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薩摩川内市教育振興基本計画 案

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薩摩川内市教育振興基本計画 案
薩 摩 川 内 市 教 育 振 興 基 本 計 画○
案
( 平 成 27 年 度 ~ 平 成 31 年 度 )
~
ふるさとを愛し
心豊かにたくましく生きる
薩摩川内のひとづくり
平 成 27 年 3 月
薩摩川内市教育委員会
~
薩摩川内市民憲章
美しい自然と,古い歴史を誇りとする
わたしたち薩摩川内市民は,
やさしくすれば,心はかよう。
はなしをすれば,だれでもわかる。
考えさえすれば,みちはひらける。
やりさえすれば,かならずできる。
という信条をもって
明るく豊かなまちをつくります。
薩摩川内市民が,こぞって明るく豊かなまちづくりを目指し,
市民一人
ひとりが生活指標として愛していただきたいとの願いをこめて
います。
平成17年1月1日
制定
薩摩川内市教育振興基本計画 目次
薩摩川内市教育振興基本計画
~ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる 薩摩川内のひとづくり~
目
次
はじめに
第1章
1
2
3
計画策定の趣旨
・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・
2
・・・・・・・・・・・・・・・・
2
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4
・・・・・・・・・・・・・・・・
6
・・・・・・・・・・・・・・・・
8
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
9
10
計画策定の背景と趣旨
計画の位置づけと性格
計画の期間
第2章
薩摩川内市の教育をめぐる現状と課題
Ⅰ
薩摩川内市の現状と課題
Ⅱ
学校教育における現状と課題
1
2
児童生徒数の推移と学校規模
学力と学習の状況
⑴
学力の状況
⑵
学習の状況
3
児童生徒の規範意識といじめ・不登校等
⑴
規範意識
⑵
いじめの状況
⑶
不登校の状況
⑷
問題行動等の状況
4
児童生徒の基本的生活習慣と健康・体力
⑴
基本的生活習慣
⑵
児童生徒の健康
⑶
児童生徒の体力・運動能力
⑷
児童生徒の安全確保
5
6
就学指導・特別支援教育
幼児教育
⑴
市立幼稚園の園児数と幼稚園規模
⑵
教育内容と方法
⑶
子育て支援
(目次)
-1-
薩摩川内市教育振興基本計画 目次
7
8
食育
学校給食
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
11
11
・・・・・・・・・・・・・・・・
12
・・・・・・・・・・・・・・・・
13
・・・・・・・・・・・・・・・・
14
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
15
16
・・・・・・・・・・・・・・・・
17
Ⅳ
・・・・・・・・・・・・・・・・
18
Ⅴ
・・・・・・・・・・・・・・・・
19
・・・・・・・・・・・・・・・・
22
⑴
学校給食における現状と課題
⑵
学校給食における地産地消
9
教育環境の整備
⑴
校舎等
⑵
教材・教具
10
保護者への経済的支援
⑴
就学援助等
⑵
奨学育英事業等
Ⅲ
社会教育・生涯学習における現状と課題
1 青少年
⑴
青少年の健全育成
⑵
「少年自然の家」での青少年活動
2
3
家庭と地域の教育力
生涯学習
⑴
学習活動
⑵
生涯学習環境
⑶
人材育成
4
図書館運営,読書活動
文化・芸術面における現状と課題
1 芸術文化・地域文化活動
2 文化財
スポーツ面における現状と課題
1 生涯スポーツ
2
3
第3章
競技スポーツ
スポーツ施設
薩摩川内市がめざす教育の姿
薩摩川内市教育振興基本計画の体系
(目次)
-2-
薩摩川内市教育振興基本計画 目次
第4章
今後の5年間に取り組むべき施策
Ⅰ 未来をたくましく生きる力を育む教育の推進
1 小中一貫教育の推進
⑴
市全域における「小中一貫教育」の推進
⑵
英語力の向上
⑶
ふるさと教育の推進
⑷
教職員の資質向上
・・・・・・・・・・・・・・・・
研修会の充実と学校への個別指導の徹底
イ
県内外の教育先進地及び教育機関等での教職員研修
2
ア
知・徳・体の調和のとれた生きる力を育む教育の推進・・・・・・・・・・・・
⑴
25
27
確かな学力の育成
ア
学力向上と学習の充実
イ
個に応じた特別支援教育の充実
ウ
ICT利活用の推進と充実
⑵
心の教育の推進
ア
いじめ問題や不登校への適切な対応
イ
「命を大切にする心を育む」道徳教育の充実
⑶
たくましい体の育成
ア
学校・家庭・地域が一体となった体力向上の推進と充実
イ
「食」に関する指導を中心とした基本的生活習慣の確立
ウ
歯と口腔の健康づくりの推進
エ
学校給食の充実
オ
児童生徒の安全確保
⑷
3
幼・保・小連携による幼児教育の充実
教育環境の充実
・・・・・・・・・・・・・・・・
⑴
学校の再編等
⑵
教具・教材及びICT関連設備の整備
⑶
開かれた学校づくり
⑷
保護者への経済的支援
ア
就学援助の充実
イ
奨学資金制度等の周知と積極的な活用の推進
Ⅱ
地域全体で子どもを守り育てる環境整備
1 地域の教育力の向上
2 指導者の指導力向上
3 総合的なネットワークの連携強化
(目次)
-3-
30
・・・・・・・・・・・・・・・・
32
薩摩川内市教育振興基本計画 目次
Ⅲ
学び活かす生涯学習
1 生涯学習の展開とネットワーク化
2 生涯学習を進めるコーディネート機能の充実
3 家庭の教育力の向上
・・・・・・・・
34
Ⅳ
・・・・・・・・
36
・・・・・・・・・・・・・・・・
38
・・・・・・・・・・・・・・・・
38
・・・・・・・・・・・・・・・・
39
・・・・・・・・・・・・・・・・
40
・・・・・・・・・・・・・・・
41
誇りと愛着のある地域文化の保存・継承・活用
1 文化財等の保存・継承・活用
2 文化活動の推進
⑴ 文化・芸術活動を発表する場の提供
⑵ 地域文化の継承・発展
Ⅴ
スポーツ活動を楽しむ環境整備
1 生涯スポーツの推進
⑴ スポーツ機会の提供
⑵ 生涯にわたるスポーツライフの支援
⑶ 生涯スポーツ推進体制の充実
⑷ スポーツ推進委員による地域スポーツの推進
2 競技スポーツの振興
⑴ 競技スポーツ推進体制の充実
⑵ スポーツ選手の育成及び指導者の養成
⑶ 大会出場者への支援
3 スポーツ環境の充実
⑴ スポーツ施設の充実
⑵ スポーツ施設の利用促進
⑶ 学校体育施設の利用促進
⑷ スポーツ情報の発信
4 スポーツ振興による地域の活性化
⑴ スポーツイベントによる地域活性化
⑵
⑶
スポーツ合宿による地域活性化
ボランティアの養成
第5章
計画の推進と目標の実現に向けて
1 学校・家庭・地域社会の連携及び役割
2 教育委員会(行政)の役割
資
料
編
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(目次)
-4-
薩摩川内市教育振興基本計画 第1章
第1章
計画策定の趣旨
1 計画策定の背景と趣旨
薩摩川内市教育委員会では、教育基本法第17条第2項の規定に基づき、薩摩川内市教
育方針の実現に寄与することを目的とし、教育委員会に関連する施策全体を網羅した計画
である薩摩川内市教育振興基本計画前期計画(計画期間:平成22年度から平成26年度)
を平成22年10月に策定し、計画の進捗状況や成果を点検しながら、計画的に教育行政
の運営に努めてきました。
一方、国においては、現在の教育を取り巻く環境の変化や東日本大震災からの教訓を踏
まえて、平成25年6月に第2期教育振興基本計画を策定しました。また、鹿児島県にお
いても、第1期の教育振興基本計画が平成26年3月で終了することから、社会情勢の変
化に対応した第2期鹿児島県教育振興基本計画が策定されました。
この間、少子・高齢化の進行、人口減少社会の到来、市民ニーズの多様化、厳しい財政
状況など、本市を取り巻く社会情勢は大きな転換機を迎えています。こうした、情勢の変
化に的確に対応するため、市民と市が一体となって、これまで築いた環境を土台として、
更に地域特性を生かした活力と魅力あるまちづくりに取組む計画として、新たに第2次薩
摩川内市総合計画が策定されます。
このような状況に適切に対応するために、国や県の第2期計画の内容を参酌し、第2次
薩摩川内市総合計画の教育の振興に関する分野について、詳細な方向性を示し、取組に対
する目標を設定するなど、市民に対しても分かりやすく、実効性のある計画として、薩摩
川内市教育振興計画後期計画を策定しました。
2 計画の位置づけと性格
この計画は、教育基本法第17条第2項の規定に基づき策定するものであり、教育、学
術及び文化の振興に関する総合的な施策の方針の位置づけとします。
3 計画の期間
計画の期間は、
「第2次薩摩川内市総合計画前期基本計画」との整合性を図るため、平成
27年度から平成31年度までの5年間とします。
H22
H23
H24
H25
教育振興基本計画(国)
H27
H28
H29
H30
第2期計画
鹿児島県教育振興基本計画
薩摩川内市総合計画
H26
第2期計画
第1次総合計画下期基本計画
薩摩川内市教育振興基本計画
かき
前期計画
第2次総合計画前期基本計画
かき
-1-
後期計画
H31
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
第2章
Ⅰ
薩摩川内市の教育をめぐる現状と課題
薩摩川内市の現状と課題
本市の人口は、今後も減少し、10年後の平成37年には9万人を割り込む水準まで減
少すると予測されています。また、人口構造は、年少人口、生産年齢人口の割合が減少す
る一方で、老年人口の割合は一貫して増加し、平成37年には32.7%とほぼ3人に1
人となり、更に少子・高齢化が進行していくことが予想されています。
今後も、地域活動への参加促進や生涯学習の充実、健康で生き生きと暮らすための仕組
みづくり、地域の資源や個性を生かした魅力あるまちづくりを進めていくことが求められ
ています。
一方、グローバル化の進展などにより世界全体が急速に変化するなかにあって、地域の
活力を維持・向上させていくためには、その担い手となる人材の確保・育成が不可欠です。
そのため、地域を拠点に様々な産業分野で活動し挑戦する人材や、地域活動等に新たに取
り組む人材を確保・育成していく必要があります。
ソフト面において、本市のコミュニティ・集落活動については、平成17年度に市内48
地区において地区コミュニティ協議会が組織され、各地区の自然・文化・人材などの地域
資源を生かしながら、地区住民の創意工夫による地域課題の解決を図るため、各地区にお
いて「地区振興計画」を策定されるなど地域力を育むまちづくりが展開されてきました。
その結果、地域資源等を活用した交流事業やコミュニティビジネス等に取り組む協議会が
増加傾向にあるほか、NPO法人など他団体等と連携して事業に取り組む活動も一部で見
られるようになっています。
また、ハード面においては、教育施設も含め、公共施設の老朽化対策が課題になってい
ます。今後も、公共施設維持管理に要する経費が増大することが見込まれ、効率的な公共
施設の維持について計画的に進める必要があります。
さ つ ま せんだい びと
ついては、薩摩川内人をキャッチフレーズに、活力と豊かさを感じる地域づくり、地場
産業の振興、安心・快適なまちづくりの推進、まちづくりを担う人材・組織の育成といっ
た次世代の礎となる戦略テーマに果敢に挑戦し、地域力を育み、都市力を開花させるため
の更なる発展施策を、積極的に展開していく必要があります。
-2-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
Ⅱ
学校教育における現状と課題
1 児童生徒数の推移と学校規模
少子化は本市においても顕著な傾向を見せており、平成26年度の市立小・中学校の
児童生徒数は合わせて8,304人、この10年間で1,346人減少しています。
特に、市街周辺部や甑島地域においては、小中学校の極小規模校化が進み、教育活動
が十分にできにくい学校が多くなってきました。
本市においては、児童生徒に豊かな人間性や社会性、確かな学力などを身につけさせ
るとともに、児童生徒同士による学び合い、磨き高め合うことができる教育環境を整え
るために平成22年12月に「薩摩川内市立小・中学校の再編等に関する基本方針」を
策定しました。
この基本方針に基づき、保護者や地域住民の熟慮の末、小学校10校、中学校1校(中
学校1校休校)が閉校しました。
しかしながら、今後の児童生徒の推移をみると、児童生徒総数はほぼ横ばいであるも
