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未来への責任を果たす

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未来への責任を果たす
未来への責任を果たす
未来への責任を果たす
地球環境の保全と環境創造
低炭素社会に向けて
温暖化の進展によるリスクを一定範囲内に抑えるためには 2050 年までに世界の CO2 排出量を半減する、いわゆる低炭素社会の実現が
重要とされています。鹿島は、CO2 排出量の少ない社会を目指し、さまざまな取組みを進めます。
鹿島の目指す環 境 経営
塚田高明 執行役員(環境本部長)が語る
2007年 2月気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
は、
建設業の責任
■ 建設業に関わる CO2 排出量
資材生産時 8.3%
建設活動に関連する部分
合計42.7%
日本の CO2 の全排出量のうち約 4 割が建設業に関わりを持って
資材二次加工時 3.6%
いるといわれます。建物運用時が約 25%とその多くを占め、次い
輸送時 5.1%
で資材生産・加工が約 12%、輸送が約 5%と続き、建設工事から
建設時 1.3%
になった年として、記憶に残ることと思います。
直接の排出量は1%強にすぎません。このように建設業のつくる
「地球が温暖化している。その原因が人間活動にある」と強
建設業は長年にわたり多様な建設工事を通じ、さまざま
構築物、すなわち建物、社会インフラは長期的に環境に影響をも
く指摘しました。それを受けてクールアース 50(世界で温
な社会インフラ整備を担当してまいりました。そのような
たらします。
暖化ガスを半減)が提言され、将来の地球を救う世界の目
経験から、鹿島の目指す環境経営は以下の3点から構成さ
標値となりつつあります。これは地球や資源は有限であり、
れると考えております。
社会・経済の営みを地球の許容範囲におさめることが大前
1.自らの事業活動において環境汚染の予防に努め、環境
建物運用時
(業務用)
11.4%
その他
57.3%
建物運用時
(家庭用)
13.0%
したがって、CO2 の削減のためには、建設業者は構築物の工事
出典:
「産業連関表を利用した
建設産業の環境負荷推定」
日本建築学会計画系論文集
第 549 号
中のみならず、企画・設計、調達から工事を経て保守・運営にい
たるライフサイクル全体の観点から取り組むことが必須であり、
性能を実現します。
特に上流に当たる企画・設計の段階が重要と考えます。
今後低炭素社会を実現していくためには、建物の性能を高める
提である、ということを意味しています。
負荷削減に積極的に取り組み、環境に対し感度が高く
資材生産時 8.3%
だけではなく、再生可能エネルギーの利用促進、
循環型社会の形
2008 年は、4月に京都議定書の約束期間が開始、7月に
礼儀正しい企業を目指すこと
3.6%
成、生態系保全などの課題へ自ら取り組むとともに、
さまざまな技
洞爺湖サミットで、今後の低炭素社会のあり方が議論され
2.長いライフサイクルを持ち環境へ大きなインパクトを持
ました。一方、5月に生物多様性条約第9回締約国会議が
ち続ける建設構築物に対し、環境配慮設計に基づく高
ドイツで開催され、次回2010 年の名古屋開催が決まり、生
い環境性能を追求し、あわせて環境ソリューション提案
物多様性への関心が高まりました。このように2008 年は、
地球温暖化問題に誘導される新たな変革に向けて転換点
を積極的に発信すること
3.環境保全に役立つ技術開発を推進し、環境をつくる産
資材二次加工時
鹿島の取組み
輸送時
電気・ガス・熱供給・水道業
5.1%
術、仕組みを建物のライフサイクルに織り込んでいく必要がありま
(22.1%)
建設時
鹿島は、運用時の CO2 排出量の少ない建物、いわゆる省エネル
1.3%
す。また、CO2 排出量半減を実現するためにはハードとしての技術
ギー性能の高い建物を社会に提供するために、設計段階におい
(業務用)11.4%
57.3%
の発展だけでなく、
ソフトとしてライフスタイルやワークスタイル
て省エネルギー法の基準を上回る目標を設定し、平均して 26%を
の変革が必要とも言われています。鹿島は 2050 年の低炭素社会
上回る省エネルギー性能を実現しています。具体的には、外壁や
の姿について、今後、ハード、ソフトの両面から多くのステークホル
設備における省エネルギー技術を数多く組み合わせることで高い
業として、地球温暖化防止・資源循環・環境リスク低減・
建物運用時
その他
農業(21.4%)
建物運用時
(家庭用)13.0%
ダーとともに考え、その実現に努力していきたいと考えています。
建設活動に関連する部分
建設業(19.0%)
合計42.7%
生態系保全など、幅広く環境保全・環境創造に資する
・風力発電
施設建設に取り組むこと
低炭素社会の実現にはエネルギーの需要抑制・効率化、
新エネルギーへの転換、CO2 の吸収・貯留などさまざまな
構造物のライフサイクルでの
CO2排出抑制
えています。
資材二次加工時 3.6%
建設活動に関連する部分
合計42.7%
輸送時 5.1%
建設時 1.3%
・都市環境の診断
企画・計画
・ライフサイクルコストの評価
設計・建設
・空調負荷の診断
生物多様性については、鹿島は 2005 年に「生態系保全
行動指針」を制定し、今年発足した「企業と生物多様性イ
・太陽光発電
資材生産時 8.3%
技術的方策があり、鹿島はさらに経済的スキームの活用も
視野に入れて、環境ソリューションを提供していきたいと考
・メタン発酵/バイオマスエネルギー
再生可能
エネルギー
循環型社会の
構築
・効率的空調システム
建物運用時
その他
57.3%
・省エネ仕様の外壁
(業務用)
11.4%
・設備更新
・長寿命設計
建物運用時
・省資源
(家庭用)
13.0%
保守・運用
・グリーン調達の推進
