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異見・卓見―パラダイム変革に向けて

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異見・卓見―パラダイム変革に向けて
1999
No.453
1
日本経済活性化のために
トヨタ自動車株式会社 会長
豊田 章一郎氏
●国民は危機感を共有しているか
97年度の日本の実質経済成長率は23年ぶりに
マイナス成長となった。98年度もマイナス成長
が避けられない。多くの民間調査機関は99年度
もマイナス成長を予測している。3年連続のマイ
ナス成長となれば、欧米にも例を見ない異常事
態となる。
今、日本経済を巡る私の実感は「本当に元気が
ない」と思う一方で、「国民全体が本当の意味で
の危機感を持っていない」ということである。私
は経団連会長在任中、一貫して経済活性化のた
めの大胆な改革を主張してきた。21世紀の日本
のあるべき姿を「魅力ある日本の創造」と題して
発表し、規制緩和を中心とした経済システムの
改革に取り組んできた。しかし一連の構造改革
への提言は、国民全体が危機感を共有し得なか
ったこともあり、その成果は充分とはいえなか
った。国民一人ひとりが国難ともいうべき現状
を認識し、これに全力で立ち向かっていく必要
がある。
●景気対策と規制緩和の同時推進を
日本経済の立ち直りを遅らせている大きな要
因が不良債権処理を巡る金融システム不安であ
る。10月には破綻した金融機関の処理の枠組み
を決めた金融再生関連法案が成立し、また存続
し得る金融機関の破綻を未然に防ぐための早期
健全化スキームも成立した。システムの早期安
定と、信用収縮に歯止めをかけるために今回成
立した枠組みに基づく具体的でスピーディな対
応が何よりも重要となる。
景気の早期回復には、同時に総合的な経済対
策が必要である。政府は総額24兆円の大規模な
緊急経済対策を発表したが、その予算は情報通
主
な
記
事
◆ 特集1:異見・卓見−パラダイム変革に向けて
*デジタル経済におけるパラダイム変革−東京電力
窪田 芳夫氏
(2面)
*常識(当たり前を行うこと)が変革の糧−新日本証券
岡本 千尋氏
(3面)
*21世紀のネットワーク社会に夢を紡ぐ−トヨタデジ
信、福祉、新物流システムなど21世紀の発展に
必要な分野に重点的に配分すべきである。また、
経済波及効果の高い住宅政策も望まれる。こう
した短期的施策と同時に21世紀の活力ある社会
を築くためには税制改革、規制緩和などの構造
改革をさらに前進させなければならない。とり
わけ企業の税負担を国際水準並みに引き下げる
法人税改革と規制緩和の推進が不可欠である。
また、景気対策と構造改革は二者択一ではなく、
同時に推進することこそが景気を内需主導によ
る着実な回復軌道に乗せる最善の方法である。
●チャレンジ精神をもって技術開発を
規制緩和や構造改革、社会資本整備など将来
の発展基盤の構築は政府の最重要の役割である
が、経済の活性化を担っていくのは結局、産業
界自身である。企業自身がチャレンジ精神を持
ち、未来を切り開いていかなければならない。
私は未来を開く鍵は技術力にあり、技術開発こ
そ経済停滞をブレークスルーする原動力だと確
信している。
自動車産業を例にとれば、未来を切り開く技
術開発の重要テーマは、環境とITS(インテリジ
ェント・トランスポート・システム)である。
トヨタ自動車では「環境技術の革新なくして21
世紀の自動車産業はない」との認識のもと、製品
の開発・設計から廃棄に至るまで、総合的な環境
保全に取り組んでいる。すでに電気自動車を実
用化し、最も普及しているガソリン・エンジンに
ついても燃費向上と排ガス低減のための取り組
みをしてきた。昨年には、エンジンにモーター
を組み合わせたハイブリッド・エンジンを開発。
今後も、究極の無公害動力といわれるFCEV(燃
料電池電気自動車)など、さらにクリーンな自動
タルクルーズ 戸田 雅章氏
(4面)
*リアルタイム経営の実践を目指して−豊田スチー
ルセンター 岩崎 誠夫氏
(5面)
*企業経営環境と情報システム部門のあり方を巡っ
て−ニチレイ 浦野 光人氏
(6面)
*生活者に「あんしん」と「夢」を提供する−am/pmジ
車の開発にも全力をあげるつもりである。
2つ目のテーマITSに関連したビジネスもすで
に実現しつつある。ITSは人やモノの流れを効率
化し、将来的には運転を自動化するなど情報武
装化した車本体と道路、交通施設などの社会イ
ンフラとを融合させることによって輸送交通シ
ステム全体を発展拡大させる可能性を秘めてい
る。
●モノづくりの重要性を忘れてはならない
私はバブル崩壊後の経済低迷や金融システム
の混乱を見るにつけ、「モノづくり」の重要性・大
切さを改めて感じている。モノづくりとは、商
品やサービスに価値や品質を作り込むことであ
るが、それには人間の高度な技と新しい発想、
独自の工夫が不可欠である。その人材の面で多
少の心配がある。例えば、地道なモノづくりを
支える技術・技能レベルの低下と、後継者不足、
若者の理工系離れなどの現象がそれである。こ
うした現象に歯止めをかけるにも、モノづくり
をもっと魅力的なものにしていく必要がある。
自らフロンティアを切り拓いていくべきこれか
らの時代には、人間の独創性や創造性の発露が
鍵を握っている。個性・創造性を伸ばす教育が今
何よりも求められている所以である。
最後に私は、日本経済の活性化を担うのは
我々産業界・企業の一人ひとりの力であることを
強調したい。現在、日本と日本人は将来への漠
然とした不安から発想や行動が消極的になって
いる。困難な状況にある時こそ、それを飛躍の
チャンスと受け止める積極性が必要である。現
状をいたずらに悲観したり、安住することなく
高い理想を掲げ、信念を持ってその実現に努力
するならば必ず道は開けると確信している。
ャパン 野村 和夫氏
(7面)
◆特集2:システム・クリエータが描く私の初夢
サンワード貿易/廣屋コンピュータセンター/九州銀
行/小林製薬/ぴあ/ひのや/KG情報/新潟県農協電算
センター/コンピュータ・テクノロジー・インテグレ
イタ/福島県二本松市/日本自動車連盟(JAF)関西本
部/ダイハツ工業/百五銀行/紀陽銀行/西武信用金庫
(8∼10面)
◆ 特集3:'99年の情報技術の動向と日本ユニシスの
対応
(11面∼14面)
◆特集4:'99年ユーザを支援する日本ユニシスの体制
(15・16面)
特集:日本企業再生のための情報技術活用のあり方を探る
◆日本ユニシスのホームページ=http://www.unisys.co.jp/users/unisys news/index.html(ユニシス・ニュース全文を公開)
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて デジタル経済におけるパラダイム変革
今こそ問われるCIOの役割
東京電力株式会社
顧問
立ち遅れる日本の情報化
コンピュータが軍事用から商業用に使われ始めて
から約40年が経過した。
この間のコンピュータ発展の歴史を振り返ってみ
争は避けようとする潜在意識があるのではないだろ
いることである。ネット
うか。
ワーク時代は個々の企業
これに対し、欧米の経営はコンピュータ技術を全
きなスペースを必要とし、価格も格段に高く、機械
連携した企業群での最適
経営者の速やかな意思決定が大きく貢献している。
化とはならず、チグハグ
なものとなってしまう。
求められるパラダイム変革
を動かすプログラム作成にも多くの技術者を必要と
していた。
の最適化を求めていると、
面的に活用した情報武装が進んでおり、それに伴う
ると、初期のコンピュータは重厚長大の典型で、大
つまり、要求レベルを少
し下げて、共通化の概念
今日のデジタル経済の発展は、第4次産業革命と
を取り込むことが大切で
その後、パーソナル・コンピュータとソフトウェ
呼ばれるごとく、あらゆるビジネス・スタイルに大
あり、このことに多くのユ
ア・パッケージの普及は分散処理や個人利用の道を
きな変革をもたらしている。私は企業間のコンピュ
ーザが気がつくまで、まだ
大きく開くこととなり、お客様サービスの向上やオ
ータ連携に関する標準の必要性に10年以上前から着
時間がかかりそうである。
フィスワークの効率性追求のため、さまざまな工夫
目し、企業間連携標準や手続き、あるいは企業内組
がなされるようになってきた。
織運営に革新をもたらす情報技術の推進に関わって
特に最近の5年間は、コンピュータ技術が通信ネ
窪田 芳夫氏
窪田 芳夫氏
問われるCIOの役割
きた。
ットワーク技術と融合し、利用の形態を革命的に変
経営トップの情報高度化に関する問題認識は経営
えつつあり、社会や経済、家庭やライフスタイルに
問題の中で優先順位が低いことにも関係している。
大きな変革をもたらしつつある。特に、利用技術の
今、世界的に電子商取引の枠組みについての会議が
爆発的な意識改革を促進した技術として米国の軍事
頻繁に開催されており、多くの欧米の経営者たちと
用に開発されたインターネットの普及が挙げられ
懇談する機会に恵まれたが、そこから感じ取れるこ
る。
とは、日本企業の経営トップの人たちにはビジョン
こうした情報通信技術の進展はビジネス・スタイ
が乏しく、企業のビジネス・システムの僅かな改革
ルの変化を促し、また、新たなビジネス・チャンス
が経営効率に大きく貢献することに比較的無関心で
を生み出すきっかけを作り出している。コンピュー
あることである。
タをお互いに連携して利用する形態がEDIとして提
日本企業の中には問題意識を持った優秀な人たち
唱され、企業間で効率良く情報交換ができる仕組み
が多くおり、トップの人たちに理解を求める努力に
としての標準化が進められてきた。
苦労していて、トップとのギャップの大きさに嘆い
ている姿も多く見かける。こうした先行きの見通せ
ないことを先験的に考えるには、柔軟な発想と強い
行動力が必要である。
すなわち、企業間電子データ交換の標準としての
EDI(エレクトロニック・データ・インターチェンジ)、
い込みのビジネス・システムを作り出す発想は落第
企業間でのデータ共有の世界を実現し、品質の向上
である。一時的には他者より利益が上げられても、
とスピーディな経営を実現するためのCALS(コマー
長い目で見ると広い世界から孤立し、逆に取り残さ
ス・アット・ライト・スピード、最近米国では21世紀
れてしまう恐れすらある。
商業という呼び名になっている)などである。
情報利用技術は今後、ますます急激に変化し、さ
企業間連携で一番ネックになるのは企業が持って
まざまな応用を生み出していくと思われる。情勢判
いる固有の文化の相違で、データを交換するための
断を誤り、時流に乗り遅れると、企業の存亡を問わ
入口・出口の整合をとってもビジネスの効率向上に
れる恐れすらある激動の時を迎えようとしている。
寄与することは難しく、ビジネスモデルの整合が大
切になってくる。
こうした活動を通じて、痛切に感じることはユー
しかし、日本においては、掛け声の割には実際の
ユーザ企業でも中途半端な情報システム知識で囲
ザ企業の問題認識の低さである。
進展は大変遅く、諸外国の情報化に対して著しく遅
1つはユーザのベンダ依存が強く、雑誌・新聞の情
れをとっている。金融システムのグローバル化に伴
報で学ぶ割にはいまだにベンダ依存から抜けられな
うビッグバンは金融商品の多様化を促進している反
いこと。2つには、経営者の業務改善努力の認識の
面、企業生き残りのため、さまざまな形での企業や
薄いことである。
欧米の経営と日本の経営で情報化の取り組みが異
なってくる大きな要因にCIOの存在があげられると
思う。日本企業の多くにはCIOは存在しないと言わ
れるほど地位や使命が貧弱である。真に情報技術の
活用を自社にどう取り込み、ビジネス・システムを
どう改革するかを考え、実行することが大切である。
しかし、現実はCIOの権限や存在は薄く、組織や
人材まで改革できる権限をほとんど持っていない。
業務の統合や分割を余儀なくされており、それもほ
日本の情報システム形成にはベンダの献身的な支
また、たとえ与えられたとしても他の部門の力が強
とんど外資系に押しまくられている現状は門外漢で
援が大いに貢献してきたが、ここにきてベンダは多
く、改革の大きな阻害要因になっている。CIO 1人
ある我々にも歯痒く感じられる。どうして、こんな
様な情報通信技術の支援はできても、どのように情
がいればよいのではない。欧米のごとく、CIOが強
に立ち遅れたのだろうか。
報通信技術を応用すると良いかに迷いを生じてい
い権限を持ち、強制的に改善を進めることの難しい
銀行などの金融機関のみならず、日本の多くの企
る。にもかかわらず、ユーザは相変わらずベンダの
日本では、トップの人たち1人ひとりが情報技術を
業では完全な競争状態には程遠い状況にあり、現状
囲い込み戦略の中に満足しているケースが多い。つ
いかに取り込み、いかに改革を進めていくかを素直
維持に甘えてしまう、つまり心の緩みがあったので
まり、安易な道を選択し、苦労して改善し、業務改
に考え、CIOと協力していくことが重要になってく
はないだろうか。
善という勇気ある仕事を敬遠する傾向にあり、トッ
る。
欧米の経営と日本の経営はどちらが良いとは一概
プも認識していない。
に言えないにしても、日本の経営者の多くは横並び
しかも、ユーザの認識は限りない最適な答えをシ
意識が強く、小さな競争は作り出せても、劇的な競
ステムに要求し、それが良いシステムだと誤解して
2
1999年1月1日第453号
そのためにも、CIOは先験的に研究・学習し、多
くのトップから信頼を得ていく努力が必要と考えて
UN
いる。
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて 常識 (当たり前を行うこと)が変革の糧
新日本証券株式会社
理事・システム企画部長
BPRによる業務改革
ビッグバンを迎え証券市場はフェア、フリー、グ
境と市場の速い変化、スピードに追随するには必ず
処理が大きく減少し、帳
しも十分ではなく、新しい発想と技術を取り入れた
票も電子化されて大量印
対応を図らねばならない。
刷作業が不要になる、と
ローバルな真の競争時代に入った。お客様を原点に
まず営業対応のスピードを速め、最前線の営業マ
して、お客様の欲しい商品は何かを把握し、品揃え
ンにホスト・コンピュータの情報を迅速に到達させ
しタイミングよくお届けする、これがビッグバン対
るために情報系の分散システムを新しく導入した。
流通業における概念を採
