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「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(諮問)

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「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(諮問)
今後の学校における
キャリア教育・職業教育の在り方について
(答申素案)
平成
年
月
中央教育審議会
日
目 次
Ⅰ 「学校から社会・職業への移行」をめぐる経緯と現状 ...........................
1.我が国の産業構造や就業構造の変化 .........................................
2.学校制度や学校教育における職業に関する教育の現状 .........................
3.社会全体を通じた職業に関する教育に対する認識 .............................
4.子ども・若者の変化 .......................................................
5.教育基本法等の改正と教育振興基本計画 .....................................
Ⅱ キャリア教育・職業教育をめぐる課題と基本的方向性 ...........................
1.キャリア教育・職業教育をめぐる課題 .......................................
(1)「キャリア教育」の内容と課題
(2)「職業教育」の内容と課題
(3)キャリア教育と職業教育の関係
2.キャリア教育・職業教育の基本的方向性 .....................................
(1)社会的・職業的自立に必要な能力等を育成するため、キャリア教育の視点に
立ち、社会・職業との関連を重視しつつ、義務教育から高等教育に至るまでの
体系的な教育の改善・充実を図る
(2)我が国の発展のために重要な役割を果たす職業教育の意義を再評価し、実践
的な職業教育を体系的に整備する
(3)学びたい者が、いつでも、社会・職業に関して必要な知識・技能等を学び直
したり、更に深く学んだりすることにより、職業に関する能力の向上や職業の
変更等が可能となるよう、生涯学習の視点に立ち、キャリア形成支援の充実を
図る
3.キャリア教育・職業教育の方向性を考える上での視点 .........................
(1)キャリア教育・職業教育を進めていく上での社会全体の協力
(2)仕事をすることの意義と職業の範囲
(3)社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力を明らかにする
Ⅲ 発達の段階に応じた体系的なキャリア教育の充実方策 ...........................
1.キャリア教育の充実に関する基本的な考え方 .................................
(1)社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力等を育成する、体系
的な取組の構築
(2)子ども・若者一人一人の発達の状況の的確な把握とそれに対するきめ細かな
支援
(3)能力・態度の育成を通じた勤労観・職業観等の価値観の形成・確立
2.キャリア教育の充実方策 ...................................................
(1)各学校におけるキャリア教育に関する方針の明確化
(2)各学校の教育課程への位置付け
(3)多様で幅広い他者との人間関係の形成
(4)社会や経済の仕組みなどについての理解の促進
(5)体験的な学習活動の効果的な活用
(6)キャリア教育における学習状況の振り返りと、教育活動の評価・改善の実施
3.各学校段階の推進のポイント ...............................................
(1)初等中等教育段階
(2)高等教育段階
4.義務教育段階を中心としたキャリア教育を実践するための方策 .................
(1)キャリア教育に関する教職員の意識や指導力の向上
(2)キャリア教育を効率的に実施するための体制の整備
(3)キャリア教育を実践するための教育課程の編成・実施
Ⅳ 後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の充実方策 .......................
1.後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の課題 .........................
2.後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の基本的な考え方 ...............
3.高等学校におけるキャリア教育・職業教育の充実 .............................
(1)高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の改善の方向性
(2)専門学科における職業教育の改善の方向性
(3)総合学科の成果と課題など
4.特別支援学校高等部におけるキャリア教育・職業教育の充実 ...................
5.専門的な知識・技能の高度化への対応と、高等学校(特に専門学科)・特別支援
学校制度の改善の方向性 ....................................................
(1)高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の在り方と高等教育機関との接続
(2)専門学科を基にした高等専門学校の設置の可能性
6.専修学校高等課程(高等専修学校)におけるキャリア教育・職業教育の充実 .....
(1)職業教育の高度化・質の向上と生涯にわたるキャリア形成のための教育の
充実
(2)自立に困難を抱える生徒への対応
(3)個人の多様なライフスタイルに応じた学習機会の充実
Ⅴ 高等教育におけるキャリア教育・職業教育の充実方策 ...........................
1.高等教育におけるキャリア教育・職業教育の課題 .............................
2.高等教育におけるキャリア教育の在り方と充実の方向性 .......................
(1)高等教育におけるキャリア教育の基本的な考え方
(2)高等教育におけるキャリア教育の取組
(3)高等教育におけるキャリア教育の推進方策
(4)各学校種別に留意すべきキャリア教育の在り方
3.高等教育における職業教育の在り方と充実の方向性 ...........................
(1)高等教育における職業教育の課題
(2)高等教育における職業教育の充実のために必要な視点
(3)各高等教育機関における職業教育の充実 ..................................
4.職業実践的な教育に特化した枠組みの必要性 .................................
(1)職業実践的な教育に特化した枠組みの必要性
(2)職業実践的な教育に特化した枠組みが考慮すべき4つの観点
(3)職業実践的な教育に特化した枠組みの構想
5.学校種を通じた職業教育の充実のための方策・質保証の在り方 .................
Ⅵ 生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の充実 ...............................
1.生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の必要性 ...........................
2.学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援方策 .............
3.中途退学者や無業者などのキャリア形成のための支援方策 .....................
4.職業に関する生涯にわたる学習を支える基盤の形成 ...........................
Ⅶ キャリア教育・職業教育の充実のための様々な連携の在り方 .....................
1.連携の基本的な考え方 .....................................................
2.地域・社会との連携 .......................................................
3.産業界等との連携 .........................................................
4.学校間や異校種間の連携 ...................................................
5.家庭・保護者との連携 .....................................................
6.関係行政機関との連携 .....................................................
今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について
答申(素案)
Ⅰ
「学校から社会・職業への移行」をめぐる経緯と現状
現在の子ども、特に若者と呼ばれる世代は、大きな困難に直面している。
それは、例えば、次のような調査にあるように、いわゆる「学校から社会・職業への
移行」が円滑に行われないという点に顕著に表れている。
・ 平成21年の15歳から24歳までの完全失業率は、約9.1%であり、全年齢の
平均である約5.1%より極めて高いこと。
・ 15歳から24歳までの雇用者のうち非正規雇用者の占める割合は、平成元年には
約10%であったのに対し、平成21年では3割以上に増加していること*1。
・ 15歳から34歳までの非労働力人口のうち、家事も通学もしていないいわゆる若
*2
年無業者は、平成21年で約63万人存在し、ここ数年横ばいで推移していること 。
・ 新規学卒者が3年以内に離職する割合は、中学校卒業者で約65%、高等学校卒業
者で約40%、大学卒業者で約31%であること*3。
これらの現象が生じている理由は様々であるが、その原因や背景には、学校教育の抱
える問題にとどまらず、社会全体を通じた構造的な問題があると指摘されている。
我が国は、人材こそが持続可能な社会として最大かつ必須の資源である。また、今後
少子高齢化の進展に伴い、我が国社会を支える人口自体が減少する中、誰もが、それぞ
れの個性や能力を最大限に発揮できるようにすることが、社会の発展に不可欠となって
いる。
それにもかかわらず、仕事・職業を通じて社会を構成し支えていくこととなる若者た
ちが、自分自身の将来を描くことができず、自らの役割を果たしていくために必要な成
長を遂げることに支障が生じ、あるいはできなくなっていることは、我が国社会が持続
的な発展を遂げる上で深刻な問題を生じさせているといえる。
このままでは、日本の成長はおろか、将来すら立ちゆかなくなる問題であるといえる。
このような問題意識を受けて、本審議会では議論を行った。はじめに、若者の「学校
から社会・職業への移行」をめぐる現状と背景について分析をする。
1.我が国の産業構造や就業構造の変化
○
我が国は、経済のグローバル化が一層進み、国際競争が激化している。また、知識
基盤社会の到来や「ソフトパワー」の重要性、科学技術の発展等によりイノベーショ
ン創出の重要性が増しており、それに求められる知識・技能や人材の需要が高度化し
ている。さらに、日々新しい分野・職業等が生まれ、職業の多様化が進むとともに、
雇用の流動化や仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の進展など、産業構
造・就業構造が大きく変化しており、このような流れは今後も続いていくものと思わ
れる。
*1
*2
*3
若年者の失業率、非正規雇用率の推移については、p94参照。
若年無業者・フリーターの数の推移については、p94参照。
新規学卒就職者の3年以内の離職率の推移については、p95参照。
1
(産業構造の変化)
○ 我が国の産業別の就業者数は、第一次・第二次産業から第三次産業へと変化してい
る。第二次産業の就業者数は、昭和50年には全体の就業者の約34%を占めていた
が、平成17年には約26%にまで減少している。一方で、第三次産業の就業者が占
める割合は増加を続け、平成17年には約67%にまで増加している*1。
なお、平成18年度の企業の規模を見ると、第一次産業を除けば、企業数では、い
わゆる中小企業*2の占める割合が約99.7%を占め、大企業はわずか約0.3%と
なっており、また、常用雇用者・従業者数で見ても、中小企業に勤務する者が約70
*3
%、大企業に勤務する者は約30%と、中小企業が産業の多くを担っている 。
○
また、職業別の就業者の状況も変化している。昭和40年と平成17年を比較する
と、農林漁業作業者の占める割合が約25%から約5%まで大きく減少するとともに、
専門的・技術的職業従事者(約6%から約14%)、サービス職業従事者(約6%か
ら約10%)、事務従事者(約13%から約19%)、販売従事者(約12%から約1
4.5%)などが増加している*4。
○
このような中、どのような仕事が人手不足になっているのかを常用労働者の過不足
状況で見ると、平成20年までは全般的に不足感が高かったが、平成21年に入り過
剰感が高まっている。平成22年8月現在、不足となっているのは、産業別では運輸
業・郵便業、金融業・保険業、生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉などの業種
であり*5、職種別では専門・技術、販売、サービス、運輸・通信、技能工などとなっ
ている*6。
また、中小企業の雇用状況を見ると、雇用情勢の悪化の中で従業員の過剰感が高ま
っているが、従業員が不足していると回答した企業の割合も約7%存在している*7。
○
平成21年度の就業者の年齢構成を見ると、30歳未満が約18%であるのに対し、
55歳以上が約28%となっており、労働者の高齢化*8等により、技術者・技能者等
*9
の後継者の問題が深刻になっており 、我が国の産業を支える人材の後継者を早期に
育成していくことが必要であるのに対し、このような問題と学校教育における人材育
成とのかい離が生じているのではないかということも指摘されている。
○
このような産業構造の変化を受けて、後期中等教育や高等教育においては新たな学
*1 産業別就業者数及び構成割合の推移については、p91参照。
*2 中小企業とは、中小企業基本法に基づき、中小企業の定義である常用雇用者300人以下(卸売業、サービス業は
100人以下、小売業、飲食店は50人以下)、又は資本金3億円以下(卸売業は1億円以下、小売業、飲食店、サ
ービス業は5000万円以下)の企業に当てはまる企業をいう。
*3 「事業所・企業統計調査」再編加工(総務省)。「平成20年度中小企業の動向」参照。
*4 職業別就業者数及び構成割合の推移は、p92参照。
*5 産業別労働者の過不足状況判断(D.I.)については、p92参照。
*6 職種別労働者の過不足状況判断(D.I.)については、p93参照。
*7 「中小企業景況調査」(中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構)。「平成20年度中小企業の動向」参照。
*8 総務省「労働力調査」によると、平成2年には、就業者に占める15歳から29歳までの割合は約23%、55歳
以上の割合は約20%であったが、平成21年には、それぞれ約18%、約28%となっている。
*9 厚生労働省委託「中小企業の人材育成と技能継承に係る調査」(2009)によると、技能継承の必要性について、「必
要」と回答した企業は約74%、「やや必要」と回答した企業は約19%に上っている。
2
科を創設するなどの取組が行われているが、企業の規模や産業・職業を詳細に見れば、
*1
雇用情勢が悪化する中でも人材が不足している部分も存在している 。
(就業構造の変化)
○ 就業構造にも変化が見えている。これまでの「学校から社会・職業への移行」は、
学校の新規卒業者を対象に、正規の職員として卒業直後に一括採用するという方法が
一般的に行われてきた。この雇用慣行は、高度経済成長期から今日に至るまで、学校
から企業に人材を送り込むシステムとして大きな役割を果たしてきた。
○
近年、若年者の雇用状況は、平成3年ごろからの景気後退の時期に大規模事業所を
中心として全体の採用が抑制されたことを背景に、厳しくなっている*2。また、若年
者の完全失業率では、15歳から24歳までの失業率は、平成3年から平成10年に
かけ約4.5%から約10.1%まで上昇している。全年齢の平均が約2.1%から
約5.3%までの上昇であるのと比較すると、若年者の雇用情勢の厳しさがうかがえ
る。その後、景気の回復に伴い失業率は一時低下傾向を示したが、平成21年以降再
び上昇し、厳しさを増している。
○
また、新規学卒者が正規の従業員として採用される機会が厳しさを増したことが指
摘されており、正規の従業員以外の就業形態で働く若者が増加した。年齢階級別に非
正規雇用の割合を見ると、15歳から24歳までの非正規雇用率は平成3年において
約9.5%であったのに対し、平成17年には約34.6%までに達している。35
歳から44歳までの非正規雇用率の変化が、約20.2%から約26.5%までの上
昇であるのと比較すると、若年者への影響が強いことがうかがえる。
なお、平成18年以降の非正規雇用率をみると、15歳から24歳までの割合はや
や低下傾向であるが、25歳から34歳までは横ばい、35歳から44歳までは上昇
後に下降して推移しており、非正規雇用の増加は、全体的に景気にかかわらない雇用
の変化としてとらえられる状況が見られる。
○
また、新規学卒者の一括採用という雇用慣行については、昨今、新規大学卒業生を
中心に、就職採用活動の早期化・長期化等の問題点が指摘されている*3。
○
このような状況の中で、新規学卒時に一度非正規雇用の職に就いたり、進学も就職
もしなかったりすると、その後も十分な就業機会や職業能力開発の機会を持ちにくく
*4
、社会の中で不安定な状態から長く脱出できないという状況が見られるなど、本人
・社会の双方にとって大きな損失になっている。このような中で、経済が急激に悪化
し、再び雇用の情勢は大きく悪化している。
○
このため、国においては、キャリアカウンセラーの増員などによる新規学卒者の相
談支援の強化や、卒業後3年以内の既卒者を採用する企業やトライアル雇用を行う企
業への奨励金の創設、雇用意欲の高い中小企業と新規学卒者などのミスマッチ解消に
*1 企業への就職状況を見ると、学生等は、求人に比していわゆる大企業を希望する場合が多く、我が国の多くを占め
る中小企業を余り志向していない調査も見られる。
*2 厚生労働省「平成21年版 労働経済の分析」p166参照。
*3 就職採用活動の現状については、p97・98参照。
*4 厚生労働省「平成21年版 労働経済の分析」p166参照。
3
向けた取組の強化、専門高校等における実習補助員の雇用など、新規学卒者・若年者
*1
の就職支援を推進する とともに、経済団体に対し、新規学卒者・未就職者のための
採用枠の拡大や追加求人の提出、卒業後3年以内の未就職卒業者の新卒枠での応募受
付、早期の採用選考活動の抑制への要請を行う*2など、厳しい雇用の情勢を受けた、
新規学卒者や未就職者の就職・採用活動に関する様々な支援策が進められている。
(職業にかかわる能力開発の変化)
○ 新規学卒者の一括採用とともに、長期雇用を前提とした企業内教育・訓練も、我が
国の雇用慣行の大きな特徴となっている。これまでは、学校において基礎的な知識等
を身に付けさせ、職業に必要な専門的な知識・技能は、主に企業内教育・訓練等を通
じて、仕事をしながら育成することが一般的であった。
○
しかし、人材育成に課題があるとする企業は全体の約7割に達し、その理由として
指導する人材や時間の不足等を挙げている*3。具体的には、非正規雇用の増加により
正規雇用者の労働時間の増加が企業内教育・訓練中心の人材育成に割く時間を圧迫し
ていること、日本の企業の大半である中小企業の厳しさが人材育成にかける費用を縮
小していること、せっかく育成しても辞めてしまうのではないかという懸念から企業
内教育・訓練を行う動機付けが低下することなど、企業が人材育成を行う余裕を失っ
ている状況がうかがえる。
○
また、非正規雇用者の増加は、職業能力の形成の上でも問題を生じさせている。非
正規雇用者は、正規雇用となるためには、自発的な取組による能力の向上を図ること
が求められる傾向にある*4とともに、正規雇用者に比べて企業内教育・訓練を受けら
れる機会が限られているため*5仕事を通じた能力の向上につながりにくく、キャリア
形成を図る上でも課題がある。
(職業に関する能力の向上)
○ 一方、科学技術の進展や急速な技術革新、社会・経済の急激な変化と多様化・複雑
化・高度化、グローバル化、情報化等を受け、社会において職業を遂行する上で必要
な知識・技能が高度化している。また、職業生活を経験した者が、職業生活で得た知
識・技能や人生経験をいかし、あるいは新たな専門的知識・技能を獲得し、社会・経
済活動に参画することも考えられる*6。このようなことは、社会の発展や経済の活性
化を支える上で必要であり、特に少子高齢化社会にあっては社会的な要請でもある。
*1 「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」(平成22年9月10日閣議決定)、「円高・デフレ対応のための
緊急総合経済対策」(平成22年10月8日閣議決定)を参照。
*2 平成22年10月8日、文部科学大臣・厚生労働大臣・経済産業大臣の連名で、経済団体に対し、「新規学校卒業
者等の採用に関する要請書」が出されている。
*3 人材育成に関する問題があるとする事業所及び問題点の内訳については、p98参照。また、厚生労働省「平成1
9年版 労働経済の分析」では、「企業の教育訓練投資が低下してきたことは懸念すべき点」としつつ、「企業の人材
育成の方針は、一部の選抜された従業員の教育訓練に重点化」される傾向も見られると分析している。
*4 正規雇用を希望する非正規雇用者が正規雇用者としての能力水準に達するために必要なことについて、「通常の業
務をこなしていく中で能力を習得することが可能」と回答した事務所の割合(約36%)よりも、「労働者自身が自
発的な取組により能力向上を図ることが必要」と回答した事務所の割合(約46%)の方が高い。(厚生労働省「平
成21年度能力開発基本調査(事務所調査)」より)
*5 職業教育訓練(OFF-JT)を受講した労働者の比率(雇用形態別)については、p99参照。
*6 労働者が自己啓発を行った理由については、p99参照。
4
○
さらに、高度化・複雑化する知識や技能を改めて学校で学び直したり、専門性をよ
り高めたりするために大学等で学ぶような生涯学習ニーズも存在しており、大学等に
おける社会人の受入れの取組は進んできている*1。しかし、大学入学者のうち25歳
以上の者の割合は、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均では約21%であるの
に対し、我が国では約2%にとどまっており、社会人の入学者数という点では課題も
見られる。この背景には、学習目的にあった教育プログラムの不在や、職業との両立
や時間・費用、また、このような学習の成果に対する企業等の評価の問題といった点
が存在している。
(女性就業者の状況)
○ 女性の就業者は、近年、様々な制度の整備が進む中で増加しているが、一般的に、
固定的な性別役割分担意識や出産・育児等の影響の下で、正規雇用以外の雇用形態で
ある者の比率が正規雇用者の比率より多くなっている。この状況は、出産・育児に伴
うものだけではなく、未婚の女性においても近年強まる傾向にあり、特に高等学校卒
*2
の女性では、正規雇用以外の雇用形態である者の比率が男性に比べて高い 。また、
女性の非正規雇用は有期雇用が多く、非正規雇用を繰り返しやすい傾向にある*3。さ
らに、出産等により一定期間就業を中断した場合、子どもが大きくなるにつれて就業
希望が増えても、実際は働いていない人が多く、働き方もパート・アルバイトが過半
*4
となっている 。このように、女性は安定的な雇用が得にくく、厳しい状況に置かれ
ており、男性と女性の状況の違いにも留意が必要である。
(障害のある者の状況)
○ 障害のある者の就業状況を見てみると、例えば、特別支援学校高等部(本科)の卒
業後の状況については、卒業者全体で見ると進学・教育訓練機関が1割程度、就職が
2割強、福祉施設・医療機関が6割強で推移しているが、障害の種類や程度によって
その内訳には少なからず差異が見られる。障害のある者が生涯にわたって自立し、社
会参加を目指していくためには、一人一人のニーズに応じた教育・支援を行うととも
に、企業等への就労支援の充実など、社会全体で障害のある者の自立・社会参加を支
えていくための環境を整えていくことが重要である。
(少子高齢化の進展)
○ 少子高齢化やグローバル化が進行する中、労働力人口が減少傾向にある一方で*5、
外国人労働者の数は増加傾向にある*6。今後、労働力人口が大幅に減少していくこと
*1 大学等における社会人入学者数等の推移については、p171・172参照。
*2 20~24歳(在学者を除く)における正規雇用者の比率の推移(男女別)については、p100参照。
*3 男女共同参画会議「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」(平成21年11月26日)に
よると、前職から現職への雇用形態の変化について、非正規から非正規となる者の割合が、男性の場合は約26%で
あるのに対し、女性の場合は約55%となっている。
*4 女性のライフステージの変化に応じた働き方の希望と現状については、p100参照。
*5 総務省「労働力調査」によると、労働力人口(15歳以上)は、平成10年の約6,793万人をピークに減少局
面に入り、平成21年には約6,617万人となっている。
*6 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」によると、外国人労働者の数は、平成21年10月末時点で562,818人
となっており、平成20年10月末時点(486,398人)と比べ、約16%増加している。
5
が予想される中*1、子ども・若者に対して、人材の求められている分野や職種は多様
であることを理解させ、次代の社会・経済の担い手として生徒・学生を社会・職業に
円滑に移行させるとともに、社会人・職業人の生涯を通じたキャリア形成を支援する
ことが、我が国の持続的発展にとって極めて重要な課題となっている。
2.学校制度や学校教育における職業に関する教育の現状
(学校教育と職業教育の位置付け*2)
○ 我が国の学校制度は、戦後、いわゆる6・3・3・4の単線型の体系に整備された。
後期中等教育を担う学校としては、旧制の中等学校等を改編して高等学校が整備され
るとともに、高等教育については、旧制の大学、高等学校、専門学校、高等師範学校
などの諸機関をすべて単一の4年制大学に改編し、幅の広い教養を基盤として学問研
究と職業人養成を一体化させた*3。
○
その後、高等学校については、産業教育振興法の制定(昭和26年)などにより、
工業、農業等の人材や新しい分野の人材の需要に対応するよう教育内容の充実が図ら
れた。この結果、昭和40年代には、高等学校卒業者の6割以上が就職し*4、我が国
の社会・経済の発展に大きく寄与してきた。
一方、高等学校については、急速な生徒数の増加や進学率の上昇などに伴う量的拡
大への対応が重視される中、画一的な教育、受験競争の激化、中途退学の増加などが
課題となっていた。これらを踏まえ、平成3年の中央教育審議会答申「新しい時代に
対応する教育の諸制度の改革について」では、量的拡大から質的充実へ、形式的平等
から実質的平等へ、偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ、転換する視点を重視し
た教育改革の必要性が指摘された。学科の区分については、普通科は進学、専門学科
は就職という固定的な考え方に結びつきやすく、学校間の序列化、偏差値偏重の進路
指導などの問題を生じさせる一因となると同時に、普通科における就職希望者や専門
学科における進学希望者への対応が不十分であったことなどを踏まえ、普通科と専門
学科に大別されていた区分を見直し、普通科と専門学科を総合するような新たな学科
として、平成6年度に総合学科が創設された。
○
高等教育については、学校教育法の制定(昭和22年)により、旧制の学校制度に
おける諸機関はすべて単一の4年制大学に改編されていたが*5、中央教育審議会におい
ては、昭和29年及び31年に、暫定的なものとして整備されていた短期大学制度に
ついて、職業教育などの重要な役割を担う機関として、その恒久化を提言した。昭和
32年には、短期大学制度の改善と専門的職業人の養成を目的とした5年制の教育機
関の必要性を提言した。
*1
独立行政法人労働政策研究・研修機構「平成19年度 労働力需要の推計」によると、2030年の労働力人口は、
2006年の労働力率と同水準で推移した場合、同年の労働力人口(6,657万人)と比較して1,073万人減
少。
*2 職業に関する学校教育の経緯については、p115・116参照。
*3 現在及び大正8年の学校系統については、p113・114参照。
*4 高等学校の卒業者数・進路状況の推移については、p128参照。
*5 なお、新制大学への切り替えに際し、教員組織、施設・設備等が不十分であるために4年制大学へ転換できなかっ
た旧制の専門学校の一部について、そのまま存続させることができなかったため、昭和24年の学校教育法の一部改
正により、暫定措置として、修業年限二年又は三年の大学を設け、これを短期大学と称することとした。
6
昭和33年には、専門的技術者養成機関の創設と短期大学の恒久化を含めすべて専
科大学とする「専科大学法案」が国会に上程されたが実現せず、昭和37年には、両
者を切り離し、新たに工業教育を主体とする高等専門学校の制度が創設された。単線
的な体系に属さない学校が誕生し、我が国の工業発展を支える技術者を養成してきた
が、高等教育全体の中での規模は小さく、昭和39年に恒久的な制度として確立した
短期大学を含む大学制度が、高等教育進学希望者の主な受け皿として機能してきた*1。
このように、単線的な体系の中で職業教育を含む幅広い機能が大学制度に期待されて
きた。
昭和51年には、専修学校制度が創設され、柔軟な制度的特性を背景に、実際的な
*2
職業ニーズに応じた教育を展開してきた 。
○
現在、高等学校等の後期中等教育への進学率は、高等学校の整備拡充、経済の伸長、
生活水準の向上等により約98%まで上昇し*3、国民的な教育機関となるとともに、
高等教育機関への進学率も約77%にまで高まっている*4。このような後期中等教育
・高等教育の量的拡大・大衆化に伴い、生徒・学生の能力・適性・希望などが多様化
し、これに併せて各学校においても教育内容の多様化と弾力化を推進してきた。
○
このように、職業に関する教育は一定の拡大が図られてきたが、高等学校では昭和
50年代以降普通科の割合が拡大し、生徒数では約63%から約72%(平成22年)
まで上昇し、職業に関する専門学科の割合は約36%から約20%まで減少している
*5
。また、高等教育機関では、大学への進学率は、平成22年には約51%まで上昇
しているが、職業に必要な能力を育成することを目的としている短期大学への進学率
は、近年の18歳人口の減少や女子学生の4年制大学への進学志向の高まりなどを受
け、現在は約6%となっている。専修学校専門課程(専門学校)は、制度創設以降進
学率が約24%まで上昇し、大きな役割を果たしているが、現在は約22%とやや減
少傾向にある。結果として、多様化する生徒・学生の受け皿は、後期中等教育では高
等学校の普通科、高等教育では大学が中心となっている。
○
しかし、拡大してきた高等学校の普通科には多くの課題が顕著に表れている。例え
ば、普通科の生徒が多く進学する大学1年生の約3割が高等学校までに職業を意識せ
ずに進学していること*6、学科別就職率(就職希望者に占める就職者の割合)を見る
と平成3年ごろまでは学科ごとの差はほとんど見られなかったが、その後学科ごとの
差が拡大し、平成20年3月時点で普通科の就職率は約86.6%と他の学科と比べ
て低くなっていること*7、普通科の卒業生は専門学科・総合学科に比べて非正規雇用
*8
の比率が高い(男性約50%、女性約74%)といった調査があること など、普通
科における学習と社会・職業とのかかわりが薄い傾向が見られる。
*1
*2
*3
*4
*5
*6
*7
*8
大学・短期大学・高等専門学校の制度創設の経緯については、p116参照。
専修学校の制度創設の経緯については、p117参照。
高校生の数・高等学校への進学率の推移については、p127参照。
18歳人口、高等教育機関への進学率の推移については、p146参照。
高等学校の学科別生徒数の構成割合の推移については、p129参照。
大学1年生が職業を意識した時期については、p106参照。
新規高等学校卒業者の学科別就職状況の推移については、p101参照。
学歴別の正社員割合については、p101参照。
7
○
大学を見ても、高校生が進学を希望する理由として、「将来の仕事に役立つ専門的
*1
知識・技術を習得したい」ことが最も多いという調査 があるにもかかわらず、「将来
の職業に関連する知識や技能」について、約4割の学生は「これまでの授業経験は役
立っていない」
、約8割の学生は「自分の実力は不十分」と回答する調査*2があるなど、
学生のニーズに対応した職業教育が十分に提供されない状況も見られる。
(学習と将来の仕事との関連に関する子どもの意識)
○
平成19年に国際教育到達度評価学会(IEA)が実施した(国際数学・理科教育
動向調査(TIMSS調査))の結果においては、日本の中学生の成績はおおむね良
好である一方、自分が将来就きたい仕事のために数学や理科で良い成績をとる必要が
あると答えた割合は、国際的に低く、国際平均を大きく下回っている。
○
また、経済協力開発機構(OECD)が実施した生徒の学習到達度調査(PISA
*3
調査 )の平成15年及び平成18年の結果においては、数学や理科の勉強からたく
さんのことを学んで就職に役立てたいとしたり、将来の仕事の可能性を広げてくれる
から、数学や理科は学びがいがあるとしたりする高校生の割合が国際的にみて低いこ
とが明らかとなった。
○
このように、我が国の子どもたちは、他国に比べて、将来就きたい仕事や自分の将
来のために学習を行う意識が低いことが明らかとなっている。このことから、学校教
育においては、子どもたちが自らの将来に対する夢やあこがれを持ったり、将来就き
たい仕事などを思い描いたりしながら、これらと学習との関連や、学習の意義を認識
して、意欲的に学習を進めていく気持ちや態度につながるよう、働きかけていくこと
が課題であると考えられる。
(学校教育と仕事や職業に必要な力の育成との関係)
○ 学校と仕事や職業との関係でいえば、仕事や職業に必要な力を学校教育の中でどの
ように育成するのかが十分明確にされていないことも、学校教育と社会・職業との関
連を考える上で一つの課題であると考えられる。
○
例えば、高校生を対象に将来働くことについて気掛かりがあるかを尋ねた調査では、
約70%があると回答し、
「就きたい職業に就くことができるだろうか」
(約63%)、
「十分な収入が得られるだろうか」(約47%)、「職場の人間関係がうまくいくだろ
うか」(約43%)といった点について不安を感じている*4。
一方で、初めて就いた職業を離職した理由を見ると、「仕事があわない、つまらな
*1 (財)日本進路指導協会「中学校・高等学校における進路指導に関する総合的実態調査報告書」(平成18年3
月)によると、高校生が進学を希望する理由の1位は、「将来の仕事に役立つ専門的知識・技術を習得したいから」
であり、普通科の生徒の約71%、専門学科の生徒の約40%が当該理由を挙げている。
*2 全国大学生調査コンソーシアム・東京大学大学経営・政策研究センターが実施した「2007年 全国大学生調査」で
は、授業経験の有用度、自分の実力を1~4段階で評価(「役立っていない」「実力は不十分」を1、「役立ってい
る」「実力は十分」を4)しており、本文中の「役立っていない」「実力は不十分」は、1と2の合計割合。
*3 Programme for International Student Assessmentの略。「生徒の学習到達度調査」と訳される。
*4 (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート「第4回 高校生と保護者の進路に関する意識調査(2009)」
8
い」(約26%)、「人間関係が良くない」(約18%)が上位を占めており*1、高校生
が不安に感じていることともほぼ重なっている。
○
このような結果からは、学校教育から働くことへの不安を抱えたまま職業へ移行し
たり、社会や職場への適応に難しさを感じている若者の存在がうかがわれ、学校教育
の中で、仕事や職業に必要となる力が十分に育成できていないのではないかとも考え
られる。このため、仕事や職業に必要な力がどのようなものであるか、また、それを
学校教育の中でどのように育成するのかを明らかにし、取り組んでいくことが課題で
ある。
○
このように、学校教育については、社会・職業との関連や、仕事や職業に必要な力
の育成という面から見て多くの課題を有している。社会的・職業的自立を促し、学校
から社会・職業にできるだけ円滑に移行することを可能にしていく上で、また、生涯
にわたる学びの支援を図る上で、学校制度や学校教育の在り方を見直していくことが、
喫緊の課題となっている。
3.社会全体を通じた職業に関する教育に対する認識
○
社会全体を通じた問題としては、職業に関する教育についての認識の不足が挙げら
れる。この背景には、これまで、学校教育の中で職業に関する教育を充実してきたに
もかかわらず、現在においても、高等学校の普通科や大学に進学すること自体を評価
する社会的風潮が根強く存在することなどがあると考えられる。
○
また、高校生の保護者を対象にした調査によれば、子どもの進学に際して、入試制
度の仕組みや進学費用に次いで将来の職業に関連する情報を重要であると考えている
保護者が約46%おり、進学先の学校を考えるときに考慮する点として、就職に有利
であることを挙げる者が6割を超え、子どもの進路を考える上で職業について一定の
意識があることがうかがえる。
しかし、子どもの進路選択にアドバイスを行っている保護者のうち、約7割はアド
バイスを難しいと考えており、その要因として最新の進路情報を知らないからとの回
答が約43%であることや、高等学校の進路指導への要望として、もっと進路に関す
る情報提供をしてほしいと考える保護者が約40%で最も多いことなど、保護者が子
どもの進路や職業に関する情報を、必ずしも十分に得られていないこともうかがえる
*2
。
○
教員については、平成21年度に実施した公立学校教員採用選考試験では、民間企
業等勤務経験者の採用者の比率は約6%であり、高等学校においても約8.6%にと
どまっている。一方で新規学卒者が採用される割合は約31%(高等学校は約21%)
、
教職経験者は約54%(高等学校は約64%)であり、教職以外の経験をした者は少
ない*3。
また、現職教員への研修の中では社会体験研修が実施されており、平成21年度で
*1 内閣府「青少年の社会的自立に関する意識調査」(平成16年度)
*2 (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート「第4回 高校生と保護者の進路に関する意識調査(2009)」
*3 数字は、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭の合計。(文部科学省調べ)
9
はのべ約3万4千人が受けているが、1か月以上の社会体験研修を受けた教員は約6
*1
24名であり、ここ数年は減少傾向にある 。
○
このような保護者や教員の状況が、子どもの進路選択の際にも少なからず影響して
いると考えられる。
○
さらに、中学校の進路指導が、将来の職業生活等を考えた上で、一人一人の将来を
十分に見据えた進路指導に必ずしもなっていないのではないかという指摘がある。ま
た、高等学校、特に普通科においては、将来の職業選択はさておき、高等教育機関、
特に選抜制の強い大学への進学を第一とした進路指導に偏りがちであるという指摘も
ある。進学を志向した指導が展開されることは、教育の一つの役割として重要である
が、現在の若者を取り巻く社会・経済の状況等を踏まえれば、社会的・職業的自立、
社会・職業への円滑な移行に必要な力を育成することが求められていることを強く意
識することが必要である。
○
このような職業に関する教育についての認識不足の背景として、職業についての専
門性という概念が固定的で柔軟性を欠くものとしてとらえられがちなことや、「学校
教育では共通の教育内容を平等に学ぶべきであり、早期の進路分化は適当ではない」
という考え方、職業に必要な専門的な知識・技能は、就職後の企業内教育・訓練等を
通じて育成すべきという考え方が根強いことなども指摘されている。その結果として、
自らの将来の生き方・働き方等について真剣に考えることなく、安易な選択をするな
ど、職業へ移行する準備が十分に行われず、そのことが若年者の失業率の高さや非正
規雇用の増加、無業者の存在等の問題につながっているとも考えられる。
○
文部科学省や地方公共団体においては、これまで、全国産業教育フェアの開催や専
門高校への体験入学の実施、専門高校の紹介パンフレットの作成など中学生や保護者
等を対象とした職業教育に対する理解増進を図るための取組が行われているが、必ず
しも十分とはいえない。
○
このように、教員や生徒・学生、保護者を含め、社会全体が職業に関する教育を重
視していないことなどが、例えば、各地の高等学校の再編において、大学進学に向け
て普通科を求めているという保護者の期待等を背景に、専門学科を中心にして再編が
行われるという点などに影響することが懸念される。
○
現在の子ども・若者が置かれている状況を踏まえれば、職業に関する教育に対する
認識の不足や、ある時点での専門分野・職業分野の選択がその後の進路を制限すると
いうような消極的な固定観念から脱却し、職業に関する教育はより重視していかなけ
ればならない教育課題であることを教員や生徒・学生、保護者はもとより、社会全体
で認識していくことが必要である。
4.子ども・若者の変化
*1 都道府県、指定都市、中核市に小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び中等教育学校の教員の研修を調査。
(文部科学省調べ)
10
○
働くことへの関心・意欲・態度、目的意識、責任感、意志等の未熟さやコミュニケ
ーション能力、対人関係能力、基本的マナーなど、職業人としての基本的な能力の低
下や職業意識・職業観の未熟さなどが多く指摘されている。
○
このような若者の能力等に関する課題は、過去から様々に指摘されてきた問題であ
る。前述したように、かつては新規学卒者を一括採用するという慣行の下、企業内教
育・訓練を通じて、社会的・職業的自立を促す仕組みができていたと考えられる。ま
た、従業員の確保が優先され、若者の求人が数多くある中で、このような慣行が安定
的に機能していたころは、社会的に自立することに関する問題が大きく取り上げられ
ることは少なかったといえる。しかし、このような慣行が変化する中で、こうした課
題が、学校から社会・職業への移行をめぐる社会的問題として顕在化してきたと考え
られる。
○
また、子ども・若者の成長・発達をめぐっては、身体的には成熟傾向があるにもか
かわらず精神的・社会的自立が遅れる傾向があることなどが指摘されている。最近で
は、遊びや消費活動、情報の活用等における早熟化が進む反面、自分で生産する活動
や社会性等に未熟さが見られるなど、発達上の課題が一層顕著になっていることが指
摘されている。
これらの背景には、幼少期からの様々な体験の機会や異年齢者との交流が乏しくな
ったこと、豊かで成熟した社会にあって人々の価値観や生き方が多様化したことなど
が考えられ、そのことが、子どもの発達課題の達成を困難にしていると考えられる。
○
例えば、高等学校までに職業を意識したことがない大学1年生が約3割いるという
調査結果があるように、高等教育機関へ進学する者の割合が増加していることに伴い、
将来の生き方・働き方について考え、選択・決定することなく、進路意識や目的意識
が希薄なままとりあえず進学したりする者が増加していることが指摘されている。
成熟した社会にあって、高等教育への進学志向が高まることは必然的な流れともい
える。しかし、例えば、高校生が進学を希望する理由として最も多いのは「将来の仕
事に役立つ専門的知識・技術を習得したいから」という調査があるのに対し、約4割
の学生は「将来の仕事に関連する知識や技能」の修得について、「これまでの授業経
*1
験は役立っていない」と回答している調査 があるように、学生のニーズに対応した
職業教育が十分に提供されない状況にある。
○
また、我が国における就業形態の変化が、子どもから見て将来を見通しにくい状況
を作り出している。高校生に将来就きたい職業があるかを尋ねたところ、約65%の
高校生が「ある」と回答しているが、目指している人やあこがれている人がいるかど
*2
うかについては、約70%の高校生が「いない」と回答している ように、子ども・
若者が大人のモデルとなるような生き方を見つけにくい状況に置かれている。その背
景には、家庭や地域の教育力の低下なども影響していると考えられる。例えば、地域
においては、自営業者の減少*3とあいまって様々な職業人と身近に接する機会が減少
*1 p9注3参照。
*2 高校生が目指している人やあこがれている人の有無については、p109参照。
*3 総務省「労働力調査」によると、就業者に占める自営業主及び家族従事者の比率は、昭和30年の約57%から約
13%(平成21年)に減少。一方、雇用者の比率は、昭和30年の約44%から約87%(平成21年)に上昇。
11
するなど、多様であるはずの職業が身近に見えにくくなっていることや、家庭におい
ても、親の働く姿が子どもに見えていない状況などもあると考えられる。
○ このような状況が、子ども・若者の将来への不安感にもつながるとともに*1、学校
における学習についての関心・意欲にも影響し、学習習慣も十分確立しないおそれが
あると考えられる。
○
さらに、中途退学者や無業者など、学校から社会・職業への移行が円滑に行われな
かった者に対して、学ぶ機会を与え、社会に挑戦していくため、学校の役割が重要で
はないのかという課題がある。
○
平成21年7月には、若年無業者や引きこもりなど若者の自立をめぐる問題の深刻
化など、子ども・若者を取り巻く状況が厳しくなっていることを踏まえ、子ども・若
者の健全な育成について、その基本理念と施策の基本となる事項を定めるほか、子ど
も・若者が、自立した社会生活を営むことができるように支援その他の施策を定めた
*2
子ども・若者育成支援推進法 が成立するなど、社会全体で若者の自立を支援してい
こうとする動きも出てきている。
○
このように、学校から社会・職業への移行が円滑に行われなかった者への対応につ
いては、様々な関係機関が連携して取り組む必要があり、その中で、学校の役割が重
要である。
○ なお、民法上の成年年齢を18歳へ引き下げることについて議論が進められる*3な
ど、若者が早期に自立することが社会の活性化につながると考える動きもあり、この
ような動きにも留意が必要である。
5.教育基本法等の改正と教育振興基本計画
○
平成18年に教育基本法が改正され、教育の目標の一つとして「職業及び生活との
関連を重視し、勤労を重んじる態度を養うこと」が新たに盛り込まれた。この改正を
踏まえた平成19年の学校教育法の改正においては、義務教育の目標の一つとして、
「職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の
進路を選択する能力を養うこと」、高等学校の目的に「心身の発達及び進路に応じ」
た教育について規定された。
○
また、平成20年に策定された教育振興基本計画*4では、地域の人材や民間の力を
活用したキャリア教育・職業教育、ものづくりなど実践的教育の推進、専門高校等に
おける職業教育の推進、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等における専門的
*1 例えば、進路を考える時の高校生の気持ちについては、p109参照。
*2 子ども・若者育成支援推進法については、p173参照。
*3 法務省法制審議会答申「民法の成年年齢の引下げについての意見」(平成21年10月)は、「民法が定める成年年
齢を18歳に引き下げるのが適当である。ただし、現時点で引下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生
じるおそれがあるため、引下げの法整備を行うには、若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等
の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要である。」としている。
*4 平成20年7月1日閣議決定
12
職業人や実践的・創造的技術者の養成の推進などが盛り込まれている。
○
これらを踏まえ、将来の我が国を担う若者の力や今の社会で努力している人々の力
を社会にどのようにいかし、そのために学校教育がどのような役割を果たしていくの
かが、喫緊の課題となっている。
13
Ⅱ
キャリア教育・職業教育をめぐる課題と基本的方向性
1.キャリア教育・職業教育をめぐる課題
○
第1章で見たように、学校から社会・職業への移行が円滑に行われず、社会人・職
業人として自立できる人材の育成に課題が見られるが、その原因や背景には、学校教
育の抱える問題にとどまらず、社会全体を通じた構造的な問題があると考えられる。
○
このため、単に子ども・若者の個人の責任のみに帰結させても問題の解決には結び
つかない。これまで見たように、我が国の変化する産業構造や就業構造の中で若者が
円滑に社会・職業に移行するためには、学校教育で仕事や職業に関する教育を充実す
るとともに、社会の中に若者の雇用が創出され、あるいは若者自らが起業できるよう
な環境が整い、また、一度円滑に移行できなくても、社会でカバーし、再び挑戦でき
るような状況を作らなければならない。そのためには、産業の振興や雇用対策などが
不可欠である。
○
このような前提の下、学校教育は、学校から社会・職業への移行に係る課題を克服
し、社会環境が複雑化・多様化する中にあっても、社会人・職業人として自立できる
人材を育てるという社会的な要請にこたえていかなければならない。
このため、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度
を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」であるキャリア教育と、「一定又
は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」である
職業教育について、改善や充実を図ることが必要である。
(1)「キャリア教育」の内容と課題
○
人は、他者や社会とのかかわりの中で、職業人、家庭人、地域社会の一員など、様
々な役割を担いながら生きている。これらの役割は、生涯という時間的な流れの中で
変化しつつ積み重なり、つながっていくものである。また、このような役割の中には、
所属する集団や組織から与えられたものや日常生活の中で特に意識せず習慣的に行っ
ているものもあるが、人はこれらを含めた様々な役割の関係や価値を自ら判断し、取
捨選択や創造を重ねながら取り組んでいる。
○
人は、このような自分の役割を果たして活動すること、つまり「働くこと」を通し
て、人や社会にかかわることになり、そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」
となっていくものである。
○
このように、人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自
分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味すると
ころである。このキャリアは、ある年齢に達すると自然に獲得されるものではなく、
子ども・若者の発達段階や発達課題の達成と深くかかわりながら段階を追って発達し
*1
ていくものである 。
*1 このような、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程を「キャリア発達」と
いう。
14
このような発達を促すには、外部からの体系的・組織的な働きかけが不可欠であり、
学校教育では、社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力や態度を育成
し、一人一人の発達を促していくことが必要である。このような教育が「キャリア教
育」である。それは、特定の活動や指導方法に限定されるものではなく、様々な教育
活動を通して実践される。キャリア教育は、社会人・職業人として自立できる人間を
育てることを目標に、変化する社会と学校教育との関係性を特に意識しつつ、学校教
育の在り方を見直し、その理念と改善の方向を示すものである。
○
キャリア教育の必要性や意義の理解は、学校教育の中で高まってきており、実際の
成果も徐々に上がっている。しかし、一人一人の教員の受け止め方や実践の内容・水
準には、ばらつきのあることも課題としてうかがえる。このような状況の背景には、
キャリア教育のとらえ方が変化してきた経緯が十分に整理されてこなかったことも一
因となっていると考えられる*1。このため、今後、前述のようなキャリア教育の本来
の理念に立ち返った理解を共有していくことが重要である。
○
キャリア教育は、現在の学校教育を見直す理念を示すものであることから、その活
動は特定の新しい教育活動を指すものではなく、学校教育全体の活動を通じて体系的
に行われることが必要であり、特に、子ども・若者が実社会を体験し、それを基に自
ら考える活動が不可欠である。しかし、「新しい教育活動を指すものではない」とし
てきたことにより、従来の教育活動のままでよいと誤解されたり、
「体験活動が重要」
という側面のみをとらえて、職場体験活動等の実施をもってキャリア教育を行ったも
のとみなしたりする傾向が指摘されている。また、様々な活動が単発的に行われ体系
的でないことや、活動の実施に当たり教育環境の整備が十分整っていないことなども
多く指摘されている。
○
さらに、社会・職業へ移行した後のキャリア形成に対する支援について、学校教育
としての対応が十分できていない点にも留意が必要である。
(2)「職業教育」の内容と課題
○
人は、専門性を身に付け、仕事を持つことによって、社会とかかわり、社会的な責
任を果たし、生計を維持するとともに、自らの個性を発揮し、誇りを持ち、自己を実
現することができる。仕事に就くためには、社会的・職業的に自立するために必要な
基盤となる能力だけではなく、それぞれに必要な専門性や専門的な知識・技能を身に
付けることが不可欠である。このような、一定又は特定の職業に従事するために必要
な知識、技能、能力や態度を育てる教育が「職業教育」である。
*1 中央教育審議会「初等中等教育と高等教育との接続の改善について(答申)」(平成11年)では、キャリア教育を
「望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に付けさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に
進路を選択する能力・態度を育てる教育」であるとし、進路を選択することにより重点が置かれていると解釈された。
また、キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書(平成16年)では、キャリア教育を「『キャ
リア』概念に基づき『児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくた
めに必要な意欲・態度や能力を育てる教育』」ととらえ、「端的には」という限定付きながら「勤労観、職業観を育て
る教育」としたこともあり、勤労観・職業観の育成のみに焦点が絞られてしまい、現時点においては社会的・職業的
自立のために必要な能力の育成がやや軽視されてしまっていることが課題として生じている。
15
○
職業教育を考える際に留意しなければならないことは、専門的な知識・技能の育成
は学校教育のみで完成するものではなく、生涯学習の視点を踏まえた教育の在り方を
考える必要があるということである。専門的な知識・技能は、企業内教育・訓練や職
業訓練など、学校から社会・職業へ移行した後も身に付けていくことができるもので
ある。このため、学校は地域や産業との結びつきをより強化していくことが必要であ
るが、産業構造や就業構造が大きく変化する中、学校から社会・職業への移行をめぐ
る課題が顕在化しているにもかかわらず、職業教育は、一部を除いて、基本的には学
校内で完結する内容として教育課程を構築するという側面が強調されてとらえられが
ちであり、このような課題にどのように対応していくのか明らかになっていない。
○
また、社会が大きく変化する次代に必要な職業に関する能力の育成にあたっては、
特定の専門的な知識・技能の習得とともに、多様な職業に対応し得る社会的・職業的
に自立するために必要な基盤となる能力の育成も重要である。このような能力は、具
体の職業に関する教育を通して育成していくことが極めて有効である。他方、社会・
職業との関連が薄く、実践性が伴わない教育(例えば、高等学校の普通科など)では、
子ども・若者の社会的・職業的自立を促す観点からは課題が多いと考えられる。
(3)キャリア教育と職業教育の関係
○
このようなキャリア教育と職業教育のそれぞれの内容を踏まえ、キャリア教育と職
業教育の関係を改めて整理すると、次のように考えられる。
・ 主として育成する力の観点に立てば、社会人・職業人としての共通性や基盤をよ
り重視し、社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力や態度の育成を
行うキャリア教育と、一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能
力や態度を育てる職業教育に整理できると考える。
・ 教育活動の観点に立てば、キャリア教育は普通教育・専門教育を問わず様々な教
育活動の中で実施されるものであり、そこには、職業教育における実践も含まれる。
具体の職業を題材とする職業教育を通して行われる社会的・職業的に自立するため
に必要な基盤となる能力や態度の育成は、キャリア教育の一環として重要であり、
社会的・職業的自立を促す上で極めて有効であると考える。
2.キャリア教育・職業教育の基本的方向性
○
これまで述べてきたことを踏まえ、社会人・職業人として自立できる人材の育成や、
学校から社会・職業への円滑な移行の観点に立った、今後の学校におけるキャリア教育
・職業教育の基本的方向性は、次のとおりである。
(1)社会的・職業的自立に必要な能力等を育成するため、キャリア教育の視点に立ち、
社会・職業との関連を重視しつつ、義務教育から高等教育に至るまでの体系的な教育
の改善・充実を図る
○
社会人・職業人として自立できる人材を育成するためには、前述のように、キャリ
アが子ども・若者の発達段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら段階を追っ
て発達していくことを踏まえ、キャリア教育の視点に立ち、義務教育から高等教育ま
16
での体系的な教育の改善・充実を図ることが必要である。
○
キャリア教育に取り組む意義を改めて整理すると、その第一は、一人一人のキャリ
アの発達や個人としての自立を促す視点から、学校教育を見直していくための理念と
方向性を示すということである。社会人・職業人として自立していくために必要な能
力や態度を育成する点から見ると、これまでの学校教育においては必ずしも系統的・
組織的に取り組まれてきたとは言い難い部分がある。各学校でも、この視点から教育
を幅広く見直すことによって、教職員に教育の理念と進むべき方向が共有されるとと
もに、教育課程の改善が促進される。
○
第二に、キャリア教育は、将来、社会人・職業人として自立できるようになるため
に発達させるべき能力や態度があるという前提にたって、各学校段階で取り組むべき
発達課題を明らかにし、日々の教育活動を通して達成させることを目指すものである。
このような視点に立って教育活動を展開することで、学校教育が目指す全人的成長・
発達を促すことができる。
○
第三に、キャリア教育を実践し、学校生活と社会生活や職業生活を結び、関連付け、
将来の夢と学業を結びつけることにより、学習意欲を喚起することの大切さが確認で
きる。このような取組を進めることを通じて、様々な学校教育が抱える課題への対処
に活路を開くことにもつながるものと考えられる。
○
また、社会的・職業的自立を図るためには、社会の一員として受け入れられ、また、
多様な関係者と積極的にかかわりながら、社会の意思決定や運営の過程に主体的に参
加することや、社会を形成する活動を主体的に担うために必要となる能力・態度を育
成する教育が必要である。このような教育は、学校内にとどまらず、地域における実
践や体験が重要である。
○
具体的には、社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力である基礎的
・汎用的能力を中心に子どもたちに確実に育成し、一人一人の発達を促していくため、
義務教育から高等教育に至るまでの体系的な教育を進めることが必要である。キャリ
ア教育を進める上では、社会・職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実
していくことが必要である。
はんよう
(2)我が国の発展のために重要な役割を果たす職業教育の意義を再評価し、実践的な職
業教育を体系的に整備する
○
職業に必要な専門的な知識・技能の習得は、生涯にわたって継続して育成される必
要があることから、学校教育で行う職業教育は、基礎的な知識や技能、それらを活用
する能力、仕事に向かう意欲や態度などを育成することが必要である。特に技能につ
いては、実践がなければ身に付かないものであり、学校教育で技能を身に付ける場合
には、学校の種類によって程度の差はあるものの、実践性がより重視されなければな
らない。
○
また、職業教育は、専門分野の学習とその後の進路を固定的にとらえるものではな
く、特定の専門分野の学習を端緒として、これに隣接する分野や関連する分野に応用
17
したり、発展したりしていくことができる広がりを持つ教育であるという観点も重要
である。
○
このような職業教育は、我が国の社会・経済の発展を支えるなど、一定の役割を果
たしてきており、このことを改めて評価し、再認識しなければならない。また、今後
の社会に必要な人材の需要等も踏まえつつ、実践的な職業教育を体系的に整備してい
くことが必要である。
(3)学びたい者が、いつでも、社会・職業に関して必要な知識・技能等を学び直したり、
更に深く学んだりすることにより、職業に関する能力の向上や職業の変更等が可能と
なるよう、生涯学習の視点に立ち、キャリア形成支援の充実を図る
○
職業に従事するためには、必要な専門的な知識・技能を身に付けることが不可欠で
あり、そのための学習は、職業生活への移行後も継続して、生涯にわたり行われるも
のである。特に、少子高齢化の進展により、今後、労働力人口が減少していくことが
予想される中、時代の社会・経済の担い手として、生徒・学生を社会・職業に円滑に
移行させるとともに、移行後も、学習活動を通じて、生涯にわたりそれぞれの社会人
・職業人としてのキャリア形成を支援していくことが、我が国の持続的発展にとって、
極めて重要な意味を持つに至っている。
○
学校教育を離れた後の職業に関する学習の場としては、自己学習のほか、企業内訓
練や職業訓練など様々な場や方法等があるが、中でも学校は、その中核的な機関とし
て保有する資源をいかし、生涯学習の観点に立ってキャリア形成を支援する機能の充
実を図ることが期待される。
○
人が自分の有する能力を発揮して活躍する場は、学校から社会・職業に移行して最
初の職業のみならず、職業を離れた後まで生涯にわたり多様に展開していくものであ
る。そのため、生涯学習の視点に立ち、キャリア形成支援の充実を図ることが必要で
ある。
3.キャリア教育・職業教育の方向性を考える上での視点
○
このような今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の基本的方向性を考える上で
は、次のような視点を前提とすることが必要である。
(1)キャリア教育・職業教育を進めていく上での社会全体の協力
○
前述のように、学校から社会・職業への移行や社会人・職業人としての自立の課題
は、学校教育の抱える問題にとどまらず、社会全体を通じた構造的な問題であり、産
業振興や雇用対策などの取組が不可欠である。
○
また、学校教育の抱える問題として、社会・職業との関連を重視し、実践性を高め
て、キャリア教育・職業教育の改善・充実を図るためには、学校の努力はもちろん必
要であるが、それだけではなく、保護者、地域、企業など社会全体がそれぞれの役割
を担い、相互に協力して子ども・若者を支えていかなければらない。
18
(2)仕事をすることの意義と職業の範囲
○
「働くこと」とは、広くとらえれば、人が果たす多様な役割の中で、「自分の力を
発揮して社会(あるいはそれを構成する個人や集団)に貢献すること」と考えること
ができる。それは、家庭生活の中での役割や、地域の中で市民として社会参加する役
割なども含まれている。その中で、本審議会では、学校から社会・職業への移行の課
題を踏まえ、特に職業生活において「仕事をすること」に焦点を当てることが必要で
ある。
○
日本国憲法では、すべて国民は勤労の権利を有し、義務を負うとされている。仕事
をすることの意義は、例えば、やりがい、収入を得ること、社会での帰属感、自己の
成長、社会貢献など様々なものが考えられ、個人によってどの部分を強調して考える
かは異なる。そこで重要なことは、個人と社会のバランスの上に成り立つものである
ということである。
○
また、仕事に就く場面を考える上では、どんなに計画を立ててもそのとおりに進む
ことの方が少ないと考えることも必要である。また、仕事を選ぶ際、社会にある職業
のすべてを知って選択することは不可能であるから、身近な仕事との出会いも重要に
なる。そのため、自らが行動して仕事と出会う機会を得ること、行動して思うように
進まないときに修正・改善ができることが重要である。このような行動を支えるため、
生涯にわたり自ら進んで学ぶことも極めて大切である。
○
勤労観・職業観は、仕事をする上で様々な意思決定をする選択基準となるものであ
り、この基準を持つことが重要であるが、この勤労観・職業観は固定化された価値観
ではなく、自己の役割や生活空間、年齢等によって変化するものである。そのため、
社会・職業に移行する前に、その価値観を形成する過程を経た上で、自ら進路を選択
する経験をしておくことが望ましい。特に現在、仕事をすることは一つの企業等の中
で単線的に進むものだけではなくなりつつあり、社会に出た後、生涯の中で必ず訪れ
る幾つかの転機に対処するためにも、また自ら積極的に選択して進むべき道を変更す
るためにも、このような価値観を形成する過程を経験しておくことが必要である。
○
職業は、個人の目的も様々あるが、社会から見れば社会にある仕事を分業すること
である。これまではその多くが企業、官公庁などの場を中心とした職業や自営業主と
して働くことを想定していた。しかし、現在では、非営利活動なども出てきており、
このような活動が社会の中で重要な役割を担っている。社会・職業への移行に課題が
ある状況を踏まえれば、職業の範囲は、幅広い視点から考えさせるような指導が必要
である。
(3)社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力を明らかにする
①
社会・学校の変化と必要な力を明確化することの必要性
○
中央教育審議会では、平成8年7月答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り
方について」において「生きる力」を提言し、平成20年1月答申「幼稚園、小学校、
19
中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」において、
「知
識基盤社会」の時代などといわれる社会の構造的な変化の中で、「生きる力」をはぐ
くむことという理念がますます重要になっていることを提言した。
○
また、平成20年12月答申「学士課程教育の構築に向けて」では、大学の学士課
程の専攻分野を通じて培う力として、分野横断的に、我が国の学士課程教育が共通し
て目指す学習成果に着目した参考指針である「学士力」を提唱した。
これらは、初等中等教育、大学学士課程の各段階それぞれの基本となる考え方であ
り、このような考え方を引き続き重視していかなければならない。
○
第1章で見たような社会・経済や雇用、学校が変化する中で、社会に出て生活する
上で必要となる能力、あるいは仕事をする上で必要となる能力が変化し、このような
能力を育成する仕組みが社会全体の中で低下していることが指摘されている。社会的
・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力は、「生きる力」や「学士力」
に含まれるものと考えられるが、学校から社会・職業への移行の課題を踏まえ、その
要素を具体化して明示することは十分に意義がある。
○
例えば、国立教育政策研究所においては、これまで児童生徒が将来自立した社会人
・職業人として生きていくために必要な能力や態度、資質として「キャリア発達にか
かわる諸能力(例)」を提示し、初等中等教育段階の学校を中心として、キャリア教
育を推進する上での参考としている。
○
また、現実の社会で生き、社会をつくる人間が有する資質・能力という観点や職場
*1
*2
等で求められる能力という観点等から、「人間力 」、「社会人基礎力 」、「就職基礎能
力*3」などの考え方が提案され、このような能力の育成を企業や学校で取り組んでい
る例も見られる。経済団体等においても、新規卒業者に求める資質・能力等について
アンケート等を行っている。このような能力は、それぞれの着眼点から整理されてい
るが、既に共通する要素が多く含まれており、参考となる。
○
国際的には、OECDが、「知識基盤社会」の時代を担う子どもたちに必要な能力
を、「主要能力(キーコンピテンシー)*4」として定義付け、国際的に比較する調査を
開始している。この主要能力(キーコンピテンシー)で設定されている個人と社会と
の相互関係、自己と他者との相互関係、個人の自律性と主体性といった観点も考慮し
て考えることが必要である。
○
このような観点を踏まえ、社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要
な力としては、人の生得的な力ではなく、義務教育段階から高等教育段階までの学校
*1 「人間力」については、p120参照。
*2 「社会人基礎力」については、p121参照。
*3 「就職基礎能力」については、p121参照。
*4 主要能力(キーコンピテンシー)は、OECDが2000年から開始したPISA調査の概念的な枠組みとして定
義付けられた。PISA調査で測っているのは「単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・
社会的なリソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な課題に対応することができる力」であり、具体的には、①社
会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する力、②多様な社会グループにおける人間関係形成能力、③自立的
に行動する能力、という三つのカテゴリーで構成されている。
20
教育において育成することができる力であること、その能力が子ども・若者にとって
夢や希望、目標を持ち、それらを具体的に行動に移していくことで実現を図ることが
できるような力であることを明らかにすることが必要である。その力の育成にあたっ
ては、社会への出口が中学校卒業段階から高等教育修了段階まで多岐にわたっており、
その発達段階にも配慮が必要である。
○
このような力は、仕事をする場面だけではなく、市民生活や文化生活の面でも必要
とされるものと考えられる。ただし、日常生活のあらゆる場面で必要な力を網羅的に
示すことは困難であり、ここでは、社会人・職業人として自立できるために必要な力
の要素を示すという観点から整理して提示することが必要である。なお、このような
力は時代によって変化するものであることにも留意が必要である。
②
社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力の要素
○
本審議会におけるこれまでの審議では、社会的・職業的自立、学校から社会・職業
への円滑な移行に必要な力について、例えば次のような意見が出された。
・能力(態度・行動様式):コミュニケーション能力、粘り強さ、課題発見・課題解
決能力、変化への対応力、協調性、共に社会をつくる力、健全な批判力、段取りを
組んで取り組む力 など
・知識:労働者としての権利・義務 など
・価値観:勤労観、職業観、倫理観 など
○
これらの意見を踏まえつつ、社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必
はんよう
要な力に含まれる要素としては、「基礎的・汎用的能力」、「基礎的・基本的な知識・
技能」と、能力や知識・技能の基盤となる「意欲・態度及び価値観」、
「論理的思考力、
創造力」、また特定・一定の仕事を遂行するために必要な専門的知識や技能等である
「専門的な知識・技能」などで構成されるものと考える*1。
はんよう
*2
基礎的・汎用的能力 は、分野や職種にかかわらず、社会的・職業的に自立するた
めに必要な基盤となる能力であると考える。例えば、新規学卒者については、企業が
就職の段階で「即戦力」といえる状態にまで学校教育を通じて育成することを期待さ
れているわけではなく、一般的には「コミュニケーション能力」「熱意・意欲」「行動
力・実行力」などの基礎的な能力等を挙げることが多い。社会人・職業人に必要とさ
れる基礎的な能力と現在学校教育で育成している能力との接点を確認し、これらの能
力育成をキャリア教育の視点に取り込んでいくことは、学校と社会・職業との接続を
考える上で意義がある。
○
○
意欲・態度は、学校教育、特に初等中等教育の中では、学習や学校生活に意欲を持
って取り組む態度や、学習内容にも関心を持たせるものとして、その向上や育成が重
要な課題であるように、生涯にわたって社会で仕事に取り組み、具体的に行動する際
に極めて重要な要素である。意欲や態度が能力を高めることにつながったり、能力を
*1 「社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力」の構成については、p118参照。
*2 「基礎的・汎用的能力」の名称については、現在、「基礎的能力」と、その基礎的能力を広く活用していく「汎用
的能力」の双方が必要であると考え、両者を一体的なものとして整理する。
21
育成することが意欲・態度を高めたりすることもあり、能力とも密接に関連している。
○
意欲や態度と関連する重要な要素として、価値観がある。価値観は、人生観や社会
観、倫理観など、個人の内面にあって価値判断の基準となるものであり、価値を認め
て何かをしようと思い、それを行動に移す際に意欲や態度として具体化するという関
係にある。
また、価値観には、「なぜ仕事をするのか」、「自分の人生の中で仕事や職業をどの
ように位置付けるか」など、これまでキャリア教育が育成するものとしてきた勤労観
・職業観も含んでいる。勤労観・職業観が十分に形成されていないことは様々に指摘
されており、これらを含む価値観は、学校における道徳をはじめとして豊かな人間性
の育成はもちろんのこと、様々な能力等の育成を通じて、個人の中で時間をかけて形
成・確立していくことが必要である。
○
論理的思考力、創造力は、物事を論理的に考え、新たな発想などを考え出す力であ
る。論理的思考力は、学力の要素にある「思考力、判断力、表現力」にも表れている
重要な要素である。また、後期中等教育や高等教育の段階では、社会を健全に批判す
るような思考力を養うことにもつながる。創造力は、変化の激しい社会において、自
ら新たな社会を創造・構築していくために必要である。これら論理的思考力、創造力
は、基礎的・基本的な知識・技能の習得と相互に関連させながら育成することが必要
である。
○
「読み・書き・計算」などの基礎的・基本的な知識・技能を習得することは、社会
に出て生活し、仕事をしていく上でも極めて重要な要素である。これは初等中等教育
では、学力の要素の一つとして位置付けられ、新しい学習指導要領における基本的な
考え方の一つでもある。小学校からの「読み・書き・計算」の能力の育成など、一層
の修得・理解を図ることが必要である。また、社会的・職業的に自立するために、よ
り直接的に必要となる知識、例えば、税金や社会保険、労働者の権利・義務などの理
解も必要である。
はんよう
○
また、基礎的・汎用的能力のみを身に付けても仕事をしていく上では十分ではない。
どのような仕事・職業であっても、その仕事を遂行するためには一定の専門性が必要
である。専門性を持つことは、個々人の個性を発揮することにもつながる。自分の将
来を展望しながら自らに必要な専門性を選択し、それに必要な知識・技能を育成する
ことは極めて重要である。専門的な知識・技能は、特定の資格が必要な職業等を除け
ば、これまでは企業内訓練で育成することが中心であったが、今後は、企業の取組だ
けではなく、学校教育の中でも意識的に育成していくことが重要であり、このような
観点から職業教育の在り方を改めて見直し、充実していく必要がある。
はんよう
基礎的・汎用的能力の内容*1
③
はんよう
○
基礎的・汎用的能力の具体的内容については、「仕事に就くこと」に焦点を当て、
実際の行動として表れるという観点から、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解
・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力に整理
*1
「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」と「基礎的・汎用的能力」の関係のイメージについては、p119参照。
22
した。
○
これらの能力は、包括的な能力概念であり、必要な要素をできる限り分かりやすく
提示するという観点でまとめたものである。この4つの能力は、それぞれが独立した
ものではなく、相互に関連・依存した関係にある。このため、特に順序があるもので
はなく、また、これらの能力をすべての者が同じ程度あるいは均一に身に付けること
を求めるものではない。
○
これらの能力をどのようなまとまりで、どの程度身に付けさせるのかは、学校や地
域の特色、専攻分野の特性や子ども・若者の発達段階によって異なると考えられる。
各学校においては、この4つの能力を参考にしつつ、それぞれの課題を踏まえて具体
の能力を設定し、工夫された教育を通じて達成していただきたいと考えている。その
際、初等中等教育の学校では、新しい学習指導要領を踏まえて育成されるべきである。
◇
人間関係形成・社会形成能力
○
「人間関係形成・社会形成能力」は、多様な他者の考えや立場を理解し、相手の意
見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに、自分の置かれている状
況を受け止め、役割を果たしつつ他者と協力・協働して社会に参画し、今後の社会を
積極的に形成することができる力である。
○
この能力は、社会とのかかわりの中で生活し、仕事をしていく上で基礎となる能力
である。特に、価値の多様化が進む現代社会においては、性別、年齢、個性、価値観
等の多様な人材が活躍しており、様々な他者を認めつつ、それらと協働していく力が
必要である。また、変化の激しい今日においては、既存の社会に参画し、適応しつつ、
必要であれば自ら新たな社会を創造・構築していくことが必要である。さらに、人や
社会とのかかわりは、自分に必要な知識や技能、能力を気付かせてくれるものでもあ
り、自らを育成する上でも影響を与えるものである。具体的な要素としては、例えば、
他者の個性を理解する力、他者に働きかける力、コミュニケーション・スキル、チー
ムワーク、リーダーシップなどが挙げられる。
◇
自己理解・自己管理能力
○
「自己理解・自己管理能力」は、自分が「できること」「意義を感じること」「した
いこと」について、社会との相互関係を保ちつつ、今後の自分自身の可能性を含めた
肯定的な理解に基づき主体的に行動すると同時に、自らの思考や感情を律し、かつ、
今後の成長のために進んで学ぼうとする力である。
○
この能力は、子どもや若者の自信や自己肯定観の低さが指摘される中、「やればで
きる」と考えて行動できる力である。また、変化の激しい社会にあって多様な他者と
の協力や協働が求められている中では、自らの思考や感情を律する力や自らを研さん
する力がますます重要である。これらは、キャリア形成や人間関係形成における基盤
となるものであり、とりわけ自己理解能力は、生涯にわたり多様なキャリアを形成す
る過程で常に深めていく必要がある。具体的な要素としては、例えば、自己の役割の
理解、前向きに考える力、自己の動機付け、忍耐力、ストレスマネジメント、主体的
23
行動などが挙げられる。
◇
課題対応能力
○
「課題対応能力」は、仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を
立ててその課題を処理し、解決することができる力である。
○
この能力は、自らが行うべきことに意欲的に取り組む上で必要なものである。また、
知識基盤社会の到来やグローバル化などを踏まえ、従来の考え方や方法にとらわれず
に物事を前に進めていくために必要な力である。さらに、社会の情報化に伴い、情報
及び情報手段を主体的に選択し活用する力*1を身に付けることも重要である。具体的
な要素としては、情報の理解・選択・処理等、本質の理解、原因の追究、課題発見、
計画立案、実行力、評価・改善などが挙げられる。
◇
キャリアプランニング能力
「キャリアプランニング能力」*2は、「働くこと」の意義を理解し、自らが果たすべ
き様々な立場や役割との関連を踏まえて「働くこと」を位置付け、多様な生き方に関
する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを
形成していく力である。
○
○
この能力は、社会人・職業人として生活していくために生涯にわたって必要となる
能力である。具体的な要素としては、例えば、学ぶこと・働くことの意義や役割の理
解、多様性の理解、将来設計、選択、行動と改善などが挙げられる。
*1 地域格差や教育格差を生じさせることなく身に付けさせるためには、教材の充実や教職員の量・質の向上及びこの
ための研修が必要である。
*2 「プランニング」は単なる計画の立案や設計だけでなく、それを実行し、場合によっては修正しながら実現してい
くことを含むものである。
24
Ⅲ
○
発達の段階に応じた体系的なキャリア教育の充実方策
本章では、第2章の基本的な考え方を踏まえ、初等中等教育段階から高等教育段階に
至る発達の段階に応じた体系的なキャリア教育の在り方について述べる。職業教育につ
いては後期中等教育、高等教育の各論でそれぞれ取り扱う。また、何らかの事情により
学校から離れてしまい、十分な学校教育を受けずに社会に出てしまった者についても、
後ほど述べたい。
1.キャリア教育の充実に関する基本的な考え方
(1)社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力等を育成する、体系的な取
組の構築
○
最近10年間における学卒人材の質の変化については、変わらないと感じている企
業が多い一方で、約3分の1の企業が人材の質が低下したとも感じている*1。また、
早期離職の割合が高い中、離職の理由として仕事に対する適性や人間関係をめぐる課
題といった項目が挙げられることが多い*2。このように、社会や仕事で必要な基礎・
基盤となる能力が社会に出るまでに十分身についていないことによって、社会へ円滑
に移行できない原因の一つになっていることがうかがえる。
○
同様に、高等学校を中途退学する理由として、学校生活への熱意の欠如や人間関係
をめぐる課題が挙げられることが多いことなどからも*3、このような能力育成が十分
に意識されていないことが、学校にいる間においても課題となっていることがうかが
える。
○
人のキャリア形成は一生続くものであり、そのために必要な力の基盤を学校でしっ
かりと作り、社会に出た後もそれを伸長していかなければならない。このようなこと
を踏まえれば、学校教育においては、社会人・職業人として必要となる知識を習得す
るとともに、子どもや若者がどのような状況におかれても、社会に適応したり、置か
れている状況を自分で打ち破ったりしながら、社会の中で自分の能力を発揮できるよ
う、社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力を育成することが極めて
重要である。
○
キャリアは、子ども・若者の発達段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら、
段階を追って発達していくものであり、このような発達段階を踏まえながら、社会的
はんよう
・職業的に自立するために必要な基盤となる能力である基礎的・汎用的能力を育てて
いくことが必要である。このため、キャリア教育は幼児期の教育や義務教育の段階か
ら取り組んでいくことが必要であり、発達の視点を踏まえ、体系的に各学校段階の取
組を考えていくことが重要である。
○
*1
*2
*3
現在、高等学校等の後期中等教育機関に進学する者は約98%となっており、これ
企業の人材水準への評価(学歴別)については、p102参照。
職業を離職した理由については、p113参照。
高等学校を中途退学する理由については、p111参照。
25
らを踏まえれば、義務教育において自立的な基礎を培った上で、高等学校等の後期中
等教育を修了するまでに、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通した能力・態度を
身に付けさせることを目標とすることが必要である。
その際、各学校の目的でも分かるように、子どもの発達を重視して教育課程の連続
性を意識している初等中等教育段階と実際的・専門的な教育を行う高等教育段階の間
には、制度的には区切りがあることを踏まえつつ、実際には多くの生徒が高等教育機
関へ進学することから、子ども・若者の視点に立った連続性にも配慮することが望ま
しい。
○
また、女性の単身世帯やひとり親世帯の急増、さらに配偶者である男性の雇用不安
も増すなど、女性が自ら生計を維持する必要性が増しつつある。しかし、これまでの
キャリア教育においては、この点を必ずしも明確にした指導が行われてこなかった。
男女がともに社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力を育成するとと
もに、女性が、長期的な視点に立って人生を展望し、働くことを位置付け、準備でき
るような教育が必要である。
(2)子ども・若者一人一人の発達の状況の的確な把握とそれに対するきめ細かな支援
○
キャリア発達は個々の子ども・若者それぞれで異なっており、社会に出てから歩む
道も人それぞれ異なっている。このため、キャリア教育を進める上では、子ども・若
者一人一人の発達を促すよう、きめ細かく暖かく支えていくことが必要となる。
○
特に、学校から社会・職業への移行が円滑に進んでいない状況からは、例えば、学
校を不本意に中途退学してしまうような、円滑に移行できないおそれのある者に対す
る支援の充実は特に重要な課題である。このような生徒・学生を抱える学校では、個
々の生徒・学生の特性等の伸長を図る観点から、履修指導と併せて適切な支援を行っ
ていくことが必要である。また、厳しい就業状況にある女性や障害者に対して、適切
な教育と支援が必要である。
○
このため、各学校では、子ども・若者一人一人に身に付いている能力や態度などを
的確に把握するとともに、子ども・若者自身が自分自身の良さや可能性に気付き、夢
や希望を持ち、その実現に向けて努力する過程を、組織的・継続的に指導・援助する
ことが必要である。
(3)能力・態度の育成を通じた勤労観・職業観等の価値観の形成・確立
○
多くの人は、人生の中で職業人として長い時間を過ごすこととなる。このため、職
業や働くことについてどのような考えを持つのかや、日常の生活の中でそれぞれの役
割を果たすとともに、どのような職業に就き、どのような職業生活を送るのかは、人
がいかに生きるか、どのような人生を送るかということと深くかかわっている。
○
しかし、働くことや職業に対する理解の不足や安易な考え方など、若者の勤労観・
職業観等の価値観が十分に形成されていないことが指摘されている。自らの人生の中
で「働くこと」にどれだけの重要性や意味を持たせるのかは、最終的に自分で決める
ことである。その決定の際に中心となる勤労観・職業観も、様々な学習や体験を通じ
26
て自らが考えていく中で形成・確立される。
○
また、子ども・若者の働くことに対する関心・意欲・態度、目的意識、責任感、意
