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環境報告2012

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環境報告2012
環境報告2012
トップメッセージ
社長あいさつ
1
代表取締役社長 唐池恒二
基本理念・基本方針
地球環境保全活動の基本理念
環境マネジメント
環境マネジメントシステム/事業活動と環境負荷/環境活動の歩み/第三者所感
地球温暖化防止に向けて
地球にやさしい鉄道輸送/省エネ型車両の導入の推移/九州を走る省エネ型車両/
2
3
7
効率的なエネルギー利用/一人ひとりができること/JR博多シティの主な取組み
地球環境との共生
3Rの取り組み/環境にやさしい製品の購入/
19
化学物質の管理/騒音対策
鉄道利用による環境貢献
交通体系全体でのCO2排出量削減
九州各地での取り組み
九州各地からの「エコだより」
グループ会社の取り組み
JR九州グループ会社の取り組み
編集方針
25
27
28
30
JR九州 環境報告2012
トップメッセージ
トップメッセージ
社長あいさつ
地球環境保全、特に地球温暖化問題は21世紀における世界共通の課題であり人類が取り
組むべき重要な問題の一つです。日本においても、低炭素社会づくりに向けて、国を挙げて
地球温暖化防止に取り組んでいるところであり、かけがえのない地球環境の恵みを将来につ
なぎ、持続可能な社会を構築していくために、私たち一人ひとりがこれまでのライフスタイ
ルやビジネススタイルのあり方を見直していくことが今、求められていると言えます。
当社でも、2012年度よりスタートしたJR九州グループ中期経営計画「つくる2016」に
おいて「効率的なエネルギーの利用などによる環境経営の推進」を掲げ、鉄道事業をはじめ
地域に密着したさまざまな事業を展開していく中で持続可能な社会づくりに貢献すること
が、重要な経営戦略の一つであると位置付けています。
現在、我が国のエネルギー政策について議論がなされているところです。こういった状況
のなか、CO2排出量が少なく、エネルギー効率の高い鉄道が果たす役割は大きくなっていま
す。さらには、当社が従来より進めてきた環境保全の取り組みについても、重要性が高まる
と考えます。
当社において、引き続き、省エネ型車両の導入を進めるとともに、効率的なエネルギーの
使用や資源の有効活用、廃棄物の削減、化学物質の適正な管理及び環境法令への適切な対応
などの取り組みを継続していきます。さらには、太陽光等の新たなエネルギーの活用や蓄電
池を活用した電車の開発など、幅広い視点で技術革新等を図っていきたいと考えています。
東日本大震災の発生により、我が国の電力構造ひいては社会全体の構造の見直し機運が高
まる中、当社を取り巻く経営環境は人口減少・少子高齢化等も相まって非常に厳しい状況が
続くと想定されますが、会社発足25周年を迎え、これからも、社員の地球環境保全に対す
る意識を醸成していくとともに、環境への負担が少ない乗り物である鉄道をより多くのお客
さまにご利用していただけるよう、安全で快適な輸送サービスの提供に努めてまいる所存で
す。
本報告をご一読いただき、当社の環境への取り組みについてご理解いただければ幸いに存
じます。
2012年9月
代表取締役社長
唐池 恒二
ー1ー
JR九州 環境報告2012
基本理念・基本方針
基本理念・基本方針
地球環境保全活動の基本理念
基 本 理 念
JR九州グループは、総力をあげて地球環境保全に取り組み、持続可能な社会づくりに
貢献します。
基 本 方 針
1. 地球環境保全に関する技術の導入や創意工夫により、効率的なエネルギーの利用を
推進し、地球温暖化の原因となるCO2排出量削減に努めます。
2. 廃棄物の削減やリサイクルを進め資源の有効活用に努めるとともに、環境汚染物質
を適正に管理・処理します。
3. 環境にやさしい鉄道をより多くのお客さまにご利用していただけるよう安全で快適
な輸送サービスの提供に努めます。
1999年に設置したエコロジー委員会において地球環境
保全活動に対する基本理念・基本方針を定め、地球環境
保全への取り組みを推進してきましたが、近年の環境問
題に関する情勢の変化を踏まえ、2008年に基本理念・基
本方針の見直しを行いました。
当社の基幹事業である鉄道は、エネルギー消費効率が
良く、環境への負荷が少ない乗り物です。この特性をさ
らに高めるために省エネ型車両の導入などによる効率的
なエネルギーの利用に努め、地球温暖化の原因となる
CO2排出量の削減を図ってきました。
また、地球環境に影響を与える環境汚染物質を適正に
管理・処理し、資源循環や廃棄物の削減にも取り組み、
環境負荷の低減に努めています。
ー2ー
エネルギー消費効率の優れた車両
JR九州 環境報告2012
環境マネジメント
環境マネジメント
環境マネジメントシステム
JR九州では、環境マネジメント体制を構築して、地球環境保全活動を推進しています。
エコロジー委員会組織体制
1999年3月に、環境保全への対策を継続的に進めるため、基本方針などの必要事項の審
議・決定を行う機関として、社長を委員長とする「エコロジー委員会」を設置しました。
また、さまざまな環境問題に関する実施計画、目標設定や実績報告、活動の推進等を図
る機関として、委員会のなかに4つの専門部会を設定しました。各専門部会は、社内だけ
でなく、グループ会社とも連携して、環境保全に関するテーマを掲げ、具体的な目標を設
定して取り組んでいます。
エコロジー委員会
委員長:社長
副委員長:総合企画本部長
委員:本社常勤取締役、経営企画部長、総務部長、財務部長
事務局:経営企画部
環境管理
専門部会
エネルギー管理
専門部会
[主な活動内容]
