。
50
基本理念
まちを育み、暮らしと共にあり続ける公共交通網の形成
 名実ともに中心となる弘前駅・弘前バスターミナル・土手町通り・中央弘前
駅・大学病院・市役所・弘前城を結ぶ中心の軸、中心軸と中心軸に隣接する
地域拠点を結ぶ交通軸を強化・形成する。
 市街化区域内では、公共交通で移動ができるよう、中心部の中心軸と郊外部
の地域拠点を利便性の高い交通軸で連絡する。
 集落を中心とした日常生活を公共交通で支えられるよう、田園の集落とこれ
に近い地域拠点、または鉄道駅との連絡を需要に応じた交通手段で確保す
る。
 弘前都市圏を形成する周辺市町村の中心部と、本市の中心部の連絡には、自
動車に頼りすぎることがないよう、鉄道やバスによる公共交通軸を確保す
る。
 公共交通沿線への居住誘導や施設配置などの政策展開と、公共交通網の強
化・形成とが一体となり、運賃制度や支払い方法などの公共交通利用時の環
境改善により、市街化区域内での公共交通利用が自然と選択される環境づく
りに総合的に取り組む。
 市民主体による地域交通運行の支援活動や、市民が様々な情報に基づいて適
切かつ自主的に公共交通手段を選んで利用する生活スタイルなどの実現の
ため、地域や市民と連携した取り組みの展開を図る。
51
5
地域公共交通網形成計画の目標
5.1 目標設定の考え方
弘前市地域公共交通網形成計画における基本理念「まちを育み、暮らしと共にあり続ける公共交
通網の形成」の意味合いを踏まえ、計画が目指すべき3つの目標を設定します。
計画の基本理念の持つ意味合い
公共交通の存在によって、まちには人の集いや流れ、住まいや
まちを育み
施設の立地・集積が促され、コミュニティ・拠点・都市軸が維
持・形成・成長することになります。
公共交通が市民の交通手段として生活に欠かせないツールと
暮らしと共にあり続ける
なり、生活および社会経済活動の好循環が生まれるためには、
その公共交通サービスが持続的に確保・提供されなければなり
ません。
計画が目指す3つの目標
目標1:中心部への公共交通を使った外出が増えている
市民の公共交通を使った外出が増え、土手町や弘前駅周辺の中心部との往来、地域拠点間や田
園との交流が活発化し、中心部のみならず市全体が活き活きと活動している。
目標2:生活の場面に応じ公共交通を活用している
公共交通の利便性の高さが暮らし易さにつながっている。
市民の市内の移動、弘前圏域内の弘前市と周辺市町村との移動にも公共交通の利用が増加して
いる。
市民は公共交通の利用に、抵抗や負担を感じることが少なくなり、市内の「中心部」
・
「郊外」・
「田園」のいずれに居住する市民も不満なく公共交通を利用している人の割合が高くなってい
る。
目標3:公共交通の維持運営を協働で担っている
交通事業者、市民、行政がそれぞれの役割を果たし、互いの協力関係の下で相応の負担によっ
て公共交通が維持運営されている。
52
5.2 目標と評価指標
計画が目指す3つの目標の達成状況を検証・評価する指標として、直接的な効果、また間接的か
つ複合的な効果として得られる 7 つの指標を設定して評価します。
目標1:中心部への公共交通を使った外出が増えている
指標1:土手町通りのバス停・JR 弘前駅・中央弘前駅・弘南線弘前駅の総乗降車人数
現
状
目
標
目標年次
非積雪期
12,218 人
→
14,173 人
H31
積雪期
12,972 人
→
15,048 人
H31
指標2:市民の外出回数と公共交通利用率
現
状
目
標
目標年次
外出回数
新規調査
→
現状の 1.11 倍
H31
公共交通利用率
4.1%
→
7.4%
H37
目標2:生活の場面に応じ公共交通を活用している
指標3:市街化区域内の幹線的な公共交通沿線の人口の割合
現
人口割合
状
目
45.8%
→
標
73.0%
目標年次
H42
指標4:公共交通(機関別)の利用者数
現
状
目
標
目標年次
路線バス
2,802 千人
→
2,900 千人
H37
弘南鉄道大鰐線
479 千人
→
582 千人
H37
弘南鉄道弘南線
1,325 千人
→
1,325 千人
H37
指標5:公共交通利用に対する満足度
現
満足度
状
目
19.9%
→
標
ポイントアップ
目標年次
H37
目標3:公共交通の維持運営を協働で担っている
指標6:公共交通(機関別)の収支率
現 状
目
標
目標年次
路線バス
-397,388 千円
→
収支が改善
H37
弘南鉄道大鰐線
-21,128 千円
→
収支が改善
H37
弘南鉄道弘南線
+4,927 千円
→
収支が改善
H37
指標7:市民の公共交通との積極的な関わり
現
メルマガ登録者数等
状
目
新規計測
→
53
標
改めて設定
目標年次
H37
指標1:土手町通りのバス停・JR 弘前駅・中央弘前駅・弘南線弘前駅の総乗降車人数
■ 指標の意味
 中心部への人の集まりや回遊は、様々な都市機能やサービスの充実、魅力度アップが前提であるが、
効率的な移動の実現のために公共交通サービスを拡充していることから、その結果として「路線バス
および JR 線・大鰐線・弘南線を利用して土手町通り・弘前駅周辺の中心部を訪れる人が増加する」
ことを評価する。
■ 指標の算定方法
 土手町通りのバス停および大鰐線中央弘前駅、弘南線弘前駅の非積雪期・積雪期の平日および休日の
平均 1 日あたり乗降車人数、JR 弘前駅の 1 日平均乗車人数の2倍を集計する。
 土手町通りのバス停:下土手町①、下土手町②、蓬来橋、中土手町、青銀土手町支店、土手町十文字、上土手町、
ホテルニューキャッスル前、中央通り 2 丁目
■ 将来目標値の設定方法
 平成 21 年実態調査結果では、土手町通りバス停の乗降車人数は、非積雪期の平日:1,249 人・休日:
800 人・加重平均:1,121 人、積雪期の平日:1,566 人・休日:867 人・加重平均:1,366 人である。
 同じく中央弘前駅の乗降車人数は、非積雪期の平日:832 人・休日:403 人・加重平均:709 人、積
雪期の平日:1,158 人・休日:565 人・加重平均:989 人である。
 同じく弘南線弘前駅の乗降車人数は、非積雪期の平日:2,157 人・休日:1,347 人・加重平均:1,926
人、積雪期の平日:2,476 人・休日:1,353 人・加重平均:2,155 人である。
 平成 21 年度の JR 弘前駅の日平均乗車人数は 4,231 人(JR 東日本発表)で、乗降車人数は 8,462
人となる。
 弘前市中心市街地活性化基本計画(平成 27 年 3 月)では、来街者の増加(歩行者・自転車通行量が
H25:18,555 人→H31:23,000 人)が目標の一つになっている。過年度実態調査値(H19:20,464
人)と H25 年値から H21 年値を中間補完して推定すると 19,823 人となるため、平成 21 年から平
成 31 年の換算伸び率(1.16 倍)を上述の各乗降車人数の合計値に乗じて目標値を設定する。
17,500
20,000
【非積雪期】
14,173
15,000
12,500
12,218
10,000
7,500
5,000
2,500
土手町通りと鉄道駅の乗降者数(人)
土手町通りと鉄道駅の乗降者数(人)
20,000
0
17,500
【積雪期】
15,048
15,000
12,972
12,500
10,000
7,500
5,000
2,500
0
現状
(平成21年)
将来目標
(平成31年)
現状
(平成21年)
54
将来目標
(平成31年)
指標2:市民の外出回数と公共交通利用率
■ 指標の意味
 市民の気軽で快適な外出を支えるため、効率的な移動手段として公共交通サービスを拡充している
ことから、その結果として市民の「外出回数」およびその時の移動手段として「公共交通を利用し
ている割合」を評価する。
■ 指標の算定方法
 1 ヶ月あたりの市民の中心部への外出回数、その時の移動手段をアンケート調査により把握する。
■ 将来目標値の設定方法
 平成 22 年全国都市交通特性調査(国土交通省都市局)によれば、弘前市全体の移動時の公共交通
(鉄道とバス)の利用割合は、鉄道が 1.7%、バスが 2.4%、合計 4.1%である。
 この調査時の自動車の利用割合は 65.3%であったが、このうち約5%(全体の 3.3%)が公共交通
に転換したとすると、公共交通(鉄道、路線バス)の利用割合は 7.4%となる。利用者換算では約
