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大崎市 - 宮城県国民健康保険団体連合会

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大崎市 - 宮城県国民健康保険団体連合会
KOKUHO MIYAGI
みやぎ の
国保
2015 Winter
[No.259]
︿ 表紙 ﹀大崎市鳴子温泉郷と共同浴場
心もからだもあったまる。
昔ながらの温泉地の風情に
冬空にひろがる湯のけむり。
1
みやぎの国保
KOKUHO MIYAGI 2015
[No.259]
1
年頭のご挨拶
Winter
国保総合システムの
安定稼働を目指すとともに
CONTENTS[目次]
年頭のご挨拶
宮城県国民健康保険
団体連合会
保険者支援体制の一層の強化を図る
3
宮城県国民健康保険団体連合会 理事長 佐藤 昭/宮城県知事 村井 嘉浩
理事長
佐藤 昭
新年明けましておめでとうございます。
ることを願うとともに、国保財政の改善に向け、低所
皆様方には、希望に満ちた輝かしい新春を健やか
得者が多い保険者の財政基盤強化のため1,700億
にお迎えのことと、心からお喜び申し上げます。
円の公費投入を確実に実施すること、後期高齢者支
「未曽有の東日本大震災」からおよそ4年が過ぎよ
援金の全面総報酬割の導入により生ずる財源を優
うとし、少しずつではありますが復興の足音が聞こえ
先的に活用する等、国保の安定運営のため、
さらな
ております。一方、いまだ多くの方々は住宅再建が思う
る財政強化を切望するものであります。
に任せず仮設住宅で不自由な生活を送られておりま
このように大変厳しい状況ではありますが、国保
す。また、被災保険者においても、復興に向け奮励努
保険者の共同体である本会といたしましては、国保
力を続けておりますが、新しい移転先でのコミュニティ
総合システムと独自システムの安定稼働を最優先課
構築など新たな課題があり、本会といたしましても、国
題と位置づけ、関係団体と連携を図りながら対応に
民健康保険や介護保険等関連業務の運営等に可能
万全を期すとともに、保険者における住民の健康づ
な限りの支援を継続してまいりたいと考えております。
くりや生活習慣病予防対策、
そして、国保データベー
さて、国民健康保険は、中高年齢者が多く加入し
ス
(KDB)
システムを活用し、
データヘルス計画の推
医療費の増嵩が著しく、
また、経済の低迷や低所得
進、支援とともに国保・後期ヘルスサポート事業支援
者層の増加などにより被保険者の所得水準が低く、
事業を展開し、医療・介護の重症化予防対策等の支
国保制度改善強化全国大会
保険料(税)の負担率が著しく高いという構造的な
援に努めてまいります。さらには、
レセプトの縦覧・横
こくほ健康フォーラム21
問題から、国保関係者の懸命な努力にもかかわら
覧点検および突合審査による事務点検の充実やレ
ず、事業運営は極めて厳しいものとなっております。
セプト点検巡回支援による保険者支援体制の強化、
国においては、一昨年12月に「持続可能な社会保
加えて、介護給付適正化対策事業の保険者支援の
障制度の確立を図るための改革の推進に関する法
一層の充実など、
これまで以上に保険者への支援体
律」が成立し、国保の保険者や運営等の在り方につ
制を強化してまいります。 いて所要の改革を行うとし、平成27年の通常国会に
本年も、保険者および関係皆様方の期待に応えら
必要な法律案を提出することを目指すとされており
れるよう全力で取り組んでまいりますので、
より一層
ますが、見直しに当たっては地方の理解を得た上で
のご支援、
ご協力を賜りますようお願い申し上げます
法制化等を行い、国の責任において構造的な問題を
とともに、関係各位のご健勝とご多幸をお祈りいたし
抜本的に解決し、将来にわたり持続可能な制度とす
まして、年頭のご挨拶といたします。
特集「国保のなかまたち」
5
大崎市
国保徒然草
8
『震災復興と国保財政』南三陸町 佐藤 和則
みやぎの頼れるサポーター
9
『その人らしい生活が送れるよう健康づくりを応援したい』東松島市 櫻井 宏美
Health Information
10
『関節リウマチのお話し❹関節リウマチの治療ー変貌する薬物療法ー』
仙台青葉学院短期大学看護学科 教授 三友 紀男
Topics
11
連合会コーナー
16
平成26年度第1回介護保険調査研究委員会 他
ポイントUP美味レシピ
20
『登米といえば油麩!』登米市 丹野 良江
〔作者紹介〕
古山 拓
写真/みやぎデジタルフォトライブラリーより
イラストレーター/水彩画家
1962年岩手県に生まれる。東北学院
大学文学部史学科卒業。アニメーター、
印刷会社、
デザインプロダクション勤務
みやぎの国保 2015.1[No.259]
東北屈指の湯治場の鳴子温泉郷とその中にある共同浴場「滝の湯」。
冬空
を経て、1994年からフリーランスイラスト
のもと、人々が温もりと癒しを求め集まる憩いの場。ぜひ訪れてみてはいかが
レーターとして独立。現在、広告美術と
でしょうか。
風景水彩画個展を中心に活動中。
2
大崎市鳴子温泉郷と共同浴場「滝の湯」
謹賀新年
宮城県国民健康保険団体連合会
理 事 長
(塩竈市長)佐藤 昭
副理事長
(色麻町長)伊藤 拓哉
副理事長
(大和町長)浅野 元
常務理事 保理 昭泰
宮城県国民健康保険
診療報酬審査委員会
会 長 大槻 昌夫
会長代理 山形 成德
外 委員一同
外 役職員一同
みやぎの国保 2015.1[No.259]
3
特
年頭のご挨拶
復旧・復興とともに
「創造的な復興」を着実に進める年に
国保のなかまたち
集
宮城県知事
村井 嘉浩
新年を迎えるに当たり、県民の皆様の御健康と御
安心して暮らせる宮城の実現に向けた施策とい
多幸を心からお祈り申し上げます。
たしましては、
ドクターヘリの導入など救急医療を始
昨年は、本県出身の羽生結弦さんが冬季オリン
めとする医療提供体制の充実を図るとともに、医学
ピックフィギュアスケート男子シングルで金メダルを
部新設への支援を行うほか、保健・医療・福祉分野
獲得され、県内のみならず、日本全国に感動を与え
の連携による地域包括ケアシステム体制の構築や、
