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平成 28 年度国の施策および予算に関する提案・要望(案)

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平成 28 年度国の施策および予算に関する提案・要望(案)
平成 28 年度国の施策および予算に関する提案・要望(案)
子どもの生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現
提案・要望 1
安心して生み育て、子どもの育ちを支える環境づくり・・・・・・・・・1
提案・要望 2
困難を抱える子ども・若者への支援の充実について・・・・・・・・・・3
提案・要望 3
女性の活躍推進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
提案・要望 4
夢と生きる力を育む教育環境の整備について・・・・・・・・・・・・・7
提案・要望 5
インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育の推進につい
て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
すべての人に居場所と出番があり、最期まで充実した人生を送れる社会の実現
提案・要望 6
知的障害者の介護現場での就労促進について・・・・・・・・・・・・11
滋賀の強みを活かし、新たな強みを生み出すための滋賀らしい産業の創造
提案・要望 7
エネルギー政策の推進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
提案・要望 8
聴覚再生医療を確立し、滋賀県から国内外に展開・・・・・・・・・・15
琵琶湖をはじめとするめぐみ豊かな環境といのちへの共感を育む社会の実現
提案・要望 9
外来生物対策について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
提案・要望10 自然再生事業に対する財政上の措置について・・・・・・・・・・・・19
提案・要望11 琵琶湖漁業の再生ステップアップにかかる支援について・・・・・・・21
豊かに実る美しい地域づくりと、滋賀・びわ湖ブランドの発信
提案・要望12 日本遺産等を活用した滋賀版DMOの形成に向けた支援について・・・23
提案・要望13 畜産経営の維持発展に対する支援の充実について・・・・・・・・・・25
「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造
提案・要望14 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラ
ムの推進とアール・ブリュットの総合的な振興について・・・・・・・27
提案・要望15 第79回国民体育大会・第24回全国障害者スポーツ大会に向けた財
政支援について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
人や「もの」が行き交う活力ある県土づくりと安全・安心社会の実現
提案・要望16 原子力災害への実効性ある多重防護体制の構築に向けて・・・・・・・31
提案・要望17 農業農村整備事業のより一層の推進について・・・・・・・・・・・・33
提案・要望18 滋賀のポテンシャルを引き上げる道路整備について・・・・・・・・・35
提案・要望19 治水事業の推進について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
提案・要望20 整備新幹線の整備にかかる地方負担について・・・・・・・・・・・・43
提案・要望21 交通系ICカードの地域またぎ利用の改善について・・・・・・・・・45
提案・要望22 時代の変化に対応する警察活動推進体制の整備について・・・・・・・47
持続可能で活力ある行政経営の実現
提案・要望23 公的管理森林の持つ公益的機能の持続的発揮について・・・・・・・・49
提案・要望24 次世代に向けて持続可能な地方税財政基盤の確立について・・・・・・51
地方創生の深化に向けた制度の充実
提案・要望25 地方創生の深化に向けた制度の充実等について・・・・・・・・・・・57
琵琶湖の保全および再生
提案・要望26 琵琶湖の保全および再生について・・・・・・・・・・・・・・・・・別冊
安心して生み育て、子どもの育ちを支える環境づくり
【提案・要望先】内閣府、厚生労働省
1.提案・要望内容
(1) 子育て世帯の経済的負担の軽減
○ 保育料軽減の同時入所要件の廃止、多子世帯の一時預かり利用料の無料化
○ 乳幼児に対する医療費負担の国による軽減措置
(2)待機児童解消のための保育人材の確保
○保育士の確保のための更なる処遇改善
(3)保育所等における教育・保育の質の確保・向上
○ 保育所や放課後児童クラブ等における、現場の状況や子どもの発達状態に応じた教
育・保育内容等を指導助言する専門アドバイザー派遣制度の創設
○ 1・2歳児および3歳児を中心とした職員配置基準の改善
○ 放課後児童クラブにおける障害児の障害程度や人数に応じた補助制度への改善
2.提案・要望の理由
○ 多子世帯の保育料の負担軽減を図るため、同時入所要件の撤廃が必要。一時預かり
事業についても、多子世帯ほど負担が大きくなるため、国による無料化の制度創設を
求める。また、子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、乳幼児に対する医療費助
成が必要である。
○ 待機児童解消のためには、早期の保育所整備とともに保育士の確保が不可欠であり、
特に保育士確保のため、新制度において「質の改善」項目として検討されている5%
の職員給与の改善を早期に実現することが必要である。
○ 保育所等の教育・保育内容に関して、専門的な見地から指導助言を行うアドバイザ
ーの派遣が求められている。また、3歳児以下の乳幼児については、個々の状態に応
じたきめ細かな保育が必要であるため、職員配置については、加算措置による対応で
はなく、すべての保育所等で実施されるよう、配置基準そのものを改善する必要があ
る。
○
放課後児童クラブにおける障害児の受入れにあたっては、子ども個々の状態や現場
の状況に応じた対応が必要であり、専門的知識を有するアドバイザーの派遣が強く求
められている。また、障害児数を2段階に分けて補助している現行基準を改善し、障
害の程度や人数などに即した専門的指導員の配置を支援する必要がある。
(本県の取組状況と課題)
(1) 子育て世帯の経済的負担の軽減
○実際に子どもをもつ数が理想より少ない理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎ
る」が圧倒的に多い。
滋賀県子育てに関する県民意識調査(26 年 3 月)
「理想の子どもの数」より「実際にもつ子どもの数」が少ない理由(N=1,776)
0
子育てや教育にお金がかかりすぎる
高年齢で産むのはいやだ
育児の心理的、肉体的負担に耐えられない
子どもがのびのび育つ社会環境ではない
健康上の理由
自分の仕事に差し支える
ほしいけれどもできない
家が狭い
配偶者の家事・育児の協力が得られない
一番末の子が自分や配偶者の定年退職までに成人して欲しい
その他
200
188
189
200
212
115
136
153
400
324
600
800
1000
1200
1047
300
321
○本県では、乳児の医療費助成を昭和 48 年に開始し、現在出生から就学前を対象に2分
の1の市町補助を実施 (H27 予算額 821,653 千円)しているが、国が進める就学前教
育・保育の無償化等の検討と併せ、子育て世帯の一層の負担軽減を図ることが必要。
(2) 待機児童解消のための保育人材の確保
○保育士・保育所支援センターによる潜在保育士の再就職支援、新卒者の県内就労の促
進、現任保育士の離職防止のための相談事業、保育士修学資金貸付事業による養成校
新卒者の確保等、保育士確保対策に取り組んでいる。
○新制度において、保育所、認定こども園等の職員の処遇改善として、3%の給与改善
が措置されているが、未だ保育士の平均賃金は全産業における水準より低位となって
おり、保育人材の確保のため、更なる改善が必要。
(3) 保育所等における教育・保育の質の確保・向上
①就学前の教育・保育
○教育・保育の質の向上を図るため、昭和 55 年度から県に保育指導員を配置し、保育所
等への訪問による指導助言を実施。(平成 27 年度からは教育・保育指導員として 2 名を配置)
○保育の質の確保の点では、加算ではなく職員配置基準による抜本的な見直しが必要。
②放課後児童クラブ
○県内 352 単位(H27.5.1)のうち 233 単位が障害児を受け入れており、そのうち 5 人以
上を受け入れているのは 30 単位。
○放課後児童支援員認定資格研修に取り組み、県内全域にわたる質の確保に努めている。
○国では、今年度から障害児 5 人以上の受入クラブに一律に支援員 1 人を追加加配する
措置がなされたが、現場実態では、障害程度や人数に応じた「1:1」や「3:1」など
による支援員の配置が必要で、この対応(人件費負担)が大きな課題となっている。
困難を抱える子ども・若者への支援の充実について
【提案・要望先】厚生労働省
1.提案・要望内容
子ども・若者の居場所づくりの充実
○民間での取り組みに対する支援制度の創設
子どもの居場所づくり事業について、民間での自主的な取り組みにより、事業
がさらに展開されるよう、民間への支援制度を創設
・対象者をひとり親に限らず、地域に住む子ども全体に拡大
・実施主体を自治体に限らず、様々な団体参加が可能となるよう、民間に拡大
○自立援助ホームの支援対象の大学進学者までの拡大
児童養護施設等を退所し大学進学した者の、就学の継続と将来の自立を確かな
ものとするために、大学進学者で自立のための支援が必要な者を自立援助ホーム
の支援対象とする。
2.提案・要望の理由
○子どもの貧困率は 16.3%(H24)と過去最悪となっており、経済的な問題に加え、
親が夜も働かざるを得なかったり、帰宅が遅かったりするため、夜に子どもが独
りで留守番するなど、地域で孤立している子どもたちがいる。
○子どもの居場所づくりとして、自主的に NPO 法人や社会福祉法人等において食事
の提供や交流会を実施している活動があるが、さらに地域で活動の展開を図るた
めには、このような民間での取り組みに対する支援が必要。
○家庭や地域に居場所が確保できずに、県内では約 300 名の子どもたちが、施設や
里親などの社会的養護のもとで生活をしているが、彼らの高校卒業後の大学等へ
の進学率は県全体の平均に比べて著しく低い。
○施設や里親のもとで暮らす子どもたちの大学等への進学を推進し、将来の自立を
確かなものとするための支援が必要。
(本県の取組状況と課題)
○本県においては、民間の福祉関係者が集まった任意団体である「滋賀の縁創造実践
センター」のもと、NPO 法人や社会福祉法人が、子どもの居場所づくりの取り組
みとして、夕食が食べられたり、宿題をしたり、本を読んだり、遊んだり等、安心
して過ごすことができる「淡海子ども食堂」という場所を開設・運営している。
○この活動に対しては、
「滋賀の縁創造実践センター」が助成(助成の原資となる基
金に県も出資)を行い、活動の支援を行っているが、食堂の立ち上げ経費や運営
費の確保が大きな課題となっている。
○来年度予算の概算要求において、「子どもの生活・学習支援事業」として、居場所
づくりも含めた事業があるが、対象者がひとり親家庭に限られており、また、実施
主体は自治体のみとなっている。
○地域にはひとり親家庭の他にもさまざまなしんどさを抱えた子どもがいることか
ら、より多くの子どもが参加できる仕組みとすることにより、地域において子ど
もを社会全体で支えるという機運の醸成や、子どもが安心・安全に過ごせる場所
の提供が期待できる。
〇また、子どもを中心においたこの活動により、地域の連帯感が育まれるとともに、
高齢者が活動サポーターとして活躍する場の創出など、地域の活性化につながる。
○こうした子どもの居場所づくりを広く展開するためには、地域の様々な団体の参
加や、民間の柔軟性を活かした活動とともに、資金面での安定的な運営が求めら
れることから、民間の活動に対する支援制度が必要である。
○施設退所者に生活の場を提供する自立援助ホームは県内に 1 施設あるが、支援(入
居)の対象は、就労しながら自立を目指す者に限られている。
○県内の児童養護施設入所児童の大学等への進学率は、28.6%(H24~H26 平均)であ
り、県全体の平均(約 70%)に比べて著しく低いが、施設退所後に生活支援が途
切れることが、入所児童が進学をあきらめる原因の一つと考えられる。
○彼らの大学進学を後押しし、将来の自立を確かなものとするために、自立援助ホ
ームの支援対象に大学進学者も加え、切れ目のない支援に取り組む必要がある。
女性の活躍推進について
1.提案・要望項目
【提案・要望先】内閣府、厚生労働省
(1)「女性活躍応援基金」創設への支援
○
女性の職業生活における活躍推進に関する法律に基づく取組の加速化に向け、地
域の実情に応じた都道府県の主体的な施策展開を継続的に行うため、「女性活躍応
援基金」の創設に向けた支援
基金の創設により女性活躍が加速化する取組例
企業における取組促進
・女性活躍推進企業認証制度
・イクボス宣言企業登録の推進
・イクボスセミナーの開催
M字カーブの解消に向けた取組