のの、市街周辺部や甑島地域では、減少に歯止めがかからない見込みとなっています。
こうしたことから、地域の実情を踏まえつつ、児童生徒にとって望ましい学校規模等
を引き続き検討する必要があります。
児童数の推移
生徒数の推移
6,400
4,000
6,200
3,500
3,000
6,000
2,500
5,800
2,000
5,600
1,500
5,400
1,000
5,200
500
5,000
0
H16
H18
H20
H22
H24
H26
H28
H30
H32
H16
H18
H20
H22
H24
H26
H28
H30
H32
※H26 までは、各年の5月1日現在。
H28 以降は、平成 26 年 5 月 1 日現在の見込み。 (資料:学校教育課)
-3-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
2 学力と学習の状況
⑴
学力の状況
本市児童生徒の学力の状況について、平成26年に行われた3つの学力調査から小
学校6年生・中学校3年生の結果をもとに説明します。
まず、平成26年1月に実施された鹿児島学習定着度調査(小学校5年生と中学校
2年生が対象)においては、小学校5年生(平成26年度は小学校6年生)は、3つ
の教科(社会・算数・理科)で県平均を上回っています。国語でやや県平均を下回っ
ている状況があります。
中学校2年生(平成26年度は中学校3年生)は、国語で県平均を上回っています
が、それ以外の4つの教科(社会・数学・理科・英語)で県平均をいくらか下回って
おり、学力の定着を図る必要があります。
鹿児島学習定着度調査〔平成26年1月実施〕
(正答率)
小学校5年生(現6年生)
(正答率)
中学校2年生(現3年生)
次に、平成26年4月に実施した標準学力検査〔NRT〕
(小学校1年生を除く全て
の児童生徒が対象)において、小学校6年生は、4教科(国語・社会・算数・理科)
全てにおいて全国平均偏差値50に到達していることから、先に述べた鹿児島学習定
着度の調査結果と同様、おおむね満足できる学力がついています。
中学校3年生は、僅かながら、全ての教科(国語・社会・数学・理科・英語)にお
いて全国平均偏差値50に到達しておらず、鹿児島学習定着度の調査結果と同様、中
学校の学力向上が課題です。
標準学力検査〔平成26年4月実施〕
(偏差値)
小学校6年生
(偏差値)
-4-
中学校3年生
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
さらに、平成26年4月に実施された全国学力・学習状況調査(小学校6年生・中
学校3年生が対象)の結果においては、小学校6年生は、国語・算数共に県・全国よ
りやや下回りましたが、中学校3年生は数学において、県平均を上回りました。
具体的には、基礎的・基本的な内容の知識・理解はおおむね満足できるとしても、小・
中学校共に、学んだことを生活や日常の場面に活用する力については課題があり、思
考力、判断力、表現力等をさらに高めていく必要があります。
全国学力・学習状況調査〔平成26年4月実施〕
小学校6年生
(正答率)
中学校3年生
(正答率)
これらの調査結果から、本市の課題は「中学校の学力をさらに向上させること」
「思
考力・判断力・表現力等の活用する力を身につけさせること」が挙げられます。
特に、思考力・判断力・表現力等は問題解決能力の中核をなし、これからますます
激しくなる社会の変化に対応するために必要不可欠な力です。
学校では、各教科において、児童生徒が主体的に学ぶ問題解決的な学習を展開する
中で、教師が話す時間をできるだけ少なくし、児童生徒に十分考えさせ、話し合わせ
発表させたり、自分の考えを分かりやすく書いたりするといった言語活動を、さらに
充実していく必要があります。
⑵
学習の状況
本市の小学6年生は、国語や算数(数学)の学習が分かると感じていますが、好き
と感じている児童生徒は多くないようです。さらに、中学3年生は、発表の内容や方
法を工夫したり、学習したことを生活で活用したりすることが十分ではないようです。
そこで、日々の授業においては、児童生徒同士がお互いの考えを発表し合う授業を展
開するとともに、家庭と連携を図り、
「学年×10分+30分以上」を目標に、学年の
発達段階に応じた家庭学習ができるようにしていく必要があります。
また、本市の児童生徒は、読書好きが多いと言えますが、さらに読書についても充
実していくことが大切です。
-5-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
どちらかと言えば当てはまる
当てはまる
小学校6年生
中学校3年生
(資料:平成26年度全国学力・学習状況調査より
学校教育課)
A
国語が好き
C
考えを発表する
E
算数(数学)が好き
G
生活で活用する
B
国語が分かる
D
読書が好き
F
算数(数学)が分かる
H
家庭学習時間(1時間未満)
3 児童生徒の規範意識といじめ・不登校等
⑴
規範意識
本市の児童生徒は、
「平成26年度全国学力・学習状況調査」の結果から、友達との
約束を大事にし、いじめはしないという強い意志のもと、人の気持ちがわかる人にな
りたいと考える児童生徒が多いことがわかります。また、
「きまりを守る」や「約束を
守る」等の割合が小中学生とも高く、基本的な規範意識は育っていると考えられます。
一方、人の役に立ちたいという思いを持っている割合が、中学生は小学生と比べる
と若干(0.6ポイント)下がっています。今後は、ボランティア活動等をとおして
人に親切にできる自分や人の役に立てる自分に気付かせ、自己肯定感、自己有用感を
高めることが大切です。
児童生徒の規範意識等に関する質問
項
目
単位(%)
小学校
中学校
きまりを守る
93.1
94.9
約束を守る
96.7
97.7
人の気持ちがわかる人になる
95.3
95.6
いじめはいけない
97.1
96.0
人の役に立ちたい
95.2
94.6
(資料:平成26年度全国学力・学習状況調査より
-6-
学校教育課)
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
⑵
いじめの状況
各小・中学校では毎月1日に「薩摩川内いじめのない学校づくりの日」を設定し、
アンケート調査を行っており、学校に行くことが楽しいと感じている児童生徒の割合
は毎月9割を越えています。
また、各校では県や市のいじめに関するアンケートの調査結果や教育相談等を通し
て、
“いじめを一件でも多く発見し一件でも多く解消する”よう努めていくことが重要
であるとの認識で取り組んでいます。いじめの認知件数としては減少傾向にあり、未
然防止や早期発見・対応については一定の成果があると言えます。今後は、さらに組
織体制の強化・連携を図ることや、表面に見えにくいネットいじめへの対応が課題で
す。
今後も児童生徒が互いを認め合い、授業や学校行事に主体的に参加し、喜びを味
わえるような学校環境づくりをめざしていくことが大切です。
いじめの発生件数
区 分
(単位:件)
H24
小学校
中学校
計
H25
1488
193
1468
H26
(1 学期
末)
246
125
371
186
77
263
※
文部科学省の『いじめ』の定義
いじめとは、「当該児童生徒と一定の人間
関係にある者が行う心理的または物理的な
影響を与える行為(インターネットを通じて
行われるものを含む)であって、当該児童生
徒が精神的な苦痛を感じているもの。
」
(資料:学校教育課)
(3)
不登校の状況
本市の不登校の出現率は、平成25年度で小学校0.09%(国:0.36%
0.26%)中学校1.57%(国:2.69%
県:
県2.85%)となっており、
国や県に比べると低い状況にあります。小中一貫教育など、小学校と中学校が連携
を深めたことにより、中学1年生の不登校生徒数も減少する傾向が見られます。
しかしながら、不登校で悩んだり、心の教室や適応指導教室に通ったりしている
児童生徒もいるため、保護者とも連携を図り、個別の支援計画等を作成しながら、
学校復帰に向けての段階的な指導を継続することが求められます。
不登校児童生徒数
区 分
小学生
中学生
計
(単位:上段・人、下段・%)
H21
H22
9
0.15
64
2.15
73
0.82
H23
7
0.12
55
1.90
62
0.71
H24
5
0.09
54
1.86
59
0.68
H25
9
0.15
41
1.48
50
0.59
5
0.09
44
1.57
49
0.58
(資料:学校教育課)
-7-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
⑷
問題行動等の状況
平成25年度の本市の小・中学生による生徒指導に関する問題行動は、生徒間暴力
が1件となっています。他の問題行動(深夜徘徊や喫煙等)も年々減少しており、比
較的に落ち着いた状況で学校生活や家庭生活を送っていると考えられます。
今後も、子供たちが大きな夢や希望を抱き、よりよい自分をめざして成長できるよ
う家庭や関係機関との連携を図りながら地域ぐるみで見守っていくことが大切です。
スマートフォンをはじめとする情報端末機に係るトラブルから問題行動につながるこ
とが今後増加するのではないかと懸念されるため、実態に応じた指導や保護者への啓
発が必要です。
4 児童生徒の基本的生活習慣と健康・体力
⑴
基本的生活習慣
本市の児童生徒は、平成26年4月に実施された全国学力・学習状況調査の結果か
ら、毎日朝食を摂る児童生徒が、小学校では97.0%、中学校では95.7%とな
っています。
また、起床時間について、毎日同じくらいの時刻に起きている児童生徒が、小学校
では91.7%、中学校では91.9%となっています。
今後は、家庭学習時間を確実に確保することや、テレビゲーム・携帯電話の使用に
ついてルール作りを行うなど、学校と家庭が一体となって「早寝・早起き・朝ごはん・
笑顔であいさつ・お手伝い」の推進をより一層強化していく必要があります。
⑵
児童生徒の健康
近年の地球温暖化現象による夏季の高温対策は、児童生徒の健康を保持する上で大
変重要な課題となっています。各学校では、児童生徒に水筒を持参させ適宜水分を補
給させたり、熱中症計の整備やミストシャワーを設置したりするなど、熱中症予防の
ための対策を講じていますが、高温下で運動をする際の配慮や、行事開催時の適切な
対応など、今後より一層児童生徒の健康に十分留意した取組を行う必要があります。
また、本市の児童生徒のむし歯の本数(DMFT指数)は、県平均や全国平均を上
回っている状況があり、学齢期のむし歯予防対策は喫緊の課題となっています。さら
に、むし歯のない子供と多い子供、また、積極的に治療を行っている子供と家庭の状
況などにより治療が十分行えていない子供などの二極化が深刻な問題となっています。
そこで、できるだけ全ての児童生徒に対して、むし歯を予防する機会を平等に設け
るために、科学的根拠に基づく有効性や安全性に最も優れた「フッ化物洗口」を、学
校で推進していく必要があります。
⑶
児童生徒の体力・運動能力
本市の児童生徒の体力・運動能力の状況は、過去5年ほぼ横這い状況ですが、ボー
ル投げ、50m走で全国平均以上の力を持っています。また、小学生に比べ中学生の
方が、全体的に高くなっています。しかし、小・中学生とも、長座体前屈や上体起こ
し(柔軟性)、反復横とび(敏捷性)においては全国平均を下回っています。
また、「H25 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」から、小学校5年生で、毎日
-8-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
運動する子供が45%、あまり運動をしないという子供が22%おり、運動する子と
しない子の二極化も進んできています。
そこで、今後も、児童生徒の実態や地域の実情に応じた一校一運動の取組を継続し
て行うことや、体育学習の中で、体を動かすことの楽しさや喜びを味わわせながら運
動に親しませ、柔軟性や敏捷性を培っていくことが必要となっています。
運動実施状況(H25 全国体力・運動能力調査結果)
小学校5年男女
ほとんど毎日
時 々
ときたま
しない
全国
46.4%
36.1%
11.7%
6.0%
鹿児島県
47.8%
32.9%
11.3%
8.1%
薩摩川内市
45.0%
33.6%
12.6%
8.9%
ほとんど毎日
時 々
ときたま
しない
全国
71.9%
9.1%
8.8%
10.3%
鹿児島県
70.8%
9.8%
9.3%
10.2%
薩摩川内市
70.8%
9.0%
10.2%
10.1%
中学校2年男女
⑷
児童生徒の安全確保
各学校では,毎年度当初に教職員・保護者・地域住民等が連携して校区の危険箇所
点検を行い、安全マップを作成しています。そして、この安全マップを用いて、児童
