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生涯スポーツ コンベンション
協力 財団法人 ミズノスポーツ振興会 東京海上日動火災保険株式会社 他9社 (スポーツ安全保険引受損害保険会社) 財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団 株式会社 アシックス 財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 財団法人 ライフスポーツ振興財団 発行 文部科学省 生涯スポーツコンベンション実行委員会 財団法人 日本体育協会 財団法人 日本レクリエーション協会 財団法人 日本体育施設協会 財団法人 スポーツ安全協会 社団法人 全国体育指導委員連合 社団法人 スポーツ健康産業団体連合会 財団法人 日本障害者スポーツ協会 東京都 財団法人 サンラッキー 株式会社 ニシ・スポーツ 株式会社 メルシー 生涯スポーツ コンベンション 報告書 生涯スポーツコンベンションに関するお問い合わせは 文部科学省スポーツ・青少年局 生涯スポーツ課 TEL.03-6734-2686 (財) 日本体育協会 生涯スポーツ推進部生涯スポーツ課 TEL.03-3481-2215 スポーツの感動を地域へ! 未来へ! C O N T E N T S 発刊によせて•• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 2 実行委員会代表 財団法人日本体育協会 会長 森 喜朗 開催プログラム• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 3 開会あいさつ• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 4 文部科学省 スポーツ・青少年局長 山中 伸一 ■全体会• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 5 記念対談 「スポーツの感動を地域へ!未来へ!」 提言 「生涯スポーツ社会の実現に向けて」 ■分科会• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 第1分科会 「中高年のための運動プログラム」 第2分科会 「子どもの体力向上を図るための地域の 関係者の連携と協力」 第3分科会 「より親しまれるスポーツ施設を目指して」 第4分科会 「子どもの体力向上を促進する効果的な 保護者の意識啓発事業のあり方」 会場スナップ• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 参加者内訳• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • アンケート結果•• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 意見・要望等抜粋• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 生涯スポーツコンベンション これまでの歩み1990〜2008• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • ◆関係資料1• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • スポーツ振興基本計画 ◆関係資料2• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 成人のスポーツ実施状況 ◆関係資料3• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 全国体力・運動能力、運動習慣等調査 ◆関係資料4• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 総合型地域スポーツクラブの育成・支援 ◆関係資料5• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • スポーツ指導者の養成・活用 ◆関係資料6• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • スポーツ施設の整備・充実 ◆関係資料7• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • スポーツ振興くじ助成 発刊によせて 実行委員会代表 財団法人 日本体育協会 会長 森 喜朗 我が国における生涯スポーツ振興の気運を高めることを目的に開催してまいり ました生涯スポーツコンベンションも今回で 20 回目の節目を迎えました。 本コンベンションでは、これまでも生涯スポーツ振興上の諸課題について様々 な視点から検討を加え、意見交換を行い、数々の成果をあげてまいりましたが、 今回も全国各地から約 800 名の参加を得て、盛会裡に終了いたしましたことは、 誠に喜ばしい限りであります。これもひとえにご参加の皆様の熱意と関係各位の ご協力の賜物と、心より感謝申し上げる次第です。 さて、東京都で開催いたしました今回の「生涯スポーツコンベンション 2009」 は、 「スポーツの感動を地域へ!未来へ!」を全体テーマに、栗山英樹氏と二宮 清純氏による記念対談、二宮清純氏の提言とテーマごとに 4 つの分科会を行いま した。 分科会では、活発な意見交換も行われ、地域の誰もが生涯にわたって能力や興 味・関心に応じてスポーツに親しむことのできるスポーツ環境の充実に向けて、 多くの示唆と成果が得られたものと確信しております。 参加された皆様には、全体会・分科会等を通して得られた貴重な情報を日常の 活動に活かされ、今後益々生涯スポーツ社会の構築に向けてご活躍・ご尽力いた だきますようご期待申し上げます。 また、開催にあたりご尽力いただきました文部科学省をはじめ、東京都など関 係機関・団体に対しましても衷心より感謝申し上げます。 終わりに本コンベンションの趣旨にご理解を賜り、ご支援いただきましたすべ ての企業・団体の皆さまに対し、この場をお借りして深く感謝の意を表させてい ただくとともに、 この報告書が生涯スポーツを振興する上での貴重な資料として、 幅広く活用されますことを切に希望し、発刊によせる挨拶といたします。 2009 生涯スポーツコンベンション — 人・スポーツ・未来 — 全体テーマ「スポーツの感動を地域へ!未来へ!」 プログラム 期 日 平成21年2月4日 (水) 会 場 オープニング 全体会 〒160-8330 東京都新宿区西新宿2-2-1 『生涯スポーツ社会の実現に向けて』 提言:二宮 清純 TEL.03-3344-0111 地方公共団体関係者 スポーツ・レクリエーション団体関係者 各種産業界関係者 展示見学会 12:10 〜 13:40 (4F 錦) 分科会 13:40 〜 15:40 第1分科会 (5F コンコードボールルーム) テーマ:中高年のための運動プログラム 座 長:田中 喜代次 発 表:田中 喜代次/中垣内 真樹/牧田 茂 第2分科会 (5F コンコードボールルーム) テーマ:子どもの体力向上を図るための地域 の関係者の連携と協力 座 長:萩 裕美子 発 表:山中 善道/内藤 信/亀山 みはる 第3分科会 (5F コンコードボールルーム) テーマ:より親しまれるスポーツ施設を目指 して 座 長:野川 春夫 発 表:白木 俊郎/武井 正子/寺山 まり 第4分科会 (4F 花) テーマ:子どもの体力向上を促進する効果的 な保護者の意識啓発事業のあり方 座 長:瀧井 宏臣 発 表:木村 正男、吉田 龍太/赤木 善弘/ 塩沢 一夫 学識経験者 その他関係者 他 主 催 文部科学省 生涯スポーツコンベンション実行委員会 (財) 日本体育協会 (財) 日本レクリエーション協会 (財) 日本体育施設協会 (財) スポーツ安全協会 (社) 全国体育指導委員連合 (社) スポーツ健康産業団体連合会 (財) 日本障害者スポーツ協会 東京都 後 援 10:10 〜 12:10(5F コンコードボールルーム) 『スポーツの感動を地域へ!未来へ!』 記念対談:栗山 英樹、二宮 清純 京王プラザホテル 参加者 9:45 〜 10:00 経済産業省 開会あいさつ 主催者代表 文部科学省 スポーツ・青少年局長 山中 伸一 生涯スポーツコンベンション2009の開会にあた 体力が高い県では、早寝早起きなど基本的な生活習 りまして、一言ごあいさつ申し上げます。 慣ができている、あるいは学校としても組織的に取 今年度、文部科学省が実施した全国の小学校5年 り組んでいるなどの傾向があり、そのような学校は 生と中学校2年生を対象とする体力調査の結果を、 学力も高いという結果でした。 先週公表いたしました。従来のサンプル調査とは別 この傾向は、ある面で大人の地域スポーツにも共 に、対象学年の全子どもを対象として実施した初め 通するのではないでしょうか。「スポーツをしよ ての調査となります。 う」という意欲があったとしても、身近にすぐでき 調査結果によると、1日2時間、週に3日以上運動 る環境があるか、指導者がいるかによって、それぞ する、あるいは体を動かしている子どもは体力が高 れの地域における住民の体力、運動能力にかなり差 いという結果が出ました。おおよそ週に3時間は体 が出るように思います。 育の授業がありますので、体育の授業以外に1日1 本日のコンベンションには、地域のスポーツ振興 時間運動すれば体力は上がることになります。ま に取り組んでいらっしゃる方々にお集まりいただい た、組織的に毎日縄とびなどの運動をしている学校 ております。ぜひ今日の成果をヒントにし、あるい の子どもは体力が高い、という結果も出ています。 は持ち帰っていただいて、それぞれの地域でのス このことは当たり前のようにも思われますが、全 ポーツ環境の整備に努めていただければ大変有難い 都道府県の状況を見ると顕著な差があります。たと と思います。 えば、中学校2年生男子の1,500メートル持久走で また、今回、この会議は東京で開催しております は、一番速い県と一番遅い県で72秒、すなわち400 が、ここ東京都が招致活動を行っている2016年オ メートルトラック1周分ほどの差があります。これ リンピックの開催地が、今年の10月に決定される は子どもの体力という以前に、当たり前のことが当 ことになっています。半世紀ぶりに日本で再びオリ たり前に行われているかどうかを考える必要がある ンピックが開催されることになれば、国民の皆さん ということを示唆していると思われます。 のスポーツ・運動に対する意識を高める意味からも 子どもたちに運動をさせるような教育、体育の授 これに勝るものはないと思います。政府としても、 業、それら全てに及ぶ指導の方法が子どもたちの体 ぜひ日本でのオリンピック開催が実現するよう支援 力の差となっているのかもしれません。地域ごとの してまいりたいと思っておりますので、皆様方のご 環境の違いもあるのではないかと思いますが、まず 協力もお願い申し上げる次第です。 そうしたことがしっかりと行われていないのではな 最後に、本コンベンションをこのように開催させ いかという印象を持っています。 ていただきましたことに対し、東京都をはじめ関係 もう1つ、大変興味深いのは、基礎体力が高い県 の皆様に心よりお礼を申し上げ、開会のごあいさつ は基礎学力も高い傾向があるということです。基礎 といたします。 全体会 記念対談 スポーツの感動を地域へ!未来へ! か「日本に取り入れてもいい」というよう な例はありますか。 ◆スポーツが街を変える 栗山 そういう例は本当にたくさんありま す。実は、昨日キャンプ地から戻ってきた のですが、今年は最初に高知から入りまし 栗山英樹 二宮清純 (スポーツキャスター・白鴎大学教授) (スポーツジャーナリスト) た。高知というと、阪神とかオリックスが 最後にちょっとキャンプに行くのですが、 日本のチームはほとんど高知を使わなく なってしまっていて、いまは地域的には宮 崎と沖縄に行くとだいたい 12 球団の取材 二宮 今日は『スポーツの感動を地域へ! ません。ただ、今でもそれで良いのだろう ができるような状態になっています。 未来へ!』 がテーマです。 世界中、 どのスポー かという気はしているわけです。 さらに今、 久しぶりに高知に入ったのは、韓国の ツを見ましても地域密着型です。日本の場 学校は少子化の時代を迎えていますから、 チームが見たかったからです。北京オリン 合、J リーグが誕生してから地域密着とい 昔 4 クラスあったのが今は 1 クラスしか ピックは、ものすごい感動がありましたけ う理念がだいぶ定着しまして、プロ野球で なくなるなど、学校の部活動ができないと ど、野球では、韓国のキム・ガンヒョン も地域密着型を唱えるようになりました。 いうのが現状です。 というピッチャーに 2 試合ともやられま 日本では、これまで、地域ではなく学 さらにいえば、企業の場合にはスポーツ した。その韓国のチームはけっこう日本で 校と企業を中心にスポーツを行ってきまし 部を持つメリットが 3 つありました。簡 キャンプを張るのですが、なんと 1 月 3 日 た。なぜ学校と企業が中心だったかといい 単に言いますと◦広告宣伝、◦社威発揚、 から 2 月中旬まで高知のメイン球場でキャ ますと、これは私の個人的な意見ですが、 ◦福利厚生、この 3 つがあったわけです 体育とスポーツは似て非なるものなのだけ が、目的を果たしたら簡単に廃部にしてし れども“Physical Education”と“sport” まう。特にいま未曾有の経済不況で、ど を混同したところがあったんじゃないだ んどん廃部が相次ぎ、このままだったら本 ろうか、と思っています。“sport”の語 当にスポーツが総崩れという状況になりか 源 は“desport” 、 “disport” 、 “sportiva” ねません。やはりスポーツは公共財ですか といろいろな言い方がありますが、 “余暇” ら、 地域が責任を持って守ろうじゃないか、 とか“遊ぶ”という意味です。 “port = それを行政が支えましょうよ、そして企業 運ぶ” 、 “dis =しない”ですから“運ばな は退場するわけではなく、これまでの所有 い”ということ。すなわち労働ではない、 から支援の側に変わりましょうよとなるの 余暇こそがスポーツなんだと。ところが日 が、基本的なコンセプトではないだろうか 本の場合には、明治期にスポーツを輸入し と考えております。 た際、富国強兵の時代ですから“Physical そこで、世界をいろいろと取材されて Education”と“sport”を混同したあた いる栗山さんにおうかがいしたいと思いま りにそもそものボタンの掛け違いがあった す。栗山さんもメジャーリーグなどを取材 のではないかと思っております。 されていて、まさにスポーツが地域の財産 これはその時代の要請ですから、それを として根づいている光景をたくさんご覧に 間違いだと簡単に決め付けるわけにはいき なったと思います。 「これは感動した」と 二宮 ほおー。 栗山 要するに、モンスターのキャラク ターの格好をした動くゴミ箱です。子ども たちは球場に持ってきたゴミとか、人の出 したゴミをわざわざ持ってきて入れます。 ゴミを入れると、モンスターが喜んでく れるのです。 「なるほどな」と思いました。 自分が持ってきた物を自分たちできちんと 片付けるとか、ここは皆の場所であるから きれいに使わなくちゃいけないとか、そん なことを無意識に、子どもたちに教える場 所になっているんだ、と思いました。 地域の方がそういったスポーツのチーム ンプを張っているというのです。世界一練 楽天はどうかね」とすぐに聞いてきます。 を大事にするというのは、家族で教えきれ 習をする、日本では想像もつかないような 「この前、 野村さんを乗せたよ」 とか「サッ ない、伝えきれないものがそこにあったり 練習をすると聞いていたので、どうしても チーも乗せちゃったよ」 (笑)とか、何で するからだと思います。スポーツって、こ 見てみたくて行きました。その時に、野球 もいいから話してくる。やっぱり会話やコ んなに長く世の中に愛されて大切にされて のことよりも「なるほどな」と思ったこと ミュニケーションは大事です。それだけで きたんだということを、そういう小さな町 がありました。二宮さんもご経験があろう 嬉しくなります。無愛想に「どちらまで」 のチームに行った時、ものすごく感じた かと思いますが、キャンプの時は皆が集ま なんて言われるより「この前、楽天の試合 わけです。そういったものをもっと活かす るので、ホテルを取ったり食事をしたりす を見に行ったら逆転勝ちしたんだよ。山崎 形を我々は伝えていかなくちゃいけないと るのってけっこう大変じゃないですか。と がホームラン打ってねぇ」と言われた方が 思った瞬間でした。 ころが、高知は韓国のチームがキャンプを いい。それだけでもすごく街が明るくなる 張っているのに、街で人の出入りがすごく という気がするのです。 少ない感じがしたのです。2 日間ずっと高 栗山 そういう意味で僕の心に残っている 二宮 そうですね。やはりスポーツのもた 知にいて、やっぱりスポーツを活かすこと のは、アメリカのポートランドというもの らす影響といいましょうか、本当に小さい がものすごく重要なことなんだなと、まあ すごく小さな町です。そこに行った時、マ 頃からスポーツがある所で、社会との接点 プロ野球の例ではありますが、そんなこと イナーリーグのチームでしたが、ものすご というか、その中でいろいろな事を覚えて を感じて今日ここに来ました。 く格好悪いキャラクターのぬいぐるみがグ いくのではないかと思います。 二宮 スポーツというのは、もちろん経済 ラウンドの中を歩いているのを見ました。 私は、これまで日本の教育というのは学 効果を伴います。また、それ以上に気持ち それが本当に全然かわいくないのです。 「誰 校教育と社員教育しかなかったと思ってい が明るくなることがやはり大事だと思うの がこんなの考えついたんだろう」と思うぐ るのです。日本人は、学校教育はちゃんと です。このことは、スポーツの数値に表 らいにカッコ悪い(笑) 。それが試合中に 受けます。学力低下などと言われています れない非常に大きな効果だと思います。ま スタンドをトコトコ歩いているのですが、 けど、 そんなにレベルが低いわけではない。 さに栗山さんがおっしゃったように、本当 まあマイナー・リーグですから 3 千人も ところが、その後企業に入ると社員教育に にスポーツのある街というのは明るいです 入れば十分というような所で、何故かその なるのです。 学校教育と社員教育があって、 よ。 「この街に生まれてよかった」 、 「この キャラクターに子どもたちがいっぱい付い 「社会教育」をどこでやるのかということ 街に育ってよかった」という思いがある。 ていくのです。何でこの野球も分からない です。社会教育だけがスッポリと抜けてい 例えば東北楽天イーグルスですが、楽天 ような小さい子が付いていくのかなと思っ たのです、この国は。 ができてから、仙台に行ってタクシーに乗 ていたら、そのキャラクターがお腹にゴミ その点、全て欧米が良いと言うわけでは りますと、運転手さんが「いやー、今日の 箱を抱えていたのです。 ありませんが、ヨーロッパのスポーツクラ ◆スポーツで生まれる絆 ブに行きますと、いろいろな職種の人が さんは黙っていてもお爺ちゃんを尊敬する のです。しかも、相手にボールを投げると 集まってくるし、子どももいれば大人もい と思います。 「うちの爺ちゃんはスゴイ!相 いうことは、相手の胸に投げないと、自分 るということで、社会のルールとかマナー 手のタックルを飛ばしてた。カッコいいな が拾いに行かないといけなくなります。と ということをクラブの中で教えていくので あ」と。お爺ちゃんは「うちの孫はひ弱だ いうことは、相手の気持ちを思いやって相 す。これは非常に大切なことであって、こ と思ってたけど、あれはなかなかワシの血 手の胸に投げる。僕はこんなキャッチボー ういうクラブがないと社会教育ができませ を引いとるぞ」となるでしょう。まさに親 ルみたいな良い教育トレーニングはないと ん。学校教育からいきなり社員教育に移っ 子三世代で絆が深まっていくのです。日本 思っています。ところが栗山さん、いま学 てしまうことが、日本がこれだけ精神的に を見てください。バラバラじゃないですか。 校でもキャッチボール禁止だとか公園でも 荒廃したひとつの理由じゃないかと思って 親子三世代が 1 つのボールを追いかける目 キャッチボール禁止だとか言われて、これ います。 的というのは非常に大切で、それによって はおかしいと思うのです。 ひとつ、ヨーロッパで僕が経験した例を 家族の絆とか地域の絆が深まっていく。こ 栗山 本当ですね。施設の問題とか、危険 申し上げます。1990 年のフランスでサッ の装置であるのが、実は総合型地域スポー だとか言われますよね、いま。日本はどこ カーのワールドカップを取材した時に、ラ ツクラブではないかと思っています。 の空港に降りるときでも、上から見ると野 グビーの試合を観に来ないかと誘われまし さらに言うなら、例えば野球のキャッチ 球場があって、学校には校庭、体育館、プー た。パリから 2 時間ぐらいのところにカー ボールでもそうですね。あれは単なるボー ルがあって、ものすごい施設が小学校、中 ンという町がありまして、そこからまた車 ルの移動ではない。アメリカでは、親が子 学校にありますよね。皆さんが一番苦労さ で 1 時間ぐらい走らせた所の小さな村へ どもに教えるのがキャッチボールだという れているのは、民間のクラブを作っていく 行ったら、なんと 400 歳対 400 歳で試合 ふうに言われています。なぜかと言うと、 中で、その施設をなかなか使いきれないと をするというのです。つまり、そのクラブ 親が 3 歳とか 5 歳ぐらいの子どもにグロー いうことじゃないかと思います。そのへん ゲームの中で 10 代も 20 代も、そして 30 ブを買ってあげます。そしてボールを投 のジレンマについて、これから整備をして 代、40 代、50 代、60 代、70 代も入って げます。親が投げたら痛いです。キャッ いく必要があるだろうなと思います。 いるんですよ。それで試合をするわけです チボールを通じて、 「親父って恐い存在だ」 例えば、昨日まで高知に行っていて、二 が、親子三世代がボールを追いかけていま と思うのです。 「親父は強いな」と。こう 宮さんも同じ四国の松山出身ですけど、四 した。これは非常に新鮮な風景でした。ラ やって親子の絆というものが生まれ、そし 国の独立リーグで高知のチームだけが、な グビーだから走らせないと面白くない。だ て親は子どもの成長を見てとることができ かなかお客さんが入らないという話を聞き から子どもはボールを持って走る。 「トラ るんですね。単なるボールの移動ではない ました。それで、 行ってみて「なるほどな」 イだ!」と思った瞬間に若い人がタックル に行く。そこで「人生はそんなに甘くない ぞ」と、ちゃんと教えるわけです。若い人 は、 お年寄りに対しては、 ゆっくりお爺ちゃ んと抱き合うようにタックルします。それ で、試合が終わったら飲めや歌えやになる のです。 「いやー、 あんたんとこのお爺ちゃ んすごいな、 150 歳まで生きるぞ」とか、 「お 孫さん、将来フランス代表になるぞ」なん て言いながら。 僕は本当にこれが羨ましかった。ですか ら、今の日本の問題として地方の疲弊と教 育の崩壊の2つが挙げられると思いますが、 例えばこういうふうな親子三世代が 1 つの ボールを追いかけるクラブがあれば、お孫 な職種の方が来て手伝ってくれる。それが どんどん広がっていって、お金よりも、人 がつながる形が何かを起こすのだというこ とで、結果的には 3 年目ぐらいから球場が 使えるようになりまして、東京から子ども たちが夏場に野球をしに来たりします。 人が育っていくということは、野球だけ やっていればいいということではなくて、 また野球だけやっていても野球は全然上手 くならないので、人間の大きさを広げるた めにも、自然を感じてもらおうということ になりました。球場の下に小川が流れてい と思いました。いままで気がつかなかった 環境の中で何か子どもたちができたら、と て、そこに「カワニナ」というホタルの餌 のですが、要するに、ナイター照明のある ても子どもが変わるんだという話を仲間と になる貝がいて、町の人から 30 年ぐらい 球場が高知には 1 つも無いのです。 していて、 「じゃあ、言うならやれよ」と 前はそこにホタルが飛んでいたと聞いたの 二宮 無いんですよ。そうなんです。 いうことになっていったのです。その後、 です。 栗山 それだけでそのクラブが苦しんでし たまたま北海道まで行った時に、栗山町と 二宮 ほう。 まったりすることもあるので、やはり地域 いう僕と同じ名前の町があることを知りま 栗山 絶対にもう一度復活できるだろうと との関係というのは、ものすごくいろいろ した。これは地元 JC の 30 周年という年 いうことになり、たまたまホタルを養殖し な意味がありますよね。考えていかなけれ に何かイベントをやりたいということで、 ている方がいらっしゃったので、小さな ばいけないことがたくさんあるのに、僕ら 釣りバカ日誌の栗山トシオ監督とか、栗山 ものを 500 匹ぐらいいただいて放しまし は昼間ばかり見ているので、いままであれ 千明さんとかのタレントさんを呼ぼうとい た。北海道の寒さに耐えられるかなあ、と だけ取材して球場に行っていても、そうい う話になり、ある野球好きの方が僕を呼ん 思っていたら 3 年ぐらい前から飛び出した うことに気がついていなかったのです。そ で野球のイベントができないかと考え、事 んですね。もちろんあの辺はまだクワガタ ういった部分をどんどん口にしていかな 務所に来られたのです。名前だけ貸すのは が残っていたりするのですが、クワガタが きゃいけないと改めて思いました。 嫌だったので 1 回行ってみました。 その木に集まるような養殖の場を作ったり コンサドーレ札幌ができた時、1 年で畑 しました。子どもたちがそこに来ると、野 だった所に素晴らしいピッチを 2 面作っ 球をしながら何か僕らが子どもの頃にやっ 二宮 そこで栗山さんは、北海道の栗山町 たような所だったので、ここだったら子ど ていたような遊びができる環境を感じてい に球場を作られたそうですね。 もたちの野球環境を作れるかもしれないと き、 「自然って生きているんだ」などと感 栗山 皆さんが地域のためにクラブを作る いうことで、1 つの山の部分を切り開きな じると、キャッチボールひとつも優しく ということで始めて、実はもう 11 年目に がら皆で野球場を作り始めました。お金が なっていったりするのです。 なります。発想は単純でした。僕は野球を ありませんから、農家の皆さんに、仕事が 二宮 なるほどね。 やらせていただいていますが、その原点は 始まる前、1 時間だけ種まきや草取りを手 栗山 相手が取りやすいとか、そのために 地域にあって、地域のボランティアで野球 伝ってもらいながら、地域の皆の力で球場 どう投げたら良いかなどと考えるようにな を教えてくださっていた方に教わっていま を作っていきました。バックネットも欄干 る。 「ちゃんと胸に投げなさい」とか「相 の僕がいるので、何か野球を通して恩返し を買ってきたりしながら皆で立てて、天然 手のことを考えましょう」なんて言うより できる形を考えなきゃいけないと思ったの 芝の球場を作ったのです。 も、そんな遊びをさせてキャッチボールを です。これはサッカーなんかもそうですよ 実際にそんなことをやってみて感じたこ したほうが、よほど何かが変わっていく。 ね。川淵さんが小学校の校庭を芝生にする とは、結局 1 人では何もできないというこ 二宮 自然に身についていくということで と言われている。そんな話の中から、芝の とです。一所懸命やっているうちに、様々 すね。 ◆北海道に球場を作った! 栗山 はい。そのことは、僕らもやってみ はないかという気がしています。 山さんどう思われますか。 て初めて感じたことでした。個人の思いで 栗山 北海道の球場に来てくださる方から 栗山 皆さんいろいろな工夫をしてルール 始めたことを町全体の人たちが手伝ってく 「何でお前こんなことやってるの?」とよ を作っていかれるのだろうと思いますが、 れて、どんどん進んでいく中で、日本ハム く言われますが、絶対的に内野の天然芝に 施設を活かしていくことは大切です。例え のヒルマン監督なんかもわざわざ食事をし はこだわっています。 ば野球でも、独立リーグはまだ良いほうで に来てくれたりする。そのときはものすご 例えば試合でゴロが飛んでくると、自然 すが、本当にお金のないクラブチームで野 い人出になってしまいましたけど。そうい 芝なのでイレギュラーします。その経験を 球を続けている 20 歳前後の人たちは大勢 うふうに輪がどんどん広がっていって、い すると、ゴロはイレギュラーするものだと いて、その練習環境は恵まれているとは言 まもそれが続いているというのは、やはり 思って、少し後ろから身構えて準備するよ えません。例えば小学校のグラウンド、土 地域の方が自分たちの子どものためにとい うになるのです。普通のグラウンドだった でもいいから空いているなら使わせてくれ う思いがあるからだと思います。あの北海 らワンバウンドで投げられますが、バウン ればノックだけでもできるので、そういう 道の子どもでもけっこう自然と接しないん ドが芝の間に入ると曲がってしまうので、 連携がとれるといいですね。たぶん皆さん ですよね。遊ばないのです。 少し走っていって強めにノーバウンドで投 方もそうだと思うのですが、本当に僕らも 二宮 北海道でもですか。あれだけ自然が げるとか、 強いワンバウンドで投げるとか、 感じていて、何とかなりませんか、という あっても。 子どもが環境によって勝手に創意工夫する 気持ちです。 栗山 はい。小さな川なのですが、レッ んですね。 二宮 そこですね。結局良い施設があって ドデータ品種のニホンザリガニとかがいて この環境というのは、もちろん全部がで も有効な活用をしていないということでひ も、その中に手を入れてさわれないんです きるわけではないですけど、 健康の面でも、 とつ実例を挙げます。ある自治体に素晴ら よ。ですから、そういう体験をさせていく 憧れの選手を作るのも両方大事ですよね。 しい天然芝のグラウンドができました。そ ことによって、子どもたちの感性が多少変 要するに上手く遊べるようにしてあげない こで高校野球の予選が行われるということ わるということを周りの方たちも感じてく といけない、それが僕らの責任というか、 になって、プロも使っているような球場で ださっています。 できる唯一のことなんだと感じます。 すから、高校生が喜んだんですよ。ところ 二宮 なるほどね。それは東京とか大阪と 二宮 2002 年にワールドカップが日本 が、芝の養生期間に 1 週間ほど足りなかっ か、 都市の人もそこへ行ったら良いですね。 で開かれました。この時、非常に印象に たらしいのです。それで急に中止になって 栗山 はい。球場は無料で使ってもらうよ 残っている言葉がありまして、ある外国の しまったと、そこの学校の監督さんから私 うにしてあるので。だいぶ東京からも来て ジャーナリストが私に「2 つの意味でびっ に電話がかかってきて、 「ひどいんですよ、 くれたりしているのですが、そこは地域と くりした」と言うのです。横浜、大阪、札 子どもがせっかく楽しみにして来たのに、 連携しないと何もできないんですね、体験 幌などいろいろな所で試合が行われまし 急に使えなくなったんです。ちょっと見に 上。本当にその思いは大きかった。 た。当然飛行機で移動します。まず 1 つは、 来てくださいよ」というから、そこへ行き ◆環境づくりの意味 「何で日本の学校のグラウンドはベア・グ ました。確かに 1 週間足りないのかもし ラウンドなんだ。何で天然芝がないんだ」 れないけれど、 もう使えそうな状態でした。 