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vol6_4(807k)
Column
フランスの出版事情と本のはなし
山本 ゆりこ
(フランス在住・菓子研究家)
フランスはここ数年でやっと個人単位の IT 革命が起き、ニューヨークやロンドン、東京など
の大都市に追いついてきました。でも、とても残念なのはデジタルカメラ(仏語でアパレイ
ユ・ニュメリック Appareil numérique)の普及で、印刷物のクオリティーが落ちたこと。フ
ランスの本や雑誌は写真集のように美しくて、ページをめくるたびに、紙の上に写し出され
た光のぐあいや自然や食べものの色にうっとりし、何度も読み返したものです。フランスで
本を出版するということは、それは大仕事で、熟年した人にしか与えられない特権のようなも
のでしたが、その認識も少しずつ変わっていくのでしょうか。
『Bon Voyage
(ボン ヴォヤージュ)』
仕事柄、料理やアート関係の本をよく購入しますが、値段も高く、きちんと作ってあるも
アシェット婦人画報社
のほど未だにハードカバーです。 抱えて読むのに苦労するくらいの重さですが、それがフラ
本や雑誌を読むと、頭や心の中だけ旅に出た気分に
ンス人の本に対する意識の強さと比例しているように思います。 ですので、本は子供から
なれます。 二次元の世界から三次元の世界へ、さぁ
大人まで、誕生日やクリスマスのプレゼントとしても申し分のないものです。 蚤の市で古本
出発 ! “Bon Voyage”
(よい旅を)という名のこの
を手にとると、ときどき「POUR ERIC AMICALEMENT PAUL(エリックへ 友情をこめて
雑誌は、エールフランスの機内誌です。インターネッ
ポール)」というような、ちょっとしたメッセージやサインが最初のページに書かれてあったり
トで定期購読できることを知り、2004年春号から申し
します。
込みました。 75 ページほどの薄い雑誌ですが、そこ
フランスでは本は本屋(仏語でリブレリー Librairie)、雑誌や新聞はマルシャン・ド・ジュ
にはフランスの衣食住がぎゅっと詰まっています。 ペ
ルノー Marchand de journaux で購入します。 マルシャン・ド・ジュルノーは新聞を含む定
ージをめくっているだけで胸が高鳴り、パリ旅行の思
期刊行物を販売している場所のことで、具体的にはメトロの入り口などにあるキオスク、キ
い出がよみがえってきます。 空想旅行が終わって現
オスク・ア・ジュルノー Kiosque à journaux と文房具も売っているパぺトゥリー Paperterie があ
実の世界へ帰ってくると、ドコデモドアがあればいいの
にな∼と、少し切なくなるのですが…。 時間やお金
ります。 雑誌は本屋では取り扱ってないこと、新聞は配達してくれないので、各個人で購
がなくても旅した気分になれる“Bon Voyage”、素敵
入するところなどが日本と違う習慣でしょうか。
パリの書店には大型と中型、それとオーナーが自分の好みでセレクトしている小さな本屋
だと思いませんか ?
