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ナノサイズ Fe/ Niバイメタル を 用いる汚水処理法の開発 ∫. ″ 且 音 / 宕: 萎二 . / 1 叩甘 一 I i L 一 触 蔓 22 は . r _ . ・ h E ・ モ ‡ 二 言 二 ∴ ・ L い 4 了 t r z h I . { ・ . ヽ → . L ヽ 、 平成 21年度 三重大学大学院 博 士前期課程 工学研 究科 分子素材 工学専攻 生物機 能工学講座 408M305 研 究領域 F:先進物質 ・先進材料 分析環境化学研究室 梅 下陽平 三重 大 学 大学 院 工学研究科 ナノサイ ズ Fe/Niバイ メタル を 用いる汚水処理法の開発 平成 21年度 三重大学大学院 工学研究科 分子素材工学専攻 博 士前期課程 408M305 生物機能工学講座 研究領域 F:先進物質 ・先進材料 分析環境化学研究室 梅 下陽平 車 . i , 十 l L L 1 , I , I l l J FL '' 互 . fl l 目次 第 一 章 序論 ・ 1 染料 -・ 1 1 ・2 Re a c t i veYe no w86について - 4 染色産業の問題 - 5 0価金 属 -5 本研究の意義 目的 - 6 試薬 - 7 実験装 置 - 7 分析機器 - 8 金属 - 9 1 1 1 1 第二 章 page ・ 3 4 5 実験 21 22 2・ 3 24 25 実験操 作 251 1 252 2・ 53 254 Re a c t i veYe l l o w86溶液の調整 回転撹拝 脱 色率 溶解 Feと Niカチオ ンの検 出 255 陰イオ ンの検 出 255 陽イオ ンの検 出 256 中間体 の検 出 257 ナ ノサイ ズ Fe / Niの作製方 法 2・ 6 実験条件 Jn - 1 2 -1 4 -・ 1 4 -1 4 - 1 4 -・ 1 5 - 1 7 H - 20 第 三章 結果 と考察 31 32 33 3・ 4 3・ 5 36 37 -21 -2 4 -2 6 -2 9 バ イ メタル 中のナ ノサ イズ Fe / Niモル 比 の影 響 -31 反応 速度 パ ラメー ター -3 5 初期 p H の影響 -3 9 SEM 画像 ⅩRD測 定 BET測 定 Fe / Ni量 の影響 車 上 . ′ 、 」 樟 i 刷 互1-i 濃度 の影響 -4 1 溶解 した Fe、Niカチオ ン濃度 - 陰イオ ンの検 出 - 46 陽イオ ンの検 出 - 48 中間体の検 出 - 50 メカニズム - 52 第 四章 結論 - 56 第五章 参考資料 - 57 第六章 謝辞 - 58 38 39 31 0 31 1 31 2 31 3 申 , 、 )A I J r 十 L 壬 ,刷 ' : J tl L 1 43 1 第一章 序論 1・ 1染料 衣類 な どの染色に用い られ る染料は、その性質 ・染色法か ら以下の表 の よ う に分類 され る。 量子化学の進歩 によ り、分子が色 を持 ちためには どの よ うな 分子構造がかな り解明 されてきてい る。染料で も長い共役二重結合系を有す る ものがほ とん どで、特に以下のアゾ基 ( ・ N=N)やアン トラキノン構造 を持つ平 板構 造の ものが多い。 また、染料 はただ色があればいいのではな く、繊維 と結 合す るための基 ( 直接染料の NH2基、酸性染料の ・ SO3 Na基、あるいは媒染 OH 基な ど)や、水溶液で染 染料 が媒染剤 の金属原子 と配位結合す るための ・ 色す る場合 は水溶性 にす るための基 ( 直接染料の SO3 Na基な ど)が必要であ るな ど、 目的に応 じた複合的な構造になっている。 直接染料 :一般 に水溶性で、木綿、羊毛、絹等の動植物繊維 によく染着す る。 特 にセル ロース系繊維 によく用い られ、中性 または弱アルカ リ ■ 性 浴で、中性塩等 を助剤 に して染色す る。色は鮮明 さを欠 く。堅 ろ う度 はだいたい中級 であるが、洗た く堅 ろ う度が低 く、後処理 を Si dus )染料 と呼ばれ る一群 は す る場合がある。また、シ リアス ( 日光堅 ろ う度がす ぐれてい る。化学構造か らみれば一般 にスル ホ SO3 Naで示 され る。 ン基 を含む色素酸のナ トリウム塩 であ り、D酸性染料 :酸性染料 は水 に可溶 で、羊毛、絹、ナイ ロン等 によく染まる。硫 酸、蟻酸、酢酸等の酸性浴で染 め られ る セル ロース系繊維 には 。 染 ま らない。堅 ろ う度 は低い ものか ら高い ものまであ り、色調 は きれいで、様々な種類 が存在 してい る 。 いずれ もスルホン基、カ ル ボキシル基等の酸性基 を含 む色素酸のナ トリウム塩 であ り、直 SO3 Naの一般式で示 されることが多い。 接染料 と同様、D- 申 J J ・ 仁 一 」 - i,' ' L ) 一 冊 ' : . r t H 2 塩基性染料 :塩基性染料 は、絹、羊毛 には中性 または弱酸性浴で直接 に染色 す ることができるが、セル ロース系繊維 には直接染着力がな く、 タンニン酸の よ うな酸性物質で媒染 してか ら染色す る必要があ る。染着力が大 きく、色調が鮮やかであるが、堅 ろ う度が低 く、 特に 日光に弱い。最初の合成染料 Ma uveをは じめ、初期の合成 染料 には塩基性染料 が多い。酸性基 を持 たず、水溶液 中では力 チオ ン性 の染料イオ ンとなる。芳香族環 に置換 した広義のア ミ ・ NH2 ,・ NHR,・ NR2 )が塩酸 な どの酸性分 と塩 をつ くっ ノ基 ( てお り、一般式は DNH3 + Cl ・ で示 され る。 また、アク リル系合 成繊維 によく染ま り、 日光堅 ろ う度 も高い ものが開発 され、カ チオ ン染料 と称 され る。 媒染染料 :媒染染料 は繊維 にほ とん ど染着性 をもっていないため、繊維 ( 一 、Al 、Fe 、Snな どの金属水酸化物や 般 に動植物繊維)に予め、Cr 酸化物 を固着 させ ( この操作 を媒染 とい う)、次にこれ を媒染染料 溶液 に浸 して金属 と染料 との有色の不溶性錯塩 を生成 させ ること によって染色の 目的 を達す る。媒染剤 の種類 によって異 なる色調 にな り、多色性染料 と呼ぶ場合 もある。堅 ろ う度は良好であるが、 染色法が複雑 であるため漸減 の傾 向にある。天然染料 はほ とん ど 媒染染料であ り、現在で も草木染 めな どと称 して用い られてい る。 媒染剤 の金属 には有害なもの もあ り、取 り扱い に注意が必要であ る 。 建染染料 :建染染料 は水 に不 ( 難)溶 で、そのままでは染色 しに くいが、そ の分子構造 中に特有のカル ボニル基 をハイ ドロな どの還元剤 で還 元す る とアルカ リ水溶液 に可溶 となる。 この中に繊維 を浸 して染 日光、水洗、 めた後、空気酸化 し、元の染料 として発 色 させ る 。 洗濯 、酸、アル カ リに極 めて堅 ろ うで色調 も美 しく、高級染料 と され る ( 特に木綿 に用いる) 。構造的にはイ ンジゴ系 とアン トラキ ノン系の 2つに大別 され る 。 中で も選択 された堅 ろ う品種はイ ン ダンス レン染料 またはス レン染料 として多用 され る 。 L l ・I 了 ト 」樟 L ,刷 ' ' j t日 3 分散染料 :分散染料 は水 に不 ( 難)溶 であるが、分散剤 ( 界面活性剤) によ って水 に微粒子状分散 させた状態で染色す る。初 めアセテー ト繊 維 を主な対称 として開発 されたためアセテー ト染料 とも呼ばれた が、現在 ではナイ ロン、ポ リエステル な どの種 々の合成繊維用 の ものが製造 され広 く用い られている。一般 に分子量は比較的小 さ く、アゾ系、アン トラキノン系の ものが大部分 を占める。昇華や ガス退色な どの欠点があ り、いろいろな改良法が考案 されている。 