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生活環境影響調査書 完全版[PDF:11MB]

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生活環境影響調査書 完全版[PDF:11MB]
広域ごみ処理施設整備に係る
生 活 環 境 影 響 調 査 書
平成24年3月
ふじみ野市
はじめに
ふじみ野市と三芳町は、共同により、平成28年度の施設稼働を目標に、
新しいごみ処理施設の整備に向けた準備を進めており、そのひとつとして
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく「生活環境影響調査」を
実施しました。
生活環境影響調査とは、これから建設するごみ処理施設が周辺の生活環
境にどのような影響を及ぼすかについて事前に予測を行い、その結果を分
析することにより、地域の状況に応じた環境保全措置を検討し、周辺地域
の生活環境の保全に配慮した施設計画づくりを目指すものです。
住民の皆様方には、生活環境を保全する上で必要となる情報やご意見又
は事業計画に関する質問等様々な意見を頂き、本事業に係る生活環境影響
調査書をよりよいものとしていきたいと考えております。
ふじみ野市PR大使『ふじみん』
〈
第1章
目
次
〉
施設の設置に関する計画
第1節 設置者の名称及び所在地 ················································· 1-1
1-1 事業の目的 ··························································· 1-1
1-2 計画対象地域 ························································· 1-2
第2節 施設の設置場所 ························································· 1-2
第3節 設置する施設の種類 ····················································· 1-2
3-1 施設整備の基本方針 ··················································· 1-4
3-2 事業工程 ····························································· 1-4
第4節 施設において処理する廃棄物の種類 ······································· 1-5
第5節 施設の処理能力 ························································· 1-5
第6節 施設の処理方式 ························································· 1-6
第7節 施設の構造及び設備 ····················································· 1-10
第8節 公害防止計画 ··························································· 1-13
第9節 運搬計画 ······························································· 1-14
第 10 節 供給設備計画 ·························································· 1-16
第 11 節 新たなコミュニティ空間の整備(余熱利用施設) ·························· 1-16
第2章
生活環境影響調査項目の選定
第1節 生活環境影響調査の流れ
第2節 選定した項目及びその理由
·············································· 2-1
············································ 2-2
第3節 選定しなかった項目及びその理由
第3章
······································ 2-3
生活環境影響調査の結果
第1節 大気質
······························································ 3-1
1-1 調査対象地域
1-2 現況把握
1-3 予 測
·························································· 3-1
···························································· 3-36
1-4 影響の分析
第2節 騒 音
························································ 3-64
······························································ 3-70
2-1 調査対象地域
2-2 現況把握
2-3 予 測
······················································ 3-1
······················································ 3-70
·························································· 3-70
···························································· 3-79
2-4 影響の分析
························································ 3-90
第3節 振 動
······························································ 3-93
3-1 調査対象地域
3-2 現況把握
3-3 予 測
·························································· 3-93
···························································· 3-97
3-4 影響の分析
第4節 悪 臭
······················································ 3-93
························································ 3-105
······························································ 3-108
4-1 調査対象地域
4-2 現況把握
4-3 予 測
······················································ 3-108
·························································· 3-108
···························································· 3-118
4-4 影響の分析
························································ 3-122
第5節 低周波音 ····························································· 3-125
5-1 調査対象地域
5-2 現況把握
5-3 予 測
·························································· 3-125
···························································· 3-131
5-4 影響の分析
第6節 交 通
························································ 3-133
······························································ 3-135
6-1 調査対象地域
6-2 現況把握
6-3 予 測
···························································· 3-147
························································ 3-150
······························································ 3-153
7-1 調査対象地域
7-2 現況把握
7-3 予 測
第8節 日照阻害
···························································· 3-157
························································ 3-161
···························································· 3-163
8-1 調査対象地域
8-2 現況把握
8-3 予 測
······················································ 3-153
·························································· 3-153
7-4 影響の分析
······················································ 3-163
·························································· 3-163
···························································· 3-165
8-4 影響の分析
第4章
······················································ 3-135
·························································· 3-135
6-4 影響の分析
第7節 景 観
······················································ 3-125
························································ 3-171
総合的な評価
第1節 現況把握、予測・影響の分析の結果
···································· 4-1
第2節 施設の設置に関する計画に反映した事項及びその内容
第3節 維持管理に関する計画に反映した事項及びその内容
···················· 4-2
······················ 4-4
第1章
施設の設置に関する計画
第1章
第1章
第1節
施設の設置に関する計画
施設の設置に関する計画
設置者の名称及び所在地
設置者の名称:ふじみ野市(以下「本市」という。)
代表者の氏名:ふじみ野市長
所
1-1
在
高畑
博
地:埼玉県ふじみ野市福岡1-1-1
事業の目的
21世紀に入り、地球規模での環境対策が求められる中、ごみ処理については、資源循環型
社会の形成に向けて取組みが進められている。
国は廃棄物を対象とした循環型社会への関与を更に拡充するために、循環型社会形成推進
交付金の制度を一部改変し、効率的に廃棄物発電が可能なごみ処理施設に対し、交付率の拡
大を打ち出している。現在では、新規に整備されるごみ焼却施設は、「ごみ発電施設」とし
て位置づけられてきており、ごみからのエネルギー回収がより推進されている。
このような状況をふまえ、埼玉県が平成20年3月に策定した「第2次埼玉県ごみ処理広域
化計画」、ふじみ野市、三芳町(以下「両市町」という。)が平成21年3月に策定した「ご
み処理広域化基本計画」等の関連計画に基づき、両市町が効率的かつ効果的にごみ処理を行
うべく、新しいごみ処理施設の整備を含む、未来の循環型社会を見据えた各種施策を展開し
ている。
一方、両市町で現在稼働しているふじみ野市上福岡清掃センター、ふじみ野市大井清掃セ
ンターや三芳町清掃工場は、ともに設置から長期間経過し老朽化が進んでいる。これらの施
設は、資源化機能が十分ではなく、廃棄物発電などのエネルギー回収機能もないことから循
環型社会の形成に向け、新しいごみ処理施設の整備が急務となっている。
本事業はこのような状況をふまえ、両市町が求める循環型社会の基盤となる新ごみ処理施
設を整備するものである。
1-1
1-2
計画対象地域
計画対象地域は、図1-1-1に示すとおりである。
計画対象地域は、両市町の行政区域全域とする。
ふじみ野市上福岡清掃センター
ふじみ野市大井清掃センター
計画地
三芳町清掃工場
図1-1-1
第2節
第3節
計画対象地域及び既存施設等
施設の設置場所
計画地の位置
: ふじみ野市駒林字北伊佐島1093-3外(図1-2-1 参照。)
計画地面積
: 約 35,400m2
都市計画区域
: 市街化調整区域
用途地域
: 指定なし
設置する施設の種類
熱回収施設、リサイクルセンター、余熱利用施設
1-2
第1章
施設の設置に関する計画
川越市
さいたま市
国
道
254
号
バ
イ
パ
ス
ふじみ野市
富士見市
:行政区域界
:計画地
図1-2-1
1-3
位置図
3-1
施設整備の基本方針
施設整備の基本方針は、次に示すとおりである。
1.安全・安心に優れた施設
処理が安全に行われ、周辺住民に安心を与えられる施設とする。
2.環境負荷を低減する施設
ダイオキシン類などの有害物質の排出量を削減し、環境にやさしい施設とする。
3.安定稼動に配慮した施設
処理が円滑かつ長期的に安定して行える施設とする。
4.3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進する施設
発生抑制されたごみの再利用や再生利用を推進する施設とする。
5.循環的利用と適正な処分に優れた施設
資源の循環的利用や熱の有効利用を目指した施設とする。
省エネルギー化が図られる施設とする。
資源化の向上を図るとともに、最終処分量の減量化を推進した施設とする。
6.公平性を基本とした施設
分別・収集から中間処理・最終処分に至るまで、両市町の公平性を基本とした施設とす
る。
7.経済性・効率性を確保した施設
処理施設の集約化などによる経費の削減など広域化のメリットを活かした効率的な施設
とする。
3-2
事業工程
広域ごみ処理施設整備の事業工程は、表1-3-1に示すとおりである。
表1-3-1
広域ごみ処理施設整備の事業工程
年度
平成 24 年度
平成 25 年度
都市計画決定
事業者選定
ごみ処理施設建設工事
広域ごみ処理施設稼働
1-4
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
第1章
第4節
施設の設置に関する計画
施設において処理する廃棄物の種類
施設において処理する廃棄物の種類は、表1-4-1に示すとおりである。
表1-4-1
施設
施設において処理する廃棄物の種類
処理方法
熱回収施設
焼却
リサイクルセンター
破砕・選別
処理対象物
もやすごみ
リサイクルセンターからの可燃性残さ
災害廃棄物
もやさないごみ
粗大ごみ(可燃性又は不燃性)
容器包装以外のプラスチック類
有害ごみ(使い捨てライター)
かん
ペットボトル
容器包装プラスチック類
有害ごみ(乾電池、蛍光管、かがみ、体
温計など)、びん、古紙類
選別・圧縮
積替え
保管※1
備考)※1
第5節
直接搬入車両による「びん、古紙類」の保管場所も確保する。
施設の処理能力
広域ごみ処理フローは、図1-5-1に示すとおりである。
熱回収施設の処理能力は、1日当たり 142t(71t×2炉)、リサイクルセンターの処理能
力は、1日当たり 21t(5時間稼働)である。
計画施設
焼却灰、飛灰
家庭系
熱回収施設
(焼却処理)
もやすごみ
事業系
もやさないごみ
粗大ごみ
有害ごみ※2
(家庭系のみ)
粗大
(可燃性)
セメント化
焼却残さ
埋立処分
142t/日
可燃性残さ
容器包装プラスチック類、
容器包装以外のプラスチック類
の資源化残さ
粗大
(不燃性)
有害ごみ
かん
リサイクルセンター
(破砕・選別、選別・圧縮
積替え、保管)
不燃物
容器包装以外
のプラスチック
資源物
(家庭系のみ)
21t/日
容器包装
プラスチック類
資源化可能な電気製品等
資源物
ペットボトル
売却・資源化委託
(民間施設)
びん
古紙類
※2 使い捨てライターを示す。
図1-5-1
広域ごみ処理フロー
1-5
第6節
施設の処理方式
<熱回収施設の概要>
熱回収施設の標準処理フローは、図1-6-1に示すとおりである。
処 理 方 式
:
ストーカ方式※1(もやすごみの焼却)
焼却灰の処理
:
セメント会社へ搬出し資源化予定
その他機能
:
廃棄物発電、白煙防止機能
※1 ごみを火格子(ストーカ)の上で移動させて処理する焼却炉。
余熱利用
大気放出
消石灰等の吹き込み
ごみ
ピット
ご
み
クレーン
ストーカ式
焼却炉
廃
熱
減温塔
ボイラ
選別装置
ろ過式
触媒脱硝
集じん機
装置※2
煙
突
飛灰貯留設備
凡例
磁選物ピット
主灰貯留設備
ごみ、灰の流れ
ガス、空気の流れ
資源化
セメント化施設
※2 白煙防止機能を有する。
図1-6-1
熱回収施設の標準処理フロー
1-6
熱の流れ
第1章
施設の設置に関する計画
<リサイクルセンターの概要>
リサイクルセンターの標準処理フローは、図1-6-2~4に示すとおりである。
処 理 方 式
:
もやさないごみ、粗大ごみ及び容器包装以外のプラスチック類の
破砕選別・資源回収
その他機能
:
かんの選別・圧縮
:
ペットボトル、容器包装プラスチックの保管・積替え
:
有害ごみ(蛍光管、乾電池等)の保管
:
プラザ機能(啓発施設)
:
粗大ごみの修理、展示、販売
可燃性粗大ごみ
不燃性粗大ごみ
もやさないごみ
熱回収施設
リサイクルセンター
リサイクルセンター
受入貯留ヤード
受入貯留ヤード
受入貯留ヤード
切断式破砕機
前処理
前処理
受入ホッパ
供給コンベヤ
粗破砕機
熱回収施設ピット
高速回転破砕機
破砕物搬送コンベヤ
(計量)
破砕物用磁選機
[鉄類]
[可燃物、不燃物、アルミ類]
搬送コンベヤ
粒度選別機
[不燃物]
[可燃物、アルミ類]
[可燃物]
破砕物用アルミ選別機
[アルミ類]
(金属圧縮機)
図1-6-2
(金属圧縮機)
貯留(10t分)
貯留ホッパ(10t分)
貯留(10t分)
再資源化業者
最終処分
再資源化業者
リサイクルセンターの標準処理フロー(もやさないごみ、粗大ごみ)
1-7
図1-6-3
リサイクルセンターの標準処理フロー
(容器包装以外のプラスチック類、ペットボトル、容器包装プラスチック類、有害ごみ)
1-8
第1章
図1-6-4
施設の設置に関する計画
リサイクルセンターの標準処理フロー(かん)
1-9
第7節
施設の構造及び設備
計画施設及び上福岡清掃センターの構造及び設備は表1-7-1に、土地利用計画(案)
は表1-7-2に、全体配置図(標準案)は図1-7-1に、断面概念図(案)は図1-7
-2に示すとおりである。
表1-7-1
項
計画施設及び上福岡清掃センターの構造及び設備の概要
目
計画施設
収集区域
ふじみ野市(全域)及び三芳町※1
処理対象ごみ
一般廃棄物(家庭系、事業系)
処理能力
142t/日(71t/日×2炉)
ご み処 理設 備
煙
突
排
水
処
理
上福岡清掃センター
ふじみ野市(大井地区を除く)※2 及び
三芳町※1
同左
180t/日(90t/日×2炉)
受入・供給設備
ピットアンドクレーン方式
同左
燃焼設備
全連続燃焼式ストーカ炉
同左
燃焼ガス冷却設備
廃熱ボイラ及び減温塔
水噴射式
排ガス処理設備
消石灰等、バグフィルタ、触媒反応塔
有害ガス除去装置+バグフィルタ
余熱利用設備
蒸気タービン発電(約 2,550kW)高効率な
発電施設を整備し、計画施設の機器動力・
照明等に利用する。また、新たに余熱利用
施設を整備し温水や冷暖房等に利用する。
灰出し設備(主灰)
ピットアンドクレーン方式
灰出し設備(飛灰)
乾式輸送設備
煙突高さ
その他機能
-
同左
薬剤固化
59m
50m
白煙防止機能あり
なし
プラント排水
施設内の循環再利用。または、下水道放流。 施設内の循環再利用
生活排水
下水道放流
下水道放流
脱臭設備は受入れ供給設備に設置し、臭気
を焼却炉に誘引し燃焼処理する。なお、炉
休止時には、活性炭吸着等の脱臭設備によ
り処理する。
通常は焼却炉に誘引し燃焼処理する。
炉休止時には、薬剤噴霧により脱臭する。
脱臭設備
備考)※1:三芳町は、もやすごみのみ搬入している。
※2:平成 24 年4月1日から大井地区を含む、ふじみ野市全域を対象とする。
表1-7-2
区分
熱回収施設
リサイクルセンター
建
物
付
帯
面積(m2)
約
約
約 80m×約 50m=約 4,000m2
:高さ約 35m
2,500
2
:高さ約 20m
2
:高さ約 15m
約
1,800
ごみ計量機
約
235
管理棟
約
100
渡り廊下
約
65
駐車場・構内道路
付替道路
雨水調整池
約 10,800
約 1,800
約 5,000
緑地(芝貼りを含む)
約
計
約 35,400
地
備考
4,000
余熱利用施設
画
土地利用計画(案)
約 40m×約 50m=約 2,000m
約 45m×約 40m=約 1,800m
ランプウェイ含む
9,600
1-10
第1章
雨水調整池
リサイクルセンター
煙突
熱回収施設
余熱利用施設
:熱回収施設(管理棟、渡り廊下含む)
:リサイクルセンター
:余熱利用施設
:ごみ計量機
:雨水調整池
:緑地
:計画地
図1-7-1
全体配置図(標準案)
1-11
施設の設置に関する計画
GL+59m
▽
煙突
約 80m
GL+32m
▽
約 40m
GL+35m
▽
GL+16m
▽
GL+6m
▽
GL+20m
▽
リサイクルセンター
GL+0m
▽
GL-6m
▽
リサイクルセンター
図1-7-2
断面概念図(案)
1-12
第1章
第8節
施設の設置に関する計画
公害防止計画
計画施設における煙突排出ガスの排出基準は表1-8-1に、敷地境界の自主規制値は表
1-8-2に示すとおりである。
運転時は常に自主規制値を満足するよう維持管理及び運転管理に努めるとともに、排ガス
測定値等、リアルタイムに表示できる装置を計画地の入口付近等に設置する。
表1-8-1
煙突排出ガスの排出基準
単位
法規制値
県規制値
(上乗せ)
上福岡清掃
センター
計画施設
自主規制値
g/m3N
0.08 以下
-
0.01以下
0.01 以下
硫黄酸化物
ppm
1,900以下
-
-
20 以下
塩化水素
ppm
430 以下
123以下
123以下
20 以下
窒素酸化物
ppm
250 以下
210 以下
50 以下
0.5以下
0.01 以下
項目
ばいじん
250以下
(180以下)
ダイオキシン類
ng-TEQ/m3N
その他
排ガス測定値等、リアルタイムに表示できる装置を計画地の入口付近等に設置する。
1
以下
-
備考)1.法規制値:大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、ダイオキシン類対策特別措置法
2.県規制値:埼玉県生活環境保全条例等
3.県規制値( )の窒素酸化物は、指導基準である。
表1-8-2
敷地境界の自主規制値(騒音、振動、悪臭)
項目
騒 音
(敷地境界)
振 動
(敷地境界)
悪 臭
(敷地境界)
自主規制値
朝・夕(6時~8時、19 時~22 時)
45
dB 以下
昼
間(8時~19 時)
50
dB 以下
夜
間(22 時~6時)
40
dB 以下
昼
間(8時~19 時)
55
dB 以下
夜
間(19 時~8時)
50
dB 以下
15
以下
臭気指数
備考
騒音規制法に基づく規制基準
(第2種区域)の基準値から
5dB 減じた値
振動規制法に基づく規制基準
(第1種区域)の基準値から
5dB 減じた値
悪臭防止法に基づく規制基準
(A区域)の基準値から
臭気指数 15 とした。
備考)騒音及び振動は、計画地周辺に特別養護老人ホームが存在することから、基準値から5dB を減じた
値で設定した。
1-13
第9節
運搬計画
計画地への主要な走行ルートは図1-9-1に、1日当たりの廃棄物等運搬車両計画は、
表1-9-1に、廃棄物等運搬車両の種類は表1-9-2に示すとおりである。
計画地は上福岡清掃センターと隣接していることから、主要な走行ルートは現状とほぼ同
様となるが、走行台数の分散化を図るため、新たに2ルートを整備する計画である。
表1-9-1
廃棄物等運搬車両計画(往復台数/日)
廃棄物等運搬車両
ルート区分
主要走行道路
現況台数
将来台数
Aルート(現状)
県道 272 号線
138
134
Bルート(現状)
富士見市道 5101 号線
33
132
Cルート(新規)
市 98 号線
81
50
Dルート(新規)
市 80 号線
4
56
備考)現況台数は、交通量調査にて把握した。
表1-9-2
区分
①
家庭系
②
事業系
③ 住民または事業者による
直接搬入
廃棄物等運搬車両の種類
車種
搬入計画
ごみ収集車等
月~金曜日の5日/週
8:30~16:00
乗用車等
月~土曜日の6日/週※
8:30~16:00
備考)※計画施設稼働時の搬入計画を示す。
1-14
第1章
Dルート(新規)
Cルート(新規)
国道 254 号バイパスから
県道 272 号線への接続を
関係機関と協議中
国
道
254
号
バ
イ
パ
ス
Aルート(現状)
Bルート(現状)
Aルート(現状):県道 272 号線
Bルート(現状):富士見市道 5101 号線
Cルート(新規):市道 98 号線
Dルート(新規):市道 80 号線
:計画地
図1-9-1
主要走行ルート
1-15
施設の設置に関する計画
第 10 節
供給設備計画
計画施設における供給設備計画は、表1-10-1に示すとおりである。
表1-10-1
項目
電
気
用
水
供給設備計画
概要
第1柱を新設し、地中配線にて引込む。
井水と上水を引込む。井水は、現在、上福岡清掃センターで使用しており、配管を切り
回し、計画施設においても継続使用する。
燃
料
プロパンガス、灯油による。
プラント排水は、原則として再利用に必要な水処理施設を設けることとする。ただし、
排
水
水バランスが維持できない場合は下水放流することとする。
生活排水は、トイレ、洗面等から排水される水であり、全量下水放流とする。
建築物に降る雨水は、簡易処理した後に場内にて積極的に利用する。
雨
水
それ以外の雨水は、流出抑制として雨水調整池に一時貯留後、河川放流を行う。
余熱利用
発電を行うとともに、余熱利用施設(住民利用施設)の温水として利用する。
電話回線は、場内取り合い点から適切に引き込み、電話・ファクシミリ、パソコン及び
電
話
警備等で利用する。
第 11 節
新たなコミュニティ空間の整備(余熱利用施設)
老人福祉センターの代替施設整備に加え、子供から高齢者まですべての住民が利用でき
る新たな地域のコミュニティ空間とする。
老人福祉センターの設備内容を基本に温浴施設を中心とし、ユニバーサルデザインに配
慮するとともに、訪れる人に優しい施設として計画する。
なお、老人福祉センター解体後、できるだけ短期間に整備し運用できる計画とする。
1-16
第2章
生活環境影響調査項目の選定
第2章
第2章
第1節
生活環境影響調査項目の選定
生活環境影響調査項目の選定
生活環境影響調査の流れ
生活環境影響調査(以下「本調査」という。
)は、
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
(平成9年法律第 85 号)で定めた生活環境影響調査項目である大気環境(大気質、騒音、
振動、悪臭)及び水環境等について、あらかじめ現在の環境の状態を調査し、現況に対して
どのような影響がどの程度生じるかを予測し、影響の程度が生活環境の保全上支障のないも
のであるかを分析することで、周辺地域の生活環境の保全に配慮した施設計画づくりを行う
ことを目指すものである。
本調査の手順は図2-1-1に示すとおりである。なお、本調査は「廃棄物処理施設生活
環境影響調査指針」(平成 18 年9月、環境省)(以下「指針」という。)に基づき実施する。
1 事業計画の整理
事業計画及び地域特性を考慮し、施設の稼働並びに施設に係る搬出入及び保
管に伴って生じる、大気環境(大気質、騒音、振動及び悪臭)及び水環境に
対して現況把握、予測・分析項目を選定する。
2 調査対象地域の設定
調査対象地域は、施設の種類及び規模、立地場所の気象及び水象等の自然的
条件並びに人家の状況などの社会的条件を踏まえて、生活環境に影響が及ぶ
おそれのある地域を設定する。
3 現況把握
周辺地域における生活環境影響調査項目の現況を把握するために、既存の文
献、資料または、現地調査により現況を把握する。
4 予
測
影響の予測は、計画している施設の構造及び維持管理を前提として、指針に
準拠した予測手法により行う。
5 影響の分析
(環境保全措置)
影響の分析は、生活環境影響調査項目の現況把握、予測される変化の程度や
環境基準等の目標及び環境保全措置を考慮して行う。
6 生活環境影響調査書
以上の調査結果をとりまとめ、生活環境影響調査書を作成する。
図2-1-1
生活環境影響調査の手順
2-1
第2節
選定した項目及びその理由
指針に基づく熱回収施設及びリサイクルセンターの選定項目を基本とし、事業計画や立地
場所の自然的特性及び社会的特性を踏まえた上で、項目を選定した。
選定結果は表2-2-1に示すとおりである。
また、本事業の実施に伴い生じる新たな生活環境影響要因の選定理由は、表2-2-2に
示すとおりである。
表2-2-1
生活環境影響要因と生活環境影響調査項目の選定結果
大気環境
二酸化硫黄
○
二酸化窒素
○
○
浮遊粒子状物質
○
○
塩化水素
○
ダイオキシン類
○
水銀
▲
微小粒子状物質(PM2.5)
▲
粉じん等
○
騒
音
騒音レベル
○
○
振
動
振動レベル
○
○
悪
臭
特定悪臭物質濃度
臭気指数、臭気強度
水
環
境
水
質
低周波音
そ
の
他
廃棄物等運搬車両の走行
大気質
施設の存在
生活環境影響調査項目
施設からの悪臭の漏えい
施設の稼働(機械)
処理水の放流
煙突排出ガス
生活環境影響要因
交
景
通
○
○
○
生物化学的酸素要求量
×
浮遊物質量
×
ダイオキシン類等
×
音圧レベル
○
交通混雑
○
交通安全
○
観
眺望の変化
○
日照阻害
日影の状況
■
○:選定した項目で、現地調査、予測・影響の分析を行う項目
■:選定した項目で、予測・影響の分析を行う項目
▲:指針に基づく項目ではないが、計画施設稼働前の現況を把握するため、現地調査を行う項目
×:指針に基づく項目のうち、生活環境に影響を及ぼす恐れがないため、選定しなかった項目
出典:
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」
(平成 18 年9月、環境省)を参考として作成
2-2
第2章
表2-2-2
調査項目
騒
悪
選定理由
煙突排出ガス
熱回収施設の稼働に伴い、煙突排出ガスによる影響が考えられるため
選定した。
廃棄物等運搬車両の走行
廃棄物等運搬車両の走行に伴い、自動車排ガスによる影響が考えられ
るため選定した。
施設の稼働(機械)
リサイクルセンターの稼働に伴い、粉じん等の発生が考えられるため
選定した。
施設の稼働(機械)
計画施設(熱回収施設、リサイクルセンター)の稼働に伴い、設備機
器等からの騒音による影響が考えられるため選定した。
廃棄物等運搬車両の走行
廃棄物等運搬車両の走行に伴い、自動車騒音による影響が考えられる
ため選定した。
施設の稼働(機械)
計画施設(熱回収施設、リサイクルセンター)の稼働に伴い、設備機
器等からの振動による影響が考えられるため選定した。
廃棄物等運搬車両の走行
廃棄物等運搬車両の走行に伴い、自動車振動による影響が考えられる
ため選定した。
煙突排出ガス
熱回収施設の稼働に伴い、煙突排出ガスによる影響が考えられるため
選定した。
施設からの悪臭の漏えい
計画施設(熱回収施設、リサイクルセンター)からの悪臭の漏えいが
考えられるため選定した。
音
大気環境
振
動
臭
計画施設(熱回収施設、リサイクルセンター)の稼働に伴い、設備機
器等からの低周波音による影響が考えられるため選定した。
廃棄物等運搬車両の走行に伴い、交通安全・混雑による影響が考えら
れるため選定した。
低周波音
施設の稼働(機械)
交
通
廃棄物等運搬車両の走行
景
観
施設の存在
計画地内には、新たに煙突及び建築物等が建設され、景観の変化が考
えられるため選定した。
施設の存在
計画地内には、新たに煙突及び建築物等が建設され、日照阻害の影響
が考えられるため選定した。
その他
日照阻害
第3節
選定した項目及びその理由
影響要因
大気質
生活環境影響調査項目の選定
選定しなかった項目及びその理由
選定しなかった項目及びその理由は表2-3-1に示すとおりである。
表2-3-1
調査項目
水環境
水
選定しなかった項目及びその理由
影響要因
質
処理水の放流
選定しなかった理由
処理水は、施設内で循環再利用及び公共下水道へ放流することから、
公共用水域に影響を及ぼさないため選定しない。
2-3
44444
第3章
生活環境影響調査の結果
第3章
第3章
第1節
大気質
1-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-大気質
生活環境影響調査の結果
調査対象地域は、表3-1-1に示すとおり、指針に基づき設定した。
表3-1-1
生活環境影響要因
調査対象地域
煙突排出ガス
計画地周辺約2㎞
廃棄物等運搬車両の走行
主要走行ルートの沿道
施設の稼働に伴う粉じん等
計画地周辺の人家等が存
在する地域
1-2
1
調査対象地域
備考
寄与濃度が相当程度大きくなる地域と
して、煙突排出ガスの最大着地濃度出現
距離から約2倍の範囲とした。
その走行によって交通量が相当程度変
化する主要搬入道路沿道周辺の人家等
が存在する地域とした。
対象施設周辺の人家等が存在する地域
とした。
現況把握
現況把握項目
(1)大気質の状況
計画地及びその周辺における大気質の現況を把握するため、次の項目について調査を行った。
①
大気質
②
気
象
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目について
調査を行った。
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
主要な発生源
④
環境関連法令
3-1
2
現況把握方法
(1)調査地点
①
既存資料調査
計画地及びその周辺地域の大気質調査地点の概要は表3-1-2~3に、既存資料に
基づく調査地点は図3-1-1に示すとおりである。