・就労支援の充実(マザーズジョブステーションのキャリアカウンセラーの拡充等
・多様な働き方の提案(在宅ワーク支援事業等)
・女性の交流機会の提供 ・若年層に向けたライフ&キャリアセミナーの開催
女性管理職の増加に向けた取組
・女性のキャリアアップセミナー
など
(2) 男性の育児参画休暇制度の創設
○
女性の活躍を進めるためには、男性の家事・育児参画を強力に推進することが必
要であることから、子どもの誕生前後の一定期間において、父親が育児に参画する
ための育児参画休暇制度(有給)を創設
2.提案・要望の理由
〇
平成27年9月に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が公布
〇
女性の活躍推進は、地域経済の活性化に必要不可欠であり、本県を含め、全国で
地域の実情に応じた多様な女性活躍推進施策が継続して展開されることが必要
〇
現行の「地域女性活躍推進交付金」は、単年度の制度であり、地域が展開する施
策に対する継続的な支援が必要
〇
また、女性の活躍推進が加速するためには、男性が積極的に家事・育児に参画す
ることが重要であり、育児参画の第一歩の期間である子どもの誕生前後に男性が育
児に参画できる制度の創設が必要
(本県の取組状況)
○本県の取り組み
カ
ラ
ッ
ト
(1) CARAT滋賀・女性・元気プロジェクト(平成 26 年度~)
・進路選択や出産・子育て、再就労、起業、キャリアアップなどのライフステージ
において、女性がいきいきと働き、暮らすことができるよう、女性の活躍推進に
カ
ラ
ッ
ト
向け、切れ目のない、きめ細かな支援を行う「CARAT滋賀・女性・元気プロジ
ェクト」を部局連携で展開
(2) 滋賀マザーズジョブステーション(平成 23 年度~)
・本県は、女性の労働力率のM字カーブが深く、出産や子育てにより離職する女性
が多いが、一方で、子育て中の無職の女性のうち 35,000 人が就職を希望
・出産や子育て等による離職後、再就職を希望する女性や仕事と子育ての両立に悩
む女性などを支援するために、県と滋賀労働局がそれぞれの特性を活かし、滋賀
マザーズジョブステーションを県内2か所で運営
・専門のカウンセラーによる就労にいたるまでの個別相談やアドバイス、仕事と子
育てを両立するための保育等の情報の提供を行うほか、就職ナビゲーターによる
求人情報の提供や職業紹介、託児など一貫した就労支援を提供
(3) 滋賀県女性活躍推進企業認証制度(平成 27 年度~)
・女性活躍推進に積極的に取り組む企業・団体を県が認証し、その取組状況を公表
することにより、県内における
女性活躍の促進を図るため、
平成 27 年 6 月 30 日に「滋賀県
女性活躍推進企業認証制度」創設
H27.9.3 現在
一つ星企業 6 社
二つ星企業 4 社
三つ星企業 0 社
女性活躍推進企業認証書交付式(9/3)
(4) 男性の育児休業取得奨励金事業(平成 23 年度~)
・企業における男性労働者の育児休業取得を促進するとともに、男性の育児休業の
取得に向けた気運醸成を図るため、男性労働者に事業主として初めて育児休業を
取得させた場合、当該事業主に対し 200 千円の奨励金を支給(1 事業主 1 回限り)
(5) イクボス宣言企業登録(平成 27 年度~)
・「イクボス宣言」を行った企業・団体を県が登録し、その取組を広く公表するこ
とにより、企業・団体における仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
を推進
夢と生きる力を育む教育環境の整備について
【提案・要望先】文部科学省
1.提案・要望内容
(1) 学ぶ力の向上のための教育環境づくり
○
多様な子どもの課題や高度な保護者ニーズに加え、新たな教育内容や方法への
対応など、これからの学校に求められる学習体制の刷新に向けた教育環境の抜本
的改革
・アクティブ・ラーニングによる授業革新のため、加配を拡充
・小学校の専科教員を義務標準法における定数化
・中学校の定数基準を高等学校程度に改善
(2) 個に応じた多様な教育課題に対応できる教育環境づくり
○
子どもの多様な教育課題に専任するための教員配置の拡充により、児童生徒へ
の指導の充実
・家庭環境などによる教育格差解消のための教員
・発達障害のある児童生徒への対応のための教員
・いじめ、不登校の解消を目指し、体制を整備する教員
・日本語指導が必要な外国籍児童生徒への対応のための教員
(3) ゆとりと使命感を持って教員の指導力を最大限発揮させる
教育環境づくり
○ 教員が教科指導や生徒指導に専念できるために、チーム学校による学校組織の
2.提案の理由
早急な構築
・教員の資質能力向上のため、指導教諭の配置に伴う新たな加配の創設要望
・教育相談、カウンセリング機能充実のための養護教諭の複数配置基準の改善
・生徒指導上の課題への対応のため、スクールカウンセラー、スクールソーシ
ャルワーカーの配置の拡充
・学校事務体制の強化を図るための事務職員の加配拡充
・学校図書館機能充実のための学校司書の拡充
・ICT活用指導力向上のための専門スタッフの拡充
ための専門スタッフの配置を拡充
2.提案・要望の理由
○
学校を取り巻く環境が複雑化、困難化し、教員に求められる役割も拡大する一方、
子どもが自ら課題を発見し、解決に向けて主体的、協働的に学ぶ学習の充実など授
業革新(アクティブ・ラーニング)が必要となっている。
○
いじめの問題や不登校児童生徒への対応、発達障害のある子どもへの支援や日本
語指導が必要な外国人児童生徒、貧困を背景とした生徒指導上の課題への対応な
ど、多様な教育課題に対応するため、それぞれの課題に専任できる教育環境を整え
る必要がある。
○ 最大の教育資源である教員が、自らの意識改革により資質能力の向上を図り、
持てる力を最大限に発揮できる学校組織の構築が必要である。そのため、教員と事
務職員、専門スタッフなどが連携、分担して多様な教育課題に対して一つのチーム
として校務を行う体制を整備する必要がある。
(本県の取組状況と課題)
本県では、いじめ不登校、学力、体力の向上、特別支援教育などの大きな課
題を総合的に解決するために、少人数学級編制を小中学校全学年に拡充し、教
育の充実を図ってきているが、まだまだ教員一人ひとりの負担は大きい。他府
県から、多くの子育て世代が転入してきている中、県民に信頼される教育を進
めるため、最大の教育資源である教員が、最大限に教育力を発揮できる教員配
置を進めることが喫緊の課題である。
学年別・いじめ認知件数
件
数
250
200
150
100
50
0
学年別不登校児童生徒数(H25)
400人
H22
H23
H24
H25
小1
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
4
3
26
8
4
44
15
11
59
15
21
84
34
27
130
30
40
91
28
33
156
27
28
111
8
8
47
50
69
115
132
172
176
229
166
74
主ないじめ発生時間帯(小学校)
250人
200人
学校外
部活動中
2.0
6.0
清掃中
人
給食等
登下校
0
20
給食等
43.6
14.8
21.4
授業中
1.3
2.2
清掃中
休み時…
22.2
14.2
15.6
6.2
登下校
60
(%)
100人
50人
休み時…
授業中
40
0
20
10,000
10.0%
9,000
9.0%
8,000
8.0%
7,000
7.0%
6,000
6.0%
5,000
5.0%
4,000
4.0%
3,000
3.0%
2,000
2.0%
1,000
1.0%
0
0.0%
20
21
22
23
24
25
40
小1小2小3小4小5小6中1中2中3
60
*中 2 をピークに学年の上昇に伴い増加。
特に中 1 では激増している
1200人 日本語指導が必要な外国人児童生徒
1000人
800人
小学校
(人)
600人
中学校
(人)
400人
小学校
(率)
200人
中学校
(率)
26
*特別な支援を必要とする児童生徒は 7 年間でおよそ 2 倍に増えている
人
250
0人
38.2
通常学級における特別な支援を必要とする児童生徒の状況
19
150人
主ないじめ発生時間帯(中学校)
12.3
学校外
経験あり
300人
*H24 年に認知件数は大きく増加。中 1 をピークにして学年の上昇につれ増加
(%)
経験なし
350人
日本語指導が必要な外国人児童生徒
225
738
226 239 262 282 262 248
654 627 606 607 653 653
0人
H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
中学校
小学校
*対象児童生徒は1000人近い数で推移している
*対象児童生徒は毎年 1500 人以上在籍してい
小学校教員年齢別分布
200
150
100
50
0
23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 57 59 再
才
*中堅層が極端に少ない不均衡な職員構成
出典:H26 学校における教育の情報化の実態等に関
する調査結果(H27.8 文部科学省)
70%
女性教員減少率(小学校)
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
滋賀県
全56歳
国57歳 58歳 59歳 60歳
50歳 51歳 52歳 53歳
54歳 55歳
インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支
援教育の推進について
【提案・要望先】文部科学省
1.提案・要望内容
(1)
障害のある子どもとない子どもが、「地域で共に学びあう」
ための体制整備
○
障害のある児童生徒が、地域の学校に就学し、その障害の程度に応じて適切な指
導を受けながら、障害のない児童生徒と共に学びあう体制整備を推進
・ 『インクルーシブ教育システム推進センター(仮称)』の地域実践研究事業等において、
「副次的な学籍*1」や特別支援学校「分教室*2」の小中高等学校への設置に向け、本県・
市町との共同研究を推進
・ 専門家の幼小中高等学校への定数配置に向けた、
『インクルーシブ教育システム推進事
業費補助』による看護師等の小中学校への積極的な配置
*1
*2
(2)
○
地域の学校と特別支援学校との双方に学籍を置くための新たな仕組み
特別支援学校とは別の場所で授業を受けられる「教室」
発達障害のある児童生徒への支援
通常学級に在籍する発達障害のある児童生徒への指導の充実
・ 専門教諭の学校現場における養成として、
『通級による指導担当教員等専門性充実事業』
の指定
・ 専門家の幼小中高等学校への定数配置に向け、特別支援教育士や精神保健福祉士等を支
援アドバイザーとして配置した『発達障害早期支援研究事業』の指定
○
発達障害のある児童生徒を指導する特別支援学級の学級編制基準の引下げ
○
次期『学習指導要領』の改訂に向け、
「社会生活技能訓練」等の専門指導を幼稚園
教育要領および小中高等学校の学習指導要領へ位置付け
2.提案・要望の理由
○ インクルーシブ教育システムの構築に向け、障害のある児童生徒と障害のない児童
生徒が「地域で共に学びあう」仕組み作りの具体的な手立ての立案が急務
○ 全国的な障害のある児童生徒の急増を踏まえ、その主たる要因である知的障害また
は発達障害のある児童生徒について、その障害に応じて「地域の学校における学びの
場」の確保が喫緊の課題
○ 一般事業所への就職等、学校卒業後の職業的・社会的自立と社会参加をより一層進
めるためには、発達障害を含め一人一人の障害に応じた指導の充実が必要
(本県の取組状況と課題)
H27.3「滋賀のめざす特別支援教育ビジョン(基本ビジョン)
」を策定
共生社会の形成をめざした「インクルーシブ教育システムの構築と新しい学校づくり」により、
滋賀ならではの特別支援教育の構築を推進するため、「滋賀のめざす特別支援教育ビジョン(基
本ビジョン)を策定
課題
○ 障害のある子どもと障害のない子どもが「地域で共に生きていくための力」を身に付けられる
よう、共に学びあえる小中高等学校の教育環境整備が必要(ハード・ソフトの両面)
○ 急増する知的障害や発達障害のある児童生徒への対応とその指導の充実が必要
◯ 職業的・社会的自立に向けた職業教育を推進(就職率の向上)
知的障害者の介護現場での就労促進について
【提案・要望先】厚生労働省
1.提案・要望内容
1 知的障害者の技能習得への支援
介護など雇用へ着実につながる技能を習得するための研修に対する支援制度の創
設
2 知的障害者を雇用する民間事業者への支援
民間事業者の知的障害者雇用を促進するための、障害理解や支援方法に関する研
修に対する支援制度の創設
3 技能習得から雇用調整まで一体的支援の仕組みづくり
研修を修了した知的障害者の登録制度の創設と、知的障害者の雇用に向け事業者
と調整を行う機関の創設
2.提案・要望の理由
○
障害者の自立生活の観点においては、身体、知的、精神の3障害の中でも、就労継
続支援事業等の福祉サービスの利用割合が最も高い知的障害者の就労促進と、地域に
おける自立した生活の推進が特に重要な課題となっている。
〇
また、高齢分野では、高齢化の進展に伴い、今後ますます医療福祉ニーズが増大す
る一方で、人口減少社会を迎え、様々な分野で高齢化社会を支える人材の確保が喫緊
の課題となっている。
○
とりわけ介護現場での人材不足は深刻で、2025年には全国で253万人が必要
とされ、現状の推移では約38万人が不足し、特に介護人材の確保が急務である。
○
こうした状況を踏まえ、知的障害者がサービスの担い手として、その特性を生かし
