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味の素グループ 環境報告書2001

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味の素グループ 環境報告書2001
味の素グループ
環境報告書2001
読
者
の
皆
様
へ
調味料や冷凍食品、
スープ、
食用油、
アミノ酸――いまや世界中のご家庭で広く愛されてい
る
ブランド。テレビCMや店頭などで、
私たちの商品を目にしない日はないの
ではないでしょうか。
しかし、
そうした商品だけでは伝えきれない、
私たちの取り組みがありま
す。それが環境保全に向けた活動です。
この「環境報告書」は、
味の素㈱を主体に、
味の素グループが環境保全をどのように考え、
対応しているのかをまとめたものです。私たちの取り組みや実績をグループ内外に公表す
ることで、
社会とのコミュニケーションをより一層深めるとともに、
事業の透明性と社会からの
信頼性の向上、
さらにはグループ内の環境意識の高揚を図っていきたいと考えています。
国内の製品
海外の製品
対象範囲
▲
この報告書は、1997年に制定された「環境規程」が適用される味の素㈱事業所及び国内外の関係
会社(以下味の素グループと呼びます)の事業活動を対象範囲としています。 詳細は12-13Pを参照
対象期間
2000年4月1日∼2001年3月31日の1年間の活動実績を中心とし、
コミュニケーションや社会貢献活
動などについては一部最近の内容を盛り込みました。
会社概要
商
号
本 社 所 在 地
電 話 番 号
ファクシミリ番号
U
R
L
創 業 年 月日
設 立 年 月日
資
本
金
売
上
高
従 業 員 数
主 な 商 品
2
環境報告書 2001
味の素株式会社
〒104-8315 東京都中央区京橋一丁目15番1号
03(5250)8111(代)
03(5250)8314
http://www.ajinomoto.co.jp/
1909年5月20日
1925年12月17日
79,863百万円
連結 908,528百万円(単独 622,927百万円)
連結 23,739人(単独 4,166人)
調味料、油脂、加工食品、飲料・乳製品、
医薬品・アミノ酸・化成品、
その他
(2001年3月31日現在)
C
o
n
t
e
n
天然素材と自然の力を活かして
世界全域を舞台に
ごあいさつ
味の素グループ理念と環境基本方針
t
s
4
6
8
10
11
12
13
環境保全計画と実績
味の素グループ
(国内)
味の素グループ
(海外)
14
環境マネジメント
味の素グループの「環境マネジメントシステム」
ISO14001への取り組み
環境マネジメントの主な取り組み
環境監査
環境影響評価・アセスメント
(生産・研究)
容器包装環境対応アセスメント
味の素グループの事業活動と環境との関わり
活動実績
ゼロエミッション活動
省エネルギーと地球温暖化防止活動
環境影響物質への対応
環境に配慮した容器包装への取り組み
食品リサイクルへの取り組み
オフィスでの取り組み
社員教育
コミュニケーション活動
社会貢献活動
14
15
16
17
18
19
20
22
22
24
26
28
30
31
32
33
34
36
トピックス
環境会計
資源・環境分野における技術開発体制の強化
表彰
36
37
37
38
39
環境年表
用語説明
表紙のデザインについて
表紙は、 の「 」と無限を表す「∞」をデザインし
たもので、
「私たちは、地球環境とグローバルな企業活動との調
和を図り、継続的な環境改善に努め、
よりよい社会の実現に貢
献します」という味の素グループの環境理念と、循環型社会の
追求を表現しています。
環境報告書 2001
3
私たちの商品は、良質な天然素材と自然の力をもとに
開発・製造されています。
家畜の成長は変えずに
排泄物を抑制
1909年に世界で初めてうま味調味料「味の素」を発売して以来、
私たちは各種アミノ酸を創り出す独自の製法を追究してきました。
さとうきびやとうもろこし、
キャッサバなどの天然の素材を、
微生物の力で発酵させて製品にする――こうしたアミノ酸製法への知見は、
現在、
調味料や加工食品、
飼料、
医薬品分野などの幅広い事業に活かされています。
そしてこれからも――私たちは自然との共生を図りながら、
新しい価値を創造し、
“食”
と
“健康”、
そして明日のよりよい生活に貢献します。
肌と地球にやさしい
アミノ酸系界面活性剤
リジン(飼料添加物)
必須アミノ酸*2を適正配合
することで、飼料中のタン
パク質の利用性が改善され、
排泄物が最大50%削減で
きます。欧州では密集飼育される家畜排泄
物からの臭気、酸性雨、水質汚染などが問
題となり規制が始まっていますが、
リジンはこ
れらの軽減に役立っています。
アミソフト
家畜排泄物による環境汚染
(飼料中のタンパク質を100とした豚の場合)
家畜*1飼料にリジンなどの
タンパク質過剰 窒素過剰 環境汚染
飼料中の
タンパク質
体内に
取り込まれる分
排泄
100
33
67
アンモニア
排出
35
土壌へ
32
リジンなどを
適正量配合
最大50%
を削減
臭気
酸性雨
水質汚染
人の体重の20%を構成する
アミノ酸と天然のヤシ油成分
が主原料の「アミソフト」は、
極めて低刺激性で肌と同じ
弱酸性、
しかも生分解性が高
いので、
地球環境にやさしく、
石けんやシャンプー
に使用されています。業務用製品ですので、
こ
の名前ではお客様の目にとまることはありませ
んが、
アミノ酸はこんなところでも活躍しています。
*1 豚、
ニワトリなど
*2 動物の生命維持に必要なアミノ酸で、体内合成されないため食物から摂取しなければならない
調
味
料
油
脂
加 工 食 品
冷 凍 食 品
飲 料・乳 製 品
さとうきび
アミノ酸
微生物
池田菊苗博士
とうもろこし
4
環境報告書 2001
医
薬 医薬事業/医薬中間体事業
アミノサイエンス アミノ酸事業/飼料事業/甘味料事業/化成品事業/栄養食品事業
キャッサバ
昆布
約一世紀にわたって愛され続ける「味
の素」。その誕生は、池田菊苗博士が
昆布の「うま味」の素がアミノ酸の一種
であるグルタミン酸ナトリウムであること
を発見したことにさかのぼります。最初
の製造は、1908年葉山御用邸近くの
逗子で行なわれ、世界初のうま味調味
料「味の素」が誕生したのです。
調味料事業/ギフト事業
油脂事業
スープ事業/マヨネーズ事業/レトルト食品事業/シリアル事業
冷凍食品事業/チルド食品事業
コーヒー事業/飲料事業/乳製品事業
そ
うま味調味料「味の素」の源ともいえる
アミノ酸は、
さとうきびやとうもろこしなど
を原料に、
しょうゆやビールと同様に、微
生物の力を利用した発酵法で作られて
います。私たちは、原料素材の開発や、
より優れた微生物の発見、製法の開発
を追求しています。
の
他 物流事業/包装事業/エンジニアリング事業/包材事業
私たちはさまざまなアミノ酸の発酵技術
を創出しながら、
アミノ酸のもつ可能性
を追求してきました。その結果、調味料
や食品だけでなく、
飼料、
化成品、
甘味料、
医薬品へと事業フィールドを拡大してい
ます。
環境報告書 2001
5
私たちの商品は、世界のさまざまな地域の人々に、
愛され、親しまれています。
味の素グループは現在、
日本を含む22の国・地域に拠点を置き事業を展開しています。
こうした海外における事業展開の基本コンセプトとして大切にしているのが
「各地域の生活や文化に根ざして事業を進める」
という考え方です。
地域で生産される原料素材の使用や特徴ある商品開発だけでなく、
各地域ごとの自然特性を踏まえた資源活用や副生物の有効利用などの“資源循環”にも取り組み、
より広く、
より深く、
各地域の発展に貢献しようと努力しています。
商品そのものの魅力はもとより、
こうした考え方に基づく事業活動を通じて、
私たちの商品が世界の人々により一層愛され、
親しまれることを目指しています。
環境に対する関心は、先進国のみならず発展途
上国においても近年急速に高まっています。当
社では、将来にわたって各海外工場で資源・環
境問題に適切に対応できる人材を育成するため、
インドネシア、
フィリピンなど海外スタッフの教育
にも力を入れています。その一つとして日本での
研修があり、近年、資源・環境分野での受け入
れ充実を図っています。
1998年度 1999年度 2000年度
資源・
環境分野
1人
2人
5人
全分野
合計
38人
49人
70人
資源・環境分野以外は、
エンジニアリング、製造技術、品質管理
など
研修報告会
九州沖縄農業研究センター
砂糖
原料作物
経済的な
発展
雇用創出
原料購入
肥料など
(有機質肥料)
(土壌改良材)
「味の素」の製造工程
さとうきび、
とうもろこし
キャッサバ
糖蜜
発 酵
地域作物
ゴム、果物、野菜
各地域の
事業展開
食生活の
向上
文化的な
貢献
地域市民の
嗜好に合った
商品開発
新しい“食”の
スタイルの提案
+
資源有効活用
への取り組み
6
環境報告書 2001
発酵液
分離・精製
畑
副生物加工
飼料
(畜産飼料)
私たちは、海外への事業展開について、
「地
域の人に喜ばれるものでありたい」と考えて
います。地域の経済的発展や食生活の向
上への貢献、
さらには文化的な貢献などを基
本に各地域の暮らしに根ざした事業展開を
大切にしています。
バガス
さとうきび
「味の素」の原料には、各地域の風土や気
候に合わせて栽培されたさまざまな農作物が
使用されています。また、
それらの農作物の
利用技術や自然特性に合わせた副生物の
循環利用技術を開発し、資源循環の実現を
目指しています。
堆肥
液 肥
糖蜜(さとうきびの絞り汁)
を「味の素」の発酵原料にし、
その製造過程で生
じる副生物を加工した液肥(有機質窒素肥料)
をさとうきび畑に還元してい
ます。また、液肥をバガス
(さとうきびを絞ったあとの繊維)に加えて堆肥として
有効活用できるよう、現在研究開発に取り組んでいます。
環境報告書 2001
7
取締役社長
ごあいさつ
急速に進展するグローバル化や情報化にともなって、
そこで、
「味の素グループ環境基本方針」のもとに環
これまでの事業構造や流通構造、
さらには産業構造そ
境規程を策定し、
それらを実現していくための基本ツー
のものが変容しつつあるなど、
世界は今、
大きな変革期
ルとしてISO14001に基づく環境マネジメントシステムの
を迎えています。
構築を進めています。味の素㈱の国内3工場は既に
そうしたなか、
私たちは5つの経営戦略(1.連結経営
ISO認証を取得しているほか、
今後も本社及び支社、
研
の推進 2.ブランド力の強化 3.世界一のコスト競争力
究所、
国内外のグループ製造子会社などへと拡大し、
4.研究開発体制の強化
2005年までに約70の事業所での認証取得を目指して
5.社会への貢献)
に基
連結経営の
推進
ブランド力の
強化
トシステムの構築が、
グループ全体の事業活動と環境
づく企業活動を行って
います。
その一つ「社会へ
います。なかでも味の素㈱本社における環境マネジメン
世界一の
コスト競争力
社会への
貢献
の貢献」は、
社会貢献
活動とを統合させ、
環境経営を実現させるうえで重要と
考えています。
研究開発
体制の強化
具体的なテーマとしては、
従来から取り組んできた副
活動を推進することはもちろん、
生物の有効利用と廃棄物の発生・排出抑制、
省資源・
地球と社会の未来のために、
環境活動に真剣に取り組
省エネルギー、
容器包装の改善などに加え、
社会とのコ
んでいくことを掲げたものです。天然素材を原料にグロー
ミュニケーションを重点的に推進していく考えです。
バルな事業を展開している味の素グループにとって、
地
これらの活動を通じて、
私たちは「地球的な視野にた
球環境との共生は必須のことであり、
早くから環境問題
ち、
“食”
と
“健康”、
そして明日のよりよい生活に貢献し
に取り組んできました。
しかし、
「環境の世紀」
と言われ
ます」
という自らの企業理念を実践していきます。
る21世紀を迎え、
私たちの社会を持続的発展が可能な
こうした環境問題への取り組みについてご理解いた
循環型社会へと転換していくためにも、
より一層の環境
だくために、
この環境報告書をまとめました。
より多くの方々
保全活動の強化と社会への関与が必要であると考え
にお読みいただき、
ご意見、
ご指導を賜れば幸いです。
ます。
8
環境報告書 2001
環境報告書 2001
9
味の素グループ理念と環境基本方針
私たちは、地球的な視野にたち、
“食”と“健康”
、
そして明日のよりよい生活に貢献します。
環境理念
私たちは、地球環境とグローバルな企業活動との調和を図り、
継続的な環境改善に努め、
よりよい社会の実現に貢献します。
味の素グループは、
農畜水産物を主な原料にして、
国際的なルールに従い、
多くの国や地域でビジネスを
展開しています。気候、
政治、
文化、
宗教、
法律などが異なる地域の人々と一緒に考え、
行動し、
自然との
共生を図り、
それらの環境を継続的によりよい方向に変えていくよう努めます。
環境基本方針
1. 環境に対するグローバルな動向に関心を持ち、的確な対応に努めます。
全地球的な国際規格や国際的な枠組みなどの国際標準と、
世界各国における環境行政や規制を常に
注視し、
それらに対して的確に対応するとともに、
自主基準を定めて、
計画的に対応していきます。
2. 地球環境への負荷の低減に努めます。
事業活動にともなう地球環境への影響(オゾン層の破壊、
地球温暖化、
酸性雨、
海洋汚染、
砂漠化、
野
生生物種の減少など)
を常に考慮し、
すべての事業活動から生じる環境への負荷を低減していきます。
3. 資源を大切にすることを原点に、省資源・省エネルギーに努めます。
主要製品の「味の素」やその他のアミノ酸の製造は資源・エネルギー多消費型の産業です。その製法
の歴史は省資源・省エネルギーへの取り組みの連続といっても過言ではありません。
さらなる生産効率の
向上や、
副生物の有効利用を重点に、
日常のきめ細かな取り組みを含めて省資源・省エネルギーを進め
ていきます。
4. 資源の有効利用や環境の改善に役立つ、新技術、新システムの開発に努めます。
廃棄物や副生物を有効利用するための技術開発はもちろんのこと、
生産効率の向上や廃棄物などの発
生抑制など、
商品の設計段階から廃棄段階までを意識して、
環境負荷のより一層少ない生産技術やシ
ステムの開発に取り組みます。
5. 環境保全に関する教育、啓発と情報提供及び外部との連携に努めます。
環境への取り組みの情報を開示、
提供し、
社会とのコミュニケーションのより一層の向上を図るとともに、
グルー
プ内への情報発信と教育体系を整備し、
一人ひとりの環境意識の向上に努めます。
10
環境報告書 2001
経営方針とリンクした、
1999/2001 環境保全3ヶ年計画を策定し、
具体的な課題と目標を設定して取
り組んでいます。
1999/2001 環境保全3カ年計画
1.