(大阪店・駒井 敬子)
の 3タイプがあります。 私がよく利用するのは、中型の書店と小さいところ。 小さい本屋は
“本当に本好きの人がやっているのだろうな…”と思わせるほど、料理やアートの本にして
も、絵本にしても素敵なセレクトのものが多いのです。 ですので、ふらりと入って好みの本
に出会うことがよくあります。 でも、オーナーが神経質なタイプの人が多く、長居できない
場合が多いのです。
その点、中型の書店はゆっくりと本が選べます。 中型でおすすめなのが、パリ市内にい
くつか支店があるラルブル・ア・レットル L'arbre à lettres。 特にオペラ ・ バスティーユ近く
のフォーブル・サンタントワーヌ通り rue du Faubourg Saint-Antoine の 62 番地にあるショッ
プにはかわいい中庭があって、本から目を外したときに中庭に目をやり、また本に目をもどす
…という動作を何度も繰り返していると、あっという間に時がたってしまいます。 本を買った
時に、いくつも並んだ文字がデザインされたかわいい袋に入れてくれるのもうれしい…。
『MEN’
S CLUB』
婦人画報社
本はいわゆる情報の詰まったオブジェです。 今、その情報だけがインターネットでいくらで
も手に入る時代になりました。 でも、本は情報源であると同時に、ひとつの作品だとも思
最近、いろいろなところで’
70 年代が持てはやされて
いますが、私としてはリアルタイムに学生時代を過ご
したので、何かと影響の強い年代です。 今ほどファッ
ション雑誌の種類も少なく(特にメンズ雑誌はなおの
います。 読んで多くの人が少しでも豊かな気持ちになれる本を作るためには、作る側が決し
て自己満足の世界だけにとどまってはいけない、と思うのです。 深く深く追求したものを、
シンプルにわかりやすくまとめられたら、どんなに素敵でしょうね。
こと)、そんな中で、バイブルのように読んでいた雑
誌が 『MEN ’
S CLUB』でした。 毎月、発売日に一
番で買い、端から端まで目を通し、生地の名前、デ
ザインのルーツ、コーディネートの善し悪し、アメリカ
の学生生活やロンドンのアンティーク事情まで、掲載
『翼の王国』
全日本空輸
された記事の中から友達とよく問題を出し合って知識(?)
を深めたものです。 自分自身、モノを創る仕事に携わ
飛行機とそれを取り巻く世界に興味を持ち始めたのは、
るきっかけとなった雑誌に間違いはなく、特にこのアイ
いつ頃だったかはっきり覚えてはいないのですが、そ
ビー特集 2 号 〈 ’
73年〉
と3号〈 ’
74年〉
(1号もよかっ
のきっかけの一つがこの雑誌であったのは確かです。
たのですが、残念ながら紛失)はもうぼろぼろですが、
引き込まれる写真と着眼点のおもしろさ、冒頭のほう
のページでよく使われている、あの少しつぶれたような
捨てられずに今もたまに目を通しています。
1
2
(商品チーム・北村 榮朗)
3
字体が私の心をくすぐり、世界を広げていってくれます。
内容も空に関することに限定されず、国内の電車の
駅や、地方の小さな文化施設の紹介、伝統文化の
歴史などが取り上げられ、 私が今まで触れる機会のな
かった分野にも目を向けさせてくれる、最初の窓口が
この雑誌です。 そして、読むたびに 「遊び心を持っ
た素敵な大人」 への憧れがふくらみ、私もそうなりたい、
もっといろんなものを見に行きたいと、いつも前向きな
1. 本を開くと「かわいい娘へ…」で始まるメッセージ
が入っています
2. 文房具も売っているパペトゥリー
3. パリ市内にいくつかある「ラルブル・ア・レットル」
はおすすめ
気持ちにさせてくれます。
(福岡店 ・ 藤田 馨)
revue
numéro de zone [E14-16]
bibliothèque de quatre saisons
autres
livres
bibliothèque de
quatre saisons
『Le Rouge au point de croix』
Catherine Allégre-Papadacci / LTA
numéro de zone
[F17-18]
ある日、シンプルな布にワンポイントの刺繍や、赤い
ラインのステッチが入った小物が作りたくて、たくさん
『COLLAGE DE CINÉMA』
の刺繍糸を集め、さっそく自己流でやり始めた。でも、