活躍できる職場として実績のある介護職への就労を促進することにより、介護人材の
確保を進めるとともに、併せて知的障害者の地域での自立を目指し提言する。
(本県の取組状況)
(1)
滋賀県では、介護保険制度が導入された2000年から知的障害者に対する介護
技能習得研修(旧3級ヘルパー相当・H26~介護職員初任者研修も実施)を実施。
(2)
今年度からは、これまでの取組結果や民間や県が行った調査結果などを踏まえて、
県独自カリキュラムを県独自資格制度として構築するとともに、雇用の受け皿とな
る介護事業所職員への障害理解などに関する研修や両者間の雇用などの調整機能も
設けて一体的に介護現場への就労の促進を図っている。
(3)
厚生労働省他、複数の自治体からの問い合わせがあるなど、知的障害者の就労促
進および介護人材確保などの観点で全国的に関心が高まっている。
エネルギー政策の推進について
1.提案・要望項目
【提案・要望先】経済産業省、環境省
(1) 原発に依存しない新しいエネルギー社会の構築
○原発に依存せず、社会、経済、環境といった多面的な要求を同時に満たす、新しいエネ
ルギー社会の構築に向けたビジョンの提示と中長期的なエネルギー政策の推進
(2) 「地産地消型」「自立分散型」のエネルギー社会づくりへの取組支援
○ 地域を活性化させるエネルギー施策の充実
・人口減少社会に対応し、地域の活性化に取り組む「滋賀エネルギーイノベーションプ
ロジェクト」への支援
・地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業の充実強化
・市民共同発電等、地域主体の小規模な取組に配慮した固定価格買取制度の設定
○ 強靭な地域社会を実現するエネルギー施策の充実
・平成 28 年度で終了するグリーンニューディール基金の後継施策の構築
○省エネルギーをより一層推進するエネルギー施策の充実
・エネルギー使用合理化等事業者支援等の充実強化
・住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業など家庭向け省エネルギー施策の
充実強化
2.提案・要望の理由
○福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、原発に依存しない新しいエネルギー社会
の構築に向けた取組が求められている。
○滋賀県では「(仮称)新しいエネルギー社会の実現に向けた道筋」の策定に取り組んでお
り、①再生可能エネルギー導入促進、②省エネルギー・節電の推進、③エネルギーの効率
的な利用、④関連産業の振興・技術開発の促進に、市町や事業者等と連携して、エネルギ
ーの観点から「新しい豊かさ」を実現し、地域の活性化につなげていくことが求められて
いる。
(本県の取組状況と課題)
滋賀エネルギーイノベーションプロジェクト
エネルギー関連産業の振興や新たな技術開発を進めるとともに、地域における熱エ
ネルギー、再生可能エネルギー(未利用エネルギー)等の面的利用の促進や、今後期
待される水素エネルギー利用等の拠点整備を市町と連携して促進するなど、エネルギ
ーの分野から地域の活性化を進めます。
【重要業績指標(KPI)】
◎新エネルギー社会の先導的な取組モデル数を5件
〔新しいエネルギー社会を実現する先導的な取組モデルの形成件数〕
平成26年度 0件
→
平成31年度 5件(累計)
【主な施策】
・市街地や工場等集積地における下水熱や工場排熱などの熱エネルギーや、木質
バイオマスなど、それぞれの地域特性に応じたエネルギーの面的な創出・利用
等を行うモデルの形成
・県民や事業者等の関心を高め、創エネ、省エネ、蓄エネのさらなる取組の推進
・燃料電池、天然ガスコージェネレーション、次世代自動車の普及拡大、水素エ
ネルギーの利用、地域におけるスマートコミュニティづくりなど、エネルギー
の効率的な活用の推進
・エネルギーや低炭素に関する技術開発の促進や関連産業の振興
(出典:人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略)
新しいエネルギー社会の構築に向けた基本的な考え方
聴覚再生医療を確立し、滋賀県から国内外に展開
【提案・要望先】内閣官房、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省
1.提案・要望内容
国際
聴覚・コミュニケーション医療の確立
世界的に未着手のため注目される「聴覚再生医療」を我が国が先導
高度難聴児の聴覚の獲得・再生と高齢者の健康的生活に不可欠な聴力の回復を目指
す
・新型人工内耳・難聴治療創薬・内耳機能検査機器の開発、人材の育成を推進
・産・学・官・医療の連携により「聴覚・コミュニケーション医療」を確立
「新技術、医療、研究所、リハビリ、人材育成等」の要素を備える「聴覚・コミュ
ニケーション医療センター」の機能強化
・「聴覚コミュニケーション医療」の実践と、国際展開
2.提案・要望の理由
聴覚障害を的確に検査する方法(画像診断機器)がない。(CT・MRI では対応不可)
高度難聴に対する治療は人工内耳に限定されている。
生来の高度難聴児、今後とも増加する難聴高齢者の対策は、医学的、経済的、国際
的視点から緊急かつ重要課題である。
新型人工内耳の研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
の「産学連携医療イノベーション創出プログラム」に採択された。
聴覚・コミュニケーション医療センターの機能強化
新型人工内耳の研究開発
外来生物対策について
【提案・要望先】総務省、環境省
1.提案・要望内容
(1) 地方公共団体や琵琶湖外来水生植物対策協議会(地域生物
多様性協議会)が行う外来生物対策に対する支援の継続・拡充
○ 侵略的外来水生植物のオオバナミズキンバイとナガエツルノゲイトウを対象とし
て、地方公共団体等で構成される琵琶湖外来水生植物対策協議会が行う徹底的な
駆除事業に対して、生物多様性保全推進支援事業交付金を活用した財政支援の継
続・拡充
○ 地方公共団体が行う外来生物対策に対する特別交付税等による措置
(2)
国直轄事業による侵略的外来水生植物対策の強化
○ 国が琵琶湖において実施されているオオバナミズキンバイ防除のさらなる強化
2.提案・要望の理由
○ 琵琶湖における侵略的外来水生植物オオバナミズキンバイ等
への対策として、平成26年3月に「琵琶湖外来水生植物対策
協議会」を設置し、近畿地方環境事務所等と連携をはかりな
がら、平成26年度から機械による徹底駆除を開始した。
○ その結果、オオバナミズキンバイの生育面積は、前年度末の
64,880㎡から平成26年12月には最大値157,400㎡に達したが、
同年度末には46,300㎡にまで減少した。
○ しかし、平成27年度になって、前年度に機械駆除を行った場
所での急速な群落の再生や、琵琶湖北湖での新たな生育地点
の相次ぐ発見など、予断を許さない状況にあり、対策のさら
なる拡大・強化が不可欠である。
○ このため、生物多様性保全推進支援事業交付金の増額配分を
お願いしたい。
※平成27年度
11,000千円
オオバナミズキンバイ
(特定外来生物)
機械駆除前の生育状況(H26/10)
機械駆除直後(H27/4)
再生状況(H27/10)
平成 27 年3月に機械駆除を実施した後、同年夏に群落が急速に再生した地域(丸印は同じヨシの株)。
(本県の取組状況と課題)
(1)オオバナミズキンバイの生育状況
分布状況(H26/12)
(琵琶湖南湖)
生育面積の変化
生育面積の拡大
1
2
(2)取組状況
○連携体制の構築
・関係自治体、環境保全団体、漁業協同組合等で構成される
琵琶湖外来水生植物対策協議会を平成 26 年 3 月 20 日に設置。
建設機械+クマデ
○駆除方法の開発および駆除の実施
・建設機械と大型クマデを使った方法、水草刈り取り船と水
中ジェットポンプを併用する方法を採用し、効果的かつ効
率的な大規模駆除を実施。
○平成 26 年度の取組
①侵略的外来水生植物徹底駆除事業(協議会事業)
64,000 千円(国費:11,000 千円 県費:53,000 千円)
②外来生物防除対策事業(県単独事業)
刈取り船+ジェットポンプ
県費:3,900 千円
③特定外来生物防除等推進事業(国直轄事業)
国費:16,500 千円
④県職員、守山市職員が「びわ湖の日」の清掃活動の際、駆除を実施。
⑤環境保全団体、学生ボランティア団体が自主的な駆除活動を開催。
事業主体別オオバナミズキンバイの駆除実績等
(単位:㎡)
事業主体
協議会
国
県機関
NPO 等
自然消失
計
H26 実績
94,000
6,500
4,300
4,900
1,400
111,100
○平成 27 年度の取組
①侵略的外来水生植物戦略的防除推進事業(協議会事業)
46,000 千円(国費:11,000 千円、県費:35,000 千円)
機械駆除、人力駆除、監視・早期駆除、生態解明(生育状況把握を含む)等
②外来生物防除対策事業(県単独事業)
県費:7,700 千円
市民活動の支援等
③特定外来生物防除等推進事業(国直轄事業)
国費:昨年度と同程度
④環境保全団体、学生ボランティア団体が自主的な駆除活動を開催。
自然再生事業に対する財政上の措置について
【提案・要望先】環境省
1.提案・要望内容
(1)
自然環境整備交付金の充実強化
琵琶湖・鈴鹿国定公園の自然環境保全・再生のため、自然環境整備交付金の予算額
確保
(2)
早崎内湖再生事業など長期にわたる大規模な自然再生事業に
対応した事業採択制度の拡充
自然環境整備交付金について、中長期的な事業採択制度の拡充
2.提案・要望の理由
○
過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことは、自然再生推進法にも
謳われた国の課題の一つ
○
本県においても、内湖干拓や琵琶湖総合開発などにより、結果的に琵琶湖の生態系
(特に水陸移行帯)を大きく破壊してしまった反省にたち、内湖再生のモデル事業とし
て早崎内湖再生事業を実施するとともに、水鳥や在来魚の生育生息場所であり、湖国の
原風景を形成するヨシ群落の再生事業を実施
一方、山間部においては、ニホンジカ等による生態系被害が深刻化しており、防護柵
の設置など植生保護対策を実施
〇
琵琶湖を中心に、里や川、山々が一つのまとまりを形成している琵琶湖・鈴鹿国定
公園の自然環境保全・再生のために、自然環境整備交付金は必要不可欠
○
特に早崎内湖再生事業のような大規模な自然再生事業は、単年度で終了する事業で
はなく、事業着手後も自然再生の状況を監視し、自然の復元力を活かしながら、順応的
管理手法により長期間(10~20 年)にわたり実施しなければならない
このため、大規模な自然再生事業については、現行の自然環境整備交付金に長期的
な視点に立った中長期的な事業採択制度を拡充することが必要
○
平成28年度は、早崎内湖再生事業の本格的工事などに伴い、総額約2億1千6百
万円の事業費が必要
(本県の取組状況と課題)
○早崎内湖再生事業
平成13年度から試験湛水を開始した結果、極めて良好な生
物生息環境が再生されてきた。恒久的な内湖化を図るため、
平成25年度に用地を取得。今後、長期に渡り内湖化工事に
多額の費用(十数億円)が必要。
〇ヨシ群落再生事業
琵琶湖の生態系保全に重要な役割を果たすヨシ群落につい
て、
「滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」に基づき、
ヨシが衰退した地域等において、自然の復元力を活かしたヨ
シ群落の再生の取組が必要。
〇伊吹山頂歩道事業
お花畑の維持・再生のため、植生調査や立入り防止柵等の植
生保全対策を実施。近年新たな課題としてニホンジカ等によ
る植生被害が顕著であることから、植生保護対策事業の取組
が必要。
〇鈴鹿生態系維持回復事業
ニホンジカによる貴重種や下層植生への植生被害が深刻化し
ていることから、植生保護柵の設置やニホンジカの捕獲を組
み合わせた効果的な対策事業が必要。
自然環境整備交付金事業一覧表(千円)
事業名
H25
実績額
H26
実績額
H27
見込額
H28
要望額
早崎内湖再生事業
75,435
95,360
165,340
170,400
ヨシ群落再生事業
5,880
14,400
12,832
15,000
15,712
0
0
0
0
0
3,340
18,000
1,775
3,200
0
2,000
0
9,600
8,890
10,000
98,802
122,560
190,402
215,400
長命寺周遊基地 公衆トイレ改修事業
伊吹山頂歩道事業
伊吹山自然再生事業
鈴鹿生態系維持回復事業
合計
琵琶湖漁業の再生ステップアップにかかる支援
について
1.提案・要望内容
【提案・要望先】農林水産省
(1) 異常繁茂する水草の除去と処理にかかる技術開発について
○水草除去専用船等、効率的な水草除去技術の開発(陸上から自ら進水し、水草を根
こそぎ除去するとともに圧縮・積載し、長時間稼働を実現する専用船等の開発)
○効率的で悪臭を発生しない水草処理技術開発、堆肥化以外の利用技術開発
(2) 内水面漁業における新規就業者確保に対する支援について
○短期~中期間の研修制度の創設
○研修生の要件の緩和
○就業後支援の充実
2.提案・要望の理由
「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」の成立を機に、国と県が連携を強化して琵
琶湖再生に取り組む必要がある。琵琶湖再生の最大阻害要因は、特に南湖における水
草の異常繁茂である。有害水草の完全除去による水産資源の速やかな回復と、漁業の
