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2. グローバル人材の育成

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2. グローバル人材の育成
AZSA Quality
2016
~監査品質向上への取組~
2016年9月
www.kpmg.com/jp/azsa
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
CONTENTS
理事長からのメッセージ
~監査品質向上への取組~
有限責任 あずさ監査法人 理事長
KPMGジャパン CEO Ⅰ
2
酒井 弘行
専務理事 品質管理統轄からの
メッセージ
~財務情報の信頼性を支える監査品質の追求~
有限責任 あずさ監査法人 専務理事 品質管理統轄 4
1 4つのディフェンスライン
2 企業のグローバル化に対応した監査体制
3 IFRS、米国基準に関する高い専門性
4 Data & Analyticsへの取組
Ⅲ
組織体制
4つのディフェンスラインによる品質管理
1 品質管理に関する責任
4 監査業務の適正な遂行
22
3 契約の新規の締結および更新
Ⅳ
人材育成
3 働きやすい職場環境の整備
8
10
12
14
20
20
2 グローバル人材の育成
6
16
18
20
2 コンプライアンス、職業倫理および独立性の遵守
1 真のプロフェッショナルの育成
金井 沢治
あずさ監査法人の
監査品質
Ⅱ
5つの基本理念
Ⅴ
KPMGネットワーク
1 KPMGインターナショナル
2 KPMGジャパン
3 インダストリーナレッジ
Ⅵ
30
30
32
34
36
36
38
39
40
法人概要
1 法人概要
2 財務情報
21
40
3 主要監査関与先一覧
41
42
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
1
理事長からのメッセージ
~監査品質向上への取組~
有限責任 あずさ監査法人 理事長
KPMGジャパン CEO 酒井 弘行
会計監査への高まる期待
国境を越えたM&Aや国際取引の常態化に伴い、企業のビジネス
「4つのディフェンスライン」による監査品質の確保
私たちは、
監査品質の向上に向けて、
「4つのディフェンスライン」
と呼
リスクは増大しています。経済環境はさらに複雑化し、その不透
んでいる組織的な品質管理体制を構築しています。これは、
①経営責
ステークホルダーにとって財務諸表の信頼性を確保する会計監査
それぞれ監査品質に対する自ら
および④監査チームの4つの階層が、
明感は深まるばかりです。このような時代に、投資家を初めとする
の重要性は高まっています。そして、会計監査に従事する監査法人
への社会からの期待はますます大きくなっていると言えるでしょう。
企業が健全な成長を果たし、経済が持続的に発展していくために
任者等(理事長・専務理事等)
、
②品質管理の各部署、
③監査事業部、
の責務を果たすことで、
監査品質の確保に万全を期す管理体制です。
経営責任者等は、
品質管理に関する最終的な責任を負い、
品質管理
の各部署から品質管理に関する報告を受けて、
必要な措置を指示し
は、
資本市場における財務情報の信頼性と透明性を確保することが
リスクマネジメント本
ています。また、
品質管理各部署の1つとして、
企業の財務情報には「信頼」が付与され、
「信頼」
という無形の価値
情報を共有するとともに、
監査事業部による監査業務モニタリングに
不可欠です。独立した第三者による厳格な監査を経ることにより、
部内に監査モニタリング室を設置し、法人全体で監査リスク評価の
が礎となって安定したビジネス活動が実現します。私たちは、重要
ついて、
横串のモニターを行っています。各監査事業部においては、
務にあたっています。
リングを推進し、
適切な人員配置や組織的な対応を実施しています。
最重要課題としての
「監査の品質」
を向上させる環境を整備しています。
あずさ監査法人では、
メンバーファームであるKPMGが掲げる5つの
さらに、本年7月1日からは、近く導入が検討されている監査法人の
」
に信頼を、
変革に力を
(Inspire Confidence, Empower Change.)
外部有識者から成る経営監理委員会を設置し、外部の有識者から
な経済インフラの一端を担うものとして、
強い責任感をもってその職
その存在意義を
「社会
基本理念としてのThe KPMG Storyを通じて、
と定義しています。これは、経済社会に信頼を与え、企業や社会が
自ら行動し、
変革する力を支援することを宣言するものです。
事業部長のリーダーシップのもと、
重要な監査領域を考慮したモニタ
監査チームでは、
重要度の高い監査領域を明確にし、
査閲の実効性
ガバナンスコードを見据えたガバナンス向上の取組の一環として、
幅広い見識に基づいた多様な意見を受けることで、
より組織運営の
透明性を確保する体制としています。
この理念のもと、私たちは社会からの期待に応えるべく、
「監査の品
監査品質を支える風通しのよい組織文化
さまざまな取組を進めています。
監査品質を高い水準で保つためには、然るべき能力を持つ構成員
質」を最も重要な経営課題として捉え、
そのさらなる向上のための
が組織的に行動することが必要です。私たちあずさ監査法人は、
個々人の継続的な能力開発を支える人材育成の仕組みと、構成員
2 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
間で円滑なコミュニケーションが図れる風通しのよい組織文化が重
要であると考えています。
現在、5,700人を超える人員を擁するあずさ監査法人も、他の監査
新たな監査技法の導入や、
企業および経済環境に関する財務・非財
務データ等を用いて、
統計的に監査リスクを評価する技法の開発も
進めています。
法人と同様に複数の法人の合併・統合によって成立しましたが、
その
積極的な人材育成投資
て存在していた複数の法人内組織を全体最適の視点で再編し、
共同
監査の品質の維持・向上のためには、構成員の継続的な能力開
治ともいえる組織再編の結果として、
あずさ監査法人は、
統合前の法
のプロフェッショナルの育成について「人財育成理念」を定め、監
合併・統合の結果とし
過程は独特なものといえます。2001年当時、
創業者たる公認会計士の経営権限を1つに集約しました。この荒療
人の個性と大法人としての総合力の強みを併せ持つ、
新しい法人に
生まれ変わりました。
さらに、
2003年には現在の提携先であるKPMGインターナショナル
との新たな関係がスタートしました。その後も定期的に組織再編を
発を支える仕組みが不可欠です。私たちは、社会に貢献する真
査現場でのOJTの徹底、専門知識・スキルを習得するためのより
実務的・実践的な研修の実施(Off-JT)、適切な業務機会の提供
(Opportunity)の「3つのO」により、真のプロフェッショナルを育
成し続けています。
繰り返した結果、法人内の各監査事業部に複数の法人出身者が混
また、昨今のグローバル化が進む環境下では、クロスボーダーで
乱が全くないわけではありませんでしたが、
10数年を経るうちに、各
を進めることが私たちには求められています。このため、
グローバルス
在するという現在の状況が創出されるに至りました。再編当初は混
ビジネスを展開する企業と並走しながらプロフェッショナルサポート
出身母体を背景にした、個人事務所の集まりのような古い体質は
キル研修や海外派遣プログラムを充実させ、
グローバル人材の育成を
文化が形成されました。
拠点への派遣やアドバイザリー要員の派遣も拡充していく予定です。
一切無くなり、
本当の意味で風通しのよい、
公平かつオープンな組織
図るとともに、
金融、
自動車、
エネルギー等の各インダストリーの戦略
Data & Analyticsの活用
こうした取組により、
インダストリーごとのナレッジの蓄積が可能と
情報処理技術の急速な高度化は、監査技法にも大きな影響を与え
その知見を監査に還元することで、
より業界に精通したプロフェッ
つつあります。あずさ監査法人では、
AIの利用も見据えた最先端技
術の研究を行う
「次世代監査技術研究室」を設置し、こうした状況
なり、
また、
そこで得た知見のアドバイザリー業務への活用、
さらに
ショナルサービスを提供できるものと考えています。
展開を
に対応したData & Analyticsによる最新の監査技法の導入、
すべては
「信頼」のために
企業が有する膨大な仕訳や売上データ等を利用したData & Analytics
そして積極的な人材育成投資、
その一つひとつが、
グローバル化が進
る試査により母集団を推定するアプローチから、ITを利用して母集
会計監査を継続的に提供していくための不断の努力にほかなりませ
進めています。
を活用した監査技法を導入することにより、
従来のサンプリングによ
4つのディフェンスライン、風通しのよい組織文化、Data & Analytics、
む資本市場に
「信頼」
をもたらす社会的なインフラとしての高品質な
団全体について精査的にデータ相互間の整合性を検証したり、
不正
ん。私たちはこれらの取組を、
2020年までの中期経営計画の中の施
することが可能になります。
べく、
弛まぬ努力を継続することで、
「信頼」
の構築を目指します。
リスクシナリオに基づいて母集団から異常値を漏れなく抽出したり
策としてまとめ、実行していきます。そして社会からの期待に応える
また、仕訳の分析・評価を自動化し可視化するeAAT(Electronic
このブローシャーは、
あずさ監査法人の監査品質およびその基礎と
により構造化された財務・非財務データを一括入手し、異常取引
的で発行しました。私たちあずさ監査法人の監査品質向上への取
Account Analysis Tool)、ERP(Enterprise Resource Planning)
データの抽出、各種分析資料の作成といった定型的監査業務の自
動化を行うKAAP(KPMG Automated Audit Procedures)などの
なる品質管理、
そしてそれを支える人材育成についてご紹介する目
組をご理解いただく一助になれば幸いです。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
3
専務理事 品質管理統轄からのメッセージ
~財務情報の信頼性を支える監査品質の追求~
有限責任 あずさ監査法人 専務理事 品質管理統轄 金井 沢治
公認会計士の使命と職業的懐疑心
公認会計士の使命は、
「監査及び会計の専門家として、独立した立
場において、財務情報の信頼性を確保すること」
と公認会計士法第
1条に規定されています。言い換えれば、日本の資本市場の信頼性
を確保するためには、経営者の作成する財務情報の信頼性の確保
が不可欠であり、
財務情報の信頼性を確保するためには、
監査法人
による会計監査が不可欠であるということです。
私たちは、
会計監査に対する社会からの期待に応えるため、
監査の品
質の継続的な向上を常に追求し、
信頼される監査を行う
「信頼される
監査法人」
であり続けることを目指しています。そして、
監査の品質を
支える最も重要なものは、
「職業的懐疑心」
です。
企業の監査を担当する一人ひとりの会計士、監査チームが、企業
の事業内容や内部統制を理解して重要なリスクを的確に把握する
こと、
重要なリスクへの企業の対応について経営者等と十分に協議
すること、重要なリスクと企業の対応との関係には合理性があるか
客観的に検討すること。このように、
監査のプロセスを通じて、
常に職
業的懐疑心を発揮することが、
監査の品質を高めることになります。
職業的懐疑心をより発揮できる品質管理体制
継続的な監査品質向上のための改善活動
監査法人に期待される使命を果たすためには、組織的な品質管理
このように、あらゆる企業のリスクに対応できる品質管理体制の
より発揮できるように環境を整備することが、重要な経営課題で
るメンバーを選任して監査チームを編成しています。また、
監査事業
体制として、個々の会計士、監査チームが十分な職業的懐疑心を
あると考えています。
品質管理の各部署では、会計士個人の能力向上のために、会計や
もと、
各監査事業部ではそれぞれの企業のリスクを把握し、
対応でき
部では、各監査チームが企業のリスクへどのように対応しているか
について年度を通してモニタリングを実施し、重要な課題が生じた
場合には、
監査チーム、
監査事業部および品質管理の各部署が連携
監査の基準に関する研修のほか、不正事案に関する研修、経済や
して対応を図ることを徹底しています。品質管理の各部署では、各
& Analyticsを活用した監査技法の推進や電子監査調書の高度
の品質向上のために法人全体で対応すべき課題の有無を検討し、
KPMG への派遣、関係団体や企業への出向、監査法人内におけ
動や内外検査等で確認された課題に対応するため、品質管理の各
ビジネスの研修などさまざまな研修を実施しています。また、Data
化にも取り組んでいます。会計士の経験という観点からは、海外
る品質管理の各部署との相互の異動等を積極的に進めています。
さらに、企業の複雑な事業活動やIFRSへの移行に対応した品質管
理・サポート体制、
企業のグローバル化に対応したKPMGグローバル
ネットワークの活用体制を構築しています。
監査事業部のモニタリング活動を横串で確認することにより、監査
各監査事業部に共有しています。さらに、
このようなモニタリング活
部署は監査事業部と連携してツールや方針を策定し、
監査事業部は
これらの監査チームへの周知・徹底を図るとともに、
モニタリング活
動により、
その浸透度を確認しています。
あずさ監査法人は、
このような自律した改善活動を継続することに
より、
監査品質の向上を追求し続けてまいります。
4 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
5
あずさ監査法人の
監査品質
1. 4つのディフェンスライン
~組織的な品質管理体制~
2. 企業のグローバル化に
対応した監査体制
~親会社監査チームの強力なリーダーシップ~
3. IFRS、米国基準に関する
高い専門性
~日本国内で完結する体制~
4. Data & Analyticsへの取組
~「次世代監査技術研究室」
による展開~
6 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
7
1. 4つのディフェンスライン
~組織的な品質管理体制~
01 経営責任者等
02 品質管理の各部署
品質管理の責任を担う
監査事業部、
監査チームを品質面からサポートする
あずさ監査法人の品質管理システムに関する最終的な責任は理
品質管理の各部署は、
品質管理本部とリスクマネジメント本部の
ジメントを統轄する専務理事が、全般的な品質管理およびリスク
品質管理本部は、監査を含む保証業務全般に関する品質管理を
ての責任を担っています。
理を所管する会計プラクティス部から成っています。リスクマネジ
事長にありますが、
理事長の任命に基づき、
品質管理・リスクマネ
マネジメントに関する方針の策定および遵守状況の監視につい
2つで構成されています。
所管する監査プラクティス部と、会計処理・開示に関する品質管
専務理事会は、適時および適切に重要な監査リスクおよび管理
メント本部内にあるリスクマネジメント部は、
職業倫理・独立性に
切な対応指示を行う体制を確保するために、品質管理に関する
いずれも、監査、会計およびリスクマネジメントに関して経験を
状況を把握し、
専務理事会としてのリスク認識に基づいて適時適
フレームワークを整備運用します。
また、2016年7月に、外部の有識者により構成される経営監理委
員会を設置し、幅広い見識に基づいた多様な意見を受け入れる
ことで、
あずさ監査法人のガバナンスを強化しています。
関する事項や品質管理の監視に関する事項を所管しています。
有するパートナーおよび専門職員により構成され、
監査事業部や
監査チームへの適切なサポートを提供する責任を負っています。
また、
独立した立場で審査を実施する上級審査会および拠点審査
会・国際審査会、ならびに運営をサポートする審査サポート室を
設置しています。
01
02
経営責任者等
品質管理の各部署
(理事長・専務理事等)
重要な監査リスクと
管理状況の把握
適時・適切な対応の指示
継続的な改善・高度化
品質管理の
フレームワークの
整備・運用
品質管理の
フレームワークの
実効性評価
経営監理委員会
指示
報告
品質管理本部
(116名)
監査
プラクティス部
次世代監査技術
研究室
あずさデリバリー