応である。したがってビッグバン対応とは当たり前
これまでホスト・コンピュータで処理し帳票として
用することである。ロジ
のことを当たり前にやれば良い。こうしたビッグバ
現場に送っていた情報はすべて部門や、支店のサー
スティクスと配送のリア
ンへの対応を含め当社は4年前からBPR(業務プロセ
バに入った。
ルタイム化が流通革命を
岡本 千尋氏
いうものである。
もう1つの発想の転換は
ス改革)に着手した。とくに営業改革を全社的に推
全営業店の1人ひとりに合計3,500台のパソコンも
起こしたが、この発想を
進しているが、これもその本質を見れば常識(当た
導入した。これによって最前線の営業マンの情報の
これからの金融業界の営
り前のこと)を着実に行い、そのノウハウを積み上
共有化と情報の伝達速度の向上、平等性、効率化が
業およびシステム作りに
げていくにすぎない。
実現した。電子メールや電子掲示板の情報は組織の
応用しようというものである。不特定多数の顧客を
岡本 千尋氏
お客様が何を求めているかを聞き、それに合う商
階層を越えて平等に営業マンに到達する。データを
どれだけたくさん、コストをかけずに自社の顧客と
品を提案するというごく常識(当たり前のこと)を着
開放しオープンにすることによって、営業マンはパ
して取り込むかが今後のポイントだが、それにはこ
実に実行するのが当社の営業改革であり、BPRであ
ソコンさえあればいろいろなことをやれる。現場に
の発想が金融業界でも生きてくる。インターネット
る。BPRの基本方針には、業務改革によるコスト半
は情報をどう使うか意欲と知識があるからである。
による商取引やホームトレード、さらに証券と銀行
減、生産性倍増もある。その前提には、時代の流れ
こうした情報系システムの支援で、お客様と営業
のATM提携、郵貯との提携などによって証券会社
は速く、スピードのある対応をしなければ変化に追
マン、営業マンとマネージャとの双方向型のコミュ
の顧客チャネル政策も変わりつつあるが、そうした
随できない、経営のスピードを速めなければならな
ニケーションが実現し、営業形態は大きく変革する。
状況への対応にこの発想は有効であると考えている。
いという認識がある。
支店の現場では、商談ノウハウについての情報を横
展開したり、実際の営業活動の成果の何が悪かった
双方向コミュニケーションの確立がカギ
情報システム部門も意識変革を
か、何が良かったかを上司と営業マンとの双方向で
検証できるようになった。パソコンの中に都度入力
第1次から第3次までのオンライン・システムはコ
これまでの営業は、まず数字ありきで目標が提示
される営業日報を上司が見ることで具体的な指示も
ンピュータ部門が作ってそれを一律な形態で現場に
された。この商品は売れるはずだという思いの下に
出せる。営業マンも目標をもって働きやすくなり成
渡してきた。現場はホスト・コンピュータのデータ
新商品が開発される。これだけ売れるという仮説は
果が上がりつつある。これでビジネス・スピードが
に直接アクセスできなかったし、データベースを操
あったが、その検証手段、評価過程がなかった。目
格段に向上した。
作して自分の欲しい情報を取得できなかった。「デ
標未達成は努力が足りないという決めつけで終わっ
ていた。しかしこれからの営業には営業マンとマネ
ータが壊れたらどうする」「セキュリティが問題」な
データベース更新型システムで自由度を高める
ージャの間のコミュニケーションの活性化と双方向
の会話の成立がキーポイントである。これもまた当
たり前である。
どといって、データを開放しない情報システム部門
はお客さんが誰かを忘れていた。
現在の相場の下でお客さんは何を望んでいるかを
これまでの情報システム部門は、システムはすべ
知り、どういう情報を提供するかが営業の基本であ
て自分で作る、作ったシステムは自分が直すという、
“相場”が相手の証券会社では、どうしても一方
る。これまで上司は営業マンがお客様と交わす情報
自前主義に陥っていたが、ここから脱却しなければ
的な話が多くなる。経済が一方的なアップトレンド
については結果しか見ず、結果としての売上数字し
時代のスピードに対応できない。情報システム部門
にあり、それに乗ることが商売であり、お客様のニ
か念頭になかった。全体のコストは把握しても、営
の役割は現場にとっていかに便利なシステムを作る
ーズであった時にはそれも許されたかもしれない。
業マン個々人はどうかは掴んでいなかった。営業マ
かにあり“自分で”システムを作ることが目的では
しかしこれからは違うということで、社内の意識
ンが収集した情報をどう蓄積すればよいか分からな
ない。
を変えビジネスのあり方を変えることからBPRは始
かった。これらが解消され営業マンの情報を時系列
当社も以前はメーカー・ソフトウェアをカスタマ
まった。まず仮説と検証のプロセスを導入した。ま
的にデータベース化しデータマイニングすれば営業
イズして使用することを当然としてきたが、ここ数
ず誰がお客様でそのお客様は何を求めているかを仮
の確度はさらに高まることになる。
年は、パッケージがあれば業務をそれに合わせて使
説として立てる。それに対する品揃えをして検証に
こうした相互作用を行える会話型のデータベース
入る。そのためには前述の双方向のコミュニケーシ
の構築が経営全体のシステムにおいても、今後必要
それに自社を合わせる。すでに財務・管理会計シス
ョンが成立していなければならない。営業マンがお
となる。これを実現するのが、分散かつ非同期連携
テムについてはERPパッケージに当社の業務を合わ
客様と双方向で話し、営業マンは上司と何が良かっ
でリアルタイムにデータベースを更新する自由度の
せる形で導入した。
たか、何が悪かったか双方向で話す。営業マンは上
高いシステムの構築である。ここには製造業におけ
これからの情報システム部門は「自分が」を抑え、
司との会話で得たものを、あるいはお客様との商談
る組立生産方式の概念が採用される。組立生産では
社内のお客様が何を求めているかを知って支援し、
の経緯を検討して再提案する。
う方向にある。グローバル・スタンダードであれば、
ラインに流れてくる部品を組み立てて製品ができあ
修正・変更の要求に迅速に対応し、お客様である最
このサイクルでの情報をすべて蓄積する。このよ
がるが、我々の発想はその逆で、約定と、お客様の
前線の営業マンと、その先にいる市場のお客様の要
うな仮説・検証過程を経た営業形態に変更しようと
情報をラインに乗せていく。ラインには顧客管理デ
求に応える必要がある。それが体質改善につながる
している。お客様との対話の中で得た情報を蓄積し
ータベース・サーバ、営業管理データベース・サーバ、
ことになる。
仮説・検証のサイクルを回すことでお客様の反応を
経営情報データベース・サーバなどが並んでいる。
さらに良くし、次の提案に情報を活かすことができ
そこに加工し計算した結果を都度トランザクショ
る。さらに的確な商品企画も可能になる。
ン・ベースで処理し情報を蓄積していく。
UN
最後は製品となったデータベースに常時アクセス
双方向型システムで仮説・検証営業を実現
すればよく、必要な情報は各サーバで更新される。
トランザクション単位の処理がなされ情報はリアル
ところが現在のコンピュータ・システムは経営環
タイムに入手できる。こうすることによってバッチ
3
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて 21世紀のネットワーク社会に夢を紡ぐ
株式会社トヨタデジタルクルーズ
社長
急ピッチで進む情報ネットワーク社会
ネジメントへ発想の転換が必要となろう。
速く、使いやすいネット
*オンデマンドの実現
ワークが求められる。
1995年は45万人だったインターネットの利用者は
オンデマンドとは、
“望みのままに”
、という意味
しかしネットワーク社
98年には約24倍の1,100万人に増加し、2000年には
である。かつてビデオ・オンデマンドが提唱された
会を円滑に運営するには
2,000万人に倍増すると予測されている。企業内で
が、技術の制約から市場レベルでは実現しなかった。
改善・改良の余地が大きい
は、ほぼ1人一台のパソコン配備体制も整いつつあ
しかしその発想自体は生活者の要求に根ざしたもの
のも事実である。その1つ
る。
でありニーズは高い。すでにネットワークの双方向
が通信料金の一層の低減
性を利用して通信カラオケが実現しているが、今後
である。例えば85年の
インターネットを基盤として自分で好きな映像を作
NTT民営化時点に比べ100
インターネットの普及に伴い、イントラネットや
エクストラネットの利用も拡大の一途にある。
戸田 雅章氏
電子商取引もいよいよ離陸する時を迎えた。Web
成したり、好きな番組を好きな時間に見るといった
キロ超の国内長距離電話
を使ったインターネット販売の比率は米国では15∼
オンデマンドのニーズに応えたサービスが続々出現
料金は数分の1に低下し、
20%、2000年には30%を占めると予想されている。
するであろう。
さらなる低下が予想され
こうした動きはいずれ日本にも押し寄せてくる。
* 次世代インターネットが実現するニュービジネス
る。それでも需要家側の論理ではさらなる低減努力
戸田 雅章氏
また、自動車の設計・開発、製造工程はもとより
21世紀ネットワーク社会の根幹となるものが次世
が期待されている。またネットワークの高度化、利
販売網もネットワーク化して市場ニーズに即応でき
代インターネットである。これを活用してさまざま
用促進のためには、回線料金を従量制から定額制へ
る体制づくりが進んでいる。米国の自動車業界では、
なニュービジネスが展開されよう。例えば、企業は
シフトすることが課題である。
自動車会社と4万社にのぼるといわれる関連部品メ
もちろん家庭でもごく自然に3次元映像の恩恵にあ
ーカーとがデータ交換するANX(オートモーティブ・
ずかれる。バーチャル・リアリティ技術を活用して、
96年に285億円ながら対前年度40倍の伸びであると
ネットワーク・エクスチェンジ)も始まった。
郵政省の調査では日本の電子商取引の市場規模は
自動車の設計モデルを立体的に確認したり、自宅に
いう。企業間の電子商取引は2002年には7,000億円市
ネットワークの活用によって、情報は社内や取引
いながらにして展示場と同じように新車を見ること
場になるという予測もある。こうした急進する電子
先と素早くやりとりされる。意思決定や受発注にか
ができる。あるいは、あたかも自分がモデルハウス
商取引の世界を無法地帯にしないよう健全に育成す
かる時間の短縮、開発期間の短縮、製造コストが削
の中にいるかのような感覚も味わえる。
るには、さらなるセキュリティ技術の発展が望まれ
減され、ワークスタイルも変革する。そしてネット
時間、空間、距離を超越できることがネットワー
る。インターネット商取引上の脅威には言われてい
ワークを基盤にニュービジネスの創出も今後ますま
ク技術の持つ根源的な利点だが、それを活かしたバ
るように、ウイルス、改ざん、なりすまし、不正ア
す加速される。情報ネットワークは社会、企業活動、
ーチャル(仮想)概念はいっそう高度化される。すで
クセスなど多々あるが暗号技術がそれらを防ぐ中核
さらに個人生活を様変わりさせる。これが21世紀ネ
にEC(Electronic Commerce:電子商取引)においてバ
技術である。高度な暗号技術の開発を期待したい。
ットワーク社会の構図である。
ーチャル企業の概念は実現されているが、次世紀に
さらに重要な点は“安全にはコストがかかる”と
は企業間連携はさらに緊密化されるであろう。これ
いう認識を持たねばならないということである。ネ
を活かして各企業に共通に存在する総務、経理とい
ットワーク・サービス提供者もセキュリティなどの
った機能までが集約されバーチャル総務部、バーチ
付加価値を含めたサービス体系を作り上げる必要が
ャル経理部が出現するであろう。
あるが、サービスの受け手にもセキュリティをはじ
トヨタ情報ハイウエイ構想を推進
当社は、トヨタ自動車およびトヨタグループの企
業通信システムの高度化支援を目指して事業化を進
当社もネットワーク基盤を持つ強みを活かしてグ
めている。事業の核は、トヨタ・グループの情報イ
ループ企業間のサプライチェーン・マネジメント・シ
ンフラとして構築した「トヨタ・グローバル・インフ
ステムの運用管理を担うことも可能である。
めサービスに対して対価を払う認識がさらに釀成さ
れていく必要がある。
ベンチャー精神で“夢をリアルに”
ォメーション・インフラストラクチャ(TGII)」であ
る。これはトヨタ自動車本社、内・外事業所、販売
ネットワーク社会を円滑に運営するために
会社、取引先、銀行、旅行代理店などのオールトヨ
タ・グループ企業をネットワークで結ぶトヨタグル
ネットワーク・ビジネスは夢のある事業である。
産業や企業の効率化を主導したネットワークは家
これを推進するにはベンチャー精神が必要である。
ープの情報の生命線である。その利用企業は、部品、
庭や個人へすそ野を広げた。いつでも、どこからで
今日本では経済の活性化のためにベンチャー企業の
ボディー、設備などのメーカーおよびディーラーな
も、誰でもが情報をやりとりできる情報通信技術は、
育成が急務とされている。当社もトヨタ自動車を母
ど1,000社を越え、我が国最大規模のネットワーク・
SOHOなどの新しいワークスタイルを生み出し、家
体とし“デジタルの海を先頭を切ってクルージング
(図参照)
庭でも電話、冷蔵庫などCPUをもったデジタル家電
(航海)する企業”という思いを込めて立ち上げ、設
製品はすべてネットワーク化の対象となる。ネット
立2年半にして一応の経営基盤を整えた。しかし当
ワークは最重要な社会基盤となり、ますます安く、
社は中核業務に全力を傾注するだけに終わることな
システムである。
ネットワーク技術が拓く新たな世界
く、創業時のベン
トヨタ情報ハイウエイ構想
ネットワーク技術は、21世紀に企業活動や個人生
チャー精神を大切
トヨタグループから個人のお客様まで
活にどのような変革をもたらすか、その幾つかを挙
トヨタファイナンス
銀行
旅行代理店
げてみよう。
*カスタマーインの実現
今後ネットワークを活用して需要動向をいかに速
るかが重要になってくる。これを実現する考え方を
お客様にとっては自分の希望する車が希望する時期
販売店
セールスマン
個人客
の活かし方も供給側主導のサプライチェーン・マネ
ジメントから需要者側主導のデマンドチェーン・マ
4
1999年1月1日第453号
新しい技術、新し