生徒の発達段階に応じて具体的に事故防止や安全に関する指導を行ったり、保護者や
地域住民への啓発資料として活用しています。
また、本市においては、各学校の危険箇所点検結果をもとに、道路管理者や地元警
察署、さらに保護者や学校関係者の代表も交えた「通学路安全推進会議」を開催し、
交通事故防止に向けた具体的な対応策を検討・実施しています。
なお、不審者事案については、近年増加する傾向にあることから、警察や地域のボ
ランティア団体,保護者などと一層連携を強め事故防止等に努めるとともに、地域が
一体となって児童生徒を見守る体制づくりが必要となっています。
5 就学指導・特別支援教育
本市では、特別支援学級に在籍する児童生徒の割合は年々増加傾向にあります。また、
通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等の傾向のある児童生徒は一般的に
全体の6%程度存在するといわれていますが、本市では、平成25年度、3%程度の2
49人の児童生徒が在籍しています。そのうち、支援員を必要としている児童が77人、
生徒が12人となっており、28人の特別教育支援員を小学校15校、中学校4校の計
19校に配置し、きめ細かな指導や支援に努めています。障害の重複化・重症化に伴い、
特別支援教育支援員の配置を要望する学校も年々増加してきています。
今後も各学校の特別支援教育コーディネーターを中心に、全職員の共通理解のもと、
-9-
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
支援や指導を組織的に行うために、よりいっそうの支援体制を整えることが必要となっ
ています。
LD
・・・・・・・・・・・・知的発達に遅れはないが,聞く,話す,読むなどの能力のうち,特定のものの習得と使用に
著しい困難を示す状態
ADHD ・・・・・・・・注意欠陥/多動性障害。年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力,または,衝動性,多動性を
特徴とする行動の障害で,社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもの。
特別支援学級の在籍者数とLD・ADHD等の児童生徒数 (単位:人,学級)
特別支援学級
区
分
全児童生徒数
LD・ADHD等
全学級数
在籍者数
割合(%)
学級数
在籍者数
割合(%)
H23
8,699
434
152
1.7
50
164
1.9
H24
8,455
404
152
1.8
48
232
2.7
H25
8,363
389
163
1.9
49
249
3.0
※LD・ADHDの割合は,通常学級に在籍する児童生徒の人数をもとに算出
市障害児就学審議会の判断における就学先と児童生徒数
(単位:人)
区分
特別支援学校
特別支援学級
通常学級
経過観察等
合
計
H23
12
57
77
41
187
H24
15
72
65
36
188
H25
8
51
82
45
186
(資料:学校教育課)
6 幼児教育
⑴
市立幼稚園の園児数と幼稚園規模
本市における平成26年5月現在の3~5歳の人口は2、844人となっており、
そのうち16.4%が本市立幼稚園に就園(26.1%は私立幼稚園、48.4%は
保育園等)しています。
園児数の減少に伴い、平成17年度は20園あった市立幼稚園を段階的に統廃合し
て平成27年度には12園(予定)とし、幼稚園の適正規模化を図っています。
⑵
教育内容と方法
現在、各市立幼稚園の実態に応じて、3、4、5歳児が一つの学級で生活するという
異年齢集団による活動や、地域住民とのふれあいを重視した交流活動など、各園でさまざ
まな工夫を凝らした教育が展開されています。また、小学校と連絡会等を行ったり、行事
を合同で実施したりするなどの幼小連携も行っています。今後、より一層、子供の小
学校への円滑な接続を図るなど、教育内容や方法を充実させる必要があります。
⑶
子育て支援
甑島地域においては、民間の保育園(所)がないため、地域の要望に応え、平成
21年度から幼稚園施設を利用した預かり保育を実施しています。
全市的には、年々減少を続け、平成24年度には0人となっていた保育所の待機児
童数が、平成25年度から再び増加傾向に転じていることから、平成27年4月から
- 10 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
の子供・子育て支援新制度の下、保育園(所)との連携を図りながら、子育て支援に
係る取組を今後さらに推進していくことが課題として挙げられます。
7 食育
児童生徒を取り巻く生活環境の急激な変化に伴い、外食する家庭や朝食を摂らない児
童生徒の増加、栄養の偏った食事などの食習慣の乱れから、肥満や生活習慣病の増加が
心配されています。
本市でも、朝食を摂らない児童生徒の割合は、県・全国に比べて少ない状況ではあり
ますが、外食や間食、偏食等の食習慣の乱れが指摘されています。また、食物アレルギ
ーのある児童生徒も約3%となっています。
そこで、学校では給食の時間や家庭科の時間、ふるさと・コミュニケーション科など
で、栄養教諭を活用した「食」に関する指導や農業・漁業体験を取り入れた学習を行い、
児童生徒への食に関する指導の充実を図っています。
また、食物アレルギーのある児童生徒については、学校生活管理指導表の保護者提出
を必須とし、全職員で共通理解を図りながら、保護者と連携して対応しています。
朝食欠食の割合(朝食を「毎日は食べていない」割合)
H24
H25
H26
小学校(本市)
4.7%
3.9%
3.0%
小学校(全国)
3.9%
3.7%
3.9%
中学校(本市)
5.7%
4.4%
4.4%
中学校(全国)
6.4%
6.2%
6.5%
8 学校給食
⑴ 学校給食における現状と課題
本市の学校給食は、5学校給食センター(共同調理場)において、市内の公立の13
幼稚園及び36小学校と14中学校に1日当たり、約9、700食を提供しています。
5学校給食センターでは、平成8年5月に学校給食に起因する O-157 食中毒事件を契
機として、安全で安心な学校給食を提供するために、ドライ方式(ドライシステム*1)を
採用しました。また、衛生管理を徹底させるため、作業区域を作業ごとに区分し、年次
的に最新の設備を導入するなど、さまざまな衛生管理のための改善に努めています。
近年、社会環境や家庭生活が大きく変化するなか、児童生徒を取り巻く「食生活」も
大きく変化しており、カルシウム不足、脂肪の過剰摂取など偏った栄養摂取による肥満
等の生活習慣病の増加など、食に起因する新たな健康課題が生じています。さらに好き
嫌いによる残食やアレルギーのある児童生徒への対応、給食費未納対策など、さまざま
な課題を抱えています。
⑵ 学校給食における地産地消
本市においては、市内産野菜をはじめ、甑島のきびなご・ぶり、東郷産米粉を利用し
たパン・うどん、入来のキンカン等の地場産物を積極的に活用しています。
しかしながら、生産者の減少、流動的な価格への不安、収穫・漁獲時期の違いや気象
条件等に左右されやすい農林水産物の安定的な量の確保等、さまざまな課題を解決する
- 11 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
必要があります。
市内産青果物の活用状況
(単位:㎏)
年
度
H23
H24
H25
全
体
139,071
138,176
136,806
市内産
24,772
26,343
20,280
活用率
17.8%
19.1%
15.5%
9 教育環境の整備
⑴
校舎等
学校施設は、児童生徒の学習の場であり、一日の大半を過ごす生活の場となってい
ます。また、地域住民にとって身近な公共施設でもあり、災害等の緊急時には避難場
所としての機能を果たすため、安全性の確保は極めて重要です。
本市には、平成27年3月現在、49の小・中学校と13の幼稚園があり、校舎等
の耐震化率は96%となっています。一部には老朽化した建物等もあり、大規模改造
や校舎等の外壁落下防止及び武道場の天井落下防止など、非構造部材の耐震化も求め
られています。
さらに、小・中学校の再編に伴い、一体型小中一貫校の整備に向けた取り組みも必
要となっています。
校舎等耐震化の状況(平成27年3月現在)
学校種別
小学校
中学校
建物区分
対象建物
耐震性のある建物
校舎
86棟
84棟
98%
屋体
35棟
32棟
91%
校舎
34棟
33棟
97%
屋体
14棟
14棟
100%
5棟
4棟
80%
11棟
11棟
100%
185棟
178棟
武道場
幼稚園
園舎
合
計
耐震化率
96%
(資料:教育総務課)
⑵
教材・教具
学校の教材・教具の整備は、教職員の授業を支え、児童生徒の豊かな感性を引き出
すために欠かすことのできないものです。
本市では、充足率を考慮し、教師用、児童生徒用のパソコンをはじめ、ICT 環境整
備、図書購入、その他教材・教具を整備し、学ぶ環境を整えます。
今後においても、学習指導要領を踏まえて時代に即した教材・教具の整備を進めて
いく必要があります。
- 12 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
10 保護者への経済的支援
⑴
就学援助等
近年の雇用不安などの社会情勢により、義務教育期間における経済的援助を必要と
する児童生徒が増加傾向にあることから、就学援助等による保護者への経済的支援を、
引き続き行っていく必要があります。
⑵
奨学育英事業等
学業が優秀であるにもかかわらず、就学が困難である生徒や学生に対し、特別奨学
資金の支給や奨学資金の貸付制度により、保護者の経済的負担軽減を図っていますが、
本市の奨学資金は、給付型の特別奨学資金の希望者が年々増加する傾向にある一方、
貸付型の奨学資金は、他の奨学資金との併用ができないことや、返還の必要があるこ
となどから、希望者が少ない状況となっています。
今後、奨学資金制度の充実を図るとともに、関係機関との連携による利用促進に努
めるなど、経済的負担が大きい私立高等学校等への進学者に対する支援拡充を図って
いく必要があります。
また、地理的なハンディを抱える甑島地域の児童生徒の支援として、小学校綱引競
技大会や中学校の部活動の大会など本土地域での大会参加に、島外活動補助金を支給
しています。その他にも、高等学校等へ通学するために、自宅がある甑島を離れ、本
土等の民間アパートや寄宿舎等に居住している生徒の下宿費等経費の一部を支援する
離島高校生修学支援費など、保護者の経済的負担軽減に努めていますが、今後も、本
土地域との格差是正を図っていく必要があります。
- 13 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
Ⅲ
社会教育・生涯学習における現状と課題
1 青少年
⑴
青少年の健全育成
核家族化・少子化の進行や地域連帯感の希薄化、インターネット等による有害情報
の氾濫、若者の雇用環境の悪化や無職少年の増加など、青少年を取り巻く環境は、国
際化・情報化の進展とともに日々変化しています。
本市においても、不良行為による補導された青少年が年間216件(平成25年中:
薩摩川内警察署)報告されており、平成21年に比較し半減しており、また県内でも
少ない状況ではありますが、青少年犯罪や児童虐待、いじめなど予断を許さない状況
です。
このため、警察をはじめ、保健所や児童・女性相談センター等の専門機関、地域の
防犯パトロール、スクールカウンセラー*1 など、県・地域・学校などの関係機関と総合
的なネットワークを構築し、情報提供や連携協力を図りながら、引き続き活動を推進
していく必要があります。
補導件数(単位:件)
H21年
416
H22年
276
H23年
183
H24年
352
H25年
216
補導件数(薩摩川内警察署資料)
500
400
416
352
300
276
200
216
183
100
0
H21年
H22年
H23年
H24年
H25年
◇ 主な青少年育成活動内容
・ヘルシーユースかごしま、少年愛護センターだより等の青少年健全育成の広報啓発活動
・教育講演会(各地域)
・あいさつ運動ポスター及び標語作品コンクール
・少年愛護委員・青少年(健全)育成会・PTA 等による街頭補導(常時・定期・特別)
・有害図書等の環境診断(書店・ビデオ販売店の巡回)
・各地域の青パト防犯パトロール、子ども見守り運動
・スクールカウンセラー、少年なやみ相談(少年愛護センター)
、女性・家庭生活支援相談員、
心の教室相談員等の相談業務
・少年なやみ相談カード配付
・スマイルルーム*2(適応指導教室)
・助産婦による思春期教育「いのちの授業(小学校)」
・中高生・保護者対象の消費生活講座
- 14 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