1.8 倍、同じ調査での盛岡市の公共交通利用水準(7.3%)に相当するため、これを目標とする。
 一方、弘前市民の外出回数についての現況データが存在しないため、現況値は適切に把握するもの
とするが、目標値については、弘前市中心市街地活性化基本計画(平成 27 年 3 月)では、来街者
の増加(歩行者・自転車通行量が H25:18,555 人→H31:23,000 人)が目標の一つになっているこ
とから、この時の伸び率から平成 28 年から平成 31 年の換算伸び率(1.11 倍)を目標とする。
中心部への外出回数(回/1ヶ月)
公共交通の利用率(%)
10.0
7.4
5.0
4.1
現状より
回数が
1.11 倍
新規調査
0.0
現状
(平成22年)
現状
(平成28年)
将来目標
(平成37年)
55
将来目標
(平成31年)
指標3:市街化区域内の幹線的な公共交通沿線の人口の割合
■ 指標の意味
 市街化区域内の拠点を結ぶ幹線的な公共交通軸の沿線は、高い利便性が提供される地区であり、同時
に公共交通の利用を期待する地区でもあるため、より高い密度で人口が集積されることが望まれるこ
とから、これらの「幹線的公共交通軸の沿線地区に居住する人口の割合」を評価する。
■ 指標の算定方法
 国勢調査および住民基本台帳に基づき、市街化区域内の JR 鉄道駅から半径 1km 以内、弘南鉄道駅か
ら半径 500m以内、
運行頻度が高いバス停
(30 分に 1 便以上、
12 時間では 48 便以上)から半径 300m
以内の人口を算出する。
 GIS(地理情報システム)を活用する。
■ 将来目標値の設定方法
 平成 22 年 10 月 1 日現在の国勢調査に基づくメッシュデータ集計による幹線的な公共交通沿線の人
口は 47,814 人で市街化区域内人口(104,288 人)に対する割合は 45.8%である。
 平成 42 年の国立社会保障・人口問題研究所による将来推計人口に基づくメッシュデータ集計による
幹線的な公共交通沿線の人口は、再編検討段階の試算※では 62,262 人で市街化区域内人口(85,239
人)に対する割合は 73.0%である。
※総運行量を現況程度とし、市街化区域内の運行量として約 7 割を確保して検討した場合
幹線的公共交通沿線人口割合(%)
80.0%
73.0%
70.0%
60.0%
50.0%
45.8%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
現状
(平成22年)
将来目標
(平成42年)
56
指標4:公共交通(機関別)の利用者数
■ 指標の意味
 コンパクトでまとまりのあるスマートな都市の移動の姿として、徒歩や公共交通による移動が主体と
なっていることを目指しており、中心部での公共交通サービスを拡充、中心部と郊外部および田園と
の連絡網を確保していることから、その結果として人口減少下にあっても「公共交通を利用している
人が横ばいで確保される、または増加する」ことを評価する。
■ 指標の算定方法
 公共交通(鉄道(弘南鉄道大鰐線)
・路線バス)のそれぞれの年間利用者数を集計する。
■ 将来目標値の設定方法
 平成 22 年の年間バス利用者数は 3,045,752 人、平成 26 年の年間バス利用者数は 2,801,932 人で、
243,820 人の減少(減少率は 0.92)となっていて、平成 22 年の人口 183,473 人から平成 26 年の
人口 180,203 人の減少率 0.98 を上回って利用者が減少している。
 今後、平成 27 年から平成 37 年までに弘前市の人口は、176,104 人から 158,965 人に 17,139 人、
約 10%減少すると予測されていることから、公共交通の利用率が向上しなければ総利用者数も同程
度以上に減少してしまう可能性がある。
 人口減少による影響を利用率向上で補完することで、現状程度の利用者を維持することを想定し、路
線バスでは、平成 37 年の利用者目標値を平成 22 年から平成 26 年の利用者の平均 2,900,134 人を
目標とする。
路線バス年間利用者数(千人)
3,000
【路線バス】
2,900
2,802
2,750
2,500
現状
(平成26年)
将来目標
(平成37年)
 弘南鉄道大鰐線の平成 26 年の年間利用者数は 479 千人である。弘南鉄道大鰐線存続戦略協議会では、
利用促進策などの展開による利用者目標値を平成 31 年で 647 千人と見込んでいる。ここでは、この
目標値に人口減少(弘前市:平成 27 年から平成 37 年までの減少率は 0.90)の要素を加味し、平成
37 年目標値を 582 千人とする。
 弘南鉄道弘南線の平成 26 年の年間利用者数は 1,325 千人である。年間利用者数は微減傾向にあるも
のの黒字経営を維持している弘南線にあっては、弘前市ならびに沿線市町村の人口減少要素があるた
め、平成 26 年の年間利用者数の維持を目標とする。
57
指標4:公共交通(機関別)の利用者数
750
大鰐線年間利用者数(千人)
【弘南鉄道大鰐線】
582
479
500
250
0
現状
(平成26年)
弘南線年間利用者数(千人)
1,500
将来目標
(平成37年)
【弘南鉄道弘南線】
1,325
1,325
現状
(平成26年)
将来目標
(平成37年)
1,250
1,000
750
500
250
0
指標5:公共交通利用に対する満足度
■ 指標の意味
 公共交通による移動が自然と選択される環境であることが望ましいことから、「公共交通を使って
移動することへの不満が低い」ことを評価する。
■ 指標の算定方法
 公共交通の利用に関する満足度を市民に対するアンケート調査により把握する。
■ 将来目標値の設定方法
 平成 26 年度弘前市市民評価アンケートで
は、
「通勤、通学、買い物などのための交通
手段が整っていることについて」の満足度
は、
「満足である」が 4.5%、
「どちらかとい
えば満足である」が 15.4%となっている。
これらのポイントが高くなることを評価す
る。
公共交通手段に対する満足度(%)
50.0
25.0
どちらかといえば
満足である
15.4
満足である
0.0
4.5
現状
(平成25年)
58
現状より
ポイントが
アップ
将来目標
(平成37年)
指標6:公共交通(機関別)の収支率
■ 指標の意味
 公共交通の運営にあたっては、交通事業者・行政・市民(利用者および地元企業など)がそれぞれ
の責任を果たし、相応の役割や負担を担って支えあうことを前提に、ネットワーク全体のサービス
の維持あるいは拡充を図っていることから、その結果として「公共交通の収支が改善する」ことを
評価する。
0
-50,000
■ 指標の算定方法
 路線バス全体の平成 26 年の収支は約 4 億円
経常収益(千円)
■ 将来目標値の設定方法
将来目標
(平成37年)
-100,000
 公共交通(鉄道・路線バス)のそれぞれの年
間収支を集計する。
現状
(平成26年)
-150,000
-200,000
現状より
収支が改善
-250,000
-300,000
-350,000
のマイナスとなっている。
【路線バス】
-400,000
 弘南鉄道の平成 26 年の収支は大鰐線が約
-397,388
-450,000
2,100 万円のマイナス、弘南線が約 500 万円
のプラスである。
 これらの収支が改善することを評価する。
0
7,000
現状
(平成26年)
【弘南鉄道弘南線】
将来目標
(平成37年)
6,000
現状より
収支が改善
-15,000
経常損益(千円)
経常損益(千円)
-5,000
-10,000
現状より
収支が改善
5,000
4,927
4,000
3,000
2,000
1,000
-20,000
-21,128
0
【弘南鉄道大鰐線】
現状
(平成26年)
-25,000
59
将来目標
(平成37年)
指標7:市民の公共交通との積極的な関わり
■ 指標の意味
 公共交通ネットワーク全体の維持や拡充にあたっては、利用者である市民や公共交通による効果を享
受する企業市民(商業や医療施設・事業所など)が、利用はもとより、直接的間接的に運営に関与し
ていることが望ましいことから、
「市民の公共交通に対する関心や関与の度合い」、
「企業市民が公共
交通に関わる度合いの増加」を評価する。
■ 指標の算定方法
 以下の項目(案)への関与や登録者数を集計する。