てくれました。また、天皇皇后両陛下に本県被災地
特別養護老人ホーム等の施設整備を進めてまいり
を御訪問いただき、私たち県民一同、大きな励ましを
ます。
受けました。県内では復興の槌音が聞こえ、各地で、
また、国民健康保険運営改革については、
「国と
災害公営住宅への入居が始まるとともに、震災で休
地方の協議の場」や社会保障審議会等において協
止していた事業が再開されるなど、復興が感じられ
議・検討が進められ、必要な法律案が今年開会され
るようになってまいりました。これも、県内外の多くの
る国会の常会に提出される見通しですが、国民皆保
方々からの御支援と、県民の皆様の御尽力のたまも
険制度を維持していく上で大変重要な課題である
のと考えております。
ことから県としても適切に対応してまいります。
今年は、
「宮城県震災復興計画(平成23年10月
今年も県政運営の先頭に立って、知恵を絞りなが
策定)」で定めた10年間の道筋のうち、再生に向け
ら、前向きに、そして明るく、皆様と共に進んでまいり
たインフラ整備などを充実させる「再生期(4年間)」
たいと考えておりますので、より一層の御理解と御
の2年目となります。昨年に引き続き、
「迅速な震災
協力をお願い申し上げます。
つち
大崎市
大崎市
【おおさきし】
復興」、
「産業経済の安定的な成長」、
「安心して暮
らせる宮城」、
「美しく安全な県土の形成」を政策推
進の基本として、復旧・復興を最優先に推進すると
ともに、甚大な被害をもたらした東日本大震災から
本県が「創造的な復興」を成し遂げ、
「生まれてよ
かった、育ってよかった、住んでよかった」と県民の皆
大崎市は宮城県の北西部に位置し、東西に約80㎞の長さを持ち、
様が実感できる宮城県となるよう、着実に歩みを進
奥羽山脈から江合川と鳴瀬川の豊かな流れによって形成された、広
めてまいる所存です。
大で肥沃な平野「大崎耕土」を有しています。四季折々の食材と天然
資源、そして地域文化の宝庫です。
宮城県国民健康保険
団体連合会
介護給付費審査委員会
会 長 清野 正英
会長代理 小林 誠一
外 委員一同
4
みやぎの国保 2015.1[No.259]
宮城県国保診療施設協議会
会長職務代理者
(蔵 王 町 長) 村上 英人
外 役員一同
宮城県国保運営協議会連絡会
保険者データ
会 長
(栗原市国保運営協議会会長) 髙橋 賢昭
●市章
副会長
(気仙沼市国保運営協議会会長) 村田 次男
●人口/134,897人(※1)
副会長
(仙南地方国保運営協議会連絡会会長) 和田 伸一
外 役員一同
●面積/796.76㎢
●人口密度/170.0人/㎢
温泉で心温まるひととき
●世帯数/49,703世帯(※2)
●産業人口構成比
第1次産業
(9.3%)
第2次産業
(29.1%)
第3次産業
(60.7%)
※いずれも平成22年度国勢調査
※1および※2は平成26年10月末現在
みやぎの国保 2015.1[No.259]
5
国保のなかまたち
特
集
【おおさきし】
大崎市
みんな元 気に!
健康ひろば
健康寿命を延ばします!
市町村国保の い ま
大崎市では、毎年「大崎市健康と福祉のつどい」を開催し、
目標・検証のサイクルで効率的な施策を!
大崎市国保の被保険者数は年々減少して
「地域で支え合い健康で元気なまちづくり」に向け、市民の
健康意識の啓発や市民が自ら取り組む健康づくり活動の支
大崎市国保の概況
おり、その減少率は市全体の人口減少の割合
平成24年度
平成25年度
135,695
135,272
を大きく上回っています。また、高齢化や医
市の人口(各年度3月末)
[人]
療技術の高度化などにより、1人当たりの医
国保被保険者数(各年度3月末)
[人]
37,952
36,673
療費が増加し続けているため、保険給付費も
市の世帯数(各年度3月末)
[世帯]
48,875
49,470
国保世帯数(各年度3月末)
[世帯]
20,601
20,265
28.0
27.1
91.34
91.48
一般
35,089
34,138
退職
2,863
2,535
合計
37,952
36,673
一般
295,390
309,191
退職
383,801
341,444
合計
302,170
311,602
40.0
41.4
増加傾向にあることや被保険者数の減少に
よる国保税収の減少も懸念されることから、
医療費の縮減対策、国保税収納率の向上対
策が求められているところです。
大崎市では、今後の国保財政の安定的な
運営を目的として、平成28年度までの収支の
国保加入割合(被保険者数割)
[%]
収納率(現年分)
[%]
被保険者数[人]
(各年度3月末)
見通しや基金残高などを見込んだ国保事業
運営計画を策定していますが、国保税収納
率やジェネリック医薬品普及率、特定健診・
特定保健指導実施率などの各項目について、
年度ごとに数値目標を設定し、毎年度検証す
1人当たり医療費[円]
特定健診受診率[%]
ることにより、諸施策を効果的に実現していけるよう取り組んでいます。
援に取り組んでいます。
今年度は、
「運動・身体活動」をテーマに、これまでの玄米
初めてのスクエアステップ体験
ダンベル体操に加え、ロコモ体操やスクエアステップの専門家をお迎えして、運動器の衰えを予防し、年を
とっても生き生き・健康に暮らせるようにと気軽にできる体操を市民の皆さんにお伝えしました。
健康寿命の延伸は、適度な運動と適切な食生活が大切です。今後も市民の皆さんが取り組む健康増進活
動の支援を進めていきます。
季 節 の 風 物詩
渡り鳥の飛来地
大崎市には、ラムサール条約に登録されている湿地「蕪
栗沼・周辺水田」と「化女沼」があり、
「伊豆沼・内沼」と
合わせると10キロ圏内に三つの条約湿地があります。
かつて日本全国で見られた雁は、湿地の激減により、今
や越冬できる湿地は10カ所程度しかありませんが、毎年、日本に飛来するマガンの約8割がこれらの湿地で
健康づくりで
まちづくり
わがまちの 取 り 組 み
人と渡り鳥が共に生き、共に暮らす風景がある大崎市に、ぜひお越しください。
暦
の
ち
ま
が
わ
自分の地域の状況をみつめて
越冬しています。
県内第2位の面積を有する大崎市は、生活環境や地域性が多様なこ