二宮 やはりスポーツの原点は遊びですか と。もう 1 つは、 「何で子どもが遊んでい それを監督さんが指摘すると、 「分かった、 ら、近年子どもたちが遊ばなくなっている ないんだ」と。環境整備も遅れているので 練習だけ使わせてやる。その代わり天然芝 のが、僕は非常に心配でしょうがない。遊 すが、環境があってもそれを有効に使って の上にシートを張ってくれ」と言われたら びからいろんなことを得ますからね。我々 いるかどうかということですよね。学校開 しいです。監督さんはそこでノックをした の先輩方が、 「最近の子どもはパソコンばっ 放の問題などにも結びつくと思いますが、 そうです。彼はこう言いました。 「長いこ かりやっている」とか、 「ケータイでゲー これも温度差があって、進んでいる所と進 と野球をやってきましたが初めて知りまし ムばかりしている」とか言われます。もち んでいない所があるようですね。もちろん た。これが本当のシートノックですね」と ろん僕はそれは由々しき事態だと思ってい セキュリティの問題などもあると思います ますが、遊びの環境を用意してこなかった が、しかし基本的にはやはり地域に開放す 何かルールに自縄自縛になっているよう 我々大人の側にもちょっと責任があるので べきじゃないかと思います。そのへんは栗 に感じます。そもそもルールや法律とい (笑) 。 うのは人がより良く生きるためにあるわけ のは、かつて東ドイツやソ連が行った破綻 のは、実は皆オンリーワンなんですよ。例 じゃないですか。 したモデルだと思っているのです。むしろ えばメジャーリーグのパイオニア・野茂英 栗山 わかりますね。芝の環境って、ボー 裾野が広いヨーロッパあるいはアメリカの 雄ですが、野茂といえばトルネード投法で ルが落ちた所が一番はげるから守りたくて ように地域密着でやる。裾野が広がれば頂 す。あれは世界でたったひとつの投げ方 どうしてもシートを張ってやれとなってし 上は高くなっていく、こちらを目指すべき じゃないですか。栗山さんもご存知のよう まうのですね、日本だと。 ではないかと考えています。 に、最初は「あんなのコントロールが身に 栗山 僕も二宮さんの言われるとおりだと つかん」とか「盗塁走られ放題だ」とか 思います。僕らが日本のスポーツ現場で、 酷評されたわけです。でも実はトルネード 二宮 環境の話がいろいろ出ましたけど、 選手たちと話をして感じるのは、日本の特 投法というのは、回転した時にボールを腰 やはりスポーツに関して、これはあくまで 徴って何だろうというと、たぶん小学校と の後ろで隠します。出どころを隠すことに 個人的な意見ですが、 “総合型” “ 、地域密着” か中学校の間に出会った指導者とか親御さ よるいろいろなメリットがあって、それで という方向性は正しいと思っています。や んとかに教わったことの中から、創意工夫 もって世界を制したと言ってもいいと思い はりこの西欧型は正しいと思います。 して考えるとか、自分で何かをやっていく ますね。メジャーリーグでノーヒットノー 今回、北京オリンピックの取材に行きま 作業なんだろうと、すごく思います。 ランを 2 回も達成したわけですから。イ したが、金メダルを量産したのは中国でし プロ野球で超一流になる選手の中には、 チローに至っては典型で、私もイチローの た。アメリカをとうとう抜きました。しか 小学校の時のお父さんとの約束とか、先生 デビュー時代に取材しましたけど、 「2 本 し、中国は金メダル大国にはなったけれど との約束がもとで超一流になる選手がすご 足で打てないものが 1 本足で打てるわけな も、スポーツ大国ではないと思います。 く多いのです。 「ゴールデンエイジ」とい い」と言われていたわけですよ。打てない 中国がやったことは 3 つです。まず 1 われる神経系が発達する時期にどういう遊 どころか 3 千本打ってますけどね。 つは徹底して中央集権をやりました。2 つ びをしているかが大きく影響する。 結局オンリーワンなんですよ、世界を制 めはエリート重視主義。聞いたところによ そういう子どもの時に出会ったことの した日本人というのは。これは野球だけ ると、子どもの頃からレントゲンで骨を撮 中で、自分で自由に工夫するというのが日 じゃありません。例えば私たちが子どもの るらしいですね。身長が 2 m 20㎝になる 本のスポーツ選手の大きな特徴で、絶対世 頃で言えば塚原光男さんの月面宙返りなど というようなことが分かるからと。桃明な 界に負けない創意工夫ができるから日本 もそうです。どうやって練習したか聞いて んかピタッと当たったと聞きました。 また、 は日本なんだと、僕は勝手に思っているの みるとトランポリンで練習したということ 赤筋や白筋の状況を調べて「君は短距離が です。 でした。当時、体操でトランポリンを使っ 向いているよ」と言ってやらせる。あまり 二宮 それは僕も同じ意見で、やはり世界 て練習する人はあまりいませんでした。あ 選手に自由はないわけです。そして国威発 でトップになった選手、世界で勝った選手 るいは東京オリンピックの女子バレーボー 揚型。僕はこの中国式の強化モデルという あるいは日本でも記録を作った選手という ルチームも金メダルを取りましたが、これ ◆地域に育つ個性 10 は回転レシーブですから大松博文さんです どん萎縮していくのではないかと思いま 子、鈴木博美という世界に冠たるランナー ね。全く日本は技術立国だなと思います。 す。 を育てた人です。僕は小出さんの本を書い イノベーションにつぐイノベーションの連 栗山 本当ですね。メジャーリーグなど たことがあるのですが、指導の要諦は何で 続で世界を制しているのです。栗山さんが もそうですけど、どうしてもマニュアル すかと聞くと、こう言われました。 おっしゃる、まさに創意工夫が日本の誇る で進められます。アメリカという国自体 「長所を伸ばせば、短所は消える。短所 べき文化であって、結局それは金太郎飴の が、いろいろな人種がいることもあって を削っても、長所は伸びない」 ように判で押したような所から出てきてい マニュアルは必要なのですが、そう考え 僕はなるほどと思いました。典型的な例 るのではない。皆、異端といわれた人間が たときに、日本の野球は、サッカーなど は高橋尚子さんじゃないかと思います。高 世界を制しています。 でもそうかもしれませんが、いろいろな 橋さんは、われわれの業界では“女の子走 それから王貞治さん。ホームラン 868 本、 指導者が地域にいてくださって、いろい り”と呼んでいたのですが、肘を横に振っ 一本足打法、これはアメリカではフラミン ろな形で接し、いろいろな言葉が残って て走っていました。これは基本にはなくて、 ゴ打法と呼ばれていますが、王さんは大変 いき、そのことが活かされていくように 腕は縦に振ったほうが良い。小出さんはこ な目に遭っていますね。昔の文献を読んで なっています。そのためにも地域のクラ れを直そうかどうか、考えたらしいです。 驚いたのですが、このくらい批判された ブとか、そういうものがたくさんあって、 でもこれはきっと小学校から中学校、高校、 方はいないかもしれませんね。 「王貞治は、 そういう方々がたくさんいてくださるこ 大学の指導者の皆がおそらく直せと言った 野球を愚弄している」と書いてあったので とが、どれだけ大きなことか。四角四面 にもかかわらず直っていない、ということ す。 「野球人にとってグラウンドは聖地だ。 に決まったことを教えるばかりではない はこれは彼女の持ち味なんだ。無理に直さ その聖地で田んぼの案山子の真似事をして というところがありますよね、日本とい ないほうが良いかもしれない。タイムは良 遊んでいる奴は今すぐ出て行け」と書いて う国は。 くなっているから、このままでいい。むし あるのですよ。案山子の真似事どころか、 868 本打ったわけですから、こういう日本 ◆指導者の個性が枠を破る ろ自信を持たせてやろうということで、こ れは実話なのですが、高橋さんが走ってい 人の気宇壮大さというか創意工夫といいま 二宮 特に子ども時代の指導者の影響っ るときに「Qちゃんのフォームは良いなぁ」 すか、こういうものをもっと育てていかな て、大きいですからね。 と言ったのです。彼女は褒められていると いといけません。 これは陸上の小出義雄さんがよく言う いう実感が無いのです。むしろからかわれ ところが最近は、何かあるとすぐに「あ ことですが、小出さんというのは僕が大 ていると思ったんでしょうね、俯いていま れ駄目、これ駄目」と削りにかかってしま 好きな人で、皆さんに説明する必要もな したよ。 「いや、Qちゃんのフォームは良 うのですね。こんなことでは日本人がどん いかとは思いますが、有森裕子、高橋尚 いよ。肘を横に振って走ってたら、給水ポ イントに行ったとき、肘がほかの選手の邪 魔になって、人よりも先に取れるもんなぁ。 気がつかなかったよ」と(笑) 。この人は どこまで人を無責任に褒めるんだろうと思 いましたけど、小出さんは「無責任に褒 めるぐらいでないと人は伸びないんだ」と 言ってましたね。やはりちゃんと結果が出 ていますよ。そういう指導者が、個人的に は好きですね。 また、最近は限界を早めに作りすぎる気 がします。もちろん限界を見極めてあげる のが指導者ですよ。そこでケガをさせたら 元も子もありませんから。ただ、最初から 限界まで挑戦しない、自分で自分のリミッ 11 ないけれども、やる選手にはそれぐらいの 覚悟でやってもらいたいですね。その時に 一番大事なのは、準備力じゃないかと思っ ています。まさに転ばぬ先の杖を何本用意 できるかどうか。どれだけソフトボールが 必死で準備をしてきたのか。星野ジャパン が準備を怠ったとはいいませんが、負けた ときの態度が潔くなかったですね。こうい うことは現場の人たちに是非教えてもらい たいなと思いますね。栗山さん、そんな気 持ちがしませんでした? 栗山 そうですね。ひとつのことを次に生 かしていく。ソフトボールではシドニーの ときに最後レフトのグラブにあたって落と して負けました。そういう 2 つ前のオリン ピックを含めて、斎藤監督のミスをすべて トを決めてしまっている。それをものすご スタジアムに合ったサングラスを作らせた 無くす命がけの準備というか、本当にプロ く感じますね。 のです。そして一次リーグの時には、急に ですよね。そういうことが金メダルにつな 栗山 そう。限界が、誰かが勝手に作った 慣れないことをやらせてもいけないと自由 がった。 ものであって、そこを越えない感じがしま にやらせたのですが、レフトがエラーをし 二宮 スポーツでは負けることがありま す。自分の学びとして、こういう方法論は た。これでもう徹底してやらないといけな す。負けた後に何を学ぶか。きっちり現実 昔たぶん日本にもあって、そういうものも いということで、決勝トーナメントに入っ を直視して、ちゃんと反省して勝つための 持っていなければならないということを感 てから、全員にサングラスの着用を義務づ 対策を講じれば、今日の敗者が明日の勝者 じました。 けたそうです。だから決勝トーナメントに になる。しかし油断しておごり高ぶってい 二宮 まったく同感ですね。ちょっと関連 入ってから外野手は 1 つもエラーしていま れば、今日の勝者が明日の敗者になるので する話なんですが、北京オリンピックで勉 せん。 はないか。それをスポーツは教えてくれる 強になったことを話します。あえて言葉に あるソフトボールの選手が僕にこう言い と思います。 するなら“準備力”です。 ました。 「私たちは必死なんです」と。本 女子のソフトボールが金メダルを取りま 当はこういうことがあってはいけません。 した。皆さんお気づきになったかもしれま スポーツは公共財で、企業の私物ではあり 栗山 サッカーはレポートなどで、 「ワー せんが、ソフトボールの外野手が全員サン ませんから、簡単に業績が悪いからといっ ルドカップに向けてこういう気持ちでこう グラスをかけていました。デーゲームなら て切り捨てることに僕は反対ですが、し いう準備をして選手を選んで……」と、あ まぶしいから分かりますが、ナイトゲーム かしソフトボールという競技は決してメ る程度残っていくのですが、野球の場合、 でもサングラスをかけていたのです。後で ジャーではない。だから選手たちは、もし 話さないからあとに残っていかない。 斎藤監督に聞いてみると、北京のスタジア これで負けて帰ったら自分たちは居場所が 二宮 そういうレポートが出てきませんか ムは野球もソフトボールも非常に良いスタ なくなるのではないかと思っている。その らね。次につながらないのですよ。 「犯人 ジアムでしたが、選手に聞くとライトの角 恐怖と闘っていたと言うのです。 「いいで 探しはやめましょう」というけれど、違う 度が日本の球場とはちょっと違っていたら すよね、プロ野球の選手は。負けたって選 と思いますね。そうではなくて原因をさが しいですね。フライがあがったら死角が生 手の給料は変わらないでしょう」と。どっ しましょうと言っているのですけど、どう じる。それで斎藤監督は転ばぬ先の杖で、 ちがプロだか分からなかったですね。 もそこは弱いですね。 日本のサングラスメーカーに特注で北京の 環境は僕らがいくらでも変えないといけ 日本もエリート教育を始めたのですが、 12 ◆もっと自ら発信しよう お利口さんを大事にしすぎると思います。 でも、ここ一番で何か大きなことをやり 遂げる人間というのは、どこかやっぱり、 侍じゃないけど、 「右向け、右」と言った ら、左を向いて単騎で乗り込むような人が 必要だろうと思うんですね。そういう人間 が日本にいなかったかといったら、いまし た。釜本邦茂さん。世界を代表する、メ キシコオリンピックの得点王で、当時一番 レベルが高かったブンデスリーガからスカ ウトが来たぐらいですから、世界で五指に 入るフォワードだったと言っていいと思い ます。釜本さんからは本当に学ぶことがた くさんあります。ところがぜんぜん記事に ならない。なぜかというと、言ってるこ とが記事になるような話じゃないからです すね。 です。くじを買うと、例えば松坂投手のユ らされてることしかやらない。俺は自分で 栗山 二宮さんが言われた忘却力というの ニフォームが当たるとか、球団が協力しな 練習方法を開発した」と言われるのです。 は、人と変わっているというのか、人より がらやっています。この売り上げがものす どんな練習を開発したか聞いたら「新宿の 凄いというのか、あるいは動物に還る瞬間 ごくて、これが地域振興などに使われたり 雑踏でいきなり雨が降ってきたので、チャ というのでしょうか。動物になれるという している。また極端な例だと、どうやった ンスだと思って雨をよけながら、雑踏をか 特異なものを持っている選手っていますよ ら地域の人が喜ぶかをマイナーリーグのあ き分けて走った」と言うのです(笑) 。普 ね。ところが気をつけないとそれがルール るチームが考えて、TV ゲームが好きな子 通に考えたら、アホじゃないかという話な の中で「あれが駄目、これが駄目」と縛ら どもを呼ぼうと、オーロラビジョンで試合 のですが、アホなことをやるような人間を れ、萎縮してしまうおそれがある。それか の前に TV ゲームの試合をやることにしま 僕は大事にするべきだと思っています。 ら長嶋さんのお話がありましたが、あの人 した。それも後の試合のスタメンの名前と よく似ているのが長嶋茂雄さん。本当に は 90 年代の初頭から野球界が今のような データを入れて、3 回まではゲームでやり 記事にならなかったですよ。我々とは次元 状況になることをずっと心配されていまし ます。それで 4 回からは本当の試合が行わ が違います。長嶋さんの才能は何かという たね。スポーツの環境というのを感覚で気 れる。 と、僕は欠落力だと思うのです。あるいは づいておられたのかなと思います。 二宮 ええっ? (笑) 。釜本さんは、 「今の若い選手は、や 忘却力。これは実は才能なんです。この裏 返しが集中力なんですよ。欠落力とか忘却 ◆スポーツを楽しませる工夫 栗山 そうすると、ゲームが好きな人は自 分の力で選手たちに打たせることができる 力というのは、決してネガティブなもので 栗山 ちょっと話は飛ぶのですが、スポー というので、ファンが皆見ているのです。 はない。あの方は、息子を後楽園球場での ツの効果について人生を変えるとか教育と ゲーム好きの人を喜ばせるという地域の巻 練習に連れて行って忘れて帰ってしまった か、いろいろなことが挙げられます。挙げ き込み方をしている。すごいのになると小 人ですからね(笑) 。亡くなった妻の亜希 られますけど、根本的に楽しいものだって 学生 12 歳以下、地域の人が全員集合して 子さんが「一茂はどうしたの?」というか いうことを長嶋さんなどは出してくださっ 野球場の上からヘリコプターで 1 ドル札を ら「誘拐じゃないのか、警察に電話しよ ていますね。メジャーリーグもファンを 蒔くというのもあります。拾った分だけお う」って自分が忘れただけなんですよ(笑) 。 楽しませるという原点を忘れていません。 小遣い。日本では、教育上それは無しです 要するに野球をやっていたら、集中してい 松坂投手がいるボストンなどは、地域で ね。結局、ケンカになってケガ人が出て、 るものだからほかの事を忘れてしまうので “レッドソックスくじ”とか作っているの それは中止になりましたが、ただ楽しんで 13 ヨーロッパでは、どんな小さな町でも オーケストラとスポーツクラブと教会があ る。これが生きるための心のインフラな んだと思います。僕は、 “総合型”という 複数のスポーツをやらなければいけないと いうのは大賛成だけれども、その前に本当 は“地域密着”ということを前面に出して もらいたかったのです。というのも、私は 愛媛の出身ですが、愛媛はミカンはできま すけどリンゴはできません。青森はリンゴ はできますけどミカンはできません。そこ に合ったものをまずやるというのはどうで しょう。皆が皆同じスポーツをするのでは なくて、沖縄だったら海洋スポーツや武道 とか、山岳地帯だったら登山やハンググラ もらおう、地域の人に喜んでもらおうとい る」と。それから、実はその時ハリウッド イダーにチャレンジしてみようとか、自分 うところで、やってみるというのは有りな の産業も生まれています。1920 年代の後 の地域のストロングポイントというか、ス のかなとも思いました。 半から、いわゆる娯楽がアメリカを豊かに ポーツにおける地勢的な有利さというか、 二宮 僕はまったく賛成。やっぱり楽しむ するということで、まさにピンチをチャン そういうものをもうちょっと前面に打ち出 ことから始めないと上手くもならないし、 スに変えているということです。 したほうが、色が付いて良くなるのではな 結果的には強くもならないものですね。 例えば 1973 年の第一次オイルショック いかという気がします。 栗山さんから、先ほどスポーツと地域の の後に何が生まれているかというと、IT 栗山 いまなるほどなと思っていることが お話がでました。今日の参加者は全国から です。必ず人類はピンチをチャンスに変え あります。メジャーリーグではキャンプ地 お集まりになっていますが、私は今こそス てきているのです。ですから私が提案した が全部アリゾナに移っていますが、すると ポーツの出番だと思っています。アメリカ いのは、今こそ財政出動、公共投資をやる 何にも無い砂漠にどんどん町が広がってい が 1929 年に金融恐慌に見舞われて以降、 のであれば、スポーツのニュー・ディール くのです。球場ができて、その周りに宿 メジャーリーグが本格的に産業として成立 政策をやってほしいということです。子ど 泊施設ができて、さらにその周りにショッ したのです。ベーブ・ルースがホームラン もは健康になるし、高齢者だって元気にな ピングセンターができて住宅が広がってい を打ちまくっていたのですが、そのときに る。町は明るくなるし、経済効果も伴う。 く。メジャーリーグのキャンプを誘致でき 初めてベーブ・ルースの年俸がフーヴァー 例えば新潟などは、サッカーの経済効果は れば町が広がっていくという、これは凄い 大統領の年俸を越えました。それが、大恐 凄いものがあります。毎試合 4 万人集まる ですよ。そのために市民の方に水道代をほ 慌が始まった翌年なのです。アメリカは国 わけですから、スポーツは貴重な観光資源 んの少し高く払ってもらったりもしていま 策として、アメリカ人に元気を出させよう なんだとも言えます。 す。あの発想というのは、たとえばビール としたのです。ベーブ・ルースのホームラ 簡単に言いますと、スポーツが盛んにな を 1 杯飲むのに、町の人に「10 円だけく ンは国民に夢を与えるということで、大統 れば、人が移動しますから、交通機関は儲 ださい」ってお願いしたら 10 円くれるよ 領の年俸を越えたのです、実は。そのとき かりますね。バス会社もタクシー会社もレ うな気がするんです。変な話ですけど。昔 にインテリ階層は「たかだか野球選手ごと ンタカー会社も。あるいは宿泊施設、温 の広島もそうですよね、募金でできたとい きが、 何で大統領よりも年俸をもらうんだ。 泉も旅館も儲かります。さらに、せっかく う。地域のスポーツクラブがそういう形で おかしいじゃないか」と批判するのです。 この街まで来たから、観光スポットまで足 でき始めると、もちろん国によってベース でもベーブ・ルースは平気で言い返しまし を伸ばそうということになれば、当然マー が違いますけど、方法はたくさんあるのか た。 「俺は大統領よりも良い仕事をしてい ケットが生まれるわけです。 なと思います。 14 て、ファンに来ていただくための努力が始 も、寄付金を集める人はお父さんやお爺さ まった。その下にクラブチームや独立リー んであったり、法被を作るのはお婆ちゃん 二宮 さっきも申しましたが、この国の一 グができていった。その下のちいさなクラ で、料理を作るのはお母さん。全員が参加 番の問題点は、コミュニティの崩壊と教育 ブなどのマネジメントについて、いままで するのです。1 人として参加しない人がい の崩壊だと僕は思っています。いま地域格 プロの経営者にも分からなかったわけです ないんですよね。後方支援、ロジスティッ 差が大きくなっていて、私のふるさともど から、どうやったらお金が集まったり、施 クスまで含めて皆が参加する。 んどん人口が減少していき、合併してもま 設を有効に使えるかとか、そういうノウハ 今後の地域にスポーツは無くてはならな だ追いつかない。昔 4 クラスあった小学校 ウや事例をたくさん出していかないと、皆 いものだし、経済効果もあります。地域が変 が、1 クラスになり、廃校になった。これ がやりづらい状況が進んでしまいます。 われば中央も変わるんだというぐらいのミッ は四国だけではないと思います。九州、中 二宮 そうですね。僕は、 「日本型のスポー ションを皆さんと共有したいと思います。 国、北海道、東北、関東でも中山間地では ツクラブは何ですか?」とよく聞かれます。 お時間が参りました。栗山さん、最後に ◆「この街に生まれて良かった」 きっとそういう現象が起きているのではな 「日本は欧米とは違う、日本には日本のや 一言お願いします。 いかと思います。そして若者がどんどん少 り方がある」などと言われることもありま 栗山 今日は言いたいことだけ言わせてい なくなっていく。若者が少ないということ すが、本当にそのとおりだと思います。で ただきました。僕が子どものときに野球選 は、当然労働人口が減るということです。 は日本のモデルは何かと言いますと、答え 手になりたいと思ったのは、近くの社会 そこで、なぜこんなに人がいなくなるの があるのです。それは、博多の山笠ですよ。 人野球をやっていたお兄さんを見てすごく かと、市長さんに若者が町を離れる原因を あれは老若男女皆が参加します。あれが日 カッコイイと思ったからです。ですから地 見せていただきました。一番トップの理由 本のスポーツクラブの原型だろうと思って 域にクラブがあって、そこでスポーツして というのは、予想通りでした。 「産業が無 います。全員が山笠に参加して、 「この町 いる大人に子どもたちが憧れて、夢を持っ い、働き場所が無い」 、これは分かります。 に生まれてよかった」 「この町に育ってよ ていけるような、夢ってそういう身近なと 2つ目の理由がショックでした。 「娯楽が かった」と実感するのです。今日も博多 ころにあるような気がするので、いろいろ 無い」ということだったのです。しかし、 の方が来られているかもしれませんが、博 と大変だと思いますけど、そういう環境を 逆にこれはスポーツクラブづくりをやるな 多の人たちの山笠に対する愛着とアイデン 作っていただいて次の世代の子どもたちに ど、お手伝いできるなと思ったのです。新 ティティは特別なものがありますね。ああ つなげていただきたいと思います。今日は 潟で人口の流出が止まったのはアルビレッ いうものを僕は作りたいのです。例えば神 ありがとうございました。 クスのおかげだ、なんてよく言われていま 輿をかつぐ人は若い人かもしれないけれど すけどね。スポーツには教育もあるだろう し、子どもの体力づくりもあるだろうし、 少子化の問題にもかかわってくると思いま す。フランスでは行政の窓口に少子化対策 をちゃんと置き、その中でスポーツ指導者 を用意していて、運動のメニューを置いて いますからね。 「妊娠 3 カ月だったら泳い だら良い」とか、栄養士までつけています。 そういうことを含めて、本当に地方が疲弊 している中において、スポーツが全てを解 決するだけの力までは持っていないにして も、かなりの部分をスポーツがお手伝いで きるんじゃないと思っています。 栗山 野球が良いとか悪いとかは別にし て、プロ野球がストライキから苦しくなっ 15 全体会 提言 「生涯スポーツ社会の実現に向けて」 二宮清純 生涯スポーツということにおいて、これ ているのです。解散してはいけないものだ ら。都市対抗野球もそうです。途中から企 からは老若男女皆がスポーツを通して、 「こ ろうと。 「うちの母ちゃん嫌だから解散し 業対抗野球になってしまいましたが、元々 の国に生まれてよかった」 「この町に育っ たい」と、そういう気持ちはまあ分かりま は都市対抗野球ですから。やっぱり地域の てよかった」という充実感を味わうことが すけど (笑) 、 基本的には家庭は解散しない。 クラブチームを応援するのは基本だろうと 一番大切なことではないでしょうか。その 地域は解散しないものです。 思いますね。そのあとファンからクラブメ ための環境整備をしていく必要があるだろ それから、これまで“ファン”という ンバーにできるだけ早く移行しないといけ うと考えております。 概念がありました。 “ファン”とは何かと ないのではないかなと思っています。 言いますと、僕は一回性の関係だったと思 クラブメンバーとは何かといいますと、 います。お金を払って見に行く関係ですか 外形的には受益者負担型の集団です。現在 そこで、具体的なお話をこれからさせて ら、たとえば「今まで巨人ファンだったけ のような不況にも強いクラブであるために いただきます。私の個人的な意見では、こ ど、仙台に引っ越したからこれからは楽天 も受益者負担型を目指すべきです。先ほど れまでこの国には“チーム”はあっても“ク のファンだ」と言っても別に構いません。 の対談でも申し上げましたが、スポーツは ラブ”は無かったのではないかと思いま ところが J リーグができた頃から“サポー 公共財です。いまクラブが目指すものは、 す。 “チーム” とは集団です。一方 “クラブ” ター” という概念が生まれてきました。 “サ これを企業や学校から地域に移すための、 は何かと言うと、これは“家庭”であると ポーター”は何かと言いますと、自らの スポーツにおける大政奉還運動なのです。 か“コミュニティ”のような自然発生的な 意思で、自分が住んでいるところのクラ そのために学校や企業もみんな協力してく ものじゃないかと思います。 ブチーム、1 つの大きなクラブがあればそ ださい、全員参加型でやりましょう、もう “集団”というものは、当然解散があり の中に年代別や種目別のチームがあります 一回おらが町の地域というものを、スポー ます。ある目的のために作っているわけで が、そのクラブチームを応援する。 ツを通してコミュニティを再生させましょ すから。つまり目的を達成したら解散する これまで日本にそういう概念がなかった うという運動が、このスポーツクラブづく のが“チーム”です。 “クラブ”というの かと言えば、実はそうではありません。高 りの本旨ではないかと思います。 は解散が無いものじゃないかと、僕は思っ 校野球などは、やはり地域対抗戦ですか つまりチームからクラブへ、そしてファ 地域にクラブを作ろう ン、サポーター、クラブメンバーへの流 れ。こういう民主的な自立した運営が大切 になってくると思っているわけです。当然 お金は必要です。 受益者負担型といっても、 これは地域によって全然違いますが、そん なに高いものでもありません。年間数千円 ぐらいからせいぜい 2 万円の幅のなかに おさまっているのではないでしょうか。や はりこれからの時代はもっと健康とかと いうものに対して、国に任せるだけじゃな くて自分で責任を持ってやろうとする意 識が求められます。そのためのコストとも いえます。 まず底辺の拡大=普及から じゃあどのようにしてクラブを育てたら いいかということになります。私は正三角 形の論理というものを唱えております。ス ポーツを正三角形に置き換えてみると、一 16 番大事なのは底辺拡大だと思っています。 すなわち、普及ですね。ここが一番大切。 二番目が何かと言いますと、これは育成で はないだろうかと思っております。最後が 何かと言いますと強化じゃないかなと思っ ています。 すなわち底辺を拡大したら自ずと正三角 形というものは頂点も高くなっていきま す。まずは一番大事なのは普及、二番目は 育成、三番目は強化です。農業に例えて言 うなら、普及が種まきだとすれば、その次 なが参加しないといけないと思います。 「私 ります。この気持ち、僕にはよくわかるの の育成は消毒とか摘果作業とかあるいは夏 はスポーツに興味がありませんよ」という です。なぜかというと、当時愛媛の少年っ の暑い日の水やりになるんじゃないでしょ おばあちゃんやおじいちゃんまで参加しな ていうのはみな「橙」というみかんの硬い うか。最後の強化というのが、みかんを出 いと、本当に町ぐるみでは盛り上がらない やつで野球をしていたからです。ボールを 荷するときにワックスをかけたり選果作業 のです。 買うより安かったんですよ(笑) 。だから をしたりする作業でしょう。 一番大事なのは何かと敢えて言わせてい スポーツと文化をセットで この俳句が好きなのです。本当にスポーツ と文化というのは不可分なものではない。 ただけば、全部大事なのですが、やはり一 郷里で、あるおばあちゃんに会合に呼ば まさにこれがスポーツの底力じゃないかな 番大事なのは普及だと思います。というの れまして、 「スポーツね。私は腰も動かん と考えています。 は、底辺が枯れたらどうしようもないから しね、孫は野球をやってるらしいけど見に 先ほど、フランスのラグビーについて親 です。これは作物と一緒です。皆さん、お 行ったこともないんですわ」と言われまし 子三世代の絆が深まるというお話をしまし 城を考えてください。やはり堅固なお城と た。 「おばあちゃんは一体何が得意ですか」 た。僕がこれを一番大事だというのは、い いうのはしっかりと土木工事をやっている と聞いたら、俳句だと答えます。松山とい まの日本では、世代間の絆がとても弱いか というか、城壁を作って堀を巡らせて、最 うのはまさに俳人の正岡子規の郷ですから らです。敢えて辛口で言わせてもらいます 初から天守閣を作ったりはしません。よく 町に俳句ポストなどもあって、俳句が日本 けど、スポーツ組織の中で中体連、高体連 強化、強化という人がいますが、最初から 一盛んな町です。だから、そのおばあちゃ など様々ありますが、何か一本の筋でつな 天守閣を作っても駄目です。まずはちゃん んに「だったらネット裏で俳句作ってよ」 がったような絆がないのです。これができ と土木工事があって、堀を何重にも巡らせ と言ったのです。それで、おばあちゃんに るのは実は地域です。 