センター
会計
プラクティス部
IFRS
アドバイザリー室
USキャピタル
マーケッツ室
審査会(164名)
上級審査会
リスクマネジメント本部
(91名)
リスク
マネジメント部
リスクマネジメント
企画室
監査モニタリング室
拠点審査会
国際審査会
審査サポート室
*品質管理の各部署の本部および審査会の人員数は、兼務者も含めて記載しています
8 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
あずさ監査法人の監査品質
監査品質の向上に向けたすべての取組の基礎となるものが、
と呼んでいる組織的な品質管理体制です。
私たちが
「4つのディフェンスライン」
これは、
①経営責任者等(理事長・専務理事等)、
②品質管理の各部署、
③監査事業部、
および④監査チームの4つの階層が、
それぞれ監査品質に対する自らの責務を果たし、
漏れのない組織的な管理体制を築くことで、
監査品質に万全を期すものです。
03 監査事業部
04 監査チーム
品質管理の中核を担う
監査業務の最前線で品質を支える
監査事業部は、事業部長のリーダーシップのもと、品質管理、
監査チームは、十分な企業の理解に基づいて、主体的に監査リス
チーム編成などの人事管理および人材育成など相互に関連する
クを評価し、把握されたリスクに対応する監査手続を実施するこ
監査事業部では、
品質管理の各部署から入手した監査リスクに関
要な論点については、経験豊富なパートナーが中心となって、批
監査事業部の機能を有機的に連携させた運営を行っています。
する情報および過去のモニタリング等により把握した情報をもと
に、
品質管理責任者が中心となって監査関与先の監査リスクを評
価し、
それらのリスク評価結果に基づいて、事業部長が人事担当
責任者との協議のうえチーム編成を行うことで、
パートナー、
マネ
ジャー等の適切な配置を実現しています。
監査事業部の品質管理責任者は、
補助者とともに監査チームを継
続的にモニタリングするほか、
監査チームからの相談窓口としても
機能します。監査チームのモニタリングの結果は事業部長に報告
され、
改善すべき点があれば監査チームにフィードバックされます。
このほかにも、監査事業部では品質管理の各部署から伝達され
る品質管理に関する最新情報について、事業部パートナー会議
とで、
監査業務を遂行する責任を負っています。特に、
監査上の重
判的かつ大局的な視点から検討を行っています。
また、
監査調書の査閲を通じた監査チーム内におけるOJTと議論の
活性化により、
監査チームメンバーの能力向上に取組んでいます。
常勤プロフェッショナルの職階ごとの人員数、
構成割合
および平均経験年数
(2016年6月末現在)
パートナー、
ディレクター
シニアマネジャー、
マネジャー
シニア、
スタッフ
総計
人員数 構成割合 平均経験年数
651
12.7%
19.1
1,118
21.9%
10.9
3,340
65.4%
4.1
ー
5,109
やマネジャー会議、事業部内のメールアナウンス等を通じ、監査
チームへの浸透を図っています。
04
03
指示・サポート
問合せ等
モニター
報告
監査事業部
監査リスクの評価
監査チーム
チーム1
チーム2
チーム3
チーム4
チーム5
・
・
・
監査チームの編成
監査チームのモニタリング
品質管理情報の
監査チームへの浸透
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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9
2. 企業のグローバル化に対応した監査体制
~親会社監査チームの強力なリーダーシップ~
グループ監査
KPMGメンバーファームとの連携
親会社を監査するグループ監査チーム
(親会社監査チーム)は、
連
企業グループの構成単位の監査人がKPMGメンバーファームで
結財務諸表についての意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手するため、企業グループの各構成単位の連結財務
諸表における財務的重要性やリスクの程度により重要性を評価
し、
その重要性に応じて実施する手続を計画します。
重要な構成単位と判断した場合には、その構成単位の監査人
に、計画した手続を実施するよう直接監査指示を行い、
その結果
の報告を受けることになります。海外子会社の監査では、各国の
ある場合、構成単位の監査人は、KPMG内で共通の監査メソド
ロジーを使用し、KPMGインターナショナルの品質管理システム
ならびに監視の方針および手続を遵守しているため、
グループレ
ベルで一定の監査水準を確保することが可能です。また、構成単
位の監査人は、必要に応じて日本人駐在員等のサポートを得な
がら、親会社監査チームおよび企業グループの経営者と監査上
の問題点を適時に共有して、
適切な対応を図ることができます。
ビジネス・会計・監査の慣行の違いやそれに基づくコミュニケー
さらに、海外の構成単位の監査人と、特に綿密なコミュニケー
その監査人と密に連携することで、効率的なグループ監査の遂
当該構成単位の現地KPMGに派遣し、構成単位の監査チームの
ション不足が生じやすいため、事業や監査リスクの理解を深め、
ションが必要な場合には、親会社監査チームのコアメンバーを
行を図っています。
コアメンバーとすることや、逆に構成単位の監査チームから親会
ためには、海外赴任経験者等の適切な人材を配置することも重
強力なリーダーシップを発揮できる体制を構築しています。
また、海外の構成単位の監査人と効果的かつ効率的に連携する
要であり、
この点を十分に考慮したチーム編成を行っています。
グループ監査イメージ図
Japan Mobility Program
アジアを中心とした各国KPMGから
Japan Mobility Programは、
赴任者を募り、
将来、
本国で日系企業を担当するプロフェッショナル
監査・レビュー
あずさ監査法人
親会社監査チーム
監査関与先
報告
社監査チームにメンバーを受入れることで、親会社監査チームが
指示
報告
を育成することを目的としたプログラムです。日本語、
日本の企業
文化、
また、
監査スキルを習得し、
その習得した知見で本国に帰任
後、
日系グループ企業を担当することで、
日本企業のグループ監査
の実効性をさらに高めることが可能となります。
指示
監査・レビュー
監査関与先
海外子会社
海外KPMG
構成単位の監査人
10 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
あずさ監査法人の監査品質
経済のクロスボーダー化はますます進展し、
規模を問わず多くの企業が海外に進出してビジネスを展開しています。
海外子会社の機能や規模は多様化し、
企業グループのグループ監査を実施するには、
海外ビジネスの十分な理解と各国の特性に応じた対応が不可欠です。
あずさ監査法人では、
日本の親会社監査チームが主導的な立場となり、
各国KPMGとの連携および海外事業の相談窓口として
のサポートにより、
法人内に設置しているグローバル・ジャパニーズ・プラクティス部(GJP)
企業のグローバル化に対応したグループ監査を効果的かつ効率的に実施する体制を構築し、
実行しています。
GJPネットワーク
グループ監査の効果的かつ効率的な実施を支援するため、全世
これらプロフェッショナルを中心に、担当地域の各分野に精通し
ヨーロッパ・中東、
アジア・太平洋の3地域の主要36ヵ国74都市
ならず、グループガバナンスの視点から、税務、
トランザクション
アメリカ、
界のKPMGメンバーファームとの緊密な連携のもと、
た専門家チームが連携し、海外現地法人に対して会計監査のみ
に、約600名の日本人および日本語対応が可能なプロフェッショ
サービス、財務アドバイザリー、
リスクコンサルティング等の幅広
心としたネットワークを構築しています。
また日本においては、
中国をはじめ、
インド、
ASEAN、オセアニア、
ナルを配し、
グローバル・ジャパニーズ・プラクティス部(GJP)を中
いサービスを提供しています。
北米、
ラテンアメリカのほか、欧州、ロシアなど、日本企業の関心
が高い新興国および主要先進国28ヵ国について、当該国駐在経
験者約70名が中心となってカントリーデスクを設置しています。
グローバルネットワーク体制
ヨーロッパ・中東地域
Europe, Middle East
and Africa
アメリカ地域
Americas
100
約 名
(うち駐在員35名)
(2016 年 6月末現在)
300
約 名
(うち駐在員49名)
日本
GJP
海外赴任経験者 266名
海外受入人員 22名
数字は日本語対応人員数
日本語対応可能国
ヨーロッパ・中東地域
・イギリス
・ドイツ
・スペイン
・オランダ
・フランス
・ベルギー
・ルクセンブルク
・イタリア
・ポーランド
・アイルランド
・チェコ
・ハンガリー
・トルコ
・ロシア
・アラブ首長国連邦
・南アフリカ
・ケニア
アジア・太平洋地域
Asia Pacific
200
約 名
(うち駐在員69名)
アジア・太平洋地域
・中国
・韓国
・台湾
・シンガポール
・マレーシア
・タイ
・インドネシア
・ベトナム
・フィリピン
・カンボジア
・ラオス
・ミャンマー
・インド
・オーストラリア
・ニュージーランド
アメリカ地域
・アメリカ
・カナダ
・メキシコ
・ブラジル
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 11
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
3. IFRS、米国基準に関する高い専門性
~日本国内で完結する体制~
IFRSに関する専門性、情報提供体制
IFRSに関する十分な監査体制の確保
IFRS適用第1号上場企業をはじめとする日本国内のIFRS適用
2016年6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」において、
上場企業およびIFRS 適用外資系企業の重要な日本子会社の
IFRS監査について、豊富な経験を持つ多くのプロフェッショナル
会計基準の品質向上のため、IFRSの任意適用企業の拡大促進
が提唱されており、IFRS導入への各企業のニーズは高まってい
を有しています。
ます。東京証券取引所が2016年7月20日に公表した『「会計基
適用に関する論点について、会計プラクティス部が、日本企業の
IFRS適用または検討のアクションをとっている上場企業は374社
日本企業の決算・監査において生じるさまざまなIFRSの解釈・
実務に即した解釈を行い、監査チームの判断をサポートします。
IFRS設定主体であるIASBや、KPMGのIFRS中枢組織である
International Standards Group(ISG・ロンドン)の駐在経験者
と、
IFRSの監査・アドバイザリーの豊富な実践経験を有するパート
準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析』では、
あります
(下記参照)。
あずさ監査法人では、
IFRS適用企業の拡大に対する十分な監査
パートナーおよびマネジャー
体制を確保するため、2004年より、
を中心に、
IFRSの研修および実務経験の充実を進めてきました。
ナーが適時に関与し、
IFRSに関する高い専門性を発揮します。
この結果、2016 年 6 月末時点で、研修および実務経験に基づく
日本特有のIFRS適用上の論点に加えて、
IFRSの最新動向の情
ジャーの総数は、
約1,190名となっています。
また、
会計プラクティス部に設置したIFRSアドバイザリー室が、
報収集・発信、
書籍・記事執筆、
セミナー開催等を行っています。
IFRSに関する審査体制
あずさ監査法人の所定の基準を満たすパートナーおよびマネ
あずさ監査法人の監査関与先は99社となっ
前述の374社のうち、
マネ
ています。これらの関与先に対して、
それぞれパートナー3名、
ジャー4名をアサインした場合、
IFRS監査に必要なコアチームメン
IFRS適用企業の監査においては、あずさ監査法人の所定の基準
を満たす、IFRS適用企業の監査経験者等を中心とした審査員に
よる審査を実施しています。上級審査会による審査を実施する場
合でも、
IFRSに精通したパートナーが上級審査員となり、複雑・高
度な論点にも対応します。IFRSの専門的判断を日本国内で完結
できるため、
監査上の論点についての迅速な対応が可能です。
前述のとおり、
あずさ監査法人
バーは総勢約700名となりますが、
ではすでに約1,190名のIFRS対応メンバーの体制を確保している
ため、
速やかに十分な対応が可能となっています。
東京証券取引所の分析結果
適用済み 適用決定 適用予定
IFRS適用(検討)
会社
うち、
あずさ監査法人
の監査関与先
85社
30社
26社
23社
9社
11社
適用
検討中
合計
56社
99社
233社 374社
出典:東京証券取引所
『
「会計基準の選択に関する基本的な考え方」
の開示内容の分
析』
2016年7月20日
IFRS適用会社に対する
監査実績
24
日本電波工業
三井住友FG
■ 住友商事
■ アンリツ
■ マネックスグループ
■ 双日
■ 中外製薬
■
■
社
旭硝子
武田薬品工業
■ 第一三共
■ リコー
■ ツバキ・ナカシマ
■ 日東電工
■ 参天製薬
■
■
コニカミノルタ
ユタカ技研
■ 本田技研工業
■ 八千代工業
■ トリドール
■ クックパッド
■ ホットリンク
■
■
■
■
■
住友理工
ティアック
KYB
* 三井住友FGは、
有価証券報告書におい
ては日本基準を適用しているため、
東京
証券取引所の分析における適用済み会
社数には含まれていません
12 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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あずさ監査法人の監査品質
日本におけるIFRSの適用企業はこのところ大きくその数を伸ばしています。
2016年6月末現在、IFRS適用企業は日本企業では85社が導入を開始していますが、
あずさ監査法人ではそのうち27%にあたる23社に対して監査業務を提供しています。
また、
SEC登録企業等の米国基準を適用する企業にも、監査業務を提供しています。
あずさ監査法人では、
IFRSおよび米国基準に関する高い専門性を有しており、
専門的な判断も含めて、
日本国内で完結できる体制を構築しています。
米国基準に関する専門性、
情報提供体制
体制図
日本企業の決算・監査において生じるさまざまな米国基準に関
する論点について、会計プラクティス部に設置したUSキャピタル
監査関与先
マーケッツ室が、日本企業の実務を考慮して解釈を行い、監査
チームの判断をサポートします。
また、会計プラクティス部は、日本基準だけでなく、米国基準の
円滑な協議
適切な判断
最新動向の情報収集・発信を行っています。
加えて、USキャピタルマーケッツ室は、KPMG米国の品質管理
部門、
Department of Professional Practice(US-DPP・ニュー
監査チーム
ヨーク)への駐在経験者を中核として組織しており、米国基準に
関する高い専門性を発揮します。
米国基準、
SECファイリングに関する審査体制
米国基準適用企業の監査においては、
あずさ監査法人の所定の
会計プラクティス部
審査員による審査を実施しています。上級審査会による審査を
■
基準を満たす、米国基準適用企業の監査経験者等を中心とした
■
実施する場合でも、米国基準に精通したパートナーが上級審査
■
員となり、複雑・高度な論点に対応します。
また、
SECファイリングに際しては、日本人のSECレビューイング・
パートナーが関連書類のレビュー・承認を行い、
あずさ監査法人
日本基準、
IFRS、米国基準の適用上の解釈や判断をサポート
日本基準、
IFRS、米国基準等の動向に関する、ASBJ、JICPA、
IASB/IFRS財団、ISG/US-DPP等との情報交換、人員派遣
特にIFRSについて、
日本特有の実務、
規制、
商習慣等を
背景とした適用上のガイダンスを策定
IFRS
アドバイザリー室
独自で監査上の論点の最終判断を含めて監査を完結させてい
ます。さらに、極めて高度な論点を扱う場合などは、必要に応じ、
日本人のSECレビューイング・パートナーがUS-DPPと直接協議
し、
迅速な対応を図ります。
本部
■
IFRSの最新の会計動向
■
IFRSに関する情報・
に関する調査・情報収集
