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フロリア－ド2012の概要 7 花きの国際的評価 フロリアード
７ 花きの国際的評価 ○平成２４年４月５日から１０月７日までオランダ・フェンロー市において「２０１２年フェンロー国際園芸 博覧会（フロリアード２０１２）」が開催され、日本も参加。 ○会期中は、日本政府出展ブースに約６０万人が訪れ、同ブースは屋内展示部門において「金賞」を 受賞。また、品種コンテストでは、多くの日本産花きが、最高得点の獲得を含め入賞するなど、我が 国の花きは、国際的に高い評価を得た。 ○フロリア－ド２０１２の概要 ○フロリアード２０１２の様子 ・開催期間：平成24年4月5日～10月7日 ・開催場所：オランダ王国フェンロー市 ・開催規模 入場者数：約200万人 参 加 国：40カ国程度 会場規模：66haのうち40haが展示サイト ・開催テーマ：”自然と調和する人生” 注） 我が国は１９９２年以降毎回参加し、今回で３回目。 日本ブース（250㎡）の概観 品種コンテストへの出展 シンビジウム「親王」 品種コンテストで 最高得点獲得 オランダ ドイツ ●フェンロー ベルギー 日本ブースには約６０万人が訪問 屋内展示部門「金賞」のトロフィー ８ 花きの輸出 ○平成２５年の花きの輸出額は約１００億円。このうち大部分は植木・盆栽・鉢物であり、海外マーケッ トで認知度の低い切り花の輸出は極わずか。 ○次世代施設園芸団地の整備や産地間連携によるリレー出荷で、高品質な切り花・鉢物を安定供給 できる体制を整備し、平成３２年には植木・盆栽・鉢物・切り花で輸出額１５０億円を目指す。 安定供給で輸出を拡大！ 花き輸出額推移 次世代施設 園芸団地整備 輸出の大半は 植木・盆栽。今後 は切り花・鉢物を 伸ばす必要 4月 5月 6月 7月 8月 9月 120 約１００億円 為替相場の変動はあるがアジア新興 国向けを中心に輸出は順調に増加 Ｈ２５年実績 80 60 輸 出 重 点 品 目 40 20 0 16.1 28.8 58.6 67.0 70.9 86.2 99.9 H16 H18 H20 H22 H23 H24 H25 鉢物・盆栽・植木等 切り花(生鮮) 球根類 葉・枝、その他加工 苗物(挿穂・接ぎ穂) 資料：財務省「貿易統計」 10 11 12 1月 2月 3月 月 月 月 Ａ産地 Ｂ産地 Ｃ産地 Ｄ産地 （億円） 100 産地間連携に よるリレー出荷 植木・盆 栽・鉢物 切り花 合計 球根類他 総合計 Ｈ３２年目標 （億円） 主な輸出 先 ９４．３ ベトナム、 中国、香港 １４０ １．７ 米国、ベト ナム、香港 １０ ９６．０ ３．９ ９９．９ （億円） １５０ 主な輸出先 中国、香港、 ＥＵ 香港、シンガ ポール、米国、 カナダ、ロシア ８ 花きの輸出② ○平成３２年に花き輸出１５０億円を達成するためには、輸出先進国の先進事例や輸出重点国の市場 実態の調査が大切。 【切り花輸出先進国ケニアの調査事例】 ● 外貨獲得のため、国策としてバラを中心とし た切り花の生産及び輸出を振興。オランダ、コ ロンビアに次ぐ世界第3位の切り花輸出大国。 ● ケニア統一ブランドを立ち上げ、EUにおいて オールケニアでの共通プロモーションを実施。 ● 産地から空港までコールドチェーンを完備。 ● 生産者が生産から加工、輸送、海外マーケ ティング、ブランディングまで完結した取組。 ● MPS等環境認証への取組も積極的。 【輸出重点国ロシアの調査事例】 ● 首都モスクワは人口1千4百万人の欧州最大都市。堅調な経 済成長を背景に花き市場は拡大を続ける。 ● バレンタインデーや国産婦人デー（３月）を中心にバラ等の切 り花需要が大きい。国内生産量は少なく、市場はオランダや南 米等からの輸入に大きく依存。 ● 駅前や広場等街中の至る所に花屋がある。スタンド形式の 花屋も多く、中には２４時間営業のものも。 輸入に大きく依存した切り花市場 ケニア共通ブランド 産地の保冷庫 コールドチェーン を完備 生産者の保冷車 産地で輸出先国のニーズ に合わせた生産・加工 ２４時間営業のスタンド フラワーズエキスポ 【輸出重点国香港の調査事例】 ● 東アジアの物流拠点として、極めて重要な鉢物・切り花の輸 出先。マカオのカジノへの転送も多い。 ● 春節やバレンタインデーを中心に、赤や黄色等の縁起の良 いとされる派手な色合いの花の需要が伸びる。ショッピング モールやホテル、広場等での需要も多い。 ● 多様で繊細な色合いの日本産の認知度向上が課題。 空港隣接の検疫所の保冷庫 賑わいを見せる花屋街と派手な花束 ホテルのロビー ショッピングモール玄関 産地間連携により日本産花きと花文化を世界へ輸出！ デルフィニウム 花き文化の成熟したＥＵや新た な需要が見込まれるロシアへ！ 今後も海外市場調査を通じ、 新たな販路を開拓！ 北海道 チューリップ ラナンキュラス 岩手県 リンドウ 千葉県 植木 新潟県 盆栽 長野県 愛知県 香川県 宮崎県 高知県 経済成長著しいアジア新興国へ！ （香港・シンガポール・中国） グロリオサ （米国・カナダ） 必要な取組 洋ラン スイートピー 太平洋を横断、北米大陸へ！ ○海外の市場実態等情報収集 ○花文化と併せて日本産花きを情報 発信 ○長距離輸送に耐えうる品質管理技 術の向上 ○センチュウ防除技術の開発等植物 検疫への対応 ○海外からのバイヤーの招聘 先進的事例 あ しろ 知財保護とナショナルブランドを両立し、グローバル農業を実践（安代りんどう）（岩手県八幡平市） 【地域農業の革新等のための新品種等の導入】【農林水産物の輸出促進】【知的財産の活用】 １ 概要 ① ≪概要・データ≫ ・安代りんどうは、生産者(一般社団法人安代リンドウ開発)と市が一体となって育種事業を展開。 県の普及組織とも連携しながら、国内有数のりんどう産地(販売額は11億円で全国１位)となり、 オランダ等へも輸出。 ・平成17年、生産者と市がニュージーランドの会社と合同で育種会社を設立し、共同 で品種の開発を実施。 ② ≪特徴的な取組≫ ・市が品種育成のための研究組織を設立。この研究運営資金は、生産者と市が負担し、 知財戦略を策定した上で、知財は市が適切に管理し、現在、ＥＵ圏で保護。今後、 アジア圏での保護も検討。 ニュージーランドとの 合同育種により開発された 「赤色りんどう」 ・平成24年には、世界初の「赤色りんどう」の育種に成功(現在、品種登録申請を準備中)。 ・輸出にあたっては、海外でのマーケット調査、バイヤーとの意見交換等を実施し、 生産者と行政が一体となって販売・輸出戦略を策定。 ・ニュージーランドに加え、チリでも契約栽培し、北半球の端境期に国内外の市場 に供給(キウイのゼスプリのようにグローバル農業を展開)。 ２ 発見した現場の宝【生産者、市等の一体となった取組】 ・生産者と行政が一体となって生産・輸出戦略を策定。 ・生産者と行政が、共同で、輸出国の需要を把握した上で新品種を開発。開発された知財は行政が適切 に管理し、知財保護国もアジア圏を中心に増やしていくことを検討。 ・開発品種を国内外市場に供給することで、ロイヤリティも回収。 ・ニュージーランド等での契約栽培により通年供給が可能となるグローバル農業を実践。 