...

鳥インフルエンザA(H7N9)

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

鳥インフルエンザA(H7N9)
 鳥インフルエンザA(H7N9)感染症
国立感染所研究所 インフルエンザウイルス研究センター長 田代 眞人
A型インフルエンザ(人獣共通感染症)
Ø  水禽類(カモ、白鳥など)が全ての亜型を保持する
自然宿主
• H1 - H18
• N1 - N11
H17, 18 Fruit bats
Aquatic birds
Poultry
Cats
Humans
Pigs
Horses
Dogs
Aquatic
mammals
Influenza Branch
渡り鳥の飛翔行路
渡り鳥が鳥インフルエンザウイルスを伝播する(南北方向)
鳥からヒト新型インフルエンザウイルスへの経路
(1) 突然変異の蓄積
新型ウイルス�
(3) 遺伝子再集合�
(2) 遺伝子再集合�
新型ウイルス�
ヒトでの新型インフルエンザ大流行
・鳥インフルエンザウイルス由来の新亜型ウイルスが、
- 直接・感染(ブタ等を介して)にヒトの世界に侵入し、
- ヒト – ヒト間の伝播力を獲得して流行をおこす。
・人が新(亜)型ウイルスに対する免疫を持たない場合には、
- 全世界を巻き込む大流行となる。
- 個人的にも防御免疫が無いので重症となる。
・その結果、
- 大きな健康被害(患者、重症患者、死亡者)がでる。
- 2次的に社会活動・社会機能の停滞、破綻が生じる。
新型インフルエンザは必ず出現する!
ブタインフルエンザ(H1N1)
鳥インフルエンザ
1980
H3N8
H2N2
H2N2
H1N1
1885
1895
1889
Russian
Influenza
H2N2
1905
1915
1900
Old HK
Influenza
H3N8
H6
H7
H5
H9
1925
1918
Spanish
Influenza
H1N1
1935
1945
1955
1965
H3N2
H1N1pdm
H1N1
1975
1957
1968
Asian
Hong Kong
Influenza Influenza
H2N2
H3N2
新型インフルエンザ大流行
1996 2002
1985
1995
2005
2009
Pandemic
H1N1pdm09
世界の航空路と旅客数
高速大量輸送時代においては、地球のどこかで出現した
新しい感染症は、数日以内に世界各地に伝播され、
数週間で、世界全体で同時期に大流行を起こしうる。
例: 2003年 SARS, 2009年 (H1N1)インフルエンザ大流行
Influenza Branch
健康被害の推定(世界銀行など、2008)
パンデミックの程度 推定致死率 推定死亡者数 (%) (百万人) •  軽度(香港かぜ程度) 0.1~ 1.4 •  中程度(アジアかぜ程度) 0.5 14.2 •  重度(スペインかぜ程度) 2-­‐2.5 71.0 •  特大(H5N1を想定) 5-­‐15* 180-­‐250 * 先進国 6.2 (5 -­‐10)% 途上国 12.2 (10 -­‐15)% •  季節性インフルエンザ < 0.1% 0.25-­‐0.5/年 IHR no8fica8on to WHO by China An Essen8al Trigger for WHO’s Response •  On 31 Mar 2013, China no)fied WHO of 3 cases of human infec)on with influenza A(H7N9) virus as a poten/al Public Health Emergency of Interna/onal Concern (PHEIC) under IHR (2005) –  2 from Shanghai and 1 from Anhui –  All 3 presented with respiratory tract infec)on with progression to severe pneumonia •  On the same day, China CDC made
the entire genome sequences of the
three A(H7N9) viruses available in an
international database, GISAID.
