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クイズで学ぶ化学と科学
一般教育演習 クイズで学ぶ化学と科学 2008年度第1学期・木曜日第5校時(1630-1800) 高等教育機能開発総合センターE207 大谷文章(おおたにぶんしょう) 北海道大学触媒化学研究センター・教授 北キャンパス創成科学研究棟03-311-2号室 ■ 先端の化学(金曜5/7月4日) ■ 触媒化学のフロンティア(火曜5/4月15日) 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 1 授業の目標・到達目標 ■ 各回数題出題されるクイズに答えることによって「化学と科学 とはなにか」を学ぶ.答えの内容は「何か書かれているかぎり」 評価しない.《毎回数題のクイズ/質問》 ■ 受講者は,「化学と科学を理解するのに役に立つクイズ」を作 成・発表して受講者どうしのディスカッションを行う. 《最後の 1~2回》 ■ 各講義の最後に提出する「感想と意見」は(ニックネームつき で)公開とし,次回に講評と討論を行う.受講者はニックネー ムを設定する.担当者に対する最低1つの質問を含めること. 次回に質問と答えのそれぞれについて投票してランキング《毎 回》 ■ 科学的な視点と方法の基礎を身につける 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 2 キーボードのなぞ Q なぜ「Enter」は『 』なのか Q なぜ大文字をうつのは『shift』なのか 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 3 キャリッジリターン ■ 紙を固定した部分をキャリッジといい,これを右側に戻す(CR) とともに,1行分の行送り(LF)をする ■ 本来は「キー」ではない 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 4 シフトキー ■ 大文字が上/小文字が下=キャリッジをあげる(shift)と大文 字が印字される.《キャリッジをもちあげる必要がある》 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 5 Q: 前回の質問/回答に投票してください ■ 配布した「感想/質問と回答」をみて いいと思った質問 いいと思った回答 をそれぞれニックネームで投票してください.集計結果は次回 に発表します. 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 6 授業の目標・到達目標 ■ 各回数題出題されるクイズに答えることによって「化学と科学 とはなにか」を学ぶ.答えの内容は「何か書かれているかぎり」 評価しない.《毎回数題のクイズ/質問》 ■ 受講者は,「化学と科学を理解するのに役に立つクイズ」を作 成・発表して受講者どうしのディスカッションを行う. 《最後の 1~2回》 ■ 各講義の最後に提出する「担当者に対する質問」と「感想と意 見」は(ニックネームつきで)公開とし,次回に講評と討論を行 う.受講者はニックネームを設定する.次回に質問とその回答 のそれぞれについて投票し,最高得票のものを発表《毎回》 ■ 科学的な視点と方法の基礎を身につける 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 7 今後の予定 6月12日 6月19日 6月26日 7月3日 7月10日 7月17日 7月24日 7月31日 8月7日 燃料電池-報道と科学論文:科学表現とは何か 科学の三冠王-科学者はなにをめざすのか (東京工業大学集中講義のため休講) リサイクル-環境と物質とエネルギー (国際会議(京都)出席のため休講) (未定) クイズの提出(全員)/クイズの発表(第1回) 国際会議(シドニー)出席のため休講 クイズの発表(第2回) 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 8 Q: 環境問題─牛乳の容器 ■ 紙パック入りとガラス瓶入りの牛乳がおなじ値段だとします. 「環境に配慮すると」どちらをえらびますか. 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 9 Q: 環境問題─牛乳の容器 ■ 紙パック入りとガラス瓶入りの牛乳がおなじ値段だとします. 「環境に配慮すると」どちらをえらびますか. ・重量増による燃料使用量の増加 ・重量増による燃料使用量の増加 ・燃料使用量増加による大気汚染物質 ・燃料使用量増加による大気汚染物質 ・洗浄による水質汚濁 ・洗浄による水質汚濁 ・紙は「再生可能資源」. ・紙は「再生可能資源」. ・焼却して生じる二酸化炭素は植物により吸 ・焼却して生じる二酸化炭素は植物により吸 収 収 ・紙パックは紙パックには再生されない: ・紙パックは紙パックには再生されない: カス カス ケードリサイクル ケードリサイクル 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 10 飲料容器の環境負荷比較その2 ■ 水質汚濁に関する評価しだい http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/ContainerImpact.htm 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 11 札幌市のプラスチックごみの行方 ■ Q: 札幌市で回収されたプラスチックごみはどうなる? ■ Q: 札幌市で回収されたPETボトルはどうなる? 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 12 札幌市のプラスチックごみの行方 ■ Q: 札幌市で回収されたプラスチックごみはどうなる? 