環境汚染物質管理
専門部会
[主な活動内容]
[主な活動内容]
省資源・リサイクル
専門部会
[主な活動内容]
広報活動
省エネルギー法対応
CO 2 、NOx削減
廃棄物量の削減
環境報告書作成
新エネルギー導入の検討
騒音対策
廃棄物の再資源化
社内啓発活動
消費エネルギーの削減
PCB、PRTR管理
水、光熱消費削減
グリーン購入
ISO14001の認証取得
2000年4月21日、小倉総合車両センター(旧小倉工
場)は、環境マネジメントシステムの国際規格である
ISO14001の認証を取得しました。
また、グループ会社においても、現在4社が認証を取
得しています。
■グループ会社のISO14001認証取得状況
会社名
取得年月
(株)ケイ・エス・ケイ 小倉車両事業所
2000年4月
ジェイアール九州メンテナンス(株) 南福岡事業所
2003年3月
ジェイアール九州メンテナンス(株) 小倉工場事業所
2003年4月
九鉄工業(株)
2004年3月
ジェイアール九州コンサルタンツ(株) 本社
2006年3月
※(株)ケイ・エス・ケイ小倉車両事業所、ジェイアール九州メンテナンス(株)小倉工場事業所
については、小倉総合車両センター関連企業として取得。
ー3ー
小倉総合車両センター
JR九州 環境報告2012
環境マネジメント
事業活動と環境負荷
事業活動と環境負荷について
JR九州では、事業活動に伴い、エネルギーや水などの資源を消費(インプット)し、
CO2などを排出(アウトプット)しています。
全社を挙げて、エネルギー使用量等の削減に努めましたが、九州新幹線全線開業によ
り、前年度と比べて、エネルギー使用量は大幅に増加しました。
762
195
(前年度比 +6.0%)
208
(前年度比 △8.9%) (前年度比 △1.2%)
682,726 千 kWh(前年度比 +7.4%)
51,887
594,484千kWh (前年度比 +9.0%)
1,316
(前年度比 △6.0%)
(前年度比 △1.9%)
(前年度比 △0.8%)
3
3
1,702
1,008
(前年度比 +7.4%)
(前年度比 +4.1%)
323
※2
(前年度比 +8.3%)
282
※1
※2
※1
(前年度比 +10.6%・1990年度比 △24.4%)
:列車の運転に付帯するものは除きます。
:
ー4ー
JR九州 環境報告2012
環境マネジメント
環境活動の歩み
1992年
1995年
1998年
1999年
3月 大村線(早岐∼ハウステンボス間)電化開業
4月 きっぷのリサイクル開始
3月 小倉工場で使用した水の再利用及び小倉駅ビルに送水して中水として再利用
3月 エコロジー委員会設置
7月 地球環境保全活動の基本理念・基本方針制定
10月 豊肥本線(熊本∼肥後大津間)電化開業
12月 地球温暖化防止福岡市民大会への参加開始
2000年
4月 小倉工場がISO14001認証取得
12月 エコロジーシンボルマークの制定
2001年
4月 スーパー銭湯
「極楽湯」の残り湯を処理し、車両洗浄用水として再利用(∼2010年3月末迄)
物品ネット購入システムで、再生材料を使用した「エコ商品」の取り扱い開始
10月 筑豊本線・篠栗線(福北ゆたか線)電化開業
ペットボトル再生制服の導入
2002年
2003年
5月 JR九州ボランタリープランの設定
3月 ジェイアール九州メンテナンス(株)南福岡事業所がISO14001認証取得
4月 小倉駅ビルを屋上緑化
5月 電動レンタサイクル「楽チャリ」の開始
9月 環境への取り組みをまとめた「エコロジーアクションプラン」の作成
2004年
3月 九鉄工業(株)がISO14001認証取得
ジェイアール九州コンサルタンツ(株)が屋上緑化事業を開始
2005年
2006年
2007年
5月 PCB廃棄物処理開始
3月 ジェイアール九州コンサルタンツ(株)がISO14001認証取得
5月 「チーム・マイナス6%」へ参加
10月 JR九州としてはじめて「環境報告書」を発行
11月 JR九州ボランタリープランの目標値見直し
2008年
2009年
2009年
2011年
6月 地球環境保全活動の基本理念・基本方針の見直し
3月 JR九州ウォーキングにてカーボンオフセットを導入
9月 「JR九州 環境報告2009」をホームページにて公開
3月 JR九州ボランタリープラン目標値の達成
ー5ー
JR九州 環境報告2012
環境マネジメント
第三者所感
第三者所感
JR九州の6回目の環境報告書は、環境経営に、一層、力を注ごうとしている、そんなJR
九州の企業としての姿勢を知ることができる報告書となっています。
今年度の報告書では、全社のエネルギー使用量が前年度比6%増、と報告されていま
す。列車の運転に伴う電力の9%増が大きな原因ですが、これは九州新幹線全通に伴うも
ので、やむを得ないことでしょう。しかし、それでも1990年度と比べれば、全社のエネ
ルギー使用に伴うCO2排出量は約4分の3になっており、時間をかけて省エネ、温暖化対策
のために積み重ねられてきた、車両や施設の整備の効果がはっきり表れていることには注
目すべきです。
低炭素社会づくり、循環型社会づくりは、特効薬的にこれをすれば実現できる、という
ものはなく、着実な努力の積み重ねが有効であることを、JR九州の取り組みは、私たちに
明らかにしてくれている、と言えます。その上で、折角、整備されてきた鉄道のシステム
には、一人当たりでいえば乗用車の9分の1の温室効果ガスしか排出しないという優れた
特性があります。これらがさらに活用されるならば、運輸部門での温室効果ガス総排出量
は確実に減ることになりますから、上記の6%増という数字も、このような波及効果をあ
わせて考えられ、評価されるべきでしょう。
今年度の報告書で特に興味を覚える記事は、蓄電池電車の開発です。電化区間と並行す
