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LCDは比較します
コア技術 ボルダーノンリニアシステムズ(BNS)社は、高度な液晶ベースの光制御デバイスやシステムの開発における世界的 なリーダーです。BNS 社は 2 つのコア技術を占有しています:具体的には、液晶オンシリコン(LCoS 型)空間光変 調器(SLM)と液晶偏光グレーティング(LCPG)です。 SLM による位相および振幅の高速柔軟整形 1988 年から現在に至るまで、BNS 社は、液晶ピクセルがそれぞれ独立したアレイを使用して、入射波面 を整形する最先端液晶オンシリコン(LCoS)型空間光変調器(SLM)の技術をリードしてきました。こ れらのデバイスは、多くの場合、ビームの整形、補正、および/または、ステアリングという方法で情報 を追加するためのビーム変調に使用されています。BNS 社では、一般的に、ネマチックと強誘電性の 2 つのタイプの液晶を利用しています。 ネマチック液晶(NLC)分子は細長で、電圧を印加していない時には光伝搬の方向に垂直に位置し、複 屈折を示します。液晶の長軸と光軸が合ったときに液晶の複屈折が実質的にゼロとなるように電界を印加 して、光軸に向かって液晶の長軸を回転させることによって液晶分子を回転させることができます。この ように、ネマチック液晶ピクセルは、入射光が液晶軸に平行な直線偏光である場合には、可変アナログ位 相差を作り出すことができます。同様に、入射光が直線偏光で、液晶軸に対して 45°の角度の場合も、 直交する 2 つの偏光成分のうち、一方の偏光成分の変調のみで、液晶セルは、可変偏光回転子として振 る舞います。偏光子および検光子を組み合わせて使用すると、アナログ振幅制御に使用することができま す。ピクセル化されたデバイスに、独立してアドレス可能な多くの液晶セルを組み込むことにより、ネマ チック LCoS−SLM は、入射波面の位相、振幅またはその両方のいずれかを任意にかつ動的に整形する能 力を持つので、ビームおよびパルス整形、非機械的微少角度ビームステアリング、およびホログラム生成 用として極めて汎用性のあるデバイスとなります。 一方の強誘電性液晶(FLC)は、これとは少し異なる方法で動作します。実用的な FLC では、角度が液 晶の光軸を決定する「傾斜面」と傾斜角度θを規定するように、液晶分子は層の法線ベクトルに対して傾 斜される層内に配置されています。この構成では、液晶分子の向きは、層の法線ベクトルとθによって定 義される円錐に沿って回転可能で、それは、印加電圧が、FLC 分子の主平面内の回転を生じさせること を意味します。このように、FLC 変調器は光軸を 2θだけアナログ回転させることができます。 このため、FLC 変調器は、高速偏光回転子として作用するので、幾何学的な位相変調用、また は偏光光学系と一緒に使うことで振幅変調用として使用することができます。特定の偏光用とし て見かけの屈折率変化で動作するネマチック LC と比較して、FLC 変調は広い色消し(アクロ 1 マチック)にすることができます。さらに、FLC 分子は、永久電気双極子モーメントを持ち、 したがって、それらの方向は印加電界に直比例します。この結果、FLC は数十マイクロ秒のオ ーダーで非常に高速なスイッチング速度を持っています。 ネマチック液晶 強誘電性液晶 電界 OFF 電界 OFF 入射光 入射光 電界 ON 電界 ON 入射光 入射光 ネマチック(左)と強誘電性(右)液晶の動作。ネマチック液晶は、効果的な位相差の面外回転と変調を介してアナロ グ位相変調ができます。強誘電性液晶は、一定の位相差で偏光回転の光軸の切り替え可能な面内回転ができま す。 SLM(空間位相変調)開発における 25 年以上の経験により、ボルダーノンリニアシステムズ社 は、SLM 技術における世界的なリーダーです。SLM 市場は、表示解像度で 60Hz のスイッチン グ速度を提供するディスプレイ用途向けに設計されたバックプレーンを持つデバイスで主に構 成されています。これらのデバイスは、しばしば高度なアプリケーションに求められる性能要件 を下回ります。これとは対照的に、BNS 社は、具体的には、顧客のニーズに合って、かつ技術 的に多くの利点を持つ SLM デバイスやシステムを開発することができます。まず、BNS 社の 空間光変調器は、カスタム液晶、高電圧バックプレーン、新しいピクセルアドレス方式、および 低レイテンシーのドライバーを使用して、利用可能な最も高いフレームレートを提供します。そ れに伴って、BNS 社は、位相安定性と精度のために位相リップルを回避し、SLM のフレームレ ートを向上させるオーバードライブを実装するために、液晶の応答時間を超える速度(24 kHz まで)で SLM をアドレスすることができます。第 2 のキー機能は、入射ビームの比類のない制 御を可能にする高精度 16 ビットアナログモード動作です。最後に、BNS 社は、偏光無依存位相 変調、単一ネマチック SLM による位相変調と振幅変調の組み合わせ、および色消し位相変調な ど、これまで独自の変調機能を数多く開拓してきました。現在、BNS 社は、より高い解像度用 の新しい大型 SLM バックプレーンを開発する一方で、これらの機能のそれぞれをさらに革新し 2 ています。最先端のカスタム変調器および SLM ベースのシステムを開発することに加えて、 BNS 社はメドーラークオプティクス社(Meadowlark Optics, Inc.)