り方を導入し、ア
イデアレベルの夢
TNS・EDI・POS・ホームバンキング
中古車オークション
を現実に具体化し
サプライヤー
に開発され、希望の納期にカスタム化されて手元に
届くことが一番望ましい。それには、ネットワーク
いる。そのためにも
い発想、新しいや
超高速ネットワーク
(TWJ、IDC、地域CATV等)
く把握し、注文に応じたサービスを素早く提供する
トヨタでは「カスタマーイン」と呼んでいる。例えば、
にしたいと考えて
中古車事業者
レンタリース
部品共販
ていきたい。「夢を
実現していく過程
トヨタ自動車本社
東京・名古屋
各工場
海外事業所
インターネット
でチャレンジする
ことを楽しみたい」
と思っている。 UN
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて リアルタイム経営の実践を目指して
豊田スチールセンター株式会社
専務取締役
“データに基づく経営”に徹する
タを集める仕組みを先ず考え、それをデータ化して
費者に渡る間で展開さ
いく、それが当社のやり方である。
れるビジネスの形態、
当社はトヨタグループ各社への鋼材物流基地とし
ての役割を担っている。今、企業スローガンとして
機能、また受発注の仕
鉄鋼サプライチェーンの構築を目指す
組みの中には共通の仕
「21世紀に飛躍する鉄鋼ロジスティクスセンター」を
組みがあるはずである。
掲げ、その実現に向けて取り組んでいるところであ
私は、サプライチェーンという視点から経営を捉
開発を含めたサプライ
る。この構想は、当社を物流センターからロジステ
えることが重要であると考えている。あらゆる企業
チェーンにおいて最も
ィクスセンターにビジネスを変革させ、情報を最大
において重要なことは、お客様のニーズに対して迅
有効な機能や仕組みを
限に活用し、トヨタグループの鉄鋼サプライチェー
速、的確、効率的に、発生源から供給できるリンク
確立することでグロー
ン実現に寄与することを目指したものである。
を構築することである。このサプライチェーンの中
バル・スタンダードとし
このためには、企業のすべての活動において、①
には技術開発も含まれる。お客様の潜在ニーズを探
て機能させることも可
いつ何をしたかのタイミング情報、②量(在庫)の情
り当て、それに応えるような新しい製品やサービス
能になる。
報、③どこで何を扱ったかのロケーション情報、④
の開発が欠かせない。
人・物・金の情報などをデジタル・データとしてリア
岩崎 誠夫氏
岩崎 誠夫氏
情報技術の選択−経営への有用性の視点で
当社でも、お客様と当社、メーカー、商社をつな
ルタイムに取り込み、それを蓄積・分析した上で、
ぐサプライチェーンの構築を進めている。入荷量か
意思決定し、具体的なアクションに素早く移してい
ら製品出荷までの実績データを基に、鉄鋼サプライ
こうした経営の支柱となるのが情報技術の有効活
くことを目指したものである。
チェーンにおける情報と鋼材物流の連携を図り、適
用にあることは言うまでもない。情報技術の選択に
こうしたリアルタイム経営に必要な要件は、現場
正在庫と製品生産の効率化を実現し、トヨタグルー
ついては、情報技術があるから使うのではなく、何
で発生する情報を1件1件ごとに把握する体制を築く
プの鉄鋼サプライチェーンの構築に寄与していく考
をやりたいか、明確な方針があって、それにどのよ
ことである。これらのデータを集計・分析すること
えである。
うな情報技術が適切かを熟慮・検討した上で導入す
で今時点の企業の活動の全体像を把握できる。
べきであろう。私は、新しい情報技術に敏感に反応
変種変量に対応した経営
し、どういう仕組みで、何に使えば有効かを考え、
発想の基本はTQC−“データを分析して語らせる”
こうした発想の基本となっているのはTQCであ
る。「事実をデータで把握しなさい。データを分析
十分納得しない限り使わないスタンスを貫いている。
今の時代、昨日の続きが今日という考え方は成り
これは情報技術活用の視点を「経営に役立つもの」に
立たなくなっている。変化が常態であることを前提
置いているからである。情報は経営全体に役立つも
にした企業経営の構図を描く必要がある。
のでないと意味がない。
した上で物を言いなさい」ということである。特に
大量生産・大量販売から多種少量へ、そして今や
現場には「何時間かけて何をどれだけ作って、どの
変種変量である。この変種変量に対応することで、
てくる。テレビ放送のデジタル化、光ファイバー網
くらいのクオリティなのかをすべてデータをもとに
生産機種や生産量の変動があっても柔軟に対応でき
の普及、電気自動車の普及など、いろいろな分野で
分析しなさい」と強調している。それらのデータと
る仕組みを作ることができる。設備をユニット化し
新たな変化が起こってくる。中でも大きな変化は情
会計データなど企業の諸活動のデータとを結合して
それぞれの生産規模・機能に応じて柔軟な生産ライ
報技術であろう。今の延長線上で変わっていくもの
有機的な活動体としての企業全体が見えるシステム
ンを作っていく。システム開発で用途と規模に応じ
もあろうし、大きなブレークスルーが出てくるかも
を作りあげようとしている。
てパッケージを自在に組み合わせていく考え方と同
しれない。次世代インターネットをはじめとする情
じことである。これは設備面だけでなく人材登用面
報ネットワークの進展、マルチメディア技術の進歩、
でも当てはまる。
デジタル化の進展など、情報技術は急速に進歩する。
人・物・金という経営資源のすべてについてデータ
で把握して、そこから経営判断をしていく上で、と
りわけ重視しているのが管理、間接、営業などの部
変種変量に対応した経営には、常に全体を把握で
門を含めた全社員のジョブ管理である。出勤から帰
きる仕組みづくりに加えてグローバル・スタンダー
社するまでの行動、プロジェクトに要した個々人の
ドへの対応が重要な課題となる。世界中で年間10億
工数などをデータベース化することが、人という経
トンにのぼる鋼材がさまざまなチェーンを通じて需
営資源の有効活用の基本になる。その上で、新しい
要家に渡っている。メーカーから最終製品として消
技術を開発できる創造力ある人材育成も重要課題と
なってくる。
21世紀初頭には、いろいろな面で大きな変化が出
それをどう経営に活用していくべきかを真剣に考え
ることが経営者の責務の1つであろう。
21世紀の社会生活の3大要素は“動・信・情”
人間の生活に必要な3大要素は衣食住で
鉄鋼ロジスティクスセンターの位置づけ
鉄鋼サプライチェーン
鉄鋼メーカ
需要家
商社
が加わってくる。
発注
データ・ウェアハウスの構築
−行動につながるデータを求めて
内示
“動”は移動を意味する。人間は1カ所
にとどまることはない。移動が生活の重
発注支援
内示
入荷
豊田スチールセンター
日々の企業活動をデータで把握することで適切な
船積み
かんばん
注文
〈鉄鋼ロジスティクスセンター〉
判断が格段に速く下せるようになる。その次の問題
出荷
ェアハウスの構築である。通常のデータ・ウェアハ
日常管理
最適化計画
媒体を通じて情報が提供されているが、
仮説検証
W
e
b
DM
を先ず決めて、そのために必要なデータを収集する
ビジネス・プロセス
DM
動・信・情が生活の重要な要素となる。
DM
そこで、動・信・情のニーズに的確に応
統合DWH
情報システム
えるサービスや製品を提供できるかが、
・経営情報系・基幹業務系
・オフィス支援系システム
21世紀にはばたくための1つの課題であ
り、発想の転換こそがその課題に応える
所在情報を把握しているのもそのためである。目的
を明確にし、その目的を具体化する上で必要なデー
人間は情報がないと生きていけない。こ
のように21世紀には衣食住だけでなく、
ウスは、既存のデータを取り込んで、いろいろな観
ことから着手している。例えば、在庫品1件ごとの
報交換)を意味する。人間はいろいろな形
る。
“情”は情報を意味する。さまざまな
最適化
それを意識して開発を進めているのがデータ・ウ
想である。我々は、その逆の発想で、どうしたいか
要なファクターになる。
“信”は通信(情
で情報交換したいという欲望を持ってい
経営意思決定
はそれをどうアクションにつなげるかである。
点から分析している。つまり“データありき”の発
ある。21世紀には、これに“動・信・情”
DM:データ・マイニング
UN
鍵ではなかろうか。
5
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて 企業経営環境と情報システム部門のあり方を巡って
株式会社ニチレイ
経営企画部長
自社革新競争の時代に
があるかのような組み立てになっている。さらに問
く、利用者がシステムを
題は社内の人材にもある。企業組織にべったり依存
活用するにあたってのサ
企業社会の競争ルールが大きく変化している。そ
した社員ではなく、組織から自立した上で、外部と
ポートの有り様で評価さ
れは国や地方レベルあるいは業界レベルなど、いろ
の関係をさまざまなルートで確保し、外部情報を積
れるように変わりつつあ
いろな形でコントロールされていた市場が消滅し、
極的に取り入れ活用する社員が求められている。こ
る。比喩的にいえば、バ
厳正な市場原理が支配する競争が始まったことを意
れらを実現できる企業こそが厳しい競争に勝ち残る
スにユーザを乗せて目的
味する。競争はグローバル化・大型化し、異業種間
ことができるのではないだろうか。
地まで行くのではなく、
でも連結ベースを前提にした資本コストでの競争が
ネットワーク型システムが必要に
始まっている。
このような環境下、各企業はさまざまな改革に取
浦野 光人氏
教習所のように自動車の
運転の仕方や道路地図の
見方は教えるが、目的地
り組んでいる。思いつくままにあげてみれば、フラ
そのインフラとなるのがネットワーク型の情報シ
ットな組織での意思決定のスピード化、フルセッ
ステムである。それは既存の仕事の流れを汎用コン
ト・自前主義による総合経営からの脱却、人件費を
ピュータで忠実にトレースして生産性を上げてきた
さらにシステム設計やプログラム開発、ホストマ
はじめとした固定費の変動費化、アウトソーシング
システムではない。またスタンドアロンのパソコン
シンの運用やネットワーク管理などの業務をアウト
の拡大と多様化等々である。すなわち、ごく当たり
のように1人ひとりの既存の仕事の生産性を上げる
ソーシングしていくことが常態化すれば、情報シス
前ではあるが、21世紀に向けた企業間競争は、この
だけのものでもない。時間と距離と組織の制約を取
テム部門は利用部門の中に吸収されていくことも十
ような自社革新競争から始まるということになる。
り払ったコミュニケーションがそこには存在する。
分に想定されるところである。
まで行くのはユーザであ
浦野 光人氏
るということになる。
自社革新の過程で情報システムや情報ネットワー
そこには組織全体の生産性向上の可能性が見えてく
普通の企業にとって情報システムは目的ではなく
クが果たす役割の大きさに異論を挟む人は少ないで
る。今や組織にとって、異質の情報や人材を受け入
単に手段である。手段であれば情報システム部門が
あろう。ここでは企業の人的資源に焦点をしぼりな
れ活用することが組織の創造性を高めることになる
消えてしまっても何の問題もない。しかしやはり情
がら情報システムや情報ネットワーク、企業におけ
ということが常識になりつつある。そこで活躍する
報システム部門はあった方がよいと考えている。日
る情報システム部門のあり方について考えてみたい。
情報技術はインターネットやグループウェアさらに
進月歩の情報技術を捕捉し、企業にとっての新しい
はデータ・ウェアハウスである。
利用方法を企画提案する人材は企業内に必要であろ
これから求められる人材像
汎用コンピュータの導入とその規模拡大に合わせ
う。もちろん多くの人員を必要とするわけではない。
て成長してきた企業の情報システム部門の役割がこ
コンピュータを自己革新の道具に
これまで日本の企業の多くは長期安定雇用を前提
のような状況下で変わるのは当然のことである。自
とし、人材開発への投資を積極的に行ってきた。人
社の事情に合わせた独自性の高いシステム開発とい
材をいわば固定資産として重視し、情報・知識・技術
う仕事は、企業の内部では専門性が高く聖域扱いを
ところで、現在コンピュータは人間の思考を革新
といった情報的経営資源を企業の内部で開発・蓄積・
されてきた仕事であった。それだけで情報システム
する新しい道具として使われ始めている。私はこの
囲い込むことによって成功体験を重ねてきた。そこ
部門存在の価値があった。利用部門はこれを決まっ
視点で多くの企業人がコンピュータと接して欲しい
では企業の中心的な人材は、組織内部の情報に通暁
た手順でありがたく使わさせてもらっていたのであ
と考えている。1人ひとりが個性的に自己革新して
し、それをコントロールできる人であった。ところ
る。
いかなければ、企業革新も実現しないのではないだ
が企業をとりまく環境が激変し、従来の成功体験や
ろうか。企業外部の情報に積極的にアクセスし、そ
発想が全く通用しない時代になってきた今、このよ
れを組織内に取り込み活用するためにも外部への情
うな人材囲い込みの当否が問われている。つまり、
報発信能力が問われることになる。ネットワーク社
従来のようにすべてを内部で開発したり、処理しよ
会では、自らは沈黙し、情報だけを取り続けること
うとすれば、時間的にもコスト的にも競争に勝てな
は許されないであろう。沈黙し続ける人は、存在し
い局面が多くなってきたということである。
ないと同じであると考えた方がよい。自分の持って
いる情報が他の人の役に立つと思ったら直ちに発信
するという習慣が求められる。
それでも現在の企業人に多くを期待することは難
しいかもしれない。とすれば企業人予備軍である学
生・生徒の皆さんに期待をかけることになるのであ
るが、それにしてはいまの学校教育は若干心許ない。
パソコンの学校での普及率はどんどん高まるであろ
うが、問題はその使われ方である。パソコンの操作
教育だけに終わることのないようにしていただきた
いものである。パソコンを利用して何らかの課題解
決を体験するといった教育をして欲しいと願わざる
変貌する情報システム部門の役割
を得ない。今の学校教育全般に問題発見とか課題解
決といった教育体系がほとんどないという話しを聞
しかしインターネット、グループウェアやデー
タ・ウェアハウスはそうではない。これらは何を作
くにつけ心配が募ることである。
◇
るかではなく、どう作るかでもなく、どのように利