学校の仕事ではない。 て、城壁を築いて、それが普及ではないだ 来てもらいましてね、お孫さんの野球見な これはやはりやらないといけません。クラ ろうかと考えています。 がら俳句を作ってもらいました。するとお ブづくりは、まさに日本の原風景を取り戻 そして育成、最後に強化というこの順番 ばあちゃんが嬉しそうで、 お孫さんも「あ、 す戦い、地域を取り戻す戦い、家族を取り を間違えなかったら、私はクラブづくりも おばあちゃんが見に来てくれた」と喜ぶん 戻す戦いだと理解していただければと思い そんなに失敗しないのではないかと思って ですよ。これでずいぶん家族の絆が生まれ ます。 います。それで先ほど申し上げましたよう るのです。まさにスポーツと文化というも スポーツは、勝って学ぶことがもちろん に、総合型と言いましても、地域密着型と のは不可分なものであって、二律背反する あります。負けて学ぶこともあります。健 いうことですから、地元なりの色を出して もんではないのです。柔道の谷亮子選手 康にもこれは非常に貢献します。さらに、 いくのがよいと思います。まさに地域のア だって、実は柔道をやるかピアニストにな 地域の絆というもの、 家族の絆というもの、 イデンティティは何かを早めに発見したほ るか真剣に迷ったというほど、ピアノが上 これをスポーツの力で再生できるのではな うがいいのではないかということです。 手なんです。 いでしょうか。それを我々の最大のミッ そして冒頭申し上げましたように、ス ちなみに私が好きな俳句で、正岡子規の ションとすべきではないだろうかと考えて ポーツクラブを作る場合には老若男女みん 「正月や橙投げる城下町」という俳句があ いるのです。 17 第 1分科会 中高年のための運動プログラム 座 長 田中 喜代次 筑波大学教授 中高年者に対する健康づくり支援策のロジックについて く、身体と心の相互影響を研究し、高度な うになります。老化を自覚すると、また身 調和スキルを持つ人間育成、人材養成が急 体活動量が少なくなって、不可避的に老化 務となっています。その役割は、本日お集 が促進する。このように老化という坂道を まりのスポーツ、運動、レクリエーション ひとつずつ下りていくことは、やむを得な を指導している専門家にこそ相応しいので い私たちの宿命かもしれません。しかし、 はないかと考えます。 その老化の坂道を勢いよく下りるのではな スポーツ・運動には、はつらつさや力強 く、運動やスポーツなどに励みながらブ さの維持、骨折しにくい身体づくりなどさ レーキをかけることが大事です。 その昔、 「スポーツ選手は運動中、水分 まざまな効果があります。あるいは健康寿 高齢者の運動に関しては、突然死のリ を摂ってはいけない」と公然と言われてい 命の延伸、高齢でも人生を楽しみ生きがい スクを理由に「スポーツは危ない」とい ましたが、そのパラダイムはもはや通用し 感を保持できるなど、 総合的QOL (Quality うメッセージが出されています。2004 年 ません。したがって現在のパラダイムも通 of Life)の維持も期待されるところです。 の段階で 70 歳以上の人口は約 1,500 万人。 発表者 田中 喜代次 筑波大学教授 ■中高年スポーツの意義 用しない部分があるかもしれないので、よ り良い方法論を見出し、多くの高齢者が元 ■老化にブレーキを その中で約 5%の 68 万人が 1 年に亡く なっています。その原因として、突然死は 気で長生きしていただける方向にスポーツ 日々、若さの維持を心がけている女優の 28,000 人。これは全体の 1,000 分の 2 にし を活用したい。今日はその意味でメッセー 吉永小百合さんは、老化に確かなブレーキ かなりません。一方、年に 1 回以上運動 ジを発信したいと考えています。 がかかった代表的な例ではないかと思いま をしている方は 727 万人おり、その中で 20 世紀後半の高度経済成長、高度情報 す。彼女は節度ある食事とともに、日々水 スポーツ中の突然死というのは年に 28 人、 化社会に入り、生育環境の悪化や遊び場の 泳を習慣化されているそうです。 突然死全体の 1,000 分の 1 にしか過ぎませ 喪失、 学級崩壊が叫ばれています。 そういっ 歳をとると、必然的に運動量が減り、体 ん。これを計算すると高齢者の運動による た中で、健全な人間社会の構築に寄与すべ 力や身体機能が低下し、老化を自覚するよ 突然死のリスクは 100 万分の 1 程度にな ります。実際に死亡しているのに報告がな いケースもあり、100 万分の 1 が正しいか どうかは別にしても、数字的には非常に小 さいということを、しっかり認識しておく 必要があると思います。 私たちは民間病院で約 20 年間、高血圧 や心疾患、肺疾患といった方を対象に運動 プログラムを提供しています。下肢のスト レッチや太股の筋肉の強化は転倒予防、尿 失禁予防に重要です。肩こりも多いので気 持ち良く体幹を伸ばすようなエクササイズ も行います。運動以外にも、紙芝居を取り 入れるなど健康長寿を図るような工夫をし ています。 今日の発表者 3 名が中心となって、 『中 18 高年者のための運動プログラム』という本 れぞれです。そこをあまり詰める必要はな が挙げられます。次に、医学・生理学的 を出版しました。その病態別編では、 肥満、 いでしょう。特に高齢者には、楽しく、そ 効果が高まることも期待できるかと思いま 糖尿、高血圧、心疾患、呼吸器疾患といっ して生きがいを感じられるような方向で指 す。しかし、骨密度等については、実際の た疾患別に可能な運動種目を紹介していま 導していただきたいと思います。 効果は期待薄です。だからこそ、さらなる す。◎は積極的に指導できる、○は指導が 病気を抱えている人でも運動を楽しく実 低下促進を予防するために、しっかり運動 可能である、 △は場合によっては禁忌だが、 践できる導きが求められています。歩行困 を習慣化するという考え方が大事になりま 工夫して慎重に指導すれば可能、といった 難者に向けたマシン運動、あるいは水中運 す。医療費抑制の効果も期待したいところ 分類でまとめています。ここで注目してい 動への導き。膝関節痛を持つ人に向けたレ ですが、こういった“仮説”は、あまり単 ただきたいのは、やり方次第では禁忌種目 ジスタンス運動への導き。高血圧でも運動 純に設定すべきではありません。1 年や 2 はないということです。もちろん全ての心 を制限しない上手な導き。不整脈を運動に 年ではなく、10 年、20 年という長い歳月 疾患の方が同じような運動ができるわけで よって減らす導きも、ある程度可能です。 を経て検証していく性質のものだと考えて はないのですが、その人の特徴を理解すれ 「不整脈があるから運動はダメ」というの ば何らかの種目はできるのです。 “多病息 ではなく、本当に不可能かどうかスポーツ 人間の身体の機能は、20 歳、30 歳ぐら 災” というのは言い過ぎかもしれませんが、 ドクターなどにアドバイスを受けながら見 いを過ぎたら退行する一途です。しかし、 2 つぐらい病気を持っていても QOL を高 極めていかなければなりません。そのよう 50 歳 60 歳の中高年者も、80 歳 90 歳の方 めて、それを維持している例はたくさんあ に積極的な方向へパラダイムを変換させて からすれば、まだ若いと言えるかもしれま ります。 いかなければ、高齢社会に対応できないだ せん。その意味では私たちは、人間的に成 ろうと思うわけです。巧みなコミュニケ− 熟していくことが可能です。それが加齢で ションスキルと専門知識を持ったリーダー あると言えるでしょう。スポーツにはルー 病気を持っている方が 20 年間も運動を シップを発揮して、皆さんには頑張ってい ルの遵守や他者の尊重など良い面が、人間 継続する理由は、何よりも“楽しい”から ただきたいと思います。真のメディカル・ 的成長を促す要素もたくさんあります。で です。もうひとつは“効果が感じられる” フィットネス、スポーツ医学の発展を期待 すから人間力をアップする方向に貢献で からですね。ただその効果が筋肉に生じる しています。 きる点がスポーツにはあると確信してい ものなのか、 あるいは骨なのか代謝なのか、 運動・スポーツ習慣化の意義として、ま ます。 それともストレス解消なのか、それは人そ ず社会心理的効果を最大にするということ ■加齢=人間の成熟 います。 中高年者向け基本運動プログラムの紹介 り組んできた運動プログラムの紹介及び運 考えます。本来であれば、その目標や目 動プログラムを作成する上で私なりに考え 的が決まった段階で期間や内容、運動強度 ている内容について、皆さんにお話しした 等を決めるのが理想です。ただ実状として いと思います。 は、予算等の関係で開催期間が決まってい 私は、行政の方々と一緒に仕事をさせて ることが多いので、その中でできる目標を いただく機会が多いのですが、運動教室を しっかり絞り込んでいくことが重要になり 運営する際、その教室の目標や目的を絞り ます。 込めていない場合が少なくないように感じ 次に、運動を実践するための前提として、 ます。例えば 4 回のプログラムの中で、減 参加者や支援者が考えておかなければいけ 基本運動プログラムの“基本”とは何ぞ 量効果を出すのか、運動を習慣化させるの ないポイントを示します。第一に、安全か や。非常に難しいテーマであると認識して か、運動を体験させたいのか、そういった つ効果的に運動を行うためには、とにかく いますが、ここでは私が長崎でこれまで取 プログラムの目標を設定することが重要と 自分の身体に耳を傾けることが大事です。 発表者 中垣内 真樹 長崎大学准教授 ■運動プログラムを考える際の “基本” 19 民館に来たい」というような運動をプログ ラムしています。諫早市に“のんのこ節” という民謡舞踊があるので、その音楽を 使って運動指導をしているのですが、高齢 者にとって導入しやすいものを選ぶ、楽し いものを選ぶ、継続し易いものを選ぶとい うことを念頭においています。 ボランティアでの支援者を養成するこ とも習慣化の一つの方策になるので、ボラ 例えば「有酸素運動は 20 分やらなくては 私の場合、3 回ほど PDCA サイクルを回 ンティア支援者でも指導しやすいプログ 効果がない」といった数値に惑わされ過ぎ して展開しています。振り返りの支援教材 ラムとして指導内容のマニュアル化もし てはいけません。実際に自分でそれをやっ として、私は日常の生活記録を各参加者に ています。その他、 “運動サポーター”と てみて、身体がどれだけ疲労したか、どう つけてもらいます。 「仕事で時間がないか 名づけた市民ボランティアさんが指導す いうような反応を起こしたかをしっかり ら運動できない」という方にこういう記録 るので、運動の効果よりも、まず安全性と 感じ取る、あるいは支援者がそれを見極め 表を書いてもらうと、意外と空白の時間が いうことを重視して運動プログラムを作 て、柔軟にプログラム内容を考えていくこ あるものです。また、 記入作業そのものが、 成しています。 とが重要です。運動強度が強い運動に爽快 生活習慣を振り返る絶好の機会になりま 平成 16 年度からこの“のんのこ体操教 感を感じる方もいれば、軽い負荷でもとに す。支援者にとっても目標などを設定す 室”をスタートして、現在ボランティア かく運動に取り組んでみることのほうが る際のアドバイスに活用できるでしょう。 が 201 名います。ボランティアの養成講 重要な方もいます。運動の強度、時間、あ もうひとつ PDCA サイクルに使える支 座は 7 回開催しました。教室はこの 3 年 るいは頻度との組み合わせで、その個人が 援教材として、行動の記録表もあります。 間で 24 カ所、参加者は 769 名です。それ 柔軟に実践できるようなプログラムの作 たとえば「フルマラソンを完走してみた らの教室全て、事業期間が終った後も自 成が非常に重要と考えています。運動種目 い」という長期目標を持つ方に、短期的な 主的なサークルとして、ボランティアと に関しても、自分にとって楽しく、爽快感 目標としてまず「週に 2 回はジョギングか 一緒にそのまま活動が続いています。今 を得られるものを柔軟に選べば良いと思 ウォーキングを実践する」とか「寝る前に 年度は養成講座を 2 回行い、 “のんのこ体 います。 腰痛体操をする」と各自で設定をしてもら 操教室”を 10 カ所で開催したので、今年 では果たして、数値でなく個人の主観で います。そして目標の達成度合いを自分で 度終わった段階で 34 カ所がサークルとし 運動の強度を決めることは正しいのでしょ 1 週間記録してもらいます。その結果をふ て続いているという状況です。運動習慣 うか。実際に運動負荷テストを行ったとこ まえて、 「昼休みは時間がなくてジョギン 化のシステムづくりという意味では、一 ろ、主観的な指標と客観的な指標は、ほぼ グはできない」 、 「腰痛体操はよくできた」 定の成果を上げられているのではないか 一致するというデータが得られました。し と振り返りながら、もう一度自分の目標を と思います。 たがって、主観といってもまったくの当て 再設定してもらいます。 まとめですが、中高年を対象とした基本 ずっぽうではないということが言えると思 います。 ■諫早市における運動指導の実際 運動プログラムを考えるうえで、エビデン スは一応の目安として捉えるほうが良いの 現在私たちは、諫早市の高齢者を対象と ではないかと思います。運動への適応には して、運動習慣化のシステムづくりを目標 個人差があり、一概にある運動をしたら、 運動プログラムを提供する際、PDCA にプログラムを提供しています。自分たち 皆に一定の効果が得られるというものでは サイクルの視点を取り入れることが重要で でなかなか運動ができない高齢者が対象な ありません。 個人の自主性や要望を尊重し、 す。計画 (Plan) 、 実践 (Do) 、 評価 (Check) 、 ので、まずは市民のボランティアを養成し 生きがい感を確保できるようなプログラム 改善(Act)です。 て、さらに運動の効果を第一に考えること を展開することが重要ではないかと考え、 例えば 3 カ月間のプログラムであれば、 よりも皆さんと一緒に楽しめる運動、 「公 実践しているところです。 ■効果的なPDCAサイクルの活用 20 中高年者向け生活習慣病改善運動プログラムの紹介 けです。どちらも生活習慣病の代表選手で スです。こういったことが原因で動脈硬化 す。この動脈硬化の病気で亡くなる方が、 が進み、病気が発症していくのです。 癌で亡くなる方と同じぐらいいることに 我々がターゲットとするこれらの病気 なります。 は、全身の血管病であると言えます。した それから、医療機関で受診している患者 がって予防、もしくは再発予防のために、 数を調べると、高血圧、糖尿病、心臓病、 運動指導だけやっていても駄目だというこ 脳卒中を患う方が多く見られます。これら とになります。栄養のことを気にしてあげ は皆、生活習慣病であるということは今ま たり、喫煙やストレスのことについても、 肥満や高血圧、高脂血症(脂質異常症) で述べたとおりです。したがって我々は非 ある程度指導できるようにしなければいけ など、 かつて成人病と呼ばれた病気がいま、 常に多くの方々をターゲットにしていると ません。 生活習慣病と言われるようになったことは いうことになります。くり返しますが、動 皆さんご存知かと思います。これらは生活 脈硬化性疾患が増えています。心臓病や脳 習慣に根ざした病気ですので、生活習慣を 卒中、それから足の血管の動脈硬化である では運動療法の効果は、どれぐらいある 改善、コントロールすることによって抑制 閉塞性動脈硬化症の患者さんも増えていま でしょうか。私は心臓病のリハビリテー できることが、すでに分かっています。 す。臓器は違いますが、全て全身の血管病 ションを専門に行っているので心臓病の話 生活習慣病を予防するためには、健康的 です。生活習慣病は動脈硬化の病気の総称 が中心になってしまいますが、非常に多く なライフスタイルに変えていかなければい なのです。 の効果があります。運動ですから、もちろ けません。これは食事と運動が基本になり 今、メタボリック症候群が非常に注目を ん体力は伸びます。最近注目されているの ます。私たちが運動に注目しているのは、 浴びています。なぜメタボリック症候群を は、心臓自体に効果が及ぶことが分かって そのためです。 予防しなくてはいけないか。それはいわ きました。動脈硬化の退縮、つまり動脈硬 日本人の三大死因は、癌と脳卒中と心臓 ゆる動脈硬化を予防するためです。メタボ 化が改善するということです。心臓への血 病です。その第 2 位、第 3 位の心臓病と リック症候群の中には、糖尿病、高血圧、 液の流れが良くなったり、不整脈が改善し 脳卒中は、動脈硬化性疾患と呼ばれます。 脂質異常症、肥満などが含まれます。こう ます。抑うつや不安傾向の低下といった心 要するに、心臓に行っている血管、脳に いったものがなぜ起こるかというと、生活 理的な効果もあります。 行っている血管の動脈硬化で亡くなるわ 習慣、運動不足、栄養過多、喫煙、ストレ 高血圧や糖尿病に対する運動療法はよく 発表者 牧田 茂 埼玉医科大学 国際医療センター准教授 ■生活習慣病は改善できる ■運動の多面的な効果に着目 知られていますが、心臓病の予後について も死亡率の低下が期待できる、あるいは心 筋梗塞の再発リスクの低下が期待できるこ とが分かっています。運動療法を長く続け ると、死亡率が、運動をしない人に比べて 2 割ぐらい減少すると言われています。 内服治療だけではこれだけの多くの効果 は得られません。運動の処方と指導をしっ かりすれば、これだけ効果のある治療法は ないということになります。 私の診ている患者の例を紹介します。75 歳で心筋梗塞を起こした女性です。心筋梗 塞を起こした後に心臓リハビリを行い、現 21 在も定期的に私のところに来て運動負荷試 糖尿病や高血圧、心筋梗塞の改善を目的 ているかどうかを、事前に把握しておく必 験と運動指導を受けています。心電図では に運動指導を行う場合、安全でなければい 要があるのです。 異常な所見が見られますが、新たに冠動脈 けない、かつ有効でなければいけない、そ 運動強度については、中垣内先生が発表 が狭くなっているところはないことが確認 して楽しくなければいけない。こういった されたように、参加者に合わせた柔軟な運 されて、ずっと運動を続けています。社交 3 つの要素を組み合わせて行う必要があり 動処方が望ましいでしょう。通常、心臓病 ダンスが彼女にとって、1 つの生きがいに ます。安全については特に留意すべきで の運動療法としては、自転車をこぐとか、 なっているのです。体力の推移を最大酸素 しょう。運動指導される方は、自動体外式 トレッドミルの上を歩くような単調な運動 摂取量で見ると、退院したばかりのころは 除細動器 (AED) の使い方にも慣れており、 が勧められています。しかし、あれは長続 一時期落ちていますが、3 年間ずっと一定 かつ心肺蘇生法の基本を習得しておくこと きしません。面白くないからです。我々は の体力を維持しています。 が望ましいと、私は考えます。 卓球や太極拳など、さまざまなスポーツ種 こういった高齢者の方にとって、スポー 運動処方を出すにあたっては、メディカ 目を取り入れて、楽しくできるだけ長く運 ツは、 日常生活の自立の維持、 QOL の向上、 ルチェックが欠かせません。その参加者が 動に親しんでもらおうと工夫しているとこ 慢性疾患の進行の防止という意義を持って どういった病気あるいは危険因子を持って ろです。 います。自分の好きな運動を続けられるよ いるかを調べ、リスクが高いと判断された “みる”スポーツから“する”もしくは“さ う、我々が支援していくことが大事です。 場合、運動処方と指導を綿密に行う必要が さえる”スポーツへ、企業・学校スポーツ あります。心筋梗塞の三大危険因子として から地域スポーツへ、競技スポーツから健 高コレステロール血症、高血圧、喫煙があ 康スポーツへ、これからは目を向けていく ります。こういった危険因子の数が多けれ 必要があると思います。それにはやはりス 一方で、運動にともなう突然死が新聞等 ば多いほど心筋梗塞で死亡する率が高くな ポーツドクターのスポーツ現場、運動療法 で報じられています。健康のためのスポー ります。しかも、糖尿病の人のほうが心筋 現場への積極的関与が重要です。そのため ツと競技スポーツとは違うということを私 梗塞で死亡する率が高いことが疫学的に知 にもスポーツ指導者との信頼関係が、今後 たちは理解しなければなりません。 られています。そういった危険因子を持っ のキーポイントになると考えています。 市の健康づくり計画に運動サポーターを組 今日の私の発表に込めたつもりです。 みこんでいただけたので、活躍の場を確保 牧田 ドイツのスポーツクラブでは、理事 できました。 には医者が 1 人入らなくてはいけないとい 田中座長 ボランティアに全て任せている う決まりがあり、プログラムにもメディカ 田中座長 会場から、 「地域ボランティア だけでは、ボランティア会員の方への負担 ル的な配慮が反映されます。しかし、今の が中心となって運動教室を展開していく上 が重くなります。行政や学校関係者との連 日本の現状で考えれば、ドクターがすべて で、どのような支援方法が良いか」という 携を、時間をかけて話し合うことが必要か のスポーツクラブにかかわるのは不可能に ご質問を受けています。 と思います。 近いと思います。 中垣内 先ほど紹介した諫早市の運動サ 次に、 「地域スポーツの中で高齢者、特 ただ、日本体育協会が養成するスポー ポーターというボランティアグループです に病気を持った方を受け入れていく場合に ツドクターが今かなりの数まで増えていま が、高齢者の指導、しかもある一つの運動 医師の参加は必要でしょうか」という質問 す。スポーツにある程度理解のあるドク に特化した指導者を養成しました。例えば です。 医師の参加があるほうが望ましいと、 ターが、地域にいるはずなので、そういっ ウォーキングマスターとかジョギングマス 私は思います。しかし医師も忙しくて、地 た方にかかわっていただくことから始める ターという形です。そういう方々が活躍す 域スポーツに積極的に常勤で関与するのは しかないでしょう。 るのに、どういった仕組みでやっていけば 難しいでしょう。ですから、ドクターでな 田中座長 「地域の医療機関や学校などの よいかを試行錯誤してきました。幸いなこ くてもいいので、スポーツ指導をできる人 支援を得やすくするシステムを制度化でき とに諫早市の場合、 “健康諫早 21”という が育っていくようにというメッセージを、 ないか」という、たいへん大事ではあるも ■求められるスポーツドクターとの 連携 質疑応答 ■地域、学校、行政の連携を 22 のの難しいテーマでご質問がありました。 牧田 スポーツ活動中に事故が起こったり した場合のマニュアルづくりは是非してお いたほうがいいでしょうし、そのためには 医療機関との連携を図ることは重要です。 ただ、たとえばメディカルチェックのため に医師を派遣するとなると、かなり大変に なってきますから、先ほどお話したよう に、理解のあるスポーツドクターを見つけ るか、もしくは紹介してもらうしか、今の 捉えないほうが肝要かと思います。 を取り入れていただければと思います。 ところ明確な制度(決まり)はないと思い 田中座長 次に、 「運動を習慣化する意欲 牧田 運動には短期的な効果と長期的な ます。 を高めてもらう上で、有効な体力測定の方 効果があります。例えば糖尿病の患者に運 田中座長 地域の医療機関が休診の日には 法はあるか」というご質問です。数週間の 動をさせると、すぐに血糖が下がります。 スポーツイベントをなるべく開催しないよ 運動で、その前後に体力測定をして効果が ですから糖尿病の患者さんが対象の場合、 うにするとか、そういった消極的なアプ 出たとなると、やはり本人も意欲的になり 血糖値の測定結果を見せて「やっぱり運 ローチしかできないのが現状です。行政 ます。その意味で体力測定の上手な活用は 動は重要でしょう」ということは言えるで や教育委員会等ともディスカッションをし 大事かと思います。 しょう。 て、このテーマを今後考えていただきたい リラックスして低強度の運動を行えば血 中垣内 既存の体力テストも良いですが、 と思います。 圧は下がる傾向にありますので、血圧の高 むしろご自分が取り組まれている運動の中 い方には血圧測定が有効です。体力に関し でセルフチェックできるようなことを工夫 ては柔軟性の体力測定種目を採用するのが されると良いと思います。例えばウォーキ 田中座長 次に、以前心筋梗塞を患って、 良いでしょう。運動をする前と運動が終 ングをしている方であれば、 「自宅の近く 現在はジョギングやテニスの試合に出てい わった 1 時間半後では全然結果が違うとい にある坂道を何秒で歩いたらどれぐらいの るという 50 歳の男性から「一生薬を飲み うことを感じ取ってもらうことができるで きつさがあった」と記録していけば、自分 続けないといけないのでしょうか」という しょう。数週間経つと筋力も持久力もそこ の体力変化の絶対評価が可能です。 質問です。 そこついてきますので、そういったテスト ■運動効果の測定方法 牧田 心筋梗塞にかかった方や心臓手術を 受けた方は、やはり薬は一生飲み続けて くださいと言うしかありません。例えば アスピリンやベータ遮断薬、ACE 阻害薬 等、 再発予防効果が確実に認められている、 キーとなる薬は飲み続けてください。それ 座 長の まと め 病気を持つ人を対象とした運動プログラムが、今後さらにブラッシュアップされていくこ とが必要と考えています。牧田先生の発表にもありましたが、病気を持っているからドク ターストップ、ということではなく、病気を持った人でも何らかの運動ができるという方向 にパラダイム、認識、意識を転換して、積極的に高齢社会の中にスポーツを普及させなが ら、元気長寿、健康長寿を図っていく必要があると思います。 以外の薬は、状態が安定してくれば飲む必 中垣内先生からは、自分の身体が体感する、本人の自覚が大事というお話をいただきまし 要がなくなります。例えば、コレステロー た。自分の身体の内なる声、筋肉に耳を傾けることが、リスクを回避することにもつながる ルの値が十分に下がればコレステロールの 薬を飲む必要はなくなるかもしれません。 ただ、先ほどのプレゼンで紹介した 2 名 の患者さん、元気にダンスをしたり、山登 りをしている方たちもずっと薬を飲んでい ます。飲んで、かつ生活をエンジョイして いるので、あまり薬のことをネガティブに と思います。また指導者に対しては、柔軟にプログラムを考えていきましょう、というメッ セージをいただきました。 牧田先生からは、病気があっても人によっては運動できるというお話をいただきました。 また運動だけでなく、食事と運動の両方からアプローチする必要があるというご提言でし た。皆さんが食事指導をそれほど得意としないのであれば、栄養士さん等との上手な連携の もとに行うと良いでしょう。 このコンベンションに参加されたことで、おぼろげながら何かヒントを掴んでいただけれ ば幸いです。 23 第 2 分科会 子どもの体力向上を図るための 地域の関係者の連携と協力 座 長 萩 裕美子 鹿屋体育大学教授 スポーツ・教育・文化などの多面的な活動を通じた 子どもたちの健全育成と体力の向上 あ っ そ 割弱の子どもしかスポーツにかかわってい SEACA のクラブハウスは、JR 朝来駅 ませんでした。そこで、実行委員会の中で という、かつて無人駅だった駅の待合室 きっかけづくりをしてはどうかと考え、 “子 にあります。町が改修し、それを私ども どもスポーツチャレンジデー”というイベ がボランティアで管理するという形です。 ントを始めました。これは1日の間にいろ SEACA のクラブマネジャーがここでクラ んなスポーツを体験してもらうもので、ス ブ事務の処理にあたります。光熱費、電話 ポーツをしていない子ども、それから普段 代等は町に出していただいています。 1 種目のスポーツしかやっていない子ども SEACA では、設立から毎月クラブ紙を 和歌山県の上富田町からやってまいりま を対象に、自分に合ったスポーツを見つけ 発行しています。各スポーツ少年団の活動 した。場所は熊野、世界遺産の入り口にあ てもらうことを目的にしています。いつも ぶりや指導者の素顔、栄養学や水分補給な たるところに位置しています。東京からは 野球をしている子どもがバスケットや柔道 どのコーナー、それから SEACA の理念、 飛行機で白浜空港まで1時間、白浜空港か をするなど、いろいろな体験をしています。 将来のビジョンなどを掲載しています。そ ら約 15 分のところで、人口は 15,000 人。 地域全体で子どもを育てていく環境づく の裏面にある、 “私たちも応援しています” 小学校が 5 つ、中学校と高校が 1 つずつ りも目的のひとつです。会員、企業、商店、 というコーナーにクラブの特徴がありま ある地域で活動しています。 学校、地域住民等、人と人とのつながりを す。これは、 “心の協賛”という形で私た 上富田町は、スポーツによるまちづくり 作っていこうと考えています。個人主義社 ちのクラブを応援してくださる方のお名前 というテーマを町全体で掲げています。ま 会から村社会へ。今の時代、本当に自分ば を掲載させていただくものです。掲載にあ た我がクラブは、 “スポーツによる人づく かり、自己中心的な社会になっています。 たってお金はいただきません。クラブの理 り、 地域づくり”をテーマに掲げています。 やはり隣近所の付き合いができる、隣の子 念を理解し、賛同していただいた方を掲載 正式な名称は、特定非営利活動法人 くち どもさんを応援できる町にしていきたいと させていただきます。その中で「なにかお くまのクラブ SEACA といいます。 思います。 手伝いしたいよ」という方からは、各種イ 設立の経過ですが、平成 16 年 10 月、 それから、今までは行政のイベントや催 ベントでの賞品、あるいは寄付という形で 地域子ども教室実行委員会をまず立ち上げ し物は、やってもらっていたりやらされて 協力していただいています。現在、約 150 ました。翌年 4 月には総合型地域スポー いたりという行政依存型でした。しかし、 社が心の協賛をしてくださっています。 ツクラブの準備委員会を設置し、そして平 “自分たちの町のことは自分たちで決めて、 成 19 年 1 月、総合型のスポーツクラブと 自分たちで作っていこう!”という形で活 してスタートいたしました。同年 3 月には 動しています。 上富田町のスポーツ振興について、今ま NPO 法人の認可をいただきました。 クラブの通称 SEACA とは、 “Sports” では対行政、対学校、対教育委員会、対体 地域子ども教室実行委員会は、スポーツ の S、 “ 教 育 Education” の E、 “All” 育指導委員と、個々の間でしか繋がってい をしている子どもたちがスポーツをしてい の A、 “ 文 化 Culture” の C、 “ 団 体 なかったものが、SEACA ができたおかげ ない子どもたちにスポーツの楽しさを教え Association”の A の頭文字を取ったもの で横の連携ができてきました。地域が一体 ていこうと、地域の体育指導委員やスポー です。つまりスポーツや教育、その他全て となって町のスポーツを動かすという形に ツ少年団の指導者の皆さんと共に立ち上げ の文化活動をするクラブということです。 なりつつあります。 たものです。その当時、上富田町には約 現在はスポーツ少年団が中心になって活動 プログラムには、一番人気のジャズダン 1,000 人の小学生がいたのですが、その 3 しています。 スをはじめ、英会話教室やハンドベル教室、 発表者 山中 善道 NPO法人くちくまのクラブ SEACA理事長 ■3割弱のスポーツ実施率 24 ■SEACA誕生の効果 アウトドア教室などを用意しています。