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H26ふるさと森林再生事業(第五回環境登山)報告
丹沢 (二ノ塔)の森林再生事業実施報告 (緑の募金公募事業対象) 実施期間 平成 25 年 10 月 27 日~平成 26 年 6 月 30 日 神奈川県山岳連盟 目次 1. 概要 ------------------------------------------------------------------ 1 2. 活動場所 ------------------------------------------------------------------ 2 3. 活動の期間及日程 ------------------------------------------------------------------ 2 4. 活動の内容 ------------------------------------------------------------------ 2 5. ご協力について ------------------------------------------------------------------ 3 6. 在来活動を踏まえた活動の成果のまとめ -------------------------------------- 4 7. 所感 ------------------------------------------------------------------ 5 8. 謝辞 ------------------------------------------------------------------ 5 -------------------------------------- 7 (資料) 第5回環境登山(パートⅠ)実施要領 第四回環境登山フォローアップ作業及び -------------------------------------平成 26 年度予定地地拵え実施報告 二ノ塔植樹(在来植樹の保育とモニタリング)実施報告 ------------------------------------------------------------- 山の自然セミナー実施報告 12 13 15 二ノ塔植樹(実地調査)実施報告 ----------------------- 16 二ノ塔植樹(モニタリング及び看板設置作業)実施報告 ----------------------- 18 二ノ塔植樹(防獣ネット荷上げ・地拵え)実施報告 ----------------------- 19 二ノ塔植樹(地拵え・下掘り)実施報告 -------------------------------------- 20 第五回環境登山(パート1)実施報告 --------------------------------------- 21 二ノ塔植樹(一週間点検)実施報告 --------------------------------------- 22 二ノ塔植樹(三週間点検)実施報告 --------------------------------------- 23 1. 概要 この事業は緑の募金公募事業(公社・国土緑化推進機構)の助成を得て行ったものである。 丹沢山地は、1980 年代から尾根の沿いのブナ枯れが始まり鹿の食害によりスズタケ等の下層植生が衰 退し、土壌の流防等危機的な状況にあるといわれている。神奈川県では、丹沢大山自然再生計画を策定 し、丹沢大山の保全・再生に向けた取り組みを県民協働で進められているが、対象が広範囲でありまだ まだ緒に就いたばかりである。民間団体として、この公募事業を活用して植生の衰退が著しい箇所に植 栽を行い丹沢の森林再生に取り組んだので報告する。 対象となる活動地は、丹沢山塊のニノ塔から南に延びるニノ塔尾根の海抜 1050~1080mの崩壊裸地に ある。この活動は在来まで清掃登山として実施してきたものをゴミだけでなく環境保全に取り組むとし て、2009 年から環境登山と名称を改め、山腹に点在する崩壊跡の裸地や荒れ地の植生回復などに力点 を移行した。以後、現在の活動の中心地であるニノ塔尾根 1050m 付近の崩壊裸地にて 3 年ほど植樹に 取り組んできたが、冬季の凍上・風衝・シカ食害などが相乗して、試行錯誤で方法改善を織り込むも苗 木の活着に成功しなかった。2012 年から在来までの手法を抜本的に切り替えたことで、活着成功に至 った。具体的な内容については後述する通りです。これらの何とか定着に成功を踏まえ。植栽数を増や し、本年が神奈川県山岳連盟創立 60 周年の記念年でもあることから、今回は苗木 200 本の植栽を行う に至った。 1 2. 活動場所 植樹活動を実施したニノ塔尾根の海抜 1050~1080mの地点の地番は次の通り。 