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施策編 - 大船渡市

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施策編 - 大船渡市
施策編
基本目標の達成に向けた環境分野ごとの基本方針と施策の方針などを、体系的に示します。
【基本目標1】
市民が安心してくらせるきれいな生活環境をめざします
1-1 大気の環境
1-2 水の環境
1-3 身近な生活環境
【基本目標2】
自然環境と調和し快適にくらせるまちをめざします
2-1 自然生態系
2-2 景観資源、身近な緑
【基本目標3】
地球環境に配慮した環境共生型のくらしをめざします
3-1 廃棄物
3-2 地球温暖化対策実行計画
【基本目標4】
一人ひとりの行動力を生かす環境保全をめざします
4-1 環境教育・環境学習
4-2 環境保全活動・環境配慮
15
基本目標 1
市民が安心してくらせるきれいな生活環境をめざします
1-1
大気の環境
(1)現状と課題
大気汚染は、工場・事業場や自動車などから様々な汚染物質が排出されることによって生じ
ます。主な汚染物質には、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ま
しい基準として、環境基準が定められています。
大気汚染の実態を把握するため、県が二酸化窒素(NO2)の常時監視測定を、市が降下ばい
じん量の通年測定及び酸性雪の測定を実施しています。東日本大震災以降、国・県では、市内
の大気中のアスベスト濃度の測定を実施しています。環境基準や目安は達成されており、本市
の大気は良好な状況で推移しています。
今後も大気汚染を防止するために、大気環境の監視を行うとともに、工場・事業場や自動車
などの発生源への対策に取り組んでいく必要があります。
◆二酸化窒素濃度の推移
0.070
(ppm)
0.060
0.050
0.040
環境基準
0.030
0.020
0.015
0.011
0.012
H14
H15
0.013
0.012
0.011
0.011
0.010
0.010
0.009
H18
H19
H20
H21
H22
0.008
0.010
0.000
H13
H16
H17
H23
(年度)
出典:岩手県大気汚染状況測定結果
16
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
大気の環境に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
澄んだ空気を守ります
【達成目標】
項目
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
0.008ppm
環境基準(0.04ppm)以下
7.9t/km2/月(権現堂)
4.5t/km2/月(野々田)
10t/km2/月以下
60.29%
計画期間中において、対前年度
以上であること
二酸化窒素
降下ばいじん量
公用車に占めるエコカー導入
割合
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】大気環境の監視
大気の常時監視測定
監視地点・項目の追加の検討
測定結果の公表
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
「大船渡市の環境」の発刊
市内における環境の現状と対策(主として公害関連)等につ
いてまとめた環境白書的な冊子を隔年で発刊する。
市民生活環境課
公害苦情処理
水質汚濁、不法投棄、悪臭、騒音等に係る市民相談に対応し、 市民生活環境課
関係機関と連携を図りながら、必要な調査及び助言等を行う。
道路粉じん量調査
沿道における道路粉じん量について、通年で調査を実施する。 市民生活環境課
酸性雪調査
森林の衰退や魚類の減少等、自然環境等に大きな影響を及ぼ
す酸性雪についての調査を実施する。
市民生活環境課
二酸化窒素の常時監視測定
二酸化窒素(NO2)の常時監視測定を実施する。(県)
市民生活環境課
アスベスト濃度調査
東日本大震災により被災した建築物等の解体撤去作業やがれ
きの処理等に伴い、アスベストの飛散状況を把握するため、
環境大気中のアスベスト濃度を調査する。(環境省、県)
市民生活環境課
光化学オキシダント濃度の
測定
県内 5 箇所(盛岡市、北上市、奥州市、一関市、宮古市)で
濃度の測定を実施し、基準値を超えた場合は、注意報を発令
する。(県)
市民生活環境課
公共工事等における建設機
械の排ガス抑制
公共土木工事に使用する建設機械について、排出ガス量を削
減するために、排ガス対策型の機械を使用する。
建設課
積込中継施設に係る各種環
境測定事業
ごみ収集及び中間処理に伴う施設近隣の環境保全のため、定
期的に水質汚濁、騒音、振動、悪臭に係る調査を実施する。
大船渡地区
環境衛生組合
17
【施策の方針②】工場・事業場対策
工場・事業場の監視
諸法令に基づく指導
環境汚染防止に関する意識啓発
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
環境パトロール
公害苦情の発生原因となった事業場等を対象に、県と連携し、 市民生活環境課
環境パトロールを実施する。
環境保全協定締結の推進
環境の保全と公害の未然防止を図るとともに、事業者が自主
的に環境への負荷を低減するよう誘導するため、公害の原因
となるおそれのある施設等を使用する事業者と地域住民等の
協定締結を推進する。
市民生活環境課
など
工場、事業場等への立入調
査
環境保全諸法令に基づく届出内容等を確認するため、大船渡
保健所と連携して立入調査を実施する。
市民生活環境課
事業者環境意識啓発事業
大船渡市環境保全推進協議会など事業者が構成員となる団体
等を通じて、事業者の環境意識の啓発を図る。
市民生活環境課
【施策の方針③】自動車排ガス対策
エコカーの普及
エコドライブの啓発
道路沿道緑化の推進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコドライブの普及
ふんわりアクセルやアイドリングストップ、加減速の少ない
運転など、環境にやさしい運転に取り組む。
市民生活環境課
エコカーの導入
市の率先行動として、公用車の更新時にエコカーの導入を進
める。
財政課
公共工事等における建設機
械の排ガス抑制
(再掲 1-1①参照)
建設課
都市公園、緑地樹木保守管理 都市公園樹木や街路樹を適切に保守する。
(4)市民・事業者に望まれる取組
市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 近所への外出は、できる限り徒歩や自転車で行いましょう。
・ できるだけ自動車ではなく公共交通機関を利用しましょう。
・ 自動車に乗るときはエコドライブを心がけましょう。
・ 自動車は、エコカーを選びましょう。
等
② 事業者の取組
・ 大気汚染防止設備・施設の整備・管理に努めましょう。
・ 工事などに伴う粉じんの発生防止に努めましょう。
・ 近所への営業等は、できる限り徒歩や自転車で行きましょう。
・ エコドライブ、相乗りに心がけましょう。
・ 自動車は、エコカーを選びましょう。
等
18
住宅公園課
1-2
水の環境
(1)現状と課題
① 海域
本市には、北から吉浜湾、越喜来湾、綾里湾、大船渡湾、門之浜湾が連なり、それぞれ
が流入する河川の流域を有します。門之浜湾を除く 4 つの湾は、環境基準 A 類型に指定さ
れ、水質の測定監視を行っています。
大船渡湾は、その細長い地形から閉鎖性が極めて強いことに加え、沿岸に都市が形成さ
れ、生活系・産業系の排水が流入することから、水質汚濁やヘドロの堆積が進みました。
県と市は「大船渡湾水環境保全計画」の推進等を図ってきましたが、COD など一部の環
境基準は達成されていません。また、水質汚濁事故や、異常出水時に河川から流入するご
みなどの問題もあり、市民意識調査では大船渡湾の環境についての厳しい評価が見られま
す。東日本大震災では湾口防波堤の倒壊やヘドロの一部流出、ガレキ等の流入によって湾
の環境が大きく変わったため、震災以降の水質の変化が注目されています。
その他の湾では環境基準は達成されており、市民意識調査では大船渡湾に比べ、環境が
良好とする評価が多く見られます。
今後も海の汚濁を防止するために、水環境の監視を行うとともに、水質汚濁事故や流入
するごみ、生活系・産業系排水への対策、水質浄化に取り組んでいく必要があります。
◆大船渡湾の COD 値の推移
(mg / l)
4.0
3.9
3.4
3.0
3.4
2.8
3.0
3.1
3.0
3.1
3.1
2.8
2.5
2.1
2.4
2.6
2.5
2.7
2.7
2.4
2.0
2.1
環境基準
2.0
1.7
2.2
2.1
1.7
1.7
1.7
1.6
H20
H21
1.0
湾奥
湾央
2.5
2.3
1.5
湾口
0.0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H22
(年度)
出典:岩手県公共用水域水質測定結果
19
② 陸域
本市の河川では、大船渡湾に流入する盛川本流と立根川、吉浜湾に流入する吉浜川に環
境基準が設定され、水質の測定監視を行っています。
これらの河川の環境基準は達成されていますが、市街地を流れる河川・水路で、水質汚
濁が見られるところがあります。水質汚濁の原因は生活雑排水や事業場排水と考えられま
す。市民意識調査では、身近な水辺の環境について厳しい評価となっています。
かつてわが国では、地下水の大規模な採取により地下水位が低下し、低地部の地盤沈下
が顕在化した地域がありました。一方、本市では東日本大震災によって広範囲にわたって
地盤沈下が見られています。このため、地下水の利用や水位に対する配慮が求められます。
今後も河川の汚濁や地盤沈下を防止するために、水環境の監視を行うとともに、生活
系・産業系排水への対策、水源の保全、水質浄化に取り組んでいく必要があります。
◆湾、河川、流域
20
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
水の環境に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
恵み豊かな水の環境を守ります
【達成目標】
項目
平成 22 年度現在
平成 34 年度目標
盛川本流権現堂橋の BOD
0.8 ㎎/ℓ
環境基準(2.0 ㎎/ℓ)以下
盛川本流佐野橋の BOD
1.2 ㎎/ℓ
〃
盛川本流川口橋の BOD
0.9 ㎎/ℓ
〃
立根川の BOD
1.1 ㎎/ℓ
〃
吉浜川の BOD
0.6 ㎎/ℓ
〃
大船渡湾湾奥の COD
2.5 ㎎/ℓ
〃
大船渡湾湾央の COD
2.3 ㎎/ℓ
〃
大船渡湾湾口の COD
1.5 ㎎/ℓ
〃
大船渡湾の全窒素(湾央)
0.35 ㎎/ℓ
環境基準(0.3 ㎎/ℓ)以下
大船渡湾の全リン(湾央)
0.031 ㎎/ℓ
環境基準(0.03 ㎎/ℓ)以下
綾里湾湾奥の COD
1.1 ㎎/ℓ
環境基準(2.0 ㎎/ℓ)以下
綾里湾湾口の COD
1.1 ㎎/ℓ
〃
越喜来湾湾奥の COD
1.3 ㎎/ℓ
〃
越喜来湾湾央の COD
1.3 ㎎/ℓ
〃
吉浜湾湾奥の COD
1.2 ㎎/ℓ
〃
吉浜湾湾央の COD
1.3 ㎎/ℓ
〃
汚水処理人口普及率
54.6%
82.1%
21
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】水環境の監視・汚濁事故対策