ニューズレター配信、
書籍・記事執筆、
セミナーの企画
USキャピタル
マーケッツ室
■
■
米国基準の会計・
監査上の論点を
専門的見地から検討
SEC登録企業・SEC
ファイリングにおける
監査の判断を監督
連携
直近3年間のSEC基準
および米国基準適用会社
に対する
監査実績
11
社
日本電信電話 ■ マキタ
■ 小松製作所
NTTドコモ
■ オリックス
■ 三菱電機
■ 本田技研工業 ■ TDK
■ 三井住友FG
* 米国基準からIFRSへ
■ リコー
変更した企業を
■ パナソニック
含んでいます
■
■
ISG
■
■
■
各国のKPMGから
IFRSの専門家が集結
各国に共通するIFRSの
論点についてKPMGの
ガイダンスを策定
1名の駐在員を派遣
連携
US-DPP
■
■
■
米国基準の論点についての
KPMGのガイダンスを策定
各地域のUSキャピタル
マーケッツ室と連携して、
米国基準監査を支援
1名の駐在員を派遣
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 13
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4. Data & Analyticsへの取組
~「次世代監査技術研究室」
による展開~
現在の取組
財務および非財務データを用いた分析技法
外部から入手したデータを用いた監査技法
企業が記録・管理している一定の財務および非財務データを
企業が入手している外部データを利用する、または監査人が
分析し、異常なものが含まれていないかを検証する精査的手法
ついて外部証憑と突合することにより、
「精査」
と同等の証拠力を
入手、対象となるすべての取引について各データ間の関係性を
を導入しています。
下図は、工事案件に関する分析手法を説明したものです。この
例においては、
すべての工事案件に関する財務・非財務データを
入手し、予算の達成率と、実際の工事完成予定日から算出した
直接外部からデータを入手して、監査関与先のすべての取引に
有する手続の導入を始めています。
外部からのデータを利用した証憑突合
納品データ
工期の進捗率との関係性を分析し、標準的な関係となっていな
を採用することにより、従来の、大きな母集団からサンプリングに
より一部の取引を抽出する
「試査」から、取引母集団全体を検証
一部の取引を
人の手で
突合
試査
い取引、
すなわち、異常項目の抽出を行います。このような手法
売上データ
し、かつ工事完成予定日等の非財務データを使った、従来とは
異なる視点での「精査的手法」による監査手続が実施可能とな
ります。
財務および非財務データを用いた精査的手法
試査
■ 証憑からの監査人の
知見や経験に基づく
主観的な抽出
標準からの
逸脱が大きい
時間に比べて
原価が大きい
原価の進捗率
精査的手法
・ 監査人の知見、経験
・ IT技術
証憑から
一部取引を抽出
時間の進捗率
すべての取引を分析
精査的手法
監査人の知見、経験
■ 取引の一部を
サンプル抽出して
全体を推定
納品データ
売上データ
すべての取引を
ITを用いて
突合
■ 取引母集団全体を
分析し、異常項目を
抽出
■ 会計記録だけでなく
非財務データも
含めたデータ間の
関係性も含めて
検証
14 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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あずさ監査法人の監査品質
Fintech、IoTの普及に代表される情報技術の急速な発展およびビッグデータの利用拡大を受け、
「次世代監査技術研究室」
を設置し、
あずさ監査法人では、
AIの利用も見据えた最先端技術の研究を行う
会計監査を取り巻く環境の大きな変化や、
情報処理技術の高度化に対応した最新の監査技法の導入、
展開を進めています。
企業が記録・管理している内部データや公表情報等の外部データ等を利用したData & Analyticsを活用することで、
試査では検出できなかった異常点が検出可能となるため、
特に不正を示唆する取引を検出するために有効な手段と考えています。
次世代監査技術研究室
高度な仕訳分析
KPMGでは、より高度に仕訳分析を行うツールであるeAAT
(Electronic Account Analysis Tool)を開発しています。この
ツールにより、例えば、監査関与先の属する産業ごとに想定され
る仕訳貸借組合せの情報をあらかじめデータベース化し、
年間を
通じて発生したすべての仕訳データから、
実際の仕訳貸借組合せ
と比較し、
想定されない組合せを抽出します。これにより、
異常な
仕訳をより適切に検出することが可能となります。
高度な仕訳分析
貸方 現金預金 売掛金 棚卸資産 固定資産 買掛金
借方
現金
145,832
預金
売掛金
棚卸
資産
固定
資産
想定される仕訳の
組合せは、緑色で表示
買掛金 124,569
売上
売上
原価
450
45,092
売上
売上原価
45
154,325
1,295 134,572
38,948
想定されない仕訳の
組合せは、赤色で表示
会社のデータを用いた監査手続、
監査調書作成の自動化
会社の会計システム、販売システム等を含むERP(Enterprise
Resource Planning)パッケージより、会社が保有するデータを
あずさ監査法人は、ITを活用した革新的な監査技法の研究・開
発・導入・改善・普及に関する活動を担うことを目的として、次世
代監査技術研究室を2014年7月に設置しました。KPMGが開発
したData & Analyticsツールをあずさ監査法人に導入するのみ
ならず、開発拠点である米国に人員を派遣して、
ツールの開発に
関与しています。また、
あずさ監査法人においても独自にData &
Analyticsツールの研究、導入を行っています。現在、公認会計士
およびIT専門家を中心に約50名が関与して活動を行っており、
メンバーを順次拡大しています。
今後に向けた取組
より高度で客観的な
「リスク・アプローチ」
より高度で客観的な「リスク・アプローチ」の手法として、データ
ベース化された過去のさまざまな事例等の情報、
および企業が属
している産業や財務情報等を組み合わせ、
客観的・定量的に認識
すべきリスクの提案を行うツールの開発を始めています。また、
これらのリスクを評価するにあたっては、
現在行われているような
数段階のレベル分けよりもさらに詳細な評価を行うため、
リスク
を点数化し、
その点数に応じて対応する手続を提案するという取
組も行っています。
一括して入手し、
その後、自動で当該データの分析および監査調
回帰分析を用いた監査技法
の導入に取り組んでいます。
過去の財務・非財務データおよび外部のマクロデータに高度な
書を作成するKAAP(KPMG Automated Audit Procedures)
統計理論を用いた回帰分析を適用することで、監査を効果的・
監査手続・監査調書作成の自動化
会社システム
あずさ監査法人の
サーバ
自動抽出
財務・非財務データを
一括して抽出
自動作成
監査調書
過去の知見も加味し、
財務・非財務データを分析
効率的に実施する試みを行っています。
AI(人工知能)等に対する研究
次世代監査技術研究室では、
KPMGインターナショナルと緊密な
連携・情報交換を行うとともに、
AIやコグニティブ技術の監査への
適用について検討を開始しています。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 15
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Ⅰ
5つの基本理念
The KPMG Story
あずさ監査法人は、
自らの存在意義(Purpose)
として、
「社会に信頼を、
変革に力
」
という理念を掲げるとともに、
を
(Inspire Confidence, Empower Change.)
すべての構成員が共有すべき価値観(Values)を、行動指針として示しています。
「常に選
これら普遍のPurposeとValuesに基づく私たちが目指す姿(Vision)を、
」
と定め、
それを実現するための戦略
ばれる存在であること
(The Clear Choice)
サービスの品質や行動のあり方について、
(Strategy)を策定しています。さらに、
を表明し、
理念の実現に取り組んでいます。
社会に対する約束(Promise)
■Purpose ~私たちの存在意義~
組織の存在意義(Purpose)
として、
あずさ監査法人では「社会に信
と
頼を、
変革に力を
(Inspire Confidence, Empower Change.)」
いう理念を掲げています。
このPurposeに基づき、監査および会計サービスを通じて情報の
信頼性を確立するとともに、持続的成長に向けた企業や社会の変
革を支援していくことが、私たちの変わることのない使命だと考え
ています。
■Values ~私たちが共有する価値~
全職員が共有すべき価値(Value)として、7つの行動指針を掲げて
います。これらは、業務を行うにあたってのプロフェッショナルの
大切な規範であり、
日々の活動のベースとなっています。
Lead by example
自ら範を示して行動する
Respect the individual
個人を尊重する
Work together
チーム一丸となって活動する
Communicate openly and honestly
オープンかつ率直なコミュニケーションを図る
Seek the facts and provide insight
事実を追求し、
専門知識を提供する
Improve communities
コミュニティのために貢献する
Act with integrity
そして何より、
誠実に行動する
16 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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■Vision ~私たちが目指す姿~
■Promise ~社会に対する約束~
あずさ監査法人は、
前述のPurposeやValuesを踏まえ、
法人が目指
あずさ監査法人は、企業や社会に対して、私たちのサービスの品質
「The Clear Choice」を掲げています。私たち
す姿(Vision)として、
や行動理念がどのようにあるべきかについてまとめた、以下の約束
は卓越したサービスを提供し続けることにより、
社会、
クライアント、 (Promise)を制定しています。
関係する人々から、
常に選ばれる存在であることを目指しています。
■Strategy ~Visionを達成するための戦略~
あずさ監査法人は、品質、協働による総合力、そして人材の3つに
焦点を当てた戦略(Strategy)を策定しています。
KPMG-Quality
資本市場における財務情報の信頼性を確保するプロフェッショナル
ファームとして、
投資家や関与先をはじめとするステークホルダーのため
の目線を常に外すことなく、
高い品質の監査やアドバイザリーサービスを
With passion and purpose,
we work shoulder-to-shoulder with you,
integrating innovative approaches and
deep expertise to deliver real results.
私たちは、
真の成果をもたらすために、
情熱と確かな理念をもって、
革新的な手法と深い知見を駆使し、
よき相談相手としてともに取り組みます。
提供していきます。
KPMG-Cube
サービス、業種や地域の枠を越えた、協働による総合力で企業に付加
価値のあるサービスを提供します。Cross Function / Cross Border /
Cross Cultureによって知見を集約し、グローバルなビジネス環境の中
で変革を目指す企業を支援していきます。
KPMG-Career
あずさ監査法人における最も重要な資産は人材であり、
その成長こそ
が価値を提供するための原動力となります。あずさ監査法人は人材の
成長を支え、
真のプロフェッショナルを育成していきます。
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Ⅱ
組織体制
組織体制
あずさ監査法人の基本的な組織体制は、最高決議機関である全国社員会、法人
経営や執行に関する意思決定を行う理事会および専務理事会、ならびに、
それら
を監査する監事会で構成されています。また、業務執行部門から独立した上級審
査会が審査全般を統括するとともに、外部の有識者から成る経営監理委員会を
設置し、
ガバナンスを強化しています。
経営監理委員会
全国社員会
上級審査会
監事会
全国パートナー委員会
拠点審査会 内部監査室
審査サポート室
理事会
コンプライアンス委員会
理事長
KPMGジャパン統轄
国際審査会
副理事長/
専務理事会
品質管理統轄
品質管理本部
リスクマネジメント本部
IT 監査本部
企画統轄
企画本部
東京事務所
金融事業部
・金融監査1部
・金融監査2部
・金融
アドバイザリー部
HR本部
マーケット統轄
マーケット本部
業務開発統轄
アドバイザリー本部
ファイナンシャル
サービス本部
第3事業部
第4 事業部
第5事業部
AAS事業部
IT 監査部
管理本部
HR統轄
第2事業部
第6 事業部
管理統轄
ITS本部
第1事業部
大阪事務所
第1事業部
IT 監査部
第3事業部
管理部
第2事業部
AAS事業部
名古屋事務所
監査事業部
IFRS推進部
地域事務所
札幌事務所
仙台事務所
北陸事務所
北関東事務所
横浜事務所
広島事務所
福岡事務所
地域事務所
京都事務所
神戸事務所
管理部
パブリックセクター本部
企業成長支援本部
(2016年7月1日現在)
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法人のガバナンス
あずさ監査法人は、業務執行権を有する出資者であるパートナー
(社員)により経営され、監査業務の指定社員は、各担当の監査業
務について無限責任を負い、担当監査業務以外については出資の
範囲でパートナー全員が経営責任を負う、
有限責任監査法人です。
監査法人の重要事項は、
パートナー全員で構成される最高決議機
関である全国社員会にて決議され、
それ以外の法人経営に関する
意思決定事項等については、
理事会・専務理事会で決議されます。
なお、
金融以外においても、
主要なインダストリーごとに、
事務所、
監
査事業部の枠を超えた横断的なネットワークを構築することで、業
界固有のテーマに関するノウハウの蓄積と、
それに基づく最適な判
断を可能としています。
経営監理委員会
外部の有識者により構成される経営監理委員会から、幅広い見識
に基づく多様な意見を受けることで、監査法人のガバナンスを強化
理事長および理事は、
社員の直接選挙により選出され、
理事長が理
し、経営の透明性を高め、ひいてはあずさ監査法人の監査および
します。そして、専務理事会のもとに各本部および監査事業部が配
に貢献することを目的として、
2016年7月1日付で設置しました。
事の中から副理事長および専務理事を選任して専務理事会を構成
置され、
業務を執行します。
その他の業務に対する信頼性を向上させ、資本市場の信頼性確保
また、
全国社員会で社員より選任された監事により構成される監事
会が、理事会・専務理事会等の決議機関や、理事長および理事の業
務執行等を監査します。
統轄事務所体制
東京、大阪、名古屋の3つを統轄事務所とし、
その他の9つの地域事
務所および10のオフィスを統轄事務所の監査事業部の管轄下に
置く、
統轄事務所体制を敷いています。統轄事務所と各地域事務所
は緊密な関係を維持しており、人材の交流や品質管理施策の統合
などにより、
全事務所の監査品質の均質化を図っています。
監査事業部
東京事務所においては、金融事業部は、金融機関を中心に監査し、
それぞれがグローバル企業も含めて多様な
第1から第6事業部は、
業種の企業を監査しています。特に第3から第6事業部はSEC登録
企業の監査も担当しており、
企業のグローバル化に対応したグルー
(左から)
-
浦野 光人委員 (株式会社ニチレイ相談役)
石田 浩二委員 (元日本銀行政策委員会審議委員)
福川 伸次委員 (学校法人東洋大学理事長、
元通商産業事務次官)
阪田 雅裕委員 (弁護士、
アンダーソン・毛利・友常法律事務所顧問、
元内閣法制局長官)
パブリックセク