反応染料 :反応染料 は繊維 と共有結合 によって染着す るため、水洗、洗濯、 摩擦等 に対 して極 めて堅ろ うで、 日光 に対 して も堅 ろ うである。 初 めはセル ロース系繊維用の染料 として現われたが、羊毛、絹 に も応用 され、ナイ ロン用の もの も開発 された。 プ ロシオ ン染料、 レマゾ-ル染料が有名 である。 蛍光増 白染料 :蛍光増 白染料 ・蛍光増 白剤 は衣類や紙 を白く見せ るための も ので、紫外線 を吸収 してそれ よ り波長の長い青紫色の光 を発 す る性質 を持 っている。黄 ばんだ繊維等は、青紫色の光 を吸 収す る色素のために黄色みに見えるので、その分の光 を補 う ことで 白く見せ るのである。合成洗剤 にも配合 されてい る場 合がある。 蛍光増 白染料 は、各繊維 に適 した ものが多数開発 されてお り、構造的 にはセル ロース繊維用 ( 直接染料型)の大部分 を 占めるジア ミノスチルベ ン系が最 も多 く、他にイ ミダゾール 系、 クマ リン系、ナフタルイ ミ ド系な どがある 右 のフルオ 。 62はナフタルイ ミ ド系で、合成繊維 レッセ ン トプライ トナー 1 用 として分散染料 と同 じよ うな方法で処理 され る。 】 早 \ ] ! J L ー 刷 昔 日 4 Re a c t i veYe l l o w86 化学染料 は様 々な種類 が存在す るが、その中で も特 にアゾ染料の使用量は多 a c t i veYe l l o w86は反応性染料の一種であ り、衣服の く、約 60 %を占める。Re 染色やカラーイ ンクな どに使用 されてい る。反応性染料 は好気的条件で酸化 さ れ ることはな く堆積物 に蓄積す る傾 向がある。 また芳香族ア ミンを含むので、 発癌性 を有す る可能性がある。 Rea c t i veYe l l o w86について 一般名 : Re a c t i veYe l l o w86 化学名 : I , 3Be nz e ned i s ul fo ni c a c i d, 4l l 2・ [ 5・ ( a mi no c ar bo nyl ) 1 ・ e t hy 1 1 , 6・ d i hydr o 1 26d i c hl o r o・ 1 , 3, 5t iaz r i hydr o xy4me t hy1 6o xo3pyr id i ny l ] d i az e ny l ] 6[ ( 4, n2yl ) a mi no ] , s o d i um s lt a ( 1 : 2 ) 構造式 : OH C、 「 "竿 rN H O 3 Na S "\で CAS. no -N H2 也 " C :7 0865-29-1 中国では多量に生産 されてい る。毒性は急性毒性 については不明であるが、慢 性毒性 について懸念 されている。 小 1、 ,・・ 上 目 , ) . 刷 ' ' , . I ll ll 5 卜3 染色産業の問題 染色工場か ら出され る染色排水の問題 は従来か ら関心が持たれてい るが、早 急 な問題 としては必ず しも全国的 に取 り上げ られていない。 しか し、水の着色 は悪臭 と同様 に容易 に感知 されやすい ものであ り、近年は景観上の問題 も浮上 し、苦情の対象 とな りやすい。そのため、その対応 に苦慮 している企業や 自治 体は少 な くない。 排水 中か らの染料の除去法 としては、凝集沈殿法、オゾンによる酸化、活性 戻-の吸着 な どの物理化学処理法 に主眼 を置いて研究 されてきた。 しか しなが ら、 これ ら物理化学処理で着色度 は高い効率で除去できるものの、処理 しなけ ればな らない排水量が膨大になった場合 にはコス トがか さむ。従 って、従来の 処理方法ではコス ト面で問題 があ り、 よ り経済的な汚水処理法の確立が望まれ てい る 。 14 0価金属 0価金属の中でも特に研究が進 め られてい るのは鉄である。鉄は、地殻 中に存 在 してい るため、環境 を汚染す ることな く使用す ることができる。 また回収 に おいて も、磁石 に引き付 け られ るので、簡便 に行 うことができるな どの利 点が ある。 また具体的な分解方法 としては直接汚染源 に鉄粉 を混合す る方法 と透過性 の 膜 に鉄 を担持 させ地下水な どに設置す る方法が開発 されてい る。近年 では、分 解 に使用す る鉄粉の改良が進み、鉄粉の形状 を改良 し多孔質にす ることや、 よ り細かい粒子にす ることによって、鉄の表面積 が増加 し分解能力の向上に成功 してい る。 反応機構 としては、鉄表面か ら電子が出て化合物 を還元 し脱ハ ロゲ ン化や無 毒化 を行 うものである。 しか し、詳 しい機構 はまだ解明 されてはいない。 由 仁 」 上 ]一 帖 1 , 佃 1 日 -I 6 1 5 本研究の意義 目的 近年、ゼ ロ価鉄は、ハ ロゲン化有機化合物等の環境汚染物質を還元 ・無害化 す るために広 く研究 されてきてい る。ゼ ロ価鉄 による化学的還元反応 は、芳香 族 ニ トロ化合物、農薬及び硝酸塩 の処理や、土壌汚染の修復技術 に応用 されて い る。 しか しなが ら、ナ ノサイズゼ ロ価鉄の環境修復-の適用 はほ とん どな さ れていない。 また、鉄 に別の金属 を担持 してバイメタル粒子 を作製 し、環境浄 化 に応用 した例 は多数見 られ るが、ナノサイズバイメタル粒子 に関す る報告は 什J iバイメタル粒子を作製 し、 非常に少 ない.そ こで本研究では、ナノサイズ Fe 有色排水の脱色に応用 した。具体的には、染色工業 において使用量が増加 して きてい る黄色の染料である Re a c t i veYe l l o w 86に着 目し、ナノサイズバイメタ ル粒子 を用いて黄色染料排水の脱色を試みた。 Ti7 ノ 了 / I、' ] 巨 L 了 刷 r' ; : ヒ ト 1 7 第二章 実験 2・ 1試 薬 本研 究で使用 した試薬 を以 下 に記す。 ・硫 酸鉄 ・7水 和物 Fe SO4・7 H2 0 ナカ ライテス ク㈱ ・硫 酸 ニ ッケル ・6水 和物 Ni SO4・6H2 0 ナカ ライテ ス ク㈱ ナカ ライテス ク㈱ ・水 素化 ホ ウ酸ナ トリウム Na BH4 ・ジ ク ロロメタン CH2 C1 2 ナカ ライテ ス ク㈱ ・酢酸 エチル CH3 COOC2 H5 和光純薬 工業㈱ ・エ タ ノール C2 H5 0H ナカ ライテス ク㈱ ・アル ゴン Ar 川瀬産 業( 秩) ・1 , 1 0フェナ ン トロ リン 1水和物 C1 2 H8 N2・H2 0 和光純薬 工業㈱ 22 実験装 置 本研 究 で使用 した実験装 置 を以 下 に記す。 ・蒸 留水製 造装 置 TOYO GS20 N HS360HS ・マ グネテ ィ ツクス ター ラー ( 樵) 井 内盛栄 堂 20mmxv 7mm ・化学天秤 EB3200H ・ハ ンデ ィーアス ピレー ター WP・ 1 5 ・吸 引瓶 HARI OI OOO ( 樵) 井 内盛栄 堂 ・回転 子 ㈱ 島津製作所 YW TO SI BATA SI BATA ・減圧 ろ過用 フィル ター ホル ダー ( ガ ラス タイ プ) ( セル ロース混合 エ ステル 、孔形 0. 45pm、¢mm) ・メ ンブ ランフィル ター ア ドバ ンテ ック東洋㈱ ・両面 グ ロー ブボ ックス DGB1 000 ・ローテー ター 手作 り アズ ワン㈱ ・pH メー タ D51 ・固相抽 出デ ィス ク 83 M エ ムポアデ ィスク C1 ( 樵) 堀場製作所 ・エ アポア TM デ ィス ク専用 吸 引 3連式マ ニ ホール ドキ ッ ト( 47 mm) ジーサイエ ンス( 樵) 申 J i、 J一 、 1 晶 l . 1 川 守 口 23 分析機 器 本研 究 で使 用 した分析機器 を以 下 に記 す。 I C)陰 イオ ン ・イ オ ン ク ロマ トグ ラフ ( ㈱ 日立製 作所 #271 0・ SKI C カ ラム ㈱ 日立製 作所 (¢4. 