公共用水域の水質測定
監視地点・項目の追加の検討
測定結果の公表
水質汚濁事故の未然防止
水質汚濁事故発生時の緊急連絡及び処理体制の充実強化
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
「大船渡市の環境」の発刊
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
公害苦情処理
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
衛生監視員による指導・監視
定期的にパトロールを実施し、不法投棄や排水等の監視及び
指導を行う。
市民生活環境課
大船渡湾関連水質等調査
公共用水域水質定期監視測定と調整しながら、湾内、河川な
どについての水質調査を実施する。
市民生活環境課
公共用水域水質定期監視測
定
県と連携し、河川、海域等について、大船渡湾関連水質等調
査と調整しながら、定期的な調査を実施する。
市民生活環境課
水質汚濁事故防止対策
関係機関と連携し、油・化学物質等による水質汚濁事故の未
然防止に努める。油流出事故の際には、釜石海上保安部等の
関係機関と連携し、水質汚濁の拡大防止に努める。
市民生活環境課
浄化センター等水質分析業
務
浄化センターや漁業集落排水処理施設から放流される水の水
質について、通年で定期検査を実施する。
下水道事業所
伐採及び伐採後の造林の届
出受付
森林の立木の伐採行為の実態を把握し、伐採後の造林の指導 農林課
や林地開発行為(1ha 超)の場合、県への届出を指導し、汚濁
水の発生防止を促す。
三陸町養殖海域の水質調査
事業
漁場の保全と今後の水産振興に寄与することを目的として、
三陸地区養殖海域の水質環境の状態の調査を実施する。
水産課
気仙広域連合衛生センター
水質分析業務
気仙広域連合衛生センターから放流される水の水質につい
て、通年で定期検査を実施する。
気仙広域連合
衛生課
積込中継施設に係る各種環
境測定事業
(再掲 1-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
22
【施策の方針②】生活系排水対策
公共下水道の整備
公共下水道整備区域内における水洗化の促進
公共下水道整備区域外における集落排水施設の整備や合併処理浄化槽の設置促進
生活雑排水に関する啓発
生活雑排水対策などの環境保全活動の促進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコライフ推進事業
エコライフ(環境にやさしい暮らし)の普及を図る。
大船渡湾浄化啓発事業
湾浄化について啓発を図るため、産業まつりなどにおいて「環 市民生活環境課
境コーナー」を設置する。
須崎川清流化対策推進事業
須崎川流域の 7 地域で構成する「須崎川清流化対策推進協議
会」が実践する生活排水処理の適正化や流域清掃活動等、須
崎川の清流化のための活動を支援する。
市民生活環境課
浄化槽設置整備事業
生活排水による公共用水域の汚濁を防止し、生活環境の保全
を図るため、浄化槽設置者に対する助成を行う。
下水道事業所
漁業集落排水処理事業
漁港及び海域の水質の保全と環境衛生の向上を図るため、漁
業集落排水処理施設の整備と適正な維持管理を行う。
下水道事業所
公共下水道事業
公共用水域の水質の保全と生活環境改善のため、下水道整備
計画に基づき下水道の整備を進めるとともに、施設を適正に
維持管理する。
下水道事業所
下水道(水質浄化)に対す
る住民意識の啓発
浄化センター施設見学会の受入れ、各種イベント、下水道供
用開始に係る説明会等を通じて下水道や水質浄化に関するP
R活動を実施する。
下水道事業所
水洗化改造資金のあっせん
下水道供用開始区域の水洗化普及のため改造資金の融資あっ
せんと利子補給を実施する。
下水道事業所
被災市街地復興土地区画整
理事業
JR 大船渡駅周辺地区 37.8ha を嵩上げにより整備し、産業・商 土地利用課
業振興が図れる、環境に配慮した安全な市街地を形成する。
大船渡地区津波復興拠点整
備事業
JR 大船渡駅前地区 4.2ha に海岸保全施設(防潮堤・防波堤)
を乗り越えてくる既往最大津波に対しても都市機能を維持す
るための拠点となる施設を環境に配慮しながら整備する。
土地利用課
「人と自然」ふれあい交流
公園整備事業
安全で安心できる公園づくりの一環として公園入口の段差解
消及び老朽トイレ(汲み取り式)の水洗化工事を実施する。
住宅公園課
環境衛生図書展
環境衛生週間にあわせ、地球温暖化対策、ごみの減量化やリ
サイクルなどに関する図書展を、環境衛生について考える機
会として実施する。
市立図書館
23
市民生活環境課
【施策の方針③】産業系排水対策
諸法令に基づく指導
法令による規制を受けない小規模事業場への指導
環境汚染防止に関する意識啓発
農家、畜産農家への環境保全型農業の普及啓発
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
公共下水道事業
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
環境パトロール
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
環境保全協定締結の推進
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
など
工場、事業場等への立入調査
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
事業者環境意識啓発事業
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
岩石採取計画の認可
岩石採取計画の認可の際、水質汚濁、騒音等に係る環境への
配慮を指導する。
港湾経済課
【施策の方針④】水源保全・水質浄化
大船渡湾の水質浄化対策の検討
湾内に流入するごみ対策
森林や農地等の公益的機能の向上・保全に向けた適正な管理・整備
地下水のかん養の促進
地盤沈下への対策
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
環境保全協定締結の推進
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
など
大船渡湾関連水質等調査
(再掲 1-2①参照)
市民生活環境課
大船渡湾水環境保全計画の
推進
大船渡湾の水質浄化対策等について、「大船渡湾水環境保全
計画」に基づき、県と共同で関連事業を総合的に推進する。
市民生活環境課
水生生物観察事業
河川等の水質保全に対する意識啓発を図るため、水質の指標
となる水生生物の生息状況の調査を実施する。
市民生活環境課
大船渡湾内清掃船運航管理
事業
清掃船「さんご丸」を定期的に運航し、大船渡湾の清掃を実
施する。
市民生活環境課
浄化槽設置整備事業
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
漁業集落排水処理事業
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
公共下水道事業
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
下水道(水質浄化)に対す
る住民意識の啓発
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
水洗化改造資金のあっせん
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
水道に対する住民意識の啓
発
浄水場の施設見学(主に小学生)を受け入れ、水道のしくみな
どの情報を提供する。
水道事業所
簡易水道事業所
24
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
豊かな海を育む大きな森づ
くり事業
豊かな資源を育む環境づくりとして、浦浜川上流の市有林に
植樹を行う。
農林課
市有林整備事業
市有林を間伐等で整備することにより、水源かん養機能を発
揮させる。
農林課
漁場環境保全事業
低気圧等により大船渡湾及び周辺海域に流入・漂着したごみ
等の除去を行い、漁場環境を保全する。
水産課
大船渡湾内干潟造成事業
地盤沈下の影響で湾内の天然干潟が消失したことから、アサ
リ漁場となる干潟の造成を行い、自然環境と調和した漁場づ
くりを推進する。
水産課
「人と自然」ふれあい交流
公園整備事業
(再掲 1-2②参照)
住宅公園課
環境衛生図書展
(再掲 1-2②参照)
市立図書館
気仙広域連合衛生センター
水質分析業務
(再掲 1-2①参照)
気仙広域連合
衛生課
積込中継施設に係る各種環
境測定事業
(再掲 1-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 川・海にごみを捨てないようにしましょう。
・ 油や溶剤など汚染の原因となりやすい液体やごみを、排水に流さないようにしましょう。
・ 公共下水道などが整備されている地区では、早期に下水道に接続しましょう。
・ 公共下水道などが整備されない地区では合併処理浄化槽を設置し、その適正な維持管理
に努めましょう。
等
② 事業者の取組
・ 排水処理施設の整備・管理に努めましょう。
・ 川・海にごみや汚れが流出しないようにしましょう。
・ 水質汚濁事故を防ぐため、化学物質や油類などの流出防止を徹底しましょう。
・ 減肥料・減農薬や養殖場の環境対策など、環境保全型農林漁業の実践に努めましょう。
・ 水源や地下水の保全のため、植林地や農地の維持管理に努めましょう。
等
25
1-3
身近な生活環境
(1)現状と課題
① 騒音・振動、悪臭
市は毎年、騒音についての環境基準が定められている一般地域(複数地点)で、環境騒
音測定を行っており、概ね環境基準を達成しています。
また、騒音・振動規制法及び県条例に基づく諸届に対し、適切に指導を行っています。
公害苦情は、野外焼却に対するものが最も多く、大気汚染とともに臭気を伴う複合的な
ものや、不法投棄や排水からの悪臭に関するものも見られます。被害内容としては「きた
ない」「うるさい」「くさい」といった感覚的・心理的なものが多くなっています。
今後も、騒音・振動や悪臭への対策に取り組んでいく必要があります。
② 有害化学物質
現在の社会では、多種多様な化学物質が利用されていますが、その中には健康被害をも
たらしたり、使用・廃棄等の仕方によっては土壌・地下水汚染などの問題を引き起こす有
害なものも少なくありません。暮らしの中で接しやすいものとしては農薬や溶剤などがあ
り、また規制物質として PCB やトリクロロエチレン、ダイオキシン、六価クロムなどが
よく知られています。
県では、土壌や地下水の調査を行い、監視を行っています。
東日本大震災後の土壌汚染の状況把握のため、市では被災地における PCB 等の調査を
行っていますが、これまでに含有量基準値の超過は確認されていません。
今後も、法律に基づく指導、啓発、汚染状況の調査など、有害化学物質による被害を防
ぐための対策に取り組んでいく必要があります。
③ 放射線・放射能
東京電力福島第一原子力発電所事故により、大量の放射性物質が広く拡散しました。
県や市が実施する空間放射線量の測定結果からは、健康に影響が及ぶような状況は確認