秦野市菩提字大音沢 2315-1 及び 秦野市菩提字大平 2317-1 地図の詳細については資料の実施要領をご覧ください。 3. 活動期間及び日程 平成 25 年 10 月 27 日~平成 26 年 6 月 30 日 活動期間中の日程及び参加数を表-1 日示す。述べ 12 日間、延べ 144 名の参加となった。 表-1 活動日程 日付 参加数 (人) 実施名 活動項目 平成 25 年 10 月 27 日 第四回環境登山フォローアップ作業及び 平成 26 年度予定地地拵え 8 2 平成 26 年 1月5日 在来植樹の保育とモニタリング 1 2 2 月 22 日 山の自然セミナー名称にて レクチャーを実施 山の自然セミナー名称にて 実習(巡検)を実施 38 3 28 3, 2 月 23 日 3 月 12 日 実地調査 2 1,2 4 月 19 日 機材荷上げ 1 1,5,6 5 月 11 日 防獣ネット荷上げ、地拵え 5 5,6 5 月 14 日 地拵え、下掘り 2 5,6 5 月 17 日 地拵え、下掘り 1 5,6 5 月 18 日 第五回環境登山(パートⅠ)の 名称にて植樹を実施 48 4 5 月 25 日 1 週間点検 1 7 6月8日 3 週間点検 1 7 作業項目欄の数字は表-2 の項番の数字を示す。 4. 活動の内容 実施した活動の内容及びその説明を表-2 に示す。 表-2 活動内容 項番 活動項目 説明 1 荒廃裸地の自然再生の検討及び計画 2 在来植樹の保育 3 山岳自然再生の PR 及び啓発活動 崩壊裸地の植生回復として、在来のノウハウを踏まえ た手法で砂防樹種を選定して植栽するとともに、ノウ ハウの更なる蓄積を図った。 在来植樹苗の約 120 本の健全な成長を図るため、継続 的に保育を行った。 山の自然セミナーを開催し、森づくりにおけるボラン ティア活動の意義と重要性を再確認する機会とした。 植樹活動を含み一般公募の参加を受け入れ、 「参加して 体験こと」を通した啓発活動を推進した。 2 表-2 活動内容(つづき) 項番 活動項目 説明 県産ケヤマハンノキの幼樹(30cm)の 200 本を新規 に植樹するとともに、獣害対策として、エコを配慮し た生分解ネット(東工コーセン製幼樹木ネット GS)の 敷設をおこなった。 山腹の崩壊裸地の植生定着及び植樹苗木の活着促進に 地拵え、砂防柵などの設置 5 配慮して、簡易な土留柵を設置し、草付き部にあって は刈込を行った。 植栽地が国定公園の第三種特別地域となることから、 看板の設置・付帯(準備)作業 6 許可の諸手続きを踏まえ、この活動の表示看板を設置 した。機材の荷上等の準備作業 植栽後の苗木の保育等とモニタリング 活着が成功するよう、1週間点検、3 週間点検を行い、 7 初期の不具合の修正作業をおこなった。 (保育等とモニ タリングは継続する予定。) 夫々の実施内容については付属資料を参照ください。 関係当局などとの調整、内部打ち合わせ、事務作業は表の記載から除く。 4 苗木 (郷土樹種・砂防樹種)の植栽と 獣害対策 5. ご協力について 今期の活動を進めるうえで、つぎのご協力を得ることができた。 活動助成について 「緑の募金公募事業応募」の助成事業助成 平成 25 年 3 月 28 日付けで応募申請を公財)かながわトラストみどり財団へ送付 平成 25 年 7 月 1 日付け、採択通知を公社)国土緑化推進機構より受ける 苗木寄贈について 三菱 UFJ 環境財団から苗木 200 本の寄贈を得るため 平成 25 年 11 月 28 付けで寄贈の申し込みを行ない、 平成 26 年 2 月 17 日付けで寄贈に関する通知を受け、 平成 26 年 5 月 20 日付けで苗木受領書を発行した。 地権者(秦野市)の土地利用許可について 植樹活動実施(平成 26 年度実施分(2 月 23 日~6 月 15 日)の土地使用 平成 26 年 1 月 6 日付けで申請を行い、平成 26 年 1 月 17 日付け承認を受けた。 活動用看板の設置(秦野市)の土地使用 平成 26 年 2 月 28 日付け土地使用申請を行い、平成 26 年 3 月 5 日付け許可を受けた、 国定公園内広告物の設置許可(神奈川県立自然環境保全センター)について 平成 26 年 3 月 8 付けで申請を行ない、 平成 26 年 3 月 31 日付けで許可(神奈川県指令自保セ 518 号)をうけた。 植樹地付近では エイザンスミレの当たり 年であった今年 3 6. 在来活動を踏まえた活動の成果のまとめ 2009 年から初めて植栽は 3 年連続で枯損させてしまう結果となった。この反省を踏まえ、2012 年 から春植えに転換、これまでのノウハウを折り込み、今秋のフォローアッ活動では 2012 年の植栽を加 え全部で 116 本の活着を確認した。活着率(植栽総数のうちの生存数の割合)が 77%となった。 