弘前市が発行する公共交通メールマガジンの登録者数

弘南鉄道および弘南バス、乗合いタクシーのサポータークラブ会員数

相乗り(ライドシェアリング)登録会員数

公共交通運営協力協定提携企業・団体数

乗合いタクシーなどの地区生活線の運営主体への参画件数
■ 将来目標値の設定方法
 上記の各項目はいずれも現状数値がないことから、取り組み初年度の数値をもとに改めて目標を設定
する。
(事例)
 弘前市メールマガジン登録件数:1,500 人(平成 24 年)
 たか丸くん公式ツイッターフォロワー:16,378 人(H28.1.14)
 参考)えちぜん鉄道サポーターズクラブ(福井県)会員数:3,992 人(平成 26 年)
 参考)秋田内陸縦貫鉄道株式会社公式フェイスブックいいね:4,187 件(H28.1.14)
60
6
地域公共交通網形成に必要な事業
6.1 地域公共交通網再編および関連施策展開の方針
弘前市地域公共交通網形成計画では、
『まちを育み、暮らしと共にあり続ける公共交通網の形成』
という基本理念、6 つの基本方針のもと、弘前市のまちと暮らしの中で公共交通が機能している姿
を描き、
「中心部への公共交通を使った外出が増えている」
「生活の場面に応じ公共交通を活用して
いる」
「公共交通の維持運営を協働で担っている」という 3 つの目標を定めています。
この 3 つの目標を実現するために、以下の 4 つの施策の柱、11 の施策メニューにより地域公共
交通再編事業に取り組みます。
表 6-1
地域公共交通再編事業への取り組み-4 つの施策の柱・11 の施策メニュー
施策の柱
都市の施設や機能の配置・構成を
施
策
の
柱
1
施
策
の
柱
3
施
策
の
柱
4
①
わかりやすく、効率よく拠点間を連絡するネッ
トワークへの再編
②
需要に応じ、需要を創出するメリハリある運行
の実施
③
タクシーの活用、公共交通空白地有償運送など
も視野に入れた地区内交通の仕組みの検討
④
複数路線の利用を前提とした運賃体系や運行ダ
イヤの導入、交通系 IC カードの導入・活用、
これを想定した運賃制度の検討
⑤
主要な駅や停留所、連絡拠点の施設や機能の整
備、バリアフリー化の推進
⑥
土手町・中央弘前駅・弘前駅間の連絡性・回遊性
を改善・向上する路線設定や道路の使い方の工
夫
⑦
コミュニティサイクルやサイクルトレインなど
公共交通利用前後の交通手段の確保
⑧
鉄道、バス、自転車、自家用車間のパーク&ラ
イド施設や制度の導入・整備
⑨
車両更新や運行情報案内提供などの利用環境整
備
⑩
モビリティ・マネジメント事業の展開
⑪
個人や団体・企業の公共交通活用・サポート事業
の推進
踏まえた公共交通網の再編
 JR 線、弘南鉄道、路線バスを
相互に活用する路線網の構築
 目的や需要にあった移動手段
の導入
施
策
の
柱
2
施策の展開メニュー
公共交通網の再編に応じた交通
手段間の連絡・連携機能の向上
公共交通利用の利便性・快適性・
優位性の向上
公共交通と関わる意識・機会・仕
組みの創出
61
基本理念
まちを育み、暮らしと共にあり続ける公共交通網の形成
地域公共交通網形成の基本方針
名実ともに中心となる弘前駅・弘前バスターミナ
ル・土手町通り・中央弘前駅・大学病院・市役所・
弘前城を結ぶ中心の軸、中心軸と中心軸に隣接す
る地域拠点を結ぶ交通軸を強化・形成する。
計画が目指す3つの目標
62
集落を中心とした日常生活を公共交通で支えられ
るよう、田園の集落とこれに近い地域拠点、また
は鉄道駅との連絡を需要に応じた交通手段で確保
する。
指標1:土手町通りのバス停・JR 弘前駅・中央
弘前駅・弘南線弘前駅の総乗降車人数
柱2
公共交通網の再編に応
じた交通手段間の連
絡・連携機能の向上
指標4:公共交通(機関別)の利用者数
 市民の市内の移動、弘前圏域内の弘前市と周辺市
町村との移動にも公共交通の利用が増加してい
る。
指標5:公共交通利用に対する満足度
公共交通沿線への居住誘導や施設配置などの政策
展開と、公共交通網の強化・形成とが一体となり、
運賃制度や支払い方法などの公共交通利用時の環
境改善により、市街化区域内での公共交通利用が
自然と選択される環境づくりに総合的に取り組
む。
柱1
都市の施設や機能の配
置・構成を踏まえた公共
交通網の再編
目標2:生活の場面に応じ公共交通を活用している
指標3:市街化区域内の幹線的公共交通沿線の
人口の割合
 市民は公共交通の利用に、抵抗や負担を感じるこ
とが少なくなり、市内の「中心部」・
「郊外」・
「田
園」のいずれに居住する市民も不満なく公共交通
を利用している人の割合が高くなっている。
施策の展開メニュー
①わかりやすく、効率よく拠点間を連絡する
ネットワークへの再編
 市民の公共交通を使った外出が増え、土手町や弘
前駅周辺の中心部との往来、地域拠点間や田園と
の交流が活発化し、中心部のみならず市全体が活
き活きと活動している。
 公共交通の利便性の高さが暮らし易さにつながっ
ている。
弘前都市圏を形成する周辺市町村の中心部と、本
市の中心部の連絡には、自動車に頼りすぎること
がないよう、鉄道やバスによる公共交通軸を確保
する。
施策の柱
目標1:中心部への公共交通を使った外出が増えて
いる
指標2:市民の外出回数と公共交通利用率
市街化区域内では、公共交通で移動ができるよう、
中心部の中心軸と郊外部の地域拠点を利便性の高
い交通軸で連絡する。
地域公共交通再編事業への取り組み
柱3
公共交通利用の利便
性・快適性・優位性の向
上
②需要に応じ、需要を創出するメリハリある
運行の実施
③タクシーの活用、公共交通空白地有償運送
なども視野に入れた地区内交通の仕組み
の検討
④複数路線利用を前提とした運賃体系や運
行ダイヤの導入、交通系 IC カード導入・
活用、これを想定した運賃制度の検討
⑤主要な駅や停留所、連絡拠点の施設や機能
の整備、バリアフリー化の推進
⑥土手町・中央弘前駅・弘前駅間の連絡性・
回遊性を改善・向上する路線設定や道路の
使い方の工夫
⑦コミュニティサイクルやサイクルトレイ
ンなど公共交通利用前後の交通手段の確
保
⑧鉄道、バス、自転車、自家用車間のパーク
&ライド施設や制度の導入・整備
⑨車両更新や運行情報案内提供などの利用
環境整備
目標3:公共交通の維持運営を協働で担っている
指標6:公共交通(機関別)の収支率
市民主体による地域交通運行の支援活動や、市民
が様々な情報に基づいて適切かつ自主的に公共交
通手段を選んで利用する生活スタイルなどの実現
のため、地域や市民と連携した取り組みの展開を
図る。
指標7:市民の公共交通との積極的な関わり
 交通事業者、市民、行政がそれぞれの役割を果た
し、互いの協力関係の下で相応の負担によって公
共交通が維持運営されている。
柱4
公共交通と関わる意
識・機会・仕組みの創出
⑩モビリティ・マネジメント事業の展開
⑪個人や団体・企業の公共交通活用・サポー
ト事業の推進
6.2 網形成計画における取り組み事業
① わかりやすく、効率よく拠点間を連絡するネットワークへの再編