既存資料に基づく現況把握方法として、計画地に最も近い一般環境大気測定局、ふじ
み野市、埼玉県及び富士見市の測定結果より把握した。
なお、調査対象地域に自動車排出ガス測定局は存在しない。
表3-1-2
測定局
種
別
一般環境
大気測定局
富士見
一般環境大気測定局の測定項目
所在地
富士見市役所
SO2
NOx
SPM
Ox
-
○
○
○
測定項目
CO 風向 風速 温度 湿度
-
-
-
-
-
備考)SO2:二酸化硫黄、NOx:窒素酸化物、SPM:浮遊粒子状物質、Ox:光化学オキシダント
CO:一酸化炭素
出典:日本の大気汚染状況(環境省)
表3-1-3
測定機関
ふじみ野市、埼玉県及び富士見市の測定項目
種
別
ふじみ野市
埼玉県
富士見市
②
環
地点名
測定項目
ふじみ野市運動公園
ダイオキシン類
さぎの森小学校
二酸化窒素
境
富士見市役所
ダイオキシン類
富士見市立東中学校
ダイオキシン類
交差点名「勝瀬」
二酸化窒素
自動車排ガス
現地調査
現地調査地点は、表3-1-4及び図3-1-2(1)~(3)に示すとおりである。
表3-1-4
区分
地点名
現地調査地点
測定項目
地点図
煙突排出ガス
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
二酸化硫黄
窒素酸化物
浮遊粒子状物質
塩化水素
ダイオキシン類
水銀
微小粒子状物質
図3-1-2(1)
施設の稼働
計画地
直近民家周辺
下福岡城山公園
粉じん等
図3-1-2(2)
自動車排ガス
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
窒素酸化物
浮遊粒子状物質
図3-1-2(3)
3-2
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
ふじみ野市運動公園
さぎの森小学校
富士見市立東中学校
交差点「勝瀬」
富士見市役所
:調査地点
富士見市役所(一般環境大気測定局、ダイオキシン類)
ふじみ野市運動公園
(ダイオキシン類)
富士見市立東中学校
(ダイオキシン類)
さぎの森小学校 (二酸化窒素)
交差点「勝瀬」 (二酸化窒素)
:計画地
図3-1-1
既存資料の大気質調査地点
3-3
花の木中学校
計画地
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
:調査地点
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
:計画地
図3-1-2(1)
大気質(煙突排出ガス)の調査地点
3-4
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
下福岡城山公園
計画地
直近民家周辺
:調査地点
計画地
直近民家周辺
下福岡城山公園
:計画地
図3-1-2(2)
大気質(粉じん等)の調査地点
3-5
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
:調査地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
:計画地
図3-1-2(3)
大気質(自動車排ガス)の調査地点
3-6
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(2)調査時期
①
既存資料調査
既存資料の調査時期は、平成 17 年度~21 年度までの過去5年間の経年変化とした。
②
現地調査
現地調査の調査時期は、表3-1-5に示すとおりである。
表3-1-5
大気質及び気象の調査期間
調査項目
調査期間
大気質
地上気象
上層気象
春季
平成23年 4月15日(金)~ 平成23年 4月22日(金)
夏季
平成23年 7月22日(金)~ 平成23年 7月29日(金)
秋季
平成23年 10月20日(木)~ 平成23年 10月27日(木)
冬季
平成24年 1月13日(金)~ 平成24年 1月20日(金)
通年
平成22年 12月1日(水)~ 平成23年 11月30日(水)
春季
平成23年 4月15日(金)~ 平成23年 4月19日(火)
夏季
平成23年 7月23日(土)~ 平成23年 7月27日(水)
秋季
平成23年 10月20日(木)~ 平成23年 10月24日(月)
冬季
平成24年 1月13日(金)~ 平成24年 1月17日(火)
(3)調査方法
①
既存資料調査
既存資料の調査方法は、表3-1-6に示すとおり、文献等により把握した。
表3-1-6
既存資料の調査方法
測定機関
調査方法
富 士 見 局
日本の大気汚染状況(環境省)より把握した。
ふじみ野市
環境年次報告書(ふじみ野市)より把握した。
埼
玉
県
富士見市ホームページより把握した。
富 士 見 市
3-7
②
現地調査
現地調査の調査方法は、表3-1-7(1)~(2)に示すとおりである。
表3-1-7(1)
現地調査(大気質)の調査方法
調査項目
調査方法
浮遊粒子状物質
(SPM)
「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和 48 年、環境庁告示第 25 号)、
JIS B7952 による。
「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和 53 年、環境庁告示第 38 号)、
JIS B 7953 による。
「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和 48 年、環境庁告示第 25 号)、
JIS B 7954 による。
塩化水素
「大気汚染物質測定法指針」(環境庁、昭和 62 年)による。
ダイオキシン類
「ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル」による。
水銀
「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」(環境庁、平成 11 年)による。
微小粒子状物質
(PM2.5)
「微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について](平成 21 年、
環告 33)による。
粉じん等
ローボリュームエアサンプラ(JIS Z 8814)による。
二酸化硫黄
二酸化窒素
大気質
表3-1-7(2)
現地調査(気象)の調査方法
調査項目
調査方法
風
向
風
速
気
温
湿
度
地上気象
地上気象観測指針(気象庁)による。
日射量
放射収支量
上層風向
上層気象
上層風速
高層気象観測指針(気象庁)による。
鉛直気温
(逆転層)
3-8
第3章
3
生活環境影響調査の結果-大気質
現況把握の結果
(1)既存資料調査
①
大気質
ア
二酸化窒素
二酸化窒素の測定結果は表3-1-8(1)~(3)に、経年変化は図3-1-3
に示すとおりである。
測定結果は、全ての地点及び年度で環境基準を満足していた。
表3-1-8(1)
二酸化窒素の測定結果
二酸化窒素
測定局
富士見局
年
度
年平均値 日平均値の年間98%値
環境基準の適否
ppm
ppm
適○ 否×
H17
0.021
0.040
○
H18
0.020
0.038
○
H19
0.018
0.036
○
H20
0.017
0.032
○
H21
0.018
0.035
○
備考)二酸化窒素の環境基準:1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm まで
のゾーン内またはそれ以下であること。
出典:日本の大気汚染状況(環境省)
表3-1-8(2)
二酸化窒素の測定結果
二酸化窒素
測定地点
年
度
年平均値(2季)
環境基準の適否
ppm
適○ 否×
H17
-
-
H18
0.024
○
さぎの森小学校
H19
0.021
○
H20
0.018
○
H21
0.017
○
備考)1.さぎの森小学校の測定は、平成 18 年度から実施している。
2.二酸化窒素の環境基準:1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm
までのゾーン内またはそれ以下であること。
出典:環境年次報告書(ふじみ野市)
表3-1-8(3)
二酸化窒素の測定結果
二酸化窒素
測定地点
交差点
「勝瀬」
年
度
年平均値(2季)
環境基準の適否
ppm
適○ 否×
0.036
0.033
0.027
0.025
0.022
○
○
○
○
○
H17
H18
H19
H20
H21
備考)二酸化窒素の環境基準:1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm まで
のゾーン内またはそれ以下であること。
出典:富士見市 HP より作成
3-9
(ppm)
0.08
環境基準:0.06ppm以下
0.06
0.04
0.02
0.00
H17
H18
H19
さぎの森小学校
交差点名「勝瀬」
環境基準
富士見局(年間98%値)
図3-1-3
H20
H21
富士見局(年平均値)
二酸化窒素の経年変化
3-10
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-大気質
浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質の測定結果は表3-1-9に、経年変化は図3-1-4に示すとおり
である。
測定結果は、全ての地点及び年度で環境基準を満足していた。
表3-1-9
浮遊粒子状物質の測定結果
浮遊粒子状物質
測定局
年
度
年平均値
日平均値の2%除外値
3
富士見局
3
環境基準の適否
㎎/m
㎎/m
適○ 否×
H17
0.027
0.058
○
H18
0.028
0.059
○
H19
0.024
0.057
○
H20
0.021
0.050
○
H21
0.020
0.047
○
3
備考)浮遊粒子状物質の環境基準:1時間値の1日平均値が 0.10mg/m 以下であり、
かつ1時間値が 0.20mg/m3 以下であること。
出典:日本の大気汚染状況(環境省)
(mg/m 3)
0.12
0.10
環境基準:0.10mg/m 3以下
0.08
0.06
0.04
0.02
0.00
H17
H18
年平均値
図3-1-4
H19
H20
日平均値の2%除外値
H21
環境基準
浮遊粒子状物質(年平均値)の経年変化
3-11
ウ
ダイオキシン類
ダイオキシン類の測定結果(年平均値)は表3-1-10 に、経年変化は図3-1-5
に示すとおりである。
測定結果は、全ての地点及び年度で環境基準を満足していた。
表3-1-10
年
大気環境中のダイオキシン類調査結果
調査地点
度
ふじみ野市運動公園
富士見市役所
富士見市立東中学校
H17
0.043
○
0.067
○
0.053
○
H18
0.061
○
0.051
○
0.077
○
H19
0.062
○
0.059
○
0.064
○
H20
0.046
○
0.064
○
0.16
○
H21
0.062
○
0.040
○
0.032
○
3
備考)1.ダイオキシン類(大気)の環境基準:年平均値が 0.6pg-TEQ/m 以下であること。
2.環境基準の適否(適○、否×)
出典:環境年次報告書(ふじみ野市)
富士見市HPより作成
(pg-TEQ/m 3 )
0.8
環境基準:0.6pg-TEQ/m 3 以下
0.6
0.4
0.2
0.0
H17
H18
H19
H20
ふじみ野市運動公園
富士見市役所
富士見市立東中学校
環境基準
図3-1-5
H21
ダイオキシン類(年平均値)の経年変化
3-12
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(2)現地調査
①
環境大気質
ア
二酸化硫黄
二酸化硫黄の調査結果は表3-1-11 に、濃度変化は図3-1-6に示すとおりである。
二酸化硫黄の調査結果は、全ての調査地点及び季別において環境基準を満足していた。
表3-1-11
調査地点
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
項
二酸化硫黄の調査結果
季
目
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
別
春季
夏季
秋季
冬季
0.000
0.001
0.004
○
0.000
0.001
0.004
○
0.000
0.001
0.003
○
0.001
0.002
0.004
○
0.000
0.001
0.003
○
0.000
0.000
0.002
○
0.000
0.000
0.003
○
0.000
0.000
0.002
○
0.000
0.000
0.006
○
0.000
0.001
0.003
○
0.000
0.000
0.000
○
0.000
0.000
0.000
○
0.000
0.000
0.000
○
0.000
0.001
0.001
○
0.000
0.000
0.000
○
0.001
0.001
0.002
○
0.001
0.001
0.002
○
0.001
0.001
0.002
○
0.001
0.001
0.002
○
0.001
0.001
0.002
○
年平均値
0.000
-
-
-
0.000
-
-
-
0.000
-
-
-
0.001
-
-
-
0.000
-
-
-
備考)二酸化硫黄の環境基準:1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ1時間値が0.1ppm以下であること。
(ppm)
0.05
0.04
環境基準:0.04ppm以下
0.03
0.02
0.01
0.00
春季
夏季
秋季
冬季
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
環境基準
図3-1-6
二酸化硫黄の濃度変化(日平均値の最高値)
3-13
イ
二酸化窒素
二酸化窒素の調査結果は表3-1-12 に、濃度変化は図3-1-7に示すとおりである。
二酸化窒素の調査結果は、全ての調査地点及び季別において環境基準を満足していた。
表3-1-12
調査地点
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
項
二酸化窒素の調査結果
季
目
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
別
春季
夏季
秋季
冬季
0.012
0.020
0.053
○
0.012
0.020
0.049
○
0.010
0.018
0.043
○
0.013
0.022
0.050
○
0.014
0.021
0.054
○
0.017
0.036
0.062
○
0.014
0.027
0.051
○
0.010
0.022
0.041
○
0.013
0.027
0.048
○
0.012
0.025
0.043
○
0.010
0.014
0.023
○
0.014
0.019
0.030
○
0.011
0.014
0.024
○
0.013
0.017
0.028
○
0.014
0.018
0.031
○
0.022
0.034
0.051
○
0.025
0.035
0.055
○
0.020
0.031
0.049
○
0.024
0.036
0.055
○
0.024
0.035
0.055
○
年平均値
0.015
-
-
-
0.016
-
-
-
0.013
-
-
-
0.016
-
-
-
0.016
-
-
-
備考)二酸化窒素の環境基準:1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内またはそれ以下である
こと。
(ppm)
0.08
環境基準:0.06ppm以下 ※
0.06
0.04
0.02
0.00
春季
夏季
秋季
冬季
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
環境基準
図3-1-7
二酸化窒素の濃度変化(日平均値の最高値)
3-14
第3章
ウ
生活環境影響調査の結果-大気質
浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質の調査結果は表3-1-13 に、濃度変化は図3-1-8に示すとおり
である。
浮遊粒子状物質の調査結果は、全ての調査地点及び季別において環境基準を満足して
いた。
表3-1-13
項
調査地点
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
目
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
浮遊粒子状物質の調査結果
季
夏季
0.025
0.035
0.079
○
0.030
0.038
0.186
○
0.020
0.032
0.067
○
0.021
0.031
0.096
○
0.022
0.033
0.074
○
春季
0.023
0.039
0.067
○
0.020
0.038
0.061
○
0.018
0.037
0.070
○
0.019
0.036
0.064
○
0.025
0.042
0.118
○
別
秋季
0.023
0.031
0.083
○
0.023
0.033
0.085
○
0.018
0.026
0.048
○
0.022
0.029
0.073
○
0.026
0.036
0.074
○
冬季
0.022
0.029
0.062
○
0.020
0.028
0.063
○
0.020
0.031
0.063
○
0.023
0.031
0.066
○
0.020
0.027
0.074
○
年平均値
0.023
-
-
-
0.023
-
-
-
0.019
-
-
-
0.021
-
-
-
0.023
-
-
-
備考)浮遊粒子状物質の環境基準:1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ1時間値が0.20mg/m3以下
であること。
(mg/m 3)
0.12
0.10
環境基準:0.10mg/m 3以下
0.08
0.06
0.04
0.02
0.00
春季
計画地
上南畑B地点
図3-1-8
夏季
秋季
花の木中学校
みほの公園
冬季
上南畑A地点
環境基準
浮遊粒子状物質の濃度変化(日平均値の最高値)
3-15
エ
塩化水素
塩化水素の調査結果は表3-1-14 に、濃度変化は図3-1-9に示すとおりである。
塩化水素の調査は、24 時間累積値であり、参考として目標環境濃度と比較すると、全
ての調査地点で目標環境濃度を満足していた。
表3-1-14
期間平均値
(ppm)
24 時間値の最高値
(ppm)
目標環境濃度の適否(適○ 否×)
春季
0.001
0.002
○
季
夏季
0.002
0.005
○
期間平均値
(ppm)
0.000
24 時間値の最高値
(ppm)
0.000
調査地点
計画地
花の木中学校
塩化水素の調査結果
項
目
目標環境濃度の適否(適○ 否×)
上南畑A地点
0.002
0.002
0.001
0.005
0.003
0.001
-
○
○
○
○
-
年平均値
0.001
-
-
0.001
(ppm)
0.001
0.002
0.002
0.001
0.002
24 時間値の最高値
(ppm)
0.001
0.004
0.003
0.001
-
○
○
○
○
-
期間平均値
(ppm)
0.001
0.002
0.003
0.000
0.002
24 時間値の最高値
(ppm)
0.001
0.004
0.004
0.001
-
目標環境濃度の適否(適○ 否×)
みほの公園
冬季
0.001
0.002
○
期間平均値
目標環境濃度の適否(適○ 否×)
上南畑B地点
別
秋季
0.001
0.002
○
○
○
○
○
-
期間平均値
(ppm)
0.001
0.002
0.002
0.001
0.002
24 時間値の最高値
(ppm)
0.001
0.003
0.002
0.002
-
○
○
○
○
-
目標環境濃度の適否(適○ 否×)
備考)目標環境濃度(1時間値):0.02ppm
調査結果は24時間累積値であり、参考として目標環境濃度(1時間値)との適否を示した。
出典:環境庁大気保全局長通達(昭和52年環大規第136号)
3
(μg/m
(ppm) )
0.03
参考指標:0.02ppm以下
0.02
0.01
0.00
春季
夏季
計画地
上南畑B地点
図3-1-9
秋季
花の木中学校
みほの公園
冬季
上南畑A地点
参考指標
塩化水素の濃度変化(24 時間累積値の最高値)
3-16
第3章
オ
生活環境影響調査の結果-大気質
ダイオキシン類
ダイオキシン類の調査結果は表3-1-15 に、濃度変化は図3-1-10 に示すと
おりである。
ダイオキシン類の調査結果は、全ての調査地点において環境基準を満足していた。
表3-1-15
ダイオキシン類の調査結果
単位:pg-TEQ/m3
調査地点
季
別
年平均値
環境基準の適否
(適○ 否×)
春季
夏季
秋季
冬季
計画地
0.021
0.042
0.056
0.080
0.050
○
花の木中学校
0.017
0.030
0.110
0.067
0.056
○
上南畑A地点
0.023
0.024
0.057
0.079
0.046
○
上南畑B地点
0.022
0.035
0.060
0.068
0.046
○
みほの公園
0.027
0.041
0.066
0.11
0.061
○
備考)ダイオキシン類の環境基準:年間平均値が 0.6 pg-TEQ/m3 以下であること。
(pg-TEQ/m 3)
0.8
0.6
環境基準:0.6pg-TEQ/m 3以下
0.4
0.2
0.0
春季
計画地
上南畑B地点
夏季
図3-1-10
秋季
花の木中学校
みほの公園
冬季
上南畑A地点
環境基準
ダイオキシン類の濃度変化
3-17
カ
水銀
水銀の調査結果は、表3-1-16 に示すとおりである。
水銀の調査結果は、全ての調査地点において指針値を満足していた。
表3-1-16
水銀の調査結果
季
調査地点
項
計画地
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
3
別
夏季
冬季
年平均値
(2季)
0.002
0.003
0.003
0.002
0.003
0.002
0.002
-
0.003
目
指針値
の適否
(適○ 否×)
○
-
○
期間平均値
24 時間値の最高値
期間平均値
(μg/m )
(μg/m3)
(μg/m3)
24 時間値の最高値
(μg/m3)
0.004
0.002
-
-
期間平均値
(μg/m3)
0.002
0.002
0.002
○
24 時間値の最高値
(μg/m3)
0.004
0.002
-
-
期間平均値
(μg/m3)
0.004
0.002
0.003
○
24 時間値の最高値
(μg/m3)
0.006
0.002
-
-
期間平均値
(μg/m3)
0.002
0.001
0.002
○
24 時間値の最高値
(μg/m3)
0.003
0.002
-
-
3
備考)水銀の指針値:年間平均値が 0.04μg/m 以下であること。
出典:「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)」について(平成 15 年、環境省)
キ
微小粒子状物質(PM2.5)
微小粒子状物質の調査結果は、表3-1-17 に示すとおりである。
微小粒子状物質の調査結果は、全ての調査地点において環境基準を満足していた。
表3-1-17
調査地点
項
期間平均値
計画地
微小粒子状物質の調査結果
(μg/m3)
3
24 時間値の最高値 (μg/m )
環境基準の適否 (適○ 否×)
17.5
15.0
21.5
27.8
-
○
○
16.7
14.6
24 時間値の最高値 (μg/m3)
20.4
27.2
-
環境基準の適否 (適○ 否×)
○
○
○
11.9
17.5
14.7
24 時間値の最高値 (μg/m )
19.8
27.9
-
環境基準の適否 (適○ 否×)
○
○
○
(μg/m3)
3
3
(μg/m )
12.6
17.2
14.9
24 時間値の最高値 (μg/m3)
20.6
29.1
-
環境基準の適否 (適○ 否×)
○
○
○
(μg/m )
11.9
17.4
14.7
24 時間値の最高値 (μg/m3)
20.4
27.7
-
○
○
○
期間平均値
みほの公園
12.4
○
期間平均値
上南畑B地点
年平均値
(2季)
12.4
期間平均値
上南畑A地点
冬季
別
(μg/m3)
期間平均値
花の木中学校
夏季
季
目
3
環境基準の適否 (適○ 否×)
3
備考)微小粒子状物質の環境基準:年平均値が 15μg/m 以下であり、かつ、1日平均値が 35μg/m3
以下であること。
3-18
第3章
ク
生活環境影響調査の結果-大気質
粉じん等
粉じん等の調査結果は表3-1-18 に、濃度変化を図3-1-11 に示すとおりである。
粉じん等の調査結果は、全ての調査地点において参考指標を満足していた。
表3-1-18
春季
季
夏季
期間平均値
(mg/m3)
24 時間値の最高値
(mg/m3)
参考指標の適否 (適○ 否×)
0.050
0.129
○
期間平均値
(mg/m3)
24 時間値の最高値
(mg/m3)
調査地点
計画地
直近民家周辺
項
目
参考指標の適否
下福岡城山公園
粉じん等の調査結果
(適○ 否×)
別
秋季
冬季
0.023
0.034
○
0.028
0.051
○
0.041
0.062
○
0.036
-
-
0.034
0.021
0.028
0.040
0.031
0.090
0.032
0.050
0.066
-
○
○
○
○
-
年平均値
期間平均値
(mg/m3)
0.039
0.021
0.024
0.037
0.030
24 時間値の最高値
(mg/m3)
0.076
0.036
0.048
0.057
-
○
○
○
○
-
参考指標の適否
(適○ 否×)
備考)参考指標:不快感を与える指標―「浮遊粒子状物質濃度が、0.6mg/m3となると視程が2km以下になり、地域住民の
中に不快、不健康感を訴えるものが増加する。」
出典:浮遊粒子状物質による環境汚染の環境基準に関する専門委員会報告(浮遊粉じん環境基準専門委員会)
(mg/m 3)
0.8
0.6
参考指標:0.6mg/m 3以下
0.4
0.2
0.0
春季
夏季
秋季
冬季
計画地
直近民家周辺
下福岡城山公園
参考指標
環境基準
図3-1-11
粉じん等の濃度変化(24 時間値の最高値)
3-19
②
沿道大気質
ア
二酸化窒素
二酸化窒素の調査結果は表3-1-19 に、濃度変化は図3-1-12 に示すとおりである。
二酸化窒素の調査結果は、全ての調査地点及び季別において環境基準を満足していた。
表3-1-19
調査地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
項
二酸化窒素の調査結果
目
春
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(ppm)
日平均値の最高値
(ppm)
1時間値の最高値
(ppm)
環境基準の適否 (適○ 否×)
季
0.016
0.023
0.053
○
0.014
0.021
0.051
○
夏
季
季
0.023
0.034
0.082
○
0.025
0.056
0.104
○
別
秋
季
0.017
0.024
0.042
○
0.014
0.020
0.030
○
冬
季
0.027
0.038
0.061
○
0.025
0.036
0.053
○
年平均値
0.021
-
-
-
0.020
-
-
-
備考)二酸化窒素の環境基準:1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内またはそれ以下である
こと。
(ppm)
0.08
0.06
環境基準:0.06ppm以下 ※
0.04
0.02
0.00
春季
夏季
さぎの森小学校
図3-1-12
秋季
勝瀬沿道B地点
冬季
環境基準
二酸化窒素の濃度変化(日平均値の最高値)
3-20
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-大気質
浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質の調査結果は表3-1-20 に、濃度変化は図3-1-13 に示すとおりで
ある。
浮遊粒子状物質の調査結果は、全ての調査地点及び季別において環境基準を満足していた。
表3-1-20
調査地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
項
浮遊粒子状物質の調査結果
目
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
期間平均値
(mg/m3)
日平均値の最高値
(mg/m3)
1時間値の最高値
(mg/m3)
環境基準の適否 (適○ 否×)
春季
0.020
0.041
0.067
○
0.022
0.033
0.081
○
季
夏季
0.023
0.034
0.082
○
0.025
0.056
0.104
○
別
秋季
0.022
0.033
0.072
○
0.022
0.027
0.078
○
冬季
0.023
0.032
0.065
○
0.018
0.079
0.049
○
年平均値
0.022
-
-
0.022
-
-
-
備考)浮遊粒子状物質の環境基準:1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3
以下であること。
(mg/m 3)
0.12
環境基準:0.10mg/m 3以下
0.10
0.08
0.06
0.04
0.02
0.00
春季
夏季
さぎの森小学校
図3-1-13
秋季
勝瀬沿道B地点
冬季
環境基準
浮遊粒子状物質の濃度変化(日平均値の最高値)
3-21
③
地上気象
ア
風向・風速
a
風向別出現頻度
風向別出現頻度は表3-1-21 に、風配図は図3-1-14 に示すとおりである。
風向別出現頻度について、通年では北北西(NNW)からの風が最も多く 20.9%、
次いで北(N)が 10.2%と多くなっていた。また、季別においても北北西(NNW)が
卓越していた。
表3-1-21
風向別出現頻度
単位:%
N
NNE
NE
ENE
E
ESE
SE
SSE
S
SSW
SW
WSW
W
WNW
NW
NNW
Calm
冬季 16.0
6.2
5.2
3.8
3.7
3.8
1.9
2.2
2.6
1.6
1.4
2.0
3.6
3.9
9.6
28.1
4.3
春季 10.7
5.5
6.3
4.2
4.2
6.8
3.8
5.2
11.2
5.8
2.5
1.9
1.7
2.6
5.5
19.3
2.6
夏季
4.5
5.2
7.7
7.0
7.6
8.8
3.9
6.9
14.3
7.2
2.9
2.0
2.2
2.0
3.7
10.2
3.8
秋季
9.7
6.0
7.6
4.6
4.3
6.0
4.5
4.0
7.0
3.8
1.8
1.1
1.3
2.2
6.5
26.0
3.6
通年 10.2
5.7
6.7
4.9
5.0
6.4
3.6
4.6
8.8
4.6
2.2
1.8
2.2
2.7
6.3
20.9
3.6
備考)1.冬季:平成 22 年 12 月、平成 23 年1月~2月
夏季:平成 23 年 6月~8月
通年:平成 22 年 12 月~23 年 11 月
2.網掛け部は、風向別出現頻度の最大値を示す。
3.Calm は静穏を示す。
b
春季:平成 23 年 3月~ 5月
秋季:平成 23 年 9月~11 月
風向別平均風速
風向別平均風速は表3-1-22 に示すとおりである。
通年の平均風速は 2.1m/s であり、卓越風向である北北西(NNW)の平均風速は
2.4m/s となっていた。
表3-1-22
風向別平均風速
単位:m/s
N
NNE
NE
ENE
E
ESE
SE
SSE
S
SSW
SW
WSW
W
WNW
NW
NNW
Calm
季別
通年
平均
風速
冬季
2.8
2.1
1.7
1.3
1.2
1.3
1.4
1.4
1.8
2.0
1.6
1.2
1.4
1.8
2.2
2.8
0.2
2.1
春季
3.1
2.1
2.3
1.6
1.3
1.9
1.8
2.1
3.7
3.7
2.1
1.5
1.4
1.7
1.9
2.8
0.2
2.4
夏季
1.7
1.9
1.8
1.4
1.3
1.6
1.5
2.0
2.7
2.7
2.1
1.6
1.2
1.2
1.4
1.7
0.2
1.8
秋季
2.5
1.7
1.7
1.4
1.3
1.8
2.1
2.4
3.2
3.0
1.8
1.1
0.9
1.0
1.5
2.1
0.2
2.0
通年
2.7
2.0
1.9
1.4
1.3
1.7
1.8
2.1
3.0
3.0
2.0
1.3
1.3
1.5
1.8
2.4
0.2
2.1
備考)1.網掛け部は、風向別平均風速の最大値を示す。
2.Calm は静穏を示す。
3-22
第3章
冬季
春季
:風向 :風速
:風向 :風速
N
NNW
NNE
NW
NE
WNW
ENE
冬季
W
風向(%)
40
30
20
10
0
N
NNW
NNE
NW
NE
WNW
ENE
春季
W
E
風速(m/s)
WSW
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
ESE
SW
SE
SSW
生活環境影響調査の結果-大気質
SSE
風速(m/s)
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
ESE
SW
SE
SSW
SSE
S
Calm: 4.3 %
Calm: 2.6 %
夏季
秋季
:風向 :風速
:風向 :風速
N
NNW
NNE
NW
NE
WNW
ENE
夏季
風向(%)
40
30
20
10
0
N
NNW
NNE
NW
NE
WNW
ENE
秋季
W
E
風速(m/s)
WSW
ESE
SW
SE
SSW
E
WSW
S
W
風向(%)
40
30
20
10
0
SSE
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
風向(%)
40
30
20
10
0
E
WSW
ESE
SW
風速(m/s)
SE
SSW
SSE
S
S
Calm: 3.8 %
Calm: 3.6 %
通年
:風向 :風速
N
NNW
NNE
NW
NE
WNW
ENE
通年
W
風向(%)
40
30
20
10
0
E
風速(m/s)
WSW
ESE
SE
SW
SSW
SSE
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
S
Calm は、静穏のことであり 0.4m/s 以下とした。
図3-1-14
Calm: 3.6 %
風配図(季別・通年)
3-23
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
イ
気温、湿度、日射量、放射収支量
気温、湿度、日射量、放射収支量の調査結果は表3-1-23 に示すとおりである。
a
気温
平均気温は 2.8℃~27.1℃の範囲で変化しており、通年では 15.3℃であった。
また、最高気温は 37.5℃(8月)で、最低気温は-7.0℃(1月)であった。
