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POA_0004 - [千葉大学]OPAC
博士学位論文 Zinc-finger タンパク質 ZNF777 による 細胞密度依存的な増殖制御 2015 (平成 27) 年度 千葉大学大学院医学薬学府 ゲノム創薬学講座 幸 先端医学薬学専攻 分子細胞生物学 龍三郎 目次 序論・目的 2 材料・方法 3 結果 7 総括 12 図表 14 参考文献 15 主論文目録 20 謝辞 25 -1- 【序論・目的】 Krüppel-associated box-containing zinc finger protein (KRAB-ZFP) は約 800 種類存 在する転写因子 zinc finger タンパク質の約 1/3 を構成するタンパク質群であり、 進化学的には 4 本足動物において保存されている (Bellefroid et al., 1991, 1993; Lupo et al., 2013)。KRAB-ZFP は転写抑制因子として機能することが知られており、 転写コリプレッサーと結合する KRAB ドメインと DNA と結合する zinc finger ド メインを持つ (図 1) (Margolin et al.,1994; Witzgall al.,1994; Urrutia, 2003)。 KRAB-ZFP は転写制御を介して細胞の増殖やアポトーシス、分化など重要な細 胞機能を制御している (Friedman et al., 1996; Gebelein et al., 1998; Agata et al., 1999; Looman et al., 2002)。例えば、ZNF689 は細胞増殖を促進しがん化において重要な 役割を持つことが報告されている (Silva et al., 2006)。また、様々ながんにおいて 発現が低下している ZNF23 は KRAB ドメイン非依存的に細胞増殖を抑制すること が知られている (Huang et al., 2007)。しかしながら、KRAB-ZFP に属する多くの分 子の機能はあまり分かっていない。 本研究では機能未知な KRAB-ZFP の一つ ZNF777 に着目しその機能を明らかに することを目的とした。その結果、ZNF777 の誘導発現は KRAB ドメインではな く zinc finger ドメイン依存的に細胞増殖を抑制することが分かった。また、ZNF777 は驚くべきことに低細胞密度下においては細胞増殖を強く抑制するのに対して、 高細胞密度下ではあまり増殖を抑制しなかった。更に、ZNF777 による増殖抑制に は、FAM129A の発現抑制によるサイクリン依存性キナーゼ阻害因子である p21 のマイルドな発現誘導、そして G2/M 期における細胞周期進行の遅延が関わるこ とを見出した。以下にその結果についてお示しする。 -2- 【材料・方法】 プラスミド cDNA encoding human ZNF777 (NM_015694.2) を pcDNA4/TOneo vector (Nakayama et al., 2009) に 組 み 込 ん だ (pcDNA4/TOneo/ZNF777) 。 ZNF777-zinc は 、 pcDNA4/TOneo/ZNF777 を SacII と BsrGI で digestion し、blunting し、ligation し て作成した。ZNF777-KRAB は、ZNF777 の 1~247 番アミノ酸に相当する配列を PCR で増幅し EcoRI-SacII で切断した断片を、pcDNA4/TOneo/ZNF777 に組み込ん だ。NLS-ZNF777-zinc は、FLAG epitope、HA epitope、NLS (Aoyama et al., 2011, 2013; Hübner et al., 1997) を ZNF777-zinc のアミノ末端に結合させ、pcDNA4/TOneo vector に組み込んだ。cDNA encoding human FAM129A を pEBMulti-Puro vector (pEBMulti-Puro/FAM129A) (Wako Pure Chemical Industries, Osaka) に組み込んだ。 抗体 ZNF777 (NBP1–03344; Novus Biologicals), FLAG (M2 and polyclonal antibody; Sigma), FAM129A (Niban; Signalway Antibody), actin (clone C4;CHEMICON International), hsc70 (B-6; Santa Cruz Biotechnology), normal rabbit IgG (Santa Cruz Biotechnology), lamin A/C (N-18;Santa Cruz Biotechnology), cPLA2 (Santa Cruz Biotechnology), Ku70 (C-19; Santa Cruz Biotechnology), p21 (12D1; Cell Signaling Technology), Phospho-p44/42 MAP kinase Thr202/Tyr204 (pERK1/2, E10; New England BioLabs), ERK2 (C-14; Santa Cruz Biotechnology), and -tubulin (Serotec). Horseradish