5mmx50mm) ㈱ 日立製 作所 電気伝 導度検 出器 L・ 327 0 ポ ンプ L6000 ㈱ 日立製 作所 ㈱ 日立製 作所 恒 温槽 655 A52 レコー ダー CR5 A ㈱ 島津製 作所 t r o hm ・イ オ ンク ロマ トグ ラフ ( I C)陽イオ ン :Co mpac tI C7 61 1 Me カ ラム :I CYX421 昭和電 工㈱ (¢4. 6mmx1 25mm) UWDEC61 0A型 ・可視 紫外 分 光 光度 計 日本 分 光 工業 ㈱ ・ガ ス ク ロマ トグ ラフ/ 質 量分析 計 ( GCM S) GCMSQP5000 HP・ 5 カ ラム ㈱ 島津製 作所 He wl e t t Pa c ka r d So l aa rS2 ・原子 吸光光度 計 The r moFi s he rSc i e nt i f i cI nc ・ⅩRD ・SEM RI NT2000/ PC S4000 Ri ga kuCo ㈱ 日立製 作所 ・BET比表 面積 測 定装 置 仏ut o s o r b1 C, Che mi s o r pt i o nPhys i s o r pt i o nAna l yz e r ) Quant a c hr o meI ns t r ume nt s 由 I L L I , 1 川 ' ' , t ト ト 9 2 4 金属 について 本研 究で用 いた金属の性状、特性 、用途 を以下 に記す。 ・Fe ( 秩) 性 状 :色 :灰 色 がか った光沢のある金属色 :55. 85 原子量 密度 硬度 :7874k 9/ m3 :4. 0 融点 :1 808K 沸点 :3023K 電気 陰性度 :1. 83 第一イオ ン化エネル ギー :762. 5k J / mol 第二イオ ン化エネル ギー :1561. 9kJ / mol 第三イオ ン化エネル ギー :2957kJ / mol 特性 : ・ 地球上の地表付近に存在す る元素で、アル ミニ ウムの次に多 く存在す る 。 ・常温で乾燥空気中では安定す るが、水分があると酸化 され る。 2+となるが、濃硝酸や クロム酸中では、酸化皮膜が生 じ ・希酸に浸 され Fe るため内部が浸 されない。 用途 :他の金属や非金属の添加 によ り目的のかなった性質を持つ鋼 として主に利 用 され る。 ・Ni( ニ ッケル) :光 沢あ る 金 属 色 :58. 69 3 性 状 :色 原 子量 :8908k 9 / m3 :4.0 :1728K :31 86K :1.9 密度 硬度 融点 沸点 電気 陰性 度 1 第 一 イオ ン化 エ ネル ギ ー :737. 1kJ / mol 第 二イオ ン化 エ ネル ギー :1753k J / mol 第 三イオ ン化 エ ネル ギー 申 J l、. J :3395kJ / mol J、 1 位 1 , 刷 / 十 1 1 1 1 0 特性 : ・温で空気 あるいは水 にきわめて侵 されにくい。希薄な酸には鉄 よ りも 溶 けに くい。 ・希硝酸 には容易 に溶 けるが、濃硝酸 には鉄 と同様 に不動態 となるため 溶 けない。化合物 をつ くる場合、通常は+2の酸化数 をとるが、よ り低 い状態や、 +3 、 +4な どの状態 もまれにはみ られ る。 ・2 0 0 7年 における世界のニ ッケル消費量は 1 3 2万 トンであ り、その うち 日本は 1 3%を占める。 用途 : ・純金属 として実験器具や家具な どの材料 に、まためっき用 として金属 表面の保護 に用い られ る。 ・微粉末状の ものは水素を吸蔵す るので、水素添加用触媒 として よく用 い られ る。 帖】 ) I - t . 日 1 . 刷 ' ' j t 日 ll 25実験手順 本研究で行 った実験操作 を以下に記す。 251 1 Re a c t i veYe l l o w86溶液の調製 Rea c t i veYe no w86溶液は、250mlフラスコで lmM ( 667ppm)になるよ う に調整 した。また、pH の影響に関す る実験では、硫酸 と水酸化ナ トリウムを用 H調整 を行 った。 いて p 2・ 5・ 2 回転撹拝 30mlのサンプル ビンに、 1 mM の Re a c t i veⅥ∋ mo w86溶液 を取 り、次にナ ノ 爪J i 、またはナノサイズ Feを入れ、サンプル瓶 を試料で満た し、フタ サイズ Fe pm で回転撹拝 を行 を した。次に、サンプル ビンをローテーターに固定 し、60r った。撹拝後、 メンブランフィル ターでろ過 を行い、吸光高度計にて測定を行 った。 実験手順 を以下のフローチャー トで示す。また、Fi g. 1に撹拝のための回転撹拝 装置実験を示す。 車 J i; 」 上 目 ・ ・:i I , 刷 ' , 十 日 1 4 25・ 3 脱色率 45pm の メンブ ランフィル ター で ろ過 し、可視紫外 分 回転撹拝 後 の試料 を 0. 光 光度 計 に よ り吸光度 を測 定 した。角型石英製セル を使 用 し、測定波長 は 41 5mm と した。 25・ 4 溶解 Feと Niカチオ ンの検 出 45pm メンブ ランフィル ター で漉 過 し、金属粒 子 を取 回転撹拝後、試料 を 0. o t l Feと a り除いたo 次 に、溶液 を酸性 に し、原子吸光光度 計 に よ り溶解 した T Ni 2 +濃度 をそれぞれ測 定 した。 また、溶解 した Fe 2+濃度 を測定す るた めに、 1 , 1 0フェナ ン トロ リン溶液 をろ 過 後 の溶液 中に入れ て、安 定 な Fe 2+の錯 体 に し、そ の後 可視紫外 分光光度計 に 0mm と した。 よ り吸光度 を測定 した。 角型石英製セル を使用 し、測 定波長 は 51 255 陰イオ ンの測定 45pm メンブ ランフィル ター で漉過 し、金属粒 子 を取 回転撹拝後 、試料 を 0. り除い た。次 に、陰イオ ン用 ク ロマ トグラフィー に よって試料 中の、Cl ・ 、SO4 2・ 、 NO3 ・ の濃度 をそれぞれ測定 した。 以下 に分析 条件 を記す。 :Cl、SO4 2. 、NO3 1 :#271 0SAI C :1mM C6 H4 ( COOH) ( COOK) :0. 7mL/ mi n :40℃ :1ml 分析 対象 カ ラム 溶離液 流量 カ ラム温度 試料 注入 量 256 陽イオ ンの測 定 45pm メンブ ランフ ィル ター で漉過 し、金 属粒 子 を取 回転撹拝後、試料 を 0. り除い た。 次 に、陽イオ ン用 ク ロマ トグラフィー に よって試料 中の 、NH4 + の濃 度 をそれ ぞれ測定 した。 以下 に分析 条件 を記す。 :NH4 + :I CYX421 :H3 PO4 :1n l l 分析 対象 カ ラム 溶離液 試料 注入 量 車 上、 千 1 、 . 日 _ j 了 研 究 日 1 5 257 中間体の検 出 ・水溶液 45pm メンブランフィル ターで滅過 し、金属粒子 を 回転撹拝後、水溶液 は 0. 取 り除いた。次 に、固相抽 出デ ィスク( 3MPi s k) を用いて中間体 を固相抽 出 し、 GCMSによ り分析 した。 以下に分析条件 を記す。 HP5( J&W Sc i e nt i iC製) f キャピラ リーカラム イオ ン化法 (¢=0. 32mmx30m、Fi l m 0. 25pm) 40℃ ( 3mi n)⇒ up5℃/ mi n ⇒ 2 00℃ ( Omi n) ⇒u p1 ℃/ mi n⇒ 21 0℃( 2 mi n⇒ 270℃( 3mi n) mi n)⇒ up20℃/ He( 99. 9%) 、77mL/ mi n 電子イオ ン衝撃イオ ン化 ( EI ) 法 試料注入量 1pL 昇温プ ログラム キャ リアーガス また、抽 出操作 を次ページに記 した。 