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新型インフルエンザ の予測と対策
新型インフルエンザ の予測と対策 国立感染症研究所 感染症情報センタ 感染症情報センター 1 感染研の組織 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 総務部 企画調整主幹 ウイルス第一部 ウイルス第二部 ウイルス第三部 細菌第一部 細菌第二部 寄生動物部 感染病理部 免疫部 生物活性物質部 細胞化学部 昆虫医科学部 獣医科学部 血液・安全性研究部 国際協力室 バイオセーフティ管理室 放射能管理室 動物管理室 感染症情報センター エイズ研究センター エイズ研究センタ 病原体ゲノム解析研究センター 附属図書館 ハンセン病研究センター 第一室 第 室 第二室 第三室 第四室 第五室 第六室 感染症対策計画室 感染症情報室 予防接種室 病原診断室 細菌研修室 ウイルス研修室 2 担当業務 ¾ 新型インフルエンザ対策・バイオテロ対 策の企画立案評価 9 数理モデルを用いての感染症拡大シミュ レ ションの開発 レーションの開発 9 早期探知システムの開発 ¾ 予防接種の費用対効果分析、需要予測 ¾ 新型インフルエンザ専門家会議委員 (サーベイランス担当) 3 新型インフル ンザ 新型インフルエンザ 4 20世紀における新型インフルエンザ登場史 紀 新 場 Credit: US National Museum of Health and Medicine M di i 1918年 スペインかぜ 2000-4000万人死亡 A(H1N1) 1957年 アジアかぜ 100-400万人死亡 A(H2N2) 1968年 香港かぜ 100-400万人死亡 A(H3N2) 現在流行中 5 インフルエンザ 6 喜田宏:細胞工学 19,27, 2000 7 8 新型インフルエンザのフェーズ区分 Phase 6 R0>>1.0 トリインフルエンザ Ph Phase 1 2 3 1,2,3 パンデミック 新型イン 新型インフルエンザ ンザ Phase 4,5 R0>1.0 R0<1.0 9 パンデミック・プラン ¾ アメリカのプランが2005年11月3日公表 カ プ が 年 公表 ¾ 日本も2005年11月14日に新型インフルエンザ対 策行動計画、2007年3月26日新型インフルエンザ ガイドライン(フェーズ4以降)」 ¾ 現在改訂中(月内めど) ¾ 初期封じ込めのための地域封鎖、電車の停止の 初期封じ込めのための地域封鎖 電車の停止の 可能性の検討・・・そもそも可能か?可能なら ばどの範囲で ¾ 感染の広がり方が未知なので、数理モデルを用 いて空間的時間的な広がりを評価する必要 10 新型インフルエンザ・ガイドライン (フェーズ4以降)の策定 ¾ 2007年3月26日新型インフルエンザ対策 年 月 日新型インフル ンザ対策 専門家会議で決定 ¾ 主な論点 9 9 9 9 発熱外来の設置 初期封じ込め ワクチン・抗ウイルス剤使用の優先順位 抗ウイルス剤としてのタミフルの是非 (?) ¾ 2008年11月20日に改定案が提示 11 発生段階と方針 出典「新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議」 (平成20年11月28日) 方針 ウイルス 流入阻止 体制整備 ウイルス 限局化 被害の最小化 対策の評価と見直し 重症者を中心とした 入院対応 予防 投薬 国内の発症者数 予防投与の効果、薬剤の量を踏 防投 効果、薬剤 踏 まえ、予防投与の必要性を検討 再燃期 小康期 ▲ 回復期 ▲ ▲ まん延期 患者発生が再度増加 傾向 患者発生が低い水準で 停滞 患者発生が減少傾向 国内発生 海外発生 入院措置による 効果の低下 感染 拡大期 ▲ 国内発生 早期 発生患者の接触歴が 疫学調査で追えない 海外発生期 第四段階 第三段階 ▲ 未発生期 第二段階 ▲ 第一段階 ▲ 前段階 今般の行動計画改訂 ¾慢性疾患患者を対象とした電話診療 慢 患患者を 象 診療 ¾都道府県単位での休校 9県内1例目 9あるいはそれ以前 ¾在宅勤務、交代勤務の推奨 ¾早期探知システムとしての薬局サーベイ ランス ¾全市区町村での死亡サーベイランス 13 感染症数理モデル 14 感染症数理モデルとは ¾感染症の拡大を数学的に表現 感染症 拡 を 学的 ¾未知の感染症の拡大(新型インフルエン ザやバイオテロ)や、対策の有効性評価 に用いられる • Ex.