b
湿度
平均湿度は 49%~75%の範囲で変化しており、通年では 65%であった。
c
日射量
日射量の日積算値の平均値は 9.4MJ/m2~18.2MJ/m2 の範囲で変化しており、通年
では 14.2MJ/m2 であった。
d
放射収支量
放射収支量の日積算値の平均値は-1.0MJ/m2~-3.8MJ/m2 の範囲で変化しており、
通年では-2.1MJ/m2 であった。
表3-1-23
年月
気温、湿度、日射量、放射収支量の調査結果
H22
H23
通年
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
平均
7.2
2.8
5.3
6.7
13.3
17.7
22.6
27.1
26.6
24.0
17.7
12.2
15.3
最高
20.5
12.4
23.0
20.8
26.1
30.2
36.5
37.3
37.5
33.4
28.5
22.5
37.5
最低
-3.8
-7.0
-5.9
-4.2
-1.1
10.1
11.4
16.8
18.8
12.8
5.9
0.9
-7.0
平均
64
49
61
55
55
69
73
68
75
72
67
69
65
日積算値
の平均値
9.4
12.0
11.9
16.8
18.2
15.6
14.9
17.9
16.6
15.9
11.6
9.8
14.2
日積算値
の平均値
-3.2
-3.8
-2.6
-3.1
-2.3
-1.5
-1.1
-1.3
-1.0
-1.6
-1.8
-2.6
-2.1
項目
気温
(℃)
湿度
(%)
日射量
(MJ/m2)
放 射
収支量
2
(MJ/m )
3-24
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
大気安定度※
ウ
地上気象調査地点における風速、日射量及び放射収支量の気象データを基に大気安
定度を分類し、その出現頻度を求めた。
大気安定度の出現頻度は、表3-1-24 に示すとおりである。
大気安定度の出現頻度は、通年では不安定が 23.7%、中立が 42.9%、安定が 33.3%
となっており、安定度別では中立のDが 35.8%と一番多く、次いで安定のGが 24.3%
と多くなっていた。
表3-1-24
大気安定度出現頻度表
単位:%
不安定
安定度
期間
通 年
中 立
A
A-B
B
B-C
C
C-D
D
E
F
G
4.1
9.0
9.0
1.6
5.1
2.0
35.8
3.7
5.3
24.3
42.9
23.7
1.4
冬 季
8.7
8.2
2.0
3.8
3.2
4.8
7.8
8.0
1.6
7.5
1.7
22.2
6.8
夏 季
10.8
1.5
4.7
1.5
29.0
3.5
秋 季
8.6
29.8
4.5
38.2
1.1
4.6
1.5
22.9
7.7
4.0
100.0
30.6
100.0
5.8
100.0
20.6
100.0
30.4
39.7
3.1
2.9
100.0
19.0
100.0
25.0
45.9
9.7
100.0
42.8
47.4
9.9
合計
33.3
36.8
20.3
春 季
安 定
35.5
41.6
3.1
5.0
100.0
27.4
100.0
35.5
100.0
備考)1.集計期間:平成 22 年 12 月1日~平成 23 年 11 月 30 日
2.出現頻度は四捨五入の関係で、合計が一致しないことがある。
表3-1-25
風
速
日 射 量 (T)
大気安定度分類表
kW/m2
放射収支量 (Q) kW/m2
m/s
T≧
0.60
0.60>
T
≧0.30
0.30>
T
≧0.15
0.15>
T
Q≧
-0.020
-0.020>
Q
≧-0.040
-0.040>
Q
U<2
A
A-B
B
D
D
G
G
2≦U<3
A-B
B
C
D
D
E
F
3≦U<4
B
B-C
C
D
D
D
E
4≦U<6
C
C-D
D
D
D
D
D
6≦U
C
D
D
D
D
D
D
(U)
2
備考)1.日射量、放射収支量の単位としては kW/m を用いる。
2.表中、Aは最も不安定、Dは中立で、Gは最も安定な状態である。
出典:「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」(昭和 57 年 1 月、原子力安全委員会)
※
大気安定度:大気圏の大気の状態が不安定な状態にあると、煙突から排出される煙とともに物質が拡散しやすい状況
になる。
3-25
④
上層気象
ア
上層風向
上層風向の調査結果の概要は表3-1-26 に示すとおりである。
春季、秋季及び冬季においては、北よりの風が多く、夏季においては、南よりの風
が多かった。
表3-1-26
上層風向の調査結果の概要
春季
高度区分
夏季
秋季
冬季
(m)
最多風向
(16 方位)
最多風向
出現率
(%)
最多風向
(16 方位)
最多風向
出現率
(%)
最多風向
(16 方位)
最多風向
出現率
(%)
最多風向
(16 方位)
最多風向
出現率
(%)
1,000
SE,WSW
15.0
SSW
20.0
NE
32.5
NW
27.5
900
SE
17.5
SSW
25.0
NE
25.0
NW
35.0
800
SE
17.5
SSW
22.5
NE
27.5
NW
27.5
700
SW
17.5
SSW
20.0
NNE
25.0
NNW
35.0
600
NNW
22.5
S
20.0
NNE
27.5
NNW
32.5
500
NNW
17.5
S
22.5
NNE
20.0
NNW
32.5
450
NNW
17.5
S
25.0
NNE
20.0
NNW
30.0
400
SSW
15.0
S
20.0
NNE
22.5
NNW
35.0
350
SSW
15.0
S
20.0
N
27.5
NNW
37.5
300
NNW
20.0
S
25.0
N
27.5
NNW
42.5
250
SSW
17.5
S
27.5
N
27.5
NNW
35.0
200
NNW
20.0
S
27.5
NNW
25.0
NNW
32.5
175
S
22.5
S
22.5
NNW
22.5
NNW
32.5
150
NNW
20.0
S
22.5
NNW
22.5
NNW
30.0
125
NNW
15.0
S
20.0
NNW
22.5
NNW
27.5
100
NNW
22.5
SSE
15.0
NNW
27.5
NNW
27.5
75
NNW
22.5
SSE
22.5
NNW
35.0
NNW
32.5
50
NNW
20.0
SSE
17.5
NNW
32.5
NNW
27.5
NNW
22.5
SSE
17.5
NNW
32.5
NNW
25.0
地上 25
全層最多風向
NNW
S
備考)1.各季節で観測した計 40 データの高度区分別最多風向を示す。
2.網掛け部は、季節別における最多風向を示す。
3-26
NNW
NNW
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-大気質
上層風速
高度別高度平均風速の鉛直分布図は図3-1-15 に示すとおりである。
春季の全風向平均風速は、3.8m/s~7.8m/s の範囲にあり、高度 600mまで高度の
上昇につれて強くなっていた。
夏季の全風向平均風速は、2.5m/s~4.6m/s の範囲にあり、高度 400mまで高度の
上昇につれて強くなっていた。
秋季の全風向平均風速は、2.1m/s~7.3m/s の範囲にあり、高度 1,000mまで高度
の上昇につれて強くなっていた。
冬季の全風向平均風速は、2.6m/s~7.4m/s の範囲にあり、高度 800mまで高度の
上昇につれて強くなっていた。
高度
(m)
春季
平均風速(m/s)
夏季 秋季 冬季
1,000
900
800
700
600
500
450
400
350
300
250
200
175
150
125
100
75
50
25
6.8
6.9
7.4
7.6
7.8
7.8
7.6
7.7
7.7
7.3
7.1
6.9
6.9
6.7
6.5
6.2
5.7
5.1
3.8
4.3
4.5
4.6
4.3
4.2
4.1
4.2
4.4
4.4
4.4
4.3
4.2
4.1
4.1
4.0
3.8
3.7
3.3
2.5
7.3
7.2
7.1
6.8
6.5
6.2
6.0
5.6
5.2
5.0
4.7
4.2
4.0
3.9
3.8
3.7
3.4
2.9
2.1
7.1
7.3
7.4
7.4
7.2
6.9
6.7
6.6
6.4
6.3
6.2
5.9
5.7
5.4
5.1
4.8
4.3
3.7
2.6
最小
最大
平均
3.8
7.8
6.8
2.5
4.6
4.1
2.1
7.3
5.0
2.6
7.4
5.9
高度(m)
1,000
図3-1-15
800
600
400
200
0
0
2
4
6
平均風速(m/s)
春季
夏季
高度別平均風速鉛直分布図
3-27
秋季
8
10
冬季
ウ
鉛直気温(逆転層※)
鉛直気温の調査結果に基づき、解析した逆転層の区分は図3-1-16 に、逆転層型
別出現頻度は表3-1-27 に示すとおりである。
逆転層型出現別頻度は指定高度を 200mに設定し、下層逆転、全層逆転、二段逆転、
上層逆転及び逆転なしと分類し出現回数を集計した。
全期間出現頻度は、逆転なしが 60.6%で最も多く、次いで下層逆転が 16.9%の出
現率であった。
全層逆転
下層逆転
上層逆転
二段逆転
逆転なし
500m
高度
200m
0m
気温
図3-1-16
逆転層の区分(指定高度 200m)
備考)1.高度 50m 毎のデータをもとに逆転層の状況を調べた。
2.逆転層区分の指定高度は 200m として、逆転層が指定高度より低い場合を下層逆転、指定高度をまたぐ場合
を全層逆転、指定高度より高い場合を上層逆転、区分高度の上と下にあるものを二段逆転として集計した。
3.上限高度は 500m に設定し、これより高い高度において観測された逆転層は「逆転なし」に区分した。
4.地上気温と高度 25m の間の温度逆転は考慮していない。
5.上下の層の温度差が 0.1℃以下の場合は有意のある温度差と認めない。
表3-1-27
逆転層型別出現頻度
区分
高度
観測数
下層逆転
( 25m~150m)
27
全層・二段逆転
(150m~250m)
11
5.0%
2.5%
12.5%
7.5%
6.9%
上層逆転
(250m~500m)
25
27.5%
17.5%
10.0%
7.5%
15.6%
逆転なし
-
97
65.0%
67.5%
55.0%
55.0%
60.6%
春季
夏季
秋季
冬季
全期間
2.5%
12.5%
22.5%
30.0%
16.9%
80%
60%
40%
20%
0%
春季
夏季
下層逆転
※
秋季
全層・二段逆転
冬季
全期間
上層逆転
逆転なし
逆転層:大気圏の気温は高度とともに下がり、上層ほど気温が低くなるのが一般的である。しかし、気象条件下では、
高度とともに逆に気温が上昇するような大気の層が形成されることがあり、これを気温の逆転層という。
3-28
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(3)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
ふじみ野市における都市計画区域の指定状況は、表3-1-28 に計画地及び周辺地域の
指定状況は図3-1-17 に示すとおりである。
計画地はふじみ野市の東端、富士見市との市境付近にあり、市街化調整区域に位置する。
計画地の地形は平坦であり、現在の土地利用は、田畑及び雑種地等である。
計画地の南側には、県道 272 号東大久保ふじみ野線が東西に走り、北側には、上福岡清
掃センター、環境クリーンセンター及びふじみ野市運動公園が存在している。
計画地の西側には田畑が広がり、その先には国道 254 号バイパスが南北に走っている。
また、東側には、特別養護老人ホーム「秋桜園秋桜の里かみふくおか」が存在し、その
先には新河岸川が北から南へ流れている。
表3-1-28
都市計画区域の指定状況
区分
面積(ha)
●市街化区域
870.4
第1種低層住居専用地域
244.5
第2種低層住居専用地域
0.9
第1種中高層住居専用地域
120.3
第2種中高層住居専用地域
168.0
第1種住居地域
166.5
第2種住居地域
64.7
近隣商業地域
26.9
商業地域
16.5
準工業地域
24.5
工業地域
37.6
●市街化調整区域
596.6
合
計
1,467.0
備考)平成 21 年1月1日現在
出典:平成 20 年版
3-29
統計ふじみ野
ふじみ野市
環境クリーンセンター
上福岡清掃センター
国
道
254
号
バ
イ
パ
ス
川
岸
河
新
県道 272 号線
特別養護老人ホーム
「秋桜園秋桜の里かみふくおか」
富士見市
:県道 272 号東大久保ふじみ野線
:行政区域境界
:計画地
図3-1-17
計画地及びその周辺地域の都市計画図
3-30
第3章
②
生活環境影響調査の結果-大気質
人家等の存在状況
計画地周辺における人口及び世帯数は表3-1-29に、計画地周辺の人家等は図3-
1-18に示すとおりである。
計画地から最も近い人家等は、計画地から南方向約100m離れたところに存在している。
表3-1-29
市
地区
人口
世帯数
駒
林
996
422
福
岡
477
172
70
23
1,745
698
東大久保
1,078
361
上南畑
1,217
471
ふじみ野市
福岡新田
勝
富士見市
人口及び世帯数
頼
備考
平成 24 年3月1日現在
平成 24 年2月 29 日現在
出典:ふじみ野市市地区別住民基本台帳人口及び世帯数より作成
富士見市 HP の人口・世帯数の概要より作成
③
主要な発生源
計画地周辺の主な排ガス発生源は、上福岡清掃センター、環境クリーンセンター、富
士見環境センター及び県道を走行する自動車等がある。
3-31
福岡
福岡新田
駒林
ふじみ野市
東大久保
勝瀬
富士見市
上南畑
:行政区域境界
:地区境界
:計画地
図3-1-18
計画地周辺の人家等
3-32
第3章
④
生活環境影響調査の結果-大気質
環境関連法令
ア
環境基準
環境基本法等に基づく大気の汚染に係る環境基準は表3-1-30 に、大気汚染の状
況を環境基準との対比により評価する方法は、表3-1-31 に示すとおりである。
表3-1-30
物質
大気の汚染に係る環境基準
環境上の条件
測定方法
二酸化硫黄
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、
かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。
溶液導電率法又は紫外線蛍光法
一酸化炭素
1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、か
つ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下である
こと。
非分散型赤外分析計を用いる方法
浮遊粒子状物質
ろ過捕集による重量濃度測定法又は
この方法によって測定された重量濃度
1時間 値の1 日平均値が0.10mg/m3 以下であ
と直線的な関係を有する量が得られる
り、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。 光散乱法、圧電天びん法もしくはベータ線
吸収法
光化学オキシダント
二酸化窒素
1時間値が0.06ppm以下であること。
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppm
までのゾーン内又はそれ以下であること。
ベンゼン
1年平均値が0.003 mg/m3以下であること。
トリクロロエチレン
1年平均値が0.2
mg/m3以下であること。
テトラクロロエチレン
1年平均値が0.2
mg/m3以下であること。
ジクロロメタン
1年平均値が0.15
mg/m3以下であること。
中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度
法もしくは電量法、紫外線吸収法又はエチ
レンを用いる化学発光法
ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオ
ゾンを用いる化学発光法
キャニスターもしくは捕集管により採取し
た試料をガスクロマトグラフ質量分析計により
測定する方法またはこれと同等以上の
性能を有すると認められる方法
キャピラリーカラムを用いる高分離能ガスクロマト
ダイオキシン類
1年平均値が0.6 pg-TEQ/m3以下であること。
グラフと二重収束形の高分解能質量分析
計を用いる高分解能ガスクロマトグラフ質量分
析法
ろ過捕集による質量濃度測定方法又
微小粒子状物質
(PM2.5)
3
1年平均値が 15μg/m 以下であり、かつ、1日
平均値が 35μg/m3 以下であること。
はこの方法によって測定された質量濃
度と等価な値が得られると認められる
自動測定機による方法
備考)1.浮遊粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒経が10μm以下のものをいう。
2.光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化
カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り、二酸化窒素を除く。)をいう。
出典:大気の汚染に係る環境基準について(昭和 48 年環境庁告示第 25 号)
二酸化窒素に係る環境基準について(昭和 53 年環境庁告示第 38 号)
ベンゼン等による大気の汚染に係る環境基準について(平成9年環境庁告示第4号)
ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環境基準について
(平成 11 年環境庁告示第 68 号)
微小粒子状物質に係る環境基準について(平成 21 年環境省告示第 33 号)
3-33
表3-1-31
大気汚染の評価方法
評価項目
評価方法
1日平均値である測定値につき、測定値の高い方から2%の範囲内にあるもの
長期的評価
二酸化硫黄
を除外した値が0.04ppm以下に維持されること。
ただし、1日平均値が0.04ppmを超えた日が2日以上連続しないこと。
短期的評価
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下で
あること。
1日平均値である測定値につき、測定値の高い方から2%の範囲内にあるもの
長期的評価
一酸化炭素
を除外した値が10ppm以下に維持されること。
ただし、1日平均値が10ppmを超えた日が2日以上連続しないこと。
短期的評価
1時間値の1日平均値が、10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値
(1日を3回の時間帯に区分した場合の8時間平均値)が20ppm以下であること。
1日平均値である測定値につき、測定値の高い方から2%の範囲内にあるもの
長期的評価
を除外した値が0.10mg/m3以下に維持されること。
ただし、1日平均値が0.10mg/m3を超えた日が2日以上連続しないこと。
浮遊粒子状物質
短期的評価
1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以
下であること。
光化学オキシダント
昼間(5時から20時まで)の1時間値が0.06ppm以下であること。
二酸化窒素
1日平均値のうち、低い方から98%に相当するものが0.06ppmを超えないこと。
ベンゼン
同一地点における1年平均値が0.003 ㎎/m3以下であること。
トリクロロエチレン
同一地点における1年平均値が0.2
㎎/m3以下であること。
テトラクロロエチレン
同一地点における1年平均値が0.2
㎎/m3以下であること。
ジクロロメタン
同一地点における1年平均値が0.15
㎎/m3以下であること。
ダイオキシン類
同一地点における1年平均値が0.6 pg-TEQ/m3以下であること。
長期的評価
年平均値を長期基準(年平均値15 μg/m3)と比較する。
微小粒子状物質
(PM2.5)
短期的評価
1日平均値のうち年間98パーセンタイル値を代表値として選択して、これを短
期基準(日平均値35μg/m3)と比較する。
備考)
1.短期的評価
連続して、又は随時に行った測定結果により測定を行った日、又は時間において行う評価を短期的評価という。
これは単に大気質の評価をその時間、その日で行えるのみならず、個別発生源の応急的対策等の拠り所ともなる
ものである。ただし、地域の汚染の実績に照らし明かに異常と認めうる測定値については、これを評価対象外と
する。
2.長期的評価
当該地域の大気汚染状況や規制等の施策の効果を的確に判断する等の目的で、年間にわたる測定結果を長期的に
観察した上で行う評価を長期的評価という。現在の測定体制においては測定精度に限界があること、測定時間・
日における特殊事情が直接反映されることなどから、次のような処理を行っている。
1日平均値である測定値(1.短期的評価で評価対象としない測定値は除く)につき、測定値の高い方から2%
の範囲内にあるものを除外して評価を行う(365 日分の測定値があるときは、高い方から7日目分までを除外し、
残りの 358 日で評価を行う)
。ただし、基準を超える値が2回以上続いた場合は測定誤差ではないと考えられるの
で、この値は評価対象から除外しない。
なお、二酸化窒素の環境基準による大気汚染の評価については、1年間の測定を通じて得られた1日平均値のう
ち、低い方から数えて 98%に当たる値にて行うこととする。
出典:大気の汚染に係る環境基準について(昭和 48 年環境庁告示第 25 号)
二酸化窒素に係る環境基準について(昭和 53 年環境庁告示第 38 号)
ベンゼン等による大気の汚染に係る環境基準について(平成9年環境庁告示第4号)
ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染に係る環境基準について
(平成 11 年環境庁告示第 68 号)
微小粒子状物質に係る環境基準について(平成 21 年環境省告示第 33 号)
3-34
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-大気質
その他の基準値
塩化水素、水銀及び粉じん等に関する基準値は、表3-1-32~34 に示すとおりで
ある。
表3-1-32
物
塩化水素の目標環境濃度
質
目標環境濃度
塩化水素
0.2ppm 以下
出典:環境省大気保全局通達(昭和 52 年6月、環大規 136 号)
表3-1-33
物
質
水
銀
水銀の指針値
指針値
年平均値 0.04μg-Hg/m3 以下
出典:「今後の有害大気汚染対策のあり方について(第七次答申)」
(平成 15 年7月、中環審 143 号)
表3-1-34
物
質
粉じん等の参考指標
不快感を与える指標
0.6mg/m3 以下
粉じん等
出典:「浮遊粒子状物質による環境汚染の環境基準に関する専門
委員会報告(浮遊粉じん環境基準専門委員会)
ウ
煙突排出ガスの排出基準
計画施設に係る、「大気汚染防止法」及び「ダイオキシン類対策特別措置法」に基
づく排出基準は表3-1-35 に示すとおりである。
表3-1-35
廃棄物焼却炉に係る排出基準
項目
規制値
施設規模
2~4 t/h
0.08 g/m3N以下
ばいじん
1 ng-TEQ/m3N以下
ダイオキシン類
窒素酸化物
250 ppm 以下
700 mg/m3N以下
430 ppm 以下
出典:「大気汚染防止法施行規則」(昭和46年、厚生省・通商産業省令第1号)
「ダイオキシン類対策特別措置法施行規則」(平成11年、総理府令第67号)
塩化水素
3-35
1-3
1
予
測
施設の稼働に伴う煙突排出ガスの影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設の稼働に伴う煙突排出ガス(以下「煙突排出ガス」という。)の影響
とした。
①
②
長期平均値
・二酸化硫黄(SO2)
・二酸化窒素(NO2)
・浮遊粒子状物質(SPM)
・ダイオキシン類(DXN)
短期高濃度値
・二酸化硫黄(SO2)
・二酸化窒素(NO2)
・浮遊粒子状物質(SPM)
・塩化水素(HCℓ)
(3)予測方法
①
予測手法
ア
長期平均値
プルーム拡散式及びパフ拡散式による拡散計算を行った。
イ
短期高濃度値
a
大気安定度不安定時
大気が不安定になると、大気の混合が進み、大気汚染物質の濃度が高くなる可能
性があるため予測を行った。
b
リッド(上層逆転)発生時
煙突の上空に安定層(逆転層)が存在する場合、その下で排出された大気汚染物
質は逆転層より上方への拡散が抑えられて、地表付近に高濃度が生じる可能性があ
るため予測を行った。
c
強風によるダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフト発生時
風速が煙突からの吐出速度の約 1/1.5 倍以上になると、煙突下流側の渦に煙が巻
き込まれる現象(ダウンウォッシュ)及び煙突風上や風下側の構造物や地形によっ
て発生する渦に排出ガスが引き込まれる現象(ダウンドラフト)により、地表面付
近が高濃度になる可能性があるため予測を行った。
3-36
第3章
②
生活環境影響調査の結果-大気質
予測条件
ア
長期平均値
a
予測計算手順
長期平均値の予測計算手順は図3-1-19 に示すとおりである。
煙源条件の設定
気象条件のモデル化
有 風
風
無 風
速
弱 風
CONCAWE 式による
有効煙突高算出
CONCAWE 式と Briggs 式の
線型内挿による有効煙突高算出
プルーム拡散式による計算
プルームモデルによる拡散計算
Briggs 式による
有効煙突高算出
パフ拡散式による計算
パフモデルによる拡散計算
重合計算
バックグラウンド濃度加算
年平均値
(SO2、NO2、SPM、DXN)
図3-1-19
年平均値から日平均値の年間 98%値(NO2)
または2%除外値(SO2、SPM)に変換
長期平均値の予測計算手順
3-37
b
煙源条件
熱回収施設の煙源条件は表3-1-36 に示すとおり設定した。
なお、365 日連続で稼働するものとした。
表3-1-36
煙源条件
項目
目標値
稼働時間
24
時間/日
排出口高さ
59
m
排出ガス吐出速度
排出ガス温度
排出ガス量
硫黄酸化物
窒素酸化物
排出濃度
29.7
m/s
202
℃
26,630
m3N/ h
(wet)
23,130
m3N/ h
(dry)
20
ppm以下
50
ppm以下
ばいじん
0.01
塩化水素
20
ダイオキシン類
0.01
g/m3N
ppm以下
ng-TEQ/m3N
備考)大気汚染物質の排出濃度について、硫黄酸化物は全て二酸化硫黄、窒素酸化物は全て
二酸化窒素、ばいじんは全て浮遊粒子状物質とみなした。
c
気象条件
ⅰ 風向・風速
風向・風速データは、計画地で実施した通年地上気象データを使用した。
風向は 16 方位、風速は表3-1-37 に示す風速階級区分に基づき、無風時(風
速 0.5m/s 未満)、弱風時(風速 0.5m/s 以上 1.0m/s 未満)及び有風時(風速 1.0m/s
以上)に分類した。
表3-1-37
風速階級区分
区分
風速範囲
無風時
0.5 m/s未満
弱風時
0.5~0.9 m/s
1.0~1.9 m/s
2.0~2.9 m/s
3.0~3.9 m/s
有風時
4.0~5.9 m/s
6.0~7.9 m/s
8.0 m/s以上
3-38
第3章
d
生活環境影響調査の結果-大気質
有効煙突高算出式
有効煙突高(He)は、実煙突高(H0)に排出ガス上昇高さ分(⊿H)を加え
たものであり、次式で表される。
He=H0+⊿H
排出ガス上昇高さ分⊿Hは、以下のように設定した。
【有風時(U≧1.0m/s)】
次のCONCAWEの式を用いた。
⊿H=0.175・QH1/2・U-3/4
QH=ρ・Q・CP・⊿T
ここで、QH:排出熱量[cal/s]
ρ
Q
:
:
CP :
⊿T :
U :
0℃における排出ガス密度(1.293×103g/m3)
排出ガス量(m3N/s)
低圧比熱(0.24 cal/°K・g)
排出ガスと気温の温度差
煙突高度に相当する高さでの風速(m/s]
U=Us
ここで、US:
Z
P
Zs
地上風速[m/s]
Z :
煙突高度に相当する高さ[m]
ZS:
地上風速の測定高さ[m]
P :
べき指数(下表参照)
パスキル安定度
べき指数
A
B
C
D
E
FとG
P
0.1
0.15
0.20
0.25
0.25
0.30
出典:窒素酸化物総量規制マニュアル(平成5年8月、公害研究対策センター)
【無風時(U<0.5m/s)】
次のBriggsの式を用いた。
⊿H=1.4・QH1/4(dθ/dz)-3/8
ここで、dθ/dz:温位勾配
dθ/dz=0.003(日中)
dθ/dz=0.010(夜間)
【弱風時(0.5m/s≦U<1.0m/s)】
有風時及び無風時の計算で求めた結果をもとに線型内挿した。
3-39
e
予測計算
ⅰ 拡散式
有風時及び弱風時はプルーム拡散式、無風時はパフ拡散式を用いた。
【有風時、弱風時】
有風時及び弱風時の拡散計算に用いたプルーム拡散式は、次に示すとおりで
ある。
C(x,y,z)=
y
q
・exp -
2πσyσzU
2σy2
・ exp -
z-He
2σz2
2
+exp -
z+He
2σz
2
ここで、C(x,y,z):(x,y,z)地点の濃度[ppmなど]
x :風下距離[m]
y :X軸と直角方向の距離[m]
z :高さ[m]
q :煙源強度[m3N/sなど]
σy :水平方向の煙の広がり幅[m]
σz :鉛直方向の煙の広がり幅[m]
He:有効煙突高[m]
なお、本予測においては、一風向方位内で水平方向に濃度が一様に分布する
と仮定し、次式を用いた。
C(R)=
2
π
q
・
π
σzRU
8
exp -
He2
2σz2
ここで、C(R):風下距離Rにおける地表濃度[ppmなど]
R:風下距離(
x2+y2 )[m]
【無風時(U<0.5m/s)】
無風時の拡散計算に用いたパフ拡散式は、次に示すとおりである。
C(x,y,z)=
t
0
G(x,y,z,t)=
G(x,y,z,t)dt
q
2π
3/2σ
・exp -
xσyσz
x2
y2
・exp
-
2σx2
2σy2
・ exp -
z-He
2σz2
ここで、t :無風継続時間[s]
σx:風下方向の煙の広がり幅[m]
σy、σzについては、次式により求めた。
3-40
2
+exp -
σy=αt
σz=βt
z+He
2σz2
2
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
なお、本予測においては有風時と同様に、一風向方位内で水平方向に濃度が
一様に分布すると仮定し、U=0m/sとして、風向出現率の補正を行った次式
を用いた。
C(R)=
2q
・
2π 3/2β
R2+
1
α2
β2
He2
ここで、C(R):風下距離Rにおける地表濃度[ppmなど]
ⅱ
拡散パラメータ
拡散計算に用いる煙の広がり幅は、有風時・弱風時についてはパスキル・ギフ
ォード線図の近似式を用い、無風時についてはターナー線図の1時間値を3,600
で除して補正したものを用いた。
パスキル・ギフォード線図は図3-1-20に、パスキル・ギフォード線図の近
似式は表3-1-38に、無風時における拡散パラメータは表3-1-39に示すと
おりである。
出典:
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」(平成 18 年、環境省)
図3-1-20
パスキル・ギフォード線図
3-41
表3-1-38
パスキル・ギフォード線図の近似式
σy(χ)=γy・χαy
σz(χ)=γz・χαz
安定度
αy
γy
A
0.901
0.851
0.426
0.602
0~1,000
1,000~
0.914
0.865
0.924
0.885
0.282
0.396
0.1772
0.232
0~1,000
1,000~
0~1,000
1,000~
D
0.929
0.889
0.1107
0.1467
0~1,000
1,000~
D
E
0.921
0.897
0.0864
0.1019
0~1,000
1,000~
E
F
0.929
0.889
0.0554
0.0733
0~1,000
1,000~
F
G
0.921
0.896
0.0380
0.0452
0~1,000
1,000~
G
B
C
風下距離χ(m)
安定度
A
B
C
αz
γz
風下距離χ(m)
1.122
1.514
2.109
0.964
1.094
0.0800
0.00855
0.000212
0.1272
0.0570
0.918
0.1068
0~
0.826
0.632
0.555
0.788
0.565
0.415
0.784
0.526
0.323
0.794
0.637
0.431
0.222
0.1046
0.400
0.811
0.0928
0.433
1.732
0.0621
0.370
2.41
0.0373
0.1105
0.529
3.62
0~ 1,000
1,000~10,000
10,000~
0~ 1,000
1,000~10,000
10,000~
0~ 1,000
1,000~10,000
10,000~
0~ 1,000
1,000~ 2,000
2,000~10,000
10,000~
0~
300~
500~
0~
500~
300
500
500
出典:
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」(平成 18 年、環境省)
表3-1-39
無風時における拡散パラメータ
安
定 度
A
A-B
B
B-C
C
C-D
D
E
F
G
α
0.948
0.859
0.781
0.702
0.635
0.542
0.470
0.439
0.439
0.439
β
1.569
0.862
0.474
0.314
0.208
0.153
0.113
0.067
0.048
0.029
出典:「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」
(平成 18 年、環境省)
ⅲ
重合計算
拡散計算より、風向風速階級別・大気安定度別1時間濃度を求めた。
これを元に次式により年平均値を求めた。
M
N
P
C=
P
Cijk・fijk+
i
j
k
C’k・fk+CB
k
-
ここで、
添字
添字
添字
C
C
C’
f
i
j
k
:
:
:
:
:
:
:
年平均値[ppm など]
有風時・弱風時の1時間濃度[ppm など]
無風時の1時間濃度[ppm など]
出現確率
風向を表す。Mは風向分類数。
風速階級を表す。Nは有風時の風速階級数。
大気安定度を表す。Pは大気安定度分類数。
3-42
第3章
f
生活環境影響調査の結果-大気質
バックグラウンド濃度
バックグラウンド濃度は、表3-1-40 に示すとおり設定した。
各調査地点の年平均値は、ほぼ同様であることから全地点の平均値とした。
表3-1-40
バックグラウンド濃度(長期)
年平均値(4季)
調査地点
単位
物質
バックグラウンド濃度
計画地
花の木
中学校
上南畑
A地点
上南畑
B地点
みほの
公園
全地点平均値
二酸化硫黄
ppm
0.000
0.000
0.000
0.001
0.000