町 中をゆっくり探訪する“チャレンジウォー ク” と、 3 〜 5 歳児を対象とした “プレスクー ル”はライフスポーツ財団の助成をいただ いて行っているイベントです。冒頭で紹介 した“子どもスポーツチャレンジデー”は 今も継続して行っています。またトップア スリートによるスポーツ教室もかなり多く 実施しています。こういった企画は毎月 1 増えればいい」という考え方だったのです 中の連携です。高齢者の参加促進も、課題 回開催する常任理事会の場で考えられてい が、SEACA 設立によって、 「クラブ全体 の 1 つです。 ます。 のメンバーが増えたらいい」 、 「地域全体で 今日のテーマである、体力向上に関して 危機管理体制として、全体で総合賠償保 地域の子どもを育てていこう」という意識 は、やはりスポーツにかかわることによっ 険に加入しています。また、リスクマネ へと変わってきています。 て少しは体力アップが図れていると、私は ジャーとして地元の企業経営者や保険代理 店、弁護士、公認会計士の方に顧問として ■より地域に根ざした団体をめざす 思っています。また地域とのコミュニケー ションについては、先ほど紹介したクラブ 加わっていただき、危機管理を徹底してい 上富田町の児童数は約 1,000 人です。現 紙の影響が一番大きいようです。クラブ紙 ます。さらに各クラブの指導者について、 在の会員数は約 650 名で、まだ参加して で活躍をみて隣のおばあちゃんが「よう頑 年 4 回程度の指導者研修会を行っており、 いない 3 割強の子どもをいかに取り込むか 張ってるなぁ」と声かけができるように 各クラブともにモラルのある、質の高い教 が、今後の課題です。それから、総合型ク なってきました。 室を目指しています。 ラブは、 「いつでも、どこでも、だれでも」 将来的には認定 NPO 法人という、より 各スポーツ少年団の意識も変化してきま と言われますが、まだ私どもはそこまで 地域に根ざした団体になれるよう取り組ん した。これまで、 「自分たちのチームが強 行っていません。差し当たって取り組んで でいきたいと考えています。 くなればいい」 、 「自分たちのメンバーさえ いるのは、高校まではいきませんが、小・ 学校・地域・保護者が協働した健康体力づくり教育と 小中一貫・協働の学び舎 — 総合型地域スポーツクラブを中核として — した。それと同時に世田谷区教育委員会の ます。 教育ビジョン推進研究開発ということで子 さて、平成 12 年に学校週 5 日制が開始 どもたちの健康体力づくりの研究を実践的 され、皆さんも、たくさんのスポーツイベ に行ってきました。 ントやスポーツ広場などをお作りになった 私どもの研究の根っこにあるのは、地域 と思います。用賀小学校でも、地域の体育 にあるスポーツクラブです。そして用賀小 指導委員と青少年委員が中心となって、 「上 学校は近隣の用賀中学校、京西小学校と 用賀スポーツサタデー」というのを作りま 共に現在文部科学省が進めているコミュニ した。基本姿勢は「自分の責任で自由に遊 私どもの学校は平成 16、17、18 年と文 ティスクールに指定されています。この 3 ぶ、お手伝いをする人は無理をしない、自 部科学省の「子どもの体力向上実践事業」 つで 1 つの学園を作ろうということで、 「用 分のできるときにできる人が、できること の協力校として、体力測定等の研究をしま 賀の学び舎」というものを作ろうとしてい をできるだけやるという人数をたくさん増 発表者 内藤 信 東京都世田谷区立 用賀小学校校長 ■体育指導委員と地域の情熱 25 康、コミュニケーションスキルの研究をし ました。 用賀小学校の体力測定の結果はそんなに 低いわけではありませんが、全国から比べ ると若干落ちています。それは都市部の一 つの典型だと思いますが、それでいいだろ うと思っていたら、ある時に、1カ月の間 に 5、6 件も骨折事故が多発しました。そ れも一番びっくりした骨折事故は、黒板に 手をついた、 そして腕が折れた。本人もびっ やしていこう」です。一度始まりますと、 地域の方々が集まって、人数が増えてきま ■クラブベースに体力づくり研究 くりしていました。もう一つは、ブランコ を漕いでいて鎖骨が折れた。何かしたか、 す。それで土曜日のみだったのが日曜日も 私どもの研究ですが、 この“ようがコミュ 何かぶつかったかと聞いたら、 「漕いでい やろう、第 2 土曜日にスペシャルサタデー ニティークラブ”が用賀小学校の体力づく ただけだ」 。どうも子どもたちの身体はど をやろうと、そのうちにいくつやっている り研究に協力しています。たいてい学校の こかずれているなぁ、ということで研究の のか分からないくらいに、色々なことをや 研究というのは、教員が自分たちだけで、 中心を基本的な筋エネルギー系だけの研究 るようになりました。 教員相手に自分たちの技術を磨こうという ではなく、コーディネーション能力、調整 世田谷区には学校協議会というのがあり のが多かったのですが、私ども用賀小では 力について勉強しようと考えました。 ますが、その事業として「コミュニティ広 「ゆたかな心と元気なからだ やるきいっ 「できた」という喜びを味わわせたいと 場」へと改称し、地域の町会さんとか多く ぱい 用賀の子」と目指す理想像を掲げて、 いうのが体力づくり分科会のメインテーマ の方々のサポートをいただきながら、全部 地域の方と保護者のお力をいただいた研究 です。 「できた、うれしい、充実した」 。最 手作りでやってきました。 をしようと考えました。ですから研究発表 近はあまり克服ということを要求しなく コミュニティクラブが出来上がるために の当日は土曜日にしました。学校の発表と なっているのですが、私どもの学校で、2 は、何年もかかるのですが、やはり体育指 “ようがコミュニティークラブ”も発表し 年 3 年逆上がりに取り組んだ時は、95%く 導委員と地域の方の情熱の賜物だろうと思 ていただく。そして PTA も自分たちが子 らい逆上がりができました。休みの日はお います。もちろん学校も、学校施設開放な どもたちの健康や体力をどう考えているか 父さんお母さんとやる、克服すべきは克服 ど一緒になって同じ考え方を持たなければ を発表していただく。ある意味では、学校 する。できるものだけをやるのではなくて、 なりませんが、やはり地域にいらっしゃる の教育研究の枠がすこし外れたかな、とい 一つくらいはできないものにチャレンジす 方々が真剣に本気に訴えかけなければでき うところです。 る。そして充実感を味わわせたいという考 ないなと思います。 私どもの教育理念「健康・安全なくして え方でした。 平成 16 年に総合型地域スポーツクラブ 教育なし」の実現のためには地域・保護者 食育は東京農業大学と全面的にタイアッ ができたときは、感激でした。作られてい との協働なくしては学校だけではできない プしています。全てのカリキュラムを農大の る方々の情熱がやっと一つ実を結んだか んだ、という研究です。 先生と学生さんと一緒に取り組んでいます。 な、と。これからこれを充実させるのは 心の健康、とくにコミュニケーションの もっと大変な仕事だなという思いでした。 力、体育運動は活動自体がコミュニケー 中学校の校長先生にご理解をいただいて、 ションですが、それをやりながら言葉での 最後に日常性と地域保護者との協働とい 中学校の体育館の片隅にクラブの事務局 コミュニケーションができないために、ス うテーマです。先ほどのコミュニティーク をいただきました。たくさんの事業を展開 ポーツをやっていてもついぶつかってしま ラブは YCC といいますが、YCC と協働 して、自主クラブも増えてきました。現在 う。一言「ごめん」 「僕はこう思うよ」と して、コーディネーション運動の講習会を 700 人を超える方々にご参加いただいてい 言ってあげることがずいぶんと人間関係を 開いています。 ます。 よくする、と思っていましたから、心の健 地域の方が土曜日に開いてくださること 26 ■地域の子は地域で育てる で、保護者の意識が変わってきました。学 世田谷区では学校選択制を採っていませ ターにしたいというのがその考え方です。 校からの呼びかけだけではなく、地域の ん。地域の子どもは地域で育てよう、そ そのベースが体育指導委員の方々を中心と 総合型スポーツクラブとの関連によって変 のためには地域の小・中学校が協働しよう した“ようがコミュニティークラブ”であ わっています。地域にある体育支援をして と。競合するだけではなくて、やはり協働 り、それがバックボーンにあるという発表 くださるのが YCC です。 して、学校を地域のコミュニティーのセン でした。 体育指導委員がキーパーソンとして展開している 地域スポーツクラブ“心の和” — 育てよう地域とともに 心・技・体 — た子どもたちのスポーツクラブを設立して ブがモデルクラブとして発足しました。そ はどうかとの提案がありました。市はそれ の中で、ドッジボールについては、種目の を考慮して各区はできる限りの支援をして 決定に最後まで手間取りました。というの いくということでジュニアスポーツ育成に は、募集要項まで作成して実施の準備をし GO サインが出ました。 ましたが、体指の会長が“これは継続性が 平成 11 年の 6 月、体育協会及び体育指 ないから駄目だ”と反対し、本当に困りま 導委員連絡協議会、スポーツ関係者をはじ した。市の大会を一度見ていただき、なん め、小学校及び PTA 協議会などの代表で とか GO サインが出ました。皆さんは、た 知る愛・愛を知る愛知、その愛に包まれ 構成される“名東区地域ジュニア育成支援 かがドッジボールとお思いでしょうが、こ ている名古屋市。金の鯱鉾で有名な名古屋 検討委員会”が設置されました。小学生が のドッジボールには自主性や自己責任、向 城も、2010 年には開府 400 年を迎えます。 身近なところでスポーツ活動に親しむとと 上心を養うオフィシャル・ルールがありま その東の玄関口に位置する名東区は、緑豊 もに体力づくりができるような新しい環境 す。そして、全国大会まであります。 かで活気あふれる街です。それだけに、人 づくりのために名古屋市のモデル事業とし の転出入も多く、転入者のためにも馴染 て初めて名東区で実施することが決まりま み易い環境を地域ぐるみで進化させていま した。実施にあたり、名東区 19 小学校の その後、順調にクラブ数を増やして、現 す。その一つでもあるジュニアスポーツク 3 年生から 6 年生までを対象に、 今からやっ 在では区内 19 学区の全てで、34 クラブと ラブを紹介します。 てみたいスポーツについてのアンケートを 中学生 2 クラブが活動しています。指導者 11 年前、私たち名東区の体育指導委員 とりました。 は地域の全てがボランティアで運営してい は、後は体指と省略しますが、都市部にお 結果は、次のとおりです。子どもたちに ます。会費も 1 カ月 500 円ぐらいから始 ける遊びやスポーツをする機会の減少、児 は身近な遊びでしょうか、ドッジボールが まっており、本当に安いクラブ費でやって 童・生徒の体力の低下、学校部活動の依存 一番人気でした。続いて、バドミントンや います。また継続、発展、運営にあたって などの問題にいち早く立ち上がりました。 卓球などがやってみたいスポーツの上位に は名東区ジュニアスポーツクラブ連絡協議 学校週 5 日制の導入にともなって、児童・ なっています。そして、アンケートをもと 会の運営委員会を立ち上げて、各クラブで 生徒が家庭や地域で過ごす機会が増えるこ に子どもたちの夢を早く実現するために各 協力しながら活動しています。 とから、地域の役割が期待されたからです。 学区の体指が中心となって、希望の多い種 体指は常に地域の状況、学校、指導者 事の始まりは 10 年前、市が地域の要望を 目に対して学校の設備状況、地域、PTA、 を把握して、クラブの運営や新規の種目の 聞く地域懇談会の場で当時の体指の会長か そして学校側の協力度などを調査、検討し 設立に携わり、円滑に末長く継続できるよ ら、体力の低下に加え、学校における部活 ました。 うに運営委員会に参加しています。一つ反 動の減少、非行の防止のために地域に合っ その結果、平成 12 年の 2 月には 4 クラ 省として、立ち上げ時に子ども会への呼び 発表者 亀山 みはる 愛知県体育指導委員 連絡協議会副会長 ■ジュニアスポーツの育成 ■壁新聞「心の和」 27 かけをうっかり忘れていました。その後ご 要な役割を果たしている生徒の姿が見られ ると実感できるようになりました。クラブ 理解願って仲間入りしていただいています るようになりました。 の卒業生はより一層の技術のレベルアップ が、とても大事な点です。 そして、運営委員会の取り組みとしまし ■クラブで広がる地域の“和” のため、卒業生自身が後輩のコーチやマネ ジャー、審判として大人と一緒に活動し、 て、壁新聞「心の和」を保護者や指導者、 一方、平成 19 年度に全国体指連合が初 合わせて練習や訓練を行い、心身ともに向 子どもたちの絆を深めるために話し合って めて行った体力検定の実施に際し、名東区 上している状態が指導者への他ならぬ報酬 作成しています。これは各クラブの活動の では 11 月にジュニアスポーツクラブの子 となっています。 紹介や参加児童の夢や目標が詰まった壁新 どもを対象に行うことにしました。新体力 今後は 3 点を課題としてジュニアスポー 聞です。名東スポーツセンターの協力に テストの参加に意欲を燃やし、全力で挑戦 ツクラブの発展に努めていきたいと思って よって、ロビーに半年ほど展示させていた する児童の姿を目の当たりにすることがで います。①新体力テストで、スポーツを だいています。この取り組みも今年で 5 年 きました。2 カ月後には素晴らしい結果を しない子どもとの比較データを取り、クラ 目を迎えました。成果として、各種クラブ 受け取り、たくましく育っている確かな実 ブへの加入促進に活用したいと思っていま の大会などにジュニアが参加するようにな 感を得ることができました。 す。②ジュニアスポーツクラブに関する情 り、市、県の大会で優勝するなど上位の成 ジュニアスポーツクラブ発足以来、現 報交換や成果の場を名古屋市へと拡大し、 績を挙げるようになりました。また何処に 在は保護者のクラブへのかかわりが多く ③クラブ卒業生が先輩から後輩へと代々そ 行っても恥ずかしくない礼儀とマナーを身 なり、学校側からは不登校の子どもたち の“和”を広げるように、子どもたち自ら につけるようになりました。さらに小学校 が以前より少なくなったとの声も出ていま が総合型に反映できるアウトラインを充実 を卒業してからも自分の望むスポーツにか す。中学・高校に進んでも自分のできるス したいと思っています。子どもたちの輝け かわっている生徒も多く、技術の向上に専 ポーツを見つける良いキッカケとなり、さ る笑顔と歓声が私たち体指のエネルギーに 念しながら指導者の手伝いや後輩の試合の まざまな競技での活躍を聞くと、体指は地 なっています。 審判をしており、継続的なクラブ活動に重 域での子どものスポーツ振興に役立ってい 質疑応答 えるのです。実際 SEACA でも会員数が だいています。町内の体育施設には、10 増加しました。その辺りをお話しすれば分 部ずつ配っています。心の協賛企業の方に かってくれるのではないかと思います。 は、郵送なり、持参するという形で配布し 萩座長 これは私自身も疑問に思うことで ます。現在、町の広報の中に入れて欲しい 萩座長 まず山中さんに「連携ができてい すが、 「NPO 法人化することのメリット」 とお願いしていますが、NPO 法人になっ く過程で苦労をしたことは何かありました についての質問です。 てから町のほうも取り扱いに苦慮している か」という質問です。 山中 さまざまな助成を受ける上で、法人 ようです。あとは駅にも置いていますし、 山中 苦労ばかりです。各少年団は独立し 化が要件となっている場合があります。も 近くの商店等、置けるところにはなるべく て活動していたので、 「うちは協力しない う一つ、法人化することで収支等を明確に 置くようにしています。 よ」というところも、中にはありました。 出すことができます。もちろん隠すつもりも 何度も納得していただくまで足を運びまし ありませんが、どんなお金の使い方をして ■地域全体で考えましょう! ■教員も楽しみに参加 た。最初の説明の時が大変でした。 いるか分からないようなクラブだと「何やっ 萩座長 次は内藤先生へ、 「休日の活動での 一番よく話をしたのは、 「自分のチーム てるの?」ということで信頼されません。 先生方のかかわり方」についてご質問です。 だけ良かったらいいのですか」ということ 萩座長 山中さんへもうひとつ、 「クラブ 内藤 公立学校ですので、教職員も私も副 です。地域全体で考えましょうと訴えまし 紙の配布はどのように行っていますか」と 校長(教頭)も皆休みです。ただ、地域の た。もうひとつ、スポーツをしていない の質問です。 方と協働するイベントがあるときには、で 子どもでも楽しみながら運動できる環境を 山中 小学校の校長会でお願いして、会員 きるだけ皆一緒に来て楽しもうという姿勢 作れば、自然とスポーツ少年団の団員は増 であるなしを問わず、全児童に配っていた です。私自身は好きですから何の痛み痒み 28 もないのですが、職員はなかなか大変かも しれません。ただ新任の教員の場合、町 の人たちと知り合ったり、授業以外で子ど もたちと一緒に遊ぶことは、研修のひとつ であると前向きに参加しています。地域で サッカーやバスケットのコーチをしている 教員もいますから、全員が一律に参加しよ うというものではありません。 萩座長 「スポーツ少年団等、これまで学 しています。名古屋市やスポーツ少年団で 亀山 はい。ちょうど発足当時の子どもた 校開放で利用していた団体との調整」につ 指導者養成を年に 1、2 度開催しています ちがもうじき成人式を迎えるようになりま いても質問がきています。 ので、受講を勧めています。 す。その子たちが将来何らかの形で戻って 内藤 その点は、本地域の青少年委員がお 萩座長 「無償で指導している方の責任の きて、子どもができたら一緒に参加してく そらく膝詰めで談判したのではないかと思 範囲や指導の継続性はどうですか」という れれば、総合型に繋げていけると思います。 います。校長である私が膝詰めで談判して 質問もあります。 気の遠い話かもしれませんが、そのように はいけないと思い、そこは手伝いませんで 亀山 体育協会の傘下にありますので、連 思っています。 した。校長がコーチのところへ行って「入 絡協議会が全て責任を負うという形です。 萩座長 「日本のスポーツ少年団はどうあ れ!」と言うのは、いかがなものかなと思 また各クラブは全て、スポーツ保険に加入 るべきでしょうか」と、これは私への質問 いました(笑) 。 してもらっています。今のところ、ガラス です。 ただ、総合型地域スポーツクラブができ を壊してしまったといったことはありまし スポーツ少年団と総合型地域スポーツク たことで、スポーツ少年団等の既得権は、 たが、人体に影響を与えるような大きな問 ラブとの関係が上手くいっていない地域 その段階で見直す必要があるという話はし 題は起こっていません。そういった事態が も多いと聞きます。しかし、子どもたちの ました。山中さんのご発表と同じく、 「あ 起こらないよう、運営委員会が指導者に協 健全な育成、体力低下の防止、スポーツ好 なたのチームだけの既得権を守って、他の 力し、情報を共有しながら進めています。 きな子の増加という目標は一緒かと思い チームはどうするのですか」という考え方 継続性についてですが、やはり自分の子 ます。これまでのスポーツ少年団の働きは です。世田谷区の学校施設は、 元々インター どもが卒業すると辞めてしまう方もいらっ 素晴らしいものがあったと思いますので、 ネットで予約可能なため、学校が最優先使 しゃいます。なるべく他の人たちの気持ち それを踏まえながら総合型地域スポーツ 用団体を決めない限り、何処の誰か分から を踏まえて継続していただけると有難いの クラブとがお互いに協力し合って進めて ないチームが入ってきます。それでは地域 ですが。ただドッジボール等、子どもたち いけたら素晴らしいものができるのでは の子どもたち、大人が使うシステムにはな が卒業した後でも指導者として残ってくだ ないかなと思います。今日は、そういった りません。その辺りをお話しすることでご さる方も多くいらっしゃいます。 事例を発表していただけたのではないか 理解いただけたのではないかと思います。 萩座長 将来的に総合型クラブへの移行も と思います。 ■スポ少と総合型クラブ 萩座長 次に亀山さんへ「若い指導者の人 材をどう確保していますか」 という質問です。 亀山 地域内にある各競技団体の長の方々 にお願いして、できるだけボランティアで 考えていらっしゃいますか。 座 長の まと め 子どもの体力向上を図るために、我々大人に何ができるのか。3人の方に、さまざまな立 場の方を巻き込みながら工夫してきた事例をご紹介いただきました。ここで私たちが汲み取 るべきは、個別のテクニックではなく、そこにどんな思いがあったのかという点ではないで しょうか。そういう情熱、思いがあれば、おそらく相手を説得したり理解してもらうことが 指導していただける方を紹介していただき できるのではないかと感じます。こういった情熱や思いを、今日この場で皆さんと共有でき ます。資格はないけれど好きでやっている たことを大変嬉しく思います。皆さんがご自身の地域に帰り、それぞれの立場で具現化して 指導者の方たちには、できるだけスポーツ 少年団に入っていただけるよう、声がけを いけば、子どもたちの体力を1960年代のレベルに戻していくことも、夢物語ではないと思 います。是非、皆で力を合わせて取り組んでいきましょう。 29 第 3 分科会 より親しまれるスポーツ施設を 目指して 座 長 野川 春夫 順天堂大学教授 利用者に親しまれる スポーツプログラム・サービスについて なりましたので延びました。プログラムも みよう」につながりません。 増やしました。会議室も使い、体育館も使 次に、ポイントと言われるものがたくさ い、プールも使い、テニスコートも不足す んありますが、私どももいろいろやってみ ると駐車場をテニスコートにしました。い た経験値で申し上げると、やはりプログラ ろんなことをしました。例えばコンベン ムの安定化、スタッフの意識、そして、学 ションホールも、床を張り替えて民間事業 生のインターンシップも受け入れていま 者に入っていただいて、子ども体操教室な す。全国の体育系大学は学生のうちに健康 どいろいろな仕掛けを行っています。なお 運動指導士が取れるので、一昨年から、イ 指定管理者制度はいよいよ 2 巡目に入り かつ、スポーツ施設なのにカルチャー的な ンターンシップで受け入れています。 ました。これまでに 61,000 施設が制度と もの、特に親子で来場された方に、お母さ 今年度、練馬区で実施された指定管理者 して適合になり、実際は民間企業といわれ んがプールに入っているときに、子どもさ 選定の案件での、区の提案様式による設問 る団体が 11,000 施設受託しています。こ んにはお絵かき教室や英会話、多様なもの に「新規のスポーツセンターを拠点とする れ以上に今日お越しいただいている皆さん を含めた親子セットでその時間を活用して 総合型地域スポーツクラブとの連携・協力 のような財団、協会、いろいろな NPO 含 いただいています。もちろん託児もありま について、基本的な考えを示してください」 めた多方面の団体の方々で取り組んでいる す。いろいろな意味で最大化をして、親し とあるように、地域社会・各種団体との 制度です。 まれるという今日のテーマどおり多様な仕 連携、協力、特に総合型地域スポーツクラ 今日はスポーツ施設中心のお話ですが、 掛けができるという事が民間ノウハウを生 ブとの連携・協力については指定管理者と 圧倒的にスポーツ施設は民間開放含めて指 かすチャンスであると思います。 して、民間独自のしっかりとした方針、ビ 定管理者制度で公募されました。ますます ここで特記したいのが、施設に広告が入 ジョンをアピールしていかなければなりま この状況が続くであろうということで、2 るようになったことです。運営費に原価の せん。 巡目、3 巡目になったときに、民間事業者 かからない収入で、壁、床など、いろいろ いろいろな意味で民間企業はプレゼンの ですからビジネスチャンスという言葉を なところに広告収入が得られるので、横浜 ときに動画などを多用します。これは 1 巡 使っておりますが、機会が拡大すると取り 市と協議して規定の基準料金で使用料をい 目にはあまりなかった手法ですが、例えば 組んでいる企業が多いかと思います。 ただいています。また、総合型地域スポー トレーニングルームを改修した場合、利用 民間事業者はビジネスモデルという言葉 ツクラブをはじめ、地域にいろいろな団体 者目線で入ってきたときに、どういう目線 を使いますけれど、要するにスキーム。ス さんがおられますので皆さんとジョイント で見えるのか。受付のスタッフが案内して、 テークホルダーであるいろいろな団体さん し、活動の場として使っていただいてい 初回者はこうです、ということを立体的に とどう組んでいくか、地域を活性化するた ます。 説明していきました。民間事業団体は目新 発表者 白木 俊郎 シンコースポーツ株式会社 常務取締役 財団法人日本体育施設協会 専門委員 ■施設の最大化に取り組む めに NPO さん、総合型もしくは指定運動 療法施設であればスポーツドクターや、い ■親しまれるために しい仕掛けをしながら取り組みます。 プログラムも多数用意しました。従来は ろいろな方々の協力を得て総合的に施設の あとは親しまれる施設を目的に、未だに エアロビクスが、一般的に行われていたも 最大化に取り組んでおります。 無料体験を隔週のように実施しています。 のを、ダンス系、ファンク系、またボクサ この制度によって何が変わったのか。私 土曜日は、学生はもちろん、いろいろな形 サイズ系など公共施設の中で自由にできま どもが手がける横浜のスポーツ施設を例に で施設に来ていただかないと施設の良さを す。さらに中高年を含めてゆっくり実施し とります。まずは営業時間の自由度が高く 分かっていただけませんし、 「また使って たい方、女性だけのコースや静的なもの、 30 激しく跳ねないというコースのもの。もし くは子どもさんと一緒に取り組めるプログ ラムなど。やはり、参加者には定期的にモ ニタリングをして、地域の町内会、自治会 などにも声を聴きます。 ■徹底した地域サービス 総合型や市民の自主的な活動をさらに援 3 のポイントというのは利用者でもなく施 利益の配分などいろいろと出てくることが 助してさらに最大限支援していきます。使 設側でもなく、多様な識者を含めた外部の ありますが、根気よく定例会を含めて協議 用料を無料ということはできませんが、減 方からアドバイスを受けます。もしくは専 をして、上手く処理していくということが 免とかいろいろな措置がありますので、学 門のリサーチ会社やコンサルティング会社 大切です。カルチャー教室プログラムの見 生主体で使う場合など状況に応じて費用対 の情報も収集します。 直しなどが最大の民間事業者として力量の 応も考える、時間外使用も考慮するという プロモーション活動は、一般の広報誌だ 発揮どころであり、また自由度を含めた問 こともあります。 けでなくいろいろな形でパプリシティーを 題で、利用者に支持していただける内容に 徹底した地域サービスを実行するために 使います。それと自治体とのコミュニケー つながることが、徹底した地域サービス・ は、まずマーケティングリサーチをします。 ションを大切に保ちます。協定書に書いて 住民サービスの向上へと進むものであると さらに利用者の声を聴きます。それから第 ないことや、皆さんご存知のとおり後から 考えています。 高齢者の健康づくりとスポーツ参加・ 高齢者にやさしい施設のあり方 — 老人クラブの活動を通して — 「高齢者の健康とは、生死や疾病の有無で で実施されています。1998年、スウェー はなく日常生活をどの程度自立して生活で デンの整形外科医の発案で始められた取組 きるか、自立の度合いで評価すべきであ みは、1999年に国連のアナン事務総長の る」との見解を示しています。つまり、何 「運動器の機能の改善、例えば、骨粗鬆症 歳になっても元気で自立した日常生活を送 の予防や治療といった研究がすすめば、多 ることができるかが問われているのです くの人々が恩恵を被るだけでなく、医療費 が、残念なことに介護保険制度発足以来の や介護費用を減らすことになり、それぞれ 4年間で要介護・要支援の認定者は152万人 に国にとっても非常に有益である」との発 増の409万人になりました。2005年に介護 言によって、2000年からWHOが中心にな 高齢化が大変進んでまいりました。昨年 保険制度が見直され、新たに総合的な介護 り、現在95カ国以上が参加し、それぞれの の敬老の日に発表された高齢化率は22.1% 予防制度が導入されたのは皆さんご存知の 国で取組みが行なわれています。消化器や です。7%を超えますと高齢化社会、14% とおりです。それに伴って運動・スポーツ 循環器は、自分の意思でコントロールする を超えますと高齢社会、21%を超えますと 施設にも高齢者に介護予防に向けた運動指 ことはできませんが、運動器は自分の意思 超高齢社会と称します。したがって、わが 導の場が求められるようになってきたよう で動かすことができます。また、運動器は 国は、世界に類を見ない超高齢社会に入っ に思います。 使っていないと筋肉・骨・関節・運動神経 たことになります。 現在「運動器の10年」(2000〜2010 系も機能が低下してしまいます。介護の原 1984年にWHO(世界保健機関)は、 年)というキャンペーンが世界的な規模 因の多くを占めるのが、運動器の障害であ 発表者 武井 正子 順天堂大学名誉教授 ■高齢者の現状と 健康づくりへの取り組み 31 これまでは、係員の人と直接話をし、相 談しながら、決めていたことが、なかなか 上手くいかないところもあるようです。窓 口では、老人クラブの活動実態や高齢者の 心身の状況などを理解して対応していただ けると、高齢者の利用状況も高まるのでは ないかと思います。 ることからも、高齢者の自立に向けての取 けると思います。例えば、健康づくりや これからは、高齢者向けの運動・スポー 組みは、着々と行われてはいるのですが、 介護予防活動に関する取組みを行なって ツ教室などを計画している施設もあると思 まだ、それほど効果をあげるところまで いるところが 61%、健康づくり講習会、 いますので、高齢者を理解していただくた いっていないのが現状です。そこで、平成 ニュースポーツ大会、それから体力測定会 めに加齢に伴う体力の低下についてのグラ 元年から20年間にわたり、かかわってきた も最近定着してきて、27%の連合会が実施 フを見ていただきたいと思います。 老人クラブの運動による健康づくりの取組 しています。老人クラブ活動のもう一つの 体力の中でも最も低下しやすいのが閉眼 みをご紹介したいと思います。 取組みが、ボランティア活動です。社会奉 片足立ち、バランス能力です。下のグラフ 仕の日(9月の敬老の日の1週間)や子ど では、腕立て伏せで自分の体重を支えるこ ■老人クラブの計画的な取り組み も達の見守り、清掃活動、交通安全の取組 とができない。それから、反復横跳び、垂 老人クラブは各地の小さなクラブを単位 み、子どもや青年達との交流事業とか様々 直跳びなどの関係する脚筋力の低下が大き クラブといって、現在、全国に125,000ク な活動を自主的に行っています。スポーツ く、高齢者の体力の課題になっています。 ラブあり、総会員数は805万人を数えてい 大会としては、グラウンドゴルフやパーク また、健康状態を見ますと、有病率が高 ます。高齢者の3人に1人は老人クラブの ゴルフ、最近では、ゴルフ大会を計画する くなる、特に整形外科的な疾患が増える、 会員ということになります。平成元年の高 ところも増えてきました。