peroxidase (HRP)-F(ab’)2 secondary antibodies were purchased from Amersham Biosciences. FITC-IgG, and Alexa Fluor 488- and Alexa Fluor 647-labeled IgG secondary antibodies were purchased from BioSource International and Invitrogen. -3- 細胞・遺伝子導入 HeLa 細胞、HeLaS3 細胞 (Japanese Collection of Research Bioresources, Osaka) 及び HCT116 細胞は、4% bovine serum + 1% fetal bovine serum を含む Iscove’s modified DMEM で培養した。遺伝子導入は linear polyethylenimine (25 kDa) (Polyscience, Inc.) (Fukumoto et al., 2010) を用いた。ZNF777, ZNF777-zinc, NLS-ZNF777zinc, ある いは ZNF777-KRAB を誘導発現する細胞株は以下のように樹立した (Kasahara et al., 2007)。 Tetracycline repressor (TR) を安定発現する HeLa S3/TR 細胞 (clone A3f5) (Kuga et al., 2008) あるいは HCT116/TR 細胞 (clone 0.8G5) (Soeda et al.,2013) に pcDNA4/TOneo/ZNF777, pcDNA4/TOneo/ZNF777zinc, pcDNA4/TOneo/NLS-ZNF777zinc, あるいは pcDNA4/TOneo/ZNF777KRAB を 遺伝子導入した後、600 g/mL の G418 にてセレクションを行った。Doxycycline (Dox) は、特に説明が無い場合 1000 ng/ml の濃度で使用した。FAM129A を発現 する ZNF777 誘導発現細胞は、ZNF777 誘導発現細胞に pEBMulti-Puro/FAM129A を遺伝子導入し、350 ng/mL の puromycin にてセレクションを 5 日行い作製した。 免疫蛍光染色 細胞を 4% paraformaldehyde または 100% methanol で固定し、phosphate-buffered saline (PBS) containing 0.1% saponin and 3% bovine serum albumin を room temperature で処理し、permeabilization した。HCT116 細胞の免疫染色においては 固定条件が異なり、細胞を 0.4% paraformaldehyde でプレ固定後 0.1% Triton X-100 にて抽出を行い 4% paraformaldehyde で固定した。細胞は適切な1次抗体で反応後、 PBS containing 0.1% saponin で洗い、FITC-, Alexa Fluor 488-, あるいは Alexa Fluor 647-conjugated secondary antibody を反応させた。DNA staining は propidium iodide (PI) で行なった。Fluoview FV500 confocal laser scanning microscope (Olympus) ある いは LSM510 confocal laser scanning microscope (Zeiss) で画像を取得した。 -4- ウェスタンブロティング ウェスタンブロティングは enhanced chemiluminescence (Amersham Bioscience) を 用 い て 行 な っ た 。 whole cells の Lysate は SDS-sample buffer に 溶 か し SDS-polyacrylamide gel で電気泳動し、polyvinylidene difluoride membranes に転写 した (Obata et al., 2010)。 Protein bands は適切な抗体を用いて検出した。Reblotting は stripping buffer と 0.1% NaN3 により HRP を完全に除去後行なった。 フローサイトメトリー ZNF777 発現細胞・非発現細胞を PBS で洗った後、トリプシンを用いてディッシ ュから剥離し遠心分離により細胞を沈降させた。細胞のペレットを懸濁し、4% paraformaldehyde を用いて固定後 70% ethanol にて permeabilization した。PBS containing 0.1% saponin + 3% bovine serum albumin でブロッキングを行い、PBS containing 0.1% Tween 20 にて洗った後、抗 FLAG 抗体を反応させた。細胞を PBS containing 0.1% Tween 20 で洗い、Alexa Fluor 647-conjugated secondary antibody を 反応させ、PI で DNA staining を行なった。1 サンプルあたり最低でも 6,000 細胞 を Guava easyCyte (Millipore) のフローサイトメトリーにて解析した。 