2.
3.
4.
法規制対応状況を見直すとともに、新規規制に計画的に対応。
ISO14001または、それに相当する環境管理システムを構築し、
確実に環境管理を実施。
循環型社会を意識し、より一層の廃棄物の削減や省エネルギーを推進。
社内外への環境に関する情報開示・提供のあり方を決めて、
環境年報、環境報告書、環境広告を発行。
2000年度計画と実績
環境監査を定着させ環境管理体制を一層強化する。
合わせて環境監査員の育成を計画的に推進する。
● 計画に従って30事業所について実施しました。
その結果、
▲
国内の事業所は一巡し、
海外の事業所の一部を残すのみ
になりました。
● 環境マネジメントを推進する中核のEMS審査員フォーマル
トレーニングコース修了者は、
16名になりました。
詳細は、17P(環境監査)
を参照
● 食品廃棄物:味の素グループで発生した食品廃棄物量を
▲
1.
4.
把握し、
今後の対応策を検討しました。
詳細は、30P(食品リサイクルへの取り組み)
を参照
既定の法律を守るとともに、新しい動きに的確に
対応する。
● 容器包装リサイクル法:完全施行に対応するようにシステム
▲
を改善し、
紙及びプラスチックの容器包装量を把握しました。
詳細は、29P(容器包装リサイクル法への対応)
を参照
● ダイオキシン類対策特別措置法:排ガス、
排水、
焼却灰を
分析し、
遵法を確認(国内3工場)
しました。
さらに法規制よ
り厳しい自主基準を設定し取り組んでいます。
● PRTR法:国内関係会社まで対象物資を把握し、
さらに必
要なMSDS(物質安全データシート)
を発行しました。
詳細は、27P(環境影響物質への対応)
を参照
2.
ISO14001を基軸とした環境マネジメント体制
を一層強化する。
● 国内工場:川崎工場が新たに認証取得し、
取得済の2工場
(九州・東海工場)
は維持審査を終了しました。
動が活発になりました。
● 味の素グループのなかでも、
社名に「味の素」
とつく製造子
▲
会社などは、
2005年までにISO14001を認証取得することに
決定しました。
詳細は、15P(ISO14001への取り組み)
を参照
▲
● 関係会社:国内外で5事業所が認証取得したほか、
取得活
5.
環境に関する情報開示及びコミュニケーションの
一環として環境報告書を発行する。
●「味の素グループ環境報告書2000」
を発行し、
味の素㈱の
ホームページへ掲載しました。
3.
廃棄物及び省資源・省エネルギーについて、事業
所ごとに目標値を設定して取り組みを具現化させる。
●
● イントラネッ
トに環境情報を掲載し、
味の素グループ内での
閲覧を可能にしました。
▲
廃棄物など:国内工場・研究所はゼロエミッション達成率/
資源化率の目標を設定し取り組みました。それぞれの実績
は以下の通りです。
味の素㈱:ゼロエミッション達成率94%/資源化率90%
国内関係会社:ゼロエミッション達成率79%/資源化率67%
詳細は、22P(ゼロエミッション活動)
を参照
環境報告書 2001
11
国内の連結子会社、持分法適用会社は52社〔味の素㈱を含む〕
(2001年4月1日現在)です。
本社
研究開発部門
生産部門
国際生産推進センター
生産技術開発センター
川崎工場
東海工場
九州工場
鹿島工場/生産休止中
営業部門
東京支社(関東、札幌支店)
大阪支社(中国、四国支店)
九州支社
名古屋支社(北陸支店)
東北支社
外食デリカ推進部
営業企画・ロジスティクスセンター
調味料、加工食品
クノール食品㈱<本社、中部、北海道、東海各子会社>
味の素パッケージング㈱<本社、関西工場>
デリカエース㈱
熊本デリカエース㈱
シマダヤ㈱
味の素フローズンベーカリー㈱
エースベーカリー㈱
冷凍食品
味の素冷凍食品㈱<中部、九州、関東、四国各工場>
㈱コメック
食品事業
油脂
飲料・乳飲料
医薬品
ファイン事業
アミノ酸、化成品
その他
太字は、
「環境規程」適用事業所名です。「環境規程」は、当社及び当社が直接・
間接的にその議決権の50%以上を保有し、環境負荷が大きい製造、物流、研究な
どの関連事業所及び特に必要と認められる事業所などに適用されています。
12
環境報告書 2001
本社部門、事業部門
食品研究所
調味料開発研究部
知的財産センター
中央研究所
医薬研究所
アミノサイエンス研究所
発酵技術研究所
味の素KK
味の素KK
グループ
(国内)
ISO14001
取り組み状況
味の素製油㈱<横浜、千葉、熊沢各工場>
横浜パック㈱
旭油脂㈱
太田油脂㈱
味の素ゼネラルフーヅ㈱<鈴鹿、尾島各工場>
カルピス㈱
カルピス味の素ダノン㈱
味の素ファルマ㈱<埼玉、福島各工場>
昭和薬品化工㈱
㈱味の素タカラコーポレーション
日本プロテイン㈱
味の素ファインテクノ㈱<本社、活性炭事業本部>
川研ファインケミカル㈱
㈱味の素コミュニケーションズ
味の素物流㈱
味の素エンジニアリング㈱
㈱エースパッケージ
味の素システムテクノ㈱
味の素トレジャリー・マネジメント㈱
㈱アジエステート
新日本コンマース㈱
千代田物産㈱
宝大味商事㈱
沖縄味の素㈱
㈱アジツウ
日本チャールス・リバー㈱
海外の連結子会社、持分法適用会社は69社(2001年4月1日現在)です。
調味料
タイ味の素冷凍食品㈱
タイ味の素ベタグロ冷凍食品㈱
連雲港味の素如意食品㈲[中国]
アメリカ味の素冷凍食品㈱
加工食品
CPC/AJI(アジア)㈱[中国]
CPC/AJI(香港)㈱[中国]
CPC/AJI(マレーシア)㈱
CPC/AJI(シンガポール)㈱
カリフォルニア マニュファクチュアリング㈱[フィリピン]
CPC/AJI(台湾)㈱
CPC/AJI(タイ)㈱
日清味の素アリメントス㈲[ブラジル]
ワンタイフーヅ㈱[タイ]
ポーランド味の素㈲
飲料
医薬品
ファイン事業
アミノ酸、化成品
その他
タイ味の素㈱<プラパデン、
カンペンペット各工場>
タイ味の素販売㈱
フィリピン味の素㈱
マレーシア味の素㈱
シンガポール味の素㈱
アジトレード㈱[シンガポール]
インドネシア味の素㈱
アジネックスインターナショナル㈱[インドネシア]
ベトナム味の素㈲
味の素(香港)㈲[中国]
蓮花味の素㈲[中国]
アメリカ味の素㈱<エディビル工場>
味の素インテルアメリカーナ㈲[ブラジル]
味の素ビオラティーナ㈲<ラランジャール パウリスタ工場>[ブラジル]
ペルー味の素㈱
ウエスト・アフリカン・シーズニング㈱[ナイジェリア]
冷凍食品
食品事業
味の素KK
グループ
(海外)
ISO14001
取り組み状況
タイ味の素カルピスビバレッジ㈱
味の素カルピスビバレッジインドネシア㈱
味の素ファーマシューティカルズUSA㈱
味の素ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ㈱[イギリス]
フォーラム・ホールディング㈱[イギリス]
アメリカ味の素㈱<ローリー工場>
欧州味の素販売㈲[ドイツ]
味の素蓮花アミノ酸㈲[中国]
上海味の素アミノ酸㈲[中国]
オムニケム㈱[ベルギー]
味の素ユーロリジン㈱[フランス]
味の素ハートランド㈱[アメリカ]
タイ味の素㈱<パトムタニ工場>
味の素ビオイタリア㈱[イタリア]
川化味の素㈲[中国]
味の素ビオラティーナ㈲<バル・パライソ工場>[ブラジル]
味の素ユーロ・アスパルテーム㈱[フランス]
スイス味の素㈱
台素㈱[台湾]
フジエース㈱[タイ]
マレーシア パッケージング インダストリー㈱
味の素(中国)㈲
味の素コーディネーションセンター㈱[ベルギー]
㈱味の素−ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート
[ロシア]
取得済み
計画中
環境報告書 2001
13
味の素グループでは環境規程に基づく環境マネジメントを実践しており、
「環境監査」
「環境影響評価・アセスメン
ト」
「容器包装環境対応アセスメント」の3つに重点をおいた活動を行っています。
また、
環境保全活動を味の素グ
ループ全体で統一して進めるために、
2005年度までに国内外の主要グループ会社におけるISO14001の認証取
得を目指し、
グループ一丸となった活動を推し進めています。
味の素グループの「環境マネジメントシステム」
考え方
味の素グループの環境戦略は、
「経営会議」、
「環境会議」
で審議決定された後に、
各事業所及びグループ会社への
指示、
実行へと移されます。その中で「PDCA」サイクルを
回すことで、
より効果を上げていく仕組みとなっています。
また「法の遵守」や「省エネルギー」
「ゼロエミッション活動」
などに関する各年度目標は、
3ヵ年計画に基づいて設定さ
れます。
この活動結果を、
環境監査、
環境会議で確認した後、
次年度の目標へと反映していきます。
経営会議、環境会議
ローカルの課題
Plan
Act
味の素グループ
Plan
ローカルの課題
Plan
Do
Act
各事業所
Act
グループ各社
Do
Check
内部監査
Check
Check
Do
内部監査
グループ環境監査
体制
環境規程に基づき、
環境に関する意思決定最高機関であ
る「環境会議」を設置しています。
この会議は各部門の最
高責任者で構成され、
環境戦略や年度ごとの環境目標の
設定を行っています。環境会議での決定事項は、
環境管理
者を通じて各グループ会社へ指示伝達され、
環境活動が
推進されます。
また、
各分野に横断的にまたがるテーマにつ
いては、
「部会」
を設置して取り組んでいます。
経営会議
部会活動
商品部会
議長:
環境担当役員(副社長 2001年7月より)
メンバー: 各事業本部長、
環境部
各機能軸代表役員(経営、生産、研究、営業) (環境会議事務局)
開催頻度: 原則年2回
生産部会
環境会議
グループ環境監査チーム
物流部会
オフィス部会
資源廃棄物部会
ライン組織活動
味の素㈱
本社部門、事業部門
環境管理者
国内外製造子会社など
14
環境報告書 2001
味の素㈱
研究開発部門、生産部門、営業部門
環境管理者
ISO14001への取り組み
味の素グループは、
「ISO14001」を環境マネジメントの基本
ツールとして位置づけ、
環境負荷の大きな生産工場のうち
国内工場を先行して環境マネジメントシステムの構築に取り
組んできました。
さらに2001年3月の環境会議では社名に「味
の素」
とつく国内外のグループ製造子会社全てで認証取
得を目指すとともに、
味の素㈱本社も取り組みを開始するこ
とを決定しました。これにより国内外の約70の事業所が
2005年度までに認証を取得する計画です。
味の素グループの認証取得計画
単位:事業所数(累計)
80
海外
70
70
国内 60
28
50
40
37
9
30
0
11
23
7
20
10
40
6
2
4
取得済
10
4
6
16
2001
年度
2002
年度
42
28
29
2003
年度
2004
年度
2005
年度
2000年以降の取得事業所
味の素冷凍食品㈱中部工場
味の素㈱川崎工場
2000年2月9日
(認証機関:JQA)
2001年3月26日
(認証機関:JCQA)
マレーシア パッケージングインダストリー㈱
味の素ゼネラルフーヅ㈱
2000年9月22日
(認証機関:SIRIM QAS)
全社一括取得
2001年7月26日
(認証機関:LRQA)
ベトナム味の素㈲
2001年3月22日
(認証機関:BVQA)
1999年までの取得事業所
味の素㈱九州工場
1998年7月24日
(認証機関:JQA)
味の素㈱東海工場
1999年11月22日
(認証機関:SGS)
環境報告書 2001