表-2 行なった植栽の状況 植栽 (本) 植栽年 植栽樹種 2009/09/27 ミヤマヤシャブシ 100 全数枯損 2010/09/26 ミヤマヤシャブシ 100 全数枯損 2011/9/25 ケヤマハンノキ 80 全数枯損 2012/5/13 ケヤマハンノキ 50 獣害が認められ、7/28 防獣ネットを 43 株の生存樹へ装着 2013/5/12 ケヤマハンノキ 100 2014/5/18 ケヤマハンノキ 200 植栽時から防獣ネットを装着 10 月時点で 2012 年の植栽 を含め 116 本の生存(活着)を確認 植栽地の拡大展開 摘要 この活着率を得たのには次の点が奏功したと考えている。 A)秋植えを止め、春植えに移行したこと。 B) 防獣ネット(ラクトン TM 幼齢木ネット GS)を適用したこと。 C) 防獣ネットに合わせ植栽の間隔を狭く配置したことで、ゾーン防衛で防獣効果を上げたこと。 D) 植栽時には、麻の根巻きを剥がして、浅植えとしたこと。 F) 裸地斜面には柵工を設け、地表土砂の移動を抑えたこと。 1) ケヤマハンノキが爆発的に成長 ケヤマハンノキは、窒素固定細菌と共生し痩せ地でも旺盛な生育を示すことや、着花に至る年数が短く 早期の更新が期待できることなどから、治山や砂防事業の肥料木として植栽されているという。モニタ リングを続けてきた中で、2012年に植栽したものでは成長が急激に進んだものがあった。樹高が2mを越 え、樹幹の径が1㎝以上にも及ぶものが観察された。越冬を一度するととても旺盛に成長するのかもし れない。柵工などで土壌が安定したことで、共生菌の定着にも作用しているのではなかろうか。 成長の速い樹種を選んだことで、活着後の成長が頼もしい。 2) 裸地の植生に変化の兆し 今まで裸地表面にへばりつくように生えていたイバラ(樹種名は分からない)の類が、見られなくなり、 イネ科の植物に入れ替わってきたことが観察された。柵工で止められた土砂溜まりが新しい植物の生活 圏を提供しているようである。植樹が安定すると植物にも新しい影響を及ぼしているよう思われる。 3) 防獣ネットに効果あり 防獣ネットは、いわゆる網戸のような細かな目のネットでできており、グラスファイバーの芯棒でささ えられ、風でゆらゆらと揺れる構造になっている。9月に台風26号が来て、フィールドに至る登山経路 には幾本かの倒木が見えられたが、防獣ネットに包まれた苗木は葉が飛散もせず保護されていた。 装着の効果をみるため、植栽時に苗木の10株程を非装着とした。植栽1ヶ月後のモニタリングでは、非 装着の苗木に食痕や引き抜きによる枯損など被害が認められた。翌月の7月のモニタリング時に非装着 苗の全数に防獣ネットを適用した。その後のモニタリングで、二番生えなど新たな展葉が確認された。 また、風で揺れることでまるで案山子の役割を果たし、警戒心から獣への忌避効果あるように、苗木に 4 寄り付いた形跡が見られなかった。植栽場所に隣接して金網の保護囲いを設置しているが、囲い内の苗 の葉は虫喰いだらけであった。防獣ネット内の苗には虫食痕が見られなかったことから、ネットの防虫 効果が覗えた。この防獣ネットは、本来の防獣効果のほかに、耐風・防虫にも効果を発揮した。 7. 所感 植栽して活着を見届けるまで最低でも1年がかりとなる、平成24年と平成25年に植樹したものが平成25 年10月末の確認で116本となった。 (その後正確なカウントをしていないが、枯損が認められていない。) この活動を忍耐強く続けてきたメンバーや関係者の協力に感謝したい。この活動で培ったノウハウを生 かし、この活動を長く続けられるよう、みんなで知恵を出し合って行きたいと思う。 8. 謝辞 今回の活動に当たって、資金面で国土緑化機構様から助成を受けた。また、公益)三菱UFJ環境財団様 から苗木の寄贈を受けた。このほか、土地利用についても兼環境保全センターの口添えで秦野市様から 格別の理解を示していただいた。また、技術面でかながわトラストみどり財団様から現地視察を頂き実 地にアドバイスを頂戴した。 活動に参加を頂いた方々と、ご支援を頂いた方々に、感謝をいたします。 活動を推進したスタッフの皆さん 陽光を浴びてすくすくと育った先輩の苗木たち 5 資 料 6 2014-5-18 第5回環境登山(パートⅠ)実施要領 丹沢・二ノ塔の緑化推進活動 みんなの力で、甦れ、丹沢の自然!! ( 国土緑化推進機構 緑の募金公募事業助成適用事業 神奈川県山岳連盟創立 60 周年記念事業) 神奈川県山岳連盟 丹沢山地は、1980年代から尾根の沿いのブナ枯れが始まり鹿の食害によりスズタケ等の下層植生 が衰退し、土壌の流防等危機的な状況にありました。神奈川県では、丹沢大山自然再生計画を策定し、 丹沢大山の保全・再生に向けた取り組みを県民協働で進めていますが、対象が広範囲でありまだまだ緒 に就いたばかりです。 