細胞分画 細胞を low salt buffer で処理し氷上でインキュベーション後、遠心分離を 2,000 g の速度で 5 分間行い上清を low salt 画分とした。遠心分離を行い、ペレットを high salt buffer で処理し氷上でインキュベーションする。更に、遠心分離を 17,900 g の速度で 10 分間行い上清を high salt 画分とした。残ったペレットを high salt buffer で wash した後、SDS-sample buffer と sonication にて溶解し insoluble 画分とした (Kubota et al., 2013)。 -5- 半定量的 RT-PCR 細胞から総 RNA を ISOGEN reagent (Nippon Gene, Tokyo) あるいは TRIzol reagent (Invitrogen) を用いて抽出後、PrimeScript RT reagent Kit (TakaraBio) を用いて cDNA を作製した。PCR 産物の量的な飽和を防ぐために PCR のサイクル数を最適化後、 Ex Taq DNA polymerase (TakaraBio) を用いて半定量的 RT-PCR を行った (Ishibashi et al., 2013)。 RNA 干渉 ZNF777 と FAM129A のノックダウン用 shRNA oligo DNA をアニーリング後、 pENTR4/H1 vector の BglII-XbaI サイトに導入した。H1 プロモーターと shZNF777 配列あるいは shFAM129A 配列を PCR にて増幅後、pEBMulti-Neo ベクターに導入 した。ZNF777 あるいは FAM129A ノックダウン細胞株を作製するために、HeLa S3 細胞に pEBMulti-Neo/ZNF777-shRNA あるいは pEBMulti-Neo/FAM129A-shRNA を 遺伝子導入し、G418 にてセレクションを行った。 Senescence-associated--galactosidase (SA- gal) 活性評価 細胞を 0.2% glutaraldehyde + 1.85% formaldehyde in PBS を用いて固定後、37℃で 1 mg/ml X-gal in staining solution (40 mM sodium citrate-phosphate pH 6.0, 4 mM potassium ferrocyanide, 4 mM potassium ferricyanide, 150 mM NaCl, and 2 mM MgCl 2 ) と 14 時間インキュベーションした。その後、phase-contrast microscopy にて観 察を行い SA--gal 陽性細胞の割合を測定した。 -6- 【結果】 ZNF777 の翻訳開始点 ZNF777 の 5’側の mRNA 領域にコザック配列を持つ二つの ATG 開始コドンが存 在することが分かった (主論文, Fig. 1A)。そこで、どちらの開始コドンから ZNF777 が翻訳されているか調べるために、初めの ATG を含む ZNF777 の cDNA をコードした ZNF777(1st ATG)ベクターと二つ目の ATG を含む ZNF777(2nd ATG) ベクターを作製した。抗 ZNF777 抗体を用いてウエスタンブロッティングを行っ たところ、内在性の ZNF777 に相当するバンドは ZNF777(1st ATG)と同じ電気泳動 度であった (主論文, Fig. 1B, 1C)。このことから、内在性の ZNF777 は初めの ATG より翻訳が始まることが示唆された。 ZNF777 の細胞内局在 共焦点レーザー顕微鏡を用いて抗 ZNF777 抗体による免疫染色を行ったところ 細胞の核内に蛍光が検出された (主論文, Fig. 2A)。この核内における染色像が内 在性の ZNF777 を反映しているかどうか調べるために、ZNF777 のノックダウンを 行った。その結果、核内における蛍光がほとんど見られなくなったため ZNF777 は細胞の核内に局在していることが分かった (主論文, Fig. 2B)。更に、細胞分画法 により ZNF777 がどの画分に存在するか解析を行なった。細胞質におけるタンパ ク質の画分である low salt 画分、クロマチン結合タンパク質の画分である high salt 画分、核マトリックスタンパク質の画分である insoluble 画分に分画したとこ ろ ZNF777 は high salt 画分に多く含まれていた (主論文, Fig. 2C)。以上より、内在 性の ZNF777 はクロマチン結合タンパク質として核内に局在していることが示唆 された。 -7- ZNF777 の発現による細胞増殖抑制 ZNF777 の機能を調べるために、ヒト子宮頸がん由来上皮細胞である HeLa S3 細胞を親株とした doxycycline (Dox) 処理により ZNF777 を誘導発現する細胞株を 樹立した (主論文, Fig. 3A, 3B)。この細胞を用いて ZNF777 の細胞増殖における役 割を調べたところ、ZNF777 の誘導発現により細胞増殖が抑制された (主論文, Fig. 3C)。また、ZNF777 の誘導発現量と増殖抑制度合いの相関を調べるために Dox の 処理濃度を変えて ZNF777 を誘導発現したところ、ZNF777 の発現量が増えるに従 って増殖抑制効果が強まった (主論文, Fig. 3D, 3E)。