なかなか霧が晴れない経済情勢がまだ当分続きそ
企業が新しい方向へ一歩踏み出す場合に必要な情
用するかがより問題なのである。利用のあり方は業
うであるが、内向き・下向き・後向きはやめ、明るく
報・知識・技術は、決して内にだけあるのではなく、
務の内容や個人のレベルに合わせて多種多様であ
外に顔を向け、上を向いて、前向きに挑戦していき
むしろ外により多くある。にもかかわらず多くの企
る。こうしたことを踏まえれば情報システム部門の
たいものである。自己革新の道にも企業革新の道に
業の情報システムは、あたかも社内に情報のすべて
役割は、もはやシステム開発に重点があるのではな
も決して終わりのないことを覚悟しつつ。
6
1999年1月1日第453号
UN
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 1
異見・卓見―パラダイム変革に向けて 生活者に「あんしん」と「夢」を提供する
株式会社am/pmジャパン
取締役
変革期を迎えるCVS業界
るものである。
実現するための仕組みと
ISO14001への取り
今、CVS(コンビニエンス・ストア)業界は質的に
大きな転換期にある。
野村 和夫氏
してのデータ・ウェアハウ
組みの成果が、塩化
スも構築している。
ビニール包材の廃
これからは、デリス便
総店舗数は1982年の1万8千店舗から現在約5万店
止、フロン使用の全
を通じた“個”の情報を
舗に増大している。毎年3,000の新規店舗が誕生し
廃であり、駐車中エ
収集し、その分析情報を
1,500店舗が閉鎖し、年間1,500店のペースで純増し
ンジン停止の呼び掛
ている。ある調査では7万店まで増大すると予測さ
けなどに取り組んで
れているが、こうなると質的な低下が懸念される。
いる。
活用することがビジネス
「ISO14001」取得認定書
の要になっている。デリ
ス便を利用している顧客
店舗数は、大手10チェーンで62%のシェアを占め
また、LifeLine On Demandを具現化したサービス
寡占化が進んでいる。さらに、競争激化に伴い、独
の1つが、電話1本でam/pmの店舗の取り扱い商品
購買頻度を組み合わせた
力での繁栄は困難になり、単独店からチェーン店舗
をお届けする「デリス便」である。これは働く主婦の
分析によって新しいマー
への移行が顕著であり、運営形態もフランチャイズ
増加や高齢化社会に対応して生活者に応えた新しい
チャンダイジングを展開できるような仕組みが必要
化が主流を占めるようになっている。
の属性情報と購買商品、
野村 和夫氏
サービスで、一人暮らしのお年寄りや身体の不自由
である。また、その先の段階では、顧客がどの段階
一方、1店舗当たりの人口は91年に3,400人であっ
な方、乳幼児を抱えたお母さんをはじめ幅広い年齢
で商品を購入するのかも感知できるような“ご用聞
たのが、95年には2,700人に減少し、売上低減をも
層の方に支持されている。デリス便の導入店舗は現
き”のシステム化が必要になる。これもすべて生活
たらしており、運営力も厳しい時代を迎えている。
在関東全店の3分の1を占め、会員数は25万人にのぼ
者の「あてにされる・たよりにされる」存在でありた
っている。
いというam/pmの思いが込められている。
今ままでの販売のやり方ではお客様は納得して購
買しなくなってきており、CVS業界は新たな対応に
迫られている。
今、店舗数は首都圏を中心に1千店舗を超え、1日
90∼100万人のお客様に来店いただいている。
こうした店舗活動や企業活動そのものが今までの
社会的使命の追求を前提にしたビジネス展開を
CVSチェーンと違っている。高度成長、バブルを経
また、店舗とデリス便の購買データを組み合わせ
ることで、購買者全体の生活像を描き出すことがで
き、その中で本当に“個客”に必要な商品と量を揃
えることが可能になる。
て、経済・政治・生活環境は変化している。この変化
am/pmでは、こうしたCVS業界の変革、特に競争
に対応して新業態を形成する必要がある。
21世紀に向けた新事業の創出
激化のCVS産業から脱却して新しい業態を創出する
ことで、この難局の時代に対応している。
当社は石油元売りのジャパンエナジーを母体とし
“個客”の「あるといいながある」実現に向け
“個”の情報を分析し新しいマーチャンダイジングを目指す
て発足した。石油という基幹エネルギーを提供する
立場から、産業界だけでなく個人や地域社会に貢献
するという社会的使命の追求が大前提にあり、CVS
業界にあってもこの考え方を生かしていくのが我々
のビジネスのスタンスである。
am/pmが提唱する社会的使命は、必要な場所で、
高度成長、バブル経済に裏打ちされた物質重視の
生活から、これからは精神文化に近いところへシフ
トしていくであろう。同時にこのままの生活でいい
こうした事業運営には、情報の利活用が不可欠と
なる。
のかという見直しがなされていく。「安くするから
たくさん買ってね」という発想では流通業の大半は
一般に今までのCVSの経営は顧客のニーズ、動向
などにいかに応えられるかが重要であるといわれ、
生活者から不要とされる。小売業の役割を見直すべ
きときである。
そのために販売動向、商品分析などをPOSデータに
消費構造の変化に対応した経済構造が必要である
必要とされる商品やサービスを提供する「LifeLine
よって判断してきた。しかし、これは不特定多数を
にもかかわらず、いまだ変わっていない。生活者の
On Demand」の実現に置き、生活者に「あてにされ
販売側が意図して売りたい商品の販売傾向を予測し
不安感はますます強まってくる。大企業の倒産、リ
る・たよりにされる」存在でありたいと考えている。
て、売れ筋/死に筋を見極める、いわば仮説を検証
ストラによる失業者の増加、年金制度の改革など、
この使命実践の前提となるのが「E志向」である。
するデータでしかなかった。
明日への不安が充満する社会では消費も低迷せざる
E志向とは、Ecology Earth Effortのことで、「本部、
am/pmでは、生活者に本当に必要なものを提供
をえなくなる。こうした不安を取り除き生産と消費
店舗が協力会社や周辺の生活者と協調し、環境に良
する、すなわち「あるといいながある」に応えるため
の循環を作ることは、社会の構成員の1つである企
い、身体に良い、地球にやさしい、を常に考え実行
のデータの収集と分析に基本をおいている。これを
業としての使命ではなかろうか。
し続ける企業を地域社会とともに目指す」ことであ
21世紀に向けた新事業コンセプト
金融不安には実需のある事
業、高齢化社会には働く場所の
り、このコンセプトを商品開発や店舗づくりの際の
創造、余暇の増大にはコミュニ
基本にしている。
金融不安
「E志向」をチェーン展開の根幹に据える
の低年齢化には親子が対話する
経済成長の鈍化
実需のある事業
am/pmでは、E志向を具現化させた、合成保存料、
合成着色料を使わずにフローズン化し店頭で解凍す
安心して買物が
できる“足元”を照らす
事業の開発
土地神話の崩壊
らしたり、環境に良い素材を使用するオリジナル商
品群で、これを開発提供している。さらに環境に配
慮したE志向のチェーンづくりを今後もさらに広
げ、継続的に発展させていくための手法として、環
高齢者の働く
場所の創造
am/pmの社会的使命
E志向の実践
環境問題に対する
啓蒙活動の実施
環境問題の深刻化
*生活者に密着した業態であるがゆえに、生活者
が現在抱えているさまざまな不安・不満・不便を
解消し、生活の維持・向上に努力し続けていく。
親子の対話する
時間・テーマの創造
ャイジーを除くすべてのフランチャイズ店舗、直営
非行の低年齢化
時間・テーマの創造、環境問題
にはE志向の実践と環境問題に
対する啓蒙活動、経済成長の鈍
化には事業の開発などなど、こ
am/pmは生活者へ
「あんしん」
と「夢」を提供する
境マネジメント・システムに関する国際規格
「ISO14001」を取得した。これは、エリア・フランチ
高齢化社会
将来に対する不安や不満が蔓延する中
る「フローズンとりたて弁当」の開発提供をしたり、
「あんしん二重丸」というシリーズは添加物を極力減
ケーション・仲間づくり、非行
うした活動を通じて、21世紀の
明るい社会づくりに貢献してい
コミュニケーション
仲間づくり
時短による余暇の増大と
所得の横ばい傾向
きたい。
そして、こうした事業活動を
通じて、より生活密着型のサー
ビスや商品開発を進め、コンシ
ューマ・ダイレクトを実践して
UN
いきたいと思っている。
店舗、本部全部門、全支店、研修センターで適用す
7
お正月にふさわしい、明るく楽しい夢を、北から南からご寄稿いただきました。
(掲載順不同)
釣りのススメ
今年は2級を…
サンワード貿易(
株)
システム開発課
副長 斎藤 聖一
氏
最近、夜の海に
出かけたことが
ありますか?
恋人と2人寄りそ
って歩く夜の砂浜
。それはそれで、
ものなのですが(
とてもよい
そぉ言えば、しば
らくそんなことが
な
いなァ…)
私が最近、癖になり
。
そうなくらいハマ
ッテいるのが『夜
っ暗闇の防波堤
釣
り』
。真
の先端で見る近
郊の都市の夜景
、空には降って
きそうなほど沢山
の星のきらめき。そ
んな静寂のなか
と、昼間の会社
1人でいる
での疲れなどふ
きとんでしまいま
す。
『夜釣り』もさる
ことながら、小学
校4年生の長男と
りもまた格別です。
の週末の釣
世のお父さん諸
君!「子は親の背
を見て育つ」とは
ますが、ここでと
よくいい
っておきの背中の
見せ方をお教えし
男のたくましさ、
まし
ょう。
カッコ良さ、そし
て優しさを一挙に
見せられる
のが『釣り』です(
なかなかうまいこと
言うもんだ)。
そんな私の今年
の夢は…そう、
少
しでもそんな背
中を見せられる
父親
になることです(
ついでにデッカイ
魚
を釣ることも…こ
っちが本音かな
)。
夢
コンピュータの
ター
ピュータセン
(株)廣屋コン
山中 光氏
人力俥
で京
都観光
(株)九
州銀行
事務企
画課 主
任 沼
波 龍也
氏
うち、今の季
の数ある趣味の
ライブ等々、私
ド
、
り
釣
ス
バ
今でこそ
、
キャンプ
でしょう。…と、
、それはスキー
ば
え
い
と
の
いに
る
節に最も燃え
少年をスキー嫌
出会いは12歳の
の
そ
、
も
私
の
う
言
くなっていた私
胸を張ってこう
、スキーとは縁遠
後
の
そ
。
た
し
ので
たサークルでの
させる悲惨なも
生のときに行っ
たのは、大学1年
っ
わ
変
く
き
大
面白いじゃん」
考えが
う理由か「結構
のときは、どうい
こ
。
た
し
で
行
日を境にし
スキー旅
た。そして、この
成長していまし
は
私
、
で
ま
に
なるよう
と思えるほど
なら時間がなく
になって、本来
人
会
社
。
た
末に
し
て私は変わりま
てもいられず、週
ると、いてもたっ
入
に
耳
が
り
便
になっても、雪の
いました。
っている自分が
しずつ上達して
はゲレンデに立
えるにつれ、少
立つ回数が増
に
デ
ン
レ
ゲ
の私です。
て
こうし
る、というのが今
のめり込んでい
に
ー
キ
ス
す
ま
て知り合っ
いき、ます
ーネットを通じ
最近ではインタ
会も多くなり、
レンデに立つ機
た友人たちとゲ
年は友人の輪
る一方です。今
楽しみは増え
もチャレンジし
、2級の検定に
をさらに広げて
っています。
てみようかと思
私は銀
行員にな
る前、京
も本業
都で人
ではなく
力俥を引
、
学
生時代
いていま
話です。
の「人力
した。と
しかしな
俥友之
いって
がら、大
会
人力俥
」という
学卒業
を引く機
サークル
後は一
会などま
での
度も京都
ったくあ
私の夢は
を訪ね
りません
、娘と息
ておらず
。
子
、
そ
市内を観
して妻が
光するこ
乗った人
と
力
で
俥を引き
す。季節
出川の
母校を出
は秋。コ
、颯爽と
京都
発し、銀
ースは洛
ン)
閣寺、南
東。まず
、八坂神
禅
は烏丸
社、平安
寺、清水
今
神宮を巡
といった
寺(ここ
り、後輩
ら辺で
内容で
U
す
た
タ
。
ちが出
ー
車社会
ることな
迎える母
に生まれ
く人の力
校に戻る
育った子
でどれだ
供
銀行で
たちに、
けできる
も機械
機械に
かを教え
化が進
頼
たいと思
み人員
っていま
の削減
に満足
す。
が行わ
感を与え
れていま
られるの
すが、顧
ことを忘
は機 械
客
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で
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だという
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小林製薬(株)
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の
初
最
当 時こ
世界
年に当たります。
目の記念すべき
年
50
は
年
今
使って
で計算して
ですが、私が今
間かかったそう
時
70
約
に
の
る
8分
れを計算す
を計算するのに
Hz)では100万桁
(PentiumII 266M
タ
ー
ピュ
コン
いるパソコン
、
ないことですが
今さらいうまでも
。
ん
せ
ま
り
か
か
も
は驚かされます。
たとい
の進化の速さに
ャンピオンを破っ
がチェスの世界チ
タ
ー
ピュ
コン
、
かる
一昨年
あと20年くらいか
が、将棋のほうは
た
し
ま
なり
に
の
題
うことで話
多くなり、21世紀
に組み合わせが
ら
さ
、
ると
な
に
ようです。囲碁
ます。現在の
ろうと言われてい
実現しないであ
ているも
中頃ぐらいまでは
2級の認定を受け
トではアマチュア
フ
ソ
コン
ソ
パ
の
ます。頭
囲碁
時間の問題であり
なるのは、もはや
く
強
り
よ
私
、
が人間
のがあり
いてコンピュータ
われる囲碁にお
思
と
峰
高
最
私
の
脳ゲーム
ともに歩んできた
は、コンピュータと
こと
つ
勝
に
者
持
のタイトル保
に実現するか
が生きている間
夢であります。私
にとっての大きな
MUSのデキャ
の時に買ったCA
んが、新婚旅行
せ
ま
り
か
わ
か
う
ど
ずに待っています。
にずっと封を切ら
め
た
の
日
の
そ
ンタを
8
1999年1月1日第453号
我が故きを温め、
知ったこと…
ぴあ
(株)
業務設計部 辻 葉子氏
久々の部長勅命
だと思いきや「新
年の抱負を書
傍らには 滅
け」。抱負ぅ?