る、短距離であっても輸送人員の多い非電化区間では、その活躍が期待できそうです。ま
た、JR九州の取り組みが、企業内にとどまらず、地域や大学、他企業との協働へと発展し
つつあることも、心強いことです。循環型社会形成に資する使用済みバラストの再資源化
研究への取り組み、またパークアンドライドや、駅や港の美化活動など、多くの芽が育ち
つつあります。
ところで、JR九州の事業活動は、九州の地での生物多様性保全のためのさまざまな取り
組みとの連携が可能です。生物多様性保全の活動といえば、自然保護活動、と考えられが
ちです。しかし、それだけではなく、生態系が私たちにもたらしてくれている恩恵を社会
がきちんと理解すること、このような生態系サービスを持続可能な形で利用していこうと
すること、これが出発点なのです。その意味では、九州各地の豊かな自然、おいしい食べ
物など、JR九州の事業活動は、実に多くの九州の生物多様性に支えられていることに気づ
かされます。次の環境報告書には、こんな面での取り組みの芽も示されるようになればい
いなあ、と期待しております。
2012年9月
福岡大学法学部教授・中央環境審議会委員
浅野 直人
ー6ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
地球温暖化防止に向けて
地球にやさしい鉄道輸送
日本の部門別CO2排出量の割合
鉄道のほか自動車や船舶等の運輸部門からのCO2排出量は2億3200万トンであり、全体の
20%を占めています。また、業務その他部門において前年度からの微増が見られ、依然とし
てCO2排出量が多く、様々な場面で省エネルギー対策が必要です。
■CO2排出量の部門別内訳
―各部門の間接排出量―
■各部門別のエネルギー起源CO2排出量の推移
単位:百万t-CO2
京都議定書 2009年度
の基準年 (基準年比)
部門
2%
7%
4%
産業部門
482
運輸部門
217
業務その他部門
164
家庭部門
127
エネルギー転換
部門(発電所等)
67.9
(工場等)
(鉄道・自動車等)
14%
産業部門
(工場等)
35%
2010年度
11億9200万t
(商業・サービス・事業所等)
388
(△19.5%)
230
(+5.7%)
216
(+31.3%)
162
(+26.9%)
80.0
(+17.9%)
20%
18%
前年度からの
変化率
➡
(+8.7%)➡
➡
(+0.9%)➡
➡
(+0.5%)➡
➡
(+6.3%)➡
➡
(+1.2%)➡
2010年度
(基準年比)
422
(△12.5%)
232
(+6.7%)
217
(+31.9%)
172
(+34.8%)
81.0
(+19.3%)
資料:環境省
地球にやさしい鉄道輸送
鉄道は他の交通機関と比較して、単位輸送量あたりのCO2排出量が少ない上に、エネル
ギー消費効率が良いため環境に優しい交通機関といえます。JR九州では、地球環境保全に
関する技術の導入や創意工夫により、効率的なエネルギーの利用を推進します。
(2010年度)
939(169g-CO2/人km)
567(102g-CO2/人km)
272(49g-CO2/人km)
(18g-CO2/人km)
出典:国土交通省HP(運輸部門における二酸化炭素排出量)
より
ー7ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
省エネ型車両の導入の推移
在来線電車では、ステンレスやアルミを用いた「軽
量化車体」、電力を効率よく利用する「VVVFイン
バータ」や「回生ブレーキ」を採用した車両を導入し
ています。気動車では、燃料消費量がより少ない「高
効率エンジン」を搭載した車両を導入しており、従来
の気動車も「高効率エンジン」への取り替えを行って
います。
会社発足以降、「省エネ型車両」の導入を継続的に
行ってきました。2011年度には、全体の69.5%を省
エネ型車両が占めるようになりました。なお、九州新
幹線はすべて省エネ型車両となっています。
今後も省エネ型車両の導入を進めていきます。
ー8ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
九州を走る省エネ型車両
最新の817系電車は、国鉄時代に主力であった415系電車に比べ、半分程度の電力で走
行しています。
省エネ型車両
1988年にデビューした783系を皮切りに、九州新幹線N700系まで、車両性能の向上に
努めるとともに、省エネ技術の採用にも積極的に取り組んできました。また、特急「つば
め」「ソニック」「かもめ」、近郊電車「815系」が鉄道車両デザインの最高の栄誉とさ
れるブルネル賞を受賞するなど個性あふれたデザインにも定評をいただいてきました。こ
れからも環境に配慮した魅力ある車両を作り続けていきます。
地球にやさしい鉄道を支える省エネ技術
電車の省エネ技術
VVVFインバータ制御
半導体により周波数と電圧を制御することで、加速に必要な電力を効率よく利用します。
また、摩耗部品(ブラシ)がない構造の交流モーターを採用しています。
効率よく利用
ー9ー
効率よく
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
回生ブレーキ
ブレーキ時にモーターを発電機に切り替え、発電した電力を架線を通じて他の車両の加
速に利用します。
切り替え、
アルミダブルスキン構造
段ボールのように外板・骨組み・内張り板を一体化し
た構造をアルミ合金でつくり、強度を保ちながらステン
レス車体に比べて約30%の軽量化を図りました。
アルミダブルスキン構造(817系)
気動車の省エネ技術
コモンレールシステム
ディーゼルエンジンにおいて、高圧で燃料を燃えやす