担い手確保による、琵琶湖漁業の飛躍的な再生を目指し、次の施策をお願いしたい。
(1) 異常繁茂する水草の除去と処理にかかる技術開発について
○現在は、貝びき網漁船により水草を除去しているが、積載量が少なく、南湖全域に拡
大した水草を除去するには、効率の飛躍的な向上が必要。例)大型船、専用船の開発
○窪地の点在する水域では、漁具を用いた手法が利用できないため、これに対応できる
技術開発が必要。例)浚渫船、水中ブルドーザー
○現在は水草を堆肥化して有効利用しているが、広大な敷地と期間を要し、悪臭の発生
も課題。また、バイオエタノールなど堆肥化以外の利用技術の開発が必要。
(2) 内水面漁業における新規就業者確保に対する支援について
○内水面である琵琶湖の漁業後継者の確保には、国の支援制度の充実が必要。
○受講の機会を高めるとともに、研修生が営もうとする漁業を決めるには、体験版とし
ての 10 日~6 カ月程度の研修制度が必要。
○国の制度には「研修生と指導者との関係は 4 親等以上」との要件があるが、この緩和
により幅広く研修生を支援することが必要。
○農業にある就業後支援策が漁業には未整備。漁業技術の習得には経験の蓄積が必要で
あり、着業後一定期間の生活費支援が必要。
(本県の取組状況と課題)
■琵琶湖漁業の再生には、南湖の再生と漁業者の確保が不可欠。
(1) 南湖再生の取組と水草の異常繁茂
<現
状>
○ 南湖は、豊かな生物を育む「琵琶湖のゆりかご」であり、琵琶湖の漁獲量回復の鍵
となる重要な水域であるが、その機能が著しく低下。
○ 豊かな南湖に再生するため、ホンモロコ等在来魚の種苗放流、水ヨシ帯や砂地の造
成、水草除去や湖底耕耘、外来魚駆除等の対策を実施。
○ その結果、ホンモロコは、①南湖に放流した稚魚の北湖への移動(H25)、②南湖での
十数年ぶりの産卵(H26)、③南湖での天然魚の漁獲(H27)、など取組の成果を確認。
<課
題>
○ 水草の異常繁茂により南湖の9割を水草が覆い、北湖への回遊経路の閉塞、湖底の
泥化、低酸素化等、環境悪化によりこれまでの取組の効果の発現に著しい支障。
○ 現在の手法では、窪地を含む南湖全域に拡大した水草除去に対応できない。
(2) 琵琶湖漁業の就業者数の確保
<現
状>
○ 漁業就業者数は 687 人(H25)と、40 年間で4分の1以下に減少。さらにその漁業就
業者の4分の3は 60 歳以上と高齢化も深刻。無施策なら今後 10 年間で漁業就業者
は半減。
<課
題>
○ 国の新規漁業就業支援制度では、
「体験」する仕組みがないため、就業が未確定な希
望者にはハードルが高い。
○ 季節により魚種、漁場、漁具が変わるため、漁業技術の習得には経験の蓄積を要し、
安定した漁業経営には就業後一定期間の支援が必要。
日本遺産等を活用した滋賀版DMOの形成に向けた支援について
【提案・要望先】国土交通省
1.提案・要望内容
(1)組織において経営を担う専門人材の育成
○ 地域から観光を担うキーマンを集め、大学等で専門教育を実施し、マーケティン
グ等に基づいて経営できる人材を育成
○ 前項で育成した人材を含む専門人材の全国規模でのデータベース化と、その効果
的な活用およびネットワーク化に向けた支援
(2)滋賀版DMOの形成に向けた財政的な支援
○ 日本遺産等を活用して本県が目指す滋賀版DMOを形成するための、本県におけ
る観光まちづくりに向けた取組に対する新型交付金等による支援
○ 観光を推進する公共性の高い組織の継続的な運営に向けた、税財政も含めた財政
的な仕組みの検討
2.提案・要望の理由
○ 観光客のニーズに対応した観光資源を開発し、効果的に情報発信を行うとともに、
地域でのおもてなし体制の整備を含め、観光まちづくりを進めることができる専門
人材が必要
○ 本県においては日本遺産等を活用して、滋賀版DMOの形成を目指しており、その
基礎となる、地域における観光まちづくり組織の形成を推進していくことが必要
○ 公共性の高い観光推進組織においては、継続的に運営経費を賄える収入を確保する
ことは困難
(本県の取組状況と課題)
■これまでの取組
・人材育成については、観光ボランティアの研修を実施するとともに、観光協会での
旅行業取得の支援や、宿泊業者に対するおもてなし人材の育成なども行っている。
・地域の観光資源を活用して、多様化する観光客のニーズに対応するため、観光協会
等が旅行業登録し、着地型観光などに取り組んでいる。
名
称
公益社団法人びわ湖高島観光協会
公益社団法人彦根観光協会
一般社団法人北びわこふるさと観光公社
公益社団法人びわ湖大津観光協会
一般社団法人東近江市観光協会
区 分
第3種
〃
地域限定
〃
〃
・日本遺産の取組では、市、観光協会、観光事業者、地域住民、NPO等の多様な主
体が参加して日本遺産の魅力発信の取組を開始している。
■今後の取組
・日本遺産の取組では、地域において自立的に観
光振興を行える仕組づくりのため、ワークショ
ップ等を実施しながら、マーケティング分析、
地域資源の観光資源への磨き上げ、国内外への
情報発信に取り組む。また、地域における観光
振興の中核組織の構築についても滋賀版DMO
日本遺産構成文化財
(東近江市五個荘金堂町)
の形成も考慮に入れながら検討
・人口減少社会において、地域の多様な主体が連携しながら、観光をキーとしたまち
づくりを進めることにより、交流人口を増加し地域の活性化を図ることを目指し
て、滋賀ならではの観光資源の開発と情報発信、観光施設での受入環境の整備等の
取組を実施
日本版DMOの主な要素
・観光地マネジメント
・マーケティング
・滋賀版DMOとしては、現在の観光協会等を
ベースに多様な主体が参加する形態を想定
・人材育成
・ワンストップ窓口
滋賀版DMOで想定する形態
・地域に根ざした旧市町単位程度での観光まち
等
づくり組織を基礎とする。
■課題
・地域において自立的かつ継続的に観光振興を図るには、その中心となる人材を確保
し、育成していくことが必要
・観光協会による着地型観光等の取組はあるものの、公共性の高い観光推進組織にお
いては、運営のために財政的な基盤の確保が必要
畜産経営の維持発展に対する支援の充実について
【提案・要望先】農林水産省
1.提案・要望内容
(1)
畜産振興対策事業の実施基準の見直し
○ 家畜飼養管理施設の整備における基準事業費の実情に応じた引上げ
畜産競争力強化対策緊急整備事業実施要領における家畜飼養管理施設(肉用牛)基準事業費
<現状>
24千円/㎡
⇒
<見直し要望> 40千円/㎡
2.提案・要望の理由
○ 滋賀県では、「近江牛」の生産基盤を強化するため、畜産再興プランにおいて、胚
移植を活用した酪農振興対策との一体的な取組による和牛子牛生産(「近江牛」キャ
トル・ブリーディング・ステーション構想)を実施予定。
○ この構想においては、県による「近江牛」生産拡大のための家畜改良基幹施設の設
置と、関係者が一体となった地域ぐるみでの収益性向上のための体制(畜産クラスタ
ー)の構築を進め、畜産クラスターの中心的な経営体となる生産者(肉用牛・乳用牛)
による増頭のための施設整備や耕畜連携に一体的に取り組むことにより、実現を目指
す。
○ しかし、本県の酪農経営は減少傾向が続いており、乳用牛への胚移植による和牛子
牛生産には、移植対象となる乳用牛の増頭について新規参入形態による生産基盤の拡
大が必要。
○ 官民一体となり「近江牛」の増頭と酪農の生産基盤強化に取り組み、滋賀県におけ
る畜産振興を図るため、関係機関の連携による積極的な増頭対策が必要であり、家
畜飼養管理施設の整備にかかる基準事業費の実情に見合った見直し(特認事業費の
引上げを含む)が必要。
(本県の取組状況と課題)
(1)「近江牛」キャトル・ブリーディング・ステーション構想の概要
○ 高能力な繁殖素牛を生産供給するため、県の試験研究機関における既存のブリー
ディング・ステーションを拡大。併せて、経膣採卵や体外受精技術の活用による
効率的な牛胚の生産供給と、和牛子牛の哺育・育成施設としてキャトル・ステー
ションを整備。
○ 年間 1,300 個の体外受精胚を生産し、県内の酪農家が飼養する乳用牛に移植する
ことで、キャトル・ステーションに導入する和牛子牛を生産。
(2) 家畜飼養管理施設の整備事業費にかかる課題
○ 国土交通省の「特定畜舎等建築物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を
定める等の件」により、畜舎・堆肥舎の建築基準が緩和されたが、畜舎建築単価
は 38.7 千円/㎡~42.6 千円/㎡の状況。
◆滋賀県における畜舎建築実例
(県単独事業における実績金額および畜産競争力強化対策事業における見積金額)
建築年
地域
用途
構造
面積(㎡) 金額(千円)
㎡単価(円)
H19 年
東近江市
肉用牛
木造
323.0
12,500
38,700
H20 年
高島市
肉用牛
木造
370.0
15,750
42,570
H27 年
高島市
子牛
木造
2,080.8
83,330
40,047
○ 畜産再興プランの実現には施設整備が不可欠であり、飼料価格や素牛価格の高騰
による厳しい経営環境下においても、実情に見合った基準事業費の見直しにより
肉用牛経営の後継者等を中心として増頭意欲の向上が可能。
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向
けた文化プログラムの推進とアール・ブリュットの
総合的な振興について
【提案・要望先】総務省、文部科学省、厚生労働省
1.提案・要望内容
(1) 2020年東京大会に向けた文化プログラムの推進
① 地域における文化芸術の創造・発信への支援
○本県が推進する特色ある取組の文化プログラムへの位置づけと世界に向けた
発信
地域に根付く文化財や生活文化などを活かした取組
2019年に整備予定の新生美術館や日本有数の舞台芸術劇場「びわ湖ホール」
などを拠点とする取組
○文化施設等で行う事業に対する支援の充実と文化施設の改修・大規模修繕に対
する補助金や交付税措置のある地方債の創設など実効性のある財源措置
② 障害者の芸術文化活動の取組支援と発信
○障害者の芸術文化活動(独創的な絵画、陶芸などの造形活動、音楽やダンスな
どの表現活動等)を日本らしい芸術文化として文化プログラムに位置づけ
○障害者の芸術活動を世界に向けて発信し、地方と連携した取組を推進
(2) アール・ブリュットの総合的な振興
① アール・ブリュット調査研究の実施
継続して作品調査ができるよう戦略的文化芸術創造推進事業の充実・発展
② 我が国のアール・ブリュット振興拠点づくり
障害者の芸術活動支援の施策を礎に、滋賀がアール・ブリュットの総合的な支援
拠点として機能するよう、更なる取組の推進
2.提案・要望の理由
〇 「文化芸術の振興に関する基本的な方針(H27.5 閣議決定)」に 2020 年東京大会を
契機とする文化プログラムの全国展開が明示。
〇 文化プログラムの実施に当たっては、施設の老朽化等が喫緊の課題となっており、
改修や大規模修繕等が必要不可欠。
○支援者により見出されるアール・ブリュットや障害者の音楽・ダンスなどの舞台芸
術については、その芸術性はもとより、日本人の「思いやりの心」を伝えるものとし
て文化プログラムに位置づけ、発信するとともに、国において地域と連携した取組を
推進することが重要。
○ 本県ではこれまでからアール・ブリュットの魅力発信、ネットワークづくりの取組
を進めており、更なる取組を進めるためには、新生美術館を軸に、制作・発掘・収集・
展示・発信・保管等の各段階での切れ目ない支援による拠点機能の形成が必要。
(本県の取組状況)
本県の文化プログラムへの取り組み
・平成26年度に庁内プロジェクトチームを設置。
・これまで市町や文化芸術団体等と継続的に意見交換
や会議を実施。
・今年度は文化プログラムに向けた県民の機運醸成
事業や関係団体等の参加の下、検討会を実施。
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
・平成28年度から本格的に事業実施。
本県のアール・ブリュット振興
・滋賀県内では、糸賀一雄氏をはじめとする先人たちの努力により、1940年代か
ら福祉施設等で障害のある人の造形活動を実施。
・平成16年度には、近江八幡市に障害者の絵画、陶芸などの表現に芸術性を見いだ
し、作品の発掘・展示・保存を先駆的に行う、ボーダレス・アートミュージアム
NO-MAが開館。
・NO-MAが日本側事務局を担った「アール・ブリュット・ジャポネ」展 (平成
22年3月から平成23年1月にかけてパリ市立
アル・サン・ピエール美術館で開催)は、新しい
日本文化を発見するものとして高い評価を受けた。
・平成25年2月10日、本県からの呼びかけで
アール・ブリュットを支える環境の底上げを図
るため、全国規模のネットワーク組織が発足し、
平成27年9月15日現在で675の団体や個
人が参加。
アール・ブリュットネットワーク
フォーラム 2015
(平成 27 年 2 月 8 日・滋賀県大津市)
・ネットワークの更なる拡大に向け、情報発信(メールマガジンの発行)、会員間
の交流促進(交流会、フォーラムの開催)を実施。
・アール・ブリュットの発信拠点となる美術館を整備(平成31年度まで
に開館予定)。
・平成24年度より県立近代美術館においてアール・
ブリュット分野の担当学芸員を雇用。
・平成27年10月3日~11月23日、滋賀県立近代
美術館において企画展「生命の徴(いのちのしるし)
-滋賀と「アール・ブリュット」-」を開催。
第 79 回国民体育大会・第 24 回全国障害者スポーツ
大会に向けた財政支援について
【提案・要望先】総務省、財務省、文部科学省、国土交通省
1.提案・要望内容