車 上 , J 、 」 巨 事 吊1 日日 1 1 6 <抽 出操作 > エ ムポアデ ー スク C1 8 【 洗浄 】 ジクロロメタン 1 0mL ー 【コンデ ィシ ョニ ング】 2)精製水 通水 ー 1 0mL 試料液 20mL 乙 遊出 ー ジクロロメタン 5mL+5mL+5mL+5mL ( 窒素通気 下) 宣盗 申 l J I 7 、 ,晶 仁' , : l Ji I ,吊 1 7 258 ナ ノサイズ Fe / Niの作製方法 硫 酸鉄 と硫酸 ニ ッケル に、水 素化 ホ ウ酸ナ トリウムを加 え擾拝 しなが ら混合 し、以下の反応 が起 こ り、ナ ノサイズ Fe 爪J iが生成す る。 2Fe 2 + ( Ni 2 +)+BH4 -+2H2 0 →2 Fe( Ni ) J +BO2+4H++2H2 † 45 マ 次 に上澄み液 を捨て、蒸留水 を加 え、Arガスを入れ なが ら撹拝 し、0. イ ク ロメーターのフィル ターでろ過 し、Arガスで置換 されたグローブボ ックス / Niとす る。 中で ヒー ターを使 って 75℃ で加熱 し、乾燥 した ものをナ ノサイズ Fe その後ナ ノサイズ Fe 什J iは Arで置換 したグローブボ ックス内でサ ンプル溶液 を調整 した。 作製操作 をフローチャー トにて、次ページに記 した。 また、Fi g. 2 にグローブ ボ ックスを示す。 申 /、 ∫ I、 J I JL ) ,眉 目 Ii 1 8 F a br i c a t i ono fn a n o si z e dF e / Ni p a r t i c J e s Was h i n gwi t hPu r eWa t eru n d er Ara t mos ph er e D i nAra t mo s□ h er e ■ 巨 L j ■ - 刷 守 日 20 26 実験条件 Tabl elに実験条件 を示す。 Tabl e1.Ex er i ment alcondi t i ons. ・ RY86 : 0.1- 10 m M(66.7 -66 70 ppm ・ Sampl evol ume :30mL ・ Nanosi zedFe/ Ni :0. 025- 0 . 1 g ・ Nanosi zedFe :0. 025g ・ Nanosi zedNi :0. 025g i Temper at ur e :25℃ ・ React i ont i me :0-6h ・ pH :3-ll ) ● Anal ysI S ・ UV一 VI SSpect r ophot omet er ・ Scanni ngE一 ec t r onMi cr oscope( SEM) ・XRD ・ GC/ MS ・I onchr omat ogr aphy( l C) ・ At omi cabsor pt i onspect omet er 小 ∴ 日 了 . : l ,l l J 仁 1 ;L L -' 日 21 第三章 結果 と考察 31SEM 画像 什J i 、ナ ノサイズ Feの S EM 画像 を Fi ど . 3、Fi g . 4に示す。 作製 したナ ノサイズ Fe ( a ) は鉄 とニ ッケルのモル比が 1対 1、( b) は鉄 とニ ッケル のモル比が 3対 1であ る、ナ ノサイズ Feを示す。 ナ ノサイズ Fe / Ni比 1対 1、 3対 1共 に平均粒径 は約 80 mm で、粒子サイズが 5mm であった。 また鎖状の構 均一 であった。ナ ノサイズ Feの平均粒径 は約 8 造 を形成 し凝集 していた。 申 し l J、 J I, ■ L 川 r , i 1号 2 2 ( a) Fe: Ni =1: 1 ( b) Fe/ Ni =3: 1 Fi g. 3SEMi mag e sf わ rna no s i z e dFe / Ni . 二頂 入 学 人J ' ; , ' =l S ' 完 工学 研 究 科 2 3 AL i _ ヽ Fi g . 4. SEMi mag e sf わ rna no s i z e dFe . : _ i T i . '人 守 人 j 封7 ; j t 1 . .号 ・ ' : 研究 科 24 32XRD測定 ナ ノサイズ Fe/ Niについての XRDパ ター ンを Fi g. 5に示す。 XRDの結果 か ら、ナ ノサイズ Fe/ Ni l対 1、 3対 1共 に ピー クは、 20 =450 で見 られ た。 またナ ノサイズ Fe/ Niの表 面上 は、 アモル ファス状 の合金 ( FeNi ) を形成 していた。 車 I ) I ) 日 .L ,I ' Z 了吊 仁 互 . ・ Tl .i 2 5 sd3J h .r suat ur Na n oF e / Ni ( 1 : 1 ) 0 0 0 6 0 0 4 2 0 0 sd3[ ^ ! ) Suat ur Na n oF e / Ni ( 3: 1 ) 20 40 60 80 28 Fi g. 5. XRDpa t t e r nf b ∫na no s i z e dFe / Ni . 申 上 」- jJ . J 晶 ‡ . 吊 日 日 - i 26 33 BET測定 次に、作製 したナ ノサイズ Fe、ナノサイズ Ni 、ナ ノサイズ Fe/ Ni ( 1:1) 、ナ ノ サイズ Fe/ Ni ( 3:1) 、ナ ノサイズ Fe/ Ni ( 5:1) 、ナノサイズ Fe/ Ni ( 1 0:1) 、ナノサ / Ni ( 20:1 ) を、BET比表面積測定装置 を用いて測定を行 った。 イズ Fe ナノサイズ Fe、ナノサイズ Niの作製方法は、ナ ノサイズ Fe 仲J iと同様 に作 bl e3・ 31に示す。作製 したナ ノサイズ Fe、ナノサイズ 製 した。実験結果 は、Ta Ni 、ナノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) を Fi g. 6 に示す。実験結果 よ り、最大比表面積 は、 3m2/ gであった。 ナ ノサイズ Niの 80. 申 、 J , ' 、 」 ・ 二 樟 ; E日 j ,刷 ' ' 27 Ta bl e.33l 1Spe c i ics f ur f a c ear e ao fna no s i z e dFe / Ni . Nanos ai z edFe / Ni Spe c i f i cs ur f ac ear ea m2/ g Feonl y 32. 5 Nio nl y 80. 3 1:1 44. 4 3:1 62. 2 5:1 78. 3 1 0:1 36. 2 20:1 32. 5 申 ノ ■、 i I、 I L・ L ・ j 一 帖 , L l i i 29 3・ 4Fe/ Ni量の影響 ナ ノサイズ Fe / Ni ( 1:1 )( 鉄 とニ ッケル のモル比 1対 1 ) を 0. 025か ら 0. 1g まで変化 させ、 反応 時間 3時 間で Re ac t i veYe l l o w86( 1 mM) の脱色実験 を行 い、 g. 7 に示す。 また実験条 可視紫外分光光度 計 を用 い て分析 した。実験結果 を Fi bl e3・ 4・ 1に示す。 件 を Ta Ta bl e3・ 41 1. Expe ime r nt lc a o nd i t i o ns . :1mM RY86 :30mL Sampl evo l ume Nano s i z edFe 什J i( 1:1 ) :0. 025g, 0. 05g, 0. 075g, 0. 1g 25℃ Te mpe r at ur e 3h Reac t i o nt i me Fe / Ni量が増加す るにつれ て、脱 色率 も増加 した。 ナ ノサイズ Fe / Ni l対 1が 0. 05g以上の とき、脱色率 は、80%以上 になった。 ナ ノサイズ Fe / Ni l対 1が 0. 1 gの ときには、 ほぼ完全 に Reac t i veYe l l o w86は脱色で きた. 025gの とき脱 色 は比較 的進行 したので、以後の実験 はす べて 0. 025 また、0. gで実験 を行 った。 申 J l、 † 上 目 ,ri ] ・ 川 /・ L l T l 30 ( % uo ) eN. )0) 03aC) !t 0 0. 