ニシアティブ(JBIB)」に創立メンバーとして参加しました。
・屋上緑化
・森林保全
生態系保全
今後、建設業の役割にふさわしい責任を果たしていきます。
21世紀は環境の世紀と言われ、さまざまな環境課題が
顕在化しています。鹿島は「環境ソリューション提案 NO.1
・設備の稼働状況の検証
・効率的な運用
企業」を目指し、お客さまに、社会に、環境問題の解決に向
・効果的メンテナンス
けハード&ソフト技術を積極的に提供することで、
「100 年
24
KAJIMA CSR REPORT 2008
をつくる会社」としての使命を果たしていきたいと考えてい
各技術・取組みの詳細は、鹿島ホームページをご覧ください。
ます。
温室効果ガスを削減する鹿島の技術
(月報 KAJIMA2008 年 4 月号) http://www.kajima.co.jp/news/digest/apr_2008/tokushu/
技術とサービス http://www.kajima.co.jp/tech/
KAJIMA CSR REPORT 2008
25
未来への責任を果たす
マテリアルフローでみる鹿島の環境活動
建設業は、構築物を作るにあたって多くの資材を投入し、エネルギーを費やし、そして廃棄物を発生させています。
2007 年度の資源・エネルギーの投入量と環境への排出量並びに削減への取組みについてまとめました。
INPUT
OUTPUT
建物のライフサイクル
CO2 排出量・削減量
■ 主要なエネルギー使用量
化石燃料
工 事
82,803kl
3,106kl
19,187 万 kWh
軽油
灯油
電力
オフィス
計
30.1万t
82,803kl
3,106kl
21,214 万 kWh
2,027 万 kWh
累積
−12.0万t/年
オフィス:0.7万t
15.3万t
工 事
鋼材
グリーン調達
54.4 万 t
19.9 万 t
657.6 万 t
※
(100.1)
184.4 万 t
7.5 万 t
923.8 万 t
(366.3)
セメント
生コンクリート
砕石
アスファルト
合計
グリーン調達率
42.1 万 t
13.0 万 t
60.8 万 t
(9.3)
135.2 万 t
6.4 万 t
557.5 万 t
(206.1)
グリーン調達
(高炉セメント・コンクリート)
に伴うCO2削減量:3.3万t
77%
65%
9%
73%
85%
56%※
排出量
新 築
合計
−19.7万t
2007年度
−40.0% 万t −CO2/年
(億円)
261.7
0.4
183.0
5.6
1.4
71.3
7.4
34.6
0. 3
8.4
9.6
2007 年度の環境保全コストは 322 億
円、前年度比 46 億円増となりました。
増加の主な理由は、廃棄物処理費が
新潟県中越沖地震復旧工事のガラ
処理のため増加したことにあります。
総 量
活動課題
気の使用によりCO2 を排出しています。2007年度の工事中の排出量は、
1990年度比
総量で1990年比で19.7万t、施工高あたりで10.6%の削減となりました。
−20.1万t
2008年度目標:−12.0%
2008 年度は、施工高あたりCO2 排出量1990 年比12%減の達成をめざ
−11.1%
−41%
しています。
8.4
1.1
総 量
運 用
算定式
環境保全コスト/施工高
産業廃棄物処理費/施工高
環境関連研究開発費/総研究開発費
1990年度
1990年度
27.0 万t −CO2/億円
49.1 万t −CO2/億円
省燃費運転、アイドリングストップの促進
2007年度
年度
2007
● 低燃費重機・車両の使用
24.0万t −CO2/億円
29.0万t −CO2/億円
● 重機・車両の適正整備
● 建設発生土の搬出量、
搬送距離の削減 など
●
現場における
CO2 削減活動
322.0
2006 年度
2.1%
1.1%
22.3%
最終処分率
5%
(汚泥を除くと3%)
参考
建設業の産業廃棄物発生量
電気機械器具、情報通信機械器具、
電子部品・デバイス製造業
(0.9%)
窯業・土石製品
製造業
(2.4%)
建設業
(建設資材)
7億5,600万t
(38%)
資源利用量
約19億4,400万t
よくわかる
建設リサイクル
平成 19 年度版
建設副産物リサイクル広報推進会議発行
窯業・土石製品
製造業
(2.3%)
KAJIMA CSR REPORT 2008
食料品製造業
(2.3%)
鉱業
(3.2%)
鉱業
(3.3%)
パルプ・紙・
紙加工品製造業
(8.4%)
発生量
電気・ガス・熱供給・水道業
(23.0%)
化学工業
(4.0%)
合計
約4億1,700万t
鉄鋼業
(10.2%)
建設業
(18.1%)
飲料・たばこ・飼料製造業
(1.0%)
その他の業種
(6.8%)
電気・ガス・熱供給・水道業
(22.1%)
資源利用量
約21億4,000万t
農業
(20.8%)
産業廃棄物の排出・
処理状況について
(平成 17 年度実績)
環境省
18.1万t
新築
その他の業種
(6.5%)
食料品製造業
(2.3%)
他産業
11億8,800万t
(62%)
建設業
(建設資材)
7億2,000万t
(34%)
リニューアル/解体
他産業
14億2,000万t
(66%)
最終処分量
その他 6%
万t
発生量
有害物処理量:
年度ト含有建材
(
万t
2004 アスベス
324.8
163
t .5)
6,099
・ハロン回収量
,490
kg .6)
年度
(
万t
2005 フロン
2492.7
147
個
PCB含有機器
(26
万t
.9)
2006 年度
254.3
157
蛍光管
31,434kg
2007 年度
最終処分量
(11.2)
万t
44.4
(11.6)
万t
30.1
(10.6)
万t
31.6
万 t 18.1
( 9.1)
万t
367.(
2 279.2)
※
( )は汚泥を除外した数値
建設廃棄物
発生量
367.2万t/年
発生木材
3%
アスファルト・