弘前市内の鉄道(JR 線・弘南鉄道大鰐線・弘南鉄道弘南線)
、路線バス、予約型乗合タクシー
路線の公共交通路線網全体を再編します。
【事業実施主体:弘前市、弘南鉄道・弘南バス・タクシー事業者他交通事業者】
以下の考え方に基づき、利用者にわかりやすく、市内の拠点や施設間を効率的に連絡する公共交
通ネットワークとするため、既存路線の見直し、新たな路線の設定、路線間を連絡する点の設定な
どについて検討し、市民や関係者、交通事業者などの調整や合意を経て順次実施します。
考え方1:中心部にわかりやすく、太い公共交通軸をつくります
 中心部の都市機能が集中するにぎわいの地区と、幹線公共交通軸(弘前駅~バスターミナル~
土手町通り~大学附属病院~市役所・弘前城)を重ね合せ、人が集まりやすく回遊しやすい都
市軸を創出します。
 路線の経路や行き先がわかりやすく、いつでも利用できるよう、幹線公共交通軸の区間内では
なるべく同じ経路に多く運行している環境をつくります。
 中心部のまちづくりと連携し、路線バスと一般車両がスムーズに走行できる環境づくりに段階
的に取り組みます。
考え方2:鉄道(弘南鉄道大鰐線)を守り、活用します
 冬期移動の定時性や確実性、鉄道の維持存続の重要性から、小栗山・石川・大鰐方面から土手
町付近の中心部にアクセスする公共交通軸である弘南鉄道大鰐線を活用します。
 公共交通ネットワークであるバス路線と大鰐線は一体のものと考え、路線の経由や行き先の見
直し、鉄道駅アクセス性向上を図り、ネットワークの効率性を高めます。
考え方3:都市の中心部や施設等が集まる拠点間は、アクセスを向上させます
 都市中心部の幹線公共交通軸と、住宅や施設等の集まりが高まる市街化区域の地域拠点との間
は、アクセスを高めます。
 幹線公共交通軸と特に需要が高い南北4つの地域拠点(青山・宮園、城東、弘前大学、城西・
樋の口)の間、および4つの拠点どうしの間のアクセスを向上させます。
考え方4:田園と中心部のネットワークを確保します
 田園の暮らしを守るよう、田園と市街化区域の地域拠点とを確実に連絡します。また田園から
中心部にアクセスできるようにネットワークを確保します。
 田園の地区・集落を結ぶ路線は、需要の大きさに応じて運行サービスの形態を工夫します。
 始業時刻制約がある通学路線は原則維持します。
(今後の通学状況で変更が想定されます。
)
考え方5:弘前圏域の地域間は鉄道(JR 及び弘南鉄道)とバスが連携して結びつきを高めます
 弘前市中心部と隣接市町村中心拠点間は、鉄道と路線バスを一体的に活用して連絡します。
 状況に応じて弘前市中心部までの直通運行と最寄り拠点までの区間運行を併用するなど、効率
的な運行を目指します。
考え方6:地域拠点間の効率的な移動を確保します
 不必要な中心部への集中は回避しつつ、市街化区域内の都市機能を共有できるよう、地域拠点
間の効率的な移動を実現するため、市街化区域内の環状方向の路線を配置します。
63
図 6-1
弘前市地域公共交通網の再編イメージ
64
② 需要に応じ、需要を創出するメリハリある運行の実施

都市の中心部や住宅および施設の集まりが高まる区域は高頻度で運行します。

運行区域や時間帯に応じてメリハリのある運行を行います。
【事業実施主体:弘前市、弘南バス他交通事業者】
コンパクトでまとまりのある市街地の形成を促進するため、都市の中心部や住宅および施設の集
まりが高まる区域では、公共交通の高い利便性を確保します。
路線バスのサービスレベル(ここでは地区内の運行量、運行頻度、運行時間帯)は、以下の考え
方に基づいて検討し、路線バス網全体の運行費用と収入のバランス、交通事業者の車両や人員など
の資源確保の見通しなどを総合的に判断したうえで適切に設定していきます。
考え方1:市街化区域内と市街化区域外の運行量バランスを人口比に応じて見直します
 現況の公共交通路線網(バス+相馬地区乗合タクシー+大鰐線)の市街化区域内と区域外の運行
量の比率は市街化区域が 59.0%、区域外が 41.0%です。
 市街化区域内と区域外の人口比(平成 22 年国勢調査)は、市街化区域内が 69.7%、区域外が
30.3%で、現況の運行量は人口比からすると市街化区域内の運行量が約 11 ポイント程度少な
い傾向になっています。
 このことを踏まえ、再編後には市街化区域内の運行量比率を人口比程度まで高める(住宅およ
び施設の集まりが高まる区域内の公共交通の利便性を高める)こととします。
表 6-2
市街化区域内と区域外の公共交通運行量と人口のバランス
市街化区域内
走行キロ(km)
現在の公共交通
運行量のバランス
比
率
人口(人)
現在の人口バランス
比
率
市街化区域外
弘前市全体
1,926,396
1,337,878
3,264,274
59.0%
41.0%
100.0%
127,420
55,423
182,843
69.7%
30.3%
100.0%
考え方2:路線ごとの運行区域や生活時間帯に応じた運行頻度、運行時間帯の目安を設けます
 路線ごとの運行区域によって、運行する時間帯の目安を設定します。
 路線ごとの運行区域と通勤通学時間帯(ピーク時)と早朝・夜間・昼間時間帯(オフピーク時)
によって、運行頻度の目安を設定します。
 土手町通りなどの中心部の道路では、複数路線の運行によって、実質的な運行間隔は数分間隔
になる場合があります。
表 6-3
区域別の運行時間帯と運行間隔(頻度)の目安
運行間隔(頻度)
区域
運行時間帯
中心部区域
ピーク時間
(通勤通学時間帯)
オフピーク時間
(早朝・夜間・昼間)
6:00~21:00(発)
15 分間隔
30 分間隔
市街化区域の郊外
5:30~21:00(発)
15 分間隔
40 分間隔
田園・市町村間連絡
7:00~19:00(発)
60 分~90 分間隔
90 分~120 分間隔
65
③ タクシーの活用、公共交通空白地有償運送なども視野に入れた地区内交通の仕組みの検討

田園と郊外の地域拠点・連絡施設を結ぶ路線(地区生活路線)では、地域のニーズや需要を
勘案しながら地域に応じた交通の仕組みを検討します。
【事業実施主体:弘前市、弘南バス、タクシー事業者他交通事業者、NPO 等民間・地域団体】
現在相馬地区で導入されている予約型乗合タクシーは、路線バスを常に運行するほどまとまった
需要がない地区で運行に係る経費を抑えながら生活に必要な移動手段を確保する方法として導入
されたものです。
相馬地区と同様に、その他の地区の田園と郊外の地域拠点・連絡施設を結ぶ地区生活路線では、
一般的な路線バスからこのような運行方法に移行するかどうかについて、地区住民の意見を踏まえ
ながら、これまでの路線バス運行の経緯も勘案して総合的に検討、判断していく必要があります。
このとき、地元タクシー事業者の輸送資源を有効に活用していくことが第一に考えられるものの、
事業者や車両営業拠点の有無もあることから、地域住民や地域の団体などによる輸送の仕組みや車
両の管理、さらには地域住民の自家用車を活用した相乗りを有償で行うなどの方法も視野に入れ、
利用者の利便性が確保される交通手段や仕組みを適切に検討・選択していきます。
【乗り合わせてタクシー利用を促す仕組み】
山口県山口市では、タクシーを共同で利用する仕組み
として、タクシー利用券を交付しています。買物や通院
などで一般タクシーを利用する時に、タクシー運賃から、
利用券の金額を差し引いた料金を、乗り合わせた方々
で負担してもらいます。
1 人でも利用券を使えますが、1 乗車につき 1 人 1 枚し
か使えないため、乗り合わせるほど、お得にタクシーを
利用できる仕組みです。
65 歳以上で自宅から最寄りの駅やバス停までの距離に
応じて交付される金額が変わります。
出典:山口市グループタクシー利用説明チラシ
図 6-2
タクシーの相乗りを促進して地域交通に活用する例(山口県山口市)
66
【有償ボランティアタクシー】
徳島県上勝町では、一般町民の登録ボランティアドライバーが自家用車を使って有償で輸送事業を
行なうもので、構造改革特別区域によって「白ナンバーで送迎して料金をもらう」ことに国内で初めて
許可を得た事例です。現在は法改正により申請登録による輸送が全国でも可能となっています。
登録ドライバーが利用者の予約に応じて有償(タクシーのおおむね 1/2 の料金)で送迎します。利用
者は、事前に登録(年会費あり)し、予約事務所に希望日時や場所を連絡して送迎してもらい、当日
は迎車料金、走行料金を支払います。運行事業の事務管理は NPO 法人が行っています。
出典:NPO 法人ゼロ・ウェイストアカデミー
図 6-3
有償ボランティアタクシー事業の例(徳島県上勝町)
④ 複数路線利用を前提とした運賃体系や運行ダイヤの導入、交通系 IC カード導入・活用、これ
を想定した運賃制度の検討