地域の単位老人 骨粗鬆症が増え、転倒すると骨折しやすく 齢化率は、12%だったと思いますが、老人 クラブを外から見ますと、なんとなく集 なる。また、ホメオスタシスや予備力が低 クラブから「これから高齢化が急速に進ん まってゲートボールをやっていたり、旅行 下し、疲労しやすく、空調があまり整って でいくなかで、単に病気にかからないとい に行ったりしているように思われるかもし いないところでは、熱中症などの問題を起 う健康づくりでよいのか意見を聞きたい」 れませんが、体育館を始め、様々な規模の こしやすい、それから、老人性難聴や老 と言われましたので、「高齢者がいつまで 施設を利用しながら、組織的に計画的に活 眼、白内障なども増えてきます。情報が的 も自立した生活を送るには、どれくらい運 動をしていることがお分かりいただけたか 確に伝わっていないこともでてきます。高 動器を使っていくか、運動による健康づく と思います。 齢者の状況を少しでもご理解いただきたい りがカギだ」と答えました。 その年からシニアスポーツリーダーの養 ■施設の望ましいあり方 と思います。 高齢者側から施設への希望としまして 成を行い、シニアスポーツリーダーが中心 施設関係については、アンケート調査に は、音響設備への配慮があります。聞き取 になって、それぞれの都道府県、市区町村 よると、指定管理者制度が導入されたこと りにくいとの訴えが少なくありません。ま で高齢者の健康づくりに積極的に運動を取 によって、利用時間が厳しくなってきた た、運動する施設は広すぎず、ちょっと休 り入れていこうと活動をしているところで と感じているようです。高齢者は、余裕 むための椅子が置いてあるとか、運動が終 す。老人クラブは、単位老人クラブが、市 を持って行動しますので、開始時間の1時 わった後、みんなで集ってお茶が飲めるよ 区町村で連合会を組織し、さらに都道府県 間前からやってくる人も少なくありませ うなサロン的な場が欲しい、また100歳近 連合会、そして全国老人クラブ連合会とし ん。まだ入り口が閉まっていて、中に入れ くなっても見事な絵や書等を書いている方 て活動しています。 てもらえない。また、施設の申込みも、イ もいますので、時には、展示していただく 市区町村連合会(N=420)の活動内容 ンターネットによるところが増えてきまし など、超高齢社会を迎えた今、高齢者にや をご紹介しますと、多様な施設を利用し、 た。高齢者はまだ使い慣れていないので、 さしい施設を皆さんに是非考えていただき 幅広い活動をしていることがご理解いただ なかなか厳しいところもあるようです。 たいと思います。 32 利用者に好印象を与える接遇のあり方について 発表者 ■視界から入る「もてなし」の印象 はようございます」 「こんにちは」 「お疲れ 様でした」 「今日は何をするのですか」 「そ 寺山まり その5つの項目のなかで、視界から入る うですか」、これでは事務的過ぎます。 JALアカデミー コミュニケーション事業部 シニア・インストラクター 印象が3つあると言われています。まず それからアイコンタクトというのが大事 「表情」というのが一番初めに人の目に入 です。アイコンタクトというのは、まず初 るところです。表情というのはパッと人が めに入ってくる方の目を見る方は非常に多 見て話しかけやすい人がここにいるなと思 いのです。ところが軽くお辞儀をしてその うのか、明るい笑顔の人がいてくれたん 後もうテーブルの上か何かを見てしまう方 私がお話しするのはホスピタリティで だ、力つきそう、といったことです。2つ がいるのですが、ラストアイコンタクトが す。これは「もてなし」と訳します。そし めは「身だしなみ」です。当然スポーツ施 とても大切なのです。目を見て「おはよう てそのホスピタリティはどのような印象で 設でしたら、スポーツウェアが主体だと思 ございます」、また目に戻ってそれから話 決まってしまうか。お客様の心理としては いますが、管理・監督者でしたら、もし し始める。この最後に目を合わせるか合わ 6つほどあります。歓迎されたい、独占し ものときはスーツをお召しになる場合も せないかでずいぶん違います。挨拶したけ たい、あるいは優越を感じたい、真似をし あるかと思います。そのときにもTPO、 ど印象に残らないのか、挨拶を1回しただ たい、損をしたくない、自分本位の心理。 TIME、 PLACE、 OCCASIONをわき けなのに覚えてもらっている、それはやは 皆様がスポーツ施設を使う場合、あるいは まえて場違いな格好をしないということ。 りその方の存在が挨拶によって活かされた プライベートでどこか食事へ行く、買い物 もうひとつは「態度」です。例えばお辞儀 のではないでしょうか。 をする、どんな場合であってもこの6つの の仕方。日本のお辞儀というのは腰から折 これから、 「あ・い・さ・つ」の語呂合わ 心理は抱くのではないですか。入って行っ るのです。それが軽いお辞儀であっても構 せでお伝えします。挨拶の「あ」は明るく たときに何のひと言もなく、いらっしゃい いません。会釈であっても構いませんか アイコンタクトと言いました。「い」はい ませもなくて、「勝手に座れば」みたいに ら、少なくとも目を見てにっこり笑いなが つでもどこでも誰にでも、つまり習慣性で されたらこんなところ二度と来ないと思う ら、「こんにちは」と会釈を伴って招いて す。「さ」は先にすること。そして「つ」 筈です。 もらいたいというのがあります。そして は努めて。私共では続けてプラスαを添え 本当のフィーリングというのは瞬時に決 「言葉遣い」も加えましょう。これは耳か ましょうと言っています。明るさの演出は まると言われています。具体的には次の5 ら入って来る情報です。やはり「何をして 表情や声、それから目は見れば良いのです つについてお話しします。挨拶、表情、身 いいのか分からない」「この器具どうやっ からすぐにできることだと思います。そし だしなみ、言葉遣い、態度。これは全て当 て使うの?」といったときに、一文が長く ていつでも習慣的によい挨拶ができる、先 たり前のことです。そしてこれはかけ算だ ダラダラ話したり、ぼそぼそ話すと印象が 手で挨拶をする。何故先にするかと言いま と思ってください、足し算ではないので 悪くなります。 すと、実は、挨拶言葉を先にかけた人は次 す。どんなに挨拶が素晴らしくて、それか そして相対的な印象の善し悪しを決める の会話の主導権を持っているのです。 ら笑顔もあって、清潔感のある身だしなみ のが、「挨拶」なんです。挨拶から始まっ 表情について、これはもう笑顔に勝るも も整っていて、そして態度もやる気があっ て挨拶で締めくくります。ですから、まず のはありませんから、皆様笑顔なのです て一生懸命。でも話してみると何だか言葉 元気よく明るく挨拶をすることが必要にな が、笑顔の鍛錬というのがあります。大事 が稚拙であるとか、何言ってるのかわから ります。「おはようございます」「ようこ なところは目の回り、目力というのも大事 ないとなると、それだけでコミュニケー そ」あるいは「今日はどのようなカリキュ ですし、目の優しさも大切です。やはり ション、ホスピタリティからいくと残念な ラムをなさるのですか」と、いろいろな声 人は口角、「い」って言っていただくと がら0点という判断になってしまいます。 をかけていく。そういうことを心を開いて 口の端が上がった時点で楽しみを感じるそ 言っていただかないと、ただ事務的に「お うです。残念ながら「い」という音だけで ■ホスピタリティを大切に 33 な依頼形でお話をする。ですから「少々 お待ちください」、これはやや命令形な んです。それが文末が「か」で終わる場 は表情は鍛えられません。 「うぃ」っておっ 言葉。「申し訳ございませんが、私では 合、「少々お待ちいただけますか」あるい しゃっていただきたい。ウィスキー。極端に 分かりませんので詳しく分かる者に聞い は「少々お待ちいただけますでしょうか」 ぐっと上げてください。それで目元も優しく て参ります」。「ます」で終わる。ある と。やんわりと言っていただければ、待つ なりますので、表情が豊かに明るい声での いは「すぐに調べてご返事いたしましょ わよという気持ちになります。 挨拶になります。さあここまでできました。 う」。いわゆる、「です」「ます」で終わ まとめとしてサービスのコンセプトは、 る。こういう話し方を工夫する必要がある スタッフ一人ひとりの働き、表現を通して と思います。 実現できます。サービスを決めるのはあな そして4つめは言葉遣いです。それはや そして来館者の方にはやはり準備をして たです、ホスピタリティマインドを伝える はり、例えば何か施設を利用なさる利用者 いただくようなこと、あるいは守っていた のはあなたです、ということなのです。で が質問に来て、スタッフが知らなかった場 だきたいルールなどあるかと思いますが、 すから是非一人ひとりの認識が明るく楽し 合に、「知りません」「できません」とい そのときも「こうしてください」ばかり言 く仕事をしている、せっかくいらした方と うのは言わない方がベターです。「分かり い過ぎると、これは命令形なのです。あれ コミュニケーションを取ろう、そういうホ ません」「知りません」「できません」と しろこれしろと言っているようなものです スピタリティを伝えていただけると大変嬉 言ってしまうより、まずクッションになる から、できれば文末が「か」で終わるよう しく思います。 質疑応答 上げたり、地域雇用者を含めて現地に根づ なか気づいていませんので、最初にそうし く形で、地元の方を有効に、必ず1年以内 たプログラムを取り入れています。例え では育ちます。 ば、すり足で歩いていませんか?トイレで 野川座長 利用者に親しまれるプログラム はこんな立ち方をすると楽に立ち上がれま 野川座長 会場からいろんなご質問をいた は具体的にどのようなものを取り入れてい すなど。その後で自立に必要な基礎体力を だきました。さっそく白木先生に対する質 らっしゃいますか。白木先生と武井先生に 維持するため、ストレッチや軽い筋トレ 問です。「指定管理者の指定を受けるには お願いします。 を入れ、最後にグループで気軽に楽しめる 質の高いスポーツ施設を管理・運営できる 白木 中高年の方が結構いま朝から並んで ゲームなどを取り入れ、お互いの交流が図 人を確保しているかが高い評価を受けると いるというのが多くて、オープン前の井戸 れるような場を設定しています。 言われていますが、スタッフの資質向上に 端会議がひとつのコミュニケーションにな どのような研修を行っていますか」。 ります。そういった意味で、手編み教室と 白木 よく聞かれる質問で代表的な「従業 かビーズ教室などいろいろな手芸を含めた 野川座長 寺山先生、人に好かれる身だし 員教育」だと思うのですが、やはり外部を ものを入れて高齢者にはやさしい教室を なみはどのようなものでしょうか。 利用する研修を取り入れています。特にマ サービスしています。 寺山 お洒落は「お洒落をする」、あるい ネジャー研修です。いろいろなものを加味 武井 前期高齢者は、ほとんどが自立度の は「お洒落を楽しむ」ですね。身だしなみ して、なおかつオリジナリティを入れて自 高い人ですから、多少個人差などを配慮し は、「身だしなみを整える」なんです。 社の責任者ならではというおもてなしの心 ていただきながら、壮年とほとんど同じプ 整っているかの判断は周りの目です。それ を含めて、施設の顔になる責任者を早目 ログラムでよいかと思いますので、後期高 は清潔感、場所をわきまえたバランス感 に、副責任者二番手、三番手をどんどん作 齢者について触れます。いつまでも自立で 覚。そしてやはり控えめであって、中味が ります。そして施設が増えた場合に地方に きることが目標ですから、日常生活で立っ きらりと目立ったほうがいいという判断で も短期間ないし1、2年行っていただいて、 たり坐ったりがきちんとできることが大切 すから、是非中味からエッセンスが漂うよ そこの現地のスタッフとミックスして立ち です。自分の姿勢や体力の低下には、なか うなことをしていただければいい。細かい ■言葉遣いの工夫 ■指定管理者サイドの努力 34 ■接遇のポイント ことを具体的に言えば、女性男性共に髪を たいのでという、いろいろな提案を根気強 指定期間は何年ぐらいが一番いいのかとい 上げて額を見せていただいたほうが明るく くお話をして。実際始まってみますと協定 うご質問。 聡明さが伝わります。目元、口元、襟元、 の段階でよくありますように、ここの団体 白木 まさに5年ものの1巡目と、いま3年 手元、足元。このへんが見られている要素 さんは外さないでくださいとか、なかには ものの2巡目が交差する今年来年になりま だと思ってください。 逆に行政の方から困っている団体がいるの すが、どちらがいいのかというのは会社に 野川座長 苦情対応について注意すべき点 で指定管理者の立場で外してくださいとか よって強み弱みがありますので、考え方が は何でしょうか。 いろいろありますが、そのあたりを笑顔で 少し分かれると思います。私はこの間まで 寺山 ヒントを申し上げますと、先ほどお しっかりその団体のリーダーの方々とお話 は5年が良いと言っていました。理由は3年 話した人間関係構築の基本の5つの柱、挨 をしまして、皆さん使い勝手が良いように ものだと、2年間実行した実績で評価され 拶、表情、身だしなみ、言葉遣い、態度。 します。 て3年目にはもう提案を書く時期になるの 残念ながらこれができてもまだ相手が駄 武井 老人クラブで体力測定会を行う場 で、提案作業しながら現場を運営していく 目という方がいらっしゃいます。その際 合、測定用具を持っていっても、9時にな にはあまりにも忙しい。ですから4年間運 は傾聴力を高める。相手の苦情に口を挟ま らないと会場を開けてもらえないため、外 営して5年目にしっかり過去をふり返って ないで最後まで聞く。大事なことは最初 で待たなければならない。以前は、顔見知 提案を作り直すというのが理想でしたが、 から「申し訳ございません」と言わないこ りの職員がいて、いろいろ配慮してもらえ この物価変動が起きてちょっと状況が変 とです。まず相手が何かを言ってきたら、 たのに、制度が変わると、全てが機械的に わってきました。 ああそうでしたか、それは大変でしたと、 なってしまったという印象を持っているよ 特に水・光熱費及び消費税それから印紙 同調から始めて最後まで言わせて、「おっ うです。以前から使用時間は決まっていた 税もろもろあります。総務省のセミナー研 しゃるとおりですね」とか、「ごもっとも はずですが、その時の対応によって高齢者 修会等で意見交換させていただき、そのな です」「それはそういうお気持ちになるで の印象は、大分違うと思います。「本当は かで出るのは水・光熱費に関しては、精算 しょう」と、まず共鳴を示します。そして 9時からですが、ここにお入りください」 制にしてくださいということです。水・光 おっしゃったことの部分だけ詫びるのが陳 とか「椅子を準備しましたので、おかけに 熱費については提案の額を協定で決めて年 謝のテクニックなんです。そして、せっか なってお待ちください」とかですね。そう 間で預かりますが、余ればお返しします。 くおっしゃってくださったんですから、 いった何気ない一言によって誤解なども解 足りなければ予算措置で翌年度でもいいで 「ご意見承りました」。締めくくりは「有 けていくのではないかと思います。 すが精算制にしてくださいということを申 難うございました」とお礼が言えるかどう かがリピート化につながるか、二度と来な くなるか、なのです。 ■高齢者への配慮 野川座長 指定管理者制度によって利用時 ■適正な指定管理期間 し上げて。結構進んできて、今年の提案や 去年の提案などでは精算制を入れてあると 野川座長 もうひとつ白木先生にですが、 ころが多くなっています。修繕費について 今回の不景気が指定管理者制度に与える影 も、予防修繕と災害の問題が今ありますの 響はどのようなものか。それから、3年契 で、精算行為を含む修繕をしっかり実施し 約がいいのか5年契約がいいのか、適正な ていくというところです。 間が非常にフレキシブルに柔軟になった と、白木先生がおっしゃった反面、武井先 生が指摘されたように、逆に融通が利かな くなったというような面もある。その対策 について。 白木 午前・午後・夜間と仮に貸し出し時 間帯があった場合に、よく活動団体の既得 団体の方とお話をして前後空けていただけ ますかとか、3時間は使われないようでし たら有効に1時間半ずつ3コマを6コマにし 座 長の まと め 指定管理者制度が2巡目を迎えて公共スポーツ施設を今後どのように経営するかが今回の 論点でした。指定管理者制度の活用をどうするかを議論しますと、ハードウェア、ソフト ウェア、ヒューマンウェアという施設運営にかかわる問題が全て人間ということになりま す。したがって、人材をどのように育成し、どのように気持ちよく働いてもらい、参加され る方の立場に立って良いサービスを提供することが重要です。これが公共性に通じるのでは ないかと思います。そのためには、お客を変える前に施設管理に従事する者が変わることが 非常に重要になるのではないかと思います。 35 第 4 分科会 座 長 瀧井 宏臣 子どもの体力向上を促進する 効果的な保護者の意識啓発事業のあり方 ルポライター/ 大南サポートクラブ 事務局長 “共創”の視点に立ち生活の中にスポーツ・ 運動を組み込んだ実践活動 発表者 木村 正男 八潮市立大曽根小学校 校長 発表者 吉田 龍太 八潮市立大曽根小学校 教諭 ■自発的な遊びを促す という取り組みです。これはそもそも平 選択し直します。昔の業間体育は、いわば 成11年に当時の文部省から“スポーツ推 半強制的に行われていた部分があったわけ 進校”という研究委嘱を受けたことに始ま ですが、子どもたち自らがやりたい種目を ります。さらに“子どもの体力向上実践事 選択し、異学年の子と一緒になって運動を 業”ということで、平成16年からやはり3 するのです。今年度は、19種目学校で用意 年間委嘱を受けました。その中で営々と培 しました。たとえば“Gボール”というバ われてきた内容をご紹介します。 ランスボールのグループや“スポーツチャ まず、そのひとつが、“ワクワクタイ ンバラ” “ 、竹馬” といったグループを作りま ム”“チャレンジタイム”というプログラ す。これもずっと続けているとマンネリ化 ムです。これは2時間目と3時間目の間、 する部分が出てきますので、新種目を毎年 かつて業間体育といった呼び方で全国的に 取り入れるようにしています。 行われていたかと思います。1週間を月・ 火・水と木・金の2つに分け、それぞれ ■欠かせない保護者との協働 木村 私たちは、学校教育という枠の中で “ワクワクタイム”それから“チャレンジ この活動を支えていただいているのが の実践レポートをお話ししたいと思いま タイム”という約30分間の自発的な運動の “応援隊”という、保護者の方々です。10 す。八潮市は、埼玉県の南東部、川を挟ん 時間を設けています。これは本校の目玉で 数種目のプログラムは教師だけでは手が足 で東京都足立区と隣接している地域です。 あり、子どもたちが大変楽しみにしている りません。現在10数名が今年度の応援隊 本校は昭和44年に開校し、今年の2月2日 時間です。 として名を連ねています。例えば中庭にあ にちょうど創立40周年を迎えました。児 これとは別に、月・水・金の始業前、時 る土俵を使った相撲のプログラムがありま 童数466名、学級数16学級、職員26名、非 間にすると10分もないと思いますが、全校 す。こちらを指導しているのは、現在5年 常勤2名の中規模の学校です。農村の様相 運動を行っています。縄跳び・ダッシュ・ 生の子どものお爺ちゃんに当たる方で八潮 も呈していたのですが、近年、秋葉原から 持久走の3種目です。今の子どもたちに 市相撲連盟にかかわっている方です。 つくばエクスプレスが開通したことによっ は、睡眠不足や朝食を食べてこない等の問 ここでこの“チャレンジタイム”で遊ぶ て、急速に住宅等が建ち始めているところ 題があります。そういう中で、いわば“学 子どもたちの反応について、実際に担当し です。 校モード”にするための目覚めの運動とい ている吉田教諭から報告してもらいます。 我が校の教育目標は、“輝く笑顔と夢 うことに主眼を置いて実施しています。例 吉田 私は、野球の変型バージョンの運動 いっぱいの学校”ということで、学ぶ意欲 えば、「全校ダッシュ」というのは、校庭 遊び“ソフトハンドベースボール”を担当 を育てるために、さまざまな研究に取り組 横いっぱいに8列ほどに並び、合図で30m しています。チャイムと同時に子どもが自 んでいます。また“応援隊”と称して、保 弱の距離をダッシュをするというものです。 分たちで準備を始め、私が着き次第開始と 護者、地域住民等を組織し、学校教育を一 先ほどお話しした“チャレンジタイム” いう形になります。3年生から6年生の子が 緒に作りあげているところです。 にも特色がありますので、いくつか紹介し このプログラムを選び、楽しそうに遊んで 学校における運動の生活化についてお話 ます。これは、子どもたちが自発的にやり います。 しします。学校にいる時間が長い子どもた たい種目を選んで運動するものです。1年 時間になると挨拶をして終わりになるの ちに対し、どのように運動させたら良いか 間だと長すぎるので、前期と後期に分けて ですが、その後も10分間の休み時間が続く 36 ので、さまざまな場所から子どもたちが集 まってきて野球を続けています。とても自 発的に意欲をもって取り組んでいる様子が 見られます。 と、平成19年時の男子の記録は昭和61年 起床時間などを子どもたちが自分で目標 木村 保護者への意識啓発を図るため、 時の女子よりもタイムが遅いのです。男女 設定し、実際の時間を記入する“生活 我が校では平成17年から“親子講演会” とも約0.5秒弱くらい遅くなっているので チェックシート”というものも作ってい と題した場を設けています。今年が4回目 す。距離で表すと約2m。今の子どものほ ます。その調査結果を見ると、どうして で、毎回200名以上の保護者が参加をして うが22〜23年前の子どもより約2mくらい も高学年の方が自分の設定した目標に到 くださいました。第1回は北海道教育大の 遅いという結果です。この話は、当時の 達していません。やはりテレビの魅力、 小澤治夫先生(現東海大学)をお呼びしま 子どもたちが保護者になっている年代なの ゲームの魅力に負ける部分があるという した。2回目が埼玉大学の野井真吾先生、 で、そこに運動の必要性を訴え理解を求め 声が聞かれました。 3回目が私、4回目が本市の教育長という たものです。それから、睡眠と食事の重要 今年度の新体力テストの総合評価を調 ことで、親子両方に話をしていく場になっ 性についても強調してお話しします。これ べますと、体力があるとされるA及びBの ています。1年生もいますので、約60分間 らは子ども自身の努力だけではどうにもな レベルにある子どもの割合が、本校では を話だけではすぐ飽きてしまいます。です らない部分ですので、親の協力が不可欠で 学年が進むにつれて高くなっています。 から、スライドを使ったり、実技を取り入 あると訴えているところです。 学校平均は県平均よりも10%ほど上回る れながらという形で子どもたちにも話を聞 かせます。講演をしていただく方には、子 ■チーム大曽根 結果となりました。 本校教職員は、一同“チーム大曽根” ども向けの話と親向けの話をぜひ両方して 本校では“学習ガイド”や“生活ガイ という合言葉のもと全職員で、紹介した いただきたいとお願いしています。講師は ド”を作成し、挨拶や掃除など、いわゆ ような活動に取り組んでいます。その中 「難しい」と言いながらも、皆さん多様な る規律はきちんと守ろうということで進 で“共創”の視点(立場が違っても同じ 方法を駆使して話してくれています。 めています。中身はいたって平凡で、当 目標に向かって力を合わせる)で、学 今回の親子講演会では、今の子どもたち たり前のことを当たり前にやるというこ 校と保護者・及び地域社会で教育を共に の体力低下を示すデータを用いた話があり とです。 創っていくということをキーワードにし ました。小学2年生の50m走の記録を見る その他、睡眠時間やテレビ視聴時間、 ています。 心の東京革命における保護者への働きかけ — 人が生きていく上での当然の心得を伝えるために — ないのですが、保護者への働きかけという れるようになり、あるいは女子中高生の援 点で皆さんと同じ課題や悩みを共有してい 助交際も話題になっていました。家庭、学 るということから、助っ人外人部隊として 校、地域、我々の社会全体が子どもに対す 参加させていただきました。我々の取り組 る教育力を低下させてしまっているのでは みにおける保護者への働きかけの成果と課 ないかという問題意識から、「次代を担う 題ということでお話ししたいと思います。 子どもたちに対し、親と大人が責任を持っ “心の東京革命”とは、現石原都知事が て正義感や倫理観や思いやりの心を育み、 平成11年に初めて都知事に当選した際の公 人が生きていく上で当然の心得を伝えてい 私は、このコンベンションの趣旨である 約として提唱していたものです。ちょうど く取り組み」として、呼びかけを始めまし “生涯スポーツ”とも、この分科会の主旨 この頃、当たり前の挨拶もできない、ルー た。ポイントは◦親と大人が責任を持つ、 である“子どもの体力”とも直接の関係は ルを守れない子どもたちが非常に多く見ら ◦子どもたちに伝えていく、という点にあ 発表者 赤木 善弘 心の東京革命推進協議会 (青少年育成協会) 事務局 事業課長 ■平成11年からスタート 37 動をしていただいている方は、おそらく10 本の指に足りないと思います。中にはチー フアドバイザーの方が地域内の全地域アド バイザーを統括して、全体で子育て支援活 ります。 的な行動目標、行動を呼びかけたことが、 動、育児講座を行っている方もいます。た これを進めていく上で、我々東京都の青 ひとつ運動を広げていく意味でも良かった だ、そういった方はどちらかと言えば少数 少年治安対策本部が事務局となり、“心の と思っています。 にとどまっています。 東京革命推進協議会”という任意団体を作 何せ1,200万都民ですので、東京都の全 これにはいろいろな理由があります。ひ りました。昨年の3月からは、日本バレー 保護者にこのことを知ってもらう上で、こ とつにはアドバイザー本人の事情。母親の ボール協会の松平康隆名誉会長が会長を務 れをやったら必ず上手くいくといったもの 介護が必要になったり、ご主人が転勤に めています。正会員には青少年の健全育成 があるわけではありません。我々は活動の なってしまうこともあります。自らが体調 活動を行っているボーイスカウトやガール 3本柱を建てました。1つは、より多くの人 を崩して活動を休止されている方もいま スカウト、YMCA、ユースホステル等の に取り組みを知ってもらうための普及啓発 す。また、区市町村との関係が中々うまく 団体、また個人でサポート会員になってい 活動。2本目は、我々以外にさまざまな活 いかないケースもあります。地域における ただいている方もいます。東京都からも補 動をしている区市町村や民間団体との協働 担い手という形で、当初期待したとおりに 助金を得て、区市町村、民間団体、都庁の に向けた取り組み。3本目は、地味ですけ は進んでいないのが、実態かと思います。 関係各局とも協力し、都を挙げて取り組ん れども、家庭や地域への継続的な働きかけ しかしながら、我々はこれが失敗だった でいるところです。 です。 とは思っていません。地域における担い手 本日の分科会テーマである、3本目の づくりは、やってみると簡単ではありませ “家庭、地域への働きかけ”について紹介 ん。運動に対するモラルと意欲を持ち続け ただ、「子どもたちに正義感や倫理観、 します。我々は、チーフアドバイザー、地 もらうためには、我々の工夫も必要になり 思いやりの心を伝えよう」と言ってもなか 域アドバイザーという2種類のボランティ ます。その中で3つでも4つでも成果として なか抽象的で先へ進まないので、“心の東 アを育成しています。都内の全域で活動し 実を結んでいくためにかけた労力は、我々 京ルール〜7つの呼びかけ〜”という具体 ていただくチーフアドバイザーは、現在94 にとっては無駄ではなかったと考えていま 的なものを作成しました。“毎日きちんと 名、自分の居住される区市町村内で活動し す。その活動を今後とも支えていきたいと 挨拶をさせよう”“他人の子どもにも叱ろ ていただく地域アドバイザーは、810名い 思っています。 う”“子どもに手伝いをさせよう”“ねだ ます。このうちチーフアドバイザーについ 家庭への働きかけとしては、“心の東京 る子どもに我慢をさせよう”“先人や目上 ては、まさに我々の“心の東京革命”運動 塾”というものも実施しています。若いお の人を敬う心を育てよう”“体験の中で子 の地域における担い手として頑張ってもら 母さん方を対象に、区市町村の幼稚園や児 どもを鍛えよう”“子どもにその日のこと おうと、1泊2日の研修を行っています。心 童館などでアドバイザーに司会進行をお願 を話させよう”という7つです。 理学の基礎、グループワークの技法などを いしながら、しつけに関するグループワー ここで、東京で子どもを持つ全ての親、 習得していただきます。ただし基本的にこ クを行うものです。この取り組みについ 全ての保護者に対する呼びかけというの の方々はボランティアですので、専門家を て、参加者からは自らのしつけ・子育てに が、この“心の東京革命”の本質だと我々 養成するのではありません。地域の一般の 対する「気づきの場」として、非常に好評 は考えています。全て“させよう”と書いた おじさん、おばさんたちに「こんなことを をいただいています。 のは、子どもに対する呼びかけではないと やっていきましょうよ」という形で養成を これまでの成果としては、具体的な行動 いうところに起因しています。 進めました。 を呼びかけたこと、生活の場に入っての活 ■心の東京ルール〜7つの呼びかけ〜 昨年会員になっていただいた、とある学 習塾では「これを是非何枚もコピーして、 ■一歩ずつでも前に進む 動、気づきの場の提供、普及のためのツー ル開発といったことが挙げられます。一 塾の全部の教室に貼りたい」というお話も しかし正直に申しあげると、94人の中 方、今後の課題としては、いかにして同じ いただきました。実際こういうふうに具体 で本当に地域で自主的に心の東京革命の活 志の者の連帯関係を作っていくか、地域に 38 おける担い手をどう育成していくか、ある 挙げられます。皆さん方がご専門のスポー うやって取り込んでいくかも、重要な課題 いは気づきの場の提供を越えて具体的な行 ツでも同じだと思いますが、体力でも我々 かと思います。 動に結びつけてもらうか、といったことが のしつけでも、まったく関心のない層をど 親子のふれあいを深める — 元気アップ親子セミナー — 発表者 塩沢 一夫 山梨県レクリエーション協会 専務理事 人は何をしなければならないのか、をビデ 合っていく内容を紙に書いて貼り出したり オや講演を通して保護者の皆さんに理解と しました。例えば◦今日の感想、◦普段何 認識を深めてもらいます。その間、子ども か子どもにスポーツをやらせているか、◦ たちだけになりますので、山梨では“ともだ 食事や睡眠について、◦ゲームや物の買い ちワイワイ”と銘打って、できるだけ身近な 与え方など、子育て全般に対して何でもい ものを使ったり、単純なものを使って、身 いから皆でしゃべってみようと提案しまし ■レク協主催の “元気アップ親子セミナー” 体をいろんなふうに動かしていく遊びをプ た。しかし、現実には制止が効かないほど ログラムとして取り入れています。 議論が白熱して、きっと保護者の皆さんは その後、保護者と子どもが一緒になって 子どもたちと一緒に汗を流した、そういう 近年子どもの体力、運動能力が低下し 元気アップ・エクササイズを行います。