されていませんが、市民意識調査では市民からの不安も示されており、また農林産物の一
部で放射性物質濃度が基準値を超過するといった被害も生じています。
今後は、国の方針や法改正などの動向を踏まえながら、状況の把握や市民への情報提供、
さらには風評被害などの放射線影響対策に取り組んでいく必要があります。
◆本市における、放射線による健康への影響についての意識
0%
市民
10%
18.2%
20%
30%
40%
50%
60%
19.4%
28.8%
70%
80%
16.3%
90%
100%
15.4%
1.9%
事業者
20.5%
27.4%
15.1%
12.3%
23.3%
1.4%
影響があると思う
どちらかといえば影響があると思う
どちらかといえば影響があるとは思わない
影響があるとは思わない
どちらともいえない、わからない
無回答
出典:平成 23 年度大船渡市環境意識調査
26
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
身近な生活環境に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
安全で快適な生活環境を守ります
【達成目標】
項目
平成 23 年度現在
環境騒音
全ての測定地点で環境基準達成
環境基準を達成する
空間放射線量の調査と、
市民への情報提供
市内 9 箇所で定点測定を週 1 回
実施し、その結果を市広報及び
市ホームページで公表してい
る。
市内で定点測定を実施し、その
結果を市広報及び市ホームペー
ジなどで公表する。
農林水産物などの放射性物質 (平成 24 年度現在)
濃度の検査と、市民への情報 農林水産物などの放射性物質濃
提供
度を検査し、その結果を市広報
農林水産物などの放射性物質濃
度を検査し、その結果を市広報
及び市ホームページなどで公表
する。
及び市ホームページで公表して
いる。
※
平成 34 年度目標
騒音の環境基準や、放射線・放射能に関する基準等については、資料編を参照。
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】騒音・振動、悪臭対策
騒音・振動や悪臭の測定
調査・監視体制の充実
諸法令に基づく指導
環境汚染防止に関する意識の啓発、測定結果の公表
野外焼却等の禁止の徹底
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
「大船渡市の環境」の発刊
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
公害苦情処理
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
環境パトロール
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
環境保全協定締結の推進
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
工場、事業場等への立入調査
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
事業者環境意識啓発事業
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
27
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
悪臭実態調査
悪臭苦情の実態を把握するため、必要に応じて悪臭捕集調査
を実施する。
市民生活環境課
環境騒音測定
騒音に係る環境基準の達成状況を把握するため、騒音測定を
実施していく。
市民生活環境課
騒音・振動の届出事務
騒音・振動規制法及び県条例に基づく諸届に対し、適切な指
導を行う。
市民生活環境課
自動車騒音常時監視業務
騒音規制法に基づく自動車騒音の常時監視を行う。
市民生活環境課
環境保全協定締結の推進
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
など
市道の修繕及び維持管理
安全で快適な市道環境を確保するため、市道及び市道に付帯
する道路照明の設置、歩道、交通安全施設、側溝等の修繕及
び維持管理を実施する。
建設課
岩石採取計画の認可
(再掲 1-2③参照)
港湾経済課
積込中継施設に係る各種環
境測定事業
(再掲 1-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
【施策の方針②】有害化学物質対策
有害化学物質による環境汚染の実態調査
農薬・溶剤などの適正使用や廃棄物処理施設の適正管理の指導
化学物質による土壌・地下水汚染への対策
市民・事業者・行政などの連携による情報の共有化
事業者の自主的な排出抑制対策のための情報の提供
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
「大船渡市の環境」の発刊 (再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
公害苦情処理
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
事業者環境意識啓発事業
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
水質汚濁事故防止対策
(再掲 1-2①参照)
市民生活環境課
有害化学物質調査
関係機関と連携し、有害化学物質による環境汚染の状況の把
握に努める。
市民生活環境課
土壌汚染調査
東日本大震災のがれき仮置場として使用した土地等につい
て、PCB などによる土壌汚染調査を実施する。
市民生活環境課
建設課
災害廃棄物(危険物)の処
理
東日本大震災により生じた廃液・廃薬品類、PCB 含有廃棄物等 市民生活環境課
の危険物を適正に処理する。
気仙広域連合衛生センタ
ー水質分析業務
(再掲 1-2①参照)
気仙広域連合
衛生課
積込中継施設に係る各種
環境測定事業
(再掲 1-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
28
【施策の方針③】放射線影響対策
放射線量等の調査と低減措置の実施
市民への情報提供
測定体制と対策の充実
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
空間放射線量の測定
原発事故に伴う放射線の影響を把握するため、市独自で公共
施設や学校、都市公園、がれき仮置場などの空間放射線量の
測定を行う。
市民生活環境課
学校教育課
住宅公園課
建設課など
簡易放射線測定器の貸し出
し
市民が身近な生活環境の空間放射線量を把握することにより
安心・安全の確保を図るため、市が保有する簡易放射線測定
器を無料で市民へ貸し出す。
市民生活環境課
空間放射線量等測定結果の
情報提供
空間放射線量の定点測定結果等について、市民に対し、市広
報や市ホームページなどで情報提供する。
市民生活環境課
学校教育課
災害廃棄物に係る放射性物
質濃度測定
災害廃棄物や焼却後の燃え殻・ばいじんなどについて、放射
性物質濃度の測定を行う。
市民生活環境課
建設課
「大船渡市の環境」の発刊
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
水道水等放射性物質濃度測
定事業
原発事故に伴う放射線の影響を把握するため、水道水等の放
射性物質濃度の測定を行う。
水道事業所
簡易水道事業所
農林水産物などの放射性物
質濃度無料測定
自家消費及び産直施設等に出荷する農林水産物等について、
放射性物質濃度測定を無料で実施する。
農林課
水産物の放射性物質調査促
進事業
民間水産団体が実施する水産物の放射性物質自主検査を支援
する。
水産課
学校給食用食材の放射性物
質濃度測定事業
学校給食施設が地元生産者から直接生産物を仕入れる際に食
材の放射性物質濃度測定を行う。
学校教育課
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 近所の迷惑となる騒音・振動や悪臭を出さないようにしましょう。
・ 側溝の清掃、衛生管理に努めましょう。
・ 消毒薬や殺虫剤、除草剤は正しく使い、必要以上に使わないようにしましょう。
・ ペットの飼育や散歩のマナーを守りましょう。
・ ごみの野外焼却はやめましょう。
等
② 事業者の取組
・ 有害化学物質の適正管理を徹底しましょう。
・ 騒音・振動や悪臭の発生防止など、近隣の生活環境への配慮を徹底しましょう。
・ 化学物質の適正利用を徹底し、必要以上に使わないようにしましょう。
・ ごみの野外焼却はやめましょう。
等
29
基本目標 2
自然環境と調和し快適にくらせる
自然環境と調和し快適にくらせるまち
快適にくらせる まちをめざします
まち をめざします
2-1
自然生態系
(1)現状と課題
① 希少な自然
本市の陸域は森林におおわれた広大な北上山地の一部にあたり、地形の変化に富むリア
ス式海岸の沖には世界有数の漁場である豊かな海が広がっており、全体として多種多様な
生物が生息する、発達した生態系をもつ地域となっています。
動物については、大型のほ乳類や食物連鎖の頂点に位置付けられる猛禽類、北限で生息
する昆虫など、希少な種が数多く見られます。
植物では、県立自然公園である五葉山一帯や、今出山、氷上山には比較的自然性の高い
(人の影響が少ない)森林が広がっています。国立公園である太平洋に面する岬や海岸に
は海岸特有のアカマツやクロマツの林が発達しています。このほか市内各地に希少な植生
が分布しています。
自然性の高い環境は容易には再生できないことや、絶滅が危惧される種も多くあること
などに配慮して、希少な自然が保たれるよう取り組んでいく必要があります。
◆カモシカ(大型ほ乳類)
◆オオワシ(猛禽類)
◆ハヤブサ(猛禽類)
環境省東北地方環境事務所大船渡自然保護官事務所提供
② 里地・里山・里海
里地・里山・里海とは、農林漁業や資源採集に利用されてきた田畑や山林、漁場と、人
が住む集落の環境を一体的にとらえた言葉です。人が栽培や採取、手入れを継続的に行う
ことで一定の自然環境が保たれ、人の暮らしの影響を受けながら特有の豊かな生態系が育
まれてきました。しかし、農業形態や生活様式の変化に伴い、伐採や採草など人間の関わ
りが減り、多様性が下がるなど、手入れ不足により自然の質が低下しつつあります。例と
して、人工林や雑木林の荒廃などがあげられます。
国は、生物多様性の視点から、この里地・里山・里海に注目し、人と自然との共生を代
表する日本の環境として、その保全を呼びかけています。
30
本市では、市域の大半が里地・里山・里海に該当し、人と自然がいっしょになって育ん
だ風土の中で暮らしが営まれています。
今後も、将来にわたって里地・里山・里海の豊かな恵みを受けられるよう、その保全に
取り組んでいく必要があります。
里山や三陸海岸の植物
◆カタクリ
◆ヤマユリ
雑木林や林縁を訪れると、
春のカタクリや夏のヤマユリ
など、四季折々、里山ならで
はの花々が楽しめます。
夏の海岸では、ニッコウキ
スゲ、ノハナショウブ、スカ
シユリなど、夏の高山や三陸
海岸に特有の植物が花を咲か
せます。
◆ニッコウキスゲ
◆ノハナショウブ
◆スカシユリ
環境省東北地方環境事務所大船渡自然保護官事務所提供
③ 鳥獣害と外来生物
シカやイノシシ、サルなどが農作物や木を食い荒らしたり、サルやクマが人を襲うなど
の鳥獣害が全国的に問題となっており、本市でもシカなどによる農作物の被害が発生して