コンクリート塊 22%
イクル率向上(=最終処分率低下)
、この三つの考え方で取り組んでい
ます。
−190,000
2007 年度の廃棄物発生量は 367 万 t、最終処分量は18
万 トン
t、最終処
−
38
%
分率は5%となりました。発生総量は前年度より約113万t増えましたが、
1990年度
新潟県中越沖地震の復旧工事でコンクリートガラ、アスファルトコンク
49.1万t −CO2/年
−10.2
リートガラが111万 t 発生したことが主因です。最終処分量は、建設汚
2007年度
泥の有効利用促進に伴い最終処分率が大幅に下がったため前年度比約
万t −CO2/年
4割減となりました。最終処分率も業界平均 7.8%(平成 17 年度建設副
産物実態調査)を大幅に下回っています。
なお、有害廃棄物は適正処分が必須なため、最終処分率の計算から
除外しています。
総 量
■ 建設廃棄物の発生量とリサイクル量
2008年度目標
建設発生土:
コンクリート塊
43%
混合廃棄物
2%
建設汚泥
24%
CEC 昇降機
省エネルギー効果
国の基準
(建築主の判断基
準)に相当建物を100とした
きの省エネルギー率
と
鹿島では最終処分量の削減に、①廃棄物の発生抑制、②分別の推
進による混合廃棄物の削減、③廃棄物の種類別
(特に建設汚泥)のリサ
■ 2007 年度品目別発生量
367.2万t
総 量
2007 年度実績
117 件
82 件
70%
▲ 26%
▲ 37%
▲ 33%
▲ 41%
▲ 15%
▲ 28%
25,402t−CO2 /年
※ CEC は建築設備の省エネ指標
建設廃棄物発生量と最終処分量
2007 年度
2.4%
1.3%
22.5%
項 目
実施件数
自主基準達成件数
売上高あたりCO2排出量
達成率
平均省エネルギー率
CEC 空調
CEC 換気
CEC 照明
CEC 給湯
自主基準の達成
年間 CO2 削減量(同上 117 件から算出)
売上高あたりCO2排出量
解体・
リニュー
アル等
我が国における資源の利用量
建築物の省エネルギー設計実績(2007 年度)
施工高あたりCO2排出量
工事中は、直接的にはクレーン、ダンプ、重機の運転、間接的には電
注 1:現場のコストはサンプリング調査によります。サン
プリング数は 62 現場で、施工高比率は 19%です。
注 2:研究開発費は 21.3 億円
注 3:これに見合う主要効果→環境貢献事業受注額
280 億円
総
1990年度
年度目標:−
12.0%
t −CO
27.0 万2008
2/年
社がこの数値を公開した 2003 年度からの累積は約 12 万 t /年となり
2007年度
−190,000トン
ます。
−10.2%
万t −CO2/年
2008年度目標:−12.0%
−38%
−10.6%
1990年度
年度
1990
1990年度
1990年度
注:省エネルギー法の対象案件すべてについて「空調、換気、照明、給湯、昇
27.0 万t −CO2/年
49.1 万t −CO2/年
27.0 t −CO2/億円
49.1 万t −CO2
降機という全項目で同法の “ 建築設備効率について建築主が達成すべき
−10.2%
2007年度
基準値 ” を 5%以上上回る」
という自主基準値を定めています。
万t −CO2/年
2007年度
2007年度
2007年度
万t −CO2/年
24.1t −CO2/億円
29.4 万t −CO2
1990年度
49.1 万t −CO2/年
1990年度比
判断指標
判断指標
環境コスト比率
産業廃棄物処理費比率
環境関連研究開発費比率
ギー法を上回る自主基準値(注)を定めて取り組んでいます。この結果、
鹿島の設計した建物は、国の基準値を平均で 26%上回る省エネ性能を
達成し、これらの建物の運用に伴う1年間の CO2 排出量が約 25,402t 削
減されることになります。
なお、建物の運用に伴う CO2 の削減効果は毎年継続するため、当
■ 工事中の CO2 排出量
環境会計
広報・寄付その他
運用中の建物の省エネルギーに、鹿島では設計における省エネル
間接的な削減量
−19万t
−38%
環境保全コスト
現場における予防コスト(注 1)
温暖化防止に関するコスト
資源の循環・有効利用に関するコスト
有害物質の管理に関するコスト
生態系保全に関するコスト
公害防止活動に関するコスト
環境配慮設計コスト
研究開発・環境事業コスト(注 2(注
) 3)
環境損傷対策コスト
環境マネジメント、環境教育
社会貢献・コミュニケーション
現場における周辺美化・清掃など
2003∼2007年度の累積削減量
建物の省エネルギー設計に伴う
CO2削減量:12.0万t
※
( )は生コンクリートのうちセメント分のみを集計、算出しました。
26
−190
−3
2007年度
−2.5万t /年
工事:29.4万t
■主要資材
■ 建物の省エネルギー設計に伴う CO2 削減量
■ 品目別最終処分率
万t −CO2/年
2008年度目標
万t −CO2/年
売上高あたりC
2008年度目標 万t −CO
建設発生土: 161.8 万 m3
参考・
アスファルト・
コンクリート塊 建設汚泥 混合廃棄物 発生木材
混合廃棄物発生量
コンクリート塊
有害物処理量:
トン
年度目標 万
t −CO2/年
2008
(6.3)
%
13
9.8 万 t
2004 年度
3.7%
1.0% 19.4% 37.4%
4.2% −190,000
アスベス
ト含有建材
1.1 万 t
−10.2
その他
6%6.3)
−38ハロン回収量
%
t −CO
(
万t
年度
2/年
%2008年度目標 万
12
8.3コンクリート塊
2005
1.1%
0.9% 19.7% 36.3%
4.0%
フロン・
2.5t
43%
年度
混合廃棄物
1990
(8.5)
%
12
8.1 万 t
2006 年度
1.1%
1.4% 18.9% 37.4%
5.3%
PCB 含有機器
26 個
2%
49.1万t −CO2/年
(3.3)