志等が未熟であることや学習意欲の低下が指摘されるなど、現在行っている学習と将
来の仕事とが結びつけて考えられない者が多い*1。このため、子どもや若者にとって、
自分の「将来の姿」を思い描き、それに近付こうとする意欲を持つことや、学習が将
来役立つことを発見し自覚することなどが重要であり、このようなことが学習意欲の
向上にもつながっていく。
○
このようなことを踏まえ、後期中等教育修了までに、(1)に示した生涯にわたる
多様なキャリア形成に共通した能力・態度を身に付けさせることと併せて、これらの
育成を通じて価値観、とりわけ勤労観・職業観を自ら形成・確立できる子ども・若者
の育成を、キャリア教育の視点から見た場合の目標としたい。
○
また、高等教育のキャリア教育については、このような後期中等教育修了までの目
標が達成されていることを前提に推進されることが、基本となると考えられる。
2.キャリア教育の充実方策
(1)各学校におけるキャリア教育に関する方針の明確化
○
キャリア教育は、一人一人のキャリアが多様な側面を持ちながら段階を追って発達
していくことを深く認識し、子ども・若者がそれぞれの発達段階に応じ、自分自身と
働くことを適切に関係付け、それぞれの発達段階における発達課題を解決できるよう
取組を展開するところに特質がある。そして、これらのキャリア発達を促進させるた
めには、必要とされる諸能力を意図的・継続的に育成していくことが求められ、キャ
リア教育を体系的に推進していくことが必要である。
○
このためには、各学校のキャリア教育の基本的な在り方を内外に示すとともに、学
校の特色や教育目標に基づいて教育課程に明確に位置付けるべきであり、これらを通
じて、全体的な方針や計画を明らかにしておくことが必要である。
○
初等中等教育段階においては、キャリア教育の全体計画やそれを具体化した年間指
導計画を作成している学校が少ないという指摘があり*2、子どもの発達段階に応じた
課題や、それぞれの地域や学校の実態等を踏まえ、キャリア教育の指導計画を作成す
ることが必要である。
○
高等教育段階においては、各機関の教育機能及び各学校の教育方針や、学生・生徒
一人一人の状況にも留意しながら、キャリア教育の推進に関する方針を明確化し、教
職員の理解の共有を図った上で、全学的な取組を推進することが必要である。特に、
大学では、キャリア教育に対する学内の理解・協力は、進みつつあるが困難を感じる
*1
*2
現在行っている学習と将来の仕事との関連に関する中学生・高校生の意識については、p107・108参照。
高等学校におけるキャリア教育の取組状況については、p133参照。
27
大学も多いとともに*1、全学的なキャリア教育の位置付けやカリキュラム整備・運営
*2
組織整備、教職員への啓発について課題が見られるとの指摘があることを踏まえて 、
取組を進めることが必要である。
○
その際、各学校において、各時期に身に付けておく必要のある能力・態度の具体的
な到達目標を設定するとともに、個々の活動と能力・態度の形成の関連を明確にする
ことが必要である。
(2)各学校の教育課程への位置付け
○
キャリア教育は、学校教育を見直していくための理念と方向性を示す教育であり、
そのねらいを実現させるためには、関連する様々な取組が各学校の教育課程に適切に
位置付けられ、計画性と系統性を持って展開される必要がある*3。
○
しかし、初等中等教育段階については、キャリア教育に関する様々な取組が相互に
関連付けられていないのではないかという指摘がある。また、大学については、中央
教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」においてキャリア教育を教育課程に
適切に位置付けるべきと提言している。
○
ここで留意すべきは、キャリア教育はそれぞれの学校段階で行っている教科・科目
等の教育活動全体を通じて取り組むものであり、単に特定の活動のみを実施すればよ
いということや、新たな活動を単に追加すればよいということではないということで
ある。各学校では、日常の教科・科目等の教育活動の中で育成してきた能力・態度に
ついて、キャリア教育の視点から改めてその位置付けを見直し、教育課程における明
確化・体系化を図りながら点検・改善していくことが求められる。
○
また、各教科等における取組は、単独の活動だけでは効果的な教育活動にはならず、
取組の一つ一つについて、その内容を振り返り、相互の関係を把握したり、それを適
切に結びつけたりしながら、より深い理解へと導くような取組も併せて必要である。
さらに、各教科等における取組だけでは不足する内容を把握し、その内容を付け加え
ていく取組も必要である。
例えば、近年の職場環境における急速な情報化の進展を考慮すれば、子ども・若者
の情報活用能力の向上を図ることが重要であり、また、その重要性を自分自身の将来
の職業と関連付けて教えることも重要である。
(3)多様で幅広い他者との人間関係の形成
○
人間関係の形成は、社会とのかかわりの中で生活し、仕事をしていく上で基礎とな
るものである。特に、価値の多様化が進む現代社会においては、性別、年齢、個性、
価値観等の多様な人材が活躍しており、様々な他者を認めつつ、それらと協働してい
*1 大学におけるキャリア教育の取組状況については、p161参照。
*2 国立大学協会教育・学生委員会「大学におけるキャリア教育のあり方」(平成17年)
*3 学校教育全体を通してキャリア教育を実践している例については、p181~184参照。また、キャリア教育に
関連する目標・内容及び教育活動の例(小学校・中学校・高等学校)については、p185~187参照。
28
く力が必要である。
○
しかし、「人間関係」を理由に離職する者が少なくないことや、自分でも実現でき
そうな身近なモデルがいないと考えている者がいることなど*1、人間関係をめぐる課
題は多い。大学等の学生相談についても、対人関係に関する相談内容が増加している
ほか*2、国内外の幅広い年齢層の学生や教育・研究者が交流しながら学ぶ場を形成す
*3
ることが課題との指摘がなされている 。
○
自分が就きたいと思える仕事に関する情報を様々な場面を通じて探索・収集し、そ
れらを理解することは、自分のキャリアを形成し、社会人としての自立意識を醸成す
る上で極めて重要である。中でも、それらの仕事を経験した人やその周辺にいる人か
ら得られる現実に即した具体的な情報は貴重であり、そこから様々な刺激や勇気を得
ることは、だれもが経験することである。年齢・立場等を問わない幅広い人間関係は、
そうした情報を得るという面で大きな役割を果たすものである。
○
このため、各学校においては、人間関係形成・社会形成能力を身に付けるための場
や機会を積極的に設けることが特に必要である。その際、個々の子ども・若者の発達
の課題や抱える課題に応じて、きめ細やかな働きかけを行うことが必要である。
○
また、このような場や機会を設けるに当たっては、地域社会やNPO(NonProfit
Organization)などの学校外の教育資源と連携・協力していくことが不可欠である。
高等教育機関においては、学習支援や学習環境整備の観点から、各機関の判断により、
学外の教育・研究人材や企業・地域等との交流を図ることも重要であり、学内におい
て既に行われている産学連携等の取組を活用しつつ、それらと一体になって交流を推
進していくことが効果的であると考えられる。
○
外部の人材の協力を得る場合は、協力いただく者に対して、各学校がその目的や期
待する効果等をあらかじめ明確にするとともに、教育機能の一部を外部に任せきりに
するのではなく、各学校が主体的にかかわることが必要である。
(4)社会や経済の仕組みなどについての理解の促進
○
キャリアを積み上げていく過程においては、目標とする進路が達成できない場合や、
途中で変更せざるを得ない場合が多々あるにもかかわらず、社会・経済・雇用の仕組
みについての知識や様々な状況に対処する方法を十分に身に付けていない若者が多い
と指摘されている。例えば、労働者の権利に関する知識の理解の状況は、高等学校卒
業後に進学を予定している者より就職を予定している者の方が低く、生徒・学生では
将来希望する働き方が分からないと考えている場合の方が比較的低いという状況が見
られる*4。
*1
*2
*3
*4
高校生が目指している人やあこがれている人の有無については、p109参照。
最近の学生相談の内容については、p112参照。
中央教育審議会大学分科会「中長期的な大学教育の在り方に関する第二次報告」(平成21年8月)
生徒・学生の労働者の権利に関する知識の理解状況については、p122参照。
29
○
このため、今日の社会が分業によって相互に支え合って成り立っているといった社
会・経済・雇用などの基本的な仕組みについての知識や、税金・社会保険・年金や労
働者としての権利・義務などの社会人・職業人として必ず必要な知識、男女共同参画
社会の意義や仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の重要性など、キャリ
アを積み上げていく上で最低限必要な知識について、自らの将来にかかわることとし
て理解させることが必要である。
○
その際、小学校では、社会生活における物事の決定の仕方やきまりの意義について
理解を深めさせるとともに、中学校以降は、知識として学ぶことと体験を通して学ぶ
ことの両面から、現実社会の厳しさも含めて一人一人の将来に実感のあるものとして
伝えることが特に重要である。また、後期中等教育や高等教育の段階では、学校から
社会・職業への移行準備の時期であることを考慮して、特に、例えば、雇用、労働問
題、社会保障について理解を深めさせ、関連する知識を確実に習得させることが必要
である。
(5)体験的な学習活動の効果的な活用
○
子ども・若者に自らの将来を考えさせるためには、学校内における教育活動だけで
はなく、具体的に多様な年齢・立場の人や社会や職業にかかわる様々な現場を通して、
自己と社会の双方についての多様な気づきや発見を経験させることが効果的である。
このように、体験的な学習活動は、キャリア教育を推進する上で極めて重要な取組の
一つである。
○
例えば、中学校における職場体験活動や高等学校における就業体験活動を実施した
結果からは、勤労観・職業観の芽生えによる職業や働くことへの関心が高まったこと
や、前向きに自己の将来を設計することができること、自らの意志と責任による進路
選択ができること、積極的に人間関係を形成しようとする雰囲気が高まったことなど
*1
の効果が挙げられている 。
○
このような教育効果を踏まえると、体験的な学習活動を日々の活動に積極的に取り
入れることが必要である。例えば、街づくりへの提案などといった社会への参加を体
験させるような学習と併せて、初等中等教育段階では、今般の学習指導要領の改訂に
おいて、小学校では集団宿泊活動、中学校では職場体験活動、高等学校では奉仕体験
活動や就業体験活動を重点的に推進することとし、職場体験活動・就業体験活動は、
*2
キャリア教育の視点からも重要な役割を果たすものと位置付けている 。
○
子ども・若者の発達段階を考慮すると、各学校段階における体験的な学習活動の意
義や内容は異なってくるものと考えられる。例えば、中学生の時期に行う職場体験活
動は、ある職業や仕事を暫定的な窓口としながら職業や仕事を知ると同時に、働く人
の実際の生活に触れて社会の現実に迫ることが中心的な課題となると考えられる。ま
た、このような中学生の体験を踏まえて行う高等学校等の生徒による就業体験活動は、
*1 中学校における職場体験活動、高等学校における就業体験活動の効果については、p123参照。
*2 中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答
申)」(平成20年1月)
30
将来進む可能性のある仕事や職業に関連する活動をいわば試行的に体験することによ
り、それを手掛かりに社会人・職業人への移行準備を行うことが、中心的な課題とな
ると思われる。このような観点から、できるだけ多くの子ども・若者にこのような体
験的な学習の機会を提供するとともに、活動の効果をより引き出すための指導内容の
改善を図ることが必要である。
○ 一方で、ほぼすべての公立中学校で取り組まれている職場体験活動をみると*1、受
入先の開拓や連絡が課題として最も多く指摘されている*2。また、高等学校において
就業体験活動を実施しない理由としても、授業時数の確保や受入先の開拓において困
*3
難さを感じていることがうかがえる 。このため、これらの活動の実施においては、
円滑に行うための条件整備という観点からも改善・充実を図ることが必要である。
○
また、高等教育においては、学生・生徒の状況に応じ、インターンシップなどの体
験的な学習活動を通して、社会人・職業人としての意向を見据えて、職業についてよ
り現実的なイメージを持たせるとともに、特に長期のインターンシップや課題対応型
学習(PBL*4)などの体験的な学習活動を通して専門的な知識・技能を身に付けさ
せることが中心となると考えられる。このような活動は学生・生徒の能動的な学習を
促進し、社会人・職業人への移行を見据えて、より現実的なイメージを持たせること
にもつながるものであり、積極的に取り入れられることが望まれる。
(6)キャリア教育における学習状況の振り返りと、教育活動の評価・改善の実施
○
一人一人のキャリアは、その人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖
によって形成される。これまで自分が何をしてきたのか、今何をしているのかを振り
返り、それを未来につなげようとする視点は、キャリア教育において不可欠である。
このように、キャリア教育において自らの学習活動の過程や成果を振り返ることは重
要である。例えば、キャリア教育に関する学習活動の過程・成果に関する情報を集積
した学習ポートフォリオを作成し、積極的に活用していくことなどにより、子ども・
若者が自らの将来の仕事や生活について考える機会を作ることが必要である。
○
また、これまで行われてきたキャリア教育については、その活動の成果が測定しに
くいため、効果や到達目標と関連付けた評価を行うことができていないことが課題と
して挙げられている*5。そのため、「進学者数」「就職率」といった進学や就職の状況
を成果としがちである。
○
しかし、このような卒業直後の進路状況の結果は、入試倍率や雇用状況等の外的な
要因によって影響を受けやすいなど、社会的・職業的に自立するために必要な基盤と
*1 公立中学校における職場体験の実施状況については、p124参照。
*2 中学校における職場体験活動の課題については、p178参照。
*3 高等学校において就業体験活動を実施しない理由については、p178参照。
*4 PBLは、Problem-based Learning、又はProject-based Learningの略語として、「問題解決型授業」「問題基盤型
学習」「課題に基づく学習アプローチ」など教育機関ごとに様々な訳語が使用されているが、ここでは、教員が設定
する課題や地域特有の課題、企業等におけるプロジェクトなどの具体的な事例を題材として、生徒・学生自身が課題
・問題を解決するための方法を考えるなどの能動的な取組を促す教育方法を指している。
*5 高等学校におけるキャリア教育の成果に対する評価の有無については、p133参照。
31
なる能力等を育成することを目的の一つとするキャリア教育の活動の成果を測る指標
としては不十分である。
○
キャリア教育の実践が、各機関の理念や目的、教育目標を達成し、より効果的な活
動となるためには、各学校における到達目標とそれを具体化した教育プログラムの評
価の項目を定め、その項目に基づいた評価を適切に行い、具体的な教育活動の改善に
つなげていくことが重要である。その際、到達目標は、一律に示すのではなく、子ど
も・若者の発達段階やそれぞれの学校が育成しようとする能力や態度との関係、後期
中等教育以降は専門分野等を踏まえて設定することが必要である。
○
また、このような評価の実施に当たっては、初等中等教育では既に行われている学
校評価などを、また、高等教育では自己点検評価や認証評価などをいかし、その評価
の結果を公表していくことが重要である。
○
なお、指摘したようなキャリア教育の活動の成果を図る指標の課題を踏まえれば、
キャリア教育において育成する能力や態度を測る指標の作成方法や検査手法等の開発
を行うことは重要であり、今後、専門的な見地から研究が行われるとともに、各学校
に提示するなどの支援が行われることを期待したい。
3.各学校段階の推進のポイント
○
これまで示してきた基本的な方策を踏まえ、各学校段階においてキャリア教育を推進
する際のポイントは、次のとおりである。
(1)初等中等教育段階
①
幼児期の教育
○ 幼児期の教育は、「生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」(教育基本法第
11条)であり、幼稚園では、
「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、
幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を
助長すること」(学校教育法第22条)を目的としている。
○
幼児期は、生活の中で自分の興味や欲求に基づいた直接的・具体的な体験を通して、
人格形成の基礎となる豊かな心情、物事に自分からかかわろうとする意欲や健全な生
活を営むために必要な態度などが培われる時期である。
○
これを踏まえ、幼児期の教育においては、計画的に環境を構成し、遊びを中心とし
た生活を通して体験を重ねるように、一人一人に応じた総合的な指導を通して、自発
的・主体的な活動を促すことが必要である。
○
例えば、高齢者や働く人など自分の生活に関係の深い地域の人々との触れ合いや交
流などを通じて、人とかかわることの楽しさや人の役に立つ喜びを味わうことができ
るようにすることが重要である。幼児の主体的な活動は、他の幼児とのかかわりの中
で深まり、豊かになるものであることから、一人一人をいかした集団を形成しながら、
32
人とかかわる力を育てていくことが大切である。特に、集団の生活の中で、幼児が自
己を発揮し、教師や他の幼児に認められる体験をし、自信をもって行動できるように
することが重要である。
②
義務教育
○
義務教育は、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎
を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」(教育
基本法第5条第2項)を目的としている。
○
小学校は、「心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的
なものを施すこと」(学校教育法第29条)を目的としている。この時期は、身近な
人から集団へと人とのかかわりを広げながら、みんなのために働くことの意義を理解
し、自分の役割を主体的に果たそうとする態度を育成する時期である。また、日常の
生活や学習に高い目標を立て、希望と目標を持ち努力して達成しようとしたり、自分
*1
の特徴に気付き、良いところをのばそうとしたりする時期でもある 。
○
これを踏まえ、小学校においては、社会生活の中での自らの役割や、働くこと、夢
を持つことの大切さの理解、興味・関心の幅の拡大、自己及び他者への積極的関心の
形成など、キャリア教育を通じた社会性、自主性・自律性、関心・意欲等の涵養が重
要である。
○
このため、各教科・道徳・外国語活動・総合的な学習の時間・特別活動や日常生活
のそれぞれにおいて、例えば、児童会活動や当番活動など学校内での活動や、地域の
探検や家族・身近な人の仕事調べ、商店街での職場見学など地域社会とかかわる活動
などを通じて、「働くこと」の意義を理解することや、自分が「できること」「意義を
感じること」「したいこと」を理解し行動すること、これらを「学ぶこと」の意欲に
つなげることなどが必要である。
○
中学校は、「小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育と
して行われる普通教育を施すこと」(学校教育法第45条)を目的としている。この
時期は、自我の目覚めや、独立の欲求が高まるとともに、人間関係も広がり、社会の
一員としての自分の役割や責任の自覚が芽生えてくる時期である。また、他者とかか
かっとう
わり、様々な葛藤や経験の中で、自らの人生や生き方への関心が高まり、自分の生き
方を模索し、夢や理想を持つ時期であり、一方で、現実的に進路の選択を迫られ、自
分の意志と責任で決定しなければならない時期でもある*2。このように、中学校の段
階は極めて重要である。
○
これを踏まえ、中学校においては、社会における自らの役割や将来の生き方・働き
方等についてしっかりと考えさせるとともに、目標を立てて計画的に取り組む態度の
育成等について、体験を通じて理解を深めさせ、進路の選択・決定へと導くことが重
要である。
*1
*2
これまで示されていた小学校におけるキャリア発達段階と課題については、p123参照。
これまで示されていた中学校におけるキャリア発達段階と課題については、p123参照。
33
○
このため、各学校においては、キャリア教育の視点で、各教科・道徳・総合的な学
習の時間・特別活動や日常生活におけるそれぞれの活動を体系的に位置付けることに
より、能力・態度の効果的な育成を図ることが必要である。
○
その中で、職場体験活動は、ある職業や仕事を暫定的な窓口としながら実社会の現
実に迫ることが中心的な課題となる。その際、現在既にほぼすべての公立中学校で実
施されている状況やそれによる課題を踏まえると、活動の効果をより引き出すための
指導の改善・充実や、円滑に実施するための条件整備を図ることが必要である。
○
中学校においては、「学ぶことや働くことの意義」などについての学習や体験的な
学習が広く行われるようになっており、生徒がより主体的かつ真剣に自らの進路を考
え、目的意識を持って進路選択を行うようになってきている*1。しかし、進路指導に
ついての中学校の教員と生徒や保護者の認識の差も大きくあり、教員は、生徒や保護
者が個性や適性を考える学習を望んでいるという認識を持って、計画的・組織的に進
路について指導・援助することが必要である*2。
③
後期中等教育
○
後期中等教育は、個性や義務教育で培った能力・態度をさらに伸長させるとともに、
学校から社会・職業への移行への準備段階として専門性の基礎を育成する段階であ
る。例えば、高等学校は、「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路
に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すこと」(学校教育法第50条)を目的
としている。
○
この時期は、中学生と比べて更に独立や自律の要求が高まるとともに、所属する集
団も増え、集団の規律や社会のルールに従い、互いに協力しながら各自の様々な役割
や期待にこたえて円滑な人間関係を築いていくことが求められる。また、自我の形成
がかなり進み、人間がいかにあるべきかについて考えるとともに、自己の将来に夢や
希望を抱き、その実現を目指して進んで学習に取り組む意欲を持ち、自己の個性や能
力をいかす進路を自らの意志と責任で選択し、決定していくことが求められる*3。
○
これを踏まえ、後期中等教育においては、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通
して必要な能力や態度の育成と、これらの育成を通じた勤労観・職業観等の価値観の
形成・確立が達成されることを目標として設定することが重要である。
そのためにも、
学科や卒業後の進路を問わず、社会・職業の現実的理解を深めることや、自分が将来
どのように社会に参画していくかを考える教育活動などに重点を置くことが必要であ
る*4。
また、専門学科や専修学校高等課程を中心として後期中等教育段階において行われ
ている職業教育は、専門的な知識、技能、能力や態度を育成するとともに、新たな職
*1 (財)日本進路指導協会「中学校・高等学校における進路指導に関する総合的実態調査報告書」(平成18年3
月)
*2 中学校のキャリア教育・進路指導に対する生徒・保護者の期待については、p125参照。
*3 これまで示されていた高等学校におけるキャリア発達段階と課題については、p123参照。
*4 高等学校のキャリア教育・進路指導に対する生徒・保護者の要望については、p135参照。
34
業や知識・技術の高度化に対応した教育を行うことにより自己の将来の可能性を広げ
ていくことができるという面からもその重要性が高い。このため、職業教育の内容の
充実が求められているが、その際にも、社会的・職業的に自立するために必要な基盤
となる能力や態度を育てるとともに、一人一人のキャリア発達を促す観点を加えるこ
とが必要である。
このような考え方は、後期中等教育に共通するものと考えるが、高等学校、専修学
校高等課程それぞれの充実の在り方は、第4章で詳述する。
④
特別支援教育
○
特別支援教育は、発達障害を含め障害のある児童生徒に対し、その自立や社会参加
に向けて持てる力を伸ばすという観点から、適切な指導及び必要な支援を行うもので
ある。障害のある児童生徒については、先述の各学校段階において示した考え方に加
え、個々の障害の状態に応じたきめ細かい指導・支援の下で、適切なキャリア教育を
行うことが重要である。
○
障害のある児童生徒については、自己の抱える学習や社会生活上の困難について総
合的に適切な認識・理解を深め、困難さを乗り越えるための能力や対処方法を身に付
けるとともに、職業適性を幅広く切り開くことができるよう、個々の特性・ニーズに
きめ細かく対応し、職場体験活動の機会の拡大や体系的なソーシャルスキルトレーニ
ングの導入など、適切な指導や支援を行うことが必要である。
○
その際、学校は、医療・福祉・保健・労働等の関係機関との連携により作成した個
別の教育支援計画を活用して、生徒や保護者の希望も尊重しながら、生徒が主体的に
自らの進路を選択・決定できるよう、適切な時期に必要な情報を提供するなど、進路
指導の充実に努めることが重要である。
(2)高等教育段階
○
高等教育機関への進学率が約80%に達しようとしている現在、高等教育は、我が
国の多くの若者にとって社会に出る直前の教育段階であり、自らの視野を広げ、進路
を具体化し、それまでに育成した社会人・職業人として必要な能力や態度を専門分野
での学修を通じて伸長・深化させていく段階である。
○
また、今日の社会・経済情勢の激しい変化や価値観の多様化が進む現代にあっては、
社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力を養うことはますます重要に
なっている。
○
このため、高等教育では、後期中等教育修了までにおける生涯にわたる多様なキャ
リア形成に共通して必要な能力や態度の育成と、これらの育成を通じた勤労観・職業
観等の価値観の形成・確立が達成されていることを前提に、学校から社会・職業への
移行を見据えて、教育課程内外での学習や活動を通じ、高等教育全般においてキャリ
ア教育の充実を目指すことが必要である。
○
その際、各高等教育機関は、各学校種の目的及び各学校の教育方針を踏まえた入学
35
者の受入れ方針にのっとって学生・生徒を受け入れ、教育していくことが必要である。
他方、必要に応じて、入学後の進路変更など学生・生徒の様々な状況に対応していく
ことも重要である。また、学生・生徒はキャリア形成の観点からも多様化しており、
学習の目的が見いだせないままや、将来の社会・職業生活に対する意識が十分でない
まま、高等教育機関に進学する学生・生徒も存在する現状や、産業や雇用などの社会
・経済の情勢も踏まえることが必要である。具体的には、第5章で詳述する。
4.義務教育段階を中心としたキャリア教育を実践するための方策
(1)キャリア教育に関する教職員の意識や指導力の向上
○
キャリア教育を進める際の課題の一つとして、その意義・必要性に対する教員の理
解が不足しているという指摘がある。キャリア教育は、教科・科目等の教育活動全体
を通じて取り組むものであり、すべての教職員がキャリア教育を正しく理解し、その
意義と必要性を十分に認識するとともに、教職員一人一人が自ら担当する教科・科目
や教育活動の中で具体に実践できる力を高めることが必要である。このため、教職員
の研修の充実が必要である。
○
特に、キャリア教育を教育課程にどのように位置付けるかは、児童生徒の実態や学
校の特性等を踏まえて学校ごとに決定されるべき事柄であることから、キャリア教育
の全体計画や指導計画作りなどの研修は重要であり、国や都道府県等の研修を充実す
ることが必要である。また、児童生徒の個別支援のためには、キャリア・カウンセリ
ングも有効である。このようなカウンセリングは、専門人材を学校へ配置することが
考えられるが、日々児童生徒に接している教職員のカウンセリングに関する知識やス
キル及びその基盤となる生徒と円滑にコミュニケーションをとるための方法を修得さ
せることが重要であり、そのための研修の充実が望まれる。さらに、キャリア教育に
ついては、高等学校において教員が評価を行っている学校が約11%に過ぎないなど
多くの学校で行われていない状況にあり、また、後述のとおり、産業界や学校種間と
の連携方策も課題になっていることを踏まえ、国においては、キャリア教育の点検・
改善方策や産業界等との連携方策についての研修を充実することも必要である。
○
加えて、教員養成の段階でキャリア教育に関する必要な知識や指導方法について修
得させることも指導力の向上を図る上で効果的と考えられることから、教員養成カリ
キュラムの中でキャリア教育に関する内容を充実することについて、今後、教員の資
質能力向上方策の見直しを行う中で検討されることが期待される。
(2)キャリア教育を効率的に実施するための体制の整備
○
キャリア教育は、児童生徒に社会や職業との関連を意識させる学習が不可欠である
ことから、学校外の教育資源である地域・社会と協力していかなければ、効果的な指
導を行うことは困難である。しかし、地域・社会から学校に協力したいと考えても、
学校は一般的に“敷居が高い”と思われがちである。
○
このため、キャリア教育を進めるに当たっては、日々の教育活動に地域・社会の人
36
々にできるだけ参加していただけることを前提とした体制の整備が必要である。その
際にまず重要なのは校長のリーダーシップである。その発揮の下、このような活動を
学校の取組として定着させるための継続性、社会・職業が変化していく中でキャリア
教育の在り方も不断に見直すことができるような機動性、教職員が負担と感じないた
めの効率性などを考慮して、具体的な担当(例えば、主幹教諭、進路指導担当など)
を明確にし、各学校で工夫することが必要である。なお、地域・社会との調整につい
ては、第7章で詳述する。
(3)キャリア教育を実践するための教育課程の編成・実施
○
キャリア教育の実践に当たり、総合的な学習の時間や特別活動などを活用している
学校が多い。しかし、体系的な指針が十分に示されず、教科等の中でも実践する時間
が十分に確保されていない場合が多いことから、それぞれの活動が断片的にとどまっ
てしまったり、学校ごとで取組に偏りができたりするという課題がある。
○
各学校は、地域や学校及び児童生徒の実態に即し、かつ、体系的・系統的な学びを
支援するキャリア教育の確立のため、責任を持ってキャリア教育実践のための教育課
程を編成し、実施することが必要である。
37
Ⅳ
後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の充実方策
1.後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の課題
○
現在、後期中等教育に進学する者が98%を超えており、前期中等教育を終えた者
のほとんどが後期中等教育に進学している状況にある。このような後期中等教育の量
的拡大に伴い、生徒の能力・適性・希望などが多様化し、これに併せて教育内容も多
様化と弾力化が推進されてきた。
○
このような中、高等学校制度においては、生徒の多様なニーズに応じた教育を行う
ことができるよう、学科や課程が設けられ、多様な内容を様々な方法で学ぶことがで
きる仕組みがとられている*1。
○
普通科、専門学科、総合学科の生徒数の割合を見ると、昭和40年代は普通科が約
60%、専門学科が約40%であったが、現在は、普通科が70%を超え、専門学科
が約23%(職業に関する学科については約20%)、総合学科が約5%と、普通科
が多くを占める状況となっている*2。また、各学科には、それぞれ次のような課題が
指摘されている。
◆
普通科については、卒業者のうち就職する割合が40%を超えていた時もあった
が、現在では高等教育機関への進学率が75%を超えている*3。
高等教育への進学希望者の中には、将来の生き方・働き方について考え、選択・
決定することを先送りする傾向が強く、多くの生徒にとって、高等学校は高等教育
機関へのいわば通過点となり、進路意識や目的意識が希薄なままとりあえず進学し
ている状況がうかがえる。
一方、普通科から就職する者も依然として多く存在しているが*4、学科別の就職
内定状況を見ると、普通科はほかの学科と比べて厳しい状況に置かれているのが最
近の傾向であり*5、普通科の生徒に対し、職業に従事するために必要な知識・技能
をどのように育成するかが課題となっている。
◆
専門学科については、昭和40年代は高校生の約4割が在学していたが、現在は
約2割となっている。分野別に見てみると、学科数について、商業や家庭に関する
学科(いずれも最近10年で約3割減*6)など減少している分野がある一方、福祉
や情報に関する学科(平成15年度より導入)、理数に関する学科や外国語に関す
る学科など職業に関する学科以外の専門学科*7は増加傾向にある。
*1 高等学校制度の概要については、p127参照。
*2 高等学校の学科別生徒数の構成割合の推移については、p129参照。
*3 普通科卒業者の進路状況の推移については、p128参照。
*4 普通科(全日制・定時制)を卒業して就職する者は、5万7433人。これは、高等学校(全日制・定時制)を卒
業して就職する者(約17万人)の約346%を占めており、ほかの学科と比べて最も多い人数である。(文部科学
省「平成22年度 学校基本調査(速報値)」より)
*5 新規高等学校卒業者の学科別就職状況の推移(各年度3月末時点)については、p101参照。
*6 平成12年度の時点では、商業に関する学科数は936、家庭に関する学科数は430であったのに対し、平成2
1年度では、それぞれ、716、308となっている。詳細については、p129参照。
*7 理数、体育、音楽、美術、外国語、国際関係に関する学科等。
38
専門学科卒業者の高等教育機関への進学率は年々増加し*1、現在約半数となって
おり、高等教育との接続を視野に入れた職業教育の充実が求められている。
一方、専門学科を卒業した者のうち約4割が就職しており、地域産業の中で専門
学科の卒業生に対する人材の需要が存在する分野がある一方で、職業人として必要
な専門的な知識・技能が高度化している分野があることや、職業が多様化している
にもかかわらず、その対応が不十分などの課題が指摘されている。また、学科によ
り就職内定状況に差が出ており、学科ごとの検討の必要性がうかがえる。
さらに、少子化が進み、高等学校の生徒数が減少する中、各都道府県では公立高
等学校の再編が進められているが、普通科と比べ、専門学科が再編の対象の中心と
なる傾向にあることがうかがえ*2、専門学科が軽視されているのではないかという
課題も指摘されている。
◆
総合学科については、高等学校教育の一層の個性化・多様化を推進するため、
① 将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視す
ること
② 生徒の個性をいかした主体的な学習を通して、学ぶことの楽しさや成就感を体
験させる学習を可能にすること
を特色とした、普通科・専門学科という枠にとらわれず、学校が幅広く総合的に選
択科目群を開設し、生徒の個性をいかした主体的な選択による学習が可能となるよ
うな新たな学科として、平成6年度に導入されたものである。
導入以降、設置数は年々増加しており、教育と職業との接続、生徒の学校から社
会及び高等教育機関への円滑な移行について一定の成果を上げている学校が見られ
る一方、総合学科全体として見た場合、導入当時に期待されていた教育の特色をい
かし、その役割を果たすことができているかどうかを含め、現時点での成果と課題
の検証が必要であることが指摘されている。
○
定時制・通信制は、働きながら高等学校で学ぶことを希望する者に高等学校教育を
受ける機会を保障するため、昭和23年度に導入された*3。しかし、今日の定時制・
通信制には、働きながら学ぶ者だけではなく、中途退学経験者や過去に高等学校教育
を受ける機会のなかった者など、様々な入学動機や学習歴を持つ者が入学している。
加えて、社会的・職業的に自立していく上で困難な状況を抱える者も少なくないなど
の指摘があり、このような多様な状況に応じた、きめ細かいキャリア教育・職業教育
を提供することが求められている。
*4
また、高等学校の中途退学者が年間約5万7千人おり 、高等学校教育を十分に受
けることができていない者が存在し、このような者が、若年無業者になる場合や非正
規雇用の職に就いている場合が多いのではないかという指摘もなされている。
○
○
専修学校高等課程(高等専修学校)*5は、高等学校に比べ、その学校数・生徒数の
*1 専門学科卒業者の進路状況の推移については、p128参照。
*2 高等学校の学科別学科数の推移については、p129参照。
*3 通信制については、昭和36年の学校教育法の一部改正により、全日制の課程・定時制の課程と並ぶ独立の課程と
して位置付けられた。
*4 文部科学省「平成21年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」より。
*5 専修学校高等課程(高等専修学校)の制度の概要については、p145参照。
39
規模は小さいながらも、高等学校と並ぶもう一つの後期中等教育機関として、実践的
な職業教育・専門技術教育を行っている。
専修学校高等課程では、平成22年現在、全国494校に603学科が設置され、
3万8,453人の生徒が学んでいる*1。分野別に見れば、調理、理容・美容を中心
とする衛生分野及び准看護師養成を中心とする医療等分野の学科が約半数を占め、こ
れらの学科では1年ないし2年の修業年限としているものがほとんどである。一方、
服飾・家政、文化・教養、商業実務、工業などの分野の学科もそれぞれ一定数あり、
これらの学科の多くは3年制で、その大半は大学入学資格付与校としての指定を受け
ている。
○
専修学校高等課程においても、現在、生徒の多様化が進み、多様化の傾向は各分野
・学科により異なっているほか、1つの学科の中にも、様々な背景をもった生徒が在
籍するようになっている。卒業後の進路を見ても、卒業生の約6割が就職し、就職者
の8割以上は高等課程で学んだ分野の関係分野へ就職している一方、約3割の生徒は
専門学校等の高等教育機関に進学するようになっている。
このような中にあって、それぞれの生徒の実態を踏まえつつ、多様な学習ニーズに
どのように対応していくかが課題となっている。
2.後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育の基本的な考え方
○
後期中等教育を修了する者の主な年齢である18歳という時期は、未成年ではある
ものの、社会人・職業人として自立が迫られる時期である。このため、後期中等教育
修了までに、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力・態度を身に付
けさせ、これらの育成を通じて、価値観、とりわけ勤労観・職業観を自ら形成・確立
させることを、キャリア教育の視点から見た場合の目標として設定し、キャリア教育
の取組を一層充実することが重要である。
一方、職業の多様化等に伴い、生徒のキャリア形成に関する環境や意識等の多様化
も進んでおり、一人一人の状況に応じた対応にも配慮することが必要である。
○
また、後期中等教育段階における職業教育は、専門的な知識、技能、能力や態度を
育成し、社会に生き、社会的責任を担う職業人としての規範意識や倫理観等を醸成し、
豊かな人間性の涵養等にも配慮した教育により職業に円滑に移行する準備を行うとい
う面とともに、新たな職業や、高等教育機関への進学も含めた専門的な知識・技能の
高度化に対応した教育により自己の将来の可能性を広げていくことができるという面
からも、その重要性は依然として高い。
このため、専門教育や職業・実際生活に必要な能力の育成が始まる後期中等教育段
階においては、キャリア教育の視点だけではなく、専門的な知識、技能、能力や態度
を育成し、職業に円滑に移行する準備及び自己の将来の可能性を広げていくことがで
きる職業教育の充実を図ることが重要である。
この職業教育の重要性にかんがみれば、地方公共団体が進めている公立高等学校の
再編において、専門学科が統合や縮小等の対象となる傾向にある状況について、地方
公共団体は、地域の特色をいかしつつ、職業教育の充実の観点にも改めて留意して考
えることが必要である。
*1
専修学校高等課程(高等専修学校)の学科数・生徒数(学科別)については、p146参照。
40
また、国や地方公共団体は、職業教育の重要性やその魅力について、今後とも機会
をとらえて、中学生や保護者等に対し、積極的に情報提供や意識啓発を行っていくこ
とが必要である。
○
このように、後期中等教育段階は、個性や義務教育で培った能力・態度を更に伸長
させるとともに、学校から社会・職業への移行の準備段階として専門性の基礎を育成
する段階であり、高度な普通教育及び専門教育を施すこととする高等学校の目的や職
業若しくは実際生活に必要な能力の育成、教養の向上を図ることとする専修学校高等
課程の目的を踏まえれば、キャリア教育と職業教育の双方の充実が必要である。
○
発達障害を含め障害のある生徒については、自己の抱える学習や社会生活上の困難
について総合的に適切な理解を深め、職業適性や困難さを乗り越えるための対処方法
を身につけ、自立と社会参加に向けて持てる力を伸ばすことができるよう、個々の障
害の状態に応じたきめ細かい指導・支援の下で、適切なキャリア教育・職業教育の推
進を図ることが重要である。
(今後の高等学校制度の在り方の検討に向けて)
○ 後期中等教育、特に高等学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方を検討する
に際して、高等学校教育の多様化の検証という観点から、高等学校教育全般の在り方
についての検討が必要であるという意見が出された。
今後、高等学校教育全般について総合的に検討する際には、本審議会における議論
も踏まえ、例えば、社会・産業の急速な変化により一層迅速かつ柔軟に対応する観点
から、学習指導要領の専門教科・科目等の在り方や、普通科、専門学科、総合学科の
各学科の在り方などについても検討を加えていく必要があると思われる。
3.高等学校におけるキャリア教育・職業教育の充実
(1)高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の改善の方向性
①
高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の重要性
○
高校生の約半数が、進路を考えるとき「自分がどうなってしまうのか不安になる」
と回答しており、「自分の可能性が広がるようで楽しい」と回答した者を大きく上回
*1
「自
っているという調査がある 。この調査では、進路選択に関する気掛かりについて、
分に合っているものがわからない」と回答した者が約37%、「やりたいことが見つ
からない、わからない」と回答した者が約32%、「社会に出ていく能力があるか自
信がない」と回答した者が約25%となっている*2。このような傾向は、職業を意識
*1
*2
進路を考える時の高校生の気持ちについては、p109参照。
進路選択に関する高校生の気掛かりについては、p110参照。
41
した時期が遅い者ほど顕著に出ているという調査結果もある*1。
○
また、高等学校までに職業を意識したことがない大学1年生が約3割いるという調
査結果があるように*2、進学という進路を検討するに当たって、将来の社会での姿を
思い描けていない者が多くいることがうかがえる。このような学生は、大学への進学
理由も「すぐに社会に出るのが不安だから」「自由な時間を得たいから」「周囲の人が
みな行くから」と考えている場合が比較的多く、この傾向は、職業を意識した時期が
遅い者ほど顕著に出ている*3。大学生の職業に関する意識について、高等学校卒業以
前に職業を意識した者が、大学入学後に考えた者やまだ考えていない者に比べ、「将
*4
来についてはっきりした目標をもっている」割合が高く 、高等学校卒業以前で職業
を意識することが、将来の目標を持つことにつながっていることがうかがえる。
○
高等学校卒業後、就職しても3年以内に早期離職する者が約40%存在している。
離職理由としては、「仕事が向いていない」「職場の人間関係」といった項目が挙げら
*5
れることが多い 。また、20~24歳(在学者を除く)における正規雇用者の比率
の推移を見ると、大学卒や短期大学・高等専門学校・専門学校卒と比べ、高等学校卒
の比率は上がっていない*6。
○
このような現状を踏まえると、社会人・職業人としての自立が迫られる時期である
高等学校におけるキャリア教育の充実は、喫緊の課題である。
○
キャリア教育は、既に多くの学校で取り組まれており、多様な活動が行われている。
高等学校が多様化する中、各学校の工夫により生徒の実態やニーズに基づいた多様な
活動が行われることは望ましいことである。しかし、依然として何も行っていない学
校が見られるとともに*7、職業教育とキャリア教育を混同し、単に職業教育を行えば
キャリア教育を実施したことになると考えている事例があるという意見がある。また、
高等学校のキャリア教育として、何を目指しているのかが必ずしも共通なものになっ
ていないために、その重要度が十分認識されておらず、また、適切なキャリア教育が
行われていないという指摘もある。
○
一方で、平成21年に改訂された高等学校学習指導要領では、平成22年度から先
行実施されている総則において「生徒が自己の在り方生き方を考え、主体的に進路を
選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導
*1 進路を選択するときの悩み(職業を意識した時期別)については、p110参照。また、高校生の約69%が、将
来働くことについて気掛かりなことがあると回答している調査もある。そのうち、「就きたい職業に就くことができ
るだろうか」と考えている者が約63%、「職場の人間関係がうまくいくだろうか」と考えている者が約43%など、
就きたい職業にどのようにすれば就けるのかという道筋が分からないと考えている者や職場の人間関係に不安を感じ
ている者が多い一方、「就きたい職業が思いつくだろうか」という者も約27%いる。詳細については、p111参
照。
*2 大学1年生が職業を意識した時期については、p106参照。
*3 大学への進学理由(職業を意識した時期別)については、p106参照。
*4 大学生の職業に関する意識(職業を意識した時期別)については、p107参照。
*5 職業を離職した理由については、p113参照。
*6 20~24歳(在学者を除く)における正規雇用者の比率の推移(男女別)については、p100参照。
*7 (株)リクルート「2008年 高校の進路指導・キャリア教育に関する調査」によると、「キャリア教育は特に行って
いない」と回答した高等学校の割合は約13%。
42
を行い、キャリア教育を推進すること」が明示された。
○
また、平成22年4月からは公立高等学校の授業料不徴収及び高等学校等就学支援
金制度が実施された。本制度は、社会全体で教育費を負担し、生徒の学びを支援する
ことを通じて、生徒が社会を構成している一員としての意識を持ち、社会の発展に貢
かんよう
献することなどの意欲を涵養することをその目的の一つとしており、キャリア教育の
推進と共通する趣旨を持つものでもある。
○
このような現状を踏まえ、高等学校におけるキャリア教育の在り方を明らかにする
ことが必要である。そして、教育委員会等は、キャリア教育の意義を十分に踏まえ、
各高等学校の実態を踏まえた効果的な指導・助言を行うことが期待される。
(普通科におけるキャリア教育)
○ 普通科に通う高校生に尋ねた調査によると、普通科に入学した動機として「自分の
学力にあっているから」と回答した者が約60%に対し、「自分の個性を伸ばすこと
ができると思うから」、「自分のやりたい勉強ができると思うから」と回答した者がそ
れぞれ約12%と、普通科を選択するに当たって、自分の個性や将来と余り結び付い
ていないことがうかがえる。このことは、職業学科と比べても顕著に差がある*1。
○
また、これまで見たように、普通科に在学する生徒に多い進学希望者の中には、在
学する生徒に将来の生き方・働き方について考え、選択・決定することを先送りする
傾向が高いことがうかがえる。また、学科別の就職内定状況を見ると、普通科は他の
学科と比べて厳しい状況に置かれているのが最近の傾向である。これらを踏まえると、
特に普通科におけるキャリア教育の充実を優先的に検討していくことが必要である。
○
確かに、変化の大きな社会の中では、高校生の段階で自らの将来を設計しても、そ
の後、将来設計が変化していくことは当然である。しかし、そのことは高校生の段階
で自らの将来のことを考える必要はないということではなく、これから数多く経験す
るであろう人生の岐路を乗り越えるため、高校生の段階で、自らの将来を真剣に考え、
それに必要な情報を取捨選択・集積・分析し、熟慮の上に責任を持った判断をする過
程を経験させることが重要である。職業への意識を早期に持った者が、進路選択や大
学等への進学理由などを明確に持っている傾向があるという調査もあるように、高等
教育機関へ進学する者が多く占める学校においても、キャリア教育を充実することは
必要である。
(自立への支援が特に必要な生徒等とキャリア教育)
○ 個々の生徒のキャリア形成に対する支援が特に必要な学校では、学科を問わず、個
々の生徒が持つ特性等の伸長を図る観点から、教科・科目の選択に当たって適切な履
修指導を行うことと併せ、キャリア教育の取組を充実し、このような生徒への適切な
支援を行っていくことが必要である。
○
*1
例えば、学校の授業を十分に理解することができていない生徒も存在し、このよう
高等学校に入学した動機(学科別)については、p108参照。
43
な者が中途退学につながっていく場合もある*1。また、様々な課題を抱え職業に対す
る知識や準備ができないまま社会に出る生徒もいる。このように、自立への支援が特
に必要な生徒が存在する実態を踏まえ、基礎学力の育成を十分に図ることや、現場実
習や就業体験を含んだ実践的な教育を増やして職業に必要な能力を育成することが必
要であり、キャリア教育の取組の充実により、学習意欲の向上につなげていくことが、
学校への定着を図るという観点からは重要である。
②
高等学校(特に普通科)におけるキャリア教育の推進方策
○
高等学校段階においては、自らの将来のキャリア形成を自ら考えさせ、選択させる
ことが重要である。これまでの検討を踏まえると、高等学校においても、学習指導要
領を着実に実施するとともに、キャリア教育の視点からは、特に学科や卒業後の進路
を問わず、現実的に社会・職業の理解を深めることや、自分が将来どのように社会に
参画していくかを考える教育活動などを行うため、これらを指導計画に位置付けて実
施することが必要である。このため、各学校では、次のような観点を踏まえた学習に
取り組むことが必要である。
○
第一に、社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力や態度を育成する
ことである。高等学校の時期は社会人・職業人として自立が迫られる時期であるとい
う側面から見て、社会人・職業人に共通して必要な能力や態度の育成がとりわけ重要
な意味を持つ。この能力や態度の育成は、新たな教育内容を付加するというよりも、
本来は現在行っている教育の中で行われるべきものであるが、これまでは十分に意識
されてこなかったともいえる。この能力や態度を各学校でどの程度育成するのか、地
域や学校、生徒の実態に即しつつ、学校ごとに到達目標を明確に設定することが求め
られる。
○
第二に、キャリアを積み上げていく上で必要な知識等を、教科・科目等を通じて理
解させることである。特に、高等学校段階は、学校と家庭以外での生活や社会の中で
の活動が増える時期にもかかわらず、現在の高校生は社会の仕組みや様々な状況に対
処する方法を十分には身につけていないと指摘されており、知識として学ぶことと体
験を通して学ぶことの両面から、現実社会の厳しさも含めて、一人一人の将来に実感
のあるものとして伝えることが特に重要である。
その際、例えば、公民科や家庭科等を通じて、①今日の社会が分業によって成り立
っており、職に就き、働くことを通してその一端を担い、人々が相互に支え合ってい
ることを理解すること、②労働者としての権利や義務、雇用契約の法的意味、求人情
報の獲得方法、人権侵害等への対処方法、相談機関等に関する情報や知識などととも
に、人の一生の中で大きな要素となる「仕事」と「家庭生活」の調和の取れたライフ
スタイルを創造するために必要な知識などを学習することが必要である。その際、こ
れらの知識は、一人一人の将来に直接かかわる実感のあるものとして伝えることが特
に重要である。
○
第三に、卒業生・地域の職業人等とのインタビューや対話、就業体験活動などの体
験的な学習の機会を、計画的・系統的なキャリア教育の一環として十分に提供し、こ
*1
高等学校を中途退学する理由については、p111参照。
44
れらの啓発的な経験を通して、進路を研究し、自己の適性の理解、将来設計の具体化
を図らせることである。具体的に人や現場を通して、自己と社会の双方についての多
様な気付きや発見を経験させ、自らの将来を考えさせることが効果的である。
○
第四に、これらの学習を通して、生徒が自らの価値観を形成し、とりわけ勤労観・
職業観を確立できるようにすることである。自らの人生の中で「働くこと」にどれだ
けの重要性や意味を持たせるのかは、最終的には自分で決めることである。その決定
の際に中心となる勤労観・職業観も、押しつけられるものではなく、様々な学習や体
験を通じて自らが考えていく中で形成・確立されるものである。これまで指摘してき
たような学習を通して、働くことの重要性や意義を理解し、生徒一人一人がそれぞれ
の勤労観・職業観を確立し、人生観・社会観などを含んだ価値観を形成できるように
していくことが必要である。
(キャリア教育を行う時間の位置付け)
○ ここで示した4つの観点を踏まえた学習を行う時間として、総合学科では、自己の
進路への自覚を深めさせるとともに、将来の職業生活の基礎となる知識・技能等を習
得させるため、原則として履修させるべき科目として「産業社会と人間」*1が設けら
れている。
また、総合学科以外の多くの学校では、総合的な学習の時間や特別活動などの中で
行っているのが現状である。しかし、実態としては、この4つの観点を踏まえた学習
の内容の一部のみが行われている場合が多く、これらの学習を確実に行うためには、
「産業社会と人間」又はそれに類する教科・科目等のような中核となる時間を、高等
学校の教育課程に明確に位置付けることも考えられる。
○ 「産業社会と人間」について高等学校等・教育委員会に行った調査によると、現在、
「産業社会と人間」で実施している教育活動としては、社会人・職業人や卒業生、地
域の方々による講話や懇談、各教科・科目の履修計画の作成、職業に関する知識等の
修得、ライフプランの作成・発表などであり*2、啓発的な経験を通して、進路の研究
や自己の適性の理解、将来設計の具体化等を図っていることがうかがえる。
○
また、これらの教育活動を実施したことによる成果としては、「自己の将来の生き
方・働き方や進路について考察することができている」(学校:約98%、教育委員
会:100%)、「自己の能力・適性、興味・関心を知ることができている」(学校:
約94%、教育委員会:約97%)、「
『学ぶこと』『働くこと』への意欲や積極的な態
度を育成することができている」(学校:約85%、教育委員会:約92%)、「社会
に積極的に寄与する意欲・態度を養うことができている」(学校:約83%、教育委
*3
員会:約77%)ことが当てはまると回答した学校・教育委員会が多く 、社会人・
職業人に共通して必要な能力や態度の育成等につなげようとしている活動が行われて
いることがうかがえる。
*1 「産業社会と人間」の概要については、p136、取組例については、p188・189参照。なお、「産業社会
と人間」は、総合学科以外の学科では学校設定教科に関する科目として設けることができ、その開設状況(平成19
年度)は、普通科では約0.8%、専門学科では約0.7%である。(文部科学省「平成19年度 公立高等学校にお
ける教育課程の編成・実施状況調査」より)
*2 「産業社会と人間」で実施している教育活動については、p137参照。
*3 「産業社会と人間」を実施したことによる成果については、p137・138参照。
45
○
一方、「産業社会と人間」で実施している教育活動として、約85%の学校が「職
業に関する知識等の修得」を挙げている。他方、「産業社会と人間」の活動と各教科
・科目等の活動の関連を尋ねたところ、例えば、公民科(約7.8%)、家庭科(約
4.6%)と関連させている学校はわずかであり、約12%の学校が「いずれの教科
・科目等にも関連付けていない」と回答している*1。キャリアを積み上げていく上で
必要な知識等は、教科・科目等を通じて修得し、それを「産業社会と人間」などの時
間を活用して、自らのキャリア形成に関連させて理解することが重要であるが、「産
業社会と人間」を実施している学校でも十分な取組ができていないといった課題もう
かがえる。
○
また、「産業社会と人間」の指導体制について、約47%の学校が「校内に『産業
社会と人間』に関する委員会等の研究・推進組織を設けている」と回答し、約30%
の学校は「ホームルーム担任が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている」
*2
と回答している 。他方、「産業社会と人間」を実施する上での課題として、「専任の
教員が明確になっていないため、学校として組織的・計画的な指導を行うことが難し
い」と回答する学校(約33%)・教育委員会(約52%)、また、
「産業社会と人間」
の改善・充実を図るための方策として、
「各学校において、校内に『産業社会と人間』
に関する委員会等の研究・推進組織を設けた方が良いと考える」と回答する学校(約
51%)・教育委員会(約60%)や、「各学校において『産業社会と人間』の専任教
員を設けた方が良いと考える」と回答する学校(約41%)
・教育委員会(約30%)
*3
が多い 。このように、ホームルーム担任が個々に担当するのではなく、学校全体の
体系的な取組として実施するための担当組織や教員の整備が課題であることがうかが
える。
○
「産業社会と人間」については、実施することの意義を認めている学校・教育委員
会がほとんどを占めている*4。今後、「産業社会と人間」において指導される成果・課
題を踏まえて、高等学校の教育課程に、「産業社会と人間」又はそれに類する教科・
科目等のような中核となる時間を明確に位置付けることについて、更に検討が必要で
ある。
○
ただし、これらの学習は既に在籍している生徒にも必要な緊急な課題であることを
踏まえると、各学校は、地域や学校及び生徒の実態に即したキャリア教育を実践する
ために、これらの学習を取り入れてキャリア教育の中核としつつ、責任を持って関連
性・系統性を意識した教育課程を編成・実施することが必要である。
○
その際、キャリア教育の視点が授業を変えるきっかけを作るという視点に立ち、特
に教科の中での学習活動を充実することが重要である。各教員は教科指導に当たって、
キャリア教育の視点を取り入れるように努めるとともに、指導の在り方の研究や教材
の開発、取組事例の収集・情報提供などを充実していくことが望まれる。このような
*1
*2
*3
*4
「産業社会と人間」と関連付けて実施している教科・科目等については、p138参照。
「産業社会と人間」の指導体制については、p139参照。
文部科学省「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」より。
「産業社会と人間」を実施することの意義については、p139参照。
46
教科活動も含めた教育活動をつなぐことを通じて、教育活動全体の見直しや体系的な
取組が行われると考える。
(就業体験活動*1の取扱い)
○ 高等学校在学時に就業体験活動を実施してほしかったという卒業生が約43%いる
という調査もあり*2、高等学校における就業体験活動を効果的に活用することが必要
である。その際、中学校で多くの生徒が職場体験を経験していることを踏まえると、
高等学校においては、将来進む可能性のある仕事や職業に関連する活動をいわば試行
的に体験することにより、それを手掛かりに社会人・職業人への移行準備を行うこと
が中心的な課題となる。
○
高等学校の教育活動の中で就業体験活動を行うことのできる時間は、総合的な学習
の時間、特別活動、産業社会と人間、教育課程外での活動の単位認定などが考えられ
る。就業体験活動を行う目的や対象とする生徒などを踏まえた上で、適切な時間を設
定して就業体験活動を行うことが必要である。
また、実施期間について、5日以上の場合の方が5日未満の場合に比べて効果が高
いという調査結果もある*3。このような長期間の就業体験活動を促進するためには、
実施する時間の確保とともに、受入先の確保などの条件整備を図ることが必要である。
受入先の調整等については、第7章に詳述する。
○
活動先については、就職を希望する関係分野の企業等に限らず、進学希望者であっ
ても「大学等の向こうにある社会」を意識させ、自己の将来について考えさせるとい
う観点から、大学等の研究機関、行政機関、医療機関など、地域や各学校の生徒の実
情等に配慮し、幅広く開拓することが必要である。
③
普通科における職業科目の履修機会の確保
○
このような各学科に共通したキャリア教育の充実を進めるとともに、普通科におい
ては、地域や学校の実態、生徒の特性、進路等を考慮し、職業生活を送るための基礎
的な知識・技能に関する学習機会の充実に努めることが必要である。
○
平成21年度現在、普通科の約65%が家庭、商業といった教科を中心に何らかの
職業科目を設定している*4。しかし、これらの履修の多くは、履修指導が十分に行わ
れないまま、生徒の選択に任されていることなどにより、必ずしも職業や自らの生活
や将来を考えることと結びついていないことが考えられる。このようなことは、普通
科の生徒で将来の職業を意識している者が専門学科と比べ少ないという調査結果など
にもうかがえる。
○
このため、普通科における職業科目の履修は、より具体的な職業との関連を意識し
た学習を通じたキャリア教育の実践にもなることを十分考慮しつつ、各学校において、
*1
*2
*3
*4
公立高等学校における就業体験活動の実施状況については、p134参照。
高等学校在学時に実施してほしかった体験活動(学科別)については、p136参照。
高等学校における就業体験活動の効果(実施期間別)については、p135参照。
公立高等学校の普通科における職業教科の開設状況については、p140参照。
47
職業科目の教育課程上の位置付けや履修指導の方法等の見直しを図り、効果的に活用
していくことが必要である。
○
また、普通科の中でも卒業時の就職を念頭に職業科目を履修させる場合は、できる
だけ早い段階から、ある程度まとまった単位数を配当し、各教科・科目を系統的に履
修させるほか、必要に応じて類型を設けることなどにより、職業準備にふさわしい学
習ができるような配慮が必要である。
○
就職希望者が多い高等学校において、地元の企業・施設との協力の下、学校設定教
科として、企業実習や社会で必要とされるコミュニケーション能力を養うことを目的
とした科目を設け、職業教育を行っている事例*1もある。
○
普通科においてどのような職業科目を履修させるのがよいかは、生徒の特性・進路
等により、また、各学校の指導教員、施設・設備等の人的・物的条件等を考慮して決
定することが必要である。なお、このような教育を進めるに当たっては、校内の職業
科目を担当する教員の主導的な役割が期待されるとともに、地域における高等学校の
配置の状況や施設面での対応状況を踏まえ、近隣の専門学科・総合学科と積極的に連
携することが可能な場合は、そのような取組を進めていくことも考えられる。
○
また、教員や施設の問題などにより、普通科で職業科目を設定することが難しい場
合もある。このような場合には、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校での学習
や一定の条件を満たした技能審査*2などを利用し、職業に関連する学修を学校外の学
修として単位を認定する制度の積極的な活用も考えていく必要がある。
④
進路指導の改善・充実
○
進路指導は、本来、生徒の個人資料、進路情報、啓発的経験及び相談を通じて、生
徒が自ら、将来の進路選択・計画をし、就職又は進学をして、更にその後の生活によ
りよく適応し、進歩する能力を伸長するように、教師が組織的・継続的に指導・援助
する過程であり、どのような人間になり、どう生きていくことが望ましいのかといっ
た長期的展望に立った人間形成を目指す教育活動である。
○
このような進路指導のねらいは、高等学校におけるキャリア教育の目指すところと
ほぼ同じであるが、実際に学校で行われている進路指導においては、進路指導担当の
教員と各教科担当の教員との連携が多くの学校において不十分であること、一人一人
の発達を組織的・体系的に支援するといった意識や姿勢、指導計画における各活動の
関連性や系統性等が希薄であり、子どもたちの意識の変容や能力・態度の育成に十分
結びついていないことといった指摘がある。
○
このため、各学校は、自校におけるこれまでの進路指導の実践をキャリア教育の視
点からとらえ直し、その在り方を見直すことが必要である。
*1
*2
高等学校普通科における職業教育の実践例については、p190参照。
受検者が有する特定の知識や技能の程度を判定する審査のこと。(例:TOEIC、機械製図検定、簿記検定)
48
(2)専門学科における職業教育の改善の方向性
①
専門学科における職業教育の重要性
○ 高等学校は、過去には、高等教育機関を超える就職者数を輩出し*1、我が国社会の
発展を支える原動力となってきた。その中でも専門学科は、職業との関連が深い実践
的な教育を行うことにより、専門的な知識・技能や創造性、応用力等の育成を行い、
普通科とは異なる魅力のある教育を展開してきた。
○
また、我が国の経済成長の中で、科学技術振興や中堅産業人の育成などの社会的要
請にこたえるため、これまでも、工業や農業に関する学科などの拡充・整備を図ると
ともに、看護や福祉、情報といった新たな職業教育のニーズに対応してきた。今後も、
専門学科は、我が国の社会の変化や産業の動向等に対応した職業教育を行う機関とし
ての役割を果たしていくことが必要であり、国及び地方公共団体は、その責務として、
職業教育の振興を図るように努めなければならない。
○
現在の専門学科が置かれている状況は、職業の多様化、職業人として求められる知
識・技能の高度化への対応が求められており、職業人としての自己学習力や社会の中
で自らのキャリア形成を計画・実行できる力などの育成が必要である。
○
地域の産業・社会の人材育成と結び付きの強い専門学科は、地域の活性化に貢献し
てきた。ただし、専門学科の卒業者のうち就職者の就職状況をみると、職業別では生
産工程・労務作業者、産業別では製造業が突出しており、昭和40年代と比較すると、
*2
一部の学科を除いて学科と職業との関連性は弱まっている傾向にあるといえる 。
○
このため、地域の産業・社会においてどのような人材が求められているのかを把握
し、また、例えば、都道府県ごとに高等学校卒業者の就職割合や地元への就職状況が
異なっていることなどにも留意しつつ*3、その需要にこたえていくため、地域との連
携・交流を一層深めるとともに、そのことを通じた実践的な教育や外部人材の協力を
得て教育活動等を充実することが必要である。
○
これらを踏まえると、今後の専門学科は、次のような人材の育成を中心に考えるこ
とが必要である。
(ⅰ)卒業後更に高度な知識・技能を身に付け、将来の専門的職業人として活躍できる
*4
人材の育成
○
*1
*2
*3
*4
経済のグローバル化や国際競争の激化、産業構造の変化、技術革新・情報化など、
職業人として必要とされる専門的な知識・技能は拡大・高度化している。
各学校卒業者の就職者数の推移については、p96参照。
高等学校卒業者の職業別・産業別就職割合の比較については、p131・132参照。
高等学校卒業者の就職率(都道府県別)については、p130参照。
実践例については、p191参照。
49
○
このような状況も影響して、より高度な知識・技能を身に付けることを目的に、
高等教育機関への進学を希望する者が増加している。一方、企業においては、早期
に従業員を確保し、自ら高度な知識・技能を身に付けた者を育成するため、高等学
校卒業の時点で人材を確保しようとするところも存在している。
○
このように、卒業後の進路を問わず、専門学科においては、将来にわたって職業
人として必要とされる専門的な知識・技能の高度化に対応できるような力の育成が
求められている。
○
また、社会・産業が高度化・複雑化する中、新しい分野・職業が日々生まれてい
る。このような職業の多様化に対応できるような人材の育成も求められている。
(ⅱ)卒業後それぞれの職業に就き、地域の産業・社会を担う人材の育成*1
専門学科は、職業人として必要とされる専門的な知識・技能の高度化に対応する
一方、地域の様々な産業・社会を担う人材を輩出する観点からは、業務を着実に遂
行していくことができるような能力等を持った者を育成することが求められてい
る。
○
このようなニーズに対しては、それぞれの職業に就くに当たって、必要な基礎的
・汎用的能力や専門的な知識・技能を備え、あるいは、今後このような能力が伸び
ていく可能性を有しているとともに、自立して行動できる態度・価値観を持ち、そ
れらの能力等を生涯にわたって発揮できることが重要である。
②
○
はんよう
専門学科における職業教育の推進方策
○
このような人材の育成を踏まえ、主として職業教育のスタート段階である高等学校
では、専門分野の基礎的・基本的な知識・技能を定着させることが重要である。その
際、職業の多様化へ対応するためにも、一定の専門分野に共通する知識・技能を身に
付けられるような配慮も必要である。
○
平成21年3月に告示された新高等学校学習指導要領では、各教科において、専門
分野の基礎的・基本的な知識・技能を定着させる観点から科目構成の見直しや内容の
改善が行われた。各学校では、新学習指導要領の改訂の趣旨を踏まえ、各教科・科目
においていわゆる座学と実験・実習の有機的な連携を図り、基礎的・基本的な知識・
技能の一層の定着を図るとともに、「課題研究」等の実践を通して、問題解決能力や
自発的・創造的な学習態度の育成の充実に努めることが必要である。
○
また、地域の産業・社会を担う人材を育成するためには、学校を卒業しても自らの
力を発揮できるような実践性が必要である。このため、地域や学校の実態、生徒の特
性、進路等を考慮し、地域・社会との連携を図り、体験的な学習や地域企業と連携を
図った現場での長期間の実習などを通じて、実践的な教育活動を積極的に実施するこ
*1
実践例については、p192参照。
50
とが必要である*1。
○
さらに、社会・産業の急速な変化に迅速かつ柔軟に対応する観点から、各学校は、
地域の産業・社会の動向を踏まえつつ、教育課程を不断に見直していくことが必要で
ある。
③
職業教育の質の保証・向上と成果の積極的な評価
○
専門学科における職業教育を高等教育や企業につなげていく観点から、教育内容の
質を高める研究を進めるとともに、職業教育に関する学習成果を積極的に評価する方
策が必要である。
○
具体的には、職業に関する資格等の取得に必要な学習内容と高等学校における教科
・科目との関連性を明確にし、その過程の可視化・明確化を図る取組の充実や、実技
等を取り入れた各種検定試験制度を積極的に活用することが必要である。
○
また、職業教育に関する学習成果を客観的に評価する指標を設けるなどの取組が必
要であり、その際、各分野により事情が異なることを踏まえ、例えば、各専門学科の
校長会等が中心となって取り組むことが期待される。
○
さらに、高等教育機関は、入学者選抜において、専門学科・総合学科の卒業生を対
象とした選抜の実施*2や資格・検定の取得状況、競技会における実績の考慮など、職
業教育に関する学習について積極的に評価する配慮・工夫を行うことが望ましい。
④
専門学科における職業教育の充実のための環境整備
(ⅰ)成長分野等の人材を育成する専門学科の重点的整備と地域のネットワーク化
○
今後、成長が期待される情報通信・介護・農林水産などの分野を支える人材を育成
していくことは、我が国の持続的な成長を支える基盤を作る上で必要不可欠であり、
そのためには、その教育の場となる専門学科の施設・設備や教員の確保を重点的に図
ることが必要である。その際、地域や更に広域の産業圏によって産業や雇用の状況は
大きく異なるため、成長が期待される分野の特色についても、実情がより異なってく
るものと考えられる。このため、地域・産業圏にある企業や関係機関等との密接な連
携の下、そのニーズに対応した学科の整備や教育課程の編成を行うことが必要である。
この場合、必要に応じて県を越えた連携についても検討すべきである。
○
また、職業教育は、キャリア教育の充実という観点からも重要なものであり、社会
的・職業的自立を促す上で極めて有効である。このため、地域の普通科・総合学科に
おけるキャリア教育・職業教育の充実や、小学校・中学校におけるキャリア教育の充
実を目的として、例えば、学校間連携により、普通科等における職業教育の充実や出
前授業によるものづくり教室の開催など専門学科を拠点とした地域のネットワーク化
*1
*2
実践例については、p193参照。
大学における専門高校・総合学科卒業生入試の実施状況については、p140参照。
51
を図ることも有効であると考えられる。
(ⅱ)教員の指導力の向上、実務経験を有する者の教員への登用の促進
○
専門学科における職業教育の充実のためには、教員の指導力の向上を図ることが必
要である。このため、地域・社会と連携しつつ、企業等へ教員を派遣したり、最新・
高度な技術・技能を有する者を学校に招いて講習会を実施したりするなど、職業教育
に関する研修の機会を充実していくことが必要である。また、教員が企業等で研修を
行うことは、企業等の現状や求められる技術・技能等を認識することに大きな効果が
期待される。
○
また、地元企業を退職した熟練の技術・技能を有する者など、実務経験を有する者
が学校現場で指導することも必要である。このため、教員採用に当たり、特定の経歴
等を持つ者に対する選考方法や、特別免許状を活用した選考等の事例集を作成・配布
*1
*2
するなど特別非常勤講師制度 ・特別免許状制度 の活用や、ティームティーチング等
による専門学科の取組を促すことが考えられる。
今後、教員の資質能力向上方策の見直しを行っていく中で、専門学科の教員の免許
状の在り方についても検討していくことが期待される。
(ⅲ)施設・設備等の改善・充実
○
専門学科の生徒に専門的な技術・技能を身に付けさせるためには、施設・設備の改
善・充実が重要であることは論を待たない。特に、公立専門学科を設置する主体であ
る地方公共団体は、その責務として、施設・設備の改善・充実に努めなければならな
い。
○
一方、国や地方公共団体の財政が厳しい現状においては、効率的・効果的な方策を
検討することが必要である。例えば、農業、工業、商業などの分野ごとに拠点校を設
け、先端的な施設・設備を整備し、県内の職業教育のセンター的な役割を果たすよう
な取組を行っている県がある。また、ある水産高校では、ほかの県の水産高校にある
施設を借りて潜水や海洋実習を行うなど、県を越えた連携が行われている*3。さらに、
地元企業の施設を活用し、学校の施設では十分な指導ができない部分を補完している
工業高校の事例もある。
○
これらは、地方公共団体の取組の一例であるが、各地方公共団体では、施設・設備
の改善・充実を図る際、それぞれの地域の実情に合った方策を工夫していくことが必
要である。なお、これらの実施に当たっては、利用計画や教職員の配置等の体制を整
備するなど、十分な教育効果が発揮されるような配慮が必要である。また、生徒の安
全面に考慮した施設・設備の更新や、消耗品費の確保についても配慮が必要である。
○
*1
*2
*3
また、専門学科を拠点とした地域のネットワーク化や地域・社会との連携に積極的
特別非常勤講師制度については、p141参照。
特別免許状制度については、p141参照。
実践例については、p194参照。
52
に対応できるよう、施設の相互利用・共同利用に加えて、地域・社会の様々な人材を
受け入れた利用を可能とする施設計画が望ましい。
○
なお、施設・設備等の改善・充実については、我が国全体として、学校環境をどの
ように整備していくのかという中で、総合的に検討していくことが期待される。
(3)総合学科の成果と課題など
①
総合学科を導入したことによる成果
○
総合学科を導入したことによる成果として、
「生徒が将来の職業選択を視野に入れ、
自己の将来の生き方・働き方や進路について自覚を深めることができている」「個性
をいかした主体的な学習を通じ、生徒が学ぶことの楽しさや成就感を体験することが
できている」「生徒の多様な興味・関心、進路希望等に柔軟に対応した教育活動を実
*1
施することができている」ことを挙げる学校・教育委員会が多くを占めており 、ほ
とんどの学校において、導入当時に期待されていた教育の特色を理解した活動を実施
していることがうかがえる。
○
また、「キャリア教育を組織的・計画的に推進することができている」ことを挙げ
る学校・教育委員会も多く、キャリア教育を推進するに際して、総合学科の特色を適
切に活用することができている学校が多いことがうかがえる。
○
さらに、総合学科に在籍する生徒に、総合学科で学ぶことへの満足度を尋ねたとこ
ろ、「満足」「ほぼ満足」と回答した者が約80%を占めており*2、生徒の満足度は比
較的高いことがうかがえる。
②
総合学科の課題
○
総合学科の課題としては、「生徒が目的意識や将来の進路への自覚を持っていない
ため、主体的な科目選択を行わせることが難しい
(安易な科目選択を行う傾向にある)
」
*3
ことを挙げる学校・教育委員会が多くある 。
一方、総合学科に在籍する生徒は、総合学科の特色として「自分の進路について学
び、じっくり考えることができる」と考えている者が多い(約76%)にもかかわら
ず*4、総合学科に満足している点として「進路等に目的を持つことができる」ことを
*5
挙げる者は少なくなっている(約29%) 。
○ また、「中学生及びその保護者の総合学科に対する理解や認知度が低い」「中学校の
教職員の総合学科に対する理解が不十分である」ことを挙げる学校・教育委員会も多
い。一方、「高等学校の教職員の総合学科に対する理解が不十分である」ことを挙げ
る学校・教育委員会も多い。
*1
*2
*3
*4
*5
総合学科を導入したことによる成果については、p142参照。
総合学科で学ぶことへの満足度については、p143参照。
総合学科の課題については、p143・144参照。
総合学科の特色についての生徒の認識については、p144参照。
総合学科に満足している点については、p145参照。
53
○
さらに、「様々な教科・科目を開設しているため、他の学科と比べて教職員の負担
が大きい」「教員数が十分でないため、多様な教科・科目を開設することが難しい」
ことを挙げる学校・教育委員会が多く、「生徒の多様な興味・関心、進路希望等に柔
軟に対応した教育活動を実施することができている」という成果を挙げるためには、
教職員組織の効率的な運営や必要な体制整備が求められていることがうかがえる。
③
総合学科の今後の在り方
○
これらを踏まえると、各学校においては、総合学科の特色をいかした教育活動に取
り組んでいる一方、総合学科の本来の目的である、生徒に目的意識や将来の進路への
自覚を持たせるための学習を進めることが難しい状況にあるなど、その特色をいかす
ための教育活動を更に充実するための方策を図ることが必要であることがうかがえ
る。
このため、各高等学校・教育委員会においては、高等学校の教職員の総合学科に対
する理解を促進するとともに、生徒に目的意識や将来の進路への自覚を持たせるため
の教育活動の充実や、そのための教育環境の充実に努めることが必要である。
○
また、中学生やその保護者、教職員といった中学校関係者等に、総合学科の教育活
動等を理解していただくため、総合学科における教育活動や生徒の学習成果等につい
て、地域の中学校等に対して積極的な情報発信を行い、理解の促進に努めるとともに、
中学校の進路指導に当たっては、総合学科に対する知識や理解を深めた上で行うこと
が必要である。
○
さらに、総合学科の本来の目的である、普通教科・専門教科ともに幅広く開設し、
生徒が主体的に選択して学習するという教育を実施するためには、生徒に将来の進路
への自覚を促し、多様な分野の学習機会を保障するための条件整備が不可欠である。
このため、総合学科を設置する地方公共団体等においては、このような必要性を十分
踏まえた取組が必要である。特に、「産業社会と人間」をはじめとするキャリア教育
を担当する力量のある教員の配置、学校外の人材や学習機会の積極的な活用、多様な
専門教科・科目を開設するのに十分な学校規模の確保、多様な専門性を持った教員の
配置、施設・設備の充実等について、高等学校の組織再編や適正配置を進める中で十
分に考慮していくことが必要である。
4.特別支援学校高等部におけるキャリア教育・職業教育の充実
○
特別支援学校高等部においては、個々の障害の状態に応じたきめ細かい指導・支援
の下で、適切なキャリア教育・職業教育を行うことが必要である。
○
障害のある生徒の就労拡大に向けた関係者の取組は進みつつあるものの、平成22
年3月に卒業した特別支援学校高等部(本科)の卒業生のうち、就職した者の割合は
2割強と依然厳しい状況にある。このような状況を踏まえ、新しい特別支援学校高等
部学習指導要領では、自立と社会参加に向けた職業教育の充実に関し、地域や産業界
と連携し、職業教育や進路指導の充実を図ることが規定されるとともに、特別支援学
54
校高等部(知的障害)の専門教科として「福祉」が新設された。各学校においては、
学習指導要領の見直しを踏まえ、時代のニーズに合った就労につながる職業教育に関
する教育課程の見直しや就労に向けた支援方法の開発を推進することが必要である。
○
また、第3章にも述べたように、個々の生徒の個性・ニーズにきめ細かく対応し、
職場体験活動の機会の拡大や体系的なソーシャルスキルトレーニングの導入など、適
切な指導や支援を行うことが必要である。
○
その際、学校は個別の教育支援計画を活用して、進路指導の充実に努めるとともに、
現場実習先や就労先の拡大のため、特別支援学校や教育委員会に学校・企業間の橋渡
しを行う職員等を配置することや、専門的な技術の習得などのため、農業高校や工業
高校等との連携交流を図ることが、職業教育・就労支援を充実する上で有効である。
5.専門的な知識・技能の高度化への対応と、高等学校(特に専門学科)・
特別支援学校制度の改善の方向性
○
職業の多様化や科学技術の進歩等を受け、職業人として必要とされる専門的な知識
・技能が高度化している分野も見られる。このような分野においては、専門学科の教
育内容の充実が重要であり、例えば、地元企業等と連携した実践的な教育や、高等教
育機関と連携したより高度な知識・技能を身に付けるための教育など、他の教育機関
等と連携した取組が行われている。このような取組については、一定の期間をおいて、
カリキュラムや施設の相互利用など連携の効果について検証し、更なる改善を図るこ
とが必要である。また、連携等の取組が行われていない地域においては、専門学科の
高度化に関して、どのような潜在的ニーズがあるのか把握することが必要である。
○
さらに、分野によっては、修業年限3年の本科における高等学校教育だけでは高度
な職業資格が取得できないものがある。例えば看護や水産などの分野においては、職
*1
業に必要な資格取得などと関連して、高等学校専攻科 を活用して更に教育の機会を
提供したり、3年間の本科の教育課程と接続して5年一貫教育を行ったりするなどの
工夫も見られ、このような取組を学校制度上どのように評価するのか検討することが
必要である。
(1)高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の在り方と高等教育機関との接続
○
流動性の高まった労働市場においては、学びたい者がいつでも必要な能力を身に付
けることができるよう、高等学校・特別支援学校高等部卒業後も職業教育を継続して
受ける機会を提供する場が設けられていることが重要である。このため、生徒のニー
ズや地域・社会の要請に応じ、大学・短期大学、専修学校専門課程(専門学校)、高
等学校・特別支援学校高等部の専攻科など多様な場が用意されていることが大切であ
る。
○
このうち、高等学校・特別支援学校高等部の専攻科については、主に職業に関する
資格を取得する場として、また、柔軟に教育機会を提供する場として活用されている。
*1
高等学校専攻科の概要については、p133参照。
55
今後は、このような役割に加え、地域と連携して、普通科等の卒業者に職業教育を実
施したり、社会人等により専門性を深めた職業教育を実施したりすることにより、地
域の人材ニーズに対応した専門的職業人の育成を担うものなど、その役割・位置付け
を明確化するとともに、その拡充を図ることが必要である。
○
その際、専攻科は、学校教育法で、修業年限や入学資格などが規定されているが、
教育課程や授業時数などの基準が設けられていないため、その水準は多様となってい
る。今後、役割の明確化と併せて、体系的な教育を行う機会としてより明確な位置付
けをするため、具体的な基準等を法令上明確にすべきである。
○
また、現行制度では、高等教育機関において高等学校・特別支援学校高等部の専攻
科の学修を単位として認定することはできず、また、高等学校・特別支援学校高等部
の専攻科の修了者について、高等教育機関に編入学することができない点が課題とな
っている。
○
具体的には、例えば、看護の分野においては、高等学校専攻科を修了して看護師の
資格を取得した後に看護系大学へ進学し、保健師や助産師の資格取得を目指す等、よ
り体系的で高度な教育を受けることを希望する生徒もいる。このような生徒にとって
は、専攻科において既に修得した内容を大学で再度履修することになるとともに、高
等学校から直接看護系大学へ進学した場合と比較して大学卒業が2年間遅れることと
なる。
この他、保健師や助産師の資格取得を目指し、高等学校専攻科を修了後に短期大学
専攻科への進学を希望する場合には、短期大学専攻科への入学資格がなく進学を断念
することとなる。
○
高等学校・特別支援学校高等部の専攻科と高等教育機関の円滑な接続を図ること
は、専攻科の教育の社会的認知を高め、進路選択の幅を広げるだけでなく、地域の振
興に寄与するものと考えられる。また、専攻科の学習の成果を適切に評価することも
重要であり、高等教育機関において高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の学修を
単位として認定することについて、上記専攻科の位置付けの明確化と併せて積極的に
検討することが必要である。
○
また、高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の修了者の中には、更に専門性を深
めることなどを目的として、大学等の高等教育機関において学習を希望する者がおり、
このような学習者のニーズに適切に対応することが必要である。このため、一定の条
件を満たした高等学校・特別支援学校高等部の専攻科の修了者が高等教育機関に編入
学することについても、専攻科の学修を大学等において単位認定することの状況を見
極め、大学教育の国際通用性にも留意しつつ、積極的に検討することが必要である。
○
なお、特別支援学校高等部の専攻科の在り方と高等教育機関との接続に係る検討に
ついては、特別支援学校の特性も十分に勘案することが必要である。
(2)専門学科を基にした高等専門学校の設置の可能性
○
専門学科が、専門的な知識・技能の高度化に対応するためには、専攻科を置く専門
56
学科など、専門学科を基にした高等専門学校の設置の可能性について検討することが
必要であり、まずは、各地域において、どのような潜在的ニーズがあるのかを把握す
ることが必要である。
○
その際、設置基準の違いや学習指導要領、教科書検定、教員免許状制度の有無など
高等学校と高等専門学校との制度上の違いがあること、高等学校の専門学科が普通科
に併設されている場合が多いことなども十分考慮するとともに、把握されたニーズを
踏まえた効果的な支援方策等についても検討が必要である。
6.専修学校高等課程(高等専修学校)におけるキャリア教育・職業教育の
充実
○
専修学校高等課程(高等専修学校)は、専門課程と同様に、その柔軟な制度的特性
をいかし、社会的要請に弾力的にこたえる教育を行ってきており、中学校卒業段階で
職業に対する目的意識を持った生徒などを対象に、実践的な職業教育・専門技術教育
の機会を提供している。
○
専修学校高等課程においても、前述したように生徒の多様化が進んでおり、それぞ
れの生徒の実態を踏まえつつ、多様な学習ニーズにどのように対応していくかが課題
となっている。とりわけ、専修学校高等課程の教育に対する次のような要請に対して
は、適切に対応していくことが必要である。
○
このほか、専修学校高等課程が、その柔軟な制度的特性や制度上の位置付けとあい
まって、例えば、激甚災害時における財政援助等についてほかの学校と異なる取扱い
をされているとの指摘がある。専修学校高等課程で職業教育を行うための教育条件等
の一層の向上を図るためにも、このような取扱いについて、それぞれの制度を個別に