0.001
二酸化窒素
ppm
0.015
0.016
0.013
0.016
0.016
0.015
浮遊粒子状物質
mg/m3
0.023
0.023
0.019
0.021
0.023
0.022
ダイオキシン類
pg-TEQ/m3
0.050
0.056
0.046
0.046
0.061
0.052
備考)二酸化硫黄のバックグラウンド濃度は、0.001 で設定した。
g
日平均値の年間98%値等への変換
予測結果の年平均値は日平均値の年間 98%値(二酸化窒素)または2%除外値(二
酸化硫黄及び浮遊粒子状物質)へ変換して、環境基準との整合性を検討する。
変換方法は統計モデルを用い、平成 21 年度の埼玉県内一般環境大気観測局におけ
る測定結果の年平均値から、最小二乗法により次に示す回帰式を作成した。
二酸化窒素[ppm]
【NO2】98=1.8702×(【NO2】BG+【NO2】R)+0.0021
r2:0.90
ここで、【NO2】98 :二酸化窒素の年間 98%値
【NO2】BG :二酸化窒素のバックグラウンド濃度
【NO2】R :二酸化窒素の寄与濃度の年平均値
二酸化硫黄[ppm]
【SO2】2=2.2258×(【SO2】BG+【SO2】R)+0.0005
r2:0.62
ここで、【SO2】2 :二酸化硫黄の日平均値の2%除外値
【SO2】BG :二酸化硫黄のバックグラウンド濃度
【SO2】R :二酸化硫黄の寄与濃度の年平均値
浮遊粒子状物質[mg/m3]
【SPM】2=1.2381×(【SPM】BG+【SPM】R)+0.0225
r2:0.62
ここで、【SPM】2 :浮遊粒子状物質の日平均値の2%除外値
【SPM】BG :浮遊粒子状物質のバックグラウンド濃度
【SPM】R :浮遊粒子状物質の寄与濃度の年平均値
3-43
イ
短期高濃度値
a
予測計算手順
短期高濃度値の予測計算手順は、図3-1-21 に示すとおりである。
煙源条件の設定
気象条件の設定
C O N C AW E 式 に よ る
有 効 煙 突 高 算 出
拡散計算
バックグラウンド濃度加算
1時間値
(SO2、NO2、SPM、HCℓ)
図3-1-21
b
短期高濃度値の予測計算手順
煙源条件
長期平均値と同様とした。
c
気象条件
ⅰ
大気安定度不安定時
気象条件には、着地濃度が最も高くなる風速、大気安定度を設定した。
ⅱ
リッド(上層逆転)発生時
気象条件には、着地濃度が最も高くなる風速、大気安定度を設定した。
なお、リッド高さは煙流が逆転層を突き抜けないと設定し、有効煙突高さとした。
ⅲ
強風によるダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフト発生時
予測時の気象条件は表3-1-41に示すとおりとした。
風速には、ダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフトが発生する条件と
して、吐出速度の1/1.5 倍、大気安定度にはパスキル安定度階級分類表に基づき、
当該風速の場合に可能性のある条件を設定した。
3-44
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
表3-1-41 強風によるダウンウォッシュ及び
建物等によるダウンドラフト発生時における条件設定
項目
煙突高さにおける風速
大気安定度
建物形状
d
単位
設定値
m/s
19.8
-
C、D
m
2
備考
排出ガス吐出速度:29.7m/s
6,000
120m×50m
有効煙突高算出式
ⅰ
大気安定度不安定時及びリッド(上層逆転)発生時
長期平均値の予測において示した、CONCAWE式を用いた。
ⅱ
強風によるダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフト発生時
有効煙突高(He)は「ごみ焼却施設アセスメントマニュアル」
[(社)全国都市
清掃会議、昭和61年]より、次のとおりとした。
排出ガス上昇高さ分(⊿H)=0[m]
よって
e
He=煙突実体高[m]
拡散計算
ⅰ
大気安定度不安定時
長期平均値と同様とした。
ⅱ
リッド(上層逆転)発生時
拡散計算式は、「ごみ焼却施設アセスメントマニュアル」[(社)全国都市清掃
会議、昭和61年]より、次のとおりとした。
q
C(x,o,o)=
C(X,0,0)
πσyσzU
3
exp -
n=-3
2nL-He
2σz2
ここで、L:リッド高さ(有効煙突高とする。) [m]
σy、σzはパスキル・ギフォード線図の近似式を参照。
3-45
2
ⅲ
強風によるダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフト発生時
拡散計算式は、「ごみ焼却施設アセスメントマニュアル」[(社)全国都市清掃
会議、昭和61年]より、次のとおりとした。
C(x,o,o)=
C(X,0,0)
He2
q
・exp -
πΣyΣzU
2Σz2
ここで、Σy:トータルの水平方向の拡散パラメータ[m]
Σz:トータルの垂直方向の拡散パラメータ[m]
Σy、Σzは建物等によって煙が初期の拡がりを持つとした次式により求める。
Σy=(σy2+CA/π)1/2
Σz=(σz2+CA/π)1/2
σy、σzはパスキル・ギフォード線図の近似式を参照。
A :建物等の風向方向の投影面積[m2]
C :形状係数(0.5)
f
バックグラウンド濃度
バックグラウンド濃度は表3-1-42 に示すとおり、全調査地点の最大値で設定
した。
表3-1-42
バックグラウンド濃度(短期)
調査地点
1時間最大値
単位
物質
計画地
花の木中学校
二酸化硫黄
ppm
0.004
0.004
二酸化窒素
ppm
0.062
0.055
浮遊粒子状物質 mg/m3
0.083
0.186
塩化水素
ppm
0.005
0.005
備考)1.塩化水素は、24時間値の最高値を示す。
2.網掛け部は、全地点中の最大値を示す。
上南畑
A地点
上南畑
B地点
みほの公園
0.003
0.049
0.070
0.004
0.006
0.055
0.096
0.004
0.003
0.055
0.118
0.003
バック
グラウンド
濃度
全地点
最大値
0.006
0.062
0.186
0.005
(4)予測結果
①
長期平均値
煙突排出ガスの予測結果は表3-1-43 及び図3-1-22(1)~(4)に示すとお
りである。
二酸化硫黄の最大着地濃度地点における寄与濃度は、0.000038ppm、これにバックグ
ラウンド濃度を加えた将来予測濃度(年平均値)は 0.001038ppm と予測した。
二酸化窒素の最大着地濃度地点における寄与濃度は、0.000096ppm、これにバックグ
ラウンド濃度を加えた将来予測濃度(年平均値)は 0.015096ppm と予測した。
浮遊粒子状物質の最大着地濃度地点における寄与濃度は、0.000019mg/m3、これにバッ
クグラウンド濃度を加えた将来予測濃度(年平均値)は 0.022019mg/m3 と予測した。
ダイオキシン類の最大着地濃度地点における寄与濃度は、0.000019pg-TEQ/m3、これに
バックグラウンド濃度を加えた将来予測濃度(年平均値)は 0.052019 pg-TEQ/m3 と予測
した。
3-46
第3章
表3-1-43
生活環境影響調査の結果-大気質
煙突排出ガスの予測結果(長期)
二酸化硫黄(SO2)
単位:ppm
項目
寄与濃度
バックグラウンド
濃度
A
予測地点
最大着地濃度地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.000038
0.000019
0.000005
0.000020
0.000014
予測結果
将来予測濃度
(年平均値)
日平均値の
2%除外値
B
A+B
変換値
0.001
0.001038
0.001019
0.001005
0.001020
0.001014
0.0028
0.0028
0.0027
0.0028
0.0028
二酸化窒素(NO2)
単位:ppm
項目
寄与濃度
バックグラウンド
濃度
A
B
予測地点
予測結果
将来予測濃度
(年平均値)
日平均値の
年間 98%値
A+B
変換値
最大着地濃度地点
0.000096
0.015096
0.0303
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.000057
0.000014
0.000059
0.000034
0.015057
0.015014
0.015059
0.015034
0.0303
0.0302
0.0303
0.0302
0.015
浮遊粒子状物質(SPM)
単位:mg/m3
項目
寄与濃度
バックグラウンド
濃度
A
B
予測地点
予測結果
将来予測濃度
(年平均値)
日平均値の
2%除外値
A+B
変換値
最大着地濃度地点
0.000019
0.022019
0.0498
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.000009
0.000003
0.000009
0.000007
0.022009
0.022003
0.022009
0.022007
0.0497
0.0497
0.0497
0.0497
0.022
ダイオキシン類(DXN)
単位:pg-TEQ/m3
予測結果
項目
予測地点
寄与濃度
バックグラウンド濃度
A
B
最大着地濃度地点
0.000019
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.000009
0.000003
0.000009
0.000007
将来予測濃度
(年平均値)
A+B
0.052019
0.052
3-47
0.052009
0.052003
0.052009
0.052007
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
単位:ppm
:予測地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
(0.000019)
(0.000005)
(0.000020)
(0.000014)
:最大着地濃度地点(0.000038)
:計画地
図3-1-22(1)
煙突排出ガスの予測結果(二酸化硫黄)
3-48
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
単位:ppm
:予測地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
(0.000057)
(0.000014)
(0.000059)
(0.000034)
:最大着地濃度地点(0.000096)
:計画地
図3-1-22(2)
煙突排出ガスの予測結果(二酸化窒素)
3-49
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
単位:mg/m3
:予測地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
(0.000009)
(0.000003)
(0.000009)
(0.000007)
:最大着地濃度地点(0.000019)
:計画地
図3-1-22(3)
煙突排出ガスの予測結果(浮遊粒子状物質)
3-50
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
単位:pg-TEQ/m3
:予測地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
(0.000009)
(0.000003)
(0.000009)
(0.000007)
:最大着地濃度地点(0.000019)
:計画地
図3-1-22(4)
煙突排出ガスの予測結果(ダイオキシン類)
3-51
②
短期高濃度値
短期高濃度値の予測結果は、複数の想定ケースで検討した結果「リッド(上層逆転)
発生時」における予測結果が最も高い将来予測濃度が算出された。
ア
大気安定度不安定時
最大着地濃度は、風速1m/s及び大気安定度A(不安定)のときに現れ、その地点
は、煙源風下側約 620m付近に出現した。なお、大気安定度Aの出現頻度は、通年気
象から 4.1%である。(表3-1-44 参照。)
表3-1-44
予測項目
二酸化硫黄
二酸化窒素
浮遊粒子状物質
塩化水素
イ
単位
ppm
ppm
mg/m3
ppm
大気安定度不安定時における煙突排出ガスの予測結果
寄与濃度
①
0.0005
0.0011
0.0002
0.0005
バックグラウンド濃度
②
0.006
0.062
0.186
0.005
将来予測濃度
①+②
0.0065
0.0631
0.1862
0.0055
備
考
風速:1m/s
大気安定度:A
出現距離:風下約 620m
リッド(上層逆転)発生時
最大着地濃度は、風速1m/s及び大気安定度Aのときに現れ、その地点は、煙源
風下側約 660m付近に出現した。なお、上層逆転層の発生頻度は、上層気象調査結果
から 15.6%である。(表3-1-45 参照。)
表3-1-45
予測項目
二酸化硫黄
二酸化窒素
浮遊粒子状物質
塩化水素
ウ
単位
ppm
ppm
mg/m3
ppm
リッド(上層逆転)発生時における煙突排出ガスの予測結果
寄与濃度
①
0.0019
0.0048
0.0010
0.0019
バックグラウンド濃度
②
0.006
0.062
0.186
0.005
将来予測濃度
①+②
0.0079
0.0668
0.1870
0.0069
備
考
風速:1m/s
大気安定度:A
出現距離:風下約 660m
強風によるダウンウォッシュ及び建物等によるダウンドラフト発生時
予測風速 19.8m/s において、最大着地濃度は大気安定度Cのときに現れ、その地
点は煙源風下側約 130m付近に出現した。なお通年気象による最高風速は、12.5m/s
であった。(表3-1-46 参照。)
表3-1-46
強風によるダウンウォッシュ及び
建物等によるダウンドラフト発生時における煙突排出ガスの予測結果
測定項目
二酸化硫黄
二酸化窒素
浮遊粒子状物質
塩化水素
単位
ppm
ppm
mg/m3
ppm
寄与濃度
①
バックグラウンド濃度
②
将来予測濃度
①+②
0.0003
0.0008
0.0002
0.0003
0.006
0.062
0.186
0.005
0.0063
0.0628
0.1862
0.0053
3-52
備
考
風速:19.8m/s
大気安定度:C
出現距離:風下約 130m
第3章
2
生活環境影響調査の結果-大気質
廃棄物等運搬車両の走行に伴う排ガスの影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、廃棄物等運搬車両の走行が定常的となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、廃棄物等運搬車両の走行に伴う排ガス(以下「運搬車両排ガス」という。)
の影響とした。
① 長期平均値
・二酸化窒素(NO2)
・浮遊粒子状物質(SPM)
(3)予測方法
①
予測計算手順
運搬車両排ガスの予測計算手順は、図3-1-23に示すとおりである。
交通条件の設定
・交通量
・平均走行速度
・車種構成
道路条件の設定
・道路構造
・予測点の位置設定
排出係数の設定(NOx,SPM)
※NOx=NO2 と見なす
排出源の位置設定
気象条件の設定
風
有 風
速
プルーム拡散式による拡散計算
弱 風
パフ拡散式による拡散計算
運搬車両排ガスの寄与濃度
バックグラウンド濃度加算
NO2、SPM
将来予測濃度(年平均値)
年平均値から日平均値の
年間 98%値(2%除外値)への変換
図3-1-23
運搬車両排ガスの予測計算手順
3-53
② 予測地点
予測地点は表3-1-47及び図3-1-24に示すとおりである。
予測地点は、搬入ルートと同様に4地点とした。
表3-1-47
運搬車両排ガスの予測地点
搬入ルート
予測地点
Aルート(現状):県道 272 号線
さぎの森小学校
Bルート(現状):富士見市道 5101 号線
勝瀬沿道B地点
Cルート(新規):市道 98 号線
谷田橋付近道路
Dルート(新規):市道 80 号線
花の木中学校南側道路
③ 予測条件
ア
道路条件
予測地点の道路断面は、図3-1-25に示すとおりである。
断面の予測地点は民家側の道路端とし、予測高さは地上1.5m(人が通常呼吸する
高さ)とした。
3-54
第3章
花の木中学校南側道路
Cルート(新規)
国
道
254
号
バ
谷田橋付近道路
イ
パ
Cルート(新規)
ス
Aルート(現状)
さぎの森小学校
Bルート(現状)
勝瀬沿道B地点
Aルート(現状):県道 272 号線
Bルート(現状):富士見市道 5101 号線
Cルート(新規):市道 98 号線
Dルート(新規):市道 80 号線
:予測地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
谷田橋付近道路
花の木中学校南側道路
:計画地
図3-1-24
運搬車両排ガスの予測地点図
3-55
生活環境影響調査の結果-大気質
Aルート:さぎの森小学校
単位:(m)
1.5m
3.4
3.5
3.3
3.5
車道
車道
(搬出方向)
(搬入方向)
歩道
歩道
Bルート:勝瀬沿道B地点
単位:(m)
1.5m
2.5
0.4
歩道
路
肩
3.2
3.2
車道
(至 勝瀬交差点)
(搬出方向)
1.1
車道
(至 新河岸川)
(搬入方向)
路
肩
Cルート:谷田橋付近道路
単位:(m)
1.5m
2.0
0.6
歩道
路肩
2.9
2.9
車道 方向①
(至 水天宮交差点)
(搬出方向)
0.6
車道 方向②
路肩
(至 さぎの森小学校)
(搬入方向)
Dルート:花の木中学校南側道路
単位:(m)
1.5m
2.4
0.7
歩道
路肩
3.0
車道 方向①
(至 花の木中学校)
(搬出方向)
2.9
0.6
2.4
車道 方向②
路肩
歩道
(至 国道254号)
(搬入方向)
単位:m
図3-1-25
予測地点の道路断面
3-56
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-大気質
排出源の位置
排出源の位置は図3-1-26に示すとおりである。
排出源は連続した点煙源とし車道部の中央に、予測断面の前後20mは2m間隔、そ
の両側180mは10m間隔として、前後400mにわたって配置した。
また、排出源の高さは予測地点が平坦な道路であることから、地上1.0mとした。
図3-1-26
ウ
排出源の模式図
廃棄物等運搬車両の交通量
予測地点における断面交通量は表3-1-48に示すとおりとした。
一般車両交通量は、予測地点で行った交通量調査結果を用いた。
表3-1-48
断面交通量(24 時間)
単位:台数/日
ルート
区 分
廃棄物等運搬車両
予測地点
一般車両
現況台数
a
将来台数
b
差
b-a
Aルート
さぎの森小学校
6,535
138
134
-4
Bルート
勝瀬沿道B地点
5,382
33
132
+99
Cルート
谷田橋付近道路
3,425
81
50
-31
Dルート
花の木中学校南側道路
12,260
4
56
+52
備考)1.一般車両は、小型車、大型車及び自動二輪車の合計台数を示す。
2.現況台数は、交通量調査(1回)にて把握したものであり、曜日によっては変動するものである。
3-57
エ
平均走行速度
平均走行速度は、予測対象道路の規制速度(40km/h)に設定した。
オ
排出係数
排出係数は表3-1-49に示すとおりとした。
窒素酸化物(NOx)及び浮遊粒子状物質(SPM)の排出係数は、「道路環境影響評価
の技術手法」
(平成19年、
(財)道路環境研究所)に基づき設定した。
表3-1-49
排出係数
単位:g/km・台
車
種
走行速度
小型車
窒素酸化物
浮遊粒子状物質
(NOx)
(SPM)
0.077
0.004
1.350
0.071
40km/h
大型車
備考)窒素酸化物は全て二酸化窒素とみなした。
カ
気象条件
a
風向・風速
風向は16方位、風速は有風時(風速1m/s超)及び弱風時(風速1m/s以下)に分
類した。
b
排出源高さにおける風速
排出源高さにおける風速は、次のべき乗則の式を用いて計画地で実施した通年地
上気象データ(地上10mで観測)を地上1.0mに換算した。
U=U0(H/H0)P
ここで、U :高さH[m]の風速[m/s]
U0:基準高さH0の風速[m/s]
H :排出源の高さ[m]
H0:基準とする高さ[m]
P :べき指数(郊外1/5)
3-58
第3章
キ
生活環境影響調査の結果-大気質
予測計算
予測計算は「道路環境影響評価の技術手法」
(平成19年、
(財)道路環境研究所)に
準拠し、有風時についてはプルーム拡散式、弱風時についてはパフ拡散式を用いて行
った。
a
有風時(風速 1.0m/s 超)
C(x,y,z)=
Q
y2
・exp -
2πUσyσz
2σy2
・ exp -
b
z+H 2
z-H 2
+exp
-
2σz2
2σz2
弱風時(風速 1.0m/s 以下)
C(x,y,z)=
Q
2π
3/2αγ
・
1-exp -
2L
L=
1 x2+y2
z-H
+
2
α
2
γ2
2
m=
1 x2+y2
z+H
+
α2
2
γ2
2
L
t0 2
1-exp -
+
m
t02
2m
ここで、C(x,y,z) :(x,y,z)地点における窒素酸化物(ppm)または浮遊粒子状物
質[㎎/m3]
x :風向に沿った風下距離[m]
y :x軸に直角な水平距離[m]
z :x軸に直角な鉛直距離[m]
H :排出源の高さ
[m]
σy :水平(y)方向の拡散幅[m]
σz :鉛直(z)方向の拡散幅[m]
U :平均風速
[m/s]
α、γ:拡散幅に関する係数
Q :汚染物質排出量
[m3N/s]
t0 :初期拡散幅に相当する時間[s]
3-59
ク
拡散幅
a
有風時
【鉛直方向の拡散幅(σz)】
σz=1.5+0.31・L0.83
ここで、
L:車道部端からの距離(L=x-W/2)(m)
x:風向に沿った風下距離(m)
W:車道部幅員(m)
ただし、x<W/2の場合はσy=1.5とする。
【水平方向の拡散幅(σy)】
σy=W/2+0.46・L0.81
ただし、x<W/2の場合はσy=W/2とする。
b
弱風時
【初期拡散幅に相当する時間(t0)】
W
t0=
ここで、
2α
W:車道部幅員(m)
α:次に示す拡散幅に関する係数
【拡散幅に関する係数(α、γ)】
α=
0.3
γ=
ケ
0.18
(昼間:7時 ~ 19時)
0.09
(夜間:19 時 ~ 7時)
バックグラウンド濃度
バックグラウンド濃度は表3-1-50に示すとおり、沿道大気質の年平均値とした。
表3-1-50
バックグラウンド濃度(長期)
年平均値(4季)
調査地点
バックグラウンド濃度
単位
物質
二酸化窒素
浮遊粒子状物質
さぎの森小学校
勝瀬沿道B地点
2地点平均値
ppm
0.021
0.020
0.021
mg/m3
0.022
0.022
0.022
3-60
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(4)予測結果
運搬車両排ガスの影響の予測結果は表3-1-51(1)~(2)に示すとおりである。
表3-1-51(1)
運搬車両排ガスの予測結果(二酸化窒素)
単位:ppm
物質
運搬車両排ガス
の寄与濃度
予測地点
二 酸 化 窒 素
さぎの森小学校
0.000000
勝瀬沿道B地点
0.000011
バックグラウンド
濃 度
予測結果
将来予測濃度
日平均値の
(年平均値)
年間98%値
0.021000
0.041
0.021011
0.041
0.021
谷田橋付近道路
0.000000
0.021000
0.041
花の木中学校南側道路
0.000006
0.021006
0.041
備考)年平均値から日平均値の年間98%値への変換は、
「道路環境影響評価の技術手法」
(平成19年、(財)道路環境
研究所)に基づく「変換式」を用いた。
物質
変換式
[年間98%値]=a([NO2]BG+[NO2]R)+b
a=1.10+0.56・exp(-[NO2]R/[NO2]BG)
二 酸 化 窒 素
b=0.0098-0.0036・exp(-[NO2]R/[NO2]BG)
備考)1.[NO2]R
:二酸化窒素の道路寄与濃度の年平均値
2.
[NO2]BG :二酸化窒素のバックグラウンド濃度の年平均値
表3-1-51(2)
運搬車両排ガスの予測結果 (浮遊粒子状物質)
単位:mg/m3
物質
予測地点
運搬車両排ガス
の寄与濃度
浮遊粒子状物質
さぎの森小学校
0.000000
勝瀬沿道B地点
0.000002
バックグラウンド
濃 度
予測結果
将来予測濃度
日平均値の
(年平均値)
2%除外値
0.022000
0.055
0.022002
0.055
0.022
谷田橋付近道路
0.000000
0.022000
0.055
花の木中学校南側道路
0.000001
0.022001
0.055
備考)年平均値から日平均値の2%除外値への換算は、
「道路環境影響評価の技術手法」
(平成19年、(財)道路環境
研究所)に基づく「変換式」を用いた。
物質
変換式
[2%除外値]=a([SPM]BG+[SPM]R)+b
浮遊粒子状物質
a=2.12+0.10・exp(-[SPM]R/[SPM]BG)
b=-0.0155+0.0213・exp(-[SPM]R/[SPM]BG)
備考)1.[SPM]R :浮遊粒子状物質の道路寄与濃度の年平均値
2.[SPM]BG :浮遊粒子状物質のバックグラウンド濃度の年平均値
3-61
3
施設の稼働に伴う粉じん等の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設の稼働に伴う粉じん等の影響とした。
(3)予測方法
①
予測地域
予測地域は、計画地及びその周辺地域とした。
②
予測手法
粉じんの予測手法は、表3-1-52 に示すビューフォート風力階級表に基づき、
「砂
ほこりが立ち、紙片が舞い上がる」という状況から、粉じんが発生する風速を 5.5m/s
以上と設定し、計画地で実施した通年地上気象データから、粉じんの発生する出現割合
を集計し予測した。
表3-1-52
ビューフォート風力階級表(抜粋)
風力階級
風速階級(m/s)
陸上の状況
0
0~0.2
静穏、煙はまっすぐに昇る。
1
0.3~1.5
風向は煙がなびくのでわかるが、風見には感じない。
2
1.6~3.3
顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動き出す。
3
3.4~5.4
木の葉や細かい小枝がたえず動く。軽い旗が開く。
4
5.5~7.9
砂ほこりが立ち、紙片が舞い上がる。小枝が動く。
備考)風速 7.9m/s 以上は省略。
出典:地上気象観測指針
3-62
2002
気象庁
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(4)予測結果
粉じんが発生する風速5.5m/s以上の集計結果は、図3-1-27に示すとおりである。
風速5.5m/s以上の出現率は3.8%、風速5.5m/s未満の出現率は96.2%であり、粉じんが
発生する割合は、少ないものと予測した。
5.5m/s以上
3.8%
5.5m/s未満
96.2%
0%
50%
図3-1-27
粉じんの発生割合
3-63
100%
1-4
1
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響は、事業者により実行可能な範囲で回避又は低減されて
おり、必要に応じその他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているも
のであるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
生活環境の保全上の目標(以下、
「環境保全目標」という。)を設定し、予測結果と比較
することで評価する。
①
煙突排出ガスの影響
煙突排出ガスの環境保全目標は、表3-1-53 (1)~(2)に示すとおり設定した。
表3-1-53(1)
項
目
煙突排出ガスの環境保全目標(長期平均値)
設定根拠
二酸化硫黄
環境保全目標
環境基準の長期的評価による「年間の1日平均値の2%除
外値が 0.04ppm 以下」とした。
0.04ppm 以下
環境基準の長期的評価による「日平均値の年間 98%値が
二酸化窒素
0.04ppm から 0.06ppm のゾーン内又はそれ以下」から、環境
0.06ppm 以下
保全目標は「日平均値の年間 98%値が 0.06ppm 以下」とした。
浮遊粒子状物質
ダイオキシン類
環境基準の長期的評価による「年間の1日平均値の2%除
外値が 0.10mg/m3 以下」とした。
ダイオキシン類対策特別措置法に基づく環境大気に係る
環境基準値である「年間平均値 0.6pg-TEQ/m3 以下」とした。
表3-1-53(2)
項
目
二酸化硫黄
0.10mg/m3 以下
0.6pg-TEQ/m3 以下
煙突排出ガスの環境保全目標(短期高濃度値)
設定根拠
環境保全目標
環境基準の短期的評価による「1時間値が 0.1ppm 以下」
とした。
0.1ppm 以下
二酸化窒素(1時間値)については、環境基準の定めがな
二酸化窒素
いため、中央公害対策審議会(現中央環境審議会)が主とし
て人の健康に係る調査・研究結果から導いた濃度に関する指
0.1ppm 以下
針値「0.1ppm 以下」とした。
浮遊粒子状物質
環境基準の短期的評価による「1時間値が 0.20mg/m3 以下」
とした。
環境庁大気保全局通達(環大規第 136 号
塩化水素
昭和 52 年6月)
の目標環境濃度から、「単独影響濃度として 0.02ppm 以下」
とした。
3-64
0.20mg/m3 以下
0.02ppm
第3章
②
生活環境影響調査の結果-大気質
運搬車両排ガスの影響
運搬車両排ガスの環境保全目標は、表3-1-54 に示すとおり設定した。
表3-1-54
項
運搬車両排ガスの環境保全目標(長期平均値)
目
設定根拠
環境保全目標
環境基準の長期的評価による「日平均値の年間 98%値が
二酸化窒素
0.04ppm から 0.06ppm のゾーン内又はそれ以下」から、環境保
0.06ppm 以下
全目標は「日平均値の年間 98%値が 0.06ppm 以下」とした。
浮遊粒子状物質
③
環境基準の長期的評価による「年間の1日平均値の2%除外
値が 0.10mg/m3 以下」とした。
0.10mg/m3 以下
施設の稼働に伴う粉じん等の影響
施設の稼働に伴う粉じん等の環境保全目標は、表3-1-55に示すとおり設定した。
表3-1-55
項
施設の稼働に伴う粉じん等の環境保全目標
目
粉じん等
環境保全目標
計画地周辺地域における生活環境の保全に支障のないこと。
3-65
2
影響の分析結果
(1)煙突排出ガスの影響
煙突排出ガスの影響を予測した結果は、表3-1-56(1)~(2)に示すとおりであ
る。全ての物質においてバックグラウンド濃度に対する増加量は微量であり、かつ、環境
保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、各種規制基準等より厳しい煙突排出ガスの自主規制
値を定め、処理効率の高い排出ガス設備を導入するとともに、適切な運転・維持管理を実
施するなど環境保全措置を適切に実施することから、周辺地域に対する生活環境の保全に
支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 各種規制基準等より厳しい煙突排出ガスの自主規制値を定め、処理効率の高い排出ガ
ス設備を導入するとともに、機器の点検、整備・補修等を実施し、性能を維持する。
② 排ガス(有害物質等)や燃焼温度の連続測定を実施し、常時監視する。
③ 各設備は定期点検を実施し、常に正常な運転を行うように維持管理を徹底する。
④ ごみの分別回収等の推進を図り、適切な可燃ごみの焼却に努める。
⑤ 一般廃棄物ごみ処理基本計画に基づき、ごみの発生量を削減する。
3-66
第3章
表3-1-56 (1)
生活環境影響調査の結果-大気質
予測結果と環境保全目標との比較(長期平均値)
二酸化硫黄(SO2)
単位:ppm
項目
予測地点
予測結果
バックグラウンド
濃度
最大着地濃度地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.001
年平均値
日平均値の
2%除外値
0.001038
0.001019
0.001005
0.001020
0.001014
0.0028
0.0028
0.0027
0.0028
0.0028
環境保全目標
0.04 以下
二酸化窒素(NO2)
単位:ppm
項目
予測地点
予測結果
バックグラウンド
濃度
最大着地濃度地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.015
年平均値
日平均値の
年間 98%値
0.015096
0.0303
0.015057
0.015014
0.015059
0.015034
0.0303
0.0302
0.0303
0.0302
環境保全目標
0.06 以下
浮遊粒子状物質(SPM)
単位:mg/m3
項目
予測地点
予測結果
バックグラウンド
濃度
最大着地濃度地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
0.022
年平均値
日平均値の
2%除外値
0.022019
0.022009
0.022003
0.022009
0.022007
0.0498
0.0497
0.0497
0.0497
0.0497
ダイオキシン類(DXN)
環境保全目標
0.10 以下
単位:pg-TEQ/m3
項目
予測地点
バックグラウンド
濃度
予測結果
年平均値
0.052
0.052019
0.052009
0.052003
0.052009
0.052007
最大着地濃度地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
表3-1-56 (2)
環境保全目標
0.6
以下
予測結果と環境保全目標との比較(短期高濃度値)
リッド(上層逆転)発生時
項
目
単位
バックグラウンド濃度
予測結果
二酸化硫黄
ppm
0.006
0.0079
0.1
以下
二酸化窒素
ppm
0.062
0.0668
0.1
以下
mg/m3
0.186
0.1870
0.20
以下
ppm
0.005
0.0069
0.02
以下
浮遊粒子状物質(SPM)
塩化水素
3-67
環境保全目標
(2)運搬車両排ガスの影響
運搬車両排ガスの影響を予測した結果は、表3-1-57(1)~(2)に示すとおりで
ある。
全ての予測地点において、バックグラウンド濃度に対する増加量(寄与濃度)は微量で
あり、かつ、環境保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、運搬業者に対し、制限速度の遵守、アイドリングス
トップ、空ぶかしの禁止の徹底について指導・要請を行っていくなどの環境保全措置を適
切に実施することから、沿道地域に対する生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、空ぶかしの禁止につい
て指導・要請を行っていく。
② 運搬業者に対して、始業前点検を励行し、不良な車両等の使用禁止や適正な運行管理
の徹底を指導・要請する。