%
5
7.6 万 t
蛍光管
31t
2007 年度
0.1%
0.4%
10.2% 21.5%
1.2%
最終処分率
建設汚泥
24%
発生木材
−3%
建設廃棄物
発生量
367.1万t/年
190,000トン
アスファルト・
−
38%
コンクリート塊 22%
1990年度
49.1万t −CO2/年
2007年度
万t −CO2/年
−10.5%
2007年度
万t −CO2/年
1990年度
−190,000トン
49.1万t −CO2/年
1990年度
38% CSR REPORT 2008
27.0万t −CO2/年−KAJIMA
年度
200727
建設業
(建設資材)
t −CO2/年
2007年度
t
7億2,000万 万
総 量
万t −CO2/年
(34%) 売上高あたり
未来への責任を果たす
生物多様性をリードする
どんな企業も生態系の恩恵を受け、影響を与えています。自然界に直接手を加える建設業にはより大きな責任があります。
鹿島は業界に先駆けて「鹿島生態系保全行動指針」を制定、生物多様性と建設事業の共生に向けた活動を行ってきました。
生物多様性条約第 9 回締約国会議
リーダーシップ宣言に署名
鹿島は、2008 年 5月29 日、ドイツで開催された生物多様性条
鹿島生態系保全行動指針 2005 年 8 月制定
基本理念
多摩川の流れをせき止めない滑走路
東京国際空港 D 滑走路建設外工事
地域の生態系保全に貢献
事例
サンデンフォレスト
この工事は、東京国際空港(羽田空港)の沖合海域に 4 本目の
鹿島が環境配慮設計を推進した造成工事の代表例にサンデン
事例
鹿島は、人々の暮らしと産業発展を支える良質な社会基盤の整備を目指し、
約第 9 回締約国会議(COP9)の閣僚級会合において、企業が生物
「人間にとって真に快適な環境」の実現を社会的使命として建設事業に取り組
多様性の保全に積極的に取り組むことを目標にした 「リーダー
21世紀を迎え、自然との共生に基づく持続可能な社会の形成が人類最大の課
滑走路を新しく作るものです。鹿島は全15 社による共同企業体と
フォレストがあります。群馬県赤城山の山麓 64ha もの敷地に設
題となりつつある。日本でも、2002 年に「新・生物多様性国家戦略」が策定さ
して、計画段階から環境に配慮した計画を提案しました。滑走路
けられた「森の中の工場」で、工事着工前の環境調査から計画、
シップ宣言」 に署名しました。ドイツ政府が民間企業に生物多様
んできた。
れ、 生物多様性・生態系保全の重要性が広く社会共通の認識となっている。
性に積極的に関与することを求めて発足させた「ビジネスと生物
これらの状況をふまえ、鹿島は生態系保全をその社会的使命を実現していく
の構造には、従来からの埋立構造と、滑走路の一部が多摩川河
施工までを担当し、周囲の自然環境の復元と環境創造を行いまし
多様性イニシアティブ」で、日本企業9社のほか、ドイツ、ブラジル、
ための重要な課題と位置付け、以下の行動指針に基づき、生態系保全への戦
口域にあたるため、河川水の流れをせき止めない桟橋構造とのハ
た。2ヵ所に設けられた洪水調整池は多様な生物が生息する自然
イブリッド構造を採用しました。埋立部は護岸を傾斜させること
豊かなビオトープとして、竣工後 6 年たった現在では事業者による
で、多様な生物が生息できるようにしました。また、環境への影
体験型環境教育の核となっており、小中学生から専門家まで幅広
響を把握するために水質、底質並びに動物プランクトン、植物プ
い参加者が年間 3 万人訪れています。鹿島は継続してモニタリン
ランクトン、底生生物、魚卵・稚魚、魚介類、鳥類などのモニタリ
グ調査を受託し、3 回目となる今回の調査ではオノエヤナギの群
ングを行っています。
落やマガモ、キンクロハジロといったカモ類、ショウジョウトンボ
スイス、アメリカなど 34 社が署名しました。総合建設業では鹿島
が唯一の署名企業です。署名企業は、自社活動が生物多様性に
与える影響について把握し、環境マネジメントシステムに組み込
むなどのガイドラインに沿って、自主目標を掲げて取り組むことに
なっています。鹿島も、生態系保全行動指針に従ってこれまで以
略的な取組みを通して社会・顧客及び当社の持続的な発展を目指す。
行動指針
1. マ
ネジメントシステム 鹿島は、生態系保全を環境マネジメントの重要な課
題と位置付け、事業活動における生態系への配慮を推進する。
2. コ
ンプライアンス 鹿島は、生態系保全に関する法令を順守するとともに、
関連政策や社会的要請を把握し、その知見を事業活動に反映させるよう
努める。
3. 教
育 鹿島は、生態系保全活動のために必要な基礎知識、法令、対応技術、
上に積極的に活動を展開していきます。
などが確認されました。地 域
対応事例等の情報を、社内教育等を通じて普及展開し、生態系の価値に
の生態系保全、環境創造が着
対する社員の認識を高める。
4. 建
設事業における取組み 鹿島は、生態系に関する情報、技術を活用した
生物多様性条約
1992 年に地球サミットで採択された条
約で、生物の多様性を「生態系」
「種」
「遺
伝子」の3 つのレベルで捉え、生物多様
性の保全、その構成要素の持続可能な
利用、遺伝資源の利用から生ずる利益
の公正な配分を目的としている。日本は
1992 年に署名、翌年加盟
(受諾)。2006
年 2 月現在で188ヵ国が加盟。
実に効果をあげています。
顧客への提案や工事における環境配慮、ならびに顧客と地域・社会とのコ
ミュニケーションを支援することで、建設事業を通じて良好な生態系の保
全・創出を目指す。
5. 研
究開発 鹿島は、生態系に関する情報や技術的知見の集積を行い、関連
する研究・技術開発を積極的に推進する。
竣工直後
(2002 年)
6. 社
会貢献 鹿島は、生態系保全のために市民活動や社員ボランティア活動
の支援、学協会への協力等に積極的に取り組む。
ドイツ・ボンの国際会議場で開か
れた COP9。
「企業と生物多様性イニシアティブ」に
