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スポーツ・文化複合施設基本計画

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スポーツ・文化複合施設基本計画
スポーツ・文化複合施設基本計画
平成 23 年 10 月
川
崎 市
<目次>
1 策定の趣旨・これまでの検討経緯............................................. 1
1-1 策定の趣旨 ............................................................. 1
1-2 検討経緯 ............................................................... 1
1-3 富士見周辺地区整備実施計画との整理 ...................................... 2
2 既存施設の概要と利用者ニーズの把握 ......................................... 7
2-1 既存施設の概要.......................................................... 7
2-2 利用者ニーズの把握...................................................... 9
3 スポーツ・文化複合施設の整備に当たっての考え方 ............................ 23
3-1 施設整備の課題......................................................... 23
3-2 課題解決の方向性....................................................... 23
3-3 整備に当たっての基本的な考え方 ......................................... 24
4 スポーツ・文化複合施設の基本方針 .......................................... 26
4-1 建設予定地及び周辺環境................................................. 26
4-2 施設の基本的機能及び性能等............................................. 27
5 事業手法及び整備の進め方 ................................................. 40
5-1 事業手法 .............................................................. 40
5-2 整備の進め方 .......................................................... 41
参考資料:仮称市民アリーナ基本計画検討委員会について ......................... 42
1. 設置要綱 ................................................................ 42
2. 委員名簿 ................................................................ 44
3. 開催日程及び検討事項..................................................... 44
1
策定の趣旨・これまでの検討経緯
1-1
策定の趣旨
この「スポーツ・文化複合施設基本計画」は、富士見周辺地区整備と連携しながら、
スポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点機能の強化を図ることを目的として、
富士見周辺地区に建設するスポーツ・文化複合施設の整備を推進するために策定する
ものです。
1-2
検討経緯
富士見周辺地区には、富士見公園を中心に様々な市民利用施設が集積しており、市
民の憩いの場やスポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点となっていますが、公
園本来の緑地や広場が尐なく、施設の老朽化などの課題もあり、都心における総合公
園としての機能回復や、スポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点機能強化が求
められています。
そこで、本市では、平成 17 年 3 月、川崎市の総合計画「川崎再生フロンティアプ
ラン」の重点戦略プランに、「富士見公園や周辺一般利用施設の今後のあり方を踏ま
えた総合的・一体的な整備に向けて富士見周辺地区整備基本計画を策定し推進するこ
と」を位置づけ、さらに平成 19 年 3 月、「川崎市都市計画マスタープラン川崎区構
想」の中では、「都市のオアシス空間として、緑豊かなくつろぎの場やスポーツ・レ
クリエーション活動の場とする」という富士見公園の再整備に向けた基本的な方向性
を示しました。
平成 19 年 10 月には、「富士見周辺地区整備基本計画策定検討会」を発足させて、市
民や学識経験者の方々と議論を重ね、パブリックコメント手続を経て、富士見周辺地
区の課題解決に向けた具体的な道筋を示すものとして平成 20 年 3 月に「富士見周辺
地区整備基本計画」を取りまとめました。
平成 22 年 3 月、この基本計画に基づき、各施設の整備の考え方を中心に当面整備
すべき内容について検討を行い、市民意見募集を実施したうえで市民や関係団体等か
らの幅広い意見を反映した「富士見周辺地区整備基本計画に基づく整備の考え方(改
訂版)」を取りまとめました。
また、平成 21 年 9 月に発足した施設利用団体等を委員とする「仮称市民アリーナ
基本計画検討委員会」が、スポーツ施設及びホールの機能・規模に関する内容をまと
めた「スポーツ・文化複合施設(仮称市民アリーナ)基本計画素案」を平成 22 年 3 月
に作成しました。
平成 22 年度においては、これらの計画等を踏まえつつ、タウンミーティングやパ
ブリックコメント手続を経て策定する「川崎再生フロンティアプラン第3期実行計
1
画」との調整を行い、公園区域全体の整備の進め方、各施設の整備方針、整備手順な
ど今後の整備の進め方を「富士見周辺地区整備実施計画」として、平成 23 年 3 月に
取りまとめました。この計画は、これらの成果を踏まえて策定するものです。
スポーツ・文化複合施設整備に関する検討経緯
平成19年度
平成20年度
平成21年度
基本計画に基づく整
備の考え方の策定
(21年12月)
富士見周辺地区整
備の取組
富士見周辺地区整
備基本計画の策定
(20年3月)
基本計画を踏まえ
た具体的検討
スポーツ・文化複合
施設整備の取組
1-3
平成22年度
第3期
実行計画の策定
(23年3月)
市民意見募集
基本計画に基づく整
備の考え方(改訂版)
の策定
(22年3月)
富士見周辺地区整
備実施計画の策定
スポーツ・文化複合
施設基本計画素案の
作成
(22年3月)
地質調査など
施設整備に向けた
調査・検討
(23年3月)
富士見周辺地区整備実施計画との整理
上位計画である「富士見周辺地区整備実施計画」では、スポーツ・文化複合施設の
整備に関連する項目を次のとおり整理しています。
(1)富士見周辺地区全体の整備目標
富士見周辺地区の課題解決を図るため、「富士見公園の再生」と「スポーツ・
文化・レクリエーション活動の拠点機能の強化」の2つを整備目標に定めていま
す。
2
(2)富士見周辺地区整備実施計画の対象地域
富士見周辺地区整備実施計画では、富士見周辺地区の約 21.7ha を計画対象区
域としています。また、周辺のまちづくりとの連携など、今後配慮していくべき
ことを踏まえながら段階的な整備を図るとともに、再編整備を計画的に推進する
ため、事業の関連性があり、調整を図る必要があるグループとして、富士見公園