多に見られ
ないユニシ
スO氏の満面
笑みがある。
の
…… 。
とまぁ経緯はど
うあれ私は、新
年に当たり抱負
立場となってし
なるものを語る
まった。新年だ
しなぁ、多少は
虚空に視線を
偉
ぶらんとなぁと
漂わせること数
分。そうだ、若
頼ろう。温故知
かりし日の自分
新、昔の人はい
に
いこと言う。ま
うが…などと自
ぁ多少、意味は
画自賛(自暴自
違
棄?)し、仕方
ないので実家か
卒業文集やら日
ら
記やらを取り寄
せた。
数日かけてそ
れらを紐解い
た。我が故きを
そう言えば昔も
温め知ったこと
私は目標など掲
。
げる人間ではな
やりたいこと、
かった。その時
火のついたこと
、片っ端からや
程管理の杜撰
っつける。今の
さもやはり…。
工
結論。今年こそ
「目標に対して
努力し実現す
ける」。そしてそ
る態度を身に
れ自体が今年の
つ
目
標…あぁ小学生
囲は歓迎ムード
並(なのに周
。そんなに手を
焼かれていたの
か?)。
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
に向かって
小さな夢(目標)
200 0年対 応に 取り組む
(株)ひのや
財務部 情報システム課 係長
鈴木 直樹氏
今年こそは
新年あけましておめでとうございます。
いよいよ、今年は1 999年、来年は2 000年で す。情報シ
ま
ステム部 門で仕事をされている方でしたら、お分かりかと思い
ま
てしまい
っ
1年を切
、
すが、2000年 対応を完 了させる期日が
々が
業の日
した。当 然、我社でも対応作 業に追われ、毎日残
続いていますので、女房には 、「家は母 子家庭 みたいだね」とい
やみを言われる始 末です… 。
は
そんな私 が今年 描いている夢(仕事をする上 での目 標)
行く事
族旅行に
らいの家
(?)、2泊3日く
家族サービスを兼 ねて
そこ
です。子 供も遊べ 、温泉等で 夫婦がのんびりでき、料理が
そこの金 額でおいしいものが食べられれば( 地ビ
ールや地 酒がおいしければ 、尚)、申し分ないで
すね。こんな小さな夢(目標)ですが、夢に向か
って、早く200 0年対応を終え、定時で 帰宅でき
る日を夢 みながら、頑張っていこうと思います。
利用
者
考え の立場
る余
で
(株
裕を
)新潟
県農
協電
算セ
長 ンタ
野口
ー
二郎
新年
氏
あけ
ま
運用
部次
してお
近年
めでと
、CP
Uの性
うござ
格化
能など
います
が進
み
。
が
、
企業・
飛躍
今や
的
企業
個
に向
人に
の
上
あ
おけ
なって
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らゆる
る普
た、パ
いる。
分野
及率
で情
ソコン
は目
システ
報処
を
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見
理技
ムの
張
価
る
作成
術は
ものが
製品
必要
者・運
に関
ある。
不
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用
可
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欠な
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大い
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時代
得に
に関
に
励み
上、最
心を
して技
、シス
持
新
ち
の
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、
術者
シ
ム
日
ス
構
々
は、最
テム動
築に
進歩
が最
生か
する
新の
向や
高の
してい
情報
機械
新
喜び
技術
と
で
か
ソフト
しか
あ
な
の
る
け
し、多
知識
。
ウェア
れば
ならな
くの利
でシス
手は
どうか
い。そ
用者
テム構
はそ
という
「制
築
を行
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ことの
限事
う
こと
も自
項で
方が
分に
できま
と言う
重要
とって
せん
な
前に
こ
便
とで
」
「開
、どう
利か
うした
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ケジュ
うに思
利用
勝
載で
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う。す
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に喜
にも)
関係
ぐ
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に
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、
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って、
に利
理で
今年
用者
喜ば
のか
す…
もご指
の
れ
、
」
こ
立
る
の機
導よろ
場で
システ
能はど
物を
しくお
ム構
考えら
築・運
願い
れる
申し
用
に努
余裕
上げ
めて
ます。
いきた
い。
l」
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i
l
i
「めざせ、B ノロジー・インテグレイタ
ータ・テク
術G 課長
(株)コンピュ
部 基盤・新技
業
事
術
技
ム
システ
川瀧 民子氏
、
g today?
ったけれど
are you doin
せるようにな
Hello! How
何とかこな
れ
ら
ら
な
け
度
か
程
会話
行先で話し
こんな、日常
ません?旅
たらな
いいと思い
ら
た
せ
話
と歯痒さっ
ときの努力
もっともっと
る
す
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う
よ
け
な気持
なくて惨め
語で話を続
て、片言英
会話が通じ
ら
た
せ
話
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れに、もう少
いです。そ
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・・
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い
ペラになって
もな
「英語ペラ
に
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ちになること
た
る
く
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行に出て帰
( やっぱり
なーんて、旅
も入れたし
送
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星
録
衛
も
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、VIDEOに
帰ろう!)
やる!」と決
たし(基本に
っ
にウォ
買
も
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ス
を聴くため
NHKのテキ
語のテープ
英
、
)
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しが大事よ
活用!?)け
たし(繰り返
効
有
の
間
時
買った(通勤
しょうか・・・。
ークマンも
らないので
治
は
主
行に行かな
坊
3日
の
来
え る 年 。旅
ら
ぱり生
も
が
暇
休
国際人に
0年勤続の
うに な って
今 年 は 、1
と 話 せ るよ
っ
も
、
は
NHKテ
今 年 こそ
に 、今 年 も
くっちゃ 。
らな いよう
わ
終
で
夢
ーー!!!
なるん だ ー
ーっと。
キスト 買 お
(株)KG情報
電算課 中谷 和則氏
草野球を初めてはや3年、負け
越し続きの弱小チームの一員で
す。
私は投手から捕手から外野から
宴会幹事までこなすオールラウ
ンド・
プレーヤーで、華麗な守備で相手
チームを魅了します、と言いた
い
ところですが、現実はお笑いプレ
ーの連続で相手チームに貢献し
て
います。やはり練習しないと上
手くなりませんね
(当たり前だけど)。
で、タイトルの「今年こそは」につい
て何を目標にしているのかと言
いますと、まずは草野球大会1回戦
突破!相手チームを唸らせるほ
ど
のバッティングでタイトルホルダー独
占、軽快かつ華麗な守備で失策
の激減というところですかね(で
も練習しないとね∼)。
年 齢も30を 超えると体も思う
ように動 いてくれ ない けど 気
持ちはまだまだ 2 0 代 前 半 。気
持ち だけ 前に 出 て 体 が つい
てこないということに ならない
ようにシ ーズンオフは 体 力
づ
くり頑 張 るぞ!怪 我も 恐 い
しね 、それと、タバコ少し 控
えようか な・・・。
ホームページ事始め
福島県二本松市
総務 部 企画 主幹 兼情 報管
理係 長
阿部 実 氏
平成 10年は、ホームページに明
け、暮れ た1 年でした 。
情 報 機 器 素 人の 私が 今の 情
報 管 理 係に 配 属になって2 年
目、パソコンとは 何ぞ やから始
まったホームページ作 成でした
。
市 民の 代 表を 加えた作 成 検
討 委 員 会に おいて、サー バを
導入して 手作りのコーナーも設
けることとなり、さらには 開設
を
1カ月 早めるようにとの 天の 声も
加わりましたが 、各方 面からご
協力 いただき、9月に開 設に
漕ぎつけました。
幸 い 内 容も 豊 富 で、市 民
が 参 加 できる頁 もあ った こと
から か 読 売 新 聞 にも 優 良
ホー ムペ ージ として 取り上
げて
い た だきまし た 。
アドレスはhttp ://w ww. city .nih
onm atsu .fuk ushi ma. jpで す。
開 設 後もアメリカ 人 英 語 指
導 助 手 の 女 性と英 語 で 意
見
交 換を 行うなど の 新 企 画に
取り組 んで おります が 、今
年は
さらなる充 実を 目 指してまいる
所 存で すの で、この 場を お借
り致しましてご 一 読 のうえの
ご 批 判を お願 い申し 上げ ます
。
9
「鬼に金棒」の
情報システムを目指して
今年こそは
リピ
ーター
(社)
日本自動車
連盟
(
JAF)関西本
総務部 人事
部
課 根木 美
香子氏
ダイハツ工業(株)
氏
情報システム部 秋山 美葉
新年あけま
しておめで
とうごさいま
す。
例年、年末
からお正月
3が
日は田舎の
のんびりと
実家で
過ごします
。
通勤ラッシュ
・渋滞・仕事
のストレス、
忘れるには
これらを
田舎が一番
です。実家
の母に「ジス
トラ
(リストラ)
って何?」と
聞かれたと
くづく「田舎
きには、つ
っていいな
ぁ」と感じま
した。もちろ
ん、田舎に
だって不景
気は存在す
るのですが
情報があふ
、
れている都
会とは異な
る空間のよ
です。
う
海外に行っ
てその国の
空気を感じ
がいいです
るのも田舎
ね。かつて
行った南仏
の小さな町
プロバンス
やバリ島の
不思議な村
。もう一度行
きたいと思
う所です。
今年は是非
リピーターと
して旅行し
たいと思い
ます。
まずは、新
年からその
資金づくりに
励みます。
ク
バン
ト
ー
イベ
氏
浩司
プラ 行
この
て配属され、6年になりますが、
情報システム部に新入社員とし
。
す
しいものがあったように思いま
期間のパソコンの進化には目覚
者の 私が 思わ ず尻 込みして
入社した 当初は、パソコン 初心
て
M S - D O Sのコマンドを入 力し
しまうようなモノクロの画 面に
出
飛び
まで
や音
当たり前 で、動画
いたのに、今はカラー画 面は
年
数
この
事が
ら、夢のような出 来
してしまう!当 時から考えた
いことだと思 います。
で実 現されてきたことは、すご
業としな いユーザ 部 門 の 人に
し かし 、情 報システムを 生
の
報 教 育を 受 講しても、最 新
とってはどうなの でしょう?情
」
すい
いや
「使
当に
用しても、本
技 術を 駆 使したシステムを 利
ょうか?
と実 感してもらえているの でし
はないでしょうか?
状で
が現
と言い切れないの
「Yes」
な情報教育を実施し、ユーザ
う
よ
る
き
ユーザの苦手意識を克服で
乗効
ば、現在のパソコンの技術と相
が満足できるシステムを設計すれ
か。
う
ょ
でし
ない
では
るの
構築され
「鬼に金棒」の情報システムが
果で、
大変
う
とい
、
なる
テム・クリエーターに
このようなことが実現できるシス
いただきたいと思います。
せて
にさ
大きな夢を、私の「初夢」
。米
です
阪
銀
ること
村
百五
ンす
、無店
)
副長
ープ
れば
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銀行
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銀行
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urasa
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H
*
犬とチャンネル争い?
(株)紀陽銀行
事務統括部 システム企画課 副長
花田 成人氏
最近パソコンを衝動買いしてしまった。音声でパソ
コンを操作でき
るソフトが発売されたのが原因である。思い起こせば
10数年前、初
めて見たOAショウで音声認識と手書き文字認識の
デモを見てから、
その衝撃が記憶に深く刻み込まれていたのかもしれな
い。いずれ商
品化されるとは思っていたが、個人でも購入できる価格
で発売され
たのはやはり衝撃であり、つい衝動買いしてしまった。
パソコンに限らず、最近は身の回りの電化製品で
音声がはやりの
ようで、
「冷蔵庫、お前もか」
と半ばあきれながらコマーシャルを見て
いる。そのうちリモコンが時代遅れになり、すべて
声で命令するよう
になるのでしょう。子供のころみたマンガの世界がい
よいよ手の届き
そうなところまできている。
音声認識OS、マウスやキーボードが要らないパソ
コンは、MACや
Windowsより売れるだろうし、ほとんどの家電製品
に標準搭載され
る日もそう遠くはないだろう。ちょっと待てよ、そ
のうち犬や猫の音声も認識できるようになるのだ
ろうか、おいおいチャンネル争いに犬や猫も参加
してくるのか?これは“悪夢”かもしれない。
10
1999年1月1日第453号
人生を楽しく過ごす
西武信用金庫
電子計算部 副部長 横山 辰喜氏
いと思っています。これ
人生はとにかく楽しくなくてはいけな
ですが、私は10年程前に人
を維持するのもなかなか大変なこと
生の長期計画を考えてみました。
族揃って海外旅行。35歳
例えば30歳で家を建てる。33歳で家
ました)等々…。
に和弓を始める(これは途中で挫折し
ているのか真面目に考
活をし
その年齢になったら、どんな生
います(現実はなかな
え、そしてできる限り実践していこうとして
か厳しいのですが・・・)。
、ほぼ予定どおり、もし
現実のところすべてではありませんが
ではと思っています。
くは予想以上の成果となっているの
んが、低過ぎてもいけない。
けませ
目標はあまり高過ぎてはい
いし、女房や子供の夢でも
私自身のことでなく家族のことでもよ
よいと思うのです。
です。でも、それによ
楽しくするためには、苦労も努力も必要
か頑張ることができる。
って楽しいことが待っていると思えば何と
うな新しい計画を考えて
今年も将来にわたり夢中になれるよ
実行したいと思います。
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 3
’
99年の情報技術の動向と日本ユニシスの対応 Webコンピューティングとエンタープライズ・サーバの新たな役割
日本ユニシス株式会社
商品企画部 HMP-IX企画室 担当部長
情報基盤の再集中化の流れ
グローバル化・規制緩和による競争激化に象徴さ
れるビジネス環境の変化は、ビジネス戦略の変更を