とから地域ごとに介護認定率やお子さんのむし歯保有率、特定健診・
がん検診の受診状況を保健推進員の研修会や地区健康教室などでお知らせすることで、自分の地域の状況や
健康課題を知ってもらい、健康意識を高めてもらえるように取り組んでいます。
また、特定健診は個別健診か集団健診を自由に選択できるようにし、集団健診では各種がん検診を同日に
受けられる総合健診方式をとり、土日健診や夜間健診、託児サービスなどを行うことで受診
しやすい環境づくりに努めています。
特定健診の受診率は、地域組織の力を借りてさまざまな場面で声掛けをしていただいて
いるおかげで少しずつ上昇していますが、40∼50代の受診率がまだまだ低い状況ですので、
若いうちから健診に関心をもってもらえるような働きかけを工夫していきたいと思います。
6
みやぎの国保 2015.1[No.259]
健康づくり事業
年中(伝統)行事
春
●保健栄養教室
●食生活改善普及講習会
●加護坊桜まつり
●菜の花フェスティバルinおおさき鳴子温泉
夏
●健康増進教室開始
●カミング大崎(おやこ食育教室)
●ひまわりまつり
●おおさき花火大会・古川まつり
秋
●健康と福祉のつどい
●おおさき食の市
●ノルディックウォーキング講座
スノ
●政宗公まつり
●全国こけしまつり
in 中山平
●まつやまコスモス祭り ●ふれあい駅伝大会
●鹿島台互市
●バルーンフェスティバル
冬
●各種健(検)診事後指導強化月間
●雁(ガン)のねぐら入り観察会
●クロスカントリー(田尻)
ーランタンフェスティバル
みやぎの国保 2015.1[No.259]
7
国保徒然
南三陸町町民税務課長
佐藤 和則
[筆者プロフィール]
国保担当歴:1年9カ月
趣 味: 渓流釣り、園芸
(純文学の類等)
愛 読 書: 過去に有り
今目標にしてること: 体重を10㎏落とすこと
震災復興と国保財政
全国からの支援に感謝
持したいと思っております。
復興財源の確保と被災者支援の観点から徴収
体制を強化した結果、国保税の徴収率は県内でも
上位となりました。しかし、国保への加入率も県内
1番で約40%、震災による特殊事情なども加わり
被保険者の異動が頻繁で、保険税や、給付の額に
明けましておめでとうございます。
大きく影響しております。
南三陸町の佐藤です。一昨年の4月から国保を
また、来年度には、被災した公立病院が高台に
担当しております。
移転し業務を再開する予定で、医療供給の充足と
国保業務については、2年目とはいえ制度の運
ともに、給付の動向も気になります。財政の動向
用、保険税、医療の確保、特別会計の財政等々事
については注視していく必要がありそうです。
業を運営する上で、戸惑うことが多く日々課員の
皆さんに助けられております。
保健事業の推進
東日本大震災から3年余り、当町においてもい
みやぎの頼れる
サポーター
櫻井さんのお仕事
を担当している。特定健診の結果説明会や特定保健指導な
どの事業企画のほか、重症化予防のための保健指導、保健
推進員さんや地域のリーダーさんが企画した健康教室、仮
「週1回のジム通い。筋トレ、有酸素運動、ストレッチを
いて市民の健康づくりに取り組んでいる。また、乳幼児健
して汗を流すことが私の健康法です」という。相手に運動
診 のほか、育児や 発 達 の
の大切さ、効果を伝えるためには、自ら実践していくこと
個別支援も行っていて、ま
が大切との考えがあるからこそ続けているそうだ。
さに街の健康の要となって
また、「期間限定ではありますが・・・」と前置きしつつ、
いる。
地区のバレーボール大会やペタンク大会など、地域の方と
交流して汗を流す機会にはなるべく参加しているとのこと。
お仕事の工夫
おられます。
「復興が遅れている」と感じておられ
り、特定健診の結果からも明らかです。
れた。できていることもうまくできていないことも相手の
る町民が相当数あるとのご指摘がありますが、職
第2期の特定健康診査等実施計画では平成26
員一丸となって創造的復興をめざし鋭意取り組み
年度50%を目標にしておりますが、達成は困難な
を進めている状況です。
状況です。計画最終年度の目標値にいくらかでも
当課は、戸籍住民係、税務係、資産税係、国保
近づけるよう抜本的な見直しが必要と考えてお
を担当する医療給付係からなり、27名の課員のう
り、策定予定のデータヘルス計画と合わせ、町の
ち、半数以上を全国からの応援職員が占めており
置かれている状況をしっかり認識し、効果的なア
ます。国保の担当も同様で、全国からの支援に感
プローチを行うことにより、被保険者の健康維持
謝しながらの毎日です。
の一助になるよう頑張りたいと思います。
当初からの国や県からの継続的な支援や徴収努
りますが、この支援に甘えることなくしっかりと自
力により、ここ数年税率を改正せずに今に至りま
立した組織に再生することを誓い、いただいた厚
す。財政運営の都道府県化のこともあり、負担の
意を忘れることなく自分自身も復興を遂げたいと
水準が気になりますが、できるだけこの状況を維
願っているこの頃です。
ご自身の健康法
設住宅に住む男性を対象とした健康教室など、地域に出向
らが答えを導き出せるようにと心がけています」と話してく
災前の事務処理水準を超える体制になりつつあ
たり、心から相手に向き合うことの大切さを改めて教えて
えになれる保健師でありたいとも話してくれた。
者の中には生活習慣病の対象者が増加傾向にあ
厳しい財政状況が続いております。しかし、震災
会うことが多く、保健師としての自分の姿を見つめなおし
櫻井宏美さんは、おもに成人保健、健康づくりの事業全般
が、2,200世帯ほどあり、不自由な生活を続けて
全国からの支援により事務事業が正常化し、震
櫻井 宏美 さん
くれているように感じています」と、そして、その方の支
「相談の場面では、相談者が持つ力を信じて、相談者自
さて、当町の国保の状況ですが、多分に漏れず
東松島市
保健福祉部健康推進課
技術主任兼保健師
東松島市保健福祉部健康推進課に所属している保健師の
長期にわたる仮設住宅での生活などで被保険
自立した組織へ
今回の
サポーター
その人らしい生活が送れるよう
健康づくりを応援したい
まだ仮設住宅、みなし仮設住宅にお住いの方々
難しい財政運営
みんなの
健康を
サポート!