精査した上で改善を図る必要性について検討することが必要である。
(1)職業教育の高度化・質の向上と生涯にわたるキャリア形成のための教育の充実
○
専修学校高等課程には、中学校卒業時点で既に特定の職業に対する相当の興味・関
心を持った生徒が数多く入学してくる。職業人に求められる知識・技能の高度化が進
む中にあって、これらの生徒に対し質の高い教育を提供していくことが重要であり、
職業教育の質の向上に向けた施策の充実を図ることが必要である。
○
同時に、経済構造の変化が急激に進む中では、単に資格を取らせる・就職させると
いったことだけではなく、生涯にわたる職業生活を見据えた上で、様々な変化に対応
できる力を養っていくことが一層重要となる。
○
専修学校の教育は、これまでも資格取得・就職という明確な目標を与えることで、
生徒の学習意欲を高め、効果を上げてきているが、現代の社会・産業では、日々、新
しい分野・職業等が生まれており、このような職業の多様化に対応できるよう、専門
はんよう
分野に関連した、幅のある知識・技能や基礎的・汎用的能力を身に付けさせることが、
今後ますます求められる。
57
○
また、専修学校は、従来より、専門的な技能教育の教育課程全体の中で、当該職業
における倫理や、仕事への姿勢等についての指導も行い、これにより、一般的な勤労
観の涵養等の面でも成果を上げてきたが、今後のキャリア教育においては、自らの生
涯にわたる職業生活を主体的に設計できる能力をいかに育てていくかが、より重要と
なると考えられる。
○
専修学校高等課程の教育については、これらの視点を踏まえ、知識・技能の高度化
等に対応するよう、教育の質の向上に向けた組織体制の整備など自主的な取組に対す
る支援を行うとともに、教育活動の評価の仕組みの整備等を進めていくことが必要で
ある。また、社会・経済の変化に対応し、生涯にわたるキャリア形成ができる人材を
育成するため、例えば、教員研修において、カウンセリングに関する知識・技能など、
生徒のキャリア形成支援に必要な知識・技能を養成する取組に対し、必要な支援を行
うことが求められる。
(2)自立に困難を抱える生徒への対応
○
実学を重視する専修学校高等課程は、高等学校等の教育になじまない生徒にも、も
う一つの教育の選択肢を与えており、従来より、不登校や中途退学を経験している生
徒等の受入れに積極的に対応してきた*1。
○
専修学校高等課程は、職業に関する明確な目標の下に、実践的な教育の提供と同時
に生活指導等を行うことにより、学習習慣や基本的生活習慣が身に付いていなかった
生徒にも勉強することを教え、規則正しい生活を送らせるなどの指導で評価されてお
り、このような教育が、不登校・中途退学経験者の学校への適応を促すことにもなっ
ている。
○
子どもや若者の自立を支援していく上で、専修学校高等課程の教育が果たしてきた
このような役割についても、より重視していくことが必要であり、不登校経験者等が
自分のペースで学ぶことのできる弾力的なカリキュラムの提供を促進するよう、「単
位制専修学校」の制度化等の検討を進めるなど、自立に困難を抱える生徒への対応を
充実させていくことが望まれる。
○
また、国民的な教育機関ともなっている高等学校との間で相互の学習評価等を進め
ていくことも重要である。例えば、現行制度では、高等学校入学前に専修学校高等課
程で行った学修については、高等学校の入学後に単位としての認定ができない取扱い
*2
とされているが 、このようなことも含めて、高等学校の学校外における学修の単位
認定の取扱いについて、今後課題となると考えられる。
○
専修学校高等課程は、職業に直結した教育を行い、就職にも強みをもつ学校である
*1 不登校や中途退学を経験している生徒等の受入れに対応している専修学校高等課程の事例については、p195参
照。
*2 専修学校高等課程入学前に高等学校で行った学習を、専修学校高等課程に入学した後で単位認定することは可能と
なっている。
58
ことはもちろん、実学を求める生徒にとって、より意欲を持って学べる場ともなり得
るものである。中学校の進路指導、中学校卒業後の進路の決定に際し、生徒の志望・
適性に合わせることも踏まえて、適切な指導・選択が行われるよう、中学校の教員や
保護者等の専修学校高等課程に対する理解を促進していくことも必要である。
(3)個人の多様なライフスタイルに応じた学習機会の充実
○
医療・衛生分野の専修学校高等課程は、現在、そのほとんどが国家資格の指定養成
施設となっており、これらの学校については、中学校卒業後の進路というよりは、既
に就業している者や高等学校を卒業している者等が資格の取得や上位の資格の取得の
ために就学するという側面が強くなっている。
○
このような実態を踏まえつつ、専修学校高等課程においても、働きながら学ぶこと
など、社会人等の多様なライフスタイルに合った学習機会を提供していくことは重要
であり、例えば通信制の制度化等についても、このような観点からの制度導入の検討
を行うことは意義が大きいものと考えられる。
59
Ⅴ
高等教育におけるキャリア教育・職業教育の充実方策
1.高等教育におけるキャリア教育・職業教育の課題
○
現在、高等教育機関に進学する者が約80%に達しようとしており、高等教育が我
が国の多くの若者にとって社会に出る直前の教育段階となっている。このようなこと
を踏まえ、高等教育において、学校から社会・職業への移行を見据えたキャリア教育
・職業教育の改善と充実が課題となっている。
○
また、第1章で記述したように、企業の人材育成に対する考え方の変化や、人材を
めぐる国際競争の激化、社会・経済情勢の激しい変化や価値観の多様化が進む現代の
状況等を背景として、実践的な職業教育の充実とともに、社会的・職業的に自立する
ために必要な基盤となる能力の養成が課題となっている。
○
高等教育機関のうち特に大学・短期大学については、後述するように大学設置基準
等の改正により、「社会的・職業的自立に関する指導等」が位置付けられ、平成23
年4月から施行されることとなっている。このようなことを踏まえ、各大学・短期大
学において、教育全体の見直しとともに、育成を図る能力を明確化し、適切な体制の
整備を進めていくことが必要となっている。
2.高等教育におけるキャリア教育の在り方と充実の方向性
(1)高等教育におけるキャリア教育の基本的な考え方
○
高等教育は、第3章で記述したように、自らの視野を広げ、進路を具体化し、それ
までに育成した社会人・職業人として必要な能力や態度を専門分野での学修を通じて
伸長・深化させていく段階である。
○
高等教育では、後期中等教育修了までにおけるキャリア教育の目標である生涯にわ
たる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度の育成と、これらの育成を通じ
た勤労観・職業観等の価値観の形成・確立を基礎として、高等教育が我が国の多くの
若者にとって社会に出る直前の教育段階であることを踏まえ、学校から社会・職業へ
の移行を見据えたキャリア教育の充実を目指すことが必要である。
(2)高等教育におけるキャリア教育の取組
○
高等教育では、各機関の教育機能や各学校の教育方針を踏まえ、学生・生徒一人一
人の状況にも留意しながら、キャリア教育に取り組むことが期待される。既に意欲的
に取り組んでいる高等教育機関もあり、そのような取組の視点を分類すると、次のよ
*1
うなものが見られる 。
・ 入学前段階や入学初年次における、後期中等教育からの円滑な接続や学びへの意
欲を向上するための教育上の配慮
*1
高等教育段階におけるキャリア教育の取組については、p196参照。
60
・
・
・
・
・
・
教育課程の中に位置付けられたキャリア教育
入学から卒業までを見通したキャリア教育
身に付けるべき能力の明確化と到達度の評価
一人一人のキャリア形成に応じた支援
男女共同参画の視点を踏まえたキャリア教育
後期中等教育と高等教育の連携
①
入学前段階や入学初年次における、後期中等教育からの円滑な接続や学びへの意欲
を向上するための教育上の配慮
○
高等教育がユニバーサル段階に達し、学生・生徒の多様化が進みつつある中、卒業
後のキャリア形成を意識しながら自ら学んでいくよう、入学前段階や入学初年次から
段階的にキャリア教育を実施している。
○
例えば、入学初年次において学生生活と卒業後の自分を考えさせ、高等教育機関で
学ぶことの目的意識を持たせることなどを通じて、キャリア形成を行う基盤を培うた
めの取組を実施している*1。
この際、入学者の学習意欲の醸成や学習習慣の確立のため、高等学校の教員と問題
意識を共有し、解決策の検討を行い、高等教育の学習にスムーズに移行できるよう入
*2
学前教育を実施している場合もある 。
○
学生・生徒の中には、学業不振や学習意欲の減退などの理由により中途退学する者
も存在するが、これらの中には退学後の明確な目的を持たない者がいると考えられる
*3
。このような者について、キャリア教育の取組を通じて、学生・生徒に学ぶことの
目的意識を持たせ、学習意欲の向上につなげていくことが、不本意な中途退学の予防
という観点からも重要である。
②
教育課程の中に位置付けられたキャリア教育
○
大学・短期大学においては、例えば、生涯を見通した各自のキャリアプランニング
や、その中での高等教育における学習の位置付け、卒業までの具体的な目標設定につ
いて考えさせる授業など、幅広い職業意識の形成に着目した授業を、基礎教育や共通
教育の科目として開設している例がある*4。
専門学校においては、その教育課程の全体を通じて、社会的・職業的に自立するた
めに必要な基盤となる能力の育成を図っているが、その一環として、キャリアプラン
かんよう
ニングのための能力や、コミュニケーション能力等の育成、職業人意識の涵養等を目
的とした科目を設けている学校もある*5。
○
また、専門分野における教育課程にキャリア教育の視点を位置付け、社会的・職業
的に自立するために必要な基盤となる能力や態度を育成している例がある。社会・職
*1
*2
*3
*4
*5
入学初年次におけるキャリア教育の取組については、p197参照。
入学前段階におけるキャリア教育の取組については、p198参照。
高等教育段階の中途退学者の現状については、p112参照。
大学等において教育課程に位置付けられたキャリア教育の取組については、p199参照。
専門学校において教育課程に位置付けられたキャリア教育の取組については、p205参照。
61
業生活においては、専門的な学習を通じて培われる知識・技能とともに、問題解決力
はんよう
等の汎用的な力の発揮が求められており、この観点からも、専門分野における教育課
程の中でのキャリア教育の展開は特に重要である。
中には、専門分野の教育の一環として、キャリア教育の科目を開設し、実施してい
る場合もある。
○
さらに、キャリア教育の視点を取り入れ、キャリア教育の科目を含め、教育課程全
体に有機的に位置付けて、総合的に実施している例がある*1。
③
入学から卒業までを見通したキャリア教育
○
学生・生徒が卒業後の進路を具体的に決定する段階になって初めて、社会に出るた
めに必要な知識や能力等を理解しても、その後の教育や課外活動を通じて十分にその
能力を養うことは困難である。
○
このため、入学から卒業までを見通して、自らの社会人・職業人としての将来像を
描かせ、その実現に必要な学習や活動が行える環境を整えることにより、在学期間を
通じて、卒業後の目標に向けて社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能
力を自ら培っていく取組を実施している例がある*2。
④
身に付けるべき知識や能力の明確化と到達度の評価
○
各高等教育機関においては、教育課程を編成するに当たり、カリキュラムポリシー
に基づいて各授業科目及び教育課程全体を通じて、学生・生徒にどのような知識や能
力をどの程度身に付けさせるかを明確にすることが重要である。
○
このため、キャリア教育の視点から、身に付けるべき知識や能力を明確化し、その
到達度を評価する取組を実施している例がある*3。
⑤
一人一人のキャリア形成に応じた支援
○
キャリア教育を推進するに当たっては、社会的・職業的に自立するために必要な基
盤となる能力を育成するため、正課内の教育に加え、学生支援など正課外の活動を通
じて、一人一人のキャリア形成に応じた個別の支援を行っていくことが重要である。
○
このため、入学段階から学生・生徒一人一人のキャリア形成を支援するためのアド
バイザー等を配置する取組やキャリアカウンセリングを行う取組、留学生に対する就
職支援を行う取組等を実施している例がある*4。
⑥
*1
*2
*3
*4
男女共同参画の視点を踏まえたキャリア教育
教育課程全体に有機的に位置付けられたキャリア教育の取組については、p199参照。
入学から卒業までを見通したキャリア教育の取組については、p200・201参照。
キャリア教育の観点から身に付けるべき能力を明確化した取組については、p202・203参照。
学生一人一人のキャリア形成を個別に支援していく取組については、p204~206参照。
62
○
少子高齢化社会を迎えた我が国において、社会・経済の活力を維持・向上していく
ためには、女性の活躍が一層重要である。いわゆる男女雇用機会均等法や育児・介護
休業法、ワーク・ライフ・バランスに関する憲章・行動指針等も整備され、男女共同
参画社会の実現に向け、学生・生徒を取り巻く社会・経済の環境は変化している。こ
のような変化に対応できるよう、意識改革も含めたキャリア教育が重要である。
○
特に、妊娠・出産等のライフイベントの影響を受けやすい女性について、社会にお
いて女性が置かれている状況や多様なライフスタイルの選択を可能とする支援策等を
理解させるなど、女性のライフイベントを意識したキャリア教育の取組も始まってい
る*1。
⑦
後期中等教育と高等教育の連携
○
後期中等教育におけるキャリア教育の充実を促すため、キャリア教育の観点から、
後期中等教育と高等教育が連携する取組は、進路決定を行う生徒の助けとなるととも
に、高等教育機関にとっては、高等教育に進学を希望する者の学びの目的や意欲、将
来の社会・職業生活への意識が高まることが期待されることから、双方にメリットが
ある。
○
現在、高校生が大学レベルの教育研究に触れることができる公開講座や科目等履修、
出前授業等の取組、地域での学校間の円滑な接続を図るための協議会の設置等の取組
が行われている。
このような取組のほか、例えば専門学校において高校生向けに職業技術体験の機会
を提供するなど、高等教育機関がその有する教育資源を活用して、後期中等教育にお
けるキャリア教育の充実に貢献する取組も展開されている*2。
(3)高等教育におけるキャリア教育の推進方策
○
キャリア教育の推進のために考慮すべき方策として、既に第3章において6つの項
目を掲げている。高等教育機関におけるキャリア教育の推進においてもこれらの方策
は共通するものであるが、高等教育機関について特に留意する必要がある点としては、
次のとおりである。
①
各高等教育機関における、キャリア教育の方針の明確化と、教育課程内外を通じた
体系的・総合的なキャリア教育の推進
○
高等教育におけるキャリア教育は、各高等教育機関の個性・特色や学問分野、各機
関で自主的に定める教育課程の編成方針等、それぞれの状況に応じて、多様な教育内
容・方法により取り組まれている。
○
*1
*2
他方、一部の高等教育機関では、例えば、キャリア教育担当の教職員のみが行う取
女性の多様なキャリアを意識した取組については、p207・208参照。
後期中等教育と高等教育の連携によるキャリア教育促進の取組については、p209参照。
63
組であると認識されているなど、全学的なキャリア教育の位置付けや、カリキュラム
の整備、運営組織・体制の整備、教職員への意識啓発等について課題が見られるとの
指摘がある。
○
各高等教育機関においては、学生・生徒が社会人・職業人として自立できるよう、
各機関の教育機能及び各学校の教育方針を踏まえ、キャリア教育の方針を明確にし、
教職員の理解の共有を図った上で、学生・生徒一人一人の状況にも留意しながら、教
育課程の内外を通じて全学で体系的・総合的にキャリア教育を展開することが必要で
ある。
なお、各高等教育機関に期待される教育機能や学生・生徒の実態は多様であり、す
べての高等教育機関に画一的な取組を求めるものではないことに留意することが必要
である。
○
学生・生徒が社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力を身に付ける
ための教育方法として、授業科目の内容の実社会における適用や、受動的な講義主体
の学習ではなく、例えばグループワーク・ゼミ形式の授業、調査・実習・発表重視の
授業、課題対応型学習、インターンシップ等を活用するとともに、教育課程内外の活
動を効果的に組み合わせて実施することが重要である。
②
体験的な活動の効果的な活用
○
高等教育においては、学生・生徒の状況に応じ、インターンシップや課題対応型学
習などの体験的な学習活動を通して、知識・技能を身に付けさせるとともに学生・生
徒の能動的な学習を促進し、社会人・職業人への移行を見据えて、社会的・職業的自
立の意識を確立させることが中心的な課題となる。
○
また、キャリア教育の視点だけでなく、具体的な職業・職業分野を意識した専門教
育の中で、職業・職業分野に円滑に移行するための専門的な知識・技能の獲得が求め
られる。このような職業教育の観点からの体験的な学習活動については、専門職業人
養成のために不可欠な実習や教職課程における教育実習、職業実践的な実地体験を主
眼とする長期のインターンシップなど、教育側と雇用側の連携による人材育成の観点
からの取組が進められている。
○
学生・生徒が卒業後に社会人・職業人として自立することが求められることを踏ま
え、キャリア教育を推進する取組の一つとしての体験的な学習活動と、職業教育の観
点からの職業実践的な体験的な学習活動が、教育機関だけでなく、産業界や地域の各
種団体をはじめとする社会と連携・協力した人材育成という観点から推進されること
が重要である。
(4)各学校種別に留意すべきキャリア教育の在り方
①
大学・短期大学
○
本審議部会での議論と並行して、大学分科会では、大学における社会的・職業的自
立に関する指導等について議論が行われ、生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指
64
し、教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むことが必
要であり、そのための体制を学内に整えることについて大学設置基準等に位置付ける
こととされた。
この規定の制度化は、大学・短期大学の取組を画一的なものとせず、教育課程上の
工夫や有機的な連携体制の確保等に関する大学・短期大学の多様な取組を推進する観
点を踏まえたものであり、今後、効果的なガイダンスが実施されるとともに、好事例
に関する情報の共有が図られることが期待される。
(特に短期大学について)
○ 短期大学におけるキャリア教育では、地域の実情に即した特色あるテーマを用いた
課題対応型学習が実施されている例が多く、また、職業一般に必要な実務能力の育成
等の取組が積極的に行われている。
○
また、短期大学は、大学と比べて特定の職業に関する教育及び資格取得を主眼とす
る学科等が多いが、このような学科等においては、当該資格に関する知識・技能の習
得のみに偏ることなく、当該分野における学問の社会的意義の理解や課題対応型学習
などを通じて、専門分野の教育を通じた社会的・職業的に自立するために必要な基盤
となる能力の育成を図ることが重要である。
②
高等専門学校
○
高等専門学校に入学してくる学生は、技術やものづくりへの関心が高く、比較的目
的意識が明確であるが、そのような中でも入学者の意識は多様化してきており、15
歳からの5年間一貫教育の中で勉学に対する動機付けを維持・向上させていくことに
は困難が伴う。また、高等専門学校の卒業生は、企業からもその専門知識やコンピュ
ータ活用能力、誠実さなどが評価されている一方で、コミュニケーション能力につい
*1
ては期待に比べて評価が低いことなどが指摘されている 。
○
このため、各高等専門学校では、地域や産業界と連携しつつ、きめ細かいキャリア
教育を発達段階に応じて段階的かつ継続的に実施していくとともに、社会的・職業的
に自立するために必要な基盤となる能力を身に付けさせる視点から、幅広い職業意識
の形成に着目した授業科目や、その他の様々な専門分野の教育を充実することが重要
である。
③
専門学校
○
専門学校の入学者は、基本的には、当該職業分野に対し一定程度の興味・関心を持
って入学してきていると考えられるが、これら入学者についても、必ずしも皆が高等
学校在学中から自分の「将来やりたいこと」、「学びたい分野」について明確な展望を
*1
高等専門学校卒業生の資質・能力に対する評価については、p164参照。
65
持っていたわけではないことなどを示す調査結果も報告されている*1。このような中、
専門学校に入学して間もない生徒の職業への理解はなお十分深化されておらず、とも
すれば、理想化されたイメージやあこがれのみが先行して、就職の厳しさや実際の仕
事の困難さなどを十分理解できていないケースも少なくないといった指摘もある。
このため、専門学校では、入学後の早い段階から、当該職業の業務の実態や、必要
な能力等について十分理解させ、専門学校における学習に対する明確な目的意識を持
たせることが重要である。また、その上で、卒業までを見通しつつ、個々の生徒が、
当該分野における様々な職種の中から、自己の適性により合った職種を選択し、就職
できるようにすることが必要であり、例えば、就職適性検査や個別面談などの取組を
通じ、一人一人に応じたキャリア形成支援を進めていくことが期待される。
○
また、職業の多様化が進み雇用も流動化するなど、変化の激しい時代にあっては、
専門学校においても、個々の学生の適性に応じた指導と同時に、キャリアプランニン
グ能力や、課題対応能力等を、すべての生徒に身に付けさせていくことがますます重
要になる。
このような観点から、例えば、課題対応型学習などを通じ、様々な変化に適切に対
応できる幅広い能力の育成を充実させていくことも必要である*2。
○
特定の分野における職業への就業を目標とする専門学校におけるキャリア教育につ
いては、これら社会的・職業的に自立するために必要な基盤となる能力を全般的に育
成することと同時に、当該職種で特に顕著に求められる能力要素をより重点的に伸ば
すことをも求められており、それぞれの専門学校が、当該業種・職種で求められる能
力等について十分把握した上で、自校におけるキャリア教育の目標を明確にし、改善
・充実に向けた取組を進めていくことが重要である。
3.高等教育における職業教育の在り方と充実の方向性
(1)高等教育における職業教育の課題
○
我が国の人材育成における高等教育機関と産業界との関係をみると、従来では、実
践的な人材育成は主に就職後の企業内教育・訓練等の役割とされ、高等教育機関は入
り口段階における選抜機能を背景に、就職後に育成される能力等の基盤となる素質を
持った学生・生徒を企業等に送り出す役割を果たしてきた。しかし、近年、高等教育
が量的に拡大し、社会・経済の情勢や人材育成の在り方等も変化する中で、次のよう
な課題が生じている。
*1 広島大学高等教育研究開発センター・(社)東京都専修学校各種学校協会「専門学校教育と卒業生のキャリア」に関
するアンケート調査(平成21年3月)では、調査対象とした専門学校卒業者の高等学校在学時における将来展望に
ついて、「自分が将来やりたいことがみつかっていたか」及び「卒業後に勉強してみたい分野がみつかっていたか」
の二つの観点から5段階評価で尋ねる質問を行っている。この問いに対して、双方とも「当てはまる」側(5段階の
うち4または5)に回答した者の割合は高校1年当時についての評価で約40.1%、3年当時についても約40.2%に止ま
っているが、一方で、双方とも「当てはまらない」側(5段階のうち1から3)に回答した者の割合は、高校1年当
時について約38.1%、3年当時についても約37.7%となっている。
*2 産業界が専門学校卒業生に身に付けていてほしい能力等としては、熱意・意欲や協調性、仕事に対する誠実さ・堅
実さ・責任感、チームで働く力など、業種・職種を超えて共通に求められる能力とともに、当該職業の専門的な知識
・技能もあわせて期待される傾向が一般的に見られる。専門学校卒業生に対する評価については、p165参照。
66
◆
社会への入り口段階で職業人として求められる能力が高度化・複雑化するととも
に、非正規雇用の増加等に伴い企業内教育・訓練を前提とした従来の人材育成の在
り方に変化が見られる中で、若年無業者や早期離職者の存在など、社会・職業へ円
滑に移行できない学生・生徒が多く存在することが問題となっており、高等教育機
関が社会・職業との関連を重視した、実践的な職業教育の充実を図ることが課題と
なっている。
◆
高等教育の量的拡大に伴い、多様な学生・生徒に対する多様な職業教育ニーズや、
起業等も含め、様々な職業・業種のニーズにこたえることが求められる中で、高等
教育機関が全体として、このような多様なニーズに応じた職業教育の充実をどのよ
うに図っていくのかが課題となっている。
◆
我が国における国際競争力の向上のためには、企業や社会が職業教育に求めるも
のを高等教育機関が受け止め、より職業との関連を重視した教育を通じて求められ
る人材育成を図っていくことが課題となっている。また、個人が生涯を通じて、職
業人として充実したキャリアを築いていくため、職業人として求められる能力の修
得という要請に幅広くこたえる教育を充実させることが課題となっている。
(2)高等教育における職業教育の充実のために必要な視点
○
高等教育における職業教育の諸課題を踏まえれば、次のような視点で職業教育の充
実を図っていく必要がある。
①
人材育成・キャリア形成に関する高等教育機関の役割の見直しと、自立した職業人
を育成する職業教育の重要性を踏まえた高等教育の展開
○
高等教育機関が、「実践的な人材育成は企業の役割」といった考え方から脱却し、
高等教育における職業教育を通じて、自立した職業人を育成し、社会・職業に円滑に
移行させることがより重要になっていることから、職業教育の重要性を踏まえた高等
教育の展開が必要である。
②
職業教育の観点から各高等教育機関が果たす役割・機能の明確化と、それぞれの特
性をいかした職業教育の充実
○
それぞれの高等教育機関が、職業教育の観点から果たす役割・機能と養成する人材
像を明確にした上で、各機関の特性をいかした職業教育を充実させることにより、高
等教育機関が全体として、学生・生徒の多様な職業教育ニーズや、様々な職業・業種
の人材ニーズにこたえていくことが重要である。
③
教育界と産業界との連携・対話による、求められる人材像・能力等の共有と、求め
られる能力の育成につながる教育の充実
○
教育界と産業界とが、国・地方・各機関など様々な段階において連携・対話を促進
することにより、産業・雇用の将来像や求められる人材像・能力を共有するとともに、
67
人材育成のための協力体制を構築し、このような体制の下、求められる能力の育成に
つながる教育を充実させていくことが重要である。
(3)各高等教育機関における職業教育の充実
①
各高等教育機関における職業教育の現状
(ⅰ)
大学・短期大学
○ 大学・短期大学は、「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培う」(教育基本
法第7条第1項)ことを基本的な役割としている。教養教育と専門教育とがあいまっ
て全人格的な発展の基礎を築くことを目的としており、高度専門職業人養成や幅広い
職業人養成等に重要な役割を担っている。
○
大学・短期大学への進学率が55%を超え、学生も多様化し、職業人育成の観点か
ら大学・短期大学に求められる機能も多様化している現状がある。学生の出口管理が
厳しく求められる中、大学・学部、短期大学それぞれの機能別分化と養成する人材像
の明確化とともに、専門分野と職業との関係を踏まえた職業教育の質の確保が課題で
ある。
○
専門分野と職業とのかかわりを見ると、工学、保健、家政、芸術等の分野では教育
内容と職業との結び付きが比較的強く、特に業務独占資格等の育成を行う課程におい
ては指定規則等により教育内容が規定されている。専門的知識・技能の高度化等に伴
う専門教育の早期化傾向が見られる分野もあり*1、専門性の習得に偏らないバランス
のとれた職業能力の育成が求められる。
○
一方、人文科学や社会科学等の分野では、専門分野と職業との結び付きは必ずしも
強くないのが現状である。このような分野では、学生の職業観や、職業人として求め
られる能力を獲得する意識の形成を目的とした教育を意識的に行うことが求められて
いる。
○
職業意識・能力の形成を目的とした教育(インターンシップの実施、職業観の育成
のための授業科目の設置、企業関係者等による講演の実施など)は、全学部・短期大
*2
学の約9割が実施 している。一方で、授業科目として位置付けられているインター
ンシップの実施率は1割以下*3である。また、大学の教育課程において実験・実習や
*1 専門職業との結び付きの強い学部(例:医療、家政、芸術系)では専門教育の早期化や高度化が見られ、人文系、
社会系などでは専門教育の学際化が進んでいる。(中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」(平成20年
12月))
*2 大学(学部)・短期大学における職業意識・能力の形成を目的とした教育の実施状況については、p162・16
3参照。なお、約86.7%の学部、約88.7%の短期大学が実施。具体的な取組内容としては、企業関係者等に
よる講演等の実施、職業観の育成等を目的とした授業科目の開設、インターンシップを取り入れた授業科目の開設、
資格取得等を目的とした対策講座の開設など。
*3 職場体験・インターンシップの実施状況については、p122参照。なお、体験者数で見たインターンシップ実施
率は、大学約8.3%、短大約5.9%。
68
演習といった授業形態により行われる科目は、単位数にして2割以下*1である。
今後は、教育課程において職業人として求められる能力を実践的に身に付ける機会
を確保するという観点からも、企業等と有機的に連携し、求められる職業人像と能力
を明確にするとともに、そうした能力の修得につながる実践的な教育の更なる展開が
期待される。
○
短期大学は、「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育
成すること」(学校教育法第108条)を主な目的としており、実学が重視され、実
際の職業や実際的課題と深くつながった教育が展開されている。幼稚園教諭・保育士
等の養成に当たる教育分野、栄養士・介護福祉士等の養成に当たる家政分野、看護師
等の養成に当たる保健分野で学生数全体の約58%*2を占めている。短期大学は、こ
れらの分野における専門的な職業能力のほか、職業横断的な実務能力の育成の役割を
担っており、社会・地域の人材ニーズに対応した職業教育の展開が期待される。
○
また、我が国では高等教育修了後の継続的な教育訓練の需要は高いものの、その機
*3
会が限られているとの分析 もある。職業能力の継続的な習得という生涯学習ニーズ
にこたえることは、大学・短期大学の重要な役割の一つである。職業上求められる専
門的知識・技能が多様化・高度化する中、生涯学習ニーズや社会人の継続教育・再教
育ニーズにこたえていくことも重要である。
(ⅱ)
高等専門学校
○ 高等専門学校は、
「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成すること」
(学
校教育法第115条)を目的としている。中学校卒業段階という早期からの5年一貫
の体験重視型の専門教育を特色とし、応用力に富んだ実践的・創造的技術者の育成を
行うと評価されている*4。
○
また、技術の進歩を背景に、より高度の教育の継続を求める学生の増加に対応する
ため、現在、56の高等専門学校に専攻科が設置され、卒業後更に2年間の教育を行
っている。このような、本科と併せて計7年間の専門教育を受けることができる専攻
科には、高等専門学校本科の卒業生の約16%が進学している。
○
中央教育審議会では平成20年12月に「高等専門学校教育の充実について-もの
づくり技術力の継承・発展とイノベーションの創出を目指して-」を答申した。その
中では、高等教育のユニバーサル化、技術の高度化、15歳人口の減少、理科への関
心の薄れ、進学率の上昇、地域連携強化の必要性の高まりなど、社会・経済の環境の
*1 大学等の各分野別の講義、演習、実験・実習の割合については、p166・167参照。
*2 短期大学の学科別学生割合については、p149参照。
*3 日本労働研究機構・大卒者の職業への移行国際比較調査研究会「日欧の大学と職業―高等教育と職業に関する12
か国比較調査結果―」(日本労働研究機構調査研究報告書No.143)によれば、日本における継続教育訓練への
ニーズは12か国中2番目と高いものの、実際の経験率は他国と比べて低い(長期の教育訓練の経験率は12か国中
7番目、短期の教育訓練については最下位)。
*4 平成21年3月に取りまとめられたOECD高等教育政策レビューにおいても、「高等専門学校は質の高い職業教
育を提供しており、高く評価すべき」と分析。
69
変化に対応した高等専門学校教育の展開の必要性等について提言*1がなされている。
(ⅲ)
専門学校
○
専門学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図
ること」(学校教育法第124条)を目的としており、柔軟な制度的特性をいかしつ
つ、社会的要請に弾力的にこたえて多様な職業教育を展開し、実際的な知識や技術等
を育成している。
○
専門学校には、現在、高等学校卒業後の約2割の生徒が進学しており、企業等と密
に連携した教育課程の編成や、企業等における実習等を重視した教育内容など、職業
と関連した実践的な知識・技能の習得を重視した教育を実施している。また、教員も
約半数が10年以上の実務経験を有する*2など、実務知識・経験を重視している。
○
専門学校の卒業生は、専門の職業教育を受けていることや必要な資格を持っている
ことなどその専門性が採用時に評価*3されている。今後は「より実践的な専門性を習
得してきてほしい」といった期待や、問題解決力、応用力等を求める企業等の声*4な
どにどのようにこたえるかが課題である。
○
また、企業内教育・訓練の課題や、個々の職業人に求められる知識・技能の高度化、
産業構造の変化等の中でキャリア変更を迫られるケースの増加等に伴い、専門学校に
おいても、在職者のスキルアップや離職者の学び直しなど、社会人の学習ニーズによ
り積極的に対応していくことが、一層求められるようになっている。
○
このほか、その柔軟な制度的特性や制度上の位置付けとあいまって、例えば激甚災
害時における財政援助等について、ほかの学校と異なる取扱いをされているとの指摘
がある。
②
各高等教育機関における職業教育の充実の方向性
○
各高等教育機関がそれぞれの役割・機能と養成する人材像を明確にし、各機関の特
性を踏まえた、より実践的な職業教育の充実を図ることにより、職業人として求めら
れる能力を確実に身に付けた学生・生徒を社会に移行させることが必要である。
(ⅰ)
大学・短期大学
(大学・学部・短期大学の機能別分化と養成する人材像の明確化)
○ 人材養成の観点からの大学の機能は、大学院においては、①研究者養成、②高度専
門職業人養成に整理される。学士課程においては、①企業等で幅広く活躍する職業人
の養成、②科学的・専門的知識を有する技術者の養成、③業務独占資格等を有する専
*1
*2
*3
*4
中央教育審議会「高等専門学校教育の充実について(答申)」については、p164参照。
専門学校の専門分野別教員(本務及び兼務)実務経験年数割合については、p167参照。
専門学校卒業生の採用理由と育成方針については、p165参照。
専門学校教育に対する期待については、p165参照。
70
門職の養成、④芸術・体育等特定分野の専門家の養成、⑤特定の職業を念頭に置かな
い職業・社会への準備教育等に分けられ、短期大学においては、このうち①③⑤に重
点が置かれている。
各大学・短期大学においては、大学・学部等ごとに重点を置く機能を明確化し、職
業教育の充実を図ることが重要である。ただし、このような機能は固定的なものでは
なく、大学・学部等ごとに重点の置き方は異なり、また地域や社会のニーズにこたえ
ながら変化するものであることに留意が必要である。
○
このような役割を担う大学・短期大学を、広がりという観点から見れば、国際的卓
越性を念頭に置いて教育を展開するものや、国内的なニーズにこたえるもの、あるい
は地域的ニーズにこたえるものなどに分けられることに留意が必要である。
○
このような機能別分化の下、大学・短期大学は、各大学・学部等が養成する人材像
と能力を明確化し、更なる職業教育の質の向上を図ることが重要である。
(職業に必要な能力修得のための実践的な教育の展開)
○ 企業等と連携した長期インターンシップの実施や課題対応型学習などの演習型授業
の充実、
「産学人材育成パートナーシップ*1」のように、企業等との対話により、養成
する人材像や職業能力を明確化し、産学双方の課題・役割分担の明確化とその共有を
図った上で、教育内容や人材交流の在り方等を検討することなどが考えられる。
(生涯学習ニーズ等への対応)
○ 職業上求められる能力をいつでも身に付けることができるよう、履修証明プログラ
ムの提供や、プログラムの内容等に応じた大学院の設置などが考えられる。
(特に短期大学について)
○ 実学を重視する短期大学教育においては、資格等取得に必要となる知識・技能の修
得のみならず、教養教育の上に立ち、理論的背景を持った分析的・批判的見地を備え
た専門的知識・技能の修得を目指すことが求められ、そうした観点から短期大学教育
を通じた職業教育の充実が必要である。
○
実学を重視しつつ専門職業能力の育成と教養教育の調和のとれた職業教育の展開
や、短期大学卒業者に求められる人物像を踏まえた職業能力の育成を図るとともに、
高等教育のファーストステージとしての役割など、現代的ニーズにこたえた短期大学
独自の職業教育の在り方についても明確化し、大学とは異なる視点で充実策を検討し
ていく必要がある。
(ⅱ)
高等専門学校
○
中央教育審議会答申「高等専門学校教育の充実について」の提言を踏まえ、5年一
貫の本科を基本としつつ、地域における産業界等との連携による先導的な職業教育の
取組の促進等、教育内容・方法の充実、地域及び我が国全体のニーズを踏まえた新分
野への展開等のための教育研究組織の充実等が求められる。
*1
産学人材育成パートナーシップについては、p179参照。
71
○
近年、技術の進歩を背景に、本科から専攻科への進学や大学への編入学、専攻科修
了生の大学院への進学が増加している。このような、高等専門学校における職業教育
の高度化に対する様々なニーズに対応するため、専攻科の位置付けの明確化を図ると
ともに、大学院との接続の円滑化について、課題の整理と具体的な方策を検討するこ
とが必要である。
また、現在、本科卒業後、大学評価・学位授与機構が認定した専攻科において所定
の単位を修得した者で、大学評価・学位授与機構の審査を経て合格と判定された者に
学士の学位が授与されているが、その更なる円滑化について実態等も踏まえつつ検討
することが必要である。
さらに、高等専門学校に期待されている人材養成機能に即した専攻科の整備・充実
を進め、その一層の高度化についても検討することが必要である。
○
また、専門高校が、専門的な知識・技能の高度化に対応するため、専門高校を基に
新たな高等専門学校を設置する可能性及びその際の効果的な支援方策等についても検
討が必要である。
(ⅲ)
専門学校
○
専門学校については、その制度的特性を踏まえ、集中的に専門性の習得に特化した
教育を受けたいという要請から、幅広い職業能力を身に付けたいという要請まで、様
々なニーズを受け止め、多様な職業教育が展開されることが期待される。
○
特に、専門学校には、その制度的弾力性をいかし、社会・経済の変化を受けた新た
な人材ニーズ等にも柔軟に対応していくことが期待されており、例えば、成長分野等
で求められる人材の養成を積極的に進める観点から、業界団体との連携によるプログ
ラム開発等における先導的な取組を支援・推進していくことなどが重要である。
○
専門学校においては、社会人等の多様な学習者のライフスタイルに即した教育環境
の整備が必要である。そのため、例えば、社会人等向けの短期教育プログラムの開発
・モジュール化の促進や、これらのプログラムの積み上げにより正規課程の修了につ
なげることのできる「単位制専修学校」の制度化を検討すること、ITによる教育・
学習環境の整備とともに、自由な時間に自由な場所で学べる「通信制学科」の制度化
の検討を進めることなどが期待される。
○
また、専門学校教育への信頼を高めていく上で、その質の改善・充実を図ることは
特に重要であり、教育の質向上に向けた専門学校自身による自主的な取組を支援し、
促進していくことが必要である。これらを踏まえ、複数校の連携によるファカルティ
・ディベロップメントや企業等との連携による教員の資質向上などの取組を行う組織
体制整備を推進するとともに、教育活動の評価を行う仕組みの整備などを進めること
が求められる。
○
このほか、専修学校専門課程が、その柔軟な制度的特性や制度上の位置付けとあい
まって、例えば、激甚災害時における財政援助等についてほかの学校と異なる取扱い
をされているとの指摘がある。専修学校専門課程で職業教育を行うための教育条件等
72
の一層の向上を図るためにも、このような取扱いについて、それぞれの制度を個別に
精査した上で改善を図る必要について検討する必要がある。
4.職業実践的な教育に特化した枠組みの必要性
(1)職業実践的な教育に特化した枠組みの必要性
○
これまで述べたとおり、雇用・労働をめぐる環境の変化や国際競争力の向上を目指
す我が国の現状の中、高等教育機関においては、職業教育を通じて、自立した職業人
を育成し、社会・職業に円滑に移行させること、また、学生・生徒の多様な職業教育
ニーズや様々な職業・業種の人材ニーズにこたえていくことが求められており、この
ような職業教育の重要性を踏まえた高等教育を展開していくことが必要となってい
る。
①
現在の高等教育における職業教育の位置づけ
○
高等教育における職業教育は、学術研究の成果を主な基盤として教養に裏打ちされ
た専門的な教育を行うことが求められる場合や、卓越した又は熟達した実務経験を主
な基盤として実践的な知識・技能を教授することが求められる場合などがある。
○
大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研
究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的とし、また、短期大学
は大学の目的に代えて「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能
力を育成することができる」こととしており、大学、短期大学で行われる教育活動は、
学術研究の成果を基盤とすることが本来的な目的とされ、その中において職業教育が
行われている。しかしながら、戦後の我が国における単線的な学校体系において、幅
広い職業教育を含む多様な機能を大学制度に期待した結果として、職業教育の意義や
位置づけが不明確になり、職業実践的な教育が十分に展開されてこなかったとの指摘
もある。
高等専門学校は、実践的・創造的な技術者を育成する高等教育機関として、高い就
職率や求人倍率など、優れた実績を上げ産業界から高く評価されているが、中学校卒
業者を対象として、「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成すること」
を目的とし、5年一貫教育を行う機関であり、その点において高等学校卒業者を対象
とした大学、短期大学とは性格を異にする。
○
専門学校は、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図
る」ことを目的としており、実務経験を主な基盤とした職業教育が盛んに行われてい
る。しかしながら、その制度的特性(設置主体の限定がない、設置運営等に関する法
令の定めがゆるやかである等)により、柔軟な職業教育が展開できる反面、その質の
担保の面で課題がある。
②
人材育成ニーズと高等教育機関が行う職業教育への期待の高まり
○
一方、我が国では、『新成長戦略』(平成22年6月18日閣議決定)に掲げられている
73
とおり、産業構造の変化に対応し、成長分野*1をはじめとして実践的な能力を有する
人材の育成が急務とされており、また、将来にわたって付加価値を創出し、持続可能
な成長を担っていく人材の育成が強く期待されている。さらに、質の高い人材の育成
・確保や人材育成のスピードが、我が国の経済発展や国際競争力、あるいは地域社会
の産業振興を決定する重要な要因となっている。
○
このような中、特に、社会経済環境の変化や技術の進展、生活様式の変化に伴い、
異なる分野の知識・技術等を統合・総合させて、ものづくりや商品・サービス等を生
み出していくことが求められる状況にあって、経済社会活動の基幹をなす中堅人材と
して活躍する、様々な職業・業種における実践的・創造的な職業人、あるいは卓越し
た知識・技能を有するいわば匠の人材を、高等教育機関が育成していく必要がある*2。
○
また、非正規労働者など職業能力育成の機会に恵まれない人々の増加や、企業の人
材育成投資の低下、さらには学習活動と職業生活の積み重ねにより経済成長を牽引す
る力を有する人材を育成していく重要性が指摘される中、高等教育機関が職業教育の
場として、積極的な役割を果たしていくことが期待されている。
③
職業実践的な教育に特化した枠組みの整備
○
上述のような、現在の高等教育における職業教育の位置づけ、また実践的な知識・
技能を有する人材の育成ニーズや高等教育機関が職業教育において果たす役割への期
待の高まりを踏まえると、高等教育における職業教育を充実させるための方策の一つ
として、職業実践的な教育のための新たな枠組みを整備することが考えられる。具体
的には、卓越した又は熟達した実務経験を主な基盤として実践的な知識・技能を教授
するための教員資格、教員組織、教育内容、教育方法等や、その質を担保する仕組み
を具備した、新たな枠組みを制度化し、その振興を図ることである。
○
このような職業実践的な教育に特化した枠組み(以下「新たな枠組み」という。)
が適切に整備されていくことは、各高等教育機関の特性に応じた職業教育の充実を促
し、これまで発展してきた大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の教育とあいま
って、高等教育機関全体として、職業教育システムを構築・充実していくための契機
となることが期待される。
(2)職業実践的な教育に特化した枠組みが考慮すべき4つの観点
○
我が国の現状においては、企業内教育や既存の高等教育機関の職業教育の充実に向
けた努力に期待するのみでは、必ずしも十分な対応がとれないと考えられる課題があ
る。具体的には、これまで述べてきた点も含み、下記に述べる4つが考えられ、新た
な枠組みの制度的な整備にあたっては、これらの課題に十分に対応できるような方策
を考慮する必要がある。
*1 『新成長戦略』では、「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」、「アジア経済」、「観光・地域」
を成長分野として掲げている。
*2 (株)三菱総合研究所「我が国の企業等における中堅人材の人材ニーズに関する調査研究」(平成22年2月)の
概要については、p170参照。
74
○
新たな枠組みは、職業に関する教育や生涯学習環境を充実するのみならず、これを
通じて、雇用・生活の安定や円滑な労働移動・経済の活性化に寄与するものとするこ
とが非常に重要である。企業が教育の成果に期待をしていないと言われる、教育と雇
用・労働、経済を巡る国家的損失ともいえる状況を打破し、社会全体の在り方を好転
させるきっかけの一つとして、新たな枠組みが役割を果たし、効果を発揮していくこ
とが期待される。
①
経済成長を支える「人づくり」への対応
○
我が国においては、新たな経済成長を支える「人づくり」を推進することが急務で
あり、社会全体で実践的な職業能力の育成に取り組む必要がある。具体的に育成を目
指す人材像としては、新たな成長分野をはじめとする各種分野において、たとえば、
次の二つが考えられる。
◇地域経済・産業振興に向けて
地域の強みを生かした産業・事業の創出・発展に関して、海外市場も対象に活躍
できる人材。
◇先進・創出を目指して
国際的にも高く評価されるような高度な専門的知識・技術を有する人材。
・優れた感性、斬新なアイデア、洗練・熟達した技能で、産業や企業の事業部門
の主力を担いリードしていく人材
・異なる分野の知識・技術等を統合させて、新たな事業手法やシステム等を考案
・導入し、ものづくりや商品・サービス等を創出する人材*1
○
このような人材の育成を行うにあたっては、特に、経済・産業界の動向・人材需要
を鋭敏に把握し、可能な限りこれに即応した教育を行うことを重視すべきである。新
たな枠組みについては、このような観点から、企業や経済団体・職能団体等と密接に
連携して、最新の実務の知識・経験に基づく実践的な知識・技能を教授していくこと
に重点を置く必要がある。
②
生涯にわたる学習活動と職業生活の両立
○
昨今の雇用慣行や労働情勢の変化をかんがみるに、人々が、学歴や新卒時の就職状
況にかかわらず、生涯にわたり、継続して学習活動と職業生活を交互に又は同時に営
みながら、職業能力を習得・更新・向上し、その成果が適正に評価され、就業や業種
転換、キャリアアップを図ることができる環境を充実する必要がある。この観点から、
教育機関が教育プログラムを開発・提供するにあたっては、次の二つの視点を念頭に
置くことが重要である。
◇職業への円滑な移行
若者や失業者、離職者、転職者の職業への円滑な移行
*1 本審議会の議論では、「ハードウェア・ソフトウェアの設計・開発」、「デジタルコンテンツの開発」、「電子制御・
ハイブリッドエンジン等の技術進歩に対応した自動車整備分野」、「バイオテクノロジー分野におけるソフトウェアを
用いた生命情報の処理」、「観光ビジネス、環境マネジメントなど、時代の変化に対応したビジネス実務分野」
、「知識
・技能の高度化・専門分化への対応が必要とされ、既に職業に就いている者に対して更なる教育プログラムの提供が
求められる分野」が例示として挙げられた。
75
・専門分野の基本的知識・技能の習得・更新
・労働者の権利・義務・責任の学び
◇職業能力の向上
就業者の新たな知識・技術の獲得・向上
・専門分野の高度な知識・技能の習得・更新、周辺分野・関連分野の知識・技能
の習得
・管理職や経営者等の態度・思考・行動・責任の学び
○
このような教育プログラムの提供にあたっては、人々が希望やライフステージに応
じて学びやすい仕組みを備えることが重要である。また、修得した職業実践力など学
習の成果が、学習者や企業等の外部者にも具体的にわかりやすい形で示されるなど、
評価されやすい工夫も必要である。併せて、政府が検討を進めているキャリア段位制
度(日本版NVQ)*1との連携を積極的に図っていくことも考慮すべきである。
③
教育の質の保証
○
中等教育後の高等教育段階に着目すると、実務経験に基づく職業実践的な教育を提
供する教育機関として、これまで、専門学校が大きな役割を果たしてきており、現在、
18歳人口の20%以上が進学している。専門学校は、設置主体の限定がなく、設置運営
等に関する法令の定めがゆるやかであるなど現行の制度的特性の下、多様な教育を行
っている。このため、教育の質の面で各学校ごとに相違があり、その実態が外部から
は見えにくいとの指摘もある。
○
このような現状を踏まえ、新たな枠組みを整備するにあたっては、その質を保証す
るための仕組みを備えることが重要である。その際、先に述べたとおり、新たな枠組
みは、経済・産業界の動向・人材需要に即応し、最新の実務の知識・経験に基づく実
践的な知識・技能を教授していく機動性が求められ、そうした要請に照らして、適切
に教育の質を確保することができる仕組みとすることが必要である。
④
進路選択の拡大と職業実践的な教育の適切な評価
○ 現在、我が国では、普通教育志向の進学者が拡大しており*2、この中には必ずしも
明確な進路意識・目的意識を持たないまま進学している者がいるとの指摘もされてい
る。
○
新たな枠組みを具体化していくことは、子どもや若者が自らの将来を考えていく上
で、また、保護者や教員などが、進路選択について助言を行っていく上でも、大きな
変化を与えるものになると考えられる。具体的には、新たな枠組みは、高等学校等卒
業後の進路として、また、生涯にわたる学習の場として、新たな道を開くことから、
子どもたちが早い段階から、自らの志向や希望を十分に考慮して様々な進路を考え選
*1 p83・84参照。
*2 高等学校については生徒の約72%が普通科、約23%が専門学科、約5%が総合学科に在籍し、また、18歳人
口の約78%が進学する高等教育段階については、うち約56%が大学・短期大学、約1%が高等専門学校、約20
%が専門学校という状況にある。
76
択し、その後も人生の時々で、学習目的に合う教育機関を選択・活用していく意識・
行動を高めるものになると期待される。
○
また、高等教育における職業教育は、学術研究の成果を主な基盤とする場合や、職
業実践的な知識・技能を主な基盤とする場合などがあるが、新たな枠組みの具体化を
通じて、これらが同等に評価される社会の形成・発展にもつながると考えられる。
○
このような進路選択の拡大や職業実践的な教育の適切な評価は、人々が希望やライ
フステージに応じて、様々な学習の場を活用しながら、職業生活や人生を重ねていく
ことができる、生涯学習社会の確立・発展においても大きな意義を有するものである。
ひいては、多様な能力を有する人々が協働し活躍する、創造力と実践力の高い社会の
実現へとつながっていくことが期待される。
(3)職業実践的な教育に特化した枠組みの構想
○
新たな枠組みの具体化を進めるにあたっては、前記(2)の観点に基づき、今後さ
らに、詳細な検討が行われることが望まれるが、現段階までに検討してきた構想の概
略は以下のとおりである。
○
なお、今後の検討については、新たな学校種の制度を創設するという方策とともに、
既存の高等教育機関において新たな枠組みの趣旨を生かしていく方策も検討すること
が望まれる。また、その際、ものづくり分野における中核的人材、中小企業や地域に
おける人材の育成を担っている職業能力開発大学校等の公共職業能力開発施設や、各
省の設置法等に基づき設置されている各省大学校などとの関係についても十分考慮す
ることが必要である。
1.目的と特徴
卓越した又は熟達した実務の知識・経験に基づく専門的かつ実際的な知識・技能を
教授し、職業に必要な実践的な能力を育成することを目的とする。
また、企業や経済団体・職能団体等と密接な連携を図り、個人が生涯にわたり継続
して学業生活及び職業生活を交互に又は同時に営むことを支援する学習環境を整備す
ることや、最新の実務の知識・経験を教育内容・教育方法に反映した教育を実施する
ことが担保されることが望まれる。
2.修業年限
修業年限については、分野の特性や対象者等に応じ、2~4年の範囲内で柔軟に設
定することが考えられる。
また、生涯学習環境の整備の観点から、就業者等の学びやすさを考慮すると、基本
課程(仮称)2年と上級課程(仮称)1~2年とする方法や、修業年限の弾力化、長
期にわたる教育課程の履修を認めることなども考えられる。
3.教育課程、授業方法
教育課程については、企業や地域・全国を単位とする経済団体・職能団体等との連
77
携により、教育課程を編成・改善する組織体制を確保することが重要である。
授業方法については、職業実践的な演習型授業(実験・実習・実技等)を一定程度
(たとえば、おおむね4~5割程度)行うことが想定される。
特に、産業界や職業人が求める知識・技能や最新の実務を的確に反映した教育を行
うため、企業等が学習活動に関わり、学習者と企業等が、相互理解を深められる学習
機会(企業内実習、企業参加の学内実習活動等)を設定することが重要である。
4.修了認定方法・卒業要件
修了認定方法については、生涯学習環境の整備の観点から、就業者等の学びやすさ
を考慮すると、学年制ではなく、単位制やモジュール制*1を基本とすることが妥当と
考えられる。
なお、成績評価の表示方法は、学生が修得した技能が具体的にわかる方法を採り入
れることが望まれる。
5.称号等、他の高等教育機関との接続
修了した者の能力を対外的に徴表するものとして、何らかの称号などを称すること
ができることとする必要がある。その際、我が国の高等教育制度の発達の経緯や現在
の枠組みに留意するとともに、諸外国の実状も参考にしながら、職業教育の学習の成
果を徴表するものとして何が適切であるのか、検討が進められることが望まれる。
また、学習者が、その希望やライフステージに応じて様々な進路を選択できるよう、
他の高等教育機関との接続(編入学、進学)が適切に確保されるよう、検討すること
が必要である。
6.教員資格、教員組織等
教員資格については、実務卓越性を重視し、併せて、指導力を求める。教育経験等
のない者は、採用後一定期間の研修や指導力認定資格の取得を必要とするなどの措置
を講じる必要がある。
教職員の組織体制については、分野の区分ごとに教育上の基本となる組織を置き、
教育上適当な教員組織等を備えることや、教育の実施に当たり、教員の適切な役割分
担の下で、組織的な連携体制を確保し、教育に係る責任の所在が明確になるように教
員組織を編成することが求められる。
また、就職・進路指導、学生支援のための組織体制や必要な事務組織を確保するこ
とが必要である。
7.自己点検・評価、第三者評価
教育の質を担保するためにも、教育等の状況について自ら点検及び評価を行い、そ
の結果を公表することが求められる。
また、第三者評価については、産業界等の関与を十分に確保しつつ、新たな枠組み
に適した基準・方法等を構築することが望まれる。評価の観点は、例えば、教育活動
を行う上での組織運営のシステム・体制の妥当性や、目的に応じた教育の成果(就業
*1 一授業科目の履修毎に単位を付与し、一定の学修のまとまり(数ヶ月相当の学修)毎に修了認定する仕組み。(修
業年限以上在学し、)全まとまりを修了すると卒業となる。
78
状況等)など、職業実践的な教育に適したものとする。
8.名称、設置者
職業実践的な教育に特化した高等教育段階の枠組みとして、ふさわしい名称を検討
する必要がある。
設置者は、国、地方公共団体及び学校法人とすることが適当である。
○
上記のほか、具体的な制度の設計に当たっては、現行の高等教育制度の枠組みやそ
の考え方を踏まえながら、所轄庁による設置認可や監督の在り方、教職員の人員規模
や必要な施設設備・校地面積の水準等を含む設置基準の在り方、新たな枠組みを整備
普及するための方策の在り方、新たな枠組みの活用に対するニーズなど、多様な事項
やこれに関わる課題を検証する必要があると考えられる。今後、高等教育関係者や学
習対象者、産業界を含む各界の意向などを踏まえて、その具体化について、詳細な検
討が進められることを望む。
5.学校種を通じた職業教育の充実のための方策・質保証の在り方
○
経済・社会情勢がめまぐるしく変化する中で、高等教育機関には、我が国の産業や
社会をしっかりと支えていく人材を育成することがこれまで以上に期待される。この
ような要請にこたえるため、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校における職業
教育に係る優れた取組等を支援する仕組みなどを検討する必要がある。
○
雇用システムの変化や少子高齢化の進展を背景とした労働力人口の減少等を背景
に、就業形態が多様化し、労働力の流動性が高まることが予想される。このような社
会において、職業教育の質の保証・向上を図るため、必要とされる職業能力の明確化
とともに、その能力修得のために必要な学習・教育内容を明確化・体系化し、そのよ
うな教育プログラムを評価し質の保証を図るためのシステムの構築が必要である。こ
のような職業教育評価システムの構築が、後に述べるような、職業に必要な能力とそ
の能力を身に付けるための教育や訓練のプログラムをつなげる枠組みの構築につなが
る上でも重要である。
79
Ⅵ
生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の充実
1.生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の必要性
○
第2章のキャリア教育・職業教育の基本的方向性で示したように、学びたい者が、
いつでも、社会・職業に関して必要な知識・技能等を学び直したり、更に深く学んだ
りすることにより、職業に関する能力の向上や職業の変更等が可能となるよう、生涯
学習の視点に立ち、キャリア形成支援の充実を図ることが必要である。
○
学校におけるキャリア形成の支援を必要とする者としては、学校から社会・職業へ
生活が移行した後、更に必要な知識・技能を身に付けたい者等が考えられ、こうした
学習に関するニーズがある。
○
また、中途退学者や無業者など、学校から社会・職業への移行が円滑に行われなか
った者や、その後、早期離職等により職業生活からいったん離れてしまった者が考え
られる。このような者は、その後進学や就職をする者も含め、平成19年度から平成
21年度の各種調査から推計すると、前期中等教育段階から約2万人、後期中等教育
*1
段階から約26万人、高等教育段階から約43万人存在するとみられる 。
○
このような状況を踏まえ、生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援の在り方につ
いて、学校から社会・職業に移行した後の学習に対する支援及び中途退学者や無業者
などのキャリア形成のための支援の観点からの検討が必要であり、このようなニーズ
にこたえるために学習機会を充実させていくことが必要である。
2.学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援方策
○
科学技術の進展や急速な技術革新、社会・経済の急激な変化と多様化・複雑化・高
度化、グローバル化等を受け、社会において職業を遂行する上で必要な知識・技能が
高度化しており、これに対応するための学習ニーズが高まっている。このような学習
ニーズとしては、既に職業に就いている者が職業上求められる専門性を身に付けるた
めの学習が考えられる。
このほか、社会・職業に移行した後の学習としては、これまでと異なるキャリアの
選択のために新しい専門性を身に付けるための学習や、出産・子育てなどにより一定
期間就業を中断した後に、職業に復帰するために必要な学習などが考えられる。
○
特に、流動性の高まった労働市場においては、学びたい者がいつでも学ぶことがで
き、必要な能力を身に付けることにより、職業生活の維持・向上や、新たな就業が可
能となるよう、学習者のニーズや地域・社会の要請に応じ、例えば大学・短期大学、
高等専門学校、専修学校など、多様な場や機会を通じて、多様な教育プログラムが提
供されることが期待される。
特に、大学については、依然として18歳頃から20歳代前半の若者が主たる対象
であるが、現在及び今後の労働環境や社会状況の変化を見据えるならば、年齢を問わ
*1
各学校段階における卒業者・中途退学者の状況については、p172参照。
80
ず、社会人等の多様なニーズを持つ者を対象とする教育機関として、生涯学習社会の
推進に大きな役割を果たしていくことが強く求められる。
○
学校においては、特に各高等教育機関を中心に、これまで、社会人のリカレント教
育や生涯学習の機会の提供を目的として、保有する資源を活用し、社会人の再教育や、
再就職等のための学習に資するような、職業に関する能力の向上等を図るための教育
の取組が進められてきた*1。
○
高等教育機関における社会人の学習を形態として見た場合、社会人学生として正規
の課程に入学しての学習や、科目等履修生*2としての学習、短期の教育プログラムへ
の参加による学習、公開講座への参加による学習などがある。
大学・大学院等における社会人の入学者数や、科目等履修生制度の利用者数はほぼ
横ばいであり*3、その背景には、職業生活と学習の両立のための費用や学習時間の確
保や、提供されているカリキュラムの内容、雇用者の理解などの課題があると考えら
れる*4。
特に、我が国では、大学入学者のうち25歳以上の者の割合は、OECD平均では
約21%であるのに対し、約2%にとどまっている。今後、高等教育機関は、社会の
成長や経済の活性化を支える知的資本として、成人層の能力を向上するための学習機
会を提供するという社会人の受入れ促進の要請にこたえる取組が広く行われることが
期待される。
○
このような点を踏まえ、高等教育機関においては、
・ 社会人の多様な学習動機にこたえる魅力ある教育プログラムの提供
・ 社会人が学びやすい学習環境の整備
- 夜間・休日における授業の開講や、集中講義形式の授業の提供
- 情報通信技術等を活用した柔軟な学習形態の提供
- 専門学校における「通信制」
、「単位制」の制度化
- 標準修業年限の弾力化
・ 社会人の学習に係る経済的負担の軽減
等の取組を進めることが期待される。
○
なお、学校から社会・職業へ生活が移行した後に高等教育機関で学習するに当たっ
ては、働きながら学べる環境作りが必要であり、その際には、学校側の取組の充実だ
けではなく、企業等の理解・協力が必要であることはいうまでもなく、学校での学習
がより円滑に進むような企業側の取組も期待される。
3.中途退学者や無業者などのキャリア形成のための支援方策
○
中途退学等により学校教育を離れてしまった者は、その理由や原因は様々であるが、
未就業の状態が長期化する者や、非正規雇用の職に就いている者が多いとの指摘があ
*1
*2
*3
*4
各高等教育機関における実践例については、p210~216参照。
科目等履修制度の概要については、p174参照。
大学・大学院等における社会人入学者数等の推移については、p170~172参照。
職業能力開発総合大学校能力開発センター調査報告書 No.128(平成17年3月)
81
る*1。このような者は、社会的・職業的自立に困難を抱えている状況にあるのではな
いかと考えられる。
○
また、社会・職業に円滑に移行できない者は、時期により増減はあっても、個人の
能力にかかわらず、社会・経済の様々な状況によってある程度の人数は存在するもの
として考える必要がある。
○
これらを踏まえ、人生の中でいつでも仕事に就くことに挑戦できるような社会的な
仕組みが必要と考えられる。その中では、仕事に就くために必要な教育プログラムを
提供するなど、学校に今後期待される役割は極めて大きいものと考えられる。
○
高等学校においては、中途退学者のその後の実態の把握に努めることが必要である。
中途退学者であっても、復学やほかの高等学校等への再入学を希望したり、高等学校
卒業程度認定試験を目指したりする者も多い*2。このような者のキャリア形成に関し
て、学校は進路等の適切なカウンセリングなどの追指導を通して、可能な限り支援を
行っていくことが必要である。その際、地域の他の高等学校や専修学校高等課程等の
情報を十分収集することが望ましい。
○
また、中学校や高等学校と教育委員会においては、卒業後、進学も就職もしていな
い無業者に対して、進路等の相談に応じること*3や、就職に必要な知識・技能等を習
得する機会を提供すること*4などの支援を行っている事例がみられ、このような卒業
後に支援が必要な者に対する取組が期待される。
○
専修学校においては、公共職業訓練とも連携し、若年無業者等向けに職業的自立の
ための基礎的な技能を身に付けさせる講座等を開設してきており、また、特に高等課
程においては、不登校や中途退学を経験している生徒等の受入れに対応してきている。
子どもや若者の自立を支援していく上で専修学校が果たしてきた役割についても、よ
り重視していくことが必要である。
○
高等教育機関においては、学校の保有する資源を活用し、対人関係に課題を抱える
など様々な理由により定職・学籍を持っていない若年者層を対象とした教育プログラ
ムの提供及び就職支援の取組が実施されており*5、このような取組の充実が期待され
る。
○
子ども・若者育成支援推進法の成立など、社会全体で若者の自立を支援していこう
とする動きも踏まえつつ、学校や教育委員会等の教育関係機関は、労働関係部局や公
共職業安定所(ハローワーク)、地域若者サポートステーションなどの若者の社会的
*1 中途退学後の就業状態の類型については、p102参照。
*2 平成21年度の高等学校卒業程度認定試験合格者のうち、最終学歴が高等学校中退である者は、全体の約63%を
占めている。
*3 例えば、茨城県教育委員会では、設置する各高等学校のホームページ上において、進路相談窓口を開設している。
*4 進路が決まっていない新規高等学校卒業者に対し、教育機関を活用して職業教育の場を提供している事例について
は、p217参照。
*5 各高等教育機関における実践例については、p218・219参照。
82
・職業的自立を支援する機関等との連携を図り*1、社会的・職業的自立への総合的な
支援を推進することが必要である。
また、社会教育施設などにおいて、相談や情報提供を行うなど*2、支援の必要な者
に対して学習の機会が提供されるようにしていくことも必要である。
○
なお、学校を卒業後、無業者となるおそれのある者に対しては、学校卒業以前の指
導から卒業後にかけての継続した支援が必要であるとともに、卒業後に支援を行うこ
とのできる機関と適切に協力していく取組が期待される。
4.職業に関する生涯にわたる学習を支える基盤の形成
○
社会において、職業に関する学習が生涯にわたり行われるようになるためには、そ
の基盤として、様々な職業に就くために必要な知識・能力等と、その知識・能力等を
修得するために必要な学習内容が明確化されていることが重要である。また、職業・
労働市場が流動化し、様々な知識や人が異動する社会においては、それぞれの知識・
能力等や学習プログラムについて、その質が保証・明確化されるとともに、その相互
の関係が体系化・明確化されていることが必要である。また、このような動きと合わ
せて、職業資格の国際化等の動きにも目を向けておく必要がある。
○
このため、諸外国においては、例えばイングランドの「全国資格枠組み(National
Qualification Framework(NQF)
)」のように、様々な分野の職業知識・能力等を
段階的に可視化し、段階に応じて必要な教育プログラムの内容等を明らかにした枠組
みを構築している国などもある*3。
○
我が国においても、職業に関する学習が生涯にわたり行われ、学習成果が職業生活
で適切に評価されるような社会の構築に向け、諸外国と我が国の状況の違いを考慮し
つつ、このような取組も参考にし、職業に必要な知識・能力等と、その知識・能力等
を修得するために必要な学習内容の明確化や、学習内容の質の担保、職業に必要な能
力に着目した雇用といった要素が一体的に機能するような、職業に必要な能力とその
能力を身に付けるための教育や訓練のプログラムをつなげる枠組みの構築に向けた取
組を進めることが必要である。
○
現在、政府の取組として、成長分野における新しい職業能力評価・育成プログラム
*4
である実践キャリア・アップ制度 の構築が進められている。具体的には、職業能力
を客観的に評価する「キャリア段位」制度(日本版NVQ)を導入し、大学・専門学
校等との教育システムと結びつけることを目指すものであり、当初の取組として、①
介護人材、②省エネ・温室効果ガス削減等人材、③6次産業化人材を対象に制度を導
入すべく、目下、検討が進められている。
*1 学校・教育委員会と地域若者サポートステーションが連携している事例については、p220参照。
*2 図書館において職業に関する情報を提供している事例については、p221参照。
*3 イギリス(イングランド)における職業資格と学位等の資格枠組みについては、p176・177参照。
*4 実践キャリアアップ制度の推進は、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)に基づき、内閣府、文部科学省、
厚生労働省、経済産業省等の各関係府省が連携して取り組むこととされている。
83
○
今後、様々な分野・業種でこのような取組が推進され、求められる職業知識・能力
等と、その習得に必要な学習内容が、学習者に対してわかりやすく示されるとともに、
学習成果が就業や社会参画の場面において適切に評価されるための社会的指標となる
ような枠組みの構築につながっていくことが強く期待される。
84
Ⅶ
キャリア教育・職業教育の充実のための様々な連携の在り方
1.連携の基本的な考え方
○ 教育基本法第13条においては、「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教
育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努める
ものとする」と定めるとともに、教育振興基本計画においては、基本的考え方の一つ
として、
「横」の連携、すなわち、教育に対する社会全体の連携の強化を挙げている*1。
○
キャリア教育は、一人一人の生き方にかかわり、自己と働くこととの関係付けや価
値付けを支援する教育であり、キャリア形成には、一人一人の成長・発達の過程にお
ける様々な経験や人との触れ合いなどが総合的にかかわってくる。
○
教育基本法や教育振興基本計画の考え方の下、キャリア教育を十分に展開するため
には、学校が家庭や地域・社会、企業、職能団体や労働組合等の関係機関、NPO等
と連携することが必要不可欠である。このように、学校と様々な者がパートナーシッ
プを発揮して、互いにそれぞれの役割を自覚し、一体となった取組を進めることが今
後ますます重要になっている。
○
また、職業教育については、一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技
能、能力や態度を育てるという性質や、地域によって産業や雇用の状況、人材ニーズ
等が大きく異なることなどから、
「地域の人材は地域で養成する」という観点に立ち、
地域の企業や関係機関等との密接な連携の下に行われることが不可欠である。地域の
企業等との連携した職業教育の充実は、近年大きな課題となっている地域の自立や活
性化の観点からも大きな意義を有するものであり、地方公共団体等の積極的な対応が
求められる。
2.地域・社会との連携
○
子どもに仕事や職業を認識させるためには、社会や仕事・職業について実感を持っ
て理解させることが必要である。
○
しかし、教員が社会に存在する多くの仕事について実感を持って指導することは困
難な場合がある。また、社会が多様化・複雑化する中で子ども・若者の自立を支援し
ていくためには、雇用や福祉などについての一定の知識や経験を持っている者と協同
してかかわることが望ましい場合もある。地域・社会の様々な立場の方々の中には、
社会人・職業人としての知識や経験の豊富な方が数多くおり、学校の教育活動に様々
に参画していただくことが不可欠な要素である。
○
このような活動は、現在でも既に多様な形で行われている。その方法は大きく分け
*1 教育振興基本計画では、「地域住民や企業等も受け身的な立場にとどまることなく、社会の一員として教育に責任
を共有するとの認識の下、学校運営や教育活動に積極的に協力し、参画することなどが期待される」としつつ、「社
会の多様な主体が多様な形態で教育にかかわることは、働くこと、社会とつながり、社会に参画することの意義につ
いて身をもって子どもたちに示し、将来に向けてその視野を広げることにもなる。」としている。
85
て、卒業生や社会人の講話、グループに分かれての話し合い、知識や技能をいかした
授業などの学校内で行われる教育活動に参加する方法と、インタビューや対話、ジョ
ブシャドウ、職場見学、職場体験活動・就業体験活動など、子ども・若者が企業や地
域・社会に出向いて実際の人や仕事に触れさせるという方法がある。
○
各学校は、その目的や期待する効果等をあらかじめ明確にし、それを地域・社会に
対して説明するとともに、外部に任せきりにすることにならないよう、各学校の教職
員が主体的にかかわることが必要である。その際、地域・社会に対しては、学校教育
への様々な支援方法があることを提示しつつ、協力を仰いでいくことなどが望まれる。
また、学校における活動への地域・社会の協力を促すための拠点整備等、施設面での
対応も重要である。
○
この協力の方法の一つとして、地域・社会の人々のボランティアが考えられるが、
このような地域・社会の人々の「志」をいかしていくためには、例えば、小・中学校
における学校支援地域本部や放課後子ども教室等の学校・家庭・地域の連携・協力の
下に行われる教育活動の中でも取り組まれることが望まれる。
○
特に、若者に関する支援等については、様々な専門知識や経験に基づく知識、地域
や状況等に応じた多様な手法、個々の状況に応じたきめ細かな対応など、NPO等の
団体など多様な主体による支援等が期待され、また展開されている。キャリア教育や
職業教育についても、このような実績のあるNPO等の団体との連携も考えられ、ま
た期待される。
3.産業界等との連携
○
キャリア教育・職業教育を進める上では、地域・社会と並んで、経済団体等の産業
界等、学校、行政のそれぞれの役割を踏まえた連携・協力も極めて重要である。
○
産業界等との連携については、例えば、職場体験活動や就業体験活動に見られるよ
うに、学校からは「受入先の確保が困難」という課題が多く挙げられる一方、企業か
らは教育支援活動を行わない理由として「学校側から企業への支援要望がない」とい
うことが最も多く挙げられている調査があるなど*1、その調整に課題がある場合が多
く見られる。
○
現状では、連携を図る上で学校ごとに調整を図る場合が多いと思われるが、このよ
うな課題に対処する方法として、経済団体やPTA、校長会、自治会、職能団体や労
働組合等の関係機関、NPO等の協力を得て協議会を設置するなど、地域・社会で取
り組んで円滑に進めている事例があり*2、学校種を越えて地域の学校と地域・社会や
産業界との効果的な連携の促進も期待される。少なくともこのような取組を各地域・
社会で構築していくことが必要である。また、都道府県レベルの中学校・高等学校の
校長会における進路指導・キャリア教育を担当する委員会・部会等が中心となって、
各学校と地域・社会や産業界等との連携を調整することも効果的と考えられ、このよ
*1
*2
企業が教育支援活動を行わない理由については、p179参照。
協議会等の設置により、キャリア教育・職業教育を円滑に進めている事例については、p222・223参照。
86
うな取組も期待される。
○
さらに、学校と企業等との調整(コーディネート)を図る人材として、例えば、中
学校や高等学校に担当する教職員を配置することや、教育センターや教育事務所など
に専任の職員を配置すること、上記に示した協議会に担当の職員を配置することなど
により、学校外の教育資源との連携・協力に対する助言や、具体的な調整を図ること
ができると考えられる。実際にも、企業関係者等を教育委員会が委嘱して学校に派遣
したり、あるいは、キャリア教育に関する支援員として学校に配置したりして、これ
らの人材が就業体験活動の受入先の調整等を行うといった事例が見られており、この
ような取組が一層推進されることが望まれる。なお、その際には、へき地などの地域
の事情等にも配慮することが望まれる。
○
職業教育については、設置者や各学校が、地域・社会や産業でどのような知識や技
能、能力を持った人材が必要とされているのかを把握し、在学時から地域の企業等が
協力して生徒・学生の能力を高めていくことが、学校から社会・職業への円滑な移行
の点からも効果的であると考えられる。将来の地域の産業・社会を担い発展させるこ
とができる人材を育成するため、地方産業教育審議会等の機関を活用・活性化し、地
域の人材需要と各学校の人材育成との関連を図ることが期待される。
○
多くの大学等においては、企業等と連携し、学生・生徒が実際に職場に赴き就業体
験活動を行うインターンシップが行われている*1。これらは、主として就職体験や職
業意識の形成を目的に行われており、学生・生徒が、自らの専攻や将来希望する職業
に関連した職場で業務を体験することを通じて、労働への意欲・態度を高めるととも
に、必要とされる専門的知識・技能や職場に関する理解を深めて、自己の適性や志向
に照らし具体的に進路を考える機会として、大きな役割を果たしている。
○
一方、これらのインターンシップは、実施期間が3週間未満のものが約9割を占め
ており、キャリア教育としての意義は大きいものの、職業教育としては必ずしも十分
とはいえない状況にある。今後は、特に高度専門人材の育成を中心として、既に一部
の大学院で実施されているように、大学等と企業・学会等が協同して、企業等での活
動を数か月程度組み込んだ教育プログラムを開発し、専門技能の向上や現実問題に対
応する課題設定力の育成、企業活動全体の中で自らの専門の位置付けを理解すること
など、より実践的・具体的な教育目的を有した活動へと発展していくことが期待され
る。
また、産業構造・就業構造や人材需要は、地域によって大きく異なることから、地
域の産業界、自治体、NPO等と複数の大学等が連携して、地域の人材育成の需要に
対応した教育プログラムの開発等を行う体制を強化するなど、職業教育における産業
界等との一層の連携・協力が望まれる。
○
さらに、キャリア教育・職業教育の振興に協力する企業等については、顕彰などに
より学校に協力しやすい環境づくりを進めていくことも必要である。
*1 授業科目として位置付けてインターンシップを行っている大学等:大学約67.7%、短期大学約43.6%、高
等専門学校100%(平成19年度)。実施率や体験者数の割合の推移、他の学校種の実施状況については、p12
2参照。
87
○
昨今、新規大学卒業生を中心とした就職採用活動の早期化・長期化は、学生が学校
教育を十分に受ける機会を妨げているといった問題点が指摘されている。学校におい
て、仕事や職業に必要な力や自分自身のキャリアを形成していくことができる力をし
っかりと身に付けることは、企業及び学生・生徒の双方にとって当然に望まれること
であるから、企業及び学生・生徒の双方にとってよりよい就職採用活動の実現に向け
て、多くの企業が、適正な採用活動に関する規範を自ら宣明し、遵守することを期待
したい。
4.学校間や異校種間の連携
○
一人の人間の成長を考えた場合、小学校から中学校、中学校から高等学校などの学
校間の移行には連続性があり、このような発達段階に応じた体系的なキャリア教育の
充実を図るためには、学校種間の円滑な連携・接続を図ることが重要である。
○
各学校は、異なる学校種の活動についての理解を深め、その理解を前提とした系統
性のある指導計画を作成することが必要である。また、子ども・若者一人一人の発達
の状況を的確に把握し、それに対するきめ細かな支援を行うためには、児童生徒のキ
ャリアの発達に関する情報を次の学校段階に引き継いでいくことが必要である。
○
学校間の連携については、例えば、高等学校において、生徒の興味・関心、進路希
望等に適切に対応するためには、各学科の教育力をいかした協力や先進的な取組の共
有などが必要であり、学校間連携の充実や教育委員会による取組の検討が必要である。
5.家庭・保護者との連携
○
家庭は、子どもたちの成長・発達を支え、自立を促す重要な場であり、働くことに
対する保護者の考え方は、子ども・若者のキャリアの発達に大きな影響を与える。保
護者が、子どもに働く姿を見せたり、子どもと働くことの大切さについて話し合った
りすることを通じて、子どもは多くのことを学ぶことができることから、家庭におけ
る働きかけは極めて重要である。
○
また、キャリア教育を進めるに当たり、各学校は、このような家庭・保護者の役割
やその影響の大きさを考慮し、家庭・保護者との共通理解を図りながら進めることが
重要である。その際、各学校は、保護者が子どもの進路や職業に関する情報を必ずし
も十分に得られていない状況などを踏まえて、産業構造や進路をめぐる環境の変化な
どの現実に即した情報を提供して、子どもに働きかけることなどについても、共通理
解を図ることが必要である。
○
保護者が学校の取組を理解し、学校と一体となって子ども・若者の成長・発達を支
えていくことはますます重要になっている。キャリア教育に関する学校の活動に対す
る保護者の協力としては、例えば、職場体験講座などにおいてPTAの会員(保護者)
が子どもたちに講話を行う実践などが行われており、大きな教育効果をもたらしてい
る場合も多い。学校から保護者に積極的に働きかけるとともに、保護者が自らの社会
88
人・職業人としての経験等をいかして学校の活動に協力することが期待される。
○
家庭においても、例えば、小さいころには家事の分担をさせたり、成長に応じて、
ボランティア活動や公民館の活動、地域行事等へ参加させたり、様々な職業生活の実
際や仕事には苦労もあるがやりがいや達成感もあることを感じ取らせたりすることな
ど、子どもの自立を促すために家庭でできることの実践を勧めたい。
また、保護者自身の、働く姿だけでなく、ボランティア活動や地域行事等に参加す
ることなど社会へ参加する姿が、子どもに対して将来の生き方を考える上での有益な
影響を与えることにつながるとも考えられ、こうした保護者の活動も望まれる。
6.関係行政機関との連携
○
国においては、「産学人材育成パートナーシップ」のように、産業界との対話によ
り大学と産業界が協働して解決すべき課題等を検討していくことも必要であり、例え
ば、職業能力の開発・向上の促進等を担う厚生労働省や、企業やNPO等の民間主体
の組織・人材の育成等を担う経済産業省等の関係府省間での連携・協力を図ることが
必要である。
89
90
名目GDPに占める産業別割合の推移
経済のサービス化の進展など産業構造が変化
経済のサービス化の進展など産業構造が変化
100%
その他
13.8
80%
16.1
15.7
17.1
19.6
20.6
20.7
サービス業
運輸・通信業
60%
不動産業
金融・保険業
40%
卸売・小売業
電気・ガス・水道業
建設業
20%
27.1
27.3
25.9
22.2
21.3
20.6
20.7
製造業
農林水産業
0%
昭和55
60
平成2
7
12
17
18
(年)
資料:内閣府「国民経済計算」
産業別就業者数及び構成割合の推移
第1次産業は大幅に減少。第2次産業は増加傾向から減少に転じている。
第1次産業は大幅に減少。第2次産業は増加傾向から減少に転じている。
第3次産業は一貫して上昇傾向。
第3次産業は一貫して上昇傾向。
4,500
万人
100%
昭和30年
昭和40年
昭和50年
昭和60年
平成7年
平成17年
4,000
3,500
80%
35.5
43.7
51.8
57.3
61.8
67.2
3,000
60%
23.4
2,500
2,000
31.5
40%
34.1
1,500
33.1
20%
31.6
41.1
26.1
1,000
24.7
13.8
500
9.3
0%
昭和30年
40
50
60
6
4.8
平成7年
17
0
第1次産業
第2次産業
第1次産業
第3次産業
第2次産業
第3次産業
分類不能の産業
資料 総務省統計局「国勢調査」
91
職業別就業者数及び構成割合の推移
農林漁業作業者が大幅に減少。専門的・技術的職業従事者、サービス職業従事者が一貫して上
農林漁業作業者が大幅に減少。専門的・技術的職業従事者、サービス職業従事者が一貫して上
昇傾向。生産工程・労務作業者はかつて大幅に上昇したが、近年は減少。
昇傾向。生産工程・労務作業者はかつて大幅に上昇したが、近年は減少。
2,000
万人
100%
昭和30年
昭和40年
昭和50年
昭和60年
平成7年
平成17年
1,800
1,600
24.8
30.9
31.8
31.3
29.8
28.3
4.3
4.5
4.0
3.7
5.9
3.4
4.8
7.8
10.0
15.2
14.5
18.9
19.3
4.1
2.4
10.6
12.5
13.8
60
平成7年
17
80%
2.7
1,400
1,200
60%
9.2
13.8
1,000
24.5
40.6
800
7.1
6.5
40%
14.5
600
5.8
400
5.0
13.3
11.7
17.7
20%
200
16.7
10.6
13.1
分 類 不 能 の職 業
生 産 工 程 ・労 務 作 業 者
運 輸 ・通 信 従 事 者
農林漁業作業者
保安職業従事者
サ ー ビ ス職 業 従 事 者
販売従事者
事務従事者
管理的職業従事者
専 門 的 ・技 術 的 職 業 従 事 者
0
8.2
0%
2.9
5.5
2.1
4.8
昭和30年
40
4.0
4.3
7.6
50
専門的・技術的職業従事者
事務従事者
サービス職業従事者
農林漁業作業者
生産工程・労務作業者
管理的職業従事者
販売従事者
保安職業従事者
運輸・通信従事者
分類不能の職業
資料 総務省統計局「国勢調査」
産業別労働者の過不足状況判断(D.I.)
平成22年2月現在では、医療・福祉、運輸業・郵便業、金融業・保険業などの業種で労働者
平成22年2月現在では、医療・福祉、運輸業・郵便業、金融業・保険業などの業種で労働者
が不足。情報通信業や製造業で労働者が過剰
が不足。情報通信業や製造業で労働者が過剰
60
50
︵
30
医療、福祉
︶
不
足
40
20
運輸業、郵便業(運輸業)
10
金融業、保険業
生活関連サービス業、娯楽業
0
16年
︵
-10
︶
過 -20
剰
-30
17年
18年
19年
20年
21年
調査産業計
建設業
製造業
情報通信業
運輸業、郵便業(運輸業)
卸売業、小売業(卸売・小売業)
金融業、保険業
不動産業、物品賃貸業
宿泊業、飲食サービス業(飲食店、宿泊業)
サービス業
22年調査産業計
情報通信業
製造業
-40
(注)・常用労働者の数値。
・「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の
割合を差し引いた値。
・日本標準産業分類の改定(平成19年11月)に伴い、平成21年調査から新産業分類に基づき、産業
分類を変更したため、一部、平成20年11月調査と平成21年2月調査とは接続しない。(点線部)
92
資料:厚生労働省「労働経済動向調査」
職種別労働者の過不足状況判断(D.I.)