のエリアを「Aグループ」と「Bグループ」に分け、再編整備を進めるとしてい
ます。
このうち、「Aグループ」については、施設の老朽化や教育文化会館ホール代
替機能への対応に配慮する必要があるとして「スポーツ・文化複合施設」を優先
的に整備するとしています。
※Aグループ
教育文化会館・川崎市体育館・児童プール・テニスコート・弓道場・相撲場・駐車場等
※Bグループ
川崎競輪場・長方形競技場・エントランスゾーン等
3
(3) 富士見周辺地区内の施設等の整備方針
①スポーツ・文化複合施設の整備方針
スポーツ・文化複合施設の「体育館機能」と「ホール機能」について、音響や
客席などの技術的な検討等を進めた結果、体育館機能とホール機能を別に設置し
て整備していくことを明らかにしています。
また、利用者の安全性や利便性の観点から、基本機能を地上で整備する配置と
し、現在の体育館、児童プール及びテニスコート2面の敷地に整備していくとし
ています。なお、体育館機能における客席数は、とどろきアリーナとの役割分担
や競技上必要な大体育室空間の大きさなどを踏まえて 1,300 席程度を想定し、ホ
ール機能における客席数は、教育文化会館の客席数などを踏まえて 2,000 席程度
を想定するとしています。また、北側施設の弓道場(和弓・洋弓)については、ス
ポーツ・文化複合施設への複合化を行います。
以上の状況を踏まえた整備の考え方は次のとおりです。
【参考】弓道場を除く北側施設の整備方針(テニスコート・駐車場・児童プール・相撲場)
テニスコート・駐車場・児童プール・相撲場は「北側再編施設」として相互に調整を図り
ながら整備していくとしています。テニスコートは公園北側内に移設して整備することを基
本とし、あわせて駐車場はテニスコート下部への多層化を検討していくとしています。また、
児童プール・相撲場は、屋外施設として公園北側に再編するとしています。
4
②駐車場・動線等の方針
ア 駐車場
附置義務駐車場は、利用者の利便性を考慮し、各施設への整備を基本とし、
敷地内で入庫・出庫時の滞留スペースを十分確保するよう配慮していくとして
います。
b
a
市民館
区役所
共用P
P
スポーツ・文化
複合施設
北側再編施設
a
P
川崎競輪場
P
a
a
c
P
長方形競技場
P
P
駐車場(配置は各施設計画で検討)
自動車動線(施設内滞留スペース含む)
a
各施設附置義務駐車場
イ
b
200 台程度の共用駐車場
c
エントランスゾーン南側緑化駐車場
自転車駐輪場
自転車駐輪場は、川崎駅周辺を含めたまちづくりにおける重要課題の一つで
あることから、公園利用者の実態なども踏まえ、附置義務駐輪台数を適切に整
備していくとしています。
③景観形成の検討方針
富士見周辺地区は、広域拠点として整備を進めている川崎駅周辺をはじめと
する周辺のまちづくりと連携しながら、緑のある都心のオアシスとなる公園の
実現に向けて、富士見公園全体としての景観形成に十分配慮していく必要があ
り、公園全体を段階的に整備していく中で、公園の魅力形成に資する公共空間
となるよう、全体の整合を図りながら進めていく必要があります。
このことから、スポーツ・文化複合施設についても、景観形成の観点から、
拠点施設として公園施設にふさわしい景観を検討していく必要があるとして
5
います。
○公園の魅力形成に資する景観形成
⇒川崎市景観計画に基づき、各施設及び公園整備のガイドラインとなる方針を検討
・景 観 軸:川崎駅からの軸⇔富士見通り(緑の並木)⇔海への軸
プロムナード(歩行者の回遊空間となる緑に軸)
・拠点施設:スポーツ・文化複合施設、川崎競輪場、長方形競技場、市民館・区役所
◆各施設のゾーンに対応した空間構成、デザインコンセプト
→文化・教育、交流、活気、スポーツ活動、憩いと語らい
◆大規模施設における重点的な配慮
・公園施設:公園全体の景観形成
④防災機能の導入方針
地域防災計画等との連携を図りながら防災機能を付加するよう、整備の機会を
とらえた防災機能の充実を検討していくとしています。
(既存施設の防災機能)
施設名
地域防災計画上の防災機能
川崎市体育館
遺体安置所
川崎市体育館前
災害時応急給水拠点
教育文化会館
避難所の補完施設
6
2 既存施設の概要と利用ニーズの把握
2-1
既存施設の概要
既存施設である川崎市体育館、川崎市教育文化会館(以下、「教育文化会館」と
いう。)ホール及び富士見公園弓道場の概要は下表のとおりとなっています。
川崎市体育館は、市民体育の振興並びに文化の向上を図るための事業その他各種
集会の用に供することを目的として、昭和 31 年(1956 年)3 月に開館した施設です。
教育文化会館は、市民の教育及び文化の振興並びに福祉の増進に寄与することを
目的として、昭和 42 年(1967 年)4 月に開館した施設です。
富士見公園弓道場は、公園施設として昭和 54 年(1979 年)に開設しました。
施設名称
川崎市体育館
教育文化会館ホール
所在地
川崎市川崎区富士見 1 丁目 1 番 4 号
川崎市川崎区富士見 2 丁目 1 番 3 号
構造規模等
敷地面積:5,803.62 ㎡
敷地面積:3,721.00 ㎡
延床面積:6,455.38 ㎡
延床面積:15,137.85 ㎡
構造等:鉄骨鉄筋コンクリート造・地下
構造等:鉄骨鉄筋コンクリート造・地下 1 階地上
1階地上 2 階建て
6 階建て
※施設全体を掲載
主な施設
体育室(大ホール):1,487 ㎡
大ホール:1,412 ㎡
内容
客席:1,496 席
うち、舞台:約 320 ㎡ (開口幅 20m×奥行 12m)
トレーニング室:165 ㎡
客席:1,961 席
補助ホール:205 ㎡
楽屋(第 1~4):243 ㎡
展示室:286 ㎡
リハーサル室:78 ㎡
会議室(第 1~第 2):88 ㎡
※ホール関連機能を掲載
主な利用
大会(卓球・フットサル・バドミントン
吹奏楽・音楽演奏(中学・高校コンクール等)、集
内容
等)、スポーツデー(卓球・体操等)、
会(講演会・式典・研修会・説明会等)、コンサー
一般利用(バドミントン・マーチング
ト・音楽鑑賞、舞踏、合唱等
等)、トレーニング等
利用時間
午前 9 時から午後 9 時 30 分まで
午前 9 時から午後 9 時 30 分まで
休館日
年末年始、施設点検日(原則第 4 月曜日)
第 3 月曜日(休日に当たる場合はその直後の休日で
ない日)、年末年始、施設点検日
※
川崎市体育館の「体育室」の施設名称は、川崎市体育館条例では「大ホール」となっています。
7
施設名称
富士見公園弓道場
所在地
川崎市川崎区富士見 1 丁目 1 番 6 号
構造規模等
敷地面積
850.00 ㎡
延床面積
310.50 ㎡
主な施設
和弓・洋弓兼用 8 人立
内容
矢道 28m
主な利用
大会(市民大会・障害者スポーツ大会等)、
内容
講習会、記録会、射会、個人利用
利用時間
午前 9 時から午後 8 時まで(土・日曜日、
祝日は、午後 5 時まで)
休館日
月曜日、年末年始
8
2-2
利用者ニーズの把握
平成 21 年度に施設利用団体等を委員とする「仮称市民アリーナ基本計画検討委
員会」を組織して施設の機能・規模に関する検討内容をまとめた「基本計画素案」
の作成を行いました。その調査・検討に当たっては、利用者ニーズを把握するため、
既存施設の利用実績を整理・分析するとともに、主要な利用団体にアンケート及び
ヒアリングを実施しました。また、平成 22 年度にはコンベンションの利用動向等
のアンケート調査を実施しました。その主な内容は、次のとおりです。
(1) 既存施設の利用実績
①川崎市体育館
(平成 20 年度)
1) 利用可能日等
・利用可能日 352 日
・利用時間帯 午前 9:00~12:00、午後 13:00~16:30、夜間 17:30~21:30
2) 体育室
体育室は、大会やスポーツデー、一般利用などで幅広く利用されています。
○年間利用状況
・体育室の年間利用可能コマ数は 2,112 コマ(352 日×3 コマ×2 面)です。
・平日の利用で最も多いのは、スポーツデーで、558 コマ(平日全体の 39%)、