います。
国外から移ってきた外来生物の中には、在来種を捕食するなど地域の自然環境に大きな
影響を与えるもの、人や農林水産業に被害を与えるものがあるため、一部の種に対して取
り扱いの規制や防除が図られています。
これらの問題に対しては、適正な方法による個体数の管理や防除を行う一方で、共生の
方法も検討する必要があります。
31
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
自然生態系に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
多様な生物や地形による豊かな自然を守ります
【達成目標】
項目
間伐実施面積
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
119.46ha
397.0ha
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】希少な自然の保護
野生動植物の生息・生育環境と生態系の保全
地域開発事業実施にあたっての環境保全上の配慮の推進
自然環境に関する情報等の提供と保護意識の啓発
自然環境の調査・研究
土地利用区分、諸法規制等に基づく土地利用の推進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
水生生物観察事業
(再掲 1-2④参照)
市民生活環境課
環境影響評価制度
環境影響評価に関する法令等に基づき、市民、事業者、行政
がそれぞれの立場で意見を出し合いながら、制度の適切な運
用に努める。
市民生活環境課
五葉山自然保護管理員設置
事業
自然公園内の自然景観及び動植物の保護と適正な利用を図る 商業観光課
ため、区域内を巡回して、公園保全のための措置等を講じる。
心に残る緑の図書展
次世代を担う子どもたちに緑や地球の大切さを理解してもら
うため、緑化、地球環境保全に関する児童書を中心とした展
示を、緑化運動の一環として実施する。
自然観察会
自然観察の方法を学びながら併せて自然保護を啓発するため、 市立博物館
海辺の生物観察会、植物観察会、地質観察会などを実施する。
32
市立図書館
【施策の方針②】里地・里山・里海の保全
森林や農地等の公益的機能の向上・保全に向けた適正な管理・整備と情報の提供
環境に配慮した農林漁業促進に向けた啓発
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
事業者環境意識啓発事業
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
都市緑地除草・草刈
河川敷公園を適切に管理し、環境と景観を維持するため除草
等を実施する。
住宅公園課
盛川筋河川維持管理
県から受託契約により、盛川筋(右・左岸)の法面草刈りを
実施する。
住宅公園課
都市公園、緑地樹木保守管理 (再掲 1-1③参照)
住宅公園課
豊かな海を育む大きな森づ
くり事業
(再掲 1-2④参照)
農林課
市有林整備事業
(再掲 1-2④参照)
農林課
大船渡湾内干潟造成事業
(再掲 1-2④参照)
水産課
心に残る緑の図書展
(再掲 2-1①参照)
市立図書館
選挙ポスター掲示板県間伐
材使用事業
ポスター掲示板に岩手県産の間伐材を使用する。
選挙管理委員会
【施策の方針③】有害鳥獣・外来生物対策
有害鳥獣に関する調査研究と適正な個体数管理
特定外来生物への対策
防除・駆除の推進
<主な事業・取組>
取組名
鳥獣被害対策事業
概要
ニホンジカ等の有害鳥獣による農林業への被害防止の事業を
実施する。
33
担当
農林課
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 自然に目を向け、自然についての学びや体験に努めましょう。
・ 自然を守る活動への協力、参加に努めましょう。
・ 山菜やきのこを乱獲しないようにしましょう。
・ 自然をごみで汚したり、踏み荒らすことのないようにしましょう。
・ 高山植物など希少な動植物を持ち帰ることのないようにしましょう。
・ 生態系を守るため、ペットを捨てたり、外来種を放すことのないようにしましょう。
・ 野生動物の害を防ぐため、野生動物に餌を与えたり、生ごみ等をあさられることのない
ようにしましょう。
等
② 事業者の取組
・ 事業活動による地域の生態系や希少生物への影響を抑えるよう努めましょう。
・ 水源かん養や土地保全などの公益的機能の保全のため、植林地や農地の維持管理に努め
ましょう。
・ 自然環境保全の活動に協力、参加しましょう。
・ 屋外設備機器や建物等の設置に際しては、地域の生態系や希少生物の保全に努めましょう。
等
34
2-2
景観資源、身近な緑
(1)現状と課題
① 陸中海岸国立公園
本市の各岬の一帯と海域が、三陸のリアス式海岸の優れた自然景観を核とした陸中海岸
国立公園に指定されています。景勝地として有名な碁石海岸を含み、本市を代表する観光
地となっています。
土地の利用はほとんどなく、断崖が続く入り組んだ海岸線と、アカマツやクロマツなど
海岸特有の緑が特徴的です。
地域全体で人の手が加わらない貴重な自然景観を保全しつつ、観光等の資源として調和
のとれた活用を図ることが必要です。復興に関連して三陸復興国立公園や長距離自然歩道
の整備が予定されるともに、地形・地質の保全・活用や地域住民と一体となって地域振興
を図る「三陸ジオパーク構想」も進められていることから、これらと連携した取組も求め
られます。
◆碁石海岸
◆千丸海岸
◆綾里湾
◆吉浜湾
35
② 五葉山県立自然公園
天然の自然が広がる五葉山を中心に五葉山県立公園が指定されています。登山道が整備
され、山頂付近では、大船渡湾から北上山地まで 360 度の眺望が楽しめるなど、比較的気
軽に行ける山としても親しまれています。
森が大切に守られてきた五葉山では、ホンシュウジカやカモシカが生息するほか、ゴヨウ
マツやヒノキアスナロの天然林が茂り、ツツジ、ハクサンシャクナゲの群落が見られます。
山では、森林景観を保全しつつ、観光等の資源として調和のとれた活用を図ることが必
要です。
◆五葉湖
◆盛川
◆夏虫山からの眺望(越喜来湾)
36
③ 身近な景観など
大船渡湾を囲む市街地内はまとまった緑や親しみやすい水辺が少ない一方、市街地の後
背には山が迫り、山すそには天神山公園等の公園や寺社が立地して、自然とのふれあいや
津波避難の場となっています。大船渡湾に流入する河川の中上流域はほとんどが森林にお
おわれ、湾と市街地をすり鉢状の緑で囲む特徴的な景観を形成しています。大船渡湾は湾
口の幅に比べて極端に奥行きが長い形をしており、三陸のリアス式海岸の中でも独特とい
えます。
指定文化財(有形無形)は国指定 9 件、県指定 8 件、市指定 69 件があります。
海岸近くでは県指定天然記念物「大船渡の三面椿」をはじめとしたヤブツバキ林が見ら
くじゅうくまがり
れ、浜街道、九十九曲などの歴史的資源もあります。綾里白浜、越喜来浪板、吉浜海水浴
場などの観光資源もありますが、東日本大震災による津波及び地盤沈下の被害が甚大であ
ることから、国、県など関係機関と協力して、早期復旧を進めることが必要です。
市街地では、復興に伴って緑や水辺に親しめる環境の計画的な整備や、身近な緑を増や
す取組が必要です。さらに、避難場所にもなっている公園等については、憩いの空間とし
ての充実と利便性を維持していく必要があります。
歴史的資源のある景観や、海岸や森林の自然景観を保全しつつ、観光等の資源として調
和のとれた活用を図ることが必要です。
復興事業に際しても、景観や歴史的資源が損なわれないよう配慮が求められます。
◆自然公園、身近な景観など
37
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
景観資源、身近な緑に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
自然や歴史を生かし、大船渡らしい景観を創ります
【達成目標】
項目
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
7.5%
15%
市街地の緑化水準
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】自然・歴史景観の活用
自然環境を生かした観光地の環境保全整備や美化
三陸復興国立公園や長距離自然歩道の整備と利用の促進
文化財の調査研究、保護・活用等の推進
民俗芸能、祭り、年中行事など伝統的な生活文化の継承
個性ある景観づくりへの歴史的資源の活用
指定文化財の整備活用の検討
図書館・博物館の充実による情報の保存と提供
<主な事業・取組>
取組名
概要
三陸ジオパーク構想の推進
三陸ジオパーク推進協議会への参画を通して、日本ジオパー
ク認定に向けた活動を展開する。
企画調整課
碁石海岸集団施設地区復旧
再整備事業
碁石海岸地区における自然探勝、自然学習及び野外レクリエ
ーションの活動拠点としての機能向上を図るため、集団施設
地区の再整備を行う。(環境省事業)
商業観光課
東北太平洋岸自然歩道設定
事業
三陸地域を南北につなぎ、交流を深める道として、青森県八
戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までを対象に長距離自然歩
道を設定する。(環境省事業)
商業観光課
緑の基本計画の推進
緑地保全と緑化推進の方向性を示した「大船渡市緑の基本計
画」を推進する。
住宅公園課
都市緑地除草・草刈
(再掲 2-1②参照)
住宅公園課
盛川筋河川維持管理
(再掲 2-1②参照)
住宅公園課
都市公園、緑地樹木保守管理 (再掲 1-1③参照)
住宅公園課
天然記念物銘木樹勢回復
文化財に指定されている銘木の永続的な保存のため、緊急性
の高いものから年に数本ずつ造園業者による処置を実施す
る。
生涯学習課
文化財めぐり
文化財の普及と愛護思想の啓発のため、年 1~2 回参加者を募 生涯学習課
り、市内の史跡めぐり、建物の現地説明会等を実施する。
自然観察会
(再掲 2-1①参照)
38
担当
市立博物館
【施策の方針②】緑化の普及・啓発
都市公園の計画的な整備と適切な維持管理
市街地の緑化の推進
親水空間の整備と保全
緑に関する情報提供の推進
市民の緑化活動支援の推進
<主な事業・取組>
取組名
被災市街地復興土地区画整
理事業
大船渡地区津波復興拠点整
備事業
豊かな海を育む大きな森づ
くり事業
緑の基本計画の推進
民有地の生垣助成
都市公園、緑地樹木保守管理
心に残る緑の図書展
環境衛生図書展
概要
担当
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
(再掲 1-2④参照)
農林課
(再掲 2-2①参照)
民有地の生垣設置に係る経費の一部を助成する。
(再掲 1-1③参照)
(再掲 2-1①参照)
(再掲 1-2②参照)
住宅公園課
住宅公園課
住宅公園課
市立図書館
市立図書館
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 緑を育て、緑を楽しむ暮らしに努めましょう。
・ 地域の景観に目を向け、自然や歴史についての学びや体験に努めましょう。
・ 緑化や清掃美化などの活動に協力、参加しましょう。
・ 文化財などを傷つけたり、壊したりすることのないようにしましょう。
・ 歴史的な街並みや建物の保存に協力しましょう。