プ監査を強力に推進しています。また、
第1事業部は、
上級審査会
それぞれの分野で専門性を発揮しています。
上級審査会は、
拠点審査でより慎重な判断が必要と結論づけられた
名古屋事務所においては、
1つの監査事業部があり、東京事務所同様
について、法人としての監査意見に関する最終判断を行います。業
また、ITの専門家から成るIT監査部を設置し、監査事業部の監査
が業務執行部門の意向から独立していることを明確にしています。
ター本部を、第2事業部は企業成長支援本部(IPO)を兼ねており、
大阪事務所においては、
第1から第3事業部までの3つの監査事業部、
に、
グローバル企業を含めた多様な業種の企業を監査しています。
チームと一体となって、
Data & AnalyticsやITの内部統制評価を支
監査上の論点や、所定の受審要件に該当する重要な監査上の論点
務執行部門から独立した部門として設置されており、
監査上の判断
援しています。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 19
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4つのディフェンスラインによる品質管理
Ⅲ
品質管理に関する基準および法令等 では、品質管理に関する責任の明確化、
*1
コンプライアンス等の遵守、監査契約のリスク評価および監査業務の適正な遂行
(P8参
等が求められています。あずさ監査法人では、
「4つのディフェンスライン」
照)による組織的な品質管理体制を構築しており、
各基準および法令に準拠して品
質管理の方針および手続の整備・運用を行っています。
1. 品質管理に関する責任
2. コンプライアンス、職業倫理および独立性の遵守
品質管理に関する責任
コンプライアンス体制
品質管理に関する最終的な責任は理事長にありますが、理事長の
任命に基づき、品質管理を統轄する専務理事が、全般的な品質管
理に関する方針の策定および遵守状況の監視について責任を負っ
ています。
また、監査品質が最重要課題であることをすべてのパートナー
および職員に浸透させるため、
さまざまな機会と媒体を通じて、理
2016 年 7 月 1 日
事長をはじめとする経営者は、以下の4点について、繰り返し強い
あずさ監査法人 パートナー・職員 各位
あずさ監査法人のすべての皆様へ
メッセージを発信しています。
~ 新年度を迎えて
~
• 企業の健全な成長と経済の持続的発展には、資本市場における財務
情報の信頼性が不可欠であること。
• 企業の財務情報に信頼を付与することが、我々公認会計士の使命で
あること。
理事長 酒井弘行
「 重要な監査領域における重大な不備、
場合に
• 私たちの目標は、
3 月期決算の繁忙期を乗り切り、6
月の定時株主総会シーズンも終え、皆様の多くが一息ついている
員
(弁護士)
1名の、計17名からなるコンプライアンス委員会を設置し、
「倫理行動規範」の改定、
「コンプライアンス研修」の実施、
メールマ
ガジン発行による啓発活動、
コンプライアンス・ホットラインの設置な
ど、
積極的な取組を行っています。
また、契約先に関連する第三者および個人を対象に、不服・疑義申
立てのための通報窓口を設けています。
独立性および倫理
監査業務の提供にあたっては、厳格な独立性が求められます。
あずさ監査法人では、独立性の保持に関する内規*2により、法人の
独立性、個人レベルでの独立性、退職後の関係、
パートナー・ロー
ことと思います。昨年度は、品質管理上の取り組みや法人運営上の施策等の実施にあたり、全国のパ
よっては財務数値
に影響を与える
(マーケットにインパクトを与える)
ートナー、ディレクター並びに職員の皆様に多大なご支援とご協力をいただきましたことに深く感謝申し上
テーション、
監査と非監査業務の承認等に関する方針および手続を
あること。
あずさ監査法人は 7 月より新年度を迎えます。新年度になってアサインメントや所属チームの変更があ
の受講や宣誓を義務付けることによって、
その周知、
徹底を図ってい
可能性があるような重大な不備は、
決して発生しないようにすること」
で
げます。
•
法人内のコンプライアンス意識を高め、
規範の遵守を徹底するため
外部委
に、
コンプライアンス体制を整えています。法人内委員16名、
った方は、心機一転、新しいステージでの活躍を心に秘めていることと思います。私も昨年
7 月に理事長
そのために、
重要な監査上の論点に焦点を当てて、
必要かつ十分な監
査手続を実施すること。その結果、新たな監査上の重要な論点や問
に就任し、今月から 2 年目がスタートします。私も皆さんと同じように、気持ちを新たに法人の運営に向か
いたいと考えています。
題点を検出した場合は、
確実かつ丁寧に経営者に伝達すること。
さて、新年度のスタートにあたり、あずさ監査法人の今後の取り組みについて、監査品質向上のための
継続的な取り組み、アドバイザリーの強化、人事制度改革、法人ガバナンス改革及び新中期経営計画
の 5 点を皆様にお伝えしたいと思います。
理事長から構成員へのメッセージ 抜粋
1.監査品質向上のための継続的な取り組み
2016 年 7 月 1 日
私が理事長に就任して以来、東芝や新日本監査法人の問題に代表されるように、会計監査を取り
あずさ監査法人 パートナー・職員 各位
巻く環境はますます厳しさを増しており、私たちに対する社会からの期待の大きさを痛感させられる 1 年で
あずさ監査法人のすべての皆様へ
した。これまでもパートナー並びに職員の皆様へ監査品質の向上に向けてメッセージを発信してきましたが、
改めて皆様にお伝えします。
~ 新年度を迎えて ~
理事長 酒井 弘行
(1)私たちの目標と、あらためてパートナー並びに職員の皆様へのお願い
現在の私たちの目標は、「重要な監査領域における重大な不備、場合によっては財務数値に影響を
定め、
すべてのパートナーおよび職員に対して独立性に関する研修
ます
(2016年6月期の独立性宣誓回答率は100%)。また、一定以
上の職階者に対しては個人の経済的独立性に関する調査を行い、
独立性の遵守状況に関する監視を実施しています。
*1 KPMGの方針および手続、企業会計審議会が公表する監査基準および監査に関
する品質管理基準、日本公認会計士協会(JICPA)が公表する監査に関する委員
会報告書等、公認会計士法その他関係法令、監査における不正リスク対応基準、
会社法その他関係法令、金融商品取引法その他関係法令、JICPAが公表する会
則、
倫理規則、
独立性に関する指針、
その他の倫理に関する規定等
*2 KPMGの独立性に関する方針、公認計士法・同施行令・同施行規則、日本公認会
計士協会が公表する会則・職業倫理・独立性に関する指針およびその他の職業倫
理に関する規定等に準拠して作成した内規
与える(マーケットにインパクトを与える)可能性があるような重大な不備は、決して発生しないようにす
る」ということです。
理事長 酒井弘行
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
3 月期決算の繁忙期を乗り切り、6
月の定時株主総会シーズンも終え、皆様の多くが一息ついている
20
ことと思います。昨年度は、品質管理上の取り組みや法人運営上の施策等の実施にあたり、全国のパ
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Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
ートナー、ディレクター並びに職員の皆様に多大なご支援とご協力をいただきましたことに深く感謝申し上
品質管理の方針および手続
1. 品質管理に関する責任
2. コンプライアンス、職業倫理および独立性の遵守
3. 契約の新規の締結および更新
4. 監査業務の適正な遂行
01
経営責任者等
4つのディフェンスライン
02
品質管理の各部署
03
監査事業部
独立性に関する確認システム(法人レベル)
監査関与先に対する独立性は、
全世界のKPMGが提供する業務に
04
監査チーム
3. 契約の新規の締結および更新
契約の新規の締結および更新におけるリスク評価
監査業務等の開始に先立つ契約締結手続の中で、複数の視点から
関して担保される必要があります。このためKPMGでは、監査・非
リスク評価を行っています。契約の新規締結および更新時には、契
システム(Sentinel)への登録が義務付けられており、監査エン
定の企業について、経営者の姿勢(マネジメント・インテグリティ)、
監査を問わずすべての業務開始にあたってKPMGの独立性確認
ゲージメントパートナーは独立性に関する職業倫理の規程に照ら
約締結前に独立性を遵守していることを確認するとともに、受嘱予
ガバナンスの状況、各種情報による役員等が反社会勢力等でない
した業務提供の可否を網羅的に判断しています。グローバルに展
ことの確認を含む背景調査、会計上・監査上の論点についてリスク
ますが、SLP(Sentinel Lead Partner)と呼ばれる責任者がすべて
しています。また、
リスク評価の見直しをすべての監査関与先に対し
開する企業では、各国のKPMGから膨大な数の業務提供がなされ
の契約内容を査閲のうえ、
承認しています。
評価を行い、
その結果に応じて法人内での適切な承認を得ることと
マネジメントや株主の交代、重大
て最低1年に1度の頻度で実施し、
な事件の発生等、契約先のリスク要因に変化の兆候がある場合に
パートナーのローテーション
は、
速やかに再評価を行うこととしています。
監査証明業務に関与するパートナーは、
適用される法令等、
独立性
監査事務所間の引継
ています。あずさ監査法人は、公認会計士法および日本公認会計
監査人の交代に際して、前任の監査人となる場合または後任の監
パー
以内(上場会社等の筆頭業務執行社員は5会計期間以内)を、
ことを合理的に確保するために、
必要に応じて品質管理の各部署が
に関する方針等に基づき、
定期的なローテーションが義務付けられ
士協会(JICPA)の倫理規則等に則り、連続関与期間を7会計期間
トナー・ローテーションに関する方針としています。SECルール等、
より厳格なルールがあれば、
それを適用しています。
査人となる場合の双方について監査業務の引継が適切に行われる
指示を行い、
引継に立ち会っています。
インサイダー取引の防止
監査チームメンバーは監査の過程で重要な未開示情報に接する
機会が多く、高い道徳心をもって業務に臨むことが求められます。
あずさ監査法人では、インサイダー取引監視委員会を設置する
ほか、
パートナーおよび職員に対して、
研修の受講、
法令等への遵守
に関する誓約書の提出の義務付け、
監査関与先への投資の禁止・制
限、
保有有価証券等のオンラインツールへの登録の義務付け等を行
うことで、
インサイダー取引の発生を防止しています。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 21
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Ⅲ 4つのディフェンスラインによる品質管理
4. 監査業務の適正な遂行
4-1. 専門職員の採用、育成、評価および
監査チームの編成
専門職員の採用、
育成、
評価
専門性の高い監査業務を遂行するためには、
優秀な人材を採用し、
その人材を研修や業務経験を通じて育成し、
そして適材適所に配置
4-2. 監査業務の実施
監査メソドロジー(KAM)
あずさ監査法人は、KAM(KPMG Audit Manual)と呼ばれる
KPMGメンバーファームが共通に利用する監査マニュアルに従っ
て監査を実施しています。KAMは監査を実施するにあたって遵守
することが必要です。
すべきKPMGの監査の方針や監査メソドロジーのマニュアルとし
づいて実施しています。選考プロセスは、応募要件審査、書類審
持、
向上するための追加的な要求事項についても規定しています。
専門職員の採用は、法人としての経営方針および人員計画に基
て、グローバルレベルの要求事項を満たすほか、監査の品質を維
査、能力・スキルに関する数回のインタビュー、能力・職務適性検査
さらに、
あずさ監査法人では、我が国固有の職業的専門家としての
あずさ監査法人の経営方針に従って適切に業務を遂行できるかど
ています。また、
内部統制監査に対してKAMをベースとした一体監
個々人の成長につながる人材育成に取り組んでいます
(人材育成/
財務諸表監査と内部統制監査を効率的に、
かつ一体的に実施して
から成ります。パートナーが直接インタビューを行い、応募者が
うかの見極めに努めています。採用後は、
「人財育成理念」に沿って
基準および適用される法令等の要求事項や指針等をKAMに追加し
査マニュアル(Combined Audit Manual、CAM)を整備しており、
P30参照)。
います 。
で、
さらなる人材育成を促し、監査品質の向上を図ることが可能と
電子監査ツール(eAudIT)
に特に重点を置くこととしています。パートナー(監査責任者)の評
あずさ監査法人では、電子監査ツールであるeAudITによる調書作
査上の重大な不備への取組を、最も重要なポイントの1つとしてい
ツールであり、
監査チームメンバーが監査の実施過程において常時
また、業務の成果を適切に評価して、本人にフィードバックすること
なります。評価にあたっては、監査品質への取組やパフォーマンス
価にあたっては、企業の財務数値に影響を与える可能性がある監
ます。
監査チームの編成
監査チーム編成の管理単位である事務所・監査事業部等の責任者
成を行っています。eAudITはKAMに基づく監査の実施を支える
かつ同時にアクセスすることが可能となっており、
調書の作成および
上位者によるレビューが適時・適切に実施できる環境を提供していま
す。また、
すべてのeAudITファイルはVDI(仮想デスクトップ/P28参
照)
上で操作されるため、
高いセキュリティレベルを確保しています。
は、
各業務に必要なスキル、
監査関与先の属する業種の経験等を考
パートナー(監査責任者)の適切な関与
チームを編成します。一定の条件に該当する社会的影響力の大き
パートナー
(監査責任者)
は、
十分な監査関与先に対する理解のもと、
慮の上、
パートナー(監査責任者)および専門職員を指定して、監査
な監査関与先については、法人として適切なチーム編成となるよう
リーダーシップを発揮し、
リスク評価、
リスク対応手続および監査の
されたパートナーは、担当する監査チームが、適用される法令等や
する重要な領域、特別な検討を必要とするリスク等、当該監査業務
有していることを確認します。
により効果的かつ効率的な監査が実施されることになります。
に、
パートナーの指定を専務理事会の承認事項としています。指定
各基準に準拠して監査業務を適切に実施し得る能力および適性を
取りまとめの各段階で適切に関与します。特に、監査上の判断を要
における重要な事項の識別には、
十分な関与が不可欠であり、
これ
22 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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リスク情報の集約・管理
専門家の関与
金融商品取引法監査等、
一定の条件に該当する監査関与先の監査
監査の過程において、ITの複雑なプロセスや税務、金融、年金等の
レビュー後、
拠点審査会に提出します。拠点審査会は、
リスク調査票
には、
そのリスク評価に応じて、あずさ監査法人内もしくはKPMG
当該監査のリスク調査票を更新し、
協議審査員の
チームは、
年2回、
専門知識を必要とする取引あるいは不正の発生等を認識した場合
のレビューと監査チームおよび協議審査員へのヒアリングを行うこと
メンバーファームの専門家あるいはグローバルの専門家を関与させ
拠点審査会から上級審査会に報告され、
上級審査会が必要と認めた
情報技術およびシステム監査関連の専門知識を有するITの専門家
で、
監査リスク情報を網羅的に把握します。これらのリスクの内容は
場合には、
上級審査を行う体制となっています。
また、
リスク評価に係る情報を集約・管理するためのデータベースを
整備し、
パートナー(監査責任者)が交代した場合においても、不正
リスクを含む監査上の重要な事項が適切に伝達されるプロセスを
設けています。
判断に困難を伴う案件への対応
監査チームの判断に困難が伴う事項や法人としての見解がまだ定
まっていない事項をサポートするため、品質管理の各部署がウェブ
サイト上で、個別案件に対する問合せ対応窓口を設置しています。