NAKAGAWA KIYOMI /ブルース・インターアクションズ
なかなか思い通りにいかず…そんな時にステッチの基
この本は雑誌『装苑』に連載している、映画とファッ
礎の本を見つけた。 それからは刺繍の楽しさを知り、
ションのイラストを一冊にまとめたものです。じつは私、
布と糸があると次はどんなものを作ろうか ? と考えるの
読書が苦手なので、普段は雑誌ばかり…。
『装苑』も
が楽しみになっていった…。そんな私の趣味を知って、
たまに読む程度ですが、
この連載ページは秘かにチェッ
誕生日のプレゼントにもらったのが、この本。 何気な
クしていました。そんな時、偶然この本を見かけ、思
く話していた会話で、自分の好きなことを覚えてくれて
『WORKSHOP』
スーザン・チャンチオロ / プチグラパブリッシング
私が初めてスーザン・チャンチオロの作品を見たのは、
「GALLERY360゜
」 での展覧会でした。 床には彼女
わず即買。 一冊の中に 40作品の映画が紹介されて
いたことがすごく嬉しくて、この本をより大切なものに
の描いたドローイングが置かれ、切りっぱなしのワンピ
いて、ガーリーやエレガンスなど、テーマが大きく5 つ
してくれたように思います。
ースにはざくざく縫ったような手縫いのステッチや刺繍
に分けてあるので、とても読みやすくなっています。イ
(大阪店・野中 佑紀子)
ラストは映画に出てくるものばかりでなく、「映画には
が施され、さらりと壁にかけられていました。その作品
は、どれもハンドメイドの愛情がたっぷりと感じられるも
出てないけど、
きっとあるはず! 」というようなものもあっ
のばかりで、作品を見てる間中、私はずっとドキドキしっ
て、映画をより深く楽しむことができます。 食いしん坊
ぱなしでした。それ以来、私はすっかり彼女の虜になっ
の私には、“31アイスクリーム 31 種類”のイラストが
てしまいました。この 『WORKSHOP』は、“RUN
たまりませんでした。
コレクション”と冠した彼女の 6 年間のショーや作品
(小倉店・式 英里)
の魅力がいっぱい詰まった初の作品集で、彼女の人
『Le livre du point de croix』
柄までもが見えてきそうな、あったかい気持ちになれる
一冊です。
Régine Deforges・Genevieve Dormann / Albin Michel
(大阪店 ・ 西村 亜希子)
私の一冊。 1870年頃から 1980年頃までのクロスス
テッチのサンプラーや図案の集められた洋書です。ど
んな思いで作られたサンプラーなのか。 一体いくつの
図案が生地に刺繍されたのか。 生地や糸の色褪せ
『棒がいっぽん』
や染みがあることすら、なぜこんなにも美しいのか。
ページを開くたびに見入ったり想像したり…。 なかな
高野文子 / マガジンハウス
かページの進まない一冊なのです。 そして、最後に
ちりばめられた伏線、絶妙なコマ運び、奥深い人間
は溜息。 年月を経てなお、人の心を震わせるものを
描写…。「漫画」です。 ですが、まるで上質な短編
つくる人の手って、なんて素敵なんでしょう。 いつか
映画を観ているよう。日常の普通の出来事を、さまざ
私もゆっくり時間をかけて、そんなものをつくれたらな。
まな視点でとらえて膨らませる想像力のすごさといったら!
いろいろな気持ちでいっぱいになって、やっぱり最後
ページをめくるたびに、独特の優しい世界に引き込ま
に溜息をひとつ。
れます。 私の 「漫画」 に対する概念をぐいぐいっと
(イクスピアリ ・ 千本木 裕美)
飛び越えた一冊。
※高野文子の作品は代表作 『るきさん』もおすすめ
です(神戸店では去年、まわし読み状態でした)。
(カフェ・石川 悠子)
『こはるのふく』
伊藤まさこ / 文化出版局
いつも 1 枚でも気に入った写真が載っていると、それ
だけでその本を買ってしまう私。そんな私が一目惚れし
て買った本が、この 『こはるのふく』です。 伊藤まさ
こさんが愛娘こはるちゃんのために作った服が、作り方
『永遠のオードリー・ヘップバーン』
やパターンとともに紹介されているのですが、写真の
『Saskia』
色合いがとても鮮やかだったり、こはるちゃんの表情が
『わがまま歩き・パリ』
SPUR 特別編集 / 集英社
鈴木理策 /リトル・モア