「同世代の方から年配の方まで、地域の方と楽しく会話しな
がら体を動かすのはとても楽しい」と元気よく話してくれた。
気分転換法
すべてを受け止め、どんなことならできそうかを一緒に考
「家族と出かける旅行やコボスタでの楽天戦を観戦するこ
え、できたことをともに喜び、相談者に寄り添いながら支
とが気分転換になっています」とのこと。最近は、子供た
えていける保健師になりたいと語ってくれた。
ちの部活もあって日程調整が難しいらしく、予定をやりく
りしながら、家族で過ごす時間を大切にしているようで、
「吹
仕事上でのエピソード
奏楽部の娘、野球部の息子の追っかけも楽しみのひとつで
す」とうれしそうに答えてくれた。
櫻 井さんにはひとつの「出会い」がある。「櫻 井さん、
元気でしたか?あの時はありがとうございました」と会うた
以前は介護予防の事業に携わっていたという櫻井さん。
びに笑顔で声をかけてくれるGさん。「あの時会えていな
介護予防のためには、運動習慣や正しい食生活、若い世代
かったら、今の私はここにいません。櫻井さんは命の恩人
からの生活習慣病発症予防・重症化予防が大切なのだと現
です」とも言ってくれたそうだ。自身の病気のことで相談
在の部署に異動してからより強く感じるという。「東松島市
に来られたGさんに対し、当時新人保健師だった櫻井さん
健康21計画(第2次)」のキャッチフレーズ「健康と笑顔
は、相手の不安を受け止めるだけで精一杯だったそうで、
「少
でつなぐ市民の輪」のように、その人らしくいきいきとこ
しでも支えになれたらという思いでいっぱいだった」と当
の地域で過ごせる人がたくさん増えるように、よりいっそ
時を振り返りながら話してくれた。その後、Gさんとは不思
う住民、地域、関係機関、行政とで協力しあって健康づく
議な縁があるらしく、「自分がいっぱいいっぱいになって周
りに取り組んでいけるように職場の仲間とともに仕組みづ
りが見えなくなっているときや、自信を無くしているときに
くりをしていきたいと語ってくれた。
櫻井さん、たくさんの質問に答えていただきましてありがとうございました。
8
みやぎの国保 2015.1[No.259]
みやぎの国保 2015.1[No.259]
9
Health Information
関節リウマチのお話し❹
国保制度改善強化全国大会
国保制度の改善強化のため保険者支援制度への公費投入を
−9項目の「決議」と2項目の「特別決議」を採択−
全4回
関節リウマチの治療
11月20日、東京都千代田区「日比谷公会堂」で「国保制度改善強化全国大会」が開催された。
―変貌する薬物療法―
仙台青葉学院短期大学
看護学科 教授
三友 紀男
関節リウマチは薬物療法・手術療法・リハビリテー
極めて優れており、早期から使用することにより、リウ
ションなどが単独にあるいは組み合わせて治療されま
マチ炎症をほぼ完全に抑制し、骨破壊が進行すること
す。活動しているリウマチ炎症には主として薬物療法
を防ぎ、よって運動機能や生活機能に障害を生じさせ
が、骨破壊や関節変形を生じて機能障害を呈している
ないことができるようになってきた画期的な治療法で
例にはリハビリテーションや各種の手術療法などが、病
す(図2)。従来の抗リウマチ薬を使用してもリウマチ
期や病態に応じて選択されます(図1)。
炎症を抑制できない場合には試みてみる価値のある治
療法です。しかし、免疫を抑制することから結核や肺炎
炎症
可逆的
多臓器病変
構造変形
骨破壊
非可逆的
などの感染症や、アレルギー反応などを起こすこともあ
薬物療法
運動
機能障害
関節外障害
リハビリ
手 術
図1
関節リウマチ
臨床像の解析と
治療手段
外的要因
が使用されますが、これらは対症的な効果に止まりま
す。これに対して、リウマチ炎症そのものを抑えようと
齢社会の到来、経済の低迷などから、国保の運営は極めて厳しく、国保財政は深刻さを増し、制度崩壊の危機的な状態
が続いているとの説明があり、国保運営を円滑に推進するためには、国の責任において構造的な問題を抜本的に解決す
る道筋を早急に明らかにすることや制度の具体的な内容について地方団体の意見を十分に聞き、法制等の処置を講じる
ことを強く求めた。また、消費税率10%への引き上げ延期、衆議院解散が表明されたことに対して、保険者支援制度へ
の1,700億円の公費導入が先延ばしにされるのではないかと強く危惧しており、
「国保制度の改善強化の必要性は不可
欠であり、新しい政権に対しても強く求めていかなければならない」と話した。
次に、
「大会宣言」を全国市長会代表の松浦正人山口県防府市長が読み上げた後、塩崎恭久厚生労働大臣(代読:村
木厚子厚生労働事務次官)、高市早苗総務大臣(代読:橋本嘉一総務省大臣官房審議官)、末松信介参議院議員、柳田
稔参議院議員からの来賓挨拶があり、その後協議に入った。
議長団には荒木泰臣熊本県嘉島町長、松浦正人防府市長、坂本和昭大分県九重町長が選出され、全国市議会議長会
代表の岩城昌巳富山県滑川市議会議長が「医療保険制度の一本化の早期実現」など9項目の「決議文」を、三重県国保
連合会理事長の亀井利克名張市長が「国保の保険者支援制度への1,700億円の公費投入の確実な実施」など2項目の
最後は、全国町村議会議長会代表の岩谷真海岐阜県池田町議会議長の閉会の辞で幕を閉じ、決議の実現のため、政
DMARDs
(免疫調整剤)
炎症の進展
府や政府関係者、国会議員などに一斉陳情行動を行った。
疼痛など
抗炎症剤(NSAID)といわれる各種の抗炎症・鎮痛剤
免疫抑制剤
(サイトカイン療法)
素因
誠也大会会長からは、国保の取り巻く状況について、国保制度の構造的な問題に加えて、超高
「特別決議文」を読み上げ、満場の拍手で採択された。
RAの完成
リウマチ炎症や疼痛を抑えるために、非ステロイド性
欠点です。
RA炎症の発症
薬物療法
り、慎重な投与が必要です。また、まだ薬価が高いのも
主催者挨拶として岡
アスピリン
ステロイド
NSAIDs
図2
関節リウマチ
病態と薬物療法
する薬剤が開発されてきています。いわゆる抗リウマチ
リハビリテーションと手術療法など
薬(DMARD)と言われるもので、シオゾールなどの金
リハビリテーションの目標はリウマチ炎症による疼
剤やペニシラミンなどのSH化合物などです。さらに近
痛を抑え、関節可動域や筋力を保持させ変形の予防
年、関節リウマチ炎症の免疫学的過程の解明が進み、
と生じてしまった変形の矯正をはかることにあります。
その過程を是正することによって、リウマチ炎症を抑制
手術療法は生じた変形を手術的に矯正したり、破壊さ