・ 観光地をごみで汚すことのないようにしましょう。
等
② 事業者の取組
・ 敷地や建物の緑化に努めましょう。
・ 緑化や清掃美化などの活動に協力、参加しましょう。
・ 歴史的な街並みや建物の保存に協力しましょう。
・ 広告物や屋外設備機器の設置、建物等の改装や新築に際しては、周辺の景観との調和、
自然景観や歴史的環境の保全に努めましょう。
・ 観光地のごみ散乱、踏み荒らし、破損行為などの防止に取り組みましょう。
等
39
基本目標 3
地球環境に配慮した環境共生型のくらしをめざします
3-1
廃棄物
(1)現状と課題
天然資源の消費量を減らし環境負荷をできるだけ少なくする循環型社会の形成に向けて、①
ごみの発生を抑制(Reduce:リデュース)、②ものをできるだけ再利用(Reuse:リユース)、
③廃棄物の再資源化(Recycle:リサイクル)を行う3Rと、廃棄物の適正な処理が求められて
います。
本市の市民 1 人 1 日あたりのごみ排出量は、県内平均に比べると少なく、平成 18 年度の 639g
をピークに減少を続け、平成 22 年度には 581g となりましたが、前計画目標値の 500g は達成
できませんでした。
本市では、可燃ごみ、不燃ごみ、資源古紙をごみステーションで収集し、粗大ごみは大船渡
地区クリーンセンターへ持込むこととしています。
可燃ごみは大船渡地区クリーンセンターで中継積込みを行い、釜石市にある岩手沿岸南部ク
リーンセンターで溶融処理後、焼却灰は住田町にある最終処分場に埋め立てています。
再資源化の取組としては、資源古紙の収集と、不燃ごみ中の缶類・びん類の回収を行ってい
るほか、地域公民館などによる自主的な集団資源回収も行われています。また、燃えるごみの
中のプラスチック類などは、燃やした場合に高いエネルギーを発することから、市内に立地し、
高温焼成炉を有する太平洋セメント大船渡工場において資源(燃料、焼却後の灰はセメント原
料)として利用する取組を一部地区で開始、順次拡大して、平成 24 年 10 月からは人口及び世
帯のほぼ半数が対象となりました。
東日本大震災により発生した災害廃棄物は、岩手県災害廃棄物処理計画に基づき、可燃系、
不燃系、コンクリートガラ、金属くずなどに選別し、資源や建設資材などへのリサイクルを優
先に処理を進めています。太平洋セメント大船渡工場での燃料・原料として再資源化している
ほか、岩手沿岸南部クリーンセンターや県内焼却施設などで処理を行っています。
今後は、市民・事業者・市が協力して3Rを強く推進するとともに、あわせて廃棄物の適正
処理や環境美化、公衆衛生活動、不法投棄の防止に取り組んでいく必要があります。
◆本市における 1 人 1 日あたりのごみ排出量の推移
700
600
(g / 人・日)
584
589
615
631
631
639
608
599
593
581
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
500
400
300
200
100
0
(年度)
出典:本市調査
40
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
廃棄物に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
ごみ減量化や資源リサイクルに取り組み、循環型社会を形成します
【達成目標】
項目
平成 22 年度現在
平成 34 年度目標
581g
500g
1 人 1 日あたりごみ排出量
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】3Rの推進
ごみの適正な分別・処理の推進
ごみの減量化・再資源化の検討
市民によるごみの減量化・再資源化に関する活動への支援
3Rに関する情報の提供と意識啓発
市の業務におけるごみの減量化・再資源化の推進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコライフ推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
ごみ減量化・リサイクル啓
発事業
ごみ減量化・リサイクルの普及に関する啓発記事を随時、広
報等へ掲載していく。
市民生活環境課
ごみ減量等推進懇話会開催
事業
ごみ減量等推進懇話会を設置し、ごみの分別やリサイクル等 市民生活環境課
の推進について、関係団体から広く意見を聴取するとともに、
各団体での実践に向けて委員間で情報交換を行う。
地球温暖化対策推進実行計
画の推進
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減するため、市
の事務・事業を対象とした取組を進める。物品の購入、エネ
ルギーの使用、廃棄にあたっての配慮事項や建築物の設計・
施工・管理にあたっての配慮事項などを定め、職員一丸とな
って取組を進める。
市民生活環境課
再利用ごみ分別収集事業
家庭から排出されるプラスチック類などを「再利用ごみ」と
して分別・収集し、これらを再資源化する取組を実施する。
市民生活環境課
災害廃棄物の処理
東日本大震災により生じた災害廃棄物を適正に処理する。
市民生活環境課
建設課
水産課
マイバッグ推進キャンペーン
流通から消費段階における、ごみと温室効果ガスの発生を抑
制する取り組みとして、マイバッグの持参及びレジ袋の削減
を、市民、各種団体、市内小売事業者及び市が協力し推進す
る。
市民生活環境課
41
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
清掃美化運動推進事業
市公衆衛生組合連合会を通じて電動生ごみ処理機、生ごみ処
理容器、EM バケツなどの購入補助事業を実施する。また、各
地域公民館等の団体が行うごみステーションの管理、ごみ減
量化、リサイクル等の実践活動に対し、補助金を交付する。
大船渡地区
環境衛生組合
市民生活環境課
汚泥のリサイクル
公共下水道の終末処理場や衛生センターなど、汚水やし尿処 市民生活環境課
理の過程で発生した汚泥について、堆肥化・再資源化を行う。 下水道事業所
気仙広域連合
衛生課
容器包装リサイクル法に基
づく分別収集
容器包装リサイクル法対象容器包装のうち、缶類、びん類に
ついて分別収集を実施している。対象容器包装の拡大も検討
し、リサイクルを推進する。
古紙及び金属類のリサイク
ル
資源古紙(新聞紙、雑誌、ダンボール)及び金属類(アルミ、 大船渡地区
鉄、銅、真ちゅう等)について、専門業者へ売却し、リサイ
環境衛生組合
クルを図る。
集団資源回収団体への奨励
金交付事業
対象品目の資源回収を実施した団体に対し、回収量に応じて
奨励金を交付する。
大船渡地区
環境衛生組合
大船渡地区環境衛生組合広
報の発行
管内住民のごみの出し方の徹底、再資源化、減量化の推進、
その他廃棄物処理に係る施策周知のため組合広報を発行す
る。
大船渡地区
環境衛生組合
選挙ポスター掲示板県間伐
材使用事業
(再掲 2-1②参照)
選挙管理委員会
大船渡地区
環境衛生組合
【施策の方針②】廃棄物の適正処理
ごみ処理施設の適正な管理・運営
ごみ処理の広域化の推進
廃棄物・災害廃棄物の適正処理
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
アスベスト濃度調査
(再掲 1-1①参照)
市民生活環境課
災害廃棄物(危険物)の処理
(再掲 1-3②参照)
市民生活環境課
災害廃棄物の処理
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
建設課
水産課
再利用ごみ分別収集事業
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
廃棄物埋立処分場管理運営
事業
市民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るため、設置
している廃棄物埋立処分場を適切に管理運営する。
市民生活環境課
大船渡地区
環境衛生組合
湾内陸揚ごみ処理事業
清掃船が回収したごみを運搬し、適正に処理する。
市民生活環境課
へい獣埋却場運営事業
死亡獣畜の埋却処理を適正に行うため、施設の維持・管理を
行う。
市民生活環境課
衛生監視員による指導・監視
(再掲 1-2①参照)
市民生活環境課
廃棄物の不法投棄防止
農地への産業廃棄物の不法投棄を防止するため、農地パトロ
ールを実施する。
農業委員会事務
局
漁場環境保全事業
(再掲 1-2④参照)
水産課
42
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
公共工事等におけるリサイ
クル促進
公共土木工事に使用する砕石及びアスファルト合材につい
て、再生材を使用する。また、コンクリートガラ及びアスフ
ァルトガラについては、再生材として利用するため産業廃棄
物処分場に運搬する。
建設課
環境対応型教室用机椅子整
備事業
部材ごとの交換が可能な設計を施し部品交換が容易で長く使
用できる机椅子を整備し、子どもたちが身近に感じ取れる環
境教育に努める。併せて不要となった机椅子については、可
能な限り再資源化を図り、実践的行動を伴った環境教育に取
り組む。
学校教育課
積込中継施設に係る各種環
境測定事業
(再掲 1-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
容器包装リサイクル法に基
づく分別収集
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
古紙及び金属類のリサイクル (再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
集団資源回収団体への奨励
金交付事業
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
清掃美化運動推進事業
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
市民生活環境課
環境衛生組合広報の発行
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
廃棄物処理施設管理運営事
業
廃棄物処理施設等を適切に管理・運営する。
岩手沿岸南部
広域環境組合
気仙広域連合
衛生課
【施策の方針③】環境美化の推進
市民総参加による環境美化、公衆衛生活動の推進
環境美化運動の推進に向けた各種団体との協力
環境美化・公衆衛生活動団体に対する支援
海浜や観光地などの美化
不法投棄の防止対策の推進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
被災地等における防疫事業
震災被災地域における感染症の発生などを防止するため、害
虫や悪臭の発生状況を調査し、殺虫・消毒・消臭剤の散布を
行う。
市民生活環境課
大船渡市公衆衛生組合連合
会運営事業
市内各地域の単位組合で組織する市公衆衛生組合連合会が実
践する環境美化活動を推進する。
市民生活環境課
市内一斉清掃
快適な生活環境を確保するため、市民総参加のもと、一斉清
掃を実施する。
市民生活環境課
不法投棄廃棄物処理事業
不法投棄廃棄物の撤去及び処分を行う。
市民生活環境課
廃棄物の不法投棄防止事業
不法投棄の未然防止のため、市公衆衛生組合連合会や市環境
保全推進協議会と連携し、看板や防止ネットの設置を行う。
市民生活環境課
43
