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平成19年度版 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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平成19年度版 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
P06031
平成 19 年度実施方針
ナノテクノロジー・材料技術開発部
1.件
名:プログラム名
革新的部材産業創出プログラム/新産業創造高度部材基盤技術開発・
省エネルギー技術開発プログラム
(大項目) 超フレキシブルディスプレイ部材技術開発
2.根拠法
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法第15条第1項第2号及び第3号
3.背景及び目的・目標
本プロジェクトは、
「革新的部材産業創出プログラム」の中で、垂直連携で産業の競争力向上に
貢献することを目的とした「新産業創造高度部材基盤技術開発」の一環として実施するものであ
り、
超フレキシブルディスプレイ部材開発に必要な共通基盤技術と実用化技術開発を並行して実施す
る。超フレキシブルディスプレイとは、
「リジッドなガラス基板を有しないプラスチックフィルム
ベースのカラー動画対応アクティブマトリクスディスプレイで、厚さ 1mm 以下で、曲率半径 150mm
以下まで曲面にできるもの。」を目標に掲げる。平成 21 年度末までに、共通基盤技術では、イン
ク化材料を開発し、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)基本構造の特性評価と
回路設計技術を確立する。実用化実証のため、有機TFTアレイの開発状況に従い、表示原理と
性能を選択しプロトタイプを試作する。表示原理として,各種の電気泳動表示法や液晶表示法な
どを候補とする。表示性能として,白黒/カラー,静止画/準動画などを選択する。これにより、
A4 サイズ、準動画、モノクロ、画素サイズ 200ppi(画素サイズ:127μm)、曲率半径 20 ㎜のプロ
トタイプディスプレイを試作し、携行性向上の基盤技術を確立する。
実用化技術では、液晶ディスプレイ向け技術:対角 4 インチ(多面取り)、動画、高精細カラー、
曲率半径 150 ㎜のディスプレイに適用可能な部材を開発し、パネル化に必要な実用化技術を確立
する。そこで、本プロジェクトでは、以下の研究開発を実施する。
【共通基盤技術】[委託事業]
平成21年度末までに、バックパネルに必要なインク化材料を開発するとともに、TFT基本構
造の特性、評価および回路設計技術を確立する。さらに、実用化に向けた実証のため、有機TFT
アレイの開発状況に従い、表示原理と性能を選択してプロトタイプを試作する。表示原理として,
各種の電気泳動表示法や液晶表示法などを候補としてとりあげる。表示性能としては、白黒/カラ
ー、静止画/準動画などの選択がある。これにより、A4サイズ、準動画、モノクロ、画素サイズ200ppi
(画素サイズ:127μm)、曲率半径20㎜のフレキシブルディスプレイのプロトタイプを試作し、超
フレキシブルディスプレイの携行性を向上させる基盤技術を確立する。
①有機TFTアレイ化技術の開発
(1)有機半導体部材の開発
(2)絶縁部材の開発
(3)ソース、ドレイン電極部材の開発
1
(4)配線部材の開発
(5)画素電極部材の開発
(6)層間絶縁部材の開発
(7)保護膜部材の開発
(8)版材の開発
(9)有機TFTアレイ化技術の開発
(10)フロントパネルの検討
②マイクロコンタクトプリント技術の開発
(1)パターニング技術の開発
(2)コンタクトプリンターの開発
(3)バックプレーンパネル化技術の開発
【実用化技術】[助成事業(助成率:1/2以内)]
平成 21 年度末までに、液晶ディスプレイ向け技術:対角 4 インチ(多面取り)
、動画、高精細
カラー、曲率半径 150 ㎜のディスプレイに適用可能となる部材を開発し、これらをパネル化する