職種別では、平成22年2月現在、サービスや運輸・通信、専門・技術の職種が不足。事務職
職種別では、平成22年2月現在、サービスや運輸・通信、専門・技術の職種が不足。事務職
や管理職が過剰。長期的には、専門・技術職が不足傾向
や管理職が過剰。長期的には、専門・技術職が不足傾向
50
専門・技術
40
︵
︶
不
足
30
20
サービス
10
0
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
-10
事 務
︵
管 理
専門・技術
事 務
販 売
サービス
技能工
運輸・通信
単純工
︶
過 -20
剰
-30
技能工
単純工
-40
(注)・常用労働者の数値。
・「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の
割合を差し引いた値。
資料:厚生労働省「労働経済動向調査」
雇用形態別雇用者数の推移
非正規の職員・従業員の数・割合は増加傾向にある。
非正規の職員・従業員の数・割合は増加傾向にある。
(万人)
6,000
4,780
5,000
4,903
5,007
5,088
3,999
655
881
(20.2%)
5,159
非正規の
職員・従業員
4,369
4,000
5,174
1,001
1,273
(20.9%)
(26.0%)
1,633
(32.6%)
1,677
(33.0%)
1,732
(33.5%)
1,760
(34.1%)
(16.4%)
3,000
正規の
職員・従業員
2,000
3,343
3,488
3,779
3,630
(83.6%)
(79.8%)
(79.1%)
(74.0%)
昭和60
平成2
7
12
3,374
3,411
3,441
3,399
(67.4%)
(67.0%)
(66.5%)
(65.9%)
17
18
19
20
1,000
0
※平成12年までは「労働力調査特別調査」(2月調査)、平成17年以降は「労働力調査詳細集計」(年平均)
資料 : 総務省 「労働力調査」
93
若年者の失業率、非正規雇用率の推移
若年者の失業率は、平成15年まで増加傾向。その後、減少傾向に転じたが、再び増加。全年
若年者の失業率は、平成15年まで増加傾向。その後、減少傾向に転じたが、再び増加。全年
齢の平均と比べて若年者は高いことが特徴。非正規雇用率は、40歳前後と比べて、20歳前
齢の平均と比べて若年者は高いことが特徴。非正規雇用率は、40歳前後と比べて、20歳前
後の上昇の幅が大きく、近年は、全体として上昇したまま横ばいの傾向
後の上昇の幅が大きく、近年は、全体として上昇したまま横ばいの傾向
(%)12
40(%)
15∼24歳
25∼34歳
失 10
業
率
8
非
正
規
雇
用
率
30
15∼24歳
︵
25∼34歳
25
全年齢
︵
6
20
棒
グ
ラ
フ
15
4
2
︶
10
︶
折
れ
線
グ
ラ
フ
35
35∼44歳
5
0
0
平成元年
3
5
7
9
11
13
15
17
19
21
※ 完全失業率は、年平均。21年1∼11月平均のデータは、原数値の単純平均。
※ 非正規雇用率は、非農林雇用者(役員を除く)に占める割合。なお、15∼24歳では在学中の者を除く。
資料 : 失業率は、総務省統計局「労働力調査」。
非正規雇用率は、総務省統計局「労働力調査特別調査」(2月調査)及び「労働力調査(詳細結果)」(1∼3月期調査)。
若年無業者・フリーターの数の推移
若年無業者は、平成14年以降、約60万人超で推移
若年無業者は、平成14年以降、約60万人超で推移
フリーターは、平成15年をピークに減少傾向に転じたが、平成21年は増加し約178万人
フリーターは、平成15年をピークに減少傾向に転じたが、平成21年は増加し約178万人
○若年無業者の数の推移
(万人)
70
64
64
64
64
62
62
64
63
0
平成14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
(注) 「若年無業者」の定義は、15∼34歳で、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者。
資料:総務省統計局「労働力調査(基本集計)」
○フリーターの数の推移
(万人)
250
200
150
100
50
0
208
217
151
50
79
214
201
187
181
170
178
101
昭和57年
62年
平成4年
9年
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
(注) 「フリーター」の定義は、15∼34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者とし、
1 雇用者のうち勤め先における呼称が「パート」又は「アルバイト」である者、
2 完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者、
3 非労働力人口のうち希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」で、家事・通学等していない者
の合計。(平成14年より前は若干内容が異なり、単純な比較はできない)
資料:総務省統計局「就業構造基本調査」労働省政策調査部で特別集計(∼平成9年)、「労働力調査(詳細結果)」(平成14年∼)
94
新規学卒就職者の3年以内の離職率の推移
中学卒で約7割、高校卒で約5割、大学等卒で約4割が、新規学卒就職後、3年以内に離職
中学卒で約7割、高校卒で約5割、大学等卒で約4割が、新規学卒就職後、3年以内に離職
<中学卒>
(%)
80
60
64.5
65.2
9.4
9.3
15.3
72.1
69.7
67.3
9.2
8.8
8.7
7.4
14.7
15.9
14.5
13.5
70.3
14.0
60
46.2
39.8
20
47.5
41.9
46.4
46.4
39.7
11.9
40
40
46.4
<高校卒>
(%)
80
8.8
14.6
11.6
19.8
19.3
S62
H4
9.1
48.5
9.4
49.5
9.8
13.8
13.9
14.6
12.5
24.6
25.3
25.0
23.8
9
14
16
18
47.5
44.4
8.2
20
0
0
S62
H4
9
(%)
60
16
18
<短大等卒>
33.9
12.5
12.3
20
13.6
42.4
39.7
38.4
40
14
11.0
10.1
9.3
12.5
12.1
10.7
44.8
42.9
11.5
10.3
18.9
<大学卒>
32.5
34.7
36.6
34.2
23.7
8.3
8.9
9.7
8.6
6.6
10.4
10.8
11.8
11.0
40
28.4
13.6
12.8
8.3
20
17.4
13.9
60
(%)
19.7
19.8
0
9.1
7.6
11.1
9.5
13.8
15.0
15.1
14.6
S62
H4
9
14
16
18
0
S62
H4
9
14
16
18
1年目
2年目
3年目
資料:厚生労働省「新規学校卒業就職者の就職離職状況調査」。各年いずれも3月卒を示す。
各学校卒業者の就職者数の推移
(万人)
(万人)
200
100
94.3万人(S43)
90
86.5万人(S32)
180
160.2万人(S41)
80
各
学 70
校
の
就 60
職
者
数
50
160
140
高校
就
職
120 者
の
総
数
100
121.2万人(H3)
︵
︵
中学校
80
66.9万人
︶
60
26.3万人(H5)
大学
棒
グ
ラ
フ
︶
折
れ
線 40
グ
ラ
フ 30
専門学校
40
20
19.4万人(H4)
短期大学
10
20
高等専門学校
0
昭25
0
29
33
37
41
45
49
53
※就職者数には、一時的な職に就いた者は含まない。
57
61
平成2
6
10
14
18
資料:文部科学省「学校基本調査」
95
(年度)
就職率の推移(学校種別)
就職率(%)
100
99.4%(S39)
90
88.0%(H2)
87.0%(H2)
86.6%(S37)
80
専門学校, 77.7%
70
短期大学, 69.9%
大学(学部), 68.4%
72.9%(S54)
64.0%(S36)
60
55.1%(H15)
高等専門学校, 53.6%
53.6%(H15)
52.3%(S31)
50
40
30
20
高等学校, 18.2%
16.6%(H15)
10
大学(学部)
短期大学
高等専門学校
専門学校
高等学校
0
昭25
30
35
40
45
50
55
60
平成2
※ 就職率は、各学校段階卒業後すぐに就職した者の割合を示す。
※ 就職率の算定に用いた就職者数には、一時的な職に就いた者は含まない。
7
12
17
21
(年度)
資料 : 文部科学省 「学校基本調査」
職業別就職者数の推移 (学校種別)
高卒は生産工程・労務作業者、高専・短大卒は専門的・技術的職業従事者、
高卒は生産工程・労務作業者、高専・短大卒は専門的・技術的職業従事者、
大卒は事務従事者が最も多くなっている。
大卒は事務従事者が最も多くなっている。
昭和45年
高卒
34.3
2.7
平成21年
6.6
0%
11.2
17.0
9.8
31.3
4.1
48.2
14.6
20%
10.6
40%
60%
9.5
80%
専門的・技術的職業従事者
100%
事務従事者
販売従事者
サービス職業従事者
昭和45年
高専卒
98.2
その他
平成21年
92.2
0%
昭和45年
短大卒
20%
4.2
40%
60%
39.4
平成21年
昭和45年
20%
40%
60%
0%
20%
10.6
33.0
40%
100%
23.2
21.9
60%
6.9
80%
31.4
34.4
100%
7.1 2.8
22.0
40.3
平成21年
80%
46.1
56.7
0%
大卒
生産工程・労務作業者
80%
3.2
4.7
5.6
100%
(専門学校についてはデータ無し)
資料:文部科学省「学校基本調査」
96
就職者の全体構成の推移
近年、就職者は高等教育修了者が中心に(昭和45年度:約2割
近年、就職者は高等教育修了者が中心に(昭和45年度:約2割 →
→ 平成20年度:約8割)
平成20年度:約8割)
0.5 (0.6万人)
15.0
(19万人)
昭和45年度
(130万人)
6.2
61.8
(80万人)
(8万人)
16.5
(21万人)
約2割
0.7 (0.6万人)
0.6 (0.6万人)
50.1
(45万人)
平成21年度
(90万人)
6.1
21.5
(19万人)
21.0
(19万人)
(5万人)
約8割
0%
20%
大学・大学院卒
40%
60%
短大卒
高専卒
80%
専門学校卒
※専修学校制度は昭和51年度に創設
100%
高卒
中卒
資料 : 文部科学省 「学校基本調査」
新規高等学校卒業者の就職に関する仕組み (平成22年度)
7月1日以降、学校に求人の申し込みが行われた後、
7月1日以降、学校に求人の申し込みが行われた後、
9月5日以降、学校が企業に求職者の推薦を行い、9月16日以降、選考・内定が行われる。
9月5日以降、学校が企業に求職者の推薦を行い、9月16日以降、選考・内定が行われる。
①求人票提出 (6月20日以降)
企 業
公共職業安定所
学 校
⑥受験先企業
の決定
⑤相談・
指導
・援助
④求人票公開
⑤相談
保護者
★文書募集 ︵
7月1日以降︶
※ 公共職業安定所の確認印
のある求人票による
⑨内定通知 ︵
9月16日以降︶
労働関係法令に照らす等
チェックし、確認印を押して返却
⑧就職試験 ︵
9月16日以降︶
⑦求職者の推薦
︵
9月5日以降︶
③求人申込み
︵
7月1日以降︶
求職動向
職業情報の提供
②求人票の確認返却
生 徒
採用選考開始期日等
①
③
⑦
⑧・⑨
公共職業安定所による求人申込の受付開始
学校への求人申込及び学校訪問開始
企業への生徒の応募書類提出開始
選考開始及び内定開始
★ 文書募集開始
…
…
…
…
6月20日
7月 1日
9月 5日
9月16日
… 7月 1日
文部科学省・厚生労働省・全国高等学校長協会・
主要経済団体において協議・決定。
文部科学省初等中等教育局長、厚生労働省職業
安定局長の連名により、都道府県に対して通知。
文書募集による求人手続きにおいても、公共職業安定所の確認を受けるとともに、応募の受付は学校または公共職業安定所
を通じて行う。推薦開始期日、採用選考期日についても取扱いは同様。
97
学生の就職活動の概要
大学生を中心とした学生の就職活動においては、就職情報サイトへの登録やインターンシッ
大学生を中心とした学生の就職活動においては、就職情報サイトへの登録やインターンシッ
プ・オープンセミナーへの参加など、企業との接触が最終年次の前年の夏から始まっている。
プ・オープンセミナーへの参加など、企業との接触が最終年次の前年の夏から始まっている。
出典:独立行政法人日本学生支援機構 「外国人留学生のための就活ガイド」より抜粋
(参考)
○学士課程教育の構築に向けて(平成20年12月24日 中央教育審議会答申)《抜粋》
おわりに ∼改革の加速に向けて社会全体での取組を∼
1 学習環境の確保等に向けた産業界の積極的な協力を
(1) 学士課程教育の構築に向けては、大学と産業界との連携も欠かせない。産業界との協力を通じてまず必要であるのは、採用活動の早期化にかかわる問題の
是正である。
近年、通年採用の動きも広がりつつあるものの、新卒一括採用の慣行は、多くの学生にとって依然として大きな影響力を持っている。最近の雇用情勢の悪化に対
応して、各大学は学生の就職機会の確保に向けて一層の努力と取組が求められている。その一方で雇用情勢の悪化に伴う学生の不安な心理がかえって就職活動
の早期化をもたらすおそれもあり、学生の落ち着いた学習環境を確保することが必要となるものと思われる。
人材育成に関する問題があるとする事業所及び問題点の内訳
人材育成に関する問題があるとする事業所は約7割。指導者や時間の不足が課題
人材育成に関する問題があるとする事業所は約7割。指導者や時間の不足が課題
69.0
問題がある
【問題点の内訳】
50.3
指導する人材が不足している
46.5
人材育成を行う時間がない
33.9
人材を育成しても辞めてしまう
鍛えがいのある人材が集まらない
26.5
育成を行うための金銭的余裕がない
26.3
7.9
適切な教育訓練機関がない
人材育成の方法が分からない
技術革新や業務変更が頻繁なため、
人材育成が無駄になる
その他
6.2
1.9
6.1
(%)
※問題点は複数回答
資料:厚生労働省「能力開発基本調査」(平成21年度)
98
職業教育訓練(OFF−JT)を受講した労働者の比率(雇用形態別)
全般的に、正社員に比べて非正社員の受講比率は低調
全般的に、正社員に比べて非正社員の受講比率は低調
60.0
55.7
正社員
非正社員
50.0
44.7
43.3
40.0
38.5
41.0
40.6
39.3
37.9
32.6
30.8
30.0
26.0
25.5
22.3
21.5
16.9
40.7
37.0
33.7
20.0
48.8
47.0
45.9
17.3
26.8
26.4
23.1
22.6
26.0
22.7
22.4
19.3
16.1
18.1
18.0
15.2
13.4
12.6
19.6
12.0
10.8
9.4
10.0
1000人以上
300∼999人
100∼299人
50∼99人
30∼49人
サービス業(他に分類されないもの)
医療、福祉
教育、学習支援業
生活関連サービス業、娯楽業
宿泊業、飲食サービス業
学術研究、専門・技術サービス業
【産業分類】
不動産業、物品賃貸業
金融業、保険業
卸売業、小売業
運輸業、郵便業
情報通信業
電気・ガス・熱供給・水道業
製造業
建設業
総数
0.0
【企業規模】
資料:厚生労働省 能力開発基本調査(平成21年度)
労働者が自己啓発を行った理由
「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」を挙げる割合が最も高く、
「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」を挙げる割合が最も高く、
「将来の仕事やキャリアアップに備えて」「資格取得のため」と続いている
「将来の仕事やキャリアアップに備えて」「資格取得のため」と続いている
86.3
83.7
現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため
将来の仕事やキャリアアップに備えて
45.7
資格取得のため
29.4
昇進・昇格に備えて
8.9
転職や独立のため
6.9
9.2
退職後に備えるため
6.6
9.4
配置転換・出向に備えて
海外勤務に備えて
その他
59.1
35.4
14.0
4.9
3.6
正社員
2.8
1.1
正社員以外
8.3
10.1
資料 : 厚生労働省 「平成21年度 能力開発基本調査」(個人調査)
99
20∼24歳(在学者を除く)における正規雇用者の比率の推移 (男女別)
平成14年までの減少傾向から、19年は大学卒や短期大学・高等専門学校・専門学校卒は上
平成14年までの減少傾向から、19年は大学卒や短期大学・高等専門学校・専門学校卒は上
昇に転じたが、高等学校卒の比率は上がっていない。特に高等学校卒の女性は大幅に減少
昇に転じたが、高等学校卒の比率は上がっていない。特に高等学校卒の女性は大幅に減少
【男性】
%
100
【女性】
%
100
91.8
90
90
82.8
82.3
84.7
80
80.4
80.1
74.9
80
80.9
72.2
74.4
70
68.9
70
66.5
71.8
71.8
64.0
66.7
64.8
60
60
59.4
50
50
40
40
30
30
平成4年
9年
56.0
14年
38.1
34.6
19年
大学卒
61.3
60.2
57.7
平成4年
9年
短期大学・高等専門学校・専門学校卒
14年
19年
高等学校卒
(出典) 総務省 「就業構造基本調査」
女性のライフステージの変化に応じた働き方の希望と現状
女性のライフステージの変化に応じた働き方の希望は、働き方の現状との乖離があり、子ども
女性のライフステージの変化に応じた働き方の希望は、働き方の現状との乖離があり、子ども
が大きくなるにつれて就業希望が増えても希望する形で再就職できていない状況
が大きくなるにつれて就業希望が増えても希望する形で再就職できていない状況
ライフステージの変化に応じた働き方の希望
ライフステージ別
働き方の現状
100%
100%
90%
90%
働きたくない
80%
80%
70%
70%
60%
働いていない
60%
家でできる
仕事
50%
短時間勤務
40%
20%
正社員
も
が
6∼
11
歳
歳
・子
ど
既
婚
・子
ど
も
が
4
・5
歳
以
下
既
婚
既
婚
も
が
3
・子
ど
既
婚
も
が
12
歳
以
上
自営・家族従業等
その他
未
婚
も
が
中
学
生
以
上
も
が
小
学
生
子
ど
も
が
4
子
ど
子
ど
も
が
3
子
ど
歳
∼
小
学
校
入
学
前
0%
歳
以
下
0%
も
が
い
な
い
場
合
10%
な
い
場
合
10%
結
婚
し
て
子
ど
結
婚
し
て
い
パート・アルバイト
・子
ど
20%
30%
フルタイムだ
が残業の
ない仕事
残業もある
フルタイムの
仕事
も
な
し
30%
在宅・内職
契約・派遣等
・子
ど
40%
既
婚
50%
資料:内閣府男女共同参画局「女性のライフプランニング支援に関する調査報告書」(平成19年3月)
注:「自営・家族従業等」には、「自ら起業・自営業」、「自営の家族従事者」を含む。「契約・派遣等」には、「有期契約社員」、「嘱託社員」、「派遣社員」を含む。
100
新規高等学校卒業者の学科別就職状況の推移 (各年度3月末時点)
%
普通科の就職状況は、他の学科と比べて厳しい状況に置かれているのが最近の傾向
普通科の就職状況は、他の学科と比べて厳しい状況に置かれているのが最近の傾向
%
100
90
普通
農業
工業
商業
水産
家庭
看護
情報
福祉
その他
総合学科
計
80
70
S56
57
58
59
60
61
62
63
H元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
(出典) 文部科学省 「高等学校卒業者の就職状況に関する調査」
学歴別の正社員割合
専門学科・総合学科卒の方が、普通科卒よりも正社員比率が高いことを示す調査がある
専門学科・総合学科卒の方が、普通科卒よりも正社員比率が高いことを示す調査がある
68.0
32.0
高卒未満
男
男 性
50.0
50.0
普通高校卒
正社員
31.2
68.8
短期高等教育卒
高卒未満
22.1
77.9
専門・総合高校卒
92.9
7.1
女
女 性
74.0
26.0
普通高校卒
そのほか
専門・総合高校卒
66.7
33.3
短期高等教育卒
65.0
35.0
0%
100%
※ 平成19年度に、21歳となる者(約1,700名)を対象に行ったサンプル調査の結果に基づき集計。
資料:「若者の教育とキャリア形成に関する調査(2007年第1回調査報告書)」
(日本教育学会特別調査研究「若者の教育とキャリア形成に関する研究会」)
101
中途退学後の就業状態の類型
中途退学者は、その後、継続的に非正規雇用としてのキャリアを歩む割合が男女ともに高くなっている
中途退学者は、その後、継続的に非正規雇用としてのキャリアを歩む割合が男女ともに高くなっている
(%)
80
72.5
合計 (※1)
70
高等教育中退
50
45.9
40.0
40
30
36.4
30.4
24.2
22.0
13.9
9.8
5.3
4.4
6.3
8.3
4.9
4.9
4.9
現在無業
(※2)
【男性】
13.0
11.6
他 形 態 から正 社 員
非典型一貫
0
正社員定着
(※2)
8.2
現在無業
他 形 態 から正 社 員
非典型一貫
正社員定着
0
29.3
27.9
27.5
20
10
中卒・高校中退
58.5
60
【女性】
※1 合計とは、「中卒・高校中退」「高等教育中退」のほか、「高卒」「専門卒」「短大・高専卒」「大学・大学院卒」の計
※2 「非典型一貫」…離学直後が非典型雇用や失業・無業、あるいは自営・家業従事であり、かつ、調査時点現在も非典型雇用である者
(資料)労働政策研究報告書 大都市の若者の就業行動と移行過程-包括的な移行支援に向けて-図表1−23から作成
項目は離学時点から調査時点(2006年2月)までの就業経験により分類。
調査対象:東京都の18-29歳の若者計2000人(正規課程の学生、専業主婦を除く)
企業の人材水準への評価(学歴別)
約3分の1の企業が、10年前と比べて人材の質が低くなったと評価
約3分の1の企業が、10年前と比べて人材の質が低くなったと評価
無回答
質が低くなった
やや低くなった
変わらない
やや高くなった
質が高くなった
(%)
大学・大学院卒
2.9
10.1
35.6
31.0
7.4
13.0
3 8 .4 %
高専・短大卒 1.3 7.2
41.0
27.1
6.2
17.3
3 3 .3 %
専門学校卒 2.1
12.2
41.5
27.1
8.3
8.7
3 5 .4 %
高校卒 1.0
6.3
36.0
23.9
9.3
23.6
3 3 .2 %
(出典) 文部科学省 「専門学校教育の評価に関する現状調査」(平成20年3月)
102
新規採用にあたって重視する点
(社)経済同友会の調査
資料:(社)経済同友会
「企業の採用と教育に関するアンケート調査」(平成20年5月)
○新卒の採用選考の際、特に重視する能力
大学卒
大学院卒
短期大学卒
専門学校卒
第1位
熱意・意欲
77.2%
熱意・意欲
70.5%
熱意・意欲
78.6%
熱意・意欲
77.0%
第2位
行動力・実行力
49.5%
行動力・実行力
45.3%
協調性
59.3%
協調性
59.3%
第3位
協調性
43.4%
協調性
38.2%
行動力・実行力
38.6%
行動力・実行力
37.8%
第4位
論理的思考力
21.7%
専門知識・
研究内容
28.0%
表現力・プレゼン
テーション能力
17.2%
専門知識・
研究内容
23.0%
第5位
問題解決力
18.1%
論理的思考力
23.6%
常に新しい知識・能
力を学ぼうとする力
16.6%
表現力・プレゼン
テーション能力
17.0%
(社)日本経済団体連合会の調査
○新卒者採用の選考に当たっての重視点
資料:(社)日本経済団体連合会
「2008年度・新卒者採用に関するアンケート調査結果」(平成21年4月)
(%)
90
76.6
80
70
56.1
55.2
60
51.5
40.0
50
36.6
40
26.2
30
24.8
19.5
16.1
20
15.4
15.2
13.8
10.3
6.9
6.7
10
3.7
3.0
3.0
2.5
1.4
0.9
0.0
3.7
そ の 他
保 有 資 格
大 学 / 所 属 ゼ ミ
学 校 名
ク ラ ブ 活 動 /
ボ ラ ン テ ィ ア 活 動
歴
倫 理 観
感 受 性
語 学 力
学 業 成 績
一 般 常 識
専 門 性
職 業 観 / 就 業 意 識
リ ー ダ ー シ ッ プ
信 頼 性
創 造 性
柔 軟 性
ポ テ ン シ ャ ル
論 理 性
責 任 感
誠 実 性
チ ャ レ ン ジ 精 神
主 体 性
協 調 性
コ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ン 能 力
0
新規求人倍率の推移
新規求人倍率の推移を見ると、過去5年間平均して高い倍率である業種も存在
新規求人倍率の推移を見ると、過去5年間平均して高い倍率である業種も存在
16年度計 17年度計 18年度 計 19年度 計 20年 度計
平均
専 門的・ 技術的 職業
1.83
2.19
2.33
2.29
1.85
2.10
機械・ 電気技術者
6.34
6.97
7.09
5.68
2.81
5.78
鉱工業 技術者
2.56
3.20
3.21
2.35
1.21
2.51
建築・ 土木・測量 技術者
1.94
2.95
2.68
2.35
1.68
2.32
情報処 理技術者
4.27
5.18
5.36
4.88
2.71
その他 の技術者
1.61
1.77
1.99
1.76
医師、 歯科医師、 獣医師、 薬剤師
5.70
6.12
6.90
7.66
保健師 、助産師、 看護師
1.86
2.17
2.65
医療技 術者
2.22
2.45
2.55
その他 の保健医療 の職業
1.01
1.21
社会福 祉専門の職 業
0.99
美術家 、デザイナ ー、写真 家
0.51
その他 の専門的職 業
倍率順
※パート除く
16年度計 17年度計 18年 度計 19年度計 20年度計
平均
倍率順
生産 工程・ 労務の 職業
1.34
1.53
1.61
1.41
0.75
1.33
2
金 属材料製 造の職業
2.64
3.05
3.03
2.56
1.23
2.50
15
14
化 学製品製 造の職業
2.04
2.46
2.44
2.26
1.19
2.08
25
19
窯 業製品製 造の職業
2.69
3.24
3.73
3.34
1.57
2.91
8
4.48
4
土 石製品製 造の職業
1.86
2.41
2.54
2.39
1.48
2.14
23
1.02
1.63
33
金 属加工の 職業
2.54
2.86
3.08
2.62
1.20
2.46
17
8.47
6.97
1
金 属溶接・ 溶断の職業
2.38
2.86
3.15
2.67
1.31
2.47
16
2.96
3.14
2.56
13
一 般機械器 具組立・修 理の職業
1.48
1.51
1.58
1.36
0.53
1.29
45
2.53
2.45
2.44
18
電 気機械器 具組立・修 理の職業
2.30
2.31
2.42
1.85
0.54
1.88
28
1.39
1.57
1.42
1.32
44
輸 送用機械 組立・修理 の職業
2.52
2.44
2.47
2.03
0.82
2.06
26
1.25
1.45
1.74
1.75
1.44
40
計 器・光学 機組立修理 の職業
4.12
4.15
4.73
4.45
1.57
3.80
7
0.57
0.60
0.54
0.39
0.52
61
精 殻・製粉 ・調味製造 の職業
1.26
1.59
1.72
1.82
1.20
1.52
38
0.61
0.66
0.72
0.74
0.65
0.68
59
食 料品製造 の職業
1.23
1.38
1.54
1.47
1.04
1.33
43
管 理的職 業
1.00
1.21
1.18
1.08
1.11
1.12
54
飲 料・たば こ製造の職 業
1.49
1.85
1.86
1.99
1.39
1.72
31
事 務的職 業
0.50
0.54
0.57
0.50
0.36
0.49
紡 織の職業
1.83
1.86
2.31
2.24
1.33
1.91
27
一般事 務の職業
0.36
0.39
0.41
0.37
0.28
0.36
64
衣 服・繊維 製品製造の 職業
1.55
1.59
1.75
1.83
1.40
1.62
34
会計事 務の職業
0.73
0.84
0.86
0.83
0.58
0.77
58
木 ・竹・草 ・つる製品 製造の職 業
1.25
1.47
1.54
1.38
0.78
1.28
46
生産関 連事務の職 業
1.53
1.65
1.87
1.66
0.95
1.53
37
パ ルプ・紙 ・紙製品製 造の職業
1.56
1.89
2.08
2.02
1.30
1.77
30
営業・ 販売関連事 務の職業
1.86
1.88
1.83
1.38
0.91
1.57
35
印 刷・製本 の職業
1.07
1.26
1.29
1.21
0.76
1.12
53
外勤事 務の職業
2.51
3.08
3.25
3.11
2.03
2.80
9
ゴ ム・プラ スチック製 品製造の 職業
2.62
2.91
3.27
3.06
1.37
2.65
12
運輸・ 通信事務の 職業
1.96
2.36
2.52
2.61
1.94
2.28
20
革 ・革製品 製造の職業
1.19
1.13
1.38
1.33
0.78
1.16
51
事務用 機器操作の 職業
1.81
2.02
2.20
1.83
1.08
1.79
29
装 身具等製 造の職業
1.26
1.29
1.39
1.42
0.72
1.22
48
1.42
1.48
1.54
1.47
1.09
1.40
そ の他の製 造制作の職 業
1.27
1.38
1.33
1.12
0.58
1.14
52
商品販 売の職業
1.29
1.35
1.40
1.36
0.99
1.28
47
定 置・建設 機械運転の 職業
1.19
1.52
1.66
1.57
1.18
1.42
42
販売類 似の職業
4.58
4.61
4.56
3.88
2.95
4.12
6
電 気作業者
2.03
2.77
3.12
3.12
2.31
2.67
10
1.34
1.51
1.67
1.80
1.57
1.58
採 掘の職業
0.65
0.86
0.94
0.78
0.61
0.77
57
販 売の職 業
サ ービス の職業
家庭生 活支援サー ビスの職 業
0.57
0.74
0.87
1.16
1.21
0.91
56
建 設躯体工 事の職業
5.02
6.11
6.55
5.83
3.76
5.45
3
生活衛 生サービス の職業
2.92
2.60
2.57
2.63
2.55
2.65
11
建 設の職業
2.18
2.39
2.53
2.11
1.50
2.14
22
飲食物 調理の職業
1.16
1.39
1.55
1.68
1.40
1.44
41
土 木の職業
1.32
1.64
1.74
1.64
1.32
1.53
36
接客・ 給仕の職業
1.91
2.11
2.39
2.47
2.03
2.18
21
運 搬労務の 職業
1.11
1.33
1.42
1.28
0.72
1.17
50
居住施 設・ビル等 の管理の 職業
その他 のサービス の職業
0.54
1.51
0.70
1.52
0.74
1.56
0.75
1.56
0.63
1.29
0.67
1.49
60
39
そ の他の労 務の職業
分類 不能の 職業
0.31
0.00
0.37
0.00
0.40
0.00
0.36
0.00
0.21
0.00
0.33
0.00
65
66
保 安の職 業
3.62
4.50
4.94
5.02
4.17
4.45
5
職業計 1.16
1.30
1.36
1.27
0.89
1.20
農 林漁業 の職業
0.82
0.91
1.03
1.07
0.93
0.95
55
運 輸・通 信の職 業
1.49
1.73
1.85
1.82
1.33
1.64
鉄道運 転の職業
0.37
0.39
0.50
0.62
0.57
0.49
62
自動車 運転の職業
1.51
1.75
1.88
1.88
1.41
1.69
32
船舶・ 航空機運転 の職業
0.33
0.42
0.50
0.58
0.51
0.47
63
その他 の運輸の職 業
1.30
1.46
1.47
1.25
0.58
1.21
49
通信の 職業
1.76
2.31
2.64
2.28
1.43
2.08
24
は、平均 求人倍率が上位25 %の職種
103
出典:厚生 労働省「 職業安定業 務統計」
資料
将来的な雇用ニーズに関する提言等
■経済財政改革の基本方針2009∼安心・活力・責任∼(平成21年6月23日 閣議決定)(抄)
「低炭素、健康長寿、ソフトパワーなどの分野で世界最先端の「未来市場」を創出し、市場とイノベーションの好循環を生み出すこ
とにより、国際的な競争優位の獲得と質の高い雇用の創造を図る。」
■雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意(平成21年3月)(抄)
「我が国の将来的な経済成長、国民生活の向上、産業競争力の強化、地域の活性化等につながる分野、とりわけ、医療、介護、
保育、環境、農業、林業等、成長が見込まれる分野において、雇用の受け皿を確保するため雇用創出が必要である。」
■雇用政策基本方針(平成20年2月 厚生労働省告示)(抄)
3 今後重点的に展開していく具体的な施策の方向性
当面5年程度の間に取り組むべき雇用政策の方向性
(2)[4]中小企業や福祉・介護分野の人材確保対策
・ものづくり産業の国際競争力を支える人材を育成するための高度な知識と技能・技術を兼ね備えた実践的技能者の養成
・中小企業におけるものづくり人材の確保・育成、技能継承の促進
・高齢化の進展に伴いニーズ増大が見込まれる産業である福祉・介護分野の計画的な人材育成
■雇用創出企画会議第三次報告書(平成18年8月 雇用創出企画会議)(抄)
新たな雇用創出が期待される新しいサービス分野
○情報サービス分野(ユビキタスネット社会におけるソフトウェア開発やシステム開発)
○健康サービス分野(フィットネス分野、エステティック分野)
○ロジスティック分野(物流サービス)
○社会人教育サービス
■雇用創出企画会議第一次報告書(平成15年5月 雇用創出企画会議)(抄)
雇用創出が期待できる分野
○地域の問題に対して事業展開が期待される分野
・コミュニティ・ビジネス分野
−多様で柔軟なサービスを提供する地域密着型の小規模ビジネス
−福祉、介護、教育、文化、環境保護など従来公共サービスとして提供されていた分野で事業を拡大
○新産業の創造に伴い専門的・技術的な職業能力が必要になる分野
・環境技術関連分野 ・情報通信関連分野 ・住宅関連分野など
今後求められる人材養成の方向性に関する提言等
(総論)
■平成20年版 労働経済の分析−働く人の意識と雇用管理の動向−(平成20年7月 厚生労働省)
○ 人口減少社会にふさわしい企業経営や業態の姿を検討していくことが重要である。貴重な労働力を適切に配置し、一人一人の労働
者が個性を活かし、高い付加価値生産能力を発揮しながら、豊かな社会を創り上げていくことが期待される。
○ 今後の、技術革新の動向などを見通しつつ、産業構造の将来像を描き出し、産業が求める高度な人材を生み出すことができるよう
な教育システム、人材養成システムを構築することが求められているように思われる。
(介護)
■社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針(平成19年8月 厚生労働省告示)(抄)
○ 認知症等のより複雑で専門的な対応を必要とするニーズの顕在化等を背景として、質的にもより多様化、高度化している状況
○ 今後さらに拡大する福祉・介護ニーズに対応できる質の高い人材を安定的に確保していくことが喫緊の課題
(看護)
■看護基礎教育の在り方に関する懇談会論点整理(平成20年7月 看護基礎教育の在り方に関する懇談会)(抄)
○ 医療の高度化やニーズの多様化、看護職員の役割の変化、チーム医療・役割分担の推進などが求められる状況
○ こうした状況の中、看護職員には、知的・倫理的側面といった基礎的なものから、専門職として望まれる高度医療への対応、生活
を重視する視点、予防を重視する視点、及び看護の発展に必要な資質・能力など、広範かつ多岐にわたる資質・能力が求められる
(ものづくり)
■技術・技能継承と技術革新を生み出す人材に関するアンケート調査(平成20年11月 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))
(出典:2009年度版中小企業白書)
○ 中小企業が技術・技能人材に求める知識・能力は、「複数の技術・技能に関する幅広い知識」、「特定の技術・技能に関する専門知
識」、「生産工程を合理化する知識・能力」などを重要視する中小企業の割合が高い一方、5年後に重要な知識・能力として「顧客ニー
ズを把握し、製品設計化する能力」や「革新的技術を創造していく能力」を挙げる中小企業が増加するなど、求められる能力に変化が
見られる。
■ものづくり産業における人材の確保と育成−機械・金属関連産業の現状−(平成20年3月 独立行政法人労働政策研究・研修機構)
○ 現在、半数以上の事業所が不足していると考えている技能者のタイプは、複数の機械あるいは工程をこなすことができる「多能工」、
製造現場のリーダーとしてラインの監督業務を担当する「マネージャー型技能者」、特定の技能領域で高度な熟練技能を発揮する「高
度熟練技能者」、高度な技術的知識を身につけた技能者である「テクノワーカー」であり、今後5年間における必要性も高い。
○ 一方、「単純作業労働者」が不足していると考えている事業所は16.2%にとどまり、約6割は「適切である」と考えている。
(教育界と産業界の連携)
■産学人材育成パートナーシップ 中間取りまとめ(平成20年7月 産学人材育成パートナーシップ)(抄)
○ 社会で求められる人材像や能力は、その時代環境により異なる。他方で、長期にわたり変化しない基本的要素も多分に存在する。
○ 産学のコミュニケーションを深め、相互の問題認識・課題等について共有するとともに、優れた人材育成のため共同して取り組む
ことができる関係を恒常的に築いておくことが重要である。
104
技術者に求められる能力
技術系正社員に求められる知識・能力のうち、5年前や現在と比較して、今後重視されていく
技術系正社員に求められる知識・能力のうち、5年前や現在と比較して、今後重視されていく
傾向にあるのは、「革新的技術を創造していく能力」や、「ニーズを的確に把握し、それを製
傾向にあるのは、「革新的技術を創造していく能力」や、「ニーズを的確に把握し、それを製
品設計化する能力」
品設計化する能力」
技術系正社員に求める知識・能力として最も重要なもの
5年前・現在・今後5年間の比較(単位:%)
17.6
17.0
複数の技術に関する幅広い知識
14.7
14.0
生産の最適化のための生産技術
特定の技術に関する高度な専門知識
15.4
4.1
ニーズ調査・分析などを通じてユーザーニーズ
を的確に把握し、それを製品設計化する能力
2.8
ユーザーの業務やニーズを理解し、コミュニ
ケーション、プレゼンテーションできる能力
工程管理に関する知識
2.5
2.0
製品の企画・構想段階から問題点を抽出し、
改善提案を行うコンサルティング能力
加工・組立てに関する知識
進捗管理・予算管理などのプロジェクト管理能力
ISO9000シリーズに関する知識
ISO14000シリーズに関する知識
知的財産情報(特許)への対応能力
その他
28.3
17.7
「研究業務」
10.6
業務
4.8
11.8
4.3
4.1
③既存の商品の改良・改善などの「生産(開
発)」業務
3.9
0
①基礎研究、基盤技術の先行研究などの
②製品開発、技術開発などの「設計・開発」
5.9
9.2
3.6
2.2
2.1
2.1
1.5
1.0
2.0
3.4
2.1
1.4
1.1
0.4
0.7
0.7
0.1
0.1
0.5
0.1
0.2
0.2
生産設備の保守管理技術
以下のいずれかの業務を担当する正社員
18.3
4.9
5.9
2.5
革新的技術を創造していく能力
8.5
技術系正社員:
21.0
④高度な技術的知識を生かした「品質・生
産管理」、「エンジニアリング・サービス」、
「製品販売先への技術的アフターサービス」
5年前
などの業務
現在
今後5年間
5
10
15
20
25
資料:独立行政法人労働政策研究・研修機構
「ものづくり産業における人材の確保と育成−機械・金属
関連産業の現状−」
30
技能者の過不足状況
技能者の過不足状況については、多能工が最も高く約65%の事業所が「不足している」と回
技能者の過不足状況については、多能工が最も高く約65%の事業所が「不足している」と回
答。また今後5年間における必要性についても、多能工が最も高く約84%が「必要」と回答
答。また今後5年間における必要性についても、多能工が最も高く約84%が「必要」と回答
技能者の現在の過不足状況(技能タイプ別、単位:%)
62.5
多能工
50.8
テクノワーカー
「多能工」
0.6 8.1
28.8
35.5
−複数の機械あるいは工程をこなすことができる技能者
0.1 13.6
高度熟練技能者
54.7
34.0
0.4 10.9
マネージャー型技能者
55.2
34.7
1.0 9.1
「テクノワーカー」
−高度な技術的知識を身につけた技能者
「高度熟練技能者」
16.2
単純作業労働者
61.4
0%
20%
10.9
40%
不足している
60%
適切である
11.5
80%
−特定の技能領域で高度な熟練技能を発揮する技能者
100%
あまっている
「マネージャー型技能者」
無回答
−製造現場のリーダーとしてラインの監督業務を担当する技能者
各タイプ技能者の今後5年間における必要性(単位:%)
多能工
多能工
47.3
47.3
36.5
36.5
28.2
28.2
テクノワーカー
テクノワーカー
高度熟練技能者
高度熟練技能者
31.9
31.9
マネージャー型技能者
マネージャー型技能者
7.7
7.7
単純作業労働者
単純作業労働者
0%
0%
8.9
8.9
43.8
43.8
34.6
34.6
45.6
45.6
43.5
43.5
20%
20%
大いに必要である
大いに必要である
30.7
30.7
40%
40%
必要である
必要である
−比較的簡単な工程のみを担当する労働者
10.2
10.2
0.6
0.6
15.3
15.3
5.4
5.4
46.7
46.7
60%
60%
あまり必要ない
あまり必要ない
0.9
0.9
10.5
12.8
10.5
12.8
1.0
1.0
7.5
11.3
7.5
11.3
1.0
1.0
3.7
14.6
3.7
14.6
80%
80%
全く必要ない
全く必要ない
「単純作業労働者」
資料:独立行政法人労働政策研究・研修機構
「ものづくり産業における人材の確保と育成−機械・金属
関連産業の現状−」
100%
100%
無回答
無回答
105
大学1年生が職業を意識した時期
約31%が高等学校卒業以前に職業を意識したことがないと回答
約31%が高等学校卒業以前に職業を意識したことがないと回答
小学生のころ
9.9
中学生のころ
18.1
0%
20%
高校1年生
9.5
大学1年生
まだ考えていない
6.2
24.5
高校3年生
高校2年生
14.3
無答不明
1.9
15.6
40%
60%
80%
100%
(出典) Benesse教育研究開発センター 「平成17年度 経済産業省委託調査 進路選択に関する振返り調査 -大学生を対象として- 」
大学への進学理由 (職業を意識した時期別)
大学への進学を「すぐに社会に出るのが不安だから」「自由な時間を得たいから」「周囲の人
大学への進学を「すぐに社会に出るのが不安だから」「自由な時間を得たいから」「周囲の人
がみな行くから」と消極的に考えている者が、職業を意識した時期が遅いほど顕著な傾向
がみな行くから」と消極的に考えている者が、職業を意識した時期が遅いほど顕著な傾向
将来の仕事に役立つ勉強がしたい
81.2
75.3
専門的な研究をしたい
71.3
79.7
81.2
73.5
75.6
幅広い教養を身につけたい
78.7
77.2
57.7
大学の学歴がほしい
資格や免許を取得したい
51.6
40.7
32.0
自由な時間を得たい
27.9
33.4
55.3
51.6
52.6
66.3
71.2
高校時代
大学入学後
36.6
周囲の人がみな行く
73.5
72.6
小・中学校時代
36.4
26.6
66.0
76.8
77.3
50.5
すぐに社会に出るのが不安
先生や家族が勧める
75.8
92.6
94.0
52.8
51.6
41.4
まだ考えていない
※ 「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計(%)
44.6
(出典) Benesse教育研究開発センター 「平成17年度 経済産業省委託調査 進路選択に関する振返り調査 -大学生を対象として- 」
106
大学生の職業に関する意識 (職業を意識した時期別)
高等学校卒業以前に職業を意識した者が、大学入学後に意識した者やまだ考えていない者に比べ、
高等学校卒業以前に職業を意識した者が、大学入学後に意識した者やまだ考えていない者に比べ、
将来についてはっきりした目標をもっていると回答
将来についてはっきりした目標をもっていると回答
92.1
89.4
希望する職業がある
85.6
36.2
83.8
77.9
将来についてはっきりとした目標をもっている
65.0
22.0
68.1
63.4
63.1
自分にどのような能力・適性があるか知っている
36.3
56.6
51.5
職業に関する情報の集め方がわかる
57.8
26.2
62.0
51.1
希望する職業について十分な知識をもっている
45.5
9.3
24.5
25.5
最近の産業動向について知識をもっている
34.2
18.5
小・中学校時代
高校時代
大学入学後
まだ考えていない
※ 「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」の合計(%)
(出典) Benesse教育研究開発センター 「平成17年度 経済産業省委託調査 進路選択に関する振返り調査 -大学生を対象として- 」
現在行っている学習と将来の仕事との関連に関する子どもの意識 (中学生)
日本の中学生の成績はおおむね良好である一方、自分が将来就きたい仕事のために学習を行う
日本の中学生の成績はおおむね良好である一方、自分が将来就きたい仕事のために学習を行う
必要があると答えた割合は、参加国・地域の中でも最底辺。現在の学習と将来の仕事との関連
必要があると答えた割合は、参加国・地域の中でも最底辺。現在の学習と将来の仕事との関連
に気付かせることの必要性が示されている
に気付かせることの必要性が示されている
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター
「自分と社会をつなぎ、未来を拓くキャリア教育」 (中学校向けキャリア教育推進パンフレット) (平成21年11月) より転載
107
現在行っている学習と将来の仕事との関連に関する子どもの意識 (高校生)
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果、日本の高校生の教科学習への自信や、
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果、日本の高校生の教科学習への自信や、
自分の将来のために教科学習をがんばろうとする気持ちが、他の参加国・地域に比べて極めて
自分の将来のために教科学習をがんばろうとする気持ちが、他の参加国・地域に比べて極めて
低いことが明らかになった
低いことが明らかになった
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター
「キャリア教育は生徒に何ができるのだろう?」 (高等学校向けキャリア教育推進パンフレット) (平成22年2月) より転載
高等学校に入学した動機 (学科別)
普通科の生徒の約6割は「自分の学力にあっているから」と回答し、自分の個性やしたい勉強とは
普通科の生徒の約6割は「自分の学力にあっているから」と回答し、自分の個性やしたい勉強とは
結び付いていない。これは、職業学科と比べて顕著
結び付いていない。これは、職業学科と比べて顕著
47.7
自分の学力にあっている
自分の個性を伸ばすことができると思う
12.1
自分のやりたい勉強ができると思う
12.1
22.9
35.9
32.8
24.2
2.5
50.0
5.0
将来希望する職業に役立つ知識や技術が身に付く
5.0
特に理由はない
20.5
7.3
教育内容に特色がある
学校の伝統、校風や評判がよい
15.9
21.2
進学に有利
就職に有利
59.5
33.7
8.7
13.1
20.6
39.2
13.6
7.4
18.8
全体
普通科
6.8
7.6
5.9
職業学科
(出典) (財)日本進路指導協会 「中学校・高等学校における進路指導に関する総合的実態調査」(文部科学省委託)
108
高校生が目指している人やあこがれている人の有無
自分の将来像を考えたときに、目指している人やあこがれている人が「いる」と回答したのは
自分の将来像を考えたときに、目指している人やあこがれている人が「いる」と回答したのは
約28%と少数派であり、約70%が「いない」と回答
約28%と少数派であり、約70%が「いない」と回答
Q.目指している人やあこがれている人はいるか
全体
27.7
いる
24.0
男子
女子
70.4
1.9
いない
75.1
無回答
0.9
32.7
66.1
0%
1.2
50%
100%
(出典) (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2009)
進路を考える時の高校生の気持ち
「自分がどうなってしまうのか不安になる」という者が約半数。「自分の可能性が広がるよう
「自分がどうなってしまうのか不安になる」という者が約半数。「自分の可能性が広がるよう
<進路を考える時、高校生はどんな気持ちになるか>
で楽しい」という者(約26%)を大きく上回っている
で楽しい」という者(約26%)を大きく上回っている
49.4
25.9
全体
4.6 4.2 3.7 3.1 3.1
6.1
(進路について話す頻度)
0.7
0%
10%
16.0
33.0
17.0
まったく話さない
11.0
49.3
14.5
あまり話さない
4.4
51.1
26.9
たまに話をする
3.11.4 4.2
1.4
47.7
39.7
よく話をする
20%
30%
40%
50%
60%
5.7
70%
5.1
5.2
6.4
7.5
10.4
80%
1.7
4.0 3.0 2.6 2.7
5.9 3.2 4.6
4.7
90%
自分の可能性が広がるようで楽しい
自分がどうなってしまうのか不安になる
考えること自体が面倒臭い
進路のことよりもっと考えたいことがある
今が楽しければいいので先のことは考えない
自分の将来にそんなにいいことはない、考えてもつまらない
その他
無回答
5.7
100%
(出典) (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2009)
109
進路選択に関する高校生の気掛かり
学力に対する不安に次いで、「自分に合っているものがわからない」「やりたいことが見つか
<進路選択に関してどんなことが気がかりか>
(複数回答)
学力に対する不安に次いで、「自分に合っているものがわからない」「やりたいことが見つか
らない、わからない」「社会に出て行く能力があるか自身がない」が気掛かり
らない、わからない」「社会に出て行く能力があるか自身がない」が気掛かり
53.9%
学力が足りないかもしれない
36.5%
自分に合っているものがわからない
31.5%
やりたいことが見つからない、わからない
24.6%
社会に出ていく能力があるか自信がない
知りたい情報を集めたり、選んでいく方法がわからない
19.8%
自分で決断する自信がない
19.5%
14.8%
経済的な理由で自分の希望がかなわないかもしれない
特にない
7.5%
(出典) (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2009)
進路を選択するときの悩み (職業を意識した時期別)
大学生は、高等学校時代に、学力のほか、自分の適性や就きたい職業、進みたい専門分野につ
大学生は、高等学校時代に、学力のほか、自分の適性や就きたい職業、進みたい専門分野につ
いて悩んでいたと回答。こうした傾向は、職業を意識した時期が遅いほど顕著
いて悩んでいたと回答。こうした傾向は、職業を意識した時期が遅いほど顕著
志望する大学・学部に入るのに学力レベルが十分ではない
68.9
70.0
43.8
自分の適性(向き不向き)がわからない
24.0
46.4
自分の就きたい職業がわからない
24.0
42.4
自分の進みたい専門分野がわからない
進みたい進路の学費が高い
37.5
32.6
進みたい進路に関する情報が不足している
23.5
進路に関する情報の集め方がわからない
先生と意見が合わない
18.7
19.6
17.0
17.2
37.9
36.1
36.9
67.6
65.2
55.7
80.2
66.7
44.6
43.0
41.8
小・中学校時代
高校時代
28.9
31.4
32.2
26.5
26.1
25.9
25.7
家族と意見が合わない
57.5
59.6
73.3
74.6
大学入学後
まだ考えていない
※ 「よくあった」と「時々あった」の合計(%)
(出典) Benesse教育研究開発センター 「平成17年度 経済産業省委託調査 進路選択に関する振返り調査 -大学生を対象として- 」
110
働くことに関する高校生の気掛かり
約7割の高校生が、将来働くことについて気掛かりなことがあると回答。就きたい職業にどの
約7割の高校生が、将来働くことについて気掛かりなことがあると回答。就きたい職業にどの
ようにすれば就けるのかという道筋が分からないと考えている者や職場の人間関係に不安を感
ようにすれば就けるのかという道筋が分からないと考えている者や職場の人間関係に不安を感
じている者が多い一方、「就きたい職業が思いつくだろうか」という者も約27%存在
じている者が多い一方、「就きたい職業が思いつくだろうか」という者も約27%存在
<将来働くことについて気がかりなことがあるか>
69.4%
22.8%
ある
ない
働くことについて考えたことがない
5.1% 2.8%
無回答
<働くことについてどんなことが気がかりか>(気がかりなことがあると回答した者・5つまで回答)
就きたい職業に就くことができるだろうか
63.0
十分な収入が得られるだろうか
47.1
職場の人間関係がうまくいくだろうか
42.5
就きたい職業が思いつくだろうか
26.9
23.8
21.5
17.8
16.6
16.2
14.4
12.1
12.0
自分にできる仕事があるだろうか
仕事を覚えられるだろうか
遊ぶ時間がとれるだろうか
すぐ辞めさせられるのではないだろうか
毎朝、時間どおりに起きられるだろうか
歳をとっても働き続けられるだろうか
体力的に厳しいのではないだろうか
仕事がつまらないのではないだろうか
勤め先が倒産してしまうのではないだろうか
仕事内容や報酬に男女格差がないだろうか
8.8
3.5
(出典) (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2009)
高等学校を中途退学する理由
「もともと高校生活に熱意がない」「人間関係がうまく保てない」ことを中途退学の理由とし
「もともと高校生活に熱意がない」「人間関係がうまく保てない」ことを中途退学の理由とし
ている者が、約2割存在
ている者が、約2割存在
事由
人数(人)
構成比(%)
学力不振
4,848
7.3
学校生活・学業不適応
25,896
39.1
(もともと高校生活に熱意がない)
(9,850)
(14.9)
(授業に興味がわかない)
(4,152)
(6.3)
(人間関係がうまく保てない)
(5,060)
(7.6)
(学校の雰囲気が合わない)
(3,708)
(5.6)
(その他)
(3,126)
(4.7)
進路変更
21,816
32.9
病気・けが・死亡
2,748
4.1
経済的理由
2,208
3.3
家庭の事情
2,958
4.5
問題行動等
3,349
5.1
その他の理由
2,420
3.7
計
66,243
100.0
(注) 中途退学者1人につき、主たる理由を一つ選択
(出典) 文部科学省 「平成20年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
111
最近の学生相談の内容
約8割の大学等において「対人関係(家族、友人、知人、異性関係)」に関する相談内容が増
約8割の大学等において「対人関係(家族、友人、知人、異性関係)」に関する相談内容が増
加していると回答
加していると回答
79.3
対人関係(家族、友人、知人、異性関係)
精神障害(神経症、ノイローゼ、鬱躁病、統合失調症等)
心理・性格(アイデンティティ、セルフコントロール等)
44
45.9
42.8
43.4
27.9
42.5
43.7
修学上の問題
29.9
進路・就職
発達障害(アスペルガー障害、ADHD、LD等)
3.3
4.2
1.7
3.3
1
0.9
0
0.4
0.6
0
5.9
2.6
8.2
悪徳商法、法律相談
身体障害
その他
54.1
45.1
42.6
27.9
12.5
セクハラ、パワハラ、アカハラ、人権侵害
54.5
17.2
9.5
経済的問題
%
85.6
86.9
18.1
大学
短期大学
高等専門学校
(出典) 日本学生支援機構 「大学、短期大学、高等専門学校における学生支援の取組状況に関する調査」 (平成20年度)
高等教育段階の中途退学者の現状
中途退学の理由は、学業不振や学校生活への不適応が約1割から約2割、経済的理由や転学・就
中途退学の理由は、学業不振や学校生活への不適応が約1割から約2割、経済的理由や転学・就
職が約4割から約5割、その他の理由が約3割から約4割
職が約4割から約5割、その他の理由が約3割から約4割
【中途退学者の状況(学校種別)平成20年度末(3月20日時点)】
国立
理由
学業不振
学校生活不適応
経済的理由
就職
転学
海外留学
病気・けが・死亡
その他
合計
退学者数
(人)
公立
構成比
(%)
654
143
624
1,406
786
60
351
2,969
6,998
9.3%
2.0%
8.9%
20.1%
11.2%
0.9%
5.0%
42.4%
99.9%
私立
退学者数
(人)
構成比
(%)
退学者数
(人)
137
77
143
159
269
15
111
507
1,398
9.8%
5.5%
10.2%
11.4%
19.2%
1.1%
7.9%
36.3%
101.4%
5,565
2,072
6,944
4,851
5,616
216
2,775
11,558
39,791
高専
構成比
(%)
14.0%
5.2%
17.5%
12.2%
14.1%
0.5%
7.0%
29.0%
99.5%
計
退学者数
(人)
構成比
(%)
退学者数
(人)
180
67
4
117
479
0
35
325
1,207
14.9%
5.6%
0.3%
9.7%
39.7%
0.0%
2.9%
26.9%
100.0%
6,536
2,359
7,715
6,533
7,150
291
3,272
15,359
49,394
構成比
(%)
13.2%
4.8%
15.6%
13.2%
14.5%
0.6%
6.6%
31.1%
99.6%
【中途退学者の状況(学校種別)平成19年度末(3月31日時点)】
国立
理由
学業不振
学校生活不適応
経済的理由
就職
転学
海外留学
病気・けが・死亡
その他
合計
退学者数
(人)
979
239
932
2,171
1,190
60
451
4,483
10,512
公立
構成比
(%)
9.3%
2.3%
8.9%
20.7%
11.3%
0.6%
4.3%
42.6%
99.9%
私立
退学者数
(人)
構成比
(%)
退学者数
(人)
168
105
169
230
338
17
97
640
1,743
9.6%
6.0%
9.7%
13.2%
19.4%
1.0%
5.6%
36.7%
101.2%
6,703
2,761
7,780
6,565
7,362
464
3,293
14,335
49,541
高専
構成比
(%)
13.5%
5.6%
15.7%
13.3%
14.9%
0.9%
6.6%
28.9%
99.4%
計
退学者数
(人)
構成比
(%)
退学者数
(人)
220
108
12
168
574
3
41
509
1,625
13.5%
6.6%
0.7%
10.3%
35.3%
0.2%
2.5%
31.3%
100.6%
8,070
3,213
8,893
9,134
9,464
544
3,882
19,987
63,421
構成比
(%)
12.7%
5.1%
14.0%
14.4%
14.9%
0.9%
6.1%
31.5%
99.6%
(資料)各大学等の授業料滞納や中退等の状況調査(平成21年3月20日時点及び平成20年3月31日時点)
(1)調査対象:国・公・私立大学、公・私立短期大学、高等専門学校 1,225校
(2)有効回答:計1,148校(93.7%)
112
職業を離職した理由
「仕事があわない・つまらない」「人間関係がよくない」が離職理由の上位
「仕事があわない・つまらない」「人間関係がよくない」が離職理由の上位
0
<初めて就いた職業を離職した理由>
10
30 %
20
26.0
仕事があわない、またはつまらない
17.8
人間関係がよくない
14.8
14.0
結婚・出産した(しようとしていた)
賃金が低い
9.9
労働時間が長い
5.6
4.9
健康を害した
契約期間が過ぎた
勤務先が倒産した
解雇された
2.3
1.7
13.1
11.9
その他
わからない
0
<新規高卒就職者の離職理由>
20
(出典) 内閣府 「青少年の社会的自立に関する意識調査」 (平成16年度)
40
60
80 %
仕事が向いていない
71.4
職場の人間関係
21.4
14.3
健康問題
親元からの呼び戻し
10.7
労働条件に対する不満
12.5
21.4
その他
(出典) 東京経営者協会 「平成21年3月新規高校卒業予定者の採用に関するアンケート調査」
現在の日本の学校系統
年齢
(※
専攻科)
24
大学院
23
22
別
支
中学部
中学校
特
援
13
高等部
14
後(期課程︶ 前(期課程︶
15
中 等 教 育 学 校
高等学校
大学
通信制課程
専修学校
高等課程
通信制課程
16
通信制課程
17
短期大学
定時制課程
18
専修学校
専門課程
高等専門学校
19
各種学校
20
専修学校一般課程
21
学
12
11
小学校
小学部
9
校
10
8
7
5
4
幼稚部
6
幼稚園
3
113
各学校種の主な制度
高等学校
専修学校
高等専門学校
短期大学
目 的
中学校における教育の
基礎の上に、心身の発達
及び進路に応じて、高度
な普通教育及び専門教
育を施すこと
職業若しくは実際生活に
必要な能力を育成し、又
は教養の向上を図ること
深く専門の学芸を教授し、
職業に必要な能力を育
成すること
深く専門の学芸を教授研
究し、職業又は実際生活
に必要な能力を育成する
こと
入学資格
中学校等を卒業した者等
高等課程:
中学校等を卒業した者等
専門課程:
高等学校等を卒業した者
等
中学校等を卒業した者等
高等学校等を卒業した者等
修業年限
3年
1年以上
5年
2年又は3年
卒業・
74単位以上
(定時制・通信制:3年以上)
学術の中心として、広く知
識を授けるとともに、深く
専門の学芸を教授研究し、
知的、道徳的及び応用的
能力を展開させること
4年
(商船:5年6月)
(医・歯・薬・獣医:6年)
167単位以上
1年以上在学
年間授業時数800時間
以上
修了要件
大 学
(うち一般科目75単位以上、
専門科目82単位以上)
(大学に編入学できる専門
課程:2年以上、1700時間
以上)
(専門士の称号を得られる
専門課程:2年以上、1700
時間以上)
(高度専門士の称号を得ら
れる専門課程:4年以上、3
400時間以上)
2年以上在学、62単位
以上
4年以上在学、124単位
以上
(修業年限3年の短大:3年
以上在学、93単位以上)
(医・歯:6年以上、188単
位以上)
(薬学:6年以上、186単位
(うち実習20単位以上)以
上)
(獣医:6年以上、182単位
以上)
教職員
置くべき職員:
校長、教頭、教諭、事務
職員
置くことのできる職員:
副校長、主幹教諭、指
導教諭、養護教諭、栄
養教諭等
置くべき職員:
校長、相当数の教員
置くべき職員:
校長、教授、准教授、
助教、助手、事務職員
置くことのできる職員:
講師、技術職員等
設置者
国、地方公共団体、学校
法人
国、地方公共団体の他、
次に該当する者
・専修学校経営に必要な
経済的基礎
・専修学校経営に必要な
知識・経験
・社会的信望
国、地方公共団体、学校法人
設置認可
市町村立:都道府県教育委員会
私立:都道府県知事
置くべき職員:
学長、教授、准教授、助教、助手、事務職員
置くことのできる職員:
副学長、学部長、講師、技術職員等
文部科学大臣
大正8年の学校系統
21
研究補習
専攻科
各種学校
補習科
東京盲学校
東京聾唖学校
徒弟学校
実業補習学校
予科
実業学校
︵
乙種 ︶
実業学校
高等小学校
予科
11
予科
12
高等女学校
︵女子︶
13
︵
予科︶
中学校
︵
実 科 高女 ︶
14
尋常科
15
補習科
16
︵
甲種︶
師範学校
補習科
二部師範
女子高等師範学校
専攻科
補習科
高等師範学校
専門学校
17
予科
18
高等学校
19
専攻科
20
︵
実業専門学校を含む︶
大学
22
研究科
23
研究科
24
研究科
大学院
年齢
10
9
尋常小学校
8
7
6
5
4
幼稚園
資料:「学制百年史」より作成
3
114
職業に関する学校教育の経緯(高等教育を中心に)
明治前期
○
我が国が近代的な国家形態を取り、また教育的には近代的な学校制度を確立した時代。
当時の社会情勢から、国民一般の教育と国家の指導者の教育に急で、産業教育には力が及ばなかった時代
明治5年(1872年)
「学制」頒布
・学校を小学・中学・大学として組織
大学:高尚な諸学を教える専門科の学校。(明治10年に東京大学創設)
中学校:小学校を経た生徒に普通の学科を教える学校。(工業学校・商業学校・農業学校などを含む。)
・「学制」に専門学校を追加(6年)
専門学校:外国教師にて教授する高尚な学校。卒業者には学士の称号を付与。当初は、農・商・工の各学校が中心
・工学校(工部省)、法学校(司法省)、札幌農学校など、産業関係各省の所管の下に産業教育を実施する施設が創設
○
明治12年(1879年)
「教育令」公布
・「学制」が廃止され、小学校、中学校、大学校、師範学校、専門学校、その他各種学校に整備
大学校:法学、理学、医学、文学等の専門諸科を授ける学校
中学校:高等な普通学科を授ける学校
専門学校:専門一科の学術を授ける学校
・教育令を改正し、農学校、商業学校、職工学校を追加(13年)
農学校:農耕の学業を授ける学校
商業学校:商売の学業を授ける学校
職工学校:百工の職芸を授ける学校
・この頃から、私立の専門学校が相次いで創立(後に、私立大学に発展)。
主には、外国語教育、宗教関係、医学関係、政治法律関係
・「農学校通則」(16年)、「商業学校通則」(17年)が制定され、産業教育制度の整備が開始
○
明治19年(1886年)
「中学校令」「帝国大学令」公布
・東京大学を帝国大学に改称
帝国大学:国家の須要に応ずる学術技芸を教授し、及びその蘊奥を攻究することを目的
・この頃、工部大学校等の他省の教育施設を文部省に移管し、大学に合併
・「中学校令」では、中学校を実業教育と大学予備教育の両方を行う学校と位置付け、高等中学校と尋常中学校の2種類に分類
中学校:実業に就こうと欲し、又は高等の学校に入ろうと欲するものに須要な教育をなす学校
・高等中学校は、帝国大学への基礎教育機関として普通教育を中心に発展し、実務教育は発展せず
明治後期
○
我が国の産業が日清戦争、日露戦争を契機として著しく発展し、実業教育制度が成立した時代
明治27年(1894年)
「高等学校令」公布
・高等中学校を「高等学校」と改称
高等学校:専門学科を教授することを原則とし、特に帝国大学に入学する者のために予科を設けることができる制度
・この頃、初等教育、中等教育においても、実業教育の体制が整備(実業補習学校、徒弟学校、簡易農学校など)
・実業教育費国庫補助法の成立(27年)。その後、各種実業学校が増加
○
明治32年(1899年)
「中学校令」「実業学校令」「高等女学校令」公布
・中学校の位置付けを変更
中学校:男子に須要な高等普通教育をなす学校
・実業学校として、工業学校、農業学校、商業学校、商船学校、実業補習学校を整備
実業学校:工業、農業、商業等の実業に従事する者に須要な教育をなすことを目的
○
明治36年(1903年)
「専門学校令」公布、「実業学校令」改正
・これまで統一的な方策のなかった専門学校を制度化し、実業教育制度が確立。
専門学校:高等の学術技芸を教授する学校
・実業学校で高等の教育を行うものを実業専門学校とし、専門学校令の定めるところによることとし、実業学校から分離
・1年半程度の予科を持つ私立の専門学校については「大学」の名称を付けることを認可。これを受け、一部の私立の専門
学校が「大学」の名称に改称
大正時代
○
第一次世界大戦を中心として飛躍的に拡大した産業に即応して、量的に発展した時代
大正7年(1918年)
「大学令」「高等学校令」公布
・これまで帝国大学のみであった大学制度を改善。総合大学だけでなく、単科大学の設置、公立・私立の大学を認める。
大学:国会に須要なる学術の理論及び応用を教授し並びにその蘊奥を攻究することを目的とし、兼ねて人格の陶冶
及び国家思想の涵養に留意すべきもの
・「高等教育機関拡張計画」(7年)により、専門学校、実業専門学校などが増加。多くの専門学校が大学に移行
・高等学校は、大学予科としての性格から、高等普通教育機関の一つに位置付けを変更。公立・私立の高等学校を認める
高等学校:男子の高等普通教育を完成することを目的とし、特に国民道徳の充実に力むべきもの
・「実業学校令」「実業補習学校規程」の改正(9年)。実業補習教育を充実
115
世界的な経済恐慌に見舞われ、我が国経済も不況に陥り、学校における実業教育が厳しく批判され、
別の産業教育機関が設けられるなどとともに、学校教育の改善が試みられた時代
戦時下では、我が国の産業が戦時体制に切り替えられ、教育もまたこれに即応するように刷新され、
産業教育は一面には盛んになったが、一面には商業教育のように不振になった時代
昭和初期から
戦時下
戦後以降
○
昭和22年(1947年)
「教育基本法」「学校教育法」公布
・旧制の大学、高等学校、専門学校、高等師範学校、女子高等師範学校、師範学校、青年師範学校などの高等教育機関を
すべて単一な4年制の新制大学に再編
大学:大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び
応用的能力を展開させることを目的
・旧制専門学校の中に整備が遅れ新制大学への切り替えが見込まれないものがあったため、暫定措置として短期大学制度
を発足(25年)
・実業教育費国庫補助法を廃止し、「産業教育振興法」が成立(26年)
・「専科大学」の創設を内容とする学校教育法の改正法案が国会に提出されたが、成立せず(33年)
・国民所得倍増計画の策定に伴い、技術者養成の要望の高まりから、工業教育を主体とする高等専門学校を創設(36年)
・暫定的な制度であった短期大学を恒久的制度に改正(39年)
・各種学校は、戦後、主として職業、家政その他実際生活に必要な知識・技術を修得させることを目的とする実用的・専門
的な教育機関として発展。その後、専修学校制度が創設(50年)
(参考文献)「学制百年史」「産業教育百年史」(文部省)
(参考1)旧制学校時の設置者別学校種別学校数
中等教育
中学校
高等女学校
実業学校
173
7
22
国立
1
1
公立
166
6
私立
6
明治 16
明治 36
(参考2)旧制学校時の設置者別学校種別在学者数
高等教育
実業補習学校
高等学校
専門学校
中等教育
各種学校
中学校
64
1
2
1
1,275
高等教育
高等女学校
実業学校
14,763
450
743
国立
219
101
349
大学
明治 16
11
33
47
公立
13,929
11
29
1,228
私立
615
98,000
25,719
31,160
60,823
5,074
22,445
4,543
339
333
128
207
5,074
6,799
4,543
678
公立
81,941
22,813
28,247
57,376
1,468
1,308
私立
15,720
2,573
2,785
3,245
14,178
246,739
239,401
179,860
1,024,774
13,734
54,233
38,731
148
736
13,379
15,320
15,149
147,748
1,018,712
1,349
8
47
2
1
1
8
15
2
公立
209
82
220
1,284
4
私立
39
8
16
64
28
468
685
745
14,975
25
121
31
23
40
11
国立
854
1,272
6
4
450
公立
104,432
182,374
私立
54,154
55,755
31,964
5326
1,694
国立
2
3
2
4
公立
375
544
654
14,873
私立
91
138
89
98
2
75
16
1,244
1,950
1041
15,140
32
171
45
3
1
3
25
50
18
公立
434
730
748
15,077
3
11
2
私立
118
242
293
60
4
110
25
大正 12
昭和 8
58,279
2,664
237
975
1,650
55,615
1
2
382
3,321
91
554
1,650
3,445
1
国立
各種学校
大学
7,148
354
249
昭和 8
専門学校
389
国立
大正 12
高等学校
国立
1,986
明治 36
実業補習学校
355
114,677
25,124
89,553
209,885
1,768
1,638
24,690
37,145
21,944
185,195
209,674
327,261
371,807
316,845
1,271,530
20,300
90,262
70,893
国立
974
1,271
169
580
15,689
23,064
27,901
157
公立
272,649
278,384
222,761
1,263,028
2,262
3,396
1,432
12,889
1,793
私立
53,638
92,152
93,915
7,922
2,349
63,802
41,560
196,785
大学・短期大学・高等専門学校の制度創設の経緯
昭和
22年
学校教育法の制定により、旧制の学校制度における、大学、高等学校、専門学校、高等師範学校などの諸機関を、四年制
の新制大学に一本化した。
昭和
24年
新制大学への切り替えに際し、旧制の専門学校の一部は、教員組織、施設・設備等が不十分であるため、四年制大学へ転
換できなかった。旧制の専門学校をそのまま存続させることはできなかったため、学校教育法の一部改正により、暫定措置
として、修業年限二年又は三年の大学を設け、これを短期大学と称することとした。
中央教育審議会「短期大学制度の改善についての答申」(抄)(昭和31年12月)
① 短期大学制度を恒久的な制度とし、高等学校教育の基礎の上に、主として職業又は実際生活について専門の学芸を教授研究する
機関とする。
② 一貫して充実した専門教育を授けるため、必要な場合は、高等学校の課程を包含する短期大学(あるいはその他の名称)を認める。
③ 短期大学は、専門教育を行う完成教育機関であって、四年制大学とは別個のものであり、したがってその目的・性格は異なるもので
あって、これに関する規定を設ける場合も両者を明確に区別する必要がある。
中央教育審議会「科学技術教育の振興方策について(答申)」(抄)(昭和32年11月)
今日、産業界において、旧制工業専門学校の卒業者に相当する技術者の要望が強いが、現在、理工系の短期大学は、数も少なく内
容もふじゅうぶんで、科学技術教育の面で大きな寄与をしているとはいい難い。我が国においては、大企業と並んで中・小企業も大きな
部分を占めているので、このような技術者の養成は急務と思われる。そのためには、さきに答申したとおり、次の処置が必要である。
① 短期大学の目的、性格を明らかにし、その制度および内容の改善を図ること。
② 短期大学と高等学校を合わせた五年制又は六年制の技術専門の学校を早急に設けること。」
昭和
36年
学校教育法の一部改正により、大学とは別の高等教育機関として、修業年限を五年とする「高等専門学校」制度を創設。
① 「研究」を学校の目的としないことで、大学との違いを明確化
(※ただし、設置基準において、研究に関する努力規定を置いている)
② 「実際生活に必要な能力の育成」を目的としないことで、専門職業教育機関であることを明確化
(※ただし、設置基準において、技術者としての専門教育のみでなく、社会人として必要な教養としての一般教育を行うこととされている)
昭和 暫定的な制度として発足した短期大学について、
39年
① 四年制大学に比し、保護者や学生の経済的負担を軽減する
② 短期間における実際的な専門職業教育を施す
③ 特に、女子の高等教育の場として適切である
ことなどから、高等教育機関として独自の重要な地位と役割を占めるに至ったことを受け、学校教育法の一部改正により、
短期大学制度を恒久化。
116
専修学校の制度創設の経緯
昭和
22年
明治時代から、様々な分野において教育の普及と発展に貢献してきた各種学校について、学校教育法の制定
により、「第一條に掲げるもの以外のもので、学校教育に類する教育を行うものは、これを各種学校とする。」とし
て位置付け。
中央教育審議会「私立学校教育の振興についての答申 」(抄)(昭和30年9月)
各種学校については,その学校数および種類がきわめて多く,質的にも千差万別の現状であるので,これが実態をすみやかに調査
し,本制度の健全なる発達について今後じゅうぶん検討を行うこと。
中央教育審議会「後期中等教育の拡充整備について (答申)」(抄)(昭和41年10月)
① 各種学校の健全な発展とこれに対する指導育成の基礎を固めるため,その目的・性格を明らかにする。
② 各種学校のうち後期中等教育段階の青少年を対象とする課程については,必要な基準を整備し,各種学校としての特色を生かしな
がら全般的な水準の維持向上を図る。この場合,その卒業者が,できるかぎり各種の職業上その他の資格を取得できるよう配慮する。
③ 前項の課程において充実した教育が行なわれるよう必要な奨励措置を講ずる。
当時の各種学校制度の課題
規模・水準等において、きわめて多様な内容をもつものを「学校教育に類する教育を行うもの」として一括して取り扱っており、その教育
の適切な振興を図る上で困難な点があった。
昭和
50年
学校教育法の一部改正により、専修学校制度を創設。従来の各種学校のうち一定の規模、水準を有する、組織
的な教育を行うものを専修学校として位置づけ、その教育の振興を図ることとした。
専修学校制度の創設の趣旨
① 目的の明確化 : 職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的)
② 範囲の明確化 : 修業年限(1年以上)、授業時数(政令で定める時数)、生徒数(常時40人以上)を基準
③ 継続教育を行う類型の明確化 : 一般課程のほかに、高等課程・専門課程を設ける
④ 設置者、設置基準、教員資格等に関する規定の整備
教育の目的・目標規定
○教育の目標規定
個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んず
る態度を養うこと。(教育基本法第2条第2号)
○学校教育の目的・目標規定
義務教育
義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社
会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。 (教育基本法第5条第2項)
義務教育として行われる普通教育は、教育基本法 (平成18年法律第120号)第五条第二項 に規定する目的を実現するため、次に
掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
(学校教育法第21条)
高等学校
高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的と
する。(学校教育法第50条)
高等学校における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて、豊かな人間性、創造性及び健やかな身体を養い、国家及び
社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専
門的な知識、技術及び技能を習得させること。
三 個性の確立に努めるとともに、社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと。
(学校教育法第51条)
専修学校
高等専門学校
第1条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各
号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら
対象とするものを除く。)は、専修学校とする。 (学校教育法第124条)
高等専門学校は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする。(学校教育法第115条)
大学
大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること
を目的とする。 (学校教育法第83条)
短期大学
大学は、第83条第1項に規定する目的に代えて、深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成することを主
な目的とすることができる。(学校教育法第108条)
117
後期中等教育、高等教育機関の学校数、学生・生徒数等の状況
学校数(比率)
高等学校
学生・生徒数
(比率)
5,183
3,338,861
国公私比率(学校数)
国立
公立
0.3% 74.2% 25.5%
(16) (3,846) (1,321)
2,414,344 (72.3%)
―
―
―
専門学科
758,752 (22.7%)
―
―
―
総合学科
165,765
―
―
―
普通科
(5.0%)
分野別比率
私立
普通科72.3% 農業2.6% 工業8.0% 商業6.7% 水産0.3% 家庭1.3% 看護0.4% 情報0.1% 福祉0.1%
総合学科5.0% その他3.0%
494
37,548
1.0%
(5)
1.6%
(8)
97.4% 工業11.3% 農業0.02% 医療35.7% 衛生14.1% 教育・社会福祉2.9% 商業実務18.1% 服飾・家政9.0% 文化・教養8.7%
(481)
2,927
552,711
0.4%
(11)
6.9%
(200)
94.1% 工業13.8% 農業0.7% 医療34.8% 衛生12.1% 教育・社会福祉6.2% 商業実務10.0% 服飾・家政3.4% 文化・教養19.0%
(2716)
64
55,853
85.9%
(55)
9.4%
(6)
短期大学
406
155,127
0.5%
(2)
7.1%
(26)
大学
773
2,527,319
11.1%
(86)
11.9%
(92)
専門職大学院
129
23,381
34.1%
(42)
5.4%
(7)
高等専修学校
(専修学校高等課程)
専門学校
(専修学校専門課程)
高等専門学校
4.7% 商船学科2.0% 工業学科96.6% その他(情報デザイン学科、コミュニケーション情報学科、国際流通学科、経営情報学科)1.4%
(3)
93.1% 人文科学12.4% 社会科学11.9% 教養1.4% 工業3.1% 農業0.9% 保健8.0% 家政20.5% 教育29.6%
(378)
77.0% 人文科学15.4% 社会科学35.3% 理学3.2% 工学16.0% 農学3.0% 医・歯学2.5% 薬学2.1% 家政2.6% 教育6.3%
(595)
60.5% 人文科学0.9% 社会科学86.9% 工学130% 医・歯学0.5% 教育5.9%
(78)
資料:文部科学省「学校基本調査」(平成21年度)
※通信教育については含まない。
※高等学校の学校数は、複数の学科を併置する学校があるため、各学科の総計と異なる。
※学生・生徒数については本科、学部のみ。
※国公私比率は学校数ベース、分野別比率は学生・生徒数ベース。
※専門職大学院の学校数は、大学の内数。
「社会的・職業的自立、社会・職業への円滑な移行に必要な力」の構成
専門的な知識・技能
キャリアプラン
ニング能力
課題対応能力
118
自己理解・自己
管理能力
人間関係形成・
社会形成能力
論理的思考力
創造力
意欲・態度
勤労観・職業観等
の価値観
基礎的・基本的な知識・技能
「キャリア発達にかかわる諸能力(例)」と「基礎的・汎用的能力」の関係(イメージ)
キャリア発達にかかわる諸能力(例)
人間関係
形成能力
他者の個性を尊重
し,自己の個性を
発揮しながら,様々
な人々とコミュニ
ケーションを図り,
協力・共同してもの
ごとに取り組む。
情報活用能力
学ぶこと・働くこと
の意義や役割及び
その多様性を理解
し,幅広く情報を活
用して,自己の進
路や生き方の選択
に生かす。
自己理解を深め,他者の多様な個性
を理解し,互いに認め合うことを大切
にして行動していく能力
自他の理解能力
コミュニケーション能力
情報収集・探索能力
多様な集団・組織の中で,コミュニケー
ションや豊かな人間関係を築きながら,
自己の成長を果たしていく能力
進路や職業等に関する様々な情報を収集・
探索するとともに,必要な情報を選択・活用
し,自己の進路や生き方を考えていく能力
将来設計能力
意思決定能力
職業理解能力
様々な体験等を通して,学校で学ぶことと
社会・職業生活との関連や,今しなけれ
ばならないことなどを理解していく能力
夢や希望を持って
将来の生き方や生
活を考え,社会の
現実を踏まえなが
ら,前向きに自己
の将来を設計する。
役割把握・認識能力
生活・仕事上の多様な役割や意義及び
その関連等を理解し,自己の果たすべき
役割等についての認識を深めていく能力
自らの意志と責任
でよりよい選択・決
定を行うとともに,
その過程での課題
や葛藤に積極的に
取り組み克服する。
選択能力
※事務局において作成
人間関係形成・
社会形成能力
自己理解・
自己管理能力
課題対応能力
目標とすべき将来の生き方や進路を考え,
それを実現するための進路計画を立て,実
際の選択行動等で実行していく能力
計画実行能力
様々な選択肢について比較検討したり,葛
藤を克服したりして,主体的に判断し,自ら
にふさわしい選択・決定を行っていく能力
キャリア
プランニング能力
意思決定に伴う責任を受け入れ,選択結果に適
応するとともに,希望する進路の実現に向け,
自ら課題を設定してその解決に取り組む能力
課題解決能力
「生きる力」
知・徳・体のバランスのとれた力
変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体をバランス
よく育てることが大切。
○基礎・基本を確実に身に付け、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、
主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
○自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性
○たくましく生きるための健康や体力 など
※「生きる力」は、その内容のみならず、社会において子どもたちに必要となる力をまず明確にし、そこから教育の在り方を改善するという考え方において、
OECDのいう「主要能力(キー・コンピテンシー)」を先取りしたもの
→新しい学習指導要領では、学校で子どもたちの「生きる力」をよりいっそうはぐくむことを目指す
<「生きる力」をはぐくむに当たって重要な要素の例として整理された内容>
○自己に関すること (例)自己理解(自尊・自己肯定)・自己責任(自律・自制)、健康増進、意思決定、将来設計
○自己と他者との関係 (例)協調性・責任感、感性・表現、人間関係形成
○自己と自然などとの関係 (例)生命尊重、自然・環境理解
○個人と社会との関係 (例)責任・権利・勤労、社会・文化理解、言語・情報活用、知識・技術活用、課題発見・解決
※今回の改訂のポイント
○教育基本法の改正等で明確になった教育理念を踏まえて教育内容を見直し
教育の目標に新たに規定された内容
・能力の伸長、創造性、職業との関連を重視 ・生命や自然の尊重、環境の保全
・公共の精神、社会の形成に参画する態度 ・伝統と文化の尊重、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、他国を尊重、国際社会の平和と発展に寄与
○学力の重要な3つの要素を育成
・基礎的な知識・技能をしっかりと身に付けさせる
・知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力をはぐくむ
・学習に取り組む意欲を養う
○道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成
