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旧制高等学校の仏語教育 ー丙類の躍跡を中心に`

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旧制高等学校の仏語教育 ー丙類の躍跡を中心に`
儒
旧 制 高 等 学 校 の仏 語 教 育
丙 類 の躍 跡 を 中 心 に
(
其 の 一)
介 と し て 、 そ れ ぞ れ の専 門 的 な領 域 で学 ば れ る こと にな る 。 文 化 面 でも
夫
我 国 と フ ラ ン ス と の公 式 の交 流 は 幕 末 に始 ま り 、 そ の関 係 は 比 較 的 安
そ の点 は 例外 で は な く 、 東 京 帝 国 大 学 は じ め 、 大 学 の フ ラ ン ス文 学 科 な
貞
定 し た も のだ った と いえ る 。文 化 面 に 限 って み れ ば 、 フ ラ ン ス側 か ら の
ど が 拠 点 と な って、 そ の任 を 負 う こ と にな る 。 一般 的 に フ ラ ン ス文 化 の
中
移 入 が多 く 、 必 ず し も 均 衡 が保 た れ て いた と は 言 え な いが 、 日 本 側 か ら
研 究 は 、 も っぱ ら高 等 教 育 機 関 にお い て行 わ れ 、 紹 介 さ れ てき たと い っ
田
の影 響 も 少 な く な い。 例 え ば 、 浮 世 絵 が 十 九 世 紀 フ ラ ン ス の印 象 派 に与
ても 過 言 で は な い。 し か し な が ら 、 こ れ ら 旧 制 大 学 を フ ラ ン ス語 教 育 の
丙類 (
第 一外 国 語 、 フ ラ ン ス語 ) を お い て 、他 にあ る ま い。
高 等 教 育 にお け る 仏 語 教 育 と いえ ば 、 や は り 旧 制 高 等 学 校 の文 ・理科
面 で 、 そ の対 象 と す る に は いさ さ か 無 理 が あ る よう に思 わ れ る 。
え た イ ン パ クト な ど は 、 そ の 証 左 であ ろ う 。
と こ ろ で 、 我 国 にお け る フ ラ ン ス語 学 習 の嗜矢 は 、 文 化 五年 (一八 〇
八 )、 六 名 の長 崎 オ ラ ン ダ 通 詞 達 に よ る も の で あ る 。 残 念 な こ と に、 こ
の フラ ン ス 語 学 習 は 、 幕 府 の対 外 政 策 を 反 映 し て 、途 中 で沙 汰 止 み に な
幸 い、 筆 者 は 前 段 階 と も いう べき 、 中 等 教 育 の そ れ に焦 点 を 当 て 、紹
介 す る こ と が 出 来 た 。 す な わ ち 、 そ の代 表 例 と し て 暁 星 学 校 (
ピ.
国8 一
①
って し ま う 。 結 局 、 フ ラ ン ス 語 の最 初 の修 得 者 と いえ ば 、 村 上 英 俊 (一
八 =
号 一
.
国8一
一
①音 ζ豊 昌) を 取 り 上 げ 、 明 治 中 期 か ら 大 正 末 期 ま で の仏 語教
∼九 〇 ) そ の人 であ ろう 。 英 俊 の フ ラ ン ス語 学 習 は 全 く の独 学 で
あ った た め 、 蘭 学 事 始 に も 似 た 、 幾 多 の困 難 と労 苦 を 伴 う も の であ った 。
た こ と は 、 言 を 侯 た な い。 そ れ では 、 同 教 育 機 関 (
特 に丙 類 ) が いか な
さ て、 本 稿 の目 的 であ る 旧 制 高 校 が、 各 界 に多 く の人 材 を 輩 出 し てき
(2 )
育 (
中 等 教 育 界 ) の内 容 を 明 ら か に し た 。
(1 )
そ の 間 の事 情 に つ い て は 、 す で に公 刊 の拙 著 に詳 し い。
我 国 に お け る フ ラ ン ス学 は 、 明 治 以 降 、 幕 末 の 入 門 段 階 の域 を 脱 し 、
次 第 に各 分 野 に細 分 化 さ れ る傾 向 に あ った 。 す な わ ち 、 フ ラ ン ス語 を 媒
( 一 )
97
1
る フ ラ ン ス語 教 育 を 実 施 し 、 フ ラ ン ス文 化 の受 容 に 努 め てき た のか 、 詳
細 に 報 告 し て み た い。
但 し 、 元 来 、 一回 で報 告 す る 予 定 であ った も の が 、 紙 数 の都 合 上 、 二
目bZ>国﹀ ω巴 き
⋮ ピ①。。 9 薯 富 9
一.
曾巳 ㊦ 含
守 き ゆ巴 ω 窪
(
文 ・理 科 丙 類 の実 状 ) に 譲 る こと を 、 予 め お断 り し てお く 。
回 に 分 け て発 表 せ ざ る を 得 な く な った 。 第 一部 は 本 稿 で あ る が 、 第 二 部
は、 次稿
註
(1 ) ④
ζ 9晋 -毒
(
風 響 社 、 一九 九 八 年 )。
" 囲、
国8 ♂ 畠① 一
.
国8 一一
① 音
ひ6冨 昌σq①
﹃
幕 末 明 治 初 期 フ ラ ン ス 学 の 研 究 ﹄ (国 書 刊 行 会 、
﹁研 究 成 果 刊 行 費 ﹂ の 交 付 を 受 け る 。 フ ラ ン ス 図 書 、 一九 八
﹄巷 。P (パ リ 第 三 大 学 提 出 の 学 位 論 文 。 昭 和 五 十 七 年 度 科 学 研 究 費
補助金
田中貞 夫
三 年 )。
⑤
昭 和 六 十 三 年 )。
(2 ) ↓bZ>内> QQ巴 き
。巳 ε 器 一守 睾 8 ←昌 。ロ9ぴ
一
(1 )
(二 )
旧 制 の高 等 学 校 が 前 身 の高 等 中 学 校 の名 を 改 め て、 高 等 学 校 と 称 し た
のは 、 明治 二十 七 年 の こと で あ る 。
そ の当 時 設 立 さ れ て いた 官 立 の 旧 制 高 等 学 校 (
煩 雑を避 け るため 、以
(
熊 本 ) の五 校 と 山 口高
(
2 )
(
東 京 )、第 二高 等 学 校 (
仙 台 )、 第 三高 等 学 校
後 は ﹁旧制 ﹂ を 冠 せ ず 、 高 等 学 校 の みと す る ) は 、 いわ ゆ る ナ ン バ ー ・
ス ク ー ル の第 一高 等 学 校
(
3 )
(
旧 制 帝 国 大 学 予 科 を 含 む ) の設 立 を 、 順 序 に従
(
京 都 )、 第 四 高 等 学 校 (
金 沢 )、 第 五高 等 学 校
等 学 校 であ った 。
これ 以降 の高 等 学 校
って記 し て み る と 、 次 の通 り であ る 。
(
岡 山 )、 そ の 翌年 に は 第 七 高 等 学
(
鹿 児 島 ) が 設 立 さ れ て い る。 そ の他 、 明 治 年 間 に お け る 同教
明治 三十 三年 には、第 六高 等学 校
校造 士館
育 機 関 の開 校 は 、 明 治 四 十 一年 、 第 八 高 等 学 校 (
名 古 屋 ) の設 立 を も っ
て終 了 す る。
大 正時 代 に入ると、 大正七年 、 北海道帝 国大学 予科 が設置 された 。さ
ら に同 八年 、 地 名 を 冠 し た 高 等 学 校 が 四校 設 立 認 可 さ れ て いる 。 新 潟 高
等 学 校 、 松 本 高 等 学 校 、 松 山 高 等 学 校 、 そ れ に山 口高 等 学 校 が復 活 す る。
そ の後 も 設 立 ラ ッ シ ュが 続 く 。 こ う し た高 校 の大 増 設 の 理 由 と し て、
﹁
第 一に宿 年 の 政 府 の課 題 で あ った 学 制 改 革 が 、 ほ ぼ 全 面 的 に結 論 が 出
て実 施 への道 が 開 け た こと 、第 二 に高 等 学 校 入 学 志 願 者 が 累 年 増 加 の 一
鰯
途 を 辿 り 、 是 非 と も そ の収 容 方 法 を 講 ぜ ね ば な ら ぬ状 況 に あ った こと 、
一方 こ の卒 業 生 を 受 け 容 れ る べき 帝 国 大 学 も 、 東 京 、 京 都 両 帝 国 大 の他 、
大 正 十 一年 設 立 許 可 、 翌 年 開 校 に は 、 静 岡 高 等 学 校 、 高 知 高 等 学 校 。
(7 )
上 記 二 校 と 同 年 の 設 立 で あ り な が ら 、 開 校 が大 正 十 四 年 に な った 学 校 に
大 正 十 二年 、 甲 南 高 等 学 校 (
私 立 ・七 年 制 ) が 設 置 、 開 校 。 同 年 の設
(
台 湾 総 督 府 所 管 ・七 年 制 ) があ る。
に は第 一次 大 戦 を 契 機 に経 済 界 の好 況 と 、 ま た 産 業 経 済 の全 体 的 規 模 の
置 で 、 翌 十 三年 の始 業 に は 、 姫 路 高 等 学 校 、 広 島 高 等 学 校 の二 校 。 設 立
台 北高等 学校
拡 大 が 延 い て は行 政 ・企 業 そ の他 各 方 面 の管 理 機 構 の拡 大 に よ る人 材 の
の許 可 は 同 じ年
東 北 、 九 州 、 北 海 道 等 に 設 け ら れ 、 格 段 と収 容 力 が 高 ま った こ と 、 第 三
需 要 増 を 来 し た こ と 、 こ の よ う な 事 情 が 政 府 が 増 設 に踏 み切 った最 大 の
に、富山 高等学 校 (
公 立 ・七年 制 )。
大 正 十 四年 、 成 険 高 等 学 校 (
私 立 ・七 年 制 )、 設 置 許 可 、 開 校 。
年 の始 業 。
大 正十 三年、京 城帝 国大学 予科 (
朝 鮮 総 督 府 所 管 ) が 設 立 、 そ し て同
(
8 )
(
大 正 十 二) であ る が 、 開 校 が 大 正 十 四 年 にな った も の
要 因 と 言 え る が 、特 に高 校 増 設 に 際 し 一千 万 円 の御 内 努 を 下 賜 さ れ た事
(4 )
は 、 甚 だ 有 力 な 促 進 要 因 と な った ﹂。
さ ら に付 け加 え る な ら ば 、 ﹁
官 立 であ る 故 に 当 然 政 府 の負 担 に於 て設
け ら れ ると いう 建 て前 に か か わ ら ず 、 全 国 各 地 方 が誘 致 運 動 に 躍 起 と な
(
私 立 ・七 年 制 ) は 、 大 正 十 五年 の設 立 、 そ し て
大 正 十 五年 、浪 速 高 等 学 校 (
公 立 ・七年 制 )、設 置 、開 校 は 昭 和 二年 (
高
等 科 )。 成 城 高 等 学 校
り 、 高 等 学 校 設 置 のた め に は 必 要 と す る 土 地 並 び に 建 設 に 要 す る費 用 の
相 当 額 を 寄 附 す る旨 を 相 次 い で申 し 出 た こ と に よ り 、 政 府 は 建 設費 のか
始業 。
(9 ∀
(
公 立 ・七 年 制 ) を 筆 頭 に 、 旅 順 高 等 学 校
(
関東局 所管、
(
台 湾総督 府 所管 、 昭和十 六年) のみ
戦 後 に な って か ら も 、 同 教 育 機 関 の設 立 は 行 わ れ 、 昭 和 二十 二年 には 、
と な る。
昭 和 十 五年 )、 台 北 帝 国 大 学 予 科
府 立高等 学校
昭 和 期 に入 る と 、 高 等 学 校 の設 立 は ず っと 数 少 な く な り 、 昭 和 四 年 の
な り の部 分 を こ れ ら 地 方 か ら の寄 附 に よ って賄 う 結 果 と な った こと であ
(
5V
る ﹂。
大 正 九 年 に は 、 水 戸 高 等 学 校 、 山 形 高 等 学 校 、 佐 賀 高 等 学 校 が 設置 さ れ 、
同 年 始 業 。 な お 、 同 年 に設 立 さ れ た が 、 開 校 が翌 年 十 年 に な ったも の に 、
(6 )
(
宮 内 省 所 管 ・官 立 。 七 年 制 ) が 設 置 さ れ る。
松江 高等学 校、 弘前高等 学 校が あ る。
大 正十年 、学 習院高等 科
な お 、 長 崎 高 等 学 校 に関 し て は後 述 。
同 年 設 置 の公 立 校 は 、 山 梨 県 立 高 等 学 校
(
徳 島医学 専 門学
(
山 梨 県 立 医 学 専 門 学 校 に併
(
長 崎 医 科 大 学 に附 置 )、 徳 島 高 等 学 校
長崎 高等 学校
(
七年制 、
同 年 に設 置 さ れ 、 同 十 一年 に始 業 し た 学 校 に 、 東 京 高 等 学 校
校 に 附 置 、始 業 は 昭 和 二 十 三 年 ) の 二校 が 官 立 と し て設 置 さ れ て いる 。
(
私 立 ・七 年 制 、 高 等 科 始 業 は 同 十 五 年 ) の名 が挙
高 等 科 は 同 十 四 年 始 業 )、 大 阪 高 等 学 校 、 浦 和 高 等 学 校 、 福 岡 高 等 学 校 、
そ れに武蔵高 等学校
げ ら れ る・
(三 )
95
1
置 )、 福 岡 県 立 高 等 学 校 (
福 岡 県 立 医 学 専 門 学 校 に併 置 )、 秋 田 県 立 高 等
学校 (
秋 田 県 立 女 子 医 学 専 門 学 校 に併 置 ) であ り 、 私 立 は 次 の 二校 であ
(
東 洋 女 子 歯 科 医 学 専 門 学 校 に 附 置 )。 昭 和 二 十 五
る 。 日本 高 等 学 校 (
昭 和 二 十 三 年 に始 業 。 日 本 女 子 医 科 歯 科 専 門 学 校 に
併 置 )、 東 洋 高 等 学 校
年 に は 既 存 の高 等 学 校 と 同 様 に、 廃 校 にな って い る 。
(9) 昭 和 十 八 年 七 月 か ら 、 都 立 高 校 に名 称 変 更 。
(四 )
大 正 八 年 は高 等 学 校 史 の上 で、 大 き な 変 革 の年 であ った 。 前 年 の大 正 七
(
八 巻 本 、 及 び 別 巻 一冊)
﹁高等 学校大 学予科 入学者 選抜試 験規程 改正
み る と 、 部 類 に 関 し て は 、 以 下 の様 に 分 け ら れ て い る 。
(3 )
こ こ で 改 正 前 の文 部 省 令 (
第 四号 、 大 正 六 年 四 月 二十 七 日) を 示 し て
う 分 類 か ら 、 文 科 、 理 科 に改 ま った 。
よう に な った 。 高 等 学 校 の科 の分 け方 も 、 従 来 の 一部 、 二 部 、 三 部 と い
さら に、同年 から中 学校 (
五 年 制 ) の 四年 修 了 で も 高 校 を受 験 出 来 る
原文 相 期 に構 想 さ れ た も の の実 現 と言 え る の であ る ﹂。
(2 )
外 国 語 を 随 意 科 と す る こ と 等 が 盛 り 込 ま れ てお り 、 これ ら は す べ て小 松
三年 の中 高 一貫 の七 年 制 を 本 体 と す る こと 。文 ・理 に分 け る こ と 、 第 二
機 関 と す る こと 、官 立 の他 、 公 私 立 を 認 め る こ と 、 尋 常 科 四年 、 高 等 科
に実 施 さ れ た も の であ る 。 そ の内 容 は 偏
高 等 学 校 を 高 等 普 通 教 育 の完 成
(1 )
註
年 に新 高 等 学 校 令 が 公 布 さ れ て、 かね て懸 案 であ った 改 革 案 が 、 こ の年
(
1) の 三 十 九 頁 。
(8) 同 右 。 な お 、 昭 和 十 八 年 、 高 等 科 は官 立 に移 管 。
(7) 開 校 は高 等 科 の そ れ を 示 す 。
認 め ら れ た こ と を 指 す 。 こ れ に よ り 、帝 国 大 学 への 入 学 資 格 認 定 。
(6) こ こ で いう 設 置 と は 、 文 部 省 に よ って 、高 等 学 校 と 同 様 の資 格 を
(5) 同 右 の 四 十 頁 。
(4) 註
織 を変 更 。
(3) 明 治 三 十 八 年 、 山 口高 等 学 校 は 廃 止 さ れ 、 山 口高 等 商 業 学 校 に組
称 し て いた 。
(2) そ の当 時 、 後 の第 七 高 等 学 校 造 士 館 は 、 鹿 児 島 高 等 中 学 造 士 館 と
を参 照 し た 。
そ の他 、 旧 制 高 校 に 関 し ては 、 同 全 書
旧 制 高 等 学 校 資 料 保 存 会 刊 行 部 。 一九 八 五年 )、 二 十 五 頁 。
(1) 旧 制 高 等 学 校 資 料 保 存 会 ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 書 ﹄ (
第 一巻 、
二
醜
第 五條
入 学 志 望 者 ハ其 ノ 入 学 後 修 業 セ ント ス ル部 類 及 入学 セ ン ト ス
ル高 等 学 校 ヲ指 定 ス ヘシ
法律 科
政 治科
科
科
経 済科
商
文
科
仏 語 ヲ主 ト ス ル モ ノ
独 語 ヲ主 ト ス ル モ ノ
英 語 ヲ主 ト ス ル モ ノ
英 語 ヲ主 ト ス ル モ ノ
指 定 ス ヘキ部 類 ハ左 ノ如 シ
第 一部 甲 類
第 一部 乙類
第 一部 丙 類
第 一部 丁 類
工
科
科
第二部乙類 {麗科用内輩 科
第 二部甲類
法
律
科
政
治
科
文
法
律
科
政
治
科
文
第 三部
第 二部 丙類
医
農
科
科
(
以 下略)
﹂
な お 、 科 類 にお け る そ れ ぞ れ の区 分 け は 、 文 科 が 甲 類 (
第 一外 国 語 、
英 語 )、 乙 類 (
第 一外 国 語 、 ド イ ツ語 )、丙 類 (
第 一外 国 語 、 フ ラ ン ス語 )
と さ れ 、 理科 は 甲 類 、 お よ び 乙 類 の み であ った 。 即 ち 、 理 科 に は こ の当
時 、 丙 類 は 設 置 さ れ て いな い。 ち な み に文 科 に お いて も 、 丙 類 を 設 置 し
て いた 学 校 は 数 少 な く 、 第 一高 等 学 校 、 第 三高 等 学 校 の両 校 の み であ っ
た。
(4 )
な お 、 高 等 学 校 の教 科 内 容 を よ り 一層 明 確 に す る た め に 、 す こ し 長 く
は な る が 、﹁
文 部 省 令 ﹂を こ こ に示 し て み る (
旧 漢 字 は当 用 漢 字 に改 め た 。
さ ら に文 章 中 に空 欄 を も う け て 、 読 み や す く し た こと を 付 記 す る。 省 令 、
修 身 、 国 語 及漢 文 、 第 一外 国 語 、 第 二
訓 令 、 な ら び に告 示 に関 し ても 、 以 下 同 じ )。
(5 )
高 等科
高 等 科 文 科 ノ学 科 目 ハ
第 二節
第 四条
外 国 語 、 歴 史 、 地 理 、 哲 学 概 説 、 心 理 及 論 理 、 法 制 及 経 済 、 数 学 、自
然科 学、体操 ト ス
(五 )
93
1
高 等 科 理 科 ノ学 科 目 ハ
修 身 、 国 語 及 漢 文 、 第 一外 国 語 、 第 二外 国 語 、
要旨 ト ス
(六 )
兼 テ智 徳 ノ増 進 二資 ス ル ヲ以 テ
国 民 性 格 ノ養 成 二資 ス ル モ以 テ
邦 国 ノ盛 衰 、 文 化 ノ
要旨 ト ス
日 本 歴 史 、東 洋 歴 史 及 西 洋 歴 史 ヲ授 ク ヘシ
我 国 及 重 ナ ル 世 界 各 国 ノ 現 状 ヲ知 ラ シ ム ル モ以 テ
地 理 上 ノ智 識 ヲ授 ク
地理 ハ
我 国 及 諸 外 国 ノ政 治 、 経 済 等 二関 ス ル
哲 学 ノ概 念 ヲ会 得 セ
要旨 ト ス
東 洋 及 西 洋 ノ哲 学 、 宗 教 等 二就 キ テ
心 意 二関 ス ル知 識 ヲ得 シ メ
思 考 ヲ鍛 練 セ シ
其 ノ大 要 ヲ授 ク ヘ
思 想 界 二関 ス ル智 識 ヲ与 へ
要
特 二我 国 運 発 展 ノ由 来 、 国 体 ノ特 異 ナ ル所 以 テ明
重 要 ナ ル古 今 ノ事 蹟 ヲ知 ラ シ メ
発 音 、 綴 字 、 読 方 、 訳 解 、 話 方 、 作 文 、 書 取 及 文 法 ヲ授 ク
表 ハ ス ノ能 力 ヲ得 シ メ
外 国語 ハ
歴史 ハ
数 学 、物 理、化 学 、植物 及動物 、鉱物 及地質 、心 理、法 制 及経済 、図
ヘシ
第十条
シ
第 十 一条
各 種 ノ精 神 作 用 、 思 考 ノ原 則 及 其 ノ方 法 ノ概 要 ヲ授 ク
要旨 ト ス
心 理及論 理 ハ
ム ル ヲ以 テ
心 理 及論理 ハ
哲学 概説 ハ
シ ム ル モ以 テ
哲学 概 説 ハ
地理 ハ
旨トス
第九 条
歴史 ハ
ニシ
発 達 ヲ理 会 セ シ メ
第 八条
ヘシ
英 語 、 独 語 又 ハ仏 語 ト ス
随意 科目 ト ス
教 育 二関 ス ル勅 語 ノ旨 趣 二基 キ
其ノ
並人 格
道 徳 上 ノ思 想 及 情 操
画、体 操 ト ス
外 国語 ハ
修身 ハ
第 二外 国 語 ハ
第 五条
要旨 ト ス
国 家 、 社 会 、 家 族 二対 ス ル責 務
実 践 躬 行 ヲ勧 奨 ス ル ヲ以 テ
道 徳 ノ 要 領 ヲ授 ケ
ヲ養 成 シ
修身 ハ
特 二我 国 民 道 徳 ヲ会 得 シ
要旨 ト
正 確 且 自 由 二思 想 ヲ表 ハス
文 学 上 ノ趣 味 ヲ養 フ ヲ以 テ
言 語 文 章 ヲ了 解 シ
修 養 二関 シ 必 要 ナ ル事 項 ヲ知 ラ シ メ
国語 及漢文 ハ
実 行 二努 メ シ ム ヘシ
第 六条
智 徳 ヲ啓 発 シ
進
且 之 二依 リ テ思 想 ヲ
作 文 二習 熟
国 語文法 及
近 世 、 近 古 及 中 古 ノ国 文 ヲ授 ケ
又 普 通 ノ漢 文 ヲ講 読 セ シ メ
文 科 二在 リ テ ハ
ノ能 力 ヲ得 シ メ
ス
国 語及漢文 ハ
ミ テ上 古 文 ノ 一般 二及 ホ シ
作 文 二習 熟 セ シ ム ヘシ
英 語 、 独 語 又 ハ仏 語 ヲ了 解 シ
近 世 及 近 古 ノ国 文 並 普 通 ノ漢 文 ヲ授 ケ
国 文 学 史 ノ大 要 ヲ授 ケ
理 科 二在 リ テ ハ
外 国語 ハ
セシ ム ヘシ
第 七条
醜
ヘシ
第 十 二条
数学 ハ
数 理 ヲ会 得 サ シ メ
思考 ヲ精
理 科 二在 リ テ ハ
計 算 応 用 二熟 セ シ メ
数 学 諸 論 ノ 大 要 ヲ授 ケ
要旨 ト ス
文 科 二在 リ テ ハ
確 ナ ラ シ ム ル ヲ以 テ
数学 ハ
要旨 ト ス
天 然 物 及自 然 ノ 現 象 二関 ス ル知 識 ヲ与 へ
其ノ
代 数 、 立 体 幾 何 、 三角 法 、 初 等 解 析 幾 何 、 初 等 微 分 積 分 及 初 等 力 学 ヲ
自 然科 学 ハ
授 ク ヘシ
第 十 三条
法 則 ヲ理 会 セ シ ム ル ヲ以 テ
其 ノ法 則 ヲ
要旨
又主要 ナ ル
兼 テ観 察 工夫 ノカ ヲ養 フ ヲ 以 テ
自 然 ノ 現 象 二関 ス ル智 識 ヲ与 へ
生 物 、 地 質 、 物 理 、 化 学 等 二関 ス ル主 要 ナ ル事 項 ヲ授 ク
物 理、化 学 ハ
自然科 学 ハ
ヘシ
第 十 四条
之 力 応 用 ヲ示 シ
力 学 、 物 性 、 音 響 、 熱 、 光 、 磁 気 、 電 気 ヲ授 ケ
理会 セ シメ
トス
物理 ハ
又 主 要 ナ ル実 験 ヲ課 ス ヘシ
要旨 ト ス
天 然 物 二関 ス ル知 識 ヲ与 へ 之
兼 テ観 察 ヲ精 確 ナ ラ シ ム ル ヲ以 テ
植物 及動物 、 鉱物 及地質 ハ
無 機 化 学 及 有 機 化 学 ヲ授 ケ
実 験 ヲ課 ス ヘシ
化学 ハ
第 十 五条
力 応 用 ヲ示 シ
植物 及動物 ハ
生 物 ノ形 態 、 生 理 、 分 類 、 進 化 二関 ス ル知 識 ヲ授 ケ
要旨 ト ス
動 作 ヲ敏 活 ナ ラ シ メ
意 匠 ヲ練
法制 上及経
国民 生活 二
鉱 物 ノ産 状 、 性 質 、 用 途 、 地 球 ノ構 成 及 其 ノ変 遷 二関
又 主 要 ナ ル実 験 ヲ課 ス ヘシ
鉱物 及地質 ハ
法 制 及 経 済 二関 ス ル事 項 二就 キ
又 便 宜 主 要 ナ ル実 験 ヲ課 ス ヘシ
法制 及経済 ハ
ス ル知 識 ヲ授 ケ
第 十六条
要旨 ト ス
帝 国 憲 法 ノ大 要 及 日 常 ノ 生 活 二適 切 ナ ル
必 要 ナ ル知 識 ヲ得 シ ム ル ヲ以 テ
法 制 及経済 ハ
身 体 ヲ健 全 ニシ
剛 健 ノ精 神
形 体 ヲ正 確 且 自 由 二画 ク ノ能 力 ヲ得 シ メ
済 財 政 上 ノ事 項 ヲ授 ク ヘシ
図画 ハ
思 考 ヲ精 確 ナ ラ シ ム ル ヲ以 テ
第十 七条
リ
体操 ハ
図 画 ハ自 在 画 、 平 面 幾 何 画 、 立 体 幾 何 画 ヲ授 ク ヘシ
第十 入条
又 剣 道 及 柔 道 ヲ加 フ ル コト ヲ得
要旨 ト ス
教 練 及 体 操 ヲ授 ク ヘシ
各学 科 目 ノ毎週 教授時数 ハ 左表 二
協 同 ヲ尚 フノ 習 慣 ト ヲ養 フ ヲ以 テ
体操 ハ
文 科 ノ各 学 年 二於 ケ ル
ト 規 律 ヲ守 リ
第 十九 条
依 ル ヘシ
(七 )
191
年
第二 學年
第三 學年
一
第一 學年
一
學
目
學科
一
五
身
修
五
(四
)
(四
)
八
(四 )
四
二
三
五
二
二
三
八
六
史
九
國語 及漢 文
第一 外 國 語
歴
理
第二 外國 語
地
哲 學 概 説
心 理 及論理
ス
此 ノ場 合 二於 テ ハ
但 シ生 徒 ノ志 望 二依 リ
(八 )
左 表 二依
他 ノ学 科 目
第 一外 国 語 及 第 二 外 国 語 ノ
第 一外 国 語 ノ種 類 ヲ転 換 ス ル コト ヲ得 シ
(6 >
左 表 二依 ル ヘシ 。
其 ノ教 授 数 ヲ便 宜
各 学 年 二於 ケ ル
ム
毎 週教授時 数 ハ
第 二外 国 語 ヲ修 メ サ ル者 二対 シ テ ハ
理 科 ノ各 学 年 二於 ケ ル各 学 科 目 ノ毎 週 教 授 時 数 ハ
二配 当 ス ル コト ヲ得
第 二十 条
學年
ル ヘシ
笹
箋
二
三
三
三
築
笙
二
二
三
篁
笙
法制 及経 濟
三
年
年
身
學
自 然 科 學
藪
操
)
二八(三二
膿
)
二九(三三
生 徒 ノ履修 シ タル外国 語 ト
∈ う一
一
學
年
一
)
尋 常 科 又 ハ中 学 校 二於 テ
ε
0
學
年
⊆∋三
0
ε
Q
學年
⊆≧三
學
年
==
d
ε
含 三
學
年
一
二九(三三
計
第 一外 国 語 ハ
計
外
國
語
外
國
語
學
科
目 學
笹 笙
學
科
目 學
修
90
ー
実 講 実講 実 講
験
義 験義 験義
二 二 =二 三 二二 三
璽
六
二
⊆≧四
芭
六
第 三 学 年 ノ数 学 ︹
二︺ 及図画
︹
二︺ ト
)
第 三学 年 ノ 植 物 及 動 物 ︹
講義
第 一外 国 語 ノ 種 類 ヲ転 換 ス ル コト ヲ得 シ
生 徒 ノ履 修 シ タ ル外 国 語 ト
生 徒 ヲ シ テ 其 ノ 一ヲ選 択 セ シ ム ル モ ノ ト ス
但 シ 生 徒 ノ志 望 二依 リ
尋 常 科 又 ハ中 学 校 二於 テ
二実験 二︺ ト ハ
五
匹
ε
三
⊆≧二
こ}八
學年
箋
各 学 年 二於 ケ ル第 一外 国 語 及 第 二外 国 語 ノ毎
學
年
0
年
笙
左 表 二依 ル ヘシ
九
此 ノ 場 合 二於 テ ハ
目 學
目 二配 当 ス ル コト ヲ得
第 二外 国 語 ヲ修 メ サ ル者 二対 シ テ ハ 其 ノ教授時 数 ヲ 便 宜他 ノ学科
第
ム
外
國
語
週 教授時数 ハ
學科
(九 )
(5) 文 部 省 は高 等 学 校 の本 体 を 七 年 制 (
尋 常 科 四年 制 、高 等 科 三 年 制 )
日Q
(4) 文 部 省 令 第 八号 、 高 等 学 校 規 程 左 ノ通 定 ム、 大 正 入 年 三月 二十 九
(3) 同 右 、 第 二巻 、 一 一八ー 一 一九 頁 。
(2) ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 書 ﹄ (
第 一巻 、 三 十 六 頁 )。
書 館所蔵 )を使 用し た。以 下同 じ。
勅 令 、省 令 、 訓 令 、 告 示 等 の調 査 に 関 し ては 、 ﹃
官報 ﹄ (
県 立長 野図
(
1) 勅 令 第 三 百 八 十 九 号 、 高 等 学 校 令 。 大 正 七 年 十 二 月 五 日 。 な お 、
註
笙 篁
外
國
語
學
年
九
3
四
三
三
二
二
二
Q一
四
三
⊆⊃三
ノt
⊆ ≧二
こ う八
.一.