ための実用化技術を確立する。
③高度集積部材の開発
(1)フロントプレーン高度集積部材の開発
(2)バックライト高度集積部材の開発
(3)バックプレーン高度集積部材の開発
④ロール部材パネル化要素技術の開発
(1)ロール to ロールによる配向膜形成技術の開発
(2)シール形成技術の開発
(3)液晶層形成技術の開発
(4)上下貼合技術の開発
(5)パネル切断技術の開発
(6)ロール部材洗浄技術の開発
(7)配向膜インライン検査装置の開発
4.実施内容及び進捗(達成)状況
上記の目的を達成するため、平成 18 年度は、共通基盤技術として、有機TFTアレイを大面
積で印刷形成可能とするための要因を把握するとともに、各種材料のインク化指針を得るために
以下の研究開発を実施した。
4.1
平成18年度(委託)事業内容
①有機TFTアレイ化技術の開発
(1)有機半導体部材の開発
【1】有機半導体、界面制御材料の開発(実施体制:産業技術総合研究所)
3-ヘキシルポリチオフェン(P3HT)をキー材料とし、各種表面処理剤により処理したシリコ
2
ンウエハーへの塗布によりボトムコンタクト型のTFTを作製、評価し、移動度の向上に分子
の凝集制御が効果的であることを確認した。また、PDMSスタンプを用いたマイクロコンタクト
プリント(μCP)法によるTFT作製予備実験を行い、ボトムコンタクト型およびトップコン
タクト型TFTでそれぞれ1x10-3cm2/V・s、4x10-3cm2/V・sの移動度を得た。
【2】有機TFTの素子構造の選択(実施体制:コニカミノルタテクノロジーセンター)
リファレンスとなる素子技術に関して、TEG0において、印刷法を用いた素子の作製と評
価を行い、TEG1試作に向けた素子構造を検討した。
【3】構造・物性評価技術(実施体制:産業技術総合研究所、大日本印刷)
産総研既設のSTM/AFM、SEM、光学顕微鏡などを用いて、有機半導体、絶縁、電極・
配線部材などの表面構造の評価を行った。また、フレキシブル3端子法のテスト可能となるマ
イクロコンタクトプリンターの仕様を検討し、装置を導入した。
(2)絶縁部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクニトリルの有機ポリマーを中
心に評価し、PVP が薄膜での絶縁性が高い材料であり、今後の検討に有用な材料である事が示さ
れた。
(3)ソース、ドレイン部材の開発(実施体制:大日本インキ化学工業)
PEDOT/PSS 等の有機導電体および銀ナノ粒子を用いてインク化を検討した。
(4)配線部材の開発(実施体制:大日本インキ化学工業)
PEDOT/PSS 等の有機導電体および銀ナノ粒子を用いてインク化を検討した。
(5)画素電極部材の開発(実施体制:セイコーエプソン)
酸化物材料としての ITO、導電性高分子としての PEDOT/PSS、ポリアニリン(PANI)の基本特
性を評価するとともに、パターニングの適正を評価した。
(6)層間絶縁部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
絶縁部材の開発と併せての検討を行い、PVP が較的的高い絶縁性を示し、インク化や製造プロ
セス開発等の、今後の検討に有用な材料である事が示された。
(7)保護膜部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
ナノハイブリッドシリコーンにおいて、単独膜(スピンコート塗布法)でのガスバリア性(水
蒸気透過率)を評価した。
(8)版材の開発
【1】PDMS系版材(実施体制:信越化学工業)
PDMS 系版材の機械的特性(粘度、硬化性、硬度など)を確認し、速硬化材料の開発およ
び各種インク材を想定した 31 種類の溶剤膨潤率測定を実施し、これに基づいた改良(シロ
3
キサンポリマー鎖長、架橋材、反応制御剤などの検討)検討を実施した。
【2】非PDMS系版材(実施体制:旭化成)
感光性樹脂のμCP適性を評価するため、インク化溶媒として可能性のある 31 種の溶剤中約