神奈川県山岳連盟では、二ノ塔周辺に点在する崩壊裸地の植生回復として、砂防樹種(ケヤマハンノ キ)の植栽を行い、丹沢の森林再生に寄与いたすことを願って、みなさまのご協力を得て、この活動を 行うものです。 200 本 (防獣ネット敷設 150 本) 1)内 容 ケヤマハンノキ 2)期 日 平成 26 年 5 月 18 日(日) *集合:菩提峠 9:30 *解散:菩提峠 15:00 3)場 所 丹沢二ノ塔尾根(1050m 及び 1080m付近の崩壊裸地) 秦野市財産区 4)登山コース 菩提峠(集合次第出発します)⇒(日本尊足跡参道 約 1 時間徒歩)⇒ 11:00 現地⇒(現地にて 植栽作業)⇒14:00 下山 ⇒15:00 菩提峠(解散) 5)活動の内容 イ)苗木の搬送(菩提峠から現地まで、苗木 2~3 本程度を搬送願います。) 余力のある方は残数分(約 100 本)の搬送にご協力ください。 ロ)苗木の植栽(ケヤマハンノキ)を植栽します。 ハ)防獣ネットの敷設(一部について実施します) 二)(余力のある方)裸地の部分の柵工の補修と設置 6)植栽樹種の説明 ケヤマハンノキの根には放線菌と呼ばれる空気中の窒素を固定するバクテリアと共生してお り、その窒素を利用することで,貧栄養の土地(荒廃裸地)でも高木にまで生長できるとされるこ とから、砂防などの目的で植栽される。20 年程度で成木になり,40 年程度で寿命を終えると言わ れている。栄養の乏しい土地で,放線菌の力を借りていち早く生長,どんどん種子をばらまき,他 の競争相手が追いついてくる頃には,さっさと寿命を終えて世代交代をしてしまうという生き方で ある。 7)ケヤマハンノキの植え付け手順について ア)苗木を取り出します。 イ)苗木の根を覆っているボールサイズの穴を掘ります。 ウ)掘り起こした土で斜面谷側(土手状)に盛り上げます。 オ)苗木の根元が見える深さに、掘り起こした土で底を作ります。 カ)苗木の根元を巻いている麻袋をはがします。 キ)苗木を穴に差し込みます。苗木の角度は鉛直より谷側に寄せ(斜面に垂直寄り)ます。 ク)斜面の場合には山側の土を削り取って穴に埋めます。 7 ケ)苗木をやさしく揺すり、土をなじませます。 コ)再び根元が見える程度に土を掛けます。 サ)埋めた根元を足(靴)で良く踏み固めます。 タ)防獣ネット(幼樹木ネットGS)を使用する場合は別途説明します。 植え付け手順図(斜面の場合) ポイント:①根巻きを丁寧に剥がす、②深植えしない、③根元を良く踏み固める 6)植え付けの全般的な留意点 ◆裸地(崖地下)に植栽する場合 ア)冬場では崖地からの霜崩れで苗が埋没しています。崖地直下を避けてください。 イ)霜崩れした土粒は風雨でも押し流されます。苗木は柵工で守るように植栽下さい。 ロ)裸地では柵工が大事です。 ◆草地に植栽する場合には、 ア)直径 30cmほど表土が見えるように草を剥がしてください。 (刈払い機を使用する予定です。) イ)草地では苗の成長が緩慢となるようです。 ロ)上段草地は葛葉沢から吹き上げる風が強く当たります。防獣ネットはしっかりと敷設を ◆ 防獣ネット ア)幼樹木ネットを使用しています。 イ)風になびく設計となっているので、中に固い支柱を入れないでください。 8 7)植栽計画 植栽予定: ◆樹種:ヶヤマハンノキ、◆植栽数:①と②へ 30 本、 ③へ 40 本植栽予定。 9 地点A 裸地部画像 平成 25 年度詳細地への捕植 10 本 平成 26 年度予定地 70 本 地点B 草地部画像 平成 25 年度植栽地への捕植を含め 20 本 地点C 裸地部画像 植栽 100 本 10 参加者名簿 氏名 氏名 大曾根 弘 尾崎 樹仙 岡本 安夫 井上 信義 石川 誠 本多 義治 二本木 清 本多 洋子 二本木 勝 伊藤 靖雄 田中 久衛 磯部 和美 村越 由佳 宮田 昌二 岩佐 茂郎 丹羽 忠嗣 東井 達也 安藤 誠 東井 西村 誠 まりこ アンディーニューマン 中島信一 羽二生 細川 淳 紗奈 水野 憲二 橋本 江連 則義 高橋 良雄 江連 聖鏡 松山 輝夫 山下 葵世 林 博 土肥 英夫 紅葉 淳一 石原 魔希 山本 彰 西本 嘉子 石井 清一 浦野 佳則 水上 良仁 磯ヶ谷 三川 朝光 利恵 シヅ子 小国 英孝 小瀬村 正 苫米地 関根 真由美 齋藤 浩人 美佐雄 松隈 豊 11 第四回環境登山フォローアップ作業及び 平成 26 年度予定地地拵え 実施報告書 実施日: 平成 25 年 10 月 27 日 場所: 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050m付近 参加: 紅葉、尾崎、榎本、横山、三川、宮崎、藤沢、松隈 状況: 8 名が参加し、平成 24 年度(第三回環境登山) ・平成 25 年度(第四回環境登山)に植樹した ケヤマハンノキの保守および来春(第五回環境登山)予定域の地拵えを行ったので報告する。 