丑久保 年常
の中で差別化手段としての新たな位置付けを獲得す
で情報・サービスを共有するツールとしてのWeb技
ることになるであろう。この意味で企業活動のあり
術が重要となってくる。このように、ネットワーク
方を変える可能性がある。ここにインターネット技
を基盤としたハイブリッドなサーバ群の中にあっ
術が注目されるポイントがある。
て、企業活動の詳細を記録したデータを処理・保持
余儀なくし、コア・ビジネスへの集中を促している。
する中核サーバとして他サーバとのより強固な親和
また、昨今ではWindowsマシンをクライアントとす
性が求められることはいうまでもない。
るC/S型システムのクライアント環境のfat化が、ア
Webコンピューティングとエンタープライズ・サーバ
ユニシスの対応
プリケーション管理やデータの一貫性維持などの多
大な負荷につながり、初期コストの低さに反して思
インターネット技術は、もともと共同研究のため
わ ぬ コ ス ト 増 を も た ら し TCO(Total Cost of
のコラボレーション・ツールとして開発された技術
エンタープライス・サーバのWeb対応、生データ
Ownership)問題が顕在化している。さらに、分散環
であり、情報の共有・共用においては極めて有効な
の活用、他サーバとの親和性強化について紹介する。
境における重複(スタッフ、システム等)によるコス
ツールである。このため、企業の情報発信、企業内
●エンタープライズ・サーバのWeb対応
ト増。こうした要因が、サーバ側にシステム資源を
での情報共有に多く用いられている。この意味で共
エンタープライズ・サーバ上の資産をアプリケー
集中するパラダイムを作り出し情報基盤の再集中化
通なユーザ・インタフェース(Webブラウザ)を持っ
ションの修正なしで、あるいは最低限の修正でイン
を促している。この潮流に歩調を合わせてエンター
た、安価な端末システムと見ることもできる。
ターネットに結びつけるための機能提供である。
プライズ・サーバ(メインフレーム)に対する論調は
一方、エンタープライズ・サーバ上には企業情報
この両者の連携は、単にエンタープライズ・サー
変わり、エンタープライズ・サーバによる集中処理
の大半が依然として格納されており、企業のコアビ
バの情報資産を有効に活用するという観点からだけ
が見直されてきている。
ジネスを支える情報資産の蓄積がある。ここに両者
でなく、スピードが求められている時代にタイムリ
を結びつける接点があり、Webコンピューティング
ーにWebコンピューティング環境に移行するために
環境の中でのエンタープライズ・サーバの新たな役
必要なシステム構築アプローチであり、HMPシリ
割も見えてくる。
ーズにより実現される。
ネットワーク・セントリックへ
システム資源の集中化といっても、かつてのよう
インターネット利用者の飛躍的な拡大の中で、今
な中央に集中したメインフレームとダム端末で構成
後、エンタープライズ・サーバとインターネットの
されたサーバ・セントリックなものでなく、ネット
統合が重要になってくると思われる。つまり、イン
ワークを基盤にしたハイブリッドなサーバ群へのシ
ターネットの利便性、普遍性とエンタープライズ・
既存のトランザクション処理アプリケーションを
ステム資源の集中化であり、この意味でネットワー
サーバの高信頼性、大規模処理の連携が企業のコア
修正なしで、あるいは最小の修正でWeb化すること
ク・セントリックなものである。ネットワーク全体
となるビジネス・プロセスを支えるアプリケーショ
がこの機能の大前提である。このため、いかにして
を1つのコンピューティング環境とみなし、必要と
ンに必要となってくる。米国の例を見るまでもなく、
HTML形式で入力されたパラメタを抽出してアプリ
する情報をその所在を意識することなくネットワー
今後、インターネットの用途は、ブラウザで情報を
ケーションに渡し、入力されたパラメタの処理した
ク透過的にすべてそこから得られる環境である。現
見たりダウンロードすることから、予約、注文、請
結果をHTML形式で出力するかの仕掛けが必要とな
状でこのような環境に最も近いのがWebコンピュー
求、決済などのトランザクション処理へ移行するで
る。
ティング環境であろう。
あろう。これに伴い、大規模なエンタープライズ・
この仕組みを提供するのが、XIS_WebNet(HMP
サーバによるトランザクション処理システムは新た
IXシリーズ)、NXWebCOMS(HMP NXシリーズ)で
な戦略的価値が生まれてくると思われる。エンター
ある。このシステム形態ではエンタープライズ・サ
プライズ・サーバ特有な能力が重要性を持つという
ーバ上にWWWサーバを配置する。
ことである。
●ブラウザからのデータ活用
Webコンピューティングとビジネス
一方、Webコンピューティング環境は、ビジネス
面から見ても重要な意味合いを持つ。顧客との関係
また、エンタープライズ・サーバの持つ生データ
では、従来の法人・個人担当の営業マン、あるいは
を用途に応じた情報として加工し、分析結果を企業
営業拠点といった人に依存した営業チャネルの代
の次の行動のために活用することが競争激化の中で
替、または補完機能として新たな営業チャネルを手
マーケティング戦術上必要となってくるであろう。
に入れることができることである。人に依存したも
こうした情報をネットワークに展開し利用を図る上
のでないため、時間・距離・場
基幹業務トランザクション処理のインターネット/イントラネットへの展開
(図参照)
*ODBC対応製品によるエンタープライズ・サーバ
のデータ検索
*統合Web構築支援ツール(COOLICE)による異種デ
ータベースの統合を実現
*用途・目的別にエンタープライズ・サーバ・データ
ベースを抽出・加工する手段(DataExtractor)と、分
供
て安価な営業チャネルといえ
る。また、企業間取引でも新
●親和性の強化
OS2200、MCP/AS環境
たな展開が考えられる。接続
ンタフェース(Webブラウザ)、
へのダウンロード
*ブラウザ画面からのトランザクション処理起動
析するためのソリューション(売上分析Pro)を提
所の制約はなく、加えて極め
性の容易さ、共通のユーザ・イ
*ホスト端末エミュレーションの機能のブラウザ側
WWWサーバ
WebTS
N X/Atl as WebServer
インターネット
イントラネット
また取引先に新たな投資を強
バとの親和性を高めることは、ネットワーク全体を
Web連携機
いないといった移行の容易性
ネットワークを基盤とするハイブリッド構成サー
バ群の中で、中核的位置付けのサーバとして他サー
1つのコンピューティング環境として実現する上で
XIS_WebN et
N XWebC OMS
必須の機能となる。
があり、企業間取引の媒体と
*より柔軟な連携を図る上で必須となる非同期メッ
して多方面に展開できるであ
セージ連携機能(メッセージ・キューイング)対応
ろう。
TIP
率、あるいは有効性を高める
ツールといったこれまでの位
置付けに留まらず、インター
*ソフトウェア部品をネット・ワーク透過とするた
A IS/XIS
IT(情報技術)は、作業の効
AP
ブラウザ
C OMS
LIN K
インフラ・ソフトウェア
めの分散オブジェクト技術(CORBA/DCOM)への
対応
*ネットワークを前提としたオブジェクト指向言語
Javaへの対応
UN
ネット技術により、競争激化
11
特集 - 3
’
99年の情報技術の動向と日本ユニシスの対応 eNTが拓く新しい世界
日本ユニシス株式会社
プログラムマーケティング部 ビジネス企画室 担当部長
今日のビジネス変革を支える重要なポイントの1
eNTテクノロジ・センター開設による
eNTサービス/サポート体制の確立
品群
つは、最新の情報技術を活用した企業情報基盤の確
(2)統合ストレージ(StoragePlusシリーズ):企業情報
立である。当初、パーソナル・コンピュータのOSと
資産(データ)の効率的な活用を実現する統合スト
して登場したWindowsは、その経済性と合理性から
レージ・ソリューション
東野 康臣
昨年7月28日、日本ユニシスはeNTによる企業情
広範な普及を遂げ、今や企業の基幹業務を担うサー
(3)運用/セキュリティ環境(ManagePlusシリーズ):
報システムの企画から構築、運用、教育に至るトー
バOSへと発展してきた。すでに、欧米では
企業レベルの分散サーバ環境での統合的なセキ
タルなサービス/サポート拠点として「eNTテクノロ
WindowsNTによるミッション・クリティカル・シス
ュリティ管理/個人認証/運用管理を実現するソ
ジセンター(eNTEC)」を開設した。
テム構築事例が増加してきている。このような
リューション
WindowsNTによる企業の基幹業務システム構築には、
このeNTECは、米国ユニシス社はもとより米国
*SPS(Single Point Security)ソリューション:複雑に
マイクロソフト社など先進のパートナー企業と連携
メインフレーマが永年にわたって培ってきた信頼性
分散した企業情報システムの統合セキュリティ
したグローバルなサービス/サポート体制の日本で
向上技術やサービス/サポート力が不可欠である。
環境を実現する製品群(98年9月:発表/出荷)
の拠点となるものである。現在eNTECでは、お客
(4)開発/実行環境(IntegratePlusシリーズ):既存資産
日本ユニシスの「eNT戦略」
日本ユニシスおよび米国ユニシスは、企業の基幹
様に安心して活用していただけるeNTを目指して、
との連携を考慮したeNTアプリケーションをコン
プロダクトの実証・検証、常設デモ環境の提供、ベ
ポーネント・ベースで効率よく開発するための統
ンチマークテストやプロトタイピングでの活用、セ
合開発/実行環境ソリューション
ミナーなどの説明会の開催を実施している。今後も
業務へのWindowsNTの適用によって拓かれる新し
(5)ソリューション・イネーブラ(EnablerPlusシリー
さらに日本ユニシスが永年にわたって培った汎用機
い世界−エンタープライズNT(eNT)−に着目し、この
ズ):短期間に効率良くビジネス・ソリューション
やUNIXによる大規模ミッション・クリティカル・シ
分野をこれからのビジネス基盤の重要な柱と位置づ
の構築を行うための各種イネーブリングセット
ステムの構築実績やノウハウ、サービス、技術力を
け、パートナー企業と連携し、eNTの適用による企
(6)ビジネス・ソリューション(DSSPlusシリーズ、
eNT分野に適用し、eNTECを中核としたサービス/
業情報システム構築に向けた本格的な取り組みを開
ERP、CTI、ECなど):企業のビジネス変革を担
始した。
うDSS(Decision Support System)、ERP(Enterprise
昨年6月29日、日本ユニシスはeNTビジネスへの
Resource Planning)、CTI(Computer Telephony
取り組みを「eNT戦略」として体系化し発表した。そ
Integration)、EC(Electronic Commerce)など各分野
の中核は次の3点である。
サポート体制の強化・拡充を図っていく。
CMPアーキテクチャに基づく
大規模NTサーバ製品の提供
のビジネス・ソリューション
①eNTフレームワークに基づく各種ソリューション
製品の開発と提供
②サービス/サポートの中核拠点となるeNTテクノ
*売上分析Pro:多次元データベースを基本とした
ユニシスは、インテル社およびマイクロソフト社
分析系データマート構築のための製品群(98年7
との提携に基づき、WindowsNTを活用した大規模
月:発表/出荷)
ミッション・クリティカル・システムの根幹を担う
*その他ERP、CTI、ECなどの分野では、Oracle
ロジセンターの開設
③次世代サーバ・アーキテクチャCMP(Cellular
ApplicationsやTiny Call Centerなどのソリューショ
Multi Processing)による大規模NTサーバ製品の開
ン製品群を提供中
発と提供
これらのeNTフレームワークに基づく商品は、短
eNTフレームワークに基づく
各種ソリューション製品の提供
CMPアーキテクチャによる中/大規模NTサーバ製
品を99年度に提供する予定である。
CMPとは、業界標準インタフェースに基づき
WindowsNTアプリケーションの拡張性、可用性、
期間に効率よく高品質なソリューション構築を可能
管理性および相互運用性の強化を提供する米国ユニ
とするためにハードウェア製品群とソフトウェア製
シス開発によるハードウェアおよびソフトウェアの
品群を一体化し、さらにサービスを付加したセット
設計体系である。その最大の特徴は、システム分割
商品として提供することを基本としている。
および共有メモリ技術により、1台のCMPサーバを
日本ユニシスでは、eNTによる最新の企業情報基
今後、さらにCMPアーキテクチャによる中/大規
単一のハイエンドSMP(Symmetric MultiProcessing)
盤構築に向けた各種ソリューションを「eNTフレー
模NTサーバの活用に向けてeNTフレームワークに
システムとして構成することも、複数の独立した
ムワーク」として体系化し製品とサービスの開発・提
基づく製品とサービスの拡充・拡大を図っていく。
(クラスタ・)システムとして分割して構成すること
も可能としたサーバ内サーバにあ
供を行っている。
(図参照)
eNTフレームワーク
(1)高信頼性プラットフォーム
る。
(ServerPlusシリーズ):NTサーバの
可用性/拡張性/効率の強化やシン・
大規模NTサーバは、ERPなどの大
ビジネス・ソリューション
クライアントによるTCO削減を実
現するソリューション
CMPアーキテクチャによる中/
エンタープライズNTサーバ
DSSPlusシリーズ
ERP
CTI
規模プロジェクトをサポートする
EC
・・・
クライアントPC
*ハイ・アベイラビリティ・ソリュー
ストの低減、NTの頑強性を実現し
ション:クラスタリング技術を活
たプラットフォームにより、eNT
ソリューション・イネーブラ
用した高信頼性NTサーバ・プラッ
UNIX
メインフレーム
EnablerPlusシリーズ
トフォーム製品群
①ミラーディスク型フェールオー
バー・クラスタ(98年9月:発表/
開発 / 実行環境
運用/セキュリティ環境
IntegratePlusシリーズ
ManagePlusシリーズ
◇
これまでのWindowsNTとはイメ
ージを一新する新しい世界が今拓
②共有ディスク型フェールオーバ
高信頼性プラットフォーム
ServerPlusシリーズ
ー・クラスタ(98年9月:発表/出
③並列型負荷分散クラスタ
*ターミナル/サーバ・ソリューショ
のさらなる飛躍を実現するアプリ
ケーション統合サーバである。
出荷)
荷)
拡張性、サーバ統合による管理コ
導入
カスタマイズ
企画/コンサルティング
作動検証
システム 設 計 / 構 築
統合ストレージ
(StoragePlusシリーズ)
教育
システム運用 / 保 守
かれようとしている。日本ユニシ
スは、パートナー各社との連携を
通してその先頭を走るため準備を
着々と進めてきた。これらの新し
い製品とサービスが皆様の企業の
ン:NTサーバでマルチユーザ&シ
お役に立てることを切に願ってい
ン・クライアント環境を実現する製
る。
12
1999年1月1日第453号
UN
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 3
’
99年の情報技術の動向と日本ユニシスの対応 アジルカンパニーへの変革をお手伝いします
日本ユニシス株式会社
関西支社 クロスマーケットビジネス部 部長
市場変化に俊敏に対応し、顧客要求をつかみ応え
福原 俊作
を可能とする原価把握である。俊敏性は現状把握か
ゆる制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)の
ていく。これがアジルカンパニーである。ソリュー
ら可能となる。
活用である。もう1つ重要な概念は実態を把握する
ション・システムはこれを実現する情報システム群
●太く短いパイプ
経営管理指標である。ABCによる原価管理、ABM
である。
業務プロセス間を必要な情報が淀みなく流れ、情
による付加価値活動の評価、スループット会計、環
「アジル コンペティション−速い経営が企業を変
報劣化を防ぎ、市場に機敏に反応する仕組み。市場
境計数、資本効率を含めた事業部評価、EVAなどで