8 割弱の溶剤に対し膨潤率、水系インクへの濡れ性を確認した。
【3】マスター版の作製(実施体制:大日本印刷)
L/S 1μm のプロセス開発用6インチ Si ウエハーマスター版を作製した。
(9)有機TFTアレイ化技術の開発
【1】μCP(実施体制:大日本印刷)
μCPプロセス開発のための6インチプリンターを開発し、導入した。
【2】インクジェット法(実施体制:セイコーエプソン)
インクジェット法に関しての情報収集を行い、μCP法、スクリーン印刷法等の他の手法と
の比較検討を進めた。また、特殊印刷を用いた高性能な有機TFTの開発に向けて、半導体/
絶縁膜界面の各種SAMによる制御を試み、今後の指針を得た。
【3】ディップペン法(実施体制:産業技術総合研究所、セイコーエプソン、リコー)
ディップペンの仕様の検討のため、産総研所有のAFMを用いてスクラッチリソグラフィー
を試みた。
【4】その他の方法(実施体制:凸版印刷、セイコーエプソン)
ソース・ドレイン電極部材をブランケットから除去・転写をさせる技術を開発し、チャネル
長 10μm の形成を実現した。
(10)フロントパネルの検討(実施体制:化学技術戦略推進機構)
平成 18 年 12 月に開催された国際ディスプレイ学会(IDW2006:大津)、フラットパネルディス
プレイ国際展示会(横浜)などの関連する国際会議に参加し、フラットパネルディスプレイの現
状と、フレキシブルディスプレイ用の電気泳動型(EPC)や電子粉流体型(QR-LPD)などの表示
方式の最近の研究開発動向を調査した。
②マイクロコンタクトプリント技術の開発
(1)パターニング技術の開発
【1】μCP既存装置改造(実施体制:凸版印刷)
4インチ対応の市販装置に対し、6インチ対応に改良するとともに、マスクホルダ退避機構
の追加、新規平行度調整機構の追加を行った。
【2】新規プリンターシステム設計(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
無圧方式の新規印刷装置に関し、あたりテスト等を通してまとめたプロセス条件を考慮して、
6インチサイズの µCP装置の仕様をまとめ導入した。
4
【3】配線のパターニング(実施体制:セイコーエプソン)
表面処理装置やSAM等を用いた表面制御を検討し、印刷特性を評価した。また、平成 18 年
度に導入した接触角測定装置を用いて表面やインクの評価、解析を行い、基礎的な知見を得た。
【4】画素電極のパターニング(実施体制:セイコーエプソン)
表面処理装置やSAM等を用いた表面制御を検討し、印刷特性を評価した。また、平成 18 年
度に導入した接触角測定装置を用いて表面やインクの評価、解析を行い、基礎的な知見を得た。
【5】層間絶縁膜のパターニング(実施体制:リコー)
ゲート絶縁膜用材料として、ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロ
ニトリルの印刷性評価を実施した。また、パッシベーション膜として印刷可能な高分子材料で
あるエポキシ・シリコーンハイブリッド樹脂インクを用い、μCPにより膜厚 2μmを4インチ
サイズで印刷した。
【6】ソース・ドレイン電極のパターニング(実施体制:リコー)
4インチサイズのプロセス開発として、ソース・ドレイン電極となる金のベタ膜上にレジス
トパターンとなるアルカンチオールをμCPで印刷してエッチングするプロセスを実施した。
(2)コンタクトプリンターの開発
【1】小型(6 インチ)プリンター(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
あたりテスト等を通してまとめたプロセス条件を考慮して、平板・平圧方式による6インチ
サイズの µCP装置の仕様をまとめ導入した。
【2】A4プリンター(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
小型プリンターの仕様決定のための、あたりテスト等を通してまとめたプロセス条件を基に、
大サイズでの精度の仕様をまとめるため装置メーカとの検討に着手した。
(3)バックプレーンパネル化技術の開発(実施体制:コニカミノルタテクノロジーセンター)