10 月 16 日の台風通過と 10 月 20 日の荒天の影響らしく、登山経路上には風倒木があり、植樹への 影響が懸念されたが、若干の防獣ネットの飛散や固定用クリップの亡失があったが、概ね苗木への風 雨の影響はなかった。防獣ネット(生分解性を利用したエコ材料)は風雨で綻びがあったが交換する までには消耗していなかった。生存苗木数を確認したところ 116 本であった。この数は昨年春植えを 開始して 150 本を植栽してきたところ 77%が活着しことになる。 最も成長した苗木は根本径が約1㎝、 樹高が約 2mとなった。また、これらの苗木の定着に合わせ、地表植生(イネ科の植物)の自生「が みられ、在来のイバラなど荒れ地特有の植生に変化が認められた。植樹点検保守の後、来年度の植樹 拡大に向け、地拵えおよび上段草地の下刈りを行った。秋の久々の晴天のなか、すがすがしい汗をか いて下山となった。 地拵え作業 土留め柵作業を終えて 12 二ノ塔植樹(在来植樹の保育とモニタリング)実施報告 実施日: 平成 26 年 1 月 5 日 場所: 丹沢 参加: 松隈 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 状況: 正月休みの余暇を利用して、二ノ塔尾根活動現地の植栽苗の点検及び、平成 26 年度分活動 予定地に柵工用の杭の荷上を行ったので報告する。 1. 植樹モニタリング 南の相模湾から吹き上げてきた風が葛葉沢を駆け上ってきて、活動地を吹き抜けていく、 受けた風圧で、防獣ネットはかなり揺れ動くから、支柱が支えきれずに倒れてしまうようだ。 この日も数本田終えているもがあり、立て直しを行った。 寒空に白い防獣ネットがなんだか不気味に揺れている。寒風に倒れたものも見える。1050m付近 苗は元気の様子、寒空のなか、すっと伸びた枝先には、チョコレート色で艶々した蕾がついていた。 根元には防獣ネットでキャッチされた自分自身の落ち葉がまるで防寒マフラーのように溜まり、冷 害から守る防獣ネットの効用を新発見した次第。 寒風に負けず伸びた枝の先端に蕾 自分の落ち葉をネット内に貯めた苗 2. 5月に植栽予定(1080m 地点)の様子 2009 年に植樹を行い全数枯損の苦汁を味わった地点である。若干緑色に見えるのはアセビで、 2009 年に付近から試しに移植したものであるが、細々と根付いている様子。 13 今回は、2014 年 リベンジということで、植樹を行う予定で、柵工用の杭を運び上げデポした。朽ちた杭はかなり 以前から設置されているものであるが、何とか土留機能を保っていた。画面は谷を見下ろして撮 影したものであるが、裾の右半分が砂礫地帯になっている。左半分より乾燥している様子であっ た。土の色は手前(斜面上流)から奥(斜面下流)に掛けて黒ずみが増しているように見えるの は、上流の表土が下流に移動したと観察された。左のポールはパラグライダーの愛好家が建てた 吹き流し用の支柱でこの活動とは関係がないもの。 平成 26 年度植栽予定の 1080m付近にある崩壊地の様子 (画面中央に荷揚げした杭が見える) 14 報 件 名 開 催 地 期 間 コ ー ス 目 的 概 要 所 感 告 書 NO.自然保護 報 告 日 付 山の自然セミナー2014 H25-004 2014 年 3 月 25 日 分 野 自然保護委員会 丹沢・ニノ塔山腹 (海抜 1050~1080m付近) 2014 年 2 月 22 日 ~23 日 大曾根会長、相良副会長ほか 第一日目 座学 22 日 参加 38 名 第二日目 実習 山岳スポーツセンター~牛首~ 参 加 者 23 日 参加 27 名 表丹沢林道~(造林保育施業地など実地巡検)~山 岳スポーツセンター 日山協公認自然保護指導員・環境省公園指導員(神奈川県山岳連盟関係)に加え、連盟会員・一般の 方々へ、広く山岳自然について理解を深める機会として実施したもので、今回は山岳地における森林 再生に焦点に絞った開催とした。 今回のセミナーは神奈川県山岳連盟と埼玉県山岳連盟が共催で、一泊二日で神奈川県立山岳スポー ツセンターを拠点に菩提の山林周辺にて、第一日目を 38 名の参加で座学を、第二日目は 28 名の参加 で山林巡検を行った。 第一日目の座学では、紅葉淳一氏(神奈川県山岳連盟 理事 自然保護委員)の「神奈川の森と自然」 と題した丹沢山塊の森を通した自然再生の基調講演を伺い、そのあと、日本山岳協会で行っている公 認自然保護指導員制度の紹介。それに続いて、神奈川・埼玉のそれぞれの山岳連盟における自然保護 活動状況が報告された。 紅葉氏の講演を要約すると、「山高きが故に貴からず、樹あるを以て貴 しと為す」とのことわざを引用して、森林の役割の偉大なことを強調した。 林業職に就いたころ振り返り、氏は、かつては隆盛であった林業の低迷や、 自然の荒廃を招いている現在を捉え、「森林管理の理想である、毎年の成 長量に見合う分の立木を伐採、植林することで、持続的な森林経営を実現 させる森林づくり『法正林』を普及して、林業経営で森林が整備出来るよ うに夢見て自然保護活動に励んでいきます。」