複数の交通手段間、路線間の連続利用に適した運賃体系、ダイヤ設定を検討・実施します。

公共交通が利用しやすい運賃制度、多様な割引制度の導入を検討・実施します。

交通系 IC カード(乗車券の IC カード化)の導入を検討・実施します。
【事業実施主体:弘前市、JR 東日本、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業】
公共交通網の再編にあたっては、鉄道と路線バス、バス路線相互またはバス路線と予約型の乗合
タクシーといった交通手段間の連絡が発生するため、連絡によって新たな初乗り運賃の支払いを生
じさせない運賃体系の導入、連絡の待ち時間をなるべく短くするダイヤの設定について検討、実施
します。
対面の車両に乗り換えが可能
【路線間の連絡ダイヤを工夫】
例えば、埼玉県ときがわ町では、町中心部のバスセンタ
ー(ハブ)を中心に、町内各方面に向けて放射状に路線
を(スポーク)運行する「ハブ&スポーク」方式を採用して
います。
このバスセンターには、ほぼ同時刻に各方面のバスが
到着し、利用者が行きたい方面のバスにそれぞれ乗換
え、各方面にむけて一斉に発車する工夫をしています。
図 6-4
各方面のバスが一斉にバスセンターに到着し発車する例(埼玉県ときがわ町)
67
また、公共交通の利用を推奨する交通政策を推進するにあたり、鉄道とバスの一体的な運賃体系、
一定区域内の運賃の均一化、区域単位の運賃設定(ゾーン運賃)としたり、家族利用や多頻度利用
を優位にする割引制度を導入したりするなど、多様な運賃体系や制度の導入について検討、実施し
ます。その場合、利用者や事業者にとって、支払いや清算の負担を軽減する交通系 IC カード(乗
車券の IC カード化)の導入を検討し、実施していきます。
交通系 IC カードの導入は、地域内・地域外の公共交通利用者、交通事業者の他の地域社会にも
大きなメリットをもたらすといわれているものの、導入時や運用コストの事業者負担、JR の Suica
等の全国相互利用可能なカードとのシステム共有の課題(事業費の増加、地域固有のサービスが実
現できない)もあるため、採用するシステムや機能についての検討が必要です。
【交通系 IC カードとは】
 交通系 IC カードは、平成 13 年の JR 東日本による Suica 発売を皮切りに、急速な普及・
発展を遂げたもので、集積回路(IC)を組み込んだ非接触型 IC カードは、財布や定期入れ
等に入れたまま読み取り機にかざすか、タッチして使用することが可能なため、磁気カ
ード等の様な装置への挿入を省く分、利用者利便性が向上しています。
 三大都市圏や地方拠点都市で多く普及している 10 種類の交通系 IC カード(10 カード)
の相互利用が平成 25 年 3 月に始まり、現在は Suica、PASMO などの 10 カードを1枚保有
していれば、他の 10 カード導入事業者のサービスエリアでも利用することが可能となっ
ています。
 10 カード以外の全国で導入されている地域独自カー
ド(例えば熊本市くまもんの IC カード)は、当該地
域独自の利用者向けサービス提供が可能ですが、そ
の地域外では利用できず、当該地域では 10 カード利
用ができないことがあります。最近では地域独自カ
ードの導入エリアで 10 カードを利用できるカード
(10 カードの片利用、例えば仙台市の icsca)が見
られるようになりました。
68
熊本市の地域独自交通系 IC カード
(くまもんの IC カード)
表 6-4
交通系 IC カードを導入するメリットと課題
ICカード化によるメリット
利
用
者
の
観
点
交
通
事
業
者
の
観
点
地
域
社
会
の
観
点





複数カードの共通化メリット
課題
迅速な改札通過・乗降が可能
 1 枚のカードで各種交通
自動精算のため現金支払いの煩わしさからの解放
機関が利用可能
運賃割引などの各種サービスの利用性が向上
 乗り継ぎや乗り換えの利
紛失時の再発行が可能で経済損失のリスク低減
便性向上
旅行や出張等の初めての訪問地でも気軽に公共交通を利
用でき、運賃支払いの煩雑さからの解放
 複数カードをかざした
場合の誤作動
 残高確 認の 手間(プリ
ペイドの場合)
 カードデポジットの発生
 地域固有の割引制度
の継続の困難さ
 発券、集金等の経費削減・事故防止
 乗継割引を行うことが容  イニシャルコスト、ランニ
 乗車券の偽造・不正使用防止
易(他事業者間の割引、 ングコストの負担
 乗降データ、顧客データ管理による、よりニーズにあった運 精算の簡易化)
 従来割引制度との整合
行計画の作成と運行管理の実施
 クレジットカード等の共通
 柔軟な運賃制度(割引)への対応可能性拡大
化による顧客データの収
 利用者の維持拡大
集、これを生かした事業
 精算事務の効率化
創出など経営戦略への
 使用済み乗車券処理費削減
活用
 磁気カード読み取り機器のメンテナンス費用削減
 使い捨ての切符や整理券等が不要で、繰り返し使えるカー  左記利益の一層の増進  全国カードや他地域と
ドは資源の有効利用にも貢献
のカードの共通化
 バス停車時間減による渋滞緩和(環境負荷軽減効果)
 導入・非導入地域の格
 市街地(地域)活性化の効果(クレジットカード・各種ポイント
差
との連携)
【交通系 IC カードを活用したポイント付与制度、乗継ポイント付与制度】
例えば、宮城県仙台市で導入されている交通系 IC カード(icsca)は、利用に応じて基本ポイントと乗継ポイントが
貯まります。貯まったポイントはカード上で運賃として利用することができます。
基本ポイントは、それぞれのその月の乗車回数や利用金額に応じてポイントが貯まる仕組みで、1 回ごとの運賃
に乗車回数に応じたポイント率を乗じて計算されて自動的に付与されます。
乗継ポイントは、地下鉄と市バス、または地下鉄と宮城交通・ミヤコーバス(高速バスを除く)を 60 分以内に乗り継
ぐとポイントが貯まる仕組みで、60 分以内であれば、どの駅、どの停留所から乗り継いでもポイントが貯まります。
出典:仙台市交通局
図 6-5
交通系 IC カードを活用したポイント付与制度(実質割引制度)の例(宮城県仙台市)
69
⑤ 主要な駅や停留所、連絡拠点の施設や機能の整備、バリアフリー化の推進

複数の交通手段間、路線間の連続利用に適した機能を備えた施設の確保、整備について検討、
実施します。

これら施設等のバリアフリー化に必要に応じて取り組みます。
【事業実施主体:弘前市、JR 東日本、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者】
鉄道駅、利用者の多い主要なバス停、バス路線相互が接続する連絡拠点では、下表に示すような
基本的な交通相互の連絡機能、より便利に、より安全に、より快適に交通連絡点を利活用するため
の機能や要素について、既存施設の有効活用を含め、その確保や整備について検討し、実施します。
また、人が集まる特性を活かし、地域づくりやまちづくりを誘導・支援する付加的な機能の確保
についても必要に応じて取り組んでいきます。
なお、鉄道駅、バスターミナル(停留所)、車両は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進
に関する法律(バリアフリー法)に基づく移動円滑化基準にしたがい、新設、改良、更新時に必要
に応じてバリアフリー化に取り組みます。
表 6-5
交通の連絡拠点として確保すべき機能・要素の考え方
機能・要素
○交通機関相互の確実な連絡を可能にする
 以下の交通機関を相互に利用するために必要な乗降場や駐停車施設を確保する。
徒歩、自転車・バイク、鉄道、バス(路線バス・送迎バス・高速バス)、タクシー、自動車
○わかりやすく、利用しやすい施設とする
 連絡拠点の位置や場所をわかりやすく設定する。
 周辺から連絡拠点にアクセスする経路がバリアフリー化されている。
 連絡拠点内の施設を機能的に配置、整備する。
基
本
機
能
付
加
機
能
○スムーズな連絡の実現
 交通相互の連絡時の移動がなるべく少なくなるようにする。
 移動が必要な場合は経路がわかりやすく、バリアフリー化する。
 バスや鉄道の連絡時刻を可能な限り短くする。
○安全・安心な連絡・待合い環境
 雨風、特に雪・寒さ対策があり、季節や天候の影響を受けにくくする。
 連絡する交通の状況や時間等に関する情報が得られるようにする。
 早朝や夜間等でも利用可能なように、照明や防犯カメラ、通報設備等の安全対策、防
犯対策に努める。
○快適な待ち合い環境
 必要に応じてトイレやベンチ等の休憩施設、自動販売機等の設備を確保する。
○地域づくり・まちづくりの誘導・支援
 都市施設がまとまって立地する区域や田園の集落の核的な施設と一体的に連絡拠点
を設け、公共交通の利用者確保・増加につなげるとともに、地域づくりやまちづくりの誘
導・支援を図る。
 拠点として物理的・心理的なランドマーク、景観形成要素になるよう配慮する。
○地域の活動などとの連携
 連絡拠点に日常的な人の集い、にぎわい、交流、憩いの空間や施設・仕掛けをつくっ
たり、地域やまちの観光や生活関連情報を受発信できる仕組みをつくったりすることで、
拠点性を高め、公共交通利用の増加を図る。
70
現状でも安原地区の大型商業施設の敷地内まで一般路
線バスが乗り入れて利便性を確保しています。
店舗内に待ち合いスペースを確保し、運行情報を提供
して連絡施設機能を確保・向上しています。
図 6-6
既存施設を活用して連絡施設の機能を向上する例(右の写真は岩手県北上市)
図 6-7
再生可能エネルギー(太陽光パネル)を活用して照明を備えたバス停上屋の例
【バスの乗り降りがしやすい工夫によってバリアフリー度を高める】
例えば、埼玉県三郷市のバス停留所では、バス停の縁石から車道に降りずに乗り降りす
るため、車両が縁石ギリギリに停車出来るように、ターミナルではバス停をのこぎりの刃の
ように配置してバスの正着性を高め、バリアフリー度を高めるといった工夫をしています。
直進して停車が可能
図 6-8
バス停で車両の正着性を高める工夫の例(埼玉県三郷市)
71
⑥ 土手町・中央弘前駅・弘前駅間の連絡性・回遊性を改善・向上する路線設定や道路の使い方
の工夫