次に多いのは、一般利用で 459 コマ(平日全体の 31%)、大会等利用の 228
コマ(平日全体の 15%)となっています。
・休日の利用で最も多いのは、大会等利用 472 コマ(休日全体の 68%)、次に
多いのは、一般利用の 115 コマ(休日全体の 38%)となっています。
(*平日:月曜~金曜日。
休日:土曜日、日曜日、国民の祝日)
(図1)
※単位はコマ (1 日は6コマ(3コマ×2面))
計1,422
計690
9
○大会等利用
・大会等利用で、最も多い種目は卓球であり、休日は 108 コマで休日年間利用数
(690 コマ、9 ページ図1)の 15%、平日は 142 コマで平日年間利用数(1,422 コ
マ、9 ページ図1)の 10%を占めています。
・休日は、フットサルでの利用も多く、130 コマで休日年間利用数の 19%を占め
ています。
・球技以外に、体育大会や書道展等のイベント、武道なども開催されています。
表1
(大会等の種目別の利用状況)
単位:コマ
・大会別の利用者数の多い大会の上位は下表のとおりです。
・大会別の利用者数が 1,000 人以上の大会等は5件あり、球技以外に、一輪車競
技やプロレス興行、ダンス大会なども行われています。
・興行系の大会等としては、プロレスのほかバレーボールやフットサルなどがあ
ります。
表2
(大会別の利用者数)
単位:人
開催年月日
曜日
大会名
1
H20.12.14
日曜
関東オープン一輪車競技大会
一輪車
1,500
2
H20.10.4
土曜
プロレス興行
プロレス
1,200
2
H21.2.14
土曜
V チャレンジリーグ富士通ホームゲーム
バレーボール
1,200
3
H20.6.15
日曜
芸能人女子フットサルサポーターイベント
フットサル
1,100
4
H20.11.9
日曜
市制記念ダンス大会
社交ダンス
1,000
5
H20.5.18
日曜
川崎総合強化リーグ卓球大会
卓球
950
6
H21.3.15
日曜
芸能人女子フットサルサポーターイベント
フットサル
900
6
H21.3.28
土曜
都道府県ジュニアバスケットボール大会
バスケットボール
900
7
H20.12.20
土曜
秋季市民卓球大会
卓球
890
8
H21.1.12
月曜
川崎市子ども会連盟羽根つき大会
羽根つき大会
800
8
H21.2.15
日曜
V チャレンジリーグ富士通ホームゲーム
バレーボール
800
10
種目
利用人数
○スポーツデー(個人利用日)の利用
・スポーツデーの利用件数合計は 642 コマで、卓球、体操・バドミントン、健康
体操の件数が多くなっています。
・年間利用者数は合計 30,818 人で、健康体操の利用者数が多くなっています。
また、曜日別でみると、土曜日の利用者数は年間合計 2,039 人で、平日(月・
火・水・金曜日)の利用者数の合計は 28,779 人となっており平均すると 7,194
人で、土曜日よりも平日の利用者数が上回っています。
表3
(スポーツデーの利用件数・利用者数)
種目
卓球
体操・バドミントン
健康体操
バスケットボール
バドミントン
合計
単位:コマ、人
曜日・時間
件数(コマ)
水曜(午後・夜間)
火曜(午後・夜間)
月曜・金曜(午前)
第4土曜(午前・午後)
第2土曜(午前・午後)
利用者数
210
192
156
44
40
642
8,919
9,729
10,131
1,351
688
30,818
コマあたり
利用者数
42.5
50.7
64.9
30.7
17.2
48.0
○一般利用
・一般利用では、種目別利用コマ数で最も多いのはバドミントンで、平日で 153
コマとなり平日の年間利用コマ数(1,422 コマ、9 ページ図1)の 11%を占め
ています。次いで、マーチング、バスケットボール、卓球、フットサルの順と
なっています。
・全体に球技が多くなっていますが、球技以外のマーチングの利用が 2 番目に多
くなっています。
表4
(一般利用の種目別の利用状況)
順位
1
2
3
4
5
6
種目
バドミントン
マーチング
バスケットボール
卓球
フットサル
バレーボール
その他
合計
単位:コマ
休日
9
50
33
2
16
4
1
115
11
平日
153
84
65
69
46
16
42
459
合計
162
134
98
71
62
20
47
574
3)トレーニング室
・トレーニング室の利用人数は、平成 18~20 年度には年間 20,000 人を超えてい
ます。
(図2)
単位:人
4)補助ホール
・補助ホールの年間利用可能コマ数は 1,056 コマ(352 日×3 コマ)です。
・年間利用コマ数は 960 コマで、96 コマは空きとなっています。
・種目別利用コマ数で最も多いのは、社交ダンスの 262 コマで、次に多いのは、健
康体操の 99 コマ、ジャズダンスの 88 コマとなっています。
(図3)
単位:コマ
12
5)展示室
・展示室の年間利用可能コマ数は 1,056 コマ(352 日×3 コマ)です。
・年間利用コマ数は 924 コマで、132 コマは空きとなっています。
・種目別利用コマ数で最も多いのは、スポーツデーの 292 コマで、次に多いのは、
太極拳の 162 コマ、スポーツ教室の 124 コマとなっています。
(図4)
単位:コマ
6)会議室(第 1・第 2)
・各会議室の年間利用可能コマ数は 1,056 コマ(352 日×3 コマ)です。
・年間利用コマ数は第 1 会議室 381 コマ、第 2 会議室 287 コマで、第 1 会議室 675
コマ、第 2 会議室 769 コマが空きとなっています。
・種目別利用コマ数で最も多いのは、第 1、第 2 会議室ともに歌・演奏で第 1 会議
室 174 コマ、第 2 会議室 165 コマとなっており、次に多いのは、第 1 会議室は
会議の 88 コマ、第 2 会議室は学習会の 39 コマとなっています。
(図5)
単位:コマ
卖位:コマ
13
②教育文化会館ホール (平成 19 年度)
ホールは、吹奏楽・音楽演奏、集会、コンサート・音楽鑑賞など多様な演目に
利用されています。
1) 利用可能日等
・利用可能日
320 日(点検日、休館日を除く)
・利用時間帯 午前 9:00~11:30、午後 12:30~16:30、夜間 17:30~21:30
・利用可能コマ数
2) 年間利用状況
960 コマ(320 日×3 コマ)
・平日は、年間利用可能コマ数 624 コマのうち利用は 270 コマ、休日は、利用可能
コマ数 336 コマのうち利用は 271 コマです。
・休日は空きが 19%ですが、平日は空きが 57%となっています。
(図6)
単位:コマ
計 624
計 336
・吹奏楽・音楽演奏での利用が多く、休日と平日を合わせて 151 コマの利用とな
り、平日では平日利用の 24%、休日では休日利用の 31%となっています。
・平日は集会での利用が最も多く、平日利用の 28%となっています。
(図7)
単位:コマ
計 270
計 271
14
3) 規模別・種類別の利用
・近隣に立地する労働会館ホールの客席数(約 800 席)以上の規模での利用は、平
日は 140 コマで平日利用コマ数の 52%、休日は 167 コマで休日利用コマ数の
62%となっています。
・リハーサル・練習での利用は、平日が 89 コマで平日利用コマ数の 33%、休日
は 56 コマで休日利用コマでの 21%となっています。
(図8)
単位:コマ
計 270
計 271
4) 利用団体別内訳
・平日・休日ともに民間企業等の利用が最も多く、平日は 119 コマで平日利用コ
マ数の 44%、休日は 87 コマで休日利用コマ数の 32%となっています。
・民間企業等の利用は、利用目的別では集会が最も多くなっており、次いで、舞
踊、コンサート・音楽鑑賞の順になっています。
・学校関係の利用は、利用目的別では中学・高校等の吹奏楽・音楽演奏や合唱が
多くなっています。
・市民団体の利用は、休日が多く、利用目的別では舞踊が最も多く、次いで吹奏
楽・音楽演奏、集会の順になっています。
・興行での利用は、利用目的別ではコンサート・音楽鑑賞が最も多く、ミュージ
カルや芸能も行われています。