(1) 地方におけるスポーツ・公園施設の整備・改修等への支援策
の拡大・充実
○
地方におけるスポーツ推進・健康づくりの拠点となるスポーツ・公園施設の整
備・改修等への支援策の拡大、充実と予算確保
○
当該事業にかかる地方債の充当率の嵩上げ、元利償還金に対する地方交付税上
の措置の充実
(2) 大会の競技会場となる施設の整備・改修等に対する支援
○
今後想定される「スポーツ環境整備事業」や、
「都市公園事業」としての事業採
択への特段の配慮と財源の優先的確保
2.提案・要望の理由
○ 各地方におけるスポーツ推進の基盤整備は、2020 年の東京オリンピック・パラリン
ピック開催の効果が地方に波及し、根付くためにも、国全体で取り組むべき喫緊の
課題
○ 我が国最大のスポーツの祭典である国民体育大会(国体)および全国障害者スポー
ツ大会は、各都道府県の持ち回りで開催されており、地方におけるスポーツ推進に
果たす役割は大きいものの、施設整備を含む、開催に要する経費の大部分を開催地
の都道府県と各競技会場地となる市町村が負担
○ 本県における 2024 年の大会開催を、東京オリンピック・パラリンピック開催との
相乗効果のもと、県民のスポーツ推進・健康増進につなげるためにも、誰もが気軽
に利用できるスポーツ施設・公園等の整備・充実が必要不可欠
H
(本県の取組状況と課題)
★ 第 79 回国民体育大会・第 24 回全国障害者スポーツ大会(2024
第 79 回国民体育大会滋賀県開催準備委員会
年)開催に向けた準備の推進
設立総会(H25.10)
開催までのスケジュール
H27(2015)
競技会場地第1次内定
(以後、H29 を目途に全競技会場地を選定)
H30(2018)
中央競技団体正規視察(施設の状況確認)
H31(2019)
開催内定
H33(2021)
開催決定
H35(2023)
リハーサル大会(施設整備完了・供用開始期限)
H36(2024)
第 79 回国民体育大会・第 24 回全国障害者スポーツ大会開催
★ 国体主会場の整備検討
○彦根市に、国体主会場(開閉会式場・陸上競技
会場)を整備
○「(仮称)彦根総合運動公園整備基本計画」を策
定(平成 27 年8月)
○「都市公園」としての整備、平成 33 年度末の完
了を目指す
(仮称)彦根総合運動公園
整備基本計画図
★ その他のスポーツ・公園施設の整備検討
○県内のスポーツ施設の多くは、県立・市町立を
問わず、一巡目の国体(昭和 56 年:1981 年)
を契機に整備されており、老朽化が進む
○体育館、プール等県立社会体育施設については、
今年度末を目途に整備の方向性を決定
○「スポーツ環境整備事業」
(スポーツ庁)
・
「都市
公園事業」(国土交通省)等の活用を想定しつつ、
市町の行う事業も含め計画的・効率的な施行に
努める
県立体育館(大津市)
昭和 45 年竣工・昭和 54 年増築
原子力災害への実効性ある多重防護体制の構築に
向けて
【提案・要望先】内閣府、経済産業省、原子力規制委員会(環境省)
1.提案・要望内容
(1)
原子力施設の安全性確保
○ 新規制基準への適合性審査等、慎重かつ厳格な原子力施設のリスク評価の実施と、
評価結果の関係者への丁寧な説明および理解の醸成
○ 基準や制度の絶え間ない見直しや、事業者に対する安全性向上に向けた不断の追
及等の指導徹底による、原子力規制の一層の充実・強化
(2)
再稼働等に係る手続や原子力安全協定の法定化・ルール化
○ 評価に基づきリスクの回避・低減を講ずる主体とその責任を明確にするため、原
子力発電所の再稼働に係る手続き等の法令による明確なルール化
○ UPZ圏内自治体と原子力事業者による平常時からの情報共有、事故時の運転再
開に関する項目等を含む原子力安全協定締結の法定化
(3)
原子力防災対策の強化
○ UPZ圏内全体での実践的な原子力防災訓練の実施
○ 実効性ある避難体制を確立するため、スクリーニングや除染体制の構築、および
複数避難経路の確保に向けた取組への積極的な支援
○ 原子力防災対策に対する原子力事業者の責任分担の制度化
○ 地域防災計画(原子力災害対策編)に基づく地域の実情に応じた対策費用につい
て、国交付金の使途および対象の拡充
2.提案・要望の理由
○ 万一、原子力災害が発生した場合、その影響を最小化するため、実効性ある多重防
護体制の構築が必要。
○ 実効性ある多重防護体制の構築には、①オンサイトのみならずオフサイトも、②ハ
ード整備のみならずソフト対策も、③立地自治体のみならず、影響を受ける恐れの
ある自治体と事業者との連携協力体制の構築、④それらは任意ではなく法定で、と
いう4点が満たされており、防災対策・避難計画が多重的、重層的に確立されてい
ることが必要不可欠。
○ 防災対策については、実践的な訓練を実施し、その結果より得られた課題の解決に
向けて継続的に取り組むことが重要であり、財政面で国の更なる支援が必要。
(本県の取組状況と課題)
原子力防災対策の強化・推進
※放射性物質拡散予測結果より
○
本県として、実効性ある多重防護体制の構築に向け、独自の UPZ を設定するとと
もに、地域防災計画の見直しや各種マニュアルの策定等、緊急時対策を一定整理
し、図上および実動訓練の実施や資機材の整備を進めてきた。
○
この中で、万一の災害の際、避難住民の受入先となる UPZ 圏外の住民も含めた原
子力防災のリスクコミュニケーションの推進、住民の不安感を解消するに十分な
スクリーニングや除染体制の整備、自力避難困難者が身を寄せる屋内退避施設の
整備、複数避難経路の確保等が今後の
課題。
○ 併せて、
「絶対の安全は無い」ことから、
各原子力施設が持つリスクについて厳格
に評価し、その結果に基づき実効性ある
避難計画を策定するなど、リスクを回
避・低減させるための適切な管理が必要。
○ リスク評価については、原子力規制委員
川内地域の緊急時対応(内閣府とりまとめ)
原子力発電所の所在する地域ごとに緊急
会による審査により実施されているが、リ
時対応が取りまとめられているが、この計
スクの回避・低減等の管理に関わる取組は
画の策定の有無や実効性は再稼働の要件と
必ずしも再稼働の要件ではなく、その主体
はなっておらず、この点においてリスク管
や責任の在り処は明確になっていない。
理の主体および責任は明確ではない。
○ 住民の安全を守るためには、再稼働の手続の中にリスク管理の主体となる国およ
び自治体の責任と権限等を位置づけ、法令により明確にルール化することが必要。
農業農村整備事業のより一層の推進について
【提案・要望先】財務省、農林水産省
1.提案・要望内容
(1) 農業農村整備事業関係予算の全体枠の拡大
○
農業農村整備事業は、農業の競争力強化や国土強靭化に大いに貢献する重要な
事業であるため、地域の要望に十分応えられるよう予算の全体枠を拡大
(2) 地域の実情に応じた事業制度の継続および創設
○
農業水利施設の長寿命化対策や、農村地域の防災減災対策に係る事業の継続
および予算の確保
○
堆砂が著しいダムの機能回復を図る事業制度の創設
○
土地改良区に対する継続的な運営支援および予算の確保
○
干拓地の規模に左右されず、干拓施設の更新と耐震対策等を一体的に実施できる
制度の創設
2.提案・要望の理由
○ 本県の平成 27 年度当初割当は、要望の約 6 割、中でも農村地域の安全安心を確保
する防災減災対策にあっては約 3 割に留まり、地域の要望に応えられていない状況。
○ 農業水利施設の老朽化の進行や自然災害等への対応を求めるニーズに応えるため、
長寿命化を図る「農業水利施設保全合理化事業」の継続や、防災減災対策に必要な
定額補助制度の継続や予算確保が必要。
○ 集中豪雨や集水域の荒廃等により年々増加するダムへの堆砂問題の解決が不可欠。
○ 強い農業の実現には、農地中間管理事業等による農地集積が必要であり、それを支
える施設の適切な維持管理を担う土地改良区の果たす役割は重要。
○ 干拓地は、40 年以上前の同時期に整備されたため、施設の更新と耐震化対策等が一
体的に実施可能な事業制度の創設が必要。
○ 干拓地では、排水機や承水溝など特有の施設が多数あることから、施設の維持管理
や更新整備等に係る費用の軽減が必要。
(本県の取組状況と課題)
(1)取組状況
本県の農業農村整備事業の推進方針
(1)農業水利施設のアセットマネジメントの推進
・今後 10 か年の保全更新に係る中長期計画を策定し
計画的かつ効率的に推進
(2)農村地域の防災減災対策の推進
・災害を未然に防止し、農村地域の安全安心を確保
(3)滋賀らしい農村地域力の向上
・人と人との絆に支えられ、農村の資源を保全活用
する対策を推進
(2)課
計画的に予防保全対策を実施
題
○本県の H27 当初割当予算は要望の約 6 割、防災減災対策等にあっては約 3 割に留まる
・農業の将来に対する不安が高まり、農地集積等の推進への影響が懸念される。
・施設の老朽化により用水が安定的に供給されなくなり営農への悪影響を懸念。
・水田の汎用化や農地の集積を図る「農業基盤整備促進事業」や「農地耕作条件改善事
業」の要望に応えきれていない。
・防災対策の遅れにより安全で安心な暮らしに不安。
○施設の長寿命化や防災減災対策に係る事業制度の継続
・「農業水利施設保全合理化事業」や「農村地域防災減災
事業」が平成 27 年度までとなっている。
○農業用ダムの機能の確保
・堆砂が進行し、貯水量の確保や適正な維持管理に支障
施設の機能診断
を来しつつある。
○農業を支える土地改良区の健全な運営
・米価の低迷、農業構造の変化、電気代の高騰、施設の
老朽化対策等により土地改良区運営は逼迫。
○干拓地の規模に左右されない事業制度の創設
・施設は 40 年以上前の同時期に整備されたため、保全
更新対策と耐震対策等を一体的かつ集中的に行う必要。
湛水した干拓地の農業ハウス
・規模の小さい干拓土地改良区は、施設の密度が高く、運営が厳しくなる傾向。
滋賀のポテンシャルを引き上げる道路整備について
【提案・要望先】財務省、国土交通省
1.提案・要望内容
(1)―まもる―
老朽化対策、命の道の整備でくらしを守る
○ 急速に高齢化を迎える道路ストックの老朽化対策
○ 異常気象時にも確実につながる「命の道」の整備
(2)―いかす―
国土幹線道路の整備による経済活動の活性化
○ 一日も早い新名神高速道路の完成
○ 経済活動に不可欠な主要幹線道路網を形成する直轄道路(一般国道)の整備
○ スマートICの整備
(3)道路予算枠の拡大
○命とくらしを支え、経済活動を活性化する道路予算枠の拡大
2.提案・要望の理由
○ 高度経済成長期に加え、本県特有の琵琶湖総合開発の事業期間に集中整備した道路
ストックが同時に高齢化するため、着実な老朽化対策が必要。
○ 近年の集中豪雨による通行止めが頻発。異常気象時においても確実につながる「命
の道」の整備が必要。
○ 名神高速道路の開通により、本県と京阪神・全国とのアクセス性が格段に向上し、
日本企業の中枢を担う生産拠点として、多くの企業が滋賀県へ進出。県内はもとよ
り、日本・世界の経済活動を牽引。
○ 一方、自動車交通の増大により、工場から最寄りICまでの道路などの渋滞が顕在
化。納期の厳守、本社と工場の連携などの産業活動へ悪影響を与えれば、経済的損
失は甚大。
○ 本県も、いよいよ人口減少局面に突入。近畿圏・中部圏・北陸圏のクロスポイント
に位置する「地の利」を活かし、県内のみならず日本成長のエンジンとして経済活
動を活性化させるためには、国土幹線道路および主要幹線道路網を形成する直轄道
路(国道1号、8号、161号)の整備促進による「ストック効果」の早期発現が
不可欠。
○ さらに、道路を賢く使って滋賀の観光促進、物流の効率化等を図る取組として、I
C間が長い高速道路(平均11km)へのスマートICの整備推進が必要。
<―まもる―
老朽化対策、命の道の整備でくらしを守る>
■急速に高齢化を迎える道路ストックの老朽化対策
★本県においては、高度経済成長期に加え、琵琶湖総合開発事業期間中(1972~1996)
に集中的に整備した道路ストックが急速に高齢化を迎える。
写真 橋梁損傷による
重量規制
(1970 年(昭和 45 年)
完成)
琵総期間
1972-1996
385橋
橋梁数
25
高度経済
成長期間
1954-1973
216橋
20
15
10
累積橋梁数
800
700
600
500
400
300
200
5
100
2008
2004
2000
1996
1992
1988
1984
1980
1976
1972
1968
1964
1960
1956
1952
1948
1944
1940
写真 歩道橋排水管落下
(1970 年(昭和 45 年)完成)
1936
写真 高架橋コンクリート片の落下
(1978 年(昭和 53 年)完成)
0
1932
0
図 滋賀県管理の橋梁建設年次の推移
○県民の命と暮らしを守り、リスクの低減を図るため、
道路ストックの老朽化対策の着実な実施が必要
■異常気象時にも確実につながる「命の道」
写真 国道 367 号 H27.7 台風 11 号による法面崩壊
国道 367 号
H27.7 台風 11 号による法面崩壊
国道 422 号
H24.8 豪雨による土砂流出
写真 国道 303 号 H27.7 台風 11 号による法面崩壊
県道多賀醒井線
H25.9 台風 18 号による道路欠損
国道 421 号
H25.9 台風 18 号による土砂流出
○災害時に道路が寸断されれば集落が孤立し、住民の命の危険に
直結→異常気象時に確実につながる「命の道」が必要
<―いかす―
滋賀県の経済活動を活性化する国土幹線道路の早期整備>
○新名神高速道路、スマートIC
80,000
60,000
63,655
S39
名神開通
40,000
【名神開通によるストック効果】