予防接種の効果・・・短期的な効果と長期 的な効果 ¾現代社会での感染拡大は想像すら困難 現代社会での感染拡大は想像すら困難 15 感染症数理モデルの歴史 ¾当初は罹患率を仮定 • 入院者数、死亡者数、必要な医療資源を推定 ¾初期のモデルは属性と時間に関する偏微 分方程式体系(SIRモデル) • SARS発生時に感染性、対策の評価 ¾individual based model • 一人一人の毎日の活動をモデル化 ¾real individual based model • 実際のデータに基づいて一人一人の毎日の活 動をモデル化:今日の報告 16 Ferguson NM et al.: “Strategies for containing an emerging influenza pandemic in Southeast Asia”,, Nature,, 2005. z実際のタイおよびその周辺国国境付近の 人口分布にあわせたモデル ¾8500万人のモデル 【結果】 20例目の発症2日目で5kmを地域封鎖して 抗ウイルス剤(タミフル)を予防投薬す れば90%の確率で拡大半径が27kmに抑え られる 17 Longini Jr. IM et al.: "Containing Pandemic Influenza at the Source", Science, 2005. zタイの農村地域をモデル化 タイの農村地域をモデル化 ¾50万人のモデル 【検討内容】 抗ウイルス剤、隔離、予防接種の効果 【結果】 初期での封じ込めは可能 18 Ohkusa,Y H.Maeda, K. Aihara: “Evaluation of Pandemic Plan using individual based model model”, the Joint Meeting of Japan and Korea Biological Mathematics ,2006. 20 z 日本でのibm ¾ 人口約90万人のモデル 30 30 自宅 大人 大人 子供 子供 【検討内容】 学校・職場等の閉鎖、通勤電車の停止、地域封鎖 【結果】 z 欠席者1%の段階の学校 欠席者1%の段階の学校・職場等の閉鎖は効果的 職場等の閉鎖は効果的 z 満員電車の場合は、電車停止の効果は大きい z 地域封鎖は、満員電車でなければ可能であるが、 地域封鎖は 満 車 なければ 能 あ が 19 実施は困難 20 Ohkusa Y et al (2006)のモデル Ohkusa,Y individual based modelを用いて modelを用いて、仮想の都市での 仮想の都市での シミュレーション 20 会社 電車通勤 自宅 駅 自宅 大人 大人 30 大人 自宅 駅 家事など 駅 子供 20 徒歩 学校 大人 幼稚園 大人 大人 大人 子供 子供 駅 会社 自宅 電車 自宅 会社 駅 30 【接触のモデル】 会社 【満員電車のモデル】 20 Germann et.al.,2006 “Mitigation strategies for pandemic influenza in the United States”PNAS(06)5935-5940 z アメリカの国勢調査(2000年)を元に2.81億人シミュ アメリカの国勢調査(2000年)を元に2 81億人シミ レーション z 14空港から毎日数人ずつ(感染率は0 01 0 1%) 14空港から毎日数人ずつ(感染率は0.01-0.1%) 【検討内容】 対策:発症者数1万人でパンデミックアラート 1. TAP : 60%で発症者を発見。同じ幼稚園、保育園では100%、 学校 職場 は % タ 学校、職場では60%でタミフルの予防投薬 防投薬 2. 