手 興奮があるのでしょうか、どこの会場でも ていること、また肥満や生活習慣病の増 軽にできるエクササイズのメニューとゲー かなり一所懸命に議論が交わされている姿 大など、子どもの置かれている危機的な ムなどを紹介し、親子で続けているうち が見受けられました。普段、保護者の皆さ 状況に鑑み、文部科学省の委託を受け に、いつの間にか体力、運動能力がアップ んは本当は話したいのだなと思ったところ (財)日本レクリエーション協会が主体 できるようなプログラムを作っています。山 です。 となって“元気アップ親子セミナー”が 梨大学の中村准教授の研究室の学生たちに 保護者が子育てしゃべり場を行っている 全国で開催されています。山梨県で過去3 協力いただいて、子どもと学生が元気アッ 間、また子どもたちだけになるので、バス 年間実施してきたセミナーの活動内容を プ・エクササイズを一緒に行います。保護 ケットやサッカーといったボールを使った 報告させていただきます。 者の方は、けっこう汗だくになります。 ゲームをするグループと、踊りを踊るグ このセミナーはどんなことをするかと それからアイーダアイダの体験です。リ ループに分かれて遊びます。高学年の子は いうと、保護者に子どもの体力の現状や ズムに合わせて飛んだり跳ねたり回った どちらかというとボールゲームのほうに行 生活習慣の重要性について理解や認識を り、また1人でもできたり、2人でもやっ きます。そんなふうにして1日の時間が過 深めてもらうとともに親子で一緒に運動 たりという楽しいダンス・エクササイズで ぎていきます。 を体験する機会を提供しています。この す。山梨の場合、3B体操協会の方々にこ 事業は、大きく分けて4つのグループから の部分を担当していただいています。 成っています。1つは保護者向けのセミ その後、保護者の皆さんにはいくつかの これまで山梨では、幼稚園等で4カ所、 ナー。2つ目が親子一緒に行う元気アッ グループに分かれ、“子育てしゃべり場” 小学校で9カ所、3年間で13カ所セミナー プ・エクササイズ。3つ目が“アイーダア ということで、いろいろな意見交換をして を実施しました。子どもと保護者の数は合 イダ”の体験。4つ目が、保護者の“子育 もらいます。保護者会の役員の皆さんがこ 計で3,000人あまり参加しました。ちなみ てしゃべり場”です。 のグループの中に1人ずつぐらい入り、司 に全国では平成18年に53カ所、平成19年 会進行役を務めていただいています。当 に104カ所で行われている状況です。 初、保護者の皆さんでなかなか話が盛り上 この元気アップ親子セミナーを開催する 保護者向けセミナーでは、子どもの心と がらなかったらどうしようと懸念されまし にあたって、いろいろ留意をしてきた点が 身体に今何が起こっているのか、そして大 た。そこで私たちのほうで、事前に話し あります。ひとつには、私たちだけでこの ■親子で運動を満喫する一日 ■ポジティブな反応に手ごたえ 39 事業はできないので、保護者会、学校、教 アンケートによると、この元気アップ親子 リエーションやスポーツを支援する団体と 育委員会、体育指導委員等の方々を巻き込 セミナーを体験して“運動する機会が増え 連携を取り合うことも、親子で運動を継続 んで、一緒になってこの事業に当たるよう るようになった”という回答が53%ありま するためのキーポイントかと思います。そ 心がけました。特に主催をしていただく学 した。特に私が嬉しかったのは、61%の れと同時に、地域の方々は運動や遊びの場 校や保育園の皆さん、保護者会の方々、と 方が“子どもと話す機会が以前よりも増え についての情報を非常に欲しがっていると 事前会議を繰り返して、プログラムの確認 た”と回答があったことです。こういった いうことも感じました。子どもたちや保護 や、このセミナーの趣旨を説明させていた 事業を通して、子どもとのふれあいが着実 者も、“元気アップ親子セミナー”1回だ だきました。その他、保護者の皆さんにセ に伸びていることが、この事業の成果では けの参加ではなく、継続的にレク協会が ミナー当日役割を担っていただくこともお なかったかと思います。 行っているニュースポーツフェスティバル 願いしました。 “子育てしゃべり場”で非常に保護者の 等の事業に参加いただけるよう、案内通知 この行事を行ったすぐ後のアンケート結 方々が盛り上がったり、保護者同士の情報 を現在発送しているところです。山梨県レ 果を見ると、“とても参考になった”“や 交換が行われていた様子を見て、こういっ クリエーション協会としては、こういった や参考になった”という回答が、ほとんど た保護者の方々とのネットワークが、今後 事業を継続しながら、できるだけ親子が汗 を占めていて、この事業の満足度は非常に 作れないかと考えています。レクリエー を流せる、一緒に触れ合える機会を今後も 高いと感じています。また実施1カ月後の ション協会だけでなく、地域においてレク 作っていきたいと思います。 質疑応答 どもたちの活動を見てもらおう、広めよう う俺は若いんだぞ」と。(笑) と考えたのです。授業参観のあと、間髪入 瀧井座長 「他の都道府県では参加者が30 れず体育館に移動して講演会に入ります。 〜40組のところ、100組を超えている秘訣 そして講演会が終ったら親子で帰ろう、と は何なのか」という質問もあります。 瀧井座長 大曽根小学校の木村先生、吉田 銘打っています。 塩沢 学校や保護者との綿密な連絡を事前 先生に対し、「保護者が構成する“応援 瀧井座長 大曽根小学校は、モデル校に指 に綿密に行うことでしょう。保護者会の皆 隊”には誰でも参加できるのか」というご 定されたわけですが、普通の小学校でも同 さんは、最初、何をやるのか不安だと思い 質問です。 じようなことができるでしょうか。 ます。保護者会が「さあ、やるぞ!」とな 木村 基本的には誰でも参加できます。先 木村 運動会は、土曜日に開催する小・中 れば、人を集めていただけると思います。 ほど紹介した“チャレンジ応援隊”の他に 学校のほうが多いと思います。金曜日に準 もうひとつ、プログラムを実施するチー も、本の読み聞かせ、登下校の安全、校庭 備して土曜日に開催したほうが、学校はや ムを、私たち自身が強化させていくこと 等の環境整備、通常の学習と、5つの応援 り易いです。しかし、そうすると父親の参 も必要だと思います。連携している3B体 隊があります。 加が難しいという家庭が多くなります。私 操の方や山梨大の学生、それから私たち 最初は全校で募集のチラシを配布しまし は学校に赴任した時、「土曜日1日空けて レクリエーションのインストラクター全 た。進めていくうちに中心になる方が出て 不都合はあるのだろうか」と先生方に聞き 体がチームとして力をつけていくことも きて、人集めを含め活動していただいてい ました。無いですね、はっきり言って。 重要です。 ます。 そこで日曜日の開催に踏み切りました。 瀧井座長 赤木先生、“心の東京革命”の 瀧井座長 親子講演会についても質問がき ちょっと考え方を変えればできるのではな 取り組みについて、「ボランティアをどの ています。「200人以上もの保護者が集ま いかと思います。 ように集めたのか」という質問です。 る秘訣は?」とのことです。 瀧井座長 次に塩沢さんに対して、「参加 赤木 正直に言うと、これは自然に集まり 木村 講演会単独で行えば50人集めるの 者の男女比はどうか」というご質問です。 ました、という形です。それがある意味東 も大変でしょう。私は通常平日に行ってい 塩沢 8割方お母さんの参加となっていま 京という町の規模の大きさなのかなと思い る授業参観を、あえて日曜日に変えまし す。ただ会場で見ていると、お父さん方の ます。 た。仕事を持っている保護者の方にも、子 ほうが張り切っているようです。「けっこ 基本的にチーフアドバイザー、地域アド ■意識啓発のための工夫 40 バイザーともにボランティアですが、活動 費として1回の活動につき2,000円程度お 渡ししています。 瀧井座長 保育所の職員の方から「育児講 座の講師など無料で派遣をしてもらえます か」との質問もあります。 赤木 “心の東京塾”は従前から行ってい うコンセプトを持っています。その考えに がさらに継続充実すれば、信頼になってい ますが、平成21年度は新たに都の“しつ 立てば連携は可能かと思います。 くのだろうと、私は思っています。共創の け後押し事業”として、育児講座などを専 瀧井座長 最後に最も難題ですが、運動に 土台にも信頼は必要ではないでしょうか。 門とする民間団体とも手を繋いで推進し 無関心な保護者層にどう働きかけていった 吉田 今日、実は学校があったのですが、 ていくとが決まりました。1月前であれば ら良いでしょうか。 校長先生に誘っていただき参加できて良 「うーん」と答えたでしょうが、今ははっ 塩沢 一番頭の痛いところです。私は、子 かったと思います。まずは意識をして、地 きり「大丈夫です」とお答えできます。是 どもたちからやっていくしかないかな、と 域で体力づくりに励んでいこうという心の 非ご活用いただきたいと思います。 思います。次世代を構築していく考え方で 糧になりました。 すね。ただ、子どもがニコニコして変わっ 赤木 冒頭、私は体力とも生涯スポーツ てくれば、親も「あれ?」と思って、一緒 とも関係ないと申し上げましたが、私自 瀧井座長 この分科会の本丸のテーマ、保 に参加することに繋がるのではないかと期 身、小学4年生の男の子の親なんです。自 護者の意識啓発について話してみたいと思 待しています。 分の子ども、この社会の子どもに、どのよ います。赤木先生からは、“志を同じくす 赤木 自分の子どもにまったく関心がない うに育ってほしいのかという点では皆、同 る者の連帯”というメッセージをいただき 保護者には、我々としても働きかけは難し じ思いだと思います。これからも皆さんと ました。塩沢先生、どうでしょう。学校が いと思います。ただ、何かしら子どもについ 手を繋いで、一緒に活動していきたいと思 核になるのか、あるいはもっと違ういろい て関心を持っていれば、そこから入ってい います。 ろな人が核になるのか。 けると思います。学力にせよ、体力、生活 塩沢 レクリエーションが好きですし、ス 塩沢 私はレク協に所属しているので、自 習慣あるいは我々の取り組む規範意識にせ ポーツが大好きです。子どもたちと一緒に 分のところを一番に考えますが、レク協だ よ、すべて問題の根は1つなわけですから。 スポーツした時の笑顔が忘れられません。 けでは力不足だと思います。地域の体育指 瀧井座長 最後にパネラーの方々に一言ず 当然ですが、必要ない人は誰もいないし、 導委員やスポーツ少年団等のエネルギーや ついただきます。 無駄な子どももいないと思います。今まで ノウハウをいただくことも、すごく必要な 木村 学校教育は、信頼がベースになりま レクリエーションというとお年寄りのとこ ことだと思います。山梨のような小さな県 す。信頼がないところに教育は成り立ちま ろばかり取り組んできた向きもありました でも、実際どういった活動を各団体がやっ せん。では、信頼を得るためにはどうする が、子どもたちと触れ合って、逆にエネル ているのか、よく見えていない部分もあり かというと、まず知らせることなんです ギーをもらっているなと、感じます。私は ます。今のような時代であればこそ、本当 ね。我々人間は、病気のことでも何でもそ 皆さんとともに自分が好きなことをやり通 に連携し、協力し合うことが、必要かと思 うですが、知らないと不安になります。と して、そして、いろんな人と連携していき います。ホームページなどを使って情報発 ころが、知れば少し安心します。その安心 たいと思います。 ■“共創”する社会へ向けて 信することも必要でしょう。 木村 “共創”という言葉を私は使うので すが、これは立場の違いを越えて目的は一 緒だ、という意味です。お互いに作り出そ うと。ですから、学校の教員は教員の立場 で、保護者、地域住民が自分の立場をしっ かり踏まえながら一緒にやっていこうとい 座 長の まと め 保護者の意識啓発がとても難しい課題であることは、皆さんで共有できたと思います。や はり手間も暇もかかる、そして事前の準備が重要であることがよく分かりました。体力向上に 向けた取り組みは、100年の大計と言えるような、地道で気が遠くなるような道筋だと思いま す。是非、私たち大人の力を結集して、今後もさまざまな取り組みを進めたいと思います。 41 スナップ オープニング 全体会 42 分科会 43 展示ブース 44 参加者内訳 第1分科会 第2分科会 第3分科会 第4分科会 その他 男性 119 156 163 50 100 588 64.3% 女性 114 74 47 60 31 326 35.7% 233 230 210 110 131 914 100.0% 25.5% 25.2% 23.0% 12.0% 14.3% 100.0% 参 加 不参加 合 計 男性 564 24 588 記念対談 女 性 305 21 326 869 45 914 地方公共 団体 地方スポーツ 団体 スポーツ 関係法人 産業界 学識経験者 その他 合 計 男性 174 174 148 56 6 30 588 女性 44 62 197 7 2 14 326 218 236 345 63 8 44 914 23.9% 25.8% 37.7% 6.9% 0.9% 4.8% 100.0% 参加者数 計 計 参加者数 計 合 計 45 アンケート 1. 性別 2. 所属 項目 3. 参加行事 項目 人数 % 人数 % 項目 男 性 246 60.7% 地方公共団体 128 32.1% 全体会(記念対談) 391 28.1% 女 性 159 39.3% スポーツ・レクリエーション団体 125 31.3% 全体会(提言) 365 26.3% 計 405 100.0% 28 7.0% 分科会 385 27.7% 9 2.3% 展示 249 17.9% 60 15.0% 1,390 100.0% スポーツ産業関係 学校関係者等 地域スポーツクラブ 女性 39.3% その他 計 12.3% 100.0% その他 12.3% 地方公共団体 32.1% 地域 スポーツクラブ 15.0% 男性 60.7% 49 399 (複数回答有) 391 全体会(記念対談) 365 全体会(提言) スポーツ・ レクリエーション 団体 31.3% スポーツ産業関係 7.0% 項目 計 % 385 分科会 学校関係者等 2.3% 4.全体会(記念対談)の印象 人数 0 5.全体会(提言)の印象 100 200 300 400 500 6. 参加した分科会 人数 % 人数 % 項目 人数 % 大変良い 170 43.6% 大変良い 167 43.7% 第1分科会 109 29.1% 良い 171 43.8% 良い 159 41.6% 第2分科会 111 29.6% 42 10.8% ふつう 49 12.8% 第3分科会 105 28.0% あまり良くない 6 1.5% あまり良くない 6 1.6% 第4分科会 50 13.3% 良くない 1 0.3% 良くない 1 0.3% 計 375 100.0% 390 100.0% 382 100% ふつう 計 あまり良くない 1.5% 良くない 0.3% 項目 249 展示 計 あまり良くない 1.6% ふつう 10.8% 良くない 0.3% ふつう 12.8% 第1分科会 109 第2分科会 111 105 第3分科会 大変良い 43.6% 良い 43.8% 大変良い 43.7% 良い 41.6% 50 第4分科会 0 7-1.分科会の印象は? (第1分科会) 項目 7-2.分科会の印象は? (第2分科会) 20 40 60 80 100 120 7-3.分科会の印象は? (第3分科会) 人数 % 人数 % 人数 % 大変良い 31 28.5% 大変良い 19 17.1% 大変良い 42 40.0% 良い 59 54.1% 良い 54 48.7% 良い 47 44.7% ふつう 18 16.5% ふつう 32 28.8% ふつう 13 12.4% あまり良くない 1 0.9% あまり良くない 4 3.6% あまり良くない 2 1.9% 良くない 0 0.0% 良くない 2 1.8% 良くない 1 1.0% 109 100.0% 111 100.0% 105 100.0% 計 あまり良くない 0.9% 項目 計 計 良くない 1.8% 良くない 0.0% 大変良い 28.5% 項目 あまり良くない 3.6% 良くない 1.0% 大変良い 17.1% あまり良くない 1.9% 大変良い 40.0% ふつう 12.4% ふつう 16.5% 46 ふつう 28.8% 良い 54.1% 良い 48.7% 良い 44.7% 8.展示についてどのような印象を持ったか 7-4.分科会の印象は? (第4分科会) 項目 項目 人数 % 8 16.0% 大変参考になる 良い 25 50.0% 参考になる ふつう 12 24.0% あまり参考にならない 3 6.0% 参考にならない 2 4.0% 計 50 100.0% 大変良い あまり良くない 良くない 計 良くない 4.0% ふつう 24.0% あまり参考に ならない 16.2% 良い 50.0% 項目 人数 10.4% 大変参考になる 項目 人数 186 71.8% 参考になる 42 16.2% あまり参考にならない 4 1.6% 259 100.0% 参考にならない 計 参考にならない 0.3% % 65 17.5% 283 76.5% 21 5.7% 1 0.3% 370 100.0% 大変参考になる 17.5% あまり参考に ならない 5.7% 参考になる 76.5% 11.東京都での開催について % 1 % 27 参考になる 71.8% 10.参加費について(資料代:2,000円について) 大変高い 人数 大変参考になる 10.4% 参考にならない 1.6% 大変良い 16.0% あまり良くない 6.0% 9.「全体会・分科会資料」について 項目 0.3% 引き続き東京開催が良い 人数 % 204 53.8% 高い 30 7.8% 東京以外の地方による持ち回り開催が良い 46 12.1% 適当 295 77.2% 東京と地方の隔年開催が良い 78 20.6% 安い 56 14.7% 数年に一度は地方開催が良い 29 7.7% 382 100.0% 数年に一度は東京開催が良い 19 5.0% 3 0.8% 379 100.0% 計 その他 大変高い 0.3% 安い 14.7% 計 数年に一度は 東京開催が良い 5.0% 数年に一度は 地方開催がよい 7.7% 高い 7.8% 東京と地方の 隔年開催がよい 20.6% 東京以外の地方による 持ち回り開催が良い 12.1% 適当 77.2% その他 0.8% 引き続き東京開催が 良い 53.8% 12. 全体を通してどのような印象を持ったか 項目 大変良い 良い 人数 % 95 25.3% 237 63.2% 38 10.1% あまり良くない 4 1.1% 良くない 1 0.3% 375 100.0% ふつう 計 あまり良くない 1.1% ふつう 10.1% 良くない 0.3% 大変良い 25.3% 良い 63.2% 47 生涯スポーツコンベンション 2009 ~意見・要望等抜粋~ 全 体 ◦時間が少々不足しているようだった。昼 食時間を多少縮小しても良いと思う。 ・大変参考になり、良いお話が聞けてよ かったと思います。勉強になりました。 ・展示は狭かった。体験できるようにス ペースと時間に余裕を持たせて欲しい。 ・展示コーナーが閉まるのが早すぎる。 ・参加費2,000円は適当であると考える が、それを納入するのに銀行に振り込 む525円が高い。他の納入方法を検討し て欲しい。 ・地域で健常者と障害者の6 0歳以上の 方々に運動(体操)50分とスポーツ吹 矢2時間を実施していますが、毎週何 か一つだけ新しい遊びを取り入れてい く際には、今日のことを参考にしてい きたいと思います。 ・今後もできる限りたくさんの方が参加 し、勉強していただけるような会にお 願いしたいと思います。 ・昼食会場へ移動までのエレベーターの乗 降に時間がかかり過ぎ。食事会場へ到 着したのが1時過ぎとなり、分科会ま での時間休憩ができなかった。 ・500mlのペットボトルは不要。 ・参加し、一人で悩むより多勢の仲間がい るだけでも力強く感じ、何かやる気が 出てきた。展示会場でも意見交換がで きた。 ・バックと記念品がとても嬉しかった。次 年度の開催を早めに通知して欲しい。 ・生涯スポーツの大会であったのですが、 実現性に欠けていると思いました。理 論よりもいかにスポーツを生活の中に 取り入れるかの視点に配慮が無かった。 ・テーブル付椅子の方がありがたい。メモ がとりづらかった。資料にメモ用紙を つけて欲しい。 ・地理的に良かった。会場も良かった。お 弁当も美味しく良い会場でいただきまし た。皆様のご苦労に感謝申し上げます。 48 ・どの競技云々ではなく、スポーツ界全体 での底上げをするために更にこのような 催しを開いていただきたい。 ・スタッフの皆様の対応にいい印象を持ち ました。 ・国の方針については、しっかり、はっき り語っていただきたいと強く願います。 ・今回が初の参加でしたが、集客力に驚き ました。今後も生涯スポーツ関係者が広 く集う機会が続くと良いと思います。 ・常に新鮮でポジティブな開催内容を期待 しております。情報交換、共感、共有の 場を数多く設けてください。 ・地方で開催すると交通手段にとても困る ので、東京でお願いしたい。 全体会 ・記念対談は具体的な事例の話から非常に わかりやすく参考になった。このような 対談内容のカセット又はCDがあれば皆 仲間に伝えられる。 ・スポーツ=文化という発想が新鮮でし た。長続きさせる為の方法など今日の話 を基に工夫改善していきたい。 ・座談会というやり方は良かったと思う が、進行係がもう一人いた方が良かった のでは。 ・記念対談はとても面白かったが、何か データ資料が欲しかった。 ・全体会での二宮さんのお話は本当にその 通り。地域の市町村長さんなども是非参 加して、スポーツを通じてより良い社会 づくりにして欲しいと思います。 ・スクリーンを通して見るのはもったいな い。学会のようにせめて発言者の見える 全体会にして頂きたい。 ・全体会の対談のとき、二人の距離がもう 少し近いほうが良かったように思いま す。画面でも二人が同時に写ることがな くて気になった。 ・栗山氏の話をもう少し聞きたかった。 ・栗山氏・二宮氏の対談は大変楽しくそし て参考になりました。スポーツを通し て、地域のコミュニケーションづくり を進めていく思いが強くなりました。 ありがとうございました。 ・対談・提言についても最新の情報等の内 容にして欲しい。 ・二宮清純氏がとても良かった。話の内容 もいろんなことを知識の上で、幅広い 内容で最初から最後まで集中して拝聴 することができました。二宮氏の話の 幅広さとメッセージ性のある話のうま さに感心しました。期待通りでした。 ・記念対談が目玉と思い期待して参加し ました。しかし、2人の話があまりあ まりかみ合わなかったような気がしま す。また栗山氏には野球に関わった話 ばかりではなく、もっとスポーツ界全 体を見据えた話をしていただければ良 かったと思います。 ・記念対談の講師選択が良い。トップス ポーツ、商業スポーツのベースとなる 地域スポーツクラブ、子どもと地域の 関連の今後のあり方をしっかり方向付 けていた。 分科会 ・分科会では具体的なプログラムを教えて いただきたい。 ・ゆったりした気分で参加できた。初参 加だったが、全国からの参加者が多い のに驚いた。田中先生のとりまとめが 素晴しく、最後まで充実の一日となっ た。感謝しお礼します。 ・第1分科会に参加したが、スライド式で の説明会を聞いている中、別の内容が 入る。その内容をメモしたいと思って も次々と話が進み、メモが中途半端に なり、話の進み方が早いと感じた。 ・分科会での発表が原稿をそのまま読んで おられる様で、発展性に欠けていた様 に思いました。 ・「子どもの体力向上を図るため」の部 分が抜け落ちた発表ばかりであった。 座長も修正することなく進めていた。 テーマに即した話を聞きたかった。残 念である。 ・メモ欄をもっと増やしていただくと当日 の講演や分科会内容を資料としてまと めておけるので検討して欲しい。 ・ようがコミュニティークラブの取り組み について勉強になりました。 ・武道に携わっており、1つを細く長く 続けることの良さを学んできた自分に とって、この地域スポーツクラブにつ いてどうやったら取り入れられるか改 めて考えさせられました。ワーキング マザーの自分にとって、子どもたちの 体力向上のためどこまで協力できるか 考えさせられました。 ・この時間ならば2人が精一杯。語り手、 聞き手共に不完全燃焼に終わっている と思う。 ・分科会の時間はもう少し長くても良いと 思います。分科会会場に机があるとあ りがたい。 ・寺山先生ありがとうございました。とて も勉強になりました。 ・寺山先生とても良かった。この分科会で良 かった。武井先生のお話役に立ちます。 ・指定管理について資料が欲しかったが少 なかった。 ・第3分科会を受講しましたが、今私達が 勤めている施設を明るく誰もが入場し やすい施設、子どもから高齢者まで来 場していただける施設になるためのポ イントをたくさん頂けたと思っており ます。もどってから実践できるよう、 たくさんの提案を出していきたいと思 います。 ・事例の報告のみでなく、その裏側にあ る成功秘話など本音の部分を聞きた かった。 ・分科会で様々なすばらしい事例を御紹介 いただきありがとうございました。で きればそのいい結果がでるまでの経過 の取り組みを聞きたかったです。はじ めからうまくいったわけではなく、そ こに至るまで多くのご苦労があったの だと思います。そこを是非教えていた だきたかったです。 ・第4分科会に参加したが、学校、行政、 レク協という団体ではなく、地域の団 体(総合型クラブ)の保護者を巻き込 んだ事例のようなものを知りたいと 思った。 その他 ・展示に出展している団体が企業等といっ たかたちなので、もう少し幅広い団体 が出展できる仕組、展示のあり方を考 えてもいいのではと思う。 ・ウィークデイは避けて欲しい。 ・資料の入っているバック等はとてもあり がたいことでした。今後も参加してい きたいと思っております。ありがとう ございました。 ・大変有意義な研修会だったと思います。 できれば年2〜3回開催して欲しい。平 日ではなく土日の開催も検討して欲しい。 ・全国から参加された方々の細かい意見交 換の場があると良い。事例報告のみなら ず、具体的内容又はプログラム案など提 案や、設立後の現状、2010年後の支援 廃止後の対応策案、NPO法人以外の運 営の方法のアイデアを伝えて欲しい。 ・陰ながら東京オリンピックの誘致活動の 成功をお祈り申し上げます。ぜひ来年も この会場で開催してもらいたい。全体会 の時間がもう少しあればよかったです。 ・2013年の東京国体開催や東京マラソン 大会頑張ってください。日頃のデスク ワークを離れ、休暇をとって自費で参加 させていただきました。参加してとても 良かったです。 ・見学できる時間の配分上、展示会の規模 が小さいのは仕方ないが、もう少し大き くし、各ブースの展示品等も増やしても 良いのでは? 49 生涯スポーツコンベンション これまでの歩み 1990〜2008 1990年 「人・スポーツ・未来」 期日:平成2年1月16日 (火) 会場:東京プリンスホテル (東京都港区) ■全体会 基調講演「スポーツの時代に生きる!」 