聾
二
二
含 三
、
巴 一
四
一
二
三
二
⊆≧二
∈シ八
ε
國
語
学
理
學
理
書
濟
操
⊆≧三
こ50
外
國
語
計
計
外
國
語
及
漢
文
五
第
物
化
植
第 一外 国 語 ハ
ス
0
第
数
二
物
及
動
物
鑛
物
及
地
質
心
法
制
及
経
圖
髄
89
1
に 置 い て いた の で 、 コロ
同等 学 校 規 程 ﹂ も 尋 常 科 、 高 等 科 の両 方 を 同
(一〇 )
第 一班 に は 第 一、 第 五 、 第 七 、 新 潟 、 水 戸 、 山 形 、 松 江 、 東 京 、 大 阪 、
浦 和 、 静 岡 、 姫 路 、 広 島 の = 二校 が 所 属 し た 。 第 二 班 に は 、 第 二 、 第 三 、
第 四 、 第 六 、 第 八 、 松 本 、 山 口 、 松 山 、 佐 賀 、 弘 前 、 福 岡 、 高 知 の 一二
時 に通 達 し て いる 。
(6) 大 正 九 年 、 三高 文 丙 に 入 学 し た 杉 捷 夫 は 、 ﹁旧 制 高 校 の第 一外 国
校 が 所 属 し た ﹂。 さ ら に 、 こ の二 班 制 入 試 制 度 に つ い て は 、 当 時 の受 験
(2 )
語 の カ リ キ ュラ ムは 濃 密 で 、 一週 十 二 時 間 、 外 国 人 を 含 め て、 三 人
生 の体 験 談 が 残 って いる 。
で あ る が 、 丁 度 大 正 十 五 年 は第 ]回 目 の全 国 高 等 学 校 の入 学 試 験 に 二班
闇私 は 再 々 、 和 歌 山 か ら 何 故 弘 前 ま で行 った のか と 友 人 に聞 か れ る の
(3 )
の先 生 が 担 当 さ れ る仕 組 み だ った ﹂、 と 記 し て いる 。 ﹁フ ラ ン ス文 学
六 十 年 ﹂、 大 高 順 雄 編 ﹃フ ラ ン ス文 学 と わ た し ﹄ 所 収 。 平 凡 社 、 一
九 八 五 年 )、 一九 四 i 一九 五 頁 。
制 度 が採 用 さ れ 、 一班 の高 等 学 校 で 二 班 の高 等 学 校 の受 験 が で き 、 又 二
班 の高 等 学 校 で 一班 の高 等 学 校 が受 験 でき た 。 従 って受 験 の為 だ け に遠
く の学 校 にわ ざ わ ざ 行 く 必 要 が な く な った の で あ った 。 私 の生 れ は和 歌
山 県 の高 野 山 の下 の方 で紀 の川 沿 岸 であ った の で、 大 阪 は 最 も 近 く 大 阪
高 等 学 校 で弘 前 高 等 学 校 の受 験 も でき た の であ る 。 勿 論 第 一志 望 校 は大
阪 であ った が 、 そ の方 は 不 合 格 で 、 第 二志 望 校 の弘 前 に入 学 し た ので あ
った ﹂。
な お 、 高 等 学 校 の始 業 期 は、 こ の時 期 ま で は 九 月 か ら で あ った が 、 現
学 者 を 選 抜 す る 方 法 であ る 。 これ によ り 、 第 一志 望 校 に た と え 不 合 格 で
公 布 さ れ 、 新 高 等 学 校 令 以 降 に お け る最 初 の入 学 試 験 が行 わ れ る は こび
大 正 八年 四 月 十 九 日 、 ﹁
官 立高 等学 校高 等科 入学 者 選抜 試験 規程 ﹂ が
行 の四 月 始 期 にな る の は 、 大 正 十年 か ら の こ と であ る 。
あ っても 、 得 点 に よ っては 、第 二 ・第 三 志 望 に入 れ る 可 能 性 を 有 し て い
第 一条
入 学志 願者 ノ数
る ので 、 以 下 に記 す 。
(4 V
と な った 。 そ の規 程 内 容 は 当 時 の事 情 を 知 る 上 で 、 重 要 な資 料 と 思 わ れ
(1 )
但 し大 正 十 五年 、昭 和 二 年 の両 年 度 は 入試 二班 制 と いう の が行 な わ れ た ﹂。
すな わち 、 ■
当 時 内 地 に あ った 二 五 の官 立 高 等 学 校 を 第 一班 と 第 二班
に分 け た 。
当 該 高 等 学 校 生 徒 募 集 人 員 二超 過 シ タ ルト キ
た が 、﹁大 正 八 年 度 か ら は ま た 各 校 選 抜 入 試 制 度 に復 し 、以 後 続 い て いる 。
入 試 制 度 が 行 わ れ た 。 こ の試 験 制 度 は 、全 国 共 通 の試 験 問 題 を 課 し 、 入
え た影 響 は す く な く な い。 大 正 六 年 お よ び 同 七 年 に は 、 再 度 、 全 国 総 合
大 正 八年 と いう 年 は 、 高 等 学 校 の入 試 制 度 に関 し ても 、 そ れ 以 後 に与
三
188
ハ
第 二条
選 抜 試 験 ヲ行 フ
各高 等学校 二
文 部 大 臣 之 ヲ告 示 ス
入 学 セ シ ム ヘキ 生 徒 ノ概 数 、 選 抜 試 験 二関 ス ル
其 ノ都 度
其 ノ入 学 後 修 業 セ ント ス ル科 及 類 ヲ
指定 ス へ
本 人 ヲシテ
必 須学 科目中 二
英 語 、 独 語 及 仏 語 ノ中
中 学 校 第 四 学 年 マテ ノ
但 シ外 国 語 ハ
選抜試 験 ノ学科 目 ハ
細 目 及 出 願 ノ手 続 等 ハ
第 三条
就 キ 之 ヲ選 定 ス
其 ノ 一ヲ選 ハシ ム
中 学 校 第 四 学 年 修 了 ノ程 度 二依 ル
入学 志 願 者 ハ
選抜 試 験 ハ 各高等 学校 同時 二之 ヲ行 フ
前 項 ノ試 験 ハ
第 四条
第 五条
シ
ノ類 ノ順 位 ヲ定 ム ヘシ
独 語 ヲ選 フ者 ノ 志 望 シ得 ル類 ハ
文科 乙類 又
文 科 丙 類 二限 ル
人 員 ノ総
入 学 者 二欠 員 ヲ生 シ タ ルト キ
入学 ス ル コト ヲ
本 人 ノ指 定 ス ル第
既 二満 員
本人 ノ
抽 選 二依 ル
各 科 毎 二其 ノ科 二入 学 セ シ ム ヘキ
左 ノ方 法 二依 リ之 ヲ定 ム
仏 語 ヲ選 フ者 ノ志 望 シ 得 ル類 ハ
各 高 等 学 校 二於 テ
入学 ヲ許 可 ス ヘキ者 ハ
ハ理 科 乙 類 二限 リ
第 六条
一
数 ト 同 数 ノ人 員 ヲ試 験 ノ成 績 順 二依 リ選 出 ス
前 号 ノ場 合 二於 テ
又 ハ事 故 ノ為
悉 ク満員 ト ナリタ ルトキ ハ
更 二成 績 順 二依 リ
本 人 ノ指 定 ス ル第 ↓ノ志 望 類
試 験 ノ成 績 順 二依 リ
試 験成績 相 同 シキトキ ハ
二
前 二号 二依 リ 選 出 セ ル人 員 二就 キ
本 人 ノ指 定 ス ル類
二 以 下 ノ志 望 類 二配 当 ス
ト ナ リ タ ル場 合 二於 テ ハ
前 号 二依 リ配 当 ノ結 果
指 定 ス ル第 一ノ志 望 類 二配 当 ス
三
四
五
得 サ ルモノト ス
前 項 二依 リ 配 当 ノ結 果
ハ
左 ノ如 シ
英 語 ヲ第 一外 国 語 ト ス ル モ ノ
補填ス
指 定 ス ヘキ 科 及 類 ハ
文科 甲類
独 語 ヲ第 一外 国 語 ト ス ル モ ノ
上 述 の様 な試 験 要 項 に よ って入 試 は実 施 さ れ た が 、 そ の間 の事 情 を 窺
(
倍 率 は筆 者 に よ
之ヲ
文科 乙類
仏 語 ヲ第 一外 国 語 ト ス ル モ ノ
(5 V
る )。
え る資 料 が現 在 残 さ れ て いる の で 、 こ こ に示 し てお く
更 二前 項 ノ 方 法 二依 リ
文科丙 類
英 語 ヲ第 一外 国 語 ト ス ル モ ノ
其 ノ志 望
入 学 ス ル コト ヲ得 サ リ シ者 二就 キ
理科 甲類
独 語 ヲ第 一外 国 語 ト ス ル モ ノ
此 ノ場 合 二於 テ ハ
志 望 ノ類 二箇 以 上 (
同 一科 内 ノ
理科 乙類
併 セ指 定 ス ル コト ヲ得
選 抜 試 験 ノ外 国 語 二英 語 ヲ選 フ者 ハ
類 二限 ル) ヲ
(一 こ
187
第
第
三
二
一
高
高
高
高
等
等
等
等
等
学
学
学
学
学
学
校
校
校
校
校
校
校
二三
四三
三九
四八
四六
四二
四八
四三
六五
.
董九
七八六
七二七
八〇六
九〇三
八〇〇
、
一
蓋七
空六
八 ;
至
生徒
三四
エ
ハ九
兄八
二四六
三二
二七〇
二五〇
三四三
卒業 者
、
一 六二四
一
、
二 五四二
一
一
一
一
九九六
七九九
九六八
八五九
四 杢
、
三 三二四
入 学志願者
二五七
二四二
二六五
二九六
二六七
二九六
二七二
三五六
入 学者
(六⊥ 三)
(八 三五)
・
(九 五九)
・
(六 〇八)
・
(七 三七)
(六 三八)
・
(五 三七)
一五・ △二
・
≡ 三
・
一 〇 四二
=ハ・四五
・
一 三 五七
一 ギ九二
天・六二
・
(九 三四 倍) δ 圭
入 学志願 者百人二
スル
入学者比例
対
(一二 )
第
四
高
等
学
校
二〇
匠九
大 正八年 度
第
五
高
等
学
校
三
員
教
第
六
高
等
学
校
第 七 高 等 学 校 造 士 館
第
八
高
等
学
別
第
潟
高
等
ハ六
=
種
新
本
高
三
1
1
1
、
王 八七六
九九二
七二五
九〇六
六八Q
、
二 八九六
=ハ 六
=ハ ○
=ハ ○
董九
・
(六 五九)
・
(五 九八)
・
(四 五三)
・
(五 六六)
(四 三八
)
・
一 四 五七
エハ・七三
一 三・ 〇七
一 七・ 六六
二三・三八
、
、
、
、
、
松
口
校
1
山
学
九〇二
、
一
等
、
七 四九七
高
四五九
山
計
松
総
186
大 正 八 年 度 、 高 校 合 格 者 の 一部 は 、 そ の氏 名 が ﹁官 報 ﹂ に 発 表 さ れ て
の寄 宿 舎 に入 る こと にな って いた 。他 の高 等 学 校 でも 、 似 た 様 な 制 度 で
こう し て 一高 に入 学 を 許 可 さ れ た 者 は 、 全 寮 制 、 す な わ ち 皆 寄 宿 制 度
(6 )
い る の で、 参 考 ま で に彼 等 の名 前 (
本 稿 に 関 連 のあ る ﹁文 丙 ﹂ のみ を 抜
荒 西義太 郎
生 .生 徒 の生 活 の便 益 を は か る べき 厚 生 施 設 と し て の面 と 、 共 同 生活 を
(8 )
通 じ て こ れ を 教 育 訓 練 し 、 以 て学 校 と し て の課 外 教 育 の徹 底 を 図 る べき
教 育 施 設 と し て の面 を 持 つ﹂ て いた も の、 と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、
﹁こ れ を 可 能 と す る 施 設 を 備 え て いた のは =口
同だ け で あ り 、 ま た 最 後 ま
で 一高 の み であ った ので あ る。 他 は ナ ン バ ー ス ク ー ル の み な ら ず 大 正 期
菅
波
小
林
草 織
島 本
岡 伊
田 藤
亮
輔
兼
秀
勇
六
郎
智
道
稲
事
登
良
男
弘
な る が 、 ま ず 最 初 に教 授 、 師 範 、 お よ び 外 国 教 師 の氏 名 を 記 す 。 次 に、
以 降 に 設 け ら れ た 地 名 高 校 を 含 め 、 殆 ん ど す べ て の高 等 学 校 が 常 に こ れ
竹
田
各 寮 の構 成 を 示 し た が 、 寮 生 の名 前 (
通 学 生 を 含 む ) は紙 数 の都 合 上 、
高 等 科 へ入 学 ヲ許 可 ス へ
﹁
施 設 と し て の学 校 の 寄 宿 舎 は、 そ の設 立 の 目 的 か ら い って、 当 然 学
あ った 。 そ れ で は 何 故 に、 各 高 等 学 校 が 寄 宿 舎 を 設 立 し た の で あ ろう か 。
(
7 )
粋 ) を 記 し て み る と 、 次 の通 り で あ る 。 そ う 遠 い昔 の こ と で は な い の で、
本 年 九 月 十 一日 ヨ リ
筆 者 が知 っ て い る人 物 の名 も 散 見 さ れ 、 興 味 深 い。
入学 許可
第 一高等 学校 二於 テ
弘
富
田
(
9 )
た の で あ る﹂。
(10 )
さ て、 筆 者 の手 許 に は 、 ﹁大 正 九 年
教授
順序 不同
(一三 )
こ し 長 く は な る が 、 こ こ に紹 介 し て お き た い。 ﹁
名 簿 ﹂ の順 序 と は逆 に
あ る 。 現 在 で は 、 当 時 の様 子 を 知 る 上 で貴 重 な 資 料 と 思 わ れ る の で、 す
講 師 及 嘱 託 教 員 、 師 範 、 医 員 、 外 国教 師 、 寮 務 、 炊 事 等 を 含 んだ も の で
な る も のが あ る 。 同 名 簿 は寮 生 ・通 学 生 を は じ め と し て、 教 授 、 助 教 授 、
第 一高 等 学 校 寄 宿 寮 寮 生 名 簿 ﹂
を 希 望 し 続 け た に か か わ ら ず 、 遂 に全 く皆 寄 宿 ・全 寮 制 は実 現 し な か っ
西
川
文科丙 類
キ者 ノ氏 名 (
五十音 順) 左 ノ如 シ (文 部 省 )
相原
植木 庚子郎
古
川
省 略 せ ざ る を 得 な か った 。 な お 、 ( ) は 筆 者 が 付 し た も の であ る 。
好
道
渡
瀬
利
矩郎
謬 星 薙 葵 界 佐 県V
井口
勇雄
英 一
太 田準 四郎
金井
黒田
融
宗 一
要 一
佐藤 信太郎
高橋
津末
永井
一夫
昭
野 口兼太郎
前田
渡辺
大
月
吉
良
桜 後
田 藤
武
井
鼓
長
岡
萩
原
宮
地
85
1
村田
市藏
祐治
第 一番室
端艇 部
野球 部
(
九
(
九
名)
名)
(
十 五名)
(11 V
鈎 一
菅沼
第 二番室
理農 科三年
寮
島田
阿旦ハ
敏介
第 三番室
(
十 一名 )
南
斎藤
杉
虎雄
英法 三年
壽入
畔 柳都太 郎
菅
第 四番室
菊地
今井 彦 三郎
頑
安井 小太郎
名
名
名
名
(14)
(13 )
(12 )
谷山 初七 郎
岩元
滉
名
通 一
丸山
速水
文科 二年
英法 二年
柔道 部
一
二浦 士口丘ハ
衛
寮
仏法 三年
陸 上運動 部
第 五番室
佛法 二年
第 七番室
第 六番室
第 四番室
第 三番 室
第 二番 室
第 一番 室
北
第十番 室
第九番 室
第 八番 室
第七番 室
第 六番室
医科 三年
清延
節
濯
佐久
才
義 一
潔
豊田
大内
竹内
内藤
上村
竹 ノ内端 三
巻吉
第 五番室
倉田
森
葉山 萬次郎
・ベ ッ オ ー ル ド
石谷傳市 郎
秀 一
大島治 喜太
外 国教 師
ブ ル ー ノ ー
九
堅
康
高橋
正
岡本忠 之丞
健
彦
實麿
剛
龍
三
岡田
石川
施門
正徳
渡 辺孫 一郎
大島
太宰
斉
博道
久基
今井 登志 喜
島津
大
津
太 一
青
木
セ ー モー ル
十
(
十 二名 )
名
松
隅
ハ ン ベ ル ・ク ロ ー ド
第 八番室
弓術 部
九
八
名
黒
河
ユ ン ケ ル ・ク レ メ ン ト
第 九番室
名
富
永
七
九
十
七
名
九
十 七 十
二_二
名 名15名
八
十
三
名
十
九
名
師
範
中 永
山 岡
(一四 )
184
第 十番室
寮
(
十
東
理科端 艇部
(
十 五名)
第 三番室
(
九
(
十
名)
名)
(17 )
(
十 四名)
第 四番 室
(
± 二名 )
(
十 一名 )
第 一番室
独法 二年
名)
第 二番室
(
十 二名)
第 五番 室
寮
第 一番 室
名)
中
第 二番 室
(
七
第 十 二番室
第 十 一番室
第 十番室
第 九番室
第 八番室
第 七番室
第 三番 室
名)
名)
名)
(16 V
第 六番 室
(八
(七
(
九
名)
(
十 一名 )
(
十
(
十 一名 )
名
名18名
名
名
名
第 一番 室
(
八
第 二番 室
第 一番 室
一年
文 科 二年
(
十
(
十 三名 )
第 五番 室
第 四番 室
(
十 一名 )
(七
(
十
名)
名)
第 六番室
第 五番室
第 四番 室
文、 二、 五
(
八
(
十 一名 )
第七番 室
仏法 三年
独法 三年
(
三
(
五
名)
名)
(
十 四名)
名)
(
19 )
第 六番 室
名)
(十 ]名 )
(
十 三名 )
六
第 二番 室
文 二年 五組
英法 二年
(
十 三名 )
第 五番 室
第 六番 室
第 七番 室
第 八番室
第 九番室
第 十番室
五
第 三番 室
寮
九
名)
英 法 三年
第 四番 室
工科 三年
和
九
(七
寮
六
第 三番 室
朶
八
理科 二年
名)
(一五 )
83
1
第 八番室
医科 三年
理科 二年
(
八
(
八
名)
名)
第 二番室
第 一番室
工科 三年
(五
名)
(
十 一名 )
第 九番室
名)
名)
(七
(
十
独法 二年
英法 三年
第 四番室
名)
第 三番室
名)
(七
(
十 三名 )
(
八
医 科三年
一年
文甲 二年
第 五番室
第 十番室
第 十 一番室
(
十 三名 )
(十 一名 )
一年
理 甲 二年
(
六
第 十 二番 室
第 六番室
文科セコ
(
十 三名 )
第九番 室
第 八番 室
理科 二年 乙類 (六
名)
名)
名)
(
20 )
第七番 室
名)
(
十
寮
第 一番 室
(
八
第十番 室
西
第 二番 室
(
十 一名 )
十
九
八
八
九
十
六
六
名
名
名
名
名
名
名
名
(
十
名)
(
十 四名 )
第 六番室
(一六 )
(
他 の高 等 教 育 機 関 を 含 め て) に お いて 、 フラ ン ス語
佛法 二年
る と 、 次 の通 り と な る 。
北寮
櫻田
東 京市麻 布区富 士見 町五 三
私立暁 星中学
佐
を 教 授 し て き た 人 達 で あ る 。 そ こ で 、参 考 ま で に 、 そ の氏 名 を 記 し て み
彼等 は、旧制 高校
と こ ろ で 、 寄 宿 寮 生 の中 に は 、 フラ ン ス語 関 係 者 の名 前 も 散 見 さ れ る 。
第十 三番室
(
十 二名 )
(
十 二名 )
第 三番 室
第十 一番室
英法 二年
文科 二年
(
十
第十 二番室
文
科
端
艇
部
工科 三年
英
法
三
年
名)
第 四番 室
(
十 二名 )
文科 三年
第 五番 室
第 六番 室
第 七番 室
第 八番 室
第 九番 室
第 十番 室
第 十 一番室
第十 二番室
寮
第十 三番室
明
理
科
二
年
182
中寮
第 一番室
文 科 一年 五組
豊太
文 科 二年 五組
市原
東京市 本 郷区西 片町 ]○
第十 番室
高等 師範 附属中学
東寮
(
原) 新潟 県三條 町 ニ ノ丁 木場
一夫
文 科 一年 五組
渡辺
(
現) 東京市 本郷 区弓 町 一の二五
第 一番 室
私立 暁星中 学
西寮
(
原) 愛媛県 北宇 和郡吉 田町裡町 三丁 目
解
文 科 一年 五組
中平
(
現) 愛媛県 南宇 和郡 西外 海村内泊
第 三番 室
県立宇 和島 中学
西寮
(
原 ) 山 形 県 最 上 郡 新 庄 町 沼 田 三 一 一番 地 ノ内 一号
川口
篤
(
現 ) 栃 木 県 宇 都 宮 市 三 條 町 一三 二 八
県立宇 都宮 中学
註
(1) ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 集 ﹄ (
第 一巻 、 三 十 八- 三 十 九 頁 )。
(2) 竹 内 洋 ﹃
学 歴 貴 族 の栄 光 と 挫 折 ﹄ (
日 本 の近 代 ⑫ 、 中 央 公 論 新 社 、
一九 九 九 年 )、 一〇 八 頁 。
(3) 富 松 四郎 ﹁成 田衡 夫 先 生 を 偲 ぶ﹂ (
旧官立 弘前高等 学校同 窓会編
﹁
恩 師 を 偲 ぶ ﹄、 旧 官 立 弘 前 高 等 学 校 創 立 六 十 五 周 年 記念 ) 所 収 、 九
十 二頁。
資 料 提 供 ・小 沼 静 子 氏 。
(4) 文 部 省 令 第 十 四号 。
(5) 註 1 の 三 百 四 十 九 頁 。
(6) 第 二 一〇 一号 、 大 正 八年 八 月 六 日 。
校 風 ・寮 歌 論 編 ﹄ (
昭和 出版 、
(7) 氏 名 の上 に は 、 本 籍 地 と 思 わ れ る も のが 記 さ れ て いた が 、 こ こ で
は省略 し た。
(
8) 高 橋 佐 門 ﹃
旧制高 等 学校 研究
一九 七 八 年 )。 一六 九 頁 。
(
第 一高 校 理 乙 、 大 正 八 年 入 学 )。 本 稿 で は 記 述
(
9) 同 右 、 一七 〇 頁 。
(
10) 田 中 康 治 氏 旧 蔵
の便 宜 上 、﹁入 学 ﹂、﹁卒 業 ﹂と 使 いわ け た こ と を 付 記 す る 。以 下 同 じ 。
(一七 )
181
同名 簿 には、 ﹁
中寮 、第 四番室 、東 京 府 下豊多 摩 郡千 駄 ケ谷 原 宿
(
四、 五)
(め い) 寮 と な
(ち ゅ う )、 朶
(一、 二 、 三 ) あ り 、 理 科 乙 類 は 二組
三 九 五 、 府 立 第 一中 学 、 理 科 二年 五 組 、 田 中 康 治 ﹂ と あ る 。
理 科 甲 類 は 三組
(ほ く )、 中
(せ い)、 そ し て 明
(な ん ) 寮 、 北
(わ )、 西
寄 宿 寮 の呼 び 方 は 、 南
で 編 成 さ れ て いた 。
(11 )
(
と う )、 和
三 年 在 籍 の 者 は 、 科 類 改 正 以 前 の 入学 な の で、 旧 称 を 用 いた も の
な お 、 = 尚 が 目 黒 区 駒 場 に 移 った の は 、 昭 和 十 年 の こ と で あ る 。
(
正 岡 哲 士 氏 談 、 第 =局校 文 丙 、 昭 和 十 四 年 入 学 )。
(だ )、 東
る
(12 )
と 思わ れ る。
(13) 文 科 にお い て は 、 法 学 部 志 望 の生 徒 が 多 か った た め 、 文 科 甲 類 を
(四 )、 同 丙 類 も
英 法 と い い、 同 じ く 文 科 乙 類 は 独 法 、 そ し て、 文 科 丙 類 は 仏 法 と 呼
ん で いた と いう (
正 岡 哲 士 氏 談 )。
註 12 に 同 じ 。 改 正 後 の 理 科 乙 類 三 年 の こ と 。
註 13 に 同 じ 。
(14 )
(15 )
註 12 に 同 じ 。 理 科 甲 類 。
註 13 に 同 じ 。
(一、 二 、 三 )、 文 科 乙 類 が 一組
(16 )
(1
7)
(18 ) 文 科 甲 類 が 三 組
一組
(一八 )
(五 ) の 編 成 な の で 、 文 科 二 年 五 組 と は 、 文 科 二 年 丙 類
右 に同じ 。
(
第 一
コと は 、 端 艇 部 の初 級 者 を 指 し た 言 葉 だ と い
外 国 語 フ ラ ン ス語 ) を 指 す 。
(!9 )
正 岡 氏 に よ れ ば 、セ
四
(20 )
、
つ。
(1 )
昭 和 期 に 入 る と 、 大 正 八 年 か ら 実 施 さ れ てき た 選 抜 試 験 規 程 が 廃 止 さ
れ た 。 昭 和 二年 十 一月 二 十 二 日 の こと であ る 。 そ の代 わ り に、 同 年 十 二
(
2 V
月 二 十 日 付 を も って馬 ﹁昭 和 三年 各 官 立 高 等 学 校 高 等 科 入 学 者 選 抜 試 験
ノ科 目 及 施 行 日 時 等 ﹂ が 発 表 さ れ た 。 左 記 に そ の内 容 を 示 す が 、各 高 校
(3 )
と も 内 容 に 関 し ては 、 大 差 は認 め ら れ な い。 そ こ で 、 文 科 、 理 科 と も に
丙 類 の置 か れ た 学 校 を 中 心 に報 告 し て み た い。
な お 、 大 正 八 年 当 時 か ら す でに 工局、 三 高 には 文 丙 が 置 か れ て いた 。
(
文 丙 )、東 高 は そ の翌 年 の 十 四年 に 文 科 、 理 科 の両 方
大 正 十 一年 には 、浦 高 、福 高 に 文 丙 が 、 そ し て大 高 に 理 丙 が 設 置 さ れ た。
静高 は 同十 三年
に丙 類 が 設 置 さ れ て いる 。
180
學
校
學校
名
第一 高等 學校
第三 高等
科別
文科
理科
文科
理科
試
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
國
國
語 (解
語 (解
験
科
目
、
、
繹 漢 文解繹 國文 法
)
國
語及漢文(作文)
歴史(日本史V
、
敷學(代藪
卒面幾何)
、
・
書取)
國語(解繹
英
猫
佛課
外
、
、
繹 漢 文解繹 國文 法
)
及漢
國
文(作文)
語
物理
、
平面幾何)
藪學(代敷
、
・
國語(解繹
英
書取)
外
猫課
、
國
語及漢文(國文解繹 )
漢文解繹
文法
書取
、
藪學(算術
代藪
卒面幾何)
、
國
外
地理(日本地理
地理)
備
解 答ニ ハ 算 術 代敷
解 答ニ ハ 算 術 代
敷
幾何ノ
ヲ
ケス
スル
方
妨
混用
法
幾何ノ
ヲ
ケス
混用スル
方法
妨
考
}
日
日
月+八
三 月 ‡ 日}三
日
三月+九
三月二+日
三 月+七 日
三月 杳
三 月+九 日
三月二+日
三 月+七 日
日
三月+八
日
三月+九
三月二+日
三 月+七 日
日
三月+八
、
、
、
繹 英・ 濁 課 書 取 文 法)
、
、
、
繹 英・ 猫・ 佛 繹 書 取 文 法
)
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
外
外
、
、
及漢
文(國 書 取
語
國
文法
文解繹
漢文解繹
)