15
環境マネジメントの主な取り組み
味の素グループは、
環境マネジメント
の重要な柱として「環境監査」を位
置づけ、
「トリプル監査体制」のもとに
環境基本方針及び目標の遂行状況
環境監査
を確認しています。その監査体制は、
①外部審査機関による
「第三者審査」、
②本社環境部が主体となり味の素グ
ループに対して行う
「グループ環境監
査」、
③事業所内で自ら行う
「内部監
環境基本方針
グループ環境目標
策定
各事業所年度目標
策定
実行
③
内部監査
②
グループ環境監査
①
第三者審査
レビュー
査」から構成されています。
▲
詳細は17Pを参照
味の素グループでは、
工場の新設や
増産、プロセス変更、
開発・研究の開始
増産、
プロセス変更などにともなう環
境への影響を評価し、
計画の実行を
環境影響評価・
アセスメント
(生産・研究)
判断することを義務付けています。
さ
グループ経営という視点から事業所
経営の重要事項、
大型の投資
ごとのアセスメントに加えて、
味の素㈱
▲
詳細は18Pを参照
味の素ブランド商品開発時及び既存
商品の改定時に行う
「開発商品品質
味の素㈱本社(グループの経営)による
アセスメント
<チェック項目>
装環境対応アセスメント」を実施して
原料・製法
製造工程
サイクル適性、
廃棄適性、
表示の4つ
に分類され、
1994年に策定した環境
ガイドライン「容器包装エコガイド」で
中身製品
包装材料
定められた具体的な評価方法「容器
包装エコインデックス」に基づくアセス
メントを行っています。
▲
16
環境報告書 2001
詳細は19Pを参照
グループの
運用規定
開発商品品質アセスメント
アセスメント」の一環として、
「容器包
います。評価項目は大きく、
省資源、
リ
事業所ごとの
運用規定
+
らにそのなかでも重要事項については、
本社によるアセスメントも実施します。
容器包装
環境対応
アセスメント
事業所ごとの
環境影響評価アセスメント
容器包装環境対応
アセスメント
環
境
対
応
項
目
と
し
て
容器包装エコインデックス
・省資源
・リサイクル適性
・廃棄適性
・表示
表示
環境監査
トリプル監査体制のうち、第三者審査及び内部監査は、各事業所ごとに実施しています。グループ環境監査は、全事業所を対象に「環
境規程」への対応状況や目標の実行状況を確認し、
その結果を環境担当役員に報告します。この監査結果に基づいて、該当事業所で
の是正が行われるほか、重大な項目は経営会議へ報告されます。
計画及び経過
監査重点項目
味の素グループでは「環境規程」に基づき、
1999年6月から
グループ環境監査を開始しており、
各事業所に対して国内
では2年に1回、
海外は3年に1回実施しています。現在まで
に国内では42事業所を一巡し、
海外でも18事業所について
終了しており、
計画通りに進んでいます。
1「環境規程」への対応状況
(PDCAサイクルの実施状況把握)
2
廃棄物に関する遵法の確認と管理状況の把握
(契約、
マニフェスト運用、
量と種類の把握、
目標設定など)
3
遵法と新規規制への対応状況
4
化学物質の管理状況
5
周辺環境の確認
実績(2000年度)
部門
事業所
数
指摘
件数
主な指摘項目
廃棄物の契約とマニフェストの記載不備
排水、化学物質などの汚染の防止が不充分
● 管理体制と実行計画策定が不充分
●
国内
21
92
海外
9
22
●
法規制の体系未整備
危機管理への的確な対応が不充分
● 廃棄物管理の仕組み作りが不充分
●
●
アメリカ味の素㈱エディビル工場に
おける監査風景
タイのワンタイフーヅ㈱における
監査風景
監査員の育成計画
環境経営度の現状と今後
環境マネジメントを推進する原動力となるグループ環境監査を、
より有効
に実施していくためには質の高い監査員が必要となります。そこで味の
素グループでは、EMS審査員フォーマルトレーニングコースを修了した監
査員の育成に取り組んでいます。また、事業所内の監査を実施する内
部監査員が今後の環境経営実現の中核を担えるよう、味の素グループ
共通の教材を作成し、
それらを活用した計画的な教育・訓練を予定して
います。
2000年に日本経済新聞社が実施した「企業の環境経営度調査」において、
味の素㈱は有効回答791社のうち、62位にランクされました。前年度の
125位からのランクアップですが、評価項目や内容が異なることから、
これに
満足することなく、評価点の低い項目
(商品対策、管理体制、化学物質管
理など)
をはじめ、
さらなる継続的改善に取り組んでいきます。
教育・社会貢献 100
リデュース
93100
96 リサイクル
80
60
2001年9月現在
2004年予定
報告書、環境会計 86
40
94 廃棄物管理
20
EMS審査員フォーマル
トレーニングコース修了者
16名
50名
内部監査員講習修了者
96名
150名
管理体制 86
組織制度 95
商品対策 78
93 CO2対策
84 化学物質管理
91 汚染管理
環境報告書 2001
17
環境影響評価・アセスメント
(生産・研究)
味の素㈱では、
これまでも生産・研究活動に関する環境影響評価・アセスメントを行ってきましたが、
その内容について2000年度に見直
しを行い、環境影響評価・アセスメントの仕組みを再構築しました。2001年4月からは新しい仕組みをベースに、
グループ全体での運用を
開始しています。
計
画
の
立
案
設
計
・
検
討
通常の流れ
設
計
チ
ー
ム
に
よ環
る境
影
響
評
価
事
業
所
長
にア
よセ
るス
メ
ン
ト
、
決
裁
味
の
素
㈱
にア
よセ
るス
メ
ン
ト
審︵
査環
境
会部
に、
よ専
る門
委
審員
議︶
味
の経
素営審
㈱会議
議、
に稟
よ議
る決
裁
計
画
の
実
行
経営の重要事項、大型投資計画の流れ
見直しの目的と改善のポイント
環境問題を経営の意思決定プロセスに統合していくことは、
「持続可能な発展」を目指す味の素グループにとって最も
重要なテーマの一つです。特に大型の投資計画などの場合、
いったん計画が実行されると、
中長期にわたり環境面のパフォー
マンス、
事業の性質、
採算性が固定してしまうという側面をもっ
ています。投資実行後にそれらを変更、
修正することが容
易ではなく、
経営の非効率化にもつながります。つまり、
計画
の設計・検討、
実行判断における十分な配慮がますます重
要になっているのです。
こうした認識に立って実施した今回
の見直しの主なポイントは、
右の2点です。
18
環境報告書 2001
1 企業が配慮すべき環境問題の広がりに対応
●
地球温暖化防止などの環境影響評価項目を追
加するなど、
規定を改定しました。
● 法規制や社会の要求水準の動向を将来にわたっ
て予見、
配慮することを重視しました。
2 環境問題を経営の意思決定プロセスに統合
汚染の予防やリスク管理はもとより、
改善策の積
極的企画や期待される環境へのプラス効果を配
慮することを重視しました。
● 稟議決裁が必要な経営の重要事項、
大型の投
資計画の場合は、
以下を義務化しました。
環境
① 計画に責任を有する味の素㈱の事業部、
部などによるアセスメントの実施
② 味の素㈱経営会議による環境影響評価・アセ
スメント結果の審議
●
容器包装環境対応アセスメント
商品に関する開発段階は大きく以下の4つのステージに区分されます。このうち、開発段階Ⅲ、Ⅳにおいて、容器包装に関する環境対応
アセスメントの実施を義務付けています。商品開発担当事業部は当社独自の「容器包装エコインデックス」に従って、使用する容器包
装がどの程度環境に配慮しているかを定量的に評価し、
アセスメントを行っています。
Ⅰ 探索研究
Ⅱ 試作研究
Ⅲ 開発研究
Ⅳ 工業化検討
関 係ア
部セ
門ス
にメ
よン
ト
る、
決
裁
事 業エ
部コ
にイ
よン
るデ
ッ
ク
ス
評
価
設
計
・
検
討
商品誕生
・
事
業
部
・
環
境
部
・
原
材
料
部
・
設
計
部
門
容器包装エコインデックス
評価項目
省資源
リサイクル適性
廃棄適性
表示 他
評価ポイント
家庭用
業務用
多重包装度
中身商品を過剰に包装していないか。中身を使
用するにあたって開封作業回数はどの位か。
使用期間と
詰め替え商品の有無
商品の開封から、包装材料が捨てられるまで、
ど
の位の期間があるか。容器再利用のための詰め
替え商品が用意されているか。
廃棄包装材料量
商品の中身重量あたりの、使用後に廃棄される包装材料の重量はどの位か。
同左。
但し、外装及び緩衝包装材料類も含む。
再生素材利用度
包装材料にどの程度リサイクル素材を利用しているか。
リサイクルシステム適合性
既存、
または今後構築されるリサイクルシステムに適合する素材を使用しているか。
分別収集対応性
廃棄包装材料の排出にあたって、
リサイクル可能な部分が容易に分離できる構造か。
燃焼熱量
包装材料の単位重量あたりの燃焼熱量はどの位か。
廃棄時減容度
使用後、包装材料の廃棄にあたって収集しやすいように容積を小さくできるか。
環境対応表示の有無
法に定められた表示義務以外に環境保護に有用な情報の提供・訴求がされているか。
改善努力差別化
従来品・競合品と比べて環境対応面で改善され、優れているか。
特別評価事項
評価ポイントには表れないが、環境保護に対する企業姿勢を訴求できるような努力がされているか。
従来品・競合品に比べて改善ポイントは何か。
付加コメント
評価ポイントが悪い項目について環境対応以外の包装機能との関連はどうか。
今後の改善策はどうか。
今後の課題
1991年に導入した「容器包装エコインデックス」は、
時代とと
もに環境に配慮した評価内容を改定し、
現在運用されてい
るものがVer.5.2となります。
今後は、
例えば廃棄適性の燃焼熱量については燃焼炉の
耐久性を考えて燃焼カロリーが低いことを奨励していますが、
最近の燃焼炉は耐久性が向上し、
また高温度によってダイ
オキシン発生を抑制できるようになったことなどから、
燃焼熱
量の代わりにLCA(Life Cycle Assessment)
の観点を入
れた評価項目を新規に設定することを検討しています。
環境報告書 2001
19
業種や事業内容によって
企業の
「環境保全テーマ」は異なります。
環境に対する負荷は、
業種や事業内容によってさまざまであり、
企業によって取り組むべきテーマも異なります。
当社の事業活動における主要な環境保全テーマは、
「商品の流通・販売過程における課題」
と
「発酵生産を主とする製造・加工工程における課題」に大別できます。
▲
商品の流通・販売過程における課題
課題への取り組み内容は、28∼30Pをご覧ください
食品そのものの環境負荷は少ないものの、
容器包装や食品廃棄物対策が当面の課題です。
近
年、特に留意しているポイントは大きく2点あります。1点目は、
「容
も再商品化が義務付けられました。容器包装に求められる機能性を保ち
器包装」に関することです。当社では1991年から、容器包装が環
つつ、
さらなる資材の減量化や材質の改善などが課題です。
境にもたらす影響を最小限にするためのさまざまな取り組みを行ってきま
2点目は、
「食品廃棄物」に関することです。2001年5月に施行された「食
した。そうしたなか、2000年4月に「容器包装リサイクル法」が完全施行さ
品リサイクル法」をきっかけに、今後は流通・販売過程における対策の推
れ、
ガラス製容器やPETボトルに加えて、プラスチックや紙製容器包装に
進が課題です。
容器包装リサイクル法