中心部の拠点間の連絡性や街なかの回遊性を高める使いやすい公共交通網とするため、道路
などの整備進捗状況に応じて路線バスやシャトル型交通の新たな運行の設定や既存道路の使
い方の工夫について検討、実施します。
【事業実施主体:弘前市、交通管理者、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業、市民】
土手町周辺、中央弘前駅、弘前駅間の連絡性を高め、中心部の回遊性を高めることが中心市街地
の活性化や大鰐線の利用拡大につながるものと考えられます。
土手町周辺、中央弘前駅、弘前駅間をわかりやすく、利用しやすくネットワークする方法につい
て以下の考え方に基づいて検討し、関連する基盤整備の進捗状況とともに、地元住民や関係者との
調整や合意形成を踏まえてから順次実施します。
考え方1:必要な基盤整備事業を推進します
 中央弘前駅への公共交通でのアクセスを可能にするため、中央弘前駅前広場(交通広場)の整
備を推進します。
 土手町地区の公共交通が運行できる経路の選択肢を増やし、また一般交通(自動車)の交通渋
滞緩和や経路選択肢拡大に寄与する都市計画道路 3・4・6 号山道町樋の口町線の整備を推進し
ます。
考え方2:基盤整備事業の進捗状況に応じて段階的に方策を展開します
 土手町、中央弘前駅、弘前駅を連絡する道路網の交通運用と整備状況、中央弘前駅へのアクセ
ス性、停留所設置の可能性、利用者の乗降の安全性などを勘案し、まずは必要最低限の連絡手
段確保(例えば、乗合シャトルタクシーや循環バスの逆周りルートなど)について検討します。
 駅前広場や都市計画道路の整備進捗状況に応じて、土手町、中央弘前駅、弘前駅を含む地区内
道路網のバスの通行を勘案した交通運用(信号制御や交通規制、車線運用など)を考慮したバ
ス路線網の面的な見直しを検討します。
 具体的には、土手町通り、中央通り他周辺道路の交通規制を時間帯や期間で区切りながら、段
階的に土手町通りを交互通行化したり、バス専用レーンを設けたり、バス専用道路化したりす
ることも念頭に、バス路線網の見直しを検討・実施していくものです。
考え方3:関連する施策を一体的に実施します
 中心部のバス路線網再編と土手町通りなどの通行方法の変更にあたっては、沿線に居住する住
民の車両や沿道商業施設の荷捌き車両、駐車場出入り車両の規制除外、動線の変更などに必要
な周辺道路の交通規制の一体的な見直し、共同荷捌き駐車スペースの確保・整備などを併せて
検討・実施します。
考え方4:地元の理解や合意を前提とします
 沿線住民や商業施設、駐車場経営などの関係者・組合・団体などの理解や合意形成を前提に事業
を進めます。
72
資料:弘南鉄道大鰐線中央弘前駅前広場周辺利活用計画
図 6-9
大鰐線中央弘前駅周辺の駅前広場・都市計画道路の整備計画
【中央弘前駅~弘前駅乗合シャトルタクシー】
弘前市では平成 27 年 12 月 7 日から 12 月 20 日まで、弘南鉄道中央弘前駅と弘前駅を結ぶ乗合シャトル
タクシーの実証運行を実施しました。
図 6-10
中央弘前駅・弘前駅乗合シャトルタクシー実証実験
73
⑦ コミュニティサイクルやサイクルトレインなどの公共交通利用前後の交通手段の確保

共有自転車(コミュニティサイクル)の導入を検討、実施します。

サイクルトレインの拡充を検討、実施します。
【事業実施主体:弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、観光協会、民間企業、市民】
よりスムーズな移動や活発な市街地回遊が期待されることから、弘前駅周辺や土手町通り、弘前
市役所・弘前城周辺などの中心部で公共交通を利用する前後の徒歩移動を支援するため、現在実施
している観光レンタサイクルを発展させた ICT を活用した共有自転車(コミュニティサイクル)の
導入について検討し、実施します。
【ICT を活用したコミュニティサイクル】
例えば、宮城県仙台市で導入されているコミュニティサイクル(ダテバイク)は、自転車側の GPS や IC タグ
と利用者側のスマートフォンや交通系 IC カードなどとを連携させ、貸し借りの予約や手続きは無人のポー
トで行い、清算もカードで自動決済出来るシステムです。管理側も自転車の位置情報や回遊情報を入手
できるため、まちづくりや経済活動面へのデータ活用も期待されています。
また、荷物の運搬や坂道でも利用が楽なように、電動アシスト付の自転車が採用されています。
図 6-11
コミュニティサイクルの導入例(宮城県仙台市のダテバイク)
現在、弘南鉄道大鰐線では、非積雪期の平日の通勤通学時間帯を除き 1 便で 10 台まで自転車を
車両に持ち込むことができますが、自転車と鉄道をリンクさせた利便性の向上を図り、利用促進に
もつなげるため、通勤・通学時間帯の持ち込みが可能となるよう、自転車積載専用車両化や連結な
どについても検討します。
現在も大鰐線には自転車をその
まま持ち込むことが可能です。
出典:JR 西日本株式会社
図 6-12 JR 西日本が宇野線に導入する自転車積載可能列車の例
74
⑧ 鉄道・バス・自転車、自家用車間のパーク&ライド施設や制度の導入・整備

鉄道駅、バス停に隣接または近接した自動車や自転車を駐車する施設を確保、整備します。

自動車や自転車から鉄道やバスに乗り継いで乗車する仕組み(パーク&ライド)の利活用を
推進する運賃・料金制度の導入を検討、実施します。
【事業実施主体:弘前市、JR 東日本、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業】
自動車と鉄道を連続して利用するパーク&レールライド、自動車とバスを連続して利用するパー
ク&バスライド、自転車と鉄道またはバスを連続して利用するサイクル&レール・バスライドに必
要な、駐車場、自転車駐輪施設を鉄道駅、バス停に隣接または近接して確保します。
これら駐車施設確保においては、新たな用地取得だけではなく、既存施設を活用した機能確保も
併用していくことが必要です。
図 6-13
既存の金融機関や商業施設と提携してバス停傍の駐輪場を確保した例(山口県山口市)
パーク&ライドを推進するため、公共交通利用運賃を支払うことで駐車場や駐輪場が無料または
割引で利用可能とする運賃・料金制度の導入についても検討し、実施します。
【定期券利用者に専用駐車場を無料で貸し出し】
弘前市では平成 27 年 9 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日ま
で、弘南鉄道大鰐線の通勤定期券を購入した方に駐車場
を無料で利用してもらう社会実験を実施しました。
図 6-14
弘南鉄道大鰐線パーク&ライド社会実験
75
⑨ 車両更新や運行情報案内提供などの利用環境整備