とってもキュートだったりで、何度も何度も写真を眺め
ブルーガイド海外出版部 / 実業之日本社
凛とした姿勢、可憐な雰囲気、物の考え方やスクリ
この本はサスキアという女性の結婚式を撮った写真集
ているうちに、幸せな気持ちになれる本なのです。 い
私の好きな国はフランス。「フランス」 や 「パリ」と
ーンでの活躍もプライベートな面も、オードリーの全部
が大好き。 ここであえて彼女の個性を書かなくても、
です。 招待状を空港で見ているところから始まってい
つか私にも子供ができたら、その時は絶対かわいい服
いう言葉に弱く、本屋さんに行くたび、新しい本が出
るのですが、それがラストのページへとつながっていま
を作ってあげて、少しおしゃまな子にしたい。 本の後
てないか、つい探してしまいます。 中でもパリ旅行に
共感してうなづいてくださる方は多いはず。
す。とてもステキな結婚式。 高原の中で家族や親し
半にある作り方のページが活躍する日は、まだまだ先
行くときに買った、この 『わがまま歩き・パリ』 は、
うれしいとき、哀しいとき、ぼんやりと何も考えない
い友人だけを招いて、ウェディングドレスもとってもシン
になりそうですが、その日を夢見るのもまた、私にとっ
思い出の詰まった宝物。クリーム色の表紙にさりげな
とき、何かにつけオードリーを求める。 時に励ましても
プルで。 式の後にはゲストも含めて、みんなが思い
て楽しい時間なのです。
く描かれた靴の絵、パリ地下鉄のカラフルな路線図。
らったり、勇気づけられたり。 彼女にはなれないけれど、
(大阪店・菖池 美佳)
これから旅に出る気持ちをグーンと盛り立ててくれます。
少しでも近づきたい…天使のような可愛らしさは永遠
この本を見てから、私の結婚式への思いはガラっと変
そして、何より旅には何冊も本を持っていくことができ
の憧れ。
わりました。こういうふうに、ささやかながら本当に自
ないので、この本に雑誌の切り抜きを貼ったり、地図
分たちを想い、支えてくれている人たちと祝いたいと
上にお気に入りの店などを書き込んだりして、今では
思っています。 まだまだそんな予定はありませんが、
私だけのガイドブックになっています。 早くまた、この
思いに過ごします。日記を書いたり、夕日を見たり…。
いつの日か叶えたいと思う、私の憧れの一冊です。
本を手にパリの街を歩きたいです。
(イクスピアリ・j澤 智恵)
(銀座店・生方 瑞穂)
plan de bibliothèque
B-5
A-1
B-6
B-7
A-2
A-3
A-4
C-8
C-9
D-10
D-11
D-12
E-14
D-13
F-17
E-15
E-16
F-18
(心斎橋店・森 小冬)
『流星課長』
『take away souvenir』
しりあがり寿 / 竹書房
漫画でよいのかなぁと思いつつも、自信を持って 『流
山村光春 / パークエディティング
星課長』 大好きです。 流星課長との出会いは 『エ
もし一人で外国を旅するなら、この本に出てくるような、
レキな春』という、しりあがり寿さんの作品集でした。
モノを「探す・集める」をテーマにした旅行も楽しい
当時は短篇集の中の一篇として収められていました。
かもしれない…と収集癖のある私は、この本を見るた
京王線に現れ、満員電車でも必ず座って帰る伝説の
びにそんな想像をします。それまでお土産とは、観光
中間管理職、流星課長の “座席に座るための闘争”
客向けのお店でお金を出して買うのが当然だと思って
を描いた作品なのですが、あまりにもスケールの大き
いたけど、本来はその土地の思い出を持ち帰るという
『イリスの庭』
なくだらなさと、じーんと心あたたまるイラストに、しり
ことだと気づかされました。この本に出てくるモノたち
あがりさんの人となりを垣間見れるような傑作です。
がそうであるように、生活に溶け込んだ何気ないもの
イリス・L・シュリヴァン / 文化出版局
ただ、支持しているのは少数派かもしれませんが…。
を持ち帰ることで、旅のストーリーやその土地の背景
この本との出会いは 4年前になります。イリスというフ
がより伝わるのではないかと思います。この本のおか
ランス人女性(本によると、料理研究家の上野万梨
たまにはこんなゆるい漫画を手にするのもよいのでは
ないでしょうか。
(小倉店・大塚 恵美)
『楽園王国 TAHITI』
三好和義 / マガジンハウス