更に HeLa S3 細胞において ZNF777 のノックダウンを行ったが、細胞増殖に変化は見られなかった。このこ とは内在性 ZNF777 の発現量が HeLa S3 細胞の増殖に影響を与えるには不十分 であった可能性が考えられる。以上より、ZNF777 は細胞増殖を抑制する機能を持 つことが示唆された。 次に ZNF777 が細胞周期の進行に関わっているか調べるために、G1/S 期および G2/M 期進行を抑制するサイクリン依存性キナーゼ阻害因子 p21 に着目した。 ZNF777 を誘導発現したところ p21 の発現量がマイルドに増加することが分かっ た (主論文, Fig. 2H, 2I)。更に、ZNF777 誘導発現細胞を Double-thymidine block 法 により G1/S 期に同調した後に細胞周期を再開させ flow cytometry にて解析を行っ た。その結果、ZNF777 の誘導発現により G2/M 期進行に遅延が見られた(主論文, Fig. 2J)。また、ZNF777 発現細胞・非発現細胞の間で細胞の老化マーカーである SA--gal 陽性の割合に変化は見られなかった (主論文, Fig. 3K)。以上のことから、 ZNF777 は p21 の発現量増加による G2/M 期進行の遅延を起こすことで細胞増殖を 抑制していると示唆された。 ZNF777 による細胞密度依存的な増殖抑制 興味深いことに、ZNF777 誘導発現細胞を 500 cells/cm2 (低細胞密度) あるいは -8- 20,000 cells/cm2 (高細胞密度) の初期細胞密度になるように播種し、ZNF777 を誘 導発現したところ低細胞密度下では強い増殖抑制が見られるのに対して高細胞密 度下では細胞増殖の抑制が弱かった (主論文, Fig. 4A)。更に、HeLa S3 以外の細胞 においても ZNF777 は細胞密度依存的な増殖抑制を誘導するか調べるために、ヒ ト結腸がん由来上皮細胞の HCT116 細胞を親株として ZNF777 の誘導発現細胞株 を樹立した。HCT116 細胞において ZNF777 を誘導発現したところ低細胞密度状態 において増殖抑制が見られたのに対して高細胞密度状態では増殖の抑制が見られ なかった (主論文, Fig. 4E)。以上のことから、ZNF777 は細胞の種類に関わらず細 胞密度に応じて細胞増殖を抑制することが示唆された。 ZNF777 の核内局在及び増殖抑制における zinc finger ドメインの寄与 ZNF777 の核内局在に zinc finger ドメインと KRAB ドメインのどちらが関わっ ているか調べるために、それぞれのドメインを欠損した変異体 (ZNF777-zinc, ZNF777-KRAB) を 作 製 し ( 主 論 文 , Fig. 5A, 5B) 細 胞 内 局 在 を 調 べ た 。 ZNF777-KRAB は 野 生 型 と 同 様 に 核 内 に 局 在 が 見 ら れ る の に 対 し て 、 ZNF777-zinc は細胞質に局在が見られた (主論文, Fig. 5C)。次に、ZNF777 の機能 である細胞の増殖抑制にどちらのドメインが重要か調べるためにそれぞれの変異 体の誘導発現細胞株を樹立した。ZNF777-KRAB の発現は野生型の発現と同様に 細胞増殖を抑制するのに対して、ZNF777-zinc の発現は増殖を抑制しなかった (主論文, Fig. 5D)。しかしながら ZNF777-zinc の局在は野生型と大きく異なって おり、ZNF777 による増殖抑制が核内における zinc finger ドメインの機能であるこ とを調べる必要がある。そこで、ZNF777-zinc に核移行シグナル (NLS) を付加 し細胞の核内に局在化させた変異体を作製した (NLS-ZNF777-zinc) (主論文, Fig. 5E)。NLS-ZNF777-zinc を誘導発現させたところ細胞増殖の抑制はほとんど見ら れなかった (主論文, Fig. 5G)。以上のことから、ZNF777 の核内への局在と細胞増 -9- 殖抑制機能には zinc finger ドメインが重要であることが示唆された。 ZNF777 の増殖抑制に関わる標的遺伝子 FAM129A ZNF777 誘導発現により発現量が変動する遺伝子を探索したところ、ZNF777 の 誘導発現によりタンパク質合成促進因子 FAM129A (Majima et al., 2000; Adachi et al., 2004; Matsumoto et al., 2006; Ito et al., 2010) の mRNA 量およびタンパク量が低 下することが分かった (主論文, Fig. 6A, 6B)。また、ZNF777 の誘導発現量が増え るに従って FAM129A のタンパク量低下が増強されていた (主論文, Fig. 6C)。この FAM129A 発現抑制に zinc finger ドメインが関わっているか調べたところ、 ZNF777-zinc の発現では FAM129A の発現に変化は見られなかった (主論文, Fig. 6E, 6F)。以上より、ZNF777 は zinc finger ドメインを介して FAM129A の発現を抑 制していることが示された。 次に、ZNF777 による増殖抑制に FAM129A の発現抑制が関わっているか調べる ために ZNF777 誘導発現株に FAM129A を過剰発現する系を構築し増殖を調べた。 