三月二+日
日
月+九
三
、
藪學(算
敷
卒面幾
術
代
何)
、
化學)
物理及化學(物理
時
午 前 九 時ヨ リ
同
±時半マテ
ヨリ
時
午前九
同
テ
±時半マ
ヨリ
午前九時
テ
同
±時半マ
ヨリ
午前九時
同±時半マテ
午 前 九 時ヨ リ
同+一時半マテ
ヨリ
午前九時
テ
同
土時半マ
ヨリ
午
九時
前
マテ
同±時
半
ヨリ
午前九時
同
テ
主時半マ
午 前 九 時ヨ
リ
正午マテ
ヨリ
午前九時
マテ
同±
時半
ヨリ
午前九時
同土時半マテ
ヨリ
午前九時
同±
マテ
時
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
リ
ヨ
午前九時
同±時半マテ
ヨリ
午前九時
テ
同
±時半マ
ヨリ
午前九時
同±時半マテ
(一九 )
179
東京 高 等學
大阪 高 等學
校
校
浦和 高等 學校
文・
理科
文科
理科
文科
理科
漢文 解繹
)
、
卒面幾何)
藪學(代籔
日
三月+八
同
三 月+七 日
物理
三 月+七 日
同
、
漢文 解繹 作法
)
日
三月+八
、
・
佛課)
外國語(解繹
英
凋
、
・
國
猫課)
外
語(解繹
英
日
三月+九
作法
)
、
卒面幾何)
藪學(代敷
日
三月+九
日
三月夫
、
卒面幾何)
藪學(代藪
作法
)
、
・
佛課)
外國語(解繹
英
猫
三月二+日
日
月+九
三
日
三月+八
三月二+日
日
三月+九
日
三月+八
三 月+七 日
、
西洋史)
歴史(日本史
三 月+七 日
、
・
佛課)
國語(解繹
英
猫
外
三 月+七 日
、
西洋史)
歴史(日本史
、
、
繹 漢 文解 繹
、
、
繹 漢 文解 繹
、
、
鐸 漢 文 解繹
、
繹
、
國語 及漢 文(國 文解 繹
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
文 ( 國 文解
文 ( 國 文解
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
國 語 及漢
國 語 及漢
法 )
作
、
・
國
英
語(解繹
外
猫繹)
、
竿面幾何)
藪學(代藪
、
化
理
理及
化學(物
物
學)
(二 〇 )
午 前八 時+ 分ヨ
リ
マテ
同
十時
午前十時十分
ヨリ
正午マテ
ヨ
午前八時+分
リ
テ
同
十時マ
十時十
午
分
前
ヨリ
正午マテ
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
マテ
正午
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
時
午前九
マテ
正午
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
マテ
正午
ヨリ
時
午前九
テ
正午マ
ヨリ
九時
午前
同
時マテ
十一
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
九時
午前
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
九時
午前
同
マテ
十一時
178
輻岡高 等學 校
静 岡高 等學 校
文科
理科
文科
理科
、
、
國 語及漢 文 (國文 解 繹 漢 文解 繹 作文
)
、
歴史(日本史
東洋史)
、
・
國
佛詳)
外
語(解繹
作文又ハ英
濁
物理
國 文 解 繹二 附 帯シ テ 文法
ノ
ト
フコ
ヲ
アルヘシ
試験
行
國 文 解 繹二 附 帯シ テ 文 法ノ
ト
ヲ
シ
フコ
試
アルヘ
験
行
三 月+七 日
日
三月+八
三 呈日
}
三 月+七 日
日
日}三月+九
三月+八
三 月+七 日
、
、
國 語及漢 文( 國文 解繹 漢 文解繹
作文
)
、
藪
學(代藪
卒面幾何)
、
・
國
猫課)
語(解繹
外
作文又ハ英
、
、
國語 及漢 文( 國文 解繹 漢 文解繹 作 文
)
日
三月+九
物理
歴史(日本史)
、
敷
卒面幾何)
學(代藪
三月二+日
日
三月+九
日
三月+八
日
月+八
三
、
・
外國語(解繹
英
佛詳)
濁
三 月+ 七 日
、
、
漢文 解繹 作 文
)
解繹
三月二+日
國語 及漢 文( 國
文
化學
、
敷
卒面幾
敷學(代
何)
、
・
國
猫詳)
語(解繹
外
英
(4 )
次 の昭 和 四 年 度 の入 試 要 項 も 述 べ て み る が 、 試 験 科 目 、 そ の他 に若 干 の違 い が見 ら れ る 。
明 細 は 以 下 の通 り で あ る 。
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
同十時半マテ
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
九時
午前
マテ
正午
午
前
九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
同十一時マテ
ヨリ
九時
午前
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
午前九時
正午マテ
午前
九 時ヨ リ
正午マテ
ヨリ
午前九時
同
マテ
十一時
ヨリ
午前九時
マテ
正午
ヨリ
九時
午前
テ
正午マ
(二 一)
177
校
學校
第 工局 等學
第三 高等
文科
理科
文科
理科
、
國語 及漢 文(國 文解 繹 漢文 解繹
)
漢
國
文(作文)
語及
ヲ
ク)
シ
除
満州地理
地理(但
、
敷學(代藪
平面幾何)
、
・
佛課
國語(解繹
英
猫
外
書 取)
解答
、
、
ハ 代 藪 幾 何 算 術何
レ ノ 方 法ニ
リ
ナ
ル
ヲ
ヨ
モ可
混用ス
ルモ又ハ是等
三 月+七 日
(二 二 )
午 前 九 時ヨ リ
テ
同十一時マ
ヨリ
九時
午前
同
マテ
十一時
リ
ヨ
九時
午
前
同
一時マテ
十
三月 査
}
三 月+九 日
ヨリ
午前九時
同十一時マテ
日
三月夫
三 月+七 日
午 前八 時二+ 分 ヨ
リ
マテ
同+時+分
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
リ
ヨ
午前九時
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
同
時マテ
十一
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
時
午前九
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
九時
午前
同
マテ
十一時
午 前 九 時ヨ リ
同十一時マテ
ヨリ
午前九時
同
マテ
十一時
ヨリ
午前九時
マテ
同±
時半
ヨリ
午前九時
同主時半マテ
三月二+日
三 月+七 日
三 月+九 日
三月 査
}
三 月+七 日
レ ノ 方 法ニ
ヨ
ヲ
リ
ナ
スル
ルモ又ハ是等
モ可
混用
、
、
、
文 ( 國 文 解 繹 漢 文 解 繹 國 文 法 書 取)
日
三月+九
、
、
解 答ハ 代 藪 幾 何 算 術何
、
・
國
書取)
語(解繹
外
英
猫
佛課
、
卒面幾
藪
藪學(代
何)
月二+日
三
三月二+日
歴史(日
本史)
三 月+七 日
書 取)
、
、
、
繹 漢 文 解 繹 國 文 法 書 取)
日
三月+九
日
三月+八
、
・
國語(解繹
英
猫
佛課
書取)
外
、
平面幾何)
轍學(算術
代藪
三月二+日
、
、
文 (解 繹 國 文法 書 取
)
文 ( 國 文解
博物(鑛物)
及漢
國
文(作文)
語
物通論
博
、
平面幾
藪學(代敷
何)
、
・
佛課
外國語(解繹
英
濁
、
國語 及漢 文(國 文解 繹 漢 文 解繹
)
國 語 及漢
國 語 及漢
國 語 及漢
176
東 京高 等學
校
大阪 高等學 校
浦和高 等學 校
文科
理科
文科
理科
文科
敷
、
學( 代敷 平面幾 何
)
、
・
國
語(解繹
外
英
佛
猫
課
)
史)
歴史(日
本
書 取)
、
藪
卒面幾
藪學(代
何)
、
・
國
佛詳)
語(解繹
外
英
猫
化學
、
、
文 解繹 漢文 解繹 作
文 )
、
・
國
猫詳)
外
語(解繹
英
國地
理)
地理(外
藪學(卒面幾何)
、
、
文 (國文 解繹 漢文 解繹 作文
)
、
、
國語 及漢 文(解 繹 國 文法
國 語 及漢
國 語 及 漢 文 (國
物理
英 語二 於 テハ 聴 取ヲ
ト
アル
スルコ
シ
課
ヘ
英 語二 於テハ 聴 取 ヲ
ト
コ
スル
シ
アル
課
ヘ
ヲ
モ含ム
満州地理
國 文 解 繹 ノ 中ニ テ 文
ヲ
考査ス
法及書取
國文
解
繹ノ 中ニ テ 文
ヲ
考査ス
法及書取
同
三 月+八 日
同
一二 月+七 日
同
日
三月+八
午前
十 時 半ヨ リ 午
マテ
後零時二+分
ヨリ
時二+分
午前八
テ
同
十時十分マ
ヨリ
午前十時半
午
マテ
後零時二+分
三 月+七 日
ヨリ
午前九時
マテ
正午
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
午前八 時
一+ 分ヨ
マテ
リ
同+時+分
ヨリ 午
午
十時
半
前
テ
後零時二+分マ
ヨ
午前八時二+分
マテ
リ
同+時+分
ヨリ
午
午前十時半
後零時二+分マテ
三月 査
ヨリ
午前九時
マテ
正午
同
三 月+九 日
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
三月 舌
}
}
日
月+九
三
ヨリ
午前九時
正午マテ
九 時ヨ リ
正午マテ
三月 春
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
午前
三 月+九 日
三 月+八 日
、
敷
卒面幾
歎學(代
何)
、
・
國
佛繹)
語(解繹
外
英
濁
三 月+七 日
}
、
、
國 語 及 漢 文 ( 國 文 解 繹 漢 文 解繹
作 文)
、
・
外國語(解繹
英
佛課)
猫
歴史(日本史)
、
卒面幾
藪
敷學(代
何)
(二 三 )
175
幅岡高 等 學校
静岡高 等學 校
理科
文・
理科
文科
理科
、
、
國 語及漢 文 (國文 解澤 漢文 解繹 作文
)
、
・
國
猫詳)
外
語(解繹
英
理
物
、
平面幾何)
歎學(代藪
、
、
國 語及漢 文( 國文 解繹 漢文 解繹 作文
)
、
・
國
ハ
語(解繹
外
猫
英又
佛誰
書取
)
、
平面幾何)
敷學(代敷
、
、
國 語及漢 文( 國文 解繹 漢文 解繹 作文
)
史)
歴史(西洋
、
藪
卒面幾
敷學(代
何)
、
・
佛課)
外國語(解繹
英
濁
、
、
國 語及漢 文( 國文 解繹 漢文 解繹 作文
)
}
三 月+七 日
リ
ヨ
午前九時
テ
正午マ
午 前 九 時ヨ リ
正午マテ
(二 四 )
三月 査
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
三 月+七 日
午 前 九 時ヨ リ
正午マテ
ヨリ
午前九時
テ
同
十一時マ
リ
ヨ
午前九時
マテ
正午
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
午
九時
前
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
正午マテ
三 月+九 日
國 文 解 繹 又ハ 書 取二 附 帯シ テ 文
ト
フコ
ヲ
ノ
シ
ア
ルヘ
行
試験
法
日
三月+八
三月 ‡日
三月二+日
日
三月+九
日
三月+八
三 月+七 日
日
三月+九
日
月+八
三
ノ
ト
シ
フコ
ヲ
アルヘ
試験
行
ナシ
理科ニハ佛繹
國 文 解 繹二 附 帯シ テ 文法
國 文 解 繹二 附 帯シ テ 文法
ノ
ト
ヲ
ア
フコ
シ
ルヘ
試験
行
日
三月+九
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
九時
午前
時マテ
同
十一
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
時
午前九
マテ
正午
文 科 丙 類 が 設 置 さ れ て いる 学 校 は 、 第 一高 等 学 校 、第 三 高 等 学 校 、 東 京
月
二+日
三
な お 、 ﹁入 学 定 員 ﹂ に 関 し ては 、 昭 和 三 年 お よ び 同 四 年 度 の 間 に 差 異
高 等 学 校 、 浦 和 高 等 学 校 、 福 岡 高 等 学 校 、 静 岡 高 等 学 校 だ け であ る 。 総
理
物
、
藪
卒面幾
敷學(代
何)
、
・
國
凋繹)
語(解繹
外
英
は な い。 そ こ で 実 数 を 把 握 す る た め に 、 ﹁
官報 ﹂ (
昭 和 三 年 十 二 月 一日)
数 で も 二百 十 名 のみ 。 理科 丙 類 は 文 科 よ り 一段 と そ の数 は少 な く 、 東 京
(
5 )
か ら 引 用 す る こ と に す る。 下 記 の表 を 一瞥 す れ ば 分 か る こ と であ る が 、
174
高 等 学 校 、大 阪 高 等 学 校 を 合 わ せ て 、 わ ず か 四 十 五名 であ った 。申 す ま
で も な く 、 甲 類 、 お よ び 乙 類 に比 較 し て、 丙 類 の数 の上 で の劣 勢 は 顕 著
であ る。
科
甲類
四〇
乙類
四〇
丙類
≡O
一 〇〇
甲類
八〇
八〇
合
乙類
二八〇
三二〇
二八〇
三八〇
理
≡○
四〇
三〇
四〇
三二〇
科
四〇
四〇
三〇
四〇
二八Q
文
八〇
四〇
三〇
四〇
二四〇
合計
高 等 學 校
八〇
四〇
三〇
四〇
二八〇
別
入 學 セ シ ム ヘキ 生 徒 概 数
科
類
第 一
高 等 學 校
≡○
四〇
八〇
四〇
=
ハ○
校
第 二
高 等 學 校
八〇
四〇
三〇
四〇
學
第 四 高 等 學 校
第 三
高 等 學 校
八〇
四Q
四〇
丙類
第 六 高 等 學 校
八〇
四〇
名
第七 高等 學 校造 士 館
第 五
高 等 學 校
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
芙○
四〇
第 八
校
盟
子
古同
寸
竺
斬刷 抱倒
松 本 高 等 學 校
静 岡 高 等 學 校
幅 岡 高 等 學 校
浦 和 高 等 學 校
大 阪 高 等 學 校
東 京 高 等 學 校
松 江 高 等 學 校
弘 前 高 等 學 校
佐 賀 高 等 學 校
山 形 高 等 學 校
水 戸 高 等 學 校
松 山 高 等 學 校
山 口 高 等 學 校
八〇
四〇
四〇
四Q
四〇
二Q
四〇
八〇
四〇
四〇
八〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
δ
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
二〇
八〇
四〇
八〇
八〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
蓋
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
五
二〇〇
二〇〇
二〇〇
き○
二〇〇
二〇〇
二〇〇
八〇
二〇〇
二〇〇
二〇〇
二〇〇
二〇〇
=ハ○
=ハ○
姫 路 高 等 學 校
δ
高 知 高 等 學 校
八〇
四〇
、
五 五〇〇
四〇
八〇
四五
四〇
廣 島 高 等 學 校
、
〇五五
二 δ一
、
六八〇 ︼
九七〇
、
一
五四〇
計
(
二五)
173
(二 六 )
そ し て最 終 的 に全 体 を 統 括 し て 、外 国 語 教 育 の改 善 策 を 提 示 し つ つも 、
比 較 研 究 の態 度 全 体 の問 題 の縮 図 を 示 す も の で あ る 。 之 と 同 時 に、 よ か
﹁⋮ ⋮ 比 問 題 は 我 国 に於 け る 英 仏 独 三 文 化 の待 遇 即 ち 外 国 文 化 に 対 す る
く に 昭 和 三 十 年 代 ま で の国 立 一期 校 ) のそ れ を 比 較 し て み る と 、 科 目 数
れ あ し か れ 、 そ の比較 文 化 研 究 の傾 向 を 支 配 す る主 な る 淵 源 を 成 す も の
(
と
の上 で 明 ら か に違 いが 認 め ら れ る 。 新 制 度 の国 立 大 学 の受 験 科 目 が 、 例
であ る 。 此 意 味 に於 て此 問 題 は 蕾 に外 国 語 に 関 す る 問 題 と し て許 り でな
試 験 科 目 に 関 し て は 、 上 述 の通 り であ る が 、 旧 制 高 校 と 新 制 大 学
え ば 、 五 教 科 七 科 目 、 あ る いは 五 教 科 八 科 目 (
国 語、数 学 二科 目、外国
(7 )
く 、 我 国 に於 け る 一般 文 化 問 題 と し て根 本 的 意 義 を 有 す るも のと 言 は ね
(
高 等 学 校 ) の方 が 、
語 、 理 科 二科 目 、 社 会 二 科 目 ) に く ら べ て、 旧 制 度
ば な ら ぬ ﹂、 と 結 ん で いる 。
な お 、 同 論 文 で 用 いた 基 礎 資 料
学校数 上
独語
英語
二八 パー セ ント (
七 校) (
但 、 文 科 理 科 共 にあ る のは 一
一〇 〇 パ ー セ ント (
二五校 )
一〇 〇 パ ー セ ント (
二五校 )
文科
一〇 〇 パ ー セ ン ト (二 五校 )
(ロ) 文 科 理 科 別
校 のみ )
仏語
(
イ ) 全 体 二 五校
﹁ O
の で 、 そ の文 章 を 記 し てみ ると 、 以 下 の如 く であ る 。
(8 )
を 使 用 ) と 、 拙 稿 です で に報 告 し た 、 昭 和 四年 度 と の問 に は 差 異 が な い
(
昭 和 六 年 度 入 学 セ シ ム ヘキ 生 徒 概 数
科 目 が 少 な いよ う であ る 。 一例 を あ げ れ ば 、 旧 制 高 校 の 閏
文 科 ﹂ に は理
科 の科 目 が な く 、 ﹁
理 科 ﹂ に 社 会 科 目 が 不 要 、 と いう のが 多 い。
そ れ で は 、 本 稿 主 題 の外 国 語 科 目 は ど の様 な 状 態 で あ った ろう か 。英
語 が 受 験 外 国 語 と し て 、 全 国 総 て の官 立 高 等 学 校 を 受 験 出 来 た のは 当 然
と し て も 、 ド イ ツ語 も 例 外 で は な か った 。 そ れ に 反 し て、 フ ラ ン ス語 で
の受 験 は 極 端 に狭 め ら れ て い る のが 目 に つく 。
(
6 V
こう し た 英 ・独 語 の偏 重 に対 し て 、 当 然 と いえ ば 当 然 で あ ろ う が 、 す
こ し時 代 は 下 る が 、 フ ラ ン ス関 係 者 の中 か ら 、 異 義 が と な え ら れ た 。幸
い論 文 と いう 形 で発 表 さ れ た の で、 現 在 で も 入 手 し 、 実 際 に目 を 通 す こ
と が出 来 る 。 論 考 の主 旨 は 、 ま ず 第 一に、 高 等 学 校 の仏 語 教 育 に焦 点 を
当 て 、 第 一外 国 語 と し て の フラ ン ス 語 (
文 丙 ) の現 状 を 、 統 計 的 手 法 を
用 い て示 し た こ と で あ ろう 。 第 二 は 、 入 学 後 に お い ても 、 第 二 外 国 語 と
し て仏 語 を 履 修 す る 機 会 が 極 め て少 な いこ と に 言 及 。 こう し た 事 情 が 中
学 校 及 び 大 学 の語 学 教 育 に 与 え た 影 響 に つ いて 、 論 を 進 め て い る 。
英語
ユ72
口
独語
二 四 パ ー セ ント
一〇 〇 パ ー セ ン ト
(二 五 校 )
一〇 〇 パ ー セ ン ト
(二 五 校 )
(二 五 校 )
(六 校 )
仏語
英語
一〇 〇 パ ー セ ン ト
理科
独語
八 パ ー セ ント
(二 校 )
仏語
第 一学年 収容 生徒 の員数 上
五 八 ・五 四 パ ー セ ント
五、 五〇 〇名
英語
三 六 ・八 ニ パ ー セ ント (二、 〇 二 五 名 )
(
イ) 全 生徒 数
独語
四 ・六 四 パ ー セ ン ト (
二 五 五名 )
(
三 、 二二〇名)
仏語
尚 ほ 二 十 五高 等 学 校 収 容 全 生 徒 数 は 大 凡 夫 々右 の 三 倍 の八 九 掛 、 即 ち
一三 、 二 〇 〇名 乃 至 一四 、 八 五 〇 名 見 当 と 憶 測 さ れ る が 、 比 率 は略 ぼ同
様 と 言 ひ得 よ う 。
(ロ) 文 科 理 科 別
尚 ほ 二十 五高 等 学 校 収 容 文 科 全 生 徒 数 は 大 凡 夫 々右 の三 倍 の八 九 割 、
即 ち 六 、 五 二 八 名 乃至 七 、 三 四 四名 と 憶 測 さ れ 且 つ同 一比 率 と 考 へ得 る 。
英語
三 七 ・九 五 パ ー セ ント (一、 〇 五 五 名 )
六 〇 ・四 三 パ ー セ ント (一、 六 八 〇 名 )
二 、 七 八 〇名
独語
一 ・六 ニ パ ー セ ン ト (
四 五名 )
理 科 第 一学 年 生 徒 全 体
仏語
尚 ほ 二 十 五高 等 学 校 収 容 理 科 全 生 徒 数 は 大 凡 夫 々右 の三 倍 の八 九 割 、
即 ち 六 、 六 七 二 名 乃 至 七 、 五 〇 六名 と 憶 測 さ れ 、 且 つ同 一比 率 と 考 へ得
(9)
る ﹂
す で に承 知 の よ う に 、 仏 語 を 第 一外 国 語 と し て選 択 出 来 る高 等 学 校 の
数 は 少 く な い。 そ の上 、 高 校 受 験 す る 場 合 も 、 概 当 校 は ご く 限 ら れ て い
る状 況 であ った 。
こう し た 時 期 、 昭 和 六 年 に入 る と 、 文 部 省 が ﹁高 等 学 校 高 等 科 外 国 語
教 育 要 目 ﹂ を 定 め 、 文 部 大 臣 ・田 中 隆 三 の名 を も っ て ﹁
訓令 ﹂を出 し て
(
10)
い る。
五 六 ・六 ニ パ ー セ ン ト (一、 五 四 〇名 )
を 省 い て 簡 潔 で あ る 。 お そ ら く 英 語 を 参 照 す る 事 が 、 了 解 事 項 で あ った
こ の要 目 は 、 英 語 、 独 語 、 仏 語 の 三 言 語 に わ た る が 、 こ こ で は 、 英 語
英語
三 五 ・六 六 パ ー セ ン ト (
九七 〇名 )
と思 わ れる。
文 科 第 一学 年 生 徒 全 数 二 、 七 二 〇 名
独語
七 ・七 ニ パ ー セ ント (
二 ↓○名 )
お よ び 仏 語 の み を 記 す る こ と にす る 。 前 者 に 比 べ て後 者 の記 述 は 、 説 明
仏語
(
二七)
171
外 国語 教授 要 目
教授方 針
高 等 学 校 規 程 第 七 條 ノ趣 旨 二基 キ
外 国 語 ヲ正 確 二
以 テ学術
外 国 語 の教 授 ハ
思 想 感 情 ヲ表 現 ス ル ノ能 力 ヲ養 成 シ
且 之 二依 リ テ
了解 シ
正 シ ク理
酒 養 ス ル コト ニ努 ム ヘ
海外 諸国 ノ文化 、国情 、国 民性 等 ヲ
併 セ テ 健 全 ナ ル思 想 、 趣 味 、 情 操 ヲ
ノ研 究 二資 ス ルト 共 二
解 セ シメ
キ モノト ス
教授 事項
成 ル ヘク 互 二連 関 セ シ メ
以 テ教 授 ノ効 果 ヲ
挙 ク ルヤ ウ
発 音 、綴字 、書 方、 読方 、訳解 、話方 、聴 方、作 文 、書 取、文法
各 事項 ハ
努 ム ヘシ
英語 教授 要 目
第 一外 国語
文科
第 一学年 (
約 二百 七 十 時 間 )
第 二学年 (
約 二百 四十時間)
約 二百 四十時間)
第 三学年 (
理科
第 一学 年 (
約 二百 四 十 時 間)
第 二学 年 (
約 百 八十 時 間 )
強 勢 、 抑 揚 及 語 句 ノ連 結 二注 意 シ
第 三学 年 (約 百 八十 時 間 )
発音
習 熟 セシ ム ヘシ
(二 八 )
練 習 セ シ ム ル コト ヲ得 ヘク
又聴
語句 ノ
与 フ ル コト ヲ得 ヘシ
適 宜 之 ヲ教 授 ス ヘシ
訳 解 、 話 方 等 ノ 教 授 二際 シ
(
書 方 ヲ含 ム ) 訳 解 、 作 文 、 書 取 等 ノ 際
常 二正 確 ナ ル発 音 二
綴字
訳 解 、 話 方 等 ノ 教授 ト 共 二
又綴 字 、 発 音 ト 連 関 シ テ梢 組 織 的 ナ ル知 識 ヲ
読方
勿 読 読 ム ト 同 時 二理 解 シ
英語 ノ
文 章 二含 マ
単 ナ ル機 械 的 記 憶 及 表 面 的 理 解 二止 メ ス
習 熟 セ シ ム ヘシ
発 音 、 文 章 ノ柳 揚 二注意 セ シ ム ル ハ
英 語 ノ学 習 ヲ
者 ヲ シ テ理 解 セ シ メ得 ル ヤ ウ
訳解
特 性 、 国 語 ト 英 語 ト ノ語 法 、 文 脈 ノ差 異 等 ヲ会 得 セ シ メ
語 学 的 訓 練 ヲ行 フ ヘシ
作 品 ヲ通
眞 摯 ナ ル思 想 、
自 学 研 鐙 ノ風 ヲ起 シ
レ タ ル意 味 、 感 情 等 ヲ直 接 感 受 セ シ ム ル ヤ ウ
良 書 ヲ指 定 シ テ
海 外 諸 国 ノ 文 化 、 国 情 ヲ理 解 セ シ ム ルト 共 二
又 予 習 ヲ督 励 シ
シテ
⑳
感 情 二触 レ シ メ
養 フ コト ニ努 ム