鹿島も参加
社内教育資料「鹿島の生物多様性・生態系
保全入門」を作成
モニタリングの様子
最近の状況
(2008 年 6 月)
国内でも、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企
工事に携わる社員が生物多様性・生態系について考えるきっか
業のネットワーク「企業と生物多様性イニシアティブ(略称 JBIB)」
けとなるよう、全社環境委員会生物多様性部会が教育資料を作成
が 2008 年 4 月に発足し、鹿島も設立メンバーとして参加していま
しました。調整池(雨水排水を調整して洪水を防ぐ目的で宅地開
す。参加企業は鹿島のほか、三井住友海上火災保険
(株)、
(株)
リ
発地に設けられる池)のビオトープ化の事例や、生物多様性に配
コー、
(株)
INAX、
(株)
大和証券グループ本社、帝人(株)、積水ハ
慮した現場成功事例、配慮しなかった場合のリスク情報などを紹
都市開発計画の分野でも生態系配慮に関心が高まり、質の高
ウス
(株)、富士ゼロックス
(株)など国内の幅広い企業 17 社
(2008
介しています。今後、ダム、トンネル、造成といった土木系工事の
い緑地創造が求められています。緑地の持つ環境改善効果や環
年 5月末現在)で構成されています。JBIB は国際的な視点から生
研修で活用していきます。
境創造効果を科学的に把握することは難しく、専門家の経験や勘
物多様性の保全に関する共同研究を実施し、その成果を元に他
の企業やステークホルダーとの対話を図ることで、真に生物多様
性の保全に貢献する活動を進めます。
A3 版 3 頁にわかりやすく簡潔に
まとめました
コゲラを指標とした
技術
エコロジカルネットワーク評価技術
平成 19 年度土木学会賞環境賞
(Ⅱグループ)
受賞
に頼らざるを得ないのが実状でした。鹿島が開発した「エコロジ
カルネットワーク評価技術」では、コゲラを指標として地域内の
緑地を評価し、各種計画・設計に活用できるようになりました。
コゲラは日本全国の多様な森林に生息し、樹洞(営巣のため幹
に掘った穴)をつくることができるので、都市緑地の成熟度など
ロゴは鹿島がデザインしました
28
KAJIMA CSR REPORT 2008
コゲラの利用エリアを示したシナリオ
を示す指標種と認識されています。広域を短期間で把握できるリ
上を図りました。この技術によって、環境に配慮した建物の配置
モートセンシング技術や地理情報システム技術を用いて、コゲラ
検討や、街路樹の選定、人工地盤緑化による地域生態系への寄
の生息可能性評価モデルを開発、現地モニタリングによる精度向
与度の把握が可能となりました。
KAJIMA CSR REPORT 2008
29
未来への責任を果たす
ゼロエミッション活動の推進
建設業は国内の資源利用の 3 割強を、産業廃棄物発生量の 2 割を占めています。
解体の状況:
左から
鹿島は、
「大量投入・大量廃棄」
型の生産方式から環境負荷低減と生産性向上の両立に向けて、ゼロエミッション活動に取り組んでいます。
最終処分率 5%以下を目指して
2008 年 3 月
2008 年 4 月
2008 年 6 月
ゼロエミッションが全現場の「ミッション」
∼東京建築支店の取組み
鹿島の旧本社ビルを安全かつ
環境にやさしい工法で解体
騒音や粉じんなど近隣への環境影響を軽減
工事の種類、地域によって大きく異なります。鹿島では、廃棄物
東 京 建 築 支 店は、ゼロ
鹿島は、2007 年 11月から旧本社ビルの解体工事を行っていま
梁・床・外装など音が発生する大掛かりな解体はジャッキダウン
総量のうちどれだけ最終処分されたかという「最終処分率」を全
エミッション活動は清潔で
す。1968 年(第 1棟)の竣工以来、40 年近く使い続けてきた本社
して下層階で行うので騒音の発生頻度と影響範囲を低減できま
社共通の指標としました。ゼロエミッションについてわかりやす
安全な作業環境確保と効
ビルでした。大規模なリニューアル工事を2 回行いましたが、近
した。また、作業エリアが下層階に限定されるので粉じん飛散量
いリーフレットを作成、所長研修などで活用しています。
率化にもつながるとして、
年 IT化や省エネ対応などの問題があることから、解体するに至り
も少なくなり、重機や人が建物の上階で行う作業が少なくなるた
2007 年度から全現場展開
ました。
め作業の安全性も格段に向上しました。
建設現場から発生する廃棄物の種類や量、その処理方法は、
■ 最終処分率の定義
最終処分率
(%) =
最終処分された廃棄物量
(重量)
現場から発生した廃棄物総量
(重量)
<
=
を開始しました。工事のど
5%
の段階でなにをすべきか、
現 場 の 規 模 に応じた「 推
総発生量
そのまま
リサイクルされるもの
中間処理で分別して
リサイクルされるもの
焼却して減量化され、
熱を回収されるもの
埋立最終処分場に持ち込まれるもの
総発生量のうち、最終処分場に持ち込まれるものを極力減らします
2007 年度社長表彰
(環境)
受賞
だるま落としのような「鹿島カット&ダウン工法」で、
現場のゼロエミ横断幕
分別もリサイクルも容易に
ビルの解体は通常、重機や作業員が建物の最上階に上がって
軽減のため、イントラネットに共通資料を掲載し、業者検索やポ
解体し、廃材を下ろす方法で行いますが、旧本社ビル2 棟(地上
スター作成などが行えるようになりました。教育 DVD は鹿島の
20 階・高さ 75m、地上17 階・高さ 65m)の解体では、下階から
協力会社組織「東京鹿栄会」700 社と稼働中の全現場に配布、作
解体する「鹿島カットア
業員は現場入場の際に必ず視聴するルールとしています。
ンドダウン工法」を世界
延床面積
標準分別品目数
ジャッキダウン中に地震が起きても安心です
地震時には、建物中央部に設けた鉄筋コンクリートの壁「コアウォー
進シート」を作成して活動を支援しています。また、現場の負担
建物の規模
リニューアル工事でもゼロエミッション!