20,000
<写真で見るストック効果>
0
H13
市制施行
16,239
10年で倍増
S40 S45 S50 S55 S60 H2
H7 H12 H17 H22
図 栗東市(町)
人口の推移
昭和 30 年代
10,000
S40からS50の10年間で1.5倍
現在
滋賀県は全国有数のものづくり県
(億円)
50.0%
8,000
40.0%
S55北陸道開通
40.9%
30.0%
6,000
10.00
全国1位
38.5%
20.0%
4,000
23.5%
S45
S50
S55
S60
0.0%
H2
全国2位
8.22
7.94
4.00
4.33
2.00
0.00
滋賀県
滋賀県 静岡県
(1位)
(1位)
(2位)
2,000
S40
9.03
6.00
10.0%
S39名神開通(栗東~尼崎)
S40名神全線開通
S35
8.00
37.8%
H7
三重県 全国平均
(3位)
図 県内総生産に占める
第2次産業の割合(H24)
図 滋賀県における事業所数(製造業)
山口県
(1位)
滋賀県
(2位)
三重県 全国平均
(3位)
図 1事業所当たり付加価値額
(H25)
名神開通により全国有数のものづくり県へ発展
【新名神開通によるストック効果】
図 甲賀地域の工場整備延べ面積の伸び率推移
【スマートIC開通によるストック効果】
見込み
140,000
実績推移
120,000
計画推移
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
写真 地域振興施設「湖東三山館あいしょう」
H27.9
H27.10
H27.6
H27.7
H27.8
H27.4
H27.5
H27.2
H27.3
H26.12
H27.1
H26.11
0
図 湖東三山館あいしょう
累計来場者数
○新名神高速道路の早期整備およびスマートICの整備促進に
よりストック効果を発現 → 県内、近隣府県の経済活性化
○直轄国道
■国道1号
国内屈指の優良企業が立地
主要渋滞箇所
(分)
出典)道路交通センサス
50
渋滞で
ままならない
産業活動
48分
40
30
20
34分
28.2km/h
14分の所要
時間増加
20.1km/h
10
0
S60
H22
図 大津中心部~栗東中心部(国道1号)の所要時間
写真 大津中心部の渋滞状況
り っ と う
き ょ う と
国道1号バイパス(栗東-京都間)が必要
■国道8号
慢性的な渋滞により、企業誘致が難航
0
10
20
30
40
地域経済活性化への悪影響
50
(km/h)
彦根市
混雑時旅行速度
:20km/h未満
:20~30km/h
:30km/h以上
国道8号愛荘町付近拡大図
豊郷町
愛荘町
東近江市
近江八幡市
竜王町
野洲市
守山市
写真 愛荘町付近(御幸橋)渋滞状況
図 国道8号(彦根市~守山市)
○滋賀県内の経済活動をサポートする、直轄道路(一般国道)
の早期整備が必要
治水事業の推進について
【提案・要望先】財務省、国土交通省
1.提案・要望内容
(1)直轄河川の整備促進
○琵琶湖洪水被害の軽減のための後期放流対策の積極的な推進
(後期放流対策:瀬田川・宇治川の改修、天ヶ瀬ダム再開発事業)
(2)直轄ダム関連事業への支援
に
う
だいど
○丹生ダム(機構)、大戸川ダム(直轄)関連事業への支援
(3)天井川の改修に対する重点的な支援
ひ
の
や
す
(4)日野川および野洲川の大規模改修の直轄事業化
治
水
予
算
枠
の
拡
大
2.提案・要望の理由
(1)直轄河川の整備促進
○上昇した琵琶湖の水位をすみやかに下げる
ししとび
鹿跳渓谷を含む瀬田川の改修事業、宇治川
の改修事業、天ヶ瀬ダム再開発の後期放流
対策の積極的な推進が必要。
(2)直轄ダム関連事業への支援
に
う
琵琶湖の水位上昇に伴う浸水状況
おうみはちまん
だいど
○検証中である丹生ダム、大戸川ダムについて、
に
(近江八幡市提供)(H25.9.17)
う
国によるダム検証の円滑な実施と、丹生ダム事業が中止になった場合の代替治水
事業やダム予定地域における影響緩和策としての地域振興事業などに対する支援
が必要。
(3)天井川の改修に対する重点的な支援
○天井川の数が全国最多の 81 河川である本県において、破堤による甚大な被害の防
止と地域の分断解消による街づくりへの貢献のため重点的な支援が必要。
ひ
の
や
す
(4)日野川および野洲川の大規模改修の直轄事業化
○河川規模から抜本的な改修に極めて長い年月が必要であり、氾濫による市街地等
の甚大な被害の防止のために一刻も早い抜本的河川改修が必要。
(本県の取組状況と課題)
本県の特性に応じた治水事業の推進を!
琵琶湖流入 118 河川→流出 1 河川
天井川
81 河川
全国最多
:天井川
琵琶湖流入
一級河川 118 河川
琵琶湖流出
瀬田川のみ
宇治川
淀川
に
う
丹生ダム(検証中)
・ダム検証の円滑な実施
・中止となった場合の代替治水事業と
地域振興への支援
丹生ダム(検証中)
高時川
大津放水路
・2期区間の実施時期の調整
ひ
姉川
や
琵琶湖の後期放流対策
・瀬田川、天ヶ瀬ダム再開発、
宇治川の整備促進
の
日野川
・直轄事業化
を要望
す
野洲川
・堤防強化の促進
・水辺整備の促進
大津放水路
や
瀬田川洗堰
大戸川ダム
(検証中)
す
野洲川
・直轄事業区間
延伸を要望
だ い ど
大戸川ダム(検証中)
・ダム検証の円滑な実施
・県道大津信楽線の付替工事促進
(琵琶湖淀川水質保全機構 HP 掲載図に追記)
(本県の取組状況と課題)
(1)直轄河川の整備促進
琵琶湖の後期放流対策→洪水時速やかに琵琶湖水位を低下!
⇒琵琶湖沿岸の浸水被害軽減!
琵琶湖
せたがわあらいぜき
瀬田川洗堰
昭和 36 年(1961 年)6 月洪水シミュレーション
琵琶湖後期放流による琵琶湖水位の時間変化の比較
(琵琶湖河川事務所 HP より)
浸水深低下(▲19cm)、浸水期間短縮(▲12 日間)
おおつ
瀬田川河道掘削
くろづ
大津市黒津地先
上空より瀬田川をのぞむ(平成 27 年 5 月撮影)
(2)直轄ダム関連事業への支援
ダム検証の円滑な実施
(検証の結果)
に
う
「ダム事業の中止」の場合(丹生ダム)
ダム本体工事
既買収の水没予定地の
管理
水源地域対策特別措置
法に基づく水源地域整
備事業
課
題
と
対
応
代替となる治水事業(河川改修等)の
速やかな実施のための支援
水源地域として、既買収の水没予定地
の継続的な管理
中止に伴い新たに必要となる
県道中河内木之本線等の道路整備や
地域振興事業に対する支援
なかのかわち き
の
も と
幅員3.5m・離合困難
あね
姉川出水状況(昭和 50 年台風 6 号)
なかのかわち き の も と
県道中河内木之本線
(本県の取組状況と課題)
ひ
の
よ
ご
こんぜ
は やま
日野川、金勝川、葉山川、
(3)天井川の改修に対する重点的な支援
余呉川
他
地域を分断する大きな壁
破堤時の被害が甚大
天井川は、破堤すると洪水の大半が堤内
地に溢れ続け、甚大な被害が発生
天井川の堤防は高く、地域を分断し、街づ
くりや道路整備に対しても大きな支障
こん ぜ
かも
金勝川の堤防と堤内地の状況
鴨川氾濫状況(平成 25 年台風 18 号)
くさ つ
草津川放水路整備事業の効果事例(国直轄事業)
・旧堤防の撤去による幹線道路の開通
旧堤防
旧堤防
く さ つ
旧堤防の切下げ効果により
地域が飛躍的に発展
きのかわ
草津市木川町地先
・廃川敷(河川の付替後)に、緑地やマルシェ、
ショップなどのにぎわい空間を整備中
ひ
の
や
す
(4)日野川および野洲川の大規模改修の直轄事業化
ひ
の
日野川
・天井川の上流被災地域への進捗に極めて
長い年月が必要
や
す
野洲川
・本県最大の工業エリアである野洲川沿
川の改修に極めて長い年月が必要
地先の安全度マップ
1/100 確率 最大浸水深
連続する JR 琵琶湖線、新幹線、国道 8 号の横断
整備新幹線の整備にかかる地方負担について
【提案・要望先】国土交通省
1.提案・要望内容
(1)
国と地方の負担割合の見直し
○ 新幹線鉄道(整備新幹線)の建設工事に要する費用の地方負担割合の見直し
(2)
整備新幹線の新規着工に必要な財源の確保
○ 北陸新幹線敦賀以西の整備に必要な財源の確保
2.提案・要望の理由
(1) 国と地方の負担割合の見直し
○
全国新幹線鉄道整備法および同法施行令により、整備新幹線にかかる建設費の3
分の1を当該新幹線鉄道の存する都道府県が負担。
○
整備新幹線の整備スキームは、新規着工ごとに政府・与党にて決定しており、地
方負担の割合もその都度、変更されている。
○
・昭和 60 年まで
地方負担:なし
・昭和 60 年~平成元年
地方負担:10%
・平成元年~平成8年
地方負担:線路等10%
・平成9年~
地方負担:1/3
駅等25%
整備新幹線開通がもたらす地域への便益は、大都市圏との距離や地域の態様等に
より異なることから、受益の程度に応じた国と地方の負担割合の見直しが必要。
(2)整備新幹線の新規着工に必要な財源の確保
○
整備新幹線の着工条件の1つに「安定的な財源見通しの確保」がある。
・建設中3路線の財源不足分として将来のJRからの新幹線貸付料を前倒し充当。
・また、貨物調整金の財源として見込む新幹線貸付料を建設中3路線の建設費に
充当するため、将来の並行在来線の経営安定化に必要な資金も枯渇。
・国(国土交通省)においては、北陸新幹線(金沢~敦賀間)の3年前倒しの更
なる早期開業に最大限努力するとの方針であり、更なる財源需要が存在。
○
北陸新幹線敦賀以西を早期に着工するためには新たな財源の確保が必要。
(本県の取組状況と課題)
(1) 本県の広域交通についての考え方
○
本県は、国土交通軸の幹線軸上に位置するとともに、近畿圏・中部圏・北
陸圏の結節点に位置する。
○
3圏域の連携の要としての機能を強化し、本県と周辺圏域の広域的発展と
県民の暮らしを支える交通の充実を図っている。
凡例
新幹線
高速自動車国道
空港
国際戦略港湾
国際拠点港湾
重要港湾
リニア中央新幹線
新名神高速道路
事業中区間
(2)北陸新幹線敦賀以西ルートについて
○
北陸新幹線は、近畿圏・中部圏・北陸圏を結ぶ国土政策として、極めて重
要で早急な整備を行う必要がある事業と認識。
○
関西広域連合において、①開業までの期間、②費用対効果(時間短縮効果
をはじめとする利用者便益/建設・事業コスト等)、③開業による波及効果
などを主たる評価基準として総合的に判断した結果、最も優位である「米原
ルート案」による早期整備を要望。
○
近畿、中部、北陸の3圏域の結節点に位置する本県においては、地理的優
位性をさらに高める必要があることから、関西広域連合が決定した「米原ル
ート案」をすすめていくことは、重要な課題として認識。
交通系ICカードの地域またぎ利用の改善について
【提案・要望先】国土交通省
1.提案・要望内容
(1)全国相互利用サービスが可能となった交通系ICカードにつ
いて、地域間またぎ利用が出来るように改善
○ 現在、会社間または一定地域間をまたがって利用が不可能となっている「またぎ
利用」が出来るよう改善するための特別な配慮。
○ 滋賀県内においては、JR東海とJR西日本の境界となっている米原駅が「また
ぎ利用」の境目となり、県内外の利用者に不便を生じさせているので、JR会社間
との調整を含め、「またぎ利用」が可能となるための格別な支援。
○シームレスな交通ネットワークを構築していくためには、交通系ICカードの地域
間を超えた「またぎ利用」を可能とする早急な改善が必要。
※事例
東海道本線 熱海駅(JR東日本)と函南駅(JR東海)の間も「またぎ利用」不可
JR 西日本に同一会社内であっても「近畿圏エリア」と「岡山・福山エリア」では「またぎ利用」不可
(2)交通系ICカードの導入に係る新たな支援制度の創設
○ICカード非対応駅への導入を進める契機となる新たな支援制度の創設。
※県内の未設置駅
東海道線3駅(醒ヶ井・近江長岡・柏原)、草津線4駅(甲南・寺庄・甲賀・油日)
○交通系ICカード対応機器の新規設置や機器の更新等、バスやタクシーを含む公共
交通の利便性向上に向けたICカード利用環境整備に対する支援の充実化。
2.提案・要望の理由
○滋賀県北部地域の玄関口で、新幹線や在来線(北陸本線・東海道本線)が行き交い、
近畿、中部、北陸の3つの圏域が重なるクロスポイントを形成する米原駅を中心に
交通のアクセシビリティを向上させて、地域活性化を図っていく必要がある。
○そのため、トイカ(中部圏)、イコカ(関西圏)等の交通系ICカードがそれぞれの
地域をまたいで相互利用ができるよう改善することが必要。
〇異なる地域間の旅客流動を活性化させ、公共交通利用者を増やしていくためには、
地域間の「またぎ利用」が出来るように改善していくことが必要。
(本県の取組状況と課題)
(1)米原駅以東のICカード利用環境の整備
関ヶ原駅から東はトイカ利用
米原駅から西はイコカ利用
(1)-1
米原駅以東は、
JR東海の管
轄で交通系
ICカードの
またぎ利用が
できない。
米原
(1)-2
滋賀県内の
JR東海 3 駅
は、ICカード
対応不可
(1)-3
醒ヶ井、近江長岡、柏原の
3駅はICカード対応不可
中部圏と滋賀県との通勤・通学の流動規模
2010 年国勢調査より
滋賀県⇒中部圏
滋賀県⇐中部圏
長野
岐阜
静岡
愛知
693
通学者
681
通学者
長野
岐阜
静岡
愛知
三重
三重
3611
4000
三重
3000
愛知
2000
通勤者
岐阜
1000
通勤者
0
岐阜
0
愛知
1000
3423
三重
2000
3000
4000
近畿圏・中部圏・北陸圏の3圏域の交通結節点である
米原駅の活性化を促し、3圏域の交流を促進するためには、
........