Chest X-­‐ray and CT graphs of A(H7N9) pa8ents Severe pneumonia, ARDS (acute respiratory distress syndrom,
and Cytokine storm (dysregulated hyper-­‐reac8on of host defense mechanisms) are noted. Gao R et al. N Engl J Med 2013. DOI: 10.1056/NEJMoa1304459 中国における鳥A(H7N9)インフルエンザ
•  2013年3月31日、中国政府発表 Ø  2月中旬から、揚子江河口地域で、3名の 重症の鳥インフルエンザA(H7N9) 患者発生 Ø  3株のA(H7N9)鳥インフルエンザウイルスの 遺伝子全塩基配列を公表 ヒト型に近く、パンデミックの可能性が懸念 •  3~4月に患者発生の拡大(患者135名、死亡35名) •  WHO、世界各国がパンデミックに備えて対応 •  中国が流行地の鳥市場を閉鎖(4月~6月) •  5月中旬以後、新たな患者はほとんど出ていない。 •  秋~冬に再出現の可能性 発症日
10/20/2013 10/13/2013 10/6/2013 9/29/2013 9/22/2013 9/15/2013 9/8/2013 9/1/2013 台湾
8/25/2013 8/18/2013 8/11/2013 8/4/2013 5 症
例 4 数
3 7/28/2013 江蘇省
7/21/2013 7 7/14/2013 8 7/7/2013 6/30/2013 6/23/2013 6/16/2013 浙江省
6/9/2013 6/2/2013 5/26/2013 5/19/2013 5/12/2013 上海市
5/5/2013 4/28/2013 4/21/2013 4/14/2013 4/7/2013 3/31/2013 3/24/2013 3/17/2013 3/10/2013 3/3/2013 2/24/2013 2/17/2013 0 2/10/2013 鳥インフルエンザA(H7N9) 確定例 流行曲線
10月25日現在
その他
N=137(発症日不明10例を含む。)
6 2013年10月25日現在
確認患者 137人
死亡患者 45人
2 1 WHOに報告されたA(H7N9)ウイルス感染 確認患者の推移(2013年) 2013年10月25日現在
確認患者 137人
死亡患者 45人
WHOに報告されたA(H7N9)ウイルス感染 確認患者の推移(2013年) 2013年10月25日現在
確認患者 137人
死亡患者 45人
胸部レントゲン写真およびCT画像. 重症肺炎、ARDS (急性呼吸促迫症候群)、サイトカイン・ ストーム(生体防御応答の過剰反応)を特徴とする。 Gao R et al. N Engl J Med 2013. DOI: 10.1056/NEJMoa1304459 患者、死亡者ともに、
中高齢者に多い。 患者、死亡者ともに、 女性に比べて 男性が2~3倍多い。 (大都会で顕著だが、 地方都市では男女同率) 小児感染者は 軽症~不顕性 中国におけるH7N9とH5N1感染患者の 年齢分布の比較
H5N1感染者・死亡者の大半は小児~若年成人だが、
N7N9では高齢者に多い。若年者は軽症に留まる。
H7N9疑い患者の専門医療機関への転送 2013年4月 上海
4月12日北京市第1例 7歳女児 早期治療で回復・退院へ。 近隣の4歳男児(不顕性感染)に感染伝播か?
H7N9ウイルス感染の警告ポスター 2013年4月 上海 病院の発熱外来 2013年4月 上海 国家中医薬管理局による H7N9鳥インフルエンザ に対する中医薬の 宣伝ポスター 2013年4月
中国政府は情報公開を進め、連日WHO中国事務所代表と
共同記者会見を行った。 2013年4月19日、北京 2013
中国では、生きた鳥が市場で売買され、家庭で屠殺・調理される食習慣が強い。 上海などでは、高齢の男性が、市場で鳥を買うことが多いという。 2013年上海
鳥市場への訪問が 感染リスクとされた。 上海の鳥市場での 家禽の殺処分 2013年4月
東莞東城三鳥批發市場
閉鎖(2013年4月)
2013年4月、一羽の野生鳩からH7N9ウイルスが分離され、 公園などで鳩の捕獲が行われた。 2013年4月 上海 H7N9鳥インフルエンザウイルスのヒト感染
•  2013年2月19日 上海市で最初の患者確認 •  その後、3~4月をピークとして、揚子江河口域を
中心に、16の省、市に拡大 •  蘇州から台湾への帰国者が発症 •  4月初旬から鳥市場を閉鎖 •  5月中旬以後は、新たな患者発生はほとんど報
告されていない。 •  確認患者数 135名。 死亡45名(致死率30%) •  中高年層が大多数を占める(年齢中央値59歳) •  男性:女性=2.7:1 •  患者の76%が基礎疾患をもつ •  患者の大多数は重症肺炎、多臓器不全 •  少数の小児、若年者は軽症 •  潜伏期 3~10日(最近の報告では3日前後) •  初期症状 上気道感染症状(発熱、せき) •  その後、比較的急激に肺炎症状(喀痰排泄、 呼吸困難)、下痢 •  約50%がARDS、多臓器不全に進展 •  ECMO(体外式膜型酸素交換装置)必要例が多い •  致死率30% •  ノイラミニダーゼ阻害剤の効果は明確でない (投与開始の遅れから、有効例が少ない) •  耐性ウイルスの出現 •  小児、年少者では不顕性~軽症。 中国当局の正式発表(2013年7月まで) •  患者同士の接触歴無し •  家族内感染・院内感染が疑われる例も数例ある。 しかし、継続的なヒト-ヒトの感染伝播は確認されず •  市場での家禽との接触がリスク要因(鳥からの直接の