ます。特に企業の情報システムの高度化、複雑化に対応するため、
が監査チームに関与する体制を整えており、2016年6月期は1,436
件の監査チームに関与しています。
業務集約による効率化・均質化の推進
あずさ監査法人では、
品質管理本部内にあずさデリバリーセンター
(ADC)を設置し、非常勤職員や有資格者以外のスタッフを効果
的に活用しています。監査契約書のドラフト作成や確認状の発送・
回収、
海外子会社の監査人へ送付する監査指示書の作成補助等の
そのスタッフが一元的に処理することで、作
業務をADCに集約し、
業の効率化および均質化を図っています。今後は、
有価証券報告書
問合せの結果、
上級審査が必要と判断された場合には、
監査チーム
の記載内容の確認においても、各社の記載を比較することで、
その
重要な虚偽表示を示唆する状況を識別した場合、
または不正による
おける活用の可能性についても検討しています。
は速やかに上級審査を受審することになります。また、不正による
重要な虚偽表示の疑義があると判断した場合には、必ず問合せ対
応窓口を通して報告することが要請されています。
2016年6月期の当該問合せ件数は、会計に関するものが150件、
監査に関するものが74件です。また、品質管理の各部署は、監査
チームからの問合せを類型化し、FAQとしてウェブサイト上で公開
することで、
各監査チームの効率的な業務遂行に役立てています。
網羅性を効果的に検討することが可能になるため、
こうした業務に
また、スタッフを各監査事業部に派遣し、データ抽出や加工等の
業務を請負って、
監査チームを支援しています。
ADC人員数の推移
2015年6月末
2016年6月末
77人
126人
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 23
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Ⅲ 4つのディフェンスラインによる品質管理
4-3. 審査制度
4-4. 監査関与先とのコミュニケーション
審査制度
監査役等との双方向のコミュニケーション
あずさ監査法人では、
すべての監査業務の監査報告書の発行に
コーポレートガバナンスの充実を図るため、
監査役等と外部監査人
が義務付けられています。
法人では、
監査の過程で生じた問題点および監査役等に資する情報
あたって、監査チームから独立した立場の審査員による審査の受審
である監査法人との連携強化が強く求められています。あずさ監査
上場会社等の監査関与先の審査は、協議審査員が審査を実施して
を共有するため、
監査役等への報告および継続的な協議を通じた双
査意見の形成に至るまで、監査チームが行った決定および判断に
具体的には、
上場会社の場合、
監査計画説明、
各四半期レビュー結果
います。協議審査員は、監査契約の受嘱や監査計画の段階から監
対して、
監査チームから独立した立場で適時に客観的な審査を実施
します。また、
一定の要件に該当する場合や、
監査チームと協議審査
員との意見が異なる場合等、重要な監査上の判断が必要な場合に
は、上級審査会が深く関与します。なお、2016年6月期の上級審査
受審件数は427件です。
審査体制
●
●
●
各拠点審査会会長、副会長の選任
各拠点審査会の審査状況の
モニタリング
上級審査の実施
専門的な見解の問合せへの対応
任命/モニタリング
●
●
監査責任者の相談事項への対応
協議審査員への指導
エンゲージメントリスクの把握、
拠点審査のモニタリング
上級審査への審査結果の報告、
発見された問題点の報告
拠点審査
●
報告/エスカレーション
所管
拠点審査会
●
監査上の判断について協
議 審 査 員が 必 要と判断
した場合や、その他判断
に関連して重要な影響が
生じる場合には、上級審
査を実施
上級審査
●
法人全体の審査の基本方針の
決定、指示
審査の種類
所管
上級審査会
●
審査機関
上場会社等の監査業務
については、監査の各段
階において、協議審査員
との 協 議 による 審 査 を
実施
方向のオープンかつ率直なコミュニケーションを実施しています。
報告、
会社法監査結果報告、
金融商品取引法監査結果報告など、
監
査または四半期レビューの進捗に応じ、
定期的に書面、
面談等により
報告または説明を行っています。このほか、
不正を識別、
または不正
の疑いを抱いた場合や内部統制上の重要な不備等を発見した場合
など、
適時性が要請される項目があれば、
随時コミュニケーションの
機会を設けています。
監査関与先からのフィードバック
(ACCESS)
監査関与先に提供した業務の品質に関して、経営者等からフィー
ドバックを求めるACCESS 活動(AZSA Client Relationship
Continuous Enhancement Process)を実施しています。これ
は、監査関与先の期待・不満、改善すべき課題を認識し、品質の
向上に資することを目的とするものです。2015年6月期は196社、
2016年6月期は421社から回答を入手し、結果を真摯に受け止め
て継続的な改善への取組を進めています。また、監査役とのコミュ
ニケーションの一層の充実を図るため、監査役から直接評価を受
を、
ける
「監査役ACCESS」
2016年度から実施しています。
2016年6月期の評価結果のうち監査に関する項目では、前年最も低
かった
「海外拠点監査における対応」
の評価が大きく改善しました。
また、
「監査業務の質」
「
、対応状況」
「
、業務執行社員」
の各項目の評価
も改善しました。しかしながら、
「監査業務の質」
の中で
「チーム内で
の情報共有」
や
「メンバー交代時の引継」
に関する項目の評価が他に
比べてやや低めとなっており、
一層の改善の必要性を認識しています。
監査以外の項目については、
「非監査業務」
についての評価は変わり
ませんでしたが、
「情報提供」
の項目に関する評価が悪化しました。こ
れらについては、
監査関与先からの監査以外の業務の提案や情報提
供の要請に十分に応えられていなかったものと分析しており、
より積
極的な非監査業務の提案や情報提供のあり方について具体的な対
24 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
。
応を検討しています
(2015年6月期実施対象196社について比較)
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4-5. 不正リスク・不正事案への対応
不正リスク対応
「監査における不正リスク対応基準」
が公表された後も、
いわゆる会
以下は、
内部通報により不正が発覚した場合の対応例です。事案が
おける不正リスク対応基準」に従い、不正リスクを識別・評価し、評
象が相次ぎ発覚するような事態になると、企業の信用やブランドを
計不祥事は後を絶ちません。監査計画の策定にあたっては「監査に
価した不正リスクに応じた全般的な対応(補助者の増員、専門家の
配置、時間の確保等)と、個別の監査手続に係る監査計画を立案し
ます。
不正による重要な虚偽表示を示唆する状況を識別した場合、
または
不正による重要な虚偽表示の疑義があると判断した場合には、品
質管理本部の問合せ対応窓口を通して必ず報告し、実施すべき監
査手続や上級審査の受審の要否について本部より指示を受けます。
なお、
不正による重要な虚偽表示の疑義がある場合には、
上級審査
の受審も義務付けています。
また、あずさ監査法人では、監査業務に関与するすべてのパート
ナー、
マネジャーに、
不正に関する複数の研修受講を義務付け、
不正
に関する知見を高めています。これらの研修では、
日本公認会計士
協会の公表する
「監査提言集」の事例等を利用して、具体的な不正
事例および監査上の留意点を解説する等、日常の監査業務の遂行
に活かせる内容としています。
不正事案が発生した場合
万一、不正事案が発生してしまった場合には、迅速な対応が求めら
れます。企業は、
その事実関係を明確にして発生原因を究明し、会
計的な影響を把握するとともに、
他に同様の事実がないか調査する
必要があります。その上で、再発防止策を策定し、内部統制の是正
措置を講ずるとともに、
過年度の財務諸表について訂正の要否を検
討する必要があります。
こうした企業の対応に対して、監査チームは、適時・適切な助言を
行いつつ、企業の調査や内部統制の是正措置の十分性および遡及
修正の要否を検討します。また、事案によっては、グループ会社で
あるKPMG FASに所属する、不正調査・不祥事調査に知見を有す
る不正の専門家を関与させ、
必要な手続を実施します。
発生した場合、
その時点で十分な調査が行われず、後日、同様の事
著しく傷つけることになります。事案発生時から、
監査チームと監査
関与先が会計処理や開示方針について、緊密に連携しながら対応
することが極めて重要です。
不正発生の対応例
監査関与先
• 内部通報により不正の疑惑が発覚
監査チーム
(不正による重要な虚偽表示を
示唆する状況)
• 内々の調査により不正の事実を確認
• 監査法人に報告、
• 事実関係の明確化、発生原因の究明、
他の同様の事実の有無について
調査依頼
今後の対応協議
• 正式な社内調査の実施*
• 過年度財務諸表の遡及修正の
要否検討、
必要な場合修正の実施
• 調査結果の報告
• 協議審査員との協議
• 品質管理本部への問合せ
• 不正の専門家の関与
• 社内調査結果のレビュー、
一部独自調査の実施
• コンプライアンス委員会での
• 過年度財務諸表の遡及修正の要否検討
• 協議審査員との協議
• 上級審査の受審
検討、
処分の決定
• 内部統制の是正措置
• 内部統制の是正状況の検証
• 協議審査員と協議
* 事案の性質や金額的な影響によっては、
社内調査にとどまらず、
第三者委員会の
設置が必要になる場合もあります
なお、
海外子会社で不正事案が発生した場合には、
各国のビジネス・
会計・監査の慣行の違い等によりコミュニケーション不足が生じやす
いため、
現地で十分な調査や適時の報告がなされるよう、
特に留意が
必要となります。親会社監査チームとして、
構成単位の監査人と連携
して情報収集を行い、
不正リスクを識別・評価するとともに、
現地での
監査が効率的に実施されるように、
構成単位の監査人に必要な情報
提供や指示を行います。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 25
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Ⅲ 4つのディフェンスラインによる品質管理
4-6. 品質管理システムの監視
KPMGの監視プログラム
外部機関による検査等
KPMG は、品質管理に関する方針および手続の目的適合性、妥
日本公認会計士協会(JICPA)は、
公認会計士または監査法人(以下
当性および運用状況の有効性を評価するため、
すべてのメンバー
ファームに対して統合的な監視プログラムを構築しています。あず
さ監査法人では、
この監視プログラムに基づいて、業務レベルでの
品質管理レビューと事務所レベルでのリスク・コンプライアンス・
レビューを実施しています。
品質管理レビューは、
監査業務に従事するパートナーが、
少なくとも
3年に1回は対象となるように選定されます。その結果は、KPMGの
他国のファームから派遣されるレビューアーによる2次レビューを受
けて最終的な評価が確定します。評価結果および改善事項は各監
査チームに伝達され、
それらの改善活動を通して、監査業務の質の
より一層の向上に取り組んでいます。2016年6月期に実施した品質
管理レビューの結果は、
下記のとおりです。対象件数を絞り込み、
よ
り深度のあるレビューを実施することで、
さらなる監査品質の向上を
図っています。
また、
リスク・コンプライアンス・レビューは、法人として毎年実施
する品質管理の遵守状況を自己評価し、KPMGのGlobal Quality
& Risk Management(GQRM)グループがその自己評価結果を
査閲する制度です。この制度では、GQRMのGlobal Compliance
Reviewチームが、3年に1回の頻度で、自己評価に係る手続の実施
状況や判断の妥当性についてレビューし、
ネットワークベースでの
実施手続や判断基準の均質化を図っています。
これらの監視活動により発見された改善事項は専務理事会および理
事会に報告され、
必要な措置が講じられていることを検証しています。
法人内品質管理レビュー結果
実施年度
2015年6月期
2016年6月期
実施件数
(パートナーカバー率)
162(46.8%)
126(36.7%)
良好*1
「監査事務所」
)が行う監査の品質管理状況を調査する目的で、
品質
管理レビュー制度を導入しています。また、
この品質管理レビューの
が審査を行い、
結果については、
公認会計士・監査審査会
(CPAAOB)
必要に応じて監査事務所等への検査を実施しています。
JICPAによる品質管理レビューとCPAAOBによる検査 被監査会社等
金融庁
監査役等
④検査
監査
監査事務所
コミュニ
ケーション
①品質管理レビュー
⑤勧告
公認会計士・監査審査会
(CPAAOB)
②品質管理
レビューの
報告
③審査
④検査
日本公認会計士協会
(JICPA )
① 品質管理レビュー/JICPAは監査事務所の業務運営の状況の調査
② 品質管理レビューの報告/JICPAはレビューの結果を審査会に対して報告
主に品質管理レビュー制度の運営の適切性、
および監査事務
③ 審査/CPAAOBは、
所の監査業務の適切性について審査を実施
監査事務所または被監査会社に対して検査を実施
④ 検査/CPAAOBは協会、
行政処分その他の措置について金融庁に勧告
⑤ 勧告/CPAAOBは、
要改善*2 不十分*3
147
15
0
99
27
0
*1 過去に当該監査チームに関与していない経験のある監査人が、
監査手続の内容や
その結果、
重要な事項について到達した結論等について理解できる十分な監査証
拠を入手した場合
*2 監査意見は実施した作業に概ね裏付けられているが、重要な監査証拠未入手等
の不備が検出された場合
*3 監査意見に影響を与える重大な不備が1つ以上検出された場合
26 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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日本公認会計士協会(JICPA)による品質管理レビュー
JICPAの品質管理レビューは、上場会社等の監査を実施している監
査事務所を対象として、大手監査法人では通常2年に1度の頻度で
実施されます。このほか、監査に対する社会的信頼を損なうおそれ
がある場合には、上記「通常レビュー」
とは別に、
「特別レビュー」が
実施されることがあります。
品質管理レビュー(通常レビュー)の結果は、品質管理レビューの
結論として監査事務所に通知されます。品質管理レビューの結論
や改善勧告事項に対する改善状況に応じて、注意、厳重注意、監査
なお、
あずさ監査法人が、過去5年間において金融庁から受けた行
政処分は以下のとおりです。これらの事案の内容および改善策に
ついては、研修および社内通達等を通じて周知し、注意喚起を行う
ことにより改善を図っています。
過去5年間における金融庁による行政処分
時期
2012年7月6日
2012年7月17日
処分事由
オリンパス㈱ 監査証明業務
中道機械㈱ 監査証明業務
処分内容
業務改善命令*
戒告処分
業務の辞退勧告といった措置が講じられることがあります。そして
* 2013年8月に金融庁による業務改善指導は終了しています
事項(重要な不備)等の概要が開示されたり、名簿への登録取消が
指摘事項への対応
あずさ監査法人は、過去の品質管理レビューにおいて、上場会社監
JICPAの品質管理レビューあるいはCPAAOBの検査における指
置を受けたことはありません。
てさまざまな角度から分析を行った上で、経営責任者のリーダー
これらの措置の内容に応じて、上場会社監査事務所名簿*に限定
なされることがあります。
査事務所名簿に開示または名簿への登録取消がなされるような措
* 日本公認会計士協会の規定により、上場会社を監査する場合には、上場会社監
査事務所名簿に登録が求められています
公認会計士・監査審査会(CPAAOB)による検査
CPAAOBは、JICPAから品質管理レビューに関する報告を受け、主
摘事項については、
それらの指摘事項が発生した根本原因につい
シップのもと、法人を挙げて、同様の指摘事項の再発を防止するた
めの対応策の立案を行っています。