交通系ICカードの地域またぎ利用の実現が必要!
(2)交通系ICカード導入の促進
・県内鉄道駅のICカード未対応駅
49駅/125駅 (39.2%)
・バス事業者においても未対応路線が多い
県内交通事業者 交通ICカード整備状況
事業者
鉄
道
利用客を増やし活性化していくためには
県内交通機関に交通系ICカードの
整備を推進する取組が必要!
バ
ス
JR西日本
JR東海
京阪電鉄
近江鉄道
信楽高原鐵道
比叡山鉄道
近江鉄道バス
京阪バス
江若バス
帝産湖南交通
JR西日本バス
滋賀交通
導入状況
△
△
○
×
×
×
△
○
○
×
×
×
種別
備考
ICOCA
TOICA
PITAPA
草津線4駅未設置
東海道線3駅未設置
独自IC
PITAPA
PITAPA
一部路線
時代の変化に対応する警察活動推進体制の整備について
【提案・要望先】総務省、国家公安委員会、警察庁
1.提案・要望内容
本県の治安情勢に迅速かつ的確に対応するために必要な警察
官の増員
○ 県民生活の安全と地域社会の平穏を確保するために必要な警察活動推進体制の確
保に向け、警察官の増員措置を講じられたい。
2.提案・要望の理由
○
県民1人あたりの警察官数が少ない
「警察刷新に関する緊急提言」(H12)において、
“警察官1人あたりの負担人口
が 500人となる程度まで地方警察官の増員を行う必要がある”と言及
しかしながら、当県警察の警察官1人あたりの負担人口は630人(全国ワース
ト2位の負担率)。負担人口500人までには、587人の増員が必要
10年後に半数以上の道県の人口が約1割減少のところ、本県は現行水準を維持
○
緊急に対処すべき課題が山積
・ストーカー・DV事案
平成21年と比べ2~3倍の発生件数で高止まり。本年も過去最多で推移。
被害者の過半数を占める20~30代の女性比率が大都市圏に次いで多い(5位)。
・振り込め詐欺
4年連続で過去最高の被害金額を更新。本年も昨年の2倍の被害額で推移。
○
対応の困難化を招く地理的条件
近畿、東海、北陸地方を結ぶ交通の要衝であり、国道1号・8号・161号、各
高速道路等が縦貫する地理的条件から、通過交通による事故やヒットアンドアウェ
イ型の犯罪が多く、これらに対応するための体制が必要。また、県の中央に琵琶湖
が位置し、南高北低の人口分布であることから、警察署や執行隊の効率的な配置や
集中護送の実施等による合理化が困難
○
県民のニーズが極めて高い
県議会において、警察官増員にかかる意見書が全会一致で採択され、内閣総理大臣、
国会、各関係行政庁あてに提出されたほか、各定例会で、警察官不足についての認識
と対策を問う質問が行われるなど、県民のニーズが極めて高い。
(本県の取組状況と課題)
○
○
本県における警察活動推進のための取組
・
警察本部の定員を繁忙警察署へ移し、第一線警察の体制を強化
・
犯罪・交通事故分析体制の構築による現場支援の強化
・
Nシステムの拡充整備や特殊詐欺の被害を防止する撃退機器等の予算化
・
5カ年計画による交番・駐在所の建替え、警察署の新築等の拠点整備
本県警察における課題
警察官1人あたりの負担が非常に高く、犯罪の抑止検挙、交通事故防止、そ
の他県民の安心安全を脅かす危険や脅威に対処するための体制整備が必要
~
各負担状況
~
警察官1人当たりの負担
人口
滋賀県
630.0
全国平均
497.1
~
全国平均
に対する
指数
刑法犯
全国平均
に対する
指数
5.5
127
4.7
交通事故
117
全国平均
に対する
指数
2.9
110番
44.9
131
2.2
36.2
全国平均
に対する
指数
124
人口負担の今後(ワーストランキング) ~
平成27年
ワースト2位
平成32年
平成52年
ワースト1位
大差で1位
~ 平成26年中における警察署のストーカー・DV事案の対応状況 ~
課員数
対応件数
(ストーカー+DV)
認知件数
全国
滋賀
生活安全課
刑事課
生活安全課
刑事課
12,092
22,589
104
181
81,895
890
負担率
6.77
3.63
8.56
4.92
負担順位
11
7
27年度増員(生安課6
人、刑事課4人)を加えて
も、1人あたりの件数は、
・生安課8.09件
・刑事課4.81件
と未だに高負担
提案書
公的管理森林の持つ公益的機能の持続的発揮について
1.提案・要望内容
(1)
○
【提案・要望先】総務省、農林水産省
公的管理森林(造林公社林)の伐採・搬出に対する支援の強化
公共・非公共を含めた予算の十分な確保
・今後の公的管理森林(造林公社林)の伐採・搬出(利用間伐)面積
の増加に対応する予算について、地球温暖化対策税の一部を財源と
し交付するなど十分な予算の確保
○定額助成方式による交付金制度の継続・拡充
・ 公益的機能を引き続き発揮させるため、利用間伐や路網整備等の確
実な実施のための支援の強化
(2)
公庫債務の利子負担軽減施策の創設と地方財政措置の拡充
○ 日本政策金融公庫(旧農林漁業金融公庫)債務の利子負担軽減のための施策を創設
てえt
・公庫債務の利子に対する助成
○ 森林の公的管理にかかる地方財政措置を拡充
・公的主体が、公益的機能を引き続き発揮させるために環境林整備協定
等に基づき公的森林整備を行う森林の面積を「公有林野の面積」とし
て捕捉(普通交付税の算定)
・造林公社支援にかかる特別交付税措置の拡充(上限額の引き上げ)
○ これらの支援策は、本県のように免責的に公庫債務を引き受けた場合も対象
2.提案・要望の理由
○ 造林公社が、国の拡大造林政策に従い、自営造林を行う者が少ない山間僻地等の条
件不利地域を対象に整備してきた森林(公的管理森林)を適切に管理し、地球温暖化
防止等の公益的機能を持続的に発揮させるためには、特別の支援が必要
○ 琵琶湖を取り巻く森林の公益的機能を維持しつつ、伐採・搬出(利用間伐)の実施
のため、予算の確保や交付金制度の継続・拡充が必要
○ 地方自治体は、既に長期無利子貸付や債権放棄、公庫債務の引受等により、特別の
支援を実施済。加えて、本県は、造林の国庫補助金に県費を任意上乗せして交付
(本県の取組状況と課題)
(1) 森林の公的管理者(造林公社)に対する本県の取組状況
○ 造林公社の自助努力に対する指導(補助事業活用、管理運営経費縮減等)
○ 造林公社の管理運営経費に対する財政支援(年間約2億円を出資)
○ 公庫債務(元金約444億円)を免責的引受。総額約690億円を42年間にわ
たり県民負担で公庫に返済
<参考>
平成27年度返済予定額
平成28年度返済予定額
〔平成20年9月〕
2,174百万円(うち利子 1,071百万円)
2,555百万円(うち利子 1,042百万円)
○ 特定調停の成立により造林公社の債務超過が解消(計約956億円(うち本県
約782億円)の債権を放棄)
〔平成23年3月〕
○ 造林公社が長期経営計画・中期経営改善計画を策定
○ (社)滋賀県造林公社と(財)びわ湖造林公社が合併
〔平成23年9月〕
〔平成24年3月〕
○ 造林公社が中期経営改善計画に関する経営評価を実施〔平成24年から毎年〕
(2) 課題
<<本県の森林・林業の課題>>
○ 琵琶湖・淀川流域の水源林として重要な役割
○ 造林公社林の伐採搬出(利用間伐)面積の増大
<<本県造林公社の現状と課題>>
【現状】
○ 公社林面積は約2万 ha
※民有人工林面積の25%、琵琶湖面積の30%
○ 本格的な伐採の開始
【課題】
○ 森林の地球温暖化防止、水源涵養等の公益的
機能を低下させない森林施業の実施
○伐採収益の確保に向け、補助制度等の積極的な
活用による適切な事業の実施
<<県財政の課題>>
○ 公庫への返済財源の確保(~H61)
○ 造林公社支援の財源確保(~H80)
国
有
林
県土 面 積
4 0 .2 万 ha
琵 琶湖
6 . 7万 h a
( 17 % )
森林
2 0. 2 万h a
( 5 0% )
森 林面 積
20 . 2万 ha
民 有 天然 林 等
1 0 .4 万 ha
(5 2 %)
民有
人工 林
8 .0 万 h a
(4 0% )
公 社林
2 . 0万 h a
( 25 % )
民有 人 工
林面積
8 . 0万 h a
次世代に向けて持続可能な地方税財政基盤の確立について
1.提案・要望項目
【提案・要望先】総務省
(1)地方交付税総額の確保・充実、本県の財政需要を反映した交付税の算定
○国民的資産である「琵琶湖」に係る財政需要に対する地方交付税等の適切な措置
○「人口減少等特別対策事業費」に係る新たな算定指標の導入
○「地域の元気創造事業費」における算定額の地域活性化分への重点化
(2)公共施設等の長寿命化対策等に係る地方財政措置の充実
○公共施設等の長寿命化に係る地方財政措置(地方債・地方交付税)の拡充
○公共施設最適化事業債および地域活性化事業債(転用事業分)の対象施設の拡大
(3)地方税制度の見直し
○地方消費税の清算基準における「小売年間販売額」の見直し(人口による補正)お
よび人口比率の引上げ
○法人事業税の製造業に係る分割基準の見直し
2.提案・要望の理由
(1)地方交付税総額の確保・充実、本県の財政需要を反映した交付税の算定
○ 「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」では、全国における湖沼の保全及び再生の
先駆けの事例として、琵琶湖の保全及び再生を図ることが目的とされるなど、湖沼
の保全及び再生を図ることの重要性が高まっているが、「琵琶湖」をはじめとする
湖沼にかかる財政需要に対する地方交付税の算定においては、十分な措置が講じら
れていない状況
○ 「人口減少等特別対策事業費」に係る算定指標のうち取組の成果分について、施策
の効果が早期に現れにくい「人口増減率」よりも、まち・ひと・しごと創生「長期
ビジョン」および「総合戦略」に掲げられた人口対策関連指標を新たに導入し配分
を重点化すべき
○ 「地域の元気創造事業費」における算定額について、地域経済活性化へ取り組むた
めの指標として、地域経済への施策効果をより反映している地域経済活性化分に算
定額の配分を重点化すべき
(2)公共施設等の長寿命化対策等に係る地方財政措置の充実
○ 本県では、公共施設の長寿命化を図るため、建物ごとに「長期保全計画」を策定し、
平成28年度から計画的に予防保全措置を講じる予定
○ 公共施設等の長寿命化は、更新等に係る財政負担の平準化を図るための有効な手段
であり、「公共施設等総合管理計画」において定めるべき取組の一つにも掲げられ
ていることから、今後、多くの地方公共団体で取組が進むことが予想されるが、こ
うした取組に対し、財政措置の充実が必要
2.提案・要望の理由
○ 新たに創設・拡充された公共施設最適化事業債および地域活性化事業債(転用事業
分)では、庁舎等の公用施設が対象外となっているが、公用施設のうち、例えば、
試験研究機器を開放している公設試験研究機関など、一定の一般利用が見込まれる
施設については、公共施設に準じて取り扱うべき
(3)地方税制度の見直し
○ 地方消費税の清算基準は、供給側の統計を用いていることから、居住地であるべき
最終消費地と税収帰属地に乖離が生じている。この乖離は、大都市近郊で県境を越
えて購入することの多い滋賀県にとって影響が大きいことから、消費が税収に適切
に反映するよう見直しが必要
○ 事業活動の規模に着目して課税する法人事業税で、その規模が適切になるよう、製
造業の分割基準で、工場従業者比率の引上げまたは設備状況を表す指標の追加が必
要
(本県の取組状況と課題)
(1)本県の財政需要を反映した地方交付税の算定
◆琵琶湖に関する財政需要
→ 年間 75億円程度
これに対し、琵琶湖に係る交付税
措置額は、10 億円程度
国庫等を除く県負担額 65億円程度
一 般 財 源
25億円程度
H27 琵琶湖に関する財政需要(事業費ベース)
琵琶湖の 水源涵養