(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)
家庭から排出される容器・包装ゴミの減量化とリサイクルの実現を
図るための法律。これにより、容器包装を利用した中身メーカー、及
び容器包装メーカーなどの事業者に、再商品化(リサイクル)が義務
付けられた。また、関連する法律でプラスチックや紙の識別表示も
2001年4月から施行されている。
発行元:農林水産省
食品リサイクル法
(正式名称:食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)
発行元:経済産業省
20
環境報告書 2001
年間100t以上の食品廃棄物など
(調理・加工クズや売
れ残りなど)
を排出する事業者は、減量や有効利用を推
進し、
2006年までに20%削減することが義務付けられた。
▲
発酵生産を主とする製造・加工工程における課題
課題への取り組み内容は、22∼27Pをご覧ください
大量に使用するエネルギー・水の削減と排水の処理、
そして副生物の有効活用が課題です。
IN PUT
IN PUT
調
エネルギーと資源の利用
電力
エネルギー
主原料
も必要です。この結果、
大量のエネルギー、
国内
1,580千t
海外
−
国内
96,000千t
海外
123,000千t
水資源を利用しています。国内での使用
量は、
エネルギー、水ともにおよそ30万人
都市の消費量に相当します。
副原料
容器包装材料
水
蒸気が必要です。また冷却用水、洗浄水
480千t
海外
工程では、原料、装置の殺菌や工
程液の濃縮、結晶の分離・精製のために
(原油換算)
ガス
重油
原材料
260千t
国内
味料・アミノ酸の発酵生産の製造
上水
工業用水
冷却用河川水
地下水など
集計範囲
国内:味の素㈱
連結対象製造子会社など
海外:調味料・アミノ酸製造の主要23工場
(原材料、廃棄物などについては未集計)
集計期間
2000年4月1日∼2001年3月31日の1年間
OUT PUT
環境負荷の排出
製品・副製品の産出
製品
生産量
副製品
生産量
国内
海外
国内
海外
1,230千t
700千t
CO2
大気系 (炭素換算)
15千t
1,800千t
水質系
OUT PUT
酵工場では、副生物として母液(発酵液から主目的生産物を取り
発 出した残液)が大量に生じますので、この有効活用が重要な課題
国内
海外
総排水量
廃棄物など
発生量
国内
海外
国内
海外
210千t
490千t
94,000千t
110,000千t
190千t
(この内、82%を資源化)
−
で多くの地道な取り組みがなされてきました。現在では、母液は有機質窒
素肥料に加工されて販売されています。海外では液肥が中心で、
この結果、
副製品の生産量は主製品の2倍以上にもなっています。
大気への二酸化炭素の排出は燃料の燃焼を中心に国内外合計で約
700千トン(炭素換算)あり、
このうち、国内分の210千トンは日本全体の
排出量の約0.1%に相当します。エネルギーのさらなる効率的使用とクリー
ンエネルギー化が今後の課題です。
環境報告書 2001
21
ゼロエミッション活動
味の素グループは、事業活動に当たって発生する副生物及び廃棄物をできるだけ有効に活用するか、
もしくは自社で処理することによっ
て廃棄物の外部処分をゼロにすることを基本に、ゼロエミッション計画を作成しました。さらに、
その実施に当たっては、ゼロエミッション
達成率及び資源化率の数値目標を設定しています。
ゼロエミッション達成率、資源化率の考え方
事業所
原料
ゼロエミッション達成率(重量%)
製品
生産活動
資源化
処分
+
×100
=
廃棄物など
廃棄物など
+
副生物
廃棄物
資源化率(重量%)
資源化
処分
資源化
場内
×100
=
場外
廃棄物など
処分
資源化
計画(∼2010年まで)
実績(2000年度)
計画年度
ゼロエミッション達成率
資源化率
∼2001
90%
80%
∼2005
93%
90%
∼2010
99%
95%
ゼロエミッション達成率
資源化率
88%
82%
94%
90%
79%
67%
−
−
味の素グループ(国内)
︵ 味の素㈱
内
訳 国内関係会社
︶ 海外関係会社
この計画は、
1999/2001の3ヵ年計画のなかで、
国内の味の
素グループの目標として設定されました。今後は、
この目標
を海外関係会社へも拡大して取り組んでいきます。
国内での目標達成率は順調に推移しています。今後は精
度を上げるとともに、
ゼロエミッション達成率及び資源化率の
向上に努力していきます。海外関係会社のデータベースは
現在整備中で、
解析には至っていませんが、
海外において
は以前から副生物を有機質窒素肥料として活用するなど、
国内より積極的な取り組みを進めており、
この結果は来年に
公表する予定です。
ゼロエミッションに向けた取り組み
単位:千t
200
94
91
171
163
68
100
75
138
59
53
22
67
1996年度
環境報告書 2001
50
100
25
50
61
1997年度
65
1998年度
1999年度
2000年度
0
0
1999年度
ゼロエミッション
達成率
資源化率
45
25
39
17
7
資源化量
外部処分量
50
56
45
12
発生量
75
70
101
50
79
115
113
単位:%
100
150
128
65
104
国内関係会社
76
82
65
62
100
単位:千t
200
90
161
72
150
0
単位:%
100
味の素㈱
20
2000年度
0
廃棄物などの処理の内訳
味の素㈱
種類
単位:t
1999年度
発生量
2000年度
資源化量
発生量
資源化量
国内関係会社
種類
単位:t
2000年度
発生量
汚泥
91,815
77,920
85,204
78,158
汚泥
6,154
廃油
2,659
2,432
3,152
2,913
廃油
4,922
36,231
28,637
30,483
28,296
廃酸・廃アルカリ
7,217
4,253
廃酸・廃アルカリ
467
108
450
111
廃プラスチック
1,439
137
1,729
409
燃え殻
一般不燃物
133
0
119
0
事業系一般ゴミ
217
107
298
118
事業系一般ゴミ
動植物性残さ
854
545
1,158
610
動植物性残さ
廃商品
303
0
239
0
木屑
189
27
201
64
木屑
118
紙屑
702
663
693
666
紙屑
3,630
52
2
0
0
繊維屑
廃プラスチック
燃え殻
繊維屑
一般不燃物
廃商品
ガラス屑
42
35
54
54
ガラス屑
金属・缶
1,846
1,846
3,624
3,622
金属・缶
その他
1,205
543
515
64
138,154
113,002
127,919
115,085
合計
その他
合計
576
30,750
-
81
7,791
65,492
活動事例
事例 1 リユース容器の導入
事例 3 リユース材の導入による廃棄物削減
東海クノール食品㈱
味の素物流㈱
従来、
原料や包装材料を搬送するための容器としてダンボー
ルを大量に使用していました。そこでこれらを削減するため、
折りたたみ式や大型の搬送用リユース容器を導入し、
ダンボー
ルの削減及び廃棄物の発生抑制に大きな成果を上げてい
ます。
物流センタ−から搬出される商品は、
パレットに積まれる際に
ストレッチフィルムを巻きつけ、
輸送・保管時の荷崩れを防止
します。物流センタ−では、
このフィルムを大量に消費してい
ますが、
一度使用すると再利用することができず、
そのまま
廃棄物となってしまいます。
この廃棄物を削減するための「パ
レットブラジャ−」
という布製の
固定用具の採用テストを行っ
ています。これにより環境改
善に貢献するとともにコストダ
ウンにも期待しています。
事例 2 廃棄物分別機導入による資源化率向上
事例 4 各種資源の活用
味の素冷凍食品㈱関東工場
味の素㈱
試作品や廃棄商品などは、
包装材料と生ゴミの分離設備を
設置して分離処理を開始しました。包装材料は、
従来通り
焼却処理していますが、
生ゴ
ミを分別して肥料原料とする
ことで、
資源化率、
ゼロエミッショ
ン達成率が向上しました。
東海工場では余剰汚泥の焼却灰をセメント原料に利用し、
また九州工場では工場内の植栽の剪定くずを堆肥原料と
して活用を始めました。
さらには、
食堂から出る生ゴミを堆肥
として利用するなど、
一層の改善を行い、
ゼロエミッション達
成率の向上に努力しています。
環境報告書 2001
23
省エネルギーと地球温暖化防止活動
調味料やアミノ酸の製造工程で多量のエネルギーを使用していることから、省エネは重要な課題であると考えています。第一次オイルショッ
ク以降、大幅な改善に取り組んでおり、現在でも発酵技術の向上や改善の積み重ねにより、地球温暖化防止など環境保全に貢献して
います。今後も、製造技術の改善や省エネ技術の導入により抜本的改善に取り組んでいきます。
省エネルギーへの取り組み
目標
実績
1990年度比原単位で20%削減
(達成年度2001年)
1990年度比原単位で22%削減
(前年比 3ポイント改善)
味の素㈱は、
1999/2001の3ヶ年計画において、
1990年を基
準に、
生産金額当たりのエネルギー使用量(原単位)
の20
%削減を目標に掲げています。国内外関係会社については、
次の3ヶ年計画で目標を設定します。
味の素㈱は、
生産技術の向上や製品構成の変化及び細
かな省エネの努力などにより、
前年度より3ポイント改善し、
目
標を既に達成しました。
味の素㈱の省エネ実績
単位:千t
200
味の素㈱ 国内4工場
159
150
141
142
142
142
137
79
77
78
81
78
原単位指数
100
100
50
0
原油換算使用量(千t)
100
原単位指数
(1990年原単位を
100とした指数)
50
1990年度
1996年度
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
0
活動事例
事例 1 省エネルギー機器の導入
事例 2 独自の省エネルギー活動
味の素冷凍食品㈱関東工場
味の素㈱川崎工場
省エネ法により、
第1種エネルギー管理工場として、
総使用
量を毎年1%以上改善することが義務付けられています。
最近では進相コンデンサー、
還流ボイラーの見直しなどの
改善を積極的に行っています。
なかでも大きな成果を上げた
のは30KWのポンプにインバー
タを設置した例で、
50%以上
の省エネに貢献しました。
24
環境報告書 2001
川崎工場では当社独自の手法により、
省エネ活動を実施し
ています。職場ごとに、
さまざまなテーマ設定を行っています
が、
ある職場では、
変動費の3%を削減目標として53テーマ
を発掘し、
そのうち37テーマを実行テーマとしました。
この中
でも特に大きな成果が期待されているテーマは、
製造工程
で水を多量に使用する樹脂塔の運転方法に関わる改善で
す。
CO2発生量削減への取り組み
目標
実績
1990年度比 14%削減
(前年比 3ポイント改善)
1990年度比 6%以上削減を維持し
さらに改善を積み上げる
味の素㈱は、
COP6( 京都議定書)
に沿って、
2008年から
2012年の平均排出量を、
1990年比で6%削減することを目
指しています。2000年度は既にこの目標を達成しているため、
さらなる改善を目指しました。
省エネ活動と生産構造の変革により、