その結果 FAM129A の発現により ZNF777 による増殖抑制が約半分レスキューさ れたことから、ZNF777 による増殖抑制には FAM129A の発現抑制が関わっている ことが示唆された (主論文, Fig. 6H, 6I)。 ZNF777 による細胞密度依存的な増殖抑制における FAM129A 発現量の関与 ZNF777 による細胞密度依存的な増殖抑制の制御機構を解析するために、まず細 胞密度が変化した際に ZNF777 の誘導発現量及び細胞核内局在が変化するか調べ た。その結果、低細胞密度下と高細胞密度下における発現量及び核内局在は変化 が見られなかった (主論文, Fig. 7A, 7B)。次に、ZNF777 による FAM129A の発現 抑制に着目した。ZNF777 の誘導発現は細胞密度に関わらず FAM129A の mRNA 量を同じレベルまで低下させた (主論文, Fig. 6D)。しかし、高細胞密度下におけ - 10 - る ZNF777 誘導発現は FAM129A のタンパク量を低細胞密度下におけるレベルま で低下させていなかった (主論文, Fig. 7C)。FAM129A のノックダウンを行い FAM129A のタンパク量を大きく低下させると、細胞密度に関わらず増殖は低下し p21 の発現亢進が見られた (主論文, Fig. 7D-7H)。以上より、低細胞密度状態にお いて ZNF777 は FAM129A の発現量を十分に低下させているため増殖抑制が顕著 に見られ、一方で高細胞密度状態では FAM129A の発現抑制が不十分なため ZNF777 による増殖抑制効果が減弱していると考えられる。 - 11 - 【総括】 本研究により機能解析が行われていない KRAB-ZFP の一つである ZNF777 は細 胞密度に依存して増殖を抑制することを新規に見出した。更にそのメカニズムと して FAM129A の mRNA 量及びタンパク量低下を介した p21 の発現誘導、そして G2/M 期における進行遅延が増殖抑制に関わることが分かった。高細胞密度下にお いては細胞同士が近接・接着している状態であり細胞から分泌される因子や細胞 間接着によるシグナルが増強されていると考えられる。そのようなシグナルによ って FAM129A が安定化され ZNF777-FAM129A 経路が阻害されていることが高細 胞密度状態において ZNF777 による増殖抑制があまり誘導されない一因ではない かと考えられる (図 2)。 ZNF777-FAM129A 経路による細胞増殖抑制の生理的意義性を考察する。ZNF777 は定量的プロテオミクスデータより CD4+T 細胞あるいは CD8+T 細胞において発 現が顕著に見られている (Kim et al., 2014)。T 細胞性の非ホジキンリンパ腫や大顆 粒白血病において ZNF777 の発現抑制と FAM129A の発現亢進が観察されている (Barretina et al., 2012)。また、ZNF777 はヒト 7 番染色体 q36 上にコードされている が、一部の急性骨髄性白血病患者において 7 番染色体 q36 の 12 番染色体への転座 が見られており、転座後に 7 番染色体 q36 上にコードされていた遺伝子の発現が 抑制されることが報告されている (Hasham et al., 2010)。このような細胞等におい て ZNF777 による増殖抑制機能の破綻が起こっており、がん化が誘導されている 可能性が推測される。更に、低細胞密度状態で増殖を抑制する意義についても考 察する。一般的に上皮がん組織においては、がん細胞の増殖が異常に亢進してお り高細胞密度状態にあるといわれている (Tsutsumi et al., 2013)。一部のがん細胞は 上皮間葉転換を経て比較的細胞密度の低い結合組織に浸潤しリンパ管・血管に移 行することで他臓器への転移を行っていると考えられている。血管内に移行した - 12 - 血管循環がん細胞の一部は増殖マーカーである Ki67 がポジティブであり増殖状 態であることがいわれており (Hou et al., 2012)、このような細胞密度が低くなった 際に ZNF777-FAM129A 経路ががん細胞の転移抑制機能として関わっているので はないかと考えられる (図 3)。ZNF777 のノックアウトマウスは作製されておらず、 個体における ZNF777 の重要性については未だ分かっていない。さらなる研究に よって、低細胞密度下における細胞増殖制御の重要性について理解を深めていき たいと考えている。 - 13 - 【図表】 - 14 - 【参考文献】 Adachi H, Majima S, Kon S, Kobayashi T, Kajino K, Mitani H, Hirayama Y, Shiina H, Igawa M, Hino O, Niban gene is commonly expressed in the renal tumors: A new 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Kubota S, Fukumoto Y, Aoyama K, Ishibashi K, Yuki R, Morinaga T, Honda T, Yamaguchi N, Kuga T, Tomonaga T, Yamaguchi N, Phosphorylation of KRAB-associated protein 1 (KAP1) at Tyr-449, Tyr-458, and Tyr-517 by nuclear tyrosine kinases