・行政関係の利用は、利用目的別では集会が最も多く、他に、吹奏楽・音楽演奏
やイベント等が行われています。
15
(図9)
単位:コマ
計 270
計 271
表5 利用目的別・団体種別の利用コマ数
コン サー
ト・ 音楽鑑 合唱
賞
吹奏楽・
集会
音楽演奏
団体種別
卖位:コマ
舞踊
民間企業等
26
87
30
学校関係
96
15
11
22
市民団体
18
14
6
6
合計
40
11
17
151
133
83
ミュー ジカ
演劇
ル
イベン ト
7
撮影・ 録
音
3
合計
13
206
144
31
36
興行
行政関係
芸能
8
6
8
28
71
2
11
25
17
9
98
8
52
41
17
3
13
541
5) コンベンション機能
・教育文化会館ホールでは、コンベンションの要素を持つ催事は、利用目的では
「集会」に分類されており、民間企業等や学校関係による講演会、式典、研修
会、説明会等が実施されています(平成 19 年度実績
59 件(133 コマ) リ
ハーサルを含む)。
・なお、川崎市体育館の体育室では、書道展や就労面接会が実施されています(平
成 20 年度実績 2 件(24 コマ))。
16
(2)利用者ニーズの把握
川崎市体育館及び教育文化会館ホールの利用状況及び利用者ニーズの把握を図
るため、以下のとおりアンケート調査とヒアリングを実施しました。
○調査日程
平成 21 年 11 月~平成 22 年1月
○調査対象団体
川崎市体育協会、川崎市中学校体育連盟、川崎区文化協会、川崎市レクリエー
ション連盟、川崎吹奏楽連盟、川崎市総合文化団体連絡会など合計 13 団体
○調査方法
アンケート調査表を送付し、回答を書面で回収しました。また、一部団体には
ヒアリングを調査で追加実施しました。
①川崎市体育館に対する改善要望事項
○施設について
・大会時の利用諸室として、役員席の隣に打合せのできる会議室があると便利で
ある。また、審判、役員用の控室(4 室程度)、IT対応の記者室、インタビ
ュー室が欲しい。
・現在のロッカー、更衣室、シャワー室等のバックヤードは、天井が低く、室内
は狭く、暗いので改善が必要である。
・大会での応援者が増えてきているので、客席は、2,000~2,500 席は欲しい。
・大会実施日と競輪開催日が重なると駐車台数が不足するため、駐車場の駐車台
数を増やして欲しい。
・バドミントンコート数を増やして欲しい。
・ハンドボールの室内大会が実施できるようにして欲しい。正規の大きさのコー
トをできれば 2 面展開できる広さ、設備が整うとうれしい。
・障害者トイレの設置やトイレ便器の洋式化が必要である。
・搬入動線について、車両を横付けして大きな荷物が搬入できると良い。
○設備について
・大体育室にせり出し型のロールバックチェアを採用して欲しい。
・空調設備を充実させて欲しい。特に夏季大会の際の熱中症対策として、冷房設
備が不可欠である。
・空調設備からの送風が下方に向かうと、バドミントンのプレーには影響が大き
い。風向きについて考慮して欲しい。
・2 階への昇降について身体障害者への配慮が求められる。客席への車椅子利用
者席の配置や身体障害者用にエレベータの整備が必要である。
・卓球台を増やして欲しい。
17
・ダンススポーツの競技大会を実施する場合、現在はフロアパネルを設置してい
るが、フロアパネルを設置しないで実施できるような設備を整えて欲しい。
・現在、体操競技と新体操競技ではとどろきアリーナを使用しているが、公式大
会ができるように器具を充実し、器具保管倉庫を設置して欲しい。
・置き引きによる盗難が発生しないように、防犯カメラの設置等を希望する。
○運用について
・指定管理者制度導入により、利用時間が相談で決められるので非常によい。大
会によっては午前 8 時に、
大会役員の入場が可能になるように配慮して欲しい。
②教育文化会館に対する改善要望事項
○施設について
・舞台袖をもう尐し広くして欲しい。舞台裏のスペースが狭い。オーケストラピ
ットを上げて使うときの舞台の揺れをなくして欲しい。
・現在は舞台と楽屋が遠い。10~15 名規模の楽屋が 3 室以上欲しい。幅広い出演
者のためにも楽屋は舞台フロアにも必要である。
・リハーサル室は、出演者の増加、楽器類の多様性から、現在の倍の広さが必要
である。また、楽屋やリハーサル室での楽器の音出しの際に、舞台や客席に音
が漏れないようにして欲しい。
・2,000 席規模のホールと 300 席くらいの小ホール(演劇等の実施)があるとよ
い。
・現在は客席数が 2,000 席と多すぎて、演劇の上演には不向きである。客席中段
までの傾斜がなく舞台が見づらい。
・ロビー売店がなくなったことに不便さを感じる。
・道具類の搬入動線について、搬入口に駐車スペースを十分確保して欲しい。現
在は搬入用トラックの駐車スペースがなく、搬入用リフトも狭い。搬入しても
舞台袖が狭いため、置き場を確保して欲しい。
・楽屋での盗難を防止するため、外部からアクセスについて、セキュリティの強
化が必要である。
○設備について
・常設器具・備品について、現在は老朽化しており使い勝手も良くない。舞台幕
の数が尐ない。シルクスクリーンがあるといい。
・舞台照明を充実して欲しい。
・現施設は玄関からホール入口にエレベータ等が通じていない。玄関からホール
入口までのエレベータ又はエスカレータを設置して欲しい。また、車椅子利用
者席を増やして欲しい。
18
・盗難防止のためにもロッカーが必要だが、絶対数が不足している。容量の大き
なロッカーも必要である。
○運用について
・月 5 日以上利用できるように、利用回数の制限を緩和して欲しい。
・利用時間について、夜間利用はもう尐し幅があってもよい。上演終了後の撤去
時間を午後 10 時半くらいに延長して欲しい。
・現在は、朝の利用開始時刻が午前 9 時となっているが、リハーサルや搬入、仕
込み時間(準備する時間)として、
開始時刻を 30 分間早めてもらえると助かる。
19
③コンベンション運営事業者へのヒアリング
1)ヒアリング対象企業
コンベンション機能を有する公共施設の運営実績(指定管理者制度、PFI 事業
等)がある民間事業者にヒアリングを実施しました。
2)ヒアリング内容
○コンベンションニーズの傾向
・近時の経済環境(リーマンショック等)を反映して、全般的に横ばい傾向にあ
る。国際的な大型コンベンションは立地、アクセスの観点から首都圏に集中し
ているが、全般的には施設の供給過多の状況にある。利用目的別では、国際会
議、学会、見本市、企業の販売促進インセンティブ興行等があるが、最近は特
に民間企業の利用ニーズが落ち込んでいる。
○コンベンション施設としての留意事項
・体育館で見本市等を開催する際には、食事を準備するパントリーの設置や音、
匂い、室内温度を調節できる空調設備が必要になる。
・また、コンベンションに対応した床荷重を設計するとともに、運営段階では体
育館の建物を傷つけないよう床の養生についても配慮する必要がある。
○コンベンションでの利用可能性
・東京都内のあるホールの運用実績では、地元企業による展示会や集会、大学の
同窓会パーティー等で利用するケースが多く、比較的稼働率が高い。
・体育館とホールを有する施設の特性を活かすため、地元を中心に新しいコンベ
ンションニーズの開拓が求められる。従来型の卖発の見本市ではなく、体育館
を「見本市」で使用しながら、著名人の「講演会」をホールで開催したり、商
談交渉したりできる「会議室」を準備する等、複数の機能をパッケージ化した
使用方法を提案することも方策である。
・大規模コンベンションの開催は年1~2 回であることを考慮すると、高いスペ
ック(性能)のコンベンション機能を備えた施設とすることはリスクが高い。
本施設の特徴を生かせるよう、スポーツ系・文化系両機能の間をつなぐ用途と
してコンベンション機能を位置付け、地域における潜在的な利用者のニーズ等
の把握をしていく必要がある。
20
④コンベンションニーズに関するアンケート調査
市内企業を中心にコンベンションの開催実績や今後の利用動向を把握するため、
アンケート調査を実施しました。
○調査日程
平成 22 年 9 月
○調査対象団体