0 20. 0 40. 0 60. 08 0. 1 Fe/ Ni amount(g) Fi g.7.Ef f ec tofnanosai zedFe/ Niamountont hedecol or i zat i onofRY86. RY86 :1mM Sampl evol ume :30mL Nanosi zedFe/ Ni( 1:1):0. 025-0. 1g Temper at ur e React i ont i me 申 I , 仁 , 晶 j J 刷 昔 日 31 35 バイ メタル 中のナ ノサイズ Fe 什J iモル比の影響 次 にバイ メタル 中のナ ノサイズ Fe / Niモル比 の影響 を検討す るために、バイ メタル 中の Fe / Niのモル比 を 1対 1か ら 20対 1まで変化 させ、反応 時間 0- 6 時間で Re a c t i veYe l l o w86( l mM) の脱色実験 を行い、可視紫外分光光度計 を用 い 仲J iとの比較 のためにナ ノサイズ Fe、ナ ノサイ て測定 した。 またナ ノサイズ Fe ズ Niで行 い、同様 に可視紫外分光光度計 を用いて測定 した。実験結果 を Fi g. 8 に示す。実験条件 を Ta bl e351に示す。 什J i ( 1 0:1 ) を使用 し、Re a c t i veYe l l o w86溶液 ( l mM)の また、ナ ノサイズ Fe h)の様 子 を Fi g. 9に示す。 反応前、反応 中、脱色反応後 ( 反応 時間 l Fi g. 8では、 ○が Fe 仲J i ( 1:1 ) 、△が、Fe / Ni ( 3:1 ) 、 口が Fe 仲J i ( 5:1 ) 、▲が、 Fe / Ni ( 1 0:1 ) 、◇ が、Fe / Ni ( 20:1 ) 、●が、 Feのみ、 ▼が、Niのみ を示す。 Ta bl e3・ 51 . Expe ime r nt lc a o nd i t i o ns . :1mM :30mL RY86 Sa mpl evo l ume / Ni Na no s i z e dFe Na no s i z e dFe Na no s i z e dNi :0. 025g :0. 025g :0. 025g 25℃ Te mpe r at ur e Re a c t i o nt i me 0. 25 h, 0. 5 h, l h, 3 h, 6 h ここで、反応後の溶液の p H は、反応 時間が増加す ると、高 くなった。 この原 因は、水か らの水素の脱離 のため、OH が生成 し、p H が増加 した と 思われ る 。 またすべてのナ ノサイズ Fe / Ni 、ナ ノサイズ Feは、反応時間 3時間後か ら は、 ほぼ一定 とな り脱 色 しな くな った。 これ は、鉄表面の活性部位 が無 くな っ た為 である 。 申 1、 ,- j J . 巨 3 2 また、比較 で用 いたナ ノサイズ Niは、非常 に脱色能力が乏 しか った0 よって、ニ ッケル の比が多い 1対 1と 3対 1に関 しては、鉄 の反応 をニ ッケル が阻害 して しまい、ナ ノサイズ Feよ りも脱色率が悪 くなったのではないか と考 え られ る。 以後 の実験 は、最 も脱色 したナ ノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) を使用 して実験 を行 っ た。 申 1 -、 . 上 了 Lr :・L・ . l J -A ;川 ' ' ; ト ト 1 33 ○: Fe/ Ni ( 1:1 ) ( % )u o .r t t = N . J O r 8 9凸 △ :Fe/ Ni ( 3:1 ) □ :Fe/ Ni ( 5:1 ) ▲ :Fe/ Ni ( 10:1 ) ◇: Fe/ Ni ( 20:1) ● :Feonl y ▼ :Nionl y Re a c t i ont i me( h ) Fi 9.8. Decol or i zat i onofRY86wi t hdi 斤er entcomponent sofnanosai zedFe/ Ni . RY86 :1mM Samp一 evo一 ume 30mL Nanosi zedFe/ Ni 0. 0259 Temper at ur e 25℃ React i ont i me 0-6h 車 上 ) 一 ㌧ J iJ ,L l 日 日 宣 イ 3 5 36 反応速度パ ラメーター a c t i veYe l l o w86のナ ノサイズ Fe / Niによる脱色の速度論 次に最 も脱色 した Re について考察 した。 一般的に Feによる脱色反応 は擬一次反応速度論 に従 うとされている。その式 を以下の よ うに表す ことができる。 -dC/dt= k。 b s C - ・Eq. ( 1 ) ここで、C は時間 tでの Re a c t i veYe l l o w86の濃度、k。 b sは一次反応速度定数 a c t i veYe l l o w86の初期濃度 を C。とし、Eq. ( 1 ) を次式の よ うに である。また、Re 示す ことができる。 -l n(C/ C.)=ko b s t - ・Eq. ( 2 ) Eq. ( 2 )よ り求め られ る時間 tに対す る 1 m( C/ C。 ) をプロッ トしたグラフを Fi g. 1 0 に示す。また、 Fi g. 1 0より求め られた速度論パ ラメーターをTa bl e36・ 1に示す。 / Ni ( 1 0:1 ) の とき、反応時間 6 h までの R2 ( 回帰係数) その結果、ナノサイズ Fe は 0. 909とな り、直線的なグラフが得 られなかった。 そ こで、反応時間 3 hまでの l n( C/ C。 ) をプ ロッ トしたグラフを Fi g. 1 1に示す。 その結果、ナノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) の とき、反応時間 3h までの R2 ( 回帰係数) は 0. 995とな り、直線的なグラフが得 られた ことにより、Re a c t i veYe l l o w86の ナノサイズ Fe / Niによる脱色反応 は、反応時間 3 hまでは、擬一次反応速度論 に g. 1 1 よ り求められた速度論パ ラメーター 従 ってい ることが分かった。また、Fi を Ta bl e362に示す。 また、他のモル比について も同様 に反応時間 3 hまでは、擬一次反応速度論 に bl e3甘 3に示す。 従 っていることが分かった。同様 に速度論パ ラメーターを Ta b sは、ナ ノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) の とき最大 0. 591 その結果、反応速度定数 k。 となった。 また半減期 もナノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) の とき最小 1 . 1 0hとなった。 この よ うに、Feを用いた還元反応 において、擬一次反応速度 となることは、報 告 されている。一方その報告には、 1次だけでない場合があるとの報告がある。 本研究では、直線性か ら鑑みて、擬一次反応速度論が成立 していると思われ る。 申 , i I 7、 1 日 j 」 両 ・ L i; 38 Ta bl e . 363De c o l o r i z a t i o nki ne icpa t r a me t e r s . c oe f f i c i ent Cor r el at i on r at ec ons t ant ( h-1) Nano s ai z edFe/ Ni Ps endof i r s tor der kobs R2 t i me( h) Subs t r at ehal f t 1 / 2 Feonl y 1:1 0. 348 0. 1 87 0. 982 0. 966 1 . 80 3. 80 3:1 0. 300 0. 976 2. 