社会的隔離と学校閉鎖:長距離移動を1%に削減、学校閉鎖は アラ トから終息まで全米で アラートから終息まで全米で 3. ワクチン:米国での初発例の2ヶ月前から2ヶ月語まで、初期は プレパンデミックワクチン、後期はパンデミックワクチン(2 回接種 回接種vs一回接種、優先順位なしvs小児優先) 回接種 優先順位なし 小児優先) 21 Ferguson NM et al.: “Strategies for mitigating an influenza pandemic ”, Nature, 2006. z アメリカ、イギリスのモデル化 アメリカ イギリスのモデル化 【検討内容】 1. 抗ウイルス剤、学校・職場の閉鎖、20km の地域封鎖 50km以上の旅行制限 国境 の地域封鎖、50km以上の旅行制限、国境 封鎖等 2 抗ウイルス剤の家族内予防投与、地域的 2. 抗ウイルス剤の家族内予防投与 地域的 予防投与 3. 国外から国外でのパンデミックの進展に デ 合わせて感染者が入国 22 しかし・・・ 本当に仮想的でよいのかという疑問 • これまでのモデルは、あくまで仮想的な国ある いは都市で人々が行動しているモデルにすぎな いので、具体的な対策には応用できない。 具体的な対策には応 きな • モデルにおける抽象化の重要性の程度も不明で ある。 • 具体的な固有名詞(地名、駅名、路線など)の リスクを評価できない。 そこで・・・ 実際の移動デ タを用いた都市工学的なアプロ チが必要 実際の移動データを用いた都市工学的なアプローチが必要 23 パーソントリップデータの活用 実際の人の流れが記録してある。 仮想的でないより現実的な対策の評価が可能 具体的な地域、駅ごとのリスクの評価ができる。 移動と所在の両方が記録してある。 が 家族構成、公共交通機関を利用しない移動 (小学校等)の情報も分かるので、感染症対策には 最も適したデータである 最も適したデータである。 • 国の新型インフルエンザ対策、バイオテロ対策に直結 • 新型インフルエンザ対策、バイオテロ対策として国土交24 通省での政策立案のために貸与(研究目的ではない) 8 00 8:00 AさんのPTの場合 ○○駅 7:00 ○○駅 9:00 10 00 10:00 地下鉄早稲田駅 11:00 12 00 12:00 地下鉄早稲田駅 地下鉄霞ヶ関駅 地下鉄霞ヶ関駅 地下鉄早稲田駅 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 地下鉄早稲田駅 ○○駅 ○○駅 25 21:00 むつ都市圏交通計画協議会 PTデータ z 1999年に実施 z むつ市 (夜間人口4.8万人)の5歳以上9600 人の1日の移動、所在が記録 z 20%の抽出率 z 所在は、自宅、学校、職場、飲食店等の別、127 カ所のゾーンで表示 z 鉄道の乗降駅、時間も記録 26 全国PT調査 • • • • • 2007年に全国で実施 弘前市 でも実施 1221人の1日の移動、所在が記録 約 % 抽 率 約1%の抽出率 所在は、自宅、学校、職場、飲食店等の別、2 所 表 47カ所のゾーンで表示 • 鉄道の乗降駅、時間も記録 27 具体的な手順 ①移動 所在を6分ごとに定義 ①移動、所在を6分ごとに定義 ②自宅 電車内 立ち寄り先に分類 ②自宅、電車内、立ち寄り先に分類 自宅での接触を、同じ時間に自宅にいた家族と定義 自宅での接触を 同じ時間に自宅にいた家族と定義 (2人で1日自宅にいれば240回の接触) 立ち寄り先での接触を、同じ時間に同じゾーンに 立ち寄り先での接触を 同じ時間に同じゾ ンに いた者(1万人と同じゾーンにいれば1万回の接触) と定義 電車内での接触は、同じ時間に同じ駅を通過してい る場合に接触 28 自宅と立ち寄り先、電車内での接触密度を分けて定義 新型インフルエンザの自然史・感染性 • 自然史 自 史 – 先行研究 先行研究Halloran et.al (V (Vaccine,, 2002)) に従う • 自宅内では同居家族との接触時間 自宅内では同居家族と 接触時間 • 電車を除いてはR0=1.5に調整(スペイン風 邪並) • 冬 冬に発生(第一波、第ニ波に分かれず) 発 (第 波、第 波 分 れず) 29 自然史 感染 潜伏期最終日 感受 性者 潜伏 期 症状 期 1-3 1 3 days 3-66 days 3 回復 死亡 ※アジアかぜの際の自然史を想定 ごく軽症な無症候例は約1/3~半数 ごく軽症な無症候例は約1/3 半数 30 社会での接触密度 • 社会での接触はゾーンで定義されているために ゾ 接触密度は、接触回数を一定の(平均)面積 2)で除した数値(ゾーン間での面積の ( (0.77km ) 除 た数値(ゾ 間 積 大小はここでは考慮せず) • ex.