inhibits the association of KAP1 and heterochromatin protein 1α (HP1α) with heterochromatin, J. Biol. Chem. 288 (2013) 17871-17883. Kuga T, Hoshino M, Nakayama Y, Kasahara K, Ikeda K, Obata Y, Takahashi A, Higashiyama Y, Fukumoto Y, Yamaguchi N, Role of src-family kinases in formation of the cortical actin cap at the dorsal cell surface, Exp. Cell Res. 314 (2008) 2040-2054. Looman C, Åbrink M, Mark C, Hellman L, KRAB zinc finger proteins: an analysis of the molecular mechanisms governing their increase in numbers and complexity during evolution, Mol. Biol. Evol. 19 (2002) 2118-2130. Lupo A, Cesaro E, Montano G, Zurlo D, Izzo P, Costanzo P, KRAB-zinc finger proteins: A repressor family displaying multiple biological functions, Curr. 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Obata Y, Fukumoto Y, Nakayama Y, Kuga T, Dohmae N, Yamaguchi N, The Lyn kinase C-lobe mediates Golgi export of Lyn through conformation-dependent ACSL3 association, J. Cell Sci. 123 (2010) 2649-2662. Silva FP, Hamamoto R, Furukawa Y, Nakamura Y, TIPUH1 encodes a novel KRAB zincfinger protein highly expressed in human hepatocellular carcinomas, Oncogene 25 (2006) 5063-5070. Soeda S, Nakayama Y, Honda T, Aoki A, Tamura N, Abe K, Fukumoto Y, Yamaguchi N, v-Src causes delocalization of Mklp1, Aurora B, and INCENP from the spindle midzone during cytokinesis failure, Exp. Cell Res. 319 (2013) 1382-1397. Tsutsumi R, Masoudi M, Takahashi A, Fujii Y, Hayashi T, Kikuchi I, Satou Y, Taira M, Hatakeyama M, YAP and TAZ, Hippo signaling targets, act as a rheostat for nuclear SHP2 function, Dev. Cell 30 (2013) 658-65. Urrutia R, KRAB-containing zinc-finger repressor proteins, Genome Biol. 4 (2003) 231. Witzgall R, O’Leary E, Leaf A, Onaldi D, Bonventre JV, The Krüppel-associated box-A (KRAB-A) domain of zinc finger proteins mediates transcriptional repression, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 (1994) 4514-4518. - 19 - 【主論文目録】 本学位論文内容は下記の発表論文による。 (主論文) Yuki, R., Aoyama, K., Kubota, S., Yamaguchi, N.-t., Kubota, S., Hasegawa, H., Morii, M., Huang, X., Liu, K., Williams, R., Fukuda, M.N., and Yamaguchi, N. Overexpression of Zinc-finger protein 777 (ZNF777) inhibits proliferation at low cell density through down-regulation of FAM129A. J. Cell. Biochem., 116: 954-968, 2015. 【参考論文】 1. *Aoyama, K., *Yamaguchi, N.