げで、海外旅行を楽しむコツがつかめたような気がし
子さんのお友達)のお庭や植物のアレンジのスタイ
笑顔…この本の中には、たくさんの人々のあたたかな
ます(一人旅をする勇気が自分にあればの話ですが…)。
ルを、一年の四季を通して紹介している本です。フラ
笑顔があふれています。 私がこの本を手にしたのは、
(町田店・池田 千代子)
ンス人の住まいや庭にはとても興味がありましたが、
今からちょうど10年くらい前に三好和義さんの写真展
イリスの庭は決して広くない 「猫の額のような庭」です。
に行った時、どうしてもその笑顔が忘れられなくて、
でも、その小さな庭の中にも、彼女の植物に対する
写真集を家に持ち帰りました。タヒチの島々のすばら
愛情がぎっしりと詰まっていて、さらに素敵なセンスの
しさはもちろん、そこで生活している人々の飾らない姿
暮らしが魅力的です。 特に、ノエルや新年を迎えるた
がとても印象的でした。
めの飾り方は見事です。 私の家の小さな庭もこんな
何かを忘れかけてしまいそうになった時、この本を
ふうにしたいなあといつも思いつつ、眺めています。
開いて元気をもらう。そんな私のビタミン剤となるような、
流行にとらわれない独自の暮らしができる人って素敵
キラキラした笑顔がこの本の中にはたくさん詰まって
ですよね。
(仙台店・工藤 美季)
います。 笑顔は人を幸せにする…この本に出会えて
『パリ ノ ルール』
七賢出版
よかった。
(名古屋店・尾野 雅子)
『バナナブレッドのプディング』
この本との出会いは、約 3年前。 言葉や文化に興
味があったフランスに滞在してみたいと夢膨らませてい
大島弓子 / 白泉社
た時でした。この本はいわゆる「旅案内本」 ですが、
小さい時、高熱を出したら必ず同じ夢を見ていました。
今まで見たことのあるガイドブックとはまったく違う楽し
おとぎ話に出てきそうな部屋で、ふわふわのベッドに
い情報が満載で、本屋さんで手に取った時から私の
寝ていると、急にぐるぐると部屋が回って、深い溝に
パリ旅行は始まったのです。「肩をすくめてみる・フラ
落ちてしまう夢なのです。この本を読むと、どこか少し
ンス式にあいさつをする」 など、ちょっと笑ってしまうも
イメージが似ているのか、この夢のことを思い出してし
のや、
「ゲンズブールを訪ねる・ローラーブレードでパ
まいます。 今では眠れない夜の読み物の定番です。
リを走る」 など、内容は濃く、どれも試してみたいも
(プラン・a木 陽子)
のばかり。『パリ ノ ルール』 のおかげで、私のパリ
の旅も満喫できました。またこの本を片手に、パリの
街を闊歩したいものです。
(仙台店・猪股 千草)
『“シンプル”という贈りもの
∼アーミシュの暮らしから』
『女ふたりで丸かじり 生ベトナム』
池野佐知子・池田須香子 / 扶桑社
『366日空の旅』
ビル・コールマン /フレックス・ファーム
この本との出会いは、去年の11月でした。 当時、私
最初は 「古いヨーロッパの子供たち?」と思って手に
は親友と二人で、ベトナム旅行を計画していました。
した本は、アメリカで現在も電気や自動車を使わずに、
アジアへは行ったことのなかった私と、海外旅行が初
昔ながらの自給自足の生活を続けているアーミシュの
めてという友人は、とにかく情報を集めようと、必死に
写真集でした。夕日の馬車のシルエット、風に揺れる
なってガイドブックを読みあさりました。しかし、お堅い
洗濯物、朝霧の中を裸足で学校へ向かう子供たち…。
ガイドブックでは、不安ばかりが大きくなってしまい、
ヤン・アルテュス=ベルトラン /ピエ ・ ブックス
一時は “行ったことのある国に変更しようかな?” と
図書館で見つけ、気に入ったのを母から誕生日プレ
まで思うほどでした。 そんな時、偶然本屋さんでこの
ゼントにもらった本。 雄大な自然の風景はもちろん、
本を見つけました。イラスト入りで、しかも実際に行っ
現代の文明から離れた静かな暮らしが、美しい季節
『SLEEPWALK AND
OTHER STORIES』
の移り変わりの中で綴られています。日の出と共に目
覚めて労働をし、ランプの明かりで食事をする。 大地
エードリアン・トミーネ / プレスポップギャラリー
のリズムにしたがって生活することののびやかさや、
不便な中にある豊かさなど…この本を開くたびに、素
人間が造った建物など、さまざまな366枚の写真を集