川崎商工会議所会員企業・団体のうち、従業員規模の大きい上位 53 社(従業
員 400 名以上)
○調査方法
アンケート調査表を送付し、回答を書面で回収しました(回収率 50.9%(27 社))
1) コンベンションの開催実績
過去 3 か年にコンベンションを実施した企業・団体は、回答のあった 27 社の
うち 7 社が実施しており、開催実績は次のとおりでした。
過去 3 か年における開催実績
開催の頻度
卖位:社
1~3 回
4~6 回
7~9 回
10 回以上
会議系コンベンション
2
0
0
3
展示会系コンベンション
4
0
0
0
【会議系コンベンションの実施内容】
実施内容
研修・ワークショップ
主催者
製造業の事業所
利用施設
産業振興会館
開催頻度
開催期間
参加人数
1 年に1回
半日
100 人~499 人
(幸区)
研修・ワークショップ
保険会社の支社
労働会館(川崎区) 1 年に 2 回
半日
100 人~499 人
講演会・フォーラム・
製造業の工場
労働会館(川崎区) 1 年に1回
半日
100 人~499 人
商社の本社
サンワークかなが
半日
100 人未満
シンポジウム
会議・協議会
1 年に 2 回
わ(川崎区)
【展示会系コンベンションの実施内容】
実施内容
主催者
利用施設
開催頻度
開催期間
参加人数
自社卖独の展示会・見本市
製造業の事業所
ラゾーナ川崎プラ
ザ(幸区)
不定期
3 日以上
100 人~499 人
自社卖独の展示会・見本市
金融機関の本社
とどろきアリーナ
2 年に1回
2 日~3 日
2,000 人以上
1 年に1回
2 日~3 日
100 人未満
(中原区)
業界動向の展示会・見本市
製造業の事業所
東京ビッグサイト
(東京都江東区)
21
2)今後のコンベンションの開催意向
今後のコンベンションの開催意向については、開催予定ありが 37%、開催予
定なしが 59%でした。
3)スポーツ・文化複合施設の利用意向
コンベンション機能での利用については、是非利用したい及び施設等の内容
によっては利用したいの利用したいが 52%、利用予定はないが 44%でした。
22
3
スポーツ・文化複合施設の整備に当たっての考え方
3-1
施設整備の課題
スポーツ・文化複合施設の整備に当たっては、次の課題を踏まえる必要があります。
(1)富士見公園の再生への寄与
スポーツ・文化複合施設の整備に当たっては、市民の利便性の向上や安全性の確保
に努めるとともに、スポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点機能を強化するこ
とにより、都心における総合公園にふさわしい富士見公園の再生に寄与することが求
められています。
(2)既存施設の老朽化への対応
現在の川崎市体育館及び教育文化会館等は、これまで改修・補修工事等に取り組ん
できていますが、川崎市体育館は築55年、教育文化会館は築44年を経過していること
もあり、施設・設備の老朽化が進んでいます。また、川崎市体育館にエレベータが設
置されていないなどユニバーサルデザインへの配慮の面でも課題があります。
(3)富士見周辺地区整備との連携
スポーツ・文化複合施設は、施設規模が大きく、整備には一定の期間を要すること
から、富士見周辺地区に立地する他の市民利用施設等の再編整備と連携を図りつつ、
効果的・効率的に整備を進める必要があります。
3-2
課題解決の方向性
平成 21 年度における仮称市民アリーナ基本計画検討委員会での調査検討では、利
用者ニーズの把握等を通じて、様々な課題が明らかになりました。また、現在の川崎
市体育館及び教育文化会館等は、これまで改修・補修工事等に取り組んできています
が、老朽化が進むとともに、バリアフリーの面などでも課題があります。このことを
踏まえて課題解決の方向性を次のとおり整理しました。
(1)体育館とホールを持つ複合施設を一体的に整備することで、スポーツ・文化・レ
クリエーション活動の拠点機能の強化を図ります。
・スポーツや文化、レクリエーション、コンベンションなど多目的な市民の活動に
対応できる施設とします。
・市民や来訪者が交流する拠点施設として、施設と公園が一体になった賑わいと活
気を創出します。
(2)老朽化した既存の施設・設備を建替え・更新することで機能性の向上を図ります。
・利用頻度の高い現在の施設が、これまで果たしてきた機能を引き続き確保しなが
ら、施設・設備の充実を図ります。
・市民や来訪者に親しまれる、誰もが利用しやすい施設とします。
23
・ユニバーサルデザイン、地球環境への配慮など、社会環境の変化に伴う新たな課
題に対応できる施設とします。
(3) 富士見公園の魅力を高め、最大限に活かすために、周辺市民利用施設や川崎区
役所等の再編整備の取組を踏まえた施設整備を図ります。
・富士見公園の玄関口にふさわしい景観形成を行い、富士見公園の一体性や周辺の
施設・緑地・広場との連携や回遊性に配慮した施設とします。
・富士見公園内に立地する公園施設として、日影等に配慮するなど周辺環境との調
和を図ります。
3-3
整備に当たっての基本的な考え方
課題解決の方向性を踏まえて、施設整備に当たっての考え方を次のとおりとしま
す。
(1)整備の場所
・スポーツ・文化複合施設は、地区スポーツセンターとしての機能に加えて、全
市の体育館やホールとしての機能を有する多目的な施設であることから、富士
見公園の玄関口に位置し、川崎駅からのアクセスがよい「現在の体育館、児童
プール及びテニスコート 2 面程度」を敷地として整備を図ります。
・「市民館・区役所」との施設連携を考慮して、「市民館・区役所」に近接した
場所に整備します。
(2)一体的な整備
・体育館とホールが持つ固有の機能を十分発揮することに加えて、複合施設とし
て一体的な整備を図ることで、展示や講演会を連携させたコンベンション機能
として活用するなど、複合化の利点を活かして、多様な利用者ニーズへの対応
を図ることで、効果的・効率的な管理運営を行います。
(3)防災機能の強化と地球環境への配慮
・広域避難場所である富士見公園内の公園施設として、地域防災計画等との連
携により、停電時に備えてバックアップ用の電力供給設備を確保するなど防
災機能の強化に取組みます。
・施設内の緑化や自然エネルギー等の利用により、環境負荷低減に取組み、地球
環境に配慮し、富士見公園の再生に貢献します。
(4)施設整備のコンセプト
・スポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点として、多目的な市民の活動に
対応できる施設とします。
・体育館は、主に市民の健康・体力づくりの場として、県・市民大会等が開催で
きる大体育室を配置し、1,300 席程度の客席を設けて「観るスポーツ」を推進
するとともに、現在の川崎市体育館が果たしている機能についても継承してい
きます。
24
・ホールは、市民の文化発信・交流の場として、市民や学校の活動発表等がで
きるホールとし、2,000 席程度の客席を設けるとともに、現在の教育文化会館
ホールが果たしている機能についても継承していきます。
・整備に当たっては、ユニバーサルデザインに配慮するとともに、景観形成や
周辺環境に配慮した空間構成・デザインを確保し、公園との一体感のある空
間を創出していきます。また、会議や展示等のコンベンションニーズへの対
応や「市民館・区役所」との連携による新たな利用形態についても検討しま
す。
スポーツ・文化・レクリエーション活動の拠点
ホール
体育館
•
•
•
•
•
•
市民の健康・体力づくりの場
県・市民大会等が開催できる大体育室
川崎市体育館の機能を継承
市民の文化発信・交流の場
市民や学校の活動発表等ができるホール
教育文化会館ホールの機能を継承
防災機能
•
地域防災計画等との連携による防災機能の強化
一体的な整備
•
•
•
•
•
ユニバーサルデザインへの配慮
景観形成や周辺環境に配慮した空間構成・デザインの確保
公園との一体感のある空間の創出
会議や展示等のコンベンションニーズへの対応
「市民館・区役所」との連携による新たな利用形態の検討
25
4 スポーツ・文化複合施設の基本方針
4-1
建設予定地及び周辺環境