事例
アピタイースト 21 店原状復旧工事
工事に伴う騒音は建物の上階から拡散しがちですが、ここでは
ル」とその四隅の柱に架設した荷重伝達フレームが一体となって充分
な耐震性を確保します。鹿島早期地震警報システムで大きな揺れが来
る前に地震情報を検知できるので、ジャッキダウン作動中であっても
瞬時に自動停止する仕組みです。
で初めて採 用しました。
安全かつスピーディなアスベスト除去工法を開発、適用
だるま落としのように下
隣接する第 3 棟の解体では鹿島が開発した「ウォータージェッ
小規模建物
5000 ㎡以下
9 品目
中規模建物
5001 ∼ 50000 ㎡
12 品目
から各 階を順々に解 体
トを用いた石綿含有吹付け材除去工法」を採用しました。高圧の
大規模建物
50000 ㎡以上
19 品目
するもので、地上レベル
水を噴射して吹付け材をはがし取るもので、手作業に比べ時間あ
現場の規模・条件に応じて、取り組むべき品目数、内容を指導しています
たりの除去量は 10 倍です。作業空間の粉じん濃度は 5 分の1 程
付近だけで作業を行うこ
ジャッキダウンされ、解体が進む現場
とができます。
度と現場外への飛散リ
スクも大幅に低 減し、
一般にリニューアル工事は場所や時間の制約があるうえ、解体
建材は長年の汚れや除去時の付着物などでリサイクルしにくく、
リサイクル率は 99.4%!
安 全 性 も 向 上しまし
ゼロエミッションは困難とされています。この大型小売店リニュー
3R でもっとも効果が高いのはリデュースですが、解体工事では
た。 また 本 工 法 を 応
アル工事
(東京都・江東区)では、内装材や設備を取り除く期間と
廃棄物の発生抑制ができないため、分別とリサイクルを徹底する
用した除去ロボットの
以外リサイクル率を高める方法はありません。この工法では、フ
試験施工を行い、さら
ル率向上を追求しました。断熱材のグラスウールは銀紙やガラス
ロアごと下りてくるため運搬中に廃棄物が混在せず確実に分別が
に安 全な除 去 作 業を
クロスなどが付着しているため、手作業で銀紙をはがして解体し、
でき、一定量ずつ搬出できるのでリサイクル施設も受け入れやす
追求しています。
新たに仕上げ工事を行う期間に工程を分け、両工程でのリサイク
作業員教育用 DVD から。
「おさらいクイズ」で復習もできます
グラスウール単体とすることでリサイクル可能になりました。ほか
にも、石膏ボードくずが入った混合廃棄物をあえて分けるなどの努
2
力で、リサイクル率は 88.1%(混合廃棄物発生量 2.83kg/m )とな
り、リニューアル工事におけるゼロエミッションのモデル工事とな
りました。
高所作業もロボットが行います
く、30 品目の分別が可能となりました。内装部分の解体における
リデュース・リユース・リサイクル推進功労者賞・
国土交通大臣賞、2 件受賞!
リサイクル率は 92.2%と、従来工法での想定値 55%から大きく改
善しました。この工法の採用と関係なく発生するコンクリートガ
リデュース・リユース・リサイクル(3R)の継続的な活動で実績を挙
げている事業所などを表彰するもので、2007 年度は鹿島の現場 2
件が国土交通大臣賞を受賞しました。
ラや鉄くずといった躯体部分のリサイクル率を合計すると、99.4%
となります。
旧本社ビル解体工事で発生した
大量のコンクリートガラを再生しています
川崎アスコン/鹿島道路株式会社
旧本社
(第 1、2、3 棟)の解体で発生したコンクリートガラ
(16,484t)
は、再生骨材や再生路盤材、再生砂などの建設資材にリサイクルさ
関西支店 兵庫県船越トンネル
(余部工区)工事
関西支店 新千里西町 B 団地
住宅改善事業
建設工事
グラスウールの銀紙をはがして分別、はがした銀紙は圧縮し、紙くずとしてリサイクル
30
KAJIMA CSR REPORT 2008
1 コンクリートガラ
11 電線
21 石材
2 アスコンガラ
12 木くず
(飛散性)
22 廃石綿
3 その他がれき類
13 伐採・抜根材
(非飛散性)
23 石綿含有建材
4 ガラス・陶磁器くず
14 段ボール
24 ヒ素含有ボード
5 廃プラスチック
15 畳
25 蛍光管
6 塩ビ管
16 石膏ボード B
26 バッテリー
7 発泡ウレタン
17 石膏ボード C(岩綿吸音版付) 27 小型2次電池
8 スタイロフォーム
18 可燃物
28 消火器
9 タイルカーペット
19 混合廃棄物
29 冷媒フロン
10 スクラップ
20 グラスウール
30 ハロン
れています。川崎アスコンは、鹿島道路が日本道路(株)、世紀東急
工業(株)と共同で神奈
川 県 川 崎 市 に建 設した
中 間 処 理 施 設 で す。 処
理 能 力 は 1 時 間 当 たり
330t、廃 材 お よ び 製 品
ヤードで35,000tのストッ
ク量を誇る全国最大級の
海上輸送も可能な立地です
工場です。
30 品目を現場で分別しています
KAJIMA CSR REPORT 2008
31
未来への責任を果たす
より快適で環境に配慮した建物のために
環境マネジメント
いま建物には、環境負荷の低さと、快適な室内環境・機能性の両立が求められています。鹿島は、建築設計本部が設計を行うすべての
鹿島は ISO14001を全社で展開し、環境保全並びに環境事故の防止に努めています。
建物で「建築物総合環境性能評価システム
(CASBEE)」Aランク以上を環境目標に掲げ、環境性能の高い建物を実現しています。
鹿島の環境方針と対応組織
豊かな自然と一体化したキャンパス
事例
明星大学日野キャンパス理工学部棟