てみてどうだったかなど、細かいのですが、読みやすく
京都のとあるギャラリーでこの本と出会いました。そこ
めたものです。 写真以外にも、温暖化や人口増加
書かれていて、あっという間に引き込まれていきました。
には、普通の書店では見かけないユニークでめずらし
朴なんだけれども、とても大切なものが見えてくるよう
の問題について詳しいデータが載っていて、地球に
女性ならではの楽しみ方もたくさん紹介されており、一
い本がたくさんあります。 オーナーも素敵な方で、行
な気がします。
ついて少し真剣に考えさせられます。 ページをめくるた
気に気分が盛り上がりました。 この本のおかげで、
くたびに楽しいお話や、いろいろな作家さんたちの作
び、世界中を旅している気分にもなり、美しいものも
私はベトナムという国が大好きになりました。 近いうち
品に触れられて、いつも衝撃と発見があります。 個
そうでないものも、ありのままが映し出されているため、
より「地球」という星の素晴らしさが際立ってきます。
にぜひまた行きたいと思います。
(トキオ・上條 綾子)
性的なお店ですが、私は好きなのです。 京都が身近
に感じられ、よく足を運ぶようになったのも、この店と
私がおばあちゃんになる頃にも、この本が出版されて、
出会ってからです。 お寺などを見てぷらぷら鴨川沿い
少しでも環境の問題や紛争などが減っていれば、もっ
を散歩しながらこの店に行くのが、私の京都の定番。
と素敵な風景がふえていれば…そう願ってやみません。
(福岡店・中原 美和)
(札幌店・西村 あゆみ)
次はどんな本に出会えるのかな…。
(名古屋店・小川 知美)
autres livres
numéro de zone [F17-18]
bibliothèque de quatre saisons
les boutiques quatre saisons,
キャトル・セゾン・トキオ
東京都目黒区自由が丘2-9-3
tel 03.3725.8590
キャトル・セゾン 大阪
大阪市北区梅田1-13-13 阪神百貨店6F
tel 06.4798.7676
キャトル・セゾン 札幌
札幌市中央区大通西3丁目地下街 オーロラタウン
tel 011.200.3936
キャトル・セゾン プラン
大阪市北区梅田1丁目 ディアモール大阪
tel 06.6348.4628
キャトル・セゾン 仙台
仙台市青葉区一番町4-11-1 Fashion Dome141 4F
tel 022.268.8202
キャトル・セゾン 心斎橋
大阪市中央区西心斎橋1-9-2 OPAきれい館1F
tel 06.6282.8300
キャトル・セゾン 町田
東京都町田市原町田6-1-11 ルミネ町田店5F
tel 042.739.3231
キャトル・セゾン 神戸
神戸市中央区三宮町3-1-4 永田良介商店ビル1F
tel 078.333.7812
キャトル・セゾン イクスピアリ
千葉県浦安市舞浜1-4 イクスピアリ2F
tel 047.305.5771
カフェ・キャトル
神戸市中央区三宮町3-1-4 永田良介商店ビル2F
tel 078.333.7812
キャトル・セゾン 名古屋
名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋本店北館1F
tel 052.264.2985
キャトル・セゾン 小倉
北九州市小倉北区船場町1-1 小倉井筒屋本館6F
tel 093.522.2282
キャトル・セゾン 京都
京都市下京区四条通河原町 四条河原町阪急6F
tel 075.213.3668
キャトル・セゾン 福岡
福岡市中央区天神2-1-1 福岡三越B1F
tel 092.726.7663
2004年10月1日(金)OPEN
キャトル・セゾン 新宿
東京都新宿区新宿3-38-1 新宿マイシティB2F
tel 03.5379.1140
2004年10月8日(金)Renewal OPEN
キャトル・セゾン 銀座
東京都中央区銀座5-2-1 モザイク銀座阪急3F(元H2数寄屋橋阪急3F)
tel 03.3575.2371
http://www.quatresaisons.co.jp
septembre 2004
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