を通じて販売されている業 界最先端の SLM の標準製品ラインを開発しています。 LCPG によるビームステアリングおよび切り替え可能光学系 2007 年、BNS 社は、非機械的広角ビームステアリング用の液晶偏光グレーティング(LCPG) スイッチをノースカロライナ州立大学と共同開発するためのコラボレーションを成功裏に開始 しました。BNS 社は、現在、ビームステアリング分野におけるこれらのグレーティングの使用 において、特許出願中であり、かつ独占権を持っています。受動 LCPG は、永久的に、かつ連 続的に変化する周期偏光パターンを持つように、表面アライメントで UV 硬化のネマチック液晶 (LC)フィルムでできています。その構造は、位置に応じて変化する面内一軸複屈折です(す なわち、n(x) = [sin(px/L), cos(px/L), 0]、ここで L はグレーティングの周期です)。これらの透 過グレーティングは、効率的(> 99.8%)に、入射光の回転方向に基づいて、円偏光の光を、正 の1次または負の1次のいずれかに回折します。回折中に、偏光の回転方向が反転します。LCPG は 50mm の開口径まで実証されており、BNS 社で現在開発中の適切な製造設備を用いれば、あ らに大きな開口径を達成することができます。受動 LCPG デバイス上の偏光入射光の回転方向 を制御するための高速電気光学半波長偏光位相板(高速 E-O 半波長板)を組み込むことにより、 BNS 社は、機械的な対応物と比較して、非常に優れたサイズ、重量および消費電力の高速切り 替え可能な光学素子を作成することができます。 非機械的なビームスキャニングは、リニア LCPG と E-O 半波長位相板スイッチの交互スタック を用いて達成することができます。非機械的なビームスキャナーは、従来のジンバルメカニカル スキャナーと比べて、その極端な小型さ、軽量さおよび低電力性(SWaP)という能力、ならび に、ランダムアクセスのスキャニングができる能力という点で、多くの利点あります。LCPG で 非機械的なビームスキャニングを行うために、電気的に制御可能な位相差を有するネマチックま たは強誘電性の液晶変調器は、上記のように、典型的にはスイッチとして使用されます。この場 合、半波長の位相差、または、ほぼゼロの位相差のいずれかを生成するために、液晶セルの位相 差は電圧を印加することによって変更できます。位相差の無いセルは光の偏光に影響を与えず、 半波長位相板は、このように円偏光の左右の向きを変えます。LCPG スタックを伝播する円偏 光の回転方向を制御することにより、光が選択された角度にステアリングされます。 受動(ポリマー)PG 二段 LCPG ビームステアリングモジュール。一番上の光線では、第 2 のス イッチがアクティブであり、光線が正の方向にステアリングされます。一番 下の光線では、第 1 のスイッチがアクティブであり、光線が負の方向にステ アリングされます。両方のスイッチがオフになっている場合には、光線は影 響を受けません。 液晶半波長板 3 LCPG は、偏光選択グレーティングパターンを構成することにより、光を偏向します。BNS 社 は、また、フレネルゾーンプレートとして知られている回折レンズパターンでリニアグレーティ ングパターンを置き換えることにより、偏光に敏感なレンズを開発してきました。したがって、 液晶偏光ゾーンプレート(LCPZP)の動作は、それらが単に同心のグレーティングが、図 2 に 示すように、ピッチが光軸から半径方向に変化する伝搬方向に沿って円対称なので、上記のよう な LCPG 構造とまったく同様に理解することができます。この半径方向の変化は、ビームにお ける球面とマスターレンズに球形です。また、非球面マスターレンズまたは収差補正された光学 系をシミュレートするために異なる曲率半径の複数の球面レンズに非球面項を含むことができ ます。 LCPG に似通って、円偏光の1つの回転方向の入射光に対しては、LCPZP が入射ビームをフォ ーカスしますが、LCPZP を通過する反対回りの光は拡散(発散)します。したがって、LCPZP の焦点は、入射円偏光の回転方向を変えることによって調整することができます。 このように、2 つの LCPZP 間に挟まれた半波長スイッチのスタックを作成することによって、 切り替え可能可変焦点レンズを作成することができます。このとき、第 1 のレンズにより集光さ れた光は、スイッチが「オフ」位置にあるとき、第 2 レンズによってデフォーカスされ、結局の ところ、透過光はスタックによる影響を受けません。スイッチが「ON」のとき、円偏光の回転 方向は、LCPZP 素子の間で元の偏光方向に反転します。その結果、第 2 の LCPZP 素子は、透 過光の正味のフォーカスとなって、追加のフォーカッシングとして貢献します。 ボルダーノンリニアシステムズ社は、LCPG ベース光学系のリーダーとして長年の経験を持っ ており、連邦、軍事、産業、および教育機関のお客様にカスタム LCPG ベースのシステムとコ ンポーネントを提供しています。詳細については、特定のアプリケーションについて研究開発部 門を訪問するか、あなたのアプリケーションについて、BNS 社が LCPG ソリューションをどの ように提供できるかを議論するために、[email protected] で BNS 社にご連絡ください。 4