「少年自然の家」での青少年活動
少子高齢化や核家族化、経済の高度な進展に伴い、子供同士や異年齢集団での触れ
⑵
合い、自然に親しむ活動等が減少しつつあります。
少年自然の家では、ふるさとの恵まれた自然や施設の特色を活かして、学校教育を
補完する幼稚園・小中学校・高等学校の集団宿泊学習の受け入れや、体験的適応指導
教室を開催しています。
また、甑島や紫尾山を活用した夏・冬のアドベンチャー事業やファミリー自然体験
隊、さらに星や月などの宇宙に関する興味・関心を高めるための出張星空観望会やプ
ラネタリウム開放等、自然に親しむ諸事業を通して、心豊かでたくましい青少年の育
成に取り組んでいます。
少子化が進行するなか、利用者数の減少が大きな課題であり、隣接する市町をはじ
め県内各学校への広報や魅力のある新たなプログラムの開発が急務です。
2 家庭と地域の教育力
家庭は教育の出発点であり、心身の調和のとれた子どもの発達を育む最も身近な社会で
す。
社会情勢の急激な変化に伴い、育児不安や過保護、過干渉な親がいるなど、家庭の教育
力の低下が懸念されていますが、本市では、家庭教育支援のため家庭教育学級における学
習機会の提供や、教育講演会の開催、子育て講座や子育てサロン*1 などを開設し、家庭の
教育力向上に向けた取り組みを行っています。
家庭教育学級は、学校ごとにその組織体制は異なりますが、学級生の出席率が趣味的な
学習には高く、子育てに関する学習には低い傾向がみられます。また、市が主催する教育
講演会や研修会等も同様に出席する保護者が役員など一部の方に偏る傾向があり、少子化
に伴い保護者も少なくなる中、多くの方々が参加する取り組みの工夫・改善の必要があり
ます。
また、PTAにおいても、父親研修会や母親部研修会を通して、家庭の教育力向上に努
めていますが、家庭・学校・地域等が連携し、子育てを支援する体制づくりも必要です。
平成25年度から取り組んでいる「学校支援ボランティア事業」は、地域の方々が持つ
技能・特技を活かして、地域の教育力を発揮する新たな取組として、今後、充実させてい
く必要があります。
そのほか、男女共同参画社会の実現に向けた地域の女性団体の育成や青年団、高校生
クラブなどの結成に関心の高い地域への支援も検討していく必要があります。
- 15 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
3 生涯学習
⑴
学習活動
地区・地域においては、地区コミュニティ協議会を中心に、地域の実情に応じた課
題や実態を踏まえた学習活動や関係機関・団体等と連携した講演会の開催など、さま
ざまな学習の場が設けられています。
地域の生涯学習を推進している社会教育活動活性化推進事業における各種講座等開
催状況としては、趣味的な講座が多く開催されており、環境や教育問題など現代的課
題を扱った講座は少なく、実施回数や参加者数も年々減少傾向にあります。
また、公民館で開催される市民大学講座は多様な学習ニーズに対応するため、さま
ざまな講座開設に努めていますが、参加者としては高齢者が多く、青少年層の参加が
少ない現状にあります。
市民憲章と市民歌は、一体感の醸成と、より住みよい豊かな郷土づくりをめざす市
民の生活信条をうたったものです。公式行事等に活用されていますが、いっそうの市
民の一体感の醸成を図るために、今後、さまざまな場面で活用されるよう取り組む必
要があります。
⑵
生涯学習環境
高度情報化等の進展により市民の学習ニーズが高度化・多様化するなか、学習環境
の利便性、快適性が求められます。本市の生涯学習環境としては中央公民館・地域公
民館をはじめ、図書館や歴史資料館、まごころ文学館、少年自然の家、地区コミュニ
ティセンターなど、幅広く学習機会の提供に備えていますが、施設のなかには、35
年以上を経過し、狭隘で老朽化が顕著なものもあり、維持管理に係る経費負担は年々
増加し、少なからず生涯学習事業を圧迫していくことが予測されます。
その他、パソコンなど講座ニーズが高いなかで講座用パソコンの台数確保や、定期
的に機種の入替を図るなど、機器類の整備・充実も求められています。
また、利用減の傾向にある視聴覚ライブラリーのあり方を検討する必要があります。
⑶
人材育成
中央公民館・地域公民館をはじめとする生涯学習関連施設では、趣味的なものから
実用的な学習分野や環境問題、教育問題に至る幅広い学習機会提供に努めています。
こうした学習意欲と自主的な学習活動の支援体制として、専門知識や技能を持った
人材を生涯学習人材バンク「すてきびと」として登録し、講師等の要請に対応してい
ます。
生活様式の多様化や情報化の進展などにより、学習内容や学習のための時間帯や開
催日など、多種多様な市民ニーズに応えられる学習環境が求められていますが、施設
や講師としての人材に限りがあるため、幅広い学習ニーズに即座に応じる学習機会の
提供は困難な状況にあります。
また、一部の自主学級やサークルなどは、上級者と初級者の技能の習熟度の格差や、
学習をコーディネートする人材が不足するなど初心者が容易に参加することが困難な
状況もあります。
- 16 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
4 図書館運営,読書活動
図書館では現在、情報技術の進展に伴う新たな情報メディアへの対応、社会情勢の変
化による利用者の高度化・多様化するニーズへの対応が求められています。
その一方で、中央図書館は、築後30年が経過し、施設設備の老朽化が進んでいるほ
か、配架スペースや駐車場が不足してきており、また、情報化への対応が必ずしも十分
とはいえず、施設面、運営面で、今後、抜本的な検討が必要な時期にきています。
子どもの読書活動については、読書活動の推進に関する国や県の基本的な計画等に基
づき、
「第二次薩摩川内市子ども読書活動推進計画」を平成24年3月に策定し、これに
沿って、家庭、地域や学校等における読書活動を推進し、また、読書活動の普及・啓発
活動に努めてきました。
これまで、図書館における図書資料等の整備充実を進め、読書感想文コンクールや読
書活動推進大会などを実施してきましたが、家庭や地域での読書活動の啓発、学校図書
館との連携など課題も残されています。
図書館の利用者数と貸出冊数の状況
貸出利用者数
図書館
移動図書館
81,269
19,934
(平成25年度)
計
101,203
貸出冊数
図書館
移動図書館
320,087
63,183
市立図書館(分館を含む)の蔵書冊数
総
記
哲
学
歴
史
9,235
6,956
15,516
芸
言
文
術
14,502
語
3,165
学
85,084
計
383,270
(平成26年4月1日現在)
社会科学
自然科学
技術・工業
22,104
15,359
14,680
絵
本
31,533
そ
の
他
8,351
児童生徒の1ヶ月あたりの読書量
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
小学校
9.9 冊
10.1 冊
11.0 冊
11.6 冊
中学校
2.5 冊
2.1 冊
2.7 冊
3.08 冊
※上記の数値は,学校図書館の貸出冊数と市立図書館(分館・移動図書館含む)の貸出冊数から
算出したものである。
- 17 -
5,532
232,017(86,614)
※紙芝居、録音図書等はその他に計上。ただし、視聴覚ライブラリーの資料は含まない。
平成 22 年度
業
計(うち児童用)
※雑誌、新聞は含まない。
区 分
産
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
Ⅳ
文化・芸術面における現状と課題
1 芸術文化・地域文化活動
本市には多くの芸術文化団体等がそれぞれの活動を行っています。個々の団体活動は、
文化ホールや公民館をはじめ地域のコミュニティセンターを中心に地域の特性を活かし
た活動を行っています。
本市では市民の心豊かで潤いのあるくらしを実現し魅力あるまちづくりに資するため、
郷土芸能や芸術文化を発表する機会を設け、多くの市民が触れることができるよう文化
のまちづくりの推進を図っています。
市民の芸術文化活動への意欲の高まりに応え、学習機会の充実と活動又は発表の場の
確保に努めること等により、より豊かできめ細かな文化活動を促進するとともに、川内
歴史資料館、川内まごころ文学館、旧増田家住宅等文化的施設の機能の充実及び利用の
拡大を図っていくことが必要です。
また、郷土芸能をはじめとする地域の芸術文化活動を継承する指導者と若年層の担い
手不足が課題となっています。
2 文化財
本市には国指定史跡の「薩摩国分寺跡」、「清色城跡」や国選定伝統的建造物群保存地
区「入来麓伝統的建造物群保存地区」、国指定無形民俗文化財「東郷文弥節人形浄瑠璃」、
「甑島のトシドン」をはじめとした地域の風土が培った多種多様な文化財が有形・無形
ともに多数残されています。また、近年においては、天辰第一地区土地区画整理事業の
工事中に発見された天辰寺前古墳が鹿児島県指定史跡となり、古墳公園として現地保存
され、入来麓伝統的建造物群保存地区にある「旧増田家住宅」が国指定有形文化財に指
定されました。
甑島においては、下甑島の鹿島断崖が鹿児島県指定史跡、長目の浜が国天然記念物指
定を受け、平成20年度以降、鹿島での定期的な恐竜化石発掘調査により、獣脚、角竜、
竜脚類の恐竜化石が相次いで発見され、恐竜の島としても全国から注目を集めています。
これらの文化財は、地域の歴史や文化の成り立ちを理解するうえで欠くことのできな
い市民共有の財産といえますが、なかには保存が危惧されているものや修理が必要とさ
れている有形文化財、後継者不足が深刻な無形文化財があり、適切に保存・伝承し、い
かにして次代に引き継いでいくかが課題となっています。
近年、文化財は、学校教育、生涯学習、観光、まちづくりなどに供する地域資源とし
ても重要な役割を担っています。文化財マップを作成し、市内各地域に保存されている
貴重な文化財を広く一般に紹介していますが、市民の意識はいまだ十分に根付いていな
い状況であり、地域を象徴し地域の重要な要素であることから、積極的な文化財の情報
発信や案内・説明板等の設置、文化財の周知、公開に努めることが必要です。
また、埋蔵文化財は、その土地に根ざした歴史的遺産であり、道路整備や住宅建築な
どの開発により、一旦失われてしまうと復元が不可能であるため、専門職員の確保など
埋蔵文化財保護体制の適正な整備・充実を図ることが必要となっています。
- 18 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
Ⅴ
スポーツ面における現状と課題
1 生涯スポーツ
生涯を通じて、健康の保持・増進やレクリエーションを目的に、いつでも・どこでも・
だれでも、気軽に楽しみながら心身ともに健康で暮らせるよう、ライフステージに応じた
スポーツ教室の実施に取り組んでいます。
これまで実施した教室を通し、特に男性に対して運動の重要性の理解を深めることや青
壮年期からの運動習慣をいかに定着させるかが課題となっています。
⑴ スポーツ参加機会の拡充
人は、健康への不安、ストレス発散、友人とのふれあいなど様々な理由でスポーツを
始め、そして、スポーツを主体的に継続的に実践することで健康を取り戻したり、地域
や人との絆ができ、地域に誇りと愛着を持てるようになったりします。
このようなことから、市民が気軽にスポーツに親しめるよう、各種事業を実施してい
ます。
⑵ スポーツ推進委員による地域スポーツ活動状況
薩摩川内市では、スポーツ推進委員88名が、地域住民のスポーツ振興のために活動
しています。
生涯スポーツに対する関心の高まりや、健康づくりとしてのスポーツの普及をはじめ
とし、地域のスポーツ大会への派遣依頼に応えるなど(主な活動はルールの説明や審判
活動、そして実技指導など)、子どもから高齢者まで多くの方がスポーツの楽しさを知
ってもらえるよう、自主的にスポーツに取り組む活動を行っております。
平成23年にスポーツ基本法が施行され、「体育指導委員」は「スポーツ推進委員」
と名称が変更になり、また、スポーツ推進委員の役割として「スポーツ推進のための事
業の実施に係る連絡調整、ならびに住民に対するスポーツの実技の指導その他スポーツ
に関する指導・助言を行う」ことが明記されました。
これからも本市においては、性別や年齢構成を配慮しながら、スポーツ指導者の資格
を有し、熱意と能力があり、効果的に連絡調整ができる人材の確保に努めることが必要
です。
⑶ 総合型地域スポーツクラブの活動状況
地域の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しむことのできる生涯
スポーツ環境の実現を目指して、地域住民が主体となって、自ら経営・管理を行い、ス
ポーツ活動等に取り組むことを目的に『総合型地域スポーツクラブ』の創設を推進して