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
衛生監視員による指導・監視
(再掲 1-2①参照)
市民生活環境課
大船渡湾内清掃船運航管理
事業
(再掲 1-2④参照)
市民生活環境課
都市公園維持管理
市内都市公園のトイレ清掃、敷地内清掃を実施する。
住宅公園課
市内一斉クリーン作戦
市民全体できれいで明るい町づくりのため、各地区・地域で
清掃美化活動を実施する。
生涯学習課
心に残る緑の図書展
(再掲 2-1①参照)
市立図書館
環境衛生図書展
(再掲 1-2②参照)
市立図書館
廃棄物の不法投棄防止
(再掲 3-1②参照)
農業委員会事務
局
集団資源回収団体への奨励
金交付事業
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
清掃美化運動推進事業
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
市民生活環境課
大船渡地区環境衛生組合広
報の発行
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
(1)市民の取組
・ ごみ出しのルールを守りましょう。
・ 3Rを実践するエコライフを身につけましょう。
・ 市内一斉清掃などの清掃美化活動や集団資源回収に協力、参加しましょう。
・ 所有する土地・建物や近所の美化に努め、不法投棄に気をつけましょう。
等
(2)事業者の取組
・ 発生した廃棄物の適正処理を徹底しましょう。
・ 3Rを実践するエコオフィスを定着させましょう。
・ 産業廃棄物の減量化、再資源化に取り組みましょう。
・ 再生原材料の活用、サーマルリサイクルに取り組みましょう。
・ 市内一斉清掃などの清掃美化活動や集団資源回収に協力、参加しましょう。
・ 所有する土地・建物や近所の美化に努め、不法投棄に気をつけましょう。
等
44
3-2
地球温暖化対策実行計画
(1)現状と課題
① 地球規模の気候の変化
地球の表面を薄く覆っている大気は、温室効果と呼ばれる現象によって一定の温度が保
たれており、温室効果を生じさせる気体を温室効果ガスと呼びます。温室効果ガスには二
酸化炭素、水蒸気、メタン、オゾンなどがあり、それらの大気中の濃度が高まると温室効
果が強まり、その影響で地球の平均気温が上昇し、地球全体の気候が大きく変わると考え
られます。
地球温暖化とは、人類が排
◆地球温暖化のしくみ
出する温室効果ガス、とりわ
け石炭・石油・天然ガスなど
の天然資源の燃焼によって発
生する二酸化炭素によって、
温室効果が高まり、気候や自
然環境が影響を受ける問題で
す。
このことによって、世界各
地の降水や風、日照、気温、
季節などが大きく変わり、水
の流れや水位、生態系等の自
然環境に影響が及んでいきま
す。人類にとっては、自然環
境に左右されやすい農林漁業
や牧畜はもとより、土地の安
全性や保健衛生など、様々な
面において、深刻な事態が生
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
じることが危惧されています。
② 国際的な気候変動対策
昭和 63(1988)年に、国連の学術的機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」
が設置され、この問題についての科学的な研究の収集、整理と、最新の知見の評価を行っ
てきました。
この IPCC による報告は世界の気候変動対策を促すものとなり、平成 4(1992)年に「気
候変動枠組条約(UNFCCC)」が署名され、平成 9(1997)年には温室効果ガス削減の目標
と仕組み(京都メカニズム)を掲げた「京都議定書」が採択されるに至りました。「京都
議定書」は平成 17(2005)年に発効し、平成 24(2012)年に目標が達成されない状況で
約束期間を終えました。同年に開催された国連気候変動枠組条約第 18 回締約国会議
(COP18)において、「京都議定書」が平成 32(2020)年まで継続されることとなりまし
たが、日本は参加せずに自主的な目標を掲げて削減を進めることとしています。
45
③ 日本国内の温室効果ガス排出量
平成 22(2010)年度の温室効果ガス総排出量は 12 億 5,800 万トンで、平成 2(1990)年
度の 12 億 6,100 万トンからは 0.3%減少しました。温室効果ガスの 9 割以上は二酸化炭素
が占めています。
平成 20(2008)年度後半に金融危機の影響による景気後退があったためエネルギー需要
が減り、温室効果ガス排出量が減少してきましたが、平成 22(2010)年度には前年度から
若干増加しました。その背景には、産業活動量の増加や猛暑厳冬で電力消費が増加したこ
とがあります。
部門別の二酸化炭素排出量で、最も多く排出しているのは産業部門ですが、平成 2(1990)
年度以降では業務部門、家庭部門の増加率が特に高くなっています。家庭から排出される
二酸化炭素のうち、照明や家電製品、自家用車が全体の 6 割以上を占めます。
◆日本国内の温室効果ガス排出量
出典:環境省報道発表資料
④ 温室効果ガス削減目標
平成 21(2009)年に、ニューヨークで開催された国連気候変動サミットにおいて、日本
は「日本の温室効果ガス排出量を京都議定書基準年比で、平成 32(2020)年までに 25%
削減、平成 62(2050)年までに 80%削減する」という意志表明を行いました。さらに目
標として法律への明記(地球温暖化対策基本法案)をめざしてきましたが、東日本大震災
や東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で、エネルギー利用の見通しが不透明になっ
たため、見直しを迫られる状況となっています。
本市は、今後の国の方針を踏まえて、地域における温室効果ガス、もしくはそのほとん
どを占める二酸化炭素の排出削減目標を検討していく必要があります。
46
⑤ 低炭素社会
国は平成 10(1998)年に、「地球温暖化対策の推進に関する法律」を制定しました。平
成 20(2008)年には、京都議定書の後を見据えて「低炭素社会づくり行動計画」を策定し
ました。
低炭素とは、地球温暖化の要因とされる二酸化炭素の排出が低く抑えられた状態を意味
します。この低炭素を実現する取組が生活や産業、行政の様々な場面で実行され、二酸化
炭素の排出を少なくした社会や経済を「低炭素社会」といいます。現在進みつつある地球
温暖化をできる限り緩和するとともに、気候変動への適応を図るために、この低炭素社会
の実現が強く求められています。
本市では、行政事務活動における温室効果ガス排出を抑制する率先行動を計画的に推進
し、市民・事業者に対しては啓発に努めています。市民意識調査の結果を見ても、太陽光
や風力などの自然エネルギーを使った発電に対し、関心、期待の高さがうかがえます。
また、平成 23 年 12 月に、国家戦略プロジェクトの一つに選定された「気仙広域環境未
来都市」の実現をめざし、再生可能エネルギーを活用した地産地消型エネルギー社会の構
築や、中心市街地における低炭素コンパクトシティの創造に向けた取組が進められていま
す。
震災の影響があっても社会の低炭素化の重要性は変わらないことから、市民・事業者と
ともに低炭素社会の形成をめざすため、地球温暖化に関する啓発を推進するとともに、省
資源・省エネルギーや環境負荷の小さいエネルギーの普及に努め、また市の率先行動を継
続していく必要があります。
◆市域の二酸化炭素排出量の推移
製造業
建設・
鉱業
農林水
産業
H2
167
10
18
H19
67
8
H20
69
9
H21
86
H22
70
年度
単位:千 tCO2
産業
部門
小計
家庭
業務
旅客
自動車
貨物
自動車
鉄道
船舶
運輸
部門
小計
一般
廃棄物
排出量
合計
195
55
46
31
45
3
14
93
3
391
23
98
69
68
44
43
3
8
99
0
334
26
104
64
59
44
42
3
8
97
0
324
7
20
113
60
45
41
8
97
0
336
8
21
99
64
45
40
8
93
2
258
66
-
2
-
出典:
「部門別 CO2 排出量の現況推計(地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル(第
1 版)簡易版に対応)」(環境省 地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定支援サイト掲載)
※ 一般廃棄物を除き、都道府県別エネルギー消費統計、製造品等出荷額、従業者数、世帯数、自動車保有
台数等を用いた按分法による推計値であるため、国県の状況と連動しやすい参考値として活用されるもの
である。
※
平成 22 年度の家庭、鉄道について、東日本大震災の影響を受けた市区町村については推計されていない。
※
小数点以下四捨五入のため、小計及び合計値が各欄の合計と合致しない箇所がある。
47
◆三陸地域における太陽光や風力などの自然エネルギーを使った発電についての意識
0%
市民
10%
20%
30%
40%
27.6%
50%
43.6%
60%
70%
80%
90%
100%
10.0%
15.2%
1.7%
事業者
23.3%
53.4%
13.7%
1.9%
8.2%
1.4%
0.0%
今後の主要な電源として活用できると思う
今後の補助的な電源として活用できると思う
しばらくはあまり期待できないと思う
全く期待できないと思う
どちらともいえない、わからない
無回答
出典:平成 23 年度大船渡市環境意識調査
◆気仙広域環境未来都市のイメージ
出典:一般社団法人 東日本未来都市研究会 気仙広域環境未来都市説明資料
48
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
地球温暖化対策実行計画に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
省エネルギーやエネルギー転換に取り組み、低炭素社会を形成します
【達成目標】
項目
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
市の行政事務活動における
温室効果ガス総排出量
平成 11 年度比 27.5%削減
計画期間中において、対前年度
以下であること
市域における二酸化炭素
排出量
平成 21 年度現在で 336 千トン
平成 2 年度比 14%削減
平成 2 年度比で 25%削減
(出典:環境省の簡易版マニュアル
による全市区町村の推計値)
※
達成目標及び関連する事業等については、今後の国の方針と施策に柔軟かつ適切に対応できるよ
う、必要に応じて弾力的に対応することとする。
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】地球温暖化に関する啓発
日常生活や事業活動から排出される二酸化炭素の抑制についての普及啓発
地球温暖化に関する情報提供
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコドライブ普及運動
(再掲 1-1③参照)
市民生活環境課
エコライフ推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
地球温暖化対策推進実行計
画の推進
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