第 二学年 (約 九 十 時 間 )
第 三学年 (
約 九十時 間)
第 一学 年 (
約 九十時 間)
理科
ロ頭 ニ ヨ ル思 想 、 感 情
進 ン テ文 学 ノ 鑑 賞 及 批 評 ノ能 力 ヲ
(
聴 方 ヲ含 ム) 日 常 ノ挨 拶 、 応 対 ヲ初 メ
ヘシ
話方
第 二学 年 (
約 九十時 間)
英 語 ヲ聴 取 ス ル コト ニ習 熟 セ シ メ
第 一外 国 語 ノ場 合 二準 ス
初 歩 ヨ リ 教授 シ
急 速 ノ進 歩 ヲ計 ル ヘシ
履 修 セ ル者 二対 シ テ ハ
利用シテ
第 一
互二
教授 スル モノト ス
之 ヲ授 ク ル コト
教 授事 項 ハ成 ル ヘク
連 関セ シメ テ
訳 解 、 話 方 、 作 文 等 二随 伴 セ シ メ テ
例 ヘ ハ発 音 、 綴 字 、 読 方 、 書 取 、
文 法 ノ如 キ ハ
ヲ得 ヘシ
教 授 者 間 二協 調
適当
成 ル ヘク近
訳 解 以 外 ノ教 授 事 項 二関 シ テ モ
文 章 ノ難 易 ト 内 容 ノ適 否 ト ヲ
一、 訳 解 ノ教 材 ハ
ヲ保 チ
代 ノ標 準 的 作 品 ヨ リ選 フ ヘシ
適 宜 暗 諦 ヲ課 ス ル コト ア ル ヘシ
使 用 ス ル コト ヲ妨 ケ ス
一、 前 記 教 授 事 項 ノ外 二
ナ ル教 材 ヲ選 ヒ テ
慎 重 二考 慮 シ テ
同 種 類 ノ モ ノ ニ偏 セサ ルヤ ウ
一、 第 一外 国 語 、 第 二外 国 語 ヲ通 シ テ
備考
外 国 語 ノ知 識 ヲ
入学 前 独 語或 ハ仏 語 ヲ
各教 授事 項 ハ
第 三学年 (
約九 十時 間)
以テ
ノ発 表 二慣 レ シ ム ル ト 共 二
マ マ 能
自 ラ英 文 ヲ講 成
容 易 二了 解 シ 得 ル ヤ ウ指 導 ス ヘシ
自 由 二活 用 シ テ
以 テ自 己 ノ思 想 、 感 情 ヲ適 切 二表 現 ス ル ノ
既 習 ノ 語 句 及 文 法 上 ノ知 識 ヲ
英 語 ニ ヨ ル談 話 、 講 義 等 ヲ
作文
ス ル コト ニ慣 レ シ メ
練 習 セ シ ム ヘシ
訳解、作 文
既 二習 得 セ ル文 法 上 ノ知 識
組 織 的 二教 授 ス ル コト ヲ得 ル モ
正 確 且 敏 速 二書 取 ル コト ヲ
特 二時 間 ヲ設 ケ テ
随 時 之 ヲ課 シ
力 ヲ養 フ ヘシ
書取
文法
指 導 ス ヘシ
常 二具 体 的 説 明 ヲ加 へ
整 理 シ 且 増 進 ス ルヤ ウ
等 ヲ教 授 ス ル際
ヲ
第 二外国 語
文科
第 一学年 (
約 九十 時間)
(二 九 )
169
仏 語教授 要 目
第 一外 国 語
一、 文 法
一、 書 取
一、 作 文
一、 聴 方
上級文法
平 易 ナ ル名 家 文 章
国 文 仏 訳 、 英 文 仏 訳 、自由作 文
平 易 ナ ル文 章 、 説 話
一、 書 方
一、 綴 字
一、 発 音
朗 読法 練習 、暗 訥
仏 語 書 方 ノ特 色
仏 語 綴 字 法 ノ特 色
発 音原 理、 発音 練習
第 一学 年 (約 三 百 三十 時 間 )
一、 作 文
一、 聴 方
一、 話 方
一、 訳 解
一、 読 方
名家 文章
国 文 仏 訳 、自 由 作 文 、 論 文 作 成
講義 、講演 、演説
会話 、説話 、論議
諸 種 ノ論 文 、 小 説 、 戯 曲 、 詩 歌 、 随 筆 、 歴 史 、 法 律 、 政 治 、
名 家 文 章 ノ朗 読 及 暗 訥
(
三 〇)
一、 読 方
初 歩 読 本 、簡 易 ナ ル名 家 文 章
一、 書 取
補遺 及復 習
(
約 三百時 間)
一、 訳 解
日 常 会 話 ノ 一般 形 式
一、 文 法
第 三学年
一、 話 方
簡 易 ナ ル文 章
文科
一、 聴 方
国 文 仏 訳 及 英 文 仏 訳 釜 ト シ テ日 常 ノ平 易 ナ ル短 文 )
経済 、自然科 学書等
一、 作 文
文 法 ノ 一般 原 則 ヲ適 用 セ ル短 文
理科
一、 書 取
第 一学 年 (
約 三 百時間)
科 学 二関 ス ル教 材 ヲ
併課 スル
科 学 二関 ス ル著 書 、
文 法 大 意 、 動 詞 変 化 ノ練 習
作 文 、話 方 二於 テ モ
訳 解 二於 テ ハ
一、 文 法
第 二学 年 (約 二 百 七 十 時 間 )
第三学 年 (約 二 百 七 十 時 間 )
朗 読 法 練 習 、暗 訥
教授事 項 ハ
(
約 三 百 時 間)
一、 読 方
難 解 ナ ラサ ル 模 範 作 家 ノ 作 品 、新聞 雑誌 ノ平 易 ナ ル記事 論説
論 文 等 ヲ併 用 シ
第 二学年
一、 訳 解
日常 会 話
概 ネ 文 科 二準 ス ル モ
一、 話 方
168
コ ト ヲ妨 ケ ス
第 二外 国 語
養
特別 ノ課程 二
以 テ仏 国 二関 ス ル 一般 的 知 識 ヲ
仏 国 ノ文 学 、 芸 術 、 歴 史 、 地 理 、 制 度 、 風 俗 、 習 慣 、 国 民 思 想
ノ変 遷 発 達 等 ヲ知 ラ シ メ
履 修 セ ル者 二就 テ ハ相 当 ノ期 間
成 ス ルモノト ス
入学前 仏語 ヲ
この ﹁
外 国 語 教 授 要 目 ﹂ を 念 入 り に読 ん で み る と 、 不 思 議 な 事 に 気 が
一、
(
約 百 二十時 間)
つく 。 そ れ は 、 従 来 言 わ れ てき た こと であ る が 、 旧 制 高 校 の語 学 教 育 と
依 ル授 業 ヲナ ス コト ア ル ヘシ
第 一学 年
(
約 百 二十時 間)
文科
第 二学年
いえ ば 、 即 、 読 解 中 心 と 理 解 さ れ てき た の で は あ る ま いか 。 し か し な が
ら 、 こ の要 目 の 中 に、 そ の点 を 示 唆 す る よ う な 個 所 は ど こ に も 見 当 ら な
第 一学 年
(
約 百 二十 時 間 )
(
約 百 二十 時 間 )
し た ら よ い の であ ろう か 。
ら しき 文 言 が 認 め ら れ る程 度 で あ る。 そ れ で は 、 こ の点 を ど の様 に解 釈
い。 敢 え て指 摘 す る な ら 、 ﹁
仏 語 教 授 要 目 ﹂ の第 二 外 国 語 の項 に、 そ れ
第 二学年
(
約 百 二十 時 間 )
あ る 面 で は 総 花 的 と いう 批
(=二 )
言 を 交 え て) が 、 こ こ では 文 部 省 の提 示 し た ﹁
外 国語教 授要目﹂ と実際
れ た のか 。 こ の件 に つ い て は第 二部 に お い て触 れ る (
在 学 した 人達 の証
そ れ で は何 故 に、 ﹁要 目 ﹂ に 反 し て教 室 内 で は 読 解 中 心 の授 業 が 採 ら
ま さ に適 切 で、 これ 以 上 付 け加 え る 必 要 が な い程 であ る 。
判 も あ ろ う が i l 、 バ ラ ン スが と れ て いる 。 外 国 語 教 育 の方 法 と し て は 、
文 、 フラ ン ス語 会 話 等 が 均 等 に配 置 さ れ ー
と こ ろ が 、 実 際 のと こ ろ は各 学 年 にわ た って、 仏 文 和 訳 、 仏 文 法 、 仏 作
用 的 な面 は 二 の次 と いう よ り 、 む し ろ軽 視 し てき たも の、 と 考 え て いた 。
筆 者 の今 ま で の認 識 でも 、 旧 制 高 校 の語 学 は 仏 文 和 訳 を 最 優 先 し 、実
第 三学年
理科
(
約 百 二十時 間)
読 書養 成 ヲ
第 三学年
時 間 数 其 ノ他 ノ事 情 二鑑 ミ
急速
主 ト シ テ十 七 世 紀 以 後 ノ名 家 ノ著 作 ヲ採 用 シ
特 二既 習 ノ 外 国 語 ノ知 識 ヲ利 用 シ テ
第 一外 国 語 ノ場 合 二準 ス ル モ
教 材 二関 シ テ ハ
ノ進 歩 ヲ計 ル ヘ シ
、
一 、
第 一学 年 二於 テ ハ
主眼トス
備
考
一
67
1
の 現 場 と の 間 に 、 か な り の乖 離 が有 った こ と だ け を 、 指 摘 す る に止 め た
い。
註
(
1 ) 文 部 省 令 第 二十 九 号 。
(
2) ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 書 ﹄ (
第 三 巻 、 五 七 五 頁 )。
(
3) 同 右、 五七 五- 五 八五頁を参 照 した 。
(
4 ) 文 部 省 告 示 第 三 百 九 十 三 号 。 昭和 三 年 十 二 月 二 十 一日 。
(
5 ) 文 部 省 告 示 第 三 百 八十 九 号 。
(
6 ) 杉 山 直 治 郎 ﹁我 国外 国 語 教 育 の根 本 問 題 ﹂(
日佛 会 館 編 ﹃日佛 文 化 ﹄、
喬氏 (
成 践 高 校 理 甲 、 昭 和 二 十 三 年 卒 業 )。
新 第 五輯 、 昭 和 九 年 )。
資 料 提 供 ・谷
(7) 同 右 、 三 - 四頁 。
(
8) 同 右 、 六 - 九 頁 。
(
三 二)
(
文 丙 ) と し て 、学 習 院 高 等 科 、 成 城 高 等 学
(
9) 基 本 統 計 と し て は、 官 立 高 校 の生 徒 概 数 の み を 取 扱 って いる が 、
文 部 省 直轄 以 外 の高 校
校 の中 に 、 若 干名 の生 徒 が 居 た こ と も 記 し て いる 。 同 右 、 十 一頁 。
(
10) 文 部 省 訓 令 第 四 号 、 昭 和 六 年 二 月 七 日 。
五
す で に見 てき た よ う に 、 官 立 高 等 学 校 の入 学 定 員 は 、 昭 和 三 年 度 以 後 、
大 き な 変 化 が な い。 と こ ろ が 、 昭 和 八 年 度 に入 る と 、 全 体 の募 集 人 員 の
(1 >
減 少 に比 例 し て 、 丙 類 に 関 し ても 、 同 じ傾 向 を み せ て いる 。 次 に列 記 し
てみ る こ と にす る 。
166
科
類
學
別
文
科
理
科
選 揮學 科目
二
ル
依
種別
合
計
三互
口
(五五)
二九六
イ
( ≡)
(五六)
七五
類
ハ六
エ
(九 二)
(二二)
天五
丙
西八
( ≡)
(三七)
類
七四
三五
(七四)
天五
乙
九二
三七
五
二一
(三七)
天五
類
天五
= ≡
三七
(三七)
(三七
)
甲
三七
茜八
毛
三七
七四
(三七)
計
三七
三七
四〇
三七
三七
七四
類
=一
三七
八
七四
三七
三七
丙
七四
死
=一
三七
類
學 校
≡
三七
三七
一 =
乙
等
學 校
三七
三七
三七
天五
類
高
等
校
三七
三七
(三七
)
甲
第 一
高
等 學
校
東 京 高 等 學 校
第 三
高
等 學
三七
(三七)
校
名
阪
高
校
七四
0
大
和
等 學
三七
0
0
浦
高
三七
茜
岡
一 =
a
輻
三七
0
(
三 三)
尖
三七
校
三
0
0
≡
蓋
0
0
≡
蓋
0
0
二選
イ
理
乙
科
n
究
宍
類
杏
0
類
三
計
三七
校
別 目
校
種科
學
學
口
尖
高 等
學
依澤
ル學
岡
等
類
巻
0
O
静
甲
文
乙
丙
科
計
甲
丙
類
計
翌 年 の昭 和 九 年 度 に な る と 、 入 学 定 員 は 一段 と 縮 少 さ れ て 、 文 科 丙 類 が全 体 で 一五 七 名 、 理科 丙 類 は 同 じ く 三 五名 と な った 。
等
同
類
0
き
同
別
古
類
古
類
き
杏
科
一
名
三
校
第
學
第
合
165
大 阪
高
高
等
等
等
學 校
學 校
學 校
東 京 高 等 學 校
三〇
三〇
三〇
三〇
五
三〇
三〇
三〇
三〇
≡
三〇
三〇
三〇
九〇
九〇
九〇
六〇
二五
三〇
三〇
三〇
三〇
九
三〇
三〇
三〇
三〇
四
三〇
五
六〇
六〇
六〇
九〇
天
(三〇﹀
(三〇)
(三〇)
(五〇
)
(五)
(三Q)
(三〇)
(三〇)
(四〇)
( ==)
蓋○
董○
董○
董○
四三
(
三 四)
浦 和
高
學 校
七
頑 岡
等
(3 )
高
名
科別
文科
試
験
國 語 及 漢 文( 作 文
)
國地理)
地理(外
、
國語及漢文(國文 解 繹
國 語 及 漢 文( 作 文
)
國
地理)
地理(外
、
國語及漢文(國文 解 繹
科
目
、
漢文 解繹 國文 法
)
、
卒面幾何)
藪學(代敷
、
・
國語(解繹
佛繹
濁
英
書取)
外
、
漢文 解繹 國文 法
)
備
満 洲 地 理 ヲ 含ム
、、
幾何
解答ハ代敷
算術
満 洲 地 理 ヲ 含ム
考
何レ ノ 方 法ニ
リ
ナ
ル
ヲ
ヨ
モ可
混用ス
ルモ又ハ是等
}
}
三 月+八 日
三月 青
日
三月+九
日
月+九
三
三 月+八 日
三月 舌
日
午 前九 時ヨ リ
同+一時半マテ
ヨリ
時
午前九
同
テ
±時半マ
午 前九 時ヨ リ
マテ
同
±時半
ヨリ
午前九時
同+一時半マテ
ヨリ
九時
午前
マテ
同+一
時半
ヨリ
午前九時
同+一時マテ
時
の入 学 者 選 抜 試 験 科 目 にも 触 れ て お く こと にす る が 、 備 考 欄 の 中 に 、 ﹁満 州 地 理 ヲ 含 ム ﹂ 等 と 記 さ れ て い る 。 や は り 、 こ の点 に つ
静 岡
こ こ で は 、 同九年 度
校
いて も 、 当 時 の国 内 事 情 を 反 映 し て の こ と 、 と 考 え ざ るを 得 な い。
學
第一 高等 學校
理科
164
第三 高 等 校
學
東京高 等學校
大阪 高等 學校
文科
理科
文・
理科
文科
敷
學 ( 代敷
、
平 面 幾何 )
、
・
國
語(解繹
外
猫課
英
書取
)
、
、
、
國語及 漢文 (國 文解 繹 漢 文解 繹 國文 法
、
學( 代藪 卒面 幾何
)
書取
)
、
・
國
語(解繹
外
英
佛課
濁
書取)
、
藪
平面幾何)
藪學(代
國
地
地理)
理(外
地
國
地理)
理(外
書取
)
、
・
外國語(解繹
英
濁課
書取)
、
数
卒面幾
何)
藪學(代
、
・
外國語(解繹
佛課)
英
猫
国
地
地理)
理(外
繹
)
、
、
、
國 語及漢 文 (國文 解繹 漢文 解繹 國 文法
藪
、 、
國
語及漢文(國語解繹 文 漢 文解
文法
作
、
繹 作
文 )
、
地理(日
満洲地理)
本地理
、
藪學(代藪
卒面幾何)
、
・
掲諜)
外國語(解繹
英
、
、
國 語 及 漢 文 ( 國 文 解 繹 漢 文 解繹
作文
)
、
國 語 及 漢 文 ( 國 文 解 繹 漢 文解
、
、
解 答ハ 代 藪 幾 何 算 術 何レ ノ 方 法ニ
ヨ
ルモ
ヲ
リ
又ハ是等
スル
混
可ナ
用
満 洲 地 理 ヲ 含ム
満 洲 地 理 ヲ 含ム
満 洲 地 理ヲ 含ム
}
三 月+九 日
三月二+日
三 月+七 日
日
三月+八
日
三月+九
三月二+日
三 月+七 日
日
三月+八
日
三月+九
三月二+日
三 月‡日
日
同
日
三月+八
日
同
三 月+七 日
日
三月+八
三月 春
三 月+七 日
午 前 九 時ヨ リ
テ
同
±時半マ
ヨリ
午前九時
同+一時マテ
午 前 九 時ヨ リ
正午マテ
ヨリ
午前九時
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
午前九時
同
テ
±時マ
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
リ
ヨ
午前九時
マテ
正午
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
時
午前九
同
テ
±時マ
午
前
八 時二+ 分ヨ リ
マテ
同十時二+分
ヨリ
四+分
午前十時
時
マテ
午後零
半
ヨ
午前八時二+分
マテ
リ
同+時+分
ヨリ
午前十時半
マデ
時二+分
午後零
午 前 九 時ヨ リ
正午マテ
ヨリ
午前九時
デ
正午マ
ヨリ
時
午前九
午後零時半マ デ
午 前 九 時ヨ リ
正午マテ
(
三五)
163
學
校
學校
浦和 高等 學校
幅岡 高
等
静岡 高等
理科
文科
理科
文・
理
科
文・
理科
敷
學 ( 代敷
、
、
、
卒 面 幾何 )
、
・
佛
外國語(解繹
英
猫
文法
文法
、
繹
)
、
満洲地理)
本地理
地理(日
漢文 解繹
)
・
佛)繹
國語(國文英(凋
外
・
佛)語解繹)
外國語(英(猫
國地理)
地理(外
、
卒面幾何)
藪學(代藪
漢文 解繹
)
國
文英(掲)課)
語(國
外
外國語(英(猫)語解繹)
國
地理)
地理(外
、
卒面幾何)
藪
敷
學(代
、
作文 書取
)
、
・
書取)
外國語(解繹
英
濁又ハ佛課
、
卒面幾何)
敷
學(代
地理
、
漢文 解繹 作文
)
、
、
繹 漢 文解 繹
、
繹
、
國語 及漢文 (國 文解繹
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
國 語 及 漢 文 ( 國 文解
國 語 及 漢 文 ( 國 文 解 繹 及 文法
國地理)
地理(外
満 洲 地 理 ヲ 含ム
満 洲 地 理 ヲ 含ム
國 文解
ヲ
含ム
地理
満
洲
繹 又ハ 書 取二 附 帯シ テ 文
ト
コ
ヲ
フ
ノ
シ
アル
行
試験
法
ベ
、
ン
二チュ
シテ
ク
一
解繹
附帯
﹁パ
ー
ョ
ト
コ
ヲ
ン
シ
ア
エ
課スル
ルベ
﹂
、
シ
ナ
二
理科
ニ
佛語
満 洲 地 理 ヲ 含ム
三 月+八 日
(
三六)
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
午前九時
時半マ デ
午後零
午 前 九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
正午マデ
呈日
三 月+ 倉
三
三月春
}
}
}
ヨリ
午前九時
デ
正午マ
午前
九 時ヨ リ
テ
正午マ
ヨリ
午前九時
同土
マデ
時
午 前 九 時ヨ リ
マテ
正午
ヨリ
時
午前九
正午マデ
ヨリ
午前九時
正午マテ
ヨリ
午前九時
同
デ
十時半マ
ヨリ
午前九時
正
マテ
午
ヨリ
午前九時
マデ
正午
午 前 九 時ヨ リ
マデ
正
午
三 月+ 九 日
三月舌}三月春
}
三 月+九 日
三 月+ 七 日
日
三月+八
日
三月+九
三月二+日
三 月+七 日
日
三月+八
㎜
敷
語
學
(
解 繹 、 國 文 英 ・猫 ・佛 課 、 書 取 )
(
代敷 、 卒面幾 何)
理 科 二仏 語 ナ シ
三 月 +九日
三 月 二+日
午 前九時 ヨリ
正午 マテ
午前 九時 ヨリ
正 午 マデ
前 述 の統 計 によ って明 ら か な こと は 、 尋 常 科 の生 徒 が 高 等 科 を 志 望 す
國
さ て 、 昭 和 十 年 度 の 募 集 人 員 は 、 前 年 度 と 大 筋 で は変 化 は な いが 、東
る さ い、 文 科 に お い ては 、 乙類 を 選 択 す る者 が 多 いと いう 事 実 で あ る。
外
京 高 等 学 校 の みが 科 類 によ って、 増 減 が み ら れ る 。 即 ち 、 文 科 甲類 五名
こ う し た 傾 向 は 、 こ の 両 年 度 に限 った こと で は な いら し く 、 ﹁昭 和 十 年
向 が 判 然 と し た の は 昭 和 十 二年 の こ と だ が 、 十 一年 に 日 独 防 共 協 定 が 結
が 十 三 名 に増 え 、 文 科 乙 類 十 三 名 が 三 名 に減 、 文 科 丙 類 七 名 は 四名 の定
昭 和 十 一年 度 、 同 十 二 年 度 の入 学 定 員 にも 、 然 し た る 変 化 は な いが 、
ば れ 、 十 二年 に は イ タ リ ア が参 加 し て、 東 京 ・ベ ル リ ン ・ロ ー マ枢 軸 が
を 境 と し て、 文 乙 が連 続 優 位 を 占 め る よ う にな った こと が 分 る 。 こ の傾
東 京 高 校 の場 合 は ど う であ ろ う か 。 周 知 の様 に、 同 校 は 文 科 、 理科 の両
結 成 さ れ た と いう 時 代 風 潮 を 考 慮 す べき で あ ろう ﹂、 と 記 し て いる 。 そ
員 と な った 。 理 科 に は 変 化 は な い。
方 に丙 類 を 持 つ唯 一の高 校 で あ る 。 し か も 、 七 年 制 な の で、 尋 常 科 か ら
し て、 そ の傾 向 は 時 代 が 降 る に つれ て、 顕 著 な も の に な って い った 。
しか し 、 そ れ に し ても パ ー セ ン テ ージ が や や高 い。
ク ラ ス であ れ ば 、 フ ラ ン ス語 既 習 の生 徒 が多 い のも 、 不 思 議 で は な い。
特 定 の中 学 か ら の進 学 であ る。 申 す ま でも な く 、 丙 類 が仏 語 を 専 攻 す る
調 査 を し て みた 。 す る と 、 一つ の流 れ が あ る こと に 気 が つく 。 そ れ は 、
(
6 )
そ こ で 、 一般 中 学 校 か ら の入 学 者 (
文 ・理 科 丙 類 ) に焦 点 を 当 て て、
理 丙 は こ の時 点 で は ま った く 人 気 がな い。
文 科 両 類 の場 合 は ど う か 。 小 数 安 定 と いう と こ ろ であ ろう が 、 他 方 、
(5 )
の 進 学 者 も 含 ま れ て いる 。
﹃
東京高 校史 ﹄ の ﹁
高 等 科 入 進 学 の科 類 別 調 べ﹂ (
昭 和 十 一年 度 ) に よ
(4 )
(
甲 二十 四 名 . 乙 二 十 一名 、 丙 ○ 名 )、 と な って いる 。
れ ば 、 尋常 科 か ら の進 学 者 の明 細 は 、 文 科 (
甲十 五名 、乙十 六名、丙 三
名 )、 理 科
(
甲 六 名 、 乙 四 名 、 丙 四名 )。
一般 中学 か ら の 入 学 者 は 、 次 の通 り 。 文 科 (
甲十 五名 、乙 五名、丙 六
名 )、 理 科
昭 和 十 二年 度 に つ い て、 同 じ く 東 京 高 校 の デ ー タ ーを 示 し て おく と 、
(
文 甲 十 名 、 文 乙 十 七 名 、文
こ こ に、 昭 和 九 年 度 入学 生 (
卒 業 生 名 簿 で は 、 第 十 回 ・昭和 十 二年 卒
以 下 の様 な も の で あ る 。 尋 常 科 か ら の進 学
丙 三 名 。 理 甲 二 十 八 名 、 理 乙 二 十 名 、 理 丙 ○ 名 )、 そ れ に 一般 中 学 か ら
業 と な る) か ら 、 昭 和 十 三 年 入 学 生 (
同 右 、 第 十 四 回 ・昭 和十 六 年 卒 業
と な る ) ま で の例 を 引 い て、 報 告 す る こ と に す る 。
の入学 (
文 甲 二 十 名 、 文 乙 七 名 、 文 丙 三 名 。 理 甲 二名 、 理 乙 五 名 、 理 丙
五 名 )、 と いう 数 字 に な る 。
(
三七)
161
(7 )
(
中)
四名
(
三 八)
(﹃校 史 ﹄ ・﹃名 簿 ﹄、 六 名 )
(
暁 星 、 二名 )
昭 和 十 二 年 度 入 学 生 ・文 丙
昭和 九 年 度 入 学 生 ・文 丙 (﹃
東 京 高 校 史 ﹄ では 、 八 名 。 ﹃
会 員名 簿﹄ で
は 九 名 に な って いる が 、 本 稿 で は 、 尋 常 科 お よ び 中 学 卒 を 区 分 す る た め
三名
(
暁 星 、 一名 )
(
尋)
○名
(
暁 星 、 ○名 )
(﹃
校 史 ﹄ ・﹃名 簿 ﹄、 五 名 )
(
尋)
五名
(
尋)
四名
]名
(
暁 星 、 二名 )
(
暁 星 、 ○名 )
(
8 )
(﹃
校 史 ﹄、 五 名 。 ﹃名 簿 ﹄、 三名 )
(
中)
昭 和 十 三 年 度 入 学 生 ・文 丙 (﹃
校 史 ﹄・﹃
名 簿 ﹄、 五名 )
(
中)
同年 理丙
に 、 主 に 前 者 を 使 用 し た こと を 、 付 記 す る (
以 下 同 じ )。
一名
(
暁星中 学 、三名)
三名
(
尋)
七名
(
中)
(
中)
(﹃
校 史 ﹄、 五名 。 ﹃
名 簿 ﹄、 四名 )
一名
同年 理丙
(
尋)
四名 (
暁星 、三名 V
(﹃校 史 ﹄、 七 名 。 ﹃名 簿 ﹄、 六 名 )
(
中)
一名
昭 和 十 年 度 入 学 生 ・文 丙
(
尋)
同年 理丙
○名
(暁 星 、 三 名 )
(
尋)
五名
六名
(﹃
校 史 ﹄、 五 名 。 ﹃
名 簿 ﹄、 六 名 )
(
中)
(
中)
○名
同年 理丙
(
尋)
(暁 星 、 二 名 )
五名
(9 )
(
最 下 段 ) に お い て、 特 記 し て い る。
そ の間 の事 情 を よ り 具 体 的 にす る た め に 、 一例 を 挙 げ てお く こと に す る。
口頭 試 問 を も 重 視 す る旨 、 備 考 欄
し か し な が ら 、 同 年 の入 学 試 験 か ら は 、 出 身 中 学 校 の調 査 書 、 お よ び
比 べ て、 さ し た る変 化 は な い。
昭 和 十 三 年 度 の 闇入 学 セ シ ム ベ キ生 徒 概 数 ﹂ は 、 昭 和 十 年 度 のそ れ に
(
中)
三 一名
昭和 十 一年 度 入 学 生 ・文 丙 (﹃
校 史 ﹄、 九 名 。 ﹃名 簿 ﹄、 七 名 )
(
尋)
(
暁 星 、 二名 )
六名
○名
(
中)
同年 理丙
(
尋)
励
大 阪高 等學 校
筆答
試問
口頭
試問
身禮
検査
、
(
(
、
・
國文 解繹 書取
、
作文)
漢文解繹
三月+六日
蕪
轄
ヨリ
、
一