います。
平成13年6月に、本市で最初の総合型地域スポーツクラブ「川内スポーツクラブ
01」が、川内地域に誕生しました。
また、平成16年3月には、樋脇地域に「ひわきYOU遊スポーツクラブ」が設立さ
れています。
⑷ スポーツ団体への支援状況
本市はスポーツを通じて市民の体力の向上と地域社会に貢献する、特定非営利活動法
- 19 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
人薩摩川内市体育協会(以下「市体育協会」という。)、地域体育協会、薩摩川内市スポ
ーツ少年団(以下「市スポーツ少年団」という。
)等の活動へ支援を行っています。
2 競技スポーツ
競技スポーツは、競技者の活躍の場であるとともに、その活躍は私たちに夢と感動を
与え、日々の生活に活力を生み出します。
競技スポーツの競技力を向上させることは、競技者自らの能力と技術を高めるととも
に、市民のスポーツへの関心を高め、スポーツをより身近なものとして競技人口の拡大
につながり、本市のスポーツ振興に重要な役割を担っています。
本市は、市体育協会・市スポーツ少年団等関係団体と連携を図りながら、スポーツ振
興のための事業を展開し、競技スポーツ人口の拡大及び競技力向上に努めています。
なお、少子・高齢化が進む環境において、競技スポーツ人口の減少が懸念されるなか、
ジュニア時代の競技スポーツ人口の確保、指導者の育成及び指導体制の確立を図ること
が課題となっています。
⑴
スポーツ大会の開催状況
市体育協会加盟の各種競技団体において、競技力向上を図る目的で、各種スポーツ
大会の開催及び全国大会・九州大会等の開催の誘致を図っています。
⑵
大会出場者への支援状況
全国大会・九州大会等に出場する選手や団体を支援する事業として、大会出場に伴
う旅費及び宿泊費の一部をスポーツ振興基金補助金として派遣助成を行なっています。
⑶
スポーツ合宿誘致の状況
スポーツの振興、社会体育施設の利用促進併せて本市経済の浮揚を図ることを目的
として、スポーツ合宿誘致等事業を展開しています。
また、競技スポーツ人口の拡大及び競技力向上を図る目的で、本市でスポーツ合宿
するプロ・全日本・実業団等による公開練習・スポーツ教室を実施しています。
なお、薩摩川内スポーツ大使及び市体育協会と連携を図りながら、更なるスポーツ
合宿誘致を図っています。
3 スポーツ施設
本市は、近隣地域に先駆けて県内でも有数の大規模で機能性の高い総合運動公園の整
備に取り組み、現在、各種競技スポーツ、スポーツイベントや市民の日常的なスポーツ
活動に利用するための公共スポーツ施設が整備されています。
また、多種多様なスポーツ施設が全域に設置され、当面の使用においては支障がなく
安全が確保されていますが、老朽化は否めない状況にあり、施設の再整備を検討する必
要があります。
しかし、今日の厳しい財政状況の中で建て替え等の大規模な対応は困難なことから、
計画的な維持・補修・更新等により施設の維持を図っていかなければなりません。
今後の施設のあり方については、人口減少に伴う使用者の減少や多額の維持・管理経
費の削減を踏まえ、合併により重複する施設の整理・統合など施設の再配置について検
討する必要があります。
- 20 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第2章
他方、近年ではスポーツの多様化やルールの改正などから、スポーツ施設の再整備が
必要などの課題もあり、早急な施設の改修や充実を図る必要があります。
⑴
学校体育施設の状況
地域のスポーツ活動及び児童の安全な遊び場の確保のために、学校教育に支障のな
い範囲で、市内の小・中学校及び県立高等学校の体育施設を学校体育施設開放事業と
して、市民に開放しています。
現在の開放状況は、小学校35校、中学校15校の体育館・運動場の開放を実施し
ており、開放事業を円滑に行うために学校体育施設開放運営委員会を設置し、各小・
中学校の協力を得て地域住民やスポーツ団体等が利用しています。学校体育施設は、
学校教育を目的とした施設でありますが、地域にとって身近にあるスポーツ施設です
ので、地域のニーズにあった施設の利用を検討していくことが必要です。
⑵
スポーツ施設の管理運営
本市のスポーツ施設の大部分は、施設のより効率的な管理や利用者に対するサービ
スの一層の向上を目指して、指定管理者制度を導入しています。施設の使用に関して
は、社会体育施設の利用状況一覧表にあるように多くの人が利用されていますが、利
用者の固定化も見受けられるため、利用案内などの広報充実を図り、施設の定期的な
情報発信など新規の利用者の拡大を目指していく必要があります。
なお、運動・スポーツ活動を推進する上で、さまざまな事故も懸念されることから、
事故を未然に防ぐための定期的な施設・整備の点検をはじめ、危険な箇所への立入制
限や破損箇所等の早期修繕に努める必要があります。
しかし、不幸にして事故が発生した場合を想定し、AEDの設置など応急処置がで
きる体制や緊急連絡体制を整えるとともに、保険・補償制度に加入し、万が一事故が
起こった場合にも誠意ある対応ができる体制を整える必要があります。
また、運動・スポーツの主体となる個人に対しても、主体的に対応できるようスポ
ーツ安全保険等、個人保険への加入意識を促すことが大切です。
- 21 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第3章
第3章
薩摩川内市がめざす教育の姿
本市は、東シナ海に面した変化に富む白砂青松の海岸線、市街部を悠々と流れる一級河川
「川内川」、藺牟田池をはじめとするみどり豊かな山々や湖、地形の変化の美しい甑島など、
多種多様な自然環境を有するともに、歴史的な遺産や伝統芸能など、教育的風土や文化にも
恵まれています。市誕生以来、こうした教育的資源を活用しながら、
「地域の特色を活かした
教育文化のまちづくり」を教育目標として、主体性・創造性・国際性を備え、ふるさとを愛
する人間性豊かでたくましく生きる市民の育成に努めてきました。
これからの社会においては、知識基盤社会の進展、高度情報化、少子高齢化、国際化が加
速する中で、改正教育基本法に示された教育の理念を踏まえ、
「知・徳・体の調和がとれ、主
体的に考え行動する力を備え、生涯にわたって意欲的に自己実現をめざす市民」、
「伝統と文
化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養い、これからの社会づ
くりに貢献できる市民」を育成することが求められています。
また、市民憲章には、
「美しい自然と古い歴史を誇りとする わたしたち薩摩川内市民は、
やさしくすれば、心はかよう。
はなしをすれば、だれでもわかる。
考えさえすれば、みちはひらける。
やりさえすれば、かならずできる。
という信条をもって 明るく豊かな町をつくります。
」
と、薩摩川内市民としての心のもちようがうたわれています。
これらのことから、薩摩川内市においては、基本目標を、
『ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる 薩摩川内のひとづくり』
としており、次の3つの視点から平成31年度に向け薩摩川内のひとづくりを進めます。
よりよい自分をめざし、人間性豊かで創造的に生きる
人は皆、人間としてよりよく生きたいと願っています。そして、その人生は、人さまざま
に夢を描き、希望をもち、また、悩み、苦しみ、人間としてのあり方や生き方を自らに問い
かけながら自らの人格を磨いていく道程であります。
市民ひとりひとりがそれぞれのライフステージに応じて学習したり、文化活動やスポーツ
活動を楽しんだりすることのできる環境を整備し、豊かな人生を送ろうとする人材の育成に
努めます。
小中一貫教育の推進をはじめとする「薩摩川内らしい教育」の充実を図り、
「確かな学力」、
「豊かな心」、「健やかな体」などの「生きる力」を身につけ、大きな夢や希望を抱く人材
の育成に努めます。
- 22 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第3章
自他ともに尊重し、よりよい社会づくりに主体的に関わる
本市は、少子高齢化や過疎化が進行し、地域によっては地域づくりの担い手の減少や地域
の衰退が懸念されます。
市民ひとりひとりが社会を構成する一員であるという自覚をもち、時に切磋琢磨し、時に
協調しながら、個性を認めあい、心の通う明るく元気な地域社会づくりに積極的に参画する
人材の育成に努めます。
地域住民がさまざまな形で学校運営や教育活動にかかわることをとおして、社会全体で子
どもを育てる機運を高めるとともに、子どもたちには異年齢集団や地域の中での交流を通し
た学習活動や体験活動を推進し、活気ある社会づくりに貢献する人材を育成します。
ふるさとを知り、ふるさとを愛し、ふるさとに尽くす
本市は、1市4町4村の合併を通して、これまで各市町村がお互いに宝として誇って
きた自然・文化・歴史をお互いに共有することになりました。
市民ひとりひとりが郷土の豊かな自然や歴史、伝統文化に誇りをもち、未来へ継承し
ようとするとともに、力を合わせてまちづくりに積極的に取り組み、発展させようとす
る人材の育成に努めます。
地域間交流や薩摩川内ならではの教育活動を推進し、ふるさとに学び、ふるさとを愛
し、誇りに思い、将来にわたってふるさとに貢献しようとする志を高く持った人材の育
成に努めます。
- 23 -
薩摩川内市教育振興基本計画 体系
薩摩川内市教育振興基本計画の体系
薩摩川内市民憲章
薩摩川内市総合計画(教育分野)
薩 摩 川 内 市 教 育 振 興 基 本 計 画
目標(理念)
ふ
る
さ
心と
豊を
か愛
にし
薩 摩た
川く
内ま
のし
ひく
と生
づき
くる
り
さつませんだいびと
施策の方向
めざす薩摩川内人
主な施策や事業等
未来をたくましく生きる力を育む教育の推進
よりよい自分をめざし,
人間性豊かで
創造的に生きる
小中一貫教育の推進
・小中一貫教育の推進
・「ふるさとコミュニケーション科」の充実
知・徳・体の調和のとれた生きる力を育む教育の推進
・「いじめ防止基本方針」に基づくいじめ防止取組の充実
・ICT利活用の推進
・学校におけるフッ化物洗口の推進
・学校給食における地場産食材の利用促進
教育環境の充実
・「薩摩川内市立小・中学校の再編等に関する第2次基本方
針」の策定及び推進
・東郷地域小中一貫校施設整備事業
地域の教育力の向上
・地域青少年(健全)育成会活動の拡大促進
・生涯学習リーダーやボランティアリーダー等の人材育成
・学校支援ボランティアの人材活用
・コミュニテイスクールの設置促進
指導者の指導力向上
・「青少年育成の日のつどい」開催事業
・少年愛護委員事業
総合的なネットワークの連携強化
・青少年育成市民会議事業の拡大充実
・夏・冬のアドベンチャー事業
・少年愛護センター事業
・地域の特性や現代的課題に対応した公民館講座の開設
・生涯学習リーダーやボランティアリーダー等の人材育成
・自主学級や地区コミュニティセンター学習グループへの支
援等
・公民館施設の整備充実と積極的活用の促進
・まなびねっとセンターの利用促進及び活動の充実
地域全体で子どもを守り育てる環境整備
学び活かす生涯学習
自他ともに尊重し,
よりよい社会づくりに
主体的に関わる
生涯学習の展開とネットワーク化
生涯学習を進めるコーディネート機能の充実
・生涯学習人材バンク「すてきびと」事業
・読書活動の推進
・成人教育(指導者養成研修会)社会教育団体等の
指導者の養成・活用
・わくわく薩摩川内土曜塾の実施
家庭の教育力の向上
・親の育ちが子の育ち推進事業
誇りと愛着のある地域文化の保存・継承・活用
文化財等の保存・継承・活用
・文化財保護事業の推進
・恐竜化石活用事業の推進
・入来麓伝統的建造物群保存地区保存整備事業
・文化・芸術活動の発表する機会の提供
・文化施設の整備及び利用の推進
生涯スポーツの推進
・スポーツ機会の提供
・生涯にわたるスポーツライフの支援
・生涯スポーツ推進体制の充実
・スポーツ推進委員による地域スポーツの推進
競技スポーツの振興
・競技スポーツ推進体制の充実
・スポーツ選手の育成及び指導者の養成
・大会出場者への支援
スポーツ環境の充実
・スポーツ施設の充実
・スポーツ施設の利用促進
・学校体育施設の利用促進
・スポーツ情報の発信
スポーツ振興による地域の活性化
・スポーツイベントによる地域活性化
・スポーツ合宿による地域活性化
・ボランティアの養成
文化活動の推進
スポーツ活動を楽しむ環境整備
ふるさとを知り,
ふるさとを愛し,
ふるさとに尽くす
--24-
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
第4章
Ⅰ
今後の5年間に取り組むべき施策
未来をたくましく生きる力を育む教育の推進
