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バイオプログラミング第2
榊原 康文、佐藤 健吾
慶應義塾大学理工学部 生命情報学科
ポインタ変数の扱い方
① ポインタ変数の宣言
int *p;
double *q;
② ポインタ変数へのアドレスの代入
int *p;
と宣言した時,p がポインタ変数
int x;
と普通に宣言した変数に対して,
p = &x;
はxのアドレスのポインタ変数
pへの代入
ポインタ変数の扱い方
③ 間接参照(演算子)
*【ポインタ変数名】
例) *p;
により,ポインタ変数が指す変数の実体を
「間接的」に扱える
データ構造とポインタ
構造体とポインタ
n 関数とポインタ
n 配列とポインタ
n 文字列とポインタ
n ポインタ配列
n ポインタのポインタ
n 引数付きmain関数
n
構造体とポインタ
①構造体のポインタ変数宣言:
struct 【構造体タグ名】 *【構造体ポインタ変数名】;
例) struct DATE_DATA
{
int year;
int month;
int day;
};
struct DATE_DATA today;
struct DATE_DATA *pdata;
構造体とポインタ
②構造体ポインタ変数の参照・代入:
【構造体ポインタ変数名】->【メンバ名】
(*【構造体ポインタ変数名】).【メンバ名】 と同じ
例)
pdata=&today; とアドレスを代入した時,
today.year ⇔ (*pdata).year
⇔ pdata->year
関数とポインタ
①ポインタと関数引数:
「値による呼び出し (call by value)」
変数の値を引数として関数へ渡す
「参照による呼出し (call by reference)」
アドレスを引数として関数へ渡す
関数の引数はポインタでなければならない
#include <stdio.h>
int add20(int x);
int add20(int x)
{
x+=20;
return x;
}
void addp20(int *p);
void main(void)
{
int k, m, n;
m=10; n=10;
void addp20(int *p)
k=add20(m);
{
addp20(&n);
printf(”%d %d %d”, k, m, n);
}
30 10 30
*p+=20;
}
関数とポインタ
②ポインタを返す関数
戻り値がポインタとなる関数の宣言
【関数のデータ型】 *【関数名】 (【引数の並び】)
例)
void main(void)
{
int *p;
p=func(10);
}
int *func(int x)
{
int y;
y=x+100;
return &y;
}
リンクによるリスト(linked list)
目的:
ポインタの応用
n 動的な記憶領域の確保
n
リンクによるリスト
n
リストは,配列のような一種のデータ構造
①リストは,項目(要素)を一列に並べるという点
で配列と同じ
②配列では,逐次的な構造が(配列中の位置に
よって)自然に指定される
③リストでは,項目を入れる「節点」の中に次の節
点を明示的に指示するリンク(ポインタ)を入れて
表現する
配列:
char a[5]
A
L
I
S
T
a[0]
a[1]
a[2]
a[3]
a[4]
リンクによるリスト:
A
節点
L
I
S
リンク
T
リンクによるリスト
①リストの先頭の節点を指すダミーの節点を設定して,
これを「head」 (またはroot)で表すことにする
②リスト中で最後に位置する節点として,ダミーの節点を
設定して,これを「tail」で表すことにする
head
tail
A
B
C
NULL
C言語によるリストの実現
n
準備
①記号定数 NULL
ポインタに対する特別な値であることを示す記号
としてゼロの代わりに使われる
② sizeof 演算子 (教科書p-22)
データ型や変数の大きさ(バイト数)を求める演算子
sizeof(【型名または変数名】)
例) sizeof(int)
4バイト
C言語によるリストの実現
③型変換演算子 (キャスト演算子) (教科書p-40)
データ型の一時的変換を行う演算子
(【型】) (【変数または式】)
例) (float) 8
C言語によるリストの実現
④動的に記憶領域を確保するための標準関数
#include <stdlib.h>
malloc (【記憶領域の大きさ(バイト数 n)】)
lnバイトの初期化されていないメモリへのポインタ
を返す
lmallocから返されるポインタは,適当な型に変換
されなければならない
C言語によるリストの実現
⑤記憶領域を解放する
#include <stdlib.h>
free (【解放する記憶領域を指すポインタ】)
l必要の無くなった記憶領域をOSへ返す
lメモリの無駄をなくす
C言語によるリストの実現
n
構造体を使った節点の実現
struct node
{
int key;
struct node *next;
};
node
key
next
自己参照構造体:
構造体の中に,自分自身の構造体を参照するメンバを
含めることができる
C言語によるリストの実現
n
mallocを使った新しい節点の動的な生成
struct node *x;
x=(struct node *) malloc(sizeof(*x));
型変換
標準関数 sizeof演算子
n
初期化
head
tail
struct node *head, *tail;
void listinitialize(void)
NULL
{
head = (struct node *) malloc(sizeof(* head));
tail = (struct node *) malloc(sizeof(* tail));
head->next = tail;
tail->next = NULL;
};
リスト表現を用いた操作
挿入
n 削除
n 参照
n 節点(要素)の並べ変え
n
挿入
head
tail
A
B
C
NULL
X
挿入
head
tail
A
B
C
NULL
X
n 挿入
struct node *insertafter(int v, struct node *p)
{
struct node *x;
x = (struct node *) malloc(sizeof(* x));
x->key = v;
x->next = p->next;
p->next = x;
return x;
p
q
};
n 挿入
struct node *insertafter(int v, struct node *p)
{
struct node *x;
x = (struct node *) malloc(sizeof(* x));
x->key = v;
x->next = p->next;
p->next = x;
return x;
p
x
q
};
v
n 削除
void deletenext(struct node *p)
{
struct node *x;
x = p->next;
p->next = p->next->next;
free(x);
};
p
x
v
q
n 削除
void deletenext(struct node *p)
{
struct node *x;
x = p->next;
p->next = p->next->next;
free(x);
};
p
q
v
n 削除
void deletenext(struct node *p)
{
struct node *x;
x = p->next;
p->next = p->next->next;
free(x);
};
p
q
n 参照
k番目の要素(節点)の値を参照
l リストでは,headからリンクをたどっていくしかない
(kステップかかる)
l 配列では,1ステップ,すなわち a[k] ですむ
配列:
char a[5]
A
L
I
S
T
a[0]
a[1]
a[2]
a[3]
a[4]
リンクによるリスト:
A
L
I
S
T
n
参照
head
tail
A
B
C
NULL
struct node *x;
x = head;
while(x->next->next != NULL)
{
x = x->next;
printf("%d ", x->key);
};
n 節点の並べ変え
ポインタのつけかえのみ
head
tail
A
B
C
NULL
例) Cをリストの末尾から先頭へ移動
n 節点の並べ変え
ポインタのつけかえのみ
head
tail
A
B
C
NULL
n 節点の並べ変え
ポインタのつけかえのみ
head
tail
A
B
C
NULL
n 節点の並べ変え
ポインタのつけかえのみ
head
tail
A
B
C
NULL
3つのポインタのつなぎ変え
今日の課題
■
課題1
– 授業中に紹介したlinked listのプログラ
ムを完全なプログラムにしなさい。main
関数の中でscanfを使って数字を読み込
むこと。
今日の課題
■
課題2
– 課題1で作成したプログラムに、登録し
た値すべてを表示する機能を追加しなさ
い。
今日の課題
■
課題3(発展課題)
– 課題2で作成したプログラムに、登録し
た値が小さい順にソートする機能を追加
しなさい。
考察で期待すること
■
linked listの挿入や削除を理解する
– 各ステップにおけるリストの状態を表示
してみる etc
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