ある時間あるゾーンでの社会での接触を2万 回とすると、半径1m以内での接触は 2万×3.14 ×17.2(復元倍率)/ (0.77 ×10002) = 1.4人と推定 31 1メートル 電車・バスでの接触密度 • 電車の車両数は不明であるので、5両編成 で600m2 での半径1mでの人数と接触 • バスは、30m2 として半径1mでの人数と 接触 • ex.ある時間電車での接触を10回とすると、半径 1m以内での接触は 以内 接触は 10×3.14 × 17.2(復元倍 (復元倍 率)/ 600 = 0.9人と推定 32 1メートル シナリオ フェーズ6Aでの輸入例 フ ズ6Aでの輸入例 第1日に初発例が外国で感染 第3日に帰国、帰宅後感染性を持つ 第4日に出社、発症 第5日出社、午後受診、地方衛生研究所で検査診 断 • 第6日に報道 第7日に対策 • 第7日に対策へ • • • • • 赤丸:有症者の住所を表示、有症者数を○の大 赤丸:有症者の住所を表示 有症者数を○の大 33 きさで表示 有症者(介入なし) 対策 休校 • 保育園から大学までを 育 学 を • 第7日から休校 NIID 有症者(学校閉鎖) 外出自粛 • 保育園から大学までを 育 学 を • 第7日から • 休校に加えて通勤の40%が自粛 NIID 有症者(学校閉鎖と外出自粛) む つ 市 弘 前 市 学校閉鎖 外出自粛 × × 42.8 ○ × 38.7 ○ ○ ○40% 28.1 × × 34 2 34.2 ○ × 27 8 27.8 ○ ○40% 7 78 7.78 罹患率 (%) 40 有病者の発生曲線(むつ) 18 16 14 12 10 % 8 6 4 2 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 41 有症者【介入なし】 有症者【学校閉鎖】 有症者【学校閉鎖と外出自粛】 弘前 有症者(介入なし) 有症者(学校閉鎖) 有症者(学校閉鎖と外出自粛) 有症者【介入なし】 有症者【学校閉鎖】 有症者【学校閉鎖と外出自粛】 有病者の発生曲線(弘前) 5 4.5 4 3.5 3 % 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 48 有症者(介入なし) 有症者(学校閉鎖) 有症者 (学校閉鎖と外出自粛40%) 有症者【介入なし】 有症者【学校閉鎖と外出自粛】 有症者【学校閉鎖】 もし・・ もし 初発例が見つからなければ 地域流行をいかに早く探知するか NIID 健康危機情報早期収集システム NIID 早期探知・早期対応 症候群サーベイランス 1. 診 診断ではなく症状を自動的に迅速にモニ 症 自 的 速 ター 2. 感染症の流行をいち早く探知、情報共有 することで 早期に対応をとる することで、早期に対応をとる 3 既に多方面で実用化 3. 9 9 9 新型インフルエンザガイドライン改訂案(2008年 11月20日)サーベイランス部門においても位置付 け アメリカ・台湾ではバイオテロ対策として実用化 インフルエンザ・感染性胃腸炎等においても保健 ザ 感染性 炎等 お も保健 所・自治体の情報収集能力の向上 目的: 労力のかからない症候群サーベイランスを 労力 かからな 症候群サ を 構築 運用 評価、及 保健所や 構築・運用・評価、及び保健所や自治体での 体 対応につなげる 新型インフルエンザやバイオテロは時と場所を選ばないた めには、常時稼動している症候群サーベイランスが必要 データ収集 通信 統計学的解析 どのような、 データを用いるか 当院 流行探知状況 当院の流行探知状況 地域的流行状況 感染症流行探知する アルゴリズムの開発 発熱 患者数 情報還元 発熱&呼吸器症状における流行探知(16歳以上65歳未満) 患者数 25 120 100 20 患者数 2.5%基準 1%基準 0.1%基準 80 15 60 10 40 5 20 0 8 1999 12 4 2000 8 12 4 2001 8 12 4 2002 8 12 4 2003 8 12 4 2004 8 12 4 2005 8 12 4 2006 8 月 年 0 1月 2005年 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 2006年 全自動化されたシステムを構築 56 様々な情報源 1. 