CO2発生量を大幅に
削減しました。今後は国内外関係会社を含めた取り組みが
課題です。
CO2発生量推移(炭素換算量)
味の素㈱ 国内4工場
単位:千t
国内関係会社
海外関係会社*
発生源
1990年度
1996年度
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
2000年度
2000年度
ボイラー
88
82
83
87
84
81
24
344
購入電力
21
14
12
9
9
9
69
144
9
10
10
10
11
11
−
−
14
11
11
11
11
9
−
−
排水処理
1
2
2
2
3
3
−
−
汚泥乾燥
0
1
1
1
1
2
−
−
その他
2
2
2
2
2
1
−
−
135
100
122
90
121
89
122
90
121
89
116
86
93
−
488
−
焼却炉
発酵
合計
指数
アミノ酸製造の主要23工場
*海外は調味料、
海外工場におけるエネルギー資源利用の概況
(調味料、
アミノ酸製造主要23工場)
海外における調味料、
アミノ酸の生産では、主要23工場で、約480千t(原
油換算)のエネルギー資源を使用しており、
その大部分は製造工程で使
用する蒸気を得るために利用されます。
資源の内訳では、重油など燃料油が約4割の他、購入電力、
ガス、石炭
がそれぞれ約2割です。
利用されるエネルギー資源は、世界の地域エリアによって特徴があり、東
南アジア・南米では重油が、中国では石炭が、欧州・北米では天然ガス
が主要なものとなっています。
非化石燃料
2%
海外工場では、
その立地の特性を活かし、石油・天然ガスなどの化石燃
料に代えて利用可能な再生可能燃料の使用に取り組んでいます。
エリア(対象工場数)
ボイラー用燃料に占める再生可能燃料割合
北米地区(3)
16.8%
南米地区(4)
8.6%
海外合計(23)
2.7%
使用例①
アメリカ味の素㈱ローリー工場
中国で使用
ごみ埋立地から発生するメタンガスを燃料とし、工場で使用する蒸気の全
てをまかなっています。
石炭
18%
燃料油
39%
ガス
20%
主に欧州・北米
で使用
海外工場における再生可能燃料使用の取り組み
主に東南アジア・
南米で使用
電力
21%
使用例②
味の素ビオラティーナ㈲バルパライソ工場[ブラジル]
バガス
(さとうきびを絞ったあとの繊維)
を燃料とした蒸気を使用しています。
環境報告書 2001
25
環境影響物質への対応
環境保全に関する規制は、PRTR、
ダイオキシン、PCB処理などについてますます強化されています。味の素グループでは、従来からの
法規制に加えて環境影響物質の管理も確実に行っています。
大気の保全
味の素㈱では、
国内3工場のうち、
川崎・東海工場において
ボイラーの燃料を天然ガスへ転換しており、
九州工場のみ
がC重油を使用しSOXの過半を排出しています。その九州
工場においても、
硫黄分含量の少ない重油を使用するよう
に管理を強化することで排出量を削減をすることができまし
た。なお、
今年から味の素物流㈱の車両から排出するNOX
も記載しました。
SOx排出量の推移(SO2換算)
NOx排出量の推移(NO2換算)
単位:t
単位:t
6500
500
6500(推定値)
460(推定値)
400
2000
1500
1492
1000
300
1699
1421
1415
380
352
335
305
1210
車両NOx排出量
100
500
0
1980年度
284
200
0
1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
158
1980年度 1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
水質の保全
味の素グループは、
発酵・食品工場の特性として多量の洗
浄水などが排出されるため、
大容量の活性汚泥処理設備
で処理し、
河川などに放流しています。
川崎工場及び九州工場ではBOD及び窒素、
リン分を余剰
汚泥として固定し、
肥料原料などとして販売しています。
また、
東海工場では焼却炉で焼却しています。
排水負荷量の推移
単位:百万t
60
単位:t
200
単位:t
1500
味の素㈱
56
54
56
58
T-N
BOD
排水量
T-P
海外*
関係会社
国内
単位:百万t 関係会社
60
単位:t
1500
53
1200
150
150
160
140
150
160
1260
40
1020
1000
1000
40
1000
890
100
27
89
20
50
510
60
500
20
500
12
41
17
0
21
1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
0
1996年度 1997年度 1998年度 1999年度 2000年度
0
0
2000年度
0
2000年度
*海外は調味料、
アミノ酸製造の主要23工場
排水規制値及び実績
単位:ppm
川崎工場
規制値
実績
26
環境報告書 2001
東海工場
BOD
T-N
T-P
BOD
平均
50
40
3
20
最大
60
80
6
25
平均
5.1
24.0
0.3
3.7
最大
7.0
32.1
0.5
7.0
T-N
九州工場
T-P
BOD
60
8
60
60
8
120
16
80
120
16
9.0
1.2
3.1
19.7
0.4
14.2
2.8
6.5
31.2
1.1
T-N
T-P
ダイオキシンの管理
ダイオキシン類特別措置法により、
2002年12月から排出規制
はもとより焼却設備の構造基準や技術基準などが強化され
ます。
これに対応するため、
設備の改造や運転技術の確立
に努め、
また排ガス中のダイオキシン濃度の自主基準を定め、
達成に向けて努力しています。
また、
味の素㈱及び国内関
係会社が保有する小型焼却炉(50kg/h以上)
は、
1997年
に27基ありましたが、
現在は11基まで削減しました。今後は
焼却物の分別と確実な運転に努めていきます。
ダイオキシン規制値及び実績
大気(排ガス)
単位
ng-TEQ/Nm3
規制値
自主基準値
1*
0.1
焼却灰(煤塵) 水質(排水口出口)
ng-TEQ/g
pg-TEQ/L
3
10
−
−
川崎工場
0.038
0.34
0.033
東海工場
0.089
0.018
0.012
九州工場
0.37
0.1
0.095
*規制値は焼却能力によって異なります。
(川崎工場:1、東海工場:10、九州工場:5)
化学物質の管理
PRTR物質管理
研究所における化学物質の管理
国内の味の素グループにおいて、
取扱量1t/年以上の対象
物質数は、
化成品製造を中心に19物質あり、
排出量と排出
先は以下の通りです。今後は、
実態をより正確に把握し、
削
減に努めます。
化学物質規制の急速な動きに対応し、
安全や環境への配
慮をより一層迅速かつ的確に行うため、
2001年3月に化学
物質のコンピューター管理システム
(ACMS:Ajinomoto
Chemical Management System)
の導入を行いました。
こ
れにより、
化学物質の所在がリアルタイムで把握可能になり、
有害化学物質の管理を効果的に行えるようになりました。
政令
No
7
アクリロニトリル
12
アセトニトリル
25
アンチモン及びその化合物
29
ビスフェノールA
30
取扱量
対象物質
ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(液状のものに限る)
47
エチレンジアミン四酢酸
63
キシレン
145
ジクロロメタン[別名塩化メチル]
172
N N-ジメチルホルムアミド
181
197
排出先
大気
移動
水域 土壌 (廃棄物)
121
0
0
0
0
84
4
0
0
80
124
0
0
0
0
5
0
0
0
0
55
0
0
0
5
2
0
1
0
1
22
3
0
0
2
2
0
0
0
2
263
0
0
0
28
チオ尿素
13
0
0
0
1
デカブロモジフェニルエーテル
18
0
0
0
0
217 トリクロロフルオロメタン[別名CFC-11]
1
0
0
0
1
380
304
0
0
75
10
0
0
0
0
3
0
0
0
0
288 ブロモメタン[別名臭化メチル]
10
10
0
0
0
310
29
0
0
0
1
353 リン酸トリス
(ジメチルフェニル)
36
0
0
0
0
179
−
119
3
0
44
'
227 トルエン
264
m-フェニレンジアミン
272 フタル酸ビス
(2-エチルヘキシル)
ホルムアルデヒド
ダイオキシン類
PCBの管理
PCB特別措置法が発効していよいよ処理の道筋が見えて
きました。昨年は味の素㈱の保有量を把握しましたが、
今年
度は関係会社まで拡大して調査した結果、
味の素㈱は86個、
国内関係会社は90個、
合計176個保管していることが分かっ
ています。今後、
計画的な処理に努めていきます。
内分泌撹乱化学物質(EDC、いわゆる環境ホルモン)の管理
内分泌撹乱化学物質に関する情報収集・分析を行い、
EDCリスクを関係部署に提言するために、
社内の製品評価
委員会事務局内に「EDC検討会」
を設けています。EDCに
関する国際的な評価付けに対応して、
これらを含まない原
料や包装材料への切り替えなどの対策を講じていきます。
単位:t/年(但し、
ダイオキシンはmg-TEQ/年)
特定フロンの管理
味の素㈱は、
発酵槽冷却用に大型の冷凍機を保有してい
ます。今年度は、
九州工場で対象冷凍機1基の撤去と東海
工場で1基を更新しました。現在冷凍機は27基あり、
16基に
ついて代替フロンへの転換を実施しました。
環境報告書 2001
27
環境に配慮した容器包装への取り組み
容器包装には、商品の品質保持や「商品の顔」としてお客様の購買行動を決定づけるための情報発
省資源
信といったさまざまな役割があります。こうした側面とともに重要なのが、環境への配慮の視点です。味
の素ブランド商品は、①省資源、②リサイクル適性、③廃棄適性、④表示といった視点を柱とした、独自
リサイクル
廃棄適性
の「容器包装エコインデックス」
(19P参照)に基づいて評価及び改善が行われています。2000年度は、
適性
新規商品及び容器包装改訂時の容器包装材料の重量削減目標として15%を掲げて取り組んだ結果、
表示
主要な調味料商品群では18%を達成しました。
容器包装の改善事例
「環境逸品ギフト」
省資源
箱を縦型にして、
ミシン目開封にし、
紙の使用量をさらに20%削減
箱とふたを一体化し、
紙の使用量を16%削減
「ほんだしかつおだし」ギフト用
「ごはんがススムくん」シリーズ
省資源
廃棄適性
缶の材料を金属から紙に変更し、
廃棄時の容積を約1/10に圧縮
袋の厚みを薄くし、
包装材料の使用量を約13t /年削減
「冷凍食品」写真は代表例
「アミノバイタル」シリーズ
「クノール®」スープシリーズ
省資 源
外箱のサイズを小さくし、
紙の使用量を約1t /年削減
「 Pasta Do」
「クノール® Soup Do」
省資源
省資源
トレーの厚みを薄くし、
プラスチックの使用量を約35t /年削減
外袋のサイズや材質を変更し、
プラスチックの使用量を約28t /年削減
「味の素KKサラダ油」スタンディングパウチ
省資源
省資 源
箱・内袋のサイズや材質を変更し、
紙・プラスチックの使用量を約20t/年削減
廃棄適性
食用油初のスタンディングパウチ!