い霧状に噴射して完全燃焼させ、全て電子制御で燃料噴
射量と燃焼のタイミングを最適化します。排出ガスを低
減させながら、燃費や出力の向上を図りました。(キハ
220形、あそぼーい!に搭載)
爪クラッチ
エンジンから車軸への伝達効率を向上し、素早く自動
的にシフトアップするので、切換時のショックが軽減さ
れ、乗り心地が向上するとともに燃費が向上します。ま
た、加速性能の向上により、列車のスピードアップが可
能となります。(キハ200形・220形、新ゆふいんの森
に搭載)
キハ220形
新ゆふいんの森
ー 10 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
蓄電池電車の開発
電化されていない線区を走行する次世代の車両として、
大容量の蓄電池を搭載した電車を試作中です。交流電化
方式の蓄電池電車としては、国内初の試みで、架線のあ
る区間では従来の電車と同様に走行し、架線のない区間
では蓄電池に充電した電力にて走行します。これにより、
エネルギー使用量(原油換算)が2割減、CO 2排出量が
半減、エンジンからの排ガスの排出量がゼロになると想
定しています。
ー 11 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
効率的なエネルギー利用
新築、リニューアルなどに合わせて設備の改良を行うとともに、創意工夫によりエネル
ギー消費量の削減に努めています。
LED照明、LED式電光看板
駅のコンコース、トイレや商業施設などにおいて従来
より消費電力が少なく長寿命であるLED照明の導入を行
っております。2011年度においては、お客さまのご利
用の多い門司駅ほか14駅や新たに開業した大分駅、駅
商業施設や列車内などにおいて約5,900台を新たに設置
し、2011年度末時点で累計約11,300台を設置してい
ます。また、大分駅、佐世保駅、宮崎駅に従来の蛍光灯
内蔵式よりも消費電力が少なく長寿命であるLED式電光
看板を設置しました。
全方向踏切警報灯(LED形)
信号機や踏切警報機等において、従来の電球式からL
ED式への設備更新を進め、消費電力の削減や長寿命化
を図っており、現在、当社管内の約6割の踏切において
導入しております。また、全方向踏切警報灯の導入によ
り、ドライバーからの踏切視認性が向上し安全の確保に
もつながります。
センサー付照明器具
列車や人をセンサーで検知し、駅の照明を自動で点
灯・消灯させる制御装置を導入し、電力の有効利用を
図っています。(深夜∼早朝の時間帯)
高効率照明器具
従来品よりも消費電力が少なくて同等以上の明るさを
確保するタイプの照明器具を使用して、消費電力の削減
を実現しています。
2011年度は、大分駅、上熊本駅、瀬高駅、JR九州病
院や駅商業施設などにおいて設置しました。
ー 12 ー
LED照明(門司駅)
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
車内温度の維持への取り組み
夏期や冬期において終着駅で折り返して発車を待って
いる列車や通過列車を待ち合わせている列車について
は、ドアを開放しているため冷房や暖房の効果が低減し
ます。そこで扉選択機能を装備している車両では、一部
のドアを除いて一時的にドアを閉めることで、列車内の
温度を維持する取り組みを実施しています。また一部車
両においてブラインドやカーテンを活用することで冷房
負荷を抑制するとともにお客さまに快適な列車を提供す
る取り組みを実施しています。
車内温度の維持への取り組み
アイドリング停止
気動車列車では環境対策として、2008年3月のダイヤ
改正より、概ね6時∼19時の時間帯に終着駅で折返して
発車を待っている列車や駅で停車中の回送列車におい
て、走行エンジンの停止(アイドリング停止)を行って
います。
アイドリング停止や「高効率エンジン」への取り替え
等により、軽油の使用量を削減しています。
アイドリング停止
節電の取り組み
毎年、電力需要がピークとなる7∼9月の3ヶ月間を「夏期節電月間」として、電力使用
量の削減に取り組んでいます。2011年度は、電力供給不足に対応するため、従来の取組み
に加え、取組みを拡大しました。主な内容は次の通りです。
■運転用電力の節電
・普通及び快速列車において、蛍光灯を一部取外し。
・電車列車において、車内温度が過度にならないよう設定。
(夏季:冷房温度26℃・冬季:室温20℃)
■駅での節電
・安全上支障のない範囲で、ホーム・コンコース等の
蛍光灯を一部取外し、日中は減灯及び一部消灯。
・みどりの窓口、待合室等の室温を過度にならないよう設定。
(夏季:室温28℃・冬季:室温20℃)
・お客さまの少ない時間帯で、自動券売機及び自動改札機の
一部使用停止。
・お客さまのご利用の多い15駅においてLED照明に取替 等。
■オフィス(本社・支社・事務室等)での節電
・適切な室温に設定(夏季:室温28℃・冬季:室温19℃)、
エレベータの利用抑制(3UP3DOWN)、クールビズの拡大。
・蛍光灯の一部取外し、照明が不要なエリア(窓際等)の消灯、昼休みの完全消灯。
・パソコンのこまめな電源OFF、パソコンモニターの明るさ低減 等。
ー 13 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
太陽光発電事業への参入
当社グループにおいて、大規模太陽光発電事業へ参入
します。現在、平成24年度内の稼動に向けて、宮崎県都
城市にてメガソーラーの建設を進めています。稼動後
は、再生可能エネルギー全量買取制度の活用により、売
電を実施し、循環型社会の創出へ向けて取り組んでまい
ります。
ー 14 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