③ 収集業者の車両更新時には、低公害車等の積極的な導入を要請する。
④ 収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。
表3-1-57 (1)
予測結果と環境保全目標との比較(二酸化窒素)
単位:ppm
廃棄物等
運搬車両の
増減台数
(台)
運搬車両
排ガスの
寄与濃度
さぎの森小学校
-4
0.000000
勝瀬沿道B地点
+99
0.000011
予測地点
予測結果
バックグラウンド
濃度
環境保全
将来
予測濃度
(年平均値)
年間98%値
0.021000
0.041
0.021011
0.041
0.021
標
0.06 以下
谷田橋付近道路
-31
0.000000
0.021000
0.041
花の木中学校南側道路
+52
0.000006
0.021006
0.041
表3-1-57 (2)
目
予測結果と環境保全目標との比較(浮遊粒子状物質)
単位:mg/m3
廃棄物等
運搬車両の
増減台数
(台)
運搬車両
排ガスの
寄与濃度
さぎの森小学校
-4
0.000000
勝瀬沿道B地点
+99
0.000002
予測地点
予測結果
バックグラウンド
濃度
環境保全
将来
予測濃度
(年平均値)
2%除外値
0.022000
0.055
0.022002
0.055
0.022
標
0.10 以下
谷田橋付近道路
-31
0.000000
0.022000
0.055
花の木中学校南側道路
+52
0.000001
0.022001
0.055
3-68
目
第3章
生活環境影響調査の結果-大気質
(3)施設の稼働に伴う粉じん等の影響
粉じんの発生が考えられる風速 5.5m/s 以上の出現割合は、3.8%で少ない。
また、本事業における粉じんの発生は、プラットホームや投入の場所、処理機周辺及び
コンベヤの乗継ぎ部分等で、搬入された処理対象物に付着した塵やほこり等の飛散が考え
られるが、全ての作業を施設内で行うことから、粉じん等の施設外への飛散は、ほとんど
発生しないと予測した。
さらに本事業の実施にあたっては、ほこりや粉じんの発生しやすい箇所には散水設備を
設け、適宜散水するなどの環境保全措置を適切に実施することから、周辺地域に対する生
活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
①
粉じん発生箇所は、全て建屋内に収容する。
②
施設内負圧化による外部への飛散を防止する。
③
設備機器は防じんカバー等により、粉じんの発生・飛散しにくい構造を採用する。
④
粉じん発生箇所から吸引し、集じん器による処理を行う。
⑤
ほこりや粉じんが発生しやすい箇所には、散水設備を設け適宜散水する。
⑥
プラットホーム出入り口にはエアカーテン及び自動扉を設置し、外部に粉じんが
飛散するのを防止する。
⑦
施設内及び場内は、適宜清掃し、粉じんの発生を防止する。
3-69
第2節
騒
音
2-1
調査対象地域
調査対象地域は、表3-2-1に示すとおり指針に基づき設定した。
表3-2-1
生活環境影響要因
調査対象地域
施設の稼働(機械)
計画地周辺の人家等が存
在する範囲
廃棄物等運搬車両の走行
主要走行ルートの沿道
2-2
1
調査対象地域
備考
対象音源から発生する騒音が距離減衰
式等により相当程度変化すると考えら
れる地域であって、人家等が存在する地
域とした。
その走行によって交通量が相当程度変
化する主要搬入道路沿道周辺の人家等
が存在する地域とした。
現況把握
現況把握項目
(1)騒音の状況
計画地及びその周辺における騒音の現況を把握するため、次の項目について現地調査を
行った。
①
環境騒音
②
道路交通騒音
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目につ
いて調査を行った。
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
主な騒音発生源
④
交通量の状況
⑤
環境関連法令
3-70
第3章
2
生活環境影響調査の結果-騒音
現況把握方法
(1)調査地点
環境騒音及び道路交通騒音の調査地点は、表3-2-2及び図3-2-1に示すとおり
である。
表3-2-2
調査項目
環境騒音
道路交通騒音
環境騒音・道路交通騒音の調査地点
調査地点
調査対象
計画地東(環境)
直近民家周辺
下福岡城山公園
計画地南(沿道)
さぎの森小学校
勝瀬沿道A地点
勝瀬沿道B地点
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
計画地及び周囲からの騒音を対象とした。
道路交通騒音を対象とした。
(2)調査時期
環境騒音、道路交通騒音の調査時期は、表3-2-3に示すとおりである。
表3-2-3
調査項目
環境騒音
道路交通騒音
環境騒音・道路交通騒音の調査時期
調査実施日
平成 23 年4月 20 日(水)10:00~4月 21 日(木)10:00
平成 24 年1月 17 日(火)10:00~1月 18 日(水)10:00※
調査時間帯
24 時間連続
備考)※花の木中学校南側道路、谷田橋付近道路の調査日を示す。
(3)調査方法
環境騒音、道路交通騒音の調査方法は、表3-2-4に示すとおりである。
表3-2-4
環境騒音・道路交通騒音の調査方法
調査項目
環境騒音
道路交通騒音
調査方法
「環境騒音の測定方法」(JIS Z 8731)及び「騒音に係る環境基準について」
(平成
10 年9月 30 日環境庁告示第 64 号)に準拠し実施した。
3-71
花の木中学校南側道路
下福岡城山公園
谷田橋付近道路
計画地東(環境)
計画地南(沿道)
さぎの森小学校
直近民家周辺
勝瀬沿道A地点
勝瀬沿道B地点
:環境騒音、振動調査地点
計画地東(環境)
直近民家周辺
下福岡城山公園
:道路交通騒音・振動調査地点
計画地南(沿道)
さぎの森小学校
勝瀬沿道A地点
勝瀬沿道B地点
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
:計画地
図3-2-1
環境騒音・振動及び道路交通騒音・振動の調査地点
3-72
第3章
3
生活環境影響調査の結果-騒音
現況把握の結果
(1)調査結果の概要
①
環境騒音
環境騒音の調査結果は表3-2-5に示すとおりである。
環境騒音の調査結果は、環境基本法に基づく騒音に係る環境基準(B地域)と比較す
ると、計画地東の夜間で環境基準を上回っていたが、その他は、全ての地点及び時間区
分で環境基準を満足していた。
なお、基準値超過の要因は、周辺施設の室外機音であった。
表3-2-5
環境騒音の調査結果(環境基準との比較)
単位:dB
時間区分
昼間(6~22 時)
夜間(22~6時)
等価騒音レベル
用途地域
用途地域の
定めのない地域
環境基準
(B地域)
計画地東(環境)
直近民家周辺
下福岡城山公園
46
49
44
55 以下
47
44
36
45 以下
備考)1.用途地域の定めのない地域は、騒音に係る環境基準のB地域に該当する。
2.網掛け部は基準値超過を示す。
3-73
②
道路交通騒音
道路交通騒音の調査結果は表3-2-6及び表3-2-7に示すとおりである。
県道 272 号線沿いの道路交通騒音の調査結果は、道路に面する地域の騒音に係る環境
基準(特例値)と比較すると、全ての地点及び時間区分で環境基準を満足していた。
市道沿いの道路交通騒音の調査結果は、勝瀬沿道B地点の昼間、花の木中学校南側道
路の昼間及び夜間で環境基準を上回っていたが、要請限度は全ての地点及び時間区分で
満足していた。
表3-2-6
道路交通騒音の調査結果(県道 272 号線)
単位:dB
等価騒音レベル
時間区分
環境基準
(特例値)
要請限度
(b区域)
計画地南(沿道)
さぎの森小学校
昼間(6~22 時)
66
64
70 以下
75 以下
夜間(22~6時)
60
57
65 以下
70 以下
備考)1.環境基準:道路に面する地域の騒音に係る環境基準(幹線道路を担う道路に近接する空間の特例値)
2.要請限度:騒音規制法に基づく自動車騒音の要請限度(b区域のうち2車線以上の車線を有する道路に面す
る区域)b区域・・・第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び用途地域の定めていない
地域(a 区域の項の(2)を除く。)
表3-2-7
道路交通騒音の調査結果(市道)
単位:dB
等価騒音レベル
時間区分
環境基準
(B地域)
要請限度
(b区域)
65
65 以下
75 以下
57
60 以下
70 以下
勝瀬沿道
A地点
勝瀬沿道
B地点
花の木中学校
南側道路
谷田橋
付近道路
昼間(6~22 時)
58
66
69
夜間(22~6時)
49
58
64
備考)1.富士見市道 5101 号線:勝瀬沿道A地点、勝瀬沿道B地点
2.ふじみ野市道第 80 号線:花の木中学校南側道路、ふじみ野市道第 98 号線:谷田橋付近道路
3.環境基準:道路に面する地域の騒音に係る環境基準(B地域)
4.要請限度:騒音規制法に基づく自動車騒音の要請限度(b区域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する
区域)b区域・・・第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び用途地域の定めていない地域
(a 区域の項の(2)を除く。)
5.網掛け部は環境基準の超過を示す。
3-74
第3章
生活環境影響調査の結果-騒音
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地の利用状況は、「第3章
②
第1節
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、「第3章
③
大気質」に示すとおりである。
第1節
大気質」に示すとおりである。
主な騒音発生源
計画地周辺の主な騒音発生源は上福岡清掃センターや県道を走行する自動車等がある。
④
交通量の状況
交通量の状況は、「第3章
⑤
第6節
交通」に示すとおりである。
環境関連法令
ア
騒音に係る環境基準
環境基本法では、騒音に係る環境上の条件について環境基準を定めることとしてお
り、一般の地域については土地利用に、道路に面する地域については土地利用及び道
路の車線数に応じて地域が類型指定され、それぞれの類型別に基準値を設定している。
騒音に係る環境基準は表3-2-8に示すとおりである。
なお、計画地及びその周辺は用途地域の定めのない地域であることから、騒音に係
る環境基準はB地域に該当する。
3-75
表3-2-8
騒音に係る環境基準
騒音に係る環境基準
時間の区分
昼間
夜間
(6時~22 時) (22 時~6時)
地域の区分
A地域
B地域
C地域
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
用途地域の定めのない地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
55 dB 以下
45 dB 以下
60 dB 以下
50 dB 以下
騒音に係る環境基準(道路に面する地域)
時間の区分
昼間
夜間
(6時~22 時) (22 時~6時)
地域の区分
A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域
60 dB 以下
55 dB 以下
B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及び
C地域のうち車線を有する道路に面する地域
65 dB 以下
60 dB 以下
備考)車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の
車道部分をいう。この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表に
かかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
幹線道路を担う道路に近接する空間の特例値
時間の区分
昼間
夜間
(6時~22 時) (22 時~6時)
地域の区分
屋
外
窓を閉めた室内
70 dB 以下
65 dB 以下
45 dB 以下
40 dB 以下
備考)1.個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれてい
ると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては 45dB 以下、夜間
にあっては 40dB 以下)によることができる。
2.幹線道路とは、高速自動車国道、一般国道、県道及び市町村道(市町村にあっては4車線
以上の車線を有する区間に限る。)
出典:平成 23 年度
3-76
環境年次報告書
ふじみ野市
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-騒音
騒音に関する規制基準
騒音規制法では規制地域を指定し、事業活動に伴って発生する騒音に対する規制基
準及び自動車騒音に係る要請限度を定めている。
a
特定工場等に関する規制
騒音規制法及び埼玉県生活環境保全条例では、規制地域を指定し、特定施設を設
置する工場及び事業場(以下「特定工場等」という。)を対象に規制を行っている。
特定工場等に係る騒音の規制基準は表3-2-9に示すとおりである。
なお、計画地は用途地域の定めのない地域であることから特定工場等音に係る騒
音の規制基準は第2種に該当する。
表3-2-9
時間区分
特定工場等に係る騒音の規制基準
朝
昼間
夕
夜間
午前6時
から
午前8時
午前8時
から
午後7時
午後7時
から
午後10時
午後10時
から
午前6時
第1種
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
45 dB以下
50 dB以下
45 dB以下
45 dB以下
第2種
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
用途地域の定めのない地域
都市計画区域外(一部地域)
50 dB以下
55 dB以下
50 dB以下
45 dB以下
第3種
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
60 dB以下
65 dB以下
60 dB以下
50 dB以下
第4種
工業地域
工業専用地域(一部地域)
65 dB以下
70 dB以下
65 dB以下
55 dB以下
区域区分
備考)1.表に掲げた値は工場・事業場の敷地境界における基準値を示す。
2.規制区域は原則として都市計画法の規定による用途地域に基づき定めているが、一部異なる地域がある。
3.学校、保育所、病院、有床診療所、図書館、特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね 50mの区域内は、
当該値から5dB 減じた値とする。
(騒音の第1種区域除く。)
出典:「工場・事業場等の騒音・振動規制について」埼玉県
3-77
b
自動車騒音に係る要請限度
騒音規制法に基づく自動車騒音に係る要請限度は表3-2-10 に示すとおりで
ある。
表3-2-10
自動車騒音の要請限度
時間の区分
地域の区分
昼間
(6時~22 時)
夜間
(22 時~6時)
1 a区域及びb区域のうち1車線を有する道路に面する区域
65 dB以下
55 dB以下
2 a区域のうち2車線以上の道路に面する区域
70 dB以下
65 dB以下
75 dB以下
70 dB以下
3
b区域のうち2車線以上の道路に面する区域及びc区域の
うち車線を有する道路に面する区域
備考)1.住居の集合地域や病院・学校の周辺地域であって、騒音規制法に基づく指定地域に指定されている
地域において、市町村長は、自動車騒音が一定の限度(これを「要請限度」という)を超え道路周
辺の生活環境が著しく損なわれると認めるときには、都道府県公安委員会に対して道路交通法に基
づく交通規制等の措置を講じるよう要請できる。また、市町村長は道路管理者に対して道路構造の
改善等について意見を述べることができるとなっている。
2.区域の種類
a 地域・・・(1)第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び
第二種中高層住居専用地域。
(2)安行近郊緑地保全区域(市街化調整区域の部分に限る。)、狭山近郊緑地保全区域及び
狭山近郊緑地保全区域及び平林寺近郊緑地保全区域。
b 区域・・・第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び用途地域の定めのない地域(a 区域の
項の(2)を除く。)
c 区域・・・近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域
出典:平成23年度
3-78
環境年次報告書
ふじみ野市
第3章
2-3
1
予
生活環境影響調査の結果-騒音
測
施設の稼働に伴う騒音の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設の稼働に伴う騒音(以下「施設騒音」という。)の影響とした。
・敷地境界における時間率騒音レベル
(3)予測方法
①
予測範囲
予測範囲は、計画地の敷地境界から概ね 100mまでの範囲とした。
②
予測手法
予測手法は、音の伝搬理論に基づく距離減衰式を用いて定量的に行った。
③
予測条件
施設騒音の予測計算手順は図3-2-2に示すとおりである。
騒音源条件の設定
予測時間帯の設定
予測の前提条件の設定
予
測
計
算
予
測
結
果
図3-2-2
ア
予測計算手順
騒音源条件
騒音発生源となる設備機器の騒音パワーレベルは表3-2-11 に、騒音発生源の位
置は図3-2-3に示すとおりである。
騒音を発生する全ての設備機器が、同時に稼働した場合を予測した。
3-79
表3-2-11
区分
騒音発生源となる設備機器の騒音パワーレベル
№
設備機器
設置階
台数(台)
騒音レベル(dB)
出典
1
押込送風機
2
105
①
2
二次送風機
2
95
①
3
誘引送風機
2
100
①
1階
熱回収施設
4
蒸気タービン発電機
1
100
①
5
コンプレッサー
2
111
②
6
灰出しコンベア
2
85
①
7
炉本体
2
85
①
8
扉用油圧装置
2
85
①
9
可燃粗大切断式破砕機
1
100
①
10
炉用油圧装置
2
85
①
11
脱臭塔用送風機
2
95
①
12
白煙防止用送風機
2
95
①
13
ごみクレーン
2
80
①
14
ボイラ
2
85
①
2階
3階
4階
15
蒸気復水器(ファン)
2
93
②
16
灰クレーン
1
92
②
29
116
-
合計
17
低速粗破砕機
1
110
②
18
高速回転破砕機
1
110
②
19
金属圧縮機
2
120
②
1階
20
かん圧縮機
2
120
②
21
コンプレッサー
2
111
②
22
扉用油圧装置
2
85
①
23
破砕物用磁選機
1
105
②
24
粒度選別機
1
105
②
25
振動コンベア
1
100
②
26
破砕物用アルミ選別機
1
105
②
27
かん磁力選別機
1
105
②
28
送風機
2
95
②
29
サイクロン
1
95
②
18
120
-
リサイクルセンター
合計
出典
2階
①環境アセスメントの技術(社団)環境情報科学センター
②環境影響評価における原単位の整備に関する調査報告〔Ⅵ〕(環境庁)
3-80
第3章
生活環境影響調査の結果-騒音
蒸気復水器(ファン)
凡
ごみクレーン
例
●:熱回収施設
■:リサイクルセンター
ボイラ
4階
ボイラ
灰クレーン
脱臭塔用送風機
白煙防止用送風機
3階
炉用油圧装置
破砕物用磁選機
炉本体
破砕物用アルミ選別機
扉用油圧装置
粒度選別機
振動コンベア
2階
送風機
送風機
可燃粗大切断式破砕機
かん磁力選別機
サイクロン
扉用油圧装置
低速粗破砕機
蒸気タービン発電機
コンプレッサー
高速回転破砕機
扉用油圧装置
誘引送風機
二次送風機
金属圧縮機
1階
かん圧縮機
灰出しコンベア
二次送風機
押込送風機
扉用油圧装置
図3-2-3
騒音発生源位置
3-81
コンプレッサー
イ
予測時間帯
熱回収施設は24時間連続稼働であり、リサイクルセンターは5時間稼働である。
したがって、騒音規制法に基づく時間区分でそれぞれ予測する。
ウ
予測の前提条件
音源と受音点の関係は、図3-2-4に示すとおりである。
設備機器から発生する騒音は室内において、設備機器の位置・形態等に関わりなく、
一室内では単位面積当たり一様に音のエネルギーが分布しているものとし、室内が拡
散状態にあるものと仮定すると、一室内における単位面積には、どの部位にも一様な
エネルギー入射があるものと考えられる。
これらのエネルギーは、ほぼ均一に外壁を通して受音点に到達するが、このように
音源がかなりの広がりを持っている場合は、面音源と考えることができる。
なお、受音点における騒音レベルは、この面音源を点音源の集合と考え、面を分割
し、点音源による距離減衰を求め予測するものとした。
図3-2-4
音源と受音点の関係
以上の内容も含め、設定した前提条件は次のとおりである。
①
受音点の高さは、地上 1.2mとした。
②
平坦地形(最短距離)とした。
③
地表面の反射及び吸収は考慮しない。
④
森林による騒音の減衰は考慮しない。
⑤
空気等による減衰は考慮しない。
3-82
第3章
エ
生活環境影響調査の結果-騒音
予測計算
a
室内音圧レベル
室内において、発生源から r(m)離れた点の室内音圧レベルは、次式で求めるこ
とができる。
Q
4
+
2
R
4πr
L=PWL+10log
ここで、L
:室内音圧レベル[dB]
PWL:騒音源のパワーレベル[dB]
Q
:音源の方向係数
r
:騒音源からの距離[m]
R
:室定数
Sα
R=
(1≫ αのとき R≒S α)
1- α
-
Sα
:吸音力
-
α :室内内壁面の平均吸音率(表3-2-12参照。)
表3-2-12
室内内壁面の材質ごとの吸音率
単位:dB
材質名称
ALCパネル
グラスウール(50)
125
250
0.01
0.40
0.01
0.30
中心周波数(Hz)
500
1K
0.02
0.12
0.02
0.08
2K
4K
0.02
0.08
0.03
0.10
出典:建築の音環境設計[新訂版](日本建築学会)
b
建物外壁面における音圧レベル
建物内から建物壁材を透過し、建物外壁面から屋外へ伝搬する音圧レベルは、部
屋の外壁及び内装仕上げ材による透過損失によって決まり、次式により求めた。
L0=L-TL
ここで、L0 :建物外壁面近傍での音圧レベル[dB]
L :室内音圧レベル[dB]
TL:建物壁材の透過損失[dB](表3-2-13参照。)
表3-2-13
材質名称
ALCパネル
建物壁材の材質ごとの透過損失
単位:dB
中心周波数(Hz)
250
500
1K
2K
4K
33.0
32.0
40.0
48.0
48.0
出典:建築の音環境設計[新訂版](日本建築学会)
125
27.0
3-83
c
距離減衰
建物外壁面からの騒音は、面音源を点音源の集合と考え、距離による減衰を求め
予測地点で合成した。また、距離減衰は音源が地上にあることから、次に示す半自
由空間における点音源の距離減衰式を用いた。
【半自由空間における点音源の距離減衰式】
L=PWL-20 logr-8-R
ここで、L
:音源からr(m)離れた地点の音圧レベル[dB]
PWL:音源のパワーレベル[dB]
r
:音源から受音点までの距離[m]
R
:回折減衰量[dB]
また、各予測地点における騒音レベルの合成には、次に示す式を用いた。
【騒音レベルの合成式】
L=10 log(10L1/10+10L2/10・・・+10Li/10)
ここで、L
:合成音圧レベル[dB]
Li :音源単位iの音圧レベル[dB]
なお、騒音規制法に定められた規制基準は、事業の実施に伴う騒音について
規制するための基準値であるため、予測結果は、現況騒音レベルを考慮しない。
(4)予測結果
施設騒音の予測結果は、表3-2-14 及び図3-2-5~6に示すとおりである。
敷地境界最大値の寄与騒音は、熱回収施設及びリサイクルセンターが稼働する昼間の時
間帯が最も高く 47dB と予測し、朝、夕及び夜間の時間帯は 35dB と予測した。
表3-2-14
施設騒音の予測結果
【敷地境界最大値】
時間区分
朝
単位:dB
予測結果
備考
(6~8時)
35
熱回収施設の稼働
昼間(8~19 時)
47
熱回収施設及びリサイクルセンターの稼働
夕
(19~22 時)
35
夜間(22~6時)
35
熱回収施設の稼働
3-84
第3章
生活環境影響調査の結果-騒音
30
35
40
45
40
単位:dB
● : 敷地境界騒音レベル最大値 47dB
熱回収施設及びリサイクルセンター稼働時
:計画地(付替道路含まない。)
図3-2-5
施設騒音の予測結果(昼間)
3-85
20
25
30
単位:dB
● : 敷地境界騒音レベル最大値 35dB
熱回収施設稼働時
:計画地(付替道路含まない。)
図3-2-6
施設騒音の予測結果(朝・夕・夜間)
3-86
第3章
2
生活環境影響調査の結果-騒音
廃棄物等運搬車両の走行に伴う騒音の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、廃棄物等運搬車両の走行台数が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、廃棄物等運搬車両の走行に伴う騒音(以下「運搬車両騒音」という。)の影響
とした。
・主要運搬道路の道路端(敷地境界)における等価騒音レベル
(3)予測方法
①
予測地点
予測地点は搬入ルートと同様に4地点とした。
(既出図3-1-24 P3-55)
Aルート:さぎの森小学校
Bルート:勝瀬沿道B地点
Cルート:谷田橋付近道路
Dルート:花の木中学校南側道路
②
予測手法
予測手法は、伝搬理論式を用いて定量的に行った。
運搬車両騒音の予測計算手順は図3-2-7に示すとおりである。予測計算は、現況
の交通量と運搬車両の交通量から各々の等価騒音レベルを算出して増加量を求め、この
値を現況騒音レベル(測定値)に加えて予測結果とした。
現況等価騒音レベル
現況の交通量
(現況測定値)
(現況調査結果)
運搬車両の交通量
(計画車両台数)
道路条件の設定
一般車両の走行による
等価騒音レベルの計算
運搬車両の上乗せによ
る騒音レベルの増加量
予測結果
図3-2-7
3-87
予測計算手順
運搬車両の走行による
等価騒音レベルの計算
③
予測条件
ア
現況交通量及び将来交通量
現況交通量及び将来交通量は、既出表3-1-48(P3-57)に示すとおりである。
イ
予測地点の道路断面
予測地点の道路断面は、既出図3-1-25(P3-56)に示すとおりであり、道路条
件は次に示すとおり設定した。
①
音源高さは、路面上0m※とした。
②
平坦地形(最短距離)とした。
③
予測地点は、騒音の影響が最も大きくなる道路端(官民境界)とした。
④
予測高さは、路面上 1.2m※とした。
※ 音源高さ及び予測高さの条件設定は「道路環境影響評価の技術手法」
(平成 19 年、
(財)道路環
境研究所)に基づき設定した。
ウ
予測計算
予測計算は、日本音響学会による道路交通騒音の予測モデル「ASJ Model 2008」を
用いて行った。
【騒音伝搬基本式】
LPA,i=LW-8-20 logr
ここで、LPA,i:A特性音圧レベル[dB]
LW
:平均パワーレベル[dB]
r
:音源から予測点までの距離[m]
【大型車の平均パワーレベル】
【小型車の平均パワーレベル】
LW=30 logV+53.2
LW=30 logV+46.7
ここで、V:平均走行速度[km/h]
【等価騒音レベルの算出】
LAE =10 log[(1/T0)・Σ10LPA,i/10・Δti]
Leq =LAE+10 logN-35.6
ここで、LAE
T0
Δti
Leq
N
:単発騒音暴露レベル[dB]
:基準時間(1秒)
:音源配置間隔[m]/平均走行速度[m/s]
:等価騒音レベル[dB]
:時間交通量[台/時]
【等価騒音レベルの合成】
Leq=10 logΣ10eq、n/10
ここで、n:個別の等価騒音レベル[dB]
3-88
第3章
生活環境影響調査の結果-騒音
(4)予測結果
運搬車両騒音の予測結果は表3-2-15 に示すとおりである。
増加量はBルートで 0.1 dB 増加、A、C及びDルートは増減なしと算出した。
これら増減量と現況騒音を合計した予測結果は、64.0~69.0dB と予測した。
表3-2-15
運搬車両騒音の予測結果
単位:dB
予測計算
ルート
区 分
予測地点
時間
区分
現況騒音
予測結果
A
A + B
0.0
64
64.0
62.5
0.1
66
66.1
現況
予測値
将来
予測値
増減量
a
b
b - a=B
62.9
62.9
62.4
Aルート
さぎの森小学校
Bルート
勝瀬沿道B地点
Cルート
谷田橋付近道路
62.8
62.8
0.0
65
65.0
Dルート
花の木中学校南側道路
67.2
67.2
0.0
69
69.0
昼間
備考)1.昼間は6~22 時を示す。
2.予測は、車両台数の変化に着目し行っていることから、車両台数以外の要因で騒音レベルが変化する
ため、現況騒音と予測結果(一般車両のみ)が異なる場合がある。
3-89
2-4
1
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避または低減され、
必要に応じて、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもの
であるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
施設騒音
環境保全目標は、騒音規制法及び県条例に基づく特定工場等において発生する騒音に
対する規制基準の【第2種区域】とし、表3-2-16 に示すとおり設定した。
なお、計画地に隣接し、特別養護老人ホームが存在することから、第2種区域の基準
値から5dB を減じた値を適用する。
表3-2-16
施設騒音の環境保全目標
単位:dB
項目
地点
時間率騒音レベル
②
時間区分
朝
昼間
夕
夜間
敷地境界
特定工場等の騒音規制基準
(第2種区域)
6~8時
8~19 時
19~22 時
22~6時
50
55
50
45
⇒
⇒
⇒
⇒
45 以下
50 以下
45 以下
40 以下
運搬車両騒音
環境保全目標は、騒音規制法に基づく自動車騒音の要請限度とし、表3-2-17 に示
すとおり設定した。
表3-2-17
運搬車両騒音の環境保全目標
単位:dB
項目
等価騒音レベル
時間区分
昼間
自動車騒音の要請限度
6~22 時
75
備考)時間区分は、廃棄物等運搬車両の走行時間の昼間で設定した。
3-90
以下
第3章
2
生活環境影響調査の結果-騒音
影響の分析結果
(1)施設騒音
施設騒音の予測結果は、表3-2-18 に示すとおりである。
敷地境界最大値で 47dB「静かな事務所」程度あり、かつ、環境保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、低騒音型の設備機器を採用するなどの環境保全措置
を適切に実施することから、周辺地域に対する生活環境の保全に支障のないものと評価し
た。
【環境保全措置】
①
低騒音型の設備機器を採用する。
②
騒音発生源は、全て建屋内に収容する。
③
必要に応じて内壁等に吸音材を設置する。
④ できる限り敷地境界までの距離をとり、距離による騒音の減衰を図る。
⑤ 設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な騒音を回避する。
表3-2-18
予測結果と環境保全目標との比較
【敷地境界最大値】
単位:dB
予測地点
時間区分
予測結果
環境保全目標
(6~8時)
35
45 以下
昼間(8~19 時)
47
50 以下
夕
(19~22 時)
35
45 以下
夜間(22~6時)
35
40 以下
朝
敷地境界
【参考】騒音の目安
騒音(dB)
騒音感覚
80
極めてうるさい
騒音の目安
地下鉄の車内(窓を開けたとき)
70
掃除機・騒々しい事務所
うるさい
60
普通の会話・チャイム
50
静かな事務所
日常生活で望ましい範囲
40
30
深夜の市内・図書館
静か
ささやき声
3-91
(2)運搬車両騒音
運搬車両騒音の予測結果は、表3-2-19 に示すとおりである。
全ての地点で現況騒音とほぼ同様であり、かつ、環境保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリング
ストップなどの指導・要請を行い、不要な騒音を回避・低減することから、沿道地域に対
する生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、空ぶかしの禁止につい
て指導・要請を行っていく。
② 収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。
表3-2-19
予測結果と環境保全目標との比較
単位:dB
ルート
区 分
予測地点
Aルート
さぎの森小学校
Bルート
勝瀬沿道B地点
時間
区分
現況騒音
予測結果
64
64.0
66
66.1
昼間
環境保全目標
75 以下
Cルート
谷田橋付近道路
65
65.0
Dルート
花の木中学校南側道路
69
69.0
備考)昼間は6~22 時を示す。
3-92
第3章
第3節
振
3-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-振動
動
施設の稼働及び廃棄物等運搬車の走行による振動の調査対象地域は、騒音と同様とした。
3-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)振動の状況
計画地及びその周辺における振動の現況を把握するため、次の項目について現地調査を
行った。
①
環境振動
②
道路交通振動
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目につ
いて調査を行った。
2
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
主な振動発生源
④
地盤性状(地盤卓越振動数)
⑤
交通量の状況
⑥
環境関連法令
現況把握方法
(1)調査地点
環境振動及び道路交通振動の調査地点は、既出図3-2-1(P3-72)に示すとおり、騒
音と同様とした。
(2)調査時期
環境振動、道路交通振動の調査時期は、既出表3-2-3(P3-71)示すとおり、騒音と
同時に実施した。
(3)調査方法
環境振動及び道路交通振動の測定は、「振動レベル測定方法」(JIS Z 8735)及び「振動
規制法施行規則」(昭和51年11月10日、総理府令第58号)に準拠し実施した。
3-93
3
現況把握の結果
(1)振動の状況
①
環境振動
環境振動の調査結果は表3-3-1に示すとおりである。
環境振動の調査結果は、参考として振動規制法に基づく特定工場等の振動に係る規制
基準(第1種区域)と比較すると、全ての地点及び時間区分で規制基準を満足していた。
表3-3-1
環境振動の調査結果(規制基準との比較)
単位:dB
時間区分
振動レベル
用途地域
昼間(8~19 時)
夜間(19~8時)
規制基準
(第1種区域)
計画地東側
直近民家周辺
下福岡城山公園
28
31
