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「CMC Strategy Forum Japan 2013」開催される

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「CMC Strategy Forum Japan 2013」開催される
Topics 「 CMC
Strategy Forum Japan 2013」
開催される
トピックス
去る2013年12月9日および10日、ホテルオークラにて、CASSS主催の
「CMC Strategy
Forum Japan 2013」が開催されました。昨年の第1回目の会合を超える参加登録者を
得て活発な議論が繰り広げられ、さらに盛大な会合となりました。
し た。 こ れ ま で 米 国 で30回 のForumが 開 催 さ れ、
CMC Strategy Forum
̶日本で2回目の開催̶
2007年からは欧州でも開催されるようになり、今
日に至っています。本Forumでは、企業、アカデミ
2012 年12月 3 日および 4 日、アジアで初めて
アおよび規制当局のバイオ医薬品に関する専門家が
CASSSが主催する CMC Strategy Forumが開催さ
定期的に集結し、バイオ医薬品の研究開発・製造と
れ、130人を超す参加者を得て、大変盛大な会合と
規制に関する課題について、特にCMC(Chemistry,
なりました。2013年12月9日および10日、ホテル
Manufacturing and Control)に関する領域におい
オークラにて第2回目のForumが開催され、よりいっ
て、十分な時間をかけて議論を行い、相互理解と課
そう活発な議論が展開されました。
題解決を促進しています。海外で開催のForumには
CASSS は International Seperation Science
日本からも多くの専門家が参加してきています。
Societyの略で、非営利の団体であり、会合の開催
日本での第1回の会合と同様に、第2回目の会合に
等を通じて成分の分離およびそれに関連した科学に
対してもPMDAの専門家と製薬協の専門家とで準備
関する専門家の教育と専門家間の連携を促進してい
委員会を結成し、2013年の年始早々に日本側の準
ます。
備協力体制ができあがりました。準備委員会では議
CMC Strategy Forumは2002年にWCBP(Well
論のテーマの選定や議論の方向性について約1年がか
Characterized Biotechnology Pharmaceutical)
りで準備を進めました。日本でのForumはPMDAと
シンポジウムから独立して開催されるようになりま
製薬協の後援で開催されました。
会議風景
JPMA News Letter No.160(2014/03)
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「CMC Strategy Forum Japan 2013」
開催される
パネル・ディスカッションの様子
本Forumは 議 論 が 中 心 の 会 合 と し て い る た め、
Session 1ではHealth CanadaのAnthony Ridgway
CASSSは100名程度の参加人数を想定して会場の
氏 とPMDAの 再 生 医 療 製 品 等 審 査 部 日 下 部 哲 也
選定や参加募集を行ってきています。第1回目会合で
氏の司会のもと、発表と議論とが進められました。
は参加者数が想定を超えたため、会場がやや狭くな
PMDAの再生医療製品等審査部 坂本純氏から、日
りましたが、第2回目は広い会場を準備し、ゆった
本での最近の動きについて説明がありました。米国
りとした環境で会合を進めることができました。国
FDA か ら はMarjorie Shapiro氏 が 本 会 合 出 席 の た
内から約100人、海外から約40人の参加登録者で、
め来日しましたが、身内のご不幸により帰国されま
国別では14ヵ国からの参加がありました。
し た。CASSS 事 務 局 は、 急 遽、Shapiro 氏 の 上 司
第2回目の会合のテーマとしては、Session 1として
で、第1回会合に出席した CDER(Center for Drug
Recent Trends in the Regulation of Biopharma-
Evaluation and Research)の Steven Kozlowski
ceutical Products、Session 2 として Control
氏に電話会議での発表を要請しました。休日にもか
Strategies of Aggregates and Particles in
かわらずうまく連絡がつき、Shapiro氏の発表資料に
Biopharmaceuticals、Session 3 と し て Post
ついて米国からKozlowski氏が電話で説明し、その
Approval Variation of Biopharmaceuticals、
後、特別にQ & Aの時間も設けて会場の出席者との議
Session 4 と し て QbD Application: Case Study
論も行われ、FDAの最新情報や考え方が示されまし
in Japan、Session 5 として New Technology of
た。危うくFDAからの発表ができないところでした
Antibody Engineering が設定されました。
が、CASSS事務局の機転により連携がうまくいっ
Session 1
たのは幸いでした。EMA(欧州医薬品庁)のPeter
Richardson 氏から EMA の、Indian Institute of
会合は、初日の冒頭、CASSSを代表したWassim
TechnologyのAnurag Rathore氏からインドの、そ
Nashabeh氏と、PMDAの理事 内海英雄氏からの
れぞれバイオ医薬品の承認審査における規制等に関
welcome commentsでスタートしました。
する最新の情報と考え方が紹介されました。
「CMC Strategy Forum Japan 2013」
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今回の会合では、本セッションにおいてAsian
Session 3
Harmonizationに つ い て の 紹 介 も 企 画 さ れ ま し
た が、 演 者 の 都 合 が つ か ず、ASEANとAPECの
2日 目 はSession 3か ら 開 始 し ま し た。 前 述 の