マイバッグ推進キャンペーン
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
環境衛生図書展
(再掲 1-2②参照)
市立図書館
選挙ポスター掲示板県間伐
材使用事業
(再掲 2-1②参照)
選挙管理委員会
49
【施策の方針②】省資源・省エネルギーの普及
気仙広域環境未来都市計画の推進
省資源・省エネルギーに関する意識啓発
市の業務における省エネルギー率先行動の推進
公共交通機関の利用推進
二酸化炭素の吸収源である森林の整備・保全
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコライフ推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
地球温暖化対策推進実行計
画の推進
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
マイバッグ推進キャンペーン
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
被災市街地復興土地区画整
理事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
大船渡地区津波復興拠点整
備事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
環境未来都市推進事業
気仙広域環境未来都市計画に基づき、地産地消型エネルギー
社会の構築を図るため、蓄電設備付帯メガソーラー発電所の
建設及び公共施設への太陽光発電・蓄電設備の設置など、再
生可能エネルギーの活用に向けて取り組む。
企画調整課
住宅用太陽光発電システム
設置助成事業(仮称)
太陽光エネルギーの普及促進を図るため、自宅に住宅用太陽
光発電システムを設置する方、または新たに太陽光発電シス
テム付の住宅を購入される方などに補助金を交付する補助制
度の導入を検討する。
企画調整課
公共工事等におけるリサイ
クル促進
(再掲 3-1②参照)
建設課
環境対応型教室用机椅子整
備事業
(再掲 3-1②参照)
学校教育課
容器包装リサイクル法に基
づく分別収集
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
古紙及び金属類のリサイクル (再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
集団資源回収団体への奨励
金交付事業
大船渡地区
環境衛生組合
(再掲 3-1①参照)
50
【施策の方針③】環境負荷の小さいエネルギーの普及
気仙広域環境未来都市計画の推進
公共施設等における再生可能エネルギー導入の検討
二酸化炭素の吸収源である森林の整備・保全
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
被災市街地復興土地区画整
理事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
大船渡地区津波復興拠点整
備事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
環境未来都市推進事業
(再掲 3-2②参照)
企画調整課
住宅用太陽光発電システム
設置助成事業(仮称)
(再掲 3-2②参照)
企画調整課
【施策の方針④】市の率先行動
市の業務における温室効果ガス削減率先行動の推進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコドライブ普及運動
(再掲 1-1③参照)
市民生活環境課
地球温暖化対策推進実行計
画の推進
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
エコカーの普及
(再掲 1-1③参照)
財政課
公共工事等における建設機
械の排ガス抑制
(再掲 1-1①参照)
建設課
公共工事等におけるリサイ
クル促進
(再掲 3-1②参照)
建設課
環境対応型教室用机椅子整
備事業
(再掲 3-1②参照)
学校教育課
選挙ポスター掲示板県間伐
材使用事業
(再掲 2-1②参照)
選挙管理委員会
51
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 省資源・省エネルギーを行うエコライフを身につけましょう。
・ 省エネルギー型の家電を選びましょう。
・ 住宅の断熱化、省エネルギー化に取り組みましょう。
・ 高効率給湯器や太陽光発電など、二酸化炭素排出を減らすエネルギー機器の導入に努めましょう。
・ 自動車に乗るときはエコドライブを心がけましょう。
・ 自動車は燃費に優れた車種、エコカーを選びましょう。
・ 近くの産物や季節の産物を選びましょう
・ 資源・エネルギーや地球環境についての学びに努めましょう。
・ 地球温暖化防止の活動に協力、参加しましょう。
等
② 事業者の取組
・ 省資源・省エネルギーを行うエコオフィスを定着させましょう。
・ 省エネルギー型の設備機器への切り替えに取り組みましょう。
・ 冷暖房機器や建物の省エネルギー対策(高効率化、遮熱・断熱など)に取り組みましょ
う。
・ 高効率型の熱機器(ボイラー、給湯器、冷蔵冷凍機器など)への切り替えに取り組みま
しょう。(エコキュート、エコジョーズ、コジェネ、燃料電池などを含む)
・ 太陽光発電などの自然エネルギーの導入に取り組みましょう。
・ 停電に対応できる自家電源の導入に取り組みましょう。
・ エコドライブ、複数人の場合の相乗りの普及に取り組みましょう。
・ 燃費に優れた車種への切り替えに取り組みましょう。
・ 生産ラインや流通過程などの省エネルギー対策に取り組みましょう。
・ 節水型機器の導入、雨水や再生水の活用に取り組みましょう。
・ フロン類の漏えい防止と適正な回収・処理に努めましょう。
・ クールビズ・ウォームビズを推進し、省エネルギーに努めましょう。
・ 地球温暖化防止の活動に協力、参加しましょう。
等
52
基本目標 4
一人ひとりの行動力を生かす環境保全をめざします
4-1
環境教育・環境学習
(1)現状と課題
環境には日々の暮らしや経済活動が様々に関わっていることから、私たち一人ひとりが環境
に関心を持ち、環境のことを学んで理解することが重要です。
3Rや省エネルギーなど日常の身近なことについては、一人ひとりが必要性を理解し、環境
に配慮した行動を身につけることが望まれます。地域づくりや防災などでは、自然や歴史など
実際に体験して価値観を育んだり、背景や成り立ちを知ることが大切です。また、地球温暖化
や生物多様性といったスケールの大きい内容についても、多くの人が関心を高め理解に努める
ことによって、問題の克服に近づくことができます。
このような環境についての学習行動や教育活動は、子どもから高齢者までのあらゆる年齢層
が対象となり、公的な学校教育や生涯学習だけではなく、市民団体や地域の活動、企業の社会
貢献なども重要な役割を果たします。科学的・専門的な知識の解説や地域の案内、野外活動の
指導など、教育の能力をもった人材や、正しい知識と理解のための情報提供も求められます。
市では、学校教育での環境教育のほか、中央公民館や市立図書館、市立博物館の活動などで
環境学習の機会提供に取り組んでいます。
今後も、市民・事業者と協力して環境教育を推進するとともに、自主的な学習活動と環境配
慮を促進するため、人材の育成と情報提供に取り組んでいく必要があります。
◆市の情報発信の充実について、市民・事業者から望まれること
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
45.2%
47.9%
広報やパンフレットの企画、内容
24.8%
20.5%
広報やパンフレットの配布方法や数
9.8%
インターネット上の情報(ホームページ)の内容
39.7%
5.7%
新しいインターネット技術の活用
市役所の窓口や資料コーナー
17.8%
7.6%
12.3%
22.0%
説明会や戸別訪問
13.7%
市民
22.9%
高齢者や障がい者などへの配慮(バリアフリー)
15.1%
事業者
出典:平成 23 年度大船渡市環境意識調査
53
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
環境教育・環境学習に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
環境への理解と意識を高めます
【達成目標】
項目
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
青少年の環境保全実践活動等
参加団体数
12 団体
30 団体
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】環境教育の推進
学校教育活動全体を通じた環境教育の推進
地区公民館等が中心となった地域環境教育の推進
市民への環境に対する意識の啓発
事業場への環境汚染防止等に関する意識の啓発
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコライフ推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
ごみ減量化・リサイクル啓
発事業
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
岩手県環境アドバイザー事
業の活用
県が行う環境アドバイザー(環境保全についての有識者、活
動実践者等)派遣事業を研修会等に活用する。
市民生活環境課
大船渡市環境保全推進協議
会運営事業
行政機関、各種団体、事業者等が相互に協調し、環境、公害
防止等に関する知識と技術の向上、交流、実践事業を通じ、
環境保全を推進し、快適な環境づくりに寄与する。
市民生活環境課
大船渡湾浄化啓発事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
水生生物観察事業
(再掲 1-2④参照)
市民生活環境課
一般廃棄物処理施設の施設
見学受け入れ
岩手沿岸南部クリーンセンター、大船渡地区クリーンセンタ 市民生活環境課
ーの施設紹介とともに、環境保全についての意識啓発のため、 大船渡地区
施設見学の受け入れを積極的に行う。
環境衛生組合
下水道(水質浄化)に対す
る住民意識の啓発
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
海づくり少年団支援事業
海づくり少年団が実施する稚魚放流、海岸清掃、漁業体験学
習等の活動を支援する。
水産課
水道に対する住民意識の啓
発
(再掲 1-2④参照)
水道事業所
簡易水道事業所
文化財めぐり
(再掲 2-2①参照)
生涯学習課
54
<主な事業・取組>(前頁からの続き)
取組名
概要
担当
環境対応型教室用机椅子整
備事業
(再掲 3-1②参照)
学校教育課
成人大学講座
市民の学習要求に応じて、自然科学、歴史、文学、環境分野
等に関する講座を実施する。
中央公民館
青少年地域活動事業
地域の教育力の向上と青少年の健全育成を図るため、地区・
地域公民館と連携し、奉仕活動や自然と親しむ活動等を実施
する。
中央公民館
心に残る緑の図書展
(再掲 2-1①参照)
市立図書館
環境衛生図書展
(再掲 1-2②参照)
市立図書館
自然観察会
(再掲 2-1①参照)