建設予定地は、現在の体育館敷地に、隣接する児童プール及びテニスコート2面程
度を加えた土地で、富士見公園の北側区域の最西端に位置し、川崎駅からアプローチ
する際の富士見公園の導入部となっています。
用途地域としては、商業地域、近隣商業地域及び第2種住居地域が混在しています
が、今後、建設予定地の用途地域を全て商業地域に変更することが予定されています。
また、現在の児童プール及びテニスコートはすでに都市計画公園区域となっています
が、現在の体育館敷地についても、新たに都市計画公園区域に編入する予定です。公
園区域内での建設となることから、都市公園法や川崎市都市公園条例との調整が求め
られます。また、敷地内に京浜急行大師線連続立体交差事業が都市計画決定されてい
るため、施設整備に当たり配慮する必要があります。
建設予定地の单側は幅員約36mの国道132号線に面しており、北側は約8~9
mの道路と接道しています。北側は道路を挟んで共同住宅や保育園と接しており、建
設に当たって、日影等について周辺環境への配慮が求められます。
スポーツ・文化複合施設建設予定地
体育館
裁判所
テニスコート
児童プール
国道 132 号線
教育文化会館
建設予定地の敷地の現況、所在地等は以下のとおりです。
(1)現況
川崎市体育館、児童プール及びテニスコート2面程度
(2)所在地
川崎市川崎区富士見1丁目1番4号ほか
(3)敷地面積
約13,000㎡
26
(4)用途地域
商業地域、近隣商業地域及び第2種住居地域が混在
(商業地域に用途変更する予定)
(5)防火地域
防火地域又は準防火地域
(6)都市計画公園区域 現在の児童プール及びテニスコート2面程度の部分
(現在の体育館敷地も公園区域に編入する予定)
(7)京浜急行大師線連続立体交差事業
敷地内に京浜急行大師線連続立体交差事業が都市計画決定されています。
(8)前面道路
(ア)单側 約36m(国道132号線)
(イ)北側 約8m~9m
(9)地盤
地盤構成は表層より、埋土・沖積層・洪積層であり、いずれの地層もほぼ整
層です。安定した地盤は、地盤面下 23~24mの砂礫層となります。また、地下
水位は地盤面下 1.4mと浅く、地盤面下 6~7mまでは透水性が高くなっていま
す。
(10)交通アクセス
・JR川崎駅及び京急川崎駅から徒歩 15 分です。
・バス交通網の利便性は高いといえます。
(11)周辺施設
・西側には横浜地方裁判所川崎支部・横浜家庭裁判所川崎支部・川崎簡易裁判
所(建物高さ約 22m)が隣接しています。
・北側は道路を挟んで共同住宅・保育園と接しています。
4-2
施設の基本的機能及び性能等
(1)施設の基本的機能及び性能等
スポーツ・文化複合施設の基本構成である「体育館」と「ホール」、「共通部分」
についての基本的機能及び性能等を次のとおりとします。
27
【施設の基本的機能及び性能】
体育館の基本的機能
体育館の備える性能
【大体育室】
・ 室内競技で最も面積を必要とするハンドボールの公
式大会に対応できる規模(フットサル・バスケットボ
ール・バレーボール等にも対応)
【客席】
・ 応援や興行に対応できる席数(1,300 席程度)

多様な競技に対応可能な器具
とバックヤード(器具庫)

大会等開催時の選手や観客等
の円滑な出入場や周辺環境に
配慮した動線
【多目的室】
・ 武道の他、体操・ダンス等にも対応できる規模
【弓道場】
・ 観覧機能を含め、現在の施設以上の規模
【練習場】
・ 大会開催時の練習に対応できる規模
・ 大体育室を補完する小体育室的な機能

観客・競技者のためのユニバー
サルデザインへの配慮
【トレーニング室】
・ 各種トレーニングができる規模
・ 【コンベンション機能】
・ 展示空間等での利用などコンベンションニーズへの
対応
共通部分の備える性能
共通部分の基本的機能

【プラザ】
・ 施設全体の収容人数を考慮した、人溜まり空間(屋
外)
の柔軟な対応

プラザから各階ロビー・ホワイ
エに個別にアクセスできる円滑
な動線

音声や視覚などについて周辺環
【ロビー・ホワイエ】
・ 体育館及びホールの利用者が共用できる人溜まり
空間(屋内)
・ 催事に応じてフレキシブルに利用できる空間
【プレイルーム】
・ 乳幼児が安心・安全に遊べる空間
利用形態に応じた間仕切り等へ
境への配慮

ユニバーサルデザインへの配慮
ホールの基本的機能
ホールの備える性能
【舞台】
・ 現在の施設と同程度の規模

【客席】
・ 多様な演目に対応できる席数(2,000 席程度)
【リハーサル室・練習室】
・舞台と同程度の規模
【楽屋】
・興行での利用も考慮した規模(数室を設置)

多様な演目に対応した舞台機構
(音響反射板・吊りバトン等)
音楽や演劇など多様な演目に対
応可能な音響性能

機材の円滑な搬出入に配慮した
動線
【コンベンション機能】
・基調講演等での利用などコンベンションニーズへの
対応
28

観客・出演者のためのユニバー
サルデザインへの配慮
(2)諸室の機能・規模、主要な性能等
諸室の機能・規模の基本的な考え方及び主要な性能・仕様は次のとおりとします。
①共通部分
プラザ(屋外)
<機能・規模の基本的考え方>
・体育館及びホール共通のエントランス空間
・施設全体の収容人数を考慮した人溜まり空間の確保
・開館前の開場待ち等に対応したスペースとしても活用
<主要な性能・仕様>
・各階のロビー・ホワイエに個別にアクセス可能
・施設内のエアバランスを崩さないように、十分な風除け効果がある風除室
(スペース)を設け、自動ドアを設置
ロビー・ホワイエ(屋内)
<機能・規模の基本的考え方>
・体育館及びホールの利用者が共用できる人溜まり空間
・催事に応じてフレキシブルに利用できる空間
・飲食、物品販売にも対応可能な空間
<主要な性能・仕様>
・チケット販売の応対スペース、壁面に展示等スペースの設置
・利用者が情報交換・情報検索できるサロンスペースの設置
・券売機設置スペースの確保
・電源、電話設備及びLAN設備の設置
管理室
<機能・規模の基本的考え方>
・施設全体の事務所機能(応接室等を含む)、救護室、警備室等
・管理室は人の出入りを見渡せる場所に設置
<主要な性能・仕様>
・カウンター、中央監視・操作、執務・応接、書類等保管、職員更衣等の利用
用途に対応
・電源、電話設備及びLAN設備等の設置
29
プレイルーム(管理室機能の一部)
<機能・規模の基本的考え方>
・利用者の乳幼児が安心して、安全に遊べる空間
・現施設と同程度以上の規模を確保
<主要な性能・仕様>
・床、柱、収納スペース等は乳幼児にあわせた仕様
・特に、乳幼児が転倒により負傷しないように、床はクッション性のある仕上
げとし、柱壁等の出隅部分にはクッション性のあるコーナガードを設置
機械室
<機能・規模の基本的考え方>
・必要な機械設備を配置できる規模
<主要な性能・仕様>
・メンテナンススペースの確保
駐車場
<機能・規模の基本的考え方>
・附置義務駐車台数を確保
<主要な性能・仕様>
・利用者、大会・イベント等の機材搬入、各種出入業者等など、車両の用途別
に駐車スペースを区分
・車いす使用者等が利用できる駐車スペースは施設へのアプローチに配慮した
場所に確保
駐輪場
<機能・規模の基本的考え方>
・附置義務駐車台数を確保
<主要な性能・仕様>
・二段式駐輪場を想定
その他動線部分
<機能・規模の基本的考え方>
・施設規模及び動線計画に見合ったエレベータ、エレベータホール、廊下、階
段等の設置
30
<主要な性能・仕様>
・各階間の備品・機材移動への配慮
・利用者の目的や属性に応じた、円滑な動線・サイン
・敷地内通路への車両の進入に当たって、利用混雑時であっても、周辺道路に
待機車両の列が発生しないように安全でスムーズな道路交通に配慮
・車両出入口は、周辺施設等に配慮し安全な出入を確保
・備品・機材搬出入スペースは必要最小限で確保
②体育館
大体育室
<機能・規模の基本的考え方>
・室内競技として最も広いコートの面積が必要となるハンドボールの公式大会
(1 面分)に対応できる規模を確保
・フットサル、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、卓球及び各
種スポーツイベント、レクリエーション等で使用