とし、「植えること」以上 に「切っても森を育てる」ことの重要性を説いた。 講演する紅葉氏 神奈川・埼玉両県の活動状況報告のうち、特に神奈川で行っている二ノ 塔山腹の森林再生活動については、翌日の巡検のコースに予定されていたこともあって山岳地での植 樹の難しさや活着成功に至る苦労話について参加者の関心を集めた。 第二日目は実習(巡検)は、当初、二ノ塔の森林再生事 業活動地で地拵えの実習予定であったが、記録的な降雪 の影響でコースを変更、急遽、表丹沢林道周辺の水源林 で行われている施業の状況などを巡検した。前日講師の 紅葉氏の解説で人工林の整備についての解説を交え、デ ブリで積もった雪道をトレッキングし約 6 時間の巡検を 終えた。 提 出 先 「平成の豪雪」といわれる二月中旬の記録的な降雪は丹沢にも影響を及ぼした。二ノ塔の森林再生 活動を多くの人に見てもらおうと計画した今回のセミナーであったが、残念ながら第二日目の行動を 計画変更し、表丹沢林道周辺にて実施とした。しかしながら、巡検中に表丹沢林道からカメラのレン ズを通して、二ノ塔の活動地を遠望するなどして、林立する防獣ネットの様子から、降雪に負けずに いる姿を紹介できた。 実際に手足を動かし、額に汗する自然保護のありようを一人でも多くの人に伝える機会として、こ のようなセミナーを継続してゆきたいと思う。実例を示し、お互いに確認し合うことで、一層の啓発 活動に寄与できると考える。 今回は埼玉県山岳連盟との共催として行った点、より広い範囲の人々との意見交流の貴重さを学ぶ ことができた。はるばる遠路に足を運んでくれた埼玉県山岳連盟の方々に感謝いたします。 連盟内 添付資料 なし 執 筆 者 松隈 豊 We support conservation of alpine nature. 15 二ノ塔植樹(実地調査)実施報告 実施日: 平成 26 年 3 月 12 日 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 場所: 丹沢 参加: 紅葉、松隈 状況: 2 月⒕日からの降雪が丹沢にも豪雪をもたらし、2 月 19 日にまでヤビツ峠へ向かう県道 70 号線が積雪で不通、その後も県道沿いの林地からの倒木除去など復旧作業が尾を引いていた。そんな 中、二ノ塔尾根活動現地の植栽苗の点検及び、平成 27 年度分活動計画策定に向けロケハンを行った ので報告する。 1.植樹モニタリング 平成 24 年度・平成 25 年度の植栽苗の状況 1)全般的:防獣ネットごと風倒していたものが 10 件ほどあったが、苗木に影響なし。 2)樹木の生育状況:春を待つ蕾がこげ茶色の殻につつまれ、じっと寒さに耐えている様子。 3)枯損の状況:なし 4)防獣ネット:草地の風の当たる場所は、かなりほころびが目立つ。止めクリップの脱落が数件 5)土砂の状況:流出の痕跡もなく、安定していた。 6)獣類の影響なし:踏み跡認められず。上段草地に糞(古い)が多少 寒空に白い防獣ネットがなんだか不気味に揺れている。 ネットの補修 豪雪に耐え元気に育つ苗木 16 2.平成 27 年度計画のための候補地ロケハン 平成 27 年度以降の実施を計画す るため現地のロケハンを実施した。 現地の状況は次の通り。 候補地点:大音沢上流部 海抜 荒地 :1060~1080m おおよその面積: A部 0.5ha B部 1.5ha 地権者:調査中(北財産区) 獣害対策: 獣道あり(鹿対策要) 測地:ガーミン GPSMap60CSx 地点図:右図の緑部分が調査地点。 GPS 経緯データをカシミール 3D 上 でプロットしたもの。 A地区 窪地状で奥が崩落斜面 B 地区 緩斜面 27 年度の適地と判断、白色部は残雪 草地と禿地がまじり、周囲は枯れササの荒廃地 17 二ノ塔植樹(モニタリング及び看板設置作業)実施報告 実施日: 平成 26 年 4 月 19 日 場所: 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 参加: 松隈 状況: 5 月の植栽下準備のPR看板の設置を兼ねて現地をモニタリングしてきたので報告する。 1)防獣ネットのクリップ脱落が多発:ポールに固定するクリップが脱落して、ネットずれ落ちて 苗木を圧迫していたものが約 15 本ほどあり。予備のクリップを付けて、ネットを張りなおした。 2)防獣ネットの擦り切れ:大きく口を開けた破れが目立っていたもの 5 件。以前に枯死で取り外 していたネットを使って交換にて対応。 3 風倒:ポールごと大きく山側へ傾いたもの 4 件。ポールの差し直しで対応 4)防獣ネットのポールの折損:根本から折損1件。原因は風圧か動物か。天地を逆にして設置。 5)ネットの吹き飛び:草地最上部の苗木のネット 1 件が吹き飛び。