一人ひとりができること
職場での活動スタイルを見直すなど、地球温暖化防止に取り組んでいます。
クールビズの実施
2007年度から、駅社員・車掌・運転士の盛夏衣を見直
し、一部を除いてクールビズを実施しています。
また、2008年から本社・支社等でクールビズを実施し
ました。室内温度を28℃とし、照明をこまめにOFFする
などの節電も行っています。
2011年より、クールビズ期間の拡大(5月中旬∼10月
末)を実施し、さらなる地球温暖化防止を推進していま
す。
クールビズの実施
地球温暖化防止に向けての5つの行動目標
一人ひとりが身近にできる5つの具体的な行動目標を掲げ、社員へ呼びかけています。
地球温暖化防止に向けての5つの行動目標
1. 蛇口はこまめに開閉
2. 物品購入時は、エコ製品を選択
3. 営業車のアイドリングストップ
4. コピー用紙の節減
5. パソコン等の電源のこまめなOFF
ー 15 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
市民・企業・行政が一体となった環境活動
持続可能な社会を目指して取り組む北九州市民・企業
のさまざまな環境活動のネットワーク強化を図る場とし
て、北九州市で毎年開催されている「北九州エコライフ
ステージ」にJR九州は協賛しています。
また、JR九州を含む福岡市内の主要企業や大学が参
加し、地球温暖化防止に向けて協議する「エコ・ウェイ
ブ・ふくおか会議」が、2008年7月に発足しました。
2012年6月には、市民や企業などに共同行動を呼びか
ける「エコ・ウェイブ・ふくおか会議行動宣言2012」
を採択しました。
エコライフステージ
タブレット端末活用によるペーパーレス
2012年4月より、タブレット端末を導入し、社内会
議を原則ペーパーレス化しました。これにより、年間
350千枚(A4換算)の紙の削減を見込んでいます。
加えて、外出先でのメール、資料等の閲覧が可能とな
り、業務効率化にもつながっています。
タブレット端末活用による会議
ー 16 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
JR博多シティの主な取り組み
九州最大の商業施設「JR博多シティ」は「人々の記憶に残る、オンリーワンの駅」をコ
ンセプトに、地域の皆様に永く愛され、福岡・九州はもちろんのこと、アジアの玄関口と
して相応しい魅力的なビルを目指し、平成23年3月3日開業しました。環境にやさしい駅
ビルとなるようにさまざまな取組みを行っています。
複層化ガラス(ダブルスキン)
建物の断熱性向上、自然換気による日射負荷低減およ
び空調負荷低減を目的に駅ビルの西面外壁中央のガラス
ファサード部約800㎡にダブルスキン(二重サッシ)の
外壁を設置しました。
太陽光発電
駅ビル屋上に最大出力25kwの太陽光発電設備を設
置しました。太陽電池パネル270枚を敷設し、発電し
た電力は、電力会社と系統連係を行い駅ビル内で全て
使用し、電気の一部を賄っています。また、屋上展望
テラスに現在の発電量等を表示していますので省エネ
効果が確認できます。
屋上緑化
駅ビルの屋上や駅前広場の階段上屋で植栽や花壇を設
置し、大気汚染物質の吸収、吸着および建物の断熱化を
行っています。屋上では、地上約60mとは思わせない
多種多様な樹木や花々が植えられてます。
ー 17 ー
JR九州 環境報告2012
地球温暖化防止に向けて
ゴミ処理(分別によるリサイクル)
店舗から排出されるゴミを18種類に分別し、うち
14種類をリサイクルしてます。可燃物は圧縮機を導入
し、収集運搬に必要な車両台数を減らすことと、ゴミ
置場スペースの有効的な活用をしています。また、生
ゴミについても肥料、飼料の一部として利用していま
す。
空調の氷蓄熱設備
電力消費の少ない夜間電力を用いて製氷し、昼間の
営業時間にはその氷を解かした冷水を冷房に利用しま
す。夏季の冷房負荷による偏った電力需要を平準化す
ることが出来る利点があります。
ー 18 ー
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
地球環境との共生
3Rの取り組み
廃棄物の削減(Reduce)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)を進め、資源の
有効活用にも積極的に取り組んでいます。
水資源の有効利用
小倉総合車両センターでは、大量の水を車両や部品の
洗浄に使用しています。使用した水は工場内で再利用す
るほか、1997年度には新たな給水システムを整え、約
2km離れた小倉駅ビルへ送水し、中水として利用するこ
とで、大きな節水効果をあげています。
また、駅ビルなどでは井水や雨水を利用するシステム
を導入しており、水資源の節減に努めています。
給水システム(小倉総合車両センター)
きっぷのリサイクル
1995年度より使用済みきっぷを回収してリサイクル
に取り組んでいます。回収したきっぷは製紙工場で、裏
面の磁気部分を分離してトイレットペーパーに再生しま
す。2011年度には約63トンのきっぷがトイレットペー
パーに使用され、駅や列車内で再利用されています。
2009年3月から、繰り返し使用可能なICカード乗車
券「SUGOCA」を導入しました。今後、鉄道利用や
「SUGOCA」電子マネーによるお買物等の利便性を向
上させ、紙資源の節減と廃棄物削減につなげます。
使用済みきっぷから再生されたトイレットペーパー
ゴミの分別とリサイクル
JR九州では、ゴミのリサイクルにお客さまのご協力を
いただくため、特急列車のデッキや駅にビン・カンとそ
の他の2種類に分けたゴミ箱を設置しています。
車内や駅で捨てられたゴミには、新聞や雑誌などの資