していこうとする各種の免疫抑制剤が開発され、臨床
れた関節を人 工的な関節で置換する治療などが行わ
に供されるようになってきました。
れ、失われた運 動機能の再獲得に大きな成果をあげ
免疫抑制剤・生物学的製剤の登場
ています。
メソトレキサート(リウマトレックスなど)やいくつか
健康的な生活習慣の実践を
の生物学的製剤と言われる薬剤です。とくに、後者はリ
関節リウマチの治療として薬物療法、リハビリテー
ウマチ炎症の進展に深く関与することが分かってきた
ション、手術療法をあげてきましたが、それ以前に基
TNFαやIL6と呼ばれるサイトカインや免疫現象を統
礎療法が極めて重要です。まず関節リウマチについて
御するTリンパ球を標的として、関節リウマチ患者で亢
正しい知識を持ち、基本的な健康的な生活習慣を身に
進しているその活性を抑制する抗体を薬剤化したもの
つけ、それを日々実践していくことが何よりも大切です。
です。現在7種類の製剤が使用されており、その効果は
本会浅野副理事長から陳情書を受けとる秋葉賢也衆議院議員
(左)
と伊藤信太郎衆議院議員
(右)
10
みやぎの国保 2015.1[No.259]
和田政宗参議院議員に手渡す本会保理常務理事
みやぎの国保 2015.1[No.259]
11
平成
26年度
表 彰
国保関係功績者厚労大臣表彰
国民健康保険事業に対する永年の功績と尽力をたたえる
「国保関係功績者厚労大臣表彰」の式典が10月20日に東京で開催され、
国民健康保険中央会表彰
宮城県からは3名が受章されました。
国保診療報酬審査委員会委員
鈴木範美
市町村職員
塩竈市 小
野 廣
塩竈市 山本多佳子
氏
宮城県国民健康保険
診療報酬審査委員会委員
小野寺 亮
佐藤 隆保
氏
宮城県国民健康保険
診療報酬審査委員会委員
氏
石巻市国民健康保険
運営協議会委員
気仙沼市 茂
木和恵
名取市 安部久美子
名取市 山
崎貴子
登米市 小
平成
26年度
国民健康保険中央会表彰・
宮城県国民健康保険団体連合会理事長表彰
11月12日開催の「こくほ健康フォーラ
林明美
東松島市 梶原智栄子
大崎市 大 宮 昭 子
大崎市 大内久美子
大崎市 山 中 愛 子
大崎市 遊 佐 昌 子
大崎市 氏 家 玉 枝
大崎市 大 森 志 津
大崎市 齋藤エミ子
ム21」で、国民健康保険中央会表彰およ
七ヶ浜町 瀬
戸琴子
七ヶ浜町 海野みよ子
七ヶ浜町 板 橋 由 紀
び宮城県国民健康保険団体連合会理事
長表彰の授与式が挙行され、永年の国保
事業への功績をたたえ65名の方々が表
七ヶ浜町 神名川里美
彰されました。
七ヶ浜町 佐藤真紀子
受賞者については13ページに記載のと
おりです。
(敬称略)
国民健康保険診療施設勤務者
市町村保健師・栄養士等
気仙沼市 大
原幸子
気仙沼市 佐々木美知子
気仙沼市 佐 藤 守 子
栗原市 佐
石巻市 小
山絹枝
石巻市 西 條 清 美
石巻市 中 野 浩 美
藤悦郎
登米市 鈴
市町村保健師
佐藤 勤
宮城県国民健康保険団体連合会理事長表彰
木正彦
丸森町 小 野 里 華
丸森町 山 口 郁 子
丸森町 藤森美代子
涌谷町 黒 澤 洋 子
涌谷町 小野江里子
涌谷町 久 保 伸
涌谷町 藤 嶋 毅
国民健康保険組合職員
白石市 半沢美根子
栗原市 佐
藤菊子
栗原市 佐 藤 典 子
栗原市 髙 橋 淑 代
栗原市 長 倉 郁 美
登米市 星 美 加
登米市 細 浦 育 子
登米市 吉目木美香
東松島市 齋 藤 真 理
東松島市 櫻
大崎市 二階堂浩子
大崎市 南
條潤子
柴田町 加 茂 隆 子
宮城県歯科医師国民健康保険組合 荘司秀憲
宮城県医師国民健康保険組合 園田眞希
国民健康保険団体連合会職員
及川由美子
鴇田健司
門間昌子
井宏美
山元町 佐
藤睦美
七ヶ浜町 藤 井 智 子
女川町 三浦ひとみ
女川町 佐 藤 由 理
加美町 工 藤 拡 子
市町村職員
七ヶ浜町 渡
辺晶子
国民健康保険診療施設勤務者
表彰式の様子
国民健康保険中央会表彰代表受領
および代表謝辞
気仙沼市 岩
宮城県国民健康保険団体連合会
理事長表彰代表受領
渕照美
気仙沼市 三 浦 有 里
丸森町 大内久美子
涌谷町 山崎千賀子
涌谷町 上
野恵子
国民健康保険組合役員
宮城県医師国民健康保険組合 佐々木悦子
七ヶ浜町 12
海野 みよ子
みやぎの国保 2015.1[No.259]
氏
栗原市 佐藤 菊子
氏
受賞者の方々には心からお喜び申し上げますとともに、今後ますますのご健勝、ご活躍をお祈り申し上げます。
みやぎの国保 2015.1[No.259]
13
こくほ健康フォーラム 21
こくほ健康フォーラム 21
特別講演
ガッテン流で健康づくり∼メタボ対策&おいしい健康生活のススメ∼
はじめに講師である元NHK「ためしてガッテン」演出担当デスク
−み や ぎ 健 民 を 目 指して−
の北折一氏から「メタボ対策をしながらおいしいものを食べるのは
11月12日「仙台国際センター」を会場に、国保・保健・介護・福祉関係者471名参加のもと「こくほ健康フォーラム21」を開
較した写真がスクリーンに映しだされると会場からは体型の変化に
このフォーラムは、国保連合会が県民の健康づくり運動を総合的に推進し、健康保持増進に寄与することを目的に毎年開
り体重を減らす」ことであるとし、自身の体験談を踏まえながらのダ
簡単だという証拠をお見せします」と、自身の以前と現在の体型を比
驚きの声があがった。ダイエットに成功するただ1つの鉄則は「ゆっく
催した。
催している。
今年は、
「第2次みやぎ21健康プラン」や多職種連携という観点を軸に全体を構成し、特別講演では「脱メタボ」、パネル
ディスカッションでは「減塩」
「口腔衛生・歯科保健」
「運動」をテーマに、
それぞれ講師やパネリストを招き、講演などを行った。
特別講演を行う北折一氏
イエット法の説明に会場からは笑い声や感心の声が聞かれた。
会場には笑顔があふれていた
講演では、○×クイズ形式で会場の参加者が一緒に考えられるよう
に進められ、その中で、
「世間で話題になっていることやテレビで言っていることが真実とは限らない」と話し、具体的に過去に流行し
たダイエット法などを紹介し、ユーモアを交えながら参加者に「自分が飛びつき体質ではないかを考えてほしい」と注意を呼びかけた。
また、講演後に行われるパネルディスカッションで発表予定の「歯の健康」に関連して、寝たきりの患者が口腔内を清潔にした
り、かむ力を高めることによって、翌日には1人で歩けるようになった事例などを紹介しながら、かむことや口腔内の健康がいかに
大切であるかを説明した。