'99日本パッケージングコンテスト
通商産業大臣賞受賞
食用油のボトル
28
環境報告書 2001
ボトルに比べて、
プラスチック使用量を
53%、廃棄時の容積を約1/10に削減
「焼津かつおだし」
「利尻こんぶだし」
「オリーブオイル」
リサイクル
適性
省資源
省資源
リサイクル
適性
● 使用後に簡単にはずせるキャップを
● 使用後に分別できるキャップ
導入し、分別しやすくしました
「はずせる君」の導入
'01日本パッケージングコンテスト
日本商工会議所会頭賞受賞
● プラスチックシュリ
ンクラベルにミシン
目を入れ、瓶との分
別ができるようにし
ました
● びんを薄くし、
ラご
ベ使
ル用
が後
は、
がこ
せこ
まか
すら
。
ガラスの使用量を約20%削減
● 梱包用ダンボールの中仕切りを廃止し、
● びんを薄くし、
紙の使用量を64%削減
ガラスの使用量を14∼20%削減
識別・材質表示への取り組み
容器包装の表示について、
法的義務の「識別表示」に加え
識別・材質表示の一例
て、
自主基準の「材質表示」
も行っています。材質を示す単
「クノール® スープパスタ」
容器
包装材料の材質 容器:P
(紙)
、M
(アルミ箔)
蓋:PE(ポリエチレン)、M(アルミ箔)
フィルム:PP(ポリプロピレン)
※リサイクルは、おすまいの自治体の定める方法に従ってください。
語は、
JIS(日本工業規格)
で定められたアルファベットの略
号と、
一般の方にも分かりやすいように、
カタカナ表記も併記
フィルム
するよう順次切り替えています。
容器包装リサイクル法への対応
容器包装リサイクル法が2000
年4月より完全施行となりました。
容器包装を再商品化するため
の費用は、
今後もますます増大し、
2002年度の再商品化委託費
は前年比約30%上がる見込み
です。グラフは味の素㈱と主な
グループ会社のものです。
家庭用容器包装量(2000年度)
単位:千t
再商品化委託費用(2000年度、2001年度)
単位:百万円
30
250
248
25.6
25
200
20.2
171
20
150
134
15
100
79
10
7.7
63
53
50
PET(飲料・しょうゆ用)
プラスチック
98
36
5
3.1
紙
ガラス
アルミ
スチール
0
味の素㈱
味の素
冷凍食品
味の素 味の素ゼネラルフーヅ
製油 (1999年度)
0
2000年度 2001年度 2000年度 2001年度 2000年度 2001年度 2000年度 2001年度
味の素㈱
味の素冷凍食品
味の素製油 味の素ゼネラルフーヅ
環境報告書 2001
29
食品リサイクルへの取り組み
2001年5月に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(通称:食品リサイクル法)」により、食品関連事業者は、食品
の売れ残りや、製造、流通、外食などで発生する大量の食品廃棄物などの減量化や再生利用を推進し、5年後までに再生利用率を20%以
上に高めることが義務付けられました。味の素グループでは、1999年から主要製品についての実態把握を進めた結果、法で定められた
再生利用率を既に大幅に達成していることが分かっています。今後は、従来の取り組みに加えて、①生産・販売管理の強化、②販売不
能商品の削減、③再生利用技術の開発などに積極的に取り組み、
ゼロエミッションを目指します。
製造・流通過程における食品リサイクルの実態
(容器包装材料は含みません)
対象会社:味の素㈱、味の素冷凍食品㈱、味の素製
油㈱、
クノール食品㈱、㈱味の素パッケー
ジング、㈱味の素タカラコーポレーション
対象商品群:味の素、ほんだし、
クックドゥ、冷凍食品、
食用油、
クノール製品など
主原料(農産物など)
副原料
1,350千t
134千t
今後の課題
生産・販売管理の強化
加工・製造
製 品
産業廃棄物
1,161千t
162千t
このうち
倉庫保管
出荷・販売
販売不能商品
食品廃棄物
4,395t
19,172t
販売不能内容
廃棄製品
期限切れ
日付後退
商品破損
サンプル
受注ミスなど
1,044t
食堂生ゴミ 工程生ゴミ
168t
17,960t
今後の課題
販売不能商品の削減
5,439t
食品リサイクル対象
消費
23,567t
再生利用量
今後の削減対象量
18,533t
5,034t(うち廃棄商品2,873t)
今後の課題
再生利用技術の開発
30
環境報告書 2001
オフィスでの取り組み
本社をはじめとしたオフィスでは、電力、
ガスなどのエネルギー及び事務用品など多くの資源を使用しています。これらの使用量の削減
とともに、使用後の再利用化と事務用品などのグリーン購入を推進しています。
目標(本社)
1
省資源・省エネルギーの推進
2
生ゴミ廃棄物の20%削減
バガス紙活用の推進
3
・空調温度管理(夏期28℃、冬期20℃)
・電子ファイル化によるペーパーレスの推進
・生ゴミの水切り徹底
・メニューの工夫
実績(本社)
資源の使用量と廃棄物の発生量
単位
資源
廃棄物
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
2,969
3,051
3,070
2,975
(千m3)
199
202
202
189
水道
(千m3)
23
24
23
23
コピー用紙
(t)
38
39
44
42
紙類
(t)
166
150
153
143
厨芥
(t)
70
72
68
37
びん・缶
(t)
8
10
11
8
粗大ゴミ
電力
(千KWH)
ガス
(t)
1
1
3
2
サンプル(商品) (t)
19
14
4
3
プラスチック
(t)
11
14
12
4
合計
資源化率
(t)
(%)
275
64
261
63
251
65
197
76
活動事例
事例 1 省エネの推進
今年度は、
空調機器のメンテナンスの充実や温度管理の
徹底により、
本社において対前年比5%程度の省エネを達
成できました。
事例 2 コピー用紙の削減
OA複合機の導入により、
コピー
用紙の使用を削減すること
ができました。今後も引き続き、
電子ファイルの活用によるペー
パーレス化を一層推進してい
きます。
事例 3 生ゴミの削減
メニュー数の管理、
パーティー
料理の出し方の工夫や水切
り徹底などにより、本社の食
堂で発生する生ゴミを対前
年比で半減することができま
した。
事例 4 バガス紙の活用
既に、
名刺、
各種パンフレット、
社用封筒などにバガス紙を
活用していますが、
これらに
加えてキャリーバッグにも拡
大しました。
環境報告書 2001
31
社員教育
味の素グループでは、環境に関する以下の教育を行っています。
一般環境教育
新入社員研修、
新任基幹職研修、
海外赴任者研修などに
おいて環境教育を必ず実施し、
味の素グループの環境へ
の取り組み全般はもちろんのこと、
地球環境問題、
企業の社
会的責任、
そして一個人としての関わり方について教育を行っ
ています。
また、
環境マネジメントシステムなどに関する教育
も随時行っています。6月の環境月間の際には、
各事業所に
おいて環境講演なども行っています。
新任基幹職研修
海外法人経営幹部に向けた環境研修
味の素グループは、
海外法人のナショナルスタッフ経営幹部
を対象とするグループマネジメント研修−
−
−AIMS
(Ajinomoto
International Management Seminar)
を年2回開催して
います。社長・経営陣による直接の講義を通じ、
味の素グルー
プの企業理念、
経営方針、
戦略の理解を深めます。環境に
関する事項は、
セミナーの重要なテーマの一つです。環境
担当役員、
専門スタッフによる講義やケーススタディ、
また環
境保全設備や技術についての研修を通じ、
各国・地域での
環境に配慮した事業運営に活かされます。
社長・経営陣による講義
環境保全技術の実地研修
工場における専門教育・訓練
各工場では、
方法、
頻度、
内容などを細かく設定した環境教
育体系に基づき、
従業員を対象にした専門教育を実施して
います。なかでも、
緊急時のさまざまな事態を想定した訓練
を定期的に行っています。
土のう積み訓練
緊急時放水訓練
イントラネットの活用
味の素グループでは、
日本語版・英語版イントラネットを活用して国内外
で情報共有化を図っています。環境部部門メニューには、環境基本方針
や規程・計画、環境会議資料をはじめ、法律情報などを掲載し、教育資
料として利用できるようになっています。
環境部部門メニュー
32
環境報告書 2001
容器包装エコガイド
コミュニケーション活動
環境に関する活動を中心に、味の素グループのさまざまな活動について情報発信し、社内外のコミュニケーションをより一層深めるとと
もに、社員一人ひとりの環境意識の向上に努めています。
環境カレンダー
関環協への参画
昨年に引き続き、
味の素㈱が協賛している
「環境フォトコンテ
関東農林水産関連企業環境対策協議会(通称:関環協。
スト」
(プレジデント社主催)
の味の素賞「大地」に応募して
食品など企業会員数約200)
の2000年度会長を味の素㈱
いただいた写真とともに、
環境基本方針を掲載したカレンダー
環境部長が務めました。
「食
を作成し、
グループ各社への浸透定着に役立てています。
品リサイクル法」の解釈及び
運用面に関する講演を行う
など、
会員企業内への理解を
深めることに尽力しました。
業務用容器包装提案会
国内グループ会社を対象に、
昨年の家庭用容器包装提案
会に続き、
今年は業務用容器包装について実施しました。
包装材料の減量化、
使い勝手、
品質対応をテーマに36点の
改善提案が展示され、採用
に向け検討が進められてい
企業広告「畑から、味の素。」
ます。
味の素ブランドを代表する商品「味の素」は、
世界全域を舞
台に、
天然素材と自然の力を活かして製造されていること、
そして味の素グループは“食”
と
“健康”に貢献する世界企
工場見学
業として、
「うま味」の研究から「アミノ酸」の利用・開発へと
味の素㈱の工場見学に来られる皆様には、
「環境への取り
事業展開していることを「畑から、
味の素。」
という言葉にこ
組み」のパンフレッ
トを配布し、
活動の内容を紹介しています。
1
めて2001年の企業広告を展開しています。
環境報告書 2001
33
社会貢献活動
味の素グループでは、
グローバルな企業活動の一環として、
“食”と“健康”の分野を中心に、
さまざまな社会貢献活動を行っています。
世界各地で企業市民としての責任を果たし、
日本と世界を結ぶかけ橋となるために、
グローバルな視野を持ち、培ってきた経験や知識、
組織力を最大限に活かした活動を展開。
「社会と共に歩み、社会から学ぶ」をスローガンに、
「グローバルプログラム」
「地域プログラム」
「従業員の社会活動の支援」の3つを柱に活動しています。
グローバルプログラム