源ゴミも含まれていますので、各地域の車両基地等で回
収した後に、再度、人手によりゴミを分別して、リサイ
クル業者に引き渡したり、事業所ゴミとして処理してい
ます。
ー 19 ー
ゴミの分別
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
建設廃棄物の削減
建設工事において、廃棄物を抑制する設計や工法及び
再利用の検討を行い、廃棄物排出量の削減に努めていま
す。また、工事に使用する建設資材の削減や廃棄量を抑
制できるような資材の導入に努めています。なお、発生
した産業廃棄物は廃棄物処理法に基づき適正な処理を
行っています。
建設中の高架下建物新築工事では、杭工事においてコ
ンクリートやセメントミルクを用いない工法である鋼管
杭を使用しています。これにより、泥水・残土などの産
業廃棄物の排出がなく、セメントによる水質汚染がない
など、環境負荷の低減に寄与しています。またコンク
リートミキサー車などの工事車両の出入りが不要である
ことから騒音・排気ガスなどの軽減にもつながっていま
す。
高架下建物新築工事(杭打設状況)
まくらぎの長寿命化
ローカル線区、分岐器、無道床橋梁には、いまだ多く
の木製まくらぎが敷設されています。定期的なまくらぎ
の交換により廃棄物が発生、また材料確保のため森林が
伐採されるといった問題があります。そこで、木製まく
らぎの交換時に耐用年数の長いTPCまくらぎ(コンク
リート製)や合成まくらぎ(ガラス繊維と発泡ウレタン
により構成)等へ置き換えを推進しています。まくらぎ
の長寿命化により交換数量が削減され、廃棄物の削減へ
つながります。
TPCまくらぎの敷設
道床バラストの再利用
資源の有効活用と沿線美化を目指し、通常産業廃棄物として処分される使用済みの道床
バラストを活用した防草対策について産学連携研究をしています。
ー 20 ー
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
環境にやさしい製品の購入
環境への負荷が少ない製品の調達に努めています。
グリーン購入
社内で使用するOA用品や事務用品などは「物品ネッ
ト購入システム」を通じて調達しています。2001年度
より「エコ商品」の取り扱いを始め、現在では、
14,321点の物品のうち、5,834点がエコ商品となって
います。「物品ネットカタログ」では、どの商品がエコ
商品であるかがすぐにわかるよう「エコマーク」「グ
リーンマーク」などの環境マークを表示して、社員がエ
コ商品を選びやすくしています。
グリーン購入
ペットボトル再生制服
資源の有効活用を図るため、2001年度よりペットボト
ルなどの再生ポリエステル繊維を利用した接客用制服を
採用しています。
PET再生制服(夏服・冬服)
ー 21 ー
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
化学物質の管理
地球環境に影響を与える化学物質を、法令に基づき適正に管理・処理しています。
フロン対策
オゾン層を破壊するフロン類については、「フロン回収・破壊法」に基づき対象事業所
毎に登録するとともに、フロン類の廃棄・整備時における回収量を記録し、適正に管理し
ています。
揮発性有機化合物(VOC)の排出施設の管理
車両によっては、塗装に有機化合物を含んだ塗料を使用しています。大気汚染防止法に
基づいて対象施設の届出と排出濃度の測定を実施し、管理しています。
CO2・NOx対策
軽油で走行する気動車において、旧型のエンジンを排
ガス対策エンジンへ取り替えることにより、エネルギー
消費効率の向上とCO2・NOx(窒素酸化物)の排出量を
抑制しています。2011年度には、気動車の90%に排ガ
ス対策エンジンを搭載しています。
いさぶろう・しんぺい号
PCB廃棄物の管理
かつて車両や電気設備の絶縁油としてPCB(ポリ塩化
ビフェニル)を使用していましたが、車両や機器の使用
廃止及び更新の際に、PCBを含まないものに取り替えて
います。使用済みのPCB廃棄物は関係法令に基づき適正
に管理しています。
2005年5月より、小倉総合車両センターに保管してい
たPCB廃棄物の処理を日本環境安全事業㈱北九州事業所
にて開始し、2008年4月から、鹿児島車両センターにて
保管しているPCB廃棄物の処理も進めています。今後、
2016年7月までに計画的に処理します。
また、絶縁油として鉱油を使用し、PCB不含証明書の
ない機器については、絶縁油に微量のPCBが混入してい
る可能性があるため、PCB含有の分析を行い適正に保管
するとともに、2011年より順次処理を開始していま
す。
ー 22 ー
PCB廃棄物(小倉総合車両センター)
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
アスベスト対策
アスベスト(石綿)は1950年頃から車両や建築物の断熱材として使用されていました。
現存する一部の車両において断熱材として使用されていますが、固形化され飛散の恐れは
ありません。
2008年11月に、新たに一部車両の電気暖房ヒータの断熱材にアスベストが使用されて
いることが判明しました。アスベストの使用状況から飛散の恐れはなく、お客さまや周辺
の方々等の健康に影響を与えた可能性は極めて低いと考えております。現在、総合車両セ
ンターにて順次取替えまたは取外しを行っています。
また、一部の車両機器・変圧器・遮断機などにアスベスト含有部品が使用されています
が、機器の使用廃止や補修にあわせてノンアスベスト部品へ取り替えていきます。
建築物の吹付けアスベスト使用箇所は2006年度までに除去・飛散防止措置を行っていま
す。今後も、新たなアスベスト含有が認められた箇所は除去・飛散防止措置を行っていき