25
60 以下
27
25 未満
25 未満
55 以下
用途地域の
定めのない地域
備考)用途地域の定めのない地域は、振動の規制基準(特定工場等)の1種区域に該当する。
②
道路交通振動
道路交通振動の調査結果は表3-3-2に示すとおりである。
道路交通振動の調査結果は、振動規制法に基づく道路交通振動の要請限度(1種区域)
と比較すると、全ての地点及び時間区分で要請限度を満足していた。
表3-3-2
道路交通振動の調査結果(要請限度との比較)
単位:dB
振動レベル
時間区分
昼間
用途地域の
(8~19 時)
定めのない
夜間
地域
(19~8時)
要請限度
(第1種区域)
計画地南側
さぎの森
小学校
勝瀬沿道
A地点
勝瀬沿道
B地点
花の木中
学校南側
道路
谷田橋
付近道路
38
46
32
52
46
34
65 以下
28
33
25 未満
36
36
25 未満
60 以下
用途地域
備考)1.用途地域の定めのない地域は、振動の要請限度(道路交通振動)の第1種区域に該当する。
2.要請限度とは、自動車振動がその限度を超えていることにより、道路の周辺の生活環境が著しく損なわれてい
ると認められるときに、市町村長が県公安委員会に道路交通法の規定による措置を執るよう要請する際の限度
をいう。
3-94
第3章
生活環境影響調査の結果-振動
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地の利用状況は、「第3章
②
第1節
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、「第3章
③
大気質」に示すとおりである。
第1節
大気質」に示すとおりである。
主な振動発生源
計画地周辺の主な振動発生源は、県道を走行する自動車等がある。
④
地盤性状(地盤卓越振動数)
地盤卓越振動数の調査結果は、表3-3-3に示すとおりである。
表3-3-3
地盤卓越振動数の調査結果
調査地点
地盤卓越振動数(Hz)
さぎの森小学校
18.8
勝瀬沿道A地点
16.4
勝瀬沿道B地点
18.0
花の木中学校南側道路
19.3
谷田橋付近道路
22.5
備考)1.地盤卓越振動数は、自動車が走行する際に発生する振動の大きさに影響を与える要因のひとつで、
地盤条件と相関があり、地盤固有の特性(地盤の固さなど)を表すひとつの指標である。
2.地盤卓越振動数が 15Hz 以下は、軟弱地盤であるといわれている。
3.調査結果は、単独走行の大型車 10 台による平均値を示す。
⑤
交通量の状況
交通量の状況は、「第3章
第6節
交通」に示すとおりである。
3-95
⑥
環境関係法令
ア
振動に関する規制基準
a
特定工場等に関する振動の規制
振動規制法及び埼玉県生活環境保全条例では、規制地域を指定し、特定工場等を
対象に規制を行っている。
特定工場等に係る振動の規制基準は、表3-3-4に示すとおりである。
なお、計画地は用途地域の定めのない地域であることから、特定工場等に係る振
動の規制基準は第1種区域に該当する。
表3-3-4
特定工場等に係る振動の規制基準
時間区分
区域区分
第1種
第2種
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
用途地域の定めのない地域
都市計画区域外(一部地域)
近隣商業地域、商業地域
準工業地域、工業地域
昼間
(8時~19時)
夜間
(19時~8時)
60 dB以下
55 dB以下
65 dB以下
60 dB以下
備考)1.表に掲げた値は工場・事業場の敷地境界における基準値を示す。
2.規制区域は原則として都市計画法の規定による用途地域に基づき定めているが、一部異なる地域がある。
3.学校、保育所、病院、有床診療所、図書館、特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね 50mの区域内は、
当該値から5dB 減じた値とする。
(騒音の1種区域除く。)
出典:「工場・事業場等の騒音・振動規制について」埼玉県
b
道路交通振動に係る要請限度
振動規制法に基づく道路交通振動に係る要請限度は表3-3-5に示すとおり
である。なお、計画地及びその周辺地域は用途地域の定めのない地域であることか
ら、道路交通振動の要請限度は第1種区域に該当する。
表3-3-5
道路交通振動の要請限度
時間区分
昼間
(8時~19時)
夜間
(19時~8時)
第1種
第1種、第2種低層住居専用地域
第1種、第2種中高層住居専用地域
第1種、第2種住居地域、準工業地域、
用途地域の定めのない地域
65 dB以下
60 dB以下
第2種
近隣商業地域、商業地域
準工業地域、工業地域
70 dB以下
65 dB以下
区域区分
備考)住居の集合地域や病院・学校の周辺地域であって、振動規制法に基づく指定地域に指定されている地域に
おいて、市町村長は、自動車騒音が一定の限度(これを「要請限度」という)を超え道路周辺の生活環境
が著しく損なわれると認めるときには、都道府県公安委員会に対して道路交通法に基づく交通規制等の措
置を講じるよう要請できる。また、市町村長は道路管理者に対して道路構造の改善等について要請するこ
とができるとなっている。
出典:平成 23 年度
3-96
環境年次報告書
ふじみ野市
第3章
3-3
1
予
生活環境影響調査の結果-振動
測
施設の稼働に伴う振動の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設の稼働に伴う振動(以下「施設振動」という。)の影響とした。
・敷地境界における振動レベル
(3)予測方法
①
予測範囲
予測範囲は、計画地の敷地境界から概ね 100mまでの範囲とした。
②
予測手法
予測手法は、伝搬理論式により定量的に行った。
施設振動の予測計算手順は図3-3-1に示すとおりである。
振動源条件の設定
予測時間帯の設定
予
測
計
算
予
測
結
果
図3-3-1
③
予測計算手順
予測条件
ア
振動源条件
振動発生源となる設備機器の振動レベルは表3-3-6に、振動発生源の位置は図
3-3-2に示すとおりである。
なお、地面に伝搬する振動を予測するため1階に設置する設備機器を対象とする。
3-97
表3-3-6
区分
№
熱回収施設
設備機器
設備機器の振動レベル
設置階
台数(台)
振動レベル(dB)
出典
1
押込送風機
2
54
①
2
二次送風機
2
54
①
3
誘引送風機
2
54
①
4
蒸気タービン発電機
1
68
①
5
コンプレッサー
2
54
①
6
灰出しコンベア
2
66
①
11
72
-
1階
合計
7
低速粗破砕機
1
64
②
8
高速回転破砕機
1
66
②
9
金属圧縮機
2
52
①
10
かん圧縮機
2
52
①
11
コンプレッサー
2
54
①
8
69
-
1階
リサイクルセンター
合計
出典
①環境アセスメントの技術(社団)環境情報科学センター
②環境影響評価における原単位の整備に関する調査報告〔Ⅵ〕(環境庁)
低速粗破砕機
コンプレッサー
蒸気タービン発電機
高速回転破砕機
扉用油圧装置
誘引送風機
金属圧縮機
二次送風機
かん圧縮機
灰出しコンベア
二次送風機
押込送風機
扉用油圧装置
凡
例
●:熱回収施設
■:リサイクルセンター
図3-3-2
振動発生源位置(1階平面図)
3-98
コンプレッサー
第3章
イ
生活環境影響調査の結果-振動
予測時間帯
予測時間帯は、熱回収施設は24時間連続稼働であり、リサイクルセンターは5時間
稼働である。
したがって、振動規制法に基づく時間区分でそれぞれ予測した。
ウ
予測計算
予測計算は、地盤中における振動の減衰を表す次の式を用いた。
L(r)=L(r0)-15 log(r/r0)-8.68α(r-r0)
L(r)
r0
r
α
:機械中心からr0m離れた地点の振動レベル(dB)
:基準の距離(機械中心から5mとする。)
:機械中心から予測地点までの距離[m]
:土の内部減衰を表す係数
(減衰量の少ない0.01とする。表3-3-7参照。)
表3-3-7
土質種類
粘
地盤の内部減衰定数
内部減衰定数
土
0.02~0.01
シルト
0.03~0.02
ローム
0.01
備
考
「公害振動の予測手法」
(昭和61年、塩田正純)
(4)予測結果
施設の稼働に伴う振動の予測結果は表3-3-8及び図3-3-3~4に示すとおり
である。
敷地境界最大値の寄与騒音は、熱回収施設及びリサイクルセンターが稼働する昼間の時
間帯が最も高く 46dB と予測し、夜間の時間帯は 43dB と予測した。
表3-3-8
施設振動の予測結果
【敷地境界最大値】
単位:dB
時間区分
予測結果
備考
昼間(8~19 時)
46
熱回収施設及びリサイクルセンターの稼働
夜間(19~8時)
43
熱回収施設の稼働
3-99
40
30
35
単位:dB
● : 敷地境界振動レベル最大値 46dB
熱回収施設及びリサイクルセンター稼働時
: 計画地(付替道路含まない。)
図3-3-3
施設振動の予測結果(昼間)
3-100
第3章
生活環境影響調査の結果-振動
35
30
単位:dB
● : 敷地境界振動レベル最大値 43dB
熱回収施設稼働時
: 計画地(付替道路含まない。)
図3-3-4
施設振動の予測結果(夜間)
3-101
2
廃棄物等運搬車両の走行に伴う振動の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、廃棄物等運搬車両の走行台数が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、廃棄物等運搬車両の走行に伴う振動(以下「運搬車両振動」という。
)の影
響とした。
・主要運搬道路の道路端(敷地境界)における振動レベル
(3)予測方法
①
予測地点
予測地点は搬入ルートと同様に4地点とした。
(既出図3-1-24 P3-55)
Aルート:さぎの森小学校
Bルート:勝瀬沿道B地点
Cルート:谷田橋付近道路
Dルート:花の木中学校南側道路
②
予測手法
予測手法は伝搬理論式により定量的に行った。
運搬車両振動の予測計算手順は図3-3-5に示すとおりである。
予測計算は、現況の交通量と運搬車両の交通量から各々の振動レベルを算出し増加量
を求め、この値を現況振動レベル(測定値)に加えて予測結果とした。
現況振動レベル
現況交通量
(現況測定値)
(現況調査結果)
運搬車両の交通量
(計画車両台数)
道路条件の設定
一般車両の走行による
振動レベルの計算
運搬車両の上乗せによ
る振動レベルの増加量
予測結果
図3-3-5
予測計算手順
3-102
運搬車両の走行による
振動レベルの計算
第3章
③
生活環境影響調査の結果-振動
予測条件
ア
現況交通量及び将来交通量
現況交通量及び将来交通量は、既出表3-1-48(P3-57)に示すとおりである。
イ
道路条件
道路断面は、既出図3-1-25(P3-56)に示すとおりである。
道路条件は、次に示すとおり設定した。
①
振動源は、道路中央※とした。
②
平坦地形(最短距離)とした。
③
予測地点は、振動の影響が最も大きくなる道路端(敷地境界)とした。
※ 振動源位置は「道路環境影響評価の技術手法」
(平成 19 年、
(財)道路環境研究所)に基づき設
定した。
ウ
予測計算
予測計算は、
「振動レベルの80%レンジの上端値を予測するための式」を用いて行った。
【道路交通振動の予測式】
L10 =L10*-αi
L10*=a log(logQ*)+b logV+c logM+d+αδ+αf+αs
ここで、L10 :自動車交通振動の80%レンジの上端値[dB]
L10*:基準点における振動レベルの80%レンジの上端値の予測値[dB]
Q* :500秒間の1車線当たりの等価交通量[台/500秒/車線]
V :平均走行速度[km/h]
M :上下車線合計の車線数
αδ :路面の平坦性による補正値[dB]
αf :地盤卓越振動数による補正値[dB]
αs :道路構造による補正値[dB]
αi :距離減衰値[dB]
a、b、c、d:平面道路における定数で設定。
(a=47、b=12、c=3.5、d=27.3)
また、平均走行速度は予測道路の法定速度である40km/h、上下車線合計の車線数は
2とし、その他の条件は、次に示す式より算出した。
a
500秒間の1車線あたりの等価交通量
Q*=(500/3,600)×(Q1+13Q2)/M
ここで、Q1:小型車時間交通量[台/時]
Q2:大型車時間交通量[台/時]
b
路面の平坦性による補正値
αδ=8.2 logδ
ここで、 δ:路面平坦性標準偏差[mm]
日本道路協会の道路維持修繕要領によると、交通量の多い一般道路
の維持修繕目標のδ値が4.0~5.0mmに設定されていることから、こ
こでは安全をみてδ値を5.0mmに設定した。
3-103
c
地盤卓越振動数による補正値
αf=-17.3 logf
ここで、
d
f:地盤卓越振動数[Hz](現況調査より設定)
道路構造による補正値
αs=0(平面道路)
e
距離減衰値
αi=β log(r/5+1)/log2
β=0.068 L10*-2.0(平面道路、砂地盤)
ここで、r :基準点から予測地点までの距離[m]
(基準点:最外側車線中心より5m)
(4)予測結果
運搬車両振動の予測結果(最大値)は、表3-3-9に示すとおりである。
予測計算による増減量は、AルートとCルートで 0.1dB 減少、Bルートで 0.1dB 増加し、
Dルートは増減なしと算出した。
これら増減量と現況振動を合計した予測結果は、37.9~54.1dB と予測した。
表3-3-9
運搬車両振動の予測結果(最大値)
単位:dB
予測計算
ルート
区 分
予測地点
最大値
時 間
現 況
予測値
a
将 来
予測値
b
現況振動
予測結果
b-a=B
A
A + B
増減量
Aルート さぎの森小学校
13 時台
39.0
38.9
-0.1
50.7
50.6
Bルート 勝瀬沿道B地点
8時台
40.2
40.3
+0.1
54.0
54.1
Cルート 谷田橋付近道路
9時台
42.6
42.5
-0.1
38.0
37.9
Dルート 花の木中学校南側道路
8時台
47.5
47.5
0
48.4
48.4
備考)予測値は、車両台数の変化に着目し行っていることから、車両台数以外の要因で振動レベルが変化する現地調
査結果と予測結果(一般車両のみ)が異なる場合がある。
3-104
第3章
3-4
影響の分析
1
影響の分析方法
生活環境影響調査の結果-振動
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避又は低減され、
必要に応じて、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもの
であるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
施設振動
環境保全目標は、振動規制法及び県条例に基づく特定工場等において発生する振動に
対する規制基準の【第1種区域】とし、表3-3-10に示すとおり設定した。
なお、計画地に隣接し、特別養護老人ホームが存在することから、第1種区域の基準
値から5dBを減じた値を適用する。
表3-3-10
施設振動の環境保全目標
単位:dB
②
項目
地点
時間率振動レベル
敷地境界
時間区分
特定工場等の振動規制基準
【第1種区域】
昼間
8~19 時
60 ⇒ 55
以下
夜間
19~8時
55 ⇒ 50
以下
運搬車両振動
環境保全目標は、振動規制法に基づく自動車振動に係る要請限度の【第1種区域】と
し、表3-3-11に示すとおり設定した。
表3-3-11
運搬車両振動の環境保全目標
単位:dB
項目
地点
時間率振動レベル
道路端
時間区分
昼間
自動車振動に係る要請限度
【第1種区域】
8~19 時
備考)時間区分は、廃棄物等運搬車両の走行時間の昼間で設定した。
3-105
65
以下
2
影響の分析結果
(1)施設振動
施設振動の予測結果は、表3-3-12 に示すとおり、敷地境界最大値で 46dB、
「人は揺
れを感じない」程度であり、かつ、環境保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、低振動型の設備機器を採用するなどの環境保全措置
を適切に実施することから、周辺地域に対する生活環境の保全に支障のないものと評価し
た。
【環境保全措置】
① 低振動型の設備機器を採用する。
② 振動を発生する設備機器は、発生源の程度に応じ、コンクリート基礎、防振ゴム等を用
いた構造とし、振動の伝搬抑制を図る。
③ 設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な振動を回避する。
表3-3-12
【敷地境界最大値】
予測地点
予測結果と環境保全目標との比較
単位:dB
時間区分
予測結果
環境保全目標
昼間
(8~19 時)
46
55
以下
夜間
(19~8時)
43
50
以下
敷地境界
【参考】振動の目安
振動(dB)
震度階級
振動の目安
110 以上
7
揺れに翻弄され、自分の意志で行動できない。
105~110
6
立っていることが困難になる。
95~105
5
多くの人が、行動に支障を感じる。
85~95
4
一部の人は、身の安全を図ろうとする。
75~85
3
屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。
65~75
2
屋内にいる人の多くが揺れを感じる。
55~65
1
屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
55 以下
0
人は揺れを感じない。
3-106
第3章
生活環境影響調査の結果-振動
(2)運搬車両振動
運搬車両振動の予測結果は、表3-3-13 に示すとおり、全ての地点で現況振動とほぼ
同様であり、かつ、環境保全目標を満足している。
さらに本事業の実施にあたっては、運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリング
ストップなどの指導・要請を行い、不要な振動を回避・低減することから、沿道地域に対
する生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、急発進・急加速をしない
などのエコドライブについて指導・要請を行っていく。
② 収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。
表3-3-13
予測結果と環境保全目標との比較
単位:dB
ルート
区 分
予測地点
最大値
時 間
現況振動
予測結果
Aルート
さぎの森小学校
13 時台
50.7
50.6
Bルート
勝瀬沿道B地点
8時台
54.0
54.1
Cルート
谷田橋付近道路
9時台
38.0
37.9
Dルート
花の木中学校南側道路
8時台
48.4
48.4
環境保全目標
65 以下
3-107
第4節
悪
臭
4-1
調査対象地域
煙突排出ガス及び施設からの悪臭の漏えいによる調査対象地域は、計画地及びその周辺
地域とした。
4-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)悪臭の状況
計画地及びその周辺における悪臭の現況を把握するため、次の項目について現地調査を
行った。
①
悪臭の状況
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目につ
いて調査を行った。
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
主な発生源
④
環境関連法令
3-108
第3章
2
生活環境影響調査の結果-悪臭
現況把握方法
(1)調査地点
悪臭の調査地点は、表3-4-1及び図3-4-1~2に示すとおりである。
計画地周辺の現況を把握するため、計画地敷地境界、周辺地域及び上福岡清掃センター
(以下、「既存施設」という。)で実施した。
表3-4-1
調査項目
臭気指数
臭気強度
特定悪臭物質(22 項目)
臭気指数
臭気強度
悪臭の調査地点
調査地点
影響要因
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
直近民家周辺
計画地敷地境界(風上、風下)
下福岡城山公園
既存施設ごみピット前
既存施設敷地境界(風下)
煙突排出ガス
施設からの漏えい
(2)調査時期
悪臭の調査時期は、表3-4-2に示すとおりである。
表3-4-2
悪臭の調査時期
調査項目
特定悪臭物質(22 項目)
臭気指数
臭気強度
調査実施日
夏季-平成 23 年 7月 26 日(火)
(3)調査方法
悪臭の調査方法は、表3-4-3に示すとおりである。
表3-4-3
悪臭の調査方法
調査項目
調査方法
特定悪臭物質(22 項目) 「特定悪臭物質の測定の方法」(昭和 47 環告第9号)
臭気指数
臭気指数及び臭気排出強度の算定の方法
(平成7年9月 13 日環境庁告示第 63 号)
臭気強度
6段階臭気強度表示法
3-109
花の木中学校
上南畑A地点
直近民家周辺
上南畑B地点
みほの公園
:調査地点
花の木中学校
上南畑A地点
上南畑B地点
みほの公園
直近民家周辺
:計画地
図3-4-1
悪臭(煙突排出ガス)の調査地点
3-110
第3章
生活環境影響調査の結果-悪臭
下福岡城山公園
既存施設ごみピット前
既存施設(風下)
計画地敷地境界(風下側)
計画地敷地境界(風上側)
:調査地点
計画地敷地境界(風上、風下)
下福岡城山公園
:既存施設調査地点
ごみピット前
敷地境界(風下)
:計画地
図3-4-2
悪臭(施設からの漏えい)の調査地点
3-111
3
現況把握の結果
(1)悪臭の状況
悪臭の調査結果(煙突排出ガス)は表3-4-4に示すとおりである。
計画地の周辺で実施した臭気指数は、全ての地点で 10 未満であった。
また、臭気強度は1~1.5 で「やっと感知できるにおい」
、
「においの特定はできない」
程度であった。
表3-4-4
調査地点
官能試験
気象
臭気指数
(臭気濃度)
臭気強度
気温(℃)
湿度(%)
風向
風速(m/s)
悪臭の調査結果(煙突排出ガス)
花の木
中学校
上南畑
A地点
上南畑
B地点
みほの
公園
直近民家
周辺
敷地境界線
における
規制基準
(A区域)
10 未満
(10 未満)
1.5
30
59
南西
1.0
10 未満
(10 未満)
1.5
30
60
南
1.5
10 未満
(10 未満)
1.0
29
61
南南西
1.0
10 未満
(10 未満)
1.5
30
61
南南西
0.5
10 未満
(10 未満)
1.5
30
60
南
3.4
15
-
表3-4-5
6段階臭気強度表示法
臭気強度
0
1
2
3
4
5
内容
無臭
やっと感知できるにおい
何のにおいであるかわかる弱いにおい
らくに感知できるにおい
強いにおい
強烈なにおい
悪臭の調査結果(施設からの漏えい)は表3-4-6(1)~(2)に示すとおりである。
計画地及びその周辺で実施した臭気指数は、全ての地点で 10 未満であった。
また、臭気強度は 1.5 で「においの特定はできない」程度であった。
特定悪臭物質濃度は、最もきびしいA区域の規制基準と比較すると、全て基準値を下回る
濃度であった。
既存施設のごみピット前で実施した臭気指数は 32、敷地境界の風下では、10 未満となっ
ていた。同様に臭気強度は 4.5、敷地境界の風下では、1.5 となっていた。
特定悪臭物質濃度は、敷地境界の風下とA区域の規制基準と比較すると、全て基準値を下
回る濃度であった。
3-112
第3章
表3-4-6(1)
悪臭の調査結果(施設からの漏えい)
計画地
敷地境界
(風上)
計画地
敷地境界
(風下)
下福岡
城山公園
敷地境界線にお
ける規制基準
(A区域)
臭気指数
10 未満
10 未満
10 未満
15
(臭気濃度)
(10 未満)
(10 未満)
(10 未満)
-
臭気強度
1.5
1.5
1.5
-
調査地点
官
能
試
験
生活環境影響調査の結果-悪臭
特定悪臭物質濃度
アンモニア
ppm
0.17
0.11
<0.1
1
メチルメルカプタン
ppm
0.00021
<0.0002
<0.0002
0.002
硫化水素
ppm
0.0049
<0.002
<0.002
0.02
硫化メチル
ppm
<0.001
<0.001
<0.001
0.01
二硫化メチル
ppm
<0.0009
<0.0009
<0.0009
0.009
トリメチルアミン
ppm
<0.0005
<0.0005
<0.0005
0.005
アセトアルデヒド
ppm
0.02
0.021
0.02
0.05
プロピオンアルデヒド
ppm
0.0068
0.0077
0.0064
0.05
ノルマルブチルアルデヒド
ppm
<0.0009
<0.0009
<0.0009
0.009
イソブチルアルデヒド
ppm
<0.002
<0.002
<0.002
0.02
ノルマルバレルアルデヒド
ppm
<0.0009
<0.0009
<0.0009
0.009
イソバレルアルデヒド
ppm
<0.0003
<0.0003
<0.0003
0.003
イソブタノール
ppm
<0.09
<0.09
<0.09
0.9
酢酸エチル
ppm
<0.3
<0.3
<0.3
3
メチルイソブチルケトン
ppm
<0.1
<0.1
<0.1
1
トルエン
ppm
<1
<1
<1
10
スチレン
ppm
<0.04
<0.04
<0.04
0.4
キシレン
ppm
<0.1
<0.1
<0.1
1
プロピオン酸
ppm
<0.003
<0.003
<0.003
0.03
ノルマル酪酸
ppm
0.00069
0.00029
0.00033
0.001
ノルマル吉草酸
ppm
<0.00009
<0.00009
<0.00009
0.0009
イソ吉草酸
ppm
<0.0001
<0.0001
<0.0001
0.001
気
温
℃
32
29
30
-
湿
度
%
53
64
60
-
風
向
―
南南西
南
南南西
-
風
速
m/s
2.5
0.5
2.7
-
気象
備考)「<」定量下限値未満を示す。
3-113
表3-4-6(2)
既存施設
(ごみピット前)
既存施設
(風下)
敷地境界線にお
ける規制基準
(A区域)
臭気指数
32
10 未満
15
(臭気濃度)
1,600
(10 未満)
-
臭気強度
4.5
1.5
-
調査地点
官能
試験
悪臭の調査結果(施設からの漏えい)
特定悪臭物質濃度
アンモニア
ppm
<0.1
<0.1
1
メチルメルカプタン
ppm
0.0018
0.0002
0.002
硫化水素
ppm
0.0023
0.0049
0.02
硫化メチル
ppm
0.0043
<0.001
0.01
二硫化メチル
ppm
0.0037
<0.0009
0.009
トリメチルアミン
ppm
0.0011
<0.0005
0.005
アセトアルデヒド
ppm
0.12
0.02
0.05
プロピオンアルデヒド
ppm
0.0058
0.0064
0.05
ノルマルブチルアルデヒド
ppm
0.0096
<0.0009
0.009
イソブチルアルデヒド
ppm
<0.002
<0.002
0.02
ノルマルバレルアルデヒド
ppm
0.0023
<0.0009
0.009
イソバレルアルデヒド
ppm
0.0018
<0.0003
0.003
イソブタノール
ppm
<0.09
<0.09
0.9
酢酸エチル
ppm
<0.3
<0.3
3
メチルイソブチルケトン
ppm
<0.1
<0.1
1
トルエン
ppm
<1
<1
10
スチレン
ppm
<0.04
<0.04
0.4
キシレン
ppm
<0.1
<0.1
1
プロピオン酸
ppm
0.01
<0.003
0.03
ノルマル酪酸
ppm
0.009
0.00015
0.001
ノルマル吉草酸
ppm
0.0017
<0.00009
0.0009
イソ吉草酸
ppm
0.0021
<0.0001
0.001
気
温
℃
30
30
-
湿
度
%
59
61
-
風
向
―
静穏
南
-
風
速
m/s
<0.4
1.5
-
気象
備考)「<」定量下限値未満を示す。
3-114
第3章
生活環境影響調査の結果-悪臭
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地利用の状況は、「第3章 第1節
②
大気質」に示すとおりである。
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、
「第3章 第1節 大気質」に示すとおりである。
③
主な発生源
計画地及びその周辺地域においては、上福岡清掃センターや環境クリーンセンター等
がある。
④
環境関係法令
ア
悪臭に関する規制基準
悪臭防止法では、工場及び事業場を発生源とする悪臭を防止するため、規制地域を
指定し、事業活動に伴って発生する悪臭に対し規制基準を定めることとしている。
埼玉県では「物質濃度規制」もしくは「臭気指数規制」がある。
規制基準の種類と指定状況は図3-4-3に示すとおりであり、ふじみ野市は「臭
気指数規制」が適用される。
出典:「悪臭防止法(物質規制濃度規制)について」埼玉県
図3-4-3
悪臭防止法に基づく規制基準の種類と指定状況
3-115
a
敷地境界線における規制基準
敷地境界線における特定悪臭物質の規制基準は表3-4-7に、臭気指数の規制
基準は表3-4-8に、臭気指数の目安は表3-4-9に示すとおりである。
計画地及びその周辺地域は臭気指数による規制地域となり、A区域が該当する。
表3-4-7
敷地境界線における特定悪臭物質濃度規制(参考)
単位:ppm
区域の区分
特定悪臭物質
アンモニア
メチルメルカプタン
硫化水素
硫化メチル
二硫化メチル
トリメチルアミン
アセトアルデヒド
プロピオンアルデヒド
ノルマルブチルアルデヒド
イソブチルアルデヒド
ノルマルバレルアルデヒド
イソバレルアルデヒド
イソブタノール
酢酸エチル
メチルイソブチルケトン
トルエン
スチレン
キシレン
プロピオン酸
ノルマル酪酸
ノルマル吉草酸
イソ吉草酸
表3-4-8
A区域
B区域
1
1
2
0.002
0.002
0.004
0.02
0.02
0.06
0.01
0.01
0.05
0.009
0.009
0.03
0.005
0.005
0.02
0.05
0.05
0.1
0.05
0.05
0.1
0.009
0.009
0.03
0.02
0.02
0.07
0.009
0.009
0.02
0.003
0.003
0.006
0.9
0.9
4
3
3
7
1
1
3
10
10
30
0.4
0.4
0.8
1
1
2
0.03
0.07
0.07
0.001
0.002
0.002
0.0009
0.002
0.002
0.001
0.004
0.004
出典:「悪臭防止法(物質規制濃度規制)について」埼玉県
敷地境界線における臭気指数規制
区域区分
基準値
A区域(B、C区域以外の区域)
臭気指数 15
B区域(農業振興地域)
臭気指数 18
C区域(工業地域・工場専用地域)
臭気指数 18
出典:平成 23 年度 環境年次報告書 ふじみ野市
表3-4-9
臭気指数
0
5
10
15
20
25
30
35
45
C区域
臭気指数の目安(参考)
におい・かおり
郊外のきれいな空気
工業地域の空気
ウメの花
道路沿道の空気、デパートの化粧品売り場
花火をしている時、トイレの芳香剤
線香、しょうゆ
ガソリンを給油する時、たばこ
コーヒー
にんにくをいためる時のにおい
出典:東京都環境科学研究所年報 2008
3-116
第3章
b
生活環境影響調査の結果-悪臭
煙突等の排出口における規制基準
排出口における特定悪臭物質の規制基準は表3-4-10 に、臭気指数の規制基準は
表3-4-11 に示すとおりである。
表3-4-10
排出口における特定悪臭物質濃度規制(参考)
規制方法
規制内容
物質濃度規制
敷地境界線の基準を用いて悪臭防止法施行規則第3条に定める換算式により算出する。
(アンモニア、硫化水素、トリメチルアミン、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデ
ヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタ
ノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン:計13物質)
出典:「悪臭防止法(物質規制濃度規制)について」埼玉県
表3-4-11
排出口における臭気指数規制
規制方法
規制内容
臭気指数規制
敷地境界線の基準を用いて悪臭防止法施行規則第6条の2に定める換算式により算出する。
出典:平成 23 年度 環境年次報告書
c
ふじみ野市
排出水中における規制基準
排出水中における特定悪臭物質の規制基準は表3-4-12 に、臭気指数の規制基準
は表3-4-13 に示すとおりである。
表3-4-12
排出水の流量
(m3/s)
特定悪臭物質
メチルメルカプタン
硫化水素
硫化メチル
二硫化メチル
排出水中における特定悪臭物質濃度規制(参考)
0.001
0.001
0.1
0.001
0.001
0.1
0.001
0.001
0.1
0.001
0.001
0.1
以下
を超え 0.1 以下
を超過
以下
を超え 0.1 以下
を超過
以下
を超え 0.1 以下
を超過
以下
を超え 0.1 以下
を超過
表3-4-13
A区域
C区域
0.03
0.03
0.06
0.007
0.007
0.01
0.002
0.002
0.003
0.1
0.1
0.3
0.02
0.02
0.07
0.005
0.005
0.02
0.3
0.3
2
0.07
0.07
0.3
0.01
0.01
0.07
0.6
0.6
2
0.1
0.1
0.4
0.03
0.03
0.09
出典:「悪臭防止法(物質規制濃度規制)について」埼玉県
排出水中における臭気指数規制
規制方法
臭気指数規制
排出水中の濃度(mg/L)
B区域
規制内容
敷地境界線の基準を用いて悪臭防止法施行規則第6条の2に定める換算式により算出する。
出典:平成 23 年度 環境年次報告書
3-117
ふじみ野市
4-3
1
予
測
煙突排出ガスに伴う悪臭の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、臭気指数(臭気濃度)とした。
(3)予測方法
①
予測範囲
予測範囲は、悪臭による影響が想定される範囲とし、計画地及びその周辺とした。
②
予測手法
予測手法として、悪臭の知覚時間は30秒間程度とされることから短期高濃度を予測す
ることとした。
③
ア
予測条件
気象条件
風速及び大気安定度を任意に設定し、最も濃度が高くなる気象条件を算出し、予測
濃度とした。
イ
発生源条件
計画施設の発生源条件は、表3-4-14 に示すとおりである。
表3-4-14
項目
排ガス排出量
発生源条件
202 ℃
臭気濃度
500
煙突高さ
備考
14.8 m3N/s
排ガス温度
臭気排出強度
発生源条件
臭気濃度(500)×排ガス排出量(14.8 m3N/s)
7,400
59 m
3-118
第3章
ウ
生活環境影響調査の結果-悪臭
予測計算
予測計算は、
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」(平成 18 年、環境省)に基
づくプルーム拡散式により、煙突から排出される臭気の風向中心軸上における臭気濃
度を予測した。
C( x , y , z ) 
 y2
q
 exp  
 2 2
2  y  z U
y