志 願 者ノ 入 學 前二 在 學 シ タ ル 學校
ノ 調 査 書 ト 筆答
ト
ヲ
問ノ
シ
成績
試
ムベキ
セ
テ入
併セ考
生徒概
學
査
、
ラ
ヲ
ノ
シロ
ザル
下
ニ
数
身
頭試問
選抜
人員
倍
禮検
リ
午 前 九 時ヨ 日
月
三
十七
正午マデ
三月+ 合 轄 蕪ヨリ
日
四
三月二
ス
内二
校
十
掲示
、
問 身 膿 検 査 ヲ 受クベ キ 者 及 其 ノ 日 時 割ハ
ヲ
フ
行
査
、
二 口 頭試
リ
日
三月+八
町
講鱈
三月+八日 鞠 燕ヨリ
リ
午 前 九 時ヨ 日
三月十六
デ
正午マ
ヨリ
午前九時
日
三月十七
正午マデ
、 ・
解繹 英
・)
濁
佛諜
婆
、
・
文 解 繹 書取
、
國 語及 婆 國
(
作文)
漢文解繹
敷 學
、 ・
文科
英
國 解繹
外
語
(
濁課)
ガ 諸
南洋
日
本地理(我
島ヲ
ム
含) 及 満洲地理
國 語及
藪
學
理科
國
外
語
三月+合
肇㌦滞
日
マデ
三月二十七
三 月二 十 五nロヨ リ
物理
、
、
、
、
學業 常識 素 質 性 行
身 上 等ニ ツ キ 之
フ
ヲ
行
ノ
目
學業試問ハ
問
中
國
ニツキ
筆答試
科
外
語
ヲ
フ
行
之
に 分 類 し て み る と 、 各 校 の 特 色 が よ り 一層 明 ら か に な っ て く る 。
マデ
三月二十
七
三 月 二 十五 日ヨ リ
⋮
を 次 の 四 グ ルー プ
こ の 口 頭試 問 の方 法 は 、 一定 の規 則 のも と に行 わ れ た が 、 質 問事 項 に
関 し ては ・ そ れ ぞ れ の独 自 性 が感 じ ら れ る ・ そ の蕃
(
三九)
59
1
囚
学 業 、 常 識 、 素 質 、 性 行 、 身 上 等 ニ ツキ 之 ヲ行 フ (
第 一高 等 学 校 、
学 業 、 常 識 、 素 質 、 性 行 、 身 上 等 ニ ツキ 之 ヲ行 フ
第 三高 等学 校)
㈹
学 業 試 問 ハ筆 答 試 問 ノ科 目 ノ中 ニ ツキ 之 ヲ行 フ (
浦 和高 等学校 、
(10 )
学 業 試 問 ハ筆 答 試 問 ノ科 目 中
外 国 語 ニ ツ キ之 ヲ行 フ (
大 阪高等
学 業 、 常 識 、 素 質 、 性 行 、身 上 等 ニ ツ キ之 ヲ行 フ
理 科 ハ外 国 語 ・数 学 ・物 理 ト ス (
東京 高等 学校 )
文 科 ハ漢 文 ・外 国 語 ・数 学
学業 試 問 ハ
学 業 、 常 識 、 素 質 、 性 行 、 身 上 等 ニ ツ キ之 ヲ行 フ
福 岡高 等学 校 、静 岡高等 学校)
◎
働
学校 )
(11 )
昭 和 十 四年 度 に 入 る と 、 官 立 高 等 学 校 の大 幅 な 定 員 増 が お こ な わ れ た 。
(12 ∀
左 記 の数 字 は 、 実 際 の 入 学 者 数 を 示 し た も の であ り 、 一 ﹂ は そ の内 の
第 一高 校
︹
三 〇 四︺ ﹁四 〇 ﹂ (
二三 三)
︹
四 一二︺ ﹁四 〇 ﹂ (
三 〇八)
文 丙 又 は 理 丙 を 表 わ す 。 な お 、 ( ) は 前 年 度 の入 学 者 数 であ る 。
第 三高 校
静岡高 校
︹一八 八 ︺ ﹁四 〇 ﹂ (一四 一)
(
四〇)
(13 ∀
こ の年 、 一高 を 受 験 し合 格 し た 生 徒 の ﹁日 記 ﹂ が残 って いる の で、 参
(14 )
考 ま で に、 文 章 中 か ら 引 用 し て お く こ と にす る (
本 稿 に直 接 関 係 のな い
三月十六 日 (
木)
歴 史 は 以 下 の三 問 。 ① 蘇 我 氏 の興 亡 と 歴 史 的 意 義 。
晴
個所 は省略 した)
︹一高 入 試 始 ま る︺
② 禅 宗 の伝 来 と そ の影 響 。 ③ 明 治 以 後 の支 那 ・満 洲 を 中 心 と す る 我 が 国
と 欧 米 諸 国 と の交 渉 。 作 文 は [日本 人 ﹂
晴 、夕刻 雨
文法 と国文 。
三月十 七日 (
金)
︹
入試第 二日︺
晴
晴
数学 六題 。割 に簡 単 。 断 然 ホ ガ ラ カだ 。
三月十 八日 (
土)
︹
入 試 第 三 日︺
三月十 九 日 (
日)
一五)
︹一九 八︺ ﹁四 〇 ﹂ (一四 二 )
︹
入 試 第 四 日︺
-三
大阪高 校
︹]九 七 ︺ ﹁四 〇 ﹂ (一四 二 )
東京高校 ︹三 九︺ ﹁
驚
浦和 高校
︹一九 〇︺ ﹁四 〇 ﹂ (一四 八 )
生 の方 向 の岐 路 に立 って、こ こ を 先 途 と 奪 闘 す る 。最 後 の難 関 、英 語 (
英
人 は 春 だ と 浮 か れ だ す 弥 生 半 ば の こ の日 曜 、 我 輩 は 一
福 岡高校
158
(15 )
☆入学(昭 和十四年四月二十一 日官報)
文 和 訳 、 書 取 り 、 文 法 ) は ど の科 目 よ り も 好 き な の で落 ち 着 い て い ら れ
た。
三 月 三十 日 (
木)
口 頭 試 問 と 体 格 検 査 の日 。 正 九 時 集 合 し て特 高 館 で試 験 。 ま ず 調 査 票 、
﹃
君達 はど
﹃ジ ャ ン ・ク リ ス ト フ﹄、 ﹁趣 味 ﹂ は 音 楽 、 読 書 、 ス ポ ー
﹁崇 拝 す る 人 物 ﹂ は 乃 木 大 将 と ベ ー ト ー ヴ ェ ン 、 ﹁愛 読 書 ﹂ は
う生 き るか﹄ と
ツ 、 ﹁運 動 ﹂ は ス キ ー 、 ス ケ ー ト 、 卓 球 と いう よ う な こ と を 書 く 。 口 試
︹
第 一次 ︺ 発 表 は 文 理
第 一室 、 内 申 書 を 見 な が ら の 試 問 、 大 し た こ と な し 。 第 二 室 も 成 績 良 好 。
体 力 検 査 に 移 る 。 案 内 の爺 さ ん に 聞 く と 、 先 日 の
加倉井駿一
(16 )
囲
慶二
と も 三 百 人 ず つだ そう だ 。 以 下 略 。
斉藤
(
1
7)
俊勝
と こ ろ で 、 同 じ 昭 和 十 四年 に 、 一高 の文 科 丙 類 に入 学 し た 生 徒 が いる 。
喜夫
中山
寺井
有 難 い こと に、 当 時 の高 校 生 活 を 物 語 る 、 詳 細 な 記 録 が 提 供 さ れ た の で 、
は
文平
啓亮
香取
寿久
醇吉
岸井
後藤
こ こ に 紹 介 し て み た い。
( ) 内 の生 徒 1
吉岡
進
手代木
後述
(
予 科 ) に進 学 し た と いう 。
義光
幸雄
健彦
関屋
敏南
b田
文 丙 の入 学 者 は 四 十 名 。 そ の内 の 一名 ー
同校 を棄 権 し、慶慮 義塾 大学医 学部
森口正治郎
菅沼
斉藤
大井
入 学 当 初 の席 順 も 記 録 さ れ て お り 、 下 記 に 示 し た 通 り であ る が、 そ れ
を 、 次 に 出 身 中 学 校 別 に 分 け て み る と 、 以 下 の様 に な る 。
昭和十四年入学一高文科丙類同級生諸記録
(四 こ
57
1
東 京 一中 、 六 名
東 京六 中、 二名 (
以 下 一名 校 )
暁 星中 学、 五名
望 と し て、
にり留 め に 追 加 し た 文 科 丙 類 に 廻 さ れ た の であ った 。 し か も 合
は 自 ら 望 ん で 選 択 し た 途 で は な い。 入 学 試 験 の成 績 が振 る わ ず 、 第 三 志
(四 二 )
東 京 三 中 、 二名
格 順 の名 簿 の終 り か ら 三 番 目 に私 の名 前 が あ った か ら 、 実 に 際 ど い芸 当
東 京 高 師 付 中 、 二名
東 京 八 中 、巣鴨 中学 、神 戸 二中、開 成中学
と い って よ か った﹂。
安 房 中 学 、高松 中学 、青 森中 学、奉 天中学
佐 賀 中 学 、郡山 中学 、学 習院 中、項 浦中学
聖 学 院 中 、京北 中学 、上 田中 学、小 倉中学
実 な の であ る 。
終 生 、 フラ ン ス文 化 に好 意 を 寄 せ た 卒 業 生 が数 多 く いた こ と も 、 ま た事
望 に廻 さ れ た 者 で あ って も 、 最 終 的 に は フ ラ ン ス に 次 第 に ひ か れ て ゆき 、
と も か く 、 第 一志 望 な ら 勿 論 の こと 、 第 二 志 望 でも 、 は た ま た第 三 志
(
20 )
修 猷 館 中 、前 橋 中 学 、 大 阪 市 立 東 商 、 麻 布 中 学
東 京 四 中 、 東 京 府 立 一商 、 不 詳 、 一名
(1) 文 部 省 告 示 第 二 百 三 十 三 号 、 昭 和 七 年 十 二 月 十 日 。
註
一、 全 国 か ら 満 遍 な く 入 学 し て い る
(2) 文 部 省 告 示 第 三 百 二十 五 号 、 昭 和 八 年 十 二 月 九 日 。
一瞥 し て気 づ いた 点 を 記 し て み ると 、
一、 商 業 学 校 か ら も 二 名 合 格 し て いる
(3) 文 部 省 告 示 第 三 百 三 十 二 号 、 昭 和 八 年 十 二 月 二十 一日。
雲 流 る る は て に ﹂ 所 収 、 一九 七 〇 年 )、 二 〇 〇 頁 。
(4) ﹃
東 京高等 学校史 ﹄ (
東 京 高 等 学 校 同 窓 会 刊 、 第 五 章 ﹁わ だ つみ と
一、 東 京 一中 は 当 時 き って の進 学 校 な の で 、 文 丙 に お い ても ト ップ の成
績 であ る
(18 )
一、 フ ラ ン ス語 で 受 験 出 来 た せ い か 、 暁 星 中 学 の健 闘 が 目 に つく 。
新氏 (
松 本 高 校 理 甲 、 昭和 十 七 年 入 学 )。
(5) 同 右 、 二 〇 四 頁 。 さ ら に、 ﹁フ ラ ン ス語 に至 っ て は、 ド イ ツ の圧
資 料 提 供 ・宇 都 宮
さ て 、 こ の文 科 丙 類 で あ る が 、 現 在 か ら み る と 、 そ こ を 志 望 す る 生 徒
潔氏
文 理 丙 ク ラ ス への進 学 -
(
東 京 高 校 理 丙 、 昭 和 十 六 年 入 学 )。 こ の
東 高 第 一回 か ら第 十 八 回 ま で の卒 業 生 に
資 料 は 小 平 氏 作 成 の手 書 き の 原 稿 であ り 、 ﹁暁 星 か ら東 京 高 等 学 校
(
6) 資 料 提 供 ・小 平
あ る﹂ (
同 頁 )、 と 述 べ て いる 。
倒 的 戦 果 に幻 惑 さ れ て ﹃
今 や 滅 び ゆく 言 語 ﹄ と さ え み な さ れ た の で
場 合 に よ っては 理 丙 を 含 め てl l の置 か れ
(19 )
の多 く が 、 フ ラ ン ス の文 学 や文 化 に憧 れ て、 と つ い考 え 勝 ち であ る 。 し
か し な が ら 、 当 時 の文 丙 -
た 状 況 を 考 慮 に 入 れ る な ら ば 、 必 ず し も 肯 定 でき な いと こ ろ であ る 。
昭 和 十 四 年 に =局文 丙 を 卒 業 し た 人 物 の中 に、 そ の 間 の事 情 を 窺 え る
記 述 が み ら れ る 。 ﹁⋮ ⋮ フ ラ ン ス と の宿 縁 が結 ば れ た こ と であ る。 こ れ
156
つ い て﹂、 と 名 付 け ら れ て い る 。
敬氏 (
東 京 高 校 文 丙 、 昭 和 二 十 四年 卒 業 )。
(7) ﹃
会 員 名 簿 、 平 成 十 一ー 十 二年 ﹄ (
東 京 高 等 学 校 同 窓 会 、 一九 九 九
年 )を 使用 し た。
資 料 提 供 ・二宮
(
野 原正久 氏談。大 阪
(
8 ) 東 京 高 校 理 丙 の募 集 人 員 が 極 端 に す く な い故 に 、 大 阪 高 等 学 校 理
科 丙 類 を 、 受 験 し た 生 徒 も か な り いた と いう
高 校 理 丙 、 昭 和 十 三 年 入学 )。
(9) 文 部 省 告 示 第 二十 号 、 昭 和 十 三 年 二月 十 二 日 。
(10) 但 し 、 静 岡 高 等 学 校 の み 、 ﹁
学 業 試 問 ハ筆 答 試 問 ノ 科 目 以 外 二互
ル コト ナ シ ﹂、 と な って いる 。
肇 編 集 、 昭 和 出 版 発 行 、 一九
(11) ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 書 ﹄ (
第 一巻 、 三 八 四 頁 )。 ﹁ ﹂ は 筆・
者 の調 査 に よ る 。
﹃
青 春 の遺 書 ﹄ (
藤代
(12) 同 右 、 三 八 二頁 。
(
13) 佐 久 木 八 郎
八 一年 )。
(
14) 同 右 、 十 一頁- 十 二頁 。 同 じ く 十 五 頁 。
(15) 註 13 に 同 じ 。 編 者 の 注 に よ れ ば 、 ﹁
中 国 人 留 学 生 のた め の特 設 高
等 科 の建 物 ﹂、 四 十 九 頁 。
(16) 同 右 、 四 十 九 頁 。 注 記 に よ れ ば 、 ﹁
定 員 は 文 科 ・理 科 と も に 二 百
(
文 科 ・理 科 合 計 ) は 昭 和 六 年 ま で が 三百 八十
名 ず つだ か ら 、 定 員 の 一 ・五 倍 を第 一次 で と った こと に な る 。 な お
一高 入 学 者 の定 員 数
名 、 昭 和 七 年 か ら 三 百 五 十 名 、 昭和 九 年 か ら は 更 に減 って 三百 名 と
な った 。 昭 和 七 年 以 前 にく ら べる と 入 十 名 、 二 割 強 の削 減 で あ る 。
こ れ は 文 部 省 が 学 生 の左 傾 化 に手 を 焼 いた た め で、 昭 和 十 四年 に 一
挙 に百 名 増 や し た のは 、 そ の心 配 が な く な った た め 、 つま り 学 生 の
ノ ンポ リ 化 が 一応 定 着 し た も のと 文 部 省 が 判 断 し た た め と み ら れ
る 。﹂
(17) ﹁昭 和 十 四年 入 学 一高 文 科 丙 類 同 級 生 諸 記 録 ﹂ (一九 九 三 年 )、 と
し て作 成 さ れ た 。
資 料 提 供 ・正 岡 哲 士 氏 (
後 記 の席 順 表 に は 、哲 の名 で出 て い る が 、
後 に改 名 し た た め )。
穰氏
(
浦 和 高 校 文 丙 、 昭 和 十 五年 入 学 ) の
(
18) 他 校 の例 で あ る が 、 昭 和 十 五 年 の浦 和 高 等 学 校 文 科 丙 類 に は 、 八
名 合 格 し て いる 。 松 田
書簡 。
(
野原 正久 氏談 ) が、 職
卒 業 が 近 づ く に つれ て 理 丙 は ど の方 向 に
(
19) 航 空 工 学 専 攻 の者 に は 、 フラ ン ス 語 を 選 択 す る者 が 多 か った と い
う
進 ん だ ら よ いか 、大 方 の者 は 迷 った 。⋮ ⋮ 数 学 、薬 学 、建 築 等 (
略 )。
正 直 な と こ ろ 、 仏 語 を 目 指 し て 入 ってき た の は ご く 一部 の者 で、 第
二 、 第 三 志 望 で丙 にま わ さ れ た のは 、 案 外 筆 者 だ け で は な か った よ
う であ る ﹂ (
三 回 理 丙 ・政 岡 基 次 ) (
﹃
旧 制 大 阪 高 等 学 校 ﹄、 大 阪 高 等
(
大 阪 高 校 理 丙 、 昭 和 十 三年 入 学 )。
学 校 同 窓 会 刊 、 平 成 三 年 )、 三 十 四 頁 。
資 料 提 供 、荒 木 忠 次 氏
そ の他 、 同 校 関 係 に つ い て は 、 原 さ と 子 氏 (
大阪高 等学校 同窓会
事 務 局 ) か ら ご 協 力 を いた だ いた 。
(
四三)
1
55
(
20) 両 角 良 彦 ﹁
駒 場 懐 旧 雑 感 ﹂ (﹃
向陵﹄ 1
第四
一高 一二 五 年 記 念 、
十 一巻 第 二 号 。 一高 同 窓 会 刊 、 平 成 十 一年 ) 所 収 、 五 十 五 頁 。
(四 四 )
抜 方 法 が 改 め ら れ 、 全 国 共 通 の問 題 が 出 題 さ れ る こ と にな った 。 但 し 、
(2 )
﹁入 学 者 選 抜 の方 法 は学 校 別 の方 針 に 従 って行 わ れ た か ら 、 総 合 統 一選
抜 制 度 と いう わ け では な か った ﹂。
一般 的 に は 、 試 験 問 題 の平 易 化 に つな が る、 統 一試 験 制 度 に関 し て、
(3 )
当 時 の受 験 生 は 振 り 返 って、 如 何 な る感 想 を 持 っ て い る の であ ろう か 。
現 在 にも 通 じ る事 柄 な の で、 こ こ に 一例 を 挙 げ て お く こ と にす る 。
﹁
文 部 省 に よ る改 革 の 目 的 が 、 高 校 別 出 題 が 難 問 奇 問 に向 いが ち で、
昭 和 十 五 年 度 の入 学 生 は 、 国 家 体 制 の変 化 に よ って 、 修 学 年 限 が 短 縮
で浪 人 に 不 利 と い った こと が で てき ま し た 。 そ う い った事 実 は 、 戦 後 、
結 果 は 、 問 題 が やさ し く な り 過 ぎ て差 が つき に く い、 四年 修 了 者 に有 利
六
さ れ 、 二 年 六 カ月 と な った 。 途 中 、 大 平 洋 戦 争 の勃 発 を は さ ん で、 昭 和
昭 和 五 十 年 代 に 共 通 一次 テ スト 実 施 の時 に十 分 考 え ら れ て いた のか ど う
旧 制 中 学 校 教 育 を 乱 す 、 と いう こと に あ った の は当 然 で す が 、 統 一した
十 七 年 九 月 に 卒 業 し て行 く 。
か 。 ど う も 日本 の教 育 界 は 歴 史 か ら の教 訓 を 軽 視 し て 、 同 じ こ と の く り
返 し を ず い ぶ ん 大 き な 努 力 と 費 用 を 使 いな が ら や って いる よう な 気 が し
翌 十 六 年 の入 学 生 に な る と 、 戦 時 体 制 を 反 映 し て 、 状 況 は よ り 一層 厳
し さを 増 す 。 高 等 学 校 在 学 中 の生 徒 に 対 し ても 、 年 令 制 限 の措 置 が と ら
る。
(
4)
次 に 示 す の は 、 昭 和 十 六 年 度 の ﹁入学 セ シ ム ベ キ 生 徒 概 数 ﹂ で あ る。
募 集 人 員 に お い て文 科 、 理 科 の均衡 が崩 れ て 、 理 科 偏 重 の傾向 が見 ら れ
こ の全 国 共 通 統 一試 験 制 度 は 昭和 二十 年 ま で続 く が 、 こ の年 度 以 降 は 、
真 剣 に 討 議 し て み る 必 要 が あ り は し な いだ ろう か 。
大 学 生 の学 力 低 下 が 叫 ば れ て久 し い今 日 、 こ う し た 問 題 はも う 一度 、
てな り ま せ ん 。 (
以 下 略 )﹂。
昭 和十 六年
れ た。 ﹁
本 令 施 行 ノ 際 現 二高 等 学 校 高 等 科 又 ハ大 学 令 二依 ル 大 学 予 科 ノ
徴 集 ヲ延 期 シ 得 ベ キ 期 間 ハ
百 二日 ヨリ四月 百 迄
年 令 二 十 三年 迄 ト ス ﹂。
(1 )
年 令 二 十 二年 迄 、 四 月 二 日 ヨ リ 一月 一
省 令第 二号 第 篠 第 項 ノ規憲 一
拘 ラズ
最 高 学 年 二在 学 ス ル者 二付
雑
ノ間 二出 生 シ タ ル者 二在 リ テ ハ
日 迄 ノ間 二出 生 シ タ ル者 二在 リ テ ハ
こ の年 度 の 入 学 者 も 、 修 学 年 限 は 二年 六 カ 月 で あ り 、 昭 和 十 八年 九 月
に学 窓 を 去 る こ と にな る 。
な お 、 昭 和 十 六 年 度 には 、 も う 一つ の大 き な 変 化 が見 ら れ た 。 即 ち 、
全 国 統 一テ ス ト の実 施 であ る 。 昭 和 三 年 度 か ら続 いて いた 各 校 によ る 選
154
科
科
四〇〇
理
二〇〇
三二〇
文
八〇
=
ハ○
益
科
學
三〇
四〇
二九
二〇〇
計
二〇〇
≡○
五
三〇
類
四〇
=
ハO
δ
四〇
二〇〇
丙
四〇
四〇
茜
四〇
八〇
二〇〇
類
三〇
四〇
五二
四〇
四〇
八〇
乙
校
八〇
五
八〇
四〇
四〇
類
學
校
二三
≡○
四〇
甲
學
( 未 定)二四
四〇
四〇
≡Q
計
等
學 校
四〇
四〇
四〇
二〇〇
類
高
等
校
四Q
四〇
八〇
丙
第 一
高
等
學
校
四〇
四Q
類
三
高
等
學
校
四〇
乙
第
京
高
等
學
三〇
類
東
阪
高
等
四〇
甲
大
和
高
四〇
別
名
浦
岡
四〇
類
校
輻
校
(5 )
學
要
項
考
等
備
高
ノ
時
岡
日
静
抜
な お 、 同 年 に行 わ れ た 受 験 科 目 は 、 以 下 の様 な も の で あ った 。
選
(
四五)
153
注
意
國
史
理科
.
'
、
漢文解繹
・
國語及漢文
、
書
作文'文法
國 文解繹
文法
、
國
文欧諜
語^和
外
欧 文解繹
生
及
敷學 及物理'生理
鼓
衛
鑛物
取
國史
三月+六日
ヨリ
鞠 鼎
日
三月+六
弼
塞転
月+吉
三
鞭購弼
文科
學
藪
月+吉
三
調
蟻転
ヨリ
三月+吉
轄鼎
日
月+六
三
纂転需
鴨 講 刃
日
三月+七
調
肇転
三月+六日
日
亜地理
及
本地理
一
東
當該高等 學校
東京
、
大 阪 両 高 等学
二限ル
理科
校
フ
ヲ
行
身膿検査
ト
ノ
キ
シ
ヲ
生
ムベ
テ入
セ
成績
試問
學
考査
併
答
、
ヲ
ノ
シロ
問
頭試
数
半乃至二倍
一
人員
選抜
徒概
倍
ノ 調査 書ト 筆
(四 六 )
、
一
志 願 者ノ 入 學 前二 在 學シ タ ル 學校
、
二 佛 語ニ テ 受 験 シ 得ル ハ
一、 試 問 科 目 中 敷 學 及 物 理 ノ内 物 理 二關 シ テ ハ中 學 校 理 科 教 授 要 目 ㈲ 二依 リ ﹁
磁 氣 ﹂ 以 下 ノ項 ヲ除 ク
ニ、考 査施 行場 所
二 、 ロ頭 試 問 及 身 禮 検 査 ヲ受 ク ベ キ者 及 其 ノ 日 時 割 ハ三 月 二十 四 日 校 内 二掲 示 ス
152
第 二條
高 等 科 文 科 ノ学 科 目 ハ
道 義 科 、 古 典 科 、 歴 史 科 、 経 国科 、 哲
理 科 、 自 然 科 、 外 国 語 科 、 体 錬 科 、 第 一演 習 及 第 二 演 習 ト ス
次 に 入 試 問 題 に つ い ても 触 れ てお き た い が 、 いか に せ ん 長 い年 月 が経
過 し て いる 。 あ く ま で も 個 人 個 人 の記 憶 に頼 る 他 は な か った が 、幸 運 な
第
第 二外 国 語 ハ
独語 、英語 、仏
第 一外 国 語 及 第 二 外 国 語 ト シ
人 文 科 、外 国 語 科 、 体 錬 科 、第 一演 習 、 第 二 演 習 及 第 三 演 習 ト ス
外 国 語 科 及 演 習 二於 ケ ル外 国 語 ハ
独語 、英 語及仏語 ト シ
期
學
年
二
一
第
三
學
期
學
(
四七 )
第
一外 国 語 ハ
第
道義科 、古 典科、数 学科 、理化学 科、博 物科、
高 等 科 理科 ノ学 科 目 ハ
學
語、伊 語、支 那語 及露語 ト ス
第
(6 )
一
各学 科目 ノ毎 学期 教授時数 ハ 左 表 二依
學
と にす る 。 但 し 大 意 であ る。
第
文 科 各 学 年 二於 ケ ル
期
第
學
﹁歴 史 ﹂ 肇 国 の精 神 が 史 上 顕 著 に 現 れ た 時 代 。
學
第 三條
第
一
(7 )
ルベシ
0
昭 和 十 七 年 、 文 部 省 は高 等 学 校 に お いて 教 授 さ れ る学 料 目 の名 称 変 更
目
を 中心 と した 、 ﹁
高 等 学 校 規 程 ノ臨 時 措 置 に 関 ス ル件 ﹂ を 発 表 す る 。次
期
が そ の内 容 で あ る。
學
期
こ と に 、 ご く 一部 で は あ る が 入 手 す る事 が 出 来 た の で、 紹 介 し てお く こ
年
二
第
學
年
豆
量
吾
蓋
量
0
査
奎
妻
蓋
二
O
査
査
蓋
蓋
i
吾
0
O
一
4
査
吾
0
0
科
科
科
科
科
科
義
典
史
國
理
道
古
歴
経
哲
151
(
四八)
合
杢
吾
茜
同
≡
同
豊
合
斐
0
酋
同
至
同
合
歪
0
高
き
同
杏
ぎ
學
期
學
學
第
一
0
同
年
蓋
e
學期 學
宅
三
又 ハ 一時 間 ノ授
第
ニ時 間 継 続 ノ 授 業 ヲ行 ヒ
二
年
第
第
教 授 二当 リ テ ハ
一
第 一学 期 ハ四 月 乃 至 九 月 、 第 二学 期 ハ十 月 乃 至 翌 年 三 月 ト ス
第
演 習 ハ ]回 二時 間 ヲ標 準 ト ス
)
0
吾δ
期
宍L倉
二
O
歪
0
吾
砦
左 表 二依 ル ベ シ
期
各 学 科 目 ノ毎 学 期 教 授 時 数 ハ
學
学 年 ハ之 ヲ ニ学 期 ト シ
署
二
年
第
業 ヲ分 割 ス ル コト ヲ得
同
同
a
五
六
≡
同
學
四
八
吾
一
0
吾
4
理 科 各 学 年 二於 ケ ル
a
究
期
第
學
同
合
一
五
六
0
同
茜
同
五
六
量
同
第
回
科
習
目
五
六
科
習
科
科
然
科
義
典
學
第 四條
學
科
演
語
演
科
一
國
二
錬
計
計
自
外
第
膿
第
道
古
数
15a
合
査
吾
奎
合
奎
蓋
吾
吾
高 器
合
mac..
