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リビング アカデミ― 第 その1 午前の部 中高年からの食事

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リビング アカデミ― 第 その1 午前の部 中高年からの食事
リビング アカデミ― 第 4 回LAの日
2016年7月9日 (土)
その1 午前の部
朝から久しぶりの雨でした。記録更新の猛暑日が続いていたあとの雨に蘇った緑のキャンパスの
中、今日の会場の学部棟4階の中教室で「第4回LAの日」が定時10時に始まりました。
始めに今日のサロン講座の講師である岡﨑氏の選ばれた讃美歌452番を皆さんで斉唱してか
ら、小谷野副リーダーから「友の会」についての紹介があり、サロン講座に移りました。
サロン講座
中高年からの食事
全国友の会南関東部 岡﨑 直子 氏
●どんな食事をどれだけ食べれば良いのか
厚生労働省から 5 年に 1 回「日本人の食事摂取基準」が発表されます。1 歳から 70 歳以上まで、
年代、男女差、身長体重の平均値などによって栄養素がどれだけあったら良いかが決められていま
す。例えば、50 歳から 69 歳では、エネルギーは男子で 2100、女子で 1650kcal。タンパク質は
男子で 60、女子で 50gです。 2015 年版の特徴は、生活習慣病予防・重症化予防が加えられた
こと、体格 BMI がエネルギー摂取指標に採用されたこと、そして高血圧予防の観点から全年代で
男女ともにナトリウムの摂取量が低く設定されました。
友の会では“目安の量”として食品の重さを提案しています。食品摂取基準の値に近づくように、
献立を立て、作る時にグラム数を計り栄養計算をし、食材を様々に変えてみたり、買い物の実態も
踏まえて繰り返し検討し、年代にふさわしい目安の量を出しています。
●カルシウムの大きな働き
59 歳から 69 歳を例にとってお話しま
す。牛乳・乳製品は男女ともに 200g。牛
乳コップ 1 杯とチーズ 5g です。牛乳・
乳製品にはカルシウムはもちろん、認知
症を予防する成分が含まれています。食
品摂取基準によると、カルシウムは男子
で 3000mg 以上、女子で 2600mg 以上
です。30 歳から 49 歳よりも歳からの男
子のほうが多く設定されています(女子
は若い人と同じです)
。
カルシウムはビタミン D の助けを借りると吸収が良くなくなるので、日光を浴びると良いと言わ
れています。又、年を取るに従って不眠に悩む人が多くなる理由の一つに、日中の光の浴
び方に原因があると言われています。高齢によって外出の機会が減ることも一因です。
牛乳の目安の量からカルシウムの必要量の三分の一が摂れます。他にも、煮干し、ワカサギなど
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小魚、油揚げ、野菜から摂れます。カルシウムが不足すると身体の骨から消費してしまいます。
また免疫力が低下し、風邪を引くことが多くなったり、アトピーやアレルギーの原因だとも言われ
ています。更に、ビタミン D と共に神経を鎮める働きもあり、血液の凝固作用や血液をアルカリ性
にしたりと、カルシウムの力を私も改めて認識した次第です。
●タンパク質は基準を守って
卵には食物繊維とビタミン C は含まれていませんが、タンパク質の他、ビタミン A、鉄などが含
まれている完全栄養食品です。パンやお菓子、総菜、練り物にも入っていることも考え、1 日 40g。
1 週間に2日くらい食べない日があってもいいのではないでしょうか。コレステロールについては
諸説がありますが、友の会ではこのような基準を考えています。
肉・魚は男子で 120、女子で 100g です。少ないと感じますね。でも、食事摂取基準でこの分量
を守らなければいけないのがタンパク質です。例えば、朝食でハム 1 枚 50 グラムとすると、お昼
のうどんの上に鶏肉を 30 グラム、残り 55 グラムが夕食に食べる分量になります。それをお野菜
と合わせていかに美味しくお料理して食卓に乗せるかということが重要です。
肉・魚だけでなく、豆、豆腐、穀類なども植物性タンパク質です。動物性と植物性を半々に摂る
のが望ましいと言われています。
●野菜と果物には塩分排出の役目も
次に野菜です。1 日 400g です。朝 100、昼
100、夕食に 200g を目安に摂ってください。
青菜は緑葉体の宝庫。ビタミン C も豊富で、抗酸
化作用、発がん抑制作用、ニコチンやアルコール
などの解毒・中和作用があります。青菜の少ない
季節には、人参、カボチャ、ピーマンなど色の濃
い野菜を多く食べてください。芋は 50g。ジャガ
イモは火を通してもビタミン C が損なわれない
ものです。その他の野菜を 290g。具だくさんの味噌汁やスープなどにすると無理なくこの分量が
摂れます。 野菜と同様、カリウムの多い果物は 1 日 150g。野菜と果物は体内の塩分を排出する
という大きな役目も持っています。
●脳のエネルギー源、炭水化物
穀類は 1 日、男子で 320、女子で 210g です。これはお米や乾麺の重さです。例えばお茶碗 1 杯
のごはんだったらそれを 2.1、パンは 1.4、ゆで麺は 2.4 で割ると米、粉の状態の目方が割り出せ