回収にて設置。 6)蕾も芽生えも見えない苗が数本見られた。枯死してしまった模様。(放置) 7)苗の根本が土砂に埋没 4 件:崩落裸地の最上段に植栽したものは霜崩れが原因と思われる土砂 のデブリに根本が埋没していた。(放置) 8)保護囲いが押しつぶし:モニタ用の金網囲いが押しつぶされたように変形。動物か雪害か 9)柵工が浸食:横木から土砂が漏れて、陥没穴が発生。 (放置:補修要) 倒れたり、ずれ落ちた防獣ネットが 展葉が始まった ネット中の苗も若芽が PR看板の設置:左が 1050m付近、右が 1080m 付近 18 二ノ塔植樹(防獣ネット荷上げ・地拵え)実施報告 実施日: 平成 26 年 5 月 11 日 場所: 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 参加: 矢幡、湯浅、小元、相原、三川、松隈 状況: 5 月 18 日の植栽下準備として次を実施した。 1)防獣ネット(ネット、ホール、杭 約 50Kg)荷揚げ 2)既存樹のネット交換等保守 3)植樹用下穴堀り 4)柵工補修 既存樹の展葉は一層広がって、差し渡しが 3 ㎝程となった。一部に樹幹(茎)の先端が枯れた ように見える斧があったが、根本付近からの幼葉の発芽が見られた。 参加したメンバーの一部 次回予定: 既存樹のメンテを行う 5月14日(水)、5月17日(土) 19 二ノ塔植樹(地拵え、下掘り)実施報告 実施日: 場所: 平成 26 年 5 月 14 日 (紅葉・松隈) 平成 26 年 5 月 17 日 (松隈) 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 状況: 植栽予定の 1080m付近の崩壊裸地の柵工の補修を行った。元々あった朽ちた柵工を生かして、 植栽用の棚地として供することとした。 柵工を補修した様子 20 報 件 名 開 催 地 期 間 コ ー ス 目 的 概 要 状況報告 告 感 提 出 先 添付資料 NO.自然保護 報 告 日 付 第五回環境登山(パート1)実施報告 丹沢・ニノ塔山腹 (海抜 1050~1080m付近) 2014 年 5 月 18 日 集合出発:菩提峠 9:30・現地解散 13:30 菩提峠~日本武尊足跡参道~二ノ塔尾根《現地》 現地活動 分 野 参 加 者 H26-002 2014 年 5 月 28 日 自然保護委員会 参加 48 名(内訳以下) 連盟会員 34 名 一般 8 名 自然保護委員 6 名 登山者にできる社会貢献としてのボランティア活動として実施。また、山岳自然の保全に対する意識 の確認を行う機会、及び連盟会員及び一般の方々の相互交流の機会として位置付け。 連盟会員及び一般参加の 48 名が参加し、二ノ塔尾根(海抜 1050~1080m付近)の崩壊荒地で、200 本のケヤマハンノキの植樹を行った。 <植栽地> 秦野市菩提(字大音沢、字大平) 二ノ塔(海抜 1050~1080m 付近)荒廃地約 0.5Ha <植栽樹> ケヤマハンノキ(県産)30 ㎝ 苗 200 本 (本種は夏緑落葉樹で、砂防緑化目的で用いられることから選定した。) <防獣対策> 幼樹木ネット GS(東工コーセン製の生分解性繊維の筒状ネット) <砂防柵> 公園植栽工用支柱古材を有効活用した砂防柵補修 <植栽活動> 5 月 18 日(日)、第五回環境登山(パート1)に 48 名が参加し、二ノ塔尾根(海抜 1050~1080m付近)の荒地へ 200 本のケヤマハンノキの植樹を行った。この活動昨年度から春(パー ト1)と秋(パート2)の年 2 回を集合活動として連盟会員及び一般県民などに呼び掛け実施し、こ の間を挟んで自然保護委員により経過観察など活動に定着してきた。 植樹後記念写真に収まるメンバー 所 書 植樹に精出すメンバー 植樹後の様子 この日、五月晴れで、さわやに芽生えた緑のなか、48 名が参加して第五回環境登山(パート1)が行 われた。集合地点の菩提峠から約 1 時間の登山にて苗木を運び上げ、現地での植栽・防獣ネット掛け の作業に 3 時間ほどのよい汗を流した。眼下には相模湾が開け、西方には富士山・南アルプス南部が 展望できる植栽地で、快適な汗をかきながら作業を終えた。植栽した苗木は 30cm程度の小ぶりであ ったが、「ちゃんと根付いてくれ」とのみんなの願いをこめての植栽となった。現地には昨年植えた 120 本ほどが既に活着しており、それに加えて計 320 本が林立することとなった。 この植樹活動は 2009 年秋から行ってきたが、凍上・獣害・土壌流失などで苗木枯損の苦渋を味わっ た。2012 年から①春植え②砂防柵③防獣ネット④根巻き外しなど対策を適用した。これら対策が功奏 して、植植苗の越冬後の活着に成功した。これらの実績を踏まえ、神奈川県山岳連盟創立 60 周年記 念ということもあって、今回は 200 本植樹に挑戦した。