感染の証拠は無く、鳥が感染源か否かは不明) しかし、約30%の患者には鳥との接触歴なし •  8万羽の家禽の調査にもかかわらず、数ヵ所の市場で
40羽の鳥(ニワトリおよびハト)でウイルス陽性のみ。 •  農場や養鶏場では検出されず •  野生のハト1羽でウイルス陽性 •  鳥では不顕性感染(弱毒型ウイルス) •  ブタでの感染は確認されず •  5月下旬以後、新規患者の発生なし(終息宣言) 家禽市場閉鎖の効果(?) 夏季に向かい鳥インフルエンザ伝播が低下(?) H7N9の最新知見と疑問点
高齢者の重症疾患(致死率30%)との正式報告だが、 •  小児、若年者の多くは軽症~不顕性感染 小児・若年者での推定感染者 >10,000人 •  全体での推定致死率(CFR) 2.8~0.16% •  効率は悪いが、ヒト-­‐ヒト間の感染伝播がある。 •  抗体保有率は、一般人:0%、 鶏取扱い業者:6% •  鳥よりも哺乳動物でウイルスが伝播維持(?) •  鳥市場の小動物(ネズミ、ネコ、イヌなど)の間で ウイルスが維持され、ヒトにも伝播(?) •  高齢者におけるARDSは、免疫病理機構(?) 過去に感染したH7ウイルスとの交叉性免疫(?) 中国のA(H7N9)に対するWHOの判断
•  ヒトへの感染リスクは鳥市場への訪問が疑われるが、
感染源と感染経路は不明。
•  ウイルスは弱毒性だが、高齢者が高い致死率の重症
肺炎を起こすので、適切な早期診断・治療を要する。
•  ウイルスはかなりヒト型に変化しているが、未だ継続的
なヒト-ヒト間の感染伝播は起きていない。
•  将来パンデミックを起こす可能性は否定できないが、 国際衛生上の緊急対応が必要な状況でなない。 •  多くの人が免疫を持たないので、パンデミックに備えて
、診断方法、新型ワクチンの開発を進めておくべき。
•  ウイルスのバイオセフティーレベルは、当面BSL-3。
・ ウイルスの取り扱いにはBSL-3施設が必要。
・ ワクチン製造には、BSL-2に下げる必要がある。 中国の鳥インフルエンザA(H7N9)への 感染研インフルエンザウイルス研究センターの対応
•  中国CDCからのウイルス遺伝子の全塩基配列情報を解析 ウイルス性状予測、リスク評価、情報共有(4月1日~) •  中国CDCから分与されたウイルスを用いて(4月10日~)、 1.ウイルス遺伝子診断系(PCR)開発、検証、製造、分与 2.国内診断体制の構築(地衛研、検疫所) 3.市販迅速診断キットの性能検討 4.H7N9ワクチン製造株の開発、検証、試験、分与 5.ウイルス学的性状の解析 抗原性、レセプター特異性、抗ウイルス剤感受性 6 動物モデルにおける病原性、伝播性の検討 7.抗ウイルス剤の効果予測 8.日本人における抗体保有状況 9.ワクチン効果の予測、ワクチン株の改良 10.ワクチンによる副作用の予測 A(H7N9)ウイルス遺伝子塩基配列情報の解析
WHO監視ネットワークに報告(4月1日~2日)
リスク評価への活用
論文発表 EuroSurveillance電子版(4月8日)
A/Anhui/1/2013(H7N9)
A(H7N9)鳥インフルエンザウイルスは、3種類の 鳥インフルエンザに 由来する遺伝子分節の交雑体である。
遺伝子解析からは、ヒト型に近づいていることが強く示唆される。
Selected characteristic amino acids of novel H7N9 viruses
A/
Enviro
Enviro Pigeon
Ck/
Zhejia A/
nment
A/
Ck/
Ck/ Ck/
nment/
/
Zhejia
Shang Shag
Hangz
Human Avian
Jiang Jiangs
ng/ Hangz Hangz Shang
/
Amino
Anhui/
hai/
hai/
hou/
influenz influenz
Shang Shangh
ng/
Viral
acid
1/
hai/
su/
u/
DTID- hou hou
Hangz
protein
1/
2/
1/
a
a
hai/
ai/
DTIDNo.
2013
/3/
S105/
K27/ K89/
ZJU /2/
hou
2013 2013
2013
viruses viruses
S108/ S1069/
ZJU01
01/ 2013 2013 2013
/34/
2013 2013
2013 2013
/2013
2013
2013
PB2
PB1-F2
HA
K
K
K
K
E
K
K
E
E
E
n.d.
n.d.
E
E
K
E
E627K: Mammalian host adaptation
701
D
D
D
D
N
D
D
D
D
D
n.d.
n.d.
D
D
D/N
D
D701N: The same effect as E627K
-
full
full
full
full
full
n.d.
n.d.
full
full
full n.d.
n.d.
full
n.d.
-
-
PB1-F2: Pathogenicity 128/
138*
S
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
151/
160*
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
K
G
V
V
V
V
V
V
V
V
V
V
V
V
V
G
Q
L
L
I
L
L
L
L
L
L
L
L
Q
L
I
69-73
Del
Del
Del
Del
Del
n.d.
Del
Del
Del
Del
n.d.
n.d.