印刷法によって作製したSD電極と、ポリチオフェン系有機半導体を用いた単素子検討用T
EG0のTFT素子作製と評価を行い、有機半導体とSD電極部材についての課題抽出を行っ
た。
その他.総合調査研究(実施体制:化学技術戦略推進機構)
平成 18 年 9、12 月に開催されたプラスチックエレクトロニクス(PE2006: フランクフルト)、
米国材料学会(MRS:ボストン)および国際ディスプレイ学会(IDW2006:大津)などの関連する国
際会議に参加し、フラットパネルディスプレイの現状と、フレキシブル化に向けた最近の研究
開発動向を調査した。また、総合調査研究委員会を 8 月に開催し実行計画の検討を行った。今
後 3 月には同委員会にて研究進捗と平成 19 年度実施計画の検討を行う予定である。
5
4.2
平成18年度(助成)事業内容
上記の目的を達成するため、平成 18 年度は、実用化技術として、高度集積部材とそれらロー
ル部材のパネル化に必要な要素技術の指針を得るために以下の研究開発を実施した。
③ 高度集積部材の開発
(1)フロントプレーン高度集積部材の開発
光学フィルムおよび光学用粘接着材料等の素材とフレキシブルカラーフィルタ等の個別
部材の集積化を可能とするための要因を検討し、高度集積部材を作製するための加工方法
を選定した。
集積化を可能とするための要因として、主に構成部材および素材の耐熱性の検討を行っ
た。その結果、ある条件で加工することにより、集積化が可能であるとの知見が得られた。
この知見を元に、特に、高度集積化部材作製設備の設計検討を行い、次年度の設備選定
および発注に向けて基本仕様を決めた。更に、これに用いる個別部材を作製するための打
ち抜き装置の選定と導入、および他の高度集積部材作製設備に関連する装置の選定と発注
を行った。
(2)バックライト高度集積部材の開発
光学フィルムおよび光学用粘接着材料等の素材と、超薄型バックライト部材等の個別部
材の集積化を可能とするための要因を検討し、高度集積部材を作製するための加工方法を
選定した。
集積化を可能とするための要因として、主に構成部材の物性の検討を行った。その結果、
加工に適した物性の範囲を見出した。
この知見を高度集積化部材作製設備の設計に活かし、次年度の設備選定および発注に向
けて基本仕様を決めた。
(3)バックプレーン高度集積部材の開発
TFTを転写法によりロールフィルム上に搭載する方法と、フィルム基板上に直接TF
Tを形成する直接法の2つの方式の検討を開始した。
転写法については、ロール部材パネル化設備との整合性を考慮して、搭載基板の詳細仕
様を検討し、パネル化設備の仕様を決めた。更に、TFTをロールフィルム上に搭載する
設備については、パネル化設備との整合性を考慮した仕様の検討を行い、詳細仕様を決定
した。
直接法については、使用可能な材料に関し調査研究を行うと同時に、これらの材料の成
膜設備の仕様を検討した。
その結果、成膜設備仕様を決定し、関連する設備と共に発注
し、導入を行った。
④ロール部材パネル化要素技術の開発
パネル生産を目指したプロセス確立に向け、全プロセスを個別プロセス(ロール部材洗
浄、配向膜形成、シール剤形成、液晶層形成、上下基板貼合、貼合されたパネルの切断)
に分け、各プロセスに必要な要素技術を解析し、試作実験設備の仕様を検討した。
6
この結果に基づき、ロール部材洗浄設備、配向膜形成設備、シール剤形成設備、液晶層
形成設備、上下基板貼合設備の発注を行った。
これと併せ、得られたパネルを評価する為の設備の選定を行い、発注した。
4.3
実績推移
18年度(契約額)
委託
助成
実績額推移
600
石特会計(エネ高)(百万円)
294
(助成費ベース
300)
特許出願件数(件)
4
-
論文発表数(報)
1
-
フォーラム等(件)
0
0
5.事業内容
5.1
平成19年度事業内容
上記の目的を達成するため、次世代モバイル用表示材料技術研究組合
理事長
山岡
重徳を
プロジェクトリーダーとし、以下の研究開発を実施する。実施体制については、別紙を参照のこ
と。
【共通基盤技術】(委託事業)