財団法人 札幌市環境事業公社 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 13 札幌市のプラスチックごみの行方 ■ Q: 札幌市で回収されたプラスチックごみはどうなる? 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 14 札幌市のプラスチックごみの行方 ■ Q: 札幌市で回収されたPETボトルはどうなる? 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 15 回収:プルタブ/新聞紙/牛乳パック Q: どれがいちばんいいですか.理由とともにしめしてください. 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 16 回収:プルタブ/新聞紙/牛乳パック ■ アルミ缶のプルタブ140万個(700 kg・1缶100円としても1 億4千万円!)=約7万円の車いす1台(補助金をつかうと約 2万円)=1 kgあたり100円. ■ 古新聞回収=1 kgあたり3円. ■ 牛乳パック=1 kgあたり0円. 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 17 リサイクルと環境問題 ■ Q: リサイクルの英語は何ですか.語源は何でしょ うか. ■ Q: リサイクルとは何ですか.例をあげて説明して ください. ■ Q: リサイクルは「環境によい」ことですか.例をあ げて説明してください. 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 18 リサイクルとは何か 武田邦彦(たけだくにひこ) リサイクル幻想 文春新書131・文藝春秋(2000) ■ Q: 配布資料を読んで内容を簡潔にまとめる 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 19 リサイクルの矛盾 ■ ■ ■ ■ ■ 使えば劣化する矛盾 「下位の用途」がない矛盾 国際分業を否定する矛盾 「月給」ではなく「遺産」を使う矛盾 資源をかえって浪費する矛盾(例: ペットボトル) G = H -TS (S:エントロピー) ■ 正反対の価値観が両立する矛盾 ■ 毒物が混入する矛盾 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 20 焼却 ■ 「プラスチックを燃やせない焼却炉で燃やせば炉を傷める」が妥当な表現 ■ 都市ごみの発熱量は,1 kgあたり2,000~5,000 kcal程度 ■ プラスチックを分別すると,2,000 kcal程度の低発熱量の焼却炉と,プラ スチックだけの7,000 kcal程度の焼却炉が必要 ■ プラスチック類を製鉄用の高炉(還元用の微粉炭のかわりにする)で燃焼す る(「リサイクル」と報道されることがあるが循環ではないので誤り)のは無意 味(微粉炭の50倍のコスト) ■ プラスチックを分解して燃料油とするのは無意味(A重油の10倍以上のコス ト:札幌市では固形燃料化を実施中:分解ではない) ■ 「環境は経済ではない」とする主張は誤り.コストは環境への負荷を反映す る ■ 「そのまま燃やすより,少しでも利用できれば利用した方がよい」→「石炭を 使うくらいなら,多少高くついても捨てるプラスチックを使うべきだ」→「廃 棄物貯蔵所が満杯になるのだから,ゴミをなくす方法なら何をやってもよ い」という問題の変質.それぞれが「部分的正当性」をもっているが,全体と しては環境への負荷を増加させる 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 21 石油をプラスチックとして利用してから燃焼 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 地球上のエネルギーは太陽光由来(例外:地熱) 石炭は,太陽光による光合成を行って繁殖した植物が蓄積したもの 石油は,植物からエネルギーを摂取した動物の死骸が蓄積,変質したもの 石油や石炭を燃焼させるのは,「生物の中に閉じこめられていた太古の太陽光のエネル ギー(原文では「太陽の光」)を開放すること」 プラスチック・ゴム・合成繊維は石油を原料としてつくるが,閉じこめられていたエネル ギーの一部を開放するのにすぎない=熱として利用できるエネルギーがまだ蓄積されて いる=製造するのに必要なエネルギーが少ない 日本では石油の大部分(95%)を電力用・輸送用として燃焼させている(「生炊き」) 廃プラスチック類を燃料にすれば生炊き量が減るので,二酸化炭素放出量がただちに増 加するわけではない 廃プラスチックとともに一般ゴミ(日本で年間5,000万トン)も燃焼させて熱として利用す ればさらに生炊き量を節減できる(熱効率を考慮しても10%=3,000万キロリットルの節 減) 資源の枯渇が叫ばれている金属や,つくるのにエネルギーを多量に消費する陶器など, 無機材料の利用を減らし,プラスチックを材料とするとさらに石油消費量を節減できる 焼却は毒物を発生させるのではなく,毒物を分解して浄化すると考える プラスチックを燃焼させて電力をとりだす限り,焼却した方がエネルギー的に得策 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 22 注意点 ● 67,69,および70ページ: 使われている「元素」とことばの使い方は誤り.元素とは構成要素の名前で あり,抽象的な概念にすぎないが,説明では「原子核」あるいは「内殻電子 と原子核」の意味で使用されている. ● 88ページ・3行目: 「○℃になる」→「0℃になる」 (第1刷) 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 23 質問... Q 質問は何ですか(すくなくとも1つ) Q 今回の講義の感想・意見 [email protected]/011-706-9132 北大 大谷研 検索 2008/07/03─ 回 2008/07/03─「クイズで学ぶ化学と科学」第11 「クイズで学ぶ化学と科学」第11回 24