える−」(日本経済新聞社:S・Lゴールドマン他 訳
の変化をつかみアクセルを踏み・ブレーキをかける
ある。俊敏性の実現に相応しい指標が必要である。
者 紺野 登 1996年 出版)に、「ユニシスが気付い
機構を総称している。基幹業務の統合・整備(ERPシ
ソリューション・システムは企業のボトルネック、
たことは、顧客に価値を付加する最良の機会が、コ
ステム)が太く短いパイプを作り出す。
指標の拠り所、解決に相応しい製品・情報・サービ
ンピュータを売ることからではなく、経営と業務に
●顧客への接近
ス・技術を土台に実現する。
関する情報、データ処理、そして情報処理サービス
顧客との接点を増やし、顧客を熟知し、顧客が求
を売ることからもたらされる…(中略)…顧客の問題
める価値をベースにビジネスを展開する。顧客を企
の解決は、情報とサービスに基づくアプリケーショ
業資産として価値を高めていくCAM(顧客管理)が、
ン・パッケージによりもたらされるが、これらは企
断片化された市場・気ままな顧客のセンサー機能も
業固有の事情に合わせて、ユニシスの社員によって
果たす。
準備される」とユニシスの価値認識、中核的能力(コ
●チームプレー:企業間連携
アコンピタンス)の変革と俊敏性(アジリティ)につい
て紹介している。
ソリューション・プロダクトの活用
●ERP
オラクル社のOracle Applications(OracleApps)を扱
っている。統合会計、人事モジュールでは適用・導
機会目的をともにする企業が協働し、不確実な市
入ノウハウを集積した短期導入版を用意している。
場への機敏性を高め、部門最適・企業最適から全体
グループ経営やSCMの実現にもOracleAppsが活用で
ソリューション・システムを通じ企業のアジリテ
最適を進める。さらに顧客が望むベストの提供に企
きる。OracleAppsが備えている柔軟性、オープン性、
ィを高め、問題を解決する。これが日本ユニシスの
業群が資源・設備・中核的能力とリスクを共有するバ
NCA(システムの3層構造とJava対応Webの活用)は情
ソリューション・ビジネスである。下図「ソリューショ
ーチャル・カンパニーと呼ばれるダイナミックな提
報システム基盤としても有用であり、ビジネス・プ
ン・システム・モデル」のERP、SCM、CAM、DWH、
携も重要となる。ERP、SCM、EC/CALSが企業間
ロセスの実態を把握し、意思決定に結びつける統合
EC/CALS分野のソリューション・プロダクト(問題解
の太く短いパイプ役となる。
基盤となる。
決製品)を扱い、フロントからバックオフィス、企
●近未来を読む
●CAM
業間連携を見通した問題解決に取り組んでいる。
アジルカンパニーの要件
顧客・販売情報から潜在的な近未来の顧客、市場
「顧客中心」から、顧客を熟知し機会を捉える「顧
を読み取る。実需情報の分析、企画案の評価、需要
客機会中心」をコンセプトとし、CTI(Computer
の短期予測などDWHがその一端を担う。
Telephony Integration:コンピュータと電話を統合し
た技術)とCISに注力している。これらを実現したソ
大量生産の技術が、開発期間の短縮を図り、より
ソリューション・システムの実現
リューション・システムとしてTiny Call Center(小規
模統合型コールセンター)とVantive(総合顧客情報管
短命な商品、多様なモデルを提供し、結果的に頻繁
に変化する不確実性の高い断片化した市場を形成す
アジル経営は前述要件を受け入れるアジルな情報
理システム:ヘルプデスク、営業支援、保守サービ
ることになった。定まった目標に対し計画的に速く
システムを必要とする。柔軟性・オープン性を維持
ス、品質管理、顧客履歴管理)を提供し顧客接近を
到達するだけでなく、変化を読み、機会を活かし
した低コスト・高品質な情報システムへの変革であ
実現している。
(キャッシュ増)・リスク(過剰投資・在庫)をヘッジす
り早期対応である。ソリューション・プロダクトを
●EC/CALS
る俊敏性が従来以上に求められている。この俊敏性
活用したソリューション・システムの実現である。
を高めるには次の要件が重要となる。
企業内の部品共有・供給システムを強化し生産性を
あるが、企業間の調達システム、コラボレーション
●実態を知る
向上しても在庫として留まれば部分最適に終わる。
環境の整備などはまだ途上にある。これらのプロジ
省庁での実証実験と民間企業での先行システムが
販売企画を強化し、顧客要求に細やかに対応しても
ェクトに参画しノウハウの蓄積・技術活用を図って
商品・製品の採算、業務プロセス・プロジェクト単位
商品供給が止まればソリューションにはならない。
いる。Mercator(EDIフォーマット変換)はその1つで
の採算と、これらを組み合わせた採算であり、これ
むしろ情報劣化を招き、新たな問題を引き起こす。
ある。EM(Electronic Marketplace:オンラインショ
例えば、顧客あるいは顧客セグメントごとの採算、
ソリューション・システム・モデル
DWH
顧客
Consumer
顧客
Business User
Front Office
CAM
SFA
CIS
調達先
Supplier
Back Office
ERPシステム
アウトバウンドSCM
SCM
インバウンドSCM
EC/CALS
*Front Office Application:営業部門、客先保守部門等顧客との接点を支援する ソリューション・システム
*Back Office Application:フロント・オフィス・アプリケーションに対比させ、人事、会計、生産、物流、購買などのアプリ
ケーション群をいう
*ERP System:Enterprise Resource Planning System 企業の骨格となるトランザクションを処理する統合基幹業務システ
ム
*DWH:Data Warehouse データ・ウェアハウスの構築、分析、活用、運用を総称している
*SFA:Sales Force Automation 営業支援システム 営業支援、営業報酬、サービス管理、コールセンターなどのモジュー
ルからなる
*CIS:Customer Interaction System セールス、マーケット、宅配、保守等顧客との接点を統合した顧客接点管理システ
ム
*CAM:Customer Asset Management 顧客を企業の資産と位置づけ接点情報を共有し資産価値を高めていくビジネス戦略
*EC/CALS:Electronic Commerce 電子商取引/Continuos Acqusition Lifecycle System生産・調達・運用支援システム
*SCM:Supply Chain Management 調達・生産・販売・物流の一連のプロセスの効率化を図り顧客満足度をアップさせる経
営手法
ビジネス・プロセス
ッピング・電子出版・決済・電子マネー等)分野での要
のボトルネックを見
素技術の活用も重視している。この領域では
つけ、ボトルネック
VeriSign(電子承認ソフトウェア)を扱っている。こ
の制約条件に合わせ
れらの要素技術は調達、SCM、決済に留まらず、
全体のプロセスを改
企業内のソリューションにも活用できる。
変し(部分最適を排除
●DWH
し)、次にそのボトル
売上分析Pro、Oracle/OLAP、BOなどをソリュー
ネックの能力を上げ
ション・ツールとして取り扱っているが、道具類よ
る。ソリューショ
り目的に応じたデータの収集・整理・分析・活用など
ン・プロダクトの活
のノウハウ提供を重視している。DWHの試行ユー
用である。ボトルネ
ザには分析・予測系のモデルとして売上分析Proを用
ックが認識できる
意し「大きな構想のもとに小さく始める」方式を提供
か、ボトルネックは
している。ERP、CAMとの連携により情報の戦略
販売・生産・購買・物
性が高まる。
流・顧客対応のどこ
◇
か、ソリューショ
アジルカンパニーは顧客に、職人時代の良さを取
ン・システムの実現
り入れた居心地の良い・豊かさを与える企業ともい
はボトルネックの発
える。私どものソリューション力を活用し、アジリ
見から始まる。いわ
ティをさらに高めていただきたい。
UN
13
特集 - 3
’
99年の情報技術の動向と日本ユニシスの対応 高満足度のシステム構築を支援するプロジェクト・マネジメント方法論
「TEAMmethod/TEAMprogram」
日本ユニシス株式会社
インフォメーションサービス事業推進部 TEAMmethod統括室長
ますます重要性を増すプロジェクト・マネジメント
法論としてTEAMprogramがある。TEAMprogramは、
庭山 宣幸
図2 TEAMprogramのプロセス
システム開発プロジェクトを中心としたインフォメ
21世紀を目前に、我が国は未曾有といわれる不況
ーション・サービス・ビジネスのプロセスを明確化す
の中で産業界/経済界ともにグローバライゼーショ
ること、ビジネスに携わる社員全員が、手順や手法、
ン、大競争の真っ只中へと突き進んでいる。このボ
支援ツールを共有できる高品質のサービスを提供す
ーダレス経済においては、従来の安定成長を前提と
ること、そしてビジネスの規模や種類を問わずあら
した事業運営から、より厳しい経済環境に機敏に立
ゆる開発プロジェクトに適用できることを目標とし
ち向かえるように新たな事業運営、新たな管理手法、
ている。
統合的
ロジスティックス
支援
プロジェクト
メトリックス
作業の
詳細構造
(WBS)
プロジェクト
コントロール
協力会社の
管理
プロジェクト
契約管理
計画立案
マネジメント
レビュー
質の高い
提案
(図1参照)
新たなシステム作りが求められている。企業は、ま
要求管理
品質管理
リスク管理
TEAMmethod/ TEAMprogramの概要
すますの“コスト効率の向上”
“生産性の向上”が
構成管理
プロジェクト
品質保証
求められ、組織はより複雑な条件と急速な環境変化
への適合力が求められているといえる。
TEAMmethodにおけるプロジェクト管理方法論で
プロジェクト・マネジメントとは、「独自の成果物
あるTEAMprogramでは、世界標準(PMI/PMBOK)
またはサービスを創出するための有期の活動」と定
に準拠した知識体系を採用し、プロジェクトのライ
義される“プロジェクト”を統合的に運営管理する
フサイクル全般を対象として、管理のフレームワー
ための知識・手法の体系である。プロジェクトの考
クを14のプロセスで提供している。管理者は、これ
え方は、すでにあらゆる経済活動の中で取り入れら
らをすべて理解することによって、効果的なプロジ
れており、建設・エンジニアリング分野のみに限定
ェクト・マネジメントを行えることになる。
図3 TEAMprogramの特徴
プロジェクト
計画立案
成 功
要求管理
リスク管理
プロジェクト
メトリックス
(図2参照)
されるものではない。例えば、自動車・医薬品、そ
プロジェクト
コントロール
スケジュール
管理
品質管理
の他新製品の製品化、各種投資プロジェクト、公共
TEAMprogramは、プロジェクト計画の立案、プ
事業/公共サービス、新事業の展開など、すでに皆
ロジェクトのコントロールを基軸にプロジェクトの
様の身近に存在するものである。このためプロジェ
ライフサイクル全体を支援する。プロジェクト・マ
に関連するプロセスと責任である”と述べられてい
クト・マネジメントは、日本企業が現在置かれてい
ネジメントにおいて、まず重要なのは適切なプロジ
る。TEAMmethod/TEAMprogramのアプローチは正
る環境の中で業種・業態を問わずに注目されている
ェクト計画を立てることである。適切なプロジェク
にこれらの言葉を確認していると考える。
分野であるといえる。
ト計画とは、プロジェクト状況を正確に把握でき、
集大成としてのビジネス方法論“TEAMmethod”
TEAMmethod/ TEAMprogramによる
システム開発プロジェクト・マネジメント
そこから正しい予測が行え、プロジェクトを制御・
日本ユニシスは、システム開発プロジェクトを成
の立案段階でPMP(プロジェクト管理計画)を序々に
ネジメントやエンジニアはもちろん、エンドユーザ、
功させる要件として、顧客との関わり合いを重視し、
充実させていき、PCR(プロジェクト・コントロー
サードパーティも含め全体をチームと考える。その
ビジネスの視点から相互に尊重し合える環境を作れ
ル・レビュー)によって立案されたプロジェクト計画
上で、チームのメンバー全員について、仕事の内容、
ること、そして、システム開発プロジェクトの成功
を評価する。次にプロジェクト・コントロールでは、
技法、役割、成果物を明確化し、プロジェクト運営
を予見できるプロジェクト・マネジメントのための
リスク管理、プロジェクトへの要求管理、スケジュ
上で曖昧となる点を排除する。このために
精密かつ十分な技術、経験、知識を持っていること
ール管理、品質管理、そしてプロジェクトの財務状
TEAMmethodでは、マネジメント・ガイドライン、
であると考える。
況を含むメトリックスを使用したコントロールを行
実施方法・技法、知識ベース、成果物についての十
(図3参照)
分な情報をメンバーに提供し、さらに状況に応じた
コントロールできるものでなくはならない。
具体的に、TEAMprogramではプロジェクト計画
TEAMmethodは、「システム開発プロジェクトを
う。
TEAMmethodでは、日本ユニシスと顧客企業のマ
予算内で、納期通りに、当初の仕様で完了させるこ
プロジェクトを通じて実施されていくレビューに
とが顧客とユニシスの共通のゴールである」という
はイベントベース、タイムベースで10種類が用意さ
基本方針のもとで開発され、5つの方法論で構成さ
れている。それぞれのレビューの出席者と目標が明
TEAMmethodでは、プロジェクトに採用するあら
れる。企業競争力を高めるための情報システム化計
確に定義されているため、プロジェクトに関与する
ゆる技術を、業界標準、世界標準の観点から検証し、
画を策定するTEAMplan、ビジネス・プロセスを再計
すべてのメンバーが状況を把握でき、レビューにか
ユニシスの実績、経験から成功・失敗例に照らし合
するためのTEAMprocess、その結果、明確化された
かる時間も短縮される。
わせた方法論とすることで、開発プロジェクトの品
問題解決のために必要となる情報システムを設計す
図4は、TEAMprogramの全体像を表わしている。
るTEAMdesign、システム構築のための
すなわち、お客様のビジネス上の課題を解決するソ
TEAMimplementである。そしてこれらの方法論を
リューションの開発プロジェクトのプロジ
包括した形で、どのようなタイプのプロジェクトで
ェクト・マネジメントは、プロジェクト計画
あっても、そのプロジェクトの管理を行うための方
とプロジェクト・コントロールという2つの
図1 TEAMmethodの全体像
大きな橋脚から成り立つ。TEAMprogramの
TEAMimplement
情報システム
構築
フィードバック
すたれない格言に“作業を計画し、計画
通り作業せよ”という言葉がある。また、ビジネス
は、
“プロジェクト・マネジメントとは、プ
TEAMplan
プロジェクト管理
TEAMprogram
1999年1月1日第453号
図4 TEAMprogramのプロセスサマリ
を使用して実現するものとしている。
IEEEのプロジェクト・マネジメントの定義で
ロジェクトが期日通りに、予算内で、要求
を満たして完了するために、リソースの計
画立案、モニターリング、統制実施の相互
UN
上の
課題
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
計
画
プ
ロ
ジ
ェ
要
契 構 品
ク
求
約 成 質
ト
管
管 管 管
コ
理
理 理 理
ン
ト
ロ
ー
ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ(WBS) ル
協
力
会
社
管
理
マ
ネ
ジ
メ
リ 財
ス 務 I ン
ト
ク 管 L レ
管 理 S ビ
ュ
理
ー
PMP
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
メ
ト
リ
ッ
ク
ス
プロジェクト
品質保証
・
・
情報システム
設計
情報化計画
14
し、高満足度のシステム構築を実現する。
あり、プロジェクトの成功はこれらの要素
TEAMdesign
プロジェクトの
定義
質と、その成果物である情報システムの品質を保証