①有機TFTアレイ化技術の開発
(1)有機半導体部材の開発
【1】有機半導体、界面制御材料の開発(実施体制:産業技術総合研究所)
分子量のそろった構造制御有機TFTおよび配列制御した有機TFTにおいて、面内異方性
を含めた電荷移動度の測定を行う。
【2】有機TFTの素子構造の選択(実施体制:コニカミノルタテクノロジーセンター)
TEG1の試作を通して、4種類のTFT素子構造(BGBC、BGTC、TGBC、TG
TC)の比較と課題抽出を行い、優れたTFT特性が得られる素子構造の候補を選択するする
とともに、アレイ試作に向けた構造の設計をする。
【3】構造・物性評価技術(実施体制:産業技術総合研究所、大日本印刷)
装置立ち上げ完了後、テストにより測定の可能性を見極め、装置改造により測定可能となる
様検討する。
(2)絶縁部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
製造プロセスのためのインク化の検討と、性能向上を目指しての新規な絶縁膜の開発を行う。
(3)ソース、ドレイン部材の開発(実施体制:大日本インキ化学工業)
7
TEG1、TEG2を用いてTFTアレイ設計に必要な部材の基本特性検討と連携し、電極
部材と他の部材の接触抵抗や相性、相互作用を検討し課題抽出、改良を実施する。
(4)配線部材の開発(実施体制:大日本インキ化学工業)
パターニング技術の開発と連携し、基材密着フレキシブル性、配線部材と層間絶縁部材の電
気的特性のマッチング等を考慮し、印刷、乾燥、アニールを実施し、課題を抽出してインク改
良を実施する。
(5)画素電極部材の開発(実施体制:セイコーエプソン)
平成 18 年度に得られた知見をベースにμCP法に適したインク化技術(溶媒、濃度、表面エ
ネルギー、等)の開発を推進する。また、耐屈曲性の評価、配線、絶縁膜へのダメージ評価を
行うとともに、大面積化に向けての課題抽出を図り、インク化技術、装置設計等へのフィード
バックを行う。
(6)層間絶縁部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
成膜検討(インク化、180℃以下での成膜、表面平坦化等)およびそれに必要な材料の開発を、
配線部材の開発および製造プロセスの開発と連携して行う。
(7)保護膜部材の開発(実施体制:ADEKA、大日本インキ化学工業)
ガスバリア性に優れた材料の開発検討、およびその成膜方法の検討(硬化条件、塗装方法等)
を、製造プロセス開発と連携して行う。
(8)版材の開発
【1】PDMS系版材(実施体制:信越化学工業)
大面積印刷を可能とする、μCP法に適したPDMS系版材を開発することを目的とし、
機械的特性(粘度、硬化性、硬度など)を確認するとともに、これに基づいた改良(シロ
キサンポリマー鎖長、架橋材、反応制御剤などの検討)を行い、転写性、再現性(寸法精
度)を向上させる。
【2】非PDMS系版材(実施体制:旭化成)
平成 18 年度開発着手の新規感光性樹脂のμCP適性評価(機械的物性、印刷評価も含む)を
実施し、結果を新規版材開発にフィードバックする。
【3】マスター版の作製(実施体制:大日本印刷)
プロセス課題を解決し、解像度テストチャートおよび試作内容に合わせたマスター版を作製
する。
(9)有機TFTアレイ化技術の開発
【1】μCP(実施体制:大日本印刷)
開発したプリンターを立ち上げ、大面積化・高精度化にむけた課題抽出をおこない、課題抽
出および解決に向けたテストを実施する。
8
【2】インクジェット法(実施体制:セイコーエプソン)
A4サイズ、解像度 200ppi のアレイ化有機TFTの開発に向けて、平成 18 年度に導入見込
みの特殊印刷装置を用いて、特殊印刷法の原理確認を行う。また、各種印刷法の比較検討を進
め、各部材の最適な印刷法を仮決定し、有機TFTアレイの試作を開始する。
【3】ディップペン法(実施体制:産業技術総合研究所、セイコーエプソン、リコー)
半導体材料、配線材料、絶縁材料それぞれについて、パターニングを試み、ディップペン法
によるパターニングの問題点を抽出する