Del
289/
294
/292
K
R
R
R
R
R
R
R
R
R
n.d.
n.d.
R
R
30
D
D
D
D
D
n.d.
n.d.
D
D
D
n.d.
n.d.
D
n.d.
215
A
A
A
A
A
n.d.
n.d.
A
A
A
n.d.
n.d.
A
n.d.
31
N
N
N
N
N
n.d.
n.d.
N
N
N
n.d.
n.d.
N
n.d.
42
S
S
S
S
S
n.d.
n.d.
S
S
S
n.d.
n.d.
S
n.d.
Del
Del
Del
Del
Del
n.d.
n.d.
Del
Del
Del
n.d.
n.d.
Del
n.d.
NS1 218-2
30
S138A: Increased virus binding to
human-type receptors
T160A: Loss of N-glycosylation and
A** increased virus binding to humantype receptors
G186V: Increased virus binding to
G**
human-type receptors
Q226L: Increased virus binding to
Q**
human-type receptors
A**
Del No del No del
M1
M2
Comments
627
177/
186*
217/
226*
NA
R
R
Deletion of amino acids 69-73:
Increased virulence in mice
R294K: Reduced susceptibility to
oseltamivir and zanamivir
N30D: Increased virulence in mice
(most influenza A viruses encode
30D)
T215A: Increased virulence in mice
A
A (most avian influenza A viruses
encode 215A)
S31N: Reduced susceptibility to
S/N S/(N)
amantadine and rimantadine
P42S: Increased virulence in mice
S
S/A (most avian influenza A viruses
encode 42S)
No del No del/ Lack of PDZ domain binding motif:
Del Decreased virulence in mice
D/(S)
D
遺伝子解析から予想される
A(H7N9)鳥インフルエンザウイルスの性状
•  ウイルスは、3種類の鳥ウイルス由来の遺伝子再集合体
HAとNAはユーラシア系統の2つの鳥ウイルス由来
6内部遺伝子は中国の鳥H9N2ウイルス由来
•  鳥の弱毒型ウイルス
H5N1と異なり、HA解裂部位は単一アルギニン(R)
鳥では不顕性感染(発見は困難)
動物でも病原性は低い
•  ヒトに感染し、増殖し易く変化している
鳥とヒトの両方のレセプターに結合 (HA Q226L/I)
増殖至適温度が低くなっている(PB2 E627K)
•  ヒトに重症疾患を起こす遺伝子は存在せず
中高齢者における重症化の原因は不明
G177V
(G186V)
Q217L/I
(Q226L/I)
A128S
A138S)
HAタンパクのレセプター結合部位は、鳥型レセプターα (2-3)に加えて、
ヒト型レセプター α(2-6)にも結合しやすく変化している。
鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスへの検査関連対応
3月31日 中国が、3例の患者のウイルスについて、遺伝子の全塩基配列情報を公開
中国からの
分離株到着
以前
系統保存および流行予測事業で集められた鳥・ブタインフルエンザウイルス・ライブラリー
にあった国内分離株から陽性コントロール株を選出 H7(ユーラシア系統)のHA遺伝子検出系のプライマー、プローブを設計 ライブラリーの充実→系統保存および流行予測事業の拡充が今後の課題 4月10日
中国CDCより、A/Anhui/1/2013ウイルス株が到着→構築した検出系の感度確認
4月11、12日 国内での検査体制構築にために、地衛研・検疫所用、プライマー、プローブ発注
4月12日
4月16日
全国74地衛研および16検疫所へ、乾燥化した陽性コントロールを感染研から発送
WHO インフルエンザ監視対応ネットワーク(GISRS;Global Influenza Surveillance and
Response System)内でH7検出系プロトコールの情報提供を行った
全国74地衛研および16検疫所へ遺伝子検査用試薬、プライマー、プローブが配布完了
(各メーカーより直送)
地衛研へ、「鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス検出マニュアル(第1版)」をメーリングリス
トにて送付
4月下旬まで 海外6カ国のNational Influenza Centerへ遺伝子検査キットの送付完了
5月22日
感染研HPで、一般向けに遺伝子検査マニュアルの公開ならびに、それに関する質問