06 5:1 0. 531 0. 979 1 . 1 2 1 0:1 0. 591 0. 995 1 . 1 0 20:1 0. 446 0. 986 1 . 35 申 f、 , ): 了 樟 l J 叫 / 十 日 39 37 初期 pH の影響 Reac t i veYe l l o w86(1 mM ) の初期 pH を 3か ら 1 1まで変化 させ、反応 時間 l hでの脱色実験 を行い、可視紫外線 分光光度計 を用いて測定 した。実験結果 を Fi g. 1 2に示す。 また実験条件 を Tabl e3・ 7・ 1に示す。 ここでの pH-3は、溶液 の pH調整 を行わず、実験 を行 った。 Tabl e3・ 7・ 1 .Expe r i me nt lc a o nd i t i o ns . :1mM RY86 :30mL Sampl evo l ume Nano s i z edFe 什J i( 1 0:1 ) :0. 025g 5, 7, 9, l l :3, : 25℃ : 1h pH Te mpe r at ur e Reac t i o nt i me 本結果 では、pH- 5の とき、最大 とな り、Re ac t i veYe l l o w86を 51 %脱色で きた。 この原因は、( 1 ) 低い pH であるほ ど、鉄の表面上に、水酸化物 の皮膜 が 形成 しに くくな り、粒子表面上にある活性部位 が覆 われず に、脱色反応 が よ り 促進す る と考 え られ る。 ( 2)よ り低い pH では、鉄の腐食が加速 し、水素化反応 で必要 となる水素( 水素原子) が十分 に生成す るために、脱色反応 が よ り促進す る と考 え られ る。 また pH が中性領域か らアル カ リ領域 に行 くと、脱色率は、大 き く減少 した。 この原 因は、鉄 の表面上に、水酸化物 の皮膜 が形成 して しまい、反応 が阻害 さ れ た為 だ と考 え られ る。 また水素化反応 で必要 となる水素原子が少 量のため、 脱色率が、大 きく減少 した と考 え られ る。 ここで、 pH=5の とき最大 となったが、pH-3の ときの脱色率 に比べ、あま り大 きな差が無かったので、pH 調整 を行わな くてすむ pH-3で以後実験 を行 った。 車 ↓ 、' J J j 書 目 & . 叫 '十 日 40 1 0 0 !t o eO 1 0 39 ( % )u N .J 凸 Y 2 4 6pH 8 1 0 1 2 Fi g.12.Ef f ec tofi ni t i aJpHont hedecol or i zat i onofRY86. RY86 1mM Sampl evo山me 30mL Nanosi zedFe/ Ni( 10:1) 0. 025g Temper at ur e 25℃ Reac t i ont i me 1h 申 J、 , ); 」 樟 l , 川 . 日 41 38濃度の影響 Re a c t i veYe l l o w86の初期濃度 を 0. 1か ら 1 0mM まで変化 させ、反応時間 3 hで脱色実験 を行い、可視紫外線 分光光度計 を用 いて測定を行 った。実験結果 g. 1 3に示す。 また実験条件 を Ta bl e 3・ 81に示す。 と脱色量を Fi Ta bl e31 81 I . Ex pe r i me nt lc a o nd i t i o ns . RY86 :0. 1 mM, 0. 5mM, 1 mM, Sa mpl evo l ume Na no s i z e dFe / Ni( 1 0:1 ) pH Te mpe r at ur e Re a c t i o nt i me 2mM, 5 mM, 1 0mM :30mL :0. 025g :3 :25℃ :3h 結果 は、Re a c t i veYe l l o w86の濃度が 0. 1-1 mMの ときは、脱色率は 800 / o以 上になったが、Re a c t i veYe l l o w86の濃度が 2-1 0mMの ときは、脱色率は、30% 以下になった。 また、脱色量は、 1mM以降は、ほぼ一定 となった。 申 , l t J / 、 j E, 川 '日 日 42 ∈ (6 ) l L J6a !J v tu ( % )u u !t ! teN ! u oo eO r凸 9 o ! o O . I J 0 3a N. J O3 C) Conc ent r at i on(mM) Fi g.13.Ef f ec tofRY86c oncent r at i onont hedecol or i zat i on. RY86 :0. 1 10mM Samp一 evol ume :30mL Nanosi zedFe/ Ni ( 10:1) :0. 025g pH :3 Temper at ur e React i ont i me 車 上 」 左 J L: L 刷 宣 il 43 9 溶解 した Fe、Niカチオン濃度 3反応時間 06hまでの脱色実験 を行 った ときの、水溶液中に溶解 した全 Fe濃 2+濃度 を 度 と Ni濃度 を、原子吸光装置 を用いて測定 した. また、溶解 した Fe 測定す るために、 1 , 1 0フェナ ン トロ リン溶液 をろ過後の溶液 中に入れて、安定 な Fe 2+の錯体に し、その後可視紫外分光光度計によ り吸光度 を測定 した。実験 g. 1 4に示す。 結果 を Fi また実験条件 を Ta bl e391に示す。 ここで、○が T bt a lFeの濃度、●が Fe 2+ の濃度、△が Fe 3+の濃度、◇が Ni 2+の濃度 を示す。 i t Tab l e3・ 9-1. Expe imenta r l cond i o ns. RY 86 Sampl evol u me Nanos i z edF e / Ni ( 1 0:1) pH ¶∋ mpe r a t ur e React i o nt i me :1mM :30mL :0, 025g :3 :25℃ :0.5 h , 0 . 5h ,1h , 3h, 6h 2 溶解 した 2価の鉄の濃度 は、反応時間が増加す ると、減少 した。一方で、3価 の鉄 の濃度 は、増加 した。 また溶解 した全鉄濃度 は減少 した。 この原 因は、反 応時間が増加す ると、2価 の鉄が、3価 の鉄 に酸化 されていることと、溶解 した 鉄 が、水酸化物 として沈殿 したため、溶解 した全鉄濃度が減少 した と考 え られ る 。 また、反応時間 3 h以降、 2価 の鉄 、3価 の鉄が両方共 にほぼ一定 となった。 この原因は、鉄の表面上に、水酸化物の皮膜が形成 して しまい、2価の鉄か ら 3 価 の鉄-反応が阻害 され、ほぼ一定 となった と考え られ る。 申 仁 J J 、 ∫ Ll ・ ・ ・. : 44 また、溶解 した 2価 のニ ッケル は、ほぼ一定 となった。 本結果 より、バイメタル を用いる脱色反応での Niの役割 は、以 下の よ うに考え られ る。 Ev=-0. 4 4V Fe 2 ++2ei T F e 2 ++2 eT i Ni Ni Ev= -0. 25V ( 1 )これ らの酸化還元反応 より、Niと Feを組み合わせ ると、Feの酸化溶解 を促 進 し、発生 した電子が Niに移動す る。 ( 2) Ni上で還元が起 こるときに、 触媒 として作用す る。 ( 3 ) Niの一部は、溶解 して電子を発生す る。 な どが考 えられ る。 l ● . ・、 ■: 45 ( 2 0 . m L u ○: Tot alFe ● :Fe2+ ◇: Ni 2+ 1 0. u aOuOU )uO! )e L l △ :Fe3+ 0 1 2 3 4 5 6 React i ont i me( h) Fi g.1 4. Ti mecour seoft heconcent r at i onofdi sso一 vedFeandNicat i on RY86 :1mM Samp一 evol ume :30mL Nanosi zedFe/ Ni ( 1 0: 1):0. 