本市の未来を担う子供たちが、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の調和のとれ
た「生きる力」を身につけ、変化の激しいこれからの社会を、大きな夢と希望を抱き、
自信をもってたくましく生きていけるよう、次の施策を推進します。
1 小中一貫教育の推進
⑴
市全域における「小中一貫教育」の推進
子供の学習意欲の向上や不登校などの中1ギャップの解消、いじめ問題をはじめ
とする生徒指導上の諸問題の解決、教職員の指導力の向上に向けて、義務教育9年
間に、
「4・3・2」制のよさを取り入れながら、教育課程を編成していきます。特
に中期(小5・小6・中1)の交流に重点を置き、小・中学校の教職員の授業交流
や、児童生徒の交流活動の充実に努めます。また、薩摩川内市独自の「ふるさと・
コミュニケーション科」を一層充実させ、ふるさとを愛し、ふるさとを誇りに思い、
将来にわたってふるさとに貢献していこうとする心情や態度を育てると共に、人間
関係を築く力や自分の思いや考えを表現する力を身につけさせていきます。さらに、
小学校英語教育の充実を図り、9年間を見通した学力の向上を図ります。
小学生と中学生の交流活動や教員の小中授業交流がスムーズに行なうことができ、
より効果的な小中一貫教育を推進するため、東郷地域の5小学校と東郷中学校を統
合し、東郷地域の中心地に近く、高台で安全な場所に一体型の小中一貫校を整備し
ます。
<(数値)目標>
項
目
小 6 の中学校入学前の
不安感
⑵
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
53.2%
50%
(H25)
未満
英語力の向上
国際社会においてもたくましく生きる子供の育成をめざし、英語教育を充実させ
ます。そのため、小学校1年生から英語学習を実施し、9年間を見通して英語力の
向上に努めます。
また、小・中学生を対象とした英語サマーキャンプを実施したり、中学生を対象
とした英語検定試験の受験料補助や各種英語発表会の補助・支援をしたりすること
により、児童生徒の英語学習に対する興味・関心を高めます。
さらに、英語教育に携わる教諭等の研修の充実や教材の開発、英語に堪能な地域
人材(GT)の活用等により指導力の向上を図ります。
- 25 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
<(数値)目標>
項
目
英語検定試験 中学校卒業
時の3級以上取得率
⑶
現状の数値
H27
H28
29%(H25)
H29
H30
H31
40%
ふるさと教育の推進
本市独自の小中一貫教育の教科である「ふるさと・コミュニケーション科」にお
いて、ふるさと薩摩川内を素材とした学習や体験活動を通して、ふるさとを知り、
ふるさとの情報を発信できる児童生徒を育成します。
あわせて、卒業生や地域住民を含め県内外で活躍しているさまざまな方々を講師
として招聘し、講演や実技指導を行う「薩摩川内元気塾事業」や、本土地域の小学
校4年生が、一日遠足等の機会を利用して甑島を訪問する「甑アイランドウォッチ
ング事業」等の実施を通して、子供たちが薩摩川内のよさを知り、ふるさとを愛し、
誇りに思う心を育てる活動の積極的な展開に努めます。
各学校におけるふるさと教育に関連のある学校行事や「ふるさと・コミュニケー
ション科」の授業、「薩摩川内元気塾」等、地域の方々に指導や支援・協力をいた
だく機会が多いことから、月1回の土曜授業を実施し、効果的な活用に努めます。
土曜授業は,原則月1回、第2土曜日午前中とし、教育課程に位置づけた授業とし
て実施します。内容としては、学校応援団や地域ボランティア等の活用を図りなが
ら、学校行事やふるさと・コミュニケーション科、薩摩川内元気塾等を行います。
⑷
教職員の資質向上
ア
研修会の充実と学校への個別指導の徹底
各教科の学習指導法研修会では、研修前のレポート提出や研修後の意見感想の
集約などにより、学校現場の状況、課題等を把握して研修会の内容を改善してい
きます。
また、各学校が提出する研究計画や講師招聘計画を検討し、適切かつ効果的な
校内研修等(フレッシュ研修〔初任〕、ステップアップ研修〔5 年目〕、パワーアッ
プ研修〔10 年目〕も含めて)の充実が図られるように指導を続けていきます。
さらに、中学校区ごとに担当指導主事を配置し、小中一貫教育の研修等につい
ても、地域に密着した形で細やかな指導がなされていくよう努めていきます。
イ
県内外の教育先進地及び教育機関等での教職員研修
教職員にとって、校内における研究授業・授業研究を中心とした校内研修は実
践的な指導力を向上させるために大切なことですが、先行研究を行なっている学
校の視察や公的な教育施設で研修を受けることも教職員の資質向上に不可欠な研
修内容です。そのために県総合教育センター短期研修講座等の利用状況や教育先
進地研修の実施状況を把握し、学校教職員研修補助等を利用しながら外部施設に
おける研修が適切になされるように、管理職研修会等を通して各学校への助言を
行います。
- 26 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
2 知・徳・体の調和のとれた生きる力を育む教育の推進
⑴
確かな学力の育成
ア
学力向上と学習の充実
児童生徒の学力向上をめざすためには、学校での学習指導の工夫・改善を行う
とともに、家庭学習を充実させていくことも必要です。そこで、教員の外部研修
会等への積極的参加や校内研修の充実等に努めるとともに、家庭との連携を深め
ながら児童生徒の学習指導にあたっていくことが大切になります。
学校では、授業を伴った校内研修の機会を増やしたり、市主催で行われる学習
指導法研修会等で研修を深めたりしながら、個に応じた学習活動を展開する授業
や子供たちがお互いに学び合い・磨き高め合う授業を構築していくことが望まれ
ます。
また、家庭では、学習時間や手伝い、体力づくり等の目標を立て、基本的な生
活習慣の確立に向けて取り組むことが望まれます。
<(数値)目標>
項
目
標準学力検査(NRT)の偏
差値平均結果(全国を 50 と
した場合)
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
小学校
51.0
(H26)
52.0
中学校
49.0
(H26)
51.0
小学校
家庭学習時間
47%(H26)
「学年×10 分+30 分以上」
中 学 校
70%
80%
55%(H26)
※「現状の数値」は目標の家庭学習時間に到達している児童生徒の割合を示す。
イ
個に応じた特別支援教育の充実
LD、ADHD、高機能自閉症等の障害のある子供一人一人の実態に応じた学
習支援を行うために、特別支援教育支援員を必要に応じて配置していきます。
ウ
ICT利活用の推進と充実
情報教育担当者等研修会や初級・中級のパソコン講座を開設し、コンピュータ
による教育指導を充実させるなど、教職員のICT利活用指導力の向上に努め(I
CT利活用促進プロジェクト事業)
、併せて、児童生徒のコンピュータリテラシー
の向上を図ります。また、テレビ会議システムを利用した交流学習等を行うこと
で、コミュニケーション能力も高めます。
<(数値)目標>
項
目
教職員の ICT 活用指導力
の「活用できる」評価
現状の数値
H27
平均 75.7%
H28
H29
H30
H31
85%
(H26)
- 27 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
⑵
心の教育の推進
ア
いじめ問題や不登校への適切な対応
規範意識や情報モラルを高める指導の充実を図るとともに、心の教室相談員や
スクールカウンセラーの配置、市少年愛護センターにおける相談業務など、教育
相談体制の充実を図り、平成26年に策定した「薩摩川内市いじめ基本方針」に
基づいたインターネット上の問題行動を含むいじめ問題への対応や不登校の未然
防止に努めます。
また、不登校の小・中学生を対象とした適応指導教室「スマイルルーム」の運
営を充実するとともに、心の教室相談員やスクールソーシャルワーカー等と連携
したり、市中学校生徒会連絡会を活発にしたりするなど、子供の社会性や自立心
等を育成します。
さらに、小中一貫教育の充実により子供の「中1ギャップ」の解消に努め、小・
中学校間の円滑な接続を図り「子供が感じる心理的な段差」をなくします。
<(数値)目標>
項
目
現状の数値
H27
学校に行くことが楽しい
と感じる児童生徒の割合
96.1%(H25)
不登校の出現率(中学生)
1.27%(H26)
イ
H28
H29
H30
H31
100%
(最低 98.0)
1.00%
「命を大切にする心を育む」道徳教育の充実
児童生徒の道徳的な体験活動を効果的に教育課程に位置づけ、道徳の時間を要
として学校全体で「命を大切にする心を育む」道徳教育に取り組みます。また、
命の大切さやいじめ問題を考える道徳の授業を保護者や地域に公開したり、児童
生徒向けリーフレットを作成したりすることで、保護者や地域の方にも道徳教育
の重要性を理解してもらい、学校・家庭・地域が連携した心の教育を推進します。
⑶
たくましい体の育成
ア
学校・家庭・地域が一体となった体力向上の推進と充実
児童生徒の体力・運動能力や地域の実情に応じた「一校一運動」を今後も推進し
ます。また、体育の学習では、柔軟性や敏捷性を高めるため、体ほぐしの運動や多
様な動きをつくる運動に継続的に取り組み、バランスのとれた運動能力を身につけ
させます。
さらに、家庭と連携した運動の啓発に努めていきます。そして、本市の伝統行事
である「綱引」や「薩摩川内はんや」を積極的に取り入れ、学校・家庭・地域が一
体となった体力向上に努めます。(一校一運動、小学校綱引競技大会等)
- 28 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
<(数値)目標>
項
目
現状の数値
全国を 100 としたときの
H27
H28
H29
H30
97.67%
児童生徒の体力・運動能力
H31
100%
(H26)
(本市体力・運動能力調査結果から)
イ
「食」に関する指導を中心とした基本的生活習慣の確立
学校での食に関する指導をさらに充実させるため、給食の時間を中心に、担任
や養護教諭、栄養教諭等が一緒になって、バランスの良い食事や栄養摂取につい
ての指導を推進します。また、保護者に対しては「早寝・早起き・朝ごはん・笑
顔であいさつ・お手伝い」の啓発を行い、基本的生活習慣の確立を図ります。
ウ
歯と口腔の健康づくりの推進
本市においては、小・中学生のDMF指数(過去に虫歯になったことがあるかどうかを数値
で表したもので、数値が高いほど虫歯が多いことになる。
)が、全国平均や鹿児島県平均を上回っ
ている現状があり、また、むし歯治療においても適切に治療できている子供と、
様々な要因により治療ができてない子供のいわゆる「二極化」が心配されていま
す。今後、むし歯予防に最も有効とされる「フッ化物洗口」(フッ化物水溶液を用いてブ
クブクうがいを行い、歯のエナメル質表面にフッ化物を作用させて、虫歯を予防する方法)について、学
校での実施を推進し、児童生徒の歯と口腔の健康づくりに努めます。
<(数値)目標>
項
目
現状の数値
フッ化物洗口実施校数
エ
H27
H28
H29
H30
H31
全学校
22 校(H26)
(48 校)
学校給食の充実
①
学校給食の管理、運営体制の整備
学校給食センターにあっては、施設設備の日常点検、定期点検を行いながら、
年次的整備に努め、学校給食の安全かつ適正な運営を図り、安全・安心な給食
の提供に努めます。
また、給食費の未納問題の解決に向け、学校やPTAと連携を図りながら取
り組みを進めます。
②
地産地消の推進等による学校給食の充実
JAや生産者、卸売市場等の関係機関と連携を図り、安全・安心な地場産物
を積極的に活用するよう努めます。
<(数値)目標>
項
目
市内産青果物の活用
現状の数値
H27
15.5%(H25)
- 29 -
H28
H29
H30
H31
20.0%
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
オ
児童生徒の安全確保
交通安全・防犯用品を新入学児童生徒に無償で配布したり、保護者や地域のボ
ランティア(スクールガードや青色パトロール隊)、関係機関等と連携及び、通学
路の安全確保に向けた通学路安全推進会議を定期に開催したりするなど、児童生
徒の安全確保に努めます。
また、学校では、各種訓練(避難訓練、不審者対応訓練、「子供110番の家」
かけ込み訓練、原子力防災訓練等)を実施し、児童生徒に危険予知・危機回避能
力を身につけさせます。
さらに、危機管理マニュアル(火災、地震、不審者対応等)の作成、中学 2 年
生や教職員を対象にした救命講習会を実施するなど、万が一の事件や事故に備え
た態勢づくりに努めます。