最後に、
「みなさんには予防をする力があるので、ぜひ地域での活動をがんばってもらいたい」と締めくくると、参加者からの大き
な拍手で会場内は包まれた。
パネルディスカッション
我がまちの健康づくり・まちづくり
パネルディスカッションでは、
コーディネーターを昨年に引き続き仙台白百合女子大学人間学部健
康栄養学科の佐々木裕子准教授が務め、パネラーに新潟県妙高市を
はじめ、3団体の方々を迎えて、それぞれの地域や
自治体での取り組みについて発表が行われた。
活力ある福祉社会を目指し、連携と協力を
はじめに佐藤理事長(塩竈市長)が挨拶に立ち、東日本大震災から1343日目
であることにふれ、
「復興への道のりはいまだ厳しい環境が続いている」とし、宮
城県の復旧復興のため懸命の努力をされている参加者の方々に対して感謝を述べ
た。また、国保保険者の都道府県化の議論、
「第2次みやぎ21健康プラン」の健
佐藤理事長
(塩竈市長)
康課題についてふれ、活力ある長寿、福祉社会の実現を目指すため、関係者の連
携と協力を求めた。
この後、来賓の村井嘉浩宮城県知事(代読:宮城県保健福祉部
次長山口浩徳氏)、岡
テーマ/妙高市の健康づくり活動
「自分の健康は自分で守りつくろう」
テーマ/「歯は命に関係ないからね」
妙高市では「総合健康都市妙高」の推進を行政経営
涌谷町では昔から子どものむし歯の罹患率が高く、歯
方針の第1にしている。健康づくりの環境を整え、市民の健康意識を高め
科事業に力を入れている。乳幼児健診ではフッ素塗布を行うなどさまざま
る取り組みを行い、厚労省から表彰されている。
(「健康寿命をのばそ
な取り組みを行っている。成人・高齢者へは、30歳以上を対象とした歯科
う!アワード」優良賞受賞)
健診の実施や涌谷町町民医療福祉センターで個別相談などをしている。
妙高市の健康課題として食塩の過剰摂取が挙げられ、その理由を分析
涌谷町は、
「健康寿命100歳宣言」を行い、元気な高齢者でいるため
し、「みょうこう減塩生活大作戦」として生涯を通じた働きかけに取り組ん
には、生涯自分の口から食べることは不可欠であり、そのためにも子ども
でいる。また、食生活改善による生活習慣病予防をすすめているほかにも、
の頃からの生活習慣が大切である。口からおいしく食べる事は全身の健
運動教室参加などの健康づくりへの取り組みに対してポイントを付与し、健
康に大きく関係し、健康寿命の延伸につながる。
『歯は命に関係がある』
康グッズなどへの交換ができる健康妙高エコマイレージ制度がある。
ので、歯から自分の健康を振り返る良い機会にしてほしい。
山元ノルディックウォーカーズ 星稔さん
テーマ/山元ノルディックウォーカーズの活動
山元ノルディックウォーカーズは、平成19年に東北福祉大学が行ったノルディック
会員は男性が13名、女性が41名、最高齢は81歳の会員がいる。
震災以降、支援してもらった方々への恩返しとして「復興ノルディックウォーキング」も開催してい
演、パネルディスカッションへと移った。
みやぎの国保 2015.1[No.259]
涌谷町 須田亜津美さん
行うほか、季節の行事も行っている。また、県内、県外の町のサークルとも盛んに交流を行っている。
引き続き、国保功労者への表彰状授与を執り行い(関連:P12、P13)、その後特別講
14
妙高市 飯吉あずささん
多数寄せられたことから、会として発足した。活動としては週3回ウォーキングを
辞をいただいた。
られ、盛会のうちに終了した。
山元ノルディックウォーカーズによる山元体操
ウォーキングの研究事業から始まり、事業終了後にも、
「継続してほしい」との声が
誠也国保中央会会長(代読:飯山幸雄常務理事)からそれぞれ祝
参加者からはさまざまな活動状況を聞くことができ、大変勉強になったとの感想が寄せ
宮城県保健福祉部
次長山口氏
コーディネーターの
佐々木准教授
国保中央会
常務理事飯山氏
る。一日でも健康寿命を延ばすことを目標に今後も続けていきたい。
お揃いのTシャツで 男前 です
※フォーラムの内容については抄録作成予定。
みやぎの国保 2015.1[No.259]
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連合会コーナー
連合会コーナー
認知症予防のポイントは「簡単」なことを「素早く」
!
平成27年度介護保険事業計画および
手数料などについて全件了承される
けやきの会研修会
平成26年度第1回介護保険調査研究委員会
けやきの会研修会を9月16日(宮城県自治会館)と9月29日(大
崎市古川保健福祉プラザ)に2会場で開催した。
10月30日(木)本会第2会議室で、平成26年度第1回介護保険調査研究委
午前の部は、認知症サポーター養成講座と題して、認知症キャラ
員会を開催し、平成27年度の介護保険事業計画および手数料などについて協議
バンメイト(仙台地区・大崎地区)の方々に講演をいただいた。
を行った。
はじめに、本会保理常務理事が挨拶を行い、来年度は大幅な制度改正がある
はじめに認知症の人は全国で800万人いると言われており、認知
挨拶をする保理常務理事
ことにふれ、
「介護予防・日常生活支援総合事業への移行について保険者の事
症が増えた理由としては、高齢化社会のためと認知症への関心が高
まり受診率が増えたことも要因であると説明があった。
務負担を軽減できるように努めてまいりたいので積極的な活用をお願いしたい」と述べ、今後の事業運営に理解を求めた。
協議事項として、
①平成27年度国保連合会事業計画、審査支払手数料等介護保険業務の説明を行い、来年度手数料
は63円のまま据え置きとすることを含め、全案了承された。次に②介護保険主管課長会議については、平成27年度にお
ける審査支払手数料は据え置きとなること、また、各市町村は、予算編成等の事務作業で多忙であることなどを考慮して、
本会からの通知文書をもって同会議の開催に代えることで了承を得た。最後に、介護給付適正化縦覧点検手数料は当分
の間徴収しないこと、苦情・相談業務に係る保険者負担については今後検討していきたいことおよび平成29年度までに移
行される「介護予防・日常生活支援総合事業」について国保連合会の活用ならびに委託契約書について現時点での情報
等を説明した 。
認知症は、日常生活に支障をきたすようになった状態のことで、認
知症の物忘れは健康な物忘れと異なり、①しょっちゅう忘れる、②体験
をまるごと忘れる、③現在から過去に向けて忘れる(昔話をよくするよ
うになる)、④物忘れの自覚がない、という特徴がある。
みんなで楽しくジャンケンポン!