薬局:1600薬局で実施 施 2 学校欠席:1市1区1町(計39施設) 2. で実施中 3 救急車搬送:5消防本部で実施 3. 救急車搬送 5消防本部で実施 4. OTC( OTC(一般用医薬品) 般用医薬品) : 57 院外処方箋情報を用いた 感染症監視システム 平成20年度厚生労働科学研究費補助金 「地域での健康危機管理情報の早期探知、行政機関も含めた情報共有システムの実証的研究」 (主任研究者:国立感染症研究所主任研究官大日康史) 薬局における処方箋情報 • • • • • • • 医薬分業率:全国平均50%を越える 薬分業率 全 を越 薬局でのレセコン導入率は非常に高い 電子カルテを導入していない医療機関における受 診状況を把握できる ASP型が今後普及の見通し ASP型ならば効率的で広域をカバ できる ASP型ならば効率的で広域をカバーできる 症状のような平文ではないので、検索は容易 処方内容と症状は必ずしも1対1対応しているわ けではない 実施・開発状況 • • • • • • 11月20日公表の新型インフルエンザサー ザ ベイランスガイドラインで位置付け 全国 全国1600薬局で稼働(全国の約4%) 薬局 稼働(全国 約 %) 佐賀県では県の事業として位置づけ 順次全国的に拡大(年度内3000薬局を目 標) 対応レセコンを拡大(3社で開発中) 来年度:対応レセコンの拡大によりよりきめ 細かい監視体制へ(一万薬局を目標) ログイン画面 還元画面 都道府県・保健所への還元画面 学校欠席者サ ベイランス 学校欠席者サーベイランス 国立感染症研究所感染症情報センター 平成20年度厚生労働科学研究費補助金 「地域での健康危機管理情報の早期探知、行政機関も含めた情報共有システムの実証的研究」 (主任研究者:国立感染症研究所主任研究官大日康史) 学校欠席者サーベイランスの必要性 毎年のインフルエンザの流行のみならず、 ノロウイルス、はしかの流行など、感染症対策の重要性が増している。 一学校単位だけでなく 学校単位だけでなく、地域全体で流行状況等の情報を共有し、 地域全体で流行状況等の情報を共有し 関係者の知恵を集めて可能な限り流行早期に対応することが必要。 冬季におけるインフルエンザ流行時の幼稚園、小中学校における 学校閉鎖や学級閉鎖情報は、 臨床医にとって感染症流行を知る情報となっている。 そこで、冬季のみの学校欠席者情報だけではなく、 そこで 冬季のみの学校欠席者情報だけではなく 1年間を通して、学校欠席者のサーベイランスが求められている。 システムの特徴 • インターネットでの登録(ソフト不要) • 症状ごと(発熱、下痢、嘔吐など)の欠席 者を管理。 クラスごとの管理で、欠席者の推移を、グ ラフで確認(グラフ自動作成機能搭載) • • • • 中学校区での地域情報を確認 学校医との情報共有 教育委員会、保健所と情報共有 • 学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖の書類を自 動作成機能搭載 学校保健法による出席停止の書類作成機能 搭載 • 入力画面 年齢・学年ごとの流行状況を確認できます 欠席者が異常に増加した場合は、校医メールアドレスに メールを自動送信 地域情報:地図閲覧 ○○市全体 XXX中学校区 △△△中学校区 ※※※中学校区 AAA中学校区 BBB中学校区 CCC中学校区 学校医との情報共有 学校保健会との共同運用:全国版 へ 情報の閲覧:県(例 島根県) 入力についてのインタビュー調査 入力の難易度 • 中学校:入力問題なし、5分程度。 – 入力時間は、午後になることもありました。留守は 入力時間は 午後になることもありました 留守は 翌日。 – 遅刻、不確定はいても、入力して、午後、夕方まで に訂正 翌日修正 に訂正、翌日修正 • 小学校:早く入力できるときは10時までにはでき、特 に問題はない。 – 学習発表会の舞台けいこなどで健康観察をするのが 遅れるクラスがあるときは、入力が遅れるときも あった 全クラス確認後に入力した 遅刻は きた あった。全クラス確認後に入力した。遅刻は、きた かどうかを確認してから入力した。 初期登録の難易度 • 特に問題なし – 修正登録も、欠席遅刻も、次の日修正は◎ 現状・今後の見通し • 2校の試験的運用の実績を踏まえて – 2学期から旧出雲市全小中学校20校に拡大 実施中 – 12月から鳥取県智頭町(7小中学校)でも 運用 – 東京都では保育園のシステムとして試験的運 用( 園) 用(10園) – 6か所で学校単位での実施予定 救急車搬送の情報を用いた 健康危機情報早期収集 システム 国立感染症研究所 感染症情報センター 概要 出場記録ソフトに組み込み運用 組 1時間ごとのデータ更新 複数の症状が入力可能 消防本部に対してはテロップでアラート 消防本部に対してはテロップでアラ ト 情報を出す • 衛生部局に対してはHPを通じて情報提供 • 実施地域:鳥取西部・出雲市・西胆振・ 彦根市 • • • • 81 東京都重要施策5 「都民生活の安全・安心を確保」より 都民の健康を守る危機管理対策 都民 健康を守る危機管理対策 「救急搬送時における患者の症状等の情報を迅速に収 集・解析する「救急搬送サーベイランス」の仕組み を構築することにより、感染症等の異常な発生を探 知し、関係機関に警報発信を行い、被害の広がりを 最小限に抑える。」 82 救急搬送症候群サーベイランスシステム構成図 鳥 鳥取西部消防LAN(イントラネット) 部消防 (イ ネ ) 地域流行探知システム 出場記録サーバ 署内PC 流行探知Webサーバ 出場記録ソフト 出場事案データ 症状データ (嘔気、発熱、 (嘔気 発熱 痙攣・・・) 分析結果 アラート情報 グラフ化 分析結果 分析結果をWEB公開 流行探知システム 統計分析 (国立感染症研究所開発システム) インターネットでの WEB参照 消防本部、保健所、県など FTP転送:インターネットを利用してファイル転送を行います。 VPN:インターネットを利用して仮想的な専用線を構築します。 出場記録から自動的に症状データを抽出し、流行探知システムによる統計分析を行います。 分析結果を元に出場記録の画面にアラート(警告)情報を表示します。 分析結果を流行探知Webサーバに送信し、各関係機関から分析結果の参照が可能となります。 83 サミットでの活用 • • • • 西胆振消防本部で自動システムが稼働中 西胆振消防本部で自動シ テムが稼働中 派遣隊で運用 羊蹄山ろく、札幌では手入力で実施 千歳、室蘭、苫小牧、登別、小樽で手入 力での実施をお願い 90 90 入力画面(搬送毎方式) ( ) 情報還元 • 県庁、保健所等感染症対策部門への情報 庁 保健所等感染症対策部 情報 提供 • 一定の通信が必要となるので、安全な方 法を用いる ¾ 鳥取西部・出雲はメール送信 ¾ 西胆振はインターネット(ASP型) ¾ 彦根は市のイントラネット 92 92 実施・準備状況 • 鳥取西部消防局で12月18日から稼働 鳥取西部消防局で 月 日から稼働 9 米子保健所、県庁に情報提供 • 現在5消防で実施 • 年度内に10消防本部で稼働予定 • 総務省消防庁救急統計委員会において国 の対策として位置づけを調整中(リアル タイムでの実施は当面先) 93 全国超過死亡迅速把握システム 分担研究者:神垣太郎 国立感染症研究所 感染症情報センター 感染症情報センタ 94 目的 9 パンデミック時の死亡、致死率の迅速 な把握 評価 な把握、評価 9 サーベイランスガイドライン上での「検 討」の実現 95 概要 9 市区町村窓口で受理した死亡届けの 枚数を勘定(死因問わず) 9 保健所に連絡 9 保健所がweb入力 96 開発状況 9 人口動態死亡票の目的外使用申請 9 全市区町村の総死亡ベースライン、閾 全市区町村の総死亡ベ スライン 閾 値を推定 9 それを表示する還元画面を作成 9 http://210.233.73.34/~sibou/syukei.p //210 233 3 3 / / hp 97