例えば、指摘事項の具体的な内容に即した研修を全職員に対して
行うことで、
それらの指摘を他人事と思うことなく、自身の関与する
監査チームの改善活動に活かすことを徹底しています。また、監査
事業部が、各監査チームの対応状況についてモニタリングを実施
に品質管理レビュー制度が適切に運営されているか、
監査事務所の
し、
その結果について監査モニタリング室が法人全体に横串を通し
公益的立場で審査し、必要に応じて監査事務所等への立入検査を
会等に報告され、専務理事会等は必要があれば追加の措置を指
監査業務が適切に行われているかについて、JICPAから独立した
実施しています。
JICPAによる品質管理レビューが適切に行われていなかったことが
明らかになった場合や、
監査事務所において監査の品質管理が著し
く不十分である場合、
監査業務が法令等に準拠していないことが明
らかになった場合には、CPAAOBは業務の適正な運営を確保する
ために必要な行政処分その他の措置を金融庁長官に勧告します。
たモニタリングを展開しています。モニタリングの結果は専務理事
示します。さらに、指摘事項の中でより重要度が高い論点について
は、各監査チームにおいて重要度および優先度の高い監査領域を
明確にし、
そこに焦点を当てて監査を実施することで、監査関与先
の財務数値に影響を与えるような重大な不備が、決して発生しな
いように努めています。
CPAAOBの勧告に対して、金融庁は業務改善命令、業務の全部もし
くは一部の停止、
課徴金等の懲戒処分を実施します。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 27
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Ⅲ 4つのディフェンスラインによる品質管理
4-7. 情報セキュリティ
情報セキュリティ体制
VDI(仮想デスクトップ)
監査関与先の機密情報を扱う監査法人にとって、情報セキュリティ
業務の性質上、PCを外部に持ち運ぶ機会が多いため、
セキュリティ
を保持することは重要な課題の1つです。あずさ監査法人では、情
報セキュリティの幅広い領域について明確な方針を定めています。
倫理行動規範に関する研修の受講および年次での宣誓書等の確認
プロセスを通じて、
専門職員全員に対して監査関与先の機密情報を
保持することの重要性を伝達しています。監査調書その他の業務に
対策としてVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を導入していま
データは
す。VDI環境下では貸与PCにはデータが一切保存されず、
サーバ上の仮想デスクトップに保存されます。これにより監査関与
先の情報等は貸与PCのローカルディスク上ではなく、法人管理の
データセンターのサーバ上に保存されるため、情報セキュリティが
関連する記録の取扱いについては、関連する倫理規定、
その他の規
より強化されます。
針を定めています。
KPMG Central
るために我が国の個人情報保護法に準拠して定められ、構成員全
USBデバイスやメールでのデータの送受信は紛失や誤送信のリスク
制機関の基準、法令等に従って、調書保存期間・方法等に関する方
データ・プライバシーに関する方針は、個人情報の取扱いを管理す
員がデータ・プライバシーに関する研修を受講することが要求され
ています。
また、社内外の通信は、KPMGのGlobal Security Operation
リアルタイム
Center(GSOC)のセキュリティスペシャリストにより、
に解析されています。
があります。あずさ監査法人では各国 KPMGで利用されている
と呼ばれるアプリケーションを導入しています。
「KPMG Central」
KPMG Centralはウェブベースのコミュニケーションツールであり、
これを利用することにより、監査に必要な情報(電子データ)を受け
渡しすることができます。
VDIのイメージ サーバ
強力なセキュリティに
より保護
データの集中保存・管理
仮想
デスクトップ
個人の端末に
データは
残らない
仮想デスクトップの特長
情報セキュリティ強化
仮想デスクトップは、ユーザーPC環境とそのデー
タをサーバに集約し、
ネットワーク経由で閲覧する
方式であるため、
データがPC内に保存されること
はありません。PCのハードディスク破損等の物理
障害、PC紛失、盗難等のセキュリティ事故発生時
における重要なデータの紛失・漏洩を、
完全に防ぐ
ことができます。
業務アプリケーションの
パフォーマンス向上による監査の効率化
集約されたデータは高速の専用サーバで処理され
るため、
監査に用いられる電子ツールや、
監査関与
先のデータの集計・分析ツール等のパフォーマンス
が向上し、
監査の効率化につながります。
28 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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Ⅳ
人材育成
1. 真のプロフェッショナルの育成
監査の品質の維持・向上を図っていくためには、社会に貢献する真のプロフェッ
ショナルの育成が不可欠です。あずさ監査法人は、
これを
「人財育成理念」とし
て明確に定め、監査現場におけるオン・ザ・ジョブ・トレーニング
(OJT)の徹底、
専門知識やヒューマンスキルを習得するためのより実務的・実践的な研修の実
さらには幅広い業務機会の提供(Opportunity)の「3つのO」に
施(Off-JT)、
より、
真のプロフェッショナルを育成しています。
人財育成理念
OJT
あずさ監査法人では、監査品質もその根幹は人材の品質にあると
の理解から、
「法人は、基本理念を実現し、社会の公器としての責務
~オン・ザ・ジョブ・トレーニング~
人材育成の基本は、OJTにあります。各監査チームの上司や先輩
を果たすため、構成員が高品質な業務を提供するための専門知識
による調書レビューや相談、監査関与先との協議等の実務経験を
以て社会に貢献する真のプロフェッショナルを育成する」
という
「人財
あずさ監査法人では、
より組織的なOJTとするため、
人材育成マインド
およびスキルの習得を可能にする環境を組織的に構築・維持し、
育成理念」
を掲げています。
真のプロフェッショナルとは、
単に専門知識とスキルを兼ね備えるの
みではなく、
高い倫理観・誠実性と責任感を有し、
理解力と論理構成
力に基づき問題解決を実現できる人物であると定義しています。こ
うした真のプロフェッショナルの育成は、本人の自己研鑽と向上心
が土台となりますが、前述の
「人財育成理念」に沿って、OJTを充実
させ、
OJTでは行き届かない部分をOff-JTで補完し、また、さまざま
なOpportunityを提供することで実現できるものと考えています。
人材育成の概念図
真の
プロフェッショナル
プロフェッショナル
ベース
専門知識
スキル
f-JT
Of
OJ
T
(土台
研鑽・向上心
)
自己
の
人
人
財育
法
査
成理
監
ずさ
念
あ
通じて、
プロフェッショナルとしてのスキル・能力を養っていきます。
の一層の醸成やチューター制度の全面導入、
加えて人材育成のため
のPDCAサイクルの明確化に取り組んでいます。
Off-JT
~実務的・実践的な研修の実施~
OJTを補完するため、専門知識と実務に沿ったテクニカルスキル
研修、
コンプライアンス・リスクマネジメント研修、
リーダーシップに
ついてのヒューマンスキル研修など、分野別の研修プログラムを職
位や担当業務に合わせて展開しています。2016年6月期のこれら研
修の受講者は延べ94,478名、
1人あたり研修受講時間は60.3時間
であり、
法人として定める必修研修は全員が受講しています。
このほか、パートナー向けには、エグゼクティブセミナーを年数回
開催しています。各界の著名人を講師に招き、広く経済社会や経営
について講演いただき、
パートナーとして求められる知見を深めて
います。
また、
テクニカル研修を中心に、研修後にアンケートを実施し、継続
的な研修の改善に役立てています。2016年6月期に実施したアン
ケートの結果は、
5点満点中4.3点でした。
監査品質の向上に向けて、職員一人ひとりが高いパフォーマンスを
Opp
ortunity
発揮することが求められることから、人材育成の必要性はますます
高まりつつあります。あずさ監査法人は継続的に人材育成投資を
積極的に行っていく方針としており、
2016年6月期を最終年度とする
第6次中期経営計画期間(3年間累計)では、約16億円の人材育成
投資を実施しました。新年度を初年度とする第7次中期経営計画で
の投資を計画し
は、
この実績を大幅に上回る約39億円(4年間累計)
30 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
ています。
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Opportunity
~幅広い業務機会の提供~
プロフェッショナルの人材育成にあたっては、
さまざまな業種や業
日本公認会計士協会、
財務会計基準機構等への出向
各監査事業部の専門職員は、一定年度ごとに規模や業種間の異な
公認会計士制度に関連する諸制度運営に貢献し、また帰任後に
態の監査業務に従事することで、
その経験を拡げることが重要です。
る監査チームへの異動を行っています。また、
事業部の枠にとどまら
ず、
品質管理の各部署への法人内異動やさまざまな公的外部機関・
事業会社への出向等を積極的に進めており、多様な経験を経た真
のプロフェッショナルの育成を図っています。
品質管理本部等への異動
各監査事業部より、
品質管理本部、
リスクマネジメント本部および審
そこで習得した知見を法人の監査品質の維持・向上に活かすことが
できます。
出向者数
出向先
JICPA、財務会計基準機構等への出向
その他(一般事業会社等)
総計
(2016年6月末現在)
人員数
33
51
84
査サポート室に2~4年程度異動して法人の品質管理業務に従事し
ます。この間、異動元の監査業務にも一定割合で従事し、品質管理
と監査実務の調整役として機能します。また、
任期後は監査事業部
に戻り、
事業部内での品質管理に貢献します。
事務所間異動
あずさ監査法人は、
東京、
大阪、
名古屋の3統轄事務所体制となって
おり、
他の地域事務所は、
統轄事務所の監査事業部の管轄下にあり
ます。人材育成のみならず、監査品質の均一化のため、統轄事務所
間および管轄する事業部と地域事務所の間で、
人材交流が図られて
います。
法人内異動者数
国内異動区分
品質管理本部等への異動
事務所間異動
その他(事業部間異動等)
総計
(2016年6月末現在)
人員数
40
60
38
138
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 31
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Ⅳ 人材育成
2. グローバル人材の育成
企業のグローバル化が加速する中、
世界のビジネスの拡大をリードしクライアント
をサポートするために、
グローバル人材の育成を強化しています。あずさ監査法人
ではグローバル人材を
「異文化・多様性を理解し、一定の語学力を有して、
グロー
バルなフィールドで業務を行うプロフェッショナル」
と定義付け、
グローバルスキル
研修と海外派遣プログラムにより、
グローバル人材を育成しています。
グローバルスキル研修
海外派遣プログラム
海外派遣および国内での海外業務に従事するための基礎として、
語
海外KPMGメンバーファームへの派遣を戦略的かつ積極的に推進
学としての
「英語力」だけにとどまらず、幅広い意味でのグローバル
し、
海外での業務経験を通し、
スキルだけではなくグローバルマインド
研修に参加するためには、
研修ごとに設定しているTOEICのスコア
これまでの海外赴任経験者数(累計)の推移は、以下のとおりです。
受験を推奨しており、2016 年 6 月末現在、プロフェッショナルの
は75名まで拡大しています。
スキルを醸成する各種プログラムを導入しています。
をクリアする必要があります。あずさ監査法人では、職員のTOEIC
TOEICスコア登録者は4,468名(全プロフェッショナルの87.5%)と
なっています。このうち、
どんな状況でも適切なコミュニケーション
ができる素地を備えているとされる730点以上の保有者の推移は以
マネジャーの平均
下のとおりです。なお、730点以上のパートナー、
843点です。
スコアは、
それぞれ852点、
を有するグローバル人材を育成しています。
従来は、
年間50名規模で海外に派遣してきましたが、
2016年6月期
海外赴任経験者数(累計)
321人
419人
362人
TOEIC730点以上保有者の推移
1,700
1,500
1,504人
1,402人
1,552人
1,300
2015年6月末
2016年6月末
また、
パートナーおよびマネジャーに占める海外赴任経験者の割合
1,100
は以下のとおりであり、
パートナーおよびマネジャーの約2割が海外
赴任経験者となっています。引き続き、
海外派遣人数を拡大させ、
積
900
極的にグローバル人材を育成していきます。
700
500
2014 年6月末
2014 年6月末
2015年6月末
パートナー、ディレクター
シニアマネジャー、
マネジャー
シニア、スタッフ
2016年6月末
パートナーおよびマネジャーに占める海外赴任経験者数
パートナー、
ディレクター
シニアマネジャー、
マネジャー
経験者
割合
117
17.8%
239
21.0%
また、長年にわたる北京市の中央財経大学と良好な関係を基礎
に、将来の中国駐在員候補人材の育成を目指し、2週間の中国語
プロフェッ
プログラムや4ヵ月間の集中特訓プログラムを設置して、
ショナルを派遣しています。海外短期留学のうち19名が、中央財経
大学のプログラム参加者です。
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グローバルスキル研修
877
275
81
8
3
国内英語研修
海外短期留学
海外KPMG研修
海外短期MBA
その他
研修参加人員数
(2016年6月期)
合計
1,244
海外派遣プログラム
名
名
名
30
GJP駐在派遣
名
海外派遣
人員数の拡大
名
シニア海外KPMG派遣
17
IFRG、US-DPP、GSC派遣
13
その他
15
海外派遣人員数
(2016年6月期)
名
合計
75
名
名
名
名
名
国内英語研修
GJP駐在派遣
の英語研修プログラム
に、
主にマネジャー以上を対象とし、
駐在員として約3年間派遣する
初級者から上級者までの各ステップに応じた、幅広いラインナップ
海外短期留学
フィリピン、
マレーシア、
ニュージーランド、
カナダ等への短期語学留
学によるアウトプット力の強化プログラム
海外KPMG研修
海外KPMG事務所主催のニューパートナー、
ニューマネジャーおよ
びニューシニア研修等に派遣するプログラム
海外短期MBA
若手パートナーを海外有名大学の短期MBAプログラムに派遣する
プログラム
KPMGのグローバル・ジャパニーズ・プラクティス(GJP)の各拠点
プログラム
シニア海外KPMG派遣
主にシニアスタッフクラスを対象とし、米国、英国、オーストラリア、
オランダ、
シンガポール、香港といった英語圏のKPMGの海外事務
所に18~22ヵ月滞在する派遣プログラム
IFRG、US-DPP、GSC派遣
会計基準の解釈を取りまとめるKPMGの本部機能であるIFRG
(IFRS)
やUS-DPP(米国基準)、
また、eAudIT等のツール開発を行
うGSCへの派遣プログラム
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Ⅳ 人材育成
3. 働きやすい職場環境の整備
人材育成を効果的に進めていくためには、
すべての構成員にとって働きやすく、
成果を上げやすい職場環境を整備していくことも重要な課題であると考えていま
す。あずさ監査法人では、ダイバーシティの推進やGPS(意識調査)等を通して、
職場環境の一層の改善に取り組んでいます。
ダイバーシティの推進
変形労働制
多様な個性を持つ一人ひとりが
「高品質な業務の提供をもって監査
監査業務の性質上、1年間の中で業務の繁閑が生じますが、変形労
様性(違い)を認め、活かし合いながら、高い能力を発揮し合うこと
応じた労働時間の配分等を行うことによって、
必要な時に必要な時
関与先・社会に貢献する」
という共通の目標に向かって、
お互いの多