認知症高齢者への接し方のポイントとしては、①不安感を取る工夫をする、②楽しい明るい気分で接する、③相手のペース
に合わせて、ゆっくり行動する、④目を見て話しかける、⑤穏やかな口調ではっきりと話す、⑥指示はなるべく簡潔に言う、⑦近
くで話す(面接の距離)、⑧理屈での討論は避ける、⑨間違った行動を受け入れる、⑩一人で抱え込まない、などである。
講演の最後には、認知症の理解を深めるために、紙芝居や寸劇を行い、寸劇では参加者が認知症役を体験した。
午後の部は、「認知症予防のための運動」と題して、宮城県成人病予
防協会の健康運動指導士である北目氏から講演をいただいた。
北目氏は、簡単な計算と簡単な運動を同時に素早く行うことで前頭前野
が刺激され認知症予防になるため、簡単な事をいかに早くできるかがポイン
平成27年度事業計画および
負担金などについて全件了承される
トであると述べた。また、運動として「これをやれば、認知症にならない」
というものはないので、いろいろな運動をして予防していくことが大事である
と強調した。
平成26年度市町村国保主管課長・国保組合事務(局)長会議
11月27日(木)本会第2会議室で、平成26年度市町村国保主管課長・国保
参加者からは「認知症の現状や症状・接し方など楽しく理解できた」「教
紙芝居を使って認知症を説明
えていただいた運動を広めていきたい」などの感想が寄せられた。
組合事務(局)長会議を開催し、平成27年度の事業計画および各種負担金・
手数料など予算概要と運営方針について協議した。
KDBシステム公開に向けた保険者説明会を実施
はじめに挨拶に立った保理常務理事は、国保中央会における次期国保総合シ
国保データベース(KDB)システム保険者説明会
ステム開発の取り組み状況、国保連合会の剰余金に係る法人税課税問題への対
応についてふれ、
「不確定要素が多く、来年度以降はかなり厳しい財政運営を強
10月15日本会第2会議室で国保データベースシステム(KDB)保険者説明会を開催した。
いられるのではないかと大変危惧しているが、今後も費用対効果を意識しながら
適正な運営に努めてまいりたい」と述べ、今後の事業運営に理解を求めた。
次に、理事長の諮問機関である「国保問題調査研究委員会」の協議内容に
開会に当たり、本会田中事業推進課長から「データヘルス計画策定には、電子的ツールによりデータ分析を行った上で
報告する仙台市の鈴木保険年金課長
ついて、同委員会委員長である鈴木慎太郎仙台市保険年金課長から報告を受け、その後協議に入った。
協議事項として、平成27年度国保連合会事業計画および負担金などについて、一般負担金は据え置きとし、消費税増
税に対応した予算措置をすることなどを説明した。
次に、保険財政共同安定化事業および高額医療費共同事業について、安定化事業はこれまで30万円以上の医療費が
対象となっていたが、平成27年度から全ての医療費が対象となることや、当初予算の平均額を下回る交付状況になってい
る経緯などの説明を行い、保険者に理解と協力を求めた。
その後、報告事項として、国保総合システムに係る稼働状況、宮城県国保連合会保健事業支援・評価委員会、国保デー
タベース(KDB)システムの3点についての報告を行い、全日程を終了した。
16
みやぎの国保 2015.1[No.259]
の計画策定が定められている。
KDBはその電子的ツールにあたるものであり、保険者の計画策定の取り組み支援のため、
今月からの運用開始とすることになった。本県のKDBシステムの運用開始は途中参加となるため、10月の公開当初はデー
タ蓄積が限定されている状況である」と挨拶があった。引き続き、担当者からシステムの概要と操作方法について説明、
一部帳票を使った活用方法などを説明するとともに、KDB システムの公開を10月20日
として、「KDBシステムを利用した帳票データの作成業務に関する委託契約書」を確
認でき次第、順次IDを送付することを伝えた。
なお、データヘルス計画について、各保険者が策定する計画等への支援・評価な
どを行うため、10月に保健事業支援・評価委員会を設置したことや計画策定に関し、
「データヘルス計画策定の手引き」が6月12日に厚生労働省から通知されていることな
ど、データヘルス計画等の情報提供を行い終了した。
みやぎの国保 2015.1[No.259]
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連合会コーナー
連合会コーナー
特定健診「気軽に」
「待たせない」をコンセプトに!
重要なのは滞納者との「対面交渉」
平成26年度特定健診・保健指導実践者スキルアップ研修会
平成26年度国民健康保険料(税)収納対策研修会
宮城県保険者協議会と本会・宮城県の共催による平成26年度特定健診・保健指導
11月18日、本会第2・3会議室で、宮城県との共催による平成26年度国民健康保険料(税)
村国保、被用者保険の医療保険者から事務職と保健師などの専門職の方々が出席した。
研修会は、前々年度から講師を依頼している公益財団法人東京税務協会専任講師で、東
実践者スキルアップ研修会を10月7日(火)ホテル法華クラブ仙台で開催し、県内市町
収納対策研修会を開催し、県内市町村担当職員36名が出席した。
はじめに、本会田中事業推進課長から、
「特定健診受診率および保健指導終了率と
京都在職中、収納率トップ職員として20年以上の実務経験を持つ青柳進氏を招き、3年目
自身の体験談を交えながら滞納整理に
ついて話す青柳氏
も前年度より上昇しているが、国の目標値には達していないことから、本日の研修で、よ
の集大成として「収納率向上のための対策」と題した講演と「事例による滞納整理の着眼
午前の部の研修は、協会けんぽの保健事業の取り組みとデータヘルス計画について、
はじめに、「厚労省からの通知に基づき現場で行っていることをおさらいするような形でお話しする」とし、社保加入などによ
り多くの事を習得され良い結果に結びつくことを期待したい」と挨拶があった。
全国健康保険協会宮城支部の奥山雄介氏に講演をいただいた。
特定健診実施率向上のための取り組みとして、広報では健診のメリットについて漫画
を用いて周知し、健診体制の環境づくりについては、市町村が実施するがん検診と被扶
点∼年金収入では暮らせない∼」を題材にグループ討議を行った。
「いかに受診してもらうかが重要」と話す
奥山氏
る賦課の誤り、資格喪失者への課税誤りなどがあるため、国民健康保険料を滞納した状態の方が全て滞納者になるとは限らな
いという国民健康保険特有の問題点について指摘した。
講演では、事務手続きの流れや関係法令について具体的事例や体験談を交えながらの説
養者向けの特定健診を同時に受診でき、なおかつ費用負担なしで受診することを可能にした。また、未受診者に対しては、
明があり、その中で「自治体の職員の仕事は納税者との交渉である」と滞納者との対面交
大型ショッピングセンターで特定健診を自己負担なしで実施し「気軽に」「待たせない」をコンセプトに「ショッピングの合間
渉の重要性を述べた。講演の最後には「滞納整理は市民のため」など徴収担当者の心構
に健診を」という新しいスタイルを提案したことなど、さまざまな工夫した取り組みについての紹介があった。
えを示した。
を目指した取り組み(コラボヘルス)および重症化予防対策を基本的実施事項として位置付けており、詳細の計画はホー
交換が活発に行われ、各グループからは問題解決へのさまざまな着眼点などが発表された。