を拡大し、環境への取組みを強化しました。
画された学び舎です。敷地が丘陵地の谷筋となっているので、み
環境目標は全社環境委員会で設定し、土木、建築、オフィス、
ずみち
(地下水の通り道)への影響を最小限にする計画としました。
環境エンジニアリング、エンジニアリング、研究開発、海外事業の
隣の校舎との間隔や建物の形状を工夫し、既存緑地をできる
7 部門で具体的な活動を推進しています。
だけ残し、日影時間の低減による緑化保全に努めています。外観
活動項目と中期課題
く、雨の吹込みやガラスの汚れを防ぐ効果もあり、外壁のメンテ
資源循環・有効利用
現場における
ゼロエミッションの推進
外観
更も可能な無柱空間や、効率的なゾーニング計画、鹿島開発の制
チ階(3 階)に周辺の緑とキャンパスをつなぐオープンデッキテラ
震装置ハニカムダンパを配置した制震構造による高い安全性が
スを設け、学生や先生の交流の場になっています。
確保されています。足もとには地形の高低差を利用してアプロー
環境性能・負荷評価
※BEE:環境性能効率
サービス性能
4.3
3.8
100
室外環境
(敷地内)
4.3
敷地外
環境
建築物の環境品質・性能 Q
室内
環境
環境負荷 エネルギー
4.5
の低さ
BEE=3
S
A
B+
B-
(やや劣る)
50
基準
BEE=0.5
23
0
50
100
建築物の環境負荷 L
環境性能・負荷評価
※BEE:環境性能効率
サービス性能
3.8
4.3
敷地外
環境
水平庇
BEE=3
S
ライト
シェルフ
ウォールには、雄大なパノラマと自然採光を両立するため、断熱性
2. 環
境保全に資する技術開発を推進するとともに、
環境創造型事業に取り組む。
2007年度目標と実績(カッコ内が実績)※
2008年度目標
50
基準
( :13t/ 億円)
20.0 t/ 億円以下
( :1.8t/ 億円)
2.7t/ 億円以下
2006年度比 2%減、8.5kg/ ㎡( :1.1%増、8.8kg/ ㎡)
14.0 t/ 億円以下
1.8t/ 億円以下
2007年度比 2%減
最終処分率:5.5%以下
(汚泥除外)
( :3.3%)
(汚泥除外)
5%以下
全社 主要 5品目グリーン調達率 40%
( :56%)
50%以上
( :70%)
76%以上
11%減( :10.6%減)
80%以上
12%減
環境品質・
ました。また、外構には水盤を設け、富士山系を水脈とする豊かな
性能の高さ 室内環境
3.8
窓上排気
システム
(南面)
ライト
シェルフ
敷地外
環境
3.9
3.7
生態系に配慮した建設事業の推進
・生態系保全行動指針の具体的展開
・関連教育資料の整備
( :土木系教育資料の整備)
・社会貢献活動の展開
( :出前授業 3件)
・生態系情報管理システムの活用
・土木工種別教育への生態系教育の組込み
・社会貢献の実施、広報への活用
建築設計:
・CASBEE を活用した環境配慮水準の向上
・トップランナー JOB の設定
・建築設計本部:総合評価A以上
( :達成率 72. 2%)
・全社の建築設計すべてでAランク以上
・トップランナー
(S)10件以上
土木設計:
・環境配慮設計の推進
・環境配慮提案内容評価の試行
( :実施率 100%)
・環境配慮提案内容評価シートの試行・改善
・環境配慮設計の積極的な提案 2.5件 / 業務以上
( :3.1件) ・環境配慮提案積極的提案 エンジニアリング:
・環境配慮設計・施工の質的向上をはかる
・環境配慮設計チェックリストの確実な適用
( :適用 100%) ・環境配慮評価方法の開発と試行
・環境管理チェックリストの確実な適用
( :施工検討会対象プロジェクト適用 100%)
重点4課題に関する横断的取組み
環境配慮設計の推進
省エネ・省資源など、環境性能の高い
社会基盤施設の提供
環境に寄与する技術開発・事業促進
建設周辺分野での
環境ソリューション事業の拡大
環境エンジニアリング:
・環境改善事業量拡大
・環境貢献事業量:350億円
( :280億円)
・400億円
研究開発:
・環境貢献技術開発件数 6件 / 年
・環境貢献技術展開件数 2件 / 年
・環境貢献技術開発件数 6件 / 年
( :8件)
・環境貢献技術展開件数 2件 / 年
( :4件)
・6件 / 年
・2件 / 年
海外工事での環境配慮
省エネ、省資源を中心に、
地域特性に応じた
環境保全活動の実施
・コンクリートロス率の低減
・目標数値の設定と目標達成への取組み
( :目標数値設定の実施と目標達成 )
・ロス率の向上
オフィス活動:
各項目とも 2003∼ 2005年度の平均値から 3%向上
・省資源、
省エネルギーの促進
・クールビズ、
ウォームビズの推進
各項目とも 2003∼ 2005年度平均値から 2%向上
・電力使用量原単位:4,783.0kWh/ 人以下
( :4168.8kWh/ 人)
・コピー紙使用量原単位:52.8kg/ 人以下
( :52.8kg/ 人)
・廃棄物発生量:191.6kg/ 人以下
( :146.4kg/ 人)
・リサイクル率:70%
( :68.1%)
・文具グリーン調達率:90% 以上
( :91.1%)
各項目の向上
・電力使用量
・コピー紙使用量、
・廃棄物リサイクル率
・文具グリーン調達率
グループ環境経営の促進
・環境目標設定
・EMSの導入
・目標設定率 100%
( :100%)
・認証取得会社拡大
( :取得なし)
・環境目標設定による活動継続
・認証取得会社の拡大
協力会社との連携
・優良な廃棄物処理業者の選定・活用
・指定業者リストの活用