【4】その他の方法(実施体制:凸版印刷、セイコーエプソン)
4インチサイズの有機TFTアレイ作製において、ソース・ドレイン電極のチャネル長 5μm、
及び最適な配線パターンを達成するために、インク、版、装置とともに方式の最適化を行う。
(10)フロントパネルの検討(実施体制:化学技術戦略推進機構)
バックプレーン開発と連携しながら、表示方式の絞込みを行う。
②マイクロコンタクトプリント技術の開発
(1)パターニング技術の開発
【1】μCP既存装置改造(実施体制:凸版印刷)
転写印刷法とμCP法を融合する方法を実現するために、必要に応じてさらに改造を行う。
【2】新規プリンターシステム設計(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
開発したプリンターを立ち上げ、高精細パターニングの再現性向上と、A4サイズプリンタ
ーによる大面積化に向けた設計指針を得る。
【3】配線のパターニング(実施体制:セイコーエプソン)
平成 18 年度に得られた知見をベースに版及び基板の表面制御、μCP法のプロセス条件、焼
成条件等の技術確立を進める。さらに、曲げ耐性、信頼性の評価を行い、インク化技術(溶媒、
濃度、表面エネルギー等)、装置設計へのフィードバックを行うとともに、大面積化に向けての
課題抽出を図る。
【4】画素電極のパターニング(実施体制:セイコーエプソン)
平成 18 年度に得られた知見をベースに版及び基板の表面制御、μCP法のプロセス条件、焼
成条件等の技術確立を進める。さらに、耐屈曲性、信頼性の評価を行い、インク化技術(溶媒、
濃度、表面エネルギー等)、装置設計へのフィードバックを行うとともに、大面積化に向けての
課題抽出を図る。
【5】層間絶縁膜のパターニング(実施体制:リコー)
ゲート絶縁膜およびパッシベーション膜に求められる、封止性、平坦性、絶縁性、低誘電率
等の機能を確保するために、層間絶縁膜の多層化まで視野に入れた開発を行う。特に、ゲート
9
絶縁膜およびパッシベーション膜インクを電極部材等に転写する表面処理技術の検討を進める。
【6】ソース、ドレイン電極のパターニング(実施体制:リコー)
平成 18 年度の開発を通じて得たインクゲイン制御技術をベースとし、ソース・ドレイン電極
用インクをμCPにより6インチサイズで印刷する技術に取り組む。
(2)コンタクトプリンターの開発
【1】小型(6 インチ)プリンター(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
開発したプリンターを立ち上げ、高精細パターニングの再現性向上と大面積化に向けた条件
を抽出し、A4サイズプリンターの設計指針を得る。
【2】A4プリンター(実施体制:大日本印刷、産業技術総合研究所)
開発したプリンターを立ち上げ、A4サイズプリンターによる大面積一括印刷のための設計
指針を得、仕様を決定しA4サイズプリンターを製作・試運転する。
(3)バックプレーンパネル化技術の開発(実施体制:コニカミノルタテクノロジーセンター)
各構成部材とパターニング技術開発の進展にあわせ、これらの組み合わせによるTEG1単
素子の試作とプロセス検討を行う。さらに、全構成要素の組み合わせとなるTEG2およびそ
のアレイ化について、試作と課題抽出を実施する。
その他.総合調査研究(実施体制:化学技術戦略推進機構)
研究開発中項目である「有機TFTアレイ化技術の開発」および「マイクロコンタクトプリ
ント技術の開発」に関する、文献、技術動向の調査、委員会等の開催などを行う。平成19年
度の春および秋に米国で開催される国際材料学会(MRS)に出席し、技術動向を調査する。
調査に当たっては、総合調査研究委員会を設置し、参画企業の連携推進を図る
【実用化技術】(助成事業)
③高度集積部材の開発
本プロジェクトにおいて、高度集積部材として、フロントプレーン高度集積部材,バックラ
イト
高度集積部材,バックプレーン高度集積部材の開発を行う。
1)フロントプレーン高度集積部材の開発
H18年度で選定した高度集積部材を作製するための加工方法に基づいて設計されたロール