0
蓋
窒
冒會
一 四
吾ε
合
歪
圭
竃
査
杏
0
宝
〕
0
習
高 高
窒
三
二
芸
同
」Z
ニ 時 間 継 続 ノ授 業 ヲ行 ヒ
数学 科
(=
又 ハ一
○) (
七 〇) ト
演 習 ハ 一回 二 時 間 ヲ標 準 ト ス
第 二 学 年 第 二 学 期 及 第 三 学 年 二於 ケ ル
時 間 ノ授 業 ヲ分 割 ス ル コト ヲ得
教 授 二当 リ テ ハ
第 一学 期 ハ四 月 乃 至 九 月 、 第 二学 期 ハ十 月 乃
習
高
高
⊆⊇含
六 〇
8吾
(四 九 )
等 学 校 に お い て は、 前 年 度 同様 、 入 学 者 実 数 と の間 に差 違 が認 め ら れ る 。
(
9 )
昭 和 十 七 年 度 の募 集 定 員 も 前 年 度 に比 し て、 特 に変 化 は な いが 、東 京 高
ニ ノt
量
同
n__,
巽
同
冨
q⊇會
v
n
同同
〕)
習
科
演
生 徒 ヲシ テ其 ノ 一ヲ選 択 履 修 セ シ ム ル ノ ト ス (
以 下略)
同
安
ノ「㌧
冥茜
同同
〕)
四
同
學
演
語
演
物
文
数学 科 (
六 五 )、博 物 科 (一五 ) ︹
二 五 ︺及 第 二 演 習 ︹一六 回 ︺ ︹
二四回︺
トハ
(8 )
科
三
二
一
学 年 ハ之 ヲ ニ学 期 ト シ
科
同
二
至 翌年 三 月 ト ス
科
高
科
三
二
三
錬
計
計
科
第
國
理
†
専
人
外
第
膿
第
149
理
科
(
五 〇)
合
計
四〇〇
科
二〇〇
三二〇
文
エ
ハ○
八三
科
學
八〇
三八
二〇〇
計
=δ
四〇
五
三〇
類
二〇〇
≡○
八
四〇
二〇〇
丙
四〇
=
ハ○
葺
四〇
八〇
二〇〇
類
四〇
四〇
四五
四〇
四〇
八〇
乙
三〇
四〇
四
八〇
四〇
四〇
二〇〇
類
校
八〇
八
≡O
四〇
八〇
甲
學
校
(未 定
)三三
四〇
四〇
≡O
四〇
計
等
學
校
四〇
四〇
四〇
四〇
類
高
等
學
校
四〇
四〇
≡O
丙
第 一
高
等
學
校
四〇
四〇
類
三
高
等
學
校
四〇
乙
第
京
高
等
學
四Q
類
東
阪
高
等
校
甲
大
和
高
學
別
名
浦
岡
等
類
校
幅
高
化
学
史
九 月 であ った 。
三 月 一日
三月 二日
三月 二日
こ の年 の生 徒 も 、 修 学 年 限 の短 縮 (
半 年 ) に よ り 、卒業 は昭和十九年
国
数 学 及物 理
理科
岡
(
欧 文 解 釈 、 和 文 欧 訳 ) 三 月 一日
三月 二日
外国 語 (
欧 文 解 釈 、 和 文 欧 訳 ) 三 月 一日
静
(10 )
昭 和 十 七 年 度 の筆 答 試 験 は 次 の通 り 、
外 国語
(
国文 解 釈 、 漢 文 解 釈 ) 三 月 一日
文科
国 語漢文
理
三月 二日
三 月 一日
物
史
作 文、文 法
国
148
昭 和 十 八 年 一月 二 十 一日 、 ﹁
高 等 学 校 令 中 改 正 ﹂ に よ っ て、 修 学 年 限
等 学 校 、 お よ び第 三 高 等 学 校 に しか 存 在 せ ず 、 理科 に至 っては こ の年 を
同時 に、丙類 (
第 一外 国 語 フ ラ ン ス語 ) に関 し て は、 文 科 で は第 一高
(11 )
は さ ら に短 縮 さ れ 、 二 年 と 定 ま った 。 ﹁こ の制 度 は 、 昭 和 十 八 年 度 入 学
最 後 に募 集 を 停 止 し た 。 ま さ に 全 廃 と いう 状 態 で あ った 。
で あ る。
局 のと こ ろ、 現 状 に お い て は仏 語 の必 要 性 を 認 め な い、 と 判 断 し た 結 果
何 な る認 識 の上 にた って いた のか を 推 定 す る 、 一つの材 料 と な ろう 。 結
こ れ も 時 の政 府 の措 置 に よ る も の であ る が 、 当 局 が仏 国 に対 し て、 如
者 よ り 適 用 さ れ る こと にな った が 、 こ れ の実 施 に よ り 、 徴 兵 適 齢 ま で に
高 等 学 校 課 程 を 修 了 す る こ と が 可 能 と な る の であ って、 いわ ゆ る "
国民
(12 )
皆 兵 " の 一環 と し て 企 図 さ れ た こ と が 注 目 さ れ よ う ﹂。
(13 )
同 年 十 二 月 一日 には 学 徒 出陣 が始 ま り 、 多 く の文 科 系 の学 徒 が入 営 し
て行 く 。
そ れ で は 、 最 初 に同 年 の ﹁入 学 セ シ ム ベ キ 生 徒 概 数 内 訳 ﹂ が 、 ど の様
四〇
エ
ハ○
二〇〇
=
ハO
二QO
四〇
八〇
合
二QO
八〇
二四〇
二八〇
二四〇
二八〇
エ
ハO
四〇〇
四八〇
(14 )
昭 和 十 八 年 度 に な る と 、 国 家 の要 請 に答 え る が 如 く 、 理 科 への比 重 は
に推 移 し た か を 示 し て お く 。 次 に入 学 者 選 抜 筆 答 試 問 、 口 頭 試 問 、 お よ
(15 )
益 々増 え て い った 。 戦 争 遂 行 の為 の大 量 の技 術 者 獲 保 が 、 そ の目 的 で あ
び 身 体 検 査 に 関 す る期 日 等 を 記 し て み ると 、 以 下 の様 な も の であ った 。
四〇
四〇
四〇
八〇
≡○
二四〇
合 計
≡○
四〇
八〇
≡O
四〇
三〇
二四〇
及
科
校
八〇
四〇
八〇
八〇
八〇
三〇
科
理
る。
科
學
校
四〇
四〇
三〇
八〇
四〇
文
等
學
校
四〇
八〇
三〇
八Q
學
高
等
學
校
四〇
合
三〇
計
第 一
高
等
學
校
四〇
八〇
@
三
高
等
學
校
四〇
ω
第
京
高
等
學
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計
東
阪
高
等
學
仏
大
和
高
等
独
浦
岡
高
英
輻
岡
種 u
男
校
名
静
(五 こ
147
別
科
史
學
史
科
目
國文 解繹
漢文解繹
國
語漢文
作文
文法
國 文 解繹
國
語漢文漢文解繹
文
作
別
口 頭 試問
種
三 月 十 五 日ヨ リ
日
マデ
三月
十八
施行 期日
身髄槍 査期日
理 科物 象
國
藪
外國語 嚢 騨
國
藪 學
、
一
筆 答試問 日時
科
文
理科
校 名
、
、
二 口 頭試 問
學
第一 高等 學校
身髄 検査
日
午前
時
リ
九 時ヨ 日
三月六
同十時半マ デ
午後 一 時ヨ リ
日
三月六
マ
同
二時半 デ
リ
午
前 九 時ヨ 日
月
七
三
同十一時マ デ
リ
午 後一 時ヨ 日
月
三
七
同三時半マ デ
リ
午 前九 時ヨ 日
月
六
三
同十一時マ デ
リ
午 後一 時ヨ 日
三月六
同二時半マ デ
午 前 九 時ヨ リ
日
月
七
三
同十一時マ デ
身 髄検査 ヲ 受
ノ日
ク
時
及
ベキ
割掲
其
者
日
示期
リ
午 後] 時ヨ 日
月
三
七
同三時マデ
、
口 頭試 問
三 月十四 日
學校
第三 高等 學校
東京 高等
大阪高 等學 校
浦和高 等學校
校
輻岡高 等學校
静岡高 等學
口 頭試 問
身 髄検査
口 頭試問
身 膿検査
口 頭試問
身 膿検
口 頭試
問
査
問
身 腱検査
口 頭試
問
身髄 検査
口 頭試
身膿 検査
五 日ヨ リ
日
月
デ
十八
三
マ
三 月十七日ヨ リ
日
マデ
月
十九
三
三 月十五 日
三 月十五 日
(
五 二)
三 月十
五 日ヨ リ
三 月 十 六 日ヨ リ
日
マデ
三月十九
三 月十四日
三 月十五日
三 月十 四日
三 月十
三 月 十 五 日ヨ リ
日
デ
マ
三月十七
三 月十四日
日
三月十
マデ
八
三 月 十 六 日ヨ リ
日
マデ
三月十
八
さ て、これ 以 降 も 変 則 的 な 学 校 制 度 は続 く 。﹁
昭 和 十 八年 度 の入 学 生 は 、
制 度 に従 い、 在 学 期 間 二年 で 、 二十 年 三 月 に卒 業 し た 。 し か し 、 次 の 昭
和 十 九 年 度 入 学 生 は 、 二十 年 八 月 の敗 戦 に よ り 、 修 業 年 限 三 年 の旧 に復
(16 )
し、 二 十 二年 三 月 の卒 業 と な った 。 1 な お 、 こ の た め 、 昭 和 二十 一年 に
は 、 各 高 等 学 校 と も 卒 業 生 を 出 し て いな い﹂。
146
(17 )
と こ ろ で、 昭 和 十 九 年 度 の ﹁入 学 セ シ ム ベ キ生 徒 概 数 ﹂ を 一瞥 す ると 、
文 科 定 員 の縮 少 が 著 し い。 特 に、 第 一高 等 学 校 は 一二 〇 名 が 六 〇名 に 、
第 三 高 等 学 校 は 八 〇名 が 三 〇名 と な って いる 。 そ し て、 東 京 高 等 学 校 の
四 〇 名 か ら 、 二 十 二名 へ の定 員 縮 少 が 目 に つく 。 こう し た 事 実 か ら も 、
理
科 ( 大 体ノ 豫 定
)
合
計
当 時 の文 科 生 の置 か れ て い た立 場 が ど の様 な も の であ った のか 、容 易 に
推 測 でき よ う 。
文
計
三四〇
類
二〇
八
乙
合
類
二〇〇
甲
六〇
ノ
豫定
科(大体
)
學校
科
學及
校類
名
第一 高等
一 三
二七〇
九〇
二三〇
二四〇
室
二〇〇
等 学 校 及 第 三 高 等 学 校 ノ文 科 ニノ ミ之 ヲ置 ク
(18 )
之 ヲ行 フ
筆 答 試 問 、 口頭 試 問 及 身 体 検 査 ト ス
さ ら に、 ﹁入 学 者 選 抜 要 項 ﹂ (
筆 答 試 問 の科 目 を 含 む ) は記 し て いる 。
一、 入 学 者 選 抜 ノ方 法 ハ
昭 和 十 九 年 三 月 一日 ト ス
設 ク ベ キ臨 時 試
中 学 校 第 四 学 年 修 了 ノ程 度 二依 リ
三 、筆 答 試 問 ノ期 日 ハ
当 該 高 等 学 校 及 必 要 二応 ジ
ニ 、 入 学 者 ノ選 抜 ハ
四 、筆 答 試 問 ノ場 所 ハ
は筆
国史 、 国 語 漢 文 (
国文解釈 、
当 該 高 等 学 校 二就 キ 承 知 ス ベシ
文 科 二在 リ テ ハ
験 場 ト ス、 臨 時 試 験 二関 シ テ ハ
五 、筆 答 試 問 ノ科 目 ハ
国 史 及 作 文 、 数 学 、 理 科 物 象 ト ス (⋮
漢 文 解 釈 、 作 文 、 文 法 )、 数 学 ト シ
理 科 二在 リ テ ハ
者)
(19 )
な お 、 同 年 に は 文 部 省 に お い て 、 ﹁来 年 度 学 級 編 成 二関 ス ル件 ﹂ が討
議 さ れ 、 以 下 の様 な 決 定 を み た 。
科
八〇
二九
合
乙
=
ハ○
二二
三〇
理
三〇
東京高 等學 校
三〇
甲
學校
學校
文
第三 高等
大阪 高等
一 吾
一 五〇
三〇
一 五〇
≡○
四〇
≡○
四〇
八〇
四〇
八〇
三〇
八〇
三〇
學校
三〇
第 一高
ム
口
學校
輻岡 高等
學校
主 ト シ テ佛 語 ヲ履 修 セ シ ム ル課 程 ハ
(
五三)
計
浦和 高等
静岡 高等
(
備 考)
三 、 入 学 後 外 国 語 ノ中
科
二
計
O
九
六
ノ「㍉
ノt
五
類
二
二
二
嵩
類
六
六
三
學
校
校
學
校
名
等
學
校
一
一
科
学及
級類
数 別
第
第
三
高
等
學
東
京
高
等
145
一
四
四
四
三
一
一
一
二
五
五
五
五
六
六
六
六
以 下同
文 科 ノ中 一学 級 ハ
其 ノ選択 履修 セシム﹂
三 高 の項 に 、 ﹁
文 科 ハ英 独 仏 語 ヲ外 国 語 ト シ 生 徒 ヲ シ テ ソノ 一ヲ履 修
セシム﹂と あ る。
(
20 )
第 一次 二於 テ ハ
之 ヲ第 一次 及 第 二 次 二分 チ テ行 フ モ ノ ト
且中等
第 一次 二於 テ 選 抜 セ
入学 セシ ムベキ
出 身 中 等 学 校 長 ノ調 査 書 二基 キ
第 二 次 二於 テ ハ
学 校 ヨ リ ノ従 来 ノ入 学 者 ノ実 績 ヲ参 考 ト シ テ
シ
、 入 学 者 選 抜 ノ方 法 ハ
の中 に も 窺 う こ と が 出 来 る 。
験 を 行 え る 状 況 で は な か った 。 そ の間 の事 情 は 、 ﹁入 学 者 選 抜 要 項 ﹂
終 戦 も 近 い、 昭 和 二十 年 度 の入 試 を 迎 え る 頃 は 、 も は や 通 常 の筆 記 試
テ
〇名 ト ス
理 科 ハ四
﹁備 考 欄 ﹂ に は 、 一高 の項 に、 コ 学 級 ノ定 員 文 科 ハ三 〇 名
一
生徒 ヲシ
一
英 佛 語 ヲ外 国 語 ト シ
大
阪
高
等
學
校
定 員 ノ約 二倍 ヲ選 抜 シ
特 二結 核 性 疾 患 二付
シ ム ベキ 者 ヲ決 定 ス
ニ 、身 体 検 査 ハ
(
五 四)
厳 重 二之 ヲ実 施 ス ル モ ノト
人 物 及向 学 心 、 研 究 心 ノ厚 薄 等 二付 之 ヲ行 フ
ス
三 、 口頭 試 問 ハ
学 力 ノ 程 度 ヲ考 査 ス ル意 味 二非 ズ シ テ
高等学 校
四 、筆 答 試 問 ハ
は筆者 )
持 二考 慮 ス ル モ ノ ト ス
勤 労 二従 事 ス ル コト ノ長 短 ガ
試 問 ノ結 果 二影 響 ヲ
教 育 ヲ受 ク ル ニ足 ル 素 質 、 能 力 ノ有 無 ヲ察 知 ス ル ヲ目 的 ト シ テ
之 ヲ行 ヒ
来 サザ ル様
(⋮
募 集 人 員 に 関 し て は 、 前 年 度 、 ﹁学 級 編 制 ﹂ と いう 名 目 で、 各 学 校 長
(21 )
理
二四〇
七六
二四〇
三〇
一六〇
一六〇
一六〇
科
二三〇
三八〇
二三〇
三二〇
二〇Q
二三〇
西九
二〇〇
三五〇
二〇〇
一
三〇
三二〇
二〇〇
=三
合 計
宛 に通 達 さ れ た も の で あ った が 、 定 員 数 と し て そ れ を 記 し て み ると 、 次
科 及類
の通 り と な る。
學校名
同等學 校
同等學 校
同等學 校
同等學 校
同等學 校
同等學 校
静 岡高等學 校
四 八 五 八 八
〇 〇 六 〇(⊃
四 四
〇 〇
科
モ き 容
0き0き
浦
和
高
等
學
校
入学 セ
文
輻
岡
高
等
學
校
ラ レ タ ル者 二付 身 体 検 査 、 口 頭 試 問 及 筆 答 試 問 ヲ行 ヒ
幅 浦大 東 第 第
岡和 阪 京 三 一
静
岡
高
等
學
校
幽
一方 、 こ の年 に関 し て は 、 当 時 、 高 等 学 校 の内 部 にお ら れ た 方 か ら 、
資 料 提 供 が あ った 。 す で に 半 世 紀 も 経 過 し て いる 今 日 と な って は 、貴 重
(22 )
(
? ) 文 部 省 よ り の統 一問 題 (メ ン
な 証 言 な の で、 こ こ に 紹 介 さ せ て いた だ く こ と に す る 。
﹁昭 和 廿 年 度 の試 験 は 三 月 の初 旬
或 いは 計 一日 で し た
陸士
海
二週間 で終戦。 そ の
タ ル テ スト の様 な 問 題 ) が全 国 一斉 に行 わ れ ま し た 。
但 し 入 学 し た のは 七 月 計
間 学 生 は 軍 需 工 場 な ど に動 員 さ れ て いま し た 。
そ の年 二十 年 秋 、 外 地 の高 校 な ど か ら の帰 国 学 生 、 そ れ と
記 憶 があ り ます 。
全 体 の 一割 を (
或 いは 二 割 だ った
兵 等 か ら の転 入 生 の試 験 が あ り ま し た 。 簡 単 な 口 頭 試 問 を し た だ け で し
た 。 こ の時 軍 関 係 か ら の入 学 生 に は
か も 知 れ な い) 超 え な いと いう 制 限 が あ った 様 な
(
以 下 略 )﹂
な お 、 同 年 、 文 部 省 は希 望 者 に対 し て、 理 科 か ら文 科 を 、 十 一月 十 五
(
23 )
昭和+ 六年 + 月三+ 亘
第 三高等 学校 八十年史 ﹄ (
神陵史 編集 委員 会 、三高 同
省 令第 三景
日 を 期 し て認 め る決 定 を し た 。
註
(-) 雑
(2) ﹃
神陵 史-
(
大 阪 高 校 文 甲 、 昭和 十 七 年 入 学 ) の書 簡 。
窓 会 発 行 、 昭 和 五 十 五年 )、 八 九 五 頁 。
(3) 村 田義 人 氏
(4) 旧 制 高 等 学 校 記 念 館 (
松 本 市 ) 所 蔵 ・ 但 し ・ 蓬 抜 試 験 書 類 L・並
新 、谷
喬 の両 氏
びに ﹁
高 等 学 校 長 会 議 ﹂ 関 係 は 、 信 州 大 学 附 属 図書 館 の所管 と な っ
て いる 。
な お 、 同 記 念 館 で の調査 に 際 し ては 、 宇 都 宮
に お 世 話 にな った 。 さ ら に、 資 料 調 査 、 お よ び 種 々 の確 認 事 項 に 関
し ては 、 同 館 学 芸 員 の柴 田 美 緒 氏 に格 別 のご協 力 を いた だ いた 。
(5) 文 部 省 告 示 第 六 十 二号 、 昭 和 十 六 年 二 月 十 日 。 (
﹁文 部 時 報 ﹂、 第
(
第 一高 校 文 丙 、 昭 和 十 六年 入 学 )。
七 百 十 六 号 。 文 部 省 図 書 館 所 蔵 )。
(6) 資 料提 供 ・牟 田 口 義 郎 氏
(7) 文 部省 令 第 二十 七 号 、 昭 和 十 七 年 三 月 三 十 日 。
(
8) 註 4 に同 じ 。
潔 氏 談 )。
(
9) 昭 和 十 六 年 度 入 学 生 (
理 丙 、 定 員 五名 ) は 一名 だ け で あ り 、 十 七
年 度 入学 生 (
理 丙 、 定 員 五名 ) も 一名 で あ った 。 (
小平
(
10) 文 部 省 告 示 第 八 百 四十 六 号 、昭 和 十 六 年 十 二月 一日 。(
﹁文 部 時 報 ﹂、
第 七 百 四 十 六 号 。 文 部 省 図 書 館 所 蔵 )。
(11) 勅 令 第 三 十 八 号 。 ﹃
資 料 集 成 ・旧 制 高 等 学 校 全 書 ﹄ (
第 二巻 、 一入
入 頁 )。
(12) 註 2 に 同 じ 、 八 九 四頁 。
(13) 学 徒 動 員 令 を 受 け た高 校 生 が 、 ど の様 な 戦 時 下 の青 春 を 送 っ て い
た か は、 牟 田 口義 郎 ﹃
中 東 の 風 のな か へ﹄ (
NT T出版株 式会 社 、
一九 九 五 年 ) に詳 し い。
(
即 ち 甲 類 ) が 一六 〇名 、 回 (
即 ち 乙類 ) が 一二 〇名
(14) 註 4 に同 じ 。 文 部 省 専 門 学 務 局 長 か ら 、 各 高 等 学 校 長 宛 の通 達 で
は 、 =局 のω
(
五 五)
43
1
の募 集 で あ った が 、 後 に 本 文 の よう に訂 正 に な った 。
(3 )
(
五六 )
(
2 )
学 を 許 さ れ、 授 業 を受 け た の は九 月 に な って か ら の こと で あ った 。
こ の間 の事 情 は 、 第 三高 等 学 校 の校 史 に詳 し い。
入 学 試 験 終 了 後 、 本 校 内 部 で は 、 す で に 合 格 者 を 決 定 し て いた が 、 これ
(15) 文 部 省 告 示 第 三 十 五号 、 昭 和 十 八 年 二 月 十 二 日 。
(17) 文 部 省 告 示 第 八 百 四十 号 、 昭 和 十 八 年 十 二 月 十 五 日 。
を 直 に正 式 発 表 す る こ と を 許 さ れ な か った 。 1ー さ き に触 れ た "十 パ ー
咽こ の年 の 入 学 試 験 に 関 し て は 、ほ か に も 例 年 と は異 な る 問 題 が あ った 。
(18) 同 右 。
セ ン ト 制 限 " す な わ ち 軍 諸 学 校 か ら の転 入 学 生 数 を 全 生 徒 数 の十 パ ー セ
(16 ) 註 2 の八 九 五 頁 。
(19) 註 4 に 同 じ 。
ン ト 以 下 に抑 え る と いう G H Q指 令 と の関 連 で、 決 定 後 な お 当 局 者 の承
る と 、 次 の通 り であ る 。
ち な み に 、 同 年 度 官 立 高 等 学 校 の ﹁入 学 セ シ ム ベキ 生 徒 数 ﹂ を 記 し て み
(4 )
さ て、 戦後 初 の各 校 別 入 試 は 、 ど の様 な 形 で行 わ れ た の であ ろう か 。
設 さ れ る こ と に な る。
校 に 復 活 し 、 さ ら に、 第 二高 等 学 校 、 第 六 高 等 学 校 、 第 八 高 等 学 校 に新
と こ ろ が 、 昭 和 二十 一年 に な る と 、 文 丙 は 東 京 高 等 学 校 、 福 岡 高 等 学
記 述 し た 通 り で あ る。
と 存 在 し て いた が 、 理 科 丙 類 に 至 っては 、 皆 無 で あ った こ と は 、 す で に
昭 和 十 八年 以 降 、 文 科 丙 類 は第 一高 等 学 校 、 第 三高 等 学 校 の み に 細 々
そ れ で は 、 終 戦 直 後 の文 科 丙 類 の状 態 は 、 ど の様 な も の であ った の か 。
(20) 文 部 省 告 示 第 千 七 十 六 号 、 昭 和 十 九 年 十 一月 六 日 。
(
昭 和 十 七 年 九 月 か ら 同 二 十 五年 三 月 ま で 、 松 本 高 等
認 を ま た ね ば な ら な いと いう 事 情 が あ った か ら であ る﹂。
一氏
(21) 同 右 。
(22) 松 崎
学 校 教 授 ) の書 簡 。
(23) ﹃
神 陵 史 ﹄ 九 四 三 ー 九 四 四 頁 。 通 達 を 要 約 す ると 、 ① 各 学 校 で 適
宜 の方 法 で 詮 衡 す る。 ② 軍 学 校 か ら の転 入 学 と の振 り 合 い上 、 一校
に つき 各 学 年 お お む ね 二十 名 な いし 二十 五名 と す る。
七
(1 )
終 戦 後 の昭 和 二十 一年 二 月 二 十 二 日 、 高 等 学 校 は 三 年 制 に復 し た 。 さ
ら に 、 昭 和 十 六 年 か ら 続 い て い た全 国 共 通 統 一試 験 が 廃 止 さ れ 、 各 校 選
抜 試 験 が復 活 し た 。 入 学 試 験 は 四月 に実 施 さ れ た が 、 合 格 者 が 実 際 に入
142
下 類( 露
)
四〇
戊 類( 支
)
二〇〇
三〇
甲 類( 英
)
八〇
八〇
乙 類( 独
)
二四〇
二四〇
二〇〇
三六〇
三六〇
三穴○
四〇〇
科
丙 類( 仏
)
四〇
ニ
ハO
八〇
二四〇
三六〇
理
乙 類(独 )
四〇
一 二〇
ニハ ○
八〇
二四〇
二四〇
科
甲 類( 英
)
四〇
四〇
一 二〇
一 六〇
八〇
一 六〇
文
四〇
四〇
四〇
≡○
=ハ○
八〇
二四〇
計
第一 高 等 學 校
四〇
四〇
四〇
三〇
八〇
一 六〇
合
第二 高 等 學 校
四〇
四〇
四〇
八〇
八〇
二四〇
計
第三 高等 學校
四〇
四〇
二〇
八〇
一 六〇
計
第 六高 等學 校
四〇
一 δ
八〇
四〇
名
第八 高 等學 校
四〇
四〇
三〇
二四〇
校
東 京高 等學校
四〇
八〇
=
ハ○
大阪 高 等學校
四〇
四〇
四〇
三〇
浦和 高等 學校
八〇
四〇
二四〇
四〇
エ
ハ○
輻岡 高等學 校
四〇
四〇
三〇
四〇
舎 、 交 通 等 の諸 事 情 を 考 慮 に 入 れ ね ば な ら な か った か ら であ る 。
った 。 何 故 な ら 、 受 験 生 の勤 労 動 員 に よ る 学 力 不 足 を は じ め 、食 料 、 宿
但 し 、 こ の年 も 終 戦 の年 と 同 様 、 平 常 時 の試 験 と は ほ ど 遠 い状 況 にあ
ル課 程 ト ス
八〇
静岡高 等學校
(
備 考)
一、 文 科 ノ第 一外 国 語 ハ甲 類 ハ英 語 、 乙 類 ハ独 乙 語 、 丙 類 ハ佛蘭 西 語 、
入学 志 願 者 名 票 二希 望 ノ順
乙 類 ハ大 学 医 農 学 部 二進 学 ス
丁 類 ハ露 西 亜 語 、 戊 類 ハ支 那 語 ト シ
位 ヲ記 入 ス ル コト
ニ 、 理 科 ノ 甲 類 ハ概 ネ 大 学 理 工 学 部 二
(五 七 )
141
選 抜 方 法 は 前 年 度 に 準 ず る 程 度 と な り 、 あ く ま でも 筆 答 試 問 に編 さず 、
綜 合 的 見 地 か ら 入 学 者 を 決 め る よう 、 文 部 省 の指 導 が あ った 。 し か も 、
筆 答 試 問 は特 定 の学 科 の み を 考 査 し て は な ら ず 、 中 学 校 の時 の全 教 科 目
の中 か ら 、 適 度 の問 題 を 選 ん で出 題 す る 旨 、 通 達 さ れ て いる 。
入 試 問 題 に 関 し て は 不 明 だ が 、 試 験 科 目 に つ い て は 、 第 二高 等 学 校 の
(5 )
(
日 本 史 )、 作 文 。
文 科 、 松 本 高 等 学 校 の理 科 は 、 判 明 し て いる 。
(6 )
(
ヒ ヤ リ ング を 含 む )、 国 語 、 歴 史
第 二高等 学校
英語
松 本高等 学校
英 語 、 数 学 、 国 語 、物 理 、 化 学 、 生 物 。
(
7 )
之 ヲ必 修 科 目 及 選 修 科 目 二分 ツ、 選 修 科 目 ハ
の 五 月 四 日 に は 、 高 等 学 校 の規 程 が 次 の様 に改 正 さ れ る 。
高等 科 ノ課業 ハ
な お 、同年
第 十條
高 等 科 文 科 ノ学 科 目 ハ
倫 理科 、古典 科、哲 学科 、歴史科 、
各 学 年 三単 位 以 上 ヲ選 択 履 修 セ シ ム
第 十 一條
英 語 、 独 語 及 仏 語 ノ中 一ヲ履 修 セ シ ム
社 会 科 、 自 然 科 、 第 一外 国 語 科 、 第 二 外 国 語 科 及 体 育 科 ト ス
第 一外 国 語 科 二於 テ ハ
英 語 、 独 語 、 仏 語 、 露 語 及 支 那 語 ノ中 第 一外
履 修 セ ザ ル モ 一ヲ履 修 セ シ ム
英 語 以 外 ノ外 国 語 ヲ履 修 セ シ ム ル 場 合 ニ ハ
第
第 二外 国 語 科 二於 テ ハ
国 語 科 二於 テ
第 一外 国 語 科 二於 テ
英 語 ヲ履 修 セ シ ム
高等科 文科 ノ各学年 二於 ケ ル
二 外 国 語 科 二於 テ
第 十 二條
科 目単 位数 ハ 左表 二依 ルベシ
(
五 八)
必修科 目毎週授 業時数 及選 修
倫
典
理
科
科
科
三
二
五
一
三
二
二
四
二
四
の
e
O
O
O
學
古
學
科
口
六
第 三 學 年
科
種
學 必須科 目 選修科 目 必須 科目 選修科目 必須 科目 選修科目
別
業
毎週軍位
業
毎週輩
毎週授業
毎週輩位
毎週授
科
毎週授
位
目
時
敷
時藪
藪
時敷
敷
敷
哲
史
科
二
の
の
五
二
の
口
二四
二
一
歴
會
科
六
三
一
肚
然
O
O
O
自
六
三
O
第一 外 國 語科
の
却((
却((
三
二
二四
ー
ヨ
第二 外國 語科
∋ -却((
ー
ヨ
二
育
二四
科
膿
計
140