資料:中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月)
119
「学士力」
学士課程の各専攻分野を通じて培う力。教養を身に付けた市民として行動できる能力。
∼学士課程共通の「学習成果」に関する参考指針∼
1.知識・理解
3.態度・志向性
専攻する特定の学問分野における基本的な知識を体
系的に理解するとともに、その知識体系の意味と自己の
存在を歴史・社会・自然と関連付けて理解する。
(1)多文化・異文化に関する知識の理解
(2)人類の文化、社会と自然に関する知識の理解
(1)自己管理力
自らを律して行動できる。
(2)チームワーク、リーダーシップ
他者と協調・協働して行動できる。また、他者に方向性を示し、
目標の実現のために動員できる。
2.汎用的技能
(3)倫理観
知的活動でも職業生活や社会生活でも必要な技能
(1)コミュニケーション・スキル
自己の良心と社会の規範やルールに従って行動できる。
日本語と特定の外国語を用いて、読み、書き、聞き、話す
ことができる。
(4)市民としての社会的責任
社会の一員としての意識を持ち、義務と権利を適正に行使し
つつ、社会の発展のために積極的に関与できる。
(2)数量的スキル
自然や社会的事象について、シンボルを活用して分析し、
理解し、表現することができる。
(5)生涯学習力
卒業後も自律・自立して学習できる。
(3)情報リテラシー
情報通信技術(ICT)を用いて、多様な情報を収集・分析
して適正に判断し、モラルに則って効果的に活用すること
ができる。
4.統合的な学習経験と創造的思考力
これまでに獲得した知識・技能・態度等を総合的に活用し、自ら
が立てた新たな課題にそれらを適用し、その課題を解決する能力
(4)論理的思考力
情報や知識を複眼的、論理的に分析し、表現できる。
(5)問題解決力
問題を発見し、解決に必要な情報を収集・分析・整理し、
その問題を確実に解決できる。
資料:中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」(平成20年12月)
「人間力」
社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きて
いくための総合的な力
※ 次のような要素を総合的にバランスよく高めることが、人間力を高めることと定義
構成要素
内容
知的能力的要素
「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、
「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。
また、それらの上に応用力として構築される「論理的思考力」、「創造
力」など
社会・対人関係力的要素
「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意
識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高めあう力」など
自己制御的要素
上記の要素を十分に発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らし
い生き方や成功を追求する力」など
資料:内閣府「人間力戦略研究会報告書」(平成15年4月)
120
「社会人基礎力」
組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基
礎的な能力
分 類
能力要素
主体性
前に踏み
出す力
(アクショ
ン)
働きかけ力
例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む。
他人に働きかけ巻き込む力
例)「やろうじゃないか」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく。
目的を設定し確実に行動する力
実行力
課題発見力
考え抜く
力
(シンキン
グ)
内 容
物事に進んで取り組む力
例)言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く
取り組む。
現状を分析し目的や課題を明らかにする力
例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。
課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
計画力
創造力
発信力
例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検
討し、それに向けた準備をする。
新しい価値を生み出す力
例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。
自分の意見をわかりやすく伝える力
例)自分の意見をわかりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。
相手の意見を丁寧に聴く力
傾聴力
チームで
働く力
(チーム
ワーク)
柔軟性
状況把握力
規律性
ストレスコン
トロール力
例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問するなど相手の意見を引き出
す。
意見の違いや立場の違いを理解する力
例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。
自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。
社会のルールや人との約束を守る力
例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。
ストレスの発生源に対応する力
例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて
対応する。
資料:経済産業省「社会人基礎力に関する研究会-中間
取りまとめ-」(平成18年1月)
「就職基礎能力」
企業が採用に当たって重視し、基礎的なものとして比較的短期間の訓練に
より向上可能な能力
事務・営業の職種について、就職基礎能力のそれぞれの能力の具体的な内容についてレベル分け(=基礎(高校卒業レベル)、応用(大学卒業レベル))を行い、「就
職基礎能力修得の目安」として整理
能力
要素
内容
意思疎通
自己主張と傾聴のバランスを取りながら効果的に意思疎通ができる
協調性
双方の主張の調整を図り調和を図ることができる
自己表現力
状況にあった訴求力のあるプレゼンができる
責任感
社会の一員として役割の自覚を持っている
向上心・探求心
働くことへの関心や意欲を持ちながら進んで課題を見つけ、レベルアップを目指すことができる
職業意識・勤労観
職業や勤労に対する広範な見方・考え方を持ち、意欲や態度等で示すことができる
読み書き
職務遂行に必要な文書知識を持っている
計算・数学的思考
職務遂行に必要な数学的な思考方法や知識を持っている
社会人常識
社会人として必要な常識を持っている
ビジネスマナー
基本的なマナー
集団社会に必要な気持ちの良い受け答えやマナーの良い対応ができる
資格取得
情報技術関係
社会人として必要なコンピュータの基本機能の操作や情報処理・活用ができる
経理・財務関係
社会人として必要な経理・会計、財務に関する知識を持ち活用ができる
語学力関係
社会人として必要な英語に関する知識を持ち活用ができる
コミュニケーション
能力
職業人意識
基礎学力
資料:厚生労働省「若年者の就職能力に関する実態調査」結果(平成16年1月)
121
生徒・学生の労働者の権利に関する知識の理解状況
高校生の理解状況を進路別に見ると、進学者と比べて就職者の方が理解度が低い
高校生の理解状況を進路別に見ると、進学者と比べて就職者の方が理解度が低い
0
0.5
1
1.5
2
進学
2.5
点
2.02
正社員・内定
1.92
正社員・未内定
1.82
フリーター、未定
1.76
(出典) 佐藤博樹・高橋康二 「労働のセーフティネットを使いこなすためには何が必要か−労働者の権利に関する理解に着目して−」
(『若年者の就業行動・意識と少子高齢社会の関連に関する実証研究(平成16年総括研究報告書)』、厚生科学研究費補助金政策科学推進研究事業、2005)
生徒・学生の理解状況は、将来希望する働き方が分からないと考えている方が理解度が低い
生徒・学生の理解状況は、将来希望する働き方が分からないと考えている方が理解度が低い
「20歳代後半から30歳頃になったときに、どのような働き方をしていたいか」という問に対する回答と、理解度の関係について
計
32.7
自分で事業を起こす、経営者になる
31.8
一つの会社で長く働き、能力を蓄積できるような働き方
31.1
組織に縛られず、専門的な技術・知識を活かした働き方
30.1
仕事以外の自分の時間を重視する働き方
理解度レベル3
45.5
38.8
30.1
38.2
31.6
39.5
39.5
42.9
42.9
わからない
理解度レベル2
30.6
22.7
20.9
専業主婦・主夫になる
理解度レベル1
36.7
14.3
65.7
17.1
0%
17.1
50%
100%
(出典) 厚生労働省 「労働関係法制度の知識の理解状況に関する調査」(平成20年)
職場体験・インターンシップの実施状況
100
<各学校・学科における実施率>
(%)
98.4
95.2
77.4
10
0
81.2
100.0
95.8
94.1
91.9
66.5
59.7
67.8
47.1
40.3
29.9
41.9
68.1
23.7
22.7
20.9
21.1
52.2
36.9
59.4
35.3
40.6
23.9
10
0
12
13
14
15
16
17
18
4.5
3.5
2.7
5.2
5.5
3.0
平成13
19
(年度)
20.5
17.5
14.9
10.5
14
27.4
26.4
25.0
28.8
20
7.4
11
50.0
38.5
14.6
5.7
60.1
45.6
40
30
29.9
23.4
58.0
57.4
48.9
43.6
37.8
51.7
50.4
50
50.2
45.1
32.0
65.3
60
21.7
14.7
10.3
平成10
56.5
76.3
73.6
70
67.7
62.5
59.0
46.3
38.9
33.5
31.9
65.8
55.0
60.9
85.4
80
81.5
63.7
62.9
90
89.3
82.5
74.1
47.7
20
89.7
79.9
80.5
50
30
88.7
86.9
60
40
90.5
87.1
83.9
80
70
90.5
90.5
90
<体験者数の割合>
(%)
100
8.9
6.8
6.7
5.9
4.4
3.3
15
12.4
8.3
7.1
17
14.9
8.3
5.3
4.3
16
14.1
18
5.9
19
(年度)
大学
短期大学
大学
短期大学
高等専門学校
公立高等学校(全体)
高等専門学校
公立高等学校(全体)
公立高等学校(普通科)
公立高等学校(職業に関する 学科)
公立高等学校(普通科)
公立高等学校(職業に関する 学科)
公立中学校
※公立高等学校については全て全日制における体験者数の割合
※高等学校については、3年間を通して1回でも体験した3年生の数を体験者数とし、3年生全体
に占める割合。
※大学については、その年度の卒業者数を母数として内閣府において推計(短期大学、高等専
門学校についても同様に推計)。
※中学校のデータは存在せず。
※公立高等学校については全て全日制における実施率
資料:中学校、高等学校は、文部科学省(~H16)、国立教育政策研究所生徒指導研究センター
(H17~)公表資料
大学、短期大学、高等専門学校は、文部科学省公表資料
資料:高等学校は、文部科学省(~H16)、国立教育政策研究所生徒指導研究センター(H17~)
公表資料を基に作成
大学、短期大学、高等専門学校は、内閣府「青少年白書」を基に作成
122
小学校・中学校・高等学校におけるキャリア発達
小学校
中学校
高等学校
<キャリア発達段階>
進路の探索・選択にかかる
基盤形成の時期
現実的探索と暫定的選択
の時期
現実的探索・試行と
社会的移行準備の時期
自己及び他者への積極的
関心の形成・発展
肯定的自己理解と自己有用 自己理解の深化と自己受容
感の獲得
身のまわりの仕事や環境へ
の関心・意欲の向上
興味・関心等に基づく勤労
観、職業観の形成
夢や希望、憧れる自己イ
メージの獲得
進路計画の立案と暫定的選 将来設計の立案と社会的移
行の準備
択
勤労を重んじ目標に向かっ
て努力する態度の形成
生き方や進路に関する現実
的探索
選択基準としての勤労観、
職業観の確立
進路の現実吟味と試行的参
加
(出典) 文部科学省 「小学校・中学校・高等学校 キャリア教育推進の手引」 (平成18年11月)
職場体験活動(中学校)・就業体験活動(高等学校)の効果
学校は、職場体験活動、就業体験活動ともに、「勤労観・職業観の芽生えによる職業や『働く
学校は、職場体験活動、就業体験活動ともに、「勤労観・職業観の芽生えによる職業や『働く
こと』への関心の高まり」「自己の将来設計」などで効果があると評価
こと』への関心の高まり」「自己の将来設計」などで効果があると評価
<中学校における職場体験活動>
<高等学校における就業体験活動>
3.6
30.6
「職業観・勤労観」の芽生え
2.6
65.1
57.6
38.1
「職業観・勤労観」の芽生え
2.2
2.1
積極的に人間関係を形成 4.5
51.9
8.6
積極的に人間関係を形成
37.5
50.9
30.6
1.3
1.3
情報活用・進路に活用 7.4
58.8
10.0
情報活用・進路に活用
26.8
60.6
24.2
0.6
0.5
12.5
自己の将来設計
1.1
1.5
9.2
12.1
進路学習全般への意欲向上
12.2
22.5
61.5
19.7
3.8
22.5
63.8
学習活動全般への意欲向上
40.5
5.7
不適応や問題行動等が減少
46.4
26.0
41.4
8.6
2.1
4.1
53.0
34.4
1.4
不適応や問題行動等が減少
9.3
58.1
1.6
2.1
学習活動全般への意欲向上
自らの意志と責任で進路選択
33.0
55.2
1.3
進路学習全般への意欲向上
15.8
14.5
70.1
自らの意志と責任で進路選択 4.1
64.2
15.1
前向きに自己の将来設計
11.8
40.7
18.4
27.0
4.9
16.8
就職率が向上
0.5
18.8
14.0
36.8
25.5
2.1
進学先で中途退学減 6.5
15.1
39.4
38.5
離職率が減少
12.4
あいさつや社会的マナー
15.4
36.1
11.6
37.8
1.5
13.0
あいさつや社会的マナー
0%
そう思う
50%
ややそう思う
あまりそう思わない
1.4
17.0
66.6
100%
そう思わない
わからない
65.1
0%
14.6
50%
そう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
100%
そう思わない
わからな
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「職場体験・インターンシップ現状把握調査」(平成16年)
123
公立中学校における職場体験の実施状況①
98%以上の公立中学校で職場体験を実施。実施学年は2年生が最も多く、実施期間は、2∼
98%以上の公立中学校で職場体験を実施。実施学年は2年生が最も多く、実施期間は、2∼
3日間で約60%、5日間は約20%
3日間で約60%、5日間は約20%
(1)学校別実施状況
※平成20年度調査時点(かっこ内は19年度の数値)
公立中学校数
実施学校数
実施率
10,023校 (10,089校)
9,675校 (9,667校)
96.5% (95.8%)
(2)学年別・期間別実施状況
実
学年
1年生
2年生
3年生
小計
1日
2日
施
期
3日
間
4日
5日
合計
6日以上
A
B
A
B
A
B
A
B
A
B
A
B
A
B
136校
507校
103校
262校
234校
86校
37校
14校
43校
16校
2校
6校
555校
891校
24.5%
56.9%
18.6%
29.4%
42.2%
9.7%
6.7%
1.6%
7.7%
1.8%
0.4%
0.7%
5.7%
50.5%
1,154校
70校
2,250校
39校
2,788校
13校
354校
4校
1,804校
4校
66校
0校
8,416校
130校
13.7%
53.8%
26.7%
30.0%
33.1%
10.0%
4.2%
3.1%
21.4%
3.1%
0.8%
0.0%
87.0%
7.4%
121校
376校
226校
219校
236校
104校
32校
21校
82校
16校
7校
8校
704校
744校
17.2%
50.5%
32.1%
29.4%
33.5%
14.0%
4.5%
2.8%
11.6%
2.2%
1.0%
1.1%
7.3%
42.2%
1,411校
953校
2,579校
520校
3,258校
203校
423校
39校
1,929校
36校
75校
14校
9,675校
1,765校
(1,697校)
(998校)
(2,550校)
(501校)
(2,960校)
(196校)
(9,667校)
(1,789校)
14.6%
54.0%
26.7%
29.5%
33.7%
11.5%
4.4%
2.2%
19.9%
2.0%
0.8%
0.8%
100.0%
100.0%
(17.6%)
(55.8%)
(26.4%)
(28.0%)
(30.6%)
(11.0%)
(3.7%)
(2.0%)
(21.2%)
(2.7%)
(0.6%)
(0.6%)
(100.0%)
(100.0%)
(355校)
(35校)
(2,050校)
(48校)
(55校)
(11校)
※ 実施期間は、実際に事業所等で体験活動を行う期間とし、事前・事後指導等の時間(期間)は含めない。
※ A欄は職場体験を実施している主たる学年(最も日数の多い学年)の学校数。
B欄は複数の学年で職場体験を実施している学校で、A欄を除く学年の学校数。
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「平成20年度 職場体験・インターンシップ実施状況等調査」
公立中学校における職場体験の実施状況②
(3)職場体験の教育課程等への位置付けの状況等(複数回答可)
参 加 形 態
教育課程等への位置付け
特別活動での実施
総合的な学習の時間で実施
教科の授業で実施
教育課程には位置付けずに
実施
原則として当該学年の
全員が参加
選択・希望者等当該学年の
一部の生徒が参加
1,193校 (1,346校)
1,192校 (1,342校)
7校 (6校)
12.3% (13.9%)
99.9% (99.7%)
0.6% (0.4%)
9,072校 (8,872校)
9,023校 (8,778校)
50校 (107校)
93.8% (91.8%)
99.5% (98.9%)
0.6% (1.2%)
210校 (97校)
198校 (92校)
12校 (6校)
2.2% (1.0%)
94.3% (94.8%)
5.7% (6.2%)
629校 (766校)
565校 (703校)
66校 (66校)
6.5% (7.9%)
89.8% (91.8%)
10.5% (8.6%)
※ 2つ以上に該当する場合は、その全てをカウント。
※ 実際に事業所等で行う体験活動を対象とし、事前・事後指導等は含めない。
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「平成20年度 職場体験・インターンシップ実施状況等調査」
124
中学校のキャリア教育・進路指導に対する生徒・保護者の期待
生徒や保護者が「個性や適性を考える学習」を望んでいるのに対し、保護者がいわゆる「出口
生徒や保護者が「個性や適性を考える学習」を望んでいるのに対し、保護者がいわゆる「出口
指導」に偏って期待していると考えている教師は少なくない
指導」に偏って期待していると考えている教師は少なくない
●保護者にアンケート
中学校の進路指導への期待 ベスト3
●教師にアンケート
中学校の進路指導に対する悩み ワースト3
保護者の進路指導に対する期待が進学
先の選択やその合格可能性に偏ってい
る
生徒の進路意識や進路
選択態度に望ましい変容
がみられない
41.3%
27.9%
進路学習を実施する十分
な時間が確保できない
●中学3年生にアンケート
生き方や進路について考えるために
指導してほしかったこと ベスト3
自分の個性や適性を考える学習
将来の生き方や人生設計
26.9%
自分の個性や適性を
理解するための学習
26.7%
適正な進路選択
の考え方や方法
についての学習
25.9%
高等学校など上級学校や
企業への合格・採用の可能性
学ぶことや働くことの
意義を考えさせる学習
20.0%
●前年度の中学卒業生にアンケート
生き方や進路について考えるために
指導してほしかったこと ベスト3
自分の個性や適性を考える学習
46.2%
進路選択の考え方や方法
33.3%
高等学校など上級学校の
教育内容や特色
28.9%
50.9%
37.3%
32.9%
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター
「自分に社会をつなぎ、未来を拓くキャリア教育」 (中学校向けキャリア教育推進パンフレット) (平成21年11月) より転載
中学校卒業者の進路状況(平成21年3月)
専修学校高等課程
2,777人
0.2%
就職者
5,777人
0.5%
その他
16,142人
1.4%
高等専門学校
10,832人
0.9%
高等学校等
1,152,504人
97.0%
※「高等学校等」には、中等教育学校後期課程・特別支援学校高等部を含む。
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
125
後期中等教育段階の学校数の推移(学校種別)
校
6,000
5,512
5,369
5,501
5,493
5,450
5,098
4,811
5,000
H21
5,183
4,862
4,817
4,586
4,572
4,000
高等学校
3,575
3,000
1,000
867
816
900
800
831
666
700
760
600
高等課程を置く専修学校
500
400
高等専門学校
300
200
100
0
昭和23年
28
33
248
34
60
63
38
43
48
622
中等教育学校
64
53
62
62
58
63
62
平成5年
62
63
16
10
15
H21
494
H21:64
H21:42
20
(出典)文部科学省「学校基本調査」
人
6,000,000
後期中等教育段階の生徒数の推移(学校種別)
5,533,393
5,000,000
4,716,105
4,521,956
5,010,472
4,414,896
4,201,223
4,000,000
H21
3,347,311
4,258,385
3,896,682
3,809,827
3,000,000
高等学校
3,057,190
2,528,000
2,000,000
1,000,000
1,203,963
140,000
120,000
専修学校高等課程
110,736
101,157
100,000
77,358
80,000
高等専門学校
60,000
38,365
76,367
58,083
48,288
47,245
50,934
56,214
57,875
46,636
20,000
中等教育学校後期課程
25,286
8,560
3,375
28
33
117
38
43
48
53
126
58
63
H21
59,386
H21
37,548
52,901
40,000
0
昭和23年
55,453
1,631
H21
8,120
平成5年
10
15
20
(出典)文部科学省「学校基本調査」
高等学校制度の概要
課程
① 全日制の課程 : 通常の課程
② 定時制の課程 : 夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程
③ 通信制の課程 : 通信による教育を行う課程
学科
① 普通科
: 普通教育を主とする学科
② 専門学科 : 専門教育を主とする学科(例:農業科、工業科、商業科)
③ 総合学科 : 普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に行う学科
卒業に必要な単位数
① 全学科共通
: 74単位以上(必履修教科・科目は最低31単位)
② 専門学科のみ : 専門教科・科目から25単位以上
高校生の数・高等学校への進学率の推移
万人
100%
1,000
90%
高等学校への進学率
900
80%
普通科に通う生徒の割合
800
70%
700
60%
600
50%
500
高校生の数
40%
400
30%
300
20%
専門学科・総合学科
に通う生徒の割合
10%
200
100
0%
S23
26
29
32
35
38
41
44
47
50
53
56
59
62
H2
5
8
11
14
17
0
20 年度
(出典) 文部科学省 「学校基本調査」
127
高等学校の卒業者数・進路状況の推移
万人
100%
200
︵
普通科︶︵
専門学科︶
卒業者数
大学・短大進学率
90%
180
専修学校等進学率
就職率
大学・短大進学率
80%
160
専修学校等進学率
就職率
70%
140
60%
120
50%
100
40%
80
30%
60
20%
40
10%
20
0%
0
S30
33
36
39
42
45
48
51
54
57
60
63
H3
6
9
12
15
18
21 年度
(出典) 文部科学省 「学校基本調査」
高等学校の学科数・生徒数(学科別)
【学科別生徒数の割合】
【学科別学科数の割合】
福祉, 103,
1.5%
その他専門学科,
583, 8.2%
総合学科,
332, 4.7%
情報, 24, 0.3%
福祉, 9,708,
0.3%
情報, 2,814,
0.1%
看護, 12,774,
0.4%
その他専門学科,
101,705, 3.0%
総合学科,
165,765, 5.0%
家庭, 44,314,
1.3%
看護, 97, 1.4%
家庭, 308,
4.3%
普通科
3,978
56.1%
水産, 43, 0.6%
普通科
2,414,344
72.3%
商業, 223,107,
6.7%
商業, 716,
10.1%
工業, 575,
8.1%
水産, 9,405,
0.3%
農業, 331,
4.7%
工業, 267,289,
8.0%
農業, 87,636,
2.6%
職業学科 計 657,047 人 19.7%
職業学科 計2,197 学科 31.0%
※ 全日制・定時制のみ
※ 学科数について、同一の学科が全日制・定時制の両方に設置されている場合は1として計上。
※「その他の専門学科」には、理数、体育、音楽、美術、外国語、国際関係等の学科がある。
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
128
高等学校の学科数の推移(学科別)
8,000
計 7,255
7,319
7,459
7,440
7,707
7,746
7,631
7,484
7,090
3,586
3,965
4,040
4,318
4,338
4,286
4,182
3,978
6,000
4,000 普通 3,366
2,000
1,400
−
商業 1,201
1,126
1,200
1,103
1,083
1,064
1,030
家庭 955
1,000
936
856
工業 715
800
600
736
その他 283
200
686
492
581
農業 679
400
234
222
53
159
52
50
55
看護 159
水産 56
819
768
698
690
695
685
460
634
434
536
261
160
53
−
363
152
52
635
606
521
607
430
411
382
140
141
52
総合学科 23
昭和45年
60
平成2年
716
662
7
583
575
372
332
358
331
308
277
99
139
48
福祉, 68 46
情報, 22
12
103
97
43
24
17
21
※ 全日制・定時制のみ
※ 学科数について、同一の学科が全日制・定時制の両方に設置されている場合は1として計上。
※「その他の専門学科」には、理数、体育、音楽、美術、外国語、国際関係等の学科がある。 (出典)文部科学省「学校基本調査」
高等学校の学科別生徒数の構成割合の推移
職業学科の比率は年々減少。普通科は最近20年間、ほぼ一定(約7割)で推移
職業学科の比率は年々減少。普通科は最近20年間、ほぼ一定(約7割)で推移
職業学科
(専門高校)
普通科
(年)
昭和30
59.8
35
40.1
58.3
40
41.5
59.5
45
0.8
36.3
68.2
60
0.2
40.7
63.0
55
0.2
40.3
58.5
50
0.1
0.7
31.1
72.1
平成2
74.1
7
74.2
12
73.3
17
72.6
21
72.3
0%
20%
0.7
資料:文部科学
省「学校基本調
27.1
査」
0.8
24.9
1.0
23.8
22.5
20.8
19.7
40%
60%
80%
その他の
専門学科
1.9 0.1
2.5 1.7
2.8
3.0
3.8
総合学科
5.0
100%
※総合学科は平成6年度より導入。「その他の専門学科」には、理数、体育、音楽、美術、外国語、国際関係等の学科がある。
(出典)文部科学省「学校基本調査」
129
高等学校卒業者の進路別の割合(学科別)(平成21年3月)
0.4%
計
18.1%
14.7%
53.5%
0.02%
普通
8.9%
13.3%
63.0%
0.2%
農業
53.2%
21.5%
14.2%
0.2%
工業
62.8%
13.1%
17.2%
0.1%
商業
水産
7.0%
42.0%
22.1%
27.2%
63.9%
12.9%
8.0%
0.1%
家庭
38.5%
25.3%
24.9%
2.6%
看護
76.3%
情報
51.5%
福祉
19.3%
6.1%
10.8%
21.5%
16.3%
47.7%
23.2%
0.0%
その他
68.5%
6.0%
10.2%
0.1%
総合学科
35.9%
0%
28.1%
24.7%
20%
40%
大学・短期大学進学者
専修学校(一般課程)等入学者
一時的な仕事に就いた者
60%
80%
高等学校等(専攻科)進学者
公共職業能力開発施設等入学者
左記以外の者
※ 全日制・定時制のみ
100%
専修学校(専門課程)進学者
就職者
死亡・不詳の者
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
高等学校卒業者の就職率(都道府県別)(平成21年3月)
高等学校卒業者の就職率は地域によって差が大きい。県外就職率は、東北地方や九州地方が比較的
高等学校卒業者の就職率は地域によって差が大きい。県外就職率は、東北地方や九州地方が比較的
高い
高い
(%)
35
就職率
うち県外就職率
32.2
30.8
30.6
29.7
30
24.4
20.9
20.5
20.2
24.3
22.9
22.3 21.9
23.8
22.5
22.6
18.0
18.0
17.4
15.6
16.4
15.4
14.9
14.1 14.0
14.3
就職率
全国平均
18.2%
18.4
18.9
17.2
15.0
14.7
15.3
14.5
13.3
12.0
9.8
9.3
9.4
8.8
6.8
6.9
15.7
14.3
13.0
12.3
10
28.2
20.8
20.3
19.9
20
7.5
31.1
28.9
27.7
24.0
22.2
15
31.4
27.0
26.9
25
32.0
30.0
6.6
6.1
6.7
6.1
7.2
6.8
6.6
5.4
5
4.3
2.6
4.3
3.9
3.6
2.7
3.1
1.8
1.7
1.8
2.0
1.7
1.8
1.6
1.4
0.7
4.0
3.6
2.2
1.9
1.7
1.2
0.8
0.6
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
長崎
熊本
佐賀
高知
福岡
愛媛
香川
山口
徳島
岡山
広島
島根
和歌山
鳥取
兵庫
奈良
大阪
滋賀
京都
三重
静岡
愛知
長野
岐阜
山梨
石川
福井
新潟
富山
神奈川
東京
千葉
群馬
埼玉
茨城
栃木
山形
福島
秋田
宮城
青森
岩手
北海道
0
4.2
2.7
2.3
県外就職率
全国平均
4.0%
※ 全日制・定時制のみ
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
130
高等学校卒業者の職業別就職割合(学科別)(昭和45年3月)
31.3
17.0
34.3
計
4.1
(81万6,716人)
専門的・技術的職業従事者
22.9
18.0
41.9
普通
事務従事者
5.1
(33万0,800人)
販売従事者
農林業作業者
33.1
12.0
10.0
農業
(6万5,189人)
工業
4.5
農林業作業者
30.6
漁業作業者
採鉱・採石作業者
技能工・生産工程作業者
78.1
5.2
(15万2,192人)
技能工・生産工程作業者
11.4
23.7
事務従事者 55.8
商業
運輸・通信従事者
単純労働者
(20万6,807人)
漁業作業者
18.0
11.7
水産
運輸・通信従事者
20.5
38.9
販売従事者 25.5
28.5
保安職業従事者
サービス職業従事者
(5,151人)
29.9
家庭
8.2
(5万3,903人)
専門的・技術的職業従事者
67.4
その他
(2,674人)
0%
20%
5.8
11.9
40%
左記以外のもの
サービス
職業従事者
60%
80%
6.8
100%
(出典)文部科学省「学校基本調査」
高等学校卒業者の職業別就職割合(学科別)(平成21年3月)
計
11.2
14.6
9.8
48.2
(19万3563人)
普通
39.5
19.5
(6万9124人)
農業
4.0
16.4
専門的・技術的職業従事者
52.1
(1万4860人)
事務従事者
工業
生産工程・労務作業者
10.0
75.3
販売従事者
(5万3562人)
商業
事務従事者
35.1
13.5
サービス職業従事者
28.2
13.3
保安職業従事者
(3万1481人)
農林漁業
水産
作業者
(1809人)
農林漁業作業者
51.7
6.9
運輸・通信従事者
6.4
家庭
12.9
42.9
生産工程・労務作業者
27.3
(5647人)
上記以外のもの
看護
専門的・技術的職業従事者
64.3
26.1
(322人)
情報
10.6
22.0
(132人)
福祉
販売従事者
8.3
運輸・通信
従事者
37.1
5.3
サービス職業従事者
43.3
39.9
(1463人)
その他
36.6
19.2
(2013人)
総合
43.3
19.5
(1万3150人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出典)文部科学省「学校基本調査」
131
高等学校卒業者の産業別就職割合(学科別)(昭和45年3月)
3.6 4.0
計
36.9
8.0
25.2
4.6
8.3
5.0
農業
(81万6,716人)
32.4
普通
26.8
10.1
5.2
公務
3.0
7.1
10.1
(33万0,800人)
林業・狩猟業
漁業,水産養殖業
鉱業
3.8
農業 33.5
農業
28.2
13.2
3.2
7.2
建設業
6.8
(6万5,189人)
製造業
建設業 12.6
工業
製造業 62.8
7.2
4.9
4.2 3.3
(15万2,192人)
金融業,保険業
卸売業,小売業 37.7
28.3
商業
13.9
(20万6,807人)
水産
金融業,保険業
不動産業
4.0
7.0
3.2
運輸業,通信業
電気・ガス水道業
漁業,水産養殖業
20.0
(5,151人)
卸売業,小売業
35.6
13.7
35.9
家庭
運輸業,通信業
19.4
4.6 2.9
34.6
3.5 3.1
サービス業
公務
13.4
3.0
上記以外のもの
(5万3,903人)
10.2
その他
サービス業 65.4
9.5
9.6
(2,674人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出典)文部科学省「学校基本調査」
高等学校卒業者の産業別就職割合(学科別)(平成21年3月)
計
11.5
44.1
(19万3563人)
農業,林業
普通
13.8
36.0
(6万9124人)
漁業
鉱業,採石業,砂利採取業
農業,林業
農業 3.9
45.4
建設業
11.2
(1万4860人)
製造業
工業
製造業 62.6
建設業 10.6
電気・ガス・熱供給・水道業
(5万3562人)
情報通信業
金融業,保険業
商業
卸売業,小売業 19.0
36.3
運輸業,郵便業
3.8
(3万1481人)
卸売業,小売業
漁業
5.0
水産
(1809人)
家庭
運輸業,
9.3
郵便業
42.1
金融業,保険業
12.2
不動産業,物品賃貸業
13.3
27.4
宿泊業,飲食サービス業
学術研究,専門・技術サービス業
11.6
26.3
(5647人)
宿泊業,飲食サービス業
看護
医療,福祉
生活関連サービス業,娯楽業
80.7
(322人)
教育,学習支援業
情報
医療,福祉
情報通信業
43.9
9.1
(132人)
福祉
医療,福祉
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
75.3
公務(他に分類されるものを除く)
(1463人)
その他
上記以外のもの
公務 12.7
35.4
(2013人)
総合
41.5
(1万3150人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(出典)文部科学省「学校基本調査」
132
高等学校専攻科の概要
【概要】
<目的> 精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導すること(学校教育法第58条)
<修業年限> 1年以上
<入学資格> 高等学校若しくはこれに準ずる学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は文部科学大臣
の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者
<設置基準>
専攻科の編制、施設、設備等については、高等学校設置基準によらなければならない。ただし、教育
上支障がないと認めるときは、都道府県教育委員会等は、専攻科の編制、施設及び設備に関し、必要
と認められる範囲内において、高等学校設置基準に準じて、別段の定めをすることができる。
普通科
農業
工業
商業
水産
家庭
看護
情報
福祉
合計
当該学科を設置
する学校数(A)
3,978
331
575
716
43
308
97
24
103
6,175
専攻科を設置
する学校数(B)
3
9
19
1
26
3
77
0
2
140
専攻科の
在籍生徒数
128
256
452
26
471
120
6,802
0
50
8,305
設置割合(B/A)
(%)
0.1
2.7
3.3
0.1
60.5
1.0
79.4
0
1.9
2.3
※高等学校の学校数および専攻科のある高等学校の学校数は、複数の学科を設置する学校があるため、各学科の合計と異なる。
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
高等学校におけるキャリア教育の取組状況
高等学校のキャリア教育は、学校によって取組の差がある
高等学校のキャリア教育は、学校によって取組の差がある
0%
10%
20%
30%
40%
50%
【計画・資料等の有無】
30.5%
組織的・体系的な指導計画を作成
12.3%
文部科学省や教育委員会などの資料等を教員に配付
10.3%
新学習プログラムを作成
9.9%
自校独自の資料等を教員に配付
【校内・校外の連携状況】
15.2%
進路指導担当部署と各教科との連携強化
20.9%
小学校、中学校、大学との連携強化
26.0%
地域・民間企業との連携強化
【成果に対する評価の有無】
11.4%
生徒の評価を求めている
10.9%
教員自身が評価している
保護者の評価を求めている
6.8%
(出典) (株)リクルート 「2008年 高校の進路指導・キャリア教育に関する調査」
133
公立高等学校におけるインターンシップの実施状況①
1 インターンシップ実施状況 (平成20年度調査時点) ※( )は19年度の数値
(1)学校別実施状況(予定含む)
公立高等学校数
実施学校数
実施率
4,445校 (4,540校)
3,071校 (2,931校)
69.1% (64.6%)
(2)インターンシップの教育課程等への位置付けの状況等(複数回答可)
参 加 形 態
教育課程等への位置付け
特別活動での実施
総合的な学習の時間で実施
現場実習等職業に関する
教科・科目の中で実施
「課題研究」の中で実施
学校設定教科・科目で実施
「学校外における学修」
として実施
教育課程には位置付けず
に実施
原則として当該学年の
全員が参加
選択・希望者等当該学年の
一部の生徒が参加
358校 (338校)
224校 (205校)
134校 (134校)
11.7% (11.5%)
62.6% (60.7%)
37.4% (39.6%)
784校 (765校)
595校 (583校)
189校 (182校)
25.5% (26.1%)
75.9% (76.2%)
24.1% (23.8%)
691校 (627校)
418校 (410校)
273校 (247校)
22.5% (21.4%)
60.5% (65.4%)
39.5% (39.4%)
232校 (224校)
110校 (117校)
122校 (109校)
7.6% (7.6%)
47.4% (52.2%)
52.6% (48.7%)
294校 (274校)
110校 (128校)
184校 (149校)
9.6% (9.3%)
37.4% (46.7%)
62.6% (54.4%)
349校 (310校)
53校 (49校)
296校 (264校)
11.4% (10.6%)
15.2% (15.8%)
84.8% (85.2%)
1,428校 (1,342校)
254校 (215校)
1,174校 (1,114校)
46.5% (45.2%)
17.8% (16.2%)
82.2% (84.1%)
※ 2つ以上に該当する場合は、その全てをカウント。
※ 実際に事業所等で行う体験活動を対象とし、事前・事後指導等は含めない。
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「平成20年度 職場体験・インターンシップ実施状況等調査」
公立高等学校におけるインターンシップの実施状況②
2 学科別状況 (全日制・定時制)
※ 学校数については、全日制・定時制の両方をそれぞれカウントした数になっている。
(1)平成20年度 学科別実施率(%)(公立)
農業
工業
商業
水産
家庭
看護
情報
福祉
その他の職業
に関する学科
小計
普通科
その他
の学科
総合
学科
全体
90.4
79.1
79.0
95.5
85.5
97.0
72.2
85.5
62.5
82.5
57.3
34.4
83.9
65.5
(2)平成20年度 実施学科数及び体験生徒数 (公立)
農業
工業
商業
水産
家庭
看護
情報
福祉
その他の
職業に関
する学科
小計
普通科
その他
の学科
総合
学科
全体
実施学科数
<単位認定
学科数>
322
<157>
496
<205>
473
<159>
42
<12>
177
<64>
32
<30>
13
<3>
47
<37>
10
<2>
1,612
<669>
1,735
<415>
155
<20>
251
<97>
3,753
<1,201>
体験した
生徒数
21,786
48,829
42,915
2,248
9,069
2,667
507
3,610
974
132,605
97.948
3,438
24.628
258,619
在学中に
1回でも
体験した
3・4年生数
(割合※ )
18,630
(67.7)
40,624
(53.5)
39,516
(61.5)
1,948
(67.0)
6,724
(71.3)
1,202
(99.6)
405
(51.6)
1,726
(96.5)
558
(59.9)
111,333
(60.2)
75,240
(14.7)
3,106
(13.2)
18,664
(41.4)
208,343
(27.2)
※ ( )内はその学科の3・4年生全体に占める割合(%)
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「平成20年度 職場体験・インターンシップ実施状況等調査」
134
高等学校における就業体験活動の効果(実施期間別)
5日未満の場合と5日以上の場合を比較してみると、期間が長期化すれば、進路に関する多くの
5日未満の場合と5日以上の場合を比較してみると、期間が長期化すれば、進路に関する多くの
点でより効果を実感しやすくなる傾向
点でより効果を実感しやすくなる傾向
2.47
2.4
5日未満
2.28
5日以上
※ 0(そう思わない)∼3(そう思う)の4段階評価の平均点
2.05
2.1
1.93
2.00
1.89
1.94
1.821.84
1.8
1.78
1.82
1.74
1.82
1.61
1.60
1.43
1.5
1.36
1.22
1.15
1.14
1.2
1.05
0.93
不 適 応 や問 題 行 動 が減 少
離 職 率 が減 少
就 職 率 が向 上
学 習 活 動 全 般 への 意 欲 向 上
積 極 的 に人 間 関 係 を 形 成
情 報 活 用 ・進 路 に 活 用
自 ら の意 志 と 責 任 で進 路 選 択
進 路 学 習 全 般 への 意 欲 向 上
前 向 き に自 己 の将 来 設 計
あ いさ つや社 会 的 マ ナ ー
﹁職 業 観 ・勤 労 観 ﹂の 芽 生 え
0.9
(出典)国立教育政策研究所 生徒指導研究センター「職場体験・インターンシップ現状把握調査(平成16年)
高等学校のキャリア教育・進路指導に対する生徒・保護者の要望
高校生や保護者は、進路に関する情報提供や進学・就職に関する具体的な指導、進路について
高校生や保護者は、進路に関する情報提供や進学・就職に関する具体的な指導、進路について
考えさせる体験・行動の機会の提供、適性や可能性を気付かせる指導などを要望
考えさせる体験・行動の機会の提供、適性や可能性を気付かせる指導などを要望
Q.高校の進路指導にどのようなことを要望するか
39.0
40.7
もっと進路に関する情報提供をしてほしい
28.5
進学や就職に関してもっと具体的に指導してほしい
16.7
進路について考えさせる体験・行動の機会をもっと設けてほしい
28.2
11.4
身近な先輩の経験を聞く機会をもっと設けてほしい
35.1
31.5
19.9
職場見学・インターンシップ等実際の仕事を知る機会をもっと設けてほしい
%
28.1
23.2
もっと適性や可能性を気づかせてくれる指導をしてほしい
26.2
24.5
23.9
もっと職業に関する知識をもって指導してほしい
19.0
もっと世の中・社会の動向を把握したうえで指導してほしい
23.2
20.3
個別の学校の情報をもっと教えてほしい
16.7
16.2
19.0
19.2
15.2
もっと進路相談の機会を設けてほしい
もっと親身になって相談にのってほしい
もっと生徒(子ども)のことを理解してほしい
30.7
13.2
もっと生徒(子ども)の意思を尊重してほしい
23.1
10.4
特に要望はない
7.9
高校生
保護者
15.4
(出典) (社)全国高等学校PTA連合会・(株)リクルート 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2009)
135
高等学校在学時に実施してほしかった体験活動 (学科別)
インターンシップ(就業体験活動)を実施してほしかったと回答した者が約43%
インターンシップ(就業体験活動)を実施してほしかったと回答した者が約43%
身近な産業や職業についての調査
17.2
20.7
24.6
職場の見学
37.3
インターンシップ
39.7
42.5
40.4
16.4
上級学校の見学や調査
13.2
19.2
21.9
上級学校の体験入学
15.2
27.8
26.0
24.1
社会人や職業人の講話・講演
13.9
上級学校の先生の講話・講演
10.7
42.5
44.3
28.2
16.7
33.1
32.1
34.2
卒業生の体験発表会
14.0
13.4
14.7
高等学校の先生からの体験談
その他
7.7
9.5
11.5
全体
普通科
専門学科
(出典) (財)日本進路指導協会 「中学校・高等学校における進路指導に関する総合的実態調査」(平成18年3月)(文部科学省委託)
科目「産業社会と人間」の概要
〔経緯〕
平成5年、高等学校における総合学科の創設に伴い、自己の進路への自覚を深めさせるとともに、将
来の職業生活の基礎となる知識・技術等を修得させるため、総合学科において原則としてすべての生徒
に履修させる科目として設けられる。平成11年の学習指導要領の改訂の際に、学校設定教科に関する
科目として明示された。
〔取扱い〕
○
総合学科においては、すべての生徒に原則として入学年次に履修させるものとし、標準単位数は
2∼4単位。
○ その他の学科では、学校設定教科に関する科目として設けることができる。
〔ねらい〕
○
人間としての生き方の探求、特に自己の生き方の探求を通して、職業を選択し、決定する場合に必
要な能力と態度を養うこと
○ 将来の職業生活を営む上で必要な態度やコミュニケーションの能力を培うことや現実の産業社会や
その中での自己の在り方生き方について認識させ、豊かな社会を築くために積極的に寄与する意欲や
態度を育成すること
〔指導教員〕
特定の教科に相当しないものにあっては免許状の教科を問わず指導するものとし、特別な知識・技術を
必要とする内容の学習を行う場合には当該学習内容と関連の高い教科の免許状を有する者が中心となり、
複数の教員によるティームティーチングによって指導する。
〔教科書〕
検定教科書、文部科学省著作教科書がないため、当該高等学校の設置者の定めるところにより、他の
適切な教科書を使用。
〔開設状況〕(平成19年度入学者に係る学科の状況(全日制・定時制))
普通科 0.8%
専門学科 0.7%
総合学科 89.2%
(出典)「平成19年度 公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査」
136
「産業社会と人間」で実施している教育活動
啓発的な経験、履修計画の作成、ライフプランの作成・発表、職業に関する知識等の習得などの活
啓発的な経験、履修計画の作成、ライフプランの作成・発表、職業に関する知識等の習得などの活
動を多くの学校で実施
動を多くの学校で実施
%
12.4
社会人・職業人や卒業生、地域の方々による講話・懇談
92.2
各教科・科目の履修計画の作成
22.7
89.1
ライフプランの作成・発表
22.7
89.1
11.8
職業に関する知識等の修得
85.1
職業適性検査、性格検査など
1.1
74.4
大学・専門学校等、進学先の見学
1.7
73.6
7.5
調査研究・発表・討論
5.2
企業等の訪問・見学など
その他の体験的な活動
その他
62.9
9.8
企業等における実習、就業体験活動など
奉仕体験活動
63.5
41.4
0.6
31.0
3.4
2.3
23.3
実施している
最も重点を置いて実施している
12.1
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
「産業社会と人間」を実施したことによる成果 (学校回答)
学校は、自己の将来への考察、能力や適性の理解、意欲や態度の育成などの成果を感じている
学校は、自己の将来への考察、能力や適性の理解、意欲や態度の育成などの成果を感じている
%
94.0
11.2
自己の能力・適性、興味・関心を知ることができている
84.8
3.7
「学ぶこと」「働くこと」への意欲や積極的な態度を育成することができている
82.5
1.4
社会に積極的に寄与する意欲・態度を養うことができている
81.9
10.9
生徒が主体的に各教科・科目の履修計画を作成することができている
62.6
2.3
社会生活や職業生活に必要な基本的な知識を身に付けることができている
キャリア教育の中核となる時間として位置づけることにより、キャリア教育を組織的・
計画的に推進することができている
生徒が次の進路に円滑に移行できている
58.9
9.8
47.4
0.9
29.6
教職員の意識改革・資質向上を図ることができている
我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化について考察することができ
ている
23.3
0.3
7.8
他の学校に於けるキャリア教育の改善・充実につながっている
その他
98.0
58.3
自己の将来の生き方・働き方や進路について考察することができている
0.9
当てはまる
最も当てはまる
4.9
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
137
「産業社会と人間」を実施したことによる成果(教育委員会回答)
%
13.3
自己の能力・適性、興味・関心を知ることができている
96.7
3.3
「学ぶこと」「働くこと」への意欲や積極的な態度を育成することができている
91.7
社会に積極的に寄与する意欲・態度を養うことができている
76.7
33.3
我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化について考察することができている
社会生活や職業生活に必要な基本的な知識(職業の種類、法律、制度、慣行など)を身に付
けることができている
100
71.7
自己の将来の生き方・働き方や進路について考察することができている
1.7
63.3
6.7
生徒が主体的に各教科・科目の履修計画を作成することができている
81.7
51.7
生徒が次の進路に円滑に移行することができている
キャリア教育の中核となる時間として位置づけることにより、キャリア教育を組織的・計画的に
推進することができている
3.3
80.0
36.7
教職員の意識改革・資質向上を図ることができている
当てはまる
最も当てはまる
3.3
他の学校におけるキャリア教育の改善・充実につながっている
1.7
その他
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
「産業社会と人間」と関連付けて実施している教科・科目等
総合的な学習の時間やホームルーム活動とは関連づけている学校が多いが、教科と関連づけている
総合的な学習の時間やホームルーム活動とは関連づけている学校が多いが、教科と関連づけている
学校は少なく、いずれの教科等とも関連づけていない学校も約1割存在
学校は少なく、いずれの教科等とも関連づけていない学校も約1割存在
%
7.8
教科「公民」
教科「家庭」
4.6
科目「課題研究」
5.2
17.2
その他の教科・科目
64.1
総合的な学習の時間
54.3
ホームルーム活動
生徒会活動
3.7
27.0
学校行事
その他
いずれの教科・科目等にも、関連付けていない
8.3
11.5
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
138
「産業社会と人間」の指導体制
校内に組織を設けている学校が約半数、ホームルーム担任が担当が約3割。特定の教員が担当して
校内に組織を設けている学校が約半数、ホームルーム担任が担当が約3割。特定の教員が担当して
いる場合も3割弱存在
いる場合も3割弱存在
校内に「産業社会と人間」に関する委員会等の研究・推進組織を設けてい
る
47.4
27.9
特定の教員
23.6
進路指導の校務分掌が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている
生徒指導の校務分掌が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている
0.6
25.0
学年主任が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている
29.9
ホームルーム担任が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている
特別非常勤講師が中心となって指導計画を作成し、授業を行っている
%
0.3
28.7
その他
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
「産業社会と人間」を実施することの意義
ほとんどの学校で「産業社会と人間」の実施に意義を感じている
ほとんどの学校で「産業社会と人間」の実施に意義を感じている
52.0%
とても意義がある
56.7%
45.1%
それなりに意義がある
43.3%
2.0%
あまり意義がない
0.0%
0.3%
まったく意義がない
0.0%
0.3%
学校の回答
教育委員会の回答
わからない
0.0%
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
139
公立高等学校の普通科における職業教科の開設状況
約67%の公立普通科が、家庭、商業といった教科を中心に職業教科を開設
約67%の公立普通科が、家庭、商業といった教科を中心に職業教科を開設
<職業教科を開設しているか>
開設している 66.8%
開設していない 33.2%
<開設している場合、開設している教科は何か>
4.4
農業
工業
3.1
51.2
商業
水産
0.5
81.3
家庭
看護
2.3
13.8
情報
10.3
福祉
6.2
学校設定教科
(出典) 文部科学省 「公立高等学校の普通科における職業に関する教科の開設状況調査」
大学における専門高校・総合学科卒業生入試の実施状況
Ⅰ.総括表
区分
募集人員
A
入学志願者数
B
志願倍率
B/A
受験者数
合格者数
入学者数
C
過△欠員
C−A
国立大学
[82大学377学部]
(96,186人)
95,868人
(413,870人)
411,476人
(4.3倍)
4.3倍
(312,703人)
310,896人
(111,308人)
109,958人
(101,306人)
101,218人
(5,120)
5,350
公立大学
[72大学165学部]
(25,008人)
25,257人
(135,143人)
137,463人
(5.4倍)
5.4倍
(102,600人)
100,547人
(34,469人)
34,164人
(26,613人)
27,063人
(1,605)
1,806
小計
(121,194人)
121,125人
(549,013人)
548,939人
(4.5倍)
4.5倍
(415,303人)
411,443人
(145,777人)
144,122人
(127,919人)
128,281人
(6,725)
7,156
私立大学
[567大学1542学部]
(441,603人)
444,785人
(3,021,217人)
3,058,646人
(6.8倍)
6.9倍
(2,905,235人)
2,935,606人
(1,070,248人)
1,047,092人
(476,823人)
468,067人
(35,220)
23,282
合計
[721大学2084学部]
(562,797人)
565,910人
(3,570,230人)
3,607,585人
(6.3倍)
6.4倍
(3,320,538人)
3,347,049人
(1,216,025人)
1,191,214人
(604,742人)
596,348人
(41,945)
30,438
(
)書きは前年度の数値を示す
Ⅱ.専門高校・総合学科卒業生入試
区分
平成20年度
実施大学・学部数
平成19年度
入学志願者数
合格者数
入学者数
入学志願者数
合格者数
入学者数
国立大学
7大学
8学部
99人
34人
34人
9大学
実施大学・学部数
11学部
166人
55人
53人
公立大学
1大学
3学部
14人
8人
8人
1大学
3学部
19人
6人
6人
小計
8大学
11学部
113人
42人
42人
10大学
14学部
185人
61人
59人
私立大学
34大学
62学部
785人
724人
666人
23大学
37学部
349人
293人
234人
合計
42大学
73学部
898人
766人
708人
33大学
51学部
534人
354人
293人
(出典)文部科学省 「平成20年度 国公私立大学入学者選抜実施状況」
140
特別非常勤講師制度
Ⅰ.制度の目的・概要
地域の人材や多様な専門分野の社会人を学校現場に迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応やその活性化を
図るため、教員免許を有しない非常勤講師を登用し、教科の領域の一部を担任させることができる(昭和63年に創設)。
Ⅱ.担当する教科等
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校における全教科、道徳、総合的な学習の時間の領域の一部及び
小学校のクラブ活動 (平成10年に対象教科を拡大)
Ⅲ.登用手続
任命・雇用しようとする者から授与権者(都道府県教育委員会)への届出 (平成10年に許可制から届出制に変更)
Ⅳ.届出件数・事例
【届出件数】
平成19年度:22,703件 (小学校:8,351件、中学校:3,771件、高等学校:10,010件、特別支援学校:571件)
【主な事例】
小学校 生活:米作り[農家],音楽:和太鼓[和太鼓奏者],家庭:食に関する指導[学校栄養職員],クラブ活動:手話[手話通訳者],
道徳 [獣医師],総合的な学習の時間:英会話[英会話教室講師],パソコン活用[専門学校講師]
中学校 国語:朗読[劇団員],理科:自然観察[自然観察指導員],技術:木工[大工],家庭:食物[栄養士],
道徳:奉仕の精神[福祉施設勤務],クラブ活動:囲碁・将棋[地域の人材],総合的な学習の時間:国際理解[旅行会社添乗員]
高等学校 国語:朗読研究[アナウンサー],保健体育:剣道[剣道有段者],家庭:調理実習[料理教室講師],
工業:製図[一級建築士],商業:会計[公認会計士],総合的な学習の時間:職業観の育成[銀行員]
特別支援学校 保健体育:基本的な運動[作業療法士],音楽:琴[琴講師],総合的な学習の時間:登山・散策指導[登山ガイド]
【届出件数の推移】
件数
30,000
24,325
25,000
20,392
23,478 22703
17,650
20,000
14,695
15,000
11,607
10,000
5,000
21,948
1,162
1,526 1,782
2,328
2,918
3年度
4年度
6年度
7年度
3,537
8年度
5,014
6,280
(注)特別非常勤講師は
平成10年7月に許可制から
届出制となった。
8,646
0
5年度
9年度
10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度
(文部科学省調べ)
特別免許状制度
Ⅰ.制度の目的・概要
教員免許状を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人等を教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化へ
の対応や、その活性化を図るため、授与権者(都道府県教育委員会)の行う教育職員検定により学校種及び教科ごとに授与
する「教諭」の免許状。(昭和63年に創設)
Ⅱ.担当する教科等
小学校、中学校、高等学校における全教科(平成10年に対象教科を拡大)
特別支援学校における自立教科(理療、理容、自立活動など)
Ⅲ.授与手続・要件
【授与手続】
1.任用しようとする者(都道府県教育委員会、学校法人等)の推薦
2.都道府県教育委員会が行う教育職員検定(人物・学力・実務・身体)
の合格
【授与要件】
1.担当する教科の専門的な知識経験又は技能
2.社会的信望・熱意と識見
(平成14年に学士要件を撤廃)
(合否決定に際し、学校教育に関する学識経験者等へ意見聴取)
Ⅳ.免許状の効力
授与を受けた都道府県においてのみ10年間有効
(平成14年に有効期限(5∼10年)を撤廃したが、平成21年度より免許更新制が導入され、有効期限が付された。)
Ⅴ.授与件数・事例
【授与件数】
延べ290件 (平成20年3月31日現在)
【件数の推移】
年度
平成元
2
3
4
5
6
件数
14
2
2
3
2
12
年度
平成7
8
9
10
11
12
件数
0
1
5
1
0
1
年度
平 成 13
14
15
16
17
18
19
【主な事例】
高等学校の書道[書道家]、公民[新聞記者]、
保健体育[高校野球監督]、
英語[企業で英文和訳担当]、
家庭[調理師専門学校教員]、
工業[製鉄会社職員]、
商業[企業で会計処理担当]、水産[航海士]、
看護[医師・看護師]、宗教[住職・牧師]、
中学校の理科[農学博士・研究者]
件数
4
6
47
49
35
37
69
141
総合学科を導入したことによる成果 (学校回答)
%
生徒が将来の職業選択を視野に入れ、自己の将来の生き方・働き方や進路につい
て自覚を深めることができている
生徒の多様な興味・関心、進路希望等に柔軟に対応した教育活動を実施すること
ができている
90.2
39.1
個性を生かした主体的な学習を通じ、生徒が学ぶことの楽しさや成就感を体験する
ことができている
73.9
6.9
64.9
1.1
「学ぶこと」「働くこと」への意欲や積極的な態度を育成することができている
64.1
8.9
キャリア教育を組織的・計画的に推進することができている
48.0
2.9
在校生・卒業生・保護者の満足度が高い
生徒が豊かな創造性や問題解決能力を育成することができている
1.1
42.2
2.0
41.7
生徒が次の進路に円滑に移行することができている
教職員の意識改革・資質向上を図ることができている
0.9
卒業生に対する進学先・就職先の評価が高い
0.9
生徒が、学びたいことを学べる学科として総合学科を進学先として選択することによ
り、高等学校間の序列意識を打破する契機となっている
1.4
様々な分野の教科・科目を開設することにより、地域の人々の要望を踏まえつつ生
涯学習機関としての役割を果たしている
94.0
34.2
0.0
27.3
22.4
21.0
19.3
当てはまる
2.6
その他
最も当てはまる
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
総合学科を導入したことによる成果 (教育委員会回答)
%
生徒が将来の職業選択を視野に入れ、自己の将来の生き方・働き方や進路につ
いて自覚を深めることができている
個性を生かした主体的な学習を通じ、生徒が学ぶことの楽しさや成就感を体験す
ることができている
93.3
5.0
生徒の多様な興味・関心、進路希望等に柔軟に対応した教育活動を実施するこ
とができる
キャリア教育を組織的・計画的に推進することができている
「学ぶこと」「働くこと」への意欲や積極的な態度を育成することができている
在校生・卒業生・保護者の満足度が高い
96.7
41.7
91.7
46.7
80.0
3.3
78.3
0.0
56.7
1.7
生徒が豊かな創造性や問題解決能力を育成することができている
0.0
生徒が次の進路に円滑に移行することができている
0.0
教職員の意識改革・資質向上を図ることができている
0.0
生徒が、学びたいことを学べる学科として総合学科を進学先として選択することに
より、高等学校間の序列意識を打破する契機となっている
0.0
卒業生に対する進学先・就職先の評価が高い
0.0
56.7
51.7
31.7
28.3
26.7
当てはまる
様々な分野の教科・科目を開設することにより、地域の人々の要望を踏まえつつ
生涯学習機関としての役割を果たしている
その他
0.0
16.7
最も当てはまる
1.7
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」(速報値)
142
総合学科で学ぶことへの満足度
総合学科に在籍する生徒は、総合学科で学ぶことについての満足度が高い
総合学科に在籍する生徒は、総合学科で学ぶことについての満足度が高い
満足
23.3
0%
ほぼ満足
56.9
20%
40%
やや不満足 不満足
15.4
4.4
60%
80%
100%
(出典) 国立教育政策研究所 初等中等教育研究部 「総合学科に関する調査」(平成20年3月)
総合学科の課題 (学校回答)
(%)
23.6
様々な教科・科目を開設しているため、他の学科と比べて教職員の負担が大きい
17.0
教員数が十分でないため、多様な教科・科目を開設することが難しい
61.8
19.5
財政的な制約から、専門教育を実施するために必要な施設・設備の整備が不十分
である
50.6
7.2
50.6
6.0
高等学校の教職員の総合学科に対する理解が不十分である
38.8
0.6
38.5
34.2
2.3
1.4
2.3
0.9
4.0
1.4
26.4
22.7
19.3
0.3 6.0
在校生・卒業生・保護者の満足度が低い
その他
41.4
1.7
生徒の進学希望を十分に実現できていない
他の学科と比べて、卒業生に対する進学先・就職先の評価が低い
48.9
3.2
キャリアカウンセラーなどの専任の相談者が少ない(いない)ため、個々の生徒に応
じた指導が十分にできていない
生徒の就職希望を十分に実現できていない
57.5
6.3
生徒の基礎的な学力が不足しているため、専門教育を施すことが難しい
他の学科との差別化を図ることが難しい
59.2
3.2
中学校の教職員の総合学科に対する理解が不十分である
財政的な制約から、社会人講師を十分に確保することが難しい
62.6
3.2
中学生及びその保護者の総合学科に対する理解や認知度が低い
生徒が目的意識や将来の進路への自覚を持っていないため、主体的な科目選択を
行わせることが難しい
他の学科と比べ選択科目が多いため、個々の生徒の学習・生活の状況を把握する
ことが難しい
社会人講師や体験活動の受入れ先の確保など、地域社会や企業との連携を図るこ
とが難しい
79.3
当てはまる
最も当てはまる
4.6
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
143
総合学科の課題 (教育委員会回答)
(%)
23.3
様々な教科・科目を開設しているため、他の学科と比べて教職員の負担が大きい
生徒が目的意識や将来の進路への自覚を持っていないため、主体的な科目選択を
行わせることが難しい
31.7
中学生及びその保護者の総合学科に対する理解や認知度が低い
3.3
中学校の教職員の総合学科に対する理解が不十分である
3.3
75.0
68.3
61.7
13.3
教員数が十分でないため、多様な教科・科目を開設することが難しい
他の学科と比べ選択科目が多いため、個々の生徒の学習・生活の状況を把握する
ことが難しい
財政的な制約から、専門教育を実施するために必要な施設・設備の整備が不十分
である
財政的な制約から、社会人講師を十分に確保することが難しい
78.3
60.0
3.3
46.7
1.7
46.7
0.0
45.0
5.0
高等学校の教職員の総合学科に対する理解が不十分である
41.7
3.3
生徒の基礎的な学力が不足しているため、専門教育を施すことが難しい
社会人講師や体験活動の受入れ先の確保など、地域社会や企業との連携を図るこ
とが難しい
1.7
財政的な制約から、総合学科の整備を推進することが難しい
1.7
他の学科との差別化を図ることが難しい
1.7
キャリアカウンセラーなどの専任の相談者が少ない(いない)ため、個々の生徒に応
じた指導が十分にできていない
1.7
生徒の進学希望を十分に実現できていない
1.7
生徒の就職希望を十分に実現できていない
1.7
38.3
36.7
35.0
31.7
28.3
23.3
21.7
当てはまる
6.7
他の学科と比べて、卒業生に対する進学先・就職先の評価が低い
最も当てはまる
3.3
在校生・卒業生・保護者の満足度が低い
5.0
その他
(出典) 文部科学省 「総合学科、学校設定科目『産業社会と人間』に関する調査」
総合学科の特色についての生徒の認識
総合学科の生徒は、自分の進路について学び、じっくり考えることができることを総合学科の
総合学科の生徒は、自分の進路について学び、じっくり考えることができることを総合学科の
特色ととらえている割合が比較的高い
特色ととらえている割合が比較的高い
自分の興味・関心等に応じて自由に科目を選択し学習できる
自分の進路について学び、じっくり考えることができる
29.7
進学にも就職にも柔軟に対応できる
28.4
生徒がいきいきと学習や諸活動に取り組んでいる
0%
そう思う
35.5
32.3
10.0
地域と連携した学習や行事等が重視されている
20%
まあそう思う
40%
あまりそう思わない
4.3
5.7
31.2
28.0
23.7
9.4
23.8
44.9
13.0
6.8
15.6
44.9
3.2
5.0
15.9
46.2
16.2
校則が緩やかで自由な雰囲気である
8.0 3.5 1.5
38.8
48.2
60%
そう思わない
14.6
80%
4.1
7.6
100%
わからない
(出典) 国立教育政策研究所 初等中等教育研究部 「総合学科に関する調査」(平成20年3月)
144
総合学科に満足している点
総合学科で進路等に目的を持つことができることに満足している生徒は約3割
総合学科で進路等に目的を持つことができることに満足している生徒は約3割
68.1%
興味・関心等に応じて選択できる
41.9%
多様な選択科目が開設されている
33.8%
進路にも就職にも対応した教科等を選択できる
28.8%
進路等に目的を持つことができる
体験的・実践的な学習活動ができる
18.6%
幅広い人間関係を得ることができる
18.3%
17.5%
施設・設備が充実している
14.3%
単位制なので自分のペースで学習できる
地域の社会人等から学ぶ機会が多い
12.1%
ホームルーム活動や課外活動が活発である
11.6%
教員が熱意をもって指導している
11.5%
その他
2.7%
(出典) 国立教育政策研究所 初等中等教育研究部 「総合学科に関する調査」(平成20年3月)
専修学校高等課程(高等専修学校)の制度の概要
目的
○学校教育法第124条
第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る
ことを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があ
るもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
一 修業年限が一年以上であること。
二 授業時数が文部科学大臣の定める授業時数(※)以上であること。
三 教育を受ける者が常時四十人以上であること。
※ 年間800時間(専修学校設置基準第5条第1項)
○学校教育法第125条
専修学校には、高等課程、専門課程又は一般課程を置く。
2 専修学校の高等課程においては、中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者若しくは中等教育学校の
前期課程を修了した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者に
対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて前条の教育を行うものとする。
○学校教育法第126条
高等課程を置く専修学校は、高等専修学校と称することができる。
分野
①工業分野、②農業分野、③医療分野、④衛生分野、⑤教育・社会福祉分野、
⑥商業実務分野、⑦服飾・家政分野、⑧文化・教養分野
大学入学資格付与
○文部科学省告示第137号
①修業年限3年以上
②年間授業時数2,590時間
なお、卒業に必要な普通科目(国語、地理歴史、公民、数学、理科または外国語)についての
総授業時数は420時間以上。ただし、105時間までは教養科目で代替可能。
145
専修学校高等課程(高等専修学校)の学科数・生徒数(学科別)
【学科別学科数の割合】
農業
1
0.2%
工業
43
7.1%
文化・教養
62
10.3%
【学科別生徒数の割合】
文化・教養
3,281
8.7%
工業
4,259
11.3%
服飾・家政
3,361
9.0%
服飾・家政
100
16.6%
農業
8
0.02%
医療
140
23.2%
商業実務
6,800
18.1%
商業実務
59
9.8%
医療
13,410
35.7%
教育・社会福祉
1,102
2.9%
教育・社会福祉
14
2.3%
衛生
184
30.5%
衛生
5,327
14.2%
(出典)文部科学省「平成21年度 学校基本調査」
18歳人口、高等教育機関への進学率の推移
● 18歳人口 = 3年前の中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数
● 進学率1 = 当該年度の大学・短大・専門学校の入学者、高専4年次在学者数
18歳人口
● 進学率2 = 当該年度の大学・短大の入学者数
18歳人口
○ 高校等卒業者数 = 高等学校卒業者及び中等教育学校後期課程卒業者数
○ 現役志願率 = 当該年度の高校等卒業者数のうち大学・短大へ願書を提出した者の数
当該年度の高校等卒業者数
○ 収容力 = 当該年度の大学・短大入学者数
当該年度の大学・短大志願者数
︵
300
︶
万
人
249
250
243
236
100%
92.5%
収容力(大学+短大)
90%
77.6%
進学率1(大学+短大+高専+専門学校) 80%
大学:
50.2%
短大:
6.0%
高専4年次:0.9%
専門学校: 20.4%
213
204 205
200
200
198
201
197
195
195
193
190
185
185
177
172
167
160 160
18歳人口(万人)
162
162
156
158
156 154
150
156
158
161
164
150
140
140
180 181
139 138 140
61.2%
173
170
168
162
168
166
165 165
159
156
進学率2(大学+短大)
162
155
155
150
148
137
141
133 133 132
133
128
124
130
124
120
117 115
109
102
100
93
99
96
35
36 36 34 34 34
33 32
34
27
29
31
31 31
31 33 34 34
33
5
50
11
8
6
6
117
119 118 119 117
117 116
107
113113
40%
110 109 110111
30%
30 28
25
5
122
121 122 120
119
専門学校入学者数(万人)
87
4
50%
137
高校等卒業者数(万人)
116
60%
大学:50.2%
短大: 6.0%
146
136
大学:54.9%
短大: 6.3%
56.2%
151 151 150
144
142
134
132 133
133 133
現役志願率(大学+短大)
177
176
152
145
136
186
177
174
140
188 188
70%
6
21 22
16 18 20
25
13 13
12 13
14
14
15
16
高専4年次在学者数
22 22
21
15 18 18 19 20 20
25
21
17 17 18 18 18 18 18 18 18 18 17
25 25
22 22 23
24
22 21 19 17
25 25 24 23
14 13 12 11
11 10
9
8
8
7
短大入学者数(万人)
20%
大学入学者数(万人)
60 60 61 60 60 60 60 61 61 61
56 57 58 59 59 59
52 54 55
47 47 48 49
42 42 43 43 41 41 41 41 42 42 41 44
H12年度
38 39 41
36
33
29 31 33 33
以降構想
S50年代
前期計画
S50年代
後期計画
S60年代計画
10%
H5年度以降計画
0
0%
35
38
41
44
47
50
53
56
59
62
2
5
8
11
14
17
20
23
26
29
32
35
38
(年度)
資料:文部科学省「学校基本調査」、総務省「日本の将来推計人口」
146
大学の学校数及び学生数の変遷
人
校
800
3,500,000
700
3,000,000
大学数
600
大学学生数
2,500,000
500
2,000,000
400
1,500,000
300
1,000,000
200
500,000
100
0
0
S23 S25 S27 S29 S31 S33 S35 S37 S39 S41 S43 S45 S47 S49 S51 S53 S55 S57 S59 S61 S63
H2
H4
H6
H8
H10 H12 H14 H16 H18 H20
資料:文部科学省「学校基本調査」
大学数には通信教育のみを行う学校を含む
学生数には大学院、専攻科、別科も含む
大学の学科別学生割合(平成21年3月)
理学, 3.2
保健, 9.3
工学, 16
計
人文科学, 15.4
教育,
6.3
社会科学, 35.3
理学
農学
人文科学
家政
芸術
芸術,2.9
家政,2.6
農学, 3
その他,
5.9
(252万7,319人)
0%
20%
40%
60%
80%
工学
保健
社会科学
教育
その他
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
短期大学の学校数及び学生数の変遷
人
校
600,000
800
700
500,000
短期大学数
600
短大学生数
400,000
500
300,000
400
300
200,000
200
100,000
100
0
0
S23
S25
S27
S29
S31
S33
S35
S37
S39
S41
S43
S45
S47
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
短大数には通信教育のみを行う学校を含む
学生数には専攻科、別科も含む
H4
H6
H8
H10 H12 H14 H16 H18 H20
資料:「学校基本調査」、「全国短期大学一覧」
短期大学の学科別学生割合(平成21年3月)
農業, 0.9
計
工業
, 3.1
保健,
8
教養, 1.4
人文, 12.4
社会, 11.9
家政,20.5
芸術 その他,
4.4
7.8
教育, 29.6
(15万5,127人)
0%
20%
40%
60%
80%
工業
保健
社会
家政
芸術
農業
人文
教養
教育
その他
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
147
高等専門学校の学校数及び学生数の変遷
人
校
100
70,000
90
60,000
高専学校数
80
高専学生数
50,000
70
60
40,000
50
30,000
40
30
20,000
20
10,000
10
0
0
S37
S39
S41
S43
S45
S47
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
H20
資料:文部科学省「学校基本調査」及び文部科学省調べ
学生数には専攻科及び聴講生・研究生も含む
高等専門学校の学科別学生割合(平成21年3月)
商船,2
デザイン, 0.3
社会, 1.1
計
社会
工業
工業, 96.6
商船
(5万5,853人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
デザイン
資料:文部科学省「学校基本調査」
専門学校の学校数及び生徒数の変遷
人
校
800,000
専門学校数
3,000
700,000
専門学校生徒数
600,000
2,500
500,000
2,000
400,000
300,000
1,500
200,000
1,000
100,000
0
500
S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21
資料:文部科学省「学校基本調査」
専門学校の学科別生徒割合(平成21年3月)
服飾・家政関係, 3.4
農業関係, 0.7
工業関係,
13.8
計
医療関係,
34.8
衛生関係,
12.1
教育・
社会福祉
関係, 6.2
文化・教養関係,
19
商業実務
関係, 10
(55万2,711人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
工業関係
農業関係
医療関係
衛生関係
教育・社会福祉関係
商業実務関係
服飾・家政関係
文化・教養関係
資料:文部科学省「学校基本調査」
148
大学の関係学科別進路別卒業者割合(平成21年3月)
12.2
計
68.3
進学者
12.1
(55万9,539人)
就職者
理学
46.1
進学者, 42.7
8.3
(1万8,790人)
34
工学
58.3
5.6
(9万3,684人)
26.8
農学
62.3
専修学校・外国の
学校等入学者
8.1
(1万6,797人)
10.1
保健
臨床研修医(予定者
を含む), 20.8
59.2
一時的な仕事に就
いた者
8.1
上記以外の者
(4万3,544人)
5.7
人文科学
70.7
臨床研修医(予定
者を含む)
15.1
3.7
死亡・不詳の者
(9万1,138人)
社会科学 3.8
76.2
14.1
(20万4,282人)
家政 3.4
就職者, 80.6
10.7
3.1
(1万5,631人)
8.1
教育
5.1
72.3
(3万4,043人)
11.4
専修学校・外国の学校等入学者, 3.9
一時的な
10
芸術
45.5
仕事に就
(1万6,605人)
7.4
その他
死亡・
上記以外の者, 29.6
不詳
いた者, 7
の者,4
72.4
3.1
12.9
(2万5,025人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
短期大学の関係学科別進路別卒業者割合(平成21年3月)
11.5
計
4.4
69.9
進学者
11.6
(7万8,056人)
工業
62.1
19.7
14.1
就職者
13.6
専修学校・外国の
学校等入学者
(2,654人)
35.8
進学者, 40.9
農業
6.1
3.4
(623人)
10.1
保健
80.8
5.7
(4,262人)
20.4
人文
4
53.7
5.3
16.1
上記以外の者
(1万27人)
11.9
社会
72
11.1
死亡・不詳の者
(9,555人)
8.8
教養
71.5
一時的な仕事に就
いた者
15.2
(1,092人)
6.7
家政
5.6
69.5
14.7
(1万6,902人)
8.1
教育
3.5 5.6
就職者, 81.8
(2万4,153人)
専修学校・外国の学校等入学者, 3.5
25.1
芸術
一時的な仕事に
就いた者, 8.8
35.3
上記以外の者, 26.2
(3,490人)
10.3
その他
6.8
65.9
13.8
(5,298人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
149
高等専門学校の進路別卒業者割合(平成21年3月)
進学者
就職者
専修学校・外国の
学校等入学者
進学者, 43
計
就職者, 53.6
一時的な仕事に就
いた者
(1万474人)
上記以外の者
専修学校・外国の学校等入学者, 1.5
一時的な仕事に就いた者, 0.1
上記以外の者, 1.9
死亡・不詳の者, 0
死亡・不詳の者
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
専門学校の学科別卒業者割合(平成20年度間)
計
72.5
5.1
22.3
71.5
6.4
22.2
関係分野に就職した者
(24万3,523人)
工業関係
その他の分野に就職した者
(3万6,603人)
8.7
72.8
農業関係
その他(進学等)
18.5
(1,732人)
関係分野に就職した者, 87.1
医療関係
11.7
(6万420人)
13.9
83.3
衛生関係
(3万8,826人)
教育・社会福祉関係
4
83.6
12.4
(1万9,302人)
7.4
67.2
商業実務関係
25.4
(2万7,931人)
服飾・家政関係
4
55.3
40.6
(8,844人)
その他の分野に
49
文化・教養関係
就職した者, 10
その他(進学等), 41
(4万9,865人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
専門学校の大学への編入学者割合(平成21年度)
大学への編入学者, 1
大学への編入学者
(
その他, 99
2,510人)
その他
( 24万1,121人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
注)「大学への編入学者」は、平成21年度の編入学者数を、平成20年度間の卒業者数で割った割合を示す
150
計 ( 24万3,523人)
資料:文部科学省「学校基本調査」
大学の関係学科別産業別就職者割合(平成21年3月)
農業,林業
計 3.9
3.2
9.9
16
11.1
17.1
9.1
6.3
3
4.8
5
(38万2,485人)
漁業
鉱業,採石業,砂利採取業
情報通信業, 22.6
24.8
理学
10
3.9
7.2
5.1 4.5
9.9
(8,656人)
建設業
製造業
工学
建設業, 15.2
(5万4,578人)
農業,林業, 4.2
製造業, 36.3
16.7
5.4
25.4
農学
17.1
5.1
6.2
6
4.7
6.4
3.2
(1万457人)
17.9
4.3
保健
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
公務,
8.3
6.7
5
3.4
運輸業,郵便業
卸売業,小売業
医療,福祉, 68.7
金融業,保険業
(2万5,808人)
11.8
人文科学
5.6 卸売業,小売業, 21.4
9.7
14.2
3.8 4
6.2 3.5
7
不動産業,物品賃貸業