開発途上国の発展の一助として「食・栄養・保健分野における国際協力」
を推進しています。主な活動は以下の通りです。
1 ・インテグレーション・プロジェクト(1999∼2002)
フィリピン
(財)ジョイセフ
(家庭計画国際協力財団)
と
の共同支援で、
バタンガス州が運営するプロ
ジェクト。住民参加と住民の自助努力による
「自
*
立」
をキーワードに、
リプロダクティブ・ヘルス
(RH)
及び栄養状態の向上に貢献することを通じて、
住民の生活の質の向上に寄与しています。
*リプロダクティブ・ヘルス
(RH)
:妊娠・出産のシステム及びそ
の機能とプロセスに関わる全ての事象において、
単に病気がない、
あるいは病的状態にないということではなく、身体的、精神的、社 体重計の寄贈
会的に良好な状態にあることをいう。
(WHO,1992年)
1
小学校の栄養改善プログ
ラム(2000∼2003)
インドネシアのNGOである、
YKB
(Yayasan Kusuma Buana)
が
ジャカルタの小学校を中心に実
施するプロジェク
ト。
ベースラインデー
タ*の収集、
教材開発、
ワークショッ
プの開催、
鉄分錠剤の配布など
の活動を行っています。
ジャカルタの小学校の子供たち
*ベースラインデータ:ここでいうベースラインデー
タとは、
このプロジェクト対象者の健康調査、食・
栄養に関する知識・態度調査、及び対象地域
の人口調査、疾病調査によって得られる基礎的
情報のこと。
地域プログラム
地域の課題を解決するという考え方に基づき、
国内外のさまざまなニーズに応える活動を行っています。主な活動は以下の通
りです。
1
国内での活動
海外での活動
本格的な高齢化社会に対応した、
高齢
者向け配食サービスのボランティア団体
支援策などを充実させています。
高齢者向け配食サービスの様子
(写真提供:ふきのとう)
1
「国連子供環境ポ
スター原画コンテスト」協賛
地球環境平和財団が、
国連環境計画(UNEP)
との共催で実施
している本コンテストに協賛。次代を担う子供たちが、
環境問題
を自らの問題として考え、
「美しい
地球を守ろう!」と世界中の人々
に絵でメッセージを伝えることを目
的とした第10回コンテストには、
57
カ国の子供たちから12,630点が
寄せられました。
第10回(2000年)最優秀賞
(14歳・ルーマニア)
34
環境報告書 2001
教材・備品の提供や学校建設
など、
教育支援に重点をおいて
います。
小学校の新校舎完成セレモニー
(ペルー)
11
「FHJ-AJINOMOTOホームプロジ
ェクト
コンクール」協賛
1975年より、
若い時代に食生活や生活環境
の大切さについて考える機会を持ってほしい
との願いを込めて、
全国高等学校家庭クラブ
連盟主催のホームプロジェクトコンクールに協
賛しています。今回は15,395名(501校)
から
応募があり、
「生活環境」に関しては、
家庭ゴ
ミの減量に関する研究が多く見られました。
従業員の社会活動の支援
従業員の一人ひとりが良き市民として自発的に行う社会活動を企業としてもバックアップし、
社会貢献活動の輪が広がるよう支
援しています。
表彰制度「社会活動賞」
ボランティア休暇制度
味の素㈱には、
社会活動に参加する社員を支援するためのボラ
ンティア休暇制度があります。2000年度は、
3名の社員が延べ6回、
15日間にわたり、
民生委員やボーイスカウト、
ルーマニア孤児支援
活動のためにこの制度を利用しました。
味の素㈱は、
味の素グループの従業員
(パートを含む)
を対象に
する表彰制度「社会活動賞」
を2001年度より導入しました。地域
の社会活動や種々の社会支援活動に継続的に取り組み、
支援
活動団体から社会的に高く評価された個人やグループに「感謝
の手紙」
と記念品を贈り、
受賞人数に応じた金額をNGO団体に
寄付しました。第1回目として16名、
1グループ
(25名)
がさまざまな
活動について表彰されました。
AJINOMOTO CITIZENSHIP WEEK
味の素㈱の創立記念日6月17日の前後2週間を「AJINOMOTO
CITIZENSHIP WEEK」
として、
従業員の社会活動参加を奨励
するキャンペーン期間としました。体験ボランティアの企画、
社会
貢献活動に関する講演会の開催、
チャリティーなど、
国内各事業
所、
各地域でさまざまな企画を実施しています。
また、
年間を通じ、
イントラネットの社会貢献ページでボランティア情報を提供してい
ます。
事業所周辺の清掃(工場)
事業所周辺の清掃(本社)
休眠衣料品を日本救援衣料センターへ
寄贈
車椅子介助法の実習
使用済み切手を集めて、茨城県神栖町社会福祉協議会へ寄贈
「海の中道海岸清掃(福岡)」に参加
1
事業所における活動①
1
事業所における活動②
味の素㈱川崎工場
クノール食品㈱
ペットボトルを再利用したユニフォームに変更するにあたり、
それ
までのユニフォーム約1,000着を、
ベトナム農業省の支援を受けて
いるNGO団体へ寄付し、
マングローブ植林活動の際の作業服と
して再利用していただきました。
プリペイドカード整理のボランティア
「少しでも地域に貢献したい」
という思いから、
社長以下約80
名の社員の自主的な参加により、
会社周辺の清掃活動を行って
います。
会社周辺の清掃活動
ベトナム メコンデルタのベンチェ省で調査を進める現地スタッフ
環境報告書 2001
35
環境会計
味の素㈱は、1992年より環境コストの集計を行ってきましたが、環境経営を推進するうえで「環境会計」は重要なツールと考え、今年度
試行しました。今後は、連結ベースへと集計範囲を拡大していきます。
2000年度環境会計
今年は、
環境会計導入初年度の試みとして、
味の素㈱の主要3工場について集計しました。
①集計範囲 … 味の素㈱川崎工場、東海工場、九州工場
②集計期間 … 2000年4月1日∼2001年3月31日
③集計の考え方
環境保全に関して、直接関わっている運転部門及びスタッフ部門に限定し
・
て集計対象としました。
投資は環境目的に限定されるもののみ集計しました。
・
減価償却費は財務会計上の金額としました。
・
グリーン購入については総額を記入しました。
・
省エネによる費用削減効果については、削減相当額の実績を計上しました。
・
環境会計の集計方法
環境コストと効果は環境庁(現環境省)発行の「環境会計ガイドライン
2000年度版」を参考にしてまとめました。但し、経済効果については内
部管理しており、測定可能な実質効果のみ集計しました。従って推定
計算によるみなし効果や偶発的効果は算出していません。
環境保全コスト
単位:千円
環境保全コスト
項 目
主な取り組み内容
生産・サービス活動により事業エリア内で生じる
環境負荷を抑制するための環境保全コスト
排水処理設備維持費用、大気汚染防止設備の
内訳1)
:公害防止コスト
維持管理費用など
特定フロン冷凍機更新など
内訳2)
:地球環境保全コスト
内訳3)
:資源循環コスト
維持管理費用(熱回収炉・焼却炉・嫌気発酵設備・
アンモニア回収設備・副生物の肥料化設備)
生産・サービス活動に伴って上流又は下流で
上・下流
グリーン購入(夏冬制服)
生じる環境負荷を抑制するためのコスト
コスト
包装形態変更投資
管理活動における環境保全コスト
EMS関連固定費
管理活動
EMS審査関連費用
コスト
環境試験設備投資
研究開発活動における環境保全コス
ト
R&Dコスト
環境技術担当者の費用
社会的活動における環境保全コスト
環境関連催しの開催
社会活動
SOx賦課金
コスト
環境損傷コスト 環境損傷に対応するコスト
分 類
事業内
エリアコスト
環境保全効果
項 目
単位:t
2000年度実績 対前年増減量
4,826,725
投資額
361,485
費用額
4,144,154
(77,018) (1,874,017)
(284,467)
59,147
32,203
0
212,449
27,200
220,146
0
217,774
0
0
環境保全対策にともなう経済効果
効果の内容
単位:千円
金額
137,000
-5,000
-4%
リサイクルによる収入額
224,233
CO2発生量(炭素換算)
116,000
-5,000
-4%
省エネによる費用削減
250,121
廃棄物:資源化量
115,085
+8,173
+8%
:社内処分量
5,570
-7,538
-58%
:社外処分量
7,265
-4,945
-40%
大気汚染防止:NOx発生量
284
-21
-7%
:SOx発生量
1,415
-284
-17%
84,715
+5,308
+7%
319
-53
-14%
蒸気回収量
CO2換算係数及び原油換算係数は経済産業省公表値を使用
環境報告書 2001
(42,184)
(0) (2,227,953)
エネルギー使用量(原油換算)
アンモニア水(19%)回収量
36
増減率
447,832
資源・環境分野における技術開発体制の強化
味の素㈱国際生産推進センター内に、
発酵工業に関わる
成支援、
並びに教育、
データ管理システム、
環境会計構築
資源と環境分野の技術開発を統合してグローバルに担当
などの標準化を図っています。
する組織「資源環境部」を新たに創設しました。国内外の
発酵原料資源や、
副生資源の活用技術、
環境保全技術の
開発、
さらに資源環境分野における国内外工場への技術
移転や人材育成を行っています。
また、
味の素㈱生産技術
開発センターのシステム技術部標準化推進室では、
グルー
プ各事業所のEMS構築やマネジメントシステム監査員の養
第89回日本熱帯農業学会で栽培試験
結果を発表
ピナツボ火山灰による荒廃地のさとうき
び栽培復興事業に参加
(フィリピン パンパンガ州)
表彰
国内外において、環境保全活動、地域への貢献、広告・PRなど多方面での取り組みに対して高い評価をいただきました。
1
農林水産大臣賞受賞
1
TPM特別賞受賞
味の素㈱九州工場<2000年11月>
味の素パッケージング㈱関西事業所<2000年10月>
副生液の海洋投入を1999年6月より全廃し、
廃棄物などの
TPM
(Total Productive Maintenance)
削減、
資源化率向上に顕著な改善があったことなどが評価
とは、
「全員参加の生産保全」を意味す
され、第22回食品産業優良
る、
生産システム効率化の極限追求(総
企業表彰の資源・環境保全
合的効率化)
を目標とした活動です。
こ
部門で「農林水産大臣賞」
の活動を10年間余り継続し、
国内では
を受賞しました。
最高の「TPM特別賞」を受賞しました。
また、
地域に密着した優良職場として「労
受賞を記念して出版した本
働大臣優良表彰」
も受賞しました。
1 Medal受賞
Labour
ベトナム味の素㈲<2001年5月>
ベトナムの食品産業では初めてISO14001を取得。
また、
5月
第30回フジサンケイグループ広告大賞