ツーロール対応設備を導入、調整と試運転を行い、光学フィルムおよび光学用粘接着材料等の
素材とフレキシブルカラーフルタ等の個別部材を用いて試作を開始する。
2)バックライト高度集積部材の開発
H18年度で選定した高度集積部材を作製するための加工方法に基づいて設計されたロール
ツーロール対応設備を導入、調整と試運転を行い、光学フィルムおよび光学用粘接着材料等の
素材とバックライト等の個別部材を用いて試作を開始する。
10
3)バックプレーン高度集積部材
バックプレーン高度集積部材について転写法と直接法の2つの方式をアプローチしている。
転写法について、H18年度で終了した設備仕様に基づいて設備の詳細設計を行い、発注~
導入・調整まで行う。併せて材料の検討を進める。直接法についてH18年度導入した設備と
一次選定した材料を用いて、成膜条件の検討と膜評価を行う。これらの結果を基に材料の更な
る検討を行う。
2 つの方式について得られた知見に基づいて開発の方向性を出す検討を始める。
④ ロール部材パネル化要素技術の開発
H18年度で基本設計を終了した配向膜形成用試作実験設備、シール形成、液晶層形成およ
び上下基板貼合を連続して行う試作用一体化実験設備について設備を導入し、調整、試運転を
行い、プロセス条件の検討を実施する。
また、ロール部材パネル化要素技術の関連技術としてパネル切断技術、ロール部材洗浄技
術、配向膜インライン検査技術を開発するに必要な設備を導入し、プロセス条件の検討を行
う。
5.2
平成19年度事業規模
委託事業+助成事業
石特会計(エネ高)
683百万円(継続)
(注)事業規模については、多少の変動があり得る。
6.その他重要事項
6.1
運営・管理
研究開発全体の管理・執行に責任を有する独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(以下、
「NEDO技術開発機構」という。)は、経済産業省および研究開発責任者と密接な関係を維
持しつつ、プログラムの目的および目標、並びに、本研究開発の目的および目標に照らして適切
な運営管理を実施する。具体的には、必要に応じて設置される技術検討委員会等における外部有
識者の意見を運営管理に反映させる他、四半期に一回程度プロジェクトリーダー等を通じてプロ
ジェクトの進捗について報告を受けること等を行う。
6.2
複数年度契約の実施
平成18~19年度の複数年契約を行う。
6.3
助成事業に関する継続事業に係る取扱いについて
助成先は前年度と変更はない。
平成19年度助成先:次世代モバイル用表示材料技術研究組合
6.4
その他
7.スケジュール
11
平成19年3月上旬・・・部長会
3月中旬・・・運営会議
12
(別紙)
「超フレキシブルディスプレイ部材技術開発」実施体制
NEDO技術開発機構
連携推進委員
所属:次世代モバイル用表示材料技術研究組合
指示・協議
役職名:理事長
氏名:山岡
委託
委託
重徳
助成
独立行政法人
財団法人
次世代モバイル用表示材料技術研究
産業技術総合研究所
化学技術戦略推進機構
組合
・研究実施場所:
・研究実施場所
・ 研究実施場所
(独)産業技術総合研究
(独)産業技術総合研究所
次世代モバイル用表示材料技術共
所つくばセンター
つくばセンター
同研究センター
・実施項目
・実施項目
① 有機 TFT アレイ化技
術の開発
① 有機 TFT アレイ化技術
の開発
② マイクロコンタクト
プリント技術の開発
・実施項目
③高度集積部材の開発
④ロール部材パネル化要素技術の開
② マイクロコンタクトプ
リント技術の開発
共同研究 (出向元企業 9 社)
発
(出向元企業13社)
クラレ、コニカミノルタ、JSR、
旭化成、ADEKA、
シャープ、住友化学、
コニカミノルタテクノロジーセンター、
住友ベークライト、
信越化学工業、セイコーエプソン、
大日本インキ化学工業、
大日本インキ化学工業、
大日本印刷、東亞合成、凸版印刷、
大日本印刷、凸版印刷、
日本電気、日立化成工業、
リコー
日立ディスプレイズ
連携
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