杉山茂 日本放送協会 スポーツ報道センター長 ■分科会 第1分科会 スポーツ施設(クラブ)経営の展望 座 長:鈴木英久 (財) 日本体育施設協会事務局長 提 言:三ツ谷洋子 (有) スポーツ21エンタープライズ社長 発表者:苅谷明(財)愛知県スポーツ振興事業団理事長/清水信好(株) 芙蓉エンタープライズ社長/野田信一(社) 日本フィットネス産業協会 会長 助言者:大木昭一郎 筑波大学体育科学系教授/福岡孝純 (株)福岡スポ ーツ研究所所長/水野正人 (株) ミズノ社長 司 会:小野喬 (財) 日本スポーツクラブ協会理事長 第2分科会 ニュースポーツの普及と組織づくり 座 長:薗田碩哉 (財) 日本レクリエーション協会レジャーレクリエーション 研究所主任研究員※司会兼 発表者:関原康紘(財)愛知県新城市体育指導委員会広報部長、東海四県 グラウンドゴルフ協会事務局長/藤沢和典 育英短期大学助教授 助言者:中西松壽 (社) 全国体育指導委員連合専務理事/森朗 青山学院 大文学部教授 第3分科会 スポーツ活動の安全管理と傷害補償 座 長:村山正博 聖マリアンナ医科大学教授 発表者:山岸二三夫 渋谷区教育委員会社会教育主事/河野一郎 筑波大 学体育科学系助教授/増島篤 東芝中央病院スポーツ整形外科医 長/鈴木豊(株)東京海上火災保険火災新種業務部傷害業務課長 司 会:雨宮輝也 (財) 日本体育協会スポーツ科学研究所所長代理 第4分科会 スポーツ指導者の養成と活用のあり方 座 長:細川磐 大阪体育大学教授、 (財) 日本体育協会全国スポーツ指導 者連絡協議会幹事長 発表者:瀬戸昭彦 小田原市役所都市計画課長、神奈川県体育協会スポ ーツ指導者協議会会長/沢登貞行 東京都体育指導委員協議会 副会長/佐々木秀幸 早稲田大学教授、日本陸上競技連盟競技 普及委員会委員長 助言者:石井喜八 日本体育大学教授・体育研究所所長/佐伯聰夫 筑波 大学体育科学系助教授 司 会:太田利彦 岩手大学教授、前(財) 日本体育協会全国スポーツ指 導者連絡協議会幹事長 第5分科会 今後のスポーツイベントの企画・運営のあり方 座 長:粂野豊 茨城大学教育学部教授 提 言:荒井貞光 広島大学総合科学部助教授、広島コミュニティスポーツ 研究会代表 発表者:斎藤一夫 いなほ陸友会OB会長/能澤拡志 北日本放送 (株) 業務 局局次長/饒平名知宏 サントピア沖縄実行委員会事務局長 司 会:佐藤靖典 福岡市教育委員会社会教育課体育係長 50 1991年 「人・スポーツ・未来 〜スポーツへの参加〜」 1992年 「人・スポーツ・未来」 期日:平成3年2月5日 (火) 会場:京王プラザホテル (東京都新宿区) 期日:平成4年1月28日(水) 会場:京王プラザホテル (東京都新宿区) ■全体会 ■全体会 オアフクラブ (スウェーデン) オフィシャルインストラクター 発表者:岩國哲人 島根県出雲市長/堀田哲爾 静岡県清水市教育委員会 国際フォーラム グレン・クリスチャンセン、アン・クリスチャンセンほか スポーツのまち フォーラム 事務局次長・スポーツ都市推進担当専門官/前原懿 北海道幕別 町教育長 ■分科会 第1分科会 利用しやすいスポーツ施設の創造 提 言:大木昭一郎 筑波大学教授 発表者:木村弘 (株) 総合設計研究所代表取締役/牧川優 日新製糖 (株) 助言者:島田晴雄 慶應義塾大学教授 司 会:本間政雄 文部省体育局生涯スポーツ課長 ■分科会 体育課長/河合輝欣 NTTデータ通信 (株) 第一公共システム事 第1分科会 多様なニーズに対応したスポーツ施設の役割と 機能 業部長 座 長:大木昭一郎 筑波大学教授 余暇開発本部研究開発室長/佐藤靖典 福岡市教育委員会社会 第2分科会 スポーツ指導者を考える 提 言:江刺正吾 奈良女子大学教授 発表者:田中正人 和歌山県体育指導委員連盟会長/落合優 横浜国立大 学助教授/泉正文(財)日本水泳連盟指導者養成委員会委員/ 池田勝 鹿屋体育大学教授 司 会:八代勉 筑波大学教授 第3分科会 女性スポーツをめぐって 座 長:野々宮徹 愛知教育大学助教授 発表者:下条由紀子 ランナーズ編集局長/酒井貴世子 茨城県古河市体 育指導委員/小林澄子 京都女性スポーツの会会長/目崎登 筑 波大学医学系助教授 助言者:三ツ谷洋子 女性スポーツ財団日本支部 〈WSFJ〉 代表/青山敏彦 日本体育大学教授 第4分科会 マリンスポーツ、スカイスポーツの未来展望 座 長:岩瀬康彦 (財) 東京YMCA国際奉仕センター企画開発室長 パネラー:青淵隆督(財) 日本ヨット協会常務理事/櫻井晴好(社) 日本滑空 協会常任理事/須賀次郎 (財) 社会スポーツセンター理事/ 松岡淳 SET木島平スカイスポーツスクール チーフコーディネ ーター/山村恒彦 (社) SURF'90協会コーディネーター/渡邉敏久 日本ハンググライディング連盟理事長 第5分科会 企業とスポーツ—新しいパートナーシップに 向けて 発表者:桑原孝 日本電気 (株) 海外宣伝部長/長瀬純治 富士写真フィル ム (株) 足柄工場事務部長/縄英明 日本コカ・コーラ (株) 取締役副 発表者:竹村正 浜松市教育委員会文化振興部スポーツ振興課長/ 矢飼盛廣 明石市立中央公民館館長/桜井陽子 横浜女性フォー ラム事業コーディネーター 助言者:加藤隆 明治大学教授/瀬沼克彰 宇都宮大学生涯学習教育研究 センター助教授 第2分科会 スポーツ指導者養成機関及び団体の現状と課題 座 長:鈴木祐一 東京女子体育大学教授 発表者:菅野裕(財) 日本体育協会指導者育成部育成課長/坂岡與夫 大 阪社会体育専門学校教務主任/岩瀬康彦(財)東京YMCA国際 奉仕センター企画開発室長/八代勉 筑波大学教授/福山信義 (株) スポーツ東急社長 第3分科会 今後の民間スポーツクラブ、スクールにおける スポーツサービスの在り方 座 長:佐伯聰夫 筑波大学教授 発表者:桜井辰哉(株)三越事業開発本部事業推進部担当課長/林裕三 (株) 日本体育施設運営〈NAS〉代表取締役社長/小林隆行(株) 住地ゴルフ代表取締役社長/堀内浩二 東京YMCA会員、 (株) 日 出出版代表取締役社長/原田宗彦 大阪体育大学助教授 第4分科会 高齢者スポーツの振興 座 長:青木純一郎 順天堂大学教授 発表者:山口泰雄 神戸大学助教授/細田重憲 厚生省大臣官房老人保健 福祉部・老人福祉振興課課長補佐/入江敏夫 埼玉県幸手市教 育委員会体育課長/小林寛道 東京大学教授 第5分科会 21世紀に向けての野外活動の展望 社長/大野修司 日本アイ ・ビー・エム (株)企画総務貢献活動部長 座 長:江橋慎四郎 中京大学教授 /相子清造 (財) 日清スポーツ振興財団評議員 提 言:小野清子 JOC評議員、参議院議員・前環境政務次官/束原昌郎 助言者:井上信一郎(株)博報堂事業局局長代理兼スポーツ事業部長/ 田中弥生 笹川平和財団研究員/水上和夫 全国都道府県体育・ 保健・給食主管課長協議会幹事長 司 会:佐伯聰夫 筑波大学教授 東京学芸大学助教授 発表者:田中祥子 津田塾大学教授/山浦正昭(財) ユースホステル協会 研究員/池田常道 日本フリークライミング協会顧問/森田齊 鹿 児島県教育委員会社会教育課長/小林光 環境庁自然保護局自 然ふれあい推進室長 助言者:星野敏男 明治大学教授/押塚登貴夫(財) 日本レクリエーション 協会組織開発本部長 51 1993年 1994年 「人・スポーツ・未来」 「生涯スポーツの深化と拡大」 期日:平成5年2月24日(水) 会場:京王プラザホテル(東京都新宿区)) 期日:平成6年3月2日(水) 会場:京王プラザホテル(東京都新宿区)) ■全体会 ■全体会 基調講演「私の野球人生」 川上哲治 NHK野球解説者 基調講演「J リーグ構想とスポーツ振興の新しい風」 川淵三郎 (社) 日本プロサッカーリーグチェアマン 「世界の山々を目指して」 「走りの魅力—なぜ私は走りつづける のかー」 田部井淳子 登山家 司 会:石川明 文部省体育局生涯スポーツ課長 川上哲治 田部井淳子 ■分科会 第1分科会 青少年スポーツの振興 −学校週5日制を視野においてー 座 長:日丸哲也 群馬大学教授 発表者:石山昭夫 茅ヶ崎市三ヶ丘スポーツ少年団代表/細田幸夫 上尾市 教育委員会社会体育課長/山岸二三夫 渋谷区教育委員会社会 増田明美 ■分科会 第1分科会 これからのスポーツ環境を考える 座 長:高島稔 東京女子体育大学教授 発表者:加藤隆 明治大学教授/中田裕久 筑波大学客員助教授/ 教育主事/古賀香正 (財) 日本体育協会少年団課長 第2分科会 新しい地域スポーツクラブの展望 大学助教授 座 長:細川磐 大阪体育大学教授 発表者:小岩井善一 茨城県鹿島町役場企画課係長/加藤寛 (社) 神戸フッ 座 長:佐伯聰夫 筑波大学教授 発表者:大角三郎(社)共同通信社整理本部整理部長/秋山弘志(株) トボールクラブ事務局次長/横田幸子 (財) 日本卓球協会事務局長 助言者:中村平 東京女子体育大学教授 東京ドーム常務取締役マーケティング部長/川淵三郎(社) 第3分科会 市民スポーツイベントの展望 日本プロサッカーリーグチェアマン/井上信一郎(株)博報 堂スポーツ事業局局長代理 助言者:橋本一夫 スポーツライター/橋本純一 信州大学助教授 第3分科会 余暇時代と女性のスポーツ活動 座 長:江刺正吾 奈良女子大学教授 座 長:大鋸順 電気通信大学教授 発表者:天野祐昌 船橋市教育委員会社会体育課長/下条由紀子(株) 月 刊ランナーズ編集長/山田晴通 松商学園短期大学助教授/ 第4分科会 新しいライフスタイルとレジャー・スポーツの展望 指導委員連絡協議会副会長/村田芳子 岡山大学助教授/ 矢島ますみ 明海大学講師 助言者:三ツ谷洋子 女性スポーツ財団日本支部代表/野々宮徹 愛知教育 座 長:佐伯聰夫 筑波大学教授 発表者:須賀由紀子(株) エンゼル財団研究員/山田紘祥(財)余暇開発セ 大学教授 第4分科会 生涯スポーツの振興とスポーツ関係団体の役割 座 長:細川磐 大阪体育大学教授 発表者:吉田正志(財) 日本レクリエーション協会専務理事/森武 (財) 日本卓 球協会副会長/斎藤誠 青森県グラウンド・ゴルフ協会理事長/ 井谷義昭 徳島県スポーツ指導者協議会会長 助言者:森朗 青山学院大学教授/荒井貞光 広島大学助教授 第5分科会 地域の特性に応じたスポーツ環境の整備 座 長:大木昭一郎 筑波大学教授 発表者:木谷豊 京都府立体育館スポーツ振興課長/安野茂雄 (財)水戸 市スポーツ振興協会常務理事/鈴木清一 福島県棚倉町活性化対 策室長/玉橋哲夫 神奈川県教育委員会スポーツ課専任主幹 助言者:大鋸順 電気通信大学教授/佐藤玉和 千葉県教育委員会体育課 長 52 土江博昭 島根県加茂町教育委員会教育長 助言者:山口泰雄 神戸大学助教授 発表者:山本玲子 富山県女性スポーツの会会長/平林栄子 豊田市体育 原田宗彦 大阪体育大学助教授/大和一光 日本体育・学校健康セ ンター総務課文書係長 助言者:酒井和男 日本スポーツ少年団常任委員/中村平 東京女子体育 第2分科会 みるスポーツ・生涯スポーツ 川淵三郎 増田明美 スポーツライター ンター研究主幹/木村讃 (社) 日本リゾートクラブ協会常務理事/ 須賀次郎 (財) 社会スポーツセンター理事 第5分科会 ニュースポーツの未来を考える 座 長:大橋美勝 岡山大学教授 発表者:山田誠 神戸市外国語大学教授/瀬戸章嘉 大阪インディアカ協会 理事長/師岡文男 日本フライングディスク協会副理事長/三浦典男 愛知県レクリエーション協会事務局長 助言者:押塚登貴夫 (財) 日本レクリエーション協会組織事業本部長 1995年 1996年 「21 世紀の生涯スポーツビジョン」 「21 世紀の生涯スポーツビジョン —その展開に向けて」 期日:平成7年3月2日(木) 会場:京王プラザホテル(東京都新宿区)) 期日:平成8年2月5日 (月) 〜6日 (火) 会場:マイドームおおさか、大阪コクサイホ テル、 ニューコクサイ (大阪府大阪市) ■全体会 ■全体会 シンポジウム「21 世紀の生涯スポーツビジョン −スポーツ振興のこれまでとこれから−」 基調講演「文化としてのスポーツ」 コーディネーター:佐伯聰夫 筑波大学教授 企画センター局長 シンポジスト:水上和夫 武蔵丘短期大学教授/長沼健(財) 日本体育協 シンポジウム「生涯スポーツビジョンの地域的展開 —地域スポーツの将来を考える—」 会常務理事/水野正人 ミズノ (株) 代表取締役社長/ 杉山茂 NHK報道局エグゼクティブ・プロデューサー 岡崎満義(株) 文芸春秋取締役編集委員室総局長、編集委員長・ 岡崎満義 コーディネーター:佐伯聰夫 筑波大学教授 シンポジスト:大橋美勝 岡山大学教授/加藤寛 (株) ヴィッセル神戸強化 ■分科会 部育成部長/北村春江 兵庫県芦屋市長 第1分科会 スポーツ指導者 −これまでとこれから− 座 長:佐藤良男 順天堂大学教授 発表者:荒井貞光 広島市立大学教授/小湊千尋 (財) 横浜市スポーツ振興 事業団指導員/田中安男(財)愛媛県体育協会事務局係長/柴 田八郎 (株) 荏原湘南スポーツセンター取締役支配人 第2分科会 スポーツ施設整備 —これまでとこれからー 座 長:高島稔 東京女子体育大学教授 佐伯聰夫 大橋美勝 加藤寛 北村春江 ■分科会 第1分科会 スポーツ指導者の活動環境を考える 座 長:永島惇正 東京学芸大学教授 発表者:河原慶子(財)長岡京市体育協会、 スポーツ指導者組織プロジェクト 発表者:竹山実 武蔵野美術大学教授/丸田頼一 千葉大学教授/ 委員/佐々木秀幸(財) 日本陸上競技連盟常務理事/高森秀蔵 筑波大学助教授 鈴木知幸 東京都教育庁スポーツ振興課課長補佐/青木幹太 セノー (株) 開発本部課長 第3分科会 地域のスポーツ振興方策 —これまでとこれからー 第2分科会 「ゆとりと豊かさ」を実感できる 生涯スポーツ活動を考える 座 長:大橋美勝 岡山大学教授 座 長:山田誠 神戸市外国語大学教授 発表者:福山一夫 大分県教育委員会体育保健課長/江口由紀夫 足立区 発表者:吉田順一 神戸大学教授/A・ラウフ・ミフタヒッテン (社)横 教育委員会体育課長/岡本登喜男 富山県福野町教育委員会スポ 浜カントリーアンドアスレチッククラブ (YCAC) ローンボウルズ委員会元キ ーツ指導係長/志垣恵美子 延岡市体育指導委員協議会副会長 ャプテン/西田真弓 寝屋川市インディアカ協会会長/川村協平 山 第4分科会 ライフスタイルとスポーツ —これまでとこれからー 座 長:三ツ谷洋子 女性スポーツ財団日本支部代表 発表者:薗田碩哉(財) 日本レクリエーション協会組織本部長/江刺正吾 奈 第3分科会 コミュニティースポーツ施設の将来を考える —大震災の教訓を生かして 良女子大学教授/山岸二三夫 渋谷区教育委員会青少年課社会 座 長:大木昭一郎 駿河台大学教授 教育主事/米村恵子(財) 余暇開発センター主任研究員 発表者:川北雅昭 兵庫県立総合体育館長/吉田逸男(財) 日本体育施設 第5分科会 スポーツ活動と安全 —これまでとこれからー 座 長:高澤晴夫 横浜市港湾病院院長 発表者:中嶋寛之 東京大学教授/伊藤繁次郎 新居浜アーチェリークラブ指 梨大学助教授 協会水泳プール部会長/太田統士(株)泉創建エンジニアリング顧 問/上野十次郎 堺市立大浜体育館長 第4分科会 豊かなコミュニティーづくりと子どものスポーツ 導者/小島明將 (財) 日本レジャースポーツ振興協会常務理事/ 座 長:細川磐 大阪体育大学教授 伊藤尭 東京女子体育大学教授 発表者:久保田哲夫 大阪府スポーツ少年団理事、豊中市教育委員会社会 教育部青少年課指導主事/堀内早苗 横浜市港南中学校教諭/ ■全体会第2部 高島たま 瀬田南スポーツ少年団団長/菅原哲朗 スポーツ法学会 報告会 理事 第5分科会 地域に開かれたスポーツ環境を考える —総合型地域スポーツクラブの育成を視野に入れて— 座 長:島崎仁 大阪教育大学教授 発表者:古田峰子 垂水区団地スポーツ協会会長/佐山義昭 三鷹市立第 七中学校校長/上野章子 杉並区向陽スポーツ文化クラブ会長/ 山口泰雄 神戸大学助教授 53 1997年 1998年 「豊かなスポーツライフの実現」 「豊かなスポーツライフの実現」 期日:平成9年2月12日 (水) 〜13日 (木) 会場:名古屋国際会議場 (愛知県名古屋市) 期日:平成10年2月2日 (月) 〜3日 (火) 会場:幕張メッセ国際会議場 (千葉県千葉市) ■全体会 ■全体会 基調講演「生涯にわたるスポーツとの上手な付き合い方」 基調講演「スポーツの魅力」 野中ともよ ジャーナリスト 森中直樹 NHKアナウンサー シンポジウム「豊かなスポーツライフの実現 シンポジウム「21 世紀のコミュニティースポーツ を考える」 森中直樹 —今後の地域のスポーツ環境づくり—」 コーディネーター:佐伯聰夫 筑波大学教授 コーディネーター:青木純一郎 順天堂大学教授 シンポジスト:厨義弘 福岡教育大学教授/下条由紀子(株) 月刊ランナー シンポジスト:恵美三紀子 日本スポーツ少年団常任理事/林和雄 千葉県 白子町長/八代勉 筑波大学教授 ズ編集長/宮城島弘正 静岡県清水市長 佐伯聰夫 厨義弘 下条由紀子 野中ともよ 青木純一郎 宮城島弘正 ■分科会 恵美三紀子 林和雄 ■分科会 座 長:豊田博 千葉大学教授 第1分科会 総合型地域スポーツクラブの育成と 指導体制の整備 発表者:荻野和雄 飯能市スポーツ指導者協議会副会長/竹下貢 大田市 座 長:大橋美勝 岡山大学教授 第1分科会 地域における指導サービスの在り方 体育協会理事長/芝崎由美子 京都ジュニアバドミントン教室技術指 発表者:高橋良光 岩手県金ヶ崎町中央生涯教育センター主幹/小出利一 群馬県新町スポーツ少年団事務局長/村上みな子 東京都板橋区 導担当 教育委員会指導室指導主事 助言者:八代勉 筑波大学教授 座 長:大木昭一郎 駿河台学教授 第2分科会 自分流スポーツライフの開発 —豊かなスポーツライフを楽しむために— 発表者:齊藤義孝 横浜市教育委員会生涯学習部スポーツ課長/井神健雄 座 長:荒井貞光 広島市立大学教授 第2分科会 コミュニティースポーツ施設の整備・充実 (財) 岐阜県スポーツ振興事業団副理事長/雨谷豊秋(株) 梓設計 発表者:河原塚達樹 (財) 日本レクリエーション協会広報出版部長/野口澄江 北茨城市レクリエーション協会会長/原田宗彦 大阪体育大学教授 マスタープランナー 座 長:佐藤良男 順天堂大学教授 第3分科会 スポーツ施設の質的充実と 住民の視点に立った運営 発表者:青木一 名古屋市立冨士中学校長、愛知県小中学校校長会副会 座 長:大木昭一郎 駿河台大学教授 第3分科会 生きる力をはぐくむ子供のスポーツ活動 長・中学校部会長/田中忠夫 秋田県琴丘町教育委員会スポーツ 八代勉 発表者:鈴木知幸 東京都教育庁体育部副参事/田井豊 湧永製薬 (株) 広 島事業所総務部長/矢川譲 東京都千代田区立昌平小学校校長 課長/松下倶子 国立信州高遠少年自然の家所長 第4分科会 21世紀を生きる子どものスポーツ活動 第4分科会 総合型地域スポーツクラブの今後の展開 座 長:大橋美勝 岡山大学教授 座 長:落合優 横浜国立大学教授 発表者:榊原孝彦 成岩スポーツクラブ理事/田口正邦 岐阜県下呂町立下 発表者:長谷川威 東京都江東区体育指導委員協議会幹事長/八代裕 千 呂中学校長/鎌田博子 鶴岡市体育指導委員会副会長/黒須充 葉県市原市スポーツ少年団副本部長/村田光範 東京女子医科大 福島大学助教授 学付属第二病院院長 第5分科会 これからのスポーツサービスの在り方 第5分科会 コミュニティスポーツの活性化を目指して 座 長:野々宮徹 愛知教育大学教授 発表者:三宅智子 愛知県三好町教育委員会スポーツ課主事/古今哲也 輪島市体育指導委員会委員長/清水俊光 岐阜県大垣市教育委 員会保健体育課主任指導主事 54 座 長:山口泰雄 神戸大学助教授 発表者:石倉章雄 (財) 山梨県県民スポーツ事業団スポーツ振興課主任/ 藤田松一郎 日産スポーツプラザ (株)代表取締役社長/川上忠 千 葉県船橋市総合教育センター副主査 1999年 2000年 「豊かなスポーツライフの実現」 「生涯スポーツの新たな幕開け」 期日:平成11年3月1日 (月) 〜2日 (火) 会場:シーホーク ホテル&リゾート (福岡県福岡市) 期日:平成12年2月16日(水)〜17日(木) 会場:パシフィコ横浜 会議センター (神奈川県横浜市) ■全体会 ■全体会 基調講演「21 世紀のスポーツシーンを考える」 基調講演「スポーツで拓く未来 〜スポーツの可能性を探る〜」 青島健太 スポーツライター シンポジウム「新しい時代を築くスポーツ 環境づくり」 長沼健(財) 日本体育協会副会長・日本スポーツ少年団本部長 青島健太 コーディネーター:厨義弘 筑紫女学園大学教授 シンポジスト:櫻井哲雄 宮城県延岡市長/武隈晃 鹿児島大学助教授/ 三屋裕子 筑波スポーツ科学研究所副所長 シンポジウム「新たな時代の新たなスポーツライフ の在り方」 長沼健 コーディネーター:西田善夫 NHK解説委員 シンポジスト:大山廣子 秋田県琴丘町教育委員会教育長/小谷実可子 IOC(国際オリンピック委員会)選手委員会委員/水野正人 (財) 水野スポーツ振興会会長 厨義弘 櫻井哲雄 武隈晃 三屋裕子 ■分科会 第1分科会 地域住民のニーズに応える スポーツクラブを考える 座 長:荒井貞光 広島市立大学教授 発表者:黒須充 福島大学助教授/重永澄恵 山口県公認スポーツ指導者 協議会理事/鈴木邦彦 栃木県石橋町教育委員会社会教育課長 第2分科会 市民参加型生涯スポーツの推進 −スポーツボランティアが支える地域スポーツ事業− 座 長:神吉賢一 神戸大学教授 西田善夫 大山廣子 小谷実可子 水野正人 ■分科会 第1分科会 総合型地域スポーツクラブにおける 指導者の確保とその連携の在り方 座 長:豊田博 (財) 日本体育協会理事、生涯スポーツ推進専門委員長 発表者:伊東健児 佐賀県久保泉町総合型地域スポーツクラブ育成協議会 事務局長/加藤保房 神奈川県スポーツ指導者協議会会長/ 水上博司 三重大学教育学部助教授 ション協会理事/佐藤靖典 福岡市市民局文化スポーツ部スポーツ 第2分科会 地域スポーツ・レクリエーション活動に果たす 学校と地域の役割と連携の在り方 振興課長 座 長:野々宮徹 愛知教育大学教育学部教授 発表者:新保孝三 日本ディスクゴルフ協会理事/佐藤喜也 福島市レクリエー 第3分科会 地域スポーツクラブの育成と 公共スポーツ施設の役割 座 長:大木昭一郎 駿河台大学教授 発表者:西浦忠 福岡市教育委員会生涯学習部社会体育課主任体育主事 発表者:金山康博 埼玉県志木市立宗岡第三小学校長/寺嶋捷夫 千葉県 市川市教育委員会生涯学習部生涯学習振興課長/榊原孝彦 成 岩スポーツクラブコーディネーター、半田スポーツ健康推進協議会G.M 第3分科会 スポーツ活動における安全管理と事故への対応 /橋爪静夫 大阪府立門真スポーツセンター館長/原田宗彦 大阪 座 長:菅原哲朗 弁護士、 日本スポーツ法学会事務局長 体育大学教授 発表者:大津政美 (社) 日本スイミングクラブ協会安全水泳委員長/吉田逸男 第4分科会 地域社会と子どものスポーツ環境 座 長:山本清洋 鹿児島大学教授 (財) 日本体育施設協会水泳プール部会長/野間口英敏(社) 日本 キャンプ協会常務理事、安全管理委員会委員長 玉新聞社編集局運動部長/金ヶ江悦子 福岡県八女市体育指導 第4分科会 地域スポーツクラブの 安定的・継続的運営方策について考える 委員 座 長:大橋美勝 岡山大学教育学部教授 発表者:諏訪本光 広島県立びんご運動公園事業課長/宮下達也(株) 埼 第5分科会 望ましいスポーツ情報システムを考える 発表者:田尻稲雄 北海道バーバリアンズラグビー・フットボールクラブゼネラルマ ネージャー/間野義之(株)三菱総合研究所スポーツ・生涯学習プロ 座 長:山口泰雄 神戸大学助教授 ジェクト推進室主任研究員/柳沢和雄 筑波大学体育科学系助教 発表者:永田淳一 福岡市総務企画局企画調整部高度情報化担当主査/ 授 吉田英治 福岡県立スポーツ科学情報センター健康科学課長/ 西嶋尚彦 筑波大学講師 第5分科会 スポーツのあるまちづくりを目指して 座 長:荒井貞光 広島市立大学国際学部教授 発表者:内藤武彦 神奈川県小田原市助役/三畑武一 ジャパンスポーツサイ エンスカレッジ学校長/鈴木英夫 横浜商科大学商学部教授 55 2001年 2002年 「生涯スポーツの新たな幕開け」 「地域が創り出す 豊かなスポーツライフ」 期日:平成13年2月14日 (水) 〜15日 (木) 会場:ホテル青森(青森県青森市) 期日:平成14年2月14日 (木) 〜15日 (金) 会場:国立オリンピック記念青少年 総合センター(東京都渋谷区) ■全体会 ■全体会 基調講演「生涯スポーツ社会の創造を目指して 〜生涯スポーツ 21 世紀への提言〜」 基調講演「生涯スポーツ社会の実現のために 〜人とスポーツの付き合い方、新しい スポーツ観の提言〜」 岡野俊一郎(財) 日本サッカー協会会長、国際オリンピック 委員会委員 岡野俊一郎 シンポジウム「地域における豊かなスポーツ環境の構築を目 指して 〜スポーツ振興基本計画を踏まえて〜」 コーディネーター:浅見俊雄 日本体育大学教授、東京大学名誉教授、文部科 西田善夫 西田善夫 横浜国際総合競技場長、元NHK解説委員 シンポジウム「地域が創り出す豊かなスポーツライフ 」 コーディネーター:黒須充 福島大学教育学部助教授 シンポジスト:柴田晴夫 福岡県教育庁教育振興部スポーツ健康課課長補 学省中央教育審議会委員 佐/杉山茂 スポーツプロデューサー/松永敬子 大阪体育 シンポジスト:杉山茂 スポーツプロデューサー、Jリーグ理事/高田日呂美 大学体育学部生涯スポーツ学科講師 東京都立駒場高等学校長、前全国高等学校体育連盟理事 長/箱山好猷 長野県真田町長/増田明美 スポーツライタ ー、文部科学省中央教育審議会委員 黒須充 柴田晴夫 杉山茂 松永敬子 ■分科会 浅見俊雄 杉山茂 高田日呂美 箱山好猷 第1分科会 地域スポーツクラブ育成促進のための環境整備 増田明美 ■分科会 座 長:大木昭一郎 駿河台大学文化情報学部教授 第1分科会 総合型地域スポーツクラブの全国展開の課題Ⅰ 〜これからの公共スポーツ施設の運営及び学校体育施設の共同利用の在り方〜 発表者:倉田朋保 東京都教育庁体育部体育健康指導課指導主事/ 器具部事務局/後藤正臣 長永スポーツ工業 (株) 取締役設計部長、 座 長:鈴木知幸 東京都教育庁体育部主任社会教育主事 発表者:寺井克明 富山県福野町ふくのスポーツクラブ理事長/佐々木義雄 練馬区教育委員会スポーツ振興課スポーツ振興主査/月岡透 豊島 区教育委員、元中学校長、元都中学校体育連盟会長 第2分科会 総合型地域スポーツクラブの全国展開の課題Ⅱ 〜地域住民への啓発と行政及びスポーツ団体間の連携〜 (財) 日本体育施設協会屋外体育施設部会技術事業委員長 第2分科会 充実したクラブライフを享受するための 環境づくり 座 長:野川春夫 順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツマネジメント学科 教授 発表者:永田瑞穂、萩原麻子 (財) 三菱養和会企画事業部健康管理グルー 座 長:黒須充 福島大学教育学部助教授 発表者:石田和彦 佐賀県多久市教育委員会スポーツ振興係/小仲京子 うつくしま広域スポーツセンタープロジェクトマネージャー/木村和彦 早稲田大学人間科学部教授 第3分科会 中・高年齢者のスポーツ参加促進方策 〜スポーツ実施率の向上を目指して〜 プ/金哲彦 特定非営利活動法人ニッポンランナーズ理事長/ 第3分科会 子どもたちのためのスポーツ環境づくり 座 長:大橋美勝 岡山大学教育学部教授 発表者:佐藤高弘 埼玉県スポーツ少年団副本部長、文部科学省中央教育 審議会分科会委員/宮崎稔 千葉県習志野市教育センター所長、 進専門委員会委員 学校と地域の融合教育研究会会長/木村和彦 早稲田大学人間 発表者:原拓男(財) 日本バスケットボール協会理事/佐々木啓子 鈴鹿市体 科学部教授、所沢市西地区総合型地域スポーツクラブ運営委員 育指導委員、三重県スポーツ少年団常任理事/坂本静男 順天堂 第4分科会 生涯スポーツ振興における民間・産業界の役割 大学浦安病院健康・スポーツ診療科講師、 (財) 日本体育協会公認ス 第4分科会 障害のある人を含めたスポーツの在り方と その環境整備 座 長:小玉一彦 東北福祉大学教授、宮城県障害者スポーツ協会会長 座 長:八代勉 筑波大学体育科学系教授、 日本スポーツ経営学会理事長 発表者:小田勝美 (株) ブレイザーズスポーツクラブ取締役事業部長/ 内田広 ミズノ(株)環境・健康マーケティング室次長/斎藤敏一(社) 日本フィットネス産業協会会長 会運営委員/小林敏枝 信州大学教育学部非常勤講師/ 第5分科会 みんなのスポーツ環境充実への提言 〜障害者スポーツから生涯スポーツを考える〜 芝田耕太郎 日本車いすテニス協会理事長、 ヤマハ発動機株式会社 座 長:松尾哲矢 立教大学コミュニティ福祉学部助教授 研究開発センター/指宿立 学校法人平松学園大分リハビリテーショ 発表者:河嶋浩司 毎日新聞東京本社社会部記者/小峰久美 東京都多摩 発表者:四戸龍英 長野パラリンピック日本選手団主将、 日本パラリンピック委員 菅原哲朗 弁護士、 日本スポーツ少年団常任委員、 日本スポーツ法 学会理事 座 長:永島惇正 東京学芸大学教授、 ( 財) 日本体育協会生涯スポーツ推 ポーツドクター 坂田公一 セノー (株) 中央研究所所長、 ( 財) 日本体育施設協会用 ン専門学校講師、(財)日本障害者スポーツ協会公認スポーツコーチ 障害者スポーツセンター指導課主査/土田和歌子 車椅子マラソンラ ンナー/千葉雅昭 NPO法人バラエティークラブジャパン代表 56 2003年 2004年 「地域が創り出す 豊かなスポーツライフ」 「豊かなスポーツ環境の創出に向けて」 期日:平成15年2月4日 (火) 〜5日 (水) 会場:国立京都国際会館(京都府京都市) 期日:平成16年2月2日 (月) 〜3日 (火) 会場:札幌コンベンションセンター (北海道札幌市) ■全体会 ■全体会 基調講演「日本スポーツの課題と未来」 基調講演「スポーツが文化として親しまれていく ための諸条件」 二宮清純 スポーツジャーナリスト シンポジウム「これからのスポーツ環境の在り方 〜子どもたちをはじめとした住民の豊かな スポーツライフを実現するために〜 」 平尾誠二 神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー 二宮清純 シンポジウム「地域住民が主体的に創る豊かな スポーツ環境 」 平尾誠二 コーディネーター:宮嶋泰子 テレビ朝日編成制作局アナウンス部部長待遇 コーディネーター:小林寛道 東京大学大学院総合文化研究科教授 シンポジスト:花井宣明 福島県教育庁スポーツ健康課長/佐藤高弘 蕨 シンポジスト:南木恵一 富山県広域スポーツセンター専任クラブマネジャー 市役所参事兼秘書広報課長/宮嶋泰子 テレビ朝日編成制 /三屋裕子 筑波スポーツ科学研究所副所長/大木昭一郎 作局アナウンス部兼報道局報道センター副部長/菊幸一 奈 駿河台大学教授・ (社)全国体育指導委員連合専務理事/ 良女子大学文学部助教授 山中裕文 中国新聞社北広島支局長 小林寛道 花井宣明 佐藤高弘 宮嶋泰子 宮嶋泰子 菊幸一 南木恵一 三屋裕子 ■分科会 ■分科会 第1分科会 地域のスポーツクラブの 充実・発展に対する支援方策 第1分科会 総合型地域スポーツクラブの 活動支援について考える 座 長:水上博司 三重大学教育学部助教授 座 長:黒須充 福島大学教育学部教授 発表者:礒繁雄 関西学院大学スポーツ科学・健康科学研究室教授/ 長積仁 徳島大学総合科学部助教授/谷口勇一 大分大学教育福 大木昭一郎 山中裕文 発表者:為末大 2001世界陸上選手権400mハードル銅メダリスト/ 佐々木清一 NPO法人双葉ふれあいクラブ副理事長兼ゼネラルマネ ジャー/塚野真樹 NPO法人やまつみスポーツクラブクラブマネジャー 祉科学部講師 第2分科会 地域のスポーツクラブを立ち上げるための 環境づくり 第2分科会 学校運動部活動と地域スポーツクラブ 座 長:山本理人 北海道教育大学岩見沢校助教授 座 長:三好良子 産業能率大学経営開発本部講師 発表者:清水修 北海道中学校体育連盟事務局長/田上洋介 長野県広域 発表者:伊倉晶子 NPO法人クラブしっきーずクラブマネジャー/村上重信 し スポーツセンター運営協議会副会長、長野県上松町教育委員会教育 まなみスポーツクラブ事務局次長/水谷裕 京都市障害者スポーツセ 次長/秋山幸男(社)全国体育指導委員連合理事、栃木県体育指 ンター業務課長、京都障害者スポーツ振興会副会長 導委員協議会会長 第3分科会 子どもたちを地域で育むための 豊かな環境づくり 総合型クラブや学校・スポーツ指導者はどう取り組むべきか〜 座 長:池田延行 東京学芸大学教員養成カリキュラム開発研究センター 座 長:鈴木寿子 三重県レクリエーション協会事務局長 教授 第3分科会 スポーツ好きをつくる指導者とは 〜子どもの体力低下に 発表者:沢井雅志 日本遊育研究所専任講師/清雲栄純 大宮アルディージ 発表者:綾部美知枝 静岡県清水市教育部スポーツ振興課総括参事兼サッカ ャゼネラルマネージャー/東正樹 総合子どもの遊び情報研究室代表 ーのまち推進室長/村田久忠 山形県鶴岡市教育委員会スポーツ課 第4分科会 地域が築く生涯スポーツ社会 長/坂東美紀 京都府立久美浜高等学校教諭、同校カヌー部顧問 第4分科会 地域の豊かなスポーツ環境を創り出すための スポーツ施設の今後の在り方 座 長:間野義之 早稲田大学人間科学部助教授 座 長:武井正子 順天堂大学名誉教授 発表者:宮脇哲也 富山県小杉町教育委員会体育課スポーツ専門員/ 日笠秀人 シンコースポーツ(株)総務部次長/三神威男 東京都障害 者総合スポーツセンター所長/倉方知男 東京体育館長 発表者:橋爪静夫 武庫川女子大学文学部教授/山田明仁 (株)オージース ポーツ神戸事業所副所長/木村弘(財) 日本体育施設協会屋外総 合計画部部会長 57 2005年 2006年 「豊かなスポーツ環境の創出に向けて」 「豊かなスポーツ環境の創出に向けて」 期日:平成17年2月3日 (木) 〜4日 (金) 会場:富山国際会議場、富山全日空ホテル (富山県富山市) ■全体会 期日:平成18年2月2日 (木) 〜3日 (金) 会場:ホテル日航熊本、くまもと県民 交流館パレア、鶴屋ホール (熊本県熊本市) ■全体会 基調講演「スポーツの多様性を探る」 基調講演「スポーツの持つ可能性」 山本浩 NHK放送総局アナウンス室エグゼクティブ・アナウンサー シンポジウム「豊かな生涯スポーツ社会構築に 向けた取り組み」 田嶋幸三 (財)日本サッカー協会技術委員長 シンポジウム「地域で創る豊かなスポーツ環境」 山本浩 コーディネーター:山本浩 NHK放送総局アナウンス室エグゼクティブ・アナウン コーディネーター :杉山茂 スポーツプロデューサー 田嶋幸三 シンポジスト:黒須充 福島大学人間発達文化学類教授/佐々木秀幸 サー (財) 日本体育協会指導者育成専門委員会委員/ シンポジスト:池崎和頼 富山県教育委員会スポーツ課課長/大仁邦彌 中村和彦 山梨大学教育人間科学部助教授/柳沢和雄 筑 (株)日本フットボールヴィレッジ代表取締役副社長/山口泰雄 波大学大学院人間総合科学研究科助教授 神戸大学発達科学部教授/山田明仁 NPO法人神戸アス リートタウンクラブ副理事長 杉山茂 黒須充 佐々木秀幸 中村和彦 柳沢和雄 ■分科会 池崎和頼 大仁邦彌 山口泰雄 山田明仁 第1分科会 総合型地域スポーツクラブ創設への取組 ■分科会 第1分科会 みんなで創ろう総合型地域スポーツクラブ 座 長:中西純司 福岡教育大学教育学部助教授 発表者:星香里 福島県うつくしま広域スポーツセンタープロジェクトマネジャー/ 座 長:柳沢和雄 筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授 発表者:松田雅彦(財) 日本体育協会地域スポーツクラブ育成委員会中央企 飯田忠子 山梨県ホワイ トウォーターランド白州クラブマネジャー/ 画班員/宮良俊行(財)熊本県体育協会クラブ育成アドバイザー/ 第2分科会 「元気の出るクラブ」づくりを目指して 小金井寛 東京都足立区体育指導委員会会長、KITクラブ21ゼネラ ルマネジャー 第2分科会 総合型地域スポーツクラブの 活動支援及び自主運営 座 長:中川保敬 熊本大学教育学部教授 発表者:日田匠 玉南コミュニティクラブクラブマネジャー/陶山えつ子 みかわ だっでんクラブ副会長/島田正博 くぎのクラブTRYクラブマネジャー /後藤貴浩 熊本大学教育学部助教授 座 長:菊幸一 筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授 発表者:南木恵一 富山県広域スポーツセンター専任指導者/熊谷明子 富 第3分科会 