<主要な性能・仕様>
・防火のために内装材料の種類を制限する内装制限に留意し、耐荷重や耐衝撃
に配慮した建材を選定。コンベンションでの使用も想定した床荷重への配慮
・床の仕上げは耐磨耗性や清掃のしやすさに留意した建材を選定
・コートの部分利用を想定し、間仕切り用防球ネットを設置できること
・コートライン及び支柱埋込金物の設置は、想定される競技に対応
・バレーボールの支柱及び床器具は堅牢性に十分配慮し、その他、床器具の設
置についても十分な強度を確保
・親子スポーツ教室、尐年スポーツ教室等で想定される各種スポーツ教室の必
要備品を配備
・風向き等に配慮した冷暖房・空調設備の設置
客席
<機能・規模の基本的考え方>
・応援や興行に対応できる席数の確保
・試合観戦がしやすい客席の配置
・1,300 席程度(移動客席を含む)
31
<主要な性能・仕様>
・車いす使用者席など、バリアフリー対応の客席を確保
・ウォーミングアップやクールダウンのためのランニングコースの設置
・各種大会に必要な機材等の搬出入経路の確保
・大会等開催時の選手と観客、他の利用者及び施設管理者の動線に配慮
専用ホワイエ(屋内)
<機能・規模の基本的考え方>
・体育館利用者の人溜まり空間
<主要な性能・仕様>
・談話スペース、壁面展示等のスペースの設置
・自動販売機(清涼飲料水等)の設置
多目的室
<機能・規模の基本的考え方>
・武道の他、体操・ダンス等にも対応できる規模の確保(柔道・剣道各 1 面分
相当)
・主に柔道、剣道、空手、なぎなた等の練習の場として利用を想定
・多目的室の利用者が使う控室機能も確保
<主要な性能・仕様>
・武道に対応した床の仕様
・防火のために内装材料の種類を制限する内装制限に留意するとともに、耐荷
重や耐衝撃に配慮し建材を選定
・壁面鏡、ダンスバー、音響設備の設置
・臭気等がこもらないように通風・換気に配慮
会議室(多目的室機能の一部)
<機能・規模の基本的考え方>
・スポーツ団体等が会議・打合せ等で利用
・総合型地域スポーツクラブの活動拠点等を想定した、クラブハウス機能(事
務室)を含む
<主要な性能・仕様>
・会議、研修、事務作業等の目的用途に合わせてパーティションで区切ること
が可能
・インターネット用の配管、配線を設置
32
弓道場(和弓・洋弓)
<機能・規模の基本的考え方>
・観覧機能を含め、現在の施設以上の規模を確保
・和弓、洋弓については曜日や時間帯等での利用区分等の使い分けを運用面で
工夫
<主要な性能・仕様>
・安土の荷重対応、防矢板、ネット等対応
・矢の飛散による事故などが起こらないように、弓道場の配置を十分に配慮
・標的面の後方及びレーンの側面に防護板、防矢ネット等を設け、安全面には
十分に配慮
練習場
<機能・規模の基本的考え方>
・大会開催時の練習に対応できる機能・規模
・大体育室を補完する小体育室的な機能
・健康体操、ストレッチ、リズムダンス、エアロビクスの使用も想定
<主要な性能・仕様>
・床は滑りにくく、かつ適度に弾力性があるスポーツのしやすい材料を使用
トレーニング室
<機能・規模の基本的考え方>
・利用者の健康増進、筋力トレーニング等を目的とした、各種トレーニングが
できる規模(健康相談コーナ及び体力測定コーナを含む)
<主要な性能・仕様>
・一般利用者向けのウェイトトレーニングマシン、有酸素運動マシン等の設置
・マシン床荷重の配慮。マシンの衝撃を吸収するための保護材、ストレッチゾ
ーンマット、壁面鏡の設置
・臭気等がこもらないように通風、換気に配慮
控室
<機能・規模の基本的考え方>
・講師や招待選手、役員等の控室として利用
・会議スペース、研修スペースとして多目的な利用が可能
<主要な性能・仕様>
33
・役員控室は大体育室が見渡せるようにガラス窓を設置
・スポーツを行う諸室との繋がりを保ちながら、落ち着きのある空間を確保
更衣室
<機能・規模の基本的考え方>
・市民等の一般利用を想定
<主要な性能・仕様>
・ロッカー、シャワーブース、ベンチ等の設置
・パウダースペースの確保
器具庫
<機能・規模の基本的考え方>
・多様な競技に対応した備品を収納できるスペースを確保
<主要な性能・仕様>
・競技種目に応じた可動式専用ラック等を配置
・器具庫は湿気対策を講じ、出隅部分はクッション材で防護
トイレ
<機能・規模の基本的考え方>
・利用者数を考慮した便器個数の確保
<主要な性能・仕様>
・だれもが利用しやすい多機能トイレの設置
搬出入スペース
<機能・規模の基本的考え方>
・機材等の搬出入が適切にできる規模
<主要な性能・仕様>
・大会等の開催時、車両からの荷捌き作業が円滑に行えるなど、効率的な搬出
入への対応
34
③ホール
舞台
<機能・規模の基本的考え方>
・現施設と同程度の規模を確保
<主要な性能・仕様>
・円滑な場面の転換に対応した舞台袖の確保
・多様な演目に対応した音響反射板及び吊りバトン数の確保
・円滑な機材の搬出入に配慮した機構の確保
・舞台裏の動線への配慮
客席
<機能・規模の基本的考え方>
・多様な演目に対応できる席数の確保
・2,000 席程度(移動客席を含む)
<主要な性能・仕様>
・2 階以上の客席については落下防護措置を講じ、安全性に配慮
・車いす使用者席などバリアフリー対応や幼児対応の客席を確保
・舞台との一体感と、ゆとりのある鑑賞空間との両立に配慮
・小規模な催事も可能とするため、1階席部分だけの利用も想定した客席数の
配分や動線、音響面への配慮
専用ホワイエ(屋内)
<機能・規模の基本的考え方>
・ホール利用者の人溜まり空間
・各階の客席数に対応したホワイエの規模を確保
<主要な性能・仕様>
・憩い・談話できるスペースの設置
・ドリンクコーナーや仮設ショップを設置できるスペースの確保
リハーサル室・練習室
<機能・規模の基本的考え方>
・舞台と同程度の規模を確保
<主要な性能・仕様>
・音楽から演劇まで幅広いリハーサルや練習に対応できるリハーサル室を設置
35
・卖独での利用にも対応するとともに、大規模な催事に当たっては臨時の楽屋
としても使えるように舞台等への動線に配慮
・尐人数での練習ができる空間とし、舞台や客席、諸室等に影響が出ないよう
十分な遮音性能を持つ練習室を複数設置
楽屋
<機能・規模の基本的考え方>
・興行での利用も考慮した規模の確保(数室を設置)
・ホール専用の管理室を含む
<主要な性能・仕様>
・舞台や客席、諸室等に影響が出ないよう十分な遮音性能
会議室
<機能・規模の基本的考え方>
・練習室や楽屋、来賓等控室としても兼用でき、部屋の分割が可能
<主要な性能・仕様>
・舞台や客席、諸室等に影響が出ないよう十分な遮音性能
倉庫
<機能・規模の基本的考え方>
・ピアノや音響機材等、大型備品の収納に対応できる規模
<主要な性能・仕様>
・ピアノ庫は、舞台に近く、かつ舞台と同一階とする。ピアノの保管に配慮し
て温湿度管理及びガス消火設備を設置
・舞台まで直接搬出入が可能な動線の確保
トイレ
<機能・規模の基本的考え方>
・客席数を考慮した便器個数の確保
<主要な性能・仕様>
・だれもが利用しやすい多機能トイレの設置
搬出入スペース
<機能・規模の基本的考え方>
36
・機材等の搬出入が適切にできる規模
・大型トラックが横付けできる機能の確保
<主要な性能・仕様>
・大会等の開催時、車両からの荷捌き作業が円滑に行えるなど、効率的な搬出
入への対応
※1 ユニバーサルデザインへの配慮
施設の特質も踏まえながら、高齢者や障害者をはじめ、すべての人にやさしく、
誰もが利用しやすい、ユニバーサルデザインに配慮した施設を整備します。
※2 地球環境への配慮
自然エネルギー等の利用により、環境負荷低減に取組み、環境調査を踏まえた地
球環境に配慮した施設を整備します。
※3
防災機能の充実
地域防災計画等との連携を図りながら防災機能の維持・充実を図ります。
※4
緑化の推進
施設の緑化を図り、施設周辺に整備する広場や緑地と溶け合った緑豊かな空間を
創出します。
※5
コンベンションニーズへの対応
会議や展示等のコンベンションニーズに対応できる施設を整備します。
※6
京浜急行大師線連続立体交差事業への対応
敷地内に京浜急行大師線連続立体交差事業が都市計画決定されているため、建物