を目指します。
あずさ監査法人では、グローバル人材の育成、女性の活躍推進、
働制の採用により、1日の所定労働時間を弾力化し、業務の繁閑に
間をかけて業務に取組める環境を整えています。
出産・育児・介護との両立支援、障がい者雇用の推進等、ダイバー
GPS(意識調査)
のための取組を行っています。
Global People Survey(GPS)は、より良い組織を目指す取組の
常勤プロフェッショナルの女性比率の推移
員を対象に、定期的に実施している意識調査です。調査内容には、
シティ対応力を鍛えて磨く風土づくり、
そして働きやすい環境の整備
22%
20.1%
20%
一環として、世界中のKPMGメンバーファームで働くすべての構成
21.6%
19.9%
リーダーシップやコミュニケーションに関する項目に加え、
構成員の
キャリア開発、
待遇や就業環境等に関する項目が含まれており、
これ
らの項目に対する構成員の評価について、KPMGの他地域やプロ
18%
フェッショナルサービス提供企業等との比較分析を行っています。
16%
が協働し、組織の継続的な改善や働きやすい職場づくりを目指した
調査結果は全構成員に公表するとともに、
各事務所・事業部と本部
14%
13.2%
13.3%
12%
2014 年6月末
2015年6月末
プロフェッショナル全体
14.0%
2016年6月末
マネジャー以上
在宅勤務制度
働き方の多様性の確保、業務生産性の向上、
その結果としてのワー
クライフバランス向上、
そして事業継続性の確保(BCP)のため、構
成員にメリットがある仕組みに発展させていくことを方針とし、
在宅
勤務のニーズが高い職員等、在宅勤務が機能する可能性が高い業
務を行っている職員等から制度を開始しています。
施策の検討・実施につなげています。
下のグラフのように、
なお、
過去3年間に実施したGPSでは、
6つの質
問項目に対する否定的な回答率が改善しています。
GPSでの否定的な回答率の改善状況
40%
30%
20%
10%
2014年6月期
2015年6月期
モチベーションおよび貢献意欲
経営層、パートナーへの信頼
ビジョンと戦略
2016年6月期
高品質な業務提供への意気込み
オープンな双方向コミュニケーション
GPS結果を受けた改善への取組
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VOICE
VOICE(Valuable Opinions and Ideas to Change Effectively)
は、既存業務の見直しや標準化を図り効率的な業務基盤の構築に
寄与すること、
および職員と法人マネジメントとのコミュニケーショ
ンの機会を設けることで、
法人運営の参考とすることを目的に、
業務
上の課題・要望および改善案を職員から広く募るためのイントラネッ
トのツールです。職員から投稿された案件について各部署が実現
へ向けた検討を行い、
その結果を公開しています。
また、
職員が法人マネジメントと直接意見交換できる場として、
Live
VOICEというイベントを事業部ごとに開催しています。職員からの
質問や普段感じている疑問にその場で答えることで、
VOICEの活動
を推進しています。
Chairman Award
業務上の成果・貢献等に広く報い、その労を適時にねぎらうと
ともに、社内周知による業務達成感の醸成とモチベーションの向
上を図るため、KPMGジャパン全体を対象とした表彰制度である
を設置しています。
「Chairman Award」
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Ⅴ
KPMGネットワーク
1. KPMGインターナショナル
KPMG海外拠点
KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供する
プロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。
世界155ヵ国のメンバーファームに約174,000名の人員を
擁し、
サービスを提供しています。
KPMG ネットワークに属する独立した個々のメンバー
ファームは、
スイスの組織体であるKPMG International
Cooperative(�KPMGインターナショナル�)に加盟して
います。KPMGの各メンバーファームは、法律上独立した
別の組織体です。
KPMGインターナショナルは、世界中のどこでも統一した
サービスを提供できるよう仕組みを構築し、
メンバーファーム
による高品質な監査、
税務、
およびアドバイザリーサービスの
提供をサポートしています。
ガバナンス体制
KPMGの海外拠点所在国
2015年9月末現在
KPMGインターナショナルにおける主要なガバナンスおよびマネ
ジメント機関は、グローバルカウンシル、グローバルボードおよび
グローバルマネジメントチームです。
グローバルカウンシル
グローバルボード
一般事業会社でいう
58ヵ国のメンバーファーム代表により構成された、
22ヵ国のメンバーファーム代表、グローバルチェアマン、ヴァイス
「株主総会」
に該当する会議体です。年次決算、
定款改正、
グローバル
チェアマンとグローバルボードメンバーの承認を行う、
最高決議機関
として位置づけられています。
なお、
日本はグローバルカウンシルのメンバー国となっています。
チェアマン、
リージョナルチェアマン
(3地域の代表)により構成され
た、
一般事業会社の
「取締役会」
に該当する会議体です。
長期戦略の承認、
ブランドの保護および向上、
ネットワークに対する
リスクの対応および防御、
リーダーシップの選任および評価等、
実質
的な議論および決議を行います。
なお、グローバルボードのメンバーとして日本から高橋勉(副理事
長、
KPMGジャパン統轄)が出席し、KPMGインターナショナルの経
営の一翼を担っています。
グローバルマネジメントチーム
グローバルマネジメントチームは、グローバルチェアマン、
ヴァイス
グローバルファンクションヘッド、
イン
チェアマン、
グローバルCOO、
フラヘッド
(人事、
マーケット等の機能)によって構成されており、計
画に対する実行状況のモニタリング等を行っています。
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世界
155
人員数
ヵ国
173,965
名
代表(チェアマン)
John. B. Veihmeyer
(ジョン・B・ビーマイヤー)
本部所在地
リージョン制
Amstelveen
(アムステルフェーン/オランダ)
KPMGはAmericas、EMA(Europe, Middle East and Africa)、
AsPac(Asia Pacific)の3つからなるリージョン制をとっており、
日本はAsPacに所属しています。各リージョナルチェアマンのもと
に、
ボードが決議機関として置かれています。
現在、KPMG AsPacの運営には、あずさ監査法人より次のメン
バーが参画しています。これにより、グローバルネットワークに
おける貢献を果たすとともに、日本の実情を伝達・議論したうえ
で、KPMGの各種メソドロジー等を日本の監査実務に適用する
ことができる体制となっています。
Board Member
高橋 勉
(副理事長、
KPMGジャパン統轄)
Head of IFRS
山田 辰己
(総合研究所長)
AAS Leader
宮原 正弘
(AAS事業部長)
KPMGの業務収入
(2015年9月末現在)
監査
100.3
税務
53.1
アドバイザリー
91.0
Head of Audit & Assurance
金井 沢治
(専務理事 品質管理統轄)
Head of DPP
藤田 英一
総収入
244.4
(億米ドル)
(USキャピタルマーケッツ室長)
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 37
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Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
Ⅴ KPMGネットワーク
2. KPMGジャパン
KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの
総称であり、
監査、
税務、
アドバイザリーの3つの分野にわたる7のプロフェッショナル
ファームに、
約7,300名の人員を擁しています。
KPMGジャパンの業務収入
(2016年6月末現在)
クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的
知識やスキルを活かして連携し、
またKPMGのグローバルネットワークも活用しな
がら、
価値あるサービスを提供しています。
KPMGジャパンの経営体制
699
税務
141
アドバイザリー
429
1,269
KPMG ジャパンでは、あずさ監査法人、KPMG 税理士法人、KPMGコンサルティング、
(億円)
KPMG FASなど、主要なKPMGジャパンのメンバーファームの代表で構成されるKPMG
ジャパン経営会議を設置しています。本会議では、
企業の経営課題に対してKPMGが有する
リソースを集結し、
最善のサービスを提供するために、
各ファームの協働体制をはじめ、
人材
育成やサービスの品質管理の向上など、
KPMGジャパンの経営の重要事項について協議し
ています。また、
アドバイザリー子会社の運営方針については、
あずさ監査法人の専務理事
が子会社の取締役に就任することによって統一を図っています。なお、
これらアドバイザリー
子会社も、
監事会および内部監査室の監査対象としています。
監査
* 税務の業務収入は2015年12月末時点
KPMGジャパン メンバーファーム一覧
有限責任 あずさ監査法人
アドバイザリー子会社
監査や各種証明業務をはじめ、財務関連アドバイザリーサービス、株
式上場支援などを提供しています。
●代表取締役社長兼CEO:森 俊哉
●理事長:酒井 弘行
KPMGコンサルティング株式会社
事業戦略策定、業務効率の改善、収益管理能力の向上、ガバナンス
強化やリスク管理など経営管理全般の改善をサポートしています。
KPMG税理士法人
株式会社 KPMG FAS
企業活動における税務アドバイス、
各種税務申告書の作成、
記帳代行
および給与計算などを提供しています。
M&Aおよび事業再生アドバイザリー、経営戦略コンサルティング、不
正調査などを提供しています。
KPMG社会保険労務士法人
●代表取締役:斎藤 和彦、
船越 義武
●代表:駒木根 裕一
●理事長:小川 真弓
労働社会保険の諸手続の代行業務等、
アドバイザリー業務を提供し
ています。
●代表取締役:知野 雅彦、
大信田 博之
KPMGあずさサステナビリティ株式会社
非財務情報の信頼性向上のための第三者保証業務などを提供して
います。
KPMGヘルスケアジャパン株式会社
●代表取締役:大割 慶一
医療・介護を含むヘルスケア産業に特化したビジネスおよびフィナン
シャルサービス
(戦略関連、
リスク評価関連、M&A等)を提供してい
ます。
38 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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3. インダストリーナレッジ
インダストリーごとのナレッジを集約し、
さらなる監査品質の向上に取り組んで
います。例えば、金融業や自動車産業等では、
その世界的拠点となる都市に駐在
員を派遣しています。また、各国KPMGやKPMGジャパンの各ファームとも連携
してナレッジの蓄積に努めるとともに、
そこで得た知見のアドバイザリー業務への
活用、
さらにその知見を監査に還元することで、
より業界に精通したプロフェッショ
ナルサービスを提供しています。
金融
金融機関には、多様化・複雑化する規制対応と、グローバル化、
効率化、技術革新などを伴うビジネスモデルの大変革が同時に
流通・小売業
国内消費市場が漸減傾向にある上、
スマートフォン普及、物流高
度化等による購買行動の変化が重なり、流通・小売業では業界
求められています。銀行、証券、保険をはじめとする金融の全業
を超えた事業再編やグローバル化が加速しています。既存事業
業種や会計処理に関する専門的な知見・経験を活かして、高度
性・一貫性を保持しながら提供します。
種にわたって国内外にバランスのとれた関与先基盤を有し、各
化・複雑化した経営課題の解決をサポートしています。また、公
構造や業界慣行に囚われない先端的なソリューションを、実効
認会計士と、IT資格保有者や各種金融規制に関する経験豊富な
専門家とが緊密に連携し、
幅広いニーズに応えています。
情報・通信・メディア
パブリックセクター
な問題に関する関与先のニーズに応え、
グローバルな視点から、
民営化、
さまざまな変化への対応を迫られていま
PFIの導入など、
テクノロジーの進化やキャリア間の競争激化におけるさまざま
官公庁や非営利組織体は、近時、
アカウンタビリティーの強化や
ベストプラクティスも踏まえた付加価値の高いアドバイスを提供
す。このような課題に対応するために、監査、企業会計手法の導
解決をサポートします。
ど、
幅広いニーズに応えています。また、
KPMGグローバルでの実
エネルギー
製造
有の事象や経験を集約し、高度な知見を有する人材がバリュー
て、
「変革」
は、
事業領域、
地域、
組織、
人事、
技術、
サプライチェーン
めに必要な付加価値の高いアドバイスを提供しています。また、
にはない、
全く新しい視点が必要とされるケースが多くなっていま
するとともに、規制対応や新会計基準適用等に伴う各種課題の
強靭かつ密接なグローバルネットワークを保持しながら、業界特
チェーン全体にわたって関与先のニーズに応え、課題解決のた
業界の次世代の姿に対応するための取組を積極的に行っていま
す。
入・活用、
ディスクロジャーの高度化、組織再編、業務の効率化な
績・ノウハウに基づいて、
新しいサポートを提供していきます。
自動車、製薬、消費財、電機等、幅広い業態を含む製造業におい
等、
企業経営のあらゆる面にわたっており、
かつ、
過去の延長線上
す。勝ち残りのための「変革」の方向性に道筋をつける情報を提
供し、
実行サポートを行います。
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 39
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Ⅵ
法人概要
1. 法人概要
(2016年6月末現在)
代表者
理事長 酒井 弘行
事務所
統轄事務所:東京/大阪/名古屋
地域事務所:札幌/仙台/北陸/北関東/横浜/京都/神戸/広島/福岡
構成人員
(常勤者)
関与先
沿革
本部 東京都新宿区津久戸町1番2号 計
12ヵ所
公認会計士
3,048名 (うち代表社員31名・社員540名)
12名
会計士試験合格者 1,264名
うち代表社員1名)
専門員
796名 (特定社員36名、
その他職員
615名
会計士補 合計
5,735名
監査証明業務 3,402社
金商会社法757/金商法49/会社法1,327/学校法人58/労働組合19/その他の法定監査488/その他の任意監査704
その他業務 1,339社
1969年 7月
1985年 7月
1993年 10月
2003年2月
2003年4月
2004年1月
2010年 7月
監査法人朝日会計社設立
監査法人朝日会計社と新和監査法人(昭和49年12月設立)が合併し、
監査法人朝日新和会計社設立
監査法人朝日新和会計社と井上斎藤英和監査法人(昭和53年4月設立)が合併し、
朝日監査法人発足
新日本監査法人よりKPMGの監査部門が独立し、
あずさ監査法人を設立
朝日監査法人がKPMGのメンバーファームに正式加入
朝日監査法人とあずさ監査法人が合併し、
法人名をあずさ監査法人として発足
有限責任監査法人に移行し、
法人名を
「有限責任 あずさ監査法人」
に変更
法人名の由来
あずさ監査法人という名称には、
「強固な組織力と柔軟な創造性を発揮して、
監査を主軸と
した包括的なアドバイザリーサービスを提供し、
企業がどこまでもまっすぐに飛躍していける
よう、
主体的に導いていく」
という私たちの思いが込められています。
あずさ
堅く弾力性があり、
古来より弓の材料や版木とされた木
(古語)木王、
樹木の王様、
「辛」は鋭い刃物・切れ者を表す
AZ
はじめから終わりまで、
包括的に
SA
査:調べる、
掘り出して明らかにする
=
梓
1.
2.