活用率: 土木 汚泥 97% 混廃 77%
建築 汚泥 85% 混廃 92%
100
(
)
リスク管理
窓上排気
システム
100
外観
※BEE:環境性能効率
BEE=1.5
BEE=1.0
BEE=3
S
A
(すばらしい)(大変良い)
B+
(良い)
B-
(やや劣る)
50
・指定業者リストの更新・活用
※ :目標達成 :ほぼ達成 :目標未達成
(南面)
自然換気
システム
4.3
資源・マテリアル
50
Low-e
ガラス
室外環境
自然エネルギーの有効利用
(敷地内)
4.5
BEE=0.5
(南面)
4.3
外装計画における
エネルギー
・対応実績の把握・報告
・有害物質の適切な管理
(土木)
・予防活動の徹底によるリスク回避
(建築)
環境に感度の高い企業風土醸成
C
23
(南面)
自然換気
システム
みにより、CASBEE は Sランク
(BEE 値 3.3)を達成しました。
・対応実績の把握・報告
( :土木:地歴事前確認実施率 100%)
( :建築:重大な環境事故の発生件数は 0件)
( :実績把握:アスベスト、フロン、ハロン、PCB)
建築物の環境負荷 L
サービス性能
長の窓が連なるデザインとし、
方位に応じて日射遮蔽性能を確保し
・確実な対応と実績報告
環境経営の基盤整備に関する取組み
B-
(劣る)
0
建築物の環境品質・性能 Q
せ、高い省エネ性とサステナビリティを実現しました。東西面は縦
環境性能・負荷評価
(良い)
PC庇
Low-E
ガラス
動による自然換気システムを組み込んだサッシュなどを組み合わ
B+
A
【発生抑制】
土木:発生総量 18.0 t/ 億円
(汚泥、コンガラ除外)
混合廃棄物 2.4t/ 億円
建築:混合廃棄物 2005年度比 5%減
(延床面積あたり 10.7kg/ ㎡)
【最終処分率】
全社:5%以下
(汚泥除外)
【グリーン調達】
生コンクリート、
セメント、
砕石、
アスファルト) 40%
主要5品目グリーン調達率( 鋼材、
有害物質の管理
予防的対応の促進
(やや劣る)
(南面)
の高い Low-E ガラス、日射制御を行う水平庇とライトシェルフ、手
BEE=1.0
77
3.7
(南面)
BEE=1.5
(すばらしい)(大変良い)
3.9
資源・マテリアル
え、鹿島が設計・施工を行いました。南北面のガラスカーテン
環境負荷の
低さ
室外環境
(敷地内)
4.5
に生かした環境配慮建築としたいという発注者の強い要望にこた
水系を持つ土地への感謝の気持ちを表現しています。こうした取組
4.3
100
建築物の環境品質・性能 Q
室内
環境
沼津の地は卓越風(ある地域である期間に最も吹きやすい風)
環境負荷 エネルギー
の低さ
を視野に入れて、資源の循環・有効活用、有害物質の管理、地球温暖化の
防 止、生態系の保全等に取り組む。
建築設計:
自社省エネ基準
(国基準値 5% 向上)達成率:対象物件の 80%以上
(kg/ 億円)削減率 12%
CO2発生量原単位
(劣る)
※建築物の環境性能についての日本独自の評価システムです。
や日射など温暖な気候に恵まれていることから、その恵みを充分
社内外共に広くコミュニケーションを図る。
1. 事
業活動における汚染の予防に努めるとともに、建造物のライフサイクル
地球温暖化の防止
省エネルギー性能の高い社会基盤施設の提供
建設工事における CO2排出量の削減
C
※
(建築物総合環境性能評価システム)
の評価は S ランク、BEE 値は 3.3 です
CASBEE
自然の恵みを上手に享受する本社ビル
事例
明電舎沼津事業所本館
中期目標
(2006 年度- 2008 年度)
BEE=1.0
(良い)
77
3.7
KAJIMA CSR REPORT 2008
BEE=1.5
(すばらしい)(大変良い)
3.9
資源・マテリアル
環境品質・
性能の高さ
済活動が両立する持続可能な社会の実現に貢献する。また、
情報開示を含め、
重点4課題に関する取組み
ナンスの歩廊の役割も担っています。そのほか将来レイアウト変
環境品質・
性能の高さ
点に立ち、自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、環境保全と経
環境目標と実績
上の特徴である各階の庇は、南面の直射光をさえぎるだけでな
32
社会基盤整備を担う建設業の一員として、地域社会のみならず地球規模の観
テムを運用しています。2003 年度には全社統合システムに適用
豊かな自然との共生と、学生たちの居場所の創出をテーマに計
連絡ブリッジ/アプローチ
環境方針(1998 年制定、2003 年改定)
鹿島は1997 年からISO14001に準拠した環境マネジメントシス
基準
廃棄物処理業者の選定について
社有地の汚染土壌対応
鹿島の現場では、混合廃棄物、建設汚泥、廃石綿などの処分業
鹿島は、すべての社有地の地歴調査を行うとともに、売買・ 造
者については、処理委託契約は現場個別でなく各支店長との契約
成工事に関わる土地については現地調査を行っています。汚染が
としています。支店の環境担当者は、施設を直接視察した上で利
判明した場合は浄 化対策を行い、その旨を社外に発表します。
用の可否を判断し、支店ごとの指定処理委託業者リストを作成、さ
2007 年度は 4 件の調査を行い、費用は 995 万円でした。
らに年 3 回の集合教育で視察時のチェックリストや判断基準を再確
認しています。現場は、これらのリストの中から業者を選定します。
BEE=0.5
C
(劣る)
0
50
建築物の環境負荷 L
KAJIMA CSR REPORT 2008
100
33
Fly UP