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携帯電話やPDAなどを利用した 電子チケットシステムの開発 著作
情報流通プラットフォーム技術 携帯電話やPDAなどを利用した 電子チケットシステムの開発 著作権管理プラットフォーム NTT情報流通プラットフォーム研究所 1 NTTサイバーソリューション研究所 赤外線通信は携帯電話やPDA* などを中心に搭載が進んでおり、 近年のインターネットの普及により、ディジタル化された映像や これを利用した決済や電子チケットが注目されています。研究所では、 音楽(以下、コンテンツ)をネット上でやりとりしたいというニーズが 従来からコンサートチケット、テーマパーク入場券、前売券、引換券 高まってきています。しかし、ディジタル情報は容易に、かつ劣化 など、サービスやモノを受ける「権利」をディジタル化し、電子媒体 なくコピーが可能なため、コンテンツホルダ側の著作権が侵害される としてリアル(店舗)/インターネットの両方で自在に流通させる という問題があります。 システムである電子チケットシステム(FlexTicket)を開発してきま そこで研究所では、コンテンツの著作権を管理し、コンテンツ流通 した。今年度は、これを携帯電話やPDAに搭載されている赤外線通信 を促進する基盤として、 「 著作権管理プラットフォーム」を開発しま 機能を用いて改札・決済を可能にすることにより、すでに普及して した。このプラットフォームは、著作権管理機能、著作権保護機能 いるさまざまな利用者デバイスへの展開も可能にしました。 また、 およびライセンス管理機能から構成されます。 赤外線通信を持たない携帯電話にも対応させるため、2次元コードと 2 RFID* タグを利用した方式も開発しました。 電子チケットを格納する利用者デバイスとして接触・非接触の 著作権管理機能では、cIDf2.0* 1に準拠したIDを各コンテンツ に付与し、著作権情報(著作権者情報、権利許諾条件など)をIPRDB* 2(知的所有権データベース)で管理します。著作権保護機能 デュアルインタフェースICカードを利用したシステムをすでに開発 では、コンテンツの不正利用を抑止・防止するため、電子透かし、 していますが、今年度はこのシステムについてもIC公衆電話を利用 カプセル化・暗号化の処理を行います。電子透かしとは、人間の し音声ガイダンスに従って、電子チケットの購入、ダウンロードを 視覚特性に基づき、人間には知覚できないようにコンテンツに情報 行うことを可能にするなど機能拡充を行いました。 を埋め込む技術であり、カプセル化・暗号化とは、コンテンツに これらの開発により、本格的な電子チケットサービスを行う実用的な 鍵をかけてガードすることで、ガードを解く鍵(ライセンス)を持つ 環境が整いました。これらの成果を利用し、事業会社は、2003年を 人のみがコンテンツを視聴することができる技術です。ライセンス めどに商用電子チケット本格サービス開始に向けた準備を進めてい 管理機能では、コンテンツにかけたガードを解く鍵(ライセンス)を ます。 管理します。 *1 PDA: Personal Digital Assistant *2 RFID: Radio Frequency Identification 視聴にいたるまでの一連の流れを管理・制御することができ、コン このように著作権管理プラットフォームは、コンテンツの提供から テンツ流通ビジネスをバックヤードで支えます。また、このプラット フォームは、複数の外部技術との接続が可能であり、さらにさまざま なビジネス形態に応じた機能構成がとれます。 今後は、このプラットフォームを用いたサービスに向け、展開を 図っていきます。 ●赤外線改札(上)と2次元コード+RFID方式電子チケット(下) *1 cIDf: the Content ID Forum *2 IPR-DB: Intellectual Property Rights-DataBase ●著作権管理プラットフォームを用いたサービス例 外部のID体系との 連携可能 著作権管理プラットフォーム 著作権管理機能 著作権保護機能 外部の透かし、 カプセル化 技術との統合が可能 ライセンス 管理機能 XrML形式による 統一的なライセンス管理 ライセンス 管理DB IPR-DB 著作権情報 の登録 クリエーター 広告情報 条件 保護処理済 保護処理済みコンテンツ ライセンス 要求 流通条件登録 保護処理依頼 コンテンツ 購入 陳列 契約 ライセンス モール 電子透かし埋め込みに よる画質確認が可能 流通業者 10 スポンサー 許諾 条件 一般ユーザ 広告視聴などと連携した ライセンス取得により、 コンテンツ視聴