総合保全 356
181
水質保全
747
琵琶湖の
利用適正化
69
自然的環境
・景観保全
4,116
普通交付税(需要額) 約 9.9 億円
特別交付税(推定) 約 5,000 万円
(単位:百万円)
調査研究
162
湖上安全
対策
84
環境
教育
1,280
人件費
678
事業費
7,673 百万円
県負担額
6,551 百万円
一般財源
2,509 百万円
【参考】人口類似団体との普通交付税(基準財政需要額)の比較
本県の普通交付税の基準財
政需要額は、
人口類似 12 団体中、総額
は2番目に少なく、人口1人
当たりでは最も少ない。
全都道府県でも、総額は
36 番目、人口 1 人当たりは
29 番目で相対的に低い。
5,000
(億円)
300
(千円)
250
4,000
200
3,000
150
2,000
100
1,000
50
0
0
青森 岩手 山形 石川 滋賀 奈良 山口 愛媛 長崎 大分 宮崎 沖縄
H27基準財政需要額
人口1人当たり需要額
(本県の取組状況と課題)
(2) 「人口減少等特別対策事業費」に係る新たな算定指標の導入
取組の必要度
取組の成果
(現状の指標が悪い団体に割増し)
(指標を改善させた団体に割増し)
・人口増減率
・転入者人口比率
・転出者人口比率
・年少者人口比率
・自然増減率
・若年者就業率
・女性就業率
・有効求人倍率
・一人当たり各産業の売上高
0.4
0.75
0.75
0.75
0.75
0.75
0.75
0.75
0.75
・人口増減率
・転入者人口比率
・転出者人口比率
・年少者人口比率
・自然増減率
・若年者就業率
・女性就業率
0.4
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
・人口増減率
・自県大学進学者割合
・合計特殊出生率
△0.2
+0.1
+0.1
○「自県大学進学者割合」は、若者の地方定着による人口減少対策と、地方大学の
活性化を図る2つの側面から重要な指標
○「合計特殊出生率」は、国においても人口の将来推計の前提条件であるだけでな
く、国民希望出生率という形で掲げられている重要な視点
取組の成果については、施策の効果が早期に現れにくい「人口増減率」の算定
割合を下げ、国と地方が協働して取り組む、まち・ひと・しごと創生総合戦略
に関連した新たな算定指標の導入を!
(3) 「地域の元気創造事業費」における算定額の地域活性化分への重点化
H27年度
「地域の元気創造事業費」算定(全国)
行革努力分
都道府県分
市町村分
地域経済活性化分
計
約750億円
約225億円
約975億円
約2,250億円
約675億円
約2,925億円
約3,000億円
約900億円
約3,900億円
施策効果をより反映できる地域経済活性化分に重点化を!
(本県の取組状況と課題)
(4) 公共施設等の長寿命化等に係る地方財政措置の充実
施設総量の適正化や長寿命化等による将来の財政負担の軽減・平準化
H27~
築 35 年以内かつ 500 ㎡以上の
施設(長寿命化対象施設:全体の
約4割)において、建物ごとに「長
期保全計画(30 年間)」を策定し、
予防保全を計画的に実施
所要見込額(40 年間の概算)
600 億 円 程 度
公共施設
公用施設
H17 から
「公の施設」
で見直しを実施
(80→56 施設)
H26~H27
長寿命化対策を講じない
施設(全体の約6割)にお
いて、全庁的な優先順位の
検討や更新時期の調整を行
い、財源の範囲内で 10 年間
の「更新計画」を策定
これまで全庁
的な見直しは
未実施
H26~H27 施設評価の実施
将来の人口減少や利用状況の変
化等を踏まえて、全施設を対象に
施設のあり方の見直し、規模縮小
や複合化等の検討を実施
建替計画の検討に当
たっては、施設規模の
縮小や複合化も検討
[単年度平均 約 15 億円]
H36 の国体開催に向
けた施設整備にも対応
公共用・公用の双方で「総量適
正化」の取組を着実に推進
制度上の課題
将来の地方財政負担の平準化につ
ながり、今後、多くの自治体で取
組が進むと思われる長寿命化対策
について、財政措置の充実が必要
公共施設の集約化・複合化、転用に係る起債措置が新たに設け
られたが、公共施設に限定されており、公用施設は対象外
(5)地方税制度の見直し
○地方消費税の清算基準の見直し
平成 27 年度税制改正で、
「人口」
「従業者数」の割合が 12.5%:12.5%から 15%:10%に変更されるなどの改
正がされたところです。
見直し案
現
県外購入やインターネット購入の増大により、小売年間販売額の都道府
県別の統計値は、最終消費の実態を反映していない。
行
75%
小売年間販売額
サービス業対個人事業
収入額(経済センサス)
小売年間販売額については、総額
を採用したうえで、これを「人口」に
より按分した値を用いる。
見直し後
小売年間販売額(人口で按分)
15%
10%
人 口
従業
者数
社会保障の財源確保や消費の消
費地への帰属を明確にするため人
口の比率を高める。
サービス業対個人事業
収入額(経済センサス)
人 口
従業
者数
さらに人口の比率を高める
本県影響(※)
【見直し後】
【現 行】
清算後税収額
29,271百万円
清算後税収額
30,736百万円
消費に相当するシェア
0.9629%
消費に相当するシェア
1.0111%
※26 年度清算対象額(3 兆 399 億円)を基に試算
(「小売年間販売額」を人口で按分し、「人口」「従業者数」の割合を 20%:5%とした場合)
(本県の取組状況と課題)
○製造業に係る法人事業税の分割基準の見直し
工場等事業所における従業者数等の推移(全国ベース)
(万円)
(千人)
12,000
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
800
700
600
11,000
10,000
9,000
8,000
7,000
従業者1人
当たり
付加価値額
労働装備率
25年
23年
24年
21年
22年
19年
20年
18年
16年
17年
14年
15年
12年
13年
11年
9年
10年
7年
8年
5年
6年
3年
4年
2年
平成1年
6,000
従業者数
※出典:経済産業省「工業統計調査」
法人事業税の製造業の税収
(平成 25 年度)
2.09%
本県の全国に占める割合
工場等における付加価値額
(平成 25 年)
工場等における有形固定資産
期首期末平均額(平成 25 年)
2.56%
2.57%
○工場等事業所における従業者数等は平成元年頃に比べて減少している一方、従業者1人当た
りの付加価値額は緩やかに増加。
(従業者1人当たり付加価値額の変化 平成元年:1,012 万円 平成 25 年:1,218 万円)
○設備の機械化の程度を示す労働装備率も増加傾向にあり、企業は機械化等の設備投資によっ
て、より少ない従業者数でも利益が確保できるようにしている。
○本県の法人事業税の製造業の税収の全国比は、工場等における付加価値額や有形固定資産期
首期末平均額の全国比に比べ低い状況である。
○これらのことから、現行の分割基準が事業活動の規模を十分に反映していないのではないか
と懸念。
提 案 内 容
分割基準に製造業の事業活動の規模をより反映させるため、法人事業税の分割基準において、
①工場従業者数の比率(現行1.5倍)の引上げ。
または
②工場従業者数に加えて、有形固定資産や償却資産など工場等事業所の設備状況を表す指標
を用いる。
地方創生の深化に向けた制度の充実等について
【提案・要望先】内閣官房、内閣府、環境省
1.提案・要望内容
(1)
地方創生の実現に向けた支援および取組の充実
○ 県総合戦略を着実に推進するための人的、技術的、財政的な支援
○ 少子化対策および東京一極集中是正へのさらなる取組の実施
(2)
自由度の高い新型交付金の制度設計
○ 地方の実情に応じた使途の自由度が高く地方負担を伴わない継続性のある新型交
付金の制度設計
○ 地方創生先行型交付金を上回る総額の確保
(3)
国立環境研究所の本県への一部移転
○ 移転の実現および実現に際した地元負担の軽減
2.提案・要望の理由
○
「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」を策定(10 月)。県総合戦略を
着実に推進するための人的、技術的、財政的な支援が一層必要
○
地方創生の実現に向け、少子化対策および東京一極集中の是正に向けた継続的な国
のさらなる取組の充実が重要
○ 「新型交付金」について、地方の実情に応じた使途の自由度が高く、地方負担を伴
わない制度設計をされることが必要。総合戦略の計画期間である5年間を見据え、継
続的な交付金とするとともに、その見通しを示し、地方創生先行型交付金を上回る総
額を確保することが重要
○ 「国立環境研究所」の一部移転について、本県は、これまでから水環境分野などに
おける独自技術やノウハウを有しており、移転実現により本県や京阪神に立地する多
くの研究機関や大学との連携が期待
○
今般制定された「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」においても、国は、琵琶湖
の自然環境に関する調査を行うとともに、保全及び再生に関する研究開発の推進に努
めるとされたところであり、移転の実現が非常に重要
(本県の取組状況と課題)
○「人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略」
(滋賀県の目指す将来像)
人口に関する目標
○
○
○
総人口
2040 年に約 137 万人
2060 年に約 128 万人
出生数 2020 年に年 13,000 人と
し、その水準を維持
合計特殊出生率 2040 年に 1.94
2050 年に 2.07
20~24 歳の社会増減を 2020 年に
0(ゼロ)
(人口減少を見据えた豊かな滋賀づくりに関するプロジェクト)
(1)人口減少を食い止め、人口構造を安定させる
「結婚・出産・子育てするなら滋賀」プロジェクト等
全8プロジェクト
(2)人口減少の影響を防止・軽減する
高齢者の社会参加・健康長寿実現プロジェクト等
全7プロジェクト
(3)自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻す
琵琶湖と人の共生でにぎわい創生プロジェクト等
全4プロジェクト
◆今後は、総合戦略実施計画を策定するとともに、産官学金労言等からなる「人口減少
を見据えた豊かな滋賀づくり推進協議会」等を活用し、総合戦略を着実に推進
<課題>
○
H27 年度は総合戦略策定に先行して、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金
(地方創生先行型)
(6.8 億円)を活用した人口減少を見据えた豊かな滋賀づくりへの
施策(県予算額総計 257 億円)を実施。戦略策定後は人口減少社会への対応のためさ
らなる国の財政支援が必須
○政府関係機関の地方への移転の支援
◆本県では、企業や大学、政府関係の研究機関の集積(ウォー
ターバレー)を目指すとともに、その連携によりプロジェク
トを創出・展開、水環境ビジネスを推進
◆その取組の一環として「国立環境研究所(茨城県つくば市)」
の一部機能を琵琶湖と滋賀の環境に関する試験研究拠点であ
る「滋賀県琵琶湖環境科学研究センター」内へ移転するよう
提案
◎センターの特徴
●水質、生態系、森林環境等幅広い分野の優秀な人材が充実
●湖沼・内水面の最先端の研究機関
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
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