⑷
幼・保・小連携による幼児教育の充実
少しでも多くの集団の中で子供が社会性を豊かに育めるような教育環境を整える
ために、今後も小規模幼稚園の適正規模化を進めます。
また、小学校教育への円滑な接続を図るため、園児が小学校での生活を体験でき
る交流などの幼小連携を推進します。さらに、幼児教育に携わる教職員の資質や専
門性を高めるため、幼稚園教諭等研修会を開催し研修の充実を図ります。
併せて、保護者の事情に応じて預かり保育を実施するなど、待機児童の解消に向
け、保育園(所)との連携を図りながら子育て支援に係る取り組みを進めます。
3 教育環境の充実
⑴
学校の再編等
望ましい規模の学校づくりや小中一貫教育をより効果的に推進できる学校づくり
など、児童生徒にとって適切な学校教育環境を整えるために、平成22年12月8
日「市立小・中学校の再編等に関する基本方針」を定め、保護者や地域住民の理解
と協力を得ながら、小学校11校(うち吉川小は平成27年3月閉校予定)、中学
校2校(うち1校は休校)の再編等を進めてきました。基本方針は、おおよそ5年、
10年単位に見直しを行うとしたことから、平成27年度に「薩摩川内市立小・中
学校の再編等に関する第2次基本方針」を策定し、学校再編を進めていきます。
学校の再編等は、本市としての望ましい学校規模の考え方に基づき、「学校の統
廃合」、「小中一貫校の新設」、「通学区域の見直し」等の視点から、児童生徒数
の推移、地域の実情、歴史的な経緯、地理的環境、統廃合の効果、少人数学級
(35・30人学級)の推進に向けた国の動向等を踏まえ、緊急性の有無を考慮し
ながら、中長期的な見通しに立って進めることにします。
⑵
教具・教材及び ICT 関連設備の整備
教具・教材については、学習指導要領の改訂などの教育内容に応じた整備を図り
ます。
また、学校図書については、蔵書冊数が学校図書館図書標準を満たすように、各
- 30 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
分野のバランスの取れた図書購入に努めます。
なお、ICT関連機器の整備については、タブレットPCを全ての小中学校に配
置することとし、併せてICT活用した授業の実践を進め、ノウハウの構築に努め
ます。
<(数値)目標>
項
目
児童・生徒用タブレット
パソコン導入率
⑶
現状の数値
H27
H28
16%(H26)
H29
H30
H31
100%
開かれた学校づくり
小中一貫教育をはじめとする本市独自の教育施策や学校運営の成果を検証するた
めに、中学校区単位で学校関係者評価委員会を設置しています。学校応援団との連
携を進め、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)の充実を図りながら、学校・
保護者・地域が情報を共有し、三者が一体となって、子供たちの健全な育成をめざ
します。
また、
「地域が育む『かごしまの教育』県民週間」を活用し、住民に授業参観や学
校行事への参加を呼びかけるなど、地域に開かれた学校づくりをめざします。
さらに、さつませんだい学校応援団(学校支援ボランティア)との連携も強化し
ていきます。
⑷
保護者への経済的支援
ア
就学援助の充実
義務教育期間における就学の援助を必要とする世帯が増加傾向にあることから、
的確な認定による経済的支援の拡充に努めます。
イ
奨学資金制度等の周知と積極的な活用の推進
奨学資金制度の周知拡大や高等学校等教育機関との連携を強化し、積極的な活
用の促進を図り、経済的理由によって進学を断念し、就学の道を閉ざすことがな
いよう、必要な支援を行います。
また、特別奨学資金の充実を図るため、給付等の拡大についても検討を行いま
す。
- 31 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
Ⅱ
地域全体で子どもを守り育てる環境整備
家庭・学校・地域が連携・協力し合って、次世代を担う青少年を守り育てるため、次
の施策を推進します。
1 地域の教育力の向上
地域での青少年育成会等の活動を拡大させ、保護者、地域、学校ぐるみで、青少年
を育てる環境づくりを進めます。街頭補導を実施し、青少年の健全育成に努め、地域
で実施される青少年育成活動事業の充実を図り、地域の人材を活かした学校支援ボラ
ンティア事業及び放課後子ども総合プランに基づいたすべての子どもに放課後の安
全・安心な活動環境を提供する放課後子供教室事業を推進します。
また、地域や保護者等が学校づくりに参画するコミュニティスクール(学校運営協
議会)を中学校区に導入し、地域とともにある学校づくりを積極的に推進します。
<(数値)目標>
項
目
(市民アンケート)
青少年の健全育成が図られ
ていると思う市民の割合
コミュニティスクール(学校
運営協議会)の設置数
学校支援ボランティアの登
録者数、実施件数
現状の数値
H27
H28
H29
H30
70%
(H26)
1(中学校区)
H31
増加
5(中学校
校区)
222 人
400 人
81 件
350 件
2 指導者の指導力向上
県、地区及び関係機関や社会教育団体と連携した研修会、少年自然の家を活用した
体験活動指導者養成講座の実施等、高齢者、女性、PTA、子ども会等の指導者の研
修機会の拡充を図ります。また、
「青少年育成の日のつどい」等、青少年育成市民会議
の活動の内容充実を図り、青少年育成指導者の交流機会の拡充を図ります。
各地区、地域に配置した愛護委員の班会や班長連絡会では、青少年の現状や健全育
成の情報を共有し、研修機会の拡充を図ります。
3 総合的なネットワークの連携強化
非行の防止や不審者から青少年を守るため、青少年育成市民会議の構成の拡大を図
り、総合的なネットワークを構築するとともに、関係機関の連携を強化し、青少年の
育成を地域社会全体で取り組みます。特に、地域・地区の青少年(健全)育成会の活
動の充実を図り、支援に努めます。
地域や少年愛護センターにおいては、青色パトロール車による街頭補導などを実施
し、また各地区、地域に配置した愛護委員の班会や班長連絡会において情報を共有し
相互に連携して、今後も地域ぐるみで青少年の健全育成に努めます。
体験活動の拠点である少年自然の家においては、関係機関・団体等と連携しながら、
- 32 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
「出会い・体験・感動」のテーマのもと、3つのけじめ(静と動・時間・場所)と
6つの出会い(不自由・人・自然・新しい体験・常識・自分)を柱に、さまざまな
活動を通して思いやりの心やどんな困難にも打ち勝つ強い精神力などを養うととも
に、ふるさとのすばらしさを体感できる野外活動事業、自然体験事業、ものづくり
事業、プラネタリウム活用事業等を実施するとともに、集団宿泊学習を展開します。
<(数値)目標>
項
目
地域の青少年(健全)育成会
の活動回数、活動人員
少年自然の家利用者延人数
夏・冬のアドベンチャー
参加人数
現状の数値
H27
133 回
H28
H29
H30
H31
140 回
12,168 人
13,000 人
37,395 人
38,000
(H25)
人
98 人
100 人
(H26)
- 33 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
Ⅲ
学び活かす生涯学習
いつでも・どこでも学ぶ機会が提供され、日常生活で生きがいや充実感を感じられる
よう、次の施策を推進します。
1 生涯学習の展開とネットワーク化
地域全体で生涯学習を進めるため、地区コミュニティ協議会が主催する生涯学習講座や社
会教育講演会及び自主学級や学習グループへの指導・助言を行います。
生涯学習リーダーやボランティアリーダー養成を行うとともに、
学校支援ボランティア等、
生涯学習成果の活用を促進します。また、市民への生涯学習情報の提供及びまなびネットセ
ターを含め、学習相談体制の充実を図ります。 さらに、中央公民館及び地域公民館を拠点と
して、市内全域の地区コミュニティセンターとのネットワーク化を進め、現代的課題に対応
した講座や趣味的講座等、地域での生涯学習活動のさらなる充実を図ります。
また、公民館施設の十分な活用を図るため、計画的な維持補修に努めます。
その他、市民の生涯学習の場、
「知の拠点」として、市立図書館の資料の整備・充実に努め、
市民の図書館利用の促進を図ります。また、子どもの読書活動については、学校の教育課程
や、家庭、地域での取り組み等と連携し、幼児から大人まで幅広い世代を対象に活動の推進
と充実に努めます。
<(数値)目標>
項
目
現状の数値
日頃、生涯学習に取り組み、生きがい
52%
や充実感を感じている市民の割合
(H25)
生涯学習に取り組みやすい環境が整
(H26)
中央館・分館蔵書冊数
232,017 冊
中央館・分館貸出冊数(年間)
月あたり読書量[小学校]
月あたり読書量[中学校]
H28
H29
70%
っていると思う市民の割合
(各年度末)
H27
H30
H31
72%
増加
260,000
(H25)
320,087 冊
冊
330,000
(H25)
冊
11.6 冊
(H25)
増加
3.08 冊
(H25)
増加
2 生涯学習を進めるコーディネート機能の充実
人材バンク「すてきびと」への登録を促進し、市民への情報提供や公民館講座、家庭
教育学級、地区コミュニティ協議会の成人学級講師等としての普及・活用を推進します。
また、指導者養成研修会への社会教育団体等からの参加を拡充し、専門的知識を有す
る指導者の育成とその活動を支援し、学習成果の活用を図ります。
新たに始まる土曜授業を支援するため、第 4 土曜日を「わくわく薩摩川内土曜塾」と
- 34 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
して、行政が行なう体験学習や活動の情報を提供し、児童生徒が自由に選択し、豊かで
安全に過ごせる環境づくりを行ないます。また、施設の開放の検討や学校の土曜授業に
活用できる出前授業の情報収集・提供を進めます。
<(数値)目標>
項
目
すてきびと登録者数
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
67 人
増加
(H25)
3 家庭の教育力の向上
社会環境や家庭環境の複雑化に伴い、幼児や児童の虐待、規則正しい生活習慣やし
つけの欠如、不登校や引きこもり、いじめ問題など子供に関する様々な問題に対応で
きる家庭教育の質的向上を図るため、市内全幼稚園、小・中学校での家庭教育学級を開
設し、その成果を公開学習研修会として情報共有し、著名な講師を招いた講演会を開催し
ます。また、子育てサロンの利用促進、子育てサポーターの養成等を進め、子育て世代へ
の相談体制の充実を図り、地域や各世代で子育てを支援する体制を構築します。
<(数値目標)>
項
目
家庭教育学級参加者(年間)
現状の数値
H27
5956 人
H28
H29
H30
H31
増加
(H25)
- 35 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
Ⅳ 誇りと愛着のある地域文化の保存・継承・活用
先人たちが残した貴重な文化財を市民と共に次世代へ保存・継承等を行いながら歴史・文
化に触れることができるよう、次の施策を推進します。
1 文化財等の保存・継承・活用
⑴
清色城跡や入来麓伝統的建造物群保存地区等の活用
清色城跡や入来麓伝統的建造物群保存地区等の保存整備に努めるとともに、市内
の指定文化財への誘導案内及び利用促進を図るため、誘導案内板、標柱等の設置等
の文化財サイン事業を推進します。
⑵
甑島の素材の活用
甑島は県立自然公園から国定公園へと指定され、長目の浜周辺は、
「甑島長目の浜
及び潟湖群の植生」として国の天然記念物の指定を受けた。このことから、甑島の
豊かな自然遺産の保護と活用に努めるとともに、これまで下甑島の鹿島で発見され
た恐竜化石等の展示施設の拡充を図り、甑島への集客や地域の活性化を図ります。
⑶
天辰寺前古墳
県指定史跡「天辰寺前古墳」の保存と整備を進め、古墳公園として活用を図りま
す。
⑷
文化財学習機会等の提供
本市のもつ文化・文化財・歴史に触れてもらい、郷土愛を育み、文化財愛護意識
の高揚を図るため、市民を対象とした文化財少年団、文化財ボランティア団体等の
育成を図るとともに「文化財めぐり」・「文化財を知る講座」を実施、推進します。
さらに、埋蔵文化財包蔵地の周知徹底を図り、開発行為に伴う円滑な発掘調査を
推進するため、遺跡分布地図を活用します。
<(数値)目標>
項
目
国・県・市指定文化財件数
現状の数値
H27
177件
H28
H29
H30
H31
180件
(H26)
2 文化活動の推進
⑴
文化・芸術活動を発表する場の提供
市民の意欲的な創作活動や市民主体の芸術文化事業を奨励・支援し、魅力あるま