山岳地での植栽の難しさを認識しながら、ノ ウハウを積み重ねて今後の活動に繋げていく予定である。また、植樹後のフォローアップとして引き 続き経過を観察行い、ノウハウの蓄積とともに、植栽の拡大させ、山岳地の崩壊裸地における植生回 復に微力ながら寄与したい。 神奈川県自然保全センター自然公園部自然保護課 丹沢大山自然再生員会事務局 秦野市環境産業部森林づくり課 環境産業部商工観光課 公益財団法人)かながわトラストみどり財団 公益財団法人)三菱 UFJ 環境財団 連盟内 なし 執 筆 者 松隈 豊 We support conservation of alpine nature. 21 二ノ塔植樹調査報告(一週間点検) 実施日: 平成 26 年 5 月 25 日 場所: 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 参加: 松隈 状況: 平成 26 年度植栽部の 1 週間点検を実施した。不具合などへの実施事項は次の通り。 1)防獣ネットの敷設に不具合 A地点、パッカー《黄色い樹脂製クリップのこと》の緩みによるネット脱落多々 対処:パッカーのばねをペンチで締め込み、ペンチで圧入 一部を市販 DAIM トンネルパッカー8mm に置き換え 良好にフィット C地点、ポールの抜けによる転倒 原因1:ポール根本穴が広がり(大きな穴が数か所)、風圧で抜けた。 原因2:風で揺れ動いたことで、幼樹ネットが周囲の雑木や茨に掛かった。 対処:バールを深く打ち込んで作った下穴に差し直しみ周りを踏み固め、立て直し。 :周りの小枝や茨を除去し、引っ掛かりをなくした。 2)防獣ネットの転倒による苗の一部折損が見られた。 3)シカの侵入した痕跡は見当たらず、 4)既存樹は問題が見当たらず。 5)A、B 地点のネット装着は全数を確認 修正作業前の様子 A地点、脱落多々 C地点、殆んど風倒れ 修正作業後の様子 A地点、ネットずれ落ちの修正 C地点、風倒れの修正 懸案事項: 地点 C は次の 2 点が未対応 a) 斜面下流部の幼樹ネットの転倒修正(10本ほど未対応) b) 幼樹ネットの敷設未完了 10 本ほど (半分丈での敷設が必要) 22 二ノ塔植樹(三週間点検)実施報告 実施日: 平成 26 年 6 月 8 日 場所: 丹沢 二ノ塔尾根の標高 1050~1080m付近 参加: 松隈 状況: 植栽 3 週目の点検作業を実施した。正午を回り降雨が激しくなったので 12 時 30 分で作業を 切り上げ下山した。実施事項は次の通り。 1)防獣ネットの敷設に不具合 ネットのずれ落ち:雨滴で重たくなったネットに加え、雨滴で濡れたポールとパッカーパッ カーの摩擦力が低下。風圧と荷重(濡れたことによる)に耐えれなくずれ落ちる現象がアイ セーSパッカー11mm を使用したネット固定で起きた。在来ステンレスクリップ(①参照) は外れ落ちる現象があって、メーカー使用がナイロンバンド固定(②参照)に変更された。 しかしながら、ナイロンバンドの固定ではネットの先端のみしか固定できないうえ、保育中 の再利用ができないことから今回採用しなかった。乾燥時にはアイセーSパッカーが有効で あったが降雨を受けた今回はずれ落ちが生じた(応急処置として、②のポールに見えるよう にテープ巻きを施しストッパーとした。DAIM トンネルパッカー8mm の保持力は降雨に対 しても有効で、しかも着脱が簡単で、他のものより優れているらしいことが分かった。 現行の③にはポールにテープ巻きを行うか、④の方法に置き換えを考えている。 ① 在来のステンレスクリップ ② ナイロンバンド (メーカー指定の方法) ③ アイセーSパッカー11mm ④ DAIM トンネルパッカー8mm 23 2)防獣ネットの転倒修正 耐風時にはかなり揺れ動くようで、ポールの 根本部分が逆円錐状に大きく口を開け、風圧 でペグが抜けると、ネットとポールが舞い上 がって抜けてしまうようで、苗木を折損さえ してしまっていた。全般的にポールを地中に 差し込む深さが浅く、踏み固めがなかったよ うである。 概して砂礫部分(C地点)の植栽がそのよう になっていた。処置できるものについては、 バールで下穴を深くせん孔して設置しなおし た。時間切れで取り残しの数本については防 獣ネットを一時撤去した。 (苗木の食害よりも 折損防止に配慮した。) 霧にけむるC地点の様子 3)未装着防獣ネットの苗木(C地点) 在来植樹時に枯損して撤去したポールを利用し、C地点のネットを半分割裁断して、全数装着 を検討する。 昨年の植樹苗の展葉がこんなに大きく育ちました。 24 発行日: 平成 26 年 6 月 15 日 (初版) 発行元: 神奈川県山岳連盟 自然保護委員会 ホームページ: www.kanagawa-gakuren.gr.jp/ 発行責任者: 自然保護委員長 松隈 豊 Mail: [email protected]