利用者の安全性や快適性の確保など、利用環境を改善・向上するため鉄道車両やバス車両の
適切な更新を図ります。

わかりやすく安心して公共交通を利用するために必要な情報を適切に得ることが出来る環境
を整えます。
【事業実施主体:弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業、市民】
鉄道車両やバス車両は、利用者の安全性と快適性を確保するため、交通事業者の事業計画とも調
整を図りながら適切に更新していきます。また、市民をはじめ、弘前市の地理に不慣れな訪問客、
外国の方でも行き先や方面別に乗車するバスを判別しやすいように、バスの方面別色分けや行き先
表示の LED 化、外国語による案内表示などについて検討し、実施します。
出典:西日本鉄道株会社
図 6-15
方面別色分けバス・バス前面や方向幕(LED)の方面別表記例(福岡県福岡市)
【加賀友禅をモチーフに、ルート別に色分け】
例えば、石川県金沢市の中心市街地循環バス
は、加賀友禅の古典図柄を現代風にアレンジし
たデザインを採用し、話題性を高めつつ観光地
として地域ブランドをアピールするとともに、市
民の関心や愛着心の醸成を図る工夫をしてい
ます。また、ルートごとに基調となる色彩を分
け、視覚的にもわかりやすく、利用しやすさ向上
にも配慮しています。
出典:金沢市ふらっとバス HP
図 6-16
特色あるデザインの工夫・方面別色分けバスの例(石川県金沢市)
76
利用者がバス停や連絡拠点で、連絡先の交通の運行情報を適切に利用者が入手できるよう、デジ
タルサイネージや簡易的なバス接近表示などを用いた情報案内の方法について検討し、実施します。
また、バス停の文字や時刻表の表示の拡大や、外国語表記を行なうなど、誰でも見やすく判りや
すい基礎情報の提供にも配慮します。
図 6-17
市立病院の待合空間で路線運行情報などを提供している例(青森県三沢市)
市外や海外からのビジネスマンや観光客、また市民であっても公共交通の利用方法に不慣れな新
入生や転入者、高齢者などもいることを踏まえ、公共交通の利用方法などの案内、利用券やグッズ
の販売、公共交通や環境に関する知識・学習の機会提供なども行なうことができる公共交通総合案
内所の設置を検討します。
【街なかにある公共交通に関する総合案内所】
例えば、青森県八戸市の「八戸中心街ターミナルモビリティセンター(平成22年開設、平成28年3月末日閉
館)」は、中心市街地にある常設の公共交通に関する総合案内所として、バス路線や運賃の案内、時刻表の
案内、回数券や企画切符の販売などのほか、モビリティ・マネジメントの考え方に基づいた様々な利用促進
策を実施していく拠点として機能してきました。平成28年4月からはバス案内・各種切符の販売は引き続き
「はちのへポータルミュージアムはっち」のインフォメーション窓口で行われています。
図 6-18
街なかの公共交通総合案内所の例(青森県八戸市:はちのへポータルミュージアムはっち)
77
【公共交通に関する総合案内を行うアテンダント】
例えば、青森県八戸市では、公共交通の乗り継ぎにおける情報バリアの解消と公共交通の利用促進を図る
ことを目的として、八戸駅やバス車内などで公共交通アテンダント“はちこ”により、主に八戸駅で観光客に乗
り継ぎ案内を行うほか、バス停や路線バス車内でも乗り継ぎ案内や乗降支援などを行っています。
案内サインや時刻表の整備だけでは必ずしも十分ではなく、人でしかなし得ない心の通じ合うアテンドを通
じ、公共交通の利用環境の向上と路線バスの利用促進が図られるとの考えから実施されています。
図 6-19
八戸駅公共交通総合案内ステーション・アテンダント(はちこ)の例(青森県八戸市)
78
⑩ モビリティ・マネジメント事業の展開

過度に自動車に頼る状態から公共交通や自転車などを『かしこく』使う方向への自発的な転
換を促すモビリティ・マネジメント事業を継続して展開します。
【事業実施主体:弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業、市民】
モビリティ・マネジメントとは、公共交通を利用した生活や移動への意識啓発、行動実践のため、
渋滞や環境、あるいは個人の健康等の問題に配慮して、過度に自動車に頼る状態から公共交通や自
転車などを『かしこく』使う方向へと自発的に転換することを促す、一般の人々や様々な組織・地
域を対象としたコミュニケーションを中心とした持続的な一連の取り組みです。
弘前市ではこれまでも以下のようなモビリティ・マネジメント事業に取り組んでおり、今後も継
続して展開していきます。
○ 中学生向け通学交通手段選択の動機付け冊子の配布
○ 高校生向け通学交通手段変更の動機付け冊子の配布
○ 大鰐線利用促進情報誌・ニューズレターの発行
○ チャレンジ!エコ通勤の実施
○ トラベル・フィードバック・プログラムの実施
○ バスぷらすプロジェクトの実施
など
出典:弘南鉄道大鰐線存続戦略協議会
図 6-21
大鰐線利用促進情報誌
出典:弘南バス株式会社
図 6-20
ニューズレター「鰐びより」
バスぷらすプロジェクト
「バスの相談会&体験会」
79
⑪ 個人や団体・企業の公共交通活用・サポート事業の推進