フォームの開設
5月23日
国内で販売されている20の迅速診断キットへの反応性に関する検討結果をHPで公開
6月21日
「鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス検出マニュアル(第2版)」を公開(RT-LAMP法追記)
7月3日
遺伝子検査をより正確に行うためのタグ入り陽性コントロールを作成し、地衛研へ配布
鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの性状解析
インフルエンザウイルスがヒトからヒトに空気感染するためには上気道
で良く増える必要がある。 ü 中国のH7N9インフルエンザ患者から分離されたウイルスの遺伝子
性状を解析した結果、このウイルスはヒト上気道で良く増えるための
変異を獲得していることが分かった。
ウイルス
IC50 (nM)*
A/Anhui/1/2013
タミフル ラピアクタ リレンザ イナビル
0.49 0.09 0.65 0.83 245.80
15.50
12.93
27.31 A/Taiwan/1/2013 耐性株コントロール 4012.21 感受性株コントロール 0.19 0.48 8.64 3.28 35.37 0.24 9.79 0.47 4.49 0.77 抗体保有率(%)
A/Shanghai/1/2013 5403.50
100 日本人のH7N9ウイルスに対する抗体保有
状況を調査した。
60 20 ü 2株のH7N9ウイルスがノイラミニダーゼ 阻害薬に対して耐性を示すことが分かった。
季節性ウイルス
80 40 中国と台湾から入手したH7N9ウイルスにつ
いて、抗インフルエンザ薬に対する感受性を
調べた。
H7N9ウイルス
0 1 -­‐ 4 5 -­‐ 9 10 -­‐ 15 -­‐ 20 -­‐ 30 -­‐ 40 -­‐ 50 -­‐ 60 -­‐ 70 -­‐ 14 19 29 39 49 59 69 87 年令群
ü  全年齢層の日本人は、H7N9ウイルスに 対する抗体を全く持っていないことが分かった。 中国のA(H7N9)ウイルス株のウイルス学的性状に関する
季節性ウイルス、パンデミックウイルスとの比較解析
•  細胞レセプターとの結合特性(鳥型 vs. ヒト型)
•  細胞培養における感染・増殖効率と特徴
•  動物モデル(マウス、フェレット、ブタ、サル、ニワトリ、
ウズラ)における感染、増殖、発症、病理、病原性
•  フェレット間における飛沫伝播
•  サルにおけるサイトカイン・ケモカインの応答
•  抗インフルエンザ薬の効果
•  耐性ウイルスの性状解析
WHO、海外研究機関との情報共有
リスク評価への活用
論文発表 Nature 電子版 (7月24日)
(H5N1)
(H7N9)
(H7N9)
(H7N9)
(seasonal H1N1)
鳥型レセプターの糖鎖 α(2-3) ヒト型レセプターの糖鎖 α(2-6)
MDCK cells (イヌ腎細胞)
H7N9ウイルスは 鳥型ウイルスに比べて、 ヒト初代気管支上皮細胞 で よく増殖する。 ヒトの上気道の体温においても増殖性が
良い。 ウイルスRNAポリメラーゼPB2の遺伝子
変異に一致(E627KまたはD701K)
NHBE cells (分化ヒト気管支上皮) H7N9ウイルスの宿主と伝播経路は? 鳥とヒトからの分離ウイルスが区別されることから、 に哺乳類(ヒトを含む)の間で伝播維持されて い
るのではないか?
•  ヒトH7N9ウイルスは、鳥H7N9ウイルスよりもマウスに対して病原性が高い。 •  A/H1N1pdm09ウイルスと同程度の病原性。
(ヒトH7N9)
(ヒトH7N9)
(鳥H7N9)
(H1N1pdm09))
、
ヒトH7N9ウイルスは、ブタの呼吸器(主に上気道)でよく増殖する。 しかし、症状を示さない(不顕性感染)。
A(H7N9)ウイルスは、フェレット間で飛沫感染伝播を起こす
(H7N9)
(H1N1pdm)
サルに対して、ヒトH7N9ウイルスは鳥H7N9よりも強い病原性を示す
ヒトH7N9ウイルス 鳥H7N9ウイルス サルにおいて、ヒトH7N9ウイルス(赤)は、鳥H7N9(青)に比べ、 より強いサイトカイン、ケモカインの応答を誘起する。
細胞・動物実験におけるA(H7N9)ウイルスの性状
•  鳥弱毒型ウイルスだが、ヒトの呼吸器(上気道と肺の両方)
に感染しやすく、また増殖しやすい様に変化している。 •  マウス、フェレット、ブタ、サルなどの哺乳動物の呼吸器に 感染が成立し、鳥型ウイルスよりも病原性は高まっている。
•  H5N1とは異なり、ウイルス血症や全身感染は起こさない。 •  軽度のサイトカイン応答を誘起する。 •  ヒト-­‐ヒト間では効率の良い感染伝播は起こっていないが、 動物実験の結果からは、飛沫感染伝播を起こしうる。 •  今後、効率の良いヒト-­‐ヒト間の感染伝播を起こすように 変異する可能性がある。 •  ほとんどのヒトは免疫を持たないので、パンデミックが 起これば大きな流行が予想される。 •  その際には、中高年層に大きな健康被害が出る(?) 抗ウイルス剤の効果、耐性ウイルス出現
•  A(H7N9)ウイルスはアマンタジン耐性 •  ノイラミニダーゼ阻害薬に感受性。しかし、動物 実験では、季節性ウイルスに比べて効果は低い。