ます。
PRTR法への対応
各事業所で使用する化学物質については「PRTR法」(化学物質排出把握管理促進法)
に基づき適正に管理しています。車両に使用している不凍液や、塗装などで使用される有
機溶剤などについて、どれくらい排出されたか把握し、2011年度は、小倉総合車両セン
ター等の2事業所について届け出ました。
ー 23 ー
JR九州 環境報告2012
地球環境との共生
騒音対策
列車の走行に伴う沿線での騒音や振動の低減に努めています。
新幹線の騒音対策
新幹線の騒音や振動については、国が定めた基準や指
針などで定められております。JR九州では騒音低減の
ために、鉄道建設・運輸施設整備支援機構と協力して、
地上設備と車両の両面から対策を行っております。
地上設備面では、トンネル緩衝工、防音壁のかさ上
げ、Y型防音壁や吸音板の設置、レールの定期的な削正
などを行っております。
車両面では、九州新幹線全線開業にあわせて騒音等の
環境により配慮した新しい車両を導入し、沿線の環境の
向上に努めて参ります。また、定期的な車輪削正や車輪
フラットの常時監視等を行っています。
今後も沿線環境改善に努めてまいります。
トンネル緩衝工
全周ホロ
在来線の騒音対策
在来線の騒音対策については、ロングレール化によ
るレール継目の除去及び分岐器の改良(ポイント部の
継目除去)、車輪削正などを行い、騒音の低減に努め
ています。また、橋りょう上において騒音低減効果が
期待されるレール締結装置の試験敷設を現在実施して
います。
大分駅の高架事業では、列車走行時の騒音が低減さ
れる弾性バラスト軌道を敷設しています。弾性バラス
ト軌道は、PCまくらぎ下面に弾性材(ゴム)を取り付
け、高架橋の構造物音を軽減するとともに、消音バラ
スト(豆砕石)により、列車走行時に発生する騒音や
反響音を吸収します。
新水前寺駅構内では、低騒音、低振動に効果のある
L形台座フローティング・ラダー軌道 を 敷 設 し ま し
た。フローティング・ラダー軌道は、ラダーまくらぎ
(縦まくらぎ)を低弾性のばねで支持した防振軌道で
あり、構造物騒音を大幅に低減します。
その他、大規模な改修の際には、国が定めた「在来
鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針
について」を遵守するよう取り組んでいます。
車両の車輪については、定期検査及び走行時におい
て、車輪に偏った摩耗などを発見した場合には、車輪
の削正を行い、適正な状態を維持しています。
ー 24 ー
弾性バラスト軌道(大分駅)
L形台座式フローティング・ラダー軌道(新水前寺駅)
車輪削正
JR九州 環境報告2012
鉄道利用による環境貢献
鉄道利用による環境貢献
交通体系全体でのCO2排出量削減
鉄道の定時性と自動車の機動性、それぞれの特性を組み合わせています。
フィーダーアクセスの整備
九州新幹線の博多∼鹿児島中央駅間全線開通前後において、「SL人吉」「海幸山幸」
「指宿のたまて箱」「あそぼーい!」「A列車で行こう」等の観光列車を導入するととも
に、到着駅から観光地までのアクセスを向上させるために、駅レンタカー、電動レンタサ
イクル「楽チャリ」等のサービスを充実させました。
また、タクシー観光や定期観光バスのほか、既存のバス路線を観光地へのアクセスとし
て、観光列車とともにPRしました。
定観
周遊
定期観光バス
周遊バス
路線バス
タクシー観光
電動レンタサイクル「楽チャリ」
特急「あそぼーい!」
(熊本∼宮地)
駅レンタカー
至博多
阿蘇駅
豊肥本線
熊本駅
立野駅
高速バス「B&Sみやざき」
(新八代∼宮崎)
至大分
宮地駅
定観
新八代駅
(熊本∼三角)
肥薩線
新水俣駅
出水駅
吉松駅
「SL人吉」
線
幹
新
州
九
川内駅
(熊本∼人吉)
周遊
人吉駅
特急「A列車で行こう」
「いさぶろう」
(人吉→吉松)
「しんぺい」
(吉松→人吉)
至大分
えびの高原
宮崎駅
霧島温泉
霧島温泉駅
妙見温泉
嘉例川駅
国分駅
霧島新宮駅
本線
日豊
飫肥駅
鹿児島中央駅
特急「はやとの風」
指宿
枕崎
線
知覧
定観
周遊
日南線
隼人駅
霧島新宮
油津駅
(鹿児島中央∼吉松)
喜入駅
南郷駅
指宿駅
特急「指宿のたまて箱」
至志布志
特急「海幸山幸」
指宿温泉
(宮崎∼南郷)
(鹿児島中央∼指宿)
ー 25 ー
JR九州 環境報告2012
鉄道利用による環境貢献
電動レンタサイクル「楽チャリ」
2003年5月より「新しい旅」の提案として、駅での電
動レンタサイクル「楽チャリ」を始めました。リチウム
イオン電池式で、一度の充電で57㎞(エコモード走行
時)まで走行可能です。
現在では、「楽チャリ」を10駅に導入しております。
楽チャリ
パーク&ライド
現在、パーク&ライドの取り組みを推進しており、鉄
道との相互利用で駐車料金の割引サービスを実施するな
ど、お客さまの利便性を図っています。
また、低炭素社会への取組みの一環として、一部駐車
場におきまして、電気自動車用の充電スタンドの設置い
たしました。
自家用車と環境にやさしい鉄道を効果的に利用いただ
くことで、CO2排出量の軽減に努めていきます。
パーク&ライド(熊本駅北口立体駐車場)
パーク&ライド(大分駅南立体駐車場)
レール&レンタカー
駅から先の目的地までは、車で移動されるお客さまへ、JRとレンタカーを組み合わせた
割引きっぷ「レール&レンタカーきっぷ」やオプションチケット「駅長おすすめのレンタ
カー」を発売しています。
ー 26 ー
JR九州 環境報告2012
九州各地での取り組み
九州各地での取り組み
九州各地からの「エコだより」
九州各地で、地域と一体になって、様々なシーンで環境への取り組みをはじめています。
市民協働環境美化推進事業
長崎
長崎駅周辺の環境美化を図るため、長崎市が進める