公共交通の利活用、維持存続を推進する取り組みやサポートする事業を推進します。
【事業実施主体:弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、民間企業、市民】
公共交通の維持、存続、活性化においては、市民や地域、企業による公共交通を活用する取り組
み、サポートする取り組みを欠くことはできないため、これらの活動への支援はもとより、活動す
る組織の育成についても検討および支援を推進していきます。
【運転免許自主返納者に対する支援】
例えば、青森県警察では「高齢者が運転免許を返納しても暮らしやすい青森県」をつくるため、自治体や
民間企業の協力により地域全体で運転免許自主返納者をサポートする体制の構築に取り組んでいます。
この取り組みに連携し、移動手段として公共交通を活用してもらうため、むつ市などは 5,000 円を上限に
「バス切符」または「定期券」の購入費用を助成、青森市企業局交通部(市営バス)は青森市営バスカード
5,000 円相当分を支援しています。
出典:運転免許自主返納者支援協賛店一覧(青森県警察)
図 6-22
運転免許自主返納者に対する支援の例
80
【公共交通を活用した企画商品(切符)を地域で連携して開発販売】
例えば、青森県八戸市では、路線バスを利用して市内の店舗で食事や買い物をしたり、観光施設
を見学したりすることをセットにした企画商品(バスパック)を、交通事業者と商業観光関係者が一
緒になって企画・販売するなどの取り組みを進めています。
出典:八戸公共交通ポータルサイト
図 6-23
バス利用と地域の店舗利用やまち歩きをセットで推進する企画商品の例(青森県八戸市)
【地域が連携して公共交通を支援・地域を活性化】
例えば、福井県福井市にある福井鉄道北府(きたご)駅では、「北府駅を愛する会(H22.7 発足)」
が中心となり、仁愛大学、福井新聞社、福井鉄道、武生東公民館等が共催、後援するなど様々な
団体や地域が協力して駅と鉄道の利活用、地域活性化のイベントを継続的に行っています。
出典:北府駅を愛する会ホームページ
図 6-24
地域による公共交通との関わりの例:北府駅前でのミニコンサート
81
7
目標達成のための事業スケジュール
各施策メニューの検討や実施の事業スケジュールを次のとおり設定します。事業実施にあたって
は、行政や交通事業業者はもとより、市民、市内の企業や関係団体の協力や合意を得ながら取り組
みます。
地域公共交通再編事業への取り組み
施策の柱
施策の展開メニュー
1.都市の施設や機能の配置・構成を踏ま
①わかりやすく、効率よく拠点間を連絡するネットワ
ークへの再編
えた公共交通網の再編
 JR 線、弘南鉄道、路線バスを相互に
活用する路線網の構築
 目的や需要にあった移動手段の導入
②需要に応じ、需要を創出するメリハリある運行の実
施
③タクシーの活用、公共交通空白地有償運送なども視
野に入れた地区内交通の仕組みの検討
④複数路線の利用を前提とした運賃体系や運行ダイ
ヤの導入、交通系 IC カードの導入・活用これを想
定した運賃制度の検討
2.公共交通網の再編に応じた交通手段
間の連絡・連携機能の向上
⑤主要な駅や停留所、連絡拠点の施設や機能の整備、
バリアフリー化の推進
⑥土手町・中央弘前駅・弘前駅間の連絡性・回遊性を改
善・向上する路線設定や道路の使い方の工夫
⑦コミュニティサイクルやサイクルトレインなど公
共交通利用前後の交通手段の確保
3.公共交通利用の利便性・快適性・優
位性の向上
⑧鉄道、バス、自転車、自家用車間のパーク&ライド
施設や制度の導入・整備
⑨車両更新や運行情報案内提供などの利用環境整備
4.公共交通と関わる意識・機会・仕組
みの創出
⑩モビリティ・マネジメント事業の展開
⑪個人や団体・企業の公共交通活用・サポート事業の
推進
82
表 7-1
施策の柱
施策メニュー
事
事業スケジュール(その1)
業
実施主体
○再編実施計画の検討・策定
○中心軸幹線の検討・再編・構築
①わかりやすく、効率よく拠
点間を連絡するネットワー
クへの再編
柱1
都市の施設や
機能の配置・
構成を踏まえ
た公共交通網
の再編
○中心地区線の検討・再編・構築
○中心環状線の検討・構築
弘前市、弘南鉄道・弘南バス・タクシー事
業者他交通事業者
○地域連携線の検討・再編・構築
○地区連絡線の検討・再編・構築
○地区生活線の検討・再編・構築
②需要に応じ、需要を創出す
るメリハリある運行の実施
○路線網全体の運行量、路線別運行頻度・運行時間
帯の検討・変更
弘前市、弘南バス他交通事業者
83
③タクシーの活用、公共交通
○地区生活線での手法や運行主体の検討、導入
弘前市、弘南鉄道・弘南バス・タクシー事
業者他交通事業者、NPO 等民間・地域団体
○新しい地区交通の運営主体の組織、育成支援
弘前市、NPO 等民間・地域団体
○乗り継ぎを考慮した使いやすい運行ダイヤの検
弘前市、JR 東日本、弘南鉄道・弘南バス・
タクシー事業者他交通事業者
空白地有償運送なども視野
に入れた地区内交通の仕組
みの検討
柱2
公共交通網の
再編に応じた
交通手段間の
連絡・連携機
能の向上
討・実施
④複数路線の利用を前提とし
た運賃体系や運行ダイヤの
導入、また交通系 IC カード
の導入・活用ならびにこれ
を想定した運賃制度の検討
○路線網全体の一体化した運賃体系や、ゾーン運賃、
均一運賃などの新しい運賃体系、乗り継ぎ割引や
多頻度利用優遇割引などの割引制度など、運賃制
弘前市、JR 東日本、弘南鉄道・弘南バス・
タクシー事業者他交通事業者
度の見直し検討・導入
○交通系 IC カード導入の検討・導入・運賃体系変
更との連携
弘前市、JR 東日本、弘南鉄道・弘南バス・
タクシー事業者他交通事業者、民間企業
年度
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
表 7-2
施策の柱
施策メニュー
事
事業スケジュール(その2)
業
○待合所、連絡施設の確保、設置の検討・実施・整
⑤主要な駅や停留所、連絡拠
点の施設や機能の整備、バ
リアフリー化の推進
柱2
公共交通網の
再編に応じた
交通手段間の
連絡・連携機
能の向上
備・管理
○駅やターミナル、周辺道路などのバリアフリー化
事業の検討・整備
実施主体
弘前市、弘南鉄道・弘南バス・タクシー事
業者他交通事業者
弘前市、JR 東日本、弘南鉄道・弘南バス
○バリアフリー対応バス車両などへの更新・導入
弘前市、弘南鉄道、弘南バス
○土手町・中央弘前駅・弘前駅間を連絡する交通手
弘前市、弘南バス・タクシー事業者他交通
事業者
段の検討・導入
○中央弘前駅の駅前広場および都市計画道路山道町
樋の口町線の整備
弘前市・弘南鉄道
⑥土手町・中央弘前駅・弘前
駅間の連絡性・回遊性を改
84
善・向上する路線設定や道
路の使い方の工夫
○バス優先車線など公共交通に配慮する交通運用の
検討・導入
○土手町通りおよび周辺道路の交通運用の見直し検
討・実施
弘前市、交通管理者、弘南バス・タクシー
事業者他交通事業者、民間企業、市民
○バス路線網再編と土手町通りや周辺道路の通行方
法の変更に関連する施策(荷捌き対策など)の検
討・実施
⑦コミュニティサイクルやサ
イクルトレインなど公共交
柱3
公共交通利用
の利便性・快
適性・優位性
の向上
通利用前後の交通手段の確
保
○コミュニティサイクルなど、公共交通と連携して
機能する交通手段の導入の検討・導入・運営
○大鰐線のサイクルトレインの機能拡充の検討・実
施
弘前市、観光協会、民間企業、市民
弘南鉄道
○駐車場、駐輪場の確保、設置の検討・実施・整備・
⑧鉄道、バス、自転車、自家
運営
用車間のパーク&ライド施
設や制度の導入・整備
○システム・施設利用料と運賃制度との一体化の検
討・実現
弘前市、JR 東日本、弘南鉄道・弘南バス他
交通事業者、民間企業
年度
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
表 7-3
施策の柱
施策メニュー
事
事業スケジュール(その3)
業
○鉄道車両、バス車両の適切な更新
柱3
公共交通利用
の利便性・快
適性・優位性
の向上
○バス車両の行き先表示の LED 化や方面別色分け
⑨運行や利用案内などの情報
弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者
弘前市、弘南バス他交通事業者
提供環境整備
⑩モビリティ・マネジメント
85
柱4
公共交通と関
わる意識・機
会・仕組みの
創出
表示の検討・実施
実施主体
事業の展開
○交通情報やバス位置情報などの提供の検討・導入
弘前市、弘南バス他交通事業者、民間企業
○公共交通総合案内所の設置の検討・実施
弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、
市民
○通勤・通学の公共交通利用促進を啓発する取り組
み、公共交通に関する教育学習機会の提供などの
事業の継続的実施
弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、
民間企業、市民
○市民や民間企業と連携した企画切符(商品)の検
⑪個人や団体・企業の公共交
討開発・実施
通活用・サポート事業の推
進
○公共交通の利用や、維持活動を応援、支援する団
体の育成、活動の支援
弘前市、弘南鉄道、弘南バス他交通事業者、
民間企業、市民
年度
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
8
計画達成状況の評価と検証の方法
8.1 地域公共交通網形成のマネジメント
弘前市の地域公共交通網を形成するため、また地域公共交通網を維持し、市民がより使いやすい
ものとして改善を重ねていくため、計画~施策の展開・推進~評価・検証~さらに計画を見直し改
善する、Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価・検証)-Action(改善)の PDCA サイクル
を繰り返し、繰り返し積み重ねていきます。
PDCA サイクルの実行は、弘前市地域公共交通会議が主体的に実行するものとしますが、公共交
通に関わる全ての関係者(市民、交通事業者、行政、民間企業、地域などの団体など)が施策の実
施状況やその効果、新たな課題や改善方策を共有しながらステップアップを図っていくものとしま
す。
図 8-1
地域公共交通網形成計画の PDCA サイクルによる取り組みのイメージ
86
8.2 評価と検証の具体的な方法、実施サイクル
弘前市地域公共交通網形成計画は平成 28 年度から平成 37 年度までの 10 年間を基本計画期間と
しています。網形成計画に基づいて作成する再編実施計画との整合・連携を図りながら、短期的、
中期的、長期的な PDCA サイクルを展開することで、短期的には個別施策の進捗管理と効果・影響
の把握と施策の改善につなげ、中期的・長期的には施策目標の達成状況の評価・検証を行ない、計
画全体の見直し改善を行ないつつ、目標とするまちづくり、拠点形成、将来都市構造形成の実現に
向かうよう、他の関連計画との調整などを図るものとします。
計画
PLAN
短
期
的
PDCA
サ
イ
ク
ル
実行
DO
検証
CHECK
改善
ACTION
計画
PLAN
中
・
長
期
的
PDCA
サ
イ
ク
ル
実行
DO
検証
CHECK
改善
計画
策定
1年
2年
3年
4年
5年
6年
7年
8年
9年
10 年
新
1 年目
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
計画策定
施策展開・実施の見
直し
施策の実施
施策進捗状況の把握
施策の効果・影響の
把握
施策展開・実施の課
題抽出
課題解決方法検討
計画策定
計画・目標の見直し
施策の実施
施策進捗状況の把握
評価指標による目標
評価
施策・計画・目標な
どの課題抽出・原因
分析
ACTION
課題解決方法検討
図 8-2
弘前市地域公共交通網形成計画における PDCA 実施サイクル
87
8.3 評価と検証に必要なデータなどの収集方法
計画の進捗や事業による効果、また目標の達成状況の評価・検証に必要な各種データを、関係機
関が協力して定期的に収集します。
なお、交通系 IC カードが導入された場合には、この利用データを有効に活用します。
表 8-1
収集する主体
弘南バス株式会社
弘南鉄道株式会社
JR 東日本株式会社
タクシー事業者等
弘前市役所
弘前市地域公共交通会議
評価・検証のために収集するデータと収集方法
収集するデータ
収集方法
収集時期・間隔
便別路線別利用者数
乗車調査
1 年間に 1 回
バス停別乗降車数
乗車調査
1 年間に 1 回
路線別経費・収入(収支)
企業の規定による
1 年間に 1 回
路線別駅別乗降車数
乗車調査
1 年間に 1 回
路線別経費・収入(収支)
企業の規定による
1 年間に 1 回
駅別乗車人数
企業の規定による
1 年間に 1 回
路線別区間別乗降車数
乗務員記録
1 年間に 1 回
路線別経費・収入(収支)
企業の規定による
1 年間に 1 回
市民の外出率
市民アンケート
2 年間に 1 回
公共交通に対する満足度
市民アンケート
1 年間に 1 回
人口関連データ
国勢調査
5 年間に 1 回
市民や地域が主体となる交
乗車調査
1 年間に 1 回
通の利用実態ならびに収支、 委託企業の収支報告
または
利用者意識
必要に応じて
意識調査
88
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