学術研究,専門・技術サービス業
(6万4,445人)
3.6
9.7
13.5
社会科学
20.3
(15万5,645人)
家政 3.8
3.2
14.2
20.7
6.8
金融業,
保険業, 17.2
3.5
8.8
9
宿泊業,飲食サービス業
4.6 6.1
5.9
生活関連サービス業,娯楽業
5.4 3
15.4
(1万2,597人)
教育,学習支援業
医療,福祉
5.2 4.2
教育
5.9
8.1
3.5
9.4
教育,学習支援業, 45.1
複合サービス事業
3.5 6.7
(2万4,616人)
サービス業(他に分類されないもの)
芸術 3.4
11.5
17.1
15.8
5.2
11.5
14
7.9
公務(他に分類されるものを除く)
(7,563人)
上記以外のもの
13.6
その他
3.6
12.9
10.1
19.1
5.1
6.7
5.8 4.6
4.8
(1万8,120人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
大学の関係学科別職業別就職者割合(平成21年3月)
計
4.7
21.9
33
34.4
(38万2,485人)
理学
3.2
14.7
18.8
55.5
4.5
(8,656人)
工学
6.3
79.6
専門的・技術的職業従事者
7.3
管理的職業従事者
(5万4,578人)
農学
上記
以外の
もの, 4.2
5
20.3
26.3
38.1
(1万457人)
(2万5,808人)
人文科学
3.1 4.9
保安職業従事者
農林漁業作業者
事務従事者, 46.5
12.9
7.6
27.7
3.1
(6万4,445人)
社会科学
販売従事者
サービス職業従事者
専門的・技術的職業従事者,
89.8
保健
事務従事者
運輸・通信従事者
生産工程・労務作業者
45.5
12.6
販売従事者, 29.7
4.7
3.3
上記以外のもの
(15万5,645人)
家政
4.8
23.2
24
45.5
(1万2, 597人)
教育
10.3
21.5
56.6
5.6
(2万4,616人)
芸術
4.5
16.3
18.1
57.3
(7,563人)
その他
6.9
24.8
38.7
23.1
(1万8,120人)
0%
20%
40%
60%
80%
151
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
短期大学の関係学科別産業別就職者割合(平成21年3月)
農業,林業
7.3
計
4.7
13.8
13
3.5
4.6
40.8
漁業
(5万4,587人)
鉱業,採石業,砂利採取業
15.4
工業
6.4
卸売業,小売業, 42.4
3.3 3.3
16.3
建設業
(1,648人)
製造業
農業,林業, 25.1
農業
建設業, 15.7
製造業,18.8
12.6
4.9
4.5
3.1
5.8
(223人)
情報通信業
医療,福祉, 87.8
5.2
保健
運輸業,郵便業
(3,445人)
4.3
14
人文
6.4
23.3
電気・ガス・熱供給・水道業
14.3
6.6
卸売業,小売業
6.3
5.2 3.8 5.2
金融業,保険業
(5,385人)
4.4
9.2
社会
7
13.6
5.7
40.8
不動産業,物品賃貸業
4.1
(6,882人)
学術研究,専門・技術サービス業
3.6 4.9
12
教養
25
5.8
金融業,保険業, 20.9
宿泊業,飲食サービス業
5.6 4.5 4.7
(781人)
生活関連サービス業,娯楽業
23.1
13
家政
5
8.7
教育,学習支援業
9.8
25.2
3.2
(1万1,746人)
医療,福祉
複合サービス事業
62.4
教育,学習支援業, 29
教育
(1万9,755人)
サービス業(他に分類されないもの)
11
芸術
3.1
25.1
9.5
10.8
14.6
4.6
6.5
公務(他に分類されるものを除く)
(1,232人)
上記以外のもの
25.5
11.4
その他
9.1
4.5
20.1
3.1 3.8 4.3 4.6
(3,490人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
短期大学の関係学科別職業別就職者割合(平成21年3月)
計
56.7
22
10.6
6.9
(5万4,587人)
工業
23.3
11.3
5
生産工程・労務作業者, 52.6
5.8
(1,648人)
農業
10.3
43.9
10.8
9
専門的・技術的職業従事者
農林漁業作業者, 25.1
管理的職業従事者
(223人)
保健
4.6
87.6
6.1
(3,445人)
事務従事者
販売従事者
サービス職業従事者
人文
5.3
54.6
販売従事者, 22.3
15.2
保安職業従事者
(5,385人)
農林漁業作業者
社会
43
35
10.3
6.9
運輸・通信従事者
(6,882人)
生産工程・労務作業者
教養
6.3
19.3
事務従事者, 64.7
8.3
上記以外のもの
(781人)
家政
42.4
27.6
17.8
9.8
(1万1,746人)
専門的・技術的職業従事者,
91.3
教育
(1万9,755人)
35.1
芸術
21.9
3.3
サービス職業
従事者,15.8
22.3
(1,232人)
20.6
その他
20.3
46.6
8.9
(3,490人)
0%
20%
40%
60%
80%
152
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
高等専門学校の関係学科別産業別就職者割合(平成21年3月)
農業,林業
計
7.1
57.2
7
10.5
6.5
3.2
漁業
2.9
鉱業,採石業,砂利採取業
(5,610人)
建設業
工学科
(5,414人)
建設業,
7.3
製造業, 58.4
7.2
10.5
5
3.3
製造業
3
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
商船学科
16.8
運輸業,郵便業
運輸業,郵便業,73.9
卸売業,小売業
(119人)
金融業,保険業
経営情報学科
26.1
情報通信業, 69.6
4.3
不動産業,物品賃貸業
学術研究,専門・技術サービス業
(23人)
宿泊業,飲食サービス業
卸売業,
コミュニケーション
情報学科
29.4
29.4
小売業,
5.9
5.9
5.9
5.9
5.9
生活関連サービス業,娯楽業
11.8
教育,学習支援業
(17人)
医療,福祉
46.2
国際流通学科
3.8
(26人)
金融業,
保険業,
11.5
医療,
3.8 3.8
福祉,
3.8
3.8
公務(他に分類される
ものを除く), 23.1
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
学術研究,
情報デザイン
学科
27.3
専門・技術
45.5
サービ ス業,
上記以外のもの
18.2
9.1
(11人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
高等専門学校の関係学科別職業別就職者割合(平成21年3月)
計
92.2
(5,610人)
工学科
94.1
専門的・技術的職業従事者
(5,414人)
管理的職業従事者
事務従事者
商船学科
販売従事者
運輸・通信従事者, 70.6
26.1
サービス職業従事者
(119人)
保安職業従事者
経営情報学科
87
8.7
4.3
(23人)
農林漁業作業者
運輸・通信従事者
生産工程・労務作業者
上記以外のもの
専門的・技術的職業従事者,
100
コミュニケーション情報学科
(17人)
国際流通学科
事務従事者, 92.3
(26人)
情報デザイン学科
生産工程・
労務作業者,
9.1
90.9
(11人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
資料:文部科学省「学校基本調査」
153
専門学校の関係学科別産業別就職者割合(平成20年度)
農業,林業
6.2
計
7.2
6.7
7.2
7.1
38.6
8.6
4.7
(16万7,432人)
漁業
鉱業,採石業,砂利採取業
情報通信業,27.6
工業 建設業, 13.2 5.5
4.7
12.4
4
13.1
12.5
建設業
製造業
(2万8,487人)
電気・ガス・熱供給・水道業
農業,林業, 52.4
農業
12.9
4.5
7
4.1
6.2
(1,329人)
情報通信業
運輸業,郵便業
医療,福祉, 95.4
医療
卸売業,小売業
(4万5,477人)
金融業,保険業
学術研究,専門・技術サービス業
衛生
生活関連サービス業,娯楽業
27.3
宿泊業,飲食サービス業29.5
13.1
(2万6,763人)
15
4.3
不動産業,物品賃貸業
学術研究,専門・技術サービス業
宿泊業,飲食サービス業
教育・社会福祉
10
83.8
生活関連サービス業,娯楽業
(1万6,851人)
教育,学習支援業
7
商業実務
4
10.1
14.4
4.9
27
10.4
4.1
(1万9,665人)
医療,福祉
複合サービス事業
製造業,22.4
服飾・家政
卸売業,小売業,45.4
6
6.9
7
5.1
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
(4,261人)
9.7
文化・教養
4
15
上記以外のもの
サービス業,
16.8
10.7
11.3
14.3
資料:文部科学省調査による
(2万4,599人)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
(専門課程を設置する専修学校の
約75%からの回答)
専門学校の関係学科別職業別就職者割合(平成20年度)
計
6.9
67.4
4.6
12.8
(16万9,875人)
工業
3.4 3.4 4.7
75.2
9.6
(2万9,053人)
専門的・技術的職業従事者
農業
10.3
38.9
農林漁業作業者, 35
管理的職業従事者
7.1
事務従事者
(1,436人)
販売従事者
専門的・技術的職業従事
者,96.3
医療
(4万5,765人)
衛生
サービス職業従事者
保安職業従事者
農林漁業作業者
サービス職業
従事者, 38.6
52.6
(2万7,300人)
運輸・通信従事者
生産工程・労務作業者
89.3
教育・社会福祉
上記以外のもの
4.7
(1万6,585人)
商業実務
22.3
11.4
事務従事者, 39
18.5
(2万329人)
55.5
服飾・家政
6.7
販売従事者,32.2
(4,407人)
文化・教養
8.9
47.5
9
19.1
4.5
7.3
(2万5000人)
資料:文部科学省調査による
(専門課程を設置する専修学校の
約76%からの回答)
0%
20%
40%
60%
154
80%
100%
大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の各分野の具体例及び関連する資格例
◇大学
区 分
理学
数
物
化
生
地
そ
学
学
学
学
学
他
数学、応用数学、数理学、情報数理学
物理学、天文学、物性学、物理科学
化学、高分子学、基礎化学
生物学、生化学、動物学、植物学
地質学、地学、地球圏システム科学
理学、自然科学、海洋学、生命理学
機
械
工
電 気 通 信 工
土 木 建 築 工
応
用
化
応
用
理
原 子 力 工
鉱
山
金
属
工
繊
維
工
船
舶
工
航
空
工
経
営
工
工
芸
そ
の
学
学
学
学
学
学
学
学
学
学
学
学
学
他
機械工学、産業機械工学、ロボット工学
電気学、電気電子工学、情報工学
土木工学、建築学、都市工学、建設学
応用化学、物質工学、バイオ化学
応用理学、応用物理学、計数工学
原子力工学、原子工学、システム量子工学
鉱山学、採鉱学、資源工学
冶金学、金属学、金属工学
繊維工学、先進繊維工学課程
船舶工学、船舶海洋工学
航空学、航空宇宙工学
経営工学、管理工学、情報システム工
建築工芸学、クリエイティブデザイン学
生物工学、システム工学、材料機能工学
農
農
芸
化
農
業
工
農 業 経 済
林
獣 医 学 畜 産
水
産
そ
の
学
学
学
学
学
学
学
他
農学、園芸学、緑地環境学
醸造学、農芸化学
農業工学、農業機械学、農業システム工学
農業経済学、農村経済学
林学、森林学、森林総合科学
獣医学、畜産学、酪農学、動物学
水産学、漁業学、増殖学、栽培漁業学
栄養学、生物生産学、応用生命科学
医
歯
薬
看
そ
護
の
学
学
学
学
他
医学、医学類
歯学
薬学、薬剤学、製薬科学、漢方薬学
看護学、衛生看護学、保健看護学
保健学、放射線学、理学療法学、作業療法学
の
学
学
学
他
文学、国文学、外国語学、児童文学
史学、地理学、歴史学、文化財学
哲学、宗学、心理学
人文学、文化学、図書館学、国際学
理
物
の
工学
農学
保健
人文科学
文
史
哲
そ
社会科学
法 学 ・ 政 治 学 法学、公法学、政治学、行政学
商 学 ・ 経 済 学 商学、経済学、経営学、会計学、金融学
社
会
学 社会学、社会福祉学、健康スポーツ福祉
そ
の
他 政治経済学、法経学、経済法学
商船
商
船
学 航海学、機関学、運送工学
区 分
家政
家
食
被
住
児
そ
政
物
服
居
童
の
学
学
学
学
学
他
家政学、生活学、人間環境学
食物学、栄養学、食品学、栄養科学
被服学、服装学、服飾学、生活デザイン学
住居学、住居保健学、住環境学
児童学
ファッション・ハウジングデザイン学
教育
教
育
学
小 学 校 課 程
中 学 校 課 程
中等教育学校 課程
養 護 学 校 課 程
幼 稚 園 課 程
体
育
学
障害児 教育 課程
特別支援教育 課程
そ
の
他
教育学、教育心理学、産業教育学
小学校教員養成課程
中学校教員養成課程
中等教育教員養成課程
養護学校教員養成課程
幼稚園教員養成課程
体育学、健康学、健康教育学、武道学
障害児教育教員養成課程
特別支援教育教員養成課程
幼児教育学、児童教育学、教養学科
美
デ
音
そ
絵画学、彫刻学、油絵学、美術工芸学
基礎デザイン学、産業美術学
音楽、演奏学、声楽、器楽、作曲
映画学、演劇学、写真学、舞台芸術学
芸術
ザ
イ
の
術
ン
楽
他
その他
教
養
学
総
合
科 学
教 養 課 程 ( 文 科)
教 養 課 程 ( 理 科)
人文・ 社会 科学
国際関係学(国際関係学部)
教養学、芸術学、生活学
総合科学
教養課程
教養課程
人文社会科学、人間社会学、人文学
国際関係学、国際文化学、国際学
人 間 関 係 科 学 人間基礎科学、人間健康科学、スポーツ科学
そ
の
他 不動産学、地球環境学、メディア学
学生数(人)
2,527,319
81,889
18,066
13,387
12,981
7,963
3,945
25,547
403,406
73,820
128,744
61,857
37,684
6,876
111
2
374
974
605
2,857
10,378
1,856
77,268
75,454
12,285
6,504
2,837
3,318
1,899
10,651
6,412
31,548
235,466
48,003
16,126
54,302
48,712
68,323
389,598
147,168
26,091
43,257
173,082
892,864
168,190
489,990
156,501
78,183
6
6
学生数(人)
66,650
21,187
32,551
6,809
1,319
4,643
141
160,050
24,849
9,883
1,266
2,724
147
163
29,795
413
910
89,900
72,997
10,984
16,441
18,811
26,761
148,939
2,636
584
3,467
6,691
21,978
14,238
10,478
88,867
構成比(%)
3.2
0.7
0.5
0.5
0.3
0.2
1.0
16.0
2.9
5.1
2.4
1.5
0.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.4
0.1
3.1
3.0
0.5
0.3
0.1
0.1
0.1
0.4
0.3
1.2
9.3
1.9
0.6
2.1
1.9
2.7
15.4
5.8
1.0
1.7
6.8
35.3
6.7
19.4
6.2
3.1
0.0
0.0
構成比(%)
2.6
0.8
1.3
0.3
0.1
0.2
0.0
6.3
1.0
0.4
0.1
0.1
0.0
0.0
1.2
0.0
0.0
3.6
2.9
0.4
0.7
0.7
1.1
5.9
0.1
0.0
0.1
0.3
0.9
0.6
0.4
3.5
①業務独占資格(参入資格)
臨床検査技師
臨床検査技師
測量士、測量士補
消防設備士
②名称独占・必置規制資格
③検定的資格
気象予報士、環境計量士
危険物取扱者、毒物劇物取扱責任者
健康食品管理士
技術士補
自動車整備士、造園施工管理技士
陸上・海上特殊無線技士、電気主任技術者
測量士、測量士補、消防設備士、発破技士
水道技術管理者、発破技士
臨床工学技士
放射線取扱主任者
エックス線作業主任者
毒物劇物取扱責任者、技術士補
航空整備士
航空無線通信士
食品衛生監視員、消防設備士
食品衛生管理者、安全管理者
繊維製品品質管理士、衣料管理士
基本情報技術者、CGエンジニア検定
カラーコーディネーター検定、色彩検定
技術士補、造園施工管理技士、土木施工管理技士
ビオトープ計画管理士、ビオトープ施工管理士
食品衛生責任者、飼料製造管理者
測量士、測量士補
獣医師、家畜人工授精師
潜水士、小型船舶操縦士
造園施工管理技士、土木施工管理技士 樹木医補
毒物劇物取扱責任者、労働衛生コンサルタント
食品衛生管理者
栄養士、管理栄養士 、食品衛生管理者 健康運動実践指導者
医師
歯科医師
薬剤師
看護師
診療放射線技師、理学療法士、作業療法士
保健師
診療情報管理士、医療情報技師
司書、学芸員
司書、学芸員
司書、学芸員
司書、学芸員
臨床心理士
司法試験、司法書士、行政書士
公認会計士、税理士
社会福祉士、精神保健福祉士
①業務独占資格(参入資格)
②名称独占・必置規制資格
栄養士、管理栄養士
栄養士、管理栄養士
建築士
幼稚園教諭、小学校教諭
建築士、宅地建物取引主任者
保育士
商品装飾展示技能士
健康運動実践指導者
③検定的資格
フードスペシャリスト
衣料管理士、インテリアプランナー
インテリアプランナー
パターンメーキング技術検定
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
教員免許
音楽療法士 (補)
照明技術者技能検定試験
保育士、社会福祉士、精神保健福祉士
健康運動指導士、健康運動実践指導者
宅地建物取引主任者
※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より
155
◇短期大学
区 分
学生数(人)
工業
機
械
工
電 子 通 信 工
土 木 建 築 工
応
用
化
そ
の
学
学
学
学
他
機械、自動車工、精密機械工学
電気、電子工学、通信、情報処理工学
土木、建築学、建設、環境建設
応用化学、工業化学、化学工業
環境工学、システムデザイン工学
農
農
芸
化
農
業
工
獣 医 学 畜 産
学
学
学
学
農業、園芸、造園、緑地環境学
缶詰製造、醸造、食品化学
農業土木、農業機械、農業科学
畜産、酪農
看
そ
護
の
学 看護、厚生、衛生看護
他 放射線、栄養、理学療法学、作業療法学、言語聴覚療法
の
学
学
学
他
農業
保健
人文
文
史
哲
そ
文、国文、英文、言語文化学
国史、日本史学、日本文化史
仏教、宗教、神学、心理学
図書館、文化学
社会
法 学 政 治 学 法、法律
商 学 経 済 学 商業、経済、現代ビジネス
社
会
学 社会、社会福祉、情報コミュニティ学
そ
の
他 観光、能率、キャリアデザイン
教養
教
養 教養、国際教養、文化教養
家政
家
食
被
政
物
服
学 家政、生活科学、ライフデザイン
学 食物、食物栄養、食生活
学 被服、服飾、ファッションデザイン学
教育
初
等
教
幼 稚 園 教
体
そ
の
育
育
育
他
初等教育、児童教育
保育、幼児教育、児童福祉学
体育、保健体育、健康・スポーツ学
子ども
美
デ
音
そ
の
術
ン
楽
他
美術、造形美術、芸術
デザイン美術、産業デザイン学
音楽、音楽教育、音楽情報
美容芸術、美容ファッションビジネス学
の
書 秘書、情報ビジネス
他 人間文化学、国際ビジネス学、健康文化
芸術
ザ
イ
その他
秘
そ
構成比(%)
155,127
4,768
2,860
1,170
131
82
525
1,370
1,003
281
1
85
12,385
6,272
6,113
19,248
12,326
237
222
6,463
18,518
86
8,422
6,647
3,363
2,241
2,241
31,730
20,794
9,463
1,473
45,946
5,392
37,680
963
1,911
6,834
3,124
895
2,131
684
12,087
1,561
10,526
3.1
1.8
0.8
0.1
0.1
0.3
0.9
0.6
0.2
0.0
0.1
8.0
4.0
3.9
12.4
7.9
0.2
0.1
4.2
11.9
0.1
5.4
4.3
2.2
1.4
1.4
20.5
13.4
6.1
0.9
29.6
3.5
24.3
0.6
1.2
4.4
2.0
0.6
1.4
0.4
7.8
1.0
6.8
①業務独占資格(参入資格)
②名称独占・必置規制資格
③検定的資格
自動車整備士
機械設計技術者
電気主任技術者、電気通信主任技術者 基本情報技術者
建築士
毒物劇物取扱責任者
測量士、測量士補
CAD利用技術者
造園技能士、園芸装飾技能士
食品衛生管理者
食品衛生監視員
家畜人工授精師
食品衛生責任者
看護師、助産師
保健師
栄養士
診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
樹木医補
缶詰品質管理主任技術者
中学校教諭、司書教諭
中学校教諭、司書教諭
宗門教師
社会教育主事
図書館司書、学芸員
行政書士、司法書士、公認会計士
販売士、日商簿記検定、ファイナンシャルプランナー
社会福祉士、訪問介護員、精神保健福祉士
国内旅行業務取扱管理者
観光ビジネス実務士
ビジネス実務士、情報処理士
養護教諭
栄養教諭
中学校教諭
介護福祉士
栄養士
幼稚園教諭、小学校教諭
幼稚園教諭
中学校教諭
保育士、幼稚園教諭、小学校教諭
保育士
保育士
インテリアプランナー
インテリアコーディネーター、衣料管理士
健康運動実践者、公認スポーツ指導員
中学校教諭
中学校教諭
中学校教諭
美容師
カラーコーディネーター
衣料管理士、商業施設士
音楽療法士
美容福祉師
中学校教諭
秘書士、ビジネス実務士、情報処理士
情報処理士、医療管理秘書士
※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より
◇高等専門学校
区 分
学生数(人)
構成比(%)
①業務独占資格(参入資格)
②名称独占・必置規制資格
③検定的資格
55,853
社会
603
1.1
53,939
96.6
工業
商船
1,116
2.0
195
0.3
全経簿記、日商簿記、
初級システムアドミニストレータ
電気工事士、陸上無線技術士、
ボイラー技士
電気主任技術者、危険物取扱者
海上特殊無線技士、海技士、
小型船舶操縦士免許
基本情報技術者、初級システムアドミニスト
レータ、CGエンジニア検定
芸術
※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より
156
◇専門学校
区 分
工業関係
測
土 木 ・ 建
電 気 ・ 電
無 線 ・ 通
自 動 車 整
機
電 子 計 算
情
報
処
そ
の
量
築
子
信
備
械
機
理
他
測量、地図製図
土木、建築設計、都市建設工学
電子工学、電気工事、電子研究
電気通信、放送、テレビ工学
自動車整備
機械、機械工学、機械設計
電子計算機、コンピュータ、電算
情報処理技術、情報ビジネス、情報工学
製図、造船、金属、航空工学
農
園
そ
業 農業
芸 園芸、ガーデニング、造園
他 食肉技術、きのこ栽培、生物工学
農業関係
の
医療関係
看
護
准
看
護
歯
科
衛 生
歯
科
技 工
臨
床
検 査
診 療 放 射 線
は り ・き ゅう ・あ んま
柔
道
整 復
理学・ 作業 療法
そ
の
他
看護、高等看護
准看護
歯科衛生
歯科技工
臨床検査
診療放射線、放射線、レントゲン
はり、きゅう、鍼灸マッサージ
柔道整復、柔整
理学療法、作業療法、リハビリテーション
医学技術、視能訓練、保健師、助産師
衛生関係
栄
調
理
美
製 菓 ・ 製 パ
そ
の
教育・社会福祉関係
保 育 士 養
教
員
養
介
護
福
社
会
福
そ
の
商業実務関係
商
経 理 ・ 簿
秘
経
旅
情
ビ
ジ
ネ
そ
の
養
理
容
容
ン
他
栄養、栄養調理
調理、調理師
理容
美容
製菓、製菓衛生師
薬学、エステ、ネイルアート
成
成
祉
祉
他
保育、保育士
幼児教育、幼稚園教諭、養護教育
介護福祉
社会福祉
ボランティア
業
記
書
営
行
報
ス
他
商業、経済商業、商業実務
経理、経理会計、商業簿記
秘書、秘書養成、英語秘書
経営学、観光経営、経営技術
観光、ホテル、フライトアテンダント
ITビジネス、情報ビジネス
医療事務、福祉ビジネス
速記、珠算、編集広報
区 分
服飾・家政関係
家
政
家
庭
和
洋
裁
料
理
編 物 ・ 手 芸
ファッションビジネス
そ
の
他
家政
家庭、生活技術、家庭経営
和裁、洋裁、服飾、デザイン
料理、調理、家庭料理
編物、手芸、帽子、刺しゅう
アパレルビジネス、ファッションビジネス
お花、お茶、製図、色彩
音
美
デ
ザ
イ
茶
華
外
国
演 劇 ・ 映
写
通 訳 ・ ガ イ
動
法
律
行
ス
ポ
ー
そ
の
音楽、ピアノ、バレエ、音響芸術
造形美術、建築、リビングアート
文化・教養関係
楽
術
ン
道
語
画
真
ド
物
政
ツ
他
デザイン、グラフィックデザイン、環境デザイン
茶道、華道
英語、実務英語、英会話
演劇、映画、放送芸術
写真、写真芸術
国際ガイド、フライトアテンダント、秘書
動物看護、トリマー
公務員、法律行政
スポーツ、アスレチックトレーナー
ファッション、造園、人形、外国文化
学生数(人)
構成比(%)
552,711
76,420
473
8,708
2,112
737
18,672
829
3,986
26,266
14,637
3,667
2,091
625
951
192,616
89,106
459
12,882
2,720
3,938
2,220
12,626
15,946
37,013
15,706
66,836
5,292
12,671
1,554
35,512
6,808
4,999
34,438
9,710
3,501
12,942
4,314
3,971
55,009
2,343
11,016
1,889
2,416
10,736
6,023
10,264
10,322
13.8
0.1
1.6
0.4
0.1
3.4
0.1
0.7
4.8
2.6
0.7
0.4
0.1
0.2
34.8
16.1
0.1
2.3
0.5
0.7
0.4
2.3
2.9
6.7
2.8
12.1
1.0
2.3
0.3
6.4
1.2
0.9
6.2
1.8
0.6
2.3
0.8
0.7
10.0
0.4
2.0
0.3
0.4
1.9
1.1
1.9
1.9
学生数(人)
構成比(%)
18,910
131
12
14,718
1,581
280
1,865
323
104,815
13,041
2,851
22,995
88
4,987
6,762
1,281
2,678
10,131
11,136
7,507
21,358
3.4
0.0
0.0
2.7
0.3
0.1
0.3
0.1
19.0
2.4
0.5
4.2
0.0
0.9
1.2
0.2
0.5
1.8
2.0
1.4
3.9
①業務独占資格(参入資格)
測量士、測量士補
建築士
電気工事士
陸上特殊無線技士
②名称独占・必置規制資格
③検定的資格
土木施工管理技士、建築設備士
電気主任技術者
自動車整備士
機械製図CAD作業技能士、危険物取扱者
簿記検定、ワープロ検定
情報処理技術者
航空整備士、航空運航整備士
家畜人工授精師
農業機械士
造園技能士、造園施工管理技士
食肉販売技術管理技士、バイオ技術認定試験
看護師
准看護師
歯科衛生士
歯科技工士
臨床検査技師
診療放射線技師
あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師
柔道整復師
理学療法士、作業療法士
言語聴覚士、視能訓練士、助産師
栄養教諭
保健師
栄養士、管理栄養士
調理師
理容師
美容師
食品技術管理専門士、介護食士
認定エステティシャン
製菓衛生師、菓子製造技能士
登録販売者
認定エステティシャン、ネイルスペシャリスト
保育士
幼稚園教諭
介護福祉士
社会福祉士、精神保健福祉士、訪問介護員
TOEIC、TOEFL
公認会計士、税理士
通関士
中小企業診断士
計算実務能力検定
簿記能力検定
秘書技能検定
経営学検定、日商販売士検定
旅行業務取扱管理者、レストランサービス技能検定
MCP(マイクロソフト認定技術者)、初級システム アドミニストレータ
ビジネス能力検定、医療事務検定、医療秘書技能検定
速記技能検定
①業務独占資格(参入資格)
②名称独占・必置規制資格
③検定的資格
訪問介護員
和裁・洋裁技術検定
和裁技能士
調理師
和裁技術検定、洋裁技術検定
家庭料理技能検定
編物技能検定
ファッショ ン ビジネス能力検定、ファッショ ン 販売能力検定
フラワー装飾技能士
舞台機構調整技能士
フラワーデザイナー検定、CAD利用技術者
音響技術者能力検定
インテリアコーディネーター、インテリアプランナー
イン テリアデザイナー、ショ ップデザイナー、色彩士検定
表千家・裏千家許状、いけばな嵯峨御流資格
TOEIC、TOEFL、実用英語技能検定
映像音響処理技術者
写真技能士
通訳案内士
通訳技能検定
動物看護士、愛玩動物飼養管理士、トリマー
司法試験、国家公務員、地方公務員
健康運動実践指導者、アスレチックトレーナー
園芸装飾技能士
※区分、学生数、構成比については文部科学省「学校基本調査」より
157
主な資格の取得要件、学校種別養成施設数等
1)看護系①
看護師
准看護師
○文部科学大臣の指定した学校において2年の看護
に関する学科を修めた者
国家試験受験資格
○文部科学大臣の指定した学校において3年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者
の取得要件
○厚生労働大臣の指定した看護師養成所を卒業した者
○都道府県知事の指定した准看護師養成所を卒業し
(外国の養成校を
た者
卒業した場合、外
○免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師又は高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護
国で相当免許を受
師であって、上記の学校又は養成所において2年以上修業した者
けた場合等を除く)
○看護師国家試験の受験資格を有する者
養成施設の種類
(3年課程) *高校・専攻科一貫教育校(5年課程)含む
大学
短大
専修学校
高校・専攻科一貫教育校
各種学校
その他の養成施設
(2年課程)
短大
専修学校
高校専攻科
各種学校
その他の養成施設
専修学校
高校
各種学校
その他の養成施設
3年課程の養成施設合計:776施設
2年課程の養成施設合計:249施設
2年課程の養成施設合計:274施設
各種学校, 1
高校・専攻科一
貫, 69
その他, 3
その他, 4
大学, 168
各種学校, 18
その他, 10
短大, 4
高校専攻科, 13
養成施設数
専修学校, 128
各種学校, 112
短大, 37
専修学校, 497
高校, 24
専修学校, 211
平成20年度に3年課程を卒業・就業した看護師総数:
30,086人
各種学校, 24
高校・専攻科一貫,
2423
平成20年度に2年課程を卒業・就業した看護師総数:
11,319人
平成20年度に卒業・就業した准看護師総数:
6,522人
その他, 423
その他, 217
各種学校, 746
大学, 7623
その他, 218
短大, 327
高校専攻科, 342
各種学校,
2343
養成施設ごとの就
業者数等
専修学校,
3840
短大, 1565
高校, 121
専修学校, 18234
専修学校, 9481
1)看護系②
保健師
助産師
国家試験受験資格 ○文部科学大臣の指定した学校において六月以上保健
師になるのに必要な学科を修めた者
の取得要件
○文部科学大臣の指定した学校において六月以上助産
に関する学科を修めた者
○厚生労働大臣の指定した助産師養成所を卒業した者
( 外国の養成校を卒 ○厚生労働大臣の指定した保健師養成所を卒業した者
業した場合、外国で
相当免許を受けた ※保健師免許を受けるには、保健師国家試験と看護師国 ※助産師免許を受けるには、助産師国家試験と看護師
場合等を除く)
家試験の双方に合格することが必要。
国家試験の双方に合格することが必要。
養成施設の種類
大学院
大学
短大
専修学校
各種学校
大学
短大
専修学校
合計:205施設
合計:159施設
専修学校, 27
各種学校, 5 大学院, 5
専修学校, 32
短大, 11
養成施設数
短大, 10
大学, 107
大学, 167
平成20年度に卒業・就業した保健師総数:1,155人
平成20年度に卒業・就業した助産師総数:1,454人
大学院, 42
各種学校, 92
専修学校, 191
養成施設ごとの就
業者数等
大学, 608
専修学校, 554
短大, 194
大学, 770
短大, 158
158
2)リハビリ医療系
理学療法士
作業療法士
国家試験受験資格 ○大学の入学資格を有する者であって、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労
の取得要件
働大臣が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な
知識及び技能を修得したもの
(外国の養成校を
卒業した場合、外 ○作業療法士等で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した理
国で相当免許を受 学療法士養成施設において、二年以上理学療法に関する知識及び技能を修得したも
けた場合等を除く) の
大学
短大
専修学校
その他の養成施設
養成施設の種類
○大学の入学資格を有する者であって、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労
働大臣が指定した作業療法士養成施設において、三年以上作業療法士として必要な
知識及び技能を修得したもの
○理学療法士等で、文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した作
業療法士養成施設において、二年以上作業療法に関する知識及び技能を修得したも
の
大学
短大
専修学校
その他の養成施設
合計:239施設
合計:186施設
その他,4
その他, 1
大学,71
大学, 57
養成施設数
短大,4
短大, 2
専修学校,
126
専修学校,
160
平成20年の合格者総数:8,291人 その他, 54
平成20年の合格者総数:5,405人
その他, 43
大学, 1724
大学, 1354
短大, 30
養成施設ごとの資
格取得者数
短大, 32
専修学校,
3976
専修学校,
6483
3)福祉系
介護福祉士
社会福祉士
○大学の入学資格を有する者であつて、介護福祉士養成
施設において二年以上介護福祉士として必要な知識及び
技能を修得したもの
精神保健福祉士
(社会福祉士国家試験受験資格の取得要件)
【 指定科目の履修】 ○大学(短期大学を除く。以下同じ。)において厚生労働大臣の指定す
る社会福祉に関する科目(指定科目)を修めて卒業した者その他その者に準ずる者
○短期大学(修業年限が三年であるもの)において指定科目を修めて卒業した者等であつ
て、指定施設において一年以上相談援助の業務に従事したもの
○短期大学において指定科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において二年以上
相談援助の業務に従事したもの
【 短期養成施設】○大学において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する基礎科目を
○大学において厚生労働大臣の指定する社会福祉に関す
修めて卒業した者等であつて、社会福祉士短期養成施設等において六月以上社会福祉士と
る科目を修めて卒業した者その他その者に準ずる者であつ
して必要な知識及び技能を修得したもの
て、介護福祉士養成施設において一年以上介護福祉士とし
○短期大学(修業年限が三年であるもの)において基礎科目を修めて卒業した者等であつ
て必要な知識及び技能を修得したもの
て、指定施設において一年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士短期養成施設等
において六月以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
○大学の入学資格を有する者であつて、保育士養成施設
○短期大学において基礎科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において二年以上
又は社会福祉士養成施設等を卒業した後、介護福祉士養
相談援助の業務に従事した後、社会福祉士短期養成施設等において六月以上社会福祉士
資格の取得要件
成施設において一年以上介護福祉士として必要な知識及
として必要な知識及び技能を修得したもの
び技能を修得したもの
○児童福祉司、身体障害者福祉司、福祉事務所の査察指導員、知的障害者福祉司並びに
社会福祉主事であつた期間が四年以上ある者
○三年以上介護等の業務に従事し、介護福祉士試験に合
格した者
【 一般養成施設】○大学を卒業した者等であつて、社会福祉士一般養成施設等において一
年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
○高等学校等において厚労省令に定める所定の科目及び
○短期大学(修業年限が三年であるもの)を卒業した者等であつて、指定施設において一年
単位数を修めて卒業し、介護福祉士試験に合格した者
以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等において一年以上社会福
祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
※平成24年4月からは、全ての者について介護福祉士試
○短期大学又は高等専門学校を卒業した者等であつて、指定施設において二年以上相談援
験の合格が必要となる。
助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等において一年以上社会福祉士として必
要な知識及び技能を修得したもの
○指定施設において四年以上相談援助の業務に従事した後、社会福祉士一般養成施設等
において一年以上社会福祉士として必要な知識及び技能を修得した者
大学
短大
課程修了により資格取得(試験なし)
養成施設の種類 専修学校
高校専攻科
高校本科
合計:434施設
大学, 63
(高校本科除く)
高校専攻科, 3
大学
短大
専修学校
その他の養成施設
【短期養成施設】 ○大学において厚生労働大臣の指定する精神障害者の保健及び福祉に関する基礎科目を修
めて卒業した者等であつて、精神保健福祉士短期養成施設等において六月以上精神保健福祉士として必要な知
識及び技能を修得したもの
○短期大学(修業年限が三年であるもの)において基礎科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において
一年以上相談援助の業務に従事した後、精神保健福祉士短期養成施設等において六月以上精神保健福祉士と
して必要な知識及び技能を修得したもの
○短期大学において基礎科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において二年以上相談援助の業務に従
事した後、精神保健福祉士短期養成施設等において六月以上精神保健福祉士として必要な知識及び技能を修得
したもの
○社会福祉士であって、精神保健福祉士短期養成施設等において六月以上精神保健福祉士として必要な知識及
び技能を修得した者
【長期養成施設】 ○大学を卒業した者等であつて、精神保健福祉士一般養成施設等において一年以上精神保健
福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
○短期大学(修業年限が三年であるもの)を卒業した者等であつて、指定施設において一年以上相談援助の業務
に従事した後、精神保健福祉士一般養成施設等において一年以上精神保健福祉士として必要な知識及び技能を
修得したもの
○短期大学又は高等専門学校を卒業した者等であつて、指定施設において二年以上相談援助の業務に従事した
後、精神保健福祉士一般養成施設等において一年以上精神保健福祉士として必要な知識及び技能を修得したも
の
○指定施設において四年以上相談援助の業務に従事した後、精神保健福祉士一般養成施設等において一年以
上精神保健福祉士として必要な知識及び技能を修得した者
大学
短大
専修学校
その他の養成施設
一般養成施設:
50施設 その他, 6
指定科目を置く大学等:348校
専修学校,
106
養成施設数
(精神保健福祉士国家試験受験資格の取得要件)
【指定科目の履修】 ○大学(短期大学を除く。以下同じ。)において厚生労働大臣の指定する精神障害者の保健
及び福祉に関する科目(指定科目)を修めて卒業した者その他その者に準ずる者
○短期大学(修業年限が三年であるもの)において指定科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において
一年以上相談援助の業務に従事したもの
○短期大学において指定科目を修めて卒業した者等であつて、指定施設において二年以上相談援助の業務に従
事したもの
大学, 1
短大, 1
短期養成施設:
2専門学校
指定科目を置く大学等:147校
一般養成施設:
37施設
大学, 1
短期養成施設: その他, 1 大学, 1
23施設
専修学校, 42
短大, 97
大学, 209
専修学校, 271
短大, 4
大学, 101
短大, 33
専修学校, 42
(※文部科学省調査による)
平成20年度の入学者総数:11,638人
(高校本科除く)
高校専攻科,
21
養成施設ごとの
資格取得者数等
専修学校,
7117
大学, 1648
平成20年度
介護福祉士試験における
福祉系高校(専攻科含む)
からの合格者数:
4,778人
専修学校, 36
平成20年の合格者総数:13,436人
(※行政職72人を含む)
平成20年度の合格者総数:4,434人
その他, 38
大学院, 215
その他, 1216
専修学校, 3055
専修学校,
2418
大学, 1976
短大, 206
大学, 8672
短大, 2
短大, 2852
159
専修学校, 21
4)教育系、家政系
保育士
幼稚園教諭 二種
管理栄養士
○厚生労働大臣の指定する保育士養成施設を卒業
○短期大学士の学位を有し、大学又は指定教員養成
した者
機関において所定の単位を修得した者
資格の取得要
件
養成施設の種
類
○保育士試験に合格した者
(保育士試験の受験資格は、原則として次のいずれ
かに該当すること。①短大卒業又は同等以上、②高
校卒業後に児童福祉施設での実務経験2年以上、③
中学卒業後に児童福祉施設での実務経験5年以上)
(なお、幼稚園教諭免許保持者については筆記試験
2科目と実技試験が免除)
栄養士
(管理栄養士国家試験受験資格の取得要件)
栄養士であって以下のいずれかに該当するもの
○修業年限が四年である養成施設であつて、学校
(専修学校及び各種学校を含む)であるものにあつて
○指定教員養成機関を卒業し、又は短期大学士と同
は文部科学大臣及び厚生労働大臣が、学校以外の
○厚生労働大臣の指定した養成施設において二年
等以上の資格を有すると文部科学大臣が認めた場合
ものにあつては厚生労働大臣が指定した管理栄養士
以上栄養士として必要な知識及び技能を修得した者
であって、大学又は指定教員養成機関において所定
養成施設を卒業した者
の単位を修得した者
○3年以上の実務経験等の条件を満たした保育士
で、幼稚園教諭資格認定試験に合格した者
大学
短大
専修学校
その他養成施設
大学
短大
専修学校
合計:544施設
合計:445施設
専修学校等,
107
○修業年限が二年、三年又は四年である養成施設を
卒業して栄養士の免許を受けた後厚生労働省令で定
める施設において三年、二年又は一年以上(在学+
実務が五年以上)栄養の指導に従事した者
大学
短大
専修学校
大学
専修学校
合計:118施設
専修学校, 37
合計:177施設
大学, 19
専修学校, 33
専修学校, 6
大学, 171
大学(1種・2
種), 180
養成施設数
短大,228
短大, 266
短大, 125
大学, 112
平成19年度の資格取得者総数:41,613人
専修学校等,
5419
平成19年3月卒の資格取得者総数:35,547人
平成20年の資格取得者総数:6,968人
専修学校,
540
専修学校,
大学, 506
3808
大学, 5956
平成20年度の入学定員:13,960人
大学, 1165
短大, 728
専修学校, 3310
養成施設ごとの
資格取得者数
等
短大, 30238
大学, 5700
短大, 31233
短大, 9485
(参考)平成19年度の保育士試験合格者数:7,750人
5)理美容・調理
理容師
美容師
調理師
資格の取得要
件
(理容師国家試験受験資格の取得要件)
○高校を卒業した者等であつて、理容師養成施設において2
年以上(通信課程の場合は3年以上)理容師になるのに必要
な知識及び技能を修得したもの
○厚生労働大臣の指定する調理師養成施設において、1年
以上、調理、栄養及び衛生に関して調理師たるに必要な知
識及び技能を修得したもの
(美容師国家試験受験資格の取得要件)
○高校を卒業した者等であって、美容師養成施設において2
年以上(通信課程の場合は3年以上)美容師になるのに必 ○中学校を卒業した者等であって、多数人に対して飲食物を
調理して供与する施設又は営業で厚生労働省令の定めるも
要な知識及び技能を修得したもの
のにおいて2年以上調理の業務に従事した後、調理師試験
に合格したもの
養成施設の種
類
大学
専修学校
高校別科
その他の養成施設
大学
短大
専修学校
高校別科
その他の養成施設
合計:130施設
短大
専修学校
高校
その他養成施設
合計:264施設
合計:271施設
大学, 1
大学, 1
その他, 5
短大, 5
その他, 34
短大, 14
高校別科, 1
その他, 45
高校, 102
養成施設数
専修学校, 83
専修学校, 150
高校別科, 1
専修学校,
223
平成20年の資格取得者総数:997人
平成20年の資格取得者総数:5,384人
平成20年の入学定員:30,957人
大学, 0
その他, 200
大学, 0
その他, 285
その他, 879
短大, 376
短大, 605
高校, 5,608
高校別科, 43
高校別科, 31
養成施設ごとの
資格取得者数
等
専修学校,
1628
専修学校,
22384
160
専修学校, 24,459
6)工業系
自動車整備士(1 級)
自動車整備士(2級)
自動車整備士(3 級)
○1種養成施設の2級の課程を修了した者
○2級の技能検定に合格した者であつて、1種養成施
○自動車に関する学科を有する大学であつて国土交通
設の1級の課程を修了したもの 等
技能検定の受験資
大臣が定めるものにおいて当該学科の2級の課程を修
格の取得要件
めて卒業した者 等
(養成施設の課程を修了した者等については、学科試
験又は実技試験の全部又は一部が免除)
(養成施設の課程を修了した者等については、学科試験
又は実技試験の全部又は一部が免除)
養成施設の種類
大学
専修学校
高校
職能開発校
その他の養成施設
大学
専修学校
合計:49施設(1種養成施設)
○1種養成施設の3級の課程を修了した者 等
(養成施設の課程を修了した者等については、
学科試験又は実技試験の全部又は一部が免
除)
専修学校
高校
職能開発校
その他の養成施設
合計:193施設(1種養成施設及び国土交通大臣が定め 合計:63施設(1種養成施設)
る学科を有する大学等)
その他, 2
大学, 10
大学, 6
短大, 8
職能開発校, 84
専門学校, 10
職能開発校,
9
養成施設数
専修学校, 84
専修学校, 43
高校, 6
平成19年度の受験資格取得者総数:475人
大学,36
高校, 42
平成19年度の受験資格取得者総数:13,798人
平成19年度の受験資格取得者総数:3,225人
大学, 406
職能開発校, 1396
短大, 1649
高校, 138
その他, 10
職能開発校,
281
専門学校,
152
養成施設ごとの受
験資格取得者数
専修学校,
439
高校, 2782
専修学校, 10209
大学におけるキャリア教育の取組状況
キャリア教育の取組開始時と比べ、学内教職員の理解度、協力度が進んだという回答が65%
キャリア教育の取組開始時と比べ、学内教職員の理解度、協力度が進んだという回答が65%
を占めているが、「ほとんど変わらない」という回答も30%あり、学内での理解、協力を得
を占めているが、「ほとんど変わらない」という回答も30%あり、学内での理解、協力を得
るために困難を抱える大学も相当数存在
るために困難を抱える大学も相当数存在
Q.取組開始時に比べキャリア形成
支援の現状に変化はありましたか。
【学内教職員の理解度、協力度】
かなり後退した, 0%
無回答
4%
やや後退した, 1%
とても進んだ
8%
ほとんど変わらない,
30%
まあまあ進んだ
57%
(出典)ジョブカフェサポートセンター キャリア形成支援/就職支援についての調査結果報告書(経済産業省事業)
161
大学生が受けた授業の形態別割合(4年以上)
100%
実験・実習
90%
4.3
7.7
13.8
18.9
14.6
演習・ゼミ
21.4
24.2
22.2
16.7
12.6
14.4
12.9
11.0
23.2
講義(50人未満)
8.7
11.7
13.2
16.3
14.3
23.4
21.5
80%
70%
12.3
15.3
12.6
20.0
60%
27.7
15.9
28.7
33.5
50%
25.7
33.4
25.8
40%
27.6
30.9
32.2
34.8
27.4
講義(50人以上
100人未満)
31.9
30%
24.5
24.9
27.8
20.7
19.1
22.9
20%
20.2
講義(100人以上)
10%
22.6
21.4
26.1
19.2
32.1
15.4
11.8
15.6
15.0
19.3
17.4
13.3
18.5
20.3
その他
不明
8.9
0%
全体
人文科学
社会科学
理学
工学
農学
保健
【調査概要】
調査期間:平成19年1月∼7月
調査対象:127大学288学部 回答数 48,233人(うち4年以上は24.1%)
家政
教育
芸術
資料:東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策研究センター
「全国大学生調査」(2007年)のデータをもとに文部科学省において作成
大学(学部)における職業意識・能力の形成を目的とした
教育の実施状況(平成19年度)
大学(学部)の約87%で、職業意識・能力の形成を目的とした教育(企業関係者等による講演
大学(学部)の約87%で、職業意識・能力の形成を目的とした教育(企業関係者等による講演
の実施や職業観の育成等を目的とした授業科目の開設など)を実施
の実施や職業観の育成等を目的とした授業科目の開設など)を実施
○実施状況
(学部数)
国立
公立
私立
計
321
(89.7%)
133
(83.1%)
1264
(86.4%)
1718
(86.7%)
○具体的な取組内容
(学部数)
国立
公立
私立
計
インターンシップを取り入れた授業科目の開設
213
(59.5%)
61
(38.1%)
785
(53.7%)
1059
(53.5%)
今後の将来設計、大学生活の在り方、勤労観・職業観
の育成を目的とした授業科目の開設
245
(68.4%)
58
(36.3%)
869
(59.4%)
1172
(59.2%)
資格取得・就職対策等を目的とした正課の授業科目の
開設
99
(27.7%)
43
(26.9%)
529
(36.2%)
671
(33.9%)
資格取得・就職対策等を目的とした対策講座(単位認
定を行っていないもの)の開設
99
(27.7%)
78
(48.8%)
783
(53.5%)
960
(48.5%)
企業関係者、OB、OGなどの講演等の実施
236
(65.9%)
97
(60.6%)
955
(65.3%)
1288
(65.0%)
その他
35
(9.8%)
11
(6.9%)
105
(7.2%)
151
(7.6%)
資料:文部科学省調べ
162
短期大学における職業意識・能力の形成を目的とした
教育の実施状況(平成19年度)
短期大学の約89%で職業意識・能力の形成を目的とした教育(企業関係者等による講演の実施
短期大学の約89%で職業意識・能力の形成を目的とした教育(企業関係者等による講演の実施
や資格取得・就職対策等を目的とした対策講座の開設など)を実施
や資格取得・就職対策等を目的とした対策講座の開設など)を実施
○実施状況
(学校数)
公立
私立
計
20
(83.3%)
326
(89.1%)
346
(88.7%)
○具体的な取組内容
(学校数)
公立
私立
計
インターンシップを取り入れた授業科目の開設
4
(16.7%)
164
(44.8%)
168
(43.1%)
今後の将来設計、大学生活の在り方、勤労観・職業観
の育成を目的とした授業科目の開設
10
(41.7%)
158
(43.2%)
168
(43.1%)
資格取得・就職対策等を目的とした正課の授業科目の
開設
6
(25.0%)
195
(53.3%)
201
(51.5%)
資格取得・就職対策等を目的とした対策講座(単位認
定を行っていないもの)の開設
11
(45.8%)
214
(58.5%)
225
(57.7%)
企業関係者、OB、OGなどの講演等の実施
16
(66.7%)
234
(63.9%)
250
(64.1%)
その他
2
(8.3%)
13
(3.6%)
15
(3.8%)
資料:文部科学省調べ
大学等における職業意識の形成に関わる授業科目の
開設状況に関する学校数の割合
○高等専門学校
○大学
100%
90%
1.6%
4.4%
25.5%
21.8%
12.4%
9.5%
80%
70%
2.7%
4.5%
100%
6.4%
20.2%
16.9%
7.3%
6.6%
80%
5.9%
50%
50%
40%
40%
30%
60.5%
64.4%
45.9%
70%
60%
70.0%
3.3%
3.2%
49.2%
49.2%
3.2%
3.3%
90%
18.4%
60%
68.0%
1.6%
73.0%
37.1%
6.6%
3.3%
4.8%
45.9%
44.3%
42.9%
17年度
18年度
19年度
30%
20%
20%
10%
10%
0%
52.5%
3.2%
4.9%
56.5%
39.3%
0%
17年度
18年度
19年度
20年度
6.6%
6.9%
8.6%
32.2%
26.9%
22.3%
4.7%
7.3%
21年度
20年度
21年度
○短期大学
100%
2.4%
90%
80%
37.4%
70%
60%
8.6%
6.3%
4.3%
25.6%
無回答
開設する予定はない
5.4%
今後開設を予定している
50%
開設している
40%
30%
51.6%
54.9%
61.5%
61.8%
64.7%
20%
10%
資料:学生の就職・採用活動に関する調査(就職問題懇談会)
0%
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
163
高等専門学校教育の充実について
−ものづくり技術力の継承・発展とイノベーションの創出を目指して−
中央教育審議会答申の概要
1.高等専門学校教育の現状と社会経済環境の変化
○高等専門学校は,中学校卒業後からの5年一貫の本科とそれに続く2年間の専攻科での実践的専門教育により,実践的・創造
的な技術者を養成
○卒業生の高い就職率・求人倍率に見られるように,社会から高く評価
○社会経済環境の変化:高等教育のユニバーサル化,技術の高度化,15歳人口の減少,理科への関心の薄れ,進学率の上昇,
地域連携強化の必要性の高まり,行財政改革の進展
2.高等専門学校教育の充実の方向性
【基本的考え方】
○それぞれの高等専門学校が自主的・自律的改革に不断に取組み,社会経済環境の変化に積極的に対応
○中堅技術者の養成から,幅広い場で活躍する多様な実践的・創造的技術者の養成へ
○多様な高等教育機関のうちの一つとして本科・専攻科の位置付けを明確に
○産業界や地域社会との連携を強化し,ものづくり技術力の継承・発展を担いイノベーション創出に貢献する技術者等の輩出へ
【具体的方策】
①教育内容・方法等の充実
⑤教育研究組織の充実
・地域の産業界等との幅広い連携の促進,「共同教育」の充実
・一般教育の充実
・技術科学大学との連携の強化
・自学自習による教育効果も考慮した単位計算方法の活用
・退職技術者を含む企業人材等の活用
②入学者の確保及び多様な学生への支援
③大学への編入学者増加への対応
④教育基盤の強化
・教員等の確保,FDの実施等,施設・設備の更新・高度化,
事務部門強化,財政支援の充実
・科学技術の高度化等に対応した学科の在り方の見直し
・工業・商船以外の新分野への展開
・地域のニーズを踏まえた専攻科の整備・充実等
・地域と連携しつつ国立高等専門学校の再編・整備について検討
⑥高等専門学校の新たな展開
・公立の専門高校や大学校等を基に新たな公立高等専門学校を設置する可
能性を含め,潜在的需要を発掘し,需要がある場合には支援方策等につい
て検討
⑦社会との関わりの強化
・留学生受入れ,教員の海外派遣,海外技術協力など国際的な展開の推進
・広報活動強化による認知度向上,共同研究の推進,公開講座等の展開
高等専門学校卒業生の資質・能力に対する評価
高等専門学校卒業生について、企業は、専門知識や誠実さ、コンピュータ活用能力などについて
高等専門学校卒業生について、企業は、専門知識や誠実さ、コンピュータ活用能力などについて
高い評価の一方、コミュニケーション能力については期待と比べて低い評価
高い評価の一方、コミュニケーション能力については期待と比べて低い評価
◎「高専卒業生=専門知識がある」という評価
(企業アンケートから)
期待、評価ともに専門知識がもっとも高く、企業の求
めに応じた専門性のある人材を供給できていると言える
。
責任感についても、評価、期待ともに高い。コンピュー
タ活用能力や誠実さ、論理的思考力は、期待以上の評価
を得ていると見ることができる。
逆に、コミュニケーション力は期待に比べて評価がか
なり低いと言わねばならない。
企業規模別では、中小・中堅企業は、高専卒業生に「
専門知識」を期待しているが、大企業では「コミュニケ
ーション力」を最も期待している。
Q13.高専卒業生の資質・能力に対する評価
0.90
80
評価
0.80
期待
0.76
60
0.60
0.57
0.56
0.53
0.50
50
0.41
0.41
0.40
0.37
40
0.32
0.31 0.31
0.30
30
0.20
0.15
0.11
0.10
0.07
0.05
20
0.00
10
-0.10
⑪語学力
⑭プレゼンテーション力
⑮コンピュータ活用能力
⑫リーダーシップ
⑩一般常識
⑧論理的思考力
⑤誠実さ
②主体性
③創造性
⑬コミュニケーション力
⑦チャレンジ精神
①協調性
④責任感
⑥行動力・実行力
-0.20
-0.12
⑨専門知識
(卒業生アンケートから)
回答者全体では、「理系一般科目」および「専門科目
の講義」「専門科目の実験」に関する評価が高い。「大
変役立っている」「やや役立っている」を合わせた肯定
的な意見は、「理系一般科目」が69.7%、「専門科目の実
験」が64.9%、「専門科目の講義」が61.0%となっている。
また、「一般教養・知識」も55.8%、「論理的思考」も54.3%と
高く評価されている。
一方、卒業生からの評価が最も低かったのが、「語学力(英
語)」であり、肯定的な意見20.7%なのに対して、否定的な意
見(「全く役立っていない」と「あまり役立っていない」の合計)
が48.5%と、肯定的意見を上回っている。
それ以外にも、「対人交渉力」「プレゼンテーション能力」と
いったヒューマンスキルの育成に関する項目で評価も低い。
70
0.70
0
【調査名】『高等専門学校のあり方に関する調査』(平成18年3月独立行政法人国立高等専門学校機構)
【調査実施】みずほ情報総研株式会社 戦略コンサルティング部
【調査概要】
1)企業人事担当者アンケート調査(郵送調査)
概要:高専採用状況、高専卒業生評価、高専教育プログラムへの要望等について調査を実施。
回答数:3,232件(回答率22.1%)
2)高専卒業生アンケート調査(ネットサーベイ)
概要:高専卒業生の勤務状況、高専教育プログラムの有効性、今後の要望等について調査を実施。
回答数:556件
資料:中央教育審議会 「高等専門学校教育の充実について(答申)」 (平成20年12月24日)
164
専門学校卒業生に対する評価
専門学校卒業生の職業能力については、「情報・コミュニケーション能力」、「理解力・適応
専門学校卒業生の職業能力については、「情報・コミュニケーション能力」、「理解力・適応
力」等で大学卒業生との評価差が大きいほか、「仕事に対する誠実さ、堅実さ、責任感」、
力」等で大学卒業生との評価差が大きいほか、「仕事に対する誠実さ、堅実さ、責任感」、
「担当業務に関する専門的な知識・技能」「チームで働く力」等が採用時に重視される傾向
「担当業務に関する専門的な知識・技能」「チームで働く力」等が採用時に重視される傾向
(高)
仕事に対する誠実
さ、堅実さ、責任感
担当業務に関する専
門的な知識技能
チームで働く力
協調性・バランス感
覚
積極性・外向性
ビジネスマナー・礼儀
職業意識・勤労観 達成意欲・チャレンジ
行動力・実行力
精神
理解力・適応力
情報・コミュニケー
ション能力
基礎学力・教養・一
般常識
仕事の仕方を改善す
る能力
人を指導する能力・
リーダーシップを取る
能力
前に踏み出す力考え抜く力
定型業務の処理能
力
表現力・伝達力
企画力・創造力
採
用
時
の
重
視
度
能力の長期的な伸長
の可能性
生涯にわたるキャリ
ア開発意欲、ビジョン
対立意見や物事をま
とめていく調整能力
「大卒」と「専門学校卒」の能力評価の差
(大)
資料:株式会社 インテージ 「専門学校教育の評価に関する現状調査報告書」 (平成20年3月)
専門学校卒業生の採用理由と育成方針
採用理由(採用時)
育成方針(採用後)
N=2,901
(%)
60
57.8
50
○採用後10年間の育成方針としては、 「資格や専門にこだ
わらない」も4割弱
○採用理由は、「専門の職業教育を受けている」
「必要な資格を持っている」が多い
42.6
無回答
40
30
特定分野 の専門家として育成
・処遇する
26.5
6.4
20
13.3
8.2
10
5.4
4.4
1.4
n=
0
専か
門ら
の
職
業
教
育
を
受
け
て
い
る
仕る
事か
にら
必
要
な
資
格
を
持
っ
て
い
即
戦
力
と
し
て
活
用
で
き
る
か
ら
新技
し能
いを
分身
野に
の付
専け
門て
的い
なる
知か
識ら
・
必り
要難
なし
知い
識仕
・事
技が
能多
水く
準な
がっ
高た
ま
17.8
14.1
12.1
大
卒
が
十
分
採
用
で
き
な
い
か
ら
高き
校な
卒い
、か
短ら
大
卒
が
十
分
採
用
で
そ
の
他
特
に
理
由
は
な
い
資格や専門にこだわ らず育成
・処遇する
無
回
答
36.5
2,901
(%)
39.3
資格や専門が生かせるよ う育
成・処遇する
専門学校教育に対する期待
専門性への評価と期待
○専門学校卒はその専門性に配慮した
活用が行われている
N=2,901
(% )
70
64 .7
○今後期待するのは「より実践的な専門
性」の習得
60
50
無回答
40
専門に関係なく配属する
専門が必要な職場や業務に配
属する
2.9
17.5
32.6
n=
2,901
(%)
46.9
専門が生かせる職場や業務に
配属する
32 .6
30
29 .2
20
10
10 .9
10 .0
複ほ
数し
のい
専
門
性
を
習
得
し
て
き
て
新て
しき
いて
領ほ
域し
のい
専
門
性
を
習
得
し
5. 4
6. 3
そ
の
他
無
回
答
0
よて
りき
実て
践ほ
的し
ない
専
門
性
を
習
得
し
専習
門得
性し
をて
基き
礎て
にほ
付し
加い
的
能
力
も
よき
りて
高ほ
度し
ない
専
門
性
を
習
得
し
て
○専門学校教育への
要望(ヒアリングより)
企業は専門学校卒の専門的職
業能力や即戦力性、 職人気
質 といったものに魅力は感じ
つつも、今後の専門学校教育
には、より基礎力の強化を求め
る声がいくつも寄せられている。
「問題解決のような能力が採用
時から身についているといい」
「基礎力をしっかりつけて応用
力を発揮できるように」「より広
い基礎的な教養を身につけて
伸びしろを長くしてほしい」など。
資料:文部科学省「専門学校教育の評価に関する現状調査」(平成20年3月)
165
大学等の各分野別の講義、演習、実験・実習の割合①
(大 学)
大学のカリキュラムに占める実験・実習等の割合は看護系、保育系、福祉系、工学系の分野で高
大学のカリキュラムに占める実験・実習等の割合は看護系、保育系、福祉系、工学系の分野で高
く、約20%弱。また、各分野とも講義が高い割合を占める
く、約20%弱。また、各分野とも講義が高い割合を占める
(大学)
計
78
7.8
81
文系
講義
14.2
12.2
演習
6.8
実験・実習等
福祉系
73.4
9.7
看護系
講義, 79.6
2.4
78.3
工学系
0%
20%
演習, 13.7
40%
実験・実習等,18
6.4
68.6
保育系
16.9
60%
15.3
17.7
80%
100%
○大学等のカリキュラムに占める実験・実習や演習等の授業の割合を把握するため、 大学、短期大学、高等専門学校
のカリキュラムを分野別にサンプリングし、分析を実施
○分析に当たっては、各科目の単位数が卒業に必要な単位数に占める割合を算出
※授業の名称に「実験」、「実習」等を含むものを「実験・実習等」、「演習」を含むものを「演習」、それ以外を「講義」とした。
※選択科目については、実験・実習、演習を最大限選択した場合の単位数として割合を算出。
このため、単位数の割合は平均ではなく最大限取得可能な単位の割合
資料:文部科学省調べ
※ サンプリング数 大学12校21学科(国立2校7学科、公立1校1学科、私立9校13学科)
大学等の各分野別の講義、演習、実験・実習の割合②
(短期大学・高等専門学校)
短期大学のカリキュラムに占める実験・実習等の割合は、工業系で最も高く約29%。またビジ
短期大学のカリキュラムに占める実験・実習等の割合は、工業系で最も高く約29%。またビジ
ネス系は、演習が約39%と高い傾向。高等専門学校の実験・実習等の割合は、約32%
ネス系は、演習が約39%と高い傾向。高等専門学校の実験・実習等の割合は、約32%
(短期大学)
計
67.3
家政系
13.7
61.3
ビジネス系
16.4
58.1
福祉系
演習, 38.7
4.8
67.7
3.1
77.4
保育系
0%
20%
40%
3.2
13.3
71.1
工業系
演習
22.3
講義, 72.7
看護系
講義
19
14
24.1
実験・実習等, 29.2
3.2
60%
実験・実習等
19.4
80%
100%
※ サンプリング数 短期大学7校11学科(公立1校1学科、私立6校10学科)
(高等専門学校)
講義, 59.8
工学系
0%
※ 専門科目のカリキュラムにおける割合(一般科目は含まない)
20%
40%
※ サンプリング数 高等専門学校3校6学科(国立3校6学科)
演習, 8.4
60%
166
実験・実習等, 31.8
80%
100%
資料:文部科学省調べ
専門学校の各分野別の講義、実習、企業内実習の割合
専門学校のカリキュラムに占める実習の割合は、いずれの分野においても高く、約30%を超え
専門学校のカリキュラムに占める実習の割合は、いずれの分野においても高く、約30%を超え
る傾向
る傾向
計
50.8
工業
43.9
46.4
農業
52.4
34.4
56.1
教育・社会福祉
6.2
55.1
52.7
11.7
35.6
講義,67.6
商業実務
29.6
実習,73.2
25.6
服飾・家政
52.2
46.7
文化・教養
0%
企業内実習
企業内実習,
12.5
31.3
42.9
講義
実習
59.5
医療
衛生
5.3
20%
40%
60%
80%
100%
○専門課程を設置する専修学校に対し質問紙による調査を実施(約86%の専門学校から回答)
○総開設授業時数に占める各科目の授業時数の割合を算出
※ 「実習」には演習、実験、実技含む。
※ 「企業内実習」は企業や病院等において行われる実習であり、インターンシップを含む。
資料:文部科学省調べ
専門学校の専門分野別教員(本務及び兼務)実務経験年数割合
専門学校教員の約半数は、10年以上の実務経験を有するなど実務知識・経験を重視する傾向
専門学校教員の約半数は、10年以上の実務経験を有するなど実務知識・経験を重視する傾向
計
10.1
15.1
15.4
11.4
48
工業
10.4
14.8
15.1
11.3
48.4
農業
8.9
1∼4年,21.2
12.6
4.4
1年未満
1∼4年
52.9
4∼7年
10.5
医療
13.2
14
10.7
51.6
7∼10年
8.7
衛生
10.6
教育・社会福祉
4.9
9.3
文化・教養
0%
17.3
15.6
1年未満,
11.9
商業実務
服飾・家政
17.6
16.1
15.3
19
20%
45
7∼10年,
12.9
15.6
15.3
13
11.4
45.4
12.6
44
10年以上,55.9
10.8
4∼7年,
18.3
40%
10年以上
12.7
40.7
60%
167
80%
資料:文部科学省調査による
(専門課程を設置する専修学校の
約87%からの回答)
100%
大学と専門学校の教員組織・教育課程の相違
専門学校を転換させ大学の設置認可を受ける際は、博士・修士号を持つ教員の増員や、基礎分野
専門学校を転換させ大学の設置認可を受ける際は、博士・修士号を持つ教員の増員や、基礎分野
(教養科目)の単位数の増加が図られる傾向
(教養科目)の単位数の増加が図られる傾向
−専門学校を前身として大学を設置した場合の教員組織・教育課程の変化−
教員組織(学歴構成)
教育課程(分野別単位数)
専門学校
【16人】*
(12人)*
A大学
(専門学校(3年課程)
→大学(4年課程))
博士
修士
学士
その他
13%
19%
25%
44%
(理学療法)
専門学校 14
大学
【31人】
39%
39%
(収容定員:240→640) *【 】内は専任教員数
10%
13%
大学
27
60
26
28
基礎分野
*( )内は移行した教員数
(作業療法)
[101]
70
専門学校 14
[124]
大学
B大学
(専門学校(4年課程)
→大学(4年課程))
38%
大学
62%
41%
44%
専門学校
17
大学
22
11% 4%
26
61
28
[103]
70
[124]
専門分野
専門基礎分野
(作業療法)
(理学療法)
専門学校
【13人】
(5人)
28
28
92
46
[137]
58
専門学校 16
大学
[126]
29
22
108
46
[153]
[126]
58
【27人】
(収容定員:320→400)
(作業療法)
(理学療法)
専門学校
【13人】
C短期大学
8%
8%
69%
15%
専門学校
14
32
短期大学
14
29
58
[104]
専門学校
14
32
短期大学
14
29
55
[101]
(12人)
(専門学校(3年課程)
→短大(3年課程))
短期大学
16%
26%
42%
16%
【19人】
[98]
55
55
[98]
59
[105]
(収容定員:240→240)
(理学療法)
(看護)
専門学校 6% 6%
【18人】
D短期大学
72%
17%
専門学校
13
21
短期大学
13
21
専門学校
[94]
60
20
26
(8人)
(専門学校(3年課程)
→短大(3年課程))
短期大学
【31人】
10%
29%
42%
19%
65
[99]
短期大学
15
27
57
[99]
(収容定員:360→480)
博士
修士
学士
基礎分野
その他
専門基礎分野
専門分野
資料:文部科学省調べ
旧制実業専門学校におけるカリキュラムの例
旧制実業専門学校については、カリキュラムに占める実験・実習等の割合が高い
旧制実業専門学校については、カリキュラムに占める実験・実習等の割合が高い
東京高等工業学校 (明治38年9月27日)
100%
浜松高等工業学校 (大正12年3月6日)
100%
80%
40%
60%
4%
35%
8%
徳島高等工業学校 (大正12年1月25日)
100%
80%
46%
60%
27%
37%
80%
4%
60%
45%
23%
5%
40%
40%
56%
40%
57%
20%
59%
54%
20%
0%
(電気科電気機械分科)
一般科目、実業科目
機械製図
工場実習、物理学実験
(応用化学科)
0%
(機械学科)
一般科目、実業科目
製図
工場実習、物理学実験
一般科目、実業科目
製図及び実験・実習
山口高等商業学校
盛岡高等農林学校 (大正12年1月23日)
100%
100%
34%
33%
80%
60%
60%
40%
40%
66%
0%
85%
67%
20%
一般科目、実業科目
実験・実習
(獣医学科)
一般科目、実業科目
病院実習、実験・実習
一般科目、実業科目
実験・実習
機械製図
0%
(機械工学科)
一般科目、実業科目
設計製図
電気工学及び実験、
実習・実験
(応用化学科)
一般科目、実業科目
実験・実習
製図
(旧制実業専門学校)
明治36年に制定された「専門学校令」により、実業
教育を施した旧制の高等教育機関。高等工業学校、
高等商業学校、高等農林学校などが分類される。
戦後の学制改革により、多くの学校は国公立の新
制大学に改編された。
・東京高等工業学校
・浜松高等工業学校
・徳島高等工業学校
・盛岡高等農林学校
・山口高等商業学校
20%
(林学科)
(応用化学科)
50%
(大正11年6月23日)
15%
80%
50%
20%
0%
一般科目、実業科目
商業実習
168
→
→
→
→
→
東京工業大学
静岡大学工学部
徳島大学工学部
岩手大学農学部
山口大学経済学部
諸外国の職業教育に関する高等教育機関
イギリス
ドイツ
アメリカ
中国
韓国
名称
ポリテクニク*1
( Polytechnic )
高等専門学校*2
( Fachhochchschulen )
コミュニティカレッジ
( Community College )
専科学校
目的*3
Confidential Draft White
Paper, A Plan for Polytechnics
and other Colleges (1966 年 5
月 17 日)
The decision to develop and
expand higher education
within the Further Education
system necessitates a review
of the existing provision with
the object of using the
available resources to the
maximum advantage in order
to build up a strong and
distinctive sector of higher
education which is
compl ement ar y t o t he
universities and colleges of
education. In particular
full-time and sandwich courses
of higher education must be
concentrated in a substantially
smaller number of centres
than at present.
【ノルトライン・ヴェストファーレン州の
例】
NRW,
Hochschulfreiheitsgesetz
(Vom 31. Oktober 2006) ,
§ 3, (2):
Die Fachhochschulen
ber ei t en dur ch
anwendungsbezogene Lehre
und Studium auf berufliche
Tätigkeiten im In- und
Ausland vor, die die
An we n d u n g
wi s s e n s c h a f t l i c h e r
Erkenntnisse und Methoden
oder die Fähigkeit zu
künstlerischer Gestaltung
erfordern.
Sie nehmen Forschungsund Entwicklungsaufgaben,
künstlerisch-gestalterische
Aufgaben sowie Aufgaben
des Wissenstransfers
( i nsbesonder e
wi s s e n s c h a f t l i c h e
We i t e r b i l d u n g ,
Technologietransfer) wahr.
【カリフォルニア州の例】
California Education Code
sec.66010.4, (a) (3)
A primary mission of the California
Community Colleges is to advance
California's economic growth and
global competitiveness through
education, training, and services that
contribute to continuous work force
improvement.
中华人民共和国高等教育法(1998 年 8 月 29 日公布) 「 고등교육법 」( 일부개정
第十六条(一)
2009.1.30 법률 제 9356
专 科教育应 当使学生掌握本专业必备的基础 理论 、专门 호)
知识,具有从事本专业实际工作的基本技能和初步能力
제3장 제4절 전문대학
「中共中央关于教育体制改 「教育部关于加快高等职业 제47조(목적)
革的决定」1985 年 5 月 27 教育改革促进高等职业院校
日
毕 业 生 就 业 的 通 知 」 2009 전문대학은 사회 각 분야
에 관한 전문적인 지식과
改变高等教育科类比例不合 年 2 月 20 日
理的状况,加快财经,政法, 高 职 院校要按照把教育与 이론을 교수 ・ 연구하고 재
管理等类薄弱系科和专业的 经 济 社会 发 展 紧 密 结 合 起 능을 연마하여 국가사회의
发展,扶持新兴,边缘学科 来,把人才培养与就业紧密 발전에 필요한 전문직업인
的成长。改变专科,本科比 结合起来的要求和国家经济 을 양성함을 목적으로 한
例不合理的状况,着重加快 社会发展及拉动内需,产业 다.
高等专科教育的发展。
结? 调整的需要,根据岗位
要求的变化,及时调整相关
「全国示范性高职高专院校 专业方向,通过更新,调整
遴选方案」2005 年 4 月 25 及增加必要的专业技术课程
日 ?
和实训实习项目,提高学生
以服务为宗旨,以就业为导 的就业能力和? 应性。
向,走产学研结合的发展道
路 , 加大人才培养模式的
改革力度,坚持培养面向生
产,建设,管理,服务第一
线需要的 下得去,留得住,
用得上 , 实 践能力 强 ,具
有良好职业道德的高技能人
才
(1966 年 5 月公表の白書 A Plan
for Polytechnics and other Colleges
のドラフトペーパー)
継続教育部門において高等教育
の拡充を図るという政府の決定
により,現状の見直しが必要と
なっている。その際,大学及び
教育カレッジを補完できる強力
な高等教育部門を確立するため
に,有効な資源を最大限に生か
すという観点が重要になる。特
に,高等教育のフルタイムコー
ス及びサンドイッチコースにつ
いては,現状よりも相当程度限
られた機関に集中しなければな
らない。
ノルトライン・ヴェストファーレン州高等
教育自由法( 2006 年 10
月 31 日制定)第 3 条第 2
項:
高等専門学校は,科学
的な知識や方法の応用,
又は芸術的創作のための
技能が求められる,国内
外の職業活動に対する準
備を,応用関連の教育や
学修を通して行う。
高等専門学校は,研究
・開発の任務,芸術的創
作の任務,知識移転の任
務(特に科学的な継続教
育,科学技術の移転)を
負う。
カリフォルニア州教育法
第 66010.4 条(a)(3)
カリフォルニア・コミュニティカ
レッジの第一の使命は,継続的な労
働力の向上に向けた教育,訓練,サ
ービスを通じて,カリフォルニア州
の経済成長及び国際競争力を増進さ
せることである。
中華人民共和国高等教育法(1998 年 8 月 29 日公布)
第 16 条第 1 項
専科教育は学生が専門分野に必須の基礎理論、専門知
識を理解し、専門に基づく実践的業務に従事するため
の基本的技能や基礎的能力を身につけさせることを目
的とする。
ドイツ
アメリカ
(原文)
(日本語訳)
イギリス
職業技術学院
「中共中央教育体制改革の 「教育部による高等職業教
決定に関して」 1985 年 5 育改革の加速と高等職業技
月 27 日
術学院卒業生の就職促進に
現在設置されている高等教 関する通知」2009 年 2 月 20
育科目の不均衡な状況を改 日
善し ,財政経済 ,政治法律 , 高等職業技術学院は,教
管理等の人材が少ない科目 育と経済社会発展の緊密な
とその専門性の発展を加速 結合や,人材育成と就職の
させ,新興,辺縁の学科の 緊密な結合を引き起こす要
成長を助けるため,本科, 求に応え,国家経済社会の
専科の比例を改善し,高等 発展及び内需の牽引,産業
専科教育の発展を加速させ 構成を調整する必要性に照
る。
らし,時に応じて職場が要
「全国模範高等専科学校選 求する人材や調整される専
定計画」2005 年 4 月 25 日 門性に基づいて,社会に必
サービスを目的とし,就業 要とされる専門技術課程と
を方向とし,産学研の 3 つ 実習を更新,調整,増設す
を結合させる道筋を作り, ることを通して学生の就業
人材育成のモデルとしての 能力と就職への適応性を高
改革力を増大させ,生産, める。
建設,管理,サービスの第
一線で必要とされる実践的
能力が高く,良好な職業道
徳を持つ高技能人材を養成
する。
中国
(参考)
1988 年教育改革法
細則 6 の 1(高等教育の課程に
一般大学の ついて)
目的
a)教員養成又はユース及びコミ
(日本語訳)
ュニティーワーカー養成の課
程,
b)大学院の課程,
c)第一学位の課程,
d)高等教育ディプロマの課程,
e) 高 等 全 国 デ ィ プ ロ マ 又 は
BTEC の高等全国サーティフ
ィケイト,又はマネージメン
ト・デ ィプロマのための課
程,
f)教育サーティフィケイトの課
程,
g)専門職試験に備える高いレベ
ルの課程,
h)(試験準備であるとないとに
かかわらず)高いレベルの教
育を与える課程
ノルトライン・ヴェストファーレン州高等 カリフォルニア州教育法
教育自由法( 2006 年 10 第 66010.4 条(b)
月 31 日制定)
カリフォルニア州立大学
第 3 条第 1 項:
(California State University)は,リ
一般大学(Universität)は, ベラルアーツ及び教員養成を含む職
研究,教育,学修,若手 業専門教育に関する学部教育及び修
研究者の育成,知識移転 士号までの大学院教育を提供する。
(とりわけ科学的な継続
教育,技術移転)によっ 第 66010.4 条(c)
て,科学的な認識を産出
カ リ フ ォ ル ニ ア 大 学 ( The
するとともに,科学を保 University of California)は,リベラ
護育成し,発展させるこ ルアーツ及び教職に関するものを含
とに資する。一般大学は, めた職業専門教育に関する学部教育
科学的な認識と方法の使 及び大学院教育を提供する。特に,
用が必要となる国内外の 法学,医学,歯学,獣医学に関する
職業活動に対して準備さ 教育は,州立高等教育機関の中では
せるものである。
同大学の専管事項である。また,同
大学は,特定分野におけるカリフォ
ルニア州立大学と共同学位を授与す
る場合を除き,州立高等教育機関に
おける唯一の博士号授与機関であ
り,州立機関において第一の研究機
関である。
高等職業教 ○ 概要
育機関の概 ・1960 年代に,伝統的大学とは
要
別個の,実学重視の非大学高
等教育機関として創設され,
最盛期には 40 校近くまで増え
たが,1992 年以降すべて大学
に昇格し,現在は「新大学」
グループを形成している。
・ポリテクニクは,実学重視の
専攻・教育,サンドイッチ・
コースなど柔軟な履修方法,
非高等教育課程を含む幅広い
資格・学位の提供などを特徴
とした。
○ 概要
○ 概要
○ 概要
・特徴:1968 年の各州首
カリフォルニア州の場合,次のよ 1985 年発布の「中共中央
相の協定により,従来 うな役割を担うものとされている。 教育体制改革の決定に関し
後期中等の職業教育学 ・主たる役割は,高校卒業以上の幅 て」において,高等専科教
校に位置づけられてい
広い年齢層を対象として学部段階 育 の 早 急 な 発 展が 促 さ れ
た技師学校等が高等教
前半レベルのアカデミックな教育 た。 1996 年の「中華人民
育機関に格上げされた
と職業関連の教育を提供し,修了 共和国職業教育法」の発布
もので,応用的実務志
者に準学士号を授与すること。 によって法的位置が固めら
向(質の高い技術者の ・このほか,次のような教育機会や れ, 1998 年発布の「中華
養成)。
サービスを提供。
人民共和国高等教育法」に
・任務:実用型研究(特
− 学生を対象とする高校レベル よって高等専科学校は高等
に技術,経済,社会福
の補習教育,第二言語としての 教育機関の一部と確定され
祉,農業等の分野)。
英語教育,高校修了資格取得等 た。
・初等教育から入学まで
に向けた成人教育,及び高等教 ・主たる役割は,高校卒業
の通算年限:12 年。
育修了に向けた各種支援。
以上の年齢層に,生産,管
・入学資格:高等専門学
− 上記以外に,州が重要と見な 理,サービスに関して教育
校入学資格(=高専ア
す分野の成人教育。
を提供し、専門的人材を育
ビトゥア。一般に実科
− 職業・雇用関連の情報提供・ 成すること。
学校修了者が進学する
相談事業等のコミュニティ・サ
なお,専科学校と職業技
上級専門学校で取得,
ービスの提供。
術学院は,大学専科(年限 2
職業専門学校でも取得
∼ 3 年)教育に含まれ,前
可),大学入学資格(ア ○ 規模( 2005 年度の州立 2 年制 者は師範高等専科学校のよ
ビトゥア)
高等教育機関に関する全米統計) うにサービス部門の教育に
・学位:高等専門学校デ ・学校数:1,053 校
重きを置くのに対し,後者
ィ プ ロ ー ム ( Diplom ・学生数: 618 万人
は土木,電気,コンピュー
(FH), 4 年以下)のほ
タなどの技術者の育成に重
か,欧州共通の学位で
きを置く。
ある学士(3 年)・修士
学位等:専科学校の修業年
( 2 年)を授与。ただ
限は2∼3年,卒業時,国
し,博士号の学位授与
家承認の卒業証書が授与さ
権を持たない。
れる。
○ 経緯
・1965 年,政府は,高等教育の
新たな機関としてポリテクニ
クを提案。
・1966 年,白書『ポリテクニ及
びその他のカレッジの計画』
は,産業・ビジネスとリンク
した地域のセンターとして既
存機関を基礎にポリテクニク
の創設を提案。
・1969 年に 8 校のポリテクニク
が創設(イングランド及びウ
ェールズ)。
・高等教育学位課程は,全国学
位授与審議会( CNAA, 1964
∼ 1991 年)が認可。
・1989 年教育改革法により,ポ
リテクニクは地方から離脱し
て「高等教育法人」となる。
政府補助金配分機関として「ポ
リテクニク・カレッジ財政審
議会(PCFC)」が設置。
・1992 年「継続・高等教育法」
により,大学に昇格し,学位
授 与 権 を 認 め ら れ る 。 PCFC
は「高等教育財政審議会」
(HEFC)に統合。
○ 規模( 2006 年度)
・学校数:206 校
・学生数: 57 万人
・本務教員数: 2 万人
専門大学
○ 規模(2007年度)
・学校数:153 校
・学生数:78 万人
【ニューサウスウェールズ州の例】
Delivering Skills for NSW - Strategic
Plan for Vocational Education and
Training 2008-2010
Goals 2: To Improve Training
Responsiveness and Relevance
1. Greater engagement with industry
by the training sector
TAFE NSW Institutes deliver
vocational education and training
services to meet skill shortage and local
training needs which are identified
through industry profiles.
Institutes
leverage training and provide workforce
development services to meet enterprise
needs and to meet State Plan targets
through commercial delivery.