高 等 科 理 科 ノ学 科 目 ハ
倫 理 科 、 人文 科 、 数 学 科 、 物 理 科 、
←)
口
第十 三條
履修
化 学 科 、 生 物 科 、 第 一外 国 語 科 、 第 二外 国 語 科 、 体 育 科 、 図 学 科 及 地
高 等 学 校 尋 常 科 二於 テ
膿
第
第
生
化
學
學
育
學
科
科
外
國
語
科
物
科
外
國
語
科
科
科
二
六
三
二
二
一
学科 ト ス
中等学校 又 ハ
(一)
O
(」)
(一}
五
三
三
(三〉
(
五九)
予 科 に 入 学 せ し む べき 生 徒 概 数 選 抜 要 項 ﹂ を 、 次 に 示 し て 叔 ¢ 。
の内 容 を 詳 し く 知 る た め に 、 ﹁昭 和 二 十 二 年 度 官 立 高 等 学 校 及 官 立 大 学
静 岡高 等 学 校 に復 活 し 、 大 阪 高 等 学 校 も 新 に 文 丙 が 設 置 さ れ て いる 。 そ
進 学適性検 査も導 入 された。文 科丙 類も前年 度 に続 いて・浦和高等 骸樺
昭 和 二 十 二年 度 に 入 ると 、 入 試 制 度 も 本 来 に 戻 り つ つあ り 、 そ の上 、
二
四
履修
二
(六)
o
(六)
二
二
三
(一一一)
五
二
二
四
(」)
(一一一)
(一)
⊥
ハ
高 等 学 校 尋 常 科 二於 テ
第
三
圖
二
四
中等 学 校 又 ハ
學
年
二
第 一外 国 語 科 二於 テ ハ
第
必 修 科 目 ト シ テ取 扱 フ コ
必 修 科 目 ノ毎 週 授 業 時 数 及 選
學
年
セ ル外 国 語 (
英 語 ) ヲ履 修 セ シ ム
科
計
場 合 二依 リ テ ハ
高 等 科 理 科 ノ各 学 年 二於 ケ ル
二
一
二
四
左 表 二依 ル ベ シ
(一)
(一〉
四
學
種
目
第
二
(二)
時 毎必
藪週 須
授科
業
目
敷毎 選
週修
位
軍科
目
四
第 二外 国 語 科 二於 テ ハ
理
地
セ ザ ル外 国 語 (
独 語 、 仏 語 及 露 語 ノ中 一) ヲ履 修 セ シ ム
文
一
一
四
一
(一)
三
位 目
(一)
図学科 及地学 科 ノ課業 ハ
學
學
年
藪 毎選
週
修
17q科
ト ヲ得 ル モ ノト ス
理
別
科
科
科
科
二
二
第十 四條
倫
敷
時毎必
週須
授科
業目
敷毎 選
週修
輩科
位
目
時毎 必
藪週須
授科
業目
修 科 目 ノ単 位 数 ハ
人
科
敷
學
物
139
=局
二高
三高
四高
五高
六高
七高
八高
新潟
松本
山口
松山
水戸
山形
佐賀
弘前
松江
東京
大阪
浦和
輻岡
艀岡
高知
姫路
廣島
富山
計
北大 豫科
東京 産大 豫科
神 戸経大 豫科
東京 讐歯 大豫 科
計
合計
甲
一二 〇
四〇
四〇
八〇
八〇
四〇
八〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
四〇
一、二 四 〇
二〇 〇
二 〇〇
四 〇〇
一、六 四 〇
科
二〇
四〇
四〇
四〇
四〇
九二〇
三 二〇
三二 〇
文
四〇
四〇
四 四四 丙
○ ○○
二 四二二 二
〇〇〇 〇〇
九 二〇
二二 二 四四 四四四 四四 四四四 四四 四四 四四 四 乙
00000000000000000000
計
二〇〇
一二 〇
一二 〇
一二 〇
一二 〇
一二 〇
一二 〇
一二 〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
八〇
二 、四 八 〇
二〇〇
二〇〇
四〇〇
二 、八 八 〇
理
科
二〇〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四 〇
二四 〇
二四 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
一六 〇
四 、七 六 〇
四〇 〇
八〇
四八 〇
五 、二 四 〇
(
六 〇)
計
四〇 〇
三六 〇
三六 〇
三六 〇
三六 〇
三六 〇
三六 〇
三六 〇
二四 〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四〇
二四 〇
二 四〇
二 四〇
七 、二 四 〇
四 〇〇
二 〇〇
二 〇〇
八〇
八 八〇
八 、一二 〇
138
(
備 考)
一、 本 表 入 学 予 定 の生 徒 概 数 は 、 各 学 校 の事 情 に よ って多 少 の増 減 が あ
る。
二 、 文 科 の第 一外 国 語 は 甲 は 英 語 、 乙 は 独 語 、 丙 は仏 語 と し 入 学 の志 願
者 名 票 に希 望 の順 位 を 記 入 す る 。 但 し東 京 、大 阪 、 浦 和 、 静 岡 の各
高 等 学 校 文 科 の中 一学 級 は 乙 、 丙 夫 々半 数 で あ る 。
独語 、仏 語、露 語又 は華語
次 の通 り であ る 。
三 、 文 科 の第 二外 国 語 は 英 語 、 以 外 の外 国 語 を 第 一外 国 語 と す るも のは
第 一高 等 学 校
英 語 を 、 英 語 を 第 一外 国 語 と す る も の は
1
独語 又は露 語
2 . 第 二 、 第 三 、 第 六 、 第 八 、 東 京 、 大 阪 、 浦 和 、 福 岡 、静岡 の各
高等学 校 、独語 又 は仏語
3 .第 四 、第 五 、 山 形 の各 高 等 学 校
華語
(11 )
﹁社 会 ・歴 史 ﹂
通 選 基 につ い て 述 べ よ。
4. 山 口高 等 学 校
2.普
独語
裁 主 義 と は何 か 。
5. 其 の他 の高 等 学 校
な お 、 こ の年 度 の入 試 問 題 の 一部 を 、 偶 然 の機 会 か ら 入 手 す る事 が 出
来 た の で、 参 考 ま で に報 告 し て お く 。 こ れ 等 の問 題 は 、 いわ ば 戦 後 の試
験 問 題 の出 発 点 と も 考 え ら れ る の で、 こ こ に示 し て 、 記 録 に止 めた い。
(10 )
松 本高等 学校
3
1.猫
(三月 二 十 日午 後)
昭和二十二年入學者選抜筆答試験問題
(
六 こ
137
14
昭和 二 十 二年 入學 者 選抜 筆 答 試験 問題(三
月二+二 日午前)
直 角 坐 標 ノ 原 黒占0カ
上 ノ 貼P1カ
ラaナ
ル 距 離 ニ ア ルX軸
ラ 圖 ノ 如 ク ∠OPIP2=∠PIP2
0P
3=LP2P3P4-.........-120
PIP2=30P1,PZP33PiPz,P3P4
=3p2p3
,.........
トナ ル 様 二P1,P2,P3,…
… … ヲ トル 。
之 ヲ 無 限 二 績 ケ ル 時 ノ 極 限 ノ 黒 ノx坐
標 ヲ求
メ ヨ。
15
昭和 二十 二 年入 學 者選 抜 筆答 試験 問題(三
ABヲ
直 径 トス ル 円周 上 ヲ ー 定 ノ 速 サ デ動 ク黙Pガ
月二+二 日午前)
ア ル 。Pハ 最 初Aニ
秒60。ノ割 合 デ 同 韓 ス ル モ ノ トス ル 。Pガ 円 周 上 ヲー 周 ス ル トキムAPBノ
ア リ半TZOPハ
毎
面積ハ 如何 二攣
化 ヲ ス ル カ。 横 坐 標 二 時 間 ヲ トリ縦 坐 標 二 面 積 ヲ トツ テ ソ ノ攣 化 ヲ 圖示 セ ヨ。
(
六 二)
136
16
昭和 二十二年入學者選抜筆答試験問題
(三月 二 十 二 日午 後)
英 文 和 繹
Itistoinventionsthatweoweourcivilization.Thebeduponwhichyousleptlastnight,
theplatefromwhichyouateyourbreakfast,thebicycleandthebootswhichtookyouto
work,thetrainsandyoupassed,eventheclothesinwhichyoustand,allowetheirorigin
totheinventor.
17
昭和二十二年入學者選抜筆答試験問題
(三月 二 十 二 日午 後)
和 文英繹
療 養 ノ爲 鎌 倉 二 車
專地 シ タ吉 田君 ヲ昨 日訪 ネ タ。 日 一 日 ト同 復 シ テ ヲ リ 、 一 ニ ケ 月 中 ニ ハ 登
校 出 來 ル ヨ ウ ニ ナ ル ト思 フ。
(
六 三)
135
18
昭和 二 十二 年 入學 者選 抜 筆 答試 験 問題(三
a.次
ノ 文 二 於 テ 不 定 詞(lnfinitive)ノ
月二+二 日午後)
用 法 ノ差 異 ヲ文 法 的 二 簡 軍 二 説 明 セ ヨ。
1.Tolivelongisthedesireofallman.
2.Ihavenothingtosay.
3.Ihavecomeheretowork,nottoplay.
b.次
ノ 文 ヲ 間 接 話 法(lndirectNarration)二
攣 ヘ ヨ。
1.Hesaid"Imetmyuncleayearago."
2.Isaidtohim,"Whatdoyouwant?"
3.Heaskedme,"Canyouswim?"
高等学校(文科)
70
69
一高
8
一高
7♂
O
瓜U£U£U
U
ρ艮」
0
2U
4
ρ)りQ
浦和
浦和
二高
三 高、大 阪、五高 、六高
姫 路 、 山 口 、 四 高 、福 岡
東 京、静 岡、広 島
ρ0
O
八 高、 山形、新潟
5
Qゾ
戻」
7
56
東 京歯 医予科
r
民」
D
54
長崎 、弘前
松 山 、佐 賀 、八 高 、静 岡 、松 本 、七
高 、水 戸
山 形 、高 知 、広 島 、松 江 、富 山
弘前
(六 四 )
「DQO
水 戸 、佐 賀 、松 山、 松 本、 北
大 予科
松 江、 高知、七高 、富 山
四 高 、 福 岡、 新 潟 、 山 口 、 東
京
(12 >
だδ乙
0
だU
1
大阪
二 高、 三 高、 五 高、 六 高 、姫
路
続 い て同 年 実 施 さ れ た 、 進 学 適 性 検 査 の問 題 も 紹 介 し て お き た いが 、
学予科
残 念 な が ら 現 在 ま で のと こ ろ未 見 であ る 。し か し 、﹁
進 学適性検 査成績 表﹂
高等学校(理科)大
な るも のが 残 って い る の で 、 こ こ に 示 し てお く
標準点
満点
■進学 適性検 査成績 表
昭和22年 度100点
134
註
(
1) ﹁
文 部 時 報 ﹂、 第 八 二 六 号
(
文 部 省 図 書 館 所 蔵 )。
(
2) 浦 和 高 等 学 校 の よう に 、六 月 に新 入 生 を 迎 え た と こ ろ も あ る (﹃
浦
和 高 等 学 校 史 ﹄、 旧 制 浦 和 高 等 学 校 創 立 七 十 周 年 記 念 事 業 委 員 会 、
平 成 四 年 )。 九 十 三 頁 。
八
官 報 の ﹁昭和 二十 三 年 度 ・入 学 せ し む べき 生 徒 概 数 ﹂ に関 し ては 、 前 年
昭 和 二十 三 年 度 は 、 最 後 の旧 制 高 等 学 校 の生 徒 が 入 学 し た年 であ る 。
(4) ﹁
昭 和 二十 一年 度 、選 抜 試 験 書 類 ﹂ (
旧 制 高 等 学 校 記 念 館 所蔵 。 信
度 と 大 筋 で は 差 が な い。 し か し 、新 設 の官 立 高 等 学 校 と し て、 長 崎 高 等
(3) ﹃
神 陵 史 ﹄、 九 四 六 頁 。
州 大 学 附 属 図 書 館 所 管 ) を 中 心 と し た が 、 誤 記 も 認 め ら れ る の で、
(2 V
学 及 び 六 官 立 医 科 大 学 に臨 時 附 属 医 学 専 門 部 を 設 置 す る の件 が 公 布 さ
る 。 長 崎 医 専 も ま た ﹁五 月 十 三 日 、 勅 令 第 三 百 十 五 号 を 以 て、 七 帝 国 大
量 の軍 医 が 必 要 に な り 、 臨 時 附 属 医 学 専 門部 と し て設 立 さ れ た も の であ
そ も そ も 附 属 医 専 と は 、 昭和 十 四年 、 日華 事 変 が 拡 大 す る に つれ 、 大
年 の昭 和 二 十 一年 に は廃 校 と な って い る 。
八 月 、 米 軍 に よ る 原 爆 投 下 に よ って 壊 滅 的 な 打 撃 を う け た 。 そ れ故 、 翌
同 校 の前身 は 、 長 崎 医 科 大 学 附 属 医 学 専 門 学 校 であ る が 、 昭和 二 十 年
以 前 に決 定 し て いた模 様 で 、 同 年 四 月 に 入 学 試 験 を 実 施 し て いる 。
昌 町 に あ った 長 崎 医 大 付 属 第 二 病 院 の構 内 ﹂ で 設 立 さ れ た 。 予 算 は そ れ
(1 )
長崎 高等 学 校 (
通 称 、 ナ ガ コ ウ) は 、 昭 和 二 十 二年 五 月 、 ﹁諌 早 市 永
の人 が多 い の で、 参 考 の た め に少 し 紹 介 し て お く こ と にす る 。
お り 、 本 稿 の主 題 と は 直 接 関 係 は な いが 、 旧 制 高 校 出身 者 の間 でも 未 知
(
募集 人員 四十名) のみが設置さ れ て
学 校 の名 が見 ら れ る 。 同 校 は 理 科
(
第 二高 校 文 丙 、 昭 和 二 十 一年 入学 )
そ の他 の資 料 も 参 照 し た 。
一氏 。
(5) 資 料 提 供 ・佐 々木 交 賢 氏
(6) 資 料 提 供 ・松 崎
昇 ﹁興 地 実 英 さ ん の思 い出 に託 し て ﹂ に よ れ ば 、 昭和 二十
(7) 文 部 省 令 第 十 八 号 。
(8) 平 岡
一年 の夏 に復 職 し て いる の で 、 お そ ら く 同 年 には 、 文 科 甲 類 の第 二
新氏。
外 国 語 と し て 、 仏 語 が 復 活 し た も のと 思 わ れ る 。
資 料 提 供 ・宇 都 宮
(9) 文 部 省 告 示 第 八号 、 昭 和 二 十 二年 一月 二十 五 日 。
(10) 旧 制 高 等 学 校 記 念 館 所 蔵 (
信 州 大 学 附 属 図 書 館 所 管 )。
(11) ﹁社 会 ・歴 史 ﹂ と いう 科 目 の明 記 は な いが 、 当 時 の入 試 科 目 か ら
類 推 し て判 断 し た 。
(12) ﹃
浦 和 高 等 学 校 史 ﹄、 三 一四頁 。
れ ﹂、 長 崎 医 大 の 附 属 と し て 、 開 校 さ れ た こ と は 、 言 を 侯 た な い 。
(
六 五)
33
1
(
六 六)
(
専 門学 校 か ら の編 入 、 外 地 高 校 引 揚 者 を 含 む )
医 専 二年 修 了 者 は 、 高 校 二年 編 入学 。
医 学 専 門 部 医 学 士 の称 号 が 与 え ら れ た 。 昭和 十 九 年 に な る と 、 従 来 の長
医 専 一年 修 了 者 は 、高 校 一年 編 入 学 。
な お 、 同 医 専 の修 学 年 限 は 四年 であ り 、卒 業 す る と 長 崎 医 科 大 学 附 属
崎 医科 大学臨 時 附属医 学専 門部 をあ らた め、長 崎医科 大学 附属医 学専 門
(
そ の他 、 一般 中 学 校 卒 業 者 、 外 地 引 揚 者 等 を 含 む が 、 各 学 年 と も
す べ て 入 試 を行 って、 入学 を 許 可 さ れ て いる )
部 と呼 称す る。
さ て、 戦 後 に な る と 、 ﹁G H Q は 全 国 の医 専 に 調 査 官 を 派 遣 し て、 そ
の内 容 を つぶ さ に 検 討 し、 A 、 B の ラ ン ク づ け を 行 な った 。 A は 将 来 国
長 崎 高 等 学 校 は 、 昭 和 二十 二 年 開 校 、 同 二 十 五年 閉 校 と いわ ば 短 命 で
(3 V
立 大 学 医 学 部 と し て残 す べき も の 、 B は 廃 校 と 決 め た の であ る ﹂。 そ の
あ った が 、 卒 業 生 は 全 体 で 一五 〇 名 を 数 え る 。 そ の明 細 を 記 し て み る と 、
(
7 )
結 果 、 長 崎 医 専 が 廃 校 と な り 、 長 崎 高 等 学 校 の設 立 を みた のは 、前 述 の
次 の通 り で あ る 。
(4 )
通 り であ る。
第 一期 生 (
昭 和 二十 三 年 卒 業 ) 十 三名 。
こ の間 の事 情 を 物 語 る も のと し て、 当 時 の在 校 生 の証 言 が あ る 。 ﹁私
達 附 属 医 専 在 学 中 の者 は 、 既 に旧 制 高 等 学 校 の終 焉 が 近 い事 は 知 ら れ て
(
長 崎 医 大 進 学 、 十 名 。 不詳 、 三名 )
(
長 崎 医 大 、 二 十 七 名 。 長 崎 大 医 学 部 、 七 名 。 慶 応 大 法 学 部 、 一名 。
第 三期生 (
同 二 十 五年 卒 業 ) 五 十 八名 。
同 工 学 部 、 一名 。 京 都 大 医 学 部 薬 学 科 、 一名 。 不 詳 、 二名 )
(
長 崎 医 大 、 十 三 名 。 長 崎 大 医 学 部 、 三 名 。 九 州 大 医 学 部 、 一名 。
第 二期生 (
同 二 十 四年 卒 業 ) 二十 一名
居 り ま し た し 、 予 科 を 作 る様 に要 望 も し ま し た が 、 米 国 に於 て は 医 学 部
の予 科 は な いと 云 う こ と で 、 長 崎 医 科 大 学 附 置 長 崎 高 等 学 校 と し て認 可
さ れ ま し た ﹂。
同 校 の内 容 に 関 し ても 、 医 大 附 置 と いう 性 格 上 、 一般 の高 校 と は 異 っ
た も のと 考 え ら れ 勝 ち であ る が 、 実 際 のと こ ろ は 、 ﹁理 科 の み の変 則 な
高 校 で し た が 、 長 崎 医 大 に 入 学 す る 為 の理 科 系 一教 室 の高 校 で は な く 、
京 都 大 理 学 部 、 一名 。 同法 学 部 、 一名 。 九 州 大 医 学 部 、 一名 。 同 法
(
時 代 は 既 に英 語 に 傾 き 、 甲 ・乙 の別 の な い時 代 に な
単 な る理科系 高校
学 部 、 一名 。 久 留 米 大 医 学 部 、 一名 。 不 詳 、 十 七 名 。 中 退 、 一名 )
新 制 大 学 一年 を 再 受 験 し て いる 。
(
昭 和 二十 三年 入 学 者 で あ り 、 翌 二十 四年 旧 制 高 校 の修 了 者 と し て、
第 四期生 (
同 二 十 四年 修 了 ) 五 十 七 名
って居 り 、 時 間 割 も 英 語 、 独 乙 語 は 確 か 同 じ 時 間 数 で あ った と 記 憶 し ま
(5 )
す )﹂、 と い う 。
(6 )
昭 和 二 十 二 年 五 月 の開 校 時 に就 い ても 、 資 料 は 語 って いる 。
医 専 三 年 修 了 者 は 、 高 校 三年 編 入 学 。
慨
長 崎 大 医 学 部 、 四 十 名 。 九 州 大 医 学 部 、 一名 。 同 工 学 部 、 三 名 。 広
社 会 ・歴 史 各 一問 で、 国 漢 は現 代 文 の傍 線 解 釈 、 古 文 、 漢 文 。 社 会 は 基
が 、 二番 は 間 違 った 。 ど う も 出 鼻 を 挫 か れ た 形 だ 。 昼 か ら は 国 漢 三 問 、
(8 )
島 大 理 学 部 、 一名 。 東 京 女 子 大 、 一名 。 不 詳 、 十 一名 )
本 的 人 権 に つ いて 、 歴 史 は 産 業 革 命 で、 大 体 出 来 た 。
三 月 十 一日 (
木)
さ て、 あ ら た め て申 す ま で も な く 、 終 戦 直 後 の昭 和 二 十 一年 度 入 学 生
は 、 同 二 十 四年 の卒 業 。 さ ら に 、 昭和 二十 二年 度 入 学 生 は 、 同 二 十 五年
今 日 は英 語 三 問 。 生 物 ・化 学 各 一問 で、 英 語 は イ ソ ップ に 関 す る 英 問
英 答 。 二番 は 指 定 さ れ た 句 を 使 って英 文 を 作 る 問 題 。 三 番 は英 文 解 釈 で
晴
の卒 業 で あ る 。 し か る に 、 こ の昭 和 二 十 三 年 度 入 学 生 は 、 前 記 のよ う に 、
翌 年 の 昭 和 二 十 四年 、 旧 制 高 校 修 了 者 と し て 、 新 制 大 学 を 受 験 す る こ と
易 し か った 。 生 物 は 鶏 卵 の断 面 図 を 描 き 名 称 を 付 す 問 題 で出 来 た 。 化 学
は硫 酸 に 関 す るも の で大 体 出 来 た 。
に な る 。 わ ず か 一年 の高 校 生 活 であ った 。
現 在 、筆 者 の手 許 に或 る ﹁記 録 ﹂ が あ る 。 そ れ は 、 ま さ に最 後 の旧 制
雨後曇
三 月 二十 一日 (
日)
(
9 )
高 校 生 の手 に な る も の で あ る 。 題 は ﹁
旧 制 福 高 昭 和 二十 三 年 入 学 文 科 一
今 日 は 福 高 の 一次 試 験 合 格 発 表 日 。学 力 試 験 に合 格 。
(10 ∀
年 二 組 の授 業 風 景 そ の他 ﹂ と な って い る 。 日 記 体 の簡 潔 な 文 章 で綴 ら れ
て お り 、 冒 頭 に は ﹁青 陵 春 秋 ﹂ の名 が 見 ら れ る 。 そ こ で は 、 当 時 の高 校
三 月 二十 二日 (
月)
曇
生 活 が 生 き 生 き と 描 か れ て い て、 は な は だ 興 味 深 い。 ま る で映 画 か ド ラ
九 時 か ら 二 次 試 験 が あ る 。 身 体 検 査 で 眼 疾 ・色 神 ・身 長 ・体 重 ・胸
晴
囲 ・内 科 ・尿 検 ・局 部 検 で 、 極 め て簡 単 。
三 月 二十 五 日 (
木)
福 高 二次 合 格 者 の発 表 を 見 に行 く 。合 格 し て いた 。文 科 丙 類 。
実 際 の試 験 問 題 は 、 ど の様 な も のだ った の か 。 こ こ に 記 し て み よ う 。
(11 )
マを 見 て いる 心 地 が す る 、 と い っても 過 言 で は あ る ま い。
雨
そ れ で は 、 福 岡 高 校 入学 前 の入 学 試 験 の場 面 か ら 、 開 始 す る こと に し
よ・
つ。
三月十 日 (
水)
九 時 半 試 験 開 始 。 数 学 三 問 、物 理 二 間 。 数 学 は 軌 跡 ・大 小 関 係 ・融 合
問 題 。 物 理 は 望 遠 鏡 と 比 熱 の問 題 。 数 学 は 三 番 は 間 違 った が 、 他 は 大 体
出 来 た ・ 物 理 は ど ち ら も 難 し か った ・ レ ンズ の方 は 何 と か 理 屈 を つけ た
(
六 七)
131
昭和二+三 年入學者選抜 學 力 検 査 問 題(一)
福岡高等學校
國
(1)正
三 角 形ABC二
DトCEト
於 テAC上
ノ 交 点Pハ
(2)ニ
ッ ノ 正 ノ 整 数 ヲx,yト
(3)中
心 ガCデ
二 点D,AB上
二 点Eヲ
ト リ 、BD=CEニ
ス ル トキB
ドンナ線 上 ニ ア ル カ 。
ス ル トキ 、 ソ ノ和x+yト
ア ル 円 ノ 外 ニ ー 点Pヲ
線 分PA,PB,PCデ
ト リ 、Pカ
ソ ノ 積xyト
ハ ドチ ラ ガ 大 キ イ カ 。
ラ コ ノ 円 二 接 線PA,PBヲ
ー ッ ノ 三 角 形 ヲ作 リ 得 ル タ メ ニ ハ 角APBノ
引 ク トキ 三
大 サ ヲ ドノ ヨ ウ
ニ ス レバ ヨ イ カ 。
其 ノニ
(1)望
遠 鏡 を逆 に用 い る と景 色 が 遠 く見 え るの は なぜ か 。
(2)温
度 が 夫 々15。、25。 及 び35℃
と そ の 温 度 は21。
の 三 種 の 液 体A,B及
と な り、BとCと
びCが
を 混 合 す る と32℃
あ る 。AとBと
を混 合 す る
に な る と い ふ 。AとCと
を混
合 す る と何 度 に な る か 。
(
六 八)
圏
130
(こ
(
二 )(
E)
福 岡高等 學校
昭和 二十三年 度 入學 者 選抜 學 力 検 査 問 題
傍線 部分 を解 繹せ よ。
現 實 は 諸 々 の文 化 の問 及 び 政 治 と 文 化 経 濟 と 政 治 の問 の不 断
の相 互 作 用 の 中 にあ る し た が つ て自 己 の專 門 以 外 を 顧 みな いと
いふ 高 踏 的 態 度 は 必 然 的 に 知 識 人 を 現 實 と の遊 離 に導 いた そ し
て こ の こ と は學 問 の世 界 の 一部 に 現實 か ら で は な く 專 ら 書 か れ
た書 物 か ら の み 問 題 を 汲 み 出 し て來 ると い ふ 亜 流 的 な 傾 向 を 生
じ さ せ る と 共 に 現 實 の具 体 的 な 問 題 に關 す る專 門 的 知 識 人 の判
断 をしば しば 不具 にした
(二 ) 左 の文 章 を 解 鐸 せ よ 。
少 年 老 い易 し 騒 人 は 刻 を 千 金 の春 夜 に惜 む 瑠 璃 いろ 空 のか は
た れ に わ す れ な ぐ さ の花 咲 か ば ま た そ の か み の か そ け き 夢 も し
のぶ べし
(三 ) 左 の文 章 を 解 繹 せ よ 。
梅 者 高 潔 之 花 。 筍 非 其 人 。 錐 云 愛 之 。 適 濱 之 也 。 非 凋梅 爲 然 。
凡 花 之 高 潔 者 。皆 然 。 故 愛 蘭 者 。 必 如 屈 原 。 而 後 可 以 愛 之 。
圃
(一) 日本 國 憲 法 に規 定 せ る 基 本 的 人 権 に つ い て述 べ よ 。
(二 ) 産 業 革 命 に つ い て 次 の 間 に 答 え よ 。
イ 、 産 業 革 命 と は ど う いふ こと か 。
ロ 、 い つ頃 あ つた か 。
ハ、 ど の 國 で 一番 早 く 起 つ た か 。
二、 社 曾 に ど の や う な 影 響 を 與 へた か 。
(
六 九)
129
昭和二+三 年入學者選抜 學 力 検 査 問 題(三)
福 岡高等學校
其 ノ五
(1)次
の 文 を 讃
ん で 下 の 質 問 に 英 語 で 答
え よ
Aesop,thegreatGreekfable-writerandphilospher,wasonedaywalkingalongaroad,
whenatravellerapproachedhimandaskedhimhowlongitwouldtaketoreachthenext
city."Walkon."saidAesop."Excuseme,butIaskedyouhowlongitwouldtakemetogoto
thenextcity,"remarkedthetraveller,whothoughtthatAesophadnotunderstoodhisen-
quiry.Walkon,"repliedAesopagain."Thismanmustbeafool,"saidthetravellertohimself,and,leavingthefable-writer,resumedhisjourney.