025g :3 pH Temper at ur e 25℃ React i ont i me 0-6h 車 上 3 ㌧ 」二 圧 葛 眉 J r t 1- i 4 6 31 0陰イオンの検出 次に、脱色の際、ナノサイズ Fe 仲寸 i ( 1 0:1 ) によ りRe a c t i veYe l l w86溶液か ら 生成す る∴塩化物イオ ン、硫酸イオ ン、硝酸イオ ン等の測定を、イオ ンクロマ トグラフィーを用いて測定を行 った。実験結果 を Fi g. 1 5 に示す。実験条件 を Ta bl e31 01に示す。 Ta bl e31 01 . Ex pe r i me nt a lc o n血t i o ns . RY86 :1 mM Sampl evo l ume :30mL Na no s i z e dFe 什J i ( 1 0: 1 ):0. 025g :3 pH ● 25 ℃ ● Te mpe r at ur e ● ● Rea c t i o nt i me 0. 25 h, 0. 5 h, l h, 3 h, 6 h 結果は、脱色実験後の溶液か ら a c t i veYe l l o w86のサンプル に比べ、増加 しなかった。 塩化物イオ ンは、Re a c t i veRe d1 41は、純度 41 %であ り、残 り ここで、過去の報告 よ り、染料 Re は、不純物 ( Na2 S04と NaCl ) であるとの報告があった。 従 って、Re a c t i veYe l l o w86のサンプル に塩化物イオンと硫酸イオンがイオン a c t i veYe 1 1 W86に入 って クロマ トグラフィーによ り検出 された原因は、染料 Re また、硫酸イオ ンも Re a c t i ve いた不純物 のために検 出 され た と考 え られ る 。 Ye l l o w86のサンプル に比べ、増加 しなかった。硝酸イオンに関 しては、まった く検出 されなかった。 これは本処理が、還元反応 に基づいていると思われ る。 / Niを用いて Re a c t i veYe l l w86脱色反応 は、 以上の結果 よ り、ナ ノサイズ Fe 脱塩素反応が起 きていない とい うことが分かった。 申 ] j I; i L.i 刷 日 i 47 3 4 1 2 5 6 Re a c t i o nt i me( h ) Fi g. 15. mmec our seoft heco nc ent rat i ono fCl i on. RY86 :1mM Sampl evol ume :30mL Nanosi zedFe/ Ni ( 10: 1):0. 025g :3 pH Tempe「 at u「 e 25℃ Reac t i ont i me 0-6h 車 上 J 仁 , ト L I , 眉 目 i 4 8 31 1陽イオンの検出 次に、脱色の際ナ ノサイズ Fe / Ni ( 1 0:1 ) により、Re a c t i veYe l l w86溶液か ら 生成す る、アンモニ ウムイオ ンの測定を、イオンクロマ トグラフィーを用いて g. 1 6に示す。実験条件 を Ta bl e 3・ 1 1 1に示す。 測定を行 った。実験結果 を Fi Ta bl e3・ l l1 . Ex pe r i me nt lc a o nd i t i o ns . RY86 :1 mM Sa mpl evo l ume :30mL 什J i( 1 0:1 )・ . 0. 025g Na no s i z e dFe :3 pH ● 25℃ ● Te mpe r at ur e ● ●3 Re a c t i o nt i me h, 6 h 結果は、脱色実験後の溶液か らアンモニ ウムイオンは、検出 されなかった。 したがって、 ア ンモニ ウムイオ ンが検 出 され なか った こ とよ り、Re a c t i ve Ye l l o w 86に含 まれ るアゾ基 (・ N =N・ )が水素付加 して反応 が止まっているこ とが分かった。 申 )、 」 仁 . 信 , . 刷 . l T i 4 9 ( L u 3 J S TT) A)!^!)3nPuO33! J l Ual山 5 1 0 Re t e n t i ont i me( mi n ) Fi g. 1 6. I o nc hr o mat og r a m, ( A)be f o r er e ac t i o n, ( B)r ea c t i o nt i me3 hand( C)r e a c t i o nt ime6h. 申 ▲、 J J、 1 日 ,r l 十 r i 50 31 2中間体の検出 次に、脱色実験後の Re a c iveYe t l l o w86溶液の副生成物( 中間体) の測定を、 GC瓜4 Sを用いて行 った。実験結果 を Fi g. 1 7に示す。 bl e 3・ 1 21に示す。 実験条件 を Ta Ta bl e31 21 . Ex pe r i me nt a lc o n血t i o ns . :1 mM RY86 ● ● 30mL Sa mpl evo l ume ● 0. / Ni( 1 0:1 )● Na no s i z e dFe 025g : 3 pH ● ● 25℃ Te mpe r a t ur e ● ● 0. Re a c t i o nt i me 0. 5 h, l h, 3 h, 6 h 25 h, GC刀 MSの結果 より、ピークは見 られず、副生成物は検出されなかった。こ の a c t i veYe l l o w86溶液の副生成物が、有機溶媒 に溶 けな 原因は、脱色実験後の Re かったために、検出されなかった と考え られ る。 申 ) J 仁 一巨 i 日 用 十 il 51 I nt e it y( e Ⅵ n s Ret ent i o nt i me( mi n) Fi g. 1 7. Chr o mat og r am o fGC刀 MSi nt e r med i at e s . 申 上 , 7 、 . 日 l . 刷 ' l H 5 2 3 1 3メカニズム 過去の報告 よりYiHa n らは、ナノスケール Ni ( B) Me( B) のバイメタル を用いて、 モ ノクロロベ ンゼ ン( C6 H5 Cl 、MBC) の脱塩素化 に対 して使用 した。その報告に よると考え られ るメカニズムは、以下の通 りである 。 I 計.̀ L g . 4 .L l r t 〕 押. 譜dmだh a n i S mF t l rL h e血で 舶r i n a t i L l ni l r 附し捜u . M鼻N 紬げ 相即E l a L 一 t l P a r t k i 朗. 1 ) 脱塩素化経路( ( 1 ) 鉄が溶 けると、H2 0 が H2に還元 され る( Eq . ( 1 ) ) 0 ( 2 ) 生成 した H2は Ni ( B) によって活性 な H*にな り ( Eq .( 2 ) )、次に MCB を 攻撃 し、ベ ンゼ ンと塩化物イオンができ、MBCは脱塩素化す る。 ( 3 ) また、水か らできたプ ロ トン( Eq . ( 3 ) ) がF eの溶解でできた電子( Eq. ( 4 ) ) を 受 け取 り、そ して Ni ( B) 触媒表面上に活性 な吸着 H( H☆ ) ができる( Eq . ( 5 ) ) 。 ( 4 ) MCBは Ni ( B) me( B) 粒子の表面上に吸着 し、CCl結合が壊れ、ベ ンゼ ンと Eq . ( 6 ) ) 0 塩化物イオ ンができ、MBCは脱塩素化す る( l ' a 【 h1 : 批讐: H・ . i ユ l ) 別hl l : H上 り・ ' H、 'II ) H 軒 ・ e Uや托三 ㌦l e I I l H 暮 肝= 卜 e讐拳 四 三 H・ . 卜。 : b H i ぐ 二 1 I , L l . . H , . : r 卜H・ 1日」 ・ _革 入 学 人 学院 「 .