Harmonizationに つ い て は 発 表 が 見 送 ら れ ま し
Niklas Ekman氏とバイオ医薬品委員会副委員長の古
た。本テーマについては、製薬協が中心となって
賀淳一氏の司会のもと、PMDAの再生医療製品等審
2012年 か ら 開 始 し たAPAC(Asia Partnership
査部の本田二葉氏から日米欧、日本における一変及
Conference of Pharmaceutical Association)の
び軽微変更に関する考え方等の紹介があり、次いで、
活動について、製薬協事務局の赤坂光三氏から説明
製薬協 バイオ医薬品委員会技術実務副委員長の小島
がありました。
孝夫氏から、委員会参画企業を対象に実施した一変申
発表後、演者全員が壇上に上がりパネル・ディス
請に関するアンケート調査結果に基づいて、日本の
カッションが行われました。事前に用意されたいくつ
企業からの課題の指摘と要望・提案が示されました。
かの論点「QbD(Quality by design)申請、バイオシ
また、Amgen 社のToshiko Mori-Bajwa氏から、製
ミラーに関する規制等に関する各国の審査プロセス・
品のグローバル展開の中で生じる変更管理上の課題
基準の違い、国際調和に向けた当局同士および産業
について、またGenentech社のLynne Krummen氏
界とのコミュニケーション等」について、各演者の発
からQbDに則ったリスクベースの変更管理に関する
表を踏まえ、議論と意見交換が活発に行われました。
考え方が紹介されました。
Session 2
Session 2はBiogen Idec社 のRohin Mhatre氏
と、国立医薬品食品衛生研究所の新見伸吾氏の司会
その後、パネル・ディスカッションが行われ、要
求される安定性試験データ、国別の一変申請の承認
に要する期間の差、harmonizationにおけるICHの重
要性等について議論されました。
のもと、進められました。
Session 4
最初に、製薬協のバイオ医薬品委員会技術実務副
委員長で、エーザイの四方靖氏から本テーマを設定
Session 4 で は 国 立 医 薬 品 食 品 衛 生 研 究 所 の
するに至った経緯が紹介され、次いで、京都大学特
川 崎 ナ ナ 氏 と Wassim Nashabeh 氏 の 司 会 の も
命准教授の吉森孝行氏から凝集体や不溶性微粒子の
と、PMDA の 再 生 医 療 製 品 等 審 査 部 の 岸 岡 康 博
測定法と分析法について、課題や問題点を含めて説
氏からQbD申請についてのPMDAの考え方が述べら
明がありました。さらに、Biogen Idec社のRobert
れ、中外製薬の鈴木幹雄氏から中外製薬が行った日
Simler氏からこれらの測定法の進歩について紹介さ
本で初めてのQbD申請で承認が得られたバイオ医
れました。
薬品の事例について紹介がありました。次いで、直
フィンランドの規制当局FIMEA所属でEMAの専門
近までそれぞれEMAおよびFDAの行政官であった
家でもあるNiklas Ekman氏とPMDAの再生医療製
Roche社のKowid Ho氏とBiogen Idec社のPatrick
品等審査部の本田二葉氏も演者に加わってパネル・
Swann氏から、QbD申請の将来像について解説があ
ディスカッションが行われました。凝集体と不溶性
りました。
微粒子の測定法の比較、不溶性微粒子や異物に関す
パ ネ ル・ デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で は 演 者 に EMA の
る日米欧での規制の違い、凝集体や不溶性微粒子を
Peter Richardson氏も加わって、QbD申請時の各
製造プロセスでコントロールする方法、凝集体や不
当局の審査ポイントやQbD Approachによる今後の
溶性微粒子と免疫原性との関連性について議論され
バイオ医薬品の開発に必要な情報に関して議論され
ました。
ました。
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「CMC Strategy Forum Japan 2013」
開催される
Session 5
Session 5 で は、Genentech 社 の Kathleen
めが発表され、本会合の成果が整理されるとともに、
参加者の理解に寄与しました。
第1回目は日本での開催が初めてということで、日
Francissen氏とバイオ医薬品委員会委員長の田中裕
本側からの出席者は製薬協関係者がほとんどでした。
氏の司会のもと、ADC(Antibody Drug Conjugate)
第2回目の会合では、製薬協以外の、バイオ医薬品
に焦点を当てて発表と議論が行われました。まず、
の研究開発や製造に関与しているアカデミアや他の
東京大学教授の津本浩平氏から現在の技術レベルに
研究団体からの参加が増えました。第3回の会合も日
ついての説明があり、次いで、Genentech社のFred
本で開催することがCASSS、PMDAおよび製薬協の
Jacobson氏およびSeattle Genetics社のCharles
間で合意されています。3回目の会合も多数の参加者
Smith氏から、それぞれ自社のADCの事例の紹介が
を得て、さらに活発な議論が行われることを期待し
ありました。
ています。
演者に加え、第一三共の松岡達治氏も加わってパ
製薬協としては、このようなグローバルな会合が
ネル・ディスカッションが行われました。有用性を発
日本で活発に開催される状況が継続することが日本
揮させるための抗体と薬物の結合において考慮すべ
でバイオ医薬品の研究開発を促進させ、また製造を
き事項、分析ツールの確立による不均一性の理解、一
活発化させる一助になると信じており、引き続き日
貫性ある製品を製造するためのプロセスコントロー
本で開催されるよう準備してまいります。
ル、液剤開発の可能性、分析法のノウハウ等が議論
されました。
第2回の成果を踏まえ第3回に
全 テ ー マ の 議 論 終 了 後、Roche 社 の Thomas
Shreitmuller氏より2日間の発表と議論についてまと
「CMC Strategy Forum Japan 2013」
開催される
そして、参加者の層がさらに広がり、本会合がオー
ルジャパンで盛り上がることを願っています。2014
年も8月末頃にCASSSの WEBに次回会合の案内が
出ると思われます。バイオ医薬品の研究開発・製造
と規制に関心のある方は是非、ご参加ください。
(バイオ医薬品委員会)
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