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平成27年度概況 - 佐世保観光コンベンション協会
平成27年度概況 平成 27 年度の国内経済は、雇用・所得環境が改善する中で、緩やかな回復基調が続い た。観光業界では、円安基調を背景に、インバウンドが引き続き活況を呈し、過去最高を 更新し、年間 1,974 万人を記録した。一方、国内観光は、全線開通した北陸新幹線効果や、 地方創生関連のプレミアム旅行券などで増加傾向を示している。 本市においては、昨年、三浦岸壁が整備されたのに加え、4月には佐世保港国際ターミ ナル「葉港テラス」が供用開始し、出入国手続きなどの受け入れ態勢が整い、海外船社へ のポートセールス効果もあり、国内8位の延39隻のクルーズ客船が寄港し、乗客乗員約 63,000人は、商業施設や交通拠点が隣接した好条件を生かし観光やショッピングを 楽しんだ。11月には、28年秋に実施のJRデスティネーションキャンペーンの「全国 宣伝販売促進会議」が開催され、全国から大手旅行会社、JRグループ各社、雑誌社等の 関係者約460名を招き、観光素材、モデルコース等のプレゼンテーションを行い、エク スカーション4コースの視察に対応し、商品造成、送客を要請した。また、黒島天主堂が 構成資産の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」はイコモスの中間報告において内容の 見直しを指摘されやむを得ず推薦は取り下げられたが、「海風の国」観光圏事業として、 黒島における観光客受入拠点施設「黒島ウェルカムハウス」が竣工した。 当市の観光業界を振り返ると、昨年開催された全国区の「長崎がんばらんば国体」及び 「がんばらんば大会」の反動減、昨年オープンした九十九島動植物園・森きららのペンギ ン館オープン効果の反動減など大幅な観光客数の減少が危惧されたが、本市観光の二大観 光施設であるハウステンボスと九十九島パールシーリゾートが牽引し、観光客数は590 万人(前年比0.5%増)宿泊者数は174万人(同4.6%増)、それぞれ7年及び6 年連続で増加した。九十九島パールシーリゾートは、海賊遊覧船「みらい」の就航効果や 台湾からの順調な集客により、前年比3.3%の増加、ハウステンボスにおいては、ロー コスト・スマートホテル「変なホテル」の開業や「美と健康の王国」オープン等相次ぐ新 規施設により入場者数を前年に引き続き伸ばし(前年比7.2%増加)300 万人を突破し た。 当協会においては、宣伝事業として、西海国立公園制定60周年を機に、九十九島の認 知度向上を目的とした3ヶ年PR事業の初年度として、コンテンツ整理、ストーリー作り、 情報発信の構築と、関東を中心としたPR及び都内での飲食店展開を行った。誘致活動に おいては、日本政府観光局や県観光連盟と連携して、継続的なプロモーションの実施と各 地での商談会に参加し誘客を図った。また、案内販売課を新設し、ワンストップ窓口の強 化を図り、情報提供に止まらない積極的な滞在プランの提案をおこなった。観光圏事業は、 新たな観光素材「クルーズバス海風」及び「SASEBO 軍港クルーズ」の商品化を行い、課 題はありながらも本市の観光の魅力を多くのお客様に体感していただいた。 次年度は、佐世保らしい特徴ある商品を磨き上げ、賛助会員獲得等収益事業を充実させ、 収支改善を図り経営基盤強化を目指す。 平成27年度重点事業について ①九十九島PRの推進/事業部 誘致宣伝課 九十九島の認知度向上を目的に、関東をメインターゲットエリアとした、3ヶ年PR事業 の初年度として、2年目以後の本格的な情報発信に向けた、都市に受容されるためのスト ーリー作り、Web サイトの構築など土台固めを中心に実施した。並行して、Web を活用し た情報発信や、ハウステンボスと連携したマスメディアでのPR、都内で店名に九十九島 の名前をつけ、佐世保の食材を使った、飲食店展開を行った。 ②国内観光客の誘致強化/事業部 誘致宣伝課 新たな観光素材としてスタートした「クルーズバス海風」や「SASEBO 軍港クルーズ」を 活用した旅行商品の造成を主要旅行会社と連携して行った。あわせて個人客に対応する新 たな「佐世保の旅」を商品化し、滞在プランに提案を行うことで滞留時間の確保を図った。 また国際ターミナルの供用開始に伴い国内外の多くのクルーズ船が寄港し、市内の観光施 設だけでなく周辺観光への回遊も促進した。 ③観光地域づくりの推進/事業部 企画推進課 当圏域の11拠点の様々な地域ならではの魅力ある体験や素材など情報の集約、発信、ネ ットワーク化など機能及び企画開発、ブランドイメージの訴求、誘客活動など、圏域観光 を包括するプラットフォームとして当協会の体制強化を図った。 ※地域づくり 11 拠点 「小値賀」 、 「宇久島」 、 「九十九島南部(重点) 」、 「黒島(重点) 」、 「九十九島北部(重点)」 、「江迎(重点)」 、 「吉井、白岳高原、世知原、柚木」 、 「三川内(重点) 」、 「早岐、宮、ハウステンボス」 、 「俵ヶ浦半島、高後崎、針尾島」 、 「佐世保市街地」 ④ブランド観光地域づくりの推進/事業部 企画推進課 ブランド観光地域の認定に向け、当圏域で、滞在交流型観光の為の地域づくりを推進する 11拠点の内、重点エリアの「黒島」「江迎」に加え「俵ヶ浦半島」で地域住民と一体と なり、各地域ならではの体験、食、景観など受入整備を行った。特に黒島においては、エ リア拠点「黒島ウェルカムハウス」の竣工により、観光客を受入れる体制も整えることが 出来た。 ※ブランド観光地域 観光庁による認定制度(平成 29 年度認定を目標とする) 。 国際競争力を備えた、選ばれる観光地となることを目指し、圏域独自の価値を活かした「ブランド」が確立され た、 「日本の顔」となる地域を認定。現在、全国 13 の観光圏が認定を目指している。 ⑤ワンストップ窓口の再構築と収益事業の強化/事業部 案内販売課 来訪客への観光素材の情報提供にとどまらず、各種入場チケット、「クルーズバス海風」 や「SASEBO 軍港クルーズ」の販売、着地型旅行商品の造成、顧客のニーズに応じた各種 手配、物産品の企画等、ワンストップ窓口機能充実を図ることで新たな利用促進策を推進 した。 ⑥賛助会員の増加推進/総務部 総務課 賛助会員特典として会員証(ステッカー)の作成を行うなど、会員特典を充実させるとと もに、新規加入を促進するため特別入会キャンペーンを実施し、年間計46件の新規入会 者があった。また、会費請求を確実に行うなどの事務を徹底し、自主財源の増加を図った。