学研 究 科 53 また、YaHs ua nLi o uらは、ナノスケール Cumeのバイメタル を用いて、硝酸 溶液の脱窒素化 に対 して使用 した。その報告によると考えられ るメカニズムは、 以下の通 りである。 F i 雪 ヽ ■ . 石 _ P r o p o s e , as c h e me威也eu i 加蛤r e 血e 血r e a ぬo nl a t e u l T es y 地凪. 銅表面上の活性部位 に吸着 した硝酸 は、す ぐに水素原子によって亜硝酸に還元 され る 連続 して中間体の生成物である亜硝酸が、 さらに最終生成物 であるア 。 ンモニアに還元 され、または溶液 中に脱着す る 。 ここで、中間体の亜硝酸の高 い放出は銅表面の小 さな親和性のためであると考え られる。 : . 市)1 , I :) ;:院 了 J I I II ; , L ' ' ・ 研究 科 54 よって、まず Feが 2価 の鉄 と電子にな り、次にその電子が水溶液 中の H2 0 と反応 して Ni表面上に吸着 H ができる.その後染料 Re a c t i veYe l l o w86 と吸 a c t i veYe l l o w 86の構造が変化 し、 着水素で還元反応 を起 こし、そ して染料 Re a c t i ve 脱 色 され、イオ ンク ロマ トグラフィーでの結果 を考慮す る と、染料 Re a c t i veYe l l o w86に含 まれ るアゾ基(N=N)が水素化 Ye l l o w86の構造は、Re して反応 が止 ま り、それ以上分解生成物が生成 しない とい う脱色 メカニズムが 考 え られ る。 a c t i veYe no w 86の脱色反応 は、以下の よ うになると考 え られ 一例 として Re る 。 C ' Y" s r " NH NaO3 S C 盟 辛 NH2 H -N Cl Nanosi zedFe/ Ni YY N a l 守" H20 H また、考え られ るメカニズムを次ページに記 した。 申 , '、 J I、 」 日 i , 叫 . t 号 i SO3 Na Me 56 第四章 結論 作製 したナ ノサイズ Fe / Niバイメタル粒子は、走査型電子顕微鏡写真か ら 平均粒径約 80mm であ り、鎖状に連なっていた。Ⅹ線回折装置の測定結果 よ Fe Ni ) を形成 していた。N り、バイメタル粒子の表面はアモルファス状の合金 ( ナノサイズ Fe粒子 よ り、ナノサイズ Fe / Ni粒子の方が、Re a c t i v eYe l l o w8 6 の脱色に優れていた。 これは、Niが、( 1 ) Feの酸化 を促進 し、水素発生を増 加 させ る、( 2 ) 触媒 として作用 し、水素の発生によ り Re a c t i v eYe l l o w8 6の間 接的な還元を促進す る、とい う働 きを し、ナ ノサイズ Fe粒子 よ り、脱色反応 a c t i v eYe l l o w8 6を処理す るために、最 も効果 をよ り促進 したか らである。Re 的な Fe / Ni モル比は 1 0: 1であった。ナノサイズ Fe 什J i 粒子に Re a c t i v eYe l l o w 爪J i粒子 8 6の脱色において、擬一次反応論に従 うと思われ る。ナノサイズ Fe a c t i veYe l l o w 86の脱色率は、pH に依存 した。 これは、( 1 )よ り低 による Re い pH では、ナ ノサイズ Fe / Ni粒子の表面上の酸化皮膜が溶解 し、粒子表面 2)よ り低い pH では、鉄の腐食が加速 し、 上にある活性部位が覆われない、( 水素化反応 で必要 となる水素( 水素原子) が十分 に生成す るために、 よ り低い pH では、脱色率は増加 し、より高い pH では、脱色率は減少 した。将来的に 他の色素について も、ナ ノサイズ Fe / Ni粒子は応用できると思われ る。 今後の展望は、今回実験はすべて室温( 25℃) で行 っていたので、温度 を上げ 1 ) 粒子を細か て実験を検討 していきたい。 また脱色実験で超音波 を使用 し、( くできる( 2) 物質移動が促進す る、( 3 ) 鉄の腐食 よ り生 じる酸化皮膜 を破壊でき る、 といった利点があるので、 より染料脱色反応 に有効であると超音波 を利 用 した実験 を検討 したい。 車 1. ,・ 仁 r 了 日 出 目 日 LI 57 第五章 参考資料 1)YiHa m, We iLi, Mi ng h uiZhang, Ke y iTao Che mo s phe r e7 2( 2008)5358 2)YaHs ua nLi o u, Sha ngLi e nLo a,Chi n・ JungLi 血, We nH山 Kua n, Shi hChiWe ng Jo ur na lo fHaz a r do usMat e r i a l sB1 27( 2005 )1 02-11 0 3)Ji ngFe ng,Te i kThyeLi m Che mo s phe r e59( 2005 )1 267 -1 277 4)ZHANGWe i hua,QUAN Xi e,ZHANGZhuo・ yo ng Jo ur nl ao fEnv ir o nme nt l Sc a i e nc e s1 9( 2007 )362 -366 5)we i huaZha ng, j GeQua n, Ji ng x i a nWa n ga, Zhuo yo ngZha ng, ShuoChe n Jo ur na lo fEnv ir o nme nt a lSc i e nc e s1 9( 2007 )362 -366 ia n ,Ji nj unLi ,Zhe nMu,Lando ngLi ,Zhe ng pi ngHaoSe par at i o n 6)HuaT andPur i 丘c at i o n Te c hno l o g y66( 2009 )84-89 7 ) Jul iaGar c i aMo nt n O, a Fr a nc e s cTo r r ade s , Le o ni dasA. , Pe r e s Es t r ada, I s a be l o l l e r , Si Xt oMa l a t o, Ma nue lI . , Ma ldo nado, a ndJo s ePe r l Evi r o n. Sc i . Te c hno l . 2008. 42, 6663・ 667 0 申 し - 7 、 ,㌦ 州 立 il 58 第六章 謝辞 本研究を行 うにあた り、御指導な らびに御教授 を賜った太 田晴久教授 に厚 く御 礼 申 し上げます。 また実験 に関す る直接の御指導や助言 を頂いた鈴木透助教 に 御礼 申 し上げます。また実験 に関す る助言 を頂いた金子聡准教授 に御礼 申 し上 MS分析 な どに関す る助言 を頂いた勝又英之助教 に御礼 申 し げます。また、GC/ 上げます。 さらに、事務的な ことに関 してお世話 になった中 ロ敏技術職員 に御 礼 申 し上げます。 この 2年間の研究生活はこれか らの 自分の人生において大き な励みになることと思います。 また私 に、実験に関 して、またそれ以外 にも様々な知識 を教 えていただいた岡 野賢治氏、増山和晃氏に深 く感謝いた します。 そ して、昨年卒業 された、修士の河本氏に感謝いた します。 また この 2年間、共に実験 を行い、研究生活 を過 ごした北永裕章氏、小林拓也 氏、中岡優亮氏、三輪託也氏 に感謝いた します。 同 じく、研究生活 でお世話 に なった院生の大野広喜氏、大矢真也氏、岸卓磨氏、卒業生の青 山幸寛氏、市野 愛 弓氏、大塔悠太氏、小川悟氏、小 田雄一氏、小島広士民、近藤欣正氏、柴 田 荊沙氏、蜂須賀功真氏、藤井志帆氏に感謝いた します。 最後 に、 この大学生活 を経済的な面で支 え、励 ま して くれた両親 を始 め とす る家族や友人に心か ら感謝いた します。 車 上 J I 1 日 1 ,眉目 盲目