スポーツに対する意識を変える取組 〜子どものス 山県おやべスポーツクラブ副会長/菅岡克則 山口県NPO法人ゆう ポーツ活動を通じて、保護者もスポーツが好きになる〜 スポーツクラブクラブマネジャー 座 長:松尾哲矢 立教大学コミュニティ福祉学部教授 第3分科会 子どもが体を動かすことが「好き」になる 指導の在り方とその環境づくり 発表者:萩原美樹子 元バスケットボール女子日本代表、 (株) ジャパンエナジー CSR推進部JOMOバスケットボールクリニックコーチ/並河研 オービッ クシーガルズゼネラルマネージャー/杉沢幹生 NPO法人杉並アヤック 座 長:浮田千枝子 群馬松嶺福祉短期大学教授 発表者:西川佳克 NHKテレビ・ラジオ体操指導者/山口良治 京都市立伏 見工業高等学校ラグビー部総監督/稲葉淑乃 三重県朝日町レクリ エーション協会理事長、三重県ペタンク協会副理事長 第4分科会 公共スポーツ施設の新しい管理運営制度と 今後の課題 〜指定管理者制度の実施に向けて〜 座 長:桂川保彦 東亜大学サービス産業学部教授 発表者:坂田公一 セノー(株)中央研究所所長/野々下恵介 神戸市行財政 局行政部主幹/浅井亮一 コナミスポーツ(株)施設開発本部受託開 発部長 第5分科会 スポーツ活動における危機管理 座 長:菅原哲朗 弁護士、 日本スポーツ法学会会長 発表者:三宅豊(財) 日本体育施設協会施設用器具部会幹事長/ 武井正子 順天堂大学名誉教授/福林徹 早稲田大学スポーツ科 学部教授/有村大二(財) スポーツ安全協会事務局次長 58 片岡康行 三重県橋南スポーツクラブマネジャー スサッカークラブ理事長 第4分科会 今後のスポーツ指導者の養成と 活動促進のあり方について 座 長:佐々木秀幸 (財) 日本体育協会指導者育成専門委員会委員 発表者:廣﨑正彰 (財) 日本体育協会スポーツ指導者育成部長代理/ 金哲彦 NPO法人ニッポンランナーズ理事長/中松秀夫 (財) 滋賀県 体育協会生涯スポーツ担当 第5分科会 指定管理者制度の実施と モニタリングに至るまで 座 長:桂川保彦 東亜大学サービス産業学部教授 発表者:坂田公一 セノー(株)中央研究所所長/石脇茂 (株)NTTファシリティ ーズFM事業本部部長/柊巌 (財)日本体育施設協会常務理事 2007年 2008年 「次世代に繋ぐ 豊かなスポーツ環境づくり」 「次世代に繋ぐ 豊かなスポーツ環境づくり」 期日:平成19年1月19日(金) 会場:ホテル ハマツ(福島県郡山市) 期日:平成20年2月15日(金) 会場:リーガロイヤルホテル広島 (広島県広島市) ■全体会 ■全体会 基調講演「生活の豊かさ・健康・地域振興 −スポーツクラブの貢献−」 基調講演「子どものスポーツ環境を考える」 三屋裕子 スポーツプロデューサー、 日本バレーボール協会理事 フォルカー・リットナードイツ連邦共和国・ケルン体育大学教授、 スポーツ社会学研究所所長 フォルカー・ リットナー ■分科会 第1分科会 子どもの体力の向上や健康増進に資する スポーツ環境の整備充実について 三屋裕子 ■分科会 第1分科会 子どもの体力向上につながるプログラムを探る 座 長:佐々木玲子 慶應義塾大学教授 発表者:松戸良一 日本レクリエーション協会レク・コーディネーター/小嶋信之 座 長:東根明人 順天堂大学スポーツ健康科学部助教授 運動遊び指導者/鮫田晋 いすみ市教育委員会社会教育課主事、 発表者:大森眞一 茨城県常陸太田市体育指導委員協議会/北村敏子 秋 浅野祥雄 いすみ市教育委員会社会教育課社会教育指導員 田県秋田市桜・遊クラブ主宰代表者/情野正 山形県米沢市教育 委員会教育指導部学校教育課指導主事 第2分科会 対象に合わせたスポーツ環境の充実策 〜プログラムサービスを中心に〜 第2分科会 トップスポーツと連携した 地域スポーツのあり方 座 長:東川安雄 国立大学法人広島大学大学院教育学研究科准教授 発表者:高田豊治 NPO法人広島トップスポーツクラブネットワーク事務局、(株) 座 長:山口泰雄 国立大学法人神戸大学発達科学部教授 サンフレッチェ広島ホームタウン推進本部長/関口昌和 どんぐりクラ 発表者:有本征世 NPO法人けんこうのわ碧の木会長/杉本晴夫 卒サラヒュ ブ屋台村理事/白雲克宏 (財)広島市スポーツ協会主任体育主事 ーマンネットワーク船橋市時活村村長/近藤和夫 (社)東京都障害者 スポーツ協会スポーツ振興室長 第3分科会 地域住民が主役となった スポーツ環境づくりについて 第3分科会 総合型地域スポーツクラブ等を中心とした 子どもの遊びやスポーツ活動の定着 座 長:長積仁 国立大学法人徳島大学総合科学部准教授 発表者:森野巧 NPO法人やまつみスポーツクラブ専務理事/白倉香理 富 座 長:黒須充 国立大学法人福島大学人間発達文化学類教授 山県広域スポーツセンター専任指導者/中村芳美 春日あそびの城レ 発表者:アクセル・ベッカードイツ連邦共和国ノイス郡スポーツ相談課長/ クリエーションコーディネーター 佐藤克男 あだちスポーツクラブ理事長/齋藤道子 うつくしまスポーツ ルーターズ事務局員 第4分科会 スポーツ指導者が一層活躍できる スポーツ環境づくりについて 第4分科会 スポーツのさらなる飛躍は スポーツ施設の整備と充実から 座 長:野川春夫 順天堂大学スポーツ健康科学部教授 発表者:後藤正臣 (財)日本体育施設協会専門委員/三宅弘展 (財)日本体 座 長:間野義之 早稲田大学スポーツ科学学術院助教授 育施設協会専門委員/中村恭平 特定非営利活動法人府中アスレ 発表者:鎌田博子 山形県鶴岡市民健康スポーツクラブクラブマネジャー/ ティックフットボールクラブ副理事長 野田昭義 神奈川県城下町スポーツクラブ副会長/平谷昌樹 岡山 県広域スポーツセンター主任 第5分科会 豊かなスポーツ環境を創り出すための 今後のスポーツ施設の在り方について 第5分科会 現場に生かす行動変容の知恵 〜スポーツ・運動を 始めさせ、続けさせ、逆戻りさせないための働きかけ〜 座 長:竹中晃二 早稲田大学人間科学学術院教授 発表者:植野恵美子 ヨネックス(株)所属アドバイザー、元バドミントン世界選手権 座 長:野川春夫 順天堂大学スポーツ健康科学部教授 ダブルスチャンピオン/桂千惠子 (財)大阪府スポーツ・教育振興財団 発表者:白木俊郎(財) 日本体育施設協会専門委員、 シンコースポーツ (株) 大阪府立門真スポーツセンター館長/藤田紀昭 日本福祉大学社会 常務取締役/三宅豊 (財) 日本体育施設協会専門委員、 セノー 福祉学部教授 (株)理事・営業本部室長/菅原哲朗 キーストーン法律事務所代表 弁護士 59 生涯スポーツコンベンション20年 生涯スポーツコンベンションは、全国で生涯ス ポーツ、障害者のスポーツ、見るスポーツ、スポ ポーツの振興に携わっている各界各層の関係者が ーツボランティア、子どもの体力、総合型地域ス 互いに意見交換をし、相互理解を深めることによ ポーツクラブなど広範にわたるとともに、時代の って生涯スポーツの一層の充実発展に資すること 流れに応じて変化してきています。 を目的とし、平成元年度に「人・スポーツ・未 平成12年に策定され、平成18年に改定された 来」のテーマのもと、東京都で初めて開催されま 「スポーツ振興基本計画」では、「生涯スポーツ した。 社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境 その後、第6回までは東京都で1日の日程で開 の整備充実方策」を重要な政策課題として位置づ 催していましたが、第7回から第17回までは全国 け、具体的な目標として、成人の週1回以上のス 各地で2日間かけて開催することとなりました。 ポーツ実施率を50%に引き上げることを掲げ、 第18回からは1日開催に戻り、今回、節目となる そのための活動の場として、総合型地域スポーツ 第20回めのコンベンションを当初の開催地であ クラブの育成をはじめ、だれもが身近な地域で気 った東京都で、「スポーツの感動を地域へ!未来 軽にスポーツに親しむことのできる環境の整備を へ!」のテーマのもとに開催しました。 図っていくこととしています。 生涯スポーツコンベンションでは、この20年 今後においても、自由時間の増大や体力・健康 の間、講演やシンポジウム、分科会、展示等によ づくりに対する国民の関心の高まりなどを背景 って様々な角度から生涯スポーツに関する情報を に、スポーツ需要の増大とともに、スポーツの実 提供したり、諸課題にフォーカスして解決策を協 施目的や実施内容も高度化・多様化してくるもの 議するなど、内容の充実を図ってきました。 と思われます。 これまで生涯スポーツコンベンションの全体会 このようなニーズに応えられるよりよいスポー や分科会で取り上げられてきたテーマをみると、 ツ環境の整備に向けて、生涯スポーツ振興に携わ スポーツ施設、スポーツサービス、スポーツプロ る関係者間で情報や課題を共有し、連携・協力し グラム、安全管理、スポーツ指導者、スポーツイ ていくことが一層求められています。 ベント、野外活動、女性のスポーツ、高齢者のス 60 回 開 催 地 開催期日 第1回 東京都(東京プリンスホテル) 平成 2 年 1 月 16 日 第2回 東京都(京王プラザホテル) 平成 3 年 2 月 5 日 第3回 東京都(京王プラザホテル) 平成 4 年 1 月 28 日 第4回 東京都(京王プラザホテル) 平成 5 年 2 月 24 日 第5回 東京都(京王プラザホテル) 平成 6 年 3 月 2 日 第6回 東京都(京王プラザホテル) 平成 7 年 3 月 2 日 第7回 大阪府(マイドームおおさか 他) 平成 8 年 2 月 5 日~ 6 日 第8回 愛知県(名古屋国際会議場) 平成 9 年 2 月 12 日~ 13 日 第9回 千葉県(幕張メッセ 国際会議場) 平成 10 年 2 月 2 日~ 3 日 第 10 回 福岡県(シーホーク ホテル&リゾート) 平成 11 年 3 月 1 日~ 2 日 第 11 回 神奈川県(パシフィコ横浜) 平成 12 年 2 月 16 日~ 17 日 第 12 回 青森県(ホテル青森) 平成 13 年 2 月 14 日~ 15 日 第 13 回 東京都(代々木オリンピックセンター) 平成 14 年 2 月 14 日~ 15 日 第 14 回 京都府(国立京都国際会館) 平成 15 年 2 月 4 日~ 5 日 第 15 回 北海道(札幌コンベンションセンター) 平成 16 年 2 月 2 日~ 3 日 第 16 回 富山県(富山国際会議場 他) 平成 17 年 2 月 3 日~ 4 日 第 17 回 熊本県(ホテル日航熊本 他) 平成 18 年 2 月 1 日~ 2 日 第 18 回 福島県(ホテルハマツ) 平成 19 年 1 月 19 日 第 19 回 広島県(リーガロイヤルホテル広島) 平成 20 年 2 月 15 日 第 20 回 東京都(京王プラザホテル) 平成 21 年 2 月 4 日 61 生涯スポーツ関係資料 1 スポーツ振興基本計画(概要) 「スポーツ振興基本計画」は、近年の青少年の体力・運動能力 り、一層のスポーツ振興を図ることを目的に、保健体育審議会 の低下傾向、身近なスポーツ環境の整備充実の必要性の高まり、 (当時)の答申を受けて、平成12年9月に告示したものです。当 国際競技力の長期的・相対的低下傾向等の諸課題に適切に対応 初より、計画の実施から5年後に計画全体の見直しをするとなっ し、また、スポーツ振興投 票制度の成立などの新たな状況を踏 ていたことから、平成18年9月に後半5年分の計画として改定し まえて、スポーツ振興施策を体系的・計画的に推進することによ ました。 1 スポーツの振興を通じた子どもの体力の向上方策 政策目標 ●人間が発達・成長し、創造的な活動を行っていくために必要不可欠なものであり、「人間力」の重要な 要素である子どもの体力について、 スポーツの振興を通じ、 その低下傾向に歯止めをかけ、上昇傾向 に転ずることを目指す。 政策目標達成のため必要不可欠である施策 ❶子どもの体力の重要性について正しい認識を持つための国民 運動の展開 ❷学校と地域の連携による、子どもを惹きつけるスポーツ環境の 充実 2 このための基盤的施策 ❶教員の指導力の向上 ❷子どもが体を動かしたくなる場の充実 ❸児童生徒の運動に親しむ資質・能力や体力を培う学 校体育の充実 ❹運動部活動の改善・充実 生涯スポーツ社会の実現に向けた、 地域におけるスポーツ環境の整備充実方策 ●国民の誰もが、 それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、 いつでも、 どこでも、 いつまでもス 政策目標 ポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を実現する。 ●その目標として、 できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人(50パーセン ト) となることを目指す。 政策目標達成のため必要不可欠である施策 ○総合型地域スポーツクラブの全国展開 ・2010年までに全国の各市区町村において少なくとも1つは 総合型地域スポーツクラブを育成 (将来的には中学校区程度の地域に定着) ・2010年までに各都道府県において少なくとも1つは広域ス ポーツセンターを育成 (将来的には広域市町村単位に設置) 3 このための基盤的施策 ❶スポーツ指導者の養成・確保・活用 ❷スポーツ施設の充実 ❸地域における的確なスポーツ情報の提供 ❹住民のニーズに即応した地域スポーツの推進 我が国の国際競技力の総合的な向上方策 政策目標 ●オリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会において活躍できる競技者の育成・強化を積極的に 推進する。 ●オリンピック競技大会におけるメダル獲得率が、 夏季・冬季合わせて3.5パーセントとなることを目指す。 政策目標達成のため必要不可欠である施策 ❶ジュニア期からトップレベルに至るまで一貫した理念に基づき 最適の指導を行う一貫指導システムの構築 ❷ナショナルトレーニングセンター中核拠点施設の早期整備や 競技別強化拠点の指定と支援 ❸指導者の養成・確保(専任化の促進、 ナショナルコーチアカデ ミー制度の創設等) ❹競技者が安心して競技に専念できる環境の整備 62 このための側面的施策 ❶スポーツ医・科学の活用 ❷アンチ・ドーピング活動の推進 ❸国際的又は全国的な規模の競技大会の円滑な開催 等 ❹プロスポーツの競技者等の社会への貢献の促進 2 成人のスポーツ実施状況 スポーツ振興基本計画では、「成人の週1回以上のスポーツ実 ーツを行った者の割合」は男性が43.4%、女性が45.3%、男女平 施率を2人に1人(50%)とすること」を目指していますが、内 均が44.4%となっています。 閣府が3年に1度実施している「体力・スポーツに関する世論調 年齢別にみると、60歳代は男女とも50%を超えており、20歳 査」の結果から文部科学省が推計した「週に1回以上運動・スポ 代の女性と30歳代の男性は30%以下となっています。 週に1回以上運動・スポーツを行った者の割合の推移 50 (%) 全体 男性 女性 45 40 35 30 25 20 S57 S60 S63 H3 H6 H9 H12 H16 H18 (年) 内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」 に基づく文部科学省推計 週に1回以上運動・スポーツを行う者の割合(年齢別) (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 20〜29歳 全体 男性 女性 30〜39歳 40〜49歳 50〜59歳 60〜69歳 70歳以上 内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」 に基づく文部科学省推計 63 生涯スポーツ関係資料 3 全国体力・運動能力、運動習慣等調査 文部科学省では、昭和39年から毎年「体力・運動能力調査」 習慣等調査」を実施し(「体力・運動能力調査」も例年通り実 をサンプル抽出で実施してきましたが、平成20年度は全国の小 施)、平成21年1月に結果を公表しました。 学校5年生・中学校2年生を対象に「全国体力・運動能力、運動 (1)昭和60年度の体力水準との比較 「ソフトボール投げ」については、小学校5年生の男子の69.0 (昭和60年度は子どもの体力が最も高かった時期であり、この %、女子の71.9%が、「持久走」については、中学校2年生男子 頃をピークに長期的低下傾向にあります。) の68.0%、女子の69.9%が昭和60年度の水準に達していません。 小学校5年生 (男子) ソフトボール投げ 人 25,000 小学校5年生 (女子) ソフトボール投げ 人 40,000 35,000 20,000 30,000 15,000 25,000 20,000 10,000 15,000 10,000 5,000 5,000 0 6 9 12 15 18 0 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48 m 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 m 昭和60年度全国平均 29.94m (本調査平均 25.39m) 昭和60年度全国平均 17.60m (本調査平均 14.85m) 中学校2年生 (男子) 持久走1,500m (秒) 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 〜290 〜320 〜350 〜380 〜410 〜440 〜470 〜500 〜530 〜560 〜590 〜620 〜650 〜680 〜710 〜740 〜770 〜800 0 秒 昭和60年度全国平均 366.40秒 (本調査平均 396.50秒) 中学校2年生 (女子) 持久走1,000m (秒) 人 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 〜210 〜230 〜250 〜270 〜290 〜310 〜330 〜350 〜370 〜390 〜410 〜430 〜450 〜470 〜490 〜510 〜530 〜550 〜570 〜590 0 秒 昭和60年度全国平均 267.11秒 (本調査平均 293.15秒) 64 (2)1週間の総運動時間の状況 女子については、小学生、中学生ともに運動をほとんどしない(1週間の総運動時間が60分未満) 児童生徒が非常に多くなっています。 【小学校男子】 50,000 人 45,000 1週間の総運動時間 60分未満 11% (43,726人) 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 0 300 600 900 1,200 1,500 1,800 2,100 2,400 分 【小学校女子】 100,000 人 90,000 1週間の総運動時間 60分未満 22.8% (87,173人) 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 0 300 600 900 1,200 1,500 1,800 2,100 2,400 分 【中学校男子】 40,000 人 1週間の総運動時間 60分未満 9.3% (36,745人) 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 0 300 600 900 1,200 1,500 1,800 2,100 2,400 分 【中学校女子】 120,000 100,000 80,000 人 1週間の総運動時間 60分未満 30.7% (114,163人) 60,000 40,000 20,000 0 0 300 600 900 1,200 1,500 1,800 2,100 2,400 分 65 生涯スポーツ関係資料 4 総合型地域スポーツクラブの育成・支援 (1)総合型地域スポーツクラブの育成 総合型地域スポーツクラブは、1,046の市区町村において、創 となって公共施設の管理を行っています(平成20年7月1日現 設準備中のクラブも含めて2,768クラブが育成されています。こ 在)。 のうち、253のクラブが法人格を有し、80のクラブが指定管理者 総合型地域スポーツクラブ育成状況推移 3,000 70.0 2,500 60.0 50.0 2,000 40.0 1,500 30.0 1,000 20.0 合計 500 0 10.0 クラブ育成率 (%) 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 0.0 平成20年度 総合型地域スポーツクラブは 「地域住民の、地域住民による、地域住民のためのスポーツクラブ」 クラブの運営への参画 多種多様な スポーツ事業の展開 多世代 (種目別有資格者の配置や指導部会等の設置) 会員のニーズに応じたスポーツ指導 多志向 ・自分が楽しいレベルで ・自分の目的に合わせて 多種目 ・幼児から高齢者まで ・親子で、家族で、仲間と 会費を支払う︵受益者負担の考え方︶ 会員としての活動への参加 ・自分のしたい種目に ・複数の種目に 交流の場となる クラブハウス 地域住民の 自主的・主体的な 運営 支援 ●各種スポーツサークルや スポーツ教室 ●スポーツイベント ●健康相談 など 定期的・継続的に 利用可能な拠点施設 公共スポーツ施設 学校体育館施設など 都道府県設置の広域スポーツセンター 地域住民 (クラブマネジャー、運営委員、指導者、ボランティアスタッフなど) (2)総合型地域スポーツクラブの支援(広域スポーツセンターの育成推進) 総合型地域スポーツクラブが、地域住民のニーズを踏まえて創 活動等に関して、適切な助言等を行うとともに、地域のスポーツ 設され、継続的・安定的な運営をしていく過程においては、個々 活動全般について効率的な支援を行う「広域スポーツセンター」 のクラブだけでは解決できない課題も少なくありません。このた の設置を推進しています。平成20年12月現在、43の都道府県に め、文部科学省では、総合型地域スポーツクラブの創設や運営、 60の広域スポーツセンターが設置されています。 66 (3)総合型地域スポーツクラブの活動 総会員数 1〜100人 101〜300人 301〜1,000人 1,001人〜 ①会員数 クラブの会員規模は、「101〜300人」が46.3%、「301〜 1,000人」が25.0%、「100人以下」が21.3%、全体平均は526 人となっています。内訳は、「小学生」が19.1%と最も多く、 続いて「60歳代」が12.5%、「50歳代」が12.4%となっていま す。 0% 10% 20% 30% ②会費の徴収 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 会費徴収平均額 (月) クラブの93.0%が会費を徴収しており、平均額は349円 0〜100円 /月となっています。徴収額別にみると、「100円/月以 101〜200円 下」が32.6%、「101〜200円/月」が22.2%、201〜300円/ 301〜400円 201〜300円 月」が13.8%となっており、68.6%のクラブが「300円/ 401〜500円 月」以下の会費を徴収しています。 601〜700円 501〜600円 701〜800円 801〜900円 ③クラブマネジャーの配置 901〜1,000円 1,001円〜 創設済みクラブのうち、61.4%のクラブがクラブマネジ 0% 5% ャーを配置しており、このうち16.7%が常勤(週4日以 上)で、常勤のクラブマネジャーの71.7%、非常勤のクラ 10% 15% 20% 25% 30% 35% クラブマネジャーの配置の有無 ブマネジャーの16.2%が手当を得て活動しています。 配置している 配置していない 40% 60% ④クラブハウスの設置 創設済みクラブのうち、 56.4%のクラブがクラブハウス専用施設を有 しており、 施設の種類は 「学校敷地内の独立施設」が26.9%、 「学校 施設の一部」が25.5%、 「公共スポーツ施設の一部」が25.2%となって 0% います。 10% 20% 30% ⑤クラブ設立による地域の変化 50% 70% 80% 90% 100% クラブハウス専用施設の有無 クラブを設立したことにより、「世代を超えた交流が生まれ 専用施設がある (所有・借用を問わず) 専用施設がない た」、「地域住民のスポーツ参加機会が増えた」などの効果が 実感されています。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% クラブ設立による地域の変化 地域住民間の交流が活性化した 世代を超えた交流が生まれた 地域の連帯感が強まった 地域が活性化した 地域で子どもたちの成長を見守る気運が高まった 元気な高齢者が増えた 子どもたちが明るく活発になった 地域住民のスポーツ参加機会が増えた 特に変わりがない その他 55.2% 58.9% 22.2% 18.8% 31.2% 43.3% 26.9% 57.8% 9.0% 4.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 67 生涯スポーツ関係資料 5 スポーツ指導者の養成・活用 国民のスポーツ活動が多様化・高度化している今日、スポーツ指導者に対するニーズも質・量ともに増大しており、そのニー ズに応えて適切に指導ができる質の高い指導者が求められています。 (1)望まれるスポーツ指導者 内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査」(平成18年実施)によると、「どのようなスポーツ指導者が必要か」という 問いに対し、「スポーツの楽しみ方やスポーツへの興味・関心がわくような指導ができる人」が最も多くなっています。 望まれるスポーツ指導者 (複数回答) スポーツの楽しみ方やスポーツへの興味・ 関心がわくような指導ができる人 健康・体力つくりのための運動スポーツの 指導ができる人 年間を通して定期的に指導ができる人 障害者や高齢者のスポーツの指導が できる人 指導に関する資格を持っている人 青少年のスポーツ活動を積極的に進める ことができる人 競技力向上のための高度な技術の指導が できる人 スポーツイベント (大会や教室など) の企画 や運営ができる人 いろいろなニュースポーツ (ゲートボール、 フリ スビー、 ソフトバレーなど) の指導ができる人 0 10 20 30 40 50 60 (%) 内閣府「体力・スポーツに関する世論調査」平成18年:20歳以上 (2)総合型地域スポーツクラブにおける指導者の状況 総合型地域スポーツクラブでは、平均23名の指導者が各種スポーツ指導を行っていますが、このうち資格を有する指導者は 34.3%にとどまっています。 会員規模別スポーツ指導者平均数 スポーツ指導者有資格者数 有資格指導者 全体平均 資格を持たない指導者 1〜100人 101〜300人 301〜1,000人 1,001人〜 人 10人 20人 30人 40人 50人 60人 6 スポーツ施設の整備・充実 平成14年における我が国の体育・スポーツ施設の総数は約24万 か所であり、そのうち学校体育・スポーツ施設(小・中・高・特別 支援学校等)は約14万9,100か所、大学・高等専門学校体育施設は 約9,000か所、公共施設(国、地方公共団体が設置)は約5万6,500 か所となっています。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ◆体育・ スポーツ施設設置数 職場スポーツ施設 8,286(3.5%) 公共スポーツ 施設 56,475(23.6%) このほか、職場スポーツ施設や民間スポーツ施設がありますが、 これらは全施設の約10%を占めています。 68 民間スポーツ施設 16,814(7.0%) 大学・高専 体育施設 9,022(3.8%) 学校体育・ スポーツ施設 (小・中・高・特別支援 学校等) 149,063(62.2%) 7 スポーツ振興くじ助成 スポーツ振興くじは、だれもが身近にスポーツを親しむことが 行う国際規模の競技大会の開催など幅広い事業に助成が行われて できる健康で明るい生涯スポーツ社会を築くとともに、世界で活 います。 スポーツ振興くじの収益は、総合型地域スポーツクラ 躍できる選手を育てることを目指して、そのための財源確保策の ブへの活動をはじめ、クラブハウスの新築・改造、グラウンドの 1つとして、平成10年に創設されました。 芝生化など地域の身近なスポーツ施設の整備、地方公共団体やス スポーツ振興くじの収益は、総合型地域スポーツクラブへの活 ポーツ団体が実施するスポーツ教室やスポーツ大会などの諸活 動をはじめ、クラブハウスの新築・改造、グラウンドの芝生化な 動、各種目の競技団体が行う将来性を有する選手の発掘及び育 ど地域の身近なスポーツ施設の整備、地方公共団体やスポーツ団 成、我が国で行う国際規模の競技大会の開催など幅広い事業に助 体が実施するスポーツ教室やスポーツ大会などの諸活動、各種目 成が行われています。 の競技団体が行う将来性を有する選手の発掘及び育成、我が国で スポーツ振興くじ助成金実績 (平成14∼20年度) 助 成 区 分 地域スポーツ施設 整備助成 総合型地域スポーツ クラブ活動助成 事 業 区 分 件数 クラブハウス整備助成 10件 294百万円 グラウンド芝生化事業 48件 1,006 百万円 屋外夜間照明施設等 整備事業 32件 354百万円 総合型地域スポーツクラブ 創設支援事業 438件 280百万円 総合型地域スポーツクラブ 活動支援事業 720件 1,124 百万円 総合型地域スポーツクラブ 活動事業 236件 680百万円 広域スポーツセンター 指導者派遣等事業 地方公共団体スポーツ 活動助成 45件 106百万円 地域スポーツ活動 推進事業 856件 677百万円 地域スポーツ活動 支援事業 14件 2百万円 国民体育大会冬季大会の 競技会開催支援事業 2件 30百万円 スポーツ団体が行う将来性を有する選手の発掘及び 育成強化助成 198件 686百万円 スポーツ活動推進事業 887件 1,518 百万円 アンチ・ドーピング活動 推進事業 217件 229百万円 スポーツ指導者 海外研修事業 10件 157百万円 組織基盤強化事業 24件 78百万円 国際競技大会開催助成 8件 2,399 百万円 優秀な選手・指導者への個人助成に充当 − スポーツ団体スポーツ 活動助成 合 計 toto minitoto toto GOAL3 金 額 toto GOAL2 BIG BIG 1000 588百万円 3,745件 10,209 百万円 mini BIG くじの種類 1口単価 予想の仕方 くじの対象 試合数 選択肢の総数 69 協力 財団法人 ミズノスポーツ振興会 東京海上日動火災保険株式会社 他9社 (スポーツ安全保険引受損害保険会社) 財団法人 コカ・コーラ教育・環境財団 株式会社 アシックス 財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団 財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 財団法人 ライフスポーツ振興財団 発行 文部科学省 生涯スポーツコンベンション実行委員会 財団法人 日本体育協会 財団法人 日本レクリエーション協会 財団法人 日本体育施設協会 財団法人 スポーツ安全協会 社団法人 全国体育指導委員連合 社団法人 スポーツ健康産業団体連合会 財団法人 日本障害者スポーツ協会 東京都 財団法人 サンラッキー 株式会社 ニシ・スポーツ 株式会社 メルシー 生涯スポーツ コンベンション 報告書 生涯スポーツコンベンションに関するお問い合わせは 文部科学省スポーツ・青少年局 生涯スポーツ課 TEL.03-6734-2686 (財) 日本体育協会 生涯スポーツ推進部生涯スポーツ課 TEL.03-3481-2215