その他の管理プロセスは橋を支える支柱で
個別ビジネス
の要件
ビジネス
プロセス
再設計
サポートツール、トレーニングを用意している。
質
の
高い
提案
TEAMprocess
応用動作のガイドラインとなるルート・マップや、
ソリュー
ション
ユニシス・ニュース
1999年1月1日第453号
特集 - 4
’
99 年のユーザを支援する日本ユニシスの体制 金融部門
金融自由競争時代のソリューション・クリエータを目指して
昨年4月の外為自由化、12月の投信
ィングの視点が重要となります。
景に事業環境の急速な変化への適切な
積極的に取り組み、電子政府の実現に
対応と企業活力の高揚が求められてお
向けたソリューション・サービスを提
ります。
供します。
日本ユニシスではこのような変化へ
◆ 地方自治体
の対応には、情報共有環境をベースと
情報通信基盤の整備、内部情報や地
し、情報による価値創造と意思決定支
域情報の拡充のために、日本ユニシス
窓販の開始と金融制度改革、いわゆる
商品、サービスを顧客に売り込むと
援ができる情報系システムの構築、推
はネットワークの構築・運用やセキュ
金融ビッグバンも総論の段階から、い
いうプッシュ型セールスではなく、顧
進が重要課題と考え、エネルギー業界
リティの確立、インターネット・文書
よいよ具体的対応段階へ入り、日本の
客行動や、潜在ニーズを分析し、顧客
での長年の経験と業務ノウハウをもと
管理・グループウェアなどOA化推進を
金融機関は他業態からの参入も含め厳
の求める商品、サービスをいつでもど
に、情報系ソリューション・システム
総合的に支援しております。
しい自由競争および淘汰の時代に入り
こでも提供するプル型セールスが必要
を提供します。
ました。
です。顧客情報の収集も取引時点、契
◆ 航空/旅行分野
地理情報システム(GIS)を利用した
建築・土木・都市計画の分野、財務会計
金融機関がこの変革期を勝ち抜くた
約時点の過去データだけでなく、営業
航空業界はグローバルな提携関係を
めに、どのようなビジネス戦略が必要
店、コールセンター、インターネット
実効あるものにするには、顧客サービ
拡充、介護保険に対応したケアプラン、
であるか、情報技術をどう活用してい
など、さまざまなチャネルから入って
スに立脚した新しいシステム機能が求
福祉情報システムへの対応強化を図り
くのか、また日本ユニシスがどのよう
くるデータをリアルタイムに一元管理
められます。総合業務パッケージ
ます。
なサポートをしていくのかについて紹
し、最適な顧客に、最適な商品を、最
「USAS」に対応する機能を追加すると
◆ 医療分野
介いたします。
適なチャネルで提供する仕組みが求め
ともに、戦略的な機能について各航空
厚生省の医療保健制度への指針を受
◆コアコンピタンス経営戦略のサポート
られています。
会社の状況に応じたシステム化をサポ
け、病院は質の高い医療と経営の効率
ートします。
化を継続するための努力が求められて
など内部情報系の分野への支援体制の
自由化された金融の世界では、市場
日本ユニシスでは、これらの課題を
原理により、他との差別化をするため
解決するために、サバイバル競争の時
旅行業界では電話予約、インターネ
に、商品やサービスにおいてプラスア
代を「顧客とのリレーションシップ・マ
ット予約といった機能を付加した仕組
日本ユニシスは病院内で発生する有
ルファの付加価値が必要となります。
ーケティングの時代」と捉え、顧客の
みをローコストに提供することが重要
用なデータを最大限に活用し、限られ
もし、付加価値の創造についても横
ニーズに対応した商品を提供し、顧客
です。顧客の戦略に応じたシステム・
た医療資源を病院が効率的に活用でき
並び競争をするとすれば、収益力やシ
との継続的なリレーションシップを保
インテグレーションを実施します。
るよう、当社ソリューション・パッケ
ステム対応の差から金融機関の業績に
つためのマーケティングなど、全部門
◆ テレコム分野
ージに加え強力なサポート体制により
大きな格差が生じる事態も十分予想さ
と連携した「戦略的な行動」を支援する
テレコム業界のメガコンペティショ
れます。
ソリューション「CRMS」を提供してま
ンは一層の激化が予想されます。こう
ます。
いります。
した環境の中で、日本ユニシスはシス
◆ 新聞分野
すなわち、組織、業務のアンバンド
います。
各種支援システムを提供し支援いたし
ルをベースとした再編成、戦略的リス
「CRMS」は、徹底的に研究し、実用
テム・インテグレータ、ネットワーク・
広告収入部門のシステムに特化して
トラクチャリングが必要となります
で鍛えたロジカル・データモデルのも
インテグレータとしてテレコム業界を
「広告局業務支援システム」のパッケー
が、実現のためには明確な目的意識を
と、顧客情報を一元的に管理するデー
強力にサポートし、新時代に向けての
ジ・ソフトウェアを提供し、全国紙、
持った経営戦略の立案と経営資源の集
タ・ウェアハウスを核として、顧客ニ
インフラ、ソリューション、情報機器、
ブロック紙、地方紙、スポーツ紙の有
中化、それをサポートする情報システ
ーズ、行動の分析、商品、サービスの
通信機器、サービスの提供を積極的に
力紙で活用いただいています。続く第
ムが必要です。
開発、デリバリー・チャネルの開発な
進めます。
2弾として、求人広告、黒枠の死亡広
以上のようなビジネス戦略立案と実
どに活用され、仮説・実行・検証のマー
◆ 官公庁分野
告、パーソナル・アドなどの申込みか
践のために、日本ユニシスは国内外の
ケティング・サイクルの実践をサポー
電子申請/電子文書管理/電子取引を
らCTSへの送信までの処理を統合化し
企業、研究機関、コンサルタント会社
トします。また、リスク管理をはじめ
キーワードとした行政情報化が進展し
た「文字広告システム」を投入し、EDI
との提携により、戦略立案のためのコ
とする内部管理の強化と「CRMS」とを
つつあります。日本ユニシスでは、こ
にも対応した広告局の情報基盤の構築
ンサルテーション・サービスを提供す
統合することにより、マーケティング
れらの共通する要素技術の研究、利用
にお応えします。
るとともに、戦略を実践し、サポート
とリスク管理が融合し、金融機関の総
技術の向上を目的に各種実証・実験に
するシステムのインテグレーションお
合的なマーケティング施策を実現する
よびアウトソーシング・サービスを提
ことが可能です。
供いたします。
金融ビッグバンが本格化する今年、
◆マーケティング力の強化に向けて
金融機関が差別化競争を乗り越え、
日本ユニシスは、従来からのソリュー
ション・クリエータとして培ってきた
I&C部門
お客様とのコラボラティブ・パートナーシップを
顧客の囲い込みを通じて収益性を向上
経験をもとに、ポスト・ビッグバンに
させていくには、商品を「売る」のでは
向けたトータル・サービスの提供によ
21世紀を目前にし、世界的に規制緩
ることを目的にし、生産から流通まで
なく、顧客のニーズに焦点をあてたカ
り金融機関の情報武装を強力にサポー
和、自由化という市場開放に向かって
の情報共有を図り、変化対応すること
スタマ・リレーションシップ・マーケテ
トしてまいります。
います。このような環境変化の中で、
です。One to Oneマーケティングでは、
各企業にとってのIT技術の活用の差
顧客データベースから、顧客個人ごと
が、目標達成に大きく関わる点が過去
に望まれる製品、サービスを提供しま
の経営環境と異なっています。
す。
社会公共部門
そこでの代表的な考え方が、サプラ
いずれも情報の収集と分析、その結
イチェーン・マネジメントとOne to
果の共有を通じて、市場、顧客に対し
Oneマーケティングです。サプライチ
ての製品と流通、付加サービスの最適
売市場の自由化や大口ガス市場に対す
ェーン・マネジメントでは、顧客に対
化を果たすことが目的です。
るガス供給の規制緩和などの動きを背
して価値を生まない企業活動を排除す
新時代に向けてシステム・サポートの強化拡充を
◆エネルギー分野
エネルギー業界においては、電力小
(16面へつづく)
15
新年あけましておめでとうござ
第3にはTransparencyの重要性の
●年頭にあたって●
強調です。ビッグバンを象徴する
トータル・ソリューション・クリエータとして
お客様の最大限の満足度実現を
Fair、Free、GlobalのFairこそが企
います。
今年は長期にわたった平成不況
が底を打ち、景況に明るさを取り
戻す年になることを皆様とともに
天野 順一
日本ユニシス株式会社 代表取締役社長
期待いたします。今年も日本ユニ
業の行動を分かりやすくするもの
です。
私は日本ユニシスがこの3つの指
シスは皆様方のご満足をいただく
針に沿って行動することがお客様
べく各種施策に全力を傾けますが、
お客様の膨大なソフト
第1はお客様のニー
の利益に繋がるものと確信いたし
その幾つかをご紹介申し上げます。
ウェア資産、データ資
ズにグローバルな視野
ます。繰り返せば、Globalを意識し
まず製品面では、EC/CALS、
産をインターネット環
から、柔軟かつスピー
つつLocalでのお客様の獲得、協業
eNT、HMP/CMPクリアパス・サー
境、オープン環境でご
ディにお応えすること
するパートナー企業との自由闊達
バの3分野に特に注力いたします。
活用いただける明確な
です。グローバル・ス
な相互交流によるExcellenceへの努
EC/CALSの普及に向けて日本ユニ
道筋をご提示いたしま
タンダード、グローバ
力、Fairnessに裏打ちされた
シスは、分散オブジェクト製品
す。
ルな市場を意識しつ
Transparentな取引、この3つを今年
つ、一方では個々のお
度の日本ユニシスは規範として行
客様を大切にする心を
動いたします。
「System ν(ニュー)」や「EC Middle」
こうした中核プロダ
「EC/CALS実践ラボ」などのシステ
クトを基盤にERP、デ
ム構築支援サービスを提供いたし
ータ・ウェアハウス、各種ソリュー
もつこと、すなわち“Think
ます。
ションの充実を図ってまいります。
Globally Act Locally”です。
日本ユニシスは「高品質・高技術
の追求による顧客第一主義」を掲
eNTについてはWindowsNTが真
プラットフォーム・プロダクト、ソ
第2には、米ユニシス、三井物産
げ、協業するパートナー企業群の
に企業の基幹業務を担うサーバと
フトウェア、サービスのすべてに
をはじめ業界の有力企業との自在
総合力を結集しトータルなソリュ
して活用できるよう、メインフレ
わたってスピードを伴ったアクシ
な協業を推進することです。協業
ーション・クリエータとして、また
ームで培ったサービス力とサポー
ョンを念頭に、トータルにお客様
する各社の互いの長所を、お客様
業界最高水準のシステム・インテグ
ト力をご提供いたします。
の課題の解決に邁進いたします。
のニーズに合わせて伸ばし、それ
レータとしてお客様の最大限のご
ぞれのExcellenceを高める自由闊達
満足度を獲得すべく邁進いたしま
な交流を行います。
す。
Clear PathサーバはHMP IX、NX
の両シリーズの機能充実によって、
私は今年の日本ユニシスに3つの
行動指針を掲げます。
また、市場に対する環境保証の観点
製品設計、開発分野から、物流、小
識や業種をまたがる業務知識が必要に
ンター向けにはTiny Call Centerを独自
から、国際基準(ISO9000/14000)に則
売分野に至るまでの各企業間をまたが
なるなど、従来からの業種別体制だけ
開発し低コスト化を実現しました。ま
った品質が求められています。この企
るサプライチェーン・プランニング・エ
では不十分なケースが増えてきました。
た、コールセンター分野で米国最大の
業活動モデルでの、市場、顧客からの
ンジンなどの分析、最適化ツールを研
そこで日本ユニシスでは昨年4月に
実績を誇るMCIWorldCom社と提携、
情報収集と分析、共有というプロセス
究・開発します。
従来からの業種別体制に加えて、業種
コールセンターに関する企画から日々
は、ERPパッケージ、CTI、データ・ウ
◆ソリューション
共通、業種横断分野を担当するクロス
の運営に至るまで米国の最先端のノウ
ェアハウス、データマイニング、イン
従来からご提供しているERPアプリ
マーケット営業本部を設立しました。
ハウをご提供します。
ターネット/イントラネットの利用を
ケーションの一層の機能強化と、他シ
最近、「顧客中心主義経営」という考
◆ DWH/データマート
通じて、低価格、短期間で実現可能で
ステムとの連携機能(総合エンジニア
え方が改めて注目されていますが、ク
管理会計やABC/ABMは財務会計と
す。
リング環境支援、オープン化による各
ロスマーケット営業本部は「顧客」をキ
連携したDWHシステムともいえます。
種システムとの相互運用)を充実しま
ーに、フロントオフィスからバックオ
また、コールセンターで蓄積される顧
の今後の事業に対するコンセプト確立
す。
フィスまでをトータル・システムとし
客情報を分析、有効活用することも
のためのコンサルティング・サービス、
◆ ISサービス
てご提案します。
DWHシステムです。クロスマーケッ
◆ ERP
ト営業本部はこのようにフロントオフ
製造、流通、サービス分野の各企業
製品ソフトウェア(ソリューション)の
コンサルティング・サービスの上流
提供とその効果的組み合わせの提案、
から情報システム化計画、システム設
およびアウトソーシング・サービス、
Oracle Applicationsを中核に、その短
ィス、バックオフィスに連携する
計・開発、そして保守・運用に至るまで、
期導入を実現すべく日本ユニシスが独
DWH/データマートを高度なデータマ
情報技術の提供を通じて、お客様との
シームレスに一貫したサポートを提供
自開発した、FaSet/Financial、
イニングのノウハウとともにご提供し
コラボラティブ・パートナーシップの
するとともに、アウトソーシング・サ
FaSet/HRやISV各社の商品を組み合わ
ます。
強化に努めます。
ービスのご提案およびサポートを提供
せてご提供します。
◆ EC/CALS
◆コンサルティング・サービス
してまいります。
クロスマーケット営業本部
顧客中心主義に則ったトータル・システムの提供を
日本ユニシスならではの基幹業務シ
省庁や業界団体が進める実証システ
ステムのノウハウ、日米双方のユニシ
ム構築プロジェクトへの参画を通じた
ス社内へのOracle Applications導入経験
ノウハウ蓄積を図りつつ、データマッ
を活かし、ERPソリューションをご提
ピング・ツールであるMercatorを活用
供します。
したシステム間連携、企業間連携ソリ
オラクル社認定コンサルタント、ゴ
ューションをご提供します。この企業
ールド認定者7名、シルバー認定者25
間連携ソリューションはCSM、SCM
見直す動きが始まっています。例えば、
名(98年11月現在)を中心にサポート体
のインフラとしても適用されます。
新連結制度が本格的に実
97年4月の改正外為法施行を受けて、
制も拡充していきます。
施されます*。株式公開
製造業や流通業がグループ内での外為
◆ CAM/CRM
企業では、業種、業態を
業務を自営するなどです。
99年度から、いよいよ
問わず新連結制度への対応が求めらる
ことになります。
また、子会社を含むグループ経営を
これらは、ほんの一例に過ぎません
Vantiveを中核に、CTI関連商品や
ISV、IHV各社の商品を組み合わせSFA、
が、お客様の高度かつ多様なニーズに
CRMを包含するCAMソリューション
対応するには、業種共通の深い業務知
をご提供します。50席未満のコールセ
[注]
*新連結制度については、日本ユニシス 常
任監査役 藤田 敬司著「新連結時代の子会社
管理」週刊経営財務 No.2402 H10.11.16刊を
参照下さい。
UN
発行 日本ユニシス株式会社 広報部 広報室 〒135-8560 東京都江東区豊洲1-1-1 (03)5546-4111 発行人 山下 宗久 編集人 武井 浩 制作 ピー・アールセブン 発行日 1999年1月1日 ISSN 0915-051X
16
1999年1月1日 第453号
◆社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも弊社の見解を表明しているわけではありません。
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