ます。 豆、青菜、芋、果物、穀類に共通しているのは食物繊維です。豆と穀類は B1、穀類には植
物性のタンパク質、ビタミン B1、鉄が含まれています。穀類の摂取が少ないと多くの栄養素が不
足することを覚えておいてください。
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エネルギーの 50%は炭水化物から摂取したいものです。 炭水化物の糖質を、脳は唯一のエネ
ルギー源としています。不足すると脳の働きに支障をきたします。
●注意したい油脂と塩分
油脂は、菜種油8、調合米油2、オリーブ油2、バター3、合わせて 15g です。 使い方として
1 ヶ月分を瓶に入れておくのも一つの方法です。
高齢になると塩分の摂りすぎによる高血圧、腎臓疾患などに注意したいものです。身体の中の塩
分濃度を薄めるために、腎臓は濾過作業を続けていますが、そこに負担をかけないように、ナトリ
ウムの排出を促すカリウムの多い野菜や果物の摂取を心がけましょう。
食パン 1 枚に 0.8g、うどん、ケチャップ、あらゆるものに既に塩分が入っています。それを換
算すると 3.5g にもなります。残り 3.5gしか調味料として使えないことになります。
即席麺にはナトリウム 2.5g と書いてあります。
これを食塩に直すには 2.54 を掛けてください。
5.4g になります。固形スープ 1 個は 2.2g の塩分。醤油小さじ 1 杯は 1g、大さじ 1 杯は 3g の塩
分と覚えてください。
●老化に起きる身体の変化
老化とは身体にどんな変化が起きるかを申し上げます。①食欲が低下する②唾液の分泌が壮年期の
二分の一になる③舌の味覚細胞が減るために濃い味付けを好むようになる④咽の渇きが鈍くなる
ので、脱水状態が分かりにくくなる⑤膵液の分泌が低下するために脂肪の消化吸収力が落ちる⑥噛
む力が若い頃の二分の一から三分の一になる。⑦飲み込む力が弱くなり、むせることが多くなる…
など主な症状があります。
食品ロスについては環境問題として大きな課題となっています。せめて家庭の中に取り入れる食
品は適量の買い物を心掛け、大切に扱っていきたいと思います。
最後に簡素なそしてバランスのとれた食事、特に自分の手を使っての家庭料理を大切に思う心豊
かな食事を目指していきたいと思います。
ビデオ放映と展示品の紹介
講演の後、
友の会で制作された20分ほどのほどビ
デオの放映がありました。
高齢になってもご自分で食を極力管理をされて
健康に過ごされている会員の「食の生活」が紹介
された後、
「友の会のシニア・グループが自分達の
冷蔵庫の中を調べてみて、
多くの常備菜や半調理品
が入っていたので、それらを参考に『自分で作って
冷蔵庫の備えておくと便利なもの
(常備菜))
』
と
『夫
婦二人の食の目安量』のサンプルを今日のために準備して、食堂に展示したので見てください。
」と
話されました。
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リビング アカデミー賛歌斉唱と生活体操
講座修了後、皆さんでリビングデミー賛歌の斉唱と
生活体操をしました。生活体操は今まで初等部食堂前
の芝生でしていましたが、暑くなったことと今日は雨
のため、中教室前のスペースで、学部の早野曜子先生
の指導で、軽い屈伸運動をしました。
「夫婦二人の食の目安」と「便利な常備食」の展示を見る
昼食後、昼食会場の学部食堂に展示された、今日の講座のたために友の会の有志の方が作られた
「夫婦二人の食の目安」と「便利な常備食」の展示物を見て、皆さん試食をしたり、感想を述べ合
ったりしながら、友の会の方に熱心な質問がなされていました。
肉・魚
・一日分の
野菜
夫婦二人
・一日分の
一日分の肉と魚
展示された食品
・一週間分の 豆、大豆製品
いつもあると便利な常備菜
椎茸の甘煮
すき昆布の土佐煮(試食有り)
人参のドレッシング漬け(試食有り)
一週間分の、豆・大豆製品
さつま芋のレモン煮
野菜の甘酢漬け
野菜の五目酢炒め
夫婦二人
切干大根の煮物
便利な常備菜
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夫婦二人
一日分の野菜
・あまい・からい・すっぱい
昼 食
今回は、最高学部が夏の休暇入っていたので食堂を全面的にLAで利用することが出来て、前回
の初等部の時と同じように学生全員が一堂に会して食事をすることが出来ました。また、午後に予
定されている「LAクラスの報告会」に出られる講師数名の方も一緒に食事に参加されました。
「配膳」と「後固片付け」の当番はC家族でした。
希望満充
献 立
栄養価
・ご飯
・熱量
828.23Kcal
・麻婆茄子
・蛋白質
25.04g
・かき卵スープ(豆腐・わかめ)
・蛋白質
25.04g
・中華サラダ 春菊入り
・カルシュウム
154.71mg
・デザート、希望満充 (キボウ マンジュウ)
「希望満充」は、創立者の羽仁 もと子が長く体調を崩して臥せていたのが全快したときに、在校生が
その喜びを表し大きなおまんじゅうを作って皆で切り分けて食べたことから始まったたべものです。希
望を分けるという意味で大きく作ってきりわけることが基本となっています。
C家族による後片づけ
午後の「選択クラスの報告」は、
(その2)で報告します。
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