には、
効果的事業運営による利益保持、
雇用、
環境、
社会
あなたが選ぶ広告賞新聞部門金賞受賞
貢献など多方面で国家に貢献したということで、
ベトナム政
味の素㈱ 企業広告「骨先生」<2001年4月>
府から高い評価を受け「Labour
魚全体の姿を見る機会の少なくなった昨今、
さまざまな魚と
Medal」を受賞し、
大統領より
その料理名を載せながら、
骨だけ残してきれいに食べるこ
授与されました。日本企業で
との大切さや、
食文化の素
は初めての受賞となりました。
晴らしさなどを骨の姿から
感じとっていただける広告
です。
第4回全国エネルギー保全と合理的使用全国賞受賞
味の素ビオラティーナ㈲ラランジャール パウリスタ工場<2000年10月>
ブラジルの味の素ビオラティー
ナ㈲の工場は、
「全国産業連
合第4回全国エネルギー保
全と合理的使用全国賞」を
受賞しました。
環境報告書 2001
37
環境年表
年号
1908
1917
1932
味の素㈱、味の素グループ
社会一般
●こんぶのうま味成分の発見 ●小麦グルテンの酸分解による
「味の素」の製造開始
●㈱鈴木商店設立
(6月17日創立記念日) ●ニューヨーク事務所開設
●川崎、
羽田などの漁業協同組合員、鈴木商店味の素工場の汚水排除装置を求めて
●多摩川の汚染が社会問題化
多摩川を船でデモ行進
1934
1935
1938
1946
1954
1956
1958
1960
1961
1962
1967
1968
1969
1970
1971
1972
●「味の素」の原料を、
小麦グルテンから脱脂大豆に転換
●「油脂事業」に進出
●電気分解操業開始
(川崎工場)
●「味の素株式会社」に社名改称
●渡良瀬川沿岸に足尾鉱毒被害
●配合肥料「エスサン肥料」認可
●中央研究所設置 ●アメリカ味の素㈱設立
●熊本県「水俣奇病」社会問題化
●ユニオンケミカルズ社設立
(フィリピン)
●工場排水規制法及び水質保全法制定
●発酵法で
「味の素」製造開始 ●タイ味の素㈱設立
●伊勢湾産の“臭い魚”問題
●マレーシア味の素㈱設立 ●欧州味の素販売㈲設立
(ドイツ)
●「加工食品事業」に進出
●ばい煙排出規制法制定
●公害対策基本法制定
●ペルー味の素㈱設立
●インドネシア味の素㈱設立
●「環境保全委員会」設置
(中央研究所と川崎工場合同)
●公害関係14法律制定
●活性汚泥排水処理設備及び排煙脱硫設備完成
(川崎工場)
●環境庁発足
●「冷凍食品事業」に進出
●通産省、
PCBの生産使用禁止を通達
●ローマクラブが
「成長の限界」発表 ●第1回国連人間環境会議開催
1973
1974
●「コーヒー事業」に進出
●水俣病判決
(原告勝訴)
●電気分解製法転換
(水銀法→隔膜法)及び廃棄物焼却炉完成(川崎工場)
●ユーロリジン㈱設立
(フランス)●味の素インテルアメリカーナ㈲設立(ブラジル)
1975
1977
1979
1980
1982
1984
1985
1987
●省エネプロジェクト
「KEEP」発足
●六価クロムによる汚染が社会問題化 ●ロンドン・ダンピング条約発効
●副生液から肥料の製造開始
(九州工場)
●「飲料事業」に進出
●第1次総量削減基本方針策定
●「乳製品事業」
「医薬品事業」に進出
●「甘味料事業」に進出 ●水質汚濁防止法違反で罰金
(九州工場)
●北京事務所開設 ●ハートランドリジン㈱設立
(アメリカ)
●ボイラー燃料を重油からLNGに切替
(川崎工場)
●「オゾン層の保護のためのウィーン条約」採択
●国連総会で
「持続可能な発展」を決議
●「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」採択
1989
●オムニケム㈱買収
(ベルギー)
●G7サミッ
トで「持続可能な発展」に基づく方針の世界的、早期の採用を呼びかけ
1990
●副社長をトップとする
「環境問題懇話会」発足(本社)
●水質汚濁防止法改正 ●第3次COD総量規制基本方針決定
1991
1992
●容器包装エコインデックス制度導入
●リサイクル促進法制定 ●国際商業会議所「産業界憲章」採択
●カルピス味の素ダノン㈱設立
●地球環境サミッ
ト
(ブラジル)開催、
リオ宣言、
アジェンダ21採択
1993
●環境室発足
(1994年環境部に改称) ●蓮花味の素㈲設立(中国)
1994
1996
1997
●通産省要請の環境ボランタリープラン提出 ●容器包装エコガイド発行
●「有害廃棄物の国境を越える移動、
処理の規制に関するバーゼル条約」締結
●経団連「地球環境憲章」発表
●通産省による
「地球にやさしいボランタリープラン」策定要請
●環境基本法制定
(公害対策基本法廃止)
●環境庁「環境にやさしい企業行動指針」作成
●環境庁環境基本計画決定 ●土壌環境基準改正 ●気候変動枠組条約発効
●電気分解設備廃止
(川崎工場)
●容器包装リサイクル法制定 ●経団連環境自主行動計画発表
●環境基本方針、
環境規程制定 ●味の素フレッシュフーズ㈱設立
●容器包装リサイクル法再資源化義務部分施行
●気候変動枠組条約第3回締約国会議
(COP3)
「京都議定書」採択
1998
1999
●ISO14001認証取得
(九州工場)
●地球温暖化対策法制定 ●家電リサイクル法制定
●発酵副生液の海洋投入国内完全停止 ●味の素グループの環境監査開始
●PRTR法制定 ●ダイオキシン特別措置法制定
●ISO14001認証取得
(東海工場) ●味の素製油㈱設立 ●味の素ファルマ㈱設立
2000
●「味の素グループ環境報告書2
000」発行
●容器包装リサイクル法完全施行 ●循環型社会形成推進基本法制定
●国際生産推進センターに資源環境部を創設
●食品リサイクル法制定 ●COP6 合意に至らず中断
●ISO14001認証取得
(味の素冷凍食品㈱中部工場、
マレーシア
パッケージング イン
ダストリー㈱)
●味の素物流㈱設立
2001
●大型投資案件に対する本社経営による環境アセスメント開始
●COP6 会合再開。京都議定書実施ルール合意
●ISO14001認証取得
(ベトナム味の素㈲、
味の素㈱川崎工場、
味の素ゼネラルフーヅ㈱)
(黒字:国内、青字:海外・国際)
38
環境報告書 2001
用語説明(50音順、アルファベット順)
環境会計
特定フロンと代替フロン
企業などが、
持続可能な発展を目指して、
社会との良好な
フロンはカークーラーなどに広く使用されていたが、
太陽光
関係を保ちつつ、
環境保全への取り組みを効率的かつ効
線の紫外線と反応し、
地球に降り注ぐ有害紫外線を吸収す
果的に推進していくことを目的として、
事業活動における環
るオゾン層を破壊するものがある。このうち、
破壊力の強い
境保全のためのコストとその活動により得られた効果を、
可
フロン5種が特定フロンに指定され、
製造や使用が規制され
能な限り定量的に把握・測定し、
分析し、
公表するための仕
ている。現在は、
比較的環境への影響の少ないフロン類を
組み。 代替フロンとし、
転換が進められているが、
これも同様に規
制されている。
グリーン購入
商品やサービスを購入する際に、
価格や品質だけでなく、
環
内分泌攪乱化学物質
境に与える負荷のより小さいものを優先的に購入すること。
いわゆる環境ホルモンのこと。体内に取り込まれると、
超微
2001年4月には、
グリーン購入法が施行され、
国や地方自治
量でも人や動物の内分泌系の機能に変化を与え、
生殖機
体は可能な限り環境負荷の少ない製品を購入することが
能などに影響を引き起こす化学物質。現在、
疑いのある約
義務付けられた。一般の事業者や国民についてもできる限
70品種について、
国などの機関で調査中である。
りこれに沿うように要請している。
マニフェスト
再商品化委託費
「容器包装リサイクル法」における用語。再商品化(リサイク
産業廃棄物管理票。産業廃棄物排出事業者は、
法定の伝
票に種類、
数量、
取扱注意事項などを記入する。排出→収
ル)
とは、
家庭用商品の使用後に廃棄されるプラスチックや
集→中間処理→最終処分と移動するごとに管理状況など
紙などの容器包装を自治体などで分別収集し、
資源として
を記載し、
排出事業者は最終処分報告を回収して適正処
リサイクルすること。製造メーカーなどは、
国で定める算出式
分を確認する。
でそれぞれの再商品化の負担量を求め、
再商品化の義務
を負う。再商品化業務を指定法人に委託する場合の費用
ISO14001
を再商品化委託費という。
ISOは国際標準化機構(International Organization for
Standardization)
の略。ISO14001は、
1996年に発効された
ゼロエミッション
環境マネジメントシステムの国際規格。経営は目標を定め、
事業活動で発生した廃棄物などの有効利用など
(資源化)
Plan→Do→Check→Act→Plan…を継続的に実施して改
を推進し、
社外に委託処分する量をゼロ化する活動。
善を図り、
向上を目指すシステム。
ダイオキシン類
PRTR法
1999年7月に公布されたダイオキシン類特別法において定
Pollutant Release and Transfer Register の略称。環境
義されている有機塩素化合物。
コプラナ−ポリ塩化ビフェニー
汚染物質排出・移動登録と訳される。工場などの事業者は、
ル
(コプラナーPCB)
などが良く知られている。ダイオキシン
国が定めたダイオキシンを含む有害性のある400近い化学
類は、
さまざまな焼却に際して非意図的に発生し、
強い急性
物質について、
環境(大気や水域、
廃棄物など)への移動
毒性、
発癌性や催奇形性を呈する。
量を調査し、
都道府県を経由して国に届け出る義務があり、
国はそれを集計・公表することになっている。
地球温暖化
二酸化炭素やメタンなどの“温室効果ガス”が大気中で増
PCB
加することによって、
地球の温室効果が強められ、
地球の平
ポリ塩化ビフェニールの略。非常に安定な物質で分解・消
均気温が上昇すること。歴史的には、
産業革命以降、
人類
滅が極めて遅く、
毒性も極めて強い。絶縁油などに多く使用
の工業生産活動などで急速に増加している。
されていた有機塩素化合物で、
1972年に製造中止になった。
その後有効な処分方法がなかったため、
各社で保管管理
していたが、
2001年4月にPCB特別措置法が制定され、
今
後計画的に処理されることが決定した。
環境報告書 2001
39
味の素グループの環境活動並びにこの報告書に関する
お問い合わせ先
〒104-8315 東京都中央区京橋一丁目15番1号
味の素株式会社 環境部
Tel. 03(5250)8169 Fax. 03(5250)8318
http://www.ajinomoto.co.jp/
この環境報告書は、環境に配慮し、
さとうきびの繊維(バガス)
より作られた紙、並びに大豆インクを使用しています。
2001年11月発行
Fly UP