Advisory Service
40 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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2. 財務情報
あずさ監査法人の2015年6月期および2016年6月期の財務状況は以下のとおりです。
なお、
あずさ監査法人の財務諸表は、
他の監査法人による監査を受けています。
要約損益計算書
業務収入
業務費用
営業利益
営業外収益
営業外費用
経常利益
(単位:百万円)
2015年6月期
83,157
2016年6月期
89,895
81,477
88,300
1,680
1,595
458
700
544
1,083
1,594
1,212
要約貸借対照表
流動資産
固定資産
資産合計
流動負債
固定負債
負債合計
社員資本
評価・換算差額等
純資産合計
負債および純資産合計
(単位:百万円)
2015年6月末
46,673
2016年6月末
46,799
8,144
9,825
54,817
56,625
23,678
22,160
9,944
12,940
33,623
35,100
21,194
21,524
0
0
21,194
21,524
54,817
56,625
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 41
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Ⅵ 法人概要
3. 主要監査関与先一覧
2016年6月末現在の、東証一部上場企業等および国立大学・自治体等の監査関与先は次
のとおりです
(540法人)。
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水産・農林業、
鉱業
マルハニチロ㈱
㈱サカタのタネ
日本海洋掘削㈱
K&Oエナジーグループ㈱
建設業
㈱ミライト・ホールディングス
㈱安藤・間
㈱髙松コンストラクショングループ
大成建設㈱
㈱不動テトラ
鉄建建設㈱
大豊建設㈱
東鉄工業㈱
青木あすなろ建設㈱
三井ホーム㈱
㈱ピーエス三菱
前田道路㈱
若築建設㈱
日成ビルド工業㈱
㈱ヤマダ・エスバイエルホーム
㈱トーエネック
住友電設㈱
NDS㈱
日揮㈱
㈱ヤマト
高砂熱学工業㈱
三晃金属工業㈱
ダイダン㈱
日比谷総合設備㈱
OSJBホールディングス㈱
㈱竹中工務店
食料品
東洋精糖㈱
日本甜菜製糖㈱
名糖産業㈱
カルビー㈱
丸大食品㈱
エスフーズ㈱
伊藤ハム米久ホールディングス㈱
アサヒグループホールディングス㈱
キリンホールディングス㈱
コカ・コーラウエスト㈱
ダイドードリンコ㈱
㈱伊藤園
ジャパンフーズ㈱
不二製油グループ本社㈱
東洋水産㈱
ケンコーマヨネーズ㈱
理研ビタミン㈱
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繊維製品、
パルプ・紙
東洋紡㈱
帝人㈱
日本フエルト㈱
芦森工業㈱
ダイニック㈱
㈱ソトー
小松精練㈱
㈱TSIホールディングス
特種東海製紙㈱
北越紀州製紙㈱
レンゴー㈱
㈱三陽商会
㈱デサント
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化学
昭和電工㈱
住友化学㈱
住友精化㈱
東ソー㈱
エア・ウォーター㈱
戸田工業㈱
㈱カネカ
JSR㈱
住友ベークライト㈱
タキロン㈱
ダイキョーニシカワ㈱
第一工業製薬㈱
大日本塗料㈱
関西ペイント㈱
神東塗料㈱
サカタインクス㈱
富士フイルムホールディングス㈱
㈱資生堂
高砂香料工業㈱
コニシ㈱
大成ラミック㈱
日東電工㈱
天馬㈱
東リ㈱
㈱ニフコ
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医薬品
武田薬品工業㈱
大日本住友製薬㈱
中外製薬㈱
ロート製薬㈱
久光製薬㈱
参天製薬㈱
日医工㈱
富士製薬工業㈱
沢井製薬㈱
ゼリア新薬工業㈱
第一三共㈱
大幸薬品㈱
ダイト㈱
ペプチドリーム㈱
石油・石炭・ゴム・ガラス
富士石油㈱
コスモエネルギーホールディングス㈱
東洋ゴム工業㈱
住友ゴム工業㈱
住友理工㈱
旭硝子㈱
日本山村硝子㈱
日本電気硝子㈱
太平洋セメント㈱
㈱ノリタケカンパニーリミテド
日本特殊陶業㈱
㈱MARUWA
品川リフラクトリーズ㈱
黒崎播磨㈱
イソライト工業㈱
ニチハ㈱
鉄鋼
新日鐵住金㈱
㈱神戸製鋼所
㈱中山製鋼所
東京製鐵㈱
共英製鋼㈱
東京鐵鋼㈱
大阪製鐵㈱
丸一鋼管㈱
日本高周波鋼業㈱
山陽特殊製鋼㈱
大平洋金属㈱
日亜鋼業㈱
帝人
42 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
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非鉄金属、
金属製品
㈱アルファ
三井金属鉱業㈱
三菱マテリアル㈱
住友金属鉱山㈱
住友電気工業㈱
㈱コロナ
高田機工㈱
三協立山㈱
アルインコ㈱
㈱ノーリツ
三洋工業㈱
三益半導体工業㈱
機械
㈱タクマ
㈱滝澤鉄工所
富士機械製造㈱
㈱ディスコ
NCホールディングス㈱
ナブテスコ㈱
三井海洋開発㈱
ホソカワミクロン㈱
オカダアイヨン㈱
㈱小松製作所
住友重機械工業㈱
日工㈱
㈱北川鉄工所
㈱タカキタ
大同工業㈱
サムコ㈱
理想科学工業㈱
㈱オーイズミ
ダイコク電機㈱
サンデンホールディングス㈱
マックス㈱
セガサミーホールディングス㈱
㈱ツバキ・ナカシマ
前澤給装工業㈱
日本ピラー工業㈱
㈱マキタ
日立造船㈱
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電気機器
コニカミノルタ㈱
ミネベア㈱
三菱電機㈱
シンフォニアテクノロジー㈱
㈱明電舎
ダブル・スコープ㈱
㈱ダイヘン
ヤーマン㈱
日新電機㈱
日東工業㈱
IDEC㈱
日本電気㈱
岩崎通信機㈱
㈱ジャパンディスプレイ
日本信号㈱
能美防災㈱
パナソニック㈱
アンリツ㈱
TDK㈱
日本電波工業㈱
㈱日本トリム
㈱ヨコオ
ティアック㈱
ヒロセ電機㈱
スミダコーポレーション㈱
日本電子材料㈱
㈱堀場製作所
㈱メガチップス
コーセル㈱
スタンレー電気㈱
岡谷電機産業㈱
㈱図研
カシオ計算機㈱
太陽誘電㈱
㈱SCREENホールディングス
㈱リコー
東京エレクトロン㈱
輸送用機器
三井造船㈱
川崎重工業㈱
サノヤスホールディングス㈱
近畿車輛㈱
㈱エフテック
レシップホールディングス㈱
KYB㈱
プレス工業㈱
マツダ㈱
㈱今仙電機製作所
本田技研工業㈱
富士重工業㈱
㈱安永
㈱TBK
盟和産業㈱
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精密機器
2016年6月末現在
テルモ㈱
クリエートメディック㈱
㈱ジェイ・エム・エス
㈱エー・アンド・デイ
大研医器㈱
セイコーホールディングス㈱
その他製品
㈱トランザクション
永大産業㈱
ダンロップスポーツ㈱
㈱バンダイナムコホールディングス
㈱タカラトミー
凸版印刷㈱
図書印刷㈱
㈱ツツミ
㈱キングジム
㈱イトーキ
三菱鉛筆㈱
コクヨ㈱
㈱岡村製作所
電気・ガス業
中部電力㈱
中国電力㈱
東京瓦斯㈱
大阪瓦斯㈱
東邦瓦斯㈱
広島ガス㈱
陸運業、
海運業、
空運業
東武鉄道㈱
相鉄ホールディングス㈱
京王電鉄㈱
東日本旅客鉄道㈱
近鉄グループホールディングス㈱
阪急阪神ホールディングス㈱
南海電気鉄道㈱
神戸電鉄㈱
名古屋鉄道㈱
ニッコンホールディングス㈱
日本石油輸送㈱
福山通運㈱
セイノーホールディングス㈱
㈱商船三井
飯野海運㈱
日本航空㈱
㈱パスコ
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 43
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
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Ⅵ 法人概要
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倉庫・運輸関連業
㈱日新
三菱倉庫㈱
三井倉庫ホールディングス㈱
㈱住友倉庫
東陽倉庫㈱
日本トランスシティ㈱
㈱宇徳
㈱サンリツ
㈱近鉄エクスプレス
東海運㈱
㈱エーアイテイー
情報・通信業
NECネッツエスアイ㈱
㈱システナ
新日鉄住金ソリューションズ㈱
㈱コーエーテクモホールディングス
㈱電算
㈱ブロードリーフ
㈱メディアドゥ
㈱ブイキューブ
㈱ディー・エル・イー
㈱ベリサーブ
テクマトリックス㈱
㈱ザッパラス
パイプドHD㈱
㈱インテージホールディングス
トレンドマイクロ㈱
㈱東計電算
㈱エックスネット
サイボウズ㈱
㈱CIJ
㈱マーベラス
㈱東京放送ホールディングス
㈱テレビ朝日ホールディングス
㈱クロップス
日本電信電話㈱
㈱光通信
㈱NTTドコモ
㈱エヌ・ティ・ティ・データ
ピー・シー・エー㈱
㈱カプコン
SCSK㈱
㈱NSD
㈱朝日新聞社
㈱NSD
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卸売業
㈱JALUX
東京エレクトロン デバイス㈱
双日㈱
アルフレッサ ホールディングス㈱
神栄㈱
山下医科器械㈱
八洲電機㈱
㈱UKCホールディングス
大阪工機㈱
ウイン・パートナーズ㈱
シップヘルスケアホールディングス㈱
明治電機工業㈱
富士興産㈱
佐鳥電機㈱
伯東㈱
㈱メディパルホールディングス
萩原電気㈱
㈱ドウシシャ
黒田電気㈱
橋本総業ホールディングス㈱
シークス㈱
高島㈱
椿本興業㈱
住友商事㈱
㈱内田洋行
佐藤商事㈱
菱洋エレクトロ㈱
東京産業㈱
神鋼商事㈱
阪和興業㈱
岩谷産業㈱
昭光通商㈱
極東貿易㈱
イワキ㈱
三愛石油㈱
稲畑産業㈱
㈱ミツウロコグループホールディングス
㈱モスフードサービス
ソーダニッカ㈱
㈱PALTAC
三谷産業㈱
丸紅建材リース㈱
加藤産業㈱
蔵王産業㈱
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小売業
アスクル㈱
㈱パル
㈱ハローズ
㈱あみやき亭
㈱アルペン
クオール㈱
㈱ドトール・日レスホールディングス
㈱ブロンコビリー
㈱スタートトゥデイ
㈱トレジャー・ファクトリー
㈱エー・ピーカンパニー
㈱鳥貴族
㈱あさひ
㈱セブン&アイ・ホールディングス
㈱トリドール
㈱クスリのアオキ
カッパ・クリエイト㈱
㈱ライトオン
㈱良品計画
㈱G-7ホールディングス
マルシェ㈱
㈱コロワイド
㈱ベスト電器
㈱東天紅
㈱島忠
㈱ライフコーポレーション
㈱さが美
テンアライド㈱
青山商事㈱
㈱しまむら
㈱髙島屋
エイチ・ツー・オー リテイリング㈱
㈱近鉄百貨店
㈱丸栄
㈱ニッセンホールディングス
㈱パルコ
㈱丸井グループ
ユニーグループ・ホールディングス㈱
㈱イズミ
㈱東武ストア
㈱ケーズホールディングス
㈱ヤマダ電機
愛眼㈱
㈱ケーユーホールディングス
㈱サガミチェーン
㈱サックスバー ホールディングス
44 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
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銀行業
㈱島根銀行
㈱ゆうちょ銀行
三井住友トラスト・ホールディングス㈱
㈱三井住友フィナンシャルグループ
㈱第四銀行
㈱筑波銀行
㈱岩手銀行
㈱大垣共立銀行
㈱福井銀行
㈱清水銀行
㈱南都銀行
㈱百五銀行
㈱紀陽銀行
㈱三重銀行
㈱広島銀行
㈱中国銀行
㈱伊予銀行
㈱阿波銀行
㈱十八銀行
㈱セブン銀行
㈱高知銀行
㈱山口フィナンシャルグループ
㈱名古屋銀行
㈱北洋銀行
㈱愛知銀行
㈱みなと銀行
㈱関西アーバン銀行
ション
証券業、
保険業、
その他金融業
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㈱かんぽ生命保険
リコーリース㈱
㈱ジャックス
オリックス㈱
㈱大和証券グループ本社
東洋証券㈱
光世証券㈱
マネックスグループ㈱
藍澤證券㈱
MS&ADインシュアランスグループ
ホールディングス㈱
㈱マネースクウェアHD
NECキャピタルソリューション㈱
アメリカンファミリー ライフ
アシュアランス カンパニー オブ コロンバス
住友生命保険相互会社
明治安田生命保険相互会社
ション㈱
\ 不動産業
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㈱サンセイランディック
三井不動産㈱
ダイビル㈱
住友不動産㈱
㈱大京
住友不動産販売㈱
エヌ・ティ・ティ都市開発㈱
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サービス業
㈱中広
㈱タケエイ
GCAサヴィアン㈱
クックパッド㈱
ディップ㈱
㈱オプトホールディング
㈱新日本科学
㈱ツクイ
㈱博報堂DYホールディングス
㈱ぐるなび
㈱ファンコミュニケーションズ
ジェイコムホールディングス㈱
㈱テイクアンドギヴ・ニーズ
日本空調サービス㈱
㈱オリエンタルランド
リゾートトラスト㈱
㈱ユー・エス・エス
㈱インターワークス
KeePer技研㈱
ジャパンマテリアル㈱
サクセスホールディングス㈱
キャリアリンク㈱
ERIホールディングス㈱
㈱アビスト
㈱エスクロー・エージェント・ジャパン
日本郵政㈱
㈱ソラスト
㈱東祥
㈱東京ドーム
㈱乃村工藝社
KNT-CTホールディングス㈱
セコム㈱
自治体
東京都
宮城県
静岡県
三重県
岐阜県
富山県
奈良県
岡山県
高知県
広島県
さいたま市
越谷市
静岡市
豊田市
名古屋市
枚方市
堺市
大津市
豊中市
神戸市
下関市
高知市
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国立大学
2016年6月末現在
北海道大学
旭川医科大学
弘前大学
宮城教育大学
茨城大学
筑波大学
宇都宮大学
埼玉大学
東京外国語大学
新潟大学
福井大学
岐阜大学
浜松医科大学
名古屋大学
豊橋技術科学大学
三重大学
滋賀医科大学
京都教育大学
京都工芸繊維大学
大阪大学
大阪教育大学
兵庫教育大学
神戸大学
奈良教育大学
奈良女子大学
和歌山大学
岡山大学
広島大学
山口大学
徳島大学
鳴門教育大学
九州工業大学
大分大学
宮崎大学
鹿児島大学
独立行政法人等
郵便貯金・簡易生命保険管理機構
日本貿易振興機構
水資源機構
国立印刷局
造幣局
中小企業基盤整備機構
理化学研究所
新エネルギー・産業技術総合開発機構
日本赤十字社
*東証一部上場企業については、
証券コード順で掲載しています
AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~ 45
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
報告対象期間
実績については2015年7月から2016年6月までを2016年6月期と
して報告しています。一部の内容は、当該期間以前もしくは以降の
内容も含んでいるほか、
今後に向けた考え方や取組についてもご説
明しています。
発行月
2016年9月
お問い合わせ窓口
有限責任 あずさ監査法人
〒100-8172 東京都千代田区大手町1丁目9番7号
大手町フィナンシャルシティサウスタワー
TEL:03-3548-5100 46 AZSA Quality 2016 ~監査品質向上への取組~
©2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International
Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
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ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり、
特定の個人や組織が置かれている状況に対応するものではありません。私た
ちは、
的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが、
情報を受け取られた時点及びそれ以降においての正確さは保証の限り
ではありません。何らかの行動を取られる場合は、
ここにある情報のみを根拠とせず、
プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した
上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください。
© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law
and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative(“KPMG
International”), a Swiss entity. All rights reserved. Printed in Japan. 16-0009
The KPMG name and logo are registered trademarks or trademarks of KPMG International.
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