「高等教育法 」(一部改正 『ニューサウスウェールズ州の労働力
2009.1.30 法律第 9356 号) 向上に向けて: 2008-2010 年職業教育
・訓練戦略計画』
第 3 章 第 4 節 専門大学
目標 2:労働需要と職業訓練の関連
第 47 条(目的)
1. 訓練供給主体による産業界への一
専門大学は,社会の各分 層の対応
野に関する専門的な知識と
理論の教授・研究を行い,
ニューサウスウェールズ州の専門継
才能を錬磨し,国家社会の 続教育カレッジは,需要に見合った技
発展に必要な専門職業人を 能を有する労働力の不足や地域の産業
養成することを目的とする。ニーズを満たす事を目的として職業教
育・訓練を提供する。各カレッジは,
企業のニーズを満たし,州の計画目標
を達成するため,職業訓練をてこ入れ
するとともに,労働力開発を目的とす
るサービスを提供する。
韓国
中華人民共和国高等教育法(1998 年 8 月 29 日公布)
第 16 条第 2 項
一般大学(本科)は、学生が比較し系統立てて、学科
や専門において必要とされる基礎理論、基礎知識と、
専門に必要な基本的技能や方法、またそれらに関連す
る知識を身につけるように教育し、学生に専門の実践
的業務や研究業務に従事するための基礎的能力を身に
つけさせることを目的とする。
オーストラリア
専門継続教育カレッジ
( TAFE )
オーストラリア
「高等教育法 」(一部改正 各州教育・訓練・雇用・青少年問題担
2009.1.30 法律第 9356 号) 当大臣会議「高等教育機関認可手続き」
2007 年,2 頁。
第 3 章 第 2 節 大学及び産 (第 1 部,第 18 項目)
業大学第 1 款 大学
オーストラリアの高等教育機関の目
第 28 条(目的)
標は次の項目に示されるものである。
・知識を増大し,人々の理解を増進す
大学は,人格を陶冶し,
ること
国家と人類社会の発展に必 ・個人が生涯を通じて学習することが
要な学術の深い理論とその
できるようにすること
応用方法の教授・研究を行 ・質の高い教育を提供して労働需要を
い,国家と人類社会に貢献
満たすこと
することを目的とする。
・すべての市民の生活の質を向上させ
るため,社会的,文化的,国際的な
知識や技能,態度を地域社会に植え
付けること
・民主的で,平等な,そして文明化さ
れた社会に貢献すること
・産業界や政府との共同研究を含め,
高水準の技能,知識及び研究を通じ
て国家経済の向上に貢献すること
○ 概要
○ 概要
○ 概要
1985 年発布の「中共中央 ・1960 年代末に設置された
専門継続教育カレッジ( TAFE)は,
教育体制改革の決定に関し
専門学校を前身とする。 大学とともにオーストラリアの高等教
て」において,職業技術学
大学進学希望者の急増を 育を担う公立の職業訓練機関。一部の
院 の積 極 的 発 展 が 促 さ れ
背景に,1979 年に専門学 総合大学、工科大学では TAFE 部門を
た。 1996 年の「中華人民
校 100 校が「専門大学」 併せ持つところがあるが,一般に,大
共和国職業教育法」の発布
に昇格し,以後拡大。
学はアカデミックな色彩が強いのに対
によって法的位置が固めら ・2 ∼ 3 年制。入学資格は, し,TAFE はいわばカルチャー・セン
れ, 1998 年発布の「中華
高等学校卒業又はそれと ターレベルから大学の学士課程(一部
人民共和国高等教育法」に
同等以上の学力を有して の技術・継続教育機関のみ)まで幅広
よって高等職業技術学院は
いる者。専門大学卒業者 いレベルとなっている。
高等教育機関の一部と確定
は, 4 年制大学への編入 ・入学資格:初等中等教育の機関は
された。
が可能。
12 年間であるが,第 10 学年(後期
・主たる役割は,高校卒業 ・専門職業人の養成を目的
中等教育段階)の修了者は TAFE へ
以上の年齢層に,総合的
とする職業教育を提供す
の進学が可能。ただし,学生の年齢
職業能力やあらゆる分野
る。企業からの委託教育
層は若年者から中高年齢層まで幅広
での技術の応用ができる
を行うなど,継続教育機
い。
人材を育てるために,生
関としての役割も負う。 ・ 資 格 等 : 専 門 継 続 教 育 カ レ ッ ジ
産,管理,サービスに関
修了者には専門学士号を
( TAFE)は,全国統一的基準に則り
して教育を提供するこ
授与する。
州政府が管轄しているので各機関で
と。
・卒業生の就職率は, 4 年
教育レベルにはほとんど差がなく,
・入学資格:主に,中等専
制大学を上回る(専門大
取得資格も全国共通。取得できる資
門学校,
技術労働者学校, 85.6 %,4 年制大 68.9 %, 格には,修了証(取得に要する期間:
職業中学の卒業者。
。
数ヵ月∼ 1 年)から専門資格(1 年半
2008 年)
・学位等:職業技術学院で ・「高等教育法施行令」制定
∼ 2 年)及び上級専門資格( 2 ∼ 3
の修業年限は 2 ∼ 3 年
(1998 年)等に伴い呼称
年)がある。専門資格及び上級専門
(管理系 2 年,工業技術
が自由化され,現在ほと
資格は,大学で取得する資格と同等
系 3 年)
。卒業時,国家
んどの専門大学が「専門」 のものとして通用するほか,大学の
承認の卒業証書が授与さ
を冠しない「○○大学」
学部課程に単位を振り替えることが
れる。
を校名としている。
できるコースも増えている。
(参考:厚生労働省『海外情勢報告』
○ 規模( 2007 年度)
○ 規模( 2008 年度)
2000 年版及び 2004 年版)
・学校数:1,015 校
・学校数:147 校
・学生数:517 万人
・学生数:77 万人
○ 規模( 2007 年度)
・学校数: 59 機関(機関によっては
プログラムの提供箇所を複数設けて
いるところがある)
・学生数: 約 130 万人(TAFE 以外
の州立機関在学者を含む)
(参考:NCVER, Australian Vocational
Education and Training Statistics:
Students and Courses, 2007)
*1 ポリテクニクは1992年の継続・高等教育法により大学となった。
*2 高等専門学校は「専門大学」と訳される場合もある。
*3 法令上の目的の規定があればその条文を掲載している。
169
我が国の企業等における中堅人材の人材ニーズに関する調査研究
職業実践的な教育に特化した枠組みを活用して育成することが求められる、経済社会活動のボリュー
職業実践的な教育に特化した枠組みを活用して育成することが求められる、経済社会活動のボリュー
ムゾーンをなす中堅人材について、その職業や業種、求められる分野・領域を明らかにする
ムゾーンをなす中堅人材について、その職業や業種、求められる分野・領域を明らかにする
分野・領域の設定
調査対象分野・領域等の検討
主な調査内容
・福祉分野 ・IT・情報サービス分野
・コンテンツ分野 ・観光分野 ・ビジネス実務分野
国勢調査、学校基本調査等による我
が国産業界の人材構成の現状把握
各分野の人材マップの作成
各分野における人材類
型(中堅人材)の特定
中堅人材の定義と人材群のレベル設定
分野・領域の検討基準
・『中堅人材』については、実践的な能力・知識を身につけ、
中堅・中間層(ボリュームゾーン)としての役割を果たしている
人材群と定義。本調査では、「担当職務のレベル」として5つ
のレベルを設定し、このうち「レベル3」の職務を担当する人
材群を『中堅人材』と設定。なお分野や企業規模により「レベ
ル2」あるいは「レベル4」の職務を担当している人材群も『中
堅人材』に含まれる場合があると想定。
・現状の人材ボリューム(分野全体/中堅人材)
・分野の将来性
・育成システムの不十分さ
人材ニーズに関する調査委員会において検討
人材マップ(例:福祉分野)
人材ニーズ量の推計
人材育成システム等に
ついての意見(ヒアリン
グによる)
各分野における中堅人材の人材ニーズ量の推計
福祉人材
業務レベル
事業経営者
役員
分野
経営マネジメント人材
シニアマネージャー
レベル5
ビジネス実務人材
エリア責任者
施設長・
事業所責任者
レベル4
マネージャー
ケアマネージャー
事業所責任者
医師
レベル3
主任
介護スタッフ
コンテンツ
指導員
観光
ケアマネージャー
製造・制作
作業者(障
害者施設)
事務スタッフ
レベル2
ビジネス実務
調理
スタッフ
介護スタッフ
補助職
医療系・専門技術系
介護系
旅行業
宿泊業
栄養管理
スタッフ
介護スタッフ
レベル1
約37万人
Webコンテンツ制作及び
アニメ制作分野 約2万人
判定員
機能訓練
指導員等
事務補助職
相談・調整系
職業指導系
(障害者施設)
事務系
生活支援系
約6万人
約16万人
販売部門
経理部門
人事部門
洗濯人、清
掃員、運転
士、ボイラー
担当等
ケアマネージャー
補助職
計画系
広く捉えた場合は約51万人
(常勤換算)
事務主任
相談員
看護スタッフ
備考
高齢者介護分野 約31万人
(常勤換算)
IT・情報サービス
福祉分野の中堅人材
主任
ケアマネージャー
推計量
福祉
約18万人
約14万人
約 8万人
広く捉えた場合は
販売部門 約327万人
経理部門 約 23万人
人事部門 約 15万人
調理・栄養系
※「業務レベル」は、職系ごとに固有(職種間の比較を意図したものではない)
(委託調査機関)株式会社三菱総合研究所
※中央部分の四角く灰色でハッチングした部分を『中堅人材』と想定。ただし施設によっては太い点線で囲まれた部分まで『中堅人材』として捉えている場合もある。
社会人入学者数の推移(大学院)
社会人入学者数は、増減があるものの近年は増加が停滞傾向にあり、入学者全体に占める割合
社会人入学者数は、増減があるものの近年は増加が停滞傾向にあり、入学者全体に占める割合
は18.2%(平成20年度)。通信制(放送大学を含む)への入学者は1,100人程度で、
は18.2%(平成20年度)。通信制(放送大学を含む)への入学者は1,100人程度で、
社会人入学者全体の6%程度
社会人入学者全体の6%程度
25000
20.6%
通学:入学者数
19.0%
通信(放送大学を除く):入学者数
17.8%
放送大学:入学者数
20000
通学:入学者全体に占める割合
17,930
通学+通信(放送大学を含む):入学者全
体に占める割合
折れ線 4
社
会 15000
人
入
学
者 10000
数
19.9%
20.0%
19.5%
18.2%
18.8%
17.8%
17.4%
21,012
17.1%
20,075
16.6%
16.3%
18,799
18,075 18,369
19,874
18,958
16,960
16,854
17,215
17,595
6.2%
5.1%
5.1%
0
社
会
人
入
学
10.0%
者
の
割
合
5.0%
4.0%
5000
15.0%
2.9%
963
1,387
1,827
1,955
2,693
S62
63
平元
2
3
624
452
678
460
643
474
663
452
727
427
776
428
15
16
17
18
19
20
0.0%
※ 出典:文部科学省調査,学校基本調査報告書
※ 通信及び放送大学の社会人入学者は推計である(「学校基本調査報告書(高等教育機関編)」をもとに,通信制学生のうち職についている学生の割合
から按分)。
170
社会人入学者数の推移(大学)
通学による社会人入学者数は平成10年の5,228人をピークに減少。通信制への入学者
通学による社会人入学者数は平成10年の5,228人をピークに減少。通信制への入学者
(放送大学)を含めても平成13年の18,340人(推計)をピークに減少
(放送大学)を含めても平成13年の18,340人(推計)をピークに減少
20,000
2.8%
2.7%
2.9%
2.8%
2.6%
18,000
2.6%
2.5%
2.5%
2.4%
16,000
︶
人
3,665
4,199
2.1%
4,189
2.5%
2.1%
3,922
4,508
5,070
4,728
2.0%
2.0%
4,703
1.8%
3,459
6,877
5,228
2,885
2,740
9,794
9,714
8,657
6,000
0.7%
0.7%
0.7%
0.8%
0.9%
6,381
2,261
2,132
5,823
0.9%
6,941
7,578
0.8%
0.7%
0.8%
6,635
0.6%
6,383
5,787
2,253
2,197
2,776
平5年度
6
7
2,255
2,181
8
9
10
3,853
3,716
11
12
4,766
2.0% 社
会
人
入
1.5% 学
者
の
割
1.0% 合
0.6%
7,239
2,140
5,575
5,703
0.5%
0.5%
3,523
4,133
4,377
16
17
18
5,603
2,000
1.7%
2,440
6,640
9,664
4,000
4,224
3.0%
2.2%
︵
社 14,000
会
人 12,000
入
学
10,000
者
数
8,000
通学:入学者数
通信(放送大学を除く):入学者数
放送大学:入学者数
入学者全体に占める社会人割合
通学:入学者全体に占める社会人の割合
2,726
0.4%
0.4%
0.4%
3,459
3,449
19
20
0
0.5%
0.0%
13
14
15
※ 出典:学校基本調査報告書
※ 「社会人」とは,当該年度の5月1日において,給与,賃金,報酬,その他の経常的な収入を目的とする仕事についている者(企業等を退職した者,及び主婦などを含
む)をいう。
※ 通学の社会人入学者は,「国公私立大学入学者選抜実施状況」の「社会人特別入学者選抜による入学者数」を引用
※ 通信及び放送大学の社会人入学者は推計である(「学校基本調査報告書(高等教育機関編)」をもとに,通信制学生のうち職についている学生の割合から按分)。
社会人入学者数の推移(短期大学)
社会人入学者数は平成17年の5,446人をピークに減少。入学者全体に占める社会人の割
社会人入学者数は平成17年の5,446人をピークに減少。入学者全体に占める社会人の割
合も、近年は減少傾向
合も、近年は減少傾向
6,000
5,443
5,446
5,146
5,000
1,547
1,391
1,281
5.2%
5.3%
4.9%
1,614
4.0%
4,208
7.0%
6.0%
5.0%
4.7%
3,429
1,291
4.2%
1,205
︵
社
会 4,000
人
入
学
3,000
者
数
4,704
縦棒 3
通学:社会人入学者
通信:社会人入学者
入学者全体に占める社会人割合
通学:入学者全体に占める社会人割合
3,090
3,896
4,055
3,865
2,917
2,224
1,000
1.4%
1.5%
1.4%
1.4%
1.5%
1.6%
平成15年度
16
17
18
19
20
︶
人 2,000
社
会
4.0% 人
入
学
者
3.0% の
割
合
2.0%
1.0%
0
0.0%
※ 出典:学校基本調査報告書
※ 通学の社会人入学者は,「国公私立大学入学者選抜実施状況」の「社会人特別入学者選抜による入学者数」を引用
※ 通信の社会人入学者は推計である(「学校基本調査報告書(高等教育機関編)」をもとに,通信制学生のうち職についている学生の割合から按分)。
171
社会人の受入れ状況の推移(専修学校)
社会人の入学者数は、増減があるものの、平成19年以降は増加。特に専門課程の増加が顕著。
社会人の入学者数は、増減があるものの、平成19年以降は増加。特に専門課程の増加が顕著。
平成20年の私立専門学校における社会人受入れ数は、約4万4千人。職業訓練等の附帯事業
平成20年の私立専門学校における社会人受入れ数は、約4万4千人。職業訓練等の附帯事業
を含めると、総数で約7万8千人を私立専修学校に受け入れている
を含めると、総数で約7万8千人を私立専修学校に受け入れている
(人)
50,000
40,000
49,703
48,859
縦棒 4
専門課程
高等課程
一般課程
36,485
32,186
29,836
30,000
42,402
43,980
31,947
20,000
28,663
25,716
10,000
0
3,509
1,029
3,340
780
4,755
2,866
857
4,788
1,702
935
平成16年度
17
18
19
20
※ 出典:文部科学省 専修学校教育振興室調べ (調査対象:私立の専修学校)
※ 「社会人」とは、当該年度の5月1日現在において、職に就いている者、すなわち給料、賃金、報酬、その他の経常的な収入を目的とする仕事に就いている者、又は企
業等を退職した者、又は主婦をいう。
各学校段階における卒業者・中途退学者の状況 (一部推計)
前期中等教育段階
後期中等教育段階
高等教育段階
生徒数 : 約364.0万人
生徒数 : 約362.2万人
学生・生徒数 : 約329.1万人
卒業者
約120.0万人
卒業者
約113.8万人
卒業者
約89.2万人
就職者
約0.6万人
無業者
約1.4万人
早期離職者
(※1)
約0.4万人
就職者
約21.1万人
中途退学者
(※2)
約6.6万人
一時的な仕事
に就いた者
+無業者
約9.9万人
早期離職者
(※1)
約9.4万人
就職者
約64.8万人
中途退学者
(※3)
約6.6万人
前期中等教育段階 … 中学校、中等教育学校前期課程、特別支援学校中学部
後期中等教育段階 … 高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、専修学校高等課程
高等教育段階
… 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校専門課程
一時的な仕事
に就いた者
+無業者
約11.4万人
早期離職者
(※1)
約24.5万人
※ 上記の人数の中には、
当然その後進学や就職
をする者も含まれる。
※1 : 厚生労働省 「新規学校卒業就職者の就職離職状況調査」における平成18年3月卒業者の3年以内の離職率より推計。
※2 : 高等学校のみ。文部科学省 「平成20年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」より。
※3 : 大学・短期大学・高等専門学校のみ。文部科学省 「各大学等の授業料滞納や中退等の状況(平成19年度末)」より推計。
・ 上記以外は、文部科学省 「平成21年度 学校基本調査」より。なお、「無業者」とは、同調査における「左記以外の者」のこと。
(ただし、専修学校の進路状況は、文部科学省調査より推計。)
172
子ども・若者育成支援推進法について(内閣府作成資料)
背景
H21.7成立
趣旨・目的
■有害情報の氾濫等、子ども・若者をめぐる環境の悪化
■ニート、ひきこもり、不登校、 発達障害等の精神疾患
など子ども・若者の抱える問題の深刻化
■従来の個別分野における縦割り的な対応では限界
●子ども・若者育成支援施策の総合的推進のための枠組み整備(基本法的性格)
・国の本部組織や大綱、地域における計画やワンストップ相談窓口等の枠組み整備
・学校教育法、児童福祉法、雇用対策法等関係分野の法律と相まって子ども・若者育成支援施策を推進
●社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者を支援するためのネットワーク整備
子ども・若者育成支援施策を推進するため
の枠組みづくり
〔 国 〕
子ども・若者育成
支援推進大綱
〔
地方公共団体
社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者を地域において支援するためのネットワークづくり
・関係機関等 : 各種支援の実施
〕
都道府県、市町村
勘案
・国 : 調査研究、人材の養成、情報の提供及び助言等の支援
〔矯正、更生保護等〕
心理相談等
誘導
企業・学校
指定支援機関
連
携
調整機関
子ども・若者支援
地域協議会
子ども・若者に関する
様々な相談事項
・子ども・若者総合相談セン
ターの体制確保
︵
就業・
修学等︶
円滑な社会生活
・社会環境の整備
ハローワーク
職業訓練機関 等
〔雇用〕
職業的自立・就業支援
子ども・若者
総合相談センター
(子ども・若者に関する
ワンストップ相談窓口)
・各関連分野における施策
の総合的な実施
・国民の理解の増進等
(国民運動の展開)
地域若者サポート
ステーション、
若者自立塾、
保護観察所、少年鑑別所(一般相談)、
少年サポートセンター 等
(本部長:総理)
生活環境改善
①調整機関:協議会の事務の総括、構成機関等の間の連絡調整、支援状況の把握と連絡調整
②指定支援機関:支援状況を把握しつつ、必要に応じ自ら支援
(努力義務)
子ども・若者育成
支援推進本部
国の基本的な施策等
医療、療養
・地域協議会(地方公共団体が単独又は共同で設置):支援内容の協議、情報の交換∼秘密漏洩の禁止
子ども・若者計画
策定
基本理念
状況把握、誘導、支援内容等の周知
相談∼訪問支援(アウトリーチ)、助言、指導
修学・就業 知識技能の習得 等の支援
〔保健、医療〕
医療及び療養支援
〔福祉〕
生活環境改善
団体・NPO
〔教育〕
修学支援
福祉事務所、
児童相談所 等
保健所、精神保健
福祉センター 等
教育委員会等
・年次報告の作成公表
地域における子ども・若者育成支援ネットワーク
(イメージ)
※地域協議会ごとに、地域ニーズ等に応じて関係機関等により構成
履修証明制度の概要
■
履修証明制度(平成19年∼)
当該大学の学生以外の者で大学入学資格を有する者を対象とした特別の課程を編成し,これを修了した者に対し,学校教
育法に基づいて修了の事実を証明する「履修証明書」を交付すること。
この「特別の課程」の要件については, ①当該大学の開設する講義・授業科目により体系的に編成されていること,②総時
間数は120時間以上であること,等が学校教育法施行規則において規定されている。
この履修証明制度は,教育機関等における学習成果を職業キャリア形成に活かす観点から,現在政府全体で推進してい
る「ジョブ・カード制度」においても,「職業能力証明書(ジョブ・カード・コア)」として位置付けられている。
○放送大学における履修証明制度
社会人等の多様な学習ニーズに応じ,関心のある分
野の学習を体系的に学ぶための授業科目群を修了した
者に対し,履修証明(認証状)を交付する科目群履修
認証制度「放送大学エキスパート」を平成18年度から
実施。
平成19年より学校教育法上の履修証明制度としても
活用。
【授業科目群(23プラン)の認証状取得状況】
健康福祉運動指導者
870 (
78 )
福祉コーディネータ
398 (
76 )
社会生活企画
270 (
食と健康アドバイザー
【「放送大学エキスパート」の概要】
・授業科目群:23プラン(平成21年度)
・対象者:高校卒業資格を有する者(科目履修生等として入学)
・修得単位数:20単位以上(各プランの科目のうち10科目以上)
・費 用:入学料;学生の区分により6,000円∼22,000円
授業料;1科目(2単位)当たり11,000円
・修 得:入学時期は年2回。必要な単位を修得し認証状を申請。
21 )
38 (
16 )
心理学基礎
631 (
101 )
社会探究
107 (
7 )
市民活動支援
171 (
16 )
実践経営学
130 (
14 )
ものづくりMOT
次世代育成支援
コミュニティ学習支援
16 (
8 )
348 (
40 )
4 (
2 )
異文化コミュニケーション支援
98 (
アジア研究
42 (
5 )
日本の文化・社会探究
42 (
13 )
宇宙・地球科学
24 )
49 (
15 )
生命科学
229 (
23 )
環境科学
110 (
16 )
社会数学
40 (
エネルギー環境政策論
58 (
5 )
芸術系博物館
181 (
21 )
歴史系博物館
314 (
23 )
自然系博物館
17 (
2 )
0 (
11 )
4,163 (
544 )
工学基礎
合計
7 )
※ 平成20年度末時点。( )内は平成21年
度間の8月1日までの件数。
【認証状取得者の属性】
年齢別
∼19歳
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳∼
合計
取得者数
1
285
743
1144
1238
1010
275
11
4707
職業
教員
公務員
会社(商店)員銀行員等
個人営業・自由業
農業等
他大学の学生等
アルバイト・パート
看護師等
無職(主婦を含む)
その他
合計
取得者数
143
452
711
268
30
21
466
603
1585
428
4707
※ 平成21年度8月1日時点。
出典:放送大学学園調べ
173
科目等履修制度の概要
社会人等に対し学修機会を提供しその学修の成果に適切な評価を与えるため,大学が自らの定
社会人等に対し学修機会を提供しその学修の成果に適切な評価を与えるため,大学が自らの定
めるところにより,当該学生以外の者で授業科目を履修する者(「科目等履修生」)に対して
めるところにより,当該学生以外の者で授業科目を履修する者(「科目等履修生」)に対して
単位を与える制度。
単位を与える制度。(大学学部・短期大学:平成3年∼,修士課程・博士課程:平成5年∼)
(大学学部・短期大学:平成3年∼,修士課程・博士課程:平成5年∼)
•
科目等履修生制度等により当該又は他の大学等で修得した単位については,大学学部については卒業の要件として
習得すべき124単位のうち60単位(短期大学:同62単位のうち30単位(2年制),同93単位のうち46単位(3年制),
修士課程,博士課程:同30単位のうち10単位)を上限に,当該大学等に入学後の履修により修得したものとみなすこ
とができる。
• 実施大学数は増加しており,大学院における科目等履修生数は増加しているが,大学学部では減少。
【科目等履修生制度実施大学・大学院数】
【科目等履修生数(大学・大学院)】
人
大学数
校
800
計6 89
計6 73
計66 6
600
516
400
大学
15,000
計14,189
計13,308
計13,156
10,000
10,189
9,565
9,476
535
522
5,000
200
0
67
83
68
83
72
82
H17
H18
H19
年度
人
計473
計500
5,000
4,000
334
340
362
53
83
51
82
54
84
H17
H18
H19
600
計470
400
国立
公立
3,122
H17
H18
H19
年度
大学院
3,000
2,000
1,000
0
200
0
558
572
3,171
0
大学院数
校
652
3,348
計3,890
計4,015
2,405
2,412
2,880
161
138
年度
計4,546
145
1,347
1,442
1,521
H17
H18
H19
国立
私立
公立
私立
年度
出典:文部科学省調べ
諸外国における職業教育及び資格枠組みの動向
表:欧州資格枠組み(European Qualification Framework)の 8 水準
知
職業教育分野における欧州間協力
1
○
コペンハーゲン・プロセスの背景
2002 年 11 月に、コペンハーゲンで、欧州 31 か国の職業教育(VET)担当大臣と欧
州委員会とで、職業教育における「コペンハーゲン宣言」を採択。
○
水
準
1
2
これを皮切りにスタートした「コペンハーゲン・プロセス」は、高等教育分野におい
て欧州間の共通枠組みを構築していこうとする「ボローニャ・プロセス」と同様の取組
3
を、職業教育分野においても 2010 年までに実現させようとするもので、職業教育にお
ける「能力及び資格の認証」や「質保証の促進」などの政策を推進している。
○
コペンハーゲン・プロセスに基づく計画の達成状況については、2 年ごとに欧州職業
識
技
能
仕事又は学習の分野におけ 課題を実行し,かつ簡単なルー 監督を受けながら,ある程度の責任
る基礎的な事実的知識を持 ルや道具を用いながら日常の問 感を持って仕事又は学習できる
っている
題を解決する上で,重要な情報
を利用するのに不可欠となる基
礎的な認知的技能及び実践的技
能を持っている
仕事又は学習の分野におけ
る事実,原則,方法,一般
的概念に関する知識を持っ
ている
基礎的な方法,道具,材料,情 仕事上の課題又は学習上の課題を責
報を選別して用いる場合に,課 任を持って片付けることができる
題を片付け,かつ問題を解決す
るための認知的技能及び実践的
技能を一通り持っている
仕事又は学習の分野におけ 仕事又は学習の分野における特 通常は予測可能だが変化する可能性
る理論的知識や事実的知識 殊な問題を解決するための認知 のある,仕事又は学習背景を規定す
を幅広く多様に持っている 的技能及び実践的技能を一通り る行動要因の中で,自主的に行動管
持っている
理をすることができる
4
仕事又は学習の活動の評価及び改善
に対して一定の責任を引き受け,他
者の日常の作業を監督することがで
きる
が採択されている。
マーストリヒト・コミュニケ
・2006 年 12 月
ヘルシンキ・コミュニケ
・2008 年 11 月
ボルドー・コミュニケ
力
基礎的な一般知識を持って 簡単な課題を遂行するのに必要 体系的な背景において直接的な指導
いる
な基礎的な技能を持っている
を受けながら仕事又は学習できる
教育担当大臣と欧州委員会によりフォローアップ会合が行われ、以下のとおり共同宣言
・2004 年 12 月
能
EQF と関連して,理論的知 EQF と関連して,(論理的,直 EQF と関連して,責任感と自律と
識及び/又は事実的知識と 感的,創造的な思考を用いなが いう意味で能力が記述される。
しての知識が記述される。 ら)認知的な技能としての技能
が記述される。
5
仕事又は学習の分野におけ 抽象的な問題を創造的に解決す 予測できない変化が起こるような仕
る包括的で特殊な理論的知 る上で必要となる,包括的な認 事又は学習背景の中で,指導し監督
識及び事実的知識,並びに 知的技能及び実践的技能を持っ することができる自らの成果と他者
これらの知識の境界に対す ている
の成果を吟味し発展させることがで
る意識を持っている
きる
(次回は 2010 年にブルージュ(ベルギー)で開催予定)
2
○
理論や原則に対する批判的
な理解を伴った,仕事又は
学習の分野における進歩的
な知識を持っている
コペンハーゲン・プロセスの成果
コペンハーゲン・プロセスにおいては、知識、技能及び能力の透明化と認証のための、
以下のような枠組みが開発されている。
6
個人の資格や能力が、欧州各国において明確にしかも簡単に理解されるように
・ユーロパス履歴書(Europass curriculum vitae)
・ユーロパス語学能力パスポート(Europass Language Passport)
7
・ユーロパス職業教育資格添付書類(Europass Certificate Supplement)
複雑な専門的あるいは職業的な活動
又はプロジェクトを監督し,予測不
可能な仕事又は学習背景において決
定責任を引き受けることができる
新たな知識を獲得し,新たな方
法を開発し,様々な分野の知識
を統合する上で,研究及び/又
は技術革新の分野における特殊
化された問題解決技能を持って
いる
新たな戦略的アプローチを必要とす
る複雑で予測不可能な仕事又は学習
背景を監督し,形成することができ
る。
統合や評価を含め,研究及び/
又は技術革新の分野における中
心的な問題提起を解消し,また
手元にある知識又は職業的実践
を拡大又は再定義するための最
も先端的で特殊化された技能及
び方法を身に付けている
仕事を含め,指導的な仕事又は学習 第三学修サイクル
背景における新たなアイディアや手
法を開発するにあたり,相当の権威,
技術革新能力,自律性,学術と職業 ・博士
の不可侵性,継続的な参加が認めら
(Doctoral degrees)
れる
ある仕事又は学習の分野の
問題に対する,また様々な
分野に共通する事項への批
判的な意識を持っている
・ユーロパス学位添付書類(Europass Diploma Supplement)
・ユーロパス・モビリティ(Europass Mobility)(他のヨーロッパ各国での学習・
訓練歴を証明するもの)
ある仕事又は学習の分野に
おける,また様々な分野に
共通する先端的知識を持っ
ている
(2)欧州資格枠組み(European Qualifications Framework : EQF)(2008 年∼)
欧州各国の各資格がどのレベルにあり、当該資格保有者がどのような知識等を
部分的には仕事又は学習の
分野における最先端の知識
と結び付き,かつ技術革新
的な思考的試み及び/又は
研究の基盤となる,極めて
特殊化された知識を持って
いる
8
有しているか比較可能とするための枠組み。次の表のとおり、資格取得に必要と
される学習成果を知識、技能、能力の 3 つに類別し、それぞれを達成の難易度に
応じて 8 段階に分けている。
短期学修サイクル
・応用準学位
(Foundation Degrees)
・高等教育ディプロマ
(Diplomas of Higher Education)
・高等国家ディプロマ
(Higher National Diplomas)
専門的技能や技術革新的能力を
自在に使いこなせることを証明
し,かつ特殊な仕事及び学習の
分野における複雑で予測不可能
な問題を解決するのに必要とな
る進歩的な技能を持っている
個人及び集団の職業上の発展に対す
る責任を引き受けることができる
(1)ユーロパス(2005 年∼)
するためのもので、以下の 5 種類の書類から構成される。
欧州高等教育圏のための資格枠組み
との互換
(点線枠内はイングランドの高等教
育資格枠組みとの互換例)
専門的知識及び職業実践への寄与及
び/又はチームの戦略的なパフォー
マンスの反省に対する責任を引き受
けることができる
第一学修サイクル
・第一学位・優等
・第一学位・普通
・優等学位相当教育サーティフィケイト
(PGCE)
・学卒ディプロマ
(Graduate diplomas)
・学卒サーティフィケイト
(Graduate certificates)
第二学修サイクル
・修士
(Master's degrees)
・統合専門修士
(Integrated master's degrees)
・大学院ディプロマ
(Postgraduate diplomas)
・修士相当教育サーティフィケイト
(PGCE)
・大学院サーティフィケイト
(Postgraduate certificates)
[出典:欧州委員会「The European Qualifications Framework」(http://ec.europa.eu/education/policies/educ/eqf/index_de.html)
(http://www.qaa.ac.uk/academicinfrastructure/
QAA「The framework for higher education qualifications in England, Wales and Northern Ireland」
FHEQ/EWNI08/FHEQ08.pdf)]
注:イングランドの高等教育資格のうち、優等学位相当教育サーティフィケイト、学卒ディプロマ、学卒サーティフィケイト、大学院ディプ
ロマ、修士相当教育サーティフィケイト、大学院サーティフィケイトは、欧州資格枠組みの水準とは対応しているが、欧州高等教育圏のた
めの資格枠組みの各段階のサイクルには含まれない。
174
諸外国における職業資格と学位等の資格枠組み
1
EQF への参加は任意だが、2010 年までに欧州各国の資格制度を EQF に連結さ
イギリス(イングランド)
せ,2012 年までに各国の資格証明書に適切な EQF レベルの証明が示されるよう
○
にすることが目標とされている。
イギリスにおいては、職業資格として、1986 年に NVQ(全国職業資格)、1992 年に
GNVQ(一般全国職業資格)が創設され、これらの職業資格と普通教育資格が統合され
た資格枠組みが整備されてきた。
(3)欧州職業教育単位制度(European Credit system for VET : ECVET)
欧州間で、職業教育において修得した学習成果の単位互換を可能にするための
○
制度。欧州委員会(EU の行政執行機関)により 2008 年 4 月に最終案がまとめ
2004 年から、これらの資格を入門レベル、レベル 1 ∼ 8 までの 9 段階に分類した全
国資格枠組み(National Qualifications Framework : NQF)の導入が進められており、こ
られ、欧州議会に提案された。
れは欧州資格枠組み(EQF)に対応した制度となっている。また、NQF は高等教育資格
高等教育分野における単位互換制度である ECTS をモデルとしており、1 年間
枠組み(FHEQ)及び欧州高等教育圏のための資格枠組みとも対応している(下表参照)。
のフルタイムの職業教育での学習成果を 60 ECVET 単位とし、協定関係のある機
関の間で資格取得に必要な単位の互換を可能とするものである。
旧全国資格
枠組み
全国資格枠組み(NQF)
高等教育資格枠組 欧州高等教育圏の
み(FHEQ)
ための資格枠組み
レベル 5 レベル 8 特定領域の第一人者,トップの実務家(BTEC
ECVET のアプリケーション
D/ 博士
8
第三学修サイクル
M/ 修士
7
第二学修サイクル
H/ 第 1 学位
6
第一学修サイクル
レベル 5 高等技術者,高等管理者(BTEC Professional
Diploma, Certificate, Award / NVQ)
I/ ディプロマ
5 (foundation degrees 等)
(短期学修サイク
ル)
レベル 4 技術・専門職,従業員管理・指導(BTEC
C/ サーティフィケイト
4 (HNC)
Advanced Professional Diploma, Certificate, Award /
City & Guild Fellowship )
レベル 7 上級専門家,上級管理者(BTEC Advanced
Professional Diploma, Certificate, Award / City &
Guild Membership / NVQ)
レベル 4 レベル 6 知的専門職,専門管理者(BTEC Advanced
Professional Diploma, Certificate, Award / City &
Guild Graduateship)
Professional Diploma, Certificate, Award / City &
Guilds Licentiateship / NVQ / Key Skills)
レベル 3 レベル 3 後期中等教育段階(GCE・A レベル
ディプロマ
上級
レベル 2 レベル 2 義務教育修了段階(GCSE(A*∼ C 評
価)/ NVQ / Key Skills)
中級
レベル 1 レベル 1 GCSE(D ∼ G 評価)/ NVQ / Key
基礎
/NVQ/BTEC Diploma/Key Skills)
Skills
入門レベル 入門レベル
○
Entry Level Certificate(1 ∼ 3 段階)
2007 年 3 月、イギリス政府は新たな職業資格として、「ディプロマ(Diploma)」を導
入することを決定し、2008 年に①情報、②健康・福祉、③エンジニアリング、④建築
・環境、⑤芸術・メディアの 5 種類が導入された。ディプロマは、主に 14 ∼ 19 歳を対
象に、全国資格枠組(NQF)のレベル 1 ∼ 3 に対応した新しい応用系中等教育資格であ
り、最高のレベル 3 は、GCE・A レベル 3 科目程度で後期中等教育修了程度に相当する。
ディプロマは、現行の職業資格である NVQ や GCSE 応用科目に取って代わることが期
待されている。
2
○
○
ドイツ
3
ドイツには、伝統的に、デュアルシステムによって取得できる職業資格(2008 年現
○
イギリス(スコットランド)
スコットランドにおいては、1999 年に単位と資格の枠組みが成立し、職業資格、高
在で約 340 職種)のほか、すでに一定の職に就いている者がキャリアアップを目的とす
等教育段階の資格、義務教育後の教育資格及び高校の学修レベル等が統合されている
る継続教育を経て取得する、マイスターやテクニシャンなどの上級の職業資格がある。
(下表参照)。
スコットランド資格当局(SQA)の資格
普通教育にかかる資格としては、各学校種の修了資格(そのうちハウプトシューレ修
了資格は職業教育訓練を受けるための最低要件)や高等教育への入学要件となるアビト
スコットランド
の資格
職業資格(SVQ)
ゥアなどが、また高等教育にかかる資格/学位としては、ディプロームやマギスター(標
12
博士
準学修期間 4.5 年)などの伝統的な学位があるほか、欧州に共通の高等教育圏を構築し
11
修士
SVQ 第 5 レベル
大学院ディプロマ
ようとする動きを受け、1998 年以降、欧州に共通する学士・修士の学位の授与が認め
大学院サーティフィケイト
られている。
○
高等教育段階
10
優等学位
9
高度専門職アワード 普通学位
学卒ディプロマ
欧州に共通の高等教育圏を構築しようとする動き、いわゆるボローニャ・プロセスを
受け、2005 年 4 月、連邦及び州政府はドイツの高等教育制度を欧州高等教育枠組みに
(Professional
「第 1 段階:学士水準」
「第 2 段階:修士水準」
「第 3 段階:博士水準」
対応させるため、
の 3 段階から成るドイツ高等教育枠組みを策定した。
SVQ 第 4 レベル
学卒サーティフィケイト
development
awards)
○
2006 年 10 月、連邦教育研究省と州政府は、2008 年 4 月に欧州資格枠組み(EQF)が
高等国家ディプロマ
8
高等教育ディプロマ
(HND)
発効したことを受け、生涯学習のためのドイツ資格枠組み(Deutscher
7 上級高卒レベル
Qualifikationsrahmen: DQR)を共同開発していくことで合意し、2009 年 2 月、専門的な
能力(知識、技能)や個人的な能力(社会性、自己の力量)を 8 水準で分類したドイツ
高等国家サーティフ
高等教育サーティフ SVQ 第 3 レベル
ィケイト(HNC)
ィケイト
6 高卒レベル
資格枠組みの草案を提示した。
(Higher)
○
5 中間レベル 2
ドイツ資格枠組みには,普通教育,高等教育,職業教育において取得される資格/学
位のほか,インフォーマルな学習成果も含め,あらゆる資格が分類されることとなって
4 中間レベル 1
いる。
/ 一般標準級
○
SVQ 第 2 レベル
/ 優等標準級
ドイツ資格枠組みを欧州資格枠組みに連結させる作業については,2010 年までに行
国家サーティフィケイト
国家中級アワード
SVQ 第 1 レベル
(National
Progression
Awards)
われることとなっている。
3 上級レベルアクセス 3
/ 基礎標準級
2 上級レベルアクセス 2
1 上級レベルアクセス 1
出典:Scottish Credit and Qualifications Framework(http://www.scqf.org.uk/)
175
4
○
オーストラリア
オーストラリアにおいては、1995 年にオーストラリア資格枠組み(AQF: Australian
Qualifications Framework)が導入され、2000 年から全面的に実施されている。AQF は、
中等教育・高等教育セクターにおける資格と職業教育・訓練セクターにおける資格が統
合された資格枠組みとなっている(下表参照)。
出典:Australian Qualifications Framework( http://www.aqf.edu.au/aqfqual.htm)
イギリス(イングランド)における職業資格と学位等の資格枠組み(2002.9∼)
学術資格と職業資格の峻別が、社会的に負の結果をもたらしているという報告書※1が1997 年に出され、これに応じて政府は新しい資格
学術資格と職業資格の峻別が、社会的に負の結果をもたらしているという報告書※1が1997 年に出され、これに応じて政府は新しい資格
フレームワークの整備を進めてきた。イングランドでは1997 年にQCAが設立され、「全国資格フレームワーク(National Qualifications
フレームワークの整備を進めてきた。イングランドでは1997 年にQCAが設立され、「全国資格フレームワーク(National Qualifications
Framework:NQF)」を整備した。(「イギリスにおける地域人材の育成と認証システム」 小山善彦(2004)より一部抜粋)
Framework:NQF)」を整備した。(「イギリスにおける地域人材の育成と認証システム」 小山善彦(2004)より一部抜粋)
※1 Report of the National Committee of Inquiry into Higher Education,July 1997(Dearing Report)
※1 Report of the National Committee of Inquiry into Higher Education,July 1997(Dearing Report)
(英国(イングランド)における)全国資格フレームワーク(NQF)
Level8
博士
Level7
修士
Level6
学士
Level5
ディプロマ/基礎学位
Level4
高等教育・第1学位
Level3
2+GCE・Aレベル
VRQ(上級)
NVQ3
Level2
4・5GCSE 上級グレード
VRQ(中級)
NVQ2
Level1
4・5GCSE 初級グレード
VRQ(初級)
NVQ1
英国NQF
学術資格
職能関連資格(VRQ)
全国職業資格(NVQ)
NVQ5
NVQ4
出典: 経済産業省(委託先:三井情報株式会社総合研究所)
「平成20年度「美と健康に関する技術者の人材育成のあり方に関する調査研究」報告書」(平成21年3月)より一部抜粋
用語注:
GCSE:General Certificate of Secondary Education(中等学校修了一般資格:16歳に受験するのが一般的)
GCE:General Certificate of Education(大学入学資格:18歳に受験するのが一般的)
NQF:National Qualifications Framework
NVQ:National Vocational Qualifications
QCA:Qualifications and Curriculum Authority
VRQ:Vocation-Related Qualifications。もしくは、GNVQ:General National Vocational Qualification(一般全国職業資格)とも呼ばれる。
176
イギリス(イングランド)における新しい資格枠組み(QCF)について
全国資格フレームワーク(NQF)及び全国職業資格(NVQ)は、2008年からの「資格単位枠組み(QCF)」の本格実施に向けた移行作業
全国資格フレームワーク(NQF)及び全国職業資格(NVQ)は、2008年からの「資格単位枠組み(QCF)」の本格実施に向けた移行作業
が行われている。QCFの導入により、学習者にとっては、学習方法等に関する選択の幅が広がり、それぞれのペースで、様々な媒体から、
が行われている。QCFの導入により、学習者にとっては、学習方法等に関する選択の幅が広がり、それぞれのペースで、様々な媒体から、
それぞれに合致した方法により資格を得ることが可能となる事が期待されている。(2010年には主要職業資格について移行する予定。)
それぞれに合致した方法により資格を得ることが可能となる事が期待されている。(2010年には主要職業資格について移行する予定。)
Qualifications and Credit Framework(QCF)の特徴
・ すべての資格は「レベル(難しさ)」と「学習量(単位数)」によって定められている(表1)。
・ すべての資格は、「ユニット」で構成されている(表2)。また、すべてのユニットは、必要な単位数を定めている。
・ すべての資格は、単位数に応じて、3種類のタイプに分類されている。(表3)。
表3. 資格タイプの3分類
表1. Qualifications and Credit Framework(QCF)の構成
レ
ベ
ル
レベル
8
7
6
5
4
3
2
1
基礎
Aw ard(1-12) Certificate(13-36) Diploma(37以上)
資格タイプ
単位数
Aw ard
1-12
Certificate
13-36
Diploma
※1単位あたりの学習量は10時間
資格の特色と用途
最小サイズの資格で、通常は1つのユニットだけで構
成される。初めて 資格を取得する人や、職業分野へ
の入門者に適したタイプ。あるいは、職業訓練におい
て 、1つのユニットだけの内容を学習させたい場合な
どに適している。
中サイズの資格で、3ユニッ ト程度で構成される。職
場の仕事でコア となる複数テーマについて学習するの
に最適サイズの資格。
もっとも大きなサイズの資格で 、通常は必須ユニットと
37以上 選択ユニットで構成される。キャリア で必要とな る多様
な テーマについて 総合的に学ぶのに適した資格。
学習量(単位数)
表2. ユニットに表示されるべき内容
表示項目
タイトル
(例)
・3単位のユニットであれば、平均30時間の学習
を必要とするユニットである、ということを示して
いる。
内容
ユニットの内容を正確に示す記述
レベル
ユニットによって達成される学習ア ウトカムのレベルの設定。QCF共
通基準(9レベル)を参考に決定。なお、このレベルはユニットに帰
属するもので、資格全体のレベルとは関係がない。
単位数
ユニット履修者に与えられる単位数。1単位は10時間の学習時間
が基準。
・レベル5の資格が10ユニットを持ち、その単位
数の合計が32単位であれば、学習者はレベル5
の「Certificate」という称号を平均320時間の学
習によって得ることになる。
学習アウトカム 学習者が習得すべき知識、理解度、能力(できること)の記述。
評価基準
学習ア ウト カムを達成していることを証明するために、学習者が満
たすべき標準の設定。ただし、具体的なアセスメントの方法やツー
ルについての記述は含めない。
出典:小山善彦
「イギリスの資格履修制度-資格を通しての公共人材育成-」(2009) より抜粋
Qualifications and Credit Framework(QCF)の資格例について
職能資格の開発および授与に責任をもつのは、Awarding Body(以下、「授与団体(AB)」とする。)であり、現場での資格教育や研修を担
当するのは、「センター」あるいは「プロバイダー」と総称される団体である。
資格とユニットの関係を見るために、ある授与団体(Charterd Management Institute)が開発した資格について以下に例示する(表4・表5)。
表4. CMI資格「Level 7 Strategic Management and
Leadership」のユニット構成と単位数
ユニットタイトル
単位数
戦略的マネージャーとしての自己成長
戦略的なパフォーマンス・マネージメント
6
7
7
9
10
9
グループA:
資金的なマネージメント
戦略的な情報マネージメント
戦略的マネージメントの実践
組織としての進路
グループB:
資金計画
戦略的なマーケティング
戦略的なプロジェクト・マネージメント
組織改革
戦略的なプラニング
人事計画
戦略的リーダーとなるために
戦略的リーダーシップの実践
6
6
6
7
9
8
7
7
表5. 「Level 7 Strategic Management and Leadership」を構成する
1つの必須ユニットの学習アウトカムと評価基準
・ユニットタイトル
Personal development as a strategic manager
(戦略的マ ネージャーとしての自己の成長)
・ユニット目的
戦略的レベルにおいて効果的な運営を行うために、マネージ ャーとして身
に付けるべきリーダーシップ技術の習得
・レベル
7
・単位数
6
・学習アウトカム
1 戦略的な目的
(ambitions)を達成す
るために必要な自己
のスキルを明確にで
きる
評価基準
1.1組織としての戦略的な進路を分析できる
1.2 組織としての戦略的目的を達成するため に、リーダーとして身につけ
るべき戦略的スキルが判断できる
1.3 戦略的目的を達成するために、既存の技術、必要とされる技術、そし
て将来の技術の関係を評価できる
2 戦略的目的の達
成に貢献できるよう 2.1 リーダーシップ能力養成のための機会についての分析ができる
に、リーダーとしての 2.2 リーダーシップ能力養成のための個人的開発プランを作成できる
自己の成長を管理
2.3 この開発プランを実践に移すためのプロセスを立案できる
(manage)できる
3.1 開発プランの目的に照らし、どのようなアウトカム (成果)が得られたか
3 リーダーシ ップ能 の評価ができる
力開発プランの効果 3.2 このアウトカム が、組織としての戦略的目標にどのようなインパクトを
を評価できる
与えたかの評価ができる
3.3 リーダーシップ能力開発プランのレビューおよび更新ができる
4 質を重視する組織
文化を醸成するため
に、健康的で安全な
組織環境を促進でき
る。
4.1 組織および個人としての健康・安全面での責任体制が、組織にどのよ
うなインパクトを与えているかの評価がで きる
4.2 組織としての質文化が、組織としての戦略的目標の達成にどのように
影響を与えているかの予測ができる
出典:小山善彦「イギリスの資格履修制度-資格を通しての公共人材育成-」(2009) より抜粋
177
中学校における職場体験活動の課題
「受入先の開拓や連絡」を挙げる学校が約74%を占めており、円滑に実施するための条件整
「受入先の開拓や連絡」を挙げる学校が約74%を占めており、円滑に実施するための条件整
備を図ることが課題
備を図ることが課題
73.7
受け入れ先の開拓や連絡
40.1
体験時間・日数の確保
28.1
教職員の負担
24.1
受け入れ事業所等からの理解
21.9
職場体験のねらいの明確化と生徒への徹底
安全面への配慮
16.4
事前の指導の充実
16.2
14.8
職場体験の評価
12.1
予算の確保
教育課程における位置付け
9.8
事後の指導の充実
9.7
進路指導全体とのバランス
7.6
4.7
推進組織の明確化
3.3
教職員の共通理解
進路指導等
%
0.4
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「職場体験・インターンシップ現状把握調査」(平成16年)
高等学校において就業体験活動を実施しない理由
いずれの学科においても、「授業時数の確保が困難」「受入先の確保が困難」が「必要性を感
いずれの学科においても、「授業時数の確保が困難」「受入先の確保が困難」が「必要性を感
じない」「他の活動で補える」を上回っている
じない」「他の活動で補える」を上回っている
【計】
%
授業時数の確保が困難である
【普通科・その他の学科】
38.9
受け入れ先の確保が困難である
35.0
必要性を感じない
33.7
受け入れ先の確保が困難である
23.8
他の活動で十分に補える
%
41.3
授業時数の確保が困難である
26.0
必要性を感じない
16.0
16.0
他の活動で十分に補える
教職員の理解が不十分である
7.6
教職員の理解が不十分である
7.6
教職員の負担が増加する
7.4
教職員の負担が増加する
7.4
7.3
生徒の負担が増加する
7.4
生徒の負担が増加する
費用や予算が確保できない
準備の割には効果が期待できない
6.2
5.2
【職業に関する学科】
%
41.7
必要性を感じない
15.0
他の活動で十分に補える
31.3
受け入れ先の確保が困難である
11.5
必要性を感じない
%
授業時数の確保が困難である
43.0
受け入れ先の確保が困難である
6.2
5.5
【総合学科】
24.3
授業時数の確保が困難である
費用や予算が確保できない
準備の割には効果が期待できない
6.3
他の活動で十分に補える
教職員の理解が不十分である
8.0
教職員の理解が不十分である
教職員の負担が増加する
7.2
教職員の負担が増加する
27.1
4.2
6.3
生徒の負担が増加する
6.4
生徒の負担が増加する
8.3
費用や予算が確保できない
6.1
費用や予算が確保できない
8.3
準備の割には効果が期待できない
準備の割には効果が期待できない
4.0
2.1
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「職場体験・インターンシップ現状把握調査」(平成16年)
178
企業が教育支援活動を行わない理由
企業側の負担が大きいと考える企業が約16%ある一方で、学校側からの企業への支援要望が
企業側の負担が大きいと考える企業が約16%ある一方で、学校側からの企業への支援要望が
ないという企業が約71%と最多
ないという企業が約71%と最多
71.0%
学校側からの企業への支援要望がない
15.5%
企業の無償奉仕に頼り過ぎていて、企業側の負担が大きい
22.6%
企業が支援に関わった場合の教育効果が不明である
15.5%
企業のメリットがない、または少ない
教育は学校または家庭がすることで、企業が関わる必要はない
2.8%
30.6%
教育カリキュラムの策定等の情報が不足、やり方が判らない
27.4%
その他
(出典) 東京商工会議所 教育問題委員会 「企業による教育支援活動に関するアンケート」(平成20年)
産学人材育成パートナーシップ
¾ 「産学人材育成パートナーシップ」は、人材育成に関し大学と産業界の連携・協力を強化するため、産学が連携し
「産学人材育成パートナーシップ」
て双方の対話と取組の場を創設するもの。産学の横断的課題や業種・分野的課題等について幅広く議論を行うこ
とで、人材育成に係る産学双方の共通認識を醸成
産学双方の共通認識を醸成し、その後の産学双方の具体的な行動
産学双方の具体的な行動に繋げていく。
「社会総がかりで教育再生を −第三次報告−」(平成19年12月15日教育再生会議
)
−第三次報告−」(平成19年12月15日教育再生会議)
○人材育成に関する大学と産業界の連携・協力等のための会議(「産学人材育成パートナーシップ」)の活用や
学術関係団体との連携等により、大学は、社会の要請にあった質の高い卒業生を送り出す。
「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定
) (抄)
「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定)
○ 産学双方向の対話(「産学人材育成パートナーシップ」)等を推進する。
<全体会議>
◆日本経団連 、 経済同友会、日本商工会議所
◆国立大学協会、公立大学協会、私立大学協会、私立大学連盟
◆各分科会議長
※ 日本学術会議と官(文部科学省と経済産業省)はオブザーバー
<分科会>
バイオ
経営・
管理
人材
原子力
電気・
電子
情報処理
資源
材料
機械
化学
※オブザーバー:文部科学省、経済産業省
日本学術会議
平成20年9月現在
179
【産学人材育成パートナーシップでの提言の例:材料
分科会】
(1) 産業の最先端で貢献する基礎の位置付けが理
解できるような教育プログラムの共同開発などに
よる「基礎教育の強化」
(2) 学生のみならず、教員も参画したインターンシッ
プの実施
(3) 施設・教員等のリソースを有効活用した拠点
づくり
(4) 人材育成の観点を取り入れた産学共同による
研究開発プロジェクトの実施
(5) 材料系分野の魅力普及・啓蒙に掛かるPR活動
(6) 産業界のニーズも踏まえた「大学評価システム
の充実」
180
181
総合的な学習の時間 25時間
生活科 10時間 特別活動 2時間
生活科 10時間
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター
「自分に気付き、未来を築くキャリア教育」 (小学校向けキャリア教育推進パンフレット) (平成21年3月) より作成
学校生活に慣れた9月、学校で働く人々についての学習を計画した。用務員、事務職員、
給食調理員、栄養士、養護教諭などに、どんな仕事をしているのか、インタビューした。そし
て、グループごとに分かったことを発表した。この学習の後には学校で働く人々の名前を呼
んであいさつをしたり、話しかけたりするようになった。
◇ 1年生 学校ではたらく人、おしえてあげる
子ども祭り「ファンタジーフェスティバル(2年生・秋の学校行事)」で、1年生と協力して、自分た
ちで遊びやルールを考え、お客さんが楽しめるような遊びのコーナーをグループで分担して作っ
た。当日は幼稚園、他学年、地域の人々等、様々な立場の人とかかわりを持つことができた。
◇ 2年生 わくわくドッキン かりやどランド
町へ出かけ、店、工場、公共施設、交通などの町の様子や特徴について調べる中で、子ど
もが自分の住む地域のことにあまり目を向けていないという実態が見えてきた。そこで、地元
の商店会の協力を得て商店での体験学習を計画し、社会科の学習を踏まえて展開した。
商店での手伝い体験は、学校や家族以外の人とのかかわり方を学ぶ場としてとらえられる。
商店の人やお客さんとの触れ合いを通して、自分の町のことを理解し、地域の一員としての
自覚をはぐくむとともに、商店で働く人の様子や工夫・努力に実際に触れることで自分の役割
を果たすことの大切さや相手のことを考えた言動の重要性などを実感し、自分の生活に生か
すことを目指している。
○商店や手伝いについて調べよう (9時間) ○手伝いする商店を決めよう (3時間)
○商店で手伝いをしようⅠ・Ⅱ (7時間)
○体験したことをまとめよう (6時間)
本単元を通して、子どもたちは達成感や自己有用感を得ることができ、地域の人々の暮らし
や仕事への関心を高めることができた。
◇ 3年生 地域の人とあくしゅⅠ ̶商店街でお手伝い̶
● キャリア教育の視点からの様々な教育活動の見直しと、地元商店街との連携による体系的な実践
学校教育全体を通してキャリア教育を実践している例 ① ∼ 神奈川県川崎市立苅宿小学校 ∼
182
◇3つの学力の視点で「確かな学力」
・達成する力 (やりきる)
・検証する力 (確かめ振り返る)
・総合する力 (創りあげる)
◇教科の授業の工夫
・学習の意義の理解
・将来の職業につながる教科指導
◇基礎学習 ・BS ・朝読書 ・補習
◇応用学習 ・検定試験への取り組み
・選択教科
学習指導
・ 特別活動では、以下の点をねらいとする。
① 集団の中で協力して課題に取り組める自分を作る ② 自分自身と他人のことを知る
・ 道徳では、以下の点をねらいとする。
① 「自己を見つめる力」を高めさせる ② 規範意識の向上や価値観の育成
・ 総合的な学習の時間では、テーマを「自己を生かす−今も、そして将来も−」とし、以下の視点で学習活
動を組み立てる。
① 人間関係形成能力と適応能力を高める ② 生涯という長いスパンで生き方(ライフプラン)を考える
・ 教科の学習では、今、学校で学習していることと将来との関連を理解させた上での学習をさせるため、
「学習の意義」を各教科まとめて一冊にして生徒・保護者に渡し、面談や学級活動での学習のガイダンス
に使用するなど、 「学習の意義、目的」の理解による意欲的な学習を促進。
・ 学校で学ぶことが、将来、社会でどのように役立つのかを理解させることを重視。
キャリア教育の充実が
3つの指導を結びつける
(出典) 国立教育政策研究所 生徒指導研究センター 「キャリア教育 体験活動事例集 (第1分冊)」 (平成20年3月) より作成
生徒は、将来への展
望を持たせることで
現在の生活を振り返
させると、現在の生活
の改善の意義に気付
き、意図的・計画的な
生活を送ろうとする
・ 将来の職業的な自立・
社会的な自立を長期的
な目標にすえた指導
◇ボランティア活動
◇道徳
・自分を見つめるメタ認知力
・規範意識の向上や価値観の育成
◇人間関係力と信頼関係づくり
◇危機管理力の育成
◇安定した生活習慣の定着
生活指導
◇総合的な学習の時間
・人間関係づくり
・現代社会の課題を踏まえた生き方
・学校から社会(将来)への継続
◇特別活動
◇交流教育 ・心障学級と通常学級との交流
・養護学級との交流
進路指導
● 「現代から将来にかけて、自己の取り巻く社会の中で、自分を生かしていける生徒」「自分のよさを知り、目標を
掲げて、自分を高めていける生徒」の育成を目指している。
● キャリア教育の充実により、進路指導・生徒指導(生活指導)・学習指導の3つの指導を結びつけている。
学校教育全体を通してキャリア教育を実践している例 ② ∼ 東京都墨田区立寺島中学校 ∼
183
・ 進学希望者が大多数を占めるため、高等教育
機関卒業後の就職を念頭に置き実施。
・ 就業希望の分野での体験活動を通し、当該職
務への理解を深め将来ビジョン構築の契機とす
ることや、主体的に学ぶ態度の育成を目的。
・ 生徒が、自らの夢や志を育むこと、その実現の
ために今なすべきこと見つめ直し具体的な行動
に移すことがねらい。
・ 大学教員による
講座を受けること
で、学びたい分野
に対する興味・関
心を強くするととも
に、進学意欲の高
揚、学習意欲の喚
起を図る。
・ 進学希望あるいは興味がある学部・学科
について調査し、レポートにまとめることで、
なぜその学部・学科に進学するかを考えさ
せ、進学意識・学習意欲の向上を図る。
・ 学部・学科の最新情報に触れながら、関
連分野への興味関心を深める。
・ 夢を持たせるとともに、 調査力・整理力・
表現力を育成。
(出典) 秋田県立能代高等学校
「文部科学省指定 『高等学校におけるキャリア教育の在り方に関する調査研究』 平成20年度 実施報告書(2年次)」 より作成
・ 社会で活躍している者の
講話を聴き、望ましい職業
観や人生観を養う。
・ 将来の夢や志、生き方や
在り方を考えることで、進路
選択・進学意識の向上、進
路目標達成に対する学習
意欲の高揚を図る。
【Willプラン】(2年生)
・ これまでの活動で培っ
たライフプランのうち、
より近い未来について
の将来プランを作成。
・ 発表をとおして、近未
来に対する志や目標を
再確認する。
【ライフプラン(1年生)】
・ 1年間の活動の集大
成として、将来の夢や
志を含めたライフプラン
を作成。
・ 発表をとおして、自分
の考えを他者に伝える
態度を養い、生徒同士
の相互理解を深める。
● 生徒に「大きな夢と高い志」を持たせ、自己の可能性に挑戦する気概を育てることを目的とした取組である
「Will Project」において、キャリア教育を実践。
学校教育全体を通してキャリア教育を実践している例 ③ ∼ 秋田県立能代高等学校 (普通科・理数科) ∼
184
平成19
平成20
%
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
その他
就職
専門学校等
大学・短大
(出典) 神奈川県立田奈高等学校
「文部科学省指定 『学力向上拠点形成事業 ∼確かな学力育成のための実践研究事業∼ 』 平成20年度 実践研究報告(第3年次)」 等より作成
平成18
30
0
4.4%
0
4.8%
10
5.2%
40
2
平成17
9.5%
50
20
%
【進路状況の推移】
4
6
8
10
【中途退学率の推移】
● 平成21年度より、生徒も教員も学んでいることを振り返ることができる仕組みとして「ポートフォリオ」を導入。
● 平成21年度より、神奈川県教育委員会は、「クリエイティブスクール」(学習意欲を高める全日制課程の新たな
学校のしくみづくり)として指定。
● これらの取組の実践を通じ、中途退学率や進路未決定率の低下、キャリア教育プログラムへの生徒の高い評価、
生徒の学習意欲の向上などの成果が現れている。
総合B … 「インターンシップ」「専門学校実習」「アルバイトから考える(卒業生の職場を訪問)」などキャリア教育に関する講座を
含めた12の講座を実施。生徒はその中から講座を選択。
※ 総合A … 「環境と自分」をテーマ。総合学科の「産業社会と人間」を参考に、学校独自のテキストを作成。職場見学体験や職業ガ
イダンス等を通じ、仕事の世界を知り自分自身の将来について考える「進路研究編」、日常生活に潜む様々な課題やリ
スクについて考える「生活研究編」で構成。 (平成21・22年度については、「生活・進路研究活動」として実施)
● 1学年の「総合A」(2単位)、2学年の「総合B」(1単位)を柱に、学校教育活動全体でキャリア教育を展開。教員
と生徒が対話できる環境づくり(例:1学年教室の近くに「学年室」を置く)など一人一人の生徒に合わせたきめ細
やかな指導を通し、生徒が自らの将来に希望を持てるように支援。
● 「キャリア教育の充実」「授業改善の研究」「学習を支える条件の整備」の3つを通じ、生徒の学習への意欲を
引き出し、学力の向上へつなげる取組を実施。
学校教育全体を通してキャリア教育を実践している例 ④ ∼ 神奈川県立田奈高等学校 (普通科) ∼
185
自然に親しみ,見通しをもって観察,
実験などを行い,問題解決の能力と自
然を愛する心情を育てるとともに,自
然の事物・現象についての実感を伴っ
た理解を図り,科学的な見方や考え方
を養う。
の
ほ
か
の
教
科
自分と身近な人々及び地域の様々な
場所,公共物などとのかかわりに関
心をもち,地域のよさに気付き,愛
着をもつことができるようにすると
ともに,集団や社会の一員として自
分の役割や行動の仕方について考
え,安全で適切な行動ができるよう
にする。(第1・2学年)
そ 【生活】
理
科
社
会
・ 地域の人々の生産や販売について,
∼,それらの仕事について携わって
いる人々の工夫を考えるようにす
農家・工場・商店の仕事
る。(第3・4学年)
の様子の観察や働いてい
る人から話を聞く活動を
通して、生産や販売の仕
・ 地域社会における災害及び事故の防 事の工夫と自分たちの生
止について,∼,人々の安全を守る
活とのかかわりについて
ための関係機関の働きとそこに従事
気付く。
している人々や地域の人々の工夫や
努力を考えるようにする。(第3・
4学年)
教育活動の例
【公民的分野】
目標
自分たちの生活は地域で生活したり働
いたりしている人々や様々な場所とか
かわっていることが分かり,それらに
親しみや愛着をもち,人々と適切に接
することや安全に生活することができ
るようにする。
個々の児童が主体的に問題解決活動を
進めるとともに,学習の成果と日常生
活との関連を図り,自然の事物・現象
について実感を伴って理解できるよう
にすること。
地域の店や公園などを訪
問したり利用したり、そ
こで働く人々や利用する
人々にインタビューした
りするなどの活動によ
り、マナーを守ることで
互いに気持ちよく生活で
きるという体験を重ね、
児童自らが人々と適切に
接する大切さを感じ、そ
の接し方を身に付けるよ
うにする。
野外に出掛け,地域の自
然に直接触れることを通
し、学習したことを実際
の生活環境と結び付けて
考えるとともに、自分の
生活している地域を見直
し理解を深め、地域の自
然への関心を高める。
中学校
衣食住などに関する実践的・体験的
な学習活動を通して,生活の自立に
必要な基礎的・基本的な知識及び技
術を習得するとともに,家庭の機能
について理解を深め,これからの生
活を展望して,課題をもって生活を
よりよくしようとする能力と態度を
育てる。
【技術・家庭 家庭分野】
ものづくりなどの実践的・体験的な
学習活動を通して,材料と加工,エ
ネルギー変換,生物育成及び情報に
関する基礎的・基本的な知識及び技
術を習得するとともに,技術と社会
や環境とのかかわりについて理解を
深め,技術を適切に評価し活用する
能力と態度を育てる。
【技術・家庭 技術分野】
自然の事物・現象に進んでかかわり,
目的意識をもって観察,実験などを行
い,科学的に探究する能力の基礎と態
度を育てるとともに自然の事物・現象
についての理解を深め,科学的な見方
や考え方を養う。
教育活動の例
自然の事物・現象とかか
わりのある職業に言及し
たり、科学技術に関係す
る職業の人の話を聴かせ
たりするなど、理科の学
習で養う科学的な見方や
考え方が職業に生かされ
ることに触れる。
自然と人間生活とのかかわり及び科
学技術が人間生活に果たしてきた役
割について,身近な事物・現象に関
する観察,実験などを通して理解さ
せ,科学的な見方や考え方を養うと
ともに,科学に対する興味・関心を
高める。
【科学と人間生活】
人間の尊重と科学的な探究の精神に
基づいて,広い視野に立って,現代
の社会と人間についての理解を深め
させ,現代社会の基本的な問題につ
いて主体的に考察し公正に判断する
とともに自ら人間としての在り方生
き方について考察する力の基礎を養
い,良識ある公民として必要な能力
と態度を育てる。
【公民 現代社会】
目標
高等学校
教育活動の例
自然と人間生活のかかわ
り、科学技術が人間生活
に果たしてきた役割に関
する学習を踏まえた課題
を設定し、これからの科
学と人間生活とのかかわ
りについて考察する。
(5) 生涯の生活設計
生活設計の立案を通して,生涯を見
通した自己の生活について主体的に
人の一生における就職や
考えることができるようにする。
結婚などの重要な課題を
認識し、自分の目指すラ
イフスタイルを実現する
イ ライフスタイルと生活設計
ために、経済計画も含め
自己のライフスタイルや将来の家庭 た生涯の生活設計に取り
生活と職業生活の在り方について考 組む。
えさせるとともに,生活資源を活用
して生活を設計できるようにする。
(2) 人間生活の中の科学
身近な自然の事物・現象及び日常生
活や社会の中で利用されている科学
技術を取り上げ,科学と人間生活と
のかかわりについて認識を深めさせ
る。
・ 人々の多様な価値観を
背景に生じる衝突や対
立、社会的な課題な
ど、現代社会の諸問題
(2) 現代社会と人間としての在り方生
を自らの在り方生き方
き方
と関連させて考察す
る。
現代社会について,倫理,社会,文
化,政治,法,経済,国際社会など
多様な角度から理解させるととも
に,自己とのかかわりに着目して,
現代社会に生きる人間としての在り ・ 持続可能な社会の形成
に参画する観点から課
方生き方について考察させる。
題を探求する活動を通
し、現代社会に対する
理解を深め、現代に生
きる人間としての在り
方生き方について考察
を深める。
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
A 材料と加工に関する技術
(1) 生活や産業の中で利用されている
技術について,次の事項を指導す
工夫・創造の喜びを体験
る。
する中で、勤労観や職業
・ 技術が生活の向上や産業の継承と発 観、協調する態度を身に
展に果たしている役割について考え 付ける。
【家庭 家庭総合】
ること。
人の一生と家族・家庭,子どもや高
齢者とのかかわりと福祉,消費生
・ 技術の進展と環境との関係について
活,衣食住などに関する知識と技術
考えること。
を総合的に習得させ,家庭や地域の
生活課題を主体的に解決するととも
A 家族・家庭と子どもの成長
に,生活の充実向上を図る能力と実
践的な態度を育てる。
自分の成長と家族について,次の
(1)
事項を指導する。
自分の成長とそれにかか
わってきた人々を図に表
・ 自分の成長と家族や家庭生活とのか
したりして、成長過程を
かわりについて考えること。
振り返る活動
科学技術が日常生活や社会を豊かにし
ていることや安全性の向上に役立って
いることに触れること。また,理科で
学習することが様々な職業などと関係
していることにも触れること。
・ 現代社会の持つ特色や
現代社会をとらえる見
方や考え方の基礎を具
体的・体験的事例を取
り上げながら理解す
人間は本来社会的存在であることに る。
着目させ,社会生活における物事の
決定の仕方,きまりの意義について
考えさせ,現代社会をとらえる見方
や考え方の基礎として,対立と合
意,効率と公正などについて理解さ ・ よりよい社会を築いて
せる。その際,個人の尊厳と両性の いくために解決すべき
本質的平等,契約の重要性やそれを 課題を設し、資料収集
守ることの意義及び個人の責任など と読取り、考察、まと
めを行う。
に気付かせる。
(1) 私たちと現代社会
・ 現代社会をとらえる見方や考え方
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
民主政治の意義,国民の生活の向上
と経済活動とのかかわり及び現代の
社会生活などについて,個人と社会
とのかかわりを中心に理解を深め,
現代社会についての見方や考え方の
基礎を養うとともに,社会の諸問題
我が国の農業や水産業について,∼,
それらは国民の食料を確保する重要な 食料生産の盛んな地域で に着目させ,自ら考えようとする態
役割を果たしていることや自然環境と 生産に従事している人々 度を育てる。
我が国の産業の様子,産業と国民生活 深いかかわりをもって営まれているこ に手紙などで調査した
との関連について理解できるように とを考えるようにする。(第5学年) り、インターネットで生
産地が発信する情報を集
し,我が国の産業の発展や社会の情報
化の進展に関心をもつようにする。 ・ 食料生産に従事している人々の工夫 めたりして、生産地と消
(第5学年)
や努力,生産地と消費地を結ぶ運輸 費地を結ぶ運輸の働きを
理解する。
などの働き
地域の産業や消費生活の様子,人々の
健康な生活や良好な生活環境及び安全
を守るための諸活動について理解でき
るようにし,地域社会の一員としての
自覚を持つようにする。(第3・4学
年)
目標
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
小学校
※ この資料は、学習指導要領の記述の中から、キャリア教育に関連する内容を、各学校段階の比較を中心に事務局で整理した
ものであり、キャリア教育に関連する内容はこれに限らない。
キャリア教育に関連する目標・内容及び教育活動の例(小学校・中学校・高等学校)
186
目標
総
合
的
な
学
習
の
時
間
【総則】
目標
中学校
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
教育活動の例
4 主として集団や社会とのかかわりに
関すること
・ 自己が属する様々な集団の意義につ
いての理解を深め,役割と責任を自
覚し集団生活の向上に努める。
・ 勤労の尊さや意義を理解し,奉仕の
精神をもって,公共の福祉と社会の
発展に努める。
4 主として集団や社会とのかかわりに
関すること
・ 身近な集団に進んで参加し,自分の
役割を自覚し,協力して主体的に責
任を果たす。
・ 働くことの意義を理解し,社会に奉
仕する喜びを知って公共のために役
に立つことをする。
自然体験やボランティア活動などの社
会体験,ものづくり,生産活動などの
体験活動,観察・実験,見学や調査,
発表や討論などの学習活動を積極的に
取り入れること。
目標
∼生徒が自己探求と自己実現に努め国
家・社会の一員としての自覚に基づき
行為しうる発達の段階にあることを考
慮し人間としての在り方生き方に関す
る教育を学校の教育活動全体を通じて
行う∼
【総則】
高等学校
教育活動の例
各学校においては,第1の目標を踏ま ・ 自分の希望する進路に
え,各学校の総合的な学習の時間の内
ついて、近隣の大学等
容を定める。
の訪問や関係施設での
就業体験など、生徒一
人一人が、自己の希望
学習活動については,地域や学校の特
する進路に沿った探究
色,生徒の特性等に応じて,例えば国
的な学習
際理解,情報,環境,福祉・健康など
の横断的・総合的な課題についての学
習活動,生徒が興味・関心,進路等に
応じて設定した課題について知識や技
能の深化,総合化を図る学習活動,自 ・ 地域の特産品や地域の
己の在り方生き方や進路について考察
伝統的な産物について
する学習活動などを行うこと。
探究的に学習し、町お
こしにつながる商品開
発や、商品の販売活動
自然体験や就業体験活動,ボランティ
等、地域社会への参画
ア活動などの社会体験,ものづくり,
や貢献につながる学習
生産活動などの体験活動,観察・実
験・実習,調査・研究,発表や討論な
どの学習活動を積極的に取り入れるこ
と。
・ 「倫理」において、先
哲の考え方を取り上げ
て、自分自身の判断基
準を形成するために必
要な倫理的な諸価値に
ついて理解と思索を深
める。
道徳教育を進めるに当たっては,特
・ 「現代社会」におい
て,様々な現代社会の
に,道徳的実践力を高めるとともに,
諸課題を取り上げて考
自他の生命を尊重する精神,自律の精
察させ,議論などを通
神及び社会連帯の精神並びに義務を果
して自分の考えをまと
たし責任を重んずる態度及び人権を尊
めたり,説明したり,
重し差別のないよりよい社会を実現し
論述したりする。
ようとする態度を養うための指導が適
切に行われるよう配慮しなければなら
ない。
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
各学校においては,第1の目標を踏ま ・ 職場体験活動の事前学 横断的・総合的な学習や探究的な学習
習として、職業人講話 を通して,自ら課題を見付け,自ら学
え,各学校の総合的な学習の時間の内
や職業調べ等を通して び,自ら考え, 主体的に判断し,よ
容を定める。
自分の生き方について りよく問題を解決する資質や能力を育
考えたり(第1学
成するとともに,学び方やものの考え
学習活動については,学校の実態に応
年)、体験内容の調査 方を身に付け,問題の解決や探究活動
じて,例えば国際理解,情報,環境,
や職場への事前訪問を に主体的,創造的,協同的に取り組む
福祉・健康などの横断的・総合的な課
通して職場体験活動の 態度を育て,自己の在り方生き方を考
題についての学習活動,生徒の興味・
ねらいを理解し、課題 えることができるようにする。
関心に基づく課題についての学習活
を明らかにする(第2
動,地域や学校の特色に応じた課題に
学年)
ついての学習活動,職業や自己の将来
に関する学習活動などを行うこと。
各学校においては,第1の目標を踏ま
・ 職場体験活動におい え,各学校の総合的な学習の時間の目
て、そこで働く人と直 標を定める。
接かかわること等によ
自然体験や職場体験活動,ボランティ
り、自分の生き方につ
ア活動などの社会体験,ものづくり,
いて考える(第2学
生産活動などの体験活動,観察・実
年)
験,見学や調査,発表や討論などの学
習活動を積極的に取り入れること。
・ 職場体験活動の経験を
もとに学習意欲を高
め、将来の進路に向け
職業や自己の将来に関する学習を行う
ての主体的な学習を進
際には,問題の解決や探究活動に取り
めながら自分の進路を
組むことを通して,自己を理解し,将
考え選択していく(第
来の生き方を考えるなどの学習活動が
3学年)
行われるようにすること。
1 主として自分自身に関すること
【道徳】
各教科,総合的な学習の時間及び特別 ・ より高い目標を目指し,希望と勇気
活動における道徳教育と密接な関連を
をもって着実にやり抜く強い意志を
図りながら,計画的,発展的な指導に
もつ。
よってこれを補充,深化,統合し,道
徳的価値及びそれに基づいた人間とし 2 主として他の人とのかかわりに関す
ること
ての生き方についての自覚を深め,道
徳的実践力を育成する
・ それぞれの個性や立場を尊重し,い
ろいろなものの見方や考え方がある
ことを理解して,寛容の心をもち謙
虚に他に学ぶ。
1 主として自分自身に関すること
・ より高い目標を立て,希望と勇気を
もってくじけないで努力する。
各学校においては,第1の目標を踏ま ・ 身近な地域を観察・調 横断的・総合的な学習や探究的な学習
査し、地域の特色を捉 を通して,自ら課題を見付け,自ら学
え,各学校の総合的な学習の時間の内
え、地域社会の一員と び,自ら考え,主体的に判断し,より
容を定める。
しての自覚をもたせる よく問題を解決する資質や能力を育成
(第3学年・社会科と するとともに,学び方やものの考え方
学習活動については,学校の実態に応
を身に付け,問題の解決や探究活動に
連携)
じて,例えば国際理解,情報,環境,
主体的,創造的,協同的に取り組む態
福祉・健康などの横断的・総合的な課
度を育て,自己の生き方を考えること
・ 地域の人や身近な人へ
題についての学習活動,児童の興味・
ができるようにする。
のインタビューや様々
関心に基づく課題についての学習活
な職業について調べる
動,地域の人々の暮らし,伝統と文化
ことを通して、自分の
など地域や学校の特色に応じた課題に
将来の目標を立て、自
ついての学習活動などを行うこと。
各学校においては,第1の目標を踏ま
分がやってみたいと思 各学校においては,第1の目標を踏ま
え,各学校の総合的な学習の時間の目
う仕事を見つける(第 え,各学校の総合的な学習の時間の目
標を定める。
標を定める。
6学年)
横断的・総合的な学習や探究的な学習
を通して,自ら課題を見付け,自ら学
び,自ら考え,主体的に判断し,より
よく問題を解決する資質や能力を育成
するとともに,学び方やものの考え方
を身に付け,問題の解決や探究活動に
主体的,創造的,協同的に取り組む態
度を育て,自己の生き方を考えること
ができるようにする。
教育活動の例
道徳教育を進めるに当たっては,教師 ・ 係活動などの体験の中 学校における道徳教育は,道徳の時間 道徳教育を進めるに当たっては,教師 ・ 特別活動と連携して、
目標達成に向かってや
で目標に向かって努力 を要として学校の教育活動全体を通じ と生徒及び生徒相互の人間関係を深め
と児童及び児童相互の人間関係を深め
り抜くことの重要性に
する大切さについて話 て行うものであり,道徳の時間はもと るとともに,生徒が道徳的価値に基づ
るとともに,児童が自己の生き方につ
ついて考えさせる。
し合う(第2学年) より,各教科,総合的な学習の時間及 いた人間としての生き方についての自
いての考えを深め,家庭や地域社会と
の連携を図りながら,集団宿泊活動や
び特別活動のそれぞれの特質に応じ 覚を深め,家庭や地域社会との連携を
ボランティア活動,自然体験活動など
て,生徒の発達の段階を考慮して,適 図りながら,職場体験活動やボラン
の豊かな体験を通して児童の内面に根 ・ 10年間の自分の成長 切な指導を行わなければならない。 ティア活動,自然体験活動などの豊か ・ 教科の学習内容と実生
な体験を通して生徒の内面に根ざした
ざした道徳性の育成が図られるよう配
活を結びつけることに
を振り返ることを通し
道徳性の育成が図られるよう配慮しな
慮しなければならない。その際,特に
よって、日々の生活や
て、生命の尊さを感じ
ければならない。その際,特に生徒が
児童が基本的な生活習慣,社会生活上
現在の自分は多くの人
るとともに、よりよく
自他の生命を尊重し,規律ある生活が
のきまりを身に付け,善悪を判断し,
たちの努力に支えられ
生きていこうとする気
でき,自分の将来を考え,法やきまり
人間としてしてはならないことをしな
ていることを考えさせ