•  多くの症例では、ノイラミニダーゼ阻害剤による 治療開始が遅れ(平均9日後)、治療効果は低い。 •  A/上海/1株は、ノイラミニダーゼ阻害剤に高度の
耐性を示すウイルスと感受性ウイルスの混ざり。 •  薬剤感受性試験を行うと、耐性シグナルは検出さ
れにくく、当初は、タミフル感受性と判断された。 •  上海や台湾では、タミフル投与中に耐性ウイルス
が選択され、治療効果が認められなくなった。 (H7N9) マウスでの発症抑制効果は、ノイラミニダーゼ阻害剤よりも T-­‐705が強い。
(H1N1pdm)
Days post-­‐infec8on
H7N9ワクチンの開発
•  全ての人がH7N9に対する免疫を欠如。 •  パンデミックになれば、ワクチンの大量製造・接種が必要。 •  ワクチン製造株の開発 (2013年3月31日から開始) 1)公表された遺伝子塩基配列から、HAとNA遺伝子の
cDNAを人工合成し、A/PR/8株cDNAとco-­‐transfec8onし
てワクチン製造株ウイルスを回収(Novar8s, US-­‐CDC)。 2)中国CDCから分与されたウイルスからHAとNA遺伝
子をクローニングし、 A/PR/8株cDNAとco-­‐transfec8onして ワクチン製造株ウイルスを回収(NIBSC, 感染研)。 3) 中国CDCから分与されたウイルスを用いて、発育鶏
卵内で古典的な抗増殖性遺伝子再集合体を作製。 4) 遺伝子塩基配列からcDNAを人工合成し、組み換え
HAタンパクを発現(Protein Science社, MediCargo社ら)。 H7N9ウイルスワクチン製造種株の作出
2013.4.10. A/Anhui/1/2013 株の輸入 2013.4.11~ ワクチン株開発の開始 リバースジェネティクス法による
ワクチン株ウイルスの作製
A/Anhui/1/2013(H7N9) PR8株
PR8株由来蛋白質 発現用プラスミドDNA (PA, PB1,PB2, NP)
H7N9ウイルス株
由来RNA合成用 プラスミドDNA (HA, NA) 増殖性が高く、抗原性が 維持されている3株を選択
• 候補株:A/Anhui/1/2013 (NIIDRG-­‐10.1) •  病原性、遺伝的安定性、抗原的安定性を 確認し、WHOへ報告。 •  WHOのワクチン製造候補株に指定 (7月20日) PR8株由来RNA合
成用 6プラスミドDNA (PA, PB1,PB2, NP, M, NS)
LLCMK2細胞
抗原性、塩基配列の確認
◎国内外のワクチンメーカーへ分与
H7N9ワクチンの問題点(1)
1)一般にH7ウイルスはヒトに対して免疫原性が低い。 ・2003年オランダでのHPAI H7N7流行時に、感染患者の 半数近くで血清抗体が陽転化しなかった。 ・H7N3, H7N7の不活化splitプレパンデミックワクチンの 接種試験で、90 μg x 2回接種(季節性ワクチンの12倍量)
でも、ほとんど抗体上昇は起こらなかった(米国)。 2)ウイルス遺伝子解析で、H7N9ウイルスのHAおよびNAに
T細胞エピトープがほとんど存在しないことが示された。 CTLの誘導やHelper T細胞依存性の抗体応答が悪い 可能性がある。 ワクチン効果が低いことが予想され、接種量の増量
や新規ワクチン剤型の開発が必要かもしれない (開発や臨床試験に時間がかかる可能性)。 H7N9ワクチンの問題点(2)
中国でのH7N9患者の年齢分布 (H5N1とは対照的) Ø  中高齢者が主に感染発症し、重症肺炎・ARDSが多い。 Ø 小児・若年者の患者は軽症に経過し、予後が良い。 作業仮説: •  高齢者は過去に流行したウイルスに対する免疫をもつ。 •  これはH7N9を感染防御出来ず、むしろH7N9ウイルスと 交差反応を起こし、免疫病理機序で病態を悪化させる。 (CTL, ADCC, Ag-­‐Ab複合体 + 補体活性化など) •  過去の不活化麻疹ワクチンやRSワクチン接種後の肺炎、 デング出血熱などの病態と同様の免疫病理機序 問題点 もしも、この様な免疫病理機序が働いているとすると、 ワクチン接種は病態を悪化させる可能性がある。 ワクチン接種については、慎重に検討する必要がある。 日本で認可されているノイラミニダーゼ阻害薬
NAIs
Drag Name
Administration
route
Licensed date
Zanamivir
リレンザ
吸入剤 (2回/日、5日)
Dec, 2000
Oseltamivir
タミフル
経口剤 (75 ㎎ x 2/日、5日)
Feb, 2001
Peramivir
ラピアクタ
静脈注射 (1回投与)
Jan, 2010
Laninamivir
イナビル
吸入剤 (1回投与)
Sept, 2010
Peramivir
Oseltamivir
(active form)
O H2N
H
N
H3C
H
H H
H3C
NH
O
HN
OH
NH2
H
N H
O
CH3
O
OH
OH O
Zanamivir
HO
OH
HO
H
H
O CO2H
H
HN
NH2
H3C
H
N
O H H
NH
Laninamivir
(active form)
HO
OH
H3C—―O
H
H
O CO2H
H