 z  He
  exp  
2  z2


 t 
 y= y 0   
 tp 
ここで、
 2  


 z  He
exp  
2  z2

2



 
r
C(x,y,z)
: (x,y,z)地点の臭気濃度
U
: 風速(m/s)
He
: 有効煙突高(m)第1節 大気質の煙突排出ガスと同様とした。
x
: 風下距離(m)
y
: x 軸に直角な水平距離(m、風向軸上の予測のため y=0)
z
: 地表面高さ(m)
q
: 臭気排出強度
σy
: 水平方向の煙の広がり幅(m、30 秒間値)
σy0
: 水平方向の煙の広がり幅(m、180 秒間値)
σz
: 鉛直方向の煙の広がり幅(m)
t
: 評価時間(30 秒間)
tp
: パスキル・ギフォード線図の評価時間(180 秒間)
r
: べき指数(0.7)
出典
:「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」(平成 18 年、環境省)
(4)予測結果
予測結果は、表3-4-15 に示すとおりである。
最大着地臭気濃度は0.52、これに対する臭気指数は0(ゼロ)であり、出現距離は風下
側約380mと予測した。
表3-4-15
項目
最大着地臭気濃度
出現距離
最大着地臭気指数
煙突排出ガスに伴う悪臭の予測結果
予測結果
0.52
備考
気象条件
約 380m
0(ゼロ)
:風速1m/s
大気安定度:A(不安定)
臭気指数=10×Log(臭気濃度)
3-119
2
施設からの悪臭の漏えいよる影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設からの悪臭の漏えいとした。
・臭気指数
(3)予測方法
①
予測範囲
予測範囲は、悪臭による影響が想定される範囲とし、計画地及びその周辺とした。
②
予測手法
悪臭は、臭気をもったガスが風に運ばれながら希釈・拡散されている過程で、人に不
快な感覚を及ぼす現象であり、このメカニズムそのものは大気汚染とほぼ同様であるが、
大気中を伝搬する間に化学変化を起こし、人の臭覚が大気中濃度と必ずしも一致せず、
物質間の相互作用等によることが大きいことや、感覚にも個人差があり、定量的な予測
が困難であることが実情である。
また、悪臭物質の発生量についても的確に把握することは難しいため、本事業計画に
おける悪臭防止対策に基づき定性的に予測を行った。
ア
悪臭の発生源
悪臭の発生源は、可燃ごみから発生する臭気であり、それらを貯留及び開放する場
所は、ごみピット及びプラットホームである。
現地調査の結果で既存施設ごみピット前の臭気指数は、32であった。
イ
悪臭防止対策
悪臭防止対策は、ごみピット及びプラットホームからの臭気が外部に漏れないよう
に密閉化を行う計画である。
具体的な対策としては、出入口にはエアカーテン及び自動扉を設置するとともに、
これら室内の臭気を含む空気を押込送風機により吸引し、室内の負圧を維持する。
吸引した空気は焼却用空気として炉内に吹き込み高温燃焼により、臭気を熱分解さ
せ無害・無臭化を図る計画である。なお、炉の点検や整備時においては、活性炭吸着
設備等に吸引し、脱臭処理した後に屋外へ排出する。
現地調査の結果で既存施設の敷地境界(風下)の臭気指数は、10未満であった。
3-120
第3章
生活環境影響調査の結果-悪臭
(4)予測結果
悪臭防止対策の基本は、臭気を発生源から外部に放出させないように密閉化を図ること
である。
このため、悪臭が発生するごみピット及びプラットホームの出入口にはエアカーテン及
び自動扉を設置するとともに、これら室内の臭気を含む空気を押込送風機により吸引し、
室内の負圧を維持する。
また、既存施設における臭気調査の結果は、発生源であるごみピット前では、臭気指数
32であったが、施設内の密閉化や自動扉の設置などの悪臭防止対策により、風下側の敷地
境界では、臭気指数10未満となっている。
以上のことから、悪臭の漏えいはほとんど発生しないものと予測した。
【既存施設の臭気調査結果】
■発生源
ごみピット前 :臭気指数 32
■悪臭防止対策
施設内の密閉化
エアカーテン及び自動扉
空気(臭気)の捕集(負圧化含む)など
■悪臭防止対策の効果
敷地境界(風下):臭気指数 10未満
3-121
4-4
1
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避又は低減されてお
り、必要に応じその他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもので
あるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
煙突排出ガスに伴う悪臭の影響
煙突排出ガスに伴う悪臭に対する環境保全目標は、悪臭防止法等に基づく規制基準の【A
区域】とし、表3-4-16に示すとおり設定した。
表3-4-16
②
煙突排ガスの排出による悪臭に対する環境保全目標
項目
地点
煙突排出ガス
敷地境界
環境保全目標
悪臭防止法等に基づく規制基準【A区域】
臭気指数
15 以下
施設からの悪臭の漏えいによる影響
施設からの悪臭の漏えいに対する環境保全目標は、表3-4-17に示すとおり設定した。
表3-4-17
項目
悪臭の漏えい
施設からの悪臭の漏えいに対する環境保全目標
環境保全目標
大部分の地域住民が日常生活において感知しない程度。
3-122
第3章
2
生活環境影響調査の結果-悪臭
影響の分析結果
(1)煙突排出ガスに伴う悪臭の影響
煙突排出ガスに伴う悪臭の予測結果は、表3-4-18 に示すとおりであり、臭気指数で
0(ゼロ)と予測され、臭気は発生しないと予測した。
本事業の実施にあたっては、高温燃焼により悪臭物質を熱分解して臭気を取り除くこと
で煙突排出ガスによる悪臭の発生を防止するなどの環境保全措置を適切に実施することか
ら、周辺地域に対する生活環境の保全に支障のないもとのと評価した。
【環境保全措置】
① 焼却炉においては、高温燃焼により悪臭物質を熱分解して臭気を取り除く。
② 燃焼の悪化により焼却灰や排ガス中に未燃焼有機物が残留すると悪臭源となるため、十
分な灰の後燃焼とガスの燃焼完結に考慮した炉の設計及び慎重な維持管理を行う。
表3-4-18
項目
最大着地臭気指数
予測結果と環境保全目標との比較
予測結果
環境保全目標
0
15 以下
3-123
(2)施設からの悪臭の漏えいによる影響
悪臭防止対策の基本は、臭気を発生源から外部に放出させないように密閉化を図ること
である。
このため、悪臭が発生するごみピット及びプラットホームの出入口にはエアカーテン及
び自動扉を設置するとともに、これら室内の臭気を含む空気を押込送風機により吸引し、
室内の負圧を維持することで、悪臭の漏えいを防止する。
また、既存施設における臭気調査の結果は、発生源であるごみピット前では、臭気指数
32であったが、施設内の密閉化及び自動扉の設置などの悪臭防止対策により、風下側の敷
地境界では臭気指数10未満となっていることから、悪臭の漏えいはほとんど発生しないも
のと予測した。
以上のことから、施設からの悪臭の漏えいによる影響は、環境保全目標である「大部分
の地域住民が日常生活において感知しない程度。」を満足できるものと評価した。
【環境保全措置】
① 悪臭の発生が想定される箇所は密閉化を原則とする。
② プラットホーム出入り口にはエアカーテン及び自動扉を設置し、外部に臭気が漏えいす
るのを防止する。
③ ごみ投入扉は、必要時以外は閉鎖し、外部に臭気が漏えいするのを防止する。
④ ごみピット内を負圧にすることにより、外部に臭気が漏えいするのを防止する。
⑤ 場内は適宜清掃する。
⑥ ごみ収集車は、汚水が漏えいしないように密閉構造となったものを使用する。
⑦ プラント排水等から発生する悪臭については、適正な排水処理を行った後、施設内で再
利用する。
3-124
第3章
第5節
低周波音
5-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-低周波音
施設の稼働による低周波音の調査対象地域は、騒音と同様とした。
5-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)低周波音の状況
計画地及びその周辺における低周波音の現況を把握するため、次の項目について現地調
査を行った。
① 低周波音の状況
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目につ
いて調査を行った。
① 土地利用の状況
② 人家等の存在状況
③ 主な発生源
④ 環境関連法令
3-125
2
現況把握方法
(1)調査地点
低周波音の調査地点は、表3-5-1及び図3-5-1に示すとおりである。
表3-5-1
調査項目
低周波音の調査地点
調査地点
低周波音
・心身に係る苦情に関する音圧レベル
(G 特性音圧レベル)
・物的苦情に関する音圧レベル
(周波数帯別低周波音圧レベル)
計画地(東側、南側)
直近民家周辺
下福岡城山公園
調査対象
計画地及び周囲からの低周波音を対象と
した。
(2)調査時期
低周波音の調査時期は、表3-5-2に示すとおりである。
表3-5-2
低周波音の調査時期
調査項目
調査実施日
低周波音
・心身に係る苦情に関する音圧レベル
(G 特性音圧レベル)
・物的苦情に関する音圧レベル
(周波数帯別低周波音圧レベル)
調査時間帯
平成 23 年4月 20 日(水)10:00
~4月 21 日(木)10:00
(3)調査方法
低周波音の調査方法は、表3-5-3に示すとおりである。
表3-5-3
低周波音の調査方法
調査項目
低周波音
・心身に係る苦情に関する音圧レベル
(G 特性音圧レベル)
・物的苦情に関する音圧レベル
(周波数帯別低周波音圧レベル)
調査方法
「低周波音の測定方法に関するマニュアル」
(平成 12 年環境庁大気保全局)による。
3-126
24 時間
第3章
生活環境影響調査の結果-低周波音
下福岡城山公園
計画地東側
計画地南側
直近民家周辺
:低周波音調査地点
計画地東側
計画地南側
直近民家周辺
下福岡城山公園
:計画地
図3-5-1
低周波音の調査地点
3-127
3
現況把握の結果
(1)調査結果の概要
①
心身に係る苦情に関する音圧レベル(G特性音圧レベル)
G特性音圧レベルの調査結果は、表3-5-4に示すとおりである。
G特性音圧レベルは 60~76dB であり、心身に係る苦情の参照値である 92dB を下回っ
ていた。
表3-5-4
G特性音圧レベルの調査結果
単位:dB
調査地点
項目
G特性音圧レベル
計画地東側
計画地南側
直近民家周辺
下福岡城山公園
参照値
76
69
65
60
92 以下
備考)1.G特性音圧レベルは、調査回数 24 回における平均値を示す。
2.G特性とは、ISO-7196 で規定された超低周波音(1~20Hz)を人体感覚に評価するための周波数補正特
性を示す。
3.参照値:
「低周波音問題対応の手引書」
(平成 16 年、環境省)に基づき、心身に係る苦情が発生する値を
92dB としている。
3-128
第3章
②
生活環境影響調査の結果-低周波音
物的苦情に係る音圧レベル(周波数帯別低周波音圧レベル)
物的苦情に係る音圧レベル(周波数帯別低周波音圧レベル)の調査結果は、表3-5
-5及び図3-5-2に示すとおりである。
音圧レベルは、いずれの中心周波数においても物的苦情の参照値を下回っていた。
表3-5-5
周波数帯別低周波音圧レベルの調査結果
単位:dB
調査地点
5
6.3
8
周波数帯別低周波音圧レベル(Hz)
10
12.5
16
20
25
計画地東側
47
49
48
54
50
68
58
計画地南側
47
49
49
51
49
59
直近民家周辺
46
48
44
48
47
下福岡城山公園
43
43
42
44
物的苦情の参照値
70
71
72
73
31.5
40
50
55
53
53
57
53
53
52
52
52
55
51
52
50
50
50
46
47
48
49
47
47
47
75
77
80
83
87
93
99
備考)周波数帯別低周波音圧レベルは、調査回数 24 回における平均値を示す。
音圧レベル(dB)
100
80
60
40
20
5
計画地東側
6.3
8
10
計画地南側
図3-5-2
12.5
16
直近民家周辺
20
25
31.5
40
50
中心周波数(Hz)
下福岡城山公園
物的苦情の参照値
周波数帯別低周波音圧レベルの調査結果
3-129
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地の利用状況は、「第3章
②
第1節
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、「第3章
③
大気質」に示すとおりである。
第1節
大気質」に示すとおりである。
主な発生源
計画地周辺の主な低周波音発生源は、上福岡清掃センターや環境センター等がある。
④
環境関連法令
ア
低周波音に係る評価方法
低周波音の評価方法は、
「低周波音問題対応の手引書」(平成 16 年、環境省)に基
づき、表3-5-6に示すとおり整理した。
表3-5-6
低周波音による苦情と測定項目及び評価方法
測定項目
低周波音による苦情
苦情の具体例
評価方法
G特性音圧レベル
心身に係る苦情
不眠・いらだち
92dB 以下
周波数帯別低周波音圧レベル
(1/3 オクターブバンド音圧レベル)
物的苦情
建具等のがたつき
下表参照。
出典:
「低周波音問題対応の手引書」
(平成 16 年、環境省)より整理した。
表3-5-7
低周波音による物的苦情に関する参照値
1/3 オクターブバンド
中心周波数(Hz)
5
6.3
8
10
13
16
20
25
32
40
50
1/3 オクターブバンド
音圧レベル(dB)
70
71
72
73
75
77
80
83
87
93
99
出典:「低周波音問題対応の手引書」(平成 16 年、環境省)
3-130
第3章
5-3
1
予
生活環境影響調査の結果-低周波音
測
施設の稼働に伴う低周波音の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、施設の稼働に伴う低周波音(以下「施設低周波音」という。)の影響とした。
・敷地境界における低周波音レベル
(3)予測方法
予測手法は、現況調査結果に基づく、類似事例から推定する方法とした。
計画施設と上福岡清掃センターの比較は、表3-5-8に示すとおりである。
燃焼設備は、共に全連続燃焼式ストーカ炉であり、処理能力は、計画施設が若干小さい
能力である。また、計画施設の建設位置と上福岡清掃センターの位置は、近傍であり、周
囲の地形は平坦である。
以上のことから、燃焼設備、処理能力、建設位置及び地形等を勘案すると、上福岡清掃
センターが計画施設に類似していると考えられる。
表3-5-8
項
目
計画施設と上福岡清掃センターとの比較
計画施設
上福岡清掃センター
処理対象ごみ
一般廃棄物(家庭系、事業系)
同左
処理能力
142t/日(71t/日×2炉)
燃焼設備
全連続燃焼式ストーカ炉
3-131
180t/日(90t/日×2炉)
同左
(4)予測結果
計画地東側で実施した低周波音調査の結果の概要は、表3-5-9~10 に示すとおりで
あり、「心身に係る苦情の参照値」及び「物的苦情の参照値」ともに下回り、低周波音の
影響は生じていない。
したがって、計画施設の稼働においても、低周波音の影響は生じないものと予測する。
表3-5-9
心身に係る低周波音の調査結果
単位:dB
調査地点
項目
G特性音圧レベル
計画地東側
心身に係る苦情の参照値
76
92 以下
表3-5-10
物的苦情に係る低周波音調査結果
単位:dB
調査地点
5
6.3
8
周波数帯別低周波音圧レベル(Hz)
10
12.5
16
20
25
計画地東側
47
49
48
54
50
68
58
物的苦情の参照値
70
71
72
73
75
77
80
備考)周波数帯別低周波音圧レベルは、調査回数 24 回における平均値を示す。
3-132
31.5
40
50
55
53
53
57
83
87
93
99
第3章
5-4
1
生活環境影響調査の結果-低周波音
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避または低減され、
必要に応じて、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもの
であるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
施設低周波音の影響
施設低周波音の環境保全目標は、
「低周波音問題対応の手引書」
(平成 16 年、環境省)
に基づき、表3-5-11 に示すとおり設定した。
表3-5-11
施設低周波音に対する環境保全目標
項目
環境保全目標
低周波音
92dB 以下
3-133
2
影響の分析結果
(1)施設低周波音
上福岡清掃センターと計画施設の燃焼設備は、共に全連続燃焼式ストーカ炉であり、処
理能力は、計画施設が若干小さい能力である。また、計画施設の建設位置と上福岡清掃セ
ンターの位置は、近傍であり、周囲の地形は平坦である。
以上のことから、燃焼設備、処理能力、建設位置及び地形等を勘案すると、上福岡清掃
センターが計画施設に類似していると考えられる。
類似事例調査に基づく低周波音の予測結果は表3-5-12 に示すとおりであり、環境保
全目標を満足すると予測した。
さらに、低周波音の発生源となる破砕機、粉砕機、送風機、圧縮機、発電機及びタービ
ン等については、建屋への収納、消音器の装着、防音施工を行うなどの環境保全措置を適
切に実施することから、生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 低周波音の発生源となる破砕機、送風機、圧縮機、発電機及びタービン等については、建屋へ
の収納、消音器の装着、防音施工を行う計画である。
② 施設出入口にはシャッターを設け、夜間及び休日についてはシャッターを閉める。
③ 屋上の設備機器については、必要に応じて目隠し板等による遮音や吸音ルーバーを設置する等
の対策を行う。
④ 計画施設の配置は、人家等からできる限り距離をとり、距離による低周波音の減衰を図る。
⑤ 設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な低周波音を回避する。
表3-5-12
予測結果と環境保全目標との比較
単位:dB
調査地点
項目
G特性音圧レベル
計画地東側
環境保全目標
76
92 以下
3-134
第3章
第6節
交通(交通混雑・交通安全)
6-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-交通
廃棄物等運搬車両の走行による交通の調査対象地域は、大気質と同様とした。
6-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)交通の状況
計画地及びその周辺における交通の現況を把握するため、次の項目について現地調査を
行った。
① 交通量の状況
② 交通安全の状況
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目につ
いて調査を行った。
① 土地利用の状況
② 人家等の存在状況
3-135
2
現況把握方法
(1)調査地点
交通の調査地点は、表3-6-1及び図3-6-1~2に示すとおりである。
表3-6-1
交通の調査地点
調査項目
交通量
交通安全
調査地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道A地点
駒林東交差点
勝瀬交差点
勝瀬中学校前(歩行者のみ)
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
さぎの森小学校から駒林東交差点まで
勝瀬中学校から勝瀬交差点まで
(2)調査時期
交通の調査時期は、表3-6-2に示すとおりである。
表3-6-2
調査項目
交通の調査時期
調査地点
調査期間
さぎの森小学校
勝瀬沿道A地点
駒林東交差点
勝瀬交差点
平成 23 年 4月 20 日(水)10 時~
~21 日(木)10 時まで
勝瀬中学校前(歩行者のみ)
平成 23 年 4月 20 日(水)15 時~20 時まで
~21 日(木)7時~9時まで
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
平成 23 年 1月 17 日(火)10 時~
~18 日(水)10 時まで
さぎの森小学校から駒林東交差点まで
勝瀬中学校から勝瀬交差点まで
平成 23 年 4月 20 日(水)及び 21 日(木)
交通量
交通安全
(3)調査方法
交通の調査方法は、表3-6-3に示すとおりである。
表3-6-3
調査項目
交通の調査方法
調査方法
交通量
・自動車等は、カウンターを用いた連続計測により、車種別、時間帯別、方向別交通量
を把握した。
・歩行者は、調査地点の各断面を通過する歩行者・自転車を方向別及び時間別にカウン
ターを使用して計測した。
交通安全
交通安全施設・交通規制を現地踏査により把握した。
3-136
第3章
生活環境影響調査の結果-交通
花の木中学校南側道路
市道 80 号線
国
道
254
号
バ
イ
パ
ス
谷田橋付近道路
市道 98 号線
駒林東交差点
県道 272 号線
さぎの森小学校
富士見市道 5101 号線
勝瀬沿道A地点
勝瀬中学校前(歩行者のみ)
勝瀬交差点
:交通量調査地点
さぎの森小学校
勝瀬沿道A地点
駒林東交差点
勝瀬交差点
勝瀬中学校前(歩行者のみ)
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
:主要走行ルート(現状)
:主要走行ルート(新規)
:計画地
図3-6-1
交通量の調査地点
3-137
国
道
254
号
バ
イ
パ
ス
駒林東交差点
県道 272 号線
さぎの森小学校
富士見市道 5101 号線
勝瀬中学校
勝瀬交差点
:交通安全調査地域
さぎの森小学校から駒林東交差点まで
勝瀬中学校から勝瀬交差点まで
:計画地
図3-6-2
交通安全の調査地域
3-138
第3章
3
生活環境影響調査の結果-交通
現況把握の結果
(1)調査結果の概要
①
交通量の状況
ア
断面交通量
断面交通量の調査結果は表3-6-4に、時間別断面交通量は図3-6-3(1)
~(2)に示すとおりである。
■ さぎの森小学校の断面交通量は、約 6,600 台であり、1時間当たりのピーク台数
は、547 台で7時台に見られた。
■ 勝瀬沿道A地点の断面交通量は、約 1,000 台であり、1時間当たりのピーク台数
は、88 台で 14 時台に見られた。
■ 駒林東交差点の断面交通量は、約 8,100 台であり、1時間当たりのピーク台数は、
656 台で7時台に見られた。
■ 勝瀬交差点の断面交通量は、約 5,400 台であり、1時間当たりのピーク台数は、
495 台で7時台に見られた。
■ 花の木中学校南側道路の断面交通量は、約 12,300 台であり、1時間当たりのピー
ク台数は、900 台で 17 時台に見られた。
■ 谷田橋付近道路の断面交通量は、約 3,500 台であり、1時間当たりのピーク台数
は、261 台で9時台に見られた。
表3-6-4
断面交通量の調査結果(24 時間)
単位:台
四輪車
種別
ごみ収集車
調査地点
小型車
大型車
合計
ふじみ野
三芳
志木※
小計
大型車
混入率
(%)
自 動
二輪車
合計
さぎの森小学校
6,092
91
119
40
18
177
6,360
1.4
196
6,556
勝瀬沿道A地点
865
23
6
18
10
34
922
2.5
45
967
駒林東交差点
7,644
177
47
16
0
63
7,884
2.2
256
8,140
勝瀬交差点
5,126
35
3
33
10
46
5,207
0.7
211
5,418
10,774
1,156
1
3
0
4
11,934
9.7
326
12,260
2,711
543
76
16
0
92
3,346
16.2
106
3,452
花の木中学校南側道路
谷田橋付近道路
備考)志木:志木地区衛生組合のごみ収集車を示す。
3-139
■ さぎの森小学校
(台)
600
500
二輪車
400
大型車
300
ごみ収集車
小型車
200
100
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
1
2
3
4
5
6
7
8
9
(時台)
■ 勝瀬沿道A地点
(台)
100
90
80
70
二輪車
60
大型車
50
ごみ収集車
40
小型車
30
20
10
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
1
2
3
4
5
6
7
8
9
(時台)
■ 駒林東交差点
(台)
700
600
500
二輪車
400
大型車
300
ごみ収集車
小型車
200
100
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
1
2
3
4
5
6
7
8
9
(時台)
■ 勝瀬交差点
(台)
600
500
二輪車
400
大型車
300
ごみ収集車
小型車
200
100
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
図3-6-3(1)
3-140
24
1
2
3
4
5
時間別断面交通量
6
7
8
9
(時台)
第3章
生活環境影響調査の結果-交通
■ 花の木中学校南側道路
(台)
1,000
900
800
700
二輪車
600
大型車
500
400
ごみ収集車
300
小型車
200
100
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
1
2
3
4
5
6
7
8
(時台)
9
■ 谷田橋付近道路
(台)
300
250
二輪車
200
大型車
150
ごみ収集車
小型車
100
50
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
図3-6-3(2)
3-141
24
1
2
3
4
時間別断面交通量
5
6
7
8
9
(時台)
イ
歩行者通行量
歩行者通行量の調査結果は表3-6-5に、時間別歩行者通行量は、図3-6-4
に示すとおりである。
■ さぎの森小学校の歩行者通行量は、約 270 人(8時間)であった。小学生のピ
ークは7時台で 39 人、一般者のピークは8時台で 54 人であった。
■ 勝瀬中学校前の歩行者通行量は、約 540 人(7時間)であった。中学生のピー
クは8時台で 61 人、一般者の通勤時間のピークは8時台で 138 人であった。
表3-6-5
歩行者通行量の調査結果
■ さぎの森小学校
種別
歩行者
自転車
小学生
一般者
合計
小学生
一般者
合計
小学生
合計
8時間
37
61
98
1
166
167
38
227
265
24 時間
98
138
236
8
322
330
106
460
566
一般者
合計
合計
403
542
時間帯
一般者
合計
合計
備考)8時間の時間帯は、8時~16 時までを示す。
■ 勝瀬中学校前
種別
時間帯
7時間
歩行者
自転車
中学生
一般者
合計
中学生
一般者
合計
中学生
合計
40
95
135
99
308
407
139
備考)7時間の時間帯は、7時~9時、15 時~20 時までを示す。
3-142
第3章
生活環境影響調査の結果-交通
■ さぎの森小学校
(人)
60
54
50
39
40
30
20
10
0
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20 21 22
小学生
23 24
一般者
1
2
3
4
5
6
7
8
9
(時台)
■ 勝瀬中学校前
(人)
160
138
140
120
100
80
61
60
40
20
0
7
8
15
中学生
図3-6-4
②
16
一般者
17
18
19
(時台)
時間別歩行者通行量
交通安全の状況
交通安全設備の状況は、図3-6-5~6に示すとおりである。
県道 272 号線の歩道は、両側に歩車道境界ブロックまたはガードレールが整備され、
交差点及び横断歩道には信号機が設置されている。
富士見市道 5101 号線の歩道は、片側に歩車道境界ブロックが整備され、交差点及び
横断歩道には信号機が設置されている。
3-143
横断歩道
横断歩道
横断歩道
横断歩道
横断歩道
県 道
通学路注意徐行
学童横断 注意
3-144
図3-6-5
県 道
通学路
埼 玉
272
横断歩道
横断歩道
交通安全設備(県道 272 号線)
歩車道境界ブロック
埼 玉
272
ガードレール
学童横断 注意
追突注意
横断歩道
横断歩道
カーブミラー
規制表示
歩車道境界ブロック
ガードレール
横断歩道
凡 例
横断歩道
通学路
自動車
この先600m
横断歩道
横断歩道
自動車
3-145
志木
Shiki
横断歩道
ふじみ野
Fujimino
図3-6-6
通学路
通学路 自動車
歩車道境界ブロック
自動車
この先「大型車」
右 折ご 遠 慮
願います
自動車
交通安全設備(富士見市道 5101 号線)
自動車
横断歩道
富士見市役所
ふじみ野駅
Fujimino Sta.
通学路
横断歩道
通学路
凍結注意
カーブミラー
規制表示
歩車道境界ブロック
ガードレール
横断歩道
凡 例
横断歩道
第3章
生活環境影響調査の結果-交通
こ の 先「 大 型 車 」
右 折 ご 遠 慮 願 い ます
富士見 市役所
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地利用の状況は、「第3章
②
第1節
大気質」に示すとおりである。
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、「第3章
第1節
3-146
大気質」に示すとおりである。
第3章
6-3
1
予
生活環境影響調査の結果-交通
測
廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通混雑の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通混雑度とした。
(3)予測方法
① 予測地点
予測地点は、搬入ルートと同様に4地点とした。(既出図3-1-24 P3-55)
Aルート:さぎの森小学校
Bルート:勝瀬沿道B地点
Cルート:谷田橋付近道路
Dルート:花の木中学校南側道路
② 予測手法
交通混雑度の予測フローは、図3-6-7に示すとおりである。
現況交通量と廃棄物等運搬車両の走行台数
予測時間帯の設定
予測地点の道路断面
混雑度の計算
図3-6-7
ア
交通混雑度の予測フロ-
予測計算
予測計算は、現況交通量と廃棄物等運搬車両の走行台数から時間帯ごとの交通混雑
度を算出する。交通混雑度の予測式は、「道路の交通容量」
(昭和 59 年、社団法人日
本道路協会)に基づき、次式により算出した。
C=N×CB×rL×rC×rr×rT
C
N
CB
rL
rC
rr
rT
:可能交通容量(台/時)
:車線数
:基本交通容量(pcu/時)※pcu とは乗用車換算台数
:車線幅員による補正率
:側方余裕幅による補正率
:沿道状況による補正率
:大型車による補正率
3-147
イ
現況交通量及び将来交通量
現況交通量及び将来交通量は、既出表3-1-48(P3-57)に示すとおりである。
ウ
予測時間帯
予測時間帯は、廃棄物等運搬車両の搬入時間を考慮し、8時から16時に設定した。
エ
予測地点の道路断面
予測地点の道路断面は、既出図3-1-25(P3-56)に示すとおりである。
(4)予測結果
交通混雑度の予測結果は、表3-6-6に示すとおりである。
各予測地点における交通混雑度の最大値は 0.20~0.64 と予測する。
表3-6-6
交通混雑度の予測結果
交通混雑度
予測地点
最大値
時 間
現況
交通量
(台)
将来
混雑度
交通量
(台)
混雑度
混雑度の
増減量
さぎの森小学校
8時台
433
0.29
429
0.29
0.0
勝瀬沿道B地点
8時台
450
0.27
460
0.27
0.0
谷田橋付近道路
9時台
261
0.21
252
0.20
-0.01
花の木中学校南側道路
8時台
863
0.63
866
0.64
0.01
3-148
第3章
2
生活環境影響調査の結果-交通
廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通安全の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、施設の稼働が定常的な状態となる時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通安全とした。
(3)予測方法
① 予測地域
予測地域は、現況調査を実施した2箇所とした。
県道 272 号線(さぎの森小学校)
富士見市道 5101 号線(勝瀬中学校)
② 予測手法
予測手法は、主要搬入ルートにおける、安全施設の整備状況をもとに検証する方法に
より行った。
(4)予測結果
現況調査による小中学生の通行量をみると、さぎの森小学校(県道 272 号線)のピーク
時間は7時台で 39 人であった。勝瀬中学校(富士見市道 5101 号線)のピーク時間は8時
台で 61 人であった。
供用時においては、現状と同様に県道 272 号線及び富士見市道 5101 号線が廃棄物等運
搬車両の主要走行ルートとなるが、いずれの路線も歩道が設置され歩車道境界ブロックや
ガードレールにより、歩車道分離がなされている。さらに交差点及び横断歩道には、信号
機が設置されている。
以上のことから、廃棄物等運搬車両の走行による交通安全への影響は小さいものと予測
する。
3-149
6-4
1
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避または低減され、
必要に応じて、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもの
であるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通混雑の影響
交通混雑の環境保全目標は、表3-6-7に示すとおり設定した。
表3-6-7
②
交通混雑度の環境保全目標
項目
環境保全目標
交通混雑度
円滑な交通の処理が可能とされる 1.0 以下とする。
廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通安全の影響
交通安全の環境保全目標は、表3-6-8に示すとおり設定した。
表3-6-8
項目
交通安全
交通安全の環境保全目標
環境保全目標
生活環境の保全に支障のないこと。
3-150
第3章
2
生活環境影響調査の結果-交通
影響の分析結果
(1)廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通混雑の影響
交通混雑度の予測結果は、表3-6-9に示すとおり、各予測地点の最大値で 0.20~
0.64 となり、環境保全目標である「円滑な交通の処理が可能とされる 1.0 以下」を満足す
ると予測する。
さらに本事業の実施にあたっては、廃棄物等運搬車両が特定の時間帯に集中しないよう、
運行管理を徹底するなどの環境保全措置を適切に実施することから、周辺地域の生活環境
の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 収集計画を十分に検討し、特定の時間帯に車両が集中しないよう、適切な運行管理
を行う。
② ごみの発生量を抑制することで廃棄物等運搬車両の走行台数の削減を図る。
表3-6-9
予測結果と環境保全目標との比較
交通混雑度
予測地点
最大値
時 間
現況
交通量
(台)
将来
環境保全目標
混雑度
交通量
(台)
混雑度
さぎの森小学校
8時台
433
0.29
429
0.29
勝瀬沿道B地点
8時台
450
0.27
460
0.27
谷田橋付近道路
9時台
261
0.21
252
0.20
花の木中学校南側道路
8時台
863
0.63
866
0.64
1.0 以下
3-151
(2)廃棄物等運搬車両の走行に伴う交通安全の影響
交通安全の状況について、廃棄物等運搬車両の主要走行ルートである県道 272 号線及び
富士見市道 5101 号線は、いずれの路線も歩道が設置されているとともに、歩車道境界ブ
ロックやガードレールにより、歩車道分離がなされている。
また、交差点及び横断歩道には、信号機が設置されていることから、廃棄物等運搬車両
の走行による交通安全への影響は小さいものと予測する。
さらに本事業の実施にあたっては、廃棄物等運搬車両の走行が特定の時間帯に集中しな
いよう、運行管理を徹底するなどの環境保全措置を適切に実施することから、周辺地域の
生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
① 廃棄物等運搬車両の走行にあたっては、制限速度を厳守し、交通安全に配慮する。
② 運搬業者に対して、安全教育の徹底について指導・要請を行う。
③ ごみの発生量を抑制することで廃棄物等運搬車両の走行台数の削減を図る。
④ 直接搬入車両の走行にあたっては、規制速度の厳守等、交通安全の協力を要請する。
3-152
第3章
第7節
景
7-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-景観
観
施設の存在に伴う景観の調査対象地域は、計画地及びその周辺地域とした。
7-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)景観の状況
計画地及びその周辺における景観の現況を把握するため、次の項目について現地調査を
行った。
①
眺望地点からの景観
(2)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目について
調査を行った。
2
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
環境関連法令
現況把握方法
(1)調査地点
調査地点は、本事業の実施に伴い景観が変化すると想定される計画地周辺のうち、人が
集まりやすく利用頻度や滞留度の高い地点、計画地が比較的広範囲に見渡せる場所等を考
慮し、計画地周辺の2地点を抽出した。
眺望地点の概要は表3-7-1に、位置は図3-7-1に示すとおりである。
表3-7-1
地点名
眺望地点の概要
標高
(m)
計画地までの距離
(m)
眺望A地点
約 5.4
約 550
眺望B地点(びん沼自然公園)
約 6.8
約 950
(2)調査時期
調査時期は、平成 22 年 12 月1日(水)に実施した。
(3)調査方法
調査方法は、現地踏査及び写真撮影により把握した。
3-153
備考
計画地の標高は
約 6.8m
眺望B地点
(びん沼自然公園)
眺望A地点
:調査地点
眺望A地点
眺望B地点(びん沼自然公園)
:計画地
図3-7-1
景観の調査地点
3-154
第3章
3
生活環境影響調査の結果-景観
現況把握の結果
(1)調査結果の概要
①
眺望地点からの景観
眺望地点からの景観の状況は、表3-7-2に示すとおりである。
表3-7-2
地点名
眺望A地点
眺望B地点
(びん沼自然
公園)
眺望地点からの景観の状況
景観の状況
景観写真
計画地から西側
約 550mに位置す
る田畑からの眺望
である。
計画地に隣接す
る環境クリーンセ
ンターや上福岡清
掃センターの建物
や煙突が視認でき
る。
計画地
計画地から北東
側約 950mに位置
するびん沼自然公
園駐車場入口から
の眺望である。
計画地に隣接す
る上福岡清掃セン
ターの煙突や遠方
に富士山が視認で
きる。
計画地
3-155
(2)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地の利用状況は、「第3章
②
第1節
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、「第3章
③
大気質」に示すとおりである。
第1節
大気質」に示すとおりである。
環境関連法令
ア
景観に関する規制基準
景観法及び埼玉県景観条例等に基づき、景観形成基準を定めている。
埼玉県では、県全域を景観計画区域とし、計画地及びその周辺地域は、
「田園区域」
に該当する。
景観形成基準等の概要は、表3-7-3に示すとおりである。
表3-7-3
景観形成基準等の概要
項目
対象施設
内容
高さ15メートルを超えるなどの大規模な建築物
区域区分
田園区域
水田、畑、水路、平地林、斜面林、社寺林、集落や屋敷林の織り成す郷土性豊か
な田園景観の広がりなど。
遠景~中景
a 広域的な観点から景観上の特性を踏まえ、地域の景観に与える影響に留意する
(広域景観の中で
こと。
のあり方)
b 山の稜線や神社仏閣などの地域の優れた眺望を大切にし、道路その他の公共の
場所における視点場からの眺望の保全に配慮すること。
中景~近景
a 建築物の外壁や物件の堆積の遮蔽物など、外観を構成するものは、周辺の景観
(周辺景観の中で
と調和した素材や色彩とすること。また、外観を構成するものに照明を行う場
のあり方)
合は、周辺の景観と調和した光色等とすること。
b 建築物等の大きさは、周辺の景観との連続性に配慮し、圧迫感を生じないよう
にすること。
c 建築物等の形態は、周辺のまち並みや建築物の形態と調和した形態とするこ
と。外観を構成するものは、周辺の景観との連続性に配慮し、位置をそろえる
こと。
建築物等のデザイン a 外壁など外観を構成するものは、原色に近い色彩や点滅する照明は避けるこ
と。多色使い又はアクセント色の使用に際しては、使用する色彩相互の調和、
使用する量のバランスに十分配慮すること。
b 屋外階段は、建築物本体と調和した外形及び色彩とすること。
c 屋上設備等は、外部から直接見えにくいように壁面、ルーバー等で囲うこと。
ルーバー等は建築物本体と調和する外形及び色彩とすること。
d 敷地内には、県産植木類等、地域の景観に調和した樹種を植栽すること。それ
らは道路等の公共空間に面する部分に植栽すること。
e 資材等を堆積する場合は、人の目線より低く整然と堆積し、堆積物の周辺は植
栽等で遮蔽すること。
出典:「埼玉県景観計画」埼玉県より作成
田園区域の守るべき特性
景観形成基準(配慮事項)
3-156
第3章
7-3
1
予
生活環境影響調査の結果-景観
測
施設の存在に伴う景観の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、工事が完了し、計画施設が存在する時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、眺望地点からの眺望の変化の程度とした。
(3)予測方法
①
予測地点
予測地点は、現況調査を行った眺望地点の2地点とした。
②
予測方法
現況写真に完成予想図を合成したフォトモンタージュを作成し、定性的に予測した。
なお、建築物の表現のうち、色彩、意匠等の詳細な部分については、モデルスタディと
して扱うものとする。
3-157
(4)予測結果
計画施設の存在に伴う眺望地点からの眺望の変化の程度は表3-7-4及び写真3-
7-1~2に示すとおりである。
表3-7-4
眺望地点からの眺望の変化の程度
地点名
眺望A地点
眺望の変化の程度
写真
計画地に隣接する環境クリーンセンターや上福岡清掃セ
ンターの建築物横に計画施設が眺望されるようになる。
これら建築物より計画施設は若干高くなるものの、周辺構
造物等と一体的な景観となるため眺望の変化の程度は少な
写真3-7-1
いものと予測する。
眺望B地点
(びん沼自然公園)
上福岡清掃センターの煙突後方に計画施設が眺望される
ようになる。
計画施設の手前には特別養護老人ホーム「秋桜園秋桜の里
かみふくおか」や周辺集落などの建築物が存在し、周辺建築
物と一体的な景観となるため眺望の変化の程度は少ないも
のと予測する。
3-158
写真3-7-2
第3章
備考)上段
現況、下段
生活環境影響調査の結果-景観
施設の存在時
写真3-7-1
景観予測結果(眺望A地点)
3-159
備考)上段
現況、下段
施設の存在時
写真3-7-2
景観の予測結果(眺望B地点:びん沼公園)
3-160
第3章
7-4
1
生活環境影響調査の結果-景観
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避または低減され、
必要に応じて、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされているもの
であるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
施設の存在に伴う景観の影響
施設の存在に伴う景観に対する環境保全目標は、表3-7-5に示すとおり設定した。
表3-7-5
項目
眺望の変化
施設からの悪臭の漏えいに対する環境保全目標
環境保全目標
周辺環境と調和を保つこと。
3-161
2
影響の分析結果
計画施設は、計画地周辺にある建築物や構造物等と一体的な景観となるため、眺望地点か
らの眺望の変化の程度は、少ないものと予測する。
さらに本事業の実施にあたっては、埼玉県の景観成形基準に基づき、周辺環境にふさわし
い建物色彩や形状を検討する等の環境保全措置を実施することから、周辺環境との調和が保
たれるものと評価する。
【環境保全措置】
① 実施設計においては、埼玉県の景観成形基準に基づき、周辺環境にふさわしい建物色
彩や形状を検討する。
② 計画施設は、コンパクト化を図るため、合棟(熱回収施設及びリサイクルセンター)
を基本とする。
③ 建物高さは、可能な限り低く抑え、景観に配慮した形状とする。
④ 煙突は、計画施設と一体とするなど、可能な限り高さを感じさせないように配慮する。
⑤ 煙突は、白煙防止機能を備えた設備設計とする。
⑥ 計画地内には、樹木ゾーンや法面等の緑化を行うことで周辺環境との調和を図る。
⑦ 施設のデザイン計画として、壁面・屋上緑化、色彩はアースカラーなどとし、周辺環
境との調和を図る。
3-162
第3章
第8節
日照阻害
8-1
調査対象地域
生活環境影響調査の結果-日照阻害
施設の存在に伴う日照阻害の影響による調査対象地域は、計画地及びその周辺地域とした。
8-2
1
現況把握
現況把握項目
(1)自然的条件及び社会的条件
計画地及びその周辺における自然的条件及び社会的条件を把握するため、次の項目について
調査を行った。
①
土地利用の状況
②
人家等の存在状況
③
環境関係法令
3-163
(1)自然的条件及び社会的条件
①
土地利用の状況
土地利用の状況は、「第3章 第1節
②
大気質」に示すとおりである。
人家等の存在状況
人家等の存在状況は、
「第3章 第1節 大気質」に示すとおりである。
③
環境関係法令
建築基準法及び埼玉県条例に基づく日影の制限は表3-8-1に示すとおりである。
日影の規制は、都市計画の用途地域に応じて、冬至日の真太陽時の8時から16時まで
の間に、一定時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならな
い。
表3-8-1
制限を受ける
建築物
区域
用途地域の
指定のない区域
高さが 10 mを
超える建築物
日影による中高層の建築物の制限
建築物の容積率に
関する区域
敷地境界線からの
水平距離が5mを超える
範囲における日影時間
敷地境界線からの
水平距離が 10mを超える
範囲における日影時間
200%区域
5時間
3時間
出典:建築基準法(第 56 条、第 56 条の2)及び埼玉県条例建築基準法施行条例(第8条2)より作成
3-164
第3章
8-3
1
予
生活環境影響調査の結果-日照阻害
測
施設の存在に伴う日照阻害の影響
(1)予測対象時期
予測対象時期は、工事が完了し、施設が存在する時期とした。
(2)予測項目
予測項目は、日影の範囲及び日影となる時刻とした。
(3)予測方法
①
予測範囲
予測範囲は、日影による影響が想定される範囲とし、計画地及びその周辺とした。
②
予測手法
事業計画等の予測条件に基づいたコンピューターシミュレーションを用いて、建築物
による時刻別日影図(8時から16時の各時刻における建築物の影を示した図)及び等時
間日影図(冬至日に建築物の影が連続5時間又は3時間の影の範囲を示した図)を作成
し、予測した。なお、計画施設以外の既存建築物や塀等による日影は考慮しない。
ア
予測フロー
予測フローは、図3-8-1に示すとおりである。
事業計画
コンピューターシミュレーションによる
時刻別日影図及び等時間日影図の作成
日照阻害への影響について予測
図3-8-1
日影予測フロー
3-165
イ
予測条件
日影予測に係る予測条件は、表3-8-2に示すとおりである。
表3-8-2
項
日影予測に係る予測条件
目
条
件
(建物)
高さ:約 35m,建物面積:約 80m×約 50m=約 4,000m2
(煙突)
高さ:約 59m
熱回収施設
リサイクルセンター
高さ:約 20m,建物面積:約 40m×約 50m=約 2,000m2
余熱利用施設
高さ:約 15m,建物面積:約 45m×約 40m=約 1,800m2
予測時期
冬至日、夏至日(時刻別日影図のみ)
予測時間帯
真太陽時※の8時から 16 時(8時間)
予測に用いた緯度・経度
北緯 36 度
東経 139.723 度
備考)真太陽時:ある場所において太陽が真南(南中)にあるとき、その場所の正午として時刻設
定したもの。
3-166
第3章
生活環境影響調査の結果-日照阻害
(4)予測結果
①
冬至日における日影予測
冬至日における日影予測結果は、表3-8-3及び図3-8-2~3に示すとおりで
ある。敷地境界を超える日影は、全ての予測時間(8時から16時まで)において、計画
地の北西側から東側にかけて発生した。
このうち煙突による日影は、8時において敷地境界から北西側に最大約390mの地点ま
で達すると予測した。
(図3-8-2参照。)
また、建築基準法等に係る日影制限(5時間及び3時間)の等時間日影は、敷地境界
から水平距離5m及び10mを超えると予測した。
(図3-8-3参照。
)
②
夏至日における日影予測
夏至日における日影予測結果は、表3-8-4及び図3-8-4に示すとおりである。
敷地境界を超える日影は、8時から10時までの3時間において、計画地の西側に発生
した。
このうち日影の最大は、8時において計画地の敷地境界から西側に最大約30mの地点
まで達すると予測した。
(図3-8-4参照。
)
表3-8-3
区分
冬至日
項目
予測結果
敷地境界を超える日影発生時間
8時から 16 時(8時間全て)
日影最大距離
北西側約 390m
人家等への影響
予測した日影範囲内に人家等は存在しない。
表3-8-4
区分
夏至日
冬至日における日影予測結果
夏至日における日影予測結果
項目
予測結果
敷地境界を超える日影発生時間
8時から 10 時(3時間)
日影最大距離
西側約 30m
人家等への影響
予測した日影範囲内に人家等は存在しない。
農作物等への影響
日影時間は8時から9時までの1時間程度。
3-167
10:00
8:00
12:00
14:00
時刻別日影線(8時から 16 時)
:計画地
図3-8-2
時刻別日影図(冬至日)
3-168
16:00
第3章
生活環境影響調査の結果-日照阻害
5時間
3時間
敷地境界線から
敷地境界線から
の水平距離が 10 m
の水平距離が 5 m
敷地境界からの水平距離が5m
敷地境界からの水平距離が 10m
敷地境界線からの水平距離が5m
時刻別敷地境界線からの水平距離
等時間日影線 5時間
敷地境界線からの水平距離が 10m
等時間日影線 3時間
:計画地
図3-8-3
等時間日影図(冬至日)
3-169
12:00
14:00
10:00
16:00
8:00
時刻別日影線(8時から 16 時)
:計画地
図3-8-4
時刻別日影図(夏至日)
3-170
第3章
8-4
1
生活環境影響調査の結果-日照阻害
影響の分析
影響の分析方法
(1)影響の回避または低減に係る分析
事業の実施に伴う環境への影響が、事業者により実行可能な範囲で回避又は低減されて
おり、必要に応じ、その他の方法により環境の保全についての配慮が適正になされている
ものであるか否かについて評価する。
(2)環境保全目標との比較
①
施設の存在に伴う日照阻害の影響
施設の存在に伴う日照阻害の環境保全目標は、表3-8-5に示すとおりとした。
表3-8-5
項目
日照阻害
日照阻害の環境保全目標
環境保全目標
生活環境の保全に支障のないこと。
3-171
2
影響の分析結果
(1)施設の存在に伴う日照阻害の影響
日照阻害の影響を予測した結果は、冬至日においては、日影が計画地周辺に広範囲に発
生すると予測したが、範囲内に人家等は存在しないことから、生活環境に対する影響は少
ないと予測した。
一方、夏至日においても、計画地周辺に日影が発生すると予測したが、農作地における
日影時間は8時から9時までの1時間程度であることから、農作物に対する影響は少ない
と予測した。
さらに本事業の実施にあたっては、熱回収施設の建物形状及び高さについて、日影を考
慮し、詳細設計を行うなどの環境保全措置を適切に実施することから、周辺地域に対する
生活環境の保全に支障のないものと評価した。
【環境保全措置】
①
計画施設は、周辺人家等から遠い計画地内の北西側に配置する。
②
熱回収施設の建物形状及び高さについて、日影を考慮した詳細設計を行う。
3-172
第4章
総 合 的 な 評 価
第4章
第4章
第1節
総合的な評価
総合的な評価
現況把握、予測、影響の分析の結果の整理
本事業は、両市町が計画している広域ごみ処理施設の整備・運営事業である。
本事業の実施により生活環境に及ぼす影響について、事業計画及び計画地とその周辺地
域の状況を考慮のうえ項目を選定し、現地調査を実施して予測、影響の分析を行った。
本事業は、選定した調査項目(大気質、騒音、振動、悪臭、低周波音、交通、景観及び
日照阻害)において、いずれの項目においても生活環境に及ぼす影響を可能な限り回避又
は低減するように努めており、環境保全目標を満足できるものと評価した。
さらに、環境保全措置を適切に実施することから、総合的に見ても生活環境の保全に支
障のないものと評価した。
4-1
第2節
施設の設置に関する計画に反映した事項及びその内容
施設の設置に関する計画に反映した事項及びその内容は、表4-2-1(1)~(2)
に示すとおりである。
表4-2-1(1)
施設の設置に関する計画に反映した事項及びその内容
影響要因
環境保全措置