持ちや態度を育てる
の意義の理解を深め,主体的に社会の
いようにすることなどに配慮しなけれ
る。
(第4学年・総合的な
形成に参画し,国際社会に生きる日本
ばならない。
学習の時間と連携)
人としての自覚を身に付けるようにす
ることなどに配慮しなければならな
い。
展的な指導によってこれを補充,深
化,統合し,道徳的価値の自覚及び自 2 主として他の人とのかかわりに関す
ること
己の生き方についての考えを深め,道
徳的実践力を育成する
・ 謙虚な心をもち,広い心で自分と異
なる意見や立場を大切にする。
道
徳 【道徳】
教 各教科,外国語活動,総合的な学習の
育 時間及び特別活動における道徳教育と
密接な関連を図りながら,計画的,発
学校における道徳教育は,道徳の時間
を要として学校の教育活動全体を通じ
て行うものであり,道徳の時間はもと
より,各教科,外国語活動,総合的な
学習の時間及び特別活動のそれぞれの
特質に応じて,児童の発達の段階を考
慮して,適切な指導を行わなければな
らない。
【総則】
小学校
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
187
特
別
活
動
【学級活動】
教育活動の例
・ 望ましい勤労観・職業観の確立
・ 就業体験活動
・ 主体的な進路の選択決定と将来設計 ・ ライフプラン・進路計
画の作成・発表
・ 職業生活、働くことと
と生きがいについての
話合い
・ 職場体験活動
・ ライフプラン・進路計
画の作成・発表
・ 身近な職業と職業選択
についての話合い
・ 望ましい勤労観・職業観の形成
・ 主体的な進路の選択と将来設計
【クラブ活動】
クラブ活動を通して,望ましい人間関
係を形成し,個性の伸長を図り,集団
の一員として協力してよりよいクラブ
づくりに参画しようとする自主的,実
践的な態度を育てる。
学年や学級の所属を離れ,主として第 ・ クラブの計画・運営
4学年以上の同好の児童をもって組織
するクラブにおいて,異年齢集団の交
流を深め,共通の興味・関心を追求す
・ 異年齢集団による交流
る活動を行うこと。
(5) 勤労生産・奉仕的行事
・ ボランティア活動
勤労の尊さや生産の喜びを体得する ・ 飼育栽培活動
とともに,ボランティア活動などの ・ 地域や公共施設の清掃
社会奉仕の精神を養う体験が得られ
活動
るような活動を行うこと。
・ 福祉施設との交流
(5) 勤労生産・奉仕的行事
勤労の尊さや創造することの喜びを
体得し,職場体験などの職業や進路
にかかわる啓発的な体験が得られる
ようにするとともに,共に助け合っ
て生きることの喜びを体得し,ボラ
ンティア活動などの社会奉仕の精神
を養う体験が得られるような活動を
行うこと。
全校又は学年を単位として,学校生活
に秩序と変化を与え,学校生活の充実
と発展に資する体験的な活動を行うこ
と。
・ 職場体験活動
・ ボランティア活動
・ 地域社会への協力
・ 上級学校・企業訪問
学校行事を通して,望ましい人間関係
を形成し,集団への所属感や連帯感を
深め,公共の精神を養い,協力してよ
りよい学校生活や社会生活を築こうと
する自主的,実践的な態度を育てる。
(5) 勤労生産・奉仕的行事
勤労の尊さや創造することの喜びを
体得し,就業体験などの職業観の形
成や進路の選択決定などに資する体
験が得られるようにするとともに,
共に助け合って生きることの喜びを
体得し,ボランティア活動などの社
会奉仕の精神を養う体験が得られる
ような活動を行うこと。
全校若しくは学年又はそれらに準ずる
集団を単位として,学校生活に秩序と
変化を与え,学校生活の充実と発展に
資する体験的な活動を行うこと。
※ 中学校・高等学校において、生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動は,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものである。
学校行事を通して,望ましい人間関係
を形成し,集団への所属感や連帯感を
深め,公共の精神を養い,協力してよ
りよい学校生活を築こうとする自主
的,実践的な態度を育てる。
・ 就業体験活動
・ ボランティア活動
・ 地域社会への協力
・ 上級学校・企業訪問
【学校行事】
全校又は学年を単位として,学校生活
に秩序と変化を与え,学校生活の充実
と発展に資する体験的な活動を行うこ
と。
【学校行事】
学校行事を通して,望ましい人間関係
を形成し,集団への所属感や連帯感を
深め,公共の精神を養い,協力してよ
りよい学校生活を築こうとする自主
的,実践的な態度を育てる。
【学校行事】
【生徒会活動】
生徒会活動を通して,望ましい人間関 学校の全生徒をもって組織する生徒会 ・ 生徒会の計画・運営
係を形成し,集団や社会の一員として において,学校生活の充実と向上を図 ・ 異年齢集団による交流
よりよい学校生活づくりに参画し,協 る活動を行うこと。
力して諸問題を解決しようとする自主
・ 学校行事へ協力
的,実践的な態度を育てる。
【生徒会活動】
生徒会活動を通して,望ましい人間関 学校の全生徒をもって組織する生徒会 ・ 生徒会の計画・運営
係を形成し,集団や社会の一員として において,学校生活の充実と向上を図 ・ 異年齢集団による交流
よりよい学校生活づくりに参画し,協 る活動を行うこと。
力して諸問題を解決しようとする自主
・ 学校行事へ協力
的,実践的な態度を育てる。
【児童会活動】
・ 進路選択の結果とその
受け止め方についての
学習
・ オリエンテーション
・ 生涯学習機会や上級学
校調べ
・ 教科・科目の適切な選択
・ 進路適性の理解と進路情報の活用
・ 上級学校調べ
・ 学ぶこと・働くことに
ついて発表・ディベー
ト
・ 進路適性の吟味と進路情報の活用
(3) 学業と進路
・ 学ぶことと働くことの意義の理解
・ 主体的な学習態度の確立と学校図書 ・ 学習過程の振り返り
館の利用
・ 学ぶこと・働くことに
ついて発表・ディベー
ト
・ 自主的な学習態度の形成と学校図書 ・ 学習過程の振り返り
館の利用
(3) 学業と進路
・ 学ぶことと働くことの意義の理解
【ホームルーム活動】
望ましい集団活動を通して,心身の調
和のとれた発達と個性の伸長を図り,
集団や社会の一員としてよりよい生活
や人間関係を築こうとする自主的,実
践的な態度を育てるとともに,人間と
しての在り方生き方についての自覚を
深め,自己を生かす能力を養う。
目標
高等学校
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
ホームルーム活動を通して,望ましい (2) 適応と成長及び健康安全
・ 卒業生や社会人・職業 人間関係を形成し,集団の一員として ・ 自己及び他者の個性の理解と尊重
・ 卒業生や社会人・職業
ホームルームや学校におけるよりよい
人による講話
人による講話
生活づくりに参画し,諸問題を解決し
・ 地域の身近な出来事に ようとする自主的,実践的な態度や健 ・ 社会生活における役割の自覚と自己 ・ 社会の出来事について
責任
ついての話合い
の話合い
全な生活態度を育てる。
・ 望ましい人間関係の在
・ コミュニケーション能力の育成と人 ・ 望ましい人間関係の在
間関係の確立
り方についての話合い
り方についての話合い
教育活動の例
児童会活動を通して,望ましい人間関 学校の全児童をもって組織する児童会 ・ 児童会の計画・運営
係を形成し,集団の一員としてよりよ において,学校生活の充実と向上を図 ・ 異年齢集団による交流
い学校生活づくりに参画し,協力して る活動を行うこと。
諸問題を解決しようとする自主的,実
・ 学校行事へ協力
践的な態度を育てる。
・ 清掃などの当番活動等の役割と働く ・ 清掃、給食、日直、飼
ことの意義の理解
育、栽培などの当番活
動
学級活動を通して,望ましい人間関係 (2) 日常の生活や学習への適応及び
学級活動を通して,望ましい人間関係 (2) 適応と成長及び健康安全
を形成し,集団の一員として学級や学 健康安全
を形成し,集団の一員として学級や学 ・ 自己及び他者の個性の理解と尊重
校におけるよりよい生活づくりに参画
校におけるよりよい生活づくりに参画
・ 希望や目標をもって生きる態度の形 ・ 学校生活・学級生活に
し,諸問題を解決しようとする自主
し,諸問題を解決しようとする自主
成
ついての話合い・集会
的,実践的な態度や健全な生活態度を
的,実践的な態度や健全な生活態度を ・ 社会の一員としての自覚と責任
活動
育てる。
育てる。
・ 望ましい人間関係の形成
・ 望ましい人間関係の確立
【学級活動】
目標
中学校
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
望ましい集団活動を通して,心身の調
和のとれた発達と個性の伸長を図り,
集団や社会の一員としてよりよい生活
や人間関係を築こうとする自主的,実
践的な態度を育てるとともに,人間と
しての生き方についての自覚を深め,
自己を生かす能力を養う。
教育活動の例
望ましい集団活動を通して,心身の調
和のとれた発達と個性の伸長を図り,
集団の一員としてよりよい生活や人間
関係を築こうとする自主的,実践的な
態度を育てるとともに,自己の生き方
についての考えを深め,自己を生かす
能力を養う。
目標
小学校
学習指導要領の記述例
内容、配慮事項等
188
卒業後の進路や生き方について考える
2年生からの「系列」及び「科目」を選択する考え方や態度を養う
学ぶことの意義について理解を深める
学び方(Learning Skill)を学ぶ
・ ライフプラン作り (自分史の作成 → 発表原稿の作成 → 発表会)
→ ・ 自分の将来像を具体的にイメージさせ、暫定的な目標の設定をし、
夢の実現に向かう行動
・ 現在の自分の生活を省みる
・ 友人のライフプランから学ぶ
・ お互いの個性を活かす態度を身につける
・ 職場訪問 (事前説明・職業に関する講演会 → 職場訪問 → 報告会)
→ ・ 職業の世界(事業・組織・社会)を知る
・ 勤労観・職業観を育成する
・ 社会規範を知る
・ コミュニケーション能力を高める
・ まとめ、発表する力を高める
→ ・ 現代社会の課題について考える
・ 社会における自己の活かし方を考える
・ プレ課題研究(2年次)課題研究(3年次)につながる調査方法・発表
表現の習得する
・ 班別調査学習 (発表内容の検討 → レジュメ等の資料作成 → 発表会)
【主な内容】
・ 社会の変化を踏まえ、未来社会でも個性を発揮することを考える
・
・
・
・
【目標】
東京都立晴海総合高等学校
・ 研究報告書の作成・発表
→ 1年間の自分の取組や成長を客観的に振り返り、それを発表することに
より、キャリア力(人生づくりの力)の育成を図る
・ 「社会人講師の先生を囲んで」講演会
(地域の経営者との座談会・体験学習 → 発表会準備 → 発表会)
→ 今後の人生や職業を体感するとともに、様々な職業の人が社会を
支えていることを理解
・ 地域の産業見学 (企業見学 → 発表会準備 → 発表会)
→ 地域の産業理解、職業と地域の関連、身だしなみやマナーの大切さ
などを学び、勤労観・職業観を育成
・ 校外学習 (企業・大学の見学 → 発表会準備 → 発表会)
→ 「調べる力」「聞く力」「まとめる力」「発表する力」の土台作り
【主な内容】
・ 様々な活動(講演・調査研究・見学・体験など)を通して、自らの進路や
将来のあり方について、考えを深め、より望ましい生き方を探求する
【目標】
愛知県立岩倉総合高等学校
科目「産業社会と人間」の取組例①
189
・ ライフプランの作成 (発表準備 → 発表会)
→ 履修計画を作成する過程における考えを整理し、決意を固めるとともに
級友たちの考えを知る
・ 特別支援学校との交流会、福祉体験
→ 自分の立場と違う人を知り、自分を見つめ直すとともに、社会の在り方を
考える
・ 社会人講話と職場実習、上級学校見学会
→ 職業や上級学校を知り、進路を考える
・ 社会人講師の講演会、菜園づくり
→ 色々な体験を通して、自分の適性を把握する。菜園づくりを通して食の
生産を含む社会の在り方を考える
【主な内容】
・ 産業や社会について学び、産業の意義や使命を理解し、どうしたら社会を
もっとよくできるかを考える
・ 様々な体験的学習を通して自己を見つめ、将来について考え、2,3年
次の履修計画を作成する
【目標】
筑波大学附属坂戸高等学校
※ すべての活動において、「調べる・まとめる・発表する・聞く」ことを繰り返し、
全員がホームルームで発表し、ホームルーム代表が学年発表会に臨む。
(全員が主役となる)
・ 「3年生に学ぶ」「卒業生に学ぶ」
→ 身近な先輩に学ぶことで、自分の近未来像を描く。これからの高校生活
への意欲を喚起するとともに、様々な職業についての理解を深める。
・ 「キャリアプラン・ライフプラン」の作成 (発表準備 → 発表会)
→ 1年間の学習をもとに、今後の2年間及び生涯を見据えた自己の在り
方生き方をシミュレーションする。4つの力の集大成を図る。
・ 「この人に学ぶ」
(職業人調査 : “この人”の選定 → 面接調査 → 発表準備 → 発表会)
→ 個人での活動を通じて4つの力を高めるとともに、得られた進路情報を
共有し、職業を通した在り方生き方について考える。4つの力を総動員
する。
・ 職場見学・上級学校見学
(事前調査 → 報告書作成・共有 → 見学 → 発表準備 → 発表会)
→ 職場や上級学校の実際を知ることで、進路に対する視野を広げると
ともに、自らすすんで進路を選択する能力を養う。
・ 進路学習 (職業調査:調査 → 発表準備 → 発表会)
→ 活動を通じて4つの力を養い、これまで興味・関心の無かった職業を理
解するとともに、発表会等で進路情報を共有することで、社会を知る。
【主な内容】
・ 自分を知る、社会を知る、自分と社会の接点を知る
・ 「調べる力」「まとめる力」「発表する力」「聞く力」の4つの力を身につけ、
これを「生きる力」に結びつける
・ 自ら進んで進路を選択していく能力を身につける
【目標】
大分県立日田三隈高等学校
科目「産業社会と人間」の取組例②
190
… 実習を通じて学び得たことを、発展・発信する。また、模擬的に企業の活動に参加し、経営者の視点を学ぶ。
H20
57
55
52
51
前期
後期
前期
後期
27
H18
H19
17
H17
合計
20
22
25
35
10
3
保育
幼児教育
※ 実習分野別デュアル実習生徒数
12
11
11
6
4
4
営業
販売
13
11
12
9
8
5
製造
現業
1人
43%
2∼3人
3%
4∼5人
40%
17%
不可
(出典) 大阪府立布施北高等学校 「平成20年度 デュアルシステム専門コース 報告集」 等より作成
6
8
7
7
5
5
介護
福祉看護
【参考】 企業の受入れ人数 (平成18年3月)
● その他、「マナー講習会」「講演会」「プレゼンテーション講習会」などの講習・講演の開催や、「企業・施設見学」
「地域のイベントへの参加」「デュアル実習発表会」などの行事を実施。
デュアル演習
デュアル実習Ⅱ … 年間を通じて、週1日、企業・施設での実習を行う。実習を通じて、自らのキャリアへの意識を高め、自らの進路
実現に向けた自己開発を積極的に行う。また、多様な価値観の中で物事を判断し、人間力を育てる。
デュアル基礎Ⅰ … 実習を振り返り、自分にとっての学びを確認する。また、レポート作成やプレゼンテーションを通じて、社会で必
要とされるコミュニケーション能力(聞く力、話す力、まとめる力、書く力)を養う。
※ デュアル実習Ⅰ … 年間を通じて、週1日、企業・施設での実習を行う。実習を通じて、自らのキャリアへの意識を高め、「在学中に
何を学ぶか、何をするべきか」を考える。また、多様な価値観の中で物事を判断し、社会で生きる力をつける。
● 学校設定教科「デュアル」の科目として、2年次に「デュアル実習Ⅰ」(6単位)、 「デュアル基礎」(2単位)、3年次に
「デュアル実習Ⅱ」(6単位)、「デュアル演習」(2単位)を開設。希望者は2年次より選択。
● 平成16年度、文部科学省「専門高校等における『日本版デュアルシステム』推進事業」において研究指定(3年間)
平成18年度より、「デュアルシステム専門コース」を設置。平成21年度は、2・3年次でデュアルクラスを編成。
● 就職希望者が多いことなどを背景として、平成16年度より、地元東大阪市の企業・施設の協力を得て「デュアル
システム」に取り組むことにより、「良き社会人、職業人」となるための訓練を、学校と地域の企業・施設と協働で実施。
高等学校普通科における職業教育の実践例 ∼ 大阪府立布施北高等学校 ∼
191
過去5年間で12名が公認会計士
試験に合格し、平成21年度現在、
大手監査法人等で活躍中。
高大接続の効果
平成15年度∼平成17年度
● 「会計ゼミ」の内容は、財務会計の基礎から応用、管理会計論、監査論、税務会計論、会計システム論と会計学
全般の内容が実施され、すべてゼミ形式で実施。
● 「会計ゼミ」受講生は、商学部とは別に、公認会計士を養成する専門機関である中央大学経理研究所より出前授
業や教材の提供を受けるとともに、大学進学後は、経理研究所に身を置き、公認会計士を目指し学習。
● 日商簿記検定1級又は全経簿記検定上級合格者で、一定の評定以上の成績と学校長の推薦があり、将来公認
会計士を志望する者で中央大学への進学を希望する者が中央大学が実施する「会計ゼミ」を受講。会計ゼミの成
績と面接で大学への合否が判定される。これら「会計ゼミ」は大学入学後、「高等簿記論Ⅰ」2単位として認定。
中央大学商学部との高大接続プログラム(岐阜アカウティングプログラム)の概要
(卒業後更に高度な知識・技能を身に付け、将来の専門的職業人として活躍できる人材の育成)
専門高校における職業教育の実践例① ∼ 岐阜県立岐阜商業高等学校 ∼
192
③地域資源を活用した新商
品等共同研究と地域課題解
決への取組:1校1開発以上
②農業経営者等による特別
授業の満足度:80%以上
①生徒の現場実習の日数
:14日以上
目 標
実 績
菊池農業高校(ヤーコンソーセージ)
鹿本農業高校(コメロンパン)
阿蘇清峰高校(湧水を活用したイチゴ栽
培の基礎技術)
③1校1開発
②90.8%
※学校によりバラツキが生じた。
①3∼14日
平成20年度の達成目標
(出典) 「文部科学省、農林水産省連携事業 『地域産業の担い手育成プロジェクト』 平成20年度 実施報告書(1年次)」 より作成
●「農業経営者育成プログラム」の定着と継続した人材育成
●農業関係高校12校での熊本版農業経営者等人材育成デュ
アルシステムの導入
3年後の自立化
●教員の総合的な指導力及び研究発能力の向上
●地域農業界と連携・協働した共同研究等による地域活性化
●地域の農業に貢献する実践的農業技術者・地域リーダー
将 来 像
●地域資源を活用した商品開発等共同研究
地域資源を活用した商品開発等共同研究を充実させる。
●教員の農業経営者等での技術研修
農業経営者での技術研修等を実施し、総合的・複合的な
指導力や研究開発能力を高める。
●農業経営者の実践的指導
第6次産業的な先進的な視点での知識・技術等の幅広い
授業を展開する。
●生徒の現場実習
望ましい勤労観、職業観を醸成するために年間を通じた
長期の実習を週1回、年間14回程度実施。
事業内容
熊本県立菊池農業高等学校、鹿本農業高等学校、阿蘇清峰高等学校の取組
(卒業後それぞれの職業に就き、地域の産業・社会を担う人材の育成)
専門高校における職業教育の実践例② ∼地域産業の担い手育成プロジェクト(熊本県) ∼
193
∼地域産業の担い手育成プロジェクト(茨城県教育委員会・日立商工会議所) ∼
茨城県立日立工業高等学校、茨城県立高萩清松高等学校
茨城県立常陸大宮高等学校、茨城県立勝田工業高等学校
(出典) 「平成20年度 中小企業ものづくり人材育成事業(工業高校等実践教育導入事業)に係る成果事例集」(経済産業省中小企業庁)より作成
●成果
実習は週1回継続的に実施していることから、生徒の技術・技能・職業観の向上や、成果発
表会に見られるコミュニケーション能力の向上などがあった。また、生徒及び高等学校との受
け入れ企業に良好な関係が築かれつつあり、実習以外の学校の取り組みにも企業の協力が
得られるなど高等学校と地元企業にとって、新たな協力関係が生まれはじめている。この取
り組みは、事業全体の核となる取り組みで、茨城県の広報TV番組でも紹介された。
●内容
日立工業高等学校の2年生の生徒17名が、地元企業で1年間にわたって技術実習を行った。
生徒の希望に即した実習が積めるように配慮されるなど、将来の進路に役立つ技術の習得
努めた。変電器製造業の茨城電機工業(株)では、実際に製品を作る責任を伴う作業のほか、
仕組みへの理解や達成感を味わうため、小型機器を独自で作る過程や社会としてのルール
・職業観・勤労観についても熱心な指導がなされる。
〈取組校の例〉 茨城県立日立工業高等学校
県内屈指の工業地帯である日立地域を核として、県北の4商工会議所等が、地元の
工業高校等及び県教育委員会と連携し、地域のものづくりを担う人材育成を図るた
め、デュアルシステムを核とした生徒の企業実習、ICタグや省エネカーの研究など地
元企業と一体となった事業を展開している。また、これまで繋がりの薄かった4校が、
共同で小学生向けのイベントや、ワークショップを実施するなど、取組を地域全体に
広げる試みを推進している。
事業の概要
取 組 校
(体験的な学習や地域企業と連携を図った現場での長期間の実習など、実践的な教育活動を積極的に実施している事例)
専門高校における職業教育の実践例③
194
整備年度
平成16
平成17
平成18
平成19
平成19
平成20
広島工業
西条農業
福山工業
庄原実業
広島商業
尾道商業
・地域の高校生等に
拠点校設備公開 等
・他校への先端技術
等の提供
・中学校出前授業
等
・中学生の販売実習
等
等
動物科学棟建築
レーザー加工機整備
NC旋盤教育システム
園芸用温室及び実習棟建築
太陽光発電システム設置工事
販売実習室及び販売実習の
ための付属設備整備
販売促進実習のための模擬
オフィス等の整備
・工業高校生等対象
の技術講習会 等
センター的役割例
・動物バイオに係る
研修会 等
レーザー加工機整備
3次元測定器整備 等
整備内容
産業の高度化に対応した、専門性の習得
高度な資格取得
上級学校への進学
県内企業への人材供給
県内の職業教育のセンター的役割
学校名
○
○
○
○
○
●生涯にわたり学び続ける意欲をもったスペシャリストの育成
拠点校の目指す教育
見直しを行うとともに、最新の施設・設備を重点的に整備
のセンター的な機能を持たせるため、学科の改編を含めた教育内容の
ながら拠点校化し、普通科や総合学科も含めた本県における職業教育
農業・工業及び商業の各学科については、地域的なバランスを考慮し
●拠点校の整備
県立高等学校再編整備基本計画(関連部分)
専門高校の拠点校整備(広島県教育委員会)
目的
ダイビング(潜水)に関する基礎的な知識と技術についての指
導を行うことで、ダイビングの概要を理解させ、栽培漁業や海洋
環境等に生かす術を身に付けさせる。
2 内容
高等学校潜水検定3級(民間のBasic Diverクラス)の内容に
沿って実施。
3 使用施設・設備
茨城県立海洋高等学校所有の潜水プール、潜水機材等
1
●潜水実習(3年次)
目的
船と海に対する理解を深めさせるとともに、河川では実施でき
ないカッターを主とした実習を行うことにより集団の一員として
の協調性を養う。
2 内容
カッター、潜水、ロープワーク
3 使用施設・設備
茨城県立海洋高等学校所有のカッター、潜水プール、潜水機材等
1
●水産基礎の基礎実習(1年次)
茨城県の施設・設備を活用した馬頭高等学校の実習内容
連携の内容等
・ 全国でも有数の水深10メートルの潜水プールを整備。
科)及び専攻科を有する水産科単独校
・ 本科4クラス(海洋技術科、海洋食品科、海洋情報科、海洋工学
○茨城県立海洋高等学校
科との併設校
・ 全国唯一の淡水魚を主とした栽培漁業を行う水産科を有する普通
○栃木県立馬頭高等学校
連携校の現状
県を越えた同一学科の連携(栃木県と茨城県の水産高校)
専門高校における施設・設備等を効率的・効果的に活用している例
195
○ 1クラス35人前後、かつ、習熟度別の学級編制。1クラスに担任・副担任の2人の教員を配置し、生徒一人一人の個性・適正
を踏まえつつ、きめ細やかな指導を実施。
○ 編入学試験、編入学枠の設定など、高等学校等中退者向けの受入れ体制を構築。
(取組内容)
【武蔵野東技能高等専修学校】 東京都武蔵野市
○ スクールカウンセラーを配置し、生徒の学校生活における悩みや保護者からの相談に対応。
○ 一人一人の進路・目標を見据え、生徒の基礎学力の定着や技能修得(各種検定・資格試験)に向けた特別授業(「ダブルアッ
プ」)を実施(週1回)。
○ 「中学校で欠席が多かった」、「コミュニケーションが苦手」等の特徴をもつ生徒のために、生徒が学校の学習・生活の流れに
スムーズに乗れるよう、放課後学習・個別指導の場(「アップルーム」)を設置・常時開放し、サポートを実施。
(取組内容)
【岩谷学園高等専修学校】 神奈川県横浜市
・基礎クラス・・・1クラス25名∼30名の普通学級。学習の基礎的内容の復習から開始し、着実に基礎力を高める。
・学習開発クラス・・・1クラス16名∼20名の少人数で、基礎学習の定着を目標に、一つ一つの学習を丁寧に実施する。
・適応クラス・・・1クラス16名∼20名の少人数で、対人関係が苦手であったり、中学校時代欠席が多かった生徒が、基礎学習
から応用力まで力を伸ばすことを目標とする。
○ 「中学校時代欠席が多かった生徒や学習面でつまづきのある生徒を対象にした「適応コース」を設置。同コースにおいて、少
人数制の個々の状況・特徴に応じた多様なクラスを開設。
(取組内容)
【生蘭学園生蘭高等専修学校】 神奈川県綾瀬市
不登校や中途退学を経験している生徒等の受入れに
対応している専修学校高等課程の例
7
入学
男女共同参画の視点を踏まえたキャリア教育
基 礎 的 ・汎 用 的 能 力 の 育 成
正課教育
正課外教育
専 門 的 能 力 の育 成
後期中等教育と高等教育の連携
196
5
・就職説明会
・学内企業説明会
・キャリアセンターにおける進路・就職相談
一人一人のキャリア形成に応じた支援
・就職対策講座(PC、語学、ビジネスマナー等)
・資格対策講座
専門教育
専門分野の教育
入学から卒業までを見通したキャリア教育
専門教育
専門分野の教育
教育課程の中に位置付けられたキャリア教育
・自己分析・職業適性検査
・アドバイザーの配置
・履修指導
・補習授業
3
2
幅広い職業意識の形成に着目した授業科目
専門教育
入学前段階や入学初年次における
後期中等教育からの円滑な接続や学びへ
の意欲の向上のための教育上の配慮
1
6
高等教育段階におけるキャリア教育の取組
4
卒業
身に付けるべき能力の明確化と到達度の評価
正課外活動
︵
学生支援︶
197
卒業
2年次∼4年次
1年次(初年次)
入学前ガイダンス
入学決定
(例)嘉悦大学
参考URL:http://www.kaetsu.ac.jp/first ed.html
● これからの大学生活で積みたい経験を具体的に記入する「未来履歴書」の作成等から、自身の
人生経験を意識的に作りあげる「キャリアデザインの視点」を習得する。
● グループワークとPBL(ex. 学園祭での模擬店出店)を組み合わせた教育活動を行うことによっ
て、自らに不足している知識・スキルの認識や、2年次で移行する専門科目の学習に向け、大学
時代に習得すべき知識・スキルを明確にする。
● グループワークを効率的に推進していくための基礎的な技術(コーチング、ロジカルシンキング、
ディベート、プレゼンテーションなど)を習得する。
● 先輩や同級生とコミュニケーションすることを通じて、自らのキャリアデザインを具体的に描き、
大学時代に挑戦すべきこと、習得すべきことを明確にしていく。
1年次における通年必修の「基礎ゼミ」において、4年間の学生生活と、卒業後の自分を考え、大学
で学ぶ目的意識や、大学生活における具体的な目標を学生に持たせる一連のプログラムを実施。
● キャリアデザインの意識付け(アカデミックライフデザイン、アカデミックキャリアデザイン)
学生生活全般についての重要事項を学ぶとともに、大学で過ごす4年間をイメージする。また、
キャリア意識・開発の重要性を知り、カリキュラムやゼミナール、留学制度などについて理解を深め
ながら、大学生活について考えるきっかけを提供する。
● 人間関係構築のきっかけ
必修「基礎ゼミ」のクラス単位での新入生・担当教員の自己紹介や、新入生がクラブ紹介ブースや
専任教員ブースをラリー形式で個別に訪問し、先輩や教員と授業開始前に接する機会を提供。
大学からの一方向のガイダンスではなく、学生が能動的に参加する形式(体験型プログラム)を通し
て、学生生活を過ごすために必要な情報を伝達。
入学初年次において学生自身に学生生活と卒業後の自分を考えさせ、高等教育機関で学ぶことの目的意識を持た
せることなどにより、キャリア形成を行う基盤を培うための取組を実施。
【1】 入学前段階や入学初年次における後期中等教育からの円滑な接続や学びへの意欲の向上のための教育上の配慮
198
参考URL:http://www.shohoku.ac.jp/introduction/program_04.html
平成18年度より、連携高校の教員及び大学の全学科からの教職員が参加
する連携協議会を設置しており、高校教育の実情を深く理解した上で、短期
大学教育を最適化する取組を実施。
また、こうした取組も踏まえ、新
たに企業人も含めたリベラルアー
ツ教育研究会活動を準備中。人
材育成に対する要望や課題認識
の共有等を行い、教育改善につな
げていくための取組を行う。
●リベラルアーツ教育研究会の設置
そこで、平成19年度から、学生が高い目
標意識の下に学ぶための「動機付け」を行
うとともに、将来社会人として仕事をする上
でコミュニケーション能力が重要であること
を理解するため、連携高校の推薦入試合格
者を対象として、高校在学中に「コミュニ
ケーションリテラシー」を開講している。
企業・高校教員に対するアンケートの結果
も踏まえ、将来社会人・職業人として必要な
能力として、「コミュニケーション能力」が学
生に特に求められていると認識。
また、入学者の学力低下の背景として、大
学入学時の学ぶ意欲、学ぶ習慣が希薄で
あるという課題認識。また、早期に進学を決
定した高校生の学習意欲維持について、高
校教員との問題意識を共有。
(例)湘北短期大学
●コミュニケーションリテラシーの開講
入学者の学習意欲の醸成、学習習慣の確立のため、高大連携校の高校教員と組織した研究会を設置し、問題意識
の共有と解決策の検討を行い、大学での学習にスムーズに移行できるよう入学前教育を実施。
【1】 入学前段階や入学初年次における後期中等教育からの円滑な接続や学びへの意欲の向上のための教育上の配慮
199
キャリア支援室・就職課
学生生活支援室・学生生活課
教育企画室・教育企画課
FD/SD
大 学
組 織
専門教育の一環として開講される科目。
内容は教育組織ごとに異なるが、それぞれの分野
における専門的学問領域と社会のつながりについ
て考える機会を提供される内容となっている。
この科目を学ぶことを通じて、その専門分野を修
めることが自分にとって、また社会にとってどのよ
うな意味を持つのかを考える機会となる。
●「学問と社会」
キャリアポートフォリオ制度の
積極的な運用を通してキャリ
ア形成に向けた全学教職員
及び学生の参加を実現する。
教職員
CARIO
学 生
キャリアポートフォリオ(CARIO)を
中心とした人的ネットワーク
(例)筑波大学
学生が大学生活の記録を綴じ込むファイ
ル。入学時に全学生に配付され、各学生
が経験からの気付きを手書きで記録し、
集約する過程において、自己の外在化や
客観視、キャリアに関する情報の集約、
目標の設定や再検討・再構築の機能が
発揮されることが期待される。
●キャリアポートフォリオ(CARIO)
専門教育とキャリア教育の融合プログラム
全教育組織で必修の初年次教育科目。
新入生がスムーズに学生生活に入るた
めの指導、いわゆる受身の学習から主体
的自覚に基づく学問への転換等を目的と
した授業である。また、キャリアポートフォ
リオを使った授業プログラムも担当教員
の裁量において行われる。
●フレッシュマン・セミナー
キャリア形成のための力を身
に付ける全学対象科目。キャ
リアポートフォリオを使用し、
グループワークを導入してい
る。 就職活動の準備ではな
く、大学生活や、大学で学ぶ
専門領域が自分のキャリア
形成にとってどんな意味を持
つのか、ということを考えさせ、
年次進行に従って
・CDⅠ 「未来の自分」
・CDⅡ 「専門分野をもつとい
うことの意味」
・CDⅢ、Ⅳ 「仕事や社会と
の接点」
について学んでいく。
●キャリアデザイン(CD)Ⅰ∼Ⅳ
教育課程全体において、専門教育とキャリア教育の融合を目指して、社会人・職業人への移行期としての、大学生活を有意義
に過ごすための各種プログラムを展開することを通じて、教職員・学生の人的ネットワークの拡充・活用を推進。
【2】 教育課程の中に位置付けられたキャリア教育
200
【キャリアポートフォリオ(ワークシート) イメージ図】
キャリアポートフォリオは、卒業後を見据えて、 1年次から自立・自助的
に各自の可能性を広げる行動を開始することが求められること、一度描
いたキャリアデザインは時間とともに変化し、人生の節目ごとに描き直
す必要があることなどを念頭に設計されている。具体的には、社会に出
た後も自己成長型のキャリアデザインとキャリア形成を進めることがで
きるようにするため、自分史、自己実現目標などを記録するワークシー
トを用いて、随時それを各自の自己点検に活用することを習慣化するレ
ベルで身に付けさせ、目標への接近度や達成度を確認しながら次の行
動設計に反映させる力を育成する取組を行っている。
ポートフォリオシステムを活用して、正課内外における教育活動や、その達成度を記録し、自己点検評価を行う。また、自分の将来の
目標設定と、その達成に向けた具体的な行動目標設定、行動目標とその結果の明確化によるキャリアデザインの自己管理等を行う取
組を実施している。
(例)金沢工業大学
卒業後を見通したキャリアデザインに基づいたキャリア形成のため、入学時から各学年での学習成果を着実に積
み上げることで、卒業後の進路実現と共に社会人・職業人として必要な能力を自ら培っていく取組を実施。
【3】 入学から卒業までを見通したキャリア教育
201
【職業指導推進プログラム 全体スケジュール】
低年次から卒業後のビジョンを開かせるため、教育課
程早期からの職業指導推進プログラムを実施している。
1∼3年次での特別学級活動と、4 年次における校外実
習(インターンシップ)を有機的に結合させることによって、
高専本科教育の早期段階から総合的にキャリア教育を
推進し、確固たる職業観・倫理観を持たせることで、5 年
次の就職活動等につなげることを目的とした取組を実施
している。
プログラムの中では、企業人等を招いたセミナー等の
開催や、学校独自に教材(キャリアデザインワークブック)
や教員向けの指導マニュアルを作成し、それに基づいた
体系的なキャリア教育が行われている。
(例)阿南工業高等専門学校
参考URL:http://www.anan-nct.ac.jp/career_education/gp/index.html
【キャリアデザインワークブック 表紙、目次等(抜粋)】
入学時から卒業を見通してキャリア形成を行い、各学年での学習成果を着実に積み上げることで、卒業後の目標に
向けて社会人・職業人として必要な能力を自ら培っていく取組を実施。
【3】 入学から卒業までを見通したキャリア教育
202
⑦ IT能力
⑧ クリティカル思考
⑨ コンセプチュアルスキル
(問題発覚・提案・実行力)
⑩ 自己理解能力
② プレゼンテーション能力
③ ディスカッション能力
④ 国際感覚・多文化理解能力
⑤ 外国語運用能力
参考URL:http://www.tjk.ac.jp/student/index.php(10の底力) http://www.tjk.ac.jp/campus/syllabus.php(シラバス検索)
各授業科目で育成される「10の底力」は、マッピング表において学生に示されている。
シラバスについても、能力に対応した授業科目の検索が可能となるよう工夫がなされている。
⑥ 調査能力
① コミュニケーション能力
【卒業成長値を高める10の底力】
社会で必要とされる基礎力として、「10の底力」を設定し、
すべての授業科目でこれらのうちどの能力を育成できるか
を明確にした教育を行う取組を実施している。
また、授業や各種行事において学生の「底力」を高めるた
め、効果的な方法を学ぶFD・SD体制を充実させ、学生1名
に対して教員1名が履修計画や進路に関するアドバイスを
行うとともに、伸ばしたい「10の底力」がその学生のキャリ
アプランに合っているかどうか、キャリアカウンセラーが相
談に乗る体制を構築している。
セメスター終了ごとに学生と教員それぞれが能力の到達
度を評価し、レーダーチャートで示すことにより、学生は次
のセメスターの履修の参考にする。卒業時には、4年間で
の10の能力の成長度を学生に提示する。
(例)東京女学館大学
教育課程を編成・実施するにあたり、各授業科目及び教育課程全体を通じて学生にどのような能力をどの程度身に
付けさせるかを明確化。
【4】 身に付けるべき能力の明確化と到達度の評価
203
(3)初年次教育科目: (H21年度∼)
三重大学の教育目標の理解、学習の動機付け、学習
スキルや社会的スキルの獲得などを目的として、全
学を対象に「4つの力 スタートアップセミナー」を開発。
全体を通してPBLが導入されるとともに、各回の授業
では、プロジェクトと関連付けて、「4つの力」に関わる
テーマの講義・討論及びリフレクションシートやeポー
トフォリオを活用した修得能力の省察を実施。
参考URL:http://www.hedc.mie-u.ac.jp
(4)修学達成度評価システム: (H17年度∼)
アンケート調査の回答に基づいて、学生の
「4つの力」の評定値を算出する評価システ
ムを開発し、学習の省察(学生)及び教育の
達成度評価・改善(大学)に活用する取組を
継続的に実施。
(例)三重大学
学生の「4つの力」を育成することを教育目標として掲げ、その達成に向けた体制整備及び取組が教養・専門教育を通して実施されている。
【三重大学「4つの力」】
【具体的な取組等】
【「4つの力」及びその下位項目(構成要素)】
(1)PBL: (H17年度∼)
・「感じる力」:
問題発見解決型学習、能動的学習、
感性、共感、倫理観、モチベーション、主体
グループ学習、形成的評価などを特
的学習力、心身の健康に対する意識
徴とする授業スタイルは、4つの力の
・「考える力」:
育成に効果的かつ各授業における学
幅広い教養、専門知識・技術、論理的思考
習内容を変更することなく導入できる
力、批判的思考力、課題探求力、問題解
ことから、PBLを全学的に展開するこ
決力
とを目指したFDや支援プログラム等
・「コミュニケーション力」:
を継続的に実施。
情報受発信力、討論・対話力、指導力・協
調性、社会人としての態度、実践外国語力
(2)eラーニング: (H18年度∼)
・「生きる力」:
授業の効率化、学生間・学生と教員間のコミュニケー
感じる力、考える力、コミュニケーション力
ションの促進、ひいては「4つ
を総合した力
の力」の育成にも効果的であ
(第2期中期目標・中期計画(案)より抜粋)
るオープンソースの学習管理
支援システムMoodleをカスタ
「4つの力」は、「学士力」等の社会から求められている力との整合性も考
マイズし(「三重大学Moodle」)
慮され、知識・理解だけでなく、汎用的技能や態度・志向性とともに社会的
、全学的に展開することを目
能力等の総合的な能力も含むものとして設定されている。
指したFD等を継続的に実施。
教育課程を編成・実施するにあたり、各授業科目及び教育課程全体を通じて学生にどのような能力をどの程度身に
付けさせるかを明確化。
【4】 身に付けるべき能力の明確化と到達度の評価
204
<主な相談内容>
・将来のために何をしたらいいのかわからない
・自分に向いている職業が知りたい
・夢はあるが、実現は可能だろうか
・大学院に進学すべきか、就職すべきか迷っている
・なかなか内定を得られず自信をなくしている
・面接でうまく自己アピールできない
・自分の希望進路を家族に反対されている
など
●キャリア相談コーナー「キャリエール」の設置
キャリアカウンセラーや専門分野での職務経験のある
スタッフ等の専任担当者が常時配置され、入学後の
自己分析から職業選択・就職活動まで、キャリア形成
全般にわたる相談が可能な相談コーナー「キャリエー
ル」が開設されており、学生は個別にカウンセリングを
受けることができる。
キャリエールのスタッフは、3年生全員を対象とした個
別面接とグループ面接を行うなど、個別カウンセリン
グ以外にも学生への支援を行う機会を設けている。
(例)金城学院大学
●全教員によるアドバイザー制の導入
教員が学生と定期的に面談し、学習面、学生生活面
等を個別に支援するアドバイザー制をすべての学年
において導入している。アドバイザーは担当する学生
と定期的に面談し、学習面、学生生活面のみならず、
キャリア面での指導にもあたる。
例えば、個別の学生の状況に応じ、キャリア相談コー
ナーの利用を薦めるなど、学内の関係部局との連携
の起点にもなっており、学内の関係部局と連携して、
きめ細やかな支援を実施する体制を整えている。
個別
相談
連携
・教務担当
・学生生活担当
・就職担当
・キャリアアップ
講座事務室
学生支援部
職員組織
連携
4年生
21%
不明,
9%
3年生
60%
1年生, 4%
2年生 4%
参考URL:http://www.kinjo-u.ac.jp/gp/
大学院生
2%
1年生
2年生
3年生
4年生
大学院生
不明
キャリエールの学年別利用者割合(H18年度)
専任スタッフ(卒
業生かつキャリア
カウンセラー有資
格者)
キャリエール
連携
学生生活
指示・指導等 委員会
教員組織
全教員
(アドバイザー)
【キャリア相談コーナー(キャリエール)】
学生
一人一人
定期的な
面談
【個別学生支援 体制図概要】
学生支援など正課外活動を通じて、一人一人のキャリア形成に応じた個別支援を行う取組。入学段階から学生一人
一人のキャリア形成を支援するため、アドバイザーの配置やキャリアカウンセリングを行う取組を実施。
【5】 一人一人のキャリア形成に応じた支援
205
また、就職に際しては、担任及びキャリアセンター
の専任スタッフが、各学生に合う応募先の情報提供、
応募書類の書き方、面接試験対応など、幅広く相談
を受ける体制を整え、学生一人一人に合う業種・職
種・会社の紹介を行っている。
また、担任の教員との毎月の個別面談や日々のコ
ミュニケーションの中では、学生の考えや性格、能
力に応じたアドバイスが行われており、学生一人一
人に合った業種・職種の理解の促進や、将来に向
けて必要な技術の習得及び資格取得に向けての動
機付けなどの就職支援、生活指導や学習指導、悩
み相談にも個別に対応し、必要に応じて心理士によ
るカウンセリングも行っている。
授業「キャリアガイダンス」では、自己理解や自己分
析に重点を置きつつ、ヒューマンスキル等の向上を
目指した授業が行われ、キャリア形成・就職活動に
向けて分野を問わず必要な能力の育成が目指され
ている。
一つの専門分野を捉えても、対応する業種・職種は
様々であり、学生の適性、希望する業種・職種、技
術力は一人一人異なることを踏まえ、クラス担任と
キャリアセンターの専任スタッフが協働して、授業
「キャリアガイダンス」及び学生一人一人に対する個
別指導を行っている。
(例)名古屋工学院専門学校
クラス
企業
派遣
学生
一人一人
科目
担当
教員
参考URL:http://www.denpa.ac.jp/
クラス
担任
・企業実習
・事後の実習報告会
<インターンシップ>
授業
(各科目担当教員が担当)
・座学、実験、実習
・業界の技術動向 など
<技術教育>
・応募会社の紹介
・履歴書、エントリーシート
科の主任、科長
確認、指導
・就職試験指導
個別指導
・面接試験指導 など
個別支援
個別支援
学生
キャリアセンター
専任スタッフ
一人一人
②就職支援
(担任、及びカウンセラーが適宜担当)
・学生の性格、
能力の理解
・悩み相談
・アドバイス
<個別面談>
・クラス担任
・キャリアカウンセラー
個別支援
(週1回、担任、キャリアセンター
・クラス担任
専任スタッフが担当)
・キャリアセンター
【主な授業内容】
専任スタッフ
・ヒューマンスキル
・基礎学力向上
授業
・自己分析、理解
・社会人としての常識、マナー ・業界研究
・就職試験対策 など
<キャリアガイダンス>
①キャリア形成支援
学生支援など正課外活動を通じて、一人一人のキャリア形成に応じた個別支援を行う取組。入学段階から学生一人
一人のキャリア形成を支援するため、担任の配置やキャリアカウンセリングを行う取組を実施。
【5】 一人一人のキャリア形成に応じた支援
206
アカデメイア
大阪
2008年度
留学生の就職希望者(236名)の就職内定率
96.2%
「キャリア開発プログラム」を企画・運営し、学生のキャリア形成全般を支援・指導。
就職先企業・団体との交渉や情報交換、学生への情報提供、進路・就職に関する
個別相談等の就職支援を行う。
※ 2009年11月1日時点 留学生総数 : 2,856人 (学部:2,550人 大学院:306人)
全ての学生を対象に「進路意識調査アンケート」を実施し、それに基づき進路や履修に関する指導・相談を実施。
国際的な企業や団体のトップをなどの講演会や、OB・OGとの懇談会の開催により、大学ですべきことを理解さ
せる。
国内外企業・団体・自治体などで実務を体験する「インターンシップ」への参加を支援し、より目標を明確にする。
国内外企業・団体からの求人情報を提供。学生の希望やスキルを把握した上で、就職活動方法の指導や
個人面談により支援。
○学生のニーズに対応し、国内の企業・団体や海外を拠点とする国際企業での実務を体験。インターンシップ先は、大学と企業等が協
定を結び実施する「協定型」と学生が情報を入手して独自に行う「独自型」があり、一定の条件を満たした場合は単位を付与。
(2008年度は「協定型」において100人以上の学生が60企業・団体でインターンシップに参加。)
【3】インターンシップ・プログラムの実施(日本人学生と合同)
○企業・団体の人事担当者をキャンパスに招き、説明会や懇親会だけでなく採用試験や面接をキャンパス内で実施。
(2009年度 340社が来学実施)
【2】オンキャンパス・リクルーティングの実施(日本人学生と合同)
STEP3 1∼3回生
STEP4 3∼4回生
STEP1
1回生
STEP2 1∼2回生
【1】入学直後から取り組む「キャリア開発プログラム」の実施(日本人学生と合同)
首都圏・関西圏をサポート
(キャリアオフィスと連携)
東京
オフィス
APU
キャリア
オフィス
(例)立命館アジア太平洋大学
入学段階から卒業時まで学生一人一人のキャリア形成を支援するため、留学生・日本人学生合同で「キャリア開発
プログラム」等の取組を正課内・正課外活動として実施。
【5】 一人一人のキャリア形成に応じた支援
6 7 .5
3 2 .5
日 本 ロ ボ ッ ト 学 会
日 本 機 械 学 会
9 9
9 6 .7
9 8 .1
9 4 .4
9 5 .2
1
3 .3
1 .9
5 .6
4 .8
情 報 処 理 学 会
8 9 .9
8 9 .5
正会員
日 本 感 性 工 学 会
1 0 .0
学生会員
1 0 .5
正会員
女 子
男 子
【図 学会を構成する学生・技術者・研究者の男女構成比】
(各学会より資料提供)
● 女性の活躍が特に期待されている感性産業分野・日本感性工学会であっても、各学会
正会員数に対する女性の比率は高くはない。
● 学生(大学院生を含む)時代には当該分野の学習をしておきながら、正会員(研究開発
の仕事に従事しているものと考えられる)になる割合が低いことから、職業としては研究
開発職に就かない女子学生の比率が高いといえる。
0
2 0
4 0
6 0
8 0
学生会員
1 0 0
学生会員
1 2 0
正会員
男子学生と学ぶ男女共同参画:
男子学生にも、このようなロールモデルとなる女性
からの講義や交流を通じて、女性研究者・技術者に
期待される役割や、女性が様々なライフステージで
能力を発揮できるようにするために、男性が果たす
べき役割を、学生の間から理解させている。
正課外の取組:
本学の卒業生を含む、産業界で活躍している若手・
中堅・ベテランの各層からの女性研究者・技術者を
招いた講演会や、企業(研究開発の現場)の見学会
を開催し、女性研究者・技術者としての仕事・結婚・
出産・育児休暇後の仕事の継続方法等、様々なライ
フステージについての理解も深めつつ、各自のキャリ
アプランの設計方法について学ぶ取組を行っている。
2008年
36.2
14.5
9.7
(%)
2009年
37.6
14.7
10.9
参考URL:http://www.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/girls/index.html
【企業からのコメント】
● 「(性別に関係なく)優秀な学生を採用する」のが目的なので、 「女性の
採用目標」は設定していないが、結果的に技術系女性の採用比率が伸
びている。
● 女性比率についてはもう少しアップさせたいと考えているが、応募してく
る技術系女性の人数そのものが少ないこともあり、なかなか思うように
は向上していない。
【表 技術系女性採用者比率】(データは協力企業からの情報に基づく)
A社
B社
C社
2007年
27.5
11.5
10.2
技術系女性採用者比率
(参考2)情報通信産業における女性専門職の採用割合(実績)と採用側の希望
正課内の取組:
企業で活躍する女性研究者・技術者を講師とし
て招き、学部1∼3年次の女子学生を主たる対象
に、少人数のセミナー形式で、様々な研究開発事
例や技術課題の取組を紹介する授業を行ってい
る。こういった取組の紹介を通じて、大学で学ぶ科
学技術の基礎と産業界でのその応用の関係を認
識させるとともに、女性研究者・技術者に期待され
る役割を認識させる。
このような具体的事例を題材とした課題演習やP
BLに取り組むことにより、学生がより具体的に、
科学技術の基礎の理解とその産業応用との関係
を理解するととともに、ロールモデルとなる女性と
の身近で密な交流を通して、学生が自分自身の
キャリアを意識した積極的なキャリア形成を行い、
専門家への志向を強化する取組を行っている。
学生会員
(参考1)感性産業・情報通信産業における男女共同参画の現状
【WISE Chuo 概要図】
(例)中央大学
女性の多様なキャリアを意識したキャリア教育や、卒業生等の社会で活躍する女性に接する機会を設けるなどの取
組を、正課内外において実施。
【6】女性の多様なキャリアを意識した取組
正会員
207
208
「キャリア・デザインⅠ・Ⅱ」(2年次前期・後期)
ゲストスピーカーとして前期は卒業生、後期は卒業生に限らず社会で
活躍する女性を講師として招き、講師からの講話及び学生と講師との
対話を行う。教員は授業のコーディネート役として参加する。
対話後に学生は講師への「お礼の手紙」を書く。
「人生・職業・社会Ⅰ・Ⅱ」(1年次前期・後期)
人生・職業・社会の現実を知ること及びそれに自分がどう関わっていく
かを考えることを目的とした授業。
予めウェブ上の講義ビデオの内容に関する400字の作文を書いて授
業に臨み、授業では各自の作文を基に、3人組での討論(三角(参画)
討論)及び全体討論を行う。
<具体的な取組例>
職業キャリア導入教育科目の「人生・職業・社会」、「キャリアデザイン」
において、授業方法を工夫し、学生の意識と能力の向上に努めている。
専門教育も含めて、大学の4年間の学習を、女子高度教養教育とし
て構築する改革の中で、女子学生の「キャリア(人生)形成」と「男女共
同参画社会の実現」を目指す取組を行っている。
具体的には、社会の中で女性が置かれている状況の理解のための
授業や、女性の多様なキャリアを意識させるための授業科目(「女性
学・ジェンダー論」等)を開設する取組を行っているほか、現代社会で
活躍する女性に求められる基礎力を養成する女子専門の高等教育機
関として、女子学生のキャリア意識・ジェンダー意識の向上、知的実践
能力の向上、実践的コミュニケーション能力の向上を目指す「女子高
度教養教育」の実現を図るなど、社会人・職業人としての自立に向け
た能力育成を重視し、大学教育の中に位置付ける取組を行っている。
(例)福岡女子大学
参考URL:http://www.fwu.ac.jp/gendaiGP/index.html
福岡女子大学の特色
①あらゆる機会を捉えてキャリア教育を行う。
②学問キャリア導入教育と職業キャリア導入教育を
学生教育の両輪とする。
③読み書き討論能力を重視し養成する。
女性の多様なキャリアを意識したキャリア教育や、卒業生等の社会で活躍する女性に接する機会を設けるなどの取
組を、正課内外において実施。
【6】女性の多様なキャリアを意識した取組
209
具体的には、自己診断テストの実施、ワークショップにおける職業人との交流、
専修学校における職業体験学習等の機会を体系的に提供することなどにより、
高校生が多様な進路の中から自分の興味や資質、適性に基づく進路選択を行
うことができるよう支援を行っている。
高校側としては、提供することが困難または調整が大変な点について専修学校
が持つリソースを活用した教育ができ、また、専修学校側としては、職業意識の
高い生徒の入学が期待される等、連携によるメリットが生まれてきている。
大阪府では、高等学校のキャリア教育・職業教育の充実に向けた取組(大阪版
「職業アセスメント・プログラム」)の実施に当たり、自治体・教育委員会・専修学
校団体、民間団体の連携の下、専修学校のリソース(教職以外の職業経験を持
つ社会人、業界で使用される設備、就職支援のノウハウなど)を活用した公立・
私立の高校1年生対象の事業が進められている。
(例)大阪府の取組
キャリア教育の取組は大学においてのみ行われるものではなく、小学校時代から
発達段階に応じて取組を積み重ねることが必要という認識の下、キャリア教育の観
点から初等中等教育と高等教育との連携を促進する取組を行っている。
具体的には、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会と連携し、小・中・高等学校教
員を対象とした「キャリア教育入門−キャリアカウンセリング研修−」を平成17年度
から開催している。
研修の対象を教員とすることにより、その背後に存在する大多数の児童・生徒に働
きかけられること、また、中学校・高等学校の教員に対しては、卒業生のフォロー
アップという意味での有効性が期待される。
研修プログラムには、キャリア教育の必要性やその実践方法、キャリアカウンセリ
ングを用いた生徒・児童への個別的な対応方法、大学におけるキャリア形成支援
の実情といった内容について講義と実習を交えて実施している。
(例)関西大学
8
11
2
小学校
2005年度
11
12
18
7
中学校
2006年度
17
10
6
高等学校
24
28
5
2008年度
26
養護学校
2007年度
7
32
参考URL:
http://www.osaka-senkaku.or.jp/education/index.html
◇事業の対象
モデル高校10校(府立高校、私立高校)
の高校1年生(約2,600名)
◇事業の目標
このプログラムを通じて、生徒が自己理解、
自己肯定感、主体性、社会とのつながりへ
の意識、勉学等の意欲、などを高めること。
大阪版「職業アセスメント・プログラム」の対象と目標
0
5
10
15
20
25
30
35
【キャリアカウンセリング研修 参加者数の推移】
(人)
高等教育機関が有するリソースを活用して、後期中等教育の充実に資する取組や、高等学校が専修学校と連携し
て効果的なキャリア教育を促進する取組。
【7】 後期中等教育と高等教育の連携
210
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
単位:人
100,000
11
52,472
[76,229]
12
50,033
[84,086]
13
49,953
[89,770]
大学院
14
44,458
[89,374]
9,907
[9,907]
15
42,455
[88,352]
10,606
[11,152]
16
42,808
[88,877]
6,400
[7,073]
17
43,464
[89,389]
7,065
[7,857]
18
40,487
[85,091]
6,255
[7,141]
19
40,438
[83,126]
5,425
[6,296]
20
37,830
[79,056]
5,033
[5,913]
21
38,861
[78,069]
5,008
[5,832]
うち当該年度の入学者(学部)
在学者(学部)
うち当該年度の入学者(大学院)
在学者(大学院)
40歳代
18,292人
23.1%
年齢
∼19歳
4,082人
5.2%
30歳代
19,784人
25.0%
20歳代
11,997人
15.2%
50歳代
1,563人
26.4%
60歳∼
1,057人
17.9%
年齢
30歳代
1,163人
19.7%
40歳代
1,774人
30.0%
20歳代
356人
6.0%
〔大学院文化科学研究科〕
50歳代
13,050人
16.5%
60歳∼
11,851人
15.0%
〔教養学部〕
他大学
の学生
43人 1%
職業
会社員等
1,286人
22%
農業等
個人・自由業
20人 0.3%
391人
7%
アルバイト・
パート
323人 5%
822人
14%
その他
531人
9%
公務員
1,090人
18%
教員
1,407人
24%
農業等
420人
1%
個人・自由業
3,652人
5%
アルバイ 他大学の
ト・パート 学生
6,402人 7,438人
9%
8%
職業
会社員等
13,759人
17%
その他 教員
6,001人 4,324人 公務員
5% 6,755人
8%
9%
(主婦を含む)
無職
看護師等
14,799人
19%
無職
(主婦を
含む)
15,556人
19%
○ 放送大学・大学院の入学者・在学者数の推移(毎年度2学期の数) ○ 学生の属性(平成20年度第2学期)
国民にとって身近な放送メディアを活用し、社会人等に対する大学教育の機会の提供を目的として、昭和58年に放送大学が設
置され、昭和60年4月から関東地域において授業を開始した。平成10年にはCS放送による全国放送を開始し、平成13年4月に大
学院文化科学研究科が設置され、平成14年4月から学生受入れを行っている。(平成23年からは、BSデジタル放送による授業を
開始予定)
【放送大学】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
211
科目名
キ
科目群
リ
ア
・
ス
キ
ル
科
目
群
キ
ャ
リ
ア
基
盤
科
目
群
<西生田キャンパス>
●展開科目
●各学科基本・専門科目
<目白キャンパス>
●教養科目
●各学科専門科目
科目名
初級
IT
リテ ラシー 上級A
科目
上級B
英語特訓B-2
英語特訓A-2
英語
特訓科目 英語特訓B-1
英語特訓A-1
キャリア開発論Ⅰ(無単位)
科目群
選択
必修
必修
必修
必修
リ
ア
形
成
科
目
群
キ
科 目群
科目名
インターンシップ
ライフス テージ と法
国際ボランティア論
産業の実情と働き方Ⅰ(ファッション産業)
産業の実情と働き方Ⅰ(流 通産業)
現代ビジネスと起業
NPOとNGO
公認内部監査 人準備講座Ⅱ
公認内部監査 人準備講座Ⅰ
消費生活アドバイザー準備講 座Ⅱ
消費生活アドバイザー準備講 座Ⅰ
労 働保険と社会保険
(社会保険労務 士準備講座)
現代企業と人的資源 管理
< (株)千代田テクノル寄付講座>
地 球環境とエネルギー産業
金融リテ ラシー
税法入門
企業会計入門
選択英語(ビジネス英語Ⅱ )
キャリア開発論 Ⅱ
【リカレント教育課程 カリキュラム一覧(2008∼2009)】
選択
選択
必修
○プログラム構成
・書類審査および簡単な英語とPC入力速度のテスト
・キャリア開発論Ⅰおよび必修科目7科目、選択必修科目7
科目の合計14科目(28単位)の修了とインターンシップの
実施
・当課程修了者限定の求人情報を載せたウェブサイトによる
再就職の斡旋(就職希望者の就職率100%(非常勤含む))
○対象者:4年制大学を卒業して就職後、一旦離職し、職業への
復帰を望む女性(年間60名(各学期30人入学))
○期 間:1年間(315時間必修)
大学卒業後就職し、育児や夫の転勤、進路変更などで離職し
た女性に、再就職に必要な英語、ITスキル、ビジネス知識を習
得させるリカレント教育の実施と、再就職先を斡旋する取組
【日本女子大学】
ャ
○講座終了後の対応
受講者は、講義・実習の成果を「ブラッシュアップノート」に記し、
学習記録として累積する。プログラム終了後、これを総合的に評
価し、出席要件等を満たした者に修了証を授与。
また、受講修了者に対しては、市で募集する非常勤の保育士
や派遣会社等の就職に関する関連情報を提供している。
○実施体制
市の保育担当部署の職員、幼稚園・保育園関係者、ボランティ
ア団体、商工会議所、人材派遣会社等を構成員とした協力会議
を設置。また、学内に「再チャレンジ学習支援サポートセンター」
を設け、専任教員(平成20年度は25名)と事務職員を配置。
○プログラム構成
大学の教員による理論的背景を持つ講義及び現場で保育を
実践している保育関係者による講義、学校の保有する保育施設
(子育て支援センター)における実習、により構成
・専門知識・技術のブラッシュアップ(8回)
(例)子どもの生活習慣の指導、子どもの発達と保育 等
・様々な保育現場の理解(3回)
(例)市の保育の状況、保育ボランティアの仕事 等
・子育て支援センター(保育施設)での実習(4回)
○期間 : 合計22.5時間(全15回×1.5h)
子育てから手の離れた女性や、保育士資格または幼稚園教諭
免許状の取得者を対象に、実践的な短期集中講座を提供し、
再就職やボランティア等の社会参加を支援する取組
【聖徳大学】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
ャ
212
○受講後の状況
履修証明書を発行
(既に家庭裁判所より
後見人として数件
選任され始めている
状況)
○実施体制
大学教員、実務家
(司法書士、弁護士
NPO法人等)、
市民、事務局、
運営サポーター等
○受講者
年齢:平均60歳前後
男女比:男4、女6
○プログラム構成
基礎講座(15時間)→審査→地域資源の把握活動(30時間)
→ 実務講座(18時間)→審査→体験活動(60時間)→審査
→ 講義(3時間)→修了
○対象者:一般中高年、親族後見人、学生、法人等
○期 間:126時間(約10か月)
金融・住宅・医療など後見業務に関連する業界を退職した元気
なシニア、介護や子育ての経験を持つ主婦を主な対象に、市
民後見人養成講座を実施するとともに、福祉型信託の概念を
活用し、修了者の後見活動を総合的に支援する取組
【東京大学・筑波大学】
※HPS「ホスピタル・プレイ・スペシャリスト」とは、遊びを用いて
病児を支援する専門職
○実施体制・・・他大学(外部講師)や実習先として病院等と連携
○講座終了後
養成講座修了者には、学校教育法および静岡県立大学短期
大学部学則に基づく履修証明書及び、HPS Japan資格認定
書を交付
(離職している修了生の約64%が再就職)
○プログラム構成
① 現在の小児医療の現状とコメディカルスタッフの役割について
② HPSが病児の治療にかかわる理念、目的、方法などの学び
③ 発達年齢に応じた遊びの展開と技術に関する演習
④ 個別の遊びプログラムの策定や、地域に対する働きなど今後
の方向性に関する学び
⑤ HPS実習
○期 間:30日間(原則1時限90分、1日5限)
○対象者:保育士または看護師の資格を有し、保育または医療
現場等で実務経験があり、現在離職中であること。
実習を含め、全日程を受講できること。(10人程度)
離職している保育士または看護師に、ホスピタル・プレイ・スペ
シャリスト(以下HPS)の理念、役割や技術を教授し、「子ども
の福祉」の視点から病児を理解し、支援することのできる高い
能力を持ったコメディカルスタッフとしてのHPSを養成する取組
【静岡県立大学短期大学部】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
213
○修了者の状況
平成20年度修了者については、自己啓発、資格受験の者、再
就職活動中の者が多い。平成19年度修了者には、CAD利用技
術者2級資格に合格した者、市役所(建築職)に経験者採用枠で
採用された者もいる。
○実施体制
明石高専教員、職員、非常勤講師、ティーチング・アシスタント
ハローワークとの連携
○講座終了後
履修証明書の発行
○プログラム構成
①初心者コース・・・基本操作、作図練習、編集練習等
全15回、各回1.5時間、総計22.5時間
②経験者コース・・・作図実習、課題作成、試験対策等
全15回、各回2時間、総計30時間
○講座対象
①初心者コース・・・CADソフトの使用経験はないが、コンピュー
タに関する基礎知識を有し、一般的なワープ
ロや表計算ソフト等の操作が可能な女性
②経験者コース・・・大学、短期大学または高等専門学校等の機
械・建築・土木系の学科を卒業した女性、ある
いは企業等でCADの実務経験がある女性
企業等に就職した後、結婚・出産等の事情により、一旦家庭に
入った女性を対象に①これまでCADを操作した経験はない女
性を対象とした初心者コースと②CAD技能の再習得をめざし
た経験者コースにより女性の社会復帰を実現しようとする取組
【明石工業高等専門学校】
現場復帰を阻んでいるものとして、次のことが判明
①ブランクにより技術力低下に対する不安
②求人や研修などの情報不足
③労働環境(通勤や託児所の問題)、雇用条件(勤務時間、
有給休暇)への不安
○講座終了後
必須講座修了者に講座独自の履修証明書の発行
「就職指導講座」: 必須講座
「キャリアカウンセリング」:自己分析、ビジネスコミュニケーシ
ョンスキル分析、アピールポイント及び志望動機の構築、面接
指導等 24h
○プログラム構成
「技術指導講座」:「カット」については必須講座、他の技術講座
「パーマ」、「ヘアカラー」、「メイクアップ」、「ネイル」については
希望制
①「カット」:ベーシックテクニック 30h
②「パーマ」:各種ワインディング技法、ピンパーマ技法等 12h
③「ヘアカラー」:ベーシックテクニック及びホイルワーク等 12h
④「メイクアップ」:ベーステクニック及びパーツレッスン
24h
⑤「ネイル」:ベーシックケアカラーとジェルネイル 24h
○期 間:4ヶ月間
(必須受講講座時間数 54時間(3時間×18日))
出産、子育てなどで一時職を離れた女性美容師に対し、カット、
パーマ、ヘアカラーなどの「技術指導」と共に、キャリアカウンセ
リングを基本とした「就職指導」を行い、美容師としての再就職
を支援する取組
【国際ビューティモード専門学校】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
214
○実施体制
専門学校教職員の他、講座実施においては会計事務所や
民間企業と連携
○講座終了後
学校独自の修了証書の発行
「製菓理論と製菓実習」
・・・製菓に必要な調理器具の説明、衛生に関する知識等を
基礎から学ぶカリキュラム
「コンピュータ実習」
・・・Word、Excelの操作を基礎から学習
「経営実践と原価管理」
・・・マーケティング戦略の基礎を学習
○プログラム構成
①カリキュラムの開発
150日間、合計450時間に及ぶ講義のカリキュラムを構築
「製菓理論」:6時間、「製菓実習」:150時間、「コンピュータ実
習」:135時間、「経営実践」:60時間、「原価管理」:90時間、
「店舗見学」:9時間
②実証講座
7ヶ月(150日間)実施
「製菓理論と製菓実習」、「コンピュータ実習」、「経営実践と原
価管理」の3分野について、実践的な内容を体系的に教育。
「簿記」に関する講義では、簿記検定試験3級に向けた勉強も
導入。
失業者、フリーターやニートなどを対象に、夜間の時間を活用し
て『スイーツショップ』起業に向けての技術と知識の習得を目的
としたプログラムの開発と実証講座を行う取組
【関西健康・製菓専門学校】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
215
○実施体制
プログラムに対する客観的評価や改善のための意見をもらう
目的に、(独)メディア教育開発センター、商工会議所、民間企業
の委員で構成されたアドバイザリーボードを設置
○講座終了後
修了証書の授与
○プログラム構成
「講義&演習」、「グループ演習」により12科目で構成。
学習内容は、中堅・中小の現場で活躍する人材像から「実務的な
視点」を意識。グループワークを通じた交流など、多様な企業から
参加する受講生間の交流に配慮。
○期 間:1年間(週1回、水曜(全45回)1.5時間)
○対象者:関東圏の主に中堅企業/中小企業に勤務する次世代
の企業経営を担う社会人(平成20年度実績17名修了)
関東圏の中堅企業/中小企業に勤務する35歳前後の社会人
が技術経営(MOT)を学び、自社における経営層へのキャリア
アップを図るための学習機会を提供する取組
【東京工業大学】
○実施体制
学校運営組織、商工会議所、日本アパレル産業協会(福岡)
○講座終了後
履修証明書、修了証書の授与
○受講生の状況等
・初級講座・・・受講生は企業関係者(過半数以上)、学生等
学習時間は、現場の仕事を続けながら、最終的
にアパレル業界へのトラバーユができるよう、
夜間に設定
・中級講座・・・受講生は、企業関係者(過半数)、教育関係者等
土曜講座と日曜講座を比較すると、日曜講座の
方が出席率が高く、土曜は職場の都合で欠席
せざるを得ない状況が多い
・上級講座・・・受講生は企業関係者、教育関係者等
上級プログラムは、中級プログラムを修了して
いることが受講の条件
○プログラム構成
立体裁断・CAD・平面パターンの3講座に上級・中級・初級の
レベルを設置
・初級講座(4月∼2月)・・・30回講座(夜間)
・中級講座(4月∼9月)・・・10回講座(土曜、日曜)
・上級講座(10月∼2月)・・・6回講座(日曜、CADのみ10回)
アパレル産業従事者とニート・フリーター・再就職希望者を対象
とした再チャレンジ支援のための教育プログラム。同時に「市
場の変化に適応する高度な技術」に資する取組として、人材能
力の向上化、活性化を図る取組
【香蘭女子短期大学】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
216
HHDDLL設設計計基基礎礎ココーースス
基 礎 設 計 全 2コ ー ス
修 了 者 は 受 講 可 能
組組込込みみ系系デディィジジタタルルシシスステテムム開開発発ココーーススBB
○講座終了後
履修証明の発行
○期 間:
・設計基礎A、B: 講義実習12時間(1日3時間×2回+1日
6時間)+eラーニング学習18時間
・応用開発A: 講義実習12時間(1日4時間×3回)+eラーニ
ング学習18時間
・応用開発B: 講義実習24時間(1日6時間×4回)+eラーニ
ング学習16時間)
※eラーニングにより自宅等でも受講、テスト、演習が可能
受 講 者 の 必 要 な コー スを受 講 可 能
組組込込みみ系系ソソフフトトウウェェアア設設計計基基礎礎ココーースス
基 礎 設 計 コー ス
基 礎 設 計 全 2コ ー ス 修 了 に 相 当
す る能 力 を持 つ 者 も受 講 可 能
組組込込みみ系系デディィジジタタルルシシスステテムム開開発発ココーーススAA
応 用 開 発 コー ス
○プログラム構成
・組込み系ソフトウェア設計基礎コース(設計基礎A)
・ハードウェア記述言語(HDL)設計基礎コース(設計基礎B)
・組込み系ディジタルシステム開発コースA(応用開発A)
・組込み系ディジタルシステム開発コースB(応用開発B)
キャリアアップを考えているハードウェア設計技術者や組込み
系ソフトウェア技術者、これから組込み系業界へ就職・転職を
目指す工学系学校卒業者等を対象に組込み系ディジタルシス
テム設計技術を習得することを目的とする取組
【仙台電波工業高等専門学校】
実施委員会(10名)
事業実施協力専修学校
社会人教育等協力機関
普及講演会開催
事業実施協力専修学校
社会人教育等協力機関
成果報告会開催
リスクマネジメントWG部会(5名)
調査・研究活動
専門経理WG部会(5名)
東京分科会(6名)
再チャレンジ講座A
統括1名ほか3名
群馬分科会(6名)
再チャレンジ講座B
事業事務局
(分科会等代表委員)
有識者委員<前橋>(5名) 合同分科会(6名) 有識者委員<東京>(5名)
キャリアカウンセラー(前橋)
○実施体制
・社会人向けに「公開講座」を30講座開講
150時間の教育体系から90時間を開講(1講座3時間)
講座の効果測定として、経理・財務スキル検定を活用
○プログラム構成
・教育プログラムの開発(教材の編集:150時間分)
<PART1 実践経理>
経理の基本、経理業務の基礎、財務会計の概要(主な勘定
科目)、管理会計の基礎、計算実務、IT経理実務、税務会計
(電子申告)、決算事務(決算の作り方・読み方)
<PART2 経営管理>
経営管理(専門知識)ガイダンス、経理財務サービススキル
スタンダードの紹介、財務管理&債権管理、経済金融&リス
ク管理、戦略財務&会計基準(管理会計の要点)、企業会計
&財務統制(統制と制御「内部統制」)の各編
再就職を目指す社会人(若年早期離職者)向けに『実践型経理
人材』の高度人材を育成する教育プログラムを構築して、再
チャレンジを目指した就業を支援する取組
【中央情報経理専門学校】
学校から社会・職業へ生活が移行した後の学習者に対する支援
217
(8) 実施条件 : ・ 勤務日数 週4日(1日7時間30分勤務、週30時間)
・ 賃金 日給 5,400円 (※通勤手当は別途支給要領により支給。その他手当なし。)
(7) 実施会場 : 県立高校、県立特別支援学校
(6) 実施規模 : 採用予定人員 200人程度
(5) 実施期間 : 平成22年4月1日∼9月30日(6か月間) (※任期途中で就職が決定した場合などはこの限りではない。)
※各種の業務経験
県立高校の事務補助、「情報」や「家庭」などの授業における実習の業務補助、県立特別支援学校の事業等における業務補助
・ 新規高卒未就職者を県立学校の業務補助員及び事務補助員として採用し、各種の業務経験(※)を積む。
勤務日以外の週1日は、就職活動として就職支援プログラム(セミナー・スキルアップ講座等全13回)を実施。
(4) 実施内容・実施期間
(3) 対象者 : ① 平成22年3月 県内の高等学校卒業者(卒業予定者を含む)
② 就職を希望し応募時点で未内定の者
(2) 目的 : ① 社会人・職業人としての必要な知識、技能、態度の習得を図る。
② 新規高卒者の就職促進を目指す。
(1) 実施機関 : 宮城県教育庁高校教育課
【取組例】 新規高卒未就職者対策事業 「トライアル22」
● 職業学科を設置する高等学校等の実習補助など教育機関における雇用機会の創出
進路が決まっていない新規高等学校卒業者に対し、
教育機関を活用して職業教育の場を提供している例
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< 同 時開 講>
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メ ン タ ー 教 育
○プログラム構成
・自己理解(心理テスト(TPI)を活用した自己理解ワーク)
・グループワークによるコミュニケーション能力開発講座
(心理的に安全な「場」を構築するワーク、業界分析、社会
人として必要な基本知識とスキルの修得、野外における協
働・コミュニケーションの実践型体験学習)
・インターンシップ(協働型・体験型)
(社会との関わりを段階的に拡げていくプログラムの実施)
・フォローアップ・プログラム
自身の行動や意識の変化を共有し、自身のアクションプラン
を策定
○対象者:大学卒業後、現在仕事をしていない者(14名程度)
(特に自己肯定感や対人関係に課題を抱える者を対象)
○期 間:約半年(教育プログラム(4ヶ月)、就職支援(2ヶ月∼))
就職の希望を持ちながら大学卒業時に無業であった若年者に
対して、大学のキャリア開発科目を体系化した「コミュニケー
ション能力開発プログラム」の提供及びキャリアコンサルタント
による就職相談などの支援を行う取組
【武蔵野大学】
レベルチェックテスト
OS(Windows XP)の基本操作
ワード・エクセルの基本操作
全10コマ
・パソコン基礎技能
認定試験
・ビジネスマナー
・就職活動支援
企業経理士認定
・職場見学実習(職場体験)
・ビジネスコンプライアンス
第3ターム 再就職準備
レベルチェックテスト
・経理実務(日常経理、月次、年次決算業務、労務関連、税務など)
・勘定奉行オペレーション
全15コマ
第2ターム 経理実務入門講座
簿記の基礎知識
各勘定科目の解説
決算処理
全25コマ
・経理の基礎知識(簿記3級レベル)
第1ターム 経理基礎知識習得
経理実務者養成プログラムの流れ
ジョブカード
への記載、
面接時のマ
ナー等と社
会人としての
心構えの指
導支援も実
施。
独自のテキ
スト・カリキュ
ラムの編成
○プログラム構成
・第1ターム:簿記3級レベルの知識と経理業務に必要なパ
ソコンソフト(ワード、エクセル)の基本操作の修得
・第2ターム:会社の業務フローに基づく経理実務の学習、
実際に使われている会計ソフトの使用
・第3ターム:職場見学実習による現場実務の把握。コンプ
ライアンス、ビジネスマナーについての学習。
○対象者:経理職種を希望して、就業中断からの復帰を目指す
女性や、ニート・フリーター等の定職を持たない若年
者層(25名)
○期 間:6ヶ月間
経験重視の採用が中心である中で、専門職として求められる
即戦力としての経理スキルを体系的に修得できる独自の教育
プログラムの提供及び就職支援を行う取組
【東京富士大学短期大学部】
中途退学者や無業者などのキャリア形成のための支援
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218
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219
心理テスト
⇒ バッテリー組
面接
(大分大学の協力)
コース選択
書道
PC基礎
自分表現
自立支援カウンセラー
Ⅲ学習慣科
Ⅱ進学科(府内学園)
数学
英語
国語
(2)介護調理コース(大分豊の梅園企業組合)
PCエクセル
PCワード
製菓=普通食
製菓=介護食
(1)簿記コース(田北学園)
PCエクセル
PCワード
簿記
販売士
平成19年度実
施
平成18年度実
施
Ⅰ就職科
キャリアカウンセラー
短大・専門
体験入学
調理
服飾
ビジネス
パソコン事務
調理
病院
心理テスト
効果の検証
⇒ 効果の検証
心理テスト
⇒ 効果の検証
心理テスト
デュアル先
グリーンコープ
心理テスト
作業内容
パソコン入力 ⇒ 効果の検証
商品発送準備
配送補助
⇒
就職
食品・製造業
他の就職対策講座
文科省
厚労省
大分県
就職
学園進路指導主任 進学
短期大学
専門学校
キャリアカウンセラー
キャリアカウンセラー 就職
一般企業
※CS検定:コンピュータサービス技能評価試験のこと。
○関係団体との連携
大分大学、大分県、ハローワーク、大分県社会福祉士会、大分県
商工会議所、大分青年会議所、NPO団体による連絡協議会
を構成し、各種支援を実施。
(ex.支援を要する若者の紹介、臨床心理士の派遣、就職支援など)
ニート
フリーター
平成20年度 ○プログラム構成
①対人関係に苦手意識を持たない商業系統の就職希望者
→ 簿記コース(販売士、簿記3級、CS検定3級・2級)
②対人関係が苦手で、生活の糧となる技術を身につけたい者
→ 製菓コース
③スキルアップと高い理想を持つ者
→ 進学科(国語、数学、英語、その他=入試対策)
高卒認定試験、短大・専門学校入試を視野
④長いニート生活で学習に慣れていない者
→ PC基礎、書道、自分表現(演劇)講座
※受講履歴はジョブカードに記載
○対象者:18∼35歳程度の定職・学籍を持たない若者(約40名)
進学及び就職といった目的別の講座の実施と、NPOなどの関
連団体と連携した受講者のケア及び就職支援を行う取組
【府内学園】
中途退学者や無業者などのキャリア形成のための支援
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本人・保護者
個人情報提供
の承諾
公立中学校
情報提供
市町村教育委員会
(高等学校課)
高知県教育委員会
こうち若者
サポートステーション
氏名、生年月日
住所、連絡先 等
情報提供
【情報の一元化】
(生涯学習課)
高知県教育委員会
高知県教育委員会
アプローチ
(支援のスタート)
相談
高等専門学校
私立高等学校
本人・保護者
個人情報提供
の承諾
国公立高等学校
特別支援学校
情報提供
高知市教育委員会
(高等学校課、特別支援教育課)
情報提供
高等学校等中途退学後
進学も就職もしない者
(出典) 高知県教育委員会ホームページ(http://www.pref.kochi.lg.jp/ syakai/shohgai/jigyou/2-1-1.html)等より作成
アプローチ
(支援のスタート)
相談
国・私立
中学校
情報提供
中学校卒業後
進学も就職もしない者
● 中学校卒業時、高等学校等中途退学時に、進学も就職もしない者に対し、学校教育からの切れ目のない支援を
行うために、対象者の情報を一元化するための関係機関の情報ネットワーク組織(「若者はばたけネット」)を、高
知県教育委員会が中心となって構築。
学校・教育委員会と地域若者サポートステーションが連携している例
∼ 高知県 「若者はばたけネット」 ∼
221
○平成22年3月12日に設置された常設コーナー
○蔵書数 数800冊
○蔵書のテーマ 全26種
職業紹介、業界情報、メンタルヘルス、ビジネスマナー、
面接小論文対策、資格取得 など
○「働く気持ち応援セミナー」の開催(地域の雇用創出に関しての講演)
など、関連イベントも実施している。
(ホームページより )
鳥取県立図書館では、現在の不況や厳しい雇用問題でお困りの県民の皆様を
サポートするため、新しく「働く気持ち応援コーナー」を開設しました。
労働問題、資格取得、ビジネスマナー、業界情報、就職・転職、研修・講習会案
内、求人情報、メンタルケア等、関係する各分野の図書やパンフレットを一ヶ所
にまとめて配架し、必要な情報をワンストップで提供します。
(出典) 広島県立図書館ホームページ(http://www.hplibra.pref.hiroshima.jp/)等より作成
○ヤングアダルト向けに、
職業体験記などが書か
れたwebページや関連
コーナーを作成。
○webページ「図書館はあなたの就職活動を応援します」を設置し、図書館内にある
関係資料の一覧や就職支援機関へのリンク集を作成。 (平成22年3月24日現在)
広島県立図書館 「図書館はあなたの就職活動を応援します」
(出典) 鳥取県立図書館ホームページ(http://www.library.pref.tottori.jp/index.html)等より作成
鳥取県立図書館 働く気持ち応援コーナー
図書館において職業に関する情報を提供している例
222
(出典) 大阪キャリア教育支援ステーションHP (http://www.career-osaka.jp/index.html) より作成
会長
・大阪商工会議所
副会長 ・大阪府教育委員会 ・大阪市教育委員会
理事
・大阪府都市教育長協議会
・大阪府町村教育長会
・大阪私立中学校高等学校連合会
・大阪府PTA協議会 ・大阪市PTA協議会
・財団法人大阪労働協会 ・NPO法人Jaee
・社団法人関西経済連合会
・社団法人関西経済同友会
・関西経営者協会 ・大阪商工会議所
顧問
・大阪府 ・大阪市 ・社団法人関西経済連合会
・社団法人関西経済同友会 ・関西経営者協会
オブザーバー
・近畿経済産業局 ・大阪労働局
・(独)雇用・能力開発機構大阪センター
【役員等団体・機関】
大阪キャリア教育支援拠点運営協議会
◇ 教育現場に役立つ学外からの支援
( 社会人講師の派遣、施設見学、職場見学、職場体験学習・インターンシップなどの受入先の紹介、キャリアカウンセラーの派遣 )
◇ 教員の知識・技能の向上への支援
( 教員研修の支援、教員の企業研修先の紹介 )
◇ 大阪独自のキャリア教育プログラム・教材の開発
( 小・中・高一貫した全体モデルづくりへの支援、独自の個別プログラム・教材の開発、全国・海外の情報収集と紹介 )
◇ キャリア教育についての調査、研究への支援、協力
( 実践プログラムの効果検証、キャリア教育に関する研究への協力 )
◇ 保護者、地域社会、産業界に対する啓発
( キャリア教育の意義・効果についての理解促進、キャリア教育の支援活動への参画促進 )
活動内容
● 教育現場のニーズ、要望に応え、学校外からの支援、協力をワンストップで提供。
● キャリア教育に関する調査、研究への協力、社会的気運の醸成など、大阪におけるキャリア教育の推進を各方面から支援。
協議会等の設置により、キャリア教育・職業教育を円滑に進めている例 ①
∼ 大阪キャリア教育支援ステーション ∼
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校
○ 放課後の学習支援
○ 体験活動の充実
○ 子どもの学びを深める授業づくり
学
① 依頼・相談
③ 提案等
○ 体験活動の支援
○ 専門的な知識・技能の提供
(出前授業・見学受け入れ等)
地域の人々
企業・団体
NPO 等
② 問い合わせ
(出典) 滋賀県教育委員会 「しが学習支援センター」 リーフレット等より作成
学校支援
⑤ 打ち合わせ
④ 紹介
(滋賀県教育委員会内に設置)
しが学校支援センター
◇ 学校支援ディレクターの配置
( 学校と支援者をコーディネート … 「学校支援メニュー」一覧の作成(情報収集・発信)、相談・助言・調査 )
◇ 「しが学校支援センター」連絡会の開催 (支援者間の情報交換、ネットワークづくり)
◇ 「学校支援メニューフェア」の開催
( 企業・団体などが教員に対して出前授業や見学受入等を行うメニューを紹介 )
◇ 学校と地域を結ぶコーディネート担当者の新任研修を開催
( 子どもたちが豊かな体験活動を通して学習できるよう、地域との連携を進める教員の養成 )
◇ 学校支援地域本部事業との連携
活動内容
●地域の人々や企業・団体・NPO等(支援者)が学校を支援する仕組みづくりの推進
協議会等の設置により、キャリア教育・職業教育を円滑に進めている例 ②
∼ しが学校支援センター ∼
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