HN
NH2
H3C
H
N
O H H
NH
鳥インフルエンザA(H7N9)のリスク評価 リスク(Risk)=可能性(Possibility) X 影響(Impact)
• H7N9ウイルスは鳥で不顕性感染なので、感染した鳥の発見は至難。 • ヒトを含む哺乳類での感染伝播を調査する必要がある。 • 2013年5月下旬以降、中国での患者報告数は減少している。 鳥市場の閉鎖による効果なのか? • 夏季に向かって鳥インフルエンザの活動低下が理由か。 その場合には 今秋~冬に再発生する可能性がある。 •  ヒトへの感染源、感染経路は不明であり、これらへの対策は困難。 •  現時点で連続的なヒトーヒト感染は確認されていないが、数万人 の規模で、軽症~不顕性感染者が存在する可能性。 •  今後も患者が発生し、感染者が中国から入国する可能性がある。 •  A(H7N9)ウイルスはノイラミニダーゼ阻害剤に感受性なので、 早期診断・早期治療により重症例の減少が期待される。 •  ウイルスがヒトへの適応性を高めており、パンデミックの可能性は 否定できない。 •  その際の健康被害は軽度~中程度だが、(H1N1)2009の10倍程度。 •  適時のリスク評価にもとづき、パンデミックへの対応強化が必要。 冬季に向かってA(H7N9)再出現か?
2013年10月8日 浙江省紹興県で患者発生 39歳男 重体で入院中 鳥との接触歴は不明 2013年10月16日 浙江省嘉興市で患者発生 67歳男 重体で入院中 農家で家禽と接触歴あり 周囲に発症者なし リスク評価: 予想された事態で、現時点では
特に変更は無い。 H5N1強毒型新型インフルエンザ出現の可能性を H5N1を忘れてはいけない!
忘れてはいけない!
•  H5N1強毒型鳥インフルエンザは、新型H1N1インフル
エンザの影響を受けることなく、独立して流行しており、
この間にヒトの感染例も増えている。
•  H5N1ウイルスがブタに不顕性感染(中国、インドネシア)
•  H1N1とH5N1の同時期・同地域での流行が起こると、
ブタやヒトの中でウイルス遺伝子の交雑が起こり、
ヒト型のH5N1強毒型ウイルスが出現する危険がある。
•  現在のH5N1ウイルスは鳥型であるが、1~5ヵ所の
遺伝子突然変異によりヒト型に変化する可能性がある。
この様な変化が徐々に起こっている。
•  WHOは依然パンデミック警報フェイズ3を維持。
H5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルス 感染患者の病態
• 重症肺炎 全身感染
呼吸器感染 + ウイルスが血液中に入り(ウイルス血症)、
血流を介して、呼吸器以外の臓器にも感染が拡がる。
• サイトカインの”嵐” 多臓器不全
ウイルス感染に対抗する宿主応答が異常に強く起こり、
かえって多くの臓器を傷害してしまう。
• 高致死率の重症疾患
小児・若年成人を中心に、致死率は60%以上
「インフルエンザ」とは異なる新しい重症疾患
「季節性インフルエンザ」 = ウイルス感染は上気道呼吸器上皮に限局。
症状は、発熱、全身倦怠感、筋肉痛、呼吸器症状(ILI)。
致死率は0.1%以下。高齢者等のハイリスク群で重症化。
Clade 2.2
Clade 2.3
Clade 1
Clade 2.1
野鳥と家禽におけるH5N1鳥インフルエンザ流行地域とウイルス系統
(2003年後半~2013年8月)
鳥H5N1感染患者発生地域 (2003年後半~2013年8月)
H5N1 human cases reported to WHO
感染患者
死亡者
10月まで
•  感染患者(報告数)は減少傾向にはない(氷山の一角)
・鳥のH5N1流行対策;住民への教育、環境整備の効果
・監視体制の不備、報告・報道規制
•  鳥におけるH5N1流行は制圧されていない
鳥へのワクチン接種、不顕性感染、ウイルスの土着化と持続
•  新型インフルエンザ出現のリスクは依然として高い。
Human cases 31
Deaths
20
Clade 2.3.4
Clade 2.2
Clade 1
Clade 2.3.2
Clade 2.1.3
WHOに報告された高病原性H5N1鳥インフルエンザの 流
行地域(2013年3月~10月)
Annual Genomic Replikin
Counts for five strains of
influenza virus, Oct 2013
致死率
米国における死亡者数
米国のパンデミック準
備計画における致死率
の推定(2007)
強毒型ウイルス(H5N1など) によるパンデミック
スペインかぜ(1918)
アジアかぜ(1957)
香港かぜ (1968)
H1N1 (2009) 新型インフルエンザのリスク比較
H5N1 鳥での流行規模 +++
ブタでの流行 - 人の感染例 ++
人での病原性
+++
レセプター特異性 鳥型 (ヒト型も出現)
増殖至適温度 鳥型 (ヒト型も出現)
新型出現の可能性 ++
健康被害の程度
+++
社会的影響
+++
H9N2
H7N9 H6N1 H2N2
++
+
++
-
+ - - -
+
++
+ -
+
+ ~ ++
+
+
ヒト型 ヒト型 鳥型 ヒト型
鳥型 ヒト型
++
+
++
+++
+ ~ ++
++
鳥型
+
+
++
ヒト型
?