「市民協働環境美化推進事業」に長崎支社として参画
し、社員が定期的に清掃活動を行っています。活動初日
(2011年7月1日)は社員が手分けして、駅周辺の歩道
や歩道橋などに落ちているゴミを拾いました。
西里駅クリーン大作戦
熊本
熊本駅では、熊本保健科学大学と協力し、「西里駅ク
リーン大作戦」を実施しました。
無人駅でもある西里駅は、熊本保健科学大学の最寄駅
であり、ホームのゴミ拾いや草刈等をするなど駅周辺が
とてもきれいになりました。今後も毎月1回協力して、
西里駅の美化等に取組んでいきます。
桜の木植樹
鹿児島
2011年12月、吉松駅構内に桜の木52本植樹しまし
た。吉松運輸センター・吉松駅社員を中心に、OBや地
元の方々、約70人が参加し、手際よく作業しました。
今年1月にさらに60本を植樹し、約100本の桜並木と
なりました。吉松の新たな名所として、満開の桜が咲
くことを期待しています。
ー 27 ー
JR九州 環境報告2012
グループ会社の取り組み
グループ会社の取り組み
JR九州グループ会社の取り組み
JR九州のグループ会社においても環境保全の取り組みを推進しています。
「エコろう活動」
九州電気システム(株)
企業の社会的責任の位置づけとして「エコろう活動」
に取り組んでいます。事務所等においてLED照明の導入
や屋上緑化、その他節電・節水の取組みを実施していま
す。また、社内活動にとどまらず、北九州市主催の植樹
祭への参加や小森江駅の環境整備への参加等社外活動も
行っています。
KDS植樹
電気自動車の寄贈
三軌建設(株)
平成24年3月19日、創立50周年記念事業の一環とし
て、本社を置く福岡市へ環境にやさしい電気自動車を寄
贈いたしました。
現在、福岡市では温暖化対策の一つとして走行中に排
気ガスを出さない電気自動車の普及促進に取り組んでお
り、福岡市庁舎北玄関横で執り行われた寄贈式では、福
岡市長から感謝状をいただきました。
電気自動車
風と太陽光による自然乾燥棟他
JR九州エコホス(株)
工場敷地内のエコ・リユースセンター『自然乾燥棟』
は高台特有の風の流れと太陽光を活用し最大で物干し竿
約100本2千点の洗濯物乾燥を行っています。また、セ
ンター入口のLED照明灯は、風力発電と蓄電池の組み合
わせによる再生可能エネルギーを使用しています。
その他工場屋根外壁に太陽光を反射する素材を多く含
んだ塗料を使用した塗装を行い、室内温度上昇の抑制も
行っています。
また、牛乳タンクを再利用した蒸気回収システムを設
置するなど、会社全体で環境保全の取組みを推進してい
ます。
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自然乾燥棟
蒸気回収システム
JR九州 環境報告2012
グループ会社の取り組み
駅周辺の美化活動
JR九州鉄道営業(株)
業務委託駅においては、駅構内にプランターを配置
し、季節ごとの花を咲かせて、快適で和みのある場を演
出、ご利用のお客さまをお出迎えしています。また、駅
前のロータリーの花壇清掃や植栽など定期的に実施し
て、より気持ちのよい周辺環境つくりを行っています。
日豊本線・今津(いまづ)駅
港の美化活動
JR九州高速船(株)
若手社員を中心としたボランティア部隊を結成し、地
元と一体となって対馬の比田勝港周辺の美化活動やプラ
ンターの整備を行うことで、お客さまに快適にご利用い
ただける港づくりを目指しています。
対馬ボランティア
地元企業と一体となった植栽活動
ジェイアール九州都市開発(株)
JR九州ホテル宮崎では、地元企業により構成される宮
崎駅東地区花のまちづくり実行委員会に参加し、春と秋
にプランターに花苗を植栽しました。この実行委員会に
はJR九州グループから宮崎駅とJR九州ビルマネジメント
㈱も参加しています。
宮崎植栽
屋上緑化
JR九州コンサルタンツ(株)
会社が支援しているNPO法人とともに、福岡市や地元
町内会、小学校と連携して、花しるべ活動やはかた駅
前通り植栽管理事業を行っています。
また、本社屋上を緑化した上で、ゴーヤ栽培による
グリーンカーテンの設置等、環境にやさしい取り組み
を行っています。
ー 29 ー
屋上庭園
屋上菜園
JR九州 環境報告2012
データ
データ
編集方針
編集方針
「JR九州環境報告」は、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)の環境問題への取り組みにつ
いて、当社の基幹事業である鉄道事業を中心に、正確にわかりやすくご紹介することを目
的として、2007年度より公表しています。
対象範囲
対象組織
JR九州(単体)を対象としていますが、一部グループ会社の活動も含みます。
対象期間
実績データは、2011年度(2011年4月∼2012年3月)を対象期間としていますが、活
動内容については一部対象期間以外のものも含みます。
参考にしたガイドライン
環境報告ガイドライン2007年版(環境省)
発行時期
前回:2011年9月、今回:2012年9月、次回:2013年9月頃
エコロジーシンボルマーク
JR九州では、お客さまに鉄道利用が環境保全に貢献で
きることをわかりやすくお伝えするために、また、当社
の環境保全活動に親しみを持っていただくために、シン
ボルマークを作成しています。
地球と鉄道のクリーンな関係を、親しみやすく、誰に
でも分かりやすいように表現したマークです。
地球のために.未来のために.
お問合せ先
九州旅客鉄道株式会社 経営企画部
〒812-8566 福岡市博多区博多駅前3丁目25番21号
TEL:092-474-0747 / FAX:092-474-2737
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