市立博物館
気仙広域連合衛生センター
施設見学の受け入れ
施設の紹介とともに、湾浄化等環境保全についての意識啓発
のため、施設見学の受け入れを積極的に行う。
気仙広域連合
衛生課
【施策の方針②】人材育成と情報提供
教育機関と連携した指導者育成
環境教育・環境学習に役立つ地域環境情報の収集・整理・提供
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
インターネット等を利用し
た環境活動情報の提供
地域における環境美化活動、緑化推進活動、廃棄物の減量化、 市民生活環境課
自然保護、リサイクルの推進等の活動状況について、インタ
ーネット等を利用して、情報を提供する。
環境に関する研修会の開催
各団体向けに環境保全やリサイクルなどに関する研修会を開
催する。
市民生活環境課
一般廃棄物処理施設の施設
見学受け入れ
(再掲 4-1①参照)
市民生活環境課
大船渡地区
環境衛生組合
下水道(水質浄化)に対す
る住民意識の啓発
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
水道に対する住民意識の啓
発
(再掲 1-2④参照)
水道事業所
簡易水道事業所
気仙広域連合衛生センター
施設見学の受け入れ
(再掲 4-1①参照)
気仙広域連合
衛生課
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 環境問題や地域の環境に目を向け、環境についての学びや体験に努めましょう。
・ 環境について身近な人や子どもと話してみましょう。
・ 環境教育・環境学習の活動に協力、参加しましょう。
・ 環境問題や地域についての自分の知識や経験を伝え、役立てることに努めましょう。
等
② 事業者の取組
・ 職場における環境教育・環境学習に努めましょう。
・ 環境教育・環境学習の活動に協力、参加しましょう。
・ 環境対策や産業についての自社の情報を発信し、役立てることに努めましょう。
等
55
4-2
環境保全活動・環境配慮
(1)現状と課題
① 環境保全活動
現場にあったきめ細かい環境対策や、多様な視点からの環境の啓発・教育などを進める
には、市民・事業者が自ら行う環境保全活動とそのネットワークが大きな力となります。
本市においては、市民による地域活動が積極的に行われており、その力は清掃・美化活
動など環境保全の面にも生かされています。
また、市民ボランティアによる花いっぱい運動や植樹、協議会による須崎川の保全活動
などが行われています。
市民意識調査からは、市民の参加意欲が高いことや、参加のきっかけへの期待感がうか
がえます。
今後も、市民・事業者による自主的な環境保全活動を活発にしていくため、機会の提供
や参加の促進に取り組むとともに、活動の主体となる団体等を支援・育成していく必要が
あります。
◆環境保全活動への参加について市民意識
積極的に参加
したいと思う
9.7%
無回答
4.4%
関心がない、
わからない
6.0%
何かきっかけが
あれば参加したい
と思う
56.8%
関心はあるが
参加したいとは
思わない
23.1%
出典:平成 23 年度大船渡市環境意識調査
② 日常生活や事業活動における環境配慮
地球温暖化やごみ問題、生活環境問題の根本は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の生
活と経済活動であることから、市民の日常生活や企業等の事業活動を改善していくことが
必要不可欠です。
市民意識調査からは、3Rや省エネルギーに対して環境配慮を実践している、もしくは
意欲をもっている市民が大半で、事業者においても、経済的負担が少ない行動面の環境配
慮は浸透しつつあることがうかがえます。
今後も、日常生活や事業活動における環境配慮が進むとともに、エネルギー転換等のよ
り高度な対策が普及するよう、啓発や情報提供、支援に取り組んでいく必要があります。
56
◆ごみの分別についての市民意識
分別ができ
ていない
0.8%
どちらとも
いえない、
わからない
0.9%
無回答
2.5%
あまり分別が
できていない
3.4%
だいたいは
分別している
38.2%
正しく分別
している
54.1%
出典:平成 23 年度大船渡市環境意識調査
③ 開発事業における環境配慮
開発事業は、地域経済の活性化や利便性の向上、住民福祉などを目的に行われます。本
市では、東日本大震災からの復興が急務となっており、土地区画整理、防災集団移転、漁
港施設等の復旧など、様々な事業が予定されています。
本市は、三陸沿岸地域の拠点都市であると同時に、三陸地域の豊かな自然を地域の資源
や魅力としており、開発事業を行う際には自然環境や歴史的な背景などとの調和に配慮し
ていくことが必要です。
(2)基本方針と達成目標
基本方針と達成目標
環境保全活動・環境配慮に関する基本方針と達成目標を次のように定めます。
【基本方針】
環境保全の行動と連携を広げます
【達成目標】
項目
環境に配慮した行動を実践
している人の割合※
※
平成 23 年度現在
平成 34 年度目標
70.7%
80%
毎年実施している市民意識調査において、環境に配慮した行動についての設問のうち、実践して
いる割合が最も高いもの。
57
(3)施策の方針と取組
現状と課題、基本方針と達成目標を踏まえて施策の方針を定め、具体的な事業・取組の実施
を図ります。
【施策の方針①】環境保全活動の推進
環境保全活動を行う団体に対する支援
環境保全活動への参加意識の啓発
地域の環境活動情報の提供
環境ボランティア団体のリーダー育成
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
須崎川清流化対策推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
大船渡市公衆衛生組合連合
会運営事業
(再掲 3-1③参照)
市民生活環境課
市内一斉清掃
(再掲 3-1③参照)
市民生活環境課
環境に関する研修会の開催
(再掲 4-1②参照)
市民生活環境課
地域とはじめる環境報告会
環境保全に関する情報共有と共通認識の形成を図るため、工
場・事業場における環境に配慮した活動など様々な取組を紹
介し、工場等とその周辺の住民とが意見交換する。
市民生活環境課
清掃美化運動推進事業
(再掲 3-1①参照)
大船渡地区
環境衛生組合
市民生活環境課
海づくり少年団支援事業
(再掲 4-1①参照)
水産課
市内一斉クリーン作戦
(再掲 3-1③参照)
生涯学習課
花いっぱい運動
花と緑を育て,潤いのあるまちづくりと環境美化に対する意
識を高めるため、小中学校等に花の種子・苗の配布を行う。
中央公民館
環境衛生図書展
(再掲 1-2②参照)
市立図書館
自然観察会
(再掲 2-1①参照)
市立博物館
58
【施策の方針②】日常生活における環境配慮の推進
環境にやさしいくらしの情報提供と普及啓発
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
エコドライブ普及運動
(再掲 1-1③参照)
市民生活環境課
エコライフ推進事業
(再掲 1-2②参照)
市民生活環境課
ごみ減量化・リサイクル啓
発事業
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
マイバッグ推進キャンペーン (再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
下水道(水質浄化)に対す
る住民意識の啓発
(再掲 1-2②参照)
下水道事業所
水道に対する住民意識の啓
発
(再掲 1-2④参照)
水道事業所
簡易水道事業所
市道の修繕及び維持管理
(再掲 1-3①参照)
建設課
【施策の方針③】事業活動における環境配慮の推進
事業場への環境汚染防止等に関する意識の啓発
事業者と地域との環境保全協定締結の支援
各種産業の環境と調和の促進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
環境保全協定締結の推進
(再掲 1-1②参照)
市民生活環境課
エコドライブ普及運動
(再掲 1-1③参照)
市民生活環境課
地球温暖化対策推進実行計
画の推進
(再掲 3-1①参照)
市民生活環境課
大船渡市環境保全推進協議
会運営事業
(再掲 4-1①参照)
市民生活環境課
エコショップの認定
ごみの減量化やリサイクルについて、自ら目標を立てて目標
に取組む店舗を「エコショップいわて認定店・エコレストラ
ンいわて認定店」として、県と共同で認定する。
市民生活環境課
公共工事等におけるリサイク
ル促進
(再掲 3-1②参照)
建設課
公共工事等における建設機
械の排ガス抑制
(再掲 1-1①参照)
建設課
岩石採取計画の認可
(再掲 1-2③参照)
港湾経済課
59
【施策の方針④】開発事業における環境配慮の推進
環境影響評価法及び県条例に基づく環境影響評価制度の適切な推進
自然環境保全指針の周知や自然環境情報の収集・提供
適切な土地利用の促進
<主な事業・取組>
取組名
概要
担当
環境影響評価制度
(再掲 2-1①参照)
市民生活環境課
防災集団移転促進事業
高台への住宅団地の整備に際しては、「都市計画法による開
発許可に係る審査基準」に基づき、開発区域の面積規模に応
じた面積の公園、緑地又は広場を設ける。
集団移転課
被災市街地復興土地区画整
理事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
大船渡地区津波復興拠点整
備事業
(再掲 1-2②参照)
土地利用課
公共工事等におけるリサイ
クル促進
(再掲 3-1②参照)
建設課
(4)市民・事業者に望まれる取組
)市民・事業者に望まれる取組
① 市民の取組
・ 日常的な環境配慮行動をできることから始めて、できるだけ多くを身につけましょう。
・ 3R、エコライフ、エコドライブに努めましょう。
・ 住宅の新築・改築などでは、その土地の自然条件や建物の省エネルギー性能に配慮しまし
ょう。
・ 環境問題への配慮がなされた製品やサービスの利用に努めましょう。
・ 地域の清掃美化や緑化など、環境保全活動に協力、参加しましょう。
・ 産物を産地に近いところで消費する、地産地消に努めましょう。
・ 環境に関する市民・事業者・市の協力・連携を推進しましょう。
等
② 事業者の取組
・ 事業活動から生じる環境負荷の低減に努めましょう。
・ 環境保全協定の締結と遵守に努めましょう。
・ 3R、エコオフィス、エコドライブの普及・定着に努めましょう。
・ 建物等の新築・改築などでは、その土地の自然条件や建物の省エネルギー性能に配慮しま
しょう。
・ 環境問題への配慮がなされた製品やサービスの利用に努めましょう。
・ 産物を産地に近いところで消費する、地産地消に努めましょう。
・ 環境問題や環境対策に関する調査研究、情報収集に取り組みましょう。
・ 環境対応の技術や製品、サービスの開発、提供に取り組みましょう。
・ 緑化や自然再生などの自然環境保全対策に協力、参加しましょう。
・ 環境保全への寄付、社外の環境保全活動などに協力、参加しましょう。
・ ISO14001 など、環境管理(マネジメント)システムの導入に取り組みましょう。
・ カーボンオフセット、CO2 排出権取引などの地球温暖化対策に取り組みましょう。
・ 環境に関する市民・事業者・市の協力・連携を推進しましょう。
等
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