データヘルス計画については各支部で策定され、特定健診・特定保健指導の推進、事業主等の健康づくり意識の醸成
次に、グループ討議では、演習問題に対して各市町村の状況などを踏まえながらの意見
ムページに掲載予定であるため参考にしてほしいと説明があった。
午後の部は、昨年に引き続き、ドリームフィールド代表の阿部侑生氏に、「特定保健指導に活かせるコーチング∼相手も
自分も楽になるコミュニケーション」と題し、講演をいただいた。
最後に講師から「滞納整理の解決策は完全な1つの答えが存在するわけではない」との
講師のアドバイスに聞き入る参加者
話しがあり、いろいろな視点から解決策を導き出すことの重要性を説明し、研修会は終了した。
阿部氏は「1日のうち1番長くコミュニケーションをとっているのは誰かと言えば、「自分」である。他人とコミュニケーション
をとる前に、まずは自分を知ることが重要であるため、他人からどのように見られているのかを認識してほしい」と強調した。
また、
「安心感と信頼感を与え、相手に好かれる『聴き方』7つのコツ」や「あること(事実)、ないこと(概念)の区別」
国保・後期高齢者データヘルス計画を支援
などについて、ゲームや会話を通して人に伝えること、聴くことなどの演習を行い、自分の行動を振り返る講義内容であった。
保健事業支援・評価委員会を開催
きた」
「聴き手の『聴こうとする態度』の大切さが実感できたので仕事に活かしたい」などの感想が寄せられた。
12月10日(水)本会第2会議室で第1回保健事業支援・評価委員会を開催した。
出席者からは、
「他の保険者の取組状況を聞くことができ非常に参考になった」「参加型の研修で実際に体験して理解で
委員会の冒頭、本会保理常務理事から5人の委員に委嘱状を交付したのち、「厚生労
働省では、平成26年3月に『健康保険法に基づく保健事業の実施に関する指針』の改正
により健診情報や医療情報等を活用してPDCAサイクルに沿った効果的・効率的な保健
事業の実施を図るための保健事業の実施計画(データヘルス計画)を策定し、計画に基
辻委員長
づいた保健事業の実施とその評価を行うこととなり、本会に本委員会を設置した」と挨拶があった。
委員会では、始めに委員長と副委員長、保健事業支援部会委員の選任が行われた(下表)。その後、委員会の運営方
針として、平成26年8月に国保中央会か
ら示された「保健事業支援・評価委員会
ガイドライン」に沿った運営を行うことと、
「自分がどう見られているか知ってほしい」
と話す阿部氏
国保ヘルスアップ事業申請保険者の状況
等について、意見交換を行い終了した。
宮城県国民健康保険団体連合会保健事業支援・評価委員会委員名簿
氏 名
備 考
辻 一郎
東北大学大学院医学系研究科
社会医学講座公衆衛生学分野 教授
委員長
吉田 俊子
宮城大学看護学部長 教授
副委員長
佐々木 裕子
仙台白百合女子大学健康栄養学科公衆栄養学 准教授
鈴木 寿則
仙台白百合女子大学健康栄養学科公衆衛生学 准教授
遠藤 三惠
宮城県保健福祉部健康推進課技術補佐
保健事業支援部会委員名簿
氏 名
18
みやぎの国保 2015.1[No.259]
任期:平成29年9月30日まで
所 属
任期:平成29年9月30日まで
所 属
佐々木 裕子
仙台白百合女子大学健康栄養学科公衆栄養学 准教授
鈴木 寿則
仙台白百合女子大学健康栄養学科公衆衛生学 准教授
赤間 由美
宮城大学看護学部看護学科 助教
みやぎの国保 2015.1[No.259]
19
U
ポイント
アップ
登米といえば油麩!
P
美味レシピ
うま
今回紹介する料理は登米市に伝わる食材で手軽にできる副
菜を紹介します。
1品目のもくもく煮は油麩を使った料理です。油麩は登米市
の特産品になっており、ご当地グルメの「はっと」や「油麩丼」が
登米市役所
津山総合支所市民課
技術主幹
(職歴30年)
丹野 良江
好きな料理:野菜料理
❶ もくもく煮
栄養源として使われており、野菜との相性が良いことから炒め
物や煮物と広く利用されてきました。
2品目のあえ物とおひたしに使われている枝豆、菊は家庭で
収穫した際に、保存食として常備され、お茶うけや精進料理と
して親しまれてきました。
(もくもく煮は平成6年みやぎの新しい味を伝えようお母さん旬に掲載されています。)
エネルギー:130kcal
タンパク質:3.7g
塩分:1.3g
1人分の
栄養価
あります。昔は夏の食材として暑い時期に肉のかわりの貴重な
材料(4人分)
油麩
ジャガイモ
ニンジン
昆布
さやえんどう
だし汁
しょうゆ
砂糖
みりん
作 り 方
16㎝
240g
80g
約8㎝
12g
300cc
大さじ2
大さじ1
大さじ1
❶ジャガイモは皮をむき4つに切る。ニンジンは皮をむいて乱切り
にする。
❷油麩は2㎝厚さの輪切りにし、昆布は1.
5㎝角に切る。
❸さやえんどうはゆでて斜め薄切りにする。
❹厚手の鍋に❶とだし汁を入れ火にかけ煮立ってきたら❷と調味料
を加え弱火でコトコト煮る。
❺煮汁がなくなったら器に盛り❸のさやえんどうを散らす。
❷ ひじきと柿の白あえ 菊のおひたし
・油麩は登米市に伝わる食品で町の特産品になってい
て、みそ汁、そうめん、うどん、炒めものに利用され
ています。油麩に味がしみ込んで弁当にも合います。
作 り 方
<ひじきと柿の白あえ>
❶水洗いしたひじきをやわらかくなるまで水に浸しさっとゆでておく。
❷ 糸こんにゃくもゆでて食べやすく切っておく。柿は皮をむいて短冊に
切っておく。
❸豆腐は水気をきっておく。
❹くるみはすり鉢でよくすりつぶし、❸を加えてさらによくすり、調味料
で味をととのえあえ衣をつくる。
❺❹にゆでてはじき出した枝豆、糸こんにゃく、柿、ひじきをを加えてあえる。
<菊のおひたし>
❶しめじは洗って根本を切って、小房にし、さっとゆでておく。
❷春菊はたっぷりの湯でさっとゆで、3センチ長さに切っておく。春菊の
ゆで汁に酢大さじ1を入れ、菊の花びらを入れゆでて水にさらし絞って
おく。
(保存した黄菊を使うと便利)
❸❶と❷を混ぜだし汁、しょうゆ、塩で調味し器に盛り付け柚子を添えて
できあがり。
・白あえの衣は豆腐をビニール袋に入れつぶしても手軽にできま
す。くるみの他、白すりごまでもOKです。
・菊のおひたしに使うきのこは、なめこや、えのきでもおいしく
いただけます。食物繊維も豊富な1品としておすすめです。
宮城県国民健康保険団体連合会
みやぎの国保
KOKUHO
20
MIYAGI
2015
WINTER
[No.259]
ひじきと柿の白あえ
菊のおひたし
材料(4人分)
<ひじきと柿の白あえ>
ひじき(乾燥)
30g
糸こんにゃく
20g
柿
1個
枝豆
50g
1人分の栄養価
<菊のおひたし>
しめじ
春菊
菊
柚子
くるみ
豆腐
塩
砂糖
枝豆(飾り用)
2g
100g
0.5g
20g
適量
エネルギー:127kcal
タンパク質:8.5g 塩分:0.5g
50g
だし汁
1/3カップ
100g
塩
0.6g
80g
しょうゆ
0.6g
少々
酢
大さじ1
エネルギー:14.1kcal
1人分の栄養価
タンパク質:1.4g 塩分:0.6g
[発 行 月]平成27年1月
[発 行 所]宮城県国民健康保険団体連合会
(宮城県仙台市青葉区上杉1丁目2-3)
[ T E L ]022
(222)
7070
[ U R L ]http://www.miyagi-kokuho.or.jp
[印 刷 所]株式会社ユーメディア
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