-t., *Yuki, R., Morii, M., Kubota, S., Hirata, K., Abe, K., Honda, T., Kuga, T., Hashimoto, Y., Tomonaga, T., and Yamaguchi, N.: c-Abl induces stabilization of histone deacetylase 1 (HDAC1) in a kinase activity-dependent manner. Cell Biol. Int., 39: 446-456, 2015. (*These authors contributed equally to this work.) 2. Aoyama, K., Yuki, R., Horiike, Y., Kubota, S., Yamaguchi, N., Morii, M., Ishibashi, K., Nakayama, Y., Kuga, T., Hashimoto, Y., Tomonaga, T., and Yamaguchi, N.: Formation of long and winding nuclear F-actin bundles by nuclear c-Abl tyrosine kinase. Exp. Cell Res., 319: 3251-3268, 2013. 3. Kubota, S., Morii, M., Yuki, R., Yamaguchi, N.-t., Yamaguchi, H., Aoyama, K., Kuga, T., Tomonaga, T., and Yamaguchi, N.: Role for tyrosine phosphorylation of A-kinase anchoring protein 8 (AKAP8) in its dissociation from chromatin and the nuclear matrix. J. Biol. Chem., 290: 10891-10904, 2015. - 20 - 4. Kubota, S., Fukumoto, Y., Ishibashi, K., Soeda, S., Kubota, S., Yuki, R., Nakayama, Y., Aoyama, K., Yamaguchi, N., and Yamaguchi, N.: Activation of the prereplication complex is blocked by mimosine through reactive oxygen species-activated Ataxia telangiectasia mutated (ATM) protein without DNA damage. J. Biol. Chem., 289: 5730-5746, 2014. 5. Kubota, S., Fukumoto, Y., Aoyama, K., Ishibashi, K., Yuki, R., Morinaga, T., Honda, T., Yamaguchi, N.-t., Kuga, T., Tomonaga, T., and Yamaguchi, N.: Phosphorylation of KRAB-associated protein 1 (KAP1) at Tyr-449, Tyr-458, and Tyr-517 by nuclear tyrosine kinases inhibits the association of KAP1 and heterochromatin protein 1alpha (HP1alpha) with heterochromatin. J. Biol. Chem., 288: 17871-17883, 2013. 6. Aoyama, K., Fukumoto, Y., Ishibashi, K., Kubota, S., Morinaga, T., Horiike, Y., Yuki, R., Takahashi, A., Nakayama, Y., and Yamaguchi, N.: Nuclear c-Abl-mediated tyrosine phosphorylation induces chromatin structural changes through histone modifications that include H4K16 hypoacetylation. Exp. Cell Res., 317: 2874-2903, 2011 7. Tragulpakseerojn, J., Yuki, R., Honda, T., Morii, M., Apirakaramwong, A., Yamaguchi, N.-t., Pamonsinlapatham, P., and Yamaguchi, N.: Apoptotic activities of the extract from Moringa oleifera leaves on human HCT116 colon cancer cells. Fund. Toxicol. Sci., 1: 143-149, 2014. 8. Hasegawa, H., Ishibashi, K., Kubota, S.-i., Yamaguchi, C., Yuki, R., Nakajo, H., Eckner, R., Yamaguchi, N.