Aesopwatchedhimforawhile,andthencriedout:"Youwillarriveatthenextcityin
twohours.""But,why,"shoutedbackthetravellerstopping,"didyounottellmethat
before?""Because,"retortedthephilospher,"IcouldnotgiveanopiniontillIhadseenyou
walk."
Questions
A
B
C
D
E
(2)
Whatdidthetravellerwanttoknow?
"?
Whydidthetravellerremark,"Excuseme,but
WhydidhethinkAesopafool
Whatdidthetravellerdo,then?
WhydidnotAesoptellhimhisopinionatfirst?
次
の
語
法
又
は
語
句
を
含
む
簡
軍
な
文
章
を
作
れ
A......(so)that......may......
B......such......that......
C......notoniy......butalso......
D......dowithout......
E......sendfor......
(
七 〇)
128
(3)次
の 文
を 日本 語
に 言睾 せ
よ
ThelifeofAbrahamLincolnisastrikingexampleofthegreatnessthatamanmay
achievebyhisownwillandfirmnessofcharacterwithnoadvantageeitherofbirthorenvironmentoreducation.
Hewasbutthesonofacarpenterandlivedatatimewhenitwasmostdifficultforaman
ofthecommonpeopletorisetothehigherlevelsofsociety,yet,hebecame
Washington,themostfamousandmostbelovedpresidentoftheUnitedStatesofAmerica
,afterGeorge
.
其 ノ六
(1)鶏
(2)
卵 の 断 面 圖 を壷 い て 各 部 の 名 稻 を 附 せ よ。
硫 酸 の作 用 につ い て、 次 の 場 合 に夫 々 どん な攣 化 が 起 る か 。 又 そ の 攣 化 は 硫 酸 の どの
よ う な性 質 に も とず く もの か を 明 らか にせ よ。
(イ)食
塩 に硫 酸 を加 え て 熱 す る と き。
(ロ)ぶ
ど う糖 に濃 硫 酸 を注 ぐ と き。
(ハ)か
性 ソ ー ダの 水 溶 液 に フ エ ノー ル フ タ レ ン を一 滴 加 え て 、 これ を か き まぜ な
が ら硫 酸 を少 しづ ・加 え る と き。
(二)濃
硫 酸 に銅 の 一 片 を浸 して熱 す る と き。
(ホ)氷
さ く酸 と酒 精 と を まぜ 、 濃 硫 酸 を少 し加 え て熱 す る と き。
27
1
福 岡 高 校 入 学 後 、 ﹁青 陵 春 秋 ﹂ は 記 し て い る 。
二 時間
古 典( 田 村)
漢 文( 永 井
)
宅
)
三 時間
五時間
仏 語( 石)
六 時間
歴 史( 時 野
谷)
倫 理(西
英 語( 茗 荷
)
原
)
仏 語(中
谷)
歴 史( 時 野
仏 語( 中 村
)
古 典( 田 村
)
仏 語( 石
)
英 語( 石 井/井
坂)
仏 語( 石
)
仏 語( 石
)
村
)
古 典( 穴 山
)
自 然( 吉
井 )
谷)
仏 語( 中 村
)
体 操( 中 原
)
塚
)
漢 文ぐ水 井
)
英 語( 石 井/井坂) 数 学(手
心 理(安
数 学( 手 塚
)
(
石 井 ) の テ キ ス ト は プ リ ン ト で 囚9昏 霞 ぎΦ 冨 9蕊 h芭 臼
仏 語( 石
)
四時 間
入 学 式 は 昭 和 二十 三 年 四 月 十 日 (
土 ) 午 後 一時 か ら 講 堂 で行 わ れ 、授
業 は 四月 十 二 日 (
月 ) か ら 始 ま った 。
井
)
歴 史( 時 野 心 理( 安 宅)
﹁
授 業 時 間 割 ﹂ は次 の通 り 。
自 然(吉
英 語( 茗 荷
)
古 典( 田 村
)
体 操( 中 原)
英 語( 石 井/井坂) 古 典( 穴 山
)
一 時間
授業 時 間割
月
火
水
木
金
土
四月十 二 日 (
月)
一時 限 の英 語
三 時 限 の歴 史
二 時 限 の古 典
(
安 宅 ) は心 理 学 。
(
時 野谷) は日本史 。当 日は学 習指導 。
(
穴 山 ) は ﹁徒 然 草 ﹂ の後 半 か ら 。
(
七 二)
四 時 限 の哲 学
(
吉 井 ) は 一組 と 合 併 で当 日 は 学 習 指 導 。
O餌舜 莞 ほ か 。
五 時 限 の自 然
六 時 限 の仏 語 (
石 ) は当 日 は学 習 指 導 。
十三 日 (
火)
一時 限 の体 操 (
中 原 ) は 一組 と 合 併 で雨 天体 操 場 で当 日 は 学 習指 導 。
二時 限 の古 典 (
田村) は ﹁
心 ﹂ と いう 題 で作 文 。
三 時 限 の仏 語 (
中村 )は早速 授業 あり。
智 ω
三 。・ αき ω 冨 ヨ器 。P を 習 う 。 ま た い つ か ら か は 不 明 な る も
四 時 限 の古 典
(
時 野谷)
(
穴 山 ) は昨 日 の続 き 。
Oげ9①窪 ぴΣ雪 臼 ︾琶 餌を 読 む 。
五時 限は歴史
十四 日 (
水)
一時 限 の古 典 (
田村) は ﹁
徒 然 草 ﹂ の第 一段 か ら 。
二 時 限 の漢 文 (
永 井 ) は 教 科 書 未 着 のた め校 則 に つ い て の話 。
四時限 は仏語
(
西原 )は当 日は学 習指導 。
(
中村 )
三 時 限 の体 操 は 運 動 場 で徒 手 体 操 。
五 時 限 の倫 理
126
六 時 限 の英 語 (
茗 荷 ) の テ キ スト は U碧 置 09毎Φけ
ゴ 目9ξ 一
昇 。閃o冬
十 五日 (
木)
(
石)、 六 時 限 も 仏 語 (
中村 )
(
手 塚) は帰納 法。
一時 限 は な く 、 二 時 限 か ら始 ま る 。 英 語 (
石井)
三時 限 の数 学
四、五時 限 は仏語
十六日 (
金)
一時 限 の英 語 (
茗 荷 ) は 休 講 のた め 自 習 。
四 時 限 の仏 語
三 時 限 の漢 文
(
田 村) は ﹁
徒 然草﹂
(
石) は発音練 習 。
(
永 井 ) は 校 友 会 の話 。
二時限 は心 理学 。
五時 限 の古 典
六時 限 は歴史 (
時 野谷)
十七日 (
土)
一時 限 の自 然 (
吉 井) は地 学 で、内容 は天文 学 。
三 時 限 の数 学
(
石 井)
(
手 塚) は級数 。
二時限 は仏 語 (
石)
四時限 は英語
五 月 一日 (
土)
石 井 先 生 の英 語 の授 業 が始 ま る 前 、 綿 貫 君 と ﹁帰 省 の時 間 の汽 車 の都
合 で十 分 前 に 出 し て 下 さ い﹂ と お 願 いし て いた ら 、 十 分 前 に授 業 を 切
り 上 げ てく れ た 。
十六 日 (
日)
対 佐 高 野球 戦 。早 朝 綿 貫 君 と 佐 賀 に出 掛 け る 。 鳥 栖 で接 続 が 悪 く 一時
間 以 上 待 合 せ があ り 、 毛 利 、 宮 崎 両 君 と 町 を ぶ ら つく 。 野 球 は 福 高 の
エラ ー 続 出 で十 三 i 四 で大 敗 。 昼 か ら の ラ グ ビ ー は十 六- 八 で快 勝 。
福 高 生 と 佐 高 生 グ ラ ウ ン ド で寮 歌 を 歌 って乱 舞 。 帰 途 、 近 く の神 社 で
平 田 、 毛 利 の両 君 と 一時 間 ば か り 休 息 。午 後 八時 半 頃 博 多 に帰 り 着 く 。
十 入日 (
火)
(
水)
放 課 後 、 福 高 対 戸畑 専 門 の野 球 試 合 観 戦 。 七 ー 五 で辛 勝 。
十 九日
放 課 後 、福 高 対 明 専 の野 球 試 合 観 戦 。 三点 の差 で惜 敗 。
二十 日 (
木)
秋山 六郎兵 衛先生 の ﹁
映 画 の娯 楽 性 と 芸 術 性 に つ い て﹂ を 聞 く 。
二 十 一日 (
金)
学 生 大 会 が 開 か れ 、 授 業 料 問 題 に 関 し て討 議 し 、 不 払 同 盟 参 加 の決 議 。
(
七 三)
125
二十 七 日 (
木)
手 塚 先 生 の数 学 の時 間 、 出 席 者 が少 な か った た め 代 返 が ば れ る 。
六月 四 日 (
金)
(
土)
田 村 先 生 の授 業 は 引人 ﹂ と い う 題 で 作 文 。
十二日
石 先 生 の 授 業 は 今 日 か ら Z。窪 Z。鼠 ゴ 国ロ ひ8 暮 碧 二 ① <①已 Φ霞 山①コ巳 汁
(
滞 日 随 筆 ) を 読 み 始 め る 。 そ れ に 引 き 続 き ∪髭 号 什"ピ卑 育霧 傷㊦ ヨ。冨
ヨ〇三 ぎ を 読 む 。
十 五日 (
火)
穴 山 先 生 の時 間 、 前 日 の授 業 で先 生 が 話 し た 芭 蕉 の ﹁あ か あ か と 日 は
つれ な く も 秋 の 風 ﹂ を 巡 って酒 井 君 が 反 論 。
二十 四 日 (
木)
明 日 か ら の ス ト ラ イ キ に つ いて 午 後 三 時 か ら七 時 過 ぎ ま で討 議 。 投 票
の結 果 、 福 高 は ス ト に参 加 す る こ と に な る 。 二 十 五 日 (
金 ) は九州 地
区 ス ト で 授 業 な し 。 二十 六 日 (
土 ) は全 国 スト で登 校 せ ず 。
二十九 日 (
火)
一学 期 の試 験 始 ま る 。
(
七 四)
二、
古典 (
田村 ) は文学 史 三問 、傍線 解釈 七 間。 ﹁
秋 の田 のか り ほ の庵 の
苫 を あ ら み わ が 衣 手 は 露 に ぬ れ つ つ﹂ の解 釈 。
仏語 (
中 村 )、 解 釈 三 問 、 作 文 二 間
(水 )
(
永 井 )、 解 釈 三 問
三十 日
漢文
(
西 原 )、 封 建 社 会 の道 徳 に つ い て論 ぜ よ
三、微 分
二、過 状星 雲 に ついて
(
以 上 三 問 か ら 一問 を 選 ん で解
二、剰余定 理
一、海 洋 の地 質 学 的作 用
三 、 古 代 天 皇 制 の確 立
一、 仏 ・儒 教 の伝 来 と 古 代 国 家 成 立 へ の影 響
倫理
七月 二 日 (
金)
歴史 (
時 野谷)
(
茗荷)
北 九 州 の古 墳
答)
英語
(
吉 井)
三日 (
土)
地学
一、 帰 納 法
仏語 (
石 )、 文 法 と 解 釈
五日 (
月)
数学 (
手 塚)
英語 (
石 井 )、 解 釈 と 文法
124
六日 (
火)
二、両 眼 視 差
四、仮 現現象
一、図 と 地 に つ い て
古典 (
穴 山 )、 解 釈 と 所 見
心 理学 (
安宅 )
リ ュア ー の錯 視 に つ いて
九 月十 三 日 (
月)
三 、ミ ュラ ー ・
石 井 先 生 は 井 坂 先 生 と 交 替 に な る 。 テ キ ス ト は 討 器 ﹀話 9﹃ 勺ユ号
碧 側勺﹃①冒臼8 そ の後 、 目ゲo日oω∪①O巳昌oΦ貿 ﹄o導 o{﹀同
o●
十 四日 (
火)
(
欠 点 のな い者 は 組 で 八 名 )、 平 均 点 七 十 一点 で
時 野 谷 先 生 の所 へ徳 野 、 綿 貫 両 君 と 試 験 の成 績 を 聞 き に行 く 。 小 生 は
不 思議 に欠点 が なく
二十 番 。
十六 日 (
木)
英 語 と 仏 語 と 二 回 当 る 。 英 語 は 良 か った が 、 仏 語 が 読 め ず 解 け ず で 、
石先生 か ら説教 を食 らう。
二十 日 (
月)
二時 限 の穴 山 先 生 休 講 。 そ の時 間 に ク ラ ス で文 化 祭 、 運 動 会 な ど の打
ち合 せ をす るが結局 纏ま らず 。
二 十 一日 (
火)
六 時 限 に文 化 展 の テ ー マに つき 話 合 い。 ﹁
占 い の研 究 ﹂ ﹁
美 人 の研 究 ﹂
﹁オ ペ ラ の 研 究 ﹂ ﹁
ヴ ィ ー ナ ス の彫 刻 ﹂ ﹁結 婚 の風 習 ﹂ な ど 出 た が 、 結
局 ﹁博 多 織 の研 究 ﹂ に決 ま る 。
十 月九 日 (
土)
午 後 七 時 頃 よ り 校 内 ﹁亦 楽 斎 ﹂ で ク ラ ス ・コ ンパ 。 出 し物 に ﹁月 光 の
曲﹂ (
出 た 出 た 月 が ⋮ ⋮ )、 ﹁田 園 交 響 曲 ﹂ (
山 田 の中 の 一本 足 の案 山 子
⋮・
:)、 ﹁
未 完 成交 響曲 ﹂ (
春 が来 ⋮⋮) など 。時 野谷 先生 も出 席 され
謡 曲 を 一席 。 そ の後 皆 で フ ァイ ア ー ・スト ー ム。 十 時 半 頃 散 会 。
十日 (
日)
イ ン タ ー ハイ .ラ グ ビ ー優 勝 戦 (
福 高 対 七 高 ) が行 わ れ 、 九 ー ○ で福
高 優 勝 。 七 高 の ﹁北 辰 斜 め ﹂ を 運 動 場 に て聞 く 。
十 二日 (
火)
(
二十 七
先日 (
10 / 9) 筑 陽 高 女 に 売 り に行 って先 生 に預 け て帰 った バザ ー券
を 綿 貫 君 と 取 り に行 った が 、 ]枚 も 売 れ て いず 。 夕 方 、 秋 山
回 、 文 科 一組 )、 綿 貫 両 君 と 大 濠 公 園 に売 り に行 き 、 十 二枚 ほ ど 売 る 。
十 六日 (
土)
越 山先生 曰く ﹁
今 の人 は ロハ
文 学 書 を 読 めば そ れ でえ ら く 文 化 人 に な っ
(
七 五)
23
1
た と 思 って いる 。 そ れ は 野 蛮 人 を ジ ー プ や エレ ベ ー タ ー に乗 せ て 、 お
前 文 化 人 に な った ぞ と 言 う のと 同 じ で あ る 。 文 化 人 と は 此 の世 に何 か
貢 献 し た 人 でな け れ ば な ら な い﹂
二十 ⊥
ハ日 (
火)
第 二十 七周年 記念 寮 歌 ﹁
沈 石 紫 く ﹂ を 初 め て練 習 す る 。
十 一月 二 日 (
火)
昼 か ら 佐 高 歓 迎 ス ト ー ム博 多 駅 に出 掛 け る 。
三日 (
水V
(金 )
終 日雨。佐 高戦 も延 期 。
五日
寮 の バ ザ ー ・デ コ レ ー シ ョ ン ・文 化 展 な ど が 本 日 よ り 始 ま る 。 寮 の デ
コ レ ー シ ョ ン は お 粗 末 な が ら 平 沢 貞 通 の "デ コ レ ー シ ョ ン " で お 茶 を
濁 し て お く 。 晩 餐 会 の 後 、 寮 生 劇 あ り 東 二 寮 の ﹁気 を 病 む 人 ﹂、 東 三
寮 の ﹁才 女 気 取 り ﹂ が 目 立 った 。
六日 (
土)
午 後 か ら 対 佐 高 戦 あ り 。 延 長 戦 の結 果 三- 二 で敗 れ る 。
七日 (
日)
(
七六)
二 十 七 周 年 記 念 福 高 大 運 動 会 開 催 。 舞 い歌 い踊 って 一日 を 過 ご す 。 我
が 二組 の仮 装 行 列 は ﹁
美 女 と 野 獣 ﹂、 一組 は ﹁冒 険 ダ ン吉 ﹂。 最 後 、 大
乱 舞 で幕 を 閉 ず 。
十 二月 十 四 日 (
火)
二学 期 の試 験 始 ま る 。 田村 先 生 、 中 村 先 生 の試 験 あ ゆ 。 放 課 後 、 体 育
館 で生 徒 大 会 。 ﹁
大 学 法 案 ﹂ を 巡 っ て討 議 し た 結 果 、 福 高 は 明 日 か ら
即 刻 無 期 限 スト に突 入 す る こと に な る 。
十 五日 (
水)
試 験 を ボ イ コ ット し て午 前 九 時 に体 育 館 に 集 合 。 昼 か ら福 岡 市 の目 抜
き 通 り に出 て街 頭 演 説 を し 、 市 民 に スト 支 援 を 訴 え る。
十 六日 (
木)
九 大 の決 起 大 会 に参 加 。 デ モ行 進 に移 り 、 県 庁 前 で乱 舞 。
十七日 (
金)
寮 の当 番 に 当 た り街 頭 に は 出 ず 。 午 後 三 時 か ら 生 徒 大 会 。 十 九 日 か ら
三 日 間 の試 験 を 受 く べき か 否 か に つき 討 議 し た 結 果 、 絶 対 多 数 で受 く
べき で な いと 決 定 。
122
十 八日 (
土)
昼 か ら 街 頭 に 出 て 、 宣 伝 ・署 名 ・資 金 カ ン パ 。 小 生 は 資 金 カ ンパ を 受
持 って大 い に収 穫 し た 。 四 百 円 以 上集 め た 。 四時 か ら ま た 生 徒 大 会 が
あ り 、 明 日 か ら の試 験 は 受 け な い こと を 再 確 認 。
十九 日 (
日)
今 日 か ら 午 前 と 午 後 の二 組 に 分 け 、 二組 は 午 後 か ら 天 神 町 に行 く 。 今
日 は 新 天 町 で主 に宣 伝 の方 を し た 。
二十 日 (
月)
午 後 三時頃 から 生徒大 会 。試験 のことなど を討議 。
二十 一日 (
火)
朝 か ら 夕 方 ま で生 徒 大 会 。 結 局 生 徒 の手 違 い の詫 び 状 を 校 長 に提 出 し
て追 試 験 を し て 貰 う こと にな る 。 期 日 は未 定 。
昭 和 二十 四 年 一月 十 二 日 (
水)
追 試 験 始 ま る 。 漢 文 ・物 理 ・倫 理 。 物 理 の問 題 は ﹁物 質 と は 何 か ﹂
十 三日 (
木)
心 理 学 ・国 語 。
十 四日 (
金)
日本 史 ・地 学 。 日本 史 は ﹁荘 園 制 ﹂ の山 が 当 る 。
十五日 (
土)
成 人 の 日 に つき 学 校 は休 み 。
(
越 山 ) .英 語 (
茗 荷 )。 (
日 曜 日 な れ ど 試 験 あ り)
十六 日 (
日)
化学
十七 日 (
月)
英語 (
井 坂 )・仏 語 (
石)
二月 四 日 (
金)
晩 、 時 野 谷 先 生 の所 に成 績 を 聞 き に 行 く 。 平 均点 七 十 一点 。 欠 点 な し 。
二十六 番。
七日 (
月)
(
生 物 ) を 初 め て聞 く 。
三 年 生 送 別 全 寮 コ ン パ 。校 長 を 始 め 諸 先 生 を 招 き 盛 大 。 校 長 詩 吟 を 披
露す る。
十日 (
木)
牧 川 先 生 の講 義
(
七 七)
121
十九 日 (
土)
(月 )
越 山 ・石 ・中 原 先 生 の授 業 を 最 後 に、 こ れ で福 高 に お け る 授 業 は 終 り 。
二 十 一日
三 学 期 の 試 験 始 ま る 。 井 坂 ・石 。 英 語 の 試 験 に 英 単 語 三 十 間 出 る 。 ま
た英 文和 訳 の .
.
国。 一。。8 冨 訂 轟 巴 、
、が 分 ら ず 。 (
当 時 は そ の程 度 の レ
(
火)
原 。
ベ ル の 英 語 力 だ った か と 、 今 か ら 思 う と 恥 ず か し い )
二十 二日
安 宅 ・穴 山 ・牧 川 。
二 十三 日 (
水)
(
金)
永 井 ・中 沢 (
数 学 ) ・西
二十 五日
田 村 ・時 野 谷 。
二十 ⊥
ハ日 (
土)
越 山 ・茗 荷 ・中 村 。 こ れ で ず 臣P 十 二 時 半 か ら 講 堂 で送 別 式 。校 長
の名 調 子 を 拝 聴 。 終 って体 育 館 で お 別 れ の茶 話 会 。
二十 八 日 (
月)
(七 八 )
寮 を 離 れ る に際 し 、次 の よ う な 稚 拙 な 漢 詩 を 作 って東 一寮 七室 (
自 室)
の壁 に落 書 す る 。
白 雨浦 然露吾 胸
萬 感山
父濃冊一日
生晶
相
将去寮 流離之 憂
流涕落 涙不知 道
三月三 日 (
木)
を去 る。
朝 七 時 起 床 し て鳥 飼 駅 ま で荷 物 を 運 び 、 一年 間 お 世 話 にな った 學 而 寮
註
(1) 宮 原 昭 二 郎 ﹁幻 の官 立 旧 制 長 崎 高 校 ﹂ (
佐賀 高等 学 校 ﹃
菊 葉﹄ 第
(
佐 賀 高 校 文 甲 、 昭 和 二 十 三 年 入 学 )。
三 十 三 号 、 菊 葉 同 窓 会 編 、 平 成 六 年 )、 六 十 四 頁 。
資 料 提 供 ・牟 田 正 彦 氏
(
長 崎 医 専 よ り 、 長 崎 高 校 第 二学 年 に編
(
2) ﹃
長崎 医学 百年史 ﹄(
長 崎 大 学 医 学 部 刊 、昭和 三十 六 年 )、七 七 四頁 。
資 料 提 供 ・井 手 一郎 氏
入 学 、 昭 和 二 十 二年 )。
(
3) ﹃
山 梨県教 育百年 史﹄ (
第 三巻 、昭和後 期編 、山梨 県教育委 員会刊 、
功氏 (
松 山 高 校 理 科 一組 、昭和 二十 五 年 卒 業 )。
昭 和 五 十 四年 )、 七 九 七 ー 七 九 八 頁 。
資 料 提 供 ・紺 田
㎜
(4) 井 出 一郎 氏 の書 簡 。
(5) 同 右 。
(6) 同 右 、 並 び に同 氏 談 。
(7) 調 査 に 際 し ては 、 ﹃
旧 制長崎 高等 学校 同窓会 名簿﹄ (
昭 和 六 十 三年 、
井 出 一郎 氏 所 蔵 ) を 使 用 。
(8) ﹁名 簿 ﹂ に よ れ ば 、 女 子 が 在 籍 し て いた こ と が 判 明 す る。 戦 後 に
お い て は 、 他 校 でも こ う し た 例 が 見 ら れ る 。
■昭 和 二十 三 年 四 月 、 静 高 の門 を く ぐ った わ れ わ れ は 、 や や 大 げ
さ に いえ ば 、 歴 史 的 な ク ラ ス で あ った 。 こ の年 、 静 高 開 開 以来 の こ
と とし て、女子 学生 二名 が入学 した﹂
佐 治 俊 彦 ﹁マ ル セ イ エーズ で 別 れ た ﹂ (﹃
青 春 奏 つ へし ﹄ 1 上 甘立
静岡高 等学 校六十 周年 記念編 纂 。旧制 静岡 高等学校 同 窓会編 、昭和
五十 七年) 所収 、五六 二頁 。
(9) 藤 井 良 彦 氏 作 成 (
福 岡 高 校 文 丙 、 昭 和 二 十 三 年 入 学 )。 な お 、資
料提供 も同 氏。
浩 氏談 。福岡高校
(10) 文 科 一組 と は 文 科 甲 類 の こ と で あ り 、 同 二 組 は 文 科 丙 類 を指 す 。
ち な み に、 文 科 乙 類 の ク ラ スは な か った (
吉増
文 丙 、 昭 和 二 十 三年 入 学 )。
そ の他 、 吉 増 氏 か ら は 、 福 高 に 関 す る種 々 の資 料 提 供 が あ った こ
と を 、 付 記 す る も の であ る 。
(11) 藤 井 良 彦 氏 所 蔵 。
(12) 漢 文 の問 題 に は 、 返 り 点 、 送 り 仮 名 が付 さ れ て いた が 、 ここ で は
省 略 した 。
(
本 稿 を 草 す る にあ た り 、 多 く の方 々 か ら ご 教 示 を 賜 わ り 、 か つま た
資 料 を 提 供 し て 戴 い た 。 こ こ に 記 し て 、 謝 意 を 表 す る も の で あ る 。)
(
七 九)
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