先進的事例 県育成カーネーション品種「ミニティアラ」シリーズを海外で生産販売 （香川県） １ 概要 ○香川県は、県育成のカーネーション｢ミニティアラ」シリーズの２品種について、オランダの大手 種苗会社ヒルベルダ・コーイ社と、海外で苗を生産・販売する５年間の利用許諾契約を締結。 ○利用許諾品種は｢ミニティアラコーラルピンク｣と｢ミニティアラライラック｣の２品種。 ○利用国は欧州連合（ＥＵ）、ケニア、コロンビア ○海外市場での販売により、香川県のオリジナル品種の国際的評価が高まり、国内需要が一層 拡大することが期待される。 ２ これまでの経緯 ミニティアラ コーラルピンク ○平成６年から県農業試験場でカーネーション栽培種とナデシコ野生種との種間交雑育種を開 始。 ○平成19年、剣（けん）咲きタイプのカーネーション新品種「ミニティアラ」を育成。 ○平成23年に「ミニティアラコーラルピンク」、平成24年に「ミニティアラライラック」を育成。 ○ヒルベルダ・コーイ社が「ミニティアラ」の花の形、色のバリエーションに注目し、平成24年3月に 同社とオランダでの２年間の試験栽培契約を締結。 ○平成26年１月に利用許諾契約を締結。（上記３ヶ国（地域）へ品種登録申請を準備中。） 【参考】 ○カーネーション「ミニティアラ」シリーズ 花の形がティアラ（女性の装飾冠）を思わせることと、花が小さく可愛いらしいことから、名付け られました。これまでに、７品種を育成して品種登録出願している。 ミニティアラ ライラック 品種名 「ミニティアラピンク」、「ミニティアラクリーム」、「ミニティアラコーラルピンク」、「ミニティアラライラック」 「ミニティアラスターイエロー」、「ミニティアラミルクホワイト」、「ミニティアラベビーピンク」の７品種 ○ヒルベルダ・コーイ社 カーネーションを中心に花きの品種開発・種苗販売を行っており、世界のカーネーション種苗 生産の約２割のシェアを有する世界有数の種苗会社。同社育成の数多くの品種が国内でも生産・ 販売されている。 浜田香川県知事とヒルベルダ・ コーイ社タスＣＥＯとの調印式 （平成26年１月17日） ９ オリンピック・パラリンピックに向けた取組 ～Ｒｏａｄ ｔｏ Ｔｏｋｙｏ Ｏｌｙｍｐｉｃ ａｎｄ Paｒalympic ｂｙ Ｆｌｏｗｅｒ～ ○日本人は、元来、花を飾り、楽しむ花文化を持っている ○日本の花は、多様な品種と、世界でも最高水準の品質 このことを定着させるため、開催までの６年間、以下のような取組を推進し、 オリンピック・パラリンピック開催年には日本全国津々浦々、花と緑があふれる 風景を実現 ①おもてなしの花 関係省庁と連携 ②ビクトリーブーケ の開発 ③真夏でも安定 した供給体制 の構築 空 港：成田、羽田、中部など到着口、発着カウンター、 待合室に花を展示 駅 ：東京、名古屋、大阪はもちろん、浅草、京都等 観光地の改札口、ホーム、待合室に花を展示 市街地：花育活動と連携した公共施設や学校での花壇作り 選手の栄光を讃え、国産花きの素晴らしさを全世界に アピールするビクトリーブーケを企画・開発 （品目・品種・産地の選定（被災地で栽培された花きの使 用も一案）、デザイン等） 大会で使用される緑化・装飾用の花きが安定して供給でき るよう、計画的に生産・出荷できる産地の育成、コールド チェーンの整備、切り花の日持ち性向上技術を確立 （1964年は10月開催、2020年は7～9月の真夏の開催） オリンピック・パラリンピック会場等での花の活用 選手村の食堂を花で飾って 癒やしを 選手村のビクトリーパークも 花でいっぱいに 選手には、ビクトリーブーケ、 表彰台の下には花を！ マラソンの沿道も花で応援 日本らしさを出した ビクトリーブーケの開発 選手をおもてなしの花でお出迎え 【参考】都道府県別花き産出額（平成２３年） （単位：億円） 都道府県 産出額 主に生産されている花き 県の花 都道府県 産出額 主に生産されている花き 県の花 北 海 道 青 森 ハマナス 滋 京 賀 都 12 洋ラン(鉢)、キク、バラ 13 バラ、花木類、切り枝 シャクナゲ シダレザクラ 大 兵 奈 阪 庫 良 21 庭園樹苗木、キク、ユリ 53 カーネーション、キク、庭園樹苗木 44 キク、切り枝、バラ ウメ・サクラソウ ノジギク ナラのヤエザクラ 和 歌 山 鳥 取 島 根 岡 山 62 23 18 30 スターチス②、キク、カスミソウ② ウメ ２０世紀ナシ ボタン モモ 広 山 徳 香 島 口 島 川 29 30 39 38 キク、洋ラン(鉢)、パンジー 愛 高 福 佐 長 熊 大 116 スターチス①、カーネーション③、ユリ 24 キク、トルコキキョウ、バラ 岩 宮 秋 手 城 田 山 福 茨 栃 形 島 城 木 62 50 128 65 アルストロメリア③、ストック②、リンドウ ベニバナ キク、トルコキキョウ、カスミソウ③ ネモトシャクナゲ 芝①、切り枝①、キク バラ キク、洋ラン(鉢)、シクラメン③ ヤシオツツジ 群 埼 千 東 馬 玉 葉 京 51 185 244 62 バラ、キク、サボテン類③ レンゲツツジ ユリ②、花木類③、パンジー① サクラソウ ストック①、街路樹苗木②、洋ラン② ナノハナ 切り葉①、観葉植物、シクラメン ソメイヨシノ 神 奈 川 新 潟 富 山 49 リンドウ①、キク、ユリ 25 キク、バラ、洋ラン(鉢) 26 キク、トルコキキョウ、リンドウ③ リンゴ 53 洋ラン(鉢)、バラ、パンジー② 97 ユリ①、花木類②、チューリップ① 10 チューリップ(球根)①、チューリップ③、デルフィニウム 石 福 山 長 川 井 梨 野 7 7 26 156 岐 静 愛 阜 岡 知 72 観葉植物、花木類、サボテン類① 177 洋ラン(鉢)②、ガーベラ①、バラ② 577 キク①、洋ラン(鉢)①、花木類① キリ ミヤギノハギ フキノトウ ヤマユリ チューリップ チューリップ キク、洋ラン(鉢)、切り枝 クロユリ キク スイセン 洋ラン(鉢)、バラ、花木類 フジザクラ カーネーション①、トルコキキョウ①、シクラメン① リンドウ レンゲソウ ツツジ カキツバタ 三 重 72 庭園樹苗木②、観葉植物②、街路樹苗木③ ハナショウブ 資料：農林水産省｢生産農業所得統計｣「花木等生産状況調査」 ※｢主に生産されている花き｣欄の囲い数字は、全国における順位。上位3位までを表示。 キク、シクラメン、トルコキキョウ 洋ラン(鉢)、バラ、切り枝 キク、花木類、カーネーション モミジ ナツミカン スダチ オリーブ 媛 知 岡 31 バラ、切り枝、ユリ 70 ユリ③、切り枝、トルコキキョウ 236 庭園樹苗木①、キク③、ガーベラ② ミカン ヤマモモ ウメ 賀 崎 本 分 33 73 102 62 キク、バラ、スイートピー② クスノキ ウンゼンツツジ リンドウ ブンゴウメ 76 洋ラン(鉢)、スイートピー①、芝③ 144 キク、観葉植物③、切り葉② 90 キク②、切り葉③、観葉植物 ハマユウ ミヤマキリシマ デイゴ 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 合 芝②、ストック③、パンジー 計 3,671 キク、バラ、ユリ 洋ラン①、洋ラン(鉢)、ユリ バラ、ユリ、キク キク、洋ラン(鉢)、カーネーション 洋ラン(鉢)、カスミソウ①、キク