-t., Yokoyama, K.K., and Yamaguchi, N.: Cdk1-mediated phosphorylation of human ATF7 at Thr-51 and Thr-53 promotes cell-cycle progression into M phase. PLoS One, 9: e116048, 2014. - 21 - 国際会議における発表 1. ○Yuki, R., Aoyama, K., Kubota, S., Yamaguchi, N., Kubota, S., Hasegawa, H., Morii, M., Fukuda, M.N., and Yamaguchi, N.: The zinc finger protein lastin-mediated inhibition of cell proliferation in a cell density-dependent manner. The FEBS EMBO 2014 Conference, Paris, France, 2014. 8 2. ○Aoyama, K., Yuki, R., Horiike, Y., Kubota, S., Yamaguchi, N.-t., Morii, M., Ishibashi, K., Nakayama, Y., Kuga, T., Hashimoto, Y., Tomonaga, T., and Yamaguchi, N.: Long and winding nuclear F-actin bundles induced by nuclear c-Abl tyrosine kinase. The 53rd Annual Meeting of the American Society For Cell Biology (ASCB), New Orleans, LA, U.S.A., 2013.12 3. ○Yamaguchi, N.-t., Aoyama, K., Fujiwara, N., Yuki, R., Kubota, S., and Yamaguchi, N.: The ubiquitin-editing enzyme A20 regulates NF-kB and cell death pathways through regulation of the ubiquitin E3 ligase cIAP1. 2014 Keystone Symposia on Molecular and Cellular Biology, The Chemistry and Biology of Cell Death, Santa Fe, NM, U.S.A., 2014. 2 他4回 国内学会における発表 1. ○幸龍三郎 (優秀口頭発表賞), 山口憲孝, 青山和正, 久保田翔, 山口直人. TGF-シグナルにおける c-Abl を介したチロシンリン酸化の役割. 第 135 回日 本薬学会年会(神戸, 2015. 3) 2. ○幸龍三郎 (鈴木紘一メモリアル賞), 青山和正, 久保田翔, 久保田将一, 富岡 - 22 - 貴久, 山口憲孝, 福田道子, 山口直人. 低細胞密度下における zinc-finger タン パク質 Lastin を介した細胞増殖抑制. 第 86 回日本生化学会大会 (横浜, 2013.9) 3. ○幸龍三郎 (優秀発表賞), 青山和正, 久保田翔, 久保田将一, 富岡貴久, 山口 憲孝, 福田道子, 山口直人. Zinc-finger タンパク質 Lastin の細胞密度依存的な 細胞増殖の制御. 第 12 回次世代を担う若手ファーマ・バイオフォーラム 2013 (日本薬学会生物系部会主催) (東京, 2013.9) 4. ○幸龍三郎 (報道機関用講演ハイライト掲載), 青山和正, 久保田翔, 久保田将 一, 阿部紘平, 長谷川仁美, 井出雄大, 九鬼和雅, 富岡貴久, 山口憲孝, 福田道 子, 山口直人. Zinc-finger タンパク質 lastin による FAM129A を介した細胞増 殖抑制: 細胞密度に依存した制御. 第 134 回日本薬学会年会(熊本, 2014. 3) 他 学会発表を発表者として 3 回 共著として 40 回 - 23 - 本学位論文の審査は千葉大学大学院薬学研究院で指名された下記の審査委員に より行われた。 主査 千葉大学大学院教授(薬学研究院) 薬学博士 伊藤素行 副査 千葉大学大学院教授(薬学研究院) 薬学博士 村山俊彦 副査 千葉大学大学院教授(医学研究院) 医学博士 岩間厚志 - 24 - 【謝辞】 本研究において、終始御指導、御鞭撻を賜り、また研究への道を開いてくださ り研究の楽しさをご教授して頂きました千葉大学大学院薬学研究院 物学研究室 分子細胞生 山口直人教授に深く感謝いたします。 また、様々な御助言を賜りました中山祐治准教授(現京都薬科大学教授)、福本 泰典講師、研究者としての開拓精神をご教授して頂き多くの経験を元に的確な御 意見を賜った山口憲孝助教に深く感謝いたします。 大変お忙しい中、本論文を審査し、貴重な御意見を賜った本学伊藤素行教授、 村山俊彦教授、岩間厚志教授に深く感謝いたします。 様々な面で支援、協力していただき、苦楽を共にした分子細胞生物学研究室の 皆様、特に、学部時代より研究を進める上で様々なアドバイスをして頂きました 青山和正博士(現千葉大学医学研究院特任研究員)、久保田翔博士(現熊本大学 IRCMS 研究員)、多くの知識を元に研究者像を教えて頂きました小幡裕希博士(現 東京理科大学生命医科学研究所助教)に深く感謝いたします。そして日々研究に 関して夢や意見を語り合ってきました本田拓也氏、森井真理子氏、盛永敬郎博士 (現千葉県がんセンター研究員)、阿部紘平氏、岩本遼氏、帶刀隆氏に感謝いたし ます。 最後に、長く続いた学生生活を陰で支え、励まし応援してくれた、両親と兄弟 に深く感謝いたします。 - 25 -