+
+
コメント ヒトにも強毒性 弱毒型 弱毒型 弱毒型 弱毒型 全身感染 ILI 重症肺炎 ILI アジア型
多臓器不全 中国アジア 多臓器不全 ウイルスの
一旦出現したら の鳥で (中高年者) 漏出事故
健康被害甚大 最も流行 <45歳免疫なし
ワクチン準備 プレパンデミック 候補株 ワクチン なし 旧製造株
ワクチンの備蓄 あり 開発中
日本人には、欧米人に比べてインフルエンザ重症化と関連 する遺伝子型rs12252-CがCCである割合が高い
Interferon-­‐induced transmembrane protein-­‐3 gene8c variant rs12252-­‐C is associated with severe influenza in Chinese individuals. Zhang, Y.-­‐H. et al. Nature Comm. (2013) WHO新型インフルエンザ時系列分類 (2009年改定)
地理的拡大(大流行期)
5 - 6
主に動物における感染
ヒトでは限局した感染伝播
1 - 3
4
大流行
ピーク後
ヒトからヒトへの 連続した感染伝播 大流行後
時間経過
WHOパンデミック・フェイズの連続性 (2013年改定)
パンデミックの時系列は、地域によって進行状況が異なり、
また連続的に経過・移行するので、ある時点で画一的に
フェイズを区別することは適当ではない。 各国が各々のリスク評価に応じて判断すべき(無責任)。
新型インフルエンザ大流行対策の基本戦略
1.新型ウイルスの出現阻止
鳥における鳥インフルエンザの監視と制圧
ブタにおける感染伝播の監視、リスク評価
ヒトへの感染防御(教育、宣伝、生活環境改善)
2.新型ウイルスの発生局所での早期封じ込め
早期発見・早期報告(サーベイランス)
ヒト感染例の監視、ウイルス検出と性状モニター
早期封じ込め作戦(移動制限、抗ウイルス剤集中投与)
3.感染拡大の阻止・遅延と健康被害の最小化
公衆衛生的介入(検疫、隔離、行動制限など)
医学的対応 (ワクチン、抗ウイルス剤、医療提供)
4.社会機能、経済活動の維持
社会機能維持に不可欠な職種
事業継続計画(BCP)
5.パンデミック終息後の回復計画
パンデミック対応戦略
・侵入を遅らせる(国境監視)
・拡大を遅らせる(早期封じ込め)
・感染拡大の抑制(公衆衛生的介入)
・流行規模の平坦化
・ワクチンの早期開発,生産,接種
流行のピークを下げて
医療への負荷を減らす
プレパンデミック
患
者
数
ワクチン事前接種
医療対応
体制の強化
新型ウイルスの
国内侵入
時間経過
新型インフルエンザの健康被害対策
医薬品による対策
抗ウイルス薬
ワクチン
医療サービス
医薬品以外による対策
検疫強化
入国者に対する発熱など
のスクリーニング
渡航の自粛
国内への拡大抑制
公衆衛生上
の対策
個人防御
外出の自粛
咳エチケット
学校・職場の閉鎖
手洗い
集会等の制限
マスクの着用
有効と考えられる全ての対策を総動員する必要がある。
新型インフルエンザ対策の基本認識
•  世界規模の社会危機管理の問題である。 (ウイルスによる全世界無差別テロ) •  単一で有効な防止・対応手段は無い。 •  新型インフルエンザの出現、拡大、健康被害、 社会・経済の被害を少しでも減らせる全ての 手段・対応を駆使する必要がある。 •  事前準備が不可欠である。 •  緊急対応実施に伴う損害と補償 基本的人権の制限 経済的損害
•  最悪のシナリオに対する準備をしておけば、
軽度の大流行にも余裕を持って柔軟に対応可能。
Ø 事前の法的整備、国民への説明と合意 
Fly UP