ちづくりに資するための文化芸術活動の振興である文化のまちづくり事業の推進に
努めます。
文化イベント等を実施し、市民に芸術鑑賞機会の充実を図るとともに市民の文化
芸術活動に対する意欲を高めるため、日頃の活動の成果を発表する場を提供してい
きます。
また、川内文化ホール及び入来文化ホールについて、文化芸術の拠点としての機
能が十分発揮されるよう施設の維持管理に努めるとともに、積極的なPRを行い、
- 36 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
利用者の増大に努めます。川内歴史資料館、川内まごころ文学館、各郷土館などの
施設についても、歴史学習の拠点として位置づけ、その積極的な活用を図ります。
⑵
地域文化の継承・発展
各地域に伝わる民俗芸能等の伝承活動を推進し、将来に確実に継承されていくよう活
動や発表への支援及び郷土芸能の保存伝承への意識を高めてもらうため、保存団体の活
動や後継者の育成を支援します。
<(数値)目標>
項
目
地域の歴史や文化に
関心があると回答し
た市民の割合
文化・芸術に親しむ
環境が整っていると
思う市民の割合
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
65%
70%
(H26)
55%
60%
(H26)
川内歴史資料館・川
内まごころ文学館・
34,000 人
入来麓旧増田家住宅
(H25)
等の入館者数(年間)
37,000
人
- 37 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
Ⅴ
スポーツ活動を楽しむ環境整備
誰もが、気軽にスポーツを楽しむ機会に恵まれることにより、健康を維持し、豊かに暮ら
せるよう、次の施策を推進します。
1 生涯スポーツの推進
健康の維持増進や体力づくりを目的に、市民が「いつでも」
「どこでも」
「だれでも」
気軽にスポーツを楽しむことができるよう、各種健康スポーツ教室の開催や地域スポ
ーツクラブの育成などに取り組みます。
地区コミュニティ協議会やスポーツ推進委員と連携し、地域のスポーツ・レクリエ
ーション活動などの環境づくりを促進します。
⑴
スポーツ機会の提供
市民の誰もが気軽にスポーツを楽しめるよう、各スポーツ団体と連携を図り、ス
ポーツイベントやスポーツ教室の開催や支援に取り組みます。
<(数値)目標>
項
目
市民のスポーツ実施率
(週1回以上)
各種健康スポーツ教室
受講者数
⑵
現状の数値
H27
H28
36%
H29
H30
H31
66%
(H26)
延べ 1,089 人
(H25)
1,500 人
生涯にわたるスポーツライフの支援
ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するため、それぞれの体力や年齢に
応じて、いつでも・どこでも・だれでも、安全にスポーツに親しむことができる生
涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備を推進します。
⑶
生涯スポーツ推進体制の充実
市民が主体的に参画する地域のスポーツ環境を整備するため、市体育協会、地域
体育協会、市スポーツ少年団等のスポーツ団体との連携及び総合型地域スポーツク
ラブの育成・支援を図ります。
⑷
スポーツ推進委員による地域スポーツの推進
各地域におけるスポーツ推進委員の役割を周知し、地域におけるスポーツの指導
及び普及の推進を図ります。
2 競技スポーツの振興
競技人口の底辺拡大と競技力の向上を図るため、市体育協会などの関係団体と連
携して、指導者の育成と指導体制を強化します。
プロ選手、実業団等の合宿誘致やスポーツ大会の誘致に努め、これにより競技ス
ポーツの振興を図ります。
⑴
競技スポーツ推進体制の充実
競技力向上と競技スポーツの振興に積極的に取り組むスポーツ団体等のスポーツ
活動を支援します。
- 38 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
⑵
スポーツ選手の育成及び指導者の養成
市体育協会及び各種目競技団体等による優れた資質の発掘と優れた指導者の養成
を支援し、スポーツ選手の強化を図ります。
⑶
大会出場者への支援
全国大会等に出場する個人・団体に出場助成金を交付し、大会出場を支援します。
また、市社会体育功労者の優秀スポーツ選手・チームの部として、全国大会で優
秀な成績を収めた選手、チーム及び指導者を表彰します。
<(数値)目標>
項
目
全国大会・九州大会に
出場する団体数
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
107 団体
130
(H25)
団体
3 スポーツ環境の充実
市民のスポーツ活動の基盤として役割を担えるよう、施設・設備の充実などスポ
ーツ環境の整備を行います。
また、体育施設の利用増進やサービスの向上を図るために、管理・運営の体制強
化を図ります。
⑴
スポーツ施設の充実
誰もがいつでも気軽に体育施設を利用し、スポーツを楽しむには、施設・設備の
充実が求められます。
老朽化が進む本市の体育施設・設備を安全で充実した施設として維持するために
施設管理計画を作成し、長期的な視点でスポーツ施設の改修整備を進めます。
⑵
スポーツ施設の利用促進
スポーツ施設の管理・運営の充実を指定管理者と連携を図りながら、各地域の体
育施設の活用促進に努め、合理的な管理体制を構築します。
併せて、市内の体育施設の情報を広く周知するとともに、スポーツイベントを開
催し、施設の認知度を高め、利用促進を図ります。
⑶
学校体育施設の利用促進
地域住民のスポーツ活動の場として、学校の教育に支障のない範囲で、学校の体
育施設の効率的な利用を促進します。
また、効率的な利用促進を図るため、学校体育施設開放事業により、運用方法や
管理体制の検討を行います。
⑷
スポーツ情報の発信
広報紙やホームページを有効に活用し、スポーツ施設・スポーツイベント・スポ
ーツ教室等についての情報を広く発信します。
- 39 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第4章
<(数値)目標>
項
目
体育施設の年間利用者数
運動やスポーツを楽しむ
環境が整っていると思う
市民の割合
現状の数値
H27
H28
H29
H30
675,687 人
H31
70 万人
(H25)
73%
78%
(H26)
4 スポーツ振興による地域の活性化
スポーツ合宿誘致やスポーツイベントの開催等により、交流人口の拡大による地
域の活性化を図ります。
⑴
スポーツイベントによる地域活性化
県内外・国内外の人々をスポーツで薩摩川内市へ呼び込み、地域の活性化を図る
ため、関係団体と連携を図り、スポーツ大会による地域交流を促進します。
【第75回国民体育大会鹿児島県大会本市会場地種目】
ホッケー(全種目)、空手道(全種目)、バスケットボール(少年男子)
軟式野球(成年男子)、ウエイトリフティング(成年男子・少年男子)
⑵
スポーツ合宿による地域活性化
プロスポーツチームのキャンプやスポーツ合宿の受け入れは、観光客誘致や地域
のイメージアップなどの効果が期待されます。
市体育協会やホテル旅館組合等と連携し、スポーツ合宿誘致を図ります。
<(数値)目標>
項
目
スポーツ合宿団体数
⑶
現状の数値
H27
H28
H29
H30
H31
70 団体
100
(H25)
団体
ボランティアの養成
スポーツ大会やスポーツイベントをおもてなしの心で支える多くのボランティア
が不可欠であり、その人材の養成が重要です。
スポーツを「支える」という観点から、市民の誰もが、自分に適した様々な形で
スポーツに携わり、スポーツを楽しむことのできる環境づくりを推進します。
- 40 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第5章
第5章 計画の推進と目標の実現に向けて
1 学校・家庭・地域社会の連携及び役割
近年、社会の仕組みや市民の生活様式が複雑化し、その影響で価値観もまた多様化し
ています。このような中、「薩摩川内市教育振興基本計画後期計画」を推進し、「ふるさ
とを愛し
心豊かにたくましく生きる
薩摩川内のひとづくり」を進めるためには、学
校とともに基礎的な人間関係を形成する場である家庭や、様々な人々との出会いと体験
を重ねる場となる地域社会が、各々の役割を果たし、連携・協力して施策を推進するこ
とが必要です。
⑴ 学校の役割
学校が教育活動を展開するにあたっては、地域の教育力を生かし、家庭や地域社会
の支援を受けることに積極的にならなければなりません。そのためにも学校は、家庭
や地域社会に積極的に働きかけを行い、家庭や地域と協力して、子どもたちを育てて
いくという視点に立った学校運営を推進していくことが極めて重要であります。
⑵ 家庭の役割
健全な子どもの育成には、社会の基礎集団である家庭での教育力は不可欠です。家
庭の役割を考える場合、親は子の教育について第一義的な責任を有していることを十
分に自覚し、親としての優しさと厳しさを持って子育てするとともに、子どもの視線
に立って家庭生活を見つめ直すなど、その責任を果たしていくことが重要です。社会
全体での子育て支援は、このような家庭の役割を前提としています。
⑶ 地域社会の役割
地域は、個人や地域を支え合う最も身近な場であり、子どもを含め、そこに住むす
べての人々が充実した健全な生活を営み、豊かな人間性を育む絶好の場であります。
また、地域ぐるみで子どもたちに関わり、見守り育てていくことは、地域社会の大き
な責務です。
地域社会がそのような役割を果たしていくために、老若男女を問わず、地域の人々
が率先して地域社会との関わりを深め協力し合い、多様な生活の場を提供することで、
連帯意識の醸成を図り、ふるさとの良さを実感させ、子どもたちが安心して遊び、生
活できる安全な地域づくりに努めることが求められています。
2 教育委員会(行政)の役割
⑴ 計画推進体制の確立
教育のさらなる振興を図るためには、一人一人の教育についての意識を高め、学校・
家庭・地域・行政がその役割を十分に果たせるよう取り組むべき施策を体系的に位置
づけ、本市の教育施策の浸透を図り、互いにつながり、支えあい、一体となるための
体制を確立することが重要です。
その中心となる教育委員会は、教育に関する様々な情報を積極的に発信し、広く関
係者や住民の意見を取り入れ、施策の改善を行う責務があります。このため、
「地方行
- 41 -
薩摩川内市教育振興基本計画 第5章
政の組織及び運営に関する法律」の改正を踏まえ、今後設置される総合教育会議にお
いて、市長と教育委員会の連携の強化を図るとともに、施策の方向性を共有し、この
計画を推進していくことが必要となります。
⑵ 各事業の点検・評価及び見直し
薩摩川内市教育振興基本計画後期計画をより効果的に推進していくためには、常に
社会の変化を見極めながら、国・県の教育施策を本市の実情に照らし合わせ、点検・
評価を行い、その結果を事業に反映させ、PDCAサイクルを常に意識し、設定した
数値目標等の達成度、有効性の観点から点検評価し、必要に応じた施策の改善を行い、
本計画の進行管理を行います。
- 42 -
かがや
薩摩川内市民歌
み ら い
輝 け未来へ
(平成21年6月10日制定)
作
詞
作・編曲
三
幸 笑 未 こ 元
せ 顔 来 ど 気
創
へ も で
る 明 夢 も ゆ
る を お こ
く
と う
な と
薩
翔
も
摩 さ か
川 わ す
呼
内 や
い び
か
き か
に
い け
き る
と
ま
ち
を
潤
す
川
内
川
星合 節子
吉俣
良
二
平
和
を
願
う
世 歴 育
紀 史 む
と 文
栄 共 化
え に や
る
や
さ
し
く
香
る
ひ
か
り
輝
く
薩
伸 産
甑
摩 ふ び 業 カ 島
川 る て も ノ
内 さ ゆ
コ
と く
ユ
の
リ
一
明
日
を
拓
く
こ
こ
ろ
と
こ
こ
ろ
ふ
れ
あ
う
市
民
の
薩
摩
川 通 あ
内 わ た
せ た
て か
さ
豊
か
な
自
然
に
希
望
を
か
ざ
し
て
み
ど
り
あ
ふ
れ
る
恵
ま 日 薩
れ が 摩
て 昇 路
る に
薩摩川内市教育振興基本計画
~ふるさとを愛し 心豊かに たくましく生きる
薩摩川内のひとづくり~
薩摩川内市教育委員会
〒895-8650
薩摩川内市神田町3番22号
TEL 0996-23-5111
FAX 0996-25-0776
URL http://www.edu.satsumasendai.jp/
薩
摩
川
内
市
民
歌
輝
け
未
来
へ
薩摩川内市教育振興基本計画
~ふるさとを愛し 心豊かに たくましく生きる
薩摩川内のひとづくり~
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