計画に際しては、防振ゴムマットを設けることや、内装防振構造とすることなど、
列車等の振動・音響対策を考慮します。
37
■施設構成イメージ(参考)
※この図は、「諸室の機能・規模、主要な性能等」
の要素を施設構成のイメージとして配置したも
のであり、具体的な配置案ではありません。
38
39
5
事業手法及び整備の進め方
5-1
事業手法
スポーツ・文化複合施設の整備に当たっては、富士見公園内に立地する公園施設
であることを踏まえつつ、施設の設計、建設から維持管理・運営までを効果的・効
率的に行っていく必要があります。このことから「川崎市民間活用ガイドライン」
に基づき「行政の関与度」、「安全かつ継続的なサービスの提供とサービスの質の
向上」及び「経済性の確保」の3つの視点から、次の事業手法等を比較検討し、こ
の施設に最も適した事業手法を導入する取組を推進していきます。
(1)従来手法による整備及び指定管理者制度の導入による維持管理・運営
・従来どおり本市が施設の設計、建設等の整備を行い、維持管理・運営を指定管理
者に委ねる手法です。
(2)PFI(Private Finance Initiative)
・施設の設計、建設から維持管理・運営までを一括して民間事業者に委ねることに
よって、民間の資金や経営能力及び技術的能力を積極的に活用して、公共サービス
の効果・効率を高める手法です。
・また、施設運営者を指定管理者に指定することにより指定管理者制度の導入も可
能です。
40
5-2
整備の進め方
整備の進め方については、上位計画である「富士見周辺地区整備実施計画」に基
づき、「先行整備期間」(平成 23~25 年度)と「整備推進期間(前期)」(平成 26
~29 年度)に分かれます。
「先行整備期間」(平成 23~25 年度)には、民間活力の導入による事業手法の検
討、実施方針等の策定、設計着手及び関係法令手続き等の取組を進めていきます。
その後の「整備推進期間(前期)」(平成 26~29 年度)内に、既存施設の解体工
事を行った後、スポーツ・文化複合施設を整備する本体工事を行い、供用を開始し
ます。
なお、「整備推進期間(前期)」(平成 26~29 年度)の具体的な実施に当たって
は、財政の平準化と費用対効果の最適化を図り、富士見公園内の既存施設の適切な
維持管理を行いながら、中長期的な整備手順によって計画的に再編整備を進めてい
く必要があることから、次期実行計画等の策定と合わせて調整していくことになり
ます。
そのことを踏まえた整備の進め方を下表に掲げます。
【参考】 整備推進期間(後期)(平成 30~33 年度)
Aグループでは「北側再編施設」(テニスコート・駐車場・児童プール・相撲場)の
整備や「市民館・区役所」の整備、单北施設間の連携を図るデッキ等の検討を行います。
41
参考資料:仮称市民アリーナ基本計画検討委員会について
1. 設置要綱
仮称市民アリーナ基本計画検討委員会の設置及び運営に関する要綱
(目的)
第 1 条 この要綱は、仮称市民アリーナ基本計画検討委員会の設置及び運営に関し、必要
な事項を定めるものとする。
(設置)
第 2 条 「富士見周辺地区整備基本計画」等富士見公園に関する計画に基づき、ホール機
能を有する仮称市民アリーナの整備に向けた基本計画についての意見を聞くため、仮称市
民アリーナ基本計画検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第 3 条 委員会は、次の項目について検討する。
(1)施設のスポーツ機能・規模等に関すること
(2)施設のホール機能・規模等に関すること
(3)施設その他の機能・規模等に関すること
(4)その他必要事項に関すること
(構成)
第 4 条 委員会は、別表に掲げる団体から推薦された者、又は行政の職にある者を委員と
して構成する。
(委員長及び副委員長)
第 5 条 委員会に委員長及び副委員長を置く。
2 委員長及び副委員長は、委員の互選とする。
3 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
4 副委員長は委員長を補佐し、委員長に事故あるときはその職務を代理し、委員長が
欠けたときはその職務を行う。
(代理出席)
第 6 条 委員は、やむを得ない事情により委員会に出席できないときは、代理者を出席さ
せることができる。
2 前項の代理者は、委員とみなす。
第 7 条 検討委員会の会議は、委員長が召集し、その議長となる。
(意見聴取)
42
第 8 条 検討委員会は、必要があるときは、学識経験者等関係者の出席を求め、その意見
を聴くことができる。
(設置期間)
第 9 条 検討委員会の設置期間は、平成21年10月より平成22年3月までとする。
(庶務)
第 10 条 検討委員会の庶務は、教育委員会教育環境整備推進室において処理する。
(その他)
第 11 条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員
会に諮り決定する。
附 則
1 この要綱は、平成 21 年 9 月 29 日から施行する。
別表(第4条関係)
団体名及び職名
財団法人 川崎市体育協会
川崎区体育指導委員会
川崎市総合文化団体連絡会
川崎区文化協会
委
員
財団法人 川崎市身体障害者協会
川崎区連合町内会
川崎市小学校長会
川崎市中学校長会
川崎市レクリエーション連盟
川崎商工会議所
川崎市教育委員会生涯学習部長
川崎市教育委員会生涯学習推進課長
川崎市教育委員会スポーツ課長
※ 平成 21 年度に「仮称市民アリーナ基本計画検討委員会」による調査検討を行った際には、
整備する施設の名称として「仮称市民アリーナ」を用いていましたが、体育館とホールを
持つ複合施設を整備すること等を踏まえて、現在は「スポーツ・文化複合施設」という名
称を使用しています。
43
2. 委員名簿
団体名
役職名
氏名
財団法人 川崎市体育協会
専門委員
中野
川崎区体育指導委員会
委員長
森
教祐
川崎市総合文化団体連絡会
会計
関
昭三
川崎区文化協会
会長
金岩
勇夫(○)
財団法人 川崎市身体障害者協会
田島支部長
宮田
正行
川崎区連合町内会
会長
弾塚
誠
川崎市小学校長会
書記
木村
俊彦
川崎市中学校長会
保健体育科部会長
渡邉
寿久
川崎市レクリエーション連盟
副会長
岡野
恵美子
川崎商工会議所
工業部会長
寺尾
宇一
川崎市教育委員会生涯学習部
部長
沼田
正美
川崎市教育委員会生涯学習推進課
課長
夏井
美幸
川崎市教育委員会スポーツ課
課長
渡辺
英一
◎:委員長 ○:副委員長
3. 開催経過・検討事項
●第 1 回検討委員会 平成 21 年 11 月 25 日
<検討事項>
・仮称市民アリーナ基本計画検討委員会について
・仮称市民アリーナ整備に向けた取組状況について
・利用状況調査について
・今後のスケジュール等について
●第 2 回検討委員会 平成 22 年 1 月 22 日
<検討事項>
・富士見周辺地区整備基本計画に基づく整備の考え方について
・体育館・ホールの利用状況について
・利用状況調査の結果について
・改善点及び備えるべき性能水準の取りまとめについて
44
敏雄(◎)
●第 3 回検討委員会 平成 22 年 2 月 18 日
<検討事項>
・コンベンション機能に関するヒアリング結果について
・改善点及び備えるべき性能水準の取りまとめについて
・施設の基本構成及び性能について
●第 4 回検討委員会 平成 22 年 3 月 24 日
<検討事項>
・富士見周辺地区整備基本計画に基づく整備の考え方(改訂版)について
・これまでの検討内容の整理
・前回からの積み残し課題について
・スポーツ・文化複合施設-仮称市民アリーナ-基本計画素案について
45
スポーツ・文化複合施設基本計画
2011 年(平成 23 年)10月
川
(お
崎
市
問 合 せ 先)
市民・こども局スポーツ・文化複合施設整備推進室
電話:044-200-3758
FAX :044-200-3911
E-mail
[email protected]
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