各種規制基準等より厳しい煙突排出ガスの自主規制値を定め、処理効率の高い
排出ガス設備を導入する。
煙突排出ガス
大気質

排ガス(有害物質等)や燃焼温度の連続測定機器を設置する。

粉じん発生箇所は、全て建屋内に収容する。

施設内負圧化による外部への飛散を防止する。

設備機器は防じんカバー等により、粉じんの発生・飛散しにくい構造を採用す
る。
施設の稼働

粉じん発生箇所から吸引し、集じん器による処理を行う。

プラットホーム出入り口にはエアカーテン及び自動扉を設置し、外部に粉じん
が飛散するのを防止する。
騒音
施設の稼働
振動

低騒音型の設備機器を採用する。

騒音発生源は、全て建屋内に収容する。

必要に応じて内壁等に吸音材を設置する。

できる限り敷地境界までの距離をとり、距離による騒音の減衰を図る。

低振動型の設備機器を採用する。

振動を発生する設備機器は、発生源の程度に応じ、コンクリート基礎、防振ゴ
施設の稼働
煙突排出ガス
ム等を用いた構造とし、振動の伝搬抑制を図る。
悪臭

焼却炉においては、高温燃焼により悪臭物質を熱分解して臭気を取り除く。

悪臭の発生が想定される箇所は密閉化を原則とする。

プラットホーム出入り口にはエアカーテン及び自動扉を設置し、外部に臭気が
漏えいするのを防止する。
施設からの悪臭
の漏えい

ごみ投入扉は、必要時以外は閉鎖し、外部に臭気が漏えいするのを防止する。

ごみピット内を負圧にすることにより、外部に臭気が漏えいするのを防止する。

ごみ収集車は、汚水が漏えいしないように密閉構造となったものを使用する。

プラント排水等から発生する悪臭については、適正な排水処理を行った後、施
設内で再利用する。
4-2
第4章
表4-2-1(2)
総合的な評価
施設の設置に関する計画に反映した事項及びその内容
影響要因
環境保全措置

低周波音の発生源となる破砕機、送風機、圧縮機、発電機及びタービン等につ
低周波音
いては、建屋への収納、消音器の装着、防音施工を行う計画である。

施設の稼働
屋上の設備機器については、必要に応じて目隠し板等による遮音や吸音ルーバ
ーを設置する等の対策を行う。

計画施設の配置は、人家等からできる限り距離をとり、距離による低周波音の
減衰を図る。

実施設計においては、埼玉県の景観成形基準に基づき、周辺環境にふさわしい
建物色彩や形状を検討する。

計画施設は、コンパクト化を図るため、合棟(熱回収施設及びリサイクルセン
ター)を基本とする。
景観
施設の存在

建物高さは、可能な限り低く抑え、景観に配慮した形状とする。

煙突は、計画施設と一体とするなど、可能な限り高さを感じさせないように配
慮する。

煙突は、白煙防止機能を備えた設備設計とする。

計画地内には、樹木ゾーンや法面等の緑化を行うことで周辺環境との調和を図
る。

施設のデザイン計画として、壁面・屋上緑化、色彩はアースカラーなどとし、
周辺環境との調和を図る。
日照阻害
施設の存在

計画施設は、周辺人家等から遠い計画地内の北西側に配置する。

熱回収施設の建物形状及び高さについて、日影を考慮した詳細設計を行う。
4-3
第3節
維持管理に関する計画に反映した事項及びその内容
維持管理に関する計画に反映した事項及びその内容は、表4-3-1(1)~(2)に
示すとおりである。
表4-3-1(1)
維持管理に関する計画に反映した事項及びその内容
影響要因
煙突排出ガス
環境保全措置
大気質

排ガス(有害物質等)や燃焼温度の連続測定を実施し、常時監視する。

各設備は定期点検を実施し、常に正常な運転を行うように維持管理を徹底する。

ごみの分別回収等の推進を図り、適切な可燃ごみの焼却に努める。

一般廃棄物ごみ処理基本計画に基づき、ごみの発生量を削減する。

運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、空ぶかしの禁止
について指導・要請を行っていく。
廃棄物等運搬
車両の走行
施設の稼働

運搬業者に対して、始業前点検を励行し、不良な車両等の使用禁止や適正な運
行管理の徹底を指導・要請する。

収集業者の車両更新時には、低公害車等の積極的な導入を要請する。

収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。

ほこりや粉じんが発生しやすい箇所には、散水設備を設け適宜散水する。

施設内及び場内は、適宜清掃し、粉じんの発生を防止する。

設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な騒音を回避す
施設の稼働
騒音
る。

廃棄物等運搬
車両の走行
運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、空ぶかしの禁止
について指導・要請を行っていく。

収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。

設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な振動を回避す
施設の稼働
振動
る。

廃棄物等運搬
車両の走行
運搬業者に対して、制限速度の遵守、アイドリングストップ、急発進・急加速
をしないなどのエコドライブについて指導・要請を行っていく。

収集車両の分散化を図るため、計画的な収集計画を検討する。

燃焼の悪化により焼却灰や排ガス中に未燃焼有機物が残留すると悪臭源となる
ため、十分な灰の後燃焼とガスの燃焼完結に考慮した炉の設計及び慎重な維持
煙突排出ガス
悪臭
管理を行う。

場内は適宜清掃する。
施設からの悪臭
の漏えい
4-4
第4章
表4-3-1(2)
総合的な評価
維持管理に関する計画に反映した事項及びその内容
影響要因
環境保全措置
低周波音

施設出入口にはシャッターを設け、夜間及び休日についてはシャッターを閉め
る。
施設の稼働

設備機器の使用にあたっては、点検・整備を十分に行い、不要な低周波音を回
避する。

交通
廃棄物等運搬車両の走行
交通
混雑
収集計画を十分に検討し、特定の時間帯に車両が集中しないよう、適切な運行
管理を行う。

ごみの発生量を抑制することで廃棄物等運搬車両の走行台数の削減を図る。

廃棄物等運搬車両の走行にあたっては、制限速度を厳守し、交通安全に配慮す
る。
交通
安全

運搬業者に対して、安全教育の徹底について指導・要請を行う。

ごみの発生量を抑制することで廃棄物等運搬車両の走